JP2002541840A - 電位ゲート性ナトリウムチャネル由来のβサブユニットタンパク質の新規ファミリー、それらをコードする核酸、およびその治療的または診断的使用 - Google Patents

電位ゲート性ナトリウムチャネル由来のβサブユニットタンパク質の新規ファミリー、それらをコードする核酸、およびその治療的または診断的使用

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JP2002541840A JP2000612446A JP2000612446A JP2002541840A JP 2002541840 A JP2002541840 A JP 2002541840A JP 2000612446 A JP2000612446 A JP 2000612446A JP 2000612446 A JP2000612446 A JP 2000612446A JP 2002541840 A JP2002541840 A JP 2002541840A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、電位ゲート性ナトリウムチャネル由来のβサブユニットタンパク質の新規ファミリー、特に、その密接な構造的関係の点から、まとめてβ3と同定したヒトおよびラットのβサブユニットに関する。本発明はまた、β3サブユニットポリペプチドまたはその断片の使用、並びに、治療、診断およびスクリーニング目的における、それをコードする核酸の使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、電位ゲート性(電位依存性)ナトリウムチャネル(voltage
−gated sodium channel)由来のβサブユニットタンパク
質の新規ファミリー、特にヒトおよびラットのβサブユニットに関する。
【0002】 本発明はまた、β3サブユニットのポリペプチドまたはその断片の使用、並び
に、治療目的、診断目的およびスクリーニング目的における、それをコードする
核酸の使用に関する。
【0003】 (発明の背景) ナトリウムチャネルは、生理学において中心的な役割を果たす。それらは、細
胞および細胞ネットワークを通じて迅速に脱分極インパルスを伝達し、それによ
り、認知から歩行運動までのより高度なプロセスの協調が可能となる。イオン透
過性および電位感作は、主に、ナトリウムチャネルのαサブユニットにより決定
される。なぜならαサブユニットが孔を形成するからである。ナトリウムチャネ
ルをコードする少なくとも2つの主要なクラスおよび少なくとも8つの遺伝子が
ある。
【0004】 電位依存性Na+チャネル(voltage−dependent Na+
hannel)は、長年、抗不整脈および局所麻酔薬のターゲットとして認識さ
れてきた。1980年中頃以来、Na+チャネルは、フェニトイン、カルバマゼ
ピン、およびラモトリジンのものと類似した薬理プロフィルを有する、抗痙攣薬
の主要なターゲットとして広く受け入れられるようになった。
【0005】 イオンチャネル機能の変化は、様々な家族性筋肉疾患の重要な病態生理学的機
序である。Na+チャネル変異は、いくつかの骨格筋緊張および麻痺に特徴的な
異常な興奮性、並びに、遺伝性心不整脈である第3染色体と連鎖したQT延長症
候群の基礎をなす。一般に、これらの変異によりNa+チャネルは不活性化でき
なくなり、骨格筋における反復活動電位発火(repetitive acti
on potential firing:筋緊張(myotonia))また
は電気的沈黙(electrical silence)(弛緩性麻痺(fla
ccid paralysis))を生じさせる。心臓のNa+チャネルの類似
の欠陥により、心臓における活動電位延長(action potential
prolongation)および反復電気活性(repetitive e
lectrical activity)の素因が生じ、多形性心室頻拍(po
lymorphic ventricular tachycardia)に至
る。
【0006】 ナトリウムチャネル機能のさらなる決定因子は、補助的β1サブユニットおよ
び補助的2サブユニットの存在または非存在である。これらは、Na+チャネル
機能の重要な調節因子である。生化学的研究により、最初に、脳内のNa+チャ
ネルに関連した2つの別個のサブユニット(β1およびβ2)の存在が判明した
。αサブユニットまたはβサブユニットに指向された抗体は、1α:1β1:1
β2のサブユニットの化学量論で全脳のNa+チャネル複合体を免疫沈降するよ
うであった。β1サブユニットは非共有結合的に会合しているが、β2はαサブ
ユニットにジスルフィド結合により連結している。β1およびβ2サブユニット
はクローン化されており、推定一次構造により、それらはそれぞれ23kDaお
よび21kDaの分子量の関連性のないタンパク質であることが示される。サブ
ユニットの予測された膜貫通トポロジーは類似し、各々、小カルボキシ末端細胞
質ドメイン、1つの膜を横切るセグメント、および、N連結グリコシル化用の数
個の共通配列部位を有する大アミノ末端細胞外ドメインを含む。
【0007】 アフリカツメガエル卵母細胞における神経サブユニットとβ2の発現は、電流
増幅を増加させ、開口を調節し、膜電気容量を増加させた。卵母細胞における、
β1サブユニットと、神経サブユニットまたは骨格筋サブユニットの共発現もま
た、チャネル機能に対して明確な効果を生じた。電流密度が増加し、活性化およ
び不活性化開口が加速され、定常状態の不活性化曲線が過分極方向にシフトした
。β1サブユニットをコードするmRNAは、広く発現されているようであり、
明らかに神経および骨格筋Na+チャネルの重要な成分を形成する。近年、β1
サブユニットは、神経毒および局所麻酔薬と、ラットの脳のαナトリウムチャネ
ルの相互作用を修飾することが確立された。
【0008】 近年まで、βサブユニットと表現型の関連は知られていなかった。しかし、β
1サブユニット遺伝子SCNIBの変異は、熱性発作および全身癲癇に関連して
いることが示された。
【0009】 全ての既知のNa+チャネルのサブユニットは、グリコシル化により修飾され
る。β1サブユニット、β2サブユニットおよび脳サブユニットおよび筋肉サブ
ユニットは重度にグリコシル化され、質量の40%までが炭水化物である。これ
に対し、心臓サブユニットは、僅か5重量%の糖を含む。シアル酸は、Na+
ャネルのN−連結炭水化物の顕著な成分である。このような高度に荷電された炭
水化物の添加は、チャネルタンパク質の表面荷電の変化により、電位依存性開口
(voltage dependence of gating)に対して予測
可能な効果を及ぼす。発現された骨格筋チャネルからシアル酸を除去するノイラ
ミニダーゼ処理により、脱分極による定常状態不活性化のシフトが生じる。また
、共翻訳グリコシル化は、ニューロン細胞およびシュワン細胞でのNa+チャネ
ルの細胞表面発現の維持に必須であることが示された。ツニカマイシンによるグ
リコシル化阻害により、神経芽細胞腫細胞上のSTX結合部位数を可逆的に減少
する。ツニカマイシンはまた、動悸、β2サブユニットの硫酸化およびジスルフ
ィド付着を阻害し、機能的Na+チャネルの会合を防ぐ。
【0010】 電位ゲート性ナトリウムチャネル(voltage gated sodiu
m channel)の調節は、β1サブユニットを介していると考えられてい
た。しかし、ヒトおよびラットでのこれらのサブユニットの分布解析により、非
対称的分布が示される。これは、電位ゲート性ナトリウムチャネルに正しい機能
を付与するのに、どのような他の機序が使用されているかに関する疑問を提示す
る。
【0011】 本発明者は、少なくとも部分的に、この矛盾を説明できる、別個の第二の補助
調節細部ユニットβ3を発見した。
【0012】 (発明の要約) 本発明は、電位ゲート性ナトリウムチャネル由来のβ3サブユニットをコード
する精製または単離された核酸またはそれに相補的な配列に関する。
【0013】 本発明はまた、β3サブユニットポリペプチドまたはそのペプチド断片、並び
に、かかるβ3サブユニットポリペプチドまたはそのペプチド断片に対して特異
的に指向された抗体に関する。
【0014】 β3サブユニットをコードする核酸またはそれに相補的な配列に特異的にハイ
ブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブまたはプライマー、並びに、前記プ
ライマーおよびプローブを使用したDNA増幅および検出法も、本発明の一部で
ある。
【0015】 本発明のさらなる目的は、本明細書に記載の核酸配列のいずれかを含む組換え
ベクター、および特に、本発明のβ3サブユニットをコードする核酸配列を含む
組換えベクターからなり、本発明はまた、前記核酸配列または組換えベクターを
含む宿主細胞およびトランスジェニックな非ヒトの哺乳動物も包含する。
【0016】 本発明はまた、ナトリウムチャネルのアゴニスト分子(作動体分子)およびア
ンタゴニスト分子(拮抗体)または物質をスクリーニングする方法、並びに、特
にアンチセンス技術を介した、ゲノムにおけるβ3サブユニット核酸配列の選択
的添加または除去を含む遺伝子療法にも関する。
【0017】 本発明はまた、本発明のオリゴヌクレオチドまたは抗体を用いたβ3サブユニ
ットの発現の解析による、電位ゲート性ナトリウムチャネルの機能不全を含む疾
患状態の診断法に関する。β3サブユニットの関与する容態は、疼痛、癲癇、卒
中、虚血および心疾患を含む。さらに、ヒトのβ3遺伝子は第11q23.3染
色体に位置づけられた。β2遺伝子および、V型Igドメインを含むヒトのN−
CAM遺伝子も、この領域近くに局在している(Eubanks,Jら、199
7&Nguyen,Cら、1986)。第11q23.3染色体に位置する疾患
は、ヤコブセン症候群、家族性非クロム親和性傍神経節腫、PTS欠乏に因るフ
ェニルケトン尿症およびシャルコー−マリー−トゥース病を含む。それ故、β3
発現の調節の特徴づけは、これらの疾患の診断に有用であり得る。
【0018】 本発明は、本明細書において、後に、より詳細に記載し、以下の図面により説
明する。
【0019】 (発明の詳細な説明) 本発明者は、電位ゲート性ナトリウムチャネルの少なくとも1つのαサブユニ
ットと共同して、活性ナトリウムチャネルを形成する、βサブユニットタンパク
質の新規ファミリーを発見した。この新規βサブユニットファミリーはβ3と命
名され、本明細書で後に記載する配列内の高い相同性などの、共通した構造配列
特徴を介して同定できる。
【0020】 本発明者は、電位ゲート性ナトリウムチャネル由来のβ3サブユニットをコー
ドする新規核酸配列を発見した。本発明者らは、このβ3サブユニットが、生物
学的に機能的であり、β3サブユニットと、電位ゲート性ナトリウムチャネル由
来のα2サブユニットの共発現は、α2サブユニットのみの発現と比べて、チャ
ネルの不活性化速度を有意に増加することを示した。さらに、本発明のβ3サブ
ユニットとα2サブユニットの共発現は、α2サブユニットのみの発現と比べて
、ナトリウムチャネルの不活性化からの回復速度を増加させる。
【0021】 本発明者は、従って、本発明のβ3サブユニットは、電位ゲート性ナトリウム
チャネルにより誘導されるナトリウム電流の調節に関与することを実証した。彼
らはまた、本発明のβ3サブユニットは、電位ゲート性ナトリウムチャネルの活
性をアップレギュレートまたはダウンレギュレートできる薬物、特に、疼痛、癲
癇(典型的には熱性発作および全身癲癇)、卒中、虚血、心疾患、ヤコブセン症
候群、家族性非クロム親和性傍神経節腫、PTS欠乏に因るフェニルケトン尿症
およびシャルコー−マリー−トゥース病の予防または処置に設計された薬物の価
値あるターゲットであり得ることを決定した。それ故、適切なβ3の調節が、か
かる疾患の処置に考慮され得る。
【0022】 本発明の別の態様において、β3サブユニットをコードする核酸を使用して、
インビトロおよびインビボの両方でβ3サブユニットの機能的発現を妨害でき、
従って、上記に示した疾患の処置に有用であり得る、ポリヌクレオチドを設計し
得る。
【0023】 β3をコードするヌクレオチド配列 本発明の第一の目的は、電位ゲート性ナトリウムチャネル由来のβ3サブユニ
ットをコードする精製または単離された核酸、またはそれに相補的な配列からな
る。β3サブユニットをコードする好ましい核酸は、ラットおよびヒトの脳から
単離されたもの、好ましくは配列番号3および配列番号4のものを含む。
【0024】 野生型PC12および変異型PC12細胞系由来の全mRNAを使用して、本
発明者は、ラットのβ3サブユニットをコードするcDNAを単離した。ラット
のβ3サブユニットcDNA配列情報から、本発明者はまた、ヒトのβ3サブユ
ニットをコードするヒトのcDNAを単離およびクローニングした。
【0025】 図1に示したように、ラットおよびヒトのβ3サブユニットのコード配列(O
RF)は、高度に相同性であり、全長648ヌクレオチド中に僅か70個の非同
一ヌクレオチドがある(2つのコード配列間において89%より大きいヌクレオ
チドの同一性を有する)。従って、本発明者は、他の哺乳動物種のβ3をコード
する核酸も、対応するラットおよびヒトのヌクレオチド配列と強いヌクレオチド
の同一性を共有すると考える。
【0026】 結果として、本発明のさらなる目的は、配列番号3のヌクレオチド配列または
それに相補的な配列と少なくとも90%、好ましくは95%、より好ましくは9
8%、最も好ましくは99%のヌクレオチドの同一性を有する精製または単離さ
れた核酸からなる。
【0027】 本発明はまた、ラットの脳に存在する電位ゲート性チャネル由来のβ3サブユ
ニットのオープンリーディングフレーム(ORF)をコードする配列を含む精製
または単離された核酸に関し、かかる配列は、配列番号3のヌクレオチド配列の
363位に位置するヌクレオチドで始まり、1010位に位置するヌクレオチド
で終わるポリヌクレオチドと、少なくとも90%、好ましくは95%、より好ま
しくは98%、最も好ましくは99%を有する。
【0028】 本発明はまた、配列番号4のヌクレオチド配列またはそれに相補的な配列と少
なくとも90%、好ましくは95%、より好ましくは98%、最も好ましくは9
9%のヌクレオチドの同一性を有する精製または単離された核酸に関する。
【0029】 本発明はまた、ヒトの脳に存在する電位ゲート性チャネルのβ3サブユニット
のオープンリーディングフレーム(ORF)をコードする配列を含む精製または
単離された核酸に関し、かかる配列は、配列番号4のヌクレオチド配列の376
位に位置するヌクレオチドで始まり、1023位に位置するヌクレオチドで終わ
るポリヌクレオチドと少なくとも90%、好ましくは95%、より好ましくは9
8%、最も好ましくは99%のヌクレオチドの同一性を有する。
【0030】 本発明の別の目的は、配列番号1のアミノ酸配列のラットのポリペプチドまた
はそのペプチド断片またはそれに相補的な配列と少なくとも80%、好ましくは
90%、より好ましくは95%、最も好ましくは98%のアミノ酸の同一性を有
するポリペプチドをコードする精製または単離された核酸からなる。
【0031】 本発明はさらに、配列番号2のアミノ酸配列のヒトのポリペプチドまたはその
ペプチド断片またはそれに相補的な配列と少なくとも80%、好ましくは90%
、より好ましくは95%、最も好ましくは98%のアミノ酸の同一性を有するポ
リペプチドをコードする精製または単離された核酸に関する。
