JP2001524803A - インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)のNucAタンパク質およびそのタンパク質をコードする遺伝子 - Google Patents

インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)のNucAタンパク質およびそのタンパク質をコードする遺伝子

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Abstract

(57)【要約】 NucAと称される、インフルエンザ菌(H.influenzae)からのタンパク質が単離されかつ精製される。NucAタンパク質は配列番号2のアミノ酸26〜603のアミノ酸配列もしくはその生物学的に同等なアミノ酸配列を有する。配列番号2のアミノ酸1〜25はシグナルペプチドであり、これは成熟タンパク質のプロセシングの間に切断される。NucAタンパク質は、12%SDS−PAGEゲル上で測定されるようなおよそ63,000ダルトンの分子量を有し、かつ、5’−ヌクレオチダーゼ活性を保有する。NucAタンパク質は、インフルエンザ菌(H.influenzae)生物体からの単離および精製、化学合成、もしくはNucAタンパク質をコードする単離されかつ精製されたnucAのDNA配列による組み換え発現により得られる。こうしたDNA配列は、標準的な高緊縮サザンハイブリダイゼーション条件下で、配列番号2のアミノ酸26〜603のアミノ酸配列もしくはその生物学的に同等なアミノ酸配列を有するインフルエンザ菌(H.influenzae)のNucAタンパク質をコードするDNA配列とハイブリダイゼーションする。NucAタンパク質は、哺乳動物宿主において防御免疫応答を導き出してインフルエンザ菌(H.influenzae)により引き起こされる疾患に対し当該宿主を防御するワクチン組成物を調製するのに使用される。

Description

【発明の詳細な説明】 インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)のNucAタンパク質およびそのタ ンパク質をコードする遺伝子 発明の分野 本発明は、NucAと称されるインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)に より産生される63,000ダルトンのタンパク質、およびそのタンパク質をコードす るnucA遺伝子に関する。 発明の背景 分類できないインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)(NTHi)は、健 康成人の80%までの上部気道で見出される、厳密にヒト共生の生物体である(引 用文献登録1)。それは中耳炎ならびに肺炎および副鼻腔炎を包含する小児での 呼吸器感染症の第1位の原因である(2)。NTHi株は非被包性であるため、 タイプb(Hib)の莢膜構造に基づくインフルエンザ菌(H.influenzae)のた めの現存のワクチンは無効である。これ故に、NTHi生物体に特異的なワクチ ンが必要とされ、そして、潜在的なワクチン成分は外層膜タンパク質のような表 面露出抗原に焦点を合わせている。 発明の概要 従って、インフルエンザ菌(H.influenzae)から付加的なタンパク質を単離し かつ精製すること、および、当該タンパク質が適切なモデル系での実行可能なワ クチン候補かどうかを試験することが、本発明の目的である。 こうしたタンパク質をコードする遺伝子を単離しかつクローニングすること、 および、当該タンパク質を組み換え的に発現することが、本発 明のさらなる目的である。 これら、および、下に論考されるような本発明の他の目的は、NucAと称さ れるインフルエンザ菌(H.influenzae)からのタンパク質、ならびにそのエピト ープ(1個もしくは複数)を含んで成るNucAタンパク質のペプチドの単離お よび精製により達成される。単離されかつ精製された、インフルエンザ菌(H.in fluenzae)のNucAタンパク質は、配列番号2のアミノ酸26〜603のアミノ酸配 列、もしくは、その生物学的に同等なアミノ酸配列を有する。配列番号2のアミ ノ酸1〜25はシグナルペプチドであり、これは成熟タンパク質のプロセシングの 間に切断される。NucAタンパク質は、12%SDS−PAGEゲル上で測定さ れるようなおよそ63,000ダルトンの分子量を有し、また、5’−ヌクレオチダー ゼ活性を保有する。 本発明の一態様において、NucAタンパク質はインフルエンザ菌(H.influe nzae)生物体からの単離および精製により得られる。本発明の好ましい態様にお いて、NucAタンパク質は、そのタンパク質をコードする、単離されかつ精製 されたnucAのDNA配列により組み換え的に発現される。 本発明は、標準的な高緊縮(high stringency)サザンハイブリダイゼーション 条件下で、配列番号2のアミノ酸26〜603のアミノ酸配列、もしくは、その生物 学的に同等なアミノ酸配列を有するインフルエンザ菌(H.influenzae)のNuc Aタンパク質をコードするDNA配列とハイブリダイゼーションするDNA配列 を含んで成る、単離されかつ精製されたDNA配列を包含する。 こうした生物学的に同等なNucA配列の例は、配列番号2のアミノ 酸26〜603のアミノ酸配列が、K79E、N186K、S262G、V294A 、E305Q、K327R、T337A、D360Y、R376HもしくはV4 36Iから成る群から選択される、アミノ酸残基変化の1個もしくはそれ以上に より改変されるものである。 本発明は、さらに、標準的な高緊縮サザンハイブリダイゼーション条件下で、 配列番号1のヌクレオチド304〜2037のヌクレオチド配列を有するDNA配列と ハイブリダイゼーションするようなDNA配列を包含する。 NucAタンパク質の発現を得るため、当該DNA配列はまず適するプラスミ ドベクター中に挿入される。適する宿主細胞が、その後、当該プラスミドで形質 転換もしくはトランスフェクションされる。本発明の一態様において、宿主細胞 は大腸菌(Escherichia coli)株InvαF’である。宿主細胞はその後、宿主細 胞による前記NucAタンパク質の発現を許す条件下て培養される。 本発明の別の態様において、単離されかつ精製されたNucAタンパク質また はそのエピトープ(1個もしくは複数)を含んで成るNucAタンパク質のペプ チドが、哺乳動物宿主での防御免疫応答を導き出すワクチン組成物を調製するの に使用される。当該ワクチン組成物は、さらに、アジュバント、希釈剤もしくは 担体を含んで成りうる。こうしたアジュバントの例は、水酸化アルミニウム、リ ン酸アルミニウム、MPL(商標)、スティミュロン[Stimulon](商標)QS −21、およびIL−12を包含する。当該ワクチン組成物は、インフルエンザ 菌(H.influenzae)により引き起こされる疾患に対して宿主を防御するのに十分 な免疫原性の量で哺乳動物宿主に投与される。 図面の簡単な説明 図1は、12%SDS−PAGEゲル上で泳動された、NTHi株P86029 5のチオシアン酸カリウム抽出物およびバイオゲル[Bio-Gel](商標)HTヒド ロキシルアパタイトカラムからのその溶出物を描く。レーン1−バイオラッド(B ioRad)の低分子量標準品(97、66、45、31および22kDの見かけの分子量);レー ン2−カラム前の3Mチオシアン酸カリウム抽出物;レーン3−カラム通過物(fl owthrough);レーン4−0.3Mリン酸ナトリウム、pH7.0の溶出物;レーン5−0.4 Mリン酸ナトリウム、pH7.0の溶出物。 図2は、それがおよそ63kDであることを示す、さらに精製されたNucAタン パク質の12%SDS−PAGEゲルを描く。レーン1−バイオラッドの低分子量 標準品(図1でと同じ);レーン2−エタノール沈殿前の濃縮されたNucA。 図3は、NTHiのλ Zapライブラリーから増幅された、提案されたnu cA特異的PCR産物を描く。λ Zapライブラリーの概略図は、λ Zap (商標)IIファージのpBluescript(商標)領域へのP860295のゲノムD NA断片の挿入部位、および、これらの部位を含有する可能なゲノムDNA断片 上のnucA特異的縮重プライマーP1およびP2の相対的方向を示す。ファー ジ特異的なT3およびT7プライマー部位は、λ Zap(商標)II DNA上 に固定されて示される。 図4(上)は、成熟nucA配列の大部分を含有した2個のPCRクローンを 描く。これらの配列から、P860295の染色体DNAでのサザンで使用され た420bpのプローブを構築した。図4(下)は、nu cA遺伝子の限られたゲノム制限酵素地図を描く。 図5は、予測されたnucA特異的逆PCR反応および産物の概略図を描く。 P860295のゲノムDNAを、NsiI(上)もしくはEcoRI(中央および下) のいずれかで切断した。DNAを希釈し、そして連結して「自己連結」環を形成 した。nucAのDNAを含有するDNA環が示される。 上−およそ3kbのNsiI環がP1 nucA領域の上流に配列情報を含んでいた 。プライマー対4313extおよび4102extを使用するPCR増幅はお よそ2kbのDNA断片を産生した。 中央−およそ4.3kbのEcoRI環は、P1 nucA領域の上流に配列情報を含有 することができた。プライマー対4121fwdおよび4122extを使用す るPCR増幅はおよそ4kbのDNA断片を産生するはずであった。この大きさの DNA断片は観察されなかった。 下−およそ1.6kbのEcoRI環はnucAコーディング領域の下流に配列情報を含 有することができた。プライマー対4102extおよび4313extを使用 するPCR増幅はおよそ0.7kbのDNA断片を産生するはずであった。実際には 、およそ1.3kbの断片が得られた。 図6は、遺伝子10のT7プロモーター(PT7)の下流のクローニング部位を 囲むDNA配列を包含するpRSETC発現ベクターを描く。制限酵素のDNA 認識部位、すなわちNdeI、NheI、BamHIおよびHindIIIに下線が付けられている。 タンパク質の開始および読み取り枠、ならびにエンテロキナーゼ切断部位(EK 切断)がDNA配列の下に示される。 図7は、ウサギポリクローナル抗体をプローブとしたpPX644の発現産物 からの細胞ライセートでのウェスタンブロットを描く。レーン 1:予め染色された高分子量タンパク質標準品(200、97.4、68、43、29、18.4 および14.3kD)(ギブコ(Gibco)BRL);レーン2:NucAの精製された天 然のタンパク質標準品;レーン3および4:それぞれ誘導されないおよび誘導さ れたBL21(DE3)pLysS/pPX644の単離物1;レーン5および 6:それぞれ誘導されないおよび誘導されたBL21(DE3)pLysS/p PX644の単離物5;レーン7および8:それぞれ誘導されないおよび誘導さ れたBL21(DE3)pLysS/pPX644の単離物7;レーン9および 10:それぞれ誘導されないおよび誘導されたBL21(DE3)pLysS/ pRSETC。矢印はNucAの移動を示す。 図8(上)はクマシー染色された12%ゲルを描き、また、図8(下)は、ウサ ギポリクローナル抗体をプローブとして誘導されないおよび誘導されたライセー トを示すpPX693のnucA成熟配列融合クローン1〜3からの細胞ライセ ートでのウェスタンブロットを描く。pPX707(ompTシグナル配列)の 第二のクローンもまた描かれる。レーン1−図に示されるような見かけの分子量 をもつBRLの高分子量タンパク質標準品;レーン2−nNucA;レーン3− 誘導されないpPX707のクローン2;レーン4−誘導されたpPX707の クローン2;レーン5−誘導されないpPX693のクローン1;レーン6−誘 導されたpPX693のクローン1;レーン7−誘導されないpPX693のク ローン2;レーン8−誘導されたpPX693のクローン2;レーン9−pPX 693のクローン3(間違った方向のnucA);レーン10−およそ68kDのバ ンドの誘導がないことを示す、誘導されたpPX693のクローン3;レーン1 1−しかし1.0の代わりに1.7の0. D.600で誘導されたpPX693のクローン3;レーン12−誘導されたベク ター単独(pRSETC)の培養系からのライセート、陰性対照;レーン13− pPX644からのrNucAの精製された調製物;レーン14−ブランク;レ ーン15−BRLの低分子量標準品。 図9は、pPX691の構築におけるベクターへの挿入部位を示す、nucA のシグナル配列および部分的成熟配列と一緒になったpTrcHisCベクター の特徴を描く。図9の配列の最初の3本の線は、シグナル配列(配列番号22) の最初のATGで開始しそして成熟配列中に78塩基連続する部分的な天然のnu cA配列を表す。配列の次の2本の線は、ベクター中のNcoI制限酵素切断部位( ATG開始部位を含有する)、ポリヒスチジン領域、エンテロキナーゼ切断部位 およびマルチクローニング領域のBamHI切断部位を包含する、当該ベクターのコ ーディング配列(配列番号23)を表す。当該プラスミドは、発現が誘導まで止 められる(漏出(leak through)からの低い基礎レベルが存在する)ように強力な 誘導可能なtrcプロモーターを抑制するため、lacIqを含有する。 図10(上)はクマシー染色されたゲルを描き、そして、図10(下)は、異 なるベクターおよび宿主株での天然の(pPX691および692)もしくはo mpT(pPX707)シグナル配列のいずれかをもつ構築物であるpPX69 1、pPX692およびpPX707からの細胞ライセートでのウェスタンブロ ットを描く。pPX692のベクターであるpRSETCの陰性対照が包含され る。pPX692での付加的な誘導されたレーン(左から9番目)は、O.D.600 が1.0の代わりに1.5で誘導された培養系からであり、NucAタンパク質発 現での減少 を示す。レーン10および11の誘導されないおよび誘導されたpRSETCラ イセートは挿入されたnucAをもたないクローン由来である一方、レーン14 の誘導されたpRSETCライセートは類似の宿主株へ形質転換されたベクター 由来である。レーン1および15−見かけの分子量標準品は図上で列挙されるよ うである(200、97、68、43および29kD);レーン2−天然のNucAタンパク 質(しかしクマシー染色で可視化されるのに十分でないタンパク質が存在した) ;レーン3および5−それぞれpPX691のクローン14および15からの誘 導されない細胞ライセート;レーン4および6−同じpPX691クローンの誘 導された細胞ライセート;レーン7−pPX692のクローン11からの誘導さ れない細胞ライセート;レーン8および9−同じ培養系のしかしそれぞれ0.9お よび1.5のO.D.600で誘導された細胞ライセート;レーン12−誘導されない pPX707のクローン1;レーン13−誘導されたpPX707のクローン1 。 図11は、PelBおよびOmpTのNucA融合タンパク質の発現のクマシ ーゲルを描く。レーン0−図に示されるような見かけの分子量をもつ、予め染色 された高分子量タンパク質標準品;レーン1、3、5および7−上清のサンプル ;レーン2、4、6および8−細胞ペレットのサンプル;レーン1〜4−BL2 1(DE3)pLysS/pPX707(OmpT−NucA)から;レーン5 〜8−BL21(DE3)pLysS/pPX708(PelB−NucA)か ら。矢印はNucAの移動を示す。 図12は、異なるシグナル配列をもつ構築物からの細胞ライセートでのクマシ ー染色された12%SDS−PAGEゲルを描く。至適化された TIRをもつ成熟クローンpPX707およびNTHiのP860295のライ セートもまた包含される。陰性対照は誘導されたベクター(pTrcHisC) 単独である。ここで、当該ベクターはいずれかのNucA配列を含有しない。レ ーン1および10−上のような分子量標準品;レーン2−pPX691からのr NucAの精製された調製物(prep);レーン3−pPX691からの誘導されな いライセート;レーン4−pPX691からの誘導されたライセート;レーン5 −pPX707からの誘導されたライセート;レーン6−pPX708からの誘 導されたライセート;レーン7−pPX709からの誘導されたライセート;レ ーン8−P860295からのライセート;レーン9−誘導されたpTrcHi sC。 図13は、TLCプレート上での5’−ヌクレオチダーゼアッセイの結果を描 く。ヌクレオチダーゼ活性は全細胞で測定し、また、天然もしくは組み換えNu cAタンパク質を精製した。反応は以下の添加を含有した。すなわち、レーン1 :10μlのP860295細胞;レーン2:5μlのrNucA;レーン3:1μ lのrNucA;レーン4:5μlのnNucA;レーン5:1μlのnNucA ;レーン6:添加されたヌクレオチダーゼなし;レーンC:21.5mMアデノシン1 μlおよびレーン6からの反応1μl(Aとして示されるアデノシンの移動につい ての対照)。溶媒先端が示される。 図14は抗nNucA Mab Nt−63−34−25によるrNucA( pPX691)の5’−ヌクレオチダーゼ活性の阻害を描く。酵素活性の阻害が プロテインAビーズの非存在(黒四角)もしくは存在(白丸)で描かれる。 図15は、nucAの420bpのdig標識されたプローブで探られた(probed) 、いくつかのNTHiおよびタイプbイーガン(Eagan)株ならびにその他の種の ドットブロットハイブリダイゼーションを描く。数字1〜22は下の実施例8に示 されるとおりである。 発明の詳細な記述 本発明は、単離されかつ精製された、インフルエンザ菌(H.influenzae)のN ucAタンパク質に関する。