JP2002003593A - ビスオキセタン化合物と2官能性フェノールのカルボン酸ジエステル化合物からなるポリエステルの製造方法 - Google Patents
ビスオキセタン化合物と2官能性フェノールのカルボン酸ジエステル化合物からなるポリエステルの製造方法Info
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- JP2002003593A JP2002003593A JP2000191654A JP2000191654A JP2002003593A JP 2002003593 A JP2002003593 A JP 2002003593A JP 2000191654 A JP2000191654 A JP 2000191654A JP 2000191654 A JP2000191654 A JP 2000191654A JP 2002003593 A JP2002003593 A JP 2002003593A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、ポリエステルの新規な製造方
法を提供することである。 【解決手段】ビスオキセタン化合物と2官能性フェノー
ルのカルボン酸ジエステル化合物とを重付加反応させる
ことを特徴とするポリエステルの製造方法。
法を提供することである。 【解決手段】ビスオキセタン化合物と2官能性フェノー
ルのカルボン酸ジエステル化合物とを重付加反応させる
ことを特徴とするポリエステルの製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステルの新
規な製造方法に関するものである。
規な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルは、耐熱性、耐薬品性およ
び電気的特性に優れているため、繊維、フィルム材、機
械部品、電気絶縁材料等として様々な分野で使用されて
いる。ポリエステルの代表的な製造方法としては、種々
のジカルボン酸またはジカルボン酸クロライドとジオー
ル類との重縮合反応、ジハライドとジカルボン酸類との
重縮合反応、ラクトン類の開環重合、オキシラン類と環
状酸無水物との開環交互共重合などが知られている。一
方、三員環の環状エーテルであるエポキシ化合物は、カ
チオンだけでなくアニオンに対しても高い反応性を示す
ため、エポキシ化合物の付加反応については、アミン類
やフェノール類のような活性試薬との反応について検討
されている。これに対して、四員環の環状エーテルであ
るオキセタン化合物は、開始剤としてルイス酸を用いる
ことにより容易に開環重合が進行し、高分子量のポリエ
ーテルが得られることは知られている。しかし、エポキ
シ化合物に比べ環の歪みエネルギーが小さく安定である
ため求核攻撃に対する反応性が低いこともあり、オキセ
タン類の中でも、ビスオキセタン化合物についてはジカ
ルボン酸類、ジチオール類、ビスフェノール類との重付
加反応について検討されているだけである。従って、こ
れまでのところ、ビスオキセタン化合物と2官能性フェ
ノールのカルボン酸ジエステル化合物との反応は知られ
ていない。
び電気的特性に優れているため、繊維、フィルム材、機
械部品、電気絶縁材料等として様々な分野で使用されて
いる。ポリエステルの代表的な製造方法としては、種々
のジカルボン酸またはジカルボン酸クロライドとジオー
ル類との重縮合反応、ジハライドとジカルボン酸類との
重縮合反応、ラクトン類の開環重合、オキシラン類と環
状酸無水物との開環交互共重合などが知られている。一
方、三員環の環状エーテルであるエポキシ化合物は、カ
チオンだけでなくアニオンに対しても高い反応性を示す
ため、エポキシ化合物の付加反応については、アミン類
やフェノール類のような活性試薬との反応について検討
されている。これに対して、四員環の環状エーテルであ
るオキセタン化合物は、開始剤としてルイス酸を用いる
ことにより容易に開環重合が進行し、高分子量のポリエ
ーテルが得られることは知られている。しかし、エポキ
シ化合物に比べ環の歪みエネルギーが小さく安定である
ため求核攻撃に対する反応性が低いこともあり、オキセ
タン類の中でも、ビスオキセタン化合物についてはジカ
ルボン酸類、ジチオール類、ビスフェノール類との重付
加反応について検討されているだけである。従って、こ
れまでのところ、ビスオキセタン化合物と2官能性フェ
ノールのカルボン酸ジエステル化合物との反応は知られ
ていない。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポ
リエステルの新規な製造方法を提供することであり、詳
しくは、ビスオキセタン化合物と2官能性フェノールの
カルボン酸ジエステル化合物を重付加反応させてなるポ
リエステルの製造方法を提供することである。
リエステルの新規な製造方法を提供することであり、詳
しくは、ビスオキセタン化合物と2官能性フェノールの
カルボン酸ジエステル化合物を重付加反応させてなるポ
リエステルの製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、特定な反応条件を適
用することにより、ビスオキセタン化合物と2官能性フ
ェノールのカルボン酸ジエステル化合物が重付加反応す
ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明はビスオキセタン化合物と2官能性フェノー
ルのカルボン酸ジエステル化合物を重付加反応させるこ
とを特徴とするポリエステルの製造方法である。
題を解決すべく鋭意検討した結果、特定な反応条件を適
用することにより、ビスオキセタン化合物と2官能性フ
ェノールのカルボン酸ジエステル化合物が重付加反応す
ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明はビスオキセタン化合物と2官能性フェノー
ルのカルボン酸ジエステル化合物を重付加反応させるこ
