JP2001517422A - 単離したおよび組換えによる抗菌ペプチドトロンボシジン−1(tc−1)およびトロンボシジン−2(tc−2)またはその変異体 - Google Patents

単離したおよび組換えによる抗菌ペプチドトロンボシジン−1(tc−1)およびトロンボシジン−2(tc−2)またはその変異体

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イェルーン・クレイフスフェルト
セバスティアヌス・アントニウス・ヨハネス・ザート
ヤコブ・ダンケルト
アルマ・ヨハナ・クエイペルス
ヘラルドゥス・ヘンリクス・マリア・エンエングベルス
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アカデミス・ジーケンハイス・ベイ・デ・ウニフェルジテイト・ファン・アムステルダム
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、単離したおよび組換えの抗菌ペプチドトロンボシジン−1(TC−1)およびトロンボシジン−2(TC−2)またはその変異体に関し、該ペプチドは、図1にTC−1およびTC−2の標記によって示す配列の少なくとも一部を含み、グラム陽性菌およびグラム陰性菌、たとえば、大腸菌、Bacillus subtilis、Streptococcus sanguis、Streptococcus pneumoniae、Staphylococcus epidermis、およびStaphylococcus aureus、および/または真菌、たとえば、Candida albicans、C. glabarata、Cryptococcus neoformans、Aspergillusflavus、A. fumigatus、およびPseudoallescheria種に対して抗菌および抗真菌活性を有する。本発明はさらに、ヒトおよび動物における心内膜炎などの細菌または真菌感染症の治療用医薬の製造のための該ペプチドまたはその変異体の使用、およびヒトおよび動物における細菌または真菌感染症の予防のための放出系における該ペプチドまたはその変異体の使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、単離した抗菌ペプチドTC−1およびTC−2またはその変異体お
よび組換えにより製造したTC−1およびTC−2またはその変異体に関する。
【0002】 (背景技術) 抗生物質は、一般に、種々の微生物によって引き起こされる感染性疾患の治療
および/または予防に用いられている。しかしながら、これら抗生物質に対する
細菌の耐性がしばしば生じている。このように、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
(Staphylococcus aureus)(MRSA)およびメチシリン耐性表皮ブドウ球菌(S
taphylococcus epidermis)(MRSE)は、他の細菌種の中でも、治療するのが 非常に困難な重篤な病院感染症の原因となるよく知られた耐性微生物である。
【0003】 従来の抗生物質は、細菌のDNAおよびタンパク質の合成または菌体細胞壁(
cell wand)の合成に関与する特定の標的に結合することにより細菌を殺す。耐 性は、抗生物質がこれらタンパク質に結合しないように細菌がこれら標的を修飾
するときに、または細菌が抗生物質を不活化する特定の酵素を産生するときに生
じうる。バンコマイシンなどの糖ペプチド抗生物質はこれら耐性微生物の処置に
用いることができるが、その使用は、これら「殺すかまたは治癒する」(kill o
r cure)療法に対する耐性の発生を予防することに限るべきである。
【0004】 日常的に使われる抗生物質に対して耐性の細菌が増加するに伴い、他の抗菌剤
に対する緊急の必要性が増大している。 それゆえ、本発明の目的は、微生物が速やかには耐性になることのない新規の
抗菌剤を提供することである。
【0005】 (発明の要約) この目的は、新規の単離したまたは組換えの、抗菌ペプチドトロンボシジン(
thrombocidin)−1(TC−1)およびトロンボシジン−2(TC−2)、また
はTC−1*などのその変異体を提供することによって本発明により達成され、 これらペプチドまたはその変異体は、少なくともその一部に図1に示す配列を含
み、広い抗菌活性を有する。それゆえ、これらペプチドまたはその変異体は、幾
つかの感染性疾患の治療において抗生物質として有効に用いることができる。こ
れらペプチドは、ヒトおよび動物の両組織から単離できる。
【0006】 単離したまたは組換えのペプチドの「変異体」とは、TC−1*などのように 、TC−1およびTC−2に対して少なくとも70%、好ましくは少なくとも8
0%、さらに好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%相
同であり、インビトロで抗菌活性を有するペプチドである。
【0007】 ヒトおよび動物の血小板は、インビトロで抗菌活性および抗真菌活性を示す因
子を含むことがわかっている。血小板は、トロンビン活性化によりリゾチームお
よび幾つかの他のカチオン性ペプチドを遊離することが知られている。幾つかの
