JP2002003476A - 6−メチルニコチン酸の製造方法 - Google Patents

6−メチルニコチン酸の製造方法

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nitric acid
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methylnicotinic
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Naoaki Kanda
尚明 神田
Kazuyoshi Yamashita
和良 山下
Hirokazu Kagano
宏和 加賀野
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Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】工業的に有利に6−メチルニコチン酸を製造す
る方法、ならびに容易にかつ安価に6−メチルニコチン
酸を単離する方法を提供すること。 【解決手段】反応容器内で5−エチル−2−メチルピリ
ジンを硫酸の存在下で硝酸で酸化させて6−メチルニコ
チン酸を製造する際に、反応容器内の気相中の硝酸濃度
が70重量%以上に到達した後、30〜68重量%に低
下した時点で精留を開始して系内の水を留去することを
特徴とする6−メチルニコチン酸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、6−メチルニコチ
ン酸の製造方法に関する。さらに詳しくは、医薬、農薬
等の重要な製造中間体である6−メチルニコチン酸の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】6−メチルニコチン酸の製造方法として
は、危険な5−エチル−2−メチルピリジンの硝酸塩が
副生するのを防ぐために、硫酸の存在下に、濃度が70
重量%程度の硝酸水溶液を5−エチル−2−メチルピリ
ジンに滴下する方法が知られている(特公平4−752
30号公報)。
【0003】しかし、硝酸が酸化剤として消費されるの
に伴って反応系内の水量が増加し、反応溶液中の硝酸の
濃度が低くなり、酸化反応が進行しにくくなる。したが
って、硝酸濃度の低下を防ぐために、反応系内から水を
留去する必要がある。
【0004】しかしながら、反応系内から水を留去した
場合には、硝酸と水とが共沸して水と共に硝酸が反応系
内から留去されるため、5−エチル−2−メチルピリジ
ンに対して多量の硝酸を必要とする。さらに、反応系内
から水を留去するのに高温で反応させる必要があるた
め、かかる方法は、工業的に有利な方法であるとは言い
難い。
【0005】また、前記方法で得られた6−メチルニコ
チン酸は、溶液中に6−メチルニコチン酸の硫酸塩とし
て存在している。6−メチルニコチン酸を遊離の酸とし
て単離する方法としては、酢酸銅等を添加して6−メチ
ルニコチン酸の銅塩として単離した後、硫化水素を用い
て6−メチルニコチン酸とする方法〔ケミカルアブスト
ラクト(CA)、45(1951)p.9054〕、イ
オン交換樹脂を用いて単離する方法(米国特許第2,9
91,285号明細書)等が知られている。
【0006】しかしながら、前者の方法には、工業的に
はプロセスが煩雑であるという欠点がある。また、後者
の方法には、イオン交換樹脂が高価であり、しかも収率
が低いという欠点がある。したがって、両者とも、工業
的に有利な方法であるとは言い難い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、工業的に有
利に6−メチルニコチン酸を製造する方法、ならびに容
易にかつ安価に6−メチルニコチン酸を単離する方法を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、(1)反応容器内で5−エチル−2−メチルピリジ
ンを硫酸の存在下で硝酸で酸化させて6−メチルニコチ
ン酸を製造する際に、反応容器内の気相中の硝酸濃度が
70重量%以上に到達した後、30〜68重量%に低下
した時点で精留を開始して系内の水を留去することを特
徴とする6−メチルニコチン酸の製造方法(以下、第1
