JP2001516422A - 自動車の走行抵抗を表す量の検出方法および検出装置 - Google Patents

自動車の走行抵抗を表す量の検出方法および検出装置

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、駆動系統を有する自動車から出発し、ここで駆動系統の要素は回転可能である。走行抵抗を表す量の検出は、車両の瞬時加速度を表す加速度量を検出することにより行われる。さらに車両の加速度に対する基準量を検出し、走行抵抗を表す量を、検出された加速度量と検出された基準量との比較に依存して検出する。本発明の核心は、駆動系統に配置された少なくとも1つの要素の回転トルクを表す回転量を検出することである。基準量の検出は本発明では、検出された回転量に依存して行われる。とりわけ、駆動系統に配置された個々の要素の回転量が別個の検出されるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】 自動車の走行抵抗を表す量の検出方法および検出装置 従来の技術 本発明は、独立請求項の構成を有する、自動車の走行抵抗を表す量の検出方法 および検出装置に関する。 自動車の駆動系統には、走行機関、機関付随装置(例えば発電機、エアコン) 、クラッチ、トルクコンバータ、変速比を変化する伝動装置、ディファレンシャ ルトランスミッション、および/または駆動される車輪のような多数の要素が配 置されている。駆動系統制御を最適に行うためには、車両の瞬時の負荷状態ない し瞬時の走行抵抗についての情報を使用することが必要である。走行抵抗は、例 えば登坂走行の際、および車両の空気抵抗係数の変化の際に上昇する。走行抵抗 の上昇によって、駆動系統の制御が適切に応答しなければならない状況が生じる 。例えば変速比検出のためのストラテジー適合が有利である。 電子的伝動装置制御は、負荷ないし走行抵抗識別のためのアルゴリズムを有す る。識別された負荷ないし識別された走行抵抗に依存して、切り替え特性曲線が シフトされるか、および/または往復切り替えを回避するための別の手段が開始 される。識別のために例え ば、実際の車両長手方向加速度と予想車両長手方向加速度との比較が行われる。 このために予想車両長手方向加速度が検出される。 特許願DE3018032C2(US4625590)には、車両の質量を“ 回転質量”だけ上昇させる方法が記載されている。これは前記作用を補償するた めである。しかしこの手段では、この“回転質量”をギヤ段に依存して補正しな ければならない。 本発明の課題は、できるだけ小さな適用コストによって、瞬時の走行抵抗を正 確に検出することである。 この課題は本発明の独立請求項に記載の構成によって解決される。 発明の利点 すでに述べたように本発明は、駆動系統を有する自動車から出発するものであ り、この駆動系統の要素は回転可能である。このような要素は、車両機関、機関 付随装置、クラッチ、トルクコンバータ、変速比の変更可能な伝動装置、ディフ ァレンシャルトランスミッションおよび/または車輪である。走行抵抗を表す量 の検出は、車両の瞬時の加速度を表す加速度量の検出により行う。さらに車両の 加速度に対する基準量が求められ、走行抵抗を表す量が、検出された加速度量と 求められた基準量との比較に依存して検出される。 本発明の核心は、駆動系統に配置された少なくとも1つの要素の回転トルクを 表す回転量を検出すること である。 駆動系統の各個別の要素を遅延または加速するために必要なトルクを考慮する ことにより、走行抵抗を非常に正確に検出することができる。駆動系統の各個別 の要素を別個に考慮することにより、簡単に変数形成することができる。したが って例えば、組み込まれた伝動装置の変速段を変更する際には、回転量について の本発明による検出(要素“伝動装置”に該当する)の一部だけを変形すれば良 い。全体的特性量の適合は必要ない。 特に有利には、駆動系統に配置された要素の瞬時回転運動を表す回転運動量を 検出する。それぞれの回転量は次に、それぞれの要素の検出された瞬時回転運動 に依存して求められる。ここでは特に、回転運動量が要素の瞬時回転速度を含む ようにする。 個々の要素の回転運動、とりわけ個々の要素毎に異なる回転運動を考慮するこ とにより、走行抵抗が要素として検出される。したがって物理的基本に基づき、 経験的特性量の適用が省略される。このことにより適用コストが低減される。 さらに基準量の検出を次のように行うと有利である。すなわち、検出された回 転量に依存して、車輪により出力されるトルクを表す車輪駆動トルク量、および /または車輪により出力される出力を表す車輪出力量を形成するのである。 