JP2002112787A - ヒトLhx4遺伝子 - Google Patents

ヒトLhx4遺伝子

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JP2002112787A
JP2002112787A JP2000308272A JP2000308272A JP2002112787A JP 2002112787 A JP2002112787 A JP 2002112787A JP 2000308272 A JP2000308272 A JP 2000308272A JP 2000308272 A JP2000308272 A JP 2000308272A JP 2002112787 A JP2002112787 A JP 2002112787A
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human
lhx4
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acid sequence
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Norihiko Kawamata
紀彦 川又
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】t(1;14)(q25;q32)における接
合的な配列をクローニングする。 【解決手段】ヒトt(1;14)白血病で生じるt
(1;14)(q25;q32)染色体転座現象で再構
成された核酸配列またはその相補鎖からなる遺伝子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、白血病、急性リン
パ性白血病などの診断に有用な14番染色体(1番染色
体)に存在し、急性リンパ性白血病患者に見出された
1;14染色体転座部位に存在する新規な遺伝子、およ
び該遺伝子の利用に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒト癌細胞において、転写の調節異常に
よって癌遺伝子がしばしば過剰発現される。癌遺伝子の
遺伝子増幅は過剰発現を誘導する。この癌遺伝子の増幅
は、二重のメヌエット、相同染色領域、および核型のタ
イピングにおける重複として通常検出される。遺伝子の
転座もまた、癌遺伝子の調節領域が、他の遺伝子のエン
ハンサー・エレメントを含んでいる調節領域によって発
現制御されることによる癌遺伝子過剰発現の原因とされ
ている。例えば、c−mycは、染色体8q24に存在
しているもっとも有名な癌遺伝子のひとつである。
【0003】c−myc遺伝子の増幅はしばしば、白血
病発症(leukomogenesis)においても検出されている。こ
の増幅はt(8;14)(q24;q32)バーキット型
のB細胞リンパ腫においてしばしば検出され、この転座
は、8q32上に存在しているc−myc遺伝子および
免疫グロブリンの重鎖(IgH)遺伝子と関連している。こ
の転座において、c−myc遺伝子の調節領域がc−m
yc遺伝子の過剰発現を誘導するリンパ腫の腫瘍形成と
関連しているIgH遺伝子のエンハンサー領域によって
置換されている。Dup(1q23−25)がB細胞型の
急性リンパ性白血病においてしばしば検出されている。
またこの領域に新規な癌遺伝子が存在しているかもしれ
ず、遺伝子の過剰発現は白血病発症と関連しているかも
しれない。
【0004】一方、1970年代より白血病を中心とし
た特異的染色体異常の研究が進められ、急性白血病の多
くに特異的な染色体転座が報告され、これら転座の検出
は診断的意義と予後判定および治療の選択に重要な分子
遺伝学的な情報が提供されている(大屋敷一馬, 医学の
あゆみ, Vol.190,No.5, 437-440 (1999))。B細胞性腫
瘍でしばしば免疫グロブリン遺伝子と癌遺伝子が再構成
を生じ、癌遺伝子が活性化することが報告されている
が、本発明者は、急性リンパ性白血病患者でt(1;1
4)(q25;q32)を有する症例について免疫グロ
ブリン遺伝子と再構成する新規な癌遺伝子を検索するた
めに再構成配列のクローニングを行なった。その結果、
LIM類似ドメインを有し、免疫グロブリン重鎖遺伝子
のあるエンハンサー領域に対して融合しているひとつの
ヒトLhx4を見出した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、造血
系の悪性腫瘍において検出される染色体の異常を染色体
転座に基づくものであり、そしてこの転座領域の染色体
1q21−25は血液の腫瘍において、転移、重複を含
む染色体異常がしばしば検出されるホット・スポットで
ある。この知見は、癌遺伝子が染色体1q21−25に
局在していることを提言している。本発明者は、t
(1;14)(q25;q32)における接合的な配列
をクローニングすることにある。本発明の目的はLIM
類似ドメイン遺伝子として、免疫グロブリン重鎖遺伝子
のあるエンハンサー領域に対して融合しているひとつの
ヒトLhx4遺伝子を同定し、該遺伝子の提供すること
にある。本発明によれば、ヒトt(1;14)(q2
5;q32)におけるB細胞型の急性リンパ性白血病の
診断のためのプローブまたはプライマーが提供でき、こ
れらを利用した急性リンパ性白血病の診断方法が提供さ
れる。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明によれば、
ヒトt(1;14)白血病で生じるt(1;14)(q
25;q32)染色体転座現象で再構成された核酸配列
またはその相補鎖からなる遺伝子が提供される。さらに
本発明によれば、染色体1q23−25上のヒトLhx
4遺伝子をコードする核酸配列またはその相補鎖核酸配
列からなる遺伝子が提供される。 本発明によれば、以
下の(a)または(b)のポリヌクレオチドを含む遺伝
子:(a)配列番号:1で示されるアミノ酸配列をコー
ドするポリヌクレオチドまたはそれらの相補鎖、(b)
配列番号:1で示されるアミノ酸配列を含むポリペプチ
ドをコードするポリヌクレオチドに対して少なくとも9
5%の相同性を持っているポリヌクレオチド、また本発
明によれば、以下の(a)または(b)のポリペプチド
をコードする遺伝子: (a)配列番号:1で示されるアミノ酸配列からなるポ
リペプチド、(b)上記(a)のアミノ酸配列において
1もしくは複数のアミノ酸が欠失、置換または付加され
たアミノ酸配列からなり且つ転写活性またはチロシンキ
ナーゼ活性を有するポリペプチド、あるいは以下の
(a)または(b)のいずれかのポリヌクレオチドから
なる遺伝子: (a)配列番号:2で示される塩基配列又はそれらの相
補鎖、(b)上記(a)の塩基配列からなるポリヌクレ
オチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
るポリヌクレオチドが提供される。より詳しくは、配列
番号:2で示される塩基配列である請求項5に記載の遺
伝子が提供される。さらに本発明によれば、配列番号:
1で示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコー
ドする遺伝子、前記のアミノ酸配列を有する遺伝子発現
産物および前記遺伝子を有する組換え体発現ベクター、
組換え体発現ベクターを有する宿主細胞、前記の遺伝子
を発現するクローン化cDNAおよびその断片、その誘
導体およびその相同物が提供される。
【0007】また、本発明によれば、ヒトt(1;1
4)白血病で生じるt(1;14)(q25;q32)
染色体転座現象で再構成された核酸配列またはその相補
鎖核酸配列とハイブリダイズするプローブまたはプライ
マーまたは、染色体1q23−25上のヒトLhx4遺
伝子をコードする核酸配列またはその相補鎖核酸配列と
ハイブリダイズするプローブまたはプライマーが提供さ
れる。
【0008】さらに本発明によれば、配列番号:2で示
される塩基配列の少なくとも15ないし30の連続する
ヌクレオチド配列を含んでいるオリゴヌクレオチドが提
供される。
【0009】配列番号:2で示される塩基配列に対する
アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドであって、少なくと
も15ないし30の連続するヌクレオチド配列を含んで
いるアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドが提供される。
【0010】また、本発明によれば、前記のアンチセン
ス鎖オリゴヌクレオチドを有効成分として含有する遺伝
子治療剤およびアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドを有
効成分として含有する抗白血病剤が提供される。
【0011】本発明によれば、配列番号:2で示される
塩基配列からなるオリゴヌクレオチド・プローブまたは
プライマー、前記配列番号:2で示される塩基配列の少
なくとも15ないし30の連続するヌクレオチド配列を
含んでいるオリゴヌクレオチド・プローブまたはプライ
マーが提供される。
【0012】また、本発明によれば、以下の(a)また
は(b)の蛋白質であるLhx4蛋白質: (a)配列番号:1で示されるアミノ酸配列からなる蛋
白質、(b)上記(a)のアミノ酸配列において1もし
くは複数のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミ
ノ酸配列からなり且つ抗転写活性または抗チロシンキナ
ーゼ活性を有する蛋白質が提供される。さらに本発明に
よれば、発現可能な配列番号:1で示されるアミノ酸配
列からなる蛋白質またはその部分断片が提供される。
【0013】さらに本発明によれば、前記記載の遺伝子
の発現産物、Lhx4蛋白質またはそれらの部分断片に
結合性を有する抗体が提供される。
【0014】本発明によれば、Lhx4遺伝子または遺
伝子発現産物を用いる相互作用物のスクリーニング方法
が提供される。
【0015】また、前記配列番号:2で示される塩基配
列またはそれらの相補鎖のオリゴヌクレオチド・プロー
ブまたはプライマー、前記配列番号:2で示される塩基
配列の少なくとも15ないし30の連続するヌクレオチ
ド配列を含んでいるオリゴヌクレオチド・プローブまた
はプライマーを用いて検体中のヒトt(1;14)白血
病のDNA配列を検出する急性リンパ性白血病の診断方
法が提供される。
【0016】さらに本発明によれば、配列番号10〜1
3のいずれかの配列を有するλ1212ファージクロー
ンをプローブまたはプライマーとして用いて検体中のヒ
トt(1;14)(q25;q32)のDNA配列を検
出する急性リンパ性白血病の診断方法が提供される。
【0017】本発明によれば、14q32の酵母人工染
色体をプローブまたはプライマーとして用いることを特
徴とする検体中のヒトt(1;14)(q25;q3
2)のDNA配列を検出する急性リンパ性白血病の診断
方法が提供される。
【0018】また、本発明によれば、前記抗体またはそ
の断片を用いることを特徴とする検体中のヒトt(1;
14)(q25;q32)の結合物を検出する急性リン
パ性白血病の診断方法が提供される。
【0019】さらに本発明によれば、配列番号:2で示
される塩基配列と同じ染色体の局在にマップされる核酸
分子が提供される。
【0020】以下、本明細書におけるアミノ酸、ペプチ
ド、塩基配列、核酸等の略号による表示は、IUPAC
−IUBの規定〔IUPAC-IUB Communication on Biologi
calNomenclature, Eur. J. Biochem., 138: 9 (198
4)〕、「塩基配列又はアミノ酸配列を含む明細書等の作
成のためのガイドライン」(特許庁編)及び当該分野に
おける慣用記号に従うものとする。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明遺伝子の一具体例として
は、後述する実施例に示される「ヒトLhx4」と名付
けられたPCR産物のDNA配列から演繹されるものを
挙げることができる。その塩基配列は、配列番号:2に
示されるとおりである。
【0022】該遺伝子は、配列番号:1に示される39
0アミノ酸配列からなる新規な急性リンパ性白血病特異
的蛋白質(ヒトLhx4蛋白質という)をコードするヒ
トcDNAであり、全長1173塩基からなっている。
また、本発明遺伝子はLIM類似ドメイン蛋白質遺伝子
のひとつとして位置づけられた。
【0023】本発明遺伝子ヒトLhx4でコードされる
ヒトLhx4蛋白質は、インターネット上に公開されて
いるヒト・ゲノム・プロジェクト(HGP)からヒト・ゲノム
の配列がデータ・ベースとして掲載されているので、こ
のデータベースとFASTAプログラム(Person W.
