JP2002539763A - ヘリコバクター・ピロリ抗原 - Google Patents

ヘリコバクター・ピロリ抗原

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JP2002539763A JP2000582418A JP2000582418A JP2002539763A JP 2002539763 A JP2002539763 A JP 2002539763A JP 2000582418 A JP2000582418 A JP 2000582418A JP 2000582418 A JP2000582418 A JP 2000582418A JP 2002539763 A JP2002539763 A JP 2002539763A
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ダンクレイ、マーガレット
ハリス、サイモン
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プロヴァリス・ユーケー・リミテッド
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Abstract

(57)【要約】 H.pylori由来の新規抗原を述べている。その診断及び治療用途も同様に延べ、更に該抗原と該抗原をコードする核酸分子を備えたキットも述べている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明はヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)由来の抗原に関するものである。
本発明はまた、この抗原を含む薬剤組成物類、特にワクチン類と共に、係る抗原
の免疫原としての用途を、該抗原をコードする組換え核酸分子、係る核酸分子を
取り込んだベクター、及び係るベクターを担持する宿主細胞として提供するもの
である。
【0002】 H.pyloriは、慢性活性胃炎及び消化性潰瘍疾患に強く関与していると示唆され
ているグラム陰性菌である(Marshall et al, Medical Journal of Australia,
142:439-444 (1985); Buck,G.E., Journal of Clinical Microbiology, 3:1-12
(1990))。H.pylori抗原領域における研究の当初の中心は診断目的であったが、
この一般的な生物に対して有効と考えられるワクチンを提供する必要性にも関心
が向けられている。国際公開公報WO96/25430、WO98/32768、及び英国特許出願第
9806039.5号を含む幾つかの特許出願がこのようなワクチンのための候補となる
抗原を開示している。
【0003】 しかしながら、全てのワクチンが菌株全般に亘る最大可能な有効性、特異性及
び防御性を確実に保有するようにする抗原を更に提供する必要性は依然として続
いている。ここに本発明者らは、H.pylori感染に対して良好な防御性を示す抗原
を単離し同定したものである。
【0004】 即ち、第1の形態において本発明は、還元性又は非還元性条件下にてSDSゲル
電気泳動法により測定した分子量が35 kDaであり、次のアミノ酸配列、 MAKEILVAYGVDIDAVAGWLGSYGGEDSPDDISRGLFAGEVGIPRLLKLFKKYHLPATWFSPGHSIETFSEQ
MKMIVDAGHEVGAHGYSHENPIAMTAKQEEDVLLKSVELIKDLTGKAPTGYVAPWWEFSNITNELLLKHGFK
YDHSLMHNDFTPYYVRVGDSWSKIDYSLEAKDWMKPLIRGVETDLVEIPANWYLDDLPPMMFIKKSPNSFGF
VSPHDIGQMWIDQFDWVYREMDYAVFSMTIHPDVSARPQVLLMHEKIIEHINKHEGVRWVTFNEIADDFLKR
NPRKK を有するヘリコバクター・ピロリ抗原性蛋白質を提供するものである。
【0005】 本発明の蛋白質は、実質的に純粋な形態で提供可能である。例えば、本発明に
よる蛋白質は実質的に他の蛋白質を含まない形態で提供可能である。
【0006】 ここで述べるように、本発明の蛋白質は抗原性物質として有用である。この物
質は“抗原性”及び/又は“免疫原性”である。一般に“抗原性”とは、この蛋
白質が抗体産生のために使用できるか又は対象に抗体応答を実際に誘発できるこ
とを意味している。また“免疫原性”とは、この蛋白質が対象に防御性免疫応答
を惹起可能であることを意味する。従って、後者の場合、前記蛋白質は抗体応答
だけでなく、これに加えて抗体に基づかない免疫応答も産生可能である。
【0007】 同様に、本発明による蛋白質の相同体又は誘導体についても、本発明で言う用
途、即ち抗原性/免疫原性物質としての用途を見出し得ることは当業者に理解さ
れることである。従って、本発明には例えば1つ以上の付加、欠失、置換等を含
む蛋白質も包含されるものである。また、1つのアミノ酸を類似の別種のもので
置換すること、例えば1つの疎水性アミノ酸を別のもので置換することも可能で
ある。
【0008】 アミノ酸配列の比較には、CLUSTALプログラムなどのプログラムを使用するこ
とができる。このプログラムはアミノ酸配列を比較し、適当ないずれかの配列に
スペースを挿入することによって最適な並びを見出すものである。最適な並びに
対して、アミノ酸の同一度又は類似度(アミノ酸タイプの同定と保存)を計算す
ることができる。また、BLASTxのようなプログラムでは類似配列の最長ストレッ
チの列を合わせてその適合度に値を付すことができる。従って、それぞれ異なる
スコアを有する複数の類似領域を比較することが可能である。本発明では、これ
らいずれの同定分析手法も考慮に入れている。
【0009】 相同体及び誘導体の場合、本発明で言う蛋白質との同一性の度合いは相同体又
は誘導体における原蛋白質の抗原性又は免疫原性の残存度合いよりは重要ではな
い。但し、本発明で言う蛋白質又はポリペプチドと少なくとも60%の類似度(上
述のような)を有する相同体又は誘導体とすることが好適である。好ましくは少
なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも80%の類似度を有する相同体又は誘
導体とすると良い。最も好ましくは、少なくとも90%、更には95%の類似度を有
する相同体又は誘導体とすることが望ましい。
【0010】 別の手法として、前記相同体又は誘導体を、例えば所望の蛋白質又はポリペプ
チドを効果的に標識することによって精製をより容易にする部分を含む融合蛋白
質とすることも可能である。この“標識”を除くことが必要な場合もあり、また
融合蛋白質自体が有用な抗原性を充分に残している場合もある。
【0011】 本発明は別の形態として本発明による蛋白質或いはその相同体又は誘導体の抗
原性/免疫原性断片も提供する。
【0012】 本発明で言う蛋白質又はポリペプチド或いはその相同体又は誘導体の断片につ
いては状況はわずかに異なってくる。抗原性蛋白質又はポリペプチドをスクリー
ニングして抗原決定基領域、即ち蛋白質又はポリペプチドの抗原性又は免疫原性
に関与する領域を識別できることは周知である。このようなスクリーニングを実
行するための方法は本技術分野では周知である。本発明による断片は1つ以上の
上記抗原決定基領域を含むか、或いは上記領域に充分に類似していて係る抗原性
/免疫原性を保持しているかのいずれかである。従って本発明による断片に対す
る同一性の度合いは重要ではなく、その理由は、該断片が本発明で言う蛋白質又
はポリペプチド或いはその相同体又は誘導体の特定部分と100%同一であること
もあるからである。繰り返すと、鍵となる重要な点は断片がその抗原性/免疫原
性を残していることである。
【0013】 このように、相同体、誘導体、或いは断片にとって重要な点は、それらの由来
の元である蛋白質又はポリペプチドの抗原性/免疫原性を少なくともある程度は
保持していることである。