とを特徴とするポリエステルの製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明におけるビスオキセタン化
合物としては、分子中に2個のオキセタン環を有する化
合物であれば特に限定なく使用できる。具体的には、特
開平8−85775号公報および特開平8−13440
5号公報に記載されたビスオキセタン化合物が挙げら
れ、これらの中でも、2官能性フェノールのカルボン酸
ジエステル化合物との反応性の面より、下記式(1)で
表される化合物が好ましく、1,4−ビス{{3−(3
−エチル−3−オキセタニルメトキシメチル)ベンゼン
が特に好ましい化合物である。
合物としては、分子中に2個のオキセタン環を有する化
合物であれば特に限定なく使用できる。具体的には、特
開平8−85775号公報および特開平8−13440
5号公報に記載されたビスオキセタン化合物が挙げら
れ、これらの中でも、2官能性フェノールのカルボン酸
ジエステル化合物との反応性の面より、下記式(1)で
表される化合物が好ましく、1,4−ビス{{3−(3
−エチル−3−オキセタニルメトキシメチル)ベンゼン
が特に好ましい化合物である。
【0006】
【化5】
【0007】{式中、R5は下記式(2)で表されるい
ずれかの置換基を示す}
ずれかの置換基を示す}
【0008】
【化6】
【0009】本発明における2官能性フェノールのカル
ボン酸ジエステル化合物としては、特に限定なく用いる
ことができ、ビスオキセタン化合物との反応性の面よ
り、下記式(3)で表される化合物が好ましく、さらに
好ましくは、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6
−ジクロロフェニルジアセテート)、4,4’−イソプ
ロピリデンビス(2,6−ジクロロフェニル−ジ−2,
4−ジクロロベンゾエート)および4,4’−イソプロ
ピリデンビス(2,6−ジクロロフェニルジベンゾエー
ド)である。
ボン酸ジエステル化合物としては、特に限定なく用いる
ことができ、ビスオキセタン化合物との反応性の面よ
り、下記式(3)で表される化合物が好ましく、さらに
好ましくは、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6
−ジクロロフェニルジアセテート)、4,4’−イソプ
ロピリデンビス(2,6−ジクロロフェニル−ジ−2,
4−ジクロロベンゾエート)および4,4’−イソプロ
ピリデンビス(2,6−ジクロロフェニルジベンゾエー
ド)である。
【0010】
【化7】
【0011】(式中、Ar2は下記式(4)で表される
いずれかの置換基を示し、R6は炭素数が1〜6のアル
キル基または置換基を有してもよいフェニル基を示す)
いずれかの置換基を示し、R6は炭素数が1〜6のアル
キル基または置換基を有してもよいフェニル基を示す)
【0012】
【化8】
【0013】本発明の製造方法は、上記ビスオキセタン
化合物と2官能性フェノールのカルボン酸ジエステル化
合物を重付加反応させることであるが、この反応には、
第四オニウム塩、クラウンエーテル錯体および第三アミ
ンなどを触媒として用い、これらの存在下に重付加反応
させることが好ましい。これらの触媒の中でも、ビスオ
キセタン化合物と2官能性フェノールのカルボン酸ジエ
ステル化合物との反応性の面から、第四オニウム塩およ
びクラウンエーテル錯体の使用が好ましい。第四オニウ
ム塩としては、テトラブチルアンモニウムブロマイド、
テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルア
ンモニウムアイオダイド、テトラエチルアンモニウムク
ロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テト
ラエチルアンモニウムアイオダイド、n−ドデシルトリ
メチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリメチ
ルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモ
ニウムブロマイド、セチルジメチルベンジルアンモニウ
ムクロライド、セチルジメチルベンジルアンモニウムブ
ロマイド、セチルピリジウムサルフェート、テトラエチ
ルアンモニウムアセテート、トリメチルベンジルアンモ
ニウムベンゾエート、トリメチルベンジルアンモニウム
ボレート、5−ベンジル−1,5−ジアザビシクロ
[4,3,0]−5−ノネニウムクロライド、5−ベン
ジル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノ
ネウムテトラフルオロボレート等の第四アンモニウム塩
類、およびテトラブチルホスホニウムブロマイド、テト
ラブチルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホス
ホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムアイ
オダイド、テトラフェニルホスホニウムクロライド、ベ
ンジルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジル
トリフェニルホスホニウムクロライド、トリフェニルメ
トキシメチルホスホニウムクロライド、トリフェニルメ
チルカルボニルメチルホスホニウムクロライド、トリフ
ェニルエトキシカルボニルメチルホスホニウムクロライ
ド、トリオクチリベンジルホウホニウムクロライド、ト
リオクチルメチルホスホニウムクロライド、トリオクチ
ルエチルホスホニウムアセテート、テトラオクチルホス
ホニウムクロライド、トリオクチルエチルホスホニウム
ジメチルホスフェートなどの第四ホスホニウム塩類が挙
げられる。これらの中でも第四ホスホニウム塩類を用い
ることが好ましく、テトラフェニルホスホニウムクロラ
イド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラ
