JP2001119330A - 移動体衛星放送受信装置 - Google Patents

移動体衛星放送受信装置

Info

Publication number
JP2001119330A
JP2001119330A JP29411699A JP29411699A JP2001119330A JP 2001119330 A JP2001119330 A JP 2001119330A JP 29411699 A JP29411699 A JP 29411699A JP 29411699 A JP29411699 A JP 29411699A JP 2001119330 A JP2001119330 A JP 2001119330A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna
signal
azimuth
receiving
pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29411699A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaaki Ikeda
正明 池田
Norihisa Nakamura
紀久 中村
Noriaki Sato
紀昭 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP29411699A priority Critical patent/JP2001119330A/ja
Priority to US09/828,155 priority patent/US20010055948A1/en
Publication of JP2001119330A publication Critical patent/JP2001119330A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q3/00Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system
    • H01Q3/26Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system varying the relative phase or relative amplitude of energisation between two or more active radiating elements; varying the distribution of energy across a radiating aperture
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q1/00Details of, or arrangements associated with, antennas
    • H01Q1/36Structural form of radiating elements, e.g. cone, spiral, umbrella; Particular materials used therewith
    • H01Q1/38Structural form of radiating elements, e.g. cone, spiral, umbrella; Particular materials used therewith formed by a conductive layer on an insulating support
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q21/00Antenna arrays or systems
    • H01Q21/06Arrays of individually energised antenna units similarly polarised and spaced apart
    • H01Q21/061Two dimensional planar arrays
    • H01Q21/065Patch antenna array
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q3/00Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system
    • H01Q3/26Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system varying the relative phase or relative amplitude of energisation between two or more active radiating elements; varying the distribution of energy across a radiating aperture
    • H01Q3/30Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system varying the relative phase or relative amplitude of energisation between two or more active radiating elements; varying the distribution of energy across a radiating aperture varying the relative phase between the radiating elements of an array
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B7/00Radio transmission systems, i.e. using radiation field
    • H04B7/14Relay systems
    • H04B7/15Active relay systems
    • H04B7/185Space-based or airborne stations; Stations for satellite systems
    • H04B7/1851Systems using a satellite or space-based relay
    • H04B7/18517Transmission equipment in earth stations

Landscapes

  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)
  • Radio Transmission System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低コストで且つ天候等に影響されない移動体
衛星放送受信装置を提供する。 【構成】 アンテナ指向性パターンの方位が可変され得
るアンテナを有し、アンテナと機械的に連結した地磁気
センサーによって現在のアンテナの方位を検出し、この
方位検出出力に基づいてアンテナ指向性パターンが目的
とする放送衛星の方位へ正しく向けるべくアンテナを制
御する手段を含む。又、ギャップフィラーからの電波を
受信する場合は、自動的にアンテナを無指向性パターン
に制御する。アンテナの例として複数の導電パッチが配
列されたマイクロストリップパッチアンテナが用いられ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、主に移動体(固定受信も含む)
における衛星からの信号および地上送信所からの信号を
受信する装置であり、特に受信条件の異なる場合におい
ても安定した信号が得られるように、信号の受信する場
所および状況に応じてアンテナの指向性を変えることに
より、受信信号強度を最適な条件にすることができる受
信装置に係る。
【0002】
【背景技術】現在予定されているSバンド・モバイル・
マルチメディア衛星放送は、静止通信衛星を用いてSバ
ンド(2.6GHz帯)という周波数を使って、移動中
の乗り物あるいは人が携帯して移動する受信装置に対し
て、衛星を使ってモバイル機器に文字、音声、動画など
のコンテンツを配信し、パラボラアンテナで電波を追尾
しなくてもモバイル機器に搭載する小さなアンテナでも
受信できる環境を整備するものである。移動体デジタル
衛星放送の場合、トンネル、谷間、急斜面に沿った道路
及び市街の高層ビルの間では衛星からの電波が途切れる
ので、そのような地域では予めギャップ・フィラー(地
上放送設備)が設置され、ギャップ・フィラーは衛星か
らの電波を受信し、そのような地域に再放送電波を出
す。衛星又はギャップ・フィラーから移動体への放送波
の搬送波はQPSK(4相位相変調)/BPSK(2相
位相変調)変調が採用される。
【0003】このような衛星からの放送電波を効率よく
受信するには、受信アンテナの指向性パターンが常に衛
星方位(例えば水平面南方位)に向いているよう、衛星
と受信装置の位置関係を得て受信アンテナを制御するこ
とが行われる。従来技術として、GPSを利用し受信設
備の位置を検出し、予め受信装置に入力された衛星及び
地上送信装置の位置情報と比較し最適なアンテナの指向
性を持ったアンテナで受信する技術は、特開平6−21
6794号、特開平11−17433号及び移動体衛星
通信用円偏波パッチアレーアンテナのビーム切替え特性
電子通信情報学会/TECHNICAL REPOR
T OF IECE A−P97−81,(1997−
08)辻、松沢、伊藤 等に示されている。
【0004】しかしながら、従来のこのようなシステム
の場合、コスト的にもGPS装置がなくては最適制御が
できないので高くなってしまう。また、マルチバスによ
る信号をなるべく避けるために、フェーズドアレーのよ
うな制御を考えると、アンテナの素子数も増やさないと
実際に最適制御は出来ない。この場合、GPSを信用し
たシステムは、理想的に細かなアンテナのビーム制御が
出来るが、民生対応を考えると、システムそのものが複
雑でしかもコスト高になってしまうし、GPS信号は天
候やロケーションに左右され、受信できない場合もあ
る。
【0005】
【発明の概要】本発明は、アンテナ指向性パターンをそ
のビーム方位及びビーム形状にて可変されるアンテナ、
該アンテナから電波信号を受信するチューナ、該アンテ
ナを制御して指向性パターンを決定する制御部及び該ア
ンテナの機械的方位信号を得るための地磁気センサーか
らなる受信装置からなる。地磁気センサーからの方位信
号は制御部に与えられる。制御部は記憶されている受信
すべき衛星方位に関するデータと該方位信号とを参照
し、ROM又はRAMに予め記憶されているアルゴリズ
ムに従ってアンテナの採るべき指向性パターンのビーム
方位及びビーム形状を決定する。
【0006】本発明では、地磁気センサーによる方位と
受信レベルを検出し、アンテナ指向性パターンを制御す
ることにより、装置の移動に伴う回転(移動しない回転
も含む)時においても、受信状態の中断を防止すること
が可能となる。
【0007】又、人工的な磁界等による外乱により、地
磁気センサーによる正常な方位の検出ができない状態
や、送信装置と本装置の間にビル等の障害物があるなど
して、正しい方向にアンテナ指向性パターンを向けても
受信ができない場合なども、それらの状態を検知し、ア
ンテナ指向性パターンを制御するアルゴリズムを有する
ことにより、外乱や障害物による受信状態の中断を最小
にすることができる。
【0008】本発明の好ましい実施例では、アンテナと
して複数のパッチを有するマイクロストリップパッチア
ンテナが用いられる。このパッチアンテナでは、アンテ
ナ自体を機械的に回転させることなく各パッチからの受
信信号の位相シフトを制御することで指向性パターンを
可変できる。このパッチアンテナにおける複数のパッチ
の位相シフトの与え方の組み合わせとその組み合わせ結
果の指向性パターンの様子についてのデータは予めRO
M又はRAMに記憶され、マイクロプロセッサはこの組
み合わせの1つを選択する。尚、パッチアンテナ以外に
ヘリカルアンテナ等の他のアンテナも使用できる。
【0009】指向性パターンの切り替えは、受信の中断
がないよう要求アンテナ最低利得より高いレベルにて行
われる。
【0010】
【実施例の説明】全体の構成概要 図1は本発明の受信信号である実施例の構成を示す。本
実施例における受信装置はベースバンド信号をQPSK
又はBPSK変調方式にて変調された信号を受信する装
置である。尚、ここではQPSK又はBPSK変調方式
にて変調された信号を受信する装置として説明するが、
変調方式は特に限定されるものではない。ベースバンド
信号は音楽などのアナログ情報をデジタル符号化したデ
ジタル信号であって、伝送エラーチェック機能を含むも
のである。又、搬送波の周波数はGHz帯(例えば2.