【0014】 本発明による蛋白質のN末端配列でTIGRデータベースをスクリーニングしたと
ころ、適合するもの(マッチ)が見出され、これをHP0310と命名した。この蛋白
質の機能は未知(実際に依然として知られていない)であり、その抗原性/免疫
原性に関する情報も前記データベースで全く提供されていなかったことは勿論で
ある。
【0015】 本発明の蛋白質を実質的に純粋な形態で提供するには各種の遺伝子クローニン
グ技術を利用可能である。これらの遺伝子クローニング技術については、例えば
J.Sambrook他によるMolecular Cloning、第2版、Cold Spring Harbor Laborato
ry Press (1989) に開示されている。そこで、本発明は、第3の形態として、 (i) 下記の配列、 ATGGCAAAAGAAATTTTAGTGGCTTATGGTGTGGATATTGATGCGGTGGCTGGTTGGTTAGGGAGCTATGGT
GGGGAGGATTCGCCTGATGATATTTCGCGCGGGCTTTTTGCGGGTGAAGTGGGGATCCCACGGCTTTTGAAA
TTGTTTAAAAAATACCATCTCCCGGCGACTTGGTTTTCGCCGGGGCATTCTATTGAAACTTTCTCTGAACAA
ATGAAAATGATCGTGGATGCAGGGCATGAAGTGGGCGCGCATGGGTATTCGCATGAAAACCCTATCGCTATG
ACGGCCAAGCAAGAAGAAGACGTTTTGTTAAAAAGCGTTGAGTTGATTAAAGATCTCACCGGCAAAGCCCCC
ACAGGCTATGTGGCGCCGTGGTGGGAGTTTTCTAATATCACTAATGAATTGCTTTTAAAACACGGCTTCAAA
TACGACCACTCGCTCATGCACAATGATTTCACGCCCTATTATGTGCGCGTGGGGGATAGTTGGAGCAAGATT
GATTATAGTTTGGAAGCTAAGGATTGGATGAAGCCTTTAATCCGTGGGGTGGAAACCGATCTGGTGGAAATC
CCTGCGAACTGGTATTTGGACGATTTACCGCCGATGATGTTCATCAAAAAGTCCCCCAATAGTTTTGGTTTT
GTAAGTCCGCACGATATAGGGCAAATGTGGATCGATCAATTTGATTGGGTTTATCGTGAGATGGATTATGCG
GTGTTTAGCATGACAATCCACCCTGATGTGAGCGCCCGTCCGCAAGTGTTGCTCATGCATGAAAAAATCATT
GAGCATATCAACAAGCACGAGGGCGTGCGTTGGGTAACATTCAATGAAATCGCTGATGATTTCTTAAAACGA
AACCCTAGAAAAAAA、 (ii) 上記(i)の配列に相同な配列、 (iii) 上記(i)又は(ii)の配列と同一の蛋白質をコードする配列、 (iv) 上記(i)、(ii)及び(iii)のいずれかの配列と実質的な同一性を有する配
列、又は (v) 上記蛋白質の相同体、誘導体又は断片をコードする配列 を含むか又はそれによって構成されたことを特徴とする組換え核酸分子を提供す
るものである。
【0016】 本発明による上記核酸分子は、複数のこれら配列及び/又は断片を含んでいて
もよい。即ち本発明は、ここに例示した特定の核酸分子の新規変異体も包含でき
ることは当業者の理解するところであり、このような変異体も本発明の範疇に包
含される。これらは、例えば株変異の理由などによって自然に出現可能である。
また、例えば付加、置換及び/又は欠失も含まれる。更に、微生物発現系を利用
する場合には特に、発現に用いる特定生物における公知の好適なコドン用法を利
用することによって核酸配列を工学的に作製したい場合もある。従って、合成又
は非天然に出現する変異体も本発明の範囲に包含される。
【0017】 相同性又は同一性の度合いを決定する目的で核酸配列を比較する場合、BESTFI
TやGAP(両者ともにWisconsin Genetics Computer Group(GCG)のパッケージソ
フトウェア)のようなプログラムを利用することができる。BESTFITは、例えば2
つの配列を比較して最大類似のセグメントの最適な並びを作製する。GAPは、配
列をその全長に亘って並べて適当などれかの配列にスペースを挿入することで最
適な並びを見出す。本発明の範疇において核酸配列の同一性を検討する際には、
これらの比較はその全長に亘って配列同士を並べることによって行うことが好ま
しい。
【0018】 実質的な同一性を有する配列は、相手の配列に対して少なくとも50%、望まし
くは少なくとも75%、更に望ましくは少なくとも90%もしくは少なくとも95%の
配列同一性を有するものとするとよい。場合によっては、相互の配列同一性が99
%以上であることもある。
【0019】 ここで、“実質的な同一性”なる用語は、その配列が先行技術の核酸配列との
同一性の度合いよりも高い同一性をここで述べている配列との間で有することを
意味している。
【0020】 但し、本発明で言う新規遺伝子産物をコードするあらゆる可能な配列又はその
新規断片は本発明の範疇に包含されることに留意すべきである。
【0021】 本発明による核酸分子は、単離又は組換え形であってもよい。この核酸分子を
ベクターに取り込み、そのベクターを宿主細胞に取り込むことが可能である。こ
のようなベクター及び適切な宿主細胞は本発明の更に別の形態を形成する。
【0022】 従って、本発明で提供される核酸配列に基づいたプローブを用いることによっ
て例えばH.pylori中の遺伝子を同定することが可能である。同定した遺伝子は次
いで制限酵素で切断でき、ベクター中にクローニングすることができる。このベ
クターは適切な宿主細胞に導入して発現が行われる。
【0023】 本発明による核酸分子は、この核酸分子の配列の一部分と相補な適切なプロー
ブを用いることによりH.pyloriから得ることができる。プローブ用の適当なサイ
ズの断片を得るには、制限酵素又は音波処理を利用することができる。
【0024】 この他に、PCR技術を用いて所要の核酸配列を増幅することも可能である。
このようにして、本発明で提供される配列データを用いてPCRに使用するため
のプライマーを設計でき、全遺伝子又はその断片を含む所望の配列をターゲット
し、次いでこれを高度に増幅することができる。
【0025】 典型的なプライマーは、少なくとも15〜25ヌクレオチド長である。
【0026】 更に別手法として化学合成も利用でき、これは自動化することも可能である。
比較的短い配列は化学合成して連結し、より長い配列として提供することができ
る。
【0027】 更に別の形態として本発明は、本発明による蛋白質、或いはその相同体又は誘
導体、及び/又はこれらいずれかの断片を含む免疫原性/抗原性組成物を提供す
る。好適な態様においては、この免疫原性/抗原性組成物はワクチンか、或いは
診断アッセイ用のものである。
【0028】 ワクチンの場合、適切な付加的賦形剤、希釈剤、アジュバント等を含有しても
良い。これらについては多くの例が当該技術分野で周知である。
【0029】 また、所謂DNAワクチンを調製するために本発明で言う核酸配列を利用する
ことも可能である。従って、本発明はまた、本発明で言う核酸配列を1つ以上含
有するワクチン組成物も提供する。DNAワクチンは当該技術分野で報告されて
おり(例えば Donnelly他、Ann. Rev. Immunol., 15:617-648 (1997))、当業者
であれば報告に記載の技術を用いて本発明に従ってDNAワクチンを製造し使用
することができる。
【0030】 更に、本発明で言う蛋白質、その相同体及び/又は誘導体、及び/又はこれら
いずれかの断片はH.pyloriの検出/診断法に用いることもできる。このような方
法は、対象に存在するかもしれない係る蛋白質に対する抗体の検出に基づくもの
であってもよい。従って本発明は、H.pyloriの検出/診断法をも提供し、この方
