JP2002502240A - ヒト脱共役タンパク質3 - Google Patents

ヒト脱共役タンパク質3

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JP2002502240A JP55052298A JP55052298A JP2002502240A JP 2002502240 A JP2002502240 A JP 2002502240A JP 55052298 A JP55052298 A JP 55052298A JP 55052298 A JP55052298 A JP 55052298A JP 2002502240 A JP2002502240 A JP 2002502240A
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Abstract

(57)【要約】 新規ヒト脱共役タンパク質(UCP3)をコードする単離された核酸分子、および関連組換え発現ベクター、組換え宿主細胞および実質的に精製された形態のUCPタンパク質を開示する。本発明で開示する単離された核酸およびタンパク質は、肥満、糖尿病などの疾患およびミトコンドリア関連代謝亢進の発生、ならびにエネルギー消費および体重調節の調節をもたらす化合物の同定に関連した方法において有用であろう。また、本発明の単離された核酸は、ヒトを含む哺乳動物宿主の遺伝子治療の候補体である。

Description

【発明の詳細な説明】 ヒト脱共役タンパク質3 発明の分野 本発明は、新規ヒト脱共役タンパク質(本明細書の全体において、これを脱共 役タンパク質3(UCP3)と称する)をコードする単離された核酸分子(ポリヌクレ オチド)に関する。また、本発明は、ヒトUCP3、実質的に精製された形態の関連 ヒトUCP3、ヒトUCP3突然変異タンパク質をコードするDNA断片を含有する組換え ベクターおよび組換え宿主に関する。さらに、本発明は、肥満、糖尿病などの疾 患に対する影響ならびにエネルギー消費および体重調節の調節をもたらす化合物 の同定に関連した方法に関する。 発明の背景 エネルギー消費と食物摂取とのバランスは、体重の調節において決定的に重要 な役割を果たす。エネルギー消費のかなりの割合は、ミトコンドリア内の脱共役 活性からの熱産生により生じる。したがって、脱共役活性の調節は、肥満の治療 のための直接的な目標となる。 褐色脂肪組織(BAT)中の脱共役ミトコンドリア呼吸は、げっ歯類動物におけ るエネルギーバランスの調節において重要な役割を果たすことが知られている。 Bouillaudら(1986,J.Biol.Chem.261(4):1487-1490)は、ラット脱共役タ ンパク質1(UCP1)をコードするラットcDNAクローンを開示している。ラットUCP1 は、褐色脂肪組織中で発現される核コード化転写産物からサイトゾル中で合成さ れるミトコンドリア内膜タンパク質である。 Bouillaudら(1988,Biochem.Biophys Res.Comm.157:783-792)は、ラッ トUCP1をコードするゲノムクローンを開示している。 NichollsおよびLocke(1984,Pysiol.Rev.64:1-64)は、UCP1に関して概説 しており、その32kDのラットタンパク質が、ミトコンドリア内膜を貫くプロトン チャンネルを形成し、BATにおける熱産生からのATP合成の脱共役において活性で あることに注目している。 Jacobssonら(1985,J.Biol.Chem.260:16250-16254)は、マウス褐色脂肪 組織から単離されたmRNAのcDNAクローンを開示している。マウスucp1 mRNAは、 寒冷にさらされることによ り褐色脂肪組織中で誘導されることが示されている。 Kozakら(1988,J.Biol.Chem.263:12274-12277)は、マウスUCP1をコード するゲノムクローンを開示している。 Cassardら(1990,J.Cell.Biochem.43:255-264)は、ヒトucp1のゲノムク ローンおよびヒトUCP1の推定アミノ酸配列を開示している。該著者は、ラットUC P1とヒトUCP1とが、ヌクレオチドおよびアミノ酸の両方のレベルにおいて79%相 同であることを示している。 熱産生および脱共役エネルギー消費におけるUCP1活性は、褐色脂肪組織に限ら れている。したがって、UCP1が、褐色脂肪体を限られた量でしか含有しないヒト などの脊椎動物における肥満、糖尿病などの体重の適応症(indications)の原 因および結果に能動的に関与するとは予想されない。 Fleuryら(1997,Nature Genetics 15:269-272)は、それぞれマウスUCP2およ びヒトUCP2と称されるマウスおよびヒトの両方のミトコンドリア脱共役タンパク 質をコードする遺伝子を開示している。該推定アミノ酸配列は、アミノ酸レベル で該マウスタンパク質に約95%相同な33kDのタンパク質をコードしている。ヒト UCP1の場合と同様に、ヒトUCP2は、3個のミト コンドリア輸送タンパク質モチーフおよびATP結合部位を含む。該著者は、骨格 筋、肺、心臓、胎盤、胃およびを免疫系(例えば、脾臓、胸腺、白血球、マクロ ファージおよび骨髄)などにおけるヒトucp2遺伝子の広範な組織特異的発現を示 している。該著者は、マウスにおける肥満および高インスリン血症に連関してい る第11染色体にヒトucp2遺伝子をマッピングした。 発現の大部分が骨格筋に限られている追加的なヒト脱共役タンパク質をコード する遺伝子を同定することができれば有益であろう。そのように特異的に追加的 ヒト脱共役タンパク質を発現する核酸分子は、肥満および高インスリン血症のモ ジュレーターとして作用する化合物に関するスクリーニングにおいて非常に有用 であろう。そのような化合物は、肥満および肥満に関連した有害な適応症(例え ば、糖尿病)の抑制において有用であろう。また、そのような核酸分子は、肥満 および肥満関連合併症(例えば、糖尿病)の有害な作用を克服するための遺伝子 治療用途において有用であろう。本発明は、このような要求に向けられており、 それを満足させるものである。 発明の概要 本発明は、新規脊椎動物脱共役タンパク質をコードする精製 または単離された核酸分子(ポリヌクレオチド)に関する。 本発明は、新規ヒト脱共役タンパク質をコードする精製または単離された核酸 分子(ポリヌクレオチド)に関する。 また、本発明は、主にヒト骨格筋内で発現されるヒト脱共役タンパク質をコー ドする精製または単離された核酸分子に関する。 本発明の好ましい態様を、図1A〜1Bおよび配列番号11(新規脱共役タンパク質 UCP3をコードする精製されたヒトcDNA)に開示する。 本発明のもう1つの特定の実施形態は、本発明において図2A〜2F、図3および 配列番号12に開示するヒト脱共役タンパク質3をコードする核酸分子の生物学的 に活性な単離された断片または突然変異体に関する。そのようないずれのポリヌ クレオチドも、ヌクレオチドの置換、欠失、付加、アミノ末端トランケート化お よびカルボキシ末端トランケート化(これらの突然変異は、診断用、治療用また は予防用のタンパク質またはタンパク質断片を発現するmRNAをコードしている) を含むが、必ずしもこれらに限定されるものではない。 本発明は、配列番号17に記載の新規マウス脱共役タンパク質 をコードする精製または単離された核酸分子(ポリヌクレオチド)に関する。 また、本発明は、主としてヒト骨格筋内で発現されるマウス脱共役タンパク質 (その発現されるタンパク質を配列番号18に記載する)をコードする精製または 単離された核酸分子に関する。 本発明の精製された核酸分子には、デオキシリボ核酸分子(DNA)、例えばゲ ノムDNAおよび相補的DNA(cDNA)[これは一本鎖(コード鎖または非コード鎖) または二本鎖であることが可能である]、ならびに合成DNA、例えば合成された 一本鎖ポリヌクレオチドを含めることが可能である。また、本発明の単離された 核酸分子には、リボ核酸分子(RNA)を含めることが可能である。 また、本発明は、本明細書の全体にわたって開示する実質的に精製された哺乳 類核酸分子を含有する組換えベクターおよび組換え宿主(原核性および真核性の 両方)に関する。 また、本発明は、本発明の核酸を含む組換え宿主細胞(原核性および真核性の 両方、ならびに安定に及び一過性に形質転換された細胞)の細胞下(subcelluar )膜画分に関する。これら の細胞下膜画分は、野生型のレベルを実質的に上回るレベルのUCP3を含み、した がって本明細書の全体にわたって記載する種々のアッセイにおいて有用であろう 。 また、本発明は、実質的に精製されたヒト脱共役タンパク質であって、該天然 形態が骨格筋のミトコンドリア内に実質的に限られていることを特徴とするヒト 脱共役タンパク質に関する。 本発明の好ましい態様を、図2および配列番号12(例示するヒト脱共役タンパ ク質hUCP3のアミノ酸配列)に開示する。 本発明のもう1つの態様を、図7および配列番号18(例示するマウス脱共役タ ンパク質mUCP3のアミノ酸配列)に開示する。 また、本発明は、アミノ酸の置換、欠失、付加、アミノ末端トランケート化お よびカルボキシ末端トランケート化(これらの突然変異は、診断用、治療用また は予防用のタンパク質またはタンパク質断片を与える)(必ずしもこれらに限定 されるものではない)を含む、新規ヒト脱共役タンパク質の生物学的に活性な断 片および/または突然変異体に関する。 また、本発明は、本明細書に開示するUCPタンパク質またはタンパク質断片を 発現させる方法、これらのヒトUCPを使用するアッセイ、これらのUCPを発現する 細胞、およびこれらのUCP の使用により同定される化合物(UCP発現を調節するようにトランスで作用する 化合物、またはミトコンドリア脱共役タンパク質との直接的接触を介するエネル ギー消費および体重調節のモジュレーターを含む)に関する。この方法で同定さ れるそのようなモジュレーターは、肥満、糖尿病および他の関連疾患を抑制する ための治療剤として有用である。 図面の簡単な説明 図1Aおよび図1Bは、ヒト脱共役タンパク質3をコードする完全長cDNAを含むヌ クレオチド配列(配列番号11)を示す。 図2A〜図2Fは、完全長ヒト脱共役タンパク質3ヌクレオチド配列のオープンリ ーディングフレーム(配列番号12)の翻訳を示す。 図3は、ヒト脱共役タンパク質3のアミノ酸配列(配列番号12)を示す。 図4A、図4Bおよび図4Cは、ヒト組織中のヒト脱共役タンパク質3のノーザンブ ロット分析を示す。 図5は、完全長ヒトUCP3 cDNAに関してヒト胎児脳cDNAライブラリーをスクリ ーニングするために使用するベクターおよび遺伝子特異的プライマーの配向を示 す。 図6Aおよび6Bは、完全長マウス脱共役タンパク質3をコードするcDNAのヌクレ オチド配列(配列番号17)を示す。 図7は、マウス脱共役タンパク質3のアミノ酸配列(配列番号18)を示す。 図8A、図8Bおよび図8Cは、酵母中のUCP3発現に関するミトコンドリア膜電位の フローサイトメトリー分析を示す。ベクターのみ(図8A)またはUCP3発現プラス ミド(図8Bおよび図8C)を含有するエス・セレビシエ(S.cerevisiae)株W303 を、電位感受性染料DiOC6で染色し、FACSにより分析した。X軸は対数目盛上の蛍 光強度を表し、Y軸は細胞数を示す。「+gal」は、細胞をガラクトースで5時間 誘導したことを示す。「-gal」は、細胞を、ガラクトースで誘導することなくラ フィノース培地中で維持したことを示す。蛍光強度の減少は、ミトコンドリア膜 電位の減少を示す。 図9Aおよび図9Bは、アデノウイルス媒介レプチン処理に対するUCP3発現の応答 を示す。図9Aは、体重減少の測定を示す。Y軸は、注射日(0日)に対する体重 の割合として表した平均体重を示す。図9Bは、UCP3 mRNAレベルを示す。Y軸は、 UCP3 mRNAの相対レベル(Abd-galおよび対照動物の平均として、1の値を 割り当てた)を示す。各群に関する標準偏差は、標線で示されているとおりであ る。Ad-レプチン:レプチンを発現する第1世代E1欠失複製欠損アデノウイルス ベクター;HD-レプチン:レプチンを発現するヘルパー依存型アデノウイルスベ クター;Adb-gal:β-ガラクトシダーゼを発現する第1世代アデノウイルスベク ター;対照:未処理。 発明の詳細な説明 本発明は、単離された核酸およびタンパク質の形態、すなわち、脊椎動物脱共 役タンパク質を代表する形態(好ましくは、ヒトおよびマウス形態)に関する。 