6GHz)である。アンテナアレイANTは、ANT1
〜ANT4の4つのパッチアンテナ素子からなるマイク
ロストリップパッチアンテナを用いており、その詳細は
後述する。各パッチアンテナ素子で受信した信号は、夫
々低雑音増幅器LNA1〜LNA4で増幅され、位相シ
フタPHS1〜PHS4を経由した後電力合成器1にて
合成され合成受信信号として出力される。この時、位相
シフタを制御することによりアンテナの指向性は決定さ
れる。
【0011】チューナー部2は前記合成受信信号を中間
周波数帯に変換した後に利得可変増幅器にて増幅し、I
成分とQ成分の信号を出力する機能を有する。チューナ
ー部2において、中間周波数帯に変換され増幅された合
成受信信号はIQミキサーに入力される。該IQミキサ
は、公知の構成であるのでここでは詳述しないが、中間
周波数帯に変換され増幅された合成受信信号を調整して
I成分の信号とQ成分の信号を出力する。その後、チュ
ーナー部から出力したI成分の信号とQ成分の2つの信
号は復調部3に入力され、夫々A/D変換されて復調器
3からベースバンド信号として出力される。又、復調器
3からは出力レベルの監視用信号としてAGC信号が併
せて出力され、チューナー部の利得可変増幅器入力され
る。利得可変増幅器をAGC信号で制御し、IQミキサ
には常に安定した信号が入力されることになる。更に、
AGC信号はA/D変換6でデジタル信号に変換され、
I/Oインターフェイス7を経てCPU10に入力さ
れ、アンテナの制御に利用される。
【0012】本実施例のアンテナアレイANTにおい
て、ANT1〜ANT4の4つのパッチアンテナ素子か
らの受信信号は、夫々低雑音増幅器LNA1〜LNA4
で増幅され、位相シフタPHS1〜PHS4を経由した
後電力合成器1にて合成され合成受信信号として出力さ
れるが、位相シフタにおいて0°又は180°の位相が
与えられる。夫々の位相シフタが受信信号にどのような
位相が与えるかにより、アンテナアレイANTアンテナ
指向性パターンが決定される。このような指向性パター
ンの制御技術については「移動体衛星通信用円偏波パッ
チアレーアンテナのビーム切替特性 電子通信学会/T
ECHNICAL REPORT OFIECE A−
P97−81(1997−08)辻、松沢、伊藤 等」
に詳細に示されている。この時、位相シフタなどの位相
を与えるか制御する制御信号は、地磁気センサ4の出力
(VX,VY)に基づいて行われる。即ち、地磁気セン
サ4の示す方位によりアンテナアレイANTの指向性パ
ターンが制御されることになる。
【0013】地磁気センサ4は、該センサの有する基準
方向に基づいて水平面の東西南北方位を表すX成分の電
圧信号(VX)とY成分の電圧信号(VY)を出力す
る。VX信号とVY信号はA/D変換器11にてデジタ
ル値に変換され、データバスDATAを経てCPU10
に入力される。CPU10はVX信号とVY信号から現
時点の地磁気センサ4の向きを、該センサの有する基準
方向との方位φbとして決定する。アンテナアレイAN
Tと地磁気センサ4は機械的に固定されているので地磁
気センサの基準方向をアンテナアレイANTの有する基
準方向と関係付けることができる。言い換えれば、CP
U10は地磁気センサ4の基準方向に基づく方位φbと
アンテナアレイANTが有する基準方向に基づく方位φ
aを関係付け決定することができる。又、CPU10は
データバスとアドレスバスを介してROM9,RAM
8、I/Oインターフェース及びA/D変換器に接続さ
れている。ROM9にはCPU10を制御するプログラ
ムとともに放送衛星の方位データ、及びアンテナアレイ
ANTの指向性パターンを任意に変えるために位相シフ
タを制御する制御信号データを保有している。即ち、地
磁気センサ4の出力に基づいてCPU10はアンテナア
レイANTの指向性パターンを任意に可変することがで
きるのである。
【0014】この放送衛星の方位データは、受信を所望
する通信衛星の受信地域から見た水平方位φF =真南、
垂直方向θ=約45°である。CPU10はROM9内
の水平方位データφr を参照し、このφr と地磁気セン
サー4からの信号により決定された現時点のアンテナア
レイANTの基準線の方位φaとからアンテナアレイA
NTの最適受信のためにとられるべき指向性パターンを
決定する信号を生成し、I/Oインターフェース7から
位相シフタ駆動器5を介して該信号を位相シフタPHS
−1〜PHS−4に印加する。例えば、位相シフタPH
S−1〜PHS3は位相シフトが0°であり、位相シフ
タPHS−4は位相シフトが180°であるように制御
する。この位相シフタへの位相シフトの組み合わせによ
りアンテナアレイANTの受信指向性パターンが定ま
る。尚、RAM8は、CPU10により生成データを一
時的に記憶する機能を有する。
【0015】このように地磁気センサー4の方位出力に
基づいて、アンテナアレイANTの指向性を決定し、決
定された指向性のアンテナアレイANTで受信された受
信信号の良否はAGC信号で評価され得るが、AGC信
号はA/D変換器6でデジタル値化されI/Oインター
フェース7を経てCPU10に入力されており、CPU
10はAGC信号から決定された指向性のアンテナアレ
イANTの適否のチェックすることができる。もしAG
C信号を参照して不適当ならば、地磁気センサー4から
の方位出力で決定された指向性を修正する出力をCPU
10は位相シフタPHS−1〜PHS−4へ与える。
【0016】アンテナアレイ構成と指向性パターン 図2に、図1のアンテナアレイANTとして一点給電円
偏パッチアンテナの具体的構成をその平面図と断面図と
して示す。本実施例では、アンテナ仕様としてアンテナ
利得は衛星からの電波受信時に2.5dBi以上、地上
のギャップフィラー(地上再送信装置)からの受信時
は、0.0dBi以上を予定したものである。又、衛星
の方位は、仰角が約45°そして水平面方位は真南であ
る。誘電体基板23(厚さ=15.7mm;εr=3.
28;tanδ=0.0025)の一方の面に金属膜
(又は箔)のパッチアンテナ素子#1〜#4が対象的に
配置される。パッチは30.3mm×30.3mmの正
方形の角を3.4mm切ったものであり、パッチ間の距
離は45mmである。基板23の反対面には金属のグラ
ンド板が配置される。同軸ケーブル25の心線がパッチ
#1〜#4の各々の給電点21に接続され、外線がグラ
ンド板に接続されている。受信信号は給電点21から同
軸ケーブル25によって図1の低雑音増幅器LNA−1
〜LNA−4に与えられる。
【0017】アンテナアレイANTの幾何的基準方向φ
aが矢印22で示されている。この基準方向は、アンテ
ナアレイANTの構造上で幾何学的に任意に決められた
方向で良く、アンテナアレイANTの現在配向している
水平方位を決める参照用の基準である。又、このパッチ
アンテナの寸法は受信する搬送波周波数によって決定さ
れ、図2のパッチアンテナは2.6GHzの場合であ
る。
【0018】図2に示す4アンテナ素子(パッチ)#1
〜#4を有するマイクロストリップパッチアンテナの
2.6GHzの指向性パターン、即ちビーム方向の切り
替えについて、基準方向にずらし0°,90°,180
°及び270°に対応する指向性パターンA〜D及び無
指向性パターンEに関し図3(a)−図3(f)を参照
して説明する。指向性パターン(ビーム方向)の切り替
えは図1の位相シフタPHS−1〜PHS−4の制御に
よって行われ、その選択された指向性パターンの適否は
受信合成電力信号において評価される。
【0019】4つのパッチアンテナ素子#1〜#4にか
かる各々の位相シフタで位相をずらすとアンテナアレイ
ANTの指向性パターンが変化するが、4つのパッチア
ンテナ素子のうちいずれか1素子の位相を180°ずら
し、残りの3素子を0°とした場合(1素子逆相給電)
は特定の方向に指向性のピークを有する指向性パターン
をとる。図3(a)の指向性パターンA〜Dは、4つの
パッチアンテナ素子を有するアンテナアレイANTが1
素子逆相給電をとり得る組み合わせを示す。更に図3
(b)〜図3(e)はそれらの場合の指向性パターンで
あり、仰角45°における水平面の指向性と垂直面の指
向性パターンを示している。このように1素子逆相給電
は水平面の特定の異なる方向(0°,90°,180
°,270°)にビームピークを有する指向性パターン
となる。本実施例における受信装置はSバンド・モバイ
ル・マルチメディア衛星放送に対応する装置であり、衛
星からの受信には2.5dBiの受信利得が要求される
が、要求される受信利得を満足するため、どのパッチア
ンテナ素子の位相を逆相にするか選択することで、通信
衛星の位置する所望の方向に最も適した指向性パターン
を得ることが可能である。
【0020】垂直面の指向性パターンについても仰角2
〜3°から90°にいたるまで受信利得2.5dBi以