これらの血小板由来ペプチド、たとえば、血小板第4因子、ランテス、結合組織
活性化ペプチド(connective tissue activating peptide)(CTAP−III)
、血小板塩基性タンパク質(platelet basic protein)(PBP)、および好中球
活性化ペプチド(NAP−2)などが同定されている。
【0008】 本発明に導いた研究に際して、新規なペプチドが血小板顆粒から単離され、精
製および特徴付けられた。これらペプチドは小さな強い正の荷電を有するタンパ
ク質であり、トロンボシジン(TC)と命名した。トロンボシジンの正の荷電が
、おそらくその抗菌活性の原因である。それゆえ、他のカチオン性抗菌タンパク
質と同様にトロンボシジンは細菌膜に孔を形成するものと思われ、その結果、こ
れら細菌は死ぬであろう。トロンボシジンは細菌膜自体に作用し、細菌膜は容易
には修飾することができないので、耐性は速やかには生じないであろう。
【0009】 トロンボシジンは血小板のアルファ顆粒中に貯蔵され、トロンビン活性化に引
き続き遊離される。最も活性のあるトロンボシジンであるTC−1およびTC−
2およびTC−1*などのその変異体は、以下の実施例に詳細に記載するように 、単離、精製および特徴付けられている。手短にいうと、トロンボシジンはヒト
血小板の大きなバッチから単離した。第一の工程は、トロンボシジンが存在する
血小板顆粒を単離することであった。その後、これら血小板顆粒を破砕し、タン
パク質含量をさらに精製するために回収した。トロンボシジンを分子サイズ、極
性および電荷に基づいて他のタンパク質から分離した。
【0010】 本発明の新規なペプチドは、NAP−2およびCTAP−IIIの誘導体であ
ると思われる。NAP−2自体は、CTAP−IIIのN−末端開裂産物である
。TC−1は、NAP−2のC末端の先端切断(truncation)産物の混合物であ
ることが示されており、そのうち2つのC末端アミノ酸を欠く7436Daペプ
チドが主要な成分である(変異体TC−1*を参照;図1、表1)。N−末端チ ロシンが付加した形態のNAP−2もまた少量成分として存在した。TC−2は
、最後の2つのC末端アミノ酸を欠くCTAP−IIIのC末端の先端切断産物
として同定されており、分子量は9100である(図1A、表1)。このように
してこれまで同定されたトロンボシジンを、CTAP−IIIおよびNAP−2
の公知の配列とともに図1Aに示す(図1)。
【0011】 上記で記載したように、トロンボシジンはNAP−2およびCTAP−III
のC末端の先端切断産物であるが、NAP−2およびCTAP−IIIはともに
CXCファミリーのケモカインである。これらケモカインは特定の配置および4
つのシステイン残基のジスルフィド結合を有し、該分子に特徴的な三次元構造を
与えている(図13)。それゆえ、他のケモカインまたはケモカイン様分子もま
たトロンボシジンのような抗菌活性を有することは充分に考えられる。
【0012】 天然タンパク質のアミノ酸配列に基づき、TC−1、NAP−2およびCTA
P−IIIをコードするDNAをクローニングし、一層大量に得るためにこれら
タンパク質を組換えにより産生するために用いた。この点に関して、コードDN
Aをヒト骨髄cDNAライブラリーからPCRにより増幅させ、NdeI/Ba
mHI消化したpET9aまたはpET16b発現ベクター中にクローニングし
た。構築物を大腸菌BL21DE3LysS細胞に形質転換し、増殖培地にIP
TGを添加して遺伝子発現を誘発させた。菌体を回収し、グアニジン中で溶解し
、組換えタンパク質を均質になるまで2工程精製にて精製した。精製した組換え
タンパク質の配列を図2に示す。組換えトロンボシジンはまた、動物の乳中でも
産生させた。
【0013】 抗菌タンパク質の幾つかのクラスは、ジスルフィド結合を含む。調べた限りで
は、これらジスルフィド結合の存在は、HNP−2(SelstedおよびHarwig、1 989)、GNCPs(Yomogidaら、1995)の抗菌活性にとって必須であり
、プロテグリン(protegrins)(Harwigら、1996)の活性には有利であること
がわかっている。ジスルフィド結合の形成が抗菌活性にとって決定的であるため
、原核細胞系はこれらタンパク質を組換えにより産生するための明白な方法では
ない。HNPは組換えにより大腸菌で産生されているが、実際にはこの産物は、
おそらくタンパク質の折り畳みミスのために抗菌活性を有しなかった(Piersら 、1993)。NAP−2、CTAP−III(Proudfootら、1997)およ びIL−8(Lindleyら、1988)などのケモカインは大腸菌で産生されてい るが、これらタンパク質は精製後に再度折り畳まれる必要があった。この手順は
、組換えトロンボシジンの抗菌活性を観察するには必要とされなかった。
【0014】 TC−1*およびTC−2の抗菌活性は、Streptococcus sanguis、黄色ブドウ
球菌(Staphylococcus epidermis)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus aureus )および枯草菌(Bacillus subtilis)などの幾つかのグラム陽性菌、および大 腸菌(Escherichia coli)などのグラム陰性菌(これらは広く様々な感染症にお
