JP2001514827A - マイクロストリップアレーアンテナ - Google Patents

マイクロストリップアレーアンテナ

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JP2001514827A JP53954798A JP53954798A JP2001514827A JP 2001514827 A JP2001514827 A JP 2001514827A JP 53954798 A JP53954798 A JP 53954798A JP 53954798 A JP53954798 A JP 53954798A JP 2001514827 A JP2001514827 A JP 2001514827A
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チューン リー,サエ
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Abstract

(57)【要約】 マイクロストリップアンテナ(10)は、2つの誘電体層(12,14)を有し、これら誘電体層は、その間に介在する導体ストリップ列(20,22,24,26)と共に接合されている。ストリップ(20,22,24,26)は、各隣接対の間にスロット(30,32,34)を形成する形で離隔されている。導体接地平面(16)は、接合された2つの誘電体層(12,14)の第1外側面(12a)上に配置され、放射素子(40,42,44)は、接合された2つの誘電体層(12,14)の第2外側面(14a)上に配置されている。前記放射素子の各々は、対応するスロットの上に配置され、前記放射素子の列は、放射素子(40,42,44)の各隣接対の間にアパーチャ(52,54)を形成する形で離隔部を有する。電磁エネルギーに対応して、アンテナ内には高次定常波が誘導され、指向性電波がアンテナから送信され、および/またはアンテナに受信される。

Description

【発明の詳細な説明】 マイクロストリップアレーアンテナ 発明の背景 本発明は概してアンテナに係り、より詳しくはマイクロストリップアレーアン テナに関するものである。 衛星直接放送のサービスの数は、相当な勢いで世界的に増加している。そして それと同様に、前記のような放送サービスを受信できるアンテナへの世界的な要 求も増大してきた。このように増大してきた要求は、典型的には反射鏡アンテナ あるいは“ディッシュ”アンテナと呼ばれるアンテナで対応されてきた。これら は周知技術である。一般的に反射鏡アンテナは、住宅環境において、静止衛星ま たは赤道衛星からのテレビチャンネル信号の送信のような放送サービスを受信す るために使用されている。しかし、反射鏡アンテナはいくつかの欠点を有する。 例えば、それらは嵩張り、そして住宅用としては比較的高価である。さらに、反 射鏡アンテナに固有の問題点として、放射スピルオーバーと給電装置による開口 部遮蔽現象がある。この遮蔽現象は、反射鏡アンテナの有効口径の効率を著しく 低下させ、典型的には約55%にまで有効口径の効率を低下させてしまう。 マイクロストリップアンテナのような代替アンテナは、反射鏡アンテナに関係 する欠点の多くを解決する。例えばマイクロストリップアンテナは反射鏡アンテ ナと比較して、より小さい空間に設置でき、より簡単な構造であり、製造コスト がより安く、プリント回路技術との互換性がより高い。マイクロストリップの列 (アレー)を有するマイクロストリップアンテナすなわちマイクロストリップア レーアンテナは、高い指向性を必要とする用途に使用可能である。しかしマイク ロストリップアレーアンテナは、典型的には進行波に依存するところが多く、ま た複雑なマイクロストリップ給電回路網を必要とする。この給電回路網は、アン テナ損失全体のかなりの部分を占める。さらに、多くのマイクロストリップアレ ーアンテナが送信および/または受信するのは、直線偏波に限られる。このよう な欠点は、円偏波のみを使用して放送サービスが提供されている世界の多くの地 域で特に問題となる。このような場合サービスの受信者は、効率がより低く、よ り高価で、より嵩張る反射鏡アンテナか、あるいは偏波器を備えたマイクロスト リップアレーアンテナを用いなければならない。しかし偏波器は、アンテナにさ らなるパワーロスをもたらし、比較的品質の悪い放射パターンを形成することに なる。 求められているのは、低価格で、コンパクトで、開口効率が高く、複雑な給電 回路網を必要とせず、直線偏波でも円偏波でも送信・受信するために容易に使用 することができるアンテナである。 発明の要旨 上記の要求に従い本発明は、低価格で、コンパクトで、開口効率が高く、複雑 な給電回路網を必要とせず、直線偏波でも円偏波でも送信・受信するために容易 に使用することができるアンテナ提供する。