JP2001523214A - Pdgfアンタゴニストおよびヘパリンを使用する内膜過形成を抑制するための組成物 - Google Patents

Pdgfアンタゴニストおよびヘパリンを使用する内膜過形成を抑制するための組成物

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Abstract

(57)【要約】 霊長類を包含する哺乳動物の脈管構造における内膜過形成を抑制する方法を開示する。前記方法は、哺乳動物にPDGFアンタゴニストおよびヘパリンを協調的に投与することを含んでなる。アンタゴニストは、非ペプチドのアンタゴニストまたは抗PDGFレセプター抗体、例えば、抗PDGF−アルファレセプター抗体または抗PDGF−ベータレセプター抗体であることができる。前記方法は、例えば、血管形成術、動脈血管内膜切除術、縮小アテローム切除術または血管移植片の吻口から生ずる血管損傷による内膜過形成を減少するのに、有効である。

Description

【発明の詳細な説明】 PDGFアンタゴニストおよびヘパリンを使用する内膜過形成を抑制するための 組成物 政府の支持 本発明は、アメリカ健康協会(National Institutes o f Health)により認められた認可番号NIH HL 30946下に、 政府の支持によりなされた。政府は、本発明においてある種の権利を有する。 技術分野 本発明は、血管損傷後の哺乳動物における、再狭窄を包含する、内膜過形成を 抑制する方法、およびそれらの方法において有用な組成物に関する。 発明の背景 血管壁における平滑筋細胞(SMC)の増殖は、血管の再構成後に、または他 の血管損傷に応答して、アテローム性動脈硬化症における血管の病変の形成にお いて重要な事象である。例えば、アテローム性動脈硬化症の治療は、しばしば、 血管形成術、動脈内膜切除術または縮小アテローム切除術(reduction atherectomy)によるか、またはバイパス移植、外科的処置による 、ブロックされた血管のクリーニングを包含し、前記外科的処置において、アテ ローム性動脈硬化症の斑は圧縮されるか、またはカテーテル法(血管形成術)に より除去され、切開(動脈内膜切除術)により動脈壁から剥がされるか、または 天然または合成の移植片で バイパスされる。これらの手順は、血管の内皮を除去し、下に横たわる内膜層を 障害し、内側のSMCを死亡させる。この損傷に引き続いて内側SMCの増殖お よび内膜の中への移動が起こり、細胞外基質の過度の沈着を伴う。この病変の発 生は、特徴的には、最初の数週間以内に、損傷後6カ月までに起こり、上に横た わる内皮層が再確立されたとき停止する。ヒトにおいて、これらの病変は約20 %の細胞および80%の細胞外基質から構成されている。 血管形成術、動脈内膜切除術またはバイパス移植片により治療された患者の約 30%またはそれ以上において、血栓および/または内膜におけるSMC増殖は 血管の再閉塞を引き起こし、結局再構成外科を失敗させる。外科に引き続く血管 のこの閉鎖は、再狭窄として知られている。 SMC増殖の同様なプロセスは、また、器官の移植片において観察され、そし て移植片のアテローム性動脈硬化症および器官の不全に寄与することがある。こ のプロセスにおける内膜の厚さの増加は、移植された器官のみを含む。 血小板の有糸分裂誘発因子、例えば、血小板誘導成長因子(PDGF)は、ア テローム性動脈硬化症の斑の発生においてある役割を演ずることが仮定された( 参照、Rose et al.「Cell」46:155−169、1986; Harker「Am.J.Cardiol.」60:20B−28B、1987 )。斑の形成について1つの提案されたメカニズムは、SMC増殖を刺激する成 長因子の、内皮露出部位における、血小板による解放である(RossおよびG lomset「N.Engl.J.Med.」295:369−377、420 −425、1976;Ross「Arteriosclerosis」1:29 3−311、1981)。ムーア他(Moore et al.「Thromb .Haemo stas.(Stuttg.)」35:70、1976)およびフリードマン他 (Friedman et al.「J.Clin.Invest.」60:1 191−1201、1977)は、留置カテーテル損傷モデルを使用して、抗血 小板血清の投与により誘発された延長された血小板減少症により、ウサギ動脈の 中に実験的に誘発された内膜病変の形成の抑制を報告した。また、SMCそれら 自体は、オートクラインメカニズムにより病変の発生を刺激するPDGFを産生 できることが仮定された(Ross et al.、前掲;Walker et al.「Proc.Natl.Acad.Sci.USA」83:7311− 7315、1986)。フインガール他(Fingerle et al.「P roc.Natl.Acad.Sci.USA」86:8412−8416、1 989)は、血小板減少症のラットにおいて内膜の病変の形成を研究し、そして 血小板がバルーン損傷後の初期のSMC増殖においてある役割を演じないが、内 膜の中へのSMC移動を調節できると結論した。現在、血小板は、PDGF、表 皮成長因子(EGF)、形質転換成長因子アルファおよびベータ(TGFαおよ びTGFβ)、インスリン様成長因子I(IGF−I)および血小板誘導内皮細 胞成長因子を包含する多数の成長因子、ならびにいくつかの化学誘因分子を放出 することが知られている。ある種の研究は病変の発生に関連するプロセスにPD GFを関係づけるが、霊長類におけるこれらのプロセスにおけるPDGFの参加 を示す研究は存在しない。 血管形成術または動脈内膜切除術によるアテローム性動脈硬化症の斑の除去は 効能が制限され、そして治療された血管の再狭窄またはバイパス移植片の狭窄に 対する有効な治療は開発されてきていない。したがって、血管壁における血管損 傷、例えば、バルーンカテーテ挿入、動脈内膜切除術または縮小アテローム切除 術のための損 傷、後の血管の狭窄を包含する、ならびに血管移植片、器官移植片およびカテー テルの配置における、SMCに富んだ病変の発生を減少し、または予防する方法 が、この分野において要求されている。本発明は、このような方法を提供し、そ して他の関係する要求を満足する。 発明の開示 本発明は、哺乳動物、特に霊長類の脈管構造における内膜過形成を抑制する方 法および組成物を提供する。内膜過形成の例は、血管形成術、動脈内膜切除術ま たはアテローム性動脈硬化症の斑を血管から除去する他の処置後の再狭窄を包含 する。本発明の方法は、一般に、有効量の抗成長因子レセプター抗体を哺乳動物 に投与して内膜過形成を抑制することを含んでなる。適当な抗成長因子レセプタ ー抗体は、繊維芽細胞成長因子(FGF)レセプター、形質転換成長因子ベータ (TGFβ)レセプター、インスリン様成長因子I(IGF−I)レセプター、 表皮成長因子(EGF)レセプター、トロンビンレセプターおよび因子Xaレセ プターに対する抗体を包含する。 本発明の範囲内において、有糸分裂誘発および/または平滑筋細胞の移動を抑 制するために十分な量において、抗血小板誘導成長因子(PDGF)レセプター 抗体を利用するすることが好ましい。抗PDGFレセプター抗体は、単独で、他 の抗PDGFレセプター抗体と組み合わせて、他のレセプターに対する抗体と組 み合わせて、またはヘパリンと組み合わせて投与することができる。 本発明の1つの面の範囲内において、哺乳動物に有効量の抗PDGFレセプタ ー抗体、例えば、抗PDGF−アルファレセプター抗体、抗PDGF−ベータレ セプター抗体、または1パネルの抗PD GFレセプター抗体を投与することによって、内膜過形成は抑制される。1つの 態様の範囲内において、前記パネルの抗体はPDGFレセプターへのPDGFの AA、ABおよびBBイソ型の結合を抑制することができる。¥本発明の他の面 の範囲内において、哺乳動物において急性血管損傷の発生と同時に、またはその 発生前の抗過形成的に有効な時間内に、抗PDGFレセプター抗体を哺乳動物に 投与する。急性血管損傷の例は、血管再構成処置、例えば、血管形成術、動脈内 膜切除術、縮小アテローム切除術および血管移植片の吻口術を包含する。関係す る面において、血管移植片または移植される器官の配置と同時に、または有効時 間内に、抗体を投与する。他の態様の範囲内において、急性血管損傷の発生また は血管移植片または移植される器官の配置後の抗過形成的に有効な時間内に、抗 体を投与する。 本発明の他の態様の範囲内において、血管移植片または移植された器官内で起 こる内膜過形成を抑制するために、抗体を使用する。 本発明の他の面の範囲内において、哺乳動物に、内膜過形成を抑制するために 十分なそれぞれの量のPDGFアンタゴニストおよびヘパリンを組合わせにおい て協調的に投与することによって、哺乳動物の脈管構造における内膜過形成は抑 制される。アンタゴニストおよびヘパリンは同時に投与されるか、または最初に 投与されたアンタゴニストまたはヘパリンとともに順次に投与され、投与されな かった残りのアンタゴニストおよびヘパリンはその後有効時間内に投与される。 1つの態様の範囲内において、PDGFアンタゴニストは非ペプチドのPDGF アンタゴニストである。他の態様の範囲内において、PDGFアンタゴニストは 抗成長因子レセプター抗体、例えば、抗PDGFレセプター抗体である。 関係する態様の範囲内において、協調的に投与される抗体または 他のPDGFアンタゴニストおよびヘパリンは組合わせにおいて血管平滑筋細胞 の増殖、血管平滑筋細胞の移動、および/または細胞外基質の新内膜沈着の内膜 過形成のプロセスの1または2以上を抑制する。他の態様の範囲内において、抗 体は抗PDGF−アルファレセプター抗体、抗PDGF−ベータレセプター抗体 、または1パネルの抗PDGFレセプター抗体である。追加の態様の範囲内にお いて、抗体または他のPDGFアンタゴニストは、成長因子レセプターのレセプ ターの機能、例えば、レセプターリガンドへのレセプターの結合、または成長因 子レセプターの二量化を抑制する。他の範囲内において、PDGFへのPDGF のAA、ABおよびBBイソ型の1または2以上の結合を抑制する抗PDGF抗 体または他のPDGFアンタゴニストを投与する。他の範囲内において、ヘパリ ンはヘパリン硫酸、または減少した抗血栓活性により特徴づけられる低分子量ヘ パリンを含んでなる。 本発明の他の面範囲内において、哺乳動物において急性血管損傷の発生と同時 に、またはその発生前の抗過形成的に有効な時間内に、抗PDGFレセプター抗 体または他のPDGFアンタゴニストおよびヘパリンを哺乳動物に協調的に投与 する。急性血管損傷は、血管形成術、血管内ステンティング、動脈内膜切除術、 血管内レーザー剥離、縮小アテローム切除術または血管移植片の吻口術を包含す る、血管再構成から生ずる血管の損傷を包含する。関係する面において、血管移 植片または移植された器官の配置と同時にまたは前であって治療上有効な時間内 に、PDGFアンタゴニストおよびヘパリンを投与する。他の態様においては、 急性血管損傷の発生または血管移植片または移植される器官の配置後の抗過形成 的に有効な時間内に、PDGFアンタゴニストおよびヘパリンを投与する。 本発明のなお他の面の範囲内において、哺乳動物における内膜過 形成を治療する医薬キットが提供され、前記キットは薬理学的に適当な担体中に PDGFアンタゴニスト、例えば、抗PDGFレセプター抗体または非ペプチド のPDGFアンタゴニストと、ヘパリンとを含む。1つの態様において、アンタ ゴニストおよびヘパリンを単一の担体中において前もって組合わせる。他の態様 において、アンタゴニストおよびヘパリンは同時、別々、または順次の送出によ り投与可能である。 本発明の範囲内の有用な抗体は、モノクローナル抗体および遺伝子操作された 抗体を包含し、後者は一本鎖抗体、キメラ抗体、二価抗体および免疫複合体を包 含する。 本発明の範囲内の有用なヘパリン調製物は、ヘパリン硫酸を包含する、未分画 のヘパリンまたは分画されたヘパリンおよびヘパリン様グリコサミノグリカンを 包含する。また、低分子量ヘパリン、例えば、抗凝固剤および凝固剤の断片、お よびヘパリンおよびヘパリン様グリコサミノグリカンの誘導体は有用である。 本発明のこれらおよび他の面は、下記の詳細な説明および添付図面を参照する と明らかとなるであろう。 図面の簡単な説明 第1図は、組換えPDGF−ベータレセプターを発現する細胞への抗PDGF レセプターモノクローナル抗体の結合を示す。結果は、三重反復実験の決定につ いて125I−ウサギ抗マウスIgGの平均cpm結合として表されている。バー は標準偏差を示す。 第2図は、組換えPDGF−アルファレセプターを発現する細胞への抗PDG Fレセプターモノクローナル抗体の結合を示す。結果は、三重反復実験の決定に ついて125I−ウサギ抗マウスIgGの平均cpm結合として表されている。バ ーは標準偏差を示す。 第3A図〜第3C図は、抗PDGFレセプターモノクローナル抗体によるヒト 皮膚繊維芽細胞へのPDGF有糸分裂誘発活性の抑制を示す。結果は、PDGF リガンドの試験状態の各々についての[3H]チミジンの取込みの平均レベルと して表されている。標準偏差は、各バーの上部においてTにより示されている。 各パネルは、また、PDGFリガンド単独についての標準曲線を示す。A)PD GF−AAの刺激、B)PDGF−AB刺激、C)PDGF−BBの刺激。 第4図は、抗PDGFレセプターモノクローナル抗体によるヒヒ平滑筋細胞へ のPDGF−AA有糸分裂誘発活性の抑制を示す。リガンド単独についての標準 曲線は、左側に示されている。結果は、[3H]チミジンの取込みの平均レベル として表されている。標準偏差は、各バーの上部においてTにより示されている 。 第5図は、抗PDGFレセプターモノクローナル抗体によるヒヒ平滑筋細胞へ のPDGF−AB有糸分裂誘発活性の抑制を示す。リガンド単独についての標準 曲線は、左側に示されている。結果は、第4図におけるように表されている。 第6図は、抗PDGFレセプターモノクローナル抗体によるヒヒ平滑筋細胞へ のPDGF−BB有糸分裂誘発活性の抑制を示す。リガンド単独についての標準 曲線は、左側に示されている。結果は、第4図におけるように表されている。 第7A図および第7B図は、ヒヒ平滑筋細胞へのPDGF−AAの有糸分裂誘 発活性を抑制する代表的なモノクローナル抗体の滴定を示す。結果は、PDGF −AAの試験状態の各々についての[3H]チミジンの取込みの平均レベルとし て表されている。標準偏差は、PDGF−AAの標準曲線の試料においてTによ り示されている。(A)PDGF−AA有糸分裂誘発活性の標準曲線。(B)[3 H]チミジンの取込みのレベルにおける減少により示される、PDGF−AA 有糸分裂誘発活性についてのモノクローナル抗体169.14および169.3 1の抑制効力。 第8図は、抗PDGFレセプターモノクローナル抗体によるヒヒ血清有糸分裂 誘発活性の抑制を示す。血清単独についての標準曲線は左側に示されている。結 果は、[3H]チミジンの取込みの平均レベルとして表されている。標準偏差は 、各バーの上部においてTにより示されている。 第9図は、ヒヒ平滑筋細胞への抗PDGF−アルファレセプターモノクローナ ル抗体169.31の存在下の、ヒヒ血清の有糸分裂誘発活性を示す。 発明の詳細な説明 前述したように、血管の再狭窄は、血管形成、動脈内膜切除、またはバイパス 移植を行った患者において普通の問題である。再狭窄は内膜過形成の1例であり 、これは外科的処置により、ならびに細胞外基質の生成(沈着)により損傷され た区域における血管平滑筋細胞の増殖(有糸分裂)および移動の双方を包含する プロセスを介して進行すると考えられる。参照、一般に、(Harker「Am .J.Cardiol.」60:20B−28B、1987;DeFeudis 「Drug News and Perspectives」5:49−51、 1992)。この増殖プロセスは、また、血管移植片(自家および同種を包含す る自然のもの、および合成のものの双方)の閉塞において、および移植された器 官において発現される。この増殖プロセスは、平滑筋細胞に富んだ病変を発生さ せ、そして本明細書において内膜過形成と呼ばれる。 本発明は、成長因子レセプター、好ましくはPDGFレセプター に対する抗体の使用、および他のPDGFアンタゴニスト、特に非ペプチドのP DGFアンタゴニストの使用により、SMCに富んだ病変の発生を抑制する方法 を提供する。用語「非ペプチド」は、タンパク質または他のペプチド結合多量体 以外の化合物を呼ぶ。このような病変は、内膜の肥厚(過形成)により血管の部 分的または完全な遮断を生ずる。内膜過形成の抑制は、細胞の移動、細胞の増殖 、および細胞外基質の形成を包含する1または2以上の過形成のプロセスを減少 または防止することによって、増殖を妨害することを包含すると理解されるであ ろう。PDGFおよびそのレセプターの相互作用の妨害により増殖および/また は移動をブロックすることによって、SMCの増殖および引き続く基質の沈着を 減少することができる。内膜過形成の減少は、急性血管損傷後の管腔体積の喪失 の有意な減少として、臨床的に発現される。このような減少は、一般に、初期の 損傷部位における再血管化処置(例えば、反復血管形成)の必要性を減少させる であろう。 本発明の方法は、急性血管損傷による内膜過形成の治療において特に有用であ る。急性血管損傷は、生涯にわたって発生する慢性血管損傷(例えば、アテロー ム性動脈硬化症)と対照的に、急速に(数日ないし数カ月にわたって)起こる血 管損傷である。急性血管損傷は、外科的処置、例えば、血管形成、動脈内膜切除 、アテローム切除、血管移植片の配置などの技術が用いられる血管再構成からし ばしば生ずる。また、過形成は、例えば、移植片の配置または器官の移植に応答 した、遅延した応答として起こることがある。 本発明は、哺乳動物の脈管構造における内膜過形成を抑制するためにPDGF アンタゴニストを利用する。PDGFアンタゴニストは有利にはヘパリンと組み 合わせて使用される。本発明の範囲内において有用なPDGFアンタゴニストは 、非ペプチドのPDGFア ンタゴニストおよびペプチドのPDGFアンタゴニスト、例えば、抗PDGFレ セプター抗体を包含する。 非ペプチドのPDGFアンタゴニストの1つの特に好ましいグループは、ブレ フェルジン(Brefeldin)A(1,6,7,8,9,1Ia,12,1 3,14,14a−デカヒドロ−1,13−ジヒドロキシ−6−メチル−4H− シクロペント[f]オキサシクロトリデシン−4−オン)およびその誘導体を包 含する。ブレフェルジンAは、下記の構造式を有する: ブレフェルジンAはヒヒ平滑筋細胞に対するPDGFの有糸分裂誘発活性を抑 制することが見出され、その活性はヘパリンの存在下に増強される。 本発明の範囲内において有用な抗体は、免疫化および精製の慣用手法により生 産することができる。簡単に述べると、PDGFレセプター、レセプター断片ま たはレセプターのポリペプチド(好ましくは精製された)を含んでなる融合タン パク質を、動物、例えば、マウス、ラット、ウサギまたはヤギに、免疫応答を引 き起こすために十分な量において投与する。免疫応答を増強するために、成長因 子レセプターをアジュバント、例えば、フロインドアジュバントと組み合わせて 投与することが好ましい。アミンにおいて抗体の産生を誘発するために、抗体の 単一の注射で十分であるが、大きい初期 の注射に引き続いて、1または2以上のブースター注射を数週ないし数カ月の期 間にわたって投与ことが一般に好ましい。参照、例えば、Hurrell、J. G.R.編「Monoclonal Hybridoma Antibodie s:Techniques and Applications」CRC Pr ess Inc.、Boca Raton、FL、1982(これは引用するこ とによって本明細書の一部とされる)。