上を得られているので、衛星方向の仰角である45°を
中心に広い範囲で充分な利得を有しており、受信装置ま
たはアンテナが、例えば板の斜面のように多少傾いた位
相にあったとしても利得を充分に保証することができ
る。
【0021】図3(a)のパターンEは例えばパッチア
ンテナ素子#3と#4のように隣り合う2つの素子の位
相を180°ずらし、残りの2素子を0°とした場合
(隣接2素子逆相給電)の組み合わせの一例である。ま
た、そのときの垂直面における指向性パターンを図3
(f)に示す。仰角90°でビームピークを示し、仰角
の大きな部分での水平面はほぼ無指向性を示す。Sバン
ド・モバイル・マルチメディア衛星放送では衛星からの
電波を受信できない場所をカバーするために設置された
ギャップフィラー(地上再送信装置)の電波を受信する
ためにアンテナに要求される受信利得は0dBiであ
り、図3(f)に示す隣接2素子逆相給電であれば、ア
ンテナに対してどの方向にギャップフィラーがあっても
充分受信が可能である。
【0022】図3(g)は1素子逆相給電の場合であっ
て、水平面の特定の異なる方向(0°,90°,180
°,270°)にビームピークを有する指向性パターン
に基づく受信利得(dBi)(A,B,C,D)と、ア
ンテナの基準方向基づく方位(φa)との関係を示した
ものである。例えば、アンテナの基準方向が衛星水平方
位である真南を向いているときφa=0°とすればAの
指向性パターンを選択するのでその受信利得は10dB
iとなる。アンテナが移動しφa=45°となるとAの
指向性パターンにおける受信利得は5dBiとなり,B
の指向性パターンと交差する。更にアンテナが移動して
φa>45°となれば、Bの指向性パターンをとるよう
アンテナを切り替えることにより受信利得高く保つこと
ができる。したがって、通常はφa=45°,135
°,225°,315°で指向性パターンをA→B→C
→D→Aと切り替えることにより、受信利得を常に高く
維持することができる。
【0023】Sバンド・モバイル・マルチメディア衛星
放送に対応する装置は衛星からの受信に2.5dBiの
受信利得が要求されるが、本実施例のように指向性パタ
ーンの切替基準点を少なくとも2.5dBiにとること
により、受信状態の中断を生じさせない。
【0024】以上説明したように、本発明による受信装
置では衛星からの電波による受信利得が要求される値以
下にならないよう指向性パターンを制御するが、指向性
パターンを制御しても受信利得が得られないような場合
は、衛星からの電波が到達しない地域であると判断し
て、ギャップフィラーからの電波を受信できるよう無指
向性のパターンに切り替える。また、ギャップフィラー
からの電波による受信利得が得られない場合は、再度衛
星からの電波を受信できるよう切り替えることとなる。
【0025】地磁気センサー 図4(a)に、図1の実施例における地磁気センサー4
の構成を示す。このセンサーはTDK株式会社製の直交
フラックスゲート型小型地磁気センサー(登録商標:T
MS−215/TMS−115)である。本実施例の地
磁気センサーの外形寸法は約3.2cm×2.3cm程
度の小型なものである。そして図4Bに日本国内東京地
域の地磁気とほぼ同程度の磁界0.30eの中で回転さ
せた場合の出力電圧特性を示す。
【0026】検出コイルの巻かれたX軸/Y軸成分検出
素子41,42においてコアと一体化した短冊状の導体
にパルス電圧発生回路からのパルス電流を通電する。通
電電流がピーク値に達しているわずかな時間だけコアは
完全飽和し、コア材料の透磁率が変化する。コアに平行
な地磁気の磁束はコア完全飽和時にはコア内に収束され
ないが、非飽和時にはコア内に収束されるので、コア内
の地磁気磁束が交流時に変化する。この変化するコア内
の地磁気磁束に関し、ピーク検出回路43,44でコア
に平行な地磁気の磁束成分を通電電流ピーク時の検出コ
イル出力でVX、VYとして検出することができる。
【0027】図4(a)において地磁気がY軸成分検出
素子に平行であって基準方向45の方向を回転角度=0
°としてX軸出力VX、Y軸出力VYを示したものが図
4(b)である。VX、VYは2.50±1.0Vとし
て出力される。即ち、磁気センサー4の基準線方位45
が真南を向いているときVX=2.50V、VY=3.
50Vである。
【0028】図5に本受信装置の自動車への実施例と受
信装置の回転に伴って制御されるアンテナ指向性パター
ンの様子を示す。アンテナANTと磁気センサー4は1
つの筐体にそれらの基準方向22と45が幾何学的に合
致するように固定され、アンテナANT制御回路部分と
共に自動車の屋根に設置される。アンテナからの信号は
車内に引き込まれ、チューナ/復調部で受信・復調され
る。本発明により制御されたアンテナ指向性パターンの
ビーム方向はアンテナの指向性パターンを切り換えるこ
とにより、自動車(受信装置)の向きにかかわらず常に
真南方向付近に維持されている。
【0029】制御フロー 図6にアンテナの指向性パターン切替のための制御フロ
ーを示す。ステップ1にて、本装置がパワーオン又は制
御フローを実行するためのシステムをリセットし、ステ
ップ2にてCPU、レジスタ(m)等からなるプロセッ
サを初期化し、レジスタにm=0を書き込む。ステップ
3で、CPUは地磁気センサからの出力信号VX,VY
の値をA/D変換して読み込む。ここで、通常はアンテ
ナの指向性パターンは図4(b)に示すようにφ=31
5°〜45°がAパターン、φ=45°〜135°がB
パターン、φ=135°〜225°がCパターン、φ=
225°〜315°がDパターンを選択して切り替える
必要があるので、切替のためのしきい値(VT1,VT
2)を設定する。ステップ4−1〜4−4では地磁気セ
ンサからの出力信号(VX,VY)としきい値(VT
1,VT2)を比較することで、受信装置がどの方位に
あるか判断し、最適な指向性パターンを得ることができ
る制御信号を位相シフタへ出力する。
【0030】しかしながら、地磁気センサの出力信号の
値はセンサが水平に置かれていることを前提に規定され
ているので、センサが傾くと出力信号のピーク値が小さ
くなってしまう。そのような場合であっても、受信利得
がアンテナに要求される受信利得以上の範囲となるよう
しきい値の値を調整することで対応することが可能であ
る。即ち、図4(b)においてVT1を通常の1.8V
から1.9Vへ、VT2を通常の3.2Vから3.1V
変更すればセンサ出力信号のピーク値が小さくなっても
対応可能であり、切替方位が通常のφa=45°,13
5°,225°,315°で切り替わらないが受信利得
は要求値を満足することができる。したがって、受信装
置が置かれる環境や受信する放送の状況によって、しき
い値を選択し最適な環境を求めることが可能となる。
【0031】次に、アンテナの指向性パターンがA〜D
のいづれかに選択されたときは、ステップ5に移行す
る。ステップ5は出力レベルの監視用信号として復調器
から出力されるAGC信号(VL)を読み込み、ステッ
プ6で該AGC信号(VL)と切替のためのしきい値
(Rh)を比較する。しきい値(Rh)とはφa=45
°,135°,225°,315°の時の選択されてい
る指向性パターンの受信利得に対応する信号である。こ
こで、AGC信号(VL)がしきい値(Rh)より大き
ければ、再度ステップ5に移行し、レジスタにm=1を
書き込む。即ち、AGC信号(VL)がしきい値(R
h)より大きければ、そのときに選択されている指向性
パターンを維持しつづけることになる。
【0032】また、AGC信号(VL)が何らかの原因
でしきい値(Rh)を超えることができなくなると、ス
テップ7に移行する。ステップ7では、AGC信号(V
L)がしきい値(Rh)を超えることができなくなった
が、Sバンド・モバイル・マルチメディア衛星放送が衛
星からの受信のためにアンテナに要求する受信利得R1
より大きければ、受信装置が移動したため受信利得が下
がったものとみなしてステップ3に移行し、ステップ4
で再度最適な指向性パターンを選択する。
【0033】しかし、AGC信号(VL)がしきい値
(Rh)を超えることができなくなり、かつSバンド・
モバイル・マルチメディア衛星放送が衛星からの受信の
ためにアンテナに要求する受信利得R1より小さけれ
ば、衛星からの電波が到達しない地域であると判断して
ステップ8に移行し、ギャップフィラーからの電波を受
信できるよう水平面内無指向性のパターンEに切り替え
る。アンテナを水平面内無指向性にするためには隣接2
素子逆相給電に位相シフタを制御する。
【0034】次にステップ9に移行し再度AGC信号
(VL)を読み込んで、ギャップフィラーからの電波を
受信するためにアンテナに要求する受信利得に対応する
値(R1)とステップ10で比較する。ここでAGC信
号(VL)が大きければ再度ステップ9に移行し、パタ
ーンEを維持することになる。この時再びレジスタにm