の態様という)、および(2)5−エチル−2−メチル
ピリジンを酸化させて得られた6−メチルニコチン酸を
含む溶液にアルカリを添加し、6−メチルニコチン酸を
単離することを特徴とする6−メチルニコチン酸の製造
方法(以下、第2の態様という)に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明においては、反応容器内で
5−エチル−2−メチルピリジンを硫酸の存在下に硝酸
で酸化させて6−メチルニコチン酸を製造する際に、反
応容器内の気相中の硝酸濃度が70重量%以上に到達し
た後、30〜68重量%に低下した時点で精留を開始し
て系内の水を留去するという手段が採られているので、
硝酸と水の共沸成分中の硝酸の割合が減少し、反応系内
から留去される硝酸が低減される結果、反応に要する硝
酸の量を低減させることでき、しかも精留によって系内
の水が留去されるので、従来法と比べて低温で効率よく
反応させることができる。
【0010】さらに、5−エチル−2−メチルピリジン
を酸化させて得られた6−メチルニコチン酸を含む溶液
にアルカリを添加した場合には、6−メチルニコチン酸
が析出し、これを容易に単離することができる。
【0011】本発明の6−メチルニコチン酸の製造方法
における第1の態様は、前記したように、反応容器内で
5−エチル−2−メチルピリジンを硫酸の存在下で硝酸
で酸化させて6−メチルニコチン酸を製造する際に、反
応容器内の気相中の硝酸濃度が70重量%以上に到達し
た後、30〜68重量%に低下した時点で精留を開始し
て系内の水を留去することを特徴とする。
【0012】ここで、気相中の硝酸濃度は、反応容器内
の気相中の硝酸蒸気の重量をx、水蒸気の重量をyとし
たとき、式: 〔気相中の硝酸濃度〕=〔x/(x+y)〕×100
(重量%) によって求められる数値である。具体的には、反応容器
内の気相100mlを採取し、これを20℃に冷却して
液化させて得られた硝酸水溶液の重量(x+y)を測定
し、この硝酸水溶液を0.01モル/Lの水酸化ナトリ
ウムで滴定することによって硝酸蒸気の重量(x)を求
めた後、上記式にしたがって求めることができる。
【0013】まず、第1の態様においては、反応容器内
に、5−エチル−2−メチルピリジンおよび硫酸を仕込
む。この場合、反応容器内に硫酸を仕込んだ後、5−エ
チル−2−メチルピリジンを滴下することが好ましい。
5−エチル−2−メチルピリジンを滴下する際の反応容
器内の温度は、10〜40℃程度であることが好まし
い。
【0014】硫酸の量は、5−エチル−2−メチルピリ
ジン1モルあたり、1〜5モル、好ましくは1〜3モル
であることが望ましい。5−エチル−2−メチルピリジ
ン1モルあたりの硫酸の量が1モル未満である場合、反
応が完結しにくくなり、また5モルを越える場合、その
量に見合うだけの効果がなく、経済的でない。なお、硫
酸の濃度は、特に限定されず、通常、90〜98重量%
であることが好ましい。
【0015】なお、反応容器内には、反応を円滑に進行
させるために、酸化触媒を添加してもよい。酸化触媒と
しては、例えば、硝酸バナジウム、塩化亜鉛、硝酸銅等
が挙げられる。酸化触媒の量は、5−エチル−2−メチ
ルピリジン1モルあたり、0.001〜0.02モル、
好ましくは0.003〜0.02モルであることが望ま
しい。5−エチル−2−メチルピリジン1モルあたりの
酸化触媒の添加量が0.001モル未満である場合、反
応を円滑に進行させる効果が小さく、また0.02モル
を越える場合、その添加量に見合うだけの効果が小さ
く、経済的でない。
【0016】反応容器内に、5−エチル−2−メチルピ
リジンおよび硫酸を仕込んだ後、得られた溶液を昇温さ
せる。このとき、この溶液の温度が130〜140℃と
なるように昇温させることが好ましい。前記温度が13
0℃未満である場合、反応速度が遅く反応に長時間を要
する。一方、反応温度が140℃を越える場合、副反応
が起こりやすく、収率が低下するおそれがある。
【0017】次に、前記溶液に硝酸を添加する。硝酸
は、例えば、滴下することにより、前記溶液に添加する
ことができる。
【0018】硝酸は、通常、水溶液として用いることが
できる。この場合、硝酸水溶液の濃度は、20〜80重
量%、好ましくは40〜70重量%であることが望まし