NucAタンパク質は、配列番号2のアミノ酸1〜 603のアミノ酸配列を有する。アミノ酸1〜25はシグナルペプチドを含んで成る 。正常のプロセシングの後、成熟NucAタンパク質は、配列番号2のアミノ酸 26〜603のアミノ酸配列を有する。NucAタンパク質は、12%SDS−PAG Eゲル上で測定されるようなおよそ63,000ダルトン(63kD)の分子量を有する。 NucAタンパク質はまた、抗天然NucAモノクローナル抗体により阻害され る(実施例6)5’−ヌクレオチダーゼ活性(実施例5を参照)も有する。 NucAタンパク質はインフルエンザ菌(H.influenzae)の細胞表面上に非常 に少量で存在する。NucAは膜結合タンパク質である。このタンパク質は、試 験された全てのインフルエンザ菌(H.influenzae)の株で高度に保存されている 。本発明は、さらに、そのエピトープ(1個もしくは複数)を含んで成るNuc Aタンパク質のペプチドに関する。こうしたペプチド類は、NucAタンパク質 の1種もしくはそれ以上のエピトープと免疫学的に交差反応性である1個もしく はそれ以上のエピトープを組込む。こうしたペプチドが最初に産出され、そして その後、交差反応性について試験される。 NucAタンパク質は、インフルエンザ菌(H.influenzae)生物体か らの単離、組み換えDNA発現、もしくは化学合成により得られる。化学合成は 、固相および液相合成、具体的にはそのエピトープ(1個もしくは複数)を含ん で成るNucAタンパク質のペプチドの産生のための標準的な化学的現象を使用 することを必要とする。 インフルエンザ菌(H.influenzae)生物体からのNucAタンパク質の単離方 法が下の実施例1に詳述される。要約すれば、生物体をチオシアン酸カリウムで 抽出し、この抽出物を2個のヒドロキシルアパタイトカラムを通過させ、そして SDS−PAGEにかける。ゲル上の63kDのバンドを切り抜いて精製されたNu cAタンパク質を得る。実施例4は2個の代替の精製法を詳述する。第二のヒド ロキシルアパタイトカラムはモノQ(MonoQ)カラムにより置き換えられうる。あ るいは、チオシアン酸カリウム抽出段階は塩化ナトリウム抽出段階により置き換 えられる。 NucAタンパク質をコードする遺伝子のクローニングは簡単でなかった。下 の実施例2は、不成功に試みられたいくつかの戦略、ならびに、NucAタンパ ク質をコードするDNA配列を含有するnucA遺伝子の最後に成功したクロー ニングを述べる。成功したクローニングの後にNucAタンパク質の発現および nucA遺伝子の配列決定を行った。完全なnucA遺伝子配列は、配列番号1 のヌクレオチド229〜2037に述べられる。シグナルペプチドはヌクレオチド229〜 303によりコードされる。成熟NucAタンパク質はヌクレオチド304〜2037によ りコードされる。 下の実施例3は、NucAタンパク質の発現を詳述する。完全長のnucA遺 伝子を、大腸菌(E.coli)の発現ベクターpTrcHisC中にクローニングし 、そしてpPX691と称した。このnucA遺伝子 を、そのシグナル配列がプロセシングされた成熟NucAタンパク質として大腸 菌(E.coli)中で発現させた。培養系を、NucAタンパク質の発現のためIP TGで誘導した。発現は、ウェスタン分析およびクマシーゲル分析の双方により 確認した。 本発明は、さらに、インフルエンザ菌(H.influenzae)のNucAタンパク質 をコードするDNA配列を含んで成る単離されかつ精製されたDNA配列、なら びに、そのエピトープ(1個もしくは複数)を含んで成るNucAタンパク質の ペプチドをコードする付随するDNA配列に関する。 多様な宿主細胞−ベクター系が、実施例3で詳述されたものに加え、本発明の NucAタンパク質およびペプチドを発現するのに使用される。ベクター系は使 用される宿主細胞と適合性である。適する宿主細胞は、プラスミドDNA、コス ミドDNAもしくはバクテリオファージDNAで形質転換された細菌;ワクシニ アウイルスおよびアデノウイルスのようなウイルス;ピキア属(Pichia)の細胞の ような酵母;Sf9もしくはSf21細胞のような昆虫細胞;またはチャイニー ズハムスター卵巣細胞のような哺乳動物細胞系;ならびに他の慣習的な生物体を 包含する。 多様な慣習的な転写および翻訳要素が当該宿主細胞−ベクター系に使用され得 る。nucAのDNAは発現系に挿入され、そして、当該プラスミドベクターが 宿主細胞に挿入される場合にnucAのDNAが当該宿主細胞により発現され得 るように、プロモーターおよび他の制御要素がベクター内の特定の部位に連結さ れる。 異種性シグナルペプチドが、細胞膜を横切って組み換えNucAタンパク質を トランスロケーションするために使用される。実施例3はOm pTおよびPelBシグナル配列の成熟nucA遺伝子の上流の別個のクローニ ングを詳述する。NucAタンパク質の発現はこれらのシグナル配列のそれぞれ で成功した。 プラスミドは、使用される宿主細胞−ベクター系に依存して、形質転換、形質 導入もしくはトランスフェクションにより宿主細胞に導入される。宿主細胞は、 その後、宿主細胞によるNucAタンパク質の発現を許す条件下で培養される。 NucAタンパク質(配列番号1)をコードするNTHi株P860295か ら得られるDNA配列に加え、本発明は、さらに、遺伝暗号の冗長性によってN ucAタンパク質をコードする配列に生物学的に同等であるDNA配列を含んで 成る。すなわち、これらの他のDNA配列は本明細書で述べられるものと異なる がしかし配列番号1のDNA配列によりコードされるものと同じアミノ酸配列を 有するタンパク質もしくはペプチドをコードするヌクレオチド配列により特徴づ けられる。 とりわけ、本発明は、サンブルック(Sambrook)ら(3)に記述されるもののよ うな標準的な高緊縮サザンハイブリダイゼーション条件下でそれらとのハイブリ ダイゼーションを許すように配列番号1の配列を十分に複製するDNA配列、な らびにそれにより産生される生物学的に活性な酵素を企図する。 本発明はまた、NucAタンパク質のもとの異なるがしかしそのタンパク質( 配列番号2)について記述されたものと生物学的に同等であるアミノ酸配列をコ ードするDNA配列も含んで成る。こうしたアミノ酸配列は、それらの配列が、 当該配列の三次元配置がNucAタンパク質のもとの本質的に変化していないよ うにNucAの配列からの小さな欠 失もしくはそれに対する保存的置換によってのみ異なる場合に、NucAタンパ ク質のものと生物学的に同等であると言われることができる。 例えば、疎水性アミノ酸であるアミノ酸アラニンのコドンは、グリシンのよう な別の疎水性のより小さい残基、または、バリン、ロイシンもしくはイソロイシ ンのような疎水性のより大きい残基をコードするコドンにより置換されうる。同 様に、グルタミン酸の代わりにアスパラギン酸のような、1個の負に荷電した残 基の別のものとの置換、もしくは、アルギニンの代わりにリシンのような、1個 の正に荷電した残基の別のものとの置換をもたらす変化、ならびに、それらのハ イドロパシーインデックスの残基の類似性に基づく変化もまた、生物学的に同等 な産物を産生すると期待され得る。タンパク質分子のN末端もしくはC末端部分 の変化をもたらすヌクレオチド変化はまた、タンパク質の活性を変えると期待で きないともみなされる。提案された改変のそれぞれは、十分に、当該技術分野の 慣例技能内にあり、それはコードされた産物の生物学的活性の保持の決定である ようである。従って、「nucAのDNA」もしくは「NucAタンパク質」と いう用語が本明細書もしくは請求の範囲のいずれかで使用される場合、それぞれ は、生物学的に同等なタンパク質の産生をもたらす全てのそうした改変および変 動を包含すると理解されることができる。 とりわけ、下の実施例9で述べられるように、本発明のNucAタンパク質は 、配列番号2のアミノ酸配列に対する以下の変化、すなわちK79E、N186 K、S262G、V294A、E305Q、K327R、T337A、D360 Y、R376HもしくはV436Iの1個もしくはそれ以上を有しうる。これら のアミノ酸の変化の1個もしくはそ れ以上は、他のNTHiゲノムおよびタイプbイーガン株に存在する。 NucAタンパク質、およびそのエピトープ(1個もしくは複数)を含んで成 るNucAタンパク質のペプチドは、インフルエンザ菌(H.influenzae)により 引き起こされる中耳炎および肺炎に対して温血動物に防御を賦与するワクチンの 調製で有用である。 これらのワクチン組成物は、単離されかつ精製された、インフルエンザ菌(H. influenzae)のNucAタンパク質、またはそのエピトープ(1個もしくは複数 )を含んで成るNucAタンパク質のペプチドを含んで成り、当該ワクチン組成 物は哺乳動物宿主で防御免疫応答を導き出す。 NucAタンパク質もしくはペプチドを含有するワクチンは、注入可能な液体 の溶液もしくは懸濁液を調製するための慣習的様式で、免疫学的に許容できる希 釈剤もしくは担体と混合されうる。加えて、当該ワクチンは、水酸化アルミニウ ム、リン酸アルミニウム(アルム)、もしくは、スティミュロン[Stimulon]( 商標)QS−21(ケンブリッジ バイオテク コーポレーション(Cambridge B iotech Corporation)、マサチューセッツ州ウォーセスター)、MPL(商標) (3−O−デアシル化モノホスホリルリピドA、RIBI イミュノケム リサ ーチ インク(RIBI ImmunoChem Research,Inc.)、モンタナ州ハミルトン)、お よびIL−12(ジェネティクス インスティテュート(Genetics Institute) 、マサチューセッツ州ケンブリッジ)のような他の製薬学的に許容できるアジュ バントを包含しうる。 本発明のワクチンはまた、当該技術分野でよく知られる付加的なインフルエン ザ菌(H.influenzae)のタンパク質も包含しうる。こうしたタンパク質の例はP 6およびP4と称されるものである(後者はタンパク 質「e」としてもまた知られる)。 本発明のワクチンは、NTHiにより引き起こされる中耳炎に対する防御のた めの能動免疫応答を誘導するために、皮下、腹腔内もしくは筋肉内注入のような 慣習的様式の注入により温血動物に、ならびに、経口投与および鼻内投与により 投与される。投与されるべき投薬量は当業者に既知の手段により決定される。保 護はワクチンの単一用量により賦与されうるか、もしくは、数回の追加抗原用量 の投与を必要としうる。 通常は、ヒトの臨床データの非存在下では、認められた動物モデルでの能動免 疫はヒトにおけるワクチンの有効性を予測する上で頼みにされる。チンチラはN THiに対する能動免疫の動物モデルを提供することが提案されている(4)。 しかしながら、候補のNTHiタンパク質での後の能動免疫実験は、チンチラ は許容できるモデルでないことを立証した(未発表データ、レーダール・プラク シス バイオロジカルズ(Lederle-Praxis Biologicals)、ニューヨーク州ウェス トヘンリエッタ)。 Hibの許容できる動物モデルは、インビトロ殺菌アッセイ(6)と一緒にな った仔ラットの受動免疫(5)から成る。能動免疫は仔ラットで可能でない。仔 ラットは4〜5日間のみHibに感受性であり、その後それは感受性でない。こ の短い期間のため、仔ラットを能動的に免疫することは可能でない。なぜなら、 当該細菌での攻撃は免疫後5日以上起こらなくてはならないとみられ、また、当 該動物はその時点で攻撃に応答しないからである。従って、仔ラットでの受動免 疫は、殺菌アッセイのデータとひとまとめにされる場合、ヘモフィルス属(Haemo philus)に関する唯一の可能な動物モデルを提供する。 本発明において、NucAタンパク質は、仔ラット受動免疫試験および殺菌ア ッセイの双方でのその活性の理由で、実行可能なワクチン候補であることが示さ れる(下の実施例7で詳述されるように)。その仔ラットの試験では、タイプb イーガンが攻撃株として使用された。その結果は、抗組み換えNucAタンパク 質血清で受動的に免疫されたラットでの菌血症の抑制を立証した。 ワクチン投与の前述の方式に加え、遺伝免疫、ポリヌクレオチド免疫もしくは 裸の(naked)DNA技術として様々に知られる技術が使用されうる。DNAでの 免疫はA型インフルエンザでの攻撃から動物を保護するのに使用されている(7 )。この技術では、nucAのDNAはプラスミドDNAおよび裸のDNAのよ うな形態で使用され、そして、ファイナン(Fynan)ら(8)による例について記 述されるように、非経口、粘膜および遺伝子ガン接種(gene gun inoculation)に よるを包含する多様な方法で哺乳動物宿主に投与される。ブピビカインのような 促進剤がこの技術で使用されうる。 nucAのDNAはまた、選択された臨床サンプル中のインフルエンザ菌(H. influenzae)もしくは検査室の株の検出における診断法としての使用のためのプ ローブを生じさせるのにも使用される。分析される臨床サンプルは、臨床単離物 、耳の単離物、および喉の培養系を包含する。当該プローブは、それぞれHib およびNTHiにより引き起こされる髄膜炎、中耳炎および肺炎の診断で使用さ れる。 1種のこうしたプローブは、配列番号1のヌクレオチド416〜835に及ぶ420bp のプローブである。下の実施例8に記述されるように、この420bpのプローブは ドットブロットハイブリダイゼーションアッセイで使用 された。当該プローブは、全てのNTHi株およびタィプbイーガン株を包含す る試験された全てのヘモフィルス属(Haemophilus)の株に関して陽性であった。 当該プローブは、大腸菌(E.coli)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、ヘリコバク ター ピロリ(Helicobacter pylori)、モラクセラ カタラリス(Moraxella cata rrhalis)およびネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)を包含する他の細菌株 に関して陰性であった。期待されたように、当該プローブは、rnucAプラス ミドを含有する大腸菌(E.coli)株に関して陽性であった。かように、nucA プローブはnucA配列に特異的であり、また、インフルエンザ菌(H.influenz ae)の株の存在の診断に有用である。 組み換えプラスミドpPX691をもつ大腸菌(E.coli)株InvαF’のサ ンプルは、発明者により、アメリカン タイプ カルチャーコレクション(Ameri can Type Culture Collection)、12301 Parklawn Drive、メリーランド州ロック ヴィル、20852、米国、に寄託され、そしてATCC受託番号98104を割り 当てられている。プラスミドpPX691は、配列番号2の残基26〜603のアミ ノ酸配列を有するNucAタンパク質をコードするnucA挿入物を含有する。 ATCCに寄託された素材はまた、配列番号2のアミノ酸26〜603のアミノ酸 配列が、K79E、N186K、S262G、V294A、E305Q、K32 7R、T337A、D360Y、R376HもしくはV436Iから成る群から 選択されたアミノ酸残基の変化の1個もしくはそれ以上により改変されるものを 包含するがしかしそれらに制限されないNucAタンパク質に生物学的に同様な 配列を生じさせるために、慣習的な遺伝子工学技術と共にも使用され得る。 本発明がよりよく理解されうるために、以下の実施例が述べられる。この実施 例は、例証のみの目的のためであり、また、本発明の範囲を制限するように解釈 されるべきでない。 実施例 以下のインフルエンザ菌(H.influenzae)の株を使用した。すなわちNTHi株 P860295 フィラデルフィア州ピッツバーグの小児病院からの耳の単離物 P810384 フィラデルフィア州ピッツバーグの小児病院からの耳の単離物 P810568 フィラデルフィア州ピッツバーグの小児病院からの臨床単離物 P861454 フィラデルフィア州ピッツバーグの小児病院からの喉の培養系 P880859 フィラデルフィア州ピッツバーグの小児病院からの耳の単離物 N1955 ダラスのテキサス大学サウスウェスタンメディカルセンターか らの臨床単離物 TN106 ダラスのテキサス大学サウスウェスタンメディカルセンターか らの臨床単離物 SH1013 テキサス州からの耳の単離物 SH1014 オハイオ州からの耳の単離物 SH1015 テキサス州からの血液単離物 DL208 ダラスのテキサス大学サウスウェスタンメディカルセ ンターからの臨床単離物 N830161E ダラスのテキサス大学サウスウェスタンメディカルセンター からの臨床単離物 H305 フィラデルフィア州ピッツバーグからの臨床単離物タイプb イーガン アメリカン タイプ カルチャー コレクション(American Ty pe Culture Collection)、例えばATCC31,441もしくは53,763 ホイッティア(Whittier)マサチューセッツ州ボストンの小児病院からの非被包性 タイプb 標準的な分子生物学技術が、サンブルック(Sambrook)ら(3)に記述されたプ ロトコールに従って利用される。 実施例1 NucAタンパク質の同定 全てのNTHi株、ならびにタイプbのイーガンおよびホイッティア株を、10 μg/mlのヘミンストック(100mlの溶液あたり0.1gのヘミン、0.1gのヒスチジン 、4mlのトリエタノールアミン)および40μg/mlのNAD、もしくは、2%フィ ルズ(Fildes)強化(enrichment)(レメル(Remel)、カンサス州レネクサ)および2 0μg/mlのNADで補充されたBHI(脳心注入)培地中で増殖させた。培養系 は振とうしながら37℃でインキュベーションした。 