R., et al., Proc. Natl. Acad. Sci., USA., 85, 2444
-2448 (1988))を利用した検索の結果、ブレークポイン
トから約17kb離れたESTと一致した。さらにその
ESTはマウスのLhx4cDNA配列に対して高い相
同性を有することが確認された。
【0024】しかして、上記マウスのLhx4は、転写
因子またはニュウロジネシスに対して重要な因子とさ
れ、Lhx4に対する欠損マウスは、神経の奇形を持っ
ていることが報告されている。マウスは早期に死亡する
為、これらのマウスのリンパ球の機能に関する研究報告
はなかった。Lhx4欠損マウスにおける造血の損傷に
ついての報告もされていない。
【0025】本発明者が急性リンパ製白血病患者より見
出した、t(1;14)(q25;q32)の接合部のIg
Hおよび新規なLIM類似ドメイン遺伝子との融合配列
からなる染色体転座は、この領域では見出されておら
ず、急性リンパ性白血病に対して特異的であることを見
い出した。 t(1;14)(q25;q32)は、血液の
悪性腫瘍において検出されるまれな染色体の異常であ
り、そしてこの転座はIgHおよび新規遺伝子と関連し
ているかもしれず、この遺伝子の過剰発現は、白血病発
症(leukomogenesis)と関連していると思われる。
【0026】本発明遺伝子は、急性リンパ性白血病患者
に特異的に発現し、成人組織において発現が見られず、
さらに末梢血細胞や正常ボランティアからの骨髄幹細胞
において検出されないことから、急性リンパ性白血病の
マーカーとして有用と考えられる。
【0027】本発明ヒトLhx4遺伝子の全部または一
部は、これらを利用する発現産物に結合する抗体の製
造、並びに抗体を用いる急性リンパ性白血病の診断に利
用できる。
【0028】更に本発明遺伝子の提供によれば、遺伝子
配列のアンチセンス断片、これらの発現産物の利用によ
れば、上記急性リンパ性白血病の発症の抑制や病態の進
展を抑制することもできる。
【0029】本発明ヒトLhx4遺伝子の全部または一
部をプローブとして利用でき、該利用により、急性リン
パ性白血病の診断並びに診断用キットの一部として利用
することができる。
【0030】本発明ヒトLhx4遺伝子またはその発現
産物を用いるヒトLhx4蛋白相互作用物のスクリーニ
ングに利用することも出来る。
【0031】また、本発明ヒトLhx4遺伝子の全部ま
たは一部の塩基配列またはそれらの相補鎖のオリゴヌク
レオチド・プローブまたはプライマーは、これを用いて
ヒトt(1;14)白血病を検出する急性リンパ性白血
病診断方法に適応することができる。
【0032】さらに本発明の遺伝子の近傍の核酸配列の
一部配列を有するλ1212ファージクローンを用いれ
ば、このクローンが有する配列をプローブまたはプライ
マーとして用いる血液などの検体中のヒトt(1;1
4)(q25;q32)白血病のDNA配列を検出する
急性リンパ性白血病の診断方法に適応することができ
る。
【0033】本発明によれば、14q32の酵母人工染
色体(YAC)をプローブまたはプライマーとして用い、
検体中のヒトt(1;14)(q25;q32)のDN
A配列を検出する急性リンパ性白血病の診断方法が提供
できる。
【0034】本発明において遺伝子は、2本鎖DNAの
みならず、それを構成するセンス鎖およびアンチセンス
鎖といった各1本鎖DNAを包含する趣旨であり、また
その長さに何ら制限されるものではない。従って、本発
明の遺伝子(DNA)には、特に言及しない限り、ヒトゲ
ノムDNAを含む2本鎖DNA、およびcDNAを含む
1本鎖DNA(センス鎖)、並びに該センス鎖と相補的
な配列を有する1本鎖DNA(アンチセンス鎖)、およ
びそれらの断片のいずれもが含まれる。
【0035】本発明において遺伝子(DNA)とは、調節
領域、コード領域、エキソン、イントロンを含む。ポリ
ヌクレオチドは、RNA、DNAを例示できる。DNA
は、cDNA、ゲノムDNA、合成DNAを含み、特定
アミノ酸配列を有するポリペプチドは、その断片、同族
体、誘導体、変異体を含む。
【0036】変異体は、天然に存在するアレル変異体、
天然に存在しない変異体、欠失、置換、付加、および挿
入された変異体;コードされるポリペプチドの機能を実
質的に変更しないポリヌクレオチド配列を意味する。
【0037】尚、これらアミノ酸配列の改変(変異等)
は、天然において、例えば突然変異や翻訳後の修飾等に
より生じることもあるが、天然由来の遺伝子(例えば本
発明の具体例遺伝子)を利用して人為的にこれを行なう
こともできる。
【0038】上記ポリペプチドは、アレル体、ホモロ
グ、天然の変異体で少なくとも70%、好ましくは、80
%、より好ましくは95%、さらにより好ましくは97%相
同なものを含む。
【0039】変異体DNAは、アミノ酸置換についてサ
イレントまたは保存変異体を意味し、塩基配列によって
コードされるアミノ酸残基が変らない塩基配列の変異の
ことを表わす。
【0040】保存的なアミノ酸置換の数は以下に示され
ているとおりである: 元のアミノ酸残基 保存的な置換アミノ酸残基 Ala Ser Arg Lys Asn Gln, His Asp Glu Cys Ser Gln Asn Glu Asp Gly Pro His Asn またはGln Ile Leu またはVal Leu Ile またはVal Lys Arg, Aln, または Glu Met Leu またはIle Phe Met, Leu またはTyr Ser Thr Thr Ser Trp Tyr Tyr Trp またはPhe Val Ile またはLeu 加えて、一般にシスティン残基をコードする1またはそ
れ以上のコドンは特定のポリペプチドのジスフィド結合
に影響を与えるのでシステイン残基の欠失の結果、置換
することが可能である。
【0041】置換基を選択することによって作られる機
能における実質的な変化は、上記アミノ酸のリストに記
載されたものより少し保存性が劣っている:例えば、 a)置換基の領域におけるポリペプチドの構造背景、 b)標的部位のポリペプチドの電荷または疎水性、 c)アミノ酸側鎖の大きさ(容積)。
【0042】蛋白の特性に最も大きな変化を生み出すと
一般的に期待される置換は、以下のものである: a) 親水性残基、例えばセリルまたはスレオニルが疎水
性残基例えば、ロイシル、イソロイシル、ファニルアラ
ニル、ヴァリル、またはアラニイルに対して置換され
る、 b) システィンまたはプロリンは、いかなる他の残基に
対して置換される、 c) 電気的陽性側鎖を有している残基、例えば、リジ
ル、アルギニリル、ヒスチジルは電気的陰性残基、例え
ば、グルタミルまたはアスパルチルによって置換される
が、 d) 非常に大きな側鎖を有している残基、例えば、フェ
ニルアラニンはグリシンのような側鎖を有しないものと
置換できる。
【0043】以上のとおり、本発明遺伝子ヒトLhx4
及びその遺伝子産物の提供は、急性リンパ性白血病の解
明、把握、診断、予防および治療等に極めて有用な情報
乃至手段を与える。また、本発明遺伝子は、上記急性リ
ンパ性白血病の処置に利用される本発明遺伝子の発現を
抑制する新規薬剤の開発の上でも好適に利用できる。更
に、個体或は組織における本発明遺伝子の発現またはそ
の産物の発現の検出や、該遺伝子の変異(欠失や点変
異)乃至発現異常の検出は、上記急性リンパ性白血病の
解明や診断において好適に利用できる。
【0044】本発明遺伝子は、具体的には配列番号:1
で示されるアミノ酸配列をコードする配列番号:2の塩
基配列を含む遺伝子、または該配列番号:2で示される
塩基配列の全部またはその相補鎖を含むポリヌクレオチ
ドからなる遺伝子として示されるが、特にこれらに限定
されることなく、例えば、上記特定のアミノ酸配列にお
いて一定の改変を有するアミノ酸配列をコードする遺伝
子や、上記特定のアミノ酸配列や塩基配列と一定の相同
性を有する遺伝子であることができる。前記特定のアミ
ノ酸配列や塩基配列と一定の相同性は、例えば少なくと
も70%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%
以上、更に好ましくは97%以上の相同性を有するもので
あり、これら相同物を含む。
【0045】本発明遺伝子改変体については、配列番
号:1に示されるアミノ酸配列において1または複数の
アミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列
(改変されたアミノ酸配列)をコードする塩基配列を含
む遺伝子もまた包含される。 ここで、「アミノ酸の欠
失、置換又は付加」の程度及びそれらの位置などは、改
変された蛋白質が、配列番号:1で示されるアミノ酸配
列からなる蛋白質(ヒトLhx4蛋白)と同様の機能を
有する同効物であれば特に制限されない。ここで「同様
の機能」とは、チロシンキナーゼ活性、または転写活性
を例示できる。また、上記改変されたアミノ酸配列をコ
ードする遺伝子は、その利用によって改変前のアミノ酸
配列をコードする本発明ヒトLhx4遺伝子が検出でき
るものであってもよい。
【0046】さらに本発明のDNA分子としては、例えば
配列番号:1に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質を
コードする塩基配列を有するヒトLhx4遺伝子を挙げ
ることができるが、特にこれに限定されることなく、当
該ヒトLhx4遺伝子の相同物も包含される。
【0047】ここで「ヒトLhx4遺伝子の相同物」と
は、本発明ヒトLhx4遺伝子(またはその遺伝子産
物)と配列相同性を有し、上記構造的特徴ならびに遺伝
子発現パターンにおける共通性、および上記したような
その生物学的機能の類似性によりひとつの遺伝子ファミ
リーと認識される一連の関連遺伝子を意味し、ヒトLh
x4遺伝子のアレル体(対立遺伝子)も当然含まれる。
【0048】上記アミノ酸配列の改変(変異)などは、
天然において、例えば突然変異や翻訳後の修飾などによ
り生じることもあるが、天然由来の遺伝子(例えば本発
明のヒトLhx4またはヒトLhx4遺伝子)に基づい
て人為的に改変することもできる。本発明は、このよう
な改変・変異の原因及び手段などを問わず、上記特性を
有する全ての改変遺伝子を包含する。本発明の遺伝子
(ヒトLhx4遺伝子)には、配列番号:1で示される
アミノ酸配列を有する蛋白質をコードする遺伝子の対立
遺伝子(アレル体)もまた包含される。
【0049】上記の人為的手段としては、例えばサイト
スペシフィック・ミュータゲネシス〔Methods in Enzym
ology, 154, 350, 367-382 (1987);同 100, 468 (198
3);Nucleic Acids Res., 12, 9441 (1984);続生化学
実験講座1「遺伝子研究法II」、日本生化学会編, p105
(1986)〕などの遺伝子工学的手法、リン酸トリエステ
ル法やリン酸アミダイト法などの化学合成手段〔J. Am.
Chem. Soc., 89, 4801(1967);同 91, 3350 (1969);S
cience, 150, 178 (1968);Tetrahedron Lett.,22, 185
9 (1981);同 24, 245 (1983)〕およびそれらの組合せ
方法などが例示できる。より具体的には、DNAの合成
は、ホスホルアミダイト法またはトリエステル法による
化学合成によることもでき、市販されている自動オリゴ
ヌクレオチド合成装置上で行うこともできる。二本鎖断
片は、相補鎖を合成し、適当な条件下で該鎖を共にアニ
ーリングさせるか、または適当なプライマー配列と共に
DNAポリメラーゼを用い相補鎖を付加するかによっ
て、化学合成した一本鎖生成物から得ることもできる。
【0050】本発明遺伝子の具体的態様としては、配列
番号:2に示される塩基配列を有する遺伝子を例示でき
る。この塩基配列中のコーディング領域は、配列番号:
1に示されるアミノ酸配列の各アミノ酸残基を示すコド
ンの一つの組合せ例を示している。本発明の遺伝子は、
かかる特定の塩基配列を有する遺伝子に限らず、各アミ
ノ酸残基に対して任意のコドンを組合せ、選択した塩基
配列を有することも可能である。コドンの選択は、常法
に従うことができ、例えば利用する宿主のコドン使用頻
度などを考慮することができる〔Ncleic Acids Res.,
9, 43 (1981)〕。
【0051】また、本発明DNA分子は、前記のとお
り、配列番号:2に示される塩基配列と一定の相同性を
有する塩基配列からなるものも包含する。
【0052】上記相同性は、配列番号:2に示される塩
基配列と少なくとも70%の同一性、好ましくは少なく
とも90%の同一性、より好ましくは少なくとも95%
の同一性、最も好ましくは98%の同一性を有するポリ
ヌクレオチドおよびその相補鎖ポリヌクレオチドを言
う。
【0053】かかる遺伝子としては、例えば、0.1%
SDSを含む0.2×SSC中50℃又は0.1%SD
Sを含む1×SSC中60℃のストリンジェントな条件
下で配列番号:2に示される塩基配列からなるDNAと
ハイブリダイズする塩基配列を有する遺伝子を例示する
こともできる。
【0054】本発明遺伝子は、本発明により開示された
本発明遺伝子の具体例についての配列情報に基づいて、
一般的遺伝子工学的手法により容易に製造・取得するこ
とができる〔Molecular Cloning 2d Ed, Cold Spring H
arbor Lab. Press (1989);続生化学実験講座「遺伝子
研究法I、II、III」、日本生化学会編(1986)など参
照〕。
【0055】具体的には、本発明遺伝子が発現される適
当な起源より、常法に従ってcDNAライブラリーを調
製し、該ライブラリーから、本発明遺伝子に特有の適当
なプローブや抗体を用いて所望クローンを選択すること
により実施できる〔Proc. Natl. Acad. Sci., USA., 7
8, 6613 (1981);Science, 222, 778 (1983)など〕。
【0056】上記において、cDNAの起源としては、
本発明の遺伝子を発現する各種の細胞、組織やこれらに
由来する培養細胞などが例示される。また、これらから
の全RNAの分離、mRNAの分離や精製、cDNAの
取得とそのクローニングなどはいずれも常法に従って実
施することができる。また、cDNAライブラリーは市
販されてもおり、本発明においてはそれらcDNAライ
ブラリー、例えばクローンテック社(Clontech Lab.In
c.)などより市販されている各種cDNAライブラリー
などを用いることもできる。
【0057】本発明の遺伝子をcDNAライブラリーか
らスクリーニングする方法も、特に制限されず、通常の
方法に従うことができる。
【0058】具体的には、例えばcDNAによって産生
される蛋白質に対して、該蛋白質の特異抗体を使用した
免疫的スクリーニングにより対応するcDNAクローン
を選択する方法、目的のDNA配列に選択的に結合する
プローブを用いたプラークハイブリダイゼーション、コ
ロニーハイブリダイゼーションなどやこれらの組合せな
どを例示できる。
【0059】ここで用いられるプローブとしては、本発
明の遺伝子の塩基配列に関する情報をもとにして化学合
成されたDNAなどが一般的に使用できるが、既に取得
された本発明遺伝子やその断片も良好に利用できる。ま
た、本発明遺伝子の塩基配列情報に基づき設定したセン
ス・プライマー、アンチセンス・プライマーをスクリー
ニング用プローブとして用いることもできる。
【0060】前記プローブとして用いられるヌクレオチ
ド配列は、配列番号2に対応する部分ヌクレオチド配列
であって、少なくとも15個の連続した塩基、好ましく
は20個の連続した塩基、より好ましくは30個の連続
した塩基、最も好ましくは50個の連続した塩基を有す
るものも含まれる、或いは前記配列を有する陽性クロー
ンそれ自体をプローブとして用いることも出来る。
【0061】本発明の遺伝子の取得に際しては、PCR
法〔Science, 230, 1350 (1985)〕によるDNA/RN
A増幅法が好適に利用できる。殊に、ライブラリーから
全長のcDNAが得られ難いような場合には、RACE
法〔Rapid amplification ofcDNA ends;実験医学、12
(6), 35 (1994)〕、特に5'-RACE法〔M.A. Frohma
n, et al., Proc. Natl. acad. Sci., USA., 8, 8998
(1988)〕などの採用が好適である。
【0062】かかるPCR法の採用に際して使用される
プライマーは、本発明によって明らかにされた本発明の
遺伝子の配列情報に基づいて適宜設定でき、これは常法
に従って合成できる。尚、増幅させたDNA/RNA断
片の単離精製は、前記の通り常法に従うことができ、例
えばゲル電気泳動法などによればよい。
【0063】また、上記で得られる本発明遺伝子或いは
各種DNA断片は、常法、例えばジデオキシ法〔Proc.