フェニルホスホニウムアイオダイド、テトラブチルホス
ホニウムクロライドおよびテトラブチルホスホニウムブ
ロマイドが特に好ましい。
化合物と2官能性フェノールのカルボン酸ジエステル化
合物を重付加反応させることであるが、この反応には、
第四オニウム塩、クラウンエーテル錯体および第三アミ
ンなどを触媒として用い、これらの存在下に重付加反応
させることが好ましい。これらの触媒の中でも、ビスオ
キセタン化合物と2官能性フェノールのカルボン酸ジエ
ステル化合物との反応性の面から、第四オニウム塩およ
びクラウンエーテル錯体の使用が好ましい。第四オニウ
ム塩としては、テトラブチルアンモニウムブロマイド、
テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルア
ンモニウムアイオダイド、テトラエチルアンモニウムク
ロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テト
ラエチルアンモニウムアイオダイド、n−ドデシルトリ
メチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリメチ
ルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモ
ニウムブロマイド、セチルジメチルベンジルアンモニウ
ムクロライド、セチルジメチルベンジルアンモニウムブ
ロマイド、セチルピリジウムサルフェート、テトラエチ
ルアンモニウムアセテート、トリメチルベンジルアンモ
ニウムベンゾエート、トリメチルベンジルアンモニウム
ボレート、5−ベンジル−1,5−ジアザビシクロ
[4,3,0]−5−ノネニウムクロライド、5−ベン
ジル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノ
ネウムテトラフルオロボレート等の第四アンモニウム塩
類、およびテトラブチルホスホニウムブロマイド、テト
ラブチルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホス
ホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムアイ
オダイド、テトラフェニルホスホニウムクロライド、ベ
ンジルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジル
トリフェニルホスホニウムクロライド、トリフェニルメ
トキシメチルホスホニウムクロライド、トリフェニルメ
チルカルボニルメチルホスホニウムクロライド、トリフ
ェニルエトキシカルボニルメチルホスホニウムクロライ
ド、トリオクチリベンジルホウホニウムクロライド、ト
リオクチルメチルホスホニウムクロライド、トリオクチ
ルエチルホスホニウムアセテート、テトラオクチルホス
ホニウムクロライド、トリオクチルエチルホスホニウム
ジメチルホスフェートなどの第四ホスホニウム塩類が挙
げられる。これらの中でも第四ホスホニウム塩類を用い
ることが好ましく、テトラフェニルホスホニウムクロラ
イド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラ
フェニルホスホニウムアイオダイド、テトラブチルホス
ホニウムクロライドおよびテトラブチルホスホニウムブ
ロマイドが特に好ましい。
【0014】また、クラウンエーテル錯体としては、1
2−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウ
ン−6、シス−ジシクロヘキサン−18−クラウン−
6、21−クラウン−7、24−クラウン−8などが挙
げられ、これらが、KF、KCl、KBr、CsF、C
sCl、CsBr、チオシアン酸カリウム、ナトリウム
フェノキサイド、カリウムフェノキサイド、安息香酸ナ
トリウム、安息香酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カ
リウムなどの無機塩類あるいは有機塩類との錯体を形成
した状態で使用される。これらの中でも18−クラウン
−6のKBr塩、18−クラウン−6のKI塩およびジ
ベンゾ−18−クラウン−6のCsCl塩が好ましい。
さらに、第三アミンとしては、ジエチルアミノプロピル
アミン、N−アミノエチルピペラジン、ベンジルジメチ
ルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(DMA
P)、4−(N,N−ジエチルアミノ)ピリジンおよび
1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−ウンデック−
7−エン(DBU)などが挙げられる。
2−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウ
ン−6、シス−ジシクロヘキサン−18−クラウン−
6、21−クラウン−7、24−クラウン−8などが挙
げられ、これらが、KF、KCl、KBr、CsF、C
sCl、CsBr、チオシアン酸カリウム、ナトリウム
フェノキサイド、カリウムフェノキサイド、安息香酸ナ
トリウム、安息香酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カ
リウムなどの無機塩類あるいは有機塩類との錯体を形成
した状態で使用される。これらの中でも18−クラウン
−6のKBr塩、18−クラウン−6のKI塩およびジ
ベンゾ−18−クラウン−6のCsCl塩が好ましい。
さらに、第三アミンとしては、ジエチルアミノプロピル
アミン、N−アミノエチルピペラジン、ベンジルジメチ
ルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(DMA
P)、4−(N,N−ジエチルアミノ)ピリジンおよび
1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−ウンデック−
