JP2001525258A - 螺旋状に成形されたパイプを、非回転の、オーバーラップする刃を用いて切断する装置および方法。 - Google Patents

螺旋状に成形されたパイプを、非回転の、オーバーラップする刃を用いて切断する装置および方法。

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JP2001525258A
JP2001525258A JP2000524092A JP2000524092A JP2001525258A JP 2001525258 A JP2001525258 A JP 2001525258A JP 2000524092 A JP2000524092 A JP 2000524092A JP 2000524092 A JP2000524092 A JP 2000524092A JP 2001525258 A JP2001525258 A JP 2001525258A
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cutting
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inner blade
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ウィルヘルムス ピー エイチ カストリカム
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リンダブ アクチェボラーグ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、回転しない、オーバラップする刃を有するパイプ切断機に関し、1つの実施の形態にあっては、刃の1つが連続的に往復動を行うものである。さらに、螺旋状に成形されたパイプを切断するための方法を提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、螺旋状に成形された中空金属パイプを切断する装置に関する。さら
に詳細には、本発明は、回転パイプを切断するためにオーバラップする、非回転
刃を有するパイプ切断装置に関する。
【0002】 (背景技術) 中空の金属パイプは、通風ダクト用に広く用いられる。これらパイプは、薄肉
金属の連続帯板から成形される。1986年2月4日に発行された米国特許第4,567,74
2号には、3重リブ付き螺旋継目パイプ用の好ましい機械が説明されている。米 国特許第3,132,616(ヘイル)には、波形螺旋継目パイプを製造するための別の 形式の機械が説明されている。両形式の機械とも平帯板金属から出発する。帯板
は、端部を所定形状に曲げると共に、帯板に平行な波形を、又は、補強用リブを
成形する一連のローラを通過する。その後、帯板が該帯板の向かい合う端部が噛
合う螺旋形状をとるように、帯板は、成形用ヘッド(マンドレル)の内面周囲に
沿って螺旋状に進む。その後、帯板の相互に噛合った端部は圧縮されて、螺旋の
固定継目を有するパイプが成形される。帯板は連続して機械に供給され、螺旋に
継目されたパイプが連続的に生産される。
【0003】 パイプは、所望の長さに達したとき切断される必要がある。従来、あるパイプ
切断機では、パイプを切断するために回転鋸を用いていた。特定の機械において
、鋸がパイプの外側に取り付けられており、ここでは鋸がパイプ成形工程の邪魔
をしないようになっている。パイプを切断する準備ができると、パイプは動きを
止める。その後、鋸の刃がその切断位置に移動してパイプを貫く。その後、金属
帯板材およびパイプの成形作業が低速で再開される。これによって、パイプが前
進し回転する。1回の完全な回転にわたって、鋸はパイプと共に軸方向に移動す
るようになっており、その結果、パイプは完全に切断される。鋸は開始位置に戻
り、切断されたパイプ部分は排出用テーブル上に送り出される。その後、チュー
ブ成形工程は繰り返され、パイプの他の部分が製造される。
【0004】 金属パイプを切断するために高速鋸を使用することには幾つかの問題点がある
。第1に、5,000回転/分もの速度で回転する鋸刃は、機械の操作員および
機械の近くにいる全ての者にとって危険なものである。第2に、鋸は、金属を切
断する場合大量の火花を発生し、それは同様に危険な状況をもたらす。機械の近
くにいる者は皆、保護眼鏡をかけて、火花から自分自身を守らなければならない
。第3に、鋸での切断はパイプの端部にバリを残す。これらのバリは、誰かが削
り落とさなければならないし、バリで自分自身を切ることがないように注意をす
る必要がある。最後に、切断作業は大きな騒音を伴うものである。
【0005】 螺旋状に成形されたパイプを切断するための他の装置は、受動型の回転刃を用
いている。第1の回転刃がパイプの内側に配置され、第2の回転刃がパイプの外
側に配置されている。切断に際して、外側の刃が内側の刃とのオーバーラップ位
置まで移動し、パイプが回転すると刃も回転して、その間でパイプを切断する。
各々の回転刃は軸受組立体を必要とする。一般的に、軸受組立体には、精密な方
法で作られた多数の追加部品を必要とする。
【0006】 従って、高速鋸の問題点を解決し、個別の軸受組立体を備えた回転刃を有する
切断装置に比べて、複雑でなく且つ高価でないパイプ切断装置が望まれている。
【0007】 (発明の開示) 本発明は、高速鋸および回転刃の問題点を解決する、中空金属パイプ用のパイ
プ切断装置に関するものである。
【0008】 本発明の第1の態様によれば、上側刃が、ブームの前端部に非回転可能に取り
付けられている。刃の軸がパイプの軸と平行でありかつ、刃の刃先がパイプ内部
表面に隣接するように、ブームおよび上側刃は、パイプ内部に配置されている。
下側刃が、パイプの外側に非回転可能に取り付けられている。下側刃の刃先は、
上側刃の刃先と平行である必要があり、かつ、パイプの軸に対して直角である必
要がある。パイプを切断するために、ホルダが、両方の刃の刃先がオーバーラッ
プし、パイプを貫く位置に移動する。摺動用案内レールによって、ブーム、保持
具および刃が一緒にパイプの方向に運ばれ、刃はパイプを、パイプが回転するに
つれて刃の刃先間でパイプ軸に直角に切断する。
【0009】 本発明の刃は、パイプを切断するために、鋏と同様にせん断作用を利用してい
る。パイプは、高速鋸刃の火花、騒音および危険を伴うことなく切断される。つ
まり、本発明は、螺旋継目パイプの製造に関してより安全な環境を提供するもの
である。回転刃を利用するパイプ切断装置と違って、本発明の非回転刃は、軸受
組立体を必要とせず、その結果、複雑さと保守が軽減される。更に、本発明の切
断工程は、切断されたパイプ端部にバリを残さない。このことによって、切断さ
れたパイプのバリ取りに人手を要しないので、パイプ成形工程の効率が良くなる
。更にまた、本発明の切断装置は、現行の螺旋パイプ製造機に簡単に適用するこ
とができる。
【0010】 本発明は、更なる目的および付随する利点と併せて、図面と共になされる以下
