JP3040781B2 - 生物学的に活性な殺菌性/透過性増大蛋白質断片 - Google Patents

生物学的に活性な殺菌性/透過性増大蛋白質断片

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JP3040781B2 JP63507146A JP50714688A JP3040781B2 JP 3040781 B2 JP3040781 B2 JP 3040781B2 JP 63507146 A JP63507146 A JP 63507146A JP 50714688 A JP50714688 A JP 50714688A JP 3040781 B2 JP3040781 B2 JP 3040781B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、生物学的に活性な、哺乳類の殺菌性/透過
性増大蛋白質のポリペプチド断片、およびこの断片を製
造/使用する方法に関する。
[従来の技術および発明が解決しようとする問題点] 殺菌性/透過性増大蛋白質(BPI)は、50〜60kDの蛋
白質であり、この蛋白質は、哺乳類の体内に侵入する微
生物に対する防禦に必須の血液細胞である哺乳類多形核
白血球(PMN)の顆粒から分離される。BPIは、血液細胞
の骨髄系細胞中にのみ出現し、分化の前骨髄細胞/骨髄
細胞段階において産生され、これら細胞の一次顆粒中に
存在する。
BPIは、多様なグラム陰性細菌に対し活性を呈する強
力な殺菌剤である。その活性は、その細胞毒性において
特に顕著であり、具体的には、10〜40nM(0.5〜2.0μ
g)の濃度にて、107個の90%を超える数の感受性細菌
を殺菌するにもかかわらず、他の微生物および真核細胞
に対しては、100倍高いBPI濃度でも無毒である。これま
でに、BPIは、全PMNおよび粗白血球画分でのBPI−感受
性細菌に対して活性な、主要な酸素非依存性薬剤として
知られている。
ヒトおよびウサギPMNの双方から分離したBPIを、均一
になるように精製されている。ヒトBPIの分子量は、約5
8,000ダルトン(58kDa)であり、ウサギBPIのそれは約5
0kDaである。これら2つの蛋白質のアミノ酸組成は、こ
れらの最初の15個のNH2−末端アミノ酸残基のアミノ酸
配列と同様、密接に類似している。蛋白質は、双方とも
高度に塩基性であり、9.6を超える等電点を有する。
BPIの生物学的効果の発現には、感受性グラム陰性細
菌の表面への付着を必要とする。BPIの標的細胞への最
初の結合は、塩基性蛋白質と細胞外被上のリポ多糖類
(LPS)での負に荷電した部位との静電気的相互作用を
含み、それがリン脂質とペプチドグリカンを分解する細
菌の酵素活性化に関与する。BPIによる作用の最終段階
は、未知のメカニズムを利用した実用的な細菌である。
ヒトおよびウサギのPMNから精製したBPIのアミノ酸組成
と、精製BPIとほぼ同じ殺菌性および膜攪乱性は、この
蛋白質が進化の過程で高度に保存されており、また哺乳
類PMNの抗菌手段の重要な一要素であることを示唆して
いる。
グラム陰性細菌に対するBPIの強力な殺菌作用、およ
び他の微生物および真核細胞に対する細胞毒性の欠損に
鑑み、BPIを化学的療法薬および/または新しい抗生物
質薬剤のデザインのためのモデルとしての使用が期待さ
れる。しかしながら、BPIの分子量(ヒト完全蛋白質で5
8kDa)が大きいため、BPIの配列決定および構造決定の
いずれも妨げられてきた(以下、BPIの全体分子を「ホ
ロ蛋白質」と称する)。他の細胞毒性蛋白質がそうであ
るように、異なった機能、すなわち、結合性、外被の変
質化、および殺傷性に関与する異なるドメインを分子中
に含んだ構造組織を、BPIが有する可能性が提案されて
きた。
蛋白質分解酵素であるエラスターゼによるホロ蛋白質
の消化によって得られたBPI断片は開示されている(Wei
ss,J.et al.,Clin Res 34:537 A,1986)が、試験に用い
た断片は、採用された非変性条件下では会合したままで
あった。分離された断片のいずれにも、生物学的活性が
認められなかった。また、周知のウエスタンブロッティ
ング法を用いて分析すると、変性条件下でのホロ蛋白質
に対する抗体は、これら断片を認識しなかった。
このように、当該技術分野では、BPI生物学的活性ペ
プチド断片を、治療薬としてのみならず、殺菌性/透過
性増大薬剤としての利用の必要性が認識されているので
ある。また、そのような断片は、BPIに関する配列情報
を提供し、グラム陰性細菌に特異的な、次世代の抗菌薬
をデザインする上での指針を与え、そして、ホロ蛋白質
分子組織に対するプローブとしての応用が考えられる。
[問題点を解決するための手段] 哺乳類BPIの生物学的活性ポリペプチド断片を提供す
ることが、本発明の目的である。
本発明の他の目的は、改善された抗菌効果を有する哺
乳類BPIの生物学的活性ペプチド断片を提供することで
ある。
本発明のさらに他の目的は、哺乳類BPIの生物学的活
性ペプチド断片の製造方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、グラム陰性細菌による感
染症に罹患した哺乳類を処置する方法を提供することで
ある。
本発明のさらなる目的は、グラム陰性細菌の透過性を
増大する方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、グラム陰性細菌に対する殺
菌薬の効果を増大することである。
本発明のこれらおよび他の目的は、本明細書での説明
および添付した図面を参照することで、当業者からして
明らかである。
本発明者らは、天然BPI蛋白質よりも長さが実質的に
短い、哺乳類BPIの生物学的活性断片を発見した。これ
ら断片は天然の分子よりも実質的に小さいが、これら
は、全蛋白質の殺菌性/透過性増大特性の少なくとも実
質的にすべてを維持している。
本発明の生物学的活性を有するBPI断片は、BPI開裂条
件下で、BPIホロ蛋白質からなる試料をインキュベート
し、BPIホロ蛋白質の生物学的活性断片を回収すること
によって得られる。好ましいBPI開裂条件は、約20℃〜3
7℃の温度で、約16〜24時間、許容される緩衝液中でBPI
