JP5347111B2 - 懸濁粒子凝集装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ダムや河川、湖沼、用水路等から流れ込む泥水や濁水、トンネル工事や浚渫工事、河川工事、造成工事、各種の建設工事などで発生する懸濁排水を清浄化するための懸濁粒子凝集装置に関する。
従来、河川工事、下水工事、道路工事、トンネル内の壁面工事等の各種建設土木工事等において、例えば道路カッター等から排出される懸濁排水はそのまま周囲に廃棄したり、貯留水槽に溜め浄化処理場等に搬送し浄化がなされたりしていた。
懸濁排水を浄化させるために固液分離装置等を組み合わせて浄化処理が行なわれており、このような懸濁排水の浄化処理に関して、例えば以下のような技術のものが知られている。
(特許文献1)には、濁水・泥水を貯留する貯留槽と、濁水・泥水に凝集剤を投入する凝集剤投入手段と、凝集剤と濁水・泥水を混合してフロックを生成する混合装置と、混合装置で生成されたフロックを水と分離するろ過装置とを備えた濁水・泥水処理装置が記載されている。
また、近年、下水やごみの埋め立て浸出水、各種産業廃水等において有機化合物等の汚染物質による汚染が問題になっており、これらの汚染物質を含む廃水の簡易な処理方法が望まれている。
従来の廃水の処理方法として、例えば活性炭等の吸着剤を利用する吸着法や、光触媒と紫外線を使用する光触媒法、オゾン等の酸化剤と紫外線を併用する促進酸化法等が知られている。
しかし、吸着法では、使用に伴って性能が低下するため、吸着剤を再生炉で再生した後、再充填しなければならないという問題があり、光触媒法や促進酸化法では、紫外線照射設備が必要であるといった問題に加えて、光を反応器の内部まで導光するための工夫が必要であり、さらに光を照射するランプの劣化問題もあるため、比較的簡易な水処理方法の開発が望まれていた。
上述したような汚濁水や廃水(以下、懸濁排水という)中の土粒子や汚染物質等(以下、懸濁粒子という)を除去する水処理方法の内、簡易なものとして、懸濁排水を板状或いは棒状等の陽極と陰極を交互に配置した電解槽に供給し、電気分解で処理する電解法が広く用いられている。
(特許文献2)には、濁水を通過させる流路部内の水流方向に沿って、直流電源の陽極及び陰極に夫々接続した陽極板と陰極板とを交互に配列して電極板群を形成してなる濁水処理装置が記載されている。
また、(特許文献3)には、一定時間毎に陽極電極を陰極電極に切換え、陰極電極を陽極電極に切換えて、陽極電極が消耗するのを抑制する濁水処理装置が開示されている。
特開2002−219471号公報 特開平11−226577号公報 特開平8−182990号公報
しかしながら、上記従来の技術では以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)に記載の凝集剤投入手段を有する濁水・泥水処理装置は、ポリ塩化アルミニウム等の凝集剤を懸濁排水に加えて細かい粒子を凝集させフロック化させるので、この凝集剤が拡散して周囲の環境を汚染しやすい上に、その投入量などの調整が困難であり、薬剤のコストがかかる等経済性にも欠けるという課題があった。
(2)また、フロックと水とを分離するろ過装置が多孔質体からなり、濁水の処理に伴ってその網目体の表面に固形分が厚く付着していくために、濁水のろ過効率が次第に低下して、大量処理が困難になるという課題があった。
(3)(特許文献2)のような電解法による水処理では、電解により陰極近傍がアルカリ性に、陽極近傍が酸性になるため、被処理水中にCa2+、Mg2+、炭酸イオン等が存在すると、陰極表面に炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等(以下、スケールという)が析出、付着するだけでなく、陽極に酸化被膜が生成したり、両極にオイルやその他の汚染物質等が付着したりすることもある。これらは非導電性であるため、電極間の抵抗が増加し電解効率が低下し、これらの付着物が経時的に多くなり堆積すると、電解が不可能となるという課題があった。
(4)(特許文献3)では、一定時間毎に陽極電極を陰極電極に切換え、陰極電極を陽極電極に切換えて、陽極電極が消耗するのを抑制することができるが、陰極板の表面に析出、付着するスケールや陽極板に生成される酸化被膜を十分に取り除くことはできず、電極の長寿命化策として不十分であり、更なる電極の長寿命化が望まれていた。
(5)また、使用不能となった電極は新たな電極と交換しなければならないが、通常は、電極と電極の間に絶縁体を挟むようにして多数の電極が一体的に固定されており、使用不能となった電極のみを取り外すことはできず、全体を分解しなければならないため、電極の着脱作業が煩雑で、分解及び組立作業に工数を有するだけでなく、スケールが付着したり酸化被膜が形成されたりして使用不能となった電極のスクラップ処理が必要であり、省資源性、環境保護性に欠けるという課題があった。