=1を書き込む。ここで、又AGC信号(VL)がギャ
ップフィラーからの電波を受信するためにアンテナに要
求する受信利得に対応する値(R1)より小さくなり、
ステップ11にてレジスタの状態をチェックし、m=1
ならば再度ステップ3に移行し、指向性パターンで受信
し得るか否か探索することになる。
【0035】一方、地磁気センサを用いた衛星からの受
信パターンも選択されず、ギャップフィラーからの電波
を受信するよう切り替えても、更に電波を受信できない
場合が考えられる。この場合ステップ11でレジスタの
状態をチェックすると、m=0であるのでステップ3に
移行せず、ステップ12−1〜12−4に移行する。こ
こでは、受信パターンAから受信パターンDへ順にスキ
ャンし、ステップ9及び10にて夫々の受信状態を確認
する。ここで、いづれかの指向性パターンにおいてギャ
ップフィラーからの電波がアンテナに要求する受信利得
を満足すればその状態を維持する。
【0036】指向性を持たせた受信パターンは、特定の
方向に受信感度の指向性ピークを有しているので、ギャ
ップフィラーからの電波を受ける通常の受信パターンで
ある水平面内無指向性のパターンより、ギャップフィラ
ーからの電波を遠方から受信できる可能性がある。この
処理は、補助的なもので地磁気センサを用いた衛星から
の受信パターンを選択した場合、あるいはギャップフィ
ラーからの電波を受信するよう切り替えた場合の両方
で、更に電波を受信できない場合のみ行われるものであ
る。
【0037】
【効果】本発明では、地磁気センサーによる方位と、A
GCによる受信信号レベルを検出して、アンテナの指向
性パターンを切り替えることにより、装置が回転しても
中断することなく、受信状態を維持することが可能であ
る。
【0038】衛星からの電波が受信できない状況では、
地上再送信装置からの電波の受信に適した指向性パター
ンに切り替えることにより受信の中断を最小にすること
が可能となる。又この逆の切り替えも可能である。
【0039】地磁気センサーが人工磁界等の外乱によ
り、正常な方位ができない状態でも、取り得るアンテナ
指向性パターンを走査して受信の中断を最小にすること
ができる。
【0040】アンテナに指向性を持たせて送信装置に向
かせることは、利得に余裕が生まれ、雨や雪などの天候
の影響による電波の減衰に対する(受信の)限界を高め
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の受信装置の構成を示す。
【図2】本発明実施例のアンテナ構成を示す。
【図3a】アンテナ指向性パターンA〜Eをアンテナ素
子への給電波相の組合せを示す。
【図3b】指向性パターンAの水平と垂直パターンを示
す。
【図3c】指向性パターンBの水平と垂直パターンを示
す。
【図3d】指向性パターンCの水平と垂直パターンを示
す。
【図3e】指向性パターンDの水平と垂直パターンを示
す。
【図3f】無指向性パターンEの垂直パターンを示す。
【図3g】本発明実施例のアンテナ指向性パターンA〜
Dとずれ角度φaの関係を示す。
【図4a】本発明実施例の地磁気センサー構成を示す。
【図4b】本発明実施例の地磁気センサーのX,Y軸出
力を示す。
【図5】本発明の実施例受信装置を自動車に装備した例
を示す。
【図6】本発明実施例による受信機での制御フローを示
す。
【符号の説明】
ANT アンテナ PHS−1〜PHS−4 位相シフタ 1 電力合成器 2 チューナ 4 地磁気センサー 10 CPU
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年5月10日(2000.5.1
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 移動体衛星放送受信装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、主に移動体(固定受信も含む)
における衛星からの信号および地上送信所からの信号を
受信する装置であり、特に受信条件の異なる場合におい
ても安定した信号が得られるように、信号の受信する場
所および状況に応じてアンテナの指向性を変えることに
より、受信信号強度を最適な条件にすることができる受
信装置に係る。
【0002】
【背景技術】現在予定されているSバンド・モバイル・
マルチメディア衛星放送は、静止通信衛星を用いてSバ
ンド(2.6GHz帯)という周波数を使って、移動中
の乗り物あるいは人が携帯して移動する受信装置に対し
て、衛星を使ってモバイル機器に文字、音声、動画など
のコンテンツを配信し、パラボラアンテナで電波を追尾
しなくてもモバイル機器に搭載する小さなアンテナでも
受信できる環境を整備するものである。移動体デジタル
衛星放送の場合、トンネル、谷間、急斜面に沿った道路
及び市街の高層ビルの間では衛星からの電波が途切れる
ので、そのような地域では予めギャップ・フィラー(地
上放送設備)が設置され、ギャップ・フィラーは衛星か
らの電波を受信し、そのような地域に再放送電波を出
す。衛星又はギャップ・フィラーから移動体への放送波
の搬送波はQPSK(4相位相変調)/BPSK(2相
位相変調)変調が採用される。
【0003】このような衛星からの放送電波を効率よく
受信するには、受信アンテナの指向性パターンが常に衛
星方位(例えば水平面南方位)に向いているよう、衛星
と受信装置の位置関係を得て受信アンテナを制御するこ
とが行われる。従来技術として、GPSを利用し受信設
備の位置を検出し、予め受信装置に入力された衛星及び
地上送信装置の位置情報と比較し最適なアンテナの指向
性を持ったアンテナで受信する技術は、特開平6−21
6794号、特開平11−17433号及び移動体衛星
通信用円偏波パッチアレーアンテナのビーム切替え特性
電子通信情報学会/TECHNICAL REPOR
T OF IECE A−P97−81,(1997−
08)辻、松沢、伊藤 等に示されている。
【0004】GPSを使用したシステムは、民生対応を
考えると、システムそのものが複雑でコスト高になって
しまうし、またGPS信号は天候やロケーションに左右
され、受信できない場合もある。
【0005】
【発明の概要】本発明は、アンテナ指向性パターンをそ
のビーム方位及びビーム形状にて可変されるアンテナ、
該アンテナから電波信号を受信するチューナ、該アンテ
ナを制御して指向性パターンを決定する制御部及び該ア
ンテナの幾何的方位信号を得るための地磁気センサーか
らなる受信装置からなる。地磁気センサーからの方位信
号は制御部に与えられる。制御部は記憶されている受信
すべき衛星方位に関するデータと該方位信号とを参照
し、ROM又はRAMに予め記憶されているアルゴリズ
ムに従ってアンテナの採るべき指向性パターンのビーム
方位及びビーム形状を決定する。
【0006】本発明では、地磁気センサーによる方位
電波信号の受信レベルを検出し、アンテナ指向性パ
ターンを制御することにより、装置の回転時において
、受信状態の中断を防止することが可能となる。
【0007】又、人工的な磁界等による外乱により、地
磁気センサーによる正常な方位の検出ができない状態
や、送信装置と本装置の間にビル等の障害物があるなど
して、正しい方向にアンテナ指向性パターンを向けても
受信ができない場合なども、それらの状態を検知し、ア
ンテナ指向性パターンを制御するアルゴリズムを有する
ことにより、外乱や障害物による受信状態の中断を最小
にすることができる。
【0008】本発明の好ましい実施例では、アンテナと
して複数のパッチを有するマイクロストリップパッチア
ンテナが用いられる。このパッチアンテナでは、アンテ
ナ自体を機械的に回転させることなく各パッチからの受
信信号の位相シフトを制御することで指向性パターン
方向と形状を可変できる。このパッチアンテナにおける
複数のパッチの位相シフトの与え方の組み合わせとその
組み合わせ結果の指向性パターンの様子についてのデー
タは予めROM又はRAMに記憶され、マイクロプロセ
ッサはこの組み合わせの1つを選択する。尚、パッチア
ンテナ以外にヘリカルアンテナ等の他のアンテナも使用
できる。
【0009】指向性パターンの切り替えは、受信の中断
がないよう要求されるアンテナ最低利得より高いレベ
ルにて行われる。
【0010】
【実施例の説明】全体の構成概要 図1は本発明の受信信号である実施例の構成を示す。本
実施例における受信装置はベースバンド信号をQPSK
又はBPSK変調方式にて変調された信号を受信する装
置である。尚、ここではQPSK又はBPSK変調方式
にて変調された信号を受信する装置として説明するが、
変調方式は特に限定されるものではない。ベースバンド
信号は音楽などのアナログ情報をデジタル符号化したデ
ジタル信号であって、伝送エラーチェック機能を含むも
のである。又、搬送波の周波数はGHz帯(例えば2.
