【発明の詳細な説明】
O−ベンジルオキシムエーテル誘導体と、殺虫剤としてのその応用
本発明は、次の式:
〔式中、
XはCHまたはNであり、YはOR1であり、そしてZはOであるか、あるい
は
XはNであり、YはNHR8であり、そしてZはO,SまたはS(=O)であ
り;
R1はC1−C4アルキルであり;
R2はC2−C4アルキルまたはC3−C6シクロアルキルであり;
R3及びR4はそれぞれ独立にH,C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、O
H,CN,NO2、アルキル基が同一種もしくは別種である(C1−C4アルキル
)3−Si基、ハロゲン、(C1−C4−アルキル)S(=O)m、(ハロ−C1−
C4アルキル)S(=O)m、ハロ−C1−C4−アルキルまたはハロ−C1−C4−
アルコキシであり;
R8はHまたはC1−C4アルキルであり;
R9はメチル、フルオロメチルまたはジフルオロメチルであり;
mは0,1,または2であり;
Aは、直接結合、C1−C10アルキレン、−C(=O)−、−C(=S)−ま
たはハロ−C1−C10アルキレンであり、そして
R7が基R10であるか、あるいは;
AはC1−C10アルキレン、−C(=O)−、−C(=S)−またはハロ−C1
−C10アルキレンであり、そして
R7が−CN、OR10、基R10が同一種か別種であるN(R10)2、または−S
(=O)pR10であり;
pは0,1または2であり;
GはO,S、または−CH2基がKで示された環に結合している−O−CH2−
であり;
R5及びR6はC1−C6アルキル、ハロ−C1−C6アルキル、C3−C6シクロア
ルキル、ハロ−C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルコキシ、ハロ−C1−C6
アルコキシ、C1−C6アルキルチオ、ハロ−C1−C6アルキルチオ、C1−C6ア
ルキルスルフィニル、ハロ−C1−C6アルキルスルフィニル、C1−C6アルキル
スルフォニル、ハロ−C1−C6アルキルスルフォニル、C1−C6アルキルスルフ
ォニルオキシ、ハロ−C1−C6アルキルスルフォニルオキシ、C1−C6アルコキ
シ−C1−C6アルキル、ハロ−C1−C6アルコキシ−C1−C6アルキル、C1−
C6アルキルチオ−C1−C6アルキル、ハロ−C1−C6アルキルチオ−C1−C6
アルキル、C1−C6アルキルスルフィニル−C1−C6アルキル、ハロ−C1−C6
アルキルスルフィニル−C1−C6アルキル、C1−C6アルキルスルフォニル−C1
−C6アルキル、ハロ−C1−C6アルキルスルフォニル−C1−C6アルキル、C1
−C6アルキルカルボニル、ハロ−C1−C6アルキルカルボニル、C1−C6アル
コキシカルボニル、ハロ−C1−C6アルコキシカルボニル、C1−C6アルキルア
ミノカルボニル
、C1−C4アルコキシイミノメチル、アルキル基が同一種または別種であるジ(
C1−C6アルキル)アミノカルボニル、C1−C6アルキル−アミノチオカルボニ
ル、アルキル基が同一種または別種のジ(C1−C6アルキル)アミノチオカルボ
ニル、C1−C6アルキルアミノ、アルキル基が同一種または別種のジ(C1−C6
アルキル)アミノ、ハロゲン、NO2、CN、チオアミド、トリメチルシリル、
アルキル基が同一種または別種のCH2Si(C1−C4アルキル)3、非置換型ま
たはモノ〜テトラ−置換C1−C4アルキレンジオキシ基(置換基はC1−C4アル
キル基及びハロゲンから成る群より選択される)であり、ここで、qが1より大
きい場合には基R5は同一種または別種であり、そしてnが1より大きい場合に
はR6は同一種か別種であり、そして基R5及びR6は互いに独立しており;
nは0,1,2,3,4または5であり;
qは0,1,2,3または4であり;そして
R10はH,C1−C6アルキル、C2−C8アルケニル、C2−C6アルキニル、C3
−C6シクロアルキルまたはハロゲンから成る群から選択された置換基により一
置換もしくは多置換された(C1−C6アルキル、C2−C8アルケニル、C2−C6
アルキニルもしくはC3−C6シクロアルキル);またはアルキル基が同一種また
は異種である−Si(C1−C4アルキル)3;C1−C6アルコキシカルボニル、
または非置換型もしくはハロゲン、C1−C4アルキル及びハロ−C1−C4アルキ
ルから成る群から選択された置換基により一置換もしくは多置換されたC1−C6
アルコキシカルボニルもしくはアリール基もしくはヘテロシクリル基であり;
但し、R2がエチルであり、R1、R8及びR9がメチルであり、R3及びR4が水
素であり、qが0であり、Zが酸素であり、そ
してAR7がメチルである場合には、基−G−フェニルは4−位置において3−
トリフルオロメチルベンジルオキシ、4−フルオロベンジルオキシまたは4−フ
ルオロフェノキシのいずれでもない〕
により表わされる化合物;並びに適当な場合には、遊離型もしくは塩の形の、E
/Zイソマー、E/Zイソマー及び/または互変異性体の混合物、その製造方法
、それらの化合物、E/Zイソマー及び互変異性体の使用;これらの化合物、E
/Zイソマー及び互変異性体から選択された活性成分を含む殺有害生物剤;それ
らの組成物の製造方法及びその使用;中間体、及び適当な場合にはそれらの可能
なE/Zイソマー、E/Zイソマーの混合物及び/又は互変異性体(遊離型又は
塩形)、これらの化合物、適当な場合には互変異性体(遊離型又は塩形)の製造
方法;並びにそれらの中間体及び互変異性体の製造方法及びその使用に関する。
文献では、多くのメトキシアクリル酸誘導体が殺有害生物剤の活性成分として
提案されている。しかし、これら既知化合物の生物特性は有害生物コントロール
の分野を完全に満足させるものではなく、従って殺有害生物性を持つ別の化合物
、特に昆虫、特にダニ類のコントロールならびに植物病害微生物のコントロール
の為の化合物が望まれている。この問題は、式(I)の本化合物を提供する本発
明によって解消される。
以下に示す式(I)並びに式(III)、(IV)、(VI)、(VIII)及び(X)
ないし(XIII)の多くの化合物は、不斉炭素原子を含み、その結果該化合物は光
学的に活性な形状で存在する。C=X及びオキシミノ二重結合の存在により、化
合物はE及びZイソマー型で存在することができる。化合物のアトロープイソマ
ーも存在するであろう。式(I)、(III)、(IV)、(VI)、(VIII)及び(
X)ないし(XIII)は特にことわらない限り、その可能なすべての
イソマー形及びその混合物、例えばラセミ体又はE/Zイソマーの混合物、場合
によっては塩を包含する。化合物(I)、(III)、(IV)、(VI)、(XII)及
び(XIII)中で各式においてEとして示すE−イソマーが好ましい。
特にことわらない限り、本明細書において使用する一般的な用語は次の意味を
有する。
炭素含有基および化合物はそれぞれ1ないし8個、好ましくは1ないし6個、
より好ましくは1ないし4個、さらに特に好ましくは1または2個の炭素原子を
含む。
それ自体としてのアルキル基、及びハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ
、アルキルスルフィニル、アルキルスルフォニル、アルキルカルボニル、アルコ
キシカルボニル、アルキルアミノ、アルコキシイミノメチル、アルキルアミノカ
ルボニル及びアルキルアミノチオカルボニルの様な他の基や化合物の構造単位と
してのアルキルは、問題の基及び化合物に含まれる炭素原子の数を十分考慮して
個々のケースでは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルもしくはヘキ
シルといった直鎖であるか、またはイソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、t
ert−ブチル、イソペンチル、ネオペンチルまたはイソヘキシルの様な分枝鎖で
ある。
それ自体としてのアルケニル、及びハロアルケニルの様な他の基または化合物
の構造単位としてのアルケニルは、問題の基または化合物に含まれる炭素原子の
数を十分考慮して個々のケースでは、例えばビニル、1−メチルビニル、アリル
、1−ブテニルまたは2−ヘキセニルの様な直鎖、または例えばイソプロペニル
の様な分枝鎖である。
それ自体としてのアルキニル、及びハロアルキニルの様な他の基または化合物
の構造単位としてのアルキニルは、問題の基または化
合物に含まれる炭素原子の数を十分考慮して個々のケースでは、例えばプロパル
ギル、2−ブチニルもしくは5−ヘキシニルの様な直鎖、または例えば2−エチ
ニルプロピルもしくは2−プロパルギルイソプロピルの様な分枝鎖である。
C3−C6シクロアルキルはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
またはシクロヘキシルである。
それ自体としてのアルキレン、及びハロアルキレンの様な他の基または化合物
の構造単位としてのアルキレンは、問題の基または化合物に含まれる炭素原子の
数を十分考慮して個々のケースでは、例えば−CH2CH2−、−CH2CH2CH2
−もしくは−CH2CH2CH2CH2−の様な直鎖、または例えば−CH(CH3
)−、−CH(C2H5)−、−C(CH3)2−、−CH(CH3)CH2−もしく
はCH(CH3)CH(CH3)−の様な分枝鎖である。
アリールはフェニルまたはナフチルであり、特にフェニルである。
複素環は、N,O及びSから成る群から選択された1ないし3個のヘテロ原子
を有する5−ないし7−員芳香族または非芳香族環である。好ましくは、ヘテロ
原子として1個の窒素原子及び任意にさらなるヘテロ原子、好ましくは窒素又は
イオウ、特に窒素を有する芳香族5−ないし6−員環である。好ましくはヘテロ
アリール基はピラジニル、3’−ピリジニル、2’−ピリジニル、4’−ピリジ
ニル、2’−ピリミジニル、4’−ピリミジニル、5’−ピリミジニル、2’−