Natl. Acad. Sci., USA., 74, 5463 (1977)〕やマキサ
ム−ギルバート法〔Methods in Enzymology, 65, 499
(1980)〕などに従って、また簡便には市販のシークエン
スキットなどを用いて、その塩基配列を決定することが
できる。
【0064】このようにして得られる本発明の遺伝子に
よれば、例えば該遺伝子の一部または全部の塩基配列を
利用することにより、個体もしくは各種組織における本
発明遺伝子の発現の有無を特異的に検出することができ
る。
【0065】かかる検出は常法に従って行うことがで
き、例えばRT−PCR〔Reverse Transcribed-Polyme
rase Chain Reaction; E.S. Kawasaki, et al., amplif
ication of RNA. In PCR Protocol, a guide to method
s and applications, AcademicPress,Inc.,SanDiego, 2
1-27 (1991)〕によるRNA増幅やノーザンブロッティ
ング解析〔Molecular Cloning, Cold Spring Harbor La
b. (1989)〕、in situRT−PCR〔Nucl. Acids Re
s., 21, 3159-3166 (1993)〕や in situ ハイブリダイ
ゼーション、サザンブロッティング[Sambrook, J., et
al., MolecularCloning a Laboratory Manual. Cold S
pring Harbor Laboratory Press:NY.(1989)]、蛍光in
situ ハイブリダイゼーション[FISH:Takahashi
E., et al.,Hum. Genet., 86, 1416 (1990))]、競合的
ゲノミック・ハイブリダイゼーション[Comparative Ge
nomic Hybridization:CGH:Kallioneimi, A.,et a
l., Science, 258,818-821(1992)]、[Spectral karyo
typing: SKY: Rowley,J.D.,et al.,Blood, 93, 2038
-2042(1999)]、酵母人工染色体(YAC)ベクターの
クローンをプローブとする方法[Lengauer, C., et a
l., Cancer Res., 52, 2590-2596(1992)]などを利用し
た細胞レベルでの測定、NASBA法〔Nucleic acid s
equence-based amplification, Nature, 350, 91-92 (1
991)〕及びその他の各種方法を挙げることができる。好
適には、RT−PCRによる検出法を挙げることができ
る。
【0066】尚、ここでPCR法を採用する場合に用い
られるプライマーとしては、本発明遺伝子のみを特異的
に増幅できる該遺伝子特有のものである限り、特に制限
はなく、本発明遺伝子の配列情報に基いて適宜設定する
ことができる。通常プライマーとして10〜35程度の
ヌクレオチド、好ましくは15〜30ヌクレオチド程度
の長さを有する本発明遺伝子の部分配列を有するものを
挙げることができる。
【0067】このように、本発明の遺伝子には、本発明
にかかるヒトLhx4遺伝子を検出するための特異プラ
イマーおよび/または特異プローブとして使用されるD
NA断片もまた包含される。
【0068】また、本発明においては、検出される所望
の遺伝子が染色体転座のあるものを検出することから、
検出用の遺伝子特異的プローブを例えば、本発明の急性
リンパ性白血病の診断において、急性リンパ性白血病患
者が有する染色体転座においては、Lhx4接合IgH
の融合が認められることから、例えば第一の検出用遺伝
子特異的プローブをLhx4のDNA配列特異的配列を
認識するプローブとして、第二の検出用遺伝子特異的プ
ローブをIgHのDNA配列特異的配列を認識するプロ
ーブとして、第一ステップ、続いて第二のステップのプ
ローブとの結合反応物を検出する方法の為にそれぞれの
プローブを作成することが好ましく例示される。あるい
は、Lhx4とIgHの接合部分のDNA配列を検出で
きることが可能なように特異プライマーおよび/または
特異プローブを作成することも例示できる。
【0069】当該DNA断片は、配列番号:2に示され
る塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下
でハイブリダイズすることを特徴とするDNAとして規
定することできる。ここで、ストリンジェントな条件と
しては、プライマーまたはプローブとして用いられる通
常の条件を挙げることができ、特に制限はされないが、
例えば、前述するような0.1%SDSを含む0.2×
SSC中50℃の条件又は0.1%SDSを含む1×S
SC中60℃の条件を例示することができる。
【0070】本発明のヒトLhx4遺伝子によれば、通
常の遺伝子工学的手法を用いることにより、該遺伝子産
物(ヒトLhx4蛋白)またはこれを含む蛋白質を容易
に大量に、安定して製造することができる。
【0071】従って本発明は、本発明遺伝子によってコ
ードされるヒトLhx4蛋白質などの蛋白質を始め、該
蛋白質の製造のための、例えば本発明遺伝子を含有する
ベクター、該ベクターによって形質転換された宿主細
胞、該宿主細胞を培養して上記本発明蛋白質を製造する
方法などをも提供するものである。
【0072】本発明蛋白質の具体的態様としては、配列
番号:1に示すアミノ酸配列を有するヒトLhx4蛋白
質を挙げることができるが、本発明蛋白質には、該ヒト
Lhx4蛋白質のみならず、その相同物も包含される。
該相同物としては、上記配列番号:1に示されるアミノ
酸配列において、1もしくは数個乃至複数のアミノ酸が
欠失、置換または付加されたアミノ酸配列を有し、且つ
前記ヒトLhx4活性を有する蛋白質を挙げることがで
きる。ここで前記ヒトLhx4活性とは、チロシンキナ
ーゼ活性、または転写活性を例示できる。具体的には、
前記ヒトLhx4遺伝子の相同物(アレル体を含むヒト
Lhx4同等遺伝子)の遺伝子産物を挙げることができ
る。
【0073】本発明の蛋白質は、本発明により提供され
るヒトLhx4遺伝子の配列情報に基づいて、常法の遺
伝子組換え技術〔例えば、Science, 224, 1431 (1984)
; Biochem. Biophys. Res. Comm., 130, 692 (1985);
Proc. Natl. Acad. Sci., USA., 80, 5990 (1983)など
参照〕に従って調製することができる。
【0074】該蛋白質の製造は、より詳細には、該所望
の蛋白をコードする遺伝子が宿主細胞中で発現できる組
換えDNA(発現ベクター)を作成し、これを宿主細胞
に導入して形質転換し、該形質転換体を培養し、次いで
得られる培養物から回収することにより行なわれる。
【0075】上記宿主細胞としては、原核生物及び真核
生物のいずれも用いることができ、例えば原核生物の宿
主としては、大腸菌や枯草菌といった一般的に用いられ
るものが広く挙げられ、好適には大腸菌、とりわけエシ
ェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12株に含まれ
るものを例示できる。また、真核生物の宿主細胞には、
脊椎動物、酵母等の細胞が含まれ、前者としては、例え
ばサルの細胞であるCOS細胞〔Cell, 23: 175 (198
1)〕やチャイニーズ・ハムスター卵巣細胞及びそのジヒ
ドロ葉酸レダクターゼ欠損株〔Proc. Natl. Acad. Sc
i., USA., 77: 4216(1980)〕などが、後者としては、サ
ッカロミセス属酵母細胞などが好適に用いられる。勿
論、これらに限定される訳ではない。
【0076】原核生物細胞を宿主とする場合は、該宿主
細胞中で複製可能なベクターを用いて、このベクター中
に本発明遺伝子が発現できるように該遺伝子の上流にプ
ロモーターおよびSD(シャイン・アンド・ダルガー
ノ)塩基配列、さらに蛋白合成開始に必要な開始コドン
(例えばATG)を付与した発現プラスミドを好適に利
用できる。上記ベクターとしては、一般に大腸菌由来の
プラスミド、例えばpBR322、pBR325、pU
C12、pUC13などがよく用いられるが、これらに
限定されず既知の各種のベクターを利用することができ
る。大腸菌を利用した発現系に利用される上記ベクター
の市販品としては、例えばpGEX−4T(Amersham P
harmacia Biotech社)、pMAL−C2,pMAl−P
2(New England Biolabs社)、pET21,pET2
1/lacq(Invitrogen社)、pBAD/His(In
vitrogen社)等を例示できる。
【0077】脊椎動物細胞を宿主とする場合の発現ベク
ターとしては、通常、発現しようとする本発明遺伝子の
上流に位置するプロモーター、RNAのスプライス部
位、ポリアデニル化部位および転写終了配列を保有する
ものが挙げられ、これはさらに必要により複製起点を有
していてもよい。該発現ベクターの例としては、具体的
には、例えばSV40の初期プロモーターを保有するp
SV2dhfr〔Mol. Cell.Biol., 1: 854 (1981)〕等が例
示できる。上記以外にも既知の各種の市販ベクターを用
いることができる。動物細胞を利用した発現系に利用さ
れるかかるベクターの市販品としては、例えばpEGF
P−N,pEGFP−C(Clontrech社)、pIND(I
nvitrogen社)、pcDNA3.1/His(Invitroge
n社)などの動物細胞用ベクターや、pFastBac
HT(GibciBRL社)、pAcGHLT(PharMin
gen社)、pAc5/V5−His,pMT/V5−H
is,pMT/Bip/V5−his(以上Invitrogen
社)などの昆虫細胞用ベクターなどが挙げられる。
【0078】また、酵母細胞を宿主とする場合の発現ベ
クターの具体例としては、例えば酸性ホスフアターゼ遺
伝子に対するプロモーターを有するpAM82〔Proc.
