JP2002001575A - 無鉛半田合金およびこの無鉛半田合金を搭載した回路基板ならびに管球 - Google Patents
無鉛半田合金およびこの無鉛半田合金を搭載した回路基板ならびに管球Info
- Publication number
- JP2002001575A JP2002001575A JP2000180404A JP2000180404A JP2002001575A JP 2002001575 A JP2002001575 A JP 2002001575A JP 2000180404 A JP2000180404 A JP 2000180404A JP 2000180404 A JP2000180404 A JP 2000180404A JP 2002001575 A JP2002001575 A JP 2002001575A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lead
- solder alloy
- free solder
- mol
- eutectic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 Pb等の有害物質を含まず、Pb−Sn共晶
半田の融解温度と近い融解温度を有する無鉛半田合金お
よびこの無鉛半田合金を用いて電子部品が実装された回
路基板、この無鉛半田合金を用いて半田付けされた管球
を提供する。 【解決手段】 Snが86.2モル%、Znが10モル
%、Alが2モル%、Biが1.8モル%からなる半田
合金。
半田の融解温度と近い融解温度を有する無鉛半田合金お
よびこの無鉛半田合金を用いて電子部品が実装された回
路基板、この無鉛半田合金を用いて半田付けされた管球
を提供する。 【解決手段】 Snが86.2モル%、Znが10モル
%、Alが2モル%、Biが1.8モル%からなる半田
合金。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉛(Pb)を含ま
ない無鉛半田合金およびこの無鉛半田合金を用いて電子
部品が実装された回路基板、口金とリード線とが半田付
けされた管球に関するものである。
ない無鉛半田合金およびこの無鉛半田合金を用いて電子
部品が実装された回路基板、口金とリード線とが半田付
けされた管球に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半田合金は、各種金属の接合のために広
く使われており、その中でもPb−Sn共晶半田は約1
83℃の共晶融解温度を持ち、一般的な半田となってい
る。
く使われており、その中でもPb−Sn共晶半田は約1
83℃の共晶融解温度を持ち、一般的な半田となってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、ほとんどの電気
機器や自動車をはじめとしてかなりの工業製品にPb−
Sn共晶半田が使用されてきており、半田合金は、金属
材料同士の導電性の簡便な接合材として産業界において
欠くことのできない素材となっている。しかしながら、
鉛は重金属であり、生体にとって有毒であり、Pb−S
n共晶半田が使用された機器類の廃棄に伴い、Pbによ
る環境汚染が深刻化し、近年はPbを使わない無鉛半田
合金が強く望まれている。
機器や自動車をはじめとしてかなりの工業製品にPb−
Sn共晶半田が使用されてきており、半田合金は、金属
材料同士の導電性の簡便な接合材として産業界において
欠くことのできない素材となっている。しかしながら、
鉛は重金属であり、生体にとって有毒であり、Pb−S
n共晶半田が使用された機器類の廃棄に伴い、Pbによ
る環境汚染が深刻化し、近年はPbを使わない無鉛半田
合金が強く望まれている。
【0004】使用温度、材料が限定されなければ、Pb
−Sn共晶系以外の現存する各種の半田合金を適用でき
るが、これまでPb−Sn共晶半田が使われてきた領域
では、Pb−Sn共晶半田を使用する対象となる相手の
材料(半田付け部材)が、Pb−Sn共晶半田の融解温
度に適合するように選定されてきてしまっており、かつ
半田付け部材を接合する半田付け設備や器具も温度的に
も材料的にもPb−Sn共晶半田に適合するように設計
されている。
−Sn共晶系以外の現存する各種の半田合金を適用でき
るが、これまでPb−Sn共晶半田が使われてきた領域
では、Pb−Sn共晶半田を使用する対象となる相手の
材料(半田付け部材)が、Pb−Sn共晶半田の融解温
度に適合するように選定されてきてしまっており、かつ
