JP2001525196A - 脊椎動物核内受容体タンパク質nNR4をコードするDNA分子 - Google Patents

脊椎動物核内受容体タンパク質nNR4をコードするDNA分子

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JP2001525196A JP2000524313A JP2000524313A JP2001525196A JP 2001525196 A JP2001525196 A JP 2001525196A JP 2000524313 A JP2000524313 A JP 2000524313A JP 2000524313 A JP2000524313 A JP 2000524313A JP 2001525196 A JP2001525196 A JP 2001525196A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、nNR4と称されるヒト核内受容体スーパーファミリーの新規メンバーをコードするcDNA分子の単離および特徴づけを開示する。組換えベクター、組換え宿主細胞、nNR4活性のモジュレーターに関するスクリーニング方法、およびnNR4またはそのエピトープに対する抗体の製造も、該開示の範囲内に含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、1つには、全体にわたりnNR4と称されるマウス核内受容体タンパク 質をコードする単離された核酸分子(ポリヌクレオチド)に関する。本発明はま
た、nNR4をコードするDNA断片を含有する組換えベクターおよび組換え宿主、実 質的に精製された形態の関連nNR4タンパク質、突然変異タンパク質、ならびにnN
R4活性をモジュレーションする化合物の同定に関連した方法に関する。
【0002】 (発明の背景) ステロイドホルモン受容体を含む核内受容体スーパーファミリーは、発生、分
化および生理的機能の制御において何らかの役割を果たすことが示されている、
小さな化学リガンドにより誘導されうる転写因子である。核内受容体をコードす
るcDNAクローンの単離は、いくつかの特徴を明らかにする。第1に、該NH2末端領
域は受容体によって長さが様々であり、高度に可変性であり、ファミリーメンバ
ー間で低い相同性を有する。ドメインI、IIおよびIIIと称される保存された3つ の内部領域が存在する。領域Iは、DNA結合ドメイン(DBD)と称されるシステイ ンに富む領域である。領域IIおよびIIIは、該タンパク質のCOOH末端領域内に存 在し、リガンド結合ドメイン(LBD)とも称される。概説としては、Powerら(19
92, Trends in Pharmaceutical Sciences 13: 318-323)を参照されたい。
【0003】 ステロイド受容体を活性化する親油性ホルモンはヒトの疾患に関連しているこ
とが公知である。したがって、それぞれの核内受容体は、治療的介入のための可
能な標的と目されている。種々のステロイドホルモン受容体の作用メカニズムの
概説としては、TsaiおよびO’Malley(1994, Annu. Rev. Biochem. 63:451-486 )を参照されたい。
【0004】 また、非ステロイド核内受容体に関する最近の研究は、治療的介入のための薬
物標的としての可能性を示している。この研究は、保存されたDBD領域により同 定されたペルオキシソーム増殖剤活性化受容体g(PPARg)が活性化に際して脂肪
細胞の分化を促進し、抗糖尿病薬のクラスであるチアゾリジンジオンがPPARgを 介して機能すると報告している(Tontonozら, 1994, Cell 79: 1147-1156; Lehm
annら, 1995, J. Biol. Chem. 270(22): 12953-12956; Teboulら, 1995, J. Bio
l. Chem. 270(47): 28183-28187)。これは、PPARgがグルコースの恒常性および
脂質の代謝において何らかの役割を果たしていることを示している。
【0005】 Mangelsdorfら(1995, Cell 83:835-839)は、核内受容体スーパーファミリー
の公知メンバーについて概説している。
【0006】 Baesら(1994, Mol. Cell. Biol. 14(3): 1544-1552)は、本発明においてはh
ONRと称される核内受容体スーパーファミリーの新規メンバーをコードするcDNA クローンを開示している。該著者らは、該遺伝子が主としてヒトの肝臓内で発現
されることを示すデータを記載しており、この核内受容体がレチノイド応答性遺
伝子の発現の調節において何らかの役割を果たしている可能性を示唆している。
【0007】 核内受容体スーパーファミリーのメンバー(特に、マウス、ラット、ヒトなど
の種からの脊椎動物メンバー)である追加的な遺伝子を同定することができれば
有益であろう。核内受容体タンパク質を発現する核酸分子は、細胞分化、細胞発
生および生理的機能のモジュレーターとして作用する化合物に関するスクリーニ
ングに有用であろう。本発明は、細胞の分化および発生において何らかの役割を
有する核内受容体タンパク質を発現する単離された核酸分子を開示することによ
り、これらの要求について検討し、それらを満足させるものである。
【0008】 (発明の概要) 本発明は、本発明において核内受容体スーパーファミリーのメンバーとして示
される新規核内受容体タンパク質をコードする単離された核酸分子(ポリヌクレ
オチド)に関する。本発明の単離されたポリヌクレオチドは、この核内受容体ス
ーパーファミリーの脊椎動物メンバー、好ましくは、マウス核内受容体タンパク
質、例えば、本明細書の全体にわたりnNR4として例示され呼称される核内受容体
タンパク質をコードする。本発明の単離されたポリヌクレオチドにコードされる
核内受容体タンパク質は、インビボでの細胞増殖および/または細胞発生の調節
に関与する。また、本発明の単離されたポリヌクレオチドにコードされるnNR4核
内受容体タンパク質は、遺伝子発現の調節に関与し、肝臓内で相当な量で発現さ
れ、核内受容体スーパーファミリーのもう1つのメンバー(ビタミンD受容体)に
対して構造的類似性を示す。本発明の単離されたポリヌクレオチドにコードされ
る核内受容体タンパク質は遺伝子発現の調節に関与する。nNR4は主としてマウス
の肝臓内で発現され、公知機能を有する最も関連している核内受容体はビタミン
D受容体であるため、nNR4は、代謝において重要な役割を果たしていると考えら れ、nNR4を調節する内在性リガンドは代謝中間体である可能性が高い。
【0009】 本発明はまた、核内受容体スーパーファミリーに属する生物学的に活性な新規
脊椎動物核内受容体を発現するmRNAをコードする単離された核酸断片に関する。
好ましい実施形態は、nNR4の生物学的に機能的な誘導体を発現するmRNAをコード
する配列番号1の単離された核酸断片に関する。そのようないずれの核酸断片も
、少なくとも、細胞内DNA結合ドメインおよび/またはリガンド結合ドメイン、 該核内受容体ファミリードメインの全体にわたり保存されているドメイン[nNR4 (配列番号2)中に存在するもの]を含むタンパク質またはタンパク質断片のい ずれかをコードするであろう。そのようないずれのポリヌクレオチドも、ヌクレ
オチドの置換、欠失、付加、アミノ末端トランケート化およびカルボキシ末端ト
ランケート化を含むが、必ずしもこれらに限定されるものではない(これらの突
然変異は、診断用、治療用または予防用のタンパク質またはタンパク質断片を発
現するmRNAをコードし、nNR4のアゴニストおよび/またはアンタゴニストに関す
るスクリーニングに有用であろう)。
【0010】 本発明の単離された核酸分子には、デオキシリボ核酸分子(DNA)、例えばゲ ノムDNAおよび相補的DNA(cDNA)[これは一本鎖(コード鎖または非コード鎖) または二本鎖であることが可能である]、ならびに合成DNA、例えば合成された一
本鎖ポリヌクレオチドが含まれうる。また、本発明の単離された核酸分子には、
リボ核酸分子(RNA)が含まれうる。
【0011】 本発明はまた、本明細書の全体にわたり開示する実質的に精製された核酸分子
を含有する組換えベクターおよび組換え宿主(原核性および真核性の両方)に関
する。
【0012】 本発明の好ましい実施形態を、図1A〜Bおよび配列番号1(新規核内トラン
ス作用性受容体タンパク質nNR4をコードする単離されたcDNA)に開示する。
【0013】 本発明のもう1つの好ましい態様は、図2A〜Bおよび図3に開示し配列番号 2に記載する実質的に精製された形態の新規核内トランス作用性受容体タンパク