該本発明の一部を構成する単離された遺伝子およびそれに付随する翻訳産物は、 肥満および他の関連疾患(糖尿病を含むが、これらに限定されるものではない) の治療において種々の方法で使用することができる。本発明の脱共役タンパク質 は、核コード化mRNA転写産物からサイトゾル中で翻訳されるタンパク質である。 この脱共役タンパク質は、おそらく、翻訳後にミトコンドリア内膜中に取込まれ るのであろう。 酸化的リン酸化の過程は、プロトンをミトコンドリア内膜の外側に汲み出し、 該内膜を隔てた膜電位の生成を引き起こす。 ついで、この膜電位は、ATP合成を駆動するのに用いられる。本発明の精製され た脱共役タンパク質は、酸化的リン酸化に関連したプロトン駆動力を脱共役させ て、それに伴う大量のエネルギーの遊離させうる。ヒトUCP3遺伝子を安定に又は 一過性に発現する組換えベクターおよび組換え宿主を構築するために本明細書に 開示の核酸を使用することは、本発明の範囲内に含まれる。そのような形質転換 組換え細胞系は、UCP3活性のモジュレーターに関するスクリーニングにおいて有 用であり、したがってエネルギー消費および体重調節のエフェクターとして有用 であろう。また、本発明の単離された核酸断片は、肥満および肥満関連適応症( 糖尿病を含むが、これに限定されるものではない)ならびにミトコンドリア関連 代謝亢進などの状態の治療的治療に関する遺伝子治療用途において有用であろう 。 この目的において、本発明は、新規ヒト脱共役タンパク質をコードする精製ま たは単離された核酸分子(ポリヌクレオチド)に関する。 また、本発明は、主にヒト骨格筋内で発現されるヒト脱共役タンパク質をコー ドする精製または単離された核酸分子に関する。 本発明の好ましい態様は、図1および配列番号11(新規脱共役タンパク質UCP3 をコードする精製されたヒトcDNA)に開示されており、以下のとおりである。 本発明のもう1つの特定の実施形態は、本明細書において配列番号11(図1A〜 1Bも参照されたい)として開示するヒト脱共役タンパク質3をコードする核酸分 子の単離された生物学的に活性な断片または突然変異体に関する。そのようない ずれのポリヌクレオチドも、ヌクレオチドの置換、欠失、付加、アミノ末端トラ ンケート化およびカルボキシ末端トランケート化(これらの突然変異は、診断用 、治療用または予防用のタンパク質またはタンパク質断片を発現するmRNAをコー ドするよう なものである)を含むが、これらに限定されるものではない。 本発明の精製された核酸分子には、デオキシリボ核酸分子(DNA)、例えばゲ ノムDNAおよび相補的DNA(cDNA)[これは一本鎖(コード鎖または非コード鎖) または二本鎖であることが可能である]、ならびに合成DNA、例えば合成された 一本鎖ポリヌクレオチドを含めることが可能である。また、本発明の単離された 核酸分子には、リボ核酸分子(RNA)を含めることが可能である。 また、本発明は、本明細書の全体にわたって開示する実質的に精製された核酸 分子を含有する組換えベクターおよび組換え宿主(原核性および真核性の両方) に関する。 また、本発明は、実質的に精製されたヒト脱共役タンパク質であって、該天然 形態が骨格筋のミトコンドリア内に実質的に局在していることを特徴とするヒト 脱共役タンパク質に関する。 本発明の好ましい態様は、図2A〜2F、図3および配列番号12(例示するヒト脱 共役タンパク質UCP3のアミノ酸配列)に開示されており、以下のとおりである。 (配列番号12では3文字の略語で記載されている) また、本発明は、アミノ酸の置換、欠失、付加、アミノ末端トランケート化お よびカルボキシ末端トランケート化(これらの突然変異は、診断用、治療用また は予防用のタンパク質またはタンパク質断片を与えるようなものである)(必ず しもこれらに限定されるものではない)を含む、新規ヒト脱共役タンパク質の生 物学的に活性な断片および/または突然変異体に関する。 また、本発明は、本明細書に開示する脊椎動物UCPタンパク質またはタンパク 質断片を発現させる方法、これらのヒトおよびマウスUCPを使用するアッセイ、 これらのUCPを発現する細胞、およびこれらのUCPの使用により同定される化合物 (ucp発現を調節するようにトランスで作用する化合物、またはミトコンドリア 脱共役タンパク質との直接的な接触を介するエネルギー消費および体重調節のモ ジュレーターを含む)に関する。この方法で同定されるそのようなモジュレータ ーは、肥満、糖 尿病および他の関連疾患を抑制するための治療剤として有用である。 本発明の核酸断片およびタンパク質断片の池の用途には、UCP3発現を調節する トランス作用因子の同定が含まれるが、これらに限定されるものではない。した がって、脊椎動物UCP3の発現をアップレギュレーションまたはダウンレギュレー ションするようにトランスで作用するタンパク質またはタンパク質複合体に影響 を及ぼす化合物(医薬上許容される製剤中のそのような化合物または医薬上許容 される塩の投与は、UCP3発現を調節し、該患者におけるエネルギー消費の度合を 調節するようなものである)を同定することが可能である。そのようなアッセイ の使用は、UPC3の5'非コード領域の一部が、UPC3遺伝子の調節に対する特定の化 合物の効果を定量的に測定するために使用する適当なレポーター遺伝子(β-ガ ラクトシダーゼを含むが、これに限定されるものではない)と融合している原核 性または真核性発現ベクターの構築により進めることが可能であることが、当業 者に公知であろう。また、UPC3をコードする遺伝子断片で安定に又は一過性にト ランスフェクトされた組換え宿主細胞を使用するスクリーニングを介して化合物 を同定することが 可能であろう。これらの化合物は、例えば、トランスフェクトされた細胞のミト コンドリア中のATP合成からの酸化的リン酸化の脱共役のレベルに影響を及ぼす ことになる。 したがって、本発明はまた、本明細書において開示され例示されているヒトお よび/またはマウスucp3または遺伝子断片を含む(これらに限定されるものでは ない)UCPをコードする核酸断片を発現させる方法、そのような核酸断片を含有 する組換え原核および真核発現ベクター、これらのベクターでトランスフェクト された組換え宿主細胞(この場合、適当なベクター構築を介して予め決められた レベルでucp遺伝子または遺伝子断片が発現される)、およびUCPタンパク質のミ トコンドリア局在成熟形態と相互作用する化合物またはucp遺伝子の調節領域と の相互作用を介して同定された化合物に関する。そのような化合物は、体重調節 およびそれに伴うエネルギーの摂取および消費(またはその喪失)に関連した障 害(肥満および糖尿病を含むが、これに限定されるものではない)の治療におい て有用であろう。 この目的において、本発明はまた、以下のとおり配列番号17として記載する新 規マウス脱共役タンパク質をコードする精製または単離された核酸分子(ポリヌ クレオチド)に関する。 (配列番号17として開示されている)。 また、本発明は、マウス形態の、本明細書において配列番号17(図6A〜6Bも参 照されたい)として開示するヒト脱共役タンパク質3をコードする核酸分子の単 離された生物学的に活性な断片またはその突然変異体に関する。そのようないず れのポリヌクレオチドも、ヌクレオチドの置換、欠失、付加、アミノ末端トラン ケート化およびカルボキシ末端トランケート化(これらの突然変異は、診断用、 治療用または予防用のタンパク質またはタンパク質断片を発現するmRNAをコード する)を含むが、これらに限定されるものではない。 本発明の精製されたマウス核酸分子には、デオキシリボ核酸分子(DNA)、例 えばゲノムDNAおよび相補的DNA(cDNA)[これは一本鎖(コード鎖または非コー ド鎖)または二本鎖であることが可能である]、ならびに合成DNA、例えば合成 された一本鎖ポリヌクレオチドを含めることが可能である。また、本発明の単離 された核酸分子には、リボ核酸分子(RNA)を含めることが可能である。 また、本発明は、本明細書の全体にわたって開示する実質的に精製されたマウ ス核酸分子を含有する組換えベクターおよび組換え宿主(原核性および真核性の 両方)に関する。 また、本発明は、実質的に精製されたマウス脱共役タンパク質であって、該天 然形態が骨格筋のミトコンドリア内に実質的に局在していることを特徴とするマ ウス脱共役タンパク質に関する。 本発明の好ましい態様は、図7および配列番号18(例示するマウス脱共役タン パク質UCP3のアミノ酸配列)に開示されており、以下のとおりである。 (配列番号18では3文字の略語で記載されている) また、本発明は、アミノ酸の置換、欠失、付加、アミノ末端トランケート化お よびカルボキシ末端トランケート化(これらの突然変異は、診断用、治療用また は予防用のタンパク質またはタンパク質断片を与える)を含む(これらに限定さ れるものではない)、新規マウス脱共役タンパク質の生物学的に活性な断片およ び/または突然変異体に関する。 特定のアミノ酸をコードする種々のコドンにおいては相当量 の重複が存在することが知られている。したがって、本発明はまた、結果的には 同一アミノ酸の翻訳をコードする代替的なコドンを含有するDNA配列に関する。 本明細書の目的においては、1以上の置換コドンを保持する配列は、縮重変異と して定義される。発現されるタンパク質の最終的な物理的特性を実質的に改変し ない、DNA配列または翻訳タンパク質中の突然変異も、本発明の範囲内に含まれ る。例えば、ロイシンからバリン、リシンからアルギニン、またはグルタミンか らアスパラギンへの置換は、該ポリペプチドの機能における変化を引き起こすこ とがない。 あるペプチドをコードするDNA配列を、その天然に存在するペプチドとは異な る特性を有するペプチドをコードするように改変しうることが公知である。DNA 配列の改変方法には、部位特異的突然変異誘発が含まれるが、これに限定される ものではない。改変される特性には、例えば、基質に対する酵素の又はリガンド に対する受容体のアフィニティーの変化が含まれるが、これらに限定されるもの ではない。 本発明で用いる「精製(された)」および「単離(された)」は、問題の核酸 、タンパク質またはそれらのそれぞれの断片が、 そのインビボ環境から実質的に取り出されていて、それが当業者により種々の手 段(例えば、核酸断片に関するヌクレオチドの配列決定、制限消化、部位特異的 突然変異誘発および発現ベクター中へのサブクローニング、ならびにポリクロー ナル抗体、モノクローナル抗体の産生の機会を与える純粋な相当量のタンパク質 またはタンパク質断片の入手、アミノ酸の配列決定およびペプチドの消化が挙げ られるが、これらに限定されるものではない)で操作されうることを表すために 互換的に使用する。したがって、本発明の特許請求の範囲の核酸は、全細胞中ま たは細胞ライセート中または部分的に精製された若しくは実質的に精製された形 態中に存在することが可能である。核酸は、それが周囲の混入物から精製されて いる場合に、実質的に精製されているとみなされる。したがって、細胞から単離 された核酸配列は、標準的な方法により細胞成分から精製されている場合には、 実質的に精製されているとみなされ、一方、化学合成された核酸配列は、その化 学前駆体から精製されている場合には、実質的に精製されているとみなされる。 本発明で用いる「UCP3」は、マウスまたはヒトUCP3を含む(これらに限定され るものではない)UCP3の任意の脊椎動物形 態を意味しうる。 本発明で用いる「BAT」は、褐色脂肪組織を意味する。 本発明で用いる「EST」は、発現しているタグ配列を意味する。 本発明で用いる、野生型UCP3の「生物学的に活性な等価体」または「機能的誘 導体」は、野生型UCP3の生物活性と実質的に類似した生物活性を有する。「機能 的誘導体」なる語は、野生型UCPタンパク質の「断片」、「突然変異体」、「変 異体」、「縮重変異体」、「類似体」および「ホモログ」または「化学誘導体」 を包含する意である。「断片」なる語は、野生型UCP3の任意のポリペプチドサブ セットを意味する。「突然変異体」なる語は、野生型形態と実質的に類似してい ることがあるが異なる生物学的特徴を有する分子を意味する。そのような改変さ れた特徴には、改変された基質結合性、改変された基質アフィニティー、および UCP3またはUCP3機能的誘導体の生物活性に影響を及ぼす化合物に対する改変され た感受性が含まれるが、これらに限定されるものではない。「変異体」なる語は 、構造および機能において全野生型タンパク質またはその断片に実質的に類似し ている分子を意味する。