チアゾリル、2’−オキサゾリル、2’−フラニル、3’−フラニル、3’−テ
トラヒドロフラニル、2’−チエニル、3’−チエニルと2’−チアゾリルであ
る。
それ自体としてのハロゲン、及びハロアルキル、ハロアルケニル
及びハロアルキニルの様な他の基または化合物の構造単位としてのハロゲンは、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素であり、特にフッ素、塩素または臭素であり、さら
に特にはフッ素または塩素、さらに特にはフッ素である。
ハロアルキル、ハロアルケニルまたはハロアルキニルの様なハロ置換した炭素
含有基および化合物は、部分的にハロゲン化、あるいはペル−ハロゲン化されて
おり、多ハロゲン化に於いてはハロゲン置換基同一または異なるハロゲンが可能
である。
それ自体としてのハロアルキル、及びハロアルケニルの様な他の基または化合
物の構造単位としてのハロアルキルの例は、フッ素、塩素及び/または臭素によ
り一ないし三置換されたメチル、例えばCHF2またはCF3;フッ素、塩素及び
/またはフッ素により一ないしペンタ置換されたエチル、例えばCH2CF3、C
F2CF3、CF2CCl3、CF2CHCl2,CF2CHF2、CF2CFCl2,C
F2CHBr2、CF2CHClF、CF2CHBrFまたはCClFCHClF;
フッ素、塩素および/または臭素によりそれぞれ一ないしヘプタ置換されたプロ
ピルまたはイソプロピル例えばCH2CHBrCH2Br、CF2CHFCF3、C
H2CF2CF3またはCH(CF3)2;並びにフッ素、塩素及び/または臭素に
よりそれぞれ一ないしノナ置換された、ブチルまたはそのイソマー例えばCF(
CF3)CHFCF3またはCH2(CF2)2CF3である。ハロアルケニルは、例
えばCH2CH=CHCl、CH2CH=CCl2、CH2CF=CF2またはCH2
CH=CHCH2Brである。ハロアルキニルは、例えばCH2C≡CF、CH2
C≡CCH2ClまたはCF2CF2C≡CCH2Fである。
当業者公知の如く、以下の式(I)並びに式(III)、(IV)、
(VI)、(VII)および(X)ないし(XIII)の多くの化合物は、例えばA−R7
がHである場合には互変異性体として存在するだろう。前述および後述の式(I
)(III)(IV)(VI)(VIII)及び(X)ないし(XIII)の化合物への言及は
、いずれの場合も特にことわらない限り対応する互変異性体も含んでいる。
少なくとも1つの塩基中心を持つ以下の式(I)の化合物、並びに(III)、
(IV)、(VI)、(VIII)および(X)ないし(XIII)の化合物は、酸付加塩を
形成できる。この様な塩は、例えば過塩素酸、硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸また
はハイドロハリック酸といった鉱酸の様な強無機酸、例えば酢酸、あるいはオキ
ザロ酸、マロン酸、スクシン酸、マレイン酸、フマール酸、フタル酸の様なハロ
置換型C1−C4アルカネカルボキシル酸、例えばアスコルビン酸、乳酸、リンゴ
酸、酒石酸またはクエン酸の様なヒドロキシカルボキシル酸、あるいは安息香酸
の様な、非置換型または置換型の強有機カルボキシル酸、または例えばメタン−
またはp−トルエン−スルフォン酸の様なハロ置換されたC1−C4アルカン−ま
たはアリール−スルフォン酸の様な、非置換型または置換型の有機スルフォン酸
より形成される。さらに、少なくとも1個の酸基を有する式(I)の化合物は塩
基と共に塩を形成できる。塩基との好適な塩としては、ナトリウム、カリウムま
たはマグネシウム塩の様なアルカリ金属またはアルカリ土金属塩といった金属塩
、あるいはモルフォリン、ピペラジン、ピロリジン、エチル−、ジエチル−、ト
リエチル−またはジメチル−プロピル−アミンの様なモノ−、ジ−もしくはトリ
−低級アルキルアミン、モノ−、ジ−、もしくはトリ−チアノールアミンの様な
モノ−、ジ−もしくはトリ−ヒドロキシ−低級アルキルアミンの様なアンモニア
または有機アミンによる塩である。
さらにそれぞれに対応する内部塩を形成することもできる。本発
明の趣旨に拠れば、好適例は農業化学上有益な塩である;しかし、農業化学上の
利用には有益でないが、例えば式(I)の遊離型化合物の分離及び/又は精製に
利用できる塩、またはその農業化学的に許容される塩も含まれる。前述および下
記の式(I)の遊離型化合物への言及には、式(I)の対応する塩も含まれると
理解され、式(I)の化合物の塩に対するいずれの言及には式(I)の対応する
遊離型化合物も含むと理解される。式(I)、(III)、(IV)、(VI)、(VII
I)及び(X)ないし(XIII)の化合物の互変異性体およびその塩についても同
様である。何れの場合も、一般には遊離型が好ましい。
上記条件を考慮した本発明の趣旨での好適な実施態様は次の通りである:
(1)XがCHでありZがOである式(I)の化合物;
(2)XがNでありZがOである式(I)の化合物;
(3)YがC1−C2アルコキシ、特にメトキシである式(1)の化合物;
(4)R1がC1−C2アルキル、特にメチルである式(I)の化合物;
(5)R2がエチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、イソブチル、sec−ま
たはtert−ブチル、特にエチルまたはプロピルであり、より特にはエチルである
式(I)の化合物;
(6)R3がH,C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、OH、CN、NO2
、ハロゲン、ハロ−C1−C4アルキルまたはハロ−C1−C4アルコキシであり、
好ましくはH,C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシまたはハロゲンであり、
特に好ましくはH,メチル、メトキシ、塩素またはフッ素であり、より特に好ま
しくはHである式(I)の化合物;
(7)R4がH,C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、OH、CN、NO2
、ハロゲン、ハロ−C1−C4アルキルまたはハロ−C1−C4アルコキシであり、
好ましくはH,C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシまたはハロゲンであり;
特にH、メチル、メトキシ、塩素またはフッ素であり、より特にはHである式(
I)の化合物;
(8)R3がHまたはC1−C2アルキル、好ましくはC1−C2アルキル、特に
メチルである式(I)の化合物;
(9)R9がメチルまたはフルオロメチルであり、特に好ましくはメチルであ
る式(I)の化合物;
(10)R6がハロゲン、C1−C4アルキル、ハロ−C1−C4アルキル、ハロ
−C1−C4アルコキシ、C3−C6シクロアルキル、ハロ−C3−C6シクロアルキ
ルまたはCH2Si(CH3)3であり、好ましくはハロゲン,C1−C4アルキル
、ハロ−C1−C4アルコキシまたはハロ−C1−C4アルキル、特にはハロゲン,
C1−C4アルキル、ハロメチルまたはハロメトキシ、より特には塩素、トリフル
オロメチル、トリフルオロメトキシまたはtert−ブチルである式(I)の化合物
;
(11)nが1または2、好ましくは1である式(I)の化合物;
(12)GがOであり、または−O−CH2−、特にOである式(I)の化合
物;
(13)R5がハロゲン、C1−C4アルキル、ハロ−C1−C4アルキル、ハロ
−C1−C4アルコキシ、C3−C6シクロアルキル、ハロ−C3−C6シクロアルキ
ルまたはCH2Si(CH3)3であり、そしてqが0,1,2または3であり、
好ましくは0,1または2、特には0または1で、より特には0である式(I)
の化合物;
(14)Aが直接結合、C1−C10アルキレンまたはハロ−C1−C10アルキレ
ンであり、好ましくは直接結合またはC1−C4アルキレン;特には直接結合であ
り、またはメチレンである式(I)の化合物;
(15)Aが直接結合であり、そしてR7がC−C4−アルキル、CH2−CH
=CH2またはCH2−C≡CHであり、特にメチルまたはエチル、より特にはメ
チルである式(I)の化合物;
(16)XがNであり;YがOCH3であり;ZがOであり;R2がメチルであ
り;R3及びR4がHであり;AR7がエチルであり;GがOであり;qが0であ
り;nが1であり、そしてR6がCF3である式(I)の化合物である。
本発明に関連した具体的な好適例は表1ないし4に記載されているが、E/Z
イソマー及びE/Zイソマー混合物にも適用できる。
本発明はまた式(I)の化合物、及び該当する場合n,q,A,G,X,Y,
Z,R2,R3,R4,R5,R6,R7およびR9が上記式(I)と同じであり、さ
らに式(I)の化合物に対する上記条件に該当する、遊離型または塩の形のいず
かのE/Zイソマー、E/Zイソマーの混合物及び/または互変異性体の調整工
程にも関しており、当該工程は次より成る:
a1)公知または公知方法により調整可能であり、式中のX、Y、Z、R3、
R4およびR9が式(I)の定義に同じであり、Xが脱離基である下式の化合物、と好ましくは塩基存在下に、式中のn、q、A,G,R2、R5、R6およびR7が
式(I)の定義に同じである下式の化合物と反応せしめる;
あるいは、
a2)式中のn、q、A,G,R2、R5、R6及よびR7が式(I)の定義に同
じである次式の化合物と、
好ましくは塩基存在下に、公知またはそれ自体公知の方法により製造可能な式中
のX、Y、Z,R3、R4およびR9が式(I)の定義に同じである次式化合物と
反応せしめ;
あるいは、
a3)式中のn、q、G、X、Y、Z、R2、R5、R6及よびR9が式(I)の
上記定義に同じであり、式(1)の化合物に対する上記条件に該当する次式の化
合物と、
式中のAおよびR7が式(I)の上記定義に同じであり、Xが式(II)同様の脱
離基である次式化合物と反応せしめる工程;
X1−A−R7 (VII)
