JP2001527435A - 注射針 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 注射装置（予め設定した投与量の薬剤を、該装置に収容されたカートリッジから、針を介して該装置により投与する）に適合する針受口に取り付けられた針は、前記カートリッジの閉封膜を貫通する後方針と９ｍｍ未満のフリー挿入針と、並びに以下の条件の１に従う前記針の外径と内径とを具備する：ａ）外径は０．３２０ｍｍ未満であり且つ内径は０．１６５ｍｍよりも大きい、またはｂ）外径は０．２９８ｍｍ未満であり且つ内径は０．１３３ｍｍよりも大きい。

Description

【発明の詳細な説明】 注射針 本発明は、注射針、特に、注射装置内に収容されたカートリッジから該装置に 取り付けられた針を介し、予め設定された投与量の薬物を前記装置から投与でき るような注射装置に適合した針受口に、前記カートリッジの閉封膜を貫通するた めの後方針とフリーの注射用挿入部分とを外部に曝した状態で取り付けられた注 射針に関する。 このような注射装置、即ち、この装置により投与量が個別的に設定でき、且つ この装置に針（これは該装置のカートリッジから薬剤を注射するために使用され た後で交換できる）が取り付けられた注射装置は、成長ホルモンで治療を受ける 人々や、頻繁に自分自身に注射を行って自己の血糖値を許容レベルに維持しなく てはならない糖尿病患者の場合のように、１日に１回以上、自分自身に注射をし なくてはならない人々にとっては、一般的な手段である。 太い針を使用した場合に比べ、非常に細い針を使用した場合の方が、刺針時の 痛みが軽減されることが明らかになってきたことから、頻繁な皮膚への刺針によ る不安を軽減するために、更により細い針を使用する傾向にある。より細い針の 使用に伴なって別の問題が生じている。それらの問題の１つは、例えば、ある種 類のインスリンは粗い結晶を有しており、この結晶が該針の吸入口で目詰まりを 起こす傾向があることである。このような状態では、結晶が懸濁されている液体 から篩い分けられてしまう。従って、注射されたインスリン濃度は、使用者の考 える濃度とは異なってしまう可能性が生じ、このことは誤った投与量の注射がな される原因になる可能性がある。 国際公開番号第９３／００９４８号に従えば、このような問題は、特定の針受 口に取り付けられた針の使用により克服された。この針受口は、Ｇ３０針と定義 された細い針を介して自由に流動できるインスリンのみを含有することが分かっ ている装置に対してのみ適合する針受口である。これは、該装置が１５μｍ未満 の粒子サイズを有するインスリンのみを含有することと、該装置が細い針を有す る受口に対して適合する部分を受け入れる針を設けた装置を提供することとが補 償された装置を製造することにより得られる。該装置のインスリンは、より大き な内径を持つより太い針を、当然ながら、問題なく通過できるので、より太い針 も対応する受口に設け得ることも当然認められる。 Ｇ３０針は痛みを軽減でき、且つ結晶が１５μｍよりも大きい直径を持たない 場合なら、結晶性インスリンさえも通すことができるとはいっても、これらの針 の使用は、溶液を注射する場合でさえ問題が無いとは言えない。その問題の１つ は、比較的に高い圧力を、薬剤を押し出すためのカートリッジ内に確立しなくて はならないことであり、重ねて言えば、これは、手動で操作する注射ボタンに過 大な力を加えなくてはならないことを意味する。これによって、虚弱な指の使用 者が、十分に迅速に注射を行うことが困難になる可能性がある。シリンダーアン プルの一端がピストンで閉鎖され、他端はゴム膜（これは、両端が尖った２尖頭 針の後方尖端で貫通されることにより、アンプルの中央から中空針を通って該針 の注射端に至る連通性を与える）で閉鎖されているカートリッジにおいて、カー トリッジ内の圧力が高いと、注射の間は組織に挿入されていた針を該組織から引 き抜いたときに、カートリッジ部分（特にゴム膜およびピストン）の弾性によっ て、薬液が針から滴下する可能性がある。このことは、設定した投与量の全てが 、実際には注射されていないことを意味する。 