ある分子が野生型UCP3様タンパク質と「実質的に類似」 しているのは、両方の分子が、実 質的に類似した構造を有する場合、または両方の分子が、類似した生物活性を有 する場合である。したがって、それらの2つの分子が、実質的に類似した活性を 有する場合には、それらの分子の一方の構造が他方において見出されない場合で あっても、あるいはそれらの2つのアミノ酸配列が同一でない場合であっても、 それらは変異体であるとみなされる。 「類似体」なる語は、全野生型UCP3様タンパク質またはその断片と機能におい て実質的に類似した分子を意味する。 UCP3をクローニングするためには、種々の方法のいずれかを用いることが可能 である。これらの方法には、以下の(1)〜(6)の技術が含まれるが、これに限 定されるものではない。(1)RACEPCRクローニング技術(Frohmanら,1988,Proc. Natl.Acad.Sci.85:8998-9002)。完全長cDNA配列を得るために、5'および/ま たは3'RACEを行なうことができる。この方法は、UCP3 cDNAのPCR増幅用の遺伝子 特異的オリゴヌクレオチドプライマーの使用を伴う。これらの遺伝子特異的プラ イマーは、公に入手可能な核酸およびタンパク質データベースの多数を検索する ことにより同定されたEST(発現しているタグ配列)ヌクレオチド配列の同定を 介して設計する。(2)適当な発現ベクター系にお けるUCP3含有cDNAライブラリーの構築後のUCP3 cDNAの直接機能的発現。(3)UC P3タンパク質のアミノ酸配列から設計した標識縮重オリゴヌクレオチドプローブ による、バクテリオファージまたはプラスミドシャトルベクター中に構築された UCP3含有cDNAライブラリーのスクリーニング。(4)UCP3タンパク質をコードす る部分cDNAによる、バクテリオファージまたはプラスミドシャトルベクター中に 構築されたUCP3含有cDNAライブラリーのスクリーニング。この部分cDNAは、該UC P3タンパク質に関連した他のUCP3キナーゼに関して公知のアミノ酸配列からの縮 重オリゴヌクレオチドプライマーの設計による、UCP 3DNA断片の特異的PCR増幅 により得られる。(5)UCP3タンパク質をコードする部分cDNAによる、バクテリ オファージまたはプラスミドシャトルベクター中に構築されたUCP3含有cDNAライ ブラリーのスクリーニング。また、この方法は、前記のとおりにESTとして同定 されたUCP3 cDNAのPCR増幅用の遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプライマーの使 用を伴うことがある。(6)鋳型として配列番号1または2を使用することによ る、5'および3'遺伝子特異的オリゴヌクレオチドの設計。それにより、完全長cD NAを公知RACE技術により作製するか、ある いは該コード領域の一部を、これらの同じ公知RACE技術により作製して、cDNAお よび/またはゲノムライブラリーの多数の型の1つをスクリーニングするための プローブとして使用するコード領域の一部を作製し単離して、UCP3をコードする ヌクレオチド配列の完全長形態を単離することが可能である。 UCP3をコードするDNAまたはUCP3ホモログを単離するためには、他の型のライ ブラリーおよび他の細胞型または種型から構築したライブラリーが有用かもしれ ないことが、当業者には容易に認められる。他の型のライブラリーには、ヒト細 胞または組織以外の細胞または細胞系(例えば、マウス細胞、げっ歯類細胞また はUCP3をコードするDNAを含有しうる他の任意の脊椎動物宿主)に由来するcDNA ライブラリーが含まれるが、これらに限定されるものではない。さらに、UCP3遺 伝子は、脊椎動物ゲノムライブラリー、例えば(以下に限定されるものではない )ヒトゲノムライブラリー、マウスゲノムライブラリーおよびげっ歯類ゲノムラ イブラリーならびに付随するヒトゲノムDNAライブラリーの、オリゴヌクレオチ ドまたはポリヌクレオチドに基づくハイブリダイゼーションスクリーニングによ り単離することが可能である。 UCP3活性を有する細胞または細胞系から適当なcDNAライブラリーを調製しうる ことは、当業者には容易に認められる。UCP3 cDNAの単離用のcDNAライブラリー の調製に使用するための細胞または細胞系の選択は、まず、UCP3活性に関する公 知の任意のアッセイを用いて細胞関連UCP3活性を測定することにより行なうこと ができる。 cDNAライブラリーの調製は、当技術分野でよく知られた標準的な技術により行 なうことができる。よく知られたcDNAライブラリー構築技術は、例えば、Sambro okら,1989,Molecular Cloning:A Laboratory Manual;Cold Spring Harbor Lab oratory,Cold Spring Harbor,New Yorkに記載されている。また、相補的DNAラ イブラリーは、Clontech Laboratories,Inc.およびStratagentを含む多数の商 業的起源から入手することができる。 また、UCP3をコードするDNAは、適当なゲノムDNAライブラリーからも単離され うることが、当業者には容易に認められる。ゲノムDNAライブラリーの構築は、 当技術分野でよく知られた標準的な技術により行なうことができる。よく知られ たゲノムDNAライブラリー構築技術は、前記Sambrookらに記載されている。 好ましい方法の1つによりUCP3遺伝子をクローニングするためには、UCP3また は相同タンパク質のアミノ酸配列またはDNA配列が必要かもしれない。これを達 成するために、UCP3または相同タンパク質を精製し、自動シークエネーターによ り部分アミノ酸配列を決定することができる。全アミノ酸配列を決定することは 必ずしも必要でないが、部分UCP3 DNA断片のPCR増幅のために、6〜8アミノ酸の 2つの領域の直鎖配列を決定することが可能である。適当なアミノ酸配列を同定 したら、それらをコードしうるDNA配列を合成する。遺伝暗号は縮重性であるた め、特定のアミノ酸をコードするのに2以上のコドンが使用されることがある。 したがって、該アミノ酸配列は、類似したDNAオリゴヌクレオチドの任意のセッ トによりコードされることが可能である。該セットの1つのメンバーだけが、UC P3配列と同一であることになる。しかし、該セットのその他のメンバーは、UCP3 DNAにハイブリダイズすることが可能となる(ミスマッチを有するDNAオリゴヌ クレオチドの存在下であっても、そうである)。そのミスマッチしたDNAオリゴ ヌクレオチドは、それでもなお、UCP3をコードするDNAの同定および単離を可能 にするのに十分な程度にUCP3 DNAにハイブリダイズしうる。あるい は、利用可能な1以上のゲノムデータベースを検索することにより、発現される 配列の領域のヌクレオチド配列を同定することができる。cDNAライブラリーまた はcDNA集団から、関心のあるcDNAのPCR増幅を行なうためには、遺伝子特異的プ ライマーを使用することができる。前記のとおり、PCRに基づく方法で使用する ための適当なヌクレオチド配列は、配列番号1または2から得ることが可能であ り、これらを使用して、重複する5'および3’RACE産物を単離し、UCP3をコード する完全長配列を作製したり、あるいはUCP3をコードするヌクレオチド配列の一 部を単離して、cDNAまたはゲノムに基づくライブラリーの1以上をスクリーニン グするためのプローブとして使用して、UCP3またはUCP3様タンパク質をコードす る完全長配列を単離することが可能である。 例示している方法では、本発明のヒトUCP3完全長cDNAを、cDNAスクリーニング の新規方法により作製した。簡単に説明すると、部分cDNA配列の伸長は、歴史的 には、一般に用いられる2つの方法(すなわち、標識プローブとのハイブリダイ ゼーションによるcDNAライブラリーのフィルタースクリーニング、およびPCRに よる全細胞mRNAによる5'-および3'-RACE)の一方 または両方により達成されている。前者の方法は有効ではあるが、労力を要し、 時間がかかる。一方、後者の方法は迅速ではあるが、効率が限られている。この RACEプロトコールは、単一反応において全細胞mRNA集団を使用するため伸長の長 さが限られたものとなることにより妨げられる。より小さな断片は、より大きな 断片よりはるかに効率的に同じ反応中でPCRにより増幅されるため、後者の方法 を使用して得られるPCR産物は非常に小さくなることが多い。本発明のこの態様 は、まず、cDNAライブラリーを構築し細分し、ついで5'および3'フランキング断 片をPCRにより単離することにより、cDNAライブラリースクリーニングの公知方 法に対する改善を表すものである。各プールは、低度から中等度に発現される或 る与えられた遺伝子に関して1個を超えるクローンを含有するとは考えられない ため、1つのプール中の大きなPCR産物と小さなPCR産物との間の競合は存在せず 、そのため、種々のサイズの断片を単離することが可能となる。本明細書に開示 する方法の、1つの決定的に重要な利点は、それが選択的スプライシングcDNA形 態を単離する潜在的能力、スループットおよび効率である。 したがって、本発明のこの態様は、一次cDNAライブラリーの 細分およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるDNA増幅に基づく、部分cDNA配列 を迅速に伸長させるための方法に関する。cDNAライブラリーを、ランダムプライ マー、オリゴ-dTプライマーまたはランダムプライマーとオリゴ-dTプライマーと の組合せによりプライムされたcDNAで構築し、ついで1プール当たり約10,000〜 20,000クローンのプールに細分する。各プールを別々に増幅する。したがって、 各プールは、もとのmRNA源に由来するcDNA分子の独立した部分を代表する。すべ ての該プールからのサンプルを集め、96ウェルプレートに移す。配列番号1また は2などの部分cDNA配列を伸長させるために、該部分cDNA配列を含有する陽性プ ールを、まず、該cDNA配列に相補的な一対のプライマーを使用するPCRにより同 定する。該ライブラリー中の各陽性プールは、該cDNA配列の独立したクローンを 含有し、各クローン内には、該部分cDNA配列およびそのフランキング断片が含ま れている。該フランキング断片は、cDNA配列および公知ベクターに相補的なプラ イマーを使用するPCRにより単離し、ついで直接配列決定する。これらの断片か らのDNA配列および元の部分cDNA配列を連続断片に集合させて、該部分cDNA配列 の伸長を得、必要に応じて、完全なオープンリーディング フレームが得られるまで該方法を繰返すことにより、最終的にその完全長遺伝子 配列を決定する。 この方法の基本原理は、複雑なライブラリーを約10,000〜約20,000クローンの プールに細分することである。該組織中で発現されるほとんどのmRNA転写産物を カバーするのに十分に大きな数である200万個の一次クローンのライブラリーを 、188個のプールに細分し、2個の96ウェルプレート中で保存することが可能で ある。ほとんどの遺伝子の転写産物の数は、全細胞mRNA中の〜10,000個の転写産 物当たり1コピーより少ないため、各プールは、ある与えられたcDNA配列に関し て1個を超えるクローンを含有するとは考えられない。そのように複雑さが減少 したことにより、公知方法により得られるものより大きな部分cDNA配列のフラン キング断片を単離するためにPCRを使用することが可能となる。 ヒトUCP3をコードする完全長cDNAの単離および特徴づけに関して、前記方法を 例示する。簡単に説明すると、約400万個の一次クローンよりなる、ランダムお よびオリゴdTでプライムされた胎児脳cDNAライブラリーを、プラスミドベクター pBluescript(Stratagene,LaJolla,CA)中で構築した。該一 次クローンを、188個のプール(各プールは〜20,000個のクローンを含有する) に細分した。各プールを別々に増幅し、得られたプラスミドプールを集め、2個 の96ウェルプレート中に移した。配列番号1(EST-AA192136)の5'および3'部分 、配列番号4(EST-AA192553)からの5'および3'オリゴヌクレオチドならびに該 ベクター(この場合はpBluescript SK-)のポリリンカー配列の5'および3'の両 側のオリゴヌクレオチドプライマーからのプライマー対を使用して、96ウェルプ レート中に別個に分配されたこのヒト胎児脳cDNAライブラリーをスキャンした。 