JP2001524906A - 自動車用ペダル装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、運転者及び乗員のための乗員室（Ｈ）とエンジン室（Ｃ）との間のバリヤを形成する隔壁（１０）と、曲げに対して剛性のある横方向ブレース（３２）と、乗員室（Ｈ）側で隔壁（１０）に固着されたペダル（１４）用のマウント（１２）とを包含する自動車のためのものであって、ペダル（１４）が、一方の端部をペダルマウント（１２）に関節連結され且つ他方の端部に作動シュー（１８）を備えているペダルレバー（１６）から成り、少くとも１つの剛性力伝達要素（３０）がその第１端部（２８）で横方向ブレース（３２）に関節連結されているペダル装置に関する。本発明によると、剛性力伝達要素（３０）の第２端部（３４）はペダルマウント（１２）とペダル（１４）のレバー（１６）との間に延在し、ペダル（１４）のレバー（１６）をペダルマウント（１２）の固定点（３８）から離隔するようにこのレバーと直接に相互作用して、車両の正面衝撃の結果として隔壁（１０）が後方に押圧されたときにレバーを隔壁（１０）に接近せしめる停止部（４０）を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】 自動車用ペダル装置 本発明は、一般に、自動車用ペダル装置に関しており、これらのペダルは、内 燃機関の燃焼室への燃料ガスの入口、空気圧ブレーキブースタ又はクラッチの係 合／切離のための装置のような多種の部材を制御するものである。 自動車分野においてここ数年にわたって行われている安全基準の強化は、この 車両の運転者及び乗員に対する事故の結果を回避又は軽減しようとする受動安全 装置を開発することを必要としている。これらの装置は、特に車両の運転者に関 し、たとえ運転者ができ得る限り強くブレーキペダルを踏み込んでいる場合でも 、車両の受ける正面又は斜め衝撃が運転者の足首又は脚に伝わることのないよう になっている必要がある。 この問題を解決するために多数の装置が開発されている。例えば、文献ＤＥ− Ａ−４,３４０,６３３又はＤＥ−Ａ−４,４０９,３２４は、ケーブルがペダルレ バーを上方に引張ってこのレバーをその支持体から外し、車両の運転者の脚が占 める通常の空間からレバーを離隔するようにした装置を開示している。 このような機構の欠点は、車両の運転者がこのペダルをでき得る限り強く踏み 込んでいる場合に、運転者の足が上方に引張られ、運転者の脚、特に足首と膝と の間の脛骨に別の損傷を与える可能性があることである。 例えば、文献ＤＥ−Ａ−４,４０９,２３５又はＤＥ−Ａ−４,４０９,２８５に は、ペダルとそのマウントとの間の関節連結部をなすスピンドルがリンク装置に よって引き出されて、ペダルと隔壁との間の機械的連結を解放するようにした装 置が開示されている。このような機構の欠点は、要求されるリンク装置が比較的 複雑で、運転者ができ得る限り強くこのペダルを踏み込んでいるときに作動不良 を起こす危険性があることである。 本発明はこれに関連するもので、その目的は、簡単且つ安価な手段のみを採用 する信頼性の高い方法で、車両の受ける正面又は斜め衝撃が運転者の脚又は足に 伝わることを回避できる新規なペダル装置を提供することにある。 この目的のため、本発明は、運転者及び乗員のための乗員室とエンジン室との 間のバリヤを形成する隔壁と、曲げに対して剛性のある横方向ブレースと、乗員 室側で隔壁に固着されたペダル用のマウントとを包含する自動車のためのもので あって、ペダルが、一方の端部をペダルマウントに関節連結され且つ他方の端部 に作動シューを備えているペダルレバーから成り、少くとも１つの剛性力伝達要 素がその第１端部で横方向ブレースに関節連結されているペダル装置を提供する 。 本発明によると、剛性力伝達要素の第２端部はペダルマウントとペダルのレバ ーとの間に延在し、ペダルのレバーをペダルマウントの固定点から離隔するよう にこのレバーと直接に相互作用して、車両の正面衝撃の結果として隔壁が後方に 押圧されたときにレバーを隔壁に接近せしめる停止部を備えている。 この構成により、剛性力伝達要素の停止部は、車両の運転者の足又は脚が通常 位置する乗員室の容積からレバー及びシューを離隔させるように、ペダルのレバ ーとペダルマウントの固定点との間に嵌挿された楔のように作用する。 本発明の１つの可能な実施例においては、剛性力伝達要素の第２端部は、ペダ ル用のマウントの固定点と相互作用できる長円形スロットを形成されている。 例えば、ペダルマウントの固定点は、ペダルマウントに固着されたスタッドか ら成っていてよい。 有益な機構においては、固定点はペダルの休止位置を定める。 本発明の他の目的、特徴及び利点は、非限定的な例として添付図面を参照して 行う本発明の下記説明から明らかとなるであろう。 図１は、本発明によるペダル装置の通常使用位置における断面図である。 図２は、車両が正面又は斜め衝撃を受けた後における図１のペダル装置の断面 図である。 図には、車両の運転者及び乗員のための乗員室Ｈからエンジン室Ｃを分離する 車両の隔壁１０が示されている。ペダルマウント１２が通常の方法で隔壁１０に 固定され、乗員室Ｈ内へ突出している。総括的に符号１４で示したペダルは、車 両の運転者の足で駆動されるようになっているシュー１８を一端部に備え且つ他 端部を枢軸２０を介してマウント１２に関節連結されたレバー１６から成る。 