JP2001518784A - ラパマイシンの特異的部位に対する抗体の産生方法 - Google Patents

ラパマイシンの特異的部位に対する抗体の産生方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ラパマイシン(シロリムス)の特異的部位に対するポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の産生に関する。これらのポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の反応性は、これらの抗体を治療薬物モニタリング(TDM)のためのイムノアッセイに特に有用にする。これらのイムノアッセイまたはTDMキットは、ラパマイシンの特異的部位に対するポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を含み得る。これらのキットはまた、ポリクローナル抗体の、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の、またはモノクローナル抗体のパネルの種々の組み合わせを含み得る。ラパマイシン結合体免疫原は、ラパマイシン分子の特異的領域に対する抗体を産生するために宿主動物の免疫のために調製される。特定の抗体の特異的結合領域を決定することによって、親分子、活性な代謝産物、不活性な代謝産物、および他の構造的に類似の免疫抑制化合物の間を区別し得るイムノアッセイが開発される。ラパマイシン-タンパク質結合体免疫原を形成するためのリンカーアーム分子としてのジビニルスルホン(DVS)の使用が、記載される。DVSに連結したラパマイシン-タンパク質結合体が、スクシネートに連結した結合体よりも大きいラパマイシン分子特異性を有する抗体を惹起することを見いだした。

Description

【発明の詳細な説明】 ラパマイシンの特異的部位に対する抗体の産生方法 序論および背景 本発明は、ラパマイシン(シロリムス(Sirolimus))の特異的部位に対するポ リクローナル抗体およびモノクローナル抗体の産生に関する。これらのポリクロ ーナル抗体およびモノクローナル抗体の反応性は、これらの抗体を治療薬物モニ タリング(TDM)のためのイムノアッセイに特に有用にする。これらのイムノア ッセイまたはTDMキットは、ラパマイシンの特異的部位に対するポリクローナル 抗体またはモノクローナル抗体を含み得る。これらのキットはまた、ポリクロー ナル抗体の、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の、またはモノクロ ーナル抗体のパネルの種々の組み合わせを含み得る。 ラパマイシン(Rapa)は、大環状抗生物質であり、これはもともとは、イース ター島からの土壌試料中で、Streptomyces hygroscopicus株から単離された1。 ラパマイシンは、免疫抑制剤FK-506(タクロリムス)に構造的に関連するが、メ カニズム的には異なる。ラパマイシンは、サイトカイン媒介事象をブロックする ことによってT細胞およびB細胞の活性化を阻害し、そして増殖因子媒介細胞増 殖を阻害する、強力な免疫抑制剤でもある。ラパマイシンの構造を以下に示す: 現在、移植患者における器官拒絶を抑制するために最も普通に投与される2つ の免疫抑制薬物は、シクロスポリン(CSA)およびFK-506(FK)である。血中の これらの薬物の濃度の治療的モニタリングは、最小の毒性を伴う最大の免疫抑制 を保証するための投薬レジメを最適にするために必要とされる。最近の臨床デー タは、ラパマイシンが、移植患者における器官拒絶を抑制するために広く使用さ れる免疫抑制剤であることを示す。したがって、ラパマイシンに特異的なTDMモ ニタリングキットが必要とされる。本発明のラパマイシンの特異的部位に対する ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体は、理想的には、ラパマイシンTD Mキットを開発するために適切である。 シトクロムP4503A4酵素は、ラパマイシンを-デメチル化および水酸化された多 くの代謝産物に代謝する。ヒトにおけるラパマイシン代謝の正確な経路は、ほん のわずかな代謝産物が構造的に同定されているのみであるので、完全には明らか にされていない。したがって、経口投与後の全血中の同定または定常状態濃度に 関するコンセンサスは確立されていない。ラパマイシン代謝の現在報告された知 見の要旨は以下のとおりである。 Streitらは、ウサギ肝ミクロソームから4つのラパマイシン代謝産物を構造的 に同定した2。これらには、41-デメチルラパマイシン、7-デメチルラパマイシン 、11−ヒドロキシラパマイシン、およびラパマイシンの24-ヒドロキシエステル 加水分解産物が含まれる。ラパマイシンの代謝産物がこのエステル加水分解を受 け得ることも示されている。Streitはまた、ジ、トリ、およびテトラ水酸化ラパ マイシン代謝産物を部分的に同定した。Wangらは、ラパマイシン処理したラット の胆汁において16水酸化および/またはデメチル化代謝産物を見いだした3。Nick milderらは、ラット肝ミクロソームにおいて3,4および5,6ジヒドロジオールラパ マイシン代謝産物を同定した4。トラフ(trough)全血では、Streitらは、41-デメ チル、ヒドロキシ、ジヒドロキシ、およびジデメチルラパマイシン代謝産物を同 定した5。これらの代謝産物は、測定された総ラパマイシン誘導体の56%を占め た。最終的に、Leungらは、健常男性ボランティアにおいて[14C]-ラパマイシン の配置を検査した6。彼らは、ラパマイシンが、血中の総放射能の約35%を示す こと、ならびに41-デメチル、7-デメチル、およびいくつかのヒドロキシ、ヒド ロキシデメチル、およびジデメチルラパマイシン代謝産物が、個々に、総放 射能の1〜12%を示すことを見いだした。彼らはまた、血液中にも、糞中にも、 尿中にもグルクロニドも硫酸結合体も顕著には存在しないこと、および経口用量 のほとんどが糞中に排泄されることを見いだした。 ラパマイシン代謝産物は、血液、尿、もしくは糞試料を含むがこれらに限定さ れない多くの種々の供給源から、肝ミクロソームから、または微生物培養物から 単離され得る。 発明の詳細な説明 ラパマイシン結合体免疫原は、ラパマイシン分子の特異的領域に対する抗体を 産生するための宿主動物の免疫のために調製される。特定の抗体の特異的結合領 域を決定することによって、親分子、活性な代謝産物、不活性な代謝産物、およ び他の構造的に類似の免疫抑制化合物との間を区別し得るイムノアッセイが開発 される。ラパマイシン-タンパク質結合体免疫原を形成するためのリンカーアー ム分子としてのジビニルスルホン(DVS)の使用が記載される。DVSに連結したラ パマイシン-タンパク質結合体が、スクシネートに連結した結合体よりも大きな ラパマイシン分子特異性を有する抗体を惹起することを見いだした。以下の実施 例は、本発明を実施するための最良の形態を記載する。実施例1−ラパマイシン-42-ジビニルスルホンの合成およびタンパク質キャリア への結合体化 ラパマイシン-42 ジビニルスルホンハプテンの調製:ラパマイシン(0.5mmol) (Calbiochem-Novabiochem,San Diego,Cat.#553210)を、ジクロロメタンに溶 解し、そして10当量の2-t-Bocアミノエチルクロロイミデートで処理し、そして 反応混合物を0℃まで冷却した。この溶液に、4mLのトリメチルシリルトリフレ ートを、1回の添加で添加した。反応混合物を0℃にて24時間撹拌した。次いで 、反応混合物をジクロロメタン(100mL)で希釈し、そして水で洗浄した(50mL× 3)。有機溶液を乾燥し、濃縮し、そして混合物をカラムクロマトグラフィーに かけて、過剰のクロロイミデート試薬を除去した。この物質を、MS-フローイン ジェクションエレクトロスプレーマススペクトロメトリーを使用して分析した。 次いで、誘導体化したラパマイシンをトリフルオロ酢酸で処理して、アミノ保護 基を除去した。次いで、反応混合物をジクロロメタン(50mL)で希釈し、そして 水で洗浄した。有機溶液を乾燥し、そして濃縮して、ラパマイシンのアミノエチ ル誘導体を得た。さらなる精製なしに、反応混合物を、触媒として無水炭酸カリ ウムを使用してジクロロメタン溶液中の過剰のジビニルスルホンで処理した。反 応混合物を24時間撹拌し、次いでジクロロメタンで希釈し、そして水で洗浄して 炭酸塩を除去した。有機溶液を乾燥し、濃縮し、そして粗生成物をカラムクロマ トグラフィーにかけて、過剰のジビニルスルホンを除去した。単離した生成物を 、さらなる精製なしに結合体化のために使用した。 ラパマイシン-42 ジビニルスルホン結合体の調製:ラパマイシン-42-ジビニル スルホン誘導体の結合体化を、ラパマイシン-42-ジビニルスルホン誘導体のジメ チルスルホキシド溶液を調製し、これを次に0.2Mリン酸緩衝液(pH7.6)中のキ ーホールリンペットヘモシアニン(KLH)またはヒト血清アルブミン(HSA)の迅 速に撹拌した溶液にゆっくりと添加することによって行った。混合物の撹拌を、 室温にて24時間続け、次いで透析によってラパマイシン-42-ジビニルスルホンタ ンパク質結合体を単離した。