最初の陽性プールを、AA192136からの5'および3'プライマー(配列番号5および6 )およびpBluescriptプライマー(配列番号9および10)で同定した。該陽性プ ールを、pBluescriptプライマーならびに5'および3'プライマー(3'EST AA19255 3に伴うもの(プライマー3U3Fおよび3U3R))を使用するPCRにより再びスキャン した。この工程は、838F(pBSK-、配列番号9)および3U3F(3'EST AA192553にハ イブリダィズする;配列番号8)でのスキャンが2.4kbのcDNA断片を与えることを 示した。このcDNA断片を、TAクローニングによりベクターpTA2.1(Invitrogen, San Diego,CA,USA)中にサブクローニングし た。4個の陽性クローン、元のPCR断片およびI.M.A.G.E.クローン#628529(配列 番号1および2)を、プライマーウォーキングにより配列決定した。ついで該配列 を、配列番号11および図1Aおよび図1Bに記載する2340塩基対のコンティグに集合 させた。この配列は、配列番号12および図2A〜2Fおよび図3に記載する312アミ ノ酸のポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを含有する。 配列番号11に記載のcDNAは、単一の陽性プールからの完全長cDNA断片として同 定した。図5は、ヒトUCP3遺伝子を単離するために使用するベクターおよびEST (遺伝子)特異的プライマーを示す。この場合、全コード領域および3'非翻訳領 域を、838Fおよび3U3Fプライマーの組合せにより回復(retrieve)させた。しか しながら、当業者は本明細書を頼りに、本明細書に開示の、より遠くに達するcD NAクローニング法について理解するであろう。すなわち、フランキングベクター プライマーオリゴヌクレオチドと組合されたESTまたは他の部分cDNA配列に由来 する複数のプライマーの組合せを使用して、内部遺伝子特異的配列およびそれぞ れのプライマーから両方向へ「ウォーキング(walk)」させて、完全長cDNAを表 すコンティグを構築す ることが可能であると理解するであろう。この方法は、全cDNAライブラリーの代 表的部分を含む複数のプールをスクリーニングしうることに基づく。この方法は 、一定方向にクローニングされたインサートを有するcDNAライブラリーの使用に 基づくものではない。その代わりに、5'および3'ベクターおよび遺伝子特異的プ ライマーを加え、遺伝子特異的プライマーおよびベクタープライマーの両方を使 用する陽性プールの追加的スクリーニングからコンティグ地図を作製する。もち ろん、まず、これらの遺伝子特異的プライマーを、発現しているタグ配列などの 公知核酸断片から作製する。しかしながら、該ウォーキングが進行するにつれて 、遺伝子特異的プライマーは、該cDNAの新たに同定される領域の5'および3'境界 から利用される。該ウォーキングが進行すると、それでもなお、未同定断片のベ クター配向が既知である必要はない。その代わりに、すべての組合せを陽性プー ル上で試験し、子想されるPCR断片を或るベクター/遺伝子特異的プライマーが 産生しうることを利用して、実際のベクター配向を決定する。ついで完全長cDNA を、公知のサブクローニング法により容易に構築することができる。 哺乳類細胞中で組換えUCP3を発現させるためには、種々の哺 乳類発現ベクターを使用することができる。発現ベクターは、本発明では、適当 な宿主におけるクローン化DNAの転写およびそれらのmRNAの翻訳に必要なDNA配列 と定義される。そのようなベクターを使用して、細菌、藍藻類、植物細胞、昆虫 細胞、動物細胞などの種々の宿主中で真核性DNAを発現させることができる。特 別に設計されたベクターは、細菌−酵母または細菌−動物細胞などの宿主間のDN Aの往復(シャトル)を可能にする。適切に構築された発現ベクターは、宿主細 胞内の自律複製のための複製起点、選択マーカー、一定数の有用な制限酵素部位 、潜在的な高コピー数および活性なプロモーターを含有すべきである。プロモー ターは、RNAポリメラーゼがDNAに結合しRNA合成を開始するのを指令するDNA配列 と定義される。強力なプロモーターは、mRNAの高頻度の開始をもたらすものであ る。発現ベクターには、クローニングベクター、修飾されたクローニングベクタ ー、特別に設計されたプラスミドまたはウイルスを含めることができるが、これ らに限定されるものではない。 組換えUCP3発現に適している可能性がある商業的に入手可能な哺乳類発現ベク ターには、pcDNA3.1(Invitrogen)、pBlueBacHis2(Invitrogen)、pLITMUS28 、pLITMUS29、pLITMUS38 およびpLITMUS39(New England Bioloabs)、pcDNAI、pcDNAIamp(Invitrogen) 、pcDNA3(Invitrogen)、pMC1neo(Stratagene)pXT1(Stratagene)、pSG5(S tratagene)、EBO-pSV2-neo(ATCC37593)、pBPV-1(8-2)(ATCC37110)、pdBPV- MMTneo(342-12)(ATCC37224)、pRSVgpt(ATCC37199)、pRSVneo(ATCC37198) 、pSV2-dhfr(ATCC37146)、pUCTag(ATCC37460)およびlZD35(ATCC37565)が 含まれるが、これらに限定されるものではない。 細菌細胞中で組換えUCP3を発現させるためには、種々の細菌発現ベクターを使 用することができる。組換えUCP3発現に適している可能性がある商業的に入手可 能な細菌発現ベクターには、pCR2.1(Invitrogen)、pET11a(Novagen)、ラムダ gt11(Invitrogen)、pcDNAII(Invitrogen)、pKK223-3(Pharmacia)が含まれ るが、これらに限定されるものではない。 真菌細胞中で組換えUCP3を発現させるためには、種々の真菌細胞発現ベクター を使用することができる。組換えUCP3発現に適している可能性がある商業的に入 手可能な真菌細胞発現ベクターには、pYES2(Invitrogen)、ピチア(Picllia) 発現ベクター(Invitrogen)が含まれるが、これらに限定されるものでは ない。 昆虫細胞中で組換え受容体を発現させるためには、種々の昆虫細胞発現ベクタ ーを使用することができる。UCP3の組換え発現に適している可能性がある商業的 に入手可能な昆虫細胞発現ベクターには、pBlueBacIIIおよびpBlueBacHis2(Inv itrogen)が含まれるが、これらに限定されるものではない。 組換え宿主細胞中でのUCP3の発現のためには、UCP3様タンパク質をコードする DNAを含有する発現ベクターを使用することができる。組換え宿主細胞は、原核 性または真核性であることが可能であり、大腸菌(E.coli)などの細菌、酵母な どの真菌細胞、ヒト、ウシ、ブタ、サルおよびげっ歯類由来の細胞系を含む(こ れらに限定されるものではない)哺乳類細胞、およびショウジョウバエ(Drosop hila)およびカイコに由来する細胞系を含む(これらに限定されるものではない )昆虫細胞を含む。商業的に入手可能であり適している可能性がある哺乳類種に 由来する細胞系には、L細胞L-M(TK-)(ATCC CCL1.3)、L細胞L-M(ATCC CCL1.2 )、Saos-2(ATCC HTB-85)、293(ATCC CRL 1573)、Raji(ATCC CCL 86)、CV -1(ATCC CCL 70)、COS-1(ATCC CRL 1650)、COS-7(ATCC CRL 1651)、CHO-K 1(ATCC CCL 61)、3T3(ATCC CCL 92)、NIH/3T3(ATCC CRL 1658)、HeLa(ATCC CCL 2)、 C127I(ATCC CRL 1616)、BS-C-1(ATCC CCL 26)およびMRC-5(ATCC CCL 171) が含まれるか、これらに限定されるものではない。 該発現ベクターは、形質転換、トランスフェクション、プロトプラスト融合お よびエレクトロポレーションを含む(これらに限定されるものではない)多数の 技術のいずれか1つにより宿主細胞中に導入することができる。該発現ベクター 含有細胞を個々に分析して、それらがUCP3タンパク質を産生するか否かを判定す る。UCP3を発現する細胞の同定は、抗UCP3抗体との免疫反応性および宿主細胞関 連UCP3活性の存在の判定を含む(これらに限定されるものではない)いくつかの 手段により行なうことができる。 前記の方法により得たクローン化UCP3 cDNAを、適当なプロモーターと他の適 当な転写調節要素とを含有する発現ベクター(例えば、pcDNA3.1、pCR2.1、pBlu eBacHis2およびpLITMUS28)中への分子クローニングにより組換え的に発現させ 、原核性または真核性宿主細胞中に導入して、組換えUCP3を産生させることがで きる。そのような操作のための技術は、Sambrookら(前 掲)に記載されており、実施例の節において詳細に記載されており、当業者によ く知られており容易に利用されうる。 また、UCP3 cDNAの発現は、インビトロで得た合成mRNAを使用して行なうこと ができる。合成mRNAは、コムギ胚芽抽出物および網状赤血球抽出物を含む(これ らに限定されるものではない)種々の無細胞系中で効率的に翻訳されることが可 能であり、また、カエル卵母細胞中へのマイクロインジェクションを含む細胞に 基づく系内で効率的に翻訳されることが可能であり、カエル卵母細胞中へのマイ クロインジェクションが好ましい。 最適レベルのUCP3タンパク質を与えるUCP3cDNA配列を決定するために、UCP3 c DNAの完全長オープンリーディングフレーム、および該タンパク質の特異的ドメ インまたは該タンパク質の再編成ドメインだけをコードするcDNA部分を含有する 種々の構築物を含む(これらに限定されるものではない)UCP3 cDNA分子を構築 することができる。すべての構築物は、UCP3の5'および/または3'非翻訳領域の 全部または一部を含有するように或いはそれらを全く含有しないように設計する ことが可能である。UCP3活性およびタンパク質発現レベルは、これらの構築物を 単独で又は組合せて適当な宿主細胞中に導入した後に決定 することができる。一過性アッセイにおいて最適な発現を与えるUCP3 cDNAカセ ットを決定した後、このUCP3 cDNA構築物を、哺乳類細胞、植物細胞、昆虫細胞 、卵母細胞、細菌および酵母細胞用の発現ベクターを含む(これらに限定される ものではない)種々の発現ベクター(組換えウイルスを含む)に導入する。 宿主細胞中のUCP3タンパク質のレベルは、イムノアフィニティーおよび/また はリガンドアフィニティー技術を含む(これらに限定されるものではない)種々 の技術により定量する。UCP3特異的アフィニティービーズまたはUCP3特異的抗休 を使用して、35S-メチオニン標識または未標識UCP3タンパク質を単離する。標識 UCP3タンパク質は、SDS-PAGEにより分析する。未標識UCP3タンパク質は、UCP3特 異的抗体を使用するウエスタンブロット法、ELISAまたはRIAアッセイにより検出 する。 宿主細胞中でUCP3を発現させた後、UCP3タンパク質を回収して、活性形態のUC P3を得ることができる。IJCP3を精製するためのいくつかの方法が利用可能であ り、使用に適している。塩分別、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除ク ロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイト吸着クロマトグラフィーおよび疎水 性相互作用クロマトグラフィーの種々の組合せ又は 単独の適用により、細胞ライセートおよび抽出物から、または馴らし培地から、 組換えUCP3を精製することができる。 また、完全長UCP3に又はUCP3のポリペプチド断片に特異的なモノクローナルま たはポリクローナル抗体で作製されたイムノ-アフィニティーカラムの使用によ り、他の細胞タンパク質から組換えUCP3を分離することができる。さらに、ポリ クローナルまたはモノクローナル抗体は、配列番号12に記載の該タンパク質の一 部に由来する合成ペプチド(通常、約9〜約25アミノ酸長)に対して産生させる ことができる。