JP2002532057A - ヒトtbc−1タンパク質をコードする核酸およびその多型マーカー - Google Patents

ヒトtbc−1タンパク質をコードする核酸およびその多型マーカー

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒトTBC−1遺伝子のゲノムおよびcDNA配列に関する。本発明はまた、TBC−1遺伝子によってコードされるポリペプチドに関する。本発明はまた、診断薬として有用である前記ポリペプチドに対して特異的な抗体を扱う。本発明はさらに、遺伝子解析に有用なTBC−1遺伝子のバイアレリックマーカーを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、ヒトTBC−1遺伝子のゲノムおよびcDNA配列に関する。本発
明はまた、TBC−1遺伝子によってコードされるポリペプチドに関する。本発
明はまた、診断薬として有用である前記ポリペプチドに対して特異的な抗体を扱
う。本発明は、遺伝子解析に有用なTBC−1遺伝子のバイアレリックマーカー
をさらに含む。
【0002】 発明の背景 前立腺ガンの発症率は、最近10年間の間に劇的に増加した。該発症率は、西
欧諸国および米国白人男性集団において、平均で男性30〜50人/100,0
00人である。これらの国において、前立腺ガンは、最も多く診断される悪性疾
患であり、米国男性において診断されるガンの4例のうち1例に認められる。前
立腺ガンの発症率は、中国の2人/100,000人からアフリカ系米国人男性
の80人以上/100,000人に間で及び、極めて多くの集団特異性を示す。
【0003】 仏国では、前立腺ガンの発症率は、男性35人/100,000人であり、1
0年あたり10人/100,000人で増加している。それに伴い、前立腺ガン
による死亡率も増加している。前立腺ガンは仏国男性のガン死亡原因の第2位で
あり、70歳以上の仏国男性では第1位である。このため、前立腺ガンは公衆衛
生の深刻な負担になっている。
【0004】 前立腺ガンは潜伏性疾患である。多くの男性は、疾患の明白な徴候を呈するこ
となく前立腺癌細胞を担持する。他の原因で死亡した個体の剖検では、50歳男
性の30%、80歳男性の60%に前立腺ガン細胞が認められる。さらに、前立
腺ガンでは、初診後10年までに患者が死亡し得る。
【0005】 該疾患は、明確に規定された隗から前立腺の外側縁の破壊および浸潤へと進行
し、続いて局所リンパ節への転移が生じる。ガンの骨への転移は、よく起こるこ
とであり、制御不能な痛みを伴うことが多い。
【0006】 不幸なことに、症例の80%において、前立腺ガンの診断が確定した場合には
、該疾患は既に骨に転移している。多くの場合、前立腺ガンは前立腺自体内より
も転移部位においてより迅速に増殖することが観察されていることは特に興味深
い。
【0007】 現在、前立腺ガンの早期診断は主に前立腺特異抗原(PSA)量に依存し、臨
床症状が明確になる7年前に前立腺ガンの検出が可能になる。しかし、PSA量
診断では臓器の悪性作用と非悪性作用との区別ができず、また全ての前立腺ガン
が高血清PSA濃度に上昇するとは限らないため、該PSA量診断の効果には限
度がある。さらに、PSA量ならびに健康診断、組織生検および骨スキャンなど
の現在利用可能な他のアプローチは、疾患の進行を予測する場合に有用性が限ら
れている。
【0008】 従って、より系統的な早期前立腺ガンの予後を可能にする信頼できる診断法が
強く望まれている。
【0009】 早期前立腺ガンの予後は重要であるが、治療を遅らせることができる期間を測
定する可能性も興味深い。何故なら、現在利用可能な薬剤は効果であり、重要な
有害作用を生じるからである。しかし、前立腺腫瘍の攻撃性は広範に変動する。
比較的攻撃的で6ヶ月ごとに2倍になる腫瘍もあれば、増殖が遅く5年で2倍に
なる腫瘍もある。事実、前立腺ガンの大部分は比較的ゆっくりと増殖するため、
臨床的に認められない。極めて多くの場合、罹患患者は高齢者であり、前立腺ガ
ンが実際に発症する前に別の疾患で死亡する。従って、前立腺ガンの治療におい
て重要な問題は、いかにして患者の余命中に進行する腫瘍と進行しない腫瘍とを
区別するかである。
【0010】 従って、一旦診断された前立腺ガン腫瘍の攻撃性または発症可能性を評価する
ために使用され得る検出手段も強く望まれている。
【0011】 さらに、現在のところ、前立腺ガンの罹病性を予測する手段はない。また、前
立腺ガンに対する個体の罹病性を検出することも非常に有益である。このことは
、腫瘍発症の予防処置および注意深い経過診断を可能にし得る。
【0012】 さらに前立腺ガンは増殖速度が遅いため、その結果、ガン細胞が任意の時間に
積極的に分裂することは稀で、そのため前立腺ガンは一般に放射線および化学療
法に耐性である。手術は治療の主要部であるが、主な効果はなく、射精管が除去
されるため、その結果、インポテンスとなる。経口エストロゲン類および黄体形
成ホルモン放出ホルモン(luteinizing releasing ho
rmone)類似体も前立腺ガンの治療に使用される。これらのホルモン治療は
多くの患者に改善をもたらすが、それらは一時的な課緩和をもたらすに過ぎない
。実際に、これらのガンのほとんどは、ホルモン耐性腫瘍細胞の発生に伴い直ち
に再発し、エストロゲン治療により重度の心血管合併症を生じ得る。従って、前
立腺ガンの予防的および治療的処置が強く望まれている。
【0013】 有効性/忍容性予後は、前立腺ガン療法において貴重である。実際に、ホルモ
ン療法は現在利用可能な主用治療であるが、重要な副作用を示す。化学療法の使
用は、化学的感受性腫瘍を有する患者が小数であるため、制限されている。さら
に、前立腺がん患者の年齢プロファイルおよび化学療法に対する非忍容性のため
、このような治療の系統的使用が極めて困難である。
【0014】 従って、前立腺ガン患者に投与しようとする薬剤の終局的有効性および薬剤に
対する患者の終局的忍容性についての価値を有する評価は、前立腺ガン治療の有
益性/リスク比を高めることが可能である。
【0015】 前立腺ガンの家族性リスクが存在することは、現在公知である。1950年代
の臨床研究では、既に前立腺ガンの家族性集成が実証されている。より最近、該
疾患の遺伝的危険因子の発生率を評価することを試みるために、比較症例臨床研
究が行われている。これにより、Steinbergら、1990、およびMc
Whorterら、1992は、血縁者の早期診断の形態が存在する場合に、既
に該疾患に罹患した1名以上の血縁者を有する被験体では前立腺ガンのリスクが
高まることを確認している。
【0016】 現在では、ガンは特定の遺伝子の発現の脱調節によって生じる疾患であること
が明確に確立されている。事実、腫瘍の発症には、重要な連続的段階を必要とす
る。これらの段階のそれぞれは、細胞の正常な代謝に介在する重要な遺伝子の脱
調節および増殖に有利であるために他の細胞タイプを圧倒する異常細胞サブクロ
ーンの出現を含む。この概念に基づく遺伝子の起源は、原因となり得る遺伝子を
単離および特徴づけすることによって確認されている。これらの遺伝子は一般に
「ガン遺伝子」と呼ばれ、細胞の正常な代謝において重要な役割を果たしている
が、これが変化すると発ガンを介在する可能性がある。
【0017】 最近の研究では、ガンにおいて頻繁に変異する3つのグループの遺伝子が同定
されている。第1のグループの遺伝子はオンコジーンと呼ばれ、その産物が細胞
の増殖を活性化する遺伝子である。該変異型は細胞の増殖において過度または不
適切に活性であり、単一の変異対立遺伝子が細胞表現型に影響を及ぼすのに十分
であるように優性様式で細胞において作用する。活性化されたオンコジーンは、
全ての細胞において発現される場合おそらく致死的であるため、生殖系列変異と
して伝達されることはめったにない。従って、オンコジーンは腫瘍組織において
のみ研究することができる。
【0018】 ガンにおいて頻繁に変異する第2のグループの遺伝子はガン抑制遺伝子と呼ば
れ、その産物が細胞の増殖を阻害する遺伝子である。ガン細胞の変異バージョン
はそれらの正常な機能を消失し、細胞表現型を変化するためには遺伝子の両コピ
ーを不活化しなければならないような劣性様式で細胞において作用する。最も重
要なことに、腫瘍の表現型は、野生型の対立遺伝子によってレスキューすること
ができ、これは、Harrisら(1969)によって最初に記載された細胞融
合実験によって明らかにされている。腫瘍抑制遺伝子の生殖系列変異は伝達する
ことができ、従って、家族性または散在性症例由来の構成性および腫瘍DNAの
両方において研究することができる。腫瘍サプレッサーの現在のファミリーとし
ては、中でもDNA結合転写因子(即ち、p53、WT1)、転写調節因子(即
ち、PB、APC、おそらくBRCA1)、プロテインキナーゼインヒビター(
即ち、p16)が挙げられる(論評についてはHaber D & Harlo
w E,1997を参照のこと)。
【0019】 ガンにおいて頻繁に変異する第3のグループの遺伝子はミューテーター遺伝子
と呼ばれ、ゲノム完全性および/または低変異率の維持の原因である。両対立遺
伝子の機能が消失すると、細胞変異率が上昇し、その結果として、プロトオンコ
ジーンおよび抑制遺伝子は変異され得る。ミューテーター遺伝子も腫瘍抑制遺伝
子として分類することができるが、但し、このクラスの遺伝子によって生じる腫
瘍発生は、上記のように、野生型対立遺伝子の再生によって簡単に抑制できるも
のではないという事実は例外である。不活化によりミューテーター表現型が生じ
得る遺伝子としては、ミスマッチ修復遺伝子(即ち、MLH1、MSH2)、D
NAヘリカーゼ(即ち、BLM、WRN)またはDNA修復およびゲノムの安定
性に関与する他の遺伝子(即ち、p53、おそらくはBRCA1およびBRCA
2)が挙げられる(論評についてはHaber D & Harlow E,1
997;Fishel R & Wilson T.1997;Ellis N
A,1997を参照のこと)
【0020】 腫瘍細胞の非転移から転移表現型への進行における重要な事象は転移−抑制遺
伝子の機能の消失であるという証拠が増加している。これらの遺伝子は、細胞が
転移する能力を特異的に抑制する。いくつかのグループによる研究により、ヒト
第8、10、11および17染色体が前立腺ガン転移抑制活性をコードすること
が実証されている。しかし、第1、7、13、16、および18染色体などの他
のヒト染色体も前立腺ガンに関与し得る。
【0021】 このように、遺伝および非遺伝形態の遺伝子解析から始まる前立腺ガンの発症
および進行に特異的に関与する遺伝子の位置決定および同定ならびに予後および
治療革新に対するそれらの臨床への関与を規定することはまだなされていない。
【0022】 発明の概要 本発明は、TBC−1タンパク質をコードする新規のヒト遺伝子のゲノム配列
を含む核酸分子に関する。TBC−1ゲノム配列は、前記遺伝子の転写された部
分の上流(5’末端)および下流(3’末端)に位置する調節配列を含み、これ
らの調節配列もまた本発明の一部である。ヒトTBC−1ゲノム配列は、第4染
色体に位置する前立腺ガンのこれまでに知られていない候補領域に含まれる。
【0023】 本発明はまた、TBC−1タンパク質をコードする2つの全cDNA配列、お
よび対応する翻訳産物を扱う。
【0024】 TBC−1ゲノムまたはcDNA配列に特異的にハイブリダイズするオリゴヌ
クレオチドプローブまたはプライマーも本発明の一部であり、前記プライマーお
よびプローブを使用するDNA増幅および検出法も本発明の一部である。
【0025】 本発明のさらなる目的は、上記の任意の核酸配列を含む組換えベクター、およ
び特にTBC−1調節配列またはTBC−1タンパク質をコードする配列を含む
組換えベクター、ならびに前記核酸配列または組換えベクターを含む細胞宿主お
よび非ヒトトランスジェニック動物から成る。
【0026】 本発明はまた、TBC−1関連バイアレリックマーカーおよびその使用に関す
る。
【0027】 最後に、本発明は、TBC−1の発現を阻害する物質または分子のスクリーニ
ング方法、TBC−1ポリペプチドと相互作用する物質または分子をスクリーニ
ングする方法に関する。
【0028】 配列表に記載の配列の簡単な説明 配列番号1は、5’調節配列ならびにエキソン1、1ビス、および2を含むT
BC−1ゲノム配列の第1の部分を含有する。
【0029】 配列番号2は、TBC−1遺伝子の最後の12個のエキソンおよび3’調節配
列を含むTBC−1ゲノム配列の第2の部分を含有する。
【0030】 配列番号3は、TBC−1遺伝子の第1のcDNA配列を含有する。
【0031】 配列番号4は、TBC−1遺伝子の第2のcDNA配列を含有する。
【0032】 配列番号5は、配列番号3および4のcDNAによってコードされるアミノ酸
配列を含有する。
【0033】 配列番号6は、実施例3にさらに記載の付加PU5’配列を含有するプライマ
ーを含有する。
【0034】 配列番号7は、実施例3にさらに記載の付加RP5’配列を含有するプライマ
ーを含有する。
【0035】 配列表に関連する調節に従い、配列内のバイアレリックマーカーの位置を示し
、多型塩基に存在するそれぞれの対立遺伝子を同定するために、以下のコードを
配列表に使用している。配列内のコード「r」は、多型塩基の一方の対立遺伝子
がグアニンであり、他方の対立遺伝子がアデニンであることを示す。配列内のコ
ード「y」は、多型塩基の一方の対立遺伝子がチミンであり、他方の対立遺伝子
がシトシンであることを示す。配列内のコード「m」は、多型塩基の一方の対立
遺伝子がアデニンであり、他方の対立遺伝子がシトシンであることを示す。配列
内のコード「k」は、多型塩基の一方の対立遺伝子がグアニンであり、他方の対
立遺伝子がチミンであることを示す。配列内のコード「s」は、多型塩基の一方
の対立遺伝子がグアニンであり、他方の対立遺伝子がシトシンであることを示す
。配列内のコード「w」は、多型塩基の一方の対立遺伝子がアデニンであり、他
方の対立遺伝子がチミンであることを示す。それぞれのバイアレリックマーカー
について、本来の対立遺伝子のヌクレオチドコードは以下のとおりである。 バイアレリックマーカー 本来の対立遺伝子 99−430−352 G 99−20508−456 C 99−20469−213 C 5−254−227 A 5−257−353 C 99−20511−32 T 99−20511−221 A 99−20504−90 G 99−20493−238 A 99−20499−221 G 99−20499−364 A 99−20499−399 A 5−249−304 G 99−20485−269 A 99−20481−131 G 99−20481−419 T 99−20480−233 A
【0036】 発明の詳細な説明 本発明は、哺乳動物における様々な細胞タイプの分化の調節に潜在的に関与す
るヒトTBC−1遺伝子(本明細書を通して「TBC−1遺伝子」ともいう)に
関連するポリヌクレオチドおよびポリペプチドに関する。TBC−1発現の脱調
節または変化、あるいはTBC−1タンパク質のアミノ酸配列の変化は、患者の
細胞分化、より詳細には前立腺ガンなどのガン状態をもたらす異常細胞増殖に関
与する病理学的状態の発生に関与し得る。
【0037】 定義 本発明をさらに詳細に記載する前に、以下の定義を記載し、本明細書において
本発明を記載するために使用される用語の意味および範囲を例示ならびに規定す
る。
【0038】 用語「TBC−1遺伝子」は、本明細書において使用する場合、TBC−1タ
ンパク質をコードするmRNAおよびcDNA配列を含む。ゲノム配列の場合、
TBC−1遺伝子は、TBC−1遺伝子のコード配列の発現を制御する天然の調
節領域をも含む。
【0039】 TBC−1タンパク質の用語「機能的に活性なフラグメント」は、TBC−1
タンパク質の生物学的機能および/または活性の少なくとも1つに関与するTB
C−1タンパク質の構造的特徴の少なくとも1つを担持するポリペプチドを表す
ことを意図する。
【0040】 「異種」または「外因性」ポリヌクレオチドは、遺伝子操作技法により、最終
ポリヌクレオチド構築物が天然に存在しないような非関連ヌクレオチド配列の環
境に配置されている精製されたまたは単離された核酸を表す。そのようなポリヌ
クレトチド構築物の例示的実施態様は、(1)TBC−1遺伝子配列から誘導さ
れる調節ポリヌクレオチドおよび(2)サイトカイン、例えば、GM−CSFを
コードするポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドによって表され得るが、こ
れに限定されるわけではない。異種ポリヌクレオチドによってコードされるポリ
ペプチドは、本発明の目的のために異種ポリペプチドと呼ばれる。
【0041】 本発明の調節ポリヌクレオチドの「生物学的に活性なフラグメントまたは変異
体」は、組換え宿主細胞において組換えポリペプチドまたは組換えポリヌクレオ
チドを発現するための調節領域として機能的である前記ポリヌクレオチドのフラ
グメントを含むあるいはそれより成るポリヌクレオチドを意図する。
【0042】 本発明の目的のために、前記調節ポリヌクレオチドが転写および翻訳調節情報
を含有するヌクレオチド配列を含有し、そのような配列が所望のポリペプチドま
たは所望のポリヌクレオチドをコードするヌクレオチド配列に「作動可能に」連
結される場合、核酸またはポリヌクレオチドは、組換えポリペプチドまたは組換
えポリヌクレオチドを発現するための調節領域として「機能的」である。作動可
能な連結とは、調節核酸と発現されることが求められるDNA配列とが遺伝子発
現を可能にするような方法で連結される連結である。
【0043】 「プロモーター」は、遺伝子の特異的転写を開始することが求められる細胞の
合成機構によって認識されるDNA配列を指す。
【0044】 プロモーターなどの調節領域に「作動可能に連結される」配列は、前記調節エ
レメントが、RNAポリメラーゼ開始および目的の核酸の発現を制御するための
核酸に対し正確な位置および方向にあることを意味する。
【0045】 本明細書において使用される用語「作動可能に連結される」とは、機能的な関
係におけるポリヌクレオチドエレメントの連結をいう。例えば、プロモーターま
たはエンハンサーがコード配列の転写に影響を及ぼす場合、該プロモーターまた
はエンハンサーはコード配列に作動可能に連結される。より正確には、(プロモ
ーター領域および所望のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドまたはポリ
ヌクレオチドなどの)2つのDNA分子は、該2つのポリヌクレオチド間の連結
の性質により(1)フレームシフト変異の導入を生じず、(2)プロモーターを
含有するポリヌクレオチドがコードポリヌクレオチドの転写を指令する能力を妨
害しない場合に、「作動可能に連結される」という。プロモーターポリヌクレオ
チドは、プロモーターが目的のポリヌクレオチドの転写を生じ得る場合に、所望
のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドまたは所望のポリヌクレオチドに
作動可能に連結され得る。
【0046】 用語「プライマー」は、標的ヌクレオチド配列に相補的であり、標的ヌクレオ
チド配列にハイブリダイズするために使用される特異的なオリゴヌクレオチド配
列を示す。プライマーは、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、または逆
転写酵素のいずれか一方によって触媒されるヌクレオチド重合の開始点としての
役割を果たす。
【0047】 用語「プローブ」は、サンプル中に存在する特異的ポリヌクレオチド配列を同
定するために使用することができる規定された核酸セグメント(またはヌクレオ
チド類似体セグメント、例えば、下記に規定されるポリヌクレオチド)を示し、
前記核酸セグメントは、同定しようとする特異的ポリヌクレオチドに相補的なヌ
クレオチド配列を含む。
【0048】 用語「サンプル」または「材料サンプル」は、本明細書において、本発明のポ
リヌクレオチドもしくはポリペプチドを含有する疑いがある固体または液体材料
を表すために使用される。固体材料は、例えば、TBC−1タンパク質をコード
するポリヌクレオチド、DNAもしくはRNA分子のいずれかの存在が調査され
るか、または天然もしくは変異型TBC−1タンパク質の存在、または発現がT
BC−1調節ポリヌクレオチドの制御下に置かれている目的の所望されるタンパ
ク質の存在が調査される組織スライスまたは生検であってもよい。液体材料は、
例えば、血清、尿などの任意の体液、あるいは細胞懸濁液または組織スライスも
しくは生検中の細胞由来の目的の核酸またはタンパク質材料の抽出から生じる液
体溶液であってもよい。用語「生物学的サンプル」も使用され、DNA抽出を取
り扱うセクションにおいてより正確に規定される。
【0049】 本明細書において使用される用語「精製された」は絶対的な純度を必要とせず
、むしろ、相対的定義であることを意図する。出発材料または天然材料からの純
度が少なくとも1桁の大きさ、好ましくは2または3桁の大きさ、およびより好
ましくは4または5桁の大きさであることが特に意図される。例えば、0.1%
濃度から10%濃度の純度は2桁の大きさである。
【0050】 用語「単離された」は、材料が本来の環境から取り出されることを必要とする
(例えば、該材料が天然に存在する場合は天然環境)。例えば、動物生体中に存
在する天然に存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されないが、
自然系において共存する材料の一部または全部から分離される同ポリヌクレオチ
ドもしくはDNAまたはポリペプチドは単離される。そのようなポリヌクレオチ
ドはベクターの一部であり得、および/またはそのようなポリヌクレオチドもし
くはポリペプチドは、組成物の一部であり得、さらにベクターもしくは組成物は
天然環境の一部ではないという点で単離される。
【0051】 用語「ポリペプチド」は、ポリマーの長さにかかわらずアミノ酸のポリマーを
指し、従って、ペプチド、オリゴペプチド、タンパク質は、ポリペプチドの定義
内に含まれる。この用語はまた、ポリペプチドの発現後修飾を指定するものでも
除外するものでもなく、例えば、グリコシル基、アセチル基、リン酸基、脂質基
などの共有結合を含むポリペプチドが、用語ポリペプチドによって特に意図され
る。(例えば、非天然のアミノ酸、関連のない生物学的系において天然にのみ存
在するアミノ酸、哺乳動物系由来の修飾されたアミノ酸などを含む)アミノ酸の
1以上の類似体、置換された連結、および天然および非天然の両方に存在する当
該分野において公知の他の修飾を有するポリペプチドも定義内に含まれる。
【0052】 用語「組換えポリペプチド」は、人工的に設計されており、それらの最初の天
然環境において連続ポリペプチド配列として見出されていない少なくとも2つの
ポリペプチド配列を含むポリペプチドを指すか、または組換えポリヌクレオチド
から発現されているポリペプチドを指すために本明細書において使用される。
【0053】 用語「精製された」は、核酸、脂質、炭水化物および他のタンパク質を含むが
それらに限定されない他の化合物から分離されている本発明のポリペプチドを記
載するために本明細書において使用される。サンプルの少なくとも約50%、好
ましくは60〜75%が単一ポリペプチド配列を示す場合、ポリペプチドは実質
的に純粋である。実質的に純粋なポリペプチドは、典型的に約50%、好ましく
は60〜90%重量/タンパク質サンプルの重量を含み、より通常的には約95
%、好ましくは約99%以上が純粋である。ポリペプチドの純度または等質性は
、サンプルのポリアクリルアミドゲル電気泳動、続くゲルの染色に基づく単一ポ
リペプチドバンドの可視化などの当該分野において周知の多くの手段によって示
される。特定の目的のために、HPLCまたは当該分野において周知の他の手段
を用いることによって、より高い分離度を提供することができる。
【0054】 本明細書において使用される用語「非ヒト動物」は、任意の非ヒト脊椎動物、
トリおよびより通常的には哺乳動物、好ましくは、霊長類、ブタ、ヤギ、ヒツジ
、ロバおよびウマなどの家畜、ウサギまたはげっ歯類、より好ましくはラットま
たはマウスを指す。本明細書において使用される用語「動物」は、任意の脊椎動
物、好ましくは哺乳動物を指すために使用される。両用語「動物」および「哺乳
動物」は、用語「非ヒト」の前置きがない限りヒト被験者を特に含む。
【0055】 本明細書において使用される用語「抗体」は、少なくとも1つの結合ドメイン
を含むポリペプチドまたはポリペプチドの群を指し、ここで、抗体結合ドメイン
は、抗原との免疫学的反応を可能にする抗原の抗原決定基の特徴に相補的な内部
表面形状および電荷分布を有する3次元結合空間を形成するための抗体分子の可
変ドメインの折り畳みから形成される。抗体は、結合ドメイン、およびFab、
Fab’、F(ab)2、およびF(ab’)2フラグメントを含むフラグメント
を含む組換えタンパク質を含む。
【0056】 本明細書において使用される「抗原決定基」は、抗原分子の一部(この場合、
抗原−抗体反応の特異性を決定するTBC−1ポリペプチド)である。「エピト
ープ」は、ポリペプチドの抗原決定基を指す。エピトープはエピトープに特有な
空間コンホメーションにおける僅か3アミノ酸を含み得る。一般的に、エピトー
プは、少なくとも6アミノ酸、より通常的には少なくとも8〜10のそのような
アミノ酸から成る。エピトープを構成するアミノ酸を決定する方法としては、X
線結晶学、2次元核磁気共鳴、およびエピトープマッピング(例えば、Geys
enら、1984に記載のペプスカン法;PCT公開No.WO84/0356
4;およびPCT公開No.WO84/03506)などが挙げられる。
【0057】 本明細書を通して、表現「ヌクレオチド配列」は、ポリヌクレオチドもしくは
オリゴヌクレオチドまたは核酸を無差別に表すために用いられ得る。より正確に
は、表現「ヌクレオチド配列」は核酸材料自体を含み、従って、特定のDNAま
たはRNA分子を生化学的に特徴づける配列情報(即ち、4塩基文字の間から選
択される文字の連続)を制限するものではない。
【0058】 本明細書において交換可能に使用される用語「オリゴヌクレオチド」、および
「ポリヌクレオチド」は、一本鎖または二本鎖の形での1ヌクレオチド以上のR
NA、DNA、またはRNA/DNAハイブリッド配列を含む。本明細書におい
て形容詞として使用される用語「ヌクレオチド」は、一本鎖または二本鎖の形の
任意の鎖長のRNA、DNA、またはRNA/DNAハイブリッド配列を含む分
子を記載する。用語「ヌクレオチド」も本明細書において名詞として使用され、
個々のヌクレオチド、またはプリンもしくはピリミジン、リボースもしくはデオ
キシリボース糖部分、およびリン酸基、またはオリゴヌクレオチドもしくはポリ
ヌクレオチド内のヌクレオチドの場合はホスホジエステル結合を含む分子、また
は大きな核酸分子の個々の単位を意味する多様なヌクレオチドを指す。用語「ヌ
クレオチド」も本明細書において使用され、少なくとも1個の修飾(a)代替的
連結基、(b)プリンの類似形態、(c)ピリミジンの類似形態、または(d)
類似糖、例えば、類似連結基、プリン、ピリミジン、および糖を含む「修飾され
たヌクレオチド」を含む(例えば、PCT公開No.WO95/04064を参
照のこと)。しかし、本発明のポリヌクレオチドは、好ましくは、50%を超え
る従来のデオキシリボースヌクレオチド、最も好ましくは90%を超える従来の
デオキシリボースヌクレオチドを含む。本発明のポリヌクレオチド配列は、合成
、組換え、ex vivo作製、またはそれらの組み合わせを含む任意の既知の
方法によって、ならびに当該分野において公知の任意の精製方法を利用して、調
製され得る。
【0059】 用語「ヘテロ接合性率」は、特定の対立遺伝子においてヘテロ接合性である集
団における個体の発症率を指すために本明細書において使用される。バイアレリ
ック系において、ヘテロ接合性率は、平均で2Pa(1−Pa)に等しい。式中、
aは少なくとも一般の対立遺伝子の頻度である。遺伝子研究において有用であ
るためには、遺伝子マーカーは、適切なレベルのヘテロ接合性を有し、無作為に
選択されたヒトがヘテロ接合性である合理的な確率を可能にするべきである。
【0060】 本明細書で使用される用語「遺伝子型」は、個体またはサンプル中に存在する対
立遺伝子の正体を指す。本明細書において、遺伝子型は、好ましくは個体または
サンプル中に存在するバイアレリックマーカーの説明を指す。用語バイアレリッ
クマーカーについてサンプルまたは個体の「遺伝子型を判定する」は、バイアレ
リックマーカーにおいて個体に担持される特異的対立遺伝子または特異的ヌクレ
オチドを決定することから成る。
【0061】 本明細書において使用される用語「多型」は、2種以上の代替的ゲノム配列あ
るいは異なるゲノムもしくは個体間またはその間の対立遺伝子の発生を指す。「
多型性」は、特異的ゲノム配列の2種以上の変異体が集団において見出され得る
条件を指す。「多型性部位」は、変異が生じる遺伝子座である。単一のヌクレオ
チドの多型は、単一の塩基対の変化である。典型的に、単一のヌクレオチドの多
型は、多型性部位で1つのヌクレオチドがもう1つのヌクレオチドに置き換わる
ことである。単一のヌクレオチドの欠失または単一のヌクレオチドの挿入も、単
一のヌクレオチド多型を生じる。本発明において、「単一のヌクレオチド多型」
は、好ましくは、単一のヌクレオチドの置換を指す。しかし、多型はまた、少な
くとも1ヌクレオチド、好ましくは1〜5ヌクレオチドの挿入または欠失を含み
得る。典型的に、異なるゲノム間または異なる個体間では、多型性部位は異なる
2ヌクレオチドに占有され得る。
【0062】 用語「バイアレリック多型」および「バイアレリックマーカー」は、本明細書
において交換可能に使用され、集団において極めて高頻度で2つの対立遺伝子を
有する単一のヌクレオチド多型を指す。「バイアレリックマーカー対立遺伝子」
は、バイアレリックマーカー部位に存在するヌクレオチド変異体を指す。典型的
に、本発明のバイアレリックマーカーのそれ程一般的ではない対立遺伝子の頻度
は、1%を超えることが確認されており、好ましくは、頻度は10%を超え、よ
り好ましくは、頻度は少なくとも20%(即ち、少なくとも0.32のヘテロ接
合性率)であり、さらにより好ましくは、頻度は少なくとも30%(少なくとも
0.42のヘテロ接合性率)である。それ程一般的ではない対立遺伝子の頻度が
30%以上であるバイアレリックマーカーを「高品質バイアレリックマーカー」
と呼ぶ。
【0063】 ポリヌクレオチドの中央部について、ポリヌクレオチドにおけるヌクレオチド
の位置決定については、以下の方法で本明細書に記載する。ポリヌクレオチドが
奇数のヌクレオチドを有する場合、ポリヌクレオチドの3’および5’末端から
等距離のヌクレオチドをポリヌクレオチドの「中央部」とし、中央部のヌクレオ
チドの直ぐ隣の任意のヌクレオチド、または中央部自体のヌクレオチドを「中央
部の1ヌクレオチド内」とする。ポリヌクレオチドにおいて奇数のヌクレオチド
を伴う場合、ポリヌクレオチドの中間の5ヌクレオチド位置のいずれかを中央部
の2ヌクレオチド内にあるなどとする。ポリヌクレオチドが偶数のヌクレオチド
を有する場合、ポリヌクレオチドの中央部には結合が存在し、ヌクレオチドは存
在しない。従って、2つの中央ヌクレオチドのいずれか一方は「中央部の1ヌク
レオチド内」にあるとし、ポリヌクレオチドの中間の4ヌクレオチドのいずれか