実施例2−ラパマイシン-42-スクシネートの合成およびタンパク質キャリアへの 結合体化 ラパマイシン-42-0-ヘミスクシネートの調製:ジメチルアミノピリジン(11.8 mg、97μmol)を、2mLの乾燥ピリジン中のラパマイシン(80.0mg、88μmol)お よび無水コハク酸(30.7mg、307μmol)の溶液に添加し、そして混合物を室温に て23時間撹拌した。ピリジンをエバポレートし、そして残渣を酢酸エチルに溶解 した。酢酸エチル溶液を、水で2回、および最後にブラインで洗浄し、その後硫 酸マグネシウム上で乾燥しそして溶媒をエバポレートした。残渣を、溶離液とし てメタノール/クロロホルム(1:19)次いでメタノール/クロロホルム(1:9) を使用してシリカゲルカラムから溶出して、無色固体として20.0mg(23%)の生 成物を得た。 42-0-スクシンイミドオキシスクシニルラパマイシンの調製:N-ヒドロキシス クシンイミド(2.3mg、19.7μmol)を、5mLの乾燥ジクロロメタン中のラパマイ シン-42-0-ヘミスクシネート(20.0mg、19.7μmol)および1-エチル-3−(3-ジメ チルアミノプロピル)カルボジイミド(EDAC)(3.8mg、19.7μmol)の溶液に添 加し、そして混合物を室温にて一晩撹拌した。溶媒をエバポレートし、そして残 渣を、溶離液として酢酸エチルを使用してシリカゲルカラムから溶出して、無色 固体として5.7mg(26%)の生成物を得た。 ラパマイシン-42-0-ヘミスクシネートおよび42-0-スクシンイミドオキシスク シニルラパマイシンの分析:精製したラパマイシン-42-O-ヘミスクシネート(10 13.5ダルトン)を、エレクトロスプレーイオン化マススペクトロメトリーによっ てナトリウム付加物(1036.5ダルトン)として同定し、そして陰イオンモードで のフラグメンテーションによって構造的に特徴づけた。精製した42-0-スクシン イミドオキシスクシニルラパマイシン(1110.5ダルトン)を、エレクトロスプレ ーイオン化マススペクトロメトリーによってナトリウム付加物(1133.5ダルトン )として同定した。 ラパマイシン-42-0-スクシネート結合体の調製:500mLのジメチルスルホキシ ド中の42-0-スクシンイミドオキシスクシニルラパマイシン(2.0mg)の溶液を、 酢酸でpH7.7に調整した2mLの0.1M重炭酸ナトリウム水溶液中のキーホールリンペ ットヘモシアニン(KLH)(3.0mg)またはヒト血清アルブミン(HSA)の迅速に撹 拌した溶液中にゆっくり添加した。混合物の撹拌を、室温にて24時間続け、次い で透析によってラパマイシン-42-ジビニルスルホンタンパク質結合体を単離した 。実施例3−ラパマイシン-27-オキシム-ジビニルスルホンの合成およびタンパク 質キャリアへの結合体化 : ラパマイシン-27-オキシムの調製:100mLの水中の塩酸ヒドロキシルアミン(3 .0mg、44μmol)を、4mLのエタノール中のラパマイシン(20.0mg、22μmol)およ びピリジン(40mL)の溶液に添加し、そして反応混合物を、室温にて24時間撹拌 した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そして水、希塩酸水溶液、およびブラ インで順次洗浄した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして溶媒をエバ ポレートして、20mgの粗生成物を得た。 ラパマイシン-27-オキシム-ジビニルの分析:粗残渣のLC/MS分析(グラジエン ト条件:0分で25/25/50の水/アセトニトリル/メタノールから18分で20/30/50の 水/アセトニトリル/メタノールまで。カラム:Spherisorb C-8セミプレップ。温 度は35℃であり、そして流速を3.5mL/分に設定した。UVシグナルを276nmでモニ ターした。)は、オキシムの2つの異性体形態ならびに少量の未反応ラパマイシ ンがあることを示した。Rapa-オキシムの陰イオンフラグメンテーションは、C-2 7でのオキシム形成に一致する。混合物を、さらなる反応のために精製なしで使 用した。 ラパマイシン-27-オキシム-ジビニルスルホンハプテン(Rapa-Ox-DVS)の調製 :ビニルスルホン(203mg、1.72μmol)を、10mLの乾燥ジクロロメタン中の粗ラ パマイシン-27-オキシム(20mg、22μmol)と乾燥無水炭酸カリウム(80mg)と の混合物に、室温でおよび窒素雰囲気下で添加した。混合物を17時間撹拌した。 フラスコに窒素流を通して溶媒をエバポレートし、そして得られる残渣を、10mL メタノール中の10滴の酢酸の10mLの溶液で即座にクエンチングした。次いで、澄 明な溶液を、残りの炭酸カリウム顆粒からデカントして分離し、そして溶液を濃 縮した。残渣を、溶離液としてメタノール/クロロホルム(1%〜5%メタノー ル)のグラジエントを使用してシリカゲルカラムを通して、過剰のビニルスルホ ンから反応生成物を分離した。 ラパマイシン-27-オキシム-ジビニル-スルホンハプテン(Rapa-Ox-DVS)の分 析:粗反応残渣を、逆相HPLC(グラジエント条件:0〜5分で40/10/50の水/ア セトニトリル/メタノール、5〜40分で25/25/50の水/アセトニトリル/メタノー ルまで、次いで40〜45分で50/50のアセトニトリル/水。カラム:Spherisorb C-8 セミプレップ。温度は35℃であり、そして流速を3.5mL/分に設定した。UVシグナ ルを276nmでモニターした。)によって3つの主なラパマイシン-Ox-DVS種;Rapa -Ox-DVS(種X);Rapa-Ox-DVS(種2);Rapa-Ox-DVS(種3)に分離し、これをエレ クトロスプレーイオン化マススペクトロメトリーによって同定した。詳述したグ ラジエント条件下で、Rapa-Ox-DVS(X種)およびRapa-Ox-DVS(2種)の両方とも純 粋な生成物として溶出するが、Rapa-Ox-DVS(種3)を、35/15/50の水/アセト ニトリル/メタノールイソシアン酸混合物および上記と同一のクロマトグラフィ ー条件を使用してさらに精製した。 Rapa-Ox-DVS(種2)についての陽イオンフラグメンテーションパターンは、C-2 7位によるラパマイシン修飾と一致する。LC/MSプロフィールおよびマススペクト ルを、精製したRapa-Ox-DVS(種3)について得た。Rapa-Ox-DVS(種3)についての 陽イオンフラグメンテーションパターンも、C-27位によるラパマイシン修飾と一 致した。 各種についての収量は以下のとおりであった: Rapa-Ox-DVS-(X):2.4mg(10%) Rapa-Ox-DVS-(2):3.4mg(15%) Rapa-Ox-DVS-(3):0.5mg(2%) ラパマイシン-オキシム-ジビニルスルホン結合体の調製:300mLのジメチルスル ホキシド中のRapa-OX-DVS(種2)(0.3mg)の溶液を、1mLの0.2Mリン酸緩衝液( pH7.6)中のキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)(1.0mg)の迅速に撹拌 した溶液中にゆっくり添加し、そして混合物を室温にて24時間撹拌した。次いで 、反応混合物を透析して、ラパマイシン-オキシム-ジビニルスルホンタンパク質 結合体を回収した。Rapa-Ox-DVS(2種)-HSA結合体を、同様の様式で調製した。実施例4−ラパマイシン-31-ジビニルスルホンの合成およびタンパク質キャリア への結合体化: ラパマイシン-31-ジビニルスルホンハプテン(Rapa-DVS)の調製:ビニルスル ホン(82.6mg、0.7μmol)を、3mLの乾燥アセトン中のラパマイシン(5.0mg、5.5 μmol)および乾燥無水炭酸カリウム(30mg)の混合物に、室温にて窒素雰囲気 下で添加した。混合物を19時間撹拌した。フラスコに窒素流を通して溶媒をエバ ポレートし、そして得られる残渣を、10mLメタノール中の10滴の酢酸の5mLの溶 液で即座にクエンチングした。次いで、澄明な溶液を、炭酸カリウム顆粒からデ カントして分離し、そして溶液を濃縮した。残渣を、溶離液としてメタノール/ クロロホルム(1%〜2%メタノール)のグラジエントを使用してシリカゲル カラムを通して、過剰のビニルスルホンから反応生成物を分離した。次いで、合 わせた反応生成物を精製し、そして以下の通りに分析した。 ラパマイシン-31-ジビニルスルホンハプテン(Rapa-DVS)の分析:粗反応残渣 を、LC/MS(グラジエント条件:0分で25/25/50の水/アセトニトリル/メタノー ルから18分で20/30/50の水/アセトニトリル/メタノールまで。カラム:Spheriso rb C-8 セミプレップ。温度は35℃であり、そして流速を3.5mL/分に設定した。U Vシグナルを276nmでモニターした。)によって分析し、そしてRapa-DVSの1つの 主な種をその異性体とともに含むことを見いだした。Rapa-DVSを、40/10/50の水 /アセトニトリル/メタノール(10% Tert−ブチルメチルエーテルを含む)のイ ソシアン酸移動相および上記と同一のクロマトグラフィー条件を使用して精製し た。精製したRapa-DVSのLC/MSプロフィールおよびマススペクトルを得た。Rapa- DVSについての陽イオンフラグメンテーションパターンは、31-OH位でのラパマイ シン修飾と一致する。得られた収量は、0.1mg(2%)であった。 ラパマイシン-31-ジビニルスルホン結合体の調製:Rapa-31-DVS-KLHおよびHSA 結合体を、実施例3に記載のように調製した。