JP2001519666A - 分泌発現配列タグ(sESTs) - Google Patents

分泌発現配列タグ(sESTs)

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JP2001519666A JP54306898A JP54306898A JP2001519666A JP 2001519666 A JP2001519666 A JP 2001519666A JP 54306898 A JP54306898 A JP 54306898A JP 54306898 A JP54306898 A JP 54306898A JP 2001519666 A JP2001519666 A JP 2001519666A
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Abstract

(57)【要約】 種々のヒト組織から単離された分泌発現配列タグ(sESTs)が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 分泌発現配列タグ(sESTs) 発明の分野 本発明は、分泌蛋白の発現配列タグ(ESTs)である新規ポリヌクレオチド を提供する。 発明の背景 Gargantuanの努力は、天然のcDNAsのランダム配列部分を調べるための種 々の調査プロジェクトにより用いられている。遺伝子の同定および配列決定をす るというこのアプローチの根拠は、2つの基本的な原理:(1)転写されたcD NAsが最も重要な遺伝子の産物であること、すなわち、実際にインビボで発現 されるものであること、および(2)実際には発現されない標的生物の遺伝子お よびゲノムの他の部分を配列決定するための努力が、治療上重要な遺伝学的情報 が得られそうにない領域においては実質的に無駄となること、に基づくものであ る。よって、高処理量配列決定は、発現されるゲノムの部分にのみ焦点を絞って いる。ランダムに得られるcDNA配列は「発現配列タグ」または「ESTs」 と呼ばれ、それらを用いて、それらが転写されてくる長い全長cDNAまたはゲ ノム配列を同定でき、さらにはその同定ためのプローブとして用いられる。 ゲノム配列決定のためのこの「ショートカット」アプローチは完全ゲノムの配 列決定と比較すれば労力を節約できるが、蛋白性治療剤として直接的には有用で ないかもしれない多くのEST配列をさらに生じる。現在に至るまで、蛋白関連 薬品の発見の大部分は、所望治療効果を得るための分泌蛋白の使用に焦点を絞っ たもである。理論的には、ESTアプローチによりすべての発現蛋白が同定され るので、分泌蛋白(例えば、ホルモン類、サイトカイン類および受容体類)およ び非分泌蛋白(例えば、代謝酵素および細胞構造蛋白)の混合物を含むESTラ イブラリーが得られるが、いずれのESTsがどのカテゴリーに属する蛋白に対 応するのかは同定されない。結果的に、これらの方法は、分泌蛋白を検索してい る研究者の必要をうまく満たすものではない。なぜなら、研究者は、労力と資本 を浪費して非分泌性の「切りわら」から分泌性の「麦」を分離しなければならな いからである。 共有の米国特許第5536637号(参照により本明細書に記載されているも のとみなす)には、ゲノム配列決定の努力を分泌蛋白をコードする配列に向ける 方法が示されており、蛋白性治療剤の同定を最大の興味の対象としている。米国 特許第5536637号には、分泌蛋白のESTs(すなわち、「分泌発現配列 タグ」または「sESTs」という)を選択的に同定する「シグナル配列トラッ プ」が開示されている。 発明の概要 本発明は、種々のヒトRNA/cDNAソースから単離されたsESTsを提 供する。 好ましい具体例において、本発明は、下記のもの: からなる群より選択されるヌクレオチド配列またはその相補的配列を含む単離ポ リヌクレオチドを提供する。 他の具体例において、本発明は、下記のもの: からなる群より選択されるヌクレオチド配列またはその相補的配列からなる単離 ポリヌクレオチドを提供する。 さらなる具体例において、本発明は、下記のもの: からなる群より選択されるヌクレオチド配列またはその相補的配列を必須として なる単離ポリヌクレオチドを提供する。 さらに他の具体例において、本発明は、下記のもの: からなる群より選択される配列またはその相捕的配列にハイブリダイゼーション するヌクレオチド配列を含む単離ポリヌクレオチドを提供する。 また本発明は、上記ポリヌクレオチドによりコードされる蛋白を提供する。 詳細な説明 本発明sESTsのヌクレオチド配列を後の配列表に示す。表2は、出願人に より配列表中の各配列番号(SEQ ID NO)に割り当てられた「クローンID番号(Clo ne ID Nos)」を示す。 特定クローンの「クローンID番号」は、1個または2個の文字と、それに続 く番号からなっている。文字は、sESTsが単離された流出ソースを示す。後 の表3は、出願人のシグナル配列トラップが得られた種々のソースを示す。よっ て、対応「クローンID番号」に用いられている1個または2個の文字により、 特定のsEST配列の組織ソースを表3において確認することができる。例えば 、「BA312」と命名されたクローンは、表3に示すように、ヒト(26歳) 胎盤のライブラリーから単離されたものである(すなわち、セレクチン「BA」) 。 本明細書の用語「ポリヌクレオチド」は、1本鎖および2本鎖RNAs、DN AsおよびRNA:DNAハイブリッドを包含する。 本明細書の用語「分泌」蛋白は、適当な宿主細胞において発現されるものであ り、膜を通って輸送されるものである。輸送は、そのアミノ酸配列中のシグナル 配列によるものである場合を含む。「分泌」蛋白としては、発現細胞から完全に 分泌されるもの(例えば、可溶性蛋白)、部分的に分泌されるもの(例えば、受 容体)があるが、これらに限らない。また「分泌」蛋白としては、小胞体膜を通 って輸送されるものがあるが、これに限らない。 生物学的活性を示すことのできる本発明蛋白のフラグメントも本発明に含まれ る。蛋白のフラグメントは直鎖状であってもよく、あるいは例えばH.U.Saragovi ,et al.,Bio/Technology 10,773-778(1992)およびR.S.McDowell,et al.,J .Amer.Chem.Soc.114,9245-9253(1992)(参照により両文献を本明細書に記 載されているものとみなす)に記載されたような既知方法を用いて環化させても よい。多くの目的(蛋白結合部位の結合手を増加させることを包含)のために、 かかるフラグメントを免疫グロブリンのごとキャリヤ分子に融合させてもよい。 例えば、蛋白のフラグメントを「リンカー」を介して免疫グロブリンのFc部分 に融合させてもよい。2価形態の蛋白については、かかる融合をIgG分子のF c部分に対して行うことができる。他の免疫グロブリンイソタイプを用いてかか る融合物を得てもよい。例えば、蛋白−IgM融合物は、10価形態の本発明蛋 白を生じるであろう。 また本発明は全長および成熟形態の開示蛋白を提供する。かかる蛋白の全長形 態は、開示クローンのヌクレオチド配列の翻訳により配列表において同定されて いる。かかる蛋白の成熟形態を、適当な哺乳動物細胞または他の宿主細胞におい て開示の全長ポリヌクレオチド(好ましくは、ATCCに寄託されたもの)を発 現させることにより得てもよい。蛋白の成熟形態の配列を全長形態のアミノ酸配 列から決定してもよい。 また本発明は、本明細書開示のcDNA配列に対応する遺伝子を提供する。本 明細書開示の配列の情報を用い、既知方法に従って対応遺伝子を単離することが できる。かかる方法は、開示された配列の情報からプローブまたはプライマーを 調製して適当なゲノムライブラリーまたは他のゲノム材料源中の遺伝子の同定お よび/または増幅を行うことを包含する。 本発明蛋白が膜結合(例えば、受容体)である場合、本発明はかかる蛋白の可 溶性形態も提供する。かかる形態において、蛋白の細胞内および膜貫通ドメイン の一部または全体を取り外して、蛋白が発現された宿主から十分に分泌されるよ うにする。本発明蛋白の細胞内および膜貫通ドメインを、配列の情報からかかる ドメインを決定するための既知手法により同定することができる。 開示ポリヌクレオチドおよび蛋白の種相同体も、本発明により提供される。本 明細書の用語「種相同体」は、蛋白またはポリヌクレオチドの起源とは異なる種 に関する蛋白またはポリヌクレオチドであるが、当業者により決定された場合、 有意な配列類似性を有するものをいう。本明細書に示す配列から適当なプローブ またはプライマーを作成し、次いで、所望種由来の適当な核酸源をスクリーニン グすることにより種相同体を単離し同定してもよい。 また本発明は、開示ポリヌクレオチドの対立遺伝子変種、すなわち、本発明ポ リヌクレオチドによりコードされている蛋白と同一、相同的またはこれに関連し た蛋白をコードする単離ポリヌクレオチドの自然発生的別形態を包含する。 また本発明は、本明細書開示ポリヌクレオチドの配列に相捕的な配列を有する ポリヌクレオチドも包含する。 また本発明は、厳密さを減じた条件下で、より好ましくは厳密な条件下で、最 も好ましくは非常に厳密な条件下で、本明細書記載のポリヌクレオチドにハイブ リダイゼーションしうるポリヌクレオチドも包含する。厳密さの条件の例を下表 に示す。非常に厳密な条件は、例えば、少なくとも条件A〜Fと同程度に厳密で あり、厳密な条件は、例えば、少なくとも条件G〜Lと同程度に厳密であり、厳 密さを減じた条件は、例えば、少なくとも条件M〜Rと同程度に厳密である。 :ハイブリッド長さは、ハイブリダイゼーションしているポリヌクレオチドの ハイブリッドしている領域(複数も可)に関して予想される長さである。ポリヌ クレオチドを未知配列の標的ポリヌクレオチドにハイブリダイゼーションさせる 場合、ハイブリッド長さは、ハイブリダイゼーションするポリヌクレオチドの長 さと仮定する。既知配列のポリヌクレオチドがハイブリダイゼーションする場合 、ポリヌクレオチド配列を並置し、最適な配列相補性の領域(複数も可)を同定 することによりハイブリッド長さを決定することができる。 :ハイブリダイゼーションおよび洗浄バッファーにおいてSSPE(1XSS PEは0.15M NaCl、10mM NaH2PO4、および1.25mM ED TA,pH7.4である)をSSC(1XSSCは0.15M NaClおよび1 5mMクエン酸ナトリウムである)に置き換えることができる。ハイブリダイ ゼーション完了後、洗浄を15分間行う。 *TB−TR:長さ50塩基対よりも短いと予想されるハイブリッドについてのハ イブリダイゼーション温度は、ハイブリッドの融解温度(Tm)よりも5〜10 ℃低くすべきである。下記等式によりTmが決定される。