JP2001514197A - グラム陽性菌由来の過敏感反応エリシターの使用 - Google Patents

グラム陽性菌由来の過敏感反応エリシターの使用

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スティーヴン ヴイ. ビアー
ジェリー エル. バトラー
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コーネル リサーチ ファンデーション インク.
エデン バイオサイエンス コーポレーション
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、植物において過敏感反応を誘発する、クラビバクター・ミシガネンシス亜種セペドニカス(Clavibacter michiganensis subsp. sepedonicus)のようなグラム陽性菌由来のタンパク質またはポリペプチドの使用を目的とする。このタンパク質又はポリペプチドは、植物に病気抵抗性を付与し、植物の生育を強化し、および/または植物体上の昆虫を防除するために使用することができる。これは、植物または植物種子から生育させた植物体に病気抵抗性を付与し、植物の生育を強化し、および/または昆虫を防除するのに有効な条件下で、非感染型の過敏感反応エリシタータンパク質またはポリペプチドを植物体または植物種子に適用することによって達成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、病気抵抗性、生育強化および昆虫防除を目的とする、クラビバクタ
ー・ミシガネンシス亜種セペドニカス(Clavibacter michiganensis subsp. sepe
donicus)などのグラム陽性菌に由来する過敏感反応エリシターの使用に関する。
【0002】 本出願は、1997年9月3日に出願された米国仮特許出願第60/057,464号の恩典を
請求するものである。
【0003】発明の背景 病原菌とその植物宿主の間の相互作用は、一般に次の2つの範疇に収まる:(1
)適合性(病原菌−宿主)、宿主植物における、細胞内細菌増殖、徴候発現およ び病気の発症につながる;および(2)不適合性(病原菌−非宿主)、過敏感反応 をもたらし、病気の徴候の進行を伴うことなく、特定の型の不適合性の相互作用
が生じる。宿主植物との適合性のある相互作用の間には、細菌数は劇的に増加し
、かつ進行性の徴候が生じる。不適合性の相互作用の間には、細菌数は増加せず
、かつ進行性の徴候も生じない。
【0004】 過敏感反応(「HR」)は、多くの病原菌に対する植物の能動的防御に関連して
いる急性の局所的壊死である(Kiraly, Z.、「侵略者によって惹起された防御:
過敏感(Defenses Triggered by the Invader:Hypersensitivity)」、201〜224
頁、Plant Disease:An Advanced Treatise、第5巻、J.G. HoesfallとE.B. Cowli
ngの編集、アカデミックプレス社、ニューヨーク、1980年;Klement, Z.、「過 敏感(Hypersensitivity)」、149〜177頁、Phytopathogenic Prokaryotes、第2巻
、M.S. MountとG.H. Lacyの編集、アカデミックプレス社、ニューヨーク、1982 年)。細菌によって誘起された過敏感反応は、高濃度の(≧107細胞/ml)シュ ードモナス・シリンガエ(Pseudomonas syringae)またはエルウィニア・アミロー
ボラ(Erwinia amylovora)のような宿主範囲が限定された病原菌が非宿主植物の 葉へと浸潤する場合に、組織の崩壊として容易に認められる(低濃度の接種では
単離された植物細胞においてのみ壊死が生じる)(Klement, Z.、「植物病原菌 シュードモナスの病原性の迅速な検出(Rapid Detection of Pathogenicity of
Phytopathogenic Pseudomonads)」、Nature、199:299-300;Klementら、「タバ
コ葉における植物病原菌によって誘導された過敏感反応(Hypersensitive React
ion Induced by Phytopathogenic Bacteria in the Tabacco Leaf)」、Phytopa thology 、54:474-477(1963);Turnerら、「過敏感反応に関連した植物と細菌細 胞の間の量的関係(The Quantitative Relation Between Plant and Bacterial
Cells Involved in the Hypersensitive Reaction)」、Phytopathology、64:88
5-890(1974);Klement, Z.、「過敏感(Hypersensitivity)」、Phytopathogeni c Prokaryotes 、149〜177頁、第2巻、M.S.MountとG.H.Lacyの編集、アカデミッ クプレス社、ニューヨーク、1982年)。非宿主において過敏感反応を誘起する能
力と宿主において病原性となる能力は関連しているように見える。Klement, Z. の論文(「過敏感(Hypersensitivity)」、Phytopathogenic Prokaryotes、149 〜177頁、第2巻、M.S.MountとG.H.Lacyの編集、アカデミックプレス社、ニュー ヨーク)に記されたように、これらの病原菌は更に、適合宿主との相互作用にお
いて、遅延型ではあるが生理学的に類似した壊死も生じる。更に過敏感反応また
は病原性を生じる能力は、hrpと称される共通の遺伝子セットに依存している(L
indgren, P.B.ら、「マメ科植物の病原性および非宿主植物の過敏感を制御する シュードモナス・シリンガエ病原型ファセオリコラの遺伝子クラスター(Gene C
luster of Pseudomonas syringae pv.'phaseolicola' Controls Pathogenicity
of Bean Plants and Hypersensitivity on Nonhost Plants)」、J. Bacteriol. 、168:512-22(1986);Willis, D.K.ら、「植物病原菌のhrp遺伝子(hrp Genes o
f Phytopathogenic Bacteria)」、Mol.Plant-Microbe Interact.、4:132-138(1
991))。結論としては、過敏感反応は、植物防御の性質および細菌の病原性の基
本の両方についての手がかりとなり得る。
【0005】 hrp遺伝子は、グラム陰性の植物病原菌に広範に存在し、ここでこれらはクラ スター化され、保存され、一部は相互交換可能である(Willis, D.K.ら、「植物
病原菌のhrp遺伝子(hrp Genes of Phytopathogenic Bacteria)」、Mol.Plant-Mi crobe Interact. 、4:132-138(1991);Bonas, U.、「植物病原菌のhrp遺伝子(hrp
Genes of Phytopathogenic Bacteria)」、79〜98頁、Current Topics in Micro biology and Immunology:Bacterial Pathogenesis of Plants and Animal-Molec ular and Cell Mechanisms 、J.L. Dangle編集、スプリンガー−ベルラグ社、ベ ルリン(1994))。いくつかのhrp遺伝子は、エルシニア、シゲラ、およびサルモ ネラ種が動物の病気に必須のタンパク質を分泌する際に使用するものに類似した
タンパク質分泌経路の成分をコードしている(Van Gijsegemら、「植物と動物の
病原菌の間の病原性の決定因子の発展的保存(Evolutionary Conservation of P
athogenicity Determinats Among Plant and Animal Pathogenic Bacteria)」 、Trends Microbiol.、1:175-180(1993))。E.アミローボラ、P.シリンガエおよ
びP.ソラナセアラム(P. solanacearum)において、hrp遺伝子は、過敏正反応のグ
リシンが豊富なタンパク質エリシターの産生と分泌を制御することが示された(
He, S.Y.ら、「シュードモナス・シリンガエ病原型シリンガエ・ハーピンPss:H
rp経路によって分泌され、植物の過敏感反応を誘起するタンパク質(Pseudomona
s Syringae pv. Syringae HarpinPss : a Protein that is Secreted via the H
rp Pathway and Elicits the Hypersensitive Response in Plants)」、Cell
73:1255-1266(1993);Wei, Z.H.ら、「エルウィニア・アミローボラのHrpIは、 ハーピン分泌に機能し、かつ新たなタンパク質ファミリーである(HrpI of Erwin
ia amylovora Functions in Secretion of Harpin and is a Member of a New P
rotein Family)」、J.Bacteriol.、175:7958-7967(1993);Arlat, M.ら、「ペチ
ュニアの特定の遺伝子型において過敏感様反応を誘起するタンパク質であるPopA
1は、シュードモナス・ソラナセアラムのHrp経路によって分泌される(PopA1, a
Protein Which Induces a Hypersensitive-like Response on Specific Petunia
Genotypes, is Secreted via the Hrp Pathway of Pseudomonas solanacearum)
」、EMBO J.、13:543-553(1994))。
【0006】 これらのタンパク質は最初に、バラ科の植物日焼けを引き起こす細菌であるE.
