JP2001512327A - ホスホジェステラーゼ8a - Google Patents

ホスホジェステラーゼ8a

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JP2001512327A JP52275099A JP52275099A JP2001512327A JP 2001512327 A JP2001512327 A JP 2001512327A JP 52275099 A JP52275099 A JP 52275099A JP 52275099 A JP52275099 A JP 52275099A JP 2001512327 A JP2001512327 A JP 2001512327A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒトPDE8ポリペプチド、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、当該ポリヌクレオチドを含む発現構築体、当該発現構築体で形質転換された宿主細胞、PDE8ポリペプチドを製造するための方法、アンチセンスポリヌクレオチド、PDE8ポリペプチドと特異的な免疫反応性を有する抗体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 ホスホジエステラーゼ8A 本願出願は、1997年10月16日に出願され現在係属中の米国特許出願第08/951,6 46号の一部継続出願である。 発明の技術分野 本発明は、一般にPDE8Aと命名されたホスホジエステラーゼのファミリー及び その使用に関する。 発明の背景 ホスホジエステラーゼ(PDE)は、3',5'環状ヌクレオチドをそれに対応する5' モノホスフェートに加水分解する。環状ヌクレオチドのcAMP及びcGMPはそれぞれ 、アデニリル及びグアニリルシクラーゼによって合成され、そして数多くの細胞 シグナル伝達経路における第2メッセンジャーとして働く。第2メッセンジャー の持続時間及び強度は環状ヌクレオチドの合成速度及び加水分解速度の関数であ る。 PDEのファミリーが複数同定されている。命名のシステムには先ず、PDEファミ リーを示す数が含まれる。今日までに、7つのファミリー(PDE1〜7)が知られ ており、これらは(i)一次構造;(ii)基質選択性;(iii)異なるモジュレーターに 対する応答;(iv)特異的インヒビターに対する感受性;及び(v)調節の態様によ って分類される[Loughney及びFerguson、Phosphodiesterase Inhibitors、Schu dtら(編集)Academic Press、ニューヨーク、ニューヨーク(1996)、1〜99頁] 。ファミリーを示す数の後ろには、大文字が続き、これは異なる遺伝子を示して おり、そ の大文字の後ろに第2の数字が続き、これは特異的なスプライス変異体または独 特の転写開始部位を利用する特異的な転写物を示している。 今日までに同定された哺乳動物のすべてのPDEのアミノ酸配列には、タンパク 質のカルボキシ末端半分に位置するおよそ270アミノ酸の高度に保存された領域 が含まれている[Charbonneauら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)83巻、9308〜9312 頁(1986)]。保存されたドメインには、cAMP及び/またはcGMP加水分解に対する 触媒活性部位と、2つの亜鉛結合部位と推定される部位と、さらにファミリーに 特異的な決定子が含まれる[Beavo、Physiol.Rev.75巻、725〜748頁(1995);F rancisら、J.Biol.Chem.269巻、22477〜22480頁(1994)]。様々なPDEのアミノ 末端領域は、非常に多様であり、(i)カルモジュリン結合部位(PDE1):(ii)非 触媒性環状GMP結合部位(PDE2、PDE5、PDE6);(iii)膜標的部位(PDE4);(iv) 疎水性膜会合部位(PDE3);及び(v)カルモジュリン依存性キナーゼII(PDE1) 、cAMP依存性キナーゼ(PDE1、PDE3、PDE4)またはcGMP依存性キナーゼ(PDE5) のいずれかに対するリン酸化部位などといった他のファミリーに特異的な決定子 を含んでいる[Beavo、Physiol.Rev.75巻、725〜748頁(1995);Manganiello、 Arch.Biochem.Acta 322巻、1〜13頁(1995);Contiら、Physiol.Rev.75巻、723 〜748頁(1995)]。 PDE1ファミリーのメンバーは、カルシウム−カルモジュリンによって活性化さ れる。3つの遺伝子が同定されており、PDE1A及びPDE1Bは主としてcGMPを加水分 解し、そしてPDE1CはcAMP及びcGMPの双方に対して高い親和性を呈することが示 されている。PDE2ファミリーは、cGMPによって特異的に刺激されるものとして特 徴付けられる[Loughney及びFerguson、前出]。PDE2Aと いう遺伝子が1つだけ同定されており、その酵素産物はエリスロ-9-(2-ヒドロキ シ-3-ノニル)アデニン(EHNA)により特異的に阻害される。PDE3ファミリーに属 する酵素はcGMPによって特異的に阻害される。PDE3A及びPDE3Bの2つの遺伝子が 知られており、双方ともcAMP及びcGMPに対して高い親和性を有しているが、cGMP 加水分解に対するVmaxは十分に低いのでcGMPはcAMPに対する競合的インヒビター として機能する。PDE3酵素は、ミルリノンによって特異的に阻害される[Loughn ey及びFerguson、前出]。PDE4ファミリーはcAMP加水分解の働きをし、これには PDE4A、PDE4B、PDE4C及びPDE4Dの4つの遺伝子が含まれ、各々が複数のスプライ ス変異体を有している。このファミリーのメンバーは、抗うつ剤のロリプラムに よって特異的に阻害される。PDE5ファミリーのメンバーは非触媒性部位にてcGMP に結合し、そしてcGMPを優先的に加水分解する。PDE5Aという遺伝子1つだけが 同定されている。光受容体PDE6酵素はcGMPを特異的に加水分解する[Loughney及 びFerguson、前出]。遺伝子には、PDE6A及びPDE6B(そのタンパク質産物は二量 体化して、もっと小さなγ阻害性サブユニットの2つのコピーと結合し、rod PD Eを形成する)、加えてPDE6C(2つの小タンパク質と会合してcone PDEを形成す る)が包含される。PDE7ファミリーはcAMP加水分解の働きをするが、PDE4ファミ リーとは違ってロリプラムによって阻害されない[Loughney及びFerguson、前出 ]。PDE7Aという1つの遺伝子のみが同定されている。 かくして、細胞内第2メッセンジャーシグナル伝達におけるcAMP及びcGMPの重 要性に鑑み、さらなるPDE種を同定することが当該技術分野において希求され続 けている。これまでに知られていなかったPDEのファミリー、その遺伝子及びス プライス変異体の同定によって、環状ヌクレオチド経路が異常になっている 状態や、さらに特定の細胞型におけるcAMP及び/またはcGMPの細胞内レベルのモ ジュレーションが望まれる状態を処置するためのさらなる薬理学的アプローチが 提供されることとなるはずである。 発明の要旨 要約すると、本発明はPDE8と命名された新規PDEファミリーに対するポリペプ チド及びその基礎をなすポリヌクレオチドを提供する。本発明には、天然に生じ ているものと天然に生じていないもの双方の、PDE8ポリヌクレオチド及びそのポ リペプチド産物が包含される。天然に生じているPDE8産物には、PDE8ファミリー の中の別異の遺伝子及びポリペプチド種(すなわち、PDE8A)が包含され、これ らの種には、同じ動物の細胞内に発現されている種や、さらには他の動物の細胞 内に発現されている対応種相同体が包含されている。各PDE8種の中で、本発明は さらに、同じポリヌクレオチドによってコードされているが異なるmRNA転写物よ り生じるスプライス変異体(すなわち、PDE8A1及びPDE8A2)を提供する。天然に 生じていないPDE8産物には、類似体(すなわち、1以上のアミノ酸が付加、置換 、または欠失したもの)などの、天然に生じている産物の変異体や、共有結合修 飾体(すなわち、融合タンパク質、グリコシル化変異体、Met-1PDE8、Met-2-Lys-1 PDE8、Gly-1PDE8等)を包含するPDE8産物が含まれる。PDE8ファミリーはcAMP 及びcGMPの双方の加水分解に対して高い親和性を呈するが他のPDEファミリーに 対して特異的な酵素インヒビターに比較的低い感受性を呈するという点において これまでに知られているPDEファミリーから識別される。好ましい実施態様にお いて、本発明は配列番号:1に示す配列を含むポリヌクレオチドを提供する。本 発明はさらにまた配列番 号:2に示すアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを包含する。現在のと ころ好ましい本発明のポリペプチドは、配列番号:2に示すアミノ酸配列を含む 。本発明はPDE8A1及びPDE8A2と命名された2つのポリペプチドを生じさせる2つ のスプライス変異体cDNAを提供する。PDE8A1及びPDE8A2ポリペプチド、ならびに それらポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、本発明に包含されるPDE8 酵素ファミリーを代表するものとして本明細書に開示する。 本発明は、ヒトPDE8をコードする新規の精製及び単離されたポリヌクレオチド (例えば、DNA配列及びmRNA転写物、双方ともセンス及び相補的アンチセンス鎖 、さらにそれらのスプライス変異体を含む)を提供する。本発明のDNA配列には 、ゲノミック及びcDNA配列のみならず、全体的または部分的に化学合成されたDN A配列が含まれる。本明細書で用いられ当該技術分野において理解される「合成 された」の語は、ポリヌクレオチドを製造するための、酵素的方法に対して純粋 に化学的な方法を称するものである。「全体的に」合成されたDNA配列は従って 、全体に及んで化学的手段により製造されたものであって、そして「部分的に」 合成されたDNAは、得られるDNAの一部分だけが化学的手段によって製造されたも のである。ヒトPDE8ポリペプチドをコードする好ましいDNA配列は、配列番号: 1に示される。さらに好ましいのは、配列番号:2のPDE8ポリペプチドと、配列 番号:6及び4にそれぞれ示されるPDE8A1及びPDE8A2スプライス変異体ポリペプ チドをコードするポリヌクレオチドである。PDE8A1及びPDE8A2をコードする好ま しいポリヌクレオチドは、それぞれ配列番号:5及び3に示されている。本発明 はさらに、ヒトPDE8 DNAの種、好ましくは哺乳動物相同体を包含する。 本発明はまた、配列番号:1、3及び5のポリヌクレオチド の非コード鎖、または相補体と中程度にストリンジェントな条件下でハイブリダ イズするPDE8種をコードするDNA配列も含むものである。 遺伝コードの縮重がなければそれとハイブリダイズするはずであるPDE8Aポリ ペプチドをコードするDNA配列が、本発明によって企図される。