長さ18塩基対未満の ハイブリッドについては、Tm(℃)=2(A+T塩基の数)+4(G+C塩基の数)。長さ18な いし49塩基対のハイブリッドについては、 Tm(℃)=81.5+16.6(log10[Na+])+0.41(%+C)-(600/N)であり、Nはハイブリッドの 塩基数であり、ハイブリダイゼーションバッファー中のナトリウムイオン濃度で ある(1XSSCについての[Na+]=0.165M)。 ポリヌクレオチドハイブリダイゼーションのための厳密さの条件のさらなる例 はSambrook,J.,E.F.Fritsch,and T.Maniatis,1989,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Har bor,NY,chapters 9 and 11,and Current Protocols in Molecular Biology, 1995,F.M.Ausubel et al.,eds.,John Wiley & Sons,Inc.,sections 2.10 and 6.3-6.4に記載されており、参照により本明細書に記載されているものとみ なす。 好ましくは、かかるハイブリダイゼーションするポリヌクレオチドのそれぞれ が、ハイブリダイゼーションすべき本発明ポリヌクレオチドの少なくとも25%( より好ましくは、少なくとも50%、最も好ましくは、少なくとも75%)の長 さを有し、ハイブリダイゼーションすべき本発明ポリヌクレオチドに対して少な くとも60%の配列同一性(より好ましくは、少なくとも75%の同一性、最も 好ましくは、少なくとも90%または95%の同一性)を有する。配列同一性は 、配列のギャップを最小にしつつ、重複および同一性を最大にするように配列を 並置した場合に蛋白のアミノ酸配列を比較することにより決定される。 本発明蛋白をコードしている単離ポリヌクレオチドを、Kaufman et al.,Nucl eic Acids Res.19,4485-4490(1991)に開示のpMT2またはpED発現ベクタ ーのごとき発現制御配列に作動可能に連結して、蛋白を組み換え的に製造しても よい。多くの適当な発現制御配列が当該分野において知られている。多くの適当 な発現制御配列が当該分野において知られている。組み換え蛋白発現のための一 般的方法も知られており、R.Kaufman,Methods in Enzymology 185,537-566( 1990)が典型例である。ここで定義する「作動可能に連結」とは、本発明単離ポ リヌク レオチドおよび発現制御配列がベクターまたは細胞中に置かれ、連結されたポリ ヌクレオチド/発現制御配列で形質転換(トランスフェクション)された宿主細 胞により発現されるようになっていることを意味する。 多くのタイプの細胞は本発明蛋白の発現に適した宿主細胞として作用しうる。 哺乳動物細胞は、例えば、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CH O)細胞、ヒト腎臓293細胞、ヒト表皮A431細胞、ヒトColo205細 胞、3T3細胞、CV−1細胞、他の形質転換された霊長類細胞系、正常2倍体 細胞、一次組織のインビトロ培養から得られる細胞株、一次エクスプラント、H eLa細胞、マウス細胞、BHK、HL−60、U937HaKまたはJurkat細 胞を包含する。 別法として、酵母のごとき下等真核細胞または細菌のごとき原核細胞において 蛋白を製造することが可能である。潜在的に適当な酵母株は、Saccharomyces ce revisiae、Schizosaccharomyces pombe、Kluyveromyces株、Candida、または異 種蛋白を発現可能な酵母株を包含する。潜在的に適当な細菌株は、Escherichia coli、Bacillus subtilis、Salmonella typhimurium、または異種蛋白を発現可 能な細菌株を包含する。蛋白が酵母または細菌において生成される場合、その中 で生成された蛋白を、例えば適当部位のリン酸化またはグリコシレーションによ り修飾して機能的蛋白を得る必要があるかもしれない。既知化学的または酵素的 方法を用いてかかる共有結合を行ってもよい。 本発明単離ポリヌクレオチドを1種またはそれ以上の昆虫発現ベクター中の適 当な制御配列に作動可能に連結し、昆虫発現系を用いることにより蛋白を得ても よい。バキュロウイルス/昆虫細胞発現系のための材料および方法は、例えばIn vitrogen,San Diego,California,USAからのキット形態(MaxBacRキット)で 市販されており、かかる方法は当該分野においてよく知られており、Summersお よびSmith,Texas Agricultural Experiment Station Bulletin No.1555(1987) (参照により本明細書に記載されているものとみなす)に記載のようなものがあ る。本明細書で用いるように、本発明ポリヌクレオチドを発現可能な昆虫細胞は 「形質転換」されている。 組み換え蛋白の発現に適した培養条件下で形質転換宿主細胞を培養することに より本発明蛋白を製造してもよい。次いで、得られた発現蛋白を、ゲル濾過およ びイオン交換クロマトグラフィーのごとき既知精製プロセスを用いてかかる培養 物(すなわち、培地または細胞抽出物)から精製してもよい。また、蛋白の精製 は、蛋白に結合するであろう作用剤を含有するアフィニティーカラム;コンカナ バリンA−アガロース、ヘパリン−トヨパールRまたはCibacromblue 3GAセファ ロースRのごときアフィニティーカラムによる1またはそれ以上のカラム工程; フェニルエーテル、ブチルエーテル、またはプロピルエーテルのごとき樹脂を用 いる疎水性相互作用クロマトグラフィーを用いる1またはそれ以上の工程;ある いは免疫アフィニティークロマトグラフィーを包含する。 別法として、本発明蛋白を精製容易形態として発現させてもよい。例えば、マ ルトース結合蛋白(MBP)、グルタチオン−S−トンスフェラーゼ(GST) またはチオレドキシン(TRX)との融合蛋白のごとき融合蛋白として発現させ てもよい。かかる融合蛋白の発現および精製のためのキットは、それぞれNew En glan BioLab(Beverly,MA)、Pharmacia(Piscataway,NJ)およびInVitrogenから 市販されている。蛋白にエピトープでタグを付し、次いで、かかるエピトープに 指向された特異的抗体を用いることにより精製することもできる。1のかかるエ ピトープ(「フラッグ」)はKodak(New Haeven,CT)から市販されている。 最後に、疎水性RP−HPLC媒体、例えば懸垂メチルまたは他の脂肪族基を 有するシリカゲルを用いる1またはそれ以上の逆相高品質液体クロマトグラフィ ー(RP−PLC)工程を用いてさらに蛋白を精製することができる。いくつか またはすべての上記精製工程を種々組み合わせて用いて実質的に均一な単離組み 換え蛋白を得ることもできる。かくして精製された蛋白は他の哺乳動物蛋白を実 質的に含まず、本発明において「単離蛋白」と定義される。 本発明蛋白をトランスジェニック動物の生産物として、例えば、蛋白をコード しているヌクレオチド配列を含む体細胞または生殖細胞により特徴づけられるト ランスジェニックウシ、ヤギ、ブタ、またはヒツジの乳の成分として発現させて もよい。 既知の慣用的化学合成により蛋白を製造してもよい。合成的手段による本発明 蛋白の構築方法は当業者に知られている。合成的に構築された蛋白配列は、一次 、二次または三次構造および/またはコンホーメーション特性を共有することに よって、蛋白活性をはじめとする共通の生物学的特性を有する可能性がある。よ って、それらを、治療化合物のスクリーニングおよび抗体の生成のための免疫学 的プロセスにおいて、天然の精製蛋白の生物学的活性または免疫学的置換物とし て使用 してもよい。 本明細書に示す蛋白は、精製蛋白のアミノ酸配列に類似したアミノ酸配列によ り特徴づけられるが、その中に自然にあるいは誘導体化によって修飾されていて もよい。例えば、ペプチドまたはDNA配列の修飾は既知方法を用いて当業者に より行われうる。蛋白配列中の目的とされる修飾は、コーディング配列中の選択 アミノ酸残基の変化、置換、交換、挿入または欠失を包含する。例えば、1個ま たはそれ以上のシステイン残基を欠失させ、あるいは別のアミノ酸と交換して分 子のコンホーメーションを変化させてもよい。かかる変化、置換、交換、挿入ま たは欠失のための方法は当業者によく知られている(例えば、米国特許第415 8584号参照)。好ましくは、かかる変化、置換、交換、挿入または欠失は蛋 白の所望活性を保持するものである。 全体的または部分的に蛋白活性を保持すると期待され、かくしてスクリーニン グまたは他の免疫学的方法に有用でありうる蛋白配列の他のフラグメントおよび 誘導体も、本明細書の開示から当業者により作成されうる。かかる修飾は本発明 により包含されると確信される。用途および生物学的活性 本発明ポリヌクレオチドおよび蛋白は、下記の1またはそれ以上の用途または 生物学的活性(本明細書に引用されたアッセイに関連するものも含む)を示すと 考えられる。本発明蛋白に関して説明された用途または活性は、かかる蛋白の投 与または使用により、あるいはかかる蛋白をコードしているポリヌクレオチドの 投与または使用(例えば、遺伝子治療またはDNA導入に適したベクターのごと き)により提供されうる。研究用途および有用性 本発明により提供されるポリヌクレオチドは、研究集団によって種々の目的に 使用されうる。分析用に、特徴づけまたは治療用途に、対応蛋白が優先的に発現 される(構成的に、または組織分化もしくは発達の特定段階において、または疾 病状態において発現される)組織のマーカーとして、さらにはサザンゲルの分子 量マーカーとして、染色体の同定または関連遺伝子位置のマッピングのための染 色体マーカーまたはタグとして(標識された場合)、患者の内在性DNAと比較 して潜在的な遺伝病の同定を行うために、ハイブリダイゼーションするプローブ として用いて新規な関連DNA配列を発見するために、遺伝学的フィンガープリ ンティングのためのPCRプライマーを得るための情報源として、他の新規ポリ ヌクレオチドを発見するプロセスにおいて既知配列を差し引くためのプローブと して、「遺伝子チップ」または他の支持体に結合させるためにオリゴマーを選択 し作成するために、発現パターンの試験のために、DNA免疫法を用いて抗蛋白 抗体を生成させるために、ならびに抗DNA抗体を生成させ、あるいはさらなる 免疫応答を誘導するための抗原として、ポリヌクレオチドを使用することができ る。