Natl. Acad. Sci., USA., 80: 1 (1983)〕などが例示で
きる。市販の酵母細胞用発現ベクターには、例えばpP
ICZ(Invitrogen社)、pPICZα(Invitrogen
社)なとが包含される。
【0079】プロモーターとしても特に限定なく、エッ
シェリヒア属菌を宿主とする場合は、例えばトリプトフ
ァン(Trp)プロモーター、lppプロモーター、lacプロモ
ーター、recAプロモーター、PL/PRプロモーターなどを
好ましく利用できる。宿主がバチルス属菌である場合
は、SP01プロモーター、SP02プロモーター、penPプロモ
ーターなどが好ましい。酵母を宿主とする場合のプロモ
ーターとしては、例えばpH05プロモーター、PGKプロモ
ーター、GAPプロモーター、ADHプロモーターなどを好適
に利用できる。また、動物細胞を宿主とする場合の好ま
しいプロモーターとしては、SV40由来のプロモータ
ー、レトロウイルスのプロモーター、メタロチオネイン
プロモーター、ヒートショックプロモーター、サイトメ
ガロウイルスプロモーター、SRαプロモーターなどを
例示できる。
【0080】尚、本発明遺伝子の発現ベクターとして
は、通常の融合蛋白発現ベクターも好ましく利用でき
る。該ベクターの具体例としては、グルタチオン−S−
トランスフェラーゼ(GST)との融合蛋白として発現
させるためのpGEX(Promega社)などを例示でき
る。
【0081】また、成熟ポリペプチドのコード配列が宿
主細胞からのポリペプチドの発現、分泌を助けるポリヌ
クレオチド配列としては、分泌配列、リーダ配列が例示
でき、細菌宿主に対して融合成熟ポリペプチドの精製に
使用されるマーカー配列(ヘキサヒスチジン・タグ、ヒス
チジン・タグ)、哺乳動物細胞の場合はヘマグルチニン(H
A)・タグを例示できる。
【0082】所望の組換えDNA(発現ベクター)の宿
主細胞への導入法およびこれによる形質転換法として
は、特に限定されず、一般的な各種方法を採用すること
ができる。
【0083】また得られる形質転換体は、常法に従い培
養でき、該培養により所望のように設計した遺伝子によ
りコードされる本発明の目的蛋白質が、形質転換体の細
胞内、細胞外または細胞膜上に発現、生産(蓄積、分
泌)される。
【0084】該培養に用いられる培地としては、採用し
た宿主細胞に応じて慣用される各種のものを適宜選択利
用でき、培養も宿主細胞の生育に適した条件下で実施で
きる。
【0085】かくして得られる本発明の組換え蛋白質
は、所望により、その物理的性質、化学的性質などを利
用した各種の分離操作〔「生化学データーブックII」、
1175-1259 頁、第1版第1刷、1980年 6月23日株式会社
東京化学同人発行;Biochemistry, 25(25), 8274 (198
6); Eur. J. Biochem., 163, 313 (1987)など参照〕に
より分離、精製できる。
【0086】該方法としては、具体的には、通常の再構
成処理、蛋白沈澱剤による処理(塩析法)、遠心分離、
浸透圧ショック法、超音波破砕、限外濾過、分子篩クロ
マトグラフィー(ゲル濾過)、吸着クロマトグラフィ
ー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロ
マトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)などの各種液体クロマトグラフィー、透析法、これ
らの組合せが例示でき、特に好ましい方法としては、本
発明蛋白質に対する特異的な抗体を結合させたカラムを
利用したアフィニティクロマトグラフィーなどを例示す
ることができる。
【0087】尚、本発明蛋白質をコードする所望の遺伝
子の設計に際しては、配列番号:2に示されるヒトLh
x4遺伝子の塩基配列を良好に利用することができる。
該遺伝子は、所望により、各アミノ酸残基を示すコドン
を適宜選択変更して利用することも可能である。
【0088】また、ヒトLhx4遺伝子でコードされる
アミノ酸配列において、その一部のアミノ酸残基ないし
はアミノ酸配列を置換、欠失、付加などにより改変する
場合には、例えばサイトスペシフィック・ミュータゲネ
シスなどの前記した各種方法により行うことができる。
【0089】本発明蛋白質は、また、配列番号:1に示
すアミノ酸配列に従って、一般的な化学合成法により製
造することができる。該方法には、通常の液相法及び固
相法によるペプチド合成法が包含される。
【0090】かかるペプチド合成法は、より詳しくは、
アミノ酸配列情報に基づいて、各アミノ酸を1個ずつ逐
次結合させて鎖を延長させていく所謂ステップワイズエ
ロンゲーション法と、アミノ酸数個からなるフラグメン
トを予め合成し、次いで各フラグメントをカップリング
反応させるフラグメント・コンデンセーション法とを包
含し、本発明蛋白質の合成は、そのいずれによってもよ
い。
【0091】上記ペプチド合成に採用される縮合法も、
常法に従うことができ、例えば、アジド法、混合酸無水
物法、DCC法、活性エステル法、酸化還元法、DPP
A(ジフェニルホスホリルアジド)法、DCC+添加物
(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシ
サクシンアミド、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−
2,3−ジカルボキシイミドなど)法、ウッドワード法
などを例示できる。
【0092】これら各方法に利用できる溶媒も、この種
ペプチド縮合反応に使用されることのよく知られている
一般的なものから適宜選択することができる。その例と
しては、例えばジメチルホルムアミド(DMF)、ジメ
チルスルホキシド(DMSO)、ヘキサホスホロアミ
ド、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸
エチルなど及びこれらの混合溶媒などを挙げることがで
きる。
【0093】尚、上記ペプチド合成反応に際して、反応
に関与しないアミノ酸乃至ペプチドにおけるカルボキシ
ル基は、一般にはエステル化により、例えばメチルエス
テル、エチルエステル、第3級ブチルエステルなどの低
級アルキルエステル、例えばベンジルエステル、p−メ
トキシベンジルエステル、p−ニトロベンジルエステル
などのアラルキルエステルなどとして保護することがで
きる。
【0094】また、側鎖に官能基を有するアミノ酸、例
えばチロシン残基の水酸基は、アセチル基、ベンジル
基、ベンジルオキシカルボニル基、第3級ブチル基など
で保護されてもよいが、必ずしもかかる保護を行う必要
はない。更に、例えばアルギニン残基のグアニジノ基
は、ニトロ基、トシル基、p−メトキシベンゼンスルホ
ニル基、メチレン−2−スルホニル基、ベンジルオキシ
カルボニル基、イソボルニルオキシカルボニル基、アダ
マンチルオキシカルボニル基などの適当な保護基により
保護することができる。
【0095】上記保護基を有するアミノ酸、ペプチド及
び最終的に得られる本発明蛋白質におけるこれら保護基
の脱保護反応もまた、慣用される方法、例えば接触還元
法や、液体アンモニア/ナトリウム、フッ化水素、臭化
水素、塩化水素、トリフルオロ酢酸、酢酸、蟻酸、メタ
ンスルホン酸などを用いる方法などに従って実施するこ
とができる。
【0096】かくして得られる本発明蛋白質は、前記し
た各種の方法、例えばイオン交換樹脂、分配クロマトグ
ラフィー、ゲルクロマトグラフィー、向流分配法などの
ペプチド化学の分野で汎用される方法に従って、適宜精
製を行うことができる。
【0097】本発明ヒトLhx4蛋白質は、その特異抗
体を作成するための免疫抗原としても好適に利用でき、
この抗原を利用することにより、所望の抗血清(ポリク
ローナル抗体)およびモノクローナル抗体を取得するこ
とができる。
【0098】該抗体の製造法自体は、当業者によく理解
されているところであり、本発明においてもこれら常法
に従うことができる〔例えば、続生化学実験講座「免疫
生化学研究法」、日本生化学会編(1986)など参照〕。
【0099】かくして得られる抗体は、例えばヒトLh
x4蛋白の精製およびその免疫学的手法による測定ない
しは識別などに有利に利用することができる。より具体
的には、本発明遺伝子の増幅および発現亢進がB細胞系
リンパ球において確認されていることから、該抗体を用
いて急性リンパ性白血病の診断または、急性リンパ性白
血病の病態の進展度の判定に利用することが出来る。
【0100】ここで使用される抗体は配列番号1で示さ
れるヒトLhx4の新規なアミノ酸配列に特異的な部位
を認識する抗体と免疫グロブリン重鎖部分のアミノ酸配
列の特異的な部位を認識する抗体をそれぞれ、生体材料
試料含有溶液と順じ反応させ、その両者の抗体と反応性
を有する生体材料試料をヒトLhx4抗体反応陽性試料
として急性リンパ性白血病患者がt(1;14)(q2
5;q32)染色体転座を有するかどうかを決定するこ
とができる。
【0101】あるいはヒトLhx4の新規なアミノ酸配
列部位と免疫グロブリン重鎖部分が隣接しあっているア
ミノ酸配列部位の両者のアミノ酸配列部位を含んでいる
配列を認識する抗体を作成することで、簡便に急性リン
パ性白血病のt(1;14)(q25;q32)染色体
転座を有するかどうかを検出することもできる。
【0102】また、後期実施例において示されるように
本発明遺伝子は、急性リンパ性白血病の末梢血やリンパ
球細胞において、その発現が認められることから、本発
明ヒトLhx4遺伝子のアンチセンス鎖の全部または一
部を包含する任意の遺伝子発現ベクターを作成し、該発
現ベクターをこれら細胞組織において強制的に発現を抑
制させることにより、細胞組織におけるチロシンキナー
ゼ活性を抑制するか、あるいは転写を抑制し、結果とし
て病気の発症または進展を抑制することが可能な抗腫瘍
活性を有する遺伝子治療用組成物として、或いは遺伝子
治療剤として利用できると考えられる。
【0103】また、本発明は、ヒトLhx4遺伝子のア
ンチセンス鎖の全部または一部を含有する遺伝子治療用
ベクターおよび該ベクターによりヒトLhx4遺伝子の
アンチセンス鎖を導入した細胞を有効成分とする医薬を
提供しようとするものである。
【0104】即ち、本発明によれば、配列番号:2で示
される塩基配列の全部または一部を含むヒトLhx4遺
伝子のアンチセンス鎖を含有する遺伝子治療用導入用ベ
クターおよび該ベクターによりヒトLhx4遺伝子のア
ンチセンス鎖を導入した細胞、並びに該遺伝子治療用導
入用ベクターおよび該ベクターによりヒトLhx4遺伝
子のアンチセンス鎖を導入した細胞を有効成分とする遺
伝子治療剤が提供される。
【0105】また、本発明によれば、配列番号:2で示
される塩基配列の全部または一部を含むヒトLhx4遺
伝子を含有する遺伝子治療用導入用ベクターおよび該ベ
クターによりヒトLhx4遺伝子のアンチセンス鎖を導
入した細胞を急性リンパ性白血病患者の細胞または患者
の末梢血組織部位に投与することによってこれら組織に
おけるチロシンキナーゼ活性を抑制するか、あるいは転
写を抑制し、白血病細胞の増殖抑制することを特徴とす
る癌治療剤を提供することができる。
【0106】更にまた、本発明によれば、上記ヒトLh
x4遺伝子のアンチセンス鎖を含有する遺伝子治療用導
入用のウイルスベクターを有効成分として含有する医
薬、特に、白血病を抑制するための処置等に使用される
当該医薬が提供される。
【0107】本発明の実施には特記しないかぎり、化
学、分子生物学、微生物学、組換えDNA、遺伝学、及
び免疫学の慣用的な方法を用いる。例えば、マニアティ
ス(Maniatis,T., et al., Molecular Cloning: a Labor
atory Manual (Cold Spring Harbor Laboratory, cold
Spring Harbor, New York (1982))、サムブルック(Samb
rook,J., et al.,Molecular Cloning a Laboratory Man
ual, 2nd Ed. (Cold Spring Harbor Laboratory, Cold
Spring Harbor, New York (1981))、アウスベル(Ausbe
l,F.M., et al., Current Protocols in Molecular Bio
logy,John Wiley and Sons, New York, New York,(199
2))、グローバー(Glover,D., DNA Cloning,Iand II(Oxf
ord Press)(1985))、アナンド(Anand,Techniques for t
he analysisof complex genomes,(Academic Press(199
2))、グスリー(Guthrie,g., et al.,Guide to Yeast Ge
netics and Molecular Biology, (Academic Press)(199
1))及びフィンク(Fink,et al., Hum. Gene Ther., 3, 1
1-19(1992)にある。
【0108】本発明の特定遺伝子、本発明においてはヒ
トLhx4遺伝子のアンチセンス鎖全部または一部を含
有する遺伝子治療用導入用ベクターまたは該ベクターに
よりヒトLhx4遺伝子のアンチセンス鎖を導入した細
胞は、本発明の別の発明である遺伝子治療に利用される
が、遺伝子治療は、例えばヒトLhx4遺伝子の発現が
認められている細胞にヒトLhx4の機能を抑制する機
能を提供する方法である。かかる機能を提供することに
より、受容細胞/標的細胞周囲の白血病の細胞が抑制さ
れる。ヒトLhx4遺伝子のアンチセンス鎖または該の
アンチセンス鎖遺伝子の一部は、当該のアンチセンス鎖
遺伝子を染色体外に維持するようなベクターを用いて細
胞に導入することができる。この場合において当該遺伝
子のアンチセンス鎖は、染色体外の位置から、細胞によ
る発現を抑制することが出来る。
【0109】遺伝子導入用のベクターは後述するように
当該分野において既に知られており、いずれの適当なベ
クターも使用できる。
【0110】標的細胞への導入は、エレクトロポレーシ
ョン、リン酸カルシウム共沈およびウイルス形質導入を
始めとする細胞にDNAを導入する導入方法も当該分野
において既に知られ、当業者であれば好適に選択でき
る。
【0111】前記如く、特定遺伝子のアンチセンス鎖ま
たは転写抑制遺伝子、およびその断片、本発明では、ヒ
トLhx4遺伝子のアンチセンス鎖またはその断片を用
いる場合には、白血病細胞組織またはその周囲組織にお
いてかかる遺伝子の発現産物量を抑制させるために、遺
伝子治療薬として用いることができる。かかる遺伝子治
療は、正常細胞に比して、ヒトLhx4遺伝子の発現ま
たはヒトLhx4ポリペプチドのレベルが高くなってい
るか、または増加している癌性または前癌性の細胞組織
の双方における使用に好適に用いられる。
【0112】また遺伝子解析は、例えば、患者のリンパ
球細胞からの細胞をまずヒトLhx4遺伝子の発現の有
無をPCR法のごとき方法によってヒトLhx4遺伝子
配列の一部を用いるプローブを作成し、DNAを増幅、
スクリーニングすることによってヒトLhx4遺伝子発
現の有無を確認する。また、上記遺伝子の変異、例えば
野生型遺伝子に対する遺伝子の挿入・欠失及び点突然変
異のごとき変異を直接的DNA配列決定、PCR−SS
CP(PCR−Single-Strand Conformation Polymorphi
sm : Proc. Natl. Acad. Sci., 86, 2766-2770(198
9))、ドットブロット分析、パルスフィールドゲル電気
泳動(PFGE)分析、サザンブロット分析、蛍光インサイチ