を「中央部の2ヌクレオチド内」にあるなどとする。1ヌクレオチド以上の置換
、挿入または欠失を含む多型では、多型の置換された、挿入された、または欠失
されたポリヌクレオチドおよびポリヌクレオチドの3’末端からの距離と、多型
の置換された、挿入された、または欠失されたポリヌクレオチドおよびポリヌク
レオチドの5’末端からの距離との間の差異が0もしくは1ヌクレオチドである
場合、多型、対立遺伝子またはバイアレリックマーカーは、ポリヌクレオチドの
「中央部」にある。この差異が0〜3である場合、多型は「中央部の1ヌクレオ
チド内」にあるとする。差異が0〜5である場合、多型は「中央部の2ヌクレオ
チド内」にあるとする。差異が0〜7である場合、多型は「中央部の3ヌクレオ
チド内」にあるとする、などとする。
【0064】 本明細書で使用される用語「バイアレリックマーカーを規定するとは」、配列
がバイアレリックマーカー由来の多型性塩基を含むことを意味する。バイアレリ
ックマーカーを規定する配列は、それらの意図される用途に一致する任意の長さ
であり得る。但し、それらはバイアレリックマーカー由来の多型性塩基を含有す
る。配列は、1〜500ヌクレオチド長、好ましくは5、10、15、20、2
5、または40〜200ヌクレオチド長、より好ましくは30〜50ヌクレオチ
ド長を有する。従って、それぞれのバイアレリックマーカーは、相互に比較した
場合、1つの位置でヌクレオチド修飾が存在する遺伝子に含まれる2つの形のポ
リヌクレオチド配列に対応する。好ましくは、バイアレリックマーカーを規定す
る配列は、バイアレリックマーカーA1〜A19およびその相補体から成る群よ
り選択される多型性塩基を含む。いくつかの実施態様において、バイアレリック
マーカーを規定する配列は、P1〜P7、P9〜P13、P15〜P19および
その相補体から成る群より選択される配列の1つを含む。同様に、用語「マーカ
ー」または「バイアレリックマーカー」は、多型性対立遺伝子を実際的に(しか
し必ずしも不明瞭ではない)同定するために配列が十分な長さであることを必要
とし、通常、少なくとも4、5、6、10、15、20、25、または40ヌク
レオチドの長さであることを意味する。
【0065】 用語「上流」は、特定の参照点からポリヌクレオチドの5’末端方向への位置
を指すために使用される。
【0066】 用語「塩基対」および「ワトソンとクリックの塩基対」は、本明細書において
交換可能に使用され、2つの水素結合によってアデニンに結合するチミンまたは
ウラシル残基および3つの水素結合によって結合するシトシンおよびグアニン残
基を有する二重らせんDNAに見出されるような方法(Stryer,L.,B
iochemistry、第4版、1995)で、それらの配列の同一性により
相互に水素結合し得るヌクレオチドを指す。
【0067】 用語「相補的」または「その相補体」は、相補領域全体を通して、もう1つの
特定されたポリヌクレオチドにワトソンとクッリクの塩基対を形成し得るポリヌ
クレオチドの配列を指す。本発明の目的のために、第1のポリヌクレオチドのそ
れぞれの塩基がその相補塩基と対を形成する場合、第1のポリヌクレオチドは第
2のポリヌクレオチドに相補的であると見なす。相補的塩基とは、一般にAとT
(もしくはAとU)、またはCとGである。「相補体」は「相補的ポリヌクレオ
チド」、「相補的核酸」および「相補的ヌクレオチド配列」の同義語として本明
細書において使用される。これらの用語は単にそれらの配列に基づき、2つのポ
リヌクレオチドが実際に結合する任意の特定の組の条件によらないポリヌクレオ
チドの対に適用される。
【0068】 変異体およびフラグメント 1.ポリヌクレオチド 本発明はまた、本明細書に記載のポリヌクレオチド、特に本発明の1以上のバ
イアレリックマーカーを含有するTBC−1遺伝子の変異体またはフラグメント
に関する。
【0069】 本明細書において使用される用語ポリヌクレオチドの変異体は、参照ポリヌク
レオチドとは異なるポリヌクレオチドである。ポリヌクレオチドの変異体は、天
然に存在する対立遺伝子変異体などの天然に存在する変異体であり得るか、また
は該変異体は、天然に存在することが知られていない変異体であり得る。ポリヌ
クレオチド、細胞または生物に適用される変異誘発技法を含む変異誘発技法によ
って、ポリヌクレオチドのそのような天然に存在しない変異体を作製し得る。一
般に、参照および変異体のヌクレオチド配列が全体的に極めて類似しており、多
くの領域において同一であるように、差異が制限される。
【0070】 本発明のポリヌクレオチドの変異体としては、配列番号1〜4のいずれかの配
列もしくはそれに相補的な配列または配列番号1〜4のいずれかの配列の少なく
とも8連続ヌクレオチドの任意のポリヌクレオチドフラグメントもしくはそれに
相補的な配列に対して少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列、好ましく
は少なくとも98%同一、より詳細には少なくとも99.5%同一、最も好まし
くは、配列番号1〜4のいずれかの配列もしくはそれに相補的な配列または配列
番号1〜4のいずれかの配列の少なくとも8連続ヌクレオチドの任意のポリヌク
レオチドフラグメントもしくはそれに相補的な配列に対して少なくとも99.9
%同一であるヌクレオチド配列が挙げられるが、それらに限定されない。
【0071】 変異体のヌクレオチドの変化はサイレントであってもよく、これは、それらが
ポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸を変化しないことを意味する。
【0072】 しかし、ヌクレオチドの変化はまた、参照配列によってコードされるポリペプ
チドのアミノ酸置換、付加、欠失、融合および切断をもたらし得る。置換、欠失
または付加は1以上のヌクレオチドを含み得る。変異体はコードまたは非コード
領域または両方において変化され得る。コード領域の変化は、保存的または非保
存的アミノ酸置換、欠失または付加を産生し得る。
【0073】 本発明について、特に好ましい実施態様は、ポリヌクレオチドが、成熟TBC
−1タンパク質と実質的に同一の生物学的機能または活性を保持するポリペプチ
ドをコードする実施態様である。
【0074】 ポリヌクレオチドフラグメントは、全体的に所定のヌクレオチド配列、好まし
くはTBC−1遺伝子、およびその変異体のヌクレオチド配列の全てではないが
一部と同一である配列を有するポリヌクレオチドである。フラグメントは、TB
C−1遺伝子のエキソンまたはイントロンの一部であり得る。該フラグメントは
また、TBC−1遺伝子の調節配列の一部であり得る。好ましくは、そのような
フラグメントは、バイアレリックマーカーA1〜A19およびその相補体から成
る群より選択されるバイアレリックマーカーの多型性塩基を含む。
【0075】 そのようなフラグメントは、「遊離状態(free−standing)」、
即ち、他のポリヌクレオチドの一部ではなく、他のポリヌクレオチドに融合して
いないか、または該フラグメントは、それらが一部または領域を形成する単一の
より大きなポリヌクレオチド内に含まれ得る。しかし、いくつかのフラグメント
は、単一のより大きなポリヌクレオチド内に含まれ得る。
【0076】 本発明のポリヌクレオチドフラグメントの代表的例として、約4、6、8、1
5、20、25、40、10〜20、10〜30、30〜55、50〜100、
75〜100または100〜200ヌクレオチド長を有する上記のポリヌクレオ
チドフラグメントが存在し得る。P1〜P7、P9〜P13、P15〜P19の
ラグメントなどの約49ヌクレオチド長を有するフラグメントまたはそれらに相
補的な配列を有し、本明細書に記載のTBC−1遺伝子のバイアレリックマーカ
ーの少なくとも1つを含有するそれらのフラグメントが好ましい。
【0077】 2.ポリペプチド 本発明はまた、変異型TBC−1タンパク質を含む本明細書に記載のポリペプ
チドの変異体、フラグメント、類似体および誘導体に関する。
【0078】 変異体は、1)1以上のアミノ酸残基が保存的または非保存的アミノ酸残基(
好ましくは保存的アミノ酸残基)で置換されている変異体であり、そのような置
換されたアミノ酸残基は遺伝子コードによってコードされるアミノ酸残基であっ
てもそうでなくてもよいか、あるいは2)1以上のアミノ酸残基が置換基を含む
変異体であるか、あるいは3)変異型TBC−1が、ポリペプチドの半減期を増
加する化合物(例えば、ポリエチレングリコール)などのもう1つの化合物に融
合している変異体であるか、あるいは4)付加アミノ酸が、リーダーもしくは分
泌配列または変異型TBC−1もしくはプレタンパク質の精製に用いられる配列
などの変異型TBC−1に融合した変異体であり得る。そのような変異体は、当
業者の範囲内にあると見なす。
【0079】 より詳細には、変異体TBC−1ポリペプチドは、1アミノ酸の1、2、3、
4、5、10〜20の範囲の置換、付加または欠失のアミノ酸の変化、好ましく
は、1〜10、より好ましくは1〜5、最も好ましくは1アミノ酸の1〜3の置
換、付加または欠失を含む。好ましいアミノ酸の変化は、天然のTBC−1タン
パク質に対して惹起される抗体によって認識されるべき変異体TBC−1ポリペ
プチドの生物学的活性もしくは能力にほとんどまたはまったく影響を及ぼさない
アミノ酸の変化である。
【0080】 本発明の相同的ペプチドとは、TBC−1ポリペプチドのアミノ酸配列中に1
またはいくつかのアミノ酸付加、欠失および/または置換を含有するポリペプチ
ドを意味する。アミノ酸置換の場合、1またはいくつかの連続もしくは非連続ア
ミノ酸が「等価な」アミノ酸によって置き換わる。
【0081】 表現「等価な」アミノ酸は、本明細書において使用され、ペプチド化学の分野に
おける当業者がポリペプチドの2次構造および水治療性質(hydropath
ic nature)を予測するような類似の特性を有するアミノ酸の1つの代
わりに置換され得る任意のアミノ酸を表す。一般に、アミノ酸の以下の群は、等
価な変化を表す:(1)Ala、Pro、Gly、Glu、Asp、Gln、A
sn、Ser、Thr;(2)Cys、Ser、Tyr、Thr;(3)Val
、Ile、Leu、Met、Ala、Phe;(4)Lys、Arg、His;
(5)Phe、Tyr、Trp、His。
【0082】 本発明の等価なアミノ酸はまた、D型残基によるL型残基の置換またはピログ
ルタミン酸化合物によるグルタミン酸(E)残基の置換を意味する。少なくとも
1つのD型残基を含有するペプチドの合成については、例えば、Koch(19
77)に記載されている。
【0083】 本発明の目的の修飾されたペプチド分子の特定の(しかし制限的ではない)実
施態様は、タンパク質分解に対して耐性であるペプチド分子にあり、−CONH
−ペプチド結合が修飾され、(CH2NH)還元型結合、(NHCO)逆向き(
retro inverso)結合、(CH2−O)メチレンオキシ結合、(C
2−S)チオメチレン結合、(CH2CH2)炭素(carba)結合、(CO
−CH2)セトメチレン(cetomethylene)結合、(CHOH−C
2)ヒドロキシエチレン結合、(N−N)結合、E−アルセン(alcene
)結合または−CH=CH−結合によって置き換えられるペプチドである。
【0084】 本発明のポリペプチドは翻訳後修飾であってもよい。例えば、該ポリペプチド
は、以下の修飾:アセチレン、ジスルフィド結合形成、プレニル化、カルボキシ
メチル化およびリン酸化を表し得る。
【0085】 ポリペプチドフラグメントは、全体的に所定のポリペプチド配列、好ましくは
TBC−1遺伝子およびその変異体によってコードされるポリペプチドの全てで
はないが一部と同一である配列を有するポリペプチドである。好ましいフラグメ
ントは抗原特性を有するそれらの領域を含み、TBC−1タンパク質に対する抗
原を惹起するのに使用することができる。
【0086】 そのようなフラグメントは、「遊離状態」、即ち、他のポリペプチドの一部で
はなく、他のポリヌクレオチドに融合していないか、または該フラグメントは、
それらが一部または領域を形成する単一のより大きなポリヌクレオチド内に含ま
れ得る。しかし、いくつかのフラグメントは、単一のより大きなポリヌクレオチ
ド内に含まれ得る。
【0087】 本発明のポリペプチドフラグメントの代表的例として、TBC−1の少なくと
も約5、6、7、8、9または10〜15、10〜20、15〜40、または3
0〜55アミノ酸を含む上記のポリペプチドフラグメントが存在し得る。いくつ
かの実施態様において、フラグメントは、TBC−1タンパク質において少なく
とも1つのアミノ酸変異を含有する。
【0088】 核酸またはポリペプチド間の同一性 用語「配列同一性の%」および「相同性%」は、本明細書に交換可能に使用さ
れ、ポリヌクレオチドおよびポリペプチド間の比較を指し、2つの随意的に整合
された(aligned)配列を比較ウインドウと比較することによって決定さ
れる。ここで、比較ウインドウのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の一
部は、2つの配列の最適アラインメントに対する対照配列(付加または欠失を含
まない)と比較して付加または欠失(即ち、ギャップ)を含み得る。百分率は、
両配列において同一核酸塩基またはアミノ酸残基が生じる位置の数を決定して一
致した位置の数を得、一致した位置の数を比較のウインドウにおける位置の総数
で割り、その結果に100を乗じて配列同一性の百分率を得ることにより算出さ
れる。相同性は、当該分野において公知の様々な配列比較アルゴリズムおよびプ
ログラムのいずれかを使用して評価される。そのようなアルゴリズムおよびプロ
グラムとしては、TBLASTN、BLASTP、FASTA、TFASTA、
およびCLUSTALW(PearsonおよびLipman,1988;Al
tchulら、1990;Thompsonら、1994;Higginsら、
1996;Altschulら、1993)が挙げられるが、これらに限定され
ない。特に好ましい実施態様では、タンパク質および核酸配列相同性は、当該分
野において周知のBasic Local Alignment Search
Tool(「BLAST」)(例えば、KarlinおよびAltschul
、1990;Altshulら、1990、1993、1997を参照のこと)
を使用して評価される。特に、5つの特異的BLASTプログラムを使用して以
下の仕事が実施される。 (1)BLASTPおよびBLAST3は、タンパク質配列データベースに対
してアミノ酸疑問(query)配列を比較する; (2)BLASTNは、ヌクレオチド配列データベースに対してヌクレオチド
疑問配列を比較する; (3)BLASTXは、タンパク質配列データベースに対して疑問ヌクレオチ
ド配列(両鎖)の6フレーム概念翻訳産物を比較する; (4)TBLASTNは、全ての6つのリーディングフレーム(両鎖)におい
て翻訳されるヌクレオチド配列データベースに対して疑問タンパク質配列を比較
する;および (5)TBLASTXは、ヌクレオチド配列データベースの6フレーム翻訳に
対してヌクレオチド疑問配列の6フレーム翻訳を比較する。 BLASTプログラムは、本明細書において疑問アミノ酸または核酸配列と試験
配列(好ましくはタンパク質もしくは核酸配列データベースから得られる)との
間の「高スコアセグメント対」と呼ばれる同様のセグメントを同定することによ
って、相同配列を同定する。高スコアセグメント対は、好ましくはスコアマトリ
ックスの手段によって同定(即ち、整合)され、これらの多くは当該分野におい
て公知である。好ましくは、使用されるスコアマトリックスはBLOSUM62
マトリックス(Gonnetら、1992;HenikoffおよびHenik
off、1993)である。それほど好ましくはないが、PAMまたはPAM2
50マトリックスを使用してもよい(例えば、SchwartzおよびDayh
off編、1978を参照のこと)。BLASTプログラムは、同定される全て
の高スコアセグメント対の統計的有意性を評価し、好ましくは、使用者に指定さ
れた相同性%などの使用者に指定された有意性の閾値を満たすそれらのセグメン
トを選択する。好ましくは、高スコアセグメント対の統計的有意性は、Karl
in(例えば、KarlinおよびAltschul、1990を参照のこと)
の統計的有意性の式を使用して評価される。
【0089】 ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件 高ストリンジェンシーの条件を使用する方法を例示的かつ非制限的に以下に示す
。DNAを含有するフィルターのプレハイブリダイゼーションを、6×SSC、
50mM Tris−HCl(pH7.5)、1mM EDTA、0.02%P
VP、0.02%フィコール、0.02%BSA、および500μg/ml変性
サケ精子DNAを含む緩衝液中、65℃で8時間〜1晩行う。フィルターを、1
00μg/ml変性サケ精子DNAおよび5〜20×106cpmの32P標識プ
ローブを含有するプレハイブリダイゼーション混合物中、65℃(好ましいハイ
ブリダイゼーション温度)で48時間ハイブリダイズする。あるいは、SSC緩
衝液、0.15M NaClおよび0.05M クエン酸Naに対応する1×S
SCの存在下、ハイブリダイゼーション工程を65℃で実施することができる。
続いて、フィルターを2×SSC、0.01%PVP、0.01%フィコール、
および0.01%BSAを含有する溶液中、37℃で1時間洗浄し、続いて、0
.1×SSC中50℃で45分間洗浄することができる。あるいは、フィルター
を2×SSCおよび0.1%SDS、または0.5×SSCおよび0.1%SD
S、または0.1×SSCおよび0.1%SDSを含有する溶液中68℃で15
分間隔で洗浄することができる。洗浄工程後、ハイブリダイズされたプローブは
、オートラジオグラフィーによって検出可能である。使用されえる高ストリンジ
ェンシーの他の条件は当該分野において周知であり、Sambrookら、19
89;およびAusubelら、1989において引用され、その全体が本明細
書に援用される。これらのハイブリダイゼーション条件は、約20ヌクレオチド
長の核酸分子に適切である。上記のハイブリダイゼーション条件は、所望の核酸
の長さに従い、当業者に周知の技法に従って適応されるべきである。適切なハイ
ブリダイゼーション条件は、例えば、HamesおよびHiggins(198
5)またはSambrookら(1989)において開示されている技法に従っ
て適応され得る。
【0090】 第4染色体上の候補領域(連結分析) 家族から開始する前立腺ガン遺伝子の位置を決定するために、Jean We
issenbachチーム(Dibら、1996)によりGenethon研究
所において記載のマイクロサテライトタイプのマーカーを使用する遺伝的系統調
査の系統的家族研究を行う。
【0091】 遺伝的系統または「連結」の研究は、染色体上の2つの隣接する配列は、減数
分裂中に交差によって組換えを起こさない(稀に起こす)という原理に基づく。
本研究を行うために、研究対象である疾患と共に定常的に同時遺伝するマイクロ
サテライトDNA配列(染色体マーカー)をこの疾患の素因を有する家族につい
て調査する。ジ−、トリ−またはテトラヌクレオチドの反復の形態で組織化され
るこれらのDNA配列は、ゲノムに沿って系統的に存在し、それらを有する染色
体フラグメントの同定を可能にする。Jean Weissenbachの監督
下でGenethonにおいて作成された遺伝子地図、および物理地図(「酵母
人工染色体」を使用する)(C.E.P.H.においてDaniel Cohe
nによりおよびGenethon(Chumakovら、1995)において行
われた研究)上での最初の研究の結果として、5000を超えるマイクロサテラ
イトマーカーのゲノム上の正確な位置が決定されている。遺伝子系統分析では、
家系図、疾患の伝達、およびマーカーの伝達に従い標的遺伝子と使用する染色体
マーカーとの組換えの確率を計算する。従って、所定のマーカーの特定の対立遺
伝子が、それを有する確率(0〜0.5の組換えレベル)よりも高い頻度で疾患
と共に伝達される場合、問題の標的遺伝子はマーカーの付近に見出されることを
推定することが可能である。この技法を使用して、家族性ガンの遺伝的素因のい
くつかの遺伝子の位置を決定することが可能である。遺伝子系統研究に含まれ得
るためには、疾患の遺伝形態の影響を受けた家族が「情報」基準:世代あたりに
影響を受けた(およびその構成性DNAが利用可能である)被験体が数名いるこ
と、および最も望ましくは兄弟が多いことを満たさなければならない。
【0092】 連結分析により、本発明者らは第4染色体上の前立腺ガンに対する候補領域を
同定した。実際に、マーカーD4S398に対して2.49の値(このマーカー
と遺伝的関連がある可能性を示す)を示す約50家族の全集団における該疾患と
マーカーとの間のLODスコアは2ポイントである。5マーカーの地図上におけ
るLODスコアの変動曲線はD4S398に集中し、数値が3.3を超える場合
は、家族性前立腺ガンに関与する遺伝子がおそらくマーカーD4S2978とD
4S3018との間にある領域、または約9.7cMの空間に見出されることを
示す。
【0093】 新規のヒト遺伝子翻訳産物と既知のマウスタンパク質との相同性 この候補領域において新規のヒト遺伝子を見出した。該遺伝子はガンへの関与
について高い確率を示す。データベース相同性調査により、本発明者らはこの新
規のヒト遺伝子の翻訳産物が、tbc1と呼ばれるマウスのタンパク質に有意に
同一性を有することを決定することができた。従って、本発明の新規のヒト遺伝
子は、本明細書を通してTBC−1と呼んでいる。TBC−1は、新規のタンパ
ク質、TBC−1タンパク質をコードするオープンリーディングフレームを含む
。配列の相同性、TBC−1アミノ酸配列の一部と既知のtbc1マウスタンパ
ク質とのアラインメントに基づき、TBC−1タンパク質は、細胞周期および様
々な組織の分化において役割を果たし得ることが予測される。実際に、TBC−
1タンパク質は、tre2ガン遺伝子ならびに有糸分裂のBUB2およびcdc
16の酵母調節因子における領域に相同であるTBCドメインと呼ばれる200
アミノ酸ドメインを含有する。
【0094】 マウスtbc1遺伝子のcDNAについては、米国特許第5,700,927
号に記載されており、該cDNAは1141アミノ酸は推定タンパク質産物をコ
ードする。マウスtbc1タンパク質のN末端は、成熟ポリペプチドにおいて亜
鉛フィンガー構造を形成し得るシステインおよびヒスチジンのストレッチを含有
する。該N末端はまた、核局在化シグナルに関与し得る塩基性アミノ酸の短いス
トレッチを含む。マウスtbc1タンパク質のTBCドメインは、BUB2およ
びcdc16において保存されるいくつかのチロシン残基を含有する。マウスt
bc1タンパク質のC末端は、ロイシンジッパーを形成しやすい偶数個に配置さ
れたロイシン残基の長いストレッチを含有する。
【0095】 マウスtbc1遺伝子は、精巣および腎臓において高度に発現されることが明
らかにされている。しかし、肺、脾臓、脳、および心臓においてより低いレベル
の発現も同定されている。さらに、マウスtbc1は、細胞および段階特異的様
式で発現される核タンパク質である。
【0096】 マウス骨髄の研究により、赤血球系細胞および巨核球は、実質的レベルのマウ
スtbc1タンパク質を発現するが、成熟好中球では検出されないことが実証さ
れている。同様に、精原細胞はマウスtbc1を発現しないが、第一および第二
精母細胞は大量のtbc1を発現する。生殖細胞の分化の後半では、tbc1レ
ベルは精子細胞および活性精液において減少するようである。従って、精原細胞
の精母細胞への分化プログラムは、マウスtbc1の発現の重要なアップレギュ
レーションを含む。
【0097】 マウスtbc1の一般的分布は組織特異的ではなく、個体組織内の細胞特異的
であり、組織の分化に密接に関連する。特に造血および生殖細胞におけるマウス
tbc1の発達段階の発現は、この遺伝子がいくつかの組織の最終的分化プログ
ラムにおいて役割を果たすことを示唆する。
【0098】 従って、TBC−1タンパク質の生物学的活性に変化をもたらすTBC−1遺
伝子の発現またはTBC−1タンパク質のアミノ酸配列の変化は、直接的または
間接的に細胞増殖異常およびそれによるガン、特に前立腺ガンなどの異常細胞増
殖に関連する疾患を引き起こす可能性がある。
【0099】 TBC−1のゲノム配列 本発明はTBC−1のゲノム配列に関する。本発明は、TBC−1遺伝子、ま
たは配列番号1および2、それに相補的な配列、ならびにそのフラグメントおよ
び変異体から成る群より選択される配列から成る、本質的に成るもしくは含むT
BC−1ゲノム配列を包含する。これらのポリヌクレオチドは精製されるか、単
離されるか、または組換え体であり得る。
【0100】 本発明者らは、TBC−1のゲノム配列の2つの部分の配列を決定した。TB
C−1遺伝子配列の第1の部分は、エキソン1、エキソン1bisおよびエキソ
ン2と呼ばれるTBC−1遺伝子の3つの第1エキソン、ならびに転写される配
列の上流に位置する5’調節配列を含有する。ゲノム配列の第1の部分の配列を
配列番号1に開示する。第2の部分は、エキソンA、B、C、D、E、F、G、
H、I、J、K、およびLと呼ばれるTBC−1遺伝子の最後の12個のエキソ
ン、ならびに転写される配列の下流に位置する3’調節配列を含有する。
【0101】 配列番号1および2におけるエキソンの位置の詳細を表Aに示す。
【0102】
【表1】
【0103】 イントロン1は、エキソン1とエキソン2との間に位置するヌクレオチド配列
を指す。イントロンbisは、エキソンbisとエキソン2との間に位置するヌ
クレオチド配列を指す。イントロンAは、エキソンAとエキソンBとの間に位置
するヌクレオチド配列を指し、以下同様である。イントロンの位置の詳細につい
ては表Aに示す。
【0104】 本発明の目的のために以後で規定するTBC−1イントロンは、一般に当業者
が「イントロン」として理解するものとは正確には異なるため、従って、以下に
さらに規定する。
【0105】 一般に、イントロンは、ゲノムDNAおよび非スプライシング化mRNA分子
の両方に存在するヌクレオチド配列として規定され、既にスプライシング事象を
経ているmRNAには存在しない。TBC−1遺伝子の場合、本発明者らは、こ
の遺伝子が転写される場合、少なくとも2つの異なるスプライシング化mRNA
分子が産生されることを見出した。これについては本明細書のさらなるセクショ
ンにおいて詳細に記載する。第1のスプライシング化mRNA分子はエキソン1
および2を含む。従って、エキソン1と2との間に含まれるゲノムヌクレオチド
配列は、このイントロン配列がエキソン1bisを含有するという事実にもかか
わらず第1のmRNA分子に関するイントロン配列である。もちろん、これとは
対照的に、エキソン1bisは第2のTBC−1mRNA分子に関するエキソン
ヌクレオチド配列である。
【0106】 本発明の目的のためにならびに異なる核酸の明確および明白な命名が包含され
るために、配列番号1または2のヌクレオチド配列のいずれかおよび配列番号3
または4のヌクレオチド配列のいずれかの両方に含有されるポリヌクレオチドは
、エキソン配列と見なされる。対照的に、配列番号1または2のヌクレオチド配
列のいずれかに含有される配列であるが、配列番号3のヌクレオチド配列および
配列番号4のヌクレオチド配列には両者とも存在しないヌクレオチド配列に含有
されるポリヌクレオチドは、イントロン配列とする。
【0107】 上記のTBC−1イントロンを規定する核酸は、試験サンプル中のTBC−1
遺伝子の1コピーの存在を検出するため、あるいはTBC−1イントロン配列内
の標的ヌクレオチド配列を増幅するためのオリゴヌクレオチドプライマーまたは
プローブとして使用することができる。
【0108】 従って、本発明は、本発明に記載のTBC−1遺伝子の15個のエキソンから
成る群より選択されるヌクレオチド配列、もしくはそれに相補的な配列を含む精
製された、単離された、または組換体ポリヌクレオチドを包含する。本発明はま
た、TBC−1遺伝子の少なくとも2つのエキソンの組み合わせを含む精製され
た、単離された、または組換えられた核酸であって、ここで、該ポリヌクレオチ
ドは、配列番号1および2と同一の順で前記核酸の5’末端から3’末端へ核酸
内に配列される、上記核酸を扱う。
【0109】 従って、本発明は、TBC−1遺伝子のイントロンから成る群より選択される
ヌクレオチド配列、もしくはそれに相補的な配列を含む、精製された、単離され
た、または組換体ポリヌクレオチドを包含する。
【0110】 本発明はまた、配列番号1および2から成る群より選択される配列もしくはそ
れに相補的な配列またはそのフラグメントに少なくとも70、75、80、85
、90、または95%のヌクレオチド同一性を有するヌクレオチド配列を含む、
精製された、単離された、または組換体ポリヌクレオチドを包含する。配列番号
1または2のヌクレオチド配列に関するヌクレオチドの差異は、一般に核酸全体
を通して無作為に分布し得る。それにもかかわらず、好ましい核酸は、配列番号
1または2のヌクレオチド配列に関するヌクレオチドの差異がエキソンに含有さ
れるコード配列の外側に優位に位置する核酸である。核酸、ならびにそれらのフ
ラグメントおよび変異体は、試験サンプル中のTBC−1遺伝子の1コピーの存
在を検出するため、あるいはTBC−1配列内の標的ヌクレオチド配列を増幅す
るためのオリゴヌクレオチドプライマーまたはプローブとして使用することがで
きる。
【0111】 本発明のもう1つの目的は、上記で既定されたストリンジェントなハイブリダ
イゼーション条件下で、配列番号1および2から成る群より選択される配列もし
くはそれに相補的な配列またはそのフラグメントにハイブリダイズする、精製さ
れた、単離された、または組換えられた核酸から成る。
【0112】 本発明の特に好ましい核酸は、配列番号1および2から成る群より選択される
配列またはそれに相補的なヌクレオチド配列の少なくとも12、15、18、2
0、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150
、200、500、または1000ヌクレオチドの連続スパンを含む単離された
、精製された、もしくは組換体ポリヌクレオチドを含む。本発明のさらに好まし
い核酸は、配列番号1の少なくとも12、15、18、20、25、30、35
、40、50、60、70、80、90、100、150、200、500、も
しくは1000ヌクレオチドの連続スパンを含む、単離された、精製された、も
しくは組換体ポリヌクレオチドまたはその相補体を含み、ここで前記連続スパン
は、配列番号1の以下のヌクレオチド位置:1〜1000、1001〜2000
、2001〜3000、3001〜4000、4001〜5000、5001〜
6000、6001〜7000、7001〜8000、8001〜9000、9
001〜10000、10001〜11000、11001〜12000、12
001〜13000、13001〜14000、14001〜15000、15
001〜16000、16001〜17000、および17001〜17590
の少なくとも1、2、3、5、または10を含む。本発明の他の好ましい核酸は
、配列番号2の少なくとも12、15、18、20、25、30、35、40、
50、60、70、80、90、100、150、200、500、もしくは1