い。硝酸の濃度が20重量%未満である場合、反応溶液
中の水の量が増加するようになる。一方、硝酸の濃度が
80重量%を越える場合、5−エチル−2−メチルピリ
ジンの硝酸塩が副生するおそれがある。
【0019】硝酸の量は、5−エチル−2−メチルピリ
ジン1モルあたり、3〜10モル、好ましくは3〜8モ
ルであることが望ましい。5−エチル−2−メチルピリ
ジン1モルあたりの硝酸の量が3モル未満である場合、
反応が完結しにくくなり、10モルを越える場合、その
量に見合うだけの効果がなく、かえって経済的でないよ
うになる。
【0020】反応容器内に硝酸を添加し、反応溶液の温
度を130〜140℃に保持することにより、反応容器
内の気相中の硝酸濃度が通常、70重量%以上、大抵の
場合、90重量%以上に到達する。
【0021】その後、5−エチル−2−メチルピリジン
の硝酸による酸化反応が進行するにしたがって、反応容
器内の気相中の硝酸濃度が次第に低下するようになる。
【0022】反応容器内の気相中の硝酸濃度が30〜6
8重量%以下、好ましくは45〜68重量%に低下した
時点で精留を開始する。
【0023】本発明においては、このように、反応容器
内の気相中の硝酸濃度が30〜68重量%以下、好まし
くは45〜68重量%に低下した時点で精留を開始する
点に、1つの大きな特徴があり、かかる操作を採ること
により、硝酸と水の共沸成分中における水の割合が増加
する結果、反応系内から留去される硝酸の量が低減され
るという格別顕著に優れた効果が奏される。
【0024】なお、精留を開始する際の硝酸濃度は、3
0重量%未満である場合、反応系内の硝酸濃度が上昇し
にくく、反応時間が長くなり、また68重量%を越える
場合、逆に硝酸と水の共沸成分中の硝酸の割合が増加
し、反応系内から留去される硝酸が多くなる。
【0025】精留は、還流することにより、行なうこと
ができる。精留における還流比は、通常、1〜10、好
ましくは1〜5である。還流比が1未満である場合、精
留する効果が小さく、硝酸と水の共沸成分中の硝酸の割
合が増加し、反応系外に留去される硝酸が多くなるおそ
れがある。一方、還流比が10を越える場合、反応系外
に留去される硝酸および水の量が少なくなり反応溶液中
の硝酸の濃度が高くならず、反応時間が長くなるおそれ
がある。
【0026】反応の終了は、硝酸および水が反応系外に
ほとんど留出しなくなったことを確認することにより、
行なうことができる。
【0027】なお、反応時間は、反応温度によって異な
るが、通常、5〜40時間程度である。
【0028】かくして得られた反応溶液には、6−メチ
ルニコチン酸は、通常、硫酸塩として存在している。
【0029】したがって、この反応溶液を以下に述べる
第2の態様に供することにより、6−メチルニコチン酸
を遊離の酸として容易に単離することができる。
【0030】第2の態様は、5−エチル−2−メチルピ
リジンを酸化させて得られる6−メチルニコチン酸を含
む溶液に、アルカリを添加して6−メチルニコチン酸を
単離することを特徴とする。
【0031】6−メチルニコチン酸を含む溶液として
は、特に限定されないが、第1の態様によって得られた
6−メチルニコチン酸の反応溶液を好適に使用すること
ができる。
【0032】アルカリとしては、特に限定されず、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等の強アルカリ、アンモ
ニア、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の弱アル
カリ等が挙げられる。これらのなかでは、副生する硫酸
アンモニウムや硝酸アンモニウムの水に対する溶解度が
高く、塩析効果が期待できる観点から、アンモニアが好
ましい。なお、アルカリは、通常、水溶液として用いら
れ、その水溶液の濃度は、通常、10〜40重量%であ
ることが好ましい。
【0033】アルカリの量は、6−メチルニコチン酸を
含む溶液のpHが3〜6、好ましくは3.8〜4となる
量が好ましい。6−メチルニコチン酸を含む溶液のpH
が3未満となる量でアルカリを使用した場合、6−メチ
ルニコチン酸が析出しにくくなる。一方、pHが6を越
える量でアルカリを使用した場合、析出した6−メチル
ニコチン酸がアルカリ塩として再溶解するようになる。
