JP2002001391A - スケール防止方法および装置 - Google Patents

スケール防止方法および装置

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JP2002001391A
JP2002001391A JP2000197895A JP2000197895A JP2002001391A JP 2002001391 A JP2002001391 A JP 2002001391A JP 2000197895 A JP2000197895 A JP 2000197895A JP 2000197895 A JP2000197895 A JP 2000197895A JP 2002001391 A JP2002001391 A JP 2002001391A
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water
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electrodes
gas
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Nobuhiro Oda
信博 織田
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Kurita Water Industries Ltd
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    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
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    • C02F1/461Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis
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    • C02F1/46114Electrodes in particulate form or with conductive and/or non conductive particles between them
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 濁質を含む被処理水でも直接処理して濁質と
ともにスケール成分を除去することが可能なスケール防
止方法および装置を提供する。 【解決手段】 処理槽1内に配置された複数の電極8、
9間に、導電性粒子3および非導電性粒子4の混合物か
らなる充填層5を形成し、電源装置10から電極8、9
間に極性を変えながら通電して、導電性粒子3に極性の
変わるバイポーラ電極を形成し、充填層5に被処理水給
水系13から被処理水を通水して、スケール傾向が低減
され、かつ濁質が除去された処理水を処理水排出系14
から得、充填層5が目詰まりした段階で、充填層5の下
部から洗浄水および/またはガスを導入して充填層5を
展開させて洗浄し、洗浄後導電性粒子3および非導電性
粒子4を混合状態で充填して処理を再開するスケール防
止方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は極性が変わるバイポ
ーラ電極を用いて水中のスケール成分を除去するスケー
ル防止方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水中のカルシウム、マグネシウム、鉄等
のスケール成分はボイラ、熱交換器等の伝熱面、その他
の水と接する器壁に不溶性塩として析出しスケールを形
成する。このようなスケール成分を改質することにより
スケールを防止するものとして、極性が変わるバイポー
ラ電極を用いる装置がある(WO9816477A
1)。この装置では、処理槽内に配置した電極間に導電
性粒子と非導電性粒子の混合物を充填し、電極間に極性
を変えて通電し、充填層に被処理水を通水することによ
り、水中のスケール成分を改質し、スケール傾向を低減
させる。
【0003】この装置は濁質の少ない被処理水から溶解
性のスケール成分を改質するため開発されたものであっ
て、濁質の多い被処理水は予め前処理により濁質を除去
する必要があり、濁質の多い状態で処理を行うと目詰ま
りにより処理を行えなくなるという問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、濁質
を含む被処理水でも直接処理してスケール傾向を低減さ