の詳細な説明を参照することで充分に理解することができる。
【0011】 (好ましい実施の形態の詳細な説明) 図1を参照すると、本発明のスリッタ組立体200が、螺旋パイプ成形機10
と共に示される。図1から図3に示される螺旋パイプ成形機は、イリノイ州バッ
ファロー・グローブにあるスパイラル−へリックス社から入手できる。米国特許
第4,567,742号および第4,706,481号は同様に、非常に細部にわたって、適切なパ
イプ成形装置を説明している。これら特許の明細書を本明細書の一部としてここ
に援用する。スリッタ組立体200は、パイプが形成された端部で、スリッタが
パイプ中に接触できる、開放型成形ヘッドを用いる他の形式の螺旋チューブ成形
機に容易に利用することができるようになっている。勿論、スリッタ組立体20
0により具現化された本発明の広義の教示は、他の形式の螺旋チューブ成形機に
対しても同様に適用できることを意図したものである。
【0012】 螺旋パイプ製造機10は、図2に示される如く、ベース11aに置かれている
フレーム11を有している。ベース11a中の案内長穴(図示せず)によって、
成形ヘッド21に関して機械フレーム11の角方向を調節することができる。機
械フレーム11の向きによって、製造パイプ42の直径が決定される。制御キャ
ビネット12が、フレーム11に連結されている。機械10およびスリッタ組立
体50の作業を制御し監視するために、複数の制御ノブ、計器およびダイヤル1
4が制御パネル13上に設けられる。
【0013】 ローラ筐体16が、フレーム11中に取り付けられている。ローラ筐体は複数
のローラを含んでおり、これらは固定継目を形成するよう、金属帯板15の端部
を所定の形状に曲げると共に、これらは金属帯板中に波形溝および補強用リブを
成形することができる。ローラ筐体16に隣接して、上側駆動ローラ18および
下側駆動ローラ17がフレーム11内に回転可能に取り付けられている。上側駆
動ローラ18は、フレーム11からローラ筐体16を通って、下側ローラ17の
上に金属帯板15を引き入れる。その後、駆動ローラは協働して、上側案内板1
9および下側案内板20の間の金属帯板15を成形ヘッド21中に押し出す。
【0014】 成形ヘッド21は、金属帯板を円筒形の螺旋に巻き、これにより、帯板15の
向かい合う、予備成形された端部が噛みあう。その後、噛みあった、又は合わさ
った端部は、支持ローラ32と締付ローラ34との間で圧縮され、固定継目43
が形成される。金属帯板15は、駆動ローラ17、18によって、成形用ヘッド
21を通って、締付ローラ34および支持ローラ32の間に螺旋状に連続して送
り出され、これにより螺旋の固定継目43を有する中空の円筒形金属パイプ42
が連続的に製造される。
【0015】 図3に示すように、支持ローラ32は上側案内板19に取り付けられている。
支持アーム22(図2)が、支持ローラ32を押し下げてその位置に保持する。
支持アームは、スリッタ組立体200の狭い領域の中に適合するよう巾細のもの
であることが好ましい。支持アーム22は、偏心軸(図示せず)回りを回転し、
支持ローラ32をしっかりと締め付ける。また、偏心軸は、支持アームが締め付
け位置にない場合に、支持アーム22が成形ヘッド21から離れて揺動できるよ
うにする。制御レバー26(図1)は、支持アーム22を偏心軸回りに回転させ
るために用いられ、支持ローラ32に加えられる圧力を制御する。固定レバー2
7は、制御レバー26を固定し、または解除するものである。
【0016】 締付ローラ34は、公知の方法で作動する、従来からの油圧シリンダ組立体に
よって、締付を行う位置への入出移動がなされる。シリンダ組立体は、図3に示
されるように、締付ローラ34を支えるヨーク36を含んでいる。ヨークは、シ
リンダ・ヘッド38に摺動して出入りするピストン・ロッド37に取り付けらて
いる。シリンダ・ヘッド38は、シリンダ筒39に、ボルト40で取り付けられ
ている。油圧シリンダ組立体は、固定継目43を閉じるために、締付用ローラ3
4に圧力を与える。
【0017】 成形ヘッド21は、成形ヘッド基台23に対して、締付け具211,212お
よびボルト24aでしっかり固定されている。第1の締付け具211は、成形ヘ ッド基台210の側面に対してボルト締めされ、第2の締付け具212は、成形 ヘッド基台210の上部に対してボルト締めされている。従って、第1の締付け 具211は、如何なる寸法の成形ヘッド21にも互換性がある。
【0018】 成形用ヘッド基台210の長さは、図4に示されるように、下側の切断用刃3
01が、その開始位置に戻るときに、成形用ヘッド基台を打つことがないように
、さらに切断工程に関して切断用刃300、301の開始位置を容易に調節する
ことができるように設計されている。刃300、301が最初にオーバラップす
るとき、パイプの固定継目43のまさしく目前で、パイプ42を貫くことが好ま
しい。トグル・シリンダ組立体250は、下側刃301を押し上げて厚い固定継
目43を貫くのに、常に充分な強さであるとは限らない。しかし、一旦トグル・
シリンダ組立体のリンクがその垂直位置に固定されると、(図4参照)、パイプ
42が刃の間で回転し、刃が固定継目43を切り開く間に、トグル・シリンダ組
立体は、刃をオーバーラップする関係に維持しておくのに充分な強さである。更
に、成形ヘッド基台に近いところで固定継目43を切り開くことが好ましい。成
形ヘッド基台から余りにも遠く離れたところで固定継目が切断される場合は、パ
イプは揺れの影響を受けやすく不規則な切断部になってしまう。
【0019】 以下に詳細に説明されているように、好ましい本スリッタ組立体200が、パ
イプ成形装置10に取り付けられている。スリッタ組立体200の多くの構成要
素は、その開示内容全てが本明細書の一部としてここに援用される米国特許第4,
706,481号において開示されたものと同様のものである。スリッタ基板214は 、螺旋チューブ成形機ベース11aにボルト締めされていることが好ましい。し
かし、ある場合には、スリッタ組立体200を、機械ベースに固定された取り付
け板に取り付けることが必要であることがある。左側の2つのベース脚216お
よび217は、基板214にアレン・ボルト220により直接固定されている。
右側の2つのベース脚218および219は、調節基板221にアレン・ボルト
220により固定されている。ねじ切りされたボルトおよび固定レバー222は
、右側の脚218,219とそれらが取り付けられた調節基板221とを、基板
214に対して取り外し可能に固定するものである。
【0020】 ここで図1、図4および図5を参照する。それぞれのベース脚216−219
には、複数の案内ローラが設けられている。左側の前脚216には、垂直に配置
された下側案内ローラ216−lと、水平に配置された上側案内ローラ216−
hとが設けられている。右側の前脚218には同様に、垂直に配置された下側案
内ローラ218−lと、水平に配置された上側案内ローラ218−hとが設けら