b)式中のYがNHR8であり、そしてZがOである式(I)の化合物を製造
するために、式中のYがOR1である式(I)の化合物を、それ自体公知のまた
は公知方法により製造可能であり、式中のR8が式(I)の規定に同じである式
R8NH2の化合物と反応せしめる工程;あるいは
c)式中のYがNHR8でありそしてZがSである式(I)の化合物を製造す
るために、式中のYがR8NH2およびZがOである式(I)の化合物を、P4S1 0
またはローソン試薬(Lawesson's reagent)[2,4−ビス−(メトキシフェ
ニル)−2,3−ジチア−2,4−ジフォスフェタン−2,4−ジスルフィド]
と反応せし
める工程;あるいは
d)式中のZがSOである式(I)の化合物を製造するために、式中のZがS
である式(I)の化合物を酸化試薬と反応せしめる工程;
ならびに、それぞれについて必要に応じ上記工程または別の方法により得られ
る遊離型または塩の形の式(I)のそれぞれの化合物、またはそのE/Zイソマ
ーもしくは互変異性体を、それぞれの遊離型または塩の形の式(I)の別種化合
物またはそのE/Zイソマーあるいは互変異性体に変換し、上記工程により得ら
れるE/Zイソマーの混合体を分離し、所望のイソマーを精製し、そして/また
は上記工程または別の方法により得られる式(I)の遊離型化合物、もしくはそ
のE/Zイソマーもしくは互変異性体を塩に転換し、あるいは式(I)の化合物
の塩またはそのE/Zイソマーまたは互変異性体の塩を、式(I)の遊離型化合
物またはそのE/Zイソマーあるいは互変異性体の遊離型化合物または別種の塩
に転換する。
本発明は、
e)式中のn、q、A、G、R2、R5、R6及よびR9が式(I)の定義に同じ
である式(IV)の化合物を、必要に応じて塩基の存在下にH2NOHまたはその
塩と反応せしめ;あるいは
f)式中のn、q、G、R2、R5及びR6が式(I)の定義に同じでる次式の
化合物と、
それ自体が公知であるか、または公知方法により製造可能な、式中
のAおよびR7が式(I)の定義に同じである下式の化合物と反応せしめ、
R7AONH2 (IX)
それぞれに於いて必要に応じて、上記工程またはその他の方法により得られる式
(III)の化合物、またはそのE/Zイソマーまたは互変異性体、遊離型または
塩の形のそれぞれについて式(III)の異なる化合物またはそのE/Zイソマー
あるいは互変異性体の遊離型または塩に変換し、上記工程により得られるE/Z
イソマーの混合体を分離し、所望のイソマーを精製し、そして/または上記工程
または別の方法により得られる式(III)の遊離型化合物、あるいはそのE/Z
イソマーあるいは互変異性体を塩に転換し、あるいは式(III)の化合物の塩ま
たはそのE/Zイソマーあるいは互変異性体の塩を、式(III)の遊離型化合物
またはそのE/Zイソマーあるいは互変異性体の遊離型化合物または別種の塩に
転換する工程を含む、遊離型あるいは塩の形の式(III)の化合物の調整法にも
関する。
本発明は、
g)式中のn、q、X、Y、Z、R2、R5、R4、R5、R6及よびR9が式(I
)の上記定義に同じである次式化合物をヒドロキシルアミンと反応せしめる工程
を含む、遊離型または塩の形の式(VI)の化合物の調整法にも関する。
本発明は、
h)式(VIII)の化合物を化合物(II)の化合物を反応せしめる、
工程を含む、遊離型または塩の形の式(X)の化合物の製造方法にも関する。
本発明はまた、
i)式中のn、q、G、R2、R5及びR6が式(I)の定義に同じであり、そ
れ自体が公知であるか、または公知方法で製造可能な次式化合物を、亜硝酸塩と
反応せしめる工程を含む、遊離型または塩の形の式(VIII)の化合物の製造法に
も関する。
本発明はまた、式(XII)および(XIII)中のR2、R5、R6、R7、A、G、
qおよびnが式(I)の定義に同じである次の新規中間体(XII)および(XIII
)、ならびにそれ自体公知である式(III)、(II)および(XIII)の化合物の
製造法に関する: m)(IV)+ヒドロキシルアミン→ (III)
化学式(I)および(III)の化合物のE/Zイソマーおよび互変異性体に関
する上記観点はまた、前述および後述の出発材料のE/Zイソマーおよび互変異
性体にも同様に適用される。
前述および下記反応は、公知方法により実施され、例えば好適な溶媒または希
釈液あるいはその混合液非存在下、通常は存在下に実施され、必要に応じて反応
体は冷却されながら、あるいは室温もしくは加熱されながら、例えばおよそ0℃
ないし反応溶媒の沸点の範囲の温度で、好ましくはおよそ20℃ないしおよそ+
120℃の範囲、特に60℃ないし80℃で実施される。特に好都合な反応条件は
実施例に見ることが出来るだろう。
反応体はそれ自体相互に、すなわち溶媒または希釈液の添加なしに例えば溶融
体として反応できる。しかし、通常不活性溶媒または希釈剤またはその混合物の
添加が有益である。
反応は必要に応じて閉鎖容器の中で加圧し、および保護ガス、例えば窒素また
はアルゴン、特にアルゴンの雰囲気中;および/または無水条件に行われる;不
活性ガス雰囲気中および常圧下が好ましい。
生産物は通常一般的方法、例えば濾過、結晶化、蒸留またはクロマトグラフィ
ー、あるいはこれら方法の好適な組み合わせにより単離される。
式(I)の化合物の製造に利用される前述および後述の出発材料
、および該当する場合にはそのE/Zイソマーおよび互変異性体は公知であるか
、またはそれ自体公知の方法、例えば以下詳細記載の方法により製造することが
できる。
変法a1/a2/a3およびh):
化合物(II)および(VII)の好適な脱離基X1は、例えばヒドロキシ、C1−
C8アルコキシ、ハロ−C1−C8アルコキシ、C1−C8アルカノイルオキシ、メ
ルカプト、C1−C8アルキルチオ、ハロ−C1−C8アルキルチオ、C1−C8アル
カンルスルフォニルオキシ、ハロ−C1−C8アルカンスルフォニルオキシ、ベン
ゼンスルフォニルオキシ、トルエンスルフォニルオキシおよびハロゲンであり、
好ましくはトルエンスルフォニルオキシ、トリフルオロメタンスルフォニルオキ
シおよびハロゲンであり、特に好ましくはハロゲンである。
反応の促進に好適な塩基は、例えばアルカリ金属またはアルカリ土金属の水酸
化物、水素化物、アミド、アルカノレート、アセテート、カーボネート、ジアル
キルアミドもしくはアルキルシリルアミド、アルキルアミン、アルキレンジアミ
ン、非置換型もしくはN−アルキル化された、飽和型もしくは不飽和型シクロア
ルキルアミン、塩基性複素環、水酸化アンモニウムおよび炭素環アミンである。
例示としてはナトリウムの水酸化物、水素化物、アミド、メタノレート、アセテ
ートおよびカーボネート、カリウムのtert−ブタノレート、水酸化物、カーボネ
ートおよび水素化物、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムビス(トリメチ
ルシリル)アミド、水素化カルシウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチ
ルアミン、トリエチレンジアミン、シクロヘキシルアミン、N−シクロヘキシル
−N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、4−(N,
N−ジメチルアミノ)ピリジン、キヌクリジン、N−
メチルモルフォリン、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム及び1,5−ジア
ザ−2シクロ[5,4,0]ウンデク−5−エネ(DBU)がある。
反応遂行に有益な溶媒の例は、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、
テトラリン、シクロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、石油エーテ
ル、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラク
ロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロメテン及びテトラクロロエテンの様な
芳香族、脂肪族および脂環式−炭化水素、ならびにハロゲン化炭化水素;酢酸エ
チルの様なエステル;ジメチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピル
エーテル、ジブチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールジメチルエーテル、ジメトキシジエチルエーテル、テトラヒドロフランお
よびジオキサンの様なエーテル;アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイ
ソブチルケトンの様なケトン;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプ
ロパノール、ブタノール、エチルグリコール及びグリセロールの様なアルコール
;N,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジエチル−フォルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン及びヘキサメチルリン酸トリ
アミドの様なアミド;アセトニトリル及びプロピオニトリルの様なニトリル;ジ
メチルスルホキシドの様なスルホキシドを含む。反応が塩基存在下に実施される
場合、過剰に使用された塩基、例えばトリエチルアミン、ピリジン、N−メチル
モルフォリンまたはN,N−ジエチルアニリンは溶媒または希釈液としても作用
するだろう。
反応はおよそ0℃ないしおよそ180℃の温度範囲、特にはおよそ10℃ないし
およそ80℃の温度範囲で好適に実施され、多くの場
合には室温から反応混合液の還流温度の範囲で実施される。反応時間はおよそ0.