6GHz)である。アンテナアレイANTは、ANT1
〜ANT4の4つのパッチアンテナ素子からなるマイク
ロストリップパッチアンテナを用いており、その詳細は
後述する。各パッチアンテナ素子で受信した信号は、夫
々低雑音増幅器LNA1〜LNA4で増幅され、位相シ
フタPHS1〜PHS4を経由した後電力合成器1にて
合成され合成受信信号として出力される。この時、位相
シフタを制御することによりアンテナの指向性は決定さ
れる。
【0011】チューナー部2は前記合成受信信号を中間
周波数帯に変換した後に利得可変増幅器にて増幅し、I
成分とQ成分の信号を出力する機能を有する。チューナ
ー部2において、中間周波数帯に変換され増幅された合
成受信信号はIQミキサーに入力される。該IQミキサ
は、公知の構成であるのでここでは詳述しないが、中
間周波数帯に変換され増幅された合成受信信号を調整し
てI成分の信号とQ成分の信号を出力する。その後、チ
ューナー部から出力したI成分の信号とQ成分の2つの
信号は復調部3に入力され、夫々A/D変換されて復調
器3からベースバンド信号として出力される。又、復調
器3からは出力レベルの監視用信号としてAGC信号が
併せて出力され、チューナー部の利得可変増幅器へ入力
される。利得可変増幅器をAGC信号で制御し、IQミ
キサには常に安定したレベルでの信号が入力されること
になる。更に、AGC信号はA/D変換6でデジタル信
号に変換され、I/Oインターフェイス7を経てCPU
10に入力され、アンテナの制御に利用される。
【0012】本実施例のアンテナアレイANTにおい
て、ANT1〜ANT4の4つのパッチアンテナ素子か
らの受信信号は、夫々低雑音増幅器LNA1〜LNA4
で増幅され、位相シフタPHS1〜PHS4を経由した
後電力合成器1にて合成され合成受信信号として出力さ
れるなお、位相シフタにおいて0°又は180°の
相が与えられ、夫々の位相シフタにどのような位相を与
えるかにより、アンテナアレイANTアンテナ指向性
パターンが決定される。このような指向性パターンの制
御技術については「移動体衛星通信用円偏波パッチアレ
ーアンテナのビーム切替特性 電子通信学会/TECH
NICAL REPORT OF IECE A−P9
7−81(1997−08)辻、松沢、伊藤 等」に詳
細に示されている。この時、位相シフタどの位相を与
えるか制御する制御信号は、地磁気センサ4の出力(V
X,VY)に基づいて行われる。即ち、地磁気センサ4
の示す方位によりアンテナアレイANTの指向性パター
ンが制御されることになる。
【0013】地磁気センサ4は、該センサの有する基準
方向に基づいて水平面の東西南北方位を表すX成分の電
圧信号(VX)とY成分の電圧信号(VY)を出力す
る。VX信号とVY信号はA/D変換器11にてデジタ
ル値に変換され、データバスDATAを経てCPU10
に入力される。CPU10はVX信号とVY信号から現
時点の地磁気センサ4の向きを、該センサの有する基準
方向との方位φbとして決定する。アンテナアレイAN
Tと地磁気センサ4は機械的に固定されているので地磁
気センサの基準方向をアンテナアレイANTの有する基
準方向と関係付けることができる。言い換えれば、CP
U10は地磁気センサ4の基準方向に基づく方位φbと
アンテナアレイANTが有する基準方向に基づく方位φ
aを関係付け決定することができる。又、CPU10は
データバスとアドレスバスを介してROM9,RAM
8、I/Oインターフェース及びA/D変換器に接続さ
れている。ROM9にはCPU10を制御するプログラ
ムとともに放送衛星の方位データ、及びアンテナアレイ
ANTの指向性パターンを任意に変えるために位相シフ
タを制御する制御信号データを保有している。即ち、地
磁気センサ4の出力に基づいてCPU10はアンテナア
レイANTの指向性パターンを任意に可変することがで
きるのである。
【0014】この放送衛星の方位データは、受信を所望
する通信衛星の受信地域から見た水平方位φr =真南、
垂直方向θ=約45°である。CPU10はROM9内
の水平方位データφr を参照し、このφr と地磁気セン
サー4からの信号により決定された現時点のアンテナア
レイANTの基準線の方位φaとからアンテナアレイA
NTの最適受信のためにとられるべき指向性パターンを
決定する信号を生成し、I/Oインターフェース7から
位相シフタ駆動器5を介して該信号を位相シフタPHS
−1〜PHS−4に印加する。例えば、位相シフタPH
S−1〜PHS3は位相シフトが0°であり、位相シフ
タPHS−4は位相シフトが180°であるように制御
する。この位相シフタへの位相シフトの組み合わせによ
りアンテナアレイANTの受信指向性パターンが定ま
る。尚、RAM8は、CPU10により生成データを一
時的に記憶する機能を有する。
【0015】このように地磁気センサー4の方位出力に
基づいて、アンテナアレイANTの指向性を決定し、決
定された指向性のアンテナアレイANTで受信された受
信信号の良否はAGC信号で評価され得るが、AGC信
号はA/D変換器6でデジタル値化されI/Oインター
フェース7を経てCPU10に入力されており、CPU
10はAGC信号から決定されたアンテナアレイANT
の指向性の適否をチェックすることができる。もしAG
C信号を参照して不適当ならば、地磁気センサー4から
の方位出力で決定された指向性を修正する出力をCPU
10は位相シフタPHS−1〜PHS−4へ与える。
【0016】アンテナアレイ構成と指向性パターン 図2に、図1のアンテナアレイANTとして一点給電円
偏波パッチアンテナの具体的構成をその平面図と断面図
として示す。本実施例では、アンテナ仕様としてアンテ
ナ利得は衛星からの電波受信時に2.5dBi以上、地
上のギャップフィラー(地上再送信装置)からの受信時
は、0.0dBi以上を予定したものである。又、衛星
の方位は、仰角が約45°そして水平面方位は真南であ
る。誘電体基板23(厚さ=15.7mm;εr=3.
