JP2001514937A5 - - Google Patents
Download PDFInfo
- Publication number
- JP2001514937A5 JP2001514937A5 JP2000509468A JP2000509468A JP2001514937A5 JP 2001514937 A5 JP2001514937 A5 JP 2001514937A5 JP 2000509468 A JP2000509468 A JP 2000509468A JP 2000509468 A JP2000509468 A JP 2000509468A JP 2001514937 A5 JP2001514937 A5 JP 2001514937A5
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fluid
- piston
- gas
- cylinder
- pressure
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 239000012530 fluid Substances 0.000 description 281
- 239000007789 gas Substances 0.000 description 91
- 230000003068 static Effects 0.000 description 19
- 238000002347 injection Methods 0.000 description 18
- 239000007924 injection Substances 0.000 description 18
- 230000036961 partial Effects 0.000 description 13
- 210000000078 Claw Anatomy 0.000 description 11
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 7
- 238000011068 load Methods 0.000 description 7
- 230000002265 prevention Effects 0.000 description 5
- 239000000243 solution Substances 0.000 description 5
- 238000001802 infusion Methods 0.000 description 4
- 239000000463 material Substances 0.000 description 4
- 238000010899 nucleation Methods 0.000 description 4
- 210000004940 Nucleus Anatomy 0.000 description 3
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 3
- 230000001276 controlling effect Effects 0.000 description 3
- 238000005755 formation reaction Methods 0.000 description 3
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 3
- MYMOFIZGZYHOMD-UHFFFAOYSA-N oxygen Chemical compound O=O MYMOFIZGZYHOMD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 239000001301 oxygen Substances 0.000 description 3
- 229910052760 oxygen Inorganic materials 0.000 description 3
- 238000005260 corrosion Methods 0.000 description 2
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 2
- 230000000670 limiting Effects 0.000 description 2
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 2
- 238000006011 modification reaction Methods 0.000 description 2
- FAPWRFPIFSIZLT-UHFFFAOYSA-M sodium chloride Chemical compound [Na+].[Cl-] FAPWRFPIFSIZLT-UHFFFAOYSA-M 0.000 description 2
- 239000011780 sodium chloride Substances 0.000 description 2
- 210000004369 Blood Anatomy 0.000 description 1
- 210000004351 Coronary Vessels Anatomy 0.000 description 1
- 206010022114 Injury Diseases 0.000 description 1
- 210000000088 Lip Anatomy 0.000 description 1
- 108060008443 TPPP Proteins 0.000 description 1
- 230000033115 angiogenesis Effects 0.000 description 1
- 238000002583 angiography Methods 0.000 description 1
- 239000008280 blood Substances 0.000 description 1
- 238000004140 cleaning Methods 0.000 description 1
- 230000015271 coagulation Effects 0.000 description 1
- 238000005345 coagulation Methods 0.000 description 1
- 238000007906 compression Methods 0.000 description 1
- 238000011109 contamination Methods 0.000 description 1
- 230000000875 corresponding Effects 0.000 description 1
- 230000003247 decreasing Effects 0.000 description 1
- 238000007872 degassing Methods 0.000 description 1
- 238000009792 diffusion process Methods 0.000 description 1
- 238000001647 drug administration Methods 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 1
- 230000000302 ischemic Effects 0.000 description 1
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 1
- 229920002529 medical grade silicone Polymers 0.000 description 1
- 238000000034 method Methods 0.000 description 1
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 1
- 150000002926 oxygen Chemical class 0.000 description 1
- 238000003825 pressing Methods 0.000 description 1
- 238000007789 sealing Methods 0.000 description 1
- 239000004945 silicone rubber Substances 0.000 description 1
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 1
- 238000011105 stabilization Methods 0.000 description 1
- 230000001429 stepping Effects 0.000 description 1
- 230000001629 suppression Effects 0.000 description 1
- RTAQQCXQSZGOHL-UHFFFAOYSA-N titanium Chemical compound [Ti] RTAQQCXQSZGOHL-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910052719 titanium Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000010936 titanium Substances 0.000 description 1
Images
Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ガス過飽和流体の高圧送出しシステム及び方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ガス過飽和流体を生成し、又は投与部位に送り出す装置であって、流体及びガスを収容していて、流体及びガスを出し入れするための1又は2以上のポートを有するシリンダ及び該シリンダ内で移動するようになっていて、前記シリンダの内容物を加圧し、ガス過飽和流体を所定の流体送出し圧力で送りだすピストンを有する流体組立体と、前記ピストンを前記シリンダ内で前進させるピストンプッシャ及びピストンプッシャを前進させる駆動システムを有する駆動組立体と、流体組立体及び駆動組立体を収容するシステムハウジングとから成り、流体組立体は、ガス過飽和流体の前記生成のためにシステムハウジングから取り出せることを特徴とする装置。
【請求項2】 前記流体組立体は、前記シリンダ内に設けられていて、前記流体及びガスを収容した使い捨て流体容器を更に有し、該使い捨て流体容器は、流体及びガスを出し入れするための前記シリンダの1又は2以上のポートと流体及びガス連通状態にある1又は2以上のポートを有することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】 前記使い捨て流体容器は、ピストンより圧縮されると、所定の仕方で潰れるよう折畳み線を有していることを特徴とする請求項2記載の装置。
【請求項4】 前記駆動組立体は、前記駆動システムによって回転させられるボールねじを更に有し、該ボールねじを第1の方向に回転させると、ピストンプッシャは前記流体組立体の方へ進み、第2の方向に回転させると、前記流体組立体から遠ざかる方へ進むことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項5】 前記駆動組立体は、前記ボールねじを支持する第1の軸受及び第2の軸受を更に有し、前記第1の軸受は、前記ピストンプッシャと前記駆動システムとの間でボールねじの一端の近くに位置し、第2の軸受は、ボールねじの他端に位置していることを特徴とする請求項4記載の装置。
【請求項6】 前記ピストンプッシャは、前記ボールねじに係合する係合部分及び前記ピストンに係合して該ピストンを送り進めるスプリット部分を有し、前記スプリット部分は、前記ピストンプッシャの前記スプリット部分が前記第2の軸受を越えて移動できるようにするために前記係合部分から延びる少なくとも2つの部分を有することを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項7】 前記駆動組立体は、前記システムハウジングに固定可能に取り付けられるピストンプッシャ回転防止板プレートを更に有し、該回転防止板プレートは、ピストンプッシャのスプリット部分の前記少なくとも2つの部分を受け入れるようになった少なくとも2つの孔を有し、前記回転防止板プレートは、ボールねじの回転により前記ピストンプッシャが送り進められるように前記ピストンプッシャの回転を防止することを特徴とする請求項6記載の装置。
【請求項8】 前記流体組立体は、前記シリンダポートと流体連通していて、流体を投与部位に送り出すためにシステム送出し器具に連結される出力部を備えたフローフラッシ弁を有するマニホルドを含み、前記弁は、流体の流れをシリンダから投与部位にもたらす第1の位置、洗浄流体の低速の流れを洗浄流体源からもたらす第2の位置、及び前記システムからの流体の流れを阻止する閉鎖位置を備えていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項9】 前記マニホルドは、前記シリンダポートと流体連通状態にある破裂板を含み、該破裂板は、前記流体の流体圧力が所定の安全圧力を越えると破裂し、それにより前記システムからの流体の流れを停止させることを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項10】 ガス過飽和流体を生成して送り出す装置であって、軸受により支持されている第1及び第2の端部を有する動力ねじと、動力ねじに係合するカラー部分及び動力ねじに沿ってカラー部分から延びる少なくとも2つの垂下部分を有していて、動力ねじの回転に応じて動力ねじ上を移動するピストンプッシャと、軸受及び動力ねじの一端を支持するよう動力ねじの前記一端に隣接して設けられていて、前記ピストンプッシャの前記垂下部分を挿通させることができる少なくとも2つの孔を備えた支持プレートと、動力ねじから見て支持プレートの反対側の側部に設けられた流体受入れシリンダと、前記シリンダ内で密封的且つ摺動自在に受け入れられていて、前記シリンダ内に受け入れられた流体を加圧するようピストンプッシャの垂下部分の作用を受けるピストンとから成ることを特徴とする装置。
【請求項11】 前記動力ねじ及び支持プレートは、ハウジング内に設けられ、前記ピストン及びシリンダは、前記ピストンプッシャの作用を受けるよう前記ハウジング内に取外し可能に収納できることを特徴とする請求項10記載の装置。
【請求項12】 ガス過飽和流体を生成して送り出す装置であって、支持構造体と、支持構造体によって支持されていて、ピストンプッシャを送り進める駆動機構と、支持構造体に取り付けられた流体組立体とから成り、前記流体組立体は、シリンダ及び該シリンダ内に設けられていて、前記シリンダ内で移動するようになったピストンを有し、前記シリンダは、流体及びガスを出し入れするための1又は2以上のポートを有し、前記ピストンは、前記ピストンを送り進めるためのピストンプッシャと協働し、前記流体組立体は、前記シリンダに流体及びガスを送り込んでガス過飽和流体を生じさせるために支持構造体から取り出せることを特徴とする装置。
【請求項13】 前記流体組立体は、流体及びガスを収容するために前記シリンダから取出し可能な流体容器を更に有し、該流体容器は、流体及びガスを出し入れするための前記シリンダの1又は2以上のポートと流体及びガス連通状態にある1又は2以上のポートを有することを特徴とする請求項12記載の装置。
【請求項14】 前記流体容器は、折畳み線が設けられた可撓性材料で作られていることを特徴とする請求項13記載の装置。
【請求項15】 前記流体容器は、剛性材料で作られ、前記ピストンは、前記流体容器内で移動するようになっていることを特徴とする請求項13記載の装置。
【請求項16】 前記駆動機構は、前記ピストンプッシャを送り進めるねじから成り、前記ねじは、各々が軸受で支持された2つの端部を有していることを特徴とする請求項12記載の装置。
【請求項17】 前記ピストンプッシャは、前記ねじと係合する継手及び前記ピストンプッシャが軸受を通り過ぎることができるように前記軸受のうち一つの周りに配置された少なくとも2つの部分から成るスプリット部分を有し、前記スプリット部分は、前記ピストンに係合することを特徴とする請求項16記載の装置。
【請求項18】 前記ピストンプッシャの回転を防止するために前記スプリット部分の前記少なくとも2つの部分を受け入れるようになった少なくとも2つのオリフィスを備えたスプリット部分プレートを更に有することを特徴とする請求項17記載の装置。
【請求項19】 前記シリンダは、該シリンダ内の流体及びガスの温度をモニターするための少なくとも1つのサーミスタを更に有することを特徴とする請求項12記載の装置。
【請求項20】 前記シリンダは、該シリンダ内の流体及びガスと流体及びガス連通状態にあり、前記シリンダ内の流体及びガスの圧力をモニターする少なくとも1つの圧力計を更に有することを特徴とする請求項12記載の装置。