UCP3に対する単一特異性抗体は、UCP3に対して反応性の抗体を含 有する哺乳類抗血清から精製したり、あるいはKohlerおよびMilstein(1975,Nat ure 256:495-497)の技術を用いてUCP3と反応性のモノクローナル抗体として調 製する。本発明で用いる単一特異性抗体は、UCP3に対して均一な結合特性を有す る単一の抗体種または複数の抗体種と定義される。本発明で用いる均一な結合は 、ある特定の抗原またはエピトープ(例えば、前記のUCP3に伴うもの)に該抗体 種が結合しうることを意味する。UCP3特異的抗体は、マウス、ラット、モルモッ ト、ウサギ、ヤギ、ウマなどの動物を、免疫アジュバントの存在下または不存在 下で、適当な濃度 のUCP3またはUCP3合成ペプチドで免疫することにより産生させる。 初回免疫の前に、免疫前血清を集める。各動物に、許容される免疫アジュバン トと共に約0.1mg〜約1000mgのUCP3を投与する。そのような許容されるアジュバ ントには、フロイント完全、フロイント不完全、アルミ(alum)沈殿物、油中水 型エマルション(コリネバクテリウム・パルブム(Corynebacterium parvum)お よびtRNAを含有するもの)が含まれるが、これらに限定されるものではない。初 回免疫は、好ましくはフロイント完全アジュバント中のUCP3タンパク質またはUC P3合成ペプチドを複数部位に皮下(SC)、腹腔内(IP)またはその両方に投与す ることよりなる。各動物から一定間隔で(好ましくは毎週)採血して、抗体力価 を測定する。初回免疫後、該動物は、ブースター注射を受けても受けなくてもよ い。ブースター注射を受ける動物には、一般には、フロイント不完全アジュバン ト中の等量のUCP3を同一経路で与える。ブースター注射は、最大力価が得られる まで約3週間間隔で行なう。各ブースター免疫の約7日後、または単回免疫後に ほぼ毎週、該動物から採血し、血清を集め、アリコートを約−20℃で保存する。 UCP3と反応性のモノクローナル抗体(mAb)は、近交系マウス、好ましくはBal b/cをUCP3で免疫することにより調製する。該マウスを、約0.5mlのバッファーま たは食塩水中の約1mg〜約100mg、好ましくは約10mgのUCP3を等量の許容される前 記アジュバント中に含むもので、IPまたはSC経路により免疫する。フロイント完 全アジュバントが好ましい。該マウスは、0日に初回免疫を受け、約3〜約30週 間休ませる。免疫化マウスには、リン酸緩衝食塩水などのバッファー溶液中の約 1〜約100mgのUCP3のブースター注射を静脈内(IV)経路により1回以上行なう。 当技術分野で公知の標準的な方法により免疫化マウスから脾臓を摘出することに より、抗体陽性マウスからリンパ球、好ましくは脾リンパ球を得る。安定なハイ ブリドーマの形成を許容する条件下で該脾リンパ球と適当な融合相手(好ましく は、骨髄腫細胞)とを混合することにより、ハイブリドーマ細胞を産生させる。 融合相手には、マウス骨髄腫P3/NS1/Ag4-1、MPC-11、S-194およびSp2/0(これら に限定されるものではない)を含めることが可能であり、Sp2/0が好ましい。該 抗体産生細胞と骨髄腫細胞とを、約30%〜約50%の濃度で分子量約1000のポリエ チレングリコール中で融合させる。当技術分野で 公知の方法により、融合ハイブリドーマ細胞を、ヒポキサンチン、チミジンおよ びアミノプテリンで補足されたダルベッコ変法イーグル基礎培地(DMEM)中での 増殖により選択する。上清流体を、約14、18および21日の増殖陽性ウェルから集 め、該抗原としてUCP3を使用する固相イムノラジオアッセイ(SPIRA)により抗 体産生に関してスクリーニングする。また、該培養流体をオクタロニー沈降アッ セイにおいて試験して、該mAbのアイソタイプを決定する。抗体陽性ウェルから のハイブリドーマ細胞を、MacPherson(1973,Soft Agar Techniques,Tissue C ulture Methods and Applications,KruseおよびPaterson編,Academic Press) の軟寒天技術などの技術によりクローニングする。 初回抗原刺激の約4日後に約2×106〜約6×106ハイブリドーマ細胞を、プリス チンの初回抗原刺激を受けたBalb/cマウスに注射(約0.5ml/マウス)することに より、モノクローナル抗体をインビボで産生させる。細胞導入の約8〜12日後に 腹水を集め、該モノクローナル抗体を、当技術分野で公知の技術により精製する 。 約2%ウシ胎仔血清を含有するDMEM中で該ハイブリドーマを 増殖させることにより、抗UCP3 mAbのインビトロ産生を行なって、十分な量の該 特異的mAbを得る。当技術分野で公知の技術により、該mAbを精製する。 腹水またはハイブリドーマ培養液の抗体力価を、沈降法、受身凝集反応、酵素 結合抗体免疫吸着(ELISA)技術およびラジオイムノアッセイ(RIA)技術を含む (これらに限定されるものではない)種々の血清学的または免疫学的アッセイに より測定する。体液または組織および細胞抽出物中のUCP3の存在を検出するため に、同様のアッセイを用いる。 単一特異的抗体を産生させるための前記方法を用いて、UCP3ポリペプチド断片 または完全長UCP3ポリペプチドに特異的な抗体を産生させることが可能である、 と当業者には容易に認められる。 該抗体がアガロースゲルビーズ支持体と共有結合を形成するようにN-ヒドロキ シスクシンイミドエステルで予め活性化されたゲル支持体であるAffigel-10(Bi orad)に該抗体を加えることにより、UCP3抗体アフィニティーカラムを作製する 。ついで該抗体を、スペーサーアームでアミド結合を介して該ゲルに結合させる 。ついで、残りの活性化エステルを1Mエタノールアミ ンHCl(pH8)でクエンチする。該カラムを水、ついで0.23MグリシンHCl(pH2.6 )で洗浄して、未コンジュゲート化抗体または外来タンパク質を除去する。つい で該カラムをリン酸緩衝食塩水(pH7.3)中で平衡化し、UCP3またはUCP3断片を 含有する細胞培養上清または細胞抽出物を、該カラムにゆっくり通過させる。つ いで。光学密度(A280)がバックグラウンドに低下するまで、該カラムをリン酸 緩衝食塩水で洗浄し、ついで該タンパク質を0.23Mグリシン-HCl(pH2.6)で溶出 する。ついで該精製UCP3タンパク質を、リン酸緩衝食塩水に対して透析する。 本発明の新規UCP3は、UCP3活性を調節する化合物の同定のためのアッセイ法で の使用に適している。本明細書に記載のUCP3活性の調節は、該タンパク質の抑制 または活性化を含み、また、UCP3活性に関連した細胞周期調節特性に直接的また は間接的に影響を及ぼすことを含む。UCP3活性を調節する化合物には、アゴニス ト、アンタゴニスト、インヒビター、アクチベーター、およびUCP3活性および/ またはUCP3脱共役活性の調節に直接的または間接的に影響を及ぼす化合物が含ま れる。 本発明のUCP3は、UCP3モジュレーターを同定するためのア ッセイ法において使用するための天然起源および組換え起源の両方から得ること ができる。一般に、UCP3モジュレーターを同定するためのアッセイ法は、本発明 のUCP3タンパク質と、推定UCP3モジュレーターを含有する試験化合物またはサン プルとを含むことになろう。該試験化合物またはサンプルは、例えば、精製UCP3 タンパク質(天然体であるか組換え体であるかには無関係である)、UCP3産生細 胞(天然体であるか組換え体であるかには無関係である)の細胞下(subcellula r)画分、および/または該UCP3(天然体であるか組換え体であるかには無関係 である)を発現する全細胞上で直接的に試験することができる。該試験化合物ま たはサンプルを、公知UCP3モジュレーターの存在下または不存在下に該UCP3に加 えることができる。該試験化合物またはサンプルの調節活性は、例えば、該試験 化合物またはサンプルがUCPタンパク質に結合し、該タンパク質を活性化し、UCP 3活性を抑制し、該UCP3タンパク質に対する他の化合物の結合を抑制または増強 し、受容体調節を修飾し、または細胞内活性を修飾する能力を分析することによ り測定することができる。 したがって、本発明はまた、本発明の核酸を含む組換え宿主 細胞(原核性または真核性の両方の、安定または一過性に形質転換された細胞) の細胞下(subcellular)膜画分に関する。これらの細胞下膜画分は、野生型レ ベルを実質的に上回るレベルでUCP3を含むことになり、したがって、本明細書全 体に記載の種々のアッセイにおいて有用であろう。 UCP3活性のモジュレーターの同定は、患者における食物摂取、エネルギー消費 およびグルコース代謝のバランスをとる相互に関連した過程を操作することによ り、肥満および糖尿病を含む(これらに限定されるものではない)病態を治療す るのに有用であろう。したがって、骨格筋のミトコンドリアで生じるエネルギー 消費の活動冗進状態を治療するモジュレーターもまた、本発明の範囲内となる。 また、本発明は、本発明のUCP3タンパク質をコードするDNAまたはRNAの発現を 調節する又はそのようなUCP3タンパク質の機能を調節する化合物に関してスクリ ーニングする方法に関する。これらの活性を調節する化合物は、DNA、RNA、ペプ チド、タンパク質または非タンパク質性有機分子であることが可能である。化合 物は、該UCP3タンパク質をコードするDNAまたはRNAの発現またはUCP3タンパク質 の機能を増強または減弱さ せることにより調節しうる。該UCP3タンパク質をコードするDNAまたはRNAの発現 またはその生物学的機能を調節する化合物は、種々のアッセイにより検出するこ とができる。該アッセイは、発現または機能の変化が存在するか否かを判定する ための単純な「イエス/ノー(yes/no)」アッセイであることが可能である。該 アッセイは、試験サンプルの発現または機能を標準サンプルにおける発現または 機能のレベルと比較することにより定量的なものにすることが可能である。修飾 UCP3、UCP3または修飾UCPタンパク質に対する抗体を含有するキットを、そのよ うな使用のために公知方法により調製することができる。 本発明のDNA分子、RNA分子、組換えタンパク質および抗体を使用して、UCP3 D NA、RNAまたはタンパク質のレベルをスクリーニングし測定することができる。 該組換えタンパク質、DNA分子、RNA分子および抗体は、UCP3の検出およびタイピ ングに適したキットの製剤化に有用である。そのようなキットは、少なくとも1 つの容器を密閉的(close confinement)に収容するのに適した区画化された担 体を含むことになろう。該担体は更に、試薬(例えば、組換えUCP3タンパク質、 またはUCP3の検 出に適した抗UCP3抗体)を含むことになろう。また、該担体は、標識抗原または 酵素基質などの検出手段を含有することが可能である。 UCP3のモジュレーターを含む医薬上有用な組成物は、医薬上許容される担体と の混合などの公知方法に従い製剤化することができる。そのような担体および製 剤化方法の具体例は、Remington's Pharmaceutical Sciencesに記載されている 。有効な投与に適した医薬上許容される組成物を形成するためには、そのような 成分は、該タンパク質、DNA、RNAまたは修飾UCP3の有効量を含有することになる 。 本発明の治療用または診断用組成物は、障害を治療または診断するのに十分な 量で個体に投与する。該有効量は、個体の状態、体重、性別、年齢などの種々の 因子によって様々となることが可能である。他の因子には、投与様式が含まれる 。 該医薬組成物は、皮下、局所、経口、筋肉内などの種々の経路により個体に投 与することができる。 「化学誘導体」なる語は、通常は該基礎分子の一部ではない追加的な化学的部 分を含有する分子を意味する。そのような部分は、該基礎分子の溶解性、半減期 、吸収などを改善すること が可能である。あるいは、該部分は、該基礎分子の望ましくない副作用を減弱さ せたり、あるいは該基礎分子の毒性を減少させることが可能である。そのような 部分の具体例は、Remington's Pharmaceutical Sciencesなどの種々の刊行物に 記載されている。 本明細書に開示する方法に従い同定された化合物は、適当な用量で単独で使用 することが可能である。あるいは、他の物質の同時投与または連続投与が望まし いかもしれない。 