れている。左側の後脚217には、垂直に配置された下側案内ローラ217−l
と、垂直に配置された上側案内ローラ217−uおよび水平に配置された上側案
内ローラ217−hとが設けられている。右側の後脚219には、垂直に配置さ
れた下側案内ローラ219−lと、垂直に配置された上側案内ローラ219−u
および水平に配置された上側案内ローラ219−hとが設けられている。前側ベ
ース脚216および218も同様に構成され、後側ベース脚217および219
も同様に構成されている。
【0021】 各々の案内ローラは、軸回りに配置された複数のニードル軸受回りを回転する
スチールリングを含んでいる。スリッタ組立体200で使用するのに適する案内
ローラは、幾つかの供給元(例えば、イリノイ州アーリントン・ハイツのIKOベ アリングス社、もしくは、イリノイ州エルク・グローブ・ビレッジのINA社)か ら販売されている標準カム従動ローラである。ローラ軸223からねじ切りされ
た端部、223−eは、ベース脚216から219の孔を貫通して延び、ナット
224で各々の脚に固定されている。後脚217,219上のすべての案内ロー
ラ、即ち、案内ローラ217−l、217−h、217−u、219−l、21
9−hおよび219−uは、偏心軸223−e上の各々の脚に取り付けられてお
り、これら案内ローラの位置は、軸223−eを回転させることで調節できるよ
うになっている。一方で、前脚216,218のすべての案内ローラ、即ち、案
内ローラ216−l、216−lおよび218−hは、調節することが意図され
ていない真っ直ぐな軸223上に取り付けられている。
【0022】 スリッタ組立体200の案内ローラの配置は、直線案内ビーム228−f,2
28−r(228と称する)に連結される切断刃300、301の直線移動が容
易になるよう設計されている。各々のベース脚216,217,218および2
19は、各々、下側案内ローラ216−l,217−l,218−lおよび21
9−lを有し、これらは案内レール228を支持し、その上をレール228が、
軸方向に直線移動可能な転がり面をもたらす。これらの下側案内ローラは、レー
ル228が同一平面上にあり、レールの重量が全4つの下側ローラに配分される
ように、同じ高さで各々のベース脚上に取り付けられることが好ましい。(右側
のベース脚は調節基板221上に取り付けられるので、右側ベース脚218,2
19は、それらと対になる左側ベース脚216,217に比べ若干短いことに注
意されたい。)もちろん、後側脚の下側案内ローラ217−l,219−lの高
さは、偏心軸223−eを介して調節することができる。
【0023】 また、全4つのベース脚216−219は、水平に配置された案内ローラ21
6−h,217−h,218−hおよび219−hを含んでいる。案内レール2
28は、これらの水平ローラ間を摺動する。後側脚217−hおよび219−h
の水平ローラの位置は、案内レール228がローラ間を摺動しても左右に移動す
ることのないように、偏心軸223−eを介して調節される。レールを移動中に
何か遊びがある場合には、毎回全く同様にパイプを切断することは困難であろう
。4つの水平案内ローラ216−h、217−h、218−hおよび219−h
は、同一の高さに取り付けられることが好ましい。また、それらは前後のレール
が交換される場合に、クリーン・トラックが得られるよう案内レール228の中
心線下側に取り付けられている。
【0024】 2つの後側脚217および219は、各々垂直に配置された上側案内ローラ2
17−uおよび219−uを支持する。これら2つのローラの高さは、後側案内
レール228−bが、後側下側案内ローラ217−l、219−lと後側上側案
内ローラ217−u、219−uとの間を全く垂直方向の遊びがない状態で移動
できるように、それらの偏心軸223−eを介して調節される。上側案内ローラ
217−uおよび219−uは、切断作業の間に、スリッタ組立体のこの側の力
が上方向および下方向の両方向に作用できるので、後側ベース脚上にあることが
必要である。前側ベース脚216、218には、スリッタのこの側において作用
する全ての力が下向きなので、垂直に配置される上側案内ローラは不要である。
しかし、切断の間にパイプが回転するとスリッタを前脚方向に押すので、前脚2
16および218上では、重荷重に耐えられる案内ローラが使用される。
【0025】 2つの案内レール228は、それらの左端においてレールにボルト締めされた
冷間圧延のスペーサ・ロッド245によって分けられている。それらの右端にお
いては、案内レール228は、垂直ブーム保持具230にある脚231および2
32によって分けられている。ブーム保持具の脚231および232は、前側お
よび後側案内レール228−fおよび228−bに対して、それぞれ、ボルト2
33を用いて固定されている。(例えば、図20を参照)。2つの脚231およ
び232の間の開口部は、支持アーム22のための空隙をもたらす。
【0026】 ブーム保持具230の上部は、片もちのブーム240を収容する中央キャビテ
ィを有している。この中央キャビティは、分割開口部236によって分れた2本
のアーム234および235によって形成されている。ブーム保持具のアーム2
34、235を締付けるために、2本のアレン・ボルト237が使用され、それ
によって中央開口部の直径および分割開口部236の幅の調節を行う。アーム2
34および235を押し離すために留めネジ238が使用されており、これによ
りアレン・ボルト237を緩めたときに、分割開口部236および中央キャビテ
ィを拡張するようになっている。定められた方向にブーム230を保つために、
位置合わせピン239が、前側アーム234を貫通して挿入される。位置合わせ
ピン239は、ブーム240にある対応する孔にぴったりと嵌まる。
【0027】 垂直ブーム保持具230は、特にパイプが切断中に座屈しスリッタが動かなく
なった場合に、ブーム240を取り除き易くする。ブーム240を取り除くには
、ブーム240から位置合わせピン239を取り外し、アレン・ボルト239を
緩め、留めネジ238を内側に回してブーム保持具230のアーム234および
235を引き離す。その後、ブーム240をブーム保持具230から引き出すこ
とができる。ブーム保持具230に、ブーム240を挿入することも容易である
。具体的には、留めネジ238を回してアーム234および235を引き離し、
ブーム240を中央キャビティ中に挿入し、位置合わせピン239をしっかりと
ブーム240中に挿入し、アーム234および235がブームをしっかり把持す
るまでアレン・ボルト237を締付ける。
【0028】 6インチ(約15.24cm)以上といった、より大きな直径のパイプに対し
ては、より大きな直径のブームが適している。他の点では全く同一ではあるが、
より大きな中央キャビティを有するブーム保持具230は、より大きなブームと
共に使用される。重量のある5インチ(約12.7cm)ブームを使用する場合
には、必要ではないが、後側案内レール228−b、脚および下側刃案内組立体