ホロ蛋白質を加熱する工程を含む。
また、本発明は、グラム陰性細菌による感染症に罹患
した哺乳類を処置する方法であって、グラム陰性細菌を
殺菌するに必要な量(有効量)の上述した生物学的活性
を有するBPI断片の少なくとも一つを、処置を要する哺
乳類に投与する工程を含む方法を提供する。
また、本発明は、グラム陰性細菌による哺乳類の感染
症を処置するための薬学的処方であって、グラム陰性細
菌を殺菌するに必要な量(有効量)の、生物学的活性を
有するBPI断片またはその薬学的に許容され得る塩の内
の少なくとも一つを含む処方を提供する。
また、本発明は、グラム陰性細菌の透過性を増大する
方法であって、グラム陰性細菌に透過性増大効果をもた
らすに必要な量(有効量)のBPIの生物学的活性断片
と、細菌を共にインキュベートする工程を含む方法を提
供する。
そして、本発明は、このような処置を必要とする哺乳
類において、グラム陰性細菌の殺菌薬の効果を増大する
方法であって、これら薬剤を生物学的活性を有するBPI
断片と共に投与する工程を含む方法を提供する。
さらに、本発明は、第5図に示した配列またはその相
補鎖を有する精製・分離されたDNA配列および緊縮ハイ
ブリダイゼーション条件下にてこれらDNA配列とハイブ
リダイズするDNA配列に関する。そのDNA配列は、ヒト殺
菌性/透過性増大蛋白質をコードする。
本発明者らは、哺乳類PMNから単離されされたBPIの生
物学的に活性な断片を発見した。NH2−末端アミノ酸配
列の分析は、ヒトBPIの場合、下記実施例3に示すよう
に、断片はBPI分子のNH2−末端に最も近い部分を表して
いることを示した。断片は、完全な分子に通常含まれる
抗菌機能および膜透過性増大機能のすべてを有するが、
ホロ蛋白質よりも実質的に小さい(すなわち、分子量が
小さい)。「実質的に小さい」との表現は、ホロ蛋白質
の約半分までの大きさである。これは極めて驚くべき発
見である。なぜならば、他の細胞毒素や、蛋白質の場
合、それらの生物学的効果を充分に発揮するためには全
分子が必須だからである。例えば、ジフテリア毒素、コ
レラ毒素およびリシン(BPIホロ蛋白質に独特の特異性
を示さない毒素)のような多種多様な細菌および植物の
細胞毒素に関する研究は、結合性あるいは触媒活性とい
った機能は、単離された断片によって発揮されるが、
(細胞膜への結合性および細胞内毒性活性の双方を含
む)細胞毒性は、本質的に全分子を必要とすることが明
らかにされている。
本発明のBPI断片は、粗面E.coli(rough E.coli)に
対してはホロ蛋白質と同程度の効果を期待でき、一般
に、より耐性に富む滑面E.coli(smooth E.coli)に対
してはホロ蛋白質よりも高い効果(モルベースで)の発
現が期待でき、また、ホロ蛋白質がグラム陰性細菌に対
して発現する特異性を保持している。このことは、特に
重要な発見である。なぜならば、滑面グラム陰性細菌
(細菌の細胞膜中に、さらに長いLP3鎖が存在するため
に滑面を有している)は、一般に、滑面グラム陰性細菌
に対応する粗面グラム陰性細菌よりも病原性が強いから
である。
本発明のBPI断片の、特徴的な大きさ、クロマトグラ
フィーにおける挙動(第1図および第2図)、アミノ酸
含量(第1表)および強度(実施例4)は、ホロ蛋白質
とは区別できる分子であることを示している。
本発明のあるBPI断片は、ヒトおよびウサギのBPIに関
し、約25kDaの大きさである。本発明の好ましい実施態
様では、25kDaのヒトBPI断片が、まず弱酸性緩衝液(10
mM酢酸アンモニウム、pH4.6)中で精製ホロ蛋白質を長
期(例えば、2ヶ月)保存した後に、分離される。しか
しながら、本発明のBPI断片は、ホロ蛋白質を許容する
緩衝液、すなわち、Tris/塩酸、リン酸、および、好ま
しくは、HEPES/水酸化ナトリウム(Sigma Chemicals
社、セントルイス、ミズーリ州)、あるいはこれらの混
合物を、約6.0〜約8.0のpH、約10〜150mMの濃度におい
て、緩衝液としての許容性を有する緩衝液中でインキュ
ベートすることが望ましい。
好ましいpHは7.4である。インキュベートは、約16〜2
4時間、好ましくは18時間、約20℃〜約37℃、好ましく
は37℃において行う。特に適切な条件は、37℃にて18時
間、pH7.4、0.1M HEPES/水酸化ナトリウム緩衝液中での
インキュベートである。これにより、ホロ蛋白質の約50
%を本発明の生物学的に活性な断片に変換した。回収し
たホロ蛋白質を、これらの条件下で改めてインキュベー
トすると、25kDaの断片が再度形成される。
本発明の生物学的に活性な断片を生産する際の出発物
質として用いるBPIホロ蛋白質は、PMNのような、哺乳類
の骨髄系の血液細胞から得る。本発明の断片は、限定す
るものではないが、特定の哺乳類、主にグラム陰性細菌
によって惹起された細菌感染症を治療する時には、同一
の哺乳類の種から分離された断片の使用がより好まし
い。
さらに、BPIホロ蛋白質および/または本発明の生物
学的活性を有する断片は、当該技術分野において周知の
方法を用いて、相補DNAまたはゲノムライブラリーに含
まれるBPIをコードするDNA配列を検出するためのDNAプ
ローブを合成するための、下記実施例3に示す配列情報
を利用した、組換えDNA技術を用いることで取得でき
る。BPIホロ蛋白質をコードする遺伝子、あるいは本発
明の25kDaの断片(さらに可能性として、より小さな分
子量のその生物学的活性を有する断片)をコードする遺
伝子の部分を、生物学的に活性なポリペプチドを生産す
るために、適切な発現ベクターに挿入することもでき
る。
ある実施例では、ヒトBPIホロ蛋白質は、下記実施例
1において詳述する通り、正常血液または慢性骨髄細胞
性白血病の患者の血液から分離されたPMNより採取され
る。その他、ヒトBPIは、ヒト白血病細胞系HL−60(ATC
C CCL240;American Type Culture Collection、ロック
ビル、メリーランド州、から入手可能)から抽出され
る。そして、後者の場合、108細胞当たり約10μgのBPI
ホロ蛋白質が含まれることが判明した。正常または白血
病患者由来の成熟PMNは、108個の細胞当たり約60μgの