別の蛋白に結合または潜在的に結合(例えば、受容体−リガンド相互作用に おけるように)する蛋白をコードしている場合、結合する他の蛋白を同定し、あ るいは、または結合相互作用の阻害剤を同定するための相互作用トラップアッセ イ(例えば、Gyuris et al.,Cell 75:791-803(1993)に記載されたような)にお いてポリヌクレオチドを使用することができる。 本発明により提供される蛋白は、高処理量スクリーニングのための一群の多数 の蛋白を含む、生物学的活性を決定するためのアッセイに;抗体の生成または他 の免疫応答を誘導するために;生物学的液体中の蛋白(またはその受容体)のレ ベルを定量的に決定するために設計されたアッセイにおける試薬(標識試薬を包 含)として;対応蛋白が優先的に発現される(構成的に、または組織分化もしく は発達の特定段階において、または疾病状態において発現される)組織のマーカ ーとして;ならびに、もちろん関連受容体またはリガンドを単離するために用い てもよい。蛋白がもう1つの蛋白に結合または潜在的に結合する場合、結合する 他の蛋白を同定し、あるいは、または結合相互作用の阻害剤を同定するために蛋 白を使用することができる。これらの結合相互作用に関与する蛋白を用いて、結 合相互作用に関するペプチドまたは小型分子状阻害剤またはアゴニストのスクリ ーニングを行うこともできる。 これらの研究用途のいずれかまたはすべては、研究用製品として商品化するた めに試薬グレードまたはキットのフォーマットへと発展させることができる。 上記使用を実行するための方法は当業者によく知られている。かかる方法を開 示する文献は、"Molecular Cloning:A Laboratory Manual",2nd ed.,Cold Spr ing Harbor Laboratory Press,Sambrook,J.,E.F.Fritsch and T.Maniatis eds.,1989,および"Methods in Enzymology:Guide to Molecular Cloning Techn iques", Academic Press,Berger,S.L.and A.R.Kimmel eds.,1987を包含するが、こ れらに限らない。 栄養としての用途 本発明ポリヌクレオチドおよび蛋白を栄養源または添加物として使用すること ができる。かかる用途は、蛋白またはアミノ酸添加物としての用途、炭素源とし ての用途、窒素源としての用途および炭水化物源としての用途を包含するが、こ れらに限らない。かかる場合、本発明蛋白またはポリヌクレオチドを特定の生物 のエサとして添加してもよく、あるいは粉末、ピル、溶液、懸濁液またはカプセ ルの形態のごとき別個の固体液体調合物として投与することもできる。微生物の 場合、微生物が培養される培地に本発明蛋白またはポリヌクレオチドを添加する ことができる。 サイトカインおよび細胞増殖/分化活性 本発明蛋白はサイトカイン活性、細胞増殖活性(誘導もしくは阻害)または細 胞分化活性(誘導もしくは阻害)を示しうるか、またはある種の細胞集団におい て他のサイトカインの産生を誘導しうる。今日まで見いだされてきた多くの蛋白 性因子(すべての既知サイトカインを包含)は、1またはそれ以上の因子依存的 細胞増殖アッセイにおいて活性を示しており、よって、アッセイはサイトカイン 活性の便利な確認法として役立つ。本発明蛋白の活性は、細胞系(32D、DA 2、DA1G、T10、B9、B9/11、BaF3、MC9/G、M+(pr eB M+)、2E8、RB5、DA1、123、T1165、HT2、CTL L2、TF−1、Mo7eおよびCMKを包含するが、これらに限らない)のた めの多くの常套的な因子依存的細胞増殖アッセイのいずれかにより確認される。 本発明蛋白の活性を、とりわけ、下記方法により測定してもよい: T細胞または胸腺細胞の増殖についてのアッセイは、Current Protocols in I mmunology,Ed by J.E.Coligan,A.M.Kruisbeek,D.H.Margulies,E.M.She vach,W Strober,Pub.Greene Publishing Associates and Wiley-Interscienc e(Chapter 3,In Vitro assays for Mouse Lymphocyte Function 3.1-3.19;Chap ter 7,Immunologic studies in Humans);Takai et al.,J.Immunol.137:3494 -3500, 1986;Bertagnolli et al.,J.Immunol.145:1706-1712,1990;Bertagnolli et al.,Cellular Immunology 133:327-341,1991;Bertagnolli,et al.,J.Immun ol.149:3778-3783,1992;Bowman et al.,J.Immunol.152:1756-1761,1994に 記載されたものを包含するが、これらに限らない。 脾臓細胞、リンパ節細胞または胸腺細胞のサイトカイン生成および/または増 殖に関するアッセイは、Polyclonal T cell stimulation,Kruisbeek,A.M.and Shevach,E.M.In Current Protocols in Immunology.J.E.e.a.Coligan eds .Vol 1 pp.3.12.1-3.12.14,John Wiley and Sons,Toronto.1994;and Measu rement of mouse and human Interferon γ,Schreiber,R.D.In Current Prot ocols in Immunology.J.E.e.a.Coligan eds.Vol 1pp.6.8.1-6.8.8,John Wi ley and Sons,Toronto.1994に記載されたものを包含するが、これらに限らな い。 造血およびリンパ生成細胞の増殖および分化についてのアッセイは、Measurem ent of Human and Murine Interleukin 2 and Interleukin 4,Bottomly,K.,D avis,L.S.and Lipsky,P.E.In Current Protocols in Immnunology.J.E.e.a .Coligan eds.Vol 1pp.6.3.1-6.3.12,John Wiley and Sons,Toronto.1991 ;deVries et al.,J.Exp.Med.173:1205-1211,1991;Moreau et al.,Nature 336:690-692,1988;Greenberger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.80:2 931-2938,1983;Measurement of mouse and human interleukin 6-Nordan,R.I n Current Protocols in Immunology.J.E.e.a.Coligan eds.Vol 1pp.6.6.1- 6.6.5,John Wiley and Sons,Toronto.1991;Smith et al.,Proc.Natl.Acad .Sci.U.S.A.83:1857-1861,1986;Measurement of human Interleukin 11-Ben nett,F.,Giannotti,J.,Clark,S.C.and Turner,K.J.In Current Protoc ols in Immunology.J.E.e.a.Coligan eds.Vol 1 pp.6.15.1 John Wiley and Sons,Toronto.1991;Measurement of mouse and human Interleukin 9-Ciarle tta,A.,Giannotti,J.,Clark,S.C.and Turner,K.J.In Current Protocol s in Immunology.J.E.e.a.Coligan eds.Vol 1pp.6.13.1,John Wiley and S ons,Toronto.1991に記載されたものを包含するが、これらに限らない。 抗原に対するT細胞クローンの応答についてのアッセイ(特に、増殖およびサ イトカイン産生を測定することによりAPC−T細胞相互作用ならびに直接的な T細胞の効果を同定する)は、Current Protocols in Immunology,Ed by J.E .Coligan,A.M.Kruisbeek,D.H.Margulies,E.M.Shevach,W Strober,Pub .Greene Publishing Associates and Wiley-Interscience(Chapter 3,In Vitro assays for Mouse Lymphocyte Function;Chapter 6,Cytokines and their cellular re ceptors;Chapter 7,Immunologic studies in Humans);Weinberger et al.,Pro c.Natl.Acad.Sci.USA 77:6091-6095,1980;Weinberger et al.,Eur.J.Im mun.11:405-411,1981;Takai et al.,J.Immunol.137:3494-3500,1986;Taka i et al.,J.Immunol.140:508-512,1988に記載されたものを包含するが、こ れらに限らない。 免疫刺激または抑制活性 また本発明蛋白は、本明細書記載のアッセイにおける活性(これらに限らない) を包含する免疫刺激または免疫抑制活性を示すものであってもよい。蛋白は、種 々の欠乏症および障害(重症の免疫欠乏合併症(SCID)を包含)において有 用である可能性があり、例えば、Tおよび/またはBリンパ球の増殖をアップレ ギュレーションまたはダウンレギュレーションすることにおいて、ならびにNK 細胞および他の細胞集団の細胞溶解活性を有効ならしめることにおいて有用であ りうる。これらの免疫欠乏症は遺伝的なものであつてもよく、またウイルス(例 えば、HIV)ならびに細菌または真菌感染により引き起こされるものであって もよく、あるいは自己免疫疾患により引き起こされるものであってもよい。より 詳細には、ウイルス、細菌、真菌または他の感染物質により引き起こされる感染 性疾患、例えば、HIV、肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、ミコバクテリア、 レシュマニア、マラリアおよびカンジダ種のごとき種々の真菌感染症を、本発明 蛋白を用いて治療可能である。もちろん、この点において、免疫系に対するブー ストが必要な場合、すなわち、癌の治療において、本発明蛋白を用いてよい。 