せるとともに、濁質を除去することが可能なスケール防
止方法および装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は次のスケール防
止方法および装置である。 (1) 処理槽内に配置された複数の電極間に、導電性
粒子および非導電性粒子の混合物からなる充填層を形成
し、電極間に極性を変えながら通電して、導電性粒子に
極性の変わるバイポーラ電極を形成し、通水工程におい
て充填層に被処理水を通水して、スケール生成傾向が低
減されかつ濁質が除去された処理水を得、洗浄工程にお
いて、充填層の下部から洗浄水および/またはガスを導
入し充填層を展開させて洗浄し、洗浄後導電性粒子およ
び非導電性粒子を混合状態で充填して通水工程を再開す
るスケール防止方法。 (2) 導電性粒子と非導電性粒子の沈降速度の差が導
電性粒子の沈降速度の30%以下である上記(1)記載
の方法。 (3) 処理槽と、処理槽内に配置された複数の電極
と、電極間に形成された導電性粒子および非導電性粒子
の混合物からなる充填層と、電極間に極性を変えながら
通電を行う電源装置と、充填層に被処理水を給水する被
処理水給水系、および処理水を排出する処理水排出系
と、充填層の下部に洗浄水および/またはガスを導入す
る洗浄水および/またはガス導入系、ならびに洗浄排水
および/またはガスを排出する洗浄排水および/または
ガス排出系とを有するスケール防止装置。 (4) 処理槽は上部に充填層の展開室を有する上記
(3)記載の装置。
【0006】本発明において処理の対象となる被処理水
はスケール成分を含む水である。スケール成分としては
カルシウム、マグネシウム、鉄等の2価以上の金属イオ
ンやシリカなど、水と接する器壁に不溶性析出物を生成
する物質があげられる。被処理水はこのようなスケール
成分のほかに有機、無機の不純物を含んでいてもよく、
本発明では多量の濁質を含む被処理水でもそのまま処理
することが可能である。
【0007】本発明の処理に用いるスケール防止装置
は、処理槽内に配置された複数の電極間に導電性粒子お
よび非導電性粒子の混合物からなる充填層を形成し、電
極間に極性を変えながら通電する電源装置を設け、被処
理水通水系から充填層に被処理水を通水しながら電極間
に通電することにより、導電性粒子にバイポーラ電極を
形成し、充填層が目詰まりした段階で充填層の下部に洗
浄水および/またはガスを導入する洗浄水および/また
はガス導入系を設けて展開洗浄を行うように構成する。
【0008】処理槽としては、内部に電極を配置して充
填層を形成し、処理を行うための室を形成できればよい
が、円筒形、四角筒形等の筒形のものが好ましい。処理
槽は下部に電極を配置して充填層を形成し、上部に展開
室を形成するのが好ましい。
【0009】電極は黒鉛、白金等の貴金属のような不溶
性の電極が好ましく、形状は板状、筒状、棒状、これら
を分割した形状、これらを組み合わせたもの等があげら
れる。これらの電極は縦方向のものを対向するように並
べて配置するのが好ましい。電極は処理槽の内壁に接す
るように設けると処理槽内を有効に利用でき、好ましい
が、内壁から離れた状態で配置してもよい。電極はソリ
ッド状のものが好ましいが、焼結金属のような多孔質の
ものを用いることができ、後者の場合、被処理水給水手
段、および処理水排水手段と兼用することもできる。
【0010】充填層を形成する導電粒子は黒鉛、活性
炭、貴金属、混合酸化物、これらがコーティングされた
チタン粒子のような不溶性の導電性粒子が好ましい。非
導電性粒子は導電性粒子間に介在して絶縁性を保つため
のもので、一般に絶縁体とされているガラス、セラミッ
ク、プラステチック、砂利などの不溶性の非導電性粒子
が好ましい。導電性粒子、非導電性粒子とも粒子形状は
球形、不定形など任意であり、粒径は0.5〜10m
m、好ましくは1〜5mm、比重は1.05〜4、好ま
しくは1.1〜3、沈降速度は10〜3500cm/s
ec、好ましくは20〜200cm/secのものを使
用することができる。導電性粒子と非導電性粒子の沈降
速度の差は導電性粒子の沈降速度の30%以下、好まし
くは20%以下であるのが好ましい。
【0011】導電性粒子と非導電性粒子の混合割合は、
非導電性粒子が導電性粒子間に介在することにより導電
性粒子同士が接触するのを妨げる程度であればよく、そ
れぞれの形状、粒径等により変わるが、一般的には容量
比で導電性粒子1に対して非導電性粒子0.5〜2、好
ましくは0.7〜1.5とするのが好ましい。これらの
導電性粒子と非導電性粒子の混合物を処理槽内に充填し
て充填層を形成する。充填層の充填高さは電極の上端部