000ヌクレオチドの連続スパンを含む、単離された、精製された、もしくは組
換体ポリヌクレオチドまたはその相補体を含み、ここで前記連続スパンは、配列
番号2の以下のヌクレオチド位置:1〜5000、5001〜10000、10
001〜15000、15001〜20000、20001〜25000、25
001〜30000、30001〜35000、35001〜40000、40
001〜45000、45001〜50000、50001〜55000、55
001〜60000、60001〜65000、65001〜70000、70
001〜75000、75001〜80000、80001〜85000、85
001〜90000、90001〜95000、および95001〜99960
の少なくとも1、2、3、5、または10を含む。
【0113】 本セクションの題目は「TBC−1のゲノム配列」であるが、任意のサイズお
よび配列の核酸フラグメントも本セクションに記載のポリヌクレオチドに含まれ
得、2つ以上のそのようなゲノム配列の側面または間上のTBC−1のゲノム配
列をフランキングしている。
【0114】 TBC−1cDNA配列 本発明者らは、TBC−1遺伝子の発現により、少なくとも2つのmRNA分
子の産物、それぞれ代替的スプライシング事象としての第1および第2のTBC
−1転写産物を生じることを発見した。それらは、2つの異なる第1エキソン、
即ち、エキソン1およびエキソン1bisから生じる。
【0115】 第1の転写産物は、エキソン1、2、A、B、C、D、E、F、G、H、I、
J、K、およびLを含む。配列番号3のこのcDNAは、5’−UTR領域を含
み、エキソン1の全体およびエキソン2の一部に及ぶ。この5’−UTR領域は
、配列番号3のヌクレオチド配列の1位のヌクレオチドから開始し、170位の
ヌクレオチドで終止する。配列番号3のcDNA配列は、配列番号3のヌクレオ
チド配列の3726位のヌクレオチドから開始し、3983位のヌクレオチドで
終止する。この第1の転写産物は、配列番号3のヌクレオチド配列の3942位
のヌクレオチドと3947位のヌクレオチドとの間に位置するポリアデニル化シ
グナルを有する。
【0116】 第2の転写産物は、エキソン1bis、2、A、B、C、D、E、F、G、H
、I、J、K、およびLを含む。配列番号4のこのcDNAは、配列番号4のヌ
クレオチド配列の1位のヌクレオチドから開始し、175位のヌクレオチドで終
止する5’−UTR領域を含む。この第2のcDNAはまた、配列番号4のヌク
レオチド配列の3731位のヌクレオチドから開始し、3988位のヌクレオチ
ドで終止する3’−UTR領域を含む。この第2の転写産物は、配列番号4のヌ
クレオチド配列の3947位のヌクレオチドと3952位のヌクレオチドとの間
に位置するポリアデニル化シグナルを有する。
【0117】 この第2のTBC−1mRNAの5’末端配列、より詳細には配列番号4の分
子の核酸の1位のヌクレオチドと458位のヌクレオチドとの間に含まれるヌク
レオチド配列は、ヒト膵臓cDNAライブラリーから得られており、PCT出願
WO96/34981の教義に従って特徴づけられている5’−ESTのヌクレ
オチド配列に対応する。この5’−ESTも本発明の一部である。
【0118】 本発明のもう1つの目的は、配列番号3および4のヌクレオチド配列およびそ
の核酸フラグメントから成る群より選択されるポリヌクレオチドを含む精製され
たまたは単離された核酸から成る。
【0119】 配列番号3および4のヌクレオチド配列の好ましい核酸フラグメントは、TB
C−1タンパク質をコードするそれらのそれぞれのオープンリーディングフレー
ムを含むポリヌクレオチドにある。
【0120】 配列番号3および4のヌクレオチド配列の好ましい他の核酸フラグメントは、
それらのそれぞれの5’−UTRまたは3’−UTR領域の少なくとも一部を含
むポリヌクレオチドにある。
【0121】 本発明はまた、配列番号3および4のヌクレオチド配列のいずれか1つ、また
はそのフラグメントに少なくとも95%のヌクレオチド同一性を有する精製され
たまたは単離された核酸に関する。
【0122】 本発明のもう1つの目的は、本明細書に規定されたストリンジェントなハイブ
リダイゼーション条件下で配列番号3および4のヌクレオチド配列のいずれか1
つ、もしくはそれに相補的な配列またはそのフラグメントにハイブリダイズする
ポリヌクレオチドを含む、精製された、単離されたまたは組換えられた核酸から
成る。
【0123】 本発明はまた、配列番号3および4から成る群より選択される配列またはその
相補体の少なくとも12、15、18、20、25、30、35、40、50、
60、70、80、90、100、150、200、500、または1000ヌ
クレオチドの連続スパンを含む単離された、精製された、もしくは組換体ポリヌ
クレオチドに関する。本発明のさらに好ましい核酸は、配列番号3の少なくとも
12、15、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、
90、100、150、200、500、もしくは1000ヌクレオチドの連続
スパンを含む、単離された、精製された、もしくは組換体ポリヌクレオチドまた
はその相補体を含み、ここで、前記連続スパンは、配列番号3の以下のヌクレオ
チド位置:1〜500、501〜1000、1001〜1500、1501〜2
000、2001〜2500、2501〜3000、3001〜3500、およ
び3501〜3983の少なくとも1、2、3、5、または10を含む。本発明
のさらに好ましい核酸は、配列番号4の少なくとも12、15、18、20、2
5、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、20
0、500、もしくは1000ヌクレオチドの連続スパンを含む、単離された、
精製された、もしくは組換体ポリヌクレオチドまたはその相補体を含み、ここで
、前記連続スパンは、配列番号4の以下のヌクレオチド位置:1〜500、50
1〜1000、1001〜1500、1501〜2000、2001〜2500
、2501〜3000、3001〜3500、および3501〜3988の少な
くとも1、2、3、5、または10を含む。そのような核酸は、TBC−1遺伝
子もしくはTBC−1mRNAおよびcDNAに特異的なポリヌクレオチドプロ
ーブまたはプライマーとしてとりわけ有用である。
【0124】 本セクションの題目は「TBC−1cDNA配列」であるが、任意のサイズお
よび配列の核酸フラグメントも本セクションに記載のポリヌクレオチドに含まれ
得、2つ以上のそのようなゲノム配列の側面または間上のTBC−1のゲノム配
列をフランキングしている。
【0125】 コード領域 TBC−1オープンリーディングフレームは、本発明者らによって単離された
約4キロベースの2つのTBC−1mRNA分子に含まれる。
【0126】 より正確には、有効なTBC−1コード配列は配列番号3の171位のヌクレ
オチドと3725位のヌクレオチドとの間、および配列番号4の176位のヌク
レオチドと3730位のヌクレオチドとの間に含まれる。
【0127】 本発明はさらに、配列番号3の171位のヌクレオチドと3725位のヌクレ
オチドとの間に位置する核酸配列を含むポリヌクレオチド、および配列番号4の
176位のヌクレオチドと3730位のヌクレオチドとの間に位置する核酸配列
を含むポリヌクレオチドから成る群より選択されるポリヌクレオチドを含む精製
されたまたは単離された核酸またはその変異体もしくはフラグメントあるいはそ
れに相補的な配列を提供する。
【0128】 本発明は、ヒトTBC−1タンパク質をコードする精製されたまたは単離され
た核酸であって、ここで、前記TBC−1タンパク質は、配列番号5のアミノ酸
配列、それに相補的なヌクレオチド配列、そのフラグメントもしくは変異体を含
む、上記核酸に関する。本発明はまた、配列番号5の少なくとも6アミノ酸、好
ましくは8または10アミノ酸、より好ましくは少なくとも12、15、20、
25、30、40、50、または100アミノ酸の連続スパンを含むポリペプチ
ドをコードする、単離された、精製された、および組換体ポリヌクレオチドを包
含する。好ましい実施態様において、本発明は、配列番号5の少なくとも6アミ
ノ酸、好ましくは8または10アミノ酸、より好ましくは少なくとも12、15
、20、25、30、40、50、または100アミノ酸の連続スパンを含むポ
リペプチドをコードする、単離された、精製された、および組換体ポリヌクレオ
チドを包含し、ここで、前記連続スパンは、配列番号5の以下のヌクレオチド位
置:1〜300、301〜600、601〜900、および901〜1168の
少なくとも1、2、3、5、または10を含む。
【0129】 TBC−1ORFから誘導されるただ1つのコード配列を含有する上記で開示
されたポリヌクレオチドは、前記ポリヌクレオチドが適切な発現シグナルの制御
下に配置される場合、所望の宿主細胞または所望の宿主生物において発現され得
る。そのようなポリヌクレオチドは、適切な発現シグナルの制御下に配置される
場合、その発現のためにベクターに挿入され得る。
【0130】 TBC−1の調節配列 本発明はさらに、TBC−1遺伝子の第1エキソンの上流に位置し、配列番号
1のTBC−1ゲノム配列に含有されるか、またはTBC−1遺伝子の最後のエ
キソンの下流に位置し、配列番号2のTBC−1ゲノム配列に含有される調節領
域のヌクレオチド配列を含む精製され得たまたは単離された核酸を扱う。
【0131】 TBC−1遺伝子の5’−調節配列は、配列番号1のヌクレオチド配列の1位の
ヌクレオチド配列と2000位のヌクレオチド配列との間に位置する。TBC−
1遺伝子の3’−調節配列は、配列番号2のヌクレオチド配列の97961位の
ヌクレオチド配列と99960位のヌクレオチド配列との間に位置する。
【0132】 5’および3’調節領域から誘導されるポリヌクレオチドは、試験サンプルに
おける配列番号1もしくは2のヌクレオチド配列またはそのフラグメントの少な
くとも1コピーの存在を検出するために有用である。
【0133】 TBC−1に含有される5’調節領域のプロモーター活性を、下記のように評
価することができる。
【0134】 TBC−1遺伝子の上流に存在するゲノム配列を、Clontechより市販
されているpSEAP−Basic、pSEAP−Enhancer、pβga
l−Basic、pβgal−Enhancer、またはpEGFP−1Pro
moter Reporterベクターなどの適切なプロモーターレポートベク
ターにクローニングする。簡単に説明すると、これらのプロモーターレポーター
ベクターのそれぞれは、分泌されたアルカリホスファターゼ、βガラクトシダー
ゼ、またはグリーン蛍光タンパク質などの容易にアッセイ可能なタンパク質をコ
ードするレポーター遺伝子の上流に位置する複数のクローニング部位を含む。T
BC−1コード領域の上流の配列を、両方向にレポーター遺伝子の上流のクロー
ニング部位に挿入し、適切な宿主細胞に誘導する。レポータータンパク質のレベ
ルをアッセイして、クローニング部位の挿入物を欠くベクターから得られるレベ
ルと比較する。コントロールのベクターについて、挿入物を含有するベクターの
発現レベルの上昇が認められれば、挿入物にプロモーターが存在することを示す
。必要であれば、弱いプロモーター配列由来の転写レベルを上昇するエンハンサ
ーを含有するベクターに、上流配列をクローニングすることができる。挿入物を
欠くベクターによって観察される上記の発現の有意なレベルは、挿入された上流
配列にプロモーター配列が存在することを示す。
【0135】 エキソヌクレアーゼIII消化などの従来の技法を使用し、上流DNAの入れ子
型欠失を構築することによって、上流ゲノムDNA内のプロモーター配列をさら
に規定してもよい。得られる欠失フラグメントをプロモーターレポーターベクタ
ーに挿入して、欠失がプロモーター活性を減少するかまたは消失するかどうかを
決定することができる。この方法で、プロモーターの境界を規定し得る。所望で
あれば、部位特異的変異またはリンカースキャニングを使用して、プロモーター
内の潜在的転写因子結合部位を個々にもしくは組み合わせて消去し、プロモータ
ー内の潜在的な個々の調節部位を同定し得る。転写レベルに対するこれらの変異
の影響は、プロモーターレポーターベクターのクローニング部位に変異を挿入す
ることによって、決定され得る。
【0136】 従って、TBC−1発現レベルの測定により、TBC−1遺伝子の最小サイズ
を決定することができる。このアッセイのために、一般に2kb〜100bpの
範囲にサイズが縮小され、TBC−1コード配列またはレポーター遺伝子に作動
可能に連結されているプロモーター(3’末端は一定である)を使用する。細胞
(好ましくは、前立腺細胞、より好ましくは、前立腺ガン細胞)をこのベクター
でトランスフェクトし、遺伝子の発現レベルを評価する。
【0137】 異なるタイプの細胞および組織においてこのプロモーターに作動可能に連結され
た遺伝子の発現レベルによって、TBC−1遺伝子のプロモーターの強度および
特異性を評価することができる。1つの実施態様において、正常およびガン細胞
におけるTBC−1遺伝子のプロモーターの有効性が評価される。1つの好まし
い実施態様において、正常前立腺細胞および様々な悪性度を示し得る前立腺ガン
細胞におけるTBC−1遺伝子のプロモーターの有効性が評価される。
【0138】 TBC−1cDNAの5’末端および3’末端の両方に位置する調節エレメン
トを担持するポリヌクレオチドは、目的の異種ポリヌクレオチドの転写および翻
訳活性を制御するために有利に使用される。
【0139】 従って、本発明はまた、5’および3’調節領域から成る群より選択されるポ
リヌクレオチド、またははそれに相補的な配列あるいはその生物学的に活性なフ
ラグメントもしくは変異体を含む、精製されたまたは単離された核酸に関する。
「5’調節領域」は、配列番号1の1位〜2000位に位置するヌクレオチド配
列を指す。「3’調節領域」は、配列番号2の97961位〜99960位に位
置するヌクレオチド配列を指す。
【0140】 本発明はまた、5’および3’調節領域から成る群より選択されるポリヌクレ
オチドに少なくとも95%ヌクレオチド同一性、有利には99%ヌクレオチド同
一性、好ましくは99.5%ヌクレオチド同一性、最も好ましくは、5’および
3’調節領域から成る群より選択されるポリヌクレオチド、もしくはそれに相補
的な配列またはその変異体あるいはその生物学的な活性なフラグメントに少なく
とも99.8%ヌクレオチド同一性で有するポリヌクレオチドにある。
【0141】 本発明のもう1つの目的は、本明細書において規定されるストリンジェントな
ハイブリダイゼーション条件下で5’および3’調節領域のヌクレオチド配列か
ら成る群より選択されるポリヌクレオチド、もしくはそれに相補的な配列または
その変異体あるいはその生物学的な活性なフラグメントにハイブリダイズするポ
リヌクレオチドを含む、精製された、単離されたまたは組換えられた核酸から成
る。
【0142】 遺伝子の5’UTRおよび3’UTR調節領域は、それらが特にmRNA安定
性の制御を介して適切な発現レベルを提供するのに役割を果たし得る調節エレメ
ントをしばしば含む点で特に重要である。
【0143】 本発明の5’調節ポリヌクレオチドは、配列番号3の1位のヌクレオチド〜1
70位のヌクレオチドの間に位置する5’−UTR、またはその生物学的に活性
なフラグメントもしくは変異体を含んでもよい。
【0144】 あるいは、本発明の5’調節ポリヌクレオチドは、配列番号4の1位のヌクレ
オチド〜175位のヌクレオチドの間に位置する5’−UTR、またはその生物
学的に活性なフラグメントもしくは変異体を含んでもよい。
【0145】 本発明の3’調節ポリヌクレオチドは、配列番号4の3726位のヌクレオチ
ド〜3983位のヌクレオチドの間に位置する3’−UTR、またはその生物学
的に活性なフラグメントもしくは変異体を含んでもよい。
【0146】 従って、本発明はまた、以下から成る群より選択される精製されたまたは単離
された核酸に関する。 a)5’調節領域のヌクレオチド配列を含む核酸; b)5’調節領域の核酸の生物学的に活性なフラグメントまたは変異体を含む
核酸。
【0147】 5’調節領域の核酸の好ましいフラグメントは、約1000ヌクレオチド長、
より詳細には約400ヌクレオチド長、より好ましくは約200ヌクレオチド長
、最も好ましくは約100ヌクレオチド長を有する。より詳細には、本発明はさ
らに、この調節領域内において特定のエレメントを含み、これらのエレメントは
、好ましくはプロモーター領域を含む。
【0148】 5’調節領域の好ましいフラグメントは少なくとも50、100、150、20
0、300または400塩基の長さである。
【0149】 本発明のTBC−1調節ポリヌクレオチドの「生物学的に活性なフラグメント
または変異体」は、組換え宿主細胞において組換えポリペプチドまたは組換えポ
リヌクレオチドを発現するための調節領域として機能的である前記ポリヌクレオ
チドのフラグメントを含むあるいはそれより成るポリヌクレオチドを意図する。
【0150】 本発明の目的のために、前記調節ポリヌクレオチドが転写および翻訳調節情報
を含有するヌクレオチド配列を含有し、そのような配列が所望のポリペプチドま
たは所望のポリヌクレオチドをコードするヌクレオチド配列に「作動可能に」連
結される場合、核酸またはポリヌクレオチドは、組換えポリペプチドまたは組換
えポリヌクレオチドを発現するための調節領域として「機能的」である。作動可
能な連結とは、調節核酸と発現されることが求められるDNA配列とが遺伝子発
現を可能にするような方法で連結される連結である。
【0151】 5’または3’調節領域の関連する生物学的に活性なポリヌクレオチド誘導体
を同定するために、当業者であれば、5’または3’調節領域の生物学的に活性
な誘導体ポリヌクレオチドの制御下に配置される場合に発現が検出されるマーカ
ー遺伝子(即ち、βガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランス
フェラーゼなど)を担持する組換えベクターの使用に関するSambrookら
に記載の方法(Sambrook、1989)を参考にするであろう。
【0152】 本発明の調節ポリヌクレオチドは、適切な制限酵素を使用する切断によって、
配列番号1または2のヌクレオチド配列のいずれかから調製してもよく、当業者
の手引書としてSambrookら(1989)の本がある。調節ポリヌクレオ
チドはまた、Bal31(Wabikoら、1986)などのエキソヌクレアー
ゼ酵素によっても、配列番号1または記載のヌクレオチド配列から調製してもよ
い。これらの調節ポリヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドプローブまたはプラ
イマーの合成が開示されている場合、本明細書において他に記載のように、化学
合成によって調製することができる。
【0153】 本発明の調節ポリヌクレオチドは、有利に、所望の宿主細胞または宿主生物に
おいてコード配列を発現するために使用され得る組換え発現ベクターの一部であ
り得る。本発明の組換え発現ベクターは、本明細書において他に記載の通りであ
る。
【0154】 本発明はまた、以下から成るポリヌクレオチドを包含する。 a)5’調節領域の調節ヌクレオチド配列、またはその生物学的に活性なフラ
グメントもしくは変異体を含む核酸。 b)5’調節領域の調節ヌクレオチド配列、またはその生物学的に活性なフラ
グメントもしくは変異体を含む核酸に作動可能に連結された所望のポリペプチド
または核酸をコードするポリヌクレオチド。 c)さらに必要であれば、3’調節ポリヌクレオチド、好ましくは、本発明の
3’調節ポリヌクレオチドを含む核酸。
【0155】 上記の核酸によってコードされる所望のポリペプチドは、原核生物または真核
生物由来のタンパク質を包含するさまざまな天然もしくは起源であり得る。TB
C−1調節領域の制御下で発現されるポリペプチドのうち、それは、引用された
細菌、菌類またはウイルス抗原であってもよい。「ハウスキーピング」タンパク
質のような細胞内タンパク質、レセプターのような膜結合タンパク質、およびサ
イトカインなどの多くの内因性メディエーターのような分泌タンパク質などの真
核細胞タンパク質も包含される。
【0156】 上記のポリヌクレオチドによってコードされる所望の核酸は、通常、RNA分
子であるが、TBC−1コード配列に相補的であってもよく、従って、アンチセ
ンスポリヌクレオチドとして有用である。
【0157】 そのようなポリヌクレオチドは、宿主細胞または宿主生物において所望のポリ
ペプチドまたは所望のポリヌクレオチドを発現するために、組換え発現ベクター
に含まれ得る。上記に記載のようなポリヌクレオチドを含有する適切な組換えベ
クターは、本明細書において他の個所で開示されている。
【0158】 TBC−1ポリペプチドおよびそのペプチドフラグメント 現在では、プラスミド、ファージまたはファージミドなどの発現ベクターを介
する遺伝子操作技法によって、タンパク質を大量に産生させることが容易にでき
る。目的のポリペプチドをin vitroで産生させるために、本発明のポリ
ペプチドの1つをコードするポリヌクレオチドを適切な発現ベクターに挿入する
【0159】 従って、本発明はまた、本明細書に記載のポリペプチドの1つ、具体的には配
列番号5のポリペプチドまたはそのフラグメントもしくは変異体を産生するため
の方法に関し、前記方法は、以下の工程を含む。 a)TBC−1ポリペプチド、またはそのフラグメントもしくは変異体をコー
ドする核酸を含む組換えベクターで予め形質転換またはトランスフェクトされた
細胞宿主を適切な培養培地中で培養すること; b)そのようして馴化された培養培地を回収するか、または例えば、超音波処
理もしくは浸透圧ショックによって細胞宿主を溶解すること; c)前記培養培地、もしくは得られる宿主細胞溶解物のペレットから、そのよ
うにして産生される目的のポリペプチドを分離または精製すること; d)随意的に、産生された目的のポリペプチドを特徴づけること。
【0160】 上記の方法の特定の実施態様では、工程a)の前に、TBC−1ポリペプチド、
またはそのフラグメントもしくは変異体をコードする核酸を、随意的に、この増
幅された核酸を1つまたはいくつかの制限エンドヌクレアーセで適切に切断後、
適切なベクターに挿入する。TBC−1ポリペプチド、またはそのフラグメント
もしくは変異体をコードする核酸は、本発明の1対のプライマーを使用する(S
DA、TAS、3SR、NASBA、TMAなどにより)増幅反応の得られる産
物であってもよい。
【0161】 本発明のポリペプチドは、配列番号5のポリペプチド、またはそのフラグメン
トもしくは変異体に対するポリクローナルまたはモノクローナル抗体が予め固定
化されているイムノアフィニティークロマトグラフィーカラム上に結合させるこ
とによって、本発明のポリペプチドを特徴づけることができる。
【0162】 本発明の組換えタンパク質またはペプチドの精製は、ニッケルまたは銅アフィ
ニティークロマトグラフィーカラムを通過させることによって行ってもよい。ニ
ッケルクロマトグラフィーカラムは、Ni−NTA樹脂を含有し得る(Pora
thら、1975)。
【0163】 そのようにして得られるポリペプチドまたはペプチドは、Rougeotら(
1994)に記載のように、例えば、逆相および/または陽イオン交換HPLC
などの高速液体クロマトグラフィーによって精製することができる。この種のペ
プチドまたはタンパク質精製が好まれる理由は、得られる精製されたタンパク質
またはペプチドが治療用途により適切である溶出サンプルにおいて、副産物が認
められないことである。
【0164】 本発明のもう1つの目的は、精製されたあるいは単離されたTBC−1ポリペ
プチドまたはそのフラグメントもしくは変異体にある。
【0165】 好ましい実施態様では、TBC−1ポリペプチドは、配列番号5のアミノ酸配
列またはそのフラグメントもしくは変異体を含む。本発明はまた、配列番号5の
少なくとも6アミノ酸、好ましくは少なくとも8〜10アミノ酸、より好ましく
は少なくとも12、15、20、25、30、40、50、100、150また
は200アミノ酸の連続スパンを含む単離された、精製された組換えポリペプチ
ドを包含する。本発明はまた、配列番号5の少なくとも6アミノ酸、好ましくは
少なくとも8〜10アミノ酸、より好ましくは少なくとも12、15、20、2
5、30、40、50、100、150または200アミノ酸の連続スパンを含
む単離された、精製された組換えポリペプチドを包含し、ここで、前記連続スパ
ンは、以下のアミノ酸位置:1〜200、201〜400、401〜600、6
01〜800、801〜1000、1001〜1168を含む。
【0166】 本発明はまた、配列番号5のアミノ酸配列またはそのフラグメントに少なくと
も90、95、98または99%アミノ酸同一性を有するアミノ酸配列を含む、
精製された、単離された、または組換体ポリペプチドを包含する。
【0167】 本発明のTBC−1ポリペプチドは、米国特許第5,700,927号に記載
の1141アミノ酸長のマウスTBC−1タンパク質に関するアミノ酸相同性を
有する。本発明のTBC−1タンパク質はまた、他の2つのタンパク質:Pol
lux drosophilaタンパク質(Zhangら、1996)およびC
aenorhabditis elegans(Wilsonら、1994)由
来のCDC16タンパク質にいくつかの相同性を有する。図1は、配列番号5の
TBC−1タンパク質のアミノ酸配列の一部とTBC−1にアミノ酸相同性を示
す他のタンパク質とのアミノ酸配列アラインメントを示す。一番上のラインは、
米国特許第5,700,927号に記載のマウスtbc−1タンパク質の全アミ
ノ酸配列を示す。2番目のラインは、配列番号5のTBC−1タンパク質のアミ
ノ酸配列の一部を示す。3番目のライン(Genbank受託番号dmu505
42)は、上記のPolluxタンパク質のアミノ酸配列を示す。4番目のライ
ン(Genbank受託番号celf35h12)は、上記のC.elegan
sタンパク質のアミノ酸配列を示す。5番目のラインは、コンセンサスアミノ酸
が同定される位置で、存在すれば、上の4つのラインに示す配列に共通するアミ
ノ酸を示す。
【0168】 配列番号5のアミノ酸配列のTBC−1ポリペプチドは、1168アミノ酸長
を有する。TBC−1ポリペプチドは、配列番号5のアミノ酸配列の786位の
アミノ酸から974位のアミノ酸に及ぶ「TBCドメイン」を含む。このTBC
ドメインは図1に示され、アミノ酸番号758からアミノ酸番号949に及ぶ灰
色の領域として示される。このTBCドメインはタンパク質−タンパク質相互作
用を調節するようである。さらに、TBC−1 TBCドメインは、配列番号5
のアミノ酸配列の886位のアミノ酸から893位のアミノ酸に及ぶアミノ酸配
列EVGYCQGLを含む。EVGYCQGLアミノ酸配列は、図1のアミノ酸
番号861からアミノ酸番号868に及ぶ。この部位は、キナーゼと相互作用し
得る。cdc16に対する構造類似性に基づき、有糸分裂の酵母調節因子、TB
C−1は、有糸分裂、細胞質分裂および隔壁形成の調節に参加する他のタンパク
質と相互作用することによって、有糸分裂および細胞質分裂を調節するようであ
る。
【0169】 本発明の好ましいポリペプチドは、TBC−1のTBCドメイン、または少な
くともEVGYCQGLアミノ酸配列モチーフを含む。
【0170】 本発明のさらなる目的は、配列番号1、2、3、および4の配列から成る群よ
り選択されるヌクレオチド配列またはそのフラグメントもしくは変異体を含む核
酸によってコードされる精製されえたまたは単離されたポリペプチドに関する。
【0171】 米国特許第5,700,927号に記載の成熟tbc−1タンパク質と同じ配
列を有するTBC−1タンパク質の単一の変異体分子は、明白に本発明の範囲外
である。
【0172】 TBC−1タンパク質におけるアミノ酸の欠失、付加または置換は、好ましく
は上記で規定されたTBCドメイン外に位置する。より好ましくは、変異型TB
C−1タンパク質は、無傷の「EVGYCQGL」アミノ酸モチーフを有する。
【0173】 そのような変異型TBC−1タンパク質は、サンプル中の変異型TBC−1タ
ンパク質を検出するのに有用な特異的モノクローナルまたはポリクローナル抗体
などの診断ツールの標的であり得る。
【0174】 本発明はまた、セクション「定義」に記載されるように、少なくとも1つのペ
プチド結合が修飾されているTBC−1ポリペプチドまたはフラグメントもしく
は変異体を包含する。
【0175】 本発明のTBC−1ポリペプチドに結合する抗体 任意のTBC−1ポリペプチドまたはタンパク質全体は、発現されたTBC−
1タンパク質またはそのフラグメントに特異的に結合し得る抗体を作製するため
に使用され得る。
【0176】 本発明の1つの抗体組成物は、配列番号5のTBC−1タンパク質の変異体に
特異的に結合することができる。抗体組成物がTBC−1に特異的に結合するた
めには、該抗体組成物は、ELISA、RIA、または他の抗体に基づく結合ア
ッセイにおいて、別のタンパク質よりも少なくとも5%、10%、15%、20
%、25%、50%、または100%以上の結合親和性を示さなければならない
【0177】 好ましい実施態様において、本発明は、配列番号5の少なくとも6アミノ酸、
好ましくは少なくとも8〜10アミノ酸、より好ましくは少なくとも12、15
、20、25、30、40、50、100、150または200アミノ酸の連続
スパンを含むポリペプチドを含有するエピトープに選択的に結合するか、または
特異的に結合することができる抗体組成物、モノクローナルまたはポリクローナ
ル抗体のいずれかに関する。随意的に、前記エピトープは、以下のアミノ酸位置
:1〜200、201〜400、401〜600、601〜800、801〜1
000、1001〜1168の少なくとも1、2、3、5または10を含む。
【0178】 本発明は、変異型TBC−1タンパク質または変異型TBC−1タンパク質の
エピトープを含むそのフラグメントもしくは変異体に特異的に結合可能な精製さ
れたまたは単離された抗体に関する。もう1つの好ましい実施態様において、本
発明は、TBC−1タンパクの少なくとも10連続アミノ酸を含み、形質を生じ
る変異によってコードされ得るアミノ酸の少なくとも1つを含むポリペプチドに
結合可能な抗体に関する。
【0179】 好ましい実施態様において、本発明は、配列番号5の少なくとも6アミノ酸、
好ましくは少なくとも8〜10アミノ酸、より好ましくは少なくとも12、15
、20、25、30、40、50、100、150または200アミノ酸の連続
スパンを含むポリペプチドの抗体の製造における使用に関する。随意的に、前記
ポリペプチドは、以下のアミノ酸位置:1〜200、201〜400、401〜
600、601〜800、801〜1000、1001〜1168の少なくとも
1、2、3、5または10を含む。
【0180】 本発明の抗体は、当該分野において公知の放射性、蛍光または酵素標識のいず
れか1つによって標識することができる。
【0181】 配列番号5のTBC−1ポリペプチドまたはそのフラグメントは、ポリクロー
ナルまたはモノクローナル抗体の調製のために使用することができる。
【0182】 配列番号1、2、3および4の核酸配列の少なくとも1つを含むDNA配列か
ら発現されるTBC−1ポリペプチドを使用して、配列番号5のTBC−1ポリ
ペプチドまたはそのフラグメントに特異的に結合可能な抗体を作製してもよい。