本発明の有利な構成は従属請求項に記載されている。 図面 図1は、走行抵抗検出のための基本略図である。 図2は、予想長手方向加速度を求めるための基本略図である。 図3は、駆動系統のトルク関係を示す概略図である。 図4は、車輪から出力される駆動出力の検出経過を示すフローチャートである 。 実施例 本発明を、以下実施例に基づいて詳細に説明する。 予想長手方向加速度a_L,erwを実際の長手方向加速度a_Lと比較することにより 、走行抵抗を検出することができる。このためには、実際の車両加速度を検出す る必要がある。この車両加速度は時間インターバル[to-T,to]を介して求めら れる。この時間インターバルでは同じように、予想加速度も求められる。 実際の加速度に及ぼす影響量および基本が図1に示されている。ブロック10 2により実際の車両が示されており、車両は走行抵抗に影響を及ぼす所定の量( 例えば走行路勾配、車両質量、転がり抵抗係数、風速、空気密度、空気抵抗係数 )の影響を受ける。車輪から和として出力される出力pw_radに基づいて、実際の 車両102は瞬時に存在する長手方向加速度a_Lを実 現する。 走行抵抗を検出するために、予想される長手方向加速度に対する値a_L,erwを 車両基準モデル101を用いて求める。予想される長手方向加速度a_L,erwの検 出に対してもっとも重要な入力量はここでは、車輪から和として出力される出力 pw_radである。 すでに述べたように予想長手方向加速度a_L,erwの検出は、車輪から和として 出力される駆動出力pw_radに基づいて行われる。 図2は、予想長手方向加速度a_L,erwを検出するための計算規則を示す。予想 長手方向加速度は時間インターバル[to-T,to]を介して平均される。 このために後で説明するブロック201で、車輪から和として出力される出力 pw_radが求められる。この値から結合点202と203で、ブロック205と2 06で求められた、空気抵抗および転がり抵抗に打ち勝つための損失出力pw_luf tおよびpw_rollが減算される。ここでこれら損失出力は次のようにして検出する ことができる。 pw_luf=0.5*rho_luft*cw*(v_fzg)3*A pw_roll=f_roll*m_fzg*g*v_fzg rholuftは空気密度、cwは空気抵抗係数、Aは前面面積、v_fzgは車両長手方向速 度、m_fzgは車両質量、gは重力加速度である。 ブロック204で空気抵抗および転がり抵抗を考慮 して求められた出力値が、車両質量m_fzgと車両長手方向速度v_fzgの積により割 り算され、予想長手方向加速度a_L,erwが得られる。 実際の車両に作用する実際の長手方向加速度a_Lの検出はブロック211で例 えば車輪回転数の評価により行われる。 実際の長手方向加速度a_Lを予想長手方向加速度a_L,erwと比較することにより 、ブロック210で瞬時走行抵抗FWが検出される。この値FWは次に、駆動系統制 御部212でさらに処理され、切り替え特性曲線が瞬時に存在する走行抵抗に適 合される。 計算ブロック駆動部201は、車輪から和として出力される出力を送出する。 これは次式により定められる。 pw_rad=md_rad*n_rad ここでmd_radは駆動車輪により和として出力されるトルクであり、n_radは駆動 車輪の平均車輪回転数である。 トルクmd_radは、駆動系統で伝達されるトルクに注目することにより求められ る。 伝達されるトルクの検出の際には、駆動系統の各要素において加速または減速 のために必要な回転トルクを考慮する。この回転トルクは質量慣性トルクと角加 速度との積として得られる。図3は、量と駆動系統における各要素との対応を示 す。 使用される短縮記号は、要素の入力量、出力量および内部量に関連する。要素 は必ずしも駆動系統の構成部材と一致しない。以下の要素が注目される。 ・有効機関慣性トルクth_mを伴い、適用されたトルクmd_miにより駆動され、損 失トルクmd_m_verの付随する機関。 ・付随装置。ここで付随装置として機関クランクシャフトと固定的変速比で結合 されたすべての機械的装置(例えば発電機、エアコン)が上げられる。付随装置 は和として、クランクシャフトのトルクmd_naを使用し、和として質量慣性トル クth_naを有する。 ・トルクコンバータ。トルクコンバータは液圧式コンバータと摩擦クラッチの両 方を含む。トルクコンバータは入力側の質量慣性トルクth_w_eと出力側の質量慣 性トルクth_w_aにより表される。 ・伝動装置。