JP2001520704A - 硬質表面洗浄組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 洗剤が図に示すように、硬質表面上の付着汚れに接触した状態での各境界面に作用する表面張力減退剤、超湿潤剤及び有機汚れ結合／脱脂剤の相乗的組合せを含有する水性硬質表面洗浄組成物。この水性硬質表面洗浄組成物が相乗的に作用する三種類の境界面は、洗剤／大気境界面（１０）(固体（５０）上に付着した汚れ（８０）に塗布した水性洗浄組成物（２０）と大気（４０）との間)、洗剤／固体境界面、及び洗剤／汚れ境界面（汚れ／固体境界面（３０）も含めて）である。

Description

【発明の詳細な説明】発明の名称 硬質表面洗浄組成物 関連出願の参照 この出願は、１９９７年１２月１２日提出の米国仮出願第６０／０６９，３９ ５号、及び１９９８年８月６日提出の第６０／０９５，４５６号に基づき、米国 特許法３５ＵＳＣ第１１９(e)条による優先権を主張している。上記両出願の開 示内容はすべて本明細書に包含してある。 発明の背景 発明の属する分野 この発明は、ガラス、カウンター天板、機械・器具、金属製品等の表面のよう な硬質表面を洗浄するための組成物に関する。関連技術の説明 硬質表面洗浄剤としては、界面活性剤と非水溶性溶剤との水性混合物からなる ものが市販されている。しかしこれらの硬質表面洗剤では、油で汚れた表面を湿 潤にするには多くの界面活性剤を必要とし、またクリーニング工程において汚れ を拭き取るまでの間、その汚れを被洗浄表面上に浮遊した状態に保っておく為に は、多量の溶剤を配合しておく必要がある。したがって、これら市販の硬質表面 洗浄剤は通常、１％を超える界面活性剤と２％を超える非水溶性溶剤とを含んで いるが、界面活性剤の量は洗浄剤としての有効性を維持するに充分であり、しか し洗浄表面上に好ましくない皮膜を残すことのない程度のレベルのところに調整 されている。溶剤の量もまた、一般に適宜なレベルに調整されている。イオン化 し難い溶剤は被洗浄表面を湿潤化するには好ましいが、汚れを浮遊状態に保つた めには多量を要するのに対して、イオン化し易い溶剤は湿潤化剤としての有効性 は劣るけれども、汚れを浮遊状態に保つために要する量は少なくて済む。 発明の概要 この発明は、ガラス、カウンター天板、機械・器具、金属製品等の表面のよう な硬質表面を洗浄するための組成物、具体的には、従来の洗浄剤と比較して界面 活性剤および有機溶剤の量を現存の洗浄組成物で必要としていた量よりも少なく でき、しかも所期の目的に有効なる相乗作用を持つ界面活性剤と汚れ結合／脱脂 剤(coupling／degreasing agent)との混合物を含んだ洗浄組成物を提供している 。この発明に係る水性組成物での相乗的混合物は、表面張力減退剤(surface ten sion reducing agent)、超湿潤剤と、有機性の汚れ結合及び／又は脱脂剤とを含 んでいる。この水性硬質表面洗浄組成物には、更に、その汚れ吸蔵力(soil carr ying capacity)を高める乳化剤を加えてもよい。 図面の簡単な説明 第１図は、水性洗浄組成物が固体の表面に付着した汚れと接触した状態にある 時に生ずる境界面の模式的説明図である。 発明の詳細説明 この発明に係る水性の硬質表面洗浄組成物は、洗浄効果に有効な界面活性剤お よび有機溶剤の量を現存の洗浄組成物で必要としていた量よりも少なくできる相 乗作用を持つ界面活性剤と汚れ結合／脱脂剤との混合物を含むものである。少な くとも１種類の有機性の汚れ結合／脱脂剤に少量の超湿潤剤を化合して水性組成 物とすることにより、この混合物の被洗浄表面での拡散性、汚れへの浸透性およ び汚れを遊離させ／浮揚させる能力に相乗効果を与えることを、本発明者は発見 した。 この発明に係る水性洗浄組成物における３種類の相乗効果成分、即ち、超湿潤 剤、表面張力減退剤および有機性の汚れ結合／脱脂剤は、この洗浄組成物が固体 の硬質表面上に付着した汚れと接触することにより生じる異なる境界面において それぞれが作用している。この発明に係る水性洗浄組成物が相乗的に作用する３ 種類の境界面は、第１図に示すように、洗浄剤／大気境界面１０(固体５０上に 付着している汚れ８０に接触させた時のこの水性洗浄剤２０と大気４０との間の 界面)、洗浄剤／固体境界面６０および洗浄剤／汚れ境界面７０である。