JP2001524928A - クロスプライミング免疫による天然抗原に特異性を有するctlの誘導 - Google Patents

クロスプライミング免疫による天然抗原に特異性を有するctlの誘導

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、抗腫瘍免疫の予防方法及び治療方法に関する。これらの方法は、哺乳類の宿主を、人工腫瘍抗原で天然MHCクラスI制限腫瘍抗原に対してクロスプライミングすることに基づいている。原発腫瘍は患者から切除され、該腫瘍細胞の群はインビトロで培養される。培養されたこれらの腫瘍細胞には、人工標的抗原が含まれている。この腫瘍細胞は不活化され、人工標的抗原で患者を直接免疫化する際に又は免疫化した後で、患者へ導入される。この方法は、宿主の免疫を結び付けることにより、非修正腫瘍細胞表面に発現する腫瘍抗原であって、特定されない多様な天然腫瘍抗原に抗する腫瘍特異性細胞障害性Tリンパ球免疫応答を促進する。

Description

【発明の詳細な説明】 クロスプライミング免疫による天然抗原に特異性を有するCTLの誘導 [01] 本発明は米国ナショナル・インスティチュート・オブ・ヘルスのパブリッタ・ ヘルス・サービス(承認番号ARO1-1884)による一部支援業務において達成された もので、米国政府はこの発明の一部を有している。 [02] 1.初めに 本発明は抗腫瘍免疫の予防方法及び治療方法に関する。本発明の核心は、哺乳 類の宿主を、人工腫瘍抗原(ATA)で天然MHCクラスI制限腫瘍抗原に対してクロス プライミングすることに基づく抗腫瘍免疫法にある。この明細書は、哺乳類の宿 主、望ましくはヒトの宿主における原発腫瘍(primary tumor)を開示している。 原発腫瘍はヒト患者から切除され、腫瘍細胞群はインビトロで培養される。これ らの培養腫瘍細胞には、人工標的抗原が含まれている。この腫瘍細胞は不活化さ れ、人工標的抗原で患者を直接免疫化する際又は免疫化した後、患者へ導入され る。人工的に作られた腫瘍細胞表面の人工標的抗原に対する免疫応答の副産物と して、腫瘍特異性細胞障害性Tリンパ 球(CTL)免疫応答の誘導が、非修正(unmodified)腫瘍細胞表面の特定されない多 様な天然腫瘍抗原に抗して作り出される。 [03] 2.発明の背景 細胞障害性Tリンパ球(CTL)は、腫瘍又はウイルス感染に対する有効なヒト免 疫応答の重要な要素である。細胞障害性Tリンパ球は、患部標的細胞の表面のMH CクラスI分子から供される抗原ペプチドを認識することにより、腫瘍細胞又は 感染ウイルスを破壊する。これらの抗原ペプチドは、患部細胞のサイトゾルに存 在する外部蛋白質(foreign proteins)の分解産物であり、内因性MHCクラスIの プロセッシング経路を通って、処理され、CTLへ供される。 [04] MHCクラスI分子のコンテクストの中で外部蛋白質の認識は、CTLによる患部標 的細胞の認識と破壊に対しては十分であるかもしれないが、前駆Tリンパ球から 抗原特異性CTLを誘導するには、追加の信号を必要とする。特別な抗原をもたら す細胞(APC)は、抗原MHCクラスI配位子と、CTL媒介免疫の誘導相に必要な副次 信号をもたらすことができる。APCの一般的特性として、MHCクラスI及びクラス IIの発現、APC−リンパ球の相互作用にとって重要な種々の付着分子(adhesion m olecules)の発現、並びにCD80 及びCD86のような共刺激性分子(costimulatory molecules)の発現がある。APCの 例として、マクロファージ及び樹枝状細胞(皮膚の表皮ランゲルハンス細胞、皮 膚の樹枝状細胞、並びにリンパ腺及び脾臓に存在する樹枝状細胞)がある。 [05] 死滅腫瘍細胞、死滅ウイルス感染細胞又は成分蛋白質(component protein)で の免疫により、インビボにおける抗原特異性CTL応答を誘導する試みは、これま でうまくいかなかったが、その理由として、細胞外液中の蛋白質はサイトゾルへ 入ることができず、MHCクラスIのプレゼンテーション経路へ近づくことができ ないものと考えられている。 ペプチドパルスが与えられた樹枝状細胞のインビトロ培養は、関連腫瘍の攻撃 (challenge)から防御されることを示している[Mayordomo,et al.,1995,Natur e Med.1(12):1297-1302]。この文献には、GM-CSF+IL-4の存在下で培養され、 ニワトリオバルブミン(OVA)でトランスフェクトされた樹枝状細胞は、OVA+腫瘍 の樹立を防止できるが、トランスフェクトされていない親メラノーマはできない ことが記載されている。 樹枝状細胞を用いてCTLを誘導することが開示されている[Porgador and Glboa ,1995,J.Exp.Med.182:255-260]。しかし、攻撃データはなく、ペプチド抗 原による CTL媒介クロスプライミングについての記載もない。 [06] 癌の免疫治療法において、既知の腫瘍抗原がインビボにて腫瘍細胞へ運ばれ、 腫瘍生長に抗する細胞媒介免疫を刺激する方法が開示されている[Nabel and cow orkers(1995,Annals of the NY Academy of Sciences 772:227-31;Human Gene Therapy,1994,5(1):57-77;Proc.Natl.Acad.Sci.,1993,90:11307-11311)] 。この文献には、インビトロ又はインビボのどちらかでクロスプライミングを達 成するために、一般的な人工標的抗原を用いた免疫についての開示はない。 1992年には、腫瘍拒絶抗原の分野について研究が行われている[Boon,1992,A dvances in Cancer Research 58:177-2210]。この文献には、腫瘍免疫法に関し て、腫瘍拒絶抗原の使用が提案されている。しかし、インビトロ又はインビボの どちらかでクロスプライミングを達成するために、一般的な人工標的抗原を用い て免疫することを何ら示唆していない。 [07] MHCクラスI遺伝子H-2Kを、免疫原性の乏しい腫瘍細胞株へトランスフェクト すると、それに応答して、治療用T細胞の発生が増加することが記載されている [Wahl,et al.,1995,J.Immunotherapy with Emphasis on Tumor Immunology 17(1):1-11]。しかし、インビトロ又は インビボのどちらかでクロスプライミングを達成するために、一般的な人工標的 抗原を用いて免疫することを何ら記載されていない。 ジニトロフェニルで修飾された(dinitrophenyl-modified)腫瘍細胞に対する免 疫応答の研究がある[Sato,et al.,1995,Clinical Immunology & Immunopatho logy,74(1):35-43]。この著者は、これらの修飾腫瘍細胞で患者に免疫を与える と、腫瘍の退行と共に、炎症反応が生じることを検出した。しかし、一般的な人 工標的抗原を用いて免疫することについて何ら記載がない。 [08] 樹枝状細胞をインビトロで培養し、ペプチド抗原でパルスを与え、その後、B 細胞腫瘍BCL1に対してT細胞依存性体液性応答を誘導することが開示されている [Flamand,et al.,1994,Eur.J.Immunol.24:605-610]。しかし、ATA標的CTL でクロスプライミンすることについては、何も記載されていない。 ホタルのルシフェラーゼ遺伝子のバイオリスティック運搬(biolistic deliver y)又はバイオバリスティック運搬(biabalistic delivery)の後に、無傷表皮細胞 に、蛋白質ルシフェラーゼが発現することが記載されている[Williams,et al. ,(1991,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:2726-2730]。 外部蛋白質に対して体液性応答を作り出すためのバイ オリスティック(バイオバリスティック)装置が用いられている[Tang,et al.,( 1992,Nature 356:152-154)]。CMVプロモータ又はβアクチンプロモータのどち らかに制御された遺伝子暗号化hGHが、マウスの表皮組織へ運ばれた。この免疫 法に応答して、マウス中に抗hGH抗体が検出された。 [09] Tang,et al.