【0183】 本発明の好ましい抗体は、EVGYCQGLアミノ酸モチーフを含まないTB
C−1ペプチドフラグメントを使用して調製される。
【0184】 本発明の他の好ましい抗体は、本明細書において他の個所で規定されるTBC
ドメインを含まないTBC−1ペプチドフラグメントを使用して調製される。
【0185】 抗体は、KohlerおよびMilstein、1975に記載の技法に従っ
てハイブリドーマから調製することができる。ポリクローナル抗体は、哺乳動物
、具体的にはマウスまたはウサギを、免疫のアジュバントと組み合わせた本発明
のポリペプチドで免疫化し、次いで、免疫化した動物の血清中に含有される特異
的抗体を、抗原として使用されているポリペプチドが予め固定化されているアフ
ィニティークロマトグラフィーカラム上で精製することによって、調製すること
ができる。
【0186】 本発明はまた、キメラ単一鎖Fv抗体フラグメント(Martineauら、
1998)、ファージディスプレイライブラリー(Ridderら、1995;
Vaughanら、1995)およびヒト化抗体(Reinmannら、199
7;Legerら、1997)を含む。
【0187】 いずれかのプロトコルに従って調製される抗体調製物は、生物学的サンプル中
の抗原を有する物質の濃度を決定する定量的イムノアッセイにおいて有用である
。それらはまた、生物学的サンプル中の抗原の存在を同定するために、半定量的
または定量的に使用される。抗体はまた、タンパク質を発現する細胞を死滅させ
るためまたは身体内のタンパク質のレベルを減少するための治療用組成物にも使
用することができる。
【0188】 従って、本発明はまた、生物学的サンプルにおいて本発明のTBC−1ポリペ
プチドの存在を特異的に検出する方法に関し、前記方法は以下の工程を含む。 a)生物学的サンプルと、配列番号5のアミノ酸配列を含むTBC−1ポリペ
プチド、またはそのペプチドフラグメントもしくは変異体に特異的に結合するポ
リクローナルあるいはモノクローナル抗体とを接触させること; b)形成された抗原−抗体複合体を検出すること。
【0189】 本発明はまた、生物学的サンプルにおいて本発明のTBC−1ポリペプチドの
存在をin vitroで検出する診断キットに関し、ここで、前記キットは以
下のものを含む。 a)必要に応じて標識される、配列番号5のアミノ酸配列を含むTBC−1ポ
リペプチド、またはそのペプチドフラグメントもしくは変異体に特異的に結合す
るポリクローナルあるいはモノクローナル抗体; b)形成された抗原−抗体複合体の検出を可能にする試薬であって、特に、上
記のモノクローナルまたはポリクローナル抗体がそれ自体標識されていない場合
、前記試薬は随意的に標識を担持するか、または標識された試薬によってそれ自
体が認識され得る。
【0190】 TBC−1関連バイアレリックマーカー 本発明者らは、TBC−1遺伝子を含有するゲノムDNA内に存在するヌクレ
オチド多型を発見し、それらの間にバイアレリックマーカーとも呼ばれるSNP
を見出した。本発明のバイアレリックマーカーは、例えば、遺伝子地図、連結分
析、関連研究に使用することができる。
【0191】 A−TBC−1関連バイアレリックマーカーの同定 本発明のバイアレリックマーカーを作製し得る2つの好ましい方法がある。
第1の方法では、関連のない個体由来のDNAサンプルをともにプールし、その
後目的のゲノムDNAを増幅し、配列を決定する。このようにして得られるヌク
レオチド配列を分析して、重要な多型を同定する。
【0192】 本方法の主な利点の1つは、DNAサンプルをプールすることによって、行わ
なければならないDNA増幅反応および配列決定反応の数が実質的に減少するこ
とである。さらに、本方法は、十分に感度が高く、得られるバイアレリックマー
カーは、通常、関連研究を行うのに十分な程度の情報を示す。
【0193】 バイアレリックマーカーを作製するための第2の方法では、DNAサンプルを
プールせず、従って個々に分析および配列決定を行う。次いで、結果として得ら
れるヌクレオチド配列を分析して、重要な多型を同定する。
【0194】 この第2の方法を使用すれば、実質的により多くのDNA増幅反応および配列
決定反応を行わなければならないことが容易に理解されるであろう。形質との潜
在的遺伝的関連を同定するための関連研究においてそのように情報の少ないバイ
アレリックマーカーを含めると、場合により、それらの浸透度に依存し、まれな
変異であり得る原因となる変異を直接同定することが可能になることもさらに理
解されるであろう。本方法は、通常、候補遺伝子内の関連研究を実施するために
バイアレリックマーカーを同定する必要がある場合に好ましい。
【0195】 両方法において、本発明のバイアレリックマーカーが作製されるゲノムDNA
サンプルは、好ましくは公知の人種背景異種集団に対応する関連のない個体、ま
たは家族症例から得られる。
【0196】 DNAサンプルが得られる個体数は、実質的に約10〜約100、好ましくは
約50〜約200個体で変動し得る。通常、できるだけ多くのマーカーを作製し
、統計的に有意な結果を得るために所定の集団において十分な多型多様性を有す
るためには、少なくとも約100個体からDNAサンプルを回収するのが好まし
い。
【0197】 分析に供すべきゲノムDNAの供給源については、特に制限を加えることなく
任意の試験サンプルを想定することができる。本明細書において使用されるゲノ
ムDNAの好ましい供給源は、それぞれの供給者の末梢静脈血である。
【0198】 DNA抽出の技法は、当業者に周知である。好ましい実施態様の詳細について
は実施例2に記載している。
【0199】 増幅工程のために、DNAサンプルをプールしてもプールしなくてもよい。D
NA増幅技法は、当業者に周知である。
【0200】 本明細書において使用され得る増幅技法としては、EP−A−320 308
、WO9320227およびEP−A−439 182に記載のリガーゼ連鎖反
応(LCR)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR、RT−PCR)ならびにGua
telli J.C.ら(1990)およびCompton J.(1991)
により記載の核酸配列に基づく増幅(NASBA)などの技法、欧州特許出願N
o.4544610に記載のQ−β増幅、Walkerら(1996)およびE
P A684315に記載の鎖置換増幅ならびにPCT公開WO9322461
に記載の標的介在増幅(target medicated amplific
ation)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0201】 LCRおよびGap LCRは指数的増幅技法であり、両者ともDNA分子に
アニールした隣接プライマーに接続するDNAリガーゼに依存する。リガーゼ連
鎖反応(LCR)では、2つの1次(第1および第2)ならびに2つの2次(第
3および第4)プローブを含むプローブ対が使用され、それらの全ては標的に対
してモル過剰の状態で用いられる。第1のプローブは標的鎖の第1セグメントに
ハイブリダイズし、第2のプローブは標的鎖の第2のセグメントにハイブリダイ
ズする。1次プローブが5’リン酸−3’ヒドロキシルの関係で相互に隣接し、
リガーゼが2つのプローブに共有的に融合または連結して融合産物となるように
、第1および第2のセグメントは連続である。さらに、同様の隣接様式で、第3
(2次)のプローブは第1のプローブの一部にハイブリダイズすることができ、
第4(2次)のプローブは第2のプローブの一部にハイブリダイズすることがで
きる。もちろん、標的がはじめに二本鎖である場合は、2次プローブもはじめに
標的相補体にハイブリダイズする。一旦、1次プローブの連結された鎖が標的鎖
から分離されると、該鎖は、第3および第4のプローブにハイブリダイズする。
これらは連結して相補的な2次連結産物を形成することができる。連結産物は、
標的またはその相補体のいずれかに機能的に等価であることを認識することが重
要である。ハイブリダイゼーションおよび連結のサイクルを繰り返すことによっ
て、標的配列の増幅が達成される。複合的LCRの方法についても記載されてい
る(WO9320227)。Gap LCR(GLCR)は、プローブが隣接し
ていないが2〜3塩基だけ離れているLCRのバージョンである。
【0202】 mRNAの増幅のために、mRNAをcDNAに逆転写し、続いてポリメラー
ゼ連鎖反応(RT−PCR)を行うか;または米国特許第5,322,770号
の両工程のために単一の酵素を使用するか、またはMarshallら(199
4)の非対称Gap LCR(RT−AGLCR)を使用することは、本発明の
範囲内である。AGLCRはRNAの増幅を可能にするGLCRの改変である。
【0203】 PCR技法は本発明において使用される好ましい増幅技法である。様々なPC
R技法が当業者に知られている。PCR技法について検討するためには、Whi
te(1997)および表題「PCRの方法と応用」の出版物(1991、Co
ld Spring Harbor Laboratory Press)を参
照のこと。これらのPCR方法のそれぞれについて、増幅しようとする核酸配列
のそれぞれの側に対するPCRプライマーを、dNTP、およびTaqポリメラ
ーゼなどの耐熱性ポリメラーゼ、Pfuポリメラーゼ、またはVentポリメラ
ーゼを伴う適切に調製された核酸サンプルに添加する。サンプル中の核酸を変性
し、PCRプライマーを、サンプル中の相補的核酸配列に特異的にハイブリダイ
ズさせる。ハイブリダイズしたプライマーを伸長する。その後、変性、ハイブリ
ダイゼーション、および伸長のサイクルをもう1回行う。このサイクルを複数回
繰り返し、プライマー部位間の核酸配列を含有する増幅されたフラグメントを産
生する。PCRについては、米国特許第4,683,195号、同第4,683
,202号および同第4,965,188号を含むいくつかの特許に記載されて
いる。
【0204】 PCR技法は、新規のバイアレリックマーカーを同定するために使用される好ま
しい増幅技法である。本発明の目的に適切なPCR反応の典型的な例については
、実施例3に記載している。
【0205】 本発明の局面の1つは、好ましくはPCR技法を使用する試験サンプル中のT
BC−1遺伝子、特に配列番号1および2のゲノム配列もしくは配列番号3また
は4のcDNA配列またはそのフラグメントもしくは変異体の増幅方法である。
該方法は、標的TBC−1コード配列またはその一部を含有する疑いがある試験
サンプルを、1対の増幅プライマーを含む増幅反応試薬に接触させる工程を含む
【0206】 従って、本発明はまた、試験サンプル中のTBC−1遺伝子、特に配列番号1
のゲノム配列もしくは配列番号2または3のcDNA配列あるいはそのフラグメ
ントもしくは変異体の増幅方法に関し、前記方法は以下の工程を含む。 a)標的されたTBC−1遺伝子配列またはその一部フラグメントを含有する
疑いがある試験サンプルを、増幅しようとするポリヌクレオチド領域のいずれか
一方の側に位置する1対の増幅プライマーを含む増幅反応試薬と接触させ、そし
て b)随意的に増幅産物を検出する。
【0207】 本発明はまた、試験サンプル中のTBC−1遺伝子配列、特に配列番号1また
は2のゲノム配列の一部もしくは配列番号3または4のcDNA配列、またはそ
の変異体の増幅方法に関し、前記キットは以下のものを含む。 a)増幅しようとするTBC−1領域のいずれか一方の側に存在するオリゴヌ
クレオチドプライマーの対; b)随意的に、増殖反応を実施するのに必要な試薬。
【0208】 上記の増幅方法およびキットの1つの実施態様では、増幅産物は、増幅された
領域に相補的である配列を有する標識プローブとのハイブリダイゼーションによ
って検出される。上記の増幅方法およびキットのもう1つの実施態様では、プラ
イマーは、B1〜B15、C1〜C15、D1〜D19、およびE1〜E19か
ら成る群より選択される配列を含む。
【0209】 本発明の第1の実施態様では、本発明者らによって作製されるゲノム配列情報
を使用して、バイアレリックマーカーが同定される。配列決定されたゲノムDN
Aフラグメントを使用して、500bpフラグメントの増幅のためのプライマー
を設計する。これらの500bpフラグメントをゲノムDNAから増幅し、バイ
アレリックマーカーについて走査する。プライマーは、OSPソフトウェア(H
illier L.およびGreen P.、1991)を使用して設計する。
全てのプライマーは、特異的標的塩基の上流で、シークエンシングプライマーと
して役割を果たす共通のオリゴヌクレオチドテイルを含有する。当業者であれば
、これらの目的のために使用され得るプライマー伸長について精通している。
【0210】 候補遺伝子をコードするゲノム配列の増幅に有用な好ましいプライマーは、遺
伝子のプライマー、エキソンおよびスプライス部位に局在する。バイアレリック
マーカーが該遺伝子のこれらの機能的領域に位置する場合、該バイアレリックマ
ーカーは終局的原因変異である確率がより高いからである。本発明の好ましい増
幅プライマーは、実施例3においてさらに詳述されるB1〜B15およびC1〜
C15のヌクレオチド配列を含む。
【0211】 次いで、本発明のプライマーにより上記のように作製された増幅産物を、当業
者に公知かつ利用可能な方法で配列決定する。好ましくは、ダイプライマーサイ
クル配列決定プロトコルを使用して、増幅されたDNAを自動化ジデオキシター
ミネーター配列決定反応に供する。ゲル画像分析およびDNA配列抽出後、配列
の質を評価するために、適切なソフトウェアで配列データを自動的に処理する。
【0212】 多型分析ソフトウェアを使用して、個体のまたはプールされた増幅フラグメン
ト配列間のバイアレリック部位の存在を検出する。多型の調査は、電気泳動パタ
ーンにおいて重畳されたピークの存在に基づく。2つの異なる色を示すこれらの
ピークは、配列上の同じ位置で2つの異なるヌクレオチドに対応する。確認のた
めに両鎖上で多型が検出されなければならない。
【0213】 TBC−1遺伝子において、19個のバイアレリックマーカーを見出した。そ
れらの詳細を表2に示す。それらはイントロン領域に位置する。
【0214】 B−TBC−1関連バイアレリックマーカーの遺伝子型判定 上記で同定された多型は、さらに確認することができ、それらのそれぞれの頻度
は、先に記載したプライマーおよびプローブを使用する様々な方法を介して決定
することができる。所定の形質に関連することが公知であるバイアレリックマー
カーの対立遺伝子の検出には、これらの方法は、関連研究もしくは連結分析にお
ける新規の集団または個体のいずれかの遺伝子型を判定するのに有用である。バ
イアレリックマーカーの遺伝子型判定もマッピングに重要である。当業者は、個
体またはプールしたDNAサンプルに対して以下に記載の方法を同等に実施する
ことができる。
【0215】 一旦、所定の多型性部位が見出され、上記のようにバイトして特徴づけされる
と、所定の多型性塩基において個体が担持する特異的対立遺伝子を決定するため
に、いくつかの方法を使用することができる。
【0216】 先に記載のバイアレリックマーカーの同定は、目的の多型性部位を含有するT
BC−1遺伝子を増幅するために、およびそのような多型の検出のために、プロ
ーブおよびプライマーとして使用することができる適切なオリゴヌクレオチドの
設計を可能にする。
【0217】 本発明のバイアレリックマーカーは、TBC−1遺伝子の1つまたは複数のバ
イアレリックマーカーに対する対立遺伝子と形質との間の関係の同定および特徴
づけに使用することができる。
【0218】 同定された多型、および従って本発明のバイアレリックマーカーは、形質、よ
り詳細には、細胞分化または異常細胞増殖障害に関連する形質、最も詳細には、
ガン疾患、具体的には前立腺ガンに関連する形質に関連する個々のTBC−1対
立遺伝子の検出方法に使用することができる。
【0219】 1つの実施態様では、本発明は、生物学的サンプル中のTBC−1関連バイア
レリックマーカーのヌクレオチドまたはその相補体の正体を決定することを含む
遺伝子型判定方法を包含する。随意的に、ここで、前記TBC−1関連バイアレ
リックマーカーは、A1〜A19、およびその相補体から成る群より選択される
か、または随意的に、バイアレリックマーカーはそれと連鎖不均衡である。随意
的に、ここで、前記生物学的サンプルは、単一の被験体に由来するものである。
随意的に、ここで、前記バイアレリックマーカーにおけるヌクレオチドの正体は
、前記個体のゲノムに存在する前記バイアレリックマーカーの両コピーについて
決定される。随意的に、ここで、前記生物学的サンプルは、複数のサンプルに由
来するものである。随意的に、本発明の遺伝型決定方法は、本開示物に記載の任
意のさらなる制限事項を有する方法、または単独または任意の組み合わせで明記
される以下の方法を包含する。随意的に、前記方法はin vitroで達成さ
れる。随意的に、前記決定工程の前に、バイアレリックマーカーを含む前記配列
の一部を増殖することをさらに含む。随意的に、ここで、前記増幅工程は、PC
R、LCR、または宿主細胞における複製開始点および前記フラグメントを含む
組換えベクターの複製によって達成される。随意的に、ここで、前記決定工程は
、ハイブリダイゼーションアッセイ、シークエンシングアッセイ、マイクロシー
クエンシングアッセイ、または酵素に基づく(enzyme−based)ミス
マッチ検出アッセイによって達成される。
【0220】 遺伝子型判定のための核酸の供給源 精製されたまたは精製されていない形の核酸の任意の供給源は、出発核酸とし
て利用することができる。但し、該核酸は、所望される特定の核酸配列を含有す
るかまたは含有することが疑われる。DNAまたはRNAは、上記の細胞、組織
、体液などから抽出してもよい。本発明の遺伝子型判定方法に使用するための核
酸は任意の哺乳動物供給源から誘導することができるが、核酸サンプルを採取す
る試験被験者および個体は、一般にヒトであることが理解される。
【0221】 バイアレリックマーカーを含むDNAフラグメントの増幅 方法およびポリヌクレオチドは、本発明の1以上のバイアレリックマーカーを
含むヌクレオチドのセグメントを増幅するために提供される。バイアレリックマ
ーカーを含むDNAフラグメントの増幅は、様々な方法においておよび様々な目
的のために使用することができ、遺伝子型判定に限定されない。それにもかかわ
らず、多くの遺伝子型判定方法では、全てではないにしても、目的のバイアレリ
ックマーカーを担持するDNA領域を予め増幅する必要がある。そのような方法
は、バイアレリックマーカーに及ぶかまたはその部位およびそれに遠位もしくは
近位のいずれかに位置する配列を含む配列の濃度あるいは合計数を特異的に増加
する。診断アッセイも、本発明のバイアレリックマーカーを担持するDNAセグ
メントの増幅に依存し得る。増幅技法については、上記の題目「TBC−1関連
バイアレリックマーカーの同定」に記載されている。
【0222】 これらの増幅方法のいくつかは、単一のヌクレオチド多型の検出に特に適して
おり、標的配列の同時増幅および多型性ヌクレオチドの同定を可能にする。これ
については以下でさらに説明する。
【0223】 上記のバイアレリックマーカーの同定は、本発明のバイアレリックマーカーを
含むDNAフラグメントを増幅するためのプライマーとして使用することができ
る適切なオリゴヌクレオチドの設計を可能にする。本明細書に記載の新規のバイ
アレリックマーカーを発見するためにはじめに使用されるプライマーまたは本発
明のバイアレリックマーカーを含むDNAフラグメントの増幅を可能にする任意
の組のプライマーを使用して、増幅を実施することができる。
【0224】 いくつかの実施態様において、本発明は本発明の1以上のバイアレリックマー
カーを含有するDNAフラグメントを増幅するためのプライマーを提供する。好
ましい増幅プライマーを実施例2に列挙する。列挙したプライマーは単なる例示
であること、および本発明の1以上のバイアレリックマーカーを含有する増幅産
物を産生する他の任意の組のプライマーも使用されることは理解されよう。
【0225】 プライマーの間隔配置は、増幅しようとするセグメントの長さを決定する。本
発明では、バイアレリックマーカーを担持する増幅されるセグメントは、少なく
とも約25bp〜35kbpのサイズの範囲にあり得る。25〜3000bpの
増幅フラグメントが典型的であり、50〜1000bpのフラグメントは好まし
く、100〜600bpのフラグメントはさらに好ましい。バイアレリックマー
カーの増幅プライマーは、マーカーを担持する任意のDNAフラグメントの特定
の増幅を可能にする任意の配列であり得ることが理解されよう。増幅プライマー
は、題目「オリゴヌクレオチドプローブおよびプライマー」に記載のように、標
識するかまたは固相支持体上に固定化することができる。
【0226】 バイアレリックマーカーに対するDNAサンプルの遺伝子型判定方法 当該分野において任意の公知の方法を使用して、バイアレリックマーカー部位
に存在するヌクレオチドを同定することができる。検出しようとするバイアレリ
ックマーカー対立遺伝子は同定され、本発明において明確にされているため、任
意の多くの技法を用いることによって、検出は当業者にとって簡素である。多く
の遺伝子型判定方法では、目的のバイアレリックマーカーを担持するDNA領域
を予め増幅することが必要である。標的またはシグナルの増幅は現時点でしばし
ば好ましいが、増幅を必要としない超高感度検出方法も本発明の遺伝子型判定方
法に包含される。バイアレリック多型を検出するために使用され得る当業者に周
知の方法は、従来のドットブロット分析、Oritaら(1989)らにより記
載の一本鎖高次構造多型分析(SSCP)、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(DG
GE)、へテロ二本鎖分析、ミスマッチ切断検出、およびSheffieldら
(1991)、Whiteら(1992)、Grompeら(1989および1
993)に記載のような他の従来の技法などの方法を含む。特定の多型性部位に
存在するヌクレオチドの正体を決定するためのもう1つの方法は、米国特許第4
,656,127号に記載のような特定化されたエキソヌクレアーゼ耐性ヌクレ
オチドを使用する。
【0227】 好ましい方法は、シークエンシングアッセイ、酵素に基づくミスマッチ検出ア
ッセイ、またはハイブリダイゼーションによってバイオアベイラビリティー部位
に存在するヌクレオチドの正体を直接決定することを含む。さらに好ましい方法
は、マイクロシークエンシング技法である。用語「配列決定」は、二本鎖プライ
マー/テンプレート複合体のポリメラーゼ伸長を指すために本明細書において一
般的に使用され、従来のシークエンシングおよびマイクロシークエンシングの両
方を含む。
【0228】 1)シークエンシングアッセイ 多型性部位に存在するヌクレオチドは、配列決定方法によって決定することが
できる。好ましい実施態様では、上記のような配列決定前に、DNAサンプルを
PCR増幅に供する。DNA配列決定方法は、題目「増幅されたゲノムDNAの
配列決定および単一ヌクレオチド多型の同定」に記載されている。
【0229】 好ましくは、ダイプライマーサイクル配列決定プロトコルを使用して、増幅さ
れたDNAを自動化ジデオキシターミネーター配列決定反応に供する。配列分析
は、バイアレリックマーカー部位に存在する塩基の同定を可能にする。
【0230】 マイクロシークエンシングアッセイ マイクロシークエンシング方法では、単一ヌクレオチドプライマー伸長反応に
よって標的DNAの多型性部位のヌクレオチドが検出される。本方法は、標的核
酸の目的の多型性塩基の直ぐ上流にハイブリダイズする適切なマイクロシークエ
ンシングプライマーを含む。ポリメラーゼを使用して、多型性部位のヌクレオチ
ドに相補的な単一のddNTP(チェインターミネーター)によりプライマーの
3’末端を特異的に伸長させる。次に、適切な任意の方法で、組み入れられたヌ
クレオチドの正体を決定する。
【0231】 典型的に、蛍光ddNTPを使用してマイクロシークエンシング反応を行い、
ABI377配列決定用機械上での電気泳動によって伸長されたマイクロシーク
エンシングプライマーを分析し、EP412883(その開示内容は、その全体
が参考として本明細書に援用される)に記載のような組み入れられたヌクレオチ
ドの正体を決定する。あるいは、より多くのアッセイを同時に処理するためには
、キャピラリー電気泳動を使用することもできる。本発明において使用され得る
典型的なマイクロシークエンシング方法の例については、実施例4に記載する。
【0232】 ddNTPの標識および検出については異なるアプローチを使用することがで
きる。蛍光共鳴エネルギー転移(fluorescence resonanc
e energy transfer)に基づく相同的相検出方法については、
ChenおよびKwok(1997)ならびにChenら(1997)により記
載されている。本方法では、多型性部位を含有する増幅されたゲノムDNAフラ
グメントを、対立遺伝子の色素標識ジデオキシリボヌクレオシド三リン酸および
修飾されたTaqポリメラーゼの存在下で5’−フルオレセイン標識プライマー
と共にインキュベートする。テンプレート上に存在する対立遺伝子に特異的な色
素ターミネーターによって色素標識プライマーを1塩基伸長させる。遺伝子型判
定反応の終了時に、分離または精製することなく、反応混合物の2つの色素の蛍
光強度を分析する。これらの全ての工程を同一の試験管内で実施することができ
、蛍光の変化を実時間で監視することができる。あるいは、MALDI−TOF
質量分析によって、伸長した多型性部位を分析することもできる。多型性部位の
塩基は、マイクロシークエンシングプライマー上に添加された質量によって同定
される(HaffおよびSmirnov、1997を参照のこと)。
【0233】 確立されたマイクロシークエンシング方法またはその開発もしくは誘導体によ
ってマイクロシークエンシングを達成してもよい。代替的方法は、いくつかの固
相マイクロシークエンシング技法を含む。塩基マイクロシークエンシングプロト
コルは、プライマーまたは標的分子が固相支持体に固定化もしくは捕獲される異
種相アッセイとして方法が行われることを除いて、先に記載のプロトコルと同一
である。プライマーの分離および末端ヌクレオチド付加分析を簡単にするために
、オリゴヌクレオチドを固相支持体に結合させるか、またはアフィニティー分離
およびポリメラーゼ伸長を可能にするような方法で修飾する。合成オリゴヌクレ
オチドの5’末端および内部ヌクレオチドは、多くの異なる方法で修飾すること
ができ、異なるアフィニティー分離、例えば、ビオチン化を可能にすることがで
きる。単一の親和性基をオリゴヌクレオチド上で使用する場合、オリゴヌクレオ
チドを組み入れられたターミネーター試薬から分離することができる。これによ
り物理的分離またはサイズ分離が省かれる。ターミネーター試薬から1以上のオ
リゴヌクレオチドを分離し、1以上の親和性基を使用する場合は同時に分析する
ことができる。これにより、伸長反応あたりのいくつかの核酸種またはより多く
の核酸配列情報の分析を行うことができる。親和性基は、プライマー用オリゴヌ
クレオチド上にある必要はないが、その代わりにテンプレート上に存在してもよ
い。例えば、ビオチン化DNAとストレプトアビジン被覆化マイクロタイターウ
ェルまたはアビジン被覆化ポリスチレン粒子との間の相互作用を介して、固定化
を行うことができる。同方法で、オリゴヌクレオチドまたはテンプレートを、高
密度形式で固相支持体に結合してもよい。そのような固相マイクロシークエンシ
ング反応では、組み入れられたddNTPを放射性標識(Syvanen、19
94)するかまたはフルオレセイン(LivakおよびHainer、1994
)に結合することができる。シンチレーションに基づく技法により、放射性標識
されたddNTPの検出を達成することができる。フルオレセイン結合ddNT
Pの検出は、アルカリホスファターゼにコンジュゲートした抗フルオレセイン抗
体の結合、その後の発色基質(p−ニトロフェニルホスフェートなど)とのイン
キュベーションに基づき得る。他の可能なレポーター検出対としては、ジニトロ
フェニル(DNP)に結合したddNTPおよび抗DNPアルカリホスファター
ゼコンジュゲート(Harjuら、1993)またはビオチン化ddNTPおよ
び基質としてo−フェニレンジアミンを伴う西洋ワサビペルオキシダーゼコンジ
ュゲートストレプトアビジン(WO92/15712)が挙げられる。さらにも
う1つの代替的固相マイクロシークエンシング方法として、Nyrenら(19
93)は、酵素発光測定無機ピロリン酸検出アッセイ(ELIDA)によるDN
Aポリメラーゼ活性の検出に基づく方法を記載した。
【0234】 Pastinenら(1997)は、固相マイクロシークエンシング原理がオ
リゴヌクレオチドアレイ形式に適用される単一ヌクレオチド多型の複合検出の方
法を記載している。固相支持体に結合したDNAプローブの高密度アレイ(DN
Aチップ)については、さらに以下に記載する。
【0235】 1つの局面において、本発明は、マイクロシークエンシングアッセイを実施す
ることによって1以上の本発明のバイアレリックマーカーの遺伝子型を判定する
ためのポリヌクレオチドおよび方法を提供する。好ましいマイクロシークエンシ
ングプライマーは、ヌクレオチド配列D1〜D15およびE1〜E15を含む。
実施例5に列挙されたマイクロシークエンシングプライマーは単なる例示であり
、多型性ヌクレオチドの直ぐ隣に接する3’末端を有する任意のプライマーを使
用し得ることが理解できるであろう。同様に、マイクロシークエンシングアッセ
イは、本発明の任意のバイアレリックマーカーのために、またはバイアレリック
マーカーの任意の組合せのために実施され得る。本発明の1つの局面は、バイア
レリックマーカー部位のヌクレオチドの正体を決定するための実施例5に列挙さ
れる1以上のマイクロシークエンシングプライマー、またはその少なくとも8、
12、15、20、25、30、40、または50連続ヌクレオチドを、そのよ
うな長さが記載のプライマーに一致する程度で含み、対応するバイアレリックマ
ーカーの直ぐ上流の3’末端を有するフラグメントを含む固相支持体である。
【0236】 3)ポリメラーゼおよびリガーゼに基づくミスマッチ検出アッセイ 1つの局面において、本発明は、ポリメラーゼおよびリガーゼに基づくミスマ
ッチ検出アッセイによって、生物学的サンプルにおいて本発明の1以上のバイア
レリックマーカーの対立遺伝子を決定するためのポリヌクレオチドおよび方法を
提供する。重合反応は、増幅プライマーの3’末端の正確な塩基対形成に特にス
トリンジェントな要件を配置し、標的DNA配列にハイブリダイズした2つのオ
リゴヌクレオチドの結合は、連結部位、具体的には3’末端に近いミスマッチに
十分感受性である。本発明のバイアレリックマーカーを含むDNAフラグメント
を増幅するための方法、プライマーおよび様々なパラメータについては、「バイ
アレリックマーカーを含むDNAフラグメントの増幅」において上記にさらに記
載している。
【0237】 対立遺伝子特異的増幅プライマー バイアレリックマーカーの2つの対立遺伝子間の識別は、対立遺伝子特異的増
幅、選択的ストラテジーによって達成することができ、それによって対立遺伝子
のうちの一方が、他方の対立遺伝子の増幅を伴うことなく増幅される。対立遺伝
子特異的増幅については、プライマーの対の少なくとも1つのメンバーは、本発
明のバイアレリックマーカーの多型性塩基を含むTBC−1遺伝子の領域に十分