1ないしおよそ24時間、特にはおよそ0.5時間ないしおよそ2時間の範囲が好ま
しい。
変異体a1の好適実施態様では、化合物(II)は化合物(III)と0℃ないし
80℃で、好ましくは10℃ないし30℃で不活性溶媒、好ましくはアミド、特
にはN,N−ジメチルフォルムアミド中に、金属水素化物、好ましくは水素化ナ
トリウム存在下に反応する。
特に好適な反応条件は実施例P1e)およびP1f)に記載されている。
変法b)
反応実施に有益な溶媒または希釈液の例は、変法a1/a2/a3記載の例を
含む。
反応はおよそ0℃ないしおよそ180℃の温度範囲、特にはおよそ10℃ないし
およそ80℃の温度範囲で好適に実施され、多くの場合には室温から反応混合液
の還流温度の範囲で実施される。反応時間はおよそ0.1ないしおよそ24時間、
特にはおよそ0.5時間ないしおよそ2時間の範囲の期間が好ましい。
特に好適な反応条件は実施例P1gに記載されている。
変法c)
反応遂行に有益な溶媒または希釈液の例は、ベンゼン、トルエン、キシレン、
メシチレン、テトラリン、シクロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン
、石油エーテル、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、トリクロロメタ
ン、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエテン及びテトラクロロ
エテンの様な芳香族、脂肪族および脂環式−炭化水素並びにハロゲン化炭化水素
;ジメチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル、ジブチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
ジメチルエーテル、ジメトキシジエチルエーテル、テトラヒドロフランおおびジ
オキサンの様なエーテル;およびジメチルスルホキシドの様なスルホキシドを含
む。
反応はおよそ0℃ないしおよそ180℃の温度範囲、特にはおよそ10℃ないし
およそ80℃の温度範囲で好適に実施され、多くの場合には室温から反応混合液
の還流温度の範囲で実施される。反応時間はおよそ0.1ないしおよそ24時間、
特にはおよそ0.5時間ないしおよそ2時間の範囲が好ましい。
変法d)
好適な酸化剤は、例えば過ホウ酸ナトリウムまたは過酸化水素の様な無機過酸
化物、または過安息香酸または過酢酸の様な有機過酸、あるいは酢酸/過酸化水
素の様な有機酸と過酸化水素の混合物である。
反応遂行に有益な溶媒または希釈液の例は、ベンゼン、トルエン、キシレン、
メシチレン、テトラリン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン
、石油エーテル、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、トリクロロメタ
ン、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエテン及びテトラクロロ
エテンの様な芳香族、脂肪族および脂環式−炭化水素ならびにハロゲン化炭化水
素;酢酸エチルの様なエステル;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エ
チレングリコールジメチルエーテル、ジメトキシジエチルエーテル、テトラヒド
ロフランおよびジオキサンの様なエーテル;アセトン、メチルエチルケトン及び
メチルイソブチルケトンの様なケトン;メタノール、エタノール及びプロパノー
ルの様なアルコール;N,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジエチル−フ
ォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン及びヘキ
サメチルリン酸トリアミドの様なアミド;アセトニトリル及びプロピオニトリル
の様なニトリル;ジメチルスルホキシドの様なスルホキシドを含む。反応が有機
酸または過酸存在下に実施される場合、過剰に使用された酸、例えば有機カルボ
ン酸、例えば非置換型もしくは置換型例えばハロ置換されたC1−C4アルカンカ
ルボン酸、例えば蟻酸、酢酸またはプロピオン酸は溶媒または希釈液としても作
用するだろう。
反応はおよそ0℃ないしおよそ+120℃の温度範囲、特にはおよそ0℃ないし
およそ+40℃の温度範囲で好適に実施される。反応時間はおよそ0.1ないしお
よそ24時間、特にはおよそ0.5時間ないしおよそ2時間の範囲が好ましい。
変法e)/g)
反応の促進に好適な塩基は、例えば変法a1/a2/a3/hに記載のもので
ある。反応実施に有益な溶媒または希釈液の例には、変法a1/a2/a3/h
記載のものが含まれる。
反応はおよそ0℃ないしおよそ180℃の温度範囲、特にはおよそ10℃ないし
およそ80℃の温度範囲で好適に実施され、多くの場合には室温から反応混合液
の還流温度の範囲で実施される。反応時間はおよそ0.1ないしおよそ24時間、
特にはおよそ0.5時間ないしおよそ2時間の範囲が好ましい。
変法f)
反応の促進に好適な塩基は、例えば変法a1/a2/a3/hに記載のもので
ある。反応実施に有益な溶媒または希釈液の例には、変法a1/a2記載のもの
が含まれる。
反応はおよそ0℃ないしおよそ180℃の温度範囲、特にはおよそ10℃ないし
およそ80℃の温度範囲で好適に実施され、多くの場合には室温から反応混合物
の還流温度の範囲で実施される。反応時間はおよそ0.1ないしおよそ24時間、
特にはおよそ0.5時間ないしおよそ2時間の範囲が好ましい。
変法f)の好適実施態様に於いては、式(VIII)の化合物は、0℃ないし120
℃、好ましくは60℃ないし120℃の範囲で、不活性溶媒中、好ましくはアミン
、特にはピリジン中に式(IX)の化合物と反応する。特に好ましい反応条件は実
施例P1d)に記載される。
変法i)
好適は反応体は特にはアルキルニトライト、好ましくはイソペンチルニトライ
トである。
反応促進に好適な酸は、例えばハロゲン水素酸および硝酸であり、特には気体
状の塩化水素である。
好適な溶媒は変法d)に特に記載のものである、特にジエチルエーテル、ジ−
n−ブチルエーテル及びメチルイソブチルエーテルの様なエーテルまたは、例え
ばエタノールおよびメタノールの様なアルコールである。
反応はおよそ0℃ないしおよそ180℃の温度範囲、特にはおよそ10℃ないし
およそ80℃の温度範囲、特に室温で好適に実施される。反応時間はおよそ0.1
ないしおよそ24時間、特にはおよそ0.5時間ないしおよそ2時間の範囲が好ま
しい。
特に好ましい反応条件は実施例P1c)に記載される。
式(I)ないし(XIII)の化合物は可能なイソマーの1つ又はその混合物とし
て、例えば不斉炭素原子の数及びその絶対的及び相対的配置に従って、純粋なイ
ソマー例えば対掌体及び/またはジアス
テレオ異性体の形で、あるいはイソマーの混合物の形で、例えばエナンチオマー
の混合体、例えばラセミ体、ジアステレオイソマーの混合物又はラセミ体の混合
物として存在するであろう;本発明は、純粋なイソマー及びイソマーのすべての
可能な混合体に関し、このことは、前述及び後述において、たとえ立体化学の詳
細が具体的に記述されていない場合に於いてもそのように理解されるものである
。
選択された出発物質及び方法に依存する工程により又は他の手段により得られ
る式(I)、(III)、(IV)、(VI)及び(X)ないし(XIII)の化合物のジ
アステレオイソマーの混合物及びラセミ化合物の混合体は、成分間の物理−化学
的差に基づく公知の方法、例えば分画結晶化、蒸留及び/またはクロマトグラフ
ィーにより純粋なジアステレオマーまたはラセミ化合物に分離することができる
。
こうして得られるラセミ化合物の様なエナンチオマーは、公知の方法、例えば
光学活性溶媒からの再結晶化により、例えばアセチルセルロースによる高圧液体
クロマトグラフィー(HPLC)の様なキラル吸着剤によるクロマトグラフィーによ
り、好適な微生物を利用し、特異的固定化酵素により開裂し、例えばキラルクラ
ウンエーテルを利用して1個のエナンチオマーだけが錯体化している包含化合物
を経由して、鏡像異性体に分離することができる。
イソマーの対応する混合体の分離とは別に、本発明によれば、通常のジアステ
レオ選択的またはエナンチオ選択的な合成法、例えば適当な立体化学を有する出
発材料を利用した本発明による方法を実施することで純粋なジアステレオマーま
たはエナンチオマーもまた得ることが可能である。
個々の成分が異なる生物活性を有する限りに於いて、生物学的に
より活性なイソマー、例えばエナチオマー、またはイソマーの混合体、例えばエ
ナンチオマーの混合体を単離または合成することが好都合である。
式(I)、(III)、(IV)、(VIII)及び(X)ないし(XIII)の化合物は
、その水和物の形で得ることができ、さらに/または固体化合物への結晶化に利
用する溶媒の様なその他の溶媒を含むことができる。
本発明は、工程の何れかのステージに於いて出発材料または中間体として得ら
れる化合物を出発材料として利用し、残りのステップの全てまたは一部が実施さ
れるか、あるいは出発材料が誘導体または塩の形で利用され、そして/または反
応条件下に、そのラセミ化合物または対掌体が形成される、工程の全ての実施態
様に関する。
本発明の工程では、特に有益であることから開始時に式(I)記載の化合物を
生じる様な出発材料および中間体を使用することが好ましい。
本発明は特に実施例P1a)ないしg)記載の分離工程に関する。
本発明はまた、本発明の式(I)の化合物の製造に利用される出発材料および
中間体、特に新規である式(III)、(IV)、(VI)、(VIII)及び(X)ない
し(XIII)の化合物、その利用ならびにその製造工程に関する。式(III)、(I
V)、(VI)、(VIII)および(X)ないし(XIII)の化合物のR2,R5,R6,
R7,A,G,qおよびnの好適な意味は、式(I)の化合物における意味に同
じである。特に、式(III)および(VIII)の化合物はそれぞれ実施例P1d)
及びP1c)に類似する方法で製造できる。
有害生物駆除の分野に於いて、本発明による式(I)の化合物は、温血動物、
魚および植物によく寛容されながら、低濃度に於いて
も極めて優れた殺生物スペクトラムを有する有益な予防及び/または治療的活性
成分である。本発明の化合物は通常の感受性を有する動物有害生物の全てのステ
ージまたは個々の発生ステージに対して有効であり、さらに昆虫や代表的なダニ
目の様な耐性動物有害生物、ならびに植物病原性の真菌についても有効である。
本発明の化合物の殺虫、殺卵子性および/または殺ダニ性作用は、例えば作用直
後、または脱皮時の様な時間経過後の害虫の死亡率や卵の死亡率の様に直接的に
、あるいは産卵及び/または欝化率の低下の様な間接的に顕れ、良好な活性では
死亡率は少なくとも50ないし60%になる。
報告されている動物有害生物は、例えば欧州特許出願第EP-A-736252に記載さ
れている。EP-A-736252記載の該有害生物は引用により本発明の対象物に取り込
まれている。
記載される植物病原性真菌としては、例えば次のものが含まれる:
不完全菌類(Fungi imperfecti)、例えばボメリティス・スペーシス(Botryti
s spp.)、ピリクラリア・スペーシス(Pyricularia spp.)、ヘルミントスポリ
ウム・スペーシス(Helminthosporium spp.)、フザリウム・スペーシス(Fusariu