まず、 洗 浄剤／大気境界面１０においては、表面張力減退剤がギブスの自由エネルギーレ ベルに関して、水性洗浄剤の内部または他の境界面と比較してより低いエネルギ ーレベルにあり、このため表面張力減退剤がギブスの自由エネルギーレベルの低 い方向へと向かうことによって、水性洗浄剤を容易に拡散させるように作用する 。同様に、洗浄剤／固体境界面６０面においては、本発明の水性洗浄剤の超湿潤 剤成分がギブスの自由エネルギーレベルに関して、より低いエネルギーレベルに あり、このため超湿潤剤が固体表面と相互作用して洗浄効果上有利な親水性表面 を作り出す。有機汚れ結合／脱脂剤もまた、洗浄剤／汚れ境界面７０において水 性洗浄剤の内部または他の境界面と比較してより低いギブスの自由エネルギー状 態にある。本発明の水性洗浄組成物のこれらの有効成分の相乗作用により、汚れ はそれまで付着していた固体表面から効果的に解離しかつ浮遊して洗浄剤相内に 保持されることになる。 本発明の水性洗浄組成物中の表面張力減退剤成分は、水性組成物の約0.02ない し0.2重量％の範囲内であるのが効果的であると判った。なお、好ましくは、約0 .02ないし0.06重量％、より好ましくは、約0.03ないし0.05重量％であった。本 発明に用いるに適した表面張力減退剤としては、直鎖状脂肪族ピロリドン界面活 性剤(例えば、米国ニュージャージ州ウエインのISP社（ISP,Wayne,NJ）より市販 のSURFADONE LP-100)、アルコキシル化スルフォン化界面活性剤(例えば、米国ニ ュージャージ州クランベリーのロディア社（Rhodia，Cranbury，NJ）より市販の RHODAPEX CD128)、スルフォン化脂肪族（C₁₀未満）界面活性剤(例えば、上記ロ ディア社より市販のGEROPON SS-0-75)、アセチレン系ジオール(例えば、米国ペ ンシルバニア州アーリントンのエア・プロダクツ社(AirProducts,Allenton,PA) より市販のSURFYNOL 61)、フッ素化界面活性剤(例えば、米国ミネソタ州セント ・ポールの３Ｍ社（3M,St.Paul,MN）より市販のフルオロケミカル界面活性剤FLU ORAD)、および親水性―疎水性比（ＨＬＢ）の低いシリコーン（例えば、米国ジ ョージア州ノルクロスのランベント・テクノロジイ社（Lambent Technologies， Norcross，GA）より市販のSW-E-181）がある。勿論、上に列挙した物質に限るも のではないが、本発明に係る水性洗浄剤において良好なる相乗的洗浄効果を得る には、表面張力減退剤としてN-(n-オクチ ル)-2-ピロリドンを用いるのが好ましい。 本発明の水性洗浄組成物中の超湿潤剤成分は、水性組成物の約0.01ないし0.1 重量％の範囲内であるのが効果的であると判った。なお、好ましくは、約0.01な いし0.05重量％、より好ましくは、約0.03ないし0.04重量％であった。本発明に 用いるに適した超湿潤剤としては、ジ／トリ-シロキサングリコールエーテル(例 えば、米国ミネソタ州ミッドランドのダウ・コーニング社(Dow Corning，Midla nd,MI)より市販のQ2-5211)、式Ｈ₂N-(CH₂)x-(OCH₂ＣＨ₂)_Y-OH(式中X=2-4,および Y=4-10)のアミングリコールエーテル、ＥＰＡ法24で判定して５％未満、好まし くは、２％未満の低揮発性有機成分（ＶＯＣ）を有するアセチレン系ジオール( 例えば、エア・プロヅクツ社より市販のDYNOL 604)、ジ／トリ-シロキサングリ コールポリマーおよびグリセロールに基づく親水基をもつアミングリセロールモ リマーがある。勿論、上に列挙した物質のみに限るものではないが、本発明の水 性洗浄組成物の超湿潤剤として好ましいのは、Q2-5211のようなトリ−シロキサ ングリコールエーテル、またはDYNOL 604のような低揮発性有機成分を有するア セチレン系ジオールである。 汚れ結合剤は洗浄組成物の水性相とも溶剤として働く物質であり、また脱脂剤 はミセルを形成することにより汚れを包む界面活性剤である。