JP2002533111A - ヒトメラノコルチン1受容体タンパク質のスプライス変化体をコードするdna分子 - Google Patents

ヒトメラノコルチン1受容体タンパク質のスプライス変化体をコードするdna分子

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JP2002533111A
JP2002533111A JP2000591058A JP2000591058A JP2002533111A JP 2002533111 A JP2002533111 A JP 2002533111A JP 2000591058 A JP2000591058 A JP 2000591058A JP 2000591058 A JP2000591058 A JP 2000591058A JP 2002533111 A JP2002533111 A JP 2002533111A
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ハワード,アンドリユー・デイー
マクニール,ダグラス・ジエイ
フアン・デル・プルーフ,レオナルドス・ハー・テー
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • C07K14/72Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants for hormones
    • C07K14/723G protein coupled receptor, e.g. TSHR-thyrotropin-receptor, LH/hCG receptor, FSH receptor

Abstract

(57)【要約】 本発明は、Gタンパク質共役受容体のロドプシンサブファミリーに属するメラノコルチン−1受容体タンパク質(MC−R1)のスプライス変化体をコードするDNA分子、MC−R1Bタンパク質をコードするDNA分子を含む組換えベクター、MC−R1Bをコードする組換えベクターを含む組換え宿主細胞、そのようなDNA分子によってコードされるヒトMC−R1Bタンパク質、および本明細書中に開示されているMC−R1Bタンパク質の選択的なアゴニストおよびアンタゴニストを同定する方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願に対する相互参照) 本出願は、米国特許出願第60/113,401号(1998年12月23日
出願:これはこれにより参考として援用される)に対する優先権を主張する。
【0002】 (発明の分野) 本発明は、Gタンパク質共役受容体のロドプシンサブファミリーに属するメラ
ノコルチン−1受容体(MC−R1)タンパク質のスプライス変化体をコードす
るDNA分子、MC−R1スプライス変化体タンパク質をコードするDNA分子
を含む組換えベクター、MC−R1スプライス変化体をコードする組換えベクタ
ーを含む組換え宿主細胞、そのようなDNA分子によってコードされるヒトMC
−R1タンパク質、ならびに本明細書を通して開示されているMC−R1スプラ
イス変化体タンパク質の選択的なアゴニストおよびアンタゴニストを同定する方
法に関する。
【0003】 (発明の背景) メラノコルチン受容体は、Gタンパク質共役受容体(GPCR)のロドプシン
サブファミリーに属する。5種の異なるサブタイプが知られている。これらのメ
ラノコルチン受容体は、プロオピオメラノコルチン(POMC)遺伝子から誘導
されるα、βまたはγ−メラノサイト刺激ホルモン(α−MSH、β−MSHま
たはγ−MSH)などのペプチドに結合して、そのようなペプチドによって活性
化される。広範囲の生理学的機能がメラノコルチンペプチドおよびその受容体に
よって媒介されていると考えられている。
【0004】 ConeおよびMountjoyの米国特許第5,532,347号(199
6年7月2日発行)には、MC−1R(これはまたα−MSH−Rとして当分野
では知られている)をコードするヒトおよびマウスのDNA分子が開示されてい
る。
【0005】 ConeおよびMountjoyの米国特許第5,849,871号(199
8年12月15日発行)には、ヒトおよびマウスのMC−1Rが開示され、特許
請求されている。前段落に記されているように、発現したヒトタンパク質は31
7個のアミノ酸残基を含む。
【0006】 Mountjoy他(1992、Science、257:1248〜125
1)には、ヒトMC−1RおよびヒトMC−2RのDNA分子およびその随伴タ
ンパク質が記載されている。
【0007】 Chhajlani他(1992、FEBS Letters、309:41
7〜420)にも、ヒトMC1−Rをコードするオープンリーディングフレーム
を含むヒトDNA分子が開示されている。
【0008】 Cone他(1996、Recent Progress in Hormo
ne Research、51:287〜318)は、MC−R1からMC−R
5までの知られている哺乳動物メラノコルチン受容体の状態を概説している。
【0009】 Jackson(1997、Human Molecular Geneti
cs、6:1613〜24)およびKoppula他(1997、Human
Mutation、9:30〜36)は、ヒトMC−R1のA型のコード配列に
おける多型の存在および潜在的な重要性を概説している。
【0010】 化合物のインビボでのデータを化合物のインビトロでの生化学的活性と相関さ
せることは望ましい。
【0011】 1つまたは2つ以上のヒトメラノコルチン受容体タンパク質をインビトロで活
性化する化合物を選択することもまた望ましい。
【0012】 メラノコルチン受容体の活性を調節することによって病態生理学的プロセスを
もたらす新しい薬物を発見し、その後、ヒトの臨床試験を行うことはさらに望ま
しい。
【0013】 本発明は、ヒトMC−R1のスプライス変化体を発現する単離された核酸分子
、このような核酸分子を収容する組換えベクター、ヒトMC−R1のこのような
別の形態および/または生物学的活性等価体を発現する組換え宿主細胞、ならび
にこれらのヒトMC−R1タンパク質の薬理学的性質を開示することによってこ
のような要求を検討して達成する。
【0014】 (発明の要旨) 本発明は、本明細書中においてMC−R1Bタンパク質として示されるヒトメ
ラノコルチン−1受容体タンパク質の新規な変化体をコードする単離された核酸
分子(ポリヌクレオチド)に関する。本発明の核酸分子は実質的に他の核酸を含
まない。このような単離された核酸分子は、本明細書中ではMC−R1Aとして
も示されている以前に開示されたヒトMC−R1と比較した場合、さらに65個
のアミノ酸残基を有する細胞内ドメインを含むMC−R1タンパク質をコードす
る。従って、本発明は、新規なヒトMC−R1タンパク質を発現するmRNAを
コードする単離された核酸分子(ポリヌクレオチド)に関する。このようなDN
A分子は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配
列番号11、配列番号13、配列番号16、配列番号19、配列番号22および
配列番号25として本明細書中に開示されているヌクレオチド配列を含むDNA
分子を含むが、これらに決して限定されない。
【0015】 本発明はまた、ヒトMC−R1Bタンパク質の新規な変化体をコードするオー
プンリーディングフレーム内に少なくとも1つのイントロンを含むヒトのゲノム
クローンを表す単離された核酸分子に関する。従って、本発明は、新規なヒトM
C−R1タンパク質変化体をコードするmRNA分子を生成するためにスプライ
シングされるRNA分子をコードする単離された核酸分子(ポリヌクレオチド)
に関する。このようなDNA分子は、配列番号15、配列番号18、配列番号2
1および配列番号24として本明細書中に開示されているヌクレオチド配列を含
むDNA分子を含むが、これらに決して限定されない。この目的に対して、本発
明はまた、配列番号15、配列番号18、配列番号21および配列番号24とし
て示されているDNA分子のそれぞれから生じるそれぞれのmRNA分子にも関
する。
【0016】 本発明の単離された核酸分子は、既知のMC−R1に対して、65アミノ酸の
COOH末端伸長部をコードする3’伸長部をオープンリーディングフレームに
含む。従って、本発明は、この65アミノ酸のCOOH末端伸長部をコードする
既知MC−R1のスプライス変化体をコードする単離された核酸分子(DNAお
よびRNAの両方)に関する。ゲノムDNA、cDNA、RNAおよびmRNA
を含む本発明の核酸分子の全体が、本明細書中では「MC−R1スプライス変化
体」として示されている。これにより、65アミノ酸のCOOH末端伸長部をコ
ードするこのさらなる3’エキソンと一緒にメラノコルチン1受容体活性を有す
るタンパク質をコードする開示された核酸分子が識別される。このような単離さ
れた核酸分子は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号
9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号16、配列番号18
、配列番号19、配列番号21、配列番号22、配列番号24および配列番号2
5を含むが、これらに決して限定されない。
【0017】 本発明はまた、新規なヒトMC−R1を発現するmRNAをコードするMC−
R1スプライス変化体の生物学的に活性なフラグメントまたは変異体に関する。
本明細書中に開示されているMC−R1スプライス変化体のそのような生物学的
に活性なフラグメントおよび/または変異体はいずれも、野生型MC−R1タン
パク質の薬理学的性質を少なくとも実質的に模倣し、かつ配列番号27として開
示されているCOOH末端のアミノ酸伸長部の少なくとも一部を含むタンパク質
またはタンパク質フラグメントのいずれかをコードする。任意のそのようなポリ
ヌクレオチドは、ヌクレオチドの置換、欠失、付加、アミノ末端短縮およびカル
ボキシ末端短縮(必ずしもこれらに限定されない)を含み、その結果、このよう
な変異体は、診断、治療または予防に使用されるタンパク質またはタンパク質フ
ラグメントを発現するmRNAをコードし、MC−R1B機能のアゴニストおよ
び/またはアンタゴニストに関するスクリーニングに有用である。
【0018】 本発明のこの部分の好ましい態様は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、
配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番
号16、配列番号18、配列番号19、配列番号21、配列番号22、配列番号
24および配列番号25、本発明のMC−R1Bタンパク質の完全なオープンリ
ーディングフレームを含む核酸分子として示される。
【0019】 本発明の単離された核酸分子は、ゲノムDNAおよび相補的DNA(cDNA
)などの一本鎖(コード鎖または非コード鎖)または二本鎖であり得るデオキシ
リボ核酸分子(DNA)、ならびに合成された一本鎖ポリヌクレオチドなどの合
成DNAを含むことができる。本発明の単離された核酸分子はまた、リボ核酸分
子(RNA)を含むことができる。
【0020】 本発明はまた、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号
9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号16、配列番号18
、配列番号19、配列番号21、配列番号22、配列番号24および配列番号2
5に示されている単離された核酸分子(これに限定されない)を含む本明細書中
に開示されている実質的に精製された核酸分子を含む組換えベクターおよび組換
え宿主(原核生物および真核生物の両方)に関する。
【0021】 本発明はまた、本発明の核酸によってコードされるタンパク質を含む組換え宿
主細胞(原核生物細胞および真核生物細胞の両方ならびに安定的な形質転換細胞
および一過性の形質転換細胞の両方)の細胞膜画分に関する。このような細胞膜
画分は、COOH末端伸長部を含む野生型または変異型のいずれかのヒトメラノ
コルチン−1受容体タンパク質を、内在性レベルを実質的に上回るレベルで含み
、従って、本明細書中に記載されている様々なアッセイにおいて有用である。
【0022】 本発明はまた、図5A〜5F2に開示され、かつ配列番号2、配列番号4、配
列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号
17、配列番号20、配列番号23および配列番号26に示されているアミノ酸
配列を含むヒトメラノコルチン−1受容体タンパク質のCOOH末端変化体の実
質的に精製された形態に関する。これらのMC−R1タンパク質は、既知のヒト
MC−R1と比較した場合、COOH末端に65アミノ酸の伸長部を含み、本明
細書中を通してMC−R1Bタンパク質またはMC−R1スプライス変化体タン
パク質として示されている。
【0023】 本発明はまた、本明細書中に開示されているヒトMC−R1Bタンパク質の生
物学的に活性なフラグメントおよび/または変異体に関する。これらは、アミノ
酸の置換、欠失、付加、アミノ末端短縮およびカルボキシ末端短縮(必ずしもこ
れらに限定されない)を含み、その結果、これらの変異体は、診断、治療または
予防に使用されるタンパク質またはタンパク質フラグメントをもたらし、MC−
R1B機能のアゴニストおよび/またはアンタゴニストに関するスクリーニング
に有用である。
【0024】 本発明はまた、野生型の脊椎動物MC−R1Bの活性を調節する化合物を同定
するアッセイにおいて有用な融合タンパク質を発現する融合構築物である単離さ
れた核酸分子に関する。本発明のこの部分の好ましい態様には、グルタチオンS
−トランスフェラーゼ(GST)−MC−R1B融合構築物が含まれるが、これ
に限定されない。この融合構築物は、当業者に知られている方法によって、GS
T遺伝子のカルボキシ末端におけるインフレーム融合物としてのヒトMC−R1
Bの細胞内ドメイン、またはGSTのアミノ末端に融合されたMC−R1Bの細
胞外および膜貫通リガンド結合ドメイン、または免疫グロブリン遺伝子に融合さ
れたMC−R1Bの細胞外および膜貫通ドメインのいずれかを含むが、これらに
限定されない。可溶性の組換えGST−MC−R1B融合タンパク質を、バキュ
ロウイルス発現ベクター(pAcG2T、Pharmingen)を使用するS
podoptera frugiperda(Sf21)昆虫細胞(Invit
rogen)を含む様々な発現システムで発現させることができる。
【0025】 従って、本発明は、本明細書中に開示されているヒトMC−R1Bタンパク質
および生物学的等価体の発現方法、このような遺伝子産物を用いるアッセイ、こ