質nNR4に関する。
【0014】 本発明はまた、アミノ酸の置換体、欠失体、付加体、アミノ末端トランケート
化体およびカルボキシ末端トランケート化体などのnNR4の突然変異体および生物
学的に活性な断片を含む(これらに限定されるものではない)、配列番号2に記
載のnNR4の生物学的に機能的な誘導体(これらの断片は、診断用、治療用または
予防用のタンパク質またはタンパク質断片を与え、nNR4の機能のアゴニストおよ
び/またはアンタゴニストに関するスクリーニングに有用であろう)に関する。
【0015】 本発明はまた、本明細書に開示するいずれかの形態のnNR4またはその生物学的
に機能的な誘導体に対して産生したポリクローナルおよびモノクローナル抗体に
関する。核内受容体スーパーファミリーに属する他の公知タンパク質に対して最
低の相同性を示すnNR4のNH2末端ドメイン内のエピトープに対する抗体を産生さ せるのが特に好ましいであろう。この目的のために、本発明のDNA分子、RNA分子
、組換えタンパク質および抗体を使用して、nNR4をスクリーニングし、そのレベ
ルを測定することができる。該組換えタンパク質、DNA分子、RNA分子および抗体
は、nNR4の検出およびタイピングに適したキットの製剤化に有用である。
【0016】 本発明はまた、野生型nNR4活性をモジュレーションする化合物を同定するため
のアッセイにおいて有用な融合タンパク質を発現する融合構築物である単離され
た核酸分子に関する。本発明のこの形態の好ましい態様には、グルタチオンS-ト
ランスフェラーゼGST-nNR4融合構築物が含まれるが、これらに限定されるもので
はない。これらの融合構築物には、GST遺伝子のカルボキシ末端におけるインフ レーム融合体としてのそれぞれnNR4のリガンド結合ドメインの全部または一部が
含まれるが、これらに限定されるものではない。配列番号1〜2の開示は、GST-
核内受容体融合タンパク質をコードするそのような任意の核酸分子を当業者が構
築するのを可能にする。可溶性組換えGST-核内受容体融合タンパク質は、バキュ
ロウイルス発現ベクター(例えば、InvitrogenからのBac-N-Blue DNAまたはPhar
mingenからのpAcG2T)を使用してスポドプテラ・フルジペルダ(Spodoptera fru
giperda)(Sf21)昆虫細胞(Invitrogen)などの種々の発現系内で発現させる ことができる。
【0017】 配列番号1に記載の単離されたポリヌクレオチドを提供することが、本発明の
1つの目的である。
【0018】 nNR4などの新規形態の核内受容体タンパク質、nNR4などの完全長タンパク質の
核内受容体タンパク質断片、および配列番号2の誘導体である突然変異体をコー
ドする単離された核酸分子を提供することが、本発明の1つの目的である。その ようないずれのポリヌクレオチドも、ヌクレオチドの置換、欠失、付加、アミノ
末端トランケート化およびカルボキシ末端トランケート化を含むが、必ずしもこ
れらに限定されるものではない(これらの突然変異は、診断用、治療用または予
防用のタンパク質またはタンパク質断片を発現するmRNAをコードし、nNR4の機能
のアゴニストおよび/またはアンタゴニストに関するスクリーニングに有用であ
ろう)。
【0019】 本発明のもう1つの目的は、本発明のプローブまたは抗体を使用する組織タイ ピングである。特定の実施形態においては、nNR4 mRNAを発現する組織を同定す るためにポリヌクレオチドプローブを使用する。もう1つの実施形態においては 、nNR4の発現またはnNR4受容体の提示に基づいて組織の型を同定するために、プ
ローブまたは抗体を使用することができる。
【0020】 前段落に記載の核酸分子にコードされる核内受容体タンパク質またはタンパク
質断片を提供することが、本発明のもう1つの目的である。
【0021】 nNR4またはその生物学的に機能的な誘導体をコードする核酸配列を含む組換え
ベクターおよび組換え宿主細胞を提供することが、本発明のもう1つの目的であ る。
【0022】 配列番号2に記載の実質的に精製された形態のnNR4を提供することが、本発明
の1つの目的である。
【0023】 アミノ酸の置換、欠失、付加、アミノ末端トランケート化およびカルボキシ末
端トランケート化を含む(必ずしもこれらに限定されるものではない)、nNR4の
生物学的に機能的な誘導体(これらの断片および/または突然変異体は、診断用
、治療用または予防用のタンパク質またはタンパク質断片を与える)を提供する
ことが、本発明の1つの目的である。
【0024】 nNR4に基づくインフレーム融合構築物、これらの融合構築物および本発明で開
示する生物学的等価体を発現させる方法、関連アッセイ、これらの構築物を発現
する組換え細胞、ならびにnNR4などの核内受容体タンパク質をコードするDNA分 子の使用により同定されたアゴニストおよび/またはアンタゴニスト化合物を提
供することも、本発明の目的である。
【0025】 本発明で用いる「DBD」は、DNA結合ドメインを意味する。
【0026】 本発明で用いる「LBD」は、リガンド結合ドメインを意味する。
【0027】 本発明で用いる「哺乳動物宿主」なる語は、ヒトを含む任意の哺乳動物を意味
する。
【0028】 (発明の詳細な記載) 本発明は、脊椎動物核内受容体に相当する単離された核酸およびタンパク質形
態に関する。これらの発現タンパク質は、下流標的遺伝子とそれらの活性を調節
するリガンドとの同定に有用な新規核内受容体である。本発明の単離されたポリ
ヌクレオチドにコードされる核内受容体タンパク質は、インビボでの細胞増殖お
よび/または細胞発生の調節に関与する。核内受容体スーパーファミリーは、化
学的に異なるリガンドにより調節される構造的に関連した受容体の一群よりなる
。核内受容体に共通の構造は、該ペプチドの中央に位置する高度に保存されたDN
A結合ドメイン(DBD)、およびCOOH末端のリガンド結合ドメイン(LBD)である 。9個の非変異システインのうちの8個が、他のDNA結合タンパク質から核内受容 体を区別する2つのII型ジンクフィンガーを形成する。該DBDは、脊椎動物におけ
る最も遠いメンバー間でさえ少なくとも50%〜60%のアミノ酸配列相同性を共有
する。この10年の間に、該スーパーファミリーは、約25個のサブファミリーを含
むまでに拡張されている。GenBank Ass. #AA106163およびAA396982に対応するES
TクローンをGenome Systems Inc.(St. Louis, Missouri, http://www.genomesy
sytems.com)から入手した。cDNAクローンAA106163はImage Consortium ID No.5
21858およびdbEST ID No.743956としても識別され、一方、cDNAクローンAA39698
2はImage Consortium ID No.693202およびdbEST ID No.1038315としても識別さ れる。また、National Center for Biotechnology Informationのホームページ (http://www.ncbi.nlm.nih.gov/dbEST/index.html)からデータベースの検索を
行なうことができる。AA106163から調製したプラスミドDNA [これはpBSSK(-)内 にサブクローニングされる]は、M13フォワードおよびリバースプライマーを使用
して配列決定し、一方、AA396982を含有させるためのプラスミドDNA [これはpT7
T3D-Pac (Pharmacia)ベクター内にサブクローニングされる]は、T3およびT7プラ
イマーを使用して配列決定した。それらの2つの配列を合体させることにより、D
BDの第2のフィンガーをコードするエキソンが欠落していることを確認した。PCR
ネスティドプライマー分析を用いて、マウス脳cDNAライブラリーをスキャンした
。予想されるサイズ(約350bp)のPCR断片をマウス脳cDNAから増幅し、該DNA断 片を、Qiagenゲル抽出キットを使用して精製し、自動配列決定に付した。該配列
情報は完全なDBD領域を示した。nNR4に関する完全長cDNAクローンを、マウス脳c
DNA、マウス胚cDNA(Clontech, Palo Alto, CA, USA)およびマウス精巣cDNA(C
lontech, Palo Alto, CA, USA)上で5’末端プライマーおよび3’末端プライマ ーを使用するPCRにより得た。マウス胚cDNAからの1.2kbのDNA断片をpCRIIベクタ
ー(Invitrogen, San Diego, CA)内にクローニングし、多数のクローンを配列 決定して、野生型タンパク質配列をコードするクローンを同定した。
