JP2001172297A - 広域スペクトル抗菌化合物と使用方法 - Google Patents

広域スペクトル抗菌化合物と使用方法

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JP2001172297A
JP2001172297A JP2000309083A JP2000309083A JP2001172297A JP 2001172297 A JP2001172297 A JP 2001172297A JP 2000309083 A JP2000309083 A JP 2000309083A JP 2000309083 A JP2000309083 A JP 2000309083A JP 2001172297 A JP2001172297 A JP 2001172297A
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JP2000309083A
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Michael E Selsted
マイケル イー. セルステッド、
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University of California
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性形で容易に合成でき、また、広範囲の微
生物に対して有効で、かつ望ましくない副作用を示さな
い効果的な広域スペクトル抗菌化合物を提供する。 【解決手段】 天然のインドリシジンと実質的に同じア
ミノ酸配列を有するトリプトファンに富むペプチドで、
広域スペクトル抗菌活性を示し、さらに天然のインドリ
シジンと較べて抗菌選択性を有するインドリシジン類似
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般に抗菌性化合物
に関し、特にトリプトファンに富む広域スペクトル抗菌
性インドリシジン類似体に関する。
【0002】
【従来の技術】感染性疾患は、ヒトおよび動物の罹病率
および死亡率の主要要因である。例えば、概算で8百万
から1千万人がエイズウイルスに感染しており、199
0年だけで26300件の新たな感染が報告されてい
る。エイズウイルスに感染している多くの人々は、さら
に日和見感染、例えば粘膜皮膚の真菌性疾患を引き起こ
す鵞口瘡カンジダ(Candida albicans)感染を発症す
る。他の細菌感染には、例えば汚染飲食物の消費によっ
て引き起こされる大腸菌(E. coli)性下痢が含まれる。
この感染は、発展途上国を訪れる産業国の旅行者の40
−50%を冒す。グラム陰性菌によって引き起こされる
淋病では、1990年に米国で750000件を越える
報告が為され、アフリカでは毎年100000人につき
3000から10000人の新たな感染例が報告されて
いる。
【0003】大腸菌および他の細菌、ウイルスおよび真
菌性病原体の抗生物質耐性株は、多くの疾患の治療を困
難かつ高価なものにした。たとえ疾患が抗生物質で治療
可能な事例であったとしても、疾患がしばしば風土性で
ある特に世界の低開発地域では、適切な抗生物質の貯蔵
施設が利用可能でないことが、感染集団に有効な治療を
提供することが不可能であるという結果がもたらす。
【0004】脊椎動物では、多形核白血球(好中球およ
び顆粒球を含む)は、感染性疾患との戦いで中心的な役
割を果たす。これら白血球細胞は、膜結合細胞質顆粒を
含むが、これら顆粒は種々の殺菌性兵器成分を貯蔵して
いる。感染に際して、好中球は侵入微生物を膜結合小胞
内に取り込む。続いてこれらの小胞は細胞質顆粒と融合
し、この微生物を顆粒の毒性成分に曝す。そのような微
生物を殺すために顆粒球が有する機構の1つは、天然の
抗生物質として作用する一連のペプチドから成る。これ
らのペプチドは一般に陽イオンであり、種々の微生物の
細胞膜と相互作用し当該細胞膜を透過性にすることによ
ってそれらの毒性を仲介する。
【0005】これまでに多くの抗菌性ペプチドファミリ
ーが顆粒球から分離された。バクテネシン(bactenecin)
(Genarroら、Infec. Immun. 57:3142-46(1989)、Romeo
ら、J. Biol. Chem. 263:9573-75(1988)、およびMarzar
iら、Infec. Immun. 56:2193-97(1988))は、顆粒タン
パク質抽出物に対して生じたモノクローナル抗体との反
応性によって部分的に認定された、大きさが1600か
ら8000ダルトンの範囲にあるプロリンおよびアルギ
ニンに富むペプチドである。バクテネシンは真菌および
グラム陰性細菌に対して毒性があり、さらに程度は落ち
るがグラム陽性細菌に対しても毒性を有する。
【0006】デフェンシン(defensin)は15種のペプ
チドのファミリーで、いろいろな種の好中球中で5%か
ら18%の細胞性タンパク質から成る。このクラスの分
子は次の文献に記載されている:Ganzら、Eur. J. Haem
atol. 44:1-8(1990);Lehrerら、米国特許出願第454
3252号;Selstedら、Infec. Immun. 45:150-154(19
84)。デフェンシンペプチドは、29から34のアミノ
酸から成り、これら残基の4から10個はアルギニンで
ある。デフェンシンはまた、分子内ジスルフィド結合に
関連する6個の保存システイン残基を共有する。デフェ