のような受容体タンパク質を発現するDNA構築物を含む組換え宿主細胞、なら
びにこのようなアッセイにより同定された化合物であって、MC−R1B活性の
アゴニストまたはアンタゴニストとして作用する化合物に関する。
【0026】 本発明はまた、ヒト型のMC−R1Bまたはその生物学的活性フラグメントの
いずれかに応答して惹起されたポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体に
関する。
【0027】 図5A〜5Fに示され、そして配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番
号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号17、配列番号2
0、配列番号23および配列番号26に示されるヒトMC−R1Bの新規形態、
あるいはヒトMC−R1Bタンパク質のヒトMC−R1Bフラグメント、変異体
または誘導体をコードする単離された核酸分子を提供することは本発明の目的で
ある。任意のそのようなポリヌクレオチドは、ヌクレオチドの置換、欠失、付加
、アミノ末端短縮およびカルボキシ末端短縮(必ずしもこれらに限定されない)
を含み、その結果、このような変異体は、診断、治療または予防に使用されるタ
ンパク質またはタンパク質フラグメントを発現するmRNAをコードし、脊椎動
物のMC−R1B機能のアゴニストおよび/またはアンタゴニストに関するスク
リーニングに有用である。
【0028】 本発明のさらなる目的は、上記段落で示された核酸分子によってコードされる
ヒトMC−R1Bタンパク質またはタンパク質フラグメントを提供することであ
る。
【0029】 本発明のさらなる目的は、これらのヒトMC−R1Bタンパク質またはその生
物学的等価体をコードする核酸配列を含む組換えベクターおよび組換え宿主細胞
を提供することである。
【0030】 本発明の目的は、図5A〜5Fに示され、そして配列番号2、配列番号4、配
列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号
17、配列番号20、配列番号23および配列番号26に示されるタンパク質(
これに限定されない)を含むヒトMC−R1Bタンパク質のいずれかの実質的に
精製された形態を提供することである。
【0031】 本発明の目的は、本明細書中に開示されているヒトMC−R1Bタンパク質の
生物学的に活性なフラグメントおよび/または変異体を提供することである。こ
れらは、アミノ酸の置換、欠失、付加、アミノ末端短縮およびカルボキシ末端短
縮(必ずしもこれらに限定されない)を含み、その結果、これらの変異体は、診
断、治療または予防に使用されるタンパク質またはタンパク質フラグメントを提
供する。
【0032】 本発明の受容体タンパク質の調節因子を選択するために、MC−R1Bに基づ
くアッセイを提供することもまた本発明の目的である。このようなアッセイは、
好ましくは、MC−R1BをコードするDNA分子が宿主細胞にトランスフェク
ションまたは形質転換され、そしてこの組換え宿主細胞が、本明細書中に記載さ
れている様々なアッセイで使用する前にMC−R1Bを発現させるために十分な
時間にわたって生育させられる、細胞に基づくアッセイである。
【0033】 あるいは、MC−R1Bタンパク質をコードするDNAベクターでトランスフ
ェクションされたそのような細胞から得られる実質的に精製された膜画分を利用
するアッセイである。その結果、既知のMC−R1Bリガンドに関連している試
験化合物の結合を調べることができる。この目的のために、MC−R1B活性の
調節因子を選択するアッセイにおいて使用される、MC−R1BをコードするD
NA分子でトランスフェクションまたは形質転換された宿主細胞から得られる膜
調製物を提供することはさらなる目的である。
【0034】 MC−R1Bに基づくインフレーム融合構築物、このような融合構築物の発現
方法、本明細書中に開示されている生物学的等価体、関連するアッセイ、このよ
うな構築物を発現する組換え細胞、ならびに脊椎動物MC−R1Bタンパク質を
コードする核酸および発現タンパク質を使用することによって同定されたアゴニ
スト化合物および/またはアンタゴニスト化合物を提供することもまた本発明の
目的である。
【0035】 本明細書中で使用されている「MC−R1スプライス変化体」および/または
「MC−R1Bスプライス変化体」は、配列番号27において識別される65ア
ミノ酸のCOOH末端伸長部をコードする3’エキソンセグメントを含む核酸分
子であって、メラノコルチン−1受容体活性を有するタンパク質をコードする核
酸分子をいう。そのような核酸分子は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、
配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番
号16、配列番号18、配列番号19、配列番号21、配列番号22、配列番号
24および配列番号25を含むが、これらに限定されない。
【0036】 本明細書中で使用されている「MC−R1B」および/または「MC−R1ス
プライス変化体タンパク質」は、本明細書中に開示されているMC−R1スプラ
イス変化体の核酸分子から翻訳されるタンパク質をいう。このようなヒトMC−
R1Bタンパク質は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列
番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号17、配列番号20、配列番
号23および配列番号26を含むが、これらに限定されない。
【0037】 本明細書中で使用されている「GPCR」は、「Gタンパク質共役受容体」を
示す。
【0038】 用語「単離された」および「精製された」は、核酸、タンパク質、膜画分で、
他の同様な成分を実質的に含まないものを示すために交換可能に使用される。
【0039】 本明細書中で使用されている場合は常に、用語「哺乳動物宿主」は、ヒトを含
む任意の哺乳動物を示す。
【0040】 (図面の簡単な説明) 図1は、ヒトMC−R1配列の概略図を示す。MC−R1MO(GenBak
アクセション番号X65634)およびMC−R1CH(GenBakアクセシ
ョン番号X67594)もまた、ここでMC−R1A遺伝子として示される。m
c1−8(1個のイントロンを含む)のヌクレオチド配列は配列番号21に開示
されている。示されたESTは実施例1に記載される。
【0041】 図2は、ヒトMC−R1遺伝子の選択的スプラシングを示す。MC−R1Aの
cDNAは当分野で知られている通りである。MC−R1遺伝子のイントロン接
合部は、例えば、配列番号21(mc1−8)に示されている通りである。MC
−R1BのcDNAは、アミノ酸318のSer残基から始まる65アミノ酸の
伸長部をコードするさらなるエキソンを遺伝子の3’末端に示す。MC−R1A
はTrp−317残基を含むが、MC−R1BはCys−317残基を含む。M
C−R1AおよびMC−R1Bの暗四角は、膜貫通ドメインをコードするcDN
A部分を表し、MC−R1遺伝子の暗四角は、MCR1Bタンパク質をコードす
る2つのエキソンを表す。
【0042】 図3は、ゲノムクローンmc1−8のDNA配列を示す(配列番号21)。大
文字はエキソン領域を表し、小文字のヌクレオチドはMC−R1遺伝子の1個の
イントロンを表す。
【0043】 図4A〜図4Bは、mc1−8ゲノムクローンのDNA配列および推定アミノ
酸配列を、A型(配列番号45および配列番号46)およびB型(配列番号21
および配列番号23)として示す。これらは、スプライシングされた形態である
MCR1−AおよびMC−R1Bを例示する。
【0044】 図5A〜図5Fは、ヒトの様々なMC−R1AクローンおよびMCR1Bクロ
ーンのアミノ酸配列のクラスター配列比較を示す。
【0045】 (発明の詳細な説明) 本発明は、MC−R1Bタンパク質として示されるヒトのメラノコルチン−1
受容体変化体タンパク質をコードする単離された核酸分子(ポリヌクレオチド)
に関する。本発明の核酸分子は、他の核酸を実質的に含まない。大部分のクロー
ニング目的のためには、DNAが好ましい核酸である。
【0046】 本発明は、MC−R1Bタンパク質として示される、MC−R1の新規なスプ
ライス変化体を発現するmRNAをコードする単離された核酸分子(ポリヌクレ
オチド)に関する。これらのDNA分子は、下記に開示されるヌクレオチド配列
を含む。
【0047】
【化1】
【0048】 上記に例示されている単離されたDNA分子は、さらなる65アミノ酸(残基
318〜382;配列番号27)ならびにMC−R1Aタンパク質のTrp−3
17残基の代わりにCys−317残基の置換をコードするオープンリーディン
グフレームを含むクローンであるヒトMC−R1Bの多型体をコードする。より
詳細には、配列番号1、3、5、7、9、11および13は、ヌクレオチド1〜
ヌクレオチド1146のオープンリーディングフレームを有し、ヌクレオチド1
147〜1149の「TAG」終結コドンを有する1149ヌクレオチドを含む
cDNAを表す。これらのオープンリーディングフレームは、図5A〜図5Fに
示され、そして配列番号2、4、6、8、10、12および14にそれぞれ示さ
れているように、長さが382アミノ酸のヒトMC−R1Bタンパク質をコード
する。
【0049】 本発明はまた、MC−R1Bのゲノムクローン、これらのクローンの予想され
るオープンリーディングフレーム、およびそれぞれのゲノムクローンのそれぞれ
のmRNA分子から翻訳されるMC−R1Bタンパク質に関する。本明細書は、
mc1−3(配列番号15)、mc1−6(配列番号18)、mc1−6(配列
番号21)、mc1−9(配列番号24)に開示されているMC−R1多型変化
体を例示しているが、必ずしもこれらに限定されない。これらのDNA分子は、
ヌクレオチド951〜1331のイントロンを有する1530ヌクレオチドを含
むヒトMC−R1Bゲノムクローンを表す(実施例1を参照のこと)。これらの
各ゲノムクローンのそれぞれのオープンリーディングフレームは、配列番号16
(mc1−3)、配列番号19(mc1−6)、配列番号22(mc1−6)お
よび配列番号25(mc1−9)に開示されている。これらのオープンリーディ
ングフレームはそれぞれ、配列番号17(pro−mc1−3)、配列番号20
(pro−mc1−6)、配列番号23(pro−mc1−6)および配列番号
25(pro−mc1−9)に開示されているような382アミノ酸を含む推定
的なタンパク質をコードする。
【0050】 本発明はまた、新規なヒトMC−R1Bを発現するmRNAをコードするMC
−R1スプライス変化体の生物学的に活性なフラグメントまたは変異体に関する
。本明細書中に開示されているMC−R1スプライス変化体のそのような生物学
的に活性なフラグメントおよび/または変異体はいずれも、野生型MC−R1の
薬理学的性質を少なくとも実質的に模倣し、かつ配列番号27として開示されて
いるCOOH末端アミノ酸伸長部の少なくとも一部をコードするタンパク質また
はタンパク質フラグメントのいずれかをコードする。そのようなポリヌクレオチ
ドはいずれも、ヌクレオチドの置換、欠失、付加、アミノ末端短縮およびカルボ
キシ末端短縮(必ずしもこれらに限定されない)を含み、その結果、そのような
変異体は、診断、治療または予防に使用されるタンパク質またはタンパク質フラ
グメントを発現するmRNAをコードし、MC−R1B機能のアゴニストおよび
/またはアンタゴニストに関するスクリーニングに有用である。
【0051】 本発明のこの部分の好ましい態様は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、
配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番
号16、配列番号18、配列番号19、配列番号21、配列番号22、配列番号
24および配列番号25、本発明のMC−R1タンパク質の完全なオープンリー
ディングフレームを含むヒト核酸分子として示される。
【0052】 本発明の単離された核酸分子は、ゲノムDNAおよび相補的DNA(cDNA
)などの一本鎖(コード鎖または非コード鎖)または二本鎖であり得るデオキシ
リボ核酸分子(DNA)、ならびに合成された一本鎖ポリヌクレオチドなどの合
成DNAを含むことができる。本発明の単離された核酸分子はまた、リボ核酸分
子(RNA)、特に、mc1−3(配列番号15)、mc1−6(配列番号18
)、mc1−6(配列番号21)、mc1−9(配列番号24)、ならびにそれ
らのそれぞれのオープンリーディングフレームである配列番号16(mc1−3
)、配列番号19(mc1−6)、配列番号22(mc1−6)および配列番号
25(mc1−9)に開示されているようなヒトMC−R1スプライス変化体ゲ
ノムクローンから生じるmRNAを含むことができる。
【0053】 特定のアミノ酸をコードする様々なコドンにおいて相当量の重複性が存在する
ことが知られている。従って、本発明はまた、下記に示されているように、同一
アミノ酸の最終的な翻訳物をコードする別のコドンを含むRNAをコードするそ
のようなDNA配列に関する。 A=Ala=アラニン:コドンGCA、GCC、GCG、GCU C=Cys=システイン:コドンUGC、UGU D=Asp=アスパラギン酸:コドンGAC、GAU E=Glu=グルタミン酸:コドンGAA、GAG F=Phe=フェニルアラニン:コドンUUC、UUU G=Gly=グリシン:コドンGGA、GGC、GGG、GGU H=His=ヒスチジン:コドンCAC、CAU I=Ile=イソロイシン:コドンAUA、AUC、AUU K=Lys=リシン:コドンAAA、AAG L=Leu=ロイシン:コドンUUA、UUG、CUA、CUC、CUG、CU
U M=Met=メチオニン:コドンAUG N=Asp=アスパラギン:コドンAAC、AAU P=Pro=プロリン:コドンCCA、CCC、CCG、CCU Q=Gln=グルタミン:コドンCAA、CAG R=Arg=アルギニン:コドンAGA、AGG、CGA、CGC、CGG、C
GU S=Ser=セリン:コドンAGC、AGU、UCA、UCC、UCG、UCU
T=Thr=トレオニン:コドンACA、ACC、ACG、ACU V=Val=バリン:コドンGUA、GUC、GUG、GUU W=Trp=トリプトファン:コドンUGG Y=Tyr=チロシン:コドンUAC、UAU。
【0054】 従って、本発明は、同一のタンパク質を発現する異なるDNA分子をもたらし
得るコドン重複性を開示する。本明細書の目的のために、1つまたは複数のコド
ンが置換された配列は、縮重変化体として定義される。発現タンパク質の最終的
な物理的性質を実質的に変化させないDNA配列または翻訳タンパク質のいずれ
