JP2001526028A - C型肝炎ウイルスns5b末端切断タンパク質およびその抗ウイルス化合物同定方法 - Google Patents

C型肝炎ウイルスns5b末端切断タンパク質およびその抗ウイルス化合物同定方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明はHCV NS5BポリペプチドおよびHCV NS5BポリペプチドをコードするDNA(RNA)ならびに組換え技術によりかかるポリペプチドを製造する方法を提供する。また、HCV NS5Bポリペプチドを用いて抗ウイルス化合物をスクリーニングする方法も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 関連出願の相互参照 本出願は、先の米国仮出願の出願番号60/069,208(1997年11月11日出願)
の利益を主張するもので、その内容を出典明示により本明細書に組み入れる。
【0002】 技術分野 本発明は、新たに同定されたポリヌクレオチドおよびポリペプチド、ならびに
それらの製造および使用、ならびにそれらの変種、アゴニストおよびアンタゴニ
スト、ならびにそれらの使用に関する。特に、これらおよびその他の点について
は、本発明は、フラビビリダエ(Flaviviridae)科のウイルスの新規ポリヌクレ
オチドおよびポリペプチド、特にC型肝炎(Hepatitis C)ウイルス(HCV) NS5Bタンパク質の新規末端切断体(truncate)、ならびにその他の本明細書
に開示した変種(すべて、以下、「HCV NS5B」という)に関する。
【0003】 背景技術 C型肝炎ウイルス(HCV)は、分子クローニングによって1989年に最初
に同定され(Chooら、Science 244:359-362 (1989))、現在では、輸血後非A非
B型肝炎(NANBH)の最も一般的な病原体であるとして広く認められている
(Kuoら、Science 244:362-364 (1989))。HCV感染は一般社会で0.3〜2 .2%の範囲にある血清有病率で世界中に広がっているヒト肝臓病の主原因であ
り(van der Poelら、HEPATITIS C VIRUS; Amsterdam:Karger; 137〜163頁 (19
94))、エジプトでは約10〜20%と高い(Hibbsら、J. Infect. Dis. 168: 7
89-790 (1993))。当該ウイルスは最も一般的には血液を介して伝染するが、感 染個体の大部分についてその感染方法は未知のままである(Alter,M.J., Infect
. Agents Dis. 2: 155-166 (1993))。HCV感染の50%以上が、ウイルス血 症に付随し、一般に高い血清アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)レベ
ルに伴う急性肝炎へ進行する(Alter, H. J., CURRENT PROSPECTIVES IN HEPATO
LOGY; New York:Plenum; 83〜97頁 (1989))。その急性疾病の半分以上が慢性感
染へ進行し、約20%が硬変症を起こす(Alter, H. J.、前掲)。さらに、HC
Vの慢性感染は、特に硬変症患者における肝細胞癌(HCC)の発病に、疫学的
に関連している(Blumら、Hepatology 19: 251-258 (1994))。
【0004】 最初の同定から、HCVの多くの単離体が配列決定され、高い遺伝的多様性を
示し、当該ウイルスの多様な遺伝子型への下位分類を導いた。例えば、Bukhら、
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:8234-8238 (1993);Bukhら、Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA 91: 8239-8243(1994);Dusheikoら、Hepatology 19: 13-18(19
94)参照。その遺伝子構造および配列同一性から、当該ウイルスは、他の2つの
属、フラビウイルス(黄熱病ウイルスおよびデング熱ウイルス1〜4型のごとき
)およびペスチウイルス(ウシウイルス性下痢ウイルスのごとき)と共にフラビ
ビリダエ科の新しい属に帰属させた。例えば、Chooら、前掲;Millerら、Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 87: 2057-2061 (1990)参照。フラビビリダエ科のその他 のメンバーと同様に、HCVは正方向の一本鎖RNAを含有する、エンベロープ
を有するウイルスである。HCVゲノムは約9.6キロ塩基(kb)であり、内
部リボゾームエントリー部位(IRES)として機能する約340塩基の、長い
、高度に保存された、非キャップ5’非翻訳領域(NTR)を有する(Wangら、
Curr. Topics Microbiol. Immunol. 203: 99-112 (1995))。当該エレメントの 後に、ウイルスの構造タンパク質および非構造タンパク質の両方を含む約300
0アミノ酸のポリペプチドをコードする単一の長鎖オープンリーディングフレー
ム(ORF)をコードする領域が続いている。この大きなポリペプチドは、その
後、宿主およびウイルスのコードするタンパク質分解酵素の組み合わせにより、
プロセッシングを受け、個々の構造タンパク質および非構造タンパク質になる(
Riceの報文, VIROLOGY; Raven Press:New York、第2版; 931-960頁 (1996))。
表1は、HCVのウイルスタンパク質の図表である。ポリタンパク質前駆体にお
ける各々の順序で、アミノ末端からカルボキシ末端へ、コア−E1−E2−p7
−NS2−NS3−NS4A−NS4B−NS5A−NS5Bである。
【0005】
【表1】
【0006】 フラビビリダエ科のウイルスタンパク質、特にHCV NS5Bの生物学的活性の阻害
は、これらのウイルス有機体の感染によって引き起こされる疾病の、調節、抑制
および緩和において有用である可能性がある。明らかに、抗ウイルス活性に関し
て化合物をスクリーニングするのに有用であるという目下の利益を有する本発明
の新規化合物のごとき因子に対する必要性がある。かかる因子は、感染、機能不
全および疾病の病因におけるそれらの役割を調べるのにも有用である。感染、機
能不全または疾病の予防、改善または修正において役割を果たしうるかかる因子
ならびにそのアンタゴニストおよびアゴニストの同定および性質決定に対する必
要性もある。
【0007】 HCV NS5Bタンパク質の必須領域を同定する試みにおいて、Lohmannら(J. Viro
l. 8416-8428 (1997))は、完全長HCV NS5Bタンパク質アミノ末端およびカルボ キシ末端の両方の末端切断を行った。Lohmannらは、1個の既知のジェンバンク (GenBank)配列を除く、HCV NS5Bタンパク質の様々な配列断片を検討したが、 参考文献はこれらの断片のcDNAもアミノ酸配列も明確に開示していない。
【0008】 明らかに、フラビビリダエ科のウイルス、特にHCVの感染の治癒、治療およ
び予防に有用な抗ウイルス化合物を発見する必要性がある。HCV NS5Bタンパク質
は発現し難いので、薬剤探索スクリーニングでの使用には完全長HCV NS5Bタンパ
ク質より可溶性のタンパク質の形態の発見が重要である。本発明は抗ウイルス分
野でのかかる要求に答えるものであると考える。
【0009】 発明の概略 本発明の目的は、表2[配列番号:2]に示すアミノ酸配列と表4に示すよう
な他の既知のHCVアミノ酸配列との間の同一性により、新規HCV NS5Bポリペプ
チドであると同定されたポリペプチドを提供することである。
【0010】 本発明のさらなる目的は、これらの新規HCV NS5Bポリペプチドをコードするポ
リヌクレオチド、詳細には本明細書でHCV NS5Bと命名されたポリペプチドをコー
ドするポリヌクレオチドを提供することである。
【0011】 本発明の特に好ましい具体例において、表3[配列番号:3]に示す、および
例えばその1以上の変種を包含するHCV NS5Bポリペプチドをコードする領域を含
むポリヌクレオチドを提供する。
【0012】 本発明の別の特に好ましい具体例においては、表3[配列番号:4]に示すア
ミノ酸配列、またはその1以上の変種を含んでなるHCV NS5Bタンパク質の新規末
端切断(truncation)変異体がある。
【0013】 本発明のさらなる態様においては、mRNA、cDNA、ゲノムDNAを包含
する、HCV NS5Bをコードする単離核酸分子を提供する。本発明のさらなる具体例
は、生物学的、診断学的、予防的、臨床的または治療的に有用なその変種および
それを含んでなる組成物を包含する。
【0014】 本発明の別の態様によれば、治療または予防を目的とした、特に遺伝学的免疫
を目的とした本発明のポリヌクレオチドの使用が提供される。本発明の特に好ま
しい具体例には、天然に存在するHCV NS5Bポリペプチドの対立形質変種がある。
【0015】 本発明の別の態様は、HCV NS5Bの新規ポリペプチドおよび、生物学的、診断学
的、予防的、診療的または治療的に有用なその変種ならびにそれらを含んでなる
組成物を提供する。
【0016】 本発明の特に好ましい具体例には、天然に存在するHCV NS5B遺伝子の対立遺伝
子によってコードされる、HCV NS5Bポリペプチドの変種がある。
【0017】 本発明の好ましい具体例では、上記のHCV NS5Bポリペプチドの製造方法が提供
される。
【0018】 本発明のさらに別の態様によれば、抗ウイルス剤として有用な、例えば抗体を
包含する、かかるポリペプチドの阻害剤が提供される。
【0019】 本発明の特定の好ましい具体例によれば、HCV NS5B発現の評価、疾病の治療(
例えば、当該科に関連するウイルス、詳細にはHCV;黄熱病ウイルスのごとき
フラビウイルス;デング熱ウイルス1〜4型;ならびにウシウイルス性下痢ウイ
ルスおよび典型的なブタコレラのごときペスチウイルスなど)、遺伝的変異のア
ッセイ、ならびに、フラビビリダエ科のウイルス、特にHCV NS5Bに対する免疫学
的応答を生じさせるためのHCV NS5Bポリペプチドまたはポリヌクレオチドの生物
への投与、のための製品、組成物および方法が提供される。
【0020】 本発明のこの態様および別の態様の特定の好ましい具体例によれば、特に、厳
密な条件下でHCV NS5Bポリヌクレオチド配列にハイブリダイズするポリヌクレオ
チドが提供される。
【0021】 本発明の特定の好ましい具体例において、HCV NS5Bポリペプチドに対する抗体
が提供される。
【0022】 本発明の別の具体例において、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチド
と結合しまたは相互作用して、それらの活性を阻害または活性化する化合物を同
定する方法であって、:化合物と該化合物への結合またはその他の相互作用を評
価すべきポリペプチドまたはポリヌクレオチドとの間の結合またはその他の相互
作用を可能にする条件下における、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチ
ドとスクリーニングすべき該化合物との接触(かかる結合または相互作用は、ポ
リペプチドまたはポリヌクレオチドと化合物との結合または相互作用に応答して
検出可能なシグナルを提供できる第2の化合物に関連している):および、該化
合物と該リペプチドまたはポリヌクレオチドとの結合または相互作用によって生
じるシグナルの存在または非存在の検出による、該化合物が本発明のポリペプチ
ドまたはポリヌクレオチドと結合しまたは相互作用して、それらの活性を活性化
または阻害するかどうかの測定、を含む方法が提供される。