伝動装置は例えばマニュアルシフト伝動装置、ギヤ段オートマチッ ク伝動装置、および無段ディスク・ベルト式伝動装置を含む。変速比に依存する 有効慣性トルクth_gにより表される。 ・ディファレンシャルトランスミッション。ここで注目される駆動系統ではワン ウェイモデルが前提とされる。したがってディファレンシャルトランスミッショ ンは1つの出力回転数だけを有する。これは有効質量慣性トルクth_gにより表さ れる。 ・車輪。車両の4つすべての車輪に対する代表であり 、質量慣性トルクth_rにより表される。 md_radを検出するために、駆動系統の各要素により出力トルクが計算される。 ここでは次の量が利用される。 md_mi 機関:適用されたトルク(内燃機関により生じるトルク) md_m_ver 機関:損失トルクの和 md_m_rot 機関:回転トルク md_ma 機関:出力トルク md_na 付随装置:消費されたトルクの和 md_na_rat 付随装置:クランクシャフトに関連する回転トルクの和 md_na_eff 付随装置:有効に使用されるトルクの和 md_kup クラッチトルク md_we トルクコンバータ:入力トルク md_w_rot トルクコンバータ:回転トルクの和 md_wa トルクコンバータ:出力トルク md_ge 伝動装置:入力トルク md_g_rot 伝動装置:回転トルク md_ga 伝動装置:出力トルク md_de ディファレンシャル:入力トルク md_d_rot ディファレンシャル:回転トルク md_da ディファレンシャル:出力トルクの和 md_an 駆動トルク md_rbr 車輪:制動トルクの和 md_r_rot 車輪:回転トルクの和 md_rad 車輪:車輪トルクの和 図4に基づいて、md_radの計算を説明する。ここでは量に後置された符号“_d ot”はこの量の時間的導関数を表す。さらにpi=3.14159である。伝動装置および ディファレンシャルでは質量慣性トルクは取り決めとして入力側に関連される。 ・計算ブロック401(機関): md_ma=md_mi-md_mver-md_m_rot md_m_rot=2*pi*th_m*n_m_dot ・計算ブロック402(付随装置): md_na=md_na_eff+md_na_rot md_na_rot=2*pi*th_na*n_m_dot ・計算ブロック403(クラッチトルク): md_kup=md_ma-md_na ・計算ブロック404(トルクコンバータ): md_wa=[(md_we_md_w_rot_e)*mue_w]-md_w_rot_a md_w_rot_e=2*pi*th_w_e*n_we_dot md_w_rot_a=2*pi*th_w_a*n_wa_dot ここでmue_wはトルクコンバータの定常トルク変速比である。 ・計算ブロック405(伝動装置): md_ga=(md_ge-md_g_rot)*mue_g md_g_rot=2*pi*th_g*n_ge_dot ここでmue_gは伝動装置の定常トルク変速比である。 ・計算ブロック406(ディファレンシャル): md_da=(md_de-md_d_rot)*mue_d md_d_rot=2*pi*th_d*n_de_dot ここでmue_dはディファレンシャルの定常と来る変速比である。 ・計算ブロック407(車輪): md_rad=md_an-md_r_br-md_r_rot md_r_rot=2*pi*th_r*n_rad_dot まとめると、駆動系統の各個々の要素を減速または加速するために必要なトル クを考慮することにより、トルクmd_radを従来公知の方法よりも正確に計算する ことができる。このことにより、検出アルゴリズムの晶質が向上する。 検出を物理的基礎に基づいて行うことにより、経験的特性量の適用が省略され る。これによって適用コストが低減される。 検出方法を要素に分割することにより、変数形成が簡単になる。したがって例 えば、組み込まれた伝動装置の変速段が変化する場合、図4の計算ブロック40 5をだけを変形すればよい。“回転全体質量”による回転トルクを考慮するよう な全体特性量の適合は必要ない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アンドレア シュタイガー−ピシュケ ドイツ連邦共和国 D―71287 ヴァイス ザッハ バーンホーフシュトラーセ 8 (72)発明者 マーティン−ペーター ボルツ ドイツ連邦共和国 D―71720 オーバー ステンフェルト ザクセンヴェーク 4 (72)発明者 マルコ ポルヤンセック ドイツ連邦共和国 D―72768 ロイトリ ンゲン フェルトベルクシュトラーセ 20 (72)発明者 ヴォルフガング ヘルムゼン ドイツ連邦共和国 D―63110 ロートガ ウ オイゲン―ロート―シュトラーセ 15 (72)発明者 ホルガー ヒュールザー ドイツ連邦共和国 D―70329 シユツツ トガルト ベヒレンヴェーク 22

