JP2001518788A - ヒト肝細胞癌疾病(hcc)の予測評価に有用な診断手段、ならびに同手段を用いる診断方法 - Google Patents

ヒト肝細胞癌疾病(hcc)の予測評価に有用な診断手段、ならびに同手段を用いる診断方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規ポリヌクレオチド、またはヒト肝細胞癌疾病の発生を予測するための診断手段として有用なポリヌクレオチドの新規組み合わせに関する。本発明はまた、その変異が患者における肝細胞癌の発生に関与している癌抑制遺伝子候補にあるポリヌクレオチド、ならびにかかる新規癌抑制遺伝子候補に由来するポリヌクレオチドおよび対応する発現ポリペプチドに向けられる。本発明はまた、診断手段としてこのポリヌクレオチドを用いる診断方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 ヒト肝細胞癌疾病(HCC)の予測評価に有用な診断手段、 ならびに同手段を用いる診断方法 本発明は、新規ポリヌクレオチド、またはヒト肝細胞癌疾病の発生を予測する ための診断手段として有用なポリヌクレオチドの新規組み合わせに関する。本発 明はまた、その変異が患者における肝細胞癌の発生に関与している癌抑制遺伝子 候補にあるポリヌクレオチド、ならびにかかる新規癌抑制遺伝子候補に由来する ポリヌクレオチドおよび対応する発現ポリペプチドに向けられる。本発明はまた 、診断手段としてこのポリヌクレオチドを用いる診断方法に関する。 肝細胞癌(HCC)は世界中で最も一般的な主要な肝臓癌であって、毎年25 1,000人の新たな症例が出ており(Bosh et al.,1991)、現在までこの病状 は極めて不良な予後を伴っている。疫学的な証拠から、B型肝炎ウイルス(HB V)が肝臓癌の主な病原体として優勢な役割を果たすことが示されている。他の 危険因子としては、C型肝炎ウイルスの慢性的感染、アルコール濫用、アフラト キシンB1のような肝発癌物質への環境的曝露、および数種の遺伝病が挙げられ る(Buendia et al.,1995において概説、Bosch et al.,1991;Wogan,1992にお いても記載)。さらに詳しくは、疫病学的研究はHCCの50%より多くが慢性 的なB型肝炎ウイルス(HBV)の感染に起因することを示唆している(Bosch e t al.,1991)。しかしながら、好肝細胞性のウイルス病原体の役割および肝臓の 発癌を導く分子的事象は、未だわかっていない。HBVが関与する発癌の初期段 階で頻繁に起こる宿主ゲノムにおけるHBV DNAの組み込みの異誘発的な役 割は、決定的に確立されているのは希少なケースでしかなく(Dejean et al.,19 86;De The et al.,1987;Wang et al.,1990)、このことはより間接的な形 質転換経路を示唆するものである(Matsubara,1991)。慢性HBVキャリヤーの 約80%において、肝細胞DNAに組み込まれたウイルスDNAを検出すること ができる(Chen et al.,1986)。 慢性ウイルス性肝炎と肝硬変との共通の特徴は、肝細胞の遺伝子変異に対する 感受性を増強する可能性のある慢性的な再生条件と関連した肝臓の持続的な炎症 である。HCCは通常、20〜50年間のHBV慢性感染の後に発症し、しばし ば硬変を伴う(Lok et al.,1991)。癌が確立される前の長い潜伏期はそれらが多 段階の過程の結果であることを示し、いくつかの研究は通常の遺伝子変異の同定 に向けられてきた(Sugimura et al.,1992)。細胞の癌遺伝子の活性化および癌 抑制遺伝子の不活性化の双方が関係している(Okuda et al.,1992;Sugimura et al.,1992)。 一般に、ヒトの癌の発症は、前癌遺伝子および癌抑制遺伝子の蓄積した変異に よって選択的増殖の優位性を獲得した遺伝学的に改変された細胞のクローン拡大 に起因する(Weinberg,1991)。癌抑制遺伝子の体細胞における不活性化は通常、 遺伝子の1つの対立遺伝子における遺伝子内突然変異によって、また第2の対立 遺伝子にわたる染色体領域の欠失によって達成される。 突然変異抑制対立遺伝子の同型接合性を導く工程には通常、フランキング染色 体領域も含まれる。従って、癌の進行前に異型接合性を示し得る、隣接する染色 体部位をマッピングする無名のDNAマーカーは、同型接合性へと平行還元(ま たは異型接合性の欠失(loss of heterozygosity)−LOH)を受ける。実際に、 特定種由来の細胞で特異的な染色体マーカーのLOHが繰り返して観察されるこ とは、その欠失が癌の病因論に関与している、近くにマッピングされる癌抑制遺 伝子の存在を示唆している(Hansen et al.,1987)。突然変異抑制遺伝子の対立 遺伝子の劣性作用により、生じる表現型の結果はいずれも、発端後長期間遅れる こととなる。これらの対立遺伝子は、それらが一方または他方の細胞における同 型接合性への還元に曝されるまで有効に効果的に潜伏している。 このように癌抑制遺伝子は、それらの欠失または不活性化が細胞に腫瘍形成増 殖脱制御の一方または他方の表現型を呈させる遺伝的要素である。かかる定義に は、細胞に導入して不適切にも過剰発現した場合に細胞増殖抑制性または細胞障 害性のある遺伝子は除外される。従って、癌抑制遺伝子が作用する領域は以下の ように定義される:生化学的にはこれらの遺伝子は抗増殖シグナルの変換器とし て働き、生物学的にそれらは細胞が細胞周期の進行を停止し、分化し、老化し、 または死滅することを可能にする応答機構として働く(Weinberg,1991)。 異なる対立遺伝子を識別する多形性DNAマーカー(polymorphic DNA marker) を用いる染色体解析によって、種々の種の癌において特異的な染色体領域の異型 接合性の欠失(LOH)が明らかとなり、高頻度のLOHを有する領域のマッピ ングは腫瘍増殖の負のレギュレーターを同定するために重要である(Call et al. ,1990;Fearon et al.,1990;Friend et al.,1986)。マイクロサテライト多形 性マーカーの最近の開発によって、BRCA1、BRCA2およびDPC4のよ うな数種の癌抑制遺伝子の位置クローニングが可能になっている(Hahn et al., 1996;Miki et al.,1994;Wooster et al.,1995)。 主として、特異的な染色体腕に限定される制限断片長多形性(RFLP)マー カーまたはマイクロサテライト多形性マーカーのいずれかに頼るこれまでの研究 は、肝臓癌におけるLOHの染色体領域の数を規定している。HCCにおいて最 も頻繁に起こる対立遺伝子欠失の1つは、癌抑制遺伝子p53が位置している染 色体17pで見出されている(Fujimori et al.,1991;Murakami et al.,1991;S lagle et al.,1991)。世界において地理的な位置により、HCCサンプルの中 で大きく変化するp53突然変異の頻度、およびコドン249でのホットスポッ ト変異が、高レベルの食物アフラトキシンを有し、HBV感染が大きく広がって いる領域由来のHCCにおいて観察された(Bressac et al.,1991;Buetow et al.,1992;Hsu et al.,1991)。染色体13q上のRB位置にわたる領域の欠失 もまた記載されているが、この場合には、残っている対立遺伝子で低い突然変異 率が見出された(Murakami et al.,1991;Wang and Rogler.,1988;Zhang et al. ,1994)。最も頻度の高い染色体腕の欠失は13q(情報が得られる腫瘍の53 %)において観察される。欠失はRBおよびBRCA2癌抑制遺伝子を担持する 13q(13q12〜q32)の広い領域を包含していた(Friend et al.,1986 ;Wooster et al.,1995,Zhang et al.,1994)。他の頻度の高いLOHは、1p 、4q、5q、6q、8p、10q、11p、16p、16qおよび22qで報 告されている(Buetow et al.,1989;De Souza et al.,1995;Emi et al.,1992; Fujimori et al.,1991;Takahashi et al.,1993;Tsuda et al.,1990;Wang and Rogler,1988;Yeh et al.,1994)。これらの領域中の癌抑制遺伝子候補として は、6q26〜q27上の6−リン酸マンノース/インスリン様増殖因子II型受 容体遺伝子(M6P/1GF2R)(De Souza et al.,1995)、8q21〜p2 2上のPDGF受容体β様癌抑制遺伝子(PRLTS)(Fujiwara et al.,1995 )および16q22上のE−Cadherin遺伝子が挙げられる(Slagle et al. ,1993)。 Yeh et al.(1994)はHCC細胞系および30個の一次HCC組織の遺伝子解 析を行った。RFLP実験については8個の多形性DNAマーカー、および染色 体1pにおける12の遺伝子座にわたるマイクロサテライトマーカーも用いて、 これらの著者は、主な染色体異常が1p35〜36にマッピングされる共通領域 を有する染色体1pの端部にクラスターとして見られるということを示しており 、それはまた神経芽腫および結腸直腸癌ならびに乳癌において異型接合性が頻繁 に欠失する領域でもある。 Tsuda et al.(1990)は、この染色体の短腕および長腕の双方の全体に分布した 15個の多形性DNAマーカーを用いて、70個の外科的に一部を切り取った腫 瘍のRFLP分析を行うことによって、染色体16上の対立遺伝子の欠失を研究 した。彼らは、情報が得られる場合(すなわち36例)の52%でLOHを検出 し、この一般的な対立遺伝子の欠失領域は、HP遺伝子座(16q22.1)と CTRB遺伝子座(16q22.3〜q23.2)との間に位置していた。 Fujimori et al.(1991)は、46例のHCCにおいて44個のRFLPマーカ ーでLOHを調べることによって、HCCの対立遺伝子型の研究を実行した。Fu jimori et al.が用いたマーカーは5p、8p、9p、18pを除く総ての染色 体腕およびi型染色体を示した。このように、各染色体腕を、1個だけまたは2 個の多形性RFLPマーカーでマッピングした。これらの著者は、かなりの割合 のLOHが染色体腕5q(情報が得られる9例中4例が欠失[44%LOH]) 、10q(情報が得られる24例中6例が欠失[25%LOH])、11p(情 報が得られる13例中6例が欠失[46%LOH])、16q(情報が得られる 33例中12例が欠失[36%LOH])および17p(情報が得られる11例 中5例が欠失[45%LOH])で起こったことを観察した。 Buetow et al.,(Buetow et al.,1989)は、情報が得られる5例のHCCの総て でアルブミン遺伝子座(4q11〜q12)におけるLOHを報告し、癌抑制遺 伝子がこの領域に位置することを指摘した。発明者のデータは、染色体4q上の さらに2つの遺伝子座での変異が肝臓の発癌に役割を果たしていることを示唆す る。染色体4qは増殖因子をコードする遺伝子またはアルブミン、アルコール脱 水素酵素(ADH3)、フィブリノーゲンおよびUDP−グルクロニルトランス フェラーゼなどの肝臓中で優先的に発現される遺伝子を含んでいるので、この領 域の欠失は、細胞増殖条件および肝細胞の機能を著しく変異させる可能性がある 。 Buetow et al.(1989)は、RFLPマーカーのパネルに対して試験した12個 のヒト一次肝臓癌でLOHを研究した。これらの著者は、4q11〜q13から 4q32染色体4領域までにわたる11個のRFLPマーカーに対して腫瘍組織 および非腫瘍組織を分類した。さらに、Buetow et al.は、対立遺伝子の欠失に 関して、他の9本の染色体(1、2、6、7、9、11、13、14および17 )上の少なくとも1個のRFLPマーカーにおいて試験した。その結果から、腫 瘍組織では、構造上、染色体4qマーカーに対して異型接合性である9個の腫瘍 のうち7個(6個の4q RFLPマーカーがBuetow et al.により使用された) が対立遺伝子の欠失を示すということがわかった。7個のサンプルのうちの6個 が4pおよび4qマーカーの双方に対して連鎖して情報を与えた(6個の4pR FLPマーカーを使用した)。対立遺伝子欠失に関して情報が得られる他の染色 体のうち、1つの腫瘍が13qにおいて変異を示した。試験された他の8つの染 色体は上に位置したRFLPマーカーでは、他の変異は観察されなかった。これ らの著者は、HCCの病因諭に関与する制御的遺伝子座は4q32に隣接してい る可能性があると結論付けた。 Emi et al.(1992)は、HCC、結腸直腸癌および肺癌由来の腫瘍組織中の染色 体8q上の種々の遺伝子座で高頻度なLOHを認めた。さらに詳しくは、Emi et al.は、第8染色体の短腕に沿って5個の多形性マーカーを有する120個のH CC(うち46個は、これまでに1991年にFujimori et al.によってアレロ タイピングされている)組織においてLOHを研究し、同一の染色体間隔、8q 23.1〜8q21.3内で共通して欠失した領域を定義し、これはHCCに対 する、また結腸直腸癌に対する1以上の癌抑制遺伝子がこの領域内に存在する可 能性があることを示唆している。注目される領域はただ3個のRFLP多形性D NAマーカー、それぞれD8S238、MSRおよびD8S220を用い、Emi et al.によりマッピングされた。これらの著者は、推定される癌抑制遺伝子は8 p上に存在する可能性があると結論付けた。 Becker et al.(1996)は、中国人のHCCにおける第8染色体対立遺伝子の状 態を調査するために、37対の正常およびQidong由来のHCCDNAの パネルを、第8染色体の両腕由来の8個の特異的なRFLPプローブを用い、腫 瘍特異的な対立遺伝子欠失について分析したことを記載した。腫瘍特異的LOH は短腕上で最も多く、それぞれ8p23または8p21(2個のEFLP特異的 プローブだけを第8染色体の短腕に対して用いた)に関して対立遺伝子が欠失し ている、情報が得られる患者の71.4%(10/14)および85%(17/ 20)であることを見出した。第8染色体の長腕からの対立遺伝子の欠失もまた 観察され、それぞれ8q22および8q24に関して情報が得られるサンプルの 30%(6/20)および33.3%(7/21)であった。 1996年にBoige et al.は、48のHCC群において、i型染色体腕以外の 総てにわたる275個の高多形性マイクロサテライト遺伝子マーカーを用いて、 HCCにおける対立遺伝子欠失を研究した。彼らは、9個の染色体腕1p、1q 、4q、6q、8p、9p、16p、16qおよび17pにおいて30%を上回 って欠失したことを認め、最も高頻度の染色体腕欠失は8pで観察された。 前記の科学的な研究で、使用された遺伝子マーカーの数が少ないことによるか 、あるいは研究された患者の組織サンプルの数が少ないことにより、HCC組織 サンプル中には、種々の染色体腕上で起こる種々の遺伝子変異の極めて粗いもの であるが初めての位置決定が可能となった。これらの研究において研究された患 者の組織サンプルの数が少ないことにより、所定の染色体腕または染色体領域上 で遺伝的変化が頻繁に起こることに関して決定的な、または統計的に有意なデー タは得られなかった。変異した遺伝子座が同定される精度が低く、その結果これ らの研究で用いられた多形性DNAマーカーが境界をなしている、注目される大 きな染色体DNA断片によって、当業者はHCC用の正確な診断手段を設計する のに有用な、好適な技術手段を設計および/または決定することができなかった 。なぜならば、これらのDNA断片はいずれも、先行技術において十分に適切で あることが示されておらず、疾病との厳密な相関性を扱うための因果的情報をも た らすとは考えられなかったからである。