法は本発明で言う蛋白質、又はその相同体か誘導体、或いはその断片を試験試料
と接触させる工程を備えている。好ましくは試験試料は組織試料又は試験対象か
ら採取した血液又は唾液試料のような生物試料とする。
【0031】 この他の手法として、本発明で言う蛋白質、又はその相同体か誘導体、及び/
又はその断片を用いて抗体を産生させ、次いでそれを用いて抗原を検出し、その
ようにしてH.pyloriを検出することが可能である。このような抗体は本発明の更
に別の形態を形成する。本発明の範疇に属する抗体はモノクローナル又はポリク
ローナル抗体とすることができる。
【0032】 ポリクローナル抗体は、本発明で言う蛋白質、又はその相同体か誘導体或いは
その断片を適切な動物(例えばマウス、ラット、モルモット、ウサギ、ヒツジ、
ヤギ或いはサル)に注入して動物宿主におけるその産生を刺激することにより生
成するが可能である。必要な場合には、上記蛋白質と共にアジュバントを投与し
てもよい。これに用いるアジュバントとしては、周知のフロイントアジュバント
(完全及び不完全)及び水酸化アルミニウムがある。その後、本発明で言う蛋白
質との結合によりポリクロナール抗体を精製することができる。
【0033】 モノクローナル抗体はハイブリドーマから産生可能である。ハイブリドーマは
不死化細胞株を形成するために所望のモノクロナール抗体を産生する骨髄細胞と
脾臓細胞を融合させることにより生成することができる。これには周知のKohler
& Milstein法(Nature 256 (1975))又はその変形手法を利用可能である。
【0034】 今日では、特定のポリペプチド/蛋白質に結合するモノクローナル及びポリク
ローナル抗体の生産技術は当技術分野において充分に開発されている。これらは
標準的な免疫学の教本、例えばRoitt他、Immunology 第2版(1989), Churchill
Livingston, Londonなどに述べられている。
【0035】 これら全ての抗体に加えて、本発明は、本発明による蛋白質に結合可能なその
誘導体も包含する。即ち本発明は、抗体の断片及び合成複合体も包含するもので
ある。抗体断片及び合成複合体の例はDougall他、Tibtech 12:372-379 (1994年9
月) に記載されている。
【0036】 抗体断片には例えばFab、F(ab')及びFv断片が含まれる。Fab及びF(ab')
片は上記Roitt他の文献に述べられている。Fv断片を修飾することにより単鎖Fv(
scFv)分子として知られている合成複合体を生成可能である。この合成複合体は
及びV領域を共有結合するペプチドリンカーを含み、これは上記分子の安
定性に寄与する。この他に使用可能な合成複合体にはCDRペプチドがある。こ
れは抗原結合決定基を含む合成ペプチドである。ペプチド模倣体も使用すること
ができる。通常、これらの分子は、CDRループの構造を模倣し且つ抗原相互作
用性の側鎖を含む構造的に制限された有機環である。
【0037】 合成複合体にはキメラ分子が含まれる。従って例えばヒト化(又は霊長類化)
された抗体又はその誘導体も本発明の範疇に含まれる。ヒト化抗体の一例は、ヒ
トフレームワーク領域を有するが、げっ歯類高変異性領域も有する抗体である。
キメラ抗体を産生する方法は、例えばMorisson他、PNAS, 81:6851-6855 (1984)
、或いはTakeda他、Nature. 314:452-454 (1985)に述べられている。
【0038】 合成複合体にはまた、抗原結合の他に、或る望ましい性質を備えた分子を提供
する付加的部分を含む分子類が含まれる。この付加的部分は、例えば標識(蛍光
又は放射性標識など)であってもよく、その他、薬学的に活性な物質であっても
よい。
【0039】 抗体又はその誘導体は、H.pyloriの検出/診断に有用である。従って、更に別
の形態として本発明はH.pyloriの検出/診断方法も提供し、この方法は、試験試
料を本発明による蛋白質又はその相同体か誘導体及び/又はその断片に結合可能
な抗体と接触させる工程を備えている。
【0040】 更に、所謂“アフィボディ(Affibody)”も利用可能である。このアフィボディ
は、アルファ−ヘリカル細菌レセプタードメインの組み合わせライブラリーから
選ばれた結合性蛋白質である(Nord他)。従って、異なる標的蛋白質に特異的に
結合する小蛋白質ドメインを組み合わせ手法を用いて選択することができる。
【0041】 本発明による核酸配列を用いてH.pyloriを検出/診断できることも明らかであ
る。従って、更に別の形態として本発明は、H.pyloriの検出/診断方法を提供す
るものであり、この方法は試験試料を本発明による少なくとも1つの核酸配列と
接触させる工程を備えている。好適には、試験試料は組織試料又は試験対象から
採取した血液又は唾液の生物試料である。このような試料は、本発明の方法に用
いる前に前処理してもよい。例えば試験試料を前処理してDNAを抽出すること
ができ、次いで本発明による核酸配列に基づいたDNAプローブ(即ち、通常は
このような配列の断片)を用いてH.pylori由来の核酸を検出可能である。
【0042】 更に本発明は以下の各形態も提供する。
【0043】 (a) H.pyloriに対して対象をワクチン化する方法であって、対象に対して本発明
の蛋白質、或いはその誘導体、相同体又は1つ以上の断片、或いは本発明の免疫
原性組成物を投与する工程を備えた方法。
【0044】 (b) H.pyloriに対して対象をワクチン化する方法であって、対象に対して本発明
で特定された核酸分子を投与する工程を備えた方法。
【0045】 (c) H.pylori感染の予防又は治療方法であって、対象に対して本発明の蛋白質、
或いはその誘導体、相同体又は1つ以上の断片、或いは本発明の免疫原性組成物
を投与する工程を備えた方法。
【0046】 (d) H.pylori感染の予防又は治療方法であって、対象に対して本発明で特定され
た核酸分子を投与する工程を備えた方法。
【0047】 (e) H.pylori感染の検出/診断用のキットであって、本発明の蛋白質、或いはそ
の相同体、誘導体又は1つ以上の断片、或いは本発明の抗原性組成物を投与する
工程を備えたキット。
【0048】 (f) H.pylori感染の検出/診断用のキットであって、本発明で特定された1つ以
上の核酸分子を備えたキット。
【0049】 (g) H.pylori感染の検出/診断用のキットであって、本発明で特定された1つ以
上の抗体を備えたキット。
【0050】 (h) H.pylori感染の予防又は治療用薬剤の製造における本発明の蛋白質、或いは
その相同体、誘導体又は1つ以上の断片、或いは本発明の抗原性組成物の使用。
【0051】 (i) H.pylori感染の予防又は治療用薬剤の製造における本発明で特定された1つ
以上の核酸分子、又はその1つ以上の断片の使用。
【0052】 本発明を下記の実施例を参照して以下に説明するが、これらの実施例はいかな
る意味においても本発明の範囲を限定するものではない。
【0053】実施例1 1.H.pylori由来のHP0310抗原の同定と単離: 1.1 方法: 菌細胞培養: Helicobacter pylori株NCTC 11637をチョコレート寒天プレート培地で培養し
、次いで採取洗浄し、PBS緩衝液(pH 7.2)に再懸濁させた。
【0054】 蛋白質精製: このH.pylori懸濁物を、9.5 mmプローブを有するサンヨーSoniprep 150超音波
破砕壊器を用いて音波処理に供した。音波振幅レベルは6μmに設定し、超音波破
砕器をMSEプロセスタイマーによる制御のもとに30秒運転60秒休止の25サイクル
で運転した。音波処理された調製物を10分間10,000 gで遠心分離し、上清を0.45
及び0.22μmフィルターでろ過した。この音波処理後の上清を、0.05MのTris緩衝
液(pH 8.2)と、0.24MのNaCl及び1.0MのNaClを含む2段階勾配のTris緩衝液とを用
いてアニオン交換FPLCによってMono Q HR10/10カラム(Pharmacia Biotech Ltd.