7−エン(DBU)などが挙げられる。
【0015】本発明の製造方法における反応条件は、反
応に用いるビスオキセタン化合物および2官能性フェノ
ールのカルボン酸ジエステル化合物の種類により、多少
の違いはあるが、以下の各条件で行なうことが好まし
い。また、反応は連続式および回分式のいずれでも行な
うことができる。 ビスオキセタン化合物と2官能性フェノールのカル
ボン酸ジエステル化合物との割合 本発明の製造方法における反応は、ビスオキセタン化合
物と2官能性フェノールのカルボン酸ジエステル化合物
との重付加反応であり、反応はモル比で1:1で行われ
るが、反応に使用する割合としては、ビスオキセタン化
合物1モルに対して、2官能性フェノールのカルボン酸
ジエステル化合物0.8〜1.2モルであることが好ま
しい。
応に用いるビスオキセタン化合物および2官能性フェノ
ールのカルボン酸ジエステル化合物の種類により、多少
の違いはあるが、以下の各条件で行なうことが好まし
い。また、反応は連続式および回分式のいずれでも行な
うことができる。 ビスオキセタン化合物と2官能性フェノールのカル
ボン酸ジエステル化合物との割合 本発明の製造方法における反応は、ビスオキセタン化合
物と2官能性フェノールのカルボン酸ジエステル化合物
との重付加反応であり、反応はモル比で1:1で行われ
るが、反応に使用する割合としては、ビスオキセタン化
合物1モルに対して、2官能性フェノールのカルボン酸
ジエステル化合物0.8〜1.2モルであることが好ま
しい。
【0016】 触媒濃度 上記で述べたように、ビスオキセタン化合物と2官能性
フェノールのカルボン酸ジエステル化合物との重付加反
応は触媒の存在下に行なうことが好ましい。これらの触
媒の使用量は、ビスオキセタン化合物に対して、1〜4
0モル%であることが好ましく、さらに好ましくは2〜
20モル%である。触媒量が1モル%未満であると、反
応がほとんど進行せず、一方、40モル%を超えた割合
で使用しても、格別の効果は認められない。
フェノールのカルボン酸ジエステル化合物との重付加反
応は触媒の存在下に行なうことが好ましい。これらの触
媒の使用量は、ビスオキセタン化合物に対して、1〜4
0モル%であることが好ましく、さらに好ましくは2〜
20モル%である。触媒量が1モル%未満であると、反
応がほとんど進行せず、一方、40モル%を超えた割合
で使用しても、格別の効果は認められない。
【0017】 反応温度と反応時間 反応温度は100〜200℃の範囲で行なうことが好ま
しい。触媒に第四オニウム塩を使用した場合には140
〜180℃の温度範囲であることが特に好ましい。ま
た、触媒にクラウンエーテル錯体を使用した場合には、
150〜190℃の温度範囲が特に好ましい。一方、反
応時間については特に限定はないが、反応温度との兼ね
合いで、10〜200時間の反応時間が適当である。
しい。触媒に第四オニウム塩を使用した場合には140
〜180℃の温度範囲であることが特に好ましい。ま
た、触媒にクラウンエーテル錯体を使用した場合には、
150〜190℃の温度範囲が特に好ましい。一方、反
応時間については特に限定はないが、反応温度との兼ね
合いで、10〜200時間の反応時間が適当である。
【0018】 反応溶媒 上記反応には、反応溶媒を用いることができ、例えば、
反応溶媒としてはトルエン、アニソール、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N−メチルピロリドン、クロロベン
ゼン、オルト−クロロベンゼンおよびジメチルスルホキ
シドなど挙げられるが、これらに限定されない。また、
反応は無溶媒で行なうことも可能である。
反応溶媒としてはトルエン、アニソール、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N−メチルピロリドン、クロロベン
ゼン、オルト−クロロベンゼンおよびジメチルスルホキ
シドなど挙げられるが、これらに限定されない。また、
反応は無溶媒で行なうことも可能である。
【0019】本発明の製造方法で得られるポリエステル
は、ビスオキセタン化合物と2官能性フェノールのカル
ボン酸ジエステル化合物が重付加反応したもので、機械
的性質(引っ張り強度など)、電気的特性(電気絶縁性
など)、耐熱性、耐薬品性、接着性などに優れたポリエ
ステル樹脂が得られ、各種用途での利用が期待される。
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
は、ビスオキセタン化合物と2官能性フェノールのカル
ボン酸ジエステル化合物が重付加反応したもので、機械
的性質(引っ張り強度など)、電気的特性(電気絶縁性
など)、耐熱性、耐薬品性、接着性などに優れたポリエ
ステル樹脂が得られ、各種用途での利用が期待される。
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
【0020】
【実施例】合成例1 4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジクロロフ
ェニルジアセテート)(以下、IBDPAという)の合
成{反応式は下記式(5)参照}攪拌機、塩化カルシウ
ム管および温度計を取り付けた300mLの三つ口フラ
スコに、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ
クロロフェノール)(以下、IBDPという)28.5
g(80mmol)および反応溶媒としてTHF50m
Lを加え溶解させた。激しく攪拌しながら、THF50
mLで希釈したトリエチルアミン30mL(216mm
ol)を滴下した。次に、氷冷下、THF50mLで希
釈したアセチルクロライド12.8mL(180mmo
l)を滴下し、滴下終了後、室温で8時間攪拌した。反
応終了後、反応溶液を水に注ぎ、沈殿物をろ別回収し
た。得られた固体をn−ヘキサンとメチルエチルケトン