また、本発明は、本発明の新規治療方法において使用するための適当な局所、 経口、全身および非経口医薬製剤を提供するという目的を有する。本発明に従い 同定された化合物を有効成分として含有する組成物は、通常の投与用ビヒクル中 の多種多様な治療剤形で投与することができる。例えば、該化合物は、錠剤、カ プセル剤(それぞれは時限放出(timedrelease)および徐放製剤を含む)、丸剤 、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、乳剤な どの経口剤形として又は注射により投与することができる。同様に、それらを、 静脈内(ボーラスおよび注入の両方)、腹腔内、皮下、局所(閉塞(occlusion )の存在下または不存在下)または筋肉内形態と して投与することも可能であり、それらはすべて、薬学分野の当業者によく知ら れた形態を用いることが可能である。 本発明の化合物を単独1日量で投与したり、あるいは合計1日量を、2、3また は4分割量で毎日投与するのが有利かもしれない。さらに、本発明のための化合 物は、適当な鼻腔内ビヒクルの局所的使用により鼻腔内形態で、または当業者に よく知られた経皮皮膚パッチの形態を使用して経皮経路により投与することがで きる。もちろん、経皮デリバリーシステムの形態で投与する場合には、該投与量 の投与は、該投与計画の全体にわたり、断続的なものではなく連続的なものとな るであろう。 別々の投与製剤中の2以上の活性剤と組合せる治療では、該活性剤を同時に投 与することが可能であり、あるいはそれらのそれぞれを、別々に設定された時間 差で投与することが可能である。 本発明の化合物を使用する投与計画は、患者のタイプ、種、年齢、体重、性別 および医学的状態;治療する状態の重症度;投与経路;患者の腎および肝機能; および使用するその個々の化合物を含む種々の因子に応じて選択される。通常の 技量を有する医帥または獣医であれば、該状態の進行の予防、阻止また は停止に必要な薬物の有効量を容易に決定し、処方することが可能である。毒性 を伴うことなく効力を与える範囲内の薬物濃度を最適に正確に得るためには、標 的部位に対する薬物のアベイラビリティーの速度論に基づく計画が必要である。 これは、薬物の分布、平衡および排泄に関する考慮を含む。 ゲノムデータベースのコンピューター分析、分子クローニングおよびDNA配列 決定により、ヒトUCP3遺伝子ファミリーの新規メンバーを同定した。この新規cD NA断片は、肥満、糖尿病などの疾患における遺伝子治療用ベクターまたは薬物標 的として有用である可能性がある新規ヒト脱共役タンパク質をコードしている。 種々の細胞および組織からのRNAでのノーザンハイブリダイゼーション実験は 、UCP3が種々のヒト組織(骨格筋、脳および心臓を含む)中で発現され、骨格筋 で顕著に発現されることを示している。 以下の実施例は、本発明の例示として記載されており、本発明を限定するもの ではない。 実施例1 ヒトUCP3をコードする部分DNA断片の同定 ヒトUCP1(Cassardら,1990,J.Cell.Biochem.43:255-264)のヌクレオチ ド配列はGenbankに寄託されており、受託番号U28480が付与されている。ヒトUCP 2(Fleuryら,1997,Nature Genetics 15:269-272)のヌクレオチド配列はGenba nkに寄託されており、受託番号U76367が付与されている。UCP1およびUCP2のヌク レオチド配列を使用して、Blastn(Altschullら,1990,J.Mol.Biol.215:403 -410を参照されたい)によりGenbankEST配列を検索した。該Blastn検索は、以下 に示す受託番号AA192136を有するMerck-Washington University ESTのなかで検 出されたEST(発現しているタグ配列)を同定した: このESTのオープンリーディングフレームを維持するために、塩基番号249に「N 」残基を付加する。AA192136のこの修正形態は、以下のとおりである:成分であり、cDNA Image Clone No.628529として同定されている。このStratag ene筋cDNAライブラリーを標準的な方法により作製した。cDNAを、EcoRI/XhoIで 消化されたpBS(SK-)プラスミド中に一定方向でクローニングする。このライブラ リー用のmRNAを、悪性高熱症に罹患した成人患者の骨格筋から単離した。このcD NAクローンは、Genbank受託番号AA192136、Image Clone ID No.628529およびWas hington University Clone ID No.zq02d09.r1により公に入手可能である。この 構築物は、Research Genetics,Inc.,2130 Memorial Parkway SW,Hunstville ,AL 35801(http://www.resgen.com)から入手可能である。 配列番号1を、BlastnでGenbankを検索するための照会として使用した。受託 番号Z28895(Genbank番号HSBB6C051が付与されている)を有するもう1つのEST を同定した。それは、本 明細書の全体において、以下の配列番号3として開示されている: 配列番号2として開示するESTは、ヒトUCP1およびヒトUCP2に対して相同性を 示す新規タンパク質断片をコードするオープンリーディングフレームを示す。配 列番号2は、cDNA Image Clone No.628529の5'部分を表す。cDNA Image Clone N o.628529から読取られた3'配列は、受託番号aa192553を有し、それは以下のとお りである: 実施例2 完全長ヒトUCP3をコードするDNA断片の単離および特徴づけ 例示されている本発明の完全長cDNAは、発明の詳細な説明に記載のとおりcDNA スクリーニングの新規方法により作製した。 前記方法を、ヒトUCP3をコードする完全長cDNAの単離および特徴づけに関して 例示する。簡単に説明すると、約4.0百万個の一次クローンよりなる、ランダム オリゴdTでプライムされた胎児脳cDNAライブラリーを、プラスミドベクターpBlu escript(Stratagene,LaJolla,CA)中で構築した。該一次クローンを、188個 のプール(各プールは約20,000個のクローンを含有する)に細分した。各プール を別々に増幅し、得られたプラスミドプールを集め、2個の96ウェルプレート中 に移した。 プライマー対5'-AAGCTGCTGGACTACCACCTGCTC-3'(F29;配列番号5)、5'-TACTGG CCTGGAGGTGAGTTCA-3'(R147;配列番号6)(AA192136から設計したもの)、5'-CC AAGCCCAACAATCCTTTGA-3'(3U3F;配列番号7)および5'-CCAAAGGATCCAGAGACTTGG-3 '(3U3R;配列番号8)(AA192553から設計したもの)およびpBluescript SKベク タープライマー838F(5'-TTGTGTGGAATTGTGAGCGGATAAC-3';配列番号9)および578 R(5'-CCAGGGTTTTCCCAGTCACGAC-3';配列番号10)を使用して、 96ウェルプレート中に別個に分配されたヒト胎児脳cDNAライブラリーをPCRによ りスキャンした。該F29/R147-838F/578Rのスキャンおよび該3U3F/3U3R-838F/578 Rのスキャンは共に、プールD10、E10およびF2において陽性の評価を与えた。遺 伝子特異的プライマー3U3F(配列番号8、3'EST(AA192553、配列番号4)からの5' オリゴヌクレオチド、およびpBluescriptSKベクタープライマー838F配列番号9) は、プールE10およびプールF2の両方から約2.4kbの断片を増幅した。E10およびF 2からの断片をゲル精製し、混合し、TAクローニングによりベクターpTA2.1(Inv itrogen,San Diego,CA,USA)中にサブクローニングした。4個の陽性クローン 、元のPCR断片およびI.M.A.G.E.クローン#628529(配列番号1および2)を、プラ イマーウォーキングにより配列決定した。ついで該配列を、配列番号11に記載し 図1A〜1Bに示す2340塩基対のコンティグに集合させた。この配列は、配列番号12 に記載し図2A〜2Fおよび図3に示す312アミノ酸のポリペプチドをコードするオ ープンリーディングフレームを含有する。 実施例3 酵母発現ベクター、およびヒトUPC3を発現する形質転換酵母 細胞系の構築 プライマー対UCP3.-9F.RI20mer(5'CATAGAATTCCAGGACTATGGTTGGAC3',配列番号 13)およびUCP3.1308R.XhoI20mer(5'CATTCTCGAGCTACCAGTGGCCTTCTTG3',配列番号 14)を使用し、鋳型としてpCR2.1UCP3.1を使用して、5'および3'末端にそれぞれE coRIおよびXhoIでタグ化されたヒトUCP3のPCR産物を作製した。該PCR産物を、Ec oRIおよびXhoIで消化し、アガロースゲルから精製した。この断片を、UCP3がエ ス・セレビシエ(S.cerevisiae)GAL1プロモーターの制御下となるように同様 にEcoRIおよびXhoIで消化された酵母発現ベクターpYES2(Invitrogen,San Dieg o,CA)中に連結した。大腸菌(E.coli)中への形質転換後に単離した複数の組 換え体を拾い、3個のUCP3内部プライマーと2個のpYES2ベクタープライマー(5 'CCCGGATCGGACTACTAGCA(配列番号15);5'GGGGGGAGGGCGTGAATGTAA;[配列番号16]) との組合せを使用して配列決定した。ついで、突然変異を含まないpYES2-UCP3ク ローンを、酢酸リチウム法を用いて、2個のサッカロミセス・セレビシエ(Sacch aromyces cerevisiae)株INVSc1(MATa、his3D1、leu2、trp1-289、ura3-52)およ びYPH499(MATa、ura3-52、lys2-801、ade2-101、trp1-D63、his3-D200、leu2-D1 )中に形質転換し、 Sc-ura培地上で選択した。UCP3の発現は、2%ガラクトースおよび3%グリセロー ルを含むSc-ura培地中での誘導により達成された。 また、二倍体サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株W30 3(MATa/a、can1-100、ade2-10、his3-11,-15、lue2-2,-112、trp1-D1、ura3-1) を、UCP3の発現に使用した。ヒトUCP3を、pYES2(Invitrogen,San Diego,CA) 中のGAL1プロモーターの制御下で発現させた。構築物は、ギャップ修復法を用い て酵母中で直接作製した。ヒトUCP3の全オープンリーディングフレームを、酵母 翻訳開始部位(ATAATG)を含むプライマー対を使用して増幅した。Taq Additive (Stratagene,La Jolla,CA)をPCR反応に加えて、増幅の忠実度を増加させた 。該PCR産物とpYES2とを同時形質転換し、ついでSc-Ura培地上で選択することに より、該PCR産物を5'末端でGALIと、3'末端でCYC1ターミネーターと融合させた 。該形質転換体の50%以上が、予想されるGAL1-UCP3プラスミドを含有していた 。増殖およびフローサイトメトリー分析に関して、複数の独立したクローンから 、一貫した結果が得られた。該増殖アッセイでは、該ベクターだけ又はUCP発現 プラスミドを含有するW303株を、 3%グリセロールおよび2%ガラクトースを含むSc-Ura培地上にストリークし、3 0℃で48時間インキュベートした。ミトコンドリア膜電位を測定するために、ラ フィノースで補足されたSc-Ura培地中で細胞を増殖させた。ガラクトースを加え て、UCP3の発現を5時間誘導した。細胞濃度を200万/mlに調節した後、蛍光プロ ーブDiOC6(3,3'-ジヘキシルオキサカルボシアニンヨウ素)を加えた。データを 集め、分析した(Bouillaudら,1994.EMBO J.13:1990-1997に記載のとおりに行 なった)。合計10,000個の対象を該ヒストグラムに採用した。蛍光強度の表示に は、3桁(order)の対数目盛を使用した。 UCP1およびUCP2の生化学的活性は、UCPを発現する酵母における好気増殖の欠 損を測定することにより既に研究されている。