本発明蛋白を用いて治療してもよい自己免疫疾患は、例えば、多発性硬化症、 全身性の深在性エリトマーデス、リューマチ性関節炎、自己免疫性肺炎、Guilla in-Barre症候群、自己免疫性甲状腺炎、インスリン依存性糖尿病、重症筋無力症 、対宿主移植片疾患および自己免疫性の炎症性の目の疾患を包含する。本発明の かかる蛋白を、喘息または他の呼吸器系の疾患のごときアレルギー性反応および 症状の治療に用いてもよい。免疫抑制が望まれる他の症状(例えば、喘息(特に アレルギー性喘息)および関連呼吸器系の問題を包含)を本発明蛋白を用いて治 療してもよい。免疫抑制が望まれる他の状態(例えば、器官移植を包含) を、本発明蛋白を用いて治療してもよい。 本発明蛋白を用いて、多くのやり方で免疫応答を可能にすることもできる。ダ ウンレギュレーションは、すでに進行中の免疫応答を阻害またはブロックする形 態のものであってもよく、あるいは免疫応答の誘導を妨害することを含むもので あってもよい。T細胞応答を抑制することにより、あるいはT細胞中に特異的な 耐性を誘導することにより、あるいはその両方により活性化T細胞の機能を阻害 してもよい。一般的には、T細胞応答の免疫抑制は活性のある、非抗原特異的な プロセスであり、T細胞を抑制剤に連続的に曝露することを必要とする。耐性と は、T細胞における非応答性またはアネルギーを意味し、一般的には抗原特異的 であり耐性化剤への曝露を止めた後も持続するという点で免疫抑制とは異なる。 操作上は、耐性化剤の不存在下で特異的抗原に曝露した際のT細胞応答の欠如に より耐性が示されうる。 1またはそれ以上の抗原機能(Bリンパ球抗原機能(例えばB7のごとき)を 包含するが、これに限らない)をダウンレギュレーションすることまたは妨害す ること、例えば、活性化T細胞による高レベルのリンホカイン合成の妨害は、組 織、皮膚および器官の移植および対宿主移植片疾患(GVHD)において有用で あろう。例えば、T細胞機能のブロックは組織移植における組織破壊を減少させ るはずである。典型的には、組織移植において、移植片の拒絶反応は、組織片が T細胞により外来のものと認識されることにより開始され、次いで、移植片を破 壊する免疫反応が起こる。免疫細胞上でのB7リンパ球抗原とその本来的なリガ ンドとの相互作用を阻害またはブロックする分子(別のBリンパ球抗原(例えば 、B7−1、B7−3)の活性を有するモノマー形態のペプチドと混合された、 あるいは単独の、B7−2活性を有する可溶性でモノマー形態のペプチド)の移 植前の投与は、応答的な同時刺激シグナルを伝達することなく免疫細胞上の本来 のリガンドへの分子の結合を誘導する可能性がある。この点においてBリンパ球 抗原機能をブロックすることは、T細胞のごとき免疫細胞によるサイトカイン合 成を妨害し、かくして、免疫抑制剤として作用する。そのうえ、同時刺激の欠如 はT細胞の反応を失わせるのに十分でありうる。Bリンパ球抗原ブロッキング試 薬による長期の耐性の誘導により、これらのブロッキング試薬の繰り返し投与の 必要性が回避されうる。対象において十分な免疫抑制または耐性を達成するため には、Bリンパ球抗原の組み合わせの機能をブロックすることも必要かもしれな い。 器官移植拒絶反応またはGVHDを妨害することにおける個々のブロッキング 試薬の有効性を、ヒトにおける有効性を推定しうる動物モデルを用いて評価する ことができる。使用可能な適当な系の例は、ラットにおける同種心臓移植片およ びマウスにおける異種膵臓島細胞移植片を包含し、それらは両方ともインビボで のCTLA4Ig融合蛋白の免疫抑制効果を試験するために使用された(Lenscho w et al.,Science 257:789-792(1992)およびTurka et al.,Proc Natl.Acad. Sci.USA,89:11102-11105(1992)に記載されている)。さらに、GVHDのネズ ミモデル(Paul ed.,Fundamental Immunology,Ravan Press,New York,1989 ,pp.846-847参照)を用いて、インビボでの当該疾患の進行に対するBリンパ球 抗原機能のブロッキング効果を決定することができる。 また、抗原機能をブロックすることは自己免疫疾患の治療にとり治療的に有用 でありうる。多くの自己免疫疾患は、自己組織に対して反応性があり、疾病の病 理に関与するサイトカインおよび自己抗体の産生を促進するT細胞の不適当な活 性化の結果である。自己反応性T細胞の活性化を妨害することは疾病の徴候を減 少または除去しうる。Bリンパ球抗原の受容体:リガンド相互作用を破壊するこ とによりT細胞の同時刺激をブロックする試薬の投与を用いてT細胞活性化を阻 害し、疾病プロセスに関与しうる自己抗体またはT細胞由来のサイトカインの産 生を妨害することができる。さらに、ブロッキング試薬は、疾病の長期の寛解を 導く可能性のある自己反応性T細胞の抗原特異的耐性を誘導しうる。自己免疫疾 患の予防または改善におけるブロッキング試薬の有効性を、ヒトの自己免疫疾患 についての十分に特徴づけられた多くの動物モデルを用いて決定することができ る。例は、ネズミの実験的自己免疫脳炎、MRLlpr/lprマウスまたはN ZBハイブリッドマウスにおける全身性深在性エリトマトーデス、ネズミ自己免 疫コラーゲン関節炎、NODマウスおよびBBラットにおける糖尿病、およびネ ズミの実験的重症筋無力症(Paul ed.,Fundamental Immunology,Raven Press ,New York,1989,pp.840-856)を包含する。 免疫応答をアップレギュレーションするための手段としての抗原機能(好まし くは、Bリンパ球抗原機能)のアップレギュレーションは治療に有用でもある。 免疫応答のアップレギュレーションは存在している免疫応答を促進する形態また は最初の免疫応答を除去する形態であってよい。例えば、Bリンパ球抗原機能を 刺激することによる免疫応答の促進は、ウイルス感染の場合に有用でありうる。 さらに、インフルエンザ、通常のかぜ、および脳炎のごとき全身的なウイルス性 疾患を、刺激性形態のBリンパ球抗原を全身投与することにより改善してもよい 。 別法として、T細胞を患者から取り、本発明ペプチドを発現するACPsを付 加したウイルス抗原とともにインビトロにおいてT細胞を同時刺激するか、また は刺激性形態の本発明可溶性ペプチドと一緒にし、次いで、インビトロで活性化 されたT細胞を患者体内に再導入することにより、感染患者における抗ウイルス 免疫応答を促進してもよい。抗ウイルス免疫応答を促進するもう1つの方法は、 感染細胞を患者から取り、本明細書記載の本発明蛋白をコードする核酸をそれら にトランスフェクションして細胞がその表面に蛋白全体または一部を発現するよ うにし、次いで、トランスフェクション細胞を患者体内に再導入することであろ う。すると、感染細胞はインビボにおいて同時刺激シグナルをT細胞に伝えるこ とができ、そのことによりT細胞を活性化することができよう。 もう1つの適用例において、抗原機能(好ましくは、Bリンパ球抗原機能)の アップレギュレーションまたは促進は腫瘍免疫性の誘導において有用でありうる 。本発明の少なくとも1種のペプチドをコードする核酸でトランスフェクション された腫瘍細胞(例えば、肉腫、黒色腫、リンパ腫、白血病、神経芽細胞腫、癌 腫)を対象に投与して対象中の腫瘍特異的耐性を克服することができる。所望な らば、腫瘍細胞をトランスフェクションしてペプチドの組み合わせを発現させる ことができる。例えば、患者から得た腫瘍細胞を、B7−2様活性を有するペプ チドのみ、またはB7−1様活性および/またはB7−3様活性を有するペプチ ドと組み合わせて発現することを指令する発現ベクターで、エクスビボにおいて トランスフェクションすることができる。トランスフェクションされた腫瘍細胞 を患者に戻して、トランスフェクションされた細胞の表面上にペプチドを発現さ せる。別法として、遺伝子治療法を用いてインビボでのトランスフェクションの ために腫瘍細胞を標的化することができる。 腫瘍細胞表面上におけるBリンパ球抗原の活性を有する本発明ペプチドの存在 は、T細胞に必要な同時刺激シグナルを提供して、T細胞により媒介されるトラ ンスフェクションされた腫瘍細胞に対する免疫応答を誘導する。さらに、MHC クラスIまたはMHCクラスII分子を欠く腫瘍細胞、あるいは十分量のMHC クラスIまたはMHCクラスII分子を再発現できない腫瘍細胞を、MHCクラ スIα鎖蛋白およびβ2マイクログロブリン蛋白またはMHCクラスIIα鎖お よびMHCクラスIIβ鎖蛋白の全体または一部(例えば、末端切断蛋白の細胞 質ドメイン)をコードしている核酸でトランスフェクションして、そのことによ りクラスIまたはクラスIIMHC蛋白を細胞表面上に発現させることができる 。Bリンパ球抗原(例えば、B7−1、B7−2、B7−3)の活性を有するペ プチドと組み合わせた適当なクラスIまたはクラスII HMCの発現は、T細 胞により媒介されるトランスフェクションされた腫瘍細胞に対する免疫応答を誘 導する。所望により、不変鎖のごとき、MHCクラスII結合蛋白の発現をブロ ックするアンチセンス構築物をコードしている遺伝子を、Bリンパ球抗原の活性 を有するペプチドをコードしているDNAとともに同時トランスフェクションし て腫瘍関連抗原の提示を促進し、腫瘍特異的免疫性を誘導こともできる。よって 、ヒト対象におけるT細胞により媒介される免疫応答の誘導は、対象における腫 瘍特異的耐性を克服するに十分でありうる。 本発明蛋白の活性を、特に、下記方法により測定してもよい: 胸腺細胞または脾臓細胞の細胞毒性に適したアッセイは、Current Protocols in Immunology,Ed by J.E.Coligan,A.M.Kruisbeek,D.H.Margulies,E.M .Shevach,W Strober,Pub.Greene Publishing Associates and Wiley-Inters cience(Chapter 3,In Vitro assays for Mouse Lymphocyte Function 3.1-3.19 ;Chapter 7,Immunologic studies in Humans);Herrmann et al.,Proc.Natl. Acad.Sci.USA 78:2488-2492,1981;Herrmann et al.,J.Immunol.128:1968- 1974,1982;Handa et al.,J.Immunol.135:1564-1572,1985;Takai et al.,J .Immunol.137:3494-3500,1986;Takai et al.,J.Immunol.140:508-512,19 88;Herrmann et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:2488-2492,1981;Herrma nn et al.,J.Immunol.128:1968-1974,1982;Handa et al.,J.Immunol.135 :1564-1572,1985;Takai et al.,J.Immunol.137:3494-3500,1986;Bowmanet al.,J.Virology 61:1992-1998;Takai et al.,J.Immunol.140:508-512,198 8;Bertagnolli et al.,Cellular Immunology 133:327-341,1991;Brown et al. ,J.Immunol.153:3079-3092,1994に記載されたアッセイを包含するが、これ らに限らない。 