この有機汚れ結合 ／脱脂剤は、本発明に係る水性洗浄組成物内の相乗的混合物の一成分として、洗 浄すべき汚れの程度に応じて約0.75ないし3.0重量％の範囲内で存在する。都会 の窓ガラスの洗浄およびキッチンの油汚れの洗浄には、３種類の汚れ結合／脱脂 剤、即ち、ジプロピレングリコールメチルエーテル、N-メチルピロリドンおよび ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル、の等分の混合物が効果的であるこ とがわかった。したがって、この混合物が好ましい。１種類であれ数種類の混合 物であれ、僅か0.75重量％の汚れ結合／脱脂剤を含めるだけで、その汚れ結合／ 脱脂剤の洗浄特性はガラスおよび家庭用電化製品の表面を洗浄するに充分である 。 グリコールエーテルのようなイオン化し難い溶剤はイオン化し易い溶剤に比べ て被洗浄表面の濡れ特性において優れているが、一般に汚れを良く包むためには 水性洗浄組成物中に多量に入れなければならない。これとは逆に、イオン化しや すい溶剤は組成物中の超湿潤剤の濡れ効果を抑制するが、汚れを包むことに関し ては優れた特性を備えている。グリコールエーテルのようなイオン化傾向の低い 有機性汚れ結合／脱脂剤を本発明の水性洗浄組成物に用いた場合、ひどい汚れに 対処するためには、グリコールエーテルの量を増やし余分に加えるか、あるいは 、油を溶かし汚れを吸蔵する力を強くする為に、例えば、コハク酸ジメチルプロ ビレン、グリコールメチレンエーテルアセテート、のようなイオン化しやすい溶 剤を加えることもできる。 有機性の汚れ結合／脱脂剤として適したものとしては、短鎖状ピロリドン(例 えば、ISP社より市販のN-メチルピロリドン)、二塩基性エステル(例えば、米国 ミズウリ州セント・ルイスのソルタ社（Solutia,St.Louis，ＭＯ）より市販のコ ハク酸ジメチル)、グリコールエーテル(例えば、米国ベンシルヴェニア州ニュー トンスクエアのアルコ・ケミカル社（ARCO Chemical，Newton Square，PA）より 市販のジプロピレングリコールn-プロビルエーテル)、酸素添加テレビン油(例え ば、α-テレピノール)、酢酸溶媒(例えば、アルコ・ケミカル社より市販のARCOS OLV PMアセテート)、ラクトン溶媒（例えば、γ-ブチロラクトン）ホルムアミド （例えば、ジメチルホルムアミド）およびスルフォキシド溶剤(例えば、ジメチ ルスルフォキシド）がある。勿論、上に列挙した物質に限るものではない。 この水性洗浄組成物には必要に応じて、その汚れ吸蔵能力を高めるためにエマ ルジョン形成界面活性剤を加えても良い。乳化剤は周知のものであり、本発明に 適した乳化剤は、洗浄組成物に従来使用されているエマルジョン形成界面活性剤 でよい。このような本発明に適した乳化剤としては、硫酸アルキルエーテル（例 えば、ロディア社のRHODAPEX EA-2)、硫酸アルキル(例えば、ＴＥＡ硫酸ラウリ ル)、ＨＬＢが１２を超えるEO／POブロックコポリマ界面活性剤(例えば、米国ニ ュージャージ州モントリバのバスフ社（BASF,Mount Oliver,HJ）より市販のPLU RONIC L64)、脂肪族燐酸エステル(例えば、ロディオ社から市販のLUBROPHOS LM) 、アルカノールアミド(例えば、ロディオ社から市販のALKAMIDE C-212)、イミダ ゾリン界面活性剤(例えば、ロディオ社から市販のMIRAMINE OC)、および酸化ア ミン（例えば、米国イリノイ州ユニバシティパークのマッキンテレ社(McIntyre, University Park,IL)から市販のMACKAMINE C-10 DECYLAMINE OXIDE)があるが、勿論これらの物質だけに限られるものではな い。しかしながら、この水性洗浄組成物においては、陽イオン界面活性剤は固体 表面を疎水性にして(疎水性末端が被洗浄表面から突出することによる)、水性洗 浄組成物中の超湿潤剤の機能を損なうために、陽イオン界面活性剤を使うことは 出来ない。この水性洗浄組成物に乳化剤を含有させる場合には、それは水性組成 物に対して約0.5ないし1.0重量％の範囲内であることが望ましい。 本発明に係る水性洗浄組成物に必要に応じて添加する成分としては上記の乳化 剤の他に、頑固な水垢や付着物の除去を意図したキレート剤、例えば、エチレン ジアミン四酢酸のアミンまたはアンモニウム塩、やフラグランスのような揮発性 芳香剤、殺生物剤を添加することができる。