ここで本発明によるマイクロストリ ップアンテナは、間に介在する導体ストリップ列と共に接合された2つの誘電体 層を含んでいる。ストリップ同士は、ストリップの各隣接対の間に形成されるス ロットによって離隔されている。導体接地平面は、接合された2つの誘電体層の 第1外面上に配置され、放射素子の列は、接合された2つの誘電体層の第2外面 上に配置されている。放射素子の各々は、対応するスロットの上に配置され、放 射素子列には、放射素子の各隣接対の間にアパーチャを形成する形で離隔部が設 けられている。電磁エネルギーに呼応して高次定常波がアンテナ内に誘導され、 有向指向性電波がアンテナから送信されたりアンテナに受信されたりする。 本発明により達成される利点は、反射鏡アンテナまたは他のマイクロストリッ プアンテナで一般的に達成可能な開口効率を大きく上回ることである。 本発明により達成される別の利点は、マイクロストリップアレーアンテナで一 般的に利用される進行波よりも効率が高い高次定常波を利用できることである。 本発明により達成される別の利点は、形成される放射パターンの質がマイクロ ストリップアレーアンテナで典型的に形成されるものより高いことである。 本発明により達成される別の利点は、このアンテナが比較的薄く平らで、その 結果、反射鏡アンテナよりもずっと小さくて軽く、嵩張らないことである。また 、 既存の送受信システムに容易に利用することが可能であることである。 本発明により達成される別の利点は、このアンテナが反射鏡アンテナよりずっ と簡単に製造でき、従って反射鏡アンテナより低価格で提供できることである。 図面の簡単な説明 図1は、本発明の特徴を具体化した平面アレーアンテナの部分断面斜視図であ る。 図2は、図1に示したアンテナを図1における2−2線視で示す側面図である 。 図3は、本発明の特徴を具体化した平面アレーアンテナの変形実施形態を示す 部分断面斜視図である。 図4は、本発明の特徴を具体化した線形アレーアンテナの斜視図である。 図5は、図4に示したアンテナを図4における5−5線視で示す正面図である 。 図6は、図4に示したアンテナを図4における6−6線視で示す正面図である 。 図7は、図4〜図6に示したアンテナの4.10GHz信号に対するE平面放射パタ ーンを示す特性図である。 好ましい実施形態の詳細な説明 図1,図2において符号10は、本発明の特徴を具体化し、電磁(EM)エネル ギーのビームを送受信するための平面マイクロストリップアレーアンテナを一般 的に示している。図2に示されるようにアンテナ10は、薄く、円形ディスク状 で、2.2程度の比較的低い誘電定数を有する機械的に安定な材料から形成される 第1誘電体層12と第2誘電体層14とを備えている。そのような誘電体材料の 一例としては、アリゾナ州チャンドラーにあるロジャース・コーポレーションか ら入手可能なRT/duroid 5880(登録商標)を挙げることができる。誘電体層12 と14は、同じ材料から形成してもよいが、必ずしも両層に同じ材料を使用しな くてもよい。アンテナの使用目的によっては、各層に異なる誘電定数を有する異 なる材料を使用することにより性能を向上できる場合がある。 誘電体層12,14の各々の厚さ(すなわち図1,図2における鉛直方向の寸 法)は、0.003λから0.050λの間であることが好ましい。層12,14の直径は 、 以下に記載されるように、使用されるストリップと放射素子の数によって決定さ れる。特記しない限り、λは自由空間におけるEMエネルギー指向性電波の波長 を意味する(すなわち、cを自由空間における光速、fを指向性電波の周波数と するとλ=c/fである)。さらに、“ストリップ”および“放射素子”として定義 される要素がマイクロストリップを構成する。 第1誘電体層12は、導体接地平面16が接合される下面12aと、導体セン ターストリップ20および誘電体層12内にラジアル送信ラインキャビティを形 成する3つの離隔した導体同心環状ストリップの列が接合される上面12bとを 有している。環状ストリップ22,24,26の厚さ(図1,図2では明瞭化の ために正しいスケールで示してはいない)は、約1mil(つまり0.001インチ)で ある。センターストリップ20の直径(つまり図1に寸法Aで示される半径方向 寸法)および各環状ストリップ22,24の幅は約λ/2であり、環状ストリップ 26の幅は、λ/2から3λ/4(但し、以下に記載のSMAプローブがストリップ 26に取付けられないのであればλ/4程度にまで減じてもよい)であることが好 ましい。そして、ストリップ22,24,26は、隣接するストリップの間に同 心環状連結スロット30,32,34を形成するように離隔配置される。各スロ ットの幅は、好ましくは0.01λから0.20λの間である。誘電体層12はまた、好 ましくは縁部導体18が接合される外側輪郭縁部12cを有する。縁部導体18 が接合されることで導電性(すなわち終端部短縮)表面が形成され、誘電体層の 輪郭縁部からの望ましくない放射リークを防止できる。