いて見出されている)に対して確認されている。
【0015】 本発明のペプチドを用いることのできる感染症の一例は、心内膜炎である。心
内膜炎は高い罹病率および死亡率の重篤な感染性心臓疾患であり、心臓内皮およ
び心臓弁の異常を伴う。これら異常による病変は、血小板の付着および活性化を
もたらす。これら血小板は他の血液タンパク質と一緒になって病変を覆う密な網
細工(meshwork)を形成し、これに血流中に侵入した細菌が付着されるであろう
。今度は、これら細菌に血小板が付着し「クロット」が成長するにつれ、最終的
に弁の機能不全を引き起こし、その結果、弁の置換が必要となる。S. sanguisは
、天然の弁膜性心内膜炎において広く分布する微生物の一つである。しかしなが
ら、他の細菌、または真菌微生物もまた認められる。
【0016】 血小板クロットにおいて、食作用細胞は密な血小板網細工の内部へ侵入できず
、細菌はこれら食作用細胞から保護される。対照的に、血小板由来のトロンボシ
ジンは該クロット中に侵入することができ、それゆえ細菌の増殖を有効に防ぐこ
とができる。 本発明のペプチドが有効な真菌としては、たとえば、Candida albicans、C. g
labrata、Cryptococcus neoformans、Aspergillus flavus、A. fumigatus、およ
びPseudoallescheria種が挙げられる。
【0017】 それゆえ、本発明は、新規な単離したまたは組換えにより調製したペプチドT
C−1およびTC−2、またはTC−1*などのその変異体(図1および図2) を提供するものであり、これらペプチドまたはその変異体は抗菌活性および/ま
たは抗真菌活性を示し、ヒトおよび動物における感染症の治療に用いることがで
きる。さらに、本発明のペプチドまたはその変異体は、細菌性および/または真
菌性の感染症の治療用医薬の製造のために用いることができる。
【0018】 本発明を下記実施例および図面によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれ
ら実施例および図面に限られるものではない。 実施例1TC−1およびTC−2の単離、精製および特徴付け A.血小板からの顆粒タンパク質の単離 健常な被験者からのヒト血液のバフィーコートを、中央輸血研究所(Central
Laboratory for Bloodtransfusion)(アムステルダム、オランダ)から入手し た。8つのバフィーコートを輸送バッグ(NPBI、Emmer-Compascuum、オラン
ダ)(約500ml)中にプールし、200mlのPBS+0.3%トリス−ク エン酸ナトリウム(w/v)を加えた。バッグに空気を緊密に吹き込み、600
gで20℃にて5分間遠心した。主として血小板を含む上相を新たな輸送バッグ
に移した。この血小板濃縮物に1/9容量のクエン酸溶液(75mMクエン酸三
ナトリウム;38mMクエン酸)を加えた。バッグに再び緊密に吹き込み、17
50g(20℃)にて10分間遠心して血小板をペレット化した。ペレットを同
バッグ中で穏やかなマッサージ(massage)によりトリス−クエン酸(63mM トリス−HCl;95mM NaCl;5mM KCl;5mM EDTA;pH 6.8)に再浮遊させ、22℃で一夜振盪を続けた。ついで、血小板をシリコン 処理(siliconized)フラスコ中に回収し、輸送バッグをトリス−クエン酸で洗 浄した。48のバフィーコートの処理により、<0.05%の残留白血球を含む 高濃縮血小板浮遊液(約75ml)が通常の操作により得られた。
【0019】 血小板顆粒を単離するため、血小板濃縮物を60気圧の窒素下、パールキャビ
テーションチャンバ(Parr cavitation chamber)中で3回キャビテーションし (cavitated)、キャビテートをシリコン処理50ml容チューブ(Falcon)に 回収した。この結果、コールターカウントにより決定されるように、約90%の
均質化の血小板が得られた。キャビテートを5000gにて20分間遠心するこ
とにより完全な血小板および血小板ゴーストを除去した。上澄み液を回収し、1
2000gで20分間遠心して顆粒をペレットとして得た。このペレットを5%
酢酸に再浮遊し、氷上で30秒間(パルスにて)超音波処理して顆粒を破砕した
。超音波処理物を4℃にて24時間保持し、その後、125000gにて遠心し
た。顆粒タンパク質を含有する上澄み液を5%酢酸に対して透析した。
【0020】 B.トロンボシジン−1およびトロンボシジン−2の精製 血小板顆粒タンパク質からTC−1およびTC−2を精製するために迅速な2
工程精製プロトコール:(i)陽イオン交換クロマトグラフィー、および(ii) 分取酸性尿素ポリアクリルアミドゲルクロマトグラフィー(AU−PAGE)を
開発し、高度に精製したタンパク質調製物を得た。
【0021】(i)陽イオン交換クロマトグラフィー イオン交換マトリックス、CM−セファロース25(Pharmacia)を用いた; リン酸緩衝液(50mM、pH7.0)を移動相として用いた。約40のバフィ ーコートからの3.5mg/mlの顆粒タンパク質を含有する25ml試料を0.