中程度のハイブ リダイゼーション条件の例は以下の通りである:3X SSC、0.1%サルコシル、及 び20mMリン酸ナトリウム、pH6.8で65℃にてハイブリダイゼーションを行い、1 %SDSを含む2X SSCで65℃にて洗浄する。当該技術分野にあっては、Ausebelら、 (編)Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons(1994)6.0.3〜6.4. 10頁に記載されるように、温度及び緩衝液、または塩濃度を変更することによっ て同等のストリンジェンシーの条件にできることは理解されるはずである。ハイ ブリダイゼーション条件の改変は、経験的に決定するか、またはプローブのグア ノシン/シトシン(GC)塩基対の長さ及び含有率に基づき正確に算定すること が可能である。Sambrookら(編)、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、C old Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、ニューヨーク(19 89)9.47〜9.51頁に記載される通りに、ハイブリダイゼーション条件を算定でき る。 PDE8配列を組み込んだプラスミド及びウイルスDNAベクターなどの、自己複製 する組換え発現構築体も提供される。PDE8をコードするポリヌクレオチドが、内 在性または外来性発現制御DNA配列及び転写ターミネーターに作動可能に連結さ れた発現構築体も提供される。 本発明のさらなる特徴によれば、本発明のPDE8ポリペプチドの発現を許容する ように、本発明のDNA配列で安定にまたは一過性に形質転換された、原核細胞及 び真核細胞を含む宿主細胞が 提供される。本発明の宿主細胞は、PDE8と特異的な免疫反応性を有する抗体の開 発のための免疫原の貴重な供給元である、本発明の宿主細胞は、PDE8ポリペプチ ドの大量生産のための方法においてきわめて有用なものでもあり、かかる方法で は、細胞が好適な培地中で生育され、そして目的のポリペプチド産物が、細胞か らまたは細胞が生育される培地から、例えばイムノアフィニティー精製によって 単離される。 PDE8 DNA配列の知見により、内在性PDE8の発現を許容または増加させるような 細胞の修飾が可能となる。細胞がより高いレベルでPDE8を発現するよう、異種性 のプロモーターのすべてまたは一部を用いて、天然に生じているPDE8プロモータ ーの全体または一部を置換することによって、PDE8の発現増大をもたらすように 細胞を修飾することができる(例えば、相同組換えによる修飾)。異種性プロモ ーターは、PDE8をコードする配列に作動可能に連結するように挿入される。例え ば、PCT国際公開第WO 94/12650号、PCT国際公開第WO 92/20808号、及びPCT国際 公開第WO 91/09955号パンフレットを参照されたい。本発明はまた、異種性プロ モーターDNAに加えて、増幅可能なマーカーDNA(例えば、ada、dhfr、ならびに 及びカルバミルホスフェートシンターゼ、アスパルテートトランスカルバミラー ゼ、及びジヒドロオロターゼをコードする多機能CAD遺伝子など)及び/または イントロンDNAを、異種性プロモーターDNAと共に挿入してもよい。PDE8コーディ ング配列に連結される場合、標準的な選択方法によるマーカーDNAの増幅の結果 、細胞でのPDE8コーディング配列の共増幅が導かれる。 本発明によって提供されるDNA配列情報はさらに、例えば相同組換えまたは「 ノックアウト」戦略[Capecchi、Science、244巻、1288〜1292頁(1989)]による 、機能を有するPDE8を発現し ない、またはPDE8の変異体を発現する動物の開発も可能になる。かかる動物は、 in vivoでのPDE8及びPDE8のモジュレーターの活性を調べるためのモデルとして 有用である。 本発明はまた、精製及び単離された哺乳動物PDE8ポリペプチドを提供する。現 在のところ好ましいPDE8Aポリペプチドは、配列番号:4及び6に示される。最 も好ましいのは、配列番号:2に示すアミノ酸配列を含むPDE8ポリペプチドであ る。本発明のPDE8ポリペプチドは、天然の細胞供給源から単離されても、あるい は化学合成されてもよいが、好ましくは本発明の宿主細胞を用いた組換え法によ って製造される。哺乳動物宿主細胞の使用によって、本発明の組換え発現産物に 対する至適な生物学的活性を付与するのに必要がもしれない転写後修飾(例えば 、リコシレーション、トランケーション、リピデーション及びリン酸化など)が 提供されることが予測される。本発明のPDE8産物は、全長のポリペプチド、生物 学的に活性を有するその断片、またはPDE8特異的な生物学的活性を保持している 変異体であってもよい。変異体には、(1)PDE8に特異的な生物学的活性もしく は免疫学的特性を損失することなく、または(2)PDE8の特定の生物学的活性の 無力化を伴って、1以上の特定の(すなわち、天然にコードされている)アミノ 酸が欠失もしくは置換されているか、または1以上の不特定のアミノ酸が付加さ れているPDE8ポリペプチド類似体が含まれうる。 本発明の変異体産物には、成熟PDE8A産物、すなわちリーダーまたはシグナル 配列が除去され、さらなるアミノ末端残基を有するPDE8産物が含まれる。−1位 にさらなるメチオニン残基を有するPDE8産物(Met-1-PDE8)が企図され、同様に −2及び−1位にさらなるメチオニン及びリジン残基を有するPDE8産物(Met-2- Lys-1-PDE8)も同様に企図される。これらのタイプの変異体は 、細菌細胞型での組換えタンパク質の生産に対して特に有用である。 本発明はまた、特異な発現系の使用に起因したさらなるアミノ酸残基を有する PDE8変異体をも含むものである。例えば、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ (GST)融合タンパク質などの所望のポリペプチドを発現する市販のベクターの 使用によって、その所望のポリペプチド由来のGST成分の切断の結果、−1位に さらなるグリシン残基を有する目的のポリペプチドが提供される。他のベクター 系での発現から得られる変異体もさらに、本発明で企図される。 本発明はさらに、1以上の水溶性ポリマー接着物を含むように修飾されたPDE8 産物が包含される。特に好ましいのは、ポリエチレングリコール(PEG)サブユ ニットで共有結合修飾されたPDE8産物である。水溶性ポリマーは、例えばPDE8産 物のアミノ末端などの特定の位置に結合させても、あるいはポリペプチドの1以 上の側鎖に無作為に接着させてもよい。 さらに本発明によって企図されるのは、PDE8産物またはその断片に対して特異 的な抗体(例えば、モノクローナル及びポリクローナル抗体、単鎖抗体、キメラ 抗体、CDR移植抗体等)ならびに他の結合タンパク質である。特異的な結合タン パク質は、単離されたPDE8産物もしくは組換えPDE8産物、PDE8変異体、またはこ のような産物を発現している細胞を使用して開発することができる。結合タンパ ク質は、PDE8産物を精製するため、そして既知の免疫学的方法を使用して体液及 び組織試料中のPDE8産物を検出または定量するために有用である。結合タンパク 質はまた、PDE8の生物学的活性、特にシグナル伝達経路に関与する活性をモジュ レートする(すなわち、ブロッキング、阻害する、または抑制する)上で極めて 有用である。抗PDE8抗体に対 して特異的な抗イディオタイプ抗体もまた、さらに企図される。 本発明のDNA及びアミノ酸配列の開示を通じて寄与される情報の価値は、明白 である。一連の実験にて、PDE8Aに対するcDNAの配列の知見から、PDE8や、プロ モーター、オペレーター、エンハンサー、リプレッサー等のPDE8発現制御配列を コードするゲノミックDNA配列の同定が、サザンハイブリダイゼーションまたは ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の使用によって可能となる。中程度から高度のス トリンジェント条件下に本発明のDNA配列を用いて行ったDNA/DNAハイブリダイゼ ーション法で同様に、PDE8Aの対立変異体をコードするDNAの単離が可能となるこ とが予測され:対立変異体は当該技術分野においてPDE8Aに特異的な生化学的及 び/または免疫学的特性の1以上持つ構造的に関連するタンパク質を含むことが 知られるものである。同様に、PDE8Aと相同なタンパク質をコードする非ヒト種 の遺伝子も、サザン分析及び/またはPCR分析によって同定することができる。 選択手段として、PDE8Aの1以上の生物学的特性を持つ、非ヒトタンパク質、さ らには他のヒトPDE8産物、そのタンパク質をコードするDNAを同定するために相 補性試験が有用でありうる。 本発明のポリヌクレオチドは、細胞がPDE8を発現する能力を検出するためのハ イブリダイゼーションアッセイにおいても有用である。本発明のポリヌクレオチ ドは、1以上の疾患の原因となっているPDE8遺伝子座における遺伝的変化を同定 するための診断方法に対する基礎をなすものとなりうる。 さらに本発明によって実現されるのは、PDE8をコードするポリヌクレオチドを 認識する、またはハイブリダイズするアンチセンスポリヌクレオチドである。全 長及び断片のアンチセンスポリヌクレオチドが提供される。アンチセンスポリヌ クレオチ ドは、PDE8 mRNAを発現している細胞によるPDE8の発現調節に特に関連するもの である。 本発明によって提供されるDNA及びアミノ酸配列情報によりさらに、PDE8の構 造及び機能の系統的な分折が可能になる。PDE8に対するDNA及びアミノ酸情報に よってさらに、PDE8Aと相互作用すると考えられる分子の同定が可能となる。PDE 8ホスホジエステラーゼ活性に対するモジュレーターと推定される物質をPDE8と インキュベートし、そしてそのモジュレーター推定物質のPDE8ホスホジエステラ ーゼ活性に対する効果を判定することによって、PDE8活性をモジュレートする( すなわち、増加、減少または阻止する)物質を同定することができる。PDE8の活 性をモジュレートする化合物の選択性は、その化合物の他のPDE酵素に対する活 性と、PDE8に対する活性とを比較することによって評価することができる。ジ− ハイブリッドアッセイ及びスプリットハイブリッドアッセイなどの、細胞を用い た方法、さらにポリペプチドまたはその結合パートナーが固定化されるアッセイ を含めたインビトロのアッセイ、及び溶液アッセイが、本発明によって企図され る。 選択的モジュレーターには、例えば、抗体及びPDE8またはPDE8核酸に特異的に 結合する他のタンパク質またはペプチド、PDE8またはPDE8核酸に特異的に結合す るオリゴヌクレオチド、ならびにPDE8またはPDE8をコードする核酸と特異的に結 合する他の非ペプチド化合物(例えば、単離されたもの、または合成有機分子) などが包含されうる。野生型PDE8の酵素活性または細胞局在性に影響を及ぼすPD E8の変異体型もまた、本発明によって企図される。