こうして広範囲にわたっ て放射制御が可能となり、アンテナ10からの放射パターンがより望ましいもの となる。接地平面16および縁部導体18の厚さは、約1mil(つまり0.001イン チ)であるが、アンテナ10に構造的支持を与えたい場合は1mil以上(例えば0 .125インチ)としてもよい。 接地平面16、縁部導体18、ストリップ20,22,24,26は、銅・ア ルミニウム・銀などの導電材料を含んで構成され、かつ好ましくは、誘電体層1 2に接合される。その接合には、従来のプリント回路技術・真空蒸着法・転写技 術・一体式マイクロ波集積回路(MMIC)技術・化学エッチング技術、あるい はその他の適切な技術が利用される。例えば、化学エッチング技術によれば、誘 電体層12を前記導電性材料のいずれかへの被覆として形成し、スロット30, 32,34は従来のエッチング技術を用いて層12から化学的に除去して形成さ れる。こうして意図されたストリップ20,22,24,26の列が形成される 。 第2誘電体層14は、適切な技術を用いて、第1誘電体層12の上面12bと 、ストリップ20,22,24,26とに接合される。接合手段としては、例え ば非常に薄く(1.5mil程度)誘電定数が2.3の加熱接合フィルム(図示せず)を 用いて接合部を形成する方法が挙げられる。第2誘電体層14は上面14aを有 する。この上面14aには、3つの同心環状放射素子40,42,44からなる 列が、従来のプリント回路技術・真空蒸着法・転写技術・MMIC技術・化学エ ッチング技術、あるいはその他の適切な技術を用いて接合される。放射素子40 ,42,44の各々は、約1mil(0.001インチ)の厚さ(図1,図2では明瞭化 のために正しいスケールで示していない)を有し、その幅(すなわち半径方向寸 法)は、好ましくはλ/4からλ/2の間である。また各放射素子は、それぞれ対応 する環状スロット30,32,34の上に配置され、センターアパーチャ50お よび隣接する放射素子の間に2つの同心環状アパーチャ52,54を形成するよ うに離隔配置されている。各アパーチャの幅は、好ましくは0.01λから0.20λの 間である。放射素子40,42,44はさらに、開放(すなわち放射)縁部40 a,40b,42a,42b,44a,44bを有する。 特定の周波数における最適な性能のために、ストリップ20,22,24,2 6、スロット30,32,34、放射素子40,42,44、アパーチャ50, 52,54の幅(つまり半径方向寸法)および誘電体層12,14の厚さは、個 別に計算され、そのようにして、誘電体層12,14の範囲で規定されるアンテ ナキャビティ内に高次定常波(すなわち基底モード以外のモードを有する定常波 )を形成することができ、また放射縁部40a,40b,42a,42b,44 a,44bから放射される電磁場を互いに積極的に干渉させることができる。さ らには、スロット30,32,34およびアパーチャ50,52,54のサイズ および位置は、アンテナ10の共振周波数だけでなく入力インピーダンスをも考 慮して計算される。このような計算は、電場の垂直成分(図1,図2に示す)が 各要素の境界で消失するものと仮定することで可能になる。こうして図2から 最も明瞭に分かるように、アンテナ10を、領域60で示す中央部と領域62, 64で示される外側の周期的環状部分との組合せで構成することができる。電場 の垂直成分はcosθに比例するものである。ここでθは、アンテナ10の中心か ら延びる第1ラインと第2ラインとがなす角度である。第1ラインは給電ポイン ト(下記参照)を通過し、第2ラインはアンテナ内における着目点を通過する。 ここで、アンテナキャビティ内の電場の分布が、望ましい放射と入力インピーダ ンスとに影響を与えることが理解される。周期的環状部分62,64の数は、ア ンテナ10の全体サイズだけでなく指向性をも決定する。アンテナ10のサイド ローブレベルは、放射縁部40a,40b,42a,42b,44a,44bに おける電場分布によって決定される。従って、指向性・サイドローブレベル・入 力インピーダンスといったアンテナの特性は、各ストリップ20,22,24, 26および各放射素子40,42,44の幅と位置とによって調節される。高い 指向性を得るためには、放射縁部40a,40b,42a,42b,44a,4 4bにおける電場分布ができる限り均一であることが望ましい。誘電体層14に おいて隣接するスロット30,32,34の間には電場無効点が存在する。場合 によっては、望ましくないモードの励起を抑制するために、アンテナ10に垂直 短縮ピン(図示せず)を配置してもよい。上記の計算と解析には、例えば「デュ アルバンド平面マイクロストリップアンテナ」と題され、IEEE Transactions on Antenna and Propagation(Vol.43,pp.892-895,1995年8月)に、C.S.Lee,V.Nalb andian,F.Schweringによって発表された論文に見られるような技術等が利用さ れる。