半田付け部材を接合する半田付け設備や器具も温度的に
も材料的にもPb−Sn共晶半田に適合するように設計
されている。
【0005】このため、半田合金成分および融解温度が
従来とできるだけ変わらないこと、すなわち、融解温度
がPb−Sn共晶半田の融解温度183℃に近く、かつ
Pb−Sn共晶の融解のように狭い温度範囲で融解で
き、しかも、Pbを含んでいない実用可能な半田とする
ことが産業上極めて望ましい。
従来とできるだけ変わらないこと、すなわち、融解温度
がPb−Sn共晶半田の融解温度183℃に近く、かつ
Pb−Sn共晶の融解のように狭い温度範囲で融解で
き、しかも、Pbを含んでいない実用可能な半田とする
ことが産業上極めて望ましい。
【0006】しかしながら、現在提案されている無鉛半
田合金は、その融点がPb−Sn共晶半田の融点よりも
高いものが多くなっている。
田合金は、その融点がPb−Sn共晶半田の融点よりも
高いものが多くなっている。
【0007】本発明はこのような問題を解決するために
なされたもので、Pbおよび有害物質を含まず、Pb−
Sn共晶半田の融解温度と近い融解温度を有する無鉛半
田合金およびこの無鉛半田合金を用いて電子部品が実装
された回路基板、ならびにこの無鉛半田合金を用いて口
金とリード線とが半田付けされた管球を提供することを
目的とする。
なされたもので、Pbおよび有害物質を含まず、Pb−
Sn共晶半田の融解温度と近い融解温度を有する無鉛半
田合金およびこの無鉛半田合金を用いて電子部品が実装
された回路基板、ならびにこの無鉛半田合金を用いて口
金とリード線とが半田付けされた管球を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の無鉛半田合金お
よびこの無鉛半田合金が使用された回路基板、および管
球は、次の様である。
よびこの無鉛半田合金が使用された回路基板、および管
球は、次の様である。
【0009】(1)本発明の無鉛半田合金は、錫(S
n)、亜鉛(Zn)およびアルミニウム(Al)の三元
共晶を含むことを特徴とする。
n)、亜鉛(Zn)およびアルミニウム(Al)の三元
共晶を含むことを特徴とする。
【0010】(2)前記(1)項に記載の無鉛半田合金
においては、無鉛半田合金を構成する全成分の合計量を
100モル%とした場合に、錫(Sn)、亜鉛(Zn)
およびアルミニウム(Al)の含有割合が、錫(Sn)
94〜82モル%、亜鉛(Zn)5〜15モル%、およ
びアルミニウム(Al)1〜3モル%である事がこのま
しい。
においては、無鉛半田合金を構成する全成分の合計量を
100モル%とした場合に、錫(Sn)、亜鉛(Zn)
およびアルミニウム(Al)の含有割合が、錫(Sn)
94〜82モル%、亜鉛(Zn)5〜15モル%、およ
びアルミニウム(Al)1〜3モル%である事がこのま
しい。
【0011】(3)また、前記(1)又は(2)項のい
ずれかに記載の無鉛半田合金においては、Sn、Znお
よびAlの三つの相の少なくとも一つの相に固溶し得る
金属を更に含むことが好ましい。
ずれかに記載の無鉛半田合金においては、Sn、Znお
よびAlの三つの相の少なくとも一つの相に固溶し得る
金属を更に含むことが好ましい。
【0012】(4)また、前記(3)項に記載の無鉛半
田合金においては、固溶し得る金属が、ビスマス(B
i)、インジウム(In)もしくはこれらの組み合わせ
から選ばれたいずれかであることが好ましい。
田合金においては、固溶し得る金属が、ビスマス(B
i)、インジウム(In)もしくはこれらの組み合わせ
から選ばれたいずれかであることが好ましい。
【0013】(5)また、前記(3)項又は(4)項の
いずれかに記載の無鉛半田合金においては、無鉛半田合
金を構成する全成分の合計量を100モル%とした場合
に、固溶し得る金属の含有割合が、2モル%以下である
ことが好ましい。
いずれかに記載の無鉛半田合金においては、無鉛半田合
金を構成する全成分の合計量を100モル%とした場合
に、固溶し得る金属の含有割合が、2モル%以下である
ことが好ましい。
【0014】(6)また、本発明の回路基板は、前記
(1)〜(5)項のいずれかに記載の無鉛半田合金を用
いて、電子部品が実装されていることを特徴とする。
(1)〜(5)項のいずれかに記載の無鉛半田合金を用
いて、電子部品が実装されていることを特徴とする。
【0015】(7)また、本発明の管球は、前記(1)
〜(5)項のいずれかに記載の無鉛半田合金を用いて、
口金とリード線とが半田付けされていることを特徴とす