ンシンはグラム陰性およびグラム陽性細菌、真菌並びに
ある種の包膜ウイルス(enveloped virus)に対して抗菌
性を有する。
【0007】天然由来(naturally occuring)の抗生物ペ
プチドの利用可能性が、合成の抗生物質による治療が困
難な感染性疾患の治療に対して極めて貴重である一方、
バクテネシンおよびデフェンシンの有用性には種々の制
限が存在する。例えば、バクテネシンもデフェンシンも
抗原性を有し、したがってこれらの化合物を用いる治療
は、アナフィラキシーまたは遅延型過敏反応を生じるお
それがある。デフェンシンはまた、哺乳類細胞に対して
in vitro で実質的な細胞毒性を示すことが明らかにさ
れている。さらに、活性分子が3つの分子内ジスルフィ
ド結合を含むので、適切なジスルフィド結合形成の必要
性は合成活性デフェンシンの収量を低下させる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術における諸問題を解決し、以下の目的を達成すること
を課題とする。即ち、本発明は、活性形で容易に合成で
き、また、広範囲の微生物に対して有効で、かつ望まし
くない副作用を示さない効果的な抗菌性ペプチドを提供
することを目的とする。本発明はこれらの課題を解決
し、さらに関連する利点を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明はインドリシジン
類似体(アナログ)を提供する。これは、実質的に天然
由来のインドリシジンと同じアミノ酸配列を有するトリ
プトファンに富むペプチドで、広域スペクトル抗菌活性
を示し、さらに天然のインドリシジンと比較して抗菌選
択性を有する。
【0010】本発明はまた、微生物を生存させることが
できる環境で該微生物の生存もしくは成長を抑制または
防止するためにインドリシジン類似体を使用する方法を
提供する。本発明は、例えば、微生物の生存もしくは成
長を維持することが可能な環境に対して有効量のインド
リシジン類似体を投与する方法を提供する。
【0011】本発明はまた、インドリシジン類似体を有
効量および医薬的に許容できる担体を含む抗菌医薬組成
物を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本出願は、米国特許出願第07/
715271号(1991年6月14日出願、この出願は援用
されて本明細書に含まれる)の一部継続出願である。本
発明は、アメリカ衛生研究所のグラント番号AI229
31およびAI31696により政府の支援を得て行わ
れた。合衆国政府は、本発明において一定の権利を有す
る。
【0013】本発明はインドリシジン類似体を提供し、
これは、天然由来のインドリシジン(配列番号:1)と
実質的に同じアミノ酸配列を有するトリプトファンに富
むペプチドで、広域スペクトル抗菌作用を示し、天然由
来のインドリシジンと比較して抗菌選択性を有する(表
1参照)。天然由来のインドリシジンは13個のアミノ
酸のペプチドで、そのトリプトファンに富む性状とその
抗菌特性(図2および3参照)からこの名称が与えられ
ている。本発明のインドリシジン類似体は一般に、12
から13のアミノ酸を含み、さらにインドリシジンのよ
うにトリプトファンに富むペプチドである。例えば、代
表的なインドリシジン類似体の特徴は次の一般的構造で
ある:H2N−I−L−P−W−K−W−P−W−W−
P−W−X(配列番号:8)。ここで、Xは1つまたは
2つのそれぞれ別個に選択されたアミノ酸を表す。イン
ドリシジンのまた別の特徴はその低い抗原性であり、こ
れは抗菌化合物として治療的に使用するについての利点
である。
【0014】インドリシジン(配列番号:1、表1)お
よび代表的なインドリシジン類似体(配列番号:2−
7)は、1つにはトリプトファンに富むペプチドという
特徴を有する。本明細書で用いられているように、“ト
リプトファンに富むペプチド”という用語は、その残基
の少なくとも約25%がトリプトファンから成るペプチ
ドを指す。例えば、インドリシジンは約38%(5/1
3残基)のトリプトファン含有量を有する。自然界では
各アミノ酸は特徴的な予想比率でタンパク質中に見出さ
れる。例えば、トリプトファンは、天然由来のタンパク
質で最も使用頻度の少ないアミノ酸であり、その平均発
生率は約1%であるが、一方、アラニンは一般にタンパ
ク質のアミノ酸容量の約9%を占める(Clapper, Bioch
em. Biophys. Res. Comm. 78:1018-1024(1977))。した
がって、本明細書で明らかにされたトリプトファンに富
む配列は、タンパク質中のトリプトファンの平均発生率
に基づいて予想されるものよりもはるかに大きいトリプ
トファン残基比率を含むことによって容易に識別でき
る。
【0015】インドリシジン類似体はさらに、天然由来
のインドリシジンと実質的に同じ配列を有するという特
徴をもつ。本明細書で用いられるとおり、“実質的に同
じ配列”とは、インドリシジン類似体のペプチド配列は
インドリシジンの配列(配列番号:1)と少なくとも6
0%相同であることを意味する。したがって、一定数の
改変をインドリシジンペプチド配列に施し、所望の抗菌
選択性、例えば天然のインドリシジンと比較して強い抗
菌活性または低い溶血活性をもつインドリシジン類似体
を得ることができる。例えば、インドリシジン類似体は
インドリシジンと同じペプチド配列をもつことができる
が、例えば天然由来のインドリシジンで認められるアミ
ド基以外のC−末端反応基を含むように修飾することが
できる(例えば配列番号:5参照)。