【0023】 本発明のさらに別の態様によれば、HCV NS5Bアゴニストおよびアンタゴニスト
、好ましくはウイルス抑止性アゴニストおよびアンタゴニストが提供される。
【0024】 本発明のさらなる態様において、細胞または多細胞生物への投与用のHCV NS5B
ポリヌクレオチドまたはポリペプチドを含んでなる組成物が提供される。
【0025】 開示した発明の精神や範囲内での様々な変更や修飾は、以下の説明や本明細書
の他の部分を読むことにより当業者にとっては容易に明らかになるであろう。
【0026】 用語 以下の説明は、本明細書で汎用する特定の用語の理解を用意にするために示す
ものである。
【0027】 「宿主細胞」は、外来性ポリヌクレオチド配列により形質転換、形質移入もし
くは感染された、または形質転換、形質移入もしくは感染が可能な細胞である。
【0028】 当業者に既知のように、「同一性」は、配列を比較して決定されるような、2
以上のポリペプチド配列間または2以上のポリヌクレオチド配列間の関係である
。当該分野において、「同一性」とはまた、場合によっては、かかる配列の鎖間
の合致により決定されるような、ポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列間の
配列関連性の程度をも意味する。「同一性」および「類似性」は下記のものを含
む既知の方法(これらに限らない)により容易に算出できる(COMPUTATIONAL MO
LECULAR BIOLOGY,Lesk, A.M.編、オックスフォード・ユニバーシティー・プレ ス、ニューヨーク、1988年;BIOCOMPUTING:INFORMATICS AND GENOME PROJECTS ,Smith, D.W.編、アカデミック・プレス、ニューヨーク、1993年;COMPUTER AN
ALYSIS OF SEQUENCE DATA,パートI,Griffin, A.M.およびGriffin, H.G.編、 ヒューマナ・プレス、ニュージャージー、1994年;Sequence Analysis in Molec
ular Biology, von Heinje, G.、アカデミック・プレス、1987年;およびSequen
ce Analysis Primer, Gribskov, M.およびDevereux, J.編、Mストックストン・
プレス、ニューヨーク、1991年;ならびに、Carillo, H.,およびLipman, D., SI
AM J. Applied Math., 48: 1073 (1988))。同一性を決定するために好ましい 方法は試験する2つの配列の間で最大の一致をあたえるように設計される。同一
性および類似性を決定する方法は公に利用できるコンピュータープログラムに集
成されている。2つの配列間の同一性および類似性を決定するために好ましいコ
ンピュータープログラムは、これらに限定されるものではないが、GCGプログ
ラムパッケージ(Devereux,J.ら、Nucleic Acids Research 12(1):387 (1984)、
BLASTP、BLASTNおよびFASTA(Atschul,S.F.ら、J.Molec.Biol.215:403-410 (199
0))を含む。BLAST XプログラムはNCBIおよび他のソースから公に利用できる(BL
AST Manual, Altschul, S.ら、NCBI NLM NIH Bethesda, MD 20894;Altschulら 、J. Mol. Biol. 215: 403-410 (1990))。
【0029】 一例として、配列番号:3の対照ヌクレオチドに対して少なくとも、例えば9
5%「同一性」を有するヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドであれば、
そのポリヌクレオチド配列が配列番号:3の対照ヌクレオチド配列のヌクレオチ
ド100個ごとに5個までのヌクレオチドの点突然変異を含みうることを除き、
そのポリヌクレオチドのヌクレオチド配列は対照配列と同一であることを意味す
る。言い換えると、対照ヌクレオチド配列に対して少なくとも95%同一である
ヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを得るためには、対照配列中の5%
までのヌクレオチドが、欠失または別のヌクレオチドと置換していてよく、また
は対照配列中の全ヌクレオチドの5%までの数のヌクレオチドのが対照配列中に
挿入されていてよい。対照配列のこれらの変異は対照ヌクレオチド配列の5’も
しくは3’末端位置またはそれらの末端位置の間の任意の位置で生じてもよく、
対照配列のヌクレオチドに個々が散在していてもよく、または対照配列内の1以
上の隣接する群となっていてもよい。同様に、配列番号:4の対照アミノ酸に対
して少なくとも、例えば95%同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチ
ドであれば、そのポリペプチド配列が配列番号:4の対照アミノ酸のアミノ酸1
00個ごとに5個までのアミノ酸の変化を含みうることを除き、そのポリペプチ
ドが対照配列と同一であることを意味する。言い換えると、対照アミノ酸配列に
対して少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを得るた
めには、対照配列中の5%までのアミノ酸残基が、欠失または別のアミノ酸と置
換していてよく、または対照配列中の全アミノ酸残基の5%までの数のアミノ酸
が対照配列中に挿入されていてよい。対照配列のこれらの変化は対照アミノ酸配
列のアミノ末端もしくはカルボキシ末端位置またはそれらの末端位置の間の任意
の位置で生じてもよく、対照配列の残基に個々が散在していてもよく、または対
照配列内の1以上の隣接する群となっていてもよい。
【0030】 「単離」とは「人間の手によって」その天然の状態から変化させられた、すな
わち、それが天然に存在する場合、その本来の環境から変化または移動させられ
たか、その両方が行われたことを意味する。例えば、天然に生体内に存在するポ
リヌクレオチドやポリペプチドは「単離」されたものではないが、その本来の状
態で共存する物質から分離された、同じポリヌクレオチドやポリペプチドは、本
明細書で用いる用語としての「単離」がなされている。
【0031】 「ポリヌクレオチド(複数でも可)」は、一般に、修飾されてないRNAもし
くはDNAまたは修飾されているRNAもしくはDNAであってよい、あらゆる
ポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドをいう。したがって
、「ポリヌクレオチド」は、例えば、一本鎖および二本鎖のDNA、一本鎖およ
び二本鎖領域の混合物もしくは一本鎖、二本鎖および三本鎖領域の混合物である
DNA、一本鎖および二本鎖のRNA、および一本鎖および二本鎖領域の混合物
であるRNA、一本鎖もしくはより典型的には二本鎖もしくは三本鎖領域、また
は一本鎖および二本鎖領域の混合物であってよいDNAおよびRNAを含んでな
るハイブリッド分子を包含するがこれらに限らない。さらに、本明細書で使用す
る「ポリヌクレオチド」は、RNAもしくはDNAまたはRNAとDNAの両方
を含んでなる三本鎖領域をもいう。かかる領域の鎖は同じ分子に由来しても異な
る分子に由来してもよい。この領域は1以上の分子のすべてを含んでいてよいが
、より典型的にはいくつかの分子の一領域のみを含む。三重らせん領域の分子の
一つはオリゴヌクレオチドであることがしばしばである。本明細書で使用される
場合、「ポリヌクレオチド」なる用語は、一以上の修飾された塩基を含有する上
記のDNAもしくはRNAをも含む。したがって、安定性またはその他の理由で
修飾された骨格を有するDNAまたはRNAは、本明細書で意図するところの「
ポリヌクレオチド」である。さらに、ただ2つの例を示すに過ぎないが、イノシ
ンのように通常とは異なる塩基、またはトリチル化塩基のように修飾された塩基
を含むDNAまたはRNAも、本明細書で用いる用語のポリヌクレオチドである
。当業者に既知の多くの有用な目的を提供するDNAおよびRNAに対して非常
に様々な修飾がなされていることが理解されよう。「ポリヌクレオチド」なる用
語は、本明細書で使用される場合、このような化学的、酵素的または代謝的に修
飾された形態のポリヌクレオチド、ならびにウィルスおよび特に単一性および複
合的な細胞を含む細胞に特徴的なDNAおよびRNAの化学的形態を含む。「ポ
リヌクレオチド」は、しばしば、オリゴヌクレオチド(複数でも可)と称される
短鎖ポリヌクレオチドも包含する。
【0032】 「ポリペプチド(複数でも可)」は、ペプチド結合または修飾されたペプチド
結合によって相互に結合した2以上のアミノ酸を含むあらゆるペプチドまたはタ
ンパク質をいう。「ポリペプチド」は、一般的にペプチド、オリゴペプチドおよ
びオリゴマーと称される短鎖と、一般的にタンパク質と称されるとの両方をいう
。ポリペプチドは遺伝子によりコードされる20種のアミノ酸以外のアミノ酸を
含んでいてもよい。「ポリペプチド」は、プロセッシングおよびその他の翻訳後
修飾のような天然のプロセス、ならびに化学修飾技術により修飾されたものも包
含する。かかる修飾は、基本的な教科書およびより詳細な論文ならびに多数の研
究文献に詳しく記載されており、当業者に周知である。同じタイプの修飾が所定
のポリペプチド中にいくつかの部位で同程度または種々の程度に存在してもよい
ことが理解されよう。また、所定のポリペプチドは多くのタイプの修飾を含んで
いてもよい。修飾は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖、およびアミノまたはカルボ
キシ末端を包含する、ポリペプチドのいずれの場所にあってもよい。修飾は、例
えば、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有
結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合
、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、
架橋、環化、ジスフィルド結合の形成、脱メチル化、共有結合的な架橋の形成、
シスチン形成、ピログルタメート形成、ホルミル化、γ−カルボキシル化、グリ
コシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨード化、メチル化、ミリス
トイル化、酸化、タンパク質分解的プロセッシング、リン酸化、プレニル化、ラ
セミ化、グリコシル化、脂質結合、硫酸化、グルタミン酸残基のγ−カルボキシ
ル化、ヒドロキシル化およびADP−リボシル化、セレノイル化、硫酸化、アル
ギニル化などの転移RNA媒介のタンパク質へのアミノ酸付加、ならびにユビキ
チン結合、を包含する。例えば、PROTEINS - STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERT
IES、第2版、T. E. Creighton、W. H. フリーマン・アンド・カンパニー、ニュ
ーヨーク(1993)およびPOSTTRANSLATIONAL COVALENT MODIFICATION OF PROTEINS 、B. C. Johnson編、アカデミック・プレス、ニューヨーク(1983)のWold, F.、P
osttranslational Protein Modifications: Perspectives and Prospects,、1〜
12頁;Seifterら、Meth. Enzymol. 182:626-646 (1990)およびRattanら、Protei
n Synthesis:Posttranslational Modifications and Aging, Ann. N.Y. Acad.