【請求項21】 ガス過飽和流体を生成して投与部位に送り出す方法であって、シリンダ、該シリンダ内で移動するようになったピストン及び流体及びガスを出し入れするための1又は2以上のポートを有する流体組立体を準備する段階と、前記シリンダを流体で充填し、ガスを加圧下で導入して前記流体をガス過飽和させる段階と、前記ピストンを前記シリンダ内で送り進めるようになったピストンプッシャを含む駆動機構組立体を収容したシステムハウジング内に前記流体組立体を配置する段階と、前記シリンダ内のガス過飽和流体の静圧が所望所定の送出し圧力になるまで前記ピストンプッシャを送り進める段階と、ガス過飽和流体を前記システムから投与部位へ送り出すためのフローフラッシ弁の流れ位置を選択する段階とを有し、前記フローフラッシ弁は、前記シリンダポートと流体連通しており、前記方法は、前記ピストンプッシャを所定の速度で送り進めてガス過飽和流体を前記所望所定の送出し圧力で送り出す段階を更に有することを特徴とする方法。
【請求項22】 前記流体及びガスを前記シリンダ内に入れるための使い捨て流体容器を準備する段階を更に有し、前記使い捨て流体容器は、流体及びガスを出し入れするための前記シリンダの1又は2以上のポートと流体及びガス連通状態にある1又は2以上のポートを有することを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項23】 前記使い捨て流体容器は、前記ピストンにより圧縮されると、所定の仕方で潰れるよう予め成形された折畳み線を有していることを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項24】 前記ピストンプッシャを送り進める前記段階は、前記駆動機構より回転させられるボールねじを準備する段階を含み、前記ボールねじを第1の方向に回転させると、ピストンプッシャは前記流体組立体の方へ進み、第2の方向に回転させると、前記流体組立体から遠ざかる方へ進み、前記方法は、前記ボールねじを支持する第1の軸受及び第2の軸受を備えた前記駆動機構組立体を準備する段階を更に含み、前記第1の軸受は、前記ピストンプッシャと前記駆動システムとの間に位置し、第2の軸受は、前記駆動機構と前記取出し可能な流体組立体と間に位置していることを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項25】 前記ピストンプッシャを送り進める前記段階は、前記ボールねじに係合する係合部分及び前記ピストンに係合して該ピストンを送り進めるよう前記係合部分から延びるスプリット部分を有する前記ピストンプッシャを準備する段階を更に有し、前記スプリット部分は、前記ピストンプッシャの前記スプリット部分が前記第2の軸受を通り過ぎることができるようにする少なくとも2つの部分から成ることを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項26】 システムハウジングに固定可能に取り付けられるピストンプッシャ回転防止板プレートを準備する段階を更に有し、前記回転防止板プレートは、ピストンプッシャのスプリット部分の前記少なくとも2つの部分を受け入れるようになった少なくとも2つの孔を有し、前記回転防止板プレートは、ボールねじの回転により前記ピストンプッシャが送り進められるように前記ピストンプッシャの回転を防止することを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項27】 前記シリンダからの流体の温度、圧力及び流体の流れ速度をモニターして制御する段階と、前記流体の流体圧力が所定の安全圧力を越えると破裂し、それにより前記システムからの流体の流れを停止させるようにする破裂板を準備する段階とを更に有することを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項28】 前記充填段階は、前記流体のガス過飽和を容易にするために前記シリンダ内に少量のガスを準備する段階と、前記流体のガス過飽和後にピストンを送り進めて前記少量のガスを除去する段階と、ピストンキャップを前記流体組立体に取り付けて前記ピストンを前記シリンダ内に保持する段階とを更に有することを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項29】 前記充填段階は、ピストンを送り進める前記段階の実施後に、追加の流体を導入して前記流体の静圧を増大させる段階を更に有することを特徴とする請求項28記載の方法。
【請求項30】 ガス過飽和流体を投与部位に送り出す方法であって、ガス過飽和流体を収容したシリンダ、該シリンダ内で移動するようになったピストン及び流体及びガスを出し入れするための1又は2以上のポートを有する流体組立体を準備する段階と、前記ピストンを前記シリンダ内で送り進めるようになったピストンプッシャを含む駆動機構組立体を収容したシステムハウジング内に前記流体組立体を配置する段階と、前記シリンダ内のガス過飽和流体の静圧が所望所定の送出し圧力になるまで前記ピストンプッシャを送り進める段階と、ガス過飽和流体を前記システムから投与部位へ送り出すためのフローフラッシ弁の流れ位置を選択する段階とを有し、前記フローフラッシ弁は、前記シリンダポートと流体連通しており、前記方法は、前記ピストンプッシャを所定の速度で送り進めてガス過飽和流体を前記所望所定の送出し圧力で送り出す段階を更に有することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】
本発明は、一般に高圧ガス過飽和流体を生成して送りだすためのシステム及び方法に関する。特に、本発明は、ガス過飽和流体を生成し、気泡を生じさせないでこの流体を高圧で送り出すシステム及び方法に関する。
【0002】
【背景技術】
従来型注入装置は、薬剤投与、血管造影剤(染料)注入、精密流体注入のために開発されたものである。一般に、かかる注入装置は、低い圧力(例えば、20psi未満)から中程度の圧力(例えば、1,000psiまで)の送出し圧力で僅かな送出し量(約60cc)をサポートするに過ぎない。
【0003】
たとえば、血液に対する酸素過飽和溶液の割合を多くして患者に対する局所性又は全身性のサポートを行うためには、多量の流体を正確な送出し速度で投与できるシステム及び方法が望ましい場合がある。酸素過飽和溶液の別の用途は、これをバルーン血管形成部位の下流側に、例えば灌流用ガイドワイヤを用いて送り出して局所虚血障害を減少又は防止することである。ガス過飽和流体、例えば酸素過飽和溶液の投与(送出し)及び注入の場合、気泡核生成又は気泡生成を防止するためには高い送出し圧力(例えば、4,000psi)が望ましい場合がある。気泡を生成させないでガス過飽和流体を送り出すためのシステムの一例が米国特許第5,599,296号に開示されている。また、流体を高圧で送り出す場合、送出し圧力が所定限度を越えると流体の送出しを停止させる安全機構を備えておくことが望ましい。
【0004】
流体を所望量送出し速度で送り出すと共に(或いは)流体の所望全量を送り出すためには、送出し速度の正確な制御、かくして流体の全送出し量の正確な制御を行うことも望ましい。
【0005】
当該技術分野における最近の技術進歩(例えば、上述の米国特許第5,599,296号)にもかかわらず、多量のガス過飽和流体を生成して正確に送り出す流体送出しシステム及び方法が要望されている。更に、当該技術分野では、ガス過飽和流体を生成し、患者への注入の際の気泡核生成又は気泡生成を防止又は減少させるためにこのガス過飽和流体を高い送出し圧力で送り出すことができるシステムが要望されている。更に又、もし送出し圧力がた所定限度を越えればとりわけ流体の送出しを停止させることにより、患者と施術者を保護する安全機構を備える流体送出しシステム及び方法が要望されている。そして又、当該技術分野では、送出し速度及び送出し圧力の正確な制御、かくして流体の全送出し量の正確な制御を行う流体送出しシステム及び方法が要望されている。
【0006】
【発明の開示】
本発明の好ましい実施形態は、多量のガス過飽和流体を生成し、気泡核生成を防止するためにこのガス過飽和流体を規定送出し速度且つ高送出し圧力で流体送出し器具に送り出すシステム及び方法を提供することにより上記要望を満足させる。
【0007】
本発明の流体送出しシステムは、取出し可能な流体ハウジング組立体及び駆動機構組立体を収容するシステムハウジングを有する。取出し可能な流体ハウジング組立体は、円筒形流体ハウジング及びこの流体ハウジングの内面に沿って移動するピストンを有する。先ず最初に、流体ハウジング組立体をシステムハウジングから取り出し、これを流体で満たす。ガスを流体の所望ガス分圧で又はこれよりも僅かに高い圧力で導入して流体ハウジング組立体内の流体を過飽和させる。次に、流体ハウジング組立体をシステムハウジングに戻し、駆動機構組立体を用いてピストンを送り進めて流体ハウジング内の流体の静圧を増大させ、ついには所望の送出し圧力が得られるようにする。
【0008】
ガス過飽和流体の生成と送出しの両方を行うために流体ハウジングを用いることにより、追加の部品が不要になるのでシステム構成が簡単になり、しかも流体を一流体ハウジングから別の流体ハウジングに移す段階が不要になるのでガス過飽和流体を生成して送り出す方法が簡単になる。また、単純な流体ハウジング内でガス過飽和流体を生成し、これを送り出すことにより、流体ハウジングの腐食の問題、流体の汚染の問題及び流体中の気泡核生成の問題が極力抑えられる。
【0009】
流体ハウジング内の流体の静圧が所望の送出し圧力に達した後、ガス過飽和流体を、所望投与部位への流体の送出しのための流体出力管又はチューブを通して送り出す。患者への流体投与の場合、例えば、中空灌流ガイドワイヤ又は他の適当な送出し器具を流体出力管の一端に連結する。流体送出し速度を制御し、この流体送出し速度は、毎時1ml〜3,000mlの範囲にあるのがよい。
【0010】
本発明のシステムは、従来型注入又は輸液ポンプに非常によく似た形状寸法のコンパクトなガス過飽和溶液の生成及び送出しシステムを提供する。
【0011】
【発明の最適な実施形態】
好ましい実施形態の構造及び機能は、図面を参照すると最もよく理解することができる。多くの図の中には同一の参照符号が見えるが、これら参照符号は、これら図の中における同一又は対応の構造を示している。
【0012】
図1及び図2に示すように、本発明の高圧流体送出しシステム10が主要構成要素として、過飽和されて送り出されるべき流体を生じさせたりこれを保持するための流体組立体20及び過飽和流体を流体組立体から高い送出し圧力で送り出すための駆動組立体30を有している。ハウジング40内には流体組立体20及び駆動組立体30が収納されており、流体組立体20は以下に説明するように取出し可能である。
【0013】
図3〜図5に最もよく示されているように、流体組立体20は、シリンダ50、ピストン52、シリンダ出力継手58、ハウジング出力管54及び出力マニホルド56を有している。ハウジング出力管54は、継手58をマニホルド入力ポート60に連結している。マニホルド56は、シリンダ50内の流体の静圧をモニターする。シリンダ50は好ましくは、耐腐食性であって強固な材料、例えばチタンで作られる。ピストン52をシリンダ50内で滑らかに移動させるようにするために、シリンダ50の内面は好ましくは滑らかである。
【0014】
ピストン52は、図1〜図3に示すように、高圧シール62、ガイドリング64、流体及びガス注入バリヤ66及びポート68を有している。高圧シール62は、シリンダからのガス及び/又は流体の望ましくない漏出を防止する。高圧シール62は好ましくはU字形をしていて、シール62はシリンダ50内のガス及び/又は流体の圧力によってシリンダ50の内面に少なくとも部分的に押し付けられるようになっている。かくして、シリンダ50内のガス及び/又は流体の圧力の増大により、シール62によってシリンダ50の内面に加えられる密封力が増大し、それにより、その結果一層強力なシールが得られることになる。
【0015】
流体及びガスを注入バリヤ66を通してシリンダ50内に注入するためにトロカール又は他の適当なカニューレがポート68内に挿入される。注入バリヤ66は好ましくは、手動式玉弁であり、したがってカニューレをポート68から取り出した後、シールは特に約500psi以上の静圧に対して維持されるようになる(図7参照)。変形例として、約500psi以下の静圧の場合、注入バリヤ66は、シリンダ50内への流体及びガスの注入中、カニューレによって穿刺されてもシールが維持されるように医療等級のシリコーンゴム(図7には図示せず、図1〜図3参照)で作られたものであってもよい。
【0016】
ピストン52は、ねじ山付き環状凹部67を更に備えるのがよい。ねじ山付き環状凹部67は、継手58から遠ざかるピストンの運動を容易にすると共に、特にシリンダの内容物が加圧されない場合、シリンダ50からのピストン52の取外しを容易にするピストンハンドル(図示せず)の取付けを可能にする。ピストン52の取外しは、例えばシリンダ50の内面をクリーニングするために望ましい場合がある。
【0017】
変形例のピストン組立体55を図7に示す。ピストン組立体55は、好ましくは、玉弁組立体170を備え、この玉弁組立体170は、ピストン52及び玉弁アクチュエータ174とねじによるシール係合をしている。流体通路が、流体入ポート176と玉178付近の流体路の終端との間に玉弁アクチュエータ174を経由して延びている。アクチュエータ174が回転して流体出口180に向かって移動したとき、アクチュエータ174の一部が玉178を押してスプリング182に抗して玉178を下方に移動させる。この第1位置において、流体入口ポート176を経由して導入された流体は、ピストン組立体を経て導入され、流体組立体の流体レセプタクルを満たす。アクチュエータ174は回転して流体出口180から離れる方向に移動し、このとき、アクチュエータ174は玉178と非接触となる。この第2位置において、玉178は、スプリング182の作用及び流体組立体の流体レセプタクル内の圧力により、弁座組立体172の一部に着座する。このため、例えば、レセプタクル内の圧力のある流体は、弁組立体170を経て外部に逃げることは出来ないが、流体入口ポート176に供給された流体が流体入口ポート176から玉178の座に対する圧力よりも大きい場合には、そのような流体をレセプタクル内に導入することができる。
図6に示すような変形実施形態では、流体組立体20は、シリンダ51内に配置される使い捨て且つ交換可能な流体容器70を更に有する。好ましくは、シリンダ51は、使い捨て容器70をシリンダ51内に挿入しやすくそして使い捨て容器70をシリンダ51から取り出しやすくするために湾曲面に沿ってヒンジ留めされている。使い捨て容器70は、流体を使い捨て流体容器70から送り出すために継手59に取り付けられる出力ポート71を備えている。
【0018】
使い捨て容器70は、管状であり、可撓性且つ押し潰し可能な材料で作られたものであるのがよく、適正に支持されると、500psi以上の圧力に耐えることができる。図6に示すように、使い捨て容器70は、予め設定された折畳み線73を更に備えるのがよく、したがってピストン53が継手59に向かって前進して使い捨て容器70を圧縮すると、使い捨て容器70は所定の仕方で潰れるので破裂の恐れが最小限になる。可撓性の使い捨て流体容器70は、流体及びガスを使い捨て容器70内へ注入するためにピストン53のポート68に取り付けられる入力ポート(図6では見えない)を更に備えるのがよい。
【0019】
変形例として、使い捨て容器70は、シリンダ51内で折り畳み状態になったり潰れたりしないように剛性プラスチックで作られたものであってもよい。ピストンに近い方の剛性使い捨て容器70の一端は開口し、それにより入力ポートが不要になる。剛性使い捨て容器70の開口ピストン端部により、ピストンは剛性容器70の内面に沿って移動することができる。
【0020】
以下の説明は、可撓性且つ押し潰し可能な使い捨て流体容器70を備えたシステム10についてのものであるが、当業者であれば、以下の説明を剛性使い捨て容器70を用いた場合のシステム10又は使い捨て流体容器70を用いない場合のシステム10に容易に改造適用することができよう。
【0021】
ガス過飽和流体を生じさせるために、流体組立体20を送出しシステムハウジング40から取り出す。使い捨て容器70をシリンダ51内へ挿入して容器70の入力ポートが流体入口ポートに連結されるようにする。使い捨て容器70を、流体、例えば生理食塩水又は乳酸加リンゲル溶液で満たすために、流体源、例えば注射器に連結されたカニューレを注入バリヤ中に挿入し、流体を流体入口ポートを経て使い捨て容器70に注入する。
【0022】
この例示の実施形態では、シリンダ51の容積及び使い捨て容器70の最大容積は、約1.1リットルである。好ましくは、流体は、使い捨て容器70とシリンダ51の両方が完全に流体で満たされるまで注入される。既知の少量、例えば0.1リットルの流体をカニューレを通して使い捨て容器70から抜き取ると、その結果、使い捨て容器70内の流体の上方には同一の既知の量の空気が存在することになる。かくして、使い捨て容器70内の流体及び空気の量は知られた量となる。この例示の実施形態では、使い捨て容器70内には、約1.0リットルの流体及び0.1リットルの空気が入っている。