実施例5−ラパマイシン代謝産物の単離および特徴づけウサギ肝ミクロソームを利用するラパマイシン代謝産物の生合成A 生合成 ラパマイシン代謝産物を単離するために利用した基本的手順は、以下のとおり であった: 1.ウサギ肝ミクロソームの調製 新鮮または凍結したウサギ肝臓(誘導していない)を、約750mLの1.15%KCl(w /v)で洗浄し、そして小片(約5mm3)に切断した。これらを、15mLの1.15%KCl を含む小コニカル50mL遠心分離チューブに入れ、そして氷上で保存する。肝臓全 体を処理した後、小片を、Beckman Ploytronホモジナイザーを使用してミクロソ ーム懸濁液へとホモジナイズし、これを10,000×gで20分間遠心分離する。遠心 分離後、上清を、特殊化した遠心分離チューブにデカントし、そして氷上に置く 。これらを、超遠心分離を使用して、100,000×gで60分間、再度遠心分離する。 こ のプロセスにより、ラパマイシンの代謝に必要なシトクロムP450酵素を含むミク ロソームペレットが得られる。次いで、ミクロソームを1.15%KClに再懸濁し、L owry法を使用してタンパク質濃度についてテストし、そして−70℃で保存する。 2.ラパマイシン代謝産物の生合成 インキュベーション混合物は、45mLの最終容量を有し、そして1.8mL DMSOに溶 解した22.5mgのラパマイシンを含む。反応混合物はまた、0.1Mリン酸ナトリウム 緩衝液(pH7.4)、0.5mM EDTA、5.0mM MgCl2、3.5mM NADPH、1.5mM NADP、50mM グルコース-6-リン酸、10ユニット/mLのグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ 、および10mg/mLのミクロソームタンパク質を含む。 生体内変化反応を、250mL三角フラスコ中で行う。薬物を含まないミクロソー ム溶液を、環境制御されたインキュベーターシェーカーで37℃にて5分間インキ ュベートする。薬物を添加することによって反応を開始し、そして反応を2時間 進行させる。この時点で、インキュベーターからフラスコを取り出すことによっ て反応を停止し、その内容物を50mL遠心分離チューブに移し、そしてそれを−20 ℃で保存する。 3.代謝産物単離 代謝産物を、保存した反応混合物を解凍し、そして500mLガラス瓶にそれらを 移すことによって単離する(1瓶当たり100mLの反応混合物)。この溶液を、等 容量の0.2M酢酸(pH3.0)で酸性化し、そして200mL MTBE(メチルtertブチルエ ーテル)で2回抽出する。溶媒を回収し、そしてロータリーエバポレーターを使 用して乾燥するまでエバポレートする。残渣を、メタノール中で再構成し、そし て−70℃で保存する。 4.代謝産物精製 600Eグラジエントコントローラー+ポンプ、717オートサンプラー、486UV検出 器、およびMilleniumワークステーションから構成されるWatersクロマトグラフ ィーシステムを使用して、ラパマイシン代謝産物を分離および精製した。最初 の分離に利用されるカラムは、Waters C8逆相(10×250mm)Spherisorbセミプレ ップHPLCカラムである。代謝産物を、60℃のカラム温度および2.5mL/分の流量を 使用して分離した。最初の移動相は、40%水および60%メタノールから構成され た。最良の分離を達成するために、この組成を、以下の表に示すように50分かけ て変化させるようにプログラムした: 個々のピークを収集し、プールし、そして標識した。これらのピークのそれぞ れは、ラパマイシン代謝産物を表す。同じクロマトグラフィーシステムを使用し て、収集したピークを、Waters C18逆相(3.6×150mm)Symmetryカラムを使用し てさらなる精製にかける。利用したカラム温度は60℃であり、流量は1.0mL/分で あり、そして移動相は、精製した各代謝産物に特異的である水/メタノールグラ ジエントから構成された。ミクロソーム調製物から同定されたラパマイシン代謝産物種 実施例6−ラパマイシン特異的抗体応答を惹起するための免疫: 基本的免疫プロトコルは、以下のとおりである: 代表的には、マウスに、タンパク質含量に基づいて5、10、15、または20μgの 用量で、ラパマイシン結合体免疫原の皮下または腹腔内注射によって、0日目( 1°−一次免疫)、7日目(2°−二次免疫)、および28日目(3°−三次免疫 )に免疫する。マウスを、2°および3°免疫の7〜10日後に出血させて、抗体 反応をアッセイするために血清を採取した。種々の他の免疫スケジュールは効果 的であり、0日目(1°)、7日目(2°)、および14日目、21日目または30 日目(3°);0日目(1°)、14日目(2°)、および28日目または44日目( 3°);ならびに0日目(1°)、30日目(2°)、および60日目(3°)を含 む。三次免疫の30日後、ブースターを注射し得、その後の毎月、ブースターを投 与し得る。 免疫したマウスに、融合手順の3〜5日前に最終ブーストとしてPBS中の免疫 原を静脈内または腹腔内注射する。これは、脾臓(またはリンパ節組織)におけ る免疫原特異的Bリンパ球の感作および数を増加させる。この最終ブーストを、 その前の注射の2〜3週後に投与して、循環する抗体レベルを低下させる。 このような免疫スケジュールは、特異的ポリクローナル抗血清を惹起するため にラパマイシン免疫原結合体でマウスを免疫するために、および特異的モノクロ ーナル抗体の調製に有用である。免疫原組成物はまた、ラパマイシン特異的抗体 を惹起し得る任意の動物(例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウサギ、ブタ、 イヌ、ネコ、および鳥類、ならびにサル種)を免疫するために有用である。家畜 および野生動物の両方とも免疫され得る。投与経路は、任意の好都合な経路であ り得、そして免疫される動物および他の因子に依存して変化し得る。皮下、筋肉 内、腹腔内、または静脈内投与のような非経口投与が好ましい。経口または鼻内 投与も使用され得、コーティングされる、腸溶性である経口投与形態を含む。 この組成物の正確な処方は、免疫される種および投与経路に依存する。本発明 の免疫原は、0.9%NaCl(w/v)、PBS、もしくは組織培養培地のような溶液中で、 または種々のアジュバント処方物中で注射され得る。このようなアジュバントに は、フロイント完全アジュバント、フロイント不完全アジュバント、水酸化アル ミニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド、Adjuvax(Alpha-Beta Technology)、Imject Alum(Pierce)、モノホスホリルリピドA(Ribi Immunoche m Research)、Titermax(CytRx)、トキシン、トキソイド、糖タンパク質、脂質 、糖脂質、細菌細胞壁、サブユニット(細菌性またはウイルス性)、炭水化物部 分(単糖、二糖、三糖、四糖、オリゴ糖、および多糖)、硫酸デキストラン、種 々のリポソーム処方物、またはサポニンが挙げられ得るが、これらに限定されな い。種々のアジュバントの組み合わせが、薬学的組成物を調製するために本発明 の免疫原結合体とともに使用され得る。 本発明の結合体は、ラパマイシンまたはラパマイシン代謝産物特異的ポリクロ ーナル抗体を惹起するために免疫原として、および特異的モノクローナル抗体産 生のためにB細胞を剌激するために、使用され得る。これらはまた、開発および /または調査ツールとして;イムノアッセイキット開発における診断試薬として ;例えば、細胞レセプターをブロックするための、予防剤として;ならびに治療 モダリティーとして、免疫モジュレーターとして、および薬物送達組成物として 利用され得る。実施例7−ラパマイシン免疫原に対する抗体反応性を決定するためのアッセイ : 本発明で使用されるラパマイシンに対する抗体反応性を決定するための基本的 直接ELISAプロトコルは、以下のとおりであった:直接ELISAプロトコル : 1.Falcon Pro-bindイムノプレートを使用する。 2.炭酸−重炭酸緩衝液中でコーティング抗原を1.0μg/mLまで希釈する。ガラ スチューブを使用する。 3.プレートの各ウェルに100μLを添加する。4℃にて一晩保存する。 4.ウェルを振盪し、そして1ウェル当たり200μL PBS/0.05% Tween(v/v)で3 回洗浄する。 5.PBS中2%BSA(w/v)のブロッキング緩衝液を1ウェル当たり100μL添加する 。 37℃にて60分間インキュベートする。 6.工程4のように3回洗浄する。 7.PBS/0.1% Tween(v/v)で適切に希釈したテスト抗体をウェル当たり100μL 添加する。37℃にて60分間インキュベートする。 8.工程4のように3回洗浄する。 9.PBS/0.1% Tween中のアルカリホスファターゼ結合体化抗マウスIgG(Tago c at♯AMI 4405)を1:2000濃度に希釈する。1ウェル当たり100μLを添加し、そし て37℃にて60分間インキュベートする。 10.工程4のように3回洗浄する。 11.Sigma #104アルカリホスファターゼ基質錠剤(10%ジエタノールアミン基質 緩衝液(v/v)中1mg/mL)を使用して酵素基質を調製する。1ウェル当たり100μL を添加し、そして暗黒下で室温にてインキュベートする。吸光度は、約15分間隔 で405nmで読みとられ得る。 