ペダル１４は、車両に装備した例えば流体クラッチエミッタや空気圧ブレーキ ブースタのような装置の１つの作動を制御するようになっている。このため、レ バー１６は枢軸２４を介して作動ロッド２２に関節連結されている。 この場合、車両が隔壁１０を乗員室Ｈ内へ押し戻し得るような力の正面又は斜 め衝撃を受けると、隔壁１０もペダル１４を乗員室Ｈ内へ押し戻し、シュー１８ が車両の運転者の足首又は脚を負傷させ得ることが容易に理解されよう。 本発明によると、このような不慮の事態が回避できる。このため、例えばＵ字 形をなしていて曲げに対して多少なりとも剛性であり且つ例えば車両のウィンド スクリーンの底部に位置されていて特に車両のダッシュボードを取り付けるため の横方向ブレース３２には、枢軸２６を介してプッシュロッド又は剛性力伝達要 素３０の一端部２８を関節連結するようにしてある。 プッシュロッド３０の他端部３４は長円形スロット３６を形成されており、こ のスロット内には、ペダルマウント１２に固着されたスタッド３８が収容されて いる。プッシュロッド３０の端部３４はまた、レバー１６のための停止部又はカ ム面を形成する部分４０を備えている。 通常の作動において、多数のスプリング（図示しない）の押圧下にあるレバー １６は、停止部４０に接近する休止位置にある。従って、車両の運転者は足でシ ュー１８を踏み込むことによって、作動ロッド２２に連結された装置を駆動する ことができる。 隔壁１０が変形するほどの力の正面又は斜め衝撃を車両が受けた場合、このよ うな変形は隔壁を乗員室に向けて、例えば（Ｌ−１）に等しい距離を押し戻すこ ととなる。この後退移動において、プッシュロッド３０は、隔壁１０に固着され たペダルマウント１２に固着されているスタッド３８によって、枢軸２６を中心 として回転せしめられ、長円形スロット３６はスタッド３８を中心として摺動す る。 プッシュロッド３０の部分４０はカム面を形成しており、ペダルマウント１２ のスタッド３８とペダルのレバー１６との間に嵌挿された楔のように作用して、 このレバーをその枢軸２０を中心としてスタッド３８から離隔させるとともに隔 壁１０に向けて押圧する。 こうして、ペダル１４のレバー１６及びシュー１８が隔壁１０に接近移動し、 従ってこれらが車両の運転者の脚又は足首を負傷させる危険のない引込み位置に もたらされることが容易に理解できよう。さらに、衝撃前ではブレース３２から 後方に距離Ｐに位置していたシュー１８の中心は、曲げ変形のないものと仮定す ると、衝撃後にはこの同じブレース３２の前方の距離ｐにもたらされることが理 解できよう。従って、シュー１８はブレース３２に対して、そしてシートベルト によって座席に保持されている運転者に対して、距離（Ｐ＋ｐ）を前方に移動さ れることとなる。 また、ペダル１４のレバー１６の回転は、作動ロッド２２に連結された装置を 自動的に駆動する結果となることも理解できよう。このことは、衝撃の直前の瞬 間に車両の運転者ができ得る限り強くシュー１８を踏み込んでいた場合でさえも 、運転者はシュー１８を介して如何なる衝撃も受けることがなく、逆にシュー１ ８が足の下方へ離れ去るように感じることを意味する。 勿論、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、当業者には自明 の多数の方法で変更することができる。従って、例えば、ペダルと協働する力伝 達要素又はプッシュロッドの端部及び同様に長円形スロットの形状は、車両の運 転者の足又は脚が通常位置する乗員室の容積からレバーを多少なりとも徐々に離 隔させるように、適宜の方法で形作ることができる。同様に、長円形スロットを ペダルマウントに形成し、この長円形スロット内を摺動するスタッドをプッシュ ロッドに形成するようにすることができる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 運転者及び乗員のための乗員室（Ｈ）とエンジン室（Ｃ）との間のバリヤを 形成する隔壁（１０）と、曲げに対して剛性のある横方向ブレース（３２）と、 乗員室（Ｈ）側で隔壁（１０）に固着されたペダル（１４）用のマウント(１２) とを包含する自動車のためのものであって、ペダル（１４）が、一方の端部をペ ダルマウント（１２）に関節連結され且つ他方の端部に作動シュー（１８）を備 えているペダルレバー（１６）から成り、少くとも１つの剛性力伝達要素(３０) がその第１端部（２８）で横方向ブレース（３２）に関節連結されているペダル 装置において、剛性力伝達要素（３０）の第２端部（３４）がペダルマウント（ １２）とペダル（１４）のレバー（１６）との間に延在し、ペダル（１４）のレ バー（１６）をペダルマウント（１２）の固定点（３８）から離隔するようにこ のレバーと直接に相互作用して、車両の正面衝撃の結果として隔壁（１０）が後 方に押圧されたときにレバーを隔壁（１０）に接近せしめる停止部（４０）を備 えていることを特徴とする自動車用ペダル装置。 ２ 請求項１記載のペダル装置において、剛性力伝達要素（３０）の第２端部（ ３４）が、ペダル（１４）用のマウント（１２）の固定点（３８）と相互作用で きる長円形スロット（３６）を形成されていることを特徴とするペダル装置。 ３ 請求項２記載のペダル装置において、ペダル（１４）用のマウント（１２） の固定点（３８）が、ペダル（１４）用のマウントに固着されたスタッド(３８) から成ることを特徴とするペダル装置。 ４ 請求項３記載のペダル装置において、固定点（３８）がペダル（１４）の休 止位置を定めることを特徴とするペダル装置。