JP2001512312A - 高効率トランスフェクションに関する組成物および方法 - Google Patents

高効率トランスフェクションに関する組成物および方法

Info

Publication number
JP2001512312A
JP2001512312A JP53546498A JP53546498A JP2001512312A JP 2001512312 A JP2001512312 A JP 2001512312A JP 53546498 A JP53546498 A JP 53546498A JP 53546498 A JP53546498 A JP 53546498A JP 2001512312 A JP2001512312 A JP 2001512312A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polypeptide
transfection
cells
nucleic acid
peptide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP53546498A
Other languages
English (en)
Inventor
マーク ハインズ,エイドリアン
オーウェン フィリップス,ロス
ハミルトン ウェルシュ,ジョン
ロバート サッチャー,デイビッド
シンプソン アーバイン,アリスティア
Original Assignee
コブラ セラピューティクス リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from PCT/GB1997/000396 external-priority patent/WO1997028818A1/en
Application filed by コブラ セラピューティクス リミテッド filed Critical コブラ セラピューティクス リミテッド
Publication of JP2001512312A publication Critical patent/JP2001512312A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K48/00Medicinal preparations containing genetic material which is inserted into cells of the living body to treat genetic diseases; Gene therapy
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/87Introduction of foreign genetic material using processes not otherwise provided for, e.g. co-transformation
    • C12N15/88Introduction of foreign genetic material using processes not otherwise provided for, e.g. co-transformation using microencapsulation, e.g. using amphiphile liposome vesicle
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、29個の連続したアミノ酸:6個のG、2個のF、2個のL、1個のW、4個のR、2個のE、2個のN、3個のK、1個のT、1個のS、1個のA、1個のY、1個のM、1個のC、および1個のIを含み、8より大きいかまたは8と等しい正味の正荷電数を提供するためのさらなるカチオン性残基を有する、ポリペプチド、および単離された核酸を含むトランスフェクション複合体、ならびにこのトランスフェクション複合体を用いて細胞をトランスフェクトする方法に関する。本発明はまた、これらの29個のアミノ酸を含むアミノ酸組成物を有するポリペプチド、およびこのポリペプチドが存在するポリペプチドの混合物を包含する。