相補的であり、それにハイブリダイズして増幅を開始する。そのようなプライマ
ーは、バイアレリックマーカーの2つの対立遺伝子間を識別することができる。
【0238】 これは、増幅プライマーの1つの3’末端に多型性塩基を配置することによっ
て達成することができる。伸長はプライマーの3’末端から形成するため、この
位置または付近のミスマッチは増幅に対して阻害効果を有する。従って、適切な
増幅条件下では、これらのプライマーは、それらの相補的対立遺伝子にのみ増幅
を指令する。ミスマッチの正確な位置の決定および対応するアッセイ条件は当業
者に周知である。
【0239】 連結/増幅に基づく方法 「オリゴヌクレオチド連結アッセイ」(OLA)では、標的分子の一本鎖の隣
接配列にハイブリダイズし得るように設計された2つのオリゴヌクレオチドを使
用する。オリゴヌクレオチドのうちの一方をビオチン化し、他方を検出可能に標
識する。標的分子中に正確な相補配列を見出す場合、オリゴヌクレオチドは、そ
れらの末端が隣接して、捕獲および検出され得る連結支持体を作製するようにハ
イブリダイズする。OLAは、単一のヌクレオチド多型を検出し得、Nicke
rsonら(1990)により記載のようにPCRに有利に組み合わせられ得る
。この方法では、PCRを使用して標的DNAを指数的に増幅させ、次いで、O
LAを使用して検出する。
【0240】 単一ヌクレオチド多型の検出に特に適切である他の増幅方法は、上記の「DN
A増幅」に記載のLCR(リガーゼ連鎖反応)、Gap LCR(GLCR)を
含む。LCRは、2対のプローブを使用して、特異的標的を指数的に増幅する。
オリゴヌクレオチドのそれぞれの対の配列を選択して、該対が、標的の同鎖の隣
接配列にハイブリダイズすることを可能にする。そのようなハイブリダイゼーシ
ョンは、テンプレート依存性リガーゼの基質を形成する。本発明に従えば、バイ
アレリックマーカー部位の同鎖の近位および遠位の配列を有するオリゴヌクレオ
チドによりLCRを実施することができる。1つの実施態様において、いずれか
のオリゴヌクレオチドは、バイアレリックマーカー部位を含むように設計される
。そのような実施態様では、標的分子が、オリゴヌクレオチド上のバイアレリッ
クマーカーに相補的である特異的ヌクレオチドを含有するかまたは欠くかのいず
れかの場合にのみ、オリゴヌクレオチドが共に連結され得るように選択される。
代替的実施態様において、オリゴヌクレオチドはバイアレリックマーカーを含ま
ないため、該オリゴヌクレオチドが標的分子にハイブリダイズする場合、「ギャ
ップ」はWO90/01069に記載のように作製される。次いで、相補的dN
TP(DNAポリメラーゼによって仲介される)によるかまたはオリゴヌクレオ
チドのさらなる対によって、このギャップが「充填」される。従って、それぞれ
のサイクルの終了時に、それぞれの一本鎖は、次のサイクル中に標的として作用
し得る相補体を有し、所望の配列の指数的対立遺伝子特異的増幅が得られる。
【0241】 リガーゼ/ポリメラーゼ介在Genetic Bit Analysis(登
録商標)は、核酸分子において予め選択された部位のヌクレオチドの正体を決定
するもう1つの方法である(WO95/21271)。この方法は、プライマー
分子の末端に、予め選択された部位に存在するヌクレオチドに相補的であるヌク
レオチド三リン酸を組み入れ、その後第2のオリゴヌクレオチドに連結すること
を含む。反応固相に結合した特異的標識を検出することによって、または溶液中
の検出によって該反応を監視する。
【0242】 4)ハイブリダイゼーションアッセイ方法 バイアレリックマーカー部位に存在するヌクレオチドの正体を決定する好まし
い方法は、核酸のハイブリダイゼーションを含む。そのような反応において簡便
に使用することができるハイブリダイゼーションプローブは、好ましくは、本明
細書に規定されるプローブを含む。サザンハイブリダイゼーション、ノーザンハ
イブリダイゼーション、ドットブロットハイブリダイゼーションおよび固相ハイ
ブリダイゼーションを含む任意のハイブリダイゼーションアッセイを使用するこ
とができる(Sambrookら、1989を参照のこと)。
【0243】 ハイブリダイゼーションは、相補的塩基の対形成による二本の一本鎖核酸の二
本鎖構造の形成を指す。ハイブリダイゼーションは、正確に相補的な核酸鎖間ま
たはミスマッチの少数領域を含有する核酸鎖間で生じ得る。バイアレリックマー
カーの一方の形態にハイブリダイズし、他方にはハイブリダイズせず、従って、
異なる対立遺伝子形態間を識別し得る特異的プローブを設計することができる。
対立遺伝子特異的プローブは、しばしば対(本来の対立遺伝子を含有する標的配
列に完全に一致する対の一方のメンバーおよび代替的対立遺伝子を含有する標的
配列に完全に一致する他方のメンバー)で使用される。ハイブリダイゼーション
条件は、対立遺伝子間のハイブリダイゼーション強度に有意差、好ましくは本質
的な二元応答が存在し、それによってプローブが対立遺伝子の一方のみにハイブ
リダイズする程度に十分にストリンジェントであるべきである。プローブが、正
確に相補的な標的配列にのみハイブリダイズするストリンジェントな配列特異的
ハイブリダイゼーション条件は、当該分野において周知である(Sambroo
kら、1989)。ストリンジェント条件は配列依存性であり、異なる環境下で
異なる。一般に、ストリンジェント条件は、規定されたイオン強度およびpHで
特異的配列に対する融解点(Tm)より約5℃低く選択される。そのようなハイ
ブリダイゼーションを溶液中で実施することもができるが、固相ハイブリダイゼ
ーションアッセイを用いるのが好ましい。ハイブリダイゼーション反応の前に、
本発明のバイアレリックマーカーを含む標的DNAを増幅してもよい。プローブ
と標的DNAとの間に形成される安定なハイブリッド二本鎖の有無を検出するこ
とによって、サンプル中の特異的対立遺伝子の存在が検出される。多くの方法に
よって、ハイブリッド二本鎖の検出を行うことができる。標的またはプローブの
いずれかに結合した検出可能な標識を利用してハイブリッド二本鎖の検出を可能
にする様々な検出アッセイ方式が周知である。代表的に、ハイブリダイゼーショ
ン二本鎖を非ハイブリダイズ二本鎖から分離し、次いで二本鎖に結合した標識を
検出する。当業者であれば、洗浄工程を用いて過剰の標的DNAまたはプローブ
および非結合コンジュゲートを洗浄除去し得ることを理解するであろう。さらに
、標準的な異種アッセイ形式は、プライマーおよびプローブ上に存在する標識を
用いてハイブリッドを検出するのに適切である。
【0244】 最近開発された2つのアッセイは、分離および洗浄を必要としないハイブリダ
イゼーションに基づく対立遺伝子識別を可能にする(Landegren U.
ら、1998)。TaqManアッセイは、蓄積する増幅産物に特異的にアニー
ルするDNAプローブを消化するためのTaq DNAポリメラーゼの5’ヌク
レアーゼ活性を利用する。TaqManプローブを、蛍光エネルギー移動を介し
て相互作用するドナー−アクセプター色素対で標識する。増幅中にポリメラーゼ
を進行することによってTaqManプローブを切断すると、クエンチングアク
セプター色素からドナー色素が解離し、穏やかにドナーの蛍光が増加する。2つ
の対立遺伝子変異体を検出するのに必要な全ての試薬は、反応の開始時に組み立
てることができ、結果は実時間で監視される(Livakら、1995を参照の
こと)。代替的な均質なハイブリダイゼーションに基づく方法において、分子ビ
ーコン(molecular beacon)は対立遺伝子の識別に有用である
。分子ビーコンは、均質な溶液において特異的核酸の存在を報告するヘアピン形
状のオリゴヌクレオチドプローブである。該分子ビーコンがそれらの標的に結合
すると、それらは、内部でクエンチングした発蛍光団の蛍光を保存するコンホメ
ーションの再編成を行う(Tyagiら、1998)。
【0245】 本明細書に記載のポリヌクレオチドを使用して、生物学的サンプル中のバイア
レリックマーカー対立遺伝子の検出のためのハイブリダイゼーションアッセイに
使用することができるプローブを産生することができる。これらのプローブは、
好ましくは、8〜50ヌクレオチドを有することを特徴とし、それらは、ハイブ
リダイズするために本発明のバイアレリックマーカーを含む配列に十分に相補的
であり、好ましくは、ただ1つのヌクレオチドバリエーションに対して標的化さ
れた配列を識別し得るのに十分に特異的であることを特徴とする。特に好ましい
プローブは、25ヌクレオチド長である。好ましくは、バイアレリックマーカー
は、ポリヌクレオチドプローブの中央部の4ヌクレオチド内にある。特に好まし
いプローブでは、バイアレリックマーカーは前記ポリヌクレオチドの中央部にあ
る。好ましいプローブは、表1に列挙されるアンプリコンおよびそれに相補的な
配列から成る群より選択されるヌクレオチド配列、またはそのフラグメントを含
み、前記フラグメントは少なくとも約8連続ヌクレオチド、好ましくは、10、
15、20、より好ましくは、25、30、40、47、または50連続ヌクレ
オチドを含み、多型性塩基を含有する。好ましいプローブは、P1〜P7、P9
〜P13、P15〜P19およびそれに相補的な配列から成る群より選択される
ヌクレオチド配列を含む。好ましい実施態様では、多型性塩基は、前記ポリヌク
レオチドの中央部の5、4、3、2、1ヌクレオチド内、より好ましくは、前記
ポリヌクレオチドの中央部にある。
【0246】 好ましくは、本発明のプローブは、固相支持体上に標識または固定化される。
標識および固相支持体については、「オリゴヌクレオチドプローブおよびプライ
マー」にさらに説明している。プローブは、「オリゴヌクレオチドプローブおよ
びプライマー」に記載のように、非伸長性であり得る。
【0247】 対立遺伝子の特異的プローブに対するハイブリダイゼーションをアッセイする
ことによって、所定のサンプルにおけるバイアレリックマーカー対立遺伝子の有
無を検出することができる。「ハイブリダイゼーションアッセイ」には、アレイ
形式の高スループットパラレルハイブリダイゼーションが特に包含され、以下に
記載されている。
【0248】 5)オリゴヌクレオチドのアドレス指定可能なアレイに対するハイブリダイゼー
ション オリゴヌクレオチドアレイに基づくハイブリダイゼーションアッセイは、標的
配列変異体に好ましく一致またはミスマッチするための短いオリゴヌクレオチド
のハイブリダイゼーション安定性の差異に依存する。選択された位置での固相支
持体(例えば、チップ)に結合したオリゴヌクレオチドプローブの高密度アレイ
を含む基本構造を介して、多型情報への効率的なアクセスが得られる。それぞれ
のDNAチップは、格子様パターンに配列され、10セント硬貨大にミニチュア
化した数千〜数百万の個々の合成DNAプローブを含有し得る。
【0249】 チップ技法は、既に多くの場合に適用することが成功している。例えば、変異
のスクリーニングが、S.cerevisiae変異株のBRCA1遺伝子、お
よびHIV−1ウイルスのプロテアーゼ遺伝子において行われている(Haci
aら、1996;Shoemakerら、1996;Kozalら、1996)
。バイアレリック多型を検出するのに使用するための様々な形式のチップを、注
文に基づいてAffymetrix(GeneChip(登録商標))、Hys
eq(HyChip and HyGnostics)、およびProtoge
ne Laboratoriesによって製造することができる。
【0250】 一般に、これらの方法は、個体由来の標的核酸配列セグメントに相補的なオリ
ゴヌクレオチドプローブのアレイを使用する。該標的配列は、多型性マーカーを
含む。EP785280は、単一のヌクレオチド多型の検出のためのタイル張り
ストラテジーについて記載している。簡単に説明すると、アレイは、一般に多数
の特異的多型について「タイル張り」され得る。「タイル張り」とは、一般に、
目的の標的配列に相補的な配列、および該配列の予め選択された変異体(例えば
、ヌクレオチドの基本的組の1以上のメンバーによる1以上の所定の位置の置換
)から作製される規定された組のオリゴヌクレオチドプローブの合成を意味する
。タイル張りストラテジーについては、PCT出願WO95/11995にさら
に記載されている。特定の局面において、アレイは、多量の特異的な同定された
バイアレリックマーカー配列を対象にタイル張りされている。特に、多くの検出
ブロックを含むためにアレイがタイル張りされ、それぞれの検出ブロックは、特
異的バイアレリックマーカーまたはバイアレリックマーカーの組に特異的である
。例えば、検出ブロックは、特異的な多型を含む配列セグメントに及ぶ多くのプ
ローブを含むためにタイル張りされ得る。それぞれの対立遺伝子に相補的なプロ
ーブを確実にするために、バイアレリックマーカーで異なる対でプローブを合成
する。多型性塩基で異なるプローブに加えて、単置換されたプローブも一般に検
出ブロック内でタイル張りされる。これらの単置換されたプローブは、残りのヌ
クレオチド(A、T、G、CおよびUから選択される)で置換される多型からい
ずれかの方向で特定の塩基数でおよび特定の塩基数までの塩基を有する。典型的
に、タイル張りされた検出ブロックにおけるプローブは、バイアレリックマーカ
ーの多型性部位から5塩基離れている配列位置までおよび配列位置を含む配列位
置の置換を含む。単置換されたプローブは、タイル張りアレイの内部制御を提供
して、実際のハイブリダイゼーションを人為構造的クロスハイブリダイゼーショ
ンから区別する。標的配列とのハイブリダイゼーションおよびアレイ洗浄の終了
時に、アレイを走査して、標的配列がハイブリダイズするアレイ上の位置を決定
する。次いで、走査されたアレイから得られるハイブリダイゼーションデータを
解析して、バイアレリックマーカーのどの対立遺伝子がサンプルに存在するかを
同定する。PCT出願WO92/10092および同WO95/11995なら
びに米国特許第5,424,186号に記載のように、ハイブリダイゼーション
および走査を行ってもよい。
【0251】 従って、いくつかの実施態様において、チップは約15ヌクレオチド長のフラ
グメントの核酸配列のアレイを含んでもよい。さらなる実施態様において、チッ
プは、表1に列挙されるアンプリコンおよびそれに相補的な配列から成る群より
選択される配列、またはそのフラグメントの少なくとも1つを含み、該フラグメ
ントは、少なくとも約8連続ヌクレオチド長、好ましくは10、15、20、よ
り好ましくは25、30、40、47、もしくは50連続ヌクレオチドを含み、
多型性塩基を含有する。好ましい実施態様では、多型性塩基は、前記ポリヌクレ
オチドの中央部の5、4、3、2、1ヌクレオチド内、より好ましくは、前記ポ
リヌクレオチドの中央部にある。いくつかの実施態様において、チップは少なく
とも2、3、4、5、6、7、8以上の本発明のこれらのポリヌクレオチドを含
み得る。固相支持体に結合している本発明の固相支持体およびポリヌクレオチド
については、「オリゴヌクレオチドプローおよびプライマーブ」にさらに記載さ
れている。
【0252】 6)組み込み型システム 多型を分析するために使用され得るもう1つの技法は、単一機能デバイスにお
いてPCRおよびキャピラリー電気泳動反応などのプロセスをミニチュア化およ
び区画分けする多成分組込み型システムを含む。そのような技法の例については
米国特許第5,589,136号に開示されており、チップ内でのPCR増幅お
よびキャピラリー電気泳動の組込みについて記載している。
【0253】 組み込み型システムは、主に微小流動システムを使用する場合に想定すること
ができる。これらのシステムは、マイクロチップに含まれるガラス、シリコン、
石英、またはプラスチックウェーハ上に設計されたマイクロチャネルのパターン
を含む。サンプルの移動は、マイクロチップの異なる領域に適用される電気、電
気浸透または静水力によって制御され、機能的顕微鏡的バルブおよび駆動部を伴
わないポンプを作製する。
【0254】 バイアレリックマーカーの遺伝子型を判定するために、微小流動システムは、
核酸の増幅、マイクロシークエンシング、キャピラリー電気泳動およびレーザー
誘導性蛍光検出などの検出方法を組み込んでもよい。
【0255】 TBC−1遺伝子のバイアレリックマーカーによる関連研究 遺伝子マッピングのために現在使用されている2つの主なストラテジー、連結
分析および関連研究を介して、疑わしい異種性、ポリジーン性およびガンなどの
多因子性形質に関与する遺伝子の同定を行うことができる。関連研究は、形質陰
性(T−)対照に比較して、非関連形質陽性(T+)個体のマーカー対立遺伝子
の頻度を検討し、一般に、ポリジーン遺伝の検出に用いられる。遺伝子形質のマ
ッピングの方法としての関連研究は、以下に記載の連鎖不均衡の現象に依存する
【0256】 2つの遺伝子座が同一染色体にある場合、同一染色体セグメント上のこれらの
遺伝子座の対立遺伝子の組(ハプロタイプと呼ばれる)は、世代から世代へのブ
ロックとして伝達される傾向がある。再組換えによって破壊されない場合、ハプ
ロタイプは、系統だけではなく集団によっても追跡され得る。集団レベルで得ら
れる現象は、同一染色体上の異なる遺伝子座での特異的対立遺伝子の対の発生が
無作為であり、無作為による偏差を連鎖不均衡(LD)という。
【0257】 所定の遺伝子の特異的対立遺伝子が特定の形質Tの発生に関与する場合、その
頻度は、形質陰性集団における頻度と比較すると、形質陽性集団において統計的
に増加する。連鎖不均衡の存在の結果として、形質を生じる対立遺伝子(TCA
)を担持するハプロタイプに存在する他の全ての対立遺伝子の頻度も、形質陰性
個体に比べると形質陽性個体において増加する。従って、形質と形質を生じる対
立遺伝子による連鎖不均衡における任意の対立遺伝子との間の関連は、その特定
の対立遺伝子領域における形質関連遺伝子の存在を示唆するに十分である。連鎖
不均衡は、形質を生じる対立遺伝子を見出すために、全ての可能な機能的多型を
スクリーニングする方法の代替法として、制限された数の遺伝子多型(具体的に
はバイアレリックマーカー)の形質陽性と形質陰性集団の相対的頻度を分析する
ことを可能にする。
【0258】 候補領域から誘導されるバイアレリックマーカーを用いる関連研究を実施する
ための一般的ストラテジーは、2つの個体群(形質陽性および形質陰性(以下に
記載の良好に規定された表現型を特徴とする対照個体))を走査し、両群におけ
るそのようなバイアレリックマーカーの対立遺伝子の頻度を測定し、統計的に比
較することである。
【0259】 少なくとも1以上の分析されたバイアレリックマーカーについて形質と統計的
に有意な関連が同定される場合、関連対立遺伝子は該形質(関連対立遺伝子はT
CAである)を生じる直接的原因であるか、または関連対立遺伝子は形質を生じ
る対立遺伝子との連鎖不均衡であるかのいずれかであると仮定することができる
。候補領域内の関連対立遺伝子が形質を生じる対立遺伝子でない確率が最も高く
、真の形質を生じる対立遺伝子と連鎖不均衡であることを示す証拠がある場合は
、形質を生じる対立遺伝子、および結果として形質を生じる対立遺伝子を担持す
る遺伝子が関連マーカーの付近を配列決定することによって見出され得る。
【0260】 形質陽性(形質+)および形質陰性(形質−)からのDNAサンプルの回収(形
質−個体)(包含基準) 本明細書に記載のような効率的かつ有意な関連研究を実施するために、研究下
の形質は、好ましくは、研究下の集団における二峰分布に従い、2つの明確な非
重複表現型、形質陽性および形質陰性を示す。
【0261】 それにもかかわらず、そのような二峰分布(実際には、より複雑な遺伝子形質
の場合であり得る)が認められない場合であっても、任意の遺伝子形質は、形質
陽性および形質陰性表現型グループに包含すべき個体を注意深く選択することに
よって、ここで目的とする関連方法によって分析される。選択方法は、これらの
形質陽性および形質陰性集団に、極度、好ましくは非重複表現型を示す個体を包
含するように、研究下にある形質の非二峰表現型スペクトルの対向末端において
個体を選択する必要がある。
【0262】 形質陽性および形質陰性集団の包含基準の定義は、本発明の重要な局面である
。極めて顕著に異なるが比較的均一な表現型の選択は、関連研究の効率的な比較
および遺伝子レベルの顕著な差異の可能な検出を可能にする。但し、研究下の集
団のサンプルのサイズは有意に十分な量とする。
【0263】 一般に、本発明の目的のための関連研究に包含すべき形質陽性および形質陰性
集団は、形質分布が二峰である場合、それぞれが100%の対応する形質を示す
個体の表現型が均質な集団から成る。
【0264】 50〜30の形質陽性個体、好ましくは約100個体の第1の集団が、臨床包
含基準に従って補充され得る。
【0265】 それぞれの場合、同様の数の形質陰性個体、好ましくは100を超える個体が
、人種および年齢の両方が形質陽性症例に一致する研究に包含される。それらは
、上記で規定された臨床基準が認められないことが確認される。形質陽性および
形質陰性個体の両方とも、関連のない症例に対応するべきである。
【0266】 形質陽性および形質陰性個体の遺伝子型判定 上記の集団のそれぞれにおけるバイアレリックマーカーの対立遺伝子頻度は、
題目「バイアレリックマーカーに対するDNAサンプルの遺伝子型判定方法」に
おける上記の方法の1つを使用して決定することができる。分析は、バイアレリ
ックマーカーの作製についての上記の条件と同様の条件で、それぞれの個体由来
のDNAサンプルに対して実施されるゲノムPCRにより得られる増幅されたフ
ラグメントに対して好ましく実施される。
【0267】 好ましい実施態様において、増幅されたDNAサンプルは、蛍光ddNTP(
それぞれのddNTPについて特定の蛍光)および多型性塩基の直ぐ上流にハイ
ブリダイズする適切なマイクロシークエンシングオリゴヌクレオチドを使用する
自動化マイクロシークエンシング反応に供される。
【0268】 遺伝子型判定については、実施例5にさらに記載している。
【0269】 異なる形質陽性および形質陰性集団に関する上記で規定される本発明のバイア
レリックマーカーを使用し、当業者によって関連研究を行うことができる。バイ
アレリックマーカーA1〜A19を含むTBC−1遺伝子のバイアレリックマー
カーを使用する関連研究の適切な例は、以下の集団に関する研究を含む。 ガン、好ましくは前立腺ガンを患う形質陽性集団および健康な非罹患集団、ま
たは 前立腺ガンに対して作用する薬剤で治療される前立腺を患う、およびこの治療
の結果副作用を患う形質陽性集団ならびに実質的な副作用を何ら伴うことなく同
薬剤で治療される前立腺ガンを患う形質陰性集団、または 有益な奏効を示す前立腺ガンに対して作用する薬剤で治療される前立腺を患う
形質陽性集団および有益な奏効を何ら伴うことなく同薬剤で治療される前立腺ガ
ンを患う形質陰性集団、または 高度に攻撃的な前立腺ガン腫瘍を呈する前立腺ガンを患う形質陽性集団および
攻撃性を欠く前立腺ガン腫瘍を伴う前立腺ガンを患う形質陰性集団。
【0270】 本発明のもう1つ目的は、TBC−1遺伝子の1以上のバイアレリックマーカ
ーの対立遺伝子と形質との間の関連を同定および特徴づけする方法を提供する。
本方法は、以下の工程を含む。 形質陽性において、本発明のマーカーまたはバイアレリックマーカーのグルー
プの遺伝子型を判定すること、 形質陰性個体において、本発明のマーカーまたはバイアレリックマーカーのグル
ープの遺伝子型を判定すること、および 少なくとも1つのマーカーの1つの対立遺伝子と形質との間の統計的に有意な関
連を確立すること。
【0271】 好ましくは、形質陽性および形質陰性個体は、研究下の形質について非重複表
現型から選択される。1つの実施態様において、バイアレリックマーカーはバイ
アレリックマーカーA1〜A19から成る群より選択される。
【0272】 好ましい実施態様において、形質はガン、前立腺ガン、早期前立腺ガン、前立
腺ガンの感受性、前立腺ガン腫瘍の攻撃性のレベル、TBC−1遺伝子の改変さ
れた発現、TBC−1タンパク質の改変された産生、または改変されたTBC−
1タンパク質の産生である。
【0273】 さらなる実施態様において、形質陰性集団は、関連研究においてランダム比較
集団に置き換えることができる。
【0274】 本発明のバイアレリックマーカーまたはバイアレリックマーカーのグループの特
異的対立遺伝子を含むDNAの存在について試験し、検出する工程は、さらに以
下に記載のように行うことができる。
【0275】 オリゴヌクレオチドプローブおよびプライマー 本発明はまた、プローブおよびプライマーとして有用なオリゴヌクレオチド分
子に関する。ここで、前記オリゴヌクレオチド分子は、TBC−1遺伝子、特に
配列番号1および2のTBC−1ゲノム配列または配列番号3および4のTBC
−1cDNA配列に特異的にハイブリダイズする。より詳細には、本発明はまた
、TBC−1遺伝子のバイアレリックマーカーの検出のためのオリゴヌクレオチ
ドに関する。これらのオリゴヌクレオチドは、DNA増幅およびマイクロシーク
エンシングなどの様々なプロセスにおいて使用されるプライマーまたはハイブリ
ダイゼーション分析におけるDNA認識のためのプローブのいずれかとして有用
である。TBC−1遺伝子から誘導されるポリヌクレオチドは、試験サンプルに
おいて、配列番号1〜4のヌクレオチド配列、もしくはフラグメント、相補体、
または変異体の少なくとも1コピーの存在を検出するために有用である。
【0276】 本発明の特に好ましいプローブおよびプライマーは、配列番号1および2の少
なくとも12、15、18、20、25、30、35、40、50、60、70
、80、90、100、150、200,500、または1000ヌクレオチド
の連続スパンを含む単離された、精製された、もしくは組換体ポリヌクレオチド
またはその相補体を含む。本発明のさらに好ましいプローブおよびプライマーは
、配列番号1の少なくとも12、15、18、20、25、30、35、40、
50、60、70、80、90、100、150、200,500、または10
00ヌクレオチドの連続スパンを含む単離された、精製された、もしくは組換体
ポリヌクレオチドまたはその相補体であって、ここで、前記連続スパンは、配列
番号1の以下のヌクレオチド位置:1〜1000、1001〜2000、200
1〜3000、3001〜4000、4001〜5000、5001〜6000
、6001〜7000、7001〜8000、8001〜9000、9001〜
10000、10001〜11000、11001〜12000、12001〜
13000、13001〜14000、14001〜15000、15001〜
16000、16001〜17000、および17001〜17590の少なく
とも1、2、3、5、または10を含む。本発明の他の好ましいプローブおよび
プライマーは、配列番号2の少なくとも12、15、18、20、25、30、
35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、500
、もしくは1000ヌクレオチドの連続スパンを含む、単離された、精製された
、もしくは組換体ポリヌクレオチドまたはその相補体を含み、ここで前記連続ス
パンは、配列番号2の以下のヌクレオチド位置:1〜5000、5001〜10
000、10001〜15000、15001〜20000、20001〜25
000、25001〜30000、30001〜35000、35001〜40
000、40001〜45000、45001〜50000、50001〜55
000、55001〜60000、60001〜65000、65001〜70
000、70001〜75000、75001〜80000、80001〜85
000、85001〜90000、90001〜95000、および95001
〜99960の少なくとも1、2、3、5、または10を含む。
【0277】 本発明のさらに好ましいプローブおよびプライマーは、配列番号3および4の
少なくとも12、15、18、20、25、30、35、40、50、60、7
0、80、90、100、150、200、500、もしくは1000ヌクレオ
チドの連続スパンを含む、単離された、精製された、もしくは組換体ポリヌクレ
オチドまたはその相補体を含む。本発明の特に好ましいプローブおよびプライマ
ーは、配列番号3の少なくとも12、15、18、20、25、30、35、4
0、50、60、70、80、90、100、150、200、500、もしく
は1000ヌクレオチドの連続スパンを含む、単離された、精製された、もしく
は組換体ポリヌクレオチドまたはその相補体を含み、ここで、前記連続スパンは
、配列番号3の以下のヌクレオチド位置:1〜500、501〜1000、10
01〜1500、1501〜2000、2001〜2500、2501〜300
0、3001〜3500、および3501〜3983の少なくとも1、2、3、
5、または10を含む。本発明のさらに好ましいプローブおよびプライマーは、
配列番号4の少なくとも12、15、18、20、25、30、35、40、5
0、60、70、80、90、100、150、200、500、もしくは10
00ヌクレオチドの連続スパンを含む、単離された、精製された、もしくは組換
体ポリヌクレオチドまたはその相補体を含み、ここで、前記連続スパンは、配列
番号4の以下のヌクレオチド位置:1〜500、501〜1000、1001〜
1500、1501〜2000、2001〜2500、2501〜3000、3
001〜3500、および3501〜3988の少なくとも1、2、3、5、ま
たは10を含む。
【0278】 従って、本発明はまた、上記で規定されるストリンジェントなハイブリダイゼ
ーション条件下で、配列番号1〜4のヌクレオチド配列から成る群から選択され
る核酸もしくはその変異体またはそれに相補的な配列に特異的にハイブリダイズ
することを特徴とする核酸プローブに関する。
【0279】 1つの実施態様において、本発明は、配列番号1および2のいずれか1つの8
〜50ヌクレオチドの連続スパンから成るまたは本質的に成る単離された、精製
された、および組換体ポリヌクレオチドおよびその相補体であって、ここで、前
記スパンは前記配列中にTBC−1関連バイアレリックマーカーを含み;随意的
に、ここで、TBC−1の前記バイアレリックマーカーはA1〜A19、および
その相補体から成る群より選択されるか、または随意的にそれとの連結が不均衡
であるバイアレリックマーカーであり;随意的に、ここで、前記連続スパンは1
8〜35ヌクレオチド長であり、前記バイアレリックマーカーは前記ポリヌクレ
オチドの中央部の4ヌクレオチド内にあり;随意的に、ここで、前記ポリヌクレ
オチドは前記連続スパンからなり、前記連続スパンは25ヌクレオチド長であり
、前記バイアレリックマーカーは前記ポリヌクレオチドの中央部にあり;随意的
に、ここで、前記連続スパンの3’末端は前記ポリヌクレオチドの3’末端に存
在し;そして随意的に、ここで、前記連続スパンの3’末端は前記ポリヌクレオ
チドの3’末端に位置し、前記バイアレリックマーカーは前記ポリヌクレオチド
の3’末端にある、上記単離された、精製された、および組換体ポリヌクレオチ
ドを包含する。好ましい実施態様では、前記プローブは、次の配列:P1〜P7
、P9〜P13、P15〜P19から選択される配列およびそれらに相補的な配
列を含むか、から成るか、または本質的に成る。
【0280】 もう1つの実施態様において、本発明は、配列番号1および2の8〜50ヌク
レオチドの連続スパンを含むか、から成るか、またはから本質的に成る単離され
た、精製された、および組換体ポリヌクレオチドおよびその相補体であって、前
