JP2001527266A - 絶縁システムを有するdcケーブル - Google Patents

絶縁システムを有するdcケーブル

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JP2001527266A JP2000525891A JP2000525891A JP2001527266A JP 2001527266 A JP2001527266 A JP 2001527266A JP 2000525891 A JP2000525891 A JP 2000525891A JP 2000525891 A JP2000525891 A JP 2000525891A JP 2001527266 A JP2001527266 A JP 2001527266A
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アンデルス グスタフソン,
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アンデルス エリクソン,
ヤン−オヴェ ボストローム,
ビル グスタフソン,
ウルフ ニルソン,
キャンプス,アルフレッド
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エービービー エービー
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Abstract

(57)【要約】 導体の周囲に配置された、押出成形して架橋したポリエチレン系絶縁材により絶縁したDCケーブルとその製造方法に関する。押出成形したポリエチレン系化合物は、架橋剤、スコーチ防止剤、および酸化防止剤のような添加剤を含んでいる。スコーチ防止剤は、化合物(D);2,4-ジフェニル-4-メチル-ペンテン-1からなり、酸化防止剤は、化合物(C);3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸およびチオジグリコールのジエステルからなる。合成したポリエチレン系樹脂組成物を絶縁材の架橋に十分な温度と時間で押出成形して架橋する。押出成形および架橋の際の温度および時間は、架橋した組成物内に望ましくない極性副産物が形成されることを実質的に抑制し、または、本質的に回避するように制限される。4

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、絶縁された直流ケーブル、すなわち、電流または電圧伝送体である
導体と該導体の周囲に配置された絶縁システムとを有し、該絶縁システムが、押
出成形されかつ架橋されたポリエチレン組成物からなるDCケーブルに関するも
のである。
【0002】 この発明は、特に、電力を伝送および分配するための絶縁されたDCケーブル
に関するものである。押出成形された絶縁システムは、内部半導電性シールド、
絶縁体、外部半導電性シールドのような、複数の層を具備している。少なくとも
押出成形された絶縁体は、架橋剤、スコーチ防止剤および酸化防止剤のような添
加剤を含む架橋されたポリエチレンを主成分とする電気絶縁性の組成物からなっ
ている。
【0003】 (背景技術) 電力を伝送および分配するための最初の電気供給システムの多くが、DC技術
に基づいていたにも関わらず、これらのDCシステムは、交流ACを使用したシ
ステムによって急速に取って代わられた。ACシステムは、電圧の発生、伝送お
よび分配の間の変換が容易であるという望ましい特徴を有している。今世紀の前
半における現代電気供給システムの発展は、排他的にAC伝送システムに基づい
ていた。しかしながら、1950年代に、長距離伝送計画に対する要求が増大し、一
定の条件下では、DCに基づくシステムを採用することが有利であることが明ら
かになった。予測される利点には、ACシステムの安定性に関して一般に直面す
る問題の低減、システムの力率が常に均一であるような装置のより効率的な使用
、および、より高い作動電圧において所定の絶縁厚さまたは間隙が使用可能であ
ること等が含まれる。これらの非常に重大な利点は評価されなければならないが
、ACをDCに変換し、かつ、DCをACに変換し直す端末装置がコストは高く
つく。しかしながら、所定の伝送電力に対しては、端末コストは一定であり、し
たがって、DC伝送システムは、長距離を必要とする計画に対しては経済的とさ
れた。このように、DC伝送システムは、伝送設備の節約が端末プラントのコス
ト上昇以上となる長距離伝送においてのみ経済的なシステムである。
【0004】 DC事業の重要な利点は、誘電損の仮想的な消滅にあり、それによって、効率
のかなりの増加と設備の節約が提供される。DC漏れ電流は、電流定格の計算に
おいて無視できるほど小さいものであるのに対し、ACケーブルの誘電損は、電
流定格をかなり低減するものである。このことは、より高いシステム電圧のため
には、非常に重要である。同様に、DCケーブルでは、高いキャパシタンスも不
都合なものではない。典型的なDC伝送ケーブルは、導体と、内部半導電性シー
ルド、絶縁基体および外部半導電性シールドのような多数層からなる絶縁システ
ムとを含んでいる。ケーブルは、製品を据え付けるとき、および、使用するとき
に水の浸透、機械的摩耗または機械的外力に耐えるためのケーシングや補強等を
も備えている。
【0005】 これまで、供給されるほぼ全てのDCケーブルシステムは、海底横断またはそ
れに接続される地上ケーブルであった。長距離の横断のためには、圧縮の必要性
による長さの制限がないという理由から、質量を含浸した(mass-impregnated)固
体紙で絶縁されたタイプのケーブルが選択される。このケーブルは、450kVの作 動電圧用に供給されてきた。今日まで、ほとんど全ての場合に、電気絶縁油を含
浸させた紙絶縁体が使用されてきたが、ポリプロピレン紙積層体のような積層材
料の適用も、衝撃強度の向上および径の低減という利点を増加させるために500k
Vまでの電圧における使用を確信されている。
【0006】 AC伝送ケーブルの場合と同様に、過渡電圧が、DCケーブルの絶縁厚さを決
定するときに考慮すべき要因である。ケーブルが全負荷状態であるときに、作動
電圧とは反対の極性の過渡電圧がシステムに印加された場合には、最も厄介な状
況が生ずることが知られている。ケーブルが高架線システムに接続されている場
合には、そのような状況は、通常、落雷過渡現象の結果として発生する。
【0007】 ポリエチレンPE系または架橋ポリエチレンXLPE系の押出固体絶縁材は、
AC伝送、分配ケーブルの絶縁材として、ほぼ40年間使用されてきた。したが