(5/2の重量比)の混合溶媒で再結晶を行ない、白色
結晶を得た。 ・収率 56% ・沸点:136.8〜137.2℃ ・IR(KBr、cm-1):1772(C=O)、14
68(C=C)、1187(C−O−C)、810(C
−Cl) ・1H−NMR(200MHz、CDCl3、TMS)、
δ(ppm):1.64(s、6H、CH3)、2.3
9(s、6H、CO−CH3)、7.18(s、4H、A
romatic H) ・13C−NMR(50MHz、CDCl3、TMS)、
δ(ppm):20.22(Ca)、30.38
(Cb)、42.85(Cc)、127.00 、12
8.67、142.30、148.56(Aromatic
C)、167.3 3(Cd)
ェニルジアセテート)(以下、IBDPAという)の合
成{反応式は下記式(5)参照}攪拌機、塩化カルシウ
ム管および温度計を取り付けた300mLの三つ口フラ
スコに、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ
クロロフェノール)(以下、IBDPという)28.5
g(80mmol)および反応溶媒としてTHF50m
Lを加え溶解させた。激しく攪拌しながら、THF50
mLで希釈したトリエチルアミン30mL(216mm
ol)を滴下した。次に、氷冷下、THF50mLで希
釈したアセチルクロライド12.8mL(180mmo
l)を滴下し、滴下終了後、室温で8時間攪拌した。反
応終了後、反応溶液を水に注ぎ、沈殿物をろ別回収し
た。得られた固体をn−ヘキサンとメチルエチルケトン
(5/2の重量比)の混合溶媒で再結晶を行ない、白色
結晶を得た。 ・収率 56% ・沸点:136.8〜137.2℃ ・IR(KBr、cm-1):1772(C=O)、14
68(C=C)、1187(C−O−C)、810(C
−Cl) ・1H−NMR(200MHz、CDCl3、TMS)、
δ(ppm):1.64(s、6H、CH3)、2.3
9(s、6H、CO−CH3)、7.18(s、4H、A
romatic H) ・13C−NMR(50MHz、CDCl3、TMS)、
δ(ppm):20.22(Ca)、30.38
(Cb)、42.85(Cc)、127.00 、12
8.67、142.30、148.56(Aromatic
C)、167.3 3(Cd)
【0021】
【化9】
【0022】合成例2 4,4’−イソプロピリデンビ
ス(2,6−ジクロロフェニルジベンゾエート)(以
下、IBDPBという)の合成{反応式は下記式(6)
を参照} 合成例1と同様な操作により、IBDP 5.86g
(16mmol)とベンゾイルクロリド4.19mL
(36mmol)との反応を、トリエチルアミン6mL
(43mmol)の存在下、THF37mL中で行なっ
た。ベンゾイルクロリド−THF溶液を氷冷下、6分か
けて滴下し、滴下終了後、室温で7時間攪拌した。反応
終了後、反応溶液を水に注ぎ沈殿物をろ別回収した。得
られた固体をn−ヘキサンとメチルエチルケトン(5/
3の重量比)の混合溶媒で再結晶を行い、白色結晶を得
た。 ・収率 45% ・沸点:203.6〜204.1℃ ・IR(KBr、cm-1):1750(C=O este
r)、1469(C=C)、1242(C−O−C)、
809(C−Cl) ・1H−NMR(200MHz、CDCl3、TMS)、
δ(ppm):1.54(s、6H、CH3)、7.2
6(s、4H)、7.48−7.79(m、6H)、
8.29(d、j=6.8Hz,4H) ・13C−NMR(50MHz、CDCl3、TMS)、
δ(ppm):30.44(Ca)、42.97
(Cb)、127.06、128.19、128.7
0、128.95、129.63、130.53、13
4.09、148.71(Aromatic C)、163.1
8(Cc)
ス(2,6−ジクロロフェニルジベンゾエート)(以
下、IBDPBという)の合成{反応式は下記式(6)
を参照} 合成例1と同様な操作により、IBDP 5.86g
(16mmol)とベンゾイルクロリド4.19mL
(36mmol)との反応を、トリエチルアミン6mL
(43mmol)の存在下、THF37mL中で行なっ
た。ベンゾイルクロリド−THF溶液を氷冷下、6分か
けて滴下し、滴下終了後、室温で7時間攪拌した。反応
終了後、反応溶液を水に注ぎ沈殿物をろ別回収した。得
られた固体をn−ヘキサンとメチルエチルケトン(5/
3の重量比)の混合溶媒で再結晶を行い、白色結晶を得
た。 ・収率 45% ・沸点:203.6〜204.1℃ ・IR(KBr、cm-1):1750(C=O este
r)、1469(C=C)、1242(C−O−C)、
809(C−Cl) ・1H−NMR(200MHz、CDCl3、TMS)、
δ(ppm):1.54(s、6H、CH3)、7.2
6(s、4H)、7.48−7.79(m、6H)、
8.29(d、j=6.8Hz,4H) ・13C−NMR(50MHz、CDCl3、TMS)、
δ(ppm):30.44(Ca)、42.97
(Cb)、127.06、128.19、128.7
0、128.95、129.63、130.53、13
4.09、148.71(Aromatic C)、163.1
8(Cc)
【0023】
【化10】
【0024】合成例3 4,4’−イソプロピリデンビ
ス(2,6−ジクロロフェニル−ジ−2,4−ジクロロ
ベンゾエート)(以下、IBDPDという)の合成{反
応式は下記式(7)を参照} 合成例1と同様な操作により、IBDP 5.86g
(16mmol)と2,4’−ジクロロベンゾイルクロ
リド7.54g(36mmol)との反応を、トリエチ
ルアミン6mL(43mmol)の存在下、THF30
mL中で行なった。2,4−ジクロロベンゾイルクロリ
ド−THF溶液を氷冷下、7分かけて滴下し、滴下終了
後、室温で8時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を水
に注ぎ沈殿物をろ別回収した。得られた固体をn−ヘキ