と同程度または上端部より若干高くするのが好ましい。
充填層と電極とは接触してもよいが、接触しない方が好
ましい。後者の場合、透液性の隔膜で遮断することがで
き、この場合、被処理液供給手段および処理液排出手段
で遮断するのが好ましい。
【0012】電源装置は電極間に極性を変えながら通電
して導電性粒子に極性が変わるバイポーラ電極を形成す
るように構成される。この場合導電性粒子同士が非導電
性粒子によって非接触状態に保たれていれば電極間に通
電するだけでバイポーラ電極が形成されるので、電源装
置から電極に接続する回路に極性を変えて給電するよう
に構成する。極性を変える方法としては2個の電極また
は電極群に交互に正負電圧を印加するように、直流を反
転しながら給電してもよく、また交流を給電してもよ
い。複数の電極を3個以上のグループに分け、順次極性
を変えるようにしてもよく、例えば3個のグループの場
合3相交流を給電して極性を変えてもよい。電極に印加
する電圧は電極間隔1cmあたり5〜20V、好ましく
は10〜15V、電流強度は0.5〜1.5Ah/cm
3、好ましくは1〜1.3Ah/cm3、正または負の極
性に維持する時間、すなわち極性の切換間隔は0.01
〜60秒間、好ましくは0.1〜30秒間とするのが好
ましい。
【0013】被処理水給水系は充填層に被処理水を給水
して通水し、処理水排水系は充填層から処理水を排水す
るように構成される。給水および排出のために散水器、
集水器等を用いることができる。通水方向は一方の電極
側から他方の電極側に通水してもよく、また電極と平行
の方向、例えば上方向または下方向に通水してもよい。
一方の電極側から給水し、他方の電極側から排出する場
合は、散水器または集水器内に電極を収容する構成とす
ることができる。散水器、集水器は透水性の構造とし、
例えばプラスチック製の容器にスリットを形成したもの
などが使用できる。
【0014】洗浄水および/またはガス導入系は充填層
の下部に洗浄水および/またはガスを導入して充填層を
展開洗浄するように構成される。洗浄排水および/また
はガス排出系は展開洗浄により生じる洗浄排水および/
またはガスを処理槽から排出するように形成される。洗
浄水およびガスはそれぞれ、同一または異なる導入路か
ら、それぞれ単独で、または両者を同時に導入できるよ
うに構成される。これらは充填層を展開して、導電性粒
子および非導電性粒子をほぐすように、流速、流量を決
めることができる。
【0015】上記装置によるスケール防止方法は、処理
槽内に配置された複数の電極間に、導電性粒子および非
導電性粒子の混合物からなる充填層を形成し、電源装置
から電極間に極性を変えながら通電して、導電性粒子に
極性の変わるバイポーラ電極を形成し、通水工程におい
て被処理水給水系から充填層に被処理水を通水して、ス
ケール成分が改質された処理水を処理水排出系から排出
する。そして充填層が目詰まりした段階で洗浄工程に移
り、充填層の下部から洗浄水および/またはガスを導入
して充填層を展開させて洗浄し、洗浄後導電性粒子およ
び非導電性粒子を混合状態で充填して通水工程を再開す
ることによりスケール防止を行う。
【0016】このとき電極間に正負の電圧を印加する
と、導電性粒子は相互に非接触状態であるため、導電性
粒子の片側が正、反対側が負の双極状態に分極し、バイ
ポーラ電極が形成される。すなわち一方の電極である陽
極(正)に近い側が負に帯電して陰極となり、反対側の
陰極に近い側が正に帯電して陽極となる。このようなバ
イポーラ電極は各導電性粒子に生じるため、水中の陽イ
オンは各導電性粒子の陰極側に集まり、陰イオンは陽極
側に集まる。
【0017】こうしてスケール成分のカルシウムイオ
ン、マグネシウムイオン等の陽イオンは導電性粒子の陰
極側に集まり、炭酸イオン、シリカなどは陽極側に集ま
る。水の電気分解により生じる水酸イオンも陽極側に集
まる。この段階で正負の極性を逆に変換すると、新しい
陽極側に陰イオン、陰極側に陽イオンが集まるが、変換
前の陽イオン、陰イオンは濃縮状態で存在するため、こ
れらが反応して炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム等
の不溶性化合物が微細結晶となって析出する。その後は
この微細結晶が核となって結晶が析出する。極性を変換
しながら電解を継続することにより、非処理水中のスケ
ール成分は結晶となって析出し、スケール傾向が低減さ
れ、スケール防止が行われる。結晶の一部は処理水とと
もに流出し、一部は充填層に捕捉される。
【0018】このようにして通電を行いながら被処理水
を通水すると、被処理水中の濁質および析出する結晶が
充填層に捕捉され、充填層が目詰まりし、通水ができな