って、DCケーブルの絶縁材としてXLPEおよびPEを使用する可能性は、長
年にわたって調査されてきた。DC伝送では、回路長に制限がないので、そのよ
うな絶縁材を有するケーブルは、質量を含浸したケーブルと同じ利点を有してお
り、高温で作動できる可能性をも有している。XLPEの場合には、従来のDC
ケーブルが50℃であるのに対し、90℃である。これにより、伝送負荷を増加
させる可能性を与えている。
【0008】 しかしながら、これらの材料の完全な能力を、ケーブル全体にわたって得るこ
とはできなかった。その主な理由の1つは、DC電界にかけられたときの誘電体
における空間電荷の発生であると考えられる。そのような空間電荷は、応力分布
をゆがめ、ポリマーの高い抵抗性のために長い期間にわたって持続する。絶縁体
における空間電荷は、DC電界がかけられると、キャパシタのように極性を形成
して蓄積する。極性に対して空間電荷蓄積の極性を異ならせて、2つの基本的な
タイプの空間電荷蓄積パターンが存在する。
【0009】 空間電荷の蓄積は、絶縁材の幾何学的寸法および誘電特性を考慮するときに予
期される電界に対して、実際の電界を特定の地点において局所的に増加させるこ
とになる。この増加は、実際には、予期される電界の5倍〜10倍となることも
ある。したがって、ケーブル絶縁材のために設計される電界は、このかなり高い
電界を考慮に入れた安全率を含んでいなければならず、ケーブル絶縁材として、
より厚く、かつ/または、より高価な材料を使用することになる。
【0010】 空間電荷の蓄積は、遅いプロセスであり、したがって、この問題は、同一の極
性で長時間にわたって作動した後のケーブルの極性が反転されたときに、いっそ
う悪化する。反転の結果、空間電荷の蓄積から生ずる電界に容量電界が重ねられ
、最大電界応力点が、境界面から絶縁材の内部へと移動する。
【0011】 他の特性に大きな影響を与えずに絶縁材の抵抗を低減するために、添加剤を使
用することによりこの状況を改善する試みがなされている。今日まで、電気的性
能を、含浸した紙絶縁ケーブルと同等にするまでには至っておらず、市販のポリ
マーで絶縁したDCケーブルも装備されていない。しかしながら、実験室での試
験では、250kVケーブルに対し、鉱物充填材を含むXLPE絶縁材を使用して、 最大応力20kV/mmという良好な結果が報告されている(Y. Maekawa et al, Reser
ch and Development of DC XLPE Cables, JiCable '91, pp. 562-569)。この応
力値は、質量含浸した紙ケーブルに対する一般的な値として使用される32kV/mm に匹敵する。
【0012】 ACケーブル絶縁材用の押出樹脂組成物は、一般に、ベースポリマーとしてポ
リエチレン樹脂を具備し、過酸化物架橋剤、スコーチ防止剤および酸化防止剤ま
たは酸化防止剤系の種々の添加物が想定されている。押出絶縁材の場合には、通
常、半導電性シールドも押し出され、ベースポリマーおよび導電材または半導電
性充填材に加えて、基本的に同じタイプの添加剤からなる樹脂組成物からなって
いる。
【0013】 絶縁ケーブルにおける種々の押し出された層は、概して、しばしばポリエチレ
ン樹脂をベースとしている。ポリエチレン樹脂は、一般に、かつ、この用途にお
いては、ポリエチレンまたはエチレンのコポリマーを意味し、エチレンモノマー
が質量の大部分を占めている。したがって、ポリエチレン樹脂は、エチレンおよ
び該エチレンと共重合可能な1以上のモノマーとから構成されていてもよい。低
密度ポリエチレンLDPEは、今日、卓越したACケーブル用の絶縁材ベース材
料である。
【0014】 押出絶縁材の物理的特性、および、そのようなケーブルの生産、輸出、敷設お
よび使用において功を奏する条件の影響による劣化および分解に対する性能を向
上するために、ポリエチレン系組成物は、一般に、以下のような添加剤を含んで
いる。 − 安定剤、例えば、酸化、放射線等による分解を中和する酸化防止剤、電子洗
浄剤; − 潤滑剤、例えば、処理性を向上するためのステアリン酸; − 電気的応力に耐える性能、例えば、耐水トリー性を向上するための添加剤、
例えば、ポリエチレングリコール、シリコーン等; − 遊離基への加熱に際して分解し、ポリエチレン樹脂の架橋を開始し、ときに
は、架橋密度を向上する能力を有する未飽和化合物と組み合わせて使用される、
過酸化物のような架橋剤である。
【0015】 種々の添加剤の数は膨大であり、それらの取り得る組合せは、本質的に無限で
ある。添加剤または組合せ若しくは添加剤の一群を選択するときには、その目的
は、他の性能を維持しながら、または、可能であれば向上しながら、一以上の性
能を向上することである。しかしながら、現実には、常に、添加剤のシステムに
おける変更の全ての取り得る副作用を予測することは不可能に近い。他の場合に
は、求められる改良は、いくつかの負の因子は受け入れなければならないという
ような程度のものであるが、そのような負の効果を最小化するという目的は常に
存在する。
【0016】 押出成形して架橋された絶縁材として、ACケーブルに一般に使用されるポリ
エチレン系樹脂組成物は、 0.4〜2.5g/10minのメルトフローレートを有する97.1〜98.9重量%の低密度ポ リエチレン(922kg/m3); 化学記号4,4'-チオ-ビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)を有し、ここでは、化
合物(A)と呼ぶ、0.1〜0.5重量%の酸化防止剤SANTONOX R(登録商標:Flexsy
s社); 化学記号ジクミル過酸化物を有する1.0〜2.4重量%の架橋剤DICUP R(登録商 標:Hercules Chem) から構成されている。
【0017】 Santonox Rを酸化防止剤として使用することに、いくつかの不都合があること
はずっと以前から知られていることであるが、その利点(例えば、そのスコーチ
防止性能、すなわち、早期架橋)は、これらの欠点よりも重要である。さらに、
この架橋された組成物が、DC電界下で空間電荷を形成する強い傾向を示し、そ
れによって、DCケーブルのための絶縁システムに使用できないものとなってい
ることは周知である。しかしながら、長時間にわたる脱気、すなわち、架橋した
ケーブルを高温で長時間にわたり高真空に晒すことが、DC電圧応力下での空間
電荷蓄積の傾向をいくらか低減することになることも知られている。一般に、真
空処理は、絶縁材から「アセトフェノン」や「クミルアルコール」のような過酸
化物分解製品を除去し、それによって、空間電荷の蓄積が低減されると考えられ
