JP2002003707A - 易引裂性2軸延伸ポリエステルフィルムおよびその積層体 - Google Patents

易引裂性2軸延伸ポリエステルフィルムおよびその積層体

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JP2002003707A JP2000182976A JP2000182976A JP2002003707A JP 2002003707 A JP2002003707 A JP 2002003707A JP 2000182976 A JP2000182976 A JP 2000182976A JP 2000182976 A JP2000182976 A JP 2000182976A JP 2002003707 A JP2002003707 A JP 2002003707A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 包装材料に用いる2軸延伸ポリエステルフィ
ルムの優れた透明性、耐久性、寸法安定性、ガスバリア
ー性、耐油性、耐溶剤性、機械強度を損なうことなく、
直線引裂性に加えて、耐衝撃性をも兼備した2軸延伸ポ
リエステルフィルムおよびその積層体の提供。 【解決手段】 ポリエチレンテレフタレート中にポリエ
ーテルエステルエラストマーを5〜30重量%の割合で
細長い島状に分散させた易引裂性を有する2軸延伸ポリ
エステルフィルムであって、該エラストマーはその主鎖
中に平均分子量500〜5000のポリテトラメチレン
グリコールを21〜60重量%含むことおよび該フィル
ムは最小のトラウザー引裂強度が1.5〜3.0N/m
mの範囲にあって且つ該最小引裂強度の測定方向に引裂
直線性を有することを特徴とする2軸延伸ポリエステル
フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は包装材料に好適な2
軸延伸ポリエステルフィルムに関する。更に詳しくは、
本発明は物品の包装を手で容易に引裂いて除去でき、優
れた透明性、耐久性、耐衝撃性、寸法安定性、ガスバリ
アー性、機械強度、耐油性または耐溶剤性を持つ、包装
材料に好適なポリエチレンテレフタレートとポリエーテ
ルエステルエラストマーとの組成物からなる2軸延伸ポ
リエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】雑貨、医薬品または食品等の包装は、2
軸延伸ポリエステルフィルムまたは2軸延伸ポリエステ
ルフィルムとポリエチレンなどのヒートシール可能なフ
ィルムとをラミネートした積層体を包装材料として広く
使用している。2軸延伸ポリエステルフィルムは透明
性、耐久性、寸法安定性、ガスバリアー性、耐油性、耐
溶剤性または機械強度に優れており、包装材料として極
めて好適なものである。ただ、2軸延伸ポリエステルフ
ィルムを用いた包装材料は、その優れた機械強度が災い
し、引裂開封性、特に直線引裂性が乏しいという問題が
あった。この直線引裂性が乏しいという問題は、そのフ
ィルムを包装材料として用いた場合に、手による開封が
困難であったり、開封時に中身の飛散や破損を惹起する
可能性があることから、包装材料の用途によっては致命
的な問題である。
【0003】この乏しい直線引裂性の改善として、平均
分子量600〜4000のポリテトラメチレングリコー
ル単位を主鎖に5〜20重量%含有したポリエーテルエ
ステルエラストマーを、ポリエチレンテレフタレート中
に5〜30重量%の割合で細長い島状に分散させて、直
線引裂性を発現させたポリエステルフィルムが、特開平
11−302405号公報または特開平10−1682
93号公報で提案されている。しかしながら、これらの
公報のポリエステルフィルムは、透明性を損なうことな
く優れた直線引裂性を有するものの、新たに耐衝撃性が
乏しいという問題があることが判明した。そのため、こ
れらの公報のフィルムは、運搬時などに強い衝撃が加わ
る用途や鋭い角を有するような被包装体の用途などで
は、未だ十分なものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、包装