【0016】
【表1】
【0017】インドリシジンペプチド配列に対する改変
にはまた、例えば付加、削除またはアミノ酸置換を含む
ことができ、そのような修飾によって生じるインドリシ
ジン類似体がトリプトファンに富み、また、本明細書で
定義するように天然由来のインドリシジンと実質的に同
じ配列を有することを条件とする。そのような改変を有
するインドリシジンの例は表1に示されている。例えば
Indol-K12-NH(配列番号:4)は、インドリシジ
ンに対してR−13を削除しR−12をK−12に置換
したインドリシジン類似体である。ここで、 ”K”お
よび ”R”は、それぞれアミノ酸のリジンおよびアル
ギニンを表す単一文字コードを指す。
【0018】本明細書で用いられているように、“アミ
ノ酸”という用語はその最も広い意味で用いられ、天然
由来のアミノ酸の他、天然に由来しないアミノ酸(アミ
ノ酸類似体を含む)とを含む。この広義の定義からみれ
ば、本明細書でいうアミノ酸には、例えば天然由来のタ
ンパク質形成性(proteogenic) (L)−アミノ酸、
(D)−アミノ酸、化学修飾アミノ酸例えばアミノ酸類
似体、天然由来のタンパク質非形成性アミノ酸例えばノ
ルロイシンおよび、アミノ酸の特徴であることが当技術
分野で知られている性状を有する化学合成化合物が含ま
れることは、当業者には理解されるところである。本明
細書で用いられているように、“タンパク質形成性”と
いう用語は、このアミノ酸が代謝経路を介して細胞内の
タンパク質中に取り込まれることができることを示して
いる。さらに、インドリシジンの如何なる位置のアミノ
酸残基をもそれぞれ別個に選択することが可能である。
本明細書で用いられるように、“それぞれ別個に選択さ
れる”とは、インドリシジン類似体がそのトリプトファ
ンに富む性質を保持するならば、該インドリシジン類似
体の如何なる位置でのアミノ酸残基の選択は、当該類似
体の如何なる他の位置に含まれるアミノ酸残基にも左右
されないことを意味する。
【0019】例えば、インドリシジン類似体中の(L)
−または(D)−アミノ酸の使用の選択は、インドリシ
ジン類似体の所望の性状にある程度依存する。例えば、
1つまたは2つ以上の(D)−アミノ酸の取り込みは、
in vitroまたはin vivo でのペプチドにおける安定性強
化が付与される。1つまたは2つ以上の(D)−アミノ
酸の取り込みはまた、該ペプチドの抗菌選択性を強化ま
たは低下させる(この抗菌選択性は、例えば下記実施例
IIもしくはIIIに記載したアッセイ、または in vi
tro もしくはin vivo で抗菌選択性を決定するための既
知の他の方法を用いて決定された)。例えばD−アミノ
酸を取り込んだインドリシジン類似体の構築は、細胞内
で安定なペプチドを得たい場合に特に有用である。しか
しながら極めて短時間のみ活性を該ペプチドに保持させ
ることもまた可能である。その場合には、該ペプチド内
に(L)−アミノ酸を使用することによって細胞内の内
在性ペプチダーゼに該ペプチドをin vivo で消化させ、
それによって活性なインドリシジン類似体に細胞が曝さ
れることを制限することができる。
【0020】インドリシジン類似体は、周知のペプチド
合成方法を用いて化学的に合成することができる。イン
ドリシジン類似体は、自動ペプチド合成装置例えばエッ
ペンドルフ・シノスタート(Eppendorf Synostat (Madi
son, WI)またはミリゲン9050(Milligen 9050 (Milf
ord, MA))、実施例I参照)を用いて合成できるが、手
動方法の溶液ペプチド合成もまた用いることができる。
自動ペプチド合成方法を用いる場合は、インドリシジン
類似体は、ポリエチレングリコール−ポリスチレン(P
EG−PS)グラフト樹脂上でN −Fmocアミノ酸
誘導体を用いて合成された。さらに、カルボキサミド末
端基を生成するために、適切なリンカー(例えばペプチ
ドアミドリンカー(PAL;5−(4−Fmoc−アミ
ノメチル−3、5−ジメトキシフェノキシ)吉草酸;F
mocは9−フルオレニルメチルオキシカルボニルであ
る;ミリゲン)が用いられた。しかしながら、所望のイ
ンドリシジン類似体を得るために、他の樹脂、アミノ酸
誘導体およびアミノ酸反応基修飾方法を用いることが可
能であることは、当業者には理解されよう。
【0021】新規に合成されるペプチドは樹脂に付着さ
せたまま操作してもよく、また樹脂から除去してその後
修飾してもよい。ペプチドのN−末端またはC−末端を
修飾する方法は当該技術分野で周知であり、例えば、C
−末端のアミド化および、所望の場合にはN−末端のア
セチル化が含まれる(例えば、タンパク質工学:実際的
アプローチ(Protein Engineering: A practical approa
ch)、(IRL Press, 1992);ペプチド合成の原理(Bodansz
ky, Principles of Peptide Synthesis)、(Springer-Ve
rlag, 1984)を参照のこと、これらの文献の各々は援用
されて本明細書に含まれる)。同様に、アミノ酸の反応
性側鎖を修飾する方法もペプチド合成の技術分野で周知
である。
【0022】ペプチドの反応基の選択的修飾によっても
またインドリシジン類似体に所望の性状が付与され、そ
のような修飾をもたせるか否かの選択は、一つには要求
されるペプチドの性状によって決定される。例えば、イ
ンドリシジンより強力な抗菌選択性を有するインドリシ
ジン類似体を合成することができる。本明細書で用いら
れるように、“抗菌選択性”という用語は、患者の正常