73の中央部分、および下側刃301を、より巾広にすることが好ましい。また
、21/8インチ(約5.4cm)のブームは、小さな直径のパイプを切断するの に、スリッタ200と共に使用できる。1つの実施の形態において、このブーム
は、ブーム保持具230に接続される右側端部で直径が3.5インチ(約8.9
cm)である。このブームはそこから細くなり、中央近辺では直径21/8インチ (約5.4cm)である。この小型ブームは、直径が32/8インチ(約8.26 cm)までの小さなパイプを扱うことができる。
【0029】 ブームの直径がどうあろうとも、ブームの左端で、上側刃300が下側刃30
1から常に同じだけ横方向に離れるように、ブーム230の長さは常に同じでな
くてはならない。実際のところ、位置合わせピン239の機能の1つは、上側刃
300が、下側刃301を基準として常に同じ横方向配置にあることを保証する
ものである。
【0030】 もちろん、程度の差はあるにしても、様々な直径を有するブームを作ることが
できる。小さな直径のブームは、小さな支持ローラ32と共に使用されるので、
巾広のブームに比べると作られることが少ない。一方で、5インチ(約12.7
cm)直径のブームは、大きな支持ローラ32および支持アーム22と共に使用
されるのでより多く作られる。どの程度作られるかは、個々の用途による。重要
な基準は、ブームが、上側切断刃300を保持するのに充分な強度を保ちながら
、支持アーム22および支持ローラ32のための適切な空隙を提供することであ
る。上側切断刃300は、ブーム240の前端部の受け口318内に、調節可能
に取り付けられている。
【0031】 図6および図7は、上側刃300および下側刃301のいづれとしても、スリ
ッタ200に付けて使用することができる、好適な非回転刃300、301を示
している。刃300,301は、2つの湾曲端部302を刃の両端部に有してい
る。また、刃は、湾曲端部302につながる2つの平らな平行側部304を有し
ている。刃は、単一片のA2−60−62°HRC鋼で構成することができる。
各々の湾曲端部302は、面取りされており、1つの刃先306を有しているこ
とが好ましい。刃の各端部の面取りは、パイプと接触する表面領域を減少させる
ことで、刃の端部とパイプとの間の摩擦を最小限にする。好ましい実施の形態に
おいて、この面取りは、刃の2つの面303に直交する線に対して、約10°か
ら30°の間の角度で形成されている。他の角もまた面取りのために利用可能で
ある。
【0032】 2つの楕円形長穴308が、刃の厚み“t”を貫通し、互いに平行に指向され
ている。楕円形長穴は、刃の各湾曲端部302の間に延びている。同心の楕円形
溝310が、各刃の刃先側において、各々の楕円形長穴308を取り囲み、ボル
ト・ヘッドをあてがって締付けるための棚を形成している。同じ下側刃301を
、あらゆる寸法の上側刃300用に使用することができる。しかし、3重リブ螺
旋継目パイプを切断するために、より鋭い湾曲刃先306を有する巾広の下側刃
301を、巾広の上側刃300と共に使用することが好ましい。
【0033】 図8および図9に示されるように、刃300、301は、ブーム240および
下側刃の案内組立体73に、ボルト312により調節可能に取り付けられている
。ボルト312は、各々の長穴308に配置され、ブームのねじが切られた部分 314と、下側刃案内組立体73のねじが切られた部分316にしっかりとねじ
込まれている。ブーム240にある受け口318は、上側刃300を収容するよ
うに設計された、ブーム240の端部にある凹み領域であることが好ましい。こ
の受け口318は、刃300の平らな平行側部304にぴったりと一致する2つ
の側壁を有している。受け口の側壁および2つのボルト312は、刃がどのよう
に回転しようとしてもその運動を阻止する。留めネジ320は、受け口318に
隣接する、ブーム240の切り欠き領域322に配置されている。留めネジの端
部は、ブームを貫通して半径方向に延び、受け口318に入り、刃300の湾曲
端部302に接している。ブームに刃を保持しているボルト312を緩め、切断
されるパイプ内周近くの所望位置に刃を摺動させることで、刃は調節可能である
。ボルト312の再締付けの後、パイプ半径方向に対する如何なる刃300の移
動をも阻止するよう、ユーザは留めネジ320を締付けることができる。
【0034】 同様に、図8および図9に示されるように、下側刃は、下側刃の収容領域32
6にボルト312によって保持されている。下側刃のための留めネジ324は、
パイプを切断するために使用される湾曲端部の反対側にある、刃の湾曲端部30
2に接し、如何なる半径方向の移動をもなくす。上側および下側刃300,30
1が同じ寸法である場合は、上側および下側刃300,301は互換性があるこ
とが意図されている。
【0035】 図10および図11は、刃350,351に関する別の実施の形態を示してい
る。この実施の形態にあっては、刃350,351は同様に、刃の両端部に湾曲
端部352と、その端部352につながっている2つの平らな平行側部354と
を有している。各湾曲端部は、刃の厚み“t”だけ隔てられた2つの刃先356
を有している。図6および図7の実施の形態と異なり、図10および図11に示
される湾曲端部352は、刃350,351の2つの面353に直交している。
2つの楕円形長穴358は、両面353の間の刃の厚み“t”を貫通している。
同心の楕円形溝360が、刃の両側で、それぞれの楕円形長穴358を取り囲ん
でいる。この実施の形態の利点は、各々の刃が4つの刃先356を有しており、
その各々を、所望の刃先が他方の刃の刃先とオーバーラップするよう指向される
ように使用できることである。1つの刃先が摩耗した場合に、刃を取り外し、裏
返すかひっくり返すかして、ボルト312で再び取り付けることで新品の刃先3
56が使用状態に配置される。
【0036】 スリッタ組立体200中で使用される下側刃の案内組立体73が、図8、図9
および図12に示されている。この組立体は、ネジ77により後側案内レール2
28−bにしっかり固定されている第1の案内脚75を有してる。ネジ77のた
めに、第1の脚75中に孔77aが設けられる。もう一方の案内レール228−
fに、第2の脚84がより多くのネジ77およびネジ孔77aを用いて取り付け
られている。中間脚80が、ボルト85によりて第2の脚84に連結されている
。これら3つの脚は、熱処理でロックウエル硬度58−60に硬化された鋼で作
られている。第1の脚75および中間脚80の両方は、互いに向かい合う一体の
V字形舌状部81を有している。V字形溝79を有する中央部78は、V字形舌
状部81を摺動して上下するようになっている。直線型のV字形に配列された、
イリノイ州アーリントン・ハイツのイコ・ベアリングス社が販売するニードル軸
受帯(図示されず)が、V字形溝79とV字形舌状部81との間に配置されてお
り、中央部78が殆ど摩擦抵抗なしに動くことができる。保持リップが、V字形