記連続スパンの3’末端は前記ポリヌクレオチドの3’末端に位置し、前記ポリ
ヌクレオチドの3’末端は、前記配列中のTBC−1関連バイアレリックマーカ
ーの20ヌクレオチド上流内に位置し;随意的に、ここで、TBC−1関連バイ
アレリックマーカーはA1〜A19、およびその相補体から成る群より選択され
るか、または随意的にそれとの連結が不均衡であるバイアレリックマーカーであ
り;随意的に、ここで、前記ポリヌクレオチドの3’末端は前記配列内のTBC
−1関連バイアレリックマーカーの1ヌクレオチド上流に位置し;そして随意的
に、ここで、前記ポリヌクレオチドは次の配列D1〜D19およびE1〜E19
から選択される配列から本質的に成る、上記単離された、精製された、および組
換体ポリヌクレオチドを包含する。
【0281】 さらなる実施態様において、本発明は、次の配列:B1〜B15およびC1〜
C15から選択される配列を含むか、から成るか、またはから本質的に成る単離
された、精製された、もしくは組換体ポリヌクレオチドを包含する。
【0282】 さらなる実施態様において、本発明は、配列番号1および2のTBC−1関連
バイアレリックマーカー、またはそれに相補的な配列の正体を決定するためのハ
イブリダイゼーションアッセイ、シークエンシングアッセイ、および酵素に基づ
くミスマッチ検出アッセイに使用するためのポリヌクレオチド、ならびに配列番
号1および2のTBC−1関連バイアレリックマーカー、またはそれに相補的な
配列を含むヌクレオチドのセグメントを増幅するのに使用するためのポリヌクレ
オチドを包含し;随意的に、ここで、前記TBC−1関連バイアレリックマーカ
ーはA1〜A19、およびその相補体から成る群より選択されるか、または随意
的にそれとの連結が不均衡であるバイアレリックマーカーである。
【0283】 これらのプローブおよびプライマーの長さは8〜100ヌクレオチド長であり
、少なくとも12、15、18、20、25、30、35、40、50、60、
70、80、90、100、150、200、500、もしくは1000ヌクレ
オチド長であることが明確にされている。より詳細には、これらのプローブおよ
びプライマーの長さは、8、10、15、20、または30〜100ヌクレオチ
ド、好ましくは10〜50、より好ましくは15〜30ヌクレオチドの範囲であ
り得る。より短いプローブおよびプライマーは標的核酸配列への特異性を欠く傾
向があり、一般にテンプレートとの十分に安定なハイブリッド複合体を形成する
ためにより低い温度を必要とする。より長いプローブおよびプライマーは生成費
用が高く、時々自己ハイブリダイズしてヘアピン構造を形成し得る。アッセイ条
件の特定の組の下でのプライマーおよびプローブの適切な長さは、当業者によっ
て経験的に決定され得る。好ましいプローブまたはプライマーは、P1〜P7、
P9〜P13、P15〜P19のヌクレオチド配列およびそれに相補的な配列、
B1〜B15、C1〜C15、D1〜D19、E1〜E19の群より選択される
ポリヌクレオチドを含む核酸から成り、配列表中のそれぞれの位置は、表2、3
および4に記載されている。
【0284】 安定なハイブリッドの形成はDNAの融解温度(Tm)に依存する。Tmはプ
ライマーまたはプローブの長さ、溶液のイオン強度およびG+C含量に依存する
。プライマーまたはプローブのG+C含量が高い程、融解温度が高い。何故なら
、G:C対は3つのH結合に保持されるのに対し、A:T対は僅か2つしか有さ
ないからである。本発明のプローブのGC含量は、通常10〜75%、好ましく
は35〜60%、より好ましくは40〜55%である。
【0285】 プライマーおよびプローブは、例えば、適切な配列のクローニングおよび制限
ならびにNarangら(1979)のホスホジエステル法、Brownら(1
979)のホスホジエステル法、Beaucageら(1981)のジエチルホ
スホロアミダイト法およびEP0707592に記載の固体支持法などの方法に
よる直接化学合成を含む任意の適切な方法によって調製され得る。
【0286】 検出プローブは、一般に、例えば、国際特許出願WO92/20702に開示
されているペプチド核酸、米国特許第5,185,444号;同第5,034,
506号および同第5,142,047号に記載のモルホリン類似体などの核酸
配列または電荷を有さない核酸類似体である。プローブは、さらなるdNTPが
プローブに付加され得ないという点で、「非伸長性」であるといえる。それら自
体におけるまたはそれら自体の類似体は通常非伸長性であり、核酸プローブは、
水酸基がもはや伸長に参加し得ないようにプローブの3’末端を修飾することに
よって、非伸長性であるということができる。例えば、プローブの3’末端を、
捕捉または検出標識で官能基化し、それによって水酸基を消費、そうでなければ
遮断することができる。あるいは、3’水酸基は、簡単に切断、置き換えまたは
修飾することができる。米国特許出願第07/049,061号(1993年、
4月19日出願)は、プローブを非伸長性にするために使用することができる修
飾について記載している。
【0287】 所望であれば、分光光度的、光化学的、生化学的、免疫化学的、または化学的
手段により検出可能な当該分野において公知の任意の標識を組み入れるによって
本発明の任意のポリヌクレオチドを標識することができる。例えば、有用な標識
としては、放射性物質(32P、35S、3H、125I)、蛍光色素(5−ブロモデオ
キシウリジン、フルオレセイン、アセチルアミノフルオレン、ジゴキシゲニン)
またはビオチンが挙げられる。好ましくは、ポリヌクレオチドはそれらの3’お
よび5’末端で標識される。核酸フラグメントの非放射性標識の例については、
仏国特許No.FR−7810975においてまたはUrdeaら(1988)
またはSanchez−Pescadorら(1988)により記載されている
。さらに、本発明のプローブは、それらがシグナル増幅可能であるという構造的
特徴を有する。そのような構造的特徴については、例えば、Urdeaら、19
91により記載されたかまたは欧州特許No.EP−0225,807(Chi
ron)におけるプローブなどの分岐DNAプローブである。
【0288】 標識は、プライマーまたは増幅されたDNAなどのプライマー伸長産物のいず
れかの固相支持体上への固定化を容易にするように、プライマーを捕捉するため
にも使用され得る。捕捉標識はプライマーまたはプローブに結合し、固体相の試
薬特異的結合メンバー(例えば、ビオチンおよびストレプトアビジン)との結合
対を形成する特異的結合メンバーであり得る。従って、ポリヌクレオチドまたは
プローブに担持される標識のタイプに依存して、標識DNAを捕捉または検出す
るために標識が用いられ得る。さらに、本明細書において提供されるポリヌクレ
オチド、プライマーまたはプローブは、それ自体で捕捉標識として作用し得る。
例えば、固相試薬結合メンバーが核酸配列である場合、それがプライマーまたは
プローブの相補部分に結合して、それによってプライマーまたはプローブを固相
に固定化するようにそれを選択することができる。ポリヌクレオチドプローブが
それ自体で結合メンバーとして作用する場合、当業者は、プローブが配列または
標的に相補的ではない「テイル」を含有することを認識するであろう。ポリヌク
レオチドプライマーがそれ自体で捕捉標識として作用する場合、プライマーの少
なくとも一部は自由に固相上の核酸にハイブリダイズする。DNA標識技法は当
業者に周知である。
【0289】 本発明のプローブは多くの目的に有用である。該プローブは、ゲノムDNAへ
のサザンハイブリダイゼーションに顕著に使用され得る。プローブはまた、PC
R増幅産物を検出するためにも使用することができる。他の技法を用い、TBC
−1遺伝子またはmRNAのミスマッチを検出するために該プローブを使用して
もよい。
【0290】 本発明の任意のポリヌクレオチド、プライマーおよびプローブは、固体支持上
に簡便に固定化することができる。固相支持体は当業者に公知であり、反応トレ
イのウェルの壁、試験管、ポリスチレンビーズ、磁気ビーズ、ニトロセルロース
片、膜、ラテックス粒子、ヒツジ(または他の動物の)赤血球、duracyt
eなどの微小粒子が挙げられる。固相支持体は重要ではなく、当業者が選択する
ことができる。従って、ラテックス粒子、微小粒子、磁気または非磁気ビーズ、
膜、プラスチックチューブ、マイクロタイターウェルの壁、ガラスまたはシリコ
ンチップ、ヒツジ(または他の適切な動物の)赤血球およびduracyteは
、全て適切な例である。核酸を固相上に固定化する適切な方法としては、イオン
、疎水、共有相互作用などが挙げられる。本明細書で使用する固相支持体は、不
溶性であるか、または以後の反応で不溶性になり得る任意の材料を指す。固相支
持体は、該固相支持体が捕捉試薬に吸着し固定化するその固有の能力について固
相支持体を選択することができる。あるいは、固相支持体は、捕捉試薬に吸着し
固定化する能力を有するさらなるレセプターを保持することができる。さらなる
レセプターは、捕捉試薬自体または捕捉試薬に複合した荷電した物質に対して反
対の電荷を有する荷電した物質を含む。さらにもう1つの代替的レセプター分子
は、固相支持体に固定化(結合)されている任意の特異的結合メンバーであり得
、特異的結合反応を介して捕捉試薬を固定化する能力を有する。レセプター分子
は、アッセイの実施前またはアッセイの実施中に捕捉試薬を固相支持体材料に間
接的に結合させることができる。従って、固相はプラスチック、誘導されたプラ
スチック、磁気または非磁気金属、試験管のガラスまたはシリコン表面、マイク
ロタイターウェル、シート、ビーズ、微小粒子、チップ、ヒツジ(または他の適
切な動物の)赤血球、duracyte(登録商標)および当業者に公知の他の
形態であり得る。本発明のポリヌクレオチドは、個々にまたは単一の固相支持体
に対して少なくとも2、5、8、10、12、15、20、または25の異なる
本発明のポリヌクレオチドの群で固相支持体上に結合または固定化され得る。さ
らに、本発明のポリヌクレオチド以外のポリヌクレオチドを、本発明の1以上の
ポリヌクレオチドとして同一の固相支持体に結合させてもよい。
【0291】 従って、本発明はまた、サンプル中の配列番号1〜4、そのフラグメントもし
くは変異体およびそれに相補的な配列から成る群より選択されるヌクレオチド配
列を含む核酸の存在を検出する方法を扱い、該方法は以下の工程を含む。 a)配列番号1〜4、そのフラグメントもしくは変異体およびそれに相補的な
配列から成る群より選択される核酸に含まれるヌクレオチド配列にハイブリダイ
ズすることができる核酸プローブまたは複数の核酸プローブとアッセイしようと
するサンプルとを接触させること;および b)該プローブとサンプル中の核酸との間に形成されるハイブリッド複合体を
検出すること。
【0292】 本発明はさらに、サンプル中の配列番号1〜4、そのフラグメントもしくは変
異体およびそれに相補的な配列から成る群より選択されるヌクレオチド配列を含
む核酸の存在を検出するキットに関し、前記キットは以下のものを含む。 a)配列番号1〜4、そのフラグメントもしくは変異体およびそれに相補的な
配列から成る群より選択される核酸に含まれるヌクレオチド配列にハイブリダイ
ズすることができる核酸プローブまたは複数の核酸プローブ;および b)必要に応じて、ハイブリダイゼーション反応を実施するのに必要な試薬。
【0293】 本検出方法およびキットの第1の好ましい実施態様では、前記核酸プローブま
たは複数の核酸プローブが検出可能な分子で標識される。前記方法およびキット
の第2の好ましい実施態様では、前記核酸プローブまたは複数の核酸プローブは
支持体上に固定化されている。第3の好ましい実施態様では、核酸プローブまた
は複数の核酸プローブは、P1〜P7、P9〜P13、P15〜P19のヌクレ
オチド配列およびそれに相補的な配列、B1〜B15、C1〜C15、D1〜D
19、E1〜E19から成る群より選択される配列またはA1〜A19およびそ
れに相補的な配列から成る群より選択されるバイアレリックマーカーのいずれか
を含む。
【0294】 オリゴヌクレオチドアレイ 本発明の複数のオリゴヌクレオチドプライマーまたはプローブを含む支持体は
、TBC−1遺伝子の標的化された配列を検出するかまたは増幅するかいずれか
のために使用され得、TBC−1遺伝子のコードまたは非コード配列の変異を検
出するために使用され得る。
【0295】 本明細書において提供される任意のポリヌクレオチドは、支持体上の重複領域
または無作為位置において結合し得る。あるいは、本発明のポリヌクレオチドは
順序づけられたアレイに結合し得る。ここで、それぞれのポリヌクレオチドは、
他の任意のポリヌクレオチドの結合部位に重複しない固相支持体上の異なる領域
に結合する。好ましくは、ポリヌクレオチドのそのような順序づけられたアレイ
を「アドレス指定可能」といい、ここで、異なる位置は記憶され、アッセイ方法
の一部としてアクセスすることができる。アドレス指定可能なポリヌクレオチド
アレイは、典型的に、異なる既知の位置において支持体の表面に結合している複
数の異なるオリゴヌクレオチドプローブを含む。それぞれのポリヌクレオチド位
置の正確な位置が分かれば、ハイブリダイゼーションアッセイにおいてこれらの
「アドレス指定可能」アレイは特に有用になる。当該分野において公知の任意の
アドレス指定可能なアレイ技法を本発明のポリヌクレオチドと共に用いることが
できる。これらのポリヌクレオチドアレイの1つの特定の実施態様は、Gene
chip(登録商標)として知られており、米国特許第5,143,854号;
PCT公開WO90/15070および同92/10092にその概要が記載さ
れている。これらのアレイは、一般に、フォトリソグラフィー法および固相オリ
ゴヌクレオチド合成(Fodorら、Science、251:767−777
,1991)の組み合わせを組み入れる機械的合成方法または光直接型(lig
ht directed)合成方法を用いて作製され得る。固相支持体上にオリ
ゴヌクレオチドのアレイを固体化することは、典型的に、チップの固相表面に高
密度アレイでプローブが固定化される「Very Large Scale I
mmobilized Polymer Synthesis」(VLSIPS
(登録商標))として一般に認識されている技法の開発によって可能になってい
る。VLSIPS(登録商標)技法の例は、米国特許第5,143,854号、
および同第5,412,087号ならびにPCT公開WO90/15070、同
WO92/10092および同WO95/11995において提供されており、
光直接型合成技法などの技法を介してオリゴヌクレオチドアレイを形成する方法
が記載されている。固相支持体上に固定化されたヌクレオチドのアレイを提供す
ることを目的とした設計戦略では、さらなる表示戦略が開発され、ハイブリダイ
ゼーションパターンおよび配列情報を最大にすることを試みてチップ上にオリゴ
ヌクレオチドアレイを順序づけ、ディスプレーされた。そのような表示戦略の例
は、PCT公開WO94/12305、同WO94/11530、同WO97/
29212および同WO97/31256に開示されている。
【0296】 本発明のオリゴヌクレオチドアレイのもう1つの実施態様では、オリゴヌクレ
オチドプローブマトリックスが有利に使用され、TBC−1遺伝子およびその調
節領域に生じる変異を検出することができる。この特定の目的のために、(欠失
、挿入、または1つもしくはいくつかのヌクレオチドの置換のいずれかによる)
既知の変異を担持する遺伝子へのハイブリダイゼーションを可能にするヌクレオ
チド配列を有するようにプローブが指定されて設計される。既知の変異は、例え
ば、Huangら(1996)またはSamsonら(1996)によって使用
された技法に従って同定されているTBC−1遺伝子の変異を意味する。
【0297】 TBC−1遺伝子の変異を検出するために使用されるもう1つの技法は、高密
度DNAアレイの使用である。高密度DNAアレイの単位エレメントを構成する
それぞれのオリゴヌクレオチドプローブは、TBC−1ゲノムDNAまたはcD
NAの特異的結果に一致するように設計される。従って、標的遺伝子配列の結果
に相補的なオリゴヌクレオチドから成るアレイを使用して、標的配列と野生型遺
伝子配列との同一性を決定し、その量を測定し、標的配列とTBC−1遺伝子の
参照野生型遺伝子配列との間の差異を検出する。1つのそのような設計において
、用語4Lタイル張り(tiled)アレイは、1組の4種のプローブ(A、C
、G、T)、好ましくは15ヌクレオチドオリゴマーを意味する。それぞれの組
の4種のプローブにおいて、完全相補体は、ミスマッチしたプローブよりも強力
にハイブリダイズする。従って、長さLの核酸標的を、4Lプローブを含有する
タイル張りアレイにより変異について走査する。全プローブの組は、公知の野生
型参照配列の全ての可能な変異を含有している。15マーのプローブ組のタイル
張りアレイのハイブリダイゼーションシグナルは、標的配列の1つの塩基の変更
によって撹乱される。結果として、シグナルの特徴的消失かまたは変異位置にフ
ランキングするプローブの「フットプリント」が認められる。この技法はChe
eら、1991に記載された。
【0298】 従って、本発明はプローブおよびプライマーとして上記の少なくとも1つのポ
リヌクレオチドを含む核酸分子のアレイに関する。好ましくは、本発明は、プロ
ーブおよびプライマーとして上記の少なくとも2つのポリヌクレオチドを含む核
酸のアレイに関する。
【0299】 本発明のさらなる目的は、P1〜P7、P9〜P13、P15〜P19、B1
〜B15、C1〜C15、D1〜D19、E1〜E19、それに相補的な配列、
その少なくとも8、10、12、15、18、20、25、30、または40連
続ヌクレオチドのフラグメントから成る群より選択される少なくとも1つの配列
、ならびにA1〜A19およびそれに相補的な配列から成る群より選択されるバ
イアレリックマーカーを含む少なくとも1つの配列のいずれかを含む核酸配列の
アレイから成る。
【0300】 本発明はまた、P1〜P7、P9〜P13、P15〜P19、B1〜B15、
C1〜C15、D1〜D19、E1〜E19、それに相補的な配列、その少なく
とも8連続ヌクレオチドのフラグメントから成る群より選択される少なくとも2
つの配列、ならびにA1〜A19およびそれに相補的な配列から成る群より選択
されるバイアレリックマーカーを含む少なくとも2つの配列のいずれかを含む核
酸配列のアレイに関する。
【0301】 TBC−1の調節またはコードポリヌクレオチドの発現のためのベクター 本発明の調節ポリヌクレオチドまたはコードポリヌクレオチドを、組換え宿主
細胞または組換え宿主生物における発現用組換えベクターに挿入してもよい。
【0302】 従って、本発明は、配列番号1および2のTBC−1ゲノム配列から誘導され
る調節ポリヌクレオチドのいずれか1つから成る群より選択される調節ポリヌク
レオチド、またはTBC−1コード配列を含むポリヌクレオチドのいずれか一方
あるいはそれらの両方を含有する組換えベクターのファミリーも包含する。
【0303】 第1の実施態様において、本発明の組換えベクターは、発現ベクターとして使
用され、(a)内部に含まれるTBC−1調節配列は、それに作動可能に連結さ
れたコードポリヌクレオチドの発現を誘導し;(b)TBC−1コード配列は、
適切な細胞宿主および/または宿主生物におけるその発現を可能にする調節配列
に作動可能に連結される。
【0304】 第2の実施態様において、本発明の組換えベクターは、配列番号1および2の
TBC−1ゲノム配列から誘導される挿入されたポリヌクレオチドまたは適切な
細胞宿主においてTBC−1 cDNAを増幅するために使用され、このポリヌ
クレオチドは、組換えベクターが複製するごとに増幅される。
【0305】 より詳細には、本発明は、TBC−1調節ポリヌクレオチドから選択された調
節配列の制御下、あるいは外因性調節配列の制御下にあるTBC−1タンパク質
、好ましくは、本明細書における配列番号5のアミノ酸配列のTBC−1タンパ
ク質をコードする核酸を含む発現ベクターに関する。
【0306】 5’および3’調節領域から成る群より選択される核酸、またはその生物学的に
活性なフラグメントもしくは変異体を含む組換え発現ベクターも本発明の一部で
ある。
【0307】 本発明はまた、以下を含む組換え発現ベクターを包含する。 a)配列番号1のヌクレオチド配列の5’調節ポリヌクレオチド、またはその
生物学的に活性なフラグメントもしくは変異体を含む核酸; b)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドまたは前記核酸に作動可能に
連結された目的のポリヌクレオチド。 c)さらに必要であれば、3’調節ポリヌクレオチド、好ましくは本発明の3
’調節ポリヌクレオチド、またはその生物学的に活性なフラグメントもしくは変
異体を含む核酸。
【0308】 5’調節ポリヌクレオチドまたはその生物学的に活性なフラグメントもしくは変
異体は、本発明の2つのcDNAのいずれか由来の5’−UTR配列またはその
生物学的に活性なフラグメントもしくは変異体を含んでもよい。
【0309】 本発明はまた、TBC−1コード配列の発現に有用な組換え発現ベクターに関
し、ここで、前記ベクターは、配列番号3および4の配列から成る群より選択さ
れる核酸または配列番号3および4のヌクレオチド配列から成る群より選択され
るポリヌクレオチドに少なくとも95%ヌクレオチド同一性を有する核酸を含む
【0310】 本発明のもう1つの組換え発現ベクターは、配列番号4のポリヌクレオチドの
ヌクレオチド位置176から開始し、3730位で終止するヌクレオチド配列を
含む核酸を含む組換えベクターにある。
【0311】 一般に、本発明の組換えベクターは、本明細書に記載のポリヌクレオチドのい
ずれかを含み、調節配列、およびコード配列、ならびに上記で規定された任意の
TBC−1プライマーまたはプローブを含む。より詳細には、本発明の組換えベ
クターは、「TBC−1 cDNA配列」のセクション、「コード領域」のセク
ション、「TBC−1のゲノム配列」のセクションならびに「オリゴヌクレオチ
ドプローブおよびプライマー」のセクションに記載の任意のポリヌクレオチドを
含み得る。
【0312】 本はつめのベクターにおいて見出され得るエレメントのいくつかは、以下のセ
クションにおいてさらに詳細に記載されている。
【0313】 a)ベクター 本発明の組換えベクターは、YAC(酵母人工染色体)、BAC(細菌人工染
色体)、ファージ、ファージミド、コスミド、プラスミドまたは染色体、非染色
体および合成DNAから成り得る線状DNA分子を含むが、これらに限定されな
い。そのような組換えベクターは、以下のものの組立体を含む転写単位を含むこ
とができる。 (1)遺伝子発現において調節的役割を有する遺伝子エレメント(例えば、プロ
モーターまたはエンハンサー)。エンハンサーは、通常約10〜300bpの長
さのDNAのシス作用性エレメントであって、プロモーターに作用して転写を増
大する。 (2)mRNAに転写され、終局的にポリペプチドに翻訳される構造およびコー
ド配列、ならびに (3)適切な転写開始および終止配列。酵母または真核生物発現系での使用を意
図する構造単位は、好ましくは、翻訳されたタンパク質の宿主細胞による細胞外
分泌を可能にするリーダー配列を含む。あるいは、リーダーまたは輸送配列を伴
わずに組換えタンパク質が発現される場合、組換えタンパク質はN末端残基を含
み得る。この残基は、最終産物を提供するために、その後発現された組換えタン
パク質から切断されても切断されなくてもよい。
【0314】 一般に、組換え発現ベクターは、複製開始点、宿主細胞の形質転換を可能にす
る選択マーカー、および高度に発現される遺伝子から誘導されるプロモーターを
含み、下流の構造遺伝子の転写を指令する。異種構造配列は、翻訳開始および終
止配列、好ましくはペリプラズム空間または細胞外培地への翻訳されたタンパク
質の分泌を指令し得るリーダー配列を有する適切なファージにおいて組み立てら
れる。
【0315】 形質転換された宿主細胞の選択のための選択マーカー遺伝子は、好ましくは、
真核細胞培養のためのジヒドロ葉酸還元酵素もしくはネオマイシン耐性、S.c
erevisiaeのためのTRP1またはE.coliのテトラサイクリン、
リファマイシンもしくはアンピシリン耐性、またはマイコバクテリアのためのレ
バンサッカラーゼである。
【0316】 代表的な、しかし非制限的な例として、細菌用途に有用な発現ベクターは、選
択マーカーおよびpBR322(ATCC37017)の遺伝子エレメントを含
む市販のプラスミドから誘導される細菌の複製開始点を含むことができる。その
ような市販のベクターとしては、例えば、pKK223−3(Pharmaci
a,Uppsala,Sweden)、およびGEM1(Promega Bi
otec,Madison,WI,USA)が挙げられる。
【0317】 大量の適切なベクターおよびプロモーターが当業者に公知であり、市販されて
いるものでは、細菌ベクター:pQE70、pQE60、pQE−9(Qiag
en)、pbs、pD10、phagescript、psiX174、pbl
uescript SK、pbsks、pNH8A、pNH16A、pNH18
A、pNH46A(Stratagene);ptrc99a、pKK223−
3、pKK233−3、pDR540、pRIT5(Pharmacia);ま
たは真核細胞ベクター:pWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1
、pSG(Stratagene);pSVK3、pBPV、pMSG、pSV
L(Pharmacia);バキュロウイルス伝達ベクターpVL1392/1
393(Pharmingen);pQE−30(QIAexpress)など
がある。
【0318】 配列番号5のTBC−1ポリペプチドの発現のための適切なベクターは、昆虫
細胞および昆虫細胞株において繁殖可能なバキュロウイルスベクターである。特
に適切な宿主ベクター系は、pVL1392/1393バキュロウイルス伝達ベ
クター(Pharmingen)であり、Spodoptera frugip
erdaより誘導されるSF9細胞株(ATCC No.CRL1711)にト
ランスフェクトするために使用される。
【0319】 バキュロウイルス発現系における配列番号5のTBC−1ポリペプチドの発現
のための他の適切なベクターは、Chaiら(1993)、Vlasakら(1
983)およびLenhardtら(1996)により記載のベクターを含む。
【0320】 哺乳動物の発現ベクターは、複製開始点、適切なプロモーターおよびエンハン
サー、またさらに、任意の必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、ス
プライスドナーおよびアクセプター部位、転写末端配列、ならびに5’フランキ
ング非転写配列を含む。SV40ウイルスゲノムから誘導されるDNA配列、例
えば、SV40由来、初期プロモーター、エンハンサー、スプライスおよびポリ
アデニル化部位を使用して、必要とされる非転写遺伝子エレメントを提供しても
よい。
【0321】 b)プロモーター 本発明の発現ベクターにおいて使用される適切なプロモーター領域は、異種遺
伝子を発現しなければならない宿主細胞を考慮して選択する。
【0322】 適切なプロモーターは、発現を制御する核酸に関して異種であってもよく、あ
るいは、発現されるべきコード配列を含有する天然のポリヌクレオチドに対して
内因性であり得る。さらに、プロモーターは、挿入されている構築プロモーター
/コード配列内の組換えベクター配列について、一般に異種である。
【0323】 好ましい細菌プロモーターは、LacI、LacZ、T3またはT7バクテリ
オファージRNAポリメラーゼプロモーター、ポリヘドリン(polyhedo
rin)プロモーター、またはバキュロウイルス由来のp10タンパク質プロモ
ーター(Kit Novagen)(Smithら、1983;O’Reill
yら、1992)、λPRプロモーターまたはtrcプロモーターである。
【0324】 プロモーター領域は、例えば、CAT(クロラムフェニコールトランスフェラ
ーゼ)ベクター、より好ましくはpKK232−8およびpCM7ベクターを使
用して、所望する任意の遺伝子から選択することができる。特に好ましい細菌プ
ロモーターとしては、lacI、lacZ、T3、T7、gpt、λPR、PL
およびtrpが挙げられる。真核生物プロモーターとしては、CMV極初期、H
SVチミジンキナーゼ、初期および後期SV40、レトロウイルス由来のLTR
、マウスメタロチオネインLが挙げられる。簡便なベクターおよびプロモーター
の選択は、十分に当業者のレベルの範囲内にある。
【0325】 プロモーターの選択は、遺伝子操作技法分野における当業者の能力内にある。
例えば、Sambrookら(1989)の書物、またはFullerら(19
96)に記載の方法に言及することができる。
【0326】 上記の適切なDNA配列、より好ましくはTBC−1遺伝子調節ポリヌクレオ
チド、配列番号5のTBC−1ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドまた
はその両方を含有するベクターは、適切な宿主に形質転換するのに利用すること
ができ、所望のポリペプチドまたはポリヌクレオチドの発現を可能にする。
【0327】 c)他のタイプのベクター 配列番号5のTBC−1ポリペプチドのin vivo発現は、宿主生物にお
ける天然の遺伝子の発現または生物学的に不活性なTBC−1タンパク質に関連
する遺伝子欠損を補正するのに有用であり得る。
【0328】 従って、本発明はまた、治療すべき患者の有機体への適切な遺伝子物質の導入
によって配列番号5のTBC−1ポリペプチドがin vivoで産生されるた
めに主に設計される組換え発現ベクターに関する。この遺伝子物質は、生物より
予め抽出した細胞にin vitroで導入することができ、改変された細胞は
、その後前記生物に、直接in vivoで適切な組織に再導入される。
【0329】 本発明の特定の実施態様による「ベクター」によれば、環状または線状DNA
のいずれかが意図される。
【0330】 タンパク質またはペプチドを、in vivoで脊椎動物の細胞内部に送達す
る方法は、生理学的に受容可能なキャリアおよびポリペプチドを作動的にコード
する裸のポリヌクレオチドを含む調製物を、細胞を含む組織の間隙空間へ導入し
、それによって、裸のポリヌクレオチドが細胞内に取り込まれ、生理学的効果を
有する、工程を含む。
【0331】 特定の実施態様において、本発明は、本明細書に記載のTBC−1タンパク質
またはポリペプチドのin vivo産生のための組成物を提供する。該組成物
は、生理学的に受容可能なキャリア中の溶液で、このポリペプチドを作動的にコ
ードする裸のポリヌクレオチドを含み、組織の細胞に前記タンパク質またはポリ
ペプチドを発現させるために組織への導入に適切である。
【0332】 ポリヌクレオチドを含む組成物については、PCT出願WO90/11092
(Vical Inc.)およびPCT出願WO95/11307(Insti
tut Pasteur,INSERM,Universite d’Otta
wa)ならびにTacsonら(1996)およびHuygenら(1996)
において記載されている。
【0333】 所望の宿主動物に注入すべきベクターの量は、注入部位によって変動する。指
示用量として、動物身体、好ましくは哺乳動物身体、例えば、マウス身体に0.