(6)さらに、懸濁排水の処理量や濃度などに関わらず、電極槽内に一定量の懸濁排水を貯水した状態で、懸濁粒子の凝集分離を行う構造であるため、常に電極のほぼ全面が懸濁排水中に浸漬した状態で通電され、電極の使用範囲(場所や面積)を選択することができない。このため、例えば懸濁排水の濃度が低く、電極の面積が小さくても十分な処理が可能な場合でも、電極全体が消耗され、次に大量の懸濁排水や濃度の高い懸濁排水を処理する際に、処理に時間がかかり、作業効率が低下することや、十分な処理を行うことができず、電極の交換が必要になること等があり、懸濁排水処理の効率性、汎用性、省資源性に欠けるという課題があった。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、電極板の使用範囲を選択可能にすることで、電極板を無駄なく最後まで効率的に使用することができ、電極板の長寿命性、環境保護性に優れ、懸濁排水の処理量や濁質に応じて処理能力を切り替えることにより、電極板の無駄な消耗を防ぐことができ、汎用性、懸濁排水処理の効率性に優れるだけでなく、分解、組立が容易で、消耗した電極板のみを簡便に交換することができ、省資源性に優れると共に、懸濁粒子の凝集を壊すことなく、凝集沈殿を促進させることができ、大量の懸濁排水を連続的に沈殿物と処理水に分離して処理することができる懸濁粒子凝集装置の提供を目的とする。
上記従来の課題を解決するために本発明の懸濁粒子凝集装置は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の懸濁粒子凝集装置は、土砂等の懸濁粒子を含む懸濁排水が供給される懸濁粒子凝集槽と、陽極板及び陰極板が交互に平行配置され前記懸濁粒子凝集槽に沈設される懸濁粒子凝集部と、前記懸濁粒子凝集部の前記陽極板及び前記陰極板の浸漬深さを調整する浸漬深さ調整部と、一端が前記懸濁粒子凝集槽の凝集処理水排水部に接続され前記懸濁粒子凝集槽で凝集処理された凝集処理水を自然流下させる凝集処理水排水管と、前記凝集処理水排水管の他端側が沈設される滞留槽と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)懸濁粒子凝集部の陽極板及び陰極板の浸漬深さを調整する浸漬深さ調整部を有するので、陽極板と陰極板(以下、陽極板と陰極板を合わせて電極板とも言う)の使用範囲を選択して、電極板を無駄なく最後まで効率的に使用することができ、電極板の長寿命性、環境保護性に優れるだけでなく、懸濁排水の処理量や濁質に応じて電極板の浸漬深さを調整することにより、電気凝集の処理能力を切り替えることができ、電極板の無駄な消耗を防ぐことができ、汎用性、懸濁排水処理の効率性に優れる。
(2)一端が懸濁粒子凝集槽の凝集処理水排水部に接続され懸濁粒子凝集槽で凝集処理された凝集処理水を自然流下させる凝集処理水排水管と、凝集処理水排水管の他端側が沈設される滞留槽を有するので、懸濁粒子凝集槽内で凝集処理され凝集処理水排水部から排水される凝集処理水中に含まれる凝集体を壊すことなく、凝集処理水排水管を通して静かに流化させて滞留槽に移動させ、滞留槽内での凝集沈殿を促進して、清水部分と分離させることができ、全体の浄化処理効率を高めることができる。
ここで、懸濁粒子凝集装置は、従来と同様に陽極板と陰極板の間に直流電圧を印加することにより、その間を流れる懸濁排水中の微小粒子を帯電させ、懸濁粒子のフロック化を促して、凝集体の一部を懸濁粒子凝集槽内に沈殿させ、沈殿汚泥水として排出、回収することができる。
懸濁粒子凝集槽及び滞留槽は、プラスチック製や金属製などの素材で形成された箱型容器乃至は円筒型や楕円筒型の容器である。懸濁粒子凝集槽には、ポンプ等を介して懸濁排水が上方の開口部等から供給される。また、懸濁粒子凝集槽の上端側には、懸濁排水の水位が一定位置を超えた時に懸濁排水を懸濁粒子凝集槽の外部に排出するための原水オーバーフロー出口が設けられる。原水オーバーフロー出口にオーバーフロー排出管を接続することにより、懸濁粒子凝集槽の周囲に原水(懸濁排水)が漏れることがない。また、オーバーフロー排出管の出口側を懸濁排水供給管と接続することにより、懸濁粒子凝集槽で処理されずにオーバーフローした懸濁排水を再び懸濁粒子凝集槽に供給して確実に処理することができ、懸濁排水処理の確実性、信頼性に優れる。懸濁粒子凝集槽及び滞留槽の底部には、それぞれ沈殿物を含んだ沈殿汚泥水を排出するための沈殿汚泥水出口が形成される。また、滞留槽の上端側には、清水を取り出すための滞留処理水出口が形成される。
懸濁粒子凝集部の陽極板及び陰極板はアルミニウムや亜鉛・ステンレス、チタン、スチール等の金属材や、炭素質等の導電性材料からなる平板状電極である。これらの平板状電極を交互に所定間隔で複数配置して懸濁粒子凝集部が構成される。これら平板状電極間の隙間が凝集流路となり、懸濁排水を供給し、電極板間に所定電圧、例えば0.5〜100ボルトの電圧を印加することにより、懸濁排水中の微小粒子などを帯電させ、粒子間の凝集力を高めてフロック化を促すことができる。