サンとメチルエチルケトン(2/5の重量比)の混合溶
媒で再結晶を行い、白色結晶を得た。 ・収率 56% ・沸点:189.4〜189.9℃ ・IR(KBr、cm-1):1765(C=O este
r)、1473(C=C)、1234(C−O−C)、
810(C−Cl) ・1H−NMR(200MHz、CDCl3、TMS)、
δ(ppm):1.69(s、6H、CH3)、7.2
6(s、4H、Ha)、7.42(dd、Jbc=2.0
Hz、Jbd=8.3Hz、2.0H、Hb)、7.58
(d、Jcb=2.0Hz、2.0H、Hc)、8.16
(d、Jdb=8.3Hz、2.0H、Hd) ・13C−NMR(50MHz、CDCl3、TMS)、
δ(ppm):30.39(Ca)、43.03
(Cb)、126.06、127.14、127.2
9、127.43、128.84、131.47、13
3.28、136.28、139.76、149.02
(Aromatic C)、160.76(Cc)
ス(2,6−ジクロロフェニル−ジ−2,4−ジクロロ
ベンゾエート)(以下、IBDPDという)の合成{反
応式は下記式(7)を参照} 合成例1と同様な操作により、IBDP 5.86g
(16mmol)と2,4’−ジクロロベンゾイルクロ
リド7.54g(36mmol)との反応を、トリエチ
ルアミン6mL(43mmol)の存在下、THF30
mL中で行なった。2,4−ジクロロベンゾイルクロリ
ド−THF溶液を氷冷下、7分かけて滴下し、滴下終了
後、室温で8時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を水
に注ぎ沈殿物をろ別回収した。得られた固体をn−ヘキ
サンとメチルエチルケトン(2/5の重量比)の混合溶
媒で再結晶を行い、白色結晶を得た。 ・収率 56% ・沸点:189.4〜189.9℃ ・IR(KBr、cm-1):1765(C=O este
r)、1473(C=C)、1234(C−O−C)、
810(C−Cl) ・1H−NMR(200MHz、CDCl3、TMS)、
δ(ppm):1.69(s、6H、CH3)、7.2
6(s、4H、Ha)、7.42(dd、Jbc=2.0
Hz、Jbd=8.3Hz、2.0H、Hb)、7.58
(d、Jcb=2.0Hz、2.0H、Hc)、8.16
(d、Jdb=8.3Hz、2.0H、Hd) ・13C−NMR(50MHz、CDCl3、TMS)、
δ(ppm):30.39(Ca)、43.03
(Cb)、126.06、127.14、127.2
9、127.43、128.84、131.47、13
3.28、136.28、139.76、149.02
(Aromatic C)、160.76(Cc)
【0025】
【化11】
【0026】実施例1 ドライバック中(湿度10%未満)、アンプル管にテト
ラフェニルホスホニウムブロマイド(以下、TPPBと
いう)0.021g(0.05mmol)と回転子を入
れ、60℃で5時間減圧乾燥した。その後、ドライバッ
ク中でそのアンプル管に、1,4−ビス(3−エチル−
3−オキセタニルメトキシメチル)ベンゼン(以下、B
EOBという)0.334g(1.0mmol)、合成
例1で得たIBDPA0.450g(1.0mmol)
およびN,N−ジメチルアセトアミド(以下、DMAc
という)0.3mLを加えた。その後、アンプル管に二
方コックを接続し、密閉状態でドライバックから取り出
し、次の操作により脱気した。アンプル管を液体窒素中
に浸し、反応系内の試料を凍結させた後減圧し、数分間
減圧脱気後、アンプル管を水中に入れて解凍させて、乾
燥高純度窒素で置換した。この操作を2回繰り返した
後、再び凍結させ減圧状態でアンプル管を封管した。試
料が解凍したのを確認し、160℃のオイルバスで96
時間加熱した。反応後、得られた反応混合物を少量のク
ロロホルムで希釈し、メタノールに注ぎ生成物を沈殿さ
せた。ろ別して回収した生成物を良溶媒としてクロロホ
ルム、貧溶媒としてメタノールを用いて、2回再沈殿精
製を行い、減圧乾燥後、褐色の固体の重合体を得た。数
平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)は溶出
液にTHFを用いたGPC測定により求めた。これらの
結果から、以下の理由により、BEOBとIBDPAの
重付加反応物が得られていることが確認された。 生成物のIRスペクトル(図1参照)によれば、16
70cm-1のチオエステルに起因するピークが消失し、
1720と1267cm-1にエステル結合に起因するC
=OとC−O−Cのピークが確認された。1 H−NMRスペクトル(図2参照)において、3.
13ppmにフェニルスルフィド基に隣接するメチレン
プロトンと、テレフタロイル基に隣接するメチレンプロ
トンのシグナルを新たに確認した。これらのプロトン比
は、得られた高分子がBEOBとPBCTとの1:1の
重付加反応物であると仮定した場合の構造{下記式
(8)参照}と一致した。 ・収量:0.78g(収率 100%) ・Mn:7,400、Mw/Mn=1.83 ・IR(film、cm-1):1740(C=O)、1240
(C−O−C ester)、1098(C−O−C ethe
r)、801(C−Cl) ・1H−NMR(200MHz、CDCl3、TMS):
δ(ppm)0.66〜1.20(m、6.0H、
Ha)、1.44〜1.85(m、10.0H 、Hb、
Hc)、2.02(s、6.0H、Hd)、3.53
(s、4.0H、He)、3.87〜4.34(m、
8.0H、Hg、Hh)、4.5 0(s、4.0H、H
f)、7.06(s、4.0H、Hi)、7.28(s
、4.0H、Hj) ・13C−NMR(50MHz、CDCl3、TMS)
δ(ppm):7.60(Ca)、20.89(Cb)、
22.67(Cc)、30.38(C d)、42.39
(Ce)、42.66(Cf)、72.82(Cg)、7
3 .15(Ch)、127.29、127.39、1
29.10、137.75 、146.66、149.