1〜100μgのベクターを注入する。
【0334】 本発明のベクターのもう1つの実施態様では、前記ベクターは、宿主細胞、好
ましくは治療すべき動物より予め回収した宿主細胞、より好ましくは筋肉細胞な
どの体細胞にin vitroで導入し得る。以後の工程では、組換えタンパク
質を身体内に局所的または全身的に送達するために、TBC−1ポリペプチドま
たはその所望されるフラグメントをコードするベクターで形質転換されている細
胞を該動物身体に再導入する。
【0335】 1つの特定の実施態様において、ベクターはアデノウイルスから誘導される。
本発明の好ましいアデノウイルスベクターは、FeldmanおよびSteg(
1996)またはOhnoら(1994)に記載のアデノウイルスベクターであ
る。本発明の特定の実施態様によるもう1つの好ましい組換えアデノウイルスは
、2または5型ヒトアデノウイルス(Ad2もしくはAd5)あるいは動物由来
のアデノウイルス(仏国特許出願FR−93.05954)である。
【0336】 レトロウイルスベクターおよびアデノ随伴ウイルスベクターは、一般に、外因
性ポリヌクレオチドをin vivoで、特にヒトを含む哺乳動物に伝達するた
めに選択される組換え遺伝子送達系であることが理解される。これらのベクター
は、細胞への遺伝子の効率的な送達を提供し、伝達された核酸は、宿主の染色体
DNAに安定に組み込まれる。
【0337】 本発明のレトロウイルスin vitroまたはin vitro遺伝子送達
ビヒクルの調製もしくは構築に特に好ましいレトロウイルスとしては、ミンク細
胞病巣誘発ウイルス(Mink−Cell Focus Inducing V
irus)、マウス肉腫ウイルス、網内症ウイルスおよびラウス肉腫ウイルスが
挙げられる。特に好ましいマウス白血病ウイルスとしては、4070Aおよび1
504Aウイルス、エーベルソン(ATCC No.VR−999)、フレンド
(ATCC No.VR−245)、グロス(ATCC No.VR−590)
、ローシャー(ATCC No.VR−998)およびモロニーマウス白血病ウ
イルス(ATCC No.VR−190;PCT出願WO94/24298)が
挙げられる。特に好ましいラウス肉腫ウイルスとしては、Bryan高力価(A
TCC No.VR−334、VR−657、VR−726、VR−659およ
びVR−728)が挙げられる。他の好ましいレトロウイルスベクターは、Ro
thら(Roth J.A.ら、1996)、PCT出願WO93/25234
、PCT出願WO94/06920、Rouxら、1989、Julianら、
1992およびNedaら、1991に記載されているレトロウイルスである。
【0338】 本発明によって考慮されるさらにもう1つのウイルスベクター系は、アデノ随
伴ウイルス(AAV)にある。アデノ随伴ウイルスは、効率的な複製および生産
的生活環のためのヘルパーウイルスとしてアデノウイルスまたはヘルペスウイル
スなどの別のウイルスを必要とする天然に存在する欠損ウイルスである(Muz
yczkaら、1992)。該アデノ随伴ウイルスは、そのDNAを非分裂細胞
に組み込み得る少ないウイルスの1つでもあり、高い頻度で安定な組込みを示す
(Flotteら、1992;Samulskiら、1989;McLaugh
limら、1989)。AAVの有利な特徴の1つは、形質転換された細胞に比
べて、一次細胞を形質導入する効率が低いことから引き出される。
【0339】 本発明のベクターを含む他の組成物は、対応するTBC−1遺伝子の発現を阻
害するアンチセンス手段として配列番号3または4から成るヌクレオチド配列の
オリゴヌクレオチドフラグメントを有利に含む。本発明のアンチセンスポリヌク
レオチドを使用する好ましい方法は、Sczakielら(1995)により記
載の方法またはPCT出願WO95/24223に記載の方法である。
【0340】 宿主細胞 本発明のもう1つの目的は、本明細書に記載のポリヌクレオチドの1つ、より
正確には、TBC−1調節ポリヌクレオチドもしくは配列番号5のアミノ酸配列
を有するTBC−1ポリペプチドのコード配列のいずれかで形質転換またはトラ
ンスフェクトされる宿主細胞にある。上記の組換えベクターの1つのような組換
えベクターで形質転換(原核細胞)またはトランスフェクト(真核細胞)される
宿主細胞も含まれる。
【0341】 本発明の組換え細胞宿主は、本明細書に記載のポリヌクレオチドまたは組換え
ベクターのいずれか1つを含む。より詳細には、本発明の細胞宿主は、「TBC
−1 cDNA配列」のセクション、「コード領域」のセクション、「TBC−
1のゲノム配列」のセクションおよび「オリゴヌクレオチドプローブおよびプラ
イマー」のセクションに記載の任意のポリヌクレオチドを含む。
【0342】 本発明のもう1つの好ましい細胞宿主は、そのゲノムまたは遺伝的背景(染色
体、プラスミドを含む)が配列番号5のTBC−1ポリペプチドをコードする核
酸によって修飾されることを特徴とする。
【0343】 本発明の発現ベクターのレシピエントとして使用される好ましい細胞宿主は以
下のものである。 a)原核細胞:Escherichia coli株(I.E.DH5−α株)
またはBacillus subtilis。 b)真核細胞宿主:HeLa細胞(ATCC No.CCL2;No.CCL2
.1;No.CCL2.2)、Cv1細胞(ATCC No.CCL70)、C
OS細胞(ATCC No.CRL1650;No.CRL1651)、Sf−
9細胞(ATCC No.CRL1711)。
【0344】 宿主細胞中の構築物は、組換え配列によってコードされる遺伝子産物を産生す
るために従来の方法で使用することができる。
【0345】 適切な宿主を形質転換し、宿主を適切な細胞密度に増殖させた後、温度シフト
または化学誘導などの適切な手段によって選択されたプロモーターを誘導し、適
切な期間、細胞を培養する。
【0346】 典型的に、細胞は遠心分離によって回収され、物理的または化学的手段によっ
て破砕され、得られる粗抽出物は、さらなる精製のために保持される。
【0347】 タンパク質の発現において用いられる微生物細胞は、凍結融解サイクル、音波
処理、機械的破砕、または細胞溶解剤の使用を含む任意の簡便な方法によって破
砕することができる。このような方法は当業者に周知である。
【0348】 トランスジェニック動物 本明細書で使用する用語「トランスジェニック動物」または「宿主動物」は、
本発明の核酸の1つを含むようにそれらのゲノムが遺伝的および人工的に操作さ
れている動物を表す。好ましい動物は非ヒト哺乳動物であり、Mus(例えば、
マウス)、Rattus(例えば、ラット)およびOryctogalus(例
えば、ウサギ)から選択される属に属する動物を含み、それらのゲノムは本発明
の核酸の挿入によって人工的および遺伝的に変更される。
【0349】 本発明のトランスジェニック動物は、全てそれらの複数の細胞内に、クローニ
ングされた組換えまたは合成DNA配列、より具体的には、TBC−1コード配
列を含む精製されたもしくは単離された核酸の1つ、TBC−1調節ポリヌクレ
オチドまたは本明細書に記載のようなアンチセンスポリヌクレオチドをコードす
るDNA配列を含む。
【0350】 より詳細には、本発明のトランスジェニック動物は、それらの体細胞および/
またはそれらの生殖系列細胞内に、本発明において記載されるいずれか1つのポ
リヌクレオチド、組換えベクターおよび細胞宿主を含有する。「TBC−1 c
DNA配列」のセクション、「コード領域」のセクション、「TBC−1のゲノ
ム配列」のセクション、「オリゴヌクレオチドプローブおよびプライマー」のセ
クション、および「TBC−1の調節またはコードポリヌクレオチド発現のため
のベクター」のセクションに記載の任意のポリヌクレオチドを含むことができる
【0351】 従って、本発明のトランスジェニック動物は、上記で詳述されているヌクレオ
チド配列のような外因性遺伝物質の特定の配列を含有する。
【0352】 第1の好ましい実施態様では、トランスジェニック動物は、細胞分化に関連す
る多様な病理を研究するための良好な実験モデルであり得る。該動物は、特に、
ゲノム内に天然のTBC−1タンパク質、あるいは変異TBC−1タンパク質を
コードするポリヌクレオチドの1またはいくつかのコピーが挿入されているトラ
ンスジェニック動物に関する。
【0353】 第2の好ましい実施態様では、これらのトランスジェニック動物は、TBC−
1遺伝子の調節ポリヌクレオチドの制御下で目的の所望されるポリペプチドを発
現し得、目的のこのタンパク質の合成において良好な収量、および終局的にはこ
の目的のタンパク質の組織特異的発現をもたらす。
【0354】 本発明のトランスジェニック動物のデザインは様々な異なる配列を使用して産
生することができるため、一般に外因性遺伝物質を指すことによってトランスジ
ェニック動物の産生に関する一般的説明を記載する。この一般的説明は、当業者
がDNA配列を動物に組み込むために適応され得る。トランスジェニック動物、
具体的にトランスジェニックマウス産生のさらなる詳細については、Sando
uら(1994)および米国特許第4,873,191号(1989年10月1
0日出願)、同第5,968,766号(1997年12月16日出願)および
同第5,387,742号(1995年2月28日出願)に言及されており、こ
れらの書面は、トランスジェニックマウス産生方法を開示するための参考として
本明細書において援用される。
【0355】 本発明のトランスジェニック動物は、ゲノムに組み込まれている外因性遺伝物
質が組み入れているゲノムを有する動物を生じる方法を適用することによって産
生される。該方法は、本明細書に記載のようなTBC−1コード配列、TBC−
1調節ポリヌクレオチドもしくはアンチセンスポリヌクレオチドをコードするD
NA配列のいずれかをコードする遺伝物質、またはその一部を取得することを含
む。
【0356】 本発明の組換えポリヌクレオチドは、胚性またはES幹細胞株に挿入される。
挿入はエレクトロポレーションを使用して行われる。エレクトロポレーションに
供される細胞をスクリーニング(例えば、サザンブロット分析)して、ゲノムに
外因性組換えポリヌクレオチドが組み込まれている陽性細胞を見出す。本発明に
従って使用され得る例示的な陽性−陰性選択方法については、Mansourら
(1988)により記載されている。次いで、陽性細胞を単離し、クローニング
し、マウス由来の3.5日齢繊維芽細胞に注入する。次いで、繊維芽細胞を雌性
宿主動物に挿入し、分娩日まで成長させる。雌性宿主の子孫を試験して、どの動
物が、例えば、挿入された外因性DNA配列を含むトランスジェニックであるか
およびどの動物が野生型であるかを決定する。
【0357】 TBC−1に相互作用する物質をスクリーニングする方法 さらなる実施態様において、本発明はまた、新規の薬剤、またはTBC−1に
相互作用する候補物質をスクリーニングする方法に関する。これらの新規の薬剤
は、ガンに対して有用であり得る。
【0358】 好ましい実施態様において、本発明は、以下の工程を含む候補物質のスクリー
ニング方法に関する。 細胞株、器官、またはTBC−1遺伝子またはそのフラグメントを発現する哺
乳動物、好ましくは、TBC−1遺伝子の調節領域またはプロモーターを提供す
ること。 候補物質、好ましくは、転写因子のTBC−1調節領域への結合を阻害し得る
候補物質を取得すること、 前立腺ガンの症状を軽減するおよび/またはTBC−1の発現レベルを変調す
る候補物質の能力を試験すること。
【0359】 いくつかの実施態様において、細胞株、器官または哺乳動物は異種タンパク質
を発現し、該タンパク質のコード配列は、TBC−1調節またはプロモーター配
列に作動可能に連結する。他の実施態様では、それらは、1以上のTBC−1関
連バイアレリックマーカーの対立遺伝子を含むTBC−1遺伝子を発現する。
【0360】 候補物質は、結合もしくは他の分子内相互作用によって、TBC−1の発現、
安定性、および機能に相互作用するかまたは調節することができる物質である。
そのような物質は、既存の薬物に応答性でないかまたは既存の薬物に対して副作
用を発症する患者に対して潜在的に関心を示し得る。スクリーニングは、in
vitro方法またはin vivo方法のいずれかで行うことができる。
【0361】 そのような方法は、TBC−1遺伝子の配慮された対立遺伝子を発現する形質
転換された細胞、例えばマウスにおいて、前記形質転換された細胞により誘導さ
れる腫瘍、またはTBC−1の配慮された対立遺伝子変異体によってコードされ
るTBC−1タンパク質などにおいて、多くの方法で行うことができる。
【0362】 本発明のスクリーニングアッセイは、一般に、候補物質が細胞傷害性作用を示
すか、形質転換された細胞の性質を変更するか、TBC−1の発現レベルを修飾
する能力を決定することを含む。
【0363】 典型的に、本方法は、1以上のバイアレリックマーカーおよび/または上記の
変異を生じる形質特定の対立遺伝子を含有する様々な形態のTBC−1配列を有
する形質転換された細胞を調製することを含む。これに続き、細胞障害性作用を
示すか、形質転換された細胞の性質、腫瘍の増殖に影響を与えるか、TBC−1
の発現レベルを修飾する能力を決定するために、TBC−1を発現する細胞を候
補物質で試験する。
【0364】 そのような薬物スクリーニングアッセイの典型的な例を以下に示す。当業者で
あれば過度の実験を行うことなく、これらの例に記載のパラメータに変更を加え
ることができるであろう。
【0365】 TBC−1ポリペプチドに相互作用する物質をスクリーニングする方法 本発明の候補物質をスクリーニングするための方法は、以下の工程を含む。 a)配列番号5のアミノ酸配列を含むポリペプチド、またはそのペプチドフラ
グメントもしくは変異体を提供すること; b)候補物質を取得すること; c)前記ポリペプチドと前記候補物質とを接触させること; d)前記ポリペチドと前記候補物質との間で形成される複合体を検出すること
【0366】 本発明の目的のために、リガンドは、TBC−1タンパク質またはそのフラグ
メントもしくは変異体の1つに結合するか、またはTBC−1またはそのフラグ
メントもしくは変異体をコードするポリヌクレオチドの発現を変調し得るタンパ
ク質、ペプチド、抗体または任意の合成的化学物質などの分子を意味する。
【0367】 本発明のリガンドスクリーニング方法では、TBC−1タンパク質の推定リガ
ンドとして試験すべき生物学的サンプルまたは規定された分子を、精製されたT
BC−1タンパク質、例えば、上記の組換え細胞宿主によって産生される精製さ
れた組換えTBC−1タンパク質に接触させ、TBC−1タンパク質と試験すべ
き推定リガンド分子との間に複合体を形成させる。
【0368】 A.ランダムペプチドライブラリーから得られる候補リガンド スクリーニング方法の特定の実施態様において、推定リガンドは、ファージベ
クターに含有されるDNA挿入物の発現産物である(ParmleyおよびSm
ith、1988)。具体的には、ランダムペプチドファージライブラリーを使
用する。ランダムDNA挿入物は、8〜20アミノ酸長のペプチドをコードする
(Oldenburg K.R.ら、1992;Valadon P.ら、19
96;Lucas A.H.、1994;Westerink M.A.J.、
1995;Castagnoli L.ら、1991)。この特定の実施態様に
従えば、固定化されたTBC−1タンパク質に結合するタンパク質を発現する組
換えファージは保持され、その後TBC−1タンパク質と組換えファージとの間
で形成される複合体は、TBC−1タンパク質に対するポリクローナルまたはモ
ノクローナル抗体によって免疫沈降され得る。
【0369】 一旦、組換えファージ内のリガンドライブラリーが構築されたら、固定化され
たTBC−1タンパク質に該ファージ集団を接触させる。次いで、非特異的結合
組換えファージを除去するために、複合体の調製物を洗浄する。次いで、TBC
−1タンパク質に特異的に結合するファージを緩衝液(酸性pH)により溶出さ
せるか、またはハイブリドーマにより産生される抗TBC−1モノクローナル抗
体によって免疫沈降させ、その後このファージ集団を細菌(例えば、E.col
i)の過感染(over−infection)によって増幅させる。選択工程
は、より特異的な組換えファージクローンを選択するために、数回、好ましくは
、2〜4回反復してもよい。最後の工程は、感染された細菌における発現および
単離、もう1つの宿主−ベクター系におけるファージ挿入物の発現、または選択
された組換えファージに含有される挿入物の配列決定のいずれかによって、選択
される組換えファージクローンによって産生されるペプチドを特徴づけることに
ある。
【0370】 B.2ハイブリッドスクリーニングアッセイを介して得られる候補リガンド 酵母2ハイブリッド系は、in vivoでのタンパク質−タンパク質相互作
用(FieldおよびSong、1989)を研究するために設計され、酵母G
al4タンパク質のDNA結合ドメインへのベイト(bait)タンパク質の融
合に依存する。この技法はまた、米国特許第5,667,973号および同第5
,283,173号(Fieldsら)に記載されている。両特許の技術的教示
内容については、本明細書において参考として援用される。
【0371】 2ハイブリッドアッセイによるライブラリースクリーニングの一般プロトコル
は、Harperら(Harper JWら、1993)もしくはChoら(1
998)またはFromont−Racineら(1997)により記載のよう
に実施することができる。
【0372】 ベイトタンパク質またはポリペプチドは、TBC−1ポリペプチドまたはその
フラグメントもしくは変異体から成る。
【0373】 より正確には、TBC−1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列または
そのフラグメントもしくは変異体を、GAL4タンパク質のDNA結合ドメイン
をコードするポリヌクレオチドに融合させる。該融合されたヌクレオチド配列は
、適切な発現ベクター、例えば、pAS2またはpM3に挿入される。
【0374】 次いで、ヒトcDNA挿入物が、GAL4タンパク質の転写ドメインをコード
するベクターのヌクレオチド配列に融合されるように、特別に設計されたベクタ
ーにおいてヒトcDNAライブラリーを構築する。好ましくは、使用されるベク
ターはpACTベクターである。ヒトcDNAライブラリーのヌクレオチド挿入
物によってコードされるポリペプチドは、「プレイ(pray)」ポリペプチド
と呼ばれる。
【0375】 第3のベクターは、転写活性化ドメインおよびDNA結合ドメインの両方を含
有する全Gal4タンパク質の結合に応答性である調節配列の制御下に配置され
るβガラクトシダーゼ遺伝子またはCAT遺伝子などの検出マーカーを含有する
。例えば、ベクターpG5ECを使用することができる。
【0376】 異なる2種の酵母株も使用される。例示的かつ非制限的例として、異なる2種
の酵母株は以下のもであってもよい。 表現型が(MATa、Leu2−3、112 ura3−12、trp1−9
01、his3−D200、ade2−101、gal4Dgal180D U
RA3 GAL−LacZ、LYS GAL−HIS3、cyhr)であるY1
90; 表現型が(MATa gal4 gal80 his3 trp1−901
ade2−101 ura3−52 leu2−3、−112 URA3 GA
L−lacZmet-)であるY187であり、Y190に対向する接合型であ
る。
【0377】 簡単に説明すると、20μgのpAS2/TBC−1および20μgのpAC
T−cDNAライブラリーを、酵母株Y190に同時形質転換する。ヒスチジン
、ロイシンおよびトリプトファンを欠くがヒスチジン合成阻害剤3−AT(50
mM)を含有する最小培地上での増殖について、形質転換体を選択する。フィル
ターリフト(filter lift)アッセイにより、βガラクトシダーゼに
ついて陽性コロニーを選択する。次いで、pAS2/TBC−1プラスミドを消
失したがpACT−cDNAライブラリープラスミドを保持するものを選択する
ために、二重陽性コロニー(His+、β−gal+)を、ヒスチジン、ロイシン
を欠くがトリプトファンおよびシクロヘキシミド(10mg/ml)を含有する
プレート上で増殖させる。得られるY190株を、TBC−1または非関対照連
タンパク質(例えば、シクロフィリンB、ラミン、またはGal4融合物として
Harperら(1993)およびBramら(1993)に記載のSNF1)
を発現するY187株に接合させ、フィルターシフトアッセイによりβガラクト
シダーゼについてスクリーニングする。対照Gal4融合物との接合後にβga
l−を呈する酵母クローンを擬陽性とする。
【0378】 本発明の2ハイブリッド方法のもう1つの実施態様では、Matchmake
r Two Hybrid System2(カタログ番号K1604−1、C
lontech)を用いて、TBC−1またはそのフラグメントもしくは変異体
と細胞タンパク質との間の相互作用を評価することができる。Matchmak
er Two Hybrid System2(カタログ番号K1604−1、
Clontech)に添付の手引書(開示内容は本明細書において参考として援
用される)に記載のように、TBC−1タンパク質またはその一部をコードする
核酸を、それらが酵母転写アクチベーターGAL4のDNA結合ドメインをコー
ドするDNAと共にインフレームで存在するように、発現ベクターに挿入する。
所望のcDNA、好ましくは、ヒトcDNAを、それらがGAL4の活性化ドメ
インをコードするDNAと共にインフレームで存在するように、第2の発現ベク
ターに挿入する。2つの発現プラスミドを酵母に形質転換し、該酵母を発現ベク
ターのそれぞれに対する選択マーカーの発現およびHIS3遺伝子のGAL4依
存性発現について選択する選択培地上に配置する。ヒスチジンを欠く培地上で増
殖可能な形質転換体を、GAL4依存性lacZ発現についてスクリーニングす
る。ヒスチジン選択およびlacZアッセイの両方について陽性であるそれらの
細胞は、TBC−1と最初に選択されたcDNA挿入物によってコードされるタ
ンパク質またはペプチドとの間で相互作用が生じる細胞である。
【0379】 TBC−1遺伝子の発現を変調するリガンドのスクリーニング方法 本発明のもう1つの主題は、TBC−1タンパク質の発現を変調する分子をス
クリーニングする方法である。そのようなスクリーニング方法は、以下の工程を
含む。 a)TBC−1 5’調節配列に作動可能に連結されたTBC−1タンパク質
をコードするヌクレオチド配列でトランスフェクトされている原核または真核細
胞を培養すること; b)培養細胞と試験しようとする分子とを接触させること; c)TBC−1タンパク質の発現を定量すること。
【0380】 当業者に周知のDNA組換え技法を使用して、TBC−1タンパク質をコード
するDNA配列を、TBC−1プロモーター配列を含有するTBC−1 5’調
節配列より下流で発現ベクターに挿入する。
【0381】 TBC−1タンパク質発現の定量は、mRNAレベルまたはタンパク質レベル
のいずれかで実現され得る。後者の場合、ポリクローナルまたはモノクローナル
抗体を使用して、例えば、ELISAまたはRIAアッセイにおいて産生されて
いるTBC−1タンパク質の量を定量することができる。
【0382】 好ましい実施態様において、TBC−1 mRNAの定量は、TBC−1に特
異的な1対のプライマーを使用して、培養されたTBC−1トランスフェクト宿
主細胞の総mRNAの逆転写によって得られるcDNAの定量的PCR増幅によ
って実現される。
【0383】 TBC−1発現のレベルおよびパターンは、国際特許出願WO97/0527
7(内容全体は本明細書において参考として援用される)に記載の長プローブに
よる溶液ハイブリダイゼーションによって分析することができる。簡単に説明す
ると、上記のTBC−1 cDNAもしくはTBC−1ゲノムDNAまたはその
フラグメントを、バクテリオファージ(T3、T7またはSP6)RNAポリメ
ラーゼプロモーターの直ぐ下流のクローニング部位に挿入して、アンチセンスR
NAを産生させる。好ましくは、TBC−1挿入物は、ゲノムDNA配列または
cDNA配列の少なくとも100以上の連続ヌクレオチドを含み、特にそれらは
、配列番号3、4および6〜8の1つまたは変異型TBC−1をコードする配列
を含む。プラスミドを線状化し、修飾されたリボヌクレオチド(即ち、ビオチン
UTPおよびDIG−UTP)を含むリボヌクレオチドの存在下で転写する。過
剰量のこの二重標識されたRNAを、目的の細胞または組織から単離されたmR
NAと溶液中でハイブリダイズさせる。ハイブリダイゼーションは、標準的なス
トリンジェント条件(80%ホルムアミド、0.4M NaCl緩衝液、pH7
〜8中40〜50℃、16時間)下で実施する。ハイブリダイズしなかったプロ
ーブを、一本鎖RNAに特異的なリボヌクレアーゼ(即ち、RNaseCL3、
T1、Phy M、U2またはA)による消化によって除去する。ビオチンUT
P修飾が存在すると、ストレプトアビジンで被覆されたマイクロタイタープレー
ト上でのハイブリッドの捕獲が可能である。DIG修飾が存在すれば、アルカリ
ホスファターゼに結合した抗DIG抗体を使用して、ELISAによるハイブリ
ッドの検出および定量が可能である。
【0384】 アレイを使用して、TBC−1遺伝子発現の定量分析を実施することもできる
。本明細書で使用される用語アレイは、ハイブリダイズ可能なmRNAの発現の
特異的検出を可能にするのに十分な長さの複数の核酸の1次元、2次元、または
多次元配列を意味する。例えば、アレイは、評価すべき発現レベルの遺伝から誘
導される複数の核酸を含有する。アレイは、TBC−1ゲノムDNA、TBC−
1 cDNA配列もしくはそれに相補的な配列またはそのフラグメント、特に、
本発明のバイアレリックマーカーの少なくとも1つを含む配列を含み得る。好ま
しくは、該フラグメントは少なくとも15ヌクレオチド長である。他の実施態様
において、該フラグメントは少なくとも25ヌクレオチド長である。いくつかの
実施態様において、該フラグメントは少なくとも50ヌクレオチド長である。よ
り好ましくは、該フラグメントは少なくとも100ヌクレオチド長である。もう
1つの好ましい実施態様において、該フラグメントは100ヌクレオチドを超え
る。いくつかの実施態様において、該フラグメントは500ヌクレオチドを超え
る。
【0385】 例えば、TBC−1遺伝子発現の定量分析は、Schenaら(1995)に
より記載の相補的DNAマイクロアレイにより実施することができる。全長TB
C−1 cDNAまたはそのフラグメントをPCRによって増幅し、高速ロボッ
ト学を使用して、シリル化された顕微鏡用スライド上に配置された96ウェルマ
イクロタイタープレートより整列(arrayed)する。焼き付けられたアレ
イを湿チャンバ内でインキュベートし、アレイエレメントの再水化を可能にし、
0.2%SDS中で1分間、1回、水中で1分間、2回およびホウ水素化ナトリ
ウム溶液中で5分間、5回濯ぐ。アレイを水中に2分間、95℃で浸没させ、0
.2%SDS中に1分間移し、水で2回すすぎ、空気乾燥し、暗所25℃で保存
する。
【0386】 細胞または組織mRNAは単離するかまたは購入し、1ラウンドの逆転写によ
ってプローブを調製する。プローブを、6〜12時間、60℃で14×14mm
カバーガラス下の1cm2のマイクロアレイにハイブリダイズさせる。アレイを
、5分間、25℃、低ストリンジェンシー洗浄緩衝液(1×SSC/0.2%S
DS)中で洗浄し、10分間、室温、高ストリンジェンシー洗浄緩衝液(0.1
×SSC/0.2%SDS)中で洗浄する。専用フィルターセットを備えた蛍光
レーザー走査装置を用い、アレイを0.1×SSC中で走査する。2つの独立し
たハイブリダイゼーションの比の平均を求めることによって、正確な差異発現測
定を得る。
【0387】 Pietuら(1996)により記載の相補的DNAアレイにおける全長TB
C−1 cDNAまたはそのフラグメントにより、TBC−1遺伝子発現の定量
分析を実施することもできる。全長TBC−1またはそのフラグメントをPCR
増幅し、膜上にスポットする。次いで、様々な組織または細胞由来のmRNAを
放射性ヌクレオチドで標識する。制御された条件下でのハイブリダイゼーション
および洗浄後、ハイブリダイズされたmRNAを、ホスホイメージング(pho
spho−imaging)またはオートラジオグラフィーにより検出する。2
連続実験を実施し、次いで、異なる発現のmRNAの定量分析を実施する。
【0388】 あるいは、Lockhartら(1996)およびSosnowskyら(1
997)に記載の高密度ヌクレオチドアレイまたはチップを介して、TBC−1
ゲノムDNA、TBC−1 cDNA、またはそのフラグメントを使用する発現
分析を行うことができる。TBC−1ゲノムDNA、TBC−1 cDNA配列
、特に本発明のバイアレリックマーカーの少なくとも1つ、好ましくは配列番号
7もしくは8の少なくとも1つを含む配列または変異を生じる形質を含む配列、
あるいはそれに相補的な配列は、チップ上で直接合成される(Lockhart
ら、上掲)かまたは合成され、次いでチップにアドレス指定される(Sosno
wskiら、上掲)。好ましくは、オリゴヌクレオチドは約20ヌクレオチド長
である。
【0389】 ビオチン、ジゴキシゲニンまたは蛍光色素などの適切な化合物で標識されたT
BC−1 cDNAは、適切なmRNA集団から合成し、次いで、50〜100
ヌクレオチドの平均サイズは無作為にフラグメント化する。次いで、前記プロー
ブをチップにハイブリダイズする。Lockhartら、上掲に記載のように洗
浄および異なる電場の適用(Sosnowskiら、1997)後、色素または
標識化合物を検出し、定量する。2連続のハイブリダイゼーションを実施する。
異なるDNAサンプル中の同じ標的オリゴヌクレオチドから生じるcDNAプロ
ーブシグナルの強度の比較分析は、TBC−1 mRNAの差異発現を示す。
【0390】 従って、本発明のTBC−1遺伝子の発現を変調する候補物質または分子をス