次いで、血液を動物から集め、凝固させ 、そして慣用技術、例えば、塩沈澱、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニ ティークロマトグラフィーまたは高性能液体クロマトグラフィーを使用して血清 から抗体を単離する。 本発明の1つの態様の範囲内において、モノクローナル抗体を使用する。モノ クローナル抗体は、ポリクローナル抗体に比較して、生産が容易でありかつ治療 の投与量がより低いという利点を提供する。なぜなら、所望の特異性を有する抗 体のみを使用するからである。モノクローナル抗体を生産する方法はこの分野に おいてよく知られており、そして、例えば、コーラーおよびミルステイン(「N ature」256:495、1975;「Eur.J.Immunol.」6 :511−519、1976)により開示されている。Hurrell、J.G .R.編「Monoclonal Hybridoma Antibodies :Techniques and Applcations」CRC Pres s Inc.、Boca Raton、FL、1982、およびHart、米国 特許第5,094,941号も参照。抗体断片、例えば、Fab断片を使用する こともできることは当業者に明らかであろう。 一般に、患者と同系発生であるか、または同系発生の定常部を含有する抗体を 使用することが好ましい。この理由で、ヒトのフレームワーク構造を含有する遺 伝子操作された抗体がヒトの治療におい て一般に使用される。組換えヒト抗体またはヒト化抗体(すなわち、キメラ)抗 体を生産する方法は、カビリー(Cabilly)他(米国特許第4,816, 567号)、ロビンソン(Robinson)他(WO87/02671)およ びノイメアー(Neumaier)(WO90/00616)(これらは引用す ることによって本明細書の一部とされる)により開示された。簡単に述べると、 ヒト定常部の遺伝子は、適当なヒトまたは非ヒトの可変領域の遺伝子に接合され る。例えば、親ネズミのモノクローナル抗体の抗原結合部位(CDRs、または 相補性決定領域)を表すアミノ酸配列は、DNAレベルにおいて、ヒト可変領域 のフレームワーク配列上にグラフトされる。このプロセスは「ヒト化」として知 られている。この技術の方法はこの分野において知られており、そして、例えば 、ジョーンズ他(Jones et al.「Nature」326:522− 525、1986)、リーヒマン他(Riechmann et al.「Na ture」322:323−327、1988)、およびクィーン他(Quee n et al.「Proc.Natl.Acad.Sci.USA」86:1 0029−10033、1989)に開示されている。 次いで、接合遺伝子を宿主細胞の中に転移させ、宿主細胞を慣用手法に従い培 養する。別の方法において、モノクローナル抗体産生細胞をクローニングしたヒ ト定常部の遺伝子でトランスフェクションし、そしてキメラ抗体を相同組換えに より発生させる。したがって、モノクローナル抗体をヒトである構造の有意な部 分と集合させ、これによりヒトの患者への多数回の投与にいっそう適した抗体を 生産することができる。 また、可変重鎖配列に、典型的にはリンカーポリペプチドを介して、接合され た可変軽鎖配列から一般に構成された組換えポリペプ チドの発現により、一本鎖抗体を発生させることができる。一本鎖抗体を生産す る方法はこの分野において知られており、そして、例えば、デイビス他(Dav is et al.「BioTechnology」9:165−169、19 91)により開示されている。 2つのPDGFレセプターのポリペプチドが記載された。これらは「アルファ レセプター」(Kelly et al.、WO90/14425;Kelly et al.、米国特許第5,371,205号;Claesson−Wel sh et al.「Proc.Natl.Acad.Sci.USA」86: 4917−4921、1989)および「ベータレセプター」(Claesso n−Welsh et al.「Mol.Cell.Biol.」8:3476 −3486。1988;Gronwald et al.「Proc.Natl .Acad.Sci.USA」85:3435−3439、1988)と命名さ れた。PDGFリガンドの存在において、レセプターのポリペプチドは二量体化 する。こうして、3つのレセプターのサブタイプが可能である:αα、αβおよ びββ。βレセプターはPDGFのB−鎖に対して特異的であるが、αレセプタ ーはA−鎖およびB−鎖に結合する。結局、PDGFに対する細胞の成長調節の 応答はPDGF AA、ABおよびBBリガンドイソ型の入手可能性に依存する ばかりでなく、かつまた異なるPDGFレセプターのサブタイプの発現および入 手可能性に依存する(Heldin et al.「Cell Regul.」 1:555−556、1990)。ヒト平滑筋細胞はαおよびβレセプターサブ タイプの双方を発現する(Heldin et al.「Ce11 Regul .」1:555−556、1990)が、単一のレセプターサブタイプのみを発 現する他の細胞型が知られ ている(Gronwald et al.「J.Biol.Chem.」264 :8120−8125、1989)。 本発明の範囲内において使用される抗PDGFレセプター抗体は、好ましくは 、すべての3つのPDGFレセプターのイソ型(αα、αβおよびββ)を抑制 できる1パネルの抗体であろう。本明細書おいて使用するとき、用語「パネル」 は2種またはそれ以上の異なる特異性を有する抗体の組み合わせを意味する。抗 体は異なる抗原に対して、または単一の抗原上の異なるエピトープに対して特異 的であることができる。モノクローナル抗体(MAbs)は好ましい。 前述したように、本発明の範囲内において使用する抗体は、PDGFとそのレ セプターとの相互作用を妨害する。本発明の好ましい態様において、PDGFレ セプターへのPDGFリガンドの結合を抑制する抗PDGFレセプター抗体を使 用するが、また、他のレセプター−リガンドの相互作用、例えば、レセプターの 二量体化、を抑制する抗体を使用して本発明の利点を実現できることを当業者は 認識するであろう。 抗レセプターモノクローナル抗体は、また、治療上重要な化合物のデリバリー の標的剤として使用できる。このような化合物は下記のものを包含するが、これ らに限定されない:トキシン、細胞増殖抑制化合物、またはプロ酵素(その潜在 的機能は内因性プロ酵素を活性化すること、外性源から添加されたプロ酵素を活 性化すること、またはプロドラッグ上の酵素切断部位を活性化することであるこ とができる)。抗レセプター抗体は、また、造影剤として使用するための放射性 ヌクレオチド、色素、蛍光性化合物またはその他で標識化することができる。こ の例は、血栓症の造影部位、または血管損傷部位(ここで、例えば、細胞表面の レセプターを発現する血管 平滑筋細胞が暴露される)を包含する。 モノクローナル抗体は、また、各免疫グロブリン分子上に2つの独立の抗原結 合部位が存在する、二価抗体を発生させるために使用できる。この技術はこの分 野において知られており、そして文献に開示された(「Thromb.Res. Suppl.」X:83、1990)。さらに、二重特異性抗体を一本鎖抗体か ら構築することもできる。この技術はこの分野において知られており、そして、 例えば、エー.ジョージ(A.George「The Second Annu al IBC International Conference on A ntibody Engeneering」Dec.16−18、1991、S an Diego、CA)により開示された。 本発明の範囲内において使用する抗体は、in vitro試験系において抗 原の生物学的活性の有意な量をブロックすることができ、例えば、1または2以 上のレセプターとの1または2以上のPDGFリガンドの相互作用をブロックす る能力を有するであろう。適当なin vitro試験系は、なかでも、有糸分 裂誘発活性およびレセプター結合アッセイを包含する。例えば、25μg/ml の本明細書において記載するモノクローナル抗PDGF−アルファレセプタ−M Abは10ng/mlのPDGF−AAの有糸分裂誘発活性をブロックすること ができる。当業者は理解するように、所定の量の抗原の活性を抑制するために必 要な抗体の量は、抗体の特異性および親和性のような因子に依存する。創傷の治 癒の応答のすべてが抑制されないように、血清有糸分裂誘発活性の100%をブ ロックしないことが好ましい。抗体の投与量は、親和性および特異的活性を考慮 して、後述するように計算される。 抗PDGFレセプター抗体または他のPDGFアンタゴニストの 「抗過形成的に有効な量」は、血管、血管移植片または移植された器官の血管成 分における内膜過形成を測定可能に減少または防止するために十分な量として定 義される。さらに詳しくは、「内膜過形成の抑制」は、本明細書において、血管 平滑筋細胞(VSMC)の移動、VSMCの増殖、および細胞外基質の新内膜沈 着として、この分野において記載される内膜過形成プロセスの1または2以上の 測定可能な抑制を包含すると定義される。これに関して、内膜過形成、または内 膜過形成に関係する過形成プロセスの減少または防止は、この分野において知ら れているin vitro、in vivoおよびex vivoアッセイ系、 特に霊長類アッセイ系(例えば、非ヒトまたはヒトの霊長類のVSMC培養物ま たは血管組織の外植体、または非ヒト霊長類のin vivo試験)を使用して 、容易に評価することができる。in vitro投与のデータを解釈するとき 、異なる被験細胞および組織は異なるレベルおよび/または型のPDGFレセプ ターを発現することがあることが理解されるであろう。さらに、細胞培養の継代 数(すなわち、血管組織源から解離または外植後に経過した細胞世代数)は、実 験系において観察される有糸分裂誘発活性および他の増殖に関係する活性に重要 な影響を潜在的に有するとして認識されるであろう。同様に、ヒトにおける抗体 の抗過形成効果を推定するために、非ヒト系からのin vivoデータを推定 するとき、多数の変数を考慮しなくてはならない。特に、ヒトについて実際の治 療のプロトコールを決定するとき、モデルのデータを最良に利用するために、実 験系と臨床系との間の血管損傷の特質および重症度の差を考慮することが重要で ある。同様に、モデルの応用と臨床の応用との間の関係を推定するとき、血管の 解剖学および組織学における種間の差、および異なる種類の血管損傷により誘発 された過形成プロセスにおける固有の差 を操作しなくてはならない。それにもかかわらず、非ヒトおよびヒトの霊長類の モデル系を使用するin vitroおよびin vivo研究を包含する、本 明細書において記載するアッセイおよび方法は、ヒトを包含する哺乳動物の患者 における内膜過形成の有望な治療のプロトコールを決定するために、必要な手引 きのすべて、ならびに標準的臨床的試験手順を包含する既知の技術を提供する。 抗過形成的に有効な量の抗体または他のアンタゴニストは、増殖(例えば、i n vitro有糸分裂誘発アッセイにおいて決定されるような)および/また は血管平滑筋細胞の移動を有意に抑制することが好ましい。「有意な」減少は、 in vitroアッセイにおける50%またはそれより多い有糸分裂誘発また は移動の減少である。実際の量は特定の抗体の特異性および結合親和性のような 因子に一部分依存するであろうが、有効量はこの分野において知られておりかつ 本明細書において開示するin vitroおよびex vivoの手法により 実験的に決定することができる。一般に、治療に使用するPDGFアンタゴニス トの量は、in vitr0またはin vivoにおいて有効であることが示 された濃度に少なくとも等しい濃度を血流中に、または作用部位に提供するため に十分な量であろう。しかしながら、1桁の増加までまたはそれを超える、より 多い量をin vivoにおいて使用することが好ましい。したがって、モデル 系において、適当なin vitro試験において抗過形成的に有効であること が示された抗体濃度に相当する、一時的または持続する、局所的または全身的レ ベルの抗体を治療される哺乳動物に提供するという目的をもって、抗PDGFレ セプター抗体の投与量は選定される。 本明細書において詳細に開示されるヒヒの血管損傷モデルは、in vivo 試験のために特に重要である。このモデルは、閉塞さ れた動脈を開くための種々のタイプの急性治療後に起こる、損傷の応答をまねる ように設計された。血管の病変を発生するためのヒヒの血管形成の使用は、狭窄 した冠状動脈において血流を再確立するために普通に使用され、そして治療され た個体の30〜40%において再狭窄に導く手法を模擬する。したがって、この モデルは、抗PDGFレセプター抗体または他のPDGFアンタゴニストを、単 独でまたはヘパリンと組み合わせて、使用するときの試験に特によく適する。 PDGFアンタゴニストの治療の効能を試験する他の適当なモデルは、頸動脈 内膜切除のヒヒのモデルである。このモデルにおいて、急性損傷は動脈の内側区 域においてなされ、これは引き続いて内膜病変の発生をもたらす(Hanson et al.「Hypertension」18:1170−1176、19 91)。このモデルは、進行したアテローム性動脈硬化症のために血流が減少し たヒトにおける頸動脈を開くための頸動脈内膜切除の使用を模擬する。PDGF アンタゴニストの治療の使用を試験する第3のモデルは、ヒヒ血管移植片の配置 のモデルである。血管移植片の配置は、移植片部位における過形成の病変の発生 をもたらすことが証明された(Kraiss et al.「J.Clin.I nvest.」92:338−348、1993)。これらの病変は、ヒトの血 管損傷部位における過形成の病変の特徴に類似する特徴を有する。 ヒトにおけるPDGFアンタゴニストの治療の効能を試験するために、種々の 型の分析を使用できる。これらの分析は、血管治療後3〜6カ月の期間における 血管造影により平均管腔直径(MLD)の喪失についての監視を包含する。効能 を監視する別の方法は、血管内超音波、Bモード超音波および磁気共鳴映像法を 包含する。また、抗PDGFレセプター抗体の治療の効能を監視するために、臨 床的相関を使用することができる。これらは、心筋梗塞および再発アンギナの減 少、および反復再血管化の必要性を包含する。 抗体投与レベルは、血液からの抗体のクリアランスを決定した後、抑制データ から計算される。一般に、循環するPDGF活性の10%より大、好ましくは少 なくとも20〜50%を抑制するために十分な抗体の循環レベルを維持すること を目標として、投与量は選定される(例えば、レセプター−リガンドの結合、血 管平滑筋細胞のPDGF−または血清−刺激された有糸分裂誘発および/または 移動、または内膜過形成プロセスのPDGFレセプターの機能および/または調 節と相関する他の生物学的活性)。一般に、投与量は約0.1μg〜500mg またはそれより多い抗体/患者の体重のkg/日、好ましくは約20μg〜20 mg/kg/日、より好ましくは約1mg〜10mg/kg/日である。前述し たように、実際の投与量は一部分抗体の親和性および活性に依存する。単一の抗 体を使用する場合より2またはそれより多い抗体を組合わせで投与する場合、多 少より多い投与量が要求されることがある。抗体の生産コストを最小にしかつ投 与した抗体の患者による免疫不耐性を制限するために、高い特異的抑制活性を有 する、高い親和性の抗体を使用して、約1mg/kg/日またはそれより少ない 投与量の使用を可能とすることが好ましい。非抗体のPDGFアンタゴニストの 投与量は、同様な基準を使用して決定できる。 抗PDGFレセプター抗体療法、単独で、またはそれとヘパリンとの組み合わ せで治療されたヒトにおいて、抗体は広い範囲の条件下に与えることができる。 抗体は、再血管化処置の前に、ならびにその処置後多数回、ボーラス注射により 与えることができる。抗体は処置前のボーラス注射(静脈内、筋肉内、腹腔内ま たは皮下)および処置後の一定注入(移植されたポンプを介する注入を包含する )として与えることができる。多くの場合において、入院の間に1日量を投与し (注入による投与を包含する)次いで1〜2週またはそれより長い外来患者の治 療期間の間におけるボーラス注射を少なくすることが好ましいであろう。治療は 初期の損傷後6カ月まで続けることができる。抗体は、静脈内、筋肉内または皮 下注射を包含する多数のルートを介して与えることができる。さらに、抗体は、 灌流バルーンカテーテル、ステント上へのコーティング、またはゲルコーティン グしたバルーン上の配置を使用して、血管損傷部位に局所的に送出すことができ る。後者の場合において、抗体の投与量は、全身に与えるときより、実質的によ り少ないことが期待されるであろう。抗体は、また、遅延放出送出系、例えば、 血管移植片またはステントの中に組込まれた系によるか、または灌流または二重 バルーンカテーテルにより送出すことができる。血管移植片中の狭窄を抑制する ために、抗PDGFレセプター抗体は、それらの定常部を通して移植片に共有結 合するか、または遅延放出性処方物中の移植片の中に組込むことができる。また 、ポンプまたは他の既知の送出系を使用できる。いずれの場合においても、投与 は所望の1日量を提供するように設計される(例えば、5mg/kg/日を提供 する25mg/kgの5日のボーラス)。他のPDGFアンタゴニストの投与の モードおよびタイミングは、受け入れられた原理に従い特定のアンタゴニストお よび薬物速度論のデータから決定することができる。 本発明の範囲内の使用のために、抗PDGFレセプター抗体は慣用法に従い注 入用組成物に処方され、そして無菌の容器の中に包装される。抗体は適当な希釈 剤、例えば、無菌の生理食塩水または無菌の水と組合わせることができる。抗体 組成物は、さらに、担体、安定剤および賦形剤、例えば、糖類(例えば、マンニ トール)また はアルブミンを含有できる。別の方法において、抗体は凍結乾燥された形態で提 供し、そして使用前に適当な希釈剤中で再構成することができる。これらの組成 物は、単一または多数の投与形態で、例えば、密閉されたアンプルまたはバイア ルで包装することができる。非ペプチドのPDGFアンタゴニストは、非経口的 にまたは腸内に(例えば、経口的に)供給することができる。 本発明の別の態様において、抗成長因子レセプター抗体または非抗体のPDG Fアンタゴニストは、哺乳動物に、ヘパリンと協調的に、哺乳動物の脈管構造に おける内膜過形成を組合わせで抑制するために十分な抗体/アンタゴニストおよ びヘパリンのそれぞれの単位投与量において投与される。これに関して、「協調 的投与」は、抗体/アンタゴニストおよびヘパリンの同時、別々、または順次の 投与を包含し、ここで抗体/アンタゴニストおよびヘパリンの双方は、互いに関 して、制限された、組合わせで有効な時間内に投与される。「組合わせで有効な 時間」は、抗体/アンタゴニストおよびヘパリンが過形成の抑制において組合わ せで有効である、抗体/アンタゴニストの投与とヘパリンの投与との間の最大の 介在時間である。次に、用語「組合わせで有効」は、内膜の肥厚または病変の形 成、または過形成プロセスの測定可能な抑制を生成するとして定義され、この抑 制は、そうでなければ匹敵する条件および投与量において、抗体/アンタゴニス トまたはヘパリンの単独により独立に提供される抑制の最大レベルを超える。 本明細書において使用するとき、用語「ヘパリン」は、反復するグルコサミン またはグルクロン酸糖残基の構造により一般に特徴づけられる、構造的に複雑な 、硫酸化グルコサミノグリカンのファミリーの1メンバーを意味する(Casu 「Adv.Carbohyd.Chem.and Biochem.」47:5 78−583 、1985)。