材料に用いる2軸延伸ポリエステルフィルムの優れた透
明性、耐久性、寸法安定性、ガスバリアー性、耐油性、
耐溶剤性、機械強度を損なうことなく、直線引裂性に加
えて、耐衝撃性をも兼備した2軸延伸ポリエステルフィ
ルムおよびその積層体の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の課
題を解決しようと鋭意研究した結果、ポリテトラメチレ
ングリコールを21重量%以上主鎖に含有するポリエー
テルエステルエラストマーをポリエチレンテレフタレー
ト中に均一に分散させることができれば、包装材料に用
いる2軸延伸ポリエステルフィルムの優れた透明性、耐
久性、寸法安定性、ガスバリアー性、耐油性、耐溶剤
性、機械強度を損なうことなく、優れた直線引裂性と耐
衝撃性とを兼備した包装材料が得られることを見出し
た。
【0006】かくして本発明によれば、ポリエチレンテ
レフタレート中にポリエーテルエステルエラストマーを
5〜30重量%の割合で細長い島状に分散させた易引裂
性を有する2軸延伸ポリエステルフィルムであって、該
エラストマーはその主鎖中に平均分子量500〜500
0のポリテトラメチレングリコールを21〜60重量%
含むことおよび該フィルムは最小のトラウザー引裂強度
が1.5〜3.0N/mmの範囲にあって且つ該最小引
裂強度の測定方向に引裂直線性を有することを特徴とす
る2軸延伸ポリエステルフィルムが提供される。
【0007】また、本発明によれば、前述の2軸延伸ポ
リエステルフィルムに、150℃で30分間熱処理した
時の乾熱収縮率が高々8%という熱寸法安定性、また
は、ヘーズが高々10%という透明性を付加した二軸配
向ポリエステルフィルムも提供される。
【0008】さらにまた、本発明によれば、前述の2軸
延伸ポリエステルフィルムを少なくとも1層に使用する
ことを特徴とする包装材料用の積層体も提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の2軸延伸ポリエステルフ
ィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)中に
平均分子量500〜5000のポリテトラメチレングリ
コール(PTMG)単位をその主鎖に21〜60重量%
含むポリエーテルエステルエラストマー(PEE)を5
〜30重量%になるように配合し、該PEEが細長い島
状に分散していることを特徴とする。
【0010】以下に本発明を詳述する。本発明における
PETは、酸成分がテレフタル酸、グリコール成分がエ
チレングリコールからなるポリエステルであり、それ自
体公知の方法で製造できる。具体的にはテレフタル酸ジ
メチルとエチレングリコールからのエステル交換反応
法、あるいはテレフタル酸とエチレングリコールとの直
接エステル化によりオリゴマーを得た後、溶融重合して
得られる。また、該PETは、本発明の効果を損ねない
範囲で他の成分を共重合してもよい。共重合させる他の
成分としては、酸成分はアジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン
酸、イソフタル酸、2−6ナフタレンジカルボン酸、2
−7ナフタレンジカルボン酸、1−5ナフタレンジカル
ボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニル
ジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、アン
スラセンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、またア
ルコール成分はジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ペ
ンタンジオール、ヘキサンジオール等の脂肪族ジオー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレン
グリコールを好ましく例示できる。これらは単独あるい
は2種以上を使用することができる。これらの共重合成