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 車両の駆動系統に回転可能な要素、例えば車両機関、機関付随装置、クラ ッチ、トルクコンバータ、変速比が変化する伝動装置、ディファレンシャルトラ ンスミッション、および/または車輪が配置されており、 車両の瞬時加速度を表す加速度量(a_L)を検出し、 車両の加速度に対する基準量(a_L,erw)を検出し、 自動車の走行抵抗を表す量を、検出された加速度量(a_L)と検出された基 準量(a_L,erw)との比較に依存して検出する、自動車の走行抵抗を表す量の検 出方法において、 駆動系統に配置された少なくとも1つの要素の回転トルクを表す回転量(md _m_rot,md_na_rot,md_w_rot_e,md_w_rot_a,md_g_rot,md_d_rot,md_r_rot)を検 出し、 基準量(a_L,erw)を、前記検出された回転量に依存して検出する、 ことを特徴とする、自動車の走行抵抗を表す量の検出方法。 2. 駆動系統に配置された個々の要素の回転量(md_rad,md_m_rot,md_na_rot, md_w_rot_e,md_w_rot_a, md_g_rot,md_d_rot,md_r_rot)を検出する、請求項1記載の方法。 3. 駆動系統に配置された要素の瞬時回転運動を表す回転運動量(n_m_dot,n_ we_dot,n_wa_dot,n_ge_dot,n_de_dot,n_rad)を検出し、 それぞれの回転量を、それぞれの要素の検出された瞬時回転運動に依存して 検出し、 回転運動量(n_m_dot,n_we_dot,n_wa_dot,n_ge_dot,n_de_dot,n_rad)は、 前記要素の瞬時回転加速度を含むようにする、請求項1記載の方法。 4. 基準量(a_L,erw)の検出は、検出された回転量に依存して、車輪から出 力されるトルクを表す車輪駆動トルク量(md_rad)を形成するか、および/また は車輪から出力される出力を表す車輪出力量(pw_rad)を形成することにより行 う、請求項1記載の方法。 5. 車両の駆動系統に回転可能な要素、例えば車両機関、機関付随装置、クラ ッチ、トルクコンバータ、変速比が変化する伝動装置、ディファレンシャルトラ ンスミッション、および/または車輪が配置されており、 車両の瞬時加速度を表す加速度量(a_L)を検出する手段と、 車両の加速度に対する基準量(a_L,erw)を検出する手段と、 自動車の走行抵抗を表す量を、検出された加速度量(a_L)と検出された基 準量(a_L,erw)との比較に依存して検出する手段とを有する、自動車の走行抵 抗の検出装置において、 駆動系統に配置された少なくとも1つの要素の回転トルクを表す回転量(md _rad,md_m_rot,md_na_rot,md_w_rot_e,md_w_rot_a,md_g_rot,md_d_rot,md_r_rot )を検出する手段と、 基準量(a_L,erw)を、前記検出された回転量に依存して検出する手段とが 設けられている、 ことを特徴とする、自動申の走行抵抗の検出装置。 6. 駆動系統に配置された個々の要素の回転量(md_rad,md_m_rot,md_na_rot, md_w_rot_e,md_w_rot_a,md_g_rot,md_d_rot,md_r_rot)が別個に検出される、請 求項5記載の装置。 7. 駆動系統に配置された要素の瞬時回転運動を表す回転運動量(n_m_dot,n_ we_dot,n_wa_dot,n_ge_dot,n_de_dot,n_rad)が検出され、 それぞれの回転量が、それぞれの要素の前記検出された瞬時回転運動に依存 して検出され、 回転運動量(n_m_dot,n_we_dot,n_wa_dot,n_ge_dot,n_de_dot,n_rad)は、 前記要素の瞬時回転加速度を含む、請求項5記載の装置。 8. 基準量(a_L,erw)の検出は、検出された回転量に依存して、車輪から出 力されるトルクを表す車 輪駆動トルク量(md_rad)を形成するか、および/または車輪から出力される出 力を表す車輪出力量(pw_rad)を形成することによって行われる、請求項5記載 の装置。
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