最も広く知られているヘパリンは、ウシの肺またはブタの腸から 製造された「未分画」または「商用」ヘパリンであり、ほぼ8,000〜20, 000ダルトンの分子量の範囲のヘパリン分子の異質混合物を包含する(Wol insky et al.「J.Am.Col.Cardiol.」15:47 5−481、1990)。しかしながら、ヘパリンという用語は、また、広い範 囲のいっそう異質のヘパリン調製物、ならびにヘパリン様分子、例えば、ヘパリ ン硫酸を包含する。これらの特定のヘパリンの例の中で、また、いっそう特定の ヘパリンのサブタイプが知られている。例えば、内皮細胞(Castellot et al.「J.Cell.Biol.」90:372−379、1981 )および平滑筋細胞(Fritze et al.「J.Cell.Biol. 」100:1041−1049、1985)により生産されるヘパリン硫酸成分 が単離され、これらの成分は平滑筋細胞の増殖の抑制について未分画ヘパリンよ りも40倍まで活性であると報告された。さらに、天然に存在するヘパリンの大 きさの変異型の中で、抗凝固活性または抗増殖活性を主として示す分画されたヘ パリン種が単離された(Wolinsky et al.「J.Am.Col. Cardiol.」15:475−481、1990)。後者の活性は低分子量 のヘパリン種、例えば、五糖類〜十糖類の範囲のヘパリンの中に存在する傾向が あり、これらは、また、より大きい生物学利用能およびより長い半減期を有する と報告され(同上、Bacher et al.「Thrombosis Re s.」70:295−306,1993)、したがって、本発明の特定の態様範 囲内において特に有用である。また、本発明を記載する目的のために、合成ヘパ リンおよびヘパリン誘導体がヘパリンの定義の範囲内に含まれ、それらの種々の ものは慣用の化学合成、変更および変性 技術を使用して製造された(参照、例えば、Roden、L.「The Bio chemistry of Glycoproteins and Prote oglycans」(Lennarz、W.J.編)pp.267−371、P lenum Publishing Corp.、New York、1980 、引用することによって本明細書の一部とされる)。用語「抗血栓活性が減少し た低分子量ヘパリン」は、未分画ヘパリンに比較して抗血栓活性が減少した(標 準的アッセイにより決定して)低分子量の形態を示すために使用される。 抗体/アンタゴニストおよびヘパリンの組合わせで有効な投与量を決定するた めに、および/またはPDGFアンタゴニストおよびヘパリンを別々にまたは順 次に投与するための組合わせで有効な時間を評価するために、抗PDGFレセプ ター抗体の抗過形成活性のアッセイ、および実験的応用と臨床的応用との間の推 定について前述した方法と同一の一般的方法を使用する。これらの方法は、血管 平滑筋細胞の培養物または血管組織の外植片を使用する有糸分裂誘発および移動 のアッセイ、ならびに、なかでも、生存している被検者における内膜過形成の発 生率または程度を測定する種々のin vivoアッセイを包含する。これらの 方法から、抗体または他のアンタゴニストおよびヘパリンの協調的投与により達 成される組合わせの抑制のレベルは、使用するアンタゴニストおよびヘパリンの それぞれの種類および投与量、アンタゴニストおよびヘパリンの投与のタイミン グおよびモード、および他の実験的および臨床的に関係する変数,例えば、処理 する細胞または組織の種類、または血管損傷の特質および苛酷さに依存して変化 することが証明されるか、または期待される。本発明の方法の範囲内において協 調的投与法(例えば、ヘパリンおよびアンタゴニストの種類、投与量、および投 与のモードまたはタイミング)を調節することによって、本発明の広い範囲の特 定の応用を促進するために、内膜過形成の組合わせの抑制を最適化することがで きる。例えば、異なる抗体およびヘパリンの種類および投与量は異なる臨床的応 用に望ましいことがある。血栓症に関係する合併症の高い危険にある患者につい て、ヘパリンの抗凝固型が臨床的に望ましいであろう。他の患者はヘパリンの抗 凝固型の使用に関係する出血性合併症に特にかかりやすく、この場合において、 抗血栓活性が減少した低分子量ヘパリンが適用されるであろう。これらおよび他 の臨床的考慮は、当業者にとって明らかであろう。 特定のヘパリンの種類または投与量の選定を受け入れるために、本発明の方法 は、協調的に投与すべき抗体または他のアンタゴニストの形態、タイミングまた は投与量の共変動を可能とし、こうして抗体または他のアンタゴニストの投与法 を協調的に調節して高いレベルの組合わせの抑制を維持することができる。他の 場合において、アンタゴニストの形態または投与量、またはアンタゴニストの投 与のタイミングまたはモードは外部の環境により付与されることがあり、この場 合において、ヘパリンの投与法は協調的に調節することが必要であろう。例えば 、延長した抗体治療法が望まれる場合、より少ない抗体投与量、またはより低い 免疫原性の抗体の形態(例えば、マウス/ヒトキメラ抗体)を使用して、結果を 最適化することができる。このような場合において、投与されるヘパリンの種類 、投与量またはタイミングに関して協調的調節を行って、強い、組合わせの抗過 形成効果を達成することができる。 本発明の抗体およびヘパリンの協調的投与法を使用すると、抗体または他のア ンタゴニストおよびヘパリンの投与量を特に広い範囲にわたって協調的に変化す ると同時に、内膜過形成の高いレベルの 組合わせの抑制を維持することができる。本発明のこの特徴は、低い投与量の一 方または他方の抗過形成剤(すなわち、アンタゴニストまたはヘパリン)が望ま れる、例えば、投与量が制限される毒性、アレルギーまたは他の合併症が存在す る、臨床的適用に順応させるために、特に有用である。本発明の方法の範囲内に おいて、協調的に投与された抗PDGFレセプター抗体およびヘパリンは、0. 001:1〜1,000:1、およびこれより広い範囲の抗体:ヘパリンの投与 量比(すなわち、単位抗体投与量/単位ヘパリン投与量の重量比)において組合 わせで有効であることが見出された。換言すると、単位投与量の抗体ならびに1 /1,000の投与量の協調的に投与されたヘパリンは組合わせの抑制効果を生 じるが、協調的に投与されるヘパリンよりも1,000倍の抗体の投与量も組合 わせの効果を生ずる。この一般に逆比例する抗体およびヘパリンの投与量の共変 動性は、2つの抗過形成剤を使用する、別の、協調的投与法を実行するために、 極めて柔軟性を与える。同時に、0.01:1〜100:1、および0.05: 1〜20:1の抗体:ヘパリンの投与量の比において具体化される、それほど極 端ではない抗体およびヘパリンの共変動性も組合わせで有効であることが示され 、そして、好ましくは、抗体およびヘパリンの双方の中程度ないし極端に低い投 与量が臨床的に望まれる場合において、選択される。 一般に、哺乳動物における内膜過形成を治療するために協調的に投与すべき抗 体の投与量は、ほぼ0.1μg〜100mgの抗体/哺乳動物の体重のkg/日 の範囲であろう。好ましくは、投与量はほぼ50μg〜20mgの抗体/kg/ 日であり、より好ましくは1mgの抗体/kg/日より少なく、これにより高価 な抗体のストックを保存しかつ副作用を制限すると同時に、満足すべき抑制レベ ルを達成するようにする。一般に、ヘパリンの投与量はほぼ1μg 〜100mg/kg/日であろう。好ましくは、ヘパリンの投与量は20μg〜 10mg/kg/日であり、より好ましくは約1mg/kg/日より少ない。さ らに詳しくは、それぞれ、0.5μg〜10mg/kg/日、およびほぼ1μg 〜10mg/kg/日の抗体およびヘパリンの協調的に投与される量は、双方の 抗過形成剤の比較的少ない投与量において、強い組合わせの有効な結果を生ずる 。抗体およびヘパリンのなおいっそう少ない投与量を望む場合、それぞれ、5μ g〜2mg/kg/日、およびほぼ50μg〜1mg/kg/日の抗体およびヘ パリンの協調的に投与される量は好ましい。当業者は認識するように、実際の投 与量は、患者のパラメーターおよび投与される1または2以上の抗体の特性(例 えば、特異性、比活性、循環半減期)およびヘパリンの特性(例えば、抗血栓活 性)を包含する、特定の場合を考慮して決定されるであろう。 抗PDGFレセプター抗体およびヘパリンは、好ましくは非経口的に、例えば 、ボーラス注射または注入(静脈内、筋肉内、腹腔内または皮下)により手術の 前に(一般に手術前の24時間以内に)投与され、そして必要に応じて手術後に 数時間〜数日の間隔で1〜2週またはそれより長い期間にわたって続ける。1つ の態様の範囲内において、抗体はボーラス注射または注入として治療の第1日に 、初期の3日の治療期間を通じて、ほぼ20μg〜1mg/kg体重の最小の循 環レベルの抗体を提供するために十分な量で投与される。これに関して、少なく とも12時間、好ましくは少なくとも4日間、より好ましくは14〜21日間の 循環半減期を有する抗体を使用することが好ましい。キメラ抗体およびヒト化抗 体は、それぞれ、4日までおよび14〜21日までの循環半減期を有することが 期待される。多くの場合において、入院の間に1日量を投与し、次いで外来患者 の治療期間の間により少ない頻度のボーラス注射を投 与であることが好ましい。また、抗体およびヘパリンは、遅延放出送出系、例え ば、血管移植片またはステントの中に組込まれた系によるか、または灌流または 二重バルーンカテーテルにより送出すことができる。ポンプおよび他の既知の送 出系を連続的注入のために使用できる。投与の養生法を変更して、抗体およびヘ パリンの薬物速度論に基づいてこれらの物質の所望の循環レベルを得ることがで きる。したがって、治療剤の所望の循環レベルが維持されるように、投与量は計 算されるであろう。前述の1日量をより大きい、より少ない頻度のボーラス投与 として投与して、投与期間にわたって平均した詳述した投与量を提供することが できる。非ペプチドのPDGFアンタゴニストを腸内に投与できる。 本発明の範囲内の使用のために、抗PDGFレセプター抗体、他のPDGFア ンタゴニスト、およびヘパリンを組合わせるか、または別々に配合して、慣用の 手法に従い非経口(例えば、静脈内、末梢血管または経皮)、経口または経直腸 投与のための組成物を調製し、そして無菌の容器に包装する。アンタゴニストお よびヘパリンは、一緒にまたは別々に適当な希釈剤、例えば、無菌の生理食塩水 または無菌の水と組合わせることができる。アンタゴニスト、ヘパリンおよびア ンタゴニスト/ヘパリンの組成物は、さらに、担体、安定剤および賦形剤、例え ば、糖類(例えば、マンニトール)またはアルブミンを含有することができる。 別の方法において、アンタゴニストおよびヘパリンは凍結乾燥された形態または 他の安定な乾燥形態で提供し、そして使用前に適当な希釈剤(これはアンタゴニ ストおよびヘパリンとともに含めることができる)中で再構成することができる 。これらの組成物は単一または多数の投与形態で、例えば、密閉したアンプルま たはバイアルの中に包装することができる。別の投与のモードのために、例えば 、血管移植片における狭窄 の抑制するための血管内投与のために、PDGFアンタゴニストは持続放出性処 方物中の移植片の中に組込むことができる。抗PDGFレセプター抗体は、それ らの定常部を通して移植片に共有結合することができる。 下記の例により、本発明を例示する。これらの例は本発明を限定しない。 例 例1は、PDGFレセプターのアルファおよびベータポリペプチドに対するモ ノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの製造を開示する。例2、3および 4は、抗PDGF−ベータレセプターのモノクローナル抗体の同定および特性決 定を開示する。例5は、抗PDGF−アルファレセプターのモノクローナル抗体 の同定および特性決定を開示する。例6は、ある種の代表的なモノクローナル抗 体の結合特異性の決定を開示する。例7は、抗PDGFレセプターモノクローナ ル抗体を使用する、ヒト皮膚繊維芽細胞に対するPDGF有糸分裂誘発活性を証 明する。例8は、抗PDGFレセプターモノクローナル抗体を使用する、ヒヒ平 滑筋細胞に対するPDGF有糸分裂誘発活性を証明する。例9および10は、ヒ ヒ血清の有糸分裂誘発活性を抑制するための抗PDGFレセプターモノクローナ ル抗体の使用を開示する。例11は、抗PDGFレセプターモノクローナル抗体 によるヒヒ大動脈平滑筋細胞の移動の抑制を証明する。例12は、リガンドがレ セプターに結合した後、8時間までにPDGF活性抑制する抗PDGFレセプタ ーモノクローナル抗体(MAbs)の能力を証明する。例13は、抗PDGFレセ プターモノクローナル抗体によるヒト骨肉腫細胞からのレセプター結合PDGF の変位を開示する。例14は、単独でまたはヘパリンと協調的に 投与された抗PDGFレセプターモノクローナル抗体を使用する、血管平滑筋細 胞に対するPDGFおよびヒヒ血清の有糸分裂誘発活性の抑制を証明する。例1 5は、ヒヒ血管平滑筋細胞に対する血清の有糸分裂誘発活性を抑制するための、 単独でまたは抗PDGFレセプターモノクローナル抗体とともに協調的に投与さ れた、ヘパリンの使用を開示する。例16は、ヘパリン協調的に投与された抗P DGFレセプターモノクローナル抗体を使用する、ヒヒ平滑筋細胞に対する血清 の有糸分裂誘発活性の抑制を証明する他の研究を開示する。例17および18は 、ヘパリンとともに協調的に投与された親ネズミおよびマウス/ヒトキメラ抗P DGF−アルファおよびベータレセプター抗体の抗有糸分裂誘発活性を比較する 研究を開示する。例19は、協調的に投与されたヘパリンおよび抗PDGFレセ プター抗体の血清の有糸分裂誘発活性に対する抑制活性をさらに記載する。例2 0は、ヘパリンとともに協調的に投与された抗PDGFレセプターモノクローナ ル抗体による、ヒヒ大動脈外植片からの平滑筋細胞の外への移動の抑制を証明す る。例21〜23は、PDGFとヘパリンとの間、および抗PDGFレセプター 抗体とヘパリンとの間の潜在的結合または活性相互作用を決定するための、PD GFおよび抗PDGFレセプター抗体の、組合わせにおける、ヘパリンの存在お よび不存在下の、結合の研究を開示する。例24は、ヒヒの中への抗体の連続的 注入後における抗PDGFレセプター抗体の循環レベルを監視し、そして抗PD GFレセプター抗体に対して発生したヒヒ抗体を測定する研究を記載する。例2 5は、霊長類のモデルにおけるキメラ抗PDGFレセプター抗体のin viv o半減期を決定する研究を開示する。例26は、抗過形成剤を試験する順次の動 脈損傷のモデルおよび血管損傷後の治療を記載する。例27は、急性血管損傷後 の霊長類における内膜過形成を抑制する ときの抗PDGFレセプター抗体の役割を特性決定するとき有用な、ヒヒのモデ ルを記載する。 組換えPDGF AAおよびBBは、米国特許第4,889,919号、米国 特許第4,845,075号および米国特許第5,037,743号明細書(こ れらは引用することによって本明細書の一部とされる)に本質的に開示されてい るように、酵母中で産生され、そして濃縮された細胞培養培地から、カチオン交 換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、ゲル濾過および(NH4)2 SO4分画の組合わせにより精製された。PDGF ABは、ハート他(Har t et al.「Biochemistry」29:166−172、199 1)(これは引用することによって本明細書の一部とされる)により開示されて いるように、古くなったヒト血小板から調製した。PDGF−AA、ABおよび BBを以前に記載されたようにヨドビーズ〔Iodobeads(商標)、Pi erce Chemical Co.、イリノイ州ロックフォード〕を使用して125 Iで標識化した(Hart et al.、前掲)。BBtyrと命名され たB鎖の突然変異の形態(これは成熟コーディング配列の位置23にフェニルア ラニンの代わりにチロシン残基を有する)をPDGF−BBのヨウ素化のために 使用した。ウサギ抗マウスIgGおよびMAb163.31を同様にヨドビーズ 〔Iodobeads(商標)〕を使用して放射線標識化した。 PDGF−アルファレセプターまたはPDGF−ベータレセプターの細胞外ド メインに接合したヒトIgG重鎖および軽鎖を含んでなる融合タンパク質を、米 国特許第5,155,027号、米国特許出願第07/634,510号および 欧州特許(EP)第325,224号明細書(これらは引用することによって本 明細書の一部とされる)に本質的に開示されているように調製した。1つの場合 において、マウス骨髄腫細胞を重鎖および軽鎖/PDGFレセプターの細胞外ド メインの融合タンパク質の双方についてcDNAでトランスフェクションした。 これらの細胞は、それらの培地の中に、2つの軽鎖および2つの重鎖の融合タン パク質から構成された分子を分泌する。この化合物をテトラマ−IgG/PDG Frと表示する。他の場合において、軽鎖/PDGFレセプターの細胞外ドメイ ンの融合タンパク質のためのcDNAを細胞単独の中にトランスフェクションし た。これらの細胞は、モノマーの軽鎖融合タンパク質を分泌し、この融合タンパ ク質をモノマーIgG/PDGFrと表示する。アルファーおよびベータ−レセ プターの融合タンパク質を、それぞれ、IgG/PDGFr−アルファ(テトラ マー)およびIgG/PDGFr−ベータ(モノマーおよびテトラマー)と表示 した。融合タンパク質を、抗PDGFレセプターモノクローナル抗体を使用する イムノアフィニティー精製により精製するか、またはプロテインA−セファロー ズ〔Sepharose(商標)〕クロマトグラフィーにより精製した。例1 PDGFレセプターのモノクローナル抗体の製造 PDGF−アルファレセプター(PDGFr−アルファ)またはPDGF−ベ ータレセプター(PDGFr−ベータ)の細胞外ドメインに接合したIgG定常 部を含んでなる融合タンパク質を、米国特許第5,155,027号明細書(こ れは引用することによって本明細書の一部とされる)に本質的に開示されている ように製造した。アルファおよびベータレセプターの融合物を、それぞれ、Ig G/PDGFr−アルファおよびIgG/PDGFr−ベータと表示した。モノ マーIgG/PDGFr−ベータを、ヒトカッパ軽鎖定常部およびPDGF−ベ ータレセプターの細胞外ドメインの融合 物として発現させた。テトラマーIgG/PDGFr−ベータは、モノマー構築 物とヒトIgG重鎖の定常部+細胞外ドメインに融合したヒンジ配列の共発現に より製造した。アルファレセプターの融合物を同様な手段により製造した。 8週齢のBalb/Cマウスを精製されたモノマーまたはテトラマーのIgG /PDGFr−ベータまたは精製されたIgG/PDGFr−アルファで免疫化 した。完全フロインドアジュバントと混合したほぼ10μgの精製されたIgG /PDGFrを、マウスに腹腔内(ip)注射した。ほぼ2週の間隔において、 完全フロインドアジュバントと混合したIgG/PDGFr−ベータまたはIg G/PDGFr−アルファを、マウスにさらにip注射した。 ハイブリドーマを、免疫化されたマウスから、米国特許第5,094,941 号明細書(これは引用することによって本明細書の一部とされる)に本質的に開 示されているように製造した。簡単に述べると、脾細胞をマウスから分離し、洗 浄した。蒸留水で溶解することによって、汚染する赤血球を除去し、そして脾細 胞を洗浄した。残留する汚染する組織物質を遠心により除去した。 NS−1マウス骨髄腫細胞系(ATCC TIB 18)を融合のために使用 した。融合効能を最適化するために、細胞を融合効能についてアッセイし、高い 融合効能を有するクローンを選抜した。NS−1細胞をNS−1培地(表1)中 で37℃、7%CO2において増殖させた。 