NTHinP860295からの細胞培養系をペレットにし、PBSもしくは 生理的食塩水で洗浄し、そして培養系1リットルあたり10mlの3Mチオシアン酸 カリウム−0.1Mリン酸、pH6.0中で再懸濁し、そして室 温(RT)で30分間揺らした。特有のバンド(外層膜タンパク質(OMP)と異 なる)が、チオシアン酸カリウム抽出物を12%SDS−PAGEゲル上で流した 場合に見られた。これらのタンパク質の1種は約63kDで動き(図1を参照)、そ して下述のようにさらに精製した。 チオシアン酸カリウム抽出物を、ソルブオール(Sorvall)遠心分離器で8000rpm で20分間、その後SS−34ローターで10,000rpmで15分間の遠心分離により透 明にした。上清を0.22μmのフィルターを通過させ、そして、0.05Mリン酸ナトリ ウム、pH7.0のそれぞれ2リットルの2回交換に対して透析した。透析された抽 出物を、バイオゲル[Bio-Gel](商標)HTヒドロキシルアパタイト(HA) カラム(抽出物1mlあたり0.2〜0.3mlのHA)に負荷し、そして0.05Mリン酸、pH 7.0で平衡化した。このカラムを約10カラム体積の0.05Mリン酸、pH7.0で洗浄し た。63kDのタンパク質を、約5〜6カラム体積の0.3Mリン酸、pH7.0、次いで同 様の体積の0.4Mリン酸、pH7.0で段階溶出した。当該タンパク質を含有するフラ クションをプールし、そしてYM30メンブレンを使用してアミコン(Amicon)攪 拌セル(stir cell)中で濃縮し、そして粒状物質を3000rpmで10分間、ペレットに した(pelleted)。上清を、第二のHAカラム(第一のカラムの約半分の体積)で のさらなる精製のため、0.05Mリン酸、pH7.0に対して透析し、そして0.05Mリン 酸、pH7.0で平衡化した。サンプルを負荷した後、カラムをまず0.05Mリン酸、pH 7.0、その後0.3Mリン酸、pH7.0(約2カラム体積)で洗浄した。タンパク質を、 0.3M−0.4Mリン酸、pH7.0の濃度勾配(約3カラム体積)で溶出した。フラクシ ョンを収集し、そして本質的に純粋な63kDのバンドを含有するもの全て(SDS −PAGEゲルによる大きさを基にして同定される)をプールしそし て濃縮した。 最後に、第三のHAカラムから溶出された100μgのタンパク質を繰り返してセ ントリコン(Centricon)30中で限外濾過してリン酸を滅菌水で置き換え、エタ ノール沈殿し、そしてSDS−PAGEにかけた(図2を参照)。濃度はピータ ーソン−ロウリー(Peterson-Lowry)法により測定し、また、N末端アミノ酸配列 決定分析を実行した。最初の26アミノ末端残基は、配列番号2の残基26〜51に述 べられた配列を有する。同質性までの精製を、ゲル上でタンパク質を電気泳動す ること、およびその後に63kDのバンドを切り抜くことにより果たした。このタン パク質をゲル薄片から電気溶出し、エタノール沈殿し、定量し、SDS−PAG E上でチェックし、そして免疫原性試験1で使用した。下の実施例7を参照。 動物試験(試験1)を、NucAタンパク質の免疫原性を決定するために実行 した。動物試験のデータについて下の表3、5および6を参照。このタンパク質 に対する抗体力価を測定した。全細胞(WC)および殺菌(BC)アッセイを血 清で測定した。「NucA」と称される天然のタンパク質が、WC酵素免疫測定 法(ELISΛ)で試験された全ての株で抗原性かつ交差反応性であることが見 出された。加えて、当該血清は、試験された4個の異種株のうち2個に殺菌活性 を有した。従って、NucAタンパク質は潜在的なワクチン候補であるとみなさ れた。より大量のNucAタンパク質を生じさせるためには、このタンパク質を コードする遺伝子をまず同定し、そして、組み換え的に発現させるためにクロー ニングしなければならないことができた。 実施例2 nucA遺伝子のクローニング 予備段階 この作業を実施することにおいて、以下の試薬および株を使用した。すなわち 、ニューイングランド バイオラブス(New England Biolabs)(マサチューセッ ツ州ビバリー)もしくはベーリンガー マンハイム(Boehringer Mannheim)(イ ンジアナ州インジアナポリス)からのDNA改変酵素;ベーリンガー マンハイ ムからのアガロースLE;FMC(メーン州ロックランド)からのシープラーク [Sea Plaque](商標)低温溶融アガロース;シグマ(Sigma)(ミズーリ州セン トルイス)からのアデノシン5’−モノリン酸およびアデノシン;J.T.ベイ カー ケミカル カンパニー(J.T.Baker Chemical Co.)(ニュージャージー州 フィリップスバーグ)からのSi250F TLCプレート;インビトロジェン (Invitrogen)(カリフォルニア州サンディエゴ)からのTAクローニングキット 、INVαF’、ならびにpRSETCおよびpTrcHisC発現ベクター; ノヴァジェン(Novagen)(ウィスコンシン州マディソン)からのBL21(DE 3)pLysS、pET12aおよびpET20b;ストラタジーン(Stratagen e)(カリフォルニア州ラホヤ)からのλ Zap(商標)IIベクターおよびXL I−Blue MRF’宿主株。 使用された標準的分子生物学の方法は、サンブルック(Sambrook)ら(3)によ り報告されたものと同様であった。 全てのNTHi株、ならびにタイプbのイーガンおよびホイッティア株を、10 μg/mlのヘミンストック(100mlの溶液あたり0.1gのヘミン、0.1gのヒスチジン 、4mlのトリエタノールアミン)および40μg/mlのNA D、もしくは、2%フィルズ強化および20μg/mlのNADで補充されたBHI( 脳心注入)培地中で増殖させた。培養系は振とうしながら37℃でインキュベーシ ョンした。λ Zap(商標)IIベクター中でのP860295ライブラリーの構築 およそ50μg(100μl)のP860295の染色体DNAを、10×緩衝液4( ニューイングランド バイオラブス[NEB])中、65℃で50分間、20単位のTs p509I制限酵素(NEB)で切断した。断片(4〜10kb)を、40Vで約14時間流さ れた0.7%シープラーク(FMC)アガロースゲル上でゲル単離した。適切な大 きさのバンドをゲルから切り抜き、70℃で融解し、1体積の1×TE、pH7.5で 希釈しそして等体積の温(RT〜37℃)フェノールで抽出した。上清をクロロホ ルム抽出してフェノールを除去し、1/10体積の3M酢酸ナトリウムを添加し、そ してDNAを2体積の冷無水エタノールで沈殿させた。DNAをペレットにし、 70%エタノール中で洗浄し、乾燥しそして10μlの滅菌水中に再懸濁した。異な る量のDNAを、EcoRI切断されかつ脱リン酸化されたλ Zap(商標)IIベ クターのアーム(arm)(ストラタジーン)に12℃で一夜連結した。λ Zap( 商標)IIベクターは、そのベクター内に含有されるクローニングされた挿入物の インビボでの削除および再環化を可能にしてクローニングされた挿入物を含有す るファージミドを形成するようデザインされている。ライゲーションを、ストラ タジーンの抽出物を使用してパッケージングし、そしてXL1−Blue MR F’細胞でプレートで培養した。挿入の効率は、X−gal(5−ブロモ−4− クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド)プレート上での青 色プラークに対する白色プラークに基づき、90%から95%まで変動した。白色プ ラークは約4〜6kbの挿入物を含有した。 ライブラリーからのプラークを、ジゴキシゲニン−11−dUTP(dig−d UTP)プローブ(ベーリンガー マンハイム)でのハイブリダイゼーションに よるかもしくはPCR反応(下を参照)でかのいずれかにより、モノクローナル およびポリクローナル抗体もしくはDNAプローブでスクリーニングした。 λ Zap(商標)IIライブラリーのイムノブロットスクリーニング λプラーク約500pfuを、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(I PTG)を加えた100mmのTY(水酸化ナトリウムでpH7.5に調節された培地1リ ットルあたり5gの塩化ナトリウム、2gの硫酸マグネシウム7水和物、5gの酵 母抽出物、10gのトリプトンに、15gのディフコ(Difco)アガーを加える)プレー ト上で培養し、そして37℃で一夜インキュベーションした。このプレートを最低 2時間4℃で冷却した。プラークを、5〜10分間、乾燥したシュライヒャー ア ンド シュエル(Schleicher & Schuell)(ニューハンプシャー州キーン)NC( 商標)ニトロセルロースメンブレンでブロットした。このフィルターを、100mm ペトリ皿中の15mlの5%ブロット(BLOTTO)(1×PBS中)中でブロックした。 トゥイーン[Tween](商標)−20(0.1〜0.3%)をときどき添加してバック グラウンドを0.1〜0.3%に低下させた。フィルターをRTで4〜6時間もしくは 37℃で1時間揺らした。ブロット(BLOTTO)を除去し、そして5%ブロット中の一 次抗体をフィルターとともに4℃で一夜インキュベーションした。使用された一 次抗体は、モノクローナル抗体Nt63−34−25、Nt63−60−14、 Nt63/2−1 −45およびNt63/2−13−42(実施例7で記述されるように生じさせ た)、もしくはこれらの4種のモノクローナル抗体の混合物、または、XL1− Blue MRF’、Y1090R-、Y1089R-およびY1088細胞培養 系ならびにλ Zap(商標)IIライセートに吸収されていたポリクローナルウ サギ血清であった。洗浄を、各5〜10分間、15mlの5%ブロットでRTで行い、 3回繰り返した。その後、フィルターを、0.1〜0.3%のトゥイーン[Tween]( 商標)−20を加えたもしくは加えない5%ブロット中で1000倍に希釈された二 次抗体(ホスファターゼを結合されたKPL抗マウスIgG+M QJ08−1 )とともにインキュベーションし、そしてRTで1時間揺らした。再度、フィル ターを、0.1〜0.3%のトゥイーン[Tween](商標)−20を加えた1×PBS の各15mlでRTで5〜10分間3回洗浄した。1回の追加の洗浄を1×PBS中で 実行した。フィルターをその後、展開(developing)緩衝液(0.1Mトリス、pH9.5 、0.1M塩化ナトリウム、5mM塩化マグネシウム)中でRTで5分間平衡化した。 フィルターをその後、45μlのNBT(ニトロブルーテトラゾリウム)および35 μlのBCIP(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸)を加えた10m lの展開緩衝液を含有するペトリ皿中に置き、そして揺らして、フィルターを展 開剤に確実に浸した。それをその後、スポットが十分に濃くなるまで暗所で平坦 な面上に留めた。反応を、フィルターを脱イオン水中で数回すすぐことにより停 止し、そして暗所で3MMワットマン紙上で乾燥した。 λ Zap(商標)IIプラークに対する高バックグラウンド反応性の問題が存 在するようであった。二次抗体がバックグラウンド結合の主要原因であることが 見出された。アルカリホスファターゼを結合されたヤ ギ抗マウスIgG+Mのロット番号QJ08−1(カーキーガード アンド ペ リー ラブス(Kirkegaard & Perry Labs)、メリーランド州ゲイタースバーグ) は、試験されたもののうち、1000倍希釈で使用された場合に最低のバックグラウ ンドを有した。イムノブロットスクリーニングは、NucAについてのいずれか の陽性クローンを生じなかった。バックグラウンドの非特異的結合により、この 方向でのさらなる研究は有望と思われなかった。従って、別の戦略を採用してn ucAクローンおよび配列を引き出そうと試みた。λ Zap(商標)IIライブラリーでのプラークハイブリダイゼーション 2個の24merの縮重オリゴヌクレオチドプローブを、NucAタンパク質のN 末端配列から(下の実施例4を参照)、およびこの目的のために編集されたイン フルエンザ菌(H.influenzae)のコドン使用頻度表を利用してデザインした。当 該プローブは成熟タンパク質のN末端のアミノ酸1〜8および14〜21を包含し、 そしてそれぞれP1およびP2と命名した。 P1 AAAGAAGCACCACAAGCACATAAA(配列番号3) P2 ATTTTACATATTAATGATCATCAT(配列番号4) P1およびP2はそれぞれ4塩基で揺らいだ(wobbled)。P1については、残基 9のAはTであることがあり、残基12のAはTであることがあり、残基18のAは Tであることがあり、そして残基21のTはCであることがある。P2については 、残基3のTはCであることがあり、残基9 のTはCであることがあり、残基12のTはCであることがあり、そして残基21の TはCであることがある。プライマーP1は、ヌクレオチド309のGがこのプラ イマーでAであることを除いては配列番号1のヌクレオチド304〜327に対応する 。プライマーP2は、ヌクレオチド348のGがこのプライマーでAであることを 除いては配列番号1のヌクレオチド343〜366に対応する。当該オリゴヌクレオチ ド類(oligos)を、供給元の推奨に従ってdig−dUTPで3’末端標識した。 P1およびP2のプローブを、EcoRIおよびBamHIで切断されたP860295 の染色体DNAならびにEcoRIで切断されたXl1−Blue MRF’の染色 体DNAでのサザンハイブリダイゼーションによりゲノムDNAでチェックした 。P860295のDNAでは、唯一のバンドがEcoRI切断物のおよそ4kbにP 1プローブでみられた一方、P2プローブでおよそ4kbおよび1.8kbに2個のバ ンドがみられた。P860295のDNAのBamHI切断物はおよそ30kbのバンド を示した。XL1−Blue MRF’のDNAは当該プローブと交差反応しな かった。プローブとしてのP1とのプレハイブリダイゼーションおよびハイブリ ダイゼーションのインキュベーションを53℃で実行し、P2プローブについては それらは45℃で実行した。P1ハイブリダイゼーションの洗浄は48℃で実行し、 P2についての洗浄は標準的プロトコールに従って40℃で実行した。 プラークの取り上げ(lift)を、ハイボンド(Hybond)-N(アマーシャム(Amersh am))のプロトコール小冊子の方法に従って実行した。プレハイブリダイゼーシ ョンおよびハイブリダイゼーションを42℃で実行した一方、洗浄はP1について 45℃およびP2について38℃で実行した。10 0mmプレートあたり約1000pfuのライブラリーのライセートの10枚のプレートを、 P1もしくはP2をプローブとして使用してスクリーニングした。フィルター9 (P2プローブ)から5個およびフィルター5(P1プローブ)から1個の6個 の推定陽性を選んだ。これらを取っておき、そしてPCRによりさらにスクリー ニングした。PCRスクリーニングの項の下を参照。ファージライブラリーDNAの精製 −およそ5mlのP860295のλ Zap (商標)IIライブラリーファージを、グリセロール段階濃度勾配(9)により精 製した。ファージDNAをおよそ1ng/μLで20μLのTE(10mMトリスー塩酸、pH 8.0、1mMEDTA)で再懸濁した。DNAの精製 −DNAは、直接、または、製造元により記述されたように塩化リ チウムプロトコール(10)もしくはジーンクリーン(GeneClean)キット(バイオ 101インク(Bio 101 Inc.))を使用するアガロースゲルからかのいずれかで精 製した。プラスミドのミニプレップDNAを、ウィザード(Wizard)ミニプラスミ ドDNAキット(プロメガ(Promega))もしくは標準的なアルカリ溶解−フェノ ール抽出法を使用して1mLの一夜培養系から単離した。大スケールのプラスミド DNAは、キアゲン(Qiagen)マキシプラスミドDNAキット(キアゲン インク (QIAGEN Inc.)を使用して100〜500mLの−夜培養系から単離した。nucAの部分的DNA配列 −以下の実験を行う理論的根拠は2つの面を有した 。すなわち、(1)NTHiのλ Zap(商標)IIライブラリーは部分的なTs p509Iのゲノム切断物から構築し、従って、別個の大きさのPCRのバンドは、 図3に図解されるように、ファージ特異的プライマーT3(配列番号16)およ びT7(配列番号8)ならびにnu cA特異的プライマーP1(配列番号3)およびP2(配列番号4)の組み合わ せを使用してNTHiのλ Zap(商標)IIライブラリーを増幅することによ り生じられるはずである;および、(2)PCRは、より緊縮が小さくされ得、 そして従ってプライマーのアニーリングとのヌクレオチドのミスマッチにより耐 性にされ得る。プライマーT3は以下の配列を有する(nucAに対応しない) : T3 ATTAACCCTCACTAAAGGGA(配列番号16) 2個のDNA増幅反応を行った。一方はTaq DNAポリメラーゼ(ベーリ ンガー マンハイム)と、そして他方はPFU DANポリメラーゼ(ストラタ ジーン)とであった。増幅サイクルは以下のようであった。すなわち、変性、95 ℃50秒間;アニーリング、58℃60秒間;伸長、72℃4分間、30サイクル、そして その後72℃10分間。反応のアリコートをアガロースゲルで電気泳動した。およそ 2,000bpおよび600bpのDNA断片を、それぞれT3+P1プライマーおよびT7 +P1プライマーを使用して観察した。プライマーT7(配列番号8)は以下の 配列を有する(nucAに対応しない): T7 CGACTCACTATAGGGAGACC(配列番号8) およそ600bpおよび2,000bpの双方のDNAをゲル単離した。