ている。脱気は、紙絶縁材の含浸と比較して時間を要するバッチ処理であり、そ
のために高くつく。したがって、脱気の必要性がなくなれば有利である。ACケ
ーブルにおいて押出絶縁材として最もよく知られている架橋ポリエチレン化合物
は、空間電荷蓄積の傾向を示し、そのために、DCケーブルのための絶縁システ
ムにおける使用には適していない。
【0018】 (発明の目的) この発明の目的は、電力のDC伝送および分配のためのネットワークおよび設
備内の伝送および分配ケーブルとして使用するのに適した電気絶縁システムを有
する絶縁されたDCケーブルを提供することである。ケーブルは、含浸や脱気、
すなわち、ケーブルの真空処理のような冗長で時間を要するバッチ処理を必要と
することなく適用および処理することができる、固体の押出成形された導体絶縁
材を具備していてもよい。
【0019】 それによって、ケーブルの製造時間が低減され、製造コストが削減され、かつ
、それによって、本質的に連続した、または、少なくとも半連続のケーブル絶縁
システムを製造できる可能性を提供する。さらに、信頼性、少ない保守の必要性
、および、質量含浸した紙絶縁体からなる従来のDCケーブルの長い耐用年数が
維持または向上される。
【0020】 すなわち、この発明に係るケーブルは、安定し、一貫した誘電特性と、高く、
一貫した絶縁強度を有する。ケーブルの絶縁材は、空間電荷を蓄積する傾向が少
なく、高いDC絶縁破壊強度、高い衝撃強度および高い絶縁抵抗を示す。含浸し
た紙またはセルロース系テープを、押出成形されたポリマー絶縁材に置き換える
ことにより、他の利点として、絶縁強度が増加し、作動電圧を向上させることが
でき、ケーブルの取扱性および丈夫さを向上することができる。
【0021】 また、この発明の他の目的は、DC電気的ストレス中に絶縁材内に蓄積される
空間電荷が少なく、または、全くなく、それによって、空間電荷の蓄積に関連し
た問題を解消または少なくとも実質的に低減する、押し出され、架橋されたポリ
エチレン系絶縁材からなるケーブルを提供することである。また、ケーブルの絶
縁材の寸法決定に使用される設計値における安全係数を低減することもできる。
【0022】 さらに、他の目的は、この発明に係る絶縁されたDCケーブルの絶縁材の製造
方法を提供することである。導体絶縁材の適用および処理のための、この発明の
この側面に係る処理は、ケーブルの全長またはケーブルコアの長時間にわたる冗
長なバッチ処理を必要とする操作ステップを本質的に必要としていない。このプ
ロセスは、長い長さのDCケーブルの製造のための連続した、または、半連続の
方法で使用される可能性をも示している。
【0023】 (発明の概要) この発明は、導体と、該導体の周りに配置され、押出成形され架橋された固体
導体絶縁材とを具備し、該押出成形された絶縁材が、ポリエチレン系化合物に、
架橋剤、スコーチ防止剤および配合中に形成された酸化防止剤を含む添加剤を添
加してなるDC電力ケーブルを提供する。この発明によれば、その大まかな概念
において、スコーチ防止剤が、化合物(D),2,4-ジフェニル-4-メチル-ペンテ
ン-1からなり、酸化防止剤システムが、化合物(C),3-(3,5-ジ-tert-ブチル-
4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸およびチオジグリコールのジエステルから なっている。
【0024】 合成されたポリエチレン系絶縁材は、一般に、押出成形され、一定の高温まで
、該絶縁材を架橋させるのに十分な長さの期間にわたって加熱される。温度およ
び加熱時間は、望ましくない副産物が架橋された化合物内に形成されることを抑
制し、またはほぼ回避するように制御される。
【0025】 ケーブル絶縁材は、冗長なバッチ処理、例えば、真空処理を必要とせずに、本
質的に連続プロセスで提供される。空間電荷蓄積に対する低い傾向、および、含
浸した紙絶縁材を含む従来のDCケーブルの高いDC絶縁破壊強度が維持されま
たはさらに向上される。この発明に係るDCケーブルの絶縁特性は、ケーブルの
耐用年数が維持または向上されるように、長期にわたって安定性を示す。このこ
とは、スコーチ防止剤、過酸化物架橋剤および酸化防止剤のバランスのとれた添
加と、以下に例示されたこの発明に係る、調節された処理温度および処理時間と
の組合せにより達成される。
【0026】 (発明の詳細な説明) 特に、DCケーブルに適した、この発明の一実施形態は、組み合わせられた2
成分酸化防止剤からなり、第1のフェノール類酸化防止化合物(C)、3-(3,5- ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸およびチオジグリコールの
ジエステルに、いわゆる第2の酸化防止剤(または、チオ-共同薬)化合物(B )、ジ-アルキル-チオ-ジプロピオン酸塩、例えば、DSTDP;ジ-ステアリル
-チオ-ジプロピオン酸塩、または、DLTDP;ジ-ラウロイル-チオ-ジプロピ オン酸塩が補足されている。好ましくは、アルキル基は、8〜20の炭素原子を有 する直鎖または分岐した飽和アルキル基である。
【0027】 この実施形態に係るDCケーブルは、0.1〜0.8重量%、好ましくは0.2〜0.5重
量%程度、ポリエチレンに添加された化合物(C)および化合物(B)からなる
複合2成分酸化防止剤を含んでいる。化合物(C);3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-
ヒドロキシフェニル)プロピオン酸およびチオジグリコールのジエステルは、周 知であり、Ciba-Geigy社から商品名IRGANOX1035(登録商標)で市販され、AC ケーブルにおける押出成形され、架橋された絶縁材のための酸化防止剤の一成分
として使用されることが知られている。ACケーブルでは、一般に、約0.2重量 %の割合で添加される。
【0028】 酸化防止効果を向上するために、ヒドロペルオキシド分解化合物(B)が添加
される。化合物(B)は、Ciba-Geigy社から商品名IRGANOX PS802、または、Hoe
chst AG社から商品名HOSTANOX SE2で市販されているDSTDP;ジ-ステアリル-チ オ-ジプロピオン酸塩、または、これに代えて、Ciba-Geigy社から商品名IRGANOX
800、または、Hoechst AG社から商品名HOSTANOX SE1で市販されているDLTDP;ジ
-ラウロイル-チオ-ジプロピオン酸塩の形態をしている。
【0029】 しかしながら、化合物(C)または化合物(C),(B)の複合物は、化合物
(A)のスコーチ防止性能を有していない。したがって、化合物(D)が、スコ