Sci. 663:48-62 (1992) 参照。ポリペプチドは分枝状または分枝ありもしくは
なしの環状であってもよい。環状、分枝状、および分枝ありの環状のポリペプチ
ドは、翻訳後の天然プロセスから生じるものであってもよく、完全に合成的な方
法によって製造されるものであってもよい。
【0033】 本明細書で用いる「変種」なる用語は、各々、対照ポリヌクレオチドまたはポ
リペプチドとは異なるポリヌクレオチドまたはポリペプチドであるが、本質的な
性質は保持しているものである。典型的なポリヌクレオチドの変種は、別の、す
なわち対照ヌクレオチド配列とはヌクレオチド配列が異なる。変種のヌクレオチ
ド配列の変化は、対照ポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドのアミ
ノ酸配列を変化させるものであってよく、または変化させないものであってもよ
い。以下に論じるように、ヌクレオチドの変化の結果、対照配列によりコードさ
れるポリペプチドにおけるアミノ酸置換、付加、欠失、融合および末端切断が生
じうる。典型的なポリペプチドの変種は、別の、すなわち対照ポリペプチドとは
アミノ酸配列が異なる。一般的には、差異は、対照ポリペプチドおよび変種の配
列が全体的に非常に類似しており、多くの領域で同一のものに限られる。変種お
よび対照ポリペプチドは、1以上の置換、付加、欠失の任意の組み合わせによっ
てアミノ酸配列が異なりうる。置換または挿入されたアミノ酸残基は、遺伝暗号
によってコードされるものであってもよく、そうでなくてもよい。ポリヌクレオ
チドまたはポリペプチドの変種は、例えば対立遺伝子変種のような天然に存在す
るものでもよく、または天然に存在することが知られていない変種でもよい。天
然に存在しないポリヌクレオチドおよびポリペプチドの変種は、突然変異技術、
直接合成およびその他の当業者に既知の組換え法により製造できる。
【0034】 発明の開示 完全長HCV NS5Bヌクレオチドおよびアミノ酸配列を表2に示す[各々、配列番
号:1および配列番号:2]。
【0035】表2 HCV NS5Bのポリヌクレオチド配列[配列番号:1] TC AATGTCTTAT 11801 ACCTGGACAG GCGCACTCGT CACCCCGTGC GCTGCGGAAG AACAAAAACT 11851 GCCCATCAAC GCACTGAGCA ACTCGTTGCT ACGCCATCAC AATCTGGTAT 11901 ATTCCACCAC TTCACGCAGT GCTTGCCAAA GGCAGAAGAA AGTCACATTT 11951 GACAGACTGC AAGTTCTGGA CAGCCATTAC CAGGACGTGC TCAAGGAGGT 12001 CAAAGCAGCG GCGTCAAAAG TGAAGGCTAA CTTGCTATCC GTAGAGGAAG 12051 CTTGCAGCCT GACGCCCCCA CATTCAGCCA AATCCAAGTT TGGCTATGGG 12101 GCAAAAGACG TCCGTTGCCA TGCCAGAAAG GCCGTAGCCC ACATCAACTC 12151 CGTGTGGAAA GACCTTCTGG AAGACAGTGT AACACCAATA GACACTATCA 12201 TCATGGCCAA GAACGAGGTC TTCTGCGTTC AGCCTGAGAA GGGGGGTCGT 12251 AAGCCAGCTC GTCTCATCGT GTTCCCCGAC CTGGGCGTGC GCGTGTGCGA 12301 GAAGATGGCC CTGTACGACG TGGTTAGCAA ACTCCCCCTG GCCGTGATGG 12351 GAAGCTCCTA CGGATTCCAA TACTCACCAG GACAGCGGGT TGAATTCCTC 12401 GTGCAAGCGT GGAAGTCCAA GAAGACCCCG ATGGGGTTCC CGTATGATAC 12451 CCGCTGTTTT GACTCCACAG TCACTGAGAG CGACATCCGT ACGGAGGAGG 12501 CAATTTACCA ATGTTGTGAC CTGGACCCCC AAGCCCGCGT GGCCATCAAG 12551 TCCCTCACTG AGAGGCTTTA TGTTGGGGGC CCTCTTACCA ATTCAAGGGG 12601 GGAAAACTGC GGCTATCGCA GGTGCCGCGC GAGCGGCGTA CTGACAACTA 12651 GCTGTGGTAA CACCCTCACT TGCTACATCA AGGCCCGGGC AGCCCGTCGA 12701 GCCGCAGGGC TCCAGGACTG CACCATGCTC GTGTGTGGCG ACGACTTAGT 12751 CGTTATCTGT GAAAGTGCGG GGGTCCAGGA GGACGCGGCG AGCCTGAGAG 12801 CCTTTACGGA GGCTATGACC AGGTACTCCG CCCCCCCCGG GGACCCCCCA 12851 CAACCAGAAT ACGACTTGGA GCTTATAACA TCATGCTCCT CCAACGTGTC 12901 AGTCGCCCAC GACGGCGCTG GAAAAAGGGT CTACTACCTT ACCCGTGACC 12951 CTACAACCCC CCTCGCGAGA GCCGCGTGGG AGACAGCAAG ACACACTCCA 13001 GTCAATTCCT GGCTAGGCAA CATAATCATG TTTGCCCCCA CACTGTGGGC 13051 GAGGATGATA CTGATGACCC ATTTCTTTAG CGTCCTCATA GCCAGGGATC 13101 AGCTTGAACA GGCTCTTAAC TGTGAGATCT ACGCAGCCTG CTACTCCATA 13151 GAACCACTGG ATCTACCTCC AATCATTCAA AGACTCCATG GCCTCAGCGC 13201 ATTTTTACTC CACAGTTACT CTCCAGGTGA AGTCAATAGG GTGGCCGCAT 13251 GCCTCAGAAA ACTTGGGGTC CCGCCCTTGC GAGCTTGGAG ACACCGGGCC 13301 CGGAGCGTCC GCGCTAGGCT TCTGTCCAGG GGAGGCAGGG CTGCCATATG 13351 TGGCAAGTAC CTCTTCAACT GGGCAGTAAG AACAAAGCTC AAACTCACTC 13401 CAATAGCGGC CGCTGGCCGG CTGGACTTGT CCGGTTGGTT CACGGCTGGC 13451 TACAGCGGGG GAGACATTTA TCACAGCGTG TCTCATGCCC GGCCCCGC
【0036】 HCV NS5Bのポリペプチド配列[配列番号:2] 1 SMSYTWTGAL VTPCAAEEQK LPINALSNSL LRHHNLVYST TSRSACQRQK 51 KVTFDRLQVL DSHYQDVLKE VKAAASKVKA NLLSVEEACS LTPPHSAKSK 101 FGYGAKDVRC HARKAVAHIN SVWKDLLEDS VTPIDTTIMA KNEVFCVQPE 151 KGGRKPARLI VFPDLGVRVC EKMALYDVVS KLPLAVMGSS YGFQYSPGQR 201 VEFLVQAWKS KKTPMGFSYD TRCFDSTVTE SDIRTEEAIY QCCDLDPQAR 251 VAIKSLTERL YVGGPLTNSR GENCGYRRCR ASGVLTTSCG NTLTCYIKAR 301 AACRAAGLQD CTMLVCGDDL VVICESAGVQ EDAASLRAFT EAMTRYSAPP 351 GDPPQPEYDL ELITSCSSNV SVAHDGAGKR VYYLTRDPTT PLARAAWETA 401 RHTPVNSWLG NIIMFAPTLW ARMILMTHFF SVLIARDQLE QALNCEIYGA 451 CYSIEPLDLP PIIQRLHGLS AFSLHSYSPG EINRVAACLR KLGVPPLRAW 501 RHRARSVRAR LLSRGGRAAI CGKYLFNWAV RTKLKLTPIP AAGRLDLSGW 551 FTAGYSGGDI YHSVSHARPR WFWFCLLLLA AGVGIYLLPN R
【0037】 本発明の特に好適な具体例は、表3に示すヌクレオチドおよびアミノ酸配列[
各々、配列番号:3および配列番号:4]を有するHCV NS5B末端切断変異体に関
する。
【0038】表3 HCV NS5B末端切断変異体ポリヌクレオチド配列[配列番号:3] 1 TCAATGTCTT ATTCCTGGAC AGGCGCACTC GTCACCCCGT GCGCTGCGGA 51 AGAACAAAAA CTGCCCATCA ACGCACTGAG CAACTCGTTG CTACGCCATC 101 ACAATCTGGT GTATTCCACC ACTTCACGCA GTGCTTGCCA AAGGCAGAAG 151 AAAGTCACAT TTGACAGACT GCAAGTTCTG GACAGCCATT ACCAGGACGT 201 GCTCAAGGAG GTCAAAGCAG CGGCGTCAAA AGTGAAGGCT AACTTGCTAT 251 CCGTAGAGGA AGCTTGCAGC CTGACGCCCC CACATTCAGC CAAATCCAAG 301 TTTGGCTATG GGGCAAAAGA CGTCCGTTGC CATGCCAGAA AGGCCGTAGC 351 CCACATCAAC TCCGTGTGGA AAGACCTTCT GGAAGACAGT GTAACACCAA 401 TAGACACTAC CATCATGGCC AAGAACGAGG TTTTCTGCGT TCAGCCTGAG 451 AAGGGGGGTC GTAAGCCAGC TCGTCTCATC GTGTTCCCCG ACCTGGGCGT 501 GCGCGTGTGC GAGAAGATGG CCCTGTACGA CGTGGTTAGC AAGCTCCCCC 551 TGGCCGTGAT GGGAAGCTCC TACGGATTCC AATACTCACC AGGACAGCGG 601 GTTGAATTCC TCGTGCAAGC GTGGAAGTCC AAGAAGACCC CGATGGGGTT 651 CTCGTATGAT ACCCGCTGTT TTGACTCCAC AGTCACTGAG AGCGACATCC 701 GTACGGAGGA GGCAATTTAC CAATGTTGTG ACCTGGACCC CCAAGCCCGC 751 GTGGCCATCA AGTCCCTCAC TGAGAGGCTT TATGTTGGGG GCCCTCTTAC 801 CAATTCAAGG GGGGAAAACT GCGGCTACCG CAGGTGCCGC GCGAGCGGCG 851 TACTGACAAC TAGCTGTGGT AACACCCTCA CTTGCTACAT CAAGGCCCGG 901 GCAGCCTGTC GAGCCGCAGG GCTCCAGGAC TGCACCATGC TCGTGTGTGG 951 CGACGACTTA GTCGTTATCT GTGAAAGTGC GGGGGTCCAG GAGGACGCGG 1001 CGAGCCTGAG AGCCTTCACG GAGGCTATGA CCAGGTACTC CGCCCCCCCC 1051 GGGGACCCCC CACAACCAGA ATACGACTTG GAGCTTATAA CATCATGCTC 1101 CTCCAACGTG TCAGTCGCCC ACGACGGCGC TGGAAAGAGG GTCTACTACC 1151 TTACCCGTGA CCCTACAACC CCCCTCGCGA GAGCCGCGTG GGAGACAGCA 1201 AGACACACTC CAGTCAATTC CTGGCTAGGC AACATAATCA TGTTTGCCCC 1251 CACACTGTGG GCGAGGATGA TACTGATGAC CCATTTCTTT AGCGTCCTCA 1301 TAGCCAGGGA TCAGCTTGAA CAGGCTCTTA ACTGTGAGAT CTACGGAGCC 1351 TGCTACTCCA TAGAACCACT GGATCTACCT CCAATCATTC AAAGACTCCA 1401 TGGCCTCAGC GCATTTTCAC TCCACAGTTA CTCTCCAGGT GAAATCAATA 1451 GGGTGGCCGC ATGCCTCAGA AAACTTGGGG TCCCGCCCTT GCGAGCTTGG 1501 AGACACCGGG CCCGGAGCGT CCGCGCTAGG CTTCTGTCCA GAGGAGGCAG 1551 GGCTGCCATA TGTGGCAAGT ACCTCTTCAA CTGGGCAGTA AGAACAAAGC 1601 TCAAACTCAC TCCAATAGCG GCCGCTGGCC GGCTGGACTT GTCCGGTTGG 1651 TTCACGGCTG GCTACAGCGG GGGAGACATT TATCACAGCG TGTCTCATGC 1701 CCGGCCCCGC