浸漬深さ調整部は、懸濁粒子凝集部の陽極板及び陰極板の浸漬深さを調整することができればよく、陽極板及び陰極板を上下動させてもよいし、懸濁粒子凝集槽における懸濁排水の水位を上下動させてもよい。陽極板及び陰極板を上下動させる方式としては、懸濁粒子凝集部全体を懸濁粒子凝集槽の中で上下動させてもよいし、固定した懸濁粒子凝集部に対して陽極板及び陰極板のみを上下動させてもよい。懸濁排水の水位を上下動させる方式としては、懸濁粒子凝集槽の中に高さの異なる複数の蓋付きオーバーフロー配管を立設し、選択した1つの蓋付きオーバーフロー配管の蓋のみを開放するもの、懸濁粒子凝集槽内に立設した排水パイプを下端側を中心に回動(傾動)させて上端の開口位置を上下動させるもの、懸濁粒子凝集槽に形設した排水口の位置を上下動させるもの、懸濁粒子凝集槽内に設けた堰(仕切り)の高さを上下動させるもの等を用いることができる。特に、開口位置や排水口の位置を上下動させるものや堰(仕切り)の高さを上下動させるものは、無段階で浸漬深さを調整することができ、汎用性に優れるので好ましい。
凝集処理水排水管は、緩やかに傾斜させることにより、凝集処理水を自然流下させることができ、凝集処理水中に含まれる凝集体が壊れるのを防止することができる。特に、滞留槽に沈設される凝集処理水排水管の他端側を緩やかに湾曲させ、U字状や楕円弧状等に配置すれば、懸濁粒子凝集装置の設置スペースを広げることなく、凝集処理水排水管の全長を長くして、凝集処理水排水管の傾斜角度を小さくすることができ、凝集体が壊れるのを確実に防止して、滞留槽内部での凝集沈殿を効率的に促進できる。
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の懸濁粒子凝集装置であって、前記浸漬深さ調整部が、前記懸濁粒子凝集槽の内部に異なる高さで開口した複数の開口部と、前記複数の開口部の内の最大高さ位置にある開口部以外の開口部にそれぞれ開閉自在に覆設される開閉蓋と、各々の前記開口部から前記凝集処理水排水部に連通する通水部と、を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)浸漬深さ調整部が、懸濁粒子凝集槽の内部に異なる高さで開口した複数の開口部と、複数の開口部の内の最大高さ位置にある開口部以外の開口部にそれぞれ開閉自在に覆設される開閉蓋と、各々の開口部から凝集処理水排水部に連通する通水部を有することにより、いずれか1つの開口部の開閉蓋を選択して開放し、開放した開閉蓋よりも低い位置にある開口部の開閉蓋を閉塞すれば、開放された開口部の高さまで懸濁排水を貯水し、電極板全体の内の懸濁排水中に浸漬された範囲のみを使用することができ、全ての開閉蓋を閉塞すれば、最大高さ位置にある開口部の高さまで懸濁排水を貯水し、電極板全体を懸濁排水中に浸漬して使用することができるので、電極板の消耗状態に応じて浸漬深さ(水位)を調整したり、懸濁排水の処理量や濁質に応じて浸漬深さ(水位)を調整して処理能力を切り替えたりすることができ、電極板の無駄な消耗を防ぎ、最後まで効率的に電極板を使用することができ、懸濁排水処理の効率性、汎用性、電極板の長寿命性、環境保護性に優れる。
ここで、通水部が、開口部から凝集処理水排水部に向かって凝集処理水が自然流下するように傾斜して形設された構成を有している場合、懸濁粒子凝集部で凝集した凝集体を壊すことなく凝集処理水を緩やかに流下させて凝集処理水排水部から排水することができ、凝集処理の効率性、信頼性に優れる。
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の懸濁粒子凝集装置であって、前記懸濁粒子凝集部が、前記懸濁粒子凝集槽の上流側と下流側に対向配置される一対の矩形枠状のフレーム部と、前記一対のフレーム部同士を四隅で連結する連結部材と、前記一対のフレーム部の各々の内側で前記陽極板及び前記陰極板が挿抜自在に挿通されるスリット部が形設された電極板保持部と、を有する凝集板ユニットを備えた構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)懸濁粒子凝集部の凝集板ユニットが懸濁粒子凝集槽の上流側と下流側に対向配置される一対の矩形枠状のフレーム部を有するので、フレーム部の内側(開口部)に配置される陽極板と陰極板の間を通過する懸濁排水の流れをフレーム部で阻害することなく確実に上流から下流まで移動させて凝集処理を行うことができ、凝集処理の信頼性に優れる。
(2)一対のフレーム部同士を四隅で連結する連結部材を有するので、凝集板ユニットとして一体化させて取り扱うことができ、懸濁粒子凝集槽への取り付け取り外しが容易で、組立及び分解の作業性に優れる。
(3)一対のフレーム部の各々の内側で陽極板及び陰極板が挿抜自在に挿通されるスリット部が形設された電極板保持部を有することにより、各々の電極板のみを着脱して、現場で簡便に交換やメンテナンス作業を行うことができるので、凝集板ユニット全体を取り出して作業を行う必要や、新たな凝集板ユニットを現場に輸送して交換する必要がなく、組立や分解の作業効率性、省資源性に優れる。