の知見は、インフルエンザウイルスのヘマグルチニン糖蛋白質を コード化するプラスミドDNA構造体を用いて確認された[Fynan,et al.,(1993, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:11478-11482)]。Fynan,et al.は、他の機構を 用いて、DNAコーティングされた金ビーズを表皮に対して遺伝子銃放射すること ににより発生した体液性応答を比較した。その結果、バイオリスティック(バイ オバリスティック)装置を用いることにより、1)致死インフルエンザの攻撃から9 5%防御され、2)DNA免疫への最も効率的なルートであり、粘膜、筋肉内又は静脈 内への投与よりも効果的であることが証明され、3)食塩水接種よりもDNAは250〜 2500倍少なかった。しかし、Fynan,et al.には、APC細胞を遺伝子免疫の直接標 的とすることについては開示されておらず、また示唆されていない。 [10] 裸のDNAを、標的なしで非特異性筋肉内注射することに より、ウイルス蛋白に対する抗原特異性CTL応答と、ウイルス攻撃に対する防御 免疫が誘導されることが明らかにされている[Liu and colleagues(Montgomery e t al.,1993 DNA Cell Biol.12;777-783;Ulmer et al.,1993,Science.259:1 745-1749;Donnelly et al.,1995,Nature Medicine 1:583-587)]。 また、バイオリスティック(バイオバリスティック)装置を用いて、マウスに抗 腫瘍応答を生じさせることが記載されている[Sun,et al.(1995,Proc.Natl. Acad.Sci.USA 92:2889-2893)]。この文献では、プラスミド構造体を発現するI L−6は、マウスの腫瘍部位に直接運び込まれることが記載されている。IL−6の 発現は、サイトカイン遺伝子療法の一形態をもたらしたが、特に腫瘍を対象とす るものでない。 リンパ器官に対する蛋白質抗原の位置確認は、インビボでの抗原特異性CTL応 答を誘導する上で重要であることが明らかにされている[Kundig et al.(1995, Science.268:1343-1346)]。 [11] ファゴソームからサイトゾルへの蛋白質抗原の経路は、通常は、MHCクラスI 内生的経路には存在しないことが明らかにされた[Kovacsovics-Bankowski and R ock(1995,Science 267:243-246)]。この文献では、ファゴソームの内部にある 粒子状形態の蛋白質は、実際に、MHCクラス I出現のためのサイトゾル経路に進入できると推測されている。 前記文献から種々の努力が窺えるが、種々の腫瘍に対して防御免疫及び治療免 疫を刺激する癌免疫治療法の開発が依然として要請されている。本発明はこの要 請に応えるものである。 [12] 3.発明の要旨 本発明は癌の免疫治療法に関する。幾つかの腫瘍抗原が知られているけれど、 現在のところ、各々の特異性腫瘍に対して、また各々の特異性患者に対して、関 連ある腫瘍抗原を特定することはできない。本発明は、抗原特異性CTLの生成を 刺激し、また腫瘍細胞及びウイルス感染細胞のような患部細胞の破壊を刺激する ために、特異性腫瘍抗原を特徴づけ、分離し、再び導入しなくてもよいようにし たものである。 [13] 本発明は、前記不都合を解消させるために、抗腫瘍免疫の方法において、哺乳 類の宿主に人工標的抗原で直接免疫を施して、CTL媒介免疫応答を促進するよう にしたものである。1次免疫の前又は1次免疫の後に、腫瘍は哺乳類宿主から切 除され、腫瘍細胞はインビトロで培養される。インビトロで培養されたこれらの 腫瘍細胞は、細胞表面上に人工標的抗原が存在するように処理される(e ngineered)。このように処理された腫瘍細胞群は、不活化つまり殺されて、2次 免疫として患者の体内へ再び導入される。天然MHCクラスI制限腫瘍抗原に対す るこのクロスプライミングの最終結果は、腫瘍細胞を効果的な人工標的抗原で標 識する(tagging)ことである。標識され処理されたこれら腫瘍細胞は、免疫応答 を宿主の腫瘍細胞に集中させるので、修飾が行われていない(unmodified)宿主腫 瘍細胞表面に存在する腫瘍抗原であって、特定されないその他多様な追加の天然 腫瘍抗原に対して、CTL媒介免疫を十分に刺激することができる。 [14] 本発明はまた、免疫療法を通じてウイルス感染を処置する方法に関する。細胞 媒介免疫応答を促進するために、特異感染ウイルスにより、免疫原性ウイルス抗 原を分離し、特徴づけ、一致させることは困難で厄介なことである。それ故、本 発明はまた、ウイルス感染を処置するためのクロスプライミング免疫方法を開示 するものである。この方法は、ウイルス感染した患者の細胞群に対して、選択さ れた人工標的抗原(例えばOVA)を供給し(loading)、この人工標的抗原を用いて 第1免疫を施すことを含んでいる。限定されるものでない例の1つとして、HIV 感染患者を処置するためのクラスプライミングが可能であろう。患者から取り除 かれたCD4+細胞は、培養され、OVA等の人工標的抗原が供給され、OVAによる患者 の1次免疫の際、 又はその後で、患者に再び注入される。ウイルス感染の処置を扱う具体例におい ては、特異HIVウイルス抗原(感染原であることが最初に示されなければならない )を特徴づけ、分離し、そして再び導入することなく、抗原特異性CTLの生成と、 HIV感染CD4+細胞のその後の破壊を刺激することができる。 [15] 本発明において、哺乳類の宿主はヒトであることが望ましい。 本発明において、人工標的抗原として、免疫原性の高い蛋白質又は蛋白質フラ グメントを使用することが望ましく、その例として、1)腫瘍拒絶抗原又は抗原性 蛋白質フラグメント;2)ウイルス抗原又は抗原性蛋白質フラグメント;3)任意の 抗原性外部蛋白質又は蛋白質フラグメント、などを挙げることができる。本発明 で使用可能なヒトTRAの例として、MAGE−1、MAGE3、Melan−A、gp100、p53、CEA 及びHER2/neuを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。本発 明で使用可能なウイルス抗原の例として、HIV gp120、HIV gp160、インフルエン ザウイルス核蛋白質及びB型肝炎表面抗原を挙げることができるが、これらに限 定されるものではない。追加の外部蛋白質の例として、オバルブミン(OVA)及び キーホールリンピットヘモシアニン(KLH)を挙げることができるが、これらに限 定されるものではない。 [16] 上記の人工標的抗原ATAに関しては、腫瘍拒絶抗原又はウイルス抗原は、細胞 により合成されたその他の蛋白質と根本的に異なるものではないが、異なる点は 、宿主がそれらに耐性を有さず、どんな外部蛋白質もMHCクラスIの中の細胞表 面に存在することができ、人工標的抗原として使用候補となる免疫応答を誘導す ることである。オバルブミン蛋白質を用いることが望ましいので、この明細書で は、オバルブミン蛋白質の例ついて説明する。なお、本発明の実施に際して、有 効な人工標的抗原として、追加の蛋白質又は蛋白質フラグメントを調べることは 、この明細書における開示からみて、当該分野の専門家の範囲に含まれるであろ う。 [17] ATAとして使用する蛋白質又は蛋白質フラグメントとして、多くのヒト患者が 以前に1次免疫応答を生じたもの選択することが特に望ましい。例えば、ニワト リのオバルブミン及びインフルエンザウイルスの核蛋白質があるが、これらに限 定されるものではない。 患者は人工標的抗原による1次免疫が施されて、MHCクラスI経路に対する抗 原の存在を促進させる。本発明の実施に際しては、選択されたATAを、(1)粒子状 抗原の運搬、(2)ペプチドパルシング、(3)ポリヌクレオチドの運搬、のどれかの 方法によって存在させることが望ましい。 これら3つの方法は、抗原が、MHCクラスI経路へ提供され、次に標的腫瘍細胞 の細胞表面に提供されるようにするための最適な機会を確実にもたらすことがで きる。 [18] 患者はまた2次免疫が施され、この処置において、腫瘍細胞は、MHCクラスI 経路を通じてATAを出現させるように、また、次に腫瘍細胞表面上に免疫フラグ メントを存在させるように処理される。第1に、患者から1次腫瘍を切除し、こ れらの腫瘍細胞をインビトロで培養して、標的腫瘍細胞の細胞源を作ることが望 ましい。また、所望の人工標的抗原を発現するヌクレオチド配列を用いて、培養 された腫瘍細胞をトランスフェクトすることが望ましい。