る。
〜(5)項のいずれかに記載の無鉛半田合金を用いて、
口金とリード線とが半田付けされていることを特徴とす
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の無鉛半田合金は、Sn、
ZnおよびAlの三元共晶を含んだ構成を有している。
これらの組成割合は、無鉛半田合金を構成する全成分の
合計量を100モル%とした場合に、錫(Sn)、亜鉛
(Zn)およびアルミニウム(Al)の含有割合が、錫
(Sn)94〜82モル%、亜鉛(Zn)5〜15モル
%、およびアルミニウム(Al)1〜3モル%の範囲が
好ましい。
ZnおよびAlの三元共晶を含んだ構成を有している。
これらの組成割合は、無鉛半田合金を構成する全成分の
合計量を100モル%とした場合に、錫(Sn)、亜鉛
(Zn)およびアルミニウム(Al)の含有割合が、錫
(Sn)94〜82モル%、亜鉛(Zn)5〜15モル
%、およびアルミニウム(Al)1〜3モル%の範囲が
好ましい。
【0017】このような本発明の半田合金は、Pb−S
n共晶半田の共晶融解温度である183℃に近い約19
6℃前後の共晶融解温度を有し、したがってPb−Sn
共晶半田とほぼ同様な条件で使用できる無鉛半田合金と
することができ、半田付けの対象となる部材や物品とし
て更に耐熱性の高い材料の使用が余儀なくされる事はな
く、従来と同等の耐熱性を有する素材からなる半田付け
対象物品も使用できるし、また半田付け対象部材を接合
する半田付け設備や器具も温度的にも材料的にもPb−
Sn共晶半田に使用してきたものが使用でき好ましい。
n共晶半田の共晶融解温度である183℃に近い約19
6℃前後の共晶融解温度を有し、したがってPb−Sn
共晶半田とほぼ同様な条件で使用できる無鉛半田合金と
することができ、半田付けの対象となる部材や物品とし
て更に耐熱性の高い材料の使用が余儀なくされる事はな
く、従来と同等の耐熱性を有する素材からなる半田付け
対象物品も使用できるし、また半田付け対象部材を接合
する半田付け設備や器具も温度的にも材料的にもPb−
Sn共晶半田に使用してきたものが使用でき好ましい。
【0018】特に、本発明の無鉛半田合金においては、
Sn、ZnおよびAlの三つの相の少なくともいずれか
一つの相に固溶し得る金属を更に含むことが好ましい。
Sn、ZnおよびAlの三つの相の少なくともいずれか
一つの相に固溶し得る金属を更に含むことが好ましい。
【0019】このような固溶し得る金属(以下、固溶金
属と略称することがある。)を含ませることにより、半
田合金の融解温度をさらに下げたり、その他半田合金に
実用上より望ましい性質を付与したりすることができ好
ましい。
属と略称することがある。)を含ませることにより、半
田合金の融解温度をさらに下げたり、その他半田合金に
実用上より望ましい性質を付与したりすることができ好
ましい。
【0020】固溶金属としては、Bi、Inもしくはこ
れらの組み合わせが好適である。例えば、Snの一部を
Bi、Inもしくはこれらの組み合わせに置換し(S
n,Bi)、(Sn,In)もしくは(Sn,Bi,I
n)の構造にすることにより、融解温度をさらに下げる
ことができる。
れらの組み合わせが好適である。例えば、Snの一部を
Bi、Inもしくはこれらの組み合わせに置換し(S
n,Bi)、(Sn,In)もしくは(Sn,Bi,I
n)の構造にすることにより、融解温度をさらに下げる
ことができる。
【0021】無鉛半田合金を構成する全成分の合計量を
100モル%とした場合に、固溶金属の含有割合は、固
溶金属の種類によって異なるが、例えばBi、Inもし
くはこれらを組み合わせたものを用いた場合には、2モ
ル%以下が好ましい。2モル%以下であると、Snと固
溶金属との共晶が形成されにくく、従って半田合金の融
解温度が著しく低下しすぎてしまうこともなく好まし
い。
100モル%とした場合に、固溶金属の含有割合は、固
溶金属の種類によって異なるが、例えばBi、Inもし
くはこれらを組み合わせたものを用いた場合には、2モ
ル%以下が好ましい。2モル%以下であると、Snと固
溶金属との共晶が形成されにくく、従って半田合金の融
解温度が著しく低下しすぎてしまうこともなく好まし
い。
【0022】このようにSn、ZnおよびAlの三つの
相の少なくとも一つの相に固溶し得る金属を更に含ませ
る場合においても、前記固溶金属を含む全成分の合計量
が100モル%の範囲内で適宜調整される。例えば、B
i、Inもしくはこれらの組み合わせを用いた場合、S