ラパマイシン免疫原に対して惹起される抗体アイソタイプレベル(IgM、IgG、 およびIgAアイソタイプ)を測定するために、以下の基本的手順を使用した:アイソタイピングELISAプロトコル : 1.Falcon Pro-bindイムノプレートを使用する。 2.炭酸−重炭酸緩衝液中でコーティング抗原を1μg/mLまで希釈する。1ウェ ル当たり100μLを添加し、そして4℃にて一晩インキュベートする。 3.ウェルを振盪し、そして1ウェル当たり200μ LPBS/0.05% Tweenで3回洗 浄する。 4.1ウェル当たり200μLのブロッキング緩衝液(PBS/2%BSA)を添加する。 室温にて60分間インキュベートする。 5.工程3のように洗浄する。 6.希釈していない組織培養上清またはPBS/0.1% Tween中に1/100まで希釈した マウス血清を1ウェル当たり100μL添加する。37℃にて60分間インキュベートす る。 7.工程3のように洗浄する。 8.希釈緩衝液(PBS/0.1% Tween)中のEIAグレードマウスタイプ(ウサギ抗マ ウスIgM、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、およびIgA、Bio-Rad)の1:2希釈物を調製 する。適切な1ウェルにウェル当たり100μLを添加し、そして37℃にて60分間イ ンキュベートする。 9.工程3のように洗浄する。 10.PBS/0.1% Tween中のアルカリホスファターゼ結合体化抗ウサギIgG(Tago ca t # 4620)をl:2000濃度まで希釈する。1ウェル当たり100μLを添加し、そし て37℃にて60分間インキュベートする。 11.工程3のように洗浄する。 12.Sigma ♯104アルカリホスファターゼ基質錠剤(10%ジエタノールアミン基 質緩衝液中1mg/mL)を使用して酵素基質を調製する。1ウェル当たり100μLを 添加し、そして暗黒下で室温にてインキュベートする。吸光度は、約15分間隔で 405nmで読みとられ得る。 13.吸光度の読み取り値は、種々の濃度のマウスクラスおよびサブクラス特異的 免疫グロブリン(ZymedLabs.Inc.)に対するウサギ抗マウスアイソタイプ抗体 のELISA反応から作成した用量応答曲線を使用して、1mL血清当たりのμg抗体に 換算され得る。 ラパマイシンの特異的部位に対する抗体結合を決定するために、ならびにFK-5 06、シクロスポリン、およびKLHまたはHSAタンパク質に対する抗体交差反応性を 定量するために使用される手順は、以下のとおりであった:阻害ELISAプロトコル : 1.Falcon Pro-bindイムノプレートを使用する。 2.炭酸−重炭酸緩衝液中でコーティング抗原を1μg/mLまで希釈する。1ウェ ル当たり100μLを添加し、4℃にて一晩インキュベートする。 3.同日に、阻害抗原チューブを調製する。ガラステストチューブに抗体を等分 する。エタノール中で適切な抗原濃度を調製し、そして10μLエタノール溶液/2 50μL抗体で等分した抗体に添加する。チューブをボルテックスし、そして4℃ にて一晩インキュベートする。 4.ウェルを振盪し、そして1ウェル当たり200μL PBS/0.05% Tweenで3回洗 浄する。 5.1ウェル当たり200μLのブロッキング緩衝液(PBS/2%BSA)を添加する。 室温にて60分間インキュベートする。 6.工程4のように洗浄する。 7.阻害チューブの内容物を、抗原でコーティングしたプレートに、1ウェル当 たり100μLで移す。37℃にて60分間インキュベートする。 8.工程4のように洗浄する。 9.PBS/0.1% Tween中のアルカリホスファターゼ結合体化抗マウスIgG(Tago c at # AMI 4405)を1:2000濃度まで希釈する。1ウェル当たり100μLを添加し、 そして37℃にて60分間インキュベートする。 10.工程4のように洗浄する。 11.Sigma #104アルカリホスファターゼ基質錠剤(10%ジエタノールアミン基質 緩衝液中1mg/mL)を使用して酵素基質を調製する。1ウェル当たり100μLを添 加し、そして暗黒下で室温にてインキュベートする。吸光度は、約15分間隔で40 5nmで読みとられ得る。 直接、ELISAプロトコル、アイソタイピングELISAプロトコル、および阻害ELIS Aプロトコルで使用される緩衝液は以下のとおりであった: コーティング緩衝液(炭酸ナトリウム/重炭酸ナトリウム0.05M,pH9.6) 炭酸ナトリウム(Fisher,cat ♯ S-233-500) 2.93g 重炭酸ナトリウム(Fisher,cat ♯ S-263-500) 1.59g −1M HClまたは1M NaOHを使用してpHを9.6に調節する −4℃にて保存する 10 ×PBS緩衝液 リン酸カリウム、一塩基(Fisher,catP-284B-500) 8.00g リン酸ナトリウム、二塩基(Fisher,cat ♯ S-373-1) 46.00g 塩化ナトリウム(Fisher,cat # S-671-3) 320.00g 塩化カリウム(Fisher,cat # P-217-500) 8.00g −4L蒸留水に溶解する −室温にて保存する 希釈緩衝液(1×PBS/0.1%Tween) −10×PBS 50.0mL −蒸留水 450mL −Tween-20(ポリオキシエチレン-ソルビトールモノラウレート Sigma,cat # P-1379) 0.5mL −pHを7.2に調節し、そして室温にて保存する洗浄緩衝液(1×PBS/0.05% Tween) −10×PBS 200mL −蒸留水 1800mL −Tween-20 1.0mL −pHを7.2に調節し、そして室温にて保存する ブロッキング緩衝液(1×PBS/2%BSA) −1×pBS 100mL −ウシ血清アルブミン(Sigma,cat # A-7030) 2.0g −4℃にて保存する 基質緩衝液(10%ジエタノールアミン) ジエタノールアミン(Fisher,cat # D-45-500) 97.0mL 塩化マグネシウム(Fisher,cat # M-33-500) 100.0mg −pHを9.8に調節し、そして4℃にて保存する(光から保護する) 直接ELISA手順、アイソタイピングELISA手順および阻害ELISA手順は、マウス抗 体(ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体)を検出するために記載され ているが、これらの手順は、ウサギ、モルモット、ヒツジ、またはヤギの抗体を 含むが、これらに限定されない他の種について改変され得る。実施例8−Rapa-42-DVS免疫原に対するポリクローナル抗体反応 : ポリクローナル抗血清を、実施例1に記載のRapa-42免疫原および実施例6に 記載の免疫レジメを使用して、マウス、ニワトリ、およびウサギで調製した。Ra paおよびFK-HSA結合体に対するウサギおよびニワトリの血清(三次注射の7日後 )のELISA反応性を、表1に示す。 表1:RapaおよびFKに対するウサギおよびニワトリのポリクローナル抗体(Rapa -42-DVS-KLH免疫原)反応性(405nmでのO.D.) ウサギ#1および#2は、それぞれ405nmで1.634および2.528のO.D.を有する、Rapa 抗原に対する良好な抗体反応性を示した。ウサギ#1からの血清希釈は、FK抗原に 対する低い交差反応性(2.3%)およびHSAキャリア分子に対する低い非特異的反 応性(7.8%)を示した。しかし、ウサギ#2からの血清希釈は、FK抗原との実 質的な交差反応性(58.5%)を示し、HSAキャリアに対する非特異的反応性は低 かった(4.8%)。 Rapaで免疫したニワトリの卵から回収したIgY(PEG単離方法)は、Rapa抗原に 対する良好な反応性を有し、そしてFK抗原との41%の交差反応性を示した。HSA キャリアに対する非特異的反応性は、11.5%で低かった。 Rapa抗原に対する最良の特異的を有する、ウサギ#1からの血清を、阻害ELISA アッセイで使用し、結果を表2に示した。 表2:Rapa、FK、CSA、RapaおよびFK代謝産物によるウサギおよびニワトリのポ リクローナル抗体の阻害パーセント。 この血清は、Rapaによって48%阻害された。Rapa代謝産物1〜5は、15〜28%の 限界の阻害を示した(表3に挙げる代謝産物特異性)。CSA、FK、またはFK代謝 産物1〜5は、阻害を示さず、KLHおよびHSAタンパク質は、Rapa抗原でコーティ ングしたELISAプレートへの抗体結合を阻害しなかった。ニワトリIgY調製物は、 Rapaまたは5つのRapa代謝産物でより少ない阻害を示し、そしてFK、CSA、KLH、 もしくはHSAタンパク質、または4つのFK代謝産物では阻害を示さなかった(FK 代謝産物#4は、低レベルの阻害を示した)。 表3:阻害ELISAアッセイで使用されるラパマイシンおよびFK代謝産物のリスト * Rapa代謝産物を、実施例5に記載の手順によって単離した。** FK代謝産物を、当該技術分野で公知の手順によって単離した。 (実施例1で記載のように)Rapa-DVS-KLH免疫原で、または(実施例2に記載 のように)Rapa-suc-KLH免疫原で免疫した(1°、2°、3°および2回のブー スター注射)Balb/c雌マウスは、HSAキャリア分子に対する低い非特異的反応性 とともに、Rapa抗原に対して良好な反応性(表4に示される直接ELISA結果)を 示した。