トランスフェクトされ たこれらの腫瘍細胞は、MHCクラスI経路へ進入させて、さらには、トランスフ ェクト腫瘍細胞表面に存在させるのに有効な量のATAを発現するであろう。トラ ンスフェクトされたこれらの腫瘍細胞は、2次免疫を行なう前に、公知の技術を 用いて殺され、不活化させられる。或はまた、培養された腫瘍細胞は、2次免疫 を行なう前に、適当なATAペプチド又は蛋白質でパルスが施されてもよい。 [19] 本発明の一実施例は抗腫瘍免疫の方法に関するものであって、ヒト患者には、 CTL媒介応答を促進するために、ATAによる1次免疫が施される。腫瘍は、ヒト患 者から切 除され、患者の腫瘍から取り出された腫瘍細胞の群はインビトロで培養される。 インビトロ培養された腫瘍細胞の群は、MHCクラスI経路へ供給された遺伝子産 物を発現する核酸構造でトランスフェクトされて、ATAは、トランスフェクトさ れた腫瘍細胞表面に出現する。トランスフェクトされたこれらの細胞は殺されて 不活化され、患者の2次免疫のために使用される。或はまた、培養された腫瘍細 胞は、2次免疫の前に、適当なATA蛋白質又は蛋白質抗原でパルシングすること によって供給されてもよい。 [20] 本発明の具体例では、ATAとして、ニワトリのオバルブミンを使用している。 ニワトリのオバルブミンを用いた本発明の望ましい実施例では、OVAを粒子状 抗原運搬することにより、患者の1次免疫を行なうものである。 ニワトリのオバルブミンを用いた本発明の他の望ましい実施例では、(1)OVAの 粒子状抗原運搬により患者の1次免疫を行なうこと、(2)培養された腫瘍細胞を 、ニワトリオバアルブミンを発現するDNAベクターでトランスフェクトし、ニワ トリオバルブミンのMHCクラスI経路への最適な出現を促進すること、を含んで いる。 [21] 本発明の他の具体的実施例では、ATAとしてインフルエンザウイルスの核蛋白 質を利用している。 インフルエンザウイルスの核蛋白質(NP)を用いた本発明の他の望ましい実施例 では、(1)インフルエンザウイルス核蛋白質−Feビーズの粒子状抗原運搬により 患者の1次免疫を行なうこと、(2)培養された腫瘍細胞を、インフルエンザ核蛋 白質を発現するDNAベクターでトランスフェクトし、このATAのMHCクラスI経路 への最適な出現を促進すること、を含んでいる。 [22] なお説明の便宜上、ATAによる患者の直接免疫は1次免疫を意味するものとし 、細胞表面にATAが存在するように処理された培養腫瘍細胞は2次免疫を意味す るものとする。しかしながら、明細書を検討すれば、これらの2次免疫はまた、 1次免疫と同時又は1次免疫に先行して起こることもありうることは明らかであ ろう。 腫瘍細胞に対して、ATAのインビボ標的を行なうことも当該分野の専門家の範 囲内であろう。この方法は2次免疫を必要としないので、1次腫瘍に近づくこと ができない状況や、例えば肺への腫瘍の転移などのように転移が標的とされる状 況において有用であるかもしれない。 [23] また、蛋白質及び核酸を、例えば金、鉄及び合成プラスチックのような種々物 質から構成される粒子へ投入することは、当該分野で公知である。 種々の組換えベクターを用いて、培養された腫瘍細胞 ヘ運ばれるべきATAトランスジェン配列を作ることも当該分野で公知である。ベ クターは、取扱いの容易性という点で、DNAプラスミドベクターが望ましい。 本発明の目的は、腫瘍細胞に抗する遺伝子免疫による治療又は予防を提供する ことである。 [24] 本発明の目的は、各々の特異性腫瘍及び各々の特異性患者に対して、1又は2 種以上の腫瘍拒絶抗原を特徴づける必要のない抗腫瘍免疫法を提供することであ る。 本発明の目的は、哺乳類の宿主に人工標的抗原で1次免疫を施し、殺されて不 活化されたATA処理済み腫瘍細胞で2次免疫を施すもので、修飾が行われていな い宿主腫瘍細胞表面に存在する腫瘍抗原であって、特定されないその他多様な追 加の天然腫瘍抗原に対して、CTL媒介免疫を十分に刺激することである。 3.1定義 CTL(Cytotoxic T Lymphocyte):細胞障害性Tリンパ球 ATA(Artificial Target Antigen):人工標的抗原 OVA(Ovalbumin):オバルブミン DC(Dendritic Cells):樹枝状細胞 APC(Antigen Presenting Cell)]:抗原供給細胞 NP(Influenza Viral Nucleoprotein):インフルエンザウイルス核蛋白質 PBS(Phosphate Buffered Saline):燐酸緩衝生理食塩水 KLH(Keyhold Limpit Hemocyanin):キーホールリンピットヘモシアニン [25] 4.図面の簡単な説明 図1は、トランスフェクトされた腫瘍細胞株MO4及びEG7によるオバルブミンの 機能表示を示している。微量培養(microcultures)は、T細胞のハイブリドーマR F33.70(抗−OVA+Kb)と、表示された数のトランスフェクト腫瘍細胞(四角印)及び トランスフェクトされていない腫瘍細胞(丸印)を用いて行われた。なお、白印は 、前述の文献[Rock,et al.,1990,J.Immunol.45:804/811]に記載された外因性O VA-ペプチドSIINFEKL(10ng/ml)を添加したもの、黒印は添加していないものを表 す。18時間の培養後、上澄みを回収し、指標細胞株HT2を用いて、IL−2の分析を 行なった[Rock,et al.,1990,J.Immunol.145:804−811],(A)B16と、OVAト ランスフェクトされたサブクローンMO4。(B)EL4と、OVAトランスフェクトされた EL4のサブクローンEG7。分析用培養物中に外因性SIINFEKLが存在しても、OVAト ランスフェクトされた腫瘍によるOVAの出現に、さほどの増加は認められなかっ た。 [26] 図2を参照すると、B16に由来するメラノーマMO4によるOVAの発現は、腫瘍攻 撃の後、インビボでの腫瘍生長又は宿主の生存に対してあまり影響を及ぼしてい ない。マ ウスへの攻撃は、MO4(丸印)又はB16(四角印)(マウス1匹につき5×104、i.d.,両 側、中央の腹部)を用いて行われた。腫瘍の大きさ(図2A)は1週間に3回測定 され、平均腫瘍面積が平方ミリメートルの単位で記録されている。この測定は、 各グループの中で最初の死が発生するまで続けられた。生存した動物のパーセン トが生存率として示されている。どの実験も、1グループのマウスは5匹であり 、少なくとも3回以上繰り返された。死にかけているマウスは処分した。 [27] 図3は、OVA−Feビーズでの免疫により、OVAトランスフェクトされたメラノー マ細胞を溶解するCTLが誘導されることを示している。C57BL/6マウスは、OVA−F eビーズ(75μg)(A)又は可溶性OVA(75μg)(B)を用いて、下側腹部に皮下免疫が 施された。次に、脾細胞は、照射されたMO4メラノーマ細胞を用いてインビトロ で再び刺激が与えられ、51Cr標識B16メラノーマ(白四角印)又はOVAトランスフェ クトされたMO4メラノーマ標的(黒四角印)を用いて、細胞毒性機能(cytotoxic fu nction)の分析が行われた。その結果は、エフェクターと標的の比を変えたとき の特異51Cr放出パーセントとして示されている。示されたデータは、3組の培養 結果の平均値である。3組の計数のs.e.m.は、常に平均値の15%以下であった。 [28] 図4を参照すると、OVA−Feビーズによる免疫は、OVAトランスフェクトされた メラノーマMO4に対して、防御及び抗原特異免疫を誘導することが示されている 。C57BL/6マウスの下腹部には、OVA−Feビーズ(75μg)(白四角印)、同量の未結 合Fe−ビーズ(白三角印)、又は可溶性OVA(75μg)(黒三角印)で皮下免疫が施され た。7日後(0日)、免疫された動物と免疫されていない動物(黒四角印)について 、1×105のMO4(A、C及びD)又はB16(B及びE)のメラノーマ細胞による攻撃 が行われた。各腫瘍の大きさ(A及びB)は、1週間に少なくとも2回以上測定さ れ、平均腫瘍面積±s.e.m.が平方ミリメートルとして示された。生存(C、D及 びE)は、生存動物の割合として表されている。どの実験も、1グループのマウ スは5匹であり、少なくとも3回以上繰り返された。死にかけているマウスは殺 した。 [29] 図5を参照すると、粒子状OVAによる免疫と、MO4による攻撃は、B−16メラノ ーマに対して長期間にわたる保護免疫を誘導することを示している。