細胞に対する類似体の細胞毒性と比較したときの類似体
の細菌活性の相対量を指す。例えば、インドリシジンに
匹敵する抗菌活性を有するがインドリシジンと比較して
少ない溶血活性を有するという特徴をもつインドリシジ
ン類似体は、インドリシジンより強い抗菌選択性を有す
ると考えられる。例えば、インドリシジンと較べたとき
C−末端アルギニン(R−13)の欠如およびR−12
のK−12による置換をもつインドリシジン類似体(配
列番号:4)の合成によって、インドリシジンより強い
抗菌選択性を有するインドリシジン類似体が提供される
(図4−6および表2参照)。また別の修飾には、例え
ばインドール誘導体を生成するためにトリプトファン残
基のインドール含有側鎖を酸化することが含まれる。こ
れらの修飾または他の修飾を有するインドリシジン類似
体の抗菌選択性は、実施例IIおよびIIIに記載した
方法を用いて決定できる。
【0023】本発明のインドリシジン類似体はさらに、
広域スペクトル抗菌活性を有するという特徴をもつ。本
明細書で用いられているよう“広域スペクトル抗菌活
性”という用語は、例えば、原虫例えばランブル鞭毛虫
(Giardia lamblia)、ウイルス、真菌例えばクリプトコ
ックス(cryptococcus)および細菌のいろいろの属例えば
エシェリヒア属(Escherichia) 、サルモネラ属およびス
タフィロコックス属を含む種々の原核および真核微生物
の生存もしくは成長を抑制または阻害するインドリシジ
ン類似体の能力を指す。抗菌活性は殺菌的または静菌的
抑制によって生じる。本明細書で用いられるように、
“殺菌的抑制”という用語は、微生物を殺すかまたは微
生物に回復不能に損傷を与えることによって微生物の生
存を減少させるかまたは抑制するインドリシジン類似体
の能力を指し、一方、“静菌的抑制”という用語は、標
的微生物を殺すことなく成長を抑制するインドリシジン
類似体の能力を指す。殺菌的または静菌的抑制を有する
インドリシジン類似体は、目下のところ微生物の生存も
しくは成長を許容する環境に対して(すなわち治療的処
置)、またはそのような生存もしくは成長を支援する危
険性を有する環境に対して(すなわち防止または予防)
用いることができる。
【0024】本発明はまた、微生物のそのような生存も
しくは成長を維持することが可能な環境での微生物の生
存もしくは成長を抑制または防止するためにインドリシ
ジン類似体を使用する方法を提供する。本明細書で用い
られるように、“微生物の生存または成長を維持するこ
とが可能な環境”という用語は、微生物が生存すること
ができる液体、物質または生物を指す。微生物の生存ま
たは成長を許容する広範囲の環境と、広域スペクトル微
生物に対する請求の範囲のインドリシジン類似体の開示
された有効性のゆえに、この用語が包含する“環境”の
範囲は必然的に広く、例えば生物(例えばヒト)の組織
または体液、水または水溶液のような液体、食用作物の
ような食物、食品または食物抽出物、または例えば食物
調理用もしくは外科手術用に用いられる機器の硬質表面
のような物体を含む。
【0025】本発明はまた、微生物の生存もしくは成長
を維持することが可能な環境での微生物の生存もしくは
成長を減少または防止する方法を提供する。本方法は、
該環境に有効量の抗菌活性を有するインドリシジン類似
体を投与することを含む。このインドリシジン類似体
は、微生物の生存もしくは成長を処置しまたは防止する
ために様々な方法で用いることができる。これには、微
生物の生存を殺菌的に抑制することの他、成長を静菌的
に抑制することも含まれる。
【0026】
【表2】
【0027】インドリシジン類似体は、治療薬、食物保
存料、消毒薬または医薬として用いることができる。例
えば、インドリシジン類似体は、抗菌、抗真菌または抗
ウイルス治療薬として用いることができる。治療薬とし
て使用する場合、医薬組成物は人間または動物に投与で
きる。そのような組成物は一般に、例えば水、リン酸ナ
トリウム緩衝液、リン酸緩衝食塩水、通常生理食塩水ま
たはクレッブス氏リンゲル溶液のような医薬的に許容で
きる担体中に含有される所望の抗菌選択性を有するイン
ドリシジン類似体を含むであろう。さらにまた、該医薬
組成物は、治療に有益となることができる他の薬剤を含
むことができる。例えば、該組成物は2価陽イオン例え
ばカルシウムおよびマグネシウムを含むことができ、こ
れは、デフェンシン抗菌ペプチドを抑制するが、インド
リシジン類似体の抗菌特性を抑制しない。したがって、
そのような陽イオンの添加が治療措置にとって有益であ
る場合、2価陽イオンを該医薬組成物に含めることがで
きる。また、その抗菌特性をさらに高めるために、他の
化合物または組成物もまたインドリシジンペプチドと組
み合わせて投与することができる。例えば、インドリシ
ジンペプチドを、バクテネシン、デフェンシンまたは抗
生物質と合わせて投与することができる。微生物の膜を
破壊するEDTAのような化合物も同様に包含させるこ
とができる。さらに、患者内への類似体の取り込みを促
進する薬剤、または該類似体を安定化させる薬剤も該医
薬組成物に包含させることができる。
【0028】インドリシジン類似体を含む医薬組成物
は、種々のルート、例えば静脈内、皮下、筋肉内もしく
は腹腔内注射で、経口的にまたはエアロゾル噴霧液の形
で患者に投与できる。さらに、インドリシジン類似体は
リポソーム中に被包化、または脂質とインドリシジン類
似体を含む非リポソーム性脂質複合体として製剤化して
患者に投与してもよい。当業者は、例えば患者の体内の
微生物の位置、微生物の具体的な特性、および投与され