選択的モジュレーターを開発 するための現在のところ好ましい標的には、例えば(1)他のタンパク質と接触 する及び/または細胞内でのPDE8局在下に与るPDE8の領域、( 2)基質と結合するPDE8の領域、(3)PDE8のアロステリック環状ヌクレオチド 結合部位、(4)PDE8のリン酸化部位ならびに(5)PDE8サブユニットの多量体 化に関わるPDE8の領域が包含される。PDE8活性のモジュレーターは、PDE活性が 関わることが知られている広範囲にわたる疾患及び病理状態の処置において治療 的に有用であるかもしれない。 本発明はさらに、PDE8A酵素活性の小分子モジュレーターを企図する。小分子 モジュレーターの同定のために使用されるには、少なくとも3つの異なるタイプ のモジュレーターがある。これらに含まれるのは、(1)化学ライブラリー、( 2)天然産物ライブラリー、及び(3)ランダムペプチド、オリゴヌクレオチド または有機分子を含んでなる組合わせライブラリーである。 化学ライブラリーは、既知化合物、または天然産物のスクリーニングによって 「ヒット」もしくは「リード(手がかり)」であると同定される化合物の構造類 似体からなるものである。天然産物ライブラリーは、(1)土壌、植物もしくは 海洋微生物由来の培養液の発酵及び抽出または(2)植物もしくは海洋生物の抽 出によるスクリーニング用の混合物を創出すべく使用される、微生物、動物、植 物、または海洋生物を集めたものである。組合せライブラリーは、混合物として 、多数のペプチド、オリゴヌクレオチド、または有機化合物から構成される。こ れらは、旧来の自動化合成方法、PCR、クローニング、または独自の(所有権の ある)合成方法によって、比較的容易に調製される。特に重要なのは、ペプチド 及びオリゴヌクレオチド組合せライブラリーである。さらに別の重要なライブラ リーには、ペプチド、タンパク質、ペプチド擬似物、多数平行合成収集品(mult iparallel synthetic collection)、再組合せのポリペ プチドライブラリーが包含される。組合せ化学品及びそれから作出されたライブ ラリーの検討については、Myers、Curr.Opion.Biotechnol.8巻、701〜707頁( 1997)を参照されたい。 本明細書中に記載された、様々なライブラリーを使用することによるモジュレ ーターの同定は、「ヒット」(あるいは「リード」)の候補物を、活性をモジュ レートする能力を至適化するように修飾することを可能ならしめる。 本発明はさらに、以下の工程すなわち、a)化合物とPDE8Aポリペプチドとの 間の結合を許容する条件下にPDE8Aポリペプチドと化合物とを接触させ;b)そ の化合物のPDE8Aポリペプチドとの結合を検出し;そしてc)PDE8Aポリペプチド の特異的結合パートナーとして化合物を同定する工程を含む、本発明のPDE8Aポ リペプチドの特異的結合パートナー化合物を同定する方法を提供する。本発明の 方法にて同定された結合パートナーは、好ましくは、酵素の阻害、活性化、また は増強のいずれがによってPDE8A酵素活性をモジュレートする。 本発明はさらに、以下の工程すなわち、a)化合物とPDE8Aポリヌクレオチド の間の結合を許容する条件下にPDE8Aポリヌクレオチドと化合物とを接触させ; b)その化合物のPDE8Aポリヌクレオチドとの結合を検出し;そしてc)PDE8Aポ リヌクレオチドの特異的結合パートナーとして化合物を同定する工程を含む、本 発明のPDE8Aポリヌクレオチドの特異的結合パートナー化合物を同定する方法を 提供する。PDE8Aポリヌクレオチドの結合パートナーは、好ましくは、発現を阻 害するかまたは発現を増強することのいずれかによってPDE8Aポリヌクレオチド によってコードされるPDE8Aポリペプチドの発現をモジュレートする。 本発明はまた、本発明の方法によって同定された化合物や、さらに同定された 化合物及び医薬上容認しうる担体を含む組成 物も提供する。 発明の詳細な説明 本発明は、PDE8Aポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの単離、さらに は、そのポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドの発現及び特徴付け に関する以下の実施例によって例証される。実施例1には、本発明のDNAを単離 するために潜在的に有用なプローブを同定するための、発現配列タグ(EST)デ ータベースを検索するための方法を記載する。実施例2は、PDE8Aをコードする ポリヌクレオチドの同定に関する。実施例3には、単離されたポリヌクレオチド の配列分析を述べる。実施例4には、PDE8Aポリヌクレオチドによってコードさ れるポリペプチドの分析を記載する。実施例5には、組換えPDE8Aポリペプチド の発現を述べる。実施例5は、PDE8A発現のノザン分析に関する。実施例7には 、PDE8Aをコードする遺伝子のクロモソームマッピングを記載する。実施例8に は、PDE8A1及びPDE8A2がスプライス変異体であることの確証を記載する。実施例 9には、組換えPDE8Aの発現及び特徴付けを述べる。実施例10には、抗PDE8Aモ ノクローナル抗体の製造を詳説する。実施例11には、in situハイブリダイゼ ーションによるPDE8A発現の分析を記載する。 実施例1 ヒトPDEに関連するESTの同定 既知のヒト3',5'環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼの配列を使用して、 新規ホスホジエステラーゼ(PDE)遺伝子の同定のために潜在的に有用でありう るcDNA断片を同定することを目的としてNational Center for Biotechnology In formation(N CBI)発現配列タグ(EST)データベースの検索を実行した。このデータベースは 、様々な組織供給源から集められたcDNAの一端または両端を示すDNA配列を含ん でいる。そのcDNAの一端または両端についての、単回の配列決定操作が実施され ており、DNA配列の質は非常に多様である。PDE検索が実施された時点では、EST 配列データベースは、様々な器官に由来する600,000を越えるcDNA配列を含んで いた。 新規PDE配列の検索には、3つの上程が含まれていた。第1は、NCBIより入手 可能なBLASTNプログラムを用いて、既知のヒトPDEをコードするcDNA配列と相同 性を有するEST配列データベース内のDNA配列を同定した。このプログラムでは、 ヌクレオチド配列データベースに対して照会ヌクレオチド配列が比較される。1 5の既知ヒトPDEのcDNA配列が検索に付され、そして15件のBLASTN検索が実施 された。照会PDE配列には、PDE1A3[Loughneyら、J.Biol.Chem.271巻、796〜806 頁(1996)]、PDEIBI[Yuら、Cell Signaling、印刷中]、PDE1C2[Loughneyら、J .Biol.Chem.271巻、796〜806頁(1996)]、PDE2A3[Rosmanら、Gene 191巻、89〜 95頁(1997)]、PDE3A[Meacciら、Proc.Natl.Acad,Sci.(USA)89巻、3721〜372 5頁(1992)]、PDE3B[Mikiら、Genomics 36巻、476〜485頁(1996)]、PDE4A5[B olgerら、Moll.Cell.Biol.13巻、6558〜6571頁(1993)]、PDE4B2[Bolgerら、M oll.Cell.Biol.13巻、6558〜6571頁(1993)]、PDE4C[Bolgerら、Moll.Cell.Bi ol.13巻、6558〜6571頁(1993)]、PDE4D1及びPDE4D3[Bolgerら、Moll.Cell.Bi ol.13巻、6558〜6571頁(1993)]、PDE5A、PDE6A[Pittlerら、Genomics 6巻、2 72〜283頁(1990)]、PDE6B[Collinsら、Genomics 13巻、698〜704頁(1992)]、 PDE6C[Pirievら、Genomics 28巻、429〜435頁(1995)、]ならびにPDE7A1[Mich aeliら、J.Biol.Chem.17巻、12925〜 12932頁(1993)]が含まれていた。BLASTNの結果を検証し、そして15の既知PDE cDNAの各々に対応すると判断されたEST配列を同定して表にまとめた。照会配列 として用いられたPDE6A及びPDE6B配列は、cDNAの3'非翻訳領域に反復エレメント が存在するため、3'端で切断(3'非翻訳領域の一部を除去)したものであった。 第2に、NCBI TBLASTNプログラムを用いて、15の既知ヒトPDE(前記のとお り)のタンパク質配列と、EST DNA配列の各々によってコードされた6つの可能 な異なるタンパク質との間の相同性を検証した.この検索で、EST配列は6つの フレームで翻訳されており、そこで、作製されるアミノ酸配列を照会PDEのアミ ノ酸配列と比較する。アミノ酸レベルで相同であるとして同定された配列を検証 し、そして前記のBLASTN検索において既知PDEに対応するものとして陽性に同定 されたEST配列はすべて破棄した。 検索の第3工程には、既知のPDEではない配列を分析することが包含される。 これらのアミノ酸配列は、既知PDEと相同であったが、BLASTN検索の際に15の 既知遺伝子の1つとして同定されることはなかった。 BLAST検索で、PDE2A、PDE3A、PDE3B、PDE4A、PDE4B、PDE4C、PDE5A、rod alph a PDE6A、rod beta PDE6B、cone alpha PDE6C、及びPDE7Aの触媒領域と相同性を 有するアミノ酸配列をコードするものとして、ヒト胎児肺cDNAライブラリーから EST配列(WO4835と命名)を同定した。WO4835に対するデータベース配列は、配 列番号:7に示す。以下に述べるデータベース分析からの結果は、PDE4D配列デ ータベースを用いて例証されたものである。 WO4835 cDNAは、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクシ ョン(ロックビル、メリーランド州)より得たものであり、これはI.M.A.G.E.、 ローレンス・リバーモア・ナショナル・ラボラトリー(リバーモア、カリホルニ ア州)によって同定及び配列決定されたESTの寄託物を維持し、公に入手可能な 状態にしているところである。WO4835 DNAは、受領次第配列決定し、その一致度 を確認して配列番号:7に一致すると判定した。 EST配列WO4835の−1読み取り枠によってコードされるアミノ酸配列は、PDE1A 、1B及び1Cを除く照会cDNA配列のすべてにより認識された。例としてPDE4D3での TBLASTN検索を使用して、類似性のある2つの領域が検出された。第1の領域は 、15/37の正確な整合、あるいは40%の一致度(19/37の類似アミノ酸)を示し 、そして照会配列すべてに認められるHD(X)2HXG(X)13A(配列番号:8)モチー フを含んでいた。[Charboneau、Mol.Pharmacol.Cell Regul.2巻、267〜298頁( 1990)]。第2の領域は、9/20の正確な整合、あるいは45%の一致度を示し、そ してほとんどの照会配列に認められるYHNxxHAモチーフを含んでいた。