溝79の頂部と底部とに取り付けられており、軸受帯87を所定位置に保つよう
になっている。4つの6角ネジ88が第2の脚84の孔にねじ込まれる。これら
のネジ88の端部は、中間脚80の表面と係合し、中央部78と、その2つの隣
接する脚75および80との間の軸受帯87に圧力を加える。軸受帯の圧力は、
下側刃300において、上下および左右の遊びがないように、6角ネジ88を用
いて調節する必要がある。刃先における遊びは、バリ、および/または、不良切
断面を残すことになる。第1の脚75および第2の脚84の底部端は、ストラット
90およびボルト91により結合されている。
【0037】 図1および図4を参照する。重荷重に耐えるトグル・シリンダ組立体250は
、スリッタ組立体200と共に使用され、下側刃の案内組立体73の中央部78
を、従って下側刃301を上下方向に移動させる。トグル・シリンダ組立体25
0に適しているシリンダの1つは、直径3.5インチ(約8.89cm)で、1イ ンチ(約2.54cm)ストロークの空気圧シリンダであり、ミルウォーキ・シ
リンダ社が販売している。トグル・シリンダ組立体250は、単一の上側トグル
・リンク251を有し、それは中央刃の保持具78に対して、上側ピン252を
用いて旋回可能に接続されている。上側トグル・リンク251は同様に、中央ピ
ン253に対して旋回可能に接続されている。下側トグル・リンク254は、一
端が中央ピン253に、他端が下側ピン255に旋回可能に接続された2つの部
品から構成されている。下側ピン255は、下側トグル・リンク254を、支柱
244に一体の突起256を用いて連結している。ヨーク257は、中央ピン2
53を、シリンダ筒259の一端を摺動して出入りするピストン・ロッド258
に連結している。トラニオン260が、シリンダ胴259の反対側の端部に接続
されている。バー261が、トラニオン260と、第2ヨーク262および支持
ブラケット264,265にある楕円形長穴263を貫通して延びている。
【0038】 支持ブラケット264、265は、トグル・シリンダ組立体250を支持して
いる。前側ブラケット264は、下側刃の保持具組立体73の第1の脚75の底 部にボルト272によって取り付けられ、前側案内レール228−fに対してフ
ランジ270によって取り付けられている。フランジ270は、前側支持ブラケ
ット265に対して溶接され、前側案内レール228−fの左端に対してボルト
271を用いて取り付けられている。後側ブラケット265は、下側刃の保持具
組立体73の第2の脚84の底部に対して、ボルト272を用いて取り付けられ
ている。支持ブラケット264、265の左端は、端板269により互いに結合
されている。ねじ切りされた軸266が、第2ヨーク262から端板269の開
口部を貫通して延びている。相補的にねじ切りされたロックレバー267が、端
板269に隣接して、ねじ切りされた軸に取り付けられている。ねじ切りされた
軸を回転させるために、調節レバー268が、ねじ切りされた軸266の端部に
取り付けられている。
【0039】 トグル・シリンダ組立体250は、下側刃の保持具の中央部78を介して、下
側の切断刃301を上側刃300とオーバラップして切断を行う位置へ及び該位
置から移動させるよう作動する。また、トグル・シリンダ組立体250は、案内
レール228および下側刃の保持具組立体73と共に軸方向に移動できるように
なっている。支持ブラケット264,265は、重量のあるトグル・シリンダを
支持するために、その全長にわたって下側刃の保持具組立体73の巾で分けられ
ている。上側、中央および下側ピン252,253および255それぞれの直径
は、重負荷の下で曲がることのないように設計されている。これら3つのピンは
、同じ寸法の直径を有することが好ましい。上側のトグル・リンク251は、単
一の頑丈な部品であり、下側のトグル・リンク254は、上側のトグル・リンク
の隣に配置されており、下側刃の保持具組立体73を押し上げるために、小さな
力と、軽荷重軸受を必要とする。
【0040】 下側刃301の切断および休止位置を調節するために、ロックレバー267を
、緩むまで回す。その後、深さ調節レバー268を回して、シリンダ胴259を
、支持ブラケット264、265の長穴263に沿って軸方向に移動させる。所
望の調節がなされたとき、ロックレバー267を締付ける。
【0041】 スリッタ組立体200は、図11に示される如く調節可能な直線運動(もしく
は、軸方向運動)ストッパ276を含んでいる。ストッパ板276は、後側案内
レール228−bの左端にボルト281により取り付けられている。ねじ切りさ
れたボルト280が、ナット279によりストップ板276にしっかりと固定さ
れている。調節を容易にするために、ナットに対してレバーが取り付けられてい
る。ボルト280のヘッド277が、ワイパ組立体285の反対側にあり、後側
、左側ベース脚218に固定されたゴム・パッド278に係合している。切断が
完了した後に、摩擦補償シリンダ148が、案内レール228および付属切断刃
300,301を、開始位置に向けて戻す場合に、ボルト・ヘッド277は、直
線(軸方向)運動を終了させるようゴム・パッド278に係合する。つまり、ス
トッパ板276は刃300、301の開始位置を制御する。開始位置は、ストッ
パ板276およびボルト・ヘッド277間の距離を調節することで制御可能であ
る。
【0042】 刃300、301の開始位置は、通常、異なる半径を有する新しいパイプを作
るために成形ヘッド21を交換する度に調節が必要である。異なる寸法の成形ヘ
ッドおよびパイプによって、通常、刃に相対する固定継目の位置が変わる。つま
り、上述の理由で、刃が固定継目のまさしく直前から切断工程を開始するよう、
刃の開始位置を調節することは利点がある。
【0043】 図5から図5gを参照すると、スリッタのピッチは調節可能である。スリッタ
200の右側ベース脚218および219は、これらの脚および板221が互い
に移動できるように、ベース調節板221に取り付けられている。右側ベース脚
218および219と、ピッチ調節板221は、これらが連結されたベース脚を
アーチ形経路に沿って左右に動かすことができるように、角度をもつ調節長穴2
91をもって設けられている。レバー290が、スリッタ組立体のピッチ調節を
行なうために使用される。このピッチ調節レバー290は、ベース調節板221
に回転可能に取り付けられた第1の円形軸292と、第1の軸292上に偏心して
取り付けられ、スリッタ・ベース板214の楕円形長穴294に回転可能に取り
付けられた第2の円形軸293とを有している。
【0044】 スリッタ組立体200のピッチは、以下の方法で調節される。右側ベース脚お
よびピッチ調節板221がベース板214から解放されるよう、右側ベース脚2
18、219のねじ切りされたボルトとロックレバー222とを緩める。その後
、ピッチ調節レバー290を、例えば、反時計方向に回し、ピッチ板221と取
り付けられている右側のベース脚とを、調節長穴291に沿って反時計方向に回