ーチ防止剤として添加され、それによって、押出成形処理中における望ましくな
い早期架橋が回避される。スコーチ防止剤(D);2,4-ジフェニル-4-メチル-ペ
ンテン-1は、日本油脂社から商品名Nofmer MSD(登録商標)で市販されている。
化合物(C)からなる酸化防止剤の補足としてスコーチ防止剤(D)を組み込ん
だ、この修正された複合システムの使用は、スコーチの傾向を都合よく抑制し、
追加の利点として、ポリエチレン組成物内における最終的な架橋比率を向上する
ことが証明されている。
【0030】 したがって、この実施形態に係るDCケーブルは、導体と、該導体の周りに配
置された、押出成形され架橋されたポリエチレン系絶縁材とを具備し、ポリエチ
レン化合物は、過酸化物架橋剤、化合物(D)からなるスコーチ防止剤および化
合物(B),(C)からなる複合酸化防止剤を具備している。この実施形態に係
るDCケーブルは、一定条件下の化合物(B)がクミルアルコールからの水形成
に触媒として作用するので、この水形成が抑制される条件下で処理されなければ
ならない。したがって、この実施形態に係るDCケーブルのケーブル絶縁材は、
この水の形成を抑制するために十分に低い温度で処理される。
【0031】 押出成形および架橋中の製品温度は、230℃以下に維持される。これは、従来 のXLPEシステムの処理のための約300℃の製品温度と比較される。製品温度は、 約200℃〜220℃の範囲に保持されることが好ましい。「製品温度」の語句は、こ
の明細書中では、製品、すなわち押出成形された絶縁材中の任意の地点における
最高温度を意味している。この温度における処理時間は、10分以下、好ましく
は、2〜5分の範囲内に維持される。
【0032】 製品温度およびこの温度を維持する時間におけるこれらの制限は、押出成形さ
れかつ架橋される絶縁材の厚さを約10mm以下の厚さに制限する。この実施形態
に係るDCケーブルは、架橋されたポリエチレン絶縁材内の過度の架橋剤の最小
含有量をも示している。このことは、スコーチ防止剤である化合物(D)により
提供されるポリマー鎖間の橋接ぎの促進と組み合わせた架橋剤の制限されかつ調
節された添加により得られる。
【0033】 絶縁システムは、通常は、第1の内部半導電性シールド、ケーブルに作用する
電気的または機械的外力および使用の際の温度情況の観点から好適と考えられる
厚さを有する絶縁材、および、第2の外部半導電性シールドからなる3層システ
ムである。この絶縁システムは、通常は、実際に3回の押出処理によって提供さ
れるが、もちろん、他の好適な押出処理によって提供されてもよい。
【0034】 スコーチ防止剤である化合物(D);2-4-ジフェニル-4-メチル-ペンテン-1は
、この発明に従って、0.1〜1.0重量%程度添加され、好ましくは0.2〜0.5重量%
程度添加される。
【0035】 過酸化物架橋剤は、1.0〜2.4重量%程度添加され、好ましくは、1.2〜1.8重量
%程度添加される。好ましくは、過酸化物架橋剤はジクミル過酸化物である。 ポリエチレン樹脂は、0.5〜2.0 g/10minの範囲のメルトフローレートMFRを有 する低密度ポリエチレンである。MFRは、ISO1133cond.4に従って、190℃/2.16kg
において決定される。
【0036】 この発明の他の実施形態によれば、DCケーブルは、導体の周りに配置された
押出成形され架橋されたポリエチレン系絶縁材を具備し、ポリエチレン化合物は
過酸化物架橋剤、化合物(D);2,4-ジフェニル-4-メチル-ペンテン-1からなる
スコーチ防止剤、および、酸化防止化合物(C)として、3-(3,5-ジ-tert-ブチ ル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸およびチオジグリコールのジエステルの
みを具備している。この厳密に特定された、特定の酸化防止化合物、同様に特定
されたスコーチ防止剤および過酸化物架橋剤からなる添加物の組合せにより、架
橋組成物内の極性副産物の含有量は、昇温状態での処理に際してのそのような組
成物の形成に対する傾向が抑制されるので、低く保証される。
【0037】 樹脂組成物内のそのような副産物の形成が実質的にないことに加えて、この発
明のこの実施形態に係る添加物の組合せは、この発明の大まかな概念として、追
加の過酸化物架橋剤が低減され、かつ、狭いマージンで調節され、なおも架橋の
所望の比率を保証するという利益を提供する。DCケーブルのこの実施形態にお
いて使用されるポリエチレン組成物は、温度および時間の上限なしに架橋するこ
とができる。この実施形態に係るDCケーブルは、化合物(C)のみからなる酸
化防止剤を具備している。化合物(C)である3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロ
キシフェニル)プロピオン酸およびチオジグリコールのジエステルは、0.1〜0.5 重量%、好ましくは、0.2〜0.4重量%程度、ポリエチレン樹脂に添加される。
【0038】 この実施形態に係るDCケーブルには、従来使用されている処理条件を使用し
て適用される絶縁材が設けられている。したがって、合成樹脂の組成物が、約23
0℃以上の製品温度で押出成形されかつ架橋されるが、製品温度は、熱劣化の生 ずる400℃以下である。昇温した押出成形および架橋温度における時間に関して は全く制限がなく、したがって、より厚い厚さの絶縁材を有するDCケーブルを
製造することができる。この実施形態に係るケーブルは、通常、230℃以上の温 度で、120分までの時間にわたって押出成形および架橋される。
【0039】 ケーブルの絶縁材は240℃〜350℃の範囲の温度で処理されることが好ましく、
通常は、270℃で20分〜120分間処理される。この実施形態に係るDCケーブルは
、任意の厚さの絶縁システムを有していてもよい。増加された製品温度および処
理時間とは別に、この発明のこの実施形態に係る絶縁材を適用するための押出処
理に要する処理時間は、上述した時間とほぼ同じである。
【0040】 スコーチ防止剤である化合物(D)は、この発明のこの実施形態に従って、0.
1〜1.0重量%程度添加される。0.2〜0.5重量%程度添加されることが好ましい。
過酸化物架橋剤も、同様に、1.0〜2.4重量%程度添加され、好ましくは、1.2〜1
.8重量%程度添加される。過酸化物架橋剤は、ジクミル過酸化物であることが好
ましい。ポリエチレン樹脂は、同様にして、通常は、0.5〜10g/10minの範囲のメ
ルトフローレートMFRを有する低密度ポリエチレンである。MFRは、ISO1133cond.