【0023】
使い捨て容器70内の流体をガス過飽和させるために、流体組立体20を逆さまにしてピストン53が継手58の下に且つ継手59の反対側のシリンダ51の端に位置するようにする。ガス源を、流体源に代えて又はこれと組み合せてカニューレに連結する。ガス、例えば酸素を、所望の結果的に得られるガス分圧と同一又はこれよりも僅かに高い圧力で流体入口ポートを経て使い捨て容器70に注入する。
【0024】
気泡が使い捨て容器70内の流体中を上方に移動するにつれて、ガスは流体中に溶解し、流体中のこれとは別の先に溶解したガスを押し退ける。溶解しなかった過剰のガスは継手59を通って使い捨て流体容器70及びシリンダ51から流出する。気泡の表面積が比較的大きいことに起因して比較的迅速な拡散プロセスが行われるので、流体をガス過飽和させる工程は短期間で完了可能である。例えば、1.1リットルシリンダ内のガス流量が標準の5〜10立法フィート/時の場合、流体は約1時間でガス過飽和できる。
【0025】
流体を所望のガス分圧までガス過飽和させた後、カニューレを注入バリヤから取り出す。ピストンキャップ(例えば、図1と図2のピストンギャップ72を参照)をピストン52を覆った状態でシリンダ51に取り付けるのがよい。流体容器70の内容物は加圧下にあるので、ピストンキャップは、流体組立体20を送出しシステムハウジング40に戻す前に、ピストン53を完全にシリンダ51内に保持しやすくする。ピストンキャップ72は、ピストン53を一段とシリンダ51内に保持するために環状リップ又は舌部を有するのがよい。
【0026】
流体組立体20を保持するための支持構造体200(図11)を利用すると、ピストン53を例えばジャッキ202で送り進めることができる。図11に概略的に示すものとは異なる種々の構成例をこの目的のために工夫してもよい。弁を開き、ピストン53を継手58に向かって上方に送り進め、ついには流体が弁を通って流出し始めるようにする。かくして、使い捨て容器70内の流体の上に位置したガスが無くなる。弁は好ましくは、特に高いガス分圧向きの二方向弁である。ガス分圧が低いと(約15psi)、継手58を切り離して、別個の弁組立体をシリンダ51に接続するのがよい。ガス抜き後、次に、追加の流体を例えば高圧注射器で使い捨て容器70内に追加的に注入して静圧を所望のガス分圧よりも高くする。上述のシステムに関する一例として、圧力を500psiから750〜1000psiに増大させるのがよい。変形例として、高圧注射器をジャッキ202に代えて用いると、圧力を維持した状態でシリンダ内のガス空間を無くすことができる。次に、弁を閉じて弁を通る流体又はガスのそれ以上の漏出を防止する。
【0027】
ガス過飽和流体を使い捨て容器70内に増大した静圧下で貯蔵することが望ましい場合がある。その目的は、流体中の気泡を溶解させ又は気泡核のサイズを最小限に抑えると共に流体をこれが送り出されるようになるまでの期間中貯蔵することにある。使い捨て容器70内における流体の静圧を増大させるため、ピストン53を更に送り進めるのがよい。例えば、静圧がガス分圧よりも相当な量高くなるまでピストン53を送り進めるのがよい。静圧の増大により、例えば流体の温度の減少の結果として静圧がガス分圧よりも低くなるのが防止され、したがって気泡生成の防止が可能となる。
【0028】
ガス分圧が約50psi以下の場合、流体組立体20を支持構造体200から取り外してガス飽和流体をすぐに送り出すことができるよう比較的短期間で送出しシステムハウジング40に装入できるので、ピストンキャップ72を用いることは必要ではない。かかるガス分圧では、ピストンキャップ72を用いなくても、気泡核は生成するまでに比較的長い期間を要するので、気泡核が生じたとしてもごく僅かであり、ピストン53を完全にシリンダ50内に保持するためのピストンキャップ72を用いなかった場合の結果としての静圧の減少は比較的小さいことになろう。
【0029】
流体のガス過飽和後、流体組立体20を支持構造体から取り外して送出しシステムハウジング40に戻す。流体組立体20をシステムハウジング40内で、ピストン53が継手58の上に位置した状態で、投与部位へのガス過飽和流体の高圧送出しを行うための駆動組立体30に結合するように配向させる。
【0030】
図1及び図2並びに図8及び図9に示されているように、駆動組立体30は主要構成要素として、ボールねじ82を駆動する駆動システム80、ボールねじ82に係合する主軸受84及び補助軸受86、ボールねじ82によって駆動されて、ピストン52を継手58に向かって送り進めるピストンプッシャ88、ピストンプッシャの移動量が所定の限度内に納まるようにするための移動量制限スイッチ90、及びボールねじ82がピストンプッシャ88を回転させないようにするためのピストンプッシャ回転防止プレート92を有している。
【0031】
図1及び図8に示すような駆動システム80は、高トルク歯車箱96を駆動する(歯数比は、例えば112:1)ステッピングモータ94を有し、この歯車箱は、駆動歯車98を駆動する(歯数比は、例えば4:1)。次に、駆動歯車98は、ボールねじ82に固定された主歯車100、爪車102及び爪104を駆動する。爪104は爪車102に係合しているとき、爪104は主歯車100及びピストンプッシャ88が、たとえシステム10への動力が停止されても、望ましくない方向に回転するのを防止する。かくして、爪車102と爪104は、係合した状態では、ピストンプッシャ88及びピストン52が継手58に向かって移動したり、或いはこれから遠ざかって移動するのを防止する。
【0032】
図1及び図2に示すように、主軸受84、補助軸受86はそれぞれ、駆動システム80の近傍、ピストンプッシャ回転防止プレート92の近傍でボールねじ82の端部に係合してこれを支持する。主軸受84及び補助軸受86は、直接的な外力及びボールねじ82及び/又はピストン52の起こり得る整列関係の不良に起因して生じる横方向外力から生じる摩擦荷重を最小限に抑えるのに役立つ。主軸受84及び補助軸受86は又、シリンダ50内の高圧に起因して生じる高い荷重を受けた状態であってもボールねじ82の同心的回転を保証する。2つの軸受構成とすることにより、大きすぎる又は嵩張った装置を用いなくても高圧流体の送出しを達成できると共に正確に制御できる優れた整列及び支持効果が得られる。
【0033】
ピストンプッシャ88は、上方係合部分106と、下方スプリット部分108とから成る。係合部分106は、ボールねじ82の回転により、ボールねじの回転方向に従ってピストンプッシャ88が継手58に近づいたり、或いはこれから遠ざかるようにボールねじ82と結合するねじ山付き内部を備えた環状のものである。ボールねじ82を用いてピストンプッシャ88を送り進めることは又、流体の送出し速度及び流体の全送出し量の正確な測定が可能になる。
【0034】
ピストンプッシャ88の係合部分106は、移動量制限スイッチの作動器として働くフランジ110を有し、したがってフランジ110が2つの移動量制限スイッチ90のうち何れか一方に接触したときに駆動組立体30の各種機能が停止し、それによりピストンプッシャの移動量が所定の限度内に納まるようになる。
【0035】
図9に断面図で示されているように、ピストンプッシャ88のスプリット部分108は、ピストンプッシャ88が補助軸受86、回転防止プレート92及びピストンキャップ72を通り過ぎることができるようにする2つの半円形部分からなる。ピストンプッシャ回転防止プレート92は、送出しシステムハウジング40に固定自在に取り付けられ、1又は2以上の孔112を備え、これらの孔を通ってスプリット部分108の2つの半円形部分が移動することができる。ピストンプッシャ回転防止プレート92は、ピストンプッシャ88の回転を防止し、ボールねじ82の回転により、その回転方向に応じてピストンプッシャ88を継手58に近づけたり、或いはこれから遠ざかるよう送り進めるようにする。ピストンプッシャ回転防止プレート92は又、補助軸受86を支持するのがよい。ピストンキャップ72は同様に、ピストンプッシャ88をピストンキャップ72を越えて移動できるようにするための1又は2以上の孔を備える。
【0036】
図10に示すように、システム10の作動を容易にするために、ユーザが動作パラメータを特定して制御でき、そしてユーザにある動作パラメータを支持するためのユーザインタフェースが送出しシステムハウジング40のフロントパネル120に設けられている。ユーザインタフェースは、システム10への電力を供給したり切断する電源スイッチ114、静圧が所望の送出し圧力にほぼ等しくなるまでピストンプッシャ88を送り進めることによって流体送出しの準備を行うためのLOADボタン115、流体送出し速度を増減するためのFLOWスイッチ116、爪104を爪車102に係合させたりこれから離脱させてボールねじ82の回転を防止したり、ボールねじ82の回転をピストンプッシャ88を上方に前進させて流体組立体20から離す方向に行わせるためのRATCHET スイッチ(図示せず)、爪104を爪車102から離脱させた後、ピストンプッシャ88を上方に前進させるUNLOADボタン117、及びユーザが指示されたエラーを認めて流体送出しを続行させることができるようにするALARM ACKNOWLEDGE ボタン118を有するのがよい。
【0037】
ユーザインタフェースは、規定された送出し速度(例えば、毎分10.5cc)及び全送出し量(例えば、275cc)を指示するディスプレイ119,121を更に有するのがよい。ユーザインタフェースはまた、システム10の或る動作条件を指示する種々の表示灯123を更に有するのがよい。
【0038】
流体組立体20内のガス過飽和流体を送出し可能にシステム10を準備するため、ユーザは、必要な動作パラメータ、例えば流体送出し速度、流体の全送出し量、流体送出し圧力を入力する。次に、ユーザはユーザインタフェース上のLOADボタン115を押す。LOADボタン115を押すことにより、ピストンプッシャ88は、使い捨て容器70内の流体の静圧が所望の送出し圧力に達するまでピストン52を継手58に向かって送り進める。流体のそれ以上加圧は、使い捨て容器70内のガス過飽和流体の最終圧縮及び安定化としても役立つ。所望の送出し圧力は、所望の送出し速度及び所望部位への流体の投与又は送出しに用いられるシステム流体送出し器具122のサイズで決まる。表示灯123は、静圧が所望の送出し圧力に達した時を指示するための指示器となる。
【0039】
シリンダ50内の流体の温度をモニターするため、システム10は、シリンダ50の円筒形内壁中に設けられた一対のサーミスタ123を備えるのがよい。サーミスタを対構成にすることは、流体の温度を高信頼度で且つ正確にモニターするために万全を期したものになる。システム10は、シリンダ50内の流体の温度を制御するためにシリンダ50を包囲するヒータジャケット(図示せず)を更に備えるのがよい。万全を期すために設けられた一対のサーミスタ及び温度を制御するためのヒータジャケットが設けられているので、システム10は、シリンダ50内の流体の温度を正確且つ高信頼度で制御すると共にモニターすることができる。これは例えば、相当な流体流量、例えば10〜50cc/分が患者の冠状動脈中へ送り出される時に特に望ましい場合がある。
【0040】
システム10は、シリンダ50からの流体の出力流速をモニターするための流量計を更に有するのがよい。シリンダ50からの流体の静圧をモニターするため、マニホルド56は、流体圧力センサを有している。過度に高い送出し圧力状態での流体送出しを防止するため、マニホルド56は、送り出されるべき流体と流体連通状態にある破裂板124を更に有するのがよい。流体送出し圧力が、破裂板124の耐える最高圧力を越えると、破裂板124は破裂する。破裂板124の破裂後、流体を所望部位に送り出すためのシステム流体送出し器具122への流体の流れが止まり、流体の流れは向きが変えられてシステム10から遠ざかる。
【0041】
流体は、ハウジング出力管54を通ってシリンダ50から流出し、マニホルド56に流入する。図3及び図5に示すように、流体はマニホルド56の二方フロー/フラッシ弁126を経てマニホルド56から流出する。二方フロー/フラッシ弁126は開かれると、ガス過飽和流体又は洗浄(フラッシ)流体(例えば、生理食塩水)の何れかを低流体送出し速度で所望投与部位に送り出すことができる。洗浄流体のかかる低速送出しにより、流体投与部位への連続した流体の流れが可能になる。例えば、ガス過飽和流体を患者に投与するためにシステム10が用いられる場合、たとえ特定の送出し速度での流体投与がもはや必要ではなく、又は所望されなくても、連続した流体の流れを維持することは、凝固に関する問題を解決するために望ましい場合がある。
【0042】
二方向弁126から流れている流体を濾過するために出力流体フィルタ128を設けるのがよい。次に、流体を出力流体フィルタ128から流体送出し器具122を経て投与部位に送り出す。たとえば、患者へのガス過飽和流体の投与の場合、システム流体送出し器具122は、ガイドワイヤに連結された400cm可撓螺旋管を含む注入装置であるのがよい。
【0043】
本発明を例示の実施形態を用いて説明した。しかしながら、本発明は、図示説明した実施形態に限定されず、本発明の範囲は、請求の範囲の記載事項に基づいて定められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の高圧注入システムの部分断面正面図である。
【図2】 図1の高圧注入システムの部分断面側面図である。
【図3】 図1の高圧注入システムの流体組立体の底面図である。
【図4】 図3の流体組立体の側面図である。
【図5】 図3の流体組立体の側面図である。
【図6】 流体組立体の変形実施形態による高圧注入システムの一部の部分断面側面図である。
【図7】 図3の取外し可能な流体ハウジング組立体のピストンの断面図である。
【図8】 図1の高圧注入システムの断面平面図であり、駆動システムを示す図である。
【図9】 図1の高圧注入システムの断面平面図であり、主軸受、ピストンプッシャ及びピストンプッシャ回転防止板プレートを示す図である。
【図10】 図1の高圧注入システムの正面図であり、ユーザインタフェースを示す図である。
【図11】 一実施形態による流体処理に使用される互いに別々の支持体とジャッキの略図である。
【発明の名称】 ガス過飽和流体の高圧送出しシステム及び方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ガス過飽和流体を生成し、又は投与部位に送り出す装置であって、流体及びガスを収容していて、流体及びガスを出し入れするための1又は2以上のポートを有するシリンダ及び該シリンダ内で移動するようになっていて、前記シリンダの内容物を加圧し、ガス過飽和流体を所定の流体送出し圧力で送りだすピストンを有する流体組立体と、前記ピストンを前記シリンダ内で前進させるピストンプッシャ及びピストンプッシャを前進させる駆動システムを有する駆動組立体と、流体組立体及び駆動組立体を収容するシステムハウジングとから成り、流体組立体は、ガス過飽和流体の前記生成のためにシステムハウジングから取り出せることを特徴とする装置。
【請求項2】 前記流体組立体は、前記シリンダ内に設けられていて、前記流体及びガスを収容した使い捨て流体容器を更に有し、該使い捨て流体容器は、流体及びガスを出し入れするための前記シリンダの1又は2以上のポートと流体及びガス連通状態にある1又は2以上のポートを有することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】 前記使い捨て流体容器は、ピストンより圧縮されると、所定の仕方で潰れるよう折畳み線を有していることを特徴とする請求項2記載の装置。
【請求項4】 前記駆動組立体は、前記駆動システムによって回転させられるボールねじを更に有し、該ボールねじを第1の方向に回転させると、ピストンプッシャは前記流体組立体の方へ進み、第2の方向に回転させると、前記流体組立体から遠ざかる方へ進むことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項5】 前記駆動組立体は、前記ボールねじを支持する第1の軸受及び第2の軸受を更に有し、前記第1の軸受は、前記ピストンプッシャと前記駆動システムとの間でボールねじの一端の近くに位置し、第2の軸受は、ボールねじの他端に位置していることを特徴とする請求項4記載の装置。
【請求項6】 前記ピストンプッシャは、前記ボールねじに係合する係合部分及び前記ピストンに係合して該ピストンを送り進めるスプリット部分を有し、前記スプリット部分は、前記ピストンプッシャの前記スプリット部分が前記第2の軸受を越えて移動できるようにするために前記係合部分から延びる少なくとも2つの部分を有することを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項7】 前記駆動組立体は、前記システムハウジングに固定可能に取り付けられるピストンプッシャ回転防止板プレートを更に有し、該回転防止板プレートは、ピストンプッシャのスプリット部分の前記少なくとも2つの部分を受け入れるようになった少なくとも2つの孔を有し、前記回転防止板プレートは、ボールねじの回転により前記ピストンプッシャが送り進められるように前記ピストンプッシャの回転を防止することを特徴とする請求項6記載の装置。