BPIホロ蛋白質を含有しており、従って、より好ましい
出発物質といえる。
採取された哺乳類PMNは、一次顆粒を得るために、例
えば、下記実施例1に詳述した方法(あるいは、Elsbac
h.P.et al.J.Biol.Chem.254:11000(1979)に記載の方
法)に従って、0.16N硫酸で細胞ごとに抽出して、分画
できる。PMNまたは白血病細胞系から分離されたこれら
一次顆粒は、大部分のBPIホロ蛋白質の活性を呈する。
次いで、生物学的に活性なBPIホロ蛋白質を得るため
に、当該技術分野において公知のあらゆる方法を用い
て、抽出・精製される。本発明のBPI断片の生産のため
の出発物質として、こうした一次顆粒から得られる粗抽
出物を使用できるが、断片を生成する前に、ホロ蛋白質
を精製することが好ましい。ヒトおよびウサギのBPI、
ホロ蛋白質のより適切な抽出および精製技術を、下記実
施例にて言及した。
本発明の実施に際して用いられる(出発物質として
の)精製BPIの量は、好ましくは、精製したホロ蛋白質
として、少なくとも200μgである。物質の量をさらに
少なくすることも可能だが、非特異的損失の発生(収率
の低下)によって、生物学的に活性な断片の実質的な回
収が阻害される恐れがあり、このことは、インターフェ
ロンなど、他の多くの生物学的に活性な蛋白質について
も同様である。
本発明の作用に関しては、いかなる理論にも隷属する
ものではないが、本発明の生物学的に活性な断片をもた
らすホロ蛋白質の開裂はセリンプロテアーゼの存在によ
るものと考えられる。
本発明の生物学的に活性なBPI断片の生産に必要な蛋
白質開裂の条件は、セリンプロテアーゼに最適のpH、温
度および時間、すなわち、pH6.0〜pH8.0、20℃〜37℃、
16〜24時間である。このような条件下でのBPIホロ蛋白
質のインキュベートは、ホロ蛋白質のNH2−末端から約2
5kDaにおいて開裂を生じる。
本発明の生物学的に活性なBPI断片は、菌血症や腐敗
症といったグラム陰性細菌による病気に罹患している哺
乳類の処置に使用される。この巧妙な選択性と、グラム
陰性細菌以外の細胞に対して細胞毒性を呈さないこと
は、本発明のBPI断片による特異性が治療薬として特に
有用であることを示唆するものである。現在のところ、
Escherichia coli、Salmonella,KlebsiellaあるいはPse
udomonasの諸種によるグラム陰性細菌感染症は、ペニシ
リン誘導体、アミノグリコシドおよびクロラムフェニコ
ールといった抗生物質によって処置されている。グラム
陰性細菌は、現在使用可能な多くの抗生物質に対して重
要な固有の耐性を示し、また耐性因子プラスミドの獲得
により直ちに別の耐性を発達させる傾向にあることか
ら、抗生物質の効果には自ずと限界がある。適当な選択
的条件下において、多種多様のグラム陰性病原菌の間
で、多種類の抗生物質耐性の急速な伝播が起きることは
知られている。
グラム陰性細菌によって起きる菌血症(すなわち、血
流中に細菌が存在すること)あるいは腐敗症(細菌によ
る体液の汚染)の処置に対して使用する場合、本発明の
BPI断片を、非経口的に投与することが好ましく、最も
適切には、静脈内へ、一回の処置に際し、約1μg〜10
00μgの量を、より好ましくは、10μg〜250μgの量
の本発明のBPI断片を投与する。疾病の重篤度によっ
て、処置の長さや回数は個体間で相違する。
典型的な処置法によれば、BPI断片約100μgを、1日
当たり3回静脈内投与する。血清と共にインキュベート
した後に観察された本発明のBPI断片(および実際的に
はホロ蛋白質)の急速な不活性化の阻止を助けるため、
BPI断片を、正常に存在する血清蛋白質(例えば、アル
ブミンあるいはリゾチーム)のような、生理学的に許容
される担体と結合させることもできる。本発明のBPI断
片はまた、褥療潰瘍(床ずれ)を患った寝たきり患者や
火傷の患者において発生した、感受性グラム陰性細菌に
よって惹起された皮膚感染症の処置に局所的に使用する
こともできる。局所的抗菌剤として用いる場合、BPI断
片は、上記非経口的投与と同一の頻度で投与できる。
本発明のBPI断片は、グラム陰性細菌による感染症を
罹った哺乳類の処置のために使用される、薬剤の処方に
組み込むことができる。本発明のBPI断片(あるいはそ
の生理学的に許容される塩)を活性成分の少なくとも一
つとする薬剤処方は、服用形態によって、薬学的許容さ
れる担体、希釈剤、充填剤、塩およびこの分野において
周知の他の物質から構成される。例えば、好ましい非経
口的投与形態では、殺菌性等張塩水溶液を構成成分とし
て含み、また、不活性化を阻止するための、例えば、リ
ゾチームまたはアルブミン等の正常に存在する血清蛋白
質のような適切な生理学的に許容される担体に共有結合
した、本発明のBPI断片約1μg〜1000μgから構成さ
れる。たいていの場合、(リポ)蛋白質を欠いている尿
のような体液を、グラム陰性細菌感染を患った哺乳類の
処置に使用する場合、そのための薬剤処方は、上記した
量の本発明のBPI断片と尿道を灌注するための細菌性等
張塩水溶液とで構成する。
他の好ましい実施態様によると、用量当たり、1μg
〜1000μgの量の本発明のBPI断片を、抗生物質と混合
し、局所的投与に関する当該技術分野で周知の、抗生物
質クリーム(シルバデン(Silvadene)、Marion Labora
tories社、カンサス シティー、ミズーリ州;テラマイ
シン(Terramycin)、Pfipharmecs社、ニューヨーク、
ニューヨーク州;あるいは、アクロマイシン(Achromyc
in)、Laderle Laboratories社、パール リバー、ニュ
ーヨーク州)で使用されているのと同一タイプの組成物
として処方できる。
本発明のその他の好ましい実施態様によると、グラム
陰性細菌感染症を罹った哺乳類の処置を目的とする薬剤
処方では、(当該技術分野で周知の)標準量のペニシリ
ン−G(E.R.Squibb and Sons社、プリンストン、ニュ
ージャージー州、から入手可能)あるいはセファロスポ
リン(Eli Lily社、インディアナポリス、インディアナ
州、から入手可能)等の抗生物質に加え、本発明のBPI
断片が配合される。また、特に好ましい本発明の実施態