4に従って、190℃/2.16kgで決定される。
【0041】 この発明に係るDCケーブルは、通常、中心から半径方向外方に向かって、 − 標準の多線式導体、中実導体または部分的導体のような、任意の所望の形状
および構造の導体、 − 前記導体の周囲と外部、および、導体絶縁材の内部に配置された第1の押出
成形された半導電性シールド、 − 上述したこの発明に係る押出成形された導体絶縁材、 − 該導体絶縁材の外部に配置された第2の押出成形された半導電性シールド、
− 金属製スクリーン、および、 − 該金属製スクリーンの外部に配置された外皮 を具備している。ケーブルは、必要であれば、外部の押出成形されたシールドの
外側の補強ワイヤ、シール化合物、または、導体の内部および周囲の全ての隙間
を埋める水膨潤パウダーのような他の特徴を備えていてもよく、他の金属/ポリ
マー境界面が、該境界面に沿う水の拡散を防止するために密封されていてもよい
。3層の絶縁システムは、通常、現実に3回の押出処理を使用して導体の周りに
設けられる。
【0042】 この発明は、上述したDCケーブルの製造方法をも提供する。その最も一般的
な形態において、導体と押出成形され架橋されたポリエチレン系導体絶縁材とを
具備する絶縁されたDCケーブルの製造プロセスは、以下のステップを含んでい
る。すなわち、 − 任意の所望の形状および構造の導体を敷設または形成するステップ、 − 過酸化物架橋剤、スコーチ防止剤および酸化防止剤からなる添加剤を含むポ
リエチレン系樹脂組成物を合成するステップ、 − DCケーブルの導体の周りに配置された導体絶縁材、好ましくは、2つの半
導電性シールドが実際に3回の押出処理を使用して設けられた3層の絶縁システ
ムを形成するために合成されたポリエチレン系樹脂組成物を押出成形するステッ
プ、および、 − 押出成形された絶縁材を架橋するステップを含み、 − ここで、化合物(D)である2,4-ジフェニル-4-メチル-ペンテン-1からなる
スコーチ防止剤が、合成に際してポリエチレン樹脂に添加され、 − 化合物(C)である3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピ オン酸およびチオジグリコールのジエステルからなる酸化防止剤が、合成に際し
てポリエチレン樹脂に添加され、 − 合成されたポリエチレン系樹脂組成物が、絶縁材を架橋するのに十分に高い
温度で、十分に長い時間をかけて押出成形され、かつ、架橋される。望ましくな
い極性副産物が架橋された組成物内に形成されることを実質的に抑制し、または
、本質的に回避するように、温度が制御されかつ時間が制限される。合成に際し
て、架橋された絶縁材の内部に存在する過度の過酸化物架橋剤が最小化されるよ
うに、添加物がバランスされることが好ましい。
【0043】 一実施形態によれば、化合物(D)である2,4-ジフェニル-4-メチル-ペンテン
-1からなるスコーチ防止剤、および、化合物(B)であるジ-アルキル-チオ-ジ プロピオン酸塩と化合物(C)である3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェ
ニル)プロピオン酸およびチオジグリコールのジエステルからなる複合2成分酸 化防止剤が、合成に際して、ポリエチレン樹脂に添加される。合成されたポリエ
チレン系樹脂組成物は、その後、適当な製品温度で適当な時間をかけて、一般に
は、230℃以下の温度で10分以下の時間をかけて押出成形および架橋される。
【0044】 ケーブル絶縁材は、200℃〜220℃の範囲の温度で2分〜5分の範囲の時間をかけ
て処理されることが好ましい。化合物(B)はクミルアルコールからの水形成に
触媒として作用するので、ケーブル絶縁材は上記において与えられた条件下で処
理され、それによって、この水形成が抑制される。この実施形態に係るDCケー
ブルは、絶縁材の厚さを低減すること、すなわち、絶縁材の厚さが約10mm以下で
あることが求められかつ好適であるとされる装備に最も適している。
【0045】 このDCケーブルは、スコーチ防止剤である化合物(D);2,4-ジフェニル-4
-メチル-ペンテン-1により提供されるポリマー鎖間の橋接ぎの促進と組み合わせ
て、架橋剤を制限しかつ調節して添加することによって、余剰の過酸化物架橋剤
の含有量が最小限である。この実施形態によれば、化合物(C);3-(3,5-ジ-te
rt-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸およびチオジグリコールのジエ ステル、および、化合物(B);ジ-アルキル-チオ-ジプロピオン酸塩からなる 合成された酸化防止剤が、0.1〜0.8重量%、好ましくは、0.2〜0.5重量%程度の
割合で、ポリエチレンに添加されている。
【0046】 他の実施形態によれば、化合物(D)からなるスコーチ防止剤および化合物(
C)のみからなる酸化防止剤が、合成に際して、ポリエチレン樹脂に添加される
。合成されたポリエチレン系樹脂組成物が、その後、好適な温度で好適な時間を
かけて、通常は、230℃以上の温度で120分程度の時間をかけて押出成形および架
橋される。ケーブル絶縁材は、240℃〜350℃の範囲の製品温度で、20分〜120分 の範囲内の時間をかけて処理されることが好ましい。
【0047】 望ましくない副産物が押出成形および架橋された絶縁材中に形成されることは
、厳密に調節された添加剤の選択により、実質的に解消され、または、少なくと
も本質的に抑制される。過酸化物架橋剤およびスコーチ防止剤をバランスよく添
加することにより、架橋後にポリエチレン組成物内に残る余剰の過酸化物の量を
実質的に低減することができる。これにより、DCケーブルの使用に際して空間
電荷が蓄積される傾向が実質的に低減され、DC絶縁破壊強度が実質的に増加す
る。
【0048】 この実施形態に係るDCケーブルは、通常、使用に際してケーブルに作用する
電気的または機械的外力および熱的情況により必要であると考えられる絶縁材の
厚さで製造される。この他の実施形態によれば、化合物(C);3-(3,5-ジ-tert
-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸およびチオジグリコールのジエス テルのみからなる酸化防止剤が、0.1〜0.5重量%、好ましくは、0.2〜0.4重量%
程度の割合でポリエチレン樹脂に添加される。
【0049】 特定の組合せの添加剤とともに、上述した処理方法で押出成形および架橋され
たポリエチレン化合物からなる絶縁材を有する、この発明に係るDCケーブルは
、以下のような格別な利点を有している。 − 空間電荷の蓄積の傾向が小さい、 − DC絶縁破壊強度が向上される。
【0050】 この発明に係るDCケーブルの他の利点は、特に、 − スコーチの問題を本質的に解消し、均質なケーブルの絶縁材が保証されるこ
と、 − 所望の高温機械的特性をケーブル絶縁材に与える高度かつ制御された程度で
の架橋、および、 − 高い負荷で使用される場合にも所望の長期耐用年数が保証される改善された
加熱老化特性 である。
【0051】 添加物の選択されたシステムの特別な組合せ、および、押出および架橋中の好
適な合成および処理を含む処理パラメータの設定は、架橋中の空間電荷蓄積副産
物の形成を抑制するように機能する。ポリエチレン内のポリマー鎖間の橋接ぎの
形成を促進するスコーチ防止剤(D);2,4-ジフェニル-4-メチル-ペンテン-1は
、低減されかつ厳密に調節された過酸化物架橋剤を添加する場合でさえも、所望
の比率の架橋が安全に達成されることを保証する可能性を提供する。
【0052】 これにより、DCケーブルの絶縁材における余剰の過酸化物残留物の本質的な
解消または実質的な削減が達成される。この結果として得られた技術的な利点は
別として、上述したように、過酸化物架橋剤のコストを考慮しても有利である。
その結果、特定の組合せの添加物を有し、上述した方法で処理された、押出成形
および架橋されたポリエチレン化合物からなる絶縁材を有するこの発明に係るD