Description

【発明の詳細な説明】 高効率トランスフェクションに関する組成物および方法 発明の分野 本発明は、一般に細胞のトランスフェクションおよび核酸を濃縮する(condens e)薬剤に関する。 発明の背景 細胞トランスフェクションは、標的細胞へのDNAの効率的な送達、そしてその ような細胞の核の中に送達されたDNAの発現に依存する。 インビトロでのDNAの哺乳類の細胞への導入に関する初期の実験は、低効率の トランスフェクションでの沈澱形態のDNAを利用し、そして選択可能なマーカー 遺伝子を必要とした(Wiglerら、(1977)Cell 16:777-85;GrahamおよびVan der Eb(1979)Proc.Natl.Acad.Sci.USA77:1373-76および(1973)Virology52:456)。 この時以来、分子生物学者達はDNAを細胞に導入するための多くの他のより効果 的な技術を発達させた(例えば、エレクトロポレーション、アスベストとの複合 体生成、ポリブレン、DEAE、デキストラン、リポソーム、リポポリアミン、ポリ オルニチン、パーティクルボンバードメント、および直接マイクロインジェクシ ョン(KucherlapatiおよびSkoultchiによる総説、(1984)Crit.Rev.Biochem.16:34 9-79;Keownら、(1990)Methods Enzymol.185:527)。これらの方法の多くは可変性 が大きく、トランスフェクションのレベルが比較的低いので、臨床的な使用には 適さない。現存するトランスフェクション複合体のより広範な使用に対する他の 障害は、インビボでのそれらの不安定性に存在する。先行技術のトランスフェク ション複合体と同じサイズの粒子が細網内皮組織(PosteおよびKirsch、Bio/Tec hnology 1:869(1984))によって血液から速く、効率的に取り除かれた。 可溶性DNA/ポリリジン複合体が作製され(Liら、(1973)Biochem.J.12:1763) 、そしてインビトロで肝細胞に対する標的DNAへのアシアロ糖タンパク質に結合 された(WuおよびWu,J.Biol.Chem.262:4429(1987);米国特許第5,166,320号)。 乳 糖化ポリリジン(Midouxら、(1993)Nuc.Acids Res.21:871-878)およびガラクト シル化ヒストン(Chenら、(1994)Human Gene Therapy 5:429-435)は、レクチン 受容体を保有する細胞への標的プラスミドDNAに使用され、そしてインスリンが インスリン受容体を保有する細胞に対するポリリジン(Rosenkrantzら、(1992)E xp.Cell Res.199:323-329)に結合した。しかし、Wagnerら(前出)は、後の方 のアプローチはトランスフェクションの標準的な方法よりもさらに効果が小さく 、ゆえに薬学的な発展には適切でないと考えられ得ると示した。モノクローナル 抗体は、特定の細胞型への標的DNAに使用された(Machyら、(1988)Proc.Natl.Ac ad.Sci.USA85:8027-8031;Trubetskoyら、(1992)Bioconjugate Chem.3:323-27お よびWO 91/17773およびWO 92/19287)。 ウイルスエンベロープタンパク質のアミノ酸配列から誘導されたペプチドは、 ポリリジンDNA複合体と同時投与される場合の遺伝子伝達において使用された(P lankら、(1994)J.Biol.Chem.269:12918-24)。Trubetskoyら(前出)およびMack ら((1994)Am.J.Med.Sci.307.138-143)は、カチオン性脂質と結合するポリリジ ンの同時濃縮は遺伝子伝達効率を改善するように導き得ると示している。WO 95/ 02698は、カチオン性脂質遺伝子伝達効率を増加させようとするためのウイルス 成分の使用を開示する。 ジスルフィド結合は、送達ビヒタルのペプチド成分を連結するために使用され た(Cottenら、(1992)Meth.Enzymol.217:618-644);Trubetskoyら(前出)もま た参照のこと。しかし、種々の成分の化学的な改変は、(特異的なグループでは あるが)領域特異的(regio-specific)ではなく、そして結合した生成物の巨大分 子の不均一性へと導く。ジスルフィド結合はまた生物学的流動の中では不安定で あると知られており、ゆえに実際にはそのような化合物の有効性を制限する。 同様の不均一性がまた、側鎖カルボキシル基を介したカルボジイミドカップリ ングのような他の標準的な結合方法によって生成される(Wuら、(1991)J.Biol.C hem.266:14338-42)。しかし上記の不利な点に加えて、成分をカップリングして いる得られたアミド結合はサイトゾル内で化学的に安定であり、成分が分離する のを困難にしている。 さらに特異的なカップリング化学がCottenら(前出)によって用いられた。こ の方法は、過ヨウ素酸塩を用いる炭水化物部分の酸化、次に続くポリリジンとの 反応を含む。そのように形成されたSchiff塩基はシアノホウ化水素ナトリウムで 還元され、安定なアミド結合を形成する。しかし多数の利用可能なリジン残基の ため、得られたアミド結合は、ポリリジン成分とランダムに連結された。 Trubetskoy(前出)は、モノクローナル抗体上のアミノ機能に非特異的である N末端を介して連結した不均一なポリリジン部分を構成した結合の効率の増加を 確認した。 多くの先行技術の方法は、それ自身がより不均一をもたらす結合化学で連結さ れた高不均一性成分を用いる。この不均一性は、調製の間の乏しいコントロール およびバッチ−バッチ間の可逆性、低い効力および乏しい溶液の安定性の結果と なる。 文献に記載される遺伝子送達ビヒクルのスケールアップおよび再生可能な製造 は、それらの系の生成物および成分の極端な不均一性のために問題である。