様によると、本発明のBPI断片を、リファンピシン(CIB
A Pharamaceutical社、サミット、ニュージャージー
州、から「RIFAMPIN」の商品名で入手可能)等の疎水性
抗生物質、およびペニシリン−Vベンザジン(Benzathi
ne;Laderle Labs社、パール リバー、ニューヨーク
州)等の疎水性ペニシリンと混合する。BPI処理後に増
大したグラム陰性細菌透過性が、透過性が増大せずに細
菌に入れない抗生物質による効果を高めることが期待さ
れる。
本発明のBPI断片は、グラム陰性細菌に対して効果を
呈するあらゆる抗生物質、T−細胞やインターロイキン
−2等の免疫系細胞や因子、細胞毒因子等を用いた併用
処置に、理想的に適用できることが期待されている。病
原性のより強い滑面グラム陰性細菌の、本発明のBPI断
片に対するより高い感受性からして、本発明のBPIはこ
のような細菌の、前述の因子に対する耐性を低下させる
ことが期待される。本発明の断片と選択された抗生物質
との、実質的に同時の投与が好ましい。
下記実施例4には、上記した実施態様の具体例を示し
ている。この実施例では、(その疎水性により通常はグ
ラム陰性細菌の中へ侵入して作用を及ぼせない)アクチ
ノマイシンDは、BPI処理したE.coliにおいてのみ、優
位にRNAおよび蛋白質合成を阻害した。
さらに、本発明者らは、ヒトBPIホロ蛋白質をコード
する遺伝子を分離し、また、ヒト前骨髄細胞白血病細胞
(HL−60)から分離したBPI cDNAの配列を決定した。ホ
ロ蛋白質のcDNAのヌクレオチド配列とそれに対応するア
ミノ酸配列を、第5図に示した。
第5図に記載の配列の情報は、25kDaの生物学的に活
性なBPI断片を合成するために使用される。この場合、
当該技術分野で周知の技術を用いて、第5図のDNA残基
の第123位から約759〜780位(または、アミノ酸残基の
第1位から約210〜220位)を含むベクターが生成され
る。また、例えば、cDNA全体を制限するBa131ヌクレア
ーゼ消化によって、第5図のcDNAのより小さなサブフラ
グメントを生成し、上述したBPIの生物学的活性の発現
に必要とされる最小限度の配列を検索することができ
る。
別法として、BPIホロ蛋白質を、DNA感染または形質導
入により形質転換した真核(哺乳類または酵母)細胞あ
るいは原核細胞での合成により獲得し、上述の生物学的
活性を有する25kDaの断片を、下記実施例2の技術を用
いて獲得することができる。
[実施例] 以下、本発明を実施例に沿って具体的に説明するが、
これら実施例の開示に基づいて本願発明が限定的に解釈
されるべきでない。
実施例1:ヒトBPIの分離および精製 ヒト白血球は、健康な提供者および慢性骨髄細胞白血
病患者から、静脈穿刺により集めたヘパリン処理(100
〜200U.S.P.単位/10ml)末梢血より得た。
ヒトPMNの集団は、以下の3つの方法により得た。
(1)Boyum,A.J.,J.Clin.Lab.Invest.Suppl.97:77−8
9,1968、の記述に従い、PMNを、デキストラン沈降法に
よって、次いで、Isopoque−Ficoll勾配(Pharmacia Fi
ne Chemicals社、ピスカータウェイ、ニュージャージー
州)での遠心により分離した。
まず、健康な提供者から得た白血球に富む血漿を、ク
レプス−リンゲルリン酸緩衝液(pH7.4)で、10,000〜2
0,000細胞/μlの濃度に希釈し、Isopaque−Ficoll混
合物上に置いた。細胞は使用前に、クレプス−リンゲル
リン酸で2回洗浄した。
(2)別法として、慢性骨髄細胞白血病患者由来の静脈
血400mlのリューコフォレシス(leukophoresis)によっ
て(当該技術分野において周知の方法を用いて)得た白
血球に富む血漿を直接、5分間、1000×gにて沈降さ
せ、3.5×1010個の白血球を得た。
この白血球の本質的に全てがPMNであった。これらの
細胞は均質化する前に、クレプス−リンゲルリン酸で2
回洗浄した。
ヒトBPIホロ蛋白質の抽出には、前述の2方法の内の
1方法に従って、まずPMNを破砕した: Weiss,J.et al.,J.Biol Chem.253:2664〜2672、1978
(参考文献として含む)の記載に従って、0.34Mショ糖
に懸濁したPMN(2×108細胞/ml)を、0℃において均
質化し、次いで、4℃にて、400×gで、10分間、そし
て、20,000×gで、30分間遠心することで、BPI活性の
大部分を含み、顆粒に富んだ画分を得た。連続的に攪拌
しながら、4℃にて、一晩、約19容の0.2M酢酸ナトリウ
ム(pH4)で顆粒に富むペレットを抽出した。抽出物
は、20,000×gで、30分間の遠心で生じた上清として集
めた。
別法として、PMN(2〜3×108細胞/ml)は、ポッタ
ー−エルベヘムのガラス製均質化装置(Potter−Elvejh
em Glass Homogenizer)とモーター駆動型テフロン乳棒
(Kontes;Kimble Div.of Owensの従属会社、イリノイ
州)で、0℃にて破砕し、BPIホロ蛋白質を可溶化させ
るため、0℃にて30分間、0.16N硫酸で抽出した。4℃
にて、20分間、23,000×gで遠心し、不溶物を沈降させ
た後、抽出物を、20mM酢酸ナトリウム/酢酸緩衝液(pH
4.0)に対して透析した。これら抽出物中のBPIは、4℃
にて、分子篩カラム(SEPHADEX G−75、スーパーファイ
ン、Pharmacia Fine Chemicals社、ピスカータウェイ、
ニュージャージー州)を用いた、ゲルろ過クロマトグラ
フィーにより精製した。ビーズを、製造者の指示に従い
調製し、0.2Mの酢酸ナトリウム(pH4.0)中で平衡化し
た。この技術を用いて、実質的に全てのBPIホロ蛋白質
活性が、ボイドボリュームの直後の不連続蛋白質ピーク
(適用した総蛋白質の5〜6%)に相当する単一ピーク
(画分35〜39)として溶出された。
ヒトBPIホロ蛋白質を含有するクロマトグラフィー画
分は、イオン交換樹脂(SP−SEPHDEX,Pharmacia Fine C
hemicals社、ピスカータウェイ、ニュージャージー州)
で、さらにクロマトグラフィーに付した。蛋白質は、0.