【0039】 HCV NS5B末端切断体変異ポリペプチド配列[配列番号:4] 1 SMSYSWTGAL VTPCAAEEQK LPINALSNSL LRHHNLVYST TSRSACQRQK 51 LRHHNLVYST TSRSACQRQK KVTFDRLQVL DSHYQDVLKE VKAAASKVKA 101 NLLSVEEACS LTPPHSAKSK FGYGAKDVRC HARKAVAHIN SVWKDLLEDS 151 VTPIDTTIMA KNEVFCVQPE KGGRKPARLI VFPDLGVRVC EKMALYDVVS 201 KLPLAVMGSS YGFQYSPGQR VEFLVQAWKS KKTPMGFSYD TRCFDSTVTE 251 SDIRTEEAIY QCCDLDPQAR VAIKSLTERL YVGGPLTNSR GENCGYRRCR 301 ASGVLTTSCG NTLTCYIKAR AACRAAGLQD CTMLVCGDDL VVICESAGVQ 351 EDAASLRAFT EAMTRYSAPP GDPPQPEYDL ELITSCSSNV SVAHDGAGKR 401 VYYLTRDPTT PLARAAWETA RHTPVNSWLG NIIMFAPTLW ARMILMTHFF 451 SVLIARDQLE QALNCEIYGA CYSIEPLDLP PIIQRLHGLS AFSLHSYSPG 501 EINRVAACLR KLGVPPLRAW RHRARSVRAR LLSRGGRAAI CGKYLFNWAV 551 RTKLKLTPIA AAGRLDLSGW FTAGYSGGDI YHSVSHARPR
【0040】 他の正方向鎖RNAと同様に、HCVはNC5B領域内に含まれているRNA
依存RNAポリメラーゼをコードする。例えば、Behernsら、EMBO J. 15: 12-22
(1996);Hwangら、Virology 227: 439-446 (1997);Yuanら、Biochem. Biophys
. Res. Comm. 232: 231-235 (1997)参照。HCV NS5Bは、リン酸ジエステル結合形
成を触媒し、その結果、その後に子孫ビリオン内に詰められる新たなRNA分子
が生じる。他の正方向鎖RNA依存ポリメラーゼと同様に、HCV NS5Bは膜結合タ
ンパク質である(Hwangら、前掲)。組換え系、例えばバキュロウイルスまたは イー・コリ(E.Coli)における完全長NS5B領域の発現は、結果として、膜結
合、すなわち不溶性のタンパク質を生じる。例えば、Behernsら、前掲;Hwangら
、前掲;Yuanら、前掲 参照。HCV NS5Bのアミノ酸組成物全体は疎水性ではない
が、潜在的に膜アンカー領域として働きうる21−アミノ酸残基疎水性尾部があ
る。この疎水性尾部は、HCVの他の遺伝子型(表4参照)、およびペスチウイ
ルス(例えば、ウシウイルス性下痢ウイルスおよび典型的なブタコレラウイルス
)のごときフラビビリダエ科の他のメンバーでも見出されている。
【0041】表4.種々のHCV遺伝子型由来のNS5B配列のカルボキシ末端の配列 3001 3050 Hcv_2c RLLDLSSWFT VSAGGGDIYH SVSRARPRLL LLGLLLLCVG VGIFLLPAR. (配列番号:5) Hcv_J6 RLLDLSSWFT VGAGGGDIYH SVSRARPRLL LLGLLLLFVG VGLFLLPAR. (配列番号:6) Hcv_J8 SRLDLSGWFT VGAGGGDIYH SVSHARPRLL LLCLLLLSVG VGIFLLPAR. (配列番号:7) Hcv_H GRLDLSGWFT AGYSGGDIYH SVSHARPRWF WFCLLLLAAG VGIYLLPNR. (配列番号:8) Hcv_Rice GRLDLSGWFT AGYSGGDIYH SVSHARPRWF WFCLLLLAAG VGIYLLPNR. (配列番号:9) Hcv_1 GQLDLSGWFT AGYSGGDIYH SVSHARPRWI WFCLLLLAAG VGIYLLPNR. (配列番号:10) Hcv_J1 GRLDLSGWFT AGYSGGDIYH SVSHARPRWF WFCLLLLAAG VGIYLLPNR. (配列番号:11) Hcv_K1r3 SQLDLSSWFV AGYSGGDIYH SLSRARPRWF MWCLLLLSVG VGIYLLPNR. (配列番号:12) Hcv_K1s3 SQLDLSSWFV AGYSGGDIYH SLSRARPRWF MWCLLLLSVG VGIYLLPNR. (配列番号:13) Hcv_K1r1 SQLDLSNWFV AGYSGGDVYH SLSRARPRWF MLCLLLLSVG VGIYLLPNR. (配列番号:14) Hcv_K1s1 SQLDLSNWFV AGYSGGDVYH SLSRARPRWF MLCLLLLSVG VGIYLLPNR. (配列番号:15) Hcv_T SQLDLSKWFV AGYGGGDIYH SLSRARPRWF MLCLLLLSVG VGIYLLPNR* (配列番号:16) Hcv_Bk SRLDLSGWFV AGYSGGDIYH SLSRARPRWF MLCLLLLSVG VGIYLLPNR* (配列番号:17) Hcv_Hb SRLDLSGWFV AGYSGGDIYH SLSRARPRWF MLCLLLLSVG VGIYLLPNR. (配列番号:18) Hcv_J483 SQLDLSGWFV AGYSGGDIYH SLSRARPRWF LLCLLLLSVG VGIYLLPNR. (配列番号:19) Hcv_J491 SQLDLSGWFV AGYSGGDIYH SLSRARPRWF PLCLLLLFVG VGIYLLPNR* (配列番号:20) Hcv_J SQLDLSGWFV AGYNGGDIYH SLSRARPRWF MLCLLLLSVG VGIYLLPNR* (配列番号:21) Hcv_C2 SRLDLSGWFV AGYGGGDIYH SLSRARPRWF MLCLLLLSVG VGIYLLPNR* (配列番号:22) Hcv_K1r2 SQLDLSGWFV AGYSGGDIYH SVSRARPRWF MWCLLLLSVG VGIYLLPNR. (配列番号:23) Hcv_K1s2 SQLDLSGWFV AGYSGGDIYH SVSRARPRWF MWCLLLLSVG VGIYLLPNR. (配列番号:24) Hcv_Jt SQLDLSSWFV AGYSGGDIYH SLSRARPRWF MWCLLLLSVG VGIYLLPNR. (配列番号:25) Hcv_Pp SQLDLSGWFV AGYSGGDIYH SLSRARPRWF MWCLLLLSVG VGIYLLPNR. (配列番号:26) Hcv_Jk1 SQLDLSGWFV AGYSGGDIYH SLSRARPRWF MWCLLLLSVG VGIYLLPNR* (配列番号:27) Hcv_L1 SRLDLSGWFV AGYSGGDIYH SLSRARPRWF MLCLLLLSVG VGIYLLPNR* (配列番号:28) Hcv_L2 SRLDLSSWFV AGYSGGDIYH SVSHARPRWF MLCLLLLSVG VGIYLLPNR* (配列番号:29) Hcv_N SQLDLSGWFV AGYSGGDIYH SLSRARPRWF MLCLLLLSVG VGIYLLPNR* (配列番号:30) Hcv_3a GQLDLSSWFT VGVGGNDIYH SVSRARTRYL LLCLLLLTVG VGIFLLPAR. (配列番号:31) Hcv_3b GQLDLSSWFT VGVGGNDIYH SVSRARTRHL LLCLLLLTVG VGIFLLPAR. (配列番号:32) BVDV(NADL)LQGKHYEQLQ LRTETNPVMG VGTERYKLGP IVNLLLRRLK ILLMTAVGVSS (配列番号:33) CSFV GRHYEEL VLARKQFNNF QGTDRYNLGP IVNMVLRRLR VMMMTLIGRGV (配列番号:34)
【0042】 HCV NS5Bの当該疎水性尾部の欠失により、タンパク質が細胞の可溶性部位へ放
出され、NS5B酵素活性の阻害剤のスクリーニング用の可溶性タンパク質の、
より高率の回収が可能になる。さらに、この方法で製造された可溶性タンパク質
は、X線結晶学またはその他の当業者に周知の方法によるタンパク質構造決定が
可能である。この情報を、阻害剤を発見するため、または阻害剤の開発を導くた
めに用いることができる。これらのNS5B阻害剤は抗ウイルス活性を有する可
能性があり、したがって、フラビビリダエ科のウイルス、特に、HCV;黄熱病
ウイルスのごときフラビウイルス;デング熱ウイルス1〜4型;ならびにウシウ
イルス性下痢ウイルスおよび典型的なブタコレラのごときペスチウイルスなどの
治療用の治療薬として用いられうる。
【0043】 ポリペプチド 本発明のポリペプチドは表3[配列番号:4]のポリペプチド(詳細には成熟
ポリペプチド)ならびにポリペプチドおよび断片、詳細にはHCV NS5Bの生物学的
活性を有するもの、および表3[配列番号:4]のポリペプチドまたはその関連
部位に対して少なくとも70%、好ましくは表3[配列番号:4]のポリペプチ
ドに対して少なくとも80%の同一性、より好ましくは表3[配列番号:4]の
ポリペプチドに対して少なくとも90%の類似性(より好ましくは少なくとも9
0%の同一性)、さらにより好ましくは表3[配列番号:4]のポリペプチドに
対して少なくとも95%の類似性(さらにより好ましくは少なくとも95%の同
一性)を有するものを包含し、さらにかかるポリペプチドの部分、ならびに、通
常には少なくとも30個、より好ましくは少なくとも50個のアミノ酸を含有す
るポリペプチドのかかる部分をも包含する。
【0044】 断片は、上記のポリペプチドのアミノ酸配列の全部ではない一部と完全に同一
であるアミノ酸配列を有する変種ポリペプチドである。HCV NS5Bポリペプチドに
ついては、断片は「独立して存在(free-standing)」しているか、またはそれ らが一部分もしくは領域を形成しているより大きなポリペプチドに含まれている
か、最も好ましくは単一の連続した領域、すなわち、より大きな単一ポリペプチ
ドとして存在する。
【0045】 好ましい断片は、例えば表3[配列番号:4]のアミノ酸配列の変種、例えば
、そのアミノ末端を包含する連続した一連の残基、またはカルボキシ末端を包含
する連続した一連の残基など、を包含する。宿主細胞における本発明のポリペプ
チドの分解形態も好ましい。さらに好ましいのは、αへリックスおよびαへリッ
クス形成領域、βシートおよびβシート形成領域、ターンおよびターン形成領域
、コイルおよびコイル形成領域、親水性領域、疎水性領域、α両親媒性領域、β
両親媒性領域、可動性領域、表面形成領域、基質結合領域、および高度抗原性指
標領域を含む断片のごとき、構造的または機能的特性によって特徴付けられる断
片である。
【0046】 類似の活性もしくは改良された活性を有しまたは望ましくない活性が減少して
いるものを包含する、HCV NS5B活性を媒介する生物学的に活性な断片もまた好ま
しい。動物、特にヒトにおいて抗原性または免疫原性の断片もまた包含される。
個体、特にヒトにおける、HCVの生存に必須の機能、または、疾病を開始し、
維持し、もしくは引き起こす能力に必須の機能を付与する酵素のレセプターまた
はドメインを含む断片が特に好ましい。
【0047】 本発明のポリペプチドの断片である変種を、ペプチド合成による対応完全長ポ
リペプチドの製造に使用することができ、したがって、これらの変種を、本発明
の完全長ポリペプチド製造用の中間体として使用することができる。
【0048】 ポリヌクレオチド 本発明の別の態様は、表3の推定アミノ酸配列[配列番号:3]を有するHCV
NS5Bポリペプチドおよびこれに密接に関連するポリペプチドならびにそれらの変
種をコードする、完全長遺伝子を包含する単離ポリヌクレオチドに関する。
【0049】 本明細書で提供する情報を利用し、例えば、HCV NS5B細胞を出発物質として用
いて細菌から染色体DNA断片をクローニングおよび配列決定するような標準的
なクローニングおよび配列決定方法とその後に完全長クローンを得る方法を用い
て、表3[配列番号:3]に示すHCV NS5Bポリペプチドをコードする本発明のポ
リヌクレオチドを得ることができる。例えば、表3[配列番号:4]に示すポリ
ペプチド配列をコードする本発明のポリヌクレオチド配列を得るために、典型的
には、イー・コリ(E.coli)またはいくつかの他の適切な宿主のHCV NS5B染色体
DNAのクローンのライブラリーを、好ましくは17量体またはそれ以上の、部