, Uppsala, Sweden)上で部分的に精製した。50/52 kDa蛋白質を含む分画をプー
ルし、濃縮し、Superose 6カラム(Pharmacia Biotech Ltd., Uppsala, Sweden
)上でゲルろ過FPLCに供した。溶出は0.05 MのTris緩衝液(pH 6.2)で行った
。この50/52 kDa蛋白質を含む分画をプールし、更なる精製をDEAE−セファロー
スCL6B(Pharmacia Biotech Ltd., Uppsala, Sweden)及びセラミスハイドロキ
シアパタイト(Biorad Laboratories, Sydney, Australia)上で低圧液体クロマ
トグラフィによって行った。
【0055】 即ち、プールした Superose 6 分画を、50mMのTris緩衝液(pH 7.4)で平衡さ
せたDEAE−セファデックスCL6Bの小型(2.5 mL)カラム上に載せ、この緩衝液で
完全に洗浄し、その後25、50及び75 mMのNaClをそれぞれ50 nMのTris緩衝液(pH
7.4)に添加して順次段階勾配で溶出を行った。最終段階勾配での溶出物を次い
で5 mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.4)で平衡させたセラミックハイドロキ
シアパタイトの小型(2.5 mL)カラムに載せた。35 kDaのサブユニット蛋白質を
このカラムからの最初の洗い出し(wash-thorough)中に集めた。使用した全て
のクロマトグラフィカラム上の蛋白質分画化を280 nmで連続的にモニターし、採
取した分画をウレアーゼ活性について分析し、かつポリアクリルアミドゲル電気
泳動(PAGE)による分析に供した。精製した35 kDaのサブユニット蛋白質を含む
分画をプールし、PBS緩衝液(pH 7.2)に対して徹底的に透析し、必要になる時
まで−70℃で保存した。
【0056】 蛋白質評価: 総蛋白質濃度は、BCA蛋白質分析キット(Pierce, Rockford, IL, U.S.A.)を
用いて特定した。
【0057】 ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE): 分画すなわち精製された35 kDaのサブユニット蛋白質を、還元性又は非還元性
条件下での非連続SDS-PAGE(5%スタック、12%スラブ)、或いは本来のPAGE(8
〜25%勾配)分析による純度の評価に付した。
【0058】 アミノ酸配列の決定: 精製した35 kDaサブユニット蛋白質をポリビニリデンジフルオライド(PVDF)
膜(BioRad, Sydney, Australia)に移行させた。この処理で用いた全ての緩衝
液には、0.1 mMのチオグリコール酸(Sigma, St Louise, MO, U.S.A.)を添加し
ておいた。移行膜をアミドブラック(Sigma, St Louise, MO, U.S.A.)によって
染色し、その後、脱色してからサブユニット蛋白質バンドを切り出した。N末端
アミノ酸配列の決定は、ニューカッスル蛋白質配列決定施設(Newcastle Protei
n, The University of Newcastle)で行った。
【0059】 1.2 結果: 1.3 本実施例は、H.pylori病原体由来の分子量35 kDaを有するサブユニット蛋白質
の成功裏の精製を明らかにしている。このサブユニット蛋白質は、反応性粗抗原
分画の調製に用いられたプロトコルを改変して患者におけるH.pylori感染検出の
ための看護時向け免疫診断キットとして開発に成功したプロトコルにより精製さ
れたものである。Mono Q及びSuperose 6 FPLCの各カラムから収集された典型的
な蛋白質溶出物とウレアーゼ活性及び還元性SDS-PAGEのプロフィールをそれぞれ
図1a〜1c及び図2a〜2cに示す。
【0060】 Superose 6でのゲルろ過後に選択してプールした分画は成分としてウレアーゼ
を含有することが知られており、このウレアーゼは、マウス実験モデルにおいて
免疫防御性応答を誘起して病原体の撲滅作用を示すことが既に明らかとなってい
る。DEAE−セファロースCL6B上でのアニオン交換クロマトグラフィによるその後
の分画は、75 mMのNaClで溶出された蛋白質プール中のウレアーゼを効果的に減
少させ、このことは、SDS−PAGE分析及びウレアーゼ活性アッセイ(ここではデ
ータは示さず)によって定量した。この蛋白質プールの溶出物をセラミックハイ
ドロキシアパタイトにひとたび載せると、存在する他の夾雑蛋白質から1段階で
35 kDaのサブユニット蛋白質が分離する。ウレアーゼ活性は、標準アッセイを用
いてこれらの分画中で検出されず、また24時間までインキュベーションを延長し
ても検出されなかった(データは示さず)。同一の結果は、PBS緩衝液(pH 7.2
)に対して徹底的に透析し、結晶ポリエチレングリコールで濃縮した後の35 kDa
サブユニット蛋白質でも得られた。このSDS-PAGE上の35 kDaサブユニット蛋白質
を更にCentricon-30(Amicon, Beverly, MA, U.S.A.)で遠心分離して濃縮した
後に銀染色しても、ウレアーゼサブユニット成分の存在は何ら示されていなかっ
た。
【0061】 精製した35 kDa蛋白質を還元性及び非還元性の両条件下で変性PAGEで更に評価
した。変性PAGEによる分析では、この蛋白質が還元性及び非還元性の両条件下で
分離した35 kDaサブユニット蛋白質として存在することを示していた。
【0062】 この精製35 kDaサブユニット蛋白質を、Newcastle Protein施設におけるN末端
配列の決定に続いて同定した。最初の12個のアミノ酸残基について得られた配列
データは、還元SDS-PAGEで観察された精製35 kDaサブユニットバンドに対応して
おり、これは「AKEILVAYGVDI」であった。この蛋白質の予備的同定は、スイス・
プロット・オンラインデータベースと、T.I.G.R.における H.pylori26695株のゲ
ノムデータベースを用いて、この配列のBLAST(Basic Local Alignment Sequenc
e Tool)分析によって行った。これらの併用分析は、この蛋白質がHP0310と命名
された予測した保存仮説蛋白質に対応していることを示していた。この蛋白質の
機能は未だ不明である、その理由としては、(i)他の研究室では未だ精製された
ことがないこと、及び(ii)比較配列分析により多岐の機能を有する蛋白質との相
同性が明らかになっていることが挙げられる。
【0063】 以下に示すデータでは、天然のNCTC11637株蛋白質の配列を、26695株における
当該蛋白質の予測配列及び本研究室のリチャード・マッコイ博士によってクロ−
ニングされた組換えNCTC 11637蛋白質について決定された配列と並べて示してあ
る。BLAST分析は、26695株由来のHP0310の予測配列を用いて行った。示されてい
るのは重要な適合組み合わせ(マッチ)のみである(即ち、P(N) < 0.001)。最
初の3つのマッチの並び方は、(i) Synechocystis sp.由来の仮説蛋白質、(ii) Bacillus stearothermophilus 由来のノジュレーション蛋白質(nodB)及び(iii)
Bacillus stearothermophilus中の仮説蛋白質に対応する配列相同性の各領域を
有する精製35 kDa蛋白質の機能的な同一性又は重要性に関して全くいかなる洞察
ももたらすものではない。