しかし、Rapa-suc-KLH免疫原で免疫したマウスからの血清は、FK抗原と の高い交差反応性を示し、マウス#1、2、および3で、それぞれ92.5%、57.4%、 および60.2%のFK交差反応性を示した。Rapa-DVS-KLH免疫原で免疫したマウスか らの血清では、FK交差反応性は、マウス#4、5、および6についてそれぞれわずか に11.6%、33.4%、および6.7%にすぎず、非常に低かった。これらの結果は、R apa-DVS結合体は、Rapa特異的抗体を惹起するが、Rapa-suc結合体は、FK抗原に 対する顕著な交差反応性を有する抗体を惹起することを証明する。本発明のDVS 結合体は、Rapa特異的抗体を産生するために好ましい。 表5は、本発明の融合手順に使用した4匹のBalb/c(Rapa-DVS免疫原、1°、 2°、3°およびブースター注射)マウスからの血清反応性を示す。4匹のすべ てのマウスは、良好な抗体レベル(Rapa-HSAに対する直接ELISAによる高い0.D. )を有し、キャリアタンパク質であるHSAに対してほとんどまたは全く非特異的 反応性がなかった。表4の結果とともに示されるように、FK抗原に対する交差反 応性は非常に低く、マウス7、8、9、および10は、それぞれ、わずか12.4%、13. 9%、15.6%、および19.9%のFK交差反応性しか有さない。この結果は、ラパマ イシン特異的抗体を惹起するためのDVS-免疫原の有用性を再度証明する。Rapa-D VS免疫原は、Rapa抗原に対する力価が高い抗体を惹起した。表6は、Rapa-DVSマ ウス#7血清が、1:800希釈でRapa抗原に対するかなりの抗体反応性を有すること 、およびマウス#10血清が1:6400希釈でRapa-抗原に対する良好な抗体反応性を有 することを示す。 表4:RapaおよびFKに対するマウスポリクローナル抗体(Rapa-suc-KLHまたはRa pa-DVS-KLH免疫原)反応性(405nmでのO.D.) 表5:RapaおよびFKに対するマウスポリクローナル抗体反応性(Rapa-DVS-KLHで 免疫した融合前出血)表6:ラパマイシンに対するマウスポリクローナル血清の力価測定(405nmでのO .D.) Rapa-DVS免疫原に対するマウスポリクローナル血清は、表7で示される阻害EL ISA結果によって証明されるように、FK(表5の結果を確認する)、CSA、KLH、 またはHSAエピトープに対する交差反応性がほとんどまたは全くなかった。これ らの血清は、ラパマイシン代謝産物(M1〜M5)での阻害の種々のレベルを有する Rapa抗原での顕著な阻害(約50%)を示した。 表8に示される結果は、この阻害がRapa濃度依存的であったことを示す。Rapa は、2.5〜0.15μg濃度で抗体結合を顕著に阻害し、0.04μg Rapa濃度では阻害は ほとんど見られなかった。Rapa-HSAインヒビターは、抗Rapa抗体結合の類似の用 量依存的阻害を示した。HSAまたはKLHタンパク質を、このアッセイでのインヒビ ター抗原として使用した場合、阻害は起こらなかった。 表8:マウスポリクローナル抗体(Rapa-DVS-KLHで免疫した融合前出血)のRapa 濃度依存的阻害 *HSAまたはKLHでの阻害なし実施例9−モノクローナル抗体(MoAb)産生のための方法 本発明のモノクローナル抗体を産生するために使用される手順は、以下のとおり である: 多くの適切な試薬供給業者があるが、発明者らは、以下のものが高収量の融合 産物を得るため、安定なクローンを単離するために、およびモノクローナル抗体 (MoAb)の産生のために最も好ましいことを見いだした。ダルベッコ改変イーグル培地 :JRH BIOSCIENCES,Cat # 56499-10Lからの(DMEM )+3.7g/L NaHCO3HAT 補充物 :CANADIAN LIFE TECHNOLOGIES,Cat # 31062-037からの(100×−10m Mヒポキサンチンナトリウム、40mMアミノプテリン、1.6mMチミジン)HT ストック :CANADIAN LIFE TECHNOLOGIES,Cat # 11067-030からの(100×−10 mMヒポキサンチンナトリウム、1.0mMチミジン)FCS :SIGMA,Cat ♯ C-9155からのCPSR-3 Hybrid-MAXポリエチレングリコール(PEG) :PEG 4000、SERVA # 33136を使用する。PEGを 加圧滅菌処理し、少し冷却し、そして無血清DMEMで50%(w/v)まで希釈する。融 合の前日に新鮮なPEGを作製し、そして37°インキュベーター内に置く。融合手順 : ミエローマ細胞は、解凍しそして融合の1週前に拡張し、そして融合の前日に 分けるべきである。連続培養でミエローマ細胞株を保持してはいけない。これは 、細胞がマイコプラズマに感染すること、および継代を繰り返すことにより生じ 得る何らかの変化が細胞に生じることを予防する。 例えば: SP2/0を分けて、1×104細胞/mLに戻し、少なくとも5×106細胞/バイアルで 凍結し得る。 NS-1を分けて、1×104細胞/mLに戻し、少なくとも5×106細胞/バイアルで凍 結し得る。 P3X63-Ag8.653を分けて、1×104細胞/mLに戻し、少なくとも5×106細胞/バ イアルで凍結し得る。 融合の日に(対数増殖期の)少なくとも0.5×107細胞を有するようにミエローマ 細胞株を培養する。融合の3〜5日前に、免疫したマウスにブーストする。マウ スは、ミエローマ細胞株と遺伝子型が適合可能でなければならない。ミエローマ 細胞薬物感受性は、確認されるべきである。 血清は、親ミエローマ細胞株の増殖を支持する能力についてテストされるべき である。血清のバッチをテストするために、10%、5%、2.5%、および1%FCS 中の親ミエローマ細胞を(クローニングの中で概説されるように)クローニング する。支持細胞層は必要とされない。5日間毎日増殖および細胞生存率をチェッ クする。融合日 1.融合に使用される新鮮な培地FCSを水浴中に置く。 2.ミエローマ細胞を採取し、そして無血清培地(DMEM、RPMI、または他の市販 の組織培養培地が使用され得る)で3回洗浄する。 3.免疫したマウスから脾臓(リンパ節細胞も使用され得る)を取り出す;器具 を再滅菌するか、または各工程(すなわち、皮膚を切断する工程、腹部筋肉を切 断する工程、脾臓を取り出す工程)の間で新しい滅菌器具を使用する。 4.滅菌培地を含むプラスチックペトリプレートに移すことによって脾臓の外側 を3回すすぐ;各工程の間で滅菌鉗子を使用する。 5.無血清培地を含むプラスチックペトリディッシュに脾臓を入れ、4つの小片 に切断し、そして滅菌ガラスプランジャーでふるいを徐々に押し通して、単一細 胞懸濁液を得る。 6.50-mLコニカル遠心分離チューブ中で、脾臓細胞を、300×g(サイレンサー 中で1200rpm)にて10分間遠心分離する。 7.10-mL培地に再懸濁する。アリコートを100倍希釈し、そして細胞を数える。 8.脾臓細胞の残りを遠心分離し、再懸濁し、そして再度遠心分離する。ミエロ ーマ細胞は、同時に洗浄され得る。NS-1、SP2/0、およびP3X63Ag8ミエローマ細 胞株は、最も好ましいが、当該技術分野で公知の他のミエローマ細胞株が利用さ れ得る。これらとしては、マウス細胞株:X63Ag8.653、FO、NSO/1、FOX-NY;ラ ット細胞株:Y3-Ag1.2.3、YB2/0、およびIR983F、ならびに種々のウサギおよびヒ ト細胞株が挙げられるが、これらに限定されない。 9.過剰の脾臓細胞とともに5:1または10:1の比でミエローマ細胞および脾臓細 胞を一緒に添加する。 10.再度遠心分離する:脾臓細胞およびミエローマは、このとき3回洗浄されて いる。 11.ペレットを穏やかにはじきとり、そしてインキュベーターに15分間入れて37 ℃に到達させる。融合プロトコル : 1.37℃の水浴(温水を含むビーカー)中にチューブを保持しつつ、撹拌しなが ら1分間にわたって1mLの50%PEG溶液を添加する(0.25mL/15秒を添加する)。 PEGは、ミエローマと抗体分泌(B)細胞との膜を融合する。 2.37℃水浴中に保持しながら1分撹拌する。溶液は波だてて回転させる。 3.37℃で撹拌しながら1分間にわたって1-mL培地を添加する。 4.撹拌しながら1分間にわたってさらに1mLの培地を添加する。 5.撹拌しながら2分間にわたって8-mL培地を添加する。 6.300×g(サイレンサーで1200rpm)で10分間遠心分離し、そして上清をピペ ットで取り出す。 7.10mL培地+20%FCS(v/v)をチューブ中の細胞に添加し、そしてプラスチック ペトリディッシュに注ぐ。 8.37℃にて5%CO2のインキュベーター中に1〜3時間放置する。これは、融 合産物の安定性を増強する。 9.培地中1ウェル当たり2×105細胞の濃度で細胞をプレーティングする(100 μL/ウェル)。 10.翌日、培地中で100μLの2×HATを細胞を供給する。 −この時点で支持細胞層の必要はない。 −3日目に融合産物に100μL培地+HAT選択付加物を供給する。ハイブリドー マ細胞(ミエローマ:脾臓細胞ハイブリッド)は、薬物アミノプテリン(ヌクレ オチドのデノボ合成経路をブロックする)の付加によって選択される。ミエロー マ:脾臓ハイブリッド細胞は、サルベージ経路の使用によって生存し得る。融合 していないミエローマ細胞およびミエローマ:ミエローマ融合産物は、サルベー ジ経路の酵素に欠損を有し、そして死ぬ。