【0034】アルカリを添加する際の6−メチルニコチ
ン酸を含む溶液の温度は、特に限定されないが、30〜
70℃であることが好ましい。溶液の温度が30℃未満
である場合、析出した6−メチルニコチン酸の結晶が小
さくなり、析出した6−メチルニコチン酸を濾別する際
に、濾過性が悪化するようになる。一方、溶液の温度が
70℃を越える場合、6−メチルニコチン酸が析出しに
くく、収率が低下するおそれがある。
【0035】アルカリの添加に要する時間は、その添加
温度によって異なるが、通常、1〜6時間であることが
好ましい。
【0036】なお、6−メチルニコチン酸を含む溶液に
アルカリを添加した際に生成する硫酸および硝酸のアル
カリ塩を溶解させる目的で、水を添加することが好まし
い。
【0037】水の量は、6−メチルニコチン酸を含む溶
液100重量部に対して10〜80重量部、好ましくは
30〜50重量部であることが望ましい。6−メチルニ
コチン酸を含む溶液100重量部に対する水の量が10
重量部未満である場合、生成する硫酸および硝酸のアル
カリ塩が十分に溶解せず、得られた6−メチルニコチン
酸の純度が低下するおそれがあり80重量部を越える場
合、水に溶解する6−メチルニコチン酸の量が多くな
り、収率が低下するおそれがある。
【0038】アルカリの添加終了後、溶液の液温を5〜
30℃に冷却し、析出した6−メチルニコチン酸を溶液
から濾別し、乾燥することにより、容易に6−メチルニ
コチン酸を得ることができる。
【0039】かくして得られた6−メチルニコチン酸
は、医薬、農薬等の製造中間体として好適に使用しうる
ものである。
【0040】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。
【0041】実施例1 攪拌器、温度計、滴下ロートおよび段数5段の精留装置
を備えた1L容の四つ口フラスコに96重量%硫酸20
4.2g(2.0モル)および硫酸バナジウム3.6g
(0.031モル)を仕込み、5−エチル−2−メチル
ピリジン121.2g(1.0モル)を20℃で0.5
時間を要して滴下した。滴下後、その溶液を130〜1
40℃に昇温し、同温度で68重量%硝酸水溶液36
5.2g(4.00モル)を1g/分の速度で滴下し
た。
【0042】滴下開始後、反応容器内の気相中の硝酸濃
度が95重量%に到達した後、40重量%に低下した時
点で、還流比3で精留を開始し、精留により系内の水お
よび硝酸を留去しながら68重量%硝酸水溶液の滴下を
続けた。滴下終了後、同温度でさらに1時間反応させ
た。このとき、精留により反応系外に留去された硝酸の
量は64.8g(1.03モル)、水の量は111.6
gであった。
【0043】反応終了後、反応溶液を冷却し、6−メチ
ルニコチン酸を含む反応溶液385.5gを得た。反応
溶液中の6−メチルニコチン酸の量は、高速液体クロマ
トグラフィーにより測定した結果、93.2g(0.6
8モル)であった。5−エチル−2−メチルピリジンに
対する収率は、68%であった。
【0044】実施例2 実施例1において、滴下開始後、反応容器内の気相中の
硝酸濃度が95重量%に到達した後、66重量%に低下
した時点で、還流比3で精留を開始した以外は、実施例
1と同様に反応を行った。このとき、反応系外に留去さ
れた硝酸の量は49.9g(0.79モル)、水の量は
110.7gであった。
【0045】反応終了後、反応溶液を冷却し、6−メチ
ルニコチン酸を含む反応溶液370.7gを得た。反応
溶液中の6−メチルニコチン酸の量は、高速液体クロマ
トグラフィーにより測定した結果、100.1g(0.
73モル)であった。5−エチル−2−メチルピリジン
に対する収率は、73%であった。
【0046】実施例3 実施例1において滴下開始後、反応容器内の気相中の硝
酸濃度が95重量%に到達した後、51重量%に低下し
た時点で、還流比3で精留を開始した以外は、実施例1
と同様に反応を行った。このとき、反応系外に留去され
た硝酸の量は26.4g(0.42モル)、水の量は1
12.4gであった。
【0047】反応終了後、反応溶液を冷却し、6−メチ
ルニコチン酸を含む反応溶液361.0gを得た。反応
溶液中の6−メチルニコチン酸の量は、高速液体クロマ
トグラフィーにより測定した結果、108.3g(0.