る特定のインドリシジン類似体に基づいて特定の投与ル
ートおよび方法を選択することができる。
【0029】食物および食品もまた、該食物の保存また
は潜在的微生物の排除のためにインドリシジン類似体を
用いて処理することができる。例えば、貝および家禽製
品は人間の重篤な疾患を引き起こす腸内病原微生物を日
常的に含んでいる。そのような微生物はインドリシジン
類似体で処理することによって排除できる。食用作物、
例えば果物、野菜および穀類もまたインドリシジン類似
体で処理して、微生物による収穫後腐敗を減少または排
除することができる。この場合には、インドリシジン類
似体は、この類似体の例えばエアロゾル形を用いて局所
的に投与できる。また別に、投与される類似体が簡単
で、化学的に未修飾ペプチドの場合は、組み換えインド
リシジン類似体の遺伝子導入発現(transgenic express
ion)を介して投与を実施することもできる。適切なベク
ターの構築方法およびペプチドの遺伝子導入発現の実施
方法は当該技術分野で周知である(例えば、分子クロー
ニング:実験室マニュアル、サンブルック(Sambrook)
ら、コールドスプリングハーバー研究所出版部(1989)を
参照のこと)。
【0030】インドリシジン類似体はまた消毒剤として
用いて、物体または溶液を殺菌し、それによって溶液中
または物体上の微生物の生存もしくは成長を防ぐことが
できる。インドリシジン類似体は、本質的には、哺乳類
例えば人間が触れる物体もしくは溶液を含む、微生物の
生存もしくは成長が好ましくないいずれの物体または溶
液にも用いることができる。そのような物体の例には、
赤ん坊用タオル、おむつ、ばんそうこう、タオル、化粧
品、洗眼水およびコンタクトレンズ液が含まれる。これ
らの用途では、インドリシジン類似体は物体に局所的に
用いられるか、または溶液に添加することができる。
【0031】環境に対して抗菌活性を示すために、有効
量のインドリシジン類似体が投与されねばならない。本
明細書で用いられるように、“有効量”という用語は、
例えば人間に投与した場合の許容不能な溶血作用のよう
に環境に対して有害な作用を生じることなく環境中の微
生物の生存もしくは成長を減少または抑制するインドリ
シジン類似体の量を指す。有効量は、例えば標的微生物
の特徴、処置前の感染または成長の程度、具体的な環境
および投与される個々のインドリシジン類似体にしたが
って変動するであろう。インドリシジン類似体の有効量
は、実施例IIおよびIIIに記載した方法、またはそ
の他には当該技術分野で既知の方法を用いて決定できる
が、典型的には、例えば大腸菌の成長を抑制するために
は約0.5から500μg/mlである(図4、5およ
び6を参照のこと)。
【0032】以下の実施例は本発明を詳述するためであ
り、これを制限する目的ではない。
【0033】
【実施例】(実施例I) −インドリシジン類似体の合成と性状解析− 本実施例はインドリシジン類似体の合成および性状解析
のための方法を示す。
【0034】インドリシジンを、米国出願07/715
271号に詳細に記載されたようにウシ好中球顆粒から
精製することができ、または、化学的に合成できる。イ
ンドリシジン類似体は、エッペンドルフ・シノスタート
またはミリゲン9050自動ペプチド合成装置のいずれ
かで、Fmoc鎖アッセンブリーを用いて化学的に合成
した。アミノ酸誘導体は、BOP/HOBt(ベンゾト
リアゾリルN−オキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホ
ニウムヘキサフルオロホスフェート/1−ヒドロキシベ
ンゾトリアゾル;Milligen;Advanced Chemotech)をN
−メチルモルフォリンの存在下で用いてin situ で活性
化された(1:1:1:2)。Fmoc−PAL−ポリ
スチレン(PS)樹脂をC−末端アミドを有するペプチ
ドを合成するために用い、Fmoc−Lys(tBo
c)−PS樹脂を遊離酸C−末端をもつペプチドを合成
するために用いた。アルギニンおよびリジン残基は、P
mc(2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6
−スルホニル)およびtBoc(tert−ブチルオキシカ
ルボニル)でそれぞれ保護した(Milligen; AdvancedCh
emotech)。
【0035】インドリシジンのFmoc合成は2.8mm
ol規模で実施し、インドリシジン類似体は0.2mmol規
模でアッセンブリングした。新規に合成したインドリシ
ジンまたはインドリシジン類似体は、試薬K(TFA
(トリフルオロ酢酸):チオアニゾール:エタンジチオ
ール:フェノール:水(82.5:5:2.5:5:
5))で4時間処理して固形支持体から遊離させ、続いて
ジクロロメタンで抽出し、米国出願07/715271
号に記載されたように逆相高性能液体クロマトグラフィ
ー(RP−HPLC)によって精製した。
【0036】ペプチドの純度は分析RP−HPLCで確
認した。あるプロトコルでは、ペプチドは、0.1%T
FA含有水−アセトニトリル溶媒を用いて0.4×25
cmビダック(Vydac)C−18カラムで分析された。2
0分かけて作製した20%から40%のアセトニトリル
勾配を用いて1ml/分で10μgのペプチドをクロマ
トグラフィーにかけた。図1.Aに示したように、イン
ドリシジンは単一ピークとして溶出する。同様な結果が
種々のインドリシジン類似体で得られた(結果は示され
ていない)。
【0037】第二のプロトコルでは、ペプチドは、0.