赤ん坊マウスから得られた胸腺細胞をフィーダー層として使用して、培地を細 胞融合のためにコンディショニングした。胸腺を3〜4週齢のBalb/Cマウ スから取り、そして胸腺細胞を米国特許第5,094,941号明細書に開示さ れているように分離した。 NS−1細胞を調製した免疫化マウス脾細胞に添加し、融合を米 国特許第5,094,941号明細書に本質的に開示されているように実施した 。細胞を1×HAT(表1)および2.5×106胸腺細胞/mlを含有するN S−1培地中で培養した。ハイブリドーマを第9日と第14日との間で特定の抗 体の産生について試験した。細胞融合物を番号で表示した(例えば、162、1 63)。 この緩衝液は1%または2%のウシ血清アルブミン(BSA、Sigma Ch emical Co.、ミゾリー州セントルイス、から入手可能である)を使用 して調製した。 5または10μg BSA(それぞれ、1%または2%のBSAについて) 例2 PDGFベータレセプターに対する抗体を産生するハイブリドーマの同定および 特性決定 細胞融合物162からのハイブリドーマを、PDGF−ベータレセプターに対 する抗体の産生について試験した。陽性のハイブリドーマの同定に使用したアッ セイは、酵素結合イムノ収着アッセイ(ELISA)、IgG/PDGFr−ベ ータへの125I−PDGF−BBの結合の抑制、およびヒト皮膚繊維芽細胞への1 25 I−PDGF−BBの結合の抑制を包含した。 ELISAアッセイは、モノマーIgG/PDGFr−ベータでコーティング された96ウェルのマイクロタイタープレート中で実施した。ウェルをコーティ ングするために、IgG/PDGFr−ベータIgG/PDGFr−ベータをE LISA A緩衝液(表1)中で200ng/mlに希釈し、100μlの溶液 を各ウェルに添加した。プレートを37℃において2時間インキュベートした。 インキュベーション後、プレートをELISA C緩衝液(表1)で洗浄した。 次いでプレートを150μl/ウェルのELISAB緩衝液(表1)と37℃に おいてインキュベートして、非特異的結合部位をブロックした。緩衝液を除去し 、ウェルをELISAC緩衝液で洗浄した。 被験ハイブリドーマの上清を2つのグループでプールし、100μlのプール した試料をマイクロタイターウェルの各々に添加した。プレートを37℃におい て1時間インキュベートした。プレートをELISA C緩衝液で洗浄し、次い で37℃においてビオチン接合ウサギ抗マウスIgG(Vector Labs 、カリフォルニア州バーリンガム)と1.5時間インキュベートした。ウェルを ELISA C緩衝液で洗浄し、次いで37℃において100μl/ウェルのス トレプアビジン−セイヨウワサビペルオキシダーゼ(Amersham Int ernational、英国アマーシャム)とに30分間インキュベートした。 ウェルをELISA C緩衝液で洗浄し、次いで反応緩衝液(表1)とインキュ ベートした。1N H2SO4の添加により反応を停止させ、490nmにおける 吸収をモニターするフィルターを使用してダイナテク(Dynatech)EL ISAプレートリーダー(Dynatech Laboratories、In c.)中でプレートを読んだ。0.2より大きいA490読みを有するウェルを陽 性として取った。陽性の候補を前述したようにELISAにより再アッセイして 、IgG/PDGFr−ベータに対する抗体を産生するハイブリドーマを含有す る個々の培養ウェルを決定した。 細胞融合物162からのハイブリドーマを、また、IgG/PDGFr−ベー タへの125I−PDGF−BBの結合の抑制についてスクリーニングした。ヤギ 抗ヒトIgG(Cappel Labs 、ペンシルベニア州マルバーン)をELISA A緩衝液で2μg/mlの最終 濃度に希釈した。次いでこの混合物を96ウェルのマイクロタイタープレートに 100μl/ウェルで、添加し、プレートを37℃において1.5時間インキュ ベートした。ウェルをELISA C緩衝液で洗浄し、次いで200μl/ウェ ルのELISA B緩衝液とインキュベートして非特異的結合部位をブロックし た。プレートをELISA C緩衝液で洗浄し、次いでテトラマーIgG/PD GFr−ベータと1.5時間インキュベートし、ELISA B緩衝液中で25 ng/mlの最終濃度に希釈した。ウェルをELISA C緩衝液で洗浄して、 未結合のIgG/PDGFr−ベータを除去した。 ハイブリドーマの上清を2つのグループでプールし、100μlのプールした 試料をマイクロタイターウェルの各々に添加した。ウェルを37℃において1時 間インキュベートした。次いで各ウェルに、50μlの125I−PDGF−BB (ほぼ50,000cpm/ウェル)を添加した。37℃において1時間インキ ュベートした後、ウェルを結合培地(表1)で3回洗浄した。100μlの0. 1Mクエン酸ナトリウム、pH2.5をウェルに室温において5分間添加し、溶 液を収獲し、12×75mmの管に移し、管をガンマカウンター中で計数して、125 I−PDGF−BBの結合レベルを測定した。IgG/PDGFr−ベータ に結合しそして125I−PDGF−BBの結合をブロックした抗体を、培地単独 に比較して、結合した125I−PDGF−BBのレベルの減少により、検出した 。 IgG/PDGFr−ベータを中和する抗体について陽性であることが決定さ れた培地のプールを、前述のものに類似するアッセイのフォーマットを使用して 再スクリーニングして、中和性抗体を産 生するハイブリドーマを含有する個々のウェルを同定した。 ELISAまたは125I−PDGF−BBの結合の抑制により陽性である培養 ウェルからの培地の試料を、引き続いてダウンレギュレーションアッセイのフォ ーマット(Hart et al.「J.Biol.Chem.」262:10 780−10785、1987)において、ヒト皮膚繊維芽細胞上のPDGF− ベータレセプターを認識する能力についてアッセイした。37℃におけるPDG F−ベータレセプターへのPDGF−BBの結合は、細胞表面からのレセプター のインターナリゼーションおよび引き続く細胞表面のレセプター数の減少、すな わち、ダウンレギュレーションと呼ぶ現象、に導く。繊維芽細胞を96ウェルの 培養皿の中に10,000細胞/ウェルにおいて入れ、使用する前に1〜2日間 培地中で維持した。1組のウェルに、PDGF−BBを細胞上の100ng/m lの最終濃度において添加した。細胞を37℃において1.5時間インキュベー トした。培地を細胞から除去し、細胞をリン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)で洗 浄した。次いでハイブリドーマ細胞からの被験培地を、PDGF−BB処理を受 けた細胞または未処理のままであった細胞の二重反復実験のウェルに添加した。 細胞を引き続いて4℃において2時間インキュベートし、次いでPBSで洗浄し た。100μl/ウェルの125I−ウサギ抗マウスIgG(100,000cp m/ウェル)をウェルに添加し、細胞を4℃においてさらに1.5時間インキュ ベートした。細胞をPBSで洗浄し、次いで室温において100μl/ウェルの 抽出緩衝液(表1)と5分間インキュベートした。抽出液を収獲し、12×75 mmの管に移し、ガンマカウンターで計数して、125I−ウサギ抗マウスIgG の結合レベルを測定した。ハイブリドーマ培養上清中に細胞表面のPDGF−ベ ータレセプターを認識できる抗体が存在する場合、レ セプターをダウンレギュレートするPDGF−BBで処理された細胞に結合する125 I−ウサギ抗マウスIgGのレベルの減少が存在するであろう。 いくつかのハイブリドーマは、PDGF−ベータレセプターに対して抗体を作 るとして、融合物162から同定された。同定されたハイブリドーマを限界希釈 法により2回クローニングして、モノクローナル抗体を作る個々のクローンを得 た。クローンを前述のアッセイにより抗体の産生についてスクリーニングした。 1つのハイブリドーマ(162.62と命名する)を、それ以上の特性決定のた めに選択した。例3 抗PDGF−ベータレセプター抗体を産生するハイブリドーマの同定および特性 決定 細胞融合物163からのハイブリドーマを、組み合わせELISA/PDGF 結合競合アッセイにより、PDGF−ベータレセプターに対する抗体の産生につ いて試験した。これらのアッセイは96ウェルのマイクロタイタープレート中で 実施した。プレートを最初にELISA A緩衝液中の2μg/mlのヤギ抗ヒ トIgGで37℃において2時間コーティングした。プレートをELISA C 緩衝液で洗浄し、次いで37℃においてELISA B緩衝液と1.5時間イン キュベートして非特異的結合部位をブロックした。プレートをELISA C緩 衝液で洗浄し、次いで直ちに使用するか、または使用するまで4℃において1〜 4日間放置した。アッセイの時において、プレートを1回ELISA C緩衝液 で洗浄し、次いで37℃において結合培地中で25ng/mlに希釈したテトラ マーIgG/PDGFr−ベータと1.5時間インキュベートした。次いでプレ ートをELISA C緩衝液で洗浄して、未結合のI gG/PDGFr−ベータを除去した。 ハイブリドーマの上清を2つのウェルのグループでプールし、100μlのプ ールした試料をマイクロタイターウェルの各々に添加した。プレートを37℃に おいて1時間インキュベートし、次いで結合培地を洗浄した。結合培地で1:1 000に希釈したセイヨウワサビペルオキシダーゼ接合ヤギ抗マウスIgG(T ago、カリフォルニア州バーリンゲイム)をウェルに添加した。ウェルを37 ℃において1時間インキュベートし、次いで結合培地で洗浄して、未結合のHR P接合ヤギ抗マウスIgGを除去した。次いでほぼ26,000cpm/ウェル の125I−PDGF−BBをウェルに37℃においてさらに1時間添加した。ウ ェルを結合培地で洗浄し、次いでELISAの展開のために反応緩衝液とインキ ュベートした。100μl/ウェルのIN H2SO4の添加により反応を停止さ せ、490nmにおける吸収をモニターするフィルターを使用してダイナテクE LISAプレートリーダー中でプレートを読んだ。 次いでウェルの内容物を12×75mmの試験管に移し、試料をガンマカウン ター中で計数して125I−PDGF−BBの結合レベルを測定した。 前述のアッセイは、ELISAにより、ならびにテトラマーIgG/PDGF r−ベータへの125I−PDGF−BBの結合をブロックする能力により、テト ラマーIgG/PDGFr−ベータに対する抗体を産生するハイブリドーマの培 養物を同定した。引き続いて、前述と同一のプロトコールを使用して、陽性であ るプールした試料を再アッセイして、IgG/PDGFr−ベータに対する抗体 を産生するハイブリドーマ細胞を含有する個々の培養ウェルを決定した。 IgG/PDGFr−ベータへの結合について陽性であることが 見出された個々のウェルを、引き続いて、ヒト皮膚繊維芽細胞への125I−PD GF−BBの結合を抑制する能力についてアッセイした。ヒト皮膚繊維芽細胞を 24ウェルの培養したの中にほぼ20,000細胞/ウェルにおいてプレートし た。培地を細胞から除去し、0.5ml/ウェルのハイブリドーマ被験培地を二 重反復実験ウェルに添加した。陰性の対照として、NS−1培地単独を1組のウ ェルに添加した。 第2組のウェルに、NS−1培地中の20ng/mlの最終濃度においてPD GF−BBを添加して、125I−PDGF−BBの非特異的結合を決定した。細 胞を4℃において1時間インキュベートし、次いで100μl/ウェル(ほぼ2 6,000cpm)の125I−PDGF−BBを各ウェルに添加した。細胞を4 ℃においてさらに1時間インキュベートし、PBSで洗浄し、次いで抽出緩衝液 とインキュベートした。抽出液を12×75mmの管に収獲し、ガンマカウンタ ー中で計数した。NS−1培地試料に比較して125I−PDGF−BBの結合を 減少させた被験試料は、ヒト皮膚繊維芽細胞上の単層上の天然PDGF−ベータ レセプターへのPDGF−BBの結合を抑制する能力について陽性であるとアッ セイされた。 いくつかのハイブリドーマは、PDGF−ベータレセプターに対して抗体を作 るとして、融合物163から同定された。同定されたハイブリドーマを限界希釈 法により2回クローニングして、モノクローナル抗体を作る個々のクローンを得 た。クローンを前述のアッセイにより抗体の産生についてスクリーニングした。 1つのハイブリドーマ(163.31と命名する)を、それ以上の特性決定のた めに選択した。例4 抗PDGF−ベータレセプターのモノクローナル抗体162.62 および163.31の特性決定 モノクローナル抗体(MAb)162.62および163.31(それぞれ、 ハイブリドーマのクローン162.62および163.31から産生された)を 、テトラマーIgG/PDGFr−ベータまたはヒト皮膚繊維芽細胞上のPDG F−ベータレセプターに対する125I−PDGF−BBの結合をブロックする能 力について比較した。IgG/PDGFr−ベータへの125I−PDGF−BB の結合の抑制は、融合物163の初期のスクリーニングについて本質的に前述し たように試験した。コンディショニングされた培地を添加する代わりに、NS− 1培地中で希釈した既知量の抗体を、125I−PDGF−BBを同時に、IgG /PDGFr−ベータでコーティングされたウェルに添加した。NS−1培地単 独を陰性の対照として使用した。NS−1培地への500ng/mlのPDGF −BBの添加を使用して、125I−PDGF−BBによる非特異的結合のレベル を測定した。ウェルを4℃において2.5時間インキュベートし、次いでPBS で洗浄した。100μlの0.1Mのクエン酸塩pH2.5を各ウェルに添加し て結合した125I−PDGF−BBを除去し、試料を12×75mmの管に移し 、次いで管をガンマカウンター中で計数した。 ヒト皮膚繊維芽細胞への結合をアッセイするために、繊維芽細胞をほぼ20, 000細胞/ウェルにおいて24ウェルの培養皿中にプレートした。細胞をプレ ート後2〜7日にアッセイのために使用した。抗体を結合培地中で表2に示す濃 度に希釈し、次いで125I−PDGF−BBと混合し、0.5mlのアリコート を繊維芽細胞の二重反復実験ウェルに添加した。結合培地単独を陰性の対照とし て使用し、500ng/mlのPDGF−BBの添加を使用して、125I−PD GF−BBについて非特異的結合を決定した。細胞を 4℃において2.5時間インキュベートし、次いで結合培地で洗浄して未結合の リガンドを除去した。次いで細胞を抽出緩衝液とインキュベートし、抽出液を収 獲し、ガンマカウンター中で計数した。 結合の研究の結果を表2に示す。データは125I−PDGF−BBについて結 合した比cpmとして表されている。500mg/mlの非標識化PDGF−B Bの添加により決定された非特異的結合は、IgG/PDGFr−ベータのウェ ルについて260cpm、ヒト皮膚繊維芽細胞について105cpmであり、そ して提示されたデータから減じられている。CB%=対照の結合%。 これらの結果は、モノクローナル抗体162.62および163.31の双方 がIgG/PDGFr−ベータへのPDGF−BBの 結合の有効なインヒビターであることを証明する。対照的に、モノクローナル抗 体162.62は、ヒト皮膚繊維芽細胞へのPDGF−BBの結合について、モ ノクローナル抗体163.31よりもいっそう有効なインヒビターである。 モノクローナル抗体162.62を、また、ヒト皮膚繊維芽細胞の単層上のレ セプターに結合した125I−PDGFを変位する能力について分析した。125I− PDGF−BBを、まず、24ウェルの培養皿中でヒト皮膚繊維芽細胞の単層と インキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、次いで4℃においてモノクローナ ル抗体162.62、5μg/ml、または結合培地単独と1時間インキュベー トした。細胞を洗浄し、抽出緩衝液とインキュベートし、抽出液をガンマカウン ター中で計数して125I−PDGF−BBの結合レベルを測定した。非特異的結 合を決定するために、最初のインキュベーション工程の間に、500ng/ml の非標識化PDGF−BBを添加した。表3に提示する結果がを示すように、モ ノクローナル抗体162.62の添加は前もって結合した125I−PDGF−B Bの47%の変位に導いた。したがって、モノクローナル抗体162.62はヒ ト皮膚繊維芽細胞の表面からレセプター結合PDGF−BBを変位させることが できる。 IgG/PDGFr−ベータでコーティングしたウェルおよびサブクラス特異 的二次抗体を使用するELISAにより、モノクローナル抗体162.62およ び163.31のサブクラスを決定した。モノクローナル抗体162.62はI gG2bイソ型であることが見出されたが、モノクローナル抗体163.31は IgG1イソ型であることが見出された。例5 抗PDGF−アルファレセプター抗体を産生するハイブリドーマの同定および特 性決定 細胞融合物169からのハイブリドーマを、組み合わせELISA/PDGF 結合競合アッセイにより、PDGF−アルファレセプターに対する抗体の産生に ついて試験した。これらのアッセイは96ウェルのマイクロタイタープレート中 で実施した。プレートを最初にELISA A緩衝液中の2μg/mlのヤギ抗 ヒトIgGで4℃において一夜コーティングした。プレートをELISA C緩 衝液で洗浄し、次いで37℃においてELISA B緩衝液とインキュベートし て非特異的結合部位をブロックした。プレートをELISA C緩衝液で洗浄し 、次いで4℃において結合培地中で25ng/mlに希釈したテトラマーIgG /PDGFr−アルファと一夜インキュベートした。次いでプレートをELIS A C緩衝液で洗浄して、未結合のIgG/PDGFrを除去した。 ハイブリドーマの上清を2つのグループでプールし、75μlのプールした試 料をマイクロタイターウェルの各々に添加した。プレートを37℃において1時 間インキュベートし、次いでELISA C緩衝液で洗浄した。結合培地で1: 1000に希釈したセイヨウワサビペルオキシダーゼ接合ヤギ抗マウスIgG( Tago)をウェルに添加した。ウェルを37℃において1時間インキュベート し、次いでELISA C緩衝液で洗浄して、未結合の抗体除去した。次いでほ ぼ25,000cpm/ウェルの125I−PDGF−AAをウェルに37℃にお いてさらに1時間添加した。ウェルを結合培地で洗浄し、次いでELISAの展 開のために反応緩衝液とインキュベートした。100μl/ウェルの1N H2 SO4の添加により反応を停止させ、490nmにおける吸収をモニターするフ ィルターを使用してダイナテクELISAプレートリーダー中でプレートを読ん だ。 次いでウェルの内容物を12×75mmの試験管に移し、試料をガンマカウン ター中で計数して125I−PDGF−AAの結合レベルを測定した。 前述のアッセイはELISAによりIgG/PDGFr−アルファに対する抗 体を産生するハイブリドーマの培養物を同定し、そしてテトラマーIgG/PD GFr−アルファへの125I−PDGF−AAの結合をブロックできる抗体につ いて監視した。初期のアッセイにおいて陽性であったプールした試料を、前述の プロトコールと同一のプロトコールを使用して再アッセイして、IgG/PDG Fr−アルファの抗体を産生するハイブリドーマ細胞を含有する個々の培養ウェ ルを決定した。いくつかのウェルをIgG/PDGFr−アルファに対する抗体 の存在について同定した。これらのうちで、2つ、すなわち、169.14およ び169.31をそれ以上の分析のために選択した。これらのウェルからのハイ ブリドーマを限界希釈法により2回クローニングして、PDGF−アルファレセ プターに対するモノクローナル抗体を産生する単一のクローンを得た。