【0029】 本発明はまた、生物学的に活性な新規核内受容体を発現するmRNAをコードする
nNR4の単離された核酸断片(配列番号1)に関する。そのようないずれの核酸断
片も、少なくとも、細胞内DNA結合ドメインおよび/またはリガンド結合ドメイ ン、該核内受容体ファミリードメインの全体にわたり保存されているドメイン(
nNR4(配列番号2)内に存在するもの)を含むタンパク質またはタンパク質断片
のいずれかをコードするであろう。そのようないずれのポリヌクレオチドも、ヌ
クレオチドの置換、欠失、付加、アミノ末端トランケート化およびカルボキシ末
端トランケート化を含むが、必ずしもこれらに限定されるものではない(これら
の生物学的に機能的な誘導体は、診断用、治療用または予防用のタンパク質また
はタンパク質断片を発現するmRNAをコードし、nNR4の機能のアゴニストおよび/
またはアンタゴニストに関するスクリーニングに有用であろう)。
【0030】 本発明の単離された核酸分子には、デオキシリボ核酸分子(DNA)、例えばゲ ノムDNAおよび相補的DNA(cDNA)[これは一本鎖(コード鎖または非コード鎖) または二本鎖であることが可能である]、ならびに合成DNA、例えば合成された一
本鎖ポリヌクレオチドが含まれうる。また、本発明の単離された核酸分子には、
リボ核酸分子(RNA)が含まれうる。
【0031】 本発明はまた、本明細書の全体にわたり開示する実質的に精製された核酸分子
を含有する組換えベクターおよび組換え宿主(原核性および真核性の両方)に関
する。
【0032】 本発明の好ましい態様を、図1A〜Bおよび配列番号1(新規核内トランス作
用性受容体タンパク質nNR4をコードするcDNA)に開示する(以下のとおり)。
【0033】
【化5】
【0034】 本発明はまた、図2A〜Bおよび図3に示し配列番号2(以下に開示する)に
記載する実質的に精製された形態の新規核内受容体トランス作用性受容体タンパ
ク質nNR4に関する。
【0035】
【化6】
【0036】 本発明はまた、アミノ酸の置換、欠失、付加、アミノ末端トランケート化およ
びカルボキシ末端トランケート化を含む(必ずしもこれらに限定されるものでは
ない)、配列番号2に記載のnNR4の生物学的に機能的な誘導体および/または突
然変異体(これらの突然変異は、診断用、治療用または予防用のタンパク質また
はタンパク質断片を与え、nNR4の機能のアゴニストおよび/またはアンタゴニス
トに関するスクリーニングに有用であろう)に関する。
【0037】 本発明はまた、野生型nNR4活性をモジュレーションする化合物を同定するため
のアッセイにおいて有用な融合タンパク質を発現する融合構築物である単離され
た核酸分子に関する。本発明のこの形態の好ましい態様には、グルタチオンS-ト
ランスフェラーゼGST-nNR4および/またはGST-nNR4融合構築物が含まれるが、こ
れに限定されるものではない。これらの融合構築物には、GST遺伝子のカルボキ シ末端におけるインフレーム融合体としてのそれぞれnNR4のリガンド結合ドメイ
ンの全部または一部が含まれるが、これらに限定されるものではない。配列番号
1〜2の開示は、GST-核内受容体融合タンパク質をコードするそのような任意の 核酸分子を当業者が構築するのを可能にする。可溶性組換えGST-核内受容体融合
タンパク質は、バキュロウイルス発現ベクター(例えば、InvitrogenからのBac-
N-Blue DNAまたはPharmingenからのpAcG2T)を使用してスポドプテラ・フルジペ
ルダ(Spodoptera frugiperda)(Sf21)昆虫細胞(Invitrogen)などの種々の 発現系内で発現させることができる。
【0038】 本発明の単離された核酸分子には、デオキシリボ核酸分子(DNA)、例えばゲ ノムDNAおよび相補的DNA(cDNA)[これは一本鎖(コード鎖または非コード鎖) または二本鎖であることが可能である]、ならびに合成DNA、例えば合成された一
本鎖ポリヌクレオチドが含まれうる。また、本発明の単離された核酸分子には、
リボ核酸分子(RNA)が含まれうる。
【0039】 特定のアミノ酸をコードする種々のコドンには、かなりの量の重複が存在する
ことが公知である。したがって、本発明はまた、以下に示す同一アミノ酸の最終
的翻訳物をコードする代替的コドンを含むRNAをコードするDNA配列に関する。
【0040】 A=Ala=アラニン:コドンGCA、GCC、GCG、GCU C=Cys=システイン:コドンUGC、UGU D=Asp=アスパラギン酸:コドンGAC、GAU E=Glu=グルタミン酸:コドンGAA、GAG F=Phe=フェニルアラニン:コドンUUC、UUU G=Gly=グリシン:コドンGGA、GGC、GGG、GGU H=His=ヒスチジン:コドンCAC、CAU I=Ile=イソロイシン:コドンAUA、AUC、AUU K=Lys=リシン:コドンAAA、AAG L=Leu=ロイシン:コドンUUA、UUG、CUA、CUC、CUG、CUU M=Met=メチオニン:コドンAUG N=Asp=アスパラギン:コドンAAC、AAU P=Pro=プロリン:コドンCCA、CCC、CCG、CCU Q=Gln=グルタミン:コドンCAA、CAG R=Arg=アルギニン:コドンAGA、AGG、CGA、CGC、CGG、CGU S=Ser=セリン:コドンAGC、AGU、UCA、UCC、UCG、UCU T=Thr=トレオニン:コドンACA、ACC、ACG、ACU V=Val=バリン:コドンGUA、GUC、GUG、GUU W=Trp=トリプトファン:コドンUGG Y=Tyr=チロシン:コドンUAC、UAU
【0041】 したがって、本発明は、同一タンパク質を発現するDNA分子の相違をもたらし うるコドンの重複性を開示する。本明細書の目的においては、1以上の置換コド ンを保持する配列を縮重変異体と定義する。また、発現されるタンパク質の最終
的な物理的特性を実質的に改変しない、DNA配列または翻訳されたタンパク質に おける突然変異も、本発明の範囲内に含まれる。例えば、ロイシンからバリン、
リシンからアルギニン、またはグルタミンからアスパラギンへの置換は、該ポリ
ペプチドの官能性における変化を引き起こさないであろう。
【0042】 あるペプチドをコードするDNA配列は、その天然に存在するペプチドとは異な る特性を有するペプチドをコードするように改変されうることが公知である。DN
A配列の改変方法には、部位特異的突然変異誘発が含まれるが、これに限定され るものではない。改変される特性には、例えば、基質に対する酵素の又はリガン
ドに対する受容体のアフィニティーの変化が含まれるが、これらに限定されるも
のではない。
【0043】 本発明で用いる「精製(された)」および「単離(された)」は、問題の核酸
、タンパク質またはそれらのそれぞれの断片が、そのインビボ環境から実質的に
取り出されていて、それが当業者により種々の手段(例えば、核酸断片に関する
ヌクレオチドの配列決定、制限消化、部位特異的突然変異誘発および発現ベクタ
ー中へのサブクローニング、ならびにポリクローナル抗体、モノクローナル抗体
の産生の機会を与える純粋な相当量のタンパク質またはタンパク質断片の入手、
アミノ酸の配列決定およびペプチドの消化が挙げられるが、これらに限定される
ものではない)で操作されうることを表すために互換的に使用する。したがって
、本発明で特許請求する核酸は、全細胞中または細胞ライセート中または部分的
に精製された若しくは実質的に精製された形態中に存在することが可能である。
核酸は、それが周囲の混入物から精製されている場合に、実質的に精製されてい
るとみなされる。したがって、細胞から単離された核酸配列は、標準的な方法に
より細胞成分から精製されている場合に、実質的に精製されているとみなされ、
一方、化学合成された核酸配列は、その化学前駆体から精製されている場合に、
実質的に精製されているとみなされる。
【0044】 本発明はまた、本明細書の全体にわたり開示する実質的に精製された核酸分子
を含有する組換えベクターおよび組換え宿主(原核性および真核性の両方)に関
する。
【0045】 したがって、本発明はまた、nNR4およびその生物学的等価体(本発明で開示す
るもの)を発現させる方法、組換え的に発現されたこれらの遺伝子産物を使用す
るアッセイ、これらの遺伝子産物を発現する細胞、ならびにこれらの組換え形態
を利用するアッセイの使用により同定されたアゴニストおよび/またはアンタゴ
ニスト化合物[LBDとの直接的接触を介する、またはDBDまたは野生型転写複合体
(これは、nNR4がトランスで相互作用し、それにより細胞分化または細胞発生を
モジュレーションするものである)と相互作用するリガンドとの直接的もしくは