分配列由来の放射性標識化オリゴヌクレオチドを用いて探索する。ついで、プロ
ーブのDNAと同一のDNAを担持するクローンを厳密な条件を用いて区別でき
る。元の配列からデザインした配列決定プライマーを用いてこのように同定した
個々のクローンの配列決定により、両方向の配列を延長し、完全な遺伝子配列を
決定することができる。便宜的には、プラスミドクローンから調製した変成二本
鎖DNAを用いてかかる配列決定を実施する。適切な技術は、Maniatis, T., Fr
itsch, E.F.およびSambrookら、MOLECULAR CLONING, A LABORATORY MANUAL、第 2版;コールド・スプリング・ハーバー・プレス、コールド・スプリング・ハー
バー、ニューヨーク(1989)に記載されている。(特に、Screening By Hybridiza
tion 1.90およびSequencing Denatured Double-Stranded DNA Templates 13.70 参照)。本発明の実例として、表3[配列番号:4]に示すポリペプチドをコー
ドするポリヌクレオチドがHCV NS5B由来のDNAライブラリー中に見出された。
【0050】 HCV NS5BのDNA配列は、表2[配列番号:2]に示すアミノ酸残基数とほぼ
同数のアミノ酸残基と本分野で周知のアミノ酸残基分子量値を用いて計算できる
推定分子量とを有するタンパク質をコードするオープン・リーディング・フレー
ムを含む。配列番号:1のポリヌクレオチドは、配列番号:2のポリペプチドを
コードする。
【0051】 本発明は、表3[配列番号:3]の配列をコードする配列に対して全長にわた
って同一のポリヌクレオチド配列を提供する。本発明により、成熟ポリペプチド
のコード配列またはその断片が提供され、ならびに、それのみで、その他のコー
ド配列(例えばリーダーもしくは分泌配列、プレ−、プロ−もしくはプレプロ−
タンパク質配列をコードするコード配列)を有する読み取り枠中の成熟ポリペプ
チドのコード配列またはその断片も提供される。ポリヌクレオチドは、以下に限
定されるものではないが、例えば、転写された非翻訳配列のごとき非コード5’
および3’配列、終止シグナル、リボゾーム結合部位、mRNAを安定化する配
列、イントロン、ポリアデニル化シグナル、ならびに付加アミノ酸をコードする
付加コード配列のごとき非コード配列を包含しうる。例えば、融合ポリペプチド
の精製を容易にするマーカー配列がコードされていてもよい。本発明の特定の具
体例においては、当該マーカー配列は、pQEベクター(Qiagen, Inc.)中に提
供され、Gentzら、Proc. Natl. Acad. Sci., USA 86: 821-824 (1989)に記載さ れているようなヘキサ−ヒスチジンペプチドまたはHAタグ(Wilsonら、Cell 3
7: 767 (1984))である。本発明のポリヌクレオチドはまた、構造遺伝子および 遺伝子発現を調整するその天然の関連配列を含有するポリヌクレオチドも包含す
るが、これらに限定されるものではない。
【0052】 本発明の好ましい具体例は、表3の配列番号:3に示す、HCV NS5Bポリペプチ
ドをコードするポリヌクレオチドである。
【0053】 本明細書で用いる「ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド」なる用語は
、本発明のポリペプチド、詳細にはウイルスのポリペプチド、さらに詳細には表
3[配列番号:4]に示すアミノ酸配列を有するHCV NS5Bのポリペプチドをコー
ドする配列を含むポリヌクレオチド、を包含する。当該用語はまた、コードおよ
び/または非コード配列を含んでいてもよいさらなる領域を伴った、ポリペプチ
ドをコードする単一の連続領域または不連続領域(例えば、組み込まれたファー
ジまたは挿入配列もしくは配列編集による分断)を含むポリヌクレオチドも包含
する。
【0054】 本発明はさらに、表3[配列番号:4]の推定アミノ酸配列を有するポリペプ
チドの変種をコードする、本明細書に記載したポリヌクレオチドの変種に関する
。本発明のポリヌクレオチドの断片である変種を用いて、本発明の完全長ポリヌ
クレオチドを合成できる。
【0055】 さらに特に好ましい具体例は、数個の、少数の、5〜10、1〜5、1〜3、
2、1または0個のアミノ酸残基が任意の組み合わせで置換、欠失または付加さ
れている、表3[配列番号:4]のHCV NS5Bポリペプチドのアミノ酸配列を有す
るHCV NS5B変種をコードするポリヌクレオチドである。中でもとりわけ好ましい
のは、HCV NS5Bの特性および活性を変化させない、サイレントな置換、付加およ
び欠失である。
【0056】 本発明のさらに好ましい具体例は、表3[配列番号:4]に示すアミノ酸配列
を有するHCV NS5Bポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに対してその全長
にわたり少なくとも70%の同一であるポリヌクレオチドおよびかかるポリヌク
レオチドに相補的なポリヌクレオチドである。別法として、HCV NS5Bポリペプチ
ドをコードするポリヌクレオチドに対してその全長にわたり少なくとも80%の
同一である領域を含むポリヌクレオチドおよびこれに相補的なポリヌクレオチド
が最も好ましい。この点に関して、このポリヌクレオチドに対して全長にわたり
少なくとも90%同一であるポリヌクレオチドがとりわけ好ましく、これらの特
に好ましいポリヌクレオチドの中でも、少なくとも95%の同一性を有するもの
が特別に好ましい。さらに、少なくとも95%の同一性を有するものの中でも、
少なくとも97%の同一性を有するものが非常に好ましく、これらの中でも、少
なくとも98%の同一性を有するものおよび少なくとも99%の同一性を有する
ものが特に非常に好ましく、少なくとも99%の同一性を有するものは、さらに
好ましい。
【0057】 好ましい具体例は、表3[配列番号:3]のDNAによってコードされる成熟
ポリペプチドと実質的に同じ生物学的機能または活性を保持しているポリペプチ
ドをコードするポリヌクレオチドである。
【0058】 本発明はさらに本明細書に記載の配列にハイブリダイズするポリヌクレオチド
に関する。この点に関して、本発明は特に、厳密な条件下で本明細書に記載のポ
リヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドに関する。本明細書で用
いる「厳密な条件」および「厳密なハイブリダイゼーション条件」なる用語は、
配列間の同一性が少なくとも95%および好ましくは97%である場合にのみハ
イブリダイゼーションが起こるものを意味する。厳密なハイブリダイゼーション
条件の例は、50%ホルムアミド、5×SSC(150mM NaCl、15m
Mクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デ
ンハーツ溶液、10%硫酸デキストランおよび20μg/mlの変成し剪断され
たサケ精子DNAを含む溶液中、42℃で一晩インキュベーションし、続いて0
.1×SSC中、約65℃でハイブリダイゼーション支持体を洗浄するものであ
る。ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は周知であり、Sambrookら、Molecu
lar Cloning: A Laboratory Manual、第2版;コールド・スプリング・ハーバー
、ニューヨーク(1989)、とりわけその第11章に実例が示されている。
【0059】 本発明はまた、厳密なハイブリダイゼーション条件下で上記ポリヌクレオチド
配列またはその断片の配列を有するプローブを用いて、配列番号:4に示すポリ
ペプチド配列をコードするポリヌクレオチド配列について、完全遺伝子を含む適
当なライブラリーをスクリーニングし、および上記DNA配列を単離することに
より得ることができるポリヌクレオチド配列を本質的に含むポリヌクレオチドも
提供する。かかるポリヌクレオチドを得るために有用な断片は、例えば本明細書
の別の箇所において記載するプローブおよびプライマーを包含する。
【0060】 本発明のポリヌクレオチドアッセイに関してここでさらに論じるが、例えば、
上記の本発明のポリヌクレオチドをRNA、cDNAおよびゲノムDNA用のハ
イブリダイゼーションプローブとして用いて、HCV NS5Bをコードする完全長cD
NAおよびゲノムクローンを単離することができ、また、HCV NS5Bと高度な配列
類似性を有するその他の遺伝子のcDNAおよびゲノムクローンを単離すること
ができる。かかるプローブは通常少なくとも15塩基を含む。好ましくは、かか
るプローブは少なくとも30塩基を有し、少なくとも50塩基を有していてもよ
い。特に好ましいプローブは少なくとも30塩基を有し、50塩基以下を有する
【0061】 例えば、配列番号:3に示すDNA配列を用いてオリゴヌクレオチドプローブ
を合成してスクリーニングすることにより、末端切断HCV NS5B遺伝子のコード領
域を単離できる。ついで、本発明の遺伝子の配列に相補的な配列を有する標識オ
リゴヌクレオチドを用いて、cDNA、ゲノムDNAまたはmRNAのライブラ
リーをスクリーニングし、プローブがライブラリーのどのメンバーにハイブリダ
イゼーションするのかを決定する。
【0062】 本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、例えば、疾病、特にヒトの
疾病の治療法および診断法の発見のための研究試薬および材料として使用でき、
特にポリヌクレオチドアッセイに関して本明細書でさらに論じる。
【0063】 配列番号:3および/または配列番号:4の配列由来のオリゴヌクレオチドで
ある本発明のポリヌクレオチドを本明細書の記載の方法に使用できるが、好まし
くはPCRに使用して、本明細書で同定したポリヌクレオチドの全体または一部
が感染組織中の細菌内で転写されるかどうかを決定できる。かかる配列は、病原
体がなした感染の感染段階および感染型の診断にも有用であると考えられる。
【0064】 本発明はまた、付加的なアミノもしくはカルボキシ末端アミノ酸、または成熟
ポリペプチド内のアミノ酸を加えた成熟タンパク質であるポリペプチドをコード
できるポリヌクレオチドも提供する(例えば、成熟形態が1より多いポリペプチ
ド鎖を有する場合)。かかる配列は、前駆体から成熟形態へのタンパク質のプロ
セッシングに役割を担い、タンパク質輸送を可能にし、タンパク質の半減期を延
長もしくは短縮し、またはとりわけアッセイもしくは製造のためのタンパク質の
操作を容易にすることができる。通常、インビボの場合のように、付加的なアミ
ノ酸は細胞性酵素により成熟タンパク質から取り除くことができる。
【0065】 1以上のプロ配列と融合したポリペプチドの成熟形態を有する前駆体タンパク
質は、ポリペプチドの不活性型でありうる。プロ配列が除去されると、通常かか
る不活性の前駆体は活性化される。プロ配列の一部または全部を活性化前に除去
できる。一般的に、かかる前駆体をプロタンパク質と称する。
【0066】 要するに、本発明のポリヌクレオチドは、成熟タンパク質、リーダー配列を加
えた成熟タンパク質(プレタンパク質すると称することができる)、プレタンパ
ク質のリーダー配列でない1以上のプロ配列を有する成熟タンパク質の前駆体、
または、リーダー配列および1以上のプロ配列(通常、ポリペプチドの活性およ
び成熟形態を生成するプロセッシング段階で除去される)を有する、プロタンパ
ク質の前駆体であるプレプロタンパク質をコードしてよい。
【0067】 ベクター、宿主細胞、発現 本発明はまた、本発明の1のポリヌクレオチドまたは複数のポリヌクレオチド
を含むベクター、本発明のベクターで遺伝子操作される宿主細胞、および組換え
技術による本発明のポリペプチドの生産にも関する。本発明のDNA構築物に由
来するRNAを用い、無細胞翻訳系を使用してかかるタンパク質を製造できる。
【0068】 組換え体製造のために、宿主細胞を遺伝子操作し、発現系もしくはその一部ま
たは本発明のポリヌクレオチドを組み込むことができる。ポリヌクレオチドの宿
主細胞への導入は、例えば、Davisら、BASIC METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY(1
986);Sambrookら、MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL、第2版;コー ルド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス、コールド・スプリング・
ハーバー、ニューヨーク(1989)のように、多くの標準的な実験マニュアルに記
載されている方法により行うことができ、例えばリン酸カルシウム形質移入、D
EAE−デキストラン媒介形質移入、トランスベクション、マイクロインジェク
ション、陽イオン脂質媒介形質移入、エレクトロポレーション、形質導入、スク
レープ負荷、バリスティックイントロダクションおよびインフェクション等があ