本質的に 前述したような組み合わせELISA/125I−PDGF−AA結合競合アッセ イを使用して、クローンをスクリーニングした。 モノクローナル抗体169.14および169.31が哺乳動物細胞の単層上 の天然PDGF−アルファレセプターを認識することを証明するために、2つの 抗体をアルファT−7細胞への125I−PDGF−AAの結合をブロックする能 力について分析した。これらの細胞はイヌ腎上皮細胞であり、PDGF−アルフ ァレセプターを自然に発現しないが、全長のPDGF−アルファレセプターをコ ードするcDNAでトランスフェクションされている(米国特許第5,371, 505o号、米国特許第5,371,205号;PCT公開WO第90/144 25号)。これらの細胞はほぼ100,000/細胞の組換えレセプターを発現 する。アルカリ性ホスファターゼを96ウェルのプレート中でほぼ95%のコン フルエンシーに培養した。培地を除去し、モノクローナル抗体169.14およ び169.31の希釈物を細胞に添加した。対照はNS−1培地であり、NS− 1は125I−PDGF−AAについて非特異的結合成分を決定するために500 ng/mlのPDGF−BBを含有した。各ウェルに、100μlの被験試料+ 10μlの125I−PDGF−AA(ほぼ22,000cpm/ウェル)を添加 した。細胞を試料と4℃において2時間インキュベートし、PBSで洗浄し、次 いで100μl/ウェルの抽出緩衝液で抽出した。抽出液を収獲し、ガンマカウ ンター中で計数した。結果を表4に示す。これらの結果は、これらの2つのモノ クローナル抗体がIgG/PDGFr−アルファに加えて哺乳動物細胞中の膜結 合PDGF−アルファレセプターを認識することを証明する。 IgG/PDGFr−アルファでコーティングしたウェルおよびサブクラス特 異的二次抗体を使用するELISAにより、モノクローナル抗体169.14お よび169.31のサブクラスを決定した。モノクローナル抗体169.14お よび169.31の双方は、IgG2aイソ型について陽性であるとアッセイさ れた。例6 抗PDGFレセプターのモノクローナル抗体の結合特異性 PDGFレセプターのサブユニットの結合特異性を証明するために、モノクロ ーナル抗体162.62、163.31、169.1 4および169.31をクローン8細胞およびアルファ1〜10細胞への結合に ついて分析した。クローン8細胞は、全長のヒトPDGF−ベータレセプターを コードする遺伝子でトランスフェクションされたびBHK570(ATCC C RL 10314)細胞である(Gronwald et al.「Proc. Natl.Acad.Sci.USA」85:3435−3439、1988) 。これらの細胞は、ほぼ500,000/細胞のヒトPDGF−ベータレセプタ ーを発現する。アルファ1〜10細胞は、全長のヒトPDGF−アルファレセプ ターをコードするcDNAでトランスフェクションされたびBHK570細胞で ある(米国特許第5,371,205号;PCT公開WO第90/14425号 )。これらの細胞は、ほぼ1,000,000/細胞のヒトPDGF−アルファ レセプターを発現する。PDGF−アルファまたはベータレセプターについての 結合特異性を証明するために、これらの2つの細胞系を使用して、抗PDGFレ セプターのモノクローナル抗体を使用する細胞表面の結合の研究を実施した。 クローン8細胞およびアルファ1〜10細胞の双方を24ウェルの培養皿中で コンフルエンシーに培養した。PDGF−BB(200ng/ml)を細胞の一 方の半分に添加してPDGFレセプターのダウンレギュレーションを刺激し、ベ ヒクル対照(10mm酢酸、0.25%ウサギ血清アルブミン)を他方の半分に 添加した。細胞を37℃において1〜2時間インキュベートし、次いで4℃に冷 却したPBSで洗浄した。精製されたモノクローナル抗体162.62、163 .31、169.14および169.31を結合培地中で5μg/mlに希釈し 、PDGF−BBで処理された細胞および未処理の対照細胞の三重反復実験ウェ ルに添加した。細胞を氷上でほぼ2時間インキュベートし、冷却したPBSで洗 浄して未結合 の抗体を除去した。次いで被験ウェルを氷上で125I標識化ウサギ抗マウスIg Gと30分間インキュベートし、結合培地中でほぼ400,000cpm/ウェ ルに希釈した。ウェルをPBSで洗浄し、次いで抽出緩衝液とインキュベートし た。抽出液を収獲し、ガンマカウンター中で計数した。第1図に示す結果が明ら かに示したように、未処理の対照と比較したとき、PDGF−BB処理されたク ローン8細胞への結合の有意な減少により証明されるように、モノクローナル抗 体162.62および163.31のみがPDGF−ベータレセプターに特異的 に結合した。モノクローナル抗体169.14による結合の高いレベルは、この 抗体による非特異的結合の増大したレベルのためであった。なぜなら、PDGF −BB処理された細胞への125I−ウサギ抗マウスIgGの結合の有意な減少は 存在しなかったからである。対照的に、アルファ1〜10細胞への特異的結合に より証明されるように、モノクローナル抗体169.14および169.31の みがPDGF−アルファレセプターへの結合を示した(第2図)。細胞表面のP DGFレセプターに結合する抗体の能力のために、これらの結果はこれらの抗体 がPDGFレセプター上の細胞外エピトープを認識することを確証する。例7 ヒト皮膚繊維芽細胞上のPDGF有糸分裂誘発活性の中和 ヒト皮膚繊維芽細胞を24ウェルの培養皿中でほぼ20,000細胞/ウェル においてプレートし、2%ウシ胎児血清を含有するDMEM(GIBCO BR L)中で休止状態まで増殖させた。細胞をPDGF−AA、ABまたはBBで刺 激した。標準曲線を細胞上の5、1.25、0.31および0ng/mlの最終 濃度の濃度を使用して展開した。貯蔵PDGF希釈物を10mMの0.25%ウ サギ血清アルブミンを含有する酢酸を使用して調製し、50μlの 貯蔵試料またはベヒクル単独を培養ウェルに所望の最終濃度に添加した。3つの PDGFリガンドの各々の有糸分裂誘発活性を中和するモノクローナル抗体16 2.62および169.14の能力を分析するために、5ng/mlのPDGF をウェルに20μg/ml(細胞上の最終濃度)のモノクローナル抗体162. 62および169.14単独、または20μg/mlの2つの抗体のプールと一 緒に添加した。 細胞を被験試料と37℃においてほぼ20時間インキュベートした。培地を吸 引し、次いで1mlの5%ウシ胎児血清を含有するDMEMと置換し、1μCi /mlの[3H]チミジンを補充した。細胞を37℃において4時間インキュベ ートし、PBSで洗浄し、次いでトリプシンで収獲し、ワラック(Wallac )(Turku、フィンランド国)ベータプレート〔Betaplate(商標 )〕液体シンチレーションカウンターにより[3H]チミジンの取込みについて 計数した。 第3A図に表す結果が明らかに示すように、PDGF−AAの有糸分裂誘発活 性がモノクローナル抗体169.14ならびに抗体プールにより抑制されたが、 モノクローナル抗体162.62により抑制されなかった。PDGF−ABの有 糸分裂誘発活性はモノクローナル抗体162.62によりほぼ80%、そしてモ ノクローナル抗体169.14または抗体プールにより92%より多く抑制され た(第3B図)。対照的に、PDGF−BBの活性はモノクローナル抗体169 .14により最小にのみ抑制されたが、モノクローナル抗体162.62により ほぼ80%、そして抗体プールにより92%より多く抑制された(第3C図)。 これらの結果は、PDGFリガンドの結合のモデルと一致し、このモデルはP DGF−AAがPDGF−アルファ/アルファレセプ ター二量体に結合し、PDGF−ABがPDGF−アルファ/アルファおよび− アルファ/ベータレセプター二量体に結合し、そしてPDGF−BBがすべての 3つのPDGFレセプター二量体;−アルファ/アルファ、−アルファ/ベータ および−ベータ/ベータに結合することを記載している(Hart et al .「J.Invest.Derm.」94:535−575、1990において 概観されている)。したがって、モノクローナル抗体169.14がPDGFに 結合し、そしてアルファレセプターへのPDGFの結合を抑制する場合、アルフ ァレセプターの結合はこれらのリガンドの双方に要求されるので、PDGF−A AおよびABの有糸分裂誘発活性のほぼ100%を抑制することが期待されるで あろう。このモデルは前述の結果と一致する。次いで、モノクローナル抗体16 2.62によるPDGF−ベータレセプターへの結合およびPDGF−ベータレ セプターの抑制は、PDGF−AAおよびABの有糸分裂誘発活性の量をPDG F−AAと一致するレベルに制限することが期待されるであろう。なぜなら、A BおよびBBはアルファ/アルファ二量体のみに結合できるからである。再び、 これは前述の研究の発見と一致する。 要約すると、抗PDGFレセプターのモノクローナル抗体162.62および 169.14は、3つのPDGFリガンドによるPDGFレセプターの結合に関 する現在の仮説と一致する方法において、PDGFの3つの形態の有糸分裂誘発 活性を抑制することができる。さらに、2つの抗体を組み合わせて使用すると、 ヒト皮膚繊維芽細胞上のPDGFの有糸分裂誘発活性の本質的に100%を抑制 することができる。例8 ヒヒ平滑筋細胞に対するPDGFの有糸分裂誘発活性の抑制 抗PDGFレセプターのモノクローナル抗体を、ヒヒ平滑筋細胞上のPDGF の有糸分裂誘発活性を抑制する能力について分析した。ヒヒ血管平滑筋細胞(B VSMCs)について実行したすべての有糸分裂誘発アッセイは、培養において 継代3〜7の間の細胞の一次培養物について実施した。初期の培養物は大動脈組 織の外植体の成長(outgrowth)から確立された。10%ウシ胎児血清 を補充したDMEM中のヒヒ平滑筋細胞を、ほぼ30,000細胞/ウェルにお いて、24ウェルの培養皿の中にプレートした。使用前2日において、培地を除 去し、1mlのミト培地(表1)を各ウェルに添加して細胞を休止状態になるよ うにした。実験の時において、細胞をPDGF−AA、ABまたはBBで刺激し た。第4図〜第6図に示す最終濃度を使用して、3つのリガンドの各々について 標準曲線を展開した。10mMの0.25%アルブミンを含有する酢酸中で希釈 することによって、20×貯蔵液をPDGF濃度の各々について調製し、50μ lのPDGFまたは希釈ベヒクルのみを培養ウェルに添加した。 有糸分裂誘発アッセイのために、10、2および1.25ng/mlの最終P DGF濃度を、それぞれ、PDGF−AA、ABおよびBBについて使用した。 モノクローナル抗体163.31および169.31を、PDGFを含有するウ ェルに25μg/mlの最終濃度で添加した。2つの抗体のプールについて、細 胞上の抗体の最終濃度は合計で25μg/mlであるか、またはモノクローナル 抗体の各々について12.5μg/mlであった。細胞を37℃において20〜 24時間の間インキュベートした。PDGF−AAおよびABの研究のために、 50μlの40μCi/mlの[3H]チミジン溶液を各ウェルに添加した。P DGF−BBの研究のために、培地を吸引し、次いで0.5mlの5%ウシ胎児 血清を含有し 、2μCi/mlの[3H]チミジンを補充したDMEMで置換した。 細胞を37℃において2〜4時間の間インキュベートし、PBSで洗浄し、次 いでトリプシンで収獲し、ベータプレート〔Betaplate(商標)〕液体 シンチレーションカウンター(Wallac)により[3H]チミジンの取込み について計数した。第4図に示すように、PDGF−AAの有糸分裂誘発活性は モノクローナル抗体169.31ならびに抗体プールにより100%抑制された が、モノクローナル抗体163.31により抑制されなかった。PDGF−AB の有糸分裂誘発活性は、双方のモノクローナル抗体により個々に、ならびに抗体 プールにより完全に抑制された(第5図)。興味あることには、モノクローナル 抗体の存在下の[3H]チミジンの取込みのレベルはベヒクル対照のみを添加し て得られたレベルより低いことが認められる。これは同様にPDGF−AAプレ ート上でモノクローナル抗体169.31を使用して見られた(第4図)。PD GF−BBで刺激された細胞について、モノクローナル抗体169.31および モノクローナル抗体163.31は個々に50%より低い抑制を与えたが、2つ の抗体のプールはPDGFの有糸分裂誘発活性のほぼ75%を抑制することがで きた(第6図)。 ヒヒ平滑筋細胞上のPDGFの有糸分裂誘発活性を中和するこれらの抗体の抑 制効力をさらに証明するために、2つの抗PDGF−アルファレセプターのモノ クローナル抗体169.14および169.31を、PDGF−AAの有糸分裂 誘発活性を抑制する能力について分析した。ヒヒ血管平滑筋細胞(BVSMCs )を本質的に前述したようにプレートし、そして処理した。1組のウェルに、増 加する濃度のPDGF−AAを添加して、PDGF−AAの有糸分 裂誘発活性の標準曲線を発生させた(第7A図)。PDGF−AAの試料は10 ng/mlから0.31ng/mlまでの範囲であった。第2組のウェルに、P DGF−AAの標準的希釈物を10ng/mlの最終濃度に添加した。次いで、 減少する濃度のモノクローナル抗体169.14および169.31をウェルに 添加して、[3H]チミジンの取込みの程度の減少により測定されるように、モ ノクローナル抗体の各々についての抑制効力を監視した(第7B図)。これらの 発見は、8ng/mlの抗体においてさえ、PDGF−AAの10ng/ml溶 液の90%より大きい抑制が存在したことを証明する。例9 ヒヒ平滑筋細胞に対するヒヒ血清の有糸分裂誘発活性の抑制 抗PDGFレセプターのモノクローナル抗体を、ヒヒ平滑筋細胞へのヒヒ血清 の有糸分裂誘発活性を抑制能力について分析した。10%ウシ胎児血清を補充し たDMEM中のヒヒ血管平滑筋細胞を、ほぼ30,000細胞/ウェルにおいて 、24ウェルの培養皿の中にプレートした。使用前3日において、培地を除去し 、1mlのミト培地(表1)を各ウェルに添加して細胞を休止状態になるように した。実験の時において、細胞を変化する量のヒヒ血清で刺激した。 標準曲線を血清試料について発生させた。20×貯蔵液を血清濃度の各々につ いて調製し、50μlの血清または希釈ベヒクル、PBS、を培養ウェルに添加 して、2.5%から0.15%までの範囲の細胞上の最終血清濃度を得た。モノ クローナル抗体169.31および163.31を、ヒヒ血清の有糸分裂誘発活 性を抑制する能力について分析した。抗体の抑制の研究のために、2.5%の最 終最終濃度を使用した。モノクローナル抗体169.31および1 63.31を、血清を含有するウェルに25μg/mlの最終濃度において添加 した。2つの抗体のプールについて、細胞上の抗体の最終濃度は合計で25μg /mlであるか、またはモノクローナル抗体の各々について12.5μg/ml であった。細胞を37℃において血清試料とほぼ20時間インキュベートした。 その時、培地を吸引し、次いで0.5mlの5%ウシ胎児血清を含有し、2μC i/mlの[3H]チミジンを補充したDMEMで置換した。細胞を37℃にお いてほぼ3時間インキュベートし、PBSで洗浄し、次いでトリプシンで収獲し 、ベータプレート〔Betaplate(商標)〕液体シンチレーションカウン ター(Wallac)により[3H]チミジンの取込みについて計数した。第8図 に表す結果が証明するように、ヒヒ血清の有糸分裂誘発活性はモノクローナル抗 体169.31により最小に抑制されたが、モノクローナル抗体163.31に より50%より大きく抑制された。2つの抗体のプールは血清の有糸分裂誘発活 性の75%より大を抑制した。 これらの結果が証明するように、ヒヒ平滑筋細胞に対してヒヒ血清中の有糸分 裂誘発活性の大部分は、抗PDGFレセプターのモノクローナル抗体の使用によ り抑制することができる。本発明により研究は、ヒヒ血小板中のPDGFの優勢 を占める形態がPDGF−BBであることを示した。ヒヒ平滑筋細胞上のPDG F−ベータレセプターの百分率は高いために、抗PDGF−ベータレセプターの モノクローナル抗体はヒヒ血清に対して最大の抑制活性を有することは確実であ る。例10 ヒヒ平滑筋細胞に対する循環するモノクローナル抗体169.31の効果 ヒヒに25mgのボーラス静脈内(i.v.)注射の投与後、モ ノクローナル抗体169.31の循環レベルを監視するために、研究を実施した 。抗体を注射した後、種々の間隔において血清を獲得し、循環する抗体のレベル を測定した。ELISA緩衝液A中のヒツジ抗マウスIgGを、96ウェルのマ イクロタイター皿に2μg/mlの濃度において添加した。プレートを4℃にお いて一夜インキュベートし、ELISA C緩衝液で洗浄し、次いでELISA B緩衝液とインキュベートして、非特異的結合部位をブロックした。プレート をELISA C緩衝液で洗浄し、次いで100μl/ウェルの被験試料とイン キュベートした。モノクローナル抗体169.31を含有するヒヒの血漿または 血清をELISA B緩衝液で1:1000に希釈し、被験ウェルに添加した。 対照ヒヒ血漿または血清の中にスパイクされた精製されたモノクローナル抗体1 69.31から成る標準を、被験血漿/血清の試料と同様に、1:1000にに 希釈し、次いで被験ウェルに添加した。標準は被験ウェルにおいて100ng/ ml〜1.56ng/mlの最終濃度の範囲であった。血漿/血清の試料をウェ ル中で37℃において1〜2時間インキュベートし、ウェルをELISA C緩 衝液で洗浄し、次いでセイヨウワサビペルオキシダーゼと接合したヤギ抗マウス IgGを添加した。ウェルを37℃において1時間インキュベートし、ELIS A C緩衝液で洗浄し、反応緩衝液とインキュベートした。反応を1N H2S O4の添加により停止させ、プレートをELISAプレートリーダーにより49 0nmにおいて読んだ。モノクローナル抗体169.31の循環レベルについて のヒヒ血清試料をELISA分析すると、このネズミ抗体のin vivo半減 期はほぼ15時間であることが示された。 さらに、注射後1時間および18時間において得られた血清試料の相対有糸分 裂誘発効力を測定した。これらの時間において、ヒヒ における抗体の循環レベルは、それぞれ、46μg/mlおよび21μg/ml であると測定された。次いで、1時間および8時間の血清試料を対照血清試料と 相対有糸分裂誘発活性について比較した。上記において提示したヒヒ血清の研究 において本質的に記載したように培養したヒヒ血管平滑筋細胞に、血清試料の希 釈物を添加した。平滑筋細胞上の最終血清濃度は、1.25%から0.15%ま での範囲であった。本質的に前述したように、有糸分裂誘発活性を測定する手段 として、ヒヒ平滑筋細胞を[3H]チミジンの取込みのレベルについて監視した 。 第9図に表す結果が示すように、対照試料に比較して、1時間および18時間 の双方の血清試料について相対有糸分裂誘発効力が有意に減少し、18時間の試 料は対照試料と1時間の試料との間の中間の有糸分裂誘発活性を有した。18時 間の試料中に存在したモノクローナル抗体169.31による中和レベルは、こ の抗体をex vivoで添加してヒヒ血清を抑制するとき得られた中和レベル と一致した(第8図)。したがって、これらの結果が証明するように、ヒヒ血液 中で少なくとも18時間循環するモノクローナル抗体169.31は、ヒヒ平滑 筋細胞に対する血清の有糸分裂誘発活性を抑制するための、その生物学的活性の 本質的にすべてを保持する。例11 ヒヒ大動脈外植片からの細胞成長の抑制 抗PDGFレセプターの有糸分裂誘発活性を、ヒヒ大動脈組織の外植片からの 平滑筋細胞の外方移動速度を減少する能力について試験した。ヒヒの胸大動脈の 内側中膜を、10mMのHepesを含有するDMEM培地の中に切出した。