これらのDNAを再 増幅するため、ならびに、NTHiのλ Zap(商標)IIライブラリーのDN Aとの以前のPCR反応を再現するための試みがなされた。PCR反応での伸長 時間を72℃で2分間に短縮した。NTHiのλ Zap(商標)IIライブラリー のDNAとのPCR反応のみが、およそ600bpのPCR産物を産生した。 およそ600bpの増幅されたDNAをゲル単離し、供給元(インヴィト ロジェン)により推奨されたようにTAクローニングキットを使用してpCR( 商標)IIベクター中にクローニングした。生じたプラスミドをpPX640と呼 称した。PCR挿入物のDNA配列は、蛍光ジデオキシヌクレオチド三リン酸を 使用するABI 370A DNAシークェンサーで決定され、そして、P1領 域の揺らぎ位置に2塩基の差異をもつ、配列番号1のヌクレオチド304ないし約8 40に対応する。ヌクレオチド309はAでありかつヌクレオチド315はTである。挿 入物DNAの5’−末端から推定されるアミノ酸配列は、実施例1に記述された 天然の成熟NucAタンパク質のN末端タンパク質配列と同一であった。これは 部分的nucA遺伝子の適正なクローニングを確認した。 上と類似のPCRのバンドを、PCR反応をP2の対で行いかつアニーリング 温度を48℃に低下させた場合に得た。およそ1.7kbのバンドをT3プライマー対 で増幅し、また、およそ600bpのバンドがT7プライマー対とで見られた。これ らの増幅された断片をpCR(商標)IIベクターに同様にクローニングした。6 個の白色コロニーを、P2/T3およびP2/T7ライゲーションのそれぞれか ら選んだ。全てはEcoRI切断によりチェックされた場合に挿入物を有した。約600 塩基およびおよそ1.7kbの配列を、それぞれP1/T7クローンおよびP2/T 3クローンから得た。2個のクローンのオーバーラップ配列は、P2プライマー が縮重オリゴヌクレオチドであるため、P2領域に期待された変化を伴い、同様 であった。P1/T7クローンはnucAの5’の536塩基を含有し、また、P 2/T3クローンはP1の下流で開始しかつ約1600塩基連続した。完全な上流お よび下流の配列はこれらのクローンに包含されなかった。PCRスクリーニング イムノブロット(λ Zap(商標)IIライブラリーの イムノブロットスクリーニングから、上を参照)およびオリゴヌクレオチドハイ ブリダイゼーションブロット(プラークハイブリダイゼーションから、上を参照 )からの推定陽性を、それぞれ配列番号5および6のnucAプライマー410 1extおよび4102extを使用するPCR増幅にかけた。これらのプライ マーはpPX640のnucA領域の配列決定の間に生じられ、そして以下の配 列を有する: 4101ext CCAAAGTGGATATTGGTG 配列番号5 4102ext CATCATAGAACTTCACATC 配列番号6 プライマー4101extは配列番号1のヌクレオチド416〜433に対応する。プ ライマー4102extは配列番号1のヌクレオチド817〜835の相補物に逆方向 で対応する。 イムノブロットもしくはオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションからの推 定陽性のいずれも、これら2個のnucAプライマーで増幅された場合に予測さ れた420bpのバンドを与えなかった。nucAの420bpのプローブの産出と標識 同じ配列決定プライマー、4101ext(配列番号5)および4102ex t(配列番号6)を、420bpのプローブを生じさせるのに使用した(図4の上を 参照)。当初は、当該プローブをpPX640から生じさせた。後に、全ての標 識されたプローブをP860295のゲノムDNAから作成した。染色体のP8 60295DNAの使用は、λ Zap(商標)IIクローンのスクリーニングの バックグラウンドを低下さ せた。この420bpのプローブを、標識されないヌクレオチドの混合物を使用し、 かっ、Taq DNAポリメラーゼ(ベーリンガー マンハイム)とのPCR反 応での標識されたdig−dUTPヌクレオチドの濃度を変動させてdig−d UTP標識した。染色体のP860295DNAを鋳型として使用し、これは低 下されたλ Zap(商標)IIのバックグラウンドを提供した。PCR増幅を30 サイクル行い、それぞれを95℃30〜45秒間(変性段階)、42〜52℃40〜50秒間( アニーリング段階)そして72℃55〜60秒間(伸長段階)で行った。熱開始はゲノ ムDNAで95〜98℃で2〜5分間行った。これらのPCRプローブを、塩化リチ ウム−エタノール沈殿し、そして、最初の体積の半分ないし等量の0.1%SDS 中に再懸濁し、よりよい再懸濁のため37℃で10分間加熱しそして−20℃で保存し た。420bpのプローブの500〜1000倍希釈をハイブリダイゼーションで使用した。 濃度の推定を、各希釈の1μlすなわち10-2ないし10-6を既知量の標識された標 準品と一緒にハイボンド−Nメンブレンの細片にスポットすること、および展開 後に強度を合わせることにより行った。420bp のプローブでのプラークハイブリダイゼーション プラークハイブリダイ ゼーションもまた、製造元の推奨(アマーシャムからのハイボンド−Nメンブレ ン、ベーリンガー マンハイムからのプローブ標識のためのdig−dUTP) に従い、pPX640プラスミドDNA(上を参照)からのdig−dUTP標 識された420bpのプローブを使用し、かつ標準的プロトコール(3)を使用して 行った。しかしながら、このプローブは、ベクター単独(λ Zap(商標)II )のプラークで試験された場合に高いバックグラウンドを生じた。λ Zap( 商標)IIラ イブラリーからの潜在的な陽性プラークを同定しかつ分析したが、しかし、サザ ンハイブリダイゼーション実験で適正な大きさのバンドを生じなかった。 より多くのライブラリーのフィルターおよびλ Zap(商標)II対照フィル ターを、P860295の染色体DANから生じさせたdig−dUTP標識し た420bpのプローブで探った(probed)(上を参照)。2個の推定陽性が数個の疑 わしい陽性と一緒に同定された。プラークを選び、そして二次スクリーニングの ためプレート培養した。再度の探り(reprobing)はいくつかのかすかなプラーク を示した。ファージミドを誘導し、そして切断をDNAで行った。サザンハイブ リダイゼーションを切断物で実行し、そして2個の推定陽性が推定のnucA配 列(pPX643から;下を参照)に若干の相同性を示した。4101ext( 配列番号5)および4102ext(配列番号6)プライマーでのPCR増幅に かけた場合、2個の陽性は期待された420bpのバンドの増幅を示さなかった。こ れらのクローンはnucAへの限られた相同性を有すると思われ、そして、PC RクローンpPX643と比較された場合に異なる制限酵素切断パターンを示し た。3’末端のnucAのDNA −nucA遺伝子の5’および3’の双方の末端の DNA配列(最初のpPX640構築物に存在しない)を得るため、逆PCRの 方法論を図5に図解的に示されるように使用した。EcoRIもしくはEcoRVで切断さ れそしてnucA特異的な420bpのDNAプローブでハイブリダイゼーションさ れたNTHiのゲノムDNAのサザン分析は、以下の結果を生じた。すなわち、 EcoRI切断されたゲノムDNAについては、2個のバンドをおよそ4.5kbおよび1. 6kbに検出した。 EcoRV切断されたDNAについては、1個のバンドをおよそ7kbに検出した。こ れらのEcoRIおよびEcoRV切断されたP860295のゲノムDNAの10倍希釈を 、その後、T4 DNAリガーゼ(NEB)を使用して自己連結した。これらの DNAをTaq DNAポリメラーゼで逆PCRの方法論を使用して増幅した。 増幅サイクルは以下のようであった。すなわち、95℃50秒間、52℃90秒間、72℃ 4分間、30サイクル、そしてその後72℃10分間。反応のアリコートをアガロース ゲルで電気泳動した。EcoRI連結されたDNAとともに、プライマー4121f wd(配列番号17)GCTTTCAGCTAATGTGATTCCおよび41 22ext(配列番号18)CATCACAGCTGCATCTGCAGを、上 流のnucAのDNAの増幅反応に使用し、また、プライマー4313ext( 配列番号7)および4102ext(配列番号6)を下流のnucAのDNAの 増幅反応に使用した。プライマー4121fwdは配列番号1のヌクレオチド66 9〜689に対応する。プライマー4122extは、配列番号1のヌクレオチド55 1〜570の相補物に逆方向で対応する。プライマー4122extおよび4313 extを、上流および下流双方のnucAのDNAの増幅のために、EcoRV連結 されたDNAとともに使用した。およそ1.3kbの断片がnucAのEcoRIの下流領 域について観察された。かすかなおよそ2kbの断片がEcoRV切断されたDNAに ついて観察された。nucAのEcoRIの上流領域についてはDNAのPCR産物 は観察されなかった。ゲノムDNAもしくはNTHiのλ Zap(商標)IIラ イブラリーDNAのいずれかからnucA遺伝子の5’末端を増幅する他の試み は、他の手段により得られたnucA配列に合ったいかなるDNA産物もしくは DNA配列のいずれも産生できな かった。およそ1.3kbのPCRの下流の産物を直接に配列決定し、ならびにpC R(商標)IIベクターにクローニングし、そしてこのプラスミドをpPX800 と命名した。DNA配列データから、nucA遺伝子の完全な3’末端配列、T AA終止コドンおよび付加的な下流の非翻訳配列を得た。ゲノムの「成熟」nucAのクローニング −成熟nucA遺伝子の完全な配列を 確認しかつ得るため、PCR反応を、酵素切断されないP860295のゲノム DNAにP1縮重(配列番号3)および63K逆(Reverse)(Rev)(配列番 号9)プライマーを使用して行った。63K Revプライマーは以下の配列を 有し、これは逆方向の配列番号1のヌクレオチド2095〜2114の相補物である: 63K Rev GAAGTCTTCAAACCTAGGAC(配列番号9) P860295のゲノムDNAのおよそ1μgを、Taq DNAポリメラーゼ およびこれら2種のプライマーから成るPCR反応で使用した。反応のアリコー トをアガロースゲルで電気泳動した。およそ1.8kbの予測された大きさのDNA 断片が観察された。このDNA断片をゲル精製し、そしてpCR(商標)IIにク ローニングし、そしてこのプラスミドをpPX643と命名した。pPX643 中のnucAのDNA配列を決定し、そしてこれはより早期の一連の部分的デー タからの配列と合った。このクローンは完全な成熟nucA配列を含有するが、 しかし上流のプロモーター領域およびシグナル配列を失っている。PCRを使用するnucAの5’上流の配列 P1/T7およびP2/T3クロ ーンの配列決定の間に合成されていたいくつかの異なるnuc Aプライマーに結合されたT3およびT7プライマーを使用して、P86029 5のλライブラリーから作成されたDNAからのプロモーター領域を増幅するい くつかの試みがなされた。これらの反応のどれも必要とされた断片を生じなかっ た。EcoRIの4.3kbの断片からの逆PCRによりこの領域を増幅する試みもまた不 成功であった(上を参照)。従って、好ましくは4.3kbの断片より小さな他の制 限酵素切断断片を逆PCRに考慮した。サザンを、dig−dUTP標識された 420bpの染色体プローブ、ならびに、制限酵素PstI、SalI、EcoRV、BamHI、ApaI 、AvaI、KpnI、SaCI、SmaI、XbaI、XhoI、ならびにAT豊富な酵素BglII、HindI II、NsiI、SnaBI、SspIおよびPacIを使用して、P860295のゲノムDNA で実行した。これらのハイブリダイゼーションから、限られたゲノム制限酵素地 図を得た(図4を参照)。 NsiI切断物はnucAの420bpのプローブとハイブリダイゼーションしたおよ そ3kbのバンドを与えた。これは、同定された、より小さな片の1種である。従 って、この3kbの断片をゲノム切断物からゲル単離し、自己連結しそして逆PC Rに支給した。およそ2kbの断片を、4102ext(配列番号6)および43 13ext(配列番号7)プライマーでの、自己連結されたNsiI断片の増幅で得 た。プライマー4313ext(配列番号7)は以下の配列を有し、これは配列 番号1のヌクレオチド1762〜1779に対応する: 4313ext GTGAGTGTTGAAGTCTTG(配列番号7) この断片を配列決定しそしてpCR(商標)IIベクターにクローニングした。12 個のコロニーのうち11個が挿入物を有し、10個は一方向であり (そしてpPX679と命名された)また1個は反対方向であった(そしてpP X680と命名された)。pPX680中の挿入物のDNA配列決定は、成熟n ucA遺伝子の上流の約1,020塩基の付加的配列を生じた。これ故に、このクロ ーンはnucA遺伝子のプロモーター領域およびシグナル配列を含有する。オー バーラップ領域の配列は以前のクローン(上述のpPX640、P2/T3クロ ーンおよびpPX643)からの配列と合致し、このクローンがnucAである ことを確認した。配列番号1もまた参照。コスミドライブラリーの構築 コスミドライブラリーもまた以下のように構築し た。すなわち、P810384およびP860295からのゲノムDNAをSau3 AIで部分的に切断して、30〜50kbの断片を生じさせた。これを、2個の組込み部 位を含有するλ DNAから構築されたプラスミド、SuperCosIベクタ ー(ストラタジーン)のBamHI切断部位に連結した。使用された宿主株はNM5 54(ストラタジーン)であった。コロニーを、抗NucAモノクローナル抗体 (Mab Nt63/2−13−42)、ポリクローナル抗体およびdig標識 されたDNAプローブでスクリーニングした。コスミドライブラリーのイムノブロットスクリーニング Mab Nt63/2 −13−42は、コロニーブロットでP810384株に十分反応しなかった。 従って、P810384ライブラリーでのスクリーニングを停止した。数個の推 定陽性をP860295ライブラリーから同定した。推定陽性を画線培養し、そ して再スクリーニングしたが、しかしそれらは中程度の強度のものであった。ウ ェスタンをこれらの陽性(一夜培養系)で行い、そして変性されたNucAに強 く反応するMab Nt63−34−25で探った(probed)。しかしながら、NucAのバンドはウ ェスタンで見られなかった。従って、λ Zap(商標)IIライブラリーでのよ うに、コスミドライブラリーのイムノブロットスクリーニングを中断した。コスミドライブラリーのコロニーハイブリダイゼーション 同様に、P8602 95のコスミドライブラリーを420bpのdig標識されたプローブを使用してス クリーニングした。このスクリーニングは、5個のライブラリーフィルターから 同定された26個の推定陽性を生じた。それらを再スクリーニングし、そして4個 のみが陽性であり、その2個は強く陽性であった。4個の単離されたコロニーを 、強い陽性の1個から選び、そしてDNA調製物をサザン分析のため作成した。 2個のコロニーからのDNAは、EcoRI、HindIIIならびにScaIおよびEspIの切断 物との類似のハイブリダイゼーション制限酵素切断パターンを与えた一方、他の 2個のコロニーは異なる大きさにされたDNAを与え、1個はより大きい、そし て1個はより小さい全体の挿入物の大きさであった。フィルターを70℃で洗浄し た場合は、2個の類似のコロニーはバックグラウンドの結合のみを与えた。他の 2個のクローンは70℃で陽性のハイブリダイゼーションを示し、そしてPCRに よりさらに分析した。より大きな大きさにされたクローン1個のみがnucA遺 伝子の5’末端の大部分を含有した。このコスミドクローンの配列決定に際して 、nucA挿入物は、成熟配列の開始から55塩基中側のSau3AI切断部位で開始す ることが見出され、また、その部位から下流に進行した。従って、それは成熟遺 伝子の5’末端からシグナル配列および付加的な55塩基を失っていた。コスミドライブラリーでのPCR 同様に、コスミドライブラリーから のパッケージングされたファージを、63K P1 Rev(配列番号19)C TTAATTCCACAGCTTTGTGAGC(18番目の塩基はまたAであっ てもよく、また、21番目の塩基はまたTであってもよい)およびT3(配列番号 7)もしくはT7(配列番号8)プライマーを使用して増幅して、上流配列を引 き出した。プライマーP1 Revは、配列番号1のヌクレオチド319〜341の相 補物に逆方向で対応する。反応を、4122ext(配列番号18)プライマー およびT3もしくはT7プライマーでもまた行った。42℃で、3個のスメアなバ ンドが、nucA P1 Rev/T3もしくはT7の対で、およそ250、400お よび550bpに見られ、その全ては420bpのプローブとハイブリダイゼーションした 。4122ext/T3プライマー対ではバンドは得られなかった。類似のスメ アなバンドは4122ext/T7プライマーで見られた。50℃では、250bpの バンドのみが全4反応で得られた。T3もしくはT7単独はバンドを与えず、ま た、T3/T7プライマー対は非常にスメアなおよそ550および300bpのバンドを 与えた。nucA P1 Rev/T7および4122ext/T7のPCR反 応からの3個のスメアなPCR産物を、キアクイック[QIAquick](商標)カラ ム(キアゲン、カリフォルニア州チャッツワース)を通して精製し、50μlの水 で溶出し、そしてその2μlをpCR(商標)IIベクターにクローニングした。 6個のクローンの4個が挿入物を有し、3個の異なる挿入物をnucA P1 Rev/T7のPCR産物について得た。