【0032】 「単離(isolated)」なる語は、物質がその最初の環境(例えば、天
然に存在する場合には天然環境)から取り出されることを必要とする。例えば、
生きている動物に存在する天然ポリヌクレオチドまたは天然ペプチドは単離され
ていないが、天然系の共存物質のいくつかまたは全てから分離した同ポリヌクレ
オチドまたはペプチドは単離されている。
【0033】 かかるポリヌクレオチドは、ベクターの一部であり得、および/または、かか
るポリヌクレオチドまたはペプチドは組成物の一部であり得、依然として、ベク
ターまたは組成物はその天然環境の一部ではないという点で単離されている。
【0034】 「精製(purified)」なる語は、絶対的な純度を必要とせず、むしろ
、相対的定義として捉えられる。
【0035】 少なくとも1桁、好ましくは2桁または3桁、より好ましくは4桁または5桁
の程度までの、出発物質または天然物質の精製が特に考えられる。
【0036】 本明細書全体を通じて、「ヌクレオチド配列」なる表現は、ポリヌクレオチド
または核酸を区別せずに示すために使用し得る。より正確には、「ヌクレオチド
配列」なる表現は、核酸物質それ自体を包含し、特定のDNAまたはRNA分子
を生化学的に特徴づける配列情報(すなわち、4つの塩基文字間で選択された文
字の連続)に限定されない。
【0037】 本明細書で同義語として使用したように、「オリゴヌクレオチド」、「核酸」
、および「ポリヌクレオチド」なる語は、一本鎖または二本鎖の1つ以上のヌク
レオチドのRNA、DNA、またはRNA/DNAハイブリッド配列を含む。
【0038】 当業者により理解されるその一般的意味に加えて、「ヌクレオチド」なる語は
また、少なくとも以下の修飾の1つを含む修飾ヌクレオチドを包含するように本
明細書で使用される。(a)代替的な連結基、(b)プリン類似形、(c)ピリ
ミジン類似形、または(d)類似の糖。類似の連結基、プリン、ピリミジン、お
よび糖の例については、例えば、PCT出願番号WO95/04064号参照。
【0039】 本発明のポリヌクレオチド配列は、合成、組換え、またはその組合せを含む、
任意の既知の方法により、並びに、当分野で既知の任意の精製法により調製し得
る。
【0040】 β3ヌクレオチド断片および分析(アッセイ) 本発明はまた、増幅または検出目的の核酸プライマーまたはプローブとして、
または、対応する遺伝子の発現を調節できるアンチセンスヌクレオチドとして、
このβ3サブユニットのペプチド断片、好ましくは生物学的に活性なペプチド断
片を発現するのに有用であり得る、本明細書に記載の電位ゲート性ナトリウムチ
ャネルのβ3サブユニットをコードする核酸のポリヌクレオチド断片を包含する
【0041】 結果として、本発明はまた、本明細書に記載の電位ゲート性ナトリウムチャネ
ル由来のβ3サブユニットをコードする核酸の少なくとも10個連続したヌクレ
オチド、好ましくは配列番号3または4またはそれに相補的な配列のヌクレオチ
ド配列のいずれか1つの少なくとも10個連続したヌクレオチドを含む、精製ま
たは単離ポリヌクレオチドに関する。
【0042】 好ましいポリヌクレオチドは、配列番号5〜32および配列番号46および配
列番号47から選択されたペプチドをコードするものを含む。他の好ましいポリ
ヌクレオチドは、配列番号35〜43のものを含む。
【0043】 上記の核酸は、約10、12、15、18または20から、約25、35、4
0、50、70、80、100、250、500または1000のヌクレオチド
までの長さの範囲の連続的距離からなるか、または、10、12、15、18、
20、25、35、40、50、100、200、250、500または100
0のヌクレオチド長と明記される。
【0044】 これらの核酸は、サンプル中の、電位ゲート性ナトリウムチャネル由来のβ3
サブユニットをコードするヌクレオチド配列の少なくとも1コピーの存在、より
特定すると、配列番号3または4のヌクレオチド配列、またはそれに相補的な配
列またはその断片または変異体の少なくとも1コピーの存在を検出するためのプ
ローブとして有用である。それらはまた、本発明の選択したペプチドを発現する
のに使用できる。
【0045】 本発明の核酸プローブはまた、PCT出願番号WO97/05277号(この
全内容を引用することによって本明細書の一部をなすものとする)に記載のよう
に、β3サブユニットの発現レベルおよびパターンの解析に使用し得る。
【0046】 β3サブユニット発現の定量的解析はまた、分析(アッセイ)、すなわち、本
発明に記載の複数の核酸プローブが上に結合した基質を使用して実施し得、これ
らのプローブは、無作為に基質上に分布しているか、または一次、二次または多
次元配置に従って配置する。かかる分析(アッセイ)は、さらに、β3サブユニ
ットDNAまたはRNA、例えばα2、β1またはβ2ナトリウムチャネルサブ
ユニットRNAまたはDNA配列に特異的なプローブとハイブリダイズしない核
酸プローブを含み得る。適切な技術は、例えば、Schenaら(1995;1
996)、およびまたSosnowskyら(1997)(この開示は引用する
ことによって本明細書の一部をなすものとする)により記載のものである。
【0047】 本発明はさらに、電位ゲート性ナトリウムチャネル由来のβ3サブユニットま
たはそれに相補的な配列をコードする核酸と、ストリンジェントなハイブリダイ
ゼーション条件下でハイブリダイズする精製または単離された核酸に関する。
【0048】 例示的具体例として、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、以
下のように定義できる。
【0049】 ハイブリダイゼーションステップは、65℃で、6×SSC緩衝液、5×デン
ハード液、0.5%SDSおよび100μg/mlのサケ精子DNAの存在下で
実施する。
【0050】 ハイブリダイゼーションステップに4回の洗浄ステップが続き、 ・5分間の間に、好ましくは65℃で、2×SSCおよび0.1%SDS緩衝
液中において2回洗浄する。 ・30分間の間に、好ましくは65℃で、2×SSCおよび0.1%SDS緩
衝液中において1回洗浄する。 ・10分間の間に、好ましくは35℃で、0.1×SSCおよび0.1%SD
S緩衝液中において1回洗浄する。 上記に定義したハイブリダイゼーション条件は、約20ヌクレオチド長の核酸に
適し、これらの条件はまた、当分野で公知の技術、例えばSambrookら(
1989)の記載の技術に従って、より短いまたは長い核酸にも適用し得ると理
解する。
【0051】 特定のセットの分析(アッセイ)条件下でのプローブの適切な長さは、当業者
により経験的に決定され得る。プローブは、適切な配列のクローニングおよび制
限、および、Narangら(1979)のホスホジエステル法、Brownら
(1979)のホスホジエステル法、Beaucageら(1981)のジエチ
ルホスホルアミジト法、および出願番号EP0707792に記載の固相支持体
法などの方法による直接的化学合成を含む任意の適切な方法により調製できる。
全てのこれらの文書の開示物は、本明細書に引用することによって本明細書の一
部をなすものとする。
【0052】 本発明の任意の核酸を、所望であれば、分光的、光化学的、生化学的、免疫化
学的、または化学的手段により検出可能な標識を取込むことにより標識できる。
【0053】 例えば、有用な標識は、放射性物質(32P、35S、3H、125I)、蛍光ダイ(
5−ブロモデスオキシウリジン、フルオレセイン、アセチルアミノフルオレン、
ジゴキシゲニン)またはビオチンを含む。核酸断片の非放射性標識の例は、仏国
特許番号FR7810975号に、またはUrdeaら(1988)またはSa
nchez−Pescadorら(1988)により記載されている。
【0054】 有利には、本発明に記載のプローブは、シグナル増幅を可能とするような構造
および特徴を有し得、かかる構造特徴は、例えば、Urdeaら(1991)に
記載のような分枝DNAプローブである。
【0055】 本発明の任意の核酸プローブは、簡便に、固相支持体に固定できる。固相支持
体は当業者に公知であり、反応トレイのウェルの壁、試験管、ポリスチレンビー
ズ、磁気ビーズ、ニトロセルロース片、メンブラン、微粒子、例えばラテックス
粒子、ヒツジ赤血球、デュラサイトおよびその他を含む。
【0056】 本発明の核酸および特に上記のヌクレオチドプローブは、よって、固相支持体
に、個々に、または、1つの固相支持体に少なくとも2、5、8、10、12、
15、20または25個の本発明の別個の核酸の群で、付着または固定できる。
【0057】 本発明の核酸プローブを固定した支持体の特定の具体例において、かかる支持
体はまた、他の固定プローブ、好ましくは、電位ゲート性ナトリウムチャネル由
来のサブユニットをコードする核酸、またはその変異体、またはそれに相補的な
配列、より好ましくは、電位ゲート性ナトリウムチャネルのαサブユニット、最
も好ましくはα2サブユニットをコードする核酸と特異的にハイブリダイズする
プローブを含み得る。
【0058】 本発明はまた、配列番号3および4の配列のいずれか1つに含まれるヌクレオ
チド配列を含む核酸プローブ、並びに、少なくとも1つのヌクレオチド置換が、
このプローブと、検出する配列番号3および4のいずれか1つに含まれる相補的
ヌクレオチド配列の間に、ミスマッチを創製するように作成された上記に引用し
た好ましいポリヌクレオチドを包含する。適切なハイブリダイゼーション条件下
で、このプローブは、配列番号3および配列番号4のヌクレオチド配列のいずれ
か1つまたはその断片またはそれに相補的な配列ともはやハイブリダイズしない
が、これらのプローブに含まれるポリヌクレオチドに正確に相補的であるヌクレ
オチド配列とのみハイブリダイズする。
【0059】 本発明の核酸プローブのこの特定の具体例により、電位ゲート性ナトリウムチ
ャネルのβ3サブユニットをコードする核酸配列内の、より特定すると、ヒトま
たはラット由来のβ3サブユニット電位ゲート性ナトリウムチャネルをコードす
る核酸中の、より好ましくは配列番号3および4の配列のいずれか1つの核酸、
またはそれに相補的な配列中の、ヌクレオチド多形の検出が可能となり得る。
【0060】 かかるプローブにより、当業者は、本発明のβ3サブユニットをコードする核
酸、より好ましくはラットまたはヒト由来のβ3サブユニットをコードする核酸
、最も好ましくは配列番号3および配列番号4のいずれか1つの核酸に生じた変
異を検出することができる。
【0061】 本発明はまた、サンプル中の、電位ゲート性ナトリウムチャネル由来のβ3サ
ブユニットをコードする核酸、その断片または変異体またはそれに相補的な配列
の存在を検出する方法に関し、前記方法は、以下のステップを含む。
【0062】 a)電位ゲート性ナトリウムチャネル由来のβ3サブユニットをコードする核
酸、またはその断片、変異体、またはそれに相補的な配列に含まれるヌクレオチ
ド配列とハイブリダイズできる、本発明に記載の1つの核酸プローブまたは複数
の核酸プローブを、分析(アッセイ)するサンプルと接触させ、 b)サンプル中で1つのプローブまたは複数のプローブと核酸の間に形成された
ハイブリッド複合体(hybrid complex)を検出する。
【0063】 第一の好ましい具体例において、検出する電位ゲート性ナトリウムチャネル由
来のβ3サブユニットをコードする核酸は、好ましくは、ラットまたはヒトのβ
3サブユニット、より好ましくは配列番号3および配列番号4のヌクレオチド配
列からなる群から選択された核酸である。
【0064】 この検出法の第二の好ましい具体例において、1つの核酸プローブまたは複数
の核酸プローブを、検出可能な分子によって標識する。
【0065】 前記方法の第三の好ましい具体例において、1つの核酸プローブまたは複数の
核酸プローブを、基質上に固定する。
【0066】 前記方法の第四の好ましい具体例において、サンプルに含まれる核酸は、当業
者には公知の任意の慣用的な手順により、ステップ(a)の前にハイブリダイゼ
ーションにかけることができるようになる。
【0067】 本発明はさらに、サンプル中の、電位ゲート性ナトリウムチャネル由来のβ3
サブユニットをコードする核酸、その断片または変異体、またはそれに相補的な
配列の存在を検出するキットに関し、前記キットは、 (a)上記の1つの核酸プローブまたは複数の核酸プローブと、 (b)任意選択的に、ハイブリダイゼーション反応の実施に必要な試薬とを含む
【0068】 検出キットの第一の好ましい具体例において、検出する核酸は、ヒトまたはラ
ットのβ3サブユニットをコードし、好ましくは、配列番号3および配列番号4
のヌクレオチド配列のいずれか1つ、その断片または変異体、またはそれに相補
的な配列からなる。
【0069】 検出キットの第二の好ましい具体例において、1つの核酸プローブまたは複数
の核酸プローブが、検出可能な分子によって標識されている。
【0070】 検出キットの第三の好ましい具体例において、1つの核酸プローブまたは複数
の核酸プローブが基質上に固定されている。
【0071】 本発明はまた、本明細書に記載のストリンジェントなハイブリダイゼーション
条件下で、本発明の電位ゲート性ナトリウムチャネルのβ3サブユニットをコー
ドする核酸、好ましくはラットまたはヒトのβ3サブユニット、より好ましくは
配列番号3および配列番号4からなる群から選択されたヌクレオチド配列とハイ
ブリダイズするポリヌクレオチドプライマーに関する。
【0072】 説明的な例として、本発明に記載のプライマーは、配列番号33、配列番号3
4、配列番号35、配列番号42および配列番号43のヌクレオチド配列からな
る群から選択されたポリヌクレオチドを含み得るか、またはそれからなり得る。
例えば、配列番号33および配列番号34のヌクレオチド配列をそれぞれ含む、
またはそれからなる、一対のプライマーの使用により、当業者は、本発明のヒト
のβ3サブユニットまたはラットのβ3サブユニットをコードする全核酸配列を
増幅できる。
【0073】 本発明に記載のプライマーの特定の具体例において、配列番号3または配列番
号4のヌクレオチド配列のいずれか1つまたはそれに相補的な配列に含まれるタ
ーゲット配列に正確に相補的ではない3'末端ヌクレオチドを含み得る。
【0074】 本発明に記載のプライマーの特定の具体例によると、プライマーのハイブリダ
イゼーションが可能となり、よってさらなる伸長が可能となるように選択した3
'末端ヌクレオチドを含み、本発明のβ3サブユニットの変異体が、増幅するタ
ーゲット配列を含むサンプルに存在する場合にのみ、この変異対β3サブユニッ
ト核酸配列はゲノム多形に対応する。特に、この特定の具体例に包含される好ま
しいプライマーは、次いで、本発明のβ3サブユニットのある変異体と、より好
ましくは、電位ゲート性ナトリウムチャネルの機能不全、より好ましくは疼痛、
癲癇、卒中および虚血、心疾患、ヤコブソン症候群、家族性非クロム親和性傍神
経節腫、PTS欠乏に因るフェニルケトン尿症およびシャルコー−マリー−トゥ
ース病により引き起こされた、検出可能な表現型との連関が示されている、本発
明のβサブユニットと専らハイブリダイズする。
【0075】 β3ポリペプチド 本発明の別の目的は、電位ゲート性ナトリウムチャネル由来のβ3サブユニッ
トのアミノ酸配列を含む精製または単離ポリペプチド、またはそのペプチド断片
または変異体からなる。
【0076】 第一の具体例において、ポリペプチドは、ラットの脳に存在する電位ゲート性
ナトリウムチャネル由来のβ3サブユニットのアミノ酸配列、またはそのペプチ