WO4835配 列のBLASTN分析によって、Genbankデータベースの他のヒトDNA配列のいずれとも 一致していないということで、それが独自のものであることが明らかとなった。 WO4835についてのESTデータベースエントリーによって、PIR:A48719(ウシcGMP 結合性の、cGMPを加水分解するPDE5A1配列に類似のものとして、かかる配列が同 定された。WO4835フレーム−1のタンパク質配列とウシPDE5A1配列との比較によ って、全体として38%の一致度の、58/153の整合性が明らかになった。この領 域内にあるのは、相同性がより高い小さな領域であり、1つの領域は12/14の一 致したアミノ酸を示していた。WO4835配列の独特の性質、すなわちそのウシPDE5 A1との比較的低い相同性、及び他の既知ヒトPDEアミノ酸配列のほとんどに認め られるアミノ酸モチーフの 存在をもって、WO4835は新規のヒトPDE cDNAを表している。 実施例2 PDE cDNA推定物の単離 WO4835 cDNAインサートを、pT7T3Dベクターから制限酵素EcoRI及びHindIIIを 用いて2つの断片に消化し、そしてその2つの断片を2枚の連続低融点アガロー スゲルを用いて精製した。両断片をプローブとして用いて、ヒト心臓(Stratage ne、La Jolla、カリホルニア州)及びヒト胎児脳(Stratagene)由来のcDNAライ ブラリーを当該技術分野で通常実施されている方法にてスクリーニングした。各 ライブラリーからおよそ5x105のファージをスクリーニングした。ハイブリダイ ゼーションは、3X SSC、0.1%サルコシル、20mMリン酸ナトリウム、pH6.8、10X デンハーツ溶液、及び50μg/mlサケ精子DNAを含有する緩衝液中で65℃にて終夜 行った。フィルターをオートラジオグラフィーにかける前に、2X SSC及び1%SDS を含有する緩衝液で65℃にて洗浄した。 胎児脳cDNAライブラリーからの9つのクローンと心臓のcDNAライブラリーから の2つのクローンを、WO4835ブローブにハイブリダイズさせた。部分配列決定及 びマッピングによって、さらに特徴づけを行うため、FB66aと命名した1つのク ローンを胎児脳ライブラリーから選択した。 胎児脳cDNAライブラリーから、およそ7.5x105ファージの第2スクリーニング を、WO4835の5'部分に由来する1.3kbのEcoRI/HindIII断片を用いる第1スクリ ーニングで使用した条件のもとで行い、さらに19のcDNAクローンを得た。これ らのcDNAのうち6つも、WO4835の5'端にて256ヌクレオチドの領域を含むWO4835 のHindIII/KpnI断片にハイブリダイズした。そのクロー ンのうち5つの部分的な配列決定とマッピングから、さらなる分析対象としての FB85c-2と命名された第2のクローンを選択することとなった。 実施例3 FB66a及びFB85c-2のDNA配列分析 FB66aのDNA配列を、下記配列番号:9から31MPDNAオリゴヌクレオチドプ ライマーとPerkin Elmer Applied Biosystems Division 373A DNAシーケンサー を用い、製造業者の示したプロトコルに従って双方の鎖について決定した。鋳型 として用いたPCR産物の量は、PCR産物のサイズに基づいて算出し、そしてApliTa q DNAポリメラーゼFSを含むABI PRISM Dye Terminator Cycle Sequencing Kit( Perkin Elmer、Foster City、カリホルニア州)と非対称PCRを用いて配列決定し た。反応産物はAGCTスピンカラム(Advanced Genetic Technologies Corp、Gait herburg、メリーランド州)にて精製して乾燥させた。各精製試料に負荷用緩衝 液を添加し、その混液を90℃にて2分間加熱した。溶液は、4%ポリアクリルア ミドゲルに付されるまで氷に移しておいた。一端データ集積プログラムが開始さ れれば、データは自動的に集積され、そして配列分析プログラムによって自動的 に分析及び読み取りがなされた。編集はすべて手動式で行われ、得られた配列の 、コンセンサス配列が判定される場所におけるアラインメント(並列)が実施さ れた。 配列番号:3に示されるFB66a cDNAは、長さが4389ヌクレオチドであり、ヌクレ オチド3位からヌクレオチド2411位が、803アミノ酸のタンパク質をコードして おり、予測される分子量はおよそ90,775Daであった。FB66aに対する推定アミノ 酸配列は、配列番号:4に示す。第1位のメチオニンはヌクレオチド45位でコー ドされているが、上流の読み取り枠内終始コドンがないことから、この残基が内 部メチオニンかまたは読み取り枠開始部位に該当するのかは不明である。 FB85c-2のDNA配列(配列番号:5)は、プライマーM13Rev.1、W48A2、W48A9、 W48A4、W48S1、W48A1、W48S6、W48A5、W48A6、W48S2、W48S3、W48S4、W48S5、W4 8S7、W48A8、及びM13を用いて同様に決定した。FB85c-2は、2つの別のインサー トを含んでいるらしく、そのうち1つだけがWO4835と相同であった。WO4835と相 同な領域は、およそ2.8kbの長さであった。インサートの5'端の正確な配列は決 定することができず、かくして配列番号:5に示す2573ヌクレオチドの配列には 、5'-非翻訳領域かもしれない数百の配列が含まれていない。ヌクレオチド67位 からヌクレオチド2406位は、779アミノ酸を有するタンパク質(配列番号:6) をコードし、これは見積もり88,353Daの分子量を有する。読み取り枠内上流終始 コドンから、ヌクレオチド第67位でコードされるメチオニンが開始のメチオニン であると考えられる。 FB66a及びFB85c-2によってコードされるタンパク質は、オーターナティブスプ ライシングに起因するのかもしれないが、異なるアミノ末端配列を有している。 DNA配列は、FB66aのヌクレオチド112位とFB85c-2のヌクレオチド104位の5'から 互いに分かれている。しかしてFB85c-2は、FB66aタンパク質には認められない13 アミノ酸をアミノ末端に有している。FB66aタンパク質は、ヌクレオチド第35位 で開始メチオニンがコードされていると推定すれば23の独自のアミノ末端残基を 含んでおり、FB66aクローンの読み取り枠が不完全なのであれば37以上の独自の アミノ酸残基を含んでいる。 照会ヌクレオチド配列をFB66a配列のヌクレオチド配列データベースと比較す ることによるBLASTN分析で、かかる配列はGenBank、NCBI STS、NCBI HTGS、また はNCBI GSSデータベースに含まれる配列と一致度がないことが明らかになった。 しかしなが ら、NCBI ESTデータベースでは、2つの一致配列が同定された。 1つの配列は、このcDNAクローンを同定するために用いられたWO4835 ESTであ った。結腸ガン細胞系KM12C(HCC)由来の第2の配列、AA307865(配列番号:32 )は、FB66a及びFB85c-2クローンの3'非翻訳領域と一致度を示すものであった。 AA307865が同定された検索の際にさらなるEST DNAが同定され、これらはおそら く、FB66a及びFB85c-2によってコードされるヒトタンパク質との、マウス(EST AA386789、配列番号:38)及びラット(EST H32734、配列番号:33)相同体をコ ードしていると推定される。マウス配列はヒト配列と86%一致しており、ラット 配列は81%一致していた。 実施例4 FB85c-2及びFB66aタンパク質の分析 クローンFB85c-2及びPB66aによってコードされるPDEは、それぞれPDE8A1及びP DE8A2と命名された。双方のPDE8Aタンパク質は、前記した分岐点を越えて完全な アミノ酸一致度を有しており、ヒトPDE2A、PDE5A、PDE6A、PDE6B、及びPDE6Cに 最も類似している。表1及び2に、PDE8AとPDE2A、PDE5A及びPDE6Aとの間のアミ ノ酸一致度の百分率を示す。 PDE8A1及びPDE8A2は、触媒領域(PDE8A1でアミノ酸第492位から748位まで)で 他のPDEと、そしてPDE2A、PDE5A、PDE6A、PDE6B、及びPDE6Cのアミノ末端領域で 保存されているcGMP結合ドメイン(推定)と相同性を有している。PDE8AのcGMP 結合ドメイン(可能性のある部位)は、PDE8A1ポリペプチドのアミノ酸第75位か ら445位までに及んでいる。PDE2A、PDE5A、PDE6A、PDE6B、及びPDE6CのcGMP結合 ドメイン内には、「a」及び「b」と命名さ れた2つの内部反復配列があり、各反復配列は保存された一連のアミノ酸を含ん でいる[McAllister-Lucasら、J.Biol.Chem.268巻、22863〜22873頁(1993)]。P DE8Aの対応する「b」反復領域では、保存されているアミノ酸のすべてが見いだ され、対応する「a」反復領域では、保存された残基のいくつかのみが検出され た。ウシPDE5AによるcGMP結合に対して必須であることが示されているアスパラ ギン酸残基[McAllister-Lucasら、J.Biol.Chem.270巻、1〜9頁(1995)]は、PD E8Aの「a」反復領域には存在していない。従って、PDE8Aのこの領域がcGMPに結 合するのか否かは不明である。 表1 表2 実施例5 組換えPDE8Aの発現 PDE8A1とPDE8A2の分岐点より3'の終始コドンに至るDNA配列を含む、PDE8Aに対 する発現構築体を作製した。発現構築体には、8アミノ酸エピトープタグをコー ドするDNAが含まれていた。配列番号:34に示されるペプチド配列を含むいわゆ る「FLAG tagを、配列番号:34のペプチドによって特異的に認識される抗FLAG M 2抗体(Eastman Kodak、Rochester、ニューヨーク)を用いたウェスタンブロッ ディング技術によってタンパク質を同定することができるようにするためにアミ ノ末端に付加した。 配列番号:34 Asp-Tyr-Lys-Asp-Asp-Asp-Asp-Lys タンパク質アミノ末端で開始のメチオニンをコードする配列も付加した。 発現プラスミドを構築するうえでの第1工程として、2μl各プライマー(保 存液100μg/ml)、2μl 10X PCR緩衝液II(Perkin Elmer)、2μl 10X各ヌクレ オチド保存液(保存液2mM) 、1.2μl MgCl2(保存液25mM)、0.09μl5単位/μl taqポリメラーゼ(Perki n Elmer)、FB66a DNA及び水(反応混液を20μlとする)を含有する反応混合液 中で、配列番号:35(下記)に示すプライマー及びW48A2(配列番号:10、14頁 )を用い、鋳型としてFB66a DNAWP使用してPCRを実施した。5'プライマー(配 列番号:35)で、NcoI部位を強調文字で示し、そしてFLAG tagをコードする領域 に下線を付した。 