ュハイブリダイゼーション(FISH; Takahashi, E., et a
l., Hum. Gene., 86, 14-16 (1990))、一本鎖コンホメ
ーション(SSCA; Orita, et al., Proc.Natl. Acad. Sc
i., 86, 276-2770(1989): Orita, et al.,Genomics, 5,
874-879(1989))、RNAse保護アッセイ(Finkelstei
n,J., et al., Genomics, 7, 167-172(1990))、対立遺
伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO; Conner,B.J., et
al., Proc. Natl. Acad. Sci.,80, 278-282(1983))、対
立遺伝子特異的PCR(Rano,& Kidd,Nucl. Acids Res.,
17, 8392(1989))、等種々の診断方法によって確認する
ことができる。これらの診断は、ヒトまたは動物のいか
なる組織から得たDNAを試験することによって調べる
ことが出来る。好適な方法としては、血液を取り、血液
細胞からDNAを抽出するか、標的とする組織細胞から
直接得られた細胞からDNAを抽出する。
【0113】また、ヒトLhx4遺伝子の発現の有無を
蛋白についてのスクリーニングによっても検出できる。
例えば対象蛋白と免疫反応性のあるモノクローナル抗体
を用いて組織をスクリーニングすることが出来る。そし
て同種抗原の欠如は遺伝子の発現の欠失と変異を示すか
もしれない。なお、かかる免疫学的なアッセイは、ウェ
スタンブロット、免疫組織学的アッセイ及びELISA
アッセイなどの当該分野で知られた方法を好適に使用で
きる。
【0114】上記した遺伝子発現産物を検出する各方法
は、後述する遺伝子治療において所望の遺伝子導入効果
を調べる標的細胞または対象組織における遺伝子の発現
検出に応用適応できる。
【0115】次いで前記患者のリンパ球細胞からの細胞
に発現制御エレメントに連結したヒトLhx4遺伝子の
アンチセンス鎖のコピーを含み、かつ該リンパ球細胞内
で複製出来るウイルスまたはプラスミドベクターを作成
する。ここで適当なベクターは、米国特許第5,25
2,479号及びPCT国際公開WO93/07282
号に開示されたベクターを使用作成できる。次いで作成
されたヒトLhx4遺伝子のアンチセンス鎖またはその
断片を含むベクターをリンパ球細胞内に全身的に患者に
注射投与する。形質転換された遺伝子が各種標的化リン
パ性白血病細胞の染色体に恒久的に取り込まれない場合
には、該処理を定期的に繰り返すことができる。遺伝子
治療方法は、前記の如く遺伝子導入用の材料を直接体内
に投与するin vivo法と患者の体内より一旦標的とする
細胞を取り出して体外で遺伝子を導入して、其の後細胞
を体内に戻すex vivo法の両者の方法を適宜選択でき
る。
【0116】本発明の遺伝子を含有するベクターの製造
法において、導入されるアンチセンス遺伝子の全部また
は一部をその遺伝子の塩基配列情報に基づいて、一般的
遺伝子工学的手法により容易に製造・取得することがで
きる〔Molecular Cloning 2dEd, Cold Spring Harbor L
ab. Press (1989);続生化学実験講座「遺伝子研究法
I、II、III」、日本生化学会編(1986)等参照〕。
【0117】より具体的には、DNAの合成は、ホスホ
ルアミダイト法またはトリエステル法による化学合成に
よっても製造でき、市販されている自動オリゴヌクレオ
チド合成装置上で行なうこともできる。二本鎖断片は、
相補鎖を合成し、適当な条件下で該鎖を共にアニーリン
グさせるか、または適当なプライマー配列と共にDNA
ポリメラーゼを用い相補鎖を付加するかによって、化学
合成した一本鎖生成物から得ることもできる。
【0118】また所望する遺伝子が発現される適当な起
源より、常法に従ってcDNAライブラリーを調製し、
該ライブラリーから、目的とする遺伝子に特有の適当な
プローブや抗体を用いて所望クローンを選択することに
より実施できる〔Proc. Natl. Acad. Sci., USA., 78,
6613 (1981);Science, 222, 778 (1983)等〕。
【0119】上記において、cDNAの起源としては、
所望の遺伝子を発現する各種の細胞、組織やこれらに由
来する培養細胞等が例示され、これらからの全RNAの
分離、mRNAの分離や精製、cDNAの取得とそのク
ローニング等はいずれも常法に従い実施できる。また、
cDNAライブラリーは市販されてもおり、本発明にお
いてはそれらcDNAライブラリー、例えばクローンテ
ック社(Clontech Lab. Inc.)より市販の各種cDNA
ライブラリー等を用いることもできる。
【0120】目的とする遺伝子をcDNAライブラリー
からスクリーニングする方法も、特に制限されず、通常
の方法に従うことができる。具体的には、例えばcDN
Aによって産生される蛋白質に対して、該蛋白質特異抗
体を使用した免疫的スクリーニングにより対応するcD
NAクローンを選択する方法、目的のDNA配列に選択
的に結合するプローブを用いたプラークハイブリダイゼ
ーション、コロニーハイブリダイゼーション等やこれら
の組合せ等を例示できる。
【0121】ここで用いられるプローブとしては、目的
とする遺伝子の塩基配列に関する情報を基にして化学合
成されたDNA等が一般的に例示できるが、勿論既に取
得された目的遺伝子そのものやその断片も良好に利用で
きる。また、その遺伝子の塩基配列情報に基づき設定し
たセンス・プライマー、アンチセンス・プライマーをス
クリーニング用プローブとして用いることもできる。
【0122】また、目的遺伝子の取得に際しては、PC
R法〔Science, 230, 1350 (1985)〕によるDNA/R
NA増幅法も好適に利用できる。殊に、ライブラリーか
ら全長のcDNAが得られ難いような場合には、RAC
E法〔Rapid Amplification of cDNA Ends;実験医学、
12(6), 35 (1994)〕、殊に 5'-RACE法〔M.A. Frohm
an, et al., Proc. Natl. Acad. Sci., USA., 8, 8998
(1988)〕等の採用が好適である。
【0123】かかるPCR法の採用に際して使用される
プライマーは、既に明らかにされた目的遺伝子の配列情
報に基づいて適宜設定でき、これは常法に従い合成でき
る。
【0124】尚、増幅させたDNA/RNA断片の単離
精製は、前記の通り常法に従うことができ、例えばゲル
電気泳動法等によればよい。
【0125】また、上記で得られる遺伝子或は各種DN
A断片は、常法、例えばジデオキシ法〔Proc. Natl. Ac
ad. Sci., USA., 74, 5463 (1977)〕やマキサム−ギル
バート法〔Methods in Enzymology, 65, 499 (1980)〕
等に従って、また簡便には市販のシークエンスキット等
を用いて、その塩基配列を決定することができる。
【0126】本発明によれば、血液または血清のごとき
生物学的試料を調製し、所望により核酸を抽出し、ヒト
Lhx4の感受性遺伝子が存在する否かについて分析す
ることが可能である。また、本発明によれば細胞または
組織における前記活性レベル、ヒトLhx4mRNAの
発現レベルを有する生物学的な試料を調製し、ヒトLh
x4遺伝子が存在するか否か、あるいはそのmRNAの
量について分析できる。この方法を用いることにより細
胞または組織における前記活性のレベル、ヒトLhx4
mRNAの発現レベルを検出することが可能となり、こ
れらの診断、例えば急性リンパ性白血病の診断並びに急
性リンパ性白血病の治療効果の判定並びに予後の予測や
再発の早期診断が可能となる。
【0127】該検出方法は、患者サンプルから得られた
ヒトLhx4遺伝子に関する情報を基に、該DNA断片
を作成し、ヒトLhx4遺伝子のスクリーニングおよび
/またはその増幅に用いられるように設計される。より
具体的には、例えばプラークハイブリダイゼーション、
コロニーハイブリダイゼーション、サザンブロット法、
ノーザンブロット法などにおけるプローブとしての性質
を有するもの、蛍光insitu ハイブリダイゼーション
[FISH]、競合的ゲノミック・ハイブリダイゼーシ
ョン[Comparative Genomic Hybridization:CGH]、
[Spectral Karyotyping: SKY]、酵母人工染色体
(YAC)ベクターのクローンをプローブとする方法な
ど核酸配列をポリメラーゼで増幅するポリメラーゼ連鎖
反応(PCR)により、増幅したヒトLhx4の全部ま
たは一部のDNA断片を得ることができるためのプロー
ブとしての性質を有するものを作成できる。そのために
はまずヒトLhx4と同じ配列を持つプライマーを作成
し、スクリーニング用プローブとして用い、生物学的試
料(核酸試料)と反応させることにより、当該ヒトLh
x4配列を有する遺伝子の存在を確認することができ
る。該核酸試料は、標的配列の検出を容易にする種々の
方法、例えば変性、制限消化、電気泳動またはドットブ
ロッティングで調製してもよい。
【0128】前記スクリーニング方法としては、特にP
CR法を用いるのが感度の点から好ましく、該方法は、
ヒトLhx4断片をプライマーとして用いる方法であれ
ばとくに制限されず、従来公知の方法(Science, 230, 1
350-1354(1985))や新たに開発された、或いは将来使用
されるPCR変法(榊 佳之、ほか編、羊土社、実験医
学、増刊, 8(9)(1990); 蛋白質・核酸・酵素、臨時増
刊、共立出版(株), 35(17)(1990))のいずれも利用するこ
とが可能である。
【0129】プライマーとして使用されるDNA断片
は、化学合成したオリゴDNAであり、これらオリゴD
NAの合成は自動DNA合成装置など、例えばDNA合
成装置(Pharmacia LKB Gene Assembler Plus: ファルマ
シア社製)を使用して合成することができる。合成され
るプライマー(センスプライマーまたはアンチセンスプ
ライマー)の長さは約10〜50ヌクレオチド程度が好
ましく、より好ましくは15〜30ヌクレオチド程度が
例示できる。前記において、特に合成されるプライマー
は、公知の他のLhxのDNA配列と区別される配列を
使用することが好ましい。上記スクリーニングに用いら
れるプローブは、通常は標識したプローブを用いるが、
非標識であってもよく、直接的または間接的に標識した
リガンドとの特異的結合によって検出してもよい。適当
な標識、並びにプローブおよびリガンドを標識する方法
は、本発明の技術分野で知られており、ニック・トラン
スレーション、ランダム・プライミングムまたはキナー
ゼ処理のような、既知の方法によって取り込ませること
ができる放射性標識、ビオチン、蛍光性基、化学発光
基、酵素、抗体などがこれらの技術に包含される。
【0130】検出のために用いるPCR法としては、例
えば本発明の急性リンパ性白血病診断方法においては、
RT−PCR法あるいはFISH法が特に好ましく例示
されるが、当該分野で用いられる種々の変法を適応する
ことができる。
【0131】また、本発明の測定方法は、試料中のヒト
Lhx4遺伝子の検出のための試薬キットを利用するこ
とによって、簡便に実施することができる。
【0132】故に本発明は上記ヒトLhx4 DNA断
片を含有することを特徴とするヒトLhx4の検出用試
薬キットが提供される。
【0133】該試薬キットは、少なくとも配列番号:2
に示される塩基配列もしくはその相補的塩基配列の一部
または全てにハイブリダイズするDNA断片を必須構成
成分として含んでいれば、他の成分として、標識剤、P
CR法に必須な試薬(例えば、TaqDNAポリメラー
ゼ、デオキシヌクレオチド三リン酸、プライマーなど)
が含まれていてもよい。
【0134】標識剤としては、放射性同位元素又は蛍光
物質などの化学修飾物質などが挙げられるが、DNA断
片自身が予め該標識剤でコンジュゲートされていてもよ
い。更に当該試薬キットには、測定の実施の便益のため
に適当な反応希釈液、標準抗体、緩衝液、洗浄剤、反応
停止液などが含まれていてもよい。
【0135】更に本発明は、前記測定方法を用いる急性
リンパ性白血病の診断方法および該方法に用いる診断剤
並びに診断用キットをも提供するものである。
【0136】また、前記方法を用いることにより、被検
試料中から得られたヒトLhx4配列を直接的若しくは
間接的に配列決定することにより、野生型ヒトLhx4
と相同性の高い相同物である新たなヒトLhx4遺伝子
に関連する関連遺伝子を見出すことができる。
【0137】従って、本発明はかかる測定と被検試料中
のヒトLhx4 DNAの配列決定により、被検試料中
のヒトLhx4遺伝子に関連する関連遺伝子のスクリー
ニング方法をも提供するものである。
【0138】また、本発明の配列番号:1で示されるヒ
トLhx4遺伝子でコードされるポリペプチド、または
該配列番号:1において、1もしくは数個のアミノ酸が
欠失、置換または付加されたアミノ酸配列、またはこれ
らの断片からポリペプチドを合成し、もしくは該ポリペ
プチドに対する抗体を合成することによって、野生型ヒ
トLhx4および/または変異ヒトLhx4の測定が可
能となる。
【0139】従って、本発明は、野生型ヒトLhx4お
よび/または変異ヒトLhx4の抗体測定法、抗原測定
法を提供するものである。該測定法によってチロシンキ
ナーゼ活性あるいは転写活性の程度を野生性型ヒトLh
x4ポリペプチドの変化に基づいて検出することも可能
である。かかる変化は、この分野における前記慣用技術
によるヒトLhx4配列分析によっても決定できるが、
更に好ましくは、抗体(ポリクローナルまたはモノクロ
ーナル抗体)を用いて、ヒトLhx4ポリペプチド中の
相違、またはヒトLhx4ポリペプチドの有無を検出す
ることができる。本発明の測定法の具体的な例示として
は、ヒトLhx4抗体は、血液・血清などのヒトより採
取した生体材料試料含有溶液からヒトLhx4蛋白質を
免疫沈降し、かつポリアクリルアミドゲルのウェスタン
・ブロットまたはイムノブロット上でヒトLhx4ポリ
ペプチドと反応することができる。また、ヒトLhx4
抗体は免疫組織化学的技術を用いてパラフィンまたは凍
結組織切片中のヒトLhx4ポリペプチドを検出するこ
とができる。抗体産生技術および精製する技術は当該分
野においてよく知られているので、これらの技術を適宜
選択することができる。ここで抗体はヒトLhx4の新
規なアミノ酸配列に特異的な部位を認識する抗体と免疫
グロブリン重鎖部分のアミノ酸配列の特異的な部位を認
識する抗体をそれぞれ、生体材料試料含有溶液と順じ反
応させ、その両者の抗体と反応性を有する生体材料試料
をヒトLhx4抗体反応陽性試料として急性リンパ性白
血病のt(1;14)(q25;q32)染色体転座を
有することを決定することができる。
【0140】あるいはヒトLhx4の新規なアミノ酸配
列部位と免疫グロブリン重鎖部分が隣接しあっているア
ミノ酸配列部位の両者のアミノ酸配列部位を含んでいる
配列を認識する抗体を作成することで、簡便に急性リン
パ性白血病のt(1;14)(q25;q32)染色体
転座を有するかどうかを検出することができる。
【0141】野生型ヒトLhx4またはその突然変異体
を検出する方法に関連するより好ましい具体例には、モ
ノクローナル抗体および/または、ポリクローナル抗体
を用いるサンドイッチ法を含む、酵素結合イムノソルベ
ントアッセイ(ELISA)、放射線免疫検定法(RI
A)、免疫放射線検定法(IRMA)、及び免疫酵素法(I
EMA)が含まれる。
