JP3147904B2 - 広域スペクトル抗菌化合物と使用方法 - Google Patents

広域スペクトル抗菌化合物と使用方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本出願は、米国特許出願第07/715271号(1991年6月1
4日出願、この出願は援用されて本明細書に含まれる)
の一部継続出願である。本発明は、アメリカ衛生研究所
のグラント番号AI22931およびAI31696により政府の支援
を得て行われた。合衆国政府は、本発明において一定の
権利を有する。
発明の背景 発明の分野 本発明は一般に抗菌性化合物に関し、特にトリプトフ
ァンに富む広域スペクトル抗菌性インドリシジン類似体
に関する。
背景知識 感染性疾患は、ヒトおよび動物の罹病率および死亡率
の主要要因である。例えば、概算で8百万から1千万人
がエイズウイルスに感染しており、1990年だけで26300
件の新たな感染が報告されている。エイズウイルスに感
染している多くの人々は、さらに日和見感染、例えば粘
膜皮膚の真菌性疾患を引き起こす鵞口瘡カンジダ(Cand
ida albicans)感染を発症する。他の細菌感染には、例
えば汚染飲食物の消費によって引き起こされる大腸菌
(E.coli)性下痢が含まれる。この感染は、発展途上国
を訪れる産業国の旅行者の40−50%を冒す。グラム陰性
菌によって引き起こされる淋病では、1990年に米国で75
0000件を越える報告が為され、アフリカでは毎年100000
人につき3000から10000人の新たな感染例が報告されて
いる。
大腸菌および他の細菌、ウイルスおよび真菌性病原体
の抗生物質耐性株は、多くの疾患の治療を困難かつ高価
なものとした。たとえ疾患が抗生物質で治療可能な事例
であったとしても、疾患がしばしば風土性である特に世
界の低開発地域では、適切な抗生物質の貯蔵施設が利用
可能でないことが、感染集団に有効な治療を提供するこ
とが不可能であるという結果がもたらす。
脊椎動物では、多形角白血球(好中球および顆粒球を
含む)は、感染性疾患との戦いで中心的な役割を果た
す。これら白血球細胞は、膜結合細胞質顆粒を含むが、
これら顆粒は種々の殺菌性兵器成分を貯蔵している。感
染に際して、好中球は侵入微生物を膜結合小胞内に取り
込む。続いてこれらの小胞は細胞質顆粒と融合し、この
微生物を顆粒の毒性成分に曝す。そのような微生物を殺
すために顆粒球が有する機構の1つは、天然の抗生物質
として作用する一連のペプチドから成る。これらのペプ
チドは一般に陽イオンであり、種々の微生物の細胞膜と
相互作用し当該細胞膜を透過性にすることによってそれ
らの毒性を仲介する。
これまでに多くの抗菌性ペプチドファミリーが顆粒球
から分離された。バクテネシン(bactenecin)(Genarr
oら、Infec.Immun.57:3142−46(1989)、Romeoら、J.B
iol.Chem.263:9573−75(1988)、およびMarzariら、In
fec.Immun.56:2193−97(1988))は、顆粒タンパク質
抽出物に対して生じたモノクローナル抗体との反応性に
よって部分的に認定された、大きさが1600から8000ダル
トンの範囲にあるプロリンおよびアルギニンに富むペプ
チドである。バクテネシンは真菌およびグラム陰性細菌
に対して毒性があり、さらに程度は落ちるがグラム陽性
細菌に対しても毒性を有する。
デフェンシン(defensin)は15種のペプチドのファミ
リーで、いろいろな種の好中球中で5%から18%の細胞
性タンパク質から成る。このクラスの分子は次の文献に
記載されている:Ganzら、Eur.J.Haematol.44:1−8(19
90);Lehrerら、米国特許出願第4543252号;Selstedら、
Infec.Immun.45:150−154(1984)。デフェンシンペプ
チドは、29から34のアミノ酸から成り、これら残基の4
から10個はアルギニンである。デフェンシンはまた、分
子内ジスルフィド結合に関連する6個の保存システイン
残基を共有する。デフェンシンはグラム陰性およびグラ
ム陽性細菌、真菌並びにある種の包膜ウイルス(envelo
ped virus)に対して抗菌性を有する。
天然由来(naturally occuring)抗生物ペプチドの利
用可能性が、合成の抗生物質による治療が困難な感染性
疾患の治療に対して極めて貴重である一方、バクテネシ
ンおよびデフェンシンの有用性には種々の制限が存在す
る。例えば、バクテネシンもデフェンシンも抗原性を有
し、したがってこれらの化合物を用いる治療は、アナフ
ィラキシーまたは遅延型過敏反応を生じるおそれがあ
る。デフェンシンはまた、哺乳類細胞に対してin vitro
で実質的な細胞毒性を示すことが明らかにされている。
さらに、活性分子が3つの分子内ジスルフィド結合を含
むので、適切なジスルフィド結合形成の必要性は合成活