【0064】 配列の並び: 天然 AKEILVAYGVDI 組換 : AKEILVAYGVDIDAVAGWLGSYGGEDSPDDISRGLFAGEVGIPRLLKLFKKYHLPATWF 26695:MAKEILVAYGVDIDAVAGWLGSYGGEDSPDDISRGLFAGEVGIPRLLKLFKKYHLPATWF 60 組換 : PGHSIETFPEQMKMIVDAGHESGKSIELIKDLTGKAP 26695:SPGHSIETFSEQMKMIVDAGHEVGAHGYSHENPIAMTAKQEEDVLLKSVELIKDLTGKAP 120 組換 : QAMWRRGGKFSNITNELRLKHGFKYSLEAKDWMKP 26696:TGYVAPWWEFSNITNELLLKHGFKYDHSLMHNDFTPYYVRVGDSWSKIDYSLEAKDWMKP 180 組換 : IRGVDVAPMMFIKKSPNSFGFVSPHDIGQMWIDQFDWVYREMDYA 26695:LIRGVETDLVEIPANWYLDDLPPMMFIKKSPNSFGFVSPHDIGQMWIDQFDWVYREMDYA 240 組換 :VFSMTIHPDVSARPQVLLMHEKIIEHINKHEGVRWVTFNEIADDFLKRNPRKK 26695:VFSMTIHPDVSARPQVLLMHEKIIEHINKHEGVRWVTFNEIADDFLKRNPRKK 293
【0065】 BLAST分析: 質問=MySequence (293文字) 高得点セグメントペアー産生性の高確率配列: スコア P(N) N
gi|2313406| (AE000549) 保存仮説 1590 5.0e-212 1 gnl|PID|d1018374 (D90907) 仮説蛋白質 [Sy... 184 1.4e-16 1 pir||B47692 ノシ゛ュレーション蛋白質nodB相同体 - Ba... 132 2.4e-09 1 sp|Q04729| YFU2_BACST HYPOTHETICAL 30.6 KD 132 2.4e-09 1 gi|2626811| D83967) YfjS [Bacillus subtilis] >g... 125 2.3e-08 1 gnl|PID|e325402 (Z97209) 仮説蛋白質 [Schiz... 96 1.3e-07 2 gnl|PID|e1185261 (Z99112) 別の遺伝子名称:ymxI; 112 1.5e-06 1 sp|P50850|YLXY_BACSU HYPOTHETICAL 31.5 KD .. 105 1.4e-05 1 gi|2612882| (AF015825)NodB様蛋白質 [Bacill... 95 0.00034 1 gnl|PID|e325211 (Y14082) 仮説蛋白質 [Bacil... 78 0.00061 3 gnl|PID|e1251975 (AL021897) 仮説蛋白質 93 0.00065 1
【0066】 配列相同性: 1. >gnl|PID|d1018374 (D90907) 仮説蛋白質 [Synechocystis sp.] 長さ = 335 スコア = 184 (85.0 bits), 予測 = 1.4e-16, P = 1.4e-16 同一性 = 39/104 (37%), 陽性 = 58/104 (55%) 質問:42 GIPRLLKLFKKYHLPATWFSPGHSIETFSEQMKMIVDAGHEVGAHGYSHENPIAMTAKQE 101 G+PR+L L KY + T G ++E + ++ K IV GHE AHG+ +N MTA QE 対象:95 GVPRILDLLDKYKIKITSHMSGRTVEMYPDRAKEIVQRGHEAAAHGWDWDNEFNMTAPQE 154 質問:102 EDVLLKSVELIKDLTGKAPTGYVAPWWEFSNITNELLLKHGFKY 145 D + ++V++I +TG+ GY AP S +L + GF Y 対象:155 RDFIQRNVDIILKVTGQRAVGYNAPGLRGSVNILTVLNELGFVY 198
【0067】 2. >pir||B47692 ノシ゛ュレーション蛋白質nodB相同体 ? Bacillus stearothermophilus 長さ = 265 スコア = 132 (61.0 bits), 予測 = 2.4e-09, P = 2.4e-09 同一性 = 28/82 (34%), 陽性 = 49/82 (59%) 質問:45 RLLKLFKKYHLPATWFSPGHSIETFSEQMKMIVDAGHEVGAHGYSHENPIAMTAKQEEDV 104 ++L + KK+ + AT+F GH ++T + +K +V GH VG H +SH + ++A + + 対象:84 KILDVLKKHDVHATFFVTGHYLKTAPDLVKRMVKEGHIVGNHSWSHPDMTTISADKIKKE 143 質問:105 LLKSVELIKDLTGKAPTGYVAP 126 L + +K+LTG+ T YV P 対象:144 LDAVSDKVKELTGQEGTVYVRP 165
【0068】 3. >sp|Q04729|YFU2_BACST HYPOTHETICAL 30.6 KD PROTEIN IN FUMA 3’REGION PRE
CURSOR (ORF2) >gi|551706| (L05611) [fumA(Bst)] gene products [Bacillus stearothermophilus] 長さ = 265 スコア = 132 (61.0 bits), 予測 = 2.4e-09, P = 2.4e-09 同一性 = 28/82 (34%), 陽性 = 49/82 (59%) 質問:45 RLLKLFKKYHLPATWFSPGHSIETFSEQMKMIVDAGHEVGAHGYSHENPIAMTAKQEEDV 104 ++L + KK+ + AT+F GH ++T + +K +V GH VG H +SH + ++A + + 対象:84 KILDVLKKHDVHATFFVTGHYLKTAPDLVKRMVKEGHIVGNHSWSHPDMTTISADKIKKE 143 質問:105 LLKSVELIKDLTGKAPTGYVAP 126 L + +K+LTG+ T YV P 対象:144 LDAVSDKVKELTGQEGTVYVRP 165
【0069】 2.NCTC株11637から単離した天然H.pylori蛋白質HP0310のワクチン抗原としての試 験 2.1 方法: マウスの免疫処置: 本抗原の試験を予防免疫処置によるマウスH.pylori感染モデルで行った。
【0070】 実験に用いた雌の病原体非感染C57BL/6マウスは、オーストラリア国ニューカ
ッスルのニューカッスル大学セントラル・アニマル・ハウスから入手した。動物
実験はニューカッスル大学の動物保護及び倫理委員会(Animal Care & Ethics C
ommittee)の承認を得て実行し、マウスを個別の1ケージあたり5匹ずつ入れた
。マウスをパイエル板内(IPP)ルートで免疫して抗原のワクチン候補としての
有効性を試験した。これは、この免疫ルートが最大の腸免疫をもたらすことが明
らかになっていること(後掲の参考文献1と2)、従って、経口ワクチン抗原と
しての可能性を有する蛋白質のスクリーニングに有用であることによる。抗原HP
0310(0.5 mg蛋白質/mL)をPBSとフロイント不完全アジュバントとの等量ずつの
ホモジネート中に添加した。IPP免疫処置を行うため、ケタミン(オーストラリ
アのパーネル・ラボラトリーズ製、100μg/mL)10 mLとキシラジン(バイエル製
、100μg/mL)1 mLとを混合して作製したケタミン−キシラジン等量混合物200μ
Lを各マウスに腹腔内注射して麻酔し、腹部を剃毛して70%アルコールで拭きと
り、中央線切開を皮膚及び筋層に入れて腸を露出させた。腸の長さ方向に沿って
複数の可視パイエル板を留置し、各パイエル板の奨膜下に約3μLの上記ホモジネ
ートを直接注入した。その後、筋層と皮膚層を縫合し、麻酔から覚めるまでマウ
スを温めておいた。各実験について10匹ずつのマウスに免疫処置を行い、別に10
匹のマウスを非免疫対照群として未処置のままとした。
【0071】H.pylori によるマウスの感染処置: 免疫処置の2週後にマウスに感染処置を行った。感染に用いたH.pylori Sydne
y-1株(SS1)はオーストラリア国シドニーのニュー・サウス・ウエールズ大学
のエイ・リー(A. Lee)博士から入手した。このH.pylori株は、C57BL/6マウスの
胃にうまくコロニーを形成することが明らかにされている(後掲の参考文献3)
。このH.pyloriを、わずかに好気性の37℃のインキュベータ内で3日間チョコレ
ート寒天プレート上で生育し、PBS中に採取した。H.pyloriの濃度は、405nmにお