nの含有量を調節する。
相の少なくとも一つの相に固溶し得る金属を更に含ませ
る場合においても、前記固溶金属を含む全成分の合計量
が100モル%の範囲内で適宜調整される。例えば、B
i、Inもしくはこれらの組み合わせを用いた場合、S
nの含有量を調節する。
【0023】次に、本発明の回路基板は、上記無鉛半田
合金を用いて電子部品が実装されている回路基板であ
り、回路基板上に実装される電子部品としては、Pb−
Sn共晶半田を用いて実装される電子部品と同等のもの
が使用できる。特に限定されるものではないが、電子部
品としては、例えば、電解コンデンサーなどの電極リー
ド線が出ているリード線を回路基板に差し込んで半田付
けするような挿入部品、トランジスターや半導体部品な
どの表面実装部品、チップ抵抗器やチップコンデンサー
などのベアチップ部品、リード線、コネクタ等が挙げら
れる。
合金を用いて電子部品が実装されている回路基板であ
り、回路基板上に実装される電子部品としては、Pb−
Sn共晶半田を用いて実装される電子部品と同等のもの
が使用できる。特に限定されるものではないが、電子部
品としては、例えば、電解コンデンサーなどの電極リー
ド線が出ているリード線を回路基板に差し込んで半田付
けするような挿入部品、トランジスターや半導体部品な
どの表面実装部品、チップ抵抗器やチップコンデンサー
などのベアチップ部品、リード線、コネクタ等が挙げら
れる。
【0024】この構成により、回路基板の半田部分の無
鉛化を図ることができ、しかも、半田付けの際に、Pb
−Sn共晶半田による半田付けで使用してきた半田付け
設備や半田付け用器具も使用でき好ましい。
鉛化を図ることができ、しかも、半田付けの際に、Pb
−Sn共晶半田による半田付けで使用してきた半田付け
設備や半田付け用器具も使用でき好ましい。
【0025】次に、本発明の管球は、上記本発明の無鉛
半田を用いて口金とリード線とが半田付けされている管
球である。
半田を用いて口金とリード線とが半田付けされている管
球である。
【0026】管球は、一般家庭も含めて、使用量が極め
て多く、また、電球のフィラメント切れにより、交換の
ために廃棄される量は極めて多いが、本発明の管球を用
いることにより、管球の無鉛化を図ることができ、環境
汚染を少なくすることが出来好ましい。しかも、Pb−
Sn共晶半田を用いて作製されてきた管球と同等の耐熱
性の部品や材料を使用することもでき、また、半田付け
の際に、Pb−Sn共晶半田による半田付けで使用して
きた半田付け設備や半田付け用器具も使用でき好まし
い。
て多く、また、電球のフィラメント切れにより、交換の
ために廃棄される量は極めて多いが、本発明の管球を用
いることにより、管球の無鉛化を図ることができ、環境
汚染を少なくすることが出来好ましい。しかも、Pb−
Sn共晶半田を用いて作製されてきた管球と同等の耐熱
性の部品や材料を使用することもでき、また、半田付け
の際に、Pb−Sn共晶半田による半田付けで使用して
きた半田付け設備や半田付け用器具も使用でき好まし
い。
【0027】以下、本発明の理解を容易にするため、本
発明の実施の形態についての具体的態様を図面を用いて
説明するが、本発明は、下記の具体的実施の形態例のみ
に限定されるものではない。
発明の実施の形態についての具体的態様を図面を用いて
説明するが、本発明は、下記の具体的実施の形態例のみ
に限定されるものではない。
【0028】(実施の形態1)無鉛半田合金の組成が共
晶となる場合の第1の実施の形態を図1を用いて説明す
る。
晶となる場合の第1の実施の形態を図1を用いて説明す
る。
【0029】Snを88モル%、Znを10モル%、A
lを2モル%の組成からなる半田合金を作製し、その示
差走査型熱量計(DSC)曲線を図1に示した。図1
中、3がDSC曲線、1がDSC曲線の融解吸熱ピー
ク、4が温度曲線を示している。
lを2モル%の組成からなる半田合金を作製し、その示
差走査型熱量計(DSC)曲線を図1に示した。図1
中、3がDSC曲線、1がDSC曲線の融解吸熱ピー
ク、4が温度曲線を示している。
【0030】DSC曲線には、ほぼ1本の急峻な196
℃の融解吸熱ピーク1が見られ合金が融解していること
を示し、ほぼこの組成でSn、Zn、Alの三元共晶が
形成されていることが分かる。
℃の融解吸熱ピーク1が見られ合金が融解していること
を示し、ほぼこの組成でSn、Zn、Alの三元共晶が
形成されていることが分かる。
【0031】以上のように、Sn、Zn、Alの三元共
晶を有する半田合金では、共晶融解温度をPb−Sn共