性デフェンシンの収量を低下させる。
したがって、活性形で容易に合成でき、また、広範囲
の微生物に対して有効で、かつ望ましくない副作用を示
さない効果的な抗菌性ペプチドに対する必要性が存在す
る。本発明はこれらの要求を満たし、さらに関連する利
点を提供する。
発明の概要 本発明はインドリシジン類似体(アナログ)を提供す
る。これは、実質的に天然由来のインドリシジンと同じ
アミノ酸配列を有するトリプトファンに富むペプチド
で、広域スペクトル抗菌活性を示し、さらに天然のイン
ドリシジンと比較して抗菌選択性を有する。本発明はま
た、微生物を生存させることができる環境で該微生物の
生存もしくは成長を抑制または防止するためにインドリ
シジン類似体を使用する方法を提供する。本発明は、例
えば、微生物の生存もしくは成長を可能にする環境に対
して有効量のインドリシジン類似体を投与する方法を提
供する。
図面の簡単な説明 図1は、天然由来のインドリシジン(配列番号:1)の
RP−HPLCによって得られたクロマトグラムである。
(A)は0.1%TFAを含む水/アセトニトリル溶媒を用い
た溶出である。(B)は0.13%HFBAを含む水/アセトニ
トリル溶媒を用いた溶出である。
図2は、インドリシジンの抗菌活性を示す。大腸菌ML
−35(▲)または黄色ブドウ球菌(S.aureus)(●)を
0から25μg/mlのインドリシジンとともに2時間インキ
ュベートした。殺菌はコントロールインキュベーション
と比較した時のコロニー形成単位(CFU)によるlog10
少で表されている。コントロールインキュベーションは
緩衝液と適切な容量のインドリシジン希釈液(0.01%酢
酸)を含む。
図3は、40分までの種々の時間での大腸菌と25μg/ml
のインドリシジンとのインキュベーション後の抗菌動態
を示す。
図4は、大腸菌ML35に対するインドリシジンと種々の
インドリシジン類似体との抗菌活性の比較である。イン
ドリシジン類似体の構造は表1に示す。
図5は、クリプトコックス・ネオファルマンスに対す
るインドリシジンと種々のインドリシジン類似体との抗
菌活性の比較である。インドリシジン類似体の構造は表
1に示す。
図6は、黄色ブドウ球菌502aに対するインドリシジン
と種々のインドリシジン類似体との抗菌活性の比較であ
る。インドリシジン類似体の構造は表1に示す。
発明の詳細な説明 本発明はインドリシジン類似体を提供し、これは、天
然由来のインドリシジン(配列番号:1)と実質的に同じ
アミノ酸配列を有するトリプトファンに富むペプチド
で、広域スペクトル抗菌作用を示し、天然由来のインド
リシジンと比較して抗菌選択性を有する(表1参照)。
天然由来のインドリシジンは13個のアミノ酸のペプチド
で、そのトリプトファンに富む性状とその抗菌特性(図
2および3参照)からこの名称が与えられている。本発
明のインドリシジン類似体は一般に、12から13のアミノ
酸を含み、さらにインドリシジンのようにトリプトファ
ンに富むペプチドである。例えば、代表的なインドリシ
ジン類似体の特徴は次の一般的構造である:H2N−I−L
−P−W−K−W−P−W−W−P−W−X(配列番
号:8)。ここで、Xは1つまたは2つのそれぞれ別個に
選択されたアミノ酸を表す。インドリシジンのまた別の
特徴はその低い抗原性であり、これは抗菌化合物として
治療的に使用するについての利点である。
インドリシジン(配列番号:1、表1)および代表的な
インドリシジン類似体(配列番号:2−7)は、1つには
トリプトファンに富むペプチドという特徴を有する。本
明細書で用いられているように、“トリプトファンに富
むペプチド”という用語は、その残基の少なくとも約25
%がトリプトファンから成るペプチドを指す。例えば、
インドリシジンは約38%(5/13残基)のトリプトファン
含有量を有する。自然界では各アミノ酸は特徴的な予想
比率でタンパク質中に見出される。例えば、トリプトフ
ァンは、天然由来のタンパク質で最も使用頻度の少ない
アミノ酸であり、その平均発生率は約1%であるが、一
方、アラニンは一般にタンパク質のアミノ酸容量の約9
%を占める(Clapper,Biochem.Biophys.Res.Comm.78:10
18−1024(1977))。したがって、本明細書で明らかに
されたトリプトファンに富む配列は、タンパク質中のト
リプトファンの平均発生率に基づいて予想されるものよ
りもはるかに大きいトリプトファン残基比率を含むこと
によって容易に識別できる。
インドリシジン類似体はさらに、天然由来のインドリ
シジンと実質的に同じ配列を有するという特徴をもつ。
本明細書で用いられるとおり、“実質的に同じ配列”と
は、インドリシジン類似体のペプチド配列はインドリシ
ジンの配列(配列番号:1)と少なくとも60%相同である
ことを意味する。したがって、一定数の改変をインドリ
シジンペプチド配列に施し、所望の抗菌選択性、例えば
