JP2001523177A - ボード状材料をガス剤によって処理する方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、処理される材料を通してガス処理剤が流される、ガス処理剤によるボード状材料の処理方法に関する。処理されるボード材料１は少なくとも１つの処理領域２へ運ばれ、そこでガス処理剤がボードの少なくとも１つの壁面に接触してそのボード材料１を厚さ方向に透過され、また処理される材料１に対する所望の効果を得るために、必要に応じてガス処理剤の温度、含水量、および／または組成などの状態が制御される。

Description

【発明の詳細な説明】 ボード状材料をガス剤によって処理する方法および装置 本発明は請求の範囲の請求項１の前提部に記載された方法に関する。本発明は さらに請求項１１に記載された装置に関する。 木製ボード（ｗｏｏｄ−ｂａｓｅｄ ｂｏａｒｄｓ）のような平坦な材料の製 造において、プレス機械から出たボードはさらに他の処理を施される前に冷却さ れることが必要である。今日、その冷却は冷却ホイールとも呼ばれるボード回転 装置／冷却装置によって行われている。この装置は、切断されたボードを挿入す るための放射状のスロット（ｒａｄｉａｌ ｓｌｏｔｓ）を有して典型的に構成 された直径７ｍの大きくて重い回転ユニットである。この回転装置において、各 ボードは例えば回転装置が１回転する間に両側から自由に冷却することができる 。冷却回転装置の容量はしばしば、連続運転されるボード製造ラインにおいて製 造速度またはボード長を制限する障害となっている。従来の冷却装置の冷却容量 は運転中に変化させることができない。また、不快なＶＯＣガス、すなわち揮発 性の有機炭素化合物（ｖｏｌａｔｉｌｅ ｏｒｇａｎｉｃ ｃａｒｂｏｎ）が大 気中に無制限に放出されている。 本発明の目的は、従来技術の欠点を解消することのできる新規な方法および装 置を提供することである。 特に本発明は、添付の請求項に記載されたことを特徴とする。 本発明による構造は、多数の重要な利点を有する。特に、処理されるボード材 料の冷却時間を基本的に短縮することができる。ボードの特性も処理工程時に影 響を受ける。ボードの冷却処理は一層正確に制御することができ、不快なＶＯＣ ガスの放出を閉じられた空間内に限定することができる。さらに、この方法はボ ード素材を個別のボード製品に切断する前に適用することができる。 以下に添付図面を参照して例を挙げて本発明を一層詳細に考察する。図面にお いて、 図１は本発明による簡単化した冷却装置の構造を概略的に示しており、 図２は内部のボード材料の移動を示す部分的に断面とした端面図で本発明によ る装置を示しており、また 図３は図２の線ＩＩＩ−ＩＩＩに沿う部分的に断面とした側面図で本発明によ る装置を示している。 この方法はガス剤に（ｇａｓｅｏｕｓ ａｇａｎｔ）よってボード状材料（ｂ ｏａｒｄ−ｌｉｋｅ ｍａｔｅｒｉａｌ）を処理するのに好適であり、この方法 は図面に示すように、処理される材料１を通してガスを流すことで実施される。 この方法は、処理されるボード材料（ｂｏａｒｄ ｍａｔｅｒｉａｌ）１が少な くとも１つの処理領域２に運ばれ、そこでガス処理剤がボードの少なくとも１つ の壁面に接触されてボード材料１を厚さ方向に透過され、また処理される材料１ に対する所望の作用効果を得るために、必要とされるならばガス処理剤の温度、 含水量（ｍｏｉｓｔｕｒｅ ｃｏｎｔｅｎｔ）および／または組成などの状態が 制御されるという概念に基づくものである。 この方法において、処理される材料１は少なくとも１つの処理領域２を通して 移動される。この処理される材料は少なくとも１つの処理領域を通して連続的に 、または周期的に移動される。 図１にはこの方法を実施するのに好適な構造が概略的に示されている。図面に おいては、木片を基材として圧搾形成されたボード素材等のボード状材料１がガ ス透過コンベヤ５によって処理領域２へ移動される。処理領域２は処理されるボ ードによって分けられる２つの隔室３，４に分割される。処理領域の第１隔室３ （この図ではボード材料の基本的に上方に位置する）に対してガス剤が少なくと も１つのノズル６を経て導入され、その隔室から処理ガスの少なくとも一部分は ボード材料１を透過してボード材料の反対側に位置した処理領域の第２隔室４へ 流れるように導かれる。第１隔室からボード材料を透過して対向する第２隔室へ 流れるガス剤の流れは、主としてボード材料の反対両側に形成されている分割さ れた隔室間に圧力差を与えるのに寄与する。図示構造においては、この圧力差は 少なくとも１つの回転式真空ポンプのような吸引ポンプ手段９によってボード材 料の下側に真空を形成することで得られる。ボード材料の反対側には処理領域の 第１隔室３にガス剤を導入するための手段６，７が備えられる。処理領域の第１ 隔室も、その処理領域からガス剤の一部分、典型的には過剰部分を排出するため の手段１０を備えることが好ましい。ガス処理剤の組成、温度、含水量、および ボード材料の２つの側面を囲む処理領域の隔室間の圧力差などの状態を変化させ ることで、ボード材料に対して所望の処理効果を与えることができる。