晶半田のそれに近い温度にすることができる。
晶を有する半田合金では、共晶融解温度をPb−Sn共
晶半田のそれに近い温度にすることができる。
【0032】なお、図1中、200.8℃は融解吸熱ピ
ーク1の頂点の温度、−69.285J/gは、半田合
金1g当りの吸収した熱量を示している。
ーク1の頂点の温度、−69.285J/gは、半田合
金1g当りの吸収した熱量を示している。
【0033】(実施の形態2)第1の実施の形態で示し
た半田合金材料の組成にBiを追加した合金の第2の実
施の形態を図2を用いて説明する。
た半田合金材料の組成にBiを追加した合金の第2の実
施の形態を図2を用いて説明する。
【0034】第1の実施の形態で示した半田合金材料の
組成比におけるSnの2モル%をBiに置換した組成比
である、Snが86.2モル%、Znが10モル%、A
lが2モル%、Biが1.8モル%からなる半田合金の
DSC曲線を図2に示す。図2中、3がDSC曲線、2
がDSC曲線の融解吸熱ピーク、4が温度曲線を示して
いる。
組成比におけるSnの2モル%をBiに置換した組成比
である、Snが86.2モル%、Znが10モル%、A
lが2モル%、Biが1.8モル%からなる半田合金の
DSC曲線を図2に示す。図2中、3がDSC曲線、2
がDSC曲線の融解吸熱ピーク、4が温度曲線を示して
いる。
【0035】DSC曲線には、185℃付近に1本の融
解吸熱ピーク2が見られ、図1に示した組成の半田合金
の融解吸熱ピーク1よりもピーク幅は広がりながら、か
つ低温側にシフトしている。これは、BiがSnに固溶
したことにより、合金の共晶融解温度が幅を広げながら
下がっていることを示している。
解吸熱ピーク2が見られ、図1に示した組成の半田合金
の融解吸熱ピーク1よりもピーク幅は広がりながら、か
つ低温側にシフトしている。これは、BiがSnに固溶
したことにより、合金の共晶融解温度が幅を広げながら
下がっていることを示している。
【0036】以上のように、Sn、Zn、Alの三元共
晶を有する半田合金材料に、Snに固溶できるBiを加
えた半田合金では、共晶融解温度をPb−Sn共晶半田
のそれとほぼ同じ温度にすることができる。
晶を有する半田合金材料に、Snに固溶できるBiを加
えた半田合金では、共晶融解温度をPb−Sn共晶半田
のそれとほぼ同じ温度にすることができる。
【0037】なお、図2中、197.6℃は吸熱ピーク
2の頂点の温度、−66.631J/gは、半田合金1
g当りの吸収した熱量を示している。
2の頂点の温度、−66.631J/gは、半田合金1
g当りの吸収した熱量を示している。
【0038】また、上記の実施の形態ではSnの一部を
Biに置換した場合について説明したが、これに限るこ
となく、例えばSnの一部をInに置換した場合でも、
共晶融解温度をPb−Sn共晶半田のそれとほぼ同じ温
度にすることができる。
Biに置換した場合について説明したが、これに限るこ
となく、例えばSnの一部をInに置換した場合でも、
共晶融解温度をPb−Sn共晶半田のそれとほぼ同じ温
度にすることができる。
【0039】(実施の形態3)第1の実施の形態あるい
は第2の実施の形態で示した無鉛半田を用いて電子部品
が実装された回路基板を図3を用いて説明する。
は第2の実施の形態で示した無鉛半田を用いて電子部品
が実装された回路基板を図3を用いて説明する。
【0040】図3は、電子部品15の部品リード15a
と、回路基板13に設けられた配線パターンのランド1
4とが本発明の無鉛半田16により接合されている状態
を示している。電子部品15の接合方法は、回路基板1
3の半田付け面にフラックスを塗布した後、溶融半田に
ディップするフロー手法である。フロー条件をPb−S
n共晶半田の時と同様に、回路基板11のプリヒート温
度を295〜305℃とし、基板溶融半田の温度を25
0〜255℃とした。酸化されやすい半田であることか
ら、窒素雰囲気下でフローを行う工夫が必要であるが、
設備的には従来のPb−Sn共晶半田の場合と何ら変わ
らずに半田付けが可能であった。
と、回路基板13に設けられた配線パターンのランド1
4とが本発明の無鉛半田16により接合されている状態
を示している。電子部品15の接合方法は、回路基板1
3の半田付け面にフラックスを塗布した後、溶融半田に
ディップするフロー手法である。フロー条件をPb−S
n共晶半田の時と同様に、回路基板11のプリヒート温
度を295〜305℃とし、基板溶融半田の温度を25
0〜255℃とした。酸化されやすい半田であることか