天然のインドリシジンと比較して強い抗菌活性または低
い溶血活性をもつインドリシジン類似体を得ることがで
きる。例えば、インドリシジン類似体はインドリシジン
と同じペプチド配列をもつことができるが、例えば天然
由来のインドリシジンで認められるアミド基以外のC−
末端反応基を含むように修飾することができる(例えば
配列番号:5参照)。
インドリシジンペプチド配列に対する改変にはまた、
例えば付加、削除またはアミノ酸置換を含むことがで
き、そのような修飾によって生じるインドリシジン類似
体がトリプトファンに富み、また、本明細書で定義する
ように天然由来のインドリシジンと実質的に同じ配列を
有することを条件とする。そのような改変を有するイン
ドリシジンの例は表1に示されている。例えばIndol−K
12−NH2(配列番号:4)は、インドリシジンに対してR
−13を削除しR−12をK−12に置換したインドリシジン
類似体である。ここで、“K"および“R"は、それぞれア
ミノ酸のリジンおよびアルギニンを表す単一文字コード
を指す。
本明細書で用いられているように、“アミノ酸”とい
う用語はその最も広い意味で用いられ、天然由来のアミ
ノ酸の他、天然に由来しないアミノ酸(アミノ酸類似体
を含む)とを含む。この広義の定義からみれば、本明細
書でいうアミノ酸には、例えば天然由来のタンパク質形
成性(proteogenic)(L)−アミノ酸、(D)−アミ
ノ酸、化学修飾アミノ酸例えばアミノ酸類似体、天然由
来のタンパク質非形成性アミノ酸例えばノルロイシンお
よび、アミノ酸の特徴であることが当技術分野で知られ
ている性状を有する化学合成化合物が含まれることは、
当業者には理解されるところである。本明細書で用いら
れているように、“タンパク質形成性”という用語は、
このアミノ酸が代謝経路を介して細胞内のタンパク質中
に取り込まれることができることを示している。さら
に、インドリシジンの如何なる位置のアミノ酸残基をも
それぞれ別個に選択することが可能である。本明細書で
用いられるように、“それぞれ別個に選択される”と
は、インドリシジン類似体がそのトリプトファンに富む
性質を保持するならば、該インドリシジン類似体の如何
なる位置でのアミノ酸残基の選択は、当該類似体の如何
なる他の位置に含まれるアミノ酸残基にも左右されない
ことを意味する。
例えば、インドリシジン類似体中の(L)−または
(D)−アミノ酸の使用の選択は、インドリシジン類似
体の所望の性状にある程度依存する。例えば、1つまた
は2つ以上の(D)−アミノ酸の取り込みは、in vitro
またはin vivoでのペプチドにおける安定性強化が付与
される。1つまたは2つ以上の(D)−アミノ酸の取り
込みはまた、該ペプチドの抗菌選択性を強化または低下
させる(この抗菌選択性は、例えば下記実施例IIもしく
はIIIに記載したアッセイ、またはin vitroもしくはin
vivoで抗菌選択性を決定するための既知の他の方法を用
いて決定された)。例えばD−アミノ酸を取り込んだイ
ンドリシジン類似体の構築は、細胞内で安定なペプチド
を得たい場合に特に有用である。しかしながら、極めて
短時間のみ活性を該ペプチドに保持させることもまた可
能である。その場合には、該ペプチドに(L)−アミノ
酸を使用することによって細胞内の内在性ペプチダーゼ
に該ペプチドをin vivoで消化させ、それによって活性
なインドリシジン類似体に細胞が曝されることを制限す
ることができる。
インドリシジン類似体は、周知のペプチド合成方法を
用いて化学的に合成することができる。インドリシジン
類似体は、自動ペプチド合成装置例えばエッペンドルフ
・シノスタート(Eppendorf Synostat(Madison,WI)ま
たはミリゲン9050(Milligen 9050(Milford,MA))、
実施例I参照)を用いて合成できるが、手動方法の溶液
ペプチド合成もまた用いることができる。自動ペプチド
合成方法を用いる場合は、インドリシジン類似体は、ポ
リエチレングリコール−ポリスチレン(PEG−PS)グラ
フト樹脂上でNα−Fmocアミノ酸誘導体を用いて合成さ
れた。さらに、カルボキサミド末端基を生成するため
に、適切なリンカー(例えばペプチドアミドリンカー
(PAL;5−(4−Fmoc−アミノメチル−3、5−ジメト
キシフェノキシ)吉草酸;Fmocは9−フルオレニルメチ
ルオキシカルボニルである;ミリゲン)が用いられた。
しかしながら、所望のインドリシジン類似体を得るため
に、他の樹脂、アミノ酸誘導体およびアミノ酸反応基修
飾方法を用いることが可能であることは、当業者には理
解されよう。
新規に合成されるペプチドは樹脂に付着させたまま操
作しもよく、また樹脂から除去してその後修飾してもよ
い。ペプチドのN−末端またはC−末端を修飾する方法
は当該技術分野で周知であり、例えば、C−末端のアミ
ド化および、所望の場合にはN−末端のアセチル化が含