間接的接触を介する、nNR4の1以上のモジュレーターを含むが、これらに限定さ れるものではない]に関する。
【0046】 本発明で用いる、野生型nNR4の「生物学的に機能的な誘導体」は、野生型nNR4
の生物活性に関連した生物活性を有する。「機能的(な)誘導体」なる語は、野
生型nNR4タンパク質の「断片」、「突然変異体」、「変異体」、「縮重変異体」
、「類似体」および「ホモログ」を包含する意である。「断片」なる語は、アミ
ノ酸の置換、欠失、付加、アミノ末端トランケート化および/またはカルボキシ
末端トランケート化を含む(これらに限定されるものではない)野生型nNR4の任
意のポリペプチドサブセットを意味する。「突然変異体」なる語は、野生型形態
に実質的に類似していることがあるが異なる生物学的特性を有する生物学的に活
性な断片のサブセットを意味する。そのような改変された特性には、改変された
基質結合性、改変された基質アフィニティー、およびnNR4またはnNR4機能的誘導
体の生物活性に影響を及ぼす化合物に対する改変された感受性が含まれるが、こ
れらに限定されるものではない。「変異体」なる語は、構造および機能において
全野生型タンパク質またはその断片に実質的に類似している分子を意味する。あ
る分子が野生型nNR4様タンパク質に「実質的に類似」しているのは、両方の分子
が、実質的に類似した構造を有する場合、または両方の分子が、類似した生物活
性を有する場合である。したがって、それらの2つの分子が、実質的に類似した 活性を有する場合には、それらの分子の一方の構造が他方において見出されない
場合であっても、あるいはそれらの2つのアミノ酸配列が同一でない場合であっ ても、それらは変異体であるとみなされる。「類似体」なる語は、完全長nNR4タ
ンパク質またはその生物学的に機能的な誘導体に機能において実質的に類似して
いる分子を意味する。
【0047】 nNR4をクローニングするためには、種々の方法のいずれかを用いることが可能
である。これらの方法には、以下の技術が含まれるが、これらに限定されるもの
ではない。(1)RACE PCRクローニング技術(Frohmanら, 1988, Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA 85:8998-9002)。完全長cDNA配列を得るために、5’および/また
は3’RACEを行なうことができる。この方法は、nNR4 cDNAのPCR増幅用の遺伝子 特異的オリゴヌクレオチドプライマーの使用を伴う。これらの遺伝子特異的プラ
イマーは、公に利用可能な多数の核酸およびタンパク質データベースを検索する
ことにより同定されたEST(発現しているタグ配列)ヌクレオチド配列の同定を 介して設計する。(2)適当な発現ベクター系におけるnNR4含有cDNAライブラリ ーの構築後のnNR4 cDNAの直接機能発現。(3)nNR4タンパク質のアミノ酸配列か
ら設計した標識縮重オリゴヌクレオチドプローブによる、バクテリオファージま
たはプラスミドシャトルベクター中に構築されたnNR4含有cDNAライブラリーのス
クリーニング。(4)nNR4タンパク質をコードする部分cDNAによる、バクテリオ ファージまたはプラスミドシャトルベクター中に構築されたnNR4含有cDNAライブ
ラリーのスクリーニング。この部分cDNAは、nNR4タンパク質に関連した他のキナ
ーゼに関して知られているアミノ酸配列からの縮重オリゴヌクレオチドプライマ
ーの設計による、nNR4 DNA断片の特異的PCR増幅により得られる。(5)nNR4タン
パク質をコードする部分cDNAによる、バクテリオファージまたはプラスミドシャ
トルベクター中に構築されたnNR4含有cDNAライブラリーのスクリーニング。この
方法はまた、前記のとおりにESTとして同定されたnNR4 cDNAのPCR増幅用の遺伝 子特異的オリゴヌクレオチドプライマーの使用を伴うことがある。(6)鋳型と して配列番号1を使用することによる、5’および3’遺伝子特異的オリゴヌクレ
オチドの設計。それにより、該完全長cDNAを公知PCR技術により作製するか、あ るいは該コード領域の一部を、これらの同じ公知PCR技術により作製して、cDNA および/またはゲノムライブラリーの多数の型の1つをスクリーニングするため のプローブとして使用するコード領域の一部を作製し単離して、nNR4をコードす
るヌクレオチド分子の完全長形態を単離することが可能である。
【0048】 nNR4をコードするDNAまたはnNR4ホモログを単離するためには、他の型のライ ブラリーおよび他の細胞型または種型から構築したライブラリーが有用かもしれ
ないことが、当業者に容易に認められる。他の型のライブラリーには、細胞また
は組織以外の他の細胞または細胞系(例えば、ヒト細胞、げっ歯類細胞、あるい
はnNR4のホモログを含有しうる他の任意の脊椎動物宿主)に由来するcDNAライブ
ラリーが含まれるが、これらに限定されるものではない。さらに、nNR4遺伝子お
よびホモログは、脊椎動物ゲノムライブラリー、例えばヒトゲノムライブラリー
およびげっ歯類ゲノムライブラリーなど(これらに限定されるものではない)の
、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドに基づくハイブリダイゼーション
スクリーニングにより単離することが可能である。
【0049】 nNR4活性を有する細胞または細胞系から適当なcDNAライブラリーが調製されう
ることは、当業者に容易に認められる。nNR4をコードするcDNAの単離用のcDNAラ
イブラリーの調製に使用するための細胞または細胞系の選択は、まず、細胞関連
nNR4活性を測定する(これは、そのような目的に利用可能な公知の任意のアッセ
イを用いて行なうことができる)ことにより行なうことができる。
【0050】 cDNAライブラリーの調製は、当技術分野でよく知られた標準的な技術により行
なうことができる。よく知られたcDNAライブラリー構築技術は、例えば、Sambro
okら, 1989, Molecular Cloning: A Laboratory Manual; Cold Spring Harbor L
aboratory, Cold Spring Harbor, New Yorkに記載されている。また、相補的DNA
ライブラリーは、Clontech Laboratories, Inc.およびStratageneを含む(これ らに限定されるものではない)多数の商業的起源から入手することができる。
【0051】 また、nNR4をコードするDNAは、適当なゲノムDNAライブラリーからも単離され
うることが、当業者に容易に認められる。ゲノムDNAライブラリーの構築は、当 技術分野でよく知られた標準的な技術により行なうことができる。よく知られた
ゲノムDNAライブラリー構築技術は、Sambrookら(前掲)に記載されている。
【0052】 これらの好ましい方法の1つによりnNR4遺伝子またはそのホモログをクローニ ングするためには、nNR4または相同タンパク質のアミノ酸配列またはDNA配列が 必要かもしれない。これを達成するために、nNR4タンパク質または相同タンパク
質を精製し、自動シークエネーターにより部分アミノ酸配列を決定することがで
きる。全アミノ酸配列を決定することは必ずしも必要でないが、部分nNR4 DNA断
片のPCR増幅のために、6〜8アミノ酸の2つの領域の直列(linear)配列を決定す
ることが可能である。適当なアミノ酸配列を同定したら、それらをコードしうる
DNA分子を合成する。遺伝暗号は縮重性であるため、特定のアミノ酸をコードす るのに2以上のコドンが使用されうる。したがって、該アミノ酸配列は、類似し たDNAオリゴヌクレオチドの任意のセットによりコードされうる。該セットの1つ
のメンバーだけがnNR4配列と同一になるであろう。しかし、該セットのその他の
メンバーは、ミスマッチを有するDNAオリゴヌクレオチドの存在下であっても、n
NR4 DNAにハイブリダイズしうるであろう。そのミスマッチDNAオリゴヌクレオチ
ドは、それでもなお、nNR4をコードするDNAの同定および単離を可能にするのに 十分な程度にnNR4 DNAにハイブリダイズしうる。あるいは、利用可能な1以上の ゲノムデータベースを検索することにより、発現される配列の領域のヌクレオチ
ド配列を同定することができる。cDNAライブラリーまたはcDNA集団から、関心の
あるcDNAのPCR増幅を行なうためには、遺伝子特異的プライマーを使用すること ができる。PCRに基づく方法で使用するための適当なヌクレオチド配列は、配列 番号1から得ることが可能であり、これらを使用して、重複する5’および3’ R
ACE産物を単離し、nNR4をコードする完全長配列を作製したり、あるいはnNR4を コードするヌクレオチド配列の一部を単離して、cDNAまたはゲノムに基づくライ