m,spp.)、セプトリア・スペーシス(Septoria spp.)、セルコスポラ・スペーシ
ス(Cerospora spp.)及びアルターナリア・スペーシス(Alternaria spp.);担
子菌類(Basid iomycetes)、例えばリゾクトニア・スペーシス(Rhizoctonia sp
p.)、ヘミレイア・スペーシス(Hemileia spp.)及びプシニア・スペーシス(Pucc
inia spp.);子嚢菌類(Ascomycetes)例えばベンツリア・スペーシス(Venturia s
pp.)、エリシフェ・スペーシス(Erysiphe spp.)、ポドスパラ・スペーシス(Pod
osphaera spp.)、モニリニア・スペーシス(Monilinia spp.)及びウン
シヌラ・スペーシス(Uncinula spp.);および卵菌類(Oomycetes)、例えばフィ
トフトラ・スペーシス(Phytophthora spp.)、ピチウム(Phthium spp.)および
プラスモパラ(Plasmopara spp.)である。
本発明の化合物により、特に植物、より具体的には農業、園芸および林業分野
に於ける有用植物および装飾花、あるいはこれら植物の一部分、例えば、果実、
花再、葉、茎、塊茎または根に発生した有害生物をコントロール、即ち阻害また
は破壊することができる。但し、あとで生長する植物の部分の幾つかもまたこれ
らの有害生物に対して保護される。
対象となる作物は具体的には小麦、大麦、ライ麦、オート麦、米、トウモロコ
シ、モロコシの様な穀類;サトウ大根や飼料ビートの様なビート類;リンゴ、洋
なし、プラム、桃、アーモンド、サクランボの様な梨類、核果および軟果、また
はイチゴ、ラズベリーやブラックベリーの様な液果;豆、レンズ豆、腕豆および
大豆の様なマメ科植物;菜種、マスタード、ケシ、オリーブ、ひまわり、ココナ
ッツ、ひまし油植物、ココアマメおよび落花生よ様な油性植物;ナタウリ、キュ
ウリならびにメロンの様なウリ科植物;綿、亜麻、大麻及びジュートの様な繊維
性植物;オレンジ、レモン、グレープフルーツ、マンダリンの様な柑橘類;ほう
れん草、レタス、アスパラガス、キャベツ、人参、タマネギ、トマト、ジャガイ
モ、パプリカの様な野菜;アボガド、シナモン、ショウノウの様な樟科植物およ
びタバコ、ナッツ、コーヒー、ナス、サトウキビ、茶、ペッパー、蔓、ホップ、
バナナ、天然ゴムおよび装飾花である。
本発明による化合物は特に綿、果実、トウモロコシ、大豆、菜種ならびに植物
穀類に於ける昆虫およびダニ科、特にアンソノムス・グランディス(Anthonomous
grandis)、ディアブロチカ・バルテア
タ(Diabrotica balteata)、ヘリオチス・ビレッセンス(Heliothis virescens)の
幼虫、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)およびスポドプテラ・リ
トラリス(Spondoptera littoralis)の幼虫の様な破壊的植物摂食昆虫、および
テトラニクス・スペーシス(Tetranychus spp.)、の様なクモダニのコントロー
ルに好適である。
本発明の化合物の利用の別の領域は、保存商品および貯蔵品ならびに材料の保
護であり、さらに衛生分野、特に上記害虫からの家畜および産業家畜の保護であ
る。
従って本発明は、少なくとも1種類の発明の化合物を含み、目的とする対象お
主な環境に従い選択された処方による乳化濃縮体、懸濁濃縮体、直接噴霧可能ま
たは希釈可能な液体、接触可能なペースト、希釈乳剤、湿潤可能な粉末、可溶性
粉末、分散可能な粉末、湿潤可能な奮発、ダスト、顆粒またはポリマー体封入体
にも関連する。
活性成分は純粋な形のこれら成分;例えば特定粒径の様な固形活性成分、また
は好ましくは少なくとも処方技術に一般的に利用される溶媒または固形キャリア
ーの様なアジュバント、または表面活性化合物(表面活性剤)と共に利用される
。
これらは処方アジュバントとしては、例えば固形キャリアー、溶媒、安定化剤
、“遅放出”アジュバント、着色剤および場合によっては表面活性物質(表面活
性剤)がある。植物保護成分に通常利用される、特にナメクジ及び蛇のコントロ
ールのための成分に利用される全てのキャリアー及び物質が考慮される。本発明
により使用される成分中の溶媒、固形キャリアー、表面活性物質、非イオン性界
面活性剤、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤の様な好適なアジュバント
としては、例えばEP-A-736252記載の物質に同じであ
る。該EP-A-736252記載のアジュバントは本発明の主題に参照され、取り込まれ
ている。
有害生物をコントロールするためのこれら成分は、例えば湿潤可能な粉末、ダ
スト、顆粒、溶液、乳化濃縮液、乳剤、懸濁濃縮液または噴霧剤の形に処方でき
る。これら成分は例えばEPA-A-736252記載と同型である。
成分は通常、0.1ないし99%、好ましくは0.1ないし95%の活性成分及び1
ないし99.9%、好ましくは5ないし99.9%の−少なくとも−1種類の固体または
液体アジュバントを含み、一般には成分の0ないし25%、好ましくは0.1ない
し20%を表面活性剤にできる(いずれも重量による%)。市販製品は濃縮体と
して処方されることが好ましいが、最終使用者は通常本質的により低い活性成分
を有する希釈処方体を用いるだろう。好適な処方体は具体的にはEP-A-736記載の
成分、実施例F1ないしF8を有する。
本発明の成分の活性は、他の殺有害生物性、殺ダニ性及び/または殺真菌性活
性成分を添加することにより、本質的に拡大し主な環境に適合させることができ
る。好適な添加活性物質の例は、以下のクラスの化合物の例を含む:有機リン酸
化合物、ニトロフェノール誘導体、フォルムアミド類、尿素、ベンゾイル尿素、
カルバメート、ピレスロイド、塩素化炭化水素、ネオニコチノイド、マクロライ
ド及びBacillus thuringiensis標本。本発明による組成体はさらに固形または液
性のアジュバント、植物油またはエポキシ化植物油(例えばエポキシ化したココ
ナッツオイル、菜種油または大豆油)の様な安定化剤、例えばシリコンオイルの
様な消泡剤、保存剤、粘性制御剤、結合剤及び/または粘着剤、ならびに肥料、
または他の特別な効果を得るためのその他の活性成分、例えば抗菌剤、抗線虫剤
、抗軟体類剤または選択的除草剤を含むこともある。
本発明の組成体は公知の方法により、アジュバントが無い状態で、例えば固形
活性成分または活性成分の混合体を例えば特定の粒径に擦り潰し篩い分けて、少
なくとも1種類のアジュバント存在下に活性成分とアジュバントの混合体を例え
ば良く混合し/または擦り潰して調整できる。本発明はまた本発明の組成体の調
整のための方法、およびこれら組成体標本への式(I)化合物の利用にも関連す
る。
本発明はまた、組成体の利用、即ち目的と種な環境に合わせて選択された上記
タイプの有害生物をコントロールする方法、例えばスプレー、噴霧、ダスティン
グ、コーティン、振りかけ、散布または注入、及び上記タイプの害虫をコントロ
ールするための組成体の応用にも関連する。典型的な活性成分濃度は0.1ないし1
000ppm、好ましくは0.1ないし500ppmである。ヘクタール当たりの活性成分の適
用率は一般には1ないし2000g/ヘクタールであり、特に10ないし1000g/ha
、好ましくは20ないし600g/haである。
植物予防の領域の好適な適用方法は植物の葉に適用するものであり(葉適用)
、適用回数及び適用率は問題の害虫による外寄生のリスクに拠る。しかし、活性
成分はまた、植物が液性処方体に含浸させる場合、あるいは活性成分が植物のあ
る場所の固体、例えば土壌中に取り込まれている場合(土壌適用)には、根を通
り全身に至る。水稲の場合には、このような顆粒の一定量が水田に蒔かれ適用さ
れるだろう。
本発明の組成体はまた植物繁殖体、例えば果実、蔓または穀粒の様な種子、ま
たは切除植物を真菌感染および動物がからの植物保護にも好適である。繁殖体は
植え付ける前に処方体で処理できる;例えば蒔く前の種にふりかける。本発明の
化合物はまた、穀粒を液状処方体に浸して、あるいは固形処方体でコーティング
することで穀
粒に適用することができる。処方体はまた、繁殖体が例えば種床に植えられる場
合には、移植場所に適用することもできる。本発明は、この様な植物を処理する
方法、ならびに処理された植物繁殖体にも関する。
以下、実施例により本発明を例示する。これらは本発明を限定するものではな
い。温度は摂氏温度で示す。
製造実施例 実施例P1:(2−{2−[4−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−フ
ェニル]−2−エトキシイミノ−1−エチル−エチリデン−アミノオキシメチル
}−フェニル)−3−メトキシ−アクリル酸メチルエステル(化合物1.1)
a)1−(4−フルオロフェニル)−ブタン−1−オン
106.5gの塩化酪酸を70℃で1時間かけて4−フロロベンゼン180g及び14
7gの塩化アルミニウムの混合物に滴下し加えた。混合液を80℃で45分間攪
拌し、室温まで冷却してから氷1リットルと150mlの濃塩酸の混合液に注ぎ込ん
だ。300mlのジエチルエーテルで2回抽出し、まとめた有機抽出体を水と塩化ナ
トリウム液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下、蒸発して溶媒を除い
た。得られた粗産物を蒸留して精製し、沸点103−105℃(15mbar)の表題産物を
得た。
b)1−[4−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−フェニル]−ブタン
−1−オン
158.8gの1−(4−フルオロフェニル)−ブタン−1−オンをゆっくりと
、室温で154.2gの3−ヒドロキシトリフルオロメチルベンゼン、197gの炭酸カ
リウム及び1200mlのN,N−ジメチルアセトアミドの混合液に加え、さらにこの
混合液を180℃に加熱し10時間攪拌した。次に混合液を室温まで冷却し、濾過
、濾過液を真
空、蒸留し濃縮した。残査をジエチルエーテルに溶解し、有機層を1回水、1回
10%水酸化カリウム及び1回飽和塩化ナトリウム液で洗浄し、硫酸ナトリウム
上で乾燥し、蒸留し濃縮した。固形産物を濾過して除き、真空下に乾燥し融点3
5−36℃の表題産物を得た。
c)1−[4−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−フェニル]−ブタン
−1,2−ジオン−2−オキシム
HClガスを1分間1リットルのジエチルエーテルに導入し、次に277gの1
−[4−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−フェニル]−ブタン−1−オ
ンを加えた。126.2gの硝酸イソペンチルを上記混合液に滴下し加え、次に反応
混合液は室温で5時間攪拌し、再度HClガスを1分間導入し、反応混合液を室温
に14時間放置した。反応混合液を濾過し、濾過液を真空下蒸発し濃縮した。残
査をヘキサンでスラリー化し、濾過し、濾過体残基を真空下に乾燥し、融点74
−76℃の表題産物を得た。
d)1−[4−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−フェニル]−ブタン
−1,2−ジオン−1−[エチルオキシム]−2−オキシム
70gの1−[4−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−フェニル]−ブ