1N塩化ナトリウム−0.2M酢酸ナトリウム/酢酸緩衝液
(pH4.6)中で平衡化したカラムに適用し、緩衝塩化ナ
トリウムの段階勾配(0.3、0.5および0.75M)で溶出し
た。ヒトBPIホロ蛋白質は、最後の段階で溶離した。
精製したヒトBPIホロ蛋白質は、HPLCシステム(Model
332、Beckman Instruments社、フラートン、カリフォ
ルニア州)を用いて、逆相C−4(Vydac)カラム(Sot
a Chromatography社、クロムパンド、ニューヨーク州)
による高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)で分離し
た。カラムは、0.1%トリフルオロ酢酸(TFA,Pierce Ch
emical社、ロックフォード、イリノイ州)中のアセトニ
トリル直線勾配(0〜95%容/容、J.T.Baker Chemical
社、フィリップスバーグ、ニュージャージー州)を使用
した。ヒトBPIを、約70%アセトニトリルで溶出し、10m
M酢酸アンモニウム/酢酸緩衝液(pH4.6)の約50容に対
して透析した。精製BPIは、0.2M酢酸ナトリウム/酢酸
緩衝液(pH4.0)または10mM酢酸アンモニウム/酢酸緩
衝液(pH4.0)のいずれかの液中で、4℃にて保存し
た。
実施例2:ヒトBPI断片の製造 精製ヒトBPIホロ蛋白質は、0.1M HEPES−水酸化ナト
リウム緩衝液中で、pH7.4で、18時間インキュベート
し、次いで、Laemmli,U.K.,Nature 227:680−685,1970
に記載の、0.375Mトリス/塩酸および0.1%SDSを含む緩
衝システムを使用した12%ポリアクリルアミドゲルでの
ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳
動(SDS−PAGE)によって分析した。その結果を、第1
図に示す。第1図中、レーンA〜Eは、周知のクーマシ
ーブルー法を用いて染色し、また、レーンFとGは市販
キット(Bio−Red,Bio−Red Labs社,リッチモンド、カ
リフォルニア州)を用いて銀染色した。
10mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH4.6)中で、2カ月
間、4℃にてインキュベートすると、10μgの精製ヒト
蛋白質(第1図、レーンA)は、約35kDaおよび25kDaの
2つの断片(第1図、レーンB)となった。精製ヒトBP
Iホロ蛋白質(10μg)の0.1M HEPES/水酸化ナトリウム
緩衝液での、pH7.4、37℃における24時間のインキュベ
ートは、ホロ蛋白質の減少と同時にこれら2つの、特
に、25kDaの断片の蓄積を増大させた(第1図、レーン
C)。ホロ蛋白質に関して上記した通りインキュベート
した混合物の逆相HPLCは、2つの主要な蛋白質ピーク、
すなわち、1つは天然のヒトBPIホロ蛋白質と共に溶出
したもの、いま1つはそれよりも少し早く溶出したもの
を析出した(第2図)。後のピークの蛋白質は、SDS−P
AGE上では単一の60kDaの断片として泳動し、先のピーク
の蛋白質は、単一の25kDaの断片として泳動した(第1
図、各々レーンDおよびE)。この工程の繰り返しの
際、回収されたヒトのホロ蛋白質の断片化と、25kDa断
片の分離とが反復され、このことは、25kDa断片がヒトB
PI由来であることを実証するものである。
同様の方法で、上記実施例1に準じて精製したウサギ
のBPIホロ蛋白質(500ng、第1図、レーンF)を、0.1M
HEPES−水酸化ナトリウム(pH7.4)で、37℃にて、18
時間インキュベートした後、25kDaの大きさに断片化し
た(第1図、レーンG)。
実施例3:BPI断片のNH2-末端アミノ酸組成および配列分
析 本発明の25kDaのヒトBPI断片をアミノ酸分析し、その
結果を、60kDaのヒトの精製ホロ蛋白質のアミノ酸分析
と比較した。アミノ酸組成は、ウォーターズピコタグの
アミノ酸分析機(Waters Associates社、ミルフォー
ド、マサチューセッツ州)を使用し、Bidlingmyer,B.A.
et al.,J.Chrom.336:93−104(1984)に記載の方法に従
って決定した。試料は、真空中で、110℃にて、24時
間、0.05%フェノールを含有する5.7N塩酸で予め処理し
た。
その結果を、以下の第1表に示す。
上に示した数値は、各アミノ酸のモル画分(%)を表
し、3つの独立した測定値の平均である。「Asx」は、
アスパラギンおよび/またはアスパラギン酸を、また、
「Glx」は、グルタミンまたはグルタミン酸を表す。
アミノ酸分析は、25kDaのヒトBPI断片は、ホロ蛋白質
と比較すると、リジンおよびセリンに富み、非極性残基
をより少なく含むことを示している。
本発明のヒトBPI断片とホロ蛋白質のNH2-末端分析
は、ホロ蛋白質にはアミノ酸配列解析機(Beckman,Mode
l 890C,Beckman Instruments社、フラートン、カリフォ
ルニア州)を、断片には気相解析機(Applied Biosyste
ms,Model 470A,Applied Biosystems社、フォスターシテ
ィー、カリフォルニア州)を使用し、周知の配列決定用
のエドマン分解法(Edman,P.Eur.J.Biochem.1:80−91,
(1967))により解析を行った。エドマン分解のプロセ
スにおいて順次遊離するアミノ酸のフェニルチオヒダン
トイン誘導体に関して、ヒトBPIには150mm C−18カラム
(IBM Instrments社、ウィリングフォード、コネチカッ
ト州)を、本発明の断片にはODSカラム(Dupont Zorbax
ODSカラム、E.I.Dupont de Nemours社、ウィリント
ン、デラウェア州)を用い、逆相HPLCにより分析した。
その結果を、以下の第2表に示した。
第2表中のデータから明らかな通り、本発明の25Kdの
ヒトBPI断片とヒトPMNから得たホロ蛋白質のNH2-末端ア
ミノ酸配列は、最初の20個のアミノ酸残基において同一
であり、このことは、この断片が、ヒトのホロ蛋白質の
NH2-末端部分であることを示すものである。
実施例4:本発明BPI断片の生物学的特性 本発明の25kDaのヒトBPI断片の抗菌効果を、ホロ蛋白
質の既知の活性と比較した。ガラクトースを欠く培地中
で短鎖リポ多糖類(LPS)を産生するE.coli J5(Dr L.L
eive,NIH、ベセスダ、メリーランド州より入手)を一晩
生育させ、Simon,E.G.et al,Proc.Nat.Acad.Sci.USA 5
1:877(1964)の記載に従い、トリエタノールアミン緩
衝培地で、37℃で、継代培養した。5×106個のE.coli
J5を、250μlの体積にて、ヒトのホロ蛋白質または本
発明の25kDaのヒトBPI断片の量を増加させながらインキ
ュベートした。細菌の生存度への影響を(1)インキュ
ベート混合物の画分(5×105細菌)を、2mlの栄養培地
(Difco Laboratories社、デトロイト、ミシガン州)に
希釈し、細菌の増殖を測定し(37℃、約4時間後、標準