まだ実験に 供されたことのない5匹のマウス(黒四角印)と、図4で述べたように、OVA−Fe ビーズで免疫されMO4による攻撃を受けた6匹の生存マウス(白四角印)は、親メ ラノーマB16による攻撃を受けた。6匹の生存マウスは3つの実験から分離して プールされ、初期腫瘍攻撃から少なくとも65日間生 存した。生存動物の割合は、B16攻撃の開始時(0日)から記録した。 [30] 図6を参照すると、ペプチドパルスされたDCの免疫により、致死腫瘍攻撃に対 して保護免疫が誘導されることを示している。C57BL/6マウスは、PBS(白四角印) 、ペプチドパルスDC(黒四角印)、ペプチド+β2M(白三角印)及びDC単独(黒三角 印)を用いて、0日及び7日に2回免疫が施された。最後の免疫の後、マウスは 、MO5 7dによる攻撃を受けた(マウス1匹につき5×104細胞、i.d.、両側の中腹部 )(0日)。腫瘍の大きさ(A及びB)は、1週間に3回測定され、平均腫瘍面積を 平方ミリメートルとして示している。この測定は、各グループの中で最初のマウ スの死が発生するまで続けられた。生存(C及びD)は、生存動物の割合として表 されている。どの実験も、1グループのマウスは5匹である。死にかけているマ ウスは殺した。 [31] 図7を参照すると、ペプチドパルスDCに誘導された腫瘍免疫は、抗原特異でCT L媒介によることを示している。C57BL/6マウスは、0日及び7日に、PBS(白印) 又はペプチド−パルスDC(黒印)で2回の免疫が施された。マウスの中には、最後 の免疫の後、抗−CD8 mAb 7及び9dの腹膜内注射(i.p.injection)により、CD8の Tリンパ球を喪失 (depleted)するものもいた(C及びF)。マウスは、最後の免疫の後(0日)、前述 (図6)のMO5(A、C、D及びF)又はB16(B及びE)の10dによる攻撃を受けた。 前述(図6)と同じように、腫瘍の大きさ(A−C)と生存(D−F)が記録されてい る。どの実験も、1グループ中のマウスは5匹であり、少なくとも3回以上繰り 返された。死にかけているマウスは殺した。 [32] 図8を参照すると、ペプチドパルスされたDCによる免疫と、MO5による攻撃は 、B−16に対して長期間にわたる防御免疫を誘導することを示している。まだ実 験に供されたことないマウス(白丸印)と、図6及び図7で述べたように、ペプチ ド−パルスDC(先のものは46d)で免疫され、攻撃を受けた(黒丸印)生存マウスは 、B16の親メラノーマ(マウス1匹につき5×104細胞,i.d.,両側、中央の腹部)( 0日)による攻撃を再び受けた。各グループに含まれるマウスは5匹である。実 験は3回繰り返され、代表的な実験が示されている。死にかけたマウスは、殺し た。 [33] 5.発明の詳細な説明 本発明は、癌免疫療法の方法に関する。腫瘍抗原の中には既知のものもあるが 、現在のところ、各々の特異腫瘍に対して、また各々の特異患者に対して、関連 ある腫瘍抗原を特定することはできない。本発明は、抗原特異 性CTLの生成を刺激し、また腫瘍細胞及びウイルス感染細胞のような患部細胞の 破壊を刺激するために、特異腫瘍抗原を特徴づけ、分離し、再び導入しなくても よいようにしたものである。 [34] 本発明は、前記不都合を解消させるために、抗腫瘍免疫の方法において、哺乳 類の宿主に人工標的抗原で直接免疫を施して、CTL媒介免疫応答を促進するよう にしたものである。1次免疫の前又はその後に、腫瘍は哺乳類宿主から切除され 、腫瘍細胞はインビトロで培養される。インビトロで培養されたこれらの腫瘍細 胞は、細胞表面上に人工標的抗原が存在するように処理される。このように処理 された腫瘍細胞群は、不活化つまり殺されて、2次免疫として患者の体内へ再び 導入される。天然MHCクラスI制限腫瘍抗原に対するこのクロスプライミングの 最終結果は、腫瘍細胞を効果的な人工標的抗原で標識することである。このよう に標識され処理された腫瘍細胞は、免疫応答を宿主の腫瘍細胞に集中させるので 、修飾が行われていない宿主腫瘍細胞表面に存在する腫瘍抗原であって、特定さ れないその他多様な追加の天然腫瘍抗原に対して、CTL媒介免疫を十分に刺激す ることができる。 [35] 本発明はまた、免疫療法を通じてウイルス感染を処置する方法に関する。細胞 媒介免疫応答を促進するために、 特異感染ウイルスにより、免疫原性ウイルス抗原を分離し、特徴づけ、一致させ ることは困難で厄介なことである。それ故、本発明はまた、ウイルス感染を処置 するためのクロスプライミング免疫方法を開示するものである。この方法は、ウ イルス感染した患者の細胞群に対して、選択された人工標的抗原(例えばOVA)を 供給し、この人工標的抗原を用いて第1免疫を施すことを含んでいる。限定され るものでない例の1つとして、HIV感染患者を処置するためのクラスプライミン グが可能であろう。患者から取り除かれたCD4+細胞は、培養され、OVA等の人工 標的抗原が供給され、OVAによる患者の1次免疫の際、又はその後で、患者に再 び注入される。ウイルス感染の処置を扱う具体例においては、特異HIVウイルス 抗原(感染原であることが最初に示されなければならない)を特徴づけ、分離し、 そして再び導入することなく、抗原特異性CTLの生成と、HIV感染CD4+細胞のその 後の破壊を刺激することができる。 [36] 最初の工程は、本発明の実施に際し、使用する人工標的抗原(ATA)を選択する ことである。公知の腫瘍拒絶抗原及びウイルス抗原は、それらが「外部又は異物 (foreign)」として定義され、宿主はそれらの存在に耐性を有しないという事実 以外については、宿主細胞蛋白と根本的に異なるものではない。それ故、ここに 開示される抗− 腫瘍免疫法の顕著な利点は、腫瘍細胞表面上に抗原性ペプチドフラグメントを存 在させるために、MHCクラスI経路へ侵入可能なウイルス性のどんな外部蛋白質 でも、ATAとして使用可能な候補となり得ることである。当該分野の専門家は、 本発明の実施において、ATAとして使用するための蛋白質及び蛋白質フラグメン トは、選択肢が多すぎるという問題に直面するであろう。 [37] ATAとして使用するための外部抗原を速やかに決定する1つの方策として、患 者の過去の治療歴を調べることが挙げられる。例えば、多くの人は、過去に特異 性外部抗原にさらされて、その次に1次免疫応答が起こった経験をもっているだ ろう。2つの自然な選択肢は、ニワトリ卵のオバルブミン(ワクチン接種カクテ ルに存在する)と、インフルエンザウイルス核蛋白質(一般的な流感に関連する) である。多くの人は、どちらかの抗原又は両方の抗原にさらされたことがあるだ ろう。各々の抗原は、免疫原性が高いものとして知られている。 [38] ATAとして、その他の高免疫原性蛋白質又は蛋白質フラグメントを使用するこ とも望ましい。その種ペプチドの例として、l)腫瘍拒絶抗原又は抗原性蛋白質フ ラグメント;2)ウイルス抗原又は抗原性蛋白質フラグメント;3)いかなる抗原性 外部蛋白質又は蛋白質フラグメント、な どがあるが、これらに限定されるものでない。本発明で使用可能なヒトTRAの例 として、MAGE−1、MAGE 3、Melan−A、gp100、p53、CEA及びHER2/neuを挙げるこ とができるが、これらに限定されるものではない。本発明で使用可能なウイルス 抗原の例として、HIV gp120、HIV gp160、インフルエンザウイルス核蛋白質及び B型肝炎表面抗原を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。 追加の外部蛋白質の例として、オバルブミン(OVA)及びキーホールリンピットヘ モシニアン(KLH)を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。 [39] 次に、選択されたATAは、宿主に投与されて1次免疫を施し、宿主の抗原存在 細胞APC(antigen presenting cell)のMHCクラスI経路を通じてATAの出現又は存 在(presentation)を促進する。本発明の実施に際しては、選択されたATAを、(1) 粒子状抗原の運搬(delivery)、(2)ペプチドパルシング、(3)ポリヌクレオチドの 運搬、のどれかの方法によって存在させることが望ましい。これら3つの方法は 、抗原が、MHCクラスI経路へ提供され、次に標的腫瘍細胞の細胞表面に提供さ れるようにするための最適な機会を確実にもたらすことができる。