タン−1,2−ジオン−2−オキシムと21.3gの塩酸O−エチルヒドロキシルア
ミンの混合体を含む250mlのピリジン液を還流しながら1時間煮沸した。一度冷
却し、反応混合液を500mlの酢酸エチルに溶解し、有機層を水で1回、10%HCl
液で1回及び飽和塩化ナトリウム液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発
して濃縮した。粗産物をn−ヘキサンより再結晶化した。融点122−124℃の表題
産物を得た。
e)(2−{2−[4−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)
−フェニル]−2−エトキシイミノ−1−エチル−エチルイデン−アミノオキシ
メチル}−フェニル)−3−メトキシ−アクリル酸メチルエステル(化合物1.
1)
30mlのN,N−ジメチルフォルムアミド中7.0gの1−[4−(3−トリフ
ルオロメチルフェノキシ)−フェニル]−ブタン−1,2−ジオン−1−[エチ
ルオキシム]−2−オキシムを、0.83gの水素化ナトリウム(55%油)を含む
50mlのN,N−ジメチルフォルムアミドの懸濁液に滴下し加え、反応混合液を
室温で15分間攪拌した。その後2−(ブロモメチル)−α−(メトキシメチレ
ン)−フェニル酢酸メチルエステル5.25gを含む20mlのN,N−ジメチルフォ
ルムアミドを滴下し加え、反応混合液をさらに室温で1時間攪拌した。次に、混
合液を酢酸で酸性化し、真空下、蒸発して濃縮した。残査を酢酸エチルに溶解し
、この溶液を3回水で洗浄し、さらに1回飽和塩化ナトリウム液で洗浄しから硫
酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発して濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(
シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン1:3)により精製し、融点71−73℃の
表題産物を得た。
f)(2−{2−[4−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−フェニル]
−2−エトキシイミノ−1−エチル−エチルイデン−アミノオキシメチル}−フ
ェニル)−3−メチルイミノ−アクリル酸メチルエステル(化合物2.1)
25mlのN,N−ジメチルフォルムアミドに溶解された10.0gの1−[4−(
3−トリフルオロメチルフェノキシ)−フェニル]−ブタン−1,2−ジオン−
1−[エチルオキシム]−2−オキシムを、1.2gの水素化ナトリウム(55
%油)を含む50mlのN,N−ジメチルフォルムアミドの懸濁液に滴下し加え、
反応混合液を室温で15分間攪拌した。その後2−(ブロモメチル)−α−(メ
トキシメチレン)−フェニル酢酸メチルエステル7.5gを含む20mlのN,N−
ジメチルフォルムアミドを滴下し加え、反応混合液をさらに室温で1時間攪拌し
た。次に、混合液を酢酸で酸性化し、真空下、蒸発して濃縮した。残査を酢酸エ
チルに溶解し、この溶液を3回水で洗浄し、さらに1回飽和塩化ナトリウム液で
洗浄しから硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発して濃縮した。フラッシュクロマト
グラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン1:3)により精製し、融点7
3−75℃の表題産物を得た。
g)(2−{2−[4−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−フェニル]
−2−エトキシイミノ−1−エチル−エチリデン−アミノオキシメチル}−フェ
ニル)−フェニル)−3−メチルイミノ−アクリル酸メチルエアミド(化合物3
.1)
4gの(2{2−[4−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−フェニル]
−2−エトキシイミノ−1−エチル−エチリデン−アミノオキメチル}−フェニ
ル)−3−メチルイミノ−アクリル酸メチルエステルと5.1mlの8Mメチルアミ
ン液の混合体を含むエタノールを室温で16時間放置した。次に溶媒を真空下に
蒸発し乾燥した。残査をヘキサンと共に攪拌し、濾過、濾過液を真空下に乾燥し
て融点113−115℃の表題産物を得た。
実施例P2:表1ないし4掲載の他の化合物も実施例P1記載と同様の方法に
より製造できる。表中の”物理データ”には、問題の化合物の℃で表した融点が
示されている。
表1.1:一般式の化合物
表1.2:R2がエチルであり、(R6)nが4−CF3であり、置換基A−R7が
それぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合物。表1.3
:R2がエチルであり、(R6)nが3−CF3であり、置換基A−R7が
それぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合物。表1.4
:R2がエチルであり、(R6)nが2−CF3であり、置換基A−R7が
それぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合物。表1.5
:R2がエチルであり、(R6)nが4−Clであり、置換基A−R7がそ
れぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合物。表1.6
:R2がエチルであり、(R6)nが3−Clであり、置
換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合物
。表1.7
:R2がエチルであり、(R6)nが2−Clであり、置換基A−R7がそ
れぞれ表A記載の基に対応する一般式(1.1)の化合物。表1.8
:R2がエチルであり、(R6)nが4−Brであり、置換基A−R7がそ
れぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合物。表1.9
:R2がエチルであり、(R6)nが3−Brであり、置換基A−R7がそ
れぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合物。表1.10
:R2がエチルであり、(R6)nが2−Brであり、置換基A−R7が
それぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合物。表1.11
:R2がエチルであり、(R6)nが4−Fであり、置換基A−R7がそ
れぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合物。表1.12
:R2がエチルであり、(R6)nが3−Fであり、置換基A−R7がそ
れぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合物。表1.13
:R2がエチルであり、(R6)nが2−Fであり、置換基A−R7がそ
れぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合物。表1.14
:R2がエチルであり、(R6)nが4−tert−ブチルであり、置換基
A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合物。表1.15
:R2がエチルであり、(R6)nが4−O−CF3で
あり、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)
の化合物。表1.16
:R2がエチルであり、(R6)nが4−O−CH3であり、置換基A−
R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合物。表1.17
:R2がエチルであり、(R6)nが4−O−C2H5であり、置換基A
−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合物。表1.18
:R2がエチルであり、(R6)nが4−O−n−ブチルであり、置換
基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合物。表1.19
:R2がエチルであり、(R6)nが4−CH3であり、置換基A−R7
がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合物。表1.20
:R2がエチルであり、(R6)nが4−C2H5であり、置換基A−R7
がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合物。表1.21
:R2がn−プロピルであり、(R6)nが4−C3H7であり、置換基
A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合物。表1.22
:R2がn−プロピルであり、(R6)nが4−CF3であり、置換基A
−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合物。表1.23
:R2がn−プロピルであり、(R6)nが3−CF3であり、置換基A
−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合物。表1.24
:R2がn−プロピルであり、(R6)nが4−Clで
あり、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)
の化合物。表1.25
:R2がn−プロピルであり、(R6)nが4−tert−ブチルであり、
置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合
物。表1.26
:R2がn−プロピルであり、(R6)nが4−O−CF3であり、置換
基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合物。表1.27
:R2がシクロプロピルであり、(R6)nが4−CF3であり、置換基
A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合物。表1.28
:R2がシクロプロピルであり、(R6)nが3−CF3であり、置換基
A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合物。表1.29
:R2がシクロプロピルであり、(R6)nが4−Clであり、置換基
A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合物。表1.30
:R2がシクロプロピルであり、(R6)nが4−tert−ブチルであり
、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化
合物。表1.31
:R2がシクロプロピルであり、(R6)nが4−OCF3であり、置換
基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合物。表1.32
:R2がエチルであり、(R6)nが3−Cl、4−CF3であり、置換
基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.1)の化合物。表1.33
:R2がエチルであり、(R6)nが4−Cl、3−C
F3であり、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.