アミローボラEa321において発見され、ハーピン(harpin)と称された(Wei, Z.
M.ら、「植物病原菌エルウィニア・アミローボラによって産生される過敏感反応
エリシターであるハーピン(Harpin, Elicitor of the Hypersensitive Response
Produced by the Plant Pathogen Erwinia amylovora)」、Science、257:85-88
(1992))。hrpN遺伝子をコードしている変異は、E.アミローボラが非宿主である
タバコの葉において過敏感反応を誘起し、かつ非常に罹病性であるナシ果実にお
いて病気の徴候を刺激するためにハーピンが必要とされることを明らかにした。
P.ソラナセアラムGMI1000 PopA1タンパク質は、同様の生理的特性を有し、同じ くこの菌株の宿主ではないタバコの葉において過敏感反応を誘起する(Arlatら 、「ペチュニアの特定の遺伝子型において過敏感様反応を誘起するタンパク質で
あるPopA1は、シュードモナス・ソラナセアラムのHrp経路によって分泌される」
EMBO J.、13:543-53(1994))。しかし、P.ソラナセアラムpopA変異株は、依然
タバコにおいて過敏感反応を誘起し、かつトマトにおいて病気を刺激する。従っ
て、これらのグリシンが豊富な過敏感反応エリシターの役割は、グラム陰性植物
病原菌において広範に変動し得る。
【0007】 別の植物病原性の過敏感反応のエリシターが単離され、クローニングされ、か
つ配列決定されている。これらは以下を含む:エルウィニア・クリサンセミ(Eew
inia chrysanthemi)(Bauerら、「エルウィニア・クリサンセミのハーピンEch
腐朽病原菌(Erwinia chrysanthemi HarpinEch : Soft-Rot Pathogenesis)」、MP MI 、8(4):484-91(1995);エルウィニア・カロトボーラ(Erwinia carotovora)(C
uiら、「エルウィニア・カロトボーラ亜種カロトボーラ菌株Ecc71のRsmA-変異株
は、タバコの葉でhrpNEccを過剰発現し、過敏感反応様反応を誘起する(The RsmA - Mutants of Erwinia carotovora subsp. carotovora Strain Ecc71 Overexpre
ss hrpNEcc and Elicit a Hypersensitive Reaction-like Response in Tabacco
Leaves)」、MPMI、9(7):565-73(1966);エルウィニア・ステワルティイ(Erwini
a stewartii)(Ahmadら、「ハーピンはエルウィニア・ステワルティイのトウモ ロコシに対する病原性には不要である(Harpin is not Necessary for the Patho
genicity of Erwinia stewartii)」、8th Int'l Cong. Molec. Plant-Microb. I nter 、1996年7月14-19日、およびAhmadら、「ハーピンはエルウィニア・ステワ ルチのトウモロコシに対する病原性には不要である(Harpin is not Necessary f
or the Pathogenicity of Erwinia stewartii on Maize)」、Ann.Mtg.AmPhytopa th.Soc. 、1996年7月27-31日);および、シュードモナス・シリンガエ病原型シ リンガエ(コーネル研究財団(Cornell Research Foundation, Inc.)に付与され た国際公開公報第94/26782号))。
【0008】 本発明は、グラム陽性菌由来の過敏感反応エリシタータンパク質またはポリペ
プチドの使用を目的とする。
【0009】発明の概要 クラビバクター(Clavibacter)、特にクラビバクター・ミシガネンシス(Cla
vibacter michiganensis)亜種セペドニカス(sepedonicus)などのグラム陽性 細菌由来の過敏感反応を誘起するタンパク質またはポリペプチドを使用して、植
物に病気抵抗性を付与し、植物の生育を強化し、および/または昆虫を防除する
ことができる。このことは、非感染型の過敏感反応エリシタータンパク質または
ポリペプチドを、病気抵抗性を付与し、植物の生育を強化し、および/または植
物上または植物種子から生育させた植物上で昆虫を防除するのに有効な条件下で
、植物または植物種子に適用することに関する。
【0010】 病気抵抗性を付与し、植物の生育を強化し、および/または植物上で昆虫を防
除するためにグラム陽性過敏感反応エリシタータンパク質またはポリペプチドを
植物体または植物種子に適用する代わりに、トランスジェニック植物または植物
種子を利用することができる。トランスジェニック植物を利用する場合は、これ
はグラム陽性過敏感反応エリシタータンパク質またはポリペプチドをコードして
いるDNAで形質転換されたトランスジェニック植物を提供すること、および病気 抵抗性を付与し、植物の生育を強化し、および/または植物上または植物種子か
ら生育した植物において昆虫を防除するのに有効な条件下で植物を生育すること
に関連している。または、グラム陽性過敏感反応エリシタータンパク質またはポ
リペプチドをコードしているDNA分子で形質転換されたトランスジェニック植物 種子を提供し、土壌中に植えることができる。その後植物は、病気抵抗性を付与
し、植物の生育を強化し、および/または植物上または植物種子から生育した植
物上の昆虫を防除するのに有効な条件下で繁殖される。
【0011】詳細な説明 本発明は、植物における病気抵抗性、生育強化および昆虫防除のための、クラ
ビバクター(Clavivacter)のようなグラム陽性菌、特にクラビバクター・ミシガ ネンシス亜種セペドニカス(Clavibacter michiganensis subsp. sepedonicus)由
来の過敏感反応エリシタータンパク質またはポリペプチドの使用に関する。この
過敏感反応エリシタータンパク質またはポリペプチドは、本明細書に参照として
組み入れられるNissinenらの論文「クラビバクター・ミシガネンシス亜種セペド
ニカス(Clavibacter michiganensis subsp. sepedonicus)はタバコにおいて過敏
感反応を誘発し、かつ過敏感反応を誘発するタンパク質(複数)を分泌する」( Phytopathology 、678-84頁、1997年)において説明され、かつこれに従って単離
されている。
【0012】 この過敏感反応エリシタータンパク質またはポリペプチドをコードしている遺
伝子は、当技術分野において周知の方法で得ることができる。このタンパク質は
、クロマトグラフィーまたは電気泳動のような常法により精製することができる
。タンパク質のアミノ末端配列が決定され、かつクローンライブラリーをスクリ
ーニングするためのプローブとして標識され使用される縮重オリゴヌクレオチド
を設計するために使用される。Sambrookら「分子クローニング:実験マニュアル
(Molecular Cloning : A Laboratory Manual)」(コールドスプリングハーバー
プレス、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク、1989年)が本明細書に参
照として組入れられている。プラスミドDNAは、アミノ末端プローブにハイブリ ダズするクローンから単離され、配列が決定されている。DNA分子配列は、化学 的方法(Maxamら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、74:560(1977)、これは本明細 書に参照として組入れられている)または酵素的方法(Sangerら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 、74:5463(1977)、これは本明細書に参照として組入れられてい る)のいずれかを使用して決定することができる。