ける光学的密度の読み取り結果及びH.pyloriの濃度対光学的密度に関する回帰曲
線から求めた。マウスの感染は、約10個のH.pyloriを含有するPBS100μL容量
を3日間連続して強制的に胃に注入することによって行い、また、H.pylori生菌
の実際の濃度は、H.pylori生菌調製物の10倍系列希釈したものをチョコレート寒
天上で3日間培養することにより求めた。従ってH.pylori生菌の実際の量は後で
計算したものである。連続する3日間の量は、2.0×10、5.0×10、及び1.0
×10であった。
【0072】 試料採取: 感染4週後、マウスを腹腔内へのペントバルビトン過量注入で死亡させ、胃を
切り取った。これらの胃を長さ方向で半分ずつに切断し、片方を1mLのPBS中に均
質化し、その系列希釈アリコットをチョコレート寒天プレート上に接種して3日
間培養した。コロニーを数え、各マウスの胃半分におけるH.pyloriのコロニー形
成単位(CFU)数を求めた。平均±SEMを各群について計算した。
【0073】 2.2 結果: 表1と図4に、マウス各群の胃半分から回収した生菌の平均値を示す。
【0074】
【表1】
【0075】 表1の各群の非対合t検定(Unpaired "t-test")比較では、HP0310で免疫した
群で平均CFUが有意に低い(P < 0.001)という結果が得られている。免疫群を非
免疫群と比較した場合の菌のクリアランス百分率は97%である。
【0076】 結論: H.pylori NCTC 11637株由来の蛋白質HP0310は、マウスにおけるH.pylori感染
を予防する目的で予防的に使用する場合の防御性抗原である。この蛋白質はまた
、治療用ワクチンでも有効であると思われる。
【0077】 3.H.pylori NCTC 11637 HP0310遺伝子のクローニングと発現 3.1 はじめに: 先ず、H.pylori NCTC 11637株由来のHP0310蛋白質を、音波処理菌調製物の可
溶性分画についての蛋白質分析で注目した。この蛋白質の同定は、単離した蛋白
質から得られたアミノ酸配列をTIGR H.pyloriゲノムデータベースと比較するこ
とによって行った。この精製した原蛋白質を用いた免疫処置とチャレンジ研究で
は明確な防御能の生起が示され、組換え蛋白質産生のための遺伝子のクローニン
グを試みる価値があることが是認された。
【0078】 3.2 方法と結果: オリゴヌクレオチド: HP0310の5'及び3'末端のために、H.pylori 26695株のTIGRデータベースHP0310
配列から各々のオリゴヌクレオチドを直接設計した(図5)。発現プラスミドベ
クターへの増幅遺伝子のクローニングが後で可能となるように、各オリゴヌクレ
オチドの5'末端に制限酵素部位を工学手法で導入した。適切なソフトウェアパッ
ケージを用い、pQE30シリーズベクターの多重クローニング部位における利用可
能な酵素部位を考慮に入れながらH.pylori 26695株のHP0310配列上で酵素部位サ
ーチを実行したのち、それぞれ5'及び3'プライマー用の選択酵素部位SphI及びHi
ndIIIを選択した。
【0079】 RNAの作成: 総RNAは、H.pylori NCTC11637株を3日間培養したものからベーリンガー・マ
ンハイム高純度RNA単離キットを用いて調製した。キットのプロトコルに略示さ
れている通りに菌からRNAを単離するための標準的操作を行い、これにはDNアー
ゼIによる処理も含めた。単離されたRNAはDEPC処理済みの蒸留脱イオン水(dd.
HO)で最終容量50μLとした。
【0080】 cDNAの作成: 単離したRNAからcDNAを作成するため、総RNAの5μLを、各オリゴヌクレオチド
プライマー(約0.5μg/μL)2μLと、各dMTPを2.5 mM含有するdNTP混合物2μLと
、5X反応緩衝液(Promega)5μLと、1 mg/mLウシ血清アルブミン3μLと、RNasin
(Promega)10単位と、モロニーマウス白血病ウイルス逆トランスクリプターゼ
(Promega)200単位と混合した。dd. HOで容量を25μLに調整し、42℃で60分
間インキュベートした。70℃で10分間インキュベートして反応を停止させ、dd.H Oで最終容量を50μLとした。
【0081】 ポリメラーゼチェーンリアクション増幅: 増幅は、cDNA産物5μLに対し、Taq DNAポリメラーゼ(Promega)と1 mM、3 mM
及び5 mMの各MgCl濃度を用いて行った。PCR反応用混合物はdd.HOで50μLと
し、増幅前にミクロフュージ内でパルス処理した。PCR反応は、図6に略示した
プロトコルを用いてハイブリッド・タッチダウン・サーマル・サイクラー内で実
行した。増幅処理が完了した時点で反応チューブを4℃に移し、各反応物10μLを
1%アガロース(Progen、オーストラリア)によるゲル電気泳動に供した。このア
ガロースゲルをエチジウム・ブロマイドによって染色し、約900塩基対のバンド
を1kベースのペア・ラダー(Progen)との比較で調べた(図7)。
【0082】 PCR断片の精製とクロ−ニング: 増幅反応の首尾を予測サイズの断片を含む反応物の同定で確認した後、精製キ
ット(ベーリンガー・マンハイム)を用いてPCR産物を精製した。次いでこの精
製されたPCR産物を1%アガロースゲルから切り取り、この断片をプロゲン・バン
ド・ピュア精製キットを用いて精製した。その後、この単離された断片をオリジ
ナルTAクローニングキット(Invitrogen、U.S.A.)で供されたままのpCR2.1プ
ラスミドベクターに連結した。連結反応混合物を適格なTOP10F' E.coli株中に形
質転換して1mL当たり100μgのアンピシリンを含有するLB寒天プレートに接種
し、更にその上に1mM IPTG(Progen)及び0.02% X-gal(Amresco、U.S.A.)を含
有する寒天を重層した。pCR2.1ベクターへの断片の挿入を意味するβガラクトシ
ダーゼ活性の欠失を示すコロニーについてこのプレートを調べ、これらの半ダー
スをファルマシア・フレキシプレップ・システムを用いてプラスミドDNA調製
のために選択した。単離したクローンのプラスミドDNAをEcoRIによって消化して
挿入断片を切り出し、1%アガロースゲル上で調べた(図7)。その後、適正サイ
ズの断片を含むクローンをオーストラリアのニューカッスル大学ニューカッスル
生化学研究施設のDNA配列決定部門へ送り、ABI Prism 377 DNA自動シーケンサー
を用いたヌクレオチド配列決定に付した。
【0083】 pQE発現ベクターへのクローニング: クローニングしたNCTC 11637 HP0310遺伝子を、PCRプライマー中に工学的に作
成したSphI及びHindIII制限酵素部位を用いてpCR2.1ベクターから切り出した。
この断片をpQE31発現ベクター多重クローニング部位中の対応する部位へ連結し
、適格なJM109 E.coli株に形質転換した。コロニーをLBアンピシリンプレート上
で生育し、再度半ダースの可能なクローンをプラスミドDNA分析のために選択し
た。クローニングは制限酵素分析及び配列決定によって確認した。クローニング
を確認したうえで2つのクローンを選択し、LB培養液で増殖した培養物をグリセ
ロール中で−70℃で保存した。
【0084】 組換えHP0310蛋白質の発現: pQEシリーズのベクターからの発現は、2つのlacオペレータ配列によるT5プロ
モータの制御下にある。クローニングしたHP0310遺伝子を発現させるために、pQ
E31-HP0310プラスミド・クローンをpREP4プラスミド含有M15E.coli株細胞に形質
転換した。このpREP4プラスミドは、挿入遺伝子の発現を制御するために使用さ
れるlacリプレッサー遺伝子を提供する。形質転換をプラスミドDNA分析によって
確認し、次いでコロニーの新鮮プレートを1mL当たり100μgのアンピシリンと25
μgのカナマイシンとを含有するLB寒天(LBA/AK)上に作成した。ここで、カナ
マイシン耐性遺伝子はpREP4プラスミドに担持されている。M15細胞中の発現クロ
ーンの単一コロニーをアンピシリンとカナマイシンとを含有するLB培養液(LB/A
K)5mL中に接種し、37℃で一晩培養した。この一晩培養したもの0.5 mLを新鮮LB