13%ヘプタフルオロ酪酸(HFBA)含有水−アセト
ニトリル溶媒を用いて1×25cmビダックC−18カ
ラムで分析した。10μgのペプチドは、30分かけて
作製した30%から60%の勾配を用いて1ml/分で
クロマトグラフィーにかけた。ここでもまた、インドリ
シジン(図1.B)およびインドリシジン類似体(結果
は示されていない)は単一ピークとして溶出した。
【0038】インドリシジンおよびインドリシジン類似
体の純度は、12.5%ゲルでの酸−尿素ポリアクリル
アミドゲル電気泳動(PAGE)(例えば、Selsted,
「遺伝子工学(Genetic Engineering)」15巻、131-147
ページ(Plenum Press, NY 1993)を参照のこと、この文
献は援用されて本明細書に含まれる)によってさらに確
認された。各ペプチドについては、該ペプチドの想定分
子量および正味荷電を基に予想される位置に移動した単
一バンドが、クーマシーブルー染色の後に認められた。
(結果は示されていない)。
【0039】各ペプチドの質量は、フェンら(Fennら、
Science 246:64-71(1989))が記載したように、JEOL
・HX100・HF二重焦点磁気セクター質量分析装置
(double focussing magnetic sector mass spectromet
er)を用い、名目解析設定を3000として5キロボル
ト加速ポテンシャルで作動させながら電子スプレー高速
原子衝撃質量分析法(electrospray fast atom bombard
ment mass spectrometry(MS))で求めた。凍結乾燥ペプ
チドを5%酢酸に溶解させ、ステンレススチール載物台
に載せた。キセノン原子の6KeVビームを用いてサン
プルをイオン化した。スペクトルを集め、JEOL・D
A5000データシステムを用いて質量をリアルタイム
で決定した。表1に示したように、MSによって実験的
に測定した各ペプチドの単同位体質量は理論的に予想し
た質量と一致した。
【0040】このペプチドはまた、既に記載(Bidlingm
eyerら、J. Chromatogr. 336:93-104(1984)、この文献
は援用されて本明細書に含まれる)されたように、蒸気
相塩酸(HCl)水解物で測定する(24時間110
℃)フェニルチオカルバミル誘導体の酸分析によって性
状を調べられた。5μgのペプチドを沸騰HClで加水
分解した。加水分解の後、真空下でHClを除去し、エ
タノール:トリエチルアミン:水:フェニルイソチオシ
アネート(7:1:1:1)を加えて水解サンプルの誘
導体を生成させた。サンプルを室温で20分インキュベ
ートし、誘導化アミノ酸の相対量を分析RP−HPLC
で求めた。トリプトファンは、文献に記載(Edelhoch,
Biochemistry 6:1948-1954(1967)、この文献は参照によ
り本明細書に含まれる)されたように、6M塩酸グアニ
ジン、20mMリン酸ナトリウム(pH6.5)中でペ
プチドを分析して分光光度法によって決定した。アミノ
酸分析の結果は、各々のペプチドは予想された相対的ア
ミノ酸組成を含んでいた。
【0041】インドリシジンおよびインドリシジン類似
体の各々の配列は、ABIモデル475A装置(Applie
d Biosystems, Inc., フォスターシティー、CA)を用い
て自動化アミノ酸配列分析によって確認した。インドリ
シジンおよび各々のインドリシジン類似体の配列は表1
に示す。
【0042】インドリシジンおよび各々のインドリシジ
ン類似体について決定された構造は表1に示す(配列番
号:1−7)。インドリシジンに対する抗体を作製する
5度の試みが不成功であったように、インドリシジンの
この構造は、極めて低い抗原性をこのペプチドに付与す
る。 (実施例II) −インドリシジン類似体の抗菌活性− 本実施例はインドリシジン類似体の広域スペクトル抗菌
活性を明らかにする。
【0043】インドリシジン類似体の抗菌活性の経時変
化と用量依存は、該類似体と微生物をインキュベート
し、種々の時間インキュベートした後または種々の濃度
の類似体で処理した後で生存度を決定することによって
求めることができる。セルステッドら(Selstedら、Infe
c. Immun. 45:150-154(1985)、この文献は参照により本
明細書に含まれる)の記載にしたがって、アッセイは1
0mMのリン酸緩衝液(pH7.4、37℃)中で実施
された。
【0044】グラム陰性細菌株(大腸菌ML35)およ
びグラム陽性菌株(黄色ブドウ球菌502A)のインド
リシジンに対する用量反応は、0−25μg/mlのイ
ンドリシジンと2×106コロニー形成単位(CFU)
の対数期の細菌とを2時間インキュベートすることによ
って求めた。インキュベート後、この培養を段階的に希
釈し栄養寒天に播種した。図2に示したように、グラム
陰性およびグラム陽性両菌の生存度は、10μg/ml
のインドリシジンを含む培養では少なくとも4乗の規模
で減少した。投入細菌の95%を越える細菌が2.5μ
g/mlのインドリシジンとインキュベートすることに
よって2時間後に死滅したように、大腸菌は黄色ブドウ
球菌よりも感受性が高かった。インドリシジン希釈液
(0.01%酢酸)はいずれの細菌株に対しても影響を
示さなかった。
【0045】インドリシジンの抗菌活性の変化動態は、
2×106の大腸菌を25μg/mlのインドリシジン
と1−40分インキュベートすることによって調べた。
適切な時間インキュベートした後、適量の培養物を取り
出し、上記のように希釈して播種した。図3に示したよ
うに、25μg/mlのインドリシジンは大腸菌のCF
U数を5分以内に3乗の規模で減少させ、この培養物は
基本的に20分後に滅菌された。
【0046】インドリシジンおよびインドリシジン類似
体の広域スペクトル抗菌活性もまた、グラム陰性細菌株
(大腸菌)、グラム陽性細菌株(黄色ブドウ球菌)、真
菌(クリプトコッカス・ネオフォルマンス)を用いて、
基本的には文献に記載(Hultmarkら、EMBO J. 2:571-57
6(1983))されたものをレーラら(Lehrerら、J. Immuno
l.Meth. 137:167-173)により改変されたように寒天拡散
アッセイで決定された。簡単に記せば、栄養含有寒天