かにおける変異体もまた本発明の範囲に含まれる。例えば、ロイシンのバリンへ
の置換、リジンのアルギニンへの置換、またはグルタミンのアスパラギンへの置
換は、ポリペプチドの機能性における変化を生じさせ得ない。
【0055】 ペプチドをコードするDNA配列を変化させて、天然のペプチドの性質とは異
なる性質を有するペプチドをコードするようにできることが知られている。DN
A配列を変化させる方法には、部位特異的変異誘発が含まれるが、これに限定さ
れない。変化させられる性質の例には、基質の酵素親和性またはリガンドの受容
体親和性の変化が含まれるが、これらに限定されない。
【0056】 実施例に概略されている手法(これに限定されない)を含む様々な手法のいず
れかを使用して、ヒトMC−R1スプライス変化体をクローニングすることがで
きる。このような方法を下記に示すが、それらに限定されない:(1)RACE PCRクローニング技術(Frohman他、1988、Proc.Natl
.Acad.Sci.USA、85:8998〜9002)。5’RACEおよ
び/または3’RACEを、全長のcDNA配列を作製するために行うことがで
きる。この方法には、ヒトMC−R1BのcDNAをPCR増幅するために、遺
伝子に特異的なオリゴヌクレオチドプライマーを使用することが含まれる。この
ような遺伝子特異的プライマーは、多数の公開された核酸データーベースおよび
タンパク質データベースのいずれかを検索することにより同定された発現配列標
識(EST)ヌクレオチド配列を同定することによって設計される;(2)ヒト
MC−R1Bを含有するcDNAライブラリーを適切な発現ベクターシステムに
おいて構築した後でのヒトMC−R1BのcDNAの直接的な機能的発現;(3
)バクテリオファージまたはプラスミドのシャトルベクターにおいて構築された
ヒトMC−R1B含有cDNAライブラリーの、ヒトMC−R1Bタンパク質の
アミノ酸配列から設計された標識縮重オリゴヌクレオチドプローブによるスクリ
ーニング;(4)バクテリオファージまたはプラスミドのシャトルベクターにお
いて構築されたヒトMC−R1B含有cDNAライブラリーの、ヒトMC−R1
Bタンパク質をコードする部分cDNAによるスクリーニング。この部分cDN
Aは、ヒトMC−R1Bタンパク質に関連する他のキナーゼに関して知られてい
るアミノ酸配列から縮重オリゴヌクレオチドプライマーを設計することによりヒ
トMC−R1BのDNAフラグメントの特異的なPCR増幅によって得られる;
(5)バクテリオファージまたはプラスミドのシャトルベクターにおいて構築さ
れたヒトMC−R1B含有cDNAライブラリーの、哺乳動物MC−R1Bタン
パク質に相同的な部分cDNAまたはオリゴヌクレオチドによるスクリーニング
。この方法はまた、上記に記載されているようにESTとして同定されたヒトM
C−R1BのcDNAのPCR増幅を行うために遺伝子に特異的なオリゴヌクレ
オチドプライマーを使用することを含むことができる;あるいは(6)ヒトMC
−R1Bをコードする全長型のヌクレオチド配列を単離するために、全長のcD
NAを知られているRACE技術によって作製することができるように、あるい
は、コード領域の一部を、プローブとして使用するためのコード領域の一部を作
製して単離するこれらの同じ知られているRACE技術によって作製して、多数
のタイプのcDNAライブラリーおよび/またはゲノムライブラリーのいずれか
をスクリーニングすることができるように、テンプレートとして配列番号1を使
用して5’および3’の遺伝子特異的オリゴヌクレオチドを設計すること。
【0057】 他のタイプのライブラリー、ならびに他の細胞タイプまたは種タイプから構築
されたライブラリーが、MC−R1BをコードするDNAまたはMC−R1Bホ
モログを単離するために有用であることが当業者には容易に明らかである。他の
タイプのライブラリーには、ヒトの他の細胞から得られるcDNAライブラリー
が含まれるが、これに限定されない。
【0058】 好適なcDNAライブラリーは、MC−R1B活性を有する細胞または細胞株
から調製できることもまた当業者には容易に明らかである。ヒトMC−R1Bを
コードするcDNAを単離するためのcDNAライブラリーを調製する際に使用
される細胞または細胞株の選択は、そのような目的のために利用できる任意の知
られているアッセイを使用して、細胞に結合したMC−R1Bの活性を最初に測
定することによって行うことができる。
【0059】 cDNAライブラリーの調製は、当分野でよく知られている標準的な技術によ
って行うことができる。よく知られているcDNAライブラリー構築技術は、例
えば、Sambrook他、1989、Molecular Cloning:
A Laboratory Manual;Cold Spring Harb
or Laboratory、Cold Spring Harbor、New
Yorkに見出され得る。相補的DNAライブラリーはまた、Clontec
h Laboratories,Inc.およびStratagene(これら
に限定されない)を含む多数の市販元から得ることができる。
【0060】 MC−R1BをコードするDNAはまた、好適なゲノムDNAライブラリーか
ら単離できることもまた当業者には容易に明らかである。ゲノムDNAライブラ
リーの構築は、当分野でよく知られている標準的な技術によって行うことができ
る。よく知られているゲノムDNAライブラリー構築技術はSambrook他
(上記)に見出され得る。
【0061】 ヒトMC−R1B遺伝子を好ましい方法のいずれかで単離するために、ヒトM
C−R1Bまたは相同的なタンパク質のアミノ酸配列またはDNA配列が必要と
なる場合がある。これを達成するために、MC−R1Bタンパク質または相同的
なタンパク質を精製して、部分アミノ酸配列を自動化された配列決定装置によっ
て決定することができる。全アミノ酸配列を決定することは必要ないが、6アミ
ノ酸〜8アミノ酸の2つの領域の一次配列を、部分的なヒトMC−R1BのDN
AフラグメントをPCR増幅するために決定することができる。好適なアミノ酸
配列が一旦同定されると、それらをコードし得るDNA配列が合成される。遺伝
子コードは縮重しているために、2つ以上のコドンを、特定のアミノ酸をコード
するために使用することができる。従って、アミノ酸配列は、類似するDNAオ
リゴヌクレオチドの集団のいずれかによってコードされ得る。この集団の1つの
成分だけがヒトMC−R1Bの配列と同一であるが、集団の他の成分は、ミスマ
ッチを伴うDNAオリゴヌクレオチドが存在する場合でも、ヒトMC−R1Bの
DNAにハイブリダイゼーションすることができる。ミスマッチしたDNAオリ
ゴヌクレオチドは、ヒトMC−R1BのDNAに対して依然として十分にハイブ
リダイゼーションすることができ、ヒトMC−R1BをコードするDNAの同定
および単離を可能にする。あるいは、発現配列の一部領域のヌクレオチド配列を
、1つまたは複数の利用可能なゲノムデータベースを検索することによって同定
することができる。遺伝子に特異的なプライマーを使用して、任意のcDNAラ
イブラリーまたはcDNA集団から目的とするcDNAのPCR増幅を行うこと
ができる。PCRに基づく反応において使用される適切なヌクレオチド配列は、
ヒトMC−R1Bをコードする全長配列を作製するための重複している5’RA
CE産物および3’RACE産物を単離する目的で、あるいは、1つまたは複数
のcDNA型ライブラリーまたはゲノム型ライブラリーをスクリーニングするプ
ローブとして使用されるヒトMC−R1Bをコードするヌクレオチド配列の一部
を単離して、ヒトMC−R1BまたはヒトMC−R1B様タンパク質をコードす
る全長配列を単離するために、本明細書中に記載されている同定されたMC−R
1Bスプライス変化体のいずれかから得ることができる。
【0062】 本発明には、ストリンジェント条件下で、様々な記載されたMC−R1Bスプ
ライス変化体(すなわち、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、
配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号16、配列
番号18、配列番号19、配列番号21、配列番号22、配列番号24および配
列番号25)のヌクレオチド配列にハイブリダイゼーションするDNA配列が含
まれる。例として、しかし限定としてではなく、高ストリンジェントな条件を使
用する手法を下記に示す:DNAを含むフィルターのプレハイブリダイゼーショ
ンが、6XSSC、5Xデンハルト溶液および100μg/ml変性サケ精子D
NAから構成される緩衝液中において65℃で2時間〜一晩行われる。フィルタ
ーは、100μg/ml変性サケ精子DNAおよび5〜20X10cpmの P標識プローブを含有するプレハイブリダイゼーション混合物中において65
℃で12時間〜48時間ハイブリダイゼーションされる。フィルターの洗浄が、
2XSSC、0.1%SDSを含有する溶液において37℃で1時間行われる。
この後、0.1XSSC、0.1%SDSにおける洗浄が50℃で45分間行わ
れ、その後、オートラジオグラフィーが行われる。高ストリンジェントな条件を
使用する他の手法には、5XSSC、5Xデンハルト溶液、50%ホルムアミド
において42℃で12時間〜48時間行われるハイブリダイゼーション工程、あ
るいは0.2XSSPE、0.2%SDSにおいて65℃で30分間〜60分間
行われる洗浄工程のいずれかが含まれる。
【0063】 高ストリンジェントなハイブリダイゼーションを行うために前記の手法で言及
された試薬は当分野ではよく知られている。これらの試薬の詳しい組成は、例え
ば、Sambrook他、1989、Molecular Cloning:A
Laboratory Manual;Cold Spring Harbo
r Laboratory、Cold Spring Harbor、New
Yorkに見出され得る。前記に加えて、使用され得る高ストリンジェントな他
の条件が当分野ではよく知られている。
【0064】 本発明はまた、図5A〜図5Fに開示され、そして配列番号2、配列番号4、
配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番
号17、配列番号20、配列番号23および配列番号26に示されているアミノ
酸配列を含むヒトMC−R1Bタンパク質の実質的に精製された形態に関する。
これらのMC−R1タンパク質は、既知のヒトMC−R1と比較した場合、65
アミノ酸の伸長部をCOOH末端に含み、本明細書中を通してMC−R1Bタン
パク質として示される。例示されるアミノ酸配列を下記に示す。
【0065】
【化2】 式中、M=Met(メチオニン)、F=Phe(フェニルアラニン)、L=Le
u(ロイシン)、I=Ile(イソロイシン)、V=Val(バリン)、S=S
er(セリン)、P=Pro(プロリン)、T=Thr(トレオニン)、A=A
la(アラニン)、Y=Tyr(チロシン)、H=His(ヒスチジン)、Q=
Gln(グルタミン)、N=Asn(アスパラギン)、K=Lys(リシン)、
D=Asp(アスパラギン酸)、E=Glu(グルタミン酸)、C=Cys(シ
ステイン)、W=Trp(トリプトファン)、R=Arg(アルギニン)および
G=Gly(グリシン)。
【0066】 これらのMC−R1Bタンパク質は、既知のヒトMC−R1と比較した場合、
65アミノ酸の伸長部をCOOH末端に含み、本明細書中を通してMC−R1B
タンパク質として示される。より詳細には、MC−R1Bタンパク質のアミノ酸
残基317はCysであるが、既知のMC−R1Aタンパク質のCOOH末端ア
ミノ酸残基317はTrpである。本明細書中に開示されているMC−R1Bタ
ンパク質のアミノ酸残基318から382位のCOOH末端アミノ酸までのアミ
ノ酸配列は、配列番号27に示されている通りであり、下記に示す:
【0067】
【化3】
【0068】 本発明はまた、配列番号2として示されているアミノ酸配列を含むこれらのヒ
トMC−R1Bタンパク質の生物学的に活性なフラグメントおよび/または変異
体に関する。これらは、アミノ酸の置換、欠失、付加、アミノ末端短縮およびカ
ルボキシ末端短縮(必ずしもこれらに限定されない)を含み、その結果、これら
の変異体は、診断、治療または予防に使用されるタンパク質またはタンパク質フ
ラグメントをもたらし、MC−R1B機能のアゴニストおよび/またはアンタゴ
ニストに関するスクリーニングに有用である。
【0069】 本発明の様々な好ましい態様は、図5A〜図5Fに開示され、そして配列番号
2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列
番号14、配列番号17、配列番号20、配列番号23および配列番号26に示
されているようなヒトMC−R1Bタンパク質タンパク質を表す。これらはすべ
て、配列番号27に示されているような65アミノ酸の伸長部を含む。
【0070】 本発明はまた、アミノ酸の欠失、付加または置換を有するが、MC−R1Bと
実質的に同じ活性を依然として保持している改変されたMC−R1Bポリペプチ
ドに関する。一アミノ酸の様々な置換は、通常、タンパク質の生物学的活性を変
化させないことが一般に受け入れられている(例えば、Molecular B
iology of the Gene、Watson他、1987、第4版、
The Benjamin/Cummings Co.,Inc.、226頁;
およびCunningham&Wells、1989、Science、244
:1081〜1085を参照のこと)。従って、本発明には、一アミノ酸の置換
が生じ、そしてこのタンパク質が野生型のMC−R1Bと実質的に同じ生物学的
活性を保持している単離された核酸分子および発現したMC−R1Bタンパク質
が含まれる。本発明にはまた、2個以上のアミノ酸が置換され、そしてこのタン
パク質が野生型のMC−R1Bと実質的に同じ生物学的活性を保持している単離
された核酸分子および発現したMC−R1Bタンパク質も含まれる。特に、本発
明には、上記に記載される置換が保存的な置換である実施形態が含まれる。特に
、本発明は、上記に記載される置換がMC−R1Bのリガンド結合ドメインにお
いて生じていない実施形態が含まれる。
【0071】 MC−R1Bを宿主細胞において発現させた後、MC−R1Bタンパク質を回
収して、活性形態のMC−R1Bタンパク質を得ることができる。いくつかのM
C−R1Bタンパク質精製手法を利用することができ、これらは使用に適してい
る。組換えMC−R1Bタンパク質は、塩分画、イオン交換クロマトグラフィー
、サイズ排除クロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイト吸着クロマトグラフ
ィーおよび疎水相互作用クロマトグラフィーの様々な組合せによって、あるいは
それらを個々に適用することによって細胞溶解物および細胞抽出物から精製する