本発明の目的は、細い針を提供することであり、この細い針によって、Ｇ３０ 針の利点は増大されおよび／または該針の欠点は克服される。 これは、本明細書の冒頭で記述した種類の注射針によって得ることが可能であ り、該針は、本発明に従えば、挿入部分の長さが９ｍｍ未満であることと、針の 外径および内径が以下の条件の１に従うこととを特徴とする： ａ） 外径が０．３２０ｍｍ未満であり、且つ内径が０．１６５ｍｍよ りも大きい、 または ｂ） 外径が０．２９８ｍｍ未満であり、且つ内径が０．１３３ｍｍよ りも大きい。 ＩＳＯ規格９６２６は注射針の公差を記述しているが、これは、針の長さが、 針の公称の長さより１ミリメートル長いものから、２ミリメートル短いものまで 可能であることと、通常のＧ３０では、針の外径は０．３２０ｍｍから０．２９ ８ｍｍまでの範囲内、且つ内径は０．１３３ｍｍから０．１６５ｍｍまでの範囲 内になくてはならないこととを規定しているから、本発明の特徴部分は以下のよ うに言い換えることが可能である： 挿入部分の長さは、通常、８ｍｍ以下であり、且つ 以下の２条件のうちの１に従う： ａ） 外径はＧ３０針の外径に一致し、且つ内径は通常のＧ３０針の内 径よりも大きい、 または ｂ） 外径はＧ３０針の外径よりも小さく、且つ内径は通常の３０Ｇ針 の最小内径よりも大きい。 国際公開番号第９３／００９４８号によって、最大結晶サイズが１５μｍであ るインスリンを含有するカートリッジを収容できるペン型注射筒から、インスリ ンを注射するために３０Ｇ針を使用することが公知となった。これは、その様な 注射装置に保持されたインスリンが、０．１３３ｍｍ（これは通常のＧ３０針に おける最小内径である）よりも大きな内径の針を経て、自由に流動できることを 保証するものであろう。当然、結晶を全く含有しない他の種類の薬剤も、その様 な通常の３０Ｇ針を通過することが可能である。 外径が０．３２０ｍｍ未満の針に、より薄い壁厚を使用すればするほど、Ｇ３ ０針に、より好ましい流動を得ることが可能な大きな内径を与えることができる であろう。或いは、０．１３３ｍｍの内径が許容されるのであれば、薄壁の使用 は、Ｇ３０針よりも更に細く、それにも関わらず該装置内の結晶性インスリンさ えも自由に流動できることを保証する針が可能になるだろう。 薄壁のＧ３０針は公知ではあるが、薄壁の細い針は折れる危険性があるので、 専門家によって扱われるべきであるとの判断がなされてきたため、従来では、薄 壁針は、薬剤（例えば、インスリン等）の自己投与用に設計された注射装置に使 用するためには製造されていなかった。しかしながら、国際公開番号第９３／０ ０９４８号に記述されるように、通常のＧ３０と同じ細さの針は、自己注射によ る使用についても安全であり、また、針長が短いものであれば、壁厚が５０％減 った場合でも該針管の屈曲強度は６％減るのみであることから、短い薄壁針は、 素人が取り扱う場合でさえ非常に安全であることが示された。 本発明によれば、針の挿入部分は、９ｍｍ未満、約４−８ｍｍでよい。より短 い針を用いれば、折れる危険性は減少し、また、短針の使用により、皮膚組織よ りも深い場所に針を挿入する危険性が減ることから、短針は皮下注射に対しても 好ましい。更に、予め設定した投与量の薬剤を注射装置のカートリッジから投与 するような種類の注射装置で該針を使用する場合、封止膜を貫通しなくてはなら ない針部分は、短い後方針であり、これは、許し難い屈曲に対する何れの危険も なく該膜を貫通することが可能である。 以下に、本発明を、以下の図を参照しながら更に詳細に説明する。 図１は、本発明による針を有する針受口の模式的断面図を示し、および 図２は、該針管の部分の断面図を示す。 図１において、針は、要素１を形作る円形盤を具備する針受口に取り付けられ ている。該円盤は、その外縁部に沿って垂下したスリーブを有しており、該スリ ーブは、その内壁にネジ山４が設けられている。ネジ山４により、該針受口は、 外側にネジが設けたシリンジの針受容部分に、ネジ式で取り付けることが可能で ある。