ド断片または変異体を含む。特に好ましいポリペプチドは、配列番号1のポリペ
プチドである。
【0077】 第二の好ましい具体例において、ポリペプチドは、ヒトの脳に存在する電位ゲ
ート性ナトリウムチャネルのβ3サブユニットのアミノ酸配列、またはそのペプ
チド断片または変異体を含む。特に好ましいポリペプチドは、配列番号2のポリ
ペプチドである。
【0078】 図4に示したように、ラットおよびヒトのβ3サブユニットのアミノ酸配列は
、非常に強い配列類似性を有し、シグナル配列を含めた場合、全長191アミノ
酸中に僅か3個の非同一アミノ酸がある(2つのポリペプチド間のアミノ酸の同
一性>98%)。2つのポリペプチド間の配列類似性は、シグナルペプチドの2
4アミノ酸配列が解析に含まれない場合にはさらに高い(>99%のアミノ酸の
同一性)。従って、本発明者はまた、他の哺乳動物種のβ3ポリペプチドは、対
応するラットおよびヒトのアミノ酸配列と強いアミノ酸の同一性を共有すると考
える。
【0079】 従って、本発明は、配列番号1のアミノ酸配列またはそのペプチド断片と少な
くとも90%、好ましくは95%、より好ましくは98%、より好ましくは99
%のアミノ酸の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドに関する。
【0080】 また、配列番号2のアミノ酸配列またはそのペプチド断片と少なくとも90%
、好ましくは95%、より好ましくは98%、最も好ましくは99%のアミノ酸
の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドも本発明の範囲内に含まれる
【0081】 β3ペプチド断片 本発明はまた、例えば診断およびリガンドスクリーニング適用に有用であり得
るβ3ポリペプチドの特定の断片に関する。
【0082】 特に、目的の好ましいβ3断片は、β3タンパク質のアミノ酸配列の解析から
選択された。図4は、目的の重要な領域を示す、β3アミノ酸配列に関する注釈
を含み、図5は、β3の3次元構造を示す。
【0083】 β3は、最初に、1つの膜を横切る配列と、線形細胞外N末端ドメインを形成
する。アミノ酸1〜24として図4に示したβ3タンパク質配列のこの部分の2
4N末端アミノ酸は、シグナル配列の典型的な特徴である陽性残基の後に疎水性
領域を含む。可能性ある切断部位の位置を図4に示し、3位のシステインの存在
により支持される。本発明者は、β3シグナル配列および切断配列は、β3の輸
送に重要な役割を果たし、それ故、治療薬の開発および検出の重要なターゲット
であり得ると考える。これらの配列は、それ故、本発明の範囲内に該当する。
【0084】 全体的β3または部分的β3のヒトまたはラットのシグナル配列および切断配
列をコードする好ましいペプチドは、配列番号5および配列番号6のペプチドを
含み、これは全シグナル配列および切断配列を含む(図4のラットおよびヒトの
β3配列のアミノ酸1〜24)。他の好ましいペプチドは、配列番号7および配
列番号8のペプチド(図4のラットおよびヒトのβ3配列のアミノ酸6〜24)
、配列番号9および配列番号10のペプチド(図4のラットおよびヒトのβ3配
列のアミノ酸13〜24)、配列番号11および配列番号12のペプチド(図4
のラットおよびヒトのβ3配列のアミノ酸3〜17)、配列番号13および配列
番号14のペプチド(図4のラットおよびヒトのβ3配列のアミノ酸1〜5)、
および配列番号15および配列番号16のペプチド(図4のラットおよびヒトの
β3配列のアミノ酸1〜11)を含む。
【0085】 図4のアミノ酸1〜135を含む、β3の細胞外ドメインの中心部分の3次元
構造を図5に示す。それは、初期モデルとして、ミエリンP0の細胞外ドメイン
の構造を使用して決定された。任意の特定の理論で固めたくはないが、本発明者
は、β1、β2およびβ3の細胞外ドメインは、V型Igフォールディングを採
用するタンパク質に相同性を示すので、このモデルはβ3構造の比較的正確な決
定を提供し得ると考える。ミエリンP0のV型Igフォールディングは、10個
のβ−ストランド(A、A'、B、C、C'、C''、D、E、FおよびGで表され
る標識)を含み、これは対面して2つの逆平行シート(anti−parall
el sheet)を形成している。β3タンパク質の対応するβ鎖を図5に示
す。本発明者は、これらの各々の鎖は、β3活性または検出に有意な衝撃を及ぼ
し、従って本発明の範囲内に該当すると考える。
【0086】 ミエリンP0モデルは、最初に、β3のC21〜96およびC2〜24位のジ
スルフィド結合を予測する。前者は、全てのV型Igドメインに保存され、β1
でのその破壊は遺伝性癲癇症候群を引き起こすので、構造的に重要のようである
。後者は、Igドメインの奇異な特徴であるが、β1におけるその可能性ある保
存により、機能的重要性が示唆される(図5)。例えば、αサブユニット結合に
関与する領域であるA鎖を安定化するのに役立ち得る。A、A'およびGβ鎖の
アミノ酸は、αサブユニットと界面を形成する。β1において、アスパラギン酸
残基(D5)は、AおよびA'鎖を分離する。このアスパラギン酸は、グルタミ
ン酸残基E4およびE8によりどちらかの側にフランキングされる(図5)。以
前に、これらの酸性残基を中性アミノ酸で同時に交換すると、チャネルの迅速な
開口モードを促進するのにより効果が低いタンパク質が形成されたことが示され
た。β3において、全A/A'面は、1つの例外を除いて保存されている。β1
の残基D6は、β3のプロリンと交換する(図4および5)。プロリンは、β鎖
を破壊する傾向があり、領域の総コンフォメーションは保存されているが、陰電
位はあまり顕著ではない。本発明者は、この差異は、β3は迅速な開口モードを
、β1よりも低い効率で支持し得、それによりαサブユニット開口をよりゆっく
りと不活性化することを示唆し得ると考える。従って、本発明者は、β3/αサ
ブユニット界面を形成するアミノ酸は、ナトリウムチャネルの調節に重要な役割
を果たすと考える。
【0087】 電位ゲート性ナトリウムチャネルの他のサブユニットとの相互作用、好ましく
は電位ゲート性ナトリウムチャネルのαサブユニットとの共有結合的または非共
有結合的相互作用に関与するもの。かかるポリペプチドの相互作用領域は、当業
者に公知の慣用的な技術、例えば、FieldsおよびSong(1989)に
よりおよび米国特許第5,667,973号並びに米国特許第5,283,17
3号およびCatterallら(1998)(これらの刊行物の専門的教義は
本明細書に引用することによって本明細書の一部をなすものとする)に記載の二
重ハイブリッド分析(アッセイ)などにより決定し得る。本発明に従って実施し
得る他の二重ハイブリッド分析(アッセイ)は、Youngら(1998)(こ
の開示も本明細書に引用することによって本明細書の一部をなすものとする)に
より記載されている。本発明のβ3サブユニットタンパク質の生物活性に関与す
る、生物学的に関連したペプチド断片またはアミノ酸の同定に有用な他の技術は
、Pattonら(1992)(この開示を本明細書に引用することによって本
明細書の一部をなすものとする)により記載されている。
【0088】 本発明の範囲内に該当する好ましいペプチドは、αサブユニットと、ラットま
たはヒトのβ3サブユニットの間の界面を含む全てのペプチドを含む。ラットお
よびヒトのβ3タンパク質のβ3/αサブユニット界面のβ鎖A、A'およびG
をコードする好ましいペプチドは、配列番号22および配列番号23である(図
4のラットおよびヒトのβ3配列のアミノ酸24〜135)。A、A'β鎖をコ
ードする他の好ましいペプチドは、配列番号17および配列番号18のペプチド
(図4のラットおよびヒトのβ3配列のアミノ酸24〜15)、配列番号19の
ペプチド(図4のヒトのβ3配列のアミノ酸2)、配列番号20および配列番号
21のペプチド(図4のラットおよびヒトのβ3配列のアミノ酸7〜10)であ
る。β鎖Gをコードする他の好ましいペプチドは、配列番号24(図4のヒトの
β3配列のアミノ酸113〜122)および配列番号30(図4のヒトのβ3配
列のアミノ酸123〜135)である。
【0089】 またモデルにより、β鎖B'−C、C'−C''、D−EおよびF−Gを接続して
いるアミノ酸は、細胞表面の外に向かって配向し、一方、β鎖A'−B、C''−
DおよびE−Fを接続しているアミノ酸は細胞表面に向かって配向し、C−C''
を接続しているアミノ酸については、それらは細胞表面にほぼ平行して配向して
いる。4つのN連結グリコシル化部位により、翻訳後修飾の有意な可能性が示唆
される(図5)。
【0090】 本発明の範囲内に該当する好ましいペプチドは、β3サブユニットの近づける
表面を含む、全てのこのようなポリペプチドを含む。これらは、β鎖B'−Cを
接続しているポリペプチド配列番号25(図4のヒトのβ3配列のアミノ酸24
〜36)、β鎖C'−C''を接続している配列番号26のポリペプチド(図4の
ヒトのβ3配列のアミノ酸51〜60)、β鎖D−Eを接続している配列番号2
7のポリペプチド(図4のヒトのβ3配列のアミノ酸70〜81)、β鎖F−G
を接続している配列番号28のポリペプチド(図4のヒトのβ3配列のアミノ酸
99〜112)、およびβ鎖C−C'を接続している配列番号46のポリペプチ
ド(図4のヒトのβ3配列のアミノ酸43〜50)を含む。
【0091】 そのC末端部分において、β3ポリペプチドは、強いαヘリックス傾向を有す
る疎水性領域を含む(136〜157残基、図4参照)。この領域は、膜貫通ド
メインの特性を有し、β1で比較的よく保存されている。β3の細胞質ドメイン
は、配列YLAIを含む。このモチーフの位置および配列は、クラスリン覆膜く
ぼみにより認識される内在化シグナルの共通配列に適合する。本発明者は、この
領域の全体的な構造的構成により、細胞区画間のナトリウムチャネルの移動にお
ける、このクラスのβサブユニットの可能性ある役割を示唆すると考える。それ
故、C末端位は、治療薬の開発または検出の別のターゲット領域を示し得る。本
発明の範囲内に該当する好ましいペプチドは、ヒトのおよびラットのβ3内部移
行シグナルを含む、全てのペプチドを含む。これらは、配列番号31および配列
番号47(図4のラットおよびヒトのβ3配列のアミノ酸158〜191)およ
び配列番号32(図4のヒトのβ3配列のアミノ酸173〜179)を含む。
【0092】 さらに好ましいβ3サブユニットペプチド断片は、電位ゲート性ナトリウムチ
ャネルの正常な機能を阻害または遮断する抗体の産生を誘起するものである。か
かる機能の阻害または遮断は、本明細書の実施例6および7に記載の方法により
測定し得る。
【0093】 上記で定義したような他の好ましいペプチド断片は、配列番号1または配列番
号2のアミノ酸配列のいずれか1つの少なくとも10個連続したアミノ酸、好ま
しくは少なくとも12または15、より好ましくは少なくとも20、最も好まし
くは、配列番号1または配列番号2のアミノ酸配列のいずれか1つの少なくとも
25個の連続したアミノ酸を有する。
【0094】 本発明はまた、配列番号1または配列番号2のアミノ酸配列のいずれか1つの
β3サブユニットポリペプチドに関して、1つのアミノ酸の、1、2、3、4、
5、10、20、25、30、35、40の置換、付加、または欠失の範囲のア
ミノ酸変化を含む、βサブユニット、またはそのペプチド断片に関する。
【0095】 本発明に記載のポリペプチドのアミノ酸におけるアミノ酸置換の場合、1つま
たは数個の連続的または非連続的アミノ酸を、「等価」アミノ酸により置換する
。「等価」アミノ酸なる語は、本明細書で、配列番号1および2のアミノ酸配列
のβ3サブユニットポリペプチドに対して産生された抗体への、対応するペプチ
ドの結合特性を減少させることなく、天然タンパク質構造に属するアミノ酸の1
つに置換し得る任意のアミノ酸を表わすために使用し得る。別の言葉で言えば、
「等価」アミノ酸は、天然β3サブユニットタンパク質のアミノ酸配列と比較し
て、修飾された配列を有するポリペプチドの産生または合成を可能とするもので
あり、前記修飾ポリペプチドは、配列番号1および配列番号2のアミノ酸配列の
β3サブユニットタンパク質に対して生じた抗体に結合できる、および/または
、親ポリペプチドを認識する抗体を誘導できる。
【0096】 別に、包含されるアミノ酸変化は、得られる修飾ポリペプチドの生物活性を消
失させないものである。修飾ポリペプチドの生物活性は、例えば、明細書の実施
例6および実施例7に記載のように評価し得る。
【0097】 これらの等価アミノ酸は、置換する元のアミノ酸との構造的相同性により、そ
の正味の電荷のまたはその疎水性の類似性により、および任意選択的に親ペプチ
ドとその修飾対応物の間の交差免疫原性の結果により決定し得る。
【0098】 1つまたは数個の「等価」アミノ酸を含むペプチドは、リガンド結合分析(ア
ッセイ)またはエリザ分析(アッセイ)により評価できるように、親タンパク質
の生物ターゲットにその特異性および親和性特性を保持していなければならない
【0099】 特定のクラスに属するアミノ酸の例は、酸性アミノ酸(Asp、Glu)、塩
基性アミノ酸(Lys、Arg、His)、非極性アミノ酸(Ala、Val、
Leu、Ile、Pro、Met、Phe、Trp)または非荷電極性アミノ酸
(Gly、Seu、Thr、lys、Tyr、Asn、Gln)を含む。
【0100】 好ましくは、本発明のβ3サブユニットポリペプチド、またはそのペプチド断
片におけるアミノ酸の置換は、特定のクラスのアミノ酸の、同じクラスに属する
別のアミノ酸による置換からなる。
【0101】 本発明に記載の等価アミノ酸により、L形の残基の、D形の残基による置換、
または、グルタミン酸(E)残基のピログルタミン酸化合物による置換も考えら
れる。D形の少なくとも1つの残基を含むペプチドの合成は、例えば、Koch
(1977)により記載されている。
【0102】 本発明に記載の目的の修飾ペプチドの特定の具体例は、タンパク質分解に耐性
のペプチド分子を含むがこれに限定されない。これは、−CONH−ペプチド結
合が修飾され、(CH2NH)還元結合、(NHCO)逆配列結合、(CH2−O
)メチレン−オキシ結合、(CH2S)チオメチレン結合、(CH2CH2)炭素
結合、(CO−NH2)セトメチレン結合、(CH0H−CH2)ヒドロキシエチ
レン結合)、(N−N)結合、E−アルセン結合またはまた−CH=CH−結合
により置換されたペプチドである。
【0103】 本発明はまた、少なくとも1つのペプチド結合が上記のように修飾された、β
3サブユニットポリペプチドまたはその断片を包含する。
【0104】 本発明に記載のポリペプチドはまた、均一な溶液中または固相中で、慣用的な
化学合成法により調製し得る。かかる化学的ポリペプチド合成技術の例示的具体
例として、Houbenweyl(1974)の記載した均一溶液技術を列挙し
得る。
【0105】 従って、目的のβ3サブユニットポリペプチド、またはその断片は、取込む様
々なアミノ酸残基の連続的カップリングにより(液相中でN末端からC末端に、
または固相中でC末端からN末端に)液相または固相中の化学合成により調製し
得、ここでのN末端および反応側鎖は、慣用的な基により前以て遮断する。
【0106】 固相合成では、Merrifield(1965a;1965b)の記載した
技術を特に使用し得る。
【0107】 本発明のβ3サブユニットポリペプチドおよび目的のそのペプチド断片は、抗
体の調製に使用できる。
【0108】 β3をコードする核酸の増幅 本発明の別の目的は、電位ゲート性ナトリウムチャネル由来のβ3サブユニッ