ことができる。さらに、組換えMC−R1Bタンパク質は、全長のMC−R1B
タンパク質またはMC−R1Bタンパク質のポリペプチドフラグメントに特異的
なモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体を用いて作製された免疫アフィ
ニティーカラムを使用して他の細胞タンパク質から分離することができる。
【0072】 本発明はまた、野生型の脊椎動物MC−R1B活性を調節する化合物を同定す
るアッセイにおいて有用な融合タンパク質を発現する融合構築物である単離され
た核酸分子に関する。本発明のこの部分の1つの態様には、グルタチオンS−ト
ランスフェラーゼ(GST)−MC−R1B融合構築物が含まれるが、これに限
定されない。この融合構築物は、当業者に知られている方法によって、GST遺
伝子のカルボキシ末端におけるインフレーム融合物としてのMC−R1Bの細胞
内ドメイン、あるいはGST遺伝子または免疫グロブリン遺伝子に融合させたM
C−R1Bの細胞外リガンド結合ドメインおよび膜貫通リガンド結合ドメインの
いずれかを含むが、これらに限定されない。組換えGST−MC−R1B融合タ
ンパク質は、バキュロウイルス発現ベクター(pAcG2T)(Pharmin
gen)を使用するSpodoptera frugiperda(Sf21)
昆虫細胞(Invitrogen)を含む様々な発現システムで発現させること
ができる。
【0073】 本発明はまた、本発明の核酸を含む組換え宿主細胞(原核生物細胞および真核
生物の両方、ならびに安定的な形質転換細胞および一過性の形質転換細胞の両方
)から得られる細胞膜画分に関する。このような細胞膜画分は、野生型または変
異型のいずれかのMC−R1Bタンパク質を、内在性レベルを実質的に上回るレ
ベルで含み、従って、本明細書中に記載されている様々なアッセイにおいて有用
である。
【0074】 本発明はまた、本明細書中に開示されている実質的に精製された核酸分子を含
む組換えベクターおよび組換え宿主(原核生物および真核生物の両方)に関する
。MC−R1Bスプライス変化体の全体または一部をコードする本発明の核酸分
子は、受容体を含む「組換えDNA分子」を得るために、他のDNA分子(すな
わち、MC−R1Bが本来結合していないDNA分子)と結合させることができ
る。本発明の新規なDNA配列は、MC−R1Bまたは機能的等価体をコードす
る核酸を含むベクターに挿入することができる。このようなベクターはDNAま
たはRNAから構成され得る。大部分のクローニング目的のためには、DNAベ
クターが好ましい。代表的なベクターには、MC−R1Bをコードし得るプラス
ミド、改変されたウイルス、バクテリオファージおよびコスミド、酵母人工染色
体、ならびにエピソームまたは組み込み型DNAの他の形態が含まれる。特定の
遺伝子移動または他の使用に適切なベクターを決定することは十分に当業者の範
囲内である。
【0075】 この目的のために、本発明にはまた、MC−R1B遺伝子を含むベクター、そ
のようなベクターを含む宿主細胞、ならびにMC−R1B遺伝子を宿主細胞に導
入する工程、およびMC−R1Bが産生されるような適切な条件下でその宿主細
胞を培養する工程を含む実質的に純粋なMC−R1Bタンパク質を作製する方法
も含まれる。そのようにして産生されたMC−R1Bは、従来の方法で宿主細胞
から集めることができる。従って、本発明はまた、本明細書中に開示されている
MC−R1Bタンパク質および生物学的等価体の発現方法、このような遺伝子産
物を用いるアッセイ、このような受容体タンパク質を発現するDNA構築物を含
む組換え宿主細胞、ならびにこのようなアッセイにより同定された化合物であっ
て、MC−R1B活性のアゴニストまたはアンタゴニストとして作用する化合物
に関する。
【0076】 上記に記載された方法で得られ、クローニングされたMC−R1BのcDNA
は、好適なプロモーターおよび他の適切な転写調節エレメントを含む発現ベクタ
ー(pcDNA3.neo、pcDNA3.1、pCR2.1、pBlueBa
cHis2またはpLITMUS28など)に分子クローニングすることによっ
て組換え発現させることができ、組換えMC−R1Bを産生させるために原核生
物または真核生物の宿主細胞に移すことができる。そのような操作に関する技術
は、Sambrook他(上記)に記載されており、実施例の節に詳しく議論さ
れ、そして当業者にはよく知られ、容易に利用することができる。
【0077】 様々な哺乳動物発現ベクターを、組換えMC−R1Bを哺乳動物細胞において
発現させるために使用することができる。発現ベクターは、本明細書中では、適
切な宿主におけるクローニングされたDNAの転写およびそのmRNAの翻訳に
必要とされるDNA配列として定義される。そのようなベクターを使用して、細
菌、らん藻、植物細胞、昆虫細胞および動物細胞などの様々な宿主において真核
生物のDNAを発現させることができる。特別に設計されたベクターは、細菌−
酵母または細菌−動物細胞などの宿主間でDNAを移動させることができる。適
切に構築された発現ベクターは、宿主細胞における自律的な複製に必要な複製起
点、選択マーカー、一定数の有用な制限酵素部位、高コピー数に関する能力、お
よび活性なプロモーターを含まなければならない。プロモーターは、RNAポリ
メラーゼをDNAに結合させて、RNA合成を開始させるDNA配列として定義
される。強力なプロモーターは、mRNAを高頻度に開始させるものである。発
現ベクターには、クローニングベクター、改変されたクローニングベクター、特
別に設計されたプラスミドまたはウイルスが含まれ得るが、これらに限定されな
い。組換えMC−R1Bの発現に好適と考えられる市販の哺乳動物発現ベクター
には、pcDNA3.neo(Invitrogen)、pcDNA3.1(I
nvitrogen)、pCI−neo(Promega)、pLITMUS2
8、pLITMUS29、pLITMUS38およびpLITMUS39(Ne
w England Bioloabs)、pcDNAI、pcDNAIamp
(Invitrogen)、pcDNA3(Invitrogen)、pMC1
neo(Stratagene)、pXT1(Stratagene)、pSG
5(Stratagene)、EBO−pSV2−neo(ATCC37593
)、pBPV−1(8−2)(ATCC37110)、pdBPV−MMTne
o(342−12)(ATCC37224)、pRSVgpt(ATCC371
99)、pRSVneo(ATCC37198)、pSV2−dhfr(ATC
C37146)、pUCTag(ATCC37460)およびlZD35(AT
CC37565)が含まれるが、これらに限定されない。
【0078】 また、様々な細菌発現ベクターを、組換えMC−R1Bを細菌細胞において発
現させるために使用することができる。組換えMC−R1Bの発現に好適と考え
られる市販の細菌発現ベクターには、pCR2.1(Invitrogen)、
pET11a(Novagen)、λgt11(Invitrogen)および
pKK223−3(Pharmacia)が含まれるが、これらに限定されない
【0079】 さらに、様々な菌類細胞発現ベクターを、組換えMC−R1Bを菌類細胞にお
いて発現させるために使用することができる。組換えMC−R1Bの発現に好適
と考えられる市販の菌類細胞発現ベクターには、pYES2(Invitrog
en)およびPichia発現ベクター(Invitrogen)が含まれるが
、これらに限定されない。
【0080】 また、様々な昆虫細胞発現ベクターを、組換え受容体を昆虫細胞において発現
させるために使用することができる。MC−R1Bの組換え発現に好適と考えら
れる市販の昆虫細胞発現ベクターには、pBlueBacIIIおよびpBlu
eBacHis2(Invitrogen)ならびにpAcG2T(Pharm
ingen)が含まれるが、これらに限定されない。
【0081】 MC−R1BDNAの発現はまた、インビトロで産生させた合成mRNAを使
用して行うことができる。合成mRNAは、カエルの卵母細胞へのマイクロ注入
(これに限定されない)を含む細胞型システムにおいて効率的に翻訳されるだけ
でなく、小麦胚芽抽出物および網状赤血球抽出物(これらに限定されない)を含
む様々な無細胞システムで効率的に翻訳することができる。カエルの卵母細胞へ
のマイクロ注入が好ましい。
【0082】 最適なレベルのMC−R1BをもたらすMC−R1BのcDNA配列を決定す
るために、MC−R1Bの全長のオープンリーディングフレームを含むcDNA
フラグメント、ならびにタンパク質の特定のドメインのみまたはタンパク質の再
配置されたドメインをコードするcDNA部分を含む様々な構築物(これらに限
定されない)を含むcDNA分子を構築することができる。すべての構築物は、
MC−R1BのcDNAの5’非翻訳領域および/または3’非翻訳領域を含ま
ないように、あるいはそのような非翻訳領域のすべてまたは一部を含むように設
計することができる。MC−R1Bの発現レベルおよび活性は、このような構築
物を単独または組み合わせて適切な宿主細胞に導入した後で測定することができ
る。一過性のアッセイで最適な発現をもたらすMC−R1BのcDNAカセット
を決定した後、このMC−R1BのcDNA構築物は、(組換えウイルスを含む
)様々な発現ベクターに移される。このような発現ベクターには、哺乳動物細胞
、植物細胞、昆虫細胞、卵母細胞、細菌および酵母細胞に対する発現ベクターが
含まれるが、これらに限定されない。
【0083】 従って、本発明の別の態様には、MC−R1BをコードするDNA配列を含有
し、かつ/または発現するように操作された宿主細胞が含まれる。そのような組
換え宿主細胞は、MC−R1Bまたは生物学的等価形態を産生させるために好適
な条件下で培養することができる。組換え宿主細胞は原核生物または真核生物で
あり得る。これには、大腸菌などの細菌、酵母などの菌類細胞、ヒト、ウシ、ブ
タ、サルおよび齧歯類を起源とする細胞株(これらに限定されない)を含む哺乳
動物細胞、ならびにショウジョウバエおよびカイコから得られる細胞株(これら
に限定されない)を含む昆虫細胞が含まれるが、これらに限定されない。従って
、MC−R1B様タンパク質をコードするDNAを含む発現ベクターは、MC−
R1Bを組換え宿主細胞において発現させるために使用することができる。組換
え宿主細胞は原核生物または真核生物であり得る。これには、大腸菌などの細菌
、酵母などの菌類細胞、ヒト、ウシ、ブタ、サルおよび齧歯類を起源とする細胞
株(これらに限定されない)を含む哺乳動物細胞、ならびにショウジョウバエお
よびカイコから得られる細胞株(これらに限定されない)を含む昆虫細胞が含ま
れるが、これらに限定されない。例えば、昆虫発現システムの1つは、バキュロ
ウイルス発現ベクター(pAcG2T、Pharmingen)と組み合わせた
Spodoptera frugiperda(Sf21)昆虫細胞(Invi
trogen)を利用する。また、好適と考えられる市販の哺乳動物種には、L
細胞L−M(TK)(ATCC CCL1.3)、L細胞L−M(ATCC
CCL1.2)、Saos−2(ATCC HTB−85)、293(ATCC
CRL1573)、Raji(ATCC CCL86)、CV−1(ATCC
CCL70)、COS−1(ATCC CRL1650)、COS−7(AT
CC CRL1651)、CHO−K1(ATCC CCL61)、3T3(A
TCC CCL92)、NIH/3T3(ATCC CRL1658)、HeL
a(ATCC CCL2)、C127I(ATCC CRL1616)、BS−
C−1(ATCC CCL26)、MRC−5(ATCC CCL171)およ
びCPAE(ATCC CCL209)が含まれるが、これらに限定されない。
発現ベクターは、形質転換、トランスフェクション、プロトプラスト融合および
エレクトロポレーション(これらに限定されない)を含む多数の技術のいずれか
によって宿主細胞に導入することができる。発現ベクターを含む細胞は、MC−
R1Bタンパク質を産生しているかどうかを明らかにするために個々に分析され
る。MC−R1Bを発現する細胞の同定は、抗MC−R1B抗体との免疫学的反
応性、標識されたリガンドの結合、および宿主細胞に結合しているMC−R1B
活性の存在(これらに限定されない)を含むいくつかの手段によって行うことが
できる。
【0084】 本明細書中に記載されているアッセイは、タンパク質精製スキームと同様に、
MC−R1Bの発現を導く発現ベクターで一過性または安定的にトランスフェク
ションまたは形質転換された細胞を用いて行うことができる。発現ベクターは、
形質転換、トランスフェクション、プロトプラスト融合およびエレクトロポレー
ション(これらに限定されない)を含む多数の技術のいずれかによって宿主細胞
に導入することができる。形質転換は、DNAの取り込みから生じる標的細胞に
対する遺伝子的変化を包含することを意味する。トランスフェクションは、MC
−R1Bを試験細胞に導入するために当分野で知られている任意の方法を含むこ
とを意味する。例えば、トランスフェクションには、リン酸カルシウムまたは塩
化カルシウムによって媒介されるトランスフェクション、リポフェクション、M
C−R1Bを含むレトロウイルス構築物による感染、およびエレクトロポレーシ
ョンが含まれる。発現ベクターを含む細胞は、ヒトMC−R1Bタンパク質を産
生しているかどうかを明らかにするために個々に分析される。ヒトMC−R1B
を発現する細胞の同定は、抗ヒトMC−R1B抗体との免疫学的反応性、標識さ
れたリガンドの結合、および宿主細胞に結合するヒトMC−R1B活性の存在(
これらに限定されない)を含むいくつかの手段によって行うことができる。
【0085】 MC−R1Bに対して親和性を示す化合物の結合特異性は、クローニングされ
た受容体を発現する組換え細胞またはこのような細胞から得られる膜に対する化
合物の親和性を測定することによって明らかにされる。クローニングされた受容
体の発現、およびMC−R1Bに結合する化合物のスクリーニング、またはこの
ような細胞もしくはこのような細胞から調製された膜に対するMC−R1Bの知
られている放射能標識されたリガンドの結合を阻害する化合物のスクリーニング
により、MC−R1Bに対して大きな親和性を有する化合物を迅速に選択する方
法が得られる。そのようなリガンドは、必ずしも放射能標識する必要はなく、結
合した放射能標識化合物と置換させるために使用され得るか、または機能アッセ
イにおける活性化因子として使用され得る非放射性の化合物でもあり得る。上記
の方法で同定された化合物は、MC−R1Bのアゴニストまたはアンタゴニスト
であると考えられ、ペプチド、タンパク質または非タンパク質性有機分子であり
得る。
【0086】 メラノコルチン受容体は、GPCRのロドプシンサブファミリーに属する。し
