JP2001329077A - 2軸延伸ポリエステルフィルムおよび積層体 - Google Patents

2軸延伸ポリエステルフィルムおよび積層体

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JP2001329077A
JP2001329077A JP2000151225A JP2000151225A JP2001329077A JP 2001329077 A JP2001329077 A JP 2001329077A JP 2000151225 A JP2000151225 A JP 2000151225A JP 2000151225 A JP2000151225 A JP 2000151225A JP 2001329077 A JP2001329077 A JP 2001329077A
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film
polyester film
polycarbonate
biaxially stretched
stretched polyester
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Takeshi Asada
毅 浅田
Tetsuo Yoshida
哲男 吉田
Takashi Saigo
孝 西郷
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、耐久性、寸法安定性、ガスバリアー
性、耐油性、耐溶剤性、機械強度に加えて、直線引裂性
と耐衝撃性とを兼備した包装材料に好適な2軸延伸ポリ
エステルフィルムおよびその積層体の提供。 【解決手段】 ポリエチレンテレフタレートとポリカー
ボネートとの組成物からなる2軸延伸ポリエステルフィ
ルムであって、該ポリカーボネートは平均分子量が15
000〜25000の範囲で且つ組成物の重量を基準と
して5〜30重量%の範囲で細長い島状に分散するこ
と、および、該フィルムはトラウザー引裂強度を測定し
た際の最小引裂強度が1.5〜3.0N/mmの範囲で
且つ該最小引裂強度の測定方向に引裂直線性を有するこ
とを特徴とする2軸延伸ポリエステルフィルムおよびそ
れを少なくとも一層に用いた積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は包装材料に好適な2
軸延伸ポリエステルフィルムに関する。更に詳しくは、
本発明は物品の包装を手で容易に引裂いて除去でき、優
れた透明性、耐久性、耐衝撃性、寸法安定性、ガスバリ
アー性、機械強度、耐油性または耐溶剤性を持つ、包装
材料に好適なポリエチレンテレフタレートとポリカーボ
ネートとの組成物からなる2軸延伸ポリエステルフィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】雑貨、医薬品または食品等の包装は、2
軸延伸ポリエステルフィルムまたは2軸延伸ポリエステ
ルフィルムとポリエチレンなどのヒートシール可能なフ
ィルムとをラミネートした積層体を包装材料として広く
使用している。2軸延伸ポリエステルフィルムは透明
性、耐久性、寸法安定性、ガスバリアー性、耐油性、耐
溶剤性または機械強度に優れており、包装材料極めて好
適なものである。ただ、2軸延伸ポリエステルフィルム
を用いた包装材料は、その優れた機械強度が災いし、引
裂開封性、特に直線引裂性が乏しいという問題があっ
た。この直線引裂性が乏しいという問題は、そのフィル
ムを包装材料として用いた場合に、手による開封が困難
であったり、開封時に中身の飛散や破損を惹起する可能
性があることから、包装材料の用途によっては致命的な
問題である。
【0003】この乏しい直線引裂性の改善として、ポリ
エチレンテレフタレート中にポリエステルエラストマー
を細長い島状に分散させて、直線引裂性を発現させたポ
リエステルフィルムが、特開平11−302405号公
報または特開平10−168293号公報で提案されて
いる。しかしながら、これらの公報のポリエステルフィ
ルムは、透明性を損なうことなく優れた直線引裂性を有
するものの、新たに耐衝撃性が乏しいという問題がある
ことが判明した。そのため、これらの公報のフィルム
は、運搬時などに強い衝撃が加わる用途や鋭い角を有す
るような被包装体の用途などでは、未だ十分なものでは
なかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、包装