1)の化合物。
表2.1:下記一般式の化合物
表2.2:R1がメチルであり、R2がエチルであり、(R6)nが4−CF3であ
り、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の
化合物。表2.3
:R1がメチルであり、R2がエチルであり、(R6)nが3−CF3であ
り、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の
化合物。表2.4
:R1がメチルであり、R2がエチルであり、(R6)nが2−CF3であ
り、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の
化合物。表2.5
:R1がメチルであり、R2がエチルであり、(R6)nが4−Clであり
、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化
合物。表2.6
:R1がメチルであり、R2がエチルであり、(R6)nが3−Clであり
、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化
合物。表2.7
:R1がメチルであり、R2がエチルであり、(R6)nが2−Clであり
、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化
合物。表2.8
:R1がメチルであり、R2がエチルであり、(R6)nが4−Brであり
、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化
合物。表2.9
:R1がメチルであり、R2がエチルであり、(R6)nが3−Brであり
、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化
合物。表2.10
:R1がメチルであり、R2がエチルであり、(R6)nが2−Brであ
り、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の
化合物。表2.11
:R1がメチルであり、R2がエチルであり、(R6)nが4−Fであり
、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化
合物。表2.12
:R1がメチルであり、R2がエチルであり、(R6)nが3−Fであり
、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化
合物。表2.13
:R1がメチルであり、R2がエチルであり、(R6)nが2−Fであり
、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化
合物。表2.14
:R1がメチルであり、R2がエチルであり、(R6)nが4−tert−ブ
チルであり、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1
.2)の化合物。表2.15
:R1がメチルであり、R2がエチルであり、(R6)nが4−O−CF3
であり、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2
)の化合物。表2.16
:R1がメチルであり、R2がエチルであり、(R6)nが4−O−CH3
であり、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2
)の化合物。表2.17
:R1がメチルであり、R2がエチルであり、(R6)nが4−O−C2
H5であり、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.
2)の化合物。表2.18
:R1がメチルであり、R2がエチルであり、(R6)nが4−O−n−
ブチルであり、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(
1.2)の化合物。表2.19
:R1がメチルであり、R2がエチルであり、(R6)nが4−CH3で
あり、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)
の化合物。表2.20
:R1がメチルであり、R2がエチルであり、(R6)nが4−C2H5で
あり、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)
の化合物。表2.21
:R1がメチルであり、R2がn−プロピルであり、(R6)nが4−C3
H7であり、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1
.2)の化合物。表2.22
:R1がメチルであり、R2がn−プロピルであり、(R6)nが4−C
F3であり、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.
2)の化合物。表2.23
:R1がメチルであり、R2がn−プロピルであり、(R6)nが3−C
F3であり、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.
2)の化合物。表2.24
:R2がn−プロピルであり、(R6)nが4−Clであり、置換基A
−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表2.25
:R1がメチルであり、R2がn−プロピルであり、(R6)nが4−te
rt−ブチルであり、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般
式(1.2)の化合物。表2.26
:R1がメチルであり、R2がn−プロピルであり、(R6)nが4−O
−CF3であり、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(
1.2)の化合物。表2.27
:R1がメチルであり、R2がシクロプロピルであり、(R6)nが4−
CF3であり、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1
.2)の化合物。表2.28
:R1がメチルであり、R2がシクロプロピルであり、(R6)nが3−
CF3であり、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1
.2)の化合物。表2.29
:R1がメチルであり、R2がシクロプロピルであり、(R6)nが4−
Clであり、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1
.2)の化合物。表2.30
:R1がメチルであり、R2がシクロプロピルであり、(R6)nが4−
tert−ブチルであり、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一
般式(1.2)の化合物。表2.31
:R1がメチルであり、R2がシクロプロピルであり、(R6)nが4−
OCF3であり、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(
1.2)の化合物。表2.32
:R1がメチルであり、R2がエチルであり、(R6)nが3−Cl、4
−CF3であり、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(
1.2)の化合物。表2.33
:R1がメチルであり、R2がエチルであり、(R6)nが4−Cl、3
−CF3であり、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(
1.2)の化合物。
表2.1:下記一般式の化合物
表3.2:R2がエチルであり、(R6)nが4−CF3であり、置換基A−R7が
それぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表3.3
:R2がエチルであり、(R6)nが3−CF3であり、置換基A−R7が
それぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表3.4
:R2がエチルであり、(R6)nが2−CF3であり、置換基A−R7が
それぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表3.5
:R2がエチルであり、(R6)nが4−Clであり、置換基A−R7がそ
れぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表3.6
:R2がエチルであり、(R6)nが3−Clであり、置換基A−R7がそ
れぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表3.7
:R2がエチルであり、(R6)nが2−Clであり、置換基A−R7がそ
れぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表3.8
:R2がエチルであり、(R6)nが4−Brであり、置
換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物
。表3.9
:R2がエチルであり、(R6)nが3−Brであり、置換基A−R7がそ
れぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表3.10
:R2がエチルであり、(R6)nが2−Brであり、置換基A−R7が
それぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表3.11
:R2がエチルであり、(R6)nが4−Fであり、置換基A−R7がそ
れぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表3.12
:R2がエチルであり、(R6)nが3−Fであり、置換基A−R7がそ
れぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表3.13
:R2がエチルであり、(R6)nが2−Fであり、置換基A−R7がそ
れぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表3.14
:R2がエチルであり、(R6)nが4−tert−ブチルであり、置換基
A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表3.15
:R2がエチルであり、(R6)nが4−O−CF3であり、置換基A−
R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表3.16
:R2がエチルであり、(R6)nが4−O−CH3であり、置換基A−
R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表3.17
:R2がエチルであり、(R6)nが4−O−C2H5
であり、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2
)の化合物。表3.18
:R2がエチルであり、(R6)nが4−O−n−ブチルであり、置換
基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表3.19
:R2がエチルであり、(R6)nが4−CH3であり、置換基A−R7
がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表3.20
:R2がエチルであり、(R6)nが4−C2H5であり、置換基A−R7
がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表3.21
:R2がn−プロピルであり、(R6)nが4−C3H7であり、置換基
A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表3.22
:R2がn−プロピルであり、(R6)nが4−CF3であり、置換基A
−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表3.23
:R2がn−プロピルであり、(R6)nが3−CF3であり、置換基A
−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表3.24
:R2がn−プロピルであり、(R6)nが4−Clであり、置換基A
−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表3.25
:R2がn−プロピルであり、(R6)nが4−tert−ブチルであり、
置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合
物。表3.26
:R2がn−プロピルであり、(R6)nが4−O−C
F3であり、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.