T細胞依存性免疫グロブリン応答およびイソタイプスイッチングのためのアッ セイ(特に、T細胞依存性抗体応答を転調させ、Th1/Th2プロフィールに 影響する蛋白を同定する)は、Maliazewski,J.Immunol.144:3028-3033,1990に記 載されているアッセイを包含するが、これに限らず、さらにB細胞の機能のアッ セイは、In vitro antibody production,Mond,J.J.and Brunswick,M.In Current Protocols in Immunology J.E.Coliganeds.Val 1 pp.3.8.1-3.8.16,John Wiley and Sons,Tronto 1994に記載のアッセイを包含する。 混合リンパ球反応(MLR)アッセイ(特に、主としてTh1およひCTL応 答を発生させる蛋白を同定する)は、Current Protocols in Immunology,Ed by J.E.Coligan,A.M.Kruisbeek,D.H.Margulies,E.M.Shevach,W Strober ,Pub.Greene Publishing Associates and Wiley-Interscience(Chapter 3,In Vitro assays for Mouse Lymphocyte Function 3.1-3.19;Chapter 7,Immunolo gic studies in Humans);Takai et al.,J.Immunol.137:3494-3500,1986;Tak ai et al.,J.Immunol.140:508-512,1988;Bertagnolli et al.,J.Immunol .149:3778-3783,1992に記載されたアッセイを包含するが、これらに限らない 。 樹枝状細胞依存的アッセイ(特に、無処理のT細胞を活性化する樹枝状細胞に より発現される蛋白を同定する)は、Guery et al.,J.Immunol.134:536-544 ,1995;Inaba et al.,Journal of Experimental Medicine 173:549-559,1991; Macatonia et al.,Journal of Immunology 154:5071-5079,1995;Porgador et al.,Journal of Experimental Medicine 182:255-260,1995;Nair et al.,Jou rnal of Virology 67:4062-4069,1993;Huang et al.,Science 264:961-965,1 994;Macatonia et al.,Journal of Experimental Medicine 169:1255-1264,198 9;Bhardwaj et al.,Journal of Clinical Investigation 94:797-807,1994;an d Inaba et al.,Journal of Experimental Medicine 172:631-640,1990に記載 されたアッセイを包含するが、これらに限らない。 リンパ球生存/アポトーシスのアッセイ(特に、超抗体誘導後のアポトーシス を防止する蛋白、ならびにリンパ球のホメオスタシスを調節する蛋白を同定する )は、Darzynkiewicz et al.,Cytometry 13:795-808,1992;Gorczyca et al., Leukemia 7:659-670,1993;Gorczyca et al.,Cancer Research 53:1945-1951, 1993;Itoh et al.,Cell 66:233-243,1991;Zacharchuk,Journal of Immunolog y 145:4037-4045,1990;Zamai et al.,Cytometry 14:891-897,1993;Gorczyca et al.,International Journal of Oncology 1:639-648,1992に記載のアッセ イを包含するが、これらに限らない。 初期段階のT細胞のコミットメント(commitment)および発達のアッセイは、 Antica et al.,Blood 84:111-117,1994;Fine et al.,Cellular Immunology 155: 111-122,1994;Galy et al.,Blood 85:2770-2778,1995;Toki et al.,Proc.Na tl.Acad.Sci.USA 88:7548-7551,1991に記載のアッセイを包含するが、これ らに限らない。 造血調節活性 本発明蛋白は、造血の調節において有用であり、それゆえ、骨髄およびリンパ 球欠乏症の治療において有用である。コロニー形成細胞または因子依存性細胞系 を支持する最低限の生物学的活性でさえも、造血の調節への関与を示している。 例えば、赤血球系前駆細胞のみの増殖を支持すること、あるいは他のサイトカイ ンと組み合わされて、例えば種々の貧血の治療に有用性を示すこと、あるいは放 射線療法/化学療法と組み合わされて赤芽前駆細胞および/または赤芽細胞の産 生を刺激すること;顆粒球のごとき骨髄細胞および単球/マクロファージの増殖 を支持すること(すなわち、伝統的なCSF活性)、例えば、化学療法と組み合 わされて、引き続き起こる骨髄抑制を防止することに有用であり;巨核細胞の増 殖、次いで、血小板の増殖を支持すること、またそれにより血小板減少症のごと き種々の血小板疾患を予防または治療することに有用であり、また一般的には血 小板輸液の代わりにあるいはそれと相補的に使用され;さらに/あるいは造血幹 細胞(成熟して上記のすべての造血細胞となり、それゆえ、種々の幹細胞疾患(通 常には、移植により治療される疾患であり、例えば、再生不良性貧血および発作 性の夜間ヘモグロビン尿症)において有用性がわかる)の増殖を支持することに有 用であり、さらにはインビボまたはエクスビボでの放射線/化学療法後(すなわ ち、骨髄移植と組み合わされる)、あるいは遺伝子治療のために遺伝子操作され た後の幹細胞コンパートメントの正常細胞としての再増殖においても有用である 。 本発明蛋白の活性を、特に、下記方法測定してもよい。 種々の造血細胞系の増殖および分化に適したアッセイはすでに引用されている 。 胚の幹細胞の分化のアッセイ(特に、胚の分化造血に影響する蛋白を同定する )は、Johansson et al.Cellular Biology 15:141-151,1995;Keller et al., Molecular and Cellular Biology 13:473-486,1993;McClanahan et al.,Blood 81:2903-2915,1993に記載のアッセイを包含するが、これらに限らない。 幹細胞生存および分化のアッセイ(特に、リンパ−造血を調節する蛋白を同定 する)は、Methylcellulose colony forming assays,Freshney,M.G.In Cultu re of Hematopoietic Cells.R.I.Freshney,et al.eds.Vol pp.265-268,W iley-Liss,Inc.,New York,NY.1994;Hirayama et al.,Proc.Natl.Acad.S ci.USA 89:5907-5911,1992;Primitive hematopoietic colony forming cells with high proliferative potential,McNiece,I.K.and Briddell,R.A.In C ulture of Hemat Qpoietic Cells.R.I.Freshney,et al.eds.Vol pp.23-39 ,Wiley-Liss,Inc.,New York,NY.1994;Neben et al.,Experimental Hemato logy 22:353-359,1994;Cobblestone area forming cell assay,Ploemacher,R .E.In Culture of Hematopoietic Cells.R.I.Freshney,et al.eds.Vol pp .1-21,Wiley-Liss,Inc..,New York,NY.1994;Long term bone marrow cult ures in the presence of stromal cells,Spooncer,E.,Dexter,M.and Alle n,T.In Culture of Hematopoietic Cells.R.I.Freshney,et al.eds.Vol pp.163-179,Wiley-Liss,Inc.,New York,NY.1994;Long term culture init iating cell assay,Sutherland,H.J.In Culture of Hematopoietic Cells.R .I.Freshney,et al.eds.Vol pp.139-162,Wiley-Liss,Inc.,New York,N Y.1994に記載されたアッセイを包含するが、これらに限らない。 組織増殖活性 本発明蛋白は、骨、軟骨、鍵、靭帯および/または神経組織の成長または再生 、ならびに傷の治癒および組織修復に用いる組成物において、さらに熱傷、裂傷 および潰瘍の治療において有用性を有する。 骨が正常に形成されない環境において軟骨および/または骨の成長誘導する本 発明蛋白は、ヒトおよび他の動物における骨折および軟骨損傷または欠損の治癒 における用途がある。本発明蛋白を用いるかかる調合物は、閉鎖性骨折ならびに 解放性骨折の軽減に有用であり、また人工関節の固定の改善にも有用である。