ブラリーの1以上をスクリーニングするためのプローブとして使用して、nNR4ま たはnNR4様タンパク質をコードする完全長配列を単離することが可能である。
【0053】 例示する方法においては、マウス由来の5’および3’ESTのDNA配列分析の確認
、および該コード領域の欠落部分のPCRに基づくクローニングにより、本発明のn
NR4完全長cDNAを作製した。マウス脳cDNA、マウス胚cDNAおよびマウス精巣DNA上
で5’末端プライマーおよび3’末端プライマーを使用するPCRにより、nNR4の完 全長cDNAクローンを得た。マウス胚cDNAからの1.2kbのDNA断片をプラスミドpCRI
I(Invitrogen, San Diego, CA)内にクローニングし、多数のクローンを配列決
定し、その結果、マウスnNR4クローンを同定した。該マウスnNR4 cDNAは、特有 のDBDおよびLBD構造を有する357アミノ酸のペプチドをコードしている。それは 、ヒトオーファン核内ホルモン受容体(hONR)に最も関連しており、重複ペプチ
ド領域において75%のアミノ酸配列同一性を共有する(Baesら, 1994, Mol. Cel
l. Biol. 14(3): 1544-1552)。マウス核内受容体nNR4はhONRのマウスホモログ ではないらしい。なぜなら、ホモログは通常はほとんど同じDBDを有するが、そ れらの2つの受容体は、最も保存されたDBD領域内に10個の異なるアミノ酸を有す
るからである。したがって、nNR4は、十中八九、このオーファンサブファミリー
のサブタイプに相当する。ノーザン分析による検出では、nNR4は肝臓内では高度
に発現されるが、他の組織内ではそうではない。
【0054】 哺乳類細胞中で組換えnNR4を発現させるためには、種々の哺乳類発現ベクター
を使用することができる。発現ベクターは、本発明では、適当な宿主におけるク
ローン化DNAの転写およびそれらのmRNAの翻訳に必要なDNA配列と定義される。そ
のようなベクターを使用して、細菌、藍藻類、植物細胞、昆虫細胞、動物細胞な
どの種々の宿主中で真核性DNAを発現させることができる。特別に設計されたベ クターは、細菌-酵母または細菌-動物細胞などの宿主間のDNAの往復(シャトル )を可能にする。適切に構築された発現ベクターは、宿主細胞内での自律複製の
ための複製起点、選択マーカー、一定数の有用な制限酵素部位、潜在的な高コピ
ー数および活性なプロモーターを含有すべきである。プロモーターは、RNAポリ メラーゼがDNAに結合しRNA合成を開始するのを指令するDNA配列と定義される。 強力なプロモーターは、mRNAの高頻度の開始をもたらすものである。発現ベクタ
ーには、クローニングベクター、修飾されたクローニングベクター、特別に設計
されたプラスミドまたはウイルスを含めることができるが、これらに限定される
ものではない。
【0055】 組換えnNR4の発現に適している可能性がある商業的に入手可能な哺乳類発現ベ
クターには、pcDNA3.1(Invitrogen)、pLITMUS28、pLITMUS29、pLITMUS38およ びpLITMUS39(New England Bioloabs)、pcDNAI、pcDNAIamp(Invitrogen)、pc
DNA3(Invitrogen)、pMC1neo(Stratagene)、pXT1(Stratagene)、pSG5(Str
atagene)、EBO-pSV2-neo(ATCC37593)、pBPV-1(8-2)(ATCC37110)、pdBPV-MM
Tneo(342-12)(ATCC37224)、pRSVgpt(ATCC37199)、pRSVneo(ATCC37198)、
pSV2-dhfr(ATCC37146)、pUCTag(ATCC37460)およびlZD35(ATCC37565)が含 まれるが、これらに限定されるものではない。
【0056】 細菌細胞中で組換えnNR4を発現させるためには、種々の細菌発現ベクターを使
用することができる。組換えnNR4の発現に適している可能性がある商業的に入手
可能な細菌発現ベクターには、pQE(Qiagen)、pET11a(Novagen)、ラムダgt11
(Invitrogen)およびpKK223-3(Pharmacia)が含まれるが、これらに限定され るものではない。
【0057】 真菌細胞中で組換えnNR4を発現させるためには、種々の真菌細胞発現ベクター
を使用することができる。組換えnNR4の発現に適している可能性がある商業的に
入手可能な真菌細胞発現ベクターには、pYES2(Invitrogen)およびピチア(Pic
hia)発現ベクター(Invitrogen)が含まれるが、これらに限定されるものでは ない。
【0058】 昆虫細胞中で組換え受容体を発現させるためには、種々の昆虫細胞発現ベクタ
ーを使用することができる。nNR4の組換え発現に適している可能性がある商業的
に入手可能な昆虫細胞発現ベクターには、pBlueBacIIIおよびpBlueBacHis2(Inv
itrogen)、およびpAcG2T(Pharmingen)が含まれるが、これらに限定されるも のではない。
【0059】 組換え宿主細胞中でnNR4を発現させるためには、nNR4様タンパク質をコードす
るDNAを含有する発現ベクターを使用することができる。組換え宿主細胞は、原 核性または真核性であることが可能であり、それらには、大腸菌(E. coli)な どの細菌、酵母などの真菌細胞、、ウシ、ブタ、サルおよびげっ歯類由来の細胞
系を含む(これらに限定されるものではない)哺乳類細胞、およびショウジョウ
バエ(Drosophila)およびカイコに由来する細胞系を含む(これらに限定される
ものではない)昆虫細胞が含まれる。商業的に入手可能であり適している可能性
がある哺乳類種に由来する細胞系には、L細胞L-M(TK-)(ATCC CCL1.3)、L細胞L
-M(ATCC CCL1.2)、Saos-2(ATCC HTB-85)、293(ATCC CRL 1573)、Raji(AT
CC CCL 86)、CV-1(ATCC CCL 70)、COS-1(ATCC CRL 1650)、COS-7(ATCC CR
L 1651)、CHO-K1(ATCC CCL 61)、3T3(ATCC CCL 92)、NIH/3T3(ATCC CRL 1
658)、HeLa(ATCC CCL 2)、C127I(ATCC CRL 1616)、BS-C-1(ATCC CCL 26)
、MRC-5(ATCC CCL 171)およびCPAE(ATCC CCL 209)が含まれるが、これらに 限定されるものではない。
【0060】 該発現ベクターは、形質転換、トランスフェクション、プロトプラスト融合お
よびエレクトロポレーションを含む(これらに限定されるものではない)多数の
技術のいずれか1つにより宿主細胞中に導入することができる。該発現ベクター 含有細胞を個々に分析して、それらがnNR4タンパク質を産生するか否かを判定す
る。nNR4を発現する細胞の同定は、抗nNR4抗体に対する免疫反応性、標識リガン
ドの結合性および宿主細胞関連nNR4活性の存在の判定を含む(これらに限定され
るものではない)いくつかの手段により行なうことができる。
【0061】 前記の方法により得たクローン化nNR4 cDNAを、適当なプロモーターと他の適 当な転写調節要素とを含有する発現ベクター(例えば、pcDNA3.1、pQE、pBlueBa
cHis2およびpLITMUS28)中への分子クローニングにより組換え的に発現させ、原
核性または真核性宿主細胞中に導入して、組換えnNR4を産生させることができる
。そのような操作のための技術は、Sambrookら(前掲)に記載されており、実施
例の部において詳細に記載されており、当業者によく知られており容易に利用さ
れうる。
【0062】 また、nNR4 DNAの発現は、インビトロで得た合成mRNAを使用して行なうことが
できる。合成mRNAは、コムギ胚芽抽出物および網状赤血球抽出物を含む(これら
に限定されるものではない)種々の無細胞系中で効率的に翻訳されることが可能
であり、また、細胞に基づく系(カエル卵母細胞中へのマイクロインジェクショ
ンを含む)内で効率的に翻訳されることが可能であり、カエル卵母細胞中へのマ
イクロインジェクションが好ましい。
【0063】 最適レベルのnNR4を与えるnNR4 cDNA配列を決定するために、以下のものを含 む(これらに限定されるものではない)cDNA分子を構築することができる:nNR4
の完全長オープンリーディングフレームを含有するcDNA断片、および該タンパク
質の特異的ドメインまたは該タンパク質の再編成ドメインだけをコードするcDNA