免疫したマウスからの融合していない 脾臓細胞は、組織培養物中で増殖しない。メトトレキセートまたはアザセリンの ような当該技術分野で公知の他の薬物は、ミエローマ:脾臓細胞ハイブリッドを 選択するために使用され得る。 −必要な場合、5日目に、融合産物に100μL培地+HAT+脾臓/胸腺支持細胞 層を供給する(1×105細胞/ウェル)。線維芽細胞、赤血球、または他の細胞 タイプも、支持細胞層として使用され得る。 −細胞に培地+HATを1週間供給し続け、融合の7日後までに培地+HTに変化 させる。クローンは、融合の10〜14日後に出現すべきである。 : 1.脾臓細胞、ミエローマ細胞の洗浄工程、ならびに融合プロトコルの工程1〜 6は、無血清培地を用いて行われる。 2.胸腺細胞は、約3日で死に、融合していない脾臓細胞は約6日で死ぬ。 3.ハイブリッドは、かなり大きく、そしてほとんどいつも丸くそして真珠光沢 がある。 4.T細胞および顆粒球コロニーも増殖し得る。これらはより小さい細胞である 。ハイブリッド細胞をクローニングすること : 1.滅菌エッペンドルフピペットチップを用いてウェル中に200μLを再懸濁し、 そして小さな5-mL滅菌チューブに移す。 2.元のウェルに200μL培地(20%FCS)を添加する。これは、クローニング手 順の安全な予防策である。親細胞はまた、予防策として24ウェルプレートに移さ れ得る。 3.工程1から20μLのハイブリッド細胞懸濁液をとり、そして20μLのエオシン またはトリパンブルー溶液を添加する。40倍の倍率の下で、ハイブリッド細胞は 、ミエローマ細胞株とほぼ同じサイズおよび形態であるようである。 4.以下を用いる限界希釈によって生存細胞をクローニングする: 融合に使用される20%FCS 培地 1×HT 1×106胸腺細胞/mL クローニングプロトコル当たり1400細胞をクローニングする希釈クローニング手順 : 20%FCSを含むDMEM中で10mLの胸腺細胞クローニング懸濁液を作製する。1400 個のハイブリッド細胞をとり、そして2.8mLに希釈する。 列1:8個のウェル(200μL/ウェル)にプレーティングする(→100細胞/ウェ ル)。 残りの1.2-mLに1.2-mLの培地を添加する。 列2:8個のウェル(200μL/ウェル)にプレーティングする(→50細胞/ウェ ル)。 残りに2.0-mL培地を添加する。 列3:8個のウェル(200μL/ウェル)にプレーティングする(→10細胞/ウェ ル)。 残りに1.2-mL培地を添加する。 列4:8個のウェル(200μL/ウェル)にプレーティングする(→5細胞/ウェ ル)。 残りに2.8-mL培地を添加する。 列5および6:16個のウェル(200μL/ウェル)にプレーティングする(→1細 胞/ウェル)。 陽性ウェルについてのクローニングおよびスクリーニングの後、より速く増殖 し、より強く反応するクローンを再クローニングする。ハイブリドーマが安定で ありそして単一細胞がクローニングされることを確実にするために、このクロー ニングを、テストされる全てのウェルが陽性であるまで3回繰り返す。次いで、 細胞を増殖し、そして組織培養上清を、モノクローナル抗体について収集し得る 。当該技術分野で公知の他の限界希釈クローニング手順、単一細胞を選択するた めの単一細胞クローニング手順、および軟寒天における増殖による単一細胞クロ ーニングも、用いられ得る。モノクローナル抗体産生 : モノクローナル抗体は、組織培養上清から容易に回収され得る。ハイブリッド 細胞は、FCS補充物を含む組織培養培地中でまたは当該技術分野で公知の無血清 培地中で増殖され得る。大規模量のモノクローナル抗体は、中空繊維またはバイ オリアクター技術を使用して産生され得る。特異的モノクローナル抗体の濃度、 親和性、およびアビディティーは、腹水として産生される場合に増加し得る。腹水産生 : 1.ハイブリッド細胞を注射する少なくとも5日前、0.5-mLプリスタン(2,6,10 ,14-テトラメチルペンタデカン)を(腹腔内)注射することによってマウスを馴 化する。マウスは、注射される細胞と遺伝子型が適合可能であるべきであり、す なわち、Balb/cマウスは、NS-1またはSP2/0融合産物とともに使用されるべきで ある。細胞を注射する前に照射する場合は、適合可能でない遺伝子型のマウスが 使用され得る。しかし、Balb/cプリスタン処理マウスが、使用に最良である。 2.PBS中の106(またはそれより多く)のハイブリッド細胞を(腹腔内)注射す る。注射前に細胞を3回洗浄してFCSを除去する。 3.マウスは、約7〜14日で穿剌の準備が整う。腹水細胞および腹水を採取する ために18-1/2G針を使用する。 4.これらのマウスからの少なくとも106個の腹水細胞を、さらにプリスタン処 理したマウスに移す。 5.腹水細胞を、10%DMSO、20%FCS、DMEM培地中で凍結し得る。バイアル当た り約5×106細胞を凍結する。 組織培養でまたは腹水によって調製されるモノクローナル抗体を、当該技術分野 で公知の方法を使用して精製し得る。実施例10−ラパマイシンの特異的部位に対するモノクローナル抗体の単離および 特徴づけ ラパマイシンの特異的部位に対して反応性を有するモノクローナル抗体を単離 および特徴づけるための工程を、以下に概説する: ラパマイシンの特異的部位に対するMoAbを同定するための工程 Rapa-42(実施例1)で免疫したマウスのミエローマ細胞:脾臓細胞からの親融 合産物を、以下の通りにイムノドットアッセイによって最初にスクリーニングし た:イムノドットアッセイ 1.ニトロセルロース紙上に5〜10μLの抗体をドットし、これは参照に対して 備えられている。 2.風乾し、そしてPBS/0.1% Tween/5%ミルク(v/v/w)中にニトロセルロース を浸漬して、非特異的結合部位をブロックする。室温にて60分間振盪しながらイ ンキュベートする。 3.PBS/0.05% Tweenで2回すすぎ、そして10分間振盪しながら洗浄する。 4.PBS/0.1% Tween中のアルカリホスファターゼ結合体化抗マウスIgG(Tago c at # AMI 4405)を1:2000まで希釈する。ニトロセルロースをパラフィルムまた はサランラップ上に置き、そしてニトロセルロースが覆われるまで希釈した結合 体化抗体を添加する。覆われたものを37℃にて60分間インキュベートする。工程 の間にニトロセルロースを乾燥させてはいけない。 5.工程3のように洗浄する。 6.BCIP/NBT(Canadian Life Technologies,cat # 18280-016;20mL基質緩衝 液、100mM Tris、5mM MgCl2、100mM NaCl中の88μL NBTおよび66μL BCIP)を 使用して酵素基質を調製する。基質溶液中にニトロセルロースを置き、そして室 温にて10〜30分間振盪し、発色を観察する。 7.水でニトロセルロースをすすいで、反応を停止させる。 一旦抗体分泌性親融合産物を同定したら、組織培養上清を、実施例7に記載の ように、直接ELISAアッセイ、アイソタイピングELISAアッセイ、および阻害ELIS Aアッセイによって、ラパマイシン反応性についてさらに特徴づけした。次いで 、ラパマイシン陽性親融合産物のクローンからの組織培養上清(3×)を、IgG 産生クローンを単離するためにアイソタイピングELISAによって、FKおよびHSA交 差反応性を決定するために直接ELISAによって、および特異性およびラパマイシ ン部位反応性を決定するためにRapa、CSA、FK、ならびにRapaおよびFK代謝産物 を使用する阻害ELISAによって、特徴づけた。 イムノドットおよび直接ELISAアッセイを使用して、Rapa抗原に対して強い反 応性を有する600を超える親融合産物を同定した。これらの親産物のうち、200を 超えるものをクローニングし、直接ELISAによってRapaに対する反応性について テストし、次いで100個の陽性クローンを再クローニングした(2×)。発明者 らは、現在、直接ELISAアッセイ、阻害ELISAアッセイ、およびアイソタイピング ELISAアッセイによって、Rapa抗原に対する反応性を有する多くのIgMおよびIgG 分泌クローンを単離している。表9は、3つの融合手順の種々のクローン(R-1 、R-2、およびR-3)からのIgGモノクローナル抗体を使用するELISA反応性の例を 示す。 表9:Rapa、FK、およびHSAに対するモノクローナル抗体(Rapa-DVS-KLH免疫原) 反応性(405nmでのO.D.) Rapa-42抗原に対するモノクローナル抗体反応性は、これらの13個の例において0 . 440〜3.122 O.D.ユニットで変化する。キャリアHSAタンパク質に対する非特異的 反応性は無視できる。これらのクローンのFK抗原に対するモノクローナル抗体交 差反応性は、かなり変化する。クローンR-1-4、R-1-5、R-2-1、R-2-2、R-2-6、R -3-1、およびR-3-2は、FK抗原に対する結合をほとんど示さないかまたは限界の 結合しか示さず;クローンR-1-1およびR-2-4はFK抗原に対する約50%の交差反応 性を有し;クローンR-1-2、R-1-3、およびR-2-4は、FKに対して顕著な交差反応 性を示し、そしてクローンR-2-3は、FK抗原およびRapa抗原についてほぼ等しい 親和性および反応性を示す。Rapaに対する特異性を有する治療薬物モニタリング アッセイ(TDM)の開発のために、FK抗原に対して低い交差反応性を有するかま たは交差反応性をほとんど有さない抗体を分泌するクローンが好ましい。