材料に用いる2軸延伸ポリエステルフィルムの優れた透
明性、耐久性、寸法安定性、ガスバリアー性、耐油性、
耐溶剤性、機械強度を損なうことなく、直線引裂性に加
えて、耐衝撃性をも兼備した2軸延伸ポリエステルフィ
ルムおよびその積層体の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の課
題を解決しようと鋭意研究した結果、汎用エンジニアリ
ングプラスチックとして広く用いられいるポリカーボネ
ートをPET中に分散させることで、包装材料に用いる
2軸延伸ポリエステルフィルムの優れた透明性、耐久
性、寸法安定性、ガスバリアー性、耐油性、耐溶剤性、
機械強度を損なうことなく、優れた直線引裂性と耐衝撃
性とを兼備した包装材料が得られることを見出した。
【0006】かくして本発明によれば、ポリエチレンテ
レフタレートとポリカーボネートとの組成物からなる2
軸延伸ポリエステルフィルムであって、該ポリカーボネ
ートは平均分子量が15000〜25000の範囲で且
つ組成物の重量を基準として5〜30重量%の範囲で細
長い島状に分散すること、および、該フィルムはトラウ
ザー引裂強度を測定した際の最小引裂強度が1.5〜
3.0N/mmの範囲で且つ該最小引裂強度の測定方向
に引裂直線性を有することを特徴とする2軸延伸ポリエ
ステルフィルムが提供される。
【0007】また、本発明によれば、前述の2軸延伸ポ
リエステルフィルムに、150℃で30分間熱処理した
時の乾熱収縮率が高々8%という熱寸法安定性、また
は、ヘーズが高々10%という透明性を付加した二軸配
向ポリエステルフィルムも提供される。
【0008】さらにまた、本発明によれば、前述の2軸
延伸ポリエステルフィルムを少なくとも1層に使用する
ことを特徴とする包装材料用の積層体も提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を説明する。本発明
の2軸延伸ポリエステルフィルムは、ポリエチレンテレ
フタレートとポリカーボネートとの組成物からなり、ポ
リカーボネートが組成物の重量を基準として5〜30重
量%の範囲で細長い島状に分散することを特徴とする。
ポリカーボネートの割合が30重量%を超えると、組成
物の溶融粘度が高くなりすぎて安定した製膜が難しく、
他方、5%未満では、直線引裂性を発現するに十分な量
のポリカーボネートの細長い島状構造がポリエチレンテ
レフタレートの海の中に形成できない。好ましいポリカ
ーボネートの割合は10〜25重量%、より好ましくは
15〜20重量%の範囲である。ところで、ポリカーボ
ネートの細長い島状構造は、個々の島の長径がほぼ同一
の方向に揃っており、その方向は溶融状態の組成物をダ
イより押出した方向に一致している。なお、該押出し方
向は、フィルムの巻取り方向とも同じであり、これらの
方向に沿ったフィルムにおける方向、すなわち、フィル
ムの長手方向を、以下、MD方向と称することがある。
また、フィルムにおける面方向に平行でMD方向に垂直
な方向、すなわち、フィルムの巾方向をTD方向と称す
ることがある。
【0010】本発明におけるポリエチレンテレフタレー
トは、酸成分がテレフタル酸、グリコール成分がエチレ
ングリコールからなるポリエステルであり、それ自体公
知の製法、例えばテレフタル酸ジメチルとエチレングリ
コールとのエステル交換反応法またはテレフタル酸とエ
チレングリコールとの直接エステル化反応法などにより
オリゴマーを得た後、溶融重合して得られる。また、本
発明の効果を損ねない範囲なら、ポリエチレンテレフタ
レートは他の成分を共重合したものでもよく、好ましく
はくり返し単位の90mol%以上がエチレンテレフタ
レート単位で占められたものである。
【0011】ポリエチレンテレフタレートが共重合体で
ある場合の共重合成分としては、酸成分はアジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸もしくはデカンジカルボン酸
等の脂肪族ジカルボン酸またはイソフタル酸、2−6ナ
フタレンジカルボン酸、2−7ナフタレンジカルボン
酸、1−5ナフタレンジカルボン酸、ジフェノキシエタ
ンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニル
エーテルジカルボン酸もしくはアンスラセンジカルボン
酸等の芳香族ジカルボン酸などを、またアルコール成分
はジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、ブタンジオール、ペンタンジオー