Cケーブルが、低い空間電荷蓄積の傾向および改良されかつ安定した電気的特性
のような格別な利点を示す。
【0053】 上記において定義されたように押出成形および架橋された導体絶縁材からなる
、この発明に係るDCケーブルによれば、長期にわたる安定性および一定した誘
電特性が保証されるとともに、従来の巻いて含浸したケーブルと同程度以上に良
好な一定した電気的強度が保証される。このことは、設備を長寿命に設計でき、
遠隔地または海中におけるそのような設備の保守のためのアクセスの回数を制限
することができる点で、特に重要である。
【0054】 さらに、上述したような絶縁されたDCケーブルは、ケーブル絶縁材の性能お
よび安定性を確保するための脱気または含浸のようなバッチ処理を全く必要とす
ることなく、絶縁材を設けるための本質的に連続した、または、半連続の処理の
可能性を提供する。それによって、ケーブルの全長にわたり、または、部分的に
行われるバッチ処理を必要とする作業ステップを行うことなく、本質的に連続し
たプロセスを採用することにより、生産時間を短縮することができ、従来のケー
ブルに対して特性を改善する場合と比較して、低いコストで製造することができ
る。
【0055】 さらに、電気的強度の向上と組み合わせて、空間電荷の蓄積傾向を本質的に解
消することにより、作動時の負荷の向上、特に、作動電圧を向上することができ
る。押出成形され、架橋された絶縁材を高い導体温度で使用することができるの
で、電流密度を向上することができる。
【0056】 (図面の簡単な説明) この発明について、図面および実施形態を参照して、以下に詳細に説明する。 図1は、この発明に係る一般的な電力用DCケーブルであって、押出成形され
かつ架橋された絶縁材を具備するDCケーブルの断面を示している。 図2a〜図2dは、従来の絶縁されたACケーブルに使用される組成物および
この発明に係る組成物の試験片における比較試験の空間電荷を記録したものを示
している。
【0057】 (好ましい実施形態および実施例の説明) 図1に示された、この発明の一実施形態に係るDCケーブルは、中心から外方
に向かって、 − 標準の多線式導体10、 − 該導体10の外周および導体絶縁材12の内部に配置された第1の押出成形
された半導電性シールド11、 − 上述したような押出成形され、架橋された組成物を有する押出成形された導
体絶縁材12、 − 該導体絶縁材12の外側に配置された第2の押出成形された半導電性シール
ド13、 − 金属製スクリーン14、および、 − 該金属製スクリーン14の外部に配置された外皮またはシース15 を具備している。
【0058】 ケーブルは、必要であれば、種々の方法で、機能的な層または他の特徴をさら
に備えていてもよい。例えば、外部押出成形シールド13の外部に金属ワイヤの
形態の補強部材、金属/ポリマーの境界に導入されたシール化合物または水膨張
パウダー、または、例えば、耐食金属ポリエチレンラミネートにより達成される
半径方向のシステム、および、例えば、シース15下のテープまたはパウダーの
ような水膨張材料によって達成される、長手方向の水シールを備えることもでき
る。
【0059】 (実施例1) 比較テスト 従来技術の絶縁されたACケーブルで使用されたような組成を有する試験片お
よびこの発明に係る絶縁されたDCケーブルで使用される試験片を製造し、処理
し、かつ、パルス化電気音響(PEA)技術を用いて空間電荷の形態を記録する
ことにより、空間電荷蓄積の傾向の評価にかける。 PEA技術は、当業者に周知の技術であり、Takada et al. in IEEE Trans. Ele
ctr. Insul. Vol. EI-22(No.4), pp 497-501(1987)によって開示されている。
【0060】 a. メルトフローレート0.8g/10minの、約98重量%の低密度ポリエチレン(9
22kg/m3)と、 化学記号4-4′-チオ-ビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)からなる約0.4重量%
の酸化防止剤SANTONOX R(登録商標)(Flexsys社)と、 化学記号ジクミル過酸化物からなる約1.6重量%の架橋剤DICUP R(登録商標)
(Hercules Chem社)とからなるポリエチレン組成物からなる厚さ2mmの試験 片を、130℃で成形した。
【0061】 2つの半導電性電極を、試験片上に成形され、その組立体が、180℃で15分間 、電気プレス内で架橋した。
【0062】 その後、厚さ2mmの架橋した試験片を、2枚の平坦な電極間に挿入して、40
kVの直流電界をかける、PEA解析装置内において、50℃で試験した。一方の電
極を接地し、他方の電極を+40kVの電位に保持した。任意の単位の空間電荷/体 積を、試験片の厚さとの関係、すなわち、0は接地電極の位置、xは+40kV電極 に向かう方向への接地された電極からの距離を示すものとして与えた。
【0063】 b. 厚さ2mmの比較例と同様のポリエチレン組成物からなる試験片を、こ
れも130℃で成形した。2つの半導電性電極を、この試験片上に成形し、その組 立体を180℃で15分間架橋した。その後、試験片を真空オーブン内において、80 ℃の温度、10-3トルより低圧で72時間脱気した。
【0064】 その後、厚さ2mmの架橋した試験片を、2枚の平板電極間に挿入して40kVの
直流電界をかけるPEA解析装置内において、50℃で試験した。すなわち、一方
の電極を接地し、他方の電極を+40kVの電位に保持した。図2bに示した空間電 荷の形態が、試験片に対して記録された。任意の単位の空間電荷/体積を、試験
片の厚さとの関係、すなわち、0が接地電極位置、xが接地電極から+40kV電極 に向かう方向の距離を示すものとして与えた。
【0065】 c. − 1.2g/10minのMFRを有する約97.7重量%の低密度ポリエチレンと、 − ジクミル過酸化物の形態の約1.7重量%の過酸化物架橋剤と、 − スコーチ防止剤としての、約0.3重量%の化合物(D);2,4-ジフェニル-4-
メチル-ペンテン-1と、 − DSTDP;ジ-ステアリル-チオ-ジプロピオン酸塩の形態の化合物(B)と、3-
(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸およびチオジグリコ ールのジエステルである化合物(C)とを1:3の割合で含む約0.3重量%の酸化防
止剤とを具備するポリエチレン組成物からなる厚さ2mmの試験片を130℃で成 形した。
【0066】 2つの半導電性電極を、試験片上に成形し、その組立体を180℃で15分間、電 気プレス内で架橋した。
【0067】 その後、厚さ2mmの架橋した試験片を、2枚の平板電極間に挿入して40kVの
直流電界をかけるPEA解析装置内において、50℃で試験した。一方の電極を接地 し、他方の電極を+40kVの電位に保持した。図2cに示されるような空間電荷の 形態を、試験片について記録した。任意の単位の空間電荷/体積を、試験片の厚
さとの関係、すなわち、0が接地電極位置、xが該接地電極から+40kV電極に向 かう方向の距離を示すものとして与えた。
【0068】 d. 1g/10minのMFRを有する約97.7重量%の低密度ポリエチレンと、 ジクミル過酸化物の形態の約1.4重量%の過酸化物架橋剤と、 化合物(D);2,4-ジフェニル-4-メチル-ペンテン-1の形態の約0.4重量%の スコーチ防止剤と、 化合物(C);3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸 およびチオジグリコールのジエステルからなる約0.3重量%の酸化防止剤とを含 むポリエチレン組成物からなる厚さ2mmの試験片を130℃で成形した。
【0069】 2つの半導電性電極を、試験片上に成形し、その組立体を、180℃で15分間、 電気プレス内で架橋した。
【0070】 その後、架橋した厚さ2mmの試験片を、2枚の平板電極間に挿入して40kVの