ここで、フレーム部の要所には縦桟や横桟を設けることができる。これにより、フレーム部の強度を高めることができ、耐久性、長寿命性に優れる。尚、スリット部が形設される電極板保持部は、フレーム部や横桟と一体に形成してもよいし、別部材で形成したものをフレーム部の内側に固設してもよい。電極板保持部を別部材で形成する場合、多数の開口孔を有する格子状の部材にスリット部を形成して電極板を保持するように配置することができる。
連結部材は、フレーム部同士を少なくとも四隅で連結するが、必要に応じて高さ方向の任意の位置に追加して、強度を高めることができる。
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の内いずれか1に記載の懸濁粒子凝集装置であって、ブロワと、一端側が前記ブロワに接続され前記懸濁粒子凝集槽に内設された送気管と、前記送気管に形設され前記ブロワから送られる気体を前記懸濁粒子凝集槽内の前記懸濁排水中に噴出させる気体噴出孔と、を有する気泡発生器を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)ブロワと、一端側がブロワに接続され懸濁粒子凝集槽に内設された送気管と、送気管に形設されブロワから送られる気体を懸濁粒子凝集槽内の懸濁排水中に噴出させる気体噴出孔と、を有する気泡発生器を備えることにより、気体噴出孔から噴出させた気泡で電極板を振動させ、陰極板の表面に析出、付着するスケールや陽極板に生成される酸化被膜を落とすことができ、通電量の減少を防止して長期間に渡って安定した凝集処理を行うことができ、電極板の長寿命性、凝集処理の安定性に優れる。
ここで、送気管及び気体噴出孔の数や配置は適宜、選択することができるが、電極板の下方から気泡を噴出させるように配設することが好ましい。気体噴出孔から噴出した気泡が、自然に懸濁粒子凝集槽の内部を上昇しながら、電極板の間を通過し、電極板を効率的に振動させることができるためである。特に、1乃至複数の送気管を電極板と平行に配置した場合、電極板全体を斑無く確実に振動させることができ、スケール及び酸化被膜の除去の信頼性に優れる。
尚、ブロワからの送気量は、各々の電極板を確実に振動させることができるように、電極板の枚数や面積に応じて適宜、選択する。
以上のように、本発明の懸濁粒子凝集装置によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)浸漬深さ調整部で陽極板及び陰極板(電極板)の浸漬深さを調整することにより、電極板の使用範囲を選択して、電極板を無駄なく最後まで効率的に使用することができ、電極板の長寿命性、環境保護性に優れるだけでなく、懸濁排水の処理量や濁質に応じて電極板の浸漬深さを調整し、電気凝集の処理能力を切り替えることが可能で、電極板の無駄な消耗を防ぐことができる汎用性、懸濁排水処理の効率性に優れた懸濁粒子凝集装置を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)開閉蓋の開閉位置を選択することにより、電極板の消耗状態に応じて浸漬深さ(水位)を調整したり、懸濁排水の処理量や濁質に応じて浸漬深さ(水位)を調整して処理能力を切り替えたりすることができ、電極板の無駄な消耗を防ぎ、最後まで効率的に電極板を使用することができる懸濁排水処理の効率性、汎用性、電極板の長寿命性、環境保護性に優れた懸濁粒子凝集装置を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)複数の電極板を凝集板ユニットとして一体化させて取り扱うことができ、懸濁粒子凝集槽への取り付け取り外しを容易に行うことができると共に、各々の電極板のみを着脱して、現場で簡便に交換やメンテナンス作業を行うこともでき、凝集板ユニット全体を取り出して作業を行う必要や、新たな凝集板ユニットを現場に輸送して交換する必要がなく、組立や分解の作業効率性、省資源性に優れた懸濁粒子凝集装置を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の内いずれか1の効果に加え、
(1)懸濁粒子凝集槽の内部に噴出させた気泡で電極板を振動させ、陰極板の表面に析出、付着するスケールや陽極板に生成される酸化被膜を落とすことができ、通電量の減少を防止して長期間に渡って安定した凝集処理を行うことができる電極板の長寿命性、凝集処理の安定性に優れた懸濁粒子凝集装置を提供することができる。
実施の形態1における懸濁粒子凝集装置の構成を示す断面模式図 実施の形態1における懸濁粒子凝集装置の平面図 実施の形態1における懸濁粒子凝集装置の側面図 実施の形態1における懸濁粒子凝集装置の凝集板ユニットの平面図 実施の形態1における懸濁粒子凝集装置の凝集板ユニットの側面図 実施の形態1における懸濁粒子凝集装置の凝集板ユニットの要部断面正面図 実施の形態1における懸濁粒子凝集装置の凝集板ユニットの要部拡大平面図 図2におけるA−A線断面図 図2におけるB−B線断面図