分光光度計を使用した550nmにおける吸光度)、あるい
は(2)栄養寒天培地上に希釈サンプルを広げ、37℃、
1晩のインキュベート後に細菌コロニーを数えることに
よって測定した。その結果を、第3図に示した。第3図
中、白丸はBPIホロ蛋白質で処理した細菌を、また、黒
丸は本発明の25kDaのヒトBPI断片で処理した細菌を表
す。
第3図Aは、分離された本発明の25kDaのヒトBPI断片
が、ホロ蛋白質に対して高度に感受性の細菌株、E.coli
J5を、用量依存的に殺菌したことを示す。さらに、第
3図Aに示したデータの直線回帰は、本発明の断片がホ
ロ蛋白質に対して、質量基準で約2倍強力であることを
示し、本発明の断片が、ホロ蛋白質の半分の大きさであ
ることから、モル基準ではほぼ同等の効果を有すること
を示している(第3図A)。
哺乳類BPIによるE.coliの殺菌は、当初は、細菌の生
合成機構に明瞭な悪影響を何ら与えることなく、外被の
変質のみを伴った。第3図Bは、ほぼ完全な致死量にお
いても、ヒトのホロ蛋白質および本発明の25kDaのヒトB
PI断片の双方とも、細菌の蛋白合成阻害をほとんど起こ
さなかった。それと対照的に抗生物質アクチノマイシン
D(Merck,Sharp and Dohme社、セントルイス、ミズー
リ州;第3図C)の50μg/mlの存在下で投与された場
合、本発明の断片およびホロ蛋白質のいずれもほぼ完全
な、E.coli J5での蛋白質合成阻害を起こした。アクチ
ノマイシンDによるこの効果は、細菌の外膜に対する透
過性を増大せしめ、通常透過しないアクチノマイシンD
の細胞への侵入を許し、それが細胞内でRNA、結果とし
て蛋白質の合成を阻害したことを示している。本発明の
断片およびホロ蛋白質の透過性増大効果の用量依存性
は、上記細菌活性に関して示されたものと同様であり、
それは、透過性増大効果の面においても、質量基準で
は、本発明の断片はホロ蛋白質の2倍の活性を有するこ
とを示すものである。
本発明の断片の細菌リン脂質に対する効果をホロ蛋白
質として比較するため、Elsbach,P.et al.,J.Biol Che
m,254:11000−11009(1979)の記載に従って、細菌を生
育させながら(1−14C)−オレイン酸(New England N
ucler社、ボストン、マサチューセッツ州)で予め標識
した。インキュベート混合物には、リン脂質分解産物(
14Cを欠く脂肪酸および14C−リン化合物)がメンブレン
フィルター(Millipore HAWP、Millipore Corp社、ベッ
ドフォード、マサチューセッツ州)を通過し、加水分解
されていない細菌の14C−リン脂質から分離するよう
に、それら分解産物を捕捉する0.4%ウシ血清アルブミ
ン(W/V)を添加し、リン脂質分解を測定した。その結
果を、第3図Dに示した。
第3図Dに示したように、ホロ蛋白質による細菌リン
脂質分解酵素の用量依存的な活性化は、本発明の25kDa
のBPI断片によっても生じ、この場合も、ホロ蛋白質に
よる効果と匹敵する効果を得るためには半分の量の蛋白
質が要求されるのみであった。長いポリ多糖類鎖を有す
るリポ多糖類の細菌外被(滑面株)に存在するため、E.
coliに対するBPIホロ蛋白質の作用は妨げられる。滑面
E.coli株(0111:B4)に対する本発明の25kDaのBPI断片
の効果を、ホロ蛋白質のそれと比較した。E.coli 0111:
B4は、E.coli J5よりも長い多糖類鎖を持つ滑面株であ
る。
細菌(1×106)を、125μlの混合物中で、BPIホロ
蛋白質または本発明の25kDaのBPI断片の量を増加させな
がらインキュベートした。細菌の生存度を上記した通り
測定し、単独でインキュベート(何も添加しない)した
細菌の生存度に対するパーセント(%)で表してある。
その結果を、第4図に示した。
第4図に示した通り、E.coli 0111:B4に対し、本発明
の25kDaのBPI断片(黒丸)は、ホロ蛋白質(白丸)の約
5倍強力であった。本発明の25kDaのBPI断片が、ホロ蛋
白質に対して5倍もの強い活性を有していることは、本
発明の断片のより小さなサイズの断片が、LPS多糖類鎖
の根本の結合部位への断片の接近を容易にする要因であ
ることを示唆している。
グラム陰性細菌に対する本発明の25kDaのヒトBPI断片
での細胞毒性が、ホロ蛋白質として、維持されているか
否かを決定するために、グラム陰性細菌、Micrococcus
lysodeikticus(M.サルトン博士(Dr.M.Salton)、ニュ
ーヨーク大学、ニューヨーク、ニューヨーク州から入
手)に対する、25kDaの断片とホロ蛋白質の活性を比較
した。細菌は、37℃で、脳心臓浸出ブロース(Brain He
art Infusion Broth、Difco Laboratories社、デトロイ
ト、ミシガン州)で生育させた。細菌の生存度は前出の
E.coliの場合と同様にして測定した。
本発明の25kDaのヒトBPI断片のスペクトルおよび抗菌
活性の有効性は、ホロ蛋白質のそれと少なくとも同等
で、時には実質的にはより大きいことを示している。こ
れらデータは、BPI細胞毒性に必要とされる分子決定因
子のすべてが、本発明の断片に含有されたBPI分子の部
分に存在することを示唆している。
実施例5:ヒトBPI cDNAのクローニングおよびアミノ酸配
列の同定 ヒトBPIの33個のアミノ末端残基をコードするよう、
2つの合成オリゴヌクレオチドを設計した。
各々、先にOoi.C.E.et al.,(J.Biol.Chem,262:14891
−14894,1987)によって部分的に報告されたヒトBPI配
列の半分をコードするように設計した。プローブは、当
該技術分野において周知の標準技術を用いて32Pキナー
ゼで標識し、Lawn,R.M.et al(Cell 15:1157−1174、19
78)によって開示されたヒトゲノム肝臓ライブラリーを
個別にスクリーニングするために使用した。各プローブ
と個別にハイブリダイズした500,000個のプラークの
内、6個のクローンが同定された。これらクローンの内
の一つのハイブリダイズ領域の配列決定をしたところ、
それらは明らかにヒトBPIのアミノ末端をコードしてい
た。この配列はイントロンあるいは介在配列によって中
断されていたが、次のイントロンの前に位置する別の22
個のアミノ酸残基と思われる。
遺伝子配列に基づき、コードされたアミノ末端の55個
のアミノ酸残基に正確に対応る新たなDNAプローブが合
成された。このプローブは、ジメチルスルフォキサイ
ド、DMSOによって誘導されたヒトHL−60細胞(ATCC CCL
240;American Type Culture Collection,ロックビル、
メリーランド州、から入手可能)から調製した、小さな
cDNAライブラリーをスクリーニングするために用いた。
300,000個のプラークのライブラリーの中で、そのプ
ローブと厳密にハイブリダイズする4個のクローンが分
離された。そのクローンのDNAを分離し、ハイブリダイ
ズする領域をジデオキシ鎖終止法(Smith,A.J.H.,Meth.