まれる(例えば、タンパク質工学:実際的アプローチ
(Protein Enginnering:A practical approach)、(IR
L Press,1992);ペプチド合成の原理(Bodanszky,Prin
ciples of Peptide Synthesis)、(Springer−Verlag,
1984)を参照のこと、これらの文献の各々は援用されて
本明細書に含まれる)。同様に、アミノ酸の反応性側鎖
を修飾する方法もペプチド合成の技術分野で周知であ
る。
ペプチドの反応基の選択的修飾によってもまたインド
リシジン類似体に所望の性状が付与され、そのような修
飾をもたせるか否かの選択は、一つには要求されるペプ
チドの性状によって決定される。例えば、インドリシジ
ンより強力な抗菌選択性を有するインドリシジン類似体
を合成することができる。本明細書で用いられるよう
に、“抗菌選択性”という用語は、患者の正常細胞に対
する類似体の細胞毒性と比較したときの類似体の細菌活
性の相対量を指す。例えば、インドリシジンに匹敵する
抗菌活性を有するがインドリシジンと比較して少ない溶
血活性を有するという特徴をもつインドリシジン類似体
は、インドリシジンより強い抗菌選択性を有すると考え
られる。例えば、インドリシジンと較べたときC−末端
アルギニン(R−13)の欠如およびR−12のK−12によ
る置換をもつインドリシジン類似体(配列番号:4)の合
成によって、インドリシジンより強い抗菌選択性を有す
るインドリシジン類似体が提供される(図4−6および
表2参照)。また別の修飾には、例えばインドール誘導
体を生成するためにトリプトファン残基のインドール含
有側鎖を酸化することが含まれる。これらの修飾または
他の修飾を有するインドリシジン類似体の抗菌選択性
は、実施例IIおよびIIIに記載した方法を用いて決定で
きる。
本発明のインドリシジン類似体はさらに、広域スペク
トル抗菌活性を有するという特徴をもつ。本明細書で用
いられているように、“広域スペクトル抗菌活性”とい
う用語は、例えば、原虫例えばランブル鞭毛虫(Giardi
a lamblia)、ウイルス、真菌例えばクリプトコックス
(cryptococcus)および細菌のいろいろの属例えばエシ
ェリヒア属(Escherichia)、サルモネラ属およびスタ
フィロコックス属を含む種々の原核および真核微生物の
生存もしくは成長を抑制または阻害するインドリシジン
類似体の能力を指す。抗菌活性は殺菌的または静菌的抑
制によって生じる。本明細書で用いられるように、“殺
菌的抑制”という用語は、微生物を殺すかまたは微生物
に回復不能に損傷を与えることによって微生物の生存を
減少させるかまたは抑制するインドリシジン類似体の能
力を指し、一方、“静菌的抑制”という用語は、標的微
生物を殺すことなく成長を抑制するインドリシジン類似
体の能力を指す。殺菌的または静菌的抑制を有するイン
ドリシジン類似体は、目下のところ微生物の生存もしく
は成長を許容する環境に対して(すなわち治療的処
置)、またはそのような生存もしくは成長を支援する危
険性を有する環境に対して(すなわち防止または予防)
用いることができる。
本発明はまた、微生物のそのような生存もしくは成長
を維持することが可能な環境での微生物の生存もしくは
成長を抑制または防止するためにインドリシジン類似体
を使用する方法を提供する。本明細書で用いられるよう
に、“微生物の生存または成長を維持することが可能な
環境”という用語は、微生物が生存することができる液
体、物質または生物を指す。微生物の生存または成長を
許容する広範囲の環境と、広域スペクトル微生物に対す
る請求の範囲のインドリシジン類似体の開示された有効
性のゆえに、この用語が包含する“環境”の範囲は必然
的に広く、例えば生物(例えばヒト)の組織または体
液、水または水溶液のような液体、食用作物のような食
物、食品または食物抽出物、または例えば食物調理用も
しくは外科手術用に用いられる機器の硬質表面のような
物体を含む。
本発明はまた、微生物の生存もしくは成長を維持する
ことが可能な環境での微生物の生存もしくは成長を減少
または防止する方法を提供する。本方法は、該環境に有
効量の抗菌活性を有するインドリシジン類似体を投与す
ることを含む。このインドリシジン類似体は、微生物の
生存もしくは成長を処置しまたは防止するために様々な
方法で用いることができる。これには、微生物の生存を
殺菌的に抑制することの他、成長を静菌的に抑制するこ
とも含まれる。
インドリシジン類似体は、治療薬、食物保存料、消毒
薬または医薬として用いることができる。例えば、イン
ドリシジン類似体は、抗菌、抗真菌または抗ウイルス治
療薬として用いることができる。治療薬として使用する
場合、医薬組成物は人間または動物に投与できる。その
ような組成物は一般に、例えば水、リン酸ナトリウム緩
衝液、リン酸緩衝食塩水、通常生理食塩水またはクレッ