8ml/分にて負荷した。その後、カラムをリン酸緩衝液で洗浄し、タンパク質
を0〜1M NaClの塩勾配で溶出した。フラクションを回収し、透析し、2 つの別個の酸性尿素ゲルを平行して処理することにより抗菌タンパク質の存在に
ついてアッセイした。一つのゲルを銀染色し(図3)、他のゲルを重層アッセイ
に用いて抗菌活性を検出した(図4)。大腸菌ML35を被験生物として用いた
。選択したフラクションをトリシンゲル電気泳動により分析して(部分)精製し
たタンパク質の分子量を推定した(図5)。出発物質(図3、cav)中に存在
する活性はフラクション35〜75に溶出される。主要な抗菌活性は、2つのタ
ンパク質によるものとすることができ、最もカチオン性の強いタンパク質をトロ
ンボシジン−1(TC−1)と称し、わずかにカチオン性の低いタンパク質をト
ロンボシジン−2(TC−2)と称する。これらタンパク質は、それぞれ5.5 および6.5kDの分子量を有するタンパク質としてSDSゲル中を移動する( 図5)。
【0022】(ii)連続AU−PAGE 抗菌タンパク質を含有するCM−セファロースカラムから溶出したフラクショ
ン(30〜75)をプールし、凍結乾燥し、ついで連続ゲル電気泳動を用いた第
二の精製工程に供した。円筒状ゲル(3.7×6cm、12.5%アクリルアミド
、3M尿素、5%酢酸)をモデル491プレップセル(Prep Cell)(BioRad、 ベーネンダール、オランダ)中に注ぎ、37℃で重合させた。前処理(prerunni
ng)を200Vで2時間行った。試料(最大450ml)を40mAにて電気泳
動した。タンパク質を5%酢酸中で1ml/分にて溶出し、5mlフラクション
として回収した。再び、フラクションを2つの尿素ゲル処理で平行して分析し、
ついで染色するかまたは抗菌活性についてアッセイした(図6)。TC−1およ
びTC−2は有効に分離することができた(図6a)。両タンパク質とも大腸菌
ML35に対して相当の活性を有していた(図6b)。精製したTC−1および
TC−2を凍結乾燥し、0.01%酢酸中に再溶解し、さらなる分析まで−20 ℃にて貯蔵した。
【0023】 C.トロンボシジン−1およびトロンボシジン−2の構造 ヒト血液の血小板から精製した抗菌タンパク質トロンボシジン−1およびトロ
ンボシジン−2をMALDIおよび電子スプレー(electrospray)(ES)質量
分析により分析した。TC−1のES分析(図7a)は、7436.3±1.3D
aの分子量を与えた。MALDIによる分析(図8)もまた、M+1が7107
.2、7227.7および7602.0Daのピークの次にこのサイズのピークを 明らかにした。これらタンパク質の分子量は、これらタンパク質がNAP−2の
C末端の先端切断産物であると推定することにより説明することができる;計算
した分子量は実験的に決定した値とよく呼応する(表1)。これらデータは、T
C−1がNAP−2のC末端での先端切断産物の混合物であることを示唆してい
る。7436Daのタンパク質が主要な成分であると思われる。本発明者らは、
このタンパク質をTC−1*と称した。
【0024】 TC−2のES質量分析(図7b)は、9100.5±1.3の分子量を与えた
。この値はMALDI−tof質量分析により確認された。TC−2に加えて、
わずかな不純物が一つだけ存在した(10081Da、図9)。TC−2の部分
シークエンシングは、TC−2のN末端がCTAP−IIIのN末端と同一であ
ることを示した(図7bおよび図9)。しかしながら、実験的にわかった質量は
CTAP−IIIの質量よりも小さかったと思われる(表1)。このことは、T
C−2がC末端側で先端が切断され、CTAP−IIIに比べて2アミノ酸だけ
少ないと推定することにより説明することができる。これまでに同定されたトロ
ンボシジンをCTAP−IIIおよびNAP−2の配列とともに図1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】 実施例2組換え(r)CTAP−III、rNAP−2、rTC−1、rTC−1*および rTC−2の製造 ヒト骨髄cDNAライブラリー(Clontech、パロ・アルト、米国)から、PB
PをコードするDNAをPCRにより増幅させた。
【数1】 および
【数2】 をそれぞれフォアウォード(forward)プライマーおよびリバース(reverse)プ
ライマーとして用いた。BamHI制限部位(下線部)を加えて適当なベクター
中へクローニングできるようにした。停止配列(太字)を含めることにより、タ
ンパク質発現の段階で適切な転写停止ができるようにした。このPCRは、2n
gの鋳型DNAおよびPfu DNAポリメラーゼ(プルーフリーディング能を 有する)を用いて行った。得られた生成物は予期したサイズ(400bp)を有
していた。この生成物は第二のPCRでは鋳型として働き、TC−1、TC−2