Enzym.65:560−580,1980)によって配列決定した。最も
長いクローンの配列を、第5図に示した。
第5図に示した通り、配列は31個のアミノ酸シグナル
ペプチド、続いて、456残基の成熟蛋白質からなると考
えられる。ヒトBPIの蛋白質配列によって決定されたア
ミノ末端配列は、コードされたcDNAと正確に対となっ
た。さらに、コードされた蛋白質の推定アミノ酸組成
は、前出のOoi.C.E.et al.の文献に開示された、精製ヒ
トBPIについて決定されたアミノ酸組成と密接に対応し
た。
コードされた配列は50.6kDaの蛋白質と考えられ、概
算した精製ヒトBPIの分子量は約58kDでああった。見か
けの大きさにおけるこの差異は、当該蛋白質の122およ
び249位の潜在的な2つのN−結合グリコシル化部位の
存在を表すものかもしれない(第5図中上線で示す)。
さらに、このcDNAによる、ヒトBPIのコードを確認す
るために、哺乳類細胞中でその発現を試みた。哺乳類細
胞発現ベクター中で全cDNAをサブクローニング(Wood.
W.I.et al,Nature 312:330−337,1984)し、次いで、ヒ
ト腎臓細胞系に感染させて導入した。少量の組換えBPI
が一時的に生産され、ウェスタンブロッティング法によ
ると、天然のヒトBPI(結果は示さず)のそれと合致す
る移動度の免疫反応性バンドを示した。
種々のヒト組織におけるBPIの発現を、次に、ノーザ
ンブロットハイブリダイゼーションによって分析した。
RNAは種々の組織から調製し(Chirgwin,J.M.et al.,Bio
chem.24:5294−5299、1979)、オリゴdT−セルロースへ
通し、フォルムアルデヒドアガロースゲルにて電気泳動
した(Dobner P.R.et al.,Proc.Nat.Acad.Sci.USA 78,2
230−2234、1981)。
Thomas,P.S.,Proc.Nat.Acad.Sci.USA 77:5201−520
5、(1980)の記載に従って、ニトロセルロース上に移
し、緊縮条件下で、BPI cDNAとハイブリダイズさせた。
第6図に示す通り、BPI cDNAは、慢性骨髄細胞白血病
患者の脾臓から調製したmRNAと良好にハイブリダイズし
た。その脾臓には未成熟骨髄細胞が十分に浸潤してい
た。ハイブリダイズシグナルのサイズは、長さで約2,00
0ベースであり、それは、第5図に示されたcDNA配列が
全体としての長さ(全長)であることを示唆している。
BPIプローブは、正常な脾臓、成熟した末梢血白血球、
肝臓、腎臓あるいは脳のmRNAとはハイブリダイズしなか
った(第6図)。この結果は、種々の細胞タイプおよび
組織におけるBPIの位置に関する先の観察と合致してい
る。
BPIの存在は骨髄系の細胞に限定されていることが先
に示されている。BPI cDNAはまた、ヒトゲノムのDNAの
サザンハイブリダイゼーションでのプローブとして使用
された。DNAは、Blin.N.et al.,(Nuc.Acids Res,3:230
3−2308、1976)の記載に従って、ヒト末梢血白血球か
ら分離し、制限エンドヌクレアーゼEco RI,Bam HIおよ
びHind IIIで消化し、1%アガロースゲル上で分画し
た。DNAを、(Southern,E.M.,J.Mulec.Biol.98:503−51
7、1975の記載に従って)ニトロセルロースに移し、緊
縮条件下にて、BPI cDNAプローブの5′末端断片とハイ
ブリダイズさせた(Maniatis et al.,Molecalar Clonin
g,a laboratory Manual,pp 387−389、Cold Spring Har
bor Laboratoires,ニューヨーク、(1982))。
第7図に示す通り、BPI cDNAの5′末端がプローブと
して用いられた場合、Eco RIおよびBam HIを使用して制
限消化すると、ハイブリダイズする単一バンドが観察さ
れた。これは、BPIが単一の遺伝子にコードされている
ことを示唆する。
ヒトBPI蛋白質配列の主要構造は、その機能に対して
決定的となり得るいくつかの特徴を示す。上述のよう
に、25kD断片のアミノ末端はホロ蛋白質の全ての殺菌活
性を含む。25kD断片のアミノ末端をホロ蛋白質と比較す
ると、明確な荷電非対称性が観察できる。アミノ末端
は、酸性残基より16個多い塩基性残基(28個のリジン/
アルギンに対して12個のアスパラギン酸/グルタミン
酸)を含有する一方、カルボキシ末端はわずかに酸性
(20個の塩基性残基に対して22個の酸性残基)である。
アミノ末端ドメインの極度な塩基性は、BPIとバクテ
リア外被の負に荷電したLPSとの静電気的相互作用を促
進する。
ヒトBPI断片とペニシリンを併用したグラム陰性細菌の
処置 本発明のヒトBPI断片は、該断片と、ペニシリン−G
あるいは疎水性誘導体、ペニシリン−Vを含む組成物の
効果を試験するために使用されるであろう。滑面グラム
陰性細菌(E.coli 0111:B4)および粗面グラム陰性細菌
(E.coli J5)の双方を、実施例3での手順によって植
菌し:本発明の25kDaのヒトBPI断片(1μg〜1000μ
g)単独、ペニシリン−G(3,000〜300,000単位)単
独、ペニシリン−Vベンザジン(3,000〜300,000単位)
単独、および同一濃度の前述のものの混合物として含む
組成物、例えば、BPI断片とペニシリン−G、およびBPI
断片とペニシリン−Vを含む混合物の2倍希釈物でイン
キュベートする。細菌の生存度は、実施例3の手順に従
って観察する。
25kDaのヒトBPI断片の存在下では、いずれのペニシリ
ンも、より少量にて滑面および粗面双方のE.coli菌株の
殺菌が期待され、それは本発明のこの有効性を示唆する
ものである。
図面の簡単な説明 第1図は、本発明のヒトBPI断片の生産・精製を示す
染色したSDS−PAGEゲルの写真の図である。
第2a図および第2b図は、逆相HPLCでの、(a)ヒトBP
Iホロ蛋白質、および(b)本発明の25kDaのヒトBPI断
片に関するクロマトグラフィーにおける挙動を示すグラ