骨 形成剤により誘導されるデノボ骨形成は、先天性の、外傷による、あるいは腫瘍 学的切除により誘発される脳顔面頭蓋の欠損の修復に貢献し、さらに美容整形外 科手術においても有用である。 本発明蛋白を歯周病の治療および他の歯の修復プロセスに用いてもよい。かか る作用剤は、骨形成細胞を誘引する環境を提供し、骨形成細胞の増殖を刺激し、 あるいは骨形成細胞前駆体の分化を誘導しうる。本発明蛋白は、例えば、骨およ び/または軟骨修復の刺激により、あるいは炎症または炎症プロセスにより媒介 される組織破壊のプロセス(コラゲナーゼ活性、破骨細胞活性等)をブロックす ることにより、骨粗鬆症または骨関節炎の治療においても有用でありうる。 本発明蛋白によるものとしてもよい組織発生活性のもう1つのカテゴリーは鍵 /靭帯の形成である。鍵/靭帯様組織または他の組織が正常に形成されない環境 におけるかかる組織の形成を誘導する本発明蛋白は、ヒトおよび他の動物におけ る鍵または靭帯の裂傷、変形および他の鍵または靭帯の欠損の治癒、に適用され る。鍵/靭帯様組織誘導蛋白を用いるかかる調合物は、鍵または靭帯組織に対す るダメージの予防ならびに鍵または靭帯の骨または他の組織への固定の改善に用 いてもよい。本発明組成物により誘導されるデノボ鍵/靭帯様組織形成は、先天 性の、外傷による、あるいは腫瘍学的切除により誘発される脳顔面頭蓋の欠損の 修復に貢献し、さらに鍵または靭帯の付着または修復のための美容整形外科手術 においても有用である。本発明組成物は、鍵−または靭帯−形成細胞を誘引する ための環境を提供し、鍵−または靭帯−形成細胞の増殖を刺激し、鍵−または靭 帯−形成細胞の前駆体の分化を誘導し、あるいはインビボに戻した場合に組織修 復を行うようにエクスビボでの鍵/靭帯細胞または前駆体の増殖を誘導しうる。 本発明組成物は、鍵炎、手根骨トンネル症候群および他の鍵または靭帯の欠損に も有用である。本発明組成物は、適当なマトリックスおよび/または当該分野で よく知られた担体のごとき隔離剤を含んでいてもよい。 本発明蛋白は、神経細胞の増殖ならびに神経および脳組織の再生に、すなわち 、中枢および末梢神経系疾患およびニューロパシーならびに機械的疾患および外 傷性疾患(神経細胞または神経組織に対する変性、死もしくは外傷を包含)の治 療にも有用でありうる。より詳細には、末梢神経傷害、末梢ニューロパシーおよ び局在化ニューロパシーのごとき末梢神経系の疾病、ならびにアルツハイマー病 、パーキンソン病、ハンチントン病、筋委縮性外側脊髄硬化症およびShy-Drager 症候群のごとき中枢神経系の疾病の治療に蛋白を使用してもよい。本発明により 治療してもよいさらなる症状は、脊髄疾患のごとき機械的疾患および外傷性疾患 、頭部外傷ならびに卒中のごとき脳血管系の疾患を包含する。化学療法または他 の医学的療法により引き起こされる末梢ニューロパシーは、本発明蛋白を用いて 治療可能である。 また本発明蛋白は、圧迫性潰瘍、血管機能不全に関連した潰瘍、外科的および 外傷による創傷等(これらに限らない)を包含する非治癒性創傷のより好ましく 迅速な閉口の促進にも有用でありうる。 また本発明蛋白は、器官(例えば、膵臓、肝臓、腸、腎臓、皮膚、内皮を包含 )、筋肉(平滑筋、骨格筋または心筋)、および血管(血管内皮を包含)組織の ごとき他の組織の発生、あるいはかかる組織を構成している細胞の増殖促進のた めの活性を示しうる。望ましい効果の一部は、線維症性瘢痕を抑制することによ る正常組織の再生であってもよい。本発明蛋白は脈管形成活性も示しうる。 本発明蛋白は、腸の保護または再生、および肺または肝臓の線維症、種々の組 織の再灌流傷害、および全身的なサイトカインのダメージにより生じる症状の治 療にも有用でありうる。 本発明蛋白は、前駆体組織または細胞からの上記組織の分化促進または抑制; あるいは上記組織の増殖抑制にも有用でありうる。 本発明蛋白の活性は、とりわけ、以下の方法により測定してもよい: 組織再生活性のアッセイは、国際公開WO95/16035(骨、軟骨、鍵); 国際公開WO95/05846(神経、ニューロン);国際公開WO91/07 491(皮膚、内皮)に記載されたアッセイを包含するが、これらに限らない。 創傷治癒活性のアッセイは、Winter,Epidermal Wound Healing,pps.71-112 (Maibach,HI and Rovee,DT,eds.),Year Book Medical Publishers,Inc.,C hicago(Eaglstein and Mertz,J.Invest.Dermatol 71:382-384(1978)により 修飾されている)に記載されたものを包含するが、これらに限らない。 アクチビン/インヒビン活性 また、本発明蛋白はアクチビン−またはインヒビン−関連活性を示しうる。イ ンヒビン類は、卵胞刺激ホルモン(FSH)の放出抑制能により特徴づけられ、 アクチビン類は、卵胞刺激ホルモン(FSH)の放出刺激能により特徴づけられ る。よって、本発明蛋白は、単独であるいはインヒビンαファミリーのメンバー とのヘテロダイマーの形態で、メスの哺乳動物の繁殖力を減少させ、オスの哺乳 動物の精子形成減少させるインヒビンの能力に基づく不妊薬として有用でありう る。十分な量の他のインヒビンの投与により、これらの哺乳動物において不妊を 誘導することができる。別法として、本発明蛋白は、ホモダイマーとしてあるい はインヒビン−βグループの他の蛋白のサブユニットとのヘテロダイマーとして 、下垂体前葉細胞からのFSH放出の刺激におけるアクチビン分子の能力に基づ いて、繁殖力を誘導する治療薬として有用でありうる。例えば、米国特許第47 98885号参照。また本発明蛋白は、性的に未成熟な哺乳動物における繁殖の 向上に有用である可能性があり、その結果、ウシ、ヒツジおよびブタのごとき家 畜の生存期間中の繁殖力が増大する。 本発明蛋白の活性は、とりわけ、下記方法により測定してもよい: アクチビン/インヒビン活性のアッセイは、Vale et al.,Endocrinology 91: 562-572,1972;Ling et al.,Nature 321:779-782,1986;Vale et al.,Nature 321:776-779,1986;Mason et al.,Nature 318:659-663,1985;Forage et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:3091-3095,1986に記載のアッセイを包含する が、これらに限らない。 化学走性/ケモキネシス活性 本発明蛋白は、哺乳動物細胞、例えば単球、好中球、T細胞、肥満細胞、好酸 球および/または内皮細胞の化学走性またはケモキネシス活性(例えば、ケモカ インとして作用)を有する可能性がある。化学走性およびケモキネシス蛋白を用 いて所望細胞集団を所望作用部位に動員または誘引することができる。化学走性 またはケモキネシス蛋白は、組織に対する傷害および他の外傷の治療ならびに局 所的な感染の治療に特に有利である。例えば、リンパ球、単球または好中球の腫 瘍または感染部位への誘引は、腫瘍または感染因子に対する免疫応答を改善しう る。 特定の蛋白またはペプチドは特定の細胞集団に対して化学走性活性を有してお り、刺激可能な場合には、直接的または間接的にかかる細胞集団の方向または運 動を指令する。好ましくは、蛋白またはペプチドは、細胞の方向づけられた運動 を直接的に刺激する能力を有する。特定の蛋白が細胞集団に対する化学走性活性 を有するかどうかを、かかる蛋白またはペプチドを細胞化学走性の既知アッセイ に用いることにより容易に決定することができる。 本発明蛋白の活性は、とりわけ、下記方法により測定してもよい: 化学走性活性のアッセイ(化学走性を誘導または妨害する蛋白を同定するアッ セイ)は、細胞の膜を越えた移動を誘導する蛋白の能力ならびに1の細胞集団の 他の細胞集団への付着を誘導する蛋白の能力を測定するアッセイを含む。移動お よび付着に適したアッセイは、Current Protocols in Immunology,Ed by J.E. Coligan,A.M.Kruisbeek,D.H.Margulies,E.M.Shevach,W.Strober,Pub.G reene Publishing Associates and Wiley-Interscience(Chapter 6.12,Measure ment of alpha and beta Chemokines 6.12.1-6.12.28;Taub et al.J.Clin.In vest.95:1370-1376,1995;Lind et al.APMIS 103:140-146,1995;Muller et a l Eur.J.Immunol.25:1744-1748;Gruber et al.J.of Immunol.152:5860-58 67,1994;Johnston et al.J.of Immunol.153:1762-1768,1994に記載のアッ セイを包含するが、これらに限らない。 止血および血栓溶解活性 また、本発明蛋白は、止血または血栓溶解活性を示す可能性がある。結果とし て、かかる蛋白は、種々の凝血疾患(血友病のごとき遺伝性疾患を包含)の治療 に有用であり、あるいは外傷、手術または他の原因により生じた傷害の治療にお ける凝血および他の止血を促進しうる。本発明蛋白は、血栓の溶解または血栓形 成阻害ならびにそれらにより生じる症状(例えば、心筋梗塞および中枢神経系血 管の梗塞(例えば、卒中)のごとき)の治療および予防に有用でありうる。 本発明蛋白の活性を、とりわけ、下記方法により測定してもよい: 止血および血栓溶解活性のアッセイは、Linet et al.,J.Clin.Pharmacol. 26:131-140,1986;Burdick et al.,Thrombosis Res.45:413-419,1987;Humphr ey et al.,Fibrinolysis 5:71-79(1991);Schaub,Prostaglandins 35:467-474 ,1988に記載のアッセイを包含するが、これらに限らない。 受容体/リガンド活性 また、本発明蛋白は、受容体、受容体リガンドまたは受容体/リガンド相互作 用の阻害剤もしくはアゴニストとしての活性を示しうる。かかる受容体およびリ ガンドの例は、サイトカイン受容体およびそれらのリガンド、受容体キナーゼお よびそれらのリガンド、受容体ホスファターゼおよびそれらのリガンド、細胞− 細胞相互作用に関与する受容体およびそれらのリガンド(細胞付着分子(セレク チン、インテグリンおよびそれらのリガンドのごとき)ならびに抗原提示、抗原 認識、細胞性および体液性免疫応答の発生に関与する受容体/リガンド対などを 包含)を包含するがこれらに限らない。