、CTAP−III、NAP−2およびTC−1*(C末端側の2つのアミノ酸 (Ala−Asp)を欠き、N末端側に追加の2つのアミノ酸(Ala−Glu
)を有するTC−1の変異体)のコードDNAを産生した(図2)。これらPC
R産物を発現ベクターにクローニングした。CTAP−III、NAP−2およ
びTC−1に関しては、リバースプライマーは上記リバースプライマーと同じで
あった。フォアウォードプライマーは以下のとおりであった: CTAP−IIIおよびTC−2については:
【数3】 NAP−2およびTC−1*については:
【数4】 TC−1については:
【数5】
【0027】 NdeI制限部位(下線部)を含めてベクター中へクローニングできるように
した。PCR産物をNdeI/BamHIで消化し、NdeIおよびBamHI
で線状化したpET9a(TC−2、CTAP−IIIおよびTC−1*)かま たはpET16bベクター(NAP−2およびTC−1)中にライゲートした。
pET9aベクターを用いて産生された組換えタンパク質はN末端にメチオニン
が付加しており、それゆえ、rMTC−1*およびrMTC−2およびrMCT APと称した。pET16ベクターを用いて産生された組換えタンパク質は、N
末端のHis−タグとチロシン(Y)残基とを有しており、それゆえrYTC−
1およびrYNAPと称した。構築物を大腸菌DH5αに形質転換し、LB/カ
ナマイシン(50μg/ml)(pET9a)プレートまたはLB/アンピリシン
(50μg/ml)(pET16b)プレート上にプレーティングした。クローニ
ングDNAのシークエンシングは、構築物中の正しい配列を確認した。正しい挿
入物を含むプラスミドを単離し、BL21(DE3)lysE細胞に形質転換し、
適切な抗生物質を添加したLBプレート上にプレーティングした。各プレートか
ら単一のコロニーを採り、増殖させ、さらに使用するときまで70℃にてグリセ
リンブロス中で貯蔵した。CTAP−III、NAP−2、TC−1またはTC
−1*遺伝子を含有するpET発現ベクターで形質転換したBL21(lysE) 細胞の培養物を、適切な抗生物質を添加したLB培地中で増殖させた。OD660 が0.3の増殖培養物をIPTG(1mM最終濃度)で誘発した。3時間誘発し た後、菌体を遠心(5分、5000g)により回収し、6MグアニジンHClを
含有する20mMトリスHCl(pH8.2)中で溶解させた。菌体破砕物を遠 心により除去した。rMCTAPおよびr−MTCを産生する菌体の上澄み液を
50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に対して透析した。
【0028】 rMTC−1*、rMTC−2およびrMCTAPを、実施例1にTC−1*
よびTC−2について記載したようにして、CMセファロース陽イオン交換クロ
マトグラフィーおよび連続酸性尿素ゲル電気泳動により精製した。rYTC−1
およびrYNAP中のN末端His−タグは、His結合樹脂(Novagen)を用 いてこれらタンパク質を精製することを可能にした。最終的な精製は、連続AU
PAGEにより行った。精製した組換えタンパク質の構造をMALDIおよび ES質量分析により確認した。
【0029】 実施例3抗菌活性 トロンボシジンの抗菌活性を試験するための実験手順は以下の通りであった:
血液寒天プレートからの細菌をトリプシンダイズブロス(tryptic soy broth) (TSB)中で一夜増殖させ、新たなTSBに植え継ぎ、対数期まで2〜3時間
増殖させた。細菌をペレット化し、10mMリン酸緩衝液(pH7.0)+1% TSB(v/v)で一度洗浄し、同培地中に再浮遊させて0.1のOD620とした
。この浮遊液をさらに200倍(B. subtilis)または500倍(大腸菌およびS
. aureus)に希釈して、0.5〜1×105のコロニー形成単位(cfu)/ml
を含有する浮遊液を得た。ポリプロピレンマイクロタイタープレート中にて、試
験すべきタンパク質の系列希釈を0.01%酢酸中で調製した。各試料(5μl )に45μlの細菌浮遊液(0.5〜1×105cfu/ml)を加えた。プレー
トをロータリーシェーカー(400rpm)上、37℃でインキュベートした。
2時間後、0.5および10μlの試料を血液寒天プレート上にプレーティング した。殺菌活性をコロニーカウンティングの翌日に計算した。実験はすべて2回
ずつ行った。
【0030】 TC−1*およびTC−2の殺菌活性を、大腸菌ML35、S. aureus 42Dおよ
びB. subtilis ATCC6633に対して殺菌アッセイ(killing assays)にて決定した
(図10)。 図10において、TC−1*およびTC−2は試験した3つのすべての細菌に 対して殺菌作用を有すること、およびTC−1*が一層活性な成分であることわ かる。