直流電界にかける、PEA解析装置内において、50℃で試験した。すなわち、一方 の電極を接地し、他方の電極を+40kVの電位に保持した。図2dに示される空間 電荷の形態を、試験片について記録した。任意の単位の空間電荷/体積を、試験
片の厚さの関係、すなわち、0が接地電極の位置、xが該接地電極から+40kV電 極に向かう方向の距離を示すものとして与えた。
【0071】 (比較試験の結果) DC電圧を印加した後3時間記録された、例1a,1b,1c,1dのサンプ
ルの空間電荷の形態を図2a,図2b,図2c,図2dにそれぞれ示す。AC XLP
Eケーブルにおいて従来より使用されている絶縁材料における空間電荷の蓄積が 高いことが明確に示されている(図2a参照)。脱気後は、空間電荷の蓄積は減
少するが、なおもかなりの大きさを有している(図2b参照)。しかしながら、
空間電荷蓄積の傾向は、図2cおよび図2dの比較例に示されたこの発明に係る
2つの組成物については、実質的に減少した。この空間電荷の蓄積の減少は、図
2aおよび図2bの例におけるような長時間にわたる脱気後に得られる減少と同
等以上に良好である。
【0072】 (実施例2) ポリエチレン系樹脂組成物を、以下に示す用に合成した。1.2g/10minのMFRを 有する低密度ポリエチレン樹脂に、以下の添加物を添加した。 − ジクミル過酸化物の形態の過酸化物架橋剤を1.7重量%添加した。 − 化合物(D);2,4-ジフェニル-4-メチル-ペンテン-1の形態のスコーチ防止
剤を0.3重量%添加した。 − DSTDP;ジ-ステアリル-チオ-ジプロピオン酸塩の形態の化合物(B)と、3-
(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸およびチオジグリコ ールのジエステルである化合物(C)とを具備する酸化防止剤を、ポリエチレン
樹脂に、0.3重量%添加した。化合物Bと化合物Cとの割合は1:3である。合成し
た樹脂組成物を、シールドされ、螺旋構造とされた多線式導体上に8mmの絶縁
材として押出成形し、225℃の製品温度で、5分間の制限された処理時間にわた り架橋した。
【0073】 押出成形され、架橋された絶縁材においては、検出された水は少量であった。
水形成は、一般に、クミルアルコールからの水形成に触媒として作用する化合物
(B)を具備するシステム内において高温時に生じ、水含有量が低いことが、製
品温度および処理温度を低減することにより、水形成を都合よく抑制したという
ことを証明している。
【0074】 試験時に、空間電荷蓄積の傾向は、ACケーブル用に使用される押出成形され
かつ架橋されたポリエチレン系組成物において通常検出される空間電荷蓄積に対
して低く、かつ実質的に低減されている。したがって、このケーブルはDCケー
ブル用に適していると考えられる。
【0075】 他にも、架橋後にケーブル絶縁材の中に残る余剰の過酸化物架橋剤が少ないこ
と、および架橋の程度を正確に調節できること等の利点がある。これらの利点は
、スコーチ防止剤である化合物(D);2,4-ジフェニル-4-メチル-ペンテン-1に
より提供されるポリマー鎖間の橋接ぎの促進とともに、架橋剤の添加量を制限し
かつ調節することにより達成される。 この実施例に係るDCケーブルは、主に、薄い絶縁材、すなわち、厚さ約10m
m以下の絶縁材を有するDCケーブルを目的としている。
【0076】 (実施例3) ポリエチレン系樹脂組成物を、以下に示すように合成した。1g/10minのMFRを 有する低密度ポリエチレン樹脂に対し、以下の添加剤を添加した。 − ジクミル過酸化物の形態の過酸化物架橋剤を1.4重量%添加した。 − 化合物(D);2,4-ジフェニル-4-メチル-ペンテン-1の形態のスコーチ防止
剤を0.4重量%添加した。 − 3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸およびチオジ グリコールのジエステルである化合物(C)のみからなる酸化防止剤を、ポリエ
チレン樹脂に、0.3重量%添加した。合成した樹脂組成物を押出成形し、300℃の
温度で架橋した。
【0077】 試験時の空間電荷蓄積の傾向は、ACケーブル用の従来の押し出して架橋した
ポリエチレン系樹脂組成物において通常検出される空間電化蓄積に対して低く、
または実質的に低減された。したがって、このケーブルはDCケーブル用として
適していると考えられる。
【0078】 この他にも、架橋後のケーブル絶縁材の中に残る余剰の過酸化物架橋剤の量が
少なく、架橋の程度が正確に調節されるという利点を有する。これらの利点は、
スコーチ防止剤である化合物(D);2,4-ジフェニル-4-メチル-ペンテン-1によ
り提供されるポリマー鎖間の橋接ぎの促進とともに、架橋剤の添加量を制限しか
つ調節することにより達成される。
【0079】 この実施例により製造されるケーブルは、該ケーブルに作用する電気的または
機械的外力および使用時の熱的条件によって必要と考えられる任意の厚さの絶縁
材について好適であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る一般的な電力用DCケーブルであって、押出成形さ
れかつ架橋された絶縁材を具備するDCケーブルの断面を示している。
【図2a〜d】 従来の絶縁されたACケーブルに使用される組成物および
この発明に係る組成物の試験片における比較試験の空間電荷を記録したものを示
している。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年2月7日(2000.2.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ファルカス, アンドレアス スウェーデン国, エスイー−444 41 ステヌングスンド, ソルダットヴェーゲ ン 6 (72)発明者 エリクソン, アンデルス スウェーデン国, エスイー−371 39 カールスクローナ, ポルヘムスガタン 15エー (72)発明者 ボストローム, ヤン−オヴェ スウェーデン国, エスイー−444 96 オズモル, ネス 13256 (72)発明者 グスタフソン, ビル スウェーデン国, エスイー−444 41 ステヌングスンド, ドラゴンヴェーゲン 8 (72)発明者 ニルソン, ウルフ スウェーデン国, エスイー−444 60 ストラ ホーガ, アルフリダス ヴェグ 22 (72)発明者 キャンプス,アルフレッド スイス国, シーエイチ−1262 エイサ ン, シュマン デ グリーヴ (番地な し) Fターム(参考) 5G305 AA02 AB02 AB08 AB36 BA12 CA01 CD05 CD09 CD20 DA12

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁された直流電気ケーブル(DCケーブル)であって、 導体と、該導体の周囲に配置され、押出成形されて架橋された導体絶縁材とを
    具備し、 該押出成形された絶縁材が、架橋剤、スコーチ防止剤、酸化防止剤を含む添加
    剤を添加されたポリエチレン系化合物からなり、 前記スコーチ防止剤が、化合物(D);2,4-ジフェニル-4-メチル-ペンテン-1
    からなり、 酸化防止剤が、化合物(C);3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル
    )プロピオン酸およびチオジグリコールのジエステルからなることを特徴とする DCケーブル。
  2. 【請求項2】 前記押出成形された絶縁材が、10mm以下の厚さを有し、 前記酸化防止剤が、化合物(B);ジ-アルキル-チオ-ジプロピオン酸塩と、 化合物(C);3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸お よびチオジグリコールのジエステルとからなる2成分酸化防止剤であることを特
    徴とする請求項1記載のDCケーブル。
  3. 【請求項3】 前記酸化防止剤が、0.1〜0.8重量%の割合で添加されること
    を特徴とする請求項2記載のDCケーブル。