【請求項8】 前記流体組立体は、前記シリンダポートと流体連通していて、流体を投与部位に送り出すためにシステム送出し器具に連結される出力部を備えたフローフラッシ弁を有するマニホルドを含み、前記弁は、流体の流れをシリンダから投与部位にもたらす第1の位置、洗浄流体の低速の流れを洗浄流体源からもたらす第2の位置、及び前記システムからの流体の流れを阻止する閉鎖位置を備えていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項9】 前記マニホルドは、前記シリンダポートと流体連通状態にある破裂板を含み、該破裂板は、前記流体の流体圧力が所定の安全圧力を越えると破裂し、それにより前記システムからの流体の流れを停止させることを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項10】 ガス過飽和流体を生成して送り出す装置であって、軸受により支持されている第1及び第2の端部を有する動力ねじと、動力ねじに係合するカラー部分及び動力ねじに沿ってカラー部分から延びる少なくとも2つの垂下部分を有していて、動力ねじの回転に応じて動力ねじ上を移動するピストンプッシャと、軸受及び動力ねじの一端を支持するよう動力ねじの前記一端に隣接して設けられていて、前記ピストンプッシャの前記垂下部分を挿通させることができる少なくとも2つの孔を備えた支持プレートと、動力ねじから見て支持プレートの反対側の側部に設けられた流体受入れシリンダと、前記シリンダ内で密封的且つ摺動自在に受け入れられていて、前記シリンダ内に受け入れられた流体を加圧するようピストンプッシャの垂下部分の作用を受けるピストンとから成ることを特徴とする装置。
【請求項11】 前記動力ねじ及び支持プレートは、ハウジング内に設けられ、前記ピストン及びシリンダは、前記ピストンプッシャの作用を受けるよう前記ハウジング内に取外し可能に収納できることを特徴とする請求項10記載の装置。
【請求項12】 ガス過飽和流体を生成して送り出す装置であって、支持構造体と、支持構造体によって支持されていて、ピストンプッシャを送り進める駆動機構と、支持構造体に取り付けられた流体組立体とから成り、前記流体組立体は、シリンダ及び該シリンダ内に設けられていて、前記シリンダ内で移動するようになったピストンを有し、前記シリンダは、流体及びガスを出し入れするための1又は2以上のポートを有し、前記ピストンは、前記ピストンを送り進めるためのピストンプッシャと協働し、前記流体組立体は、前記シリンダに流体及びガスを送り込んでガス過飽和流体を生じさせるために支持構造体から取り出せることを特徴とする装置。
【請求項13】 前記流体組立体は、流体及びガスを収容するために前記シリンダから取出し可能な流体容器を更に有し、該流体容器は、流体及びガスを出し入れするための前記シリンダの1又は2以上のポートと流体及びガス連通状態にある1又は2以上のポートを有することを特徴とする請求項12記載の装置。
【請求項14】 前記流体容器は、折畳み線が設けられた可撓性材料で作られていることを特徴とする請求項13記載の装置。
【請求項15】 前記流体容器は、剛性材料で作られ、前記ピストンは、前記流体容器内で移動するようになっていることを特徴とする請求項13記載の装置。
【請求項16】 前記駆動機構は、前記ピストンプッシャを送り進めるねじから成り、前記ねじは、各々が軸受で支持された2つの端部を有していることを特徴とする請求項12記載の装置。
【請求項17】 前記ピストンプッシャは、前記ねじと係合する継手及び前記ピストンプッシャが軸受を通り過ぎることができるように前記軸受のうち一つの周りに配置された少なくとも2つの部分から成るスプリット部分を有し、前記スプリット部分は、前記ピストンに係合することを特徴とする請求項16記載の装置。
【請求項18】 前記ピストンプッシャの回転を防止するために前記スプリット部分の前記少なくとも2つの部分を受け入れるようになった少なくとも2つのオリフィスを備えたスプリット部分プレートを更に有することを特徴とする請求項17記載の装置。
【請求項19】 前記シリンダは、該シリンダ内の流体及びガスの温度をモニターするための少なくとも1つのサーミスタを更に有することを特徴とする請求項12記載の装置。
【請求項20】 前記シリンダは、該シリンダ内の流体及びガスと流体及びガス連通状態にあり、前記シリンダ内の流体及びガスの圧力をモニターする少なくとも1つの圧力計を更に有することを特徴とする請求項12記載の装置。
【請求項21】 ガス過飽和流体を生成して投与部位に送り出す方法であって、シリンダ、該シリンダ内で移動するようになったピストン及び流体及びガスを出し入れするための1又は2以上のポートを有する流体組立体を準備する段階と、前記シリンダを流体で充填し、ガスを加圧下で導入して前記流体をガス過飽和させる段階と、前記ピストンを前記シリンダ内で送り進めるようになったピストンプッシャを含む駆動機構組立体を収容したシステムハウジング内に前記流体組立体を配置する段階と、前記シリンダ内のガス過飽和流体の静圧が所望所定の送出し圧力になるまで前記ピストンプッシャを送り進める段階と、ガス過飽和流体を前記システムから投与部位へ送り出すためのフローフラッシ弁の流れ位置を選択する段階とを有し、前記フローフラッシ弁は、前記シリンダポートと流体連通しており、前記方法は、前記ピストンプッシャを所定の速度で送り進めてガス過飽和流体を前記所望所定の送出し圧力で送り出す段階を更に有することを特徴とする方法。
【請求項22】 前記流体及びガスを前記シリンダ内に入れるための使い捨て流体容器を準備する段階を更に有し、前記使い捨て流体容器は、流体及びガスを出し入れするための前記シリンダの1又は2以上のポートと流体及びガス連通状態にある1又は2以上のポートを有することを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項23】 前記使い捨て流体容器は、前記ピストンにより圧縮されると、所定の仕方で潰れるよう予め成形された折畳み線を有していることを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項24】 前記ピストンプッシャを送り進める前記段階は、前記駆動機構より回転させられるボールねじを準備する段階を含み、前記ボールねじを第1の方向に回転させると、ピストンプッシャは前記流体組立体の方へ進み、第2の方向に回転させると、前記流体組立体から遠ざかる方へ進み、前記方法は、前記ボールねじを支持する第1の軸受及び第2の軸受を備えた前記駆動機構組立体を準備する段階を更に含み、前記第1の軸受は、前記ピストンプッシャと前記駆動システムとの間に位置し、第2の軸受は、前記駆動機構と前記取出し可能な流体組立体と間に位置していることを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項25】 前記ピストンプッシャを送り進める前記段階は、前記ボールねじに係合する係合部分及び前記ピストンに係合して該ピストンを送り進めるよう前記係合部分から延びるスプリット部分を有する前記ピストンプッシャを準備する段階を更に有し、前記スプリット部分は、前記ピストンプッシャの前記スプリット部分が前記第2の軸受を通り過ぎることができるようにする少なくとも2つの部分から成ることを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項26】 システムハウジングに固定可能に取り付けられるピストンプッシャ回転防止板プレートを準備する段階を更に有し、前記回転防止板プレートは、ピストンプッシャのスプリット部分の前記少なくとも2つの部分を受け入れるようになった少なくとも2つの孔を有し、前記回転防止板プレートは、ボールねじの回転により前記ピストンプッシャが送り進められるように前記ピストンプッシャの回転を防止することを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項27】 前記シリンダからの流体の温度、圧力及び流体の流れ速度をモニターして制御する段階と、前記流体の流体圧力が所定の安全圧力を越えると破裂し、それにより前記システムからの流体の流れを停止させるようにする破裂板を準備する段階とを更に有することを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項28】 前記充填段階は、前記流体のガス過飽和を容易にするために前記シリンダ内に少量のガスを準備する段階と、前記流体のガス過飽和後にピストンを送り進めて前記少量のガスを除去する段階と、ピストンキャップを前記流体組立体に取り付けて前記ピストンを前記シリンダ内に保持する段階とを更に有することを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項29】 前記充填段階は、ピストンを送り進める前記段階の実施後に、追加の流体を導入して前記流体の静圧を増大させる段階を更に有することを特徴とする請求項28記載の方法。
【請求項30】 ガス過飽和流体を投与部位に送り出す方法であって、ガス過飽和流体を収容したシリンダ、該シリンダ内で移動するようになったピストン及び流体及びガスを出し入れするための1又は2以上のポートを有する流体組立体を準備する段階と、前記ピストンを前記シリンダ内で送り進めるようになったピストンプッシャを含む駆動機構組立体を収容したシステムハウジング内に前記流体組立体を配置する段階と、前記シリンダ内のガス過飽和流体の静圧が所望所定の送出し圧力になるまで前記ピストンプッシャを送り進める段階と、ガス過飽和流体を前記システムから投与部位へ送り出すためのフローフラッシ弁の流れ位置を選択する段階とを有し、前記フローフラッシ弁は、前記シリンダポートと流体連通しており、前記方法は、前記ピストンプッシャを所定の速度で送り進めてガス過飽和流体を前記所望所定の送出し圧力で送り出す段階を更に有することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】
本発明は、一般に高圧ガス過飽和流体を生成して送りだすためのシステム及び方法に関する。特に、本発明は、ガス過飽和流体を生成し、気泡を生じさせないでこの流体を高圧で送り出すシステム及び方法に関する。
【0002】
【背景技術】
従来型注入装置は、薬剤投与、血管造影剤(染料)注入、精密流体注入のために開発されたものである。一般に、かかる注入装置は、低い圧力(例えば、20psi未満)から中程度の圧力(例えば、1,000psiまで)の送出し圧力で僅かな送出し量(約60cc)をサポートするに過ぎない。
【0003】
たとえば、血液に対する酸素過飽和溶液の割合を多くして患者に対する局所性又は全身性のサポートを行うためには、多量の流体を正確な送出し速度で投与できるシステム及び方法が望ましい場合がある。酸素過飽和溶液の別の用途は、これをバルーン血管形成部位の下流側に、例えば灌流用ガイドワイヤを用いて送り出して局所虚血障害を減少又は防止することである。ガス過飽和流体、例えば酸素過飽和溶液の投与(送出し)及び注入の場合、気泡核生成又は気泡生成を防止するためには高い送出し圧力(例えば、4,000psi)が望ましい場合がある。気泡を生成させないでガス過飽和流体を送り出すためのシステムの一例が米国特許第5,599,296号に開示されている。また、流体を高圧で送り出す場合、送出し圧力が所定限度を越えると流体の送出しを停止させる安全機構を備えておくことが望ましい。
【0004】
流体を所望量送出し速度で送り出すと共に(或いは)流体の所望全量を送り出すためには、送出し速度の正確な制御、かくして流体の全送出し量の正確な制御を行うことも望ましい。
【0005】
当該技術分野における最近の技術進歩(例えば、上述の米国特許第5,599,296号)にもかかわらず、多量のガス過飽和流体を生成して正確に送り出す流体送出しシステム及び方法が要望されている。更に、当該技術分野では、ガス過飽和流体を生成し、患者への注入の際の気泡核生成又は気泡生成を防止又は減少させるためにこのガス過飽和流体を高い送出し圧力で送り出すことができるシステムが要望されている。更に又、もし送出し圧力がた所定限度を越えればとりわけ流体の送出しを停止させることにより、患者と施術者を保護する安全機構を備える流体送出しシステム及び方法が要望されている。そして又、当該技術分野では、送出し速度及び送出し圧力の正確な制御、かくして流体の全送出し量の正確な制御を行う流体送出しシステム及び方法が要望されている。
【0006】
【発明の開示】
本発明の好ましい実施形態は、多量のガス過飽和流体を生成し、気泡核生成を防止するためにこのガス過飽和流体を規定送出し速度且つ高送出し圧力で流体送出し器具に送り出すシステム及び方法を提供することにより上記要望を満足させる。
【0007】
本発明の流体送出しシステムは、取出し可能な流体ハウジング組立体及び駆動機構組立体を収容するシステムハウジングを有する。取出し可能な流体ハウジング組立体は、円筒形流体ハウジング及びこの流体ハウジングの内面に沿って移動するピストンを有する。先ず最初に、流体ハウジング組立体をシステムハウジングから取り出し、これを流体で満たす。ガスを流体の所望ガス分圧で又はこれよりも僅かに高い圧力で導入して流体ハウジング組立体内の流体を過飽和させる。次に、流体ハウジング組立体をシステムハウジングに戻し、駆動機構組立体を用いてピストンを送り進めて流体ハウジング内の流体の静圧を増大させ、ついには所望の送出し圧力が得られるようにする。
【0008】
ガス過飽和流体の生成と送出しの両方を行うために流体ハウジングを用いることにより、追加の部品が不要になるのでシステム構成が簡単になり、しかも流体を一流体ハウジングから別の流体ハウジングに移す段階が不要になるのでガス過飽和流体を生成して送り出す方法が簡単になる。また、単純な流体ハウジング内でガス過飽和流体を生成し、これを送り出すことにより、流体ハウジングの腐食の問題、流体の汚染の問題及び流体中の気泡核生成の問題が極力抑えられる。
【0009】
流体ハウジング内の流体の静圧が所望の送出し圧力に達した後、ガス過飽和流体を、所望投与部位への流体の送出しのための流体出力管又はチューブを通して送り出す。患者への流体投与の場合、例えば、中空灌流ガイドワイヤ又は他の適当な送出し器具を流体出力管の一端に連結する。流体送出し速度を制御し、この流体送出し速度は、毎時1ml〜3,000mlの範囲にあるのがよい。
【0010】
本発明のシステムは、従来型注入又は輸液ポンプに非常によく似た形状寸法のコンパクトなガス過飽和溶液の生成及び送出しシステムを提供する。
【0011】
【発明の最適な実施形態】
好ましい実施形態の構造及び機能は、図面を参照すると最もよく理解することができる。多くの図の中には同一の参照符号が見えるが、これら参照符号は、これら図の中における同一又は対応の構造を示している。
【0012】
図1及び図2に示すように、本発明の高圧流体送出しシステム10が主要構成要素として、過飽和されて送り出されるべき流体を生じさせたりこれを保持するための流体組立体20及び過飽和流体を流体組立体から高い送出し圧力で送り出すための駆動組立体30を有している。ハウジング40内には流体組立体20及び駆動組立体30が収納されており、流体組立体20は以下に説明するように取出し可能である。
【0013】
図3〜図5に最もよく示されているように、流体組立体20は、シリンダ50、ピストン52、シリンダ出力継手58、ハウジング出力管54及び出力マニホルド56を有している。ハウジング出力管54は、継手58をマニホルド入力ポート60に連結している。マニホルド56は、シリンダ50内の流体の静圧をモニターする。シリンダ50は好ましくは、耐腐食性であって強固な材料、例えばチタンで作られる。ピストン52をシリンダ50内で滑らかに移動させるようにするために、シリンダ50の内面は好ましくは滑らかである。
【0014】
ピストン52は、図1〜図3に示すように、高圧シール62、ガイドリング64、流体及びガス注入バリヤ66及びポート68を有している。高圧シール62は、シリンダからのガス及び/又は流体の望ましくない漏出を防止する。高圧シール62は好ましくはU字形をしていて、シール62はシリンダ50内のガス及び/又は流体の圧力によってシリンダ50の内面に少なくとも部分的に押し付けられるようになっている。かくして、シリンダ50内のガス及び/又は流体の圧力の増大により、シール62によってシリンダ50の内面に加えられる密封力が増大し、それにより、その結果一層強力なシールが得られることになる。
【0015】
流体及びガスを注入バリヤ66を通してシリンダ50内に注入するためにトロカール又は他の適当なカニューレがポート68内に挿入される。注入バリヤ66は好ましくは、手動式玉弁であり、したがってカニューレをポート68から取り出した後、シールは特に約500psi以上の静圧に対して維持されるようになる(図7参照)。変形例として、約500psi以下の静圧の場合、注入バリヤ66は、シリンダ50内への流体及びガスの注入中、カニューレによって穿刺されてもシールが維持されるように医療等級のシリコーンゴム(図7には図示せず、図1〜図3参照)で作られたものであってもよい。