転させる。スリッタのピッチが、上側および下側刃300、301の間で、適切
な整列を達成したとき(即ち、きちんとした、直角パイプ切断)、ロックレバー
222を締付けて右側ベース脚とピッチ調節板221とをベース板214に固定
する。
【0045】 以上に示され説明したスリッタ組立体の作動を、特に図14および図15を参
照して説明する。制御パネル13の左手側にあるダイヤルおよびスイッチ14は
、1年以上前に市場に出回った螺旋パイプ製造機が果たすものと同じ機能を果た すものである。スリッタの開始および停止ボタンは、スリッタ組立体200を用
いて、パイプ42の前縁を切り取るために用いられる。「低」ダイヤルは、減速
段階および切断作業の間にパイプ速度を制御するものであるが、切断速度は帯板
の厚みとパイプ径とに依存するものではない。
【0046】 制御パネルの右手側において、油圧ゲージ14aがダイヤル14fで制御され
る。ダイヤル14fが第1の設定にあるとき、油圧ゲージ14aは、上側駆動ロ
ーラ18に関する油圧を示す。第2のダイヤル設定にあっては、油圧ゲージ14
aは、締付ローラ34の圧力を示す。第3の設定にあっては、駆動モータの圧力
が示され、第4の位置にあっては、ポンプ圧力が示される。駆動ローラ油圧逃が
し弁14cは、駆動ローラ圧力を制御し、また、締付用ローラ油圧逃がし弁14
dは、締付ローラ圧力を制御する。空気圧ゲージ14bは、摩擦補償シリンダ組
立体148に関する圧力を示す。空気圧逃がし弁14cは、ピストン・ロッド1
49の戻りストロークに関する空気圧を調節する。(即ち、切断工程の間)。
【0047】 図15に示される、スリッタ組立体200の空気圧制御システムの概略図は、
公知の方法で機能する幾らかの従来からある要素を含んでいる。例えば、空気供 給源158が、フィルタ159、圧力調整器160および潤滑装置161を介し
て接続されている。方向弁162は、トグル・シリンダ組立体250、摩擦補償
シリンダ148およびパイプ排出シリンダ163の作動を制御する。
【0048】 螺旋継目パイプは、パイプ製造機10を用いて、公知の方法で製造できる。金
属帯板16が機械10に供給され、米国特許第4,567,742号に説明される方法で 螺旋継目パイプに成形される。一旦金属帯板が機械に挿入されると、操作員が「
メイン」ボタンを押すことで、メイン・モータ(オイル・ポンプ)の運転が開始
される。次いで、「給油器」ボタンを押して給油ポンプが運転を開始する。「低
」の速度選択を調節して切断速度を設定し、また、「高」の速度選択を設定して
パイプ製造速度を調節する。その後、操作員は、「自動」制御ノブにより手動又
は自動運転を選択する。操作員が、自動モードで「高」に合わせると、パイプ製
造機10は、連続的にパイプを製造し、スリッタ200は連続的に切断部分に切
り分けることになる。手動モードにあっては、パイプ製造機10は連続的にパイ
プを製造し、スリッタはパイプを自動的に切断部分に切り分けるが、パイプ製造
機は、パイプ部分が排出されてしまった後に停止することになる。本発明の実施
の形態は、従来からあるプログラマブル・コントローラの下で行われる。もちろ
ん、その代わりにスイッチおよび遅延タイマを用いてもよい。
【0049】 図15を参照すると、金属帯板15が、螺旋継目パイプ42に成形されると、
パイプ42は回転し、軸方向に前方へ移動する。パイプの外端部166が、第1
のリミット・スイッチ167に当たると、上側駆動ローラ18が減速する。従っ
て、パイプ42は更にゆっくりと移動する。次いでパイプ42が第2のリミット ・スイッチ168に当たると、パイプ製造機は、上側駆動ローラを停止させ、パ
イプ42の移動が停止する。その後、空気がトグル・シリンダ組立体250に供
給され、下側刃301を持ち上げる。下側刃は、その刃先が上側刃の刃先にオー
バーラップするまで持ち上げられ、パイプ42を貫く。下側刃の案内組立体73
の上昇および下降速度が速くなり過ぎることのないように、制限オリフィスおよ
びチェック弁169がトグル・シリンダ組立体250の入出ラインに設けられて
いる。
【0050】 1秒から2秒の遅延の後、上側駆動ローラ18が低速度で再び運転を開始し、
摩擦補償シリンダ148が方向を転換する。従って、パイプ42は、前方移動お
よび螺旋回転を再び開始する。しかし、パイプ42はオーバーラップしている上
側および下側刃300,301の間で回転することになる。回転しているパイプ
は、オーバーラップしている刃300,301の間で回転する。固定された、非
回転刃が、パイプの回転にともなって協働してパイプを切断するように、回転パ
イプは、オーバーラップしている刃300,301の間で回転する。刃300、
301および、スリッタ組立体に取り付けられた構成要素は、移動パイプが刃を
押すことと、摩擦補償シリンダ組立体148の引き込み動作とによって、パイプ
の方向に移動することになる。パイプ42が完全に1回転した後に、パイプは、
上側および下側刃で、直角に(即ち、パイプの軸に対して垂直に)完全に切断さ
れなければならない。
【0051】 摩擦補償空気シリンダ148は、戻り(「引き込む」)ストロークでは低圧の
下で動作する。この圧力は、制御パネル13上の空気圧制御ノブ14eで調節さ
れる圧力逃がし弁170によって制御される。破線170aは、逃がしラインを
示す。引き込み圧力は、直線型の軸受・ユニット58における、如何なる摩擦抵
抗をも補償するよう調節される必要がある。シリンダ148の圧力は、刃300
,301が指で触れると横に移動するように、軸受における摩擦と均衡しなけれ
ばならない。この圧力均衡は、ブーム240を押している間に手動でシリンダ圧
力を調節することで、又は、バルブにより自動的に得ることができる。圧力補償
シリンダ148は、刃に加わる唯一の力がパイプ回転力であるように、刃と、取
り付けられた構成要素とが、パイプと共に軸方向に移動できるようにする。
【0052】 きれいに切れた直角切断のパイプを得るために、刃300、301および、そ
れに取り付けられた部品の全てが正しく位置合せされ、摩擦が無いかの如く移動
されることが重要である。同様に、刃が適当な空隙を有し、遊びが無いことが重
要である。何もかもが正しく調節されていないと、切り口は直角にはならない。
その代わりに、切り口は螺旋状に成形されることがあり、その結果、切断の開始
点と終点とが合わなくなる。
【0053】 ピストン・ロッド149の伸張ストロークは感度が良くないので、圧力補償シ
リンダ148を開始位置に戻す(押し出す)ために高圧が使用される。圧力逃が
し弁171は、この圧力を調節するために使用される。逃がし弁171および圧
力ゲージ171aは、制御キャビネット12内に置かれる。チェック弁および制
限オリフィス169が、高圧戻りを制動するのに用いられる。
【0054】 スリッタ組立体200は、スリッタ組立体が第3のリミット・スイッチ173
に接するまでパイプと共に移動し続ける。このリミット・スイッチは、パイプ製
造機10およびスリッタ組立体200を用いて製造される、あらゆる寸法(直径