くなる。このため被処理水給水系の給水圧力上昇を検知
して処理を停止し、充填層の洗浄工程に移る。洗浄工程
は被処理水の給水を停止し、洗浄水および/またはガス
導入系から洗浄水および/またはガスを充填層の下部に
導入して充填を展開させて導電性粒子および非導電性粒
子をほぐし、捕捉された濁質および結晶を洗い流す。こ
の場合、洗浄水のみによる洗浄、ガスのみによる洗浄、
両者の混合流による洗浄、あるいはこれらの組合せによ
る洗浄を行うことができる。
【0019】洗浄終了後は導電性粒子と非導電性粒子を
混合状態で充填して充填層を形成し、前記の処理を再開
する。この場合導電性粒子と非導電性粒子の沈降速度の
差を導電性粒子の沈降速度の30%以下とすることによ
り展開状態から洗浄水および/またはガスの導入を停止
するだけで、導電性粒子および非導電性粒子は層分離す
ることなく沈降し、混合状態の充填層が形成され、その
まま処理を再開することができる。
【0020】上記の処理によりスケール傾向が低減され
た処理水は処理水排出系が排出され、ボイラ、熱交換器
等に導入されて使用されるが、伝熱面を含む器壁にスケ
ールを生成することがない。
【0021】
【発明の効果】以上の通り本発明によれば導電性粒子お
よび非導電性粒子からなる充填層に洗浄水および/また
はガスを導入して展開洗浄するようにしたので、濁質を
含む被処理水でも直接処理して濁質を除去するととも
に、スケール成分を改質することが可能である。導電性
粒子と非導電性粒子の沈降速度の差が導電性粒子の沈降
速度の30%以下とすることにより展開洗浄を行った
後、洗浄水および/またはガスの導入を停止するだけで
導電性粒子と非導電性粒子を混合状態で充填することが
できる。また処理槽の充填層の上部に展開室を形成する
と、処理槽内で展開洗浄を行うことができ、洗浄操作が
容易になる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
より説明する。図1ないし図3は異なる実施形態のスケ
ール防止装置を模式的に示す垂直断面図である。
【0023】図1において、1は筒形の処理槽であり、
下部に敷き詰められた大粒径の砂利等からなる支持床2
の上に、導電性粒子3および非導電性粒子4が混合状態
で充填された充填層5が形成されているが、充填層5は
一部省略して図示されている。処理槽1内の充填層5の
上部には展開室1aが形成されている。充填層5内には
処理槽1の側壁に近づけて透水性の散水器6および集水
器7が配置され、その内部に平板状の電極8、9が収容
されている。10は電源装置であって、電極8、9に極
性を変えて直流または交流を通電するように構成されて
いる。散水器6および集水器7は少なくとも対向面に開
口部6a、7aが形成されて透水性となっており、それ
ぞれ弁V1、V2を有する被処理水路11および処理水
路12に連絡して被処理水給水系13および処理水排出
系14を構成している。充填層5の下方の支持床2内に
は開口部15aを有する散水/ガス器15が配置されて
おり、弁V3を有する洗浄水/ガス路16に連絡し、洗
浄水/ガス導入系17を構成している。処理槽1の上部
には弁V4を有する洗浄排水/ガス路18が連絡し、洗
浄排水/ガス排出系19を形成している。
【0024】上記装置によるスケール防止方法は、処理
槽1内に配置された複数の電極8、9間に、導電性粒子
3および非導電性粒子4の混合物からなる充填層5を形
成し、電源装置10から電極8、9間に極性を変えなが
ら通電して、導電性粒子3に極性の変わるバイポーラ電
極を形成し、通水工程において弁V1、V2を開いて被
処理水給水系13の被処理水路11から散水器6を通し
て充填層5に被処理水を通水して、スケール生成傾向が
低減されかつ濁質が除去された処理水を得、処理水排出
系14の集水器7で処理水を集め処理水路12から排出
する。
【0025】このとき電極8、9間に正負の電圧を印加
すると、導電性粒子3は相互に非接触状態であるため、
導電性粒子3の片側が正、反対側が負の双極状態に分極
し、バイポーラ電極が形成される。例えば電極8を陽極
として正の電荷をかけ、電極9を陰極として負の電荷を
かけると、導電性粒子3の電極8に近い側が負に帯電し
て陰極となり、反対側の電極9に近い側が正に帯電して
陽極となる。このようなバイポーラ電極は各導電性粒子
3に生じるため、水中の陽イオンは各導電性粒子3の陰
極側に集まり、陰イオンは陽極側に集まる。
【0026】こうしてスケール成分のカルシウムイオ
ン、マグネシウムイオン等の陽イオンは導電性粒子3の
陰極側に集まり、炭酸イオン、シリカなどは陽極側に集
まる。水の電気分解により生じる水酸イオンも陽極側に