【0016】
ピストン52は、ねじ山付き環状凹部67を更に備えるのがよい。ねじ山付き環状凹部67は、継手58から遠ざかるピストンの運動を容易にすると共に、特にシリンダの内容物が加圧されない場合、シリンダ50からのピストン52の取外しを容易にするピストンハンドル(図示せず)の取付けを可能にする。ピストン52の取外しは、例えばシリンダ50の内面をクリーニングするために望ましい場合がある。
【0017】
変形例のピストン組立体55を図7に示す。ピストン組立体55は、好ましくは、玉弁組立体170を備え、この玉弁組立体170は、ピストン52及び玉弁アクチュエータ174とねじによるシール係合をしている。流体通路が、流体入ポート176と玉178付近の流体路の終端との間に玉弁アクチュエータ174を経由して延びている。アクチュエータ174が回転して流体出口180に向かって移動したとき、アクチュエータ174の一部が玉178を押してスプリング182に抗して玉178を下方に移動させる。この第1位置において、流体入口ポート176を経由して導入された流体は、ピストン組立体を経て導入され、流体組立体の流体レセプタクルを満たす。アクチュエータ174は回転して流体出口180から離れる方向に移動し、このとき、アクチュエータ174は玉178と非接触となる。この第2位置において、玉178は、スプリング182の作用及び流体組立体の流体レセプタクル内の圧力により、弁座組立体172の一部に着座する。このため、例えば、レセプタクル内の圧力のある流体は、弁組立体170を経て外部に逃げることは出来ないが、流体入口ポート176に供給された流体が流体入口ポート176から玉178の座に対する圧力よりも大きい場合には、そのような流体をレセプタクル内に導入することができる。
図6に示すような変形実施形態では、流体組立体20は、シリンダ51内に配置される使い捨て且つ交換可能な流体容器70を更に有する。好ましくは、シリンダ51は、使い捨て容器70をシリンダ51内に挿入しやすくそして使い捨て容器70をシリンダ51から取り出しやすくするために湾曲面に沿ってヒンジ留めされている。使い捨て容器70は、流体を使い捨て流体容器70から送り出すために継手59に取り付けられる出力ポート71を備えている。
【0018】
使い捨て容器70は、管状であり、可撓性且つ押し潰し可能な材料で作られたものであるのがよく、適正に支持されると、500psi以上の圧力に耐えることができる。図6に示すように、使い捨て容器70は、予め設定された折畳み線73を更に備えるのがよく、したがってピストン53が継手59に向かって前進して使い捨て容器70を圧縮すると、使い捨て容器70は所定の仕方で潰れるので破裂の恐れが最小限になる。可撓性の使い捨て流体容器70は、流体及びガスを使い捨て容器70内へ注入するためにピストン53のポート68に取り付けられる入力ポート(図6では見えない)を更に備えるのがよい。
【0019】
変形例として、使い捨て容器70は、シリンダ51内で折り畳み状態になったり潰れたりしないように剛性プラスチックで作られたものであってもよい。ピストンに近い方の剛性使い捨て容器70の一端は開口し、それにより入力ポートが不要になる。剛性使い捨て容器70の開口ピストン端部により、ピストンは剛性容器70の内面に沿って移動することができる。
【0020】
以下の説明は、可撓性且つ押し潰し可能な使い捨て流体容器70を備えたシステム10についてのものであるが、当業者であれば、以下の説明を剛性使い捨て容器70を用いた場合のシステム10又は使い捨て流体容器70を用いない場合のシステム10に容易に改造適用することができよう。
【0021】
ガス過飽和流体を生じさせるために、流体組立体20を送出しシステムハウジング40から取り出す。使い捨て容器70をシリンダ51内へ挿入して容器70の入力ポートが流体入口ポートに連結されるようにする。使い捨て容器70を、流体、例えば生理食塩水又は乳酸加リンゲル溶液で満たすために、流体源、例えば注射器に連結されたカニューレを注入バリヤ中に挿入し、流体を流体入口ポートを経て使い捨て容器70に注入する。
【0022】
この例示の実施形態では、シリンダ51の容積及び使い捨て容器70の最大容積は、約1.1リットルである。好ましくは、流体は、使い捨て容器70とシリンダ51の両方が完全に流体で満たされるまで注入される。既知の少量、例えば0.1リットルの流体をカニューレを通して使い捨て容器70から抜き取ると、その結果、使い捨て容器70内の流体の上方には同一の既知の量の空気が存在することになる。かくして、使い捨て容器70内の流体及び空気の量は知られた量となる。この例示の実施形態では、使い捨て容器70内には、約1.0リットルの流体及び0.1リットルの空気が入っている。
【0023】
使い捨て容器70内の流体をガス過飽和させるために、流体組立体20を逆さまにしてピストン53が継手58の下に且つ継手59の反対側のシリンダ51の端に位置するようにする。ガス源を、流体源に代えて又はこれと組み合せてカニューレに連結する。ガス、例えば酸素を、所望の結果的に得られるガス分圧と同一又はこれよりも僅かに高い圧力で流体入口ポートを経て使い捨て容器70に注入する。
【0024】
気泡が使い捨て容器70内の流体中を上方に移動するにつれて、ガスは流体中に溶解し、流体中のこれとは別の先に溶解したガスを押し退ける。溶解しなかった過剰のガスは継手59を通って使い捨て流体容器70及びシリンダ51から流出する。気泡の表面積が比較的大きいことに起因して比較的迅速な拡散プロセスが行われるので、流体をガス過飽和させる工程は短期間で完了可能である。例えば、1.1リットルシリンダ内のガス流量が標準の5〜10立法フィート/時の場合、流体は約1時間でガス過飽和できる。
【0025】
流体を所望のガス分圧までガス過飽和させた後、カニューレを注入バリヤから取り出す。ピストンキャップ(例えば、図1と図2のピストンギャップ72を参照)をピストン52を覆った状態でシリンダ51に取り付けるのがよい。流体容器70の内容物は加圧下にあるので、ピストンキャップは、流体組立体20を送出しシステムハウジング40に戻す前に、ピストン53を完全にシリンダ51内に保持しやすくする。ピストンキャップ72は、ピストン53を一段とシリンダ51内に保持するために環状リップ又は舌部を有するのがよい。
【0026】
流体組立体20を保持するための支持構造体200(図11)を利用すると、ピストン53を例えばジャッキ202で送り進めることができる。図11に概略的に示すものとは異なる種々の構成例をこの目的のために工夫してもよい。弁を開き、ピストン53を継手58に向かって上方に送り進め、ついには流体が弁を通って流出し始めるようにする。かくして、使い捨て容器70内の流体の上に位置したガスが無くなる。弁は好ましくは、特に高いガス分圧向きの二方向弁である。ガス分圧が低いと(約15psi)、継手58を切り離して、別個の弁組立体をシリンダ51に接続するのがよい。ガス抜き後、次に、追加の流体を例えば高圧注射器で使い捨て容器70内に追加的に注入して静圧を所望のガス分圧よりも高くする。上述のシステムに関する一例として、圧力を500psiから750〜1000psiに増大させるのがよい。変形例として、高圧注射器をジャッキ202に代えて用いると、圧力を維持した状態でシリンダ内のガス空間を無くすことができる。次に、弁を閉じて弁を通る流体又はガスのそれ以上の漏出を防止する。
【0027】
ガス過飽和流体を使い捨て容器70内に増大した静圧下で貯蔵することが望ましい場合がある。その目的は、流体中の気泡を溶解させ又は気泡核のサイズを最小限に抑えると共に流体をこれが送り出されるようになるまでの期間中貯蔵することにある。使い捨て容器70内における流体の静圧を増大させるため、ピストン53を更に送り進めるのがよい。例えば、静圧がガス分圧よりも相当な量高くなるまでピストン53を送り進めるのがよい。静圧の増大により、例えば流体の温度の減少の結果として静圧がガス分圧よりも低くなるのが防止され、したがって気泡生成の防止が可能となる。
【0028】
ガス分圧が約50psi以下の場合、流体組立体20を支持構造体200から取り外してガス飽和流体をすぐに送り出すことができるよう比較的短期間で送出しシステムハウジング40に装入できるので、ピストンキャップ72を用いることは必要ではない。かかるガス分圧では、ピストンキャップ72を用いなくても、気泡核は生成するまでに比較的長い期間を要するので、気泡核が生じたとしてもごく僅かであり、ピストン53を完全にシリンダ50内に保持するためのピストンキャップ72を用いなかった場合の結果としての静圧の減少は比較的小さいことになろう。
【0029】
流体のガス過飽和後、流体組立体20を支持構造体から取り外して送出しシステムハウジング40に戻す。流体組立体20をシステムハウジング40内で、ピストン53が継手58の上に位置した状態で、投与部位へのガス過飽和流体の高圧送出しを行うための駆動組立体30に結合するように配向させる。
【0030】
図1及び図2並びに図8及び図9に示されているように、駆動組立体30は主要構成要素として、ボールねじ82を駆動する駆動システム80、ボールねじ82に係合する主軸受84及び補助軸受86、ボールねじ82によって駆動されて、ピストン52を継手58に向かって送り進めるピストンプッシャ88、ピストンプッシャの移動量が所定の限度内に納まるようにするための移動量制限スイッチ90、及びボールねじ82がピストンプッシャ88を回転させないようにするためのピストンプッシャ回転防止プレート92を有している。
【0031】
図1及び図8に示すような駆動システム80は、高トルク歯車箱96を駆動する(歯数比は、例えば112:1)ステッピングモータ94を有し、この歯車箱は、駆動歯車98を駆動する(歯数比は、例えば4:1)。次に、駆動歯車98は、ボールねじ82に固定された主歯車100、爪車102及び爪104を駆動する。爪104は爪車102に係合しているとき、爪104は主歯車100及びピストンプッシャ88が、たとえシステム10への動力が停止されても、望ましくない方向に回転するのを防止する。かくして、爪車102と爪104は、係合した状態では、ピストンプッシャ88及びピストン52が継手58に向かって移動したり、或いはこれから遠ざかって移動するのを防止する。
【0032】
図1及び図2に示すように、主軸受84、補助軸受86はそれぞれ、駆動システム80の近傍、ピストンプッシャ回転防止プレート92の近傍でボールねじ82の端部に係合してこれを支持する。主軸受84及び補助軸受86は、直接的な外力及びボールねじ82及び/又はピストン52の起こり得る整列関係の不良に起因して生じる横方向外力から生じる摩擦荷重を最小限に抑えるのに役立つ。主軸受84及び補助軸受86は又、シリンダ50内の高圧に起因して生じる高い荷重を受けた状態であってもボールねじ82の同心的回転を保証する。2つの軸受構成とすることにより、大きすぎる又は嵩張った装置を用いなくても高圧流体の送出しを達成できると共に正確に制御できる優れた整列及び支持効果が得られる。
【0033】
ピストンプッシャ88は、上方係合部分106と、下方スプリット部分108とから成る。係合部分106は、ボールねじ82の回転により、ボールねじの回転方向に従ってピストンプッシャ88が継手58に近づいたり、或いはこれから遠ざかるようにボールねじ82と結合するねじ山付き内部を備えた環状のものである。ボールねじ82を用いてピストンプッシャ88を送り進めることは又、流体の送出し速度及び流体の全送出し量の正確な測定が可能になる。
【0034】
ピストンプッシャ88の係合部分106は、移動量制限スイッチの作動器として働くフランジ110を有し、したがってフランジ110が2つの移動量制限スイッチ90のうち何れか一方に接触したときに駆動組立体30の各種機能が停止し、それによりピストンプッシャの移動量が所定の限度内に納まるようになる。
【0035】
図9に断面図で示されているように、ピストンプッシャ88のスプリット部分108は、ピストンプッシャ88が補助軸受86、回転防止プレート92及びピストンキャップ72を通り過ぎることができるようにする2つの半円形部分からなる。ピストンプッシャ回転防止プレート92は、送出しシステムハウジング40に固定自在に取り付けられ、1又は2以上の孔112を備え、これらの孔を通ってスプリット部分108の2つの半円形部分が移動することができる。ピストンプッシャ回転防止プレート92は、ピストンプッシャ88の回転を防止し、ボールねじ82の回転により、その回転方向に応じてピストンプッシャ88を継手58に近づけたり、或いはこれから遠ざかるよう送り進めるようにする。ピストンプッシャ回転防止プレート92は又、補助軸受86を支持するのがよい。ピストンキャップ72は同様に、ピストンプッシャ88をピストンキャップ72を越えて移動できるようにするための1又は2以上の孔を備える。
【0036】
図10に示すように、システム10の作動を容易にするために、ユーザが動作パラメータを特定して制御でき、そしてユーザにある動作パラメータを支持するためのユーザインタフェースが送出しシステムハウジング40のフロントパネル120に設けられている。ユーザインタフェースは、システム10への電力を供給したり切断する電源スイッチ114、静圧が所望の送出し圧力にほぼ等しくなるまでピストンプッシャ88を送り進めることによって流体送出しの準備を行うためのLOADボタン115、流体送出し速度を増減するためのFLOWスイッチ116、爪104を爪車102に係合させたりこれから離脱させてボールねじ82の回転を防止したり、ボールねじ82の回転をピストンプッシャ88を上方に前進させて流体組立体20から離す方向に行わせるためのRATCHET スイッチ(図示せず)、爪104を爪車102から離脱させた後、ピストンプッシャ88を上方に前進させるUNLOADボタン117、及びユーザが指示されたエラーを認めて流体送出しを続行させることができるようにするALARM ACKNOWLEDGE ボタン118を有するのがよい。
【0037】
ユーザインタフェースは、規定された送出し速度(例えば、毎分10.5cc)及び全送出し量(例えば、275cc)を指示するディスプレイ119,121を更に有するのがよい。ユーザインタフェースはまた、システム10の或る動作条件を指示する種々の表示灯123を更に有するのがよい。
【0038】
流体組立体20内のガス過飽和流体を送出し可能にシステム10を準備するため、ユーザは、必要な動作パラメータ、例えば流体送出し速度、流体の全送出し量、流体送出し圧力を入力する。次に、ユーザはユーザインタフェース上のLOADボタン115を押す。LOADボタン115を押すことにより、ピストンプッシャ88は、使い捨て容器70内の流体の静圧が所望の送出し圧力に達するまでピストン52を継手58に向かって送り進める。流体のそれ以上加圧は、使い捨て容器70内のガス過飽和流体の最終圧縮及び安定化としても役立つ。所望の送出し圧力は、所望の送出し速度及び所望部位への流体の投与又は送出しに用いられるシステム流体送出し器具122のサイズで決まる。表示灯123は、静圧が所望の送出し圧力に達した時を指示するための指示器となる。
【0039】
シリンダ50内の流体の温度をモニターするため、システム10は、シリンダ50の円筒形内壁中に設けられた一対のサーミスタ123を備えるのがよい。サーミスタを対構成にすることは、流体の温度を高信頼度で且つ正確にモニターするために万全を期したものになる。システム10は、シリンダ50内の流体の温度を制御するためにシリンダ50を包囲するヒータジャケット(図示せず)を更に備えるのがよい。万全を期すために設けられた一対のサーミスタ及び温度を制御するためのヒータジャケットが設けられているので、システム10は、シリンダ50内の流体の温度を正確且つ高信頼度で制御すると共にモニターすることができる。これは例えば、相当な流体流量、例えば10〜50cc/分が患者の冠状動脈中へ送り出される時に特に望ましい場合がある。
【0040】
システム10は、シリンダ50からの流体の出力流速をモニターするための流量計を更に有するのがよい。シリンダ50からの流体の静圧をモニターするため、マニホルド56は、流体圧力センサを有している。過度に高い送出し圧力状態での流体送出しを防止するため、マニホルド56は、送り出されるべき流体と流体連通状態にある破裂板124を更に有するのがよい。流体送出し圧力が、破裂板124の耐える最高圧力を越えると、破裂板124は破裂する。破裂板124の破裂後、流体を所望部位に送り出すためのシステム流体送出し器具122への流体の流れが止まり、流体の流れは向きが変えられてシステム10から遠ざかる。
【0041】
流体は、ハウジング出力管54を通ってシリンダ50から流出し、マニホルド56に流入する。図3及び図5に示すように、流体はマニホルド56の二方フロー/フラッシ弁126を経てマニホルド56から流出する。二方フロー/フラッシ弁126は開かれると、ガス過飽和流体又は洗浄(フラッシ)流体(例えば、生理食塩水)の何れかを低流体送出し速度で所望投与部位に送り出すことができる。洗浄流体のかかる低速送出しにより、流体投与部位への連続した流体の流れが可能になる。例えば、ガス過飽和流体を患者に投与するためにシステム10が用いられる場合、たとえ特定の送出し速度での流体投与がもはや必要ではなく、又は所望されなくても、連続した流体の流れを維持することは、凝固に関する問題を解決するために望ましい場合がある。