部分を含有する種々の構築物。すべての構築物は、nNR4 cDNAの5’および/また
は3’非翻訳領域の全部または一部を含有するように或いはそれらを全く含有し ないように設計することができる。nNR4の発現レベルおよび活性は、これらの構
築物を単独で又は組合せて適当な宿主細胞中に導入した後に測定することができ
る。一過性アッセイにおいて最適な発現を与えるnNR4 cDNAカセットを決定した 後、このnNR4 cDNA構築物を、哺乳類細胞、植物細胞、昆虫細胞、卵母細胞、細 菌および酵母細胞における発現のための発現ベクターを含む(これらに限定され
るものではない)種々の発現ベクター(組換えウイルスを含む)に導入する。
【0064】 本発明はまた、本明細書に開示するヒト形態のnNR4またはその生物学的に機能
的な誘導体に対して産生したポリクローナルおよびモノクローナル抗体に関する
。ヒト核内受容体スーパーファミリーに属する他の公知タンパク質に対して最低
の相同性を示すnNR4のNH2末端ドメイン内のエピトープに対する抗体を産生させ るのが特に好ましいであろう。
【0065】 完全長nNR4タンパク質に又はnNR4タンパク質のポリペプチド断片に特異的なモ
ノクローナルまたはポリクローナル抗体で作製されたイムノアフィニティーカラ
ムの使用により、他の細胞タンパク質から組換えnNR4タンパク質を分離すること
ができる。さらに、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体は、配列番号2に
開示するタンパク質の一部に由来する合成ペプチド(通常、約9〜約25アミノ酸 長)に対して産生させることができる。nNR4に対する単一特異性抗体は、nNR4に
対して反応性の抗体を含有する哺乳類抗血清から精製したり、あるいはKohlerお
よびMilstein(1975, Nature 256:495-497)の技術を用いてnNR4に対して反応性
のモノクローナル抗体として調製する。本発明で用いる単一特異性抗体は、nNR4
に対して均一な結合特性を有する複数の抗体種または単一の抗体種と定義される
。本発明で用いる均一な結合は、ある特定の抗原またはエピトープ(例えば、前
記のnNR4に伴うもの)に該抗体種が結合しうることを意味する。nNR4特異的抗体
は、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ヤギ、ウマなどの動物を、免疫アジ
ュバントの存在下または不存在下で、適当な濃度のnNR4タンパク質またはnNR4の
一部から作製した合成ペプチドで免疫することにより産生させる。
【0066】 初回免疫の前に、免疫前血清を集める。各動物に、許容される免疫アジュバン
トと共に約0.1mg〜約1000mgのnNR4タンパク質を投与する。そのような許容され るアジュバントには、フロイント完全、フロイント不完全、ミョウバン沈殿物、
油中水型エマルション(コリネバクテリウム・パルブム(Corynebacterium parv
um)およびtRNAを含有するもの)が含まれるが、これらに限定されるものではな
い。初回免疫は、好ましくはフロイント完全アジュバント中のnNR4タンパク質ま
たはそれらのペプチド断片を複数部位において皮下(SC)、腹腔内(IP)または
その両方に投与することよりなる。各動物から一定間隔で(好ましくは毎週)採
血して、抗体力価を測定する。初回免疫後、該動物は、ブースター注射を受けて
も受けなくてもよい。ブースター注射を受ける動物には、一般には、フロイント
不完全アジュバント中の等量のnNR4を同一経路で与える。ブースター注射は、最
大力価が得られるまで約3週間間隔で行なう。各ブースター免疫の約7日後、また
は単回免疫後にほぼ毎週、該動物から採血し、血清を集め、アリコートを約-20 ℃で保存する。
【0067】 nNR4に対して反応性のモノクローナル抗体(mAb)は、近交系マウス、好まし くはBalb/cをnNR4タンパク質で免疫することにより調製する。約0.5mlのバッフ ァーまたは食塩水中の約1mg〜約100mg、好ましくは約10mgのnNR4タンパク質を等
容積の許容される前記アジュバント中に含むもので、該マウスをIPまたはSC経路
により免疫する。フロイント完全アジュバントが好ましい。該マウスは、0日に 初回免疫を受け、約3〜約30週間休ませる。免疫化マウスには、リン酸緩衝食塩 水などのバッファー溶液中の約1〜約100mgのnNR4のブースター免疫を静脈内(IV
)経路により1回以上行なう。当技術分野で公知の標準的な方法により免疫化マ ウスから脾臓を摘出することにより、抗体陽性マウスからリンパ球、好ましくは
脾リンパ球を得る。安定なハイブリドーマの形成を許容する条件下で該脾リンパ
球と適当な融合相手(好ましくは、骨髄腫細胞)とを混合することにより、ハイ
ブリドーマ細胞を産生させる。融合相手には、マウス骨髄腫P3/NS1/Ag4-1、MPC-
11、S-194およびSp2/0(これらに限定されるものではない)が含まれうるが、Sp
2/0が好ましい。該抗体産生細胞と骨髄腫細胞とを、約30%〜約50%の濃度で分 子量約1000のポリエチレングリコール中で融合させる。当技術分野で公知の方法
により、融合ハイブリドーマ細胞を、ヒポキサンチン、チミジンおよびアミノプ
テリンで補足されたダルベッコ変法イーグル基礎培地(DMEM)中での増殖により
選択する。上清流体を、約14、18および21日の増殖陽性ウェルから集め、該抗原
としてnNR4を使用する固相イムノラジオアッセイ(SPIRA)などのイムノアッセ イにより抗体産生に関してスクリーニングする。また、該培養流体をオクタロニ
ー沈降アッセイにおいて試験して、該mAbのアイソタイプを決定する。抗体陽性 ウェルからのハイブリドーマ細胞を、MacPherson, 1973, Soft Agar Techniques
, Tissue Culture Methods and Applications, KruseおよびPaterson編, Academ
ic Pressの軟寒天技術などの技術によりクローニングする。
【0068】 初回抗原刺激の約4日後に約2×106〜約6×106ハイブリドーマ細胞を、予めプ リスタンで刺激したBalb/cマウスに注射(約0.5ml/マウス)することにより、モ
ノクローナル抗体をインビボで産生させる。細胞導入の約8〜12日後に腹水を集 め、該モノクローナル抗体を、当技術分野で公知の技術により精製する。
【0069】 約2%ウシ胎仔血清を含有するDMEM中で該ハイブリドーマを増殖させることに より、抗nNR4 mAbのインビトロ産生を行なって、十分な量の該特異的mAbを得る 。当技術分野で公知の技術により、該mAbを精製する。
【0070】 腹水またはハイブリドーマ培養液の抗体力価を、沈降法、受身凝集反応、酵素
結合抗体免疫吸着(ELISA)技術およびラジオイムノアッセイ(RIA)技術を含む
(これらに限定されるものではない)種々の血清学的または免疫学的アッセイに
より測定する。体液または組織および細胞抽出物中のnNR4の存在を検出するため
に、同様のアッセイを用いる。
【0071】 単一特異的抗体を産生させるための前記方法を用いて、nNR4ペプチド断片また
は完全長nNR4に特異的な抗体を産生させることが可能である、と当業者に容易に
認められる。
【0072】 例えば該抗体がアガロースゲルビーズ支持体と共有結合を形成するようにN-ヒ
ドロキシスクシンイミドエステルで予め活性化されたゲル支持体であるAffigel-
10(Biorad)に該抗体を加えることにより、マウスnNR4抗体アフィニティーカラ
ムを作製する。ついで該抗体を、スペーサーアームでアミド結合を介して該ゲル
に結合させる。ついで、残存する活性化エステルを1MエタノールアミンHCl(pH8
.0)でクエンチする。該カラムを水、ついで0.23MグリシンHCl(pH2.6)で洗浄 して、未コンジュゲート化抗体または外来タンパク質を除去する。ついで該カラ
ムをリン酸緩衝食塩水(pH7.3)中で平衡化し、完全長nNR4またはnNR4タンパク 質断片を含有する細胞培養上清または細胞抽出物を、該カラムにゆっくり通過さ
せる。ついで、光学密度(A280)がバックグラウンドに低下するまで、該カラム
をリン酸緩衝食塩水で洗浄し、ついで該タンパク質を0.23Mグリシン-HCl(pH2.6
)で溶出する。ついで該精製nNR4タンパク質を、リン酸緩衝食塩水に対して透析
する。
【0073】 宿主細胞中のnNR4のレベルは、イムノアフィニティーおよび/またはリガンド
アフィニティー技術を含む(これらに限定されるものではない)種々の技術によ
り定量する。nNR4特異的アフィニティービーズまたはnNR4特異的抗体を使用して