大 動脈組織を1mmの正方形の切片に切り、外植片を組織培養フラスコ上に配置し た。10分間 インキュベートして外植片がフラスコの付着する時間与えた後、DMEM+6μ g/mlのインスリンおよび5μg/mlのトランスフェリンを外植片に添加し 、試料を37℃において5%CO2とともにインキュベートした。合計15の外 植片を各培養フラスコの中に配置した。外植片の確立後、種々の時間において、 外植片を高倍率の顕微鏡下に検査して、培養皿上への可視の細胞の成長(out growth)を有する外植片の数を計数した。外植片を少なくとも7日間追跡 した。実験#1において、インスリンおよびトランスフェリンを補充し、下記の 試料を含有するDMEM培地中で外植片を培養した:1)抗PDGF−アルファ レセプターのモノクローナル抗体(169.31)、50μg/ml;2)抗P DGF−ベータレセプターのモノクローナル抗体(163.31)、50μg/ ml;または3)DMEM培地単独(対照)。実験#2において、DMEM+イ ンスリンおよびトランスフェリン、および1)抗PDGF−アルファおよびベー タレセプターのモノクローナル抗体のプール(169.31および163.31 )、各々25μg/ml;または2)DMEM単独(対照)の中で外植片を培養 した。 結果を各試験条件(表5)について細胞の成長+/−SEMに対して陽性の外 植片の平均百分率として表した。これらの結果が証明するように、抗PDGFレ セプターのモノクローナル抗体は、個々にならびにプールで、4または7日にお いて測定したとき、ヒヒ大動脈外植片からの平滑筋細胞の成長レベルを減少させ ることができる。これらの発見から理解されるように、これらの抗体は固体の基 質を通る細胞の移動に要求されるプロセス、例えば、現存する血管組織を通して 内膜過形成部位に向かって細胞が移動するために要求されうるプロセス、を抑制 することができる。 例12 抗PDGFレセプターのモノクローナル抗体の遅延添加によるヒト皮膚繊維芽細 胞に対するPDGFの有糸分裂誘発活性の抑制 ヒト皮膚繊維芽細胞をほぼ20,000細胞/ウェルにおいて24ウェルの培 養皿中でプレートし、2%ウシ胎児血清を含有するDMEM中で休止まで増殖さ せた。細胞をPDGF−AA、ABまたはBBで刺激した。増加する濃度のPD GFリガンドの各々を細胞に添加して、3つのPDGFイソ型について有糸分裂 誘発効力の標準曲線を発生させた。標準について使用した最終PDGF濃度は、 5、2.5、1.25、0.62、0.31、0.15および0.0ng/ml であった。PDGFの50×貯蔵液を、0.25%ウサギ血清アルブミンを含有 する10mMの酢酸中で調製した。貯蔵液の各々の25μlを三重反復実験の被 験ウェルに添加した。モノ クローナル抗体162.62および169.14による抑制活性を検査するため に、繊維芽細胞を含有するウェルを5ng/mlの最終濃度のPDGFとインキ ュベートした。PDGF試料の添加後、種々の時間間隔(1、2、4、6および 8時間)において、モノクローナル抗体162.62および169.14のプー ルした試料を、各モノクローナル抗体について25μg/mlの最終濃度におい て、5ng/mlのPDGFで処理された細胞の三重反復実験ウェルに添加した 。PDGF試料の添加後9時間において、1%ウシ胎児血清を含有するDMEM 中の50μlの20μCi/mlの[3H]チミジンを各ウェルに添加した。試 料を37℃においてさらに13〜15時間インキュベートした。細胞をPBSで 洗浄し、次いでトリプシンで収獲し、ベータプレート〔Betaplate(商 標)〕液体シンチレーションカウンター(Wallac)により計数した。 表6に表される結果は、三重反復実験の測定について、取込まれた[3H]チ ミジンの平均cpm+/−標準偏差として与えられている。データは双方のPD GF標準曲線、および抗体添加の時間過程について与えられている。結果が証明 するように、PDGFリガンドの添加後8時間程度に遅い時間において、抗PD GFレセプター抗体を細胞に添加したとき、PDGF−AAについて有糸分裂誘 発活性が75%減少した。PDGF−AAおよびBBの双方について、PDGF リガンドの添加後8時間における抗PDGFレセプター抗体の添加は、PDGF の有糸分裂誘発活性の90%より大きい減少を引き起した。これらの研究から明 らかなように、抗PDGFレセプターモノクローナル抗体はPDGFリガンドの 存在後の延長した時間において添加することができ、そしてなおPDGF有糸分 裂誘発活性に対して有効な中和作用を有することができる。 例13 抗PDGFレセプターモノクローナル抗体によるヒト骨肉腫細胞からのレセプタ ー結合125I−PDGFの変位 4つのモノクローナル抗体162.62、163.31、169.14および 169.31を、ヒト骨肉腫細胞(ATCC CRL 1427)の単層上のP DGFレセプターに結合した125I−PDGF−AAおよび125I−PDGF−B Bを変位させる能力について分析した。このヒト骨肉腫細胞は、ほぼ等しい量の PDGFr−アルファおよびPDGFr−ベータを発現する。ヒト骨肉腫細胞の 単層を24ウェルの培養皿中で増殖させ、結合培地中で希釈した125I−PDG F−AAまたは125I−PDGF−BBと4℃において1時間インキュベートし た。細胞をPBSで洗浄し、次いで1mlの結合培地単独、モノクローナル抗体 169.14、169.31、162.62、163.31、または169.3 1および162.62のプールを各ウェルに添加した。抗体を結合培地中でに希 釈し、細胞に5μg/ml、1ml/ウェルの濃度において添加した。細胞を4 ℃において1時間で洗浄し、次いでPBSで洗浄し、、抽出緩衝液とインキュベ ートし、次いで収獲し、ガンマカウンター中で計数して125I−PDGFの結合 レベルを監視した。10 0ng/mlのPDGF−BBを125I−PDGF−AAおよび125I−PDGF −BBを有する三重反復実験ウェルに添加して、非特異的結合のレベルを測定し た。表7に表す結果は、列挙した被検化合物との第2のインキュベーション後の125 I−PDGF−AAおよび125I−PDGF−BBについての結合した比cp m(標準偏差)として示されている。結合培地単独のウェル中の結合cpmに対 して被験試料の結合cpmを比較することによって、変位%値を決定した。結果 が証明するように、抗PDGF−アルファレセプターモノクローナル抗体169 .14および169.31は、前もって結合した125I−PDGF−AAのほぼ 63%を変位させることができた。対照的に、抗PDGF−ベータレセプターモ ノクローナル抗体162.62および163.31は、本質的に効果をもたず、 計数の10%より少なく変位させた。125I−PDGF−BBの結合について、 モノクローナル抗体169.14および169.31は前もって結合した計数の 22〜25%を変位させることができたが、モノクローナル抗体162.62は 計数の34%を変位させることができた。169.31および162.62のプ ールは、前もって結合した125I−PDGF−BBの44%を変位させた。これ らの結果が示すように、抗PDGFレセプターモノクローナル抗体は、PDGF の結合をブロックすることができることに加えて、また、前もって結合したPD GF−AAおよびBBを細胞表面のレセプターから変位させることができる。 例14 独立にまたはヘパリンと協調的に適用された抗PDGFrモノクローナル抗体に よるヒヒ血清およびPDGF−BB刺激平滑筋細胞の有糸分裂誘発の抑制 抗PDGFr−アルファモノクローナル抗体169.31および 抗PDGFr−ベータモノクローナル抗体163.31を、独立におよびヘパリ ンとの協調的投与アッセイにおいて分析して、ヒヒ血管平滑筋細胞に対するPD GF−BBおよびヒヒ血清の有糸分裂誘発活性を抑制する抗体の能力を測定した 。 2つの抗体単独の活性を評価し、かつヘパリンとともに協調的に投与された抗 体の組合わせの抑制活性を評価するために、ヒヒ静脈平滑筋細胞を、成長後継代 7において、10%胎仔ウシ血清を補充したDMEM(GIBCO BRL)中 において24ウェルの培養皿の中に3.0×104細胞/ウェルでプレートした 。細胞をこの測定中で37℃、5%CO2雰囲気において3日間維持した。次い で培地を1ml/ウェルのミト培地と置換し、細胞をさらに24時間培養した。 第1組の実験において、PDGF−BBを0.25%ウサギ血清アルブミンを 含有する10mMの酢酸で40ng/mlの濃度に希釈した。次いで50μlの この貯蔵希釈物を各ウェルに添加して、細胞上の最終濃度を2ng/mlとした 。 被験ウェルのあるものに、未分画ヘパリン(UH)(Sigma Chemi cal Co.、ミゾリー州セントルイス)を単独でまたは1または2以上の抗 PDGFr抗体とともに協調的に添加した。これらの研究において使用したUH は多数の大きさのヘパリン種の混合物であり、標準的活性化部分的トロンボプラ スチン時間(Activated Partial Thromboplast in Time)(APTT)アッセイにおいてほぼ150単位/mgの比活性 を有した。ヘパリンをPBS中で400μg/mlの貯蔵液濃度に希釈し、25 μlのこのヘパリン溶液を適当なウェルに細胞上の10μg/mlの最終ヘパリ ン濃度に添加することによって、細胞へのヘパリンの添加を実施した。抗PDG Fr抗体をP BSで希釈して40×貯蔵液濃度にし、次いで25μlの抗体希釈物を適当な被 験ウェルに添加した。抗体またはヘパリンのみを独立に受け取るウェルに、緩衝 液対照として25μlのPBSを適用した。 ウサギ血清アルブミンを含有する10mMの酢酸でPDGFを2倍に希釈し、 50μlの貯蔵液を適当なウェルに添加して、細胞上の最終PDGF=BB濃度 を2、1および0.5ng/mlとすることによって、PDGF−BB刺激につ いての投与量応答プロフィルを発生させた。 処理物の添加後、細胞を37℃において20時間インキュベートした。ヒヒ血 管平滑筋細胞の有糸分裂誘発刺激を[3H]チミジンの吸収により評価した。D MEM中で調製した50μlの20μCi/mlの[3H]チミジン貯蔵液を、 1μCi/ウェルの最終濃度に細胞に直接添加した。細胞を37℃において4時 間インキュベートし、1回PBSで洗浄し、細胞が分離するまで0.25mlの トリプシンで処理し、細胞収獲器(LKB Wallac)を使用してフィルタ ー上に収獲した。フィルターをベータプレート〔Betaplate(商標)〕 液体シンチレーションカウンター(Wallac)で計数した。 PDGF−BB刺激の抗体および抗体/ヘパリンの抑制についてのデータを表 8に示す。表8中のデータは、PDGF−BBで刺激されたヒヒ平滑筋細胞によ り取込まれた[3H]チミジンの平均計数/分(cpm)として表されている。 抑制百分率の値は、[3H]チミジンの取込みの測定された減少から直接決定さ れた。PDGF−BB有糸分裂誘発活性の投与量=応答の表は、表8の中に含ま れている。実験#1において、PDGF−BBで刺激された細胞に抗体169. 31を添加すると、1および0.1μg/mlの抗体 投与量において[3H]チミジンの取込みが顕著に抑制された。抗体169.3 1と協調的にヘパリンを細胞に投与すると、組合わせで有効な抗有糸分裂誘発の 結果が得られた、すなわち、[3H]チミジンの取込みは、単独で投与された抗 体またはヘパリンについて測定したよりも、大きい程度に抑制された。実験#1 の抗体163.31の分析において、抗体163.31も25μg/mlの投与 量において[3H]チミジンの取込みを抑制することができたが、そのレベルは 抗体169.31について観測されたレベルよりも非常に低いことが示された。 ヘパリンを抗体163.31と一緒に添加したとき、組合わせで有効な抑制がま た観察されたが、この効果はより高い抗体濃度において初めて見られた。抗体1 69.31(1μg/ml)および163.31(25μg/ml)の協調的適 用は、また、組み合わせで抗有糸分裂誘発性の結果を生じ、ここでヒヒ血管平滑 筋細胞によるPDGF−BB刺激された[3H]チミジンの取込みの抑制は、い ずれかの抗体を単独で投与した後観測された抑制よりも大きかった。 実験#2において、抗体169.31および163.31を、個々の投与および互 いとの協調的投与およびヘパリン(UH,,10μg/ml)との協調的投与のアッセ イにおいて、さらに分析して、ヒヒ血管平滑筋細胞によるPDGF−BB刺激[゜ H]チミジンの取込みに対する、これらの種々の処理の抗有糸分裂誘発活性を決定 した。実験#lの結果と同様に、2つの抗体の協調的投与は、いずれかの抗体の 単独の投与よりも、いっそう有効なヒヒ血管平滑筋細胞に対する有糸分裂誘発活 性の抑制を提供した。さらに、2つの抗体のプールとのヘパリンの協調的投与は 、ヘパリンまたは抗体のプール単独により提供される抑制活性より大きい、組合 わせで有効な抑制をもたらした。 要約すると、これらのデータが証明するように、抗PDGF−アルファまたは 抗PDGF−ベータ抗体のいずれかとの、または2つの抗体のプールとのヘパリ ンの協調的投与、ならびに抗体の互いとの協調的投与は、ヒヒ血管平滑筋細胞へ のPDGF=BB有糸分裂誘発活性に対して組合わせで有効な処理を提供するこ とができる。 ヒヒ血清の有糸分裂誘発活性の抑制を、平行の組の実験において試験した。こ れらの実験は、本質的に前述したように、PBSで血清を1:4に希釈し、50μ 1の希釈した血清を各ウェルに添加することによって、1.25%の最終濃度で被 験ウェルに添加したヒヒ血清を用いて実施した。PBS中でヒヒ血清を2倍に希 釈し、50μ1の適当な希釈物を添加して、細胞上の最終血清濃度をl. 25 、0.62、O.31およびO.15%とすることによって、ヒヒ血清刺激についての 投与量−応答のプロフィルを発生させた。 ヒヒ血管平滑筋細胞に対する血清の有糸分裂誘発活性の抗体および抗体/ヘパ リンの抑制についてのデータを、表9に表す。これらのデータが示すように、抗 体169.31は、l.25%のヒヒ血清により刺激された[゜H]チミジンの取込み に対して最小の抑制効果を、1μg/mlまでの投与量において有した。ヘパリ ンを抗体169.31と一緒に細胞に協調的に投与したとき、観測された抑制レベ ルはヘパリン単独が示す抑制活性より大きくなかった。対照的に、モノクローナ ル抗体163.31を含むアッセイは、25μg/mlの抗体濃度において[゜H]チ ミジンの取込みの有意な抑制を示した。そのうえ、ヘパリンを抗体163.31と ともに協調的に投与したとき、[゜H]チミジンの取込みにより測定して、有糸分 裂誘発活性の顕著な組合わせで有効な抑制、すなわち、抗体またはヘパリンの単 独について観測された抗有糸分裂誘発効果よりもかなり高い抑制が存在した。こ の組合わせで有効な抑制は、0.2μg/ml〜5μg/mlの間のモノクローナ ル抗体163.3l濃度において特に顕著であった。 l11g/mlの抗体169.31と、増加する投与量の抗体163.31との協調的 投与は、[゜H]チミジンの取込みの投与量に依存する抑制を示した。抗体169 .31と抗体163.31との 協調的投与も表9に示すように、血清の有糸分裂誘発活性の顕著な組合わせで有 効な抑制を生じた。 表9中のデータは、1.25%のヒヒ血清で剌激されたヒヒ平滑筋細胞により取 込まれた[゜H]チミジンの平均計数/分(cpm)として表されている。抑制百 分率の値は、提示された血清投与量−応答のデータを使用して発生させた標準曲 線から計算した。 例15 単独で投与された、または抗PDGFrモノクローナル抗体とともに協調的に投 与されたヘパリンによるヒヒ血管平滑筋細胞に対する血清の有糸分裂誘発活性の 抑制 未分画ヘパリン(UH) (Sigma、ミゾリ一州セントルイス)および低分子 量ヘパリン(LMWH)〔Logiparin(商標)、Novo Nordi sk、デンマーク国バグスベルド〕の双方を、ヒヒ血管平滑筋細胞に対するヒヒ血 清の有糸分裂誘発活性を抑制するそれらの能力について評価した。各形態のヘパ リンを、独立にまたは抗PDGFrモノクローナル抗体とともに協調的に投与し た。これらの研究のために使用したLMWHは未分画ヘパリンのヘパリナーゼ処 理により発生させ、そして5,500ダルトンの平均分子量を有するヘパリン種 から構成されている。LMWHは、APTTアッセイにおいて未分画ヘパリンに 比較して、約50単位/mgと推定される、減少した抗血栓活性を有する。 協調的に投与された抗PDGFr抗体を含む、および含まない、2つのヘパリ ン調製物の抗有糸分裂誘発活性を評価するために、大 動脈外植片からのヒヒ血管平滑筋細胞(BO54細胞と表示する)を、10%胎 仔ウシ血清を補充したDMEM(GIBCO BRL)中において、24ウェル の培養皿の中に2.5×104細胞/ウェルにおいてプレートした。細胞をこの 培地中で37℃において5%CO2雰囲気の中で3日間維持した。次いで培地を 1ml/ウェルのミト培地で置換し、細胞をこの培地中でさらに24時間培養し た。 ヒヒ血清を被験ウェルに2.5%の最終濃度で添加した。これは血清をPBS で1:1に希釈し、50μlの希釈した血清を各ウェルに添加することによって 実施した。ヒヒ平滑筋細胞中のヒヒ血清で刺激したDNA合成の抑制についてヘ パリン調製物を分析するために、ヘパリンを独立に、または2つの抗PDGFr モノクローナル抗体とともに協調的に細胞に添加した。ヘパリン試料をPBSで 400μg/mlの濃厚物に希釈し、次いで25μlの濃厚物を各被験ウェルに 10μg/mlの最終ヘパリン濃度に添加した。対照ウェルにリン酸塩緩衝生理 食塩水のみを添加した。抗PDGFr−アルファモノクローナル抗体169.3 1および抗PDGFr−ベータモノクローナル抗体163.31をPBSで、そ れぞれ、40μg/mlおよび1mg/mlに希釈し、25μlの希釈した抗体 を適当な被験ウェルにモノクローナル抗体169.31について1μg/mlお よびモノクローナル抗体163.31について25μg/mlの最終抗体濃度に 添加した。 処理物の添加後、細胞を37℃において20時間インキュベートした。例14 に開示されているように[3H]チミジンの細胞の取込みを測定することによっ て、平滑筋細胞の有糸分裂誘発刺激を評価した。 この研究の結果を表10に表す。ヘパリンまたは抗PDGFrモ ノクローナル抗体不存在においてのみ血清で処理された細胞は、36,032c pm/ウェルの[3H]チミジンの取込みの対照値を有した。協調的に投与され た抗PDGFr−アルファおよび抗PDGFr−ベータモノクローナル抗体で細 胞を処理すると、[3H]チミジンの取込みは27,000cpmに減少した( すなわち、血清刺激DNA合成の25%の抑制)。細胞をUHまたはLMWHの みで処理したとき、[3H]チミジンの取込みの有意な減少は存在しなかった。 しかしながら、UHまたはLMWHを細胞に抗PDGFr抗体のプールとともに 協調的に投与したとき、[3H]チミジンの取込みの有意な減少が観察された。 データが証明するように、UHおよびLMWHの双方は、抗PDGFr−アルフ ァおよび抗PDGFr−ベータ抗体のプールとともに協調的に投与したとき、ヒ ヒ血管平滑筋細胞に対するオートロガス血清の有糸分裂誘発活性を組合わせで有 効な方法において抑制する。ここで再び、達成された組合わせで有効な抑制の程 度は、特定の試験した協調的に投与の方法において抗体とヘパリンとの間の相乗 的または増強的関係を証明する。 データは、2.5%のヒヒ血清で刺激されたヒヒ平滑筋細胞によ り取込まれた[3H]チミジンの計数/分(CPM)についての平均+/−標準 偏差として表されている。添加したヘパリンおよび抗PDGFR抗体の不存在に おける、対照値からの取込まれたcpmの抑制百分率は、括弧内に表されている 。抑制百分率の値は、血清刺激についての投与量−応答曲線に対する比較よりむ しろ、[3H]チミジンの取込みの測定された減少から直接決定された。 