【0042】
二方向弁126から流れている流体を濾過するために出力流体フィルタ128を設けるのがよい。次に、流体を出力流体フィルタ128から流体送出し器具122を経て投与部位に送り出す。たとえば、患者へのガス過飽和流体の投与の場合、システム流体送出し器具122は、ガイドワイヤに連結された400cm可撓螺旋管を含む注入装置であるのがよい。
【0043】
本発明を例示の実施形態を用いて説明した。しかしながら、本発明は、図示説明した実施形態に限定されず、本発明の範囲は、請求の範囲の記載事項に基づいて定められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の高圧注入システムの部分断面正面図である。
【図2】 図1の高圧注入システムの部分断面側面図である。
【図3】 図1の高圧注入システムの流体組立体の底面図である。
【図4】 図3の流体組立体の側面図である。
【図5】 図3の流体組立体の側面図である。
【図6】 流体組立体の変形実施形態による高圧注入システムの一部の部分断面側面図である。
【図7】 図3の取外し可能な流体ハウジング組立体のピストンの断面図である。
【図8】 図1の高圧注入システムの断面平面図であり、駆動システムを示す図である。
【図9】 図1の高圧注入システムの断面平面図であり、主軸受、ピストンプッシャ及びピストンプッシャ回転防止板プレートを示す図である。
【図10】 図1の高圧注入システムの正面図であり、ユーザインタフェースを示す図である。
【図11】 一実施形態による流体処理に使用される互いに別々の支持体とジャッキの略図である。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US08/915,531 US5893838A (en) | 1997-08-15 | 1997-08-15 | System and method for high pressure delivery of gas-supersaturated fluids |
US08/915,531 | 1997-08-15 | ||
PCT/US1998/016797 WO1999008732A1 (en) | 1997-08-15 | 1998-08-13 | System and method for high pressure delivery of gas-supersaturated fluids |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001514937A JP2001514937A (ja) | 2001-09-18 |
JP2001514937A5 true JP2001514937A5 (ja) | 2006-01-05 |
JP4108923B2 JP4108923B2 (ja) | 2008-06-25 |
Family
ID=25435909
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000509468A Expired - Fee Related JP4108923B2 (ja) | 1997-08-15 | 1998-08-13 | ガス過飽和流体の高圧送出しシステム |
Country Status (8)
Country | Link |
---|---|
US (8) | US5893838A (ja) |
EP (1) | EP1003573B1 (ja) |
JP (1) | JP4108923B2 (ja) |
AU (1) | AU8905398A (ja) |
CA (1) | CA2300432A1 (ja) |
DE (1) | DE69839445D1 (ja) |
ES (1) | ES2302355T3 (ja) |
WO (1) | WO1999008732A1 (ja) |
Families Citing this family (128)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6344489B1 (en) * | 1991-02-14 | 2002-02-05 | Wayne State University | Stabilized gas-enriched and gas-supersaturated liquids |
US6676900B1 (en) | 1994-12-09 | 2004-01-13 | Therox, Inc. | Method for the preparation and delivery of gas-enriched fluids |
US6607698B1 (en) * | 1997-08-15 | 2003-08-19 | Therox, Inc. | Method for generalized extracorporeal support |
US20040099523A1 (en) * | 1996-12-04 | 2004-05-27 | Otec Research Inc. | Catalytic simulation using radio frequency waves |
WO1998025132A1 (en) | 1996-12-04 | 1998-06-11 | Oxy L'eau Inc. | Catalytic resonance simulator |
US5893838A (en) | 1997-08-15 | 1999-04-13 | Therox, Inc. | System and method for high pressure delivery of gas-supersaturated fluids |
US6702949B2 (en) | 1997-10-24 | 2004-03-09 | Microdiffusion, Inc. | Diffuser/emulsifier for aquaculture applications |
US6325818B1 (en) | 1999-10-07 | 2001-12-04 | Innercool Therapies, Inc. | Inflatable cooling apparatus for selective organ hypothermia |
US6261312B1 (en) | 1998-06-23 | 2001-07-17 | Innercool Therapies, Inc. | Inflatable catheter for selective organ heating and cooling and method of using the same |
US6231595B1 (en) | 1998-03-31 | 2001-05-15 | Innercool Therapies, Inc. | Circulating fluid hypothermia method and apparatus |
US6585752B2 (en) | 1998-06-23 | 2003-07-01 | Innercool Therapies, Inc. | Fever regulation method and apparatus |
US6464716B1 (en) | 1998-01-23 | 2002-10-15 | Innercool Therapies, Inc. | Selective organ cooling apparatus and method |
US6312452B1 (en) | 1998-01-23 | 2001-11-06 | Innercool Therapies, Inc. | Selective organ cooling catheter with guidewire apparatus and temperature-monitoring device |
US6379378B1 (en) | 2000-03-03 | 2002-04-30 | Innercool Therapies, Inc. | Lumen design for catheter |
US7371254B2 (en) | 1998-01-23 | 2008-05-13 | Innercool Therapies, Inc. | Medical procedure |
US6096068A (en) | 1998-01-23 | 2000-08-01 | Innercool Therapies, Inc. | Selective organ cooling catheter and method of using the same |
US6551349B2 (en) | 1998-03-24 | 2003-04-22 | Innercool Therapies, Inc. | Selective organ cooling apparatus |
US6338727B1 (en) | 1998-08-13 | 2002-01-15 | Alsius Corporation | Indwelling heat exchange catheter and method of using same |
US6602467B1 (en) | 1998-07-24 | 2003-08-05 | Therox, Inc. | Apparatus and method for blood oxygenation |
US6685886B2 (en) * | 1998-12-17 | 2004-02-03 | Genencor International, Inc. | Agitation system for a fluid bed processing system and a method thereof |
US8506519B2 (en) | 1999-02-16 | 2013-08-13 | Flowcardia, Inc. | Pre-shaped therapeutic catheter |
US6855123B2 (en) | 2002-08-02 | 2005-02-15 | Flow Cardia, Inc. | Therapeutic ultrasound system |
JP2000300668A (ja) * | 1999-04-26 | 2000-10-31 | Takeshi Takachi | メカニカルロック機構およびその機構を用いたインジェクタヘッド |
US6238706B1 (en) | 1999-05-06 | 2001-05-29 | Grofish L.L.C. | Method of stimulating growth in aquatic animals using growth hormones |
CA2381730A1 (en) * | 1999-09-16 | 2001-03-22 | Vasogen Ireland Limited | Apparatus and process for conditioning mammalian blood |
US6387324B1 (en) | 1999-09-30 | 2002-05-14 | Therox, Inc. | Apparatus and method for blood oxygenation |
ATE344066T1 (de) | 1999-09-30 | 2006-11-15 | Therox Inc | Vorrichtung zur blutoxygenierung |
US6759008B1 (en) | 1999-09-30 | 2004-07-06 | Therox, Inc. | Apparatus and method for blood oxygenation |
US6890482B2 (en) | 1999-09-30 | 2005-05-10 | Therox, Inc. | Apparatus for blood oxygenation |
US6576191B1 (en) | 1999-09-30 | 2003-06-10 | Therox, Inc. | Apparatus for blood oxygenation |
US6582387B2 (en) * | 2001-03-20 | 2003-06-24 | Therox, Inc. | System for enriching a bodily fluid with a gas |
US6613280B2 (en) * | 2001-03-20 | 2003-09-02 | Therox, Inc. | Disposable cartridge for producing gas-enriched fluids |
US20030014004A1 (en) * | 2001-07-10 | 2003-01-16 | Uwe Dey | Insufflation gas conditioning apparatus and conditioning arrangement |
DE10224750A1 (de) | 2002-06-04 | 2003-12-24 | Fresenius Medical Care De Gmbh | Vorrichtung zur Behandlung einer medizinischen Flüssigkeit |
US8133236B2 (en) | 2006-11-07 | 2012-03-13 | Flowcardia, Inc. | Ultrasound catheter having protective feature against breakage |
US9955994B2 (en) | 2002-08-02 | 2018-05-01 | Flowcardia, Inc. | Ultrasound catheter having protective feature against breakage |
US6942677B2 (en) | 2003-02-26 | 2005-09-13 | Flowcardia, Inc. | Ultrasound catheter apparatus |
US7604608B2 (en) * | 2003-01-14 | 2009-10-20 | Flowcardia, Inc. | Ultrasound catheter and methods for making and using same |
US7220233B2 (en) * | 2003-04-08 | 2007-05-22 | Flowcardia, Inc. | Ultrasound catheter devices and methods |
US7137963B2 (en) * | 2002-08-26 | 2006-11-21 | Flowcardia, Inc. | Ultrasound catheter for disrupting blood vessel obstructions |
US7335180B2 (en) | 2003-11-24 | 2008-02-26 | Flowcardia, Inc. | Steerable ultrasound catheter |
US7758510B2 (en) | 2003-09-19 | 2010-07-20 | Flowcardia, Inc. | Connector for securing ultrasound catheter to transducer |
US8323244B2 (en) * | 2007-03-30 | 2012-12-04 | Medtronic, Inc. | Catheter malfunction determinations using physiologic pressure |
US9033920B2 (en) * | 2003-10-02 | 2015-05-19 | Medtronic, Inc. | Determining catheter status |
US7320676B2 (en) * | 2003-10-02 | 2008-01-22 | Medtronic, Inc. | Pressure sensing in implantable medical devices |
US9138537B2 (en) * | 2003-10-02 | 2015-09-22 | Medtronic, Inc. | Determining catheter status |
US7022116B2 (en) * | 2003-10-23 | 2006-04-04 | Medtronic, Inc. | Method for monitoring bolus delivery |
ATE546187T1 (de) | 2004-01-09 | 2012-03-15 | Corazon Technologies Inc | Mehrlumige katheter |
US7217251B2 (en) * | 2004-04-22 | 2007-05-15 | Medtronic, Inc. | Pressure relief methods in a medical catheter system |