その結果、それらによって当業者はHC Cが発生中に、頻繁に変異していることが観察された健常組織の染色体に由来す る特異的なDNA断片をクローニングすることができなかった。 ヒトにおける他の固形腫瘍と同様に一次肝臓癌は、おそらくは、癌遺伝子およ び癌抑制遺伝子を含む遺伝的学事象のカスケードを通して起こり、その結果ゲノ ムの安定性が低下して結局は悪性の表現型を導く。本発明に従って用いられる、 対立遺伝子の不安定に対して120個の肝細胞癌ゲノムを正確かつ完全に走査さ せる方法は、肝臓癌の発生に関与している候補遺伝子を位置決定するために決定 的な価値を有する。 本発明者は、染色体1p、4q、6q、8p、13q、16p、16qおよび 17pの特定領域で対立遺伝子の用量における高頻度の変異を検出した。さらに 、本発明者は、染色体腕1q、2q、9p、9q、14qおよび17q上で高率 のLOHを示す遺伝子座を新たに同定したことを記載する。これらの領域の遺伝 子変異は、乳癌、小細胞肺癌、前立腺癌、腎細胞癌、悪性黒色腫または髄膜炎を はじめとする多くの他の悪性腫瘍において認められ、広範囲の癌に関与している 癌抑制遺伝子がHCCの進行に影響を及ぼしていることを示唆するものである(C ox et al.,1995;Hearly et al.,1995;Ranford et al.,1995;Takahashi et al .,1995;Takira et al.,1995)。 本発明者のデータによって、8p21〜p23マーカーと比較してより高頻度 のLOHを示す8p21〜p23よりもよりテロメアよりの遺伝子座がHCCに 対する第2の癌抑制遺伝子候補を含んでいるらしいということを指摘する。第4 染色体の長腕上で、本発明者は4q12、4q22〜q24および4q35にお いてLOHの3個の非隣接領域を定義した。4qでの染色体変異は、それらがH CCで優勢な特性を表すので大いに診断上の価値がある。 さらに、本発明者らは、6qの広域にわたるマーカーを用いて高頻度なLOH を見出した(表3、データは示されていない)。 本発明者らはまた、表2および4に示されたマーカーを用いて高頻度なLOH を見出し、ゆえに当業者が注目される種々の同定された遺伝子座、特に8p21 〜8p23、1p35〜p36、16q23〜q24、14q32、4qおよび 6q上にあるHCC関連癌抑制遺伝子の存在および特徴を決定することが可能に なる。 隣接する非腫瘍肝臓の組織学的分析とLOHとの相関によって、組み合わされ た染色体領域(1p、6q、8pおよび13q)での欠失の頻度が肝硬変上に現 れているHCCよりも慢性肝炎病害上に現れるHCCで、かなり高いということ が明らかになった。ここで、再生圧力下で肝細胞が対立遺伝子変異を蓄積する場 合に、いくつかの組み合わさった染色体腕欠失が悪性へ向かう「近道」を構築す る可能性があることが示されている。 本発明者らは、HCC患者の癌肝臓組織サンプルにおいて変異した異なる染色 体領域を正確に位置決定するために、多形性マイクロサテライトマーカーの高密 度パネルを現在使用している。それゆえ、本発明者らは非i型ヒト常染色体を通 じて一様に分布した256の高多形性マイクロサテライトマーカーを用いて12 0のHCCサンプルの系統的なスクリーニングを行った。これはマイクロサテラ イトマーカーを用いたヒトHCCにおけるゲノム変異の最初の大規模な分析であ る。データによってそれぞれの染色体変化の相対頻度の厳密な評価と正確な位置 決定が可能になる。 このように本発明は、(この後で定義される)注目される特異的な染色体座に 位置するDNAマーカーを、肝細胞癌(HCC)の予後を可能にする診断手段と して使用することに関する。 本発明者らは今、高頻度で遺伝子変異を受ける非常に小さい染色体領域を正確 に同定したので、本発明により包含されるDNAマーカーは、注目されるこれら の特異的染色体座にわたる公的に入手可能な手段、すなわち: 1)マイクロサテライトDNAマーカー; 2)RFLPマーカー(通常は特異的オリゴヌクレオチドプローブによって構 成); 3)VNTRマーカー(種々の数のタンデム反復)、これはまた各VNTRの 内部において多数のコピーで繰り返されている約20個のヌクレオチドの<<Al u>>型の配列である<<ミニサテライト>>と名付けられ、PCR反応またはサザン ブロットハイブリダイゼーションのいずれかによって検出される; 4)STSマーカー(単純タグ配列)、これは1対の特異的オリゴヌクレオチ ドプライマーによって増幅させることができる独特のゲノム配列であり、一般に 多型性ではない; 5)EST(発現配列タグ)、これはmRNAに転写され、それを1対のオリゴ ヌクレオチドプライマーによって増幅させることができる の総てを含む。 上記1)〜4)群のDNAマーカーの配列ならびにそれらの各々に対するオリ ゴヌクレオチド検出手段の配列は、電子データベース、特に以下のアドレス:<< http://www.nebi.nlm.nih.gov>>のインターネット・ワールドワイドウェブ上で 自由に公的に入手できる。 本発明はまた、多型性マイクロサテライトDNAマーカーを肝細胞癌(HCC )の予後を可能にする診断手段として使用することに関する。 本発明はまた、かかるマイクロサテライトDNAマーカーを用いる診断方法、 ならびにこれらの多型性DNAマーカーおよび本発明の診断方法を実施するため に必要な試薬を含んでなる診断キットに向けられる。 以下、図面を参照して本発明をさらに具体的に説明するが、その範囲がいかな るようにもこれらの図面に記載された特定の具体例に限定されるものではない。 図1:LOHの存在に関する一次HCCのマイクロサテライト解析。(A)腫 瘍T53、T61、T32およびT48における対立遺伝子の欠失、付随する腫 瘍T58における増減、および腫瘍T20における1個の対立遺伝子の強度の増 加を示す種々の染色体座での対立遺伝子の不均衡についての代表的なオートラジ オグラム。(B)LOHが見られない場合の代表的な情報が得られた例(左)お よび情報が得られなかった例(右)。1番上の数字は、用いたマイクロサテライ ト。TおよびNはそれぞれ、HCCから単離したDNAおよび隣接する非腫瘍対 応物。サンプル番号は各オートラジオグラムの下に記されている。矢印は、腫瘍 サンプル中で欠失した対立遺伝子。アステリスクは、1つの腫瘍対立遺伝子の増 強されたシグナル強度を示す。 図2:HCCのアレロタイピングにおいて有意なパーセンテージのLOHを示 す染色体8p領域でのマイクロサテライトマーカーの詳細な分析。横軸:マーカ ーの名称、異なるマーカーは染色体8p上の以下のそれらの相対的位置を表して いる。縦軸:対立遺伝子の不均衡のパーセンテージ(LOH/情報が得られた例 x100)。 図3:HCCのアレロタイピングにおいて有意なパーセンテージのLOHを示 す染色体1p35〜p36領域でのマイクロサテライトマーカーの詳細な分析。 横軸:マーカーの名称、異なるマーカーは染色体1p上の以下のそれらの相対的 位置を表している。縦軸:対立遺伝子の不均衡のパーセンテージ(LOH/情報 が得られた例x100)。 図4:HCCのアレロタイピングにおいて有意なパーセンテージのLOHを示 す染色体16q23〜q24領域でのマイクロサテライトマーカーの詳細な分析 。横軸:マーカーの名称、異なるマーカーは染色体16q上の以下のそれらの相 対的位置を表している。縦軸:対立遺伝子の不均衡のパーセンテージ(LOH/ 情報が得られた例x100)。 図5:HCCのアレロタイピングにおいて有意なパーセンテージのLOHを示 す染色体14q32領域でのマイクロサテライトマーカーの詳細な分析。横軸: マーカーの名称、異なるマーカーは染色体14q上の以下のそれらの相対的位置 を表している。縦軸:対立遺伝子の不均衡のパーセンテージ(LOH/情報が得 られた例x100)。 図6:HCCのアレロタイピングにおいて有意なパーセンテージのLOHを示 す染色体4q35〜q36領域でのマイクロサテライトマーカーの詳細な分析。 横軸:マーカーの名称、異なるマーカーは染色体4q上の以下のそれらの相対的 位置を表している。縦軸:対立遺伝子の不均衡のパーセンテージ(LOH/情報 が得られた例x100)。 すでに前記したように、本発明者らは今、高頻度で遺伝子変異を受ける非常に 小さい染色体領域を正確に同定したということによって、当業者が、本発明の注 目される特異的な染色体座を検出する、当技術分野に含まれる公的に入手可能な DNAマーカーのいずれを用いても、本発明の診断方法を実施することが可能に となるし、または注目される対応する染色対座における癌抑制遺伝子をクローニ ングすることが可能となる。さらに詳しくは、本発明により包含されるDNAマ ーカーは注目されるこれらの特異的染色体座にわたる公的に入手可能な手段、す なわち: 1)マイクロサテライトDNAマーカー; 2)RFLPマーカー(通常は特異的オリゴヌクレオチドプローブによって構 成); 3)VNTRマーカー(種々の数のタンデム反復)、これはまた各VNTRの 内部において多数のコピーで繰り返されている約20個のヌクレオチドの<<Al u>>型の配列である<<ミニサテライト>>と名付けられ、PCR反応またはサザン ブロットハイブリダイゼーションのいずれかによって検出される; 4)STSマーカー(単純タグ配列)、これは1対の特異的オリゴヌクレオチ ドプライマーによって増幅させることができる独特のゲノム配列であり、一般に 多型性ではない; 5)EST(発現配列タグ)、これはmRNAに転写され、それを1対のオリ ゴヌクレオチドプライマーによって増幅させることができる の総てを覆う。 上記1)〜4)群のDNAマーカーの配列ならびにそれらの各々に対するオリ ゴヌクレオチド検出手段の配列は、電子データベース、特に以下のアドレス:<< http://www.nebi.nlm.nih.gov>>のインターネット・ワールドワイドウェブ上で 自由に公的に入手できる。 本発明の目的は、患者における肝細胞癌の予兆診断用組成物であって、以下の 染色体領域: a)1p; b)1q; c)2q; d)4q; e)6p; f)7p; g)7q; h)8p; i)8q; j)9p; k)9q; l)10q; m)13q; n)14q; o)16p; p)16q; q)17p; r)17q に位置するDNAマーカーを含有する少なくとも1つのポリヌクレオチドを含ん でなり、そのDNAマーカーが、注目されるこれらの特異的染色体座にわたって いる公的に入手可能なマーカー、すなわち 1)マイクロサテライトDNAマーカー; 2)RFLPマーカー; 3)VNTRマーカー(種々の数のタンデム反復); 4)STSマーカー(単純タグ配列); 5)EST(発現配列タグ) のいずれかである組成物にある。 本発明のもう1つの目的は、患者における肝細胞癌の予兆診断用組成物であっ て、好ましくは以下の染色体領域: a)8p23; b)8p122; c)8p21; d)1p35〜p36; e)16q23〜q24; f)14q32および g)4q35〜q36 に位置するDNAマーカーを含有する少なくとも1つのポリヌクレオチドを含ん でなり、そのDNAマーカーが、注目されるこれらの特異的染色体座にわたって いる公的に入手可能なマーカー、すなわちマイクロサテライトDNAマーカー、 すなわち 1)マイクロサテライトDNAマーカー; 2)RFLPマーカー; 3)VNTRマーカー(種々の数のタンデム反復); 4)STSマーカー(単純タグ配列); 5)EST(発現配列タグ) のいずれかである組成物にある。 本発明は、肝細胞癌(HCC)の予後を可能とする診断手段としての、多形性 マイクロサテライトマーカーの使用に関する。 ヒトの各染色体対におけるマイクロサテライトDNAマーカーを用いる種々の 遺伝子座の位置決定の概要は、1996年にDib C.et alによって記載されてい る。全マイクロサテライトDNAマーカーの全配列、ならびにこれらのマイクロ サテライトDNAマーカーを用いて作製されたアンプリコンの全配列は電子デー タベース(Genbank,STSBank)で、さらに詳しくは下記アドレス:<<http.//www.g enethon.fr>>のインターネットワールドワイドウェブで自由に公的に入手できる 。 本発明はまた、かかるマイクロサテライトDNAマーカーを用いる診断方法、 ならびにこれらの多形性DNAマーカーと、本発明の診断方法を実施するために 必要な試薬を含んでなる診断キットに向けられる。 前記ですでに議論したように、HCC中で高頻度で変異しているDNA断片は 、癌組織においてそれらが変異している場合には、もはや発現されない癌抑制遺 伝子を保有しているということが強く考えられる。本発明者により実現された新 しい染色体地図の精度により、今や、HCC組織サンプルに見られる変異した染 色体領域に対応する野生型DNA断片のクローニングを達成し、これらのDNA 断 片により保有されている癌抑制遺伝子の候補を同定および配列決定し、次いで注 目されるこれらクローン化遺伝子の診断分野での、また治療学、特に遺伝子治療 の領域での使用を期待することができる。 本発明に従い使用される多形性マイクロサテライトDNAマーカーの各々は、 既知の長さのシチジン−アデニン(5’−...CACA...−3’)配列の 重合体によって構成されている多形性の高いマイクロサテライトゲノムDNAセ グメントのそれぞれ5’末端および3’末端をフランクしているゲノムDNA配 列と相補的な配列を有する1対の特異的プライマーからなる。多形性マイクロサ テライトDNAマーカーを用いて、マイクロサテライトDNAセグメントが増幅 され、次いでこれは、例えば、材料および方法の節に記載されるように、尿素の 存在下でのポリアクリルアミドゲル電気泳動で、その特異的な長さにより同定さ れる。 本発明の診断方法およびキットに、ならびに本発明の注目されるDNA断片に より保有されている癌抑制遺伝子をクローニングするために用いられる好ましい 多形性マイクロサテライトDNAマーカーは、表1、2および4に示されている 。 本発明の特殊な具体例では、本発明の診断およびクローニング法に好ましく使 用される多形性マイクロサテライトDNAマーカーは、よく変異を受ける染色体 領域、すなわち本発明者らによりLOHのパーセンテージが20%より高いこと が見出された染色体領域と特異的にハイブリダイズするものである。 さらに好ましくは、本発明の診断およびクローニング法に使用される特異的な 多形性マーカーは、LOHパーセンテージが30%より高いもの、最も好ましく はLOHパーセンテージが35%より高いものである。 表2および4では、有意なLOHのパーセンテージにあるマイクロサテライト マーカの遺伝子座の概要を示している。 本発明に従い使用されるマイクロサテライトDNAマーカーの名称は、特にG enethon組織(Evry,France)が、それらの増幅を可能とする特異的なプラ イマー対を定義した科学的な慣例名であり、これら各プライマーはまた対応する マイクロサテライトDNAマーカーを検出するための特異的プローブとしても有 用である。 