ブス氏リンゲル溶液のような医薬的に許容できる担体中
に含有される所望の抗菌選択性を有するインドリシジン
類似体を含むであろう。さらにまた、該医薬組成物は、
治療に有益となることができる他の薬剤を含むことがで
きる。例えば、該組成物は2価陽イオン例えばカルシウ
ムおよびマグネシウムを含むことができ、これは、デフ
ェンシン抗菌ペプチドを抑制するが、インドリシジン類
似体の抗菌特性を抑制しない。したがって、そのような
陽イオンの添加が治療措置にとって有益である場合、2
価陽イオンを該医薬組成物に含めることができる。ま
た、その抗菌特性をさらに高めるために、他の化合物ま
たは組成物もまたインドリシジンペプチドと組み合わせ
て投与することができる。例えば、インドリシジンペプ
チドを、バクテネシン、デフェンシンまたは抗生物質と
合わせて投与することができる。微生物の膜を破壊する
EDTAのような化合物も同様に包含させることができる。
さらに、患者内への類似体の取り込みを促進する薬剤、
または該類似体を安定化させる薬剤も該医薬組成物に包
含させることができる。
インドリシジン類似体を含む医薬組成物は、種々のル
ート、例えば静脈内、皮下、筋肉内もしくは腹腔内注射
で、経口的にまたはエアロゾル噴霧液の形で患者に投与
できる。さらに、インドリシジン類似体はリポソーム中
に被包化、または脂質とインドリシジン類似体を含む非
リポソーム性脂質複合体として製剤化して患者に投与し
てもよい。当業者は、例えば患者の体内の微生物の位
置、微生物の具体的な特性、および投与される特定のイ
ンドリシジン類似体に基づいて特定の投与ルートおよび
方法を選択することができる。
食物および食品もまた、該食物の保存または潜在的微
生物の排除のためにインドリシジン類似体を用いて処理
することができる。例えば、貝および家禽製品は、人間
の重篤な疾患を引き起こす腸内病原微生物を日常的に含
んでいる。そのような微生物はインドリシジン類似体で
処理することによって排除できる。食用作物、例えば果
物、野菜および穀類もまたインドリシジン類似体で処理
して、微生物による収穫後腐敗を減少または排除するこ
とができる。この場合には、インドリシジン類似体は、
この類似体の例えばエアロゾル形を用いて局所的に投与
できる。また別に、投与される類似体が簡単で、各学的
に未修飾ペプチドの場合は、組み換えインドリシジン類
似体の遺伝子導入発現(transgenic expression)を介
して投与を実施することもできる。適切なベクターの構
築方法およびペプチドの遺伝子導入発現の実施方法は当
該技術分野で周知である(例えば、分子クローニング:
実験室マニュアル、サンブルック(Sambrook)ら、コー
ルドスプリングハーバー研究所出版部(1989)を参照の
こと)。
インドリシジン類似体はまた消毒剤として用いて、物
体または溶液を殺菌し、それによって溶液中または物体
上の微生物の生存もしくは成長を防ぐことができる。イ
ンドリシジン類似体は、本質的には、哺乳類例えば人間
が触れる物体もしくは溶液を含む、微生物の生存もしく
は成長が好ましくないいずれの物体または溶液にも用い
ることができる。そのような物体の例には、赤ん坊用タ
オル、おむつ、ばんそうこう、タオル、化粧品、洗眼水
およびコンタクトレンズ液が含まれる。これらの用途で
は、インドリシジン類似体は物体に局所的に用いられる
か、または溶液に添加することができる。
環境に対して抗菌活性を示すために、有効量のインド
リシジン類似体が投与されねばならない。本明細書で用
いられるように、“有効量”という用語は、例えば人間
に投与した場合の許容不能な溶血作用のように環境に対
して有害な作用を生じることなく環境中の微生物の生存
もしくは成長を減少または抑制するインドリシジン類似
体の量を指す。有効量は、例えば標的微生物の特徴、処
置前の感染または成長の程度、具体的な環境および投与
される個々のインドリシジン類似体にしたがって変動す
るであろう。インドリシジン類似体の有効量は、実施例
IIおよびIIIに記載した方法、またはその他には当該技
術分野で既知の方法を用いて決定できるが、典型的に
は、例えば大腸菌の成長を抑制するためには約0.5から5
00μg/mlである(図4、5および6を参照のこと)。
以下の実施例は本発明を詳述するためであり、これを
制限する目的ではない。
実施例I インドリシジン類似体の合成と性状解析 本実施例はインドリシジン類似体の合成および性状解
析のための方法を示す。
インドリシジンを、米国出願07/715271号に詳細に記
載されたようにウシ好中球顆粒から精製することがで
き、または、化学的に合成できる。インドリシジン類似
体は、エッペンドルフ・シノスタートまたはミリゲン90
50自動ペプチド合成装置のいずれかで、Fmoc鎖アッセン
ブリーを用いて化学的に合成した。アミノ酸誘導体は、
BOP/HOBt(ベンゾトリアゾリルN−オキシトリス(ジメ
チルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
/1−ヒドロキシベンゾトリアゾル;Milligen;Advanced C
hemotech)をN−メチルモルフォリンの存在下で用いて
in situで活性化された(1:1:1:2)。Fmoc−PAL−ポリ
スチレン(PS)樹脂をC−末端アミドを有するペプチド
を合成するために用い、Fmoc−Lys(tBoc)−PS樹脂を
遊離酸C−末端をもつペプチドを合成するために用い
た。アルギニンおよびリジン残基は、Pmc(2,2,5,7,8−
ペンタメチルクロマン−6−スルホニル)およびtBoc
(tert−ブチルオキシカルボニル)でそれぞれ保護した
(Milligen;Advanced Chemotech)。
インドリシジンのFmoc合成は2.8mmol規模で実施し、
インドリシジン類似体は0.2mmol規模でアッセンブリン
グした。新規に合成したインドリシジンまたはインドリ
シジン類似体は、試薬K(TFA(トリフルオロ酢酸):
チオアニゾール:エタンジチオール:フェノール:水
(82.5:5:2.5:5:5))で4時間処理して固形支持体から
遊離させ、続いてジクロロメタンで抽出し、米国出願07
/715271号に記載されたように逆相高性能液体クロマト
グラフィー(RP−HPLC)によって精製した。
ペプチドの純度は分析RP−HPLCで確認した。あるプロ
トコルでは、ペプチドは、0.1%TFA含有水−アセトニト
リル溶媒を用いて0.4×25cmビダック(Vydac)C−18カ
ラムで分析された。20分かけて作製した20%から40%の
アセトニトリル勾配を用いて1ml/分で10μgのペプチド
をクロマトグラフィーにかけた。図1.Aに示したよう
に、インドリシジンは単一ピークとして溶出する。同様
な結果が種々のインドリシジン類似体で得られた(結果
は示されていない)。
第二のプロトコルでは、ペプチドは、0.13%ヘプタフ
ルオロ酪酸(HFBA)含有水−アセトニトリル溶媒を用い
て1×25cmビダックC−18カラムで分析した。10μgの
ペプチドは、30分かけて作製した30%から60%の勾配を
用いて1ml/分でクロマトグラフィーにかけた。ここでも
また、インドリシジン(図1.B)およびインドリシジン
類似体(結果は示されていない)は単一ピークとして溶
出した。
インドリシジンおよびインドリシジン類似体の純度
は、12.5%ゲルでの酸−尿素ポリアクリルアミドゲル電
気泳動(PAGE)(例えば、Selsted,「遺伝子工学(Gene
tic Enginnering)」15巻、131−147ページ(Plenum Pr
ess,NY 1993)を参照のこと、この文献は援用されて本
明細書に含まれる)によってさらに確認された。各ペプ
チドについては、該ペプチドの想定分子量および正味荷
電を基に予想される位置に移動した単一バンドが、クー
マシーブルー染色の後に認められた。(結果は示されて
いない)。
各ペプチドの質量は、フェンら(Fennら、Scince 24
6:64−71(1989))が記載したように、JEOL・HX100・H
F二重焦点磁気セクター質量分析装置(double focussin
g magnetic sector mass spectrometer)を用い、名目
解析設定を3000として5キロボルト加速ポテンシャルで
作動させながら電子スプレー高速原子衝撃質量分析法
(electrospray fast atom bombardment mass spectrom
etry(MS))で求めた。凍結乾燥ペプチドを5%酢酸に
溶解させ、ステンレススチール載物台に載せた。キセノ
ン原子の6KeVビームを用いてサンプルをイオン化した。
スペクトルを集め、JEOL・DA5000データシステムを用い
て質量をリアルタイムで決定した。表1に示したよう
に、MSによって実験的に測定した各ペプチドの単同位体
質量は理論的に予想した質量と一致した。
このペプチドはまた、既に記載(Bidlingmeyerら、J.
Chromatogr.336:93−104(1984)、この文献は援用され
て本明細書に含まれる)されたように、蒸気相塩酸(HC
l)水解物で測定する(24時間110℃)フェニルチオカル
バミル誘導体の酸分析によって性状を調べられた。5μ
gのペプチドを沸騰HClで加水分解した。加水分解の
後、真空下でHClを除去し、エタノール:トリエチルア
ミン:水:フェニルイソチオシアネート(7:1:1:1)を
加えて水解サンプルの誘導体を生成させた。サンプルを
室温で20分インキュベートし、誘導化アミノ酸の相対量
を分析RP−HPLCで求めた。トリプトファンは、文献に記
載(Edelhoch,Biochemistry 6:1948−1954(1967)、こ
の文献は参照により本明細書に含まれる)されたよう
に、6M塩酸グアニジン、20mMリン酸ナトリウム(pH6.