/AK培養液4.5 mLへの接種に使用し、この培養物を37℃で2時間増殖させた。遺伝
子の発現の誘発は、100 mMの無菌IPTGを最終濃度2 mMとなるように添加したうえ
で培養物をさらに4時間、37℃で再インキュベートすることにより行った。
【0085】 発現インキュベートが完了した後、細胞をベックマンGPRベンチトップ遠心分
離機で3,000 rpm、10分間、10℃にて遠心分離し、その上清を除去した。得られ
た細胞は、0.1 Mのリン酸二水素ナトリウム及び0.01 Mのトリスに8Mの尿素を溶
解させてpH 8.0とした緩衝液2.5 mL中に再懸濁させた。この細胞懸濁液は、直径
3 mmのプローブを有するサンヨー・ソニプレップ150型ソニケータを使用してMSE
プロセスタイマーの制御により振幅7μmの音波処理20秒とその後の無音処理20秒
とを4サイクル繰り返すことによって氷の上で音波処理した。音波処理した調製
物は前述と同様に15分間に亘って遠心分離し、その上清を新鮮チューブに移した
。得られたペレットはPBS 1 mL中に再懸濁させた。上清及びペレット調製物の各
10μLずつを4% SDSを含有する等量のPAGE還元性カラム添加用緩衝液に加え、4%
アクリルアミドスタッキング層を有する12%アクリルアミド・ミニ・レディ・ゲ
ル(Bio Rad、U.S.A.)上で電気泳動に付した。このゲルは約15分間80ボルトで
流し、次いでブロモフェノール・ブルー・マーカー色素まで180ボルトで流した
。生成したゲルを0.1%クーマシー・ブルー染色剤で染色し、ほぼ35 kDaである
はずの組換え蛋白質を調べた(図8)。
【0086】 参考文献: 1)Dunkley, M.L.及びHusband, A.J. (1986)「腸におけるIgA応答のための抗
原特異的ヘルパー細胞の導入と移行」Immunology 57, pp.379-385 2)Cripps, A.W., Dunkley, M.L.及びClancy, R.L. (1994)「死滅Pseudomona s aeruginosa による粘膜及び全身免疫のラットにおける急性呼吸器感染の防御」
Infection and Immunity 62, pp.1427-1436 3)Lee, A., O'Rourke, J., Ungria, M.C.D., Robertson, B., Daskalopoulo
s, G.及びDixon, M.F. (1997)「Helicobacter pylori感染の標準化マウスモデル
:シドニー株の導入」Gastroenterology 112, pp.1386-1397
【図面の簡単な説明】
【図1a】 音波処理した濃縮H.pyloriのMono Qアニオン交換クロマトグラフィで得た典型
的な連続フローUV吸収線図である。図中の横線は更に処理するために集められた
分画を示す(分画11〜14)。
【図1b】 音波処理したH.pyloriのMono Q分画化処理で得た分画の典型的ウレアーゼ活性
を示す線図である。酵素活性は標準的手法で求めたもの。データは対照吸光度を
減じて補正してある。
【図1c】 Mono Qカラムから得た分画11〜14のSDS-PAGE分析結果を示す説明図である。図
中矢印は35kDa抗原を含む問題の蛋白質の位置(分画11〜13;強調)を示す。標
準蛋白質は上から順に94kDa、67kDa、43kDa、30kDa、20.1kDaである。
【図2a】 図1で識別されている選択されたMono Q分画のSuperose 6 FPLCサイズ排除ク
ロマトグラフィで得た典型的な連続フローUV吸収線図である。図中の横線は更に
処理するために集められた分画を示す(分画19〜21)。
【図2b】 Mono Qカラムからの分画11〜13中に集められた蛋白質のSuperose 6 FPLC分画
処理後に集められた分画における典型的なウレアーゼ活性を示す線図である。
【図2c】 Superose 6 FPLC分画処理後に得られた分画のSDS-PAGE分析結果を示す説明図
である。図中矢印と強調部は35kDa蛋白質が分画18〜21中に存在することを示す
。標準分子量は上から順に94kDa、67kDa、43kDa、30kDa、20.1kDaである。
【図3】 H.pylori由来の最終精製35kDa蛋白質のSDS-PAGE分析結果を示す説明図である
。図中矢印マークは標準分子量を示す。
【図4】 非免疫とHP0310 IPP免疫の各マウス群で回収された生菌数(平均)を示す比較
線図である。
【図5】 HP0310遺伝子のPCR増幅及びクローニングのためのオリゴヌクレオチド配列を
示す説明図である。
【図6】 RT-PCR増幅プロトコルを示す説明図である。
【図7】 クローニングベクターpCR21中のHP0310遺伝子PCR産物(B)及びクローニング
された断片(C)のアガロースゲル画像を示す説明図である。
【図8】 組換えHP0310蛋白質の発現の12%SDS-PAGE画像を示す説明図である。(A)は
対照E.coli蛋白質、(B)は上記HP0310抗原発現組換えE.coli、(C)は精製し
た組換えHP0310、(D)は精製した天然HP0310である。組換えHP0310の大きさは
his-tagの存在のため異なっている。分子量マーカーは前述と同様である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 16/12 C12N 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 G01N 33/53 M 1/21 33/566 5/10 C12R 1:01 G01N 33/53 C12N 15/00 ZNAA 33/566 A //(C12N 15/09 5/00 A C12R 1:01) (72)発明者 ハリス、サイモン オーストラリア国、クイーンズランド 4274、カヌングラ、イリンバス・ロード 162 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA13 BA31 BA50 CA04 DA01 DA02 DA05 DA11 EA01 EA02 EA03 EA04 GA11 HA01 HA03 HA15 4B065 AA01X AA01Y AA57X AA87X AB01 BA01 CA24 CA25 CA45 CA46 4C085 AA03 BA99 CC21 CC32 EE01 GG01 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA11 DA76 DA86 EA29 EA50 FA42 FA44 HA05

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 還元性又は非還元性条件下にてSDSゲル電気泳動法により測
    定した分子量が35 kDaであり、以下のアミノ酸配列、 MAKEILVAYGVDIDAVAGWLGSYGGEDSPDDISRGLFAGEVGIPRLLKLFKKYHLPATWFSPGHSIETFSEQ
    MKMIVDAGHEVGAHGYSHENPIAMTAKQEEDVLLKSVELIKDLTGKAPTGYVAPWWEFSNITNELLLKHGFK
    YDHSLMHNDFTPYYVRVGDSWSKIDYSLEAKDWMKPLIRGVETDLVEIPANWYLDDLPPMMFIKKSPNSFGF
    VSPHDIGQMWIDQFDWVYREMDYAVFSMTIHPDVSARPQVLLMHEKIIEHINKHEGVRWVTFNEIADDFLKR
    NPRKK を有するヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)抗原性蛋白質。
  2. 【請求項2】 実質的に他の蛋白質を含まないほぼ純粋な形態で提供された
    請求項1に記載の蛋白質。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の蛋白質の抗原性/免疫原性相同体又
    は誘導体。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の蛋白質又は請求項3に記載の相同体