しかしながら、およそ350bpの挿入物 のみを、4122ext/T7のPCR産物で得た(8個中7個が挿入物を有し た)。4122ext/T7クローンの配列は、成熟配列の5’末端から55塩基 中側のSau3AI切断部位で開始す るnucA配列に対応し、これは、上述のコスミドクローンに類似であった。完全なnucA配列の集成 完全なnucA配列を、5’上流配列、3’下流配 列および上述の部分的成熟配列を含有するオーバーラップクローンから集成した 。完全なnucA遺伝子配列は配列番号1のヌクレオチド229〜2037に述べられ る。シグナルペプチドはヌクレオチド229〜303によりコードされる。成熟Nuc Aタンパク質はヌクレオチド304〜2037によりコードされる。 実施例3 NucAタンパク質の発現 nucA遺伝子をその後、クローニングし、そして、融合タンパク質もしくは 完全長のNucAタンパク質(シグナルペプチドを伴う)のいずれかとして大腸 菌(E.coli)中で発現した。nucA遺伝子を、表1に列挙されるような多様な 大腸菌(E.coli)発現ベクターに連結し、そして、それらの培養系を、NucA タンパク質の発現について適切に誘導した。全細胞ライセートを正規化し(norma lized)そしてSDS−PAGEゲル上を流し、そして、クマシーで染色するか、 もしくは、ニトロセルロースメンブレンに転写しそして5%ブロット中500倍希 釈のウサギ抗NucAポリクローナル抗体で探る(probe)かのいずれかとした。 クローンを表1に列挙し、また、下述のように構築した。 NucAタンパク質および異種残基を含有する融合タンパク質を、pRSET 発現ベクター中にプラスミドpPX643からのnucA遺伝子をクローニング することにより発現した(図6を参照)。プラスミドpPX643は、実施例2 に記述されるように、pCR(商標)IIベク ター中にクローニングされた完全な成熟nucA配列を含有する。選ばれたpR SETの作り替え(version)は、製造元により「C」と称される読み取り枠を有 するものであった。このベクターは遺伝子10のT7プロモーターすなわちアン ピシリン耐性遺伝子を含有し、かつ、ColE1 DNA複製開始点を有する。pPX644の構築 −プラスミドpPX643およびpRSETCを、Asp718制 限酵素で切断し、ジーンクリーン(GENECLEAN)法で精製し、XhoI酵素で再切断し 、そしてDNAをアガロースゲル上で電気泳動した。およそ1.9kbのnucA含 有DNA断片を単離し、そしてpRSETCの単離されたDNAに連結した。生 じるクローンをpPX644と呼称した。BL21(DE3)pLysS形質転 換体をRZ1034と呼称した。 組み換えクローンpPX644は成熟nucAタンパク質のN末端領域に融合 された51個の付加的なアミノ酸を含有する。これらの付加的なアミノ酸はベクタ ーにより提供され、また、最初のメチオニンのすぐ下流に6個のヒスチジンを連 続して包含する。これは融合タンパク質の精製で援助する。このプラスミドを含 有する、誘導された培養系からの全細胞ライセートを、SDS−PAGE上で電 気泳動し、そして、ウェスタンブロットを、NucAタンパク質に対するウサギ ポリクローナル抗血清を使用して実行した。RZ1034単離物およびBL21 (DE3)pLysS/pRSETCの一夜培養系を、125mlフラスコ中のアン ピシリン(100μg/ml)を加えた10mlの改変SOB(5N水酸化ナトリウムでpH7 .0に調節された、20gのトリプトン、5gの酵母、0.6gの塩化ナトリウム、0.2gの 塩化カリウム)に接種し、そして37℃で126〜155のクレッ ト(Klett)比色計の示度まで増殖させた。誘導されない細胞の1mlのアリコートを 取り出し、遠心分離し、そしてクレット示度と同じマイクロリットル(μl)で の体積までTE緩衝液(10mMトリス−塩酸、pH8.0、1mMEDTA)で再懸濁し た。すなわち126のクレット示度は細胞を126μlのTE緩衝液を使用して再懸濁 したことを意味する。誘導のため、IPTGを増殖中の培養系に1mMの最終濃度 まで添加し、そして、インキュベーションを2時間継続して、最終的なクレット 示度を測定した。1ミリリットルを取り出し、そして1.5mlエッペンドルフチュ ーブ中で遠心分離した。細胞ペレットを、再びそのそれぞれの最終のクレット示 度に基づきTE緩衝液中に再懸濁した。誘導されないおよび誘導された細胞のそ れぞれ90μlを、別のエッペンドルフチューブに取り出し、4×クラッキング(Cr acking)緩衝液30μlを添加し、そして、このチューブを、4−15%勾配SDS− PAGEゲル(バイオラッド ラボラトリーズ(Bio-Rad Laboratories))上で20 μ1流す前に沸騰水浴中で10分間加熱した。タンパク質のバンドをニトロセルロ ース濾紙に転写し、そして、ウェスタンブロットを、ウサギポリクローナルNu cA抗血清および抗ウサギIgペルオキシダーゼ(タゴ インク(Tago Inc.)) を使用して実行した。バンドを、TMB試薬(プロメガ、ウィスコンシン州マデ ィソン)を使用して可視化した。予測された69kDの大きさのタンパク質産物が、 図7で示されるように、ブロットで明瞭に検出された。これはnucA遺伝子の 適正なクローニングを確認した。このサンプルでは、観察されたNucAの誘導 性の欠如は、おそらく、増殖培地中の抗生物質クロラムフェニコールの非存在に よった。クロラムフェニコールはpLysSプラスミド(クロラムフェニコール 耐性遺伝子をもつ)の安定 な維持に必要とされる。これ故に、pLysSプラスミドの消失は、NucA発 現の高い基本(誘導されない)レベルをもたらすことができた。別個の実験で、 69kDのNucAタンパク質は、クロラムフェニコールが増殖培地に包含された場 合に誘導可能であることがウェスタンブロットで示された(データは示されない )。69kDのタンパク質のバンドはウェスタンブロットで検出され得るとは言え、 それはクマシーで染色された類似のSDS−PAGEゲルで検出されなかった( データは示されない)。以下により拘束されることなく、クマシーゲルで組み換 えタンパク質を検出しないことの1個の可能性のある理由は、pPX644中の クローニングされたnucA遺伝子のN末端の、51個の付加的な、ベクターにコ ードされるアミノ酸残基によることができる。 クマシーゲルで可視的な発現レベルを示した成熟クローンは、わずかに異なる 融合のアプローチを使用して構築した。pPX693と呼称されるこのクローン を以下のように構築した。pPX682の構築 −nucA遺伝子を、その最後の17塩基が配列番号1のヌク レオチド304〜320に幾分対応する以下の配列を有するRSET−5プライマー( 配列番号15)(このプライマーは、縮重プライマーP1を使用して生じさせた pPX643配列に基づいた): RSET−5 GCTACGGCTAGCAAAGAAGCACCTCAAG C(配列番号15) および63K RBamプライマー(配列番号13)を使用して、P86029 5のゲノムDNAからPCR増幅した。(RSET−5は、nucA断片のpR SET発現ベクターへの移動を促進するために5’末端にBamHI切断部位を包含 するようデザインした。下を参照)。増幅さ れたDNA断片をpCR(商標)IIベクターにクローニングし、そしてpPX6 82と称した。この構築物は成熟長のNucAをコードする。pPX693の構築 −pPX682からのnucAのBamHI断片を、発現ベクタ ーpRSETCのBamHI切断部位に連結し、そして生じるプラスミドをpPX6 93と呼称した。これは、そのN末端に付加的な38アミノ酸をもつ融合NucA を発現したクローンをもたらした。エンテロキナーゼでの切断に際して、ほとん ど5個のアミノ酸が除去されることができた。pRSETCベクターはまた、エ ンテロキナーゼによる切断の前にニッケルカラムでの融合タンパク質の精製を可 能にしたポリヒスチジン領域も含有する。クローンpPX693は、大腸菌(E. coli)BL21(DE3)pLysS株に形質転換されかつIPTGで誘導され た場合に、クマシー染色されたゲルで検出可能であったかなりのレベルの発現を 示した。図8は、それが細胞ライセートの主要なタンパク質バンドであったこと を示す。しかしながら、タンパク質精製のためのより大きな培養系を生じる際に 、この発現はクマシー染色により検出できなかった。このプラスミドが発現株で 安定に維持されなかったことが見出された。結果として、他のクローンは許容で きるレベルの発現をもって得られ、従って、pPX693を安定化させるさらな る作業に着手しなかった。天然のシグナル配列 −上流の配列をクローンpPX680(実施例2で挙げられ たように、pCR(商標)IIベクターにクローニングされた、およそ2kbのNsiI 逆PCR産物)から得た後で、プライマーNdeF63KおよびNcoF63K を使用してゲノムのP860295DNAから完全長の天然のnucA遺伝子を 増幅した。このPCR産物を、2個 の異なる発現ベクターpRSETCおよびpTrcHisCにクローニングした (図9)。これらのベクターは、IPTGにより誘導可能である強力なプロモー ターを使用する発現に最大限に活用されている。表1で引用されるプラスミドp PX685、pPX688、pPX691およびpPX692を以下のように構 築した:pPX685の構築 −完全長のnucA遺伝子を、PCR増幅によりP8602 95のゲノムからクローニングした。使用されたプライマーはNdeF63Kお よび63K RBamであった。プライマーNdeF63Kは、pRSETCへ の後の移動のために5’末端に取りつけられたNdeI切断部位をもつ、配列番号1 のヌクレオチド229〜255である。pCR(商標)IIベクターにクローニングされ たPCR産物をpPX685と呼称する。pPX692の構築 −pPX685からの完全なnucA配列のpRSETCへ のサブクローニングがpPX692を生じた。すなわち、pPX685をNdeIお よびBamHIで切断し、完全長のnucA断片を単離し、そして、またNdeIおよびB amHIで切断されていたpRSETCに連結した。生じるプラスミドをpPX69 2と呼称した。pPX692を大腸菌(E.coli)BL21(DE3)pLysS 株に形質転換しかつ1mMIPTGで誘導した場合、pPX693(図8を参照) と比較して、NucAタンパク質の類似のクマシーレベルを得た(図10を参照 )。pPX688の構築 −完全長のnucA遺伝子を、PCRならびにプライマーN coF63Kおよび63K RBamを使用して、ゲノムのP860295DN Aからクローニングした。プライマーNcoF63Kは、NcoI切断部位、および 、pTrcHisCへのその後のサブクロー ニングのために5’末端に取りつけられた翻訳の読み枠の調節のための数個の余 分な塩基、すなわち塩基ACCATGGGTをもつ、配列番号1のヌクレオチド 229〜255である。PCR産物をpCR(商標)IIベクターにクローニングし、そ して生じるプラスミドをpPX688と呼称した。NcoIリンカーが、シグナル配 列のN末端開始領域に2アミノ酸を付加した。pPX691構築物 −pPX688からの完全なnucA配列のpTrcHis Cへのサブクローニング(図9を参照)はpPX691を生じた。すなわち、p PX688をNcoIおよびBamHIで切断し、完全長のnucA断片を単離し、そし てその後、またNcoIおよびBamHIで切断されていたpTrcHisCに連結した 。pPX691を大腸菌(E.coli)InvαF’株に形質転換しかつ1mMIPT Gで誘導した場合、pPX693(図8を参照)と比較して、NucAタンパク 質の類似のクマシーレベルを得た(図10を参照)。NcoI制限酵素切断部位は天 然のシグナル配列の極めて初めに2残基を付加し、これは、図10に示されるよ うに、NucAシグナル配列のプロセシングに影響を与えないと思われた。発現 されたタンパク質の見かけの分子量は、プロセシングされないタンパク質の66kD よりむしろプロセシングされたタンパク質の約63kDであるようであった。約63kD のバンドはクマシー染色されたゲルの主要なタンパク質のバンドであるようであ った。精製およびアミノ酸配列分析に際してそれがプロセシングされることが示 された。タンパク質の配列決定についての実施例4を参照。 プラスミドpPX691を、pPX693(融合タンパク質)と一緒になって 精製のため2L培養系中で生じた。しかしながら、pPX69 3はBl21(DE3)pLysS宿主中で安定に維持されなかったことが見出 された一方、pPX691はDH5αもしくはInvαF’宿主で安定に維持さ れた。プラスミドpPX691を、rNucAのタンパク質精製のための選ぶべ きクローンとなるよう選んだ。pPX692に対する安定性試験は行わなかった 。なぜなら、その発現はpPX691より少しもよくなかったからである。図1 0を参照。 ヘモフィルス属(Haemophilus)をコードされるnucAシグナル配列は、大腸 菌(E.coli)でのrNucAの良好な発現ならびに適正にプロセシングされるこ と(すなわちシグナル配列の除去)を可能にするようであったとは言え、異なる シグナル配列を含有する2個の商業的に入手可能な大腸菌(E.coli)発現ベクタ ーを試みた。PelB(pET20bベクター中のpPX708[pPX705 から作成された]、ノヴァジェン)およびOmpT(pET12aベクター中の pPX707[pPX706から作成された]、ノヴァジェン)を、以下のよう に成熟nucA遺伝子の上流に別個にクローニングした。PelBの構築 −nucA遺伝子を、その最後の17塩基が配列番号1のヌクレオ チド304〜320に幾分対応する以下の配列すなわち 63K PelB GATATCAAAGAAGCTCCTCAAGC(配列 番号12) を有するプライマー63K PelB(配列番号12)(このプライマーは、縮 重プライマーP1を使用して生じさせたpPX643配列に基づいた)、および 、その最後の21塩基が逆方向の配列番号1のヌクレオチド2095〜2115の相補物で ある以下の配列すなわち 63K RBam CGCGGATCCTGAAGTCTTCAAACCTA GGAC(配列番号13) を有する63K RBam(配列番号13)を使用して、pPX643からPC R増幅した。およそ1.8kbのnucA含有のPCRのDNAバンドをゲル単離し 、pCR(商標)IIにクローニングし、そして生じるプラスミドをpPX705 と呼称した。pPX708の構築 −プラスミドpPX705およびpET20bの双 方をEcoRVおよびBamHIで切断し、DNAをアガロースゲル上で電気泳動し、そし て適正なDNAバンドを単離した。DNAを一緒に連結し、そして生じるプラス ミドをpPX708と呼称した。BL21(DE3)pLysS形質転換体をR Z1070と呼称した。OmpTの構築 −nucA遺伝子を、その最後の17塩基が配列番号1のヌクレオ チド304〜320に幾分対応する以下の配列すなわち 63K OmpT GGATCCAAAGAAGCTCCTCAAGC(配列 番号14) を有するプライマー63K OmpT(配列番号14)(このプライマーは縮重 プライマーP1を使用して生じさせたpPX643配列に基づいた)、および6 3K RBam(配列番号13)を使用してpPX643からPCR増幅した。 およそ1.8kbのnucA含有のPCRのDNAバンドをゲル単離し、pCR(商 標)IIにクローニングし、そして生じるプラスミドをpPX706と呼称した。pPX707の構築 −pET12aベクターDNAをBamHI酵素で切断し、仔ウ シ腸アルカリホスファターゼ(ベーリンガー マンハイム)で処理し、アガロー スゲル上で電気泳動し、そしてDNAを単離した。プラスミドpPX706をBa mHI酵素で切断し、アガロースゲル上で電気泳動し、そしておよそ1.8kbのnuc A含有DNA断片をゲル単離した。pET12aおよびpPX706の双方のゲ ル単離されたDNAを一緒に連結し、そして生じるプラスミドをpPX707と 呼称した。BL21(DE3)pLysS形質転換体をRZ1065と呼称した 。PelB−NucAおよびOmpT−NucAの発現 RZ1065(pPX7 07:OmpT−nucAクローン)およびRZ1070(pP X708:PelB−nucAクローン)の一夜培養系の1mlを、それぞれ、125 mlフラスコ中のクロラムフェニコール(30μg/ml)およびアンピシリン(100μg /ml)を加えた20mlのSOB中に接種し、そして37℃で0.D.600が1.0〜1.3ま で増殖させた。培養系の10mlを別の125mlフラスコに移し、そしてIPTGを1m Mの最終濃度まで添加した。誘導されないおよび誘導された双方の培養系を37℃ で追加の2時間増殖させた。培養系のそれぞれの1mlを取り出し、そして1.5mlエ ッペンドルフチューブ中で遠心分離して細胞をペレットにした。誘導された培養 系からの上清を取っておいた。細胞ペレットを、およそ1.0のO.D.600に0.6 〜1.6mlのPBSで再懸濁した。再懸濁された細胞の1mlを再遠心分離し、そして 60μlの水で再懸濁した。60μlの再懸濁された細胞もしくは60μlの上清に、20 μlの4×クラッキング緩衝液を添加し、そしてチューブを沸騰水浴中で5分間 加熱した。各サンプルの20μlを12%SDS−PAGEゲル上で電気泳動しかつ クマシーブルーで染色した。OmpTおよびPelBの双方のNucA融合タン パク質が検出され、そしてプロセシングされたタンパク質について適正な大きさ のものであった(図11)。PelB−NucA融合タンパク質発現の収率は総 細胞タンパク質のおよそ30%であり、これは完全長のNucA(天然のシグナル をもつpPX691;下の図12を参照)の発現に匹敵した。 