16(Aromatic C)、170.90(Ci)
ラフェニルホスホニウムブロマイド(以下、TPPBと
いう)0.021g(0.05mmol)と回転子を入
れ、60℃で5時間減圧乾燥した。その後、ドライバッ
ク中でそのアンプル管に、1,4−ビス(3−エチル−
3−オキセタニルメトキシメチル)ベンゼン(以下、B
EOBという)0.334g(1.0mmol)、合成
例1で得たIBDPA0.450g(1.0mmol)
およびN,N−ジメチルアセトアミド(以下、DMAc
という)0.3mLを加えた。その後、アンプル管に二
方コックを接続し、密閉状態でドライバックから取り出
し、次の操作により脱気した。アンプル管を液体窒素中
に浸し、反応系内の試料を凍結させた後減圧し、数分間
減圧脱気後、アンプル管を水中に入れて解凍させて、乾
燥高純度窒素で置換した。この操作を2回繰り返した
後、再び凍結させ減圧状態でアンプル管を封管した。試
料が解凍したのを確認し、160℃のオイルバスで96
時間加熱した。反応後、得られた反応混合物を少量のク
ロロホルムで希釈し、メタノールに注ぎ生成物を沈殿さ
せた。ろ別して回収した生成物を良溶媒としてクロロホ
ルム、貧溶媒としてメタノールを用いて、2回再沈殿精
製を行い、減圧乾燥後、褐色の固体の重合体を得た。数
平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)は溶出
液にTHFを用いたGPC測定により求めた。これらの
結果から、以下の理由により、BEOBとIBDPAの
重付加反応物が得られていることが確認された。 生成物のIRスペクトル(図1参照)によれば、16
70cm-1のチオエステルに起因するピークが消失し、
1720と1267cm-1にエステル結合に起因するC
=OとC−O−Cのピークが確認された。1 H−NMRスペクトル(図2参照)において、3.
13ppmにフェニルスルフィド基に隣接するメチレン
プロトンと、テレフタロイル基に隣接するメチレンプロ
トンのシグナルを新たに確認した。これらのプロトン比
は、得られた高分子がBEOBとPBCTとの1:1の
重付加反応物であると仮定した場合の構造{下記式
(8)参照}と一致した。 ・収量:0.78g(収率 100%) ・Mn:7,400、Mw/Mn=1.83 ・IR(film、cm-1):1740(C=O)、1240
(C−O−C ester)、1098(C−O−C ethe
r)、801(C−Cl) ・1H−NMR(200MHz、CDCl3、TMS):
δ(ppm)0.66〜1.20(m、6.0H、
Ha)、1.44〜1.85(m、10.0H 、Hb、
Hc)、2.02(s、6.0H、Hd)、3.53
(s、4.0H、He)、3.87〜4.34(m、
8.0H、Hg、Hh)、4.5 0(s、4.0H、H
f)、7.06(s、4.0H、Hi)、7.28(s
、4.0H、Hj) ・13C−NMR(50MHz、CDCl3、TMS)
δ(ppm):7.60(Ca)、20.89(Cb)、
22.67(Cc)、30.38(C d)、42.39
(Ce)、42.66(Cf)、72.82(Cg)、7
3 .15(Ch)、127.29、127.39、1
29.10、137.75 、146.66、149.
16(Aromatic C)、170.90(Ci)
【0027】
【化12】
【0028】実施例2〜実施例9 TPPBの代わりに下記表1に示した触媒を用いた以外
は、実施例1と同様に反応を行ない、いずれもBEOB
とIBDPAの重付加反応物を得た。表1における略号
は以下のとおりである。 TBPC:テトラブチルホスホニウムクロライド TBPB:テトラブチルホスホニウムブロマイド TPPC:テトラフェニルホスホニウムクロライド TPPI:テトラフェニルホスホニウムアイオダイド 18−C−6/KCl:18−クラウン−6−エーテル
の塩化カリウム錯体 18−C−6/KBr:18−クラウン−6−エーテル
の臭化カリウム錯体 18−C−6/KI:18−クラウン−6−エーテルの
よう化カリウム錯体 DB−18−C−6/CsCl:ジベンゾ−18−クラ
ウン−6−エーテルの塩化セシウム錯体
は、実施例1と同様に反応を行ない、いずれもBEOB
とIBDPAの重付加反応物を得た。表1における略号
は以下のとおりである。 TBPC:テトラブチルホスホニウムクロライド TBPB:テトラブチルホスホニウムブロマイド TPPC:テトラフェニルホスホニウムクロライド TPPI:テトラフェニルホスホニウムアイオダイド 18−C−6/KCl:18−クラウン−6−エーテル
の塩化カリウム錯体 18−C−6/KBr:18−クラウン−6−エーテル
の臭化カリウム錯体 18−C−6/KI:18−クラウン−6−エーテルの
よう化カリウム錯体 DB−18−C−6/CsCl:ジベンゾ−18−クラ
ウン−6−エーテルの塩化セシウム錯体
【0029】
【表1】
【0030】実施例10〜実施例11 実施例1と同様な操作で、BEOB 0.334g
(1.0mmol)と表2に示す2官能フェノールのカ
ルボン酸ジエステルの反応を、触媒としてTPPB0.