例16 未分画ヘパリンまたは低分子量ヘパリンとともに協調的に適用された抗PDGF rモノクローナル抗体によるヒヒ血管平滑筋細胞に対する血清の有糸分裂誘発活 性の抑制の投与量−応答 一定量の抗PDGFrアルファ抗体169.31(1μg/ml)の存在にお ける、抗PDGFrベータモノクローナル抗体163.31の投与量−応答アッ セイを実施して、ヒヒ血清により刺激されたヒヒ血管平滑筋細胞におけるDNA 合成の抗PDGFrモノクローナル抗体の抑制の濃度依存性を評価した。この投 与量−応答は、添加されたヘパリンの不存在において、ならびにAPPTアッセ イにより約150単位/mgの抗有糸分裂誘発活性を有する未分画ヘパリン(U H)(Sigma Chemical Co.、ミゾリー州セントルイス)また は低分子量ヘパリン(LMWH)(LogiparinR、APPTアッセイに よりほぼ50単位/mg)(Novo Nordisk、デンマーク国バグスベ ルド)の10μg/mlの存在において、評価された。 これらの投与量−応答の研究のために、大動脈外植片からのヒヒ血管平滑筋細 胞(BO54細胞)を、10%胎仔ウシ血清を補充したDMEM中において、2 4ウェルの培養皿の中に2.5×104細胞/ウェルにおいてプレートした。3 日後、培地をミト培地と交 換し、細胞をさらに24時間培養した。PBSで1:1に希釈したヒヒ血清を5 0μl/ウェルで添加して、細胞上の最終血清濃度を2.5%とすることによっ て、細胞を刺激して有糸分裂を行わせた。モノクローナル抗体163.31をP BSで希釈して40×濃厚物にし、25μlの希釈した抗体を被験ウェルに添加 して、細胞上の最終抗体濃度を25μg/ml〜1.25μg/mlの範囲にし た。25μlのモノクローナル抗体169.31の40μg/ml溶液をウェル に同時に添加して、163.31処理したウェルのすべてにおいて最終抗体濃度 を1μg/mlとした。モノクローナル抗体163.31および169.31の 組み合わせを、添加したヘパリンの不存在においておよび、また、UHまたはLM WHを使用する協調的投与アッセイにおいて、試験した。2つのヘパリン調製物 をPBSで400μg/mlの最終濃度にに希釈し、25μlの濃厚物を適当な ウェルに添加して、細胞上の最終ヘパリン濃度を10μg/mlとした。ヘパリ ンを添加しない被験ウェルに、PBSのみを添加した。 処理物を添加した後、細胞を37℃において20時間インキュベートした。例 14に開示されているように、[3H]チミジンの吸収を測定することによって 、有糸分裂誘発活性を評価した。 この研究の結果を表11に表す。ヘパリンの不存在において、ヒヒ血管平滑筋 細胞の有糸分裂誘発活性の有意な減少は、25および10μg/mlの投与量の モノクローナル抗体163.31を与えたウェルにおいてのみ観察された。しか しながら、UHまたはLMWHのいずれかの存在において、試験したすべての濃 度のモノクローナル抗体163.31(モノクローナル抗体169.31の存在 において)は有意な組合わせで有効な抑制を提供し、2つのヘパリン調製物につ いて本質的に同一の結果が得られた。ヘパリンの存在 において、1.25μg/mlの投与量の163.31は、DNA合成の抑制に おいて、ヘパリンの不存在における25μg/mlの投与量の163.31より も、いっそう有効であった。 抗体に対して独立に投与されたUHまたはLMWHのいずれかの存在は、血清 の有糸分裂誘発活性に対して最小の効果を有しただけである。 例17 ネズミ抗PDGFr−アルファモノクローナル抗体169.31とマウス/ヒト キメラ抗PDGFr−アルファ抗体との抗有糸分裂誘発活性の比較 軽鎖および重鎖の可変ドメインをクローニングアウトするために、親抗体とし て抗PDGFr−アルファモノクローナル抗体169.31を使用して、マウス /ヒトキメラ抗体を発生させた。このマウス/ヒトキメラ抗体は、親ネズミモノ クローナル抗体の可変ドメインと、ヒトIgG4重鎖およびヒトカッパ軽鎖のた めの定常ドメインとを含んでなる。この抗体の構築において、Mountain およびAdair「Biotec.and Genet.Eng.Rev.」1 0:1−142、1992;およびAdair他「Immunol.Rev.」 130:5−40、1992、に記載されているような標準的技術を使用した。 親ネズミ抗体およびマウス/ヒトキメラ抗体を、2%のヒヒ血清で刺激されたヒ ヒ血管平滑筋細胞(BO54)のDNA合成を抑制する能力について直接比較し た。 親ネズミ抗体および化学抗PDGFr−アルファ抗体を、1.0および0.1 μg/mlにおいて、10μg/mlのネズミ抗PDGFr−ベータ抗体163 .31および10μg/mlの未分画ヘパリンの存在下に分析した(Elkin s−Sinn,Inc.、ニュージャージイ州チェリーヒル;比活性=150単 位/mg)。さらに、両抗PDGFr−アルファ抗体(1μg/ml)を、10 μg/mlの化学抗PDGFr−ベータ抗体(例18を参照のこと)および10 μg/mlのヘパリンの存在下に、細胞に添加した。 表12に表す結果が証明するように、親ネズミモノクローナル抗体169.31 およびマウス/ヒトキメラ抗PDGFr−アルファ抗体の両方は、親ネズミモノ クローナル抗体163.31またはマウス/ヒトキメラ抗PDGFr−ベータ抗 体のいずれかの存在下に、同様な抑制効力を有する。 例18 ネズミ抗PDGFrベータモノクローナル抗体163.31とマウス/ヒトキメ ラ抗PDGFr−ベータ抗体との抗有糸分裂誘発活性の比較 軽鎖および重鎖の可変ドメインをクローニングアウトするために、親抗体とし て抗PDGFr−ベータモノクローナル抗体163.31を使用して、マウス/ ヒトキメラ抗体を発生させた。このマウス/ヒトキメラ抗体は、親ネズミモノク ローナル抗体の可変ドメインと、ヒトIgG4重鎖およびヒトカッパ軽鎖の定常 ドメインとを含んでなる。この抗体の構築において、キメラ抗PDGFr−アル ファ抗体について前述した技術(例17)と同一のキメラ抗体の構築の標準的技 術を使用した。親ネズミ抗体およびマウス/ヒトキメラ抗体を、2.0%のヒヒ 血清で刺激されたヒヒ血管平滑筋細胞中のDNA合成を抑制する能力について直 接比較した。 ヒヒ血管平滑筋細胞(BO54)を24ウェルの培養プレート中で2×104 細胞/ウェルの密度においてプレートし、37℃において10%胎仔ウシ血清を 含有するDMEM中でほぼ48時間増殖させた。次いで細胞をミト培地中で24 時間インキュベートして、細胞を休止状態となるようにした。 細胞の対照プレートを正常ヒヒ血清の2倍の希釈系列(2.0%〜0.125 %)で刺激して、標準曲線を作成した。血清をPBS中で希釈し、50μlの2 0×貯蔵液を三重反復実験においてウェルに直接添加した。 抗PDGFr−ベータモノクローナル抗体163.31、またはキメラ抗PD GFr−ベータ抗体の希釈系列を、適当な被験ウェルにおいて、抗PDGFr− アルファモノクローナル抗体169.31(1μg/ml)および未分画ヘパリ ン(2単位/ml)(Elkins=Sinn,Inc.、ニュージャージイ州 チェリーヒル )とともに協調的に投与して、2.0%のヒヒ血清により刺激されたヒヒ血管平 滑筋細胞に対するこれらの処理の抑制効果を評価した。さらに、抗PDGFr− ベータ親およびキメラ抗体を、独立の投与アッセイ、および抗体およびヘパリン を使用する協調的投与のアッセイにおいて分析した。25μl/ウェルのPBS 希釈40×貯蔵液の抗体およびヘパリンを適当な被験ウェルに添加した。使用し た抗体の濃度を表13に示す。 被験試料の投与後、細胞を37℃において18時間インキュベートした。[3 H]チミジンの吸収により、有糸分裂誘発活性を評価した。 表13に表す、抗PDGFr−ベータモノクローナル抗体の投与量−応答の実 験結果が証明するように、ヒヒ血清により誘発された有糸分裂誘発活性が25μ g/mlの163.31、1μg/mlの169.31および2単位/mlのヘ パリンの組み合わせによりほぼ80%抑制された。キメラ抗PDGFr−ベータ モノクローナル抗体を使用して、同様な結果が得られた。ネズミおよびキメラの 抗PDGFr−ベータモノクローナル抗体の各々を、25μg/mlにおいて、 抗PDGFr−アルファモノクローナル抗体169.31とともに協調的に投与 すると、ヒヒ血清の有糸分裂誘発活性がほぼ30%抑制された。ヘパリンととも に協調的に投与された抗PDGFr−ベータモノクローナル抗体は、約40%の 抑制を生成した。抗有糸分裂誘発剤の各々は、独立に投与されたとき、ヒヒ血清 の有糸分裂誘発活性の30%より低い抑制を生じた。 これらの結果が証明するように、マウス/ヒトキメラ抗PDGFr−ベータ抗 体は、親ネズミ抗PDGFr−ベータ抗体のモノクローナル抗体163.31の 抑制活性と同様な抑制活性を有する。キメラ抗PDGFr−ベータ抗体を抗PD GFr−アルファモノクロ ーナル抗体169.31、ヘパリン、または抗PDGFr−アルファモノクロー ナル抗体とヘパリンとの組み合わせのいずれかかとともに協調的に投与したとき 、この活性はヒヒ血管平滑筋細胞に対する血清の有糸分裂誘発活性の組合わせで 有効な抑制をもたらす。 例19 独立にまたは抗PDGFr抗体と協調的に投与されたヘパリンによるヒヒ血管平 滑筋細胞以外血清の有糸分裂誘発活性の投与量−応答性抑制 ヒヒ平滑筋細胞(BO54)を24ウェルの培養プレート中で2×104細胞 /ウェルの密度においてプレートし、37℃において10%胎仔ウシ血清を含有 するDMEM中でほぼ72時間増殖させた。次いでミト培地中で24時間インキ ュベートすることによって、休止とさせた。未分画ヘパリン(UH;ほぼ150 単位/mg)または低分子量ヘパリン(LMWH;LogiparinR、ほぼ 50単位/mg)(Novo Nordisk、デンマーク国バグスバルド)の 希釈系列を細胞に15U/ml〜0.06U/mlの投与量範囲(細胞上の最終 濃度)において添加することによって、2%のヒヒ血清による有糸分裂誘発の刺 激をヘパリン単独で抑制する能力を試験した。両方のタイプのヘパリンについて 同一希釈系列も、抗PDGFr−ベータモノクローナル抗体163.31(10 μg/ml)および抗PDGFr−アルファモノクローナル抗体169.31( 1μg/ml)の存在下に試験した。 処理物の添加後、細胞を37℃において18時間インキュベートした。[3H ]チミジンの吸収を測定することによって、血清の有糸分裂誘発活性を評価した 。ヘパリンの投与量−応答の実験結果を表14に表す。試験した最高の投与量に おいてヘパリン単独は、ヒヒ血管平滑筋細胞による[3H]チミジンの取込みに 対して、中程 度の抑制作用を有しただけであったが、抗PDGFレセプター抗体とともに協調 的に投与した同一投与量は血清の有糸分裂誘発活性の90%までを組合わせで抑 制した。Elkins−Sinnの未分画ヘパリンについて150U/mg、そ して低分子量ヘパリンについて50U/mgの比活性を仮定すると、2つのヘパ リン調製物について使用する最高の投与量は、それぞれ、約100および300 μg/mlであった。個々の投与のアッセイにおいて、これらの投与量は有糸分 裂誘発活性の最小の抑制を与えただけであった。対照的に、100倍低いヘパリ ンの投与量において、ヘパリンを抗PDGFr抗体とともに協調的に投与したと き、抑制活性の組合わせの効果は有意に増加した。これらの結果が証明するよう に、有意に低い投与量のヘパリンを抗PDGFr抗体とともに組合わせ的に有効 な方法において使用して、抗体またはヘパリンの単独で達成される抑制レベルよ り、かなり高い抑制レベルを達成することができる。 例20 抗PDGFrモノクローナル抗体およびヘパリンの協調的投与によるヒヒ大動脈 外植片からの平滑筋細胞の移動の抑制 抗PDGFrモノクローナル抗体を、ヘパリンの存在および不存在において、 ヒヒ大動脈組織の外植片からのヒヒ血管平滑筋細胞の移動速度を減少する能力に ついて、さらに試験した。ヒヒ大動脈外植片を例11において本質的に記載した ように構成した。インスリンおよびトランスフェリンを補充し、そして下記の被 験試料を含有するDMEM中で、外植片を培養した:1)抗PDGFr−アルフ ァモノクローナル抗体(169.31)および抗PDGFr−ベータモノクロー ナル抗体(163.31)、各抗体の濃度は25μg/mlである、2)未分画 ヘパリン(Sigma Chemical Co.)(100μg/ml)、3 )抗PDGFアルファレセプターモノクローナル抗体(169.31)および抗 PDGFベータレセプターモノクローナル抗体(163.31)(各々25μg /ml)および未分画ヘパリン(100μg/ml)、および4)DMEM(対 照)。 表15に表すこれらの結果が証明するように、外植片の確立後7日において測 定したとき、ヘパリン単独は平滑筋細胞の移動レベルを対照の82%に減少した が、抗PDGFレセプター抗体の組み合わせは移動を対照の64%に減少した。 抗PDGFレセプター抗体およびヘパリンの双方の協調的投与は、移動レベルを 対照の42%にさらに減少した。したがって、ヘパリンおよび抗PDGFレセプ ター抗体は、試験した協調的投与方法において、平滑筋細胞の移動を組合わせで 抑制した。 例21 ヘパリンの存在および不存在におけるB054細胞上のモノクローナル抗体16 3.31の飽和結合の分析 ヒヒ平滑筋細胞(B054)上の抗PDGFr−ベータモノクローナル抗体1 63.31の結合能力を、ヘパリンの存在および不存在において試験した。ヒヒ 平滑筋細胞(BO54)を24ウェルの培養プレート中で20,000細胞/ウ ェルの密度においてプレー トし、37℃において10%胎仔ウシ血清を含有するDMEM中でほぼ48時間 増殖させた。細胞をミト培地中で24時間インキュベートして休止状態にし、次 いで4℃の結合培地(DMEM/Hams F−12、25mM Hepes、 0.1%BSA)で1回洗浄した。ヘパリンの存在下に、4℃の結合培地中の12 5 I標識化モノクローナル抗体163.31(125I−163.31)の4倍希釈 物(2.1×106〜1×103cpm/mlの範囲)および10μg/mlのヘ パリン(Elkins−Sinn,Inc.)を適当なウェルに三重反復実験に おいて1mlのアリコートで添加することによって、PDGFr−ベータレセプ ター上のモノクローナル抗体163.31の結合活性を分析した。別のプレート 上で、125I−163.31の同一希釈系列をヘパリンの不存在において添加し た。125I−163.31による特異的結合のレベルを決定するために、5.5 ×105cpm/ウェルの125I−163.31+25μg/mlの非標識化16 3.31を含有する各プレート上で、l組の三重反復実験ウェルを構成した。試 料を添加する間、プレートを氷上に保持し、次いで回転式震盪培養機上で4℃に おいて1.5時間インキュベートした。PBSで3回洗浄した後、細胞を抽出緩 衝液(PBS、1%NP−40)とインキュベートし、抽出液を12×75mm の管に収獲し、ガンマカウンター中で計数した。表16に表す結合の研究の結果 が証明するように、ヘパリンおよび抗体の協調的投与は抗体の結合に対して有意 な効果をもたなかった。したがって、上記例に示されている、抗PDGFr−ベ ータ抗体とともにヘパリンを協調的に投与する組合わせの有効性は、細胞表面の PDGF−ベータレセプターへの抗体の結合のヘパリンによる刺激によるように 思われない。 例22 ヘパリンの存在および不存在におけるヒヒ血管平滑筋細胞上のPDGF−BBの 飽和結合の分析 ヒヒ血管平滑筋細胞上のPDGF−BBレセプターに結合するPDGF−BB の能力を、ヘパリンの存在および不存在において試験した。ヒヒ平滑筋細胞(B O54)を24ウェルの培養プレート中で20,000細胞/ウェルの密度にお いてプレートし、37℃において10%胎仔ウシ血清を含有するDMEM中でほ ぼ48時間増殖させた。次いで細胞をミト培地中で24時間インキュベートして 休止状態にし、次いで4℃の結合培地で1回洗浄した。ヘパリンの存在下に、4 ℃の10μg/mlのヘパリン(Elkins−Sinn,Inc.)を含有し ている結合培地中の125I−PDGF−BBの2倍希釈物(2.1×105〜2. 5×104cpm/mlの範囲)を適当なウェルに三重反復実験において1ml のアリコー トで添加することによって、PDGF−BBレセプター上のPDGF−BBの結 合活性を分析した。別のプレート上で、125I−PDGF−BBの同一希釈系列 をヘパリンの不存在において添加した。125I−PDGF−BBによる非特異的 結合のレベルを決定するために、各プレート上の1組の三重反復実験のウェルも 2.0×105cpm/ウェルの125I−PDGF−BB+1μg/mlの非標識 化PDGF−BBを含有した。試料を添加する間、プレートを氷上に保持し、次 いで回転式震盪培養機上で4℃において1.5時間インキュベートした。PBS で3回洗浄した後、細胞を抽出緩衝液とインキュベートし、抽出液を12×75 mmの管に収獲し、ガンマカウンター中で計数した。 表17に表す結果は、ヘパリンの存在が125I−PDGF−BBの結合に対し て有意な効果をもたないことを証明する。したがって、上記例に示されている、 抗PDGFr抗体とともにヘパリンを協調的に投与する組合わせの有効性は、細 胞表面のPDGFレセプターへのPDGF−BBの結合のヘパリンによる抑制に よるように思われない。 例23 ヘパリンの存在および不存在におけるモノクローナル抗体163.31による平 滑筋細胞へのPDGF−BBの結合の抑制 ヘパリンの存在および不存在においてヒヒ血管平滑筋細胞上のPDGFベータ ーレセプターへの125I−PDGF−BBの結合を抑制するモノクローナル抗体 163.31の能力を決定するために、実験を実施した。 ヒヒ平滑筋細胞(BO54)を24ウェルの培養プレート中で20,000細 胞/ウェルの密度においてプレートし、37℃において10%胎仔ウシ血清を含 有するDMEM中でほぼ48時間増殖させた。細胞をミト培地中で24時間イン キュベートして休止状態にし、次いで4℃の結合培地で1回洗浄した。モノクロ ーナル抗体163.31を結合培地中で表18に示す濃度に希釈し、次いで125 I−PDGF−BBおよび10μg/ml(Elkins−Sinn,Inc. )と混合し、混合物の1mlのアリコートを三重反復実験においてBO54細胞 のウェルに添加した。別のプレート上で、163.31の同一希釈系列をヘパリ ンの不存在において125I−PDGF−BBに添加した。125I−PDGF−BB による非特異的結合のレベルを決定するために、各プレート上の1組の三重反復 実験のウェルは125I−PDGF−BB+1μg/mlの非標識化PDGF−B Bを含有した。試料を添加する間、プレートを氷上に保持し、次いで回転式震盪 培養機上で4℃において1.5時間インキュベートした。PBSで3回洗浄した 後、細胞を抽出緩衝液とインキュベートし、抽出液を12×75mmの管に移し 、ガンマカウンター中で計数した。 表18に表す結果は、ヘパリンの存在がヒヒ血管平滑筋細胞への125I−PD GF−BBの結合に対してモノクローナル抗体163.31の投与量依存的抑制 活性に対して有意な効果をもたないことを証明する。したがって、上記例に示さ れている、抗PDGFr抗体とともにヘパリンを協調的に投与する組合わせの有 効性は、PDGF−BBの結合に対する抗PDGFr−ベータ抗体の抑制活性の パリンによる直接の刺激によるように思われない。 例24 ヒヒの中へのモノクローナル抗体169.31および163.31の連続的静脈 内注入およびヒヒ抗ネズミIgGの応答の分析 この研究は、静脈内または腹腔内への連続的注入後に、ネズミ抗PDGFr抗 体の循環レベルを監視するように計画された。それぞれ、36および22mg/ mlの概算濃度において2つの抗体を使用して、抗PDGFrモノクローナル抗 体163.31および169.31のプールを調製した。