これらの技術は当業者には周知であるため、ここではこれ以上詳細に説明 はしない。 ケーブル(図示なし)からアンテナ10の給電ポイントヘ直線偏波(LP)信 号を供給するために、第1の従来型SMAプローブ70が設けられている。EM エネルギーをアンテナに供給するため、および/またはEMエネルギーをアンテ ナから受けるためにSMAプローブ70は、接地平面16に電気的に接続されて いる外側導体72と、環状ストリップ26に電気的に接続されている内側(また は給電)導体74と、外側導体72と内側導体74との間に介在する環状絶縁体 75とを含んで構成される。SMAプローブ70は好ましいものであるが、前記 接続に対して、他の適当な同軸プローブおよび/または接続手段を用いることが できる。内側導体74と環状ストリップ26とを接合しそれらの接触を保つため に、例えば導電性接着剤(図示せず)を用いてもよい。また、SMAプローブ7 0が接地平面16を貫通している部分に適切なシール(図示せず)を設けてもよ い。図示していないが、SMAプローブ70のアンテナ10に接続されていない 他端は、同軸ケーブル(図示せず)を介して、信号発生器またはテレビ信号に使 用される衛星信号デコーダー(解読器)に接続可能である。 実用においてアンテナ10は、指向性電波の受信および/または送信に使用さ れる。アンテナが指向性電波を受信するためにどのように使用されるかを説明す ると、アンテナ10は居住住宅に設置され、既定の周波数帯またはチャンネルで テレビ信号を搬送する衛星電波を静止衛星または赤道衛星から受信するために方 向調整される。アンテナ10は上面14aが電波発信源の方向を向くように、す なわち電波の進行方向にほぼ垂直となるように方向調整される。このような衛星 からの信号を受信するために、アンテナ10の構成要素の寸法が適切に決定され ているものと仮定すると、指向性電波はアパーチャ50,52,54を通過して 、2つの誘導体層12と14との間で共振する定常波を誘導する。誘導体層12 で規定される送信ラインキャヒティ内に誘導される定常波は、SMAプローブ7 0を通じてデコーダー(図示せず)のような受信機へと送られる。アンテナ10 による信号の送信について、ここではこれ以上説明しない。 図3に示す実施形態は、実質的には図1,図2に示す実施形態と同一であり、 同一要素については同一符号を付している。図3の実施形態によるアンテナ11 0は、直線偏波(LP)信号よりむしろ円偏波(CP)信号を受信および/また は送信するために使用されるものである。そのためにアンテナ110は、90° の角度で第1の従来型SMAプローブ70から離隔配置された(つまり図3に示 すように第1のSMAプローブ70に直交配置である)第2の従来型SMAプロ ーブ170を備えている。アンテナ110へEMエネルギーを供給するために、 および/またはアンテナ110からEMエネルギーを受けるために、SMAプロ ーブ170は、接地平面16に電気的に接続されている外側導体72と、環状ス トリップ26に電気的に接続されている内側(または給電)導体174と、外側 導体172と内側導体174との間に介在する環状絶縁体175と、を含んで構 成される。SMAプローブ70がアンテナ10に接続されたのと同様の形態で、 SMAプローブ170はアンテナ110に接続可能である。 CP放射を送信するために2つのプローブ70,170に90°の位相差を有 する信号が供給されなければならない点を除き、アンテナ110の作用は、実質 的にアンテナ10と同一である。 図1〜図3に示す本発明の実施形態はいくつかの利点を有する。例えば、本発 明によるアンテナ10または110の入力インピーダンスが適切であると、侵入 するEMエネルギーは、導体損失・誘導体損失・放射損失を通じて消散される。 しかし、導体損失・誘導体損失は比較的小さいので、その結果として、大部分の EMエネルギーは指向性電波として放射され、開口効率は80%以上に達する。 これは反射鏡アンテナを超える利点である。反射鏡アンテナは、放射スピルオー バーや給電装置による開口部遮蔽に起因する著しい開口効率の損失を招き易く、 一般的に開口効率はわずか55%程度である。こうして本発明によるアンテナで は容易に高い開口効率が達成可能なのであるが、このように高い効率は、反射鏡 アンテナの場合には、たとえそれが高価で洗練されたものであっても達成が困難 である。 反射鏡アンテナより優れた性能を提供できること以外に本発明によるアンテナ はまた、反射鏡アンテナと比較して小さくて軽量で嵩張らないという利点を有す る。本発明によるアンテナはまた、平らでかつ薄いので、反射鏡アンテナの場合 と比較して、より簡易で廉価なフレームに容易に設置することができる。