本発明は、以下のマイクロサテライトマーカー: a)1p:D1S243、D1S214、D1S228、D1S199、D1 S255、D1S476、D1S198、D1S207、D1S248、D1S 436、D1S2644、D1S2843、D1S478、D1S2828、D 1S2902、D1S247およびD1S255; b)1q:D1S305、D1S196、D1S238、D1S249、D1 S229、D1S235およびD1S304; c)2q:D2S113、D2S347、D2S151、D2S294、D2 S311、D2S143、D2S159、D2S336およびD2S125; d)4q:D4S392、D4S1538、D4S1578、D4S406、 D4S430、D4S422、D4S1548、D4S1597、D4S408 、D4S426、D4S3042、D4S2922、D4S400、D4S39 5、D4S1534、D4S2929、D4S2460、D4S1572、D4 S1564、D4S2945、D4S1616、D4S2937、D4S161 3およびD4S427; e)6p:D6S344、D6S305、D6S260、D6S276、D6 S426およびD6S294; f)7p:D7S531、D7S664、D7S493、D7S484、およ びD7S519; g)7q:D7S669、D7S657、D7S486、D7S495、D7 S483およびD7S550; h)8p:D8S277、D8S550、D8S282、D8S283および D8S260、D8S264、D8S262、D8S1140、D8S518、 D8S1099、D8S1742、D8S561、D8S1819、D8S14 69、D8S1721、D8S552、D8S1731、D8S261、D8S 1752、D8S1771、D8S1820、D8S532及びD8S285; i)8q:D8S273、D8S281、D8S263およびD8S272; j)9p:D9S288、D9S156、D9S161およびD9S273; k)9q:D9S153、D9S277、D9S195、D9S164および D9S158; l)10q:D10S589、D10S185、D10S597、D10S5 87およびD10S212; m)13q:D13S175、D13S171、D13S284、D13S1 70、D13S158、D13S285およびD13S286; n)14q:D14S261、D14S75、D14S63、D14S74、 D14S292、D14S81、D14S280、D14S995、D14S9 77、D14S1062およびD14S265; o)16p:D16S521、D16S407、D16S420およびD16 S411; p)16q:D16S408、D16S518、D16S422およびD16 S520、D16S507、D16S3098、D16S505、D16S51 1、D16S422およびD16S402; q)17p:D17S926、D17S786およびD17S953; r)17q:D17S933、D17S787、D17S949、D17S7 84およびD17S928 の中から選択される少なくとも1つのマイクロサテライトDNAマーカーのプラ イマー対からなる2つの核酸分子のうち少なくとも1つのポリヌクレオチドを含 んでなる、肝細胞癌の予兆診断用組成物に関する。 本発明の診断用組成物は、群a)〜r)のマイクロサテライトDNAマーカー のプライマー対からなる核酸分子の中から選択される、好ましくは少なくとも2 つのポリヌクレオチド(ただし、これらポリヌクレオチドはDNAマーカーを定 義する同じプライマー対に属さない)を含んでなる。 表2に示されているマーカーのうち、本発明に従い使用される最も好ましいマ ーカーは以下の通りである:D4S426(4q35;40%LOH)、D6S 305(6q27;36%LOH)、D7S493(7p15;30%LOH) 、D8S277(8p23;42%LOH)、D13S284(13q14;3 0%LOH)、D17S786(17p13;33%LOH)。 また本発明者らが、本発明の日付の前にHCCの発生とは決して関与していな かった遺伝子座における有意なLOHパーセンテージを検出した際に、本発明に 従い使用される他の好ましい多形性DNAマーカーはまた以下の通りである:D 1S238(1q22−q23;20%LOH)、D1S235(1q42−q 43;24%LOH)、D2S336(2q−q37;29%LOH)、D2S 125(2q36−q37;20%LOH)、D7S495(7q33−q34 ;20%LOH)、D8S263(8p23−q24;23%LOH)、D9S 273(9p12−p14;21%LOH)、D9S164(9q34−qte r;20%LOH)、D14S81(14q32;23%LOH)およびD17 S928(17q24−qter;21%LOH)。 さらに発明者らは、遺伝子地図上で互いに0.25〜1センチモルガン(cM )以上離れていないものである多形性マーカーを用いて、4つの染色体領域をさ らに厳密に定義した。これらの非常に正確なマッピングは、以下の染色体領域に 関して図2〜5に示されている: a)染色体8p領域(図2および表4); b)染色体1p35〜36領域(図3および表4); c)染色体14q32領域(図4および表4); d)染色体16q23〜q24領域(図5および表4); e)染色体4q35〜q36領域(図6および表4)。 本発明の目的のためには、以下の8pマーカーが有用である:D8S264、 D8S262、D8S518、D8S1742、D8S277、D8S819、 D8S1721、D8S1731、D8S1752。 染色体8p領域に関して(図2も参照)、発明者らは今、非常に高いパーセン テージのLOHが観察される、少なくとも4つの染色体領域を検出した。 LOHの第1のピークは、D8S1742多形性マーカーを用いて8p23で 見られる(情報が得られた54例で53%LOH)。マーカーD8S262とD 8S1819の間に含まれる領域(約2cMの長さ)は、癌抑制遺伝子を担持す る可能性が高い。このように、この特異的な領域は本発明のさらに好ましい領域 である。LOHの第2のピークは、D8S1469多形性マーカーを用いて8p 22で見られる(情報が得られた40例で50%LOH)。LOHの第3のピー クは、D8S1731多形性マーカーを用いた場合に見られる(情報が得られた 52例で38%LOH)。最後に、LOHの第4のピークは、D8S1752多 形性マーカーを用いた場合に見られる(情報が得られた62例で39%LOH) 。 結論として、本発明の診断およびクローニング法に使用される好ましいマーカ ーの中にまた、以下の多形性DNAマーカーD8S1742、D8S1469、 D8S1731およびD8S1752もある。 本発明の目的のためには、以下の8pマーカーが有用である:D1S436、 D1S2644、D1S199、D1S478、D1S2828、D1S247 およびD1S255。 染色体1p35〜p36領域(図3も参照)に関して、発明者らは今、非常に 高いパーセンテージのLOHが観察される少なくとも6つの領域を検出した。 LOHの第1のピークは、D1S2644多形性マーカーを用いた場合に見ら れる(情報が得られた30例で50%LOH)。LOHの第2のピークは、D1 S199多形性マーカーを用いた場合に見られる(情報が得られた50例で50 %LOH)。LOHの第3のピークは、D1S478多形性マーカーを用いた場 合に見られる(情報が得られた28例で64%LOH)。LOHの第4のピーク は、D1S2828多形性マーカーを用いた場合に見られる(情報が得られた9 例で67%LOH)。LOHの第5のピークは、D1S247多形性マーカーを 用いた場合に見られる(情報が得られた31例で55%LOH)。LOHの第6 のピークは、D1S255多形性マーカーを用いた場合に見られる(情報が得ら れた50例で48%LOH)。 結論として、本発明の診断およびクローニング法に使用される好ましいマーカ ーの中にはまた、以下の多形性DNAマーカーD1S2644、D1S199、 D1S478、D1S2828、D1S247およびD1S255もある。 染色体14q32領域(図4も参照)に関して、発明者らは今、非常に高いパ ーセンテージのLOHが観察される少なくとも5つの領域を検出した。 LOHの第1のピークは、D14S280多形性マーカーを用いた場合に見ら れる(情報が得られた10例で50%LOH)。LOHの第2のピークは、D1 4S995多形性マーカーを用いた場合に見られる(情報が得られた14例で3 6%LOH)。LOHの第3のピークは、D14S81多形性マーカーを用いた 場合に見られる(情報が得られた28例で57%LOH)。LOHの第4のピー クは、D14S265多形性マーカーを用いた場合に見られる(情報が得られた 12例で58%LOH)。LOHの第5のピークは、D14S292多形性マー カーを用いた場合に見られる(情報が得られた17例で35%LOH)。LOH の第6のピークは、D1S255多形性マーカーを用いた場合に見られる(情報 が得られた50例で48%LOH)。 結論として、本発明の診断およびクローニング法に使用される好ましいマーカ ーの中にはまた、以下の多形性DNAマーカーD14S280、D14S995 、D14S81、D14S265およびD14S292もある。 16q23〜q24染色体領域(図5も参照)に関して、発明者らは今、非常 に高いパーセンテージのLOHが観察される少なくとも5つの領域を検出した。 LOHの第1のピークは、D16S3098多形性マーカーを用いた場合に見 られる(情報が得られた15例で67%LOH)。LOHの第2のピークは、D 16S505多形性マーカーを用いた場合に見られる(情報が得られた15例で 87%LOH)。LOHの第3のピークは、D16S511多形性マーカーを用 いた場合に見られる(情報が得られた14例で86%LOH)。LOHの第4の ピークは、D16S422多形性マーカーを用いた場合に見られる(情報が得ら れた25例で84%LOH)。LOHの第5のピークは、D16S402多形性 マーカーを用いた場合に見られる(情報が得られた19例で63%LOH)。 結論として、本発明の診断およびクローニング法に使用される好ましいマーカ ーの中にはまた、以下の多形性DNAマーカーD16S3098、D16S50 5、D16S511、D16S422およびD16S402もある。 4q35〜q36染色体領域(図6も参照)に関して、発明者らは今、非常に 高いパーセンテージのLOHが観察されるいくつかの領域を検出した。 LOHの第1のピークは、D4S400多形性マーカーを用いた場合に見られ る(情報が得られた9例で78%LOH)。大きな領域は高頻度でLOH発生を 受けると決定付けられ、この領域はD4S1572とD4S2937多形性DN Aマーカーの間に物理的に含まれている。 結論として、本発明の診断およびクローニング法に使用される好ましいマーカ ーの中にはまた、以下の多形性DNAマーカーD4S400、D4S1564、 D4S1616およびD4S2937もある。 本発明の診断方法および診断キットの1つの好ましい具体例では、これらの方 法およびキットは表2または表4の、少なくとも2つの多形性DNAマーカーの 組み合わせ、好ましくは2〜10個の多形性マーカーの範囲の多形性マーカー数 の組み合わせ、より好ましくは2〜5個の多形性マーカーの範囲の多形性マーカ ー数の組み合わせ、最も好ましくは2〜4個の多形性マーカーの範囲の多形性マ ーカー数の組み合わせ、理想的には3個の多形性DNAマーカーを含んでなる。 本発明に従い使用される多形性マーカーの組み合わせは、それらが、発明者ら によりHCCにおいて最も高いパーセンテージが見出されたマーカーの中から選 択されるように選ばれることが好ましい。 本発明のマイクロサテライトマーカーの組み合わせの好ましい具体例では、各 組み合わせは、表2および3に示された染色体領域の各々について、少なくとも 1つのマーカーを含んでなる。 マイクロサテライトDNAマーカーの各組み合わせは、表4に示された染色体 領域の各々について、例えば以下の染色体領域:8p、1p35〜p36、16 q23〜q24、4q35〜q36および14q32の各々について、少なくと も1つのDNAマーカーを含んでなることがより好ましい。さらに明示すれば、 この組み合わせは、以下の8pサブ領域:8p23、8p22および8p21の 各々について、少なくとも1つのマーカーを含んでなることが好ましい。 マイクロサテライトDNAマーカーの最も好ましい組み合わせは、以下の群1 )〜4): 1)8p:D8S264、D8S262、D8S518、D8S1742、D 8S277、D8S819、D8S1721、D8S1731、D8S1752 ; 2)1p35〜p36:D1S436、D1S2644、D1S199、D1 S478、D1S2828、D1S247およびD1S255; 3)16q23〜q24:D16S3098、D16S505、D16S51 1、D16S422およびD16S402; 4)14q32:D14S280、D14S81およびD14S265; 5)4q35〜q36:D4S400、D4S2572、D4S1564、D 4S2945、D4S1616およびD4S2937 の各々の中で選択される少なくとも1つのDNAマーカーを含んでなる。 このように本発明のもう1つの目的は、前記の組み合わせのマイクロサテライ ト多形性DNAマーカーを使用するまたは含んでなる、診断方法および診断用組 成物にある。 前記の組み合わせのDNAマーカーを含んでなる診断用組成物の1つの好まし い具体例では、各群の中で単一のDNAマーカーが選択される。 本発明はまた、本発明の診断用組成物、ならびに診断試験を実施するために必 要である好適な試薬を含んでなる診断キットに関する。 本明細書に記載された結果により、発明者らは、HCCの場合に本発明に従い 使用される多形性DNAマーカーを用いて増幅させた種々の染色体座における特 異的な変異間に相関があることを発見することができた。さらに厳密には、発明 者らは、1pと13q、1pと8p、ならびに6qと13qの両腕に付随して同 定されるLOHの頻度が、肝硬変(LC)よりも慢性肝炎病変(CH)から生じ た腫瘍で有意に高く、前記の組み合わせにおいてLOHを示すCH対LCを伴う HCC数がそれぞれ15対5、16対6、および14対3であることを認めた。 結論として、当業者が肝硬変を伴うHCCと慢性肝炎病変を伴うHCCとを識 別するのを助けるには、LOHの相関が決定付けられたマーカーの特異な組み合 わせを含んでなる診断用組成物が有用である。 このように、肝硬変を伴うHCCと慢性肝炎病変を伴うHCCとを識別するの に有用である本発明の診断方法および診断用組成物の1つの特殊な具体例では、 多形性DNAマーカーは組み合わせて用いることが好ましい。 この特殊な具体例の目的のために、本発明はまた、以下の群a)〜c): a)D1S243、D1S214、D1S228、D1S199、D1S25 5、D1S476、D1S198、D1S207およびD1S248の中から選 択される1pのマーカーと、D13S175、D13S171、D13S284 、D13S170、D13S158、D13S285およびD13S286の中 から選択される13qのマーカー; b)D1S243、D1S214、D1S228、D1S199、D1S21 55、D1S476、D1S198、D1S207およびD1S248の中から 選択される1pのマーカーと、D8S264、D8S262、D8S518、D D8S1742、D8S277、D8S1819、D8S1721、D8S17 31およびD8S1752の中から選択される8pのマーカー; c)D6S462、D6S261、D6S292、D6S290、D6S30 5、D6S446およびD6S281の中から選択される6qのマーカーと、D 13S175、D13S171、D13S284、D13S170、D13S1 58、D13S285及びD13S286の中から選択される13qのマーカー の各々の中で選択される少なくとも1つのDNAマーカーを含んでなる診断用組 成物に向けられる。 発明者らはまた、同じ初期癌のわずかな変異のうちであるがT1として分類さ れる小HCCで生じた1pおよび1qにおける高頻度LOHが、2q、6q、7 q、8q、14q、16pqおよび17pqにおいて見られることを発見した( 10腫瘍の0〜1)。 他方、発明者らは、非侵襲性腫瘍に対し、肝転移または門脈侵襲を伴う侵襲性 腫瘍において、しばしば16pと17pで対立遺伝子の不均衡が見られることを 発見した。 これらの観察により、発明者らは、初期として、または侵襲性癌の段階として のHCC癌の分類を可能にする有用な診断手段を提供するために、本発明の診断 方法およびキットの特殊な具体例を構想するに至った。本発明の診断方法および キットのこの特殊な具体例では、初期癌で優先的に起こる遺伝子変異と、侵襲性 癌の段階で優先的に起こる遺伝子変異とを識別するために、表1および2の多形 性DNAマーカーの特異的な組み合わせが使用される。 このように、マイクロサテライトDNAマーカーの組み合わせを含んでなる診 断用組成物も本発明の一部であり、各々の組み合わせは以下の群: a)D16S521、D16S407、D16S420およびD16S411 の中から選択される16pのマイクロサテライトマーカー; b)D17S926、D17S786およびD17S953の中から選択され る17pのマイクロサテライトマーカー の総ての中で選択される少なくとも1つのDNAマーカーを含有し、前記診断用 組成物を用いるLOHの発生が侵襲性の癌の診断には有用であり、かつ、これら の診断用組成物を用いた場合にLOHが存在しないことは、初期癌診断か、また はHCCが存在しないかのいずれかに対する強い支持を意味することが理解され るであろう。 