しかしながら 、この1次免疫分野の技術者であれば、その他にも、この目的を達成できるいか なる技術を利用することができるであろう。 [40] セクション7の実施例は、この粒子抗原の運搬が、宿主の第1免疫処置に使用 するための望ましい方法であることを示すデータを提供するものである。OVA/B1 6マウスのメラノーマモデル(セクション6の実施例参照)は、1次免疫における 粒子抗原の運搬を示している。ATAは、例えば金、鉄又は合成プラスチックを含 む物質からなる粒子に共有結合されている。この場合、OVA−Feビーズは、標的A PCに対する宿主の1次免疫に使用される。これらの標的APCは、OVAをMHCクラス I経路に提供するであろう。抗原提供細胞(APC)は、抗原−MHCクラスI配位予と 、CTL媒介免疫の誘導相に必要な副次信号の両方を供給する。APCの一般的な特性 として、MHCクラスI及びクラスIIの発現、APC−リンパ球の相互作用にとって重 要な種々の付着分子の発現、並びにCD80及びCD86のような共刺激性分子の発現が ある。APCの例として、マクロファージ及び樹枝状細胞(皮膚の表皮ランゲルハン ス細胞、皮膚の樹枝状細胞、並びにリンパ腺及び脾臓に存在する樹枝状細胞)が ある。 [41] このOVA−Feビーズによる直接的な1次免疫処置は、MO4細胞の局部的腫瘍攻撃 からマウスを保護し、死から守った。このOVA−Feに誘導された免疫は、CD8+細 胞に依存している。それ故、粒子抗原の運搬を用いた直接的イン ビボ免疫法では、処理されたMO4細胞に対してCTL媒介応答を生じさせる段階をう まく行なっている。より重要なことは、セクション7の実施例において、マウス はその後の親B16腫瘍による攻撃にも生き延びたことを示していることである。 このデータによれば、処理された腫瘍細胞(MO4)及び親の(B16)腫瘍の両方を共有 し発現された他の抗原にまで、免疫が作られていることを示している。それ故、 本発明の望ましい抗−腫瘍免疫処置プロトコルは、宿主に対して、第1の既知抗 原又はATAを粒子形態で提供することに関するものである。これと同じ又は実質 的に同じATAもまた、2次免疫を行なうとき、処理された腫瘍細胞の形態で宿主 へ供給される。その結果、追加の持効性免疫応答が、残りの非修飾腫瘍細胞群に 抗して作り出される。粒子状抗原群は、例えば皮下注射、バイオリスティック粒 子照射及び静脈注射など方法のどれか適当な方法により、宿主へ運ぶことができ る。なお、粒子状抗原群の運搬方法は前記のものに限定されるものではない。 [42] 例えばペプチド−パルシングを用いたセクション8の実施例で示したように、 エクスビボに基づくAPCの標的方法を、本発明の粒子状抗原の運搬についても利 用できることは明白であろう。 セクション8の実施例は、エクスビボ法により、ATAを、 1次宿主免疫の適当な細胞型へ供給するときのデータを示している。OVA/B16マ ウスのメラノーマモデルとEG7マウスの胸腺腫モデルを用いることにより、イン ビトロ培養されたAPC、樹枝状細胞をATAでペプチドパルシングすることによる1 次免疫は、腫瘍特異免疫応答の誘導を促進することが示された。 [43] 樹枝状細胞はインビトロ培養され、ATA(例えばOVA)でパルスが与えられ、不活 化され、宿主に再び導入される。セクション8の実施例を参照すると、マウスが その後の親B16腫瘍による攻撃から生き残っただけでなく、人工標的抗原でのAPC のペプチドパルシングは、処理されたMO4(又はEG7)に対するCTL媒介応答を発生 させる段階をうまく行なったことを示している。それ故、本発明の好ましい他の 抗腫瘍免疫プロトコルは、2次免疫が成功した後の事象(events)のカスケードを 開始するのに不可欠な第1のCTL媒介応答を発生させるために、第1の既知抗原 、つまりATAを、ペプチドパルスAPCを介して宿主へ供絵することに関するもので ある。 [44] 本発明の第1免疫段階で行われる第3の選択は、宿主ヘポリヌクレオチドを運 搬することである。これには、皮下注射、バイオリスティック粒子照射、粒子状 ポリヌクレオチド注射、静脈注射、脂質媒介移送、ウイルスベ クターにより運ばれたポリヌクレオチドの注射などが挙げられるが、これらに限 定されるものではない。この選択に関しては、樹枝状細胞又はマクロファージの ような標的APCへの運搬に際し、選択されたATAを暗号化し、発現するDNAベクタ ーが作られる。標的細胞への運搬の後に続いて、適当レベルのATAを発現する適 当なDNA発現ベクターを作ることも、当該分野の専門家の範囲内である。ポリヌ クレオチドは、標的APCヘインビボ又はエクスビボ運搬するための標的であって よい。エクスビボ運搬の方法は、ペプチドパルシング実験に関するセクション8 の実施例で示されたように、培養された樹枝状細胞を利用することが望ましい。 [45] 患者はまた2次免疫が施され、この処置において、MHCクラスI経路へATAが供 給され、次に腫瘍細胞表面上に免疫フラグメントが存在し得るように、腫瘍細胞 は処理される。まず初めに、患者から1次腫瘍を切除し、これらの腫瘍細胞をイ ンビトロで培養して、標的腫瘍細胞源を作ることが望ましい。また、所定の人工 標的抗原を発現するヌクレオチド配列を用いて、培養された腫瘍細胞をトランス フェクトすることが望ましい。トランスフェクトされたこれらの腫瘍細胞は、MH CクラスI経路へ進入させて、さらには、トランスフェクト腫瘍細胞表面に存在 させるのに有効な量のATAを発現するであろう。トラン スフェクトされたこれらの腫瘍細胞は、2次免疫を行なう前に、公知の技術を用 いて殺され、不活化させられる。或はまた、培養された腫瘍細胞は、2次免疫を 行なう前に、ペプチドパルシングを施してもよい。 [46] この目的のため、ヒト腫瘍は、当該分野の技術者が利用し得る技術により切除 される。次に、標準技術を用いて、限定的酵素消化作用による物理的破壊により 、これら腫瘍から、1つの細胞浮遊物(cell suspensions)が作られる。腫瘍の1 つの細胞浮遊物は、当該分野で一般的に知られているように、特異腫瘍に適した 技術を用いて培養される。 それ故、本発明の具体例は抗腫瘍免疫の方法に関するもので、この方法におい て、ヒト患者には、2次免疫と組み合わせてCTL媒介応答を促進するために、ATA による1次免疫が施されるものであり、腫瘍を切除すること、腫瘍細胞をインビ トロで培養すること、所定のATAを発現する核酸構造による腫瘍細胞のトランス フェクトすること、トランスフェクトされた腫瘍細胞を殺し不活化すること、不 活化された腫瘍細胞で患者に免疫を施すことを含んでいる。 [47] 本発明の実施例は、前述の第2免疫プロトコルと共に、ATAとしてニワトリオ バルブミンを利用しており、前記プ ロトコルは、ニワトリオバアルブミンを発現するDNAベクターによる培養腫瘍細 胞のトランスフェクションに依存している。 ニワトリオバルブミンを用いた本発明の望ましい実施例では、患者の1次免疫 を、前述の2次免疫プロトコルと共に、OVA−Feビーズの粒子状抗原運搬により 行なうものであり、前記プロトコルは、ニワトリオバアルブミンを発現するDNA ベクターによる培養腫瘍細胞のトランスフェクションに依存している。 [48] 本発明の他の実施例では、前述の第2免疫プロトコルと共に、ATAとしてイン フルエンザウイルスの核蛋白質を利用しており、前記プロトコルは、ニワトリオ バアルブミンを発現するDNAベクターによる培養腫瘍細胞のトランスフェクショ ンに依存している。 インフルエンザウイルスの核蛋白質(NP)を用いた本発明の望ましい実施例では 、患者の1次免疫を、前述の2次免疫プロトコルと共に、NPビーズの粒子状抗原 の運搬により行なうものであり、前記プロトコルは、NPを発現するDNAベクター による培養腫瘍細胞のトランスフェクションに依存している。 [49] 腫瘍細胞に対してATAのインビボ標的を実行することも当該分野の専門家の範 囲であるだろう。この方法では、 2次免疫の必要性はなく、1次腫瘍に接近できない状況や、例えばサルコーマの 肺への転移などの転移が標的とされる状況において有用であるかもしれない。 また、当該分野の専門家であれば、種々の組換えベクターを用いて、培養腫瘍 細胞へ運ばれるべきATAトランスジェン配列を作ることも可能であろう。ベクタ ーは、取扱いの容易性という点で、DNAプラスミドベクターが望ましい。 [50] 6.実施例:OVA/B16遺伝マウス腫瘍モデル セクション7及びセクション8の本発明に係る実施例の中で開示されたデータ を作るために、OVA/B16マウスモデルが用いられた。