【0031】 TC−2の殺菌活性は、他の細菌種のパネルに対して試験した。リン酸緩衝液
+TSBの代わりに脳−心インフュージョン(BHI)(水中にv/v)を試験
培地として用い、試験したTC−2の一つの濃度が100μg/mlであった他
は上記と同じ方法を用いた。試験した細菌は、大腸菌ML35、野生型大腸菌、
S. aureus 42D、多耐性S. aureus(MRSA)、多耐性S. epidermis(MRSE
)、およびS. sanguis J30であった(図11)。MRSAおよびMRSEはS. a
ureus 42Dと同じくらいTC−2に対して感受性であったが、S. sanguis J30は わずかに感受性が低いように思われた。
【0032】 非還元トリシンゲル中でのTC−1およびTC−2の分析は、両ペプチドの移
動がその還元形に比べて遅くなることを明らかにした。このことは、TC−1お
よびTC−2がジスルフィド架橋を含むことを示していた。これらジスルフィド
架橋の破壊が抗菌活性に影響を及ぼすか否かを調べるため、還元TC−2、還元
しアルキル化したTC−2および非還元TC−2の抗菌活性を酸性尿素ゲル重層
系を用いて分析した。TC−2の3つの形態すべてが等しく活性であり(図12
)、ジスルフィド架橋はTC−2の抗菌活性には必要でないことが示された。T
C−1を同様に処理し、同様の結果が得られた。
【0033】 一般には、カチオン性の抗菌タンパク質のジスルフィド結合は、その抗菌活性
に必須であると考えられている(SelstedおよびHarwig、1989、Yomogidaら 、1995、Harwigら、1996、Piersら、1993、Proudfootら、1997
およびLindleyら、1988)。TC−1およびTC−2ではジスルフィド結合 が抗菌活性のために必要でないという事実は、予期しない知見である。
【0034】 rMTC−1*、rMTC−2およびrMCTAPのMBCを幾つかの生物に ついて決定した(表2)。rMTC−1*およびrMTC−2は、MBCが天然 のタンパク質に比べて若干高いが、B. subtilisに対して殺菌作用を有する(図 10)。大腸菌に対するrMTC−1*のMBC(3.8μM)は、天然タンパク
質TC−1*のMBCと同じであり、一方、S. aureusに対するrMTC−1*の MBC(15μM)はTC−1*のMBCよりも約2倍高い(図10)。これと 対照的に、rMCTAPは大腸菌、B. subtilisおよびS. aureus40μMまでの
濃度で殺菌作用を示さなかった。組換えNAP−2(Bachem、スイスから入手)
を7μMまでS. subtilisに対して試験したが、殺菌は観察されなかった。
【0035】
【表2】
【0036】 rYTC−1の殺菌活性を、天然のTCについて行ったように液体アッセイに
て試験した。天然のトロンボシジンTC−1*およびTC−2と比較して、rY TC−1はB. subtilisに対して同等の活性を示したが、S. aureus 42Dおよび大
腸菌ML35に対して一層強い活性を示した(表3、図10)。追加の試験は、
rYTC−1が多数の細菌種およびCryptococcus neoformansに対して強い活性 を有することを示した(表3)。
【0037】
【表3】
【0038】 S. aureus、大腸菌およびB. subtilisに対するrMTC−1*の殺菌活性はr YTC−1の殺菌活性に比べて有意に低かった(表2および表3)。rMTC−
*とrNAP−2、およびrMTC−2とrMCTAPとの間での殺菌活性の 顕著な差異(表3)は、rNAP−2およびrMCTAPに存在するC末端側の
2つのアミノ酸、アラニン(A)およびアスパラギン酸(D)の付加が殺菌活性
を大きく低減させることを示している。これらC末端アミノ酸はまたrYTC−
1にも存在するが、このタンパク質はrMTC−1*(これら2つのC末端アミ ノ酸を欠く)よりも一層活性が強い。実際、rYTC−1は上記天然または組換
えタンパク質のいずれよりも強力な抗菌活性を有し、rYTC−1はまたCrypto
coccus neoformansに対してrMTC−1*(MBC 7.5μM)およびrMTC
−2(MBC 15μM)よりも活性が高かった(MBC 0.4μM)。このこ とは、rYTC−1のN末端のHis−タグ含有配列が高い抗菌活性に関与して
いることを示しており、これはこれまでに示されたことがないものである。
【0039】参照文献 Harwig, SSL、A Waring、HJ Yang、Y Cho、L Tan、RI Lehrer (1996): 細胞内ジスルフィド結合は生理学的塩化ナトリウム濃度にてプロテグリンの抗菌
活性および溶解活性を促進する、Eur J. Bioch. 240: 352-357 Lindley, I、H Aschauer、J Seifer、C Lam、W Brunowsky、E Kownatzki、M T