本発明はまた、発明者らにより定義された注目される遺伝子座に位置するマー カー[(1)マイクロサテライトDNAマーカー;2)RFLPマーカー;3) VNTRマーカー(種々の数のタンデム反復);4)STSマーカー(単純タグ 配列);5)EST(発現配列タグ)]を用いて、患者においてHCCまたはH CC素因を検出するための診断方法に関する。さらに詳しくは、本発明の診断方 法は、表2および4のマイクロサテライトマーカー、ならびに前記の本発明の診 断用組成物を用いることである。 かかる診断方法は、注目される染色対座における対立遺伝子変異の検出を可能 とするあらゆる方法を包含する。 本発明の好ましい診断方法は、本明細書で使用される1つのDNAマーカーを 用いて増幅させた特定の遺伝子座で、または少なくとも2つのマイクロサテライ トDNAマーカーの組み合わせ、特には本発明の診断用組成物中に含まれる組み 合わせを用いて増幅させたいくつかの特異な遺伝子座で異型接合性の低下(LO H)を検出することを可能にする方法である。 LOHの検出を可能にするかかる診断方法は、以下の工程: a)第1の組織サンプルが患者の肝臓とは異なる器官に由来し、第2の組織サ ンプルが患者由来の2種の組織サンプルが肝臓に由来する、2種のサンプルを患 者から調製し、 b)ハイブリダイゼーションに利用可能な、工程a)の組織サンプルの細胞に 含まれるゲノムDNAを作製し; c)表2および4に示されたマーカーの中かから選択される少なくとも1つの マイクロサテライトDNAマーカー、または本発明のDNAマーカーの組み合わ せを含有する組成物を用いて工程b)のゲノムDNAを増幅させ; d)得られた工程c)の、第1および第2の組織サンプルにそれぞれ由来する 増幅産物を比較することにより現れた変化を検出する ことを含んでなる。 前記診断方法の好ましい1つの増幅および検出についての詳細は、材料および 方法の節に十分に記載されている。 本発明の前記診断方法の好ましい具体例では、工程d)では、オリゴヌクレオ チドプローブ(検出手段)として工程c)の増幅手段をなす少なくとも1つのプ ライマーを使用し、このプローブは選択的に放射性標識または非放射性標識され ている。 HCC中、高頻度の遺伝子変異に関して今、特異的な染色体の小領域がマッピ ングされるという本発明者らの発見により、当業者はHCCの場合に変異した癌 抑制遺伝子を同定およびクローニングすることが可能となる。 発明者らは今、高頻度で遺伝子変異を受ける染色体領域、特に対立遺伝子の不 均衡を厳密にマッピングし、使用される異なるDNAマーカー間の距離は、互い に最も離れているマーカーについては2センチモルガン(cM)からであり、互 いに最も近いマーカーについては0.25cMであり、一般に1cMはおよそ1 000キロベース+/−20%を表すと解釈される。このように、最も近いマー カーに関しては、特に8p領域においては、それらはゲノム上で0.25cM未 満しか離れておらず、言い換えれば、それらは250キロベース、特に8p21 、8p22および8p23に位置するマイクロサテライトマーカーに関しては、 約100kbしか離れていないこともある。 本発明の2つのDNAマーカーの染色体位置の間に位置する癌抑制遺伝子候補 を単離するために、まず、注目される遺伝子座の間のゲノムDNAにわたってい ることが知られている少なくとも1つの酵母人工染色体(YAC)クローンを単 離することで始める。YACライブラリーはGenethon(Evry,France)で 公的に入手できる。8p領域に対しては、以下のYACが使用される:852d 10(少なくともD8S518〜AFM249WA9マイクロサテライトDNA マーカー位置を含む染色体領域にわたる)、787c11(D8S264〜WI −9756)、842b11(D8S518〜AFM249WA9)、745a 3(AFMB322ZH9〜AFM249WA9)、832g12(AFMB3 22FH9〜WI−9756)、807a1(D8S518〜AFM249WA 9)、765c4(D8S518〜AFM249WA9)、920h7(D8S 518〜AFM249WA9)、764c7(WI−3823〜D8S1706 )、792a6(D8S277〜WI−8327)、879f11(D8S5 61〜WI−8327)、910d3(D8S561〜D8S1819)、91 0f12(D8S561〜WI−3823)、967c11(D8S277〜W I−8327)、918c6(D8S561〜D8S1819)、および856 d8(D8S561〜D8S1819)。 前記のマーカーは、8p領域、8p23〜8p21に配置された以下のマイク ロサテライトDNAマーカー間に、以下の順で含まれている:NIB9、WI− 6641、WI−4250、D8S504、WI−5411、XI−1986、 D8S264、D8S262、D8S1824、D8S201、AFMB322 ZH9、D8S518、WI−9756、AFM249WA9、D8S561、 D8S277、WI−3823、D8S1819、D8S1706およびWI− 8327。 本発明に従い決定された注目される領域に含まれる癌抑制遺伝子候補のクロー ニング方法の事例としては、8p23領域に位置する癌抑制遺伝子候補のクロー ニング方法が示される。 8p23ゲノムDNAにわたるYACクローンからコスミドライブラリーを構 築する。例えば、コスミドライブラリーは、1990年にShimizu et alによっ て記載された技術に従い構築される。便宜には、コスミドベクターpWEX15 (Wahi et al.,1987)があり、その独特なBamHI部位がクレノウ酵素により 埋められ、オリゴヌクレオチドリンカー(5’CCTCGCGAGG−3’)を 用いて、独特なXhoI部位に変換されている。次いでpWEX15をXhoI で消化し、5’末端に5’−TC−3’を残してクレノウ酵素のよりdCTPお よびdTTPを部分的に満たす。注目されるYACクローンから単離したゲノム DNAを好適な制限酵素、例えばSau3AIで部分的に消化し、スクロース密 度勾配遠心分離により分画して、小DNA断片(30〜100kb)を得る。次 いで断片化したDNAを、5’末端に5’−GA−3’を残して、クレノウ酵素 によりdATPおよびdGTPで部分的に満たす。標準的な方法によって、0. 5μgのベクターと、1〜2μg、好ましくは1.2μgのゲノムDNAを用い 、連結反応を行い、in vitroパッケージング・エクストラクト(Stratabeneによ り市販されているGigapack Gold)を用いてパッケージングする。 次いで、50μg/mlのアンピシリンを含有するLB寒天プレートに、10 コロニー/cm2の密度でコスミドクローンを広げ、ヒトDNA挿入配列を含有 するクローンを、プローブとして32P標識ヒトゲノムDNAを用いるコロニーハ イブリダイゼーションにより選択する。陽性クローンをピックアップし、96穴 マイクロタイタープレート中でインキュベートし、−70℃で保存した。選択さ れたこれらのクローンを標準的な手法で精製する。コスミドライブラリーの調製 に関する技術的な詳細は総て、Yamakawa et al.(1991)により記載されており、 この文献の材料および方法の節は、引用することにより本明細書の一部とされる 。 前記で選択されたコスミドのコンティグマップを構築するために、5ngの各 コスミドDNAを制限エンドヌクレアーゼ、好ましくはEcoRIで消化し、1 .0%アガロースゲル上で電気泳動し、次いで各コスミドをプローブとして用い てサザンブロッティングに付す。コスミド挿入配列に存在する反復配列によって 生じるバックグラウンドシグナルを抑えるために、ハイブリダイゼーションを開 始する前に、過剰な全ヒトDNAと各標識プローブをプレハイブリダイズさせる 。ハイブリダイゼーションパターンに基づき、これらのコスミドクローンのコン ティグマップを作製する。 次いで、Buckler et al.(1991)による記載のように、エキソン増幅を行う。 なお、この文献の材料および方法の節は引用することにより本明細書の一部とさ れる。便宜には、コスミドDNAの断片をプラスミドベクター、pSPL1中に サブクローン化し、エレクトロポレーションによりCOS−7細胞へトランスフ ェクトする。それらのトランスフェクション体の細胞質RNAから逆転写酵素 (RT)−PCR産物を単離し、サザンハイブリダイゼーションによって、適当 なコスミドクローンに起源するものであることを確認する。 選択されたコスミドクローンのエキソンを増幅させて転写可能な配列を探した 後、エキソン様配列を単離し、次いでこのエキソン様配列をプローブとして用い てcDNAライブラリー、好ましくは胎児または成人肝臓由来のcDNAライブ ラリー(例えば、Gibco/BRLまたはClonetechにより市販されている成人肝臓cD NAライブラリー)をスクリーニングする。 次いで、Clontech labs(Palo Alto,CA)から入手したマルチティッシュブロッ トを用いてノーザンブロット解析を行う。プレハイブリダイゼーション、ハイブ リダイゼーションは、50%ホルムアミド、5xデンハートの溶液、6xSSC および1%サケ精子DNAを含有する溶液中で、製造業者の推奨に従って行う。 cDNA挿入配列の制限エンドヌクレアーゼ(例えば、EcoRI/XhoI) 切断産物をプローブとして用いる。その後、フィルターを50℃にて20分間、 0.1xSSC/0.1%SDS中で2回洗浄する。 このようにして選択されたcDNAクローンを用いて、肝細胞癌から単離した DNAのパネルを、選択されたcDNAクローンの少なくとも1つをプローブと して用いてサザンブロット解析により、候補配列における体細胞再配列に関して 調べる。かかるcDNAクローンを用いる蛍光in situハイブリダイゼーション により、HCC腫瘍のDNAにおける体細胞再配列の検出が可能となる。HCC DNAと対応する正常型DNAのハイブリダイゼーションパターンを比較する ことにより、候補cDNAの再配列が体細胞における現象として起こったことが 示されよう。 さらなる工程は、コードされる癌抑制遺伝子候補の構造解析を可能にするであ ろう胎児または成人肝臓cDNAライブラリーから得られた選択cDNAクロー ンの配列決定と、その配列の、GenbankまたはEMBLデータベースなど の遺伝子データベースに集められている他の遺伝子配列との比較にある。 本発明はまた、患者におけるHCCの発生に関与する癌抑制遺伝子のポリヌク レオチドを単離および/または精製する方法であって、 a)選択されたYACクローンからコスミドライブラリーを構築し; b)プローブである標識したヒトゲノムDNAとのコロニーハイブリダイゼー ションによって注目されるコスミドクローンを選択し; c)精製、選択されたコスミドクローンのコンティグマップを作製し; d)エキソン増幅反応を実施し、好適なベクターに逆転写RNA断片を挿入し ; e)工程d)の挿入配列を好適なヒトcDNAライブラリー、好ましくは胎児 または成人肝臓cDNAライブラリーとハイブリダイズさせ、ハイブリダイズ可 能なcDNAクローンを選択し; f)選択されたcDNAクローン挿入配列の配列を決定し、コーディング配列 を同定する 工程を含んでなる方法に向けられる。 本発明はまた、前記方法により得られた、患者におけるHCCの発生に関与す る癌抑制遺伝子のポリヌクレオチドに関する。 本発明のもう1つの課題は、制限酵素切断または化学合成によって得られた癌 抑制遺伝子のポリヌクレオチドの断片にある。 次いで、得られた変異体のポリヌクレオチド配列および/またはそれらの前記 断片は、患者(健常者または癌患者)における突然変異を検出するための特異的 オリゴヌクレオチドプローブまたはプライマーとして使用され、かくして与えら れた患者のHCCに対する素因の診断が可能となる。 本明細書の前記で定義したヌクレオチドプローブまたはプライマーは少なくと も8個のヌクレオチドの長さを有すれば都合がよく、これは選択された癌抑制遺 伝子候補と特異的にハイブリダイズすることが可能であると決定付けられた最小 の長さである。一般に、このヌクレオチドプローブは、8〜1000個のヌクレ オチド、好ましくは8〜200のヌクレオチドの範囲のヌクレオチド長を有し、 最も好ましくはヌクレオチド断片は少なくとも12個のヌクレオチド、特には選 択された癌抑制遺伝子候補のいずれかの20個の保存的ヌクレオチドの長さを有 する。 これらヌクレオチド断片は、増幅反応で使用されるプライマーとして、または 核酸プローブとして使用してもよい。 このように、選択される癌抑制遺伝子候補のポリヌクレオチドまたはかかるポ リヌクレオチドから得られる核酸断片を使用して、特に後に記載する増幅反応な どの増幅反応用のヌクレオチドプライマーを選択する。 PCRは米国特許第4,683,202号に記載されている。増幅された断片 はアガロースまたはポリアクリルアミドゲル電気泳動によって、またはキャピラ リー電気泳動によって、またはクロマトグラフィー技術(ゲル濾過、疎水性クロ マトグラフィーまたはイオン交換クロマトグラフィー)によって同定され得る。 増幅の特異性は、核酸プローブとして、選択される癌抑制遺伝子候補のポリヌク レオチド、その断片、これらのポリヌクレオチドと相補的なオリゴヌクレオチド またはその断片を用いる分子ハイブリダイゼーション、またはそれらの増幅産物 自体により保証され得る。 増幅されたヌクレオチド断片は、本発明のポリヌクレオチドの存在を検出する ために、また選択される癌抑制遺伝子候補における変異を検出するためにハイブ リダイゼーション反応に使用されるプローブとして使用される。 本明細書にて前記で定義した増幅核酸断片(《アンプリコン》)もまた本発明 の一部である。 これらのプローブおよびアンプリコンは、例えば米国特許第4,581,33 3号(Kourilsky et al.,)に記載されたもののような酵素、または蛍光性化合物 を用いて放射性または非放射性標識され得る。 プライマーもまたオリゴヌクレオチドプローブとして、特に本発明のポリヌク レオチドの存在を検出するために使用され得る。 また、核酸増幅に関連する他の技術も使用してよく、一般にPCR技術が好ま しい。 鎖置換増幅(SDA)技術(Walker et al.,1992)とは、制限酵素がその認識 部位(ヘミリン酸チオエート形態)で鎖の1つを切断する能力、および制限酵素 により生じる3’OH末端から新しい鎖の合成を開始するDNAポリメラーゼの 特性および下流に位置している予め合成した鎖を置換するこのDNAポリメラー ゼの特性に基づく等温増幅技術である。SDA法は主要な2つの工程を含んでな る: a)dCTP−α−Sの存在下で、好適な酵素により切断され得る制限部位に よりフランクされるDNAの合成。 b)酵素切断、鎖置換および置換した鎖の複写により、それ自体修飾されるこ れらDNAの指数関数的増幅。アッセイに関して厳密な感度を達成するために、 切断工程、鎖置換および複写を十分な回数繰り返す。 SDA技術は、現在、一般にバチルス・ステアロテルモフィルス(Bacillus s tearothermophilus )由来のエンドヌクレアーゼ(BSOBI)、およびバチルス ・クラドテナックス(Bacillus cladotenax)から単離された、いずれの5’→3 ’エキソヌクレアーゼ活性もないDNAポリメラーゼ断片(exo−Bca)[ =exo−minus−Bca]を用いて実施されるが、最初は制限エンドヌク レアーゼHincIIを用いて実現した。両酵素は60℃で取り扱うことができ 、その系が今、dUTPの使用およびUDGによる浄化が可能となるよう最適化 される。この技術を使用する場合、Spargo et al.,1996、により記載されるよ うに、60℃で15分間のインキュベーション後の標的DNAの世代時間は2 6秒であり、増幅速度は1010である。 