一般論として、フラグランス、殺生 物剤はそれぞれ、水性洗浄組成物に対して約0.006ないし0.1重量％、および約0. 05ないし0.5重量％、の範囲内にある。この水性洗浄組成物において用いる水は 、金属イオンおよびミネラルを殆ど含んでいないことが望ましく、蒸留水または 脱イオン処理した水が好ましい。 本発明に係る水性洗浄組成物のｐＨは、必要に応じて有機酸や有機アミンによっ て調整できるが、約４ないし９の範囲内にあるのが望ましい。特にアミンが揮発 して不快な臭気を発しない程度の濃度にアミンが存在している場合には、ｐＨは ほぼ４．５ないし６の範囲であることが望ましい。この水性洗浄組成物にイオン 性界面活性剤を使用した場合には、陽イオンはアンモニアまたはアミンであるこ とが望ましい。 本願発明者は、本発明の水性洗浄組成物内のアミン界面活性剤または水酸化ア ミンを有機酸で中和して得られる有機イオン性塩に関し以下の現象、即ち、この 有機イオン性塩汚れを固体表面から剥離して浮き上がらせることによって水性洗 浄組成物の洗浄力を高める現象、を発見した。このようにして形成された有機塩 は汚れ／固体境界面３０(第１図)へと移動し、被洗浄表面をその汚れ／固体境界 面のところにおいて親水性として疎水性汚れをはじくように作用する。このよう な有機塩は汚れ／固体境界面の付着汚れの下側にも拡散して、汚れを剥離して浮 き上がらせることにより、本発明の水性洗浄組成物の洗浄特性を高める。したが って、本発明に係る水性洗浄組成物においては水酸化アミンおよび／または有機 酸が存在することによって、ｐＨ調整と付着汚れを固体表面から剥離して浮き上 がらせる有機塩の形成との双方の目的を果たしている。水酸化アミンを含む本発 明に適した有機アミンの例を列挙すると、モノ／ジ／トリイソプロパノールアミ ン、エチレンジアミン４−エトキシレートおよびエチレンジアミン４−水酸化物 がある。上記の物質に限定されないことは勿論である。アミン界面活性剤及び水 酸化アミンを中和するための有機酸としては、エチレンジアミン四酢酸(これは キレート剤としても機能している)、クエン酸、グリコール酸および酢酸を用い ることができるが、これらの物質だけに限定されない。 ガラス及び家庭用器具類洗浄用の水性洗浄組成物として好ましい一実施例を表 １に示す。 汎用洗浄剤としての好ましい実施例を下記の表２に示す。 滅菌洗浄用としての好ましい実施例を下記の表３に示す。 汚れの酷い表面の洗浄用として好ましい実施例を表４に示す。 汚れの酷い表面の洗浄用として好ましい別の実施例を表５に示す。 上記の表１−５に示した生活汚れ結合剤と産業汚れ結合剤とは、脂肪酸、調理 油等の「家庭生活」による汚れとモータオイル、ベンゼン等の「鉱工業現場」で の汚れとを区別するためのものである。 本発明に係る水性の硬質表面洗浄組成物は、界面活性剤は極く少量しか含まず 、かつ金属イオンを含んでいない。その組成は蒸発後に目に見える付着物が残留 し ない程度の蒸気圧を持つように選択することができる。したがって、コの組成物 は完全に揮発してしまう成分で作ることができる。しかし、この水性洗浄組成物 にシリコーン界面活性剤を使用した場合には、蒸発後に洗浄済表面上に「照り」 が残る可能性がある。 本発明の相乗効果を検証するために、表１に示したガラスおよび家庭用器具類 の洗浄に適した実施例の成分に関し、個々単独で或いは組み合せて、水に対する 拡散性、表面張力及び汚れ除去能について試験した。その試験方法、結果を以下 に記載する。 例１： 水に対する拡散性の比較試験 水に対する拡散性は、光沢のあるセラミックタイル上に0.5mlの試料をピペッ トで乗せて測定した。この液滴の流動が止まるまで広がるにまかせた。液滴の直 径をその最小、最大を含めて四回測定した。その測定値の平均を取り、液滴の面 積を計算した。次いで、この拡散面積を脱イオン処理した水の拡散面積を基準と して規定した。（表６参照） 例２： 表面張力の比較試験 上掲の表６に記載のものと同一の試料組成について表面張力を試験した。試料 の表面張力はフィシャの張カマット＃21（Fisher Tensiomat#21）を用いて判定 した。