かし、MC−R1Bは、すべての他の受容体と共通した特徴をいくつか有し、大
部分の他のGPCRには存在していない特徴をいくつか有する。このような特徴
には、TM1におけるENモチーフ、TM2とTM3との間またはTM4とTM
5との間のループにCysが存在しないこと、TM5におけるMxxxxxxx
Yモチーフ、およびTM7におけるDPxxYモチーフが含まれる。すべてのメ
ラノコルチン受容体は、ロドプシンサブファミリーの他のメンバーに存在する細
胞外ループにCys残基を有していないため、らせん間のジスルフィド結合(例
えば、TM3およびTM5の頂部付近のCys残基間)は、大部分の他のGPC
Rにおけるループ間ジスルフィド結合と同じ機能を果たしていると考えられる。
従って、本発明は、MC−R1Bタンパク質をコードするDNAまたはRNAの
発現を調節する化合物ならびにMC−R1Bタンパク質の機能をもたらす化合物
のスクリーニング方法に関する。他の受容体のアゴニストおよびアンタゴニスト
を同定する方法が当分野ではよく知られており、そのような方法はMC−RIB
のアゴニストおよびアンタゴニストを同定するために適合させることができる。
例えば、Cascieri他(1992、Molec.Pharmacol.4
1:1096〜1099)は、ラットのニューロキニン受容体に対するアゴニス
ト結合を阻害する物質、従って、ニューロキニン受容体の潜在的なアゴニストま
たはアンタゴニストである物質を同定するための方法を記載している。この方法
は、ラットのニューロキニン受容体を含む発現ベクターでCOS細胞をトランス
フェクションすること、ニューロキニン受容体を発現させるために十分な時間に
わたってトランスフェクション細胞を生育させること、トランスフェクション細
胞を集めて、ニューロキニン受容体の知られている放射能標識されたアゴニスト
を含むアッセイ緩衝液に細胞をそのような物質の存在下または非存在下のいずれ
かで再懸濁すること、その後、ニューロキニン受容体の放射能標識された知られ
ているアゴニストのニューロキニン受容体に対する結合を測定することを含む。
知られているアゴニストの結合量が、そのような物質の存在下において、そのよ
うな物質の非存在下よりも少ない場合、その物質は、ニューロキニン受容体の潜
在的なアゴニストまたはアンタゴニストである。MC−R1Bに対するアゴニス
トまたはアンタゴニストなどの物質の結合が測定される場合、そのような結合は
、標識された物質またはアゴニストを用いることによって測定することができる
。そのような物質またはアゴニストは、当分野で知られている都合のよい方法の
いずれかで、例えば、放射能的に、蛍光的に、酵素的に標識することができる。
【0087】 従って、MC−R1Bに対する親和性を有する化合物の結合特異性は、クロー
ニングされた受容体を発現する組換え細胞またはこのような細胞から得られる膜
に対する化合物の親和性を測定することによって明らかにされる。クローニング
された受容体の発現、およびMC−R1Bに結合する化合物のスクリーニング、
またはこのような細胞もしくはこのような細胞から調製された膜に対するMC−
R1Bの知られている放射能標識されたリガンドの結合を阻害する化合物のスク
リーニングにより、MC−R1Bに対して大きな親和性を有する化合物を迅速に
選択する効果的な方法が得られる。そのようなリガンドは、必ずしも放射能標識
する必要はないが、結合した放射能標識化合物と置換するために使用され得るか
、または機能アッセイにおける活性化因子として使用され得る非放射性の化合物
でもあり得る。上記の方法により同定された化合物は、MC−R1Bのアゴニス
トまたはアンタゴニストであると考えられ、ペプチド、タンパク質または非タン
パク質性有機分子であり得る。化合物は、MC−R1BをコードするDNAまた
はRNAの発現を増大または弱めることによって、あるいはMC−R1B受容体
タンパク質のアゴニストまたはアンタゴニストとして作用することによって調節
することができる。MC−R1BをコードするDNAまたはRNAの発現あるい
はその生物学的機能を調節するこのような化合物は、様々なアッセイにより検出
することができる。そのようなアッセイは、発現または機能の変化が存在するか
どうかを測定する単純な「yes/no」アッセイであってもよい。アッセイは
、試験サンプルの発現または機能を、基準サンプルにおける発現または機能のレ
ベルと比較することによって定量化することができる。MC−R1B、MC−R
1Bに対する抗体、または改変されたMC−R1Bを含むキットを、そのような
使用に関して知られている方法によって作製することができる。
【0088】 従って、本発明は、組換えシステムにおけるMC−R1Bの発現方法、ならび
にMC−R1Bのアゴニストおよびアンタゴニストの同定方法に関する。標的受
容体と特異的に相互作用する潜在的な薬物を同定するために化合物がスクリーニ
ングされる場合、同定された化合物が標的受容体に対してできる限り特異的であ
ることを確保しなければならない。このためには、標的受容体と類似する、でき
る限り広範囲の受容体に対して化合物をスクリーニングすることが必要である。
従って、受容体Aと相互作用する潜在的な薬物である化合物を同定するためには
、その化合物が受容体A(「プラス標的」)と相互作用して、受容体Aを介して
望ましい薬理学的作用をもたらすことを確実にすることが必要であるだけでなく
、その化合物が、受容体B、C、Dなど(「マイナス標的」)と相互作用しない
ことを明らかにすることもまた必要である。一般に、スクリーニングプログラム
の一部として、できる限り多くのマイナス標的を有することが重要である(Ho
dgson、1992、Bio/Technology、10:973〜980
を参照のこと)。MC−R1Bタンパク質およびこの受容体タンパク質をコード
するDNA分子は、他のGタンパク質共役受容体と特異的に相互作用する化合物
を同定することを目的とするスクリーニングにおいて「マイナス標的」として使
用できる点でさらなる有用性を有している。GPCRに対する相同性のために、
本発明のMC−R1Bは、GPCRと同じように機能して、類似した生物学的活
性を有すると考えられる。それらは、霊長類において、その後、ヒトの臨床試験
においてメラノコルチン活性プロセスを同定するために、ヒトにおける生物学的
および生理学的な作用を理解する際に有用である。より注目され得ることに、霊
長類において効果的な新規な抗肥満剤を同定するために、MC−R1Bのアゴニ
ストが同定され、食物摂取、体重増加および代謝速度に対するその作用について
評価されている。それらはまた、特に、同定されたリガンドの特異性を試験する
ことに関して、アカゲザルメラノコルチンのアゴニストおよびアンタゴニストを
調べるために使用することができる。
【0089】 この目的のために、本発明は、一部が、MC−R1B受容体の活性を調節する
物質の同定方法に関する。この方法は、 (a)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配
列番号12、配列番号14、配列番号17、配列番号20、配列番号23および
配列番号26に示されているアミノ酸配列を含むMC−R1Bタンパク質(これ
らに限定されない)を含むMC−R1B受容体タンパク質の存在下および非存在
下で試験物質と一緒にすること;および (b)MC−R1B受容体タンパク質の存在下および非存在下における試験物
質の作用を測定して比較すること を含む。
【0090】 さらに、いくつかの具体的な実施形態が、MC−R1B受容体タンパク質の発
現を導く発現ベクターと組み合わせて当業者によって利用され得る様々なタイプ
のスクリーニングアッセイまたは選択アッセイを明らかにするために本明細書中
に開示されている。他の受容体のアゴニストおよびアンタゴニストを同定するた
めの方法が当分野でよく知られており、そのような方法は、MC−R1Bのアゴ
ニストおよびアンタゴニストを同定するために適合させることができる。従って
、これらの実施形態は、限定としてではなく、例として示される。この目的のた
めに、本発明には、MC−R1Bの調節因子(アゴニストおよびアンタゴニスト
など)が同定され得るアッセイが含まれる。従って、本発明には、物質がMC−
R1Bの潜在的なアゴニストまたはアンタゴニストであるかどうかを明らかにす
る方法が含まれる。この方法は、 (a)細胞内におけるMC−R1Bの発現を導く発現ベクターで細胞をトラン
スフェクションまたは形質転換して、試験細胞を得ること; (b)MC−R1Bを発現させるために十分な時間にわたって試験細胞を生育
させること; (c)細胞を物質の存在下および非存在下においてMC−R1Bの標識された
リガンドに曝すこと; (d)MC−R1Bに対する標識リガンドの結合を測定すること を含み、この場合、標識リガンドの結合量が、物質の存在下において、物質の非
存在下のときよりの少ない場合、その物質は、MC−R1Bの潜在的なアゴニス
トまたはアンタゴニストである。
【0091】 この方法の工程(c)が行われる条件は、タンパク質−リガンド相互作用の研
究のために当分野で典型的に使用されている条件である:例えば、生理学的pH
;PBSのような広く使用されている緩衝液により、あるいは組織培養培地にお
いて表される条件などの塩条件;約4℃〜約55℃の温度。試験細胞は集められ
、物質および標識リガンドの存在下で再懸濁することができる。上記方法の改変
において、工程(c)は、細胞を集めて再懸濁するのではなく、むしろ、細胞を
基体(例えば、組織培養プレート)に結合させたまま、放射能標識された知られ
ているアゴニストおよびそのような物質を細胞と接触させる点で改変される。
【0092】 本発明はまた、物質がMC−R1Bに結合し得るかどうか、すなわち、その物
質がMC−R1Bの潜在的なアゴニストまたはアンタゴニストであるかどうかを
明らかにする方法に関する。この方法は、 (a)細胞内におけるMC−R1Bの発現を導く発現ベクターで細胞をトラン
スフェクションまたは形質転換して、試験細胞を得ること; (b)試験細胞を物質に曝すこと; (c)MC−R1Bに対する物質の結合量を測定すること; (d)試験細胞におけるMC−R1Bに対する物質の結合量を、MC−R1B
でトランスフェクションされていないコントロール細胞に対する物質の結合量と
比較すること を含み、 この場合、物質の結合量が、コントロール細胞と比較して試験細胞において大
きい場合、その物質はMC−R1Bに結合し得る。その後、その物質が実際にア
ゴニストまたはアンタゴニストであるかどうかの決定が、例えば、下記に記載さ
れるプロミスカスGタンパク質の使用を含むアッセイなどの機能アッセイを使用
することによって行われる。
【0093】 この方法の工程(b)が行われる条件は、タンパク質−リガンド相互作用の研
究のために当分野で典型的に使用されている条件である:例えば、生理学的pH
;PBSのような広く使用されている緩衝液により、あるいは組織培養培地にお
いて表される条件などの塩条件;約4℃〜約55℃の温度。試験細胞は集められ
、物質の存在下で再懸濁することができる。
【0094】 Chen他(1995、Analytical Biochemistry、
226:349〜354)は、Gタンパク質共役受容体をコードする発現ベクタ
ー、およびLacZ遺伝子に融合させたcAMP応答エレメントを有するプロモ
ーターを含む別の発現ベクターでトランスフェクションされた組換え細胞を利用
する比色測定アッセイを記載している。過剰発現させたGタンパク質共役受容体
の活性が、β−Galの発現およびOD測定として測定される。従って、本発明
のこの部分の別の態様には、物質がMC−R1Bの潜在的なアゴニストまたはア
ンタゴニストであるかどうかを明らかにするための非放射能的な方法が含まれ、
この方法は、 (a)MC−R1Bをコードする発現ベクターで細胞をトランスフェクション
または形質転換して、試験細胞を得ること; (b)LacZのような比色測定用遺伝子に融合させたcAMP誘導プロモー
ターを含む発現ベクターで工程(a)の試験細胞をトランスフェクションまたは
形質転換すること; (c)MC−R1Bを発現させるために十分な時間にわたってトランスフェク
ション細胞を生育させること; (d)トランスフェクション細胞を集めて、MC−R1Bの知られているアゴ
ニストの存在下ならびに/または試験化合物の存在下および非存在下の両方で細
胞を再懸濁すること; (e)知られているアゴニストおよび試験化合物の過剰発現させたMC−R1
Bに対する結合を、cAMP誘導プロモーターからの発現を測定する比色測定ア
ッセイによって測定して、知られているアゴニストの存在下、ならびに未知の物
質の存在下および非存在下における発現レベルを比較し、その結果、未知の物質
がMC−R1Bの潜在的なアゴニストまたはアンタゴニストとして作用するかど
うかを明らかにすることを含む。
【0095】 アゴニストまたはアンタゴニストを同定するさらなる方法は下記を含むが、そ
れらに決して限定されない: I.(a)MC−R1Bの発現を導く第1の発現ベクター、プロミスカスGタ
ンパク質の発現を導く第2の発現ベクターで細胞をトランスフェクションまたは
形質転換して、試験細胞を得ること; (b)試験細胞を、MC−R1Bのアゴニストと考えられる物質に曝すこと; (c)細胞におけるイノシトールリン酸のレベルを測定すること、 この場合、アゴニストと考えられる物質の非存在下における細胞内のイノシトー
ルリン酸レベルと比較して、細胞内のイノシトールリン酸レベルの増大は、その
物質がMC−R1Bのアゴニストであることを示す。
【0096】 II.(a)MC−R1Bの発現を導く請求項3の第1の発現ベクターおよび
プロミスカスGタンパク質の発現を導く第2の発現ベクターで細胞をトランスフ
ェクションまたは形質転換して、試験細胞を得ること; (b)試験細胞を、MC−R1Bのアゴニストと考えられる物質に曝すこと; (c)工程(b)に引き続き、あるいは工程(b)と同時に、試験細胞を、M
C−R1Bのアンタゴニストと考えられる物質に曝すこと; (d)細胞内のイノシトールリン酸のレベルを測定すること; この場合、アンタゴニストと考えられる物質の非存在下における細胞内のイノシ
トールリン酸レベルと比較して、アンタゴニストと考えられる物質の存在下にお
ける細胞内のイノシトールリン酸レベルの低下は、その物質がMC−R1Bのア
ンタゴニストであることを示す。
【0097】 III.工程(a)の第1および第2の発現ベクターが、そのC末端において
プロミスカスGタンパク質に融合したキメラなMC−R1Bタンパク質を発現す
る単一の発現ベクターに置換されているIIの方法。
【0098】 上記の方法は、試験細胞を物質に曝すよりもむしろ、膜を試験細胞から調製す
ることができ、そのような膜を物質に曝すことができる点で改変することができ
る。細胞ではなく、膜を利用するそのような改変は当分野ではよく知られており
、例えば、Hess他、1992、Biochem.Biophys.Res.