SDA増幅技術は、PCR(温度調節装置を備えた1つの水浴装置が必要)を 行うより容易であり、他の増幅方法より迅速である。 このように、本発明のもう1つの目的は、SDA技術によるDNAまたはRN A増幅方法における本発明の核酸断片(プライマー)を使用することである。S DAを実施するため、2対のプライマー、すなわち注目される標的ポリヌクレオ チドに特異的な配列にある1対の外部プライマー(B1,B2)および制限エン ドヌクレアーゼ、例えば酵素BSOBIにより認識される部位を持つ融合オリゴ ヌクレオチドにある1対の内部プライマー(S1,S2)を使用する。 SDA増幅反応における本発明のヌクレオチドプローブおよびプライマーの使 用について例示する具体例としては、標的ポリヌクレオチドに非特異的であり、 HincIIまたはBSOBIに対する制限部位を有する配列を、各々の選択さ れる癌抑制遺伝子候補に特異的なプライマーの5’末端に付加する。BsoBI により認識される制限部位を含むかかる付加配列は、有利には、次の配列GCA TCGAATGCATGTCTCGGGTであり、そのヌクレオチドは酵素Bs oBIの認識部位に相当し、太字で表した。かくして、SDA増幅の実施に有用 なプライマーは、前記に記載される本発明のいずれのプライマーからでも設計で き、本発明の一部となる。かかるプライマーによりSDAを行うための操作条件 は、Spargo et al.,in 1996において記載される。 さらに特に、BsoBI制限部位を含むよう設計された本発明のプライマーで SDA増幅反応を行う場合、次の条件を使用する: BsoBI/exoBca[=exo−minus−Bca]SDA反応は、 最終濃度9.5mM MgCl2、各1.4mMdGTP、dATP、TTP、 dCTP−α−S、100μg/mlアセチル化ウシ血清アルブミン、10ng /mlヒト胎盤DNA、35mM K2HPO4pH7.6、0.5μMプライマ ーS1BsoBIおよびB2BsoBI、0.5μMプライマーB1BsoBIおよびB2BsoBI 、3.2U/μl BsoBI酵素、0.16U/μl exoBca[=ex o−minus−Bca]酵素、3mM Tris−HCl、11mM NaC l、0.3mM DTT、4mM KCl、4%グリセロール,0.008mM EDTA、および種々の量の標的DNAを含有する50μl容量で行う。Bs oBIおよびexoBcaの添加に先立ち、不十分な反応物(35μl)を95 ℃で3分間加熱し、標的DNAを変性させ、次いで60℃で3分間プライマーを アニールする。BsoBI(40ユニット/μl)4μl、exoBca(22 ユニット/μl)0.36μlおよび酵素希釈緩衝液(10mM Tris−H Cl、)10.6μl、10mM MgCl2、50mM NaCl、1mM DTT)からなる酵素混合物15μlの添加に続き、この反応物を60℃で15 分間インキュベートする。熱湯浴で5分間加熱することにより、増幅を終了させ る。酵素添加後、直ちに熱湯浴でサンプルを加熱し、非SDAサンプルを作製す る。Continental Laboratory Productsのエアゾル耐性チップを使用し、予め 増幅させた生成物によるSDA反応物の汚染を軽減する。 選択される癌抑制遺伝子候補のポリヌクレオチドおよび前記に記載のそれらの 断片、特に本発明のプライマーは: TAS(翻訳を基にした増幅系)、Kwoh et al.,in 1989により記載; SR(自己継続配列複製)、Guatelli et al.,in 1990により記載; NASBA(核酸配列に基づく増幅)、Kievitis et al.,in 1991により記載 ; TMA(翻訳介在増幅) などの種々の標的核酸増幅方法を実施するための技術として有用である。 選択される癌抑制遺伝子候補のポリヌクレオチドおよび前記に記載のそれらの 断片、特に本発明のプライマーは: LCR(リガーゼ鎖反応)、Landegren et al.,in 1988により記載、また、 熱安定性リガーゼを使用するBarany et al.,in 1991により改良; RCR(修復鎖反応)、Segev et al.,in 1992により記載; CPR(サイクリングプローブ反応)、Duck et al.,in 1990により記載; Q−βレプリカーゼ反応、Miele et al.,in 1983により記載、また、Chu et al.,in 1986、Lizardi et al.,in 1988およびBurg et al.およびStone et al. ,in 1996により改良 などのプローブとして使用される核酸の増幅または修飾のための技術としてもま た有用である。 検出されるべき標的ポリヌクレオチドがRNA、例えばmRNAである場合、 生物学的サンプルに含まれるRNAからcDNAを得るために、増幅反応の前に 逆転写酵素が使用されよう。その後生成したcDNAは本発明の増幅工程または 検出工程で使用されるプライマーまたはプローブに対する核酸標的として使用す る。 本発明のヌクレオチドプローブまたはポリヌクレオチドは、ヒトゲノムのHC Cの発生に関連するヌクレオチド配列の存在または不在の検出に対して特異的で ある。本発明の《特異的プローブ》とは、選択される癌抑制遺伝子候補の1つの ポリヌクレオチドとハイブリダイズし、無関係な配列とはハイブリダイズしない いずれのオリゴヌクレオチドをも意味する。本発明のオリゴヌクレオチドプロー ブは少なくとも8ヌクレオチドの長さが好ましく、8〜300の間のヌクレオチ ドを含んでなる長さがさらに好ましい。 本発明のオリゴヌクレオチドプローブは特に、ストリンジェントな条件下で選 択される癌抑制遺伝子候補のうちの1つポリヌクレオチドの総てまたは一部を含 んでなるDNAまたはRNA分子とハイブリダイズする。 例示的具体例のように、特に本発明のポリヌクレオチドを検出するために用い られるストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は都合よくは以下の通り である: ハイブリダイゼーション工程は6xSSC緩衝液、5xデンハートの溶液、0 .5%SDSおよびサケ精子DNA100μg/mlの存在下で実施する。 ハイブリダイゼーション工程の後、4回の洗浄工程を行う: 好ましくは2xSSCおよび0.1%SDS緩衝液中、65℃にて、5分間2 回の洗浄; 好ましくは2xSSCおよび0.1%SDS緩衝液中、65℃にて、30分間 1回の洗浄; 好ましくは0.1xSSCおよび0.1%SDS緩衝液中、65℃にて、10 分間1回の洗浄。 本発明の非標識ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドは直接プローブと して使用してよい。しかしながら、やはり、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌク レオチドは、一般に放射性元素(32P、35S、3H、125I)で、または非同位体 分子(例えば、ビオチン、アセチルアミノフルオレン、ジゴキシゲニン、5−ブ ロモデオキシウリジン、フルオレセイン)により標識して、多くの使用に有用な プローブを作製する。 核酸断片の非放射性標識の例は、最新の仏国特許第7810975号において 、またはSanchez-Pescador et al.,1988により記載される。 後者の場合、他の標識化技術、最新の仏国特許第2,422,956号および 同第2,518,755号に記載されるものなどを使用してもよい。ハイブリダ イゼーション工程は様々な方法で行ってよい(Matthews et al.,1988)。より一 般的な方法は、基質(ニトロセルロース、ナイロン、ポリスチレン)上に生物学 的サンプルから抽出した核酸を固定化し、さらに規定の条件で、標的核酸をプロ ーブとともにインキュベートすることである。ハイブリダイゼーション工程に続 き、過剰量の特異プローブを除去し、形成されたハイブリッド分子を適当な方法 (放射性、蛍光性、または酵素活性測定)により検出する。 本発明のプローブは、それらがシグナル増幅させるような構造特性を有してい ることが有利であり、かかる構造特性としては、例えばUrdea et al.,1991によ り、または欧州特許N°EP−0225,807(Chiron)号において記載される ものような分枝DNAプローブのそれがある。 本発明のプローブのもう1つの有利な具体例において、後者は《キャプチャー プローブ》として用いられる、これを目的に、基質上に固定化され、生物学的サ ンプルに含まれる標的核酸を捕捉する。捕捉された標的核酸は、次いでキャプチ ャープローブにより認識される配列と異なる標的核酸の配列を認識する2番目の プローブを用いて検出される。 本発明のプローブまたはプライマーとして有用なオリゴヌクレオチド断片は、 制限酵素による、選択された癌抑制遺伝子候補のポリヌクレオチドの切断により 作製してよく、当業者はSambrook et al.,1989に記載される手法を指標とする 。多くとも200ヌクレオチド(またはこれらの分子が二本鎖である場合、20 0bp)の本発明の核酸の適当なもう1つの調製工程は次の工程: 1986年に記載されたβ−シアンエチルホスホラミダイトの自動化法を用い てDNAを合成し; かくして得られた核酸を適当なベクター中へクローン化し; 本発明の適当なプローブをハイブリダイズさせることによって核酸を精製する ことを含んでなる。 200ヌクレオチド以上(またはこれらの分子が二本鎖である場合、200b p)の長さを有する本発明の核酸を作製する化学的方法は次の工程: 各末端に種々の制限部位を有する化学合成オリゴヌクレオチドを組み込み、 かくして得られた核酸を適当なベクター中へクローン化し; 本発明の適当なプローブをハイブリダイズさせることによって核酸を精製する ことを含んでなる。 前記の核酸をコーディング配列として用いて本発明のポリペプチドを作製する 場合、それらの配列が作製されるべきポリペプチドのアミノ酸配列と(適当なリ ーディングフレーム内で)確実に適合することが重要である。 本発明のオリゴヌクレオチドプローブはまた、基質上に固定化されたプローブ のマトリックスライブラリー、1またはいくつかの塩基のシフトで配置される所 与の長さを持つ各プローブの配列、両者、標的核酸の別個の配列に相補的である 前記マトリックスライブラリーの各プローブを含んでなる検出装置に用いてもよ い。所望により、マトリックスの基質は電子供与体として作用できる物質であっ てよく、ハイブリダイゼーションが起こったマトリックスの位置を検出し、次い で電子装置により測定する。プローブのかかるマトリックスライブラリーおよび 標的核酸の特異的検出法は、欧州特許EP−0713,016号(Affymax techn ologies)および米国特許第5,202,231号(Dnnanac)に記載される。 オリゴヌクレオチドプローブマトリックスを使用し、選択された癌抑制遺伝子 候補に起こる変異の検出をすることは有利であると考えられる。この特殊な目的 のため、プローブは特に、それらのハイブリダイゼーションを既知の変異(欠失 、1またはいくつかのヌクレオチドの置換の挿入のいずれかによる)を保有する 遺伝子へとするヌクレオチド配列を有するよう設計される。既知の変異とは、同 定、選択された癌抑制遺伝子候補上の変異を意味する。 選択された癌抑制遺伝子候補上の変異の検出に使用されるもう1つの技術は高 密度DNAアレイの使用である。高密度DNAアレイの単位要素を構成する各オ リゴヌクレオチドプローブは、選択された癌抑制遺伝子候補ゲノムDNAまたは cDNAの特異的部分配列と対合するよう設計される。かくして、標的遺伝子の 部分配列に相補的なオリゴヌクレオチドからなるアレイは、野生遺伝子による標 的配列の同一性の決定し、その量の測定し、さらに標的遺伝子と選択された癌抑 制遺伝子候補の参照野生型遺伝子配列との間の差を検出するために使用される。 かかる1つの設計において、4L配置アレイと称され、4種のプローブ(A,C ,G,T)の1組、好ましくは15ヌクレオチドオリゴマーにより満たされる。 4種のプローブの各組において、完全な補体は誤対合プローブより強くハイブリ ダイズするであろう。それゆえ、長さLの核酸標的は、4Lプローブ、既知の野 生参照配列において可能性のある総ての変異を含む全プローブ組を含む配置アレ イにより変異が走査される。15量体プローブ組の配置アレイのハイブリダイゼ ーションシグナルは、標的配列中の1つの塩基の交換により混乱する。結果とし て、変異位置をフランクするプローブに対するシグナルまたは《フットプリント 》の特徴的な低下がある。この技術はChee et al.,in 1996により記載されてい る。 本発明のもう1つの目的は: 本発明の核酸プローブまたはプライマーによる生物学的サンプルに含まれるD NA(ゲノムDNAまたはcDNA)またはRNA間のハイブリッド形成; 本発明の1対のプライマー使用により得られる増幅核酸断片による生物学的サ ンプルに含まれるDNA(ゲノムDNAまたはcDNA)またはRNA間のハイ ブリッド形成; により得られるハイブリッド分子である。 本発明のcDNAとは、Sambrook et al.,in 1989により記載されるような逆 転写酵素活性を有する酵素の存在下でRNA分子をインキュベートすることによ り得られるDNA分子を意味する。 本発明はまた、前記の教示により、それらが少なくとも1つの核酸を含むこと を特徴とする組換えプラスミドのファミリーに関する。有利な具体例によれば、 組換えプラスミドは選択される癌抑制遺伝子候補のポリヌクレオチドまたはその 核酸断片を含んでなる。 本発明のもう1つの目的は、核酸配列のクローニング、発現または挿入のため の適当なベクターであって、所望により本発明のポリペプチドの発現をさせる調 節エレメントの制御下に、その複製に必要ではない部位で前記の核酸を含んでな ることを特徴とするベクターである。 使用される特定のベクターとしては、プラスミド、ファージ、コスミド、ファ ージミド、PAC(PI誘導人工染色体)およびYAC(酵母人工染色体)があ る。プラスミドとして、pUCベクターが好ましい。 本発明のもう1つの目的は、DNAまたはcDNAを含有する生物学的サンプ ルにおいて、HCCに関連する遺伝子異常を検出する方法であって、 a)生物学的サンプルを、本発明の1対のオリゴヌクレオチド断片と接触させ (ここで、サンプル中に含まれるDNAは所望により、ハイブリダイゼーション に利用できるよう作製されており、かつ、これらオリゴヌクレオチド断片と生物 学的サンプル中に含まれるDNAとのハイブリダイゼーションが可能な条件下で ある); b)DNAを増幅させ; c)増幅産物を明らかにし; d)所望により適当な方法で突然変異または欠失を検出する 工程を含んでなる方法にある。 前記の方法の工程d)は、一本鎖多形性技術(SSCP)、変性勾配ゲル電気 泳動(DGGE)、またはPCT特許公報第WO−95/07361号に記載さ れるFAMA技術である。 本発明のもう1つの目的は、DNAまたはcDNAを含有する生物学的サンプ ルにおいて、HCCに関連する遺伝子異常を検出する方法であって、 a)生物学的サンプルを、本発明のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ( ここで、サンプル中に含まれるDNAは所望により、ハイブリダイゼーションに 利用できるよう作製されており、かつ、これらプライマーと生物学的サンプル 中に含まれるDNAとのハイブリダイゼーションが可能な条件下である); b)オリゴヌクレオチドプローブと生物学的サンプル中に含まれるDNAとの 間で形成されたハイブリッドを検出する 工程を含んでなる方法にある。 本発明はまた、DNAを含有する生物学的サンプルにおいて、HCCに関連す る遺伝子異常を検出する方法であって、 a)支持体に固定化された本発明の第1のオリゴヌクレオチドプローブを、サ ンプル中に含まれる、所望によりハイブリダイゼーションに利用できるよう作製 されたDNAと、これらプライマーと生物学的サンプル中に含まれるDNAとの ハイブリダイゼーションが可能な条件下で接触させ; b)所望により固定化された第1のオリゴヌクレオチドプローブとハイブリダ イズしなかった生物学的サンプルに含まれるDNAを除去した後に、固定化され た第1のオリゴヌクレオチドプローブと生物学的サンプル中に含まれるDNAと の間で形成されたハイブリッドを、本発明の第2のオリゴヌクレオチドプローブ と接触させ、この第2のプローブが、固定化された第1のプローブがハイブリダ イズする配列とは異なる配列とハイブリダイズする 工程を含んでなる方法にある。 