その結果を表７にまとめて示す。 例３： 汚れ除去能の比較試験 例１及び２の試験で用いた組成物で更に汚れ除去能の試験を行った。この試験 は、特殊化学用品製造業協会発行、「ＣＳＭＡ洗浄剤部門試験方法解説、第三版 」（CSMA Detergents Division Test Methods Compendium，3^rd Edition，Chemi cal Specialties Manufactures Association,Washington,DC(1995)）に記載の標 準試験、ＣＳＭＡ指定ＤＣＣ−０９，を一部修正したガラス洗浄有効性試験に従 って行った。規定の試験手順では、汚れのために使用する媒体に数種の有害溶剤 、特に、パークロロエチレン、があったので、この点修正した。 イソプロピルアルコールにスパングラ・セブラム（Spangler's Sebrum）汚れ0 .5％（重量）と鉱油０．５％（重量）との混合物を懸濁させ、これを鏡面タイル に噴霧した。この汚れ懸濁液を少なくとも３０分タイル上に放置し、媒体である アルコールを揮発させ乾燥させた。残ったものが、試験に供される汚れである。 ガラス洗浄用の洗剤溶液の試料２mlを汚れの付着したタイル上に塗った。この 洗剤溶液塗布にあたっては、タイル面を２分割し、一方を覆い半分だけに散布し た。散布試料溶液を３０分間そのままに放置してから拭った。この拭う作業は、 剛性なスポンジにペーパタオルを巻き付けたもので行った。こうすることによっ て、タオルを巻き付けたスポンジがタイルの全長に亘って均一な圧力でその表面 を擦ることができる。タイルの一端から他端へと擦り、ついで逆方向に擦った。 各拭い行程ごと一定の圧力で四回反復して拭った。その後、ＣＳＭＡ指定ＤＣＣ −０９に示す手順にしたがって残留汚れを評価した。 各々の組成物ごとに四度の試験を行い、その四度の評価を平均した。表８はこ れらの試験の結果を示す。 例１−３に示す試験結果は、大気／水境界での界面活性剤および水／固体境界 での界面活性剤の表面張力並びに水に対する拡散面積が予想以上に極めて低い値 であること示している。しかし、拡散面積の値及び表７の本発明の好ましい実施 例での表面張力の値から明らかなように、これら二つの界面活性剤間には相乗効 果が認められた。この好ましい実施例では、成分試験において0.1％も使用して いるのに対して、僅かに0.032重量％のDYNOL 604と0.04重量％のN-(n-オクチル) ピロリドンとを使用しているだけである。汚れ除去のために汚れ結合剤を添加す ることにより相乗的洗浄効果が得られる。汚れ除去の評価は、表１に示した相乗 的実施例が最高であった。汚れ結合剤は、これ自体を単独成分として用いる場合 は、より高い濃度で使用しても、表１の実施例と同様の成果を達する事は出来な い。 以上の具体的実施例の説明により、この発明の総体的特性は充分に開示した。 この結果、当業者は現在の知識を活用することにより本発明の本質的概念を逸脱 することなく、開示した具体的実施例を容易に変更し、及び／又は種々の用途に 応用させることができる。従って、そのような応用及び変更は本願に開示した実 施態様と均等な意味と範囲に含まれるべきである。また、この明細書中の表現及 び用語は技術内容説明を目的としたものであり、本発明を限定するものではない ことを、念の為確認する。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ) ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ， ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，Ｄ Ｋ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ， ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，Ｌ Ｖ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ， ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，Ｕ Ｓ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者 シャノン，ジェイ．クリストファ アメリカ合衆国 フロリダ州32082 ポン テ ベルデ ビーチ，フェアウェイ パー ク ブールヴァード ＃601―100番地