受容体およびリガンドは、関連する受容 体/リガンド相互作用に対する潜在的なペプチドまたは小型分子阻害剤のスクリ ーニングにも有用である。本発明蛋白(受容体およびリガンドのフラグメントを 包含するが、これらに限らない)は、それ自体、受容体/リガンド相互作用の阻 害剤として有用でありうる。 本発明蛋白の活性を、とりわけ、下記方法により測定してもよい: 受容体−リガンド活性の適当なアッセイは、Current Protocols in Immunolog y,Ed by J.E.Coligan,A.M.Kruisbeek,D.H.Margulies,E.M.Shevach ,W.Strober,Pub.Greene Publishing Associates and Wiley-Interscience(C hapter 7.28,Measurement of Cellular Adhesion under static conditions 7. 28.1-7.28.22),Takai et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:6864-6868,19 87;Bierer et al.,J.Exp.Med.168:1145-1156,1988;Rosenstein et al.,J .Exp.Med.169:149-160 1989;Stoltenborg et al.,J.Immunol.Methods 175 :59-68,1994;Stitt et al.,Cell 80:661-670,1995に記載のアッセイを包含す るが、これらに限らない。 抗炎症活性 本発明蛋白は抗炎症活性を示しうる。抗炎症活性は、刺激応答に関与している 細胞に刺激を与えることにより、細胞−細胞相互作用(例えば、付着のごとき) を阻害または促進することにより、炎症プロセスに関与している細胞の化学走性 を阻害または促進することにより、細胞溢出を阻害または促進することにより、 あるいは炎症応答をより直接的に阻害または促進する他の因子の産生を刺激また は抑制することにより発揮される。かかる活性を示す蛋白を用いて炎症の症状( 慢性もしくは急性症状を包含、感染に関連した炎症(敗血性ショック、敗血症も しくは全身性炎症応答症候群(SIRS)のごとき)、虚血−再潅流傷害、エン ドトキシンによる致命的傷害、関節炎、補体により媒介される超急性拒否反応、 腎炎、サイトカインもしくはケモカインにより誘導される肺の傷害、炎症性腸疾 患、クローン病またはTNFもしくはIL−1のごときサイトカインの過剰産生 から生じる疾病を包含するがこれらに限らない)を治療することができる。本発 明蛋白は、アナフィラキシーおよび抗原性物質もしくは材料に対する過敏症の治 療に も有用でありうる。 腫瘍阻害活性 腫瘍の免疫学的治療または予防に関する上記活性のほかに、本発明蛋白は他の 抗腫瘍活性を示しうる。ある蛋白は腫瘍増殖を直接的または間接的に(例えば、 ADCCを介して)阻害しうる。ある蛋白は、腫瘍組織または腫瘍前駆体組織に 作用して、腫瘍増殖を支持するに必要な組織の形成を阻害し(例えば、脈管形成 を阻害することにより)、腫瘍増殖を阻害する他の因子、作用剤または細胞タイ プの産生を引き起こすことにより、あるいは腫瘍増殖を促進する因子、作用剤ま たは細胞タイプを除去または阻害することにより腫瘍阻害活性を示しうる。 他の活性 本発明蛋白は、下記のさらなる活性または効果の1つまたはそれ以上を示しう る:細菌、ウイルス、真菌および他の寄生虫(これらに限らず)を包含する感染 性因子の殺傷;身長、体重、体毛の色、目の色、皮膚または他の組織の色素沈着 、または器官または身体部分のサイズまたは形態(例えば、豊胸またはその逆) を包含する身体特性への影響(抑制または促進);摂食した脂肪、蛋白または炭 水化物の消化への影響;食欲、性欲、ストレス、認識(認識の疾患を包含)、鬱 (鬱病性疾患を包含)および暴力的行為(これらに限らず)を包含する行動特性へ の影響;鎮痛効果または他の痛み軽減効果の提供;造血系以外の系統における胚 の幹細胞の分化および増殖の促進;ホルモンまたは内分泌活性;酵素の場合、酵 素欠乏の修正および関連疾患の治療;過剰増殖性疾患(例えば、乾癬のごとき) の治療;免疫グロブリン様活性(例えば、抗体または補体に結合する能力);な らびにワクチン組成物において抗原として作用してかかる蛋白またはかかる蛋白 と交差反応する他の物質もしくは存在に対する免疫応答を生じさせる能力。投与および用量 本発明蛋白(どのような源からであってもよく、組み換え法および非組み換え 法によるものを包含するが、これらに限らない)を、医薬上許容される担体と混 合して医薬組成物中に用いてもよい。かかる組成物は(蛋白および担体のほかに) 、希釈剤、充填剤、塩類、バッファー、安定化剤、可溶化剤、および当該分野で よ く知られた他の物質を含有していてもよい。用語「医薬上許容される」は、有効 成分の生物学的活性の有効性を妨害しない無毒の物質を意味する。担体の特性は 投与経路に依存する。本発明医薬組成物は、M−CSF、GM−CSF、TNF 、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、 IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL −14、IL−15、IFN、TNF0、TNF1、TNF2、G−CSF、M eg−CSF、スロンボポイエチン、幹細胞因子、およびエリスロポイエチンの ごときサイトカイン、リンホカイン、または他の造血因子を含有していてもよい 。医薬組成物はさらに、蛋白活性を増強し、あるいは治療においてその活性また は有用性を補う他の作用剤を含有していてもよい。かかるさらなる因子および/ または作用剤を医薬組成物に含有させて、本発明蛋白との相乗効果を発揮させ、 あるいは副作用を最小化してもよい。逆に、特定のサイトカイン、リンホカイン 、他の造血因子、血栓溶解因子または抗血栓因子、または抗炎症剤の処方に本発 明蛋白を含有させて、サイトカイン、リンホカイン、他の造血因子、血栓溶解因 子または抗血栓因子、または抗炎症剤の副作用を最小化してもよい。 本発明蛋白は、多量体(例えば、ヘテロダイマーまたはホモダイマー)または それ自体もしくは他の蛋白との複合体となって活性でありうる。結果的に、本発 明医薬組成物は、かかる多量体または複合体形態の本発明蛋白を含むものであっ てもよい。 本発明医薬組成物は、本発明蛋白と蛋白もしくはペプチド抗原との複合体の形 態であってもよい。蛋白および/またはペプチド抗原は、Bリンパ球ならびにT リンパ球に対して刺激シグナルを送達するであろう。Bリンパ球はその表面免疫 グロブリン受容体を通して抗原に応答するであろう。Tリンパ球は、MHC蛋白 による抗原提示後、T細胞受容体(TCR)を通して抗原に応答するであろう。 MHCならびに宿主細胞のクラスIおよびクラスIIのMHC遺伝子によりコー ドされたものを包含する構造上関連した蛋白は、Tリンパ球に対するペプチド抗 原の提示に役立つであろう。抗原成分は、精製MHC−ペプチド複合体のみとし て、または直接T細胞にシグナルを送ることのできる同時刺激分子とともに供給 されうる。あるいはまた、B細胞上の表面免疫グロブリンならびにT細胞上のT CRおよび他の分子に結合しうる抗体を、本発明医薬組成物と混合することもで きる。 本発明医薬組成物はリポソーム形態であってもよく、その中で本発明蛋白はさ らに他の医薬上許容される担体、脂質のごとき両親媒性作用剤(水溶液中でミセ ルのような凝集体形態、不溶性単層、液状結晶またはラメラ層として存在)と混 合されている。リポソーム処方に適する脂質は、モノグリセリド、ジグリセリド 、スルファチジド、リゾレシチン、リン脂質、サポニン、胆汁酸等を包含するが 、これらに限らない。かかるリポソーム処方の製造は当業者のレベルの範囲内で あり、例えば、米国特許第4235871、4501728、4837028、 および4737323号(参照によりそれらすべてを本明細書に記載されている ものとみなす)に記載されたようなものである。 本明細書の用語「治療上有効量」とは、有意な患者の利益、例えば、かかる症 状の徴候の改善、治癒、治癒速度の増大を示すに十分な医薬組成物または方法の 各有効成分の合計量を意味する。単独で投与される個々の有効成分について用い る場合、該用語は当該成分のみをいう。有効成分の組み合わせに用いる場合、逐 次投与あるいは同時投与にかかわらず治療効果を生じる有効成分量の合計量をい う。 本発明の治療方法の実施において、治療上有効量の本発明蛋白を治療すべき症 状を有する哺乳動物に投与する。本発明方法に従って、単独またはサイトカイン 、リンホカインもしくは他の造血因子のごとき他の治療薬とともに本発明蛋白を 投与してもよい。1種またはそれ以上のサイトカイン、リンホカインまたは他の 造血因子と共投与する場合、本発明蛋白をサイトカイン、リンホカイン、他の造 血因子、血栓溶解因子もしくは抗血栓因子と同時または逐次投与してもよい。逐 次投与する場合、担当医師は、サイトカイン、リンホカイン、他の造血因子、血 栓溶解因子もしくは抗血栓因子と本発明蛋白との組み合わせにおける適切な投与 順序を決定するであろう。 本発明医薬組成物中または本発明の実施に用いる本発明蛋白の投与を種々の慣 用的方法、例えば、経口的摂食、吸入、または皮内、皮下、または静脈注射で行 うことができる。患者への静脈注射が好ましい。 治療上有効量の本発明蛋白を経口投与する場合、本発明蛋白は錠剤、カプセル 、粉末、溶液またはエリキシルの形態であろう。錠剤形態で投与する場合、本発 明医薬組成物はゼラチンのごとき固体担体またはアジュバントをさらに含有して いてもよい。錠剤、カプセル、および粉末は、約5ないし95%の本発明蛋白、 好 ましくは約25ないし90%の本発明蛋白を含有する。液体形態で投与する場合 、水、ペトロレウム、動物または植物起源の油脂、例えばピーナッツ油、鉱油、 大豆油、またはゴマ油、または合成油脂を添加してもよい。液体形態の医薬組成 物は、生理食塩溶液、デキストロースまたは他の糖類溶液、またはグリコール類 (例えばエチレングリコール、プロピレングリコールもしくはポリエチレングリ コール)をさらに含有していてもよい。液体形態で投与する場合、医薬組成物は 、約0.5ないし90重量%の本発明蛋白、好ましくは約1ないし50%の本発 明蛋白を含有する。 治療上有効量の本発明蛋白を静脈、皮内または皮下注射により投与する場合、 本発明蛋白はパイロジェン不含で、非経口的に許容される水溶液の形態であろう 。適切なpH、等張性、安定性を有するかかる非経口的に許容される蛋白溶液の 調製は、当業者の範囲内である。静脈、皮内、または皮下注射用の好ましい医薬 組成物は、本発明蛋白のほかに、注射用塩化ナトリウム、リンゲル溶液、注射用 デキストロース、注射用デキストロースおよび塩化ナトリウム溶液、注射用乳酸 含有リンゲル溶液、または当該分野で知られている他の担体を含有すべきである 。