クリーニングする方法も本発明の一部であり、該方法は以下の工程を含む。 a)核酸を含有する組換え細胞宿主を提供することであって、ここで、前記核
酸は、5’調節領域配列またはその生物学的に活性なフラグメントもしくは変異
体を含み、該5’調節領域配列またはその生物学的に活性なフラグメントもしく
は変異体は、検出可能なタンパク質をコードするポリヌクレオチドに作動可能に
連結している; b)候補物質を取得すること、および c)検出可能なタンパク質をコードするポリヌクレオチドの発現レベルを変調
する候補物質の能力を決定すること。
【0391】 上記のスクリーニング方法の好ましい実施態様において、5’調節領域配列ま
たは生物学的に活性なフラグメントもしくは変異体を含む核酸はまた、配列番号
3および4のTBC−1 cDNAの1つの5’UTR領域、またはその生物学
的に活性なフラグメントもしくは変異体の1つを含む。
【0392】 TBC−1遺伝子の発現を変調する候補物質または分子をスクリーニングする
第2の方法は、以下の工程を含む。 a)核酸を含有する組換え細胞宿主を提供することであって、ここで、前記核
酸は、配列番号3および4のTBC−1 cDNAの1つの5’UTR配列、ま
たはその生物学的に活性なフラグメントもしくは変異体の1つを含み、該5’U
TR配列、またはそれらの生物学的に活性なフラグメントもしくは変異体は、検
出可能なタンパク質をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結している; b)候補物質を取得すること、および c)検出可能なタンパク質をコードするポリヌクレオチドの発現レベルを変調
する候補物質の能力を決定すること。
【0393】 上記のスクリーニング方法の好ましい実施態様において、配列番号3および4
のTBC−1 cDNAの1つの5’UTR配列から成る群より選択されるヌク
レオチド配列それらの生物学的に活性なフラグメントもしくは変異体の1つを含
む核酸は、プロモーター配列を含み、ここで、前記プロモーター配列は本明細書
に規定されるTBC−1 5’UTR配列に対して内因性または対照的に外因性
のいずれかであり得る。
【0394】 検出可能なタンパク質をコードする好ましいポリヌクレオチドのうち、βガラ
クトシダーゼ、グリーン蛍光タンパク質(GFP)およびクロラムフェニコール
アセチルトランスフェラーゼ(CAT)をコードするポリヌクレオチドが引用さ
れ得る。
【0395】 上記のスクリーニング方法を実施するのに有用な適切な組換えベクターの設計
については、本発明の好ましい組換えベクターについて詳述している本明細書の
セクションで言及する。
【0396】 トランスジェニック動物を使用するスクリーニング 薬物のスクリーニングのために、in vivo方法はトランスジェニック動
物を利用することができる。目的のバイアレリック多型の少なくとも1つを含む
核酸を使用して、遺伝的に改変された非ヒト動物を作製するかまたは細胞株にお
いて部位特異的遺伝子修飾を作製することができる。用語「トランスジェニック
」は、TBC−1遺伝子活性の欠失もしくは他のノックアウトを有する遺伝的に
改変された動物、宿主細胞に安定に伝達された外因性TBC−1遺伝子を有する
遺伝的に改変された動物、またはレポーター遺伝子に作動可能に連結された外因
性TBC−1プロモーターを有する遺伝的に改変された動物を包含することが意
図される。トランスジェニック動物は相同組換えを介して作製することができ、
ここで、TBC−1遺伝子座は変化する。あるいは、核酸構築物は無作為にゲノ
ムに組み込まれる。安定な組込みのためのベクターとしては、例えば、プラスミ
ド、レトロウイルスおよび他の動物ウイルス、およびYACが挙げられる。トラ
ンスジェニック動物、例えば、ウシ、ブタ、ヤギ、ウマ、ならびに特にラットお
よびマウスなどのげっ歯類が興味深い。トランスジェニック動物により候補薬物
の有効性および毒性の両方を研究することが可能である。
【0397】 TBC−1遺伝子の発現を阻害する方法 本発明の他の治療用組成物は、対応するTBC−1遺伝子の発現を阻害するア
ンチセンス手段として、TBC−1の核酸配列のオリゴヌクレオチドフラグメン
トを有利に含む。本発明のアンチセンスポリヌクレオチドを使用する好ましい方
法は、Sczakielら(1995)により記載の方法である。
【0398】 好ましくは、アンチセンス手段は、TBC−1 mRNAの5’末端に相補的
であるポリヌクレオチド(15〜200bp長)から選択される。もう1つの実
施態様では、所望される標的化された遺伝子の異なる部分に相補的な異なるアン
チセンスポリヌクレオチドの組み合わせを使用する。
【0399】 本発明の好ましいアンチセンスポリヌクレオチドは、翻訳開始コドンATGを
含有するTBC−1のmRNAの配列に相補的である。
【0400】 遺伝子治療に使用すべきアンチセンス核酸分子は、DNAまたはRNA配列の
いずれであってもよい。それらは、PTCA−1ゲノムDNAの標的化された配
列に相補的なヌクレオチド配列を含み、その配列は、本発明の検出方法の1つを
使用して決定することができる。好ましくは、標的化されたDNAまたはRNA
配列は、本発明のバイアレリックマーカーの少なくとも1つを含む。アンチセン
ス核酸は、二本鎖のTBC−1 mRNAの発現を阻害するのに十分な安定性を
有する細胞内二本鎖の形成を可能にするのに十分な長さおよび融解温度を有する
べきである。遺伝子治療における用途に適切なアンチセンス核酸を設計するため
の戦略は、Greenら(1986)およびIzantおよびWeintrau
b(1984)において開示されている(内容は本明細書において参考として援
用される)。
【0401】 いくつかの戦略において、アンチセンス分子は、細胞で正常に転写される鎖の
対向鎖が転写されるように、プロモーターに対してTBC−1コード領域の方向
を逆転することによって得られる。アンチセンス分子は、T7またはSP6ポリ
メラーゼを用いて転写物を作製するようなin vitro転写系を使用して、
転写することができる。もう1つのアプローチは、適切な転写ベクターのプロモ
ーターにアンチセンス配列を含有するDNAを作動可能に連結することによって
、in vivoでのTBC−1アンチセンス核酸の転写を含む。
【0402】 あるいは、適切なアンチセンス戦略は、Rossiら(1991)、国際出願
WO94/23026、同WO95/04141、同WO92/18522およ
び欧州特許出願EP0572287A2に記載の戦略である。
【0403】 本発明に従って使用されるアンチセンス技法の代替法は、相補的ポリヌクレオ
チドテイルを介して標的配列に結合し、標的部位にハイブリダイズすることによ
って、対応するRNAを切断するリボヌクレオチド(即ち、ハンマーヘッド型リ
ボザイム)を使用することにある。簡単に説明すると、ハンマーヘッド型リボザ
イムの簡素化されたサイクルは、(1)相補的アンチセンス配列を介して標的R
NAに特異的に結合する配列;(2)標的鎖の切断可能なモチーフの部位特異的
加水分解;および(3)もう1つの触媒サイクルを生じる切断産物の放出から成
る。実際に、長鎖アンチセンスポリヌクレオチド(少なくとも30塩基長)また
は長アンチセンスアームを有するリボザイムの使用が有利である。アンチセンス
リボザイムの好ましい送達系は、これらのアンチセンスリボザイムを親油性基に
共有結合するかまたは簡便なベクターとしてリポソームを使用することによって
達成される。本発明の好ましいアンチセンスリボザイムは、Sczakielら
(1995)により記載のように調製され、該特定の調製方法は、本明細書にお
いて参考として援用される前記記事において言及されている。
【0404】 本出願を通して、様々な公開物、特許および公開された特許出願を引用してい
る。これらの公開物、特許および公開された特許明細書の開示内容は、本明細書
において本出願に参考として援用され、本発明が関する技術分野の現状をさらに
詳細に記載している。
【0405】 実施例 実施例1: 細胞によって合成されるTBC−1ポリペプチドをコードする第1のmRNAの
分析 TBC−1 cDNAを以下のようにして得た。1mgのヒト前立腺総RNA
(Clontech laboratories,Inc.,Pro Alto
,USA;カタログ番号64038−1)を含有する4μlのエタノール懸濁液
を遠心分離し、得られるペレットを室温で30分間空気乾燥した。
【0406】 AdvantageTM RT−for−PCRキット(Clontech
laboratories,Inc.、カタログ番号K1402−1)を使用し
て、第1鎖cDNA合成を実施した。1μlの20mM特異的オリゴdTプライ
マー溶液を12.5μlのRNA水溶液に添加し、74℃で2.5分間加熱し、
直ちに氷浴中でクエンチングした。10μlの5×RT緩衝液(50mM Tr
is−HCl、pH8.3、75mM KCl、3mM MgCl2)、2.5
μlのdNTPミックス(それぞれ10mM)、1.25μlのヒト組換え胎盤
RNA阻害剤を、1mlのMML逆転写酵素(200単位)と混合した。この溶
液の6.5μlをRNAプライマーミックスに添加し、42℃で1時間インキュ
ベートした。80μlの水を添加し、溶液を94℃で5分間インキュベートした
【0407】 5μlの得られる溶液をLong Range PCR反応に使用し、熱開始
、50μlの最終容積で、2単位のrtTHXL、それぞれ20pmolの5’
−TGACCACCATGCCCATGCT−3’(配列番号3の271〜28
9)および5’−GCATTTATTCACGTCCACGCC−3’(配列番
号3の3929〜3949)プライマーを用い、サーモサイクラー中で35サイ
クルの67℃、6分間の伸長を行った。
【0408】 増幅反応の特異性を確実にするために、両cDNA鎖に対応する増幅産物の一
部を配列決定した。
【0409】 前立腺mRNAのノーザンブロット分析の結果は、配列番号3のヌクレオチド
配列である約4kb長を有する第1のTBC−1 cDNAの存在を支持する。
【0410】 実施例2: TBC−1バイアレリックマーカーの検出:DNA抽出 ドナーは無関係かつ健常である。彼らは、仏国人異種集団の団表として十分な
多様性を呈していた。100個体からDNAを抽出し、バイアレリックマーカー
の検出のための試験を行った。
【0411】 それぞれのドナーより、EDTAの存在下で30mlの末梢静脈血を採取した
。10分間、2000rpmの遠心分離後、細胞(ペレット)を回収した。溶解
溶液(50mlの最終容積:10mM Tris pH7.6;5mM MgC
2;10mM NaCl)により赤血球細胞を溶解した。ペレットを溶解溶液
に再懸濁後、上清に残存する赤血球を除去するのに必要な回数だけ溶液を遠心分
離(10分間、2000rpm)した。
【0412】 白血球のペレットを1晩42℃で、以下から成る溶解溶液の3.7mlで溶解
した。 3ml TE10−2(Tris−HCl10mM、EDTA2mM)/Na
Cl 0.4M 200μl SDS 10% 500μl プロテイナーゼK(TE10−2/NaCl0.4M中2mgプ
ロテイナーゼK)。
【0413】 タンパク質の抽出のために、1mlの飽和NaCl(6M)(1/3.5v/
v)を添加した。激しく攪拌した後、溶液を20分間、10000rpmで遠心
分離した。
【0414】 DNAの沈殿のため、2〜3容量の100%エタノールを先の上清に添加し、
溶液を30分間、2000rpmで遠心分離した。DNA溶液を70%エタノー
ルで3回濯いで塩を除去し、20分間、2000rpmで遠心分離した。ペレッ
トを37℃で乾燥し、1mlのTE10−1または1mlの水に再懸濁した。2
60nmでODを測定することにより、DNA濃度を評価した(1単位OD=5
0μg/mlDNA)。
【0415】 DNA溶液中のタンパク質の存在を決定するために、OD260/OD280
比を決定した。1.8〜2のOD260/OD280を有するDNA調製物を、
以下に記載の以後の実施例に使用した。
【0416】 プールは、それぞれの個体由来のDNAの等量を混合することによって構成さ
れた。
【0417】 実施例3: バイアレリックマーカーの検出:PCRによるゲノムDNAの増幅 実施例2のDNAサンプルの特定のゲノム配列の増幅を、先に得られたDNA
のプールについて行った。さらに、50個体のサンプルを同様に増幅した。
【0418】 以下のプロトコルを使用して、PCRアッセイを行った。 最終容積 25μl DNA 2ng/μl MgCl2 2mM dNTP(それぞれ) 200μM プライマー(それぞれ) 2.9ng/μl Ampli Taq DNA ポリメラーゼ 0.05単位/μl PCR緩衝液(10×0.1M TrisHCl、 pH8.3、0.5M KCl) 1×
【0419】 それぞれの対のプライマーは、本明細書に開示されているTBC−1遺伝子の
配列情報およびOSPソフトウェア(HillierおよびGreen、199
1)を使用して設計した。この第1の対のプライマーは約20ヌクレオチド長で
あり、PUおよびRPと表示された欄において表1で開示されている配列を有す
る。
【0420】
【表2】
【0421】 好ましくは、プライマーは、配列決定に有用である増幅のために標的化された
特異的塩基の上流に、共通オリゴヌクレオチドテイルを含有した。
【0422】 プライマーPUは、以下のさらなるPU5’配列を含有する。 TGTAAAACGACGGCCAGT(配列番号6);プライマーRPは以下
のRP5’配列:CAGGAAACAGCTATGACC(配列番号7)を含有
する。
【0423】 これらのプライマーの合成は、GENSET UFPS24.1合成機におい
てホスホロアミダイト法により実施した。
【0424】 DNA増幅をGenius IIサーモサイクラー上で実施した。95℃で1
0分間の加熱後、40サイクルを実施した。それぞれのサイクルは、95℃で3
0秒間、54℃1分間、および72℃で30秒間から成った。最後の伸長のため
に72℃、10分間で増幅を終了した。得られた増幅産物の定量は、蛍光計およ
び挿入剤としてPicogreen(Molecular Probes)を使
用して、96穴マイクロタイタープレート上で決定した。
【0425】 実施例4 バイアレリックマーカーの検出:増幅されたゲノムDNAの配列決定および多型
の同定 実施例3で得られた増幅されたDNAの配列決定をABI377シークエンサ
ー上で行った。増幅産物の配列決定は、ダイターミネーターサイクル配列決定プ
ロトコルによる自動化ジデオキシターミネーター配列決定試薬を使用して、決定
した。配列決定反応の産物をシークエンシングゲル上で泳動させ、ゲル画像分析
[ABI Prism DNA配列決定分析ソフトウェア(2.1.2バージョ
ン)]を使用して配列を決定した。
【0426】 プールされた増幅されたフラグメント間のバイアレリックマーカーの存在を検
出するために、配列データをさらに評価した。多型調査は、先に記載のように、
同じ場所で生じる異なる塩基から生じる電気泳動パターンにおいて重畳されたピ
ークの存在に基づく。
【0427】 増幅の15のフラグメントを分析した。これらのセグメントにおいて、19の
バイアレリックマーカーを検出した。バイアレリックマーカーの局在位置を表2
に示す。
【0428】
【表3】
【0429】 BMは「バイアレリックマーカー」を指す。All1およびAll2はそれぞれ
バイアレリックマーカーの対立遺伝子1および対立遺伝子2を指す。
【0430】
【表4】
【0431】 実施例5: マイクロシークエンシングを介する多型の確認 実施例4において同定されたバイアレリックマーカーを確認し、それらのそれ
ぞれの頻度をマイクロシークエンシングにより決定した。実施例2に記載のそれ
ぞれの個体DNAサンプルについて、マイクロシークエンシングを行った。
【0432】 同じ組のPCRプライマーでバイアレリックマーカーを検出するために、個体
のゲノムDNAからの増幅を上記のようにPCRにより実施した(表1)。
【0433】 マイクロシークエンシングに使用される好ましいプライマーは、約19ヌクレ
オチド長であり、考慮される多型性塩基の直ぐ上流でハイブリダイズした。本発
明に従い、マイクロシークエンシングにおいて使用されるプライマーを表4に詳
述する。
【0434】
【表5】
【0435】 マイクロシークエンシング反応は以下のようにして実施した。
【0436】 増幅産物の精製後、20μlの最終容積に10mMマイクロシークエンシング
オリゴヌクレオチド、1U Thermosequenase(Amersha
m E79000G)、1.25μlのThermosequenase緩衝液
(260mM Tris HCl、pH9.5、65mM MgCl2)、およ
び試験するそれぞれのバイアレリックマーカーの多型性部位でヌクレオチドに相
補的である2つの適切な蛍光ddNTP(Perkin Elmer、Dye
Therminator Set401095)を添加することによって、マイ
クロシークエンシング反応混合物を調製した。94℃で4分間後、55℃で15
秒間、72℃で5秒間、および94℃で10秒間の20PCRサイクルを、Te
trad PTC−225サーモサイクラー(MJ Research)におい
て行った。次いで、組み入れられていないダイターミネーターをエタノール沈殿
によって除去した。最終的にサンプルをホルムアミド−EDTA充填緩衝液に再
懸濁し、ポリアクリルアミドシークエンシングゲルに充填する前に、95℃で2
分間加熱した。データは、ABI PRISM377DNAシークエンサーによ
って回収し、GENESCANソフトウェア(Perkin Elmer)を使
用して処理した。
【0437】 ゲル分析後、それぞれの増幅フラグメントに存在するバイアレリックマーカー
の対立遺伝子の決定を可能にするソフトウェアにより、データを自動的に処理し
た。
【0438】 ソフトウェアは、上記のマイクロシークエンシング方法から得られるシグナル
の強度が弱いか、正常か、もしくは飽和状態か、またはシグナルが曖昧でないか
に関するそのような因子を評価する。さらに、ソフトウェアは、(形状および高
さの基準に従って)重要なピークを同定する。重要なピークのうち、標的化され
た部位に対応するピークは、それらの位置に基づいて同定される。2つの重要な
ピークが同じ位置で検出される場合、それぞれのサンプルは、高さの比に基づく
ホモ接合体またはホモ接合型として分類される。
【0439】 参考文献 Altschul et al., 1990, J. Mol. Biol. 215(3):403-410 / Altschul et
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【0440】 配列表のフリーテキスト 添付の配列表において以下のフリーテキストが認められる。 5’調節領域 多型性塩基 相補体 3’調節領域 の欠失 または プローブ 参照におけるGenset5’ESTとの相同性 シークエンシングオリゴヌクレオチドプライマーPU シークエンシングオリゴヌクレオチドプライマーRP
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 配列番号5のTBC−1タンパク質のアミノ酸配列の一部と、T
BC−1とアミノ酸相同性を共有する他のタンパク質とのアミノ酸アラインメン
ト。アミノ酸の番号付けはマウスTBC−1を指す。
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月7日(2001.3.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/68 G01N 33/566 33/58 A G01N 33/53 37/00 102 33/566 C12N 15/00 ZNAA 33/58 F 37/00 102 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CR, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G D,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN ,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC, LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,M K,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO ,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ, TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,Y U,ZA,ZW Fターム(参考) 2G045 AA25 AA35 CB01 DA12 DA13 DA14 DA36 DA77 FB01 FB02 FB03 FB07 4B024 AA11 BA80 CA01 CA09 CA11 DA02 EA04 GA11 HA12 4B029 AA07 CC03 FA12 4B063 QA01 QA17 QA19 QQ01 QQ42 QQ52 QR08 QR32 QR42 QR56 QR62 QR82 QS25 QS34 QS36 QX02 4B065 AA90X AA93Y AB04 BA02 CA46

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1に記載の配列の少なくとも12ヌクレオチドの連
    続スパンを含む単離された、精製された、もしくは組換体ポリヌクレオチドまた
    はその相補体。
  2. 【請求項2】 配列番号2に記載の配列の少なくとも12ヌクレオチドの連
    続スパンを含む単離された、精製された、もしくは組換体ポリヌクレオチドまた
    はその相補体。
  3. 【請求項3】 配列番号3に記載の配列の少なくとも12ヌクレオチドの連
    続スパンを含む単離された、精製された、もしくは組換体ポリヌクレオチドまた
    はその相補体。
  4. 【請求項4】 配列番号4に記載の配列の少なくとも12ヌクレオチドの連
    続スパンを含む単離された、精製された、もしくは組換体ポリヌクレオチドまた
    はその相補体。
  5. 【請求項5】 配列番号1および2のいずれか1つに記載の配列の8〜50
    ヌクレオチドの連続スパンから本質的に成る単離された、精製された、もしくは
    組換体ポリヌクレオチドまたはその相補体であって、前記スパンは前記配列中に
    TBC−1関連バイアレリックマーカーを含む、上記ポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 前記TBC−1関連バイアレリックマーカーはA1〜A19
    から成る群より選択される、請求項5に記載のポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 前記連続スパンは18〜35ヌクレオチド長であり、前記バ
    イアレリックマーカーは前記ポリヌクレオチドの中央部の4ヌクレオチド内にあ
    る、請求項5または6のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 前記ポリヌクレオチドは前記連続スパンから成り、前記連続
    スパンは25ヌクレオチド長であり、前記バイアレリックマーカーは前記ポリヌ
    クレオチドの中央部にある、請求項7に記載のポリヌクレオチド。
  9. 【請求項9】 前記ポリヌクレオチドは、次の配列:P1〜P7、P9〜P
    13、P15〜P19、およびそれらに相補的な配列から選択される配列から本
    質的に成る、請求項8に記載のポリヌクレオチド。
  10. 【請求項10】 前記連続スパンの3’末端は前記ポリヌクレオチドの3’
    末端に存在する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
  11. 【請求項11】 前記連続スパンの3’末端は前記ポリヌクレオチドの3’
    末端に位置し、前記バイアレリックマーカーは前記ポリヌクレオチドの3’末端
    に存在する、請求項5または6のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
  12. 【請求項12】 配列番号1および2のいずれか1つに記載の配列の8〜5
    0ヌクレオチドの連続スパンから本質的に成る単離された、精製された、もしく
    は組換体ポリヌクレオチドまたはその相補体であって、前記連続スパンの3’末
    端は前記ポリヌクレオチドの3’末端に位置し、前記ポリヌクレオチドの3’末
    端は、前記配列中のTBC−1関連バイアレリックマーカーの20ヌクレオチド
    上流内に存在する、上記ポリヌクレオチド。
  13. 【請求項13】 前記ポリヌクレオチドの3’末端は、前記配列中の前記T
    BC−1関連バイアレリックマーカーの1ヌクレオチド上流に位置する、請求項
    12に記載のポリヌクレオチド。
  14. 【請求項14】 前記ポリヌクレオチドは、次の配列:D1〜D19、およ
    びE1〜E19から選択される配列から本質的に成る、請求項13に記載のポリ
    ヌクレオチド。
  15. 【請求項15】 次の配列:B1〜B15およびC1〜C15から選択され
    る配列から本質的に成る、単離された、精製された、または組換体ポリヌクレオ
    チド。
  16. 【請求項16】 配列番号5に記載の配列の少なくとも6アミノ酸の連続ス
    パンを含むポリペプチドをコードする、単離された、精製された、または組換体
    ポリヌクレオチド。
  17. 【請求項17】 TBC−1関連バイアレリックマーカーのヌクレオチドま
    たはその相補体の正体を決定する遺伝子型アッセイにおいて使用するためのポリ
    ヌクレオチド。
  18. 【請求項18】 前記ポリヌクレオチドはハイブリダイゼーションアッセイ
    において使用される、請求項17に記載のポリヌクレオチド。
  19. 【請求項19】 前記ポリヌクレオチドは、シークエンシングアッセイにお
    いて使用される、請求項17に記載のポリヌクレオチド。
  20. 【請求項20】 前記ポリヌクレオチドは、酵素に基づくミスマッチ検出ア
    ッセイにおいて使用される、請求項17に記載のポリヌクレオチド。
  21. 【請求項21】 前記ポリヌクレオチドは、前記バイアレリックマーカーマ
    ーカーを含むヌクレオチドのセグメントを増幅するのに使用される、請求項17
    に記載のポリヌクレオチド。
  22. 【請求項22】 固相支持体に結合した請求項1〜21のいずれか1項に記
    載のポリヌクレオチド。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載の少なくとも1つのポリヌクレオチドを
    含むポリヌクレオチドのアレイ。
  24. 【請求項24】 前記アレイはアドレス指定可能である、請求項23に記載
    のアレイ。
  25. 【請求項25】 標識をさらに含む、請求項1〜21のいずれか1項に記載
    のポリヌクレオチド。
  26. 【請求項26】 請求項1〜4および16のいずれか1項に記載のポリヌク
    レオチドを含む組換えベクター。
  27. 【請求項27】 請求項26に記載の組換えベクターを含む宿主細胞。
  28. 【請求項28】 請求項26に記載の組換えベクターを含む非ヒト宿主動物
    または哺乳動物。
  29. 【請求項29】 生物学的サンプルにおいてTBC−1関連バイアレリック
    マーカーのヌクレオチドまたはその相補体の正体を決定することを含む、遺伝子
    型判定方法。
  30. 【請求項30】 前記生物学的サンプルは単一の被験体に由来するものであ
    る、請求項29に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記バイアレリックマーカーのヌクレオチドの正体は、前
    記個体のゲノムに存在する前記バイアレリックマーカーの両コピーについて決定
    される、請求項30に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記生物学的サンプルは複数の被験体に由来するものであ
    る、請求項29に記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記決定工程の前にバイアレリックマーカーを含む前記配
    列の部分を増幅することをさらに含む、請求項29に記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記増幅は、PCRによって実施される、請求項33に記
    載の方法。
  35. 【請求項35】 前記決定は、ハイブリダイゼーションアッセイによって実
    施される、請求項29に記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記決定は、シークエンシングアッセイによって実施され
    る、請求項29に記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記決定は、マイクロシークエンシングアッセイによって
    実施される、請求項29に記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記決定は、酵素に基づくミスマッチ検出アッセイによっ
    て実施される、請求項29に記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記TBC−1関連バイアレリックマーカーは、A1〜A
    19およびそれらの相補体から選択される、請求項29〜38のいずれか1項に
    記載の方法。
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