28;tanδ=0.0025)の一方の面に金属膜
(又は箔)のパッチアンテナ素子#1〜#4が対象的に
配置される。パッチは30.3mm×30.3mmの正
方形の角を3.4mm切ったものであり、パッチ間の距
離は45mmである。基板23の反対面には金属のグラ
ンド板が配置される。同軸ケーブル25の心線がパッチ
#1〜#4の各々の給電点21に接続され、外線がグラ
ンド板に接続されている。受信信号は給電点21から同
軸ケーブル25によって図1の低雑音増幅器LNA−1
〜LNA−4に与えられる。
【0017】アンテナアレイANTの幾何的基準方向φ
aが矢印22で示されている。この基準方向は、アンテ
ナアレイANTの構造上で幾何学的に任意に決められた
方向で良く、アンテナアレイANTの現在配向している
水平方位を決める参照用の基準である。又、このパッチ
アンテナの寸法は受信する搬送波周波数によって決定さ
れ、図2のパッチアンテナは2.6GHzの場合であ
る。
【0018】図2に示す4アンテナ素子(パッチ)#1
〜#4を有するマイクロストリップパッチアンテナの
2.6GHzの指向性パターン、即ちビーム方向の切り
替えについて、0°,90°,180°及び270°に
対応する指向性パターンA〜D及び無指向性パターンE
に関し図3(a)−図3(f)を参照して説明する。指
向性パターン(ビーム方向)の切り替えは図1の位相シ
フタPHS−1〜PHS−4の制御によって行われ、そ
の選択された指向性パターンの適否は受信合成電力信号
において評価される。
【0019】4つのパッチアンテナ素子#1〜#4にか
かる各々の位相を位相シフタでずらすとアンテナアレイ
ANTの指向性パターンが変化するが、4つのパッチア
ンテナ素子のうちいずれか1素子の位相を180°ずら
し、残りの3素子を0°とした場合(1素子逆相給電)
は特定の方向に指向性のピークを有する指向性パターン
をとる。図3(a)の指向性パターンA〜Dは、4つの
パッチアンテナ素子を有するアンテナアレイANTが1
素子逆相給電をとり得る組み合わせを示す。更に図3
(b)〜図3(e)はそれらの場合の指向性パターンで
あり、仰角45°における水平面の指向性と垂直面の指
向性パターンを示している。このように1素子逆相給電
は水平面の特定の異なる方向(0°,90°,180
°,270°)にビームピークを有する指向性パターン
となる。本実施例における受信装置はSバンド・モバイ
ル・マルチメディア衛星放送に対応する装置であり、衛
星からの受信には2.5dBiの受信利得が要求される
が、要求される受信利得を満足するため、どのパッチア
ンテナ素子の位相を逆相にするか選択することで、通信
衛星の位置する所望の方向に最も適した指向性パターン
を得ることが可能である。
【0020】垂直面の指向性パターンについても仰角2
〜3°から90°にいたるまで受信利得2.5dBi以
上を得られているので、衛星方向の仰角である45°を
中心に広い範囲で充分な利得を有しており、受信装置ま
たはアンテナが、例えばの斜面のように多少傾いた位
相にあったとしても利得を充分に保証することができ
る。
【0021】図3(a)のパターンEは例えばパッチア
ンテナ素子#3と#4のように隣り合う2つの素子の位
相を180°ずらし、残りの2素子を0°とした場合
(隣接2素子逆相給電)の組み合わせの一例である。ま
た、そのときの垂直面における指向性パターンを図3
(f)に示す。仰角90°でビームピークを示し、仰角
の大きな部分での水平面はほぼ無指向性を示す。Sバン
ド・モバイル・マルチメディア衛星放送では衛星からの
電波を受信できない場所をカバーするために設置された
ギャップフィラー(地上再送信装置)の電波を受信する
ためにアンテナに要求される受信利得は0dBiであ
り、図3(f)に示す隣接2素子逆相給電であれば、ア
ンテナに対してどの方向にギャップフィラーがあっても
充分受信が可能である。
【0022】図3(g)は1素子逆相給電の場合であっ
て、水平面の特定の異なる方向(0°,90°,180
°,270°)にビームピークを有する指向性パターン
に基づく受信利得(dBi)(A,B,C,D)と、ア
ンテナの基準方向基づく方位(φa)との関係を示した
ものである。例えば、アンテナの基準方向(図2の矢印
22)が衛星水平方位である真南を向いているときφa
=0°とすればAの指向性パターンを選択するのでその
受信利得は10dBiとなる。アンテナが移動しφa=
45°となるとAの指向性パターンにおける受信利得は
5dBiとなり,Bの指向性パターンと交差する。更に
アンテナが幾何的に回転・移動してφa>45°となれ
ば、Bの指向性パターンをとるようアンテナを切り替え
ることにより受信利得高く保つことができる。したが
って、通常はφa=45°,135°,225°,31
5°で指向性パターンをA→B→C→D→Aと切り替え
ることにより、受信利得を常に高く維持することができ
る。
【0023】Sバンド・モバイル・マルチメディア衛星
放送に対応する装置は衛星からの受信に2.5dBiの
受信利得が要求されるが、本実施例のように指向性パタ
ーンの切替基準点を少なくとも2.5dBiにとること
により、受信状態の中断を生じさせない。
【0024】以上説明したように、本発明による受信装
置では衛星からの電波による受信利得が要求される値以
下にならないよう指向性パターンを制御するが、指向性
パターンを制御しても受信利得が得られないような場合
は、衛星からの電波が到達しない地域であると判断し
て、その所在方位が不特定であろうギャップフィラーか
らの電波を受信できるよう無指向性のパターンに切り替
える。また、ギャップフィラーからの電波による受信利
得が得られない場合は、再度衛星からの電波を受信でき
るよう切り替えることとなる。
【0025】地磁気センサー 図4(a)に、図1の実施例における地磁気センサー4
の構成を示す。このセンサーはTDK株式会社製の直交
フラックスゲート型小型地磁気センサー(登録商標:T
MS−215/TMS−115)である。本実施例の地
磁気センサーの外形寸法は約3.2cm×2.3cm程
度の小型なものである。そして図4Bに日本国内東京地
域の地磁気とほぼ同程度の磁界0.30eの中で回転さ
せた場合の出力電圧特性を示す。
【0026】検出コイルの巻かれたX軸/Y軸成分検出
素子41,42においてコアと一体化した短冊状の導体
にパルス電圧発生回路からのパルス電流を通電する。通
電電流がピーク値に達しているわずかな時間だけコアは
完全飽和し、コア材料の透磁率が変化する。コアに平行
な地磁気の磁束はコア完全飽和時にはコア内に収束され
ないが、非飽和時にはコア内に収束されるので、コア内
の地磁気磁束が交流時に変化する。この変化するコア内
の地磁気磁束に関し、ピーク検出回路43,44でコア
に平行な地磁気の磁束成分を通電電流ピーク時の検出コ
イル出力でVX、VYとして検出することができる。
【0027】図4(a)において地磁気がY軸成分検出
素子に平行であって基準方向矢印45の方向を回転角度
=0°としてX軸出力VX、Y軸出力VYを示したもの
が図4(b)である。VX、VYは2.50±1.0V
として出力される。即ち、磁気センサー4の基準線方位
45が真南を向いているときVX=2.50V、VY=
3.50Vである。
【0028】図5に本受信装置の自動車への実施例と受
信装置の回転に伴って制御されるアンテナ指向性パター
ンの様子を示す。アンテナANTと磁気センサー4は1
つの筐体にそれらの基準方向22と45が幾何学的に合
致するように固定され、アンテナANT制御回路部分と
共に自動車の屋根に設置される。アンテナからの信号は
車内に引き込まれ、チューナ/復調部で受信・復調され
る。本発明により制御されたアンテナ指向性パターンの
ビーム方向はアンテナの指向性パターンを切り換えるこ
とにより、自動車(受信装置)の向きにかかわらず常に
真南方向付近に維持されている。
【0029】制御フロー 図6にアンテナの指向性パターン切替のための制御フロ
ーを示す。ステップ1にて、本装置がパワーオン又は制
御フローを実行するためのシステムをリセットし、ステ
ップ2にてCPU、レジスタ(m)等からなるプロセッ
サを初期化し、レジスタにm=0を書き込む。ステップ
3で、CPUは地磁気センサからの出力信号VX,VY
の値をA/D変換して読み込む。ここで、通常はアンテ
ナの指向性パターンは図4(b)に示すようにφ=31
5°〜45°がAパターン、φ=45°〜135°がB
パターン、φ=135°〜225°がCパターン、φ=
225°〜315°がDパターンを選択して切り替える
必要があるので、切替のためのしきい値(VT1,VT
2)を設定する。ステップ4−1〜4−4では地磁気セ
ンサからの出力信号(VX,VY)としきい値(VT
1,VT2)を比較することで、受信装置がどの方位に
あるか判断し、最適な指向性パターンを得ることができ
る制御信号を位相シフタへ出力する。
【0030】しかしながら、地磁気センサの出力信号の
値はセンサが水平に置かれていることを前提に規定され
ているので、センサが傾くと出力信号のピーク値が小さ
くなってしまう。そのような場合であっても、受信利得
がアンテナに要求される受信利得以上の範囲となるよう
しきい値の値を調整することで対応することが可能であ
る。即ち、図4(b)においてVT1を通常の1.8V
から1.9Vへ、VT2を通常の3.2Vから3.1V
変更すればセンサ出力信号のピーク値が小さくなっても
対応可能であり、切替方位が通常のφa=45°,13
5°,225°,315°で切り替わらないが受信利得
は要求値を満足することができる。したがって、受信装
置が置かれる環境や受信する放送の状況によって、しき
い値を選択し最適な環境を求めることが可能となる。
【0031】次に、アンテナの指向性パターンがA〜D
のいづれかに選択されたときは、ステップ5に移行す
る。ステップ5は出力レベルの監視用信号として復調器
から出力されるAGC信号(VL)を読み込み、ステッ
プ6で該AGC信号(VL)と切替のためのしきい値
(Rh)を比較する。しきい値(Rh)とはφa=45
°,135°,225°,315°の時の選択されてい
る指向性パターンの受信利得に対応する信号である。こ
こで、AGC信号(VL)がしきい値(Rh)より大き
ければ、再度ステップ5に移行し、レジスタにm=1を
書き込む。即ち、AGC信号(VL)がしきい値(R
h)より大きければ、そのときに選択されている指向性
パターンを維持しつづけることになる。
【0032】また、AGC信号(VL)が何らかの原因
でしきい値(Rh)を超えることができなくなると、ス
テップ7に移行する。ステップ7では、AGC信号(V
L)がしきい値(Rh)を超えることができなくなった
が、Sバンド・モバイル・マルチメディア衛星放送が衛
星からの受信のためにアンテナに要求する受信利得R1
より大きければ、受信装置が移動したため受信利得が下
がったものとみなしてステップ3に移行し、ステップ4
で再度最適な指向性パターンを選択する。
【0033】しかし、AGC信号(VL)がしきい値
(Rh)を超えることができなくなり、かつSバンド・
モバイル・マルチメディア衛星放送が衛星からの受信の
ためにアンテナに要求する受信利得R1より小さけれ
ば、衛星からの電波が到達しない地域であると判断して
ステップ8に移行し、ギャップフィラーからの電波を受
信できるよう水平面内無指向性のパターンEに切り替え
る。アンテナを水平面内無指向性にするためには隣接2
素子逆相給電に位相シフタを制御する。
【0034】次にステップ9に移行し再度AGC信号
(VL)を読み込んで、ギャップフィラーからの電波を
受信するためにアンテナに要求する受信利得に対応する
値(R1)とステップ10で比較する。ここでAGC信