PCRは、以下の条件下にPerkin Elmer DNA Thermal Cyclerにて行った:94℃で4 分間の後、94℃で1分間、50℃で1分間、及び72℃で2分間を30サイクル実施 。 得られたPCR産物はNcoI及びKpnIで消化し、ゲルで精製して、同じ酵素で予め 消化しておいたBluescript SKIIベクターへサブクローニングした。Bluescript ベクターは前もって、YepC-PADH2dベクターから取り出しておいたSacI/NcoIア ルコールデヒドロゲナーゼ2(ADH2)プロモーター断片[Priceら、Meth.Enzymol .185巻、308〜315頁(1990)]を含むように修飾しておいたものであった。こうし て得られたプラスミドは、W48pcrlと命名した。 読み取り枠の3'部分を含むKpnI/SstI断片をFB66a DNAから単離して、予めKpn I及びEcoRVで消化したW48pcr1に挿入した。この結果得られたプラスミドをW485. 1と命名した。 ADH2プロモーター及びPDE8A遺伝子の5'部分を含むSacI/KpnI断片を、W49pcrl から単離した。PDE8Aの3'領域を含むKpnI/SalI断片を、W485.1から単離した。 この2つの断片を、予めSac I及びSdlIで消化しておいた酵母発現ベクターYEpC-PADH2dに連結した。こうして 得られたフラスミドをW48-2ADH2と命名し、ブダペスト条約のもと、郵便番号208 52、メリーランド州、パークロウン、ロックビル12301に所在のアメリカン・タ イプ・カルチャー・コレクション(A.T.C.C.)に、1997年10月2日に寄託した。 プラスミドW48-2ADH2を保有する細菌株は受託番号ATCC 98552を受けた。正しい プラスミド構築を保証すべく、PCRによって作製されたDNA配列及びPDE8/ベクタ ー接合部でのDNA配列を決定した。配列を確認したうえで、プラスミドを内在性P DE活性を欠損している酵母株BJ2-54(ura3-52;trpl;leu2;cir;gal2;pep4-3;prb -1122;prcl-402;ΔPDE1::URA3;HIS3;ΔPDE2::TRP1)へプラスミドを形質転換し た。 宿主細胞は2%グルコースを含むSC-leu選択培地にて終夜生育し、1〜2x105細 胞数/mlに希釈して、引き続き同じ培地で107細胞数/mlの密度にまで生育した。 発現プラスミドの存在によって、非誘導条件下にあっても細胞生育の倍加時間が 2倍から3倍増大するようであった。細胞を遠心分離によって集めて、3%グリ セロールを含むYEP培地で洗浄し、YEP/3%グリセロールで107細胞数/mlの密度 に再懸濁して、回収するまでに24時間生育させた。細胞は使用するまで凍結し ておいた。 凍結した細胞ペレット(0.06ml)を解凍し、100mM MOPS、pH8.0、200mM NaCl 、2μM ZnSO2、2mMジチオスレトール、及び10μg/mlのペプスタチン、ロイペプ チン、及びアプロチニンの各プロテアーゼを含む0.2mlの溶解緩衝液にて懸濁し た。0.5mmのガラスビーズおよそ0.2mlを細胞に添加し、次いでこれを30秒間、 4サイクルのボルテックスによって溶解した。溶解液を吸引し、ビーズを0.3ml の溶解緩衝液で2回洗浄した。溶解液を洗浄液と合わせて酵母抽出液を作製した 。実験によっ ては、溶解液を105,000xgにて30分間遠心分離することによって分画した。 以下のとおりに、組換えタンパク質を含有する酵母抽出液についてウェスタン 分折を行った。最初にタンパク質をSOS−PAGEで分離し、標準法を用いてイモビ ロン-P(ミリポア)に転写した。タンパク質のブロットは、室温にて1時間、5 %脱脂粉乳を含む20mM Tris-HCl、pH7.4、150mM NaCl、0.05%Tween-20(TBST緩 衝液プラスミルク)用いてブロッキングした。ブロットは、1μg/mlの濃度で抗 FLAG M2抗体(前記)を含むTBST緩衝液プラスミルクと1時間インキュベートし 、その後TBST緩衝液で4回洗浄した。次にブロットを、セイヨウワサビペルオキ シダーゼ(HRP)に接合させた、ブロッティンググレードのアフィニティー精製 済みヤギ抗マウスIgG抗体(BioRad)と共に1時間インキュベーートした。ヤギI gGは予め、TBST緩衝液プラスミルクにて1:10,000に希釈したものであった。ブ ロットをTBSTで4回洗浄し、オートラジオグラフィーを行う前に強化化学発光用 のRenaissance(商品名)システム(New England Nuclear Life Sciences Produ cts)で、製造業者の示すプロトコルに従って処理した。抗体によって検出され たタンパク質のほとんどは、組換えタンパク質に対して推定されたサイズのもの であった。 PDE活性は、以前報告されたとおり、32P-cAMPまたは32P-cGMPから遊離した32P -ホスフェートの検出によってアッセイした[Loughneyら、J.Biol.Chem.271巻、 796〜806頁(1996)]。酵母抽出液は、0.5mg/mlのウシ血清アルブミンも含有する 0.5X溶解緩衝液で希釈した。酵母抽出液、または希釈した酵母抽出液の20μlを 、さらに50mM Tris-HCl(pH8.0)、5mM MgCl2、1μMZnSO2、及び0.1mg/mlウシ血 清アルブミンを含んだ100μl容量の反応液中でアッセイした。タンパク質濃度は 、ブラッドフォー ド法によってアッセイした。 PDE8AはcAMP及びcGMPの双方を加水分解することが観察された。分画されなか った溶解液では、cAMPに対する比活性は3.9nmol/分/mgで、cGMPに対しては7.6nm ol/分/mgであった。分画によって、総活性の20〜40%が高速上清画分に会合して いることが明らかになった。基質としてcAMPを用いた場合の活性の反応速度解析 により、1:1の活性比で、酵素の低及び高Km型の双方が存在することが示唆さ れた。Km値の概算値は、0.2μM及び350μMであった。高速ペレットの分析によっ て、同じ種が存在しているものの、高Km:低Km活性の割合は1:4であることが 示唆された。基質としてcGMPを用いた場合の反応速度解析によっても、酵素に低 速度型及び高速度型が存在することが示唆された。これらの分析において、Km値 は3μM及び300μMであると見積もられた。 PDE8A活性の阻害に対するIC50値を、イソ酵素選択的PDEインヒビターと、非選 択的インヒビターのイソメチルブチルキサンチン(IBMX)との組合せを用いて定 量した。これらのアッセイは60nMのcAMP濃度で実施されたので、IC50値は低Km型 のみの阻害を反映している。結果を表3に示すが、この表で各数値はミクロモル 単位を示している。 表3 イソ酵素特異的PDEインヒビターによるPDE8阻害 選択的インヒビターの各々に対するIC50値は、それらの標的イソ酵素に対するよ りもPDE8に対する方が少なくとも30倍の高さであり、このことによって、PDE8 の阻害アロファイルはPDE1〜5のものと異なっていることが示唆される。cAMP及 びcGMPの加水分解は、PDE6及びPDE7Aの酵素活性とPDE8Aの酵素活性とを明瞭に識 別する。非選択的インヒビターIBMXののPDE8に対するIC50は、既知のヒトPDEに ついて観察された範囲内にあり、PDE8の触媒部位が哺乳動物PDEのものと類似し ておりIBMXに非感受性の低等真核生物型と異なっていることを示唆していた。 実施例6 PDE8A発現のノザン分析 PDE8A発現のノザン分析を、ヒト複数組織ブロット(Clontech、Palo Alto、カ リホルニア州)を用いて行った。327塩基のプローブを、配列番号:3のヌクレ オチド第1767位からヌクレオ チド第2293位まで延ばした。リボプローブの調製及びハイブリダイゼーション条 件は、以前に報告したことおりである[Loughneyら、前出]。その結果、すべて の組織に9.5kbのmRNAが示されたがバンドの強度は相違していた。シグナルは、 心臓、脳、及び腎臓で最も強く、また肝臓、胎盤、膵臓、及び骨格筋では弱かっ た。シグナルは肺で最も弱かった。 実施例7 ヒトPDE8Aのクロモソームマッピング ヒトPDE8A遺伝子を含む酵母の人工的なクロモソーム(YAC)を、Reseach Gene ticsより購入したヒトYACのパネルから単離して、以下のとおりにPCRによってス クリーニングした。 YACスーパープールを2つのネスト化された対でスクリーニングした。第1の スクリーニング反応では、センスプライマーW48S8(配列番号:36)を、アンチ センスプライマーW48A10(配列番号:37)と対合した。10mM Tris-HCl、pH8.3、 50mM KCL、2mM MgSO4、0.2mMの各dNTP、10μg/mlの各プライマー、0.5単位のTaq ポリメラーゼ(Perkin Elmer)及び鋳型としての1.5μlのYACプールDNAを用いて PCRを行った。反応は30サイクル実施し、各サイクルは、94℃で1分間、60℃で 2分間、及び72℃で4分間からなるものであった。増幅の第1回が終了した後、 反応産物を内部プライマーの対であるW48S12(配列番号:36)及びW48A12(配列 番号:37)を用いて再度増幅した。 反応は、鋳型が第1回の反応液の1:10希釈液(水で希釈)の1μlであったこと を除いて前記と同様とした。正しいサイズのPCR産物をもたらすスーパープール を同定し、対応するサブプールを、同じ条件下に同じネスト化したプライマー対 を用いてスクリーニングし、PDE8Aを含ムYACについての独自のアドレスを同定し た。 関連するYACを保有している酵母株は、Research Geneticsより購入した。様々 なYACにおけるPDE8A遺伝子の存在を立証するために、各株からDNAを調製し、W48 S8及びW48A10の対を用いたPCRによって分析した。各株からのDNAの調製は下記の 修飾を施した前記方法[Hoffman及びWinston、Gene、57巻、267〜272頁(1987)] に従って行った。グルコースを含有するYEP培地で、30℃にて終夜、菌株を生育 した。10mlの培養液を遠心分離によってペレット化し、10mM Tris-HCl、pH8.0、 100mM NaCl、1mM Na2EDTA、1%SDS、及び2%Triton-X100を含有する水性緩衝液 200μlに再懸濁した。200μlのフェノール/クロロホルム(1:1混合液)及 び100μlのガラスビーズ(425〜600μm)の存在下にボルテックスを行うことに よって細胞を溶解した。溶解の後、200μlのTE緩衝液(10mM Tris、pH8.0、1mM Na2EDTA)を添加し、そして試料を遠心して相を分離させた。有機相を、再度20 0μlの水性緩衝液で抽出した。集めた水性緩衝液を37℃にて1時間、100単位の ウシ膵臓RNase(Boehringer Mannheim)で処理し、その試料をフェノール/クロ ロホルムで抽出し、再びクロロホルムで抽出して、確立されている方法に従って 、エタノール沈殿した。得られたペレットは、50μlのTE緩衝液に再懸濁した。P CRは、反応液の容量が25μlであったことと、鋳型が1μlの関連酵母DNA調製物か らなるものであったことを除き前記 と同様に実施した。 