図12は、いくつかのシグナル配列のクローンおよびまた至適化された翻訳開 始領域(TIR)配列(11)をもつ成熟融合クローンpPX709からの発現の 比較を示す。クローンpPX709を以下のようにクローンpPX677から構 築した:pPX677の構築 −プラスミドpRSETCをNheI酵素で切断し、フ ェノール抽出し、エタノール沈殿しそしてNdeI酵素で再切断した。DNAをアガ ロースゲル上で電気泳動し、そしてDNAのバンドをゲル単離した。NheI+NdeI リンカーを、以下の配列(nucAに対応しない)すなわち RSET.TIR top TATGGCTATGTCTAACATGACT TACAAACATCATCATCATCATCATGGTATGG(配列番号 10) を有するRSET.TIR top oligo(配列番号10)を、以下の配 列(nucAに対応しない)すなわち RSET.TIR bottom CTAGCCATACCATGATGAT GATGATGATGTTTGTAAGTCATGTTAGACATAGCCA (配列番号11) を有するRSET.TIR bottom oligo(配列番号11)にアニ ーリングすることにより構築した。このリンカーをNheIおよびNdeIで切断された pRSETCの精製されたDNAに連結し、そして生じるプラスミドをpPX6 77と呼称した。pPX709の構築 −プラスミドpPX677をBamHIで切断し、仔ウシ腸アル カリホスファターゼ(ベーリンガー マンハイム)で処理し、アガロースゲル上 で電気泳動し、そしてDNAを単離した。プラスミドpPX693をBamHIで切 断し、アガロースゲル上で電気泳動し、そしてDNAを単離した。単離されたD NAを一緒に連結し、そして生じるプラスミドをpPX709と呼称した。BL 21(DE3)pLysS形質転換体をRZ1076と呼称した。 pPX691(天然のシグナル配列)クローンおよびベクター単独の 対照を、0.8〜0.9のO.D.600で1mMIPTGで1時間誘導した。pPX70 7(OmpTシグナル)、pPX708(PelBシグナル)およびpPX70 9(TIR)のクローンを、約1.0のO.D.で2時間誘導した。全ての培養系 を約1.0のO.D.に正規化し、そして等体積をゲルに負荷した。P86029 5を約1.6のO.D.まで約3.5時間増殖させ、その後、約1.0に正規化した。誘 導されたpPX691および誘導されたpPX708は、強いNucAのバンド をはっきりと示した。実際、それは主要なタンパク質のバンドであるように見え た。しかしながら、pPX707およびpPX709は明らかなNucAの誘導 されたバンドを生じなかった。これは、全てのシグナル配列もしくは「至適化さ れた」発現ベクターが高レベルの誘導されたNucAタンパク質を産生するわけ ではないことを示す。 実施例4 NucAタンパク質の精製および特徴づけ NTHiからのnNucAタンパク質の精製 全細胞抽出物の調製 全細菌細胞(約70gの含水重量のNTHi)を、200mlの0 .1Mリン酸カリウム(KPO4)/3.0Mチオシアン酸カリウム(pH6.0)中に懸濁 し、そして室温で60分間攪拌してnNucAタンパク質を抽出した。細胞の破片 を、4℃で20分間ソルヴオールGS−3ローターを使用する8,000rpmでの遠心分 離により除去した。上清を収集し、そして、4℃で60分間ベックマン(Beckman) 70Tiローターを使用する60,000rpmでの遠心分離によりさらに澄明にした。 上清を収集し、そして50mMリン酸ナトリウム(pH8.0)に対して4℃で一夜透析 した。カラムクロマトグラフィー 透析された全細胞抽出物を、50mMリン酸ナ トリウム(pH8.0)中で平衡化された25mLのセラミックヒドロキシアパタイト( HA)カラム(80μm、バイオラッド)に負荷した。結合されたタンパク質を、0 .2Mリン酸ナトリウムの段階、次いで、直線状のリン酸ナトリウム濃度勾配(0.2 −0.5Mリン酸ナトリウム)で溶出した。フラクションを、SDS−PAGEおよ びウェスタン分析を介してnNucAについてスクリーニングし、そして陽性フ ラクションをプールした。HA段階は3個の独立した全細胞抽出物調製で3回実 行した。3回のHA実施のそれぞれからの天然のNucAを一緒にプールし、そ してPM10メンブレンを伴うアミコン攪拌セル(stirred cell)を使用して約7 倍濃縮した。HA濃縮物を、50mMトリス−塩酸/1mMEDTA(pH9.0)の2回 の2L交換に対して4℃で一夜透析した。この素材を、50mMトリス−塩酸/1mM EDTA(pH9.0)中で平衡化されたモノQ(MonoQ)HR5/5カラム(ファルマ シア(Pharmacia))に負荷した。結合されたタンパク質を、直線状の塩化ナトリ ウム濃度勾配(50mMトリス−塩酸/1mMEDTA(pH9.0)中0−1.0M塩化ナト リウム)で溶出した。フラクションを、SDS−PAGEを介してnNucAに ついてスクリーニングし、そしてプールした。全体で2.5mgの精製されたnNu cAを、約70gの含水重量のNTHi細胞から単離した。このプロトコールを使 用して精製された天然のNucAタンパク質は、約63,000ダルトンの分子量に対 応するSDS−PAGEゲル上の単一のバンドを表す。nNucAの塩化ナトリウム抽出 nNucAタンパク質のための以下の抽出プ ロトコールを、チオシアン酸カリウムによる抽出に対する代替として使用した。 細菌細胞(約37.5gの含水重量のNTHi)を150mlの50mMリン酸ナトリウム(pH 7.0)中に懸濁し、そして1000psiでフレンチ 圧細胞(French pressure cell)を通す3回の通過により粉砕した。細胞の破片お よび膜を、4℃で20分間ベックマン70Tiローターを使用する55,000rpmでの 遠心分離によりペレットにした。このペレットを、132mlの10mMHEPES/1.0 M塩化ナトリウム(pH7.5)中で再懸濁し、そして4℃で20分間攪拌して、nNu cAタンパク質を抽出した。細胞の破片および膜を、4℃で60分間ベックマン7 0Tiローターを使用する60,000rpmでの遠心分離により除去した。上清を収集 し、そして、50mMリン酸ナトリウム(pH8.0)に対して4℃で一夜透析した。そ の後のHAおよびモノQ(MonoQ)クロマトグラフィー段階を、天然のNucAタ ンパク質について上述されたように実行した。塩化ナトリウム抽出を使用するn NucAの収率は、上述の他の方法で得られたものに匹敵した。rNucAタンパク質の精製 粗抽出物の調製 フレンチ圧細胞(French pressure cell)を通しての通過および 2個のクロマトグラフィー段階を介する細胞溶解を利用する方法を、rNucA タンパク質の精製のため開発した。rNucAを発現する細菌細胞(約30gの含 水重量の大腸菌(E.coli)InvαF’/pPX691)を、80mlの50mMトリス −塩酸/1mMEDTA(pH8.0)中に懸濁し、そして、1000psiでフレンチ圧細胞 (French pressure cell)を通す3回の通過により粉砕した。細胞の破片および膜 を、4℃で20分間ベックマン70Tiローターを使用する55,000rpmでの遠心分 離により除去した。上清を収集し、そして、50mMトリス−塩酸/1mMEDTA( pH8.0)の2回の4L交換に対して4℃で一夜透析した。カラムクロマトグラフィー 透析された粗抽出上清を、室温で50mMトリス−塩酸 /1mMEDTA(pH8.0)中で平衡化された50mlのトリメチル アミノエチル(TMAE)フラクトゲル[Fractogel](商標)陰イオン交換カ ラム(EMセパレーションズ テクノロジー(EM Separations Technology))に 負荷した。汚染するタンパク質の大部分はカラムに結合した。rNucAタンパ ク質ならびにいくつかの汚染タンパク質を含有するカラム通過分を収集し、そし て20mMHEPES/1mMEDTA(pH7.0)に対し4℃で一夜透析した。この素 材を、その後、NucAタンパク質を結合する、20mMHEPES/1mMEDTA (pH7.0)中で平衡化されたモノS(MonoS)HR10/10陽イオン交換カラム( ファルマシア)に負荷した。結合されたタンパク質を直線状の塩化ナトリウム濃 度勾配(20mMHEPES/1mMEDTA(pH7.0)中0−1.0M塩化ナトリウム) で溶出した。rNucAの大部分は約0.4M塩化ナトリウムで溶出した。フラクシ ョンを、SDS−PAGEを介してrNucAについてスクリーニングし、そし てプールした。全体で80mgの精製されたrNucAを、約30gの含水重量の細胞 から単離した。このプロトコールを使用して精製されたrNucAタンパク質は 、約63,000ダルトンの分子量に対応するSDS−PAGEゲル上の単一のバンド を表した。アミノ酸配列分析 天然のタンパク質のアミノ酸配列分析のため、100μgの精製されたタンパク質 を含有する約250μlのサンプルを、90%エタノールで0℃で30分間沈殿させ、そ の後、微小遠心分離器での遠心分離が続いた。このペレットを20%酢酸中で再懸 濁し、そして、アミノ末端アミノ酸配列分析にかけた。組み換えタンパク質につ いては、80μgのrNucAを含有する80μlのサンプルを、プロスピン(ProSpin )カートリッジ(アプライド バイオシステムズ、カリフォルニア州フォスター シティ)に添加し かつ遠心分離した。そのサンプルを含有する二フッ化ポリビニリデン(PVDF )メンブレンを取り出し、そして20%メタノールで洗浄した。このメンブレンを アミノ末端アミノ酸配列分析にかけた。 アミノ末端アミノ酸配列分析は、オンラインのモデル120A PTH分析器 (アプライド バイオシステムズ)を装備された、アプライドバイオシステムズ モデル477Aタンパク質/ペプチドシークェンサーを使用して実施した。そ れぞれの連続するアミノ末端の切断後、形成されたアニリノチアゾリノン誘導体 を、64℃で20分間の25%トリフルオロ酢酸(TFA)での処理により、より安定 なフェニルチオヒダントイン(PTH)誘導体に変換した。PTH誘導体を分離 し、そして、製造元の説明書に従った2溶媒の濃度勾配系とともにブラウンリー (Brownlee)PTH C−18カラム(粒子径5mm、内径2.1mm×長さ22cm;アプラ イド バイオシステムズ)を使用する逆相HPLCにより、PTH分析器で同定 した。 天然のタンパク質については、最初の26残基(配列番号2の残基26〜51)は、 残基1での付加的な同定されないピークを除いて明白に同定された。組み換えタ ンパク質については、最初の19残基(配列番号2の残基26〜44)のうち18個が明 白に同定された。残基1および2の双方が付加的な同定されないピークを含有し 、また、残基13(配列番号2の残基38)は同定され得なかった。組み換えNuc Aタンパク質のアミノ末端配列の、天然のタンパク質のそれとの一致は、大腸菌 (E.coli)で発現されたタンパク質のシグナル配列の、ヘモフィルス属(Haemophi lus)のものと同一の翻訳後プロセシングを示した。 実施例5 NucAタンパク質のヌクレオチダーゼ活性 外酵素は、膜の細胞外表面上にそれらの触媒部位をもつ内在性膜タンパク質と 定義される(12)。外酵素の一分類は外ホスホヒドロラーゼ(5’−ヌクレオチ ダーゼ)である。細菌および噛乳動物双方の5’−ヌクレオチダーゼを扱う多く の報告が存在し、それぞれ異なる基質反応性を示す。哺乳動物の5’−ヌクレオ チダーゼ酵素は、A(アデノシンヌクレオシド)およびP(リン酸)を産生する 基質としてAMP(アデノシン−リン酸ヌクレオチド)を使用する一方、細菌の 酵素はATP(アデノシン三リン酸ヌクレオチド)、ADP(アデノシン二リン 酸ヌクレオチド)およびAMP、ならびに他のヌクレオチドを使用しうる。 大腸菌(E.coli)の5’−ヌクレオチダーゼタンパク質を研究する初期の報告 の1個は、それが細胞膜の細胞周辺腔に配置されたこと、および、このタンパク 質は、それが糖ヒドロラーゼおよびモノヌクレオチダーゼの双方の活性を有した ために独特であったことを示唆した(13;14)。バーンズ(Burns)とビーチャ ム(Bescham)(15)による後者の研究は、成熟の大腸菌(E.coli)5’−ヌクレオチ ダーゼ遺伝子ushAのヌクレオチド配列分析およびN末端タンパク質配列を提 示した。タンパク質配列およびDNA遺伝子配列に基づけば、UshAタンパク 質は成熟タンパク質でタンパク質分解的に除去されるシグナル配列を含有する。 予測される成熟タンパク質の分子量は58kDである。 海生の発光性ビブリオ属(Vibrio)およびフォトバクテリウム属(Photobacteriu m)の株は、膜結合性の特異的5’−ヌクレオチダーゼ酵素を含有する(16)。ho lophilicの海生細菌ビブリオ パラヘモリチクス(Vibrio parahaemolyticus)は 、nutAと呼称される5’−ヌクレオチダ ーゼ遺伝子をコードする(17)。nutA遺伝子はクローニングされ、配列決定 されそして大腸菌(E.coli)で発現されている。5’−ヌクレオチダーゼ酵素は 外層膜中に挿入されたリポタンパク質でありうる。5’−ヌクレオチダーゼ活性 は、グラム陽性細菌バチルス ズブチリス(Bacillus subtilis)でもまた検出さ れている(18)。アミノ酸比較 ラット肝5’−ヌクレオチダーゼ、大腸菌(E.coli)の5’−ヌクレオチダー ゼ(UshA)および2’,3’−環状ホスホジエステラーゼのアミノ酸比較は 著しい相同性の一領域を示し、このドメインが触媒活性および/もしくは基質結 合に関与しうることを示唆した(19)。多様な5’−ヌクレオチダーゼ配列すな わちラット、ヒト、UshA、NutAおよびNucAのさらなる比較は、2個 の非常に強い相同領域を示した。これらの領域は配列番号2からのNucA配列 のアミノ酸119〜152に及ぶ。例えば、NucAアミノ酸配列の、ヒトヌクレオチ ダーゼのアミノ酸配列との完全な相同性が、配列番号2の残基124〜130および14 8〜151に存在する。NucAとヒトヌクレオチダーゼタンパク質との間の相同性 の全体の程度は非常に小さく、かつ、4個もしくはそれ以上の連続的相同アミノ 酸をもつ上述のこれらの領域に主として制限されるとは言え、これらの領域のい ずれかもしくは双方の欠失は、NucAタンパク質を含有するワクチンのいずれ かの潜在的な免疫交差反応性を低下させるはずである。5’−ヌクレオシド遊離アッセイ タンパク質検索を、nucA遺伝子配列を使用して、NCBI BLAST電 子メールサービスを介して行った。この検索は、種を超えた、 すなわちヒト、ラットおよび大腸菌(E.coli)の既知の5’−ヌクレオチダーゼ 前駆体との若干限られたアミノ酸相同性を示唆した。NucAタンパク質をラッ トヌクレオチダーゼタンパク質を比較するリップマン−ピアソン(Lipman-Peason )のタンパク質整列(DNAStar)を実行した。33.0の類似性指標を、Nu cA(アミノ酸36〜333)をラットヌクレオチダーゼ(アミノ酸30〜329)と比較 して決定した。最初の5’−ヌクレオシド遊離アッセイを、イケハラ(Ikehara) ら(20)により記述されたようなラットの5’−ヌクレオチダーゼ反応条件を使 用して実行し、NucAタンパク質が5’−ヌクレオチダーゼ活性を保有するか どうかを決定した。 AMPのような5’−ヌクレオチドは、メタノール/クロロホルムのような溶 媒を添加した場合にTLCプレート上で移動しないことができる極性基質である 。ヌクレオチダーゼはリン酸基を切断分離して極性のより小さいアデノシンを遊 離することができる。アデノシンはメタノール/クロロホルムの存在下にプレー ト上を移動することができる。かように、移動したTLCスポットは、AMPが ヌクレオチダーゼにより切断されたことを意味する。 NTHiのP860295細胞の1mlの1/10を遠心分離し、PBS緩衝液で洗 浄し、そして10μlのPBSで再懸濁した。精製されたrNucAおよびnNu cAタンパク質濃度は200μg/mlであった。5’−ヌクレオチダーゼ反応(100μ l)を、添加された細胞もしくはタンパク質を含みもしくは含まず、それそれ0.1 Mトリス−塩酸、pH7.5、5mM塩化マグネシウム、0.1M塩化カリウム、5mMAMP を含有する1.5mlエッペンドルフチューブで実行した。各チューブを37℃で60分 間インキュベー ションした。反応の2μlをシリカTLC蛍光プレート上にスポットし、そして クロロホルム中20%メタノールで溶離した。プレートをその後、短波長すなわち 254nmのUV光源を使用して検分した。図13に示されるように、組み換えおよ び天然の双方の精製されたNucAタンパク質、ならびにP860295細胞が 、5’−ヌクレオチダーゼ活性を示した。リン酸遊離アッセイ より定量的な5’−ヌクレオチダーゼアッセイにおいて、 5’−ヌクレオチドの加水分解に際して遊離される無機リン酸を、チェン(Chen) ら(21)の方法の改変を使用して比色的に測定した。反応混合物は、750μlの最 終体積中に、100mMトリス−塩酸(pH9.0)、6.6mM塩化マグネシウム、1.65mM5 ’−AMP(もしくは他のヌクレオチド基質)および酵素を含有した。反応混合 物を37℃で30分間インキュベーションし、そして、反応を、250μlの20%TCA の添加で停止した。酵素を20%TCAの添加後に添加した対照を、各反応につい て行った。沈殿されたタンパク質を遠心分離を介して除去し、そして上清200μl を新しい試験管に回収した。100μlの1.0N塩酸を添加し、次いで750μlのモリブ デン酸アンモニウム試薬(3.0mlの10%アスコルビン酸および18mlの1N硫酸中3.4 mMモリブデン酸アンモニウム)の添加、そしてこの混合物を37℃で30分間インキ ュベーションした。