トをコードする核酸の増幅法からなり、前記方法は、 (a)ターゲットβ3サブユニット核酸、その断片または変異体、またはそれに
相補的な配列を含むことが疑われる試験サンプルを、増幅するβ3サブユニット
核酸領域のいずれかの側に位置する一対の増幅プライマーを含む増幅反応試薬と
接触させ、そして (b)任意選択的に、増幅産物を検出するステップを含む、前記方法。
【0109】 上記の方法の第一の好ましい具体例において、核酸は、ヒトまたはラットのβ
3サブユニット、より好ましくは配列番号1または配列番号2のアミノ酸配列の
いずれか1つのβ3サブユニットをコードする。
【0110】 上記の方法の第二の好ましい具体例において、プライマーは、配列番号33、
配列番号34および配列番号36〜41のヌクレオチド配列のいずれか1つを含
むか、またはそれからなる。
【0111】 上記の増幅法の第三の好ましい具体例において、増幅産物は、増幅領域に相補
的な配列を有する標識プローブを用いたハイブリダイゼーションにより検出する
【0112】 本発明はまた、試験サンプル中の、電位ゲート性ナトリウムチャネル由来のβ
3サブユニットをコードする核酸、その断片または変異体、またはそれに相補的
な配列を増幅するキットに関し、前記キットは、 (a)増幅するβ3サブユニット核酸領域のいずれかの側に位置する一対のオリ
ゴヌクレオチドプライマーと、 (b)任意選択的に、増幅反応の実施に必要な試薬を含む。
【0113】 上記のキットの第一の好ましい具体例において、核酸は、ヒトまたはラットの
β3サブユニット、より好ましくは配列番号1および配列番号2のアミノ酸配列
のいずれか1つのβ3サブユニットをコードする。
【0114】 上記の増幅キットの第二の好ましい具体例において、増幅産物は、増幅領域に
相補的な配列を有する標識プローブを用いたハイブリダイゼーションにより検出
される。
【0115】 上記の増幅キットの第三の具体例において、増幅プライマーは、配列番号33
、配列番号34および配列番号36〜41のヌクレオチド配列から選択される。
【0116】 アンチセンス核酸および遺伝子療法 本発明のさらなる目的は、本発明に記載のβ3サブユニット遺伝子の発現を阻
害または消失するアンチセンス核酸からなる。本発明に記載のアンチセンス核酸
の好ましい使用法は、Sczakielら(1995)の記載した手順である。
【0117】 好ましくは、アンチセンス核酸は、本発明のβ3サブユニットタンパク質、好
ましくはヒトまたはラットのβ3サブユニット、より好ましくは配列番号1およ
び配列番号2のアミノ酸配列のいずれか1つのβ3サブユニット、最も好ましく
は配列番号3および配列番号4のヌクレオチド配列からなる群から選択された核
酸の5'末端に相補的な15〜200bp長のポリヌクレオチドの中から選択さ
れる。
【0118】 本発明に記載の好ましいアンチセンス核酸は、翻訳開始コドンATGを含むβ
3サブユニットのヒトまたはラットのmRNAの配列に相補的である。しかし、
アンチセンス核酸はまた、3'または5'の非翻訳領域の配列にも相補的であり得
る。
【0119】 本発明のアンチセンス核酸は、二本鎖の所望のβ3サブユニットの発現を阻害
するに十分な安定性を有する細胞内二本鎖の形成を可能とするに十分な長さおよ
び融解温度を有するべきである。遺伝子療法に使用するに適したアンチセンス核
酸の設計戦略は、Greenら(1986)およびIzantおよびWeint
raub(1984)(その開示は本明細書に引用することによって本明細書の
一部をなすものとする)に開示されている。
【0120】 別の適切なアンチセンス戦略は、本明細書に引用することによって本明細書の
一部をなすものとする、PCT出願番号WO94/23026号、WO95/0
4141号、WO92/18522号および欧州特許出願番号EP057228
7A2号にRossiら(1991)により記載されたものである。
【0121】 本発明に記載の好ましいアンチセンス核酸配列は、配列番号35のヌクレオチ
ド配列である。
【0122】 本発明に記載のアンチセンス核酸を設計するために、当業者はまた、Zhiq
iang Zhangら(1998)の刊行物の教示により誘導され得、この開
示は引用することによって本明細書の一部をなすものとする。
【0123】 任意の特定の理論に固めたくはないが、本発明者は、β3サブユニットを含む
ナトリウムチャネルの修飾が興奮性を変化し得る1つの方法は以下の機序であろ
うと考える。ナトリウム電流の崩壊は、少なくとも2つの指数により適合できる
。これらの2つの電流の主要な成分は、β3サブユニットの共発現により有意に
短縮される。これは、β3サブユニットが正の方向に電位活性化曲線をシフトさ
せ、膜電位のより迅速な再分極を可能とするためである。従って、事象の数の増
加または軸索を下る情報の移行が起こる。ニューロンに発現された高密度のナト
リウムチャネルにより、活動電位の伝導が全細胞表面で起こることが可能となる
。膜から一過性にナトリウムチャネルを除去することにより、脱分極入力に対す
る神経終末の獲得機能を変化させる可逆的方法が得られ得る。
【0124】 結果として、本発明者は、例えばアンチセンス戦略を介した、本発明のβ3サ
ブユニットの発現の阻害は、β3サブユニットが一部をなす電位ゲート性ナトリ
ウムチャネルの発現および/または表面発現に影響を及ぼし得、結果として、全
電位ゲート性ナトリウムチャネルの発現および生物活性に影響を及ぼし得ると考
える。かかる電位ゲート性ナトリウムチャネル阻害は、癲癇、痛覚過敏および心
臓血管疾患のような疾患の予防または治癒に有用であり得る。
【0125】 さらに、ナトリウムチャネルの不活性化の増加により、神経興奮性に対する減
衰効果が得られる。
【0126】 さらに、β3サブユニットは、α孔に堅く結合し、複合体を適切な場所に輸送
するにはβ3サブユニットが必要であることが示唆される。従って、β3−α複
合体の修飾、好ましくは阻害は、細胞内部位への捕獲を増加するのに、または、
αおよびβの、終末末端試薬への輸送を減少するのに使用し得る。これにより興
奮性は減少する。なぜなら、脱分極中の電流密度は活動電位の伝播を維持するの
に不十分であるからである。
【0127】 さらに、β3サブユニットの発現の変化は、損傷領域のナトリウムチャネル機
能の崩壊を引き起こす。
【0128】 本発明の別の目的は、ベクター送達系により完全に機能する遺伝子の挿入によ
る、遺伝子療法におけるβ3サブユニットまたはその生物学的に活性なペプチド
断片をコードする核酸の使用であり、これにより傷害領域は修復される。本発明
のβ3サブユニットタンパク質をコードする核酸の発現に影響を及ぼすために、
これらの核酸を細胞に送達しなければならない。この送達は、細胞系を形質転換
する実験手順のようなインビトロで、または、ある疾患状態、特に電位ゲート性
ナトリウムチャネルの機能不全に関連した疾患状態、より特定すると、疼痛、癲
癇、卒中、虚血、痛覚過敏、心血管疾患およびヤコブソン症候群、家族性非クロ
ム親和性傍神経節腫、PTS欠乏に因るフェニルケトン尿症およびシャルコー−
マリー−トゥース病などの疾患状態の処置のようなインビボまたは生体外で達成
し得る。
【0129】 1つの機序は、ウイルス感染であり、ここでは、発現したい核酸を、感染性ウ
イルス粒子に封入する。ポリヌクレオチドを培養哺乳動物細胞に導入する数個の
非ウイルス法も本発明により考えられ、リン酸カルシウム沈降法:Graham
ら(1973);Chenら(1987)、DEAE−デキストランGopal
:(1985)、電気穿孔法:Tur−Kaspaら(1986);Potte
rら(1984)、直接的マイクロインジェクション:Harlandら(19
85)およびDNA添加リポソーム:Nicolauら(1982);Fral
eyら(1979)を含むがこれに限定されない。
【0130】 一旦、発現したい核酸が細胞に送達されると、レシピエント細胞のゲノムに安
定に組込まれ得る。この組込みは、相同的組換え(遺伝子置換)により正しい位
置および配向であり得るか、または、無作為で非特異的位置であり得る。またさ
らなる具体例において、核酸は、細胞に、DNAの別々のエピソームセグメント
として維持され得る。かかる核酸セグメントまたはエピソームは、宿主細胞周期
に独立的にまたはそれと同期に、維持および複製を可能とするに十分な配列をコ
ードする。適切な遺伝子ターゲッティング技術は、Russel(1998)に
記載され、その開示は引用することによって本明細書の一部をなすものとする。
【0131】 インビボで核酸を脊椎動物の細胞内部に送達する方法の1つの具体的な具体例
は、生理学的に許容される担体および目的のポリペプチドを作動可能にコードし
ている裸ポリヌクレオチド(naked polynucleotide)を含
む調製物を、細胞を含む組織の間質空間に導入するステップを含み、ここで、裸
ポリヌクレオチドは、細胞内部に取込まれ、生理学的効果を及ぼす。
【0132】 裸ポリヌクレオチドを含むインビトロおよびインビボで使用するための組成物
は、PCT出願番号WO90/11092号(Vical Inc.)、並びに
、Tacsonら(1996)およびHuygenら(1996)(その開示は
引用することによって本明細書の一部をなすものとする)に記載されている。
【0133】 本発明の別の目的は、β3サブユニットタンパク質またはその生物学的に活性
なペプチド断片をインビボで産生するための組成物からなる。かかる組成物は、
このポリペプチドを作動可能にコードし、組織に導入して、組織の細胞に、機能
的β3サブユニットタンパク質またはそのペプチド断片を発現させ、よって機能
的電位ゲート性ナトリウムチャネルを発現させるのに適した、裸ポリヌクレオチ
ドを溶液中に生理学的に許容される担体中に含み得る。
【0134】 所望の宿主生物に注射するベクターの量は、注射部位により変更する。目安の
用量として、動物生体、好ましくは哺乳動物生体、好ましくはヒトの生体に、0
.1ないし100μgのベクターを注射する。
【0135】 本発明の遺伝子療法の別の具体例において、β3サブユニットタンパク質また
はその生物学的に活性なペプチド断片を作動可能に発現する核酸を、インビトロ
で宿主細胞に、好ましくは処置する動物から前以て収集しておいた宿主細胞に、
より好ましくは体細胞、例えば筋肉細胞または神経細胞に導入し得る。次のステ
ップで、β3サブユニットタンパク質またはその目的のペプチド断片をコードす
る核酸で形質転換しておいた細胞を、動物生体に再導入して、生体内に局所的ま
たは全身的に組換えタンパク質を送達する。
【0136】 それ故、本発明はまた、1つまたは数個の生理学的に許容される担体、例えば
当業者に公知の担体と組合せた、本明細書に記載の核酸群から選択された核酸を
含む組成物に関する。
【0137】 組換え発現ベクター 本発明はまた、本明細書に記載の核酸のいずれか1つを含む組換えベクターの
ファミリーを包含する。従って、本発明はさらに、以下からなる群から選択され
た核酸を含む組換えベクターに関する。
【0138】 (a)電位ゲート性ナトリウムチャネル由来のβ3サブユニット、好ましくは
ヒトまたはラットのβ3サブユニット、より好ましくは配列番号1および配列番
号2のアミノ酸配列またはそれに相補的な配列からなる群から選択されたポリペ
プチドと少なくとも80%のアミノ酸の同一性を有する、精製または単離された
核酸と、 (b)配列番号3および配列番号4のヌクレオチド配列またはそれに相補的な
配列からなる群から選択されたポリヌクレオチドと少なくとも90%のヌクレオ
チドの同一性を有する精製または単離された核酸と、 (c)(a)または(b)に記載の核酸またはそれに相補的な配列の少なくと
も10個連続したヌクレオチドを含む精製または単離ポリヌクレオチドと、およ
び (d)配列番号5〜32および配列番号46および47に対応するβ3のペプ
チド断片の1つをコードするポリヌクレオチドとからなる群から選択された精製
または単離ポリヌクレオチド。
【0139】 第一の好ましい具体例において、本発明の組換えベクターは、適切な宿主細胞
で本発明のβ3サブユニットをコードする核酸から得られた挿入ポリヌクレオチ
ドを増幅するために使用され、このポリヌクレオチドは、組換えベクターが複製
する毎に増幅される。
【0140】 本発明に記載の組換えベクターの第二の好ましい具体例は、本発明のβ3サブ
ユニットをコードする核酸、好ましくはヒトまたはラットのβ3サブユニットを
コードする核酸、より好ましくは配列番号1および配列番号2のアミノ酸配列か
らなる群から選択されたポリペプチドをコードする核酸、最も好ましくは配列番
号3および配列番号4のヌクレオチド配列からなる群から選択された核酸を含む
発現ベクターからなる。
【0141】 本明細書に明記したβ3サブユニットのペプチド断片をコードする核酸を含む
組換え発現ベクターも本発明の一部である。
【0142】 ある具体例内で、発現ベクターを使用して、本発明のβ3サブユニットまたは
そのペプチド断片を発現でき、これは次いで精製でき、例えば免疫原として使用
して、前記β3サブユニットタンパク質またはそのペプチド断片に対して指向さ
れた特異的抗体を産生できる。
【0143】 別の具体例において、発現ベクターは、トランスジェニック動物を作成するた
めに、また遺伝子療法のために、特にアンチセンス療法のために使用する。
【0144】 発現は、適切なシグナルがベクターに提供され、前記シグナルは、宿主細胞で
目的の遺伝子の発現を駆動する、ウイルスおよび哺乳動物の両方の起源の、エン
ハンサー/プロモーターなどの様々な調節エレメントを含む。本発明の発現ベク
ターの調節配列は、目的のβ3サブユニットタンパク質またはそのペプチド断片
をコードする核酸に作動可能に連結している。
【0145】 本明細書に使用したような「作動可能に連結(operably linke
d)」なる語は、機能的関係におけるポリヌクレオチドエレメントの連結を意味
する。例えば、プロモーターまたはエンハンサーは、それがコード配列の転写に
影響を及ぼす場合、コード配列に作動可能に連結している。
【0146】 より正確には、2つのDNA分子(例えば、プロモーター領域を含むポリヌク
レオチドおよび所望のポリペプチドまたはポリヌクレオチドをコードするポリヌ
クレオチド)は、2つのポリヌクレオチド間の連結の性質が、(1)フレームシ
フト変異を導入しない、または(2)プロモーターを含むポリヌクレオチドが、
コードポリヌクレオチドの転写を指令する能力を妨害しなければ、「作動可能に
連結」していると言う。
【0147】 一般に、組換え発現ベクターは、複製起点、宿主細胞の形質転換を可能とする
、適切なマーカー、および下流構造配列の転写を指令する高度に発現された遺伝
子から得られたプロモーターを含む。異種構造配列は、翻訳、開始および終結配
列、および好ましくは翻訳タンパク質配列を細胞質周辺腔または細胞外媒体に指
令できるリーダー配列と適切なフレーム内で会合している。
【0148】 ベクターが哺乳動物宿主細胞で所望の配列をトランスフェクトおよび発現する
のに適した特定の具体例において、好ましいベクターは、所望の宿主由来の複製
起点、適切なプロモーターおよびエンハンサー、およびまた任意の必要なリボソ
ーム結合部位、ポリアデニル化部位、転写終結配列、および任意選択的に5'−
フランキング非転写配列(flanking non−transcribed
sequence)を含む。
【0149】 SV40ウイルスゲノム、例えばSV40起源から得られたDNA配列、初期