ルもしくはヘキサンジオール等の脂肪族ジオールまたは
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールも
しくはポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレ
ングリコールを好ましく挙げる事ができる。これらは単
独あるいは2種以上を併用しても良い。
【0012】本発明におけるポリカーボネートは、2価
のフェノール類とホスゲン、ハロゲンホルメートまたは
カーボネートエステルなどのカーボネート前駆体とから
エステル交換法またはホスゲン法等によって製造される
ポリマーである。ここで、2価のフェノール類とは、ビ
スフェノールA、ヒドロキノン、2,2―ビス―(4―
ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,4′―ジヒドロキ
シジフェニルメタン、ビス―(2―ヒドロキシフェニ
ル)メタン、ビス―(4―ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス―(4―ヒドロキシ5―ニトロフェニル)メタ
ン、1,1―ビス―(4―ヒドロキシフェニル)エタ
ン、3,3―ビス―(4―ヒドロキシフェニル)ペンタ
ン、2,2′―ジヒドロキシジフェニル、4,4′―ジ
ヒドロキシジフェニル、2,6―ジヒドロキシナフタレ
ン、ビス―(4―ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビ
ス―(3,5―ジエチル―4―ヒドロキシフェニル)ス
ルフォン、2,2―ビス―(3,5―ジメチル―4―ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2,4′―ジヒドロキシ
ジフェニルスルフォン、5′―クロロ―2,4′―ジヒ
ドロキシジフェニルスルフォン、ビス―(4―ヒドロキ
シフェニル)ジフェニルエーテル、4,4′―ジヒドロ
キシ―3,3′―ジクロロフェニルエーテル、4,4′
―ジヒドロキシ―2,5―ジクロロジフェニルエーテ
ル、ビス―(4―ジヒドロキシ―5―プロピルフェニ
ル)メタン、ビス―(4―ジヒドロキシ―2,6―ジメ
チル―3―メトキシフェニル)メタン、1,1―ビス―
(4―ヒドロキシ―2―エチルフェニル)エタン、2,
2―ビス―(3―フェニル―4―ヒドロキシフェニル)
プロパン、ビス―(4―ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キシルメタン、および2,2―ビス―(4―ヒドロキシ
フェニル)―1―フェニルプロパンなどである。これら
のうち、2価のフェノール類としてビスフェノールA、
カーボネート前駆体としてホスゲンを用いてなる樹脂が
望ましい。
【0013】本発明で用いるポリカーボネートの平均分
子量は15000〜25000、好ましくは16000
〜24000、さらに好ましくは17000〜2300
0の範囲である。ポリカーボネートの分子量が2500
0を超えると溶融粘度が高すぎて安定した製膜が不可能
となる。他方、分子量15000未満では逆に溶融粘度
が低くなるため直線的な引裂性発現に必要な大きさのポ
リカーボネートの細長い島状構造をポリエチレンテレフ
タレートの海の中に形成できない。なお、本発明におけ
る平均分子量は、特に断らない限り、粘度から換算した
粘度平均分子量を意味する。
【0014】本発明における2軸延伸ポリエステルフィ
ルムは、透明性を維持する上で、平均粒径が2.5μm
以下の微粒子からなる滑剤を含有する事が好ましい。平
均粒径が2.5μmを越えると、フィルムの透明性が低
下し易く、ヘーズが10%以下という高度の透明性を確
保し難い。この滑剤は無機系でも有機系でもよく、好ま
しくは無機系滑剤である。無機系滑剤としてはシリカ、
アルミナ、2酸化チタン、炭酸カルシウムまたは硫酸バ
リウム等が例示でき、有機系滑剤としてはシリコーン粒
子等が例示できる。滑剤の平均粒径の下限については、
少なくとも1.0μmであることがフィルムの製膜性や
滑り性の観点から好ましい。の上記滑剤の添加量として
はその粒径にも依存するが、フィルムの巻き取り性およ
び透明性に悪影響を及ぼさない範囲で選択すると良い。
【0015】本発明の2軸延伸ポリエステルフィルム
は、150℃で30分間熱処理した際の熱収縮率が、フ
ィルムの面方向において、いずれの方向も高々8%ある
ことが好ましい。フィルムの面方向において、熱収縮率