低レベ ルの抗FK交差反応性を有する高レベルの抗Rapa IgGモノクローナル抗体を分泌す るクローンが、最も好ましい。表9に挙げるこのようなクローンの例は、R-1-4 、R-2-2、およびR-3-1である。実施例11−Rapa抗体結合領域のマッピング 種々のクローンからのモノクローナル抗体の反応性をさらに特徴づけるために 、阻害ELISAを行った。表10は、4つのクローンのモノクローナル抗体からの阻 害の例を示す。R-1-1クローンからのモノクローナル抗体は、Rapa(85%)およ びRapa代謝産物#2(77%)によって顕著に阻害される。抗体結合は、Rapa代謝産 物#1(15%)によって阻害されず、そしてRapa代謝産物3、4、および5(それ ぞれ、32%、30%、および29%)によって中程度に阻害される。代謝産物M1-5イ ンヒビターとこのモノクローナル抗体との反応性のマッピングは、抗体結合につ いての特異的部位がC9とC23との間に存在することを示す。代謝産物1におけるC 9とC23との間の水酸化は、抗体結合に必要なこの領域における重要なエピトープ を変化させた。Rapa代謝産物3〜5で見られる低レベルの阻害は、残基7、32、 および41での脱メチル化による親ラパマイシン分子のコンホメーション変化に起 因する可能性が最も高く、これは、C9〜C23領域における抗体結合に中程度の影 響を及ぼす。このモノクローナル抗体は、直接ELISAによって、FK抗原と46%交 差反応性であることが見いだされた。R-1-1 MoAbの結合はまた、阻害ELISAによ ってFKと交差反応性であることが見いだされ、FKは、抗体結合を43%まで阻害し た。FK代謝産物はまた、43〜57%を顕著に阻害した。CSA、KLH、またはHSAタン パク質は、阻害を示さなかった。 R-1-5 MoAbでは、RapaおよびRapa代謝産物#2は、抗体結合を顕著に阻害した。 Rapa代謝産物#1での阻害は全くなかった。これはまた、この抗Rapa抗体の特異的 部位が、C9残基とC23残基との間に位置することを示唆する。Rapa3〜5代謝産物 について注目される阻害はまた、残基7、32、および41の脱メチル化によって引 き起こされるコンホメーション変化に起因すると考えられ、結合する抗体部位に 影響を及ぼす。このモノクローナル抗体は、FK抗原とのいくらかの交差反応性を 示し、この交差反応性はまた、すべてのFK代謝産物で観察された。直接ELISAに よって測定されるようなFK抗原に対する交差反応性は、限界でしかなかった(表 9)。R-1-5 MoAbは、CSA、KLH、またはHSAタンパク質に結合しなかった。 炭素残基、窒素残基、酸素、ヒドロキシル、メトキシ、またはメチル基を含む ラパマイシン分子における特異的部位の化学的誘導体化は、抗体結合領域をマッ ピングするために上記の代謝産物と同様に有用な化合物を産生する。 表10:Rapa、FK、CSA、ならびにRapaおよびFK代謝産物によるMoAb組織培養上清 の阻害パーセント RapaおよびRapa代謝産物#2は、Rapa抗原でコーティングしたELISAプレートへ のR-2-2 MoAb結合を阻害した。Rapa代謝産物1、3、および5は、結合を著しく は阻害しなかったが、代謝産物#4は、71%での顕著な阻害を示した。発明者らは 、これが、MoAbの結合部位がまたC9〜C23領域にあること、この領域の修飾が代 謝産物#1で観察されるように結合に影響を及ぼすこと、および部位41での脱メチ ル化も抗体部位内のコンホメーションの変化に起因して抗体結合に影響を及ぼす ことを示し得ると考える。代謝産物3および5がMoAb R-1-1およびR-1-5による よりも少ない阻害効果を有するという事実は、抗体結合部位(特異的抗体エピト ープ)についてのR-2-2の親和性がより大きいこと、またはおそらく、R-2-2 MoA bが、C9〜C23領域において、R-1-1もしくはR-1-5MoAbとはわずかに異なる抗体結 合エピトープを認識することに起因し得る。実際、R-2-2の組織培養上清は、直 接ELISAによってRapa抗原との最高のO.D.反応性を示した(表9)。これは、良 好な抗体親和性/アビディティーを示す。R-2-2 MoAbが、FKまたはFK代謝産物1 〜5との非常に少ない交差反応性を示したという事実はまた、ラパマイシンにお ける特異的抗体部位との良好な親和性/アビディティーを示す。たとえFK分子お よびラパマイシン分子が、窒素環領域(化学構造)で構造的に類似であるとして も、研究は、これらの分子間にコンホメーションの差があることを示す。三次元 構造は、免疫系によるエピトープ提示および認識に重要な役割を果たし、したが って、ラパマイシンの特異的三次元エピトープ部位についての高い親和性、アビ ディティー、および特異性を有するMoAbは、必ずしも、FKのような類似の化学構 造の分子と交差反応しない。R-2-2は、CSAとも、KLHとも、HSAとも反応しなかっ た。 R-3-1 MoAbとともに、RapaおよびRapa代謝産物2〜5は、Rapa分子における部 位への抗体結合を顕著に阻害した。Rapa代謝産物#1は、抗体結合を限界で阻害し (38%)、そしてFKおよびFK代謝産物1〜5、CSA、KLH、またはHSAは、Rapaに おけるこのMoAbの特異的部位に対する阻害を示さなかった。また、これらの結果 は、特異的抗体結合エピトープが、C9〜C23領域にあり得ることを示唆し得るが 、これまでのモノクローナル抗体エピトープマッピングの結果とは異なり-デメ チル化された代謝産物は、阻害能力を示さなかった(すなわち、親Rapa分子と同 様に阻害した)。発明者らは、R-3-1が、C9〜C23領域を認識し得るか、あるいは 例えば、C24〜C36の間で分子の反対の面におけるエピトープを認識し得ると考え る。Rapa分子におけるR-3-1の特異的部位の同定は、実施例5に記載のように単 離された種々の他のマイナーな代謝産物ピークを使用して行われ得る。 R-3-1が、R-1-1、R-1-5、またはR-2-2とは異なる結合部位を認識し得るという さらなる手がかりは、阻害アッセイにおいて種々の希釈緩衝液を使用した実験の 結果から解明された。発明者らは、水性緩衝液のみで希釈されているラパマイシ ンが、MoAbR-1-1、R-1-5、またはR-2-2の結合を阻害しなかったが、10%FCSを含 む水性緩衝液で希釈したラパマイシンが結合を阻害したことを観察した。これは 、おそらく水性緩衝液中での加水分解のような、ラパマイシンへの修飾が、抗 体結合部位を改変し、そしてもはやMoAbを結合しないことを示す。加水分解をあ まり引き起こさない緩衝液(すなわち、10%FCSを含む水性緩衝液)中に維持さ れるラパマイシンは、抗体結合エピトープ統合性を維持し、そしてMoAb R-1-1、 R-1-5、またはR-2-2を結合する。MoAb R-3-1は、水性緩衝液または10%FCSを含 む水性緩衝液のいずれかで希釈したラパマイシンによって阻害された。この知見 は、MoAbR-3-1が、加水分解によって影響を受けないラパマイシンの特異的部位 、MoAb R-1-1、R-1-5、およびR-2-2の加水分解感受性結合部位とは異なる部位を 認識することを示す。実施例12−Rapa-27-ox-DVS免疫原に対するマウスポリクローナル抗体反応 : (実施例3でのように)Rapa-27-ox-DVS-KLH免疫原での三次免疫後のBalb/cマ ウスからの血清を、Rapa-42-HSA、Rapa-27-HSA、およびFK-HSAに対するELISA反 応性についてテストした(表11)。これらの結果は、Rapa-ox結合体で免疫した マウスからの血清が、Rapa-42結合体で免疫したマウスからの血清とは異なる、 親ラパマイシン分子上のエピトープを認識し得ることを示す。抗Rapa-27血清は 、Rapa-27-HSAと強く反応するが、一般的に、Rapa-42-HSAとの減少したおよび種 々の交差反応性を示す(12〜63%)。Rapa-42-DVS免疫原で観察されたように、R apa-27-ox-DVS免疫原は、FK抗原とは交差反応しない、ラパマイシンに対する部 位特異的抗体を惹起した(表11)。 阻害ELISAデータ(表12)は、親Rapa分子が、Rapa-27-HSAへの抗Rapa-27抗体 結合をブロックする(93%)ことを証明した。CSA、KLH、およびHSAは、阻害を示 さなかった。Rapa代謝産物#1は、69%での顕著な阻害を示した。これは、分子の C9〜C23領域が抗体認識に関連しなかったことを示す。C1〜C8またはC32〜C36の 間の領域における水酸化(代謝産物#2)は、阻害活性の顕著な喪失を引き起こし た(36%のみの阻害)。これは、この領域が抗体認識に役割を果たし得ることを示 す。親分子で観察される阻害は、残基7および41(代謝産物#3および#4)での脱 メチル化により、93%からそれぞれ42%および37%へと減少した。Rapa代謝産物 #5(残基32および41で脱メチル化される)は、親分子への抗体結合を完全に排除 した。これは、32、41部位での脱メチル化が、エピトープ認識部位への抗体結 合を完全に阻害することを証明する。しかし、41部位(代謝産物#4)での脱メチ ル化あるいはC1〜C8またはC32〜C36の間の水酸化が、抗体結合を完全には阻害し なかったので、発明者らは、32部位でのメチル基が、エピトープ認識部位の三次 元構造を維持することに重要な役割を果たすと仮定する。