【0142】また被検液と担体上に不溶化した前記抗体
および標識化された別の異なるヒトLhx4蛋白質に対
する抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、不
溶化担体上の標識剤の活性を測定することを特徴とする
被検液中のヒトLhx4蛋白質、ヒトLhx4蛋白質の
部分ペプチドまたはそれらの塩の定量法も可能である。
【0143】さらに、ヒトLhx4蛋白質、ヒトLhx
4蛋白質の部分ペプチドまたはそれらの塩に基質を接触
させた場合とヒトLhx4蛋白質、ヒトLhx4蛋白質
の部分ペプチドまたはそれらの塩に基質および試験化合
物を接触させた場合における、ヒトLhx4蛋白質、ヒ
トLhx4蛋白質の部分ペプチドまたはそれらの塩の酵
素活性を測定して、比較することによってヒトLhx4
蛋白質またはその塩の酵素活性(例、転写活性またはチ
ロシンキナーゼ活性)を阻害する化合物またはその塩を
スクリーニングすることも可能である。
【0144】また本発明によれば、より活性または安定
した形態のヒトLhx4ポリペプチド誘導体または例え
ば、イン・ビボ(in vivo)でヒトLhx4ポリペプチド
の機能を高めるか、もしくは妨害する薬剤を開発するた
めに、それらが相互作用する目的の生物学的に活性なポ
リペプチドまたは構造アナログ、例えばヒトLhx4ア
ゴニスト、ヒトLhx4アンタゴニスト、ヒトLhx4
インヒビターなどを作製することが可能である。前記構
造アナログは例えばヒトLhx4と他の蛋白質の複合体
の三次元構造をX線結晶学、コンピューター・モデリン
グまたは、これらの組み合わせた方法によって決定する
ことができる。また、構造アナログの構造に関する情報
は、相同性蛋白質の構造に基づく蛋白質のモデリングに
よって得ることも可能である。
【0145】また上記より活性または安定した形態のヒ
トLhx4ポリペプチド誘導体を得る方法としては、例
えばアラニン・スキャンによって分析することが可能で
ある。該方法はアミノ酸残基をAlaで置換し、ペプチド
の活性に対するその影響を測定する方法でペプチドの各
アミノ酸残基をこのように分析し、当該ペプチドの活性
や安定性に重要な領域を決定する方法である。該方法に
よって、より活性な、または安定なヒトLhx4ポリペ
プチド誘導体を設計することができる。
【0146】また機能性アッセイによって選択した標的
−特異的抗体を単離し、次いでその結晶構造を解析する
ことも可能である。原則として、このアプローチによ
り、続く薬剤の設計の基本となるファーマコア(pharmac
ore)を得る。機能性の薬理学的に活性な抗体に対する抗
−イディオタイプ抗体を生成させることによって、化学
的または生物学的に生成したペプチドのバンクよりペプ
チドを同定したり単離したりすることが可能である。故
に選択されたペプチドもファーマコアとして作用すると
予測される。
【0147】かくして、改善されたヒトLhx4活性も
しくは安定性またはヒトLhx4活性のインヒビター、
アゴニスト、アンタゴニストなどとしての作用を有する
薬剤を設計・開発することができる。
【0148】クローン化ヒトLhx4配列によって、十
分な量のヒトLhx4ポリペプチドを入手して、X線結
晶学のような分析研究をも行うことができる。さらに、
本発明の配列番号:1に示されるアミノ酸配列よりなる
ヒトLhx4ポリペプチドの提供により、X線結晶学に
代えるかまたはこれに加えて、コンピューターモデリン
グ技術に適応可能である。
【0149】また本発明によれば、ヒトLhx4遺伝子
含有ノックアウト・マウス(変異マウス)を作成すること
によってヒトLhx4遺伝子配列のどの部位が生体内で
上記したような多様なヒトLhx4活性に影響を与える
かどうか、即ちヒトLhx4遺伝子産物、並びに改変ヒ
トLhx4遺伝子産物が生体内でどのような機能を有す
るかを確認することができる。
【0150】該方法は、遺伝子の相同組換えを利用し
て、生物の遺伝情報を意図的に修飾する技術であり、マ
ウスの胚性幹細胞(ES細胞)を用いた方法を例示できる
(Capeccchi, M. R., Science, 244, 1288-1292 (198
9))。
【0151】尚、上記変異マウスの作製方法はこの分野
の当業者にとって既に通常の技術であり、この改変技術
(野田哲生編、実験医学,増刊, 14 (20) (1996)、羊土
社)に、ヒト野性型ヒトLhx4遺伝子および変異ヒト
Lhx4遺伝子を適応して容易に変異マウスを作製し得
る。従って前記技術の適応により、改善されたヒトLh
x4活性もしくは安定性またはヒトLhx4活性のイン
ヒビター、アゴニスト、アンタゴニストなどとしての作
用を有する薬剤を設計・開発することができる。
【0152】
【発明の効果】本発明によれば、マウスLhx4と相同
性を有する新規なヒト蛋白相同物をコードする遺伝子が
提供される。
【0153】本発明の遺伝子は急性リンパ性白血病にお
いてその発現が高く、これらリンパ球細胞及びその細胞
周辺組織における転写活性またはチロシンキナーゼ活性
を促進すると考えられる。本発明ヒトLhx4遺伝子の
発現量や転写活性またはチロシンキナーゼ活性などの解
析により、遺伝子再構成関連遺伝子の機能と白血病関連
疾患との係わりについての研究に利用でき、特に急性リ
ンパ性白血病病患者への遺伝子診断ならびに該遺伝子の
発現産物に対する抗体やアンチセンスによる医薬用途へ
の応用研究に用いることが可能である。
【0154】また、本発明遺伝子の利用によれば、各種
組織での該遺伝子の発現状況が調べられ、生体内におけ
るその機能を解析することが可能となる。
【0155】また、該遺伝子によれば、該遺伝子がコー
ドするヒトLhx4ポリペプチドを遺伝子工学的に大量
に製造することができ、該ポリペプチドの提供によれ
ば、ヒトLhx4ポリペプチド活性やヒトLhx4ポリ
ペプチドの結合活性などの機能を調べることもできる。
【0156】またヒトLhx4ポリペプチドは、ヒトL
hx4遺伝子およびその産物が関与する疾患(例えば、
転写活性またはチロシンキナーゼ活性の調節に関連する
疾患またはt(1;14)(q25;q32)に関連する
疾患など、特に急性リンパ性白血病の病態解明や診断、
治療などに有用である。
【0157】本発明によれば、更にヒトLhx4アンチ
センス・オリゴヌクレオチドを含有する遺伝子治療に有
用な遺伝子導入用ベクター、該ヒトLhx4 がアンチ
センス・オリゴヌクレオチド導入された細胞および該ベ
クターまたは細胞を有効成分とする遺伝子治療剤、並び
にその利用による遺伝子治療法などが提供される。
【0158】本発明によれば、更に血液、リンパ球、B
細胞におけるヒトLhx4mRNAの発現の抑制作用を
有し、該作用による白血病および白血病合併症などの疾
患および病態の処置などに使用されるヒトLhx4 を
アンチセンス・オリゴヌクレオチドまたはヒトLhx4
に結合性を有する抗体またはその断片を有効成分とする
医薬も提供することができる。
【0159】また、本発明によれば、ヒトLhx4蛋
白、ヒトLhx4遺伝子発現産物のペプチド活性を阻害
する、白血病の治療のための候補化合物のスクリーニン
グ方法及びスクリーニング用キットをも提供することが
できる。
【0160】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため、実
施例を挙げる。
【0161】実施例1 1)材料および方法 臨床サンプル 風邪で当院に来院した50歳代の女性はプレB細胞型の
急性リンパ性白血病として診断され、複数薬の化学療法
で治療を行い、誘導療法の後完全寛解が得られて、維持
療法が実施された。当初の患者の白血病の細胞の核型タ
イピングは、t(9;22)(q23;q11)およびt
(1;14)(q25;q32)を示した。 2)DNA抽出および逆PCR ゲノムのDNAsは公知と同じ標準のフェノール−クロ
ロホルム法によって白血病の細胞から抽出した。 逆P
CRはウイリスらの報告(Willis TG, et al., Blood, 9
0, 2456-2464(1997))と同様の方法により実施した。
【0162】逆PCR手順中における人造物を排除する
ために、本発明者は、IgHおよび新規な配列に対して
特異的なプライマーを用いるPCRを実施した。
【0163】IgH遺伝子内に順方向プライマーJH4:gc
aggagagaggttgtgagg(配列番号:3)を設定した。これ
らのプライマーを用いて患者DNAに対してPCRを施
行したところ、PCR産物を得た。一方、同PCRを同
様にT細胞性白血病細胞株Jurkat細胞抽出DNA
に対して施行したところ、PCR産物は得られなかっ
た。この結果は、この新規配列が確かに患者DNA中で
IgHと遺伝子再構成していることを示す。
【0164】逆PCRは2回施行(Nested PCR)された。
1回目に用いたプライマーは、配列番号4に示される
5’側プライマー及び配列番号5に示される3’側プラ
イマーであり、これらを以下に示す: 5’側プライマー(配列番号4):5’− cccacaggcag
tagcagaaaacaa−3’ 3’側プライマー(配列番号5):5’−cactggcatcgc
cctttgtctaa−3’ 2回目PCRに用いたプライマーは、配列番号6に示さ
れる5’側プライマー及び配列番号7に示される3’側
プライマーであり、これらを以下に示す: 5’側プライマー(配列番号6):5’− tctgggctcga
gtcgagtcgacgcagaaaacaaaggccctagaggg−3’ 3’側プライマー(配列番号7):5’−cccatgccttcc
aaagcgatt−3’ これらの配列は、既にウイリスら(Willis TG, et al.,
Blood, 90, 2456-2464(1997))によって報告されてい
る。
【0165】その結果、本発明者は、白血病の細胞から
のDNAについて逆PCRを適応し、PCR産物のいく
つかのバンドを、次いでプラズミド・ベクターの中にP
CR産物をクローニングし、それらについて配列決定を
行った。1つのクローンが免疫グロブリン重鎖(IgH)遺
伝子の接合している領域に融合した新規な配列が明らか
となった。 3)サザン・ブロッティング分析 サザン・ブロッティングは、サンブロックらの標準的な
プロトコールに従い実施した(Sambrook, J., et al., M
olecular Cloning a Laboratory Manual. ColdSpring H
arbor Laboratory Press:NY.(1989))。
【0166】ゲノムのDNAsは公知と同じ標準のフェ
ノール−クロロホルム法によって白血病の細胞から抽出
した。
【0167】抽出されたDNAsは、制限酵素EcoR
IおよびHindIII(いずれも宝酒造社製)で消化
し、トリス−酢酸、EDTA緩衝液を含んでいる0.8
%アガロースゲル中に電気泳動させた。次いで製品の使
用マニュアルに従い、DNAsをナイロン膜(Hybond N
+:アマシャムファルマシア社製)に対して転写させた。
前記ナイロン膜は、放射線標識したDNAプローブでハ
イブリダイズさせた。放射線標識したDNAプローブ
は、レディ・ツゥー・ゴー(Ready-to-go)DNA標識キ
ットおよび32P−dCTP(いずれもアマシャムファル
マシア社製)を用いて調製した。プレ・ハイブリゼーショ
ン、ハイブリダイゼーション、洗浄はそれぞれ製品の使
用マニュアルに従い実施された。 ナイロン膜は、−80
℃でイメージング・プレート上に露光され、イメージ・
アナライザーBAS2500(フジ社製)上で分析した。
【0168】尚、 この試験に用いたプローブは免疫グ
ロブリンの重鎖遺伝子のJH領域でHJHprobeE
をHealth Science Human Researches: HSRRより得
て用いた。また新規配列に関しては、配列番号8と配列
番号9に相当する領域にプライマーを設定し、この配列
に挟まれる領域をPCR法により増幅してプローブとし
た。 配列番号8:5’−gcactttagggagctttgag−3’ 配列番号9:5’−ggctgggcttagctga−3’ さらに本発明者は、IgHおよび新規な配列特異的プロ
ーブを用いるサザン・ブロット分析を実施した。IgH
プローブを用い、2つの再構成されたバンドがEcoR
I消化において検出され、そして新規な配列特異的プロ
ーブを用い、1つの再構成されたバンドがEcoRI消
化において検出された。IgHの2つの再構成されたバ
ンドの1つおよび新規な配列の1つの再構成されたバン
ドが同時移動した(図1)。
【0169】さらに本発明者は、プレB型急性リンパ性
白血病を持つ10例に関してLhx4遺伝子に対する特
異的なプローブを用いるサザン・ブロット分析を実施し
たが、再構成は見出されなかった。 4)RNA抽出、ノーザン・ブロット分析 臨床のサンプルおよび樹立細胞株からの全RNAはイソ
ゲン(Isogen)溶液(ニッポン遺伝子社製)を用いて抽出し
た。RNAsは前記のように2.2Mフォルムアミドを
含む1%アガロース・ゲルに電気泳動させた。RNAs
は、製品の使用マニュアルに従いナイロン膜(Hybond N
+)に対して転写した。複数組織ブロット(MTB社製)を
クローンテック社より購入し、各レーン2μgのポリ(a)
+RNAを含んでいるノーザンブロットを製品の説明書
に従い、プローブとしてヒトLhX4cDNA配列を用
いてランダム・プライムド32P標識プローブでハイブリ
ダイズさせた。プレ・ハイブリゼーション、ハイブリダ
イゼーション、洗浄はそれぞれ製品の使用マニュアルに
従い実施した。
【0170】多くの種類の細胞株や複数のヒト組織がブ
ロットされているRNAs上におけるノーザン・ブロッ
トによっては、いかなるシグナルも得ることができなか
った。 幾つかの細胞株において、本発明者はLhx4
遺伝子の発現を確認した。
【0171】従ってLhx4遺伝子は、急性リンパ性白
血病の白血病発症と関連しているかもしれない。 5)RT−PCR分析 RT−PCRは、製品の使用マニュアルに従いRT−P
CRビーズ(アマシャムファルマシア社製)を用いる全R
NAsから実施した。
【0172】即ち、白血病細胞から全RNAをイソゲン
(和光社製)を使用して細胞から単離した10μlの全
RNAを10単位のRNAseフリーDNAse I
(ベーリンガー・マインハイム社製)で15分間処理
し、フェノール−クロロフォルムで2回抽出し、エタノ
ールで沈澱させた。一本鎖cDNAをオリゴd(t)と
ランダムプライマーを使用してSuperscript ITM RNA
seH-逆転写酵素(ライフ・テクノロジー社製)によ
って合成した。2μlの各産物をPCR増幅のために用
いた。
【0173】配列番号:8及び配列番号:9 として示
す塩基配列のプライマーP1及びP2を、25サイクル
のPCR増幅のために使用した。
【0174】尚、PCR反応は25ng cDNA、1
0μM各プライマー、2.5mMdNTP及び0.25
UのExTaq DNAポリメラーゼ(タカラ社製)を
含む20μl溶液中で行なった。PCR産物は、エチジ
ウム・ブロマイト染色した1.5%アガロースゲル中に
溶解させた。
【0175】RT−PCR法によって白血病細胞におけ
るLhx4遺伝子の発現をスクリーニングした結果、本
発明者は、t(1;14)(q25;q32)を有するオ
リジナルのケースを含む幾つかの細胞株におけるLhx
4遺伝子の発現を検出した。 6)ゲノム・ライブラリーのスクリーニングおよび配列
決定 ラムダ・ファージ遺伝子のライブラリーはHHSR(上
述)より得た。上述の新規配列特異的なプローブを用い
て標準的なプロトコールに従い(Sambrook, J.,et al.,
Molecular Cloning a Laboratory Manual. Cold Spring