集まる。この段階で電極8、9に印加する正負の極性を
逆に変換すると、導電性粒子3の極性の逆になり、新し
い陽極側に陰イオン、陰極側に陽イオンが集まるが、変
換前の陽イオン、陰イオンは濃縮状態で存在するため、
これらが反応して炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム
等の不溶性化合物が微細結晶となって析出する。その後
はこの微細結晶が核となって結晶が析出する。極性を変
換しながら電解を継続することにより、被処理水中のス
ケール成分は結晶となって析出し、スケール傾向が低減
され、スケール防止が行われる。結晶の一部は処理水と
ともに流出し、一部は充填層に捕捉される。
【0027】このようにして通電を行いながら被処理水
を通水すると、被処理水中の濁質および析出する結晶が
充填層5に捕捉され、充填層5が目詰まりし、通水がで
きなくなる。このため被処理水給水系13の給水圧が上
昇を検知して処理を停止し、充填層5の洗浄工程に移
る。ここで一定の採水時間または採水量になったことを
検知して、洗浄工程に移ってもよい。洗浄工程は弁V
1、V2を閉じて被処理水給水系13の給水を停止し、
弁V3、V4を開いて洗浄水/ガス導入系17の洗浄水
/ガス路16から散水/ガス器15を通して洗浄水およ
び/またはガスを充填層5の下部に導入して充填層5を
展開室1aに展開させて導電性粒子3および非導電性粒
子4をほぐし、捕捉された濁質および結晶を洗い流す。
洗浄排水および/またはガスは洗浄排水/ガス排出系1
9の洗浄排水/ガス路18から排出する。
【0028】洗浄後、洗浄水/ガス導入系17からの洗
浄水および/またはガスの導入を停止すると、展開した
導電性粒子3および非導電性粒子4は沈降して充填層5
が形成される。このとき導電性粒子3と非導電性粒子4
の沈降速度の差が導電性粒子の沈降速度の5%以下であ
れば、洗浄水および/またはガスの停止により導電性粒
子3と非導電性粒子4は混合状態で沈降し、ほぼ均一な
混合状態の充填層5が形成され、ただちに処理を再開す
ることができる。混合が不十分な場合には散水/ガス器
15からガス等を導入して撹拌混合を行ってもよい。
【0029】図2のスケール防止装置では、一方の電極
8は円筒形に形成され、これを収容する散水器6もドー
ナツ状の円筒形に形成され、処理槽1の内壁に沿って配
置されている。他の電極9は棒状に形成され、これを収
容する集水器7は円筒形に形成され処理槽1の中心部に
配置されている。他の構成は図1と同様である。
【0030】上記の装置によるスケール防止方法は図1
の場合とほぼ同様に行われる。この場合被処理水は被処
理水路11から円筒状の散水器6に入り、開口部6aか
ら充填層5を通して流れ、処理水は中央部の集水器7に
入り、処理水路12から排出される。一方電源装置10
から周辺部の円筒状の電極8および中心部の棒状の電極
9間に給電して処理が行われる。他の操作は図1の場合
と同様である。
【0031】図3のスケール防止装置では平板状の電極
8、9が側壁側に寄せて対向して充填層5内に直接配置
されており、図1で用いられた散水器6および集水器7
は省略されている。一方処理槽1の上部には被処理水路
11および洗浄排水/ガス路18に連絡する給/排水/
ガス路21が連絡し、その開口部に対向して邪魔板22
が設けられている。処理槽1の下部には図1の散水/ガ
ス器15と同じ構成の開口部23aを有する集/散水/
ガス器23が支持床2中に埋設されており、処理水路1
2および洗浄水/ガス路16に連絡する排/給水/ガス
路24が連絡している。他の構成は図1と同様である。
【0032】上記の装置によるスケール防止方法は、電
源装置10から電極8、9に極性が変わるように給電
し、弁V1、V2を開いて被処理水路11から給/排水
/ガス路21を通して被処理水を処理槽1に導入し、下
向流で通水して処理を行う。処理水は集/散水/ガス器
23で集水し、処理水路16から排出する。洗浄工程で
は弁V1、V2を閉じ弁V3、V4を開いて洗浄水/ガ
ス路12から排/給水/ガス路24を通して集/散水/
ガス器23から洗浄水および/またはガスを導入し、充
填層5の展開洗浄を行う。洗浄排液および/またはガス
は給/排水/ガス路21から洗浄排水/ガス路18を通
して排出する。
【0033】上記の説明において、電極8、9としては
ソリッド状のものでも多孔質状のものでもよい。また電
極を板状または筒状に配置する場合、板状または筒状の
電極を用いてもよく、また棒状のものを板状または筒状
に配置してもよい。散水器6、集水器7、散水/ガス器
15、集/散水/ガス器23等は開口部6a、7a、1
5a、23aとして穴状、スリット状などの開口部を有