Comm.184:260〜268に記載されている。従って、本発明の別の実
施形態には、物質がMC−R1Bに結合し、かつ/またはMC−R1Bの潜在的
なアゴニストまたはアンタゴニストであるかどうかを明らかにする方法であって
、試験細胞から得られる膜調製物が試験細胞の代わりに利用される方法が含まれ
る。そのような方法は下記を含み、上記に記されているような生理学的条件を使
用することができる: (a)細胞内におけるMC−R1Bの発現を導く発現ベクターで細胞をトラン
スフェクションまたは形質転換して、試験細胞を得ること; (b)試験細胞からMC−R1Bを含む膜を調製して、リガンドが膜内のMC
−R1Bに結合するような条件のもとで膜をMC−R1Bのリガンドに曝すこと
; (c)工程(b)に引き続き、あるいは工程(b)と同時に、試験細胞から得
られた膜を物質に曝すこと; (d)物質の存在下および非存在下において膜内のMC−R1Bに対するリガ
ンドの結合量を測定すること; (e)物質の存在下および非存在下において膜内のMC−R1Bに対するリガ
ンドの結合量を比較し、この場合、物質の存在下における膜内のMC−R1Bに
対するリガンドの結合量の減少は、その物質がMC−R1Bに結合し得ることを
示す。
【0099】 本発明はまた、物質がMC−R1Bに結合し得るかどうかを明らかにする方法
に関する。この方法は、 (a)細胞内におけるMC−R1Bの発現を導く発現ベクターで細胞をトラン
スフェクションまたは形質転換して、試験細胞を得ること; (b)試験細胞からMC−R1Bを含む膜を調製して、試験細胞から得られた
膜を物質に曝すこと; (c)試験細胞から得られた膜内のMC−R1Bに対する物質の結合量を測定
すること; (d)試験細胞から得られた膜内のMC−R1Bに対する物質の結合量を、M
C−R1Bでトランスフェクションされていないコントロール細胞から得られた
膜に対する物質の結合量と比較すること を含み、この場合、試験細胞から得られた膜内のMC−R1Bに対する物質の結
合量が、コントロール細胞から得られた膜に対する物質の結合量よりも大きい場
合、その物質はMC−R1Bに結合し得る。
【0100】 本発明の好ましい実施形態は、様々な濃度の未標識リガンドの存在下、125 Iで標識されたNDP−α−MSHを標識リガンドとして使用して様々なリガン
ドの結合親和性を決定することである。第2メッセンジャー経路の活性化を、様
々な濃度のアゴニストによって誘発された細胞内cAMPを測定することによっ
て明らかにすることができる。
【0101】 本発明はまた、MC−R1Bの形態またはその生物学的に活性なフラグメント
のいずれかに応答して惹起されたポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体
に関する。ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体は、例えば、配列番号
2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列
番号14、配列番号17、配列番号20、配列番号23および配列番号26に開
示されているようなMC−R1BまたはMC−R1Bの一部に由来する合成ペプ
チド(通常は、長さが約9アミノ酸〜約25アミノ酸)に対して惹起させること
ができる。MC−R1Bに対する単一特異性抗体が、MC−R1Bに対して反応
し得る抗体を含有する哺乳動物の抗血清から精製されるか、あるいはKohle
rおよびMilstein(1975、Nature、256:495〜497
)の技術を使用して、MC−R1Bと反応し得るモノクローナル抗体として調製
される。本明細書中で使用される単一特異性抗体は、MC−R1Bに対する一様
な結合特性を有する単一抗体種または多重抗体種として定義される。本明細書中
で使用される一様な結合は、上記に記載されているように、特異的な抗原または
エピトープに結合する抗体種(MC−R1Bと結合する抗体など)の能力をいう
。MC−R1Bに特異的な抗体は、免疫アジュバントを用いて、あるいは免疫ア
ジュバントを用いることなく、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ヤギ、ウ
マなどの動物を、適切な濃度のMC−R1Bタンパク質またはMC−R1Bの一
部から作製された合成ペプチドで免疫化することにより惹起される。
【0102】 免疫前の血清が、最初の免疫化の前に採取される。各動物に、MC−R1Bタ
ンパク質が、約0.1μg〜約1000μgの間で許容可能な免疫アジュバント
とともに投与される。そのような許容可能なアジュバントには、フロイント完全
アジュバント、フロイント不完全アジュバント、アルム沈殿物、Coryneb
acterium parvumおよびtRNAを含む油中水型エマルションが
含まれるが、これらに限定されない。最初の免疫化は、皮下(SC)、腹腔内(
IP)またはその両方のいずれかによる多数部位における、好ましくはフロイン
ト完全アジュバントにおけるMC−R1Bタンパク質またはそのペプチドフラグ
メントからなる。各動物は、抗体力価を測定するために、定期的(好ましくは、
毎週)に採血される。動物には、最初の免疫化の後、追加免疫注射を施すことが
でき、あるいは施さなくてもよい。追加免疫注射を受けるそのような動物は、一
般に、等量のMC−R1Bを含むフロイント不完全アジュバントが同じ経路で投
与される。追加免疫注射は、最大の力価が得られるまで約3週間の間隔で行われ
る。各追加免疫による免疫化の約7日後、または一回の免疫化後のほぼ毎週、動
物は採血され、血清が採取され、一部が約−20℃で保管される。
【0103】 MC−R1Bと反応し得るモノクローナル抗体(mAb)は、同系交配マウス
(好ましくは、Balb/c)をMC−R1Bタンパク質で免疫化することによ
って調製される。マウスは、約1mg〜約100mg(好ましくは、約10mg
)のMC−R1Bタンパク質を含む、上記に議論された受容可能なアジュバント
の等容量に配合された約0.5mlの緩衝液または生理食塩水を用いてIP経路
またはSC経路で免疫化される。フロイント完全アジュバントが好ましい。マウ
スは、0日目に最初の免疫化が行われ、約3週間〜約30週間そのままにされる
。免疫化されたマウスは、約1mg〜約100mgのMC−R1Bを含む緩衝液
(リン酸緩衝化生理食塩水など)の1回または複数回の追加免疫による免疫化が
静脈内(IV)経路によって行われる。抗体陽性マウスから得られるリンパ球が
、好ましくは脾臓のリンパ球が、当分野で知られている標準的な手法により脾臓
を免疫化マウスから摘出することによって得られる。ハイブリドーマ細胞が、安
定なハイブリドーマの形成を可能にする条件下で脾臓のリンパ球を適切な融合パ
ートナー(好ましくは、メラノーマ細胞)と混合することによって得られる。融
合パートナーには、マウスのメラノーマであるP3/NS1/Ag4−1;MP
C−11;S−194およびSp2/0が含まれるが、これらに限定されず、S
p2/0が好ましい。抗体産生細胞およびメラノーマ細胞は、約30%〜約50
%の濃度のポリエチレングリコール(約1000の分子量)において融合させら
れる。融合したハイブリドーマ細胞は、当分野で知られている手法により、ヒポ
キサンチン、チミジンおよびアミノプテリンが補充されたダルベッコ改変イーグ
ル培地(DMEM)における成長によって選択される。上清液が、約14日目、
18日目および21日目の生育陽性ウエルから採取され、MC−R1Bを抗原と
して使用する固相免疫放射アッセイ(SPIRA)などの免疫アッセイによって
抗体産生についてスクリーニングされる。培養液もまた、mAbのイソ型を決定
するためにウフタロニー沈殿アッセイで試験される。抗体陽性ウエルから得られ
るハイブリドーマ細胞は、MacPhersonの軟寒天技術(1973、軟寒
天技術、Tissue Culture Methods and Appli
cations、KruseおよびPaterson編、Academic P
ress)などの技術によってクローニングされる。
【0104】 モノクローナル抗体は、抗原刺激した4日後に約2x10個〜約6x10 個のハイブリドーマ細胞を初期の抗原刺激Balb/cマウスに注射(マウスあ
たり約0.5ml)することによってインビボで産生される。腹水が細胞移入の
約8日後〜12日後に採取され、モノクローナル抗体が当分野で知られている技
術によって精製される。
【0105】 抗MC−R1BmAbのインビトロ産生は、約2%ウシ胎児血清を含むDME
Mにおいてハイブリドーマを生育させて、十分な量の特異的なmAbを得ること
によって行われる。mAbは、当分野で知られている技術によって精製される。
【0106】 腹水またはハイブリドーマ培養液の抗体力価は、沈殿、受動的凝集、酵素結合
免疫吸着抗体(ELISA)技術および放射免疫アッセイ(RIA)技術(これ
らに限定されない)を含む様々な血清学的アッセイまたは免疫学的アッセイによ
って測定される。同様のアッセイを使用して、体液または組織抽出物および細胞
抽出物におけるMC−R1Bの存在が検出される。
【0107】 単一特異性抗体の上記に記載された産生方法は、MC−R1Bのペプチドフラ
グメントまたは全長のMC−R1Bに特異的な抗体を作製するために使用できる
ことは当業者には容易に明らかである。
【0108】 MC−R1B抗体のアフィニティーカラムは、例えば、抗体がアガロースゲル
ビーズ支持体との共有結合を形成するようにN−ヒドロキシスクシンイミドエス
テルで事前に活性化されたゲル支持体であるAffigel−10(Biora
d)に抗体を付加することによって作製される。次いで、抗体を、スペーサーア
ームとのアミド結合を介してゲルに結合させる。その後、残存する活性化エステ
ルを1MのエタノールアミンHCl(pH8)で処理する。カラムは、非結合抗
体または外来タンパク質を除くために、水で洗浄され、続いて0.23Mのグリ
シンHCl(pH2.6)で洗浄される。その後、カラムはリン酸緩衝化生理食
塩水(pH7.3)で平衡化され、全長のMC−R1BまたはMC−R1Bタン
パク質フラグメントを含む細胞培養上清または細胞抽出物がゆっくりカラムに流
される。その後、カラムは、光学密度(A280)がバックグラウンドにまで低
下するまでリン酸緩衝化生理食塩水で洗浄され、その後、タンパク質が0.23
Mのグリシン−HCl(pH2.6)で溶出される。精製されたMC−R1Bタ
ンパク質は、その後、リン酸緩衝化生理食塩水に対して透析される。
【0109】 本発明のDNA分子、RNA分子、組換えタンパク質および抗体を使用して、
MC−R1Bをスクリーニングし、そのレベルを測定することができる。該組換
えタンパク質、DNA分子、RNA分子および抗体は、MC−R1Bの検出およ
びタイピングに適したキットの形成に有用である。そのようなキットは、少なく
とも1つの容器を密閉的(close confinement)に収容するの
に適した区画化された担体を含むことになろう。該担体は更に、試薬(例えば、
組換えMC−R1B、またはMC−R1Bの検出に適した抗MC−R1B抗体)
を含むであろう。また、該担体は、標識抗原または酵素基質などの検出手段を含
有していてもよい。
【0110】 医薬上許容される担体の混合などの公知方法に従い、MC−R1Bのモジュレ
ーターを含む医薬上有用な組成物を製剤化することができる。製剤化のそのよう
な担体および方法の具体例は、Remington’s Pharmaceut
ical Sciencesに記載されている。有効な投与に適した医薬上許容
される組成物を形成させるためには、そのような組成物は、該タンパク質、DN
A、RNA、修飾MC−R1BまたはMC−R1Bのアゴニストもしくはアンタ
ゴニスト(チロシンキナーゼのアクチベーターまたはインヒビターを含む)の有
効量を含有するであろう。
【0111】 本発明の治療用または診断用組成物は、障害を治療または診断するのに十分な
量で個体に投与する。該有効量は、個体の状態、体重、性別、年齢などの種々の
因子によって様々となりうる。他の因子には、投与様式が含まれる。
【0112】 該医薬組成物は、皮下、局所、経口および筋肉内などの種々の経路により個体
に投与することができる。
【0113】 「化学誘導体」なる語は、通常は該基礎分子の一部ではない追加的な化学的部
分を含有する分子を意味する。そのような部分は、該基礎分子の溶解性、半減期
、吸収性などを改善しうる。あるいは、該部分は、該基礎分子の望ましくない副
作用を減弱させたり、あるいは該基礎分子の毒性を減少させうる。そのような部
分の具体例は、Remington’s Pharmaceutical Sc
iencesなどの種々の刊行物に記載されている。
【0114】 本明細書に開示する方法に従い同定した化合物は、適当な投与量で単独で使用
することができる。あるいは、他の物質の同時投与または連続的投与が望ましい
であろう。
【0115】 本発明はまた、本発明の新規治療方法において使用するための、適当な局所、
経口、全身および非経口医薬製剤を提供するという目的を有する。本発明に従い
同定された化合物を有効成分として含有する組成物は、通常の投与用ビヒクル中
の多種多様な治療用剤形で投与することができる。例えば、該化合物は、錠剤、
カプセル剤(それぞれは時限放出(timed release)および徐放製
剤を含む)、丸剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、液剤、懸濁剤、シ
ロップ剤、乳剤などの経口剤形として又は注射により投与することができる。同
様に、それらを、静脈内(ボーラスおよび注入の両方)、腹腔内、皮下、局所(
閉塞(occlusion)の存在下または不存在下)または筋肉内形態として
投与することも可能であり、それらはすべて、薬学分野の当業者によく知られた
形態を用いることが可能である。
【0116】 本発明の化合物を単独1日量で投与したり、あるいは合計1日量を、2、3ま
たは4分割量で毎日投与するのが有利かもしれない。さらに、本発明のための化
合物は、適当な鼻腔内ビヒクルの局所的使用により鼻腔内形態で、または当業者
によく知られた経皮皮膚パッチの形態を使用して経皮経路により投与することが
できる。もちろん、経皮デリバリーシステムの形態で投与する場合には、該投与
量の投与は、該投与計画の全体にわたり、断続的なものではなく連続的なものと
なるであろう。
【0117】 別々の投与製剤中の2以上の活性剤での併用療法の場合には、それらの活性剤
を同時に投与したり、あるいはそれらのそれぞれを、別々にずらした時点で投与
することができる。
【0118】 本発明の化合物を使用する投与計画は、患者のタイプ、種、年齢、体重、性別
および医学的状態;治療する状態の重症度;投与経路;患者の腎、肝および心臓
血管機能;および使用するその個々の化合物を含む種々の因子に応じて選択され
る。通常の技量を有する医師または獣医は、該状態の進行の予防、抑制または停
止に必要な薬物の有効量を容易に決定し、処方することができる。毒性を伴うこ
となく効力を与える範囲内の薬物濃度を最適に正確に得るためには、標的部位に
対する薬物のアベイラビリティーの動態論に基づく計画が必要である。これは、
薬物の分布、平衡および消失に関する考慮を含む。
【0119】 以下の実施例は、本発明を例示するためのものであり、本発明を限定するもの
ではない。
【0120】 実施例1 ヒトMC−R1スプライス変化体の単離および特徴づけ 発現配列標識(EST)の同定−Genbankデータベースを、Tblas
tn検索プログラム(Altschul他、1990、J.Mol.Biol.