helen、P Peveri、B Dewald、V von Tscharner、A Walz、M Baggiolini (1988) : 単球由来の好中球活性化因子をコードする遺伝子の大腸菌における合成および発
現:天然および組換え好中球活性化因子間の生物学的同等性、Proc. Natl. Acad
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ペプチド、J. Biol. Chem. 264: 4003-4007 Yomogida S,I Nagaoka,T Yamashita (1995): モルモット好中カチオン性ペプチドの生物学的活性断片におけるシステイン残基
の関与、Infect. Immun 63: 2344-2346
【図面の簡単な説明】
【図1】 トロンボシジンおよび関連タンパク質の配列を示す。
【図2】 製造した組換えタンパク質を示す。囲んだ部分は抗菌活性を促進
する配列(Hisタグ)を示す。
【図3】 CM−セファロース精製した血小板顆粒抗菌タンパク質の分析を
示す。選択したフラクション(示したもの)をAU−ゲル上で処理し、ついで銀
染色した。 cav:粗製の顆粒抽出物(キャビテート)、精製の出発物質。
【図4】 CM−セファロース精製した血小板顆粒抗菌タンパク質の分析を
示す。選択したフラクション(示したもの)をAU−ゲル上で処理し、ついで被
験生物として大腸菌を用いた重層により処理した。 cav:粗製の顆粒抽出物(キャビテート)、精製の出発物質。
【図5】 CM−セファロース精製した血小板顆粒抗菌タンパク質のトリシ
ンSDS−電気泳動による分析を示す。銀染色したゲル。選択したフラクション
(図3と比較)を分析した。
【図6】 AU−PAGE精製した血小板顆粒抗菌タンパク質の分析を示す
。選択したフラクション(示したもの)をAU−ゲル上で処理し、ついで銀染色
するか(A)またはついで被験生物として大腸菌を用いた重層により処理した(
B)。 cav:粗製の顆粒抽出物(キャビテート);CM:CM−セファロースカラム
から溶出したプールした活性フラクション(30〜75)。
【図7】 TC−1(A)およびTC−2(B)の電子スプレー質量分析を
示す。
【図8】 TC−1のMALDI−tof質量分析を示す。
【図9】 TC−2のMALDI−tof質量分析を示す。
【図10】 系列希釈したTC(濃度は示してある)の存在下でインキュベ
ートした大腸菌ML35、S. aureus 42D、およびB. subtilis ATCC6633(0.5
〜1×105cfu/ml)に対するTC−1(上部パネル)およびTC−2( 下部パネル)の抗菌活性を示す。インキュベーションの2時間後、細菌をプレー
ティングし、生存をコロニーカウンティングにより決定した。培地:10mMリ
ン酸緩衝液(pH7.0)+1%TBS。TC−2については0.3および0.7 μMはS. aureusおよび大腸菌に対して試験しなかった。
【図11】 2時間インキュベーション後のTC−2による細菌(1〜2×
105cfu/ml)の殺菌を示す。
【図12】 TC−2および還元TC−2の抗菌活性を示す。パネルA:銀
染色した酸性尿素ゲル。パネルB:酸性尿素ゲルの重層(被験生物:大腸菌)。
レーン1:TC−2;レーン2:還元しカルボキシメチル化したTC−2;レー
ン3:β−メルカプトエタノール処理により還元したTC−2。各レーンは約3
μgのタンパク質を含む。
【図13】 CXCケモカインの三次元構造を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/52 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,US,UZ,VN,YU,ZW (71)出願人 ネーデルランツェ・オルガニザーティ・フ ォール・ウェテンスハペレイク・オンデル ズーク オランダ、エヌエル−2593ベーエム、ザ・ ハーグ、ラーン・ファン・ニーウ・オース ト・インディア131番 (72)発明者 イェルーン・クレイフスフェルト オランダ、エヌエル−1091セーゼット・ア ムステルダム、ブラシウスストラート130 /1番 (72)発明者 セバスティアヌス・アントニウス・ヨハネ ス・ザート オランダ、エヌエル−1181エヌヘー・アム ステルフェーン、ブルフェメースター・ハ スペルスラーン352番 (72)発明者 ヤコブ・ダンケルト オランダ、エヌエル−1396カーヘー・バー ムブルフェ、ドルプスストラート27番 (72)発明者 アルマ・ヨハナ・クエイペルス オランダ、エヌエル−7511ペーテー・エン スヘデ、ブレーヘルマンスガールデ134番 (72)発明者 ヘラルドゥス・ヘンリクス・マリア・エン エングベルス オランダ、エヌエル−7577エムベー・オル デンザール、フラーンデレンラーン3番 (72)発明者 ヤン・フェエイェン オランダ、エヌエル−7552ヘーデー・ヘン ゲロ、オーデ・フレンスウェッヒ96番