EP1747390B1 (en) * | 2004-04-22 | 2008-03-12 | Medtronic, Inc. | Pressure relief methods in a medical catheter system |
US20060000358A1 (en) * | 2004-06-29 | 2006-01-05 | Rajat Agrawal | Purification and delivery of high-pressure fluids in processing applications |
US7540852B2 (en) | 2004-08-26 | 2009-06-02 | Flowcardia, Inc. | Ultrasound catheter devices and methods |
US8221343B2 (en) | 2005-01-20 | 2012-07-17 | Flowcardia, Inc. | Vibrational catheter devices and methods for making same |
US7905868B2 (en) | 2006-08-23 | 2011-03-15 | Medtronic Minimed, Inc. | Infusion medium delivery device and method with drive device for driving plunger in reservoir |
US8197231B2 (en) | 2005-07-13 | 2012-06-12 | Purity Solutions Llc | Diaphragm pump and related methods |
US8105279B2 (en) | 2005-09-26 | 2012-01-31 | M2 Group Holdings, Inc. | Dispensing fluid from an infusion pump system |
US7534226B2 (en) | 2005-09-26 | 2009-05-19 | M2 Group Holdings, Inc. | Dispensing fluid from an infusion pump system |
US8551046B2 (en) | 2006-09-18 | 2013-10-08 | Asante Solutions, Inc. | Dispensing fluid from an infusion pump system |
US9282984B2 (en) * | 2006-04-05 | 2016-03-15 | Flowcardia, Inc. | Therapeutic ultrasound system |
WO2007123764A2 (en) * | 2006-04-06 | 2007-11-01 | Medtronic, Inc. | Systems and methods of identifying catheter malfunctions using pressure sensing |
WO2008052145A2 (en) | 2006-10-25 | 2008-05-02 | Revalesio Corporation | Methods of therapeutic treatment of eyes and other human tissues using an oxygen-enriched solution |
US8784898B2 (en) | 2006-10-25 | 2014-07-22 | Revalesio Corporation | Methods of wound care and treatment |
EP3170401B1 (en) | 2006-10-25 | 2019-06-05 | Revalesio Corporation | Ionic aqueous fluid composition containing oxygen microbubbles |
US8609148B2 (en) | 2006-10-25 | 2013-12-17 | Revalesio Corporation | Methods of therapeutic treatment of eyes |
AU2007349224B2 (en) | 2006-10-25 | 2014-04-03 | Revalesio Corporation | Methods of wound care and treatment |
US8445546B2 (en) | 2006-10-25 | 2013-05-21 | Revalesio Corporation | Electrokinetically-altered fluids comprising charge-stabilized gas-containing nanostructures |
US8784897B2 (en) | 2006-10-25 | 2014-07-22 | Revalesio Corporation | Methods of therapeutic treatment of eyes |
US8246643B2 (en) | 2006-11-07 | 2012-08-21 | Flowcardia, Inc. | Ultrasound catheter having improved distal end |
US9044537B2 (en) | 2007-03-30 | 2015-06-02 | Medtronic, Inc. | Devices and methods for detecting catheter complications |
US7963954B2 (en) | 2007-04-30 | 2011-06-21 | Medtronic Minimed, Inc. | Automated filling systems and methods |
JP5102350B2 (ja) | 2007-04-30 | 2012-12-19 | メドトロニック ミニメド インコーポレイテッド | リザーバ充填/気泡管理/注入媒体送給システムおよび該システムを用いる方法 |
EP3871722A1 (en) | 2007-07-18 | 2021-09-01 | Vapotherm, Inc. | System for delivering a heated and humidified gas |
US8905023B2 (en) | 2007-10-05 | 2014-12-09 | Vapotherm, Inc. | Hyperthermic humidification system |
US20090098017A1 (en) * | 2007-10-16 | 2009-04-16 | Board Of Regents, The University Of Texas System | Nanoporous membrane exchanger |
US9745567B2 (en) | 2008-04-28 | 2017-08-29 | Revalesio Corporation | Compositions and methods for treating multiple sclerosis |
US10125359B2 (en) | 2007-10-25 | 2018-11-13 | Revalesio Corporation | Compositions and methods for treating inflammation |
US9523090B2 (en) | 2007-10-25 | 2016-12-20 | Revalesio Corporation | Compositions and methods for treating inflammation |
US7875022B2 (en) * | 2007-12-12 | 2011-01-25 | Asante Solutions, Inc. | Portable infusion pump and media player |
US8961471B2 (en) | 2007-12-12 | 2015-02-24 | Minimus Spine, Inc. | Syringe device, system and method for delivering ozone gas |
US20090243234A1 (en) * | 2008-03-31 | 2009-10-01 | Animas Corporation | Over-Molded Seal |
US7959612B2 (en) * | 2008-04-21 | 2011-06-14 | Medtronic Vascular, Inc. | Dual syringe injector system |
WO2009134929A2 (en) | 2008-05-01 | 2009-11-05 | Revalesio Corporation | Compositions and methods for treating digestive disorders |
US7959598B2 (en) | 2008-08-20 | 2011-06-14 | Asante Solutions, Inc. | Infusion pump systems and methods |
US8246564B2 (en) | 2008-12-04 | 2012-08-21 | Therox, Inc. | System for enriching a bodily fluid with a gas having automated priming capabilities |
US8636952B2 (en) | 2008-12-04 | 2014-01-28 | Therox, Inc. | System for enriching a bodily fluid with a gas having a removable gas-enrichment device with an information recording element |
US8192384B2 (en) | 2008-12-04 | 2012-06-05 | Therox, Inc. | System for enriching a bodily fluid with a gas having a dual-function power switch mechanism |
WO2010090858A2 (en) * | 2009-01-21 | 2010-08-12 | Medtronic, Inc. | Catheter systems having flow restrictors |
US20100217233A1 (en) * | 2009-02-20 | 2010-08-26 | Ranft Elizabeth A | Method and device to anesthetize an area |
US8192401B2 (en) | 2009-03-20 | 2012-06-05 | Fresenius Medical Care Holdings, Inc. | Medical fluid pump systems and related components and methods |
US8815292B2 (en) | 2009-04-27 | 2014-08-26 | Revalesio Corporation | Compositions and methods for treating insulin resistance and diabetes mellitus |
US8226566B2 (en) * | 2009-06-12 | 2012-07-24 | Flowcardia, Inc. | Device and method for vascular re-entry |
EP2453955B1 (en) * | 2009-07-15 | 2015-08-19 | Sanofi-Aventis Deutschland GmbH | Drive mechanism for an injection device and an injection device with such a drive mechanism |
CA2767668C (en) | 2009-07-15 | 2017-03-07 | Fresenius Medical Care Holdings, Inc. | Medical fluid cassettes and related systems and methods |
KR20130114581A (ko) | 2010-05-07 | 2013-10-18 | 레발레시오 코퍼레이션 | 생리적 수행능력 및 회복 시간의 향상을 위한 조성물 및 방법 |
BR112013003110A2 (pt) | 2010-08-12 | 2016-06-28 | Revalesio Corp | composições e métodos para tratamento de taupatia |
US9498573B2 (en) | 2010-09-24 | 2016-11-22 | Perqflo, Llc | Infusion pumps |
US8915879B2 (en) | 2010-09-24 | 2014-12-23 | Perqflo, Llc | Infusion pumps |
US9381300B2 (en) * | 2010-09-24 | 2016-07-05 | Perqflo, Llc | Infusion pumps |
US9216249B2 (en) | 2010-09-24 | 2015-12-22 | Perqflo, Llc | Infusion pumps |
US8905972B2 (en) | 2010-11-20 | 2014-12-09 | Perqflo, Llc | Infusion pumps |
US9624915B2 (en) | 2011-03-09 | 2017-04-18 | Fresenius Medical Care Holdings, Inc. | Medical fluid delivery sets and related systems and methods |
EP3006059B1 (en) | 2011-04-21 | 2017-09-27 | Fresenius Medical Care Holdings, Inc. | Medical fluid pumping systems and related devices and methods |
WO2013109269A1 (en) | 2012-01-18 | 2013-07-25 | Bard Peripheral Vascular, Inc. | Vascular re-entry device |
WO2013165473A1 (en) | 2012-05-01 | 2013-11-07 | Therox, Inc. | System and method for bubble-free gas-enrichment of flowing liquid within a conduit |
US9610392B2 (en) | 2012-06-08 | 2017-04-04 | Fresenius Medical Care Holdings, Inc. | Medical fluid cassettes and related systems and methods |
US9500188B2 (en) | 2012-06-11 | 2016-11-22 | Fresenius Medical Care Holdings, Inc. | Medical fluid cassettes and related systems and methods |
US8454562B1 (en) | 2012-07-20 | 2013-06-04 | Asante Solutions, Inc. | Infusion pump system and method |
JP6293145B2 (ja) | 2012-08-02 | 2018-03-14 | バード・ペリフェラル・バスキュラー・インコーポレーテッド | 超音波カテーテルシステム |
US9539382B2 (en) | 2013-03-12 | 2017-01-10 | Medtronic, Inc. | Stepped catheters with flow restrictors and infusion systems using the same |
US9561323B2 (en) | 2013-03-14 | 2017-02-07 | Fresenius Medical Care Holdings, Inc. | Medical fluid cassette leak detection methods and devices |
US9457141B2 (en) | 2013-06-03 | 2016-10-04 | Bigfoot Biomedical, Inc. | Infusion pump system and method |