が8%を越えるような方向があると、ラミネート等の包
装加工や印刷などの際に過度の変形が起きる。より好ま
しい熱収縮率は6%以下、さらに好ましくは4%以下で
ある。このような寸法安定性の優れた2軸延伸ポリエス
テルフィルムは、ポリカーボネートとポリエチレンテレ
フタレートの組成物を溶融状態でダイより冷却ドラム上
に押出してから2軸延伸した後、少なくとも200℃の
熱固定温度で熱固定処理を施せば良い。熱固定温度の上
限については、高々250℃であることが好ましい。
【0016】本発明における2軸延伸ポリエステルフィ
ルムは、フィルムの面方向において、各方向にトラウザ
ー引裂き強度を測定した際に、フィルムのMD方向に沿
って測定したトラウザー引裂き強度が最も小さい値とな
る。換言すれば、フィルムの面方向において、各方向に
トラウザー引裂き強度を測定した際の最も小さい値を測
定した方向がMD方向である。また、本発明における2
軸延伸ポリエステルフィルムは、MD方向とポリカーボ
ネートの細長い島状分散の長径の方向とが同一であるこ
とから、トラウザー引裂き強度を測定したの最も小さい
値を測定した方向に直線的な引裂性を有することにな
る。
【0017】この機構については、未だ十分に解明でき
ていないが、以下のような機構ではないかと予想してい
る。まず、ポリエチレンテレフタレートとポリカーボネ
ートが相分離し、この状態は前者が海で後者がその海の
中に島状に分散した状態となる。そして、ポリカーボネ
ートの島状に分散した粒子が、押出し機内でのせん断力
によってポリマーの進行方向に伸ばされるような変形を
うけ、ポリカーボネートの島状構造の長径方向は、最終
的なポリマーの進行方向であるMD方向に一致した状態
となる。また、島状構造の長径方向に沿った直線的な引
裂き性が発現する機構については、長径方向が揃ったこ
とによって、その方向に直交する方向のフィルム内の結
合力が弱まるためと予想している。
【0018】本発明の2軸延伸ポリエステルフィルム
は、包装の開封し易さの観点から、直線引裂性を有する
方向、すなわち、フィルムの面方向において、各方向に
トラウザー引裂き強度を測定した際の最も小さい値が、
3.0N/mm以下、好ましくは2.5N/mm以下で
あることが必要である。前述の最小トラウザー引裂き強
度が3.0N/mmを越えると、引裂き強度が強く、手
による開封が困難となる。なお、前述の最小トラウザー
引裂き強度の下限については、包装する際の取扱い性の
向上や製膜時の破断防止などの観点から、少なくとも
1.5N/mm、好ましくは2.0N/mm以上である
ことが必要である。このような2軸延伸ポリエステルフ
ィルムは、前述のポリエチレンテレフタレートとポリカ
ーボネートとからなる組成物を溶融状態で冷却ドラム上
にダイより押出した後、MD方向に3.0倍以上、好ま
しくは3.2倍以上の延伸倍率で延伸し、TD方向にM
D方向の延伸倍率以下で延伸すれば良い。MD方向の延
伸倍率の上限については、特に限定されないが、高々
4.0倍が好ましく、また、TD方向の延伸倍率の下限
については、2.5倍以上であることが好ましい。
【0019】本発明の2軸延伸ポリエステルフィルム
は、厚みが好ましくは6〜25μm、より好ましくは1
0〜20μm、さらに好ましくは12〜15μmの範囲
のものである。厚みが6μm未満では、腰が弱くて静電
気のためにフィルムが手にまとわり付いたり作業性が悪
化する場合がある。他方、厚みが25μmを越えると、
引裂きに要する力が大きくなり手による開封が困難とな
る場合がある。
【0020】本発明の2軸延伸ポリエステルフィルム
は、アルミ蒸着層、ポリエチレンやポリプロピレンとい
ったポリオレフィンフィルムまたはナイロン6、ナイロ
ン66やMXDナイロンといったポリアミドフィルムと
積層したの積層体としてもよい。むしろこのような積層
体は、本発明の2軸延伸ポリエステルフィルムに強度や
ガスバリヤー性といった特性を必要に応じて調整できる
ことから好ましい態様と言える。このような積層体とし
ても、本発明の2軸延伸ポリエステルフィルムの直線引
裂性によって、積層体は優れた直線引裂き性を有する。
【0021】
【実施例】以下に、実施例を掲げて本発明をさらに説明
する。なお、各特性の測定および評価は以下の方法に従
った。
【0022】(1)フィルム厚み 打点式フィルム厚み計(Anritsu、K402B)を用い、フィ
ルム幅方向の任意の場所50箇所、フィルム幅の中心付
近の長手方向で任意の場所50箇所について厚みを測定
し、全100箇所の数平均値をフィルム厚みとする。