Harbor Laboratory Press:NY.(1989))スクリーニング
を行い、ファージクローンλ1212を得た。この配列
を基にその隣のクローンλ051Sも得た。
【0176】PCRはRT−PCR産物を増幅させ、ラ
ムダ・ファージ・クローンから切り出された制限酵素消
化されたDNA断片は、pGEM−T easy或いはpG
EM−3Zf(+)ベクターの中にライゲートさせた。サ
イクル・シーケンスはプリズム・ダイ-ターミネーター
・サイクル・シーケンス・キット(Prism dye-Terminato
r Cycle Sequence kit:アプライド・バイオシステムズ
社製)を用いて実施した。
【0177】核酸配列は、ジェネティック・アナライザ
ー310(アプライド・バイオシステムズ社製)を用いて
実施した。
【0178】その結果、本発明者は新規配列特異的プロ
ーブを用いてファージ・ゲノム・ライブラリーをスクリ
ーニングし、配列が重複しているクローンの幾つかを得
た(λ1212(配列番号10−13)、λ051S)。
【0179】さらに本発明者は、ファージ・クローンを
配列決定し、ブレークポイント周辺の遺伝子を検索した
結果、ブレークポイントからおよそ17kbよりはるか
に遠くのファージ・クローンの1つの中にマウスLhx
4配列と高い相同性を示す配列を見出した。 7)アンカードPCR ヒトLhx4 cDNA配列の全長を得るために、ヒト
胎児腎臓293細胞株(ATCC寄託番号:ATCC
CRL1573)についてアンカードPCRを実施し
た。該PCRはマラソンcDNAクローニング・キット
(クローンテック社製)を用いて実施した。 反応条件、
ハイブリダイゼーション、洗浄はそれぞれ製品の使用マ
ニュアルに従い実施した。
【0180】ヒト胎児腎臓293細胞株からmRNAを
得た後、逆転写酵素により、cDNAを得た。PCR反
応によって得られたPCR産物はクローニングベクター
に挿入され、核酸配列はABI377自動シークエンサ
ー(アプライド・バイオシステムズ社製)によって決定
した。
【0181】上記方法にて、ヒト胎児腎臓293細胞株
から単離したこの産物は、ヌクレオチドからなってい
た。FASTAプログラム(Person W. R., et al., Pro
c. Natl. Acad. Sci., USA, 85, 2444-2448 (1988))を
使用するGenBanck/EMBLデータ・ベース中
のDNa配列とこのヌクレオチドのデータとの比較し
た。
【0182】その結果、得られたPCR産物は一つのオ
ープン・リーディング・フレーム(ORF)を含んでい
ることを見出した。
【0183】核酸およびアミノ酸配列において、それは
マウスLhx4に対して大変高い相同性を有しており、
そして本発明者は新規の遺伝子は、マウスLhx4に対
するヒトの相同物であると結論付け、そしてそれはヒト
Lhx4と命名した。
【0184】ヒトLhx4遺伝子はLhx蛋白と相同性
を有する配列番号1で示されるアミノ酸をコードしてい
る。
【0185】最も高い相同性は、N末端領域を除いてマ
ウスLhx4に対して観察された。
【0186】マウスLhx4遺伝子のN末端の配列は、
未だ報告されていない。LIMおよび隣接のドメイン領
域だけでなく、C末端領域においても、Lhx4はヒト
Lhx3に対して高い相同性を持っているが、N末端の
配列は、お互いに相補的に異なっていた。
【0187】HGPデータベースからのドラフト配列を
比較すると、ヒトLhx4遺伝子は6つのエクソンから
なっており、全てのエクソン-イントロン境界はAG−
GTエクソン-イントロン境界規則に対して適合してい
ることが判明した。 8)核型のタイピング:FISH法 プローブとして、ラムダ・ファージ・クローンの1つ
(λ1212)を用いて、新規遺伝子の染色体の局座を
調べるために、FISHを実施した。
【0188】染色体の整列のためのFISHは、公知の
方法(Takahashi E., et al., Hum.Genet., 86, 14-16
(1990))に従って、各コスミドDNAの0.5μgをプロ
ーブとして使用して実施した。FISHはプロビア10
0フィルム(フジ社製、ISO100)又はCCDカメ
ラ・システム(アプライド・イメージング、サイトビジ
ョン社製)によって捕えられた。
【0189】その結果、シグナルは染色体1q23−2
5で検出された(図2:FISH染色体写真)。
【0190】これらの結果は、クローニングした新規の
配列がt(1;14)(q25;q32)から誘導された
ことを確認した(図3:染色体分析写真)。
【0191】クローニングした新規配列は、染色体1q
24にあるゲノムの配列に対して一致した、新規配列の
正確な局座は、1q24であるかもしれない。
【0192】染色体1q21−25は血液の腫瘍におい
て、転座、重複を含む染色体異常がしばしば検出される
ホット・スポットである。この知見は、癌遺伝子が染色
体1q21−25に局在していることを提言している。
本発明者は、t(1;14)(q25;q32)におけ
る接合的な配列をクローニングし、LIM類似ドメイン
遺伝子は、免疫グロブリン重鎖遺伝子のあるエンハンサ
ー領域に対して融合しているひとつのヒトLhx4を見
出した。
【0193】他のLIMタンパク質、LOM1(rhombot
in1,ttg1)およびLMO2(rhombotin2,ttg2)は、T細胞
の急性リンパ性白血病におけるT細胞レセプター遺伝子
に対してしばしば融合されるLhx4、LIM類似ドメ
イン遺伝子から区別されるLIMのみのタンパク質であ
る。しかしながら、LMOsの白血病発症の詳細なメカ
ニズムの解明がまだ残されている。
【0194】このように本発明者は、ひとつのLIM類
似ドメイン遺伝子が血液の腫瘍の転座に関連しているこ
とを見出した。
【0195】本発明のヒトLhx4遺伝子の利用によれ
ば、急性リンパ性白血病の診断、予測される合併症や白
血病進行の把握、治療戦略の策定、治療後の微小病変の
評価や再発の早期診断などに有用である。
【0196】
【配列表】 SEQUENcE LIStINg <110> Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd. <120> Human Lhx4 gene <130> 33A00JP <160> 13 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 390 <212> PRT <213> Human Lhx4 protein <400> 1 Met Met Gln Ser Ala Thr Val Pro Ala Glu Gly Ala Val Lys Gly Leu 1 5 10 15 Pro Glu Met Leu Gly Val Pro Met Gln Gln Ile Pro Gln Cys Ala Gly 20 25 30 Cys Asn Gln His Ile Leu Asp Lys Phe Ile Leu Lys Val Leu Asp Arg 35 40 45 His Trp His Ser Ser Cys Leu Lys Cys Ala Asp Cys Gln Met Gln Leu 50 55 60 Ala Asp Arg Cys Phe Ser Arg Ala Gly Ser Val Tyr Cys Lys Glu Asp 65 70 75 80 Phe Phe Lys Arg Phe Gly Thr Lys Cys Thr Ala Cys Gln Gln Gly Ile 85 90 95 Pro Pro Thr Gln Val Val Arg Lys Ala Gln Asp Phe Val Tyr His Leu 100 105 110 His Cys Phe Ala Cys Ile Ile Cys Asn Arg Gln Leu Ala Thr Gly Asp 115 120 125 Glu Phe Tyr Leu Met Glu Asp Gly Arg Leu Val Cys Lys Glu Asp Tyr 130 135 140 Glu Thr Ala Lys Gln Asn Asp Asp Ser Glu Ala Gly Ala Lys Arg Pro 145 150 155 160 Arg Thr Thr Ile Thr Ala Lys Gln Leu Glu Thr Leu Lys Asn Ala Tyr 165 170 175 Lys Asn Ser Pro Lys Pro Ala Arg His Val Arg Glu Gln Leu Ser Ser 180 185 190 Glu Thr Gly Leu Asp Met Arg Val Val Gln Val Trp Phe Gln Asn Arg 195 200 205 Arg Ala Lys Glu Lys Arg Leu Lys Lys Asp Ala Gly Arg His Arg Trp 210 215 220 Gly Gln Phe Tyr Lys Ser Val Lys Arg Ser Arg Gly Ser Ser Lys Gln 225 230 235 240 Glu Lys Glu Ser Ser Ala Glu Asp Cys Gly Val Ser Asp Ser Glu Leu 245 250 255 Ser Phe Arg Glu Asp Gln Ile Leu Ser Glu Leu Gly His Thr Asn Arg 260 265 270 Ile Tyr Gly Asn Val Gly Asp Val Thr Gly Gly Gln Leu Met Asn Gly 275 280 285 Ser Phe Ser Met Asp Gly Thr Gly Gln Ser Tyr Gln Asp Leu Arg Asp 290 295 300 Gly Ser Pro Tyr Gly Ile Pro Gln Ser Pro Ser Ser Ile Ser Ser Leu 305 310 315 320 Pro Ser His Ala Pro Leu Leu Asn Gly Leu Asp Tyr Thr Val Gly Ser 325 330 335 Asn Leu Gly Ile Ile Ala His Ala Gly Gln Gly Val Ser Gln Thr Leu 340 345 350 Arg Ala Met Ala Gly Gly Pro Thr Ser Asp Ile Ser Thr Gly Ser Ser 355 360 365 Val Gly Tyr Pro Asp Phe Pro Thr Ser Pro Gly Ser Trp Leu Asp Glu 370 375 380 Met Asp His Pro Pro Phe 385 390 <210> 2 <211> 1173 <212> DNA <213> Human Lhx4 gene <400> 2 atg atg cag agt gcg act gtc ccc gcg gaa ggg gct gtc aag ggg ctc 48 Met Met Gln Ser Ala Thr Val Pro Ala Glu Gly Ala Val Lys Gly Leu 1 5 10 15 ccg gag atg cta ggt gtg ccg atg caa cag att ccc cag tgc gct ggc 96 Pro Glu Met Leu Gly Val Pro Met Gln Gln Ile Pro Gln Cys Ala Gly 20 25 30 tgc aac cag cac atc ctg gac aag ttc atc ctg aag gtc ctg gac aga 144 Cys Asn Gln His Ile Leu Asp Lys Phe Ile Leu Lys Val Leu Asp Arg 35 40 45 cac tgg cac agc tcc tgc ctc aag tgt gca gac tgc cag atg cag ctg 192 His Trp His Ser Ser Cys Leu Lys Cys Ala Asp Cys Gln Met Gln Leu 50 55 60 gcg gac agg tgc ttc tcc agg gct ggg agc gtc tac tgc aag gag gac 240 Ala Asp Arg Cys Phe Ser Arg Ala Gly Ser Val Tyr Cys Lys Glu Asp 65 70 75 80 ttc ttc aag cgc ttc ggc aca aaa tgc acg gcc tgc cag cag ggt atc 288 Phe Phe Lys Arg Phe Gly Thr Lys Cys Thr Ala Cys Gln Gln Gly Ile 85 90 95 ccc cca acc cag gtg gtc cgc aag gcc cag gac ttt gtc tac cac ctg 336 Pro Pro Thr Gln Val Val Arg Lys Ala Gln Asp Phe Val Tyr His Leu 100 105 110 cac tgc ttt gct tgc atc atc tgc aac cgg cag ctg gcc acg ggg gac 384 His Cys Phe Ala Cys Ile Ile Cys Asn Arg Gln Leu Ala Thr Gly Asp 115 120 125 gaa ttc tac ctc atg gag gac ggg cgg ctg gtg tgc aag gaa gac tac 432 Glu Phe Tyr Leu Met Glu Asp Gly Arg Leu Val Cys Lys Glu Asp Tyr 130 135 140 gag aca gcc aag cag aac gat gac tca gag gct gga gct aag cgg ccc 480 Glu Thr Ala Lys Gln Asn Asp Asp Ser Glu Ala Gly Ala Lys Arg Pro 145 150 155 160 cgg acc acc atc aca gcc aag cag ctg gag aca tta aag aat gca tac 528 Arg Thr Thr Ile Thr Ala Lys Gln Leu Glu Thr Leu Lys Asn Ala Tyr 165 170 175 aag aac tcc ccc aag cct gcc cgg cac gtg agg gag cag ctg tcc tca 576 Lys Asn Ser Pro Lys Pro Ala Arg His Val Arg Glu Gln Leu Ser Ser 180 185 190 gag aca ggc ctg gac atg agg gtc gta cag gtt tgg ttt cag aac aga 624 Glu Thr Gly Leu Asp Met Arg Val Val Gln Val Trp Phe Gln Asn Arg 195 200 205 agg gcc aaa gag aaa cgc ctg aag aag gat gca ggg cgg cac cgc tgg 672 Arg Ala Lys Glu Lys Arg Leu Lys Lys Asp Ala Gly Arg His Arg Trp 210 215 220 ggg cag ttc tat aag agc gtc aag agg agc cgg ggc agc agc aag cag 720 Gly Gln Phe Tyr Lys Ser Val Lys Arg Ser Arg Gly Ser Ser Lys Gln 225 230 235 240 gag aag gag agc tct gca gag gac tgt ggg