る。
【0069】 適当な宿主の代表的なものには、細菌細胞、例えばストレプトコッカス属(St
reptococci)、スタフィロコッカス属(Staphylococci)、エンテロコッカス属 (Enterococci)、イー・コリ(E.coli)、ストレプトミセス(Streptomyces) およびバチルス・ズブチリス(Bacillus subtiis)細胞;真菌細胞、例えば酵母
細胞およびアスペルギルス属(Aspergillus)細胞;昆虫細胞、例えばドロソフ ィラS2(Drosophila S2)およびスポドプテラSf9(Spodoptera Sf9)細胞 ;動物細胞、例えばCHO、COS、HeLa、C127、3T3、BHK、2
93およびボウズ(Bowes)黒色腫細胞;ならびに植物細胞等がある。
【0070】 本発明のポリペプチドを製造するために多くの様々な発現系を使用できる。こ
のようなベクターには、染色体、エピソームおよびウイルス由来のベクター、例
えば細菌プラスミド由来、バクテリオファージ由来、トランスポゾン由来、酵母
エピソーム由来、挿入エレメント由来、酵母染色体エレメント由来、ウイルス(
例えばバキュロウイルス、SV40のごときパポーバウイルス、ワクシニアウイ
ルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性狂犬病ウイルスおよびレトロウイル
ス等)由来、ならびにそれらを組み合わせたものに由来するベクター(例えば、
コスミドおよびファージミドのような、プラスミドおよびバクテリオファージの
遺伝学的エレメント由来のベクター)がある。発現系の構築物は発現を制御し、
および生じさせる調節領域を含有していてもよい。この点に関して、一般的には
、宿主中にポリヌクレオチドを保持、増殖または発現するのに、および/または
ポリペプチドを発現するのに適した任意の系またはベクターを発現に使用できる
。例えばSambrookら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual(前掲)に記載
されているような、周知のおよび慣用的な種々の任意の技術により、適当なDN
A配列を発現系に挿入することができる。
【0071】 翻訳タンパク質を、小胞体の内腔、細胞膜周辺腔または細胞外環境へ分泌させ
るために、適当な分泌シグナルを発現させるポリペプチドに組み込むことができ
る。これらのシグナルはポリペプチドに内在的なものであってもく、あるいは外
来性のシグナルでもよい
【0072】 本発明のポリペプチドは、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、
陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグ
ラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフ
ィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラ
フィーを包含する周知の方法により、組換え細胞培養物から回収および精製でき
る。高速液体クロマトグラフィーを精製に用いるのが最も好ましい。ポリペプチ
ドが単離および/または精製中に変性した場合、タンパク質のリフォールディン
グのための周知の技術を用いて、活性なコンホーメーションに再生することがで
きる。
【0073】 診断アッセイ 本発明はまた診断試薬として使用するための本発明のHCV NS5Bポリヌクレオチ
ドの使用にも関する。真核生物とりわけ哺乳動物、特にヒトにおけるHCV NS5Bの
検出は、疾病の診断のための診断方法を提供する。HCV NS5B遺伝子を含む有機体
が感染したまたは感染した疑いのある真核生物(本明細書において「個体」とも
称する)とりわけ哺乳動物、特にヒトを種々の方法によりDNAレベルで検出で
きる。
【0074】 診断用の核酸は、感染個体の身体的試料から得ることができる。かかる身体的
試料は、細胞および組織、例えば骨、血液、筋肉、軟骨および皮膚であってよい
。ゲノムDNAを直接検出に使用してもよく、あるいはPCRもしくはその他の
増幅法を用いることにより分析の前に酵素的に増幅してもよい。RNAまたはc
DNAもまた同じ方法で用いることができる。増幅法を用いて、個体に存在する
原核生物の種および株を、原核生物遺伝子の遺伝子型の分析により特徴付けする
ことができる。対照配列の遺伝子型と比較した場合の増幅産物の大きさの変化に
より、欠失および挿入を検出できる。点突然変異は、増幅DNAを標識HCV NS5B
ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズさせることにより同定できる。完全に対
合した配列はRNアーゼ消化、または融解温度の差により、誤対合二重らせんか
ら区別できる。変性剤含有または不含ゲル中のDNA断片の電気泳動の移動度の
変化を検出することにより、または直接的なDNAの配列決定により、DNA配
列の差を検出してもよい。例えばMeyersら、Science,230:1242(1985)参照。 また、特異的な位置での配列の変化を、ヌクレアーゼ保護アッセイ、例えばRN
アーゼおよびS1保護または化学的切断法によって明らかにしてもよい。例えば
Cottonら、Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 85:4397-4401 (1985)参照。
【0075】 本発明の遺伝子の突然変異または多型性を担持する細胞を、例えば血清抗原型
を決定するなどの、種々の技術によってDNAレベルで検出できる。例えば、R
T−PCRを用いて突然変異を検出することができる。RT−PCRは自動検出
系、例えばジェネスキャン(GeneScan)等と組み合わせて用いるのが特に好まし
い。RNAまたはcDNAを同じ目的、すなわちPCRまたはRT−PCRに用
いてもよい。例を挙げると、HCV NS5Bをコードする核酸に相補的なPCRプライ
マーを用いて、突然変異を同定および分析できる。
【0076】 本発明はまた、表3[配列番号:3]の配列を有するHCV NS5Bポリヌクレオチ
ドの発現レベルの上昇を個体由来の試料から検出すること含んでなる、疾病、好
ましくはフラビビリダエ科に関するウイルス、特にHCV;黄熱病ウイルスのご
ときフラビウイルス;デング熱ウイルス1〜4型;ならびにウシウイルス性下痢
ウイルスおよび典型的なブタコレラごときペスチウイルスなど、の感染の診断方
法を提供する。HCV NS5Bポリヌクレオチドの発現の増加または低下は、ポリヌク
レオチドの定量法として当該分野で周知のいずれかの方法、例えば増幅、PCR
、RT−PCR、RNアーゼ保護、ノーザンブロッティングおよびその他のハイ
ブリダイゼーション法を用いて測定できる。
【0077】 さらに、正常対照組織サンプルと比較したHCV NS5Bタンパク質の過剰発現を検
出するための本発明に従った診断アッセイを用いて、例えば感染の存在を検出で
きる。宿主由来のサンプル中のHCV NS5Bタンパク質レベルを決定するために用い
ることができるアッセイ技術は、当業者に周知である。かかるアッセイ法には、
ラジオイムノアッセイ、競合結合アッセイ、ウェスタンブロット分析およびEL
ISAアッセイ等がある。
【0078】 抗体 本発明のポリペプチドもしくはそれらの変種、またはそれらを発現する細胞を
免疫原として用いて、かかるポリペプチドに免疫特異的な抗体を製造することが
できる。本明細書で用いる「抗体」には、モノクローナルおよびポリクローナル
抗体、キメラ、一本鎖、サル化抗体およびヒト化抗体、ならびにFab免疫グロ
ブリン発現ライブラリーの産物を包含するFab断片が包含される。
【0079】 本発明のポリペプチドに対して生じる抗体は、ポリペプチドまたはエピトープ
が付いている断片、アナログまたは細胞を、好ましくはヒトではない動物に通常
のプロトコールを用いて投与することにより得られる。モノクローナル抗体の調
製のために、当業者既知の、連続的なセルライン培養により産生される抗体を提
供する技術を用いることができる。例としては、Kohler, G.およびMilstein, C
.,Nature, 256:495-497 (1975); Kozborら、Immunology Today, 4:72 (1
983);Coleら、MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY, Alan R Liss, In
c.、77-96頁(1985)に記載されているような種々の技術がある。
【0080】 一本鎖抗体の産生のための技術(米国特許第4946778号)を適用して、
本発明ポリペプチドに対する一本鎖抗体を製造することができる。また、トラン
スジェニックマウスまたはその他の生物、例えばその他の哺乳動物を用いてヒト
化抗体を発現させることができる。
【0081】 別法として、ファージディスプレイ技術を利用して、HCV NS5Bを有することに
ついてスクリーニングされたヒト由来のリンパ球のPCR増幅v−遺伝子のレパ
ートリーから、または無処理のライブラリーから、ポリペプチドに対する結合活
性を用いて抗体遺伝子を選別することもできる(McCafferty, J.ら、Nature 348
:552-554 (1990); Marks, J.ら、Biotechnology 10:779-783 (1992))。こ
れらの抗体の親和性はチェインシャッフリング(chain shuffling)により改善 することもできる(Clackson, T.ら、Nature 352:624-628 (1991))。
【0082】 2つの抗原結合ドメインが存在する場合、各ドメインは異なるエピトープに向
けられうる(「二特異性」抗体と称する)。
【0083】 上記抗体を用いてポリペプチドを発現するクローンを単離または同定し、ポリ
ペプチドを親和性クロマトグラフィーにより精製することができる。
【0084】 したがって、とりわけHCV NS5Bポリペプチドに対する抗体を用いて、ウイルス
感染、好ましくはフラビビリダエ科のウイルス、特にHCV;黄熱病ウイルスの
ごときフラビウイルス;デング熱ウイルス1〜4型;ならびにウシウイルス性下
痢ウイルスおよび古典的なブタコレラごときペスチウイルスなど、を治療するこ
とができる。
【0085】 ポリペプチド変種は、本発明の特定の態様を形成する、エピトープ的または免
疫学的に等価な変種を包含する。本明細書で用いる「抗原的に等価な誘導体」な
る用語は、本発明によりタンパク質またはポリペプチドに対して生成した場合、
病原体と哺乳類宿主との間の直接の物理的相互作用を妨害する特定の抗体により
特異的に認識されるポリペプチドまたはその同等物を包含する。本明細書で用い
る「免疫学的に等価な誘導体」なる用語は、脊椎動物において抗体を産生させる
のに適した処方で用いた場合、抗体が病原体と哺乳類宿主との間の直接の物理的
相互作用を妨害するように作用するペプチドまたはその等価物を包含する。
【0086】 抗原的、免疫学的に等価な誘導体またはそれらの融合タンパク質のごときポリ
ペプチドを抗原として使用し、マウスまたはその他の動物例えばラットもしくは
ニワトリを免疫できる。融合タンパク質はポリペプチドに安定性を付与できる。
抗原を、例えば抱合により、免疫原性キャリヤタンパク質、例えばウシ血清アル
ブミン(BSA)またはキーホール・リンペット・ヘモシアニン(keyhole limp
et haemocyanin:KLH)に結合させることができる。別法として、多重コピー
のタンパク質もしくはポリペプチドを含む多重抗原性ペプチド、またはそれらに
抗原的もしくは免疫学的に等価なポリペプチドは、十分な抗原性を有し、免疫原
性を改良してキャリヤーの使用を不要にできる。
【0087】 抗体またはそれらの変種を修飾して、個体における免疫原性を減じることが好
ましい。例えば、個体がヒトである場合、抗体を「ヒト化」できるのが最も好ま
しい;例えばJones,P.ら、Nature 321:522-525(1986)またはTempestら、Biote
chnology 9:266-273(1991)に記載されているように、この場合、ハイブリドー
マ由来抗体の相補性決定領域がヒト・モノクローナル抗体に移植されている。
【0088】 本発明のポリヌクレオチドを遺伝学的免疫において使用する場合、例えばプラ
スミドDNAの筋肉への直接注射(Wolffら、Hum.Mol.Genet.1:363(1992);Ma
nthorpeら、Hum.Gene Ther.4:419(1963))、特異的タンパク質キャリヤーとD
NAとの複合体の送達(Wuら、J.Biol.Chem.264:16985(1989))、リン酸カル シウムを用いるDNAの共沈(Benvenisty & Reshef、PNAS 83:9551(1986)) 、種々の形態のリポソーム中へのDNA封入(Kanedaら、Science 243:375(198