プロモーター、エンハンサー、およびポリアデニル化部位を使用して、必要な非
転写ゲノムエレメントを提供し得る。
【0150】 本発明の組換え発現ベクターの別の具体例において、5'−フランキング非転
写配列は、以下からなる群から選択されたポリヌクレオチドを含み得る。
【0151】 (1)配列番号3のヌクレオチド配列の1位のヌクレオチドで始まり、362
位のヌクレオチドで終わる核酸と、 (2)配列番号4の1位のヌクレオチドで始まり、375位のヌクレオチドで
終わる核酸。
【0152】 さらに、本発明の組換え発現ベクターはまた、コード配列(ORF)の3'末
端に位置する非転写ポリヌクレオチドを含み、この3'−UTRポリヌクレオチ
ドは、対応するmRNAの安定化に、または、この3'−UTRがエンハンサー
エレメントなどの調節シグナルエレメントを有する場合、ベクター挿入断片の発
現速度の増加に有用である。
【0153】 好ましい3'−UTR配列は、配列番号3および配列番号4のヌクレオチド配
列に含まれる3'−UTRからなる群から選択される。
【0154】 従って、本発明のさらなる目的は、以下からなる群から選択された3'−UT
R核酸からなる。
【0155】 (1)配列番号3のヌクレオチド配列の1011位のヌクレオチドで始まり、
2220位のヌクレオチドで終わる核酸; (2)配列番号4の1024位のヌクレオチドで始まり、1261位のヌクレ
オチドで終わる核酸。
【0156】 本発明に記載の発現ベクターに使用される適切なプロモーター領域は、異種核
酸を発現する宿主細胞を考慮して選択する。
【0157】 適切なプロモーターは、発現を制御する核酸に関して異種であっても、または
別に発現するコード配列を含む天然ポリヌクレオチドに内因性であってもよい。
【0158】 さらに、プロモーターは、一般に、構成物のプロモーター/コード配列を挿入
する組換えベクター配列に関して異種である。
【0159】 好ましい細菌プロモーターは、LacI、LacZ、T3またはT7バクテリ
オファージRNAポリメラーゼプロモーター、λPR、PLおよびtrpプロモ
ーター(EP0036776)、ポリヘドリンプロモーター、またはバキュロウ
イルス由来のp10タンパク質プロモーター(キットノバゲン;Smithら(
1983);O'Reillyら(1992)である。
【0160】 形質転換宿主細胞の選択のために本発明の発現組換えベクターに含まれる好ま
しい選択マーカー遺伝子は、好ましくは、真核細胞培養液ではデヒドロ葉酸レダ
クターゼまたはネオマイシン耐性、S.セレビジアエではTRP1、E.col
iではテトラサイクリン、リファンピシンまたはアンピシリン耐性、または、マ
イコバクテリアではレバムサッカラーゼであり、この後者のマーカーは陰性選択
マーカーである。
【0161】 本発明の好ましい細菌ベクターを、限定的な例ではなく、説明として本明細書
に以後列挙する。
【0162】 pQE70、pQE60、pQE−9(Qiagen)、pD10、ファージ
スクリプト、psiX174、p.BluescriptSK、pNH8A、p
NH16A、pNH18A、pNH46A(Stratagene);pKK2
23−3、pKK233−3、pDR540、pRIT5(ファルマシア);p
WLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1、pSG(Stratag
ene);pSVK3、pBPV、pMSG、pSVL(ファルマシア);pQ
E−30(QIAexpress)。
【0163】 本発明の好ましいバクテリオファージ組換えベクターは、Sternberg
N.L.(1992;1994)の記載したようなP1バクテリオファージベク
ターである。
【0164】 本発明のβ3サブユニットポリペプチドまたはその断片の発現に適切なベクタ
ーは、昆虫細胞および昆虫細胞系で増殖できるバキュロウイルスベクターである
。具体的な適切な宿主ベクター系は、spodoptera frugiper
daから得られたSF9細胞系(ATCC番号CRL1711)のトランスフェ
クトに使用したpVL1392/1393バキュロウイルス導入ベクター(ファ
ーミンゲン)である。
【0165】 本発明の組換え発現ベクターは、FeldmanおよびSteig(1996
)またはOhnoら(1994)に記載のものなどのアデノウイルスから得られ
得る。
【0166】 本発明のこの特定の具体例に記載の別の好ましい組換えアデノウイルスは、ヒ
トアデノウイルスの2型または5型(Ad2またはAd5)または動物起源のア
デノウイルス(仏国特許出願番号FR9305954号)である。
【0167】 本発明のインビトロまたはインビボでのレトロウイルスの遺伝子送達ベヒクル
の調製または作成に特に好ましいレトロウイルスは、ミンク細胞病巣誘導ウイル
ス、ネズミ肉腫ウイルス、およびRoss肉腫ウイルスからなる群から選択され
るレトロウイルスを含む。他の好ましいレトロウイルスベクターは、Rothら
(1996)、PCT出願WO93/25234号、PCT出願WO94/06
920号、およびまたRouxら(1989)、Julanら(1992)およ
びNadaら(1991)に記載のものである。
【0168】 さらに、本発明により考えられる別のウイルスベクター系は、Flotteら
(1992)、Samulskiら(1989)およびMcLaughlinら
(1996)の記載したものなどのアデノ随伴ウイルス(AAV)からなる。
【0169】 従って、本発明のさらなる目的は、電位ゲート性ナトリウムチャネル由来のβ
3サブユニットをコードする核酸またはそのペプチド断片またはその変異体を含
む組換え発現ベクターからなり、ここで、前記核酸はプロモーター配列に作動可
能に連結している。
【0170】 好ましい具体例において、この核酸は、ラットまたはヒトのβ3サブユニット
、好ましくは配列番号1および配列番号2のアミノ酸配列のいずれか1つのβ3
サブユニット、またはその変異体またはペプチド断片をコードする。好ましい断
片は、配列番号5から32および配列番号46および47の断片を含む。最も好
ましい具体例において、この核酸は、配列番号3および配列番号4のヌクレオチ
ド配列のいずれか1つを含む。
【0171】 β3を発現する宿主細胞 本明細書に記載の核酸の1つを用いて、または本明細書に記載の組換えベクタ
ー、特に組換え発現ベクターの1つを用いて形質転換またはトランスフェクトし
ておいた宿主細胞も、本発明の一部である。
【0172】 上記したものの1つなどの組換えベクターで形質転換(原核細胞)またはトラ
ンスフェクト(真核細胞)した宿主細胞も含まれる。本発明の発現ベクターのレ
シピエントとして使用する好ましい宿主細胞は、以下である。
【0173】 (a)原核宿主細胞:Echerichia coli株(すなわちDH5−
α株)、Bacillus subtilis、Salmonella typ
himuriumおよびシュードモナス、ストレプトミセスおよびスタフィロコ
ッカスのような種由来の株; (b)真核宿主細胞:HeLa細胞(ATCC番号CCL2;番号CCL2.1
;番号CCL2.2)、Cv1細胞(ATCC番号CCL70)、COS細胞(
ATCC番号CRL1650;番号CRL1651)、Sf−9細胞(ATCC
番号CRL1711)、C127細胞(ATCC番号CRL−1804)、3T
3細胞(ATCC番号CRL−6361)、CHO細胞(ATCC番号CCL−
61)、ヒトの腎臓293細胞(ATCC番号45504;番号CRL−157
3)、BHK(ECACC番号84100501;番号84111301)、P
C12(ATCC番号CRL−1721)、NT2、SHSY5Y(ATCC番
号CRL−2266)、NG108(ECACC番号88112302)および
F11、SK−N−SH(ATCC番号CRL−HTB−11)、SK−N−B
E(2)(ATCC番号CRL−2271)、IMR−32(ATCC番号CC
L−127)。本発明の遺伝子を発現できる好ましい系は、COS細胞、3T3
細胞、HeLa細胞、292細胞およびCHO細胞などの細胞系である。β3の
効率的な発現に好ましい系は、CHO細胞系の使用を含む。遺伝子は、天然CH
Oの内因性プロモーターにより発現しても、または外来性プロモーターにより発
現してもよい。適切な外来性プロモーターは、SV40またはCMV、またはお
そらく真核生物プロモーター、例えばテトラサイクリンプロモーターなどを含む
。好ましいプロモーターはCMVである。
【0174】 上記の宿主細胞の特定の具体例において、これらの宿主細胞はまた、別の電位
ゲート性ナトリウムチャネルサブユニット、好ましくはα型のサブユニット、よ
り好ましくは実施例4に記載したようなα2型のサブユニットの発現を可能とす
る、ポリヌクレオチドまたは組換えベクターを用いてトランスフェクトまたは形
質転換した。適切な共発現手順はまた、Makielskiら(1996)およ
びQuら(1995)に記載され、この開示は引用することによって本明細書の
一部をなすものとする。
【0175】 本発明はまた、本明細書に記載のβ3サブユニットポリペプチドまたはペプチ
ドの1つおよび特に配列番号1または配列番号2のアミノ酸配列からなる群から
選択されたポリペプチドを産生する方法に関し、前記方法は、以下のステップを
含む。
【0176】 (a)所望のβ3サブユニットポリペプチドまたはそのペプチド断片をコード
する核酸を適切なベクターに挿入し、 (b)適切な培養培地で、ステップ(a)の組換えベクターで以前に形質転換ま
たはトランスフェクトしておいた宿主細胞を培養し、 (c)かくしてならした培養培地を収集するか、例えば、または超音波処理によ
りまたは浸透圧ショックにより宿主細胞を溶解し、 (d)前記培養培地から、または、得られた宿主細胞溶解液のペレットから、か
くして産生された目的のβ3サブユニットポリペプチドを分離または精製する。
【0177】 上記の方法の第一の好ましい具体例において、適切なベクターに挿入する核酸
は、一対のプライマーを使用して、増幅反応を以前に受けている。
【0178】 かかる増幅反応に使用される好ましいプライマーは、配列番号33および配列
番号34のヌクレオチド配列のプライマーである。
【0179】 上記の方法の第二の好ましい具体例において、かくして産生されたポリペプチ
ドを、例えば、β3サブユニットポリペプチドまたはそのペプチド断片に指向さ
れたポリクローナルまたはモノクローナル抗体を予め固定しているイムノアフィ
ニティクロマトグラフィーカラム上への結合により、さらに特徴づける。
【0180】 本発明に記載の組換えβ3サブユニットタンパク質またはそのペプチド断片の
精製は、ニッケルまたは銅アフィニティクロマトグラフィーカラムへの通過によ
り実施し得る。
【0181】 別の具体例において、かくして得られたβ3サブユニットポリペプチドまたは
ペプチド断片は、Rougeotら(1994)により記載されたように、例え
ば、高速液体クロマトグラフィー、例えば逆相および/または陽イオン交換HP
LCにより精製し得る。
【0182】 この種類のペプチドまたはタンパク質精製が好ましい理由は、溶出サンプル中
に形成される副生成物がないことであり、これにより、得られた精製タンパク質
またはペプチドはより治療使用に適したものとなる。
【0183】 β3に対する抗体 ポリクローナル抗体は、哺乳動物、特にマウスまたはウサギを、免疫アジュバ
ントと合わせた本発明に記載のポリペプチドまたはペプチドを用いて免疫化し、
次いで、抗原として使用するポリペプチドを予め固定しておいたアフィニティク
ロマトグラフィーカラムに免疫化動物の血清に含まれる特異的抗体を精製するこ
とにより調製し得る。
【0184】 モノクローナル抗体は、KohlerおよびMilstein(1975)に
より記載された技法に従ってハイブリドーマから調製し得る。
【0185】 本発明はまた、トリオーマ技法によりおよびKozborら(1983)の記
載したようなヒトのB細胞ハイブリドーマ技法により産生された抗体に関する。
【0186】 本発明の抗体はまた、キメラ単鎖Fv抗体断片を含む(米国特許第4,946
,778号;Martineauら(1998)、ファージディスプレイライブ
ラリーから得られた抗体断片Ridderら(1995)およびヒト化抗体(L
egerら(1997))。
【0187】 いずれかのプロトコルに従って得られた抗体調製物は、生物学的サンプル中の
抗原を有する物質の存在を決定するための定量的免疫分析(アッセイ)に有用で
ある。抗体はまた、電位ゲート性ナトリウムチャネル由来のβ3サブユニットの
生物活性を阻害する目的の治療組成物に使用し得る。
【0188】 結果として、本発明はまた、サンプル中の、電位ゲート性チャネル由来のβ3
サブユニットの存在を特異的に検出する方法にも関し、前記方法は、以下のステ
ップを含む。
【0189】 (a)分析(アッセイ)するサンプルを、βサブユニットタンパク質またはそ
のペプチド断片に対して指向された抗体と接触させ; (b)形成された抗原−抗体複合体を検出する。
【0190】 本発明はまた、サンプル中の、β3サブユニットポリペプチドまたはその断片
の存在をインビトロで検出するキットに関し、前記キットは、β3サブユニット
ポリペプチドまたはそのペプチド断片に対して指向された抗体を含む。
【0191】 好ましい具体例において、キットはさらに、形成された抗原−抗体複合体の検
出を可能とする試薬を含み、前記試薬は、任意選択的に標識を有するか、または
特に上記の抗体がそれ自体標識されていない場合、標識試薬によりそれ自体を認
識できる。
【0192】 本発明の抗体はまた、脳電位ゲート性ナトリウムチャネルの生物活性を遮断で
きる治療剤として有用である。
【0193】 従って、本発明の別の目的は、当業者に公知の担体などの、1つまたは数個の
生理学的に許容される担体と組合せた、本明細書に定義した抗体を含む組成物か
らなる。
【0194】 β3リガンドのスクリーニング 本発明はまた、本発明のβ3サブユニットを含む電位ゲート性ナトリウムチャ
ネルの生物活性を調節できる、リガンド物質または分子をスクリーニングする方
法に関する。
【0195】 β3またはその断片の産生 β3タンパク質またはその断片は、組換え技術、細胞系または化学合成を使用
して調製できる。β3サブユニットまたはその断片の組換え技術および化学合成
により、β3サブユニットまたはその断片の認識タグ、切断部位および修飾など
の特徴を含めるような、β3サブユニットをコードする遺伝子の修飾ができる。
効率的なポリペプチド産生のために、組換え発現系により、β3ポリペプチドが
、発現され、機能的な形で細胞表面に輸送されることが可能となる、またはβ3
サブユニット断片(これは精製できる)の産生が可能となるべきである。好まし
い細胞系は、β3サブユニットまたはその断片の高レベルの発現が可能となるも
のである。かかる細胞系は、Cho細胞およびCos細胞などの共通の哺乳動物
細胞系、またはPC12などのより特殊な神経細胞系を含む。しかし、昆虫細胞
、両生類細胞、例えば卵母細胞、酵母および原核細胞系、例えばE.coliな
どの組換えタンパク質産生に一般に使用される他の細胞型も考えることができる
【0196】 β3サブユニットまたはその断片は、精製タンパク質として、ファージディス
プレイに記載のものなどのタンパク質キメラとして、細胞膜(脂質または界面活
性剤)調製物としてリガンドスクリーンに、または無傷細胞に使用できる。
【0197】 β3サブユニットまたはその断片は、機能的スクリーン形式またはリガンド結
合スクリーン形式に使用できる。両方のスクリーニング形式の例は以下に提供す