UCP3がミトコンドリアの脱共役タ ンパク質をコードしているかどうかを試験するために、UCP1およびUCP2に関して 既に記載されているとおりに(Fleuryら,1997,Nature Genetics 15:269-272;G imenoら,1997,Diabetes 46,900-906)、UCP3を、厳密(tightly)に誘導可能 なプロモーターであるGAL1の制御下、酵母系内で発現させた。ガラクトースでの 誘導は、ベクターだけを含有する細胞と比べて、UCP3を含有する株の増殖 速度の有意な減少をもたらした。UCP3がミトコンドリア膜電位を減少させたこと を、より直接的に確認するために、電位感受性染料DiOC6で標識された細胞の蛍 光強度を、フローサイトメトリー分析を用いて測定した。ガラクトースによるUC P3発現の誘導は、ベクターだけを含有する株と比べて、ミトコンドリアの膜電位 を有意に減少させた(図8Aおよび8C)。また、UCP3発現が誘導されなかった場合 には、膜電位のシフトは認められなかった(図8B)。UCP3の誘導の後に、2つの 膜電位ピークが認められた(図8C)。UCP2に関して、同様の結果が認められた( Fleuryら,1997,Nature Genetics 15:269-272)。この観察に関する最も確実そ うな説明は、一方のピークが、UCP3の発現のために減少した膜電位を有する細胞 を表し、他方のピークが、UCP3発現の喪失のために正常な膜電位を有する細胞を 表すというものである。UCP2を、UCP3と同じベクター中にクローニングし、同じ 酵母株中に形質転換した場合には、UCP3は、UCP2の場合より大きく膜電位を減少 させた。該データは、UCP3が、ミトコンドリアの膜電位を減少させうる脱共役タ ンパク質をコードしていることを示している。 実施例4 UCP3発現の組織分布 ヒトの複数組織のノーザンブロット(Northern Blot)#7760-1、ヒト脳ノーザ ンブロットII(Human Brain Northern Blot II)#7755-1、ヒト脳ノーザンブロ ットIII(Human Brain Northern Blot III)#7750-1およびヒトの複数組織のノ ーザンドットブロット(Northern Dot Blot)を、Clontechから購入した。該プ ローブを、UCP3(配列番号11)のコード領域のPCR増幅により作製した。この断 片を32Pで標識し、ノーザンブロットにプローブするために使用した(これは、 当技術分野でよく知られているClontech法に記載されているとおりに行なった) 。該ブロットを、図面に示されている時間、−70℃で増感紙付きX線フィルムに 露光した。図4A〜4Cは、UCP3が〜2.4kbの転写産物として骨格筋中で高度に発現 されることを示すオートラジオグラフである(図4AおよびB)。また、2つの小 さな転写産物(〜6.0kbおよび7.5kb)が、骨格筋中で発現される(図4A)。さら に、UCP3は、心臓においても、〜2.4kbの転写産物として弱く発現される。ヒト β-アクチンプローブでプローブしたところ(図4C)、すべてのレーンがほぼ等 量の全ポリA RNAを有する ことが示された。このことは、UCP3が骨格筋および心臓のみで検出されたことが 、その他の組織レーン中のRNAを欠くことによるものではないことを示している 。また、脳においては、ucp3は、〜2.4kbの転写産物として脳梁(corpus collos um)で最も豊富に発現される。 UCP3の発現パターンは独特であるらしい。なぜなら、それは、骨格筋中で豊富 にほぼ排他的に発現されるからである。UCP3発現が心臓および脳においても検出 された場合であっても、それは、はるかに低いレベルで見出された。骨格筋は、 静止期のエネルギー消費の半分以上を引き起こす。骨格筋のエネルギー消費の相 違は、個体間の基礎代謝率におけるばらつきのほとんどを説明しうる(Ravussin およびBogardus,1992,Am J Clin Nutr 55:242S-245S)。該プロトン漏出は、 潅流ラット骨格筋の静止呼吸数の約2分の1の原因となることが示されている( RolfeおよびBrand,1996,Am J Physiol 271:C1380-1389)。さらに、骨格筋に おいては遊離脂肪酸で活性化される脱共役も既に認められている(Brustoetsky ら,1992,FEBS Lett 305:15-17)。したがって、UCP3は、UCP1およびUCP2より はるかに強力に発現され、その活性は遊離脂肪酸に左右されると考えられるため 、 UCP3は骨格筋における脱共役活性に有意な寄与をもたらしているはずである。 実施例5 UCP3をコードする遺伝子の特徴づけおよび染色体局在化 ヒトゲノム中のucp3の位置をマッピングするために、ucp3のプライマー対3U3F (配列番号7)および3U3R(配列番号8)を使用して、Stanford放射線(radiatio n)ハイブリッドパネル(Coxら,1990,Science,250:245-250)の83クローンでPCR 反応を行なった。該PCRの結果を評価し、連鎖解析のためにStanford Genome Cen terに提出した。ucp3は、11q13.1〜11q23.3の細胞遺伝学的位置に対応するロッ ドスコア9.4のマーカーD11S944e付近に位置することが判明した。 放射線ハイブリッドマッピングは、この遺伝子を染色体11q21周辺の領域(ucp 2が位置しているのと同じ領域である(Fleuryら,1997,Nature Genetics 15:26 9-272))に位置づけた。配列分析は、UCP3が、アミノ酸レベルでUCP2とは72% 、UCP1とは56%同一であることを示した。ヒドロパシー分析は、UCP3がUCP1およ び2と同じ疎水性/親水性プロフィールを有することを示した。UCP1およびUCP2 と同様に、UCP3タンパク質もまた、 3個の繰返し単位(各単位は2個の膜貫通ドメインを有する)よりなる。UCP1お よびUCP2に対するこの相同性を仮定すると、ヒトUCP3は、脱共役タンパク質をコ ードしていると予想される。マウスUCP2を含有する2個のマウス細菌人工染色体 (BAC)クローンを、マウスUCP2の3'UTR中のSTSを使用して得た。該マウスUCP3 配列を決定した後、マウスUCP3特異的プライマーでのPCRは、両方のマウスUCP2 BACクローンに関して陽性の評価を与えた。該マウスにおいては、UCP2およびUCP 3遺伝子は、同じBACクローン中に存在することが判明し、ごのことは、UCP3が第 7染色体上のUCP2の近くに位置することを示唆している。したがって、UCP2およ びUCP3は、ヒトおよびマウスの両方において同じ染色体領域中に位置し、一方、 ヒトUCP1は4q31にマッピングされた。UCP2が存在する染色体領域は、ヒトおよび マウスの両方における肥満および高インシュリン血症に連関しており、UCP2は、 これらの疾患に関する候補遺伝子であると仮定された(TaylorおよびPhillips, 1996,Genomics 34,389-398;Fleuryら,1997,Nature Genetics 15:269-272) 。UCP3とUCP2とが接近して位置していることは、UCP3もまた、肥満および高イン シュリン血症に関する候補遺伝子であることを示 唆している。また、UCP2とUCP3との近い相同性および位置は、それらの2つの遺 伝子が、UCP1が分離した後の遺伝子重複事象から生じることを示唆した。 ヒトおよびマウスのUCP1〜UCP3の6個のタンパク質配列のアライメントは、保 存された残基の、高度にクラスター化したパターンを示した。該膜貫通ドメイン およびそれらの直後配列は、該膜貫通ドメイン間の配列よりはるかに良く保存さ れている。さらに、各繰返し単位の第1膜貫通ドメインの後の各allbnbモチーフ は、それらの6個のタンパク質間で完全に保存されている。したがって、UCP3は 、ミトコンドリア輸送タンパク質スーパーファミリーの典型的なメンバーである 。UCP1の活性は、ヌクレオチドにより抑制されるが、遊離脂肪酸により活性化さ れる。アフィニティーラベルおよび部位特異的突然変異誘発は、膜貫通ドメイン 5および6の間の領域がヌクレオチドに結合することを示した(Mayingerおよび Klingenberg,1992,Biochemistry 31:10536-10543;WinklerおよびKlingenberg ,1992,Eur J Biochem 203:295-304)。特に、推定ヌクレオチド結合モチーフ (アミノ酸残基261〜269)の欠失は、UCP1をヌクレオチド媒介抑制に対して抵抗 性にする(Bouillaud,1994, EMBO J 13,1990-1997)。また、ThyによるPhe 267の置換は、より高い脱共役活 性をもたらす(Bouillaudら,同誌)。UCP2およびUCP3は共に、この位置にPheの 代わりにTyrを含有しており、このことは、UCP2およびUCP3が、より高い基礎活 性を有することを示唆している。一方、UCP1およびUCP3は共に、UCP1の残基264 に対応する位置にThrを有し、UCP2は、Argを有する。正に荷電した残基がこのモ チーフ中に存在することは、ヌクレオチドに対するUCP2の、より高いアフィニテ ィー、およびそれにより生じる、ヌクレオチド媒介抑制に対する感受性の増加を 示唆しているかもしれない。UCP1のまさしくC末端は、脂肪酸による活性化に重 要であることが示された(Gonzalez-Barrosoら,1996,Eur J Biochem 239:445- 450)。驚くべきことに、それらの3個のUCPメンバーの配列アライメントから、 最後の10残基は相互間で十分には保存されていないことが判明した。このことは 、各UCPの活性が、遊離脂肪酸に対する異なる感受性を有することを示唆してい る。UCP1では、Cys 304からAlaへの変化は脂肪酸による活性化の減少をもたらし 、一方、Serへの変化は、脂肪酸による活性化の増加を招く(Gonzalez-Barroso ら,同誌)。興味深いことに、UCP3はCys 304の位置にSerを含有するが、UCP2はAlaを含有する。このことは、UCP3が、UCP 2より高い活性を有することを示唆している。これらの比較は、それらの3個の なかでUCP3が最も活性となりうることを示唆している。なぜなら、UCP2は、同じ 条件下でUCP1より活性であることが示されたからである(Fleuryら,1997,Natu re Genetics 15:269-272;Gimenoら,1997,Diabetes 46:900-906)。実際のとこ ろ、酵母におけるUCP3の発現は、UCP2の場合より著しく膜電位を減少させた。 実施例6 アデノウイルス媒介レプチン発現 すべての動物実験は、本発明者らの施設のガイダンスに従って行なった。齢の 一致した合計10匹の雌ob/obマウスを秤量し、レプチンを発現するE1欠失複製欠 損アデノウイルスベクター(Ad-レプチン)を3匹に、レプチンを発現するヘル パー依存型アデノウイルスベクター(HD-レプチン)を3匹に、β-galを発現す るアデノウイルスベクター(Ad-β-gal)を2匹に、そしてバッファーだけを2 匹に、尾静脈(IV)に注射した。ついで該動物を体重に関して毎日モニターし、 1週間の観察の後に犠牲にした。各動物の血液を集めた。血清レプチンレベルが 、RIA アッセイを用いてLinco Research Inc.(St.Charles,MO)により測定された。 全RNAを各動物の骨格筋組織から単離し、ノーザンブロットの調製に使用した。 ほぼ等量の全RNAを、各レーン中のリボソームRNAの量から推定されるとおりに各 サンプルごとにローディングした。該ブロットをヒトUCP3でプローブし、シグナ ルをホスホイメージング分析(Molecular Dynamics,Sunnyvale,CA)により定 量した。 アデノウイルス媒介レプチン発現は、ob/obマウスにおける体重の有意な減少 を引き起こすと報告されている。骨格筋中にUCP3が豊富に存在すると仮定して、 レプチンを発現するアデノウイルスをob/obマウスに注射し、1週間後にUCP3発 現を調べることにより、骨格筋中のUCP3発現に対するレプチン処理の効果を試験 した。レプチンを発現するアデノウイルス[ヘルパー依存型(HD-レプチン)ま たは第1世代(Ad-レプチン)のいずれか]の注射は、1週間後に有意な体重減 少(約15%)を引き起こした。