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における懸濁粒子凝集装置の構成を示す断面模式図であり、図2は実施の形態1における懸濁粒子凝集装置の平面図であり、図3は実施の形態1における懸濁粒子凝集装置の側面図である。
図1中、1は実施の形態1における懸濁粒子凝集装置、2はFRP等のプラスチックやステンレス等の金属で箱形に形成され土砂等の懸濁粒子を含む懸濁排水が供給される懸濁粒子凝集槽、3は懸濁粒子凝集槽2に懸濁排水を供給する懸濁排水供給管、4は懸濁粒子凝集槽2の上流側に配設され懸濁排水中の大きなゴミや粒子の大きな懸濁物質等を捕捉する網状のフィルタ、5は陽極板又は陰極板となる複数の電極板25が平行配置され懸濁粒子凝集槽2に沈設される懸濁粒子凝集部、6は懸濁粒子凝集槽2内の懸濁排水中に気泡を発生させる気泡発生器、6aは気泡発生器6のブロワ、6bは一端側がブロワ6aに接続され懸濁粒子凝集槽2に内設されてブロワ6aから送られる気体を複数の気体噴出孔(図示せず)から噴出させる気泡発生器6の送気管、7は懸濁粒子凝集部2の電極板25の浸漬深さを調整する浸漬深さ調整部、8は懸濁粒子凝集槽2の下流側に形設された凝集処理水排水部、9は一端が懸濁粒子凝集槽2の凝集処理水排水部8に接続され懸濁粒子凝集槽2で凝集処理された凝集処理水を自然流下させる凝集処理水排水管、10はFRP等のプラスチックやステンレス等の金属で箱形に形成され凝集処理水排水管9の他端側が沈設される滞留槽である。
尚、送気管6a及び気体噴出孔は、電極板25の下方から気泡を噴出させるように配設することが好ましいが、その数や配置は適宜、選択することができる。
図2及び図3中、2aは懸濁粒子凝集槽2の下部に配設され懸濁粒子凝集槽2を自立させる脚部、2bは懸濁粒子凝集槽2の底部に形設され沈殿物を含んだ沈殿汚泥水が排出される沈殿汚泥水出口(図3)、2cは懸濁粒子凝集槽2の上端側に形設され懸濁排水の水位が一定位置を超えた時に懸濁排水を懸濁粒子凝集槽2の外部に排出するための原水オーバーフロー出口、5aは懸濁粒子凝集部5を構成する4列の凝集板ユニット(図2)、8aは凝集処理水排水部8の一側部に形設され凝集処理水排水管9の一端が接続される凝集処理水排水口、10aは滞留槽10の底部に形設され沈殿物を含んだ沈殿汚泥水が排出される沈殿汚泥水出口(図3)、10bは滞留槽10の上端側に形設され清水が取り出される滞留処理水出口、11は懸濁粒子凝集部2の電極板25に印加する電圧の極性を所定時間毎に切り替える整流器(図2)、11a,11bは各々の凝集板ユニット5aの電極板25に1つ置きに電気的に接続されプラス又はマイナスの電圧を印加する電極接続部(図2)、30は懸濁粒子凝集装置1の全体を制御する制御部である。
次に、実施の形態1における懸濁粒子凝集装置の凝集板ユニットの詳細について説明する。
図4は実施の形態1における懸濁粒子凝集装置の凝集板ユニットの平面図であり、図5は実施の形態1における懸濁粒子凝集装置の凝集板ユニットの側面図であり、図6は実施の形態1における懸濁粒子凝集装置の凝集板ユニットの要部断面正面図であり、図7は実施の形態1における懸濁粒子凝集装置の凝集板ユニットの要部拡大平面図である。
図4乃至図6中、20は凝集板ユニット5aを懸濁粒子凝集槽2に沈設した時に、その上流側と下流側に対向するように配置される一対の矩形枠状のフレーム部(図5)、20aはフレーム部20の縦枠材(図5,6)、20bはフレーム部20の横枠材、20cは一対のフレーム部20同士を四隅で連結する連結部材(図4)、21は格子状に形設され一対のフレーム部20,20の各々の内側で陽極板又は陰極板となる電極板25が挿抜自在に挿通されるスリット部21a(図4参照)が形成された電極板保持部、22はフレーム部20に配設された横桟(図5,6)、23はフレーム部20に配設された縦桟(図5)、24は略L型に形成され電極接続部11a,11bの要所をフレーム部20に固定する固定部、26は電極接続部11a,11bに配設された電気接続用の端子、26aは各々の端子26と電極板25を1つ置きに接続する接続線(図5,6)、27は円筒状に形成され底部側に形成された複数の押さえ溝27aで各々の電極板25の上端部を係止する電極板押さえ部、28は懸濁粒子凝集槽2の内部に渡設され凝集板ユニット5aを下方から支持する凝集板ユニット支持部(図6)、28aは凝集板ユニット支持部28の上面部に配設された絶縁部材(図6)である。
連結部材20cは、フレーム部20,20同士を少なくとも四隅で連結するが、必要に応じて高さ方向の任意の位置に追加して、強度を高めることができる。
横桟22及び縦桟23の数や配置は、本実施の形態に限られるものでなく、上流から下流に向かう懸濁排水の流れを阻害しない範囲で適宜、選択することができる。これにより、フレーム部20の強度を高めることができ、耐久性、長寿命性に優れる。