る。
【0198】 機能的スクリーニング法 機能的スクリーンの第一の具体例は、以下のステップを含む。
【0199】 (a)電位ゲート性ナトリウムチャネルのβ3サブユニットまたはその断片お
よび機能的αサブユニット、好ましくはα2サブユニット、またはその断片を共
発現している組換え宿主細胞を得て、 (b)前記組換え宿主細胞を、試験する物質または分子と接触させ、そして (c)試験する物質または分子と接触させた組換え宿主細胞内の電気的パラメー
タを、電位固定技術或いは電位感受性蛍光ダイによる膜電位の測定により測定す
る。
【0200】 測定する第一に好ましい電気的パラメータは不活性化電位である。
【0201】 測定する第二に好ましい電気的パラメータは不活性化時間である。
【0202】 測定する第三に好ましい電気的パラメータはナトリウムチャネルの回復速度で
ある。
【0203】 膜電位の測定は、電位感受性ダイの有用性を記載する、以下の参考文献に記載
の技術の1つを使用して実施できる。Biophys−J.1989年12月;
56(6):1053〜69;Biochemistry1989年5月30日
;28(11):4536〜9、Chem−Biol.1997年4月;4(4
):269〜77、Biophys−J.1995年10月:69(4):12
72〜80。全てのこれらの刊行物を引用することによって本明細書の一部をな
すものとする。
【0204】 機能的スクリーニング法の別の具体例は、以下のステップを含む。
【0205】 (a)電位ゲート性ナトリウムチャネルのβサブユニットまたはその断片およ
び機能的αサブユニット、好ましくはα2サブユニットまたはその断片を共発現
している組換え宿主細胞を得て (b)前記組換え宿主細胞を、試験する物質または分子と接触させ、そして (c)試験する物質または分子と接触させた組換え宿主細胞内のナトリウム流束
の変化を、SBFIなどのナトリウム感受性ダイによるナトリウム流束測定技術
により測定することを含む。
【0206】 測定する第一に好ましいパラメータは、細胞内のナトリウム濃度の増加である
【0207】 測定する第二に好ましいパラメータは、細胞内のナトリウム濃度の減少である
【0208】 測定する第三の好ましいパラメータは、ナトリウムチャネルの回復速度である
【0209】 細胞内ナトリウム濃度の変化の測定は、ナトリウム感受性ダイの有用性を記載
した、以下の参考文献に記載の技術の1つを使用して実施できる。Witkow
skiらNature1998、392、78、Itohら、J.Neuros
cience1998、71、112、Mittmannら、J.Neurop
hysiol1997、78、1188およびDavidら、J.Physio
l.1997、295。全てのこれらの刊行物を引用することによって本明細書
の一部をなすものとする。
【0210】 機能的スクリーニング方法のさらなる具体例は、以下のステップを含む。
【0211】 (a)電位ゲート性ナトリウムチャネルの機能的αサブユニット、好ましくは
α2サブユニット、またはその断片を発現している組換え宿主細胞を得、 (b)前記組換え宿主細胞を、試験する物質または分子およびβサブユニットの
断片、好ましくは少なくとも膜貫通ドメインを除去しておいたβ3サブユニット
の断片と接触させ、そして (c)試験する物質または分子と接触させた組換え宿主細胞内の電気的パラメー
タを、電位固定技術或いは上記に類似した様式で電位感受性蛍光ダイによる膜電
位の測定により測定する。
【0212】 機能的スクリーニング法の別の具体例は、以下のステップを含む。
【0213】 (a)電位ゲート性ナトリウムチャネルの機能的αサブユニット、好ましくは
α2サブユニットまたはその断片を発現している組換え宿主細胞を得、 (b)前記組換え宿主細胞を、試験する物質または分子およびβ3サブユニット
の断片、好ましくは少なくとも膜貫通ドメインを除去しておいたβ3サブユニッ
トの断片と接触させ、そして (c)試験する物質または分子と接触させた組換え宿主細胞内のナトリウム流束
の変化を、上記に類似した様式でSBFIなどのナトリウム感受性ダイによるナ
トリウム流束測定技術により測定する。
【0214】 リガンド結合スクリーニング法 リガンド結合スクリーンの典型的な具体例は、以下のステップを含む。
【0215】 (a)リガンドを、β3サブユニットまたはその断片と接触させる。 β3ポリペプチドは、無傷細胞、膜調製物または精製ポリペプチドの一部であ
り得る。リガンドは、ペプチド/タンパク質/抗体または化学的実体であり得る
。リガンドが有さなければならない基本的な特性は、リガンドが、β3アミノ酸
配列により決定される結合部位を認識しそれに結合しなければならないことであ
る。任意選択的に、過剰の非β3結合リガンドを分離により除去できる。分離は
、洗浄/ろ過または遠心分離(β3タンパク質をペレット化する)の形で実施で
きる。この後者の場合、次いで、上清を除去し、β3を緩衝液に再懸濁できる。
【0216】 (b)リガンドおよびβ3タンパク質またはその断片を含む培地を、β3基質 と接触させ、結合の生じることを可能とする。
【0217】 基質の特性は、それが検出可能であり定量可能であることでなければならない
。これを達成するために、基質は、発色団または放射能、蛍光、リン光、酵素的
または抗体標識できる。基質が直接検出できない場合、上記の技術を使用し得る
二次検出による検出および定量が可能でなければならない。任意選択的に、非結
合基質を、上記のように混合物から除去できる。
【0218】 (c)基質結合の測定 リガンドの結合は、基質とβ3結合部位の相互作用を修飾し、基質の結合部位
への親和性を減少させる。結合する基質の理論的最大量に比べた、観察された結
合した基質の量の間の差異は、基質結合部位に結合したリガンドの量および親和
性の反映である。基質の検出機序は、その特性により決定される。
【0219】 別に、β3サブユニットまたはその断片に結合したリガンドの量は、クロマト
グラフィーと質量分析の組合せにより決定できる。β3サブユニットまたはその
断片に結合したリガンドの量はまた、リガンドまたは基質のβ3への結合時の、
質量変化の直接的測定により決定できる。これはBiocore(アマシャムフ
ァルマシア)などの技術を用いて達成し得る。別に、β3サブユニットまたはそ
の断片、基質またはリガンドは、蛍光標識でき、β3とリガンドの会合は、蛍光
エネルギー移動(FRET)の変化により追跡できる。
【0220】 上記の方法の第一の好ましい具体例において、目的の物質または分子を、活動
電位、不活性化時間、またはナトリウムチャネルの回復速度の変化を誘導するも
のから選択される。
【0221】 好ましい分子または物質は、試験する物質または分子の非存在下で実施した同
じ測定に比べて、不活性化電位の減少を誘導する、および/または不活性化速度
の減少を誘導する、および/または、不活性化からの回復速度を減少するもので
ある。
【0222】 上記の方法に従って分析(アッセイ)し得る方法は、電位依存性チャネル遮断
剤、テトロドトキシン、リドカイン、フェニトイン、カルバマゼピン、ラモトリ
ジン、ゾニサミド、リルゾール、リファリジン、ラリトリン、フルナリジン、ベ
ラパミルおよびカルベジロールを含むがこれに限定されない。
【0223】 上記の方法に従って分析(アッセイ)し得る他の物質は、フェニルアセトアミ
ドファミリーの6−ヨードアミロライド由来の分子である。
【0224】 ナトリウムチャネル開口剤もまた、例えばカルサトリンまたはBDF−914
8(Beiersdorf)などの、良好な候補分子を示し得る。
【0225】 CNS−5161(ケンブリッジニューロサイエンシーズ)などの神経障害疼
痛または片頭痛に対して活性な治療分子も使用し得る。
【0226】 本発明はまた、β3サブユニットを含む電位ゲート性ナトリウムチャネルの生
物活性を調節できる物質または分子をスクリーニングするためのキットにも関す
る。
【0227】 第一の具体例において、キットは、β3サブユニットまたはその断片およびα
サブユニット、好ましくはα2サブユニットまたはその断片を共発現している組
換え宿主細胞を含む。
【0228】 第二の具体例において、キットは、機能的αサブユニット、好ましくはα2サ
ブユニット、またはその断片、およびβ3サブユニットの断片、好ましくは少な
くとも膜貫通ドメインを除去しておいた断片を発現している組換え宿主細胞を含
む。
【0229】 第三の具体例において、キットは、β3サブユニットまたはその断片および適
切なβ3基質を含む。
【0230】
【実施例】
実施例1:ラット由来のナトリウムチャネルβ3サブユニットをコードするc DNAの単離およびクローニング 多くのその神経内分泌特性を消失したラットのクロム親和性細胞腫細胞系PC
12の変異体が研究されている。正常なPC12細胞に発現されたmRNAに対
応するが変異体には欠失しているcDNAを単離するサブトラクティブクローニ
ングを、新規神経内分泌特異的転写物を同定しつつ単離した。
【0231】 全RNAを、野生型PC12および変異細胞系から、Chomcznskiお
よびSaatchi(ChomczynskiおよびSaachi、1987)
の記載のように調製した。ポリA(+)RNAを、オリゴdTセルロースカラム
クロマトグラフィー(ファルマシアUK)により全RNAから精製した(Avi
vおよびLader1972)。各細胞系からのmRNAの収率を、PCR選択
技術を使用してサブトラクティブハイブリダイゼーションを用いて続ける前に分
光学的に計算した(クロンテック、米国、Diatchenkoら1996)。
野生型細胞で異なって発現された遺伝子から得られた増幅cDNA断片を、pT
Advプラスミド(クロンテック)にサブクローニングし(Meadら1994
)、E.coliXLIブルー株(Bullockら1987)に形質転換して
、cDNA断片ライブラリーを創製した。無作為に拾ったサブクローンからのプ
ラスミドミニプレップを、自動DNAシークエンスにかけ、DNAデータベース
サーチを通してスクリーニングした。
【0232】 ラットのβ3の全長コード配列を、PCR選択により単離した部分クローンを
用いて、ラットの脳cDNAライブラリーのスクリーニングにより単離した。λ
Zapのラットの脳cDNAライブラリー(Shortら1988)を、E.c
olic600hfl株(Huynhら1985)に播き、ファージプラークを
、PCR選択クローンから得られた400bpの32P標識XbaI−SacI.
cDNA断片を用いてスクリーニングした。約250,000個のプラークの中
から、1つの陽性ファージクローンを、E.coliEXORP、XLOLR系
を使用して、pBluescript km288プラスミドでプラスミドレス
キューにより単離した(Alting−Mees&Short1994)。km
288中のcDNA挿入断片の両鎖を、M13プライマーおよび内部配列特異的
プライマーを使用して両鎖上で自動DNAシークエンスにかけた。得られた正核
酸配列を本明細書では配列番号3と称する。
【0233】 実施例2:ヒト由来のナトリウムチャネルβ3サブユニットをコードするcD NAの単離およびクローニング 新規ラットのβ3サブユニットのヒト相同体を、ストラタジーンから得られた
ヒト線条体λZAP IIcDNAライブラリーからクローニングした。ラット
のβ3オープンリーディングフレームをコードする全ヌクレオチド配列をPCR
により増幅した。これは、20merオリゴヌクレオチド:配列番号33 5'
−ATGCCTGCCTTCAACAGATTGC−3'(ラットのβ3配列の
362〜383bp)を正プライマーとして、そして配列番号34 5'−TT
ATTCCTCCACAGGTACCA−3'(ラットのβ3配列の1007〜
1026bp)を逆プライマーとして使用して実施した。
【0234】 産生された二本鎖PCR産物を、[α32P]dATPおよび[α32P]dCT
Pを用いたニックトランスレーションにより放射標識し、これを使用して、25
%ホルムアミドを含む標準的なハイブリダイゼーション緩衝液中のニトロセルロ
ースフィルターに結合した106個の一次プラークをプローブした。陽性ハイブ
リダイゼーションを生じる1つのプラークを単離し、挿入断片cDNAをABI
310DNA解析器でシークエンスした。得られた正核酸配列は配列番号4と称
する。
【0235】 実施例3:ポリメラーゼ連鎖反応による組織発現 全RNAを、成体ラットの組織およびPC12細胞から調製し、DNAアーゼ
Iで処理して、ゲノム混入を除去し、製造業者の薦めに従ってアンカーオリゴd
Tプライマーと共にMMLV逆転写酵素を使用して逆転写した。約0.5および
5ngのcDNAを、別々に、ラットのβ1(寄託番号m91808)、ラット
のβ3(寄託番号AJ243395)、および、類似の量のcDNAが各反応に
使用されたことを確認するために、ラットのα−チューブリン(寄託番号V01
226)に特異的なプライマーを使用してPCR増幅にかけた。使用したプライ
マーは、各βサブユニットの3'非翻訳領域の独特な配列に対応するように選択
した。
【0236】 β1正プライマー(ヌクレオチド1103〜1120)配列番号36 5'GGTGAAGCAATATGGCCG3'、 逆プライマー(ヌクレオチド1317〜1300)配列番号37 5'AGATGAGGCCCAGAACCC3'、 β3正プライマー(ヌクレオチド1942〜1961)配列番号38 5'GGAAGCTGACTGCCACAGAT3'、 逆プライマー(ヌクレオチド2209〜2190)配列番号39 5'CCTGGGGGACTTTACAAACA3'、 α−チューブリン正プライマー(ヌクレオチド298〜316)配列番号40 5'CACTGGTACGTGGGTGAGG3'、 逆プライマー(ヌクレオチド469〜448)配列番号41 5'TTTGACATGATACAGGGACTGC3'。PCRは、増幅反応液
が0.125μlのTaqstart抗体(クロンテック)を含む以外は、上記
の通りに実施した。cDNAを欠失した対照増幅も含めた。増幅後、産物を、2
.5%アガロースゲル上で分離し、臭化エチジウムを使用して可視化した(図2
)。
【0237】 実施例4:β3サブユニットの分布のインサイツハイブリダイゼーション研究 全脳を成体(150〜200g)ウィスターラットから解剖し、ドライアイス
上で凍結させた。10μmの低温槽切片を、ポリ−l−リジン覆膜スライドに解
凍してのせ、PBS(pH7.4)中4%パラホルムアルデヒドで固定し、脱水
し、ハイブリダイゼーションまでエタノール下で保存した。解析に使用したアン
チセンスオリゴヌクレオチドの配列および位置は以下の通りであった。
【0238】 ラットのβ1(ヌクレオチド1296〜1252)配列番号42 5'GCTTGATGGGGTGAAGAGGGGTCGGGACAGGGAC
AGTAGTGGGC3'、 ラットのβ3(ヌクレオチド389〜345)配列番号35 5'GGGGAAGCAATCTGTTGAAGGCAGGCATCTTTTC
CACCGTAAGCG3'、 ラットのαIIA(ヌクレオチド1659〜1615)配列番号43 5'GCAGAATCCAGAGACTTCAGCGGGGCAGGCGGGA
TAGGTGTTTTC3'。
【0239】 オリゴヌクレオチドを、[35S]dATP(アメルシャムファルマシア:10
00Ci/mmol)を用いて、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラー
ゼ(ロッシェモレキュラーバイオケミカルズ、参考文献、Ausubel,F.