するものでもよく、また多孔質状の開口部を有するもの
でもよい。電源装置10は直流を所定時間毎に切り換え
て給電するものでもよく、交流を給電するものでもよ
い。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 実施例1 図1において電極8、9としてそれぞれ150cm2
黒鉛板を3cmの間隔で穴あき樹脂板からなる散水器
6、集水器7内に配置し、導電性粒子3として平均粒径
1.5mmの黒鉛粒子、非導電性粒子4として平均粒径
3.3mmのアクリル樹脂粒子を充填し、(沈降速度の
差18%)、電極8、9間に6〜60Vを印加して、5
〜60秒毎に極性を変換し、被処理水としてCaCO3
300mg/lを添加した水道水を3 liter/minで通水
して処理を行った。処理水をSUS製熱交換管(伝熱面
積0.02m2)に伝熱面の表面温度(高温側流体温
度)70℃で50時間通水したところスケール付着速度
は23mcm(mg/cm2/month)であった。
通水80時間に1回の頻度で、処理槽の下部から洗浄水
および空気の混合流をLV=15m/hで導入して15
分間展開洗浄を行ったところ、目詰まりは発生せず、1
000時間にわたって安定してスケール防止を行うこと
ができた。
【0035】比較例1 実施例1において、洗浄を行わないで処理を継続したと
ころ、100時間で充填層が目詰まりし、通水不能とな
った。
【0036】比較例2 実施例1において、非導電性粒子として沈降速度の差が
黒鉛の83%のアクリル樹脂粒子を用いて同様の試験を
行ったところ、洗浄後の充填層は層分離して導電性粒子
同士が接触し、大きい電流が流れ、スケール付着速度は
100mcmになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態を模式的に示す垂直断面図である。
【図2】他の実施形態を模式的に示す垂直断面図であ
る。
【図3】別の実施形態を模式的に示す垂直断面図であ
る。
【符号の説明】 1 処理槽 2 支持床 3 導電性粒子 4 非導電性粒子 5 充填層 6 散水器 7 集水器 8、9 電極 10 電源装置 11 被処理水路 12 処理水路 13 被処理水給水系 14 処理水排出系 15 散水/ガス器 16 洗浄水/ガス路 17 洗浄水/ガス導入系 18 洗浄排水/ガス路 19 洗浄排水/ガス排出系 21 給/排水/ガス路 22 邪魔板 23 集/散水/ガス器 24 排/給水/ガス路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理槽内に配置された複数の電極間に、
    導電性粒子および非導電性粒子の混合物からなる充填層
    を形成し、 電極間に極性を変えながら通電して、導電性粒子に極性
    の変わるバイポーラ電極を形成し、 通水工程において充填層に被処理水を通水して、スケー
    ル生成傾向が低減されかつ濁質が除去された処理水を
    得、 洗浄工程において、充填層の下部から洗浄水および/ま
    たはガスを導入し充填層を展開させて洗浄し、 洗浄後導電性粒子および非導電性粒子を混合状態で充填
    して通水工程を再開するスケール防止方法。
  2. 【請求項2】 導電性粒子と非導電性粒子の沈降速度の
    差が導電性粒子の沈降速度の30%以下である請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 処理槽と、 処理槽内に配置された複数の電極と、 電極間に形成された導電性粒子および非導電性粒子の混
    合物からなる充填層と、 電極間に極性を変えながら通電を行う電源装置と、 充填層に被処理水を給水する被処理水給水系、および処
    理水を排出する処理水排出系と、 充填層の下部に洗浄水および/またはガスを導入する洗
    浄水および/またはガス導入系、ならびに洗浄排水およ
    び/またはガスを排出する洗浄排水および/またはガス
    排出系とを有するスケール防止装置。
  4. 【請求項4】 処理槽は上部に充填層の展開室を有する
    請求項3記載の装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1880980A1 (de) * 2006-07-20 2008-01-23 Hydrotech International Ltd. Vorrichtung zum elektromagnetischen Entsalzen von Meerwasser

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