図１の構 造においては、ガス入口ノズル６は、例えばガス処理剤の流れの中に蒸気を導入 する作用を果たすノズル１１を含む。 処理領域の第２隔室は、その処理領域の第２隔室からガス処理剤を排出するた めの手段８，９を備えている。排出されたガスは本発明による処理工程に戻され て再循環されるか、またはそれに代えてガス清浄または焼却のような事後処理工 程へ送ることができる。 すべてのガス透過性ボード状材料が本発明による方法で処理されるのに適当と される。明白なように、必要とされる圧力差のような処理工程のパラメータは、 処理されるボード材料の品質および望まれる処理効果に影響される。処理する典 型的なボード材料には、ＭＤＦボード、フレークボード（ｆｌａｋｅ ｂｏａｒ ｄｓ）、ファイバーボード、ＯＳＢボードその他のような木片を基材とした各種 のボードが含まれる。或る種のボード材料においては、必要とされる圧力差は、 ボード厚が例えば３０ｍｍの場合に２０ｋＰａ程度とされる。したがってボード を透過する体積ガス流量は約０．１ｍ³／秒となり、４ｍｍ厚ボードではこのガ ス流量は約０．４ｍ³／秒となる。 本発明による方法の有利な実施は、この方法による処理によってボード材料の 温度に影響を与えることである。基本的には、この目標はボード材料にその温度 よりも低い温度のガス流を当ててボード材料を冷却することで達成される。冷却 工程は、例えば処理ガスの含水量を変化させることで他の処理効果を得るように 実施できる。このようにして、ＶＯＣ（揮発性の有機炭素化合物）の含有量、含 水量および温度のようなボード材料の特性に影響を与えることができ、またはそ れに代えて例えば化学薬品をボード中に導入することができる。冷却効果は処理 ガスの温度および含水量を変化させることで制御できる。 さらに、直列および／または並列に配置された複数の処理領域２を使用できる 。これにより各処理領域は、個別に調整された処理ガスの組成、温度、含水量ま た は他のパラメータ、および／または圧力差および体積流量に基づいてボード材料 の特性に影響を与えるために、別々に使用することができる。複数の処理領域を 含む構造においては、少なくとも１つの処理領域において処理すべき材料を通し てガス剤を流し、この透過する流れ方向が隣りの領域にて使用される流れの方向 と基本的に反対方向となるようにすることが有利である。 １つの好ましい実施例において、先行する処理領域で使用されたガスの少なく とも一部分が次の処理領域へと次々に送られる。例えば、その領域の１つの実際 的な構造は、処理ガスがまず冷却ラインの最終領域に導入され、そこからボード 移動方向とは反対方向へ冷却ラインの第１領域に達するまで次々に処理領域に導 入され、これによりボードに対して最適に段階づけられた冷却が行われるように 構成される。 １つの好ましい実施例において、処理ガスの熱は、そのガスがボード材料を透 過した後回収される。この熱回収は、例えば図１に示すパイプ８上に、またはそ れに代えて例えば室４内に配置された熱交換器を使用して実施される。回収した 熱は通常のように例えばビルディングの暖房に使用される。 処理領域は、圧力センサー１３、温度センサー１２、含水量センサー１４およ び／または流量センサー１５のような検出装置で補完され、それらの出力信号が 処理工程の制御に使用される。図１に示す構造において、温度センサーは、処理 領域に対して入出するボード材料の入口端および出口端において処理領域に配置 され、これにより例えばその冷却領域における温度降下の変化の監視、および例 えばボード材料の冷却速度の制御が可能になる。 この方法を実施するのに好適な装置は室空間２を有して構成され、この室空間 はその第１隔室３および前記第１隔室にガス処理剤を流す手段６，７と、第２隔 室４および前記第２隔室に真空を発生させるための手段８，９と、室空間内でボ ード状材料を支持するための他の手段とを含んで成り、処理されるボード状材料 １それ自体が前記室空間の第１隔室を第２隔室から隔離する壁の少なくとも一部 分を形成する。この装置は、処理される材料１および／またはガス処理剤の状態 を監視するための検出部材１２，１３，１４，１５を備えていること、この装置 が必要に応じて検出部材の出力信号に基づいて制御されること、およびこの装置 がガス状の処理ガスの温度、含水量および／または組成などの状態パラメータを 制御するための手段を含んでいることをさらに他の特徴とする。 したがって、この装置は処理領域内でボード材料を運搬するための手段を必要 とする。そのような手段は、例えば図２および図３に示されたものに類似のロー ラーコンベヤ５とすることができる。コンベヤ５またはそのすぐ側にはボード１ の表面に対して密着されるシール手段１６が備えられ、これによりボード材料は 処理領域の少なくとも第１隔室３を処理領域の少なくとも第２隔室４から隔離す る隔室中間壁の一部分を形成できる。 シール手段１６はボード材料の表面と緊密に接触するシール周辺部を形成する ようになされるのが有利である。この装置は図２に示されるようにボード材料の 上方に適用される第２シール手段１７を含むのが有利である。このシール手段１ ７はシール周辺部を形成し、ボード材料の表面上に下げられることが有利である 。