5)中でペプチドを分析して分光光度法によって決定し
た。アミノ酸分析の結果は、各々のペプチドは予想され
た相対的アミノ酸組成を含んでいた。
インドリシジンおよびインドリシジン類似体の各々の
配列は、ABIモデル475A装置(Applied Biosystems,In
c.,フォスターシティー、CA)を用いて自動化アミノ酸
配列分析によって確認した。インドリシジンおよび各々
のインドリシジン類似体の配列は表1に示す。
インドリシジンおよび各々のインドリシジン類似体に
ついて決定された構造は表1に示す(配列番号:1−
7)。インドリシジンに対する抗体を作製する5度の試
みが不成功であったように、インドリシジンのこの構造
は、極めて低い抗原性をこのペプチドに付与する。
実施例II インドリシジン類似体の抗菌活性 本実施例はインドリシジン類似体の広域スペクトル抗
菌活性を明らかにする。
インドリシジン類似体の抗菌活性の経時変化と用量依
存は、該類似体と微生物をインキュベートし、種々の時
間インキュベートした後または種々の濃度の類似体で処
理した後で生存度を決定することによって求めることが
できる。セルステッドら(Selstedら、Infec.Immun.45:
150−154(1985)、この文献は参照により本明細書に含
まれる)の記載にしたがって、アッセイは10mMのリン酸
緩衝液(pH7.4、37℃)中で実施された。
グラム陰性細菌株(大腸菌ML35)およびグラム陽性菌
株(黄色ブドウ球菌502A)のインドリシジンに対する用
量反応は、0−25μg/mlのインドリシジンと2×106
ロニー形成単位(CFU)の対数期の細菌とを2時間イン
キュベートすることによって求めた。インキュベート
後、この培養を段階的に希釈し栄養寒天に播種した。図
2に示したように、グラム陰性およびグラム陽性両菌の
生存度は、10μg/mlのインドリシジンを含む培養では少
なくとも4乗の規模で減少した。投入細菌の95%を越え
る細菌が2.5μg/mlのインドリシジンとインキュベート
することによって2時間後に死滅したように、大腸菌は
黄色ブドウ球菌よりも感受性が高かった。インドリシジ
ン希釈液(0.01%酢酸)はいずれの細菌株に対しても影
響を示さなかった。
インドリシジンの抗菌活性の変化動態は、2×106
大腸菌を25μg/mlのインドリシジンと1−40分インキュ
ベートすることによって調べた。適切な時間インキュベ
ートした後、適量の培養物を取り出し、上記のように希
釈して播種した。図3に示したように、25μg/mlのイン
ドリシジンは大腸菌のCFU数を5分以内に3乗の規模で
減少させ、この培養物は基本的に20分後に滅菌された。
インドリシジンおよびインドリシジン類似体の広域ス
ペクトル抗菌活性もまた、グラム陰性細菌株(大腸
菌)、グラム陽性細菌株(黄色ブドウ球菌)、真菌(ク
リプトコッカス・ネオフォルマンス)を用いて、基本的
には文献に記載(Hultmarkら、EMBO J.2:571−576(198
3))されたものをレーラら(Lehrerら、J.Immunol.Met
h.137:167−173)により改変されたように寒天拡散アッ
セイで決定された。簡単に記せば、栄養含有寒天(また
はアガロース)平板に選択された標的となる微生物を播
種し、固形培地中に形成した穴または培地表面に配置し
たディスクに5−10μlのペプチドを加えた。適切なイ
ンキュベート時間の後、微生物の成長抑制を可視化し、
各穴またはディスクの周りの透明帯を測定することによ
って定量した(Selsted(1993)をまた参照のこと)。
図4−6に示したように、インドリシジン(indol−R
12R13−NH2;配列番号:1)は、調べた微生物に対して最
も強い抗菌活性を有していた。インドリシジン類似体の
2つ、indol−R12−OH(配列番号:6)およびindol−R12
W13−NH2(配列番号:2)は、インドリシジンより能力は
極めて低く、残りの類似体はインドリシジンとほぼ同じ
能力があるか、またはわずかに能力が低かった。これら
の結果は、インドリシジンの部位12および13のアルギニ
ンをリジンで置換することによっては抗菌活性は大きく
減少しないことを示している。この結果はさらに、最も
活性なペプチドはアミド化されているか、またはC−末
端に二塩基性ジペプチドを有することを示している。
実施例III インドリシジン類似体の溶血活性 各ペプチドの溶血活性は赤血球溶解アッセイを用いて
調べた。通常食塩水または80%マウス血清中の8%(vo
l/vol)赤血球懸濁液を30μgのペプチドとともにイン
キュベートした。37℃で18時間インキュベートした後、
無傷の赤血球を遠心で除去し、上清のA550を溶血の測定
値として求めた。コントロール(100%溶血)として、
1%NP40デタージェントで処理した赤血球懸濁液から上
清を採取した。
表2に要約したように、インドリシジンは、アッセイ
を食塩水で実施したとき最も大きな溶血活性を有した。