分の割合は、PETの繰り返し単位に対し、高々15m
ol%であることが好ましい。
【0011】本発明のポリエステルフィルムにおけるP
ETとPEEの組成物中のPEEの割合は5〜30重量
%、好ましくは10〜25重量%、さらに好ましくは1
5〜20重量%である。ポリエステルエラストマーの割
合が30重量%を超えると、ポリマーの粘度が高すぎて
安定した製膜が難しく、他方5%未満では、直線引裂性
を発現するに十分な量のPEEの島状構造がPETの海
の中に形成できない。なお、フィルム中のPEEの島状
構造は細長い形状を呈しており、その長径方向はフィル
ムの巻き取り方向にほぼ一致している。
【0012】本発明におけるPEEは、結晶性ハードセ
グメントと非晶性ソフトセグメントからなり、非晶性ハ
ードセグメントとして分子量500〜5000のPTM
GをPEE重量に対して21〜60重量%、好ましくは
25〜55重量%、さらに好ましくは30〜50重量%
の範囲で含んだものである。PTMGの分子量が500
0を超えるまたはPTMGの含有量が60重量%を超え
ると、PETとの相溶性が著しく悪化し安定した製膜が
不可能となる。他方、PTMGの分子量が500未満だ
と、PETとの相溶性が良すぎて直線的な引裂性発現に
必要な相分離構造がPETの海の中に形成できず、ま
た、PTMGの含有量が21%未満だと、PEEが弾力
性に欠け、耐衝撃性の乏しいフィルムしか得られない。
なお、本発明におけるPEEを構成する結晶性ハードセ
グメントとしては、ポリエチレンテレフタレート、また
はポリブチレンテレフタレートなどが挙げられ、特に好
ましいのはポリブチレンテレフタレートである。これら
のPEEは、例えばテレフタル酸とブチレングリコール
を用いて常法にてポリブチレンテレフタレートの重合反
応を行う際に、ポリテトラメチレングリコールを添加す
ることにより得ることができる。
【0013】本発明における2軸延伸ポリエステルフィ
ルムは、フィルムの面方向において、各方向にトラウザ
ー引裂き強度を測定した際に、フィルムのMD方向に沿
って測定したトラウザー引裂き強度が最も小さい値とな
る。換言すれば、フィルムの面方向において、各方向に
トラウザー引裂き強度を測定した際の最も小さい値を測
定した方向がMD方向である。また、本発明における2
軸延伸ポリエステルフィルムは、MD方向とPEEの細
長い島状分散の長径の方向とが同一であることから、ト
ラウザー引裂き強度を測定したの最も小さい値を測定し
た方向に直線的な引裂性を有することになる。
【0014】この機構については、未だ十分に解明でき
ていないが、以下のような機構ではないかと予想してい
る。まず、ポリエチレンテレフタレートとPEEが相分
離し、この状態は前者が海で後者がその海の中に島状に
分散した状態となる。そして、PEEの島状に分散した
粒子が、押出し機内でのせん断力によってポリマーの進
行方向に伸ばされるような変形をうけ、PEEの島状構
造の長径方向は、最終的なポリマーの進行方向であるM
D方向に一致した状態となる。また、島状構造の長径方
向に沿った直線的な引裂き性が発現する機構について
は、長径方向が揃ったことによって、その方向に直交す
る方向のフィルム内の結合力が弱まるためと考えられ
る。
【0015】本発明の2軸延伸ポリエステルフィルム
は、包装の開封し易さの観点から、直線引裂性を有する
方向、すなわち、フィルムの面方向において、各方向に
トラウザー引裂き強度を測定した際の最も小さい値が、
3.0N/mm以下、好ましくは2.5N/mm以下で
あることが必要である。前述の最小トラウザー引裂き強
度が3.0N/mmを越えると、引裂き強度が強く、手
による開封が困難となる。なお、前述の最小トラウザー
引裂き強度の下限については、包装する際の取扱い性の
向上や製膜時の破断防止などの観点から、少なくとも
1.5N/mm、好ましくは2.0N/mm以上である
ことが必要である。このような2軸延伸ポリエステルフ
ィルムは、前述のポリエチレンテレフタレートとPEE
とからなる組成物を溶融状態で冷却ドラム上にダイより
押出した後、MD方向に3.0倍以上、好ましくは3.