フである。
第3A図〜第3D図は、本発明の25kDaのヒトBPI断片およ
びホロ蛋白質のE.coli J5に対する生物学的活性を比較
したグラフである。
第4図は、本発明の25kDaのヒトBPI断片およびホロ蛋
白質のE.coli 0111:B4に対する殺菌効果を比較するグラ
フである。
第5図は、ヒトBPIをコードするcDNAの配列と対応す
るアミノ酸配列を表した図である。
第6図は、ヒトBPIのmRNAのノーザンブロット分析の
放射能写真の図である。
第7図は、BPIのcDNAプローブを使用したヒトゲノムD
NAのサザンブロット分析の放射能写真の図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12R 1:19) (C12P 21/00 C12R 1:91) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 14/47 A61K 38/00 ADZ C12N 15/09 C12P 21/00 BIOSIS(DIALOG) GenBank/EMBL/DDBJ MEDLINE(STN)

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】殺菌性/透過性増大蛋白質(BPI)の分子
    量の半分以下の分子量を有し、かつ該蛋白質(BPI)のN
    H2−末端ドメインから誘導されたポリペプチドであっ
    て、前記ポリペプチドが、前記蛋白質(BPI)の殺菌性
    /透過性増大活性を保有している、ことを特徴とするポ
    リペプチド。
  2. 【請求項2】前記ポリペプチドが、SDS−PAGEによって
    決定された25,000の見かけの分子量を有する請求項1に
    記載のポリペプチド。
  3. 【請求項3】前記ポリペプチドが、 のアミノ末端配列を有する請求項1または2に記載のポ
    リペプチド。
  4. 【請求項4】哺乳類でのグラム陰性細菌に起因する疾患
    の治療用薬剤組成物であって、請求項1乃至3のいずれ
    かに記載のポリペプチド、および薬学的に許容可能な希
    釈剤、補助薬または担体を含む、ことを特徴とする薬剤
    組成物。
  5. 【請求項5】哺乳類でのグラム陰性細菌に起因する疾患
    の治療剤であって、前記治療剤が、有効成分として、請
    求項1乃至3のいずれかに記載のポリペプチドを含む、
    ことを特徴とする治療剤。
  6. 【請求項6】前記疾患が、敗血症あるいは菌血症である
    請求項5に記載の治療剤。
  7. 【請求項7】哺乳類でのグラム陰性細菌に起因する疾患
    の治療剤の製造方法であって、請求項1乃至3のいずれ
    かに記載のポリペプチドを有効成分として使用する工程
    を含む、ことを特徴とする治療剤の製造方法。
  8. 【請求項8】前記疾患が、敗血症あるいは菌血症である
    請求項7に記載の治療剤の製造方法。
  9. 【請求項9】哺乳類でのグラム陰性細菌に起因する疾患
    の治療のために抗生物質と共に使用される治療剤であっ
    て、前記治療剤が、有効成分として、請求項1乃至3の
    いずれかに記載のポリペプチドを含む、ことを特徴とす
    る治療剤。
  10. 【請求項10】前記抗生物質が、ペニシリン、セファロ
    スポリン、またはリファンピシンである請求項9に記載
    の治療剤。
  11. 【請求項11】哺乳類でのグラム陰性細菌に起因する疾
    患の治療のために抗生物質と共に使用される治療剤の製
    造方法であって、請求項1乃至3のいずれかに記載のポ
    リペプチドを有効成分として使用する工程を含む、こと
    を特徴とする治療剤の製造方法。
  12. 【請求項12】前記抗生物質が、ペニシリン、セファロ
    スポリン、またはリファンピシンである請求項11に記載
    の治療剤の製造方法。
  13. 【請求項13】グラム陰性細菌に起因する疾患の治療に
    おいて使用される抗生物質のための増強剤であって、前
    記増強剤が、有効成分として、請求項1乃至3のいずれ
    かに記載のポリペプチドを含む、ことを特徴とする増強
    剤。
  14. 【請求項14】前記抗生物質が、ペニシリン、セファロ
    スポリン、またはリファンピシンである請求項13に記載
    の増強剤。
  15. 【請求項15】グラム陰性細菌に起因する疾患の治療に
    おいて使用される抗生物質のための増強剤の製造方法で
    あって、請求項1乃至3のいずれかに記載のポリペプチ
    ドを有効成分として使用する工程を含む、ことを特徴と
    する増強剤の製造方法。
  16. 【請求項16】前記抗生物質が、ペニシリン、セファロ
    スポリン、またはリファンピシンである請求項15に記載
    の増強剤の製造方法。
  17. 【請求項17】抗生物質に対するグラム陰性細菌の耐性
    を減退するための耐性抑制剤であって、前記耐性抑制剤
    が、有効成分として、請求項1乃至3のいずれかに記載
    のポリペプチドを含む、ことを特徴とする耐性抑制剤。
  18. 【請求項18】前記抗生物質が、アクチノマイシンDで
    ある請求項17に記載の耐性抑制剤。
  19. 【請求項19】抗生物質に対するグラム陰性細菌の耐性
    を減退するための耐性抑制剤の製造方法であって、請求
    項1乃至3のいずれかに記載のポリペプチドを有効成分
    として使用する工程を含む、ことを特徴とする耐性抑制
    剤の製造方法。
  20. 【請求項20】前記抗生物質が、アクチノマイシンDで
    ある請求項19に記載の耐性抑制剤の製造方法。
  21. 【請求項21】グラム陰性細菌のin vitroでの殺菌方法
    であって、前記グラム陰性細菌を請求項1乃至3のいず
    れかに記載のポリペプチドと接触する工程を含む、こと
    を特徴とするグラム陰性細菌の殺菌方法。
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