9))、微粒子銃(particle bombardment)(Tangら、Nature 356:152(1992) ;Eisenbraunら、DNA Cell Biol.12:791(1993))およびクローン化レトロウイ
ルスベクターを用いたインビボ感染(Seegerら、PNAS 81:5849(1984))等の適
切な送達方法を用いるのが好ましい。
【0089】 アンタゴニストおよびアゴニスト−アッセイおよび分子 本発明のポリペプチドを用いて、例えば、細胞、無細胞標品、化学ライブラリ
ー、および天然産物混合物中における小型分子基質およびリガンドの結合を評価
することもできる。これらの基質およびリガンドは天然基質およびリガンドであ
ってもよく、構造上または機能上の模倣物であってもよい。例えば、Coliganら 、Current Protocols in Immunology 1(2):Chapter 5 (1991)参照。
【0090】 また本発明は、HCV NS5Bポリペプチドまたはポリヌクレオチドの作用を増強(
アゴニスト)または阻害(アンタゴニスト)する化合物、特にウイルス抑止性の
化合物を同定するための、化合物のスクリーニング方法も提供する。該スクリー
ニング方法は高処理量技術を伴ってもよい。例えば、アゴニストまたはアンタゴ
ニストをスクリーニングするために、HCV NS5Bポリペプチド(配列番号:4)お
よび標識基質またはかかるポリペプチドのリガンドを含む、合成反応混合物、ウ
イルス断片もしくは成分、またはそれらのいずれかの調製物を、HCV NS5Bアゴニ
ストまたはアンタゴニストとなりうる候補分子の存在化または不存在化でインキ
ュベーションする。候補分子がHCV NS5Bポリペプチド(配列番号:4)にアゴナ
イズまたはアンタゴナイズする能力は、標識リガンドの結合の低下またはこのよ
うな基質からの生成物の生産の低下に反映される。結合しても影響を及ぼさない
分子、すなわちHCV NS5Bの効果を誘導しない分子は、良好なアンタゴニストであ
る可能性が最もある。結合性が良好で、基質からの生成物の生成速度を高める分
子はアゴニストである。基質からの生成物の生成速度またはレベルの検出はリポ
ーターシステムを用いることにより増強できる。この点に関して有用なリポータ
ーシステムは、以下に限定されるものではないが、生成物に転換される比色測定
用標識基質、HCV NS5Bポリヌクレオチドまたはポリペプチド活性の変化に応答す
るリポーター遺伝子、および当該分野で知られている結合アッセイを包含する。
【0091】 HCV NS5Bアンタゴニストアッセイのもう1つの例は、競合阻害アッセイに適し
た条件下で、HCV NS5B(配列番号:4)および潜在的アンタゴニストを、HCV NS
5B結合分子、組換えHCV NS5B結合分子、天然基質もしくはリガンド、または基質
もしくはリガンド模倣物と結合させる競合アッセイである。例えば放射活性また
は比色測定用化合物によりHCV NS5B(配列番号:4)を標識し、結合分子に結合
した、または生成物に変換されたHCV NS5B分子の数を正確に決定して、潜在的な
アンタゴニストの効果を評価できる。
【0092】 潜在的アンタゴニストは、本発明のポリペプチドまたはポリペプチドに結合し
、そのことによりその活性を阻害または消失させる小型有機分子、ペプチド、ポ
リペプチドおよび抗体を包含する。また、潜在的アンタゴニストは、結合分子の
同一部位に結合するが、HCV NS5誘導活性を誘導せず、それによりHCV NS5Bを結 合から排除することによりHCV NS5Bの作用を妨害する、密接に関連したタンパク
質または抗体ごとき小型有機分子、ペプチド、ポリペプチドも包含する。
【0093】 潜在的アンタゴニストは、ポリペプチドの結合部位に結合し、およびそれを占
有し、それにより細胞性結合分子への結合を妨害して、正常の生物学的活性を妨
害する小型分子を包含する。小型分子の例としては、小型有機分子、ペプチド、
ペプチド様分子等があるが、これらに限定するものではない。その他の潜在的ア
ンタゴニストにはアンチセンス分子等がある。これらの分子についての記載に関
してはOkano,J.,Neurochem.56:560(1991);OLIGODEOXYNUCLEOTIDES AS ANTIS
ENSE INHIBITORS OF GENE EXPRESSION,CRCプレス、ボッカラートン、フロリ
ダ州(1988)参照。好ましい潜在的アンタゴニストには、HCV NS5B変種等がある
【0094】 本明細書に示すHCV NS5BポリペプチドをコードするDNA配列を、抗細菌化合
物の発見および開発に使用してもよい。コードされているタンパク質は、発現し
た場合、抗ウイルス剤のスクリーニングのための標的として使用されうる。さら
に、コードされているタンパク質のアミノ末端領域または各mRNAのシャイン
−ダルガノ配列もしくは他の翻訳促進配列をコードしているDNA配列を用いて
アンチセンス配列を構築し、目的のコード配列の発現を調節することもできる。
【0095】 本発明は、感染の続発症に関与する病原体と哺乳類宿主との間の最初の物理的
相互作用を妨害するための本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチドまたは阻害
物質の使用を提供する。とりわけ本発明の分子を、内在デバイス上の哺乳類細胞
外マトリックスタンパク質または傷における細胞外マトリックスタンパク質への
ウイルス粒子の付着の防止;例えば、哺乳類チロシンキナーゼのリン酸化を開始
することによる、HCV NS5Bタンパク質の媒介する哺乳類細胞への侵入のブロック
(Rosenshine ら、Infect. Immunol. 60: 2211 (1992));哺乳類細胞外マトリ ックスタンパク質とウイルスHCV NS5Bタンパク質との間の、組織損傷を媒介する
ウイルス付着のブロック;内在デバイスの移植または他の外科的方法以外により
開始される、感染における通常の病因の進行のブロックに使用することができる
【0096】 本発明のアンタゴニストおよびアゴニストを、例えば、フラビビリダエ科に関
連するウイルス、特に、HCV;黄熱病ウイルスのごときフラビウイルス;デン
グ熱ウイルス1〜4型;ならびにウシウイルス性下痢ウイルスおよび典型的なブ
タコレラのごときペスチウイルスなど、の阻害および治療に用いることができる
【0097】 ワクチン 本発明の別の態様は、抗体および/またはT細胞免疫応答を生じさせ、個体を
感染、詳細にはウイルス感染、最も詳細にはHCV感染から防御するのに十分な
HCV NS5B(配列番号:4)またはその断片もしくは変種を個体に接種することを
含んでなる、個体とりわけ哺乳動物における免疫学的反応の誘導方法に関する。
また、かかる免疫学的応答が細菌の複製を遅らせる方法も提供する。本発明のさ
らに別の態様は、個体における免疫学的応答の誘導方法に関し、該方法は、疾病
が個体内ですでに確立しているかいないかに関わらず、インビボでHCV NS5Bまた
はその断片もしくは変種を発現させ、抗体および/またはT細胞免疫応答(例え
ば、サイトカイン産生T細胞または細胞毒性T細胞を包含する)を生じさせるよ
うな免疫学的応答を誘導して、上記個体を疾病から防御するために、HCV NS5Bま
たはその断片もしくは変種の発現を指令する核酸ベクターをかかる個体に送達す
ることを含んでなる。迅速に遺伝子を目的の細胞中に投与する方法としては、粒 子上にコーディングすること等がある。かかる核酸ベクターはDNA、RNA、 修飾核酸、またはDNA/RNAハイブリッドを含んでいてもよい。
【0098】 本発明のさらなる態様は、免疫学的応答を内部で誘導可能な個体に導入した場
合、かかる個体にHCV NS5Bに対する免疫学的反応を誘導する免疫学的組成物に関
し、その組成物は、組換えHCV NS5Bまたはそれによりコードされているタンパク
質を含み、HCV NS5Bに対する抗原をコードし発現するDNAまたはそれによりコ
ードされているタンパク質を含む。免疫学的応答を治療的または予防的に用いる
こともでき、また免疫学的応答はCTLまたはCD4+T細胞から生じるような 抗体免疫または細胞性免疫の形態であってもよい。
【0099】 HCV NS5Bポリペプチドまたはその断片を、それ自身は抗体を産生できないが、
第1のタンパク質を安定化し、免疫原的および保護特性を有する融合タンパク質
を生産できる補タンパク質(co-protein)と融合させてもよい。したがって、好
ましくは、融合組換えタンパク質は、さらに、抗原性補タンパク質、例えばヘモ
フィルス・インフルエンザエ(Hemophilus influenzae)由来のリポタンパク質 D、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)またはβーガラクトシダ
ーゼ、上記タンパク質を可溶化してそれらの生産および精製を促進する比較的大
きな補タンパク質を含む。さらに、補タンパク質は免疫系において普遍的な刺激
を提供するという意味で、アジュバントとして作用することができる。補タンパ
ク質は第1のタンパク質のアミノまたはカルボキシル末端のどちらに結合させて
もよい。
【0100】 本発明は、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドおよびSatoら、Scie
nce 273:352 (1966)に記載されているような免疫刺激DNA配列を含む組成物、
とりわけワクチン組成物、および方法を提供する。
【0101】 また、本発明は、HCV感染の動物モデルにおいて、かかる遺伝的免疫化実験
に用られるDNA構築物中の細菌細胞表面タンパク質の不変領域をコードするこ
とが示されている、上記のポリヌクレオチドまたは特にその断片を用いる方法を
提供し、これらはとりわけ予防的または治療的免疫反応を引き起こすことができ
るタンパク質エピトープを同定するのに有用である。この研究は、哺乳動物、特
にヒトにおける細菌感染とりわけHCV感染の予防薬または治療的処置の開発の
ために、感染に抵抗しこれを一掃するのに成功した動物の必須器官から特に価値
あるモノクローナル抗体のその後の調製を可能にすると考えられる。
【0102】 ポリペプチドを宿主の予防接種用抗原として用いて、例えば損傷組織へのウイ
ルスの付着をブロックすることによりウイルスの侵入に対して防御する特異的抗
体を産生することができる。組織損傷の例としては、例えば機械的、化学的もし
くは熱的ダメージにより、または内在デバイスの埋め込みにより引き起こされた
皮膚または結合組織の創傷、または粘膜、例えば口、乳腺、尿道または膣の創傷
等がある。
【0103】 また本発明は、適切な担体と一緒になった免疫原性組換えタンパク質を含有す
るワクチン製剤を包含する。タンパク質は胃で分解されうるので、非経口的に、
例えば皮下、筋肉内、静脈内または皮膚内等に投与するのが好ましい。非経口投
与に適した製剤には、抗酸化剤、緩衝液、静細菌剤、および製剤を個体の体液、
好ましくは血液と等張にする溶質を含有していてもよい水性または非水性の無菌
注射液;および懸濁化剤または増粘剤を含有していてもよい水性または非水性無
菌懸濁液等がある。製剤は1回投与または多回投与用容器、例えばシールしたア
ンプルおよびバイアルに入れてよく、使用直前に滅菌した液体担体の添加のみを
必要とする凍結乾燥状態として保存してもよい。ワクチン製剤は製剤の免疫原性
を高めるアジュバント系、例えば水中油系または当該分野で既知のその他の系等
も含みうる。投与量はワクチンの特異的活性に依存し、慣用的な実験法により容
易に決定できる。
【0104】 本発明をHCV NS5Bタンパク質に関して説明したが、本発明は、天然に存在する
タンパク質および、実質的に組換えタンパク質の免疫原特性に影響しない付加、
欠失または置換を施した類似のタンパク質の断片を包含することが理解されよう
【0105】 組成物、キットおよび投与 本発明はまた上記のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはそれらの
アゴニストもしくはアンタゴニストを含む組成物にも関する。本発明のポリペプ
チドを、細胞、組織もしくは生物に用いられる非滅菌もしくは滅菌担体(複数で
あってよい)、例えば対象への投与に適した医薬的担体と組み合わせて用いるこ とができる。かかる組成物は、例えば溶媒添加物または治療上有効量の本発明ポ
リペプチド、および医薬上許容される担体または賦形剤を含む。かかる担体には
生理食塩水、緩衝生理食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノール
およびそれらの組み合わせ等があるが、これらに限定するものではない。製剤は
投与方法に適したものにすべきである。さらに本発明は、1以上の本発明の上記
組成物の成分を充填した1以上の容器を含む診断用および医薬用のパックおよび
キットにも関する。
【0106】 本発明のポリペプチドおよびその他の化合物を、単独で、あるいは治療用化合
物のごときその他の化合物と組み合わせて用いることができる。
【0107】 医薬用組成物を、任意の有効で利便的な方法、例えば、局所、口、肛門、膣、