  4. 【請求項4】 前記酸化防止剤が、0.2〜0.5重量%の割合で添加されること
    を特徴とする請求項3記載のDCケーブル。
  5. 【請求項5】 前記酸化防止剤が、化合物(C);3-(3,5-ジ-tert-ブチル-
    4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸およびチオジグリコールのジエステルのみ からなることを特徴とする請求項1記載のDCケーブル。
  6. 【請求項6】 前記化合物(C);3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフ
    ェニル)プロピオン酸およびチオジグリコールのジエステルが、0.1〜0.5重量% の割合で添加されることを特徴とする請求項5記載のDCケーブル。
  7. 【請求項7】 前記化合物(C);3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフ
    ェニル)プロピオン酸およびチオジグリコールのジエステルが、0.2〜0.4重量% の割合で添加されることを特徴とする請求項6記載のDCケーブル。
  8. 【請求項8】 前記スコーチ防止剤である化合物(D);2,4-ジフェニル-4
    -メチル-ペンテン-1が、0.1〜1.0重量%の割合で添加されることを特徴とする請
    求項1から請求項7のいずれかに記載のDCケーブル。
  9. 【請求項9】 前記スコーチ防止剤である化合物(D);2,4-ジフェニル-4
    -メチル-ペンテン-1が、0.2〜0.5重量%の割合で添加されることを特徴とする請
    求項8記載のDCケーブル。
  10. 【請求項10】 前記過酸化物架橋剤が、1.0〜2.4重量%の割合で添加され
    ることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載のDCケーブル。
  11. 【請求項11】 前記過酸化物架橋剤が、1.2〜1.8重量%の割合で添加され
    ることを特徴とする請求項10記載のDCケーブル。
  12. 【請求項12】 前記過酸化物架橋剤が、ジクミル過酸化物であることを特
    徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載のDCケーブル。
  13. 【請求項13】 前記ポリエチレン樹脂が、0.5〜10g/10minの範囲のメルト
    フローレートMFRを有する低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1 から請求項12のいずれかに記載のDCケーブル。
  14. 【請求項14】 導体と、押出成形して架橋されたポリエチレン系導体絶縁
    材とを具備する請求項1から請求項13のいずれかに記載の絶縁されたDCケー
    ブルの製造方法であって、 − 導体を提供するステップと、 − 過酸化物架橋剤、スコーチ防止剤および酸化防止剤を添加してポリエチレン
    系樹脂組成物を合成するステップと、 − DCケーブルの導体の周囲に導体絶縁材を形成するために、前記合成された
    ポリエチレン系樹脂組成物を押出成形するステップと、 − 押出成形された絶縁材を架橋するステップとを具備し、 前記合成ステップに際してポリエチレン系樹脂に添加される前記スコーチ防止
    剤が、化合物(D);2,4-ジフェニル-4-メチル-ペンテン-1を含み、前記酸化防
    止剤(C)が、3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸お よびチオジグリコールのジエステルを含み、 ポリエチレン系樹脂の組成、押出成形および架橋の温度、押出成形および架橋
    にかける時間のようなプロセス変数を、押出成形して架橋される絶縁材内におけ
    る水の形成を抑制するように調節することを特徴とする絶縁されたDCケーブル
    の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記過酸化物架橋剤およびスコーチ防止剤(D);2,4-ジ
    フェニル-4-メチル-ペンテン-1からなる添加物がバランスされ、前記組成物は、
    架橋が所望のレベルで行われ、架橋された絶縁材内部に存在する余剰の過酸化物
    架橋剤の量が最小化されるような温度で、押出成形および架橋されることを特徴
    とする請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記合成ステップの際に、化合物(C);3-(3,5-ジ-tert
    -ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸およびチオジグリコールのジエス テルおよび化合物(B);ジ-アルキル-チオ-ジプロピオン酸塩からなる2成分 酸化防止剤を、ポリエチレン樹脂に添加することを特徴とする請求項14または
    請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記酸化防止剤を、0.1〜0.8重量%の割合で添加すること
    を特徴とする請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 合成した樹脂組成物を、230℃以下の製品温度で押出成形 および架橋することを特徴とする請求項16または請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 合成した樹脂組成物を、200℃〜225℃の範囲の製品温度で
    押出成形および架橋することを特徴とする請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記合成ステップの際に、化合物(C);3-(3,5-ジ-tert
    -ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸およびチオジグリコールのジエス テルのみからなる酸化防止剤をポリエチレン樹脂に添加することを特徴とする請
    求項14または請求項15記載の方法。
  21. 【請求項21】 化合物(C);3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェ
    ニル)プロピオン酸およびチオジグリコールのジエステルを、0.1〜0.5重量%の 割合で添加することを特徴とする請求項20記載の方法。
  22. 【請求項22】 合成した樹脂組成物を、230℃以上の製品温度で押出成形 および架橋することを特徴とする請求項20または請求項21記載の方法。
  23. 【請求項23】 合成した樹脂組成物を、240℃〜350℃の範囲の製品温度で
    押出成形および架橋することを特徴とする請求項22記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記スコーチ防止剤である化合物(D);2,4-ジフェニル
    -4-メチル-ペンテン-1を、0.1〜1.0重量%の割合で添加することを特徴とする請
    求項14から請求項23のいずれかに記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記過酸化物架橋剤が、ジクミル酸化物であり、1.0〜2.4
    重量%の割合で添加することを特徴とする請求項14から請求項24のいずれか
    に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記ポリエチレン樹脂が、0.5〜10g/10minの範囲のメルト
    フローレートMFRを有する低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1 4から請求項25のいずれかに記載の方法。
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