図6において、本実施の形態では、凝集板ユニット5aの質量を支えるために、剛性が高く、耐久性に優れる金属製のパイプで凝集板ユニット支持部28を形成し、電極板25と凝集板ユニット支持部28との間を絶縁するために、凝集板ユニット支持部28の上面部(電極板25下端との接触部分)に絶縁部材28aを配設したが、凝集板ユニット支持部28の材質や形状はこれに限定されるものではなく、適宜、選択することができる。特に、凝集板ユニット支持部28を絶縁体で形設した場合は、絶縁部材28aを省略することができる。
図7に示すように、電極板保持部21のスリット部21aは電極板25の厚さよりも幅広に形成した。図1で説明した気泡発生器6から発生させる気泡によって電極板25を確実に振動させることができ、陰極板の表面に析出、付着するスケールや陽極板に生成される酸化被膜を落とすことができるためである。
尚、スリット部21aが形設される電極板保持部21は、フレーム部20や横桟22と一体に形成してもよいし、別部材で形成したものをフレーム部20の内側に固設してもよい。電極板保持部21を別部材で形成する場合、多数の開口孔を有する格子状の部材にスリット部21を形成して電極板25を保持するように配置することができる。
電極板25はアルミニウムや亜鉛・ステンレス、チタン、スチール等の金属材や、炭素質等の導電性材料で形成できる。所定間隔で配置した電極板25,25間の隙間が凝集流路となり、電極板25,25間に所定電圧、例えば0.5〜100ボルトの電圧を印加することにより、懸濁排水中の微小粒子などを帯電させ、粒子間の凝集力を高めてフロック化を促すことができる。
次に、実施の形態1における懸濁粒子凝集装置の浸漬深さ調整部の詳細について説明する。
図8は図2におけるA−A線断面図であり、図9は図2におけるB−B線断面図である。
図8及び図9中、8bは凝集処理水排水部8の蓋部(図8)、8cは凝集処理水排水口8aに向かって傾斜して形成された凝集処理水排水部8の底部(図9)、30a,30b,30c,30dは懸濁粒子凝集槽2の内部に異なる高さで開口した複数の開口部(図8)、31a,31b,31c,31dは各々の開口部30a,30b,30c,30dから凝集処理水排水部8に連通する傾斜状の通水部、32は開口部30a,30b,30c,30dの内の最大高さ位置にある開口部30d以外の開口部30a,30b,30cにそれぞれ開閉自在に覆設される開閉蓋、32aは開閉蓋32を開閉するためのハンドル等の操作部である。
以上のように構成された実施の形態1の懸濁粒子凝集装置の使用方法について説明する。
まず、図1において、ダム、河川、湖沼、用水路等の工事現場から流れ込む泥水や、トンネル工事、河川工事、浚渫工事、造成工事、各種の建設工事などで発生する土砂等の固形分を含む懸濁排水を懸濁排水供給管3から懸濁粒子凝集槽2内に供給する。
懸濁粒子凝集槽2に供給された懸濁排水は、フィルタ4で大きなゴミや粒子の大きな懸濁物質等が取り除かれ、懸濁粒子凝集部5へ移動する。
懸濁排水は、所定電圧が印加された電極板25,25の間に形成された凝集流路を流れ、ここで、液中の微小粒子が帯電され互いに凝集して所定大きさの粒子(フロック)が形成される。
このとき、気泡発生器6から発生させる気泡によって電極板25を振動させることにより、陰極板の表面に析出、付着するスケールや陽極板に生成される酸化被膜を落下させる。また、懸濁粒子凝集部2の電極板25に印加する電圧は、図2で説明した整流器11によって所定時間毎に極性を切り替え、陽極板として使用される電極板25のみが消耗することを防ぐ。
さらに、浸漬深さ調整部7においては、どの開口部30a,30b,30c,30dを開放するかを選択して、電極板25の浸漬深さを調整する。例えば、最も低い位置にある開口部30aの開閉蓋32を開放しておけば、懸濁排水は開口部30aの高さまでしか貯水されず、電極板25全体の内の懸濁排水中に浸漬された範囲のみを使用して凝集処理を行うことができる。また、開口部30a,30b,30cの開閉蓋32を閉塞すれば、懸濁排水は開口部30dの高さまで貯水され、懸濁排水中に浸漬した電極板25全体を使用して凝集処理を行うことができる。
よって、電極板25の消耗状態や懸濁排水の処理量、濁質等に応じて、開口部30a,30b,30c,30dの内のどれを開放してどれを閉塞するかを選択することにより、効率的な凝集処理を行うことができる。
懸濁粒子凝集槽2で凝集処理されフロック化された粒子を含む懸濁排水は、通水部31a(31b,31c,31d)を通って凝集処理水排水部8へ流れる。
このとき、図8及び図9に示したように、通水部31a(31b,31c,31d)が開口部30a(30b,30c,30d)から凝集処理水排水部8に向かって凝集処理水が自然流下するように傾斜して形設されると共に、凝集処理水排水部8の底部8cが凝集処理水排水口8aに向かって傾斜して形成されていることにより、凝集した凝集体を壊すことなく凝集処理水を緩やかに流下させて凝集処理水排水口8aから排出させる。