OVA/B16マウス系が用いられ るのには、幾つかの理由があり、(1)B16メラノーマは広範囲にわたり研究された マウスの腫瘍であること、(2)インビボでの増殖特性及びこの腫瘍株の転移の特 徴はよく知られていること、(3)オバルブミンは構造が明確であること、などが 挙げられる。C57B1/6マウスにおけるOVAの細胞内プロセッシング及びプレゼンテ ーションは知られている。特に、MHCクラスIKBと関連して提供されたプロセス 後のペプチドの構造は、知られている。T-Tハイブリドーマ33.70.Al抗−OVA-KB を用いて、H2-KBとの関連におけるオバルブミンペプチド(SIINFEKL)の機能的発 現に対する分析についても知られている[Kovacovics-Bankowski,et a l.,1993,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.90:4942-4946]。この系におけるOVA特 異性CTLのインビボ誘導を評価する技術についても、文献[Moore,et al.,1988 ,Cell 54:777-785]に記載されている。 [51] マウスのリンパ腫細胞株EL4は、C57BL/6Tリンパ腫であり、細胞株EG7はニワ トリ卵オバルブミン(OVA)でトランスフェクトされたEL4のサブクローンである。 この追加のOVA/マウス腫瘍モデル系は、セクション8の本発明に係る実施例で用 いられた。 マウスと細胞株: 雌のC57BL/6マウスで、生後5〜8週のものを購入した。購入先は、Jackson L aboratories,Bar Harbor,MEである。EL4はC57BL/6 Tリンパ腫であり、EG7は ニワトリ卵オバルブミン(OVA)でトランスフェクトされたEL4のサブクローンであ る[Moore,et al.,1988,Cell 54:777-785]。マウスのメラノーマB16[Fldler, et al.,1976,Cancer Res.36:3160-3165]に由来するC57BL/6は、米国組織型別 コレクション(American Tissue Type Colelction(ATCC))から入手した。MO4は、 B16を前述のpAc-Neo-OVAプラスミドとトランスフェクションすることにより作ら れた[Falo,et al.,1995,Nature Med.1:649-653,Moore,et al.,1988,Cel l 54:777-785]。モノクローン抗体は、ハイブリドーマGK1.5(抗-CD4,ATCC TIB- 20 7)、2.43(GKf1.5細胞(3×106)の腹腔内注射によりBalb/c nu/nuマウスの中で生 長した抗-CD8抗体)及びIFA(0.5ml/マウス)から調製された。 [52] B16メラノーマのOVAトランスフェクション及び選択の後、トランスフェクトさ れたB16メラノーマのサブクローンであるMO4を分離させた。親メラノーマB16及 びOVAトランスフェクタントは、OVAペプチド(SIINFEKL)をRF33.70(図1)に対し てプレゼンテーションすることによって測定された細胞表面上に、同レベルの機 能的KBを発現させる。これに対して、B16ではなく、MO4/5は、外因的付加ペプチ ド(図1)の不存在下でハイブリドーマを刺激する能力を有している。これは、ト ランスフェクトされた抗原の内因的発生、プロセッシング及びプレゼンテーショ ンを示している。重要なことは、MO4によるOVAの内因性発現によっても、腫瘍の インビボ免疫抗原性は実質的に変化しなかったことである(図2参照)。B16とMO4 の腫瘍増殖(図2A)は、宿主の生存(図2B)と同じ様に、まだ実験に使用された ことのないマウス(naive mice)では似かよっている [53] 粒子状抗原に関して、MO4メラノーマを殺す能力のあるOVA特異性CTLの誘導能 力を評価するために、C57BL/6マウスは、アジュバントを用いることなく、鉄ビ ーズ(OVA-F eビーズ)に結合された(conjugated)オバルブミンを用いて、皮下免疫を施した。 これらマウスにおいて、インビトロで再刺激を与えれた牌臓細胞は、特に、OVA −トランスフェクトされたメラノーマMO4を溶解したが、トランスフェクトされ ていない親メラノーマB16を溶解しなかった(図3A)。これに対して、同量の可 溶性OVAで免疫されたマウスの脾臓細胞は、どちらの腫瘍標的も溶解することは なかった(図3B)。CTLにより腫瘍細胞を殺すには、粒子状OVAで免疫し、腫瘍標 的によりOVAを発現させねばならなかった。免疫の15週間後、インビトロでプラ イムされたCTLが検出された。 MO4細胞がC57BL/6マウスへ皮内注入されると、腫瘍の増殖が進行し、転移し、 動物を死に至らしめる(図4A−E)。インビボにおけるMO4細胞の増殖速度は、 トランスフェクトされていないB16細胞と同程度である。また、僅か2×104ほど のMO4細胞を注入するだけで、動物の90パーセント以上が死んでしまう。それ故 、多くの腫瘍抗原に関しては、オバルブミン抗原だけの発現では、この腫瘍は十 分な免疫原性とはならない。 [54] 7.実施例:粒子状ペプチドのプレゼンテーションによる1次免疫としての共同 腫瘍抗原に対する免疫化と免疫性 セクション6の実施例で記載したように、本発明に係 る実施例として、OVA/B16マウスメラノーマモデルが用いられた。 抗原構造体(antigenic constructs): このセクションの実施例で用いられた抗原は、PBS中に溶解したニワトリ卵OVA (シグマ)、及びPBS中に溶解した合成ペプチドOVA257-264を含んでいる。粒子状 のオバルブミン、OVA-Feビーズは、文献[Kovascovics-Bankowski,1995,Proc. Natl.Acad.Sci.USA 90:4942-4946]に記載されているように、アミノ基を介し て、OVAを鉄酸化物(0.5-1.5mm,Advanced Magnetics,Cambridge,MA)に共有結 合させることにより作られた。 [55] 細胞毒性分析(Cytotoxicity Assays): 免疫を施した動物の脾細胞を、前述のプロトコルに少し修正を加えて再刺激を 与えた。簡潔に述べると、免疫の1週間経過後、脾細胞(30×106)に対して、(20 ,000rad)照射されたMO4メラノーマ細胞(10×106)を用い、共培養(coculture)に より再刺激を加えた。エフェクター細胞は5日後に回収され、丸底マイクロウエ ル(200μl)の中で、2×10451Cr標識の標的を用いて、表示されたエフェクター標 的細胞比で培養した。37℃で4時間経過後、3組の微量培養の上澄み100μlを集 めて、数をカウントし、特異放出(specific release)のパーセンテージを、前記 文献[rock,et al.1990,J.Immunol.145:804-811]に よって計算した。結果は3組の培養の平均として示されている。3組培養のSEM は、常に平均の15%より少ない。 [56] 保護分析(Protection Assays): C57BL/6マウスは、表示された抗原を用いて、下腹部の両側に皮下免疫が施さ れた。最後の免疫(0日)の7日後、OVA免疫された動物と免疫されていない動物 は、メラノーマ細胞(1×105)が2回、中腹部の両側から皮内注射された。投与量 は、被試験動物の50%が死に到る量(LD50)である。発達する腫瘍の大きさは、少 なくとも週に2回測定され、直交する最大径の測定結果が記録され、その領域は 、腫瘍領域を表している。データは、平均腫瘍面積として示され、単位は、平方 ミリメートルで±s.e.m.ある。「生存」は生き残った動物のパーセンテージを表 している。免疫剤(immunizations)の投与は50μlであり、腫瘍攻撃は100μのPBS である。注入用メラノーマ細胞は、制限されたトリプシン処理により回収され、 PBS中で3回洗浄が行われた。注入された細胞は、トリパンブルーエクスクルー ジョンによれば、生存率は95%以上であった。全ての実験において、1グループ 当たりのマウスは5〜10匹(夫々の数字はセクション4に記載)であり、少なくと も3回繰り返された。瀕死状態になったマウスは、ユニバーシティ・オブ・ピッ ツバーグ・メディカルセンター、及びダナファーバー癌研究所の動物医療用ガイ ドライン に基づいて殺された。幾つかの実験において、動物は、CD8+細胞が取り除かれた 。