79モル)であった。5−エチル−2−メチルピリジン
に対する収率は、79%であった。
【0048】実施例4 攪拌器、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた1L
容の四つ口フラスコに、実施例1で得られた6−メチル
ニコチン酸を含む反応溶液385.5gおよび水168
gを仕込み、50〜60℃に昇温した。同温度で、28
重量%アンモニア水を反応溶液のpHが3.8〜4.0
になるまで3時間を要して滴下した。このとき、28重
量%アンモニア水は238.0g(3.92モル)必要
であった。
【0049】反応溶液を10℃に冷却し、析出した6−
メチルニコチン酸を濾別し、乾燥して6−メチルニコチ
ン酸80.2g(0.58モル)を得た。得られた6−
メチルニコチン酸の純度は、高速液体クロマトグラフィ
ーにより測定した結果、71.6%であった。
【0050】実施例5 攪拌器、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた1L
容の四つ口フラスコに、実施例2で得られた6−メチル
ニコチン酸を含む反応溶液370.7gおよび水178
gを仕込み、50〜60℃に昇温した。同温度で、28
重量%アンモニア水を反応溶液のpHが4.0〜4.6
になるまで3時間を要して滴下した。このとき、28重
量%アンモニア水は235.0g(3.87モル)必要
であった。
【0051】反応溶液を10℃に冷却し、析出した6−
メチルニコチン酸を濾別し、乾燥して6−メチルニコチ
ン酸84.1g(0.61モル)を得た。得られた6−
メチルニコチン酸の純度は、高速液体クロマトグラフィ
ーにより測定した結果、73.9%であった。
【0052】比較例1 実施例1において、滴下開始後、反応容器内の気相中の
硝酸濃度が95重量%に到達した後、90重量%に低下
した時点で、還流比3で精留を開始した以外は、実施例
1と同様に反応を行った。このとき、反応系外に留去さ
れた硝酸の量は90.5g(1.43モル)、水の量は
111.9gであった。
【0053】反応終了後、反応溶液を冷却し、6−メチ
ルニコチン酸を含む反応溶液369.4gを得た。反応
溶液中の6−メチルニコチン酸は、高速液体クロマトグ
ラフィーにより測定した結果、79.9g(0.58モ
ル)であり、5−エチル−2−メチルピリジンに対する
収率は、58.3%であった。
【0054】
【発明の効果】本発明の方法によれば、工業的に有利に
6−メチルニコチン酸を製造することができる。また、
本発明の方法によれば、容易にかつ安価に6−メチルニ
コチン酸を単離することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加賀野 宏和 兵庫県加古郡播磨町宮西346番地の1 住 友精化株式会社精密化学品研究所内 Fターム(参考) 4C055 AA01 BA02 BA05 BA06 CA02 CA57 DA01 4H039 CA65 CC30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応容器内で5−エチル−2−メチルピ
    リジンを硫酸の存在下で硝酸で酸化させて6−メチルニ
    コチン酸を製造する際に、反応容器内の気相中の硝酸濃
    度が70重量%以上に到達した後、30〜68重量%に
    低下した時点で精留を開始して系内の水を留去すること
    を特徴とする6−メチルニコチン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 還流比1〜10で精留を行う請求項1記
    載の6−メチルニコチン酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 5−エチル−2−メチルピリジンを酸化
    させる際の温度が、130〜140℃である請求項1ま
    たは2記載の6−メチルニコチン酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 硝酸の量が、5−エチル−2−メチルピ
    リジン1モルあたり3〜10モルである請求項1〜3い
    ずれか記載の6−メチルニコチン酸の製造方法。
  5. 【請求項5】 硫酸の量が、5−エチル−2−メチルピ
    リジン1モルあたり1〜5モルである請求項1〜4いず
    れか記載の6−メチルニコチン酸の製造方法。
  6. 【請求項6】 5−エチル−2−メチルピリジンを酸化
    させて得られた6−メチルニコチン酸を含む溶液にアル
    カリを添加し、6−メチルニコチン酸を単離することを
    特徴とする6−メチルニコチン酸の製造方法。
  7. 【請求項7】 6−メチルニコチン酸を含む溶液のpH
    が、3〜6となるようにアルカリを添加する請求項6記
    載の6−メチルニコチン酸の製造方法。
  8. 【請求項8】 アルカリが、アンモニアである請求項6
    または7記載の6−メチルニコチン酸の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008162919A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Canon Inc フラン環化合物の製造方法

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JP2008162919A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Canon Inc フラン環化合物の製造方法

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