R.ら1989)により3'末端標識し、ハイブリダイゼーション緩衝液の40
0,000cpm/100μlの濃度でハイブリダイゼーションに使用した。ハ
イブリダイゼーションの特異性を確認するために、100倍過剰の非標識オリゴ
ヌクレオチドを、放射標識プローブに加えて、ハイブリダイゼーション緩衝液に
加えた。スライドを風乾させ、一晩42℃で、50%ホルムアミド、10%硫酸
デキストラン、50mM DTT、1×デンハード液、0.5mg/mlの変性
サケ精子DNAおよび0.5mg/mlのポリアデニル酸(全てシグマ、Poo
le、英国)を含む150μlの緩衝液中でハイブリダイズさせた。切片を、1
×SSCで55℃で30分間洗浄し、1×SSCで濯ぎ、0.1×SSCで脱水
し、コダックバイオマックスTM MRX線フィルム(アマシャムファルマシア
)に10日間並べた。
【0240】 切片を観察し、図3に添付したカメラ付きPolyvar顕微鏡(Reich
ert−Jung)を使用して写真を撮影した。
【0241】 配列番号35に示した配列は、FASTAサーチ(NCBI)により確認され
たターゲット配列に独特な、インサイツハイブリダイゼーション実験に使用され
たアンチセンス放射標識オリゴヌクレオチドプローブである。これにより、表1
に示した詳細な分布を決定し、分布の変化を検出することが可能となる。成体ラ
ットの脳切片上のmRNA(エマルションに浸した切片およびオートラジオグラ
フ)を相対光学密度(ROD)について評価した。++++++、+++++、
は非常に豊富を意味し、++++は豊富を意味し、+++は中程度を意味し、+
+、+は低いを意味し、1/2はバックグラウンドよりほんの上であり、0は検
出不可能を意味する。n=3〜6。VBD−対角帯の垂直肢の核、VTA−腹側
被蓋野、APTD−前視蓋前核(背部)、DpMe−深中脳核。
【0242】
【表1】
【0243】 実施例5:β3サブユニットの細胞外ドメインの配列比較および3次元モデリ ング ラットおよびヒトβ3のアミノ酸配列を、ラットのβ1(スイスプロットQ0
0954)(Isom,L.L1992)の配列、およびラットミエリンP0
スイスプロットP06907)(Lemke G.&Axel,R1985)の
細胞外ドメインと共にアラインさせた。マルチプルアラインメントを、CLUS
TALW(Higgins,D.G1996)を用いて作成し、ALSCRIP
T(Barton,G.J.1993)(図4)を用いてフォーマットした。配
列ナンバリングは、成熟タンパク質の予測N末端から開始し、ラットのβ3をベ
ースとする。ラットのβ3とのアミノ酸の同一性を影で示す。推定シグナル配列
および内部移行シグナルに下線をし、標識する。推定膜貫通ドメイン(TM)を
四角で囲む。β1のαサブユニット結合部位の一部として以前に同定された、3
つの陰性荷電アミノ酸残基を四角で囲む。不変残基およびIgVドメインに特徴
的なアミノ酸の位置を、ミエリンP0の配列の下に示す。h、疎水性;1、脂肪
性;%、中性または疎水性;+、塩基性;=、疎水性またはSer、Thr;#
、GlyまたはAla(稀にAsp)(17)。β3をモデリングするのに使用
したミエリンP0(Shapiro、L1996)の結晶構造の二次構造エレメ
ントも示す。矢印、β鎖;円筒、α−または310−ヘリックス。
【0244】 ラットのβ3の成熟細胞外ドメイン(残基1〜123)の3次元構造のモデル
。モデルは、MODELLER(Sali,A&Blundell,T.L.1
993)を用いて、ラットのミエリンP0(PDV1neu)(Shapiro
,L1996)の結晶構造を鋳型として使用して作成し、アラインメントを(図
5)に示す。図5は、MOLSCRIPT(Kraulis,P.J.1991
)およびRASTER3D(Merrit,E&Murphy,M.1994)
を用いて描いた。推定αサブユニット結合部位の酸性残基の側鎖を、ボールと棒
の表示で示す。2つの予測ジスルフィド結合を黒で標識する。N−連結グリコシ
ル化部位(NXTおよびNXS)(Kornfeld,R&Kornfeld,
S1985)をアステリスクで示す。F鎖上の可能性あるグリコシル化部位(N
97)は観察者とは離れて向き、紙の平面の下にある。
【0245】 注記:このモデルでは、B鎖は、それぞれBおよびB'と標識した2部に分解
する。この二次構造割当ては、PDFエントリー1neuについてKabsch
&Sander(1983)の定義に基づき、最初の論文(Shapiro,L
1996)に記載の割当てとは異なる。
【0246】 実施例6:組換え系におけるβ3サブユニットの機能的発現 ラットの脳IIA型αサブユニットおよびラットのβ3サブユニットのキャッ
プcRNAを、インビトロで、転写cDNAから転写した(Promega、サ
ウサンプトン、英国)。pBSKβ3を、NotIで線形化し、T7ポリメラー
ゼで転写し、一方、ZEMRVSP6−2580α2は、ClaIで線形化し、
SP6ポリメラーゼで転写した。アフリカツメガエルを、0.3%(w/v)3
−アミノ安息香酸(シグマ、プール、英国)中への浸漬により麻酔し、卵巣葉を
取り出した。卵母細胞を、Ca2+非含有溶液中(82.5mM NaCl、2.
5mM KCl、1mM MgCl2、5mM Hepes、pH7.6)0.
3%(w/v)コラゲナーゼ(シグマ、プール、英国)を使用して解離した。調
製した卵母細胞に、水に溶かした50nlのcRNAをマイクロインジェクトし
た。卵母細胞を18℃でND96(96mM NaCl、2mM KCl、1.
8mM CaCl2、1mM MgCl2、5mM Hepes、pH7.6)中
でインキュベートした。2電極電位固定記録を、Clampexソフトウェア(
v6、Axon Instruments、CA、米国)を積載したDigid
ata1200A/DにインターフェースしたGene Clamp500増幅
器(Axon Instruments、CA、米国)を使用して、cRNAの
マイクロインジェクションの3〜6日後に実施した。卵母細胞を、ND96で連
続的に還流し、3M KClで充填した微小電極は0.5〜2MΩの抵抗を有し
た。電流を、10kHzでサンプルをとり、2kHzでろ過した。データをCl
ampfit(v6、Axon Instruments、CA、米国)および
Prism(v2、Graphpad Software、CA、米国)を使用
して解析した。
【0247】 内向きNa+電流は、5mV脱分極パルスを、−100mVの保持電位から、
−80mVから+30mVに適用することにより誘起した。IIAαサブユニッ
トのみを発現している卵母細胞から記録したNa+電流。−10mVでの不活性
化は、二重指数関数に最善に適合し、ここで、τ1=2±0.3msであり、τ2 =12.7±2.4ms(n=4)である。b.IIAαおよびβ1サブユニッ
トを共発現している卵母細胞から記録したNa+電流。不活性化は、二重指数関
数に最善に適合し、ここで、−10mV(n=4)で、τ1=1.3±0.3m
sであり、τ2=22.7±7.7msである。c.IIAαおよびβ3サブユニ
ットを共発現している卵母細胞から記録したNa+電流。不活性化は、二重指数
関数に最善に適合し、ここで、−10mV(n=4)で、τ1=1±0.1ms
であり、τ2=23.8±6.3msである。
【0248】 α2およびβ3を共発現している卵母細胞から記録したNa+電流の定常状態
不活性化曲線と、}α2のみを発現している卵母細胞との比較。データを、ボル
ツマン関数、g/gmax=J/{1+exp[(V−V1/2)/k]}に適合させ
、ここで、V1/2は中点であり、kは傾斜因子である。α2+β3については、
1/2=−49.4mV、k=10.1mVであり、α2については、V1/2=−
41.3mV、k=9.1mVである。β3とα2の共発現により、定常状態不
活性化曲線の過分極が引き起こされる。
【0249】 α2およびβ3を共発現している卵母細胞から記録したNa+電流の不活性化
からの回復速度と、α2のみを発現している卵母細胞との比較。データを、二重
指数関数に適合させた。α2+β3については、τ1=1.9ms、τ2=19
8msであり、α2については、τ1=3.8ms、τ2=264msである。
β3とα2の共発現は、不活性化からの回復速度を増加させる。
【0250】 同じ手順を使用して、ヒト形のβ3を発現し、IIAα型との共発現の効果を
測定した。IIAα型のみでは、不活性化は、二重指数関数と最善に適合し、こ
こで、τ1=1.78±0.4msおよびτ2=13±1.25ms(n=4)で
ある。IIAα型およびヒトのβ3については、不活性化は、二重指数関数と最
善に適合し、ここで、τ1=1±0.1msであり、τ2=9.1±1.4msで
あり、t1/(t1+t2)=0.72+0.03である。
【0251】 この方法は、図6に示したナトリウムチャネル複合体の機能の変化を検出する
技術である。
【0252】 実施例7:組換え系でのβ3サブユニットの機能的発現 ラットの脳αIIAサブユニットおよびラットのβ1−またはβ3−サブユニ
ットのキャップcRNAを、インビトロで、線形cDNA(プロメガ)から転写
した。アフリカツメガエルを、0.3%(w/v)3−アミノ安息香酸(シグマ
)への浸漬により麻酔し、卵巣葉を取り出した。卵母細胞を、Ca2+非含有溶液
(82.5mM NaCl、2.5mM KCl、1mM MgCl2、5mM
Hepes、pH7.6)中0.3%(w/v)コラゲナーゼ(シグマ)を使
用して解離した。調製した卵母細胞に、水に溶かした50nlのcRNA(0.
2〜1ngのαcRNA、10ngのβ1またはβ3cRNA)をマイクロイン
ジェクトした。cRNA濃度を、UV分光法およびアガロースゲル電気泳動によ
り推定した。卵母細胞を18℃でND96(96mM NaCl、2mM KC
l、1.8mM CaCl2、1mM MgCl2、5mM Hepes、pH7
.6)中でインキュベートした。2電極電位固定記録を、Clampexソフト
ウェア(バージョン6、Axon Instruments)を積載したDig
idata1200A/DにインターフェースしたGene Clamp500
増幅器(Axon Instruments、フォスターシティー、CA、米国
)を使用して、cRNAのマイクロインジェクションの3〜6日後に実施した。
卵母細胞を、ND96を用いて連続的に還流した。3M KClで充填した微小
電極は0.5〜2MΩの抵抗を有した。電流を、10kHzでサンプルをとり、
2kHzでろ過した。データをCLAMPFIT(バージョン6、Axon I
nstruments)およびORIGIN(バージョン5、Microcal
Software、ノーサンプトン、MA)を使用して解析した。指数関数を
、CLAMPFITの単純な適合アルゴリズムを使用してデータに適合させた。
【0253】 (a)ラットのαIIA、ラットのαIIA+ラットのβ1およびラットのα
IIA+ラットのβ3サブユニットを発現している卵母細胞から記録したNa+
電流。内向きNa+電流は、5mV増分の脱分極パルスを、−100mVの保持
電位から、−80mVから+30mVに適用することにより誘起した。パルスの
持続は50msであった。
【0254】 (b)ラットのαIIA、ラットのαIIA+ラットのβ1およびラットのα
IIA+ラットのβ3サブユニットを発現している卵母細胞からの基準化Na+
電流。電位パルスにより−10mVまで誘起された電流を、ピーク増幅に基準化
した。−10mVでのNa+電流の不活性化を、二重指数崩壊と適合させた。I
=A1exp(−t/τ1)+A2exp(−t/τ2)+C、ここでのA1お
よびA2は、速いおよび遅い成分の相対増幅であり、τ1およびτ2は不活性化
時間定数であり、Cは定常状態の漸近線であった。適合パラメータについては表
2参照。
【0255】 (c)β1またはβ3と共発現したαIIAの不活性化からの回復。回復パル
スプロトコルは、−10mVまでの1sの不活性化パルス、次いで、さらに長い
期間(1〜1000ms)の−100mVまでの調整パルス、次いで−10mV
までの試験パルスであった。点を、1から20msまでの1ms毎に、次いで5
0から1000msまでの50ms毎にサンプルを採取した。試験パルス中に測
定したピーク電流増幅を、不活性化パルス中に誘起されたピーク電流に基準化し
、調整パルス持続期間の関数としてプロットした。αIIA、αIIA+β1:
αIIA+β3:データを二重指数式と適合させた。I=1−[A1exp(−
t/τ1)+A2exp(−t/τ2)]、ここでの、A1およびA2は、回復
の相対増幅であり、τ1およびτ2は回復時間定数である。適合パラメータにつ
いては表2参照。
【0256】 (d)β1またはβ3と共発現したαIIAの電位依存性不活性化。2ステッ
ププロトコルを、5mV増加分で、−110mVから+10mVの500msの
期間の調整パルスを使用して、次いで−10mVまでの試験パルスを使用して適
用した。試験パルスにより誘起されるピーク電流増幅は、最大ピーク電流増幅に
基準化し、調整パルス電位の関数としてプロット化した。データは、2状態ボル
ツマン式:g=1/[1+exp{(V−V1/2)/k}]を用いて適合させ、
ここでのgはコンダクタンスであり、V1/2は最大の半分の不活性化の電位であ
り、kは傾斜因子である。適合パラメータについては表2参照。
【0257】
【表2】
【0258】 [文献] * Alting-Mees MA and Short J.M. 1994, Strategies 7 70-72 (E. coli XPORT
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【0259】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒトおよびラットのβ3サブユニットコード配列の配列アラインメント。 上の列:ヒトのβ3サブユニットのコード配列 中間の列:ラットのβ3サブユニットのコード配列 下の列:ヒトおよびラットのβ3サブユニットの両方に共通なヌクレオチドを
含む共通配列
【図2】 ポリメラーゼ連鎖反応によるラットにおけるβ3およびβ1サブユニットの組
織での発現。
【図3】 成体ラットの脳におけるナトリウムチャネルサブユニットのインサイツでの分
布。特異的オリゴヌクレオチドプローブを用いたインサイツハイブリダイゼーシ
ョンにより判明した、ラットのαIIA(a、b、c);ラットのβ1(d、e
、f)およびラットのβ3(g、h、i)mRNA転写物の分布を示す、ラット
の脳(同じ動物から採取)の別々の矢状切片のX線オートラジオグラフ。100
倍過剰の非標識プローブを用いた対照反応を、αIIA(c);β1(f)およ
びβ3(i)について示す。スライドを10日間X線フィルムに露光した。暗い
領域は、高い発現レベルを示す。Cb、小脳;Ctx、皮質;Cp、尾状核被殻
【図4】 ヒトおよびラットのβ3、ラットのβ1サブユニットおよびラットのミエリン
P0タンパク質のアミノ酸配列アラインメント。 1列目:ラットのβ3のアミノ酸配列 2列目:ヒトのβ3のアミノ酸配列 3列目:ラットのβ1のアミノ酸配列 4列目:ラットのミエリンP0のアミノ酸配列
【図5】 β3サブユニットの細胞外ドメインの3次元構造。
【図6】 IIAαサブユニット単独、またはIIAαおよびβ1またはβ3サブユニッ
トを発現している卵母細胞のNa+電流曲線。内向きNa+電流は、5mV脱分極
パルスを、−100mVの保持電位から、−80mVから+30mVまで適用す
ることにより誘起した。a.IIAαサブユニットのみを発現している卵母細胞
から記録したNa+電流。−10mVでの不活性化は、二重指数関数に最善に適
合し、ここで、τ1=2±0.3msであり、τ2=12.7±2.4ms(n=
4)である。b.IIAαおよびβ1サブユニットを共発現している卵母細胞か
ら記録したNa+電流。不活性化は、二重指数関数に最善に適合し、ここで、−
10mV(n=4)で、τ1=1.3±0.3msであり、τ2=22.7±7.