ら、窒素雰囲気下でフローを行う工夫が必要であるが、
設備的には従来のPb−Sn共晶半田の場合と何ら変わ
らずに半田付けが可能であった。
【0041】上記の実施の形態では電子部品15は電解
コンデンサであるが、回路基板13に実装される電子部
品としては、挿入部品、表面実装部品、ベアチップ部
品、リード線、コネクタ等、他の電子部品を用いてもよ
い。
コンデンサであるが、回路基板13に実装される電子部
品としては、挿入部品、表面実装部品、ベアチップ部
品、リード線、コネクタ等、他の電子部品を用いてもよ
い。
【0042】(実施の形態4)第1の実施の形態あるい
は第2の実施の形態で示した本発明の無鉛半田を用いて
口金と発光管から出るリード線とが半田付けされた本発
明の管球、例えば白熱電球を図4を用いて説明する。
は第2の実施の形態で示した本発明の無鉛半田を用いて
口金と発光管から出るリード線とが半田付けされた本発
明の管球、例えば白熱電球を図4を用いて説明する。
【0043】図4は、白熱電球の概略断面図であるが、
発光管17の部分は断面ではなく外形のみ記載した概略
一部分断面図である(これを単にここでは概略断面図と
称する。)。図4は、発光管17から出るリード線18
と、接着剤19により発光管17と接着されている口金
20とが本発明の無鉛半田16により接合されている状
態を示している。この時の接合方法として、糸状半田あ
るいは棒状半田と半田ごてを用いたポイント半田付けが
一般化しているが、上記本発明の無鉛半田を糸状あるい
は棒状に加工し、適切なフラックスを選ぶことによって
従来のPb−Sn共晶半田と変わらない半田こて温度で
ポイント半田付けが可能であった。
発光管17の部分は断面ではなく外形のみ記載した概略
一部分断面図である(これを単にここでは概略断面図と
称する。)。図4は、発光管17から出るリード線18
と、接着剤19により発光管17と接着されている口金
20とが本発明の無鉛半田16により接合されている状
態を示している。この時の接合方法として、糸状半田あ
るいは棒状半田と半田ごてを用いたポイント半田付けが
一般化しているが、上記本発明の無鉛半田を糸状あるい
は棒状に加工し、適切なフラックスを選ぶことによって
従来のPb−Sn共晶半田と変わらない半田こて温度で
ポイント半田付けが可能であった。
【0044】なお、上記の実施の形態では白熱電球の発
光管リード線と口金との接合の場合について説明した
が、例えば電球型蛍光ランプの発光管リード線と回路基
板端子との接合あるいは電球型蛍光ランプの電源リード
線と口金との接合でも同じである。
光管リード線と口金との接合の場合について説明した
が、例えば電球型蛍光ランプの発光管リード線と回路基
板端子との接合あるいは電球型蛍光ランプの電源リード
線と口金との接合でも同じである。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は従来の半
田合金の主要な成分の一つであるSnを主成分とし、有
害なPbを含まない無害物質からなり、従って環境汚染
の防止に有効であり、かつ従来のPb−Sn共晶半田に
近い融解温度を示すことにより、従来のPb−Sn共晶
半田において使用されている半田設備ないしは半田器具
をそのまま使用できるというすぐれた効果を有する無鉛
半田合金を提供することができる。また、この無鉛半田
合金を用いることにより従来のPb−Sn共晶半田を用
いて半田付けしていた半田付け対象部品の素材を耐熱性
などの点で変更することなく半田付けができ、しかも無
鉛化されることにより環境汚染の問題を軽減しうる回路
基板、管球を提供することができる。
田合金の主要な成分の一つであるSnを主成分とし、有
害なPbを含まない無害物質からなり、従って環境汚染
の防止に有効であり、かつ従来のPb−Sn共晶半田に
近い融解温度を示すことにより、従来のPb−Sn共晶
半田において使用されている半田設備ないしは半田器具
をそのまま使用できるというすぐれた効果を有する無鉛
半田合金を提供することができる。また、この無鉛半田
合金を用いることにより従来のPb−Sn共晶半田を用
いて半田付けしていた半田付け対象部品の素材を耐熱性
などの点で変更することなく半田付けができ、しかも無
鉛化されることにより環境汚染の問題を軽減しうる回路
基板、管球を提供することができる。
【図1】Sn、Zn、Alの組成比が三元共晶となる本
発明の無鉛半田合金のDSC曲線。
発明の無鉛半田合金のDSC曲線。
【図2】本発明の無鉛半田合金の組成にBiを追加した