【0013】 前述の過敏感反応エリシターポリペプチドまたはタンパク質の断片も、本発明
に含まれている。
【0014】 適当な断片を、いくつかの方法によって作出することができる。まず、通常の
分子遺伝学的操作によって遺伝子断片をサブクローニングして、本発明のエリシ
タータンパク質をコードする遺伝子のサブクローンを作り出す。そして、このサ
ブクローンを、インビトロ、または細菌細胞の中でインビボで発現させ、下記で
説明する手順にしたがって、エリシター活性について調べることのできる比較的
小さなタンパク質またはペプチドを得る。
【0015】 または、キモトリプシン、スタフィロコッカスプロテイナーゼA、またはトリ プシンなどのタンパク質分解酵素によって、全長のエリシタータンパク質を消化
して、エリシタータンパク質の断片を作出することができる。異なったタンパク
質分解酵素は、エリシタータンパク質のアミノ酸配列にもとづいて、異なった部
位でエリシタータンパク質を切断する可能性が高い。タンパク質分解によって生
じる断片のいくつかが、抵抗性の活性エリシターである可能性がある。
【0016】 別の方法において、タンパク質の一次構造に関する知識に基づいて、タンパク
質の特定の部位を表すよう選択された特異的なプライマーセットとともに、PCR 技術を用いて、エリシタータンパク質遺伝子の断片を合成することができる。そ
して、短くなったペプチドまたはタンパク質の発現を増加させるために、適当な
ベクターの中に、これらをクローニングすることができる。
【0017】 化学合成を用いて、適当な断片を作成することもできる。このような合成は、
産生されるエリシターに対する既知のアミノ酸配列を用いて行われる。または、
全長エリシターを高温高圧にかけると断片ができる。そして、これらの断片を、
常法(例えば、クロマトグラフィー、SDS-PAGE)によって分離できる。
【0018】 変異型は、さらに(または、代りに)、例えば、ポリペプチドの特性、二次構
造、および水感応性に最小限の影響しか与えないようなアミノ酸を欠失または付
加して改変することができる。例えば、ポリペプチドには、タンパク質のN末端 に、翻訳と同時に、または翻訳後にタンパク質の移行を指令するシグナル(また
は先導)配列を結合させることができる。また、ポリペプチドには、ポリペプチ
ドの合成、精製、または同定を容易にするためのリンカー、またはその他の配列
を結合させてもよい。
【0019】 本発明のタンパク質またはポリペプチドは、好ましくは、従来からの技術によ
って、(好ましくは、少なくとも約80%、より好ましくは90%純粋な)精製された
形で製造される。典型的には、本発明のタンパク質またはポリペプチドは、組換
え宿主細胞の増殖培地中に分泌される。または、本発明のタンパク質またはポリ
ペプチドは、産生されても増殖培地中には分泌されない。このような場合、タン
パク質を単離するために、組換えプラスミドをもつ宿主細胞(例えば、大腸菌)
を増殖させ、音波処理、加熱、圧力差、もしくは化学処理によって溶菌し、この
ホモジネートを遠心分離して、細菌の残滓を取り除く。次に、上清を段階的硫化
アンモニウム沈降法に供する。本発明のポリペプチドまたはタンパク質を含む画
分を、適当なサイズのデキストランまたはポリアクリルアミドカラムでゲル濾過
して、タンパク質を分離する。必要ならば、HPLCによって、このタンパク質画分
をさらに精製することができる。
【0020】 従来からの組換えDNA技術を用いて、細胞の中に過敏感反応エリシターポリペ プチドまたはタンパク質をコードするDNA分子を取り込むことができる。一般的 に、これには、そのDNA分子が異種的である(すなわち、通常は存在しない)発 現システムの中にDNA分子を挿入することが含まれる。異種性のDNA分子を、適正
なセンス鎖方向で、かつ正しい読み枠にはまるよう、発現システムまたはベクタ
ーの中に挿入する。このベクターは、挿入されたタンパク質をコードする配列の
転写および翻訳に必要な因子を含んでいる。
【0021】 コーエンとボイヤー(Cohen and Boyer)に付与された米国特許第4,237,224号
は、参照として本明細書に組み入れられるが、制限酵素切断、およびDNAリガー ゼによるライゲーションを用いて、組換えプラスミドという形での発現システム
の作成を記載している。そして、これらの組換えプラスミドを、形質転換という
方法で導入し、原核生物、および組織培養で増殖させた真核生物細胞などの単細
胞培養で複製させる。
【0022】 組換え遺伝子は、ワクシニアウイルスなどのウイルスの中に導入することもで
きる。組換えウイルスは、ウイルス感染した細胞の中にプラスミドをトランスフ
ェクション(transfection)することによって作成することができる。
【0023】 適当なベクターには、以下のウイルスベクターが含まれるが、これらに限定さ
れない。すなわち、gt11、gt WES.tB、Charon 4などのラムダベクターシステム 、また、pBR322、pBR325、pACYC177、pACYC1084、pUC8、pUC9、pUC18、pUC19、p
LG339、pR290、pKC37、pKC101、SV40、pBluescript II SK+/- またはKS +/- ( カリフォルニア州ラホヤ(La Jolla)にあるストラタジーン社(Stratagene)の
「ストラタジーンクローニングシステム(Stratagene Cloning Systems)」カ タログ(1993)参照。このカタログは、参照として本明細書に組み入れられる)
、pQE、pIH821、pGEX、pETシリーズ(F. W. Studierら、「クローニングした遺 伝子を発現させるためのT7RNAポリメラーゼの使用(Use of T7 RNA Polymerase
to Direct Expression of Cloned Genes)」、Gene Expression Technology vol
. 185 (1990)を参照のこと。この論文は、参照として本明細書に組み入れられる
)などのプラスミドベクター、および、これらから派生したもの。組換え分子は
、形質転換、特に、形質導入、接合、可動化、またはエレクトロポレーションに
よって、細胞の中に導入できる。参照として本明細書に組み入れられる、サムブ
ルック(Sambrook)ら、(分子クローニング:実験マニュアル(Molecular Clon
ing. A Laboratory Manual)、Cold Springs Laboratory, Cold Spring Harbor,
NY (1989))によって説明されているような、当技術分野において標準的なク ローニング技術を用いて、DNA配列をベクターの中にクローニングする。
【0024】 タンパク質をコードする配列を発現させるために、さまざまな宿主-ベクター システムを利用することができる。まず、このベクターシステムは、用いられる
宿主細胞に親和性がなければならない。宿主-ベクターシステムには、以下のシ ステムが含まれるが、これらに限定されない。すなわち、バクテリオファージDN
A、プラスミドDNA、またはコスミドDNAによって形質転換された細菌、酵母ベク ターを含む酵母などの微生物、ウイルス(例えば、ワクシニアウイルス、アデノ
ウイルスなど)に感染した哺乳動物細胞系、ウイルス(例えば、バキュロウイル
ス)に感染した昆虫細胞系、および細菌に感染した植物細胞。これらのベクター
の発現因子は、それらの強度および特異性において多様である。用いられる宿主
-ベクターシステムによって、多くの適当な転写因子および翻訳因子のいずれか を用いることができる。
【0025】 さまざまな遺伝子シグナルおよびプロセッシング事象によって、遺伝子発現(
例えば、DNA転写、およびメッセンジャーRNA(mRNA)の翻訳)が、さまざまなレ
ベルで調節される。
【0026】 DNAの転写は、RNAポリメラーゼを結合させ、それによってmRNA合成を促進させ
るDNA配列であるプロモーターの存在に依存している。真核生物のプロモーター のDNA配列は、原核生物のプロモーターのDNA配列とは異なっている。さらに、真
核生物のプロモーターと、それにともなう遺伝子シグナルは、原核生物システム