試験管を室温に冷却させた後、650nmでの吸光度を測定した 。1単位の5’−ヌクレオチダーゼ活性を、37℃で650nm/分で1.0の吸光度変化 をもたらす酵素量と定義する。至適pH 5’−AMPの加水分解に至適のpHは8.5と9.0との間であることが見 出された(データは示されない)。しかしながら、9.0より上のpHは試験されな かった。マグネシウムイオンの影響 二価の陽イオンとりわけマグネシウムイオンは、原 核生物および真核生物の双方の系で5’−ヌクレオチダーゼ活性を刺激するもし くはいくつかの場合にはその絶対的必要条件となることが示されている(16)。 rNucAタンパク質が塩化マグネシウムの添加により刺激されることもまた示 された。6.6mMまでの塩化マグネシウムの添加は、酵素活性のおよそ2倍の刺激 をもたらす(データは示されない)。基質特異性 rNucAの5’−ヌクレオチダーゼは比較的幅広い基質特異性プ ロフィルを表すことが示された。この酵素は、5’−AMPに加え、多様な5’ −一、二および三リン酸ヌクレオチドを加水分解することが示された。試験され た全てのヌクレオチドについて、UTPがUMPもしくはUTPより好まれたウ リジンの場合を除き、―リン酸ヌクレオチドが好ましい基質であるように思われ た。rNucA5’−ヌクレオチダーゼは5’−ヌクレオチドに特異的であるよ うに思われた。というのは、それは3’−AMPで活性を表さなかったからであ る(データは示されない)。ホスファターゼアッセイ ホスファターゼアッセイを、NucAタンパク質がその特異的5’−ヌクレオ チダーゼ活性に加えて非特異的加水分解活性を保有するかどうかを決定するため に行った。ホスファターゼを、p−ニトロフェニルリン酸(PNPP)を基質と して使用してアッセイした。反応混合物(最終体積750μl)は、100mMトリス− 塩酸(pH9.0)、25mMPNPPおよびrNucAを含有した。反応混合物を37℃ で30分間インキュベーションし、そして、反応を、チューブを氷上に置くことに より停止した。410n mでの吸光度を測定した。組み換えNucAはPNPPで検出可能な活性を有し なかった(データは示されない)。これは、NucAがホスファターゼ活性をも たないヌクレオチダーゼであることを示唆する。対称的に、大腸菌(E.coli)の UshAは、その既知のヌクレオチダーゼ活性に加え、ホスファターゼ活性を有 する(13;14)。 実施例6 rNucAの5’−ヌクレオチダーゼのモノクローナル抗体阻害 下の実施例7で記述されるように、精製されたnNucAタンパク質に対して 出現させたモノクローナル抗体(Mab)Nt63−34−25を、rNucA の酵素活性を阻害および/もしくは促進するその能力について試験した。Mab Nt63−34−25はrNucAならびにnNucAと交差反応することが 示されている(データは示されない)。抗nNucA Mabによる酵素活性の 阻害もしくは促進は、rNucAタンパク質が本当に5’−ヌクレオチダーゼで あることを確認するとみられる。増加する濃度のMab(0、2.5、5、10およ び20μl)を、精製されたrNucAタンパク質とともに4℃で一夜インキュベ ーションした。rNucAタンパク質およびMabに加えて50μlのプロテイン Aビーズ(ピアース(Pierce))もまた含有した同一の連続物を、免疫沈降を促進 するために調製した。混合物を遠心分離し、そして上清をその後、上述のような リン酸遊離アッセイを使用して5’−ヌクレオチダーゼ活性についてアッセイし た。Mabを含有しない対照に関するパーセント活性を算出した。図14は、5 ’−ヌクレオチダーゼ活性が、Mab Nt63−34−25の濃度が増大され るにつれて阻害されたことを示す。10μlのMabの添加は酵素活性の約25%の 阻害をもたらし た一方、20μlの添加は約45%の阻害を表した。Mabの影響は、プロテインA ビーズがrNucAタンパク質の免疫沈降を促進するために添加される場合に高 められる。プロテインAビーズの存在下で、10μlのMabの添加は5’−ヌク レオチダーゼ活性の約60%の下落をもたらした一方、20μlの添加は約80%の阻 害を表した。5’−ヌクレオチダーゼ活性の完全な阻害は、より高濃度のMab Nt−63−34−25で達成された(データは示されない)。これらのデー タは、rNucAタンパク質が本当に5’−ヌクレオチダーゼであることを確証 する。 実施例7 抗体の産出および動物試験 モノクローナル抗体のためのハイブリドーマの産生 上述のような精製されたNucAタンパク質調製物を、モノクローナル抗体の 産出のためマウスを免疫するのに使用した。雌性の8週齢のBALB/cマウス に、4週の期間で3回(0、2、4週)、0.1ml用量中NTHi株P86029 5から精製された5μgのNucAタンパク質および25μgのMPL(商標)アジ ュバントを腹腔内に接種した。2個の別個の融合処置を実行した。第一の融合は 、0.5μgのNucAタンパク質の腹腔内(IP)追加抗原(boost)用量を使用し て、3ヶ月の休息期間後に行われた。第二の融合は、同じ経路による5μgのN ucAタンパク質のIP追加抗原用量を使用して4ヶ月の休息期間後に行われた 。免疫および休息期間の間、マウス血清を得(0、6週)、そして被覆(coating )抗原としてNucAタンパク質を使用することによるELISAにより抗体活 性について試験した。 双方の融合について、牌を、最後の注入後約72時間に2匹の免疫され たマウスから回収し、そして、第一および第二の融合について、分泌しないX6 3Ag8.653マウス(BALB/c)骨髄腫細胞とそれぞれ7:1もしくは 5:1の比(脾細胞:骨髄腫)で組み合わせた。細胞を、ダルベッコの改変イー グル培地(D−MEM)中50%(重量/重要)ポリエチレングリコール1500およ び10%ジメチルスルホキシド中で4分間融合させた。融合された細胞を、選択培 地すなわちヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン、10%ウシ胎児血清およ び10%NCTC−109培地補充物(ギブコ−BRL)で補充されたD-MEM 中で希釈した。融合効率(植えられたウェルの数に対するコロニー成長を伴うウ ェル)はそれぞれ26.4%(119/450)および76.4%(346/450)であった。反応 性を、SDS−PAGE、ウェスタンブロット、ドットブロットならびにNuc Aタンパク質および全細胞を使用するELISAにより評価した。1〜25と称さ れる陽性反応体を同定し、Nt63(第一の融合)もしくはNt63/2(第二 の融合)と記号をつけ(code)、そしてさらなる特徴づけのため取っておいた。 目的の選択されたハイブリドーマを、限定希釈処置により一度サブクローニン グした。モノクローナル抗体を、組織培養上清(TCS)、50%飽和硫酸アンモ ニウム沈殿により濃縮された(SAS-TCS)、もしくは腹水として提供した 。ポリクローナル血清の産出 ポリクローナル血清をニュージーランドホワイトラ ビットで産出させた。6匹のウサギを、P860295の全細胞ELISAを使 用してバックグラウンドカ価についてスクリーニングした。最低の力価をもつ2 匹のウサギを、0、4および8週の生理的食塩水中25μgのMPL(商標)を加 えた用量あたり25μgのnNucAタ ンパク質での免疫のため選んだ。ウサギは10週に全採血した。タンパク質を上述 のように精製し、そして12%SDS−PAGEゲル上で流して、純度を、そのお よそ90%レベルから増大させた。63kDのバンドをクマシー染色されたゲルから切 り抜き、そして連続して18G、20Gおよび22Gの針を通過させた。0.9%生理的 食塩水中のアジュバントMPL(商標)を添加し、そして0.2mlをウサギに注入 した。ポリクローナル血清は、XL1−Blue MRF’、Y1090R-、 Y1089R-およびY1088細胞への吸収後でさえ、コロニーブロットで高 いバックグラウンドを与えた。免疫原性試験 nNucAおよびrNucAで行われた免疫原性試験を下の表2 〜6に要約する。プールされた血清を、nNucAおよび/もしくはrNucA に対する抗体力価、いくつかの異種NTHi株に対する全細胞力価、ならびにま た主としてP861454に対する殺菌力価についてアッセイした。 表2は免疫原性試験で使用された投与量を述べる。 表3は試験1および3からの全細胞(WC)のELISAのデータの編集を提 示する。 表4は抗体のIgGクラスの亜分類を包含する試験2からのWCのELISA のデータを提示する。 表5は試験1、2および3からの殺菌データを提示する。試験3についての殺 菌力価は、N755群を除いて2回のアッセイの平均であった。免疫原性試験1 は、nNucAタンパク質がワクチン候補となる可能性を有することを示した。 表3および5を参照。それはその時点での試験された全ての異種株に対する上昇 した全細胞力価を示した。より重要には、それは試験された4種の異種株のうち 2種について殺菌活性を示した(表5)。試験2および3は全細胞のデータを再 現した。表3および4を参照。これらの血清の殺菌活性が、2種の異種株につい て示された(株P861454についてのデータが表5に示される)。3種の他 の株を試みたが、しかし技術的困難のため、データは報告され得なかった。 表6はこれら3回の試験からの抗体のELISA力価を提示する。 表2〜6に述べられたデータの結果を今や提示することができる。試験1 試験1は、実施例1に記述されるように単離されかつ精製されたnNu cAタンパク質で実行した。1群あたり5匹のマウスの、スイス−ウェブスター (Swiss-Webster)マウスの4群を、0、4、6および8週に、マウスあたり1、 5、10もしくは20μgのいずれかのnNucAで免疫した。使用されたアジュバ ントは、用量あたり50μgのMPL(商標)であった。nNucAに対する抗体 および相同のP860295NTHi株に対する全細胞力価を、全ての採血から のプールされた血清で得た。0および8週についてのデータが示される(表3お よび6)。異種株での全細胞力価、および殺菌力価を、E548群すなわち5μ g投与量群で得た。これは6(データは示されない)および8週(表3)の双方 で同種P860295株に対する最高の全細胞力価を与えた。第二の免疫後、全 細胞および精製されたタンパク質の双方のELISA力価は、最初の採血に比較 して抗原刺激された(boosted)(データは示されない)。2ないし3倍の追加抗 原刺激(boost)が、10μg投与量を除き、第三の免疫後にもまた観察された。10μ g投与量はELISA力価の13倍の増大を示した。nNucAタンパク質は、8 種の異種NTHiの臨床単離物に対して高い全細胞ELISA力価を導き出し( 表3)、保存された、表面に露出したエピトープを立証した。この試験から、5 μgを、さらなる実験のための好ましい免疫用量として選んだ。殺菌アッセイを 、4種の異種NTHi株で、5μg用量(E548)からの血清を使用して実行 した。有意の殺菌力価は免疫前レベルを上回る4倍の増加とみなされる。有意の 殺菌活性を、同種P860295株に対し、ならびに異種NTHiの単離物P8 10384およびN830161Eにつ いて検出した。株P861454に対する力価は有意でありうるが、しかしこの アッセイで決定し得なかった。なぜなら、試験された最小の希釈は5倍であり、 そして、免疫前血清はそのレベルで活性を有しなかったからである(表5)。試験2 試験2は、アジュバントを伴うおよび伴わないの双方のnNucAの免 疫原性をrNucAと比較するために実行した。2種のアジュバントすなわちM PL(商標)およびスティミュロン[Stimulon](商標)QS−21を比較した 。1群あたり5匹のBalb/cマウスをこれらの試験に使用した。これらの試 験に使用されたNucAタンパク質は実施例4に記述されたように精製し、nN ucAタンパク質はP860295からチオシアン酸カリウム抽出した。マウス を0および4週に免疫し、そして0、4および6週に採血した。0および6週の 採血からの血清を、精製されたnNucA、rNucAおよび全NTHi細胞双 方に対するELISA反応性抗体について分析した。 結果は表4および6に示される。nNucAおよびrNucAタンパク質はア ジュバント非存在下で高度には免疫原性でなかった。双方のタンパク質は、いず れかのアジュバントとともに使用された場合に、それ自身もしくは当該タンパク 質の他の形態に対する高いELISA力価を導き出した(表6)。nNucAも しくはrNucAのいずれかを免疫抗原として使用しそして血清をそれぞれのタ ンパク質に対して反応させた場合には、差異は検出されなかった。かように、r NucAはnNucAにより導き出されたものと区別できない抗体を導き出すよ うである。これらの抗血清についての全細胞ELISA力価が表4に示される。 全部で16種のインフルエンザ菌(H.influenzae)の臨床単離物を、これら の抗血清を使用して試験した。アジュバントを含有する群のみが高力価の全細胞 反応性抗血清を導き出した。この抗血清は株にわたって幅広く交差反応性であり 、精製された天然および組み換えの双方のNucAが、マウスに注入された場合 に抗体を導き出す、保存された、表面に露出したエピトープを含有することを示 した。表面の反応性抗体を導き出す能力において、アジュバントもしくはタンパ ク質の組み合わせのいずれの間にも大きな差異は観察されなかった。アジュバン トを加えられない(unadjuvanted)群はバックグラウンドレベルの表面の反応性抗 体を示した。1種の単離物への抗体応答のサブクラス分布を決定し、そしてその 結果は表4に示される。MPL(商標)群は混合したIgG1、IgG2a/b 応答をもつようである一方、スティミュロン[Stimulon](商標)QS−21の アジュバントを加えられた(adjuvanted)天然のタンパク質はほとんどIgG1応 答であった。対称的に、スティミュロン[Stimulon](商標)QS−21 rN ucA群は、混合したIgG1、IgG2a/b応答であった。しかしながら、 これらの応答は1回の実験についてのみであり、また、付加的な実験でこれらの アジュバントについて期待されるサブクラスのプロフィルを代表しないとみられ る。試験3 試験3は、用量あたり50μgのMPL(商標)とともに処方された場合 のrNucAの用量反応を見るため、および、下の表7に示される保護試験のた めの血清を収集するために実行した。rNucAおよびnNucAは試験2につ いてと同じ調製物であった。それぞれ10匹のマウスの3群を、1μg(N710 群)、5μg(N711群)もしくは10μg(N71群)の用量あたりの量のrN ucAで免疫した。20匹のマウスの付加的な群N755(6〜8週の代わりに約 10週齢)を後に試 験に付加して、保護試験のための余分の血清を準備した。10匹のマウスの5番目 の群N713を、5μgのnNucAで免疫した。全ての用量は、用量あたり50 μgのMPL(商標)を含有し、また、マウスは0、4および8週に免疫した。 採血は0、4、6(N755のみ)、8および10週に行った。投与量については 表2を参照。 4週の血清についてのIgGのELISA力価により示されるような一次応答 (データは示されない)は、rNucAの用量により影響される。最低の力価は 最低のrNucA用量群で得た。2ないし3倍の、より高力価を5μg用量群か ら得た。順に、10μg用量群についての力価は5μgの用量についてのものの約2 倍であった。同様の力価を、nNucAおよびrNucA群の双方について5μ g用量で得た。N755は最高の一次応答、しかし最低の追加抗原刺激すなわち 第二の用量後に約45倍を与えた。全ての他の群は第二の用量後に約200倍、抗原 刺激された(boosted)。N71OおよびN755群は第三の用量後に約2ないし 3倍、抗原刺激された(boosted)。N711、N712およびN713群は実際 にはわずかに下落した。全ての力価は3回の免疫後に同等であった。表6を参照 。 全ての株は10μg用量で小さな一次WC応答を与えた。DL208およびP8 61454は、全群に対し小さな一次応答を与えたただ2種の株であった。全て の力価は第二および第三の免疫後に同等であった。N755は、DL208、P 810384およびP861454(高バックグラウンドもまた有した)でより 高い一次応答を与えたが、しかし、力価は、再び、第二および第三の免疫後に同 等であった。しかしながら、6週での採血は、より高いそしていくつかの株では 最高の力価を示し、 N755群については8および10週を上回った。0および10週の結果については 表3を参照。 ここで、再び、この結果は、試験された全ての株、被包性タイプbイーガン株 に対してさえ、血清の交差反応性を示した以前の試験のものを再現した。しかし ながら、明確な力価は、おそらく莢膜の存在により、イーガンについては得られ なかった。莢膜は細胞表面上の抗原の到達可能性を阻害していることができる。 試験2からの抗血清の殺菌活性を、nucA遺伝子の供給源に関する双方の異 種単離物である2種のNTHi株、TN106およびP861454に対して決 定した。スティミュロン[Stimulon](商標)QS−21 rNucA群を除い た全ての血清がTN106に対する殺菌活性を示した。P861454に対する BCアッセイの結果が表5に示される。P861454に対し有意の(>4倍の 上昇)殺菌力価を示す唯一の群は、MPL(商標)群すなわちN091およびN 087であった。かように、MPL(商標)でアジュバントを加えられた(adjva nted)天然もしくは組み換えのいずれかのNucAタンパク質は、幅広く交差反 応性の全細胞ELISA応答、いずれかのタンパク質に対する高ELISA力価 、および異種NTHiの単離物に対する殺菌活性を導き出すことが可能であった 。 