本発明 によるアンテナはまた、天候に起因する問題を回避しながら衛星からの電波を受 信するために、テレビの上あるいは屋根裏部屋といった住宅の室内に容易に設置 することができる。さらに本発明によるアンテナは、反射鏡アンテナよりずっと 簡単に製造可能であり、従って従来の反射鏡アンテナよりずっと低価格で提供可 能である。 本発明が種々の形態で実施可能であることは明らかである。ここで説明する実 施形態は例示を目的としており、本発明をこれに限定するものではない。従って 、上記説明に基づき、本発明の思想または範囲から逸脱することなく、種々の変 形 形態を構成することができる。例えば、電波の幅を減少させるために周期的領域 62を追加してもよいし、また本発明によるアンテナが必要とする物理的空間を 減少させるために周期的領域62を削減してもよい。本発明によるアンテナはま は、円形状ではなくて、楕円形状のような一般的非円形形状に形成されてもよい 。さらに、本発明によるアンテナは、ストリップ20がアンテナ中央に穴を有す るようにして、そのことによって放射素子40がアパーチャ50を有さないよう に形成してもよい。 さらなる変形形態では、いくつのSMAプローブ70,170が本発明のアン テナ10,110に接続されてもよい。接続は上記した方法を用いて、接地平面 16からストリップ20,22,24,26のいずれかへ延びる異なる給電ポイ ントにおいてなされる。こうして複数のSMAプローブを、アンテナ中央から同 一半径に位置する給電ポイントに接続してもよい。全ての給電ポイントは、EM エネルギーすなわち電波の送信および/または受信に対して同等の効果を有する 。例えば、SMAプローブ70と170とを90°の角度で離隔配置すれば、外 側導体72,172は、本発明によるアンテナの中央から等距離のいかなる点に 接続してもよく、また、内側導体74,174は、入力インピーダンスの整合を 図るために多重給電ポイントを形成可能なストリップ20,22,24,26の いずれにでも電気的接続可能である。一般的に、製造の簡略化のためには、給電 位置として最も外側が好ましいが、比較的大口径のアンテナでは、SMAプロー ブ70,170を接地平面16からセンターストリップ20へ延びる給電ポイン トに接続することが好ましいことに留意しておくべきである。さらに、多数の異 なる信号チャンネルまたは信号帯域の入力および/または出力をアンテナに供給 するために、および/またはアンテナから供給されるために、多重SMAプロー ブ70,170は、アンテナ10,110のいずれにおいても、前記したどの給 電ポイントに接続してもよい。このようにして、アンテナ10,110を2元偏 波の用途のために使用することができる。加えて、多重共振モードが使用されて いる地域では、2元帯域利用と共に多重帯域利用が可能である。同軸ケーブルか らの給電のために使用されるSMAプローブを、マイクロストリップ給電ライン あるいはアパーチャ連結給電器のような他の給電形態に置き換えてもよい。 図4〜図6は、本発明に係る他の実施形態を示している。図中の符号210は 、本発明の特徴を具体化し、EMエネルギーの送信・受信を行うための一般的直 線型アンテナを示している。図4に見られるようにアンテナ210は、平行四辺 形形状の第1誘電体層212と第2誘電体層214とを備えている。第1,第2 誘電体層212,214はそれぞれ、2.2程度の比較的低い誘電定数を有するRT/ duroid 5880(登録商標)のような機械的に安定な材料から形成される。その厚 さ(すなわち図4〜図6における垂直方向の寸法)は、誘電体層12,14それ ぞれについて上記したものと同様に決定される。層212,214の長さと幅は 、ストリップと放射素子の数によって決定されるが、以下に説明するように、ア ンテナに要求される指向性および物理的サイズにもよる。 第1誘電体層212は、導体接地平面216が接合される下面212aと、端 部導体218,219がそれぞれ接合される端部212b,212cと、誘電体 層212と共に直線型送信ラインキャビティを形成する4つの離隔した導体スト リップ220,222,224,226の列が接合される上面212dとを有し ている。ストリップ220,222,224,226各々の厚さ(図4〜図6で は明瞭化のために正しいスケールで示してはいない)は、約1mil(0.001インチ )であり、長さ(すなわち図5における水平方向の寸法)は約λ/2である。スト リップ220,226各々の幅(すなわち図6における水平方向の寸法)は、好 ましくはλ/2から3λ/4であり、ストリップ222,224各々の幅は、約λ/2 である。そして、ストリップ220,222,224,226は、隣接するスト リップの間にスロット230,232,234を形成するように離隔配置されて いる。各スロットの幅(図5参照)は、好ましくは0.01λから0.20λの間である 。接地平面216、端部導体218,219、ストリップ220,222,22 4,226は、銅・アルミニウム・銀などの導電材料から形成され、かつ好まし くは、誘電体層212に接合される。