の中では認識されないか、機能しない可能性がある。そして、さらに、原核生物
のプロモーターは、真核生物の細胞の中では認識もされなければ、機能もしない
【0027】 同様に、原核生物におけるmRNAの翻訳は、真核生物のシグナルとは異なる、原
核生物の適正なシグナルが存在することに依存する。原核生物におけるmRNAの効
率的な翻訳には、mRNA上に、シャイン-ダルガーノ(「SD」)配列と呼ばれるリ ボソーム結合部位が必要である。この配列は、タンパク質のアミノ末端のメチオ
ニンをコードする、通常はAUGの開始コドンの前に存在するmRNAの短いヌクレオ チド配列である。SD配列は、16S rRNA(リボソームRNA)の3'末端に相補的であ り、恐らく、rRNAと二本鎖を形成することによって、リボソームが正しい位置に
なるようにして、mRNAがリボソームに結合するのを促進すると考えられる。遺伝
子発現を最大にすることに関する総説は、参照として本明細書に組み入れられる
、ロバートとロウアー(Robert and Lauer)、Methods in Enzymology, 68:473
(1979)を参照のこと。
【0028】 プロモーターの「強度」(すなわち、転写を促進する能力)はさまざまである
。クローニングされた遺伝子を発現させるために、転写のレベルを高くして、そ
れによって遺伝子発現レベルを上げるためには、強いプロモーターを使用するこ
とが望ましい。使用する宿主細胞システムによって、数ある適当なプロモーター
のいずれか一つを用いることができる。例えば、大腸菌、そのバクテリオファー
ジ、またはプラスミドにクローニングするときには、T7ファージプロモーター、
lacプロモーター、trpプロモーター、recAプロモーター、リボソームRNAプロモ ーター、コリファージラムダのPR、およびPLプロモーター、ならびにその他、la
cUV5、ompF、bla、lppなどを含むが、これらに限定されないプロモーターを用い
て、隣接するDNAセグメントを高レベルで転写させることができる。さらに、雑 種trp-lacUV5(tac)プロモーター、または組換えDNAもしくはその他の合成DNA 技術によって作出された大腸菌プロモーターを用いて、挿入された遺伝子の転写
をもたらすことができる。
【0029】 細菌の宿主細胞菌株と発現ベクターは、特異的な誘導があるまでは、プロモー
ターの作用を阻止するものを選ぶことができる。ある操作においては、挿入され
たDNAの転写を効率的に行うためには、特異的なインデューサーの添加が必要に なる。例えば、lacオペロンは、ラクトースかIPTG(イソプロピルチオ-ベータ-D
-ガラクトシド)を加えることによって誘導される。その他、trp、proなど、さ まざまなオペロンが、異なる調節の下にある。
【0030】 また、原核生物細胞での効率的な遺伝子転写と翻訳には、特異的な開始シグナ
ルも必要とされる。これらの転写および翻訳開始シグナルは、それぞれ、遺伝子
特異的なメッセンジャーRNAと合成されたタンパク質の量で測定される「強度」 がさまざまである。プロモーターを含むDNA発現ベクターは、さまざまな「強い 」転写シグナルおよび/または翻訳開始シグナルを任意に組み合わせたものを含 んでいてもよい。例えば、大腸菌における効率的な翻訳には、リボソーム結合部
位を提供するために、開始コドン(「ATG」)から約7〜9塩基5'側にあるSD配列 が必要である。したがって、宿主細胞のリボソームによって利用できる、いかな
るSD-ATGの組み合わせも用いることができる。このような組合せには、コリファ
ージラムダのcro遺伝子もしくはN遺伝子由来のSD-ATGの組合せ、または大腸菌の
トリプトファンE、D、C、B、もしくはA遺伝子由来のSD-ATGの組合せが含まれる が、これらに限定されない。さらに、組換えDNAまたは合成ヌクレオチドの組み 込みを含むその他の技術によって作出されたSD-ATGの組合せを用いることもでき
る。
【0031】 過敏感反応エリシターポリペプチドまたはタンパク質をコードする単離DNA分 子が、発現系にクローニングされたら、宿主細胞の中に取り込ませる準備ができ
たことになる。この取り込みは、ベクター/宿主細胞システムに応じて、上記し たさまざまな形質転換の形で行うことができる。適当な宿主細胞には、細菌、ウ
イルス、酵母、哺乳動物細胞、昆虫、植物などが含まれるが、これらに限定され
ない。
【0032】 本発明は、植物に病気抵抗性を付与し、植物の生育を強化し、および/または
植物のための昆虫の防除に作用する方法に関する。これらの方法は、非感染型の
過敏感反応エリシターポリペプチドまたはタンパク質を、植物または植物種子の
全体または一部に、ポリペプチドまたはタンパク質が植物の全体もしくは一部ま
たは植物種子の細胞と接触するような条件下で適用する。あるいは、過敏感反応
エリシタータンパク質またはポリペプチドは、このような植物自身から回収され
た種子が植物に病気抵抗性を付与し、植物の生育を強化し、および/または昆虫
の防除に作用するように、植物に適用することができる。
【0033】 植物に病気抵抗性を付与し、植物の生育を強化し、および/または植物または
種子から生育した植物上で昆虫を防除するために過敏感反応エリシターポリペプ
チドまたはタンパク質を植物または植物種子に適用する代わりに、トランスジェ
ニック植物又は植物種子を利用することができる。トランスジェニック植物を利
用する場合は、これは過敏感反応エリシターポリペプチドまたはタンパク質をコ
ードしているDNAで形質転換されたトランスジェニック植物を提供すること、お よび病気抵抗性を植物に付与し、植物の生育を強化し、および/または昆虫を防
除するのに有効な条件下で植物を生育することに関連している。または、過敏感
反応エリシターポリペプチドまたはタンパク質をコードしているDNA分子で形質 転換されたトランスジェニック植物種子を提供または土壌中に植えることができ
る。その後植物は、植物に病気抵抗性を付与し、植物の生育を強化し、および/
または昆虫を防除するのに有効な条件下で繁殖される。
【0034】 本発明の過敏感反応エリシターポリペプチドまたはタンパク質が植物または植
物種子に適用されるような態様は、いくつかの方法で行うことができ、これは以
下を含んでいる:1)単離されたエリシターポリペプチドまたはタンパク質の適用
;2)病気を引き起こさず、かつ過敏感反応エリシターポリペプチドまたはタンパ
ク質をコードしている遺伝子により形質転換された細菌の適用;および、3)一部
の植物種において病気を引き起こし(しかし適用された植物においては引き起こ
さない)、かつ天然に過敏感反応エリシターポリペプチドまたはタンパク質をコ
ードしている遺伝子を含んでいる細菌の適用。
【0035】 本発明のある態様において、本発明の過敏感反応エリシターポリペプチドまた
はタンパク質は、その細菌の供給源から単離することができる。
【0036】 本発明の別の態様において、本発明の過敏感反応エリシターポリペプチドまた
はタンパク質は、過敏感反応エリシターポリペプチドまたはタンパク質をコード
している遺伝子を含む細菌を適用することによって、植物または植物種子に適用
することができる。このような細菌は、該エリシターが植物または植物種子細胞
に接触することができるようなポリペプチドまたはタンパク質を分泌もしくは作
成することが可能でなければならない。これらの態様において、過敏感反応エリ
シターポリペプチドまたはタンパク質は、植物内(in planta)もしくは種子上の 細菌によって、または植物もしくは植物種子への細菌の導入直前に産生される。
【0037】 本発明の細菌適用法のある態様において、細菌は病気を引き起こさず、かつ過
敏感反応エリシターポリペプチドまたはタンパク質をコードしている遺伝子によ
り(例えば組換えにより)形質転換されている。例えば植物において過敏感反応
を誘起しないE.coliは、過敏感反応エリシターポリペプチドまたはタンパク質を
コードしている遺伝子により形質転換することができ、その後植物に適用される
。大腸菌以外の細菌種も、本発明のこの態様において使用することができる。
【0038】 本発明の細菌適用法の別の態様において、細菌は病気を引き起こし、かつ天然