gtt agt gac agt gag ctg 768 Glu Lys Glu Ser Ser Ala Glu Asp Cys Gly Val Ser Asp Ser Glu Leu 245 250 255 agc ttc cga gag gat caa att ctc tca gaa ctt ggc cac acc aat agg 816 Ser Phe Arg Glu Asp Gln Ile Leu Ser Glu Leu Gly His Thr Asn Arg 260 265 270 att tat ggc aac gtg ggg gac gtt aca ggc gga cag tta atg aat ggg 864 Ile Tyr Gly Asn Val Gly Asp Val Thr Gly Gly Gln Leu Met Asn Gly 275 280 285 agc ttc tcc atg gac ggg aca gga caa tcc tat cag gac ttg agg gat 912 Ser Phe Ser Met Asp Gly Thr Gly Gln Ser Tyr Gln Asp Leu Arg Asp 290 295 300 ggg agc ccc tat gga atc ccc cag tct cca tcc tcc ata tcg tcc ctg 960 Gly Ser Pro Tyr Gly Ile Pro Gln Ser Pro Ser Ser Ile Ser Ser Leu 305 310 315 320 cca tcc cac gct cct ttg ctc aat ggg ctg gat tac acg gtg ggc agt 1008 Pro Ser His Ala Pro Leu Leu Asn Gly Leu Asp Tyr Thr Val Gly Ser 325 330 335 aat ttg ggc atc att gcg cat gct ggg cag gga gta agc cag acg ctg 1056 Asn Leu Gly Ile Ile Ala His Ala Gly Gln Gly Val Ser Gln Thr Leu 340 345 350 aga gcc atg gct ggg gga ccc acc tct gac atc tcc aca gga agc agt 1104 Arg Ala Met Ala Gly Gly Pro Thr Ser Asp Ile Ser Thr Gly Ser Ser 355 360 365 gta ggc tat ccc gac ttt cca act agc cca ggc tct tgg ctc gat gaa 1152 Val Gly Tyr Pro Asp Phe Pro Thr Ser Pro Gly Ser Trp Leu Asp Glu 370 375 380 atg gat cat cct cct ttt taa 1173 Met Asp His Pro Pro Phe 385 390 <210> 3 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 3 gcaggagaga ggttgtgagg <210> 4 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 4 cccacaggca gtagcagaaa acaa 24 <210> 5 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 5 cactggcatc gccctttgtc taa 23 <210> 6 <211> 46 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 6 tctgggctcg agtcgagtcg acgcagaaaa caaaggccct agaggg 46 <210> 7 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 7 cccatgcctt ccaaagcgat t 21 <210> 8 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 8 gcactttagg gagctttgag 20 <210> 9 <211> 16 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 9 ggctgggctt agctga 16 <210> 10 <211> 368 <212> DNA <213> λ1212-1 <400> 10 aaaatacaca ctgaactgtg aatagcagtt atatttagaa agcaacatta ggatgaactt 60 aagtcagggc tcggactaga gcaaggcaag tgaggtgcca ggatgcaaaa gttaaggaga 120 cacctgacct caggggccca caactgcaga gcccctgaca gtgaagtgtc tcagtagcct 180 cgccctaagt cctgggcttt cacttaaata tgttttccga atgtttgtaa taaatattct 240 tttgggaagg caaaatanca agggaaaata aataggattt aaagggatac taaagcccaa 300 ttcaataaaa atttcgtaag ggagggccac tgaatttggc ctaaggctcc tatgatgtta 360 accaacaa 368 <210> 11 <211> 343 <212> DNA <213> λ1212-2 <400> 11 caggcccaag tgagcttcac ccttaaacca aagtacttat gttgctgggg tggttgcact 60 cccccaaaga gcaaggggga tctgtgttct ttgggggagc gaaggggagg aaagggaaag 120 acccttgagg ggaagggaaa agaagannta tgcaagatgt tcccccaagc ttgttgttaa 180 ctggccaaga aggggttgtt gggctgttct ggccgacact cctcccaagc cccaanggtc 240 ctccctttga aggggggcgg gtccctgaac aaaaagatgg ggttccaatt gaacccctcc 300 cccaaacccc tgacgccttg cccaantttc caa 343 <210> 12 <211> 271 <212> DNA <213> λ1212-3 <400> 12 ggctgggctt agctgaactc acaagacagc tgggcctttc tctccccacc ccctctctcc 60 ccactccccg ccatatagtg tctccacaag gcccaaggtc tctctggtaa agtagttgga 120 cttcttgcac agatgggggc tcaaagctcc ctaaagtgcc ccatctttaa aacttagtcc 180 ccgngaatgg gcacagtgtt acttctgggt aaccttctgt cggttaaagc aaatcacagg 240 tccagtccag actcaaagaa aaaaggactc c 271 <210> 13 <211> 700 <212> DNA <213> λ1212-4 <400> 13 agattcccca gtgcgctggc tgcaaccagc acatcctgga caagttcatc ctgaaggtcc 60 tggacagaca ctggcacagc tcctgcctca agtgtgcaga ctgccagatg cagctggcgg 120 acaggtgctt ctccagggct gggagcgtct actgcaagga ggacttcttc aagcgcttcg 180 gcacaaaatg cacggcctgc cagcagggta tccccccaac ccaggtggtc cgcaaggccc 240 aggactttgt ctaccacctg cactgctttg cttgcatcat ctgcaaccgg cagctggcca 300 cgggggacga attctacctc atggaggacg ggcggctggt gtgcaaggaa gactacgaga 360 cagccaagca gaacgatgac tcagaggctg gagctaagcg gccccggacc accatcacag 420 ccaagcagct ggagacatta aagaatgcat acaagaactc ccccaagcct gcccggcacg 480 tgagggagca gctgtcctca gagacaggcc tggacatgag ggtcgtacag gtttggtttc 540 agaacagaag ggccaaagag aaacgcctga agaaggatgc agggcggcac cgctgggggc 600 agttctataa gagcgtcaag aggagccggg gcagcagcaa gcaggagaag gagagctctg 660 cagaggactg tggggttagt gacagtgagc tgagcttccg 700
【図面の簡単な説明】
【図1】再構成バンドの位置を示すサザンブロット分析
の図面代用写真である。図1中の矢印は再構成バンド(R
earranged Band)を示し、その下の濃いバンドがシャー
ムラインである。
【図2】FISH法における染色体の局在を示す図面代
用写真である。
【図3】染色体の転座を示す染色体分析の図面代用写真
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12Q 1/68 A 5/10 C12P 21/02 C C12Q 1/68 C12N 15/00 ZNAA // C12P 21/02 5/00 A Fターム(参考) 4B024 AA01 AA12 BA10 CA04 CA09 DA06 EA04 GA11 HA01 HA14 HA17 4B063 QA01 QA18 QA19 QQ02 QQ42 QQ53 QR08 QR32 QR56 QR62 QS03 QS12 QS25 QS34 QX02 4B064 AG01 AG27 CA02 CA19 CA20 CC24 DA14 4B065 AA26X AA94Y AB01 AC14 BA02 CA23 CA24 CA25 CA46 4H045 AA11 AA30 CA42 DA76 DA86 DA89 EA51 FA74

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒトt(1;14)白血病で生じるt
    (1;14)(q25;q32)染色体転座現象で再構
    成された核酸配列またはその相補鎖からなる遺伝子。
  2. 【請求項2】染色体1q23−25上のヒトLhx4遺
    伝子をコードする核酸配列またはその相補鎖核酸配列か
    らなる遺伝子。
  3. 【請求項3】以下の(a)または(b)のポリヌクレオ
    チドを含む遺伝子: (a)配列番号:1で示されるアミノ酸配列をコードす
    るポリヌクレオチドまたはそれらの相補鎖、(b)配列
    番号:1で示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドを
    コードするポリヌクレオチドに対して少なくとも95%
    の相同性を持っているポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】以下の(a)または(b)のいずれかのポ
    リヌクレオチドからなる遺伝子: (a)配列番号:2で示される塩基配列又はそれらの相
    補鎖、(b)上記(a)の塩基配列からなるポリヌクレ
    オチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
    るポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】配列番号:2で示される塩基配列である請
    求項4に記載の遺伝子。
  6. 【請求項6】配列番号:1で示されるアミノ酸配列を有
    するポリペプチドをコードする遺伝子。
  7. 【請求項7】請求項3に記載のアミノ酸配列を有する遺
    伝子発現産物。
  8. 【請求項8】請求項4に記載の遺伝子を有する組換え体
    発現ベクター。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の組換え体発現ベクターを
    有する宿主細胞。
  10. 【請求項10】請求項1から6のいずれかに記載の遺伝
    子を発現するクローン化cDNA及びその断片、その誘
    導体及びその相同物。
  11. 【請求項11】ヒトt(1;14)白血病で生じるt
    (1;14)(q25;q32)染色体転座現象で再構
    成された核酸配列またはその相補鎖核酸配列とハイブリ
    ダイズするプローブまたはプライマー。
  12. 【請求項12】染色体1q23−25上のヒトLhx4
    遺伝子をコードする核酸配列またはその相補鎖核酸配列
    とハイブリダイズするプローブまたはプライマー。
  13. 【請求項13】請求項11または12に記載の配列番
    号:2で示される塩基配列の少なくとも15の連続する
    ヌクレオチド配列を含んでいるオリゴヌクレオチド・プ
    ローブまたはプライマー。
  14. 【請求項14】請求項13に記載の配列番号:2で示さ
    れる塩基配列の少なくとも30の連続するヌクレオチド
    配列を含んでいる請求項13に記載のオリゴヌクレオチ
    ド・プローブまたはプライマー。
  15. 【請求項15】請求項3から6に記載の遺伝子の発現産
    物、またはそれらの部分断片に結合性を有する抗体。
  16. 【請求項16】請求項13または14に記載のオリゴヌ
    クレオチド・プローブまたはプライマーを用いて検体中
    のヒトt(1;14)白血病のDNA配列を検出する急
    性リンパ性白血病の診断方法。
  17. 【請求項17】少なくとも配列番号10〜13のいずれ
    かの配列を有するλ1212ファージクローンをプロー
    ブまたはプライマーとして用いて検体中のヒトt(1;
    14)(q25;q32)のDNA配列を検出する急性
    リンパ性白血病の診断方法。
  18. 【請求項18】14q32の酵母人工染色体をプローブ
    またはプライマーとして用いることを特徴とする検体中
    のヒトt(1;14)(q25;q32)のDNA配列
    を検出する急性リンパ性白血病の診断方法。
  19. 【請求項19】請求項15に記載の抗体またはその断片
    を用いることを特徴とする検体中のヒトt(1;14)
    (q25;q32)の結合物を検出する急性リンパ性白
    血病の診断方法。
  20. 【請求項20】配列番号:2で示される塩基配列と同じ
    染色体の局在にマップされる核酸分子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100335137C (zh) * 2004-07-01 2007-09-05 中国人民解放军军事医学科学院基础医学研究所 人同源盒基因lhx4在制备嗜铬细胞瘤治疗药物中的应用

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