【0023】(2)ポリカーボネートの平均分子量 塩化メチレン溶液中(25℃)で固有粘度([η])を測
定し、該固有粘度から以下のSchnellの式を用いて平均
分子量を算出した。 Mv=[log([η]/1.23×10-4)]/0.83
【0024】(3)引裂強度 引裂強度の測定は、JIS K 7128(A法:トラ
ウザー引裂試験)に準じた。測定値(N/mm)の小さ
いものほど引裂き性が良好であり、ポリエステルフィル
ム単体での引裂強度が3.0N/mm以下のものを合格
とした。
【0025】(4)直線引裂性 フィルムのMD方向を、フィルムから切り出す短冊の長
辺に合わせ、4cm×30cmの短冊を切り出した。こ
の短冊の短辺に切れ目を入れて、該切れ目より2つに引
裂いたときの、引裂き開始位置から短冊の短辺方向にお
けるずれを測定した。そして、該ずれを短冊の長辺の長
さ(30cm)で割った値が5%未満のもの合格とし、
各水準ごとに10個の短冊を測定し、その結果から、以
下の基準で判断した。 ○:10個中8個以上が合格する良好な直線引裂性 ×:10個中7個以下しか合格しない乏しい直線引裂性
【0026】(5)ヘーズ JIS K7105の測定法Aに準じた。
【0027】(6)熱収縮率 40cm程の短冊状のフィルム上を長手方向、幅方向に
切り出し、30cmの間隔をあけて2個所の標点をつけ
る。その後150℃に加熱したオーブン内に30分間置
いた後、オーブンから取り出して標点間の距離を測定し
オーブンに入れる前の値(30cm)との差を算出、そ
の差を最初の標点間距離の百分率(%)で表した。測定
は5回行いその平均値を測定値とした。
【0028】(7)相分離粒子の観察方法 フィルムを包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂を用い
て包埋し、ミクロトーム(Reichert-Jung製、UlTRACU
T)にて長手断面、巾断面を50μm厚に薄切りしたサ
ンプルを、3.2%オスミウム酸・60℃・2hrの条
件で蒸気染色を行った後、透過電子顕微鏡(トプコン
製、LEM−2000)によって加速電圧100kVで
観察した。
【0029】(8)耐衝撃性試験 フィルムを半径3cmの枠に固定する。その上に重さ1
40gで先端が半径2mmの半球状になったおもり
(A)を乗せる。さらに該半球状のおもりの上方におも
さ100gのおもり(B)を、おもり(A)の上端から
さらに上方14cmの位置からから落下させて、フィル
ムが破断したかどうかを目視にて確認し、以下の基準で
評価した。 ○:破断が10回中5回以下である良好な耐衝撃性 ×:破断が10回中5回以上である乏しい耐衝撃性
【0030】[実施例1〜4および比較例1〜4]ジメ
チルテレフタレートとエチレングリコールとを原料とし
て、テトラブトキシチタンをエステル交換触媒、2酸化
ゲルマニウムを重合触媒、亜リン酸を安定剤として用
い、常法により固有粘度(o−クロロフェノール、35
℃)0.62のポリエチレンテレフタレートを製造し
た。また、ジフェニルカーボネート、ビスフェノールA
およびビスフェノールAのジNa塩を反応容器に仕込み
常法により表1に示す分子量のポリカーボネートをそれ
ぞれ得た。得られたポリカーボネートにリン化合物とし
て旭電化工業(株)製のアデカスタブPEP−8を、ポ
リカーボネートの重量を基準として、45ppm(リン
濃度換算)混合した。このようにして得られたポリエチ
レンテレフタレートとリン化合物含有してりポリカーボ
ネートとを、表1に示す重量割合となるようにブレンド
した。このようにしてブレンドされた組成物を150℃
で5時間乾燥した後、押出機ホッパーに供給して溶融温
度290℃で溶融し、単層ダイを用いて表面温度20℃
の冷却ドラム上に押出して急冷し、未延伸フィルムを得
た。このようにして得られた未延伸フィルムを80℃に
余熱し、ロール間で赤外線ヒーターを用いて表1の如き
延伸温度と延伸倍率にてMD方向に延伸した。得られた
1軸延伸フィルムをステンターに供給し、表1の如き延
伸温度と延伸倍率にてTD方向に延伸し、その後、22
0℃にて熱固定を行って2軸配向ポリエステルフィルム
を得た。なお、得られた2軸延伸フィルムは、平均粒径
1.5μmの球状シリカ粒子を、0.1重量%滑剤とし
て添加されていた。
【0031】得られた2軸延伸ポリエステルフィルムの
特性を表2に示す。なお、表2中のPETはポリエチレ
ンテレフタレートを、PCはポリカーボネートを、PE
ELはポリエーテルエステルエラストマーを示し、MD