)のパイプが1回転することで切断が完了する位置に配置されている。実際には
、リミット・スイッチ173は、切断面に若干オーバーラップするよう設けられ
る必要がある。切断が完全に終わってないない場合は、パイプの2つの切断部分
は、金属の細長い小片でくっ付いている。直径が4インチ(約10.16cm)
から24インチ(約60.96cm)の範囲のパイプは、約5.5インチ(約1
3.97cm)の軸方向移動で1回転する。その後、パイプ製造機10は再度停
止する。トグル・シリンダ組立体250は、待機位置に下げられる。短時間の遅
延の後、摩擦補償シリンダ148が方向転換し、刃300,301を開始位置に 戻す。
【0055】 次に、パイプ排出シリンダ163が、アーム175を持ち上げ、排出テーブル
上に切断されたパイプ部分を送り出す。チェック弁および制限オリフィス169
が設けられているので、排出アーム175はゆっくりと、穏やかに上げ下げされ
る。排出アーム175が戻るとき、それらは第4のリミット・スイッチ176を
閉じる。パイプ製造機10は、このリミット・スイッチが閉じるまで、運転を再
開しない。パイプ製造機10が自動モードであり、第4のリミット・スイッチ1
76が閉じると、機械10およびスリッタ200は、パイプの成形および切断の
前記工程を自動的に繰り返す。手動モードの場合、パイプの残りの部分に前記工
程を繰り返して行うには、操作員は「高」ボタンを押す必要がある。
【0056】 好適なスリッタ組立体の他の実施の形態が、図16から図18に示されている
。この実施の形態にあっては、パイプが切断されている間に切断工程を助ける目
的で、パイプ切断部が、下側の非回転刃301を、パイプの半径方向に向かって
上下に連続的に往復動をさせる。前記と同様のトグル・シリンダ組立体250が
、本実施の形態に用いられる。下側刃の案内組立体400は、2つの隔てられた
中央ブロック402、404を含んでいる。リフト中央ブロック404は、上側
のトグル・リンク251に接続され、シリンダ259およびシリンダ・ロッド2
58によって上下に移動される。刃を保持する中央ブロック404は、下側刃3
01がパイプ42を無傷のままに保つ待機位置と、下側刃がパイプを貫いて内側
刃300とオーバーラップする切断位置との間を移動する。刃を保持するブロッ
ク402は、リフトブロック404に対して、リフトおよび揺動中央ブロック4
02、404を貫通して延びている偏心軸406によって、摺動可能に接続され
ている。中央ブロックは平行になっており、ブロックと第1のおよび第2の側脚
410、412との間に配置されたニードル軸受408によって、垂直方向に案
内される。中間脚414は、第2の脚412に結合されている。両中央ブロック
402,404は、それらの動きを容易にするため、V字形の隆起418および ニードル軸受408と協働するV字形溝416を有することが好ましい。
【0057】 モータ420が、シリンダ組立体250を保持する支持ブラケット265に取
り付けられている。モータ420は、刃を保持するブロック402を、両端に自 在継ぎ手424を有する摺動軸を介して駆動する。モータは、1/8馬力DCモ
ータで1700回転/分で回転可能なものでよい。摺動軸422は、必要に応じ
て伸縮し、リフトブロックが切断および待機位置の間で移動できるようにする。
自在継ぎ手424は、モータの回転エネルギを偏心軸406に伝達することを容
易にする。
【0058】 偏心軸406は、スラスト軸受426およびニードル軸受428から構成され
るリフトブロック404の軸受組立体を貫通している。偏心軸406は、リフト
ブロック404の軸受組立体を貫通し、刃の保持ブロック402の軸受組立体の
中に入っている。スラスト軸受426およびニードル軸受428から構成される
軸受組立体は、刃の保持ブロック402内の摺動部材430内部に配置されてい
る。摺動部材は、刃の保持ブロック402内にある開口部432中を、水平方向
に摺動することができる。摺動部材がどちら側へも自由に摺動できるように、開
口部が潤滑されていることが好ましい。偏心軸406のオフセット部434は、
刃保持ブロック402の軸受組立体中に置かれている。従って、モータ420が
摺動軸422および偏心軸406を回すと、オフセット部434が回転して、刃
保持ブロック402を上下に移動させ、摺動部材を前後に摺動させる。偏心軸の
オフセット部は、リフトブロックが切断位置にあるとき、刃300,301が常
にオーバラップするように、僅かに、例えば0.030インチ(約0.76mm
)、オフセットされていることが好ましい。刃保持ブロックの微小移動は、より
厚肉のパイプを切断するのに役立つ鋏型動作をもたらす。その他の点においては
、図16から図18に示される実施の形態のパイプ切断動作は、図1から図15
の実施の形態で説明されたもの同一であることが好ましい。傾斜をもたない端部
を有する刃350,351を、図16から図18に示される傾斜端部を有する刃
300,301の代わりに、もしくは、それに互換できるものとして使用するこ
とが好ましい。
【0059】 上記の好ましい実施の形態に関する、種々の変更および変形は、当業者にとっ
て明白なものである。前述の説明は、限定的というよりもむしろ例示的なもので
あることと、本発明の範疇を定義するのは、全ての等均等物を含んでいる添付の
請求の範囲であることが理解できるということを意図している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好ましい実施の形態に基づいたパイプ成形および切断装置の斜視図で
ある。
【図2】 本発明の好ましい実施の形態に使用される螺旋パイプ製造機の側部正面図であ
る。
【図3】 図4のライン3−3に沿う断面図である。
【図4】 図1の実施の形態の部分的正面図および部分的断面図である。
【図5】 図4のライン20−20に沿う断面図である。
【図5a】 図5のライン20a−20aに沿う断面図である。
【図5b】 図5aのライン20b−20bに沿う断面図である。
【図5c】 図5のライン20c−20cに沿う断面図である。
【図5d】 図5cのライン20d−20dに沿う断面図である。
【図5e】 図5のライン20e−20eに沿う断面図である。
【図6】 図1のパイプ・スリッタ組立体で使用するための非回転刃の正面図である。
【図7】 図6のライン7−7に沿う横断面図である。
【図8】 切断位置にある好ましいパイプ切断装置の斜視断面図である。
【図9】 図8のパイプ切断装置の側部断面図である。
【図10】 図6の非回転刃の他の実施の形態である。
【図11】 図10のライン11−11に沿う横断面図である。
【図12】 下側刃の案内組立体の立体分解図である。
【図13】 図4のライン13−13に沿う断面図である。
【図14】 本発明を組み込まれた螺旋パイプ製造機の制御パネルの正面図である。
【図15】 本発明の油圧制御システムの概略図である。
【図16】 第2の好ましい実施の形態の切断装置の側部断面図である。