静脈内、腹膜腔内、筋肉内、皮下、鼻腔内、または皮膚内の経路などで投与でき
る。
【0108】 治療において、または予防的に、注入可能な組成物、例えば、好ましくは等張
である滅菌した水性分散物、として医薬用組成物を個体に投与できる。
【0109】 別法として、組成物を局所適用用に製剤、例えば軟膏、クリーム、ローション
、眼軟膏、点眼液、点耳液、洗口剤、含浸包帯および縫合用の糸、ならびにエア
ロゾールの形態に、することができ、該組成物は、例えば保存剤、薬物の浸透を
補助する溶媒、ならびに軟化剤(軟膏およびクリーム中)を包含する適当な慣用
的な添加物を含有していてもよい。かかる局所用製剤は、共存可能である慣用的
な担体、例えばクリームまたは軟膏基剤、およびローションにはエタノールまた
はオレイルアルコールを含有していてもよい。かかる担体は重量で製剤の約1%
〜約98%を構成してよく、より通常には重量で製剤の約80%までである。
【0110】 哺乳動物とりわけヒトに投与するために、活性物質の1日あたりの投与量は、
0.01mg/kg〜10mg/kgであり、典型的には約1mg/kgである 。医者はあらゆる場合、個体に最も適した実際の投与量を決定し、年齢、体重お
よび特に個体の応答に応じて変化させる。上記の投与量は、平均的な場合の典型
例である。もちろん、より高い投与量および低い投与量の範囲が適合する個々の
例もあり、かかる例は本発明の範囲内である。
【0111】 内在デバイスは、外科的インプラント、人工器官およびカテーテル、即ち個体
の身体に導入され、長時間その位置に存在するデバイスを包含する。かかるデバ
イスは、例えば人工関節、心臓弁、ペースメーカー、血管移植片、血管カテーテ
ル、脳脊髄液シャント、尿カテーテル、継続的歩行可能腹膜透析(continuous a
mbulatory peritoneal dialysis:CAPD)カテーテルを包含する。
【0112】 本発明の組成物を注入により投与し、内在デバイスの挿入の直前に、関連細菌
に対する全身的な効果を得ることができる。手術後、デバイスが体内に存在する
期間中、処置を続けてもよい。さらに、あらゆる外科的技術のために手術中に広
げるカバーに用いて、細菌の創傷感染、とりわけHCVの創傷感染を防御するこ
ともできる。
【0113】 別法として、本発明の組成物を用いて挿入直前の内在デバイスを浸してもよい
。創傷または内在デバイスを浸すためには、本発明のポリペプチドまたはその他
の化合物は1μg/ml〜10mg/mlの濃度であるのが好ましい。
【0114】 ワクチン組成物を便宜的に注入可能な形態にする。慣用的なアジュバントを用
いて免疫応答を高めてもよい。予防接種に適した単位投与量は、抗原0.5〜5 μg/kgであり、このような投与量は1〜3週間隔で1〜3回投与するのが好
ましい。本発明化合物については、指示した投与量範囲では、適切な個体への投
与を妨げるような有害な毒性効果は観察されない。
【0115】 例/生物学的方法 例1:HCV NS5B末端切断変異体の調製 開始メチオニンおよびヘキサヒスチジンタグをタンパク質のアミノ末端に付加
するように、HCV NS5B領域(配列番号:2)を細菌発現ベクターpET-15b(Novag
en)にクローニングし、pLG65を作成した。さらに、HCV NS5Bの21のカルボキ シ末端アミノ酸が欠失しているか、アミノ酸の疎水性の伸張部(stretch)であ るフラッグエピトープタグ(Flag epitope tag)(Hoppら、Biotechnology 6: 1
205-1210 (1988))に置換されている、2のプラスミドを作成した。NS5B発現構 築物をイー・コリ(E. coli)BL21(DE3)株に形質移入し、標準的な方法を用いて
IPTGの添加によりNS5Bタンパク質を誘導した。細菌を採取し、抽出緩衝液(20
mM Tris、pH7.5、20% グリセロール、200mM NaCl、
1mM EDTA、10mM ジチオスレイトール、10mg/ml リゾチー
ム、およびプロテアーゼ阻害剤カクテル(コンプリートタブ(COMPLETE tabs) 、ベーリンガーマンハイムから入手))中で30秒間3回の超音波処理により溶
菌させた。
【0116】 例2:HCV NS5Bタンパク質の全長にわたり溶解性を改良したHCV NS5B末端切断変
異体 例1で生成した材料の一部を全タンパク質(T)の試料として保存した。エッ ペンドルフ5415Cマイクロフュージ(Eppendorf 5415C microfuge)内で、4℃、
14,000rpmで試料を遠心分離した。上清(S1)を除去し、4℃、100,000ラg
で30分間遠心分離した。この遠心分離で得た上清(S2)は厳密に可溶性の物
質であること意味する。各試料(T、S1、S2)由来の各クローンについて、
等量のタンパク質をSDS含有ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分析し
、ついで標準的な方法を用いてウエスタンブロッティングを行った。キーホール
・リンペット・ヘモシアニン(keyhole limpet haemocyanin:KLH)と結合し
たNS5B領域(HCV NS5B(配列番号:2)のアミノ酸385〜403)由来のペプチ
ドを用いて生じさせたウサギポリクローナル抗血清を用いて、HCV NS5Bを検出し
た。結果は、カルボキシ末端の21のアミノ酸が欠失しているか、またはフラッ
グエピトープタグ配列に置換されている末端切断HCV NS5Bタンパク質が、可溶性
画分(S2)中にわずかに検出可能かまたは不存在である完全長NS5Bタンパ
ク質と比較して、はるかに多量に可溶性画分(S2)に存在していることを示す
【0117】 以下に限定されるものではないが、本明細書で引用した特許および特許出願を
含む全ての刊行物は、個々の刊行物が具体的におよび個別的に、完全に記載され
ているものとして出典明示により本明細書に組み込む。
【0118】 以上、好ましい具体例を含め本発明を十分に開示した。本明細書で明確に開示
した実施例の修正および改良は特許請求の範囲内に入る。さらに詳細に説明しな
いでも、当業者は以上の記載から本発明を十分に利用することができると考える
。したがって、本明細書で提供された実施例は単に説明的なものとして解釈され
るものであって、いかなる方法でも本発明の範囲を限定するものではない。
【0119】
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 31/12 C07K 16/10 4C085 C07K 14/18 C12N 1/15 4H045 16/10 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12Q 1/70 5/10 C12N 15/00 ZNAA C12P 21/02 A61K 37/02 C12Q 1/70 C12N 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AU,BA,BB,BG,BR,CA,CN, CZ,EE,GE,HU,ID,IL,IS,JP,K P,KR,LC,LK,LR,LT,LV,MG,MK ,MN,MX,NO,NZ,PL,RO,SG,SI, SK,SL,TR,TT,UA,US,UZ,VN,Y U Fターム(参考) 4B024 AA01 BA32 CA04 DA06 EA04 GA11 HA01 4B063 QA01 QA17 QA18 QA19 QQ10 QQ20 QQ42 QR32 QR40 QR55 QR62 QS25 QS34 4B064 AG01 AG27 CA02 CA19 CC24 DA01 DA15 4B065 AA26X AA96Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA45 4C084 AA02 AA06 AA13 BA01 BA08 BA22 BA23 MA01 NA14 ZA752 ZB332 4C085 AA13 AA14 CC32 DD33 EE01 4H045 AA11 AA20 AA30 BA10 CA02 DA76 DA86 EA29 EA31 EA53 FA72 FA74 GA21

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)配列番号:4のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコ
    ードするポリヌクレオチドに対して少なくとも95%の同一性を有するポリヌク
    レオチド; (b)配列番号:4のアミノ酸配列に対して少なくとも95%同一であるアミノ
    酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;および (c)(a)または(b)のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドから
    なる群から選択されたポリヌクレオチド配列を含んでなる単離ポリヌクレオチド
  2. 【請求項2】 ポリヌクレオチドがDNAである請求項1記載のポリヌクレ
    オチド。
  3. 【請求項3】 ポリヌクレオチドがRNAである請求項1記載のポリヌクレ
    オチド。
  4. 【請求項4】 配列番号:3に示す核酸配列を含んでなる単離ポリヌクレオ
    チド。
  5. 【請求項5】 配列番号:3に示すヌクレオチド11792〜13562を
    含んでなる請求項4記載のポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 配列番号:4のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードす
    る単離ポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のポリヌクレオチドを含んでなるベクター。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のベクターを含んでなる宿主細胞。
  9. 【請求項9】 配列番号:3を含むポリヌクレオチド配列によってコードさ
    れるポリペプチドまたは断片を、該ポリペプチドまたは断片の製造に十分な条件
    下で、請求項8記載の宿主細胞から発現させることを含んでなる、ポリペプチド
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 配列番号:4記載のアミノ酸配列に対して少なくとも95
    %同一であるアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド。
  11. 【請求項11】 配列番号:4に示すアミノ酸配列を含んでなるポリペプチ
    ド。
  12. 【請求項12】 請求項10記載のポリペプチドに対する抗体。
  13. 【請求項13】 請求項10記載のポリペプチドの活性または発現を阻害す
    るアンタゴニスト。
  14. 【請求項14】 請求項10記載のポリペプチドを阻害または活性化する化
    合物の同定方法であって、 a)化合物とポリペプチドとの間の相互作用を可能にする条件下で、ポリペプ
    チドを含む組成物をスクリーニングする候補化合物に接触させること;および b)化合物がポリペプチドと相互作用して、ポリペプチドの活性を活性化、ま
    たは阻害するかどうかを測定することを含んでなる方法。
  15. 【請求項15】 (a)の接触工程における相互作用がポリペプチドと化合
    物との相互作用に応答して検出可能なシグナルを与えることのできる第2の成分
    に関連し、(b)の測定工程が化合物とポリペプチドとの相互作用から生じるシ
    グナルの存在または非存在を検出する請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 哺乳動物に請求項10のHCV NS5Bポリペプチドまたはその
    断片もしくは変種を、該哺乳動物において抗体および/またはT細胞免疫応答を
    生じさせるのに十分な有効量で接種することを含んでなる、哺乳類における免疫
    学的応答の誘導方法。
  17. 【請求項17】 それを必要とする哺乳動物における免疫学的応答の誘導方
    法であって、該方法が核酸ベクターの送達を含み、該哺乳動物における抗体およ
    び/またはT細胞免疫応答を生じるのに十分な免疫学的応答を誘導するために、
    上記ベクターが請求項10記載のHCV NS5Bポリペプチドの発現を指令し、または
    ベクターがHCV NS5Bポリペプチドの断片もしくは変種をインビボで発現する方法
  18. 【請求項18】 フラビビリダエ科のウイルスによって引き起こされる疾病
    から哺乳動物を防御する方法であって、請求項10のポリペプチドに対して産生
    される抗体の治療上有効量を該哺乳動物に投与することを含んでなる方法。
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