35S-メチオニン標識または未標識nNR4を単離する。標識nNR4タンパク質をSDS-
PAGEにより分析する。未標識nNR4タンパク質は、nNR4タンパク質に特異的な抗体
および/または抗ホスホチロシン抗体を使用するウエスタンブロット法、ELISA またはRIAアッセイにより検出する。
【0074】 宿主細胞中でnNR4を発現させた後、nNR4タンパク質を回収して、活性形態のnN
R4タンパク質を得ることができる。いくつかのnNR4タンパク質精製方法が利用可
能であり、使用に適している。塩分別、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ
排除クロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイト吸着クロマトグラフィーおよ
び疎水性相互作用クロマトグラフィーの種々の組合せ又は単独の適用により、細
胞ライセートおよび抽出物から、または馴らし培地から、組換えnNR4タンパク質
を精製することができる。
【0075】 本発明はまた、nNR4タンパク質をコードするDNAまたはRNAの発現をモジュレー
ションする化合物に関するスクリーニング方法に関する。これらの活性をモジュ
レーションする化合物は、DNA、RNA、ペプチド、タンパク質または非タンパク質
性有機分子であってもよい。化合物は、nNR4をコードするDNAまたはRNAの発現あ
るいはnNR4の機能を増強または減弱させることによりモジュレーションしうる。
nNR4をコードするDNAまたはRNAの発現あるいはその生物学的機能をモジュレーシ
ョンする化合物は、種々のアッセイにより検出することができる。該アッセイは
、発現または機能の変化が存在するか否かを判定するための単純な「イエス/ノ
ー(yes/no)」アッセイであってもよい。試験サンプルの発現または機能を標準
サンプルにおける発現または機能のレベルと比較することにより、該アッセイを
定量的なものとすることができる。nNR4、nNR4に対する抗体、修飾されたnNR4を
含有するキットの製造は、そのような用途のための公知方法により行なうことが
できる。
【0076】 本発明のDNA分子、RNA分子、組換えタンパク質および抗体を使用して、nNR4を
スクリーニングし、そのレベルを測定することができる。該組換えタンパク質、
DNA分子、RNA分子および抗体は、nNR4の検出およびタイピング(typing)に適し
たキットの製剤化に有用である。そのようなキットは、少なくとも1つの容器を 密閉的(close confinement)に収容するのに適した区画化された担体を含むで あろう。該担体は更に、試薬(例えば、組換えnNR4、またはnNR4の検出に適した
抗nNR4抗体)を含むであろう。また、該担体は、標識抗原または酵素基質などの
検出手段を含有していてもよい。
【0077】 nNR4のモジュレーターを含む医薬上有用な組成物は、医薬上許容される担体の
混合などの公知方法に従い製剤化することができる。製剤化のそのような担体お
よび方法の具体例は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに記載されている
。有効な投与に適した医薬上許容される組成物を形成させるためには、そのよう
な組成物は、該タンパク質、DNA、RNA、修飾されたnNR4、あるいはnNR4のアゴニ
ストまたはアンタゴニストの有効量を含有するであろう。
【0078】 本発明の治療用または診断用組成物は、障害を治療または診断するのに十分な
量で個体に投与する。該有効量は、個体の状態、体重、性別、年齢などの種々の
因子によって様々となりうる。他の因子には、投与様式が含まれる。
【0079】 該医薬組成物は、皮下、局所、経口、筋肉内などの種々の経路により個体に投
与することができる。
【0080】 「化学誘導体」なる語は、通常は該基礎分子の一部ではない追加的な化学的部
分を含有する分子を意味する。そのような部分は、該基礎分子の溶解性、半減期
、吸収性などを改善しうる。あるいは、該部分は、該基礎分子の望ましくない副
作用を減弱させたり、あるいは該基礎分子の毒性を減少させうる。そのような部
分の具体例は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesなどの種々の刊行物に記
載されている。
【0081】 本明細書に開示する方法に従い同定された化合物は、適当な用量で単独で使用
することができる。あるいは、他の物質の同時投与または連続投与が望ましいか
もしれない。
【0082】 また、本発明は、本発明の新規治療方法において使用するための適当な局所、
経口、全身および非経口医薬製剤を提供するという目的を有する。本発明に従い
同定された化合物を有効成分として含有する組成物は、通常の投与用ビヒクル中
の多種多様な治療用剤形で投与することができる。例えば、該化合物は、錠剤、
カプセル剤(それぞれは時限放出(timed release)および徐放製剤を含む)、 丸剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、乳
剤などの経口剤形として又は注射により投与することができる。同様に、それら
を、静脈内(ボーラスおよび注入の両方)、腹腔内、皮下、局所(閉塞(occlus
ion)の存在下または不存在下)または筋肉内形態として投与することも可能で あり、それらはすべて、薬学分野の当業者によく知られた形態を用いることが可
能である。
【0083】 本発明の化合物を単回1日量で投与したり、あるいは合計1日量を、2、3または
4分割量で毎日投与するのが有利かもしれない。さらに、本発明のための化合物 は、適当な鼻腔内ビヒクルの局所的使用により鼻腔内形態で、または当業者によ
く知られた経皮皮膚パッチの形態を使用して経皮経路により投与することができ
る。もちろん、経皮デリバリーシステムの形態で投与する場合には、該投与量の
投与は、該投与計画の全体にわたり、断続的なものではなく連続的なものとなる
であろう。
【0084】 別々の投与製剤中の2以上の活性剤での組合せ療法の場合には、該活性剤を同 時に投与したり、あるいはそれらのそれぞれを、別々にずらした時点で投与する
ことができる。
【0085】 本発明の化合物を使用する投与計画は、患者のタイプ、種、年齢、体重、性別
および医学的状態;治療する状態の重症度;投与経路;患者の腎、肝および心臓
血管機能;および使用するその個々の化合物を含む種々の因子に応じて選択され
る。通常の技量を有する医師または獣医は、該状態の進行の予防、阻止または停
止に必要な薬物の有効量を容易に決定し、処方することができる。毒性を伴うこ
となく効力を与える範囲内の薬物濃度を最適に正確に得るためには、標的部位に
対する薬物のアベイラビリティーの速度論に基づく計画が必要である。これは、
薬物の分布、平衡および排泄に関する考慮を含む。
【0086】 以下の実施例は、本発明を例示するためのものであり、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。
【0087】 実施例1 nNR4をコードするDNA分子の単離および特徴づけ GenBank Ass. #AA106163およびAA396982に対応するESTクローンをGenome Syst
ems Inc.(St. Louis, Missouri, http://www.genomesysytems.com)から入手し
た。
【0088】 cDNAクローンAA106163は、Image Consortium ID No.521858およびdbEST ID No
.743956としても識別され、以下のとおりである。
【0089】
【化7】
【0090】 cDNAクローンAA396982は、Image Consortium ID No.693202およびdbEST ID No
.1038315としても識別され、以下のとおりである。
【0091】
【化8】
【0092】 AA106163から調製したプラスミドDNA[これはpBSSK(-)内にサブクローニング される]は、M13フォワードおよびリバースプライマーを使用して配列決定し、 一方、AA396982を含有させるためのプラスミドDNA[これはpT7T3D-Pac (Pharmac
ia)ベクター内にサブクローニングされる]は、T3およびT7プライマーを使用し て配列決定した。それらの2つの配列を合体させることにより、DBDの第2のフィ ンガーをコードするエキソンが欠落していることを確認した。96ウェルプレート
内に分配されたマウス脳cDNAおよびマウス脳cDNAライブラリーをスキャンするよ
うに、欠落しているエキソンに隣接するPCRプライマーR6R2(5’-TCTGGACCAGTTC