本発明のもう1つの目的は、試験すべき二本鎖DNA調製物に含まれるヌクレ オチド配列における塩基置換または塩基欠失の存在および位置を検出することに より、DNAを含有する生物学的サンプルにおいてHCCに関連する遺伝子異常 を検出する方法であって、 a)一方の腕に試験すべきDNAのヌクレオチド配列を、他方の腕に既知配列 のDNAのヌクレオチド配列を含む領域を特異的に増幅させ(ここで、既知配列 のDNAは本発明のポリヌクレオチドである)、 b)これらのDNAのセンスおよびアンチセンス鎖を異なる蛍光またはその他 の非同位元素標識で標識し; c)増幅させたDNAをハイブリダイズさせ; d)既知配列のDNAと試験すべきDNAとの間で形成されたヘテロ二重らせ んを、DNA鎖の誤対合部分の切断によって明らかにする 工程を含んでなる方法にある。 かかる誤対合の位置決定技術は、PCT公報第WO−95/07361号にお いてMco et al.,1991により記載されている。 本発明はまた、生物学的サンプルにおいて、HCCに関連する遺伝子異常を検 出する診断キットであって、以下の構成要素: a)請求項20記載の1対のオリゴヌクレオチド; b)DNA増幅を行うために必要な試薬; c)増幅した断片の長さを決定するか、または突然変異を検出することを可能 にする成分 を含んでなるキットに関する。 同定された癌抑制遺伝子候補の配列は、例えば一本鎖多形性技術(SSCP) により、HCC腫瘍細胞における体細胞変異について、さらにスクリーニングさ れる。 SSCP解析は、例えばRolfs et al.(1992)の教示に従って、好適な特異的オ リゴヌクレオチドプライマーを設計した後、コーディング領域に相当する、同定 された癌抑制遺伝子候補の決定されたエキソンの各0のPCR増幅に実施される 。 この特定の目的のため、PCR反応は、ゲノムDNA100ng、各プライマ ー1μM、dNTP25μM、2μCiの〔α32P〕dCTP(Amersha m)、および0.25UのTaqポリメラーゼ(Boehrunger Man nheim)を含有する5μl溶液で行う。PCR産物は、SSCP解析による 変異バンドを広げるものであり、pBluescript SK(−)のHin cIII部位へクローン化され、得られた個々のクローンを調査する。両鎖はT 7DNAポリメラーゼを用いるジデオキシ鎖−終結法により配列決定する。 癌抑制遺伝子候補のクローニング、同定および変異検出手法に関するあらゆる 技術的詳細は、Fujiwara et al.(1991)およびまたDe Souza et al.(1995)により 十分に記載され、これらの論文の材料および方法の節は引用することにより本名 最初の一部とされる。 一般に本発明者らにより同定された注目される染色体遺伝子座、または決定さ れた癌抑制遺伝子候補の特異的配列のいずれかにおける遺伝子変異(挿入、欠失 、置換)の発生を検出する他の技術は、本明細書で前記した通りである。 選択された癌抑制遺伝子候補における変異が1以上の塩基の欠失または挿入で ある場合、バンドシフトアッセイを行うことにより、変異部位を含む遺伝子の小 セグメントをPCRにより増幅し、変異した対立遺伝子はその移動の変化のため 、ゲル電気泳動により検出される。1bpの差の分離には、PCR産物への放射 性標識の組み込み、それに次ぐ大型変性ポリアクリルアミドゲルでの電気泳動お よびオートラジオグラフ法が必要である。2塩基以上の差は非変性ポリアクリル アミドゲルで分析され、DNA断片は臭化エチジウムによる染色によって検出さ れる(Sambrook et al.,1989)。 選択された癌抑制遺伝子候補における変異分析のもう1つの技術は、変異が配 列の制限部位の欠失、または作出によるいずれかで起こる場合に使用される制限 部位分析(Halliassos et al.,1989、この技術内容は引用することにより本明細 書の一部とされる)である。両場合において、変異が存在するのであれば、変異 領域由来のPCR産物の適当な制限酵素による消化によって、異なるサイズの断 片が生じるであろう。 選択された癌抑制遺伝子候補における変異を検出する3番目の好適な手法は、 対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドアッセイ、すなわちPCR生成物をナイロ ンまたはニトロセルロース膜にスポットし、次いでこれを正常または変異配列の いずれかに相当する約18塩基の放射性標識したオリゴヌクレオチド配列ととも インキュベートする技術である(Conner et al.,1983;Saiki et al.,1986;Saik i et al.,1989)。インキュベーションに使用される溶液の温度および塩濃度を 慎重に調節すれば、短いオリゴヌクレオチドプローブは、それらの正確な相補的 配列に結合する(試薬濃度の決定に関してはRolfs et al.,1992を参照)。オリ ゴヌクレオチドプローブはまた、ビオチンなどの非放射性タグで標識してもよい (Saiki et al.,1986)。 対立遺伝子特異的プライミング技術もまた、選択された癌抑制遺伝子候補にお ける遺伝子的変化の検出に非常に有用である。この技術は正常または変異配列の 対立遺伝子特異的プライミングに影響を及ぼすPCRプライミング工程の特異性 を利用する(Newton et al.,1989;Ferrie et al.,1992)。対立遺伝子特異的プ ライマーは、3’末端が変異部位に正確に位置するよう設計される。対立遺伝子 特異的プライマーの3’末端の配列がこの位置でサンプルDNAの配列と対合す るだけであれば、PCR増幅はこのプライマーと《通常のプライマー》の間、変 異のもう一方の側からある程度離れたところでで起こる。 選択された癌抑制遺伝子候補における変異の特異的配列が未知である場合には 、様々な方法が使用され(Dianzani et al.,1993;Grompe et al.,1993により概 説)、入手可能なもののうち特殊な方法は、スクリーニングしようとする遺伝子 の大きさおよび複雑性、ならびに要求される感受性の程度により選択決定される 。 一本鎖多形性はすでに前記に記載した、さらにこの技術を行うための追跡手法 に関する技術的詳細はまた、Orrta et al.(1989)、Orita et al.(1989a)、Yap e t al.(1993)、Hayashi et al.(1993)により記載された研究に見られる。 ヘテロ二重らせん解析法は、1個のヌクレオチドによって互いに異なる配列を 有する2種の一本鎖DNA分子間のハイブリッドのコンホメーションが変化する という観察に基づくものであり、これは非変性ゲル上での電気泳動の移動性の低 下として検出される。便宜には、PCR後のヘテロ二重らせんの形成はブライド (bride)変性工程、それに次ぐ室温で徐々に冷却することにより促進される。次 いでDNAをポリアクリルアミドゲルまたはHydrolink(AT Biochem)の いずれかの非変性ゲルで電気泳動に付し、臭化エチジウムで染色する。使用され る特異的な手法に関する技術的詳細は、Keen et al.(1991)、White et al.(1992 )およびSoto et al.(1992)により記載されている。 選択された癌抑制遺伝子候補に起こる変異は、変性勾配ゲル電気泳動(DGG E)、すなわちDNA断片を高温で漸増濃度の変性剤を含むポリアクリルアミド ゲルにおいて電気泳動に付す場合、ある点では部分的にまたは完全に変性するよ うになるといことを活用する技術により検出される。この結果、その電気泳動の 移動性に明白な低下をもたらす。この方法の感度は、PCR間のGCに富んだ配 列(《GCクランプ配列》)のDNA断片末端への結合により高められ、次いで それは最終の融解ドメインとして働くことが好ましい。600bpまでの変異は 、DGGE法を用いて迅速に検出される。この特殊な手法は、Grompe et al.(19 93)、Fischer et al.(1983)、Sheffield et al.(1989)により記載されている。 化学的切断法(CCM)およびかかる方法の極めて有効な改良法、すなわちF AMAもまた使用される。CCMは、化学物質による修飾に対するヘテロ二重ら せんにおける誤対合塩基の感受性に基づいている。試験サンプル由来のDNAお よび放射性標識した対照を混合し、変性させ、さらにヘテロ二重らせんを形成さ せる。ヒドロキシルアミンまたは四酸化オスミウムとのインキュベーションの結 果、それぞれ誤対合したシトシンまたはチミンが修飾され、次いでそれらをピペ リジンで切断する。その後、誤対合により生じた切断産物を電気泳動およびオー トラジオグラフ法により検出する(Cotton et al.,1988;Montandon et al.,198 9;Saleeba et al.,1992;Haris et al.,1994). 現在ではタンパク質は、発現ベクター、プラスミド、ファージまたはファージ ミドなどの使用による遺伝子工学技術によって容易に大量生産される。本発明の ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを適当な発現ベクターに挿入して、 注目されるポリペプチドをin vitroで生産する。 本発明はまた、本発明の癌抑制遺伝子候補によりコードされるポリペプチドを 産生する方法であって、 a)所望により、本発明に記載の1対のプライマーを用いて、所望のポリペプ チドをコードする核酸を増幅させ(SDA、TAS、3SR NASBA、TM Aなどによる); b)注目される核酸を適当なベクターに挿入し; c)工程b)のベクターで予め形質転換またはトランスフェクトした細胞宿主 を適当な培地で培養し; d)このようにしてコンディショニングした培地を回収するするか、または例 えば超音波処理もしくは浸透圧ショックにより細胞宿主を溶解させ; e)この培地から、または得られた宿主細胞溶解物のペレットから、かくして 産生された注目されるポリペプチドを分離または精製し; f)産生された注目されるポリペプチドを同定する 工程を含んでなる方法に関する。 本発明の癌抑制遺伝子候補に対してコードされるポリペプチドは、当業者に十 分公知の慣例のタンパク質配列決定法を用いてそれらの配列を決定する前に、選 択された癌抑制遺伝子候補のポリペプチドのうち1つのポリペプチドに向けられ たポリクロナールまたはモノクロナール抗体を予め固定化したイムノアフィニテ ィクロマトグラフィーカラムに結合させることにより同定され得る。 前記の抗体は、Kohler and Milstein in 1975に記載される技術に従い、ハイ ブリドーマから作製してもよい。ポリクロナール抗体は哺乳類、特にマウス、ウ サギの、免疫アジュバントと組み合わせた本発明のペプチドで免疫化することに より、さらにまた抗原として使用されたペプチドを予め固定化したアフィニティ クロマトグラフィーカラムで、免疫動物の血清に含まれる特異的抗体を精製する ことにより作製してもよい。イムノアフィニティクロマトグラフィーカラムを調 製し、使用するための技術は、例えばBird et al.in 1984により記載されてい る。 癌抑制遺伝子候補にコードされるタンパク質に対して生成した抗体を調製する ための好ましい具体例は本明細書に記載されている。便宜には、注目されるポリ ペプチドを、Gregory and Milstein in 1967によって記載されるベンジジン−ビ ス−ジアゾ化法を用いて卵アルブミン(Calbiochem)に結合させる。なお、1分子 の卵白アルブミンに対するポリペプチド残基の比率は5:1とする。初回の注入 の2ヶ月後、結合したポリペプチド0.5mgを動物に注入し、2回目の注入後 2および4ヶ月の間に同ポリペプチド0.5mgの3回目の注入を行う。抗血清 は結合ポリペプチドの3回目の注入の後、2および4週の間に回収する。所望に より、前記のアフィニティクロマトグラフィーカラムで精製する。注入は複数箇 所の皮内注入が好ましく、一般に10箇所で注入を行う。 本発明のポリペプチドはまた、化学合成の慣例法により、均質な溶液中でまた は固相のいずれかで調製され得る。かかる化学的ポリペプチド合成技術の例示的 具体例としては、それはHoubenweyl in 1974により記載される均質溶液法が挙げ られる。 本発明の発現ベクターで使用される好適なプロモーター領域は、異種遺伝子が 発現される必要がある細胞宿主を考慮して選択する。 細菌プロモーターはLacI、LacZ、T3またはT7バクテリオファージ RNAポリメラーゼプロモーター、ポリヘドリンプロモーター、またはバキュロ ウイルス由来のp10タンパク質プロモーター(Kit Novagen)(Smith et al.,19 83;O'Reilly et al.,1992)、ラムダPRプロモーター、またはtrcプロモーター が好ましい。 真核生物宿主の異種遺伝子の発現のための好ましいプロモーターには、CMV 早期プロモーター、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼプロモーター、SV 40由来の早期または後期プロモーター、あるレトロウイルスのLTR領域、ま たマウスメタロチオネインIプロモーターがある。 前記のプロモーターの中から所定のプロモーターを選択することは、遺伝子工 学技術分野におけるその知識、またSambrook et al.in 1989の著述、またはFull er et al.in 1996により記載される手法を指針に、十分に当業者の能力の範囲 内にある。 一般に本発明に従い使用される好適な発現ベクターとしては、プラスミド、フ ァージ、コスミドまたはファージミドが挙げられる。 前記の癌抑制遺伝子候補によりコードされるタンパク質またはそれらのペプチ ド断片の発現のための好適な発現ベクターには、昆虫細胞および昆虫細胞系統で 増殖させ得るバキュロウイルスベクターがある。特に好適な宿主ベクター系とし ては、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodopttera frugiperda)由来のSF9細胞 系統(ATCC N°CRL 1711)をトランスフェクトするため使用されるpVL1392 /1393バキュロウイルス転移ベクター(Pharmigen)がある。 バキュロウイルス発現系において前記の癌抑制遺伝子候補によりコードされる タンパク質またはそれらのペプチド断片の発現のための他の好適な発現ベクター としては、pUC8主鎖のpol遺伝子の特異的発現エレメントを含む多数のク ローニング部位(MCS)を有するバキュロウイルス発現ベクターであるプラス ミドがある。これらのプラスミドは2つのサブグループに分けられ、すなわち一 方はメリチン遺伝子のシグナル配列とのN末端融合の構築が可能なベクターpV LMelMyc-(Chai et al.,1993;Vlasak et al.,1983)であり、他方はpol およびc−Mycタグの最初の12のアミノ酸とのN末端融合が可能なベクター pVLPolMyc-である。発現させるべき遺伝子はMCS中へクローン化で き、その結果、ベクターによりコードされるmel−mycまたはpol−my cのいずれかとのN末端融合が生じる。マウス異種タンパク質(5HT5Aセロト ニン受容体)を発現するかかる多用途ベクターの使用例は、特にLenhardt et al .in 1996により記載されている。 前記の工程を実施するための好適なもう1つのベクターは、ワクシニアウイル スベクターである。この特殊な具体例では、トランスフェクションおよび培養工 程にBSC−40またはLoVoを使用する。 