US9561324B2 (en) | 2013-07-19 | 2017-02-07 | Bigfoot Biomedical, Inc. | Infusion pump system and method |
US10117985B2 (en) | 2013-08-21 | 2018-11-06 | Fresenius Medical Care Holdings, Inc. | Determining a volume of medical fluid pumped into or out of a medical fluid cassette |
US10569015B2 (en) | 2013-12-02 | 2020-02-25 | Bigfoot Biomedical, Inc. | Infusion pump system and method |
US10137246B2 (en) | 2014-08-06 | 2018-11-27 | Bigfoot Biomedical, Inc. | Infusion pump assembly and method |
US9919096B2 (en) | 2014-08-26 | 2018-03-20 | Bigfoot Biomedical, Inc. | Infusion pump system and method |
US10159786B2 (en) | 2014-09-30 | 2018-12-25 | Perqflo, Llc | Hybrid ambulatory infusion pumps |
WO2016133789A2 (en) | 2015-02-18 | 2016-08-25 | Perqflo, Llc | Ambulatory infusion pump and reservoir assemblies for use with same |
US10398871B2 (en) | 2015-03-31 | 2019-09-03 | Vapotherm, Inc. | Systems and methods for patient-proximate vapor transfer for respiratory therapy |
US9878097B2 (en) | 2015-04-29 | 2018-01-30 | Bigfoot Biomedical, Inc. | Operating an infusion pump system |
AU2016385454B2 (en) | 2016-01-05 | 2021-12-16 | Bigfoot Biomedical, Inc. | Operating multi-modal medicine delivery systems |
AU2017218443A1 (en) | 2016-02-12 | 2018-08-30 | Medtronic Minimed, Inc. | Ambulatory infusion pumps and assemblies for use with same |
AU2017341838A1 (en) | 2016-10-14 | 2019-05-02 | Vapotherm, Inc. | Systems and methods for high velocity nasal insufflation |
US20180140321A1 (en) | 2016-11-23 | 2018-05-24 | C. R. Bard, Inc. | Catheter With Retractable Sheath And Methods Thereof |
US11596726B2 (en) | 2016-12-17 | 2023-03-07 | C.R. Bard, Inc. | Ultrasound devices for removing clots from catheters and related methods |
US10758256B2 (en) | 2016-12-22 | 2020-09-01 | C. R. Bard, Inc. | Ultrasonic endovascular catheter |
US10582983B2 (en) | 2017-02-06 | 2020-03-10 | C. R. Bard, Inc. | Ultrasonic endovascular catheter with a controllable sheath |
CN111829814B (zh) * | 2020-07-20 | 2022-01-28 | 西南石油大学 | 一种取样用球阀及天然气水合物保真取样器、取样方法 |
Family Cites Families (27)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR1320820A (fr) * | 1962-01-29 | 1963-03-15 | Perfectionnements aux dispositifs d'injection | |
US3623474A (en) * | 1966-07-25 | 1971-11-30 | Medrad Inc | Angiographic injection equipment |
US3987625A (en) * | 1975-08-15 | 1976-10-26 | Fluid Controls, Inc. | Combined sensor and control |
US4196730A (en) * | 1977-08-01 | 1980-04-08 | Wilson Dennis R | Liquid drug dispenser |
DE3309918C2 (de) * | 1982-03-29 | 1994-09-01 | Barry Oliver Weightman | Saug- und Spülvorrichtung |
EP0143895B1 (de) * | 1983-09-07 | 1987-12-23 | Disetronic Ag | Tragbares Infusionsgerät |
US5562614A (en) * | 1993-11-22 | 1996-10-08 | Advanced Cardiovascular Systems, Inc. | Programmable manifold system for automatic fluid delivery |
US5407426A (en) * | 1991-02-14 | 1995-04-18 | Wayne State University | Method and apparatus for delivering oxygen into blood |
US5599296A (en) * | 1991-02-14 | 1997-02-04 | Wayne State University | Apparatus and method of delivery of gas-supersaturated liquids |
US4838866A (en) * | 1986-10-03 | 1989-06-13 | Marshall Sr William M | Liquid pump air release system |
DE3882202D1 (en) * | 1987-05-18 | 1993-08-12 | Disetronic Ag | Infusionsgeraet. |
EP0556878A3 (en) * | 1988-10-14 | 1993-10-13 | Becton, Dickinson and Company | Thermoelectric chiller and automatic syringe |
US5318540A (en) * | 1990-04-02 | 1994-06-07 | Pharmetrix Corporation | Controlled release infusion device |
US5261883A (en) * | 1990-10-26 | 1993-11-16 | Alcon Surgical, Inc. | Portable apparatus for controlling fluid flow to a surgical site |
US5693017A (en) * | 1991-02-14 | 1997-12-02 | Wayne State University | Apparatus and method of delivery of gas-supersaturated solutions to a delivery site |
JPH07508443A (ja) * | 1992-07-07 | 1995-09-21 | 544456 ビー シー リミテッド | 通気方法および装置 |
EP0721360A1 (en) * | 1992-11-09 | 1996-07-17 | SIPIN, Anatole J. | Controlled fluid transfer system |
US5368555A (en) * | 1992-12-29 | 1994-11-29 | Hepatix, Inc. | Organ support system |
EP0619122A1 (en) * | 1993-04-08 | 1994-10-12 | Getz Bros. Co.,Ltd. | Syringe control system for DSA and PTCA |
US5423741A (en) * | 1993-05-28 | 1995-06-13 | Bei Medical Sytems, Inc. | Apparatus and method for the insufflation of gas into a body cavity |
DE4320198C1 (de) * | 1993-06-18 | 1994-07-14 | Fresenius Ag | Vorrichtung zum Gasaustausch, insbesondere zum Oxygenieren von Blut |
DE4338866C1 (de) * | 1993-11-13 | 1995-06-14 | Wolf Gmbh Richard | Medizinisches Instrument zur Applikation von Heißgas |
US5395350A (en) * | 1994-02-14 | 1995-03-07 | Summers; Daniel A. | Paracentesis valve |
US5439022A (en) * | 1994-02-14 | 1995-08-08 | Summers; Daniel A. | Lavage valve |
US6230501B1 (en) * | 1994-04-14 | 2001-05-15 | Promxd Technology, Inc. | Ergonomic systems and methods providing intelligent adaptive surfaces and temperature control |
US5849005A (en) * | 1995-06-07 | 1998-12-15 | Heartport, Inc. | Method and apparatus for minimizing the risk of air embolism when performing a procedure in a patient's thoracic cavity |
US5893838A (en) * | 1997-08-15 | 1999-04-13 | Therox, Inc. | System and method for high pressure delivery of gas-supersaturated fluids |
-
1997
- 1997-08-15 US US08/915,531 patent/US5893838A/en not_active Expired - Lifetime
-
1998
- 1998-08-13 US US09/133,984 patent/US6142971A/en not_active Expired - Lifetime
- 1998-08-13 ES ES98940871T patent/ES2302355T3/es not_active Expired - Lifetime
- 1998-08-13 JP JP2000509468A patent/JP4108923B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1998-08-13 EP EP98940871A patent/EP1003573B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1998-08-13 WO PCT/US1998/016797 patent/WO1999008732A1/en active Application Filing
- 1998-08-13 CA CA002300432A patent/CA2300432A1/en not_active Abandoned
- 1998-08-13 DE DE69839445T patent/DE69839445D1/de not_active Expired - Lifetime
- 1998-08-13 AU AU89053/98A patent/AU8905398A/en not_active Abandoned
- 1998-11-30 US US09/200,608 patent/US6030357A/en not_active Expired - Lifetime
-
1999
- 1999-12-21 US US09/467,673 patent/US6315754B1/en not_active Expired - Lifetime
-
2001
- 2001-02-20 US US09/788,875 patent/US20010008960A1/en not_active Abandoned
- 2001-06-14 US US09/882,798 patent/US6782924B2/en not_active Expired - Fee Related
-
2004
- 2004-08-30 US US10/929,918 patent/US7104289B2/en not_active Expired - Fee Related
-
2006
- 2006-07-27 US US11/460,474 patent/US7641628B2/en not_active Expired - Fee Related
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4108923B2 (ja) | ガス過飽和流体の高圧送出しシステム | |
JP2001514937A5 (ja) | ||
JP4156376B2 (ja) | 体内流体をガスで富化するためのシステム | |
US8852167B2 (en) | Medical connector | |
JP5735498B2 (ja) | 流体注入デバイスの流路から空気を除去する方法およびシステム | |
EP2047876B1 (en) | Self-contained portable apparatus for administration of a drug solution | |
US20050230575A1 (en) | Mobile fluid delivery system with detachable pedestal | |
JP2000511075A (ja) | 注入装置及び該装置に用いるポンプ装置 | |
JP2010526633A (ja) | 能動変位ポンプ | |
LT4835B (lt) | Priverstinė kompiuteriu valdoma vaistų ar panašių priemonių išdalinimo sistema | |
CA2224006A1 (en) | Delivery of oxygen-supersaturated physiologic solutions | |
EP2504046B1 (en) | Device for dosing and adjusting the flow of a radiopaque agent to be used in performing an angiography | |
US5938638A (en) | Device for the controlled injection of a programmable quantity of liquid | |
JP7304347B2 (ja) | 薬液注入装置 | |
JPH09173449A (ja) | 薬液微量注入装置 | |
CN117731883A (zh) | 一种超声造影剂发泡注射系统、方法及存储介质 |