2)の化合物。表3.27
:R2がシクロプロピルであり、(R6)nが4−CF3であり、置換基
A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表3.28
:R2がシクロプロピルであり、(R6)nが3−CF3であり、置換基
A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表3.29
:R2がシクロプロピルであり、(R6)nが4−Clであり、置換基
A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表3.30
:R2がシクロプロピルであり、(R6)nが4−tert−ブチルであり
、置換基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化
合物。表3.31
:R2がシクロプロピルであり、(R6)nが4−OCF3であり、置換
基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表3.32
:R2がエチルであり、(R6)nが3−Cl、4−CF3であり、置換
基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。表3.33
:R2がエチルであり、(R6)nが4−Cl、3−CF3であり、置換
基A−R7がそれぞれ表A記載のラインに対応する一般式(1.2)の化合物。
表4.1:下記一般式の化合物 生物学的実施例 A)殺微生物作用 実施例B1:トマトのフィトフトラ・インフェスタンス(Phytophora infesta ns)に対する作用 a)治療作用
3週間の栽培期間の後、トマトの“Red Genome”品種の植物体に真菌の遊走子
懸濁液をスプレーし、調湿チャンパー内、18ないし20℃で、飽和湿度下に培
養した。調湿は24時間後に中止した。植物が乾燥したら、試験化合物の湿潤粉
末型製剤を200ppmの濃度に調整した混合液をスプレーした。被覆したスプレーが
乾燥した後、植物体を再度調湿チャンパーに4日間置いた。その後典型的な葉の
斑点の数と大きさを調べ、試験化合物の効果を表す値とした。
b)予防的−全身作用
試験体化合物の湿潤粉末を60ppmの濃度で(土壌容積に対し)、3週齢の“R
ed Genome”品種のトマト植物体が植えられている土壌表面に注加した。3日間
の待機時間後、植物体の葉の下面にフィトフトラ・インフェスタンス(Phytopho
ra infestans)遊走子の懸濁液をスプレーした。それから処理した植物体を5日
間ス18ないし20℃、飽和湿度のプレーキャビネット内に置いた。その後、典
型的な葉の斑点が出現し、その数と大きさを利用して試験化合物の効果を評価し
た。
未処置のまま感染されたコントロール植物体の外寄生体を100%とした場合、
いずれの試験でも表1ないし4の化合物により外寄生
体は20%以下に減少した。特に、化合物1−1ないし1−6、2−1ないし2
−6、及び3−1ないし3−6では試験化合物濃度20ppmに於いても、外寄生
体は完全に抑制された。実施例B2:蔓科植物のプラスモパラ・ビティコラ(Plasmopara viticola)( Bert.et Curt.)(Berl.et De Toni)に対する効果 a)残存−保護作用
“Chasselas”品種の切断した蔓を温室内で栽培し、10枚葉ステージで葉下
面にプラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)の胞子懸濁液を用い感染
させた。調湿チャンバー内に24時間置いた後、植物体に200ppm,60ppmおよ
び20ppmの濃度の活性成分を含む混合液をスプレーした。さらに7日間、調湿
チャンバー内に植物体を置いた。その後、コントロール植物体には病気の兆候が
現れた。処置した植物体の感染部位の数及び大きさを試験化合物の効果を評価す
る値とした。
コントロール植物体と比較すると、表1ないし4の化合物で処置された植物体
の感染率は20%以下であった。特に化合物1−1ないし1−6、2−1ないし
2−6、及び3−1ないし3−6では試験化合物濃度20ppmに於いても治療効
果を有していた。
実施例B3:小麦のプシニア・グラミニス(Puccinia graminis)に対する作 用 a)残存−保護作用
播種6日後、小麦植物体に水性スプレー混合液(0.02%活性成分)が滴るまで
スプレーし、24時間後に真菌の真胞子懸濁液で感染させた。48時間の培養後
(条件:95ないし100%相対湿度、20℃)、植物体を22℃の温室に置いた
。感染後12日に錆色の胞子層の発生を調べた。b)全身作用
播種5日後に小麦植物体に水性スプレー混合液(0.06%活性成分、土壌容積に
対し)を与えた。スプレー混合液が土壌上部の植物体部分に接触しない様に注意
した。48時間後、処置した植物を真菌の真胞子懸濁液に感染させた。48時間
の培養後(条件:95ないし100%相対湿度、20℃)、植物体を22℃の温室
に置いた。感染後12日に錆色の胞子層の発生を調べた。
表1ないし4の化合物は真菌の外寄生体を明瞭に低下させ、ある場合には10
%ないし0%に低下した。特に化合物1−1ないし1−6、2−1ないし2−6
、及び3−1ないし3−6は病気を完全に抑制した(0−5%外寄生体)。
実施例B4:大麦のエリシフェ・グラミニス(Erysiphe graminis)に対する作 用 a)残存−保護作用
高さ約8cmの大麦の植物体に水性スプレー混合液(0.02%活性成分)を滴る
までスプレーし、3ないし4日後に真菌の分生子を振りかけた。感染した植物体
を22℃の温室に置いた。真菌外寄生を感染後10日に調べた。
b)全身作用
高さ約8cmの大麦の植物体に水性スプレー混合液(0.06%活性成分、土壌容
積に対し)を与えた。スプレー混合液が土壌上部の植物体部分に接触しない様に
注意した。48時間後、処置した植物を真菌の分生子懸濁液で感染した。48時
間の培養後(条件:95ないし100%相対湿度、20℃)、植物体を22℃の温
室に置いた。感染10日後に真菌の外寄生を調べた。
表1ないし4の化合物は病気を伴う外寄生を20%以下に抑制し、ある場合に
は完全に抑制した。実施例B5:小麦のセプトリア・ノドルム(Septoria nodorum)に対する作用
3葉期に小麦植物体に試験化合物の湿潤粉末処方体より調製したスプレー混合
液(60ppm a.i.)02%活性成分)をスプレーした。24時間後に真菌の
分生子で処置植物体を感染した。その後、植物体を2日間、相対湿度90−100
%に置き、さらに10日間、20−24℃の温室に置いた。感染13日後に真菌
外寄生をを調べた。外寄生を示した小麦植物体は1%以下であった。
B.殺虫作用 実施例B6:アプシ・クラシボラ(Aphis craccivora)に対する作用
エンドウ豆の芽にアプシ・クラシボラ(Aphis craccivora)を感染させ、続い
て試験化合物100ppmを含むスプレー混合液をスプレーし、20℃で反応させた。
3ないし6日後に、未処置の植物体と処置した植物体における死亡したアリマキ
の数を比較し、集団の減少%(%活性)を調べた。
本試験では、表1ないし4の化合物は一般に良好な活性を有していた。特に化
合物1−1ないし1−6、2−1ないし2−6、及び3−1ないし3−6は、本
試験で80%以上の活性を有していた。
実施例B7:ディアブロチカ・バルテアタ(Diabrotica balteata)に対する作 用
トウモロコシの芽に試験化合物100ppmを含むスプレー混合液をスプレーした。
スプレーの被覆が乾燥した後、トウモロコシの芽に第二期のディアブロチカ・バ
ルテアタ(Diabrotica balteata)の幼虫を10匹移植し、その後プラスチック製
容器に入れた。6日後に処置した植物体と未処置の植物体での死亡した幼虫の数
を比較し、集団の減少%(%活性)を調べた。
本試験では、表1ないし4の化合物は一般に良好な活性を有していた。特に化
合物1−1ないし1−6、2−1ないし2−6、及び3−1ないし3−6は、本
試験で80%以上の活性を有していた。
実施例B8:ヘリオチス・ビレッセンス(Heliothis virescens)に対する作 用
若いダイズの植物体に試験化合物100ppmを含む水性乳剤スプレー混合液をスプ
レーした。スプレーの被覆が乾燥した後、植物体に10匹の第一期のヘリオチス
・ビレッセンス(Heliothis virescens)の毛虫を移植し、プラスチック製容器
に入れた。6日後に処置した植物体と未処置の植物体での死亡した毛虫の数と摂
食による損傷を比較し、集団の減少%(%活性)を調べた。
本試験では、表1ないし4の大部分の化合物は一般に良好な活性を有していた
。特に化合物1−1ないし1−6、2−1ないし2−6、及び3−1ないし3−
6は、本試験で80%以上の活性を有していた。
実施例B9:スポドプテラ・リトラリス(Spodoptera littoralis)に対する作 用
若いダイズの植物体に試験化合物100ppmを含む水性乳剤スプレー混合液をスプ
レーした。スプレーの被覆が乾燥した後、植物体に10匹の第3期のスポドフテ
ラ・リトラリス(Spodoptera littoralis)の毛虫を移植し、プラスチック製容器
に入れた。6日後に処置した植物体と未処置の植物体での死亡した毛虫の数と摂
食による損傷を比較し、集団の減少%(%活性)を調べた。
本試験では、表1ないし4の化合物は一般に良好な活性を有していた。特に化
合物1−1ないし1−6、2−1ないし2−6、及び3−1ないし3−6は、本
試験で80%以上の活性を有していた。
C.抗ダニ作用 実施例B10:テトラニクス・ウルチカ(Tetranychus urticae)に対する作 用
若いダイズの植物体にテトラニクス・ウルチカ(Tetranychus urticae)の混合
集団を移植し、1日後に試験化合物100ppmを含む水性乳剤スプレー混合液をスプ
レーした。植物体を6日間、25℃で反応させてから評価した。処置した植物体
と未処置の植物体における死亡卵、幼虫、および成虫の数を比較し、集団の減少
%(%活性)を調べた。
本試験では、表1ないし4の化合物は一般に良好な活性を有していた。特に化
合物1−1ないし1−6、2−1ないし2−6、及び3−1ないし3−6は、本
試験で80%以上の活性を有していた。
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