号(VL)が大きければ再度ステップ9に移行し、パタ
ーンEを維持することになる。この時再びレジスタにm
=1を書き込む。ここで、又AGC信号(VL)がギャ
ップフィラーからの電波を受信するためにアンテナに要
求する受信利得に対応する値(R1)より小さくなり、
ステップ11にてレジスタの状態をチェックし、m=1
ならば再度ステップ3に移行し、指向性パターンで受信
し得るか否か探索することになる。
【0035】一方、衛星からの電波が受信できず、又、
ギャップフィラーからの電波を受信するよう切り替えて
も、更に電波を受信できない場合が考えられる。この場
合ステップ11でレジスタの状態をチェックすると、m
=0であるのでステップ3に移行せず、ステップ12−
1〜12−4に移行する。ここでは、受信パターンAか
ら受信パターンDへ順にスキャンし、ステップ9及び1
0にて夫々の受信状態を確認する。ここで、いづれかの
指向性パターンにおいてギャップフィラーからの電波が
アンテナに要求する受信利得を満足すればその状態を維
持する。
【0036】指向性を持たせた受信パターンは、特定の
方向に受信感度の指向性ピークを有しているので、ギャ
ップフィラーからの電波を受ける通常の受信パターンで
ある水平面内無指向性のパターンより、ギャップフィラ
ーからの電波を遠方から受信できる可能性がある。この
処理は、補助的なもので地磁気センサを用いた衛星から
の受信パターンを選択した場合、あるいはギャップフィ
ラーからの電波を受信するよう切り替えた場合の両方
で、更に電波を受信できない場合のみ行われるものであ
る。
【0037】
【効果】本発明では、地磁気センサーによる方位と、A
GCによる受信信号レベルを検出して、アンテナの指向
性パターンを切り替えることにより、装置が回転しても
中断することなく、受信状態を維持することが可能であ
る。
【0038】衛星からの電波が受信できない状況では、
地上再送信装置からの電波の受信に適した指向性パター
ンに切り替えることにより受信の中断を最小にすること
が可能となる。又この逆の切り替えも可能である。
【0039】地磁気センサーが人工磁界等の外乱によ
り、正常な方位ができない状態でも、取り得るアンテナ
指向性パターンを走査して受信の中断を最小にすること
ができる。
【0040】アンテナに指向性を持たせて送信装置に
けることで、利得に余裕が生まれ、雨や雪などの天候の
影響による電波の減衰に対する(受信の)限界を高める
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の受信装置の構成を示す。
【図2】本発明実施例のアンテナ構成を示す。
【図3a】アンテナ指向性パターンA〜Eをアンテナ素
子への給電波相の組合せを示す。
【図3b】指向性パターンAの水平と垂直パターンを示
す。
【図3c】指向性パターンBの水平と垂直パターンを示
す。
【図3d】指向性パターンCの水平と垂直パターンを示
す。
【図3e】指向性パターンDの水平と垂直パターンを示
す。
【図3f】無指向性パターンEの垂直パターンを示す。
【図3g】本発明実施例のアンテナ指向性パターンA〜
Dとずれ角度φaの関係を示す。
【図4a】本発明実施例の地磁気センサー構成を示す。
【図4b】本発明実施例の地磁気センサーのX,Y軸出
力を示す。
【図5】本発明の実施例受信装置を自動車に装備した例
を示す。
【図6】本発明実施例による受信機での制御フローを示
す。
【符号の説明】 ANT アンテナ PHS−1〜PHS−4 位相シフタ 1 電力合成器 2 チューナ 4 地磁気センサー 10 CPU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 紀昭 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5J021 AA05 AA06 AB06 CA06 DB02 DB03 EA04 FA17 FA20 FA26 FA29 FA30 FA32 GA02 HA05 HA10 5K059 CC04 DD32 DD37 DD39 DD44 5K067 AA23 EE02 EE07 KK02 KK03 KK13

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、複数の異なるアンテナ指向
    性パターンをとり得るアンテナ、該アンテナから電波を
    受信するチューナー、該アンテナを制御して該複数の指
    向性パターンからその1つのパターンを決定するための
    アンテナ制御信号生成プロセッサ、及び地磁気センサを
    有する受信装置であって、 該地磁気センサは、該アンテナの所定の幾何的方向であ
    る方位を示す方位信号を生成し、そして、 該プロセッサは該方位信号に基づいて該アンテナ制御信
    号生成していることを特徴とする受信装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の受信装置において、該
    アンテナは複数の導電パッチが平面内に配置されたマイ
    クロストリップパッチアンテナであり、該複数のパッチ
    各々から取り出される受信電波信号は、アンテナの指向
    性を決定するためにそれぞれ位相シフタを介した後に合
    成されて該チューナーへの電波信号となり、そして該位
    相シフタは前記プロセッサから生成されるアンテナ制御
    信号により制御されていることを特徴とする受信装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の受信装置において、該
    位相シフタは該複数のパッチ各々からの受信電波信号に
    対し、少なくとも1.80°及び0°の位相シフトを与
    えるものであることを特徴とする受信装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の受信装置において、該地
    磁気センサは水平面における方位信号として、互いに垂
    直な検出軸における2つの検出信号を生成し出力するこ
    とを特徴とする受信装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の受信装置において、該プ
    ロセッサは該アンテナが取り得る指向性パターンに対応
    する制御信号を記憶するメモリーを有し、該地磁気セン
    サからの方位信号に基づいて選択されるべきアンテナ指
    向性パターンを決定し、決定されたアンテナ指向性パタ
    ーンを取るための制御信号を生成出力することを特徴と
    する受信装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の受信装置において、該
    プロセッサは該受信電波信号の強度に応答して、該アン
    テナが無指向性パターンをとるアンテナ制御信号を出力
    することを特徴とする受信装置。
  7. 【請求項7】 地上送信装置および衛星送信装置からの
    電波を受信する受信装置において、少なくとも地上送信
    装置及び衛星送信装置からの電波を受信するアンテナ、
    該アンテナの現在の方位を検出する手段、該方位検出出
    力に基づいて該アンテナの指向性パターンを制御する手
    段、及びアンテナからの信号を受信する手段を有し、 該アンテナは複数のアンテナ素子で構成されていて、該
    複数のアンテナ素子各々の給電点における位相をシフト
    する手段を含み、 該制御手段は、前記方位検出手段に基づいた制御信号を
    該位相シフト制御手段へ印加して該アンテナの指向性パ
    ターンを決定することを特徴とする受信装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の受信装置において、方
    位検出手段は地磁気センサであることを特徴とする受信
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の受信装置において、該
    制御手段は該受信手段における受信放送電波の信号強度
    に応答して、該アンテナが無指向性パターンをとる制御
    信号を出力することを特徴とする受信装置。
  10. 【請求項10】 請求項1又は7の受信装置において、
    該アンテナがとり得る複数の指向性パターンは、それぞ
    れ異なる水平面方位に利得ピークを有するものであり、
    アンテナが要求する最低受信利得より高いレベルを閾値
    として用いて、該指向性パターンの切り替えを行うこと
    を特徴とする受信装置。
JP29411699A 1999-10-15 1999-10-15 移動体衛星放送受信装置 Pending JP2001119330A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29411699A JP2001119330A (ja) 1999-10-15 1999-10-15 移動体衛星放送受信装置
US09/828,155 US20010055948A1 (en) 1999-10-15 2001-04-09 Broadcasting receiving apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29411699A JP2001119330A (ja) 1999-10-15 1999-10-15 移動体衛星放送受信装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001119330A true JP2001119330A (ja) 2001-04-27

Family

ID=17803507

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29411699A Pending JP2001119330A (ja) 1999-10-15 1999-10-15 移動体衛星放送受信装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20010055948A1 (ja)
JP (1) JP2001119330A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1318618A2 (en) * 2001-12-10 2003-06-11 TDK Corporation Antenna beam control system
JP2006279212A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Toshiba Corp モバイル放送受信装置およびその制御方法
JP2008502226A (ja) * 2004-06-03 2008-01-24 インターデイジタル テクノロジー コーポレーション スマートアンテナを備えた衛星通信加入者デバイスおよびその関連方法
KR100985553B1 (ko) 2008-07-07 2010-10-05 엘아이지넥스원 주식회사 안테나 안정화 장치
JP2020160040A (ja) * 2019-03-21 2020-10-01 国立大学法人三重大学 電界検出デバイス及び電界検出装置

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2001271041A1 (en) * 2000-07-14 2002-01-30 Sanyo Electric Co., Ltd. Mobile communication terminal, communication method, and program