仔ラット防御試験 4日齢のシュプラグ−ドーレイ(Sprague-Dawley)ラットを 、10匹の仔の各群に1匹の母親を含む10群に無作為化した。仔は表7に示される ように腹腔内(IP)に免疫した。 P174およびP175群は、P6と称される16kDのNTHiタンパク質(H iPALもしくはPBOMP−1としてもまた知られる(22))で免疫されたウ サギからの抗血清を受けた。P176群はNTHiポリリボシルリビトールリン 酸(PRP)に対して出現させたモノクローナル抗体を受けた。P177群は緩 衝液対照としてPCM緩衝液(10mMリン酸ナトリウム、pH7.4、150mM塩化ナトリ ウム、0.5mM塩化マグネシウム、0.15mM塩化カルシウム)を受けた。血清および 細胞の全ての希釈はPCM緩衝液中で行った。約23時間後、それらを、毒性のイ ンフルエンザ菌(H.influenzae)タイプbイーガン株の49.5の生物体(0.1ml)で IPに攻撃した。その後、攻撃後20〜24時間に、仔ラットを採血し、そして細菌 の計数のためプレート培養した。尾の根元を切開し、そして、P20レイニン(R ainin)ピペットマンで10μlの血液を取り上げ、そしてRTで90μ1のPCM緩衝 液中に希釈した。希釈をボルテックス攪拌し、かつ、さらなる希釈を行うまで4 ℃に保持し、そして各希釈の10μlを、全く同一にチョコレートアガー上でプレ ート培養した。プレートを5%二酸化炭素インキュベーター中36.5℃で一夜イン キュベーションした。防御試験の結果は表8に述べられる。1 幾何平均力価(GMT)は全ての計数可能なプレートへの等しく加重値を加 えることに基づいた。 2 GMTは計数可能なより低い希釈にかけられたより大きな加重値に基づいた 。 計数可能なプレートは<500cfu/プレートであった。 検出限界は、希釈の10μlをプレート培養して100cfu/mlであった。 P175およびP176群のプレートは最低希釈で0であったため、0〜99cfu/ mlからのどこかであり得る。ここではある数すなわち50cfu/mlを、幾何平均(G MT)を算出する目的のために割り当てた。 最高の希釈でさえ計数するのに多すぎたプレートもまた、推定値に基づく数を割 り当てた。すなわち>=1000cfu/プレート >>=2000cfu/プレート 芝生様(1awn)=6000cfu/プレート p値:クルスカルーウォリス(Kruska1-Wallis)は、サンプルの値が大きな範囲に 及ぶ場合に使用される伝統的なP値検定である。非常に大きな値にっいてのよう に鋭敏でない。<0.05のP値はこの検定で統計学的に有意である。 Hib髄膜炎の仔ラットの動物モデルは、Hibによる菌血症(およびその後 の死亡)を抑制する抗体の能力を立証する。ウサギ血清は、一般に、仔ラットの 血液にHibに対する若干の非特異的免疫を与え、それはマウスおよびウサギ抗 血清の0週のcfuを比較する場合に見られ得るようである。このモデルは、かよ うに、免疫ウサギ血清の陰性対照として免疫前のウサギ血清を使用する。期待さ れるように、P6タンパク質に対するウサギ対照抗血清は、ラット血液中のHi bのGMTを300 から0.5まで低下させ、かように、HibのPRP莢膜に対するマウスモノクロ ーナル抗体がしたように(P176群)、抑制された菌血症を示した。マウス抗 rNucA血清は、2倍希釈で、0週(免疫前)の血清に比較して菌血症のレベ ルを大きく低下させ、この動物モデルでの陽性の結果および被包性Hibにオプ ソニン作用させる能力を示した。これらの結果は、このモデルでの抗rNucA 血清の有効性およびインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)に対するそのワ クチンの可能性を立証する。 実施例8 nucAの420bpのプローブの特異性 上述の420bpのDNAプローブを、ヘモフイルス属(Haemophilus)の種の同定で のその特異性について試験した。このプローブを、nucA遺伝子の部分的制限 酵素地図を産出するためのサザンハイブリダイゼーションおよびヘモフィルス属 (Haemophilus)の種の同定のためのドットブロットハイブリダイゼーションで使 用した。培養系を、約1.0のO.D.600まで増殖させ、そして−20℃で保存した 。培養系の5μlを、過剰の液体を吸い取るための下の3mmワットマン紙を伴 う乾燥ハイボンド−Nメンブレンにスポットした。このメンブレンを約10分間風 乾した。それを10%SDS中で溶解し、その後、変性緩衝液(1.5M塩化ナトリウ ム、0.5M水酸化ナトリウム)中RTで7分間変性させた。過剰の緩衝液を3mm ワットマン紙で吸い取った。メンブレンを、中和緩衝液(1.5M塩化ナトリウム、 0.5Mトリス−塩酸、pH7.2、1mMEDTA)中、RTで3分間中和した。このメ ンブレンを3mmワットマン紙上に置いて過剰の緩衝液を吸い取り、そして中和 処理を繰り返した。メンブレンを2×S SC中ですすぎ、そして3mmワットマン紙上で風乾した。DNAを、ストラタ ジーンUV架橋器(crosslinker)を自動モードで使用してメンブレンに架橋した 。メンブレンを65℃で2〜4時間、プレハイブリダイゼーション緩衝液(5×S SC、1.0%ブロッキング試薬、0.1%N−ラウロイルサルコシン、0.02%SDS )中でプレハイブリダイゼーションした。ハイブリダイゼーションは、プローブ (上述と同じ420bp断片を与える特異的プライマーでのPCRでdig−dUT P標識されたP860295染色体DNA)を加えたプレハイブリダイゼーショ ン緩衝液中で65℃で一夜実行した。2回の洗浄を、2×SSC−0.1%SDS中 、65℃で5〜15分実行した。もう2回の洗浄を、0.1×SSC−0.1%SDS中、 65℃で15分間実行した。メンブレンをジ−ニアス[Genius](商標)キットのプ ロトコール(ベーリンガー マンハイム)に従って展開した。 このnucAプローブでのドットハイブリダイゼーションのためにスポットし た細胞培養系の種および株を下に列挙する。タイプbイーガン株を包含する全て のヘモフィルス属(Haemophilus)の株は事実上陽性であった。陽性であった唯一 の非ヘモフィルス属(Haemophilus)の種は、rnucAプラスミドpPX691 を含有する大腸菌(E.coli)の培養系であった。全ての他の種はこのプローブに ついて陰性であった。図15を参照。 1.大腸菌(E.coli)InvαF’ 2.InvaF’中のpTrcHisC 3.InvaF'pPX691 4.NTHi P810384 5.NTHi P810568 6.NTHi P860295 7.NTHi P861454 8.NTHi P880859 9.NTHi DL208 10.NTHi H305 11.NTHi N1955 12.NTHi N830161E 13.NTHi SH1013 14.NTHi SH1014 15.NTHi SH1015 16.NTHi TN106 17.Hib イーガン 18.GC LB2 19.GC Pgh3−2 20.H.ピロリ(H.pylori) 21.M.カタラリス(M.catarrhalis)035e 22.ネズミチフス菌(S.typhimurium)3261 18.および19.のGCは淋菌(Neisseria gonorrhoeae)である。これらの結果は nucA配列についてのこのプローブの特異性を立証した。 実施例9 インフルエンザ菌(H.influenzae)でのNucA配列の保存 いくつかのNTHi株およびタイプbイーガン株からの全細胞ライセートを、 双方ともnNucAに対するMab Nt63−34−25も しくはウサギポリクローナルで探られた(probed)ウェスタンで分析した。試験さ れた全ての株は、nNucA抗血清で、保存された63kDのバンド(SDS−PA GEゲル上の大きさによる)を示した(データは示されない)。いくつかのNT Hi株ならびにタイプbイーガンおよびホイッティア株をまた、約1.0のO.D .490に生じさせ、0.4%ホルムアルデヒドで固定し、約0.2のO.D.620までP BS中で希釈し、そしてWCのELISAのために乾燥によりプレートに被覆し た。表3および4を参照。試験された全ての株はWCのELISAで上昇した力 価を示した。 上述のように、NucAタンパク質の配列を株P860295(配列番号2) から得た。次に、nucA断片(シグナル配列を伴うもしくは伴わない)を、P 860295ゲノムからのnucA領域の配列決定で作成されたプライマーを使 用して、8種の他のNTHiゲノムおよびタイプbイーガン株から増幅した。P CR断片をpCR(商標)IIにクローニングしそして配列決定した。成熟nuc A遺伝子領域の完全な配列を、株P810384、P810568、P8614 54、P880859、N1955、TN106、SH1014、SH1015 およびイーガンについて得た。タンパク質の整列を、P860295のものを包 含する成熟NucAタンパク質の推定されたアミノ酸配列から生じさせた。株の うち4種(P880859、TN106、SH1015およびイーガン)はP8 60295と100%同一である。他の株は、1ないし7アミノ酸残基がP860 295と異なる(表9を参照)。これは、試験されたインフルエンザ菌(H.infl uenzae)の株でnucA遺伝子が保存される大きな程度を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/42 A61P 31/16 A61P 31/16 C12N 1/21 C12N 1/21 9/22 9/22 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),AL,AM,AU,A Z,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CU ,CZ,EE,GE,HU,IL,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,RO,RU,SD,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,ZW (72)発明者 オーイ,ペギー アメリカ合衆国ニユーヨーク州14506メン ドン・メインストリートフイシヤーズ494 【要約の続き】 は、哺乳動物宿主において防御免疫応答を導き出してイ ンフルエンザ菌(H.influenzae)により引き起こされる 疾患に対し当該宿主を防御するワクチン組成物を調製す るのに使用される。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)(H.influenzae)のNucAタ ンパク質またはそのエピトープ(1個もしくは複数)を含むNucAタンパク質 のペプチドをコードするDNA配列を含んで成る、単離されかつ精製されたDN A配列。 2.標準的な高緊縮サザンハイブリダイゼーション条件下で、配列番号2のアミ ノ酸26〜603のアミノ酸配列もしくはその生物学的に同等なアミノ酸配列を有す るインフルエンザ菌(H.influenzae)のNucAタンパク質をコードするDNA 配列とハイブリダイゼーションするDNA配列を含んで成る、単離されかつ精製 されたDNA配列。 3.前記DNA配列が、標準的な高緊縮サザンハイブリダイゼーション条件下で 、配列番号1のヌクレオチド304〜2037のヌクレオチド配列を有するDNA配列 とハイブリダイゼーションする、請求の範囲2の単離されかつ精製されたDNA 配列。 4.DNA配列が、標準的な高緊縮サザンハイブリダイゼーション条件下で、イ ンフルエンザ菌(H.influenzae)のNucAタンパク質についての生物学的に同 等なアミノ酸配列をコードするDNA配列とハイブリダイゼーションする、請求 の範囲2の単離されかつ精製されたDNA配列であって、配列番号2のアミノ酸 26〜603のアミノ酸配列が、K79E、N186K、S262G、V294A、 E305Q、K327R、T337A、D360Y、R376HもしくはV43 6Iから成る群から選択されるアミノ酸残基の変化の1個もしくはそれ以上によ り改変される配列。 5.請求の範囲1のDNA配列を含んで成る、単離されかつ精製された、 インフルエンザ菌(H.influenzae)のDNA配列を含有するプラスミド。 6.プラスミドが、標準的な高緊縮サザンハイブリダイゼーション条件下で、配 列番号2のアミノ酸26〜603のアミノ酸配列もしくはその生物学的に同等なアミ ノ酸配列を有するインフルエンザ菌(H.influenzae)のNucAタンパク質をコ ードするDNA配列とハイブリダイゼーションするDNA配列を含有する、請求 の範囲5のプラスミド。 7.プラスミドが、標準的な高緊縮サザンハイブリダイゼーション条件下で、配 列番号1のヌクレオチド304〜2037のヌクレオチド配列を有するDNA配列とハ イブリダイゼーションするDNA配列を含有する、請求の範囲6のプラスミド。 8.プラスミドが、標準的な高緊縮サザンハイブリダイゼーション条件下で、イ ンフルエンザ菌(H.influenzae)のNucAタンパク質について生物学的に同等 なアミノ酸配列をコードするDNA配列とハイブリダイゼーションするDNA配 列を含有する、請求の範囲6のプラスミドであって、配列番号2のアミノ酸26〜 603のアミノ酸配列が、K79E、N186K、S262G、V294A、E3 05Q、K327R、T337A、D360Y、R376HもしくはV436I から成る群から選択されるアミノ酸残基の変化の1個もしくはそれ以上により改 変されるプラスミド。 9.プラスミドがpPX691と称されるものである、請求の範囲7のプラスミ ド。 10.請求の範囲5のプラスミドで形質転換された宿主細胞。 11.宿主細胞が大腸菌(Escherichia coli)株InvaF’である、請求の範囲 10の宿主細胞。 12.プラスミドがpPX691(ATCC 98104)と称されるものであ る、請求の範囲11の宿主細胞。 13.宿主細胞を請求の範囲5のプラスミドで形質転換もしくはトランスフェク ションすること、および、宿主細胞による前記NucAタンパク質の発現を許す 条件下で宿主細胞を培養することを含んで成る、インフルエンザ菌(H.influenz ae)のNucAタンパク質の産生方法。 14.単離されかつ精製された、インフルエンザ菌(H.influenzae)のNucA タンパク質、または、そのエピトープ(1個もしくは複数)を含んで成るNuc Aタンパク質のペプチド。 15.配列番号2のアミノ酸26〜603のアミノ酸配列もしくはその生物学的に同 等なアミノ酸配列を有する、請求の範囲14の単離されかつ精製された、インフ ルエンザ菌(H.influenzae)のNucAタンパク質。 16.(a)12%SDS−PAGEゲル上で測定されるようなおよそ63,000ダル トンの分子量;および (b)5’−ヌクレオチダーゼ活性 を有する、請求の範囲14の単離されかつ精製された、インフルエンザ菌(H.in fluenzae)のNucAタンパク質。 17.インフルエンザ菌(H.influenzae)のNucAタンパク質について生物学 的に同等なアミノ酸配列を有する、請求の範囲15の単離されかつ精製されたN ucAタンパク質であって、配列番号2のアミノ酸26〜603のアミノ酸配列が、 K79E、N186K、S262G、V294A、E305Q、K327R、T 337A、D360Y、R376HもしくはV436Iから成る群から選択され るアミノ酸残基の変化の1個もしくはそれ以上により改変されるタンパク質。 18.単離されかつ精製された、インフルエンザ菌(H.influenzae)のNucA タンパク質またはそのエピトープ(1個もしくは複数)を含んで成るNucAタ ンパク質のペプチドを含んで成るワクチン組成物であって、前記ワクチン組成物 が噛乳動物宿主で防御免疫応答を導き出す組成物。 19.NucAタンパク質が、配列番号2のアミノ酸26〜603のアミノ酸配列も しくはその生物学的に同等なアミノ酸配列を有する、請求の範囲18のワクチン 組成物。 20.NucAタンパク質が、 (a)12%SDS−PAGEゲル上で測定されるようなおよそ63,000ダルトンの 分子量;および (b)5’−ヌクレオチダーゼ活性 を有する、請求の範囲18のワクチン組成物。 21.NucAタンパク質が、インフルエンザ菌(H.influenzae)のNucAタ ンパク質について生物学的に同等なアミノ酸配列を有する、請求の範囲19のワ クチン組成物であって、配列番号2のアミノ酸26〜603のアミノ酸配列が、K7 9E、N186K、S262G、V294A、E305Q、K327R、T33 7A、D360Y、R376HもしくはV436Iから成る群から選択されるア ミノ酸残基の変化の1個もしくはそれ以上により改変される組成物。 22.アジュバント、希釈剤もしくは担体をさらに含んで成る、請求の範囲18 のワクチン組成物。 23.アジュバントが、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、QS−21 、3−O−デアシル化モノホスホリルリピドAおよびIL−1 2から成る群から選択される、請求の範囲22のワクチン組成物。 24.請求の範囲18のワクチン組成物の免疫原性の量を哺乳動物宿主に投与す ることを含んで成る、インフルエンザ菌(H.influenzae)に対する免疫方法。 25.単離されかつ精製された、インフルエンザ菌(H.influenzae)のNucA タンパク質またはそのエピトープ(1個もしくは複数)を含んで成るNucAタ ンパク質のペプチドを、ワクチン組成物が哺乳動物宿主で防御免疫応答を導き出 すように十分な量で包含することを含んで成る、前記ワクチン組成物の調製方法 。
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