その接合には、図1〜図3の実施形態に関 して説明したように、従来のプリント回路技術・真空蒸着法・転写技術・MMI C技術・化学エッチング技術、あるいはその他の適切な技術が利用される。 第2誘電体層214は、第1誘電体層212の上面212bとストリップ22 0,222,224,226とに適切な技術を用いて接合される下面214aを 有する。接合手段としては、例えば非常に薄く(1.5mil程度)誘電定数が2.3の 加熱接合フィルム(図示せず)を用いて接合部を形成する方法が挙げられる。第 2誘電体層214はさらに、3つの放射素子240,242,244が接合され る上面214bを有する。その際の接合手段としては、従来のプリント回路技術 ・真空蒸着法・転写技術・MMIC技術・化学エッチング技術が挙げられ、ある いはその他の適切な技術を用いてもよい。放射素子240,242,244は、 放射縁部240a,240b,242a,242b,244a,244bを有し 、かっスロット230,232,234と中心がほぼ一致するようにスロットの 上に位置決めされ、さらに、隣接する放射素子の間に2つのアパーチャ250, 252を形成するように離隔配置される。放射素子240,242,244各々 の長さ(図5参照)は、好ましくはλ/4からλ/2の間であり、幅(図6参照)は 、約λ/2である。またアパーチャ250,252各々の幅は、好ましくは0.01λ から0.20λの間である。 特定の周波数における最適な性能のために、ストリップ220,222,22 4,226、スロット230,232,234、放射素子240,242,24 4、アパーチャ250,252の幅、ストリップ、スロット、放射素子、アパー チャの数、さらに誘電体層212,214の厚さは、個別に計算することが望ま しい。そのようにして、誘電体層214の放射縁部240a,240b,242 a,242b,244a,244bから放射されるEMエネルギーを互いに積極 的に干渉させることができる。このような計算を行う際には、前後方向(図5参 照)の電波の幅がストリップ220〜226と放射素子240〜244の数に影 響され、左右方向(図6参照)の電波の幅がストリップと放射素子の幅に影響さ れることを考慮する。前記説明のように、こうした計算と解析には、当業者に周 知の技術を利用しているのでここではさらに詳細の説明は行わない。 ケーブル(図示なし)からアンテナ210へEMエネルギーを供給するために 、SMAプローブ270が設けられている。EMエネルギーをアンテナ210へ 供給するため、および/またはEMエネルギーをアンテナ210から受けるため にSMAプローブ270は、接地平面216に電気的に接続されている外側導体 272と、ストリップ226に電気的に接続されている内側(または給電用)導 体 274と、外側導体272と内側導体274との間に介在する環状絶縁体(図示 せず)とを含んで構成される。SMAプローブ70に関して既に詳細説明したよ うに、上記各接続には種々の適切な接続手段を用いることができる。図示してい ないが、SMAプローブ270のアンテナ210に接続されていない他端は、同 軸ケーブル(図示せず)を介して、信号発生器またはテレビ信号に使用される衛 星信号デコーダーに接続可能である。 アンテナ210の作用に関しては一例を挙げるが、アンテナ10,110の場 合と同様であるので、それ以上の詳細説明は行わない。アンテナ210は、既に 説明したものと同様に、厚さ62mil、誘電定数2.2のRT/duroid 5880(登録商標) から形成された誘電体層212,214を有して構成される。図5の視点では、 ストリップ220,226の長さは54mm、ストリップ222,224の長さは40 mm、スロット230,232,234の幅は2mm、放射素子240,242,2 44の長さは34mm、アパーチャ250,252の幅は4mmである。図6の視点で は、ストリップと放射素子の幅、およびスロットとアパーチャの長さは25mmであ る。このような形態のアンテナに4.10GHzのEM信号を入力した場合の応答として 得られたE平面放射パターンを図7に示す。実線280は放射パターンの理論値 を示し、一点鎖線282は放射パターンの実験値を示している。不的確な実験条 件によりパターンの実験値と理論値とはいくらか異なるが、実験値が理論値を裏 付けていることが分かる。 図1〜図3の実施形態の利点に加えて、図4〜図6の実施形態は、前記実施形 態より計算・製造コストが低いという利点がある。しかし、非導体側面からのE Mエネルギーのリークによって、図4〜図6の実施形態は図1〜図3の実施形態 より一般的に効率が悪いことには注意しておくべきである。 図4〜図6に示す本発明の実施形態が、種々の異なる形態をとり得ることは明 らかである。ここで説明する実施形態は例示を目的としており、本発明をこれに 限定するものではない。