抗体を1.5%のグリ シン、0.2MのNaCl、および0.01%のツイーン−20の薬理学上許容 される担体中で処方した。抗体のプールをアルゼット(Alzet)14日の浸 透圧ポンプの中に入れた。このポンプは2.1mlの試料を含有し、そしてほぼ 5μl/時の速度で送出す。2つのポンプを3匹の実験動物の各々の中に配置し た。動物のうちの2匹は腹膜腔の中に腹腔内(IP)に配置されたポンプを有し 、そして1匹の動物は皮下空間の中に配置されたポンプを有し、そして静脈系の 中に配置されたサイラスティックカテーテルを使用して抗体を静脈内(IV)に 送出した。 血漿試料を実験動物からポンプ配置後1、7、14、21、および28日にお いて集めた。血漿試料をELISAにより抗PDGFr抗体の循環レベルについ て分析した。さらに、血漿試料をネズミ抗体に対して向けられたヒヒ抗体の存在 について分析した。 ネズミ抗体について分析するために、96ウェルのマイクロタイタープレート をヤギ抗マウスIgG(Sigma Chemica l Co.)またはヤギ抗マウスIgG2a(Boehringer Mann heim、インジアナ州インジアナポリス)でELISA A緩衝液中の1μg /mlにおいてコーティングした。プレートを4℃においてインキュベートし、 次いでELISA C緩衝液で2回洗浄した。プレートをELISA B緩衝液 により37℃において2時間ブロックし、次いでELISA C緩衝液で2回洗 浄した。ヒヒ血漿試料をELISA B緩衝液で希釈し、次いで適当な被験ウェ ルに添加した。対照ヒヒ血漿中で希釈した、精製したモノクローナル抗体163 .31および169.31の希釈物を1組の被験ウェルに添加して、ヒヒ血漿試 料中の抗体レベルの定量において使用するための標準曲線を作成した。被験抗体 試料を37℃において2時間インキュベートし、次いでウェルをELISA C 緩衝液で2回洗浄した。次いでセイヨウワサビペルオキシダーゼと接合したヤギ 抗マウスIgG(Tago、カリフォルニア州バーリンゲイム)をウェルに添加 し、プレートを37℃においてさらに2時間インキュベートした。次いでウェル をELISA C緩衝液で洗浄し、次いで反応緩衝液とほぼ1分間インキュベー トした。反応を1N H2SO4の添加により停止させ、プレートを492nmに おいてELISAマイクロタイタープレートリーダーにより読んだ。精製された 抗体試料から得られた値を使用して、標準曲線を各抗体について作成し、ヒヒ血 漿試料中の抗体濃度をこれらの曲線から決定した。 表19に表す結果が証明するように、静脈内(i.v.)注入動物においてポ ンプ配置後1日において循環抗体レベルのピークが存在したが、腹腔内注入動物 においてピークの抗体レベルは第7日において見出された。第14、21および 28日において、循環抗体レベルは初期の時点において測定したピークレベルの 1%より低か った。 注入されたネズミ抗体に対して生じさせた有効なヒヒ抗体を測定する研究を、 ELISAを使用して実施した。14日に測定された循環する抗体のレベルはネ ズミ抗体に対してヒヒにおいて生じた免疫応答のためであったことが、結果から 示唆された。これらの発見が示唆するように、霊長類系において循環する抗PD GFr抗体の持続するレベルを提供するためには、抗体の免疫原的可能性を最小 にするように抗体を選択することは有用である。これは種々の好都合な手段によ り実施することができ、例えば、FabまたはF(ab’)2断片を作るか、ま たはマウス/ヒトキメラ抗体または他の抗体断片または免疫原性が減少した構築 物を構築することによって実施することができる。例25 カニクイザルにおけるキメラ抗PDGFr−ベータ抗体の循環半減期の決定 キメラ抗PDGFr−ベータ抗体の代謝をカニクイザルにおいて決定した。こ れは125I標識化抗体を使用して達成された。精製された抗体を、クロラミンT 法により、125Iでほぼ10μCi/μgの抗体の比活性に標識化した。3匹の 雄のカニクイザル(体重6.0〜6.6kg)を、この研究において使用した。 実験の朝に、放射線標識化抗体を3mlの注射器の中に吸引し、注入ポンプの中 に入れた。サルをケタミンで麻酔し、ポリエチレン管に取付けられた24ゲージ の静脈内カテーテル(SURFLO、Terumo Medical Corp .、マリイランド州エルクトン)を伏在静脈にカニューレ挿入した。抗体を含有 する注射器を管に取付け、注入を0.5ml/分の速度で開始し、次いで0.5 mlを生理食塩水でフラッシュした。各動物に3.18mg/kg体重の抗体を 投与した。 注入直後に、血液のサンプリングを開始した。抗体の半減期を決定するために 、試料をEDTA含有バキュテイナー(vacutainer)管の中に0、0 .80、0.25、0.5、1、2、4、8、12、24、72、120、16 8、240、336、504、および672時間において吸入した。血液を回転 し、血漿をデカンテーションし、放射能をガンマカウンター中で測定した(80 %の効率)。125Iについて崩壊速度を考慮して、血液中の計数を放射線標識化 抗体の初期の比活性と比較することによって、血漿中の抗体濃度を決定した。血 漿試料中の抗体濃度の分析は、抗体の半減期がほぼ50時間であることを示した 。例26 抗過形成剤を試験するためのヒヒにおける順次の動脈損傷モデルの 発生および血管損傷後の治療 霊長類において実験的に誘発させた内膜過形成を抑制する能力について抗PD GFr抗体を試験できる、順次の動脈損傷の皮膚をヒヒにおいて生じさせた。こ のモデルは、28日の間隔で誘発させた左右の動脈損傷を使用することによって 、各動物がそれ自身の対照として作用できるように設計された。 各々ほぼ10kgのヒヒをこの研究において使用した。初期の外科的処置は、 ヒトのアテローム性動脈硬化症の治療するために臨床的応用において使用されて いるバルーン血管形成の血管再構成処置に密接に類似した。各動物について、初 期のバルーン表皮剥離プルバック損傷(blloon denudation pull−back injury)を伏在動脈に対して行った。第28日に、 動物に第2の外科的処置を行い、これにより初期の損傷した動脈を切除し、切除 した動脈を100mmHgの圧力下に10%ホルマリン溶液を使用して1時間e x vivo灌流固定した。第1動脈の切除後、反対側の伏在動脈にバルーン表 皮剥離損傷を行った。第2の28日の期間後、第2の損傷した動脈を切除し、第 1動脈と同様な方法においてex vivo灌流固定した。 双方の切除した動脈を多数の切片に分離し、パラフィンの中に埋め込んだ。切 片を多数組織ブロックに切り、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色し、次いで コンピューター化画像分析システムを使用して形態測定分析により内膜病変の形 成について分析した(Ferns et al.「Science」253:1 129、1991)。 表20に表す研究結果が証明するように、初期の動脈損傷を28日の間隔で行 ってさえ、反対側の動脈についての内膜/中膜の比(I/M)は非常に類似した 。これにより、初期の動脈損傷の存在、 および引き続く損傷した動脈のセグメントの除去が第2の損傷した動脈の応答に 影響を与えないことが示唆される。また、これらの結果が証明するように、内膜 /中膜の比により測定した、動脈損傷の程度は、動物の間よりも動物内でいっそ う類似する。これらの発見は順次の損傷のモデルの利用が可能であることを証明 し、このモデルにおいて、ヒヒにおける内膜の病変の形成を抑制する治療化合物 の効能を評価するために、各動物はそれ自身の対照として作用する。 例27 霊長類における内膜過形成を抑制する抗PDGFレセプター抗体/ヘパリンの療 法の評価 各々6〜10kgの体重のヒヒをを使用して、抗PDGFrモノクローナル抗 体およびヘパリンの効能を研究した。各動物の1つの伏在動脈に対して2F塞栓 切除用カテーテル(Fogarty)を使用して、初期のバルーン表皮剥離プル バック損傷を実施した。損傷時において、大腿静脈カテーテルおよび皮下(SQ )浸透圧ポン プ(Alzet)を挿入した(28日ポンプ、2つのポンプ/動物)。ポンプは 5μl/時の組合わせた速度を大腿静脈の中に送出した。第1の28日の対照期 間の間に、ポンプにプラシーボの生理食塩水に送入した。バルーン損傷後の28 日の期間の間に、動物に研究の第1、4、8、15、および22日にプラシーボ の緩衝液をi.v.注射した。 研究の第29日に、第2の外科的処置を行い、これにより前に損傷した動脈を 切除し、100mmHgの圧力下に10%ホルマリン溶液で1時間灌流固定した 。次いで動脈をほぼ0.5cmの長さの10の切片に分割した。各組織片をパラ フィンの中に埋め込み、ジアリー他(Geary et al.「Circul ation」91:2972、1995)により開示されたように、形態測定分 析用切片を各組織ブロックから切断した。5μmの厚さの切片を各ブロックから 切り、ヴェルヘッフ−バンギエソン(Verhoeff’s−van Gies on’s)染色法により染色した。断面を顕微鏡およびカメラルシダを有するコ ンピューター化ディジタル化パッド上に投影し、各断面の内膜および中膜の面積 を測定した。各動脈について6〜8つの組織ブロックからの断面の測定値を平均 することによって、各損傷動脈の平均値を決定した。大部分の端部組織のブロッ クをデータの分析から排除して、バルーン処置されなかった区域から切片を得る ことを回避した。 第1動脈の切除後、反対側の伏在動脈にバルーン表皮剥離損傷を行った。次い で、大腿静脈カテーテルおよびSQ浸透圧ポンプを挿入した。ポンプにブタのヘ パリン、等級11(Sigma Chemical Co.、ミゾリー州セント ルイス)を送入して、0.13mg/kg/時の速度で送出した。MLA(ニュ ーヨーク州プレザントビレ)Electra 800凝固機において商業的に入 手可能なキット(HEPTEST Assay #803、American Diagnostica、コネチカット州グリーンウィッチ)を使用してAPT T分析により、ヘパリンの循環レベルを監視した。研究において使用した投与量 のヘパリンは、APTTのほぼ2倍の増加を生成した。 研究の第1、4、8、15、および22日にマウス/ヒトキメラ抗PDGFレ セプター抗体(50mMの酢酸ナトリウム、125mMのNaCl、pH5.0 中の10mg/ml)を動物に静脈内注射した。10mg/kgの投与量の抗P DGFレセプター抗体を使用して、ほぼ50μg/mlの循環抗体レベルを得た 。 各抗体注射直前に血液を抜き取って、抗PDGFレセプター抗体の循環レベル およびヘパリンの循環レベルを測定した。循環抗体レベルはELISAにより測 定した。可溶性PDGFベータレセプター/IgG融合タンパク質を96ウェル のマイクロタイタープレート上にコーティングした。プレートを0.1%BSA および0.05%ツイーン20を含有するPBSでブロックして、非特異的結合 を排除した。同一緩衝液中で調製したヒヒ血清の希釈物を、対照ヒヒ血清中で希 釈した精製されたキメラ抗体の希釈系列と一緒に、ウェルに添加した。プレート を37℃においてインキュベートし、次いで洗浄して未結合の抗体を除去した。 次いで、セイヨウワサビペルオキシダーゼに接合したヤギ抗ヒトIgG4(Zy med、So.カリフォルニア州サンフランシスコ)を37℃において1時間ウ ェルに添加した。ウェルを0.05%ツイーン20を含有するPBSで洗浄し、 次いでOPD基質溶液とインキュベートした。反応を1N H2SO4の添加によ り停止させ、プレートを490nmにおいてダイナテクELISAプレートリー ダーで読んだ。データ点を標準曲線と比較することによって、循環抗体レベルを 決定した。 ヘパリンのレベルを前述したように決定した。さらに、セイヨウワサビペルオキ シダーゼに接合したヤギ抗サルIgG(Cappel、ノースカロライナ州ダー ハム)を使用してELISAにより、キメラ抗体に対して向けられたヒヒ抗体の 応答について、動物を監視した。 第2の28日の期間後、第2の損傷動脈を切除し、第1動脈と同様な方法にお いてex vivo灌流固定した。 合計15匹の動物を研究において記載した。順次の損傷モデルを使用する、上 に開示した、予備的研究において、28日間隔で損傷された動脈の間に低い変動 性が存在することが証明された。予備的研究を分析すると、95%の信頼限界で 損傷の発生の50%の減少を観測するために、n=15が要求されることが示唆 された。外科的処置を容易するために、動物を5匹の3グループに分割した。各 動物についての第1処置の側をランダム化して、側面対側面の変動を排除した。 前述したように、組織の切片を各被験動脈について得、各組織の切片について 絶対的内膜および中膜の面積を決定した。次いで、各動脈について多数の切片の データを平均して、内膜の面積、中膜の面積、および内膜/中膜の比について平 均値を得た。血管形成部位において閉塞性血栓が存在するために、3匹の動物を 研究から排除した。動脈断面の顕微鏡写真は、動脈処置した動脈に比較して、対 照動脈において内膜の肥厚を示した。抗体処置した動物において、内膜過形成レ ベルについて左および右の足に有意差は認められなかった。データを表21に要 約する。 動物の各々の循環抗体レベルを、処置前に、そして研究の第4、8、15、2 2、および29日に測定した。一般に、抗体のレベルは研究日4および8におい て50μg/mlより大きかった。第15日までに、動物のうちの3匹は5μg /mlより低く低下した抗体レベルを有したが、残りの動物は14〜70μg/ mlの範囲のレベルを有した。第22日までに、動物のうちの5匹だけは17μ g/kgより大きい抗体レベルを有した。免疫応答についてのデータ(示されて いない)は、循環するキメラ抗体レベルの低下が動物の免疫系による抗体のクリ アランスの直接の結果であることを示唆した。循環する抗体のレベルと内膜病変 の形成との間に相関が観察されず、これにより、最初に存在する抗体レベルは広 範な内膜病変の発生を抑制するために十分であることが示唆され、そして、さら に、抗体投与のより短い期間は好適な結果を提供するであろうことが示唆される 。 前述のプロトコールを使用して、抗PDGFレセプター抗体を、個々に、組合 わせで、または種々の投与量のヘパリンの存在または不存在において、評価する ことができる。例えば、プールした抗PDGFアルファレセプター(MAb16 9.3.1)および抗PDGFベータレセプター(MAb163.3.1)抗体 調製物、ならびに2つのキメラ抗体を個々に、評価するために使用することがで きる。内膜過形成の変化を探すための形態測定分析を使用することに加えて、病 変の形成を監視するために使用できる追加の種類の分析は、血管造影、血管内超 音波、および核磁気共鳴走査を包含する。さらに、組織試料は、縮小アテローム 切除術による損傷の誘導後における多数の時点において、損傷部位から得ること ができる。 前述の発明を理解を明瞭とする目的で例示および例により多少詳細に説明した が、添付された請求の範囲の範囲内においてある種の 変化および変更を行うことができることは明らかであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 111 A61P 43/00 111 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U G),AL,AM,AT,AU,BB,BG,BR,B Y,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES ,FI,GB,GE,HU,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,TJ,TM,TT,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 ケナジー,リチャード,ディー. アメリカ合衆国,ワシントン 98125,シ アトル,ノース イースト ワンハンドレ ッドサード ストリート,3018−ビー (72)発明者 クロウズ,アレキサンダー アメリカ合衆国,ワシントン 98122,シ アトル,フラートン アベニュ 702

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.哺乳動物にある量の血小板誘導成長因子(PDGF)アンタゴニストおよ びある量のヘパリンを協調的に投与することを含んでなり、前記協調的に投与さ れたアンタゴニストおよびヘパリンが組合わせにおいて内膜過形成を抑制するた めに有効である、哺乳動物の脈管構造における内膜過形成を抑制する方法。 2.前記PDGFアンタゴニストが非ペプチドのPDGFアンタゴニストであ る、請求項1に記載の方法。 3.前記アンタゴニストが抗PDGFレセプター抗体である、請求項1に記載 の方法。 4.前記アンタゴニストおよびヘパリンが、組合わせにおいて、血管平滑筋細 胞の増殖、血管平滑筋細胞の移動、および細胞外基質の新内膜沈着から成る群よ り選択される内膜過形成プロセスを、血管損傷部位において、抑制するために有 効である、請求項1に記載の方法。 5.血管の過増殖性疾患を治療するためにヘパリンと一緒に投与すべき薬剤を 製造するためのPDGFアンタゴニストの使用。 6.前記PDGFアンタゴニストが非ペプチドのPDGFアンタゴニストであ る、請求項5記載の使用。 7.前記PDGFアンタゴニストが抗PDGFレセプター抗体である、請求項 5記載の使用。 8.前記抗体がモノクローナル抗PDGFレセプター抗体である、請求項7記 載の使用。 9.前記抗体が抗PDGF−アルファレセプター抗体である、請求項7記載の 使用。 10.前記抗体が抗PDGF−ベータレセプター抗体である、請 求項7記載の使用。 11.前記抗体がヒト化抗体である、請求項7記載の使用。 12.前記抗体が一本鎖抗体である、請求項7記載の使用。 13.前記抗体がキメラ抗体である、請求項7記載の使用。 14.前記抗体がヒト−マウスキメラ抗体である、請求項13記載の使用。 15.前記キメラ抗体がヒトの定常ドメインに作用可能に連鎖されたマウスの 可変ドメインを含んでなる、請求項14に記載の使用。 16.血管の過増殖性疾患を治療するために同時に、別々に、または順次に使 用するための、組合わされた製剤として、ヘパリンと、PDGFとを含有する製 品。 17.前記PDGFアンタゴニストが非ペプチドのPDGFアンタゴニストで ある、請求項16に記載の製品。 18.前記PDGFアンタゴニストが抗PDGFレセプター抗体である、請求 項16に記載の製品。 19.前記抗体およびヘパリンをほぼ0.01:1〜100:1の抗体:ヘパ リンの重量比で含んでいる、請求項18に記載の製品。 20.前記比がほぼ0.05〜20:1である、請求項19に記載の製品。 21.前記ヘパリンが抗血栓活性が減少した低分子量のヘパリンを含んでなる 、請求項16に記載の製品。 22.前記ヘパリンがヘパリン硫酸を含んでなる、請求項16に記載の製品。 23.薬理学的に適当な担体中の抗血小板誘導成長因子(PDGF)レセプタ ー抗体と、薬理学的に適当な担体中のヘパリンとを含 んでなる、哺乳動物の患者の脈管構造における内膜過形成の治療において使用す るための医薬キット。 24.前記抗体および前記ヘパリンが単一の担体中で前もって組合わせられて いる、請求項23に記載の医薬キット。 25.ヘパリンと、抗PDGFレセプター抗体とを含んでなり、前記ヘパリン および前記抗体が哺乳動物の患者に同時、別々、または順次の送出しにより協調 的に投与可能である、前記患者の脈管構造における内膜過形成の臨床的治療にお いて使用するための医薬キット。
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