、215:403〜410)をヒトメラノコルチン受容体タンパク質のアミノ酸
配列とともに使用してモニターした。5つの基準化されたプール化cDNAライ
ブラリーに由来するヒトEST(GenBankアクセション#AI12300
0;dbEST Id#1881544;GenBank gi:353876
6;クローンId:Image:1509887(3’)、1997年8月18
日寄託)が有意な相同性スコアとともに同定された。EST AI123000
は、ヒトMC−R1遺伝子の3’末端に対する配列同一性(DNAレベルで>9
0%)を示した。EST AA123000のヌクレオチド配列を下記に示す:
【0121】
【化4】
【0122】 ヒトMC−R1遺伝子の3’末端に対して類似した配列同一性を有するさらな
るESTが続いて1998年10月13日に寄託された。このESTのGenB
ankアクセション番号は#AI187892(dbEST Id#82610
2;GenBank gi:1774101;クローンId:Image:62
5984(3’))である。EST AA187892のヌクレオチド配列を下
記に示す:
【0123】
【化5】
【0124】 GenBankのdbESTサブ集団のさらなる検索により、ヒトMC−R1
Rに対する配列同一性を有する2つの他のヒトESTが同定された。最初のもの
は、GenBankアクセション番号#AA431397のもとで利用すること
ができ、ヒト精巣mRNAから単離され、1997年5月22日に登録された(
dbEST Id#1075968;GenBank gi:2115105;
クローンId:Image:782133(3’))。EST AA43139
7のヌクレオチド配列を下記に示す:
【0125】
【化6】
【0126】 別のESTが、GenBankアクセション番号#AA778295のもとで
利用することができ、ヒト胎児心臓mRNAから単離され、1998年2月5日
にデータベースに登録された(dbEST Id#1075968;GenBa
nk gi:2115105;クローンId:Image:782133(3’
))。EST AA431397のヌクレオチド配列を下記に示す:
【0127】
【化7】
【0128】 色素ターミネーターサイクル配列決定用反応物(Perkin Elmer−
ABI)を使用する両鎖のDNA配列決定により、377ABI Prismサ
イクル配列決定装置で分析したとき、このESTが、382アミノ酸を含むMC
−R1Bタンパク質として本明細書中に開示されているヒトMC−R1遺伝子の
選択的スプライシング形態の一部を表していることが示唆された。317個のア
ミノ酸を含む以前に記載されたMC−R1タンパク質はMC−R1Aと呼ばれる
(Mountjoy他、1992、Science、257:1248〜125
1[米国特許第5,532,347号もまた参照のこと];Chhaijlan
iおよびWilberg、1992、FEBS Letters、309:41
7〜420)。図1には、MC−R1A遺伝子およびMC−R1B遺伝子に関連
してこれらのESTの配列比較が示されている。
【0129】 ヒトゲノムDNAからのMC−Rスプライシング変化体(MC−R1B)のク
ローニング−タッチダウンPCRを、剪断化ヒトゲノムDNA(0.5mg;C
lonetech、Palo Alto、CA)を用いてGeneAmp970
0PCRシステム(Perkin Elmer、Foster City、CA
)で行った。
【0130】
【化8】 の2つのセンスプライマーをヒトMC−1RA(同上)の発表された配列に基づ
いて設計した。
【0131】
【化9】 のアンチセンスプライマーをEST AI123000から得た。Advant
age cDNA PCRキット(Clontech、Palo Alto、C
A)を、本質的には製造者の説明書に従ってPCR反応において使用した。2つ
の例外は、5%DMSOをPCR反応物に加えたこと、および下記に記載される
PCRサイクルを行ったことであった:1)94℃で1分間、2)94℃で30
秒間、72℃で3分間の5サイクル、3)94℃で30秒間、70℃で3分間の
5サイクル、4)94℃で30秒間、68℃で3分間の20サイクル。BIG
DYEターミネーターサイクル配列決定用反応物(Perkin Elmer、
Foster City、CA)を使用するPCR産物のその後の配列決定およ
び377ABI Prismサイクル配列決定装置(Perkin Elmer
、Foster City、CA)での分析により、隠れた381bpのイント
ロンがヒトMC−R1遺伝子のTGA停止コドンの(C末端のTrp−317残
基における)すぐ上流に存在することが明らかにされた。目印としてのスプライ
ス接合部のコンセンサス配列(Senapathy他、1990、Meth.E
nzymol.183:252〜278)を使用してこのイントロンを記載する
ヌクレオチド境界は下記の通りである。Trpのトリプレットコドンの最初の2
塩基を形成する保存されたコンセンサスなスプライスドナー部位(A/C)AG
/gt(ヌクレオチド950〜952)が見出された。
【0132】 図2には、MC−R1の2つのヒト型形態の選択的なスプライシングが示され
ている。発現タンパク質のCOOH末端領域が、ヒトMC−R1Bをコードする
様々なゲノムクローンで同定されたスプライス接合部ととも示されている。
【0133】 図3には、ヒトMC−R1Bをコードする代表的なゲノムクローン、ゲノムク
ローンmc1−8のDNA配列(配列番号21)が示されている。大文字はエキ
ソン領域を表し、小文字はMC−R1遺伝子の1個のイントロンを表している。
保存されたコンセンサスなスプライスアクセプター部位cag/Rがヌクレオチ
ド1330〜1332において同定された。このスプライス接合部の形成は、T
Gをもたらすドナーと、Cをもたらすアクセプターとから生じ、(MC−R1A
のC末端アミノ酸のTrpの代わりに)Cysのトリプレットコドンを形成する
。さらなる65アミノ酸(Cys置換に対するTrp−317を含まない)をも
たらす新規なコード配列が、このスプライシング事象の結果として生じる。
【0134】 図4A〜図4Bには、mc1−8のMC−R1A型およびMC−R1B型のア
ミノ末端部分のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列、5’および3’のスプラ
イス接合部配列、ならびにMC−R1AおよびMC−R1Bのカルボキシ末端部
分のそれぞれのアミノ酸配列が示されている。
【0135】 次いで、重複PCRを行い、この新規なカルボキシル末端を含むイントロンを
含まない連続したオープンリーディングフレーム(382アミノ酸)を作製した
。それぞれがもう一方のエキソンの小さな一部を含むエキソンIおよびIIに対
するPCR産物を作製した。エキソンIに対するプライマーは下記の通りであっ
た:
【0136】
【化10】 および
【0137】
【化11】 これにはEcoRI部位および最適な翻訳に必要なKozak配列(GCC
GCC)が含まれた。エキソンIIに対するプライマーは下記の通りであった:
【0138】
【化12】 および
【0139】
【化13】 これはNotI部位を含む。その後、MC1様オープンリーディングフレームを
、エキソンIおよびIIのテンプレートと、プライマーmc1−like−1f
およびmc1−like−2rとから作製した。MC1様ORFフラグメントを
EcoRIおよびNotIで消化して、ゲル精製し、pcDNA3ベクターに連
結して、大腸菌SCS1株(Stratagene、La Jolla、CA)
に形質転換した。4つの例示されたゲノムクローン(mc1−3、mc1−6、
mc1−8およびmc1−9)のそれぞれを、上記に記載された方法を使用して
単離した。
【0140】 ヒト精巣mRNAからのMC−Rスプライシング変化体(MC−R1B)のク
ローニング−MC−R1Bをコードする全長のcDNAをヒト精巣ポリ(A) mRNA(25名の男性白人のプール)から単離した。1mgの精巣mRNAを
使用するRT−PCRを、MMLV逆転写酵素を用いたAdvantage R
T for PCRキット(Clontech、Palo Alto、CA)を
使用して、本質的には製造者の説明書に従って行った。その後、PCRを、Ad
vantage cDNA PCRキット(Clontech、Palo Al
to、CA)を用いて、本質的には製造者の説明書に従って行った(サイクル条
件:94℃で1分間、60℃で2分間、72℃で2分間、72℃で10分間)。
用いた順方向センスプライマー(これにはEcoRI制限部位およびKozak
則に基づいて最適化した開始配列が加えられている)は、
【0141】
【化14】 であり、逆方向アンチセンスプライマーは、
【0142】
【化15】 であった。増幅産物をアガロースゲルで精製し、EcoRIで消化して、哺乳動
物発現ベクターpcDNA−3.1(−)(Invitrogen)に連結した
。この方法を用いて、それ以外のcDNAクローンと同様にMC−R1ESTc
11を同定した。
【0143】 実施例2 ヒトMC−R1Bの一過性発現 10%ウシ胎児血清(Sigma)、L−グルタミン(Gibco/BRL)
およびPen/Strep(Gibco/BRL)を補充した125mlのダル
ベッコ改変イーグル培地(DMEM、Gibco−BRL)を含む4つの800
mlトリプルフラスコ(Nalge Nunc)にCOS7細胞を接種して、4
日間インキュベーションした。各フラスコの細胞を、培地を捨て、30mlのト
リプシン/EDTA(0.05%、Gibco/BRL)を各フラスコに加え、
フラスコを室温で2分間インキュベーションすることによって集めた。その後、
トリプシン溶液を除き、フラスコを37℃で10分間インキュベーションし、3
0mlのDMEMを加えて、細胞を集めた。細胞を1000rpmで8分間ペレ
ット化し、Mg++およびCa++を含まないダルベッコPBS(Gibco/
BRL)で2回洗浄した。細胞を計数して、Mg++およびCa++を含まない
PBSの1mlあたり1.2X10個の密度に再懸濁した。DNAをエレクト
ロポレーションによって細胞に導入した;0.85mlの細胞を氷冷した0.4
cmキュベット(BioRad)中で20μgのMC−R1発現プラスミドと混
合した。溶液を、0.26kV、960μFDに設定されたBioRad社のG
ene Pulsarエレクトロポレーターでエレクトロポレーションした。3
0個のエレクトロポレーション物から得られる細胞を1リットルのDMEMにま
とめ、トリプルフラスコあたり125mlで分配し、37℃でインキュベーショ
ンした。3日後、各フラスコの培地を捨て、細胞を、Mg++およびCa++
含まないダルベッコPBSの100mlで洗浄し、酵素を含まない解離緩衝液(
Gibco/BRL)の30mlを加えた。室温で10分間インキュベーション
した後、細胞を集め、4℃において1000rpmで10分間遠心分離して、1
5mlの膜緩衝液(プロテイナーゼ阻害剤を含む10mMのTris、pH7.
4)に再懸濁した。500xプロテイナーゼ阻害剤溶液は、2μg/mlのロイ
ペプチン(Sigma)、5μMのホスホラミドン(Sigma)、20μg/
mlのバシトラシン、2.5μg/mlのアプロチニン(Sigma)、および
0.05MのAEBSF(Pefabloc)を含む。細胞をモーター駆動ダン
スの10ストロークで破砕して、ホモジネートを50mlのFalconチュー
ブに移し、4℃において2200rpmで10分間遠心分離した。上清を50m
lの遠心分離チューブに移し、Sorvall社のRC5B遠心分離器において
18Kで20分間遠心分離した。膜を0.6mlの膜緩衝液に再懸濁して、18
ゲージの注射針に2回、そして25ゲージの注射針に5回通し、小分けして液体
窒素で凍結し、必要とされるまで−80℃で保存した。
【0144】 実施例3 ヒトMC−R1Bの薬理学的性質 メラノコルチン放射性リガンド結合アッセイ−結合緩衝液(総容量=250μ
l)は、MBB(50mMのTris(pH7.2)、2mMのCaCl、1
mMのMgCl)、0.1%BSA、ヒトMC−R1B受容体を発現する細胞
から調製された粗製膜、200pMの[125I]−NDP−α−MSH(Am
ersham Corp.)、およびDMSOに溶解した増大濃度の未標識試験
化合物(DMSO最終濃度=2%)を含有した。反応物を、振とうすることなく
1時間インキュベーションし、その後、96ウエルフィルタープレート(Pac
kard Corp.)でろ過した。フィルターをTNE緩衝液(50mMのT
ris(pH7.4)、5mMのEDTA、150mMのNaCl)で3回洗浄
し、乾燥し、Microscint−20を使用してTopcountシンチレ
ーションカウンター(Packard)で計数した。50%阻害濃度(nM単位
で与えられるIC50)は、MC−R1を発現する細胞の膜に対する結合の50
%を置換する未標識のメラノコルチンペプチドの濃度として定義される。非特異
的な結合を2μMの未標識NDPαMSH(Peninsula labora
tories)の存在下で測定した。MC−R1Bを一過性に発現するCOS−
7細胞は、大きな親和性および特異性で[125I]−NDP−α−MSHと結
合した(1μMの未標識NDP−αMSHの非存在下および存在下で認められた
結合差として定義される特異的な結合は総結合の>90%であった)。特異性が
ほとんどない結合または非特異的な結合がshamトランスフェクションCOS
−7細胞で認められた。下記の表1に示されているように、いくつかのメラノコ
ルチン由来ペプチド(アミノ酸配列は一文字のIUPAC表記で下記に定義され
る)は、[125I]−NDP−α−MSHの結合を置換した。このことは、M
C−R1Bの発現によりもたらされた大きな親和性の結合部位が存在することを
強く示している。
【0145】
【表1】
【0146】 cAMP機能的受容体アッセイ−環状AMP(cAMP)形成の受容体媒介刺
激を、MC−1RB発現プラスミドでトランスフェクションされたCOS−7細
胞でアッセイした。MC−1RBを発現する細胞を、CaおよびMgを含まない
リン酸塩緩衝化生理食塩水(Life Technologies、Gaith
ersburg、MD)で洗浄することによって組織培養フラスコから解離させ
て、酵素を含まない解離緩衝液(Specialty Media、Lavel
lette、NJ)とともに5分間インキュベーションした後に分離した。細胞
を遠心分離によって集め、10mMのHEPES(pH7.5)、5mMのMg
Cl、1mMのグルタミン、および1mg/mlのウシ血清アルブミンを加え
たアール平衡塩溶液(EBSS)(Life Technologies、Ga
ithersburg、MD)で再懸濁した。細胞を計数して2〜4x10
mlに希釈した。ホスホジエステラーゼ阻害剤の3−イソブチル−1−メチルキ
サンチンを0.6mMの濃度で加えた。試験ペプチドを、上記の添加物および1
0%のDMSOを含むEBSSで希釈した;0.1容量の化合物を0.9容量の
細胞に加えた。室温で40分間インキュベーションした後、細胞を100℃で5
分間のインキュベーションによって溶解して、蓄積したcAMPを放出させた。
cAMPを、Amersham社(Arlington Heights、IL
)のcAMP検出アッセイ(RPA556)を用いて細胞溶解物の一部で測定し
た。未知の化合物から生じるcAMPの産生量を、100%のアゴニストと定義
されたαMSHに応答して産生されたcAMPの産生量と比較する。
【0147】 以前の研究(Mountjoy他、1992、Science、257:12
48〜1251[米国特許第5,532,347号もまた参照のこと];Chh
ajlaniおよびWikberg、1992、FEBS Letters、3
09:417〜420)は、メラノコルチンのアゴニストによるMC−R1Aイ
ソ型の活性化は、Gタンパク質を膜結合型アデニル酸シクラーゼの活性化に共役
させることによって細胞内cAMP産生を上昇させることを表している。COS
−7における一時的なMC−R1Bタンパク質の発現はまた、αMSH、MT−
II、SHU−9119、γMSH、NDP−αMSHおよびβMSHを含むい
くつかのメラノコルチンアゴニストまたは混合されたアゴニスト/アンタゴニス
トによって特異的に誘発される細胞内cAMP形成の増大をもたらす(sham
トランスフェクションCOS−7細胞で測定されたバックグラウンドと比較した
場合、最大のアゴニスト濃度において約3倍)。この結果は、MC−R1Bのc
DNAにより、メラノコルチン類の機能的な受容体がコードされていることを示