に過敏感反応エリシターポリペプチドまたはタンパク質をコードしている遺伝子
を含む。このような細菌の例は、前述のものである。しかしこの態様においては
、これらの細菌は、細菌によって運ばれた病気に対し罹病性でない植物またはそ
れらの種子に適用される。
【0039】 本発明の方法を使用して、病気の抵抗性を付与する、生長を増強させる、およ
び/または昆虫を防除するために、さまざまな植物またはそれらの種子を処理す
ることができる。適当な植物には、双子葉類と単子葉類が含まれる。より具体的
には、有用な作物植物として、アルファルファ、イネ、コムギ、オオムギ、ライ
ムギ、ワタ、ヒマワリ、ラッカセイ、トウモロコシ、ジャガイモ、サツマイモ、
マメ、エンドウ、チコリ、レタス、エンダイブ、キャベツ、芽キャベツ、ビート
、パースニップ、カブ、カリフラワー、ブロッコリー、ラディッシュ、ホウレン
ソウ、タマネギ、ニンニク、ナス、コショウ、セロリ、ニンジン、カボチャ属、
カボチャ、ズッキーニ、キュウリ、リンゴ、ナシ、メロン、柑橘類、イチゴ、ブ
ドウ、ラズベリー、パイナップル、ダイズ、タバコ、トマト、ソルガム、および
サトウキビが含まれる。適当な観賞用植物の例は、シロイヌナズナ(Arabidopsi
s thaliana)、セントポーリア、ペチュニア、ペラルゴニューム、ポインセチア
、キク、カーネーション、およびジニアである。
【0040】 病気抵抗性を付与する本発明の過敏感反応エリシタータンパク質またはポリペ
プチドの使用に関して、感染に対する絶対免疫は授けることができないが、この
病気に対する感受性は低下させられ、かつ徴候発現が遅延される。病巣数、病巣
の大きさ、および真菌病原体の胞芽形成の程度は全て減少される。この病気抵抗
性を付与する方法は、これまで治療することができなかった病気を治療し、費用
の点から個別に治療されなかった全身性病気を治療し、感染性薬剤および環境に
有害な物質の使用を回避する可能性がある。
【0041】 本発明に従って植物に病原体抵抗性を付与する方法は、ウイルス、細菌および
真菌を含む広範な多様な病原体に対する抵抗性を付与するのに有用である。特に
下記のウイルスに対する抵抗性は、本発明の方法によって達成することができる
:タバコモザイクウイルスおよびトマトモザイクウイルス。特に下記の細菌に対
する抵抗性も、本発明に従って植物に付与することができる:シュードモナス・
ソランセアラム、シュードモナス・シリンガエ病原型タバシ(tabaci)、およびキ
サンタモナス・カンペストリス病原型ペラルゴニ(Xanthamonas campestris pv.
pelargoni)。本発明の方法を使用することにより特に下記の真菌に対して植物を
抵抗性にすることができる:フサリウム・オキシプラム(Fusarium axysporum)お
よびフィトフソラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)。
【0042】 植物の生育を強化するための本発明の過敏感反応エリシタータンパク質または
ポリペプチドの使用に関して、様々な形の植物の生育強化または促進を行うこと
ができる。これは、植物の生育が種子から始まる場合はできるだけ早く、もしく
は植物生活環のより後期において引き起こすことができる。例えば、本発明の植
物の生育は、増量した収穫高、産生された種子量の増大、種子の発芽率の上昇、
植物丈の伸張、より大きい有機物量(biomass)、より多くかつ大きい果実、より 早期の果実の色付き、ならびにより早い果実および植物の成熟を含んでいる。結
果的には、本発明は、栽培者に著しい経済的利益をもたらす。例えば早期の発芽
および早い成熟は、生育期が短くその地域での生育が妨げられるような地域で作
物が生育できるようにする。種子の発芽率の上昇は、結果的に作物の株立本数(s
tand)を改善し、より効果的な種子の使用ができる。より多い収穫量、丈の伸張 および増強された有機物量生成は、所定の土地区画からのより多い収益形成を可
能にする。
【0043】 本発明の別の局面は、何らかの形で、植物のために昆虫防除を行うことに関す
る。例えば、本発明に従った昆虫防除には、過敏感反応エリシターが適用されて
いる植物には昆虫が接触できなくなるようにすること、食害によって植物が直接
的な虫害を受けるのを阻止すること、このような植物から昆虫が離れていくよう
にさせること、このような植物のすぐ近くにいる昆虫を殺すこと、昆虫の幼虫が
このような植物を餌にするのを阻止すること、昆虫が宿主植物上でコロニーを形
成するのを阻止すること、コロニーを形成した昆虫がフィトトキシンを放出する
のを阻止することなどが含まれる。本発明は、昆虫の感染から、その後に生じる
植物の病害も防止する。
【0044】 本発明は、広範な種類の昆虫に対して有効である。アワノメイガ(European Co
rn Borer)は、トウモロコシ(デントコーンおよびスイートコーン)の主要害虫 であるだけでなく、グリーンビーン、ワックスビーン(wax bean)、ライビーン、
食用ダイズ、コショウ、ジャガイモ、およびトマト、更に多くの草本種を含む20
0を超える植物種を餌にする。さまざまな野菜に損傷を与える別の食害虫の幼虫 は以下を含む:ビートアーミーワーム(beat armyworm)、キャベツルーパ(cabbag
e looper)、コーンイヤーワーム(corn earworm)、フォールアーミーワーム(fall
armyworm)、ダイヤモンドバックモス(diamondback moth)、キャベツルートマゴ
ット(cabbage root maggot)、オニオンマゴット(onion maggot)、シードコーン マゴット(seed corn maggot)、ピックルワーム(pickleworm)(メロンワーム(mel
oneworm))、ペッパーマゴット(pepper maggot)、およびトマトピンワーム(toma
te pinworm)。この昆虫のグループは、集合的に、世界中の野菜の生産にとって 経済的に最も重要な害虫グループである。
【0045】 過敏感反応エリシターポリペプチドまたはタンパク質の適用に関する本発明の
方法は、葉、茎、根、栄養分体(例えば挿し木)、その他を含む、植物の全身ま
たは一部を処理するときに、さまざまな手順によって実施することができる。こ
れには、過敏感反応エリシターポリペプチドまたはタンパク質を植物の中に浸潤
させることが含まれていてもよい(しかしその必要はない)。適切な適用法には
、高圧または低圧の噴霧、ならびに注入、およびエリシターを適用する直前に葉
の表皮を剥脱することなどの局所適用が含まれる。本発明の応用の態様に従って
植物種子を処理する場合は、低圧または高圧の噴霧、コーティング、または浸漬
、ならびに注入などの局所的処理によって、過敏感反応エリシタータンパク質ま
たはポリペプチドを適用することができる。過敏感反応エリシターポリペプチド
またはタンパク質を植物または植物種子の細胞に接触させることができるように
する、他の適当な適用手順を、当業者が考案することも可能である。本発明の過
敏感反応エリシターで処理したら、植物を生産するための常法を用いて、種子を
天然または人工の土に植えて栽培できる。本発明に従って処理した種子から植物
体を繁殖させた後、植物体に病気抵抗性を付与し、植物の生育を強化し、および
/または植物体上の昆虫を防除するために、過敏感反応エリシターポリペプチド
またはタンパク質で植物体を1回以上処理することができる。
【0046】 過敏感反応エリシターポリペプチドまたはタンパク質は、単独で、または他の
材料と混ぜて、本発明に従って、植物または植物種子に適用することができる。
または、過敏感反応エリシターポリペプチドまたはタンパク質は、異なった時機
に適用される別の材料とは別に植物へ適用することができる。
【0047】 本発明の応用態様に従って植物または植物種子を処理するのに適した組成物は
、担体の中にか敏感反応エリシターポリペプチドまたはタンパク質を含んでいる
。適当な担体としては、水、水溶液、スラリー、または乾燥粉末などがある。本
態様において、この組成物は、500nMよりも多い過敏感反応エリシターポリペプ チドまたはタンパク質を含む。