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 水性硬質表面洗浄組成物において、 表面張力減退剤を約0.02ないし0.2重量％； 超湿潤剤を約0.01ないし0.1重力％；及び 汚れ結合剤、脱脂剤、それらの混合物から成る部類中から選ばれる有機剤を約0. 75ないし３重量％；含有してなり、ｐＨが約４ないし９の範囲内にある水性硬質 表面洗浄組成物。 ２ 上記表面張力減退剤が、直鎖状脂肪族ピロリドン界面活性剤、アルコ キシル化スルフォン化界面活性剤、スルフォン化脂肪族（Ｃ₁₀未満）界面活性剤 、アセチレン系ジオール、フッ素化界面活性剤、親水性―疎水性比（ＨＬＢ）の 低いシリコーン、及びそれらの混合物から成る部類中から選択さる請求の範囲１ による水性硬質表面洗浄組成物。 ３ 上記表面張力減退剤が、N-(n-オクチル)-2-ピロリドンである請求の 範囲１による水性硬質表面洗浄組成物。 ４ 上記表面張力減退剤が約0.02ないし0.06重量％の範囲内にある請求の 範囲１による水性硬質表面洗浄組成物。 ５ 上記表面張力減退剤が約0.03ないし0.05重量％の範囲内にある請求の 範囲１による水性硬質表面洗浄組成物。 ６ 上記超湿潤剤が、ジ−またはトリ−ジロキサングリコールエーテル、 式H₂N-(CH₂)_x-(OCH₂CH₂)_Y-OH(式中X=2−4，およびY=4−10)のアミングリコール エーテル、低揮発性有機成分を有するアセチレン系ジオール、グリセロールに基 づく親水性基をもつジ−またはトリ−シロキサングリコールポリマー、グリセロ ールに基づく親水性基をもつアミングリセロールモリマー、およびそれらの混合 物から成る部類中から選択される請求の範囲１による水性硬質表面洗浄組成物。 ７ 上記超湿潤剤が、トリ-シロキサングリコールエーテル、低揮発性有 機成分を有するアセチレン系ジオール、およびそれらの混合物から成る部類中か ら選択される請求の範囲１による水性硬質表面洗浄組成物。 ８ 上記超湿潤剤が約0.01ないし0.04重量％の範囲内にある請求の範囲 １による水性硬質表面洗浄組成物。 ９ 上記超湿潤剤が約0.03ないし0.04重量％の範囲内にある請求の範囲１ による水性硬質表面洗浄組成物。 １０ 上記有機性汚れ結合または脱脂剤は、短鎖状ピロリドン、二塩基性エ ステル、グリコールエーテル、酸素添加テレビン油、酢酸塩、アルコール、ラク トン、ホルムアミド、スルフォキシド、およびそれらの混合物から成る部類中か ら選択される請求の範囲１による水性硬質表面洗浄組成物。 １１ 上記有機性汚れ結合または脱脂剤は、ジプロピレングリコールメチル エーテル、N-メチルピロリドンおよびジブロピレングリコールn-プロピルエーテ ルの等分の混合物である請求の範囲１による水性硬質表面洗浄組成物。 １２ 上記有機性汚れ結合または脱脂剤の混合物が、上記水性組成物の約0. 75重量％存在している請求の範囲１１による水性硬質表面洗浄組成物。 １３ 上記有機性汚れ結合または脱脂剤が、約0.75ないし３重量％の範囲内 で存在している請求の範囲１１による水性硬質表面洗浄組成物。 １４ 約0.5ないし1.0重量％の乳化剤を更に含有することから成る請求の範 囲１による水性硬質表面洗浄組成物。 １５ 上記乳化剤は、硫酸アルキルエーテル、硫酸アルキル、ＨＬＢが１２ を超えるEO／POブロックコポリマ界面活性剤、脂肪族燐酸エステル、アルカノー ルアミド、イミダゾリン界面活性剤、酸化アミン、及びそれらの混合物からなる 部類中から選択される請求の範囲１４による水性硬質表面洗浄組成物。 １６ 上記水性組成物のｐＨが、約4.5ないし６の範囲内にある請求の範囲 １による水性硬質表面洗浄組成物。 １７ キレート剤を更に含有することから成る請求の範囲１による水性硬質 表面洗浄組成物。 １８ 上記水性組成物のｐＨを調整するための有機酸及び／または有機アミ ンを更に含有することから成る請求の範囲１による水性硬質表面洗浄組成物。