品質 管理、行程管理、および製品識別のような重要なパラメーターは、このように不 確定性を与える。それゆえに本発明の目的は、外因性DNAを標的細胞へ高効率で 送達するのを容易にする薬学的組成物の再生可能なおよび拡張可能な製造工程の 発展である。 本発明の別の目的は、規定の化学量論の化学成分を有する改良されたトランス フェクション複合体を提供することで、それゆえに不均一性を減少させる。 本発明のさらなる別の目的は、増加したトランスフェクション効率を示すトラ ンスフェクションに関する薬学的処方物を提供することである。 発明の要旨 本発明はポリペプチドの発見に基づき、核酸と結合する場合、宿主細胞のトラ ンスフェクションにおいて高効率を与える。 本発明は、以下の29アミノ酸組成物:6個のG、2個のF、2個のL、1個の W、4個のR、2個のE、2個のN、3個のK、1個のT、1個のS、1個のA 、1個のY、1個のM、1個のC、および1個のIを含み、または構成し、正味 が8より大きいかまたは等しい正電荷数を提供するさらなるカチオン性残基を有 す るポリペプチドを包含する。好ましくは、これらの29アミノ酸は隣接している。 本明細書中で使用される場合、「組成物」はアミノ酸の組成よりもむしろアミ ノ酸含有量のことを言う。「カチオン性残基」は正味の正電荷を有するアミノ酸 または他の分子(例として、リジン、エチレンイミン、アルギニン、メタクリレ ート、アミドアミン、プロタミン、スペルミン、およびスペルミジンが挙げられ るが、これらに限定されない)のことを言う。「カチオン性電荷」は正味の正電 荷のことを言う。 ポリペプチドに含まれた上記の特定の29個のアミノ酸として、7個のカチオン 性残基および2個のアニオン性残基を含み、従って正味が5の正電荷の、さらに は正電荷が少なくとも3の数であり、好ましくは4または5で、そしてさらに好 ましくは、例えば6、12、18、または24である。 本発明によるポリペプチドはそれゆえ、上記の特定の29個のアミノ酸、そして さらにはポリペプチド中で、正味が8の正電荷以上のカチオン性残基に十分なカ チオン性残基を含む。ここで、上記の特定の29個のアミノ酸は次のようにポリペ プチド中に存在し得、それらは(a)29個の隣接アミノ酸および3個以上のカチオ ン性残基(単量体)の組、または(b)29+≧3個のアミノ酸の2組以上(2量体 、3量体など、すなわち多量体)としてである。ここで、29+≧3個のポリペプ チドは多量体の形態で存在し、いくつかの個々の29+≧3個のポリペプチドは、 通常の安定な結合(ペプチド、オキシム、またはチオエーテル)で連結され、あ るいはポリペプチドは、不安定な結合(例えば、ジスルフィド結合)を介して連 結され得る。 本発明において有用であるカチオン性配列は、3〜700の範囲の長さの隣接す るカチオン性残基の区域であり得、それによって正味の正電荷は少なくとも3で ある。あるいは、カチオン性配列の区域は隣接である必要はないが、正味の正電 荷数が3〜700の範囲である塩基性または中性アミノ酸の間で分散され得る。ゆ えに、本発明によるポリペプチドは、わずか正味(5+3=)8の正電荷、または正味( 5+700=)705もの正電荷を含む。所定のカチオン性配列は、上記の特定の29アミノ 酸区域のアミノ末端またはカルボキシ末端のいずれかで、あるいは29アミノ酸区 域の両端で、あるいは29個のアミノ酸区域内で、通常の安定な結合で連結され 得る。カチオン性配列が29個のアミノ酸区域の両端に存在する場合、次いで、そ れぞれの末端は異なった数のカチオン性残基、または同数のカチオン性残基を含 む。あるいは、カチオン性配列は、不安定な(スルフヒドリル(sulfhaydil))、 または安定な結合を介してその長さに沿って1つ以上の位置で29個のアミノ酸区 域に連結され得る。最終的に、29個のアミノ酸区域は不安定な、または安定な結 合を介してカチオン性配列の長さに沿って1つ以上の位置でカチオン性配列に連 結され得る。 本発明はまた、アミノ末端からカルボキシ末端まで(NH2-KKKKKKGGFLGFWRGENG RKTRSAYERMCNILKGK-COOH(はまた本明細書中でK6CL22、K6CLII、CL22、またはCLI Iとして参照される))、アミノ酸配列を含むポリペプチドを包含する。 本発明はまた、次のアミノ末端からカルボキシ末端まで、アミノ酸配列を含む ポリペプチドを包含する。 好ましくは、上記ポリペプチドは本質的に上記の配列からなる。 本発明はまた、アミノ末端からカルボキシ末端まで(NH2-KKKKKKGGFLGFWRGENG RKTRSAYERMCNILKGK-COOH)のアミノ酸配列、および単離された核酸を含むポリペ プチドを含むトランスフェクション複合体を包含する。 本発明はまた、次のアミノ末端からカルボキシ末端までのアミノ酸配列、およ び単離された核酸を含むポリペプチドを含むトランスフェクション複合体を包含 する。 本発明はまた、次のアミノ末端からカルボキシ末端までのアミノ酸配列を含む 二量体化されたK6CL22ポリペプチドを包含する。 ここで、S-Sは2つのペプチドのそれぞれのシステイン残基間のシステイン連結 (ジスルフィド結合)のことを言う。 本発明はまた、次のアミノ末端からカルボキシ末端までのアミノ酸配列を含む ポリペプチドを包含する: 本発明はまた、次のアミノ末端からカルボキシ末端までのアミノ酸配列を含む ポリペプチドを包含する: 本発明はまた、次のアミノ末端からカルボキシ末端までのアミノ酸配列を含む 二量体化されたCL26ポリペプチドを包含する: ここで、S-Sは2つのポリペプチドのそれぞれのシステイン残基間のジスルフィ ド結合のことを言う。 本発明はまた、本明細書中でNBC30として呼ばれるポリペプチドを包含し、こ れは次を含む: ここで、S-Sは2つのポリペプチドのそれぞれのシステイン残基間のジスルフィ ド結合のことを言う。 本明細書中で使用されているように、「トランスフェクション複合