【図17】 図16の切断装置の上面図である。
【図18】 図16の切断装置の正面断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 螺旋状に成形されたパイプを切断する装置であって、前記パ
    イプは該パイプの長手方向の軸回りに所定方向に能動的に回転され、前記パイプ
    は前記長手方向の軸に沿って移動するものであって、 前記パイプの内側に配置される非回転可能な内側の刃と; 前記パイプの外側に配置される非回転可能な外側の刃と;および、 前記外側の刃に接合された刃位置決め装置であって、前記刃位置決め装置は前
    記外側の刃を待機位置から切断位置に移動させるようになっており、前記内側の
    刃と外側の刃とが、オーバーラップして前記パイプを貫き、それによって前記パ
    イプが、前記非回転可能な、オーバーラップする内側および外側の刃の間で回転
    すると共に、前記長手方向の軸に沿って移動するようになっているもの; とを備える装置。
  2. 【請求項2】 前記内側の刃が、前記パイプの内側に突出するブームに調節
    可能に固定され、さらに、前記内側の刃が、異なる直径のパイプに使用するため
    に調節することができるよう、前記パイプの半径方向に移動可能である、請求項
    1に記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記内側の刃が、該内側の刃に1対の長穴を含んでおり、前
    記各々の長穴は締結具と協働して異なる寸法のパイプに対して前記内側の刃の調
    節ができるようなっており、それによって所定範囲のパイプ径を有するパイプを
    切断するために前記内側の刃を調節できるようになっている、請求項2に記載の
    装置。
  4. 【請求項4】 前記内側の刃が、さらに複数の刃先を含んでいる、請求項1
    に記載の装置。
  5. 【請求項5】 前記外側の刃が、さらに複数の刃先を含んでいる、請求項4
    に記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記内側の刃が、前記パイプの内側に配置されたブームに調
    節可能に取り付けられており、前記内側の刃は、切断作業の間に前記外側の刃に
    オーバーラップするように、複数の刃先の異なる1つを向けるよう調節可能であ
    る、請求項4に記載の装置。
  7. 【請求項7】 前記外側の刃が、前記パイプの外側に配置された前記刃位置
    決め装置に調節可能に取り付けられており、前記外側の刃は、切断作業の間に前
    記内側の刃にオーバーラップするように、複数の刃先の異なる1つを向けるよう
    調節可能である、請求項5に記載の装置。
  8. 【請求項8】 螺旋状に成形されたパイプを切断する装置であって、前記パ
    イプは該パイプの長手方向の軸を回転すると共に、前記長手方向に移動するもの
    であって、 前記パイプの内側に配置される、非回転可能に固定された内側の刃と; 前記パイプの外側に配置される、非回転可能に固定された外側の刃であって、
    前記外側の刃は少なくとも2つの湾曲した刃先を有しており;および、 切断作業の間に前記外側の刃を連続的に移動させるようになっている、往復動
    を行う刃位置決め装置と; を備えている装置。
  9. 【請求項9】 前記往復動を行う刃位置決め装置が、リフトブロックと往復
    動を行うブロックとを含んでおり、前記リフトブロックは、待機位置から、前記 内側の刃と前記外側の刃とがオーバーラップして前記パイプを貫く切断位置に、
    前記外側の刃を移動させるよう、前記外側の刃が取り付けられており、前記往復
    動を行うブロックは、前記リフトブロックに移動可能に連結され、切断作業の間
    に前記外側の刃を連続して移動させるようになっている、請求項8に記載の装置
  10. 【請求項10】 前記内側の刃が、前記パイプの内側に突出するブームに調
    節可能に固定され、さらに、前記内側の刃が、異なる直径のパイプに使用するた
    めに調節することができるよう、前記パイプの半径方向に移動可能である、請求
    項8に記載の装置。
  11. 【請求項11】 前記内側の刃が、該内側の刃に1対の長穴を含んでおり、
    前記各々の長穴は締結具と協働して異なる寸法のパイプに対して前記内側の刃の
    調節ができるようなっており、それによって所定範囲のパイプ径を有するパイプ
    を切断するために前記内側の刃を調節できるようになっている、請求項10に記
    載の装置。
  12. 【請求項12】 前記外側の刃と前記内側の刃とが、各々複数の刃先を含ん
    でいる、請求項8に記載の装置。
  13. 【請求項13】 前記各々の刃先が、湾曲している、請求項12に記載の装
    置。
  14. 【請求項14】 前記外側の刃は、少なくとも1つの締結具によって、前記
    往復動を行うブロックに対して、取り外しができるように連結することができる
    ものであることを特徴とする請求項8に記載の装置。
  15. 【請求項15】 前記往復動を行うブロックと前記リフトブロックとが、偏
    心軸によって互いに軸方向に連結されている、請求項8に記載の装置。
  16. 【請求項16】 前記往復動を行うブロックが、さらに前記偏心軸に取り付
    けられた軸受組立体を含んでおり、前記往復動を行うブロックは、前記軸が回転
    するとき、前記パイプに対して半径方向に移動する、請求項13に記載の装置。
  17. 【請求項17】 前記軸受組立体が、前記往復動を行うブロックに摺動可能
    に取り付けられた、摺動ブロック内に配置されており、それによって前記偏心軸
    の回転が、前記外側の刃の往復運動に変換される、請求項16に記載の装置。
  18. 【請求項18】 螺旋状に成形されたパイプを所定方向に連続的に回転させ
    る段階と; 下側刃を待機位置から切断位置に移動させる段階と; 前記外側の刃を、前記パイプに対して半径方向に往復動させる段階と;および
    、 前記パイプが回転完了したの後に、前記外側の刃を後退させる段階と; からなる、螺旋状に成形されたパイプを切断する方法。
  19. 【請求項19】 前記非回転可能な内側の刃が、前記非回転可能な内側の刃
    の傾斜端部に配置された少なくとも1つの刃先を含んでいる、請求項1に記載の
    装置。
  20. 【請求項20】 前記非回転可能な外側の刃が、前記非回転可能な外側の刃
    の傾斜端部に配置された少なくとも1つの刃先を含んでいる、請求項1に記載の
    装置。
JP2000524092A 1997-12-05 1998-12-07 螺旋状に成形されたパイプを、非回転の、オーバーラップする刃を用いて切断する装置および方法。 Pending JP2001525258A (ja)

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