2倍以上の延伸倍率で延伸し、TD方向にMD方向の延
伸倍率以下で延伸すれば良い。MD方向の延伸倍率の上
限については、特に限定されないが、高々4.0倍が好
ましく、また、TD方向の延伸倍率の下限については、
2.5倍以上であることが好ましい。
【0016】ところで、前掲の2件の公報では、PEE
中に含有されるPTMGが20重量%を越えると、製膜
性が悪化し、実用に耐え難いような大きな厚み斑を有す
るフィルムしか得られないとある。これに対して、本発
明者らは、この製膜性の悪化の原因が、PTMGの割合
増加に伴うPETとの相溶性の低下で、均一な分散状態
が保てなくなったためと推定した。そして、ダイより溶
融状態のPETとPEEの組成物を押出す直前に、平均
目開き30μm以下のフィルターを通せば、均一な分散
状態を維持でき、21重量%以上PTMGを含有させて
も安定な製膜性を維持できることを見出したのである。
【0017】次に本発明の好ましい態様について以下に
詳述する。本発明における2軸延伸ポリエステルフィル
ムは、透明性を維持する上で、平均粒径が2.5μm以
下の微粒子からなる滑剤を含有する事が好ましい。平均
粒径が2.5μmを越えると、フィルムの透明性が低下
し易く、ヘーズが10%以下という高度の透明性を確保
し難い。この滑剤は無機系でも有機系でもよく、好まし
くは無機系滑剤である。無機系滑剤としてはシリカ、ア
ルミナ、2酸化チタン、炭酸カルシウムまたは硫酸バリ
ウム等が例示でき、有機系滑剤としてはシリコーン粒子
等が例示できる。滑剤の平均粒径の下限については、少
なくとも1.0μmであることがフィルムの製膜性や滑
り性の観点から好ましい。の上記滑剤の添加量としては
その粒径にも依存するが、フィルムの巻き取り性および
透明性に悪影響を及ぼさない範囲で選択すると良い。
【0018】本発明の2軸延伸ポリエステルフィルム
は、150℃で30分間熱処理した際の熱収縮率が、フ
ィルムの面方向において、いずれの方向も高々8%ある
ことが好ましい。フィルムの面方向において、熱収縮率
が8%を越えるような方向があると、ラミネート等の包
装加工や印刷などの際に過度の変形が起きる。より好ま
しい熱収縮率は6%以下、さらに好ましくは4%以下で
ある。このような寸法安定性の優れた2軸延伸ポリエス
テルフィルムは、PEEとPETの組成物を溶融状態で
ダイより冷却ドラム上に押出してから2軸延伸した後、
少なくとも200℃の熱固定温度で熱固定処理を施せば
良い。熱固定温度の上限については、高々250℃であ
ることが好ましい。
【0019】本発明の2軸延伸ポリエステルフィルム
は、厚みが好ましくは6〜25μm、より好ましくは1
0〜20μm、さらに好ましくは12〜15μmの範囲
のものである。厚みが6μm未満では、腰が弱くて静電
気のためにフィルムが手にまとわり付いたり作業性が悪
化する場合がある。他方、厚みが25μmを越えると、
引裂きに要する力が大きくなり手による開封が困難とな
る場合がある。
【0020】本発明の2軸延伸ポリエステルフィルム
は、アルミ蒸着層、ポリエチレンやポリプロピレンとい
ったポリオレフィンフィルムまたはナイロン6、ナイロ
ン66やMXDナイロンといったポリアミドフィルムと
積層したの積層体としてもよい。むしろこのような積層
体は、本発明の2軸延伸ポリエステルフィルムに強度や
ガスバリヤー性といった特性を必要に応じて調整できる
ことから好ましい態様と言える。このような積層体とし
ても、本発明の2軸延伸ポリエステルフィルムの直線引
裂性によって、積層体は優れた直線引裂き性を有する。
【0021】
【実施例】以下に、実施例を掲げて本発明をさらに説明
する。なお、各特性の測定および評価は以下の方法に従
った。
【0022】(1)フィルム厚み 打点式フィルム厚み計(Anritsu、K402B)を用い、フィ
ルム幅方向の任意の場所50箇所、フィルム幅の中心付
近の長手方向で任意の場所50箇所について厚みを測定
し、全100箇所の数平均値をフィルム厚みとする。
【0023】(2)ポリテトラメチレングリコールの平
均分子量 塩化メチレン溶液中(25℃)で固有粘度([η])を測
定し、該固有粘度から以下のSchnellの式を用いて平均
分子量を算出した。 Mv=[log([η]/1.23×10-4)]/0.83
【0024】(3)引裂強度 引裂強度の測定は、JIS K 7128(A法:トラ
ウザー引裂試験)に準じた。測定値(N/mm)の小さ
いものほど引裂き性が良好であり、ポリエステルフィル