している。cAMP応答を誘発する上記ペプチドの効き目のおおよその強さ順序
は、MT−II>NDP−MSH>SHU−9119>αMSH>βMSH>γ
MSHであった。
【0148】 本発明は、本明細書中に記載されている特定の実施形態によって範囲が限定さ
れるものではない。実際、本明細書中に記載されている改変に加えて、本発明の
様々な改変が、上記の記載から当業者には明らかになる。そのような改変は、添
付された請求項の範囲に含まれるものとする。
【0149】 様々な刊行物が本明細書中に引用されているが、それらの開示は、その全体が
参考として援用される。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒトMC−R1配列の概略図を示す。MC−R1MO(GenBakアクセシ
ョン番号X65634)およびMC−R1CH(GenBakアクセション番号
X67594)もまた、ここでMC−R1A遺伝子として示される。
【図2】 ヒトMC−R1遺伝子の選択的スプラシングを示す。
【図3】 ゲノムクローンmc1−8のDNA配列を示す(配列番号21)。大文字はエ
キソン領域を表し、小文字のヌクレオチドはMC−R1遺伝子の1個のイントロ
ンを表す。
【図4A】 mc1−8ゲノムクローンのDNA配列および推定アミノ酸配列を、A型(配
列番号45および配列番号46)およびB型(配列番号21および配列番号23
)として示す。これらは、スプライシングされた形態であるMCR1−Aおよび
MC−R1Bを例示する。
【図4B】 mc1−8ゲノムクローンのDNA配列および推定アミノ酸配列を、A型(配
列番号45および配列番号46)およびB型(配列番号21および配列番号23
)として示す。
【図5A】 ヒトの様々なMC−R1AクローンおよびMCR1Bクローンのアミノ酸配列
のクラスター配列比較を示す。
【図5B】 ヒトの様々なMC−R1AクローンおよびMCR1Bクローンのアミノ酸配列
のクラスター配列比較を示す。
【図5C】 ヒトの様々なMC−R1AクローンおよびMCR1Bクローンのアミノ酸配列
のクラスター配列比較を示す。
【図5D】 ヒトの様々なMC−R1AクローンおよびMCR1Bクローンのアミノ酸配列
のクラスター配列比較を示す。
【図5E】 ヒトの様々なMC−R1AクローンおよびMCR1Bクローンのアミノ酸配列
のクラスター配列比較を示す。
【図5F】 ヒトの様々なMC−R1AクローンおよびMCR1Bクローンのアミノ酸配列
のクラスター配列比較を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12Q 1/02 5/10 C12N 15/00 ZNAA C12Q 1/02 5/00 A (72)発明者 マクニール,ダグラス・ジエイ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065−0907、ローウエイ、イースト・リ ンカーン・アベニユー・126 (72)発明者 フアン・デル・プルーフ,レオナルドス・ ハー・テー アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065−0907、ローウエイ、イースト・リ ンカーン・アベニユー・126 Fターム(参考) 4B024 AA11 BA63 CA04 DA02 EA04 GA14 HA12 HA15 4B063 QA01 QA18 QQ20 QR59 QR60 QR69 QR77 QR80 QS24 QS28 QS38 QX07 4B065 AA90X AA93Y AB01 AC14 CA24 CA46 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA40 DA50 DA76 DA86 EA50 FA74

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号27に示されるアミノ酸配列のカルボキシ末端領域
    を含むヒトメラノコルチン1受容体タンパク質をコードする精製された核酸分子
  2. 【請求項2】 前記核酸分子は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配
    列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号
    16、配列番号18、配列番号19、配列番号21、配列番号22、配列番号2
    4および配列番号25からなる群から選択される、請求項1に記載の精製された
    核酸分子。
  3. 【請求項3】 ヒトMC−R1Bタンパク質をコードする精製された核酸分
    子であって、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10
    、配列番号12、配列番号14、配列番号17、配列番号20、配列番号23お
    よび配列番号26からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコ
    ードする精製された核酸分子。
  4. 【請求項4】 組換え宿主細胞においてヒトMC−R1Bタンパク質を発現
    させるための発現ベクターであって、請求項1に記載されるアミノ酸配列をコー
    ドするDNA分子を含む発現ベクター。
  5. 【請求項5】 真核生物の発現ベクターである、請求項4に記載の発現ベク
    ター。
  6. 【請求項6】 原核生物の発現ベクターである、請求項4に記載の発現ベク
    ター。
  7. 【請求項7】 組換えヒトMC−R1Bタンパク質を発現する宿主細胞であ
    って、請求項4に記載される発現ベクターを含む宿主細胞。
  8. 【請求項8】 組換えヒトMC−R1Bタンパク質を発現する宿主細胞であ
    って、請求項5に記載される発現ベクターを含む宿主細胞。
  9. 【請求項9】 組換えヒトMC−R1Bタンパク質を発現する宿主細胞であ
    って、請求項6に記載される発現ベクターを含む宿主細胞。
  10. 【請求項10】 前記ヒトMC−R1Bタンパク質が前記発現ベクターから
    過剰発現される、請求項7に記載の宿主細胞。
  11. 【請求項11】 前記ヒトMC−R1Bタンパク質が前記発現ベクターから
    過剰発現される、請求項8に記載の宿主細胞。
  12. 【請求項12】 前記ヒトMC−R1Bタンパク質が前記発現ベクターから
    過剰発現される、請求項9に記載の宿主細胞。
  13. 【請求項13】 組換えヒトMC−R1Bタンパク質を含む、請求項10に
    記載される宿主細胞から得られる細胞膜画分。
  14. 【請求項14】 組換えヒトMC−R1Bタンパク質を含む、請求項11に
    記載される宿主細胞から得られる細胞膜画分。
  15. 【請求項15】 組換えヒトMC−R1Bタンパク質を含む、請求項12に
    記載される宿主細胞から得られる細胞膜画分。
  16. 【請求項16】 ヒトMC−R1Bタンパク質をコードする精製された核酸
    分子であって、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号1
    0、配列番号12、配列番号14、配列番号17、配列番号20、配列番号23
    および配列番号26からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるタンパク質
    をコードする精製された核酸分子。
  17. 【請求項17】 配列番号27に示されるカルボキシ末端アミノ酸ドメイン
    含む精製されたヒトメラノコルチン1受容体タンパク質。
  18. 【請求項18】 配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列
    番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号17、配列番号20、配列番
    号23および配列番号26からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求
    項17に記載の精製されたヒトメラノコルチン1受容体タンパク質。
  19. 【請求項19】 物質がヒトMC−R1Bに結合し得るかどうかを明らかに
    する方法であって、 (a)請求項4に記載される発現ベクターで細胞をトランスフェクションする
    ことによって試験細胞を提供すること; (b)前記試験細胞を前記物質に曝すこと; (c)MC−R1Bに対する前記物質の結合量を測定すること; (d)前記試験細胞におけるMC−R1Bに対する前記物質の結合量を、MC
    −R1Bでトランスフェクションされていないコントロール細胞に対する前記物
    質の結合量と比較すること を含む方法。
  20. 【請求項20】 物質がMC−R1Bを活性化し得るかどうかを明らかにす
    る方法であって、 (a)請求項4に記載される発現ベクターで細胞をトランスフェクションする
    ことによって試験細胞を提供すること; (b)前記試験細胞を前記物質に曝すこと; (c)蓄積した細胞内cAMPの量を測定すること; (d)前記物質に応答した前記試験細胞におけるcAMPの量を、前記物質に
    曝されていない試験細胞におけるcAMPの量と比較すること を含む方法。
  21. 【請求項21】 MC−R1B受容体活性を調節する物質を同定する方法で
    あって、 (a)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配
    列番号12、配列番号14、配列番号17、配列番号20、配列番号23および
    配列番号26からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むMC−R1B受容体
    タンパク質の存在下および非存在下で試験物質と一緒にすること;および (b)MC−R1B受容体タンパク質の存在下および非存在下における前記試
    験物質の作用を測定して比較すること を含む方法。
  22. 【請求項22】 物質がMC−R1Bの潜在的なアゴニストまたはアンタゴ
    ニストであるかどうかを明らかにする方法であって、 (a)細胞内におけるMC−R1Bの発現を導く請求項4に記載される発現ベ
    クターで細胞をトランスフェクションまたは形質転換して、試験細胞を得ること
    ; (b)MC−R1Bを発現させるために十分な時間にわたって前記試験細胞を
    生育させること; (c)前記物質の存在下および非存在下でMC−R1Bの標識リガンドに前記
    細胞を曝すこと; (d)MC−R1Bに対する前記標識リガンドの結合を測定すること を含み: この場合、前記標識リガンドの結合量が、前記物質の存在下において、前記物質
    の非存在下のときよりも少ない場合、前記物質は、MC−R1Bの潜在的なアゴ
    ニストまたはアンタゴニストである、方法。
  23. 【請求項23】 物質がMC−R1Bに結合し得るかどうかを明らかにする
    方法であって、 (a)細胞内におけるMC−R1Bの発現を導く請求項4に記載される発現ベ
    クターで細胞をトランスフェクションまたは形質転換して、試験細胞を得ること
    ; (b)前記試験細胞を前記物質に曝すこと; (c)MC−R1Bに対する前記物質の結合量を測定すること; (d)前記試験細胞におけるMC−R1Bに対する前記物質の結合量を、MC
    −R1Bでトランスフェクションされていないコントロール細胞に対する前記物
    質の結合量と比較すること を含み: この場合、前記物質の結合量が、コントロール細胞と比較して前記試験細胞にお
    いて大きい場合、前記物質はMC−R1Bに結合し得る、方法。
  24. 【請求項24】 物質がMC−R1Bに結合し得るかどうかを明らかにする
    方法であって、 (a)細胞内におけるMC−R1Bの発現を導く請求項4に記載される発現ベ
    クターで細胞をトランスフェクションまたは形質転換して、試験細胞を得ること
    ; (b)前記試験細胞からMC−R1Bを含む膜を調製して、リガンドが前記膜
    内のMC−R1Bに結合するような条件下で前記膜をMC−R1Bのリガンドに
    曝すこと; (c)工程(b)に引き続き、あるいは工程(b)と同時に、前記試験細胞か
    ら得られた膜を物質に曝すこと; (d)前記物質の存在下および非存在下において前記膜内のMC−R1Bに対
    する前記リガンドの結合量を測定すること; (e)前記物質の存在下および非存在下において前記膜内のMC−R1Bに対
    する前記リガンドの結合量を比較すること を含み: この場合、前記物質の存在下における前記膜内のMC−R1Bに対する前記リガ
    ンドの結合量の減少は、前記物質がMC−R1Bに結合し得ることを示す、方法
  25. 【請求項25】 物質がMC−R1Bに結合し得るかどうかを明らかにする
    方法であって、 (a)細胞内におけるMC−R1Bの発現を導く請求項4に記載される発現ベ
    クターで細胞をトランスフェクションまたは形質転換して、試験細胞を得ること
    ; (b)前記試験細胞からMC−R1Bを含む膜を調製して、前記試験細胞から
    得られた膜を前記物質に曝すこと; (c)前記試験細胞から得られた膜内のMC−R1Bに対する前記物質の結合
    量を測定すること; (d)前記試験細胞から得られた膜内のMC−R1Bに対する前記物質の結合
    量を、MC−R1Bでトランスフェクションされていないコントロール細胞から
    得られた膜に対する前記物質の結合量と比較すること を含み: この場合、前記試験細胞から得られた膜内のMC−R1Bに対する前記物質の結
    合量が、前記コントロール細胞から得られた膜に対する前記物質の結合量よりも
    大きい場合、前記物質はMC−R1Bに結合し得る、方法。
  26. 【請求項26】 MC−R1Bのアゴニストを同定する方法であって、 (a)MC−R1Bの発現を導く請求項4に記載される第1の発現ベクターお
    よびプロミスカスGタンパク質の発現を導く第2の発現ベクターで細胞をトラン
    スフェクションまたは形質転換して、試験細胞を得ること; (b)MC−R1Bのアゴニストと考えられる物質に前記試験細胞を曝すこと
    ; (c)細胞内のイノシトールリン酸のレベルを測定すること を含み: この場合、アゴニストと考えられる前記物質の非存在下における細胞内のイノシ
    トールリン酸レベルと比較して、細胞内のイノシトールリン酸レベルの増大は、
    前記物質がMC−R1Bのアゴニストであることを示す、方法。
  27. 【請求項27】 MC−R1Bのアンタゴニストを同定する方法であって、 (a)MC−R1Bの発現を導く請求項4に記載される第1の発現ベクターお
    よびプロミスカスGタンパク質の発現を導く第2の発現ベクターで細胞をトラン
    スフェクションまたは形質転換して、試験細胞を得ること; (b)MC−R1Bのアゴニストである物質に前記試験細胞を曝すこと; (c)工程(b)に引き続き、あるいは工程(b)と同時に、MC−R1Bの
    アンタゴニストと考えられる物質に前記試験細胞を曝すこと; (d)細胞内のイノシトールリン酸のレベルを測定すること を含み: この場合、アンタゴニストと考えられる前記物質の非存在下における細胞内のイ
    ノシトールリン酸レベルと比較して、アンタゴニストと考えられる前記物質の存
    在下における細胞内のイノシトールリン酸レベルの低下は、前記物質がMC−R
    1Bのアンタゴニストであることを示す、方法。
  28. 【請求項28】 工程(a)の第1および第2の発現ベクターが、そのC末
    端においてプロミスカスGタンパク質に融合したキメラなMC−R1Bタンパク
    質を発現する単一の発現ベクターにより置換されている、請求項27に記載され
    るMC−R1Bのアンタゴニストを同定する方法。
  29. 【請求項29】 MC−R1Bタンパク質に特異的に結合する抗体であって
    、MC−R1B受容体タンパク質は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配
    列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号17、配列番
    号20、配列番号23および配列番号26からなる群から選択されるアミノ酸配
    列を含む、抗体。
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