(またはアガロース)平板に選択された標的となる微生
物を播種し、固形培地中に形成した穴または培地表面に
配置したディスクに5−10μlのペプチドを加えた。
適切なインキュベート時間の後、微生物の成長抑制を可
視化し、各穴またはディスクの周りの透明帯を測定する
ことによって定量した(Selsted(1993)をまた参照のこ
と)。
【0047】図4−6に示したように、インドリシジン
(indol−R12R13−NH;配列番号:1)は、調
べた微生物に対して最も強い抗菌活性を有していた。イ
ンドリシジン類似体の2つ、indol−R12−OH(配
列番号:6)およびindol−R12W13−NH(配
列番号:2)は、インドリシジンより能力は極めて低
く、残りの類似体はインドリシジンとほぼ同じ能力があ
るか、またはわずかに能力が低かった。これらの結果
は、インドリシジンの部位12および13のアルギニン
をリジンで置換することによっては抗菌活性は大きく減
少しないことを示している。この結果はさらに、最も活
性なペプチドはアミド化されているか、またはC−末端
に二塩基性ジペプチドを有することを示している。 (実施例III) −インドリシジン類似体の溶血活性− 各ペプチドの溶血活性は赤血球溶解アッセイを用いて調
べた。通常食塩水または80%マウス血清中の8%(vo
l/vol)赤血球懸濁液を30μgのペプチドとともにイン
キュベートした。37℃で18時間インキュベートした
後、無傷の赤血球を遠心で除去し、上清のA550を溶
血の測定値として求めた。コントロール(100%溶
血)として、1%NP40デタージェントで処理した赤
血球懸濁液から上清を採取した。
【0048】表2に要約したように、インドリシジン
は、アッセイを食塩水で実施したとき最も大きな溶血活
性を有した。1つのペプチド(indol−K12NH(配
列番号:4))は極めて僅かの溶血活性を有していた。
マウス血清は各々のペプチドの溶血活性のほぼ全てを排
除した。これらの結果は、indol−K12NH(配列
番号:4)のようなインドリシジンよりも強い抗菌選択
性を有するインドリシジン類似体が得られることを示し
ている。
【0049】現在のところ好ましい実施例について本発
明を開示したが、当業者には本発明を外れることなく種
々の修飾が可能であることが理解されよう。したがっ
て、本発明は請求の範囲によってのみ限定される。
【0050】
【配列表】 (1)一般情報: (i)出願人:ザ・リージェンツ・オブ・ザ・ユニヴァーシティ・オブ・ カリフォルニア (ii)発明の名称:広域スペクトル抗菌化合物と使用方法 (iii)配列の総数:8 (iv)郵便物の宛先: (A)名宛人:Robbins, Berliner & Carson (B)街:201 N. Figueroa Street, 5th Floor (C)市:ロサンゼルス (D)州:カリフォルニア (E)国:アメリカ合衆国 (F)ZIP:90012−2628 (v)コンピューター解読形式: (A)媒体型:フロッピー(登録商標)ディスク (B)コンピューター:IBM PCコンパチブル (C)オペレーティングシステム:PC−DOS/MA−DOS (D)ソフト:PatentIn Release #1.0,バージョン#1. 25 (vi)現在の出願状況: (A)出願番号: (B)出願日: (C)分類: (vii)代理人情報: (A)氏名:Robert Berliner, (B)登録番号:20121 (C)リファレンス/ドケット番号:5555-304 (viii)通信に関する情報: (A)電話:(213) 977-1001 (B)ファックス:(213) 977-1003 (2)配列番号1の情報: (i)配列の性状: (A)長さ:13アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列の記載:配列番号:1 Ile Leu Pro Trp Lys Trp Pro Trp Trp Pro Trp Arg Arg 1 5 10 (2)配列番号2の情報: (i)配列の性状: (A)長さ:13アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列の記載:配列番号2 Ile Leu Pro Trp Lys Trp Pro Trp Trp Pro Trp Arg Trp 1 5 10 (2)配列番号3の情報: (i)配列の性状: (A)長さ:13アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列の記載:配列番号3 Ile Leu Pro Trp Lys Trp Pro Trp Trp Pro Trp Lys Lys 1 5 10 (2)配列番号4の情報: (i)配列の性状: (A)長さ:12アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列の記載:配列番号4 Ile Leu Pro Trp Lys Trp Pro Trp Trp Pro Trp Lys 1 5 10 (2)配列番号5の情報: (i)配列の性状: (A)長さ:13アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列の記載:配列番号5 Ile Leu Pro Trp Lys Trp Pro Trp Trp Pro Trp Arg Arg 1 5 10 (2)配列番号6の情報: (i)配列の性状: (A)長さ:12アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列の記載:配列番号6 Ile Leu Pro Trp Lys Trp Pro Trp Trp Pro Trp Arg 1 5 10 (2)配列番号7の情報: (i)配列の性状: (A)長さ:13アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列の記載:配列番号7 Ile Leu Pro Trp Lys Trp Pro Trp Trp Pro Trp Arg Lys 1 5 10 (2)配列番号8の情報: (i)配列の性状: (A)長さ:12アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ix)特徴: (A)名称/キー:ペプチド (B)場所:12 (C)他の情報:/註記=“Xaaは1つまたは2つのそれぞれ別個に選ば れるアミノ酸” (xi)配列の記載:配列番号8 Ile Leu Pro Trp Lys Trp Pro Trp Trp Pro Trp Xaa 1 5 10