ム単体での引裂強度が3.0N/mm以下のものを合格
とした。
【0025】(4)直線引裂性 フィルムのMD方向を、フィルムから切り出す短冊の長
辺に合わせ、4cm×30cmの短冊を切り出した。こ
の短冊の短辺に切れ目を入れて、該切れ目より2つに引
裂いたときの、引裂き開始位置から短冊の短辺方向にお
けるずれを測定した。そして、該ずれを短冊の長辺の長
さ(30cm)で割った値が5%未満のもの合格とし、
各水準ごとに10個の短冊を測定し、その結果から、以
下の基準で判断した。 ○:10個中8個以上が合格する良好な直線引裂性 ×:10個中7個以下しか合格しない乏しい直線引裂性
【0026】(5)ヘーズJIS K7105の測定法
Aに準じた。
【0027】(6)熱収縮率 40cm程の短冊状のフィルム上を長手方向、幅方向に
切り出し、30cmの間隔をあけて2個所の標点をつけ
る。その後150℃に加熱したオーブン内に30分間置
いた後、オーブンから取り出して標点間の距離を測定し
オーブンに入れる前の値(30cm)との差を算出、そ
の差を最初の標点間距離の百分率(%)で表した。測定
は5回行いその平均値を測定値とした。
【0028】(7)相分離粒子の観察方法 フィルムを包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂を用い
て包埋し、ミクロトーム(Reichert-Jung製、UlTRACU
T)にて長手断面、巾断面を50μm厚に薄切りしたサ
ンプルを、3.2%オスミウム酸・60℃・2hrの条
件で蒸気染色を行った後、透過電子顕微鏡(トプコン
製、LEM−2000)によって加速電圧100kVで
観察した。
【0029】(8)耐衝撃性試験 フィルムを半径3cmの枠に固定する。その上に重さ1
40gで先端が半径2mmの半球状になったおもり
(A)を乗せる。さらに該半球状のおもりの上方におも
さ100gのおもり(B)を、おもり(A)の上端から
さらに上方14cmの位置からから落下させて、フィル
ムが破断したかどうかを目視にて確認し、以下の基準で
評価した。 ○:破断が10回中4回以下である良好な耐衝撃性 △:破断が10回中5回である耐衝撃性 ×:破断が10回中6回以上である乏しい耐衝撃性
【0030】[実施例1〜4および比較例1〜4]ジメ
チルテレフタレートとエチレングリコールとを原料とし
て、テトラブトキシチタンをエステル交換触媒、2酸化
ゲルマニウムを重合触媒、亜リン酸を安定剤として用
い、常法により固有粘度(o−クロロフェノール、35
℃)0.62のポリエチレンテレフタレートを製造し
た。また、ジメチルテレフタレートとテトラメチレング
リコールを原料とし、テトラブトキシチタンをエステル
交換触媒、2酸化ゲルマニウムを重合触媒とし、重合時
に表1に示す平均分子量および添加量のポリテトラメチ
レングリコールを添加することで、表1に示す分子量の
ポリエーテルエステルエラストマーを得た。
【0031】上記のポリエチレンテレフタレートとポリ
エーテルエステルエラストマーを表1に示す重量比でチ
ップ状態でブレンドしたものを150℃で5時間乾燥し
た後、押出機ホッパーに供給して溶融温度280℃で溶
融し、目開き25μmのフィルターを通過させてから単
層ダイを用いて表面温度20℃の冷却ドラム上に押出し
て急冷し未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを
80℃に余熱し低速−高速ロール間で赤外線ヒーターを
用いて表1に示す延伸温度、延伸倍率にて製膜方向(M
D方向)に延伸した。次いで、この1軸延伸フィルムを
ステンターに供給し、表1に示す延伸温度、延伸倍率に
て製膜方向に直交する方向(TD方向)に延伸し、その
後220℃にて熱固定を行い2軸配向ポリエステルフィ
ルムを得た。なお、得られた2軸延伸フィルムは、平均
粒径1.5μmの球状シリカ粒子を、0.1重量%滑剤
として添加されていた。
【0032】得られた2軸延伸ポリエステルフィルムの
特性を表1に示す。なお、表1中のPETはポリエチレ
ンテレフタレートを、PEEはポリエーテルエステルエ
ラストマーを、PTMG含有量はPEE中のポリテトラ
メチレングリコールの含有量を示し、MDおよびTDは
それぞれMD方向とTD方向を示す。
【0033】[比較例5]PEEを添加しなかった以外
は、実施例3と同様な操作を繰り返した。得られた2軸