US7006040B2 (en) 2000-12-21 2006-02-28 Hitachi America, Ltd. Steerable antenna and receiver interface for terrestrial broadcast
US7386326B2 (en) * 2001-09-04 2008-06-10 Texas Instruments Incorporated Programmable task-based co-processor
WO2004045087A2 (en) * 2002-11-08 2004-05-27 Lyndale Trading Company Limited Adaptive broadband platforms and methods of operation
US6856300B2 (en) 2002-11-08 2005-02-15 Kvh Industries, Inc. Feed network and method for an offset stacked patch antenna array
US7102571B2 (en) * 2002-11-08 2006-09-05 Kvh Industries, Inc. Offset stacked patch antenna and method
US7379707B2 (en) * 2004-08-26 2008-05-27 Raysat Antenna Systems, L.L.C. System for concurrent mobile two-way data communications and TV reception
US6977614B2 (en) * 2004-01-08 2005-12-20 Kvh Industries, Inc. Microstrip transition and network
US6967619B2 (en) 2004-01-08 2005-11-22 Kvh Industries, Inc. Low noise block
JP4165463B2 (ja) * 2004-06-28 2008-10-15 船井電機株式会社 ディジタルテレビジョン放送信号受信装置
JP4383383B2 (ja) * 2004-09-16 2009-12-16 三星電子株式会社 衛星dmb受信装置及び方法
US20070111659A1 (en) * 2005-10-11 2007-05-17 Pantech&Curitel Communications, Inc. Method of improving receive sensitivity of satellite digital multimedia broadcasting
KR100952979B1 (ko) * 2007-11-20 2010-04-15 한국전자통신연구원 갭필러 시스템에서의 다중 대역 안테나
DE102007061738A1 (de) * 2007-12-20 2009-06-25 Robert Bosch Gmbh Antenne, insbesondere für Radarsignale sowie Verfahren und Verwendung
EP2309657A1 (en) * 2009-10-08 2011-04-13 Thomson Licensing Method for topology control using sectorized antennas in wireless networks
US9231292B2 (en) * 2010-02-01 2016-01-05 Georgia Tech Research Corporation Multi-antenna signaling scheme for low-powered or passive radio communications
US8847826B2 (en) * 2010-03-22 2014-09-30 Ambient Corporation Grid node
GB2540776B (en) * 2015-07-27 2018-10-10 Avanti Communications Group Plc Satellite communication
TWI667842B (zh) * 2016-04-15 2019-08-01 和碩聯合科技股份有限公司 天線系統及控制方法
US11056800B2 (en) * 2018-10-16 2021-07-06 Google Llc Antenna arrays integrated into an electromagnetic transparent metallic surface
WO2023225701A1 (en) * 2022-05-26 2023-11-30 Fleet Space Technologies Pty Ltd Satellite modem

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2520952B2 (ja) * 1989-02-06 1996-07-31 日産自動車株式会社 車両用走行方位検出装置
JPH0571964A (ja) * 1991-09-10 1993-03-23 Pioneer Electron Corp 車両方位検出装置
US5680142A (en) * 1995-11-07 1997-10-21 Smith; David Anthony Communication system and method utilizing an antenna having adaptive characteristics
US5818391A (en) * 1997-03-13 1998-10-06 Southern Methodist University Microstrip array antenna
US6356166B1 (en) * 1999-08-26 2002-03-12 Metawave Communications Corporation Multi-layer switched line phase shifter
US6640085B1 (en) * 1999-09-01 2003-10-28 Xm Satellite Radio Inc. Electronically steerable antenna array using user-specified location data for maximum signal reception based on elevation angle
US6243052B1 (en) * 1999-11-16 2001-06-05 Harris Corporation Low profile panel-configured helical phased array antenna with pseudo-monopulse beam-control subsystem

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1318618A2 (en) * 2001-12-10 2003-06-11 TDK Corporation Antenna beam control system
EP1318618A3 (en) * 2001-12-10 2004-09-15 TDK Corporation Antenna beam control system
JP2008502226A (ja) * 2004-06-03 2008-01-24 インターデイジタル テクノロジー コーポレーション スマートアンテナを備えた衛星通信加入者デバイスおよびその関連方法
JP2006279212A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Toshiba Corp モバイル放送受信装置およびその制御方法
KR100985553B1 (ko) 2008-07-07 2010-10-05 엘아이지넥스원 주식회사 안테나 안정화 장치
JP2020160040A (ja) * 2019-03-21 2020-10-01 国立大学法人三重大学 電界検出デバイス及び電界検出装置
JP7240570B2 (ja) 2019-03-21 2023-03-16 国立大学法人三重大学 電界検出デバイス及び電界検出装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20010055948A1 (en) 2001-12-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001119330A (ja) 移動体衛星放送受信装置
US5617102A (en) Communications transceiver using an adaptive directional antenna
US9647748B1 (en) Global broadband antenna system
US6784850B2 (en) Antenna apparatus
US20020158808A1 (en) Cross dipole antenna and composite antenna
US20080258986A1 (en) Antenna array for a hi/lo antenna beam pattern and method of utilization
JP2006333068A (ja) 移動体端末用アンテナ追尾装置および移動体端末用アンテナ追尾方法
US5929808A (en) System and method for the acquisition of a non-geosynchronous satellite signal
EP3859986B1 (en) Realization and application of simultaneous circular polarization in switchable single polarization systems
JP2006148728A (ja) アンテナ装置およびこれを用いた無線通信装置
JP5796159B2 (ja) 車両用アンテナ装置
EP1249890A1 (en) Broadcasting receiving apparatus with a geomagnetic sensor to control the directivity of the antenna
JP2005295094A (ja) 移動体通信装置
JP3241532B2 (ja) 衛星追尾アンテナ装置
Basari et al. Antenna system for land mobile satellite communications
JP3522910B2 (ja) 移動体sng装置
JP3512382B2 (ja) 複合アンテナ
JP2000252739A (ja) アンテナ装置
JPH06104780A (ja) 衛星放送受信用自動追尾アンテナ装置
JP2003215224A (ja) 衛星信号追跡装置及びその方法
TWI843241B (zh) 混合機械與電子控制的衛星地球終端
JP3149156B2 (ja) 移動体搭載用マイクロ波アンテナ装置
KR20040005255A (ko) 이동용 위성 안테나
JP4058248B2 (ja) 通信端末制御方法、及び通信端末装置、並びに、移動通信システム、プログラム、及び記録媒体
JP2005192165A (ja) アンテナ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20030707