1つのペプチド(indol−K12NH2(配列番号:4))は極
めて僅かの溶血活性を有していた。マウス血清は各々の
ペプチドの溶血活性のほぼ全てを排除した。これらの結
果は、indol−K12NH2(配列番号:4)のようなインドリ
シジンよりも強い抗菌選択性を有するインドリシジン類
似体が得られることを示している。
現在のところ好ましい実施例について本発明を開示し
たが、当業者には本発明を外れることなく種々の修飾が
可能であることが理解されよう。したがって、本発明は
請求の範囲によってのみ限定される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 7/08 BIOSIS(DIALOG) CA(STN) REGISTRY(STN) WPI(DIALOG)

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】H2N−I−L−P−W−K−W−P−W−
    W−P−W−K−K−CONH2(配列番号3)及びH2N−I
    −L−P−W−K−W−P−W−W−P−W−K−CONH
    2(配列番号4)のいずれかのペプチドからなるインド
    リシジン類似体。
  2. 【請求項2】前記類似体が、グラム陽性細菌、グラム陰
    性細菌、原虫、酵母、真菌およびウイルスからなる群か
    ら選ばれる微生物に対して抗菌活性を有する請求項1に
    記載のインドリシジン類似体。
  3. 【請求項3】前記微生物が、黄色ブドウ球菌、大腸菌、
    鵞口瘡ガンジダ、ネズミチフス菌、クリプトコックス・
    ネオフォルマンスおよびランブル鞭毛虫からなる群から
    選ばれる請求項2に記載の抗菌化合物。
  4. 【請求項4】H2N−I−L−P−W−K−W−P−W−
    W−P−W−K−CONH2(配列番号4)のペプチドから
    なるインドリシジン類似体。
  5. 【請求項5】微生物の生存もしくは成長を維持すること
    が可能な環境(ヒトを除く)中の微生物の生存もしくは
    成長の殺菌的抑制または静菌的抑制の方法であって、該
    方法が、H2N−I−L−P−W−K−W−P−W−W−
    P−W−K−K−CONH2(配列番号3)及びH2N−I−L
    −P−W−K−W−P−W−W−P−W−K−CONH
    2(配列番号4)のいずれかのペプチドからなるインド
    リシジン類似体を殺菌的もしくは静菌的に有効な量で該
    環境に投与することを含む前記殺菌的又は静菌的抑制方
    法。
  6. 【請求項6】前記類似体がH2N−I−L−P−W−K−
    W−P−W−W−P−W−K−CONH2(配列番号4)の
    ペプチドからなる請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記抗菌活性が、グラム陽性細菌、グラム
    陰性細菌、原虫、酵母、真菌およびウイルスからなる群
    から選ばれる微生物に対するものである請求項5に記載
    の方法。
  8. 【請求項8】前記微生物が、黄色ブドウ球菌、大腸菌、
    鵞口瘡ガンジダ、ネズミチフス菌、クリプトコックス・
    ネオフォルマンスおよびランブル鞭毛虫からなる群から
    選ばれる請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】前記環境が食物または食品である請求項5
    に記載の方法。
  10. 【請求項10】前記環境が水溶液である請求項5に記載
    の方法。
  11. 【請求項11】前記環境が表面を含む無生物物体である
    請求項5に記載の方法。
  12. 【請求項12】前記環境が哺乳類である請求項5に記載
    の方法。
  13. 【請求項13】前記有効量が最終濃度約0.5〜500μg/ml
    である請求項5に記載の方法。
  14. 【請求項14】前記投与が局所的である請求項5に記載
    の方法。
  15. 【請求項15】前記投与が注射を介する請求項5に記載
    の方法。
  16. 【請求項16】前記投与が経口的である請求項5に記載
    の方法。
  17. 【請求項17】H2N−I−L−P−W−K−W−P−W
    −W−P−W−K−K−CONH2(配列番号3)及びH2N−
    I−L−P−W−K−W−P−W−W−P−W−K−CO
    NH2(配列番号4)のいずれかのペプチドからなるイン
    ドリシジン類似体を有効量および医薬的に許容できる担
    体を含む抗菌医薬組成物。
  18. 【請求項18】医薬的に許容できる担体がリポソームで
    ある請求項17に記載の抗菌医薬組成物。
  19. 【請求項19】医薬的に許容できる担体が非リポソーム
    脂質複合体である請求項17に記載の抗菌医薬組成物。
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