【0048】 必要ではないが、この組成物は、肥料、殺虫剤、殺真菌剤、殺線虫剤、および
これらの混合物など、更に別の添加剤を含むことができる。適当な肥料としては
、(NH4)2NO3などがある。適当な殺虫剤の例はマラチオン(Malathion)である。有
用な殺真菌剤としては、キャプタン(Captan)などがある。
【0049】 この他の適当な添加剤には、緩衝剤、湿潤剤、被覆剤、および摩砕剤などがあ
る。これらの素材を用いて、本発明の処理を容易にすることができる。さらに、
過敏感反応エリシターポリペプチドまたはタンパク質は、粘土および多糖類など
、他の従来からある種子用調合剤および処理剤とともに植物種子へ適用すること
ができる。
【0050】 トランスジェニック植物およびトランスジェニック種子を使用することを含む
本発明の代替的態様において、過敏感反応エリシターポリペプチドまたはタンパ
ク質を植物または種子に局所的に用いる必要はない。その代わりに、過敏感反応
エリシターポリペプチドまたはタンパク質をコードしているDNA分子で形質転換 されたトランスジェニック植物を、当該技術分野において周知の処理法に従って
作出する。
【0051】 組換えDNAを機械的に移すために、前述のベクターを植物細胞にマイクロピペ ットを用いて直接微量注入することができる(本明細書に参照として組入れられ
ているCrossway、Mol. Gen. Genetics.、202:179-85(1985))。遺伝的材料は、 ポリエチレングリコールを用いて、植物細胞へ移すこともできる(本明細書に参
照として組入れられているKrensら、Nature、296:72-74(1982))。
【0052】 病原菌に抵抗性を持つ遺伝子で植物細胞を形質転換する別の方法は、宿主細胞
のパーティクルガン法(バイオリスティック形質転換としても公知)である。こ
れは、いくつかの方法のひとつで達成することができる。第一の方法は、細胞へ
の不活性または生物学的に活性の粒子の打ち込みに関する。この技術は、米国特
許第4,945,050号、第5,036,006号および第5,100,792号に開示されているが、こ れらは全てStanfordらの特許であり、本明細書に参照として組入れられている。
一般に、この手順は、細胞外面を透過し、かつ細胞内に組込まれるのに有効な条
件下で、細胞で不活性または生物学的に活性の粒子を打ち込むことに関する。不
活性粒子を利用する場合は、粒子を異種DNAを含むベクターでコーティングする ことにより、ベクターを細胞内へ導入することができる。あるいは、標的細胞を
、ベクターで取り囲み、その結果ベクターが粒子の後を追って細胞へと運ばれる
ようにすることができる。生物学的に活性のある粒子(例えばベクターと異種DN
Aを含む乾燥した細菌細胞)も植物細胞に打ち込むことができる。
【0053】 更に別の導入法は、プロトプラストの、他の実体(entity)、ミニ細胞、細胞、
リソソームまたは他の融合可能な脂質表面を持つ本体のいずれかとの融合である
(本明細書に参照として組入れられているFraleyら、Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA、79:1859-63(1982))。
【0054】 DNA分子は更に、電気穿孔により植物細胞へ導入することができる(本明細書 に参照として組入れられているFrommら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、82:5824
(1985))。この技術において、植物のプロトプラストは、発現カセットを有する
プラスミドの存在下で、電気穿孔される。高い電場強度の電気パルスは、プラス
ミドを導入できるように生体膜を可逆的に透過する。電気穿孔された植物のプロ
トプラストは、細胞壁を再構築し、分割され、かつ再生される。
【0055】 植物細胞にDNA分子を導入する別の方法は、あらかじめ該遺伝子で形質転換さ れたアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)また はA.リゾゲネス(A. rhizogenes)による植物細胞の感染である。当該技術分野に おいて公知の適切な条件下で、形質転換された植物細胞は増殖し、徒長枝または
根を形成し、更に植物体へと成長する。一般にこの方法は、細菌浮遊液による植
物組織の接種、および組織の抗生物質を含まない再生培地上の25〜28℃での48〜
72時間の培養に関連している。
【0056】 アグロバクテリウムは、リゾビアセアエ科のグラム陰性菌の代表的種である。
この種は、クラウンゴール(A.ツメファシエンス)および毛根の病気(A.リゾゲ
ネス)に寄与している。クラウンゴール腫瘍や毛根中の植物細胞は、細菌によっ
てのみ異化されるオパインとして公知のアミノ酸誘導体の生成が誘導される。オ
パインの発現に寄与している細菌遺伝子は、キメラ発現カセットの調節エレメン
トの都合の良い供給源である。これに加えて、オパインの存在をアッセイして、
形質転換された組織を同定することができる。
【0057】 A.ツメファシエンスのTiプラスミドまたはA.リゾゲネスのRiプラスミドにより
、異種遺伝子配列を、適当な植物細胞に導入することができる。TiおよびRiプラ
スミドは、アグロバクテリウムに感染時に植物細胞に伝達され、植物ゲノムに安
定して導入される。本明細書に参照として組入れられているシェル(J.Schell)
、Science、237:1176-83(1987)。
【0058】 形質転換後、形質転換された細胞は再生されなければならない。
【0059】 培養したプロトプラストからの植物の再生は、エバンス(Evans)らの論文、 植物細胞培養ハンドブック(Handbook of Plant Cell Cultures 、第1巻:マクミ
ラン出版社、ニューヨーク、1983年);およびバシル(Vasil I.R.)編集の植物 細胞培養および植物体細胞遺伝学Cell Culture and Somatic Cell Genetics of Plants 、アカデミックプレス社、オーランド、第1巻、1984年、および第3巻、19
86年)に記載されており、これらは本明細書に参照として組入れられている。
【0060】 特にサトウキビ、テンサイ、ワタ、果樹、およびマメの全ての主要な種を含む
が、これに限定されるものではない、あらゆる植物が、培養された細胞または組
織から再生できることが公知である。
【0061】 再生手段は、植物種毎に異なるが、一般に形質転換されたプロトプラストの浮
遊液または形質転換された外植片(explant)を含むペトリ皿が最初に提供される 。カルス組織が形成され、かつこのカルスから徒長枝が誘導され、次に根が生え
る。あるいは、胚の形成が、カルス組織において誘導される。これらの胚は天然
の胚のように発芽し、植物体を形成する。培地は一般に、オーキシンやサイトカ
インのような様々なアミノ酸およびホルモンを含むであろう。培地へのグルタミ
ン酸やプロリンの添加も、特にトウモロコシやアルファルファのような種におい
ては利点である。効率的再生は、培地、遺伝子型、および培養歴によって左右さ
れるであろう。これら3種の変数が制御できる場合は、従って再生は通常再現可 能かつ反復可能なものである。
【0062】 発現カセットがトランスジェニック植物に安定導入された後、有性交配により
他の植物体へ転移することができる。多くの標準的繁殖技術のいずれかを、交配
される種に応じて使用することができる。
【0063】 一旦この種のトランスジェニック植物が作出されると、植物体それ自身を常法
に従い、過敏感反応エリシターをコードしている遺伝子の存在下で、栽培するこ
とができ、その結果病気抵抗性を付与し、植物の生育を強化し、および/または
植物上で昆虫を防除することができる。あるいは、トランスジェニック種子が、
トランスジェニック植物から回収される。これらの種子は次に土壌に植え、常法
により栽培し、トランスジェニック植物を作出することができる。このトランス
ジェニック植物は、植えられたトランスジェニック種子から、植物体に病気抵抗
性を付与し、植物の生育を強化し、および/または昆虫を防除するような条件下