【図面の簡単な説明】
【図1】天然由来のインドリシジン(配列番号:1)の
RP−HPLCによって得られたクロマトグラムであ
る。(A)は0.1%TFAを含む水/アセトニトリル
溶媒を用いた溶出である。(B)は0.13%HFBA
を含む水/アセトニトリル溶媒を用いた溶出である。
【図2】インドリシジンの抗菌活性を示す。大腸菌ML
−35(▲)または黄色ブドウ球菌(S. aureus
(●)を0から25μg/mlのインドリシジンととも
に2時間インキュベートした。殺菌はコントロールイン
キュベーションと比較した時のコロニー形成単位(CF
U)によるlog10減少で表されている。コントロー
ルインキュベーションは緩衝液と適切な容量のインドリ
シジン希釈液(0.01%酢酸)を含む。
【図3】40分までの種々の時間での大腸菌と25μg
/mlのインドリシジンとのインキュベーション後の抗
菌動態を示す。
【図4】大腸菌ML35に対するインドリシジンと種々
のインドリシジン類似体との抗菌活性の比較である。イ
ンドリシジン類似体の構造は表1に示す。
【図5】クリプトコックス・ネオフォルマンスに対する
インドリシジンと種々のインドリシジン類似体との抗菌
活性の比較である。インドリシジン類似体の構造は表1
に示す。
【図6】黄色ブドウ球菌502Aに対するインドリシジ
ンと種々のインドリシジン類似体との抗菌活性の比較で
ある。インドリシジン類似体の構造は表1に示す。
【手続補正書】
【提出日】平成12年10月19日(2000.10.
19)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 38/00 A61P 31/04 A61P 31/04 31/10 31/10 31/12 31/12 33/00 33/00 A61K 37/02

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 H2N−I−L−P−W−K−W−P−
    W−W−P−W−R−W−CONH2(配列番号:2)
    及びH2N−I−L−P−W−K−W−P−W−W−P
    −W−R−K−CONH2(配列番号:7)のいずれか
    のインドリシジン類似体。
  2. 【請求項2】 さらにC末端アミドを含む請求項1に記
    載のインドリシジン類似体。
  3. 【請求項3】 前記類似体が、グラム陽性細菌、グラム
    陰性細菌、原虫、酵母、真菌およびウイルスからなる群
    から選ばれる微生物に対して抗菌活性を有する請求項1
    に記載のインドリシジン類似体。
  4. 【請求項4】 前記微生物が、黄色ブドウ球菌、大腸
    菌、鵞口瘡ガンジダ、ネズミチフス菌、クリプトコック
    ス・ネオフォルマンスおよびランブル鞭毛虫からなる群
    から選ばれる請求項3に記載の抗菌化合物。
  5. 【請求項5】 微生物の生存もしくは成長を維持するこ
    とが可能な環境(ヒトを除く)中の微生物の生存もしく
    は成長の殺菌的抑制または静菌的抑制の方法であって、
    該方法が、H2N−I−L−P−W−K−W−P−W−
    W−P−W−R−W−CONH2(配列番号:2)及び
    2N−I−L−P−W−K−W−P−W−W−P−W
    −R−K−CONH2(配列番号:7)のいずれかのイ
    ンドリシジン類似体を殺菌的もしくは静菌的に有効な量
    で該環境に投与することを含む前記殺菌的又は静菌的抑
    制方法。
  6. 【請求項6】 前記インドリシジン類似体がさらにC末
    端アミドを含む請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記抗菌活性が、グラム陽性細菌、グラ
    ム陰性細菌、原虫、酵母、真菌およびウイルスからなる
    群から選ばれる微生物に対するものである請求項5に記
    載の方法。
  8. 【請求項8】 前記微生物が、黄色ブドウ球菌、大腸
    菌、鵞口瘡ガンジダ、ネズミチフス菌、クリプトコック
    ス・ネオフォルマンスおよびランブル鞭毛虫からなる群
    から選ばれる請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記環境が食物または食品である請求項
    5に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記環境が水溶液である請求項5に記
    載の方法。
  11. 【請求項11】 前記環境が表面を含む無生物物体であ
    る請求項5に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記環境が哺乳類である請求項5に記
    載の方法。
  13. 【請求項13】 前記有効量が最終濃度約 0.5〜500 μ
    g/mlである請求項5に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記投与が局所的である請求項5に記
    載の方法。
  15. 【請求項15】 前記投与が注射を介する請求項5に記
    載の方法。
  16. 【請求項16】 前記投与が経口的である請求項5に記
    載の方法。
  17. 【請求項17】 H2N−I−L−P−W−K−W−P
    −W−W−P−W−R−W−CONH2(配列番号:
    2)及びH2N−I−L−P−W−K−W−P−W−W
    −P−W−R−K−CONH2(配列番号:7)のいず
    れかのインドリシジン類似体を有効量および医薬的に許
    容できる担体を含む抗菌医薬組成物。
  18. 【請求項18】 医薬的に許容できる担体がリポソーム
    である請求項17に記載の抗菌医薬組成物。
  19. 【請求項19】 医薬的に許容できる担体が非リポソー
    ム脂質複合体である請求項17に記載の抗菌医薬組成
    物。
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