TTTCTG-3’; 配列番号5)およびR6F2(5’-CCATGGCCAGTGAAGAAGAA-3’; 配列番 号6)を設計した。予想されるサイズ(約350bp)のPCR断片をマウス脳cDNAから 増幅した。該DNA断片を、Qiagenゲル抽出キット(QIAGEN, Santa Clarita, CA)
を使用して精製し、プライマーR6R2およびR6F3(5’-GTGAAGAAGAATATGGGCC-3’;
配列番号7)での自動配列決定に付した。該配列情報は完全なDBD領域を示した 。nNR4に関する完全長cDNAクローンを、マウス(Mus musculus)脳cDNA、マウス
(Mus musculus)胚cDNA(Clontech, Palo Alto, CA, USA)およびマウス(Mus
musculus)精巣cDNA(Clontech, Palo Alto, CA, USA)上で、まさしく5’末端 のプライマーR6F5(5’-ATTCCTGGCAGTTCCTGAGA-3’; 配列番号8)およびまさし く3’末端のプライマーR6R4(5’-TCCAGGCCAGTGTATCCCTG-3’; 配列番号9)を使
用するPCRにより得た。マウス胚cDNAからの1.2kbのDNA断片をpCRIIベクター(In
vitrogen, San Diego, CA)内にクローニングし、多数のクローンを配列決定し て、野生型タンパク質配列をコードするクローンを同定した。配列の合体および
分析をSEQUENCHER(登録商標)3.0(Gene Codes Corporation, Ann Arbor, MI)
で行なった。配列の読取りにおける自動塩基呼出し間のアンビギュイティーおよ
び/または相違を視覚的に検査し、正しい塩基呼出しに訂正した。nNR4をコード
する最終的なヌクレオチド配列を図1A〜1Bに示し、配列番号1に記載する。
nNR4のオープンリーディングフレームは、図2A〜B、図3に示し配列番号2に
も記載する357アミノ酸のマウス核内受容体タンパク質を与える。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1A】 核内受容体タンパク質nNR4をコードするオープンリーディングフレームを含む
ヌクレオチド配列(配列番号(SEQ. ID NO:)1)を示す。
【図1B】 核内受容体タンパク質nNR4をコードするオープンリーディングフレームを含む
ヌクレオチド配列(配列番号(SEQ. ID NO:)1)を示す。
【図2A】 nNR4をコードする単離されたcDNA分子(配列番号1)のコード鎖、およびnNR4
のアミノ酸配列(配列番号2)を示す。太字の領域はDNA結合ドメインである。
【図2B】 nNR4をコードする単離されたcDNA分子(配列番号1)のコード鎖、およびnNR4
のアミノ酸配列(配列番号2)を示す。太字の領域はDNA結合ドメインである。
【図3】 図3は、nNR4のアミノ酸配列(配列番号2)を示す。太字の領域はDNA結合ド メインである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12N 15/00 ZNAA C12P 21/02 5/00 A Fターム(参考) 4B024 AA20 BA63 CA04 DA02 EA02 GA11 GA14 HA01 4B064 AG20 AG27 CA10 CA19 CC24 4B065 AA91X AA91Y AB01 BA02 CA24 CA25 CA44 4H045 AA10 AA11 BA10 CA40 DA50 EA20 FA74

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノ酸配列 【化1】 (配列番号2では3文字の略号で記載されている)を含むnNR4タンパク質をコー ドする精製されたDNA分子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のDNA分子を含んでなる、組換え宿主細胞内 でnNR4タンパク質を発現させるための発現ベクター。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の発現ベクターを含有する、組換えnNR4タン
    パク質を発現する宿主細胞。
  4. 【請求項4】 組換え宿主細胞内でnNR4タンパク質を発現させるための方法
    であって、 (a)請求項2に記載の発現ベクターを適当な宿主細胞内にトランスフェクト し、 (b)該発現ベクターからの該nNR4タンパク質の発現を可能にする条件下、工 程(a)の宿主細胞を培養することを含んでなる方法。
  5. 【請求項5】 アミノ酸配列 【化2】 (配列番号2では3文字の略号で記載されている)よりなるnNR4タンパク質をコ ードする精製されたDNA分子。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のDNA分子を含んでなる、組換え宿主細胞内 でnNR4タンパク質を発現させるための発現ベクター。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の発現ベクターを含有する、組換えnNR4タン
    パク質を発現する宿主細胞。
  8. 【請求項8】 組換え宿主細胞内でnNR4タンパク質を発現させるための方法
    であって、 (a)請求項6に記載の発現ベクターを適当な宿主細胞内にトランスフェクト し、 (b)該発現ベクターからの該nNR4タンパク質の発現を可能にする条件下、工 程(a)の宿主細胞を培養することを含んでなる方法。
  9. 【請求項9】 ヌクレオチド配列(配列番号1に記載のとおり) 【化3】 を含んでなる、nNR4タンパク質をコードする精製されたDNA分子。
  10. 【請求項10】 配列番号1のヌクレオチド155〜ヌクレオチド約1218より なる、請求項9に記載のDNA分子。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載のDNA分子を含んでなる、nNR4タンパク質 を発現させるための発現ベクター。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載のDNA分子を含んでなる、nNR4タンパク 質を発現させるための発現ベクター。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載の発現ベクターを含有する、組換えnNR4
    タンパク質を発現する宿主細胞。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載の発現ベクターを含有する、組換えnNR4
    タンパク質を発現する宿主細胞。
  15. 【請求項15】 組換え宿主細胞内でnNR4タンパク質を発現させるための方
    法であって、 (a)請求項11に記載の発現ベクターを適当な宿主細胞内にトランスフェク トし、 (b)該発現ベクターからの該nNR4タンパク質の発現を可能にする条件下、工 程(a)の宿主細胞を培養することを含んでなる方法。
  16. 【請求項16】 ヌクレオチド配列(配列番号1に記載のとおり) 【化4】 よりなる、nNR4タンパク質をコードする精製されたDNA分子。
  17. 【請求項17】 配列番号1のヌクレオチド155〜ヌクレオチド約1218より なる、請求項16に記載のDNA分子。
  18. 【請求項18】 請求項16に記載のDNA分子を含んでなる、nNR4タンパク 質を発現させるための発現ベクター。
  19. 【請求項19】 請求項17に記載のDNA分子を含んでなる、nNR4タンパク 質を発現させるための発現ベクター。
  20. 【請求項20】 請求項18に記載の発現ベクターを含有する、組換えnNR4
    タンパク質を発現する宿主細胞。
  21. 【請求項21】 請求項19に記載の発現ベクターを含有する、組換えnNR4
    タンパク質を発現する宿主細胞。
  22. 【請求項22】 組換え宿主細胞内でnNR4タンパク質を発現させるための方
    法であって、 (a)請求項18に記載の発現ベクターを適当な宿主細胞内にトランスフェク トし、 (b)該発現ベクターからの該nNR4タンパク質の発現を可能にする条件下、工 程(a)の宿主細胞を培養することを含んでなる方法。
  23. 【請求項23】 配列番号2に記載のアミノ酸配列を含んでなる精製された
    マウスnNR4タンパク質。
  24. 【請求項24】 配列番号2に記載のアミノ酸配列よりなる、請求項23に
    記載の精製されたマウスnNR4タンパク質。
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