これは、前記の免疫を施した後、7日と9日後に、CD8 mAb(2.43)を腹腔内注 射することにより行われ、10日後に腫瘍攻撃が行われた。 [57] 本発明の第1の実施例は、鉄ビーズ(OVA-Feビーズ)に結合されたオバルブミン でC57BL/6マウスを免疫化することである。一次免疫のこの方法では、被試験動 物の50%に対して、致死量の>10倍のMO4細胞の腫瘍攻撃が行われたが、マウス は保護された。セクション6の実施例に記載されるように、マウスは局部的な腫 瘍増殖及び死から保護された。 示されたOVA-Fe誘導免疫は、CD8+細胞に依存している。抗−CD8モノクローン 抗体を注入することにより、T細胞のサブセットが分離すると、マウスはMO4の 攻撃を受け易くなった。 [58] 第1の抗原に免疫反応を生じさせると、腫瘍を一部に有し腫瘍によって発現さ れるその他の抗原への免疫が促進されるという仮説を調べるために、このモデル が用いられた。図5は、OVA-Feビーズによる免疫化とMO4を用いた攻撃は、親B16 メラノーマに対して長期にわたる保護免疫が誘導することを示している。OVA-Fe ビーズで免疫され、MO4の攻撃を受けた5匹の未実験マウスと6匹の生存 マウスは、親B16メラノーマによる攻撃を受けた。6匹の生存マウスは3つの異 なる実験からプールされ、初期腫瘍攻撃に対して少なくとも65日間生存した。B1 6攻撃開始(0日)から生き残った動物のパーセンテージが記録された。 [59] それ故、このデータは本発明の本質を示している。CTL媒介免疫反応を促進す るのに十分な形態の第1抗原によるワタチン投与された宿主は、第1抗原からの 抗原性ペプチドを有する標的細胞の細胞表面存在する追加の抗原に対して、有効 な免疫反応を媒介するであろう。それ故、適切な抗腫瘍免疫化プロトコルにより 、追加の持効性免疫反応が残部の非修正腫瘍細胞群に抗して作り出され、1次免 疫としての宿主及び2次免疫における少なくとも標的腫瘍細胞群の両方に対して 既知の第1抗原又はATAを提供するであろう。 [60] 8.実施例:1次免疫として樹枝状細胞のペプチドパルシングによる共同腫瘍抗 原に対する免疫化と免疫性 樹枝状細胞(Dendritic cells): 樹枝状細胞は、リンパ球の骨髄細胞を除去し、24個のウエル付プレートの中に 、ウエル1個当たり106の細胞を入れ、10%FCS、L-グルタミン、抗生物質及び2-M Eで補足された(supplemented)RPMI 1640の中で1晩中培養した。 細胞は、1日目、ウエル1個当たり2.5×105の細胞に、GM-CSF(103U/ml,Sigma ,St.Louis,MO)と、マウスのrIL-4(103U/ml,Genzyme,Cambrige,MA)を加え 、ばらけた付着細胞を8日目に回収した。フローサイトメトリック分析の結果、 これらの樹枝状細胞は、CD45、CD44、CD11b(Mac-1)、CD18、CD80、cD86及びクラ スI、クラスIIのMHC抗原を発現した。樹枝状細胞は、還元された血清媒質(Opti men,Gibco,Grand Island,NY)の中で、OVAペプチド(20ng/ml)+β2-マイクログ ロビン(β2-M,10μl/ml,ヒト、Sigma)を使用し、或は使用せずに、37℃の温度 で2時間パルスが与えられた。次に、まだ実験に供されていないマウスへ注入す る前に、細胞は十分に洗浄され、PBSの中で再び浮遊させ、照射が施された(2000 rad)。骨髄細胞に由来する樹枝状APCの表示された数が、OVAコード化粒子状ポリ ヌクレオチドで共培養された。このポリヌクレオチドは、セクション7の実施例 (粒子7mg/mlについて50μl/ml/106の細胞)に記載された要領で、Feビーズ(黒四 角印)又は金ビーズ(黒円印)のどちらかを粒子状サブストレート又は可溶性OVA蛋 白質(2mg/ml)(白四角印)を用いて24時間かけて調製され、洗浄されたものである 。次に、表示された数のAPCは、微量培養にて、T細胞ハイブリドーマRF33.70( 抗-OVA+Kb)と共培養された。18時間の培養の後、上澄み液が回収され、指標細胞 株HT2[Rock,et al.,1990,J.Immunol.145:804-811]を用いて、I L-2に対する分析が行われた。 [61] B16マウスのメラノーマモデルとEG7マウスの胸腺腫モデルの両モデルが用いら れ、ATAと共に、ペプチドパルシング、特に樹枝状細胞のペプチドパルシングに よる1次免疫を施すことにより、腫瘍特異性免疫応答の誘導が促進されることが 示された。 抗原、抗体及び抗原構造体: このセクションの実施例で用いられる抗原構造体は、PBS中に溶解したニワト リ卵OVA(Sigma)と、PBS中の合成ペプチドOVA257-264を含んでいる。このペプチ ドは、ユニバーシティ・オブ・ピッツバーグ・メディカル・センターのペプチド 合成施設にて合成された。mAbsは、ハイブリドーマGK1.5(抗-CD4,ATCC TIB-20 7)、2.43(抗-CD8,ATCC TIB-210)又は30-H12(抗-Thy 1.2,ATCC TIB-107)から 調製された。抗-CD8抗体を含む腹水は、GK1.5細胞(3×106)及びIFA(0.5ml/mouse )のi.P.注入により、BALB.c nu/nuマウスの中で培養した。 [62] 細胞毒性分析: 最後の免疫処置から7〜10日後、マウスから回収した脾細胞(30×106)について 、C処理したEG7細胞(7×106)と共培養することにより再び刺激が加えられ、そ れから5日後にエフェクター細胞を回収した。標的細胞は37℃で 18時間、RPMI(10%FCSと51Cr(100μCi;NEN,Boston,MA)の中で標識され、十分に洗 浄され、96個のウエル付丸底マイクロウエル(200μl)の中で、表示されたエフェ クター標的細胞比にて、エフェクター細胞(図面に示された比にて)と共に、1個 当たり2×104の細胞で共培養した。37℃で、4時間経過後、3組の微量培養物の 上澄み100μlが集められ、カウントされ、特異放出のパーセントが前述の文献[R ock,et al.1990,J.Immunol.145:804-811]により計算された。結果は3組の 培養の平均として示されている。3組の培養のSEMは、常に平均の15%より小さか った。 [63] 保護分析: 保護分析は、セクション7の実施例にて行われたものと本質的に同じである。 簡単に説明すると、C57BL/6マウスは、下腹部の両側に、0日に、ペプチドパル スされたDC又はパルスされていないDC(3×104/100μl/side)のどちらかと、ペプ チド+β2Mと、又はPBSで皮下免疫が施され、7日目に追加免疫が施された(boos ted)。最後の免疫処置(0日)から7〜10日経過後、OVAで免疫された動物及び免疫 されていない動物は、PBS中のMO5又はB16メラノーマ細胞(2.5×104/100μl/side )にて、中腹部の左右から皮内注射が施された。注入された細胞は、トリパンブ ルー排除法により測定され、>95%が生存していた。生長 中の各腫瘍の大きさは1週間に2回以上測定され、直交する最大径の測定結果が 記録され、その領域は、腫瘍領域を表している。データは、平均腫瘍として示さ れ、単位は、平方ミリメートルで±s.e.m.ある。「生存」は生き残った動物のパ ーセンテージを表している。免疫剤の投与は50μlであり、腫瘍攻撃は100μのPB Sである。注入用のメラノーマ細胞は、限定されたトリプシン処理にて回収され 、PBSの中で3回洗浄した。実験では、1グループにつき5匹のマウスを使用し 、少なくとも3回繰り返した。瀕死状態になったマウスは、ユニバーシティ・オ ブ・ピッッバーグ・メディカル・センター及びダナ・ファーバー・キャンサー・ インスティチュートの動物愛護ガイドラインに基づいて殺した。幾つかの実験で は、動物のCD8+細胞が取り除かれた。これは、免疫処置の7日及び9日経過後、 腹水(1mg/ml,200μl/mouse)を腹腔内注射することにより行われた。 [64] OVAペプチドパルスされたDCは、OVA発現メラノーマ又はOVA発現胸腺腫EG7をイ ンビトロで溶解するCTLを誘導する能力を有していた。インビトロで再び刺激を 加えられたマウスの脾細胞はMO5を溶解したが、トランスフェクトされていない 親メラノーマB16を溶解できなかった。同じ様に、これらのエフェクタ0細胞は 、OVA発現胸腺腫EG7を溶解したが、トランスフェクトされていない親腫瘍EL 4を溶解できなかった。腫瘍細胞溶解は、抗原に特有のものであり、腫瘍標的に よるOVAの発現に依存していた。