従って、上記説明に基づき、本発明の思想または範囲か ら逸脱することなく、種々の変形形態を構成することができる。例えば、“ドー ナツ形状”の放射パターンを形成するために直線配置された列を導体の円筒に巻 き付けてもよい。このような放射パターンは、無線通信における基地局からの送 信に有効である。EMエネルギーのリークを防止するために、アンテナ210の 側面に導体面を設けてもよい。こうしてアンテナの効率を向上させることができ る。 ある周波数で使用されるように構成されたアンテナ10,110,210のい ずれもが、前記周波数における放射パターン・アンテナの効率といった特性を著 しく変化させることなく再構成可能であることはまた言うまでもない。このよう な再構成は、誘電体層の前記周波数における誘電定数と要求される周波数におけ る誘電定数とが同じであるという仮定のもとに、前記周波数と要求される周波数 との比に直接比例して、アンテナの寸法諸元を変更することで可能である。加え て、誘電体層12,14,212,214を、誘電定数が2.2以外の材料や機械 的に不安定な材料から形成してもよい。さらに、層12と層14とを異なる誘電 定数を有する異なる材料から形成してもよいし、層212と層214とを異なる 誘電定数を有する異なる材料から形成してもよい。 本発明に係る実施形態を図示し説明してきたが、上記開示技術においては広範 囲にわたる改良・変更・置換が熟考されている。また場合によっては、本発明の 特徴点のいくつかを、その他の特徴点と関連させて使用することなく利用しても よい。従って添付した請求の範囲は、本発明の範囲と整合する形で広く解釈され ることが適当である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,HU,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG, UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 第1面および第2面を有する第1誘電体層と、 該第1誘電体層の前記第1面上に配置された導体接地平面と、 前記第1誘電体層の前記第2面上に配置された導体ストリップの列と、 第1面および第2面を有する第2誘電体層と、 前記第2誘導体層の第2面に配置された放射素子の列とを備え、 前記導体ストリップの列は、前記導体ストリップの各隣接対の間にスロットを 形成する形で離隔部を有し、 前記第2誘電体層の第1面は、前記第1誘電体層の第2面と前記ストリップの 列とに接合され、 前記放射素子の各々は、前記スロットのいずれか1つの上に配置され、 前記放射素子の列は、前記放射素子の各隣接対の間にアパーチャを形成する形 で離隔部を有していることを特徴とするアンテナ。 2. 前記アンテナに電磁エネルギーを供給するために、および/または前記ア ンテナから電磁エネルギーを抽出するために接続されたプローブをさらに備えて いることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。 3. 前記プローブは、前記接地平面に電気的に接続された外側導体と、列をな す前記導体ストリップの1つに電気的に接続された内側導体とを備えていること を特徴とする請求項2に記載のアンテナ。 4. 前記プローブは、同軸ケーブルに接続可能であることを特徴とする請求項 2に記載のアンテナ。 5. 前記プローブは、同軸ケーブルに接続可能なSMAプローブであることを 特徴とする請求項2に記載のアンテナ。 6. 前記アンテナに電磁エネルギーを供給するために、および/または前記ア ンテナから電磁エネルギーを抽出するために接続されたマイクロストリップライ ンをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。 7. 前記アンテナに電磁エネルギーを供給するために、および/または前記ア ンテナから電磁エネルギーを抽出するために接続されたアパーチャ連結ラインを さらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。 8. 前記第1および第2誘導体層は、円形・ディスク形状・同心状であり、か つ前記ストリップの列と前記スロットと前記放射素子の列と前記アパーチャは、 環状かつ前記第1および第2誘導体層と同心状であることを特徴とする請求項1 に記載のアンテナ。 9. 前記アンテナに電磁エネルギーを供給するために、および/または前記ア ンテナから電磁エネルギーを抽出するために接続された第1,第2プローブをさ らに備え、円偏波を送信するために、および/または受信するために、前記第1 プローブと前記第2プローブとは、90°の角度で離隔されていることを特徴と する請求項8に記載のアンテナ。 10. 