で繁殖される。理論的裏付けを意図するものではないが、このような病気抵抗性
、生育の強化および/または昆虫防除は、RNA媒介型であるか、もしくは、エリ シターポリペプチドまたはタンパク質の発現の結果であることができる。
【0064】 本発明にしたがってトランスジェニック植物および植物種子を用いるとき、過
敏感反応エリシターポリペプチドまたはタンパク質を適用した植物または種子を
処理するために用いた材料と同じもので、さらに、それらを処理することができ
る。これら、過敏感反応エリシターを含む他の材料を、高圧または低圧の噴霧、
注入、被覆、および浸漬を含む上記の処理法によって、トランスジェニック植物
または植物種子に適用することができる。同様に、トランスジェニック種子から
植物体を繁殖させた後、病気への抵抗性を付与するため、生長を増強させるため
、および/または昆虫を防除するために、過敏感反応エリシターを1回以上適用 して植物を処理することができる。従来からある植物処理剤(例えば、殺虫剤、
肥料など)で、これらの植物を処理することもできる。
【0065】 本発明は例証することを目的として詳細に説明してきたが、このような詳細は
その目的のためのみであり、添付された請求の範囲によって限定された本発明の
精神および範囲を逸脱しない限りは、当業者によって変更することができると理
解される。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年3月3日(2000.3.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】詳細な説明 本発明は、植物における病気抵抗性、生育強化および昆虫防除のための、クラ
ビバクター(Clavivacter)のようなグラム陽性菌、特にクラビバクター・ミシガ ネンシス亜種セペドニカス(Clavibacter michiganensis subsp. sepedonicus)由
来の過敏感反応エリシタータンパク質またはポリペプチドの使用に関する。この
過敏感反応エリシタータンパク質またはポリペプチドは、Nissinenらの論文「ク
ラビバクター・ミシガネンシス亜種セペドニカス(Clavibacter michiganensis s
ubsp. sepedonicus)はタバコにおいて過敏感反応を誘発し、かつ過敏感反応を誘
発するタンパク質(複数)を分泌する」(Phytopathology、678-84頁、1997年)
において説明され、かつこれに従って単離されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】 この過敏感反応エリシタータンパク質またはポリペプチドをコードしている遺
伝子は、当技術分野において周知の方法で得ることができる。このタンパク質は
、クロマトグラフィーまたは電気泳動のような常法により精製することができる
。タンパク質のアミノ末端配列が決定され、かつクローンライブラリーをスクリ
ーニングするためのプローブとして標識され使用される縮重オリゴヌクレオチド
を設計するために使用される。Sambrookら「分子クローニング:実験マニュアル
(Molecular Cloning : A Laboratory Manual)」(コールドスプリングハーバー
プレス、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク、1989年)。プラスミドDN
Aは、アミノ末端プローブにハイブリダズするクローンから単離され、配列が決 定されている。DNA分子配列は、化学的方法(Maxamら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 、74:560(1977))または酵素的方法(Sangerら、Proc. Natl. Acad. Sci. U SA 、74:5463(1977))のいずれかを使用して決定することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】 コーエンとボイヤー(Cohen and Boyer)に付与された米国特許第4,237,224号
は、制限酵素切断、およびDNAリガーゼによるライゲーションを用いて、組換え プラスミドという形での発現システムの作成を記載している。そして、これらの
組換えプラスミドを、形質転換という方法で導入し、原核生物、および組織培養
で増殖させた真核生物細胞などの単細胞培養で複製させる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】 適当なベクターには、以下のウイルスベクターが含まれるが、これらに限定さ
れない。すなわち、gt11、gt WES.tB、Charon 4などのラムダベクターシステム 、また、pBR322、pBR325、pACYC177、pACYC1084、pUC8、pUC9、pUC18、pUC19、p
LG339、pR290、pKC37、pKC101、SV40、pBluescript II SK+/- またはKS +/- ( カリフォルニア州ラホヤ(La Jolla)にあるストラタジーン社(Stratagene)の
「ストラタジーンクローニングシステム(Stratagene Cloning Systems)」カ タログ(1993)参照)、pQE、pIH821、pGEX、pETシリーズ(F. W. Studierら、 「クローニングした遺伝子を発現させるためのT7RNAポリメラーゼの使用(Use o
f T7 RNA Polymerase to Direct Expression of Cloned Genes)」、Gene Expre
ssion Technology vol. 185 (1990)を参照のこと)などのプラスミドベクター、
および、これらから派生したもの。組換え分子は、形質転換、特に、形質導入、
接合、可動化、またはエレクトロポレーションによって、細胞の中に導入できる
。サムブルック(Sambrook)ら、(分子クローニング:実験マニュアル(Molecu
lar Cloning. A Laboratory Manual)、Cold Springs Laboratory, Cold Spring
Harbor, NY (1989))によって説明されているような、当技術分野において標 準的なクローニング技術を用いて、DNA配列をベクターの中にクローニングする 。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】 同様に、原核生物におけるmRNAの翻訳は、真核生物のシグナルとは異なる、原
核生物の適正なシグナルが存在することに依存する。原核生物におけるmRNAの効
率的な翻訳には、mRNA上に、シャイン-ダルガーノ(「SD」)配列と呼ばれるリ ボソーム結合部位が必要である。この配列は、タンパク質のアミノ末端のメチオ
ニンをコードする、通常はAUGの開始コドンの前に存在するmRNAの短いヌクレオ チド配列である。SD配列は、16S rRNA(リボソームRNA)の3'末端に相補的であ り、恐らく、rRNAと二本鎖を形成することによって、リボソームが正しい位置に
なるようにして、mRNAがリボソームに結合するのを促進すると考えられる。遺伝
子発現を最大にすることに関する総説は、ロバートとロウアー(Robert and Lau
er)、Methods in Enzymology, 68:473 (1979)を参照のこと。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】 組換えDNAを機械的に移すために、前述のベクターを植物細胞にマイクロピペ ットを用いて直接微量注入することができる(Crosswayの論文、Mol. Gen. Gene tics. 、202:179-85(1985))。遺伝的材料は、ポリエチレングリコールを用いて 、植物細胞へ移すこともできる(Krensらの論文、Nature、296:72-74(1982))。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】 病原菌に抵抗性を持つ遺伝子で植物細胞を形質転換する別の方法は、宿主細胞