    又は誘導体の1つ以上の抗原性/免疫原性断片。
  5. 【請求項5】 (i) 下記の配列、 ATGGCAAAAGAAATTTTAGTGGCTTATGGTGTGGATATTGATGCGGTGGCTGGTTGGTTAGGGAGCTATGGT
    GGGGAGGATTCGCCTGATGATATTTCGCGCGGGCTTTTTGCGGGTGAAGTGGGGATCCCACGGCTTTTGAAA
    TTGTTTAAAAAATACCATCTCCCGGCGACTTGGTTTTCGCCGGGGCATTCTATTGAAACTTTCTCTGAACAA
    ATGAAAATGATCGTGGATGCAGGGCATGAAGTGGGCGCGCATGGGTATTCGCATGAAAACCCTATCGCTATG
    ACGGCCAAGCAAGAAGAAGACGTTTTGTTAAAAAGCGTTGAGTTGATTAAAGATCTCACCGGCAAAGCCCCC
    ACAGGCTATGTGGCGCCGTGGTGGGAGTTTTCTAATATCACTAATGAATTGCTTTTAAAACACGGCTTCAAA
    TACGACCACTCGCTCATGCACAATGATTTCACGCCCTATTATGTGCGCGTGGGGGATAGTTGGAGCAAGATT
    GATTATAGTTTGGAAGCTAAGGATTGGATGAAGCCTTTAATCCGTGGGGTGGAAACCGATCTGGTGGAAATC
    CCTGCGAACTGGTATTTGGACGATTTACCGCCGATGATGTTCATCAAAAAGTCCCCCAATAGTTTTGGTTTT
    GTAAGTCCGCACGATATAGGGCAAATGTGGATCGATCAATTTGATTGGGTTTATCGTGAGATGGATTATGCG
    GTGTTTAGCATGACAATCCACCCTGATGTGAGCGCCCGTCCGCAAGTGTTGCTCATGCATGAAAAAATCATT
    GAGCATATCAACAAGCACGAGGGCGTGCGTTGGGTAACATTCAATGAAATCGCTGATGATTTCTTAAAACGA
    AACCCTAGAAAAAAA、 (ii) 上記(i)の配列に相同な配列、 (iii) 上記(i)又は(ii)の配列と同一の蛋白質をコードする配列、 (iv) 上記(i)、(ii)及び(iii)のいずれかの配列と実質的な同一性を有する配
    列、又は (v) 上記蛋白質の相同体、誘導体又は断片をコードする配列 を含むか又はそれによって構成されたことを特徴とする組換え核酸分子。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の核酸配列を備えたことを特徴とするベクタ
    ー。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のベクターを含有する宿主細胞。
  8. 【請求項8】 請求項1又は2に記載の蛋白質、及び/又は請求項3に記載
    の相同体又は誘導体、及び/又は請求項4に記載の1つ以上の断片を備えたこと
    を特徴とする免疫原性/抗原性組成物。
  9. 【請求項9】 ワクチン又は診断アッセイ用の請求項8に記載の免疫原性/
    抗原性組成物。
  10. 【請求項10】 請求項5に記載の1つ以上の核酸配列を備えたことを特徴
    とするワクチン組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1又は2に記載の蛋白質、請求項3に記載の相同体
    又は誘導体、又は請求項4に記載の断片を、試験試料と接触させる工程を備えた
    ことを特徴とするヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)の検出/診断方法。
  12. 【請求項12】 前記試料が、組織試料又は試験対象から採取した血液又は
    唾液試料のいずれかからなる生物試料であることを特徴とする請求項11に記載
    の方法。
  13. 【請求項13】 請求項1又は2に記載の蛋白質、請求項3に記載の相同体
    又は誘導体、又は請求項4に記載の断片に結合可能な抗体。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の少なくとも1つの抗体を、試験試料と
    接触させる工程を備えたことを特徴とするヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)の
    検出/診断方法。
  15. 【請求項15】 請求項5に記載の少なくとも1つの核酸配列を、試験試料
    と接触させる工程を備えたことを特徴とするヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)
    の検出/診断方法。
  16. 【請求項16】 前記試料が、組織試料又は試験対象から採取した血液又は
    唾液試料のいずれかからなる生物試料であることを特徴とする請求項15に記載
    の方法。
  17. 【請求項17】 対象に対し、請求項1又は2に記載の蛋白質、請求項3に
    記載の誘導体又は相同体、請求項4に記載の1つ以上の断片、又は請求項8又は
    9に記載の免疫原性組成物を投与する工程を備えたことを特徴とする、ヘリコバ
    クター・ピロリ(H.pylori)に対して対象をワクチン化する方法。
  18. 【請求項18】 対象に対し、請求項5に記載の核酸分子を投与する工程を
    備えたことを特徴とする、ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)に対して対象をワ
    クチン化する方法。
  19. 【請求項19】 対象に対し、請求項1又は2に記載の蛋白質、請求項3に
    記載の誘導体又は相同体、請求項4に記載の1つ以上の断片、又は請求項8又は
    9に記載の免疫原性組成物を投与する工程を備えたことを特徴とする、ヘリコバ
    クター・ピロリ(H.pylori)感染の予防又は治療方法。
  20. 【請求項20】 対象に対し、請求項5に記載の核酸分子を投与する工程を
    備えたことを特徴とする、ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)感染の予防又は治
    療方法。
  21. 【請求項21】 請求項1又は2に記載の蛋白質、請求項3に記載の相同体
    又は誘導体、請求項4に記載の1つ以上の断片、又は請求項8又は9に記載の抗
    原性組成物を備えたことを特徴とする、ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)感染
    の検出/診断用キット。
  22. 【請求項22】 請求項5に記載の1つ以上の核酸分子を備えたことを特徴
    とする、ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)感染の検出/診断用キット。
  23. 【請求項23】 請求項13に記載の1つ以上の抗体を備えたことを特徴と
    する、ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)感染の検出/診断用キット。
  24. 【請求項24】 ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)感染の予防又は治療用
    の薬剤製造における、請求項1又は2に記載の蛋白質、請求項3に記載の相同体
    又は誘導体、請求項4に記載の1つ以上の断片、又は請求項8又は9に記載の抗
    原性組成物の使用。
  25. 【請求項25】 ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)感染の予防又は治療用
    の薬剤製造における、請求項5に記載の1つ以上の核酸分子又はその1つ以上の
    断片の使用。
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