延伸ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】本発明の実施例1〜4の2軸延伸ポリエス
テルフィルムは、MD方向に良好な引裂直線性と3.0
N/mm以下のトラウザー引裂き強度とを有し、良好な
耐衝撃性をも有するものであった。
【0036】これに対して、PTMGの含有量が不足し
ているPEEを用いた比較例1のフィルムでは耐衝撃性
が乏しく、PEEのブレンド量が少ない比較例2のフィ
ルムではPETの海の中にPEEの細長い島状構造を十
分に形成できないため引裂き直線性が悪かった。また、
PEEの割合が過度に多い比較例3のフィルムおよび分
子量が過度に大きいPTMG単位を含有したPEEを用
いた比較例4のフィルムでは、ポリマーの溶融粘度が著
しく高くなり押出機を使った製膜が不可能となった。な
お、PEEを添加せずにPETのみで製膜を行った比較
例5のフィルムは、直線的な引裂性が著しく劣ってい
た。
【0037】[実施例5]実施例1の2軸延伸ポリエス
テルフィルムの片面に、ドライラミネート法によって厚
さ50μmのポリエチレンの層を積層した。得られた積
層体は、MD方向のトラウザー引裂き強度が10N/m
mで、直線引裂性の評価において10個中8個以上が合
格するような良好な直線引裂性を有し、実施例1の2軸
延伸ポリエステルフィルムと同等以上の耐衝撃性を有す
るものであった。
【0038】
【発明の効果】本発明の2軸延伸ポリエステルフィルム
およびそれを少なくとも一層に使用した積層体は、従来
の包装材料に用いる2軸延伸ポリエステルフィルムの優
れた透明性、耐久性、寸法安定性、ガスバリアー性、耐
油性、耐溶剤性および機械強度を損なうことなく、優れ
た直線引裂性と耐衝撃性とを兼備する。そのため、包装
材料として使用した場合は、運搬時などに受ける衝撃に
よって破損することがなく、開封する際は容易に手で引
き裂けるので、極めて作業性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67:00) C08L 67:00) B29K 67:00 B29K 67:00 B29L 7:00 B29L 7:00 (72)発明者 西郷 孝 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人株式会社相模原研究センター内 Fターム(参考) 4F071 AA46 AA47 AF16Y AF30Y AF61Y AH04 BA01 BB06 BB08 BC01 4F100 AK42A AL09A AT00B BA01 BA02 GB15 JA03A JB07 JD02 JK03A JK10 JN01 JN30A YY00A 4F210 AA24 AG01 QC05 QG01 QG18 4J002 CF061 CF102 GG02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレート中にポリエ
    ーテルエステルエラストマーを5〜30重量%の割合で
    細長い島状に分散させた易引裂性を有する2軸延伸ポリ
    エステルフィルムであって、該エラストマーはその主鎖
    中に平均分子量500〜5000のポリテトラメチレン
    グリコールを21〜60重量%含むことおよび該フィル
    ムは最小のトラウザー引裂強度が1.5〜3.0N/m
    mの範囲にあって且つ該最小引裂強度の測定方向に引裂
    直線性を有することを特徴とする2軸延伸ポリエステル
    フィルム。
  2. 【請求項2】 ポリエーテルエステルエラストマーがテ
    トラメチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリ
    コールとの共重合体である請求項1記載の2軸延伸ポリ
    エステルフィルム。
  3. 【請求項3】 150℃で30分間熱処理した時の乾熱
    収縮率が高々8%である請求項1記載の2軸延伸ポリエ
    ステルフィルム。
  4. 【請求項4】 ヘーズが高々10%である請求項1記載
    の二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 少なくとも1層に請求項1〜3のいずれ
    かに記載された2軸配向ポリエステルフィルムを使用す
    ることを特徴とする積層体。
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