代謝産物3および4で 見られる阻害能力の減少は、C32領域の抗体エピトープ内のコンホメーションの 変化に起因し得る。 表11:RapaおよびFKに対するマウスポリクローナル抗体反応性(Rapa-27-ox-DVS -KLH免疫原)(405nmでのO.D.) 表12:Rapa、FK、CSA、およびRapa代謝産物によるマウスポリクローナル抗体(R apa-27-ox-DVS-KLH免疫原)の阻害パーセント ラパマイシンのC9〜C23領域に対するポリクローナル抗体またはモノクローナ ル抗体を惹起するために本発明のRapa-42-DVS結合体(実施例1)を、ならびに ラパマイシン親分子の他の領域に対するポリクローナル抗体またはモノクローナ ル抗体を惹起するためにRapa-27-オキシム-DVS結合体(実施例3)またはRapa-3 1-DVS結合体(実施例4)を利用して、ラパマイシンおよび/またはラパマイシ ン代謝産物を測定するためのイムノアッセイが開発される。生物学的に活性なラ パマイシン分子を特異的に測定するTDMアッセイが最も好ましい。ラパマイシン の種々の特異的部位に対する反応性を有するポリクローナル抗体およびモノクロ ーナル抗体が、本発明の結合体で惹起され得る。実施例13−インビトロでの混合リンパ球反応(MLR)アッセイによりラパマイシ ンおよびラパマイシン代謝産物の生物学的活性を測定すること : MLRアッセイは、生物学的(免疫抑制)活性を有するラパマイシン代謝産物を 同定するために、および親ラパマイシン分子の免疫抑制活性に対してこの活性を 定量するために、有用である。 この目的に有用なリンパ球増殖アッセイ手順の例は、以下のとおりである: 1.2個体から血液を採取し(各20mL)、そしてFicoll-Paque(Pharmacia Biote ch)を使用してリンパ球を単離する。 2.2%酢酸中で1:10希釈でリンパ球をカウントする。 3.DMEM/20%FCS中で1×106細胞/mLで10mLの各リンパ球集団(A+B)を調製 する。 4.96ウェル滅菌組織培養プレート、平底(Sarstedt,cat # 83.1835)を準備 する。各ウエルに添加する: 5.1ウェル当たり100μLのリンパ球集団Aを等分する。 6.1ウェル当たり100μLのリンパ球集団Bを等分する。 7.補充物を含まないDMEM中で3連で0、2.5、5、10、25、50、および100μg/ Lで、1ウェル当たり20μLの薬物(ラパマイシンおよびラパマイシン代謝産物M1 〜M5)を等分する。 8.増殖に対する薬物の効果を測定するために、5%CO2雰囲気中37℃にて5日 間プレートをインキュベートする。 9.6日目に、補充物を含まないDMEM中で3.2mLのメチル-3H-チミジン(Amersha m Life Science,cat # TRK 120)の1:50希釈物を調製する。1ウェル当たり30 μLを添加し、そして5%CO2雰囲気中37℃にて18時間インキュベートする。 10.7日目に、細胞を、Cell-Harvestor(Millipore,cat # XX2702550)を使用 してガラスミクロファイバーフィルターGF/A(Whatman,cat # 1820024)上で採 取する。1.0mL滅菌蒸留水で細胞を3回洗浄する。 注:すべての手順を、生物学的フローフード中で滅菌技術を使用して行う。 11.シンチレーションバイアル中にフィルターを入れ、そして1.5mLのSciniSafe Plus 50%シンチレーション液(Fisher,cat # SX-25-5)を添加する。 12.β線カウンター(Micromedic System Inc.,TAURUS Automatic Liquid Scin tilation Counter)を使用して、リンパ球中に取り込まれた放射能の量をl.0分 間測定する。 13.各薬物についての平均および標準偏差を算出し、そして以下のように結果を 表す: 増殖%=100−阻害% MLRアッセイは、生物学的に活性なRapa代謝産物および親Rapa分子を結合する 本発明の抗体を選択するために利用され得る。抗体はまた、生物学的に不活性な 代謝産物に対する反応性について選択され得る。実施例14−ラパマイシンの特異的部位に対するポリクローナル抗体およびモノク ローナル抗体を使用するイムノアッセイキット : 本発明のラパマイシンの特異的部位に対するポリクローナル抗体およびモノク ローナル抗体は、イムノアッセイまたはTDMキットの開発に使用され得る。この ようなアッセイとして、直接、阻害、競合、もしくはサンドイッチイムノアッセ イ(ELISAまたは他のアッセイシステム)、RIA、固相もしくは液相アッセイ、ま たは自動化アッセイシステムが挙げられ得るが、これらに限定されない。 上記の実施例からわかるように、詳細には記載されていない手順は従来の手順 である。変更および改変は、当業者に明らかであり、そして上記の説明および添 付の請求の範囲に包含されることが意図される。 参考文献:
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/53 C12P 21/08 33/577 C12N 15/00 C // C12P 21/08 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 ナイカー,セルバラジ カナダ国 ティー6ジェイ 3ジェイ4 アルバータ,エドモントン,117ティーエ イチ ストリート 3304

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ラパマイシン化合物に結合し得る、抗体。 2.前記ラパマイシン化合物の特異的領域を認識する、請求項1に記載の抗体 。 3.前記ラパマイシン化合物が、ラパマイシン、ラパマイシン代謝産物、およ び構造的に類似の化合物からなる群より選択される、請求項1または2に記載の 抗体。 4.ラパマイシン代謝産物よりも大きなラパマイシン親和性を有する、請求項 1〜3のいずれかに記載の抗体。 5.代謝されていないラパマイシンよりも大きな、ラパマイシン代謝産物親和 性を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の抗体。 6.ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体である、請求項1〜5のい ずれかに記載の抗体。 7.ラパマイシン代謝産物M1、M2、M3、M4、またはM5についての選択性を示す 、請求項1〜6のいずれかに記載の抗体。 8.請求項1〜7のいずれかに記載の抗体を産生する、ハイブリドーマ細胞株 。 9.ラパマイシン化合物に対して特異的な免疫原性応答をもたらすために有用 な免疫原であって、該免疫原が、ラパマイシン化合物、リンカーアーム分子、お よびタンパク質キャリアを含む、免疫原。 10.前記リンカーアーム分子が、ジビニルスルホンである、請求項9に記載 の免疫原。 11.前記タンパク質キャリアが、キーホールリンペットヘモシアニンおよび ヒト血清アルブミンからなる群より選択される、請求項9または10に記載の免 疫原。 12.前記ラパマイシン化合物が、27位、31位、41位、または42位で前記キャ リアに連結される、請求項9〜11のいずれかに記載の免疫原。 13.ラパマイシン化合物の特異的領域を認識し得る抗体を産生するための方 法であって、a)請求項9〜12のいずれかに記載の免疫原を動物に投与して該 ラパマイシン化合物に対する特異的免疫原性応答をもたらす工程;b)該動物か ら該ラパマイシン化合物に対する抗体を回収する工程;およびc)少なくとも1 つのラパマイシン化合物に対する該抗体の反応性を測定することによって、抗体 結合領域を同定する工程、を包含する、方法。 14.前記抗体を回収する前記工程が、前記動物から少なくとも1つの抗体産 生細胞を回収すること、該抗体産生細胞を不死化すること、および、必要に応じ て、該不死化した抗体産生細胞からモノクローナル抗体を単離することを包含す る、請求項13に記載の方法。 15.前記動物が、マウス、ラット、ウサギ、ニワトリ、モルモット、ロバ、 ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、またはサルである、請求項13 〜14のいずれかに記載の方法。 16.請求項13〜15のいずれかに記載の方法によって産生される、抗体。 17.哺乳動物においてラパマイシン化合物のレベルを測定するためのイムノ アッセイ方法であって、a)請求項1〜7または16のいずれかに記載の抗体と ともに、該哺乳動物からの生物学的試料をインキュベートする工程;およびb) 該抗体への該ラパマイシン化合物の結合を測定する工程、を包含する、イムノア ッセイ方法。 18.前記ラパマイシン化合物が、ラパマイシン、ラパマイシン代謝産物、お よび構造的に類似の化合物からなる群より選択される、請求項17に記載のイム ノアッセイ。 19.前記ラパマイシン化合物が、M1、M2、M3、M4、またはM5からなる群より 選択されるラパマイシン代謝産物である、請求項17または18に記載のイムノ アッセイ。 20.試料中のラパマイシン化合物のレベルを測定するためのイムノアッセイ キットであって、該キットが、請求項1〜7または16のいずれかに記載の少な くとも1つの抗体を含む、キット。 21.前記試料が、生物学的試料である、請求項20に記載のキット。
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