PDE8遺伝子を含む3種のヒトYACを同定し、それらのアドレスは805B6、919H10 及び920A3(CEPH命名による)であった。ゲノムリサーチデータベースのセンタ ー(Whitehead)情報によれば、この3種のYACは互いに重複しており、ヒトクロ モソーム6上の一本に連結したコンティグ(WC6.16)の一部である。このコンテ ィグ内の2つのタグ付けされた部位(D6S305及びD6S411)は、ゲノムリサーチセ ンターにおける作業で6pの端から167cMの位置でクロモソーム6遺伝マップ上に 位置付けされ、D6S305はCEPH-Genethonでの作業で6pの端から173cMの位置にマッ ピングされている。WC6.16コンティグ内の他の3つのYAC(932F1、956B1及び947 D5)は、CEPH-Genethonにて、蛍光in situハイブリダイゼーションによってマッ ピングされている。ハイブリダイゼーションシグナルは6pの端から0.94と0.99画 分長(fractional length)単位の間にあたる。CEPHで統括された概略マップ[C humakovら、Nature 377巻(追補)、175〜297頁(1995)]によれば、この領域は 細胞遺伝学的領域6q26-27に対応する。 ヒトゲノムのこの順域に関わる遺伝的欠損には、錐体変性(OMIMデータベース )、インスリン依存性糖尿病[Davlesら、Nature 371巻、130〜136頁(1994);Lu oら、Am.J.Hum.Genet.57巻、911〜919頁(1995)]及び若年性パーキンソン病[Ma tsumineら、Am.J.Hum.Genet.60巻、588〜596頁(1997)]が包含される。加えて、 ヘテロ接合性の喪失(LOH)が、バーキットリンパ腫[Parsaら、Genes,Chromoso mes & Cancer 9巻、13〜18頁(1994)]、星状細胞腫[Liangら、Neurology 44巻 、533〜536頁(1994)]、胃ガン[Queimadoら、Genes,Chromosomes & Cancer 14 巻、28〜34頁(1995)]、副甲状腺腺腫[Taharaら、Cancer Res.56巻、599〜605 頁(1996)]及び卵巣ガン[Cookeら、Genes,Chromos omes & Cancer 15巻、223〜233頁(1996);Saitoら、Cancer Res.56巻、5586〜5 589頁(1996)]を含めた様々な異なるガン細胞の、本領域に観察されることが多 い。LOHは、患部での腫瘍抑制遺伝子の存在を示唆することが示されている[Wei nherg、Science 254巻、1138〜1146頁(1991)]。その発現が広範囲にわたるので 、PDE8遺伝子の変異はこれら遺伝子異常のすべてかまたはあるものに関与してい る可能性がある。 実施例8 PDE8A1及びPDE8A2がスプライス変異体であることの立証 及びPDE8A2の5'配列を伸長する試み PDE8A1及びPDE8A2が5'スプライス変異体であることを立証するために、2つの アプローチを実行した。第1に、PCR分析により、ゲノミックDNAではPDE8A1とPD E8A2のいずれもが共通領域のDNA配列に隣接していないことが明らかになった。 共通領域の上流のゲノミック配列は、第3のPDE8A cDNAであるFB74bに存在し、 これは実施例2に記載のプローブWO4835の5'端にハイブリダイズした6つの元の クローンの群にて同定されたものである。クローンFB74bの部分配列(3'端の755 ヌクレオチド)は、配列番号:39に示す。FB85c-2とFB66aとが互いに分岐したと 同じ部位で、FB74b cDNAはFB85c-2及びFB66aと分岐しているが、FB74bクローン は読みとり枠を維持していなかった。FB66a及びFB85c-2からの配列分岐点の5'側 のFB74b配列では、読みとり枠内終止コドンが開始のメチオニンコドンよりも分 岐点に近く、もしFB74bがスプライシングされていない前駆体でなくcDNAである のならば開始のメチオニンは必然的に、FB66a及びFB85c-2の双方に共通の配列に 位置しているはずであることを示唆していた。 FB74b上流配列内のFB74bS1(配列番号:40)と命名された1 つのプライマーと、FB74b、FB66a、及びFB85c-2に共通の配列内にあるW18A9(配 列番号:11)と命名された第2のプライマーとを用いて、PCR分析を実施した。 1μgのヒトゲノミックDNAを鋳型として用いて、FB74bを鋳型として用いて増幅し たものと同じサイズを有するバンドを増幅し、FB74hに独特なその配列と共通領 域とがゲノミックDNAにおいて隣接していることが示唆された。かように、FB74b 配列はスプライスされていないイントロンを表すか、または共通領域内に開始の メチオニンを有するタンパク質をコードしているらしい第3のスプライス変異体 を表すのかもしれない。いずれにせよ、FB85c-2及びFB66a配列はおそらくスプラ イシングによって作られたものである。 第2に、ヒト皮質、小脳、心臓、肝臓及び肺組織から単離したRNAを用いて、5 'RACE分析を実施した。RNAは、報告にあるように[Loughneyら、J.Biol.Chem.27 1巻、796〜806頁(1996)]凍結組織断片から単離し、そしてFast Track(商品名 )mRNA単離システム(Invitrogen)を用いてポリA+mRNAを選択した。5μgのポリ A+mRNA及びcDNA合成キット(Boehringer Mannheim)を使用して二本鎖cDNAを調 製した。オリゴヌクレオチドL15(配列番号:41)及びL30(配列番号:42)をア ニーリングすることによって形成したリンカーに前記cDNAを連結した。 5'RACEのため、リンカーに連結したcDNAを、オリゴヌクレオチドL18(配列番号 :43)及びW48A43(配列番号:44)を用いたPCRによって増幅した。 反応液には、10mM Tris-HCl、pH8.3、50mM KCl、1.5mM MgCl2、0.2mMの各dNTP、 10μg/mlの各プライマー及び1μlのリンカーに連結したcDNAを25μlの反応液容 量中に含有していた。94℃における加熱工程に続き、0.1単位のTaqポリメラーゼ (Boehringer Mannheim)を添加することによってPCRを開始し、そして94℃にて 1分間、60℃にて2分間、及び72℃にて4分間の30サイクルを継続した。 PCR反応の産物は、水で10倍に希釈し、前記と同じ条件下にオリゴヌクレオ チドL21(配列番号:45)及びW48A9S(配列番号:46)を用いた第2PCR反応での 鋳型として使用した。 第2のPCR反応によって増幅されたDNAは、EcoRI及びSalIで切断し、同じ酵素で 予め消化しておいたベクターBluescript(Stratagene)に連結した。 初めに、各組織源由来の5種のプラスミド内のDNA配列を調べ、PDE8A1及びPDE 8A2の5'配列が、単離されたcDNAのうちに見出された。FB74bの5'配列もいくつか の配列として得られ、各配列を1度だけ単離したが、それらはさらなるスプライ ス変異体ま たは関連のないDNA配列である可能性があった。 元のFB66a cDNAよりもさらに5'に伸長したPDE8A2様のcDNAはなかったので、5' 端配列を伸長させる試みとしてさらなるPDE8A2 RACEクローンを分析した。さら に5種の肺PDE8A2 cDNAを同定して配列決定したが、PDE8A2配列を伸長したもの はなかった。 L21プライマー(配列番号:45)を、プライマーW48A14S(配列番号:47)と共 に用いて第2回目のRACE PCRを繰り返した。 得られたクローンをPCRによってスクリーニングし、最長のものを配列決定用に 選択した。2つのクローンだけが元のFB66a cDNAよりも長く、それらはそれぞれ 、非翻訳領域で8及び12bpだけ5'配列を伸長したものであった。FB66a配列は、5 '-CCCAGGGCGCCAが伸長された。FB66aの5'最先端は極めてGCに富んでおり、これ が全長のcDNAを単離するうえでの困難性に寄与しているのかもしれない。 実施例9 PDE8Aの発現及び特徴付け 実施例5に記載の組換えPDE8Aは、酵母抽出液中で、低アフィニティー及び高 アフィニティー型にて存在していた。低アフィニティー型が部分的に不活性な酵 素となっている可能性があるので、均質な酵素を得るか、またはこの2種の動力 学的型が常にcDNAより発現されているのかを調べるか、いずれかの試みとして、 sf9及びCOS細胞でPDE8A発現を行った。 PDE8 sf9発現構築体は、プラスミドW485.1(実施例5に記載)からの3’KpnI- SalI断片及び以下のごとくにPCRにより作製された5'断片を用いて製造した。プ ライマーFLAG-1(配列番号:48)及びW48A4(配列番号:12)を、鋳型としてPDE 8 COS-1 DNA(下記)を使ったPCRに使用した。 PCRは、2mM MgSO4をMgCl2の代わりに使用し、そして0.02単位のTaqポリメラー ゼを用いたことを除いては実施例8に記載したとおりに実施した。最初に94℃に て4分間インキュベートした後、94℃にて1分間、50℃にて1分間、及び72℃に て2分間の30サイクルを行った。5'増幅産物は、BamHI及びKpnIで切断し、ゲ ルで精製して、予めBamHI及びSalIで消化しておいたベクターpFASTBAC(Gibco B RL、Gaitherhurg、メリーランド州)へと3'断片と共に連結した。この結果得ら れたプラスミドは、pFBRPDE8と命名した。すべてのPCR産物及びすべての新しい 接合部は、配列決定によって確認した。 組換えウイルス保存液は、FastBacシステム(Gibco BRL)を用いて製造業者が 示すプルトコルに従って製造し、そしてタンパク質発現は以下のとおりに行った 。Sf9細胞は、50U/mlペニシリン及び50μg/mlストレプトマイシン硫酸塩(Gibco )を含有するCCM3培地(Hyclone、Logan、ユタ州)中で27℃にて生育した。対数 増殖期の細胞を、細胞あたりおよそ2ウイルスの感染効率にて感染させ、48時 間インキュベートした。遠心分離することによって細胞を集め、CMF-PBS(2.7mM KCl、1.5mM KH2PO4、137mM NaCl、8.1mM Na2PO4)で洗浄して、ペレットを凍結 し使用するまで−80℃に保存した。細胞は、緩衝液(50mM MO PS、pH7.2、10μM硫酸亜鉛、1mM DTT、2mMベンズアミジン、各々10μg/mlのペ プスタチン、ロイペプチン、及びアプロチニン、ならびに各々20μg/mlのカルパ インI及びカルパインIIインヒビター)中で、等容量のガラスビーズ(酸洗浄済 、0.5mm、Sigma)の存在下にボルテックスすることによって溶解し、そして実施 例5に記載のとおりにPDE活性を定量した。 sf9抽出物に、cAMP加水分解(100μM基質)について45.4nmol/分/mgのPDE活性 が、そしてcGMP加水分解(100μM基質)に対して69.4nmol/分/mgの活性が検出さ れた。バックグラウンドのPDE活性は無視できる程度であった。