7msである。c.IIA2αおよびβ3サブユニットを共発現している卵母細胞
から記録したNa+電流。不活性化は、二重指数関数に最善に適合し、ここで、
−10mV(n=4)で、τ1=1±0.1msであり、τ2=23.8±6.3
msである。
【図7】 IIAαサブユニットのみ、またはIIAαおよびβ1またはβ3サブユニッ
トを発現している卵母細胞のNa+電流曲線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 25/04 A61P 25/28 4C084 25/20 43/00 107 4H045 25/28 C07K 14/47 43/00 107 C12N 1/15 C07K 14/47 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12Q 1/02 5/10 1/68 A C12P 21/02 G01N 33/15 Z C12Q 1/02 33/50 Z 1/68 33/53 M G01N 33/15 33/566 33/50 33/58 A 33/53 C12N 15/00 ZNAA 33/566 5/00 A 33/58 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ディクソン,アリステア イギリス国、シービー1 2エルエル ケ ンブリッジシャー、ケンブリッジ、グウィ ダー・ストリート 108 (72)発明者 ジャクソン,アントニー イギリス国、シービー4 2エイダブリュ ー ケンブリッジシャー、ケンブリッジ、 リーズ・アヴェニュー 6 (72)発明者 モーガン,ケヴィン イギリス国、シービー1 5ジェイエイチ ケンブリッジシャー、ケンブリッジ、グ レイト・ウィルブラハム、トフト・レイン 30 Fターム(参考) 2G045 AA40 DA12 DA13 DA14 DA36 FB02 4B024 AA01 AA11 BA21 BA63 CA04 DA02 EA04 GA11 HA01 4B063 QA01 QQ08 QQ43 QR32 QR55 QR62 QS25 QS34 4B064 AG01 AG20 CA10 CA19 CC24 DA01 4B065 AA90X AA99Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA44 4C084 AA02 AA06 AA07 AA13 BA01 BA02 BA08 BA17 BA18 BA19 BA20 BA21 BA22 BA23 CA53 CA56 CA59 DC50 NA14 ZA032 ZA052 ZA082 ZA362 ZB222 4H045 AA10 AA20 BA10 DA50 EA22 FA74

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電位ゲート性ナトリウムチャネル由来のβ3サブユニットま
    たはそれに相補的な配列をコードする精製または単離された核酸。
  2. 【請求項2】 ラットの脳に存在する電位ゲート性ナトリウムチャネル由来
    のβ3サブユニット、またはそれに相補的な配列をコードする請求項1に記載の
    核酸。
  3. 【請求項3】 ヒトの脳の中に存在する電位ゲート性ナトリウムチャネル由
    来のβ3サブユニット、またはそれに相補的な配列をコードする請求項1に記載
    の核酸。
  4. 【請求項4】 配列番号1のアミノ酸配列のβ3サブユニットポリペプチド
    と、またはそのペプチド断片、またはそれに相補的な配列に対して、少なくとも
    80%のアミノ酸の同一性を有するポリペプチドをコードする請求項1に記載の
    精製または単離された核酸。
  5. 【請求項5】 配列番号2のアミノ酸配列のβ3サブユニットのポリペプチ
    ド、またはそれに相補的な配列に対して、少なくとも80%のアミノ酸の同一性
    を有するポリペプチドをコードする請求項1に記載の精製または単離された核酸
  6. 【請求項6】 配列番号3のヌクレオチド配列、またはそれに相補的な配列
    に対して、少なくとも90%のヌクレオチドの同一性を有する請求項1に記載の
    精製または単離された核酸。
  7. 【請求項7】 配列番号3のヌクレオチド配列の363位に位置するヌクレ
    オチドにおいて始まり、1010位において位置するヌクレオチドにおいて終わ
    る配列に対して、少なくとも90%のヌクレオチドの同一性を有するポリヌクレ
    オチドを含む請求項1に記載の精製または単離された核酸。
  8. 【請求項8】 配列番号3のヌクレオチド配列の1位に位置するヌクレオチ
    ドにおいて始まり、362位において位置するヌクレオチドにおいて終わる配列
    を含む請求項1に記載の精製または単離された核酸。
  9. 【請求項9】 配列番号3のヌクレオチド配列の1011位において位置す
    るヌクレオチドにおいて始まり、2220位において位置するヌクレオチドにお
    いて終わる配列を含む請求項1に記載の精製または単離された核酸。
  10. 【請求項10】 配列番号4のヌクレオチド配列と、またはそれに相補的な
    配列に対して、少なくとも90%のヌクレオチドの同一性を有する請求項1に記
    載の精製または単離された核酸。
  11. 【請求項11】 配列番号4のヌクレオチド配列の376位において位置す
    るヌクレオチドにおいて始まり、1023位のヌクレオチドにおいて終わる配列
    に対して少なくとも90%のヌクレオチドの同一性を有するポリヌクレオチドを
    含む請求項1に記載の精製または単離された核酸。
  12. 【請求項12】 配列番号4の1位に位置するヌクレオチドにおいて始まり
    、375位に位置するヌクレオチドにおいて終わる配列を含む請求項1に記載の
    精製または単離された核酸。
  13. 【請求項13】 配列番号4のヌクレオチド配列の1024位に位置するヌ
    クレオチドにおいて始まり、1261位において位置するヌクレオチドにおいて
    終わる配列を含む請求項1に記載の精製または単離された核酸。
  14. 【請求項14】 電位ゲート性ナトリウムチャネルのβ3サブユニットをコ
    ードする核酸の少なくとも10個連続したヌクレオチドを含む精製または単離さ
    れたポリヌクレオチド。
  15. 【請求項15】 配列番号3のヌクレオチド配列の少なくとも10個連続し
    たヌクレオチド、またはそれに相補的な配列を含む、請求項14に記載の精製ま
    たは単離された核酸。
  16. 【請求項16】 配列番号4のヌクレオチド配列の少なくとも10個連続し
    たヌクレオチド、またはそれに相補的な配列を含む、請求項14に記載の精製ま
    たは単離された核酸。
  17. 【請求項17】 配列番号5〜32、または配列番号46、または配列番号
    47のペプチドをコードするポリヌクレオチドと、配列番号35〜43とからな
    る一群から選択される請求項14に記載の精製または単離された核酸。
  18. 【請求項18】 a)ターゲットされたβ3サブユニット核酸またはその断
    片を含むことが疑われる試験サンプルを、請求項1〜17のいずれか一項に記載
    の核酸にハイブリダイズできる一対の増幅プライマーを含む増幅反応試薬と接触
    させるステップと、 b)任意選択的に、増幅産物を検出するステップと を含むβ3サブユニット核酸を増幅する方法。
  19. 【請求項19】 前記増幅プライマーは、それぞれ配列番号33および配列
    番号35のヌクレオチド配列であることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 a)請求項1〜17のいずれか一項に記載のβサブユニッ
    ト核酸にハイブリダイズできる一対の増幅プライマーと、 b)任意選択的に、増幅反応を実施するのに必要な試薬と を含む、βサブユニットヌクレオチド配列を増幅するためのキット。
  21. 【請求項21】 a)ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で
    、請求項1〜17のいずれか一項に記載の核酸に含まれるヌクレオチド配列にハ
    イブリダイズできる1つの核酸プローブまたは複数の核酸プローブを、分析する
    サンプルと接触させるステップと、 b)サンプル中において、1つのプローブまたは複数のプローブと、核酸との
    間に形成されたハイブリッド複合体を検出するステップと を含む、サンプル中の請求項1〜17のいずれか一項に記載の核酸を含むポリ
    ヌクレオチドの存在を検出する方法。
  22. 【請求項22】 1つの核酸プローブまたは複数の核酸プローブが、基質上
    に固定されていることを特徴とする請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 1つの核酸プローブまたは複数の核酸プローブが、検出可
    能な分子によって標識されていることを特徴とする請求項21に記載の方法。
  24. 【請求項24】 a)ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下に
    おいて、請求項1〜16のいずれか一項に記載の核酸に含まれるヌクレオチド配
    列に対して、ハイブリダイズできる、1つの核酸プローブまたは複数の核酸プロ
    ーブと、 b)任意選択的に、ハイブリダイゼーション反応の実施に必要な試薬を含む、
    請求項1〜17のいずれか一項に記載の核酸を含むポリヌクレオチドの存在を検
    出するためのキット。
  25. 【請求項25】 1つの核酸プローブまたは複数の核酸プローブが、基質上
    に固定されていることを特徴とする請求項24に記載のキット。
  26. 【請求項26】 1つの核酸プローブまたは複数の核酸プローブが、検出可
    能な分子によって標識されていることを特徴とする請求項24に記載のキット。
  27. 【請求項27】 請求項1〜17のいずれか一項に記載の核酸を含む組換え
    ベクター。
  28. 【請求項28】 請求項1〜17のいずれか一項に記載の核酸を含む組換え
    宿主細胞。
  29. 【請求項29】 a)適切な培養培地中において、請求項1〜7、10、1
    1および14〜17のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドによって、以前に
    形質転換またはトランスフェクトしておいた宿主細胞を培養するステップと、 b)ならした培養培地を収集するステップか、例えば、または超音波処理によ
    りまたは浸透圧ショックにより宿主細胞を溶解するステップと、 c)前記培養培地から、または、得られた細胞溶解液のペレットから、かくし
    て産生された目的のポリペプチドを分離または精製するステップと を含む請求項1〜7、10、11および、14〜17のいずれか一項に記載の
    核酸によりコードされるポリペプチドを産生する方法。
  30. 【請求項30】 電位ゲート性ナトリウムチャネル由来のβ3サブユニット
    、またはそのペプチド断片のアミノ酸配列を含む精製または単離ポリペプチド。
  31. 【請求項31】 ラットの脳に存在する電位ゲート性ナトリウムチャネル由
    来のβ3サブユニット、またはそのペプチド断片のアミノ酸配列を含む請求項3
    0に記載のポリペプチド。
  32. 【請求項32】 ヒトの脳中に存在する電位ゲート性ナトリウムチャネル由
    来のβ3サブユニット、またはそのペプチド断片のアミノ酸配列を含む請求項3
    0に記載のポリペプチド。
  33. 【請求項33】 配列番号1またはそのペプチド断片のアミノ酸配列に対し
    て、少なくとも90%のアミノ酸の同一性を有するアミノ酸配列を含む精製また
    は単離ポリペプチド。
  34. 【請求項34】 配列番号2またはそのペプチド断片のアミノ酸配列に対し
    て、少なくとも90%のアミノ酸の同一性を有するアミノ酸配列を含む精製また
    は単離ポリペプチド。
  35. 【請求項35】 請求項1〜7、10、11、14〜17のいずれか一項に
    記載の核酸によりコードされる精製または単離ポリペプチド。
  36. 【請求項36】 配列番号5〜32のポリペプチドと、配列番号46のポリ
    ペプチドと、配列番号47のポリペプチドとからなる一群から選択される精製ま
    たは単離ポリペプチド。
  37. 【請求項37】 (a)電位ゲート性ナトリウムチャネルのβ3サブユニッ
    トまたはその断片、および機能的αサブユニットまたはその特性、好ましくはα
    2サブユニットまたはその断片を共発現している組換え宿主細胞を得るステップ
    と、 (b)上記組換え宿主細胞を、試験する物質または分子と接触させるステップ
    と、 (c)試験する物質または分子と接触させた組換え宿主細胞内の電気的パラメ
    ータを、電圧固定技術または電圧感受性蛍光ダイによる膜電位の測定により、測
    定するステップと を含む、β3サブユニットを含む電位ゲート性ナトリウムチャネルの生物活性
    を調節できるリガンド物質または分子をスクリーニングする方法。
  38. 【請求項38】 (a)リガンドを、β3サブユニットまたはその断片と接
    触させるステップと、 (b)上記リガンドおよびβ3タンパク質またはその断片を含む培地を、β3
    基質と接触させ、該β3タンパク質またはその断片への該基質の可能性ある結合
    が起こることを可能とするステップと、 (c)上記基質の、上記β3タンパク質またはその断片に対する、最終的な結
    合を測定するステップと を含むβ3サブユニットを含む電位ゲート性ナトリウムチャネルの生物活性を
    調節できるリガンド物質または分子をスクリーニングする方法。
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