021g(0.05mmol)を用い、DMAc0.3
mL中、160℃、48時間反応を行なった。得られた
重合体の数平均分子(Mn)、分子量分布(Mw/M
n)は、展開溶媒にTHFを用いたGPCにより算出し
た。
(1.0mmol)と表2に示す2官能フェノールのカ
ルボン酸ジエステルの反応を、触媒としてTPPB0.
021g(0.05mmol)を用い、DMAc0.3
mL中、160℃、48時間反応を行なった。得られた
重合体の数平均分子(Mn)、分子量分布(Mw/M
n)は、展開溶媒にTHFを用いたGPCにより算出し
た。
【0031】
【表2】
【0032】実施例12〜15 実施例1と同様な操作で、ビス{(3−(3−エチルオ
キセタニル))メチル}テレフタレート(以下、BEO
Tという)0.362g(1.0mmol)と表3に示
す2官能フェノールのカルボン酸ジエステルの反応を、
触媒としてTPPB0.021g(0.05mmol)
を用い、DMAc0.3mL中、160℃、48時間反
応を行なった。得られた重合体の数平均分子(Mn)、
分子量分布(Mw/Mn)は、展開溶媒にTHFを用い
たGPCにより算出した。表3におけるBPAA:ビス
フェノールAジアセテートを示す。
キセタニル))メチル}テレフタレート(以下、BEO
Tという)0.362g(1.0mmol)と表3に示
す2官能フェノールのカルボン酸ジエステルの反応を、
触媒としてTPPB0.021g(0.05mmol)
を用い、DMAc0.3mL中、160℃、48時間反
応を行なった。得られた重合体の数平均分子(Mn)、
分子量分布(Mw/Mn)は、展開溶媒にTHFを用い
たGPCにより算出した。表3におけるBPAA:ビス
フェノールAジアセテートを示す。
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】本発明の製造方法で得られるポリエステ
ルは、ビスオキセタン化合物と2官能フェノールのカル
ボン酸ジエステル化合物との完全な重付加反応物である
ため、その機械的強度、電気的特性に極めて優れたもの
であり、各種工業用途への使用が期待される。
ルは、ビスオキセタン化合物と2官能フェノールのカル
ボン酸ジエステル化合物との完全な重付加反応物である
ため、その機械的強度、電気的特性に極めて優れたもの
であり、各種工業用途への使用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた共重合体のIRスペクトル
を示す。
を示す。
【図2】実施例1で得られた共重合体の1H−NMRス
ペクトルを示す。
ペクトルを示す。
【図3】実施例1で得られた共重合体の13C−NMRス
ペクトルを示す。
ペクトルを示す。
Claims (4)
- 【請求項1】ビスオキセタン化合物と2官能性フェノー
ルのカルボン酸ジエステル化合物とを重付加反応させる
ことを特徴とするポリエステルの製造方法。 - 【請求項2】第四オニウム塩、クラウンエーテル錯体ま
たは第三アミンの存在下に重付加反応を行なうことを特
徴とする請求項1に記載のポリエステルの製造方法。 - 【請求項3】ビスオキセタン化合物が下記式(1)で表
される化合物である請求項1または請求項2に記載にポ
リエステルの製造方法。 【化1】 {式中、R5は下記式(2)で表されるいずれかの置換
基を示す} 【化2】 - 【請求項4】2官能性フェノールのカルボン酸ジエステ
ル化合物が下記式(3)で表される化合物である請求項
1から請求項3のいずれかに記載のポリエステルの製造
方法。 【化3】 (式中、Ar2は下記式(4)で表されるいずれかの置
換基を示し、R6は炭素数が1〜6のアルキル基または
置換基を有してもよいフェニル基を示す) 【化4】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000191654A JP2002003593A (ja) | 2000-06-26 | 2000-06-26 | ビスオキセタン化合物と2官能性フェノールのカルボン酸ジエステル化合物からなるポリエステルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000191654A JP2002003593A (ja) | 2000-06-26 | 2000-06-26 | ビスオキセタン化合物と2官能性フェノールのカルボン酸ジエステル化合物からなるポリエステルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002003593A true JP2002003593A (ja) | 2002-01-09 |
Family
ID=18690926
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000191654A Withdrawn JP2002003593A (ja) | 2000-06-26 | 2000-06-26 | ビスオキセタン化合物と2官能性フェノールのカルボン酸ジエステル化合物からなるポリエステルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002003593A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004510785A (ja) * | 2000-10-04 | 2004-04-08 | コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ | 重合性液晶ジオキセタン、並びにその製造方法及び使用 |
-
2000
- 2000-06-26 JP JP2000191654A patent/JP2002003593A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004510785A (ja) * | 2000-10-04 | 2004-04-08 | コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ | 重合性液晶ジオキセタン、並びにその製造方法及び使用 |
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