PDE8A活性は、実 施例5に記載の酵母抽出物にて検出されたと同様、高アフィニティー及び低アフ ィニティーが混合したものであるらしかった。 COS細胞での発現には、プラスミドW485.1(実施例5)からの3'KpnI/SalI断 片と、プライマーW48A2(配列番号:10)及びATG(配列番号:35)と共に鋳型と してFB66a cDNAを含む反応混液からのPCR増幅産物を切断することによって得ら れたNheI/KpnI断片とを組み合わせることによってPDE8COS-1を作製した。PCRの ための条件は、Perkin Elmer Cetus DNAサーマルサイクラーで、最初に94℃で4 分間の後、94℃で1分間、50℃で1分間、及び72℃で2分間を30サイクル行う ことを含んでいた。この結果得られた5'断片及び前記3'断片を、予めNheI及びSa lIで消化しておいたpClneo(Promega、Madison、ウィスコンシン州)へ連結した 。 15cmのディッシュにて生育している亜集密のCOS細胞を25ml DMEM(ダルベッコ 変法イーグル培地、100U/mlペニシリン及び100μg/mlストレプトマイシン硫酸塩 、GIBCO)で1回洗浄し、その後プレート1枚あたり14mlのDMEM/DEAE-デキスト ラン/クロロキンを添加した。DMEM/DEAE-デキストラン/クロロキ ンは、75mlのDMEM及び30μlの0.25Mクロロキンを、0.75mlの50μg/ml DEAE-デキ ストラン(Pharmacia、Uppsala、スウェーデン)と共にPBS(2.7mM KCl、1.5mM KH2PO4、137mM NaCl、8.1mM Na2PO4、0.9mM CaCl2、0.5mM MgCl2中に含んでなる ものである。プレート1枚に対し20μgのプラスミドDNAを含む135μlのTris/ED TA緩衝液(TE)を添加し、そしてプレートは5%CO2中で37℃にて2時間インキュ ベートした。培地を除去し、12mlの10%DMSO/PBSを1分間加えて除いた。25ml のDMEMで細胞を1回洗浄し、その後10%胎児ウシ血清(Hyclone、Logan、ユタ州 )を含有するDMEMをさらに25ml添加して、5%CO2中で37℃にて終夜、細胞をイン キュベートした。培地を除去し、単層を25mlのCMF-PBSで洗浄した。0.05%トリ プシン/0.5mM(Gibco)を含有する溶液6mlを添加して、細胞を37℃にて5分間 インキュベートした。摩砕することにより細胞を取り出して円錐状遠心チューブ に移した。6mlの完全DMEMでプレートを洗浄して残存細胞すべてを回収し、洗液 を遠心チューブに加えた。およそ340xgで5分間遠心分離することにより細胞を ペレット化し、5mlの完全DMEMに再懸濁して、20mlの完全DMEMを含む15cm組織培 養ディッシュに取り出して、5%CO2中で終夜インキュベートした。 単層をCMF-PBSで2回洗浄し、バーセン(0.5mM Na2EDTA・2H2O、137mM NaCl、2 .68mM KCl、8.1mM Na2HPO4、1.1mMグルコース、pH7.4)中で37℃にて5分間イン キュベートし、そして前記と同様に回収した。ペレット化した細胞をCMF-PBSで 洗浄し、ドライアイス中で凍結し、そして使用するまで−80℃に保存した。細胞 を緩衝液(50mM MOPS、pH7.2、10μM硫酸亜鉛、1mM DTT、2mMベンズアミジン、 各々10μg/mlのペプスタチン、ロイペプチン、及びアプロチニン、ならびに各々 20μg/mlの カルパインI及びカルパインIIインヒビター)中で、フレンチプレッシャーセル (加圧型細胞粉砕装置)に20,000psiで通過させることによって溶解し、実施例 5に記載のとおりにPDE活性を定量した。 PDE8A発現はCOS細胞抽出物中では低く、内在性PDE由来のバックグラウンド活 性のレベルが高いことに起因して正確に特徴付けすることができなかった。COS 細胞発現産物をさらに十分に特徴付けするために、アミノ末端にFLAG tagを含む 酵素(実施例5)を、抗FLAG M2アフィニティーカラム(Sigma)を用い製造業者 の示すプロトコルに従って細胞抽出物の100,000xg上清から精製する。酵母PDE8A 活性をさらに正確に特徴付けるために、アミノ末端にて欠失しているが触媒領域 は保持している組換えタンパク質の発現を、均質なタンパク質を取得するための 試みにおいて、実施例5に記載のとおりに実施する。 実施例10 抗PDE8A抗体の製造 PDE8Aに対するモノクローナル抗体の製造のための抗原を提供すべく、大腸菌 でGST融合タンパク質を製造した。FB70a由来のEcoRI断片(FB85c-2のヌクレオチ ド182〜1330を含み、実施例2に記載の全長のWO41835とハイブリダイズした、始 めに同定された9つのクローンのうちの1つであるPDE8A cDNA)をpGEX5X1(Pha rmacia)のEcoRI部位へ挿入し、得られた構築体を大腸菌株XL1 Blueに形質転換 した。この構築体からIPTGで誘導した後に、PDE8A由来の382アミノ酸を含むGST −PDE8A融合タンパク質を製造した。SDS-PAGEを用いて融合タンパク質を分離し 、冷0.4M KClで染色した後ゲルから適切なサイズのバンドを切り取って、電気的 溶出によってアクリルアミドからタンパク質を得た。 溶出産物はPBSに対して透析し、そしてマウスに注射する前に、Centriprep 10及 びCentriconカラム(Amicon、Bevcrly、マサチューセッツ州)を用いて濃縮した 。 第0日に、4匹のBalb/cマウスを予備採血し、200μlの総容量にて完全フロイ ンドアジュバントに30μg/マウスのGST-PDE8融合タンパク質を含む抗原を皮下 注射した。3週及び9週に、不完全フロインドアジュバントにて同様の注射を繰 り返した。最後の免疫付与後10日目に、被験血液を採取して、抗原捕捉ELISA 及びウェスタン分析によってスクリーニングした。 ELISAでは、Immulon 4プレート(Dynex、Cambridge、マサチューセッツ州)を 、2μgGST-PDE8を含有する50mMカーボネート緩衝液、pH9.6で、4℃にて被覆した 。プレートを30分間、0.5%フィッシュスキンゼラチン(Sigma)でブロッキング し、そして0.5%Tween 20を含むPBS(PBST)で希釈した50μlの血清加えた。血清 の希釈は、1:100から1:102,400の範囲であり、これは一連の倍希釈によって得 たものである。37℃にて30分間インキュベートし、PBSTで3回洗浄した後、50 μlのセイヨウワサビへルオキシダーゼ接合ヤギ抗マウスIgG(fc)抗体(Jackso n)(PBSTで1:10000に希釈)を添加した。プレートを前記と同様にインキュベ ートし、PBSTで4回洗浄した。テトラメチルベンチジン(Sigma Chemical、St. Louis、ミズーリ州)の添加によって抗体を検出し、そして呈色反応は15%のH2S O4を50μl添加することにより5分後に停止させた。450nmにおける吸光度をプレ ートリーダーで測定した。 ウェスタン分析には、SDS-PAGEゲルにおよそ10μgの酵母PDE8抽出物をかけ、 そしておよそ200ngのゲル精製されたGST-PDE8及びそのタンパク質をイモビロン- PVDFへ転写した。標準的な、強化化学発光(ECL)ウェスタンブロットプロトコ ルを、二次 抗体としてBioRadヤギ抗マウスIgGセイヨウワサビペルオキシダーゼを用いて実 施した。 ハイブリドーマの調製において、前記のELISA及び/またはウェスタンブロッ ティングプロトコルにより陽性の結果を与えたマウス由来の脾臓細胞を、ポリエ チレングリコール1500(Boehringer Mannheim)(Harlow及びLane、Antibodies 、a Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、1988)を用いた標準 法によって5:1の割合でNS-1細胞と融合した。融合細胞は15%FBS、100mMヒポ キサンチンナトリウム、0.4mMアミノプテリン、16mMチミジン(HAT)(Gibco)、25 単位/ml IL-6(Boehringer Mannheim)及び1.5×106個のネズミ胸腺細胞/mlを含む 、200mlのRPMI中に再懸濁して、96穴平底組織培養プレート(Corning、英国)に 、ウェル当たり200μlで分配した。細胞には融合後2、4、及び6日目に、18G の針(Becton Dickinson)を用いて各々のウェルからおよそ100μlを吸引し、そ してウェル当たり100μlの培養用(plating)培地(10単位/mlのIL-6を含み胸腺 細胞を欠いている以外は、前記に同じ)を加えることによって、栄養を供給した 。9日目から12日目に、融合物のウェルからの上清を、GST及びGST-PDE8を用 いた抗原捕捉ELISAならびに前記のごときECLウェスタン分析によってスクリーニ ングした。 マウス血液を用いたウェスタンブロットの双方のレーンで期待されるサイズの 陽性シグナルが得られ、さらなる融合において酵母組換えタンパク質と非常に弱 い反応性を有するモノクローナル抗体が得られた。手順全体を、50μg抗原/マ ウスを用いて繰り返し、免疫性がさらに強いモノクローナル抗体を取得する。 実施例11 in situハイブリダイゼーションによるPDE8A発現の分析 下記のとおりのin situハイブリダイゼーションによって、組織切片でのPDE8A の発現を調べた。 プローブの調製 cDNA FB70a由来のXhoI/EcoRI制限酵素断片(配列番号:1のヌクレオチド第5 71から1226位に対応している)を、Bluescriptベクター(Stratagene、La Jolla 、カリホルニア州)へとサブクローニングし、PDE8XR2Aと命名された発現プラス ミドを作製した。プラスミドはXhoIで切断し、T3ポリメラーゼを用いて転写して (下記参照のこと)、アンチセンスプローブを作製した。センスプローブは、PD E8XR2AをEcoRIで切断しT7ポリメラーゼを用いて転写することにより作製した。P DE8A鋳型は、RNA転写キット(Stratagene、La Jolla、カリホルニア州)を用い 、5μlの5X転写緩衝液(Stratagene)、30mM DTT(Stratagene)、各々0.8mMのA TP、CTP、GTP(10mM(Stratagene))、40単位RNase Block II(Stratagene)、12 .5単位T3またはT7ポリメラーゼ(Stratagene)、及び300ngの線状化プラスミド 鋳型、50μCi 35S-UTP(1000Ci/mmolを越える、Amersham、Arlington Heights、 イリノイ州)を含有する反応液にて転写した。混合液を37℃にて1時間インキュ ベートし、その後、1μlのRNase不含のDNase I(Stratagene)を添加して37℃に て15分間インキュベートすることにより鋳型DNAを除去した。60℃にて4μlのN aHCO3及び6μlのNa2CO3を22分間添加することによりプローブを加水分解し、 そして100μlの3M酢酸ナトリウム、5μlの酢酸(VWR、So.Plainfield、ニュージ ャージー州)、及び395μlの蒸留水を添加することによって反応混液を中和した 。