該要素１は、その中心に、該円盤から該スリーブの反対方向に突出した突 出部２が提供されている。該突出部２と該円盤要素１の中心を通って、２尖頭針 が取り付けられている。一方の針頭末端部分５は、使用者の皮膚を突き刺す挿入 部分を形成するために突出部２から突出し、所謂後方針６は、該円盤の反対側か ら、同一中心でスリーブ３に囲まれるように突出する。該スリーブ３は多少延出 することにより該後方針の針頭末端を保護し、そのため後方針６はスリーブ３よ りも短い。該針の挿入部５は、９ｍｍ（ＩＳＯ７８６４：１９９３Ｅによれば、 これは、８ｍｍ針として主張された針に許容され得る最大の長さである）未満の 長さＬを有する。ニの長さの制限および短縮により、皮膚を経てこの部分を挿入 するときに該針の挿入部５に働く曲げモーメントが減少する。該針をシリンジに 取り付けたときに、アンプルの封止膜を貫通しなくてはならない後方針６は、更 に短小である。これは、そのような膜が皮膚よりも貫通しにくい場合に有利であ る。支持されていない針の長さを制限することにより、壁厚の減少とそれにより 生じる屈曲強度の減少を許容可能なものになる。 図２は、壁８と内腔７とを与える針管の部分の略断面図を示す。該針は、その 外径Ｄと内径ｄにより特徴づけられている。壁厚の減少は、ＩＳＯ９６２６によ るＧ３０と同じ細さの針におけるより大きな内径ｄを得るために、または、少な くともＧ３０針の最小径に相当する内径を持ち、且つＧ３０針の最小径よりも小 さい外径Ｄを持つ針を得るために用いられることも可能である。このことは、以 下の条件により表すことが可能である： ｄ≧０．１６５ｍｍ および Ｄ≦０．３２０ｍｍ または ｄ≧０．１３３ｍｍ および Ｄ≦０．２９８ｍｍ これらは通常：ｄ＋２×（壁厚）＝Ｄ：に従わなくてはならない条件を採る。 許容可能な最小の壁厚は、該針の屈曲強度に設定された要求により制限される 。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ， ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，Ｇ Ｂ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ， ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，Ｎ Ｏ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ， ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．注射装置内に収容されたカートリッジから、該装置に取り付けられた針を通 して、予め設定された投与量の薬物を投与できるような注射装置に適合した針受 口に、前記カートリッジの閉封膜を貫通する後方針とフリー挿入部分とを外部に 曝した状態で取り付けられた注射針であって、前記挿入部分の長さは９ｍｍ未満 であることと、前記針の外径および内径は以下の条件の１に従うこととを特徴と する注射針： ａ） 外径は０．３２０ｍｍ未満であり、且つ内径は０．１６５ｍｍよ りも大きい、 または ｂ） 外径は０．２９８ｍｍ未満であり、且つ内径は０．１３３ｍｍよ りも大きい。 ２．請求項１に記載の注射針であって、前記針受口がインスリンのための注射シ ステムに適合するように設計されていることを特徴とする注射針。 ３．請求項１に記載の注射針であって、前記針受口がインスリン類似体のための 注射システムに適合するように設計されていることを特徴とする注射針。 ４．請求項２または３の何れか１項に記載の注射針であって、前記注射システム が、溶液または最大直径が１５μｍの粒子を有する懸濁液である種類のインスリ ンを有するカートリッジのみを収容することを特徴とする注射針。 ５．請求項１に記載の注射針であって、前記針受口が、成長ホルモン類のための 注射システムに適合するように設計されていることを特徴とする注射針。 ６．請求項１から５の何れが１項に記載の注射針であって、前記針のフリー挿入 部分が４−８ｍｍの間の長さを持つことを特徴とする注射針。