凝集処理水排水口8aから排出された凝集処理水は、緩やかに傾斜した凝集処理水排水管9に沿って滞留槽10まで自然流下し、滞留槽10内で凝集沈殿が促進され、清水部分と沈殿物を含んだ沈殿汚泥水とに分離する。尚、本実施の形態では、滞留槽10に沈設される凝集処理水排水管9の他端側を緩やかに湾曲させ、滞留槽10の内部に略U字状に配置した。これにより、懸濁粒子凝集装置1の設置スペースを広げることなく、凝集処理水排水管9の全長を長くして、凝集処理水排水管9の傾斜角度を小さくすることができ、凝集体が壊れるのを確実に防止して、滞留槽10内部での凝集沈殿を効率的に促進できる。
こうして滞留槽10の上層の清水は滞留処理水出口10bから排水、回収される。また、懸濁粒子凝集槽2及び滞留槽10の底部に貯留された沈殿汚泥水は、それぞれ必要に応じて、沈殿汚泥水出口2b,10aから排出される。
尚、浸漬深さ調整部7は、本実施の形態に限定されるものではなく、懸濁粒子凝集部5の電極板25の浸漬深さを調整することができるものであればよい。例えば、懸濁排水の水位を上下動させる方式として、懸濁粒子凝集槽2内に立設した排水パイプを下端側を中心に回動(傾動)させて上端の開口位置を上下動させるもの、懸濁粒子凝集槽2に形設した排水口の位置を上下動させるもの、懸濁粒子凝集槽2内に設けた堰(仕切り)の高さを上下動させるもの等を用いることができる。また、懸濁粒子凝集槽2における懸濁排水の水位を上下動させる代わりに、電極板25を上下動させてもよい。電極板25を上下動させる方式としては、懸濁粒子凝集部5の凝集板ユニット5a全体を懸濁粒子凝集槽2の中で上下動させてもよいし、固定した凝集板ユニット5aに対して電極板25のみを上下動させてもよい。特に、開口位置や排水口の位置を上下動させるものや堰(仕切り)の高さ或いは電極板25を上下動させるものは、無段階で電極板25の浸漬深さを調整することができ、汎用性に優れるので好ましい。
以上のように、本発明の実施の形態1における懸濁粒子凝集装置は構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)電極板の陽極板と陰極板との間に直流電圧を印加することにより、その間を流れる懸濁排水中の微小粒子を帯電させ、懸濁粒子のフロック化を促して、凝集体の一部を懸濁粒子凝集槽内に沈殿させ、沈殿汚泥水として排出、回収することができる。
(2)懸濁粒子凝集部の電極板(陽極板及び陰極板)の浸漬深さを調整する浸漬深さ調整部を有するので、電極板の使用範囲を選択して、電極板を無駄なく最後まで効率的に使用することができ、電極板の長寿命性、環境保護性に優れるだけでなく、懸濁排水の処理量や濁質に応じて電極板の浸漬深さを調整することにより、電気凝集の処理能力を切り替えることができ、電極板の無駄な消耗を防ぐことができ、汎用性、懸濁排水処理の効率性に優れる。
(3)一端が懸濁粒子凝集槽の凝集処理水排水部に接続され懸濁粒子凝集槽で凝集処理された凝集処理水を自然流下させる凝集処理水排水管と、凝集処理水排水管の他端側が沈設される滞留槽を有するので、懸濁粒子凝集槽内で凝集処理され凝集処理水排水部から排水される凝集処理水中に含まれる凝集体を壊すことなく、凝集処理水排水管を通して静かに流化させて滞留槽に移動させ、滞留槽内での凝集沈殿を促進して、清水部分と分離させることができ、全体の浄化処理効率を高めることができる。
(4)従来の凝集剤を用いる水処理装置のように溶出物がないので、浄化処理に伴って環境を汚染させるおそれがなく、環境保護性に優れる。
(5)浸漬深さ調整部が、懸濁粒子凝集槽の内部に異なる高さで開口した複数の開口部と、複数の開口部の内の最大高さ位置にある開口部以外の開口部にそれぞれ開閉自在に覆設される開閉蓋と、各々の開口部から凝集処理水排水部に連通する通水部を有することにより、いずれか1つの開口部の開閉蓋を選択して開放し、開放した開閉蓋よりも低い位置にある開口部の開閉蓋を閉塞すれば、開放された開口部の高さまで懸濁排水を貯水し、電極板全体の内の懸濁排水中に浸漬された範囲のみを使用することができ、全ての開閉蓋を閉塞すれば、最大高さ位置にある開口部の高さまで懸濁排水を貯水し、電極板全体を懸濁排水中に浸漬して使用することができるので、電極板の消耗状態に応じて浸漬深さ(水位)を調整したり、懸濁排水の処理量や濁質に応じて浸漬深さ(水位)を調整して処理能力を切り替えたりすることができ、電極板の無駄な消耗を防ぎ、最後まで効率的に電極板を使用することができ、懸濁排水処理の効率性、汎用性、電極板の長寿命性、環境保護性に優れる。
(6)通水部が、開口部から凝集処理水排水部に向かって凝集処理水が自然流下するように傾斜して形設されていることにより、懸濁粒子凝集部で凝集した凝集体を壊すことなく凝集処理水を緩やかに流下させて凝集処理水排水部から排水することができ、凝集処理の効率性、信頼性に優れる。
(7)懸濁粒子凝集部の凝集板ユニットが懸濁粒子凝集槽の上流側と下流側に対向配置される一対の矩形枠状のフレーム部を有するので、フレーム部の内側(開口部)に配置される陽極板と陰極板の間を通過する懸濁排水の流れをフレーム部で阻害することなく確実に上流から下流まで移動させて凝集処理を行うことができ、凝集処理の信頼性に優れる。