このシール手段１７はボード材料の頂面から揮発する放出ガスを閉じた空間内 に閉じ込めるように作用し、これにより放出ガスが大気中に漏れ出るのを防止す る。これにより、処理領域は閉じた構造とされて、これにより処理ガス、および ボードから蒸発するであろう不快な放出ガスが効果的に集合され、さらに他の処 理または例えば焼却工程（ｉｎｃｉｎｅｒａｔｉｏｎ）へ送られるように有利に 設計される。 この装置は熱交換器のような熱回収手段で補完されて、これによりボード材料 からガスへ伝達された熱を例えばビルディングの暖房のような他の処理に使用で きるようにすることができる。 当業者には、本発明が上述した例示実施例によって制限されず、むしろ添付請 求の範囲に記載される範囲および精神の範囲内で変化できることは明白なことで ある。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＡＴ，ＡＵ，Ｂ Ｇ，ＢＲ，ＣＡ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ ，ＦＩ，ＧＢ，ＨＵ，ＩＤ，ＪＰ，ＫＰ，ＫＲ，ＬＴ， ＬＶ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，Ｓ Ｅ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＲ，ＵＡ，ＵＳ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 処理する材料（１）を通してガス処理剤が送られるボード状材料のガス 処理剤による処理方法であって、処理されるボード材料（１）は少なくとも１つ の処理領域（２）へ運ばれ、そこでガス処理剤がボードの少なくとも１つの壁面 に接触されてボード材料（１）を厚さ方向に透過され、また処理される材料（１ ）に対する所望の作用効果を得るために、必要とされるならばガス処理剤の温度 、含水量および／または組成などの状態が制御されることを特徴とする処理方法 。 ２． 請求項１に記載された方法であって、処理される材料（１）が少なくと も１つの処理領域（２）を経て移動されることを特徴とする処理方法。 ３． 請求項１または請求項２に記載された方法であって、処理される材料（ １）が少なくとも１つの処理領域（２）を経て連続して移動されることを特徴と する処理方法。 ４． 請求項１から請求項３までのいずれか一項に記載された方法であって、 処理される材料（１）が少なくとも１つの処理領域（２）を経て周期的に移動さ れることを特徴とする処理方法。 ５． 請求項１から請求項４までのいずれか一項に記載された方法であって、 複数の処理領域を含む構造においては、少なくとも１つの処理領域において処理 すべき材料を通してガス処理剤が流されて、この透過する流れ方向が隣りの領域 にて使用される流れの方向と基本的に反対方向とされることを特徴とする処理方 法。 ６． 請求項１から請求項４までのいずれか一項に記載された方法であって、 ガス処理剤がボード材料を冷却するのに使用されることを特徴とする処理方法。 ７． 請求項１から請求項６までのいずれか一項に記載された方法であって、 ガス処理剤がボード材料を加熱するのに使用されることを特徴とする処理方法。 ８． 請求項１から請求項７までのいずれか一項に記載された方法であって、 ガス処理剤の含水量が制御されることを特徴とする処理方法。 ９． 請求項１から請求項８までのいずれか一項に記載された方法であって、 ボード材料から解放されたＶＯＣガスのような不快な放出ガスを集合し、それら をさらに他の処理工程へ送るためにも使用されることを特徴とする処理方法。 １０． 請求項１から請求項９までのいずれか一項に記載された方法であって 、ボード材料を通して送られるガス処理剤の熱が回収されることを特徴とする処 理方法。 １１． 請求項１に記載された方法を実施するのに好適な装置であり、第１隔 室（３）および前記第１隔室にガス処理剤を導入する手段（６，７）と、第２隔 室（４）および室空間の前記第２隔室に真空を発生させるための手段（８，９） と、室空間にボード状材料を支持するための他の手段（１５，１６）とを含んで 成る室空間（２）を有して構成され、それによって処理されるボード状材料（１ ）それ自体が前記室空間の第１隔室を第２隔室から隔離する壁の少なくとも一部 分を形成している装置であって、処理される材料（１）および／またはガス処理 剤の状態を監視するための検出部材（１２，１３，１４，１５）を備えているこ とと、この装置が必要に応じて検出部材の出力信号に基づいて制御されることと 、この装置がガス状の処理ガスの温度、含水量および／または組成を含む状態パ ラメータを制御するための手段を含んでいることを特徴とする装置。 １２． 請求項１０に記載された装置であって、両側からボード材料に緊密に 接触するようされるシール手段（１６，１７）をこの装置が含んで成ることを特 徴とする装置。 １３． 請求項１０または請求項１１に記載された装置であって、他の材料の 中でボード材料（１）の頂面から蒸発する放出ガスが大気中に漏れ出るのを特に 防止するように作用するシール周辺部を形成する形式のものであるのが有利とさ れるシール手段（１７）がボード材料の少なくとも片側に備えられたことを特徴 とする装置。