クイックスピン G50 RNAカラム(5'→3'Inc.、Boulder、コロラド州)を製造業者の示すプロトコ ルに従って調製した。プローブをカラムの中心に置き、卓上遠心分離器にてカラ ムを1,000rpmで4分間遠心した。カラムからのフロースルーは、50μlの蒸留水 、2μlの10mg/ml tRNA溶液、10μlの3M酢酸ナトリウム、及び200μlの100%エタ ノール(VWR)と混合し、得られた混合液は−20℃にて終夜インキュベートした 。プローブ溶液を4℃にて15分間ミクロ遠心し、上清を除いてそのペレットを 1μlの0.1M DTTを含有する40μlの1X TBEに再懸濁した。プローブは、in situハ イブリダイゼーションを実施するまで−70℃にて保存した。 組織試料の調製及びin situハイブリダイゼーション 組織(National Disease Research Intercharge、Philadelphia、ペンシルバ ニア州及びCooperative Human Tissue Network、Philadelphia、ペンシルバニア 州)を6μmに切片化し、そしてSuperfrost Plusスライド(VWR)に載置した。切 片を4%パラホルムアルデヒド(SigmaSt.Louis、ミズーリ州)にて4℃で20分 間固定した。このスライドを1X CMF-PBSを3回交換して濯ぎ、70%エタノール、 95%エタノール及び100%エタノールで連続的に洗浄して脱水し、次いで室温に て30分間乾燥した。スライドは70%ホルムアミド(J.T.Baker)を含む2X SSC 中に70℃にて2分間載置し、4℃にて2X SSCで濯ぎ、70%、95%及び100%エタノ ールで洗浄して脱水し、そして室温にて30分間乾燥した。 プレハイブリダイゼーション工程は、50%ホルムアミド(J.T.Baker)を4X SS C中に含むボックス緩衝液で飽和させた1枚のフィルターペーパーを入れた密封 箱にスライドを載置することによって実施した。各切片を、10%デキストラン硫 酸塩(Sigm a)、50%ホルムアミド(J.T.Baker、Phillipsburg、ニュージャージー州)、10 0mM DTT(Boehringer Mannheim、Indianapolis、インディアナ州)、0.3M NaCl (Sigma)、20mM Tris、pH7.5、5mM EDTA(Sigma)、及び1Xデンハーツ溶液(Si gma)からなる100μlのrHB2緩衝液で被覆し、そのスライドを42℃にて1時間イ ンキュベートした。前記のとおりのプローブは、4x105cpm/組織切片を、切片1 枚あたり5μlの10mg/ml tRNA溶液と混合し、そして当該混合液を95℃にて3分間 加熱することによって調製した。氷冷rHB2緩衝液を加え、最終容量を切片あたり 20μlとした。プローブを含有する溶液(20μl/切片)を、予め適用していたrH B2緩衝液100μlに添加した。スライドを55℃にて12から16時間インキュベー トした。ハイブリダイゼーションに続き、スライドは、10mM DTTを含有する4X S SCで室温にて1時間1回、50%脱イオン化ホルムアミド(J.T.Baker)、1X SSC 及び1mM DTTで60℃にて40分間1回、2X SSCで室温にて30分間1回、そして0 .1X SSCで室温にて30分間1回洗浄した。切片を、70%、95%及び100%エタノ ールで洗浄して脱水し、そして30分間風乾した。スライドをコダックNTB2核感 光乳剤に浸し、暗所で室温にて1から3時間乾燥させ、そして現像するときまで 乾燥剤と共に4℃にて暗所に保存した。次いでスライドは4℃のコダックDektol現 像液にて4分間現像し、4℃の蒸留水に4分間浸し、そして4℃のコダック固定液 に4分間入れた。スライドを蒸留水で濯ぎ、標準H & E(ヘマトキシリンエオシ ン)染色を以下のごとくに実施した。 スライドを蒸留水で濯ぎ、そしてこのスライドを以下の一連の工程に付すこと によってヘマトキシリン及びエオシンで染色した。すなわち、ホルムアルデヒド /アルコール(100mlホルムアルデヒド、900ml 80%エタノール)中で5分;合 計2分間 、水で3回濯ぎ;0.75%Harrisヘマトキシリン(Sigma)中で5分間;合計2分 間、水で3回濯ぎ;1%HCl/50%エタノールに1回浸漬;水で1回濯ぎ;1%リ チウムカーボネートに4回浸漬;流水中に10分間;0.5%エオシン(Sigma)中 に2分間;合計2分間、水で3回濯ぎ;70%エタノール中に2分間;95%エタノ ールで1分間濯ぎを3回;100%エタノールで1分間濯ぎを2回;及びキシレン で2分間濯ぎを2回の工程を経るものであった。スライドをサイトシール60(St ephens Scientific、Roverdale、ニュージャージー州)とマウントした。 アンチセンスPDE8Aプローブで得られたシグナルを、センスPDE8Aプローブによ って産生された対照シグナルと比較し、そしてアンチセンスプローブに特異的な シグナルのすべてが、PDE8A発現に相当していると考えられた。PDE8Aシグナルは 、小脳の多くの箇所にわたり、また精巣の精細管における細胞の下位集合に、骨 格筋の起源未同定の分散細胞上に、顆粒膜細胞に、そして卵巣の卵巣支質に、さ らには腎臓のヘンレの係蹄内の上皮細胞、及び心臓の動脈のいずれかの平滑筋上 に検出された。 これらの結果は、ノザンブロットによれば中程度のシグナルが心臓に検出され たのであるが当該心臓組織を用いたin situデータでは弱いシグナルしか得られ なかったという点で、ノザンブロッティングによって得られ実施例6に述べた結 果とは相違している。この矛盾は、異なる個体由来の組織の差異、または2つの 方法に固有な検出レベルの差を反映している可能性がある。卵巣でのシグナル及 び腎臓でのシグナルはそれぞれ、排卵に関わる、あるいは塩及び/または水のホ メオスタシスにPDE8Aが関わっていることを示唆するのかもしれない。 前記の例証的な実施例に示す本発明に対する多くの修正や変更が、当業者に想 起されようことが予期される。しかして、添 付の特許請求の範囲に示される限定によってしか、本発明の範囲は限定されるべ きでない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/15 C12N 1/21 1/19 9/16 C 1/21 C12P 21/08 5/10 C12Q 1/68 A 9/16 G01N 33/53 D C12P 21/08 33/566 C12Q 1/68 C12N 15/00 ZNAA G01N 33/53 5/00 A 33/566 A61K 37/54

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.精製及び単離されたPDE8ポリペプチド。 2.配列番号:2に示すアミノ酸配列を含む請求の範囲第1項記載のポリペプ チド。 3.配列番号:4に示すアミノ酸配列を含む請求の範囲第2項記載のポリペプ チド。 4.配列番号:6に示すアミノ酸配列を含む請求の範囲第2項記載のポリペプ チド。 5.請求の範囲第1、2、3または4項記載のポリペプチドでコードされるポ リヌクレオチド。 6.配列番号:1に示す配列を含む請求の範囲第5項記載のポリヌクレオチド 。 7.配列番号:3に示す配列を含む請求の範囲第5項記載のポリヌクレオチド 。 8.配列番号:5に示す配列を含む請求の範囲第5項記載のポリヌクレオチド 。 9.以下の群すなわち、 a)請求の範囲第5項記載のポリヌクレオチド;及び b)(a)のポリヌクレオチドと中程度のストリンジェ ント条件下でハイブリダイズするDNA よりなる群から選択される、ヒトPDE8ポリペプチドをコードするポリヌクレオチ ド。 10.以下の群すなわち、 a)請求の範囲第6、7及び8項のいずれかに記載のポリヌクレオチド; ならびに b)(a)のポリヌクレオチドと中程度のストリンジェント条件下でハイ ブリダイズするDNA よりなる群から選択される、ヒトPDE8ポリペプチドをコードするポリヌクレオチ ド。 11.DNA分子である請求の範囲第5項記載のポリヌクレオチド。 12.cDNA分子である請求の範囲第11項記載のDNA。 13.ゲノミックDNA分子である請求の範囲第11項記載のDNA。 14.全体的または部分的に化学合成されたDNA分子である請求の範囲第11項 記載のDNA。 15.請求の範囲第5項記載のポリヌクレオチドの相補体と特異的にハイブリダ イズするアンチセンスポリヌクレオチド。 16.請求の範囲第5項記載のポリヌクレオチドを含む発現構築体。 17.請求の範囲第16項記載のポリヌクレオチドで形質転換またはトランスフ ェクトされた宿主細胞。 18.以下の工程すなわち、 a)PDL8ポリペプチドの発現のために適切な条件下で請求の範囲第17項 記載の宿主細胞を生育し、及び b)宿主細胞またはその生育培地からPDE8ポリペプチドを単離する 工程を含むPDE8ポリペプチドの製造方法。 19.請求の範囲第1、2、3または4項のいずれかに記載のポリペプチドと特 異的な免疫反応性を有する抗体。 20.モノクローナル抗体である請求の範囲第19項記載の抗体。 21.請求の範囲第20項記載の抗体を分泌するハイブリドーマ。 22.請求の範囲第19項記載の抗体と特異的な免疫反応性を有する抗イディオ タイプ抗体。 23.PDE8Aポリペプチドの特異的結合パートナー化合物を同定する方法で、 a)ある化合物とPDE8Aポリペプチドとの間の結合を許容する条件下にPDE 8Aポリペプチドと化合物とを接触させ、 b)PDE8Aポリペプチドへの化合物の結合を検出し、及び c)PDE8Aポリペプチドの特異的結合パートナーとして化合物を同定する 工程を含む方法。 24.前記特異的結合パートナーが、PDE8Aポリペプチドの活性をモジュレート する請求の範囲第23項記載の方法。 25.前記化合物がPDE8Aポリペプチドの活性を阻害する請求の範囲第24項記 載の方法。 26.前記化合物がPDE8Aポリペプチドの活性を増強する請求の範囲第24項記 載の方法。 27.PDE8Aポリヌクレオチドの特異的結合パートナー化合物を同定する方法で 、 a)ある化合物とPDE8Aポリヌクレオチドとの間の結合を許容する条件下 にPDE8Aポリヌクレオチドと化合物とを接触させ、 b)PDE8Aポリヌクレオチドへの化合物の結合を検出し、及び c)PDE8Aポリヌクレオチドの特異的結合パートナーとして化合物を同定 する 工程を含む方法。 28.前記特異的結合パートナーが、PDE8Aポリヌクレオチドによりコードされ るPDE8Aポリペプチドの発現をモジュレートする請求の範囲第27項記載の方法 。 29.前記化合物がPDE8Aポリペプチドの発現を阻害する請求の範囲第28項記 載の方法。 30.前記化合物がPDEIOポリペプチドの発現を増強する請求の範囲第28項記 載の方法。 31.請求の範囲第23または27項記載の方法によって同定された化合物。 32.請求の範囲第31項記載の化合物と、医薬的に容認しうる担体とを含む組 成物。
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