他の特定の発現ベクターとしては以下のものがある: a)細菌ベクター:pBs、phagescript、PsiX174、pB1 uescript SK、pNH8a、pNH16a、pHN18a、pNH4 6a(総てStratageneによって市販されている);pTrc99A、pKK22 3−3、pDR540,pRITS(総てPharmaciaによって市販されている) バキュロウイルス導入ベクターpVL1392/1393(Pharmingen);pQE −30(QIAexpress)。 b)真核細胞ベクター:pWLneo、pSV2cat、pOG44、pXT1 、pSG(総てStratageneによって市販されている);pSVK3、pBPV、 pMSG、pSVL(総てPharmaciaによって市販されている)。 前記の総てのベクターは、本発明の癌抑制遺伝子候補を発現させるために、細 胞宿主を形質転換またはトランスフェクトするのに有用である。 本発明の細胞宿主は、そのゲノムまたは遺伝学的背景(染色体、プラスミドを 含む)が、本発明の異種ポリヌクレオチド遺伝子配列により改変されることを特 徴とする。 本発明の発現ベクターの受容体として用いられる好適な細胞宿主としては、以 下のものがある: a)原核細胞:大腸菌(Escherichia coli)株(すなわち、DH5−α株)また は枯草菌(Bacillus subtilus) b)真核細胞宿主:HeLa細胞(ATCCN°CCL2;N°CCL2.1; N°CCL2.2)、Cv1細胞(ATCCN°CCL70)、COS細胞(A TCCN°CRL1650;N°CRL1651)、Sf−9細胞(ATCCN °CRL1711) 本発明の組換えタンパク質、ペプチドまたは多量体ペプチドの精製は、ニッケ ルまたは銅アフィニティークロマトグラフィーカラムを通すことにより実行して よい。ニッケルクロマトグラフィーカラムはNi−NTA樹脂を含有してよい(P orath et al.,1975)。 本発明の遺伝子工学法により製造されたペプチドは、本発明の、癌抑制遺伝子 候補のタンパク質産物に向けられるポリクローナルまたはモノクローナル抗体を 予め固定化したイムノアフィニティークロマトグラフィーカラムへの結合により 同定すればよい。 以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、その範囲は実施例に記 載されている特定の具体例にいかなるようにも限定されるものではない。実施例 1.材料および方法 A.患者およびDNAの調製 生まれが地理学的に異なる、外科手術を受けた経験のある患者から、120の 一次HCCおよび隣接する非癌性肝臓組織を得た。凍結した組織を粉砕し、高分 子量のゲノムDNAを前記の方法で単離した(Nagai et al.,1994)。B型肝炎ウ イルス(HBV)の組み込みは、32P−標識HBV DNAプローブを用いるサ ザンブロッティングにより調べた。HBsAgの存在は、標準固相ラジオイムノ アッセイ(Abbott Laboratories)を用いて分析した。血清抗−HCV Abは、酵 素結合免イムノソルベントアッセイにより測定した。TNM分類法を適用して各 腫瘍の腫瘍段階を決定した(Hennanek and Sobin,1987)。B.マイクロサテライト反復増幅解析 Genethonヒト遺伝子連鎖地図1993−1994(Gyapay et al.,19 94)のコレクション由来の「パネルAマーカー」として設計された、195の選 択されたプライマー対を用いるPCR法により、合計120のHCCをLOHに ついてアッセイした。増幅、ゲル分析および(CA)nオリゴプローブとのハイ ブリダイゼーションの各工程は、(Vignal et al.,1993)に記載された大スケール のプロトコールに従って行った。PCRは、50ngのゲノムDNA、50pm olの各プライマー、1.25mMのdNTPs、1単位のTaqポリメラーゼ 、および1倍のPCR緩衝液(10mM Tris(pH9)、50mM KCl 、1.5mM MgCl2、0.1% Triton X−100および0.01% ゼラチン)を含有する最終反応容量50ml中で行った。種々の試薬の分配は、 Hamilton ATおよびロボット装置(Hamilton,Switzerland)を用いて行 った。96℃にて5分の最初の変性工程直後にのみTaqポリメラーゼを加える 「ホットスタート」法を用いた。増幅は変性(94℃、40秒間)およびアニー リング(55℃、30秒間)の35回周期で行った。最終サイクルの最後に、完 全に伸長させるために、サンプルを72℃で2分間インキュベートした。同じ個 体由来の6〜8個の異なるマーカー産物が共沈した。次いで各共沈物を5mlの TEに溶解し、10mlの脱イオン化ホルムアミドおよびキシレンシアノールブ ルーと50%スクロースを含有する2.5mlの装填混合物と混合した。サンプ ルは、8.3M尿素中の6%ポリアクリルアミドゲル上で分離し、次いで、キャ ピラリーブロッティングによりナイロン膜上に転移させた。それらの産物のサ イズが重複しない2〜3の異なるプライマーを選択し、32P末端標識し、ハイブ リダイゼーションプローブとして使用した。膜は、標準法を用いて、42℃にて 連続的に数回ハイブリダイズさせた。C.異型接合性の欠失の評価 腫瘍DNAから増幅させた各対立遺伝子のシグナル強度を、その相当する正常 対DNAと比較した。2人の校閲者(H.N.,P.P.)がオートラジオグラムを視覚的 に評価した。A1を表す代表的なオートラジオグラムの例を図1に例示する。A 1症例の大多数において、発明者らは、対立遺伝子欠失と一致する、正常DNA と比較して腫瘍DNA中の1つの対立遺伝子の強度の顕著な低下を観察した(図 1A)。腫瘍DNAトラック上の1つのバンドの完全な欠失は、まれにしか観察 されず、腫瘍サンプル中の正常、非実質細胞の存在を反映しているようである。 腫瘍DNA中のマイクロサテライト異常のさほど重要でない形態は、1つの対立 遺伝子のシグナル強度の増加に伴う対立遺伝子不均衡であり(図1A,T97) 、対立遺伝子の獲得により説明されるであろう(Kuroki et al.,1995;Yeh et al. ,1994)。腫瘍の量と、PCR反応のための匹敵する正常DNAの量は、反復PC R実験により調整されたが、発明者らはHCC中の所定の対立遺伝子の用量変化 をしっかりと排除できなかったのは、対立遺伝子欠失のためではなくむしろ遺伝 子増幅のためであった。このようにして発明者らは、対立遺伝子の増減を含む対 立遺伝子不均衡を異型接合性の低下(LOH)を象徴する値としてみなした。同 型接合性は、「情報が得られない」ものとした(図1B)。D.統計学的分析 臨床病理学的特性および観察されたLOH間の関係は、X2テストを用いて評 価した。統計学的有意性のレベルは、p<0.05とした。実施例1:HCCのアレロタイピング 発明者らは、120のHCCおよび隣接する非腫瘍性肝臓組織から単離したD NAを、対立遺伝子不均衡について調べた。血清試験により、B型肝炎ウイルス (HBV)マーカーについて試験した116人の患者のうち83人が、B型肝炎 表面抗原(HBsAg)に対して陽性であり、C型肝炎ウイルスマーカーについ て分析した42人の患者のうち、HBsAgに対してもまた陽性であった4人を 含む19人がHCV Ab陽性であった。HBV DNA組み込みが、33のHC Cサンプルにおいて認められた(HBsAg陽性患者のうちの31人、およびH BsAg陰性の患者のうち2人)。 対立遺伝子不均衡は、高多型性CAマイクロサテライトをフランクするプライ マー対を用いるPCRによりアッセイした。発明者らは、39の非−i型常染色 体腕をマッピングし、距離の総計が平均マーカー距離20cM(範囲、15〜2 0cM)に匹敵する171の間隔を含み、3432cMにわたる、195の代表 的マーカー(表1)パネルを選択した。マイクロサテライトマーカーの平均の同 型接合性は27%であり、文献中(Gyapay et al.,1994)のその値と類似している 。平均して、分析した120例のうち73例の腫瘍から情報が得られた。 情報が得られた腫瘍/正常ペアにおける腫瘍DNAと正常DNAとの間の相対 的な対立遺伝子強度比の相違を、異型接合性の欠失と評価した(材料および方法 参照)。LOHが影響する多数の染色体座は、分析したほとんどの腫瘍において 観察され、LOHを呈している遺伝子座数の1腫瘍あたりの平均数は12.8で あった(範囲、0〜39)。ただひ1つの腫瘍のみが、試験した195のマーカ ーに対していずれの遺伝学的変化も示さず、この症例においてはかなりの量の非 腫瘍性のDNAが、腫瘍DNAにおける対立遺伝子の変化を検出する能力を不明 瞭にしていることを示唆している。情報が得られる腫瘍におけるLOHの割合は 0〜42%であり、平均は12.1±8.4%であった(平均±SD)。LOH の有意な割合は、平均(背景)LOHの割合+SD(20%)以上の値となるよ うに任意に選択した。3つのマーカー、D2S294、D10S249およびD 2S171は、それぞれ70、79および95例の情報が得られるHCCのいず れにおいてもLOHを示さなかった。 26の明確な染色体領域に相当する総計33個のマーカーは、腫瘍の20%以 上においてLOHを検出した。その結果の要約は表2に示した。それらのうち、 LOHの最も高い割合は、染色体アーム上の特定の遺伝子座2q36−q37( 29%)、4q35(40%)、6q27(36%)、7p15(30%)、8 p23(42%)、13q12−q13(30〜32%)、16q23〜q24 (28%)および17p13(33%)において認められた。遺伝子座8p23 のD8S277において、97例の情報が得られるHCC中に頻度42%で検出 されたLOHが、発明者らの実験の中で最も頻度の高い遺伝学的変化に相当した 。発明者らの分析で影響を受けているのが見出された多くの染色体サブ領域が、 染色体アーム1p、4q、6q、8p、10q、13q、16p、16q、17 pについてはすでに報告されている(Buetow et al.,1989;De Souza et al.,19 95;Emi et al.,1992;Fujimori et al.,1991;Tsuda et al.,1990;Wang and Rogle r,1988;Yeh et al.,1994)。これに加えて、発明者らは、以前の実験においては 全く関与が認められなかった遺伝子座中、とりわけ1q22〜q23、1q42 〜43、2q36〜q37、7p15〜p22、7q33〜q34、8q23〜 q24、9p12〜p14、9q34〜qter、14q32および17q24 〜qterにLOHを検出した。発明者らはLOHに関して2つの非連続的に有 意な領域を1p上(1p21〜p22およびp36)、および3つの領域を4q 上(4q12〜q21、q22〜q24およびq35)に明らかにすることがで き、これは、染色体1および4上のいくつかの遺伝子が遺伝学的変化の標的であ る可能性を示している。8pおよび13q上では3つの隣接するマーカーの広領 域にわたり、高頻度のLOHが見出され(8pに対してはD8S277、D8S 550およびD8S282、13qに対してはD13S171、13S284、 およびD13S170)これは、これらの領域に1以上の腫瘍サプレッサー遺伝 子が存在することを示唆している。実施例2:個々の被験者における遺伝学的変化染色体腕および臨床病理学的デー マーカーは、各染色体上に等しい間隔で分布するため、染色体腕あたりのLO H頻度を分析した(表3)。染色体腕あたりのLOHの平均の割合は24.9± 127%であった。分析した合計120例のHCC中119例が、それぞれの3 9染色体アーム上の少なくとも1つの遺伝子座から情報が得られた。情報が得ら れたHCCの症例では、対立遺伝子の変化は25%(平均)以上の頻度で、1p (51%)、1q(44%)、2q(35%)、4q(52%)、6q(48% )、7p(28%)、7q(28%)、8p(40%)、8q(26%)、9p (33%)、9q(43%)、10q(25%)、13q(53%)、14q( 34%)、16p(36%)、16p(36%)、16q(31%)、17p( 34%)および17q(31%)上で起こっている。最も高頻度のマイクロサテ ライト異常(□31%)を示す染色体腕のうち、8つ(1p、4q、6q、8p 、13q16p、16qおよび17p)が従前の実験と関係があり(Buetow et a l.,1989;Emi et al.,1992;Fujimori et al.,1991;Tsuda et al.,1990;Wang and Rogler,1988;Yeh et al.,1994)、6つ(1q、2q、9p、9q、14qおよび 17q)が、癌抑制遺伝子の探索のための新しい候補として現れた。 次いで発明者らは、腫瘍の臨床病理学的特性とLOHの間の、可能性のある相 関の探索に興味を持った。それぞれの被験者の遺伝子座においてLOHを示すサ ンプル数が制限されているため、また、利用可能な臨床病理学的パラメーターが 統計学的に有意な値を与えることができないため、発明者らは各染色体腕のレベ ルの分析を行った。その結果は表3に要約されている。いずれの染色体腕変化も 、肝炎ウイルス感染のための陽性血清マーカー(HBsAgまたはHCVAb) と 統計学的に相関しなかった。LOHと腫瘍段階との間の関係は、初期腫瘍の数が 少ないために統計学的に評価することはできなかったが、T1と分類された小さ なHCCにおいて、1pおよび1q上のLOHの頻度が高い傾向が認められた( それぞれ10個の腫瘍中、4個および5個)。これに対し、この腫瘍段階におい て、2q、6q、7q、8q、14q、16pqおよび17pq上にはほとんど 変化は認められなかった(10個の腫瘍中、0ないし1個)。16pおよび17 pにおける対立遺伝子不均衡は、非侵襲性腫瘍に比べて、肝臓内への転移または 門脈静脈に浸潤する侵襲性の腫瘍において、それぞれ比較的高頻度に出現した( 3−4/12vs1/13腫瘍)。隣接する非腫瘍性肝臓対応物の病理学的情報 は、66例から得られ、そのうち35例は慢性肝炎(CH)、残り(31例)は 肝硬変の病変を示した。特定の染色体腕上の遺伝学的変化と、非腫瘍性肝臓の病 理学的病期との間に、統計学的に有意な相関は認められなかった。しかしながら 、1pおよび13q、1pおよび8pならびに6qおよび13qの双方の腕にお いて付随して認められたLOH頻度は、LCよりもCHから生じる腫瘍において 有意に高かった(前記の組み合わせにおいて、LOHを示すCH vs LCにお けるHCCの数は、それぞれ16 vs.5、16 vs.6、および14 vs .3であった)。 結論 ヒトの癌においてしばしば検出される遺伝学的変化には、染色体腕の領域の増 幅が含まれる。これまでに、肝臓癌において8q24の広い領域(Fujiwara et a l.,1993)、および染色体1pの遠位部(Kuroki et al.,1995;Yeh et al.,1994)の 増殖が報告されている。発明者らの最近のHCCの比較ゲノムハイブリダイゼー ション分析より、8q22−24、1q11−25において、またより狭い範囲 では、染色体6pおよび17q(Marchio et al.,1997)染色体領域のコピー数の 頻度が増していることがわかった。これらのデータより、本試験において記載さ れた遺伝子座における対立遺伝子の不均衡は、領域的増幅も包含することを示唆 する。 明細書の教示から明らかなように、本発明は1つのまたはいくつかの前記の詳 細な具体例の範囲に制限されるものではない;本発明はまた、本発明の主題また は範囲から逸脱することなく、当業者により実施できるあらゆる変法もまた包含 する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 マリー−アニック、ブュアンディア フランス国ル、ペルー、アンパス、エミー リ、3ビス (72)発明者 パスカル、ピノー フランス国パリ、リュ、ド、ポマール、11 (72)発明者 永井 尚生 神奈川県川崎市中原区小杉町1―396 (72)発明者 ピエール、ティオレ フランス国パリ、リュ、ド、ラ、グランシ エール、16