溶解は、MHCクラスI制限CTLエフェクター細胞 のThyl+CD8+サブセットの特徴に依存していた。 [65] これらのマウス腫瘍モデルで明らかにされた有用性を考慮すると、マウスの集 団はSIINFEKLパルスされたDCで皮下免疫され、7日後に追加免疫が施され、次に 、皮内の離れた場所でMO5メラノーマによる攻撃を受け、ペプチドパルスされたD Cについて、腫瘍の保護免疫を誘導する能力を調べた。免疫を施されたマウスは 、腫瘍の局部的増殖が抑制され(図6A参照)、また死からも守られた(図6C)。 対照マウス(PBS免疫処置された)の腫瘍は、増殖の進行が非常に早く、死に至っ た(図6C)。DCで免疫されたがSIINFEKLでパルスされなかったマウスは、防御を 受けることはできなかった(図6B及び6D)。これは、皮下注射されたDCの場合 、このモデルでは、機構的に抗原と独立しており、腫瘍免疫を誘導しないことを 示している。ペプチドパルスされたDCは注入前に十分洗浄されていることから、 保護は、フリーSIINFEKLの残効(carry over)の結果だったことはありえず、DCな しで皮下注射した場合、β2Mを有するペプチド単独では防御を受けられない(図 6B及び6D参照)。更にまた、SIINFEKLパルスされたDCで免疫が施されたマウ スは、トランスフェクト されていない親B16(図7B、7E)による攻撃から防御されなかった。これは、 防御免疫性は抗原特有のものであり、腫瘍標的によるOVA発現に依存することを 示している。抗−CD8mABの腹腔内注射の繰返しによる腫瘍攻撃前に、免疫された 対照動物群のCD8+エフェクター細胞を削除することにより、CD8+T細胞は、防御 腫瘍免疫に対して寄与することが認められる。免疫処置されたCD8+細胞を除去し た動物における腫瘍の増殖と生存は、T細胞除去の有無如何に拘わらず、免疫さ れていない対照で観察されたものと同様であった(図7A、7C、7D及び7F) 。それ故、CD8+T細胞は、このモデルにおいてペプチドパルスされたDCモデルに より誘導された防御腫瘍免疫に欠くことのできないものであることがわかる。 [66] 図8を参照すると、本発明の1次免疫において、ペプチドパルスされたDCが用 いられることを示している。MO5を拒絶した免疫マウスは、トランスフェクトさ れていない親B16(図8参照)によるその後の腫瘍攻撃から防御された。OVAでトラ ンスフェクトされたメラノーマを拒絶したマウスは、MO5に発現されて、トラン スフェクトされていない親メラノーマを共有するその他の抗原に対する免疫性を 高めた。その他の共有腫瘍抗原に対する免疫応答についても、特定の抗原を用い ることにより、抗腫瘍免疫の誘導が増強されるであろう。 [67] これらの実施例に示されるように、免疫療法応答はまず最初に1次免疫により 発生し、第1の抗原、つまりATAは宿主の内部へ運搬され、CD8+T細胞に依存する CTL媒介免疫反応を刺激する。 なお、ヒトの腫瘍は、当該分野の専門家が利用可能な技術を用いて切除するこ とができる。次に、標準技術を用いて、限定的酵素消化作用による物理的破壊に より、これら腫瘍から、1つの細胞浮遊物が作られる。腫瘍の1つの細胞浮遊物 は、当該分野で一般的に知られているように、特異腫瘍に適した技術を用いて培 養される。 本発明の具体的実施例を例示的に説明したが、当該分野の専門家であれば、添 付の請求の範囲に規定された発明から逸脱することなく、発明の詳細について種 々の変形をなし得るであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 111 A61P 43/00 111 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ファロ,ルイス ディー.,ジュニア アメリカ合衆国 15237 ペンシルベニア, ピッツバーグ,ダンカン アベニュー 710,アパートメント 1409 (72)発明者 ロック,ケネス エル. アメリカ合衆国 02167 マサチューセッ ツ,チェスナット ヒル,ウォールナット ヒル ロード 145

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.哺乳類宿主における抗腫瘍免疫の方法であって、 a)CTL媒介応答を促進する形態で、人工標的抗原を用いて、哺乳類の宿主に 第1の免疫を施し、 b)哺乳類の宿主から標的腫瘍を切除し、 c)標的細胞から回収した腫瘍細胞の群をインビトロで培養し、 d)培養された腫瘍細胞が、細胞表面における人工標的抗原の存在を促進する ようにするため、該培養腫瘍細胞を、該腫瘍細胞内に人工標的抗原が含まれるよ うに処理し、 e)培養腫瘍細胞群を不活化し、 f)不活化された培養腫瘍細胞群を用いて、哺乳類の宿主に第2の免疫を施す 、 工程を有している哺乳類宿主の抗腫瘍免疫方法。 2.哺乳類はヒトである請求項1の方法。 3.工程(a)の人工標的抗原は、哺乳類の宿主に対し、粒子状複合物として提供 される請求項2の方法。 4.工程(d)の人工標的抗原は、有効量の人工標的抗原を発現する核酸分子のト ランスフェクションにより、培養腫瘍細胞へ導入される請求項2の方法。 5.工程(d)の人工標的抗原は、有効量の人工標的抗原を発現する核酸分子のト ランスフェクションにより、培 養腫瘍細胞へ導入される請求項3の方法。 6.工程(d)の人工標的抗原は、ペプチドパルシングにより、培養腫瘍細胞へ導 入される請求項2の方法。 7.工程(d)の人工標的抗原は、ペプチドパルシングにより、培養腫瘍細胞へ導 入される請求項3の方法。 8.人工標的抗原は、Melan−A、p53、CEA、gp100、MAGE−1及びMAGE−2からな る群から選択される腫瘍抗原である請求項3、4、5、6又は7の方法。 9.人工標的抗原は、HIV gp 120、HIV gp100、インフルエンザウイルス核蛋白 質及びB型肝炎表面抗原からなる群から選択されるウイルス抗原である請求項3 、4、5、6又は7の方法。 10.人工標的抗原は、ニワトリオバルブミン及びキーホールリンピットヘモシ アニンからなる群から選択される免疫原性外部抗原である請求項3、4、5、6 又は7の方法。 11.人工標的抗原はニワトリのオバルブミンである請求項3、4、5、6又は 7の方法。 12.哺乳類宿主における抗腫瘍免疫の方法であって、 a)哺乳類の宿主から標的腫瘍を切除し、 b)標的細胞から回収した腫瘍細胞の群をインビトロで培養し、 c)培養された腫瘍細胞が、細胞表面における人工標的抗原の存在を促進する ようにするため、該培養腫瘍 細胞を、該腫瘍細胞内に人工標的抗原が含まれるように処理し、 d)培養腫瘍細胞群を不活化し、 e)哺乳類の宿主に対し、不活化された培養腫瘍細胞群による第1の免疫と、 CTL媒介応答を促進する形態にて、人工標的抗原による第2の免疫を同時に行な う、 工程を有している哺乳類宿主の抗腫瘍免疫方法。 13.哺乳類はヒトである請求項12の方法。 14.工程(a)の人工標的抗原は、哺乳類の宿主に対し、粒子状複合物として提 供される請求項13の方法。 15.工程(d)の人工標的抗原は、有効量の人工標的抗原を発現する核酸分子の トランスフェクションにより、培養腫瘍細胞へ導入される請求項13の方法。 16.工程(d)の人工標的抗原は、有効量の人工標的抗原を発現する核酸分子の トランスフェクションにより、培養腫瘍細胞へ導入される請求項14の方法。 17.工程(d)の人工標的抗原は、ペプチドパルシングにより、培養腫瘍細胞へ 導入される請求項13の方法。 18.工程(d)の人工標的抗原は、ペプチドパルシングにより、培養腫瘍細胞へ 導入される請求項14の方法。 19.人工標的抗原は、Melan−A、p53、CEA、gp100、MAGE−1及びMAGE−2から なる群から選択される腫瘍抗原である請求項14、15、16、17又は18の 方法。 20.人工標的抗原は、HIV gp120、HIV gp100、インフ ルエンザウイルス核蛋白質及びB型肝炎表面抗原からなる群から選択されるウイ ルス抗原である請求項14、15、16、17又は18の方法。 21.人工標的抗原は、ニワトリオバルブミン及びキーホールリンピットヘモシ アニンからなる群から選択される免疫原性外部抗原である請求項14、15、1 6、17又は18の方法。 22.人工標的抗原はニワトリのオバルブミンである請求項14、15、16、 17又は18の方法。
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