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特定の配置および4つのシステイン残基のジスルフィド結合
    を有する抗菌ペプチド。
  2. 【請求項2】 図13に示す三次元構造を有する、請求項1に記載の抗菌ペ
    プチド。
  3. 【請求項3】 CXCケモカインである、請求項1に記載の抗菌ペプチド。
  4. 【請求項4】 図1Aに標記TC−1により表示して示す配列の少なくとも
    一部を含み抗菌活性を有するトロンボシジン−1(TC−1)またはその変異体
    である、請求項1に記載の抗菌ペプチド。
  5. 【請求項5】 図1Aに標記TC−2により表示して示す配列の少なくとも
    一部を含み抗菌活性を有するトロンボシジン−2(TC−2)またはその変異体
    である、請求項1に記載の抗菌ペプチド。
  6. 【請求項6】 組換えにより製造したものである、請求項1ないし5のいず
    れかに記載のペプチドまたはその変異体。
  7. 【請求項7】 グラム陽性菌またはグラム陰性菌、たとえば、大腸菌(Esch
    erichia coli)、枯草菌(Bacillus subtilis)、Streptococcus sanguis、Stre
    ptococcus pneumoniae、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermis)、および
    黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)に対して抗菌活性を示す、請求項1 ないし6のいずれかに記載のペプチドまたはその変異体。
  8. 【請求項8】 真菌、たとえば、Candida albicans、C. glabarata、Crypto
    coccus neoformans、Aspergillus flavus、A. fumigatus、およびPseudoallesch
    eria種に対して抗真菌活性を示す、請求項1ないし6のいずれかに記載のペプチ
    ドまたはその変異体。
  9. 【請求項9】 該ペプチドの該変異体が、該ペプチドに対して少なくとも7
    0%、好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも90%、最も
    好ましくは少なくとも95%相同であり、抗菌活性を有する、請求項1ないし8
    のいずれかに記載のペプチドまたはその変異体。
  10. 【請求項10】 N末端に追加のHisタグ配列を含み、N末端Hisタグ
    を有しない同ペプチドに比べて一層強い抗菌活性を有する、請求項1ないし9の
    いずれかに記載のペプチドまたはその変異体。
  11. 【請求項11】 ヒトおよび動物における細菌感染症の治療に使用する、請
    求項1ないし10のいずれかに記載のペプチドまたはその変異体。
  12. 【請求項12】 細菌感染症が心内膜炎である、請求項11に記載のペプチ
    ドまたはその変異体。
  13. 【請求項13】 ヒトおよび動物における細菌感染症の治療用医薬の製造の
    ための請求項1ないし12のいずれかに記載のペプチドまたはその変異体の使用
  14. 【請求項14】 ヒトおよび動物における細菌感染症の予防のための放出系
    における請求項1ないし12のいずれかに記載のペプチドまたはその変異体の使
    用。
  15. 【請求項15】 細菌感染症が心内膜炎である、請求項13または14に記
    載のペプチドまたはその変異体の使用。
  16. 【請求項16】 ヒトおよび動物における真菌感染症の治療に使用するため
    の請求項1ないし12のいずれかに記載のペプチドまたはその変異体。
  17. 【請求項17】 真菌感染症が心内膜炎である、請求項16に記載のペプチ
    ドまたはその変異体。
  18. 【請求項18】 ヒトおよび動物における真菌感染症の治療用医薬の製造の
    ための請求項1ないし12のいずれかに記載のペプチドまたはその変異体の使用
  19. 【請求項19】 ヒトおよび動物における真菌感染症の予防のための放出系
    における請求項1ないし12のいずれかに記載のペプチドまたはその変異体の使
    用。
  20. 【請求項20】 真菌感染症が心内膜炎である、請求項18または19に記
    載のペプチドまたはその変異体の使用。
  21. 【請求項21】 追加のHisタグ配列を有しない同ペプチドに比べて一層
    強い抗菌活性を有する抗菌ペプチドの製造のためのHisタグ配列の使用。
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