およびTDはそれぞれMD方向とTD方向を示す。
【0032】[比較例5]ポリカーボネートの代わりに
ポリエステルエラストマー(帝人(株)製 ヌーベラン
B4063AN)を15重量%の割合でブレンドした以外
は、実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた2軸
延伸ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】以下、表2について考察する。本発明の実
施例1〜4の2軸延伸ポリエステルフィルムは、MD方
向に良好な引裂直線性と3.0N/mm以下のトラウザ
ー引裂き強度とを有し、良好な耐衝撃性をも有するもの
であった。これに対して、ポリカーボネートの重量割合
が本発明の範囲よりも少ない比較例1および2の2軸延
伸ポリエステルフィルムは、ポリエチレンテレフタレー
トの海の中にポリカーボネートの細長い島状構造を十分
に形成できていなかった。そのためMD方向に乏しい引
裂直線性しかなく、トラウザー引裂き強度も3.0N/
mm以上の極めて引裂き難いものであった。また、ポリ
カーボネートの重量割合が本発明の範囲を越える比較例
3およびポリカーボネートの平均分子量が本発明の範囲
を越える比較例4の2軸延伸ポリエステルフィルムは、
ポリマーの溶融粘度が高くなりすぎて、製膜時に破断が
続発する生産性の欠けるものであったことから、以後の
フィルムの特性は評価しなかった。ポリカーボネートの
代わりにポリエステルエラストマーをブレンドした比較
例5の2軸延伸ポリエステルフィルムは、引裂直線性を
有するものの耐衝撃性の乏しいものであった。
【0036】[実施例5]実施例1の2軸延伸ポリエス
テルフィルムの片面に、ドライラミネート法によって厚
さ50μmのポリエチレンの層を積層した。得られた積
層体は、MD方向のトラウザー引裂き強度が10N/m
mで、直線引裂性の評価において10個中8個以上が合
格するような良好な直線引裂性を有し、実施例1の2軸
延伸ポリエステルフィルムと同等以上の耐衝撃性を有す
るものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 69/00 C08L 69/00 // B29K 67:00 B29K 67:00 69:00 69:00 B29L 7:00 B29L 7:00 9:00 9:00 (72)発明者 西郷 孝 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人株式会社相模原研究センター内 Fターム(参考) 4F071 AA46 AA50 AA81 AF16Y AF30Y AF61Y AH04 BB08 BC01 4F100 AK42A AK45A AT00B BA01 BA02 GB15 JA03A JA07A JB07 JD02 JK01 JK03A JK10 JN01A YY00A 4F210 AA24 AA28A AE01 AG01 AG03 QA02 QA03 QC05 QC06 QG01 QG18 QW07 4J002 CF061 CG012 GF00 GG02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレートとポリカー
    ボネートとの組成物からなる2軸延伸ポリエステルフィ
    ルムであって、該ポリカーボネートは平均分子量が15
    000〜25000の範囲で且つ組成物の重量を基準と
    して5〜30重量%の範囲で細長い島状に分散するこ
    と、および、該フィルムはトラウザー引裂強度を測定し
    た際の最小引裂強度が1.5〜3.0N/mmの範囲で
    且つ該最小引裂強度の測定方向に引裂直線性を有するこ
    とを特徴とする2軸延伸ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 150℃で30分間熱処理した時の乾熱
    収縮率が高々8%である請求項1記載の2軸延伸ポリエ
    ステルフィルム。
  3. 【請求項3】 ヘーズが高々10%である請求項1記載
    の2軸延伸ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 少なくとも1層に請求項1〜3のいずれ
    かに記載された2軸延伸ポリエステルフィルムを使用す
    ることを特徴とする積層体。
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