一方、β-ガラクトシダーゼを発現するアデノウ イルスベクター(Adb-gal)の注射は、体重に対する有意な効果を与えなかった (図9A)。1週間経過時の血清レブチンレベルの測定により、HD-レプチン(26. 7±10ng/ml)またはAd-レプチン (21.8±16.7ng/ml)を注射したマウスにおいては、高レベルのレプチン産生が 確認されたが、Abd-gal(1.56.±0.05ng/ml)またはバッファーだけ(2±0.17ng /ml)を注射したマウスにおいては、それが確認されなかった。野生型の痩せマ ウスは、約4.5ng/mlのレプチンレベルを有する。ついでUCP3レベルを、これらの 動物の骨格筋中で調べた。レプチンを発現するアデノベクター(Ad-レプチンま たはHD-レプチンのいずれか)で処理したマウスは、UCP3 RNAレベルにおいてそ れぞれ約80%および70%の増加を示した(図9B、バッファーを注射したマウスに 対してp=0.2)。これに対して、Abd-galで処理したマウスは、UCP3発現における 有意な変化を示さなかった。体重減少を示す動物(レプチンで処理されたもの、 n=6)の平均UCP3レベルを、体重減少を全く示さない動物(β-ガラクトシダーゼ で処理されたもの又は未処理のもの、n=4)のものと比較すると、レプチン処理 後のUCP3発現の増加は、統計的に有意であった(p=0.01)。したがって、レプチ ン処理は、ob/obマウスにおける骨格筋中のUCP3発現の増加をもたらす。 レプチンは、食物摂取およびエネルギー消費の調節においてきわめて重要な役 割を果たす。レプチン欠損ob/obマウスは、 過食および低代謝となり、レプチン処理は、食物摂取の減少および代謝速度の増 加を引き起こした(Halaasら,1995,Science 269:543-546,Hwaら,1997,Am J Physiol 272,R1204-1209;Hwaら,1996 Horm Metab Res:28:659-663)。これら の結果は、UCP3がレプチン処理後の代謝速度の増加に関与している可能性がある ことを示唆している。レプチン処理は、膵島および脂肪組織中のUCP2発現の増加 を引き起こした(Zhouら,1997)。したがって、UCP2およびUCP3は共に、レプチ ン処理後の代謝速度の増加に関与していると考えられる。 実施例7 完全長マウスUCP3をコードするDNA断片の単離および特徴づけ セミネスティド(semi-nested)PCRおよびそれに続く5'および3'raceにより、 マウスUCP3を単離した。3個の脱共役タンパク質の保存領域に基づいて、以下の 3個の縮重PCRプライマーを設計した:F441,5'-CCNCTGGAYACNGCYAA-3'(配列番 号19)、F755,5'-CAGCCCACNGANGTNGT-3'(配列番号20)、およびR1055,5'-TTCA CCACRTCNACNGG-3'(配列番号21)。マウス骨格筋cDNA上、プライマー対F441±R1 055で第1ラウンドのPCRを行なっ た。プライマー対F755±R1055で、第2ラウンドのPCRを行なった。すべてのPCR 反応は、AmpliTaq Gold(Perkin Elmer,NJ)を使用して行なった。該縮重PCR産 物を、ベクターpCR2.1(Invitrogen,CA)中にクローニングし、配列決定した。 該配列の分析は、ヒトUCP3に高度に相同である部分cDNA配列を同定した。ついで Clontech(Clontech LaboraLories,CA)のMarathon raceキットを使用する5'お よび3'raceによりマウスUCP3の完全長配列を単離するために、この部分配列を使 用した。DNA配列はすべて、ABI 377装置上でABI Prismダイターミネーターシス テムを用いて決定した。マウスUCP3をコードする完全長cDNA(配列番号17)を図 6Aおよび6Bに示し、マウスUCP3のアミノ酸配列(配列番号18)を図7に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 3/10 C07K 14/47 43/00 111 C12N 1/19 C07K 14/47 C12P 21/06 C12N 1/19 C12Q 1/68 A 5/10 C12N 15/00 ZNAA C12P 21/06 A61K 37/02 C12Q 1/68 C12N 5/00 B (31)優先権主張番号 60/069,141 (32)優先日 平成9年12月9日(1997.12.9) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),CA,JP,U S (72)発明者 チエン,フアン アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. ヒト脱共役タンパク質3をコードする精製されたDNA分子であって、ヌク レオチド配列 (配列番号11として開示されている)を含んでなるDNA分子。 2. 配列番号11のヌクレオチド約344からヌクレオチド約1282を含む、請求項 1に記載のDNA分子。 3. ヒト脱共役タンパク質3をコードする精製されたDNA分子であって、該DNA 分子が、アミノ酸配列 (配列番号12においては3文字の略語で記載されている)を含 むタンパク質をコードすることを特徴とするDNA分子。 4. 組換え宿主細胞におけるヒト脱共役3タンパク質の発現のための発現ベク ターであって、請求項1に記載のDNA分子を含んでなる発現ベクター。 5. 真核発現ベクターである、請求項4に記載の発現ベクター。 6. 原核発現ベクターである、請求項4に記載の発現ベクター。 7. 組換えヒト脱共役3タンパク質を発現する宿主細胞であって、請求項4に 記載の発現ベクターを含んでなる宿主細胞。 8. 組換えヒト脱共役3タンパク質を発現する宿主細胞であって、請求項5に 記載の発現ベクターを含んでなる宿主細胞。 9. 組換えヒト脱共役タンパク質3を発現する宿主細胞であって、請求項6に 記載の発現ベクターを含んでなる宿主細胞。 10. 該ヒト脱共役タンパク質3が該発現ベクターから過剰発現される、請求項 7に記載の宿主細胞。 11. 該ヒト脱共役タンパク質3が該発現ベクターから過剰発現される、請求項 8に記載の宿主細胞。 12. 該ヒト脱共役タンパク質3が該発現ベクターから過剰発 現される、請求項9に記載の宿主細胞。 13. 組換えヒト脱共役タンパク質3を含んでなる、請求項10に記載の宿主細胞 から得た細胞下(subcellular)膜画分。 14. 組換えヒト脱共役タンパク質3を含んでなる、請求項11に記載の宿主細胞 から得た細胞下(subcellular)膜画分。 15. 組換えヒト脱共役タンパク質3を含んでなる、請求項12に記載の宿主細胞 から得た細胞下(subcellular)膜画分。 16. ヌクレオチド配列 (配列番号11として開示されている)よりなる精製されたDNA分子。 17. ヒト脱共役タンパク質3をコードする精製されたDNA分子であって、アミ ノ酸配列 (配列番号12においては3文字の略語で記載されている)よりなるタンパク質を コードすることを特徴とするDNA分子。 18. 組換え宿主細胞におけるヒト脱共役タンパク質3の発現のための方法であ って、 (a)請求項4に記載の発現ベクターを適当な宿主細胞中にトランスフェク トすること、および (b)該発現ベクターからのヒト脱共役タンパク質の発現を許容する条件下 で工程(a)の宿主細胞を培養することを含んでなる方法。 19. 組換え宿主細胞におけるヒト脱共役タンパク質3の発現のための発現ベク ターであって、請求項16に記載のDNA分子を含んでなる発現ベクター。 20. ヌクレオチド配列(配列番号17として開示されている)を含んでなる、マウス脱共役タンパク質を コードする精製されたDNA分子。 21. 配列番号17のヌクレオチド約211からヌクレオチド約1137を含む、請求項2 0に記載のDNA分子。 22. マウス脱共役タンパク質3をコードする精製されたDNA分子であって、該D NA分子が、アミノ酸配列 (配列番号18においては3文字の略語で記載されている)を含むタンパク質をコ ードすることを特徴とするDNA分子。 23. 組換え宿主細胞におけるマウス脱共役3タンパク質の発現のための発現ベ クターであって、請求項20に記載のDNA分子を含んでなる発現ベクター。 24. 真核発現ベクターである、請求項23に記載の発現ベクター。 25. 原核発現ベクターである、請求項23に記載の発現ベクター。 26. 組換えマウス脱共役3タンパク質を発現する宿主細胞であって、請求項23 に記載の発現ベクターを含んでなる宿主細胞。 27. 組換えマウス脱共役3タンパク質を発現する宿主細胞であって、請求項24 に記載の発現ベクターを含んでなる宿主細胞。 28. 組換えマウス脱共役タンパク質3を発現する宿主細胞であって、請求項25 に記載の発現ベクターを含んでなる宿主細胞。 29. 該マウス脱共役タンパク質3が該発現ベクターから過剰発現される、請求 項26に記載の宿主細胞。 30. 該マウス脱共役タンパク質3が該発現ベクターから過剰発現される、請求 項27に記載の宿主細胞。 31. 該マウス脱共役タンパク質3が該発現ベクターから過剰発現される、請求 項28に記載の宿主細胞。 32. 組換えマウス脱共役タンパク質3を含んでなる、請求項29に記載の宿主細 胞から得た細胞下(subcellular)膜画分。 33. 組換えマウス脱共役タンパク質3を含んでなる、請求項30に記載の宿主細 胞から得た細胞下(subcellular)膜画分。 34. 組換えマウス脱共役タンパク質3を含んでなる、請求項31に記載の宿主細 胞から得た細胞下(subcellular)膜画分。 35. ヌクレオチド配列(配列番号17として開示されている)よりなる精製されたDNA分子。 36. マウス脱共役タンパク質3をコードする精製されたDNA分子であって、ア ミノ酸配列(配列番号18においては3文字の略語で記載されている)よりなるタンパク質を コードすることを特徴とするDNA分子。 37. 組換え宿主細胞におけるマウス脱共役タンパク質3の発現のための方法で あって、 (a)請求項23に記載の発現ベクターを適当な宿主細胞中にトランスフェクト すること、および (b)該発現ベクターからのヒト脱共役タンパク質3の発現を許容する条件下 で工程(a)の宿主細胞を培養することを含んでなる方法。 38. 組換え宿主細胞におけるマウス脱共役タンパク質3の発現のための発現ベ クターであって、請求項35に記載のDNA分子を含んでなる発現ベクター。 39. 脱共役タンパク質3の活性のモジュレーターの同定方法 であって、 (a)脱共役タンパク質3の活性のモジュレーターと該脱共役タンパク質3ま たは生物学的に活性なその断片とを一緒にすること、および (b)脱共役タンパク質3の活性に対する該モジュレーターの効果を測定する ことを含んでなる方法。 40. 該脱共役タンパク質3がヒト脱共役タンパク質3である、請求項39に記載 の方法。 41. 該ヒト脱共役タンパク質3が、配列番号12として開示されているものであ る、請求項40に記載の方法。 42. 該脱共役タンパク質3がマウス脱共役タンパク質3である、請求項39に記 載の方法。 43. 該マウス脱共役タンパク質3が、配列番号18として開示されているもので ある、請求項42に記載の方法。 44. 完全長cDNA分子を特徴づけ単離するために少なくとも1つの部分cDNA配列 を伸長させる方法であって、 a)ランダムプライマー、オリゴ-dTプライマーまたはランダムプライマーと オリゴ-dTプライマーとの両方の組合せでプライムされたDNAベクター中でcDNAラ イブラリーを構築し、 b)該cDNAライブラリーを複数のcDNAプール(該cDNAプールのそれぞれは、 約10,000〜約20,000個のcDNA分子を含有する)に細分すること、および c)各DNAプールを増幅すること、 d)該部分cDNA配列の5'および3'部分に並びに該cDNAベクターの5'および3' フランキング領域に相補的なオリゴヌクレオチドプライマーをハイブリダイズさ せること、 e)各陽性cDNAプールにおいてPCRにより作製したフランキングDNA断片を含 有する各cDNA分子を同定すること、 f)該フランキングDNA断片を配列決定すること、および g)該部分cDNA配列と該フランキングDNA断片からの配列とを、完全なオープ ンリーディングフレームに集合させることを含んでなる方法。
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