場合の本発明の無鉛半田合金のDSC曲線。
場合の本発明の無鉛半田合金のDSC曲線。
【図3】本発明の無鉛半田合金を用いて電子部品を実装
した回路基板の断面図。
した回路基板の断面図。
【図4】本発明の無鉛半田合金を用いて口金とリード線
を半田付けした白熱電球の概略断面図。
を半田付けした白熱電球の概略断面図。
1 Sn−Zn−Al合金のDSC曲線における融解吸
熱ピーク 2 Sn−Zn−Al−Bi合金のDSC曲線における
融解吸熱ピーク 3 DSC曲線 4 温度曲線 13 回路基板 14 ランド 15 電子部品 15a 部品リード 16 無鉛半田 17 発光管 18 リード線 19 接着剤 20 口金
熱ピーク 2 Sn−Zn−Al−Bi合金のDSC曲線における
融解吸熱ピーク 3 DSC曲線 4 温度曲線 13 回路基板 14 ランド 15 電子部品 15a 部品リード 16 無鉛半田 17 発光管 18 リード線 19 接着剤 20 口金
Claims (7)
- 【請求項1】 錫(Sn)、亜鉛(Zn)およびアルミ
ニウム(Al)の三元共晶を含むことを特徴とする無鉛
半田合金。 - 【請求項2】 無鉛半田合金を構成する全成分の合計量
を100モル%とした場合に、錫(Sn)、亜鉛(Z
n)およびアルミニウム(Al)の含有割合が、錫(S
n)94〜82モル%、亜鉛(Zn)5〜15モル%、
およびアルミニウム(Al)1〜3モル%である請求項
1に記載の無鉛半田合金。 - 【請求項3】 Sn、ZnおよびAlの三つの相の少な
くとも一つの相に固溶し得る金属を更に含む請求項1又
は2のいずれかに記載の無鉛半田合金。 - 【請求項4】 固溶し得る金属が、ビスマス(Bi)、
インジウム(In)もしくはこれらの組み合わせから選
ばれたいずれかである請求項3に記載の無鉛半田合金。 - 【請求項5】 無鉛半田合金を構成する全成分の合計量
を100モル%とした場合に、固溶し得る金属の含有割
合が、2モル%以下である請求項3又は4のいずれかに
記載の無鉛半田合金。 - 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載の無鉛
半田合金を用いて、電子部品が実装されていることを特
徴とする回路基板。 - 【請求項7】 請求項1から5のいずれかに記載の無鉛
半田合金を用いて、口金とリード線とが半田付けされて
いることを特徴とする管球。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000180404A JP2002001575A (ja) | 2000-06-15 | 2000-06-15 | 無鉛半田合金およびこの無鉛半田合金を搭載した回路基板ならびに管球 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000180404A JP2002001575A (ja) | 2000-06-15 | 2000-06-15 | 無鉛半田合金およびこの無鉛半田合金を搭載した回路基板ならびに管球 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002001575A true JP2002001575A (ja) | 2002-01-08 |
Family
ID=18681513
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000180404A Pending JP2002001575A (ja) | 2000-06-15 | 2000-06-15 | 無鉛半田合金およびこの無鉛半田合金を搭載した回路基板ならびに管球 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002001575A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003061896A1 (fr) * | 2002-01-21 | 2003-07-31 | Fujitsu Limited | Alliage de brasage et joint brase |
WO2005038847A1 (ja) * | 2003-10-15 | 2005-04-28 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | ランプ |
CN109202328A (zh) * | 2017-06-29 | 2019-01-15 | 中航光电科技股份有限公司 | 一种用于钎焊铝合金和镁合金的钎料及其制备方法 |