(8)一対のフレーム部同士を四隅で連結する連結部材を有するので、凝集板ユニットとして一体化させて取り扱うことができ、懸濁粒子凝集槽への取り付け取り外しが容易で、組立及び分解の作業性に優れる。
(9)一対のフレーム部の各々の内側で陽極板及び陰極板が遊びを設けて挿抜自在に挿通されるスリット部が形設された電極板保持部を有することにより、各々の電極板のみを着脱して、現場で簡便に交換やメンテナンス作業を行うことができるので、凝集板ユニット全体を取り出して作業を行う必要や、新たな凝集板ユニットを現場に輸送して交換する必要がなく、組立や分解の作業効率性、省資源性に優れる。
(10)ブロワと、一端側がブロワに接続され懸濁粒子凝集槽に内設された送気管と、送気管に形設されブロワから送られる気体を懸濁粒子凝集槽内の懸濁排水中に噴出させる気体噴出孔と、を有する気泡発生器を備えることにより、気体噴出孔から噴出させた気泡で電極板を振動させ、陰極板の表面に析出、付着するスケールや陽極板に生成される酸化被膜を落とすことができ、通電量の減少を防止して長期間に渡って安定した凝集処理を行うことができ、電極板の長寿命性、凝集処理の安定性に優れる。
(11)懸濁粒子凝集部の電極板に印加する電圧の極性を整流器によって所定時間毎に切り替えると共に、気泡発生器で発生させた気泡によって電極板を振動させることにより、その相乗効果で、電極板の消耗、スケールや酸化被膜の成長を効果的に抑えることができ、電極板の長寿命性、メンテナンス性に優れる。
本発明は、電極板の使用範囲を選択可能にすることで、電極板を無駄なく最後まで効率的に使用することができ、電極板の長寿命性、環境保護性に優れ、懸濁排水の処理量や濁質に応じて処理能力を切り替えることにより、電極板の無駄な消耗を防ぐことができ、汎用性、懸濁排水処理の効率性に優れるだけでなく、分解、組立が容易で、消耗した電極板のみを簡便に交換することができ、省資源性に優れると共に、懸濁粒子の凝集を壊すことなく、凝集沈殿を促進させることができ、大量の懸濁排水を連続的に沈殿物と処理水に分離して処理することができる懸濁粒子凝集装置の提供を行い、環境保護、省資源化に貢献することができる。
1 懸濁粒子凝集装置
2 懸濁粒子凝集槽
2a 脚部
2b 沈殿汚泥水出口
2c 原水オーバーフロー出口
3 懸濁排水供給管
4 フィルタ
5 懸濁粒子凝集部
5a 凝集板ユニット
6 気泡発生器
6a ブロワ
6b 送気管
7 浸漬深さ調整部
8 凝集処理水排水部
8a 凝集処理水排水口
8b 蓋部
8c 底部
9 凝集処理水排水管
10 滞留槽
10a 沈殿汚泥水出口
10b 滞留処理水出口
11 整流器
11a,11b 電極接続部
20 フレーム部
20a 縦枠材
20b 横枠材
20c 連結部材
21 電極板保持部
21a スリット部
22 横桟
23 縦桟
24 固定部
25 電極板
26 端子
26a 接続線
27 電極板押さえ部
27a 押さえ溝
28 凝集板ユニット支持部
28a 絶縁部材
30 制御部
30a,30b,30c,30d 開口部
31a,31b,31c,31d 通水部
32 開閉蓋
32a 操作部

Claims (4)

  1. 土砂等の懸濁粒子を含む懸濁排水が供給される懸濁粒子凝集槽と、陽極板及び陰極板が交互に平行配置され前記懸濁粒子凝集槽に沈設される懸濁粒子凝集部と、前記懸濁粒子凝集部の前記陽極板及び前記陰極板の浸漬深さを調整する浸漬深さ調整部と、一端が前記懸濁粒子凝集槽の凝集処理水排水部に接続され前記懸濁粒子凝集槽で凝集処理された凝集処理水を自然流下させる凝集処理水排水管と、前記凝集処理水排水管の他端側が沈設される滞留槽と、を備えたことを特徴とする懸濁粒子凝集装置。
  2. 前記浸漬深さ調整部が、前記懸濁粒子凝集槽の内部に異なる高さで開口した複数の開口部と、前記複数の開口部の内の最大高さ位置にある開口部以外の開口部にそれぞれ開閉自在に覆設される開閉蓋と、各々の前記開口部から前記凝集処理水排水部に連通する連通部と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の懸濁粒子凝集装置。
  3. 前記懸濁粒子凝集部が、前記懸濁粒子凝集槽の上流側と下流側に対向配置される一対の矩形枠状のフレーム部と、前記一対のフレーム部同士を四隅で連結する連結部材と、前記一対のフレーム部の各々の内側で前記陽極板及び前記陰極板が挿抜自在に挿通されるスリット部が形設された電極板保持部と、を有する凝集板ユニットを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の懸濁粒子凝集装置。
  4. ブロワと、一端側が前記ブロワに接続され前記懸濁粒子凝集槽に内設された送気管と、前記送気管に形設され前記ブロワから送られる気体を前記懸濁粒子凝集槽内の前記懸濁排水中に噴出させる気体噴出孔と、を有する気泡発生器を備えたことを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の懸濁粒子凝集装置。
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