前記第1および第2誘電体層は、機械的に安定な材料から形成されてい ることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。 11. 前記第1誘電体層は、導電性の表面を備えた輪郭縁部を有することを特 徴とする請求項1に記載のアンテナ。 12. 前記アンテナ内には、RFエネルギーに対応して定常波が誘導されるこ とを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。 13. 前記定常波は、高次定常波であることを特徴とする請求項12に記載の アンテナ。 14. 前記第1および第2誘電体層は、幾何学的平行四辺形の形状であること を特徴とする請求項1に記載のアンテナ。 15. 前記第1誘電体層と第2誘電体層との間に介在して各層同士を接合する ための接合フィルムをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のアン テナ。 16. 対向する第1面および第2面を有する第1誘電体層と、 該第1誘電体層の前記第1面上に固定された導体接地平面と、 前記第1誘電体層の前記第2面上に固定された導体ストリップの列と、 対向する第1面および第2面を有する第2誘電体層と、 前記第2誘導体層の第2面に固定された放射素子の列とを備え、 前記導体ストリップの列は、前記導体ストリップの各隣接対の間にスロットを 形成する形で離隔部を有し、 前記第2誘電体層の第1面は、前記第1誘電体層の第2面と前記ストリップの 列とに固定され、 前記放射素子の各々は、前記スロットのいずれか1つの上に配置され、前記放 射素子の列は、前記放射素子の各隣接対の間にアパーチャを形成する形で離隔部 を有し、 前記ストリップと前記スロットと前記放射素子と前記アパーチャのサイズは、 電磁エネルギーに対応してアンテナ内に高次定常波が誘導されるように決定され ることを特徴とするマイクロストリップアレーアンテナ。 17. 前記第1および第2誘導体層は、円形・ディスク形状・同心状であり、 かつ前記ストリップ列と前記スロットと前記放射素子列と前記アパーチャは、環 状かつ前記第1および第2誘導体層と同心状であることを特徴とする請求項16 に記載のアンテナ。 18. 前記第1誘電体層は、導電性の表面を備えた輪郭縁部を有することを特 徴とする請求項17に記載のアンテナ。 19. 前記アンテナに電磁エネルギーを供給するために、および/または前記 アンテナから電磁エネルギーを抽出するために接続されたプローブをさらに備え ていることを特徴とする請求項17に記載のアンテナ。 20. 前記プローブは、前記接地平面に電気的に接続された外側導体と、前記 導体ストリップ列の1つに電気的に接続された内側導体とを含んでいることを特 徴とする請求項19に記載のアンテナ。 21. 間に介在する導体ストリップ列と共に接合された2つの誘電体層と、 接合された前記2つの誘電体層の第1外側面上に配置された導体接地平面と、 接合された前記2つの誘電体層の第2外側面上に配置された放射素子の列とを 備え、 前記導体ストリップは、該導体ストリップの各隣接対の間にスロットを形成す る形で離隔配置され、 前記放射素子の各々は、対応するスロットの上に配置され、前記放射素子の列 は、前記放射素子の各隣接対の間にアパーチャを形成する形で離隔され、電磁エ ネルギーに対応してアンテナ内には高次の定常波が誘導され、かつ指向性電波が 、アンテナから送信されるか、またはアンテナへ受信されることを特徴とするア ンテナ。 22. 前記誘電体層は、該誘電体層の上に配置された接地平面を備え、さらに 導電性表面を有する輪郭縁部を備えていることを特徴とする請求項21に記載の アンテナ。 23. 前記2つの誘導体層は、円形・ディスク形状・同心状であり、かつ前記 ストリップ列と前記スロットと前記放射素子列と前記アパーチャは、環状かつ前 記第1および第2誘導体層に対して同心状であることを特徴とする請求項21に 記載のアンテナ。 24. 前記アンテナに電磁エネルギーを供給するため、および/または前記ア ンテナから電磁エネルギーを抽出するための手段をさらに備えていることを特徴 とする請求項21に記載のアンテナ。 25. 前記2つの誘導体層は、円形・デイスク形状・同心状であり、かつ前記 ストリップ列と前記スロットと前記放射素子列と前記アパーチャは、環状かつ前 記第1および第2誘導体層に対して同心状であり、かつ前記アンテナは、円偏波 を送信するために、および/または受信するために、90°の角度で離隔配置さ れた第1手段と第2手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項21に記 載のアンテナ。 26. 前記第1および第2誘電体層は、幾何学的平行四辺形の形状を有し、か つ前記ストリップの各々は、矩形であることを特徴とする請求項21に記載のア ンテナ。
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