のパーティクルガン法(バイオリスティック形質転換としても公知)である。こ
れは、いくつかの方法のひとつで達成することができる。第一の方法は、細胞へ
の不活性または生物学的に活性の粒子の打ち込みに関する。この技術は、米国特
許第4,945,050号、第5,036,006号および第5,100,792号に開示されているが、こ れらは全てStanfordらの特許である。一般に、この手順は、細胞外面を透過し、
かつ細胞内に組込まれるのに有効な条件下で、細胞で不活性または生物学的に活
性の粒子を打ち込むことに関する。不活性粒子を利用する場合は、粒子を異種DN
Aを含むベクターでコーティングすることにより、ベクターを細胞内へ導入する ことができる。あるいは、標的細胞を、ベクターで取り囲み、その結果ベクター
が粒子の後を追って細胞へと運ばれるようにすることができる。生物学的に活性
のある粒子(例えばベクターと異種DNAを含む乾燥した細菌細胞)も植物細胞に 打ち込むことができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】 更に別の導入法は、プロトプラストの、他の実体(entity)、ミニ細胞、細胞、
リソソームまたは他の融合可能な脂質表面を持つ本体のいずれかとの融合である
(Fraleyら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、79:1859-63(1982))。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】 DNA分子は更に、電気穿孔により植物細胞へ導入することができる(Frommら、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA、82:5824(1985))。この技術において、植物のプ ロトプラストは、発現カセットを有するプラスミドの存在下で、電気穿孔される
。高い電場強度の電気パルスは、プラスミドを導入できるように生体膜を可逆的
に透過する。電気穿孔された植物のプロトプラストは、細胞壁を再構築し、分割
され、かつ再生される。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】 A.ツメファシエンスのTiプラスミドまたはA.リゾゲネスのRiプラスミドにより
、異種遺伝子配列を、適当な植物細胞に導入することができる。TiおよびRiプラ
スミドは、アグロバクテリウムに感染時に植物細胞に伝達され、植物ゲノムに安
定して導入される。シェル(J.Schell)、Science、237:1176-83(1987)。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正内容】
【0059】 培養したプロトプラストからの植物の再生は、エバンス(Evans)らの論文、 植物細胞培養ハンドブック(Handbook of Plant Cell Cultures 、第1巻:マクミ
ラン出版社、ニューヨーク、1983年);およびバシル(Vasil I.R.)編集の植物 細胞培養および植物体細胞遺伝学Cell Culture and Somatic Cell Genetics of Plants 、アカデミックプレス社、オーランド、第1巻、1984年、および第3巻、19
86年)に記載されている。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】削除
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V N,YU,ZW (72)発明者 ビアー スティーヴン ヴイ. アメリカ合衆国 ニューヨーク州 イサカ ハドソン ストリート 211 (72)発明者 バトラー ジェリー エル. アメリカ合衆国 ワシントン州 ウディン ビル 176ス アベニュー エヌ.イー. 15100 Fターム(参考) 4H011 AA05 AB03 AC06 BB19 BB21 DD03 DH11

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グラム陽性菌由来の非感染型過敏感反応エリシタータンパク
    質またはポリペプチドを、該タンパク質またはポリペプチドが植物体の細胞また
    は植物種子の細胞に接触し病気抵抗性を付与するような条件下で、植物体または
    植物種子に適用する段階を含む、植物に病気抵抗性を付与する方法。
  2. 【請求項2】 植物が適用時に処理される、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 植物種子が適用時に処理される請求項1記載の方法であって
    、天然または人工の土壌において過敏感反応エリシターで処理された種子を播種
    する段階、および土壌に播種された種子から植物体を繁殖させる段階をさらに含
    む方法。
  4. 【請求項4】 グラム陽性菌がクラビバクター(Clavibacter)である、請求 項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 クラビバクター(Clavibacter)がクラビバクター・ミシガネ ンシス亜種セペドニカス(Clavibacter michiganensis subsp. sepedonicus)であ
    る、請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 グラム陽性菌由来の非感染型過敏感反応エリシタータンパク
    質またはポリペプチドを、該タンパク質またはポリペプチドが植物体の細胞また
    は植物種子の細胞に接触し植物の生育を強化するような条件下で、植物体または
    植物種子に適用する段階を含む、植物の生育を強化する方法。
  7. 【請求項7】 植物が適用時に処理される、請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 植物種子が適用時に処理される請求項6記載の方法であって
    、過敏感反応エリシターで処理された種子を天然または人工の土壌に播種する段
    階、および土壌に播種された種子から植物体を繁殖させる段階をさらに含む方法。
  9. 【請求項9】 グラム陽性菌がクラビバクター(Clavibacter)である、請求 項6記載の方法。
  10. 【請求項10】 クラビバクター(Clavibacter)がクラビバクター・ミシガ ネンシス亜種セペドニカス(Clavibacter michiganensis subsp. sepedonicus)で
    ある、請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 グラム陽性菌由来の非感染型過敏感反応エリシタータンパ
    ク質またはポリペプチドを、該タンパク質またはポリペプチドが植物体の細胞ま
    たは植物種子の細胞に接触し昆虫を防除するような条件下で、植物体または植物
    種子に適用する段階を含む、植物体の昆虫を防除する方法。
  12. 【請求項12】 植物が適用時に処理される、請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 植物種子が適用時に処理される請求項11記載の方法であ
    って、過敏感反応エリシターで処理された植物種子を天然または人工の土壌に播
    種する段階、および土壌に播種された種子から植物体を繁殖させる段階をさらに
    含む方法。
  14. 【請求項14】 グラム陽性菌がクラビバクター(Clavibacter)である、請 求項11記載の方法。
  15. 【請求項15】 クラビバクター(Clavibacter)がクラビバクター・ミシガ ネンシス亜種セペドニカス(Clavibacter michiganensis subsp. sepedonicus)で
    ある、請求項14記載の方法。
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