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 患者における肝細胞癌の予兆診断用組成物であって、以下の染色体領域 : a)1p; b)1q; c)2q; d)4q; e)6p; f)7p; g)7q; h)8p; i)8q; j)9p; k)9q; l)10q; m)13q; n)14q; o)16p; p)16q; q)17p; r)17q に位置するDNAマーカーを含有する少なくとも1つのポリヌクレオチドを含ん でなり、そのDNAマーカーが、注目されるこれらの特異的染色体座にわたって いる公的に入手可能なマーカー、すなわち 1)マイクロサテライトDNAマーカー; 2)RFLPマーカー; 3)VNTRマーカー(種々の数のタンデム反復); 4)STSマーカー(単純タグ配列); 5)EST(発現配列タグ) のいずれかである組成物。 2. 好ましくは以下の染色体領域: a)8p23; b)8p122; c)8p21; d)1p35〜p36; e)16q23〜q24; f)14q32および g)4q35〜q36 に位置するDNAマーカーを含有する少なくとも1つのポリヌクレオチドを含ん でなり、そのDNAマーカーが、注目されるこれらの特異的染色体座にわたって いる公的に入手可能なマーカー、すなわち 1)マイクロサテライトDNAマーカー; 2)RFLPマーカー; 3)VNTRマーカー(種々の数のタンデム反復); 4)STSマーカー(単純タグ配列); 5)EST(発現配列タグ) のいずれかである、請求項1記載の組成物。 3. 以下のマイクロサテライトDNAマーカー: a)1p:D1S243、D1S214、D1S228、D1S199、D1 S255、D1S476、D1S198、D1S207、D1S248、D1S 436、D1S2644、D1S2843、D1S478、D1S2828、D 1S2902、D1S247およびD1S255; b)1q:D1S305、D1S196、D1S238、D1S249、D1 S229、D1S235およびD1S304; c)2q:D2S113、D2S347、D2S151、D2S294、D2 S311、D2S143、D2S159、D2S336およびD2S125; d)4q:D4S392、D4S1538、D4S1578、D4S406、 D4S430、D4S422、D4S1548、D4S1597、D4S408 、D4S426、D4S3042、D4S2922、D4S400、D4S39 5、D4S1534、D4S2929、D4S2460、D4S1572、D4 S1564、D4S2945、D4S1616、D4S2937、D4S161 3およびD4S427; e)6p:D6S344、D6S305、D6S260、D6S276、D6 S426およびD6S294; f)7p:D7S531、D7S664、D7S493、D7S484、およ びD7S519; g)7q:D7S669、D7S657、D7S486、D7S495、D7 S483およびD7S550; h)8p:D8S277、D8S550、D8S282、D8S283および D8S260、D8S264、D8S262、D8S1140、D8S518、 D8S1099、D8S1742、D8S561、D8S1819、D8S14 69、D8S1721、D8S552、D8S1731、D8S261、D8S 1752、D8S1771、D8S1820、D8S532及びD8S285; i)8q:D8S273、D8S281、D8S263およびD8S272; j)9p:D9S288、D9S156、D9S161およびD9S273; k)9q:D9S153、D9S277、D9S195、D9S164および D9S158; l)10q:D10S589、D10S185、D10S597、D10S5 87およびD10S212; m)13q:D13S175、D13S171、D13S284、D13S1 70、D13S158、D13S285およびD13S286; n)14q:D14S261、D14S75、D14S63、D14S74、 D14S292、D14S81、D14S280、D14S995、D14S9 77、D14S1062およびD14S265; o)16p:D16S521、D16S407、D16S420およびD16 S411; p)16q:D16S408、D16S518、D16S422およびD16 S520、D16S507、D16S3098、D16S505、D16S51 1、D16S422およびD16S402; q)17p:D17S926、D17S786およびD17S953; r)17q:D17S933、D17S787、D17S949、D17S7 84およびD17S928 の中から選択される少なくとも1つのマイクロサテライトDNAマーカーのプラ イマー対からなる2つの核酸分子のうち少なくとも1つのポリヌクレオチドを含 んでなる、請求項1または2記載の診断用組成物。 4. 群a)〜r)のマイクロサテライトDNAマーカーのプライマー対から なる核酸分子の中から選択される少なくとも2つのポリヌクレオチド(ただし、 このポリヌクレオチドはこのDNAマーカーを定義する同じプライマー対に属さ ない)を含んでなる、請求項3記載の診断用組成物。 5. ポリヌクレオチド分子が、以下のマイクロサテライトDNAマーカー: D4S426、D6S305、D7S493、D8S277、D13S284 およびD17S786 の中から選択される、請求項3または4記載の診断用組成物。 6. ポリヌクレオチド分子が、以下のマイクロサテライトDNAマーカー: D1S238、D1S235、D2S336、D2S125、D7S495、 D8S263、D9S273、D9S164、D14S81およびD17S92 8 の中から選択される、請求項3または4記載の診断用組成物。 7. ポリヌクレオチド分子が、以下のマイクロサテライトDNAマーカー: D8S1742、D8S1469、D8S1731、D8S1752、D1S 2644、D1S199、D1S478、D1S2828、D1S247、D1 S255、D14S280、D14S995、D14S81、D14S265、 D14S292、D16S3098、D16S505、D16S511、D16 S422およびD16S402 の中から選択される、請求項3または4記載の診断用組成物。 8. ポリヌクレオチド分子が、以下のマイクロサテライトDNAマーカー: D8S264、D8S262、D8S518、D8S1742、D8S277 D8S1819、D8S1721、D8S1731およびD8S1752 の中から選択される、請求項3または4記載の診断用組成物。 9. ポリヌクレオチド分子が、以下のマイクロサテライトDNAマーカー: D1S436、D1S2644、D1S199、D1S478、D1S282 8、D1S247およびD1S255 の中から選択される、請求項3または4記載の診断用組成物。 10. ポリヌクレオチド分子が、以下のマイクロサテライトDNAマーカー : D16S3098、D16S505、D16S511、D16S422および D16S402 の中から選択される、請求項3または4記載の診断用組成物。 11. ポリヌクレオチド分子が、以下のマイクロサテライトDNAマーカー : D14S280、D14S81、D14S955、D14S292およびD1 4S265 の中から選択される、請求項3または4記載の診断用組成物。 12. ポリヌクレオチド分子が、以下のマイクロサテライトDNAマーカー : D4S400、D4S1572、D4S1564、D4S2945、D4S1 616およびD4S2937 の中から選択される、請求項3または4記載の診断用組成物。 13. DNAマーカーの中から選択されるポリヌクレオチド分子が、以下の 組み合わせ: a)D1S243、D1S214、D1S228、D1S199、D1S25 5、D1S476、D1S198、D1S207およびD1S248の中から選 択される1pのマーカーと、D13S175、D13S171、D13S284 、D13S170、D13S158、D13S285およびD13S286の中 から選択される13qのマーカー; b)D1S243、D1S214、D1S228、D1S199、D1S21 55、D1S476、D1S198、D1S207およびD1S248の中から 選択される1pのマーカーと、D8S264、D8S262、D8S518、D D8S1742、D8S277、D8S1819、D8S1721、D8S17 31およびD8S1752の中から選択される8pのマーカー; c)D6S462、D6S261、D6S292、D6S290、D6S30 5、D6S446およびD6S281の中から選択される6qのマーカーと、D 13S175、D13S171、D13S284、D13S170、D13S1 58、D13S285およびD13S286の中から選択される13qのマーカ ー で使用される、請求項3または4記載の診断用組成物。 14. DNAマーカーの中から選択されるポリヌクレオチド分子が、以下の 組み合わせ: a)D16S521、D16S407、D16S420およびD16S411 の中から選択される16pのマイクロサテライトマーカー; b)D17S926、D17S786およびD17S953の中から選択され る17qのマイクロサテライトマーカー で使用される、請求項3または4記載の診断用組成物。 15. 患者におけるHCCの予後の診断方法であって、以下の工程: a)第1の組織サンプルが患者の肝臓とは異なる器官に由来し、第2の組織サ ンプルが患者由来の2種の組織サンプルが肝臓に由来する、2種のサンプルを患 者から調製し、 b)所望により、ハイブリダイゼーションに利用可能な、工程a)の組織サン プルの細胞に含まれるゲノムDNAを作製し; c)請求項3の群a)〜r)のマーカーの中から選択される少なくとも1つの マイクロサテライトDNAマーカー、またはそのDNAマーカーの組み合わせを 含有する組成物を用いて工程b)のゲノムDNAを増幅させ; d)得られた工程c)の、第1および第2の組織サンプルにそれぞれ由来する 増幅産物を比較することにより現れた変化を検出する ことを含んでなる方法。 16. 工程d)において、オリゴヌクレオチドプローブ(検出手段)として 、工程c)の増幅手段からなるプライマーを少なくとも1つ使用し、このプロー ブが選択的に放射性または非放射性標識されている、請求項14記載の診断方法 。 17. 患者におけるHCCの発生に関与する癌抑制遺伝子のポリヌクレオチ ドを単離および/または精製する方法であって、 a)選択されたYACクローンからコスミドライブラリーを構築し; b)プローブである標識したヒトゲノムDNAとのコロニーハイブリダイゼー ションによって注目されるコスミドクローンを選択し; c)精製、選択されたコスミドクローンのコンティグマップを作製し; d)エキソン増幅反応を実施し、好適なベクターに逆転写RNA断片を挿入し ; e)工程d)の挿入配列を好適なヒトcDNAライブラリー、好ましくは胎児 または成人肝臓cDNAライブラリーとハイブリダイズさせ、ハイブリダイズ可 能なcDNAクローンを選択し; f)選択されたcDNAクローン挿入配列の配列を決定し、コーディング配列 を同定する 工程を含んでなる方法。 18. 請求項17の方法によって得られる、患者におけるHCCの発生に関 与する癌抑制遺伝子のポリヌクレオチド。 19. 制限酵素切断または化学合成によって得られる、請求項18記載のポ リヌクレオチド断片。 20. オリゴヌクレオチドプローブまたはプライマーである、請求項18ま たは19のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド断片 。 21. 請求項20記載の1対のポリヌクレオチドを用いて増幅されたポリヌ クレオチド。 22. DNAまたはcDNAを含有する生物学的サンプルにおいて、HCC に関連する遺伝子異常を検出する方法であって、 a)生物学的サンプルを、請求項20記載の1対のオリゴヌクレオチド断片と 接触させ(ここで、サンプル中に含まれるDNAは所望により、ハイブリダイゼ ーションに利用できるよう作製されており、かつ、これらオリゴヌクレオチド断 片と生物学的サンプル中に含まれるDNAとのハイブリダイゼーションが可能な 条件下である); b)DNAを増幅させ; c)増幅産物を明らかにし; d)所望により適当な方法で突然変異または欠失を検出する 工程を含んでなる方法。 23. 工程d)が以下: 一本鎖多形現象、バンドシフトアッセイ、制限部位解析、対立遺伝子特異的オ リゴヌクレオチドアッセイ、対立遺伝子特異的プライミング、ヘテロ二重らせん 解析、変性ゲル電気泳動、化学切断法、蛍光活性化誤対合解析 の中から選択される検出方法である、請求項22記載の方法。 24. DNAまたはcDNAを含有する生物学的サンプルにおいて、HCC に関連する遺伝子異常を検出する方法であって、 a)生物学的サンプルを、請求項20記載のオリゴヌクレオチドプローブと接 触させ(ここで、サンプル中に含まれるDNAは所望により、ハイブリダイゼー ションに利用できるよう作製されており、かつこれらプライマーと生物学的サン プル中に含まれるDNAとのハイブリダイゼーションが可能な条件下である); b)オリゴヌクレオチドプローブと生物学的サンプル中に含まれるDNAとの 間で形成されたハイブリッドを検出する 工程を含んでなる方法。 25. DNAを含有する生物学的サンプルにおいて、HCCに関連する遺伝 子異常を検出する方法であって、 a)支持体に固定化された請求項20記載の第1のオリゴヌクレオチドプロー ブを、サンプル中に含まれる、所望によりハイブリダイゼーションに利用できる よう作製されたDNAと、これらプライマーと生物学的サンプル中に含まれるD NAとのハイブリダイゼーションが可能な条件下で接触させ; b)所望により固定化された第1のオリゴヌクレオチドプローブとハイブリダ イズしなかった生物学的サンプルに含まれるDNAを除去した後に、固定化され た第1のオリゴヌクレオチドプローブと生物学的サンプル中に含まれるDNAと の間で形成されたハイブリッドを、請求項20記載の第2のオリゴヌクレオチド プローブと接触させ、この第2のプローブが、固定化された第1のプローブがハ イブリダイズする配列とは異なる配列とハイブリダイズする 工程を含んでなる方法。 26. 試験すべき二本鎖DNA調製物に含まれるヌクレオチド配列における 塩基置換または塩基欠失の存在および位置を検出することにより、DNAを含有 する生物学的サンプルにおいてHCCに関連する遺伝子異常を検出する方法であ って、 a)一方の腕に試験すべきDNAのヌクレオチド配列を、他方の腕に既知配列 のDNAのヌクレオチド配列を含む領域を特異的に増幅させ(ここで、既知配列 のDNAは本発明のポリヌクレオチドである)、 b)これらのDNAのセンスおよびアンチセンス鎖を異なる蛍光またはその他 の非同位元素標識で標識し; c)増幅させたDNAをハイブリダイズさせ; d)既知配列のDNAと試験すべきDNAとの間で形成されたヘテロ二重らせ んを、DNA鎖の誤対合部分の切断によって明らかにする 工程を含んでなる方法。 27. 生物学的サンプルにおいて、HCCに関連する遺伝子異常を検出する 診断キットであって、以下の構成要素: a)請求項20記載の1対のオリゴヌクレオチド; b)DNA増幅を行うために必要な試薬; c)増幅した断片の長さを決定するか、または突然変異を検出することを可能 にする成分 を含んでなるキット。 28. 請求項18記載の癌抑制遺伝子候補によりコードされるポリペプチド を産生する方法であって、 a)所望により、本発明に記載の1対のプライマーを用いて、所望のポリペプ チドをコードする核酸を増幅させ(SDA、TAS、3SR NASBA、TM Aなどによる); b)注目される核酸を適当なベクターに挿入し; c)工程b)のベクターで予め形質転換またはトランスフェクトした細胞宿主 を適当な培地で培養し; d)このようにしてコンディショニングした培地を回収するするか、または例 えば超音波処理もしくは浸透圧ショックにより細胞宿主を溶解させ; e)この培地から、または得られた宿主細胞溶解物のペレットから、かくして 産生された注目されるポリペプチドを分離または精製し; f)産生された注目されるポリペプチドを同定する 工程を含んでなる方法。
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