JP2019104029A (ja) * | 2017-12-12 | 2019-06-27 | 株式会社タムラ製作所 | 鉛フリーはんだ合金、電子回路実装基板及び電子制御装置 |
-
2000
- 2000-06-15 JP JP2000180404A patent/JP2002001575A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003061896A1 (fr) * | 2002-01-21 | 2003-07-31 | Fujitsu Limited | Alliage de brasage et joint brase |
US6893512B2 (en) | 2002-01-21 | 2005-05-17 | Fujitsu Limited | Solder alloy and soldered bond |
WO2005038847A1 (ja) * | 2003-10-15 | 2005-04-28 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | ランプ |
US7211955B2 (en) | 2003-10-15 | 2007-05-01 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Lamp |
CN109202328A (zh) * | 2017-06-29 | 2019-01-15 | 中航光电科技股份有限公司 | 一种用于钎焊铝合金和镁合金的钎料及其制备方法 |
JP2019104029A (ja) * | 2017-12-12 | 2019-06-27 | 株式会社タムラ製作所 | 鉛フリーはんだ合金、電子回路実装基板及び電子制御装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR970010891B1 (ko) | 고온의 무연 주석 기재 납땜 조성물 | |
JP2516326B2 (ja) | 3元はんだ合金、集積回路チップを回路パタ―ンが形成された基板に電気接続する方法及び集積回路チップモジュ―ル | |
JP6767506B2 (ja) | 高信頼性鉛フリーはんだ合金 | |
KR100412765B1 (ko) | 납땜재, 그 납땜재를 사용한 디바이스 및 그 납땜재를 사용한 디바이스의 제조방법 | |
KR0124517B1 (ko) | 무연의 주석, 안티몬, 비스무트 및 구리 납땜 합금 | |
CN108971793B (zh) | 一种低温无铅焊料 | |
JPH0788681A (ja) | 無鉛高温すずベース多成分はんだ | |
JP2019520985A6 (ja) | 高信頼性鉛フリーはんだ合金 | |
HU228577B1 (en) | Lead-free solders | |
JP4401671B2 (ja) | 高温鉛フリーはんだ合金および電子部品 | |
KR20210104144A (ko) | 무연 땜납 조성물 | |
CN100464931C (zh) | 高强度高韧性含镍SnAgCuRE无铅钎料及制备方法 | |
JPH11216591A (ja) | 半田付け物品 | |
JP2012206142A (ja) | 半田及び半田を用いた半導体装置並びに半田付け方法 | |
JP2004114093A (ja) | 高温ろう材 | |
JP2004141926A (ja) | 鉛非含有はんだ、および鉛非含有の継手 | |
JP2002001575A (ja) | 無鉛半田合金およびこの無鉛半田合金を搭載した回路基板ならびに管球 | |
JP2005340275A (ja) | 電子部品接合体、その製造方法、およびそれを含む電子装置 | |
JP2003245793A (ja) | ハンダ用組成物、ハンダ付け方法および電子部品 | |
JP2005125360A (ja) | 高温はんだ材料,高温はんだ材料評価方法および電気/電子機器ならびにはんだ接合構造体 | |
JP2003188529A (ja) | 鉛非含有の半田材及び接合方法 | |
JPH0422595A (ja) | クリームはんだ | |
CN104703749A (zh) | 用于芯片焊接的钎焊合金 | |
JP6543890B2 (ja) | 高温はんだ合金 | |
KR100366131B1 (ko) | 드로스 발생이 적은 저융점 무연땜납 |