本発明医薬組成物は、安定化剤、保存料、バッファー、抗酸化剤、または当業 者に知られた他の添加物を含んでいてもよい。 本発明医薬組成物中の本発明蛋白の量は、治療すべき症状の性質および重さ、 ならびに患者がすでに受けていた治療の性質による。最終的には、担当医師が、 各患者を治療すべき本発明蛋白量を決定するであろう。まず、担当医師は、低用 量の本発明蛋白を投与し、患者の応答を観察する。最適治療効果が得られるまで 、より高用量の本発明蛋白を投与してもよく、最適治療効果が得られた時点で用 量をさらに増加させない。本発明方法を実施するための種々の医薬組成物は、体 重1kgあたり約0.01μgないし約100mgの本発明蛋白(好ましくは、 体重1kgあたり約0.1μgないし約10mg、より好ましくは体重1kgあ たり0.1μgないし約1mgの本発明蛋白を含有すべきである。 本発明組成物を用いる静脈投与による治療の期間は、治療すべき疾病の重さな らびに各患者の状態および応答により変化させられるであろう。本発明蛋白の各 適用期間は、連続静脈投与の場合12ないし24時間の範囲であると考えられる 。最終的には、担当医師が、本発明医薬組成物を用いる静脈投与による治療の期 間を決定するであろう。 本発明蛋白を用いて動物を免役して、本発明蛋白と特異的に反応するポリクロ ーナルおよびモノクローナル抗体を得てもよい。蛋白全体またはそのフラグメン トを免疫原として用いてかかる抗体を得てもよい。ペプチド免疫源はカルボキシ 末端にシステイン残基をさらに含んでいてもよく、キーホールリムペット・ヘモ シアニン(KLH)のごときハプテンに結合する。かかるペプチドを合成する方 法は当該分野において知られており、例えば、R.P.Merrifield,J.Amer.Che m.Soc.85,2149-2154(1963);J.L.Krstenansky,et.al.,FEBS Lett.211 ,10(1987)に記載のごときものがある。本発明蛋白に結合するモノクローナル 抗体は、本発明蛋白の免疫検出用の有用な診断薬でありうる。本発明蛋白に結合 する中和抗体は、本発明蛋白に関連した症状の治療薬として有用でありうるし、 さらに本発明蛋白の異常発現が関与しているいくつかの形態の癌の治療における ある種の腫瘍の治療において有用でありうる。癌細胞または白血球細胞の場合、 本発明蛋白に対する中和モノクローナル抗体は、本発明蛋白により媒介されうる 癌細胞の転移蔓延の検出および予防に有用でありうる。 骨、軟骨、腱または靭帯の再生に有用な本発明組成物に関して、治療方法は、 組成物を局所的、全身的、またはインプラントもしくはデバイスのごとく局部的 に投与することを包含する。投与する場合、本発明に使用する治療組成物は、も ちろん、パイロジェン不含の生理学的に許容される形態である。さらに、望まし くは、組成物をカプセル封入するかまたは粘性形態として注射して骨、軟骨また は組織ダメージ部位に送達してもよい。局所投与は傷の治癒および組織修復に適 する。上記組成物中に含有されていてもよい本発明蛋白以外の治療上有用な作用 剤を、代替的または付加的に、本発明方法における組成物と同時または逐次投与 してもよい。好ましくは、骨および/または軟骨形成のためには、組成物は、蛋 白含有組成物を骨および/または軟骨ダメージ部位に送達し、骨および軟骨の発 生のための構造を提供し、さらに最適には体内に吸収されうるマトリックスを含 有するであろう。かかるマトリックスは、他の移植される医学的器具に現在使用 されている材料からできていてもよい。 マトリックス材料の選択は、生体適合性、生分解性、機械的特性、美容上の外 観および界面特性に基づく。組成物の特別な適用により適当な処方が決定されよ う。組成物用として可能なマトリックスは生分解性で、化学的に知られた硫酸カ ルシウム、リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、ポリ乳酸、ポリグリコ ー ル酸およびポリ無水物であってもよい。他の使用可能な材料は生分解性で、生物 学的によく知られたもの、例えば、骨または皮膚のコラーゲンである。さらにマ トリックスは純粋な蛋白または細胞外マトリックス成分を含んでいてもよい。他 の可能なマトリックスは、焼結ヒドロキシアパタイト、バイオガラス、アルミネ ート、または他のセラミックスのごとき生分解性でなく、化学的に知られたもの である。マトリックスは上記タイプの材料の組み合わせ、例えばポリ乳酸および ヒドロキシアパタイトあるいはコラーゲンおよびリン酸三カルシウムを含んでい てもよい。バイオセラミックスを、組成物中、例えばカルシウム−アルミネート −ホスフェート中において変更してもよく、加工して孔サイズ、粒子サイズ、粒 子形状および生分解性を変化させてもよい。 150ないし800ミクロンの範囲の直径を有する多孔性粒子形態の乳酸およ びグリコール酸の50:50(モル重量)のコポリマーが現在のところ好ましい 。いくつかの適用例においては、カルボキシメチルセルロースまたは自己由来の 血餅のごとき隔離剤を用いてマトリックスからの蛋白組成物の解離を防止するこ とが有用であろう。 隔離剤の好ましいファミリーは、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒド ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピル メチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースを包含するアルキルセル ロース(ヒドロキシアルキルセルロースを包含)のごときセルロース性材料であ り、カルボキシメチルセルロース(CMC)のカチオン性の塩が最も好ましい。 他の好ましい隔離剤は、ヒアルロン酸、アルギン酸ナトリウム、ポリ(エチレン グリコール)、ポリオキシエチレンオキシド、カルボキシビニルポリマーおよび ポリ(ビニルアルコール)を包含する。本発明に有用な隔離剤の量は、全処方重 量に対して0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%であり、この量は、 ポリマーマトリックスからの蛋白の脱離を防止し、組成物の適切な取り扱いを可 能にする量であるが、前駆細胞がマトリックスから浸潤し、そのことにより前駆 細胞の骨形成活性を促進する機会を蛋白に付与するようにするには、あまり多く ないようにする。 さらなる組成物において、本発明蛋白が骨および/または軟骨の欠損、傷、ま たは組織の治療に有益な他の作用剤と混合されていてもよい。これらの作用剤は 、上皮増殖因子(EGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、形質転換増殖因 子 (TGF−αおよびTGF−β)、およびインスリン様増殖因子(IGF)を包 含する。 また、目下のところ、治療組成物は獣医学的用途にも価値がある。詳細には、 ヒトのほかに、家畜およびサラブレッドのウマが本発明蛋白を用いるかかる治療 に望ましい患者である。 組織の再生に使用される蛋白含有医薬組成物の投与規則は、蛋白の作用を変化 させる種々の要因、例えば形成が望まれる組織重量、ダメージ部位、ダメージを 受けた組織の状態、傷のサイズ、必要な組織のタイプ(例えば、骨)、患者の年 齢、性別、および食事、感染の重さ、投与期間、ならびに他の臨床的要因を考慮 して医師が決定するであろう。用量は、復元に使用するマトリックスのタイプお よび医薬組成物中の他の蛋白の含有に応じて変更されてもよい。例えば、IGF I(インスリン様増殖因子I)のごとき他の既知増殖因子の最終組成物への添 加も用量に影響しうる。組織/骨の増殖および/または修復を、例えばX線、組 織形態学的調査およびテトラサイクリン標識により定期的に評価することにより 経過をモニターすることができる。 本発明ポリヌクレオチドを遺伝子治療に用いることもできる。かかるポリヌク レオチドをインビボまたはエクスビボで細胞に導入して哺乳動物対象中で発現さ せることができる。核酸を細胞または生物に導入するための他の知られた方法に より本発明ポリヌクレオチドを投与してもよい(ウイルスベクターに入れて、あ るいは裸のDNAの形態として等があるが、これらに限らない)。 本発明蛋白存在下で細胞をエクスビボにおいて培養して増殖させ、あるいはか かる細胞に対する所望効果を生じさせ、あるいはかかる細胞中に所望活性を生じ させてもよい。次いで、処理された細胞を、治療目的で、インビボにおいて導入 することができる。 本明細書に引用した特許および文献を、参照により全体が本明細書に記載され ているものとみなす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V N,YU,ZW (72)発明者 ラバリー,エドワード・アール アメリカ合衆国01451マサチューセッツ州 ハーバード、アン・リー・ロード113番 (72)発明者 レイシー,リサ・エイ アメリカ合衆国01720マサチューセッツ州 アクトン、スクール・ストリート124番 (72)発明者 マーバーグ,デイビッド アメリカ合衆国01720マサチューセッツ州 アクトン、オーチャード・ドライブ2番 (72)発明者 トレーシー,モーリス アメリカ合衆国02167マサチューセッツ州 チェスナット・ヒル、ウォルコット・ロー ド93番 (72)発明者 スパルディング,ビッキー アメリカ合衆国01821マサチューセッツ州 ビラリカ、メドーバンク・ロード11番 (72)発明者 アゴスティノ,マイケル・ジェイ アメリカ合衆国01810マサチューセッツ州 アンドーバー、ウォルコット・アベニュー 26番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.下記のもの: からなる群より選択されるヌクレオチド配列またはその相捕的配列を含む単離ポ リヌクレオチド。 2.下記のもの: からなる群より選択されるヌクレオチド配列またはその相捕的配列からなる単離 ポリヌクレオチド。 3.下記のもの: からなる群より選択されるヌクレオチド配列またはその相捕的配列を必須として なる単離ポリヌクレオチド。 4.下記のもの: からなる群より選択される配列またはその相捕的配列にハイブリダイゼーション するヌクレオチド配列を含む単離ポリヌクレオチド。 5.請求項1の単離ポリヌクレオチドによりコードされる単離蛋白。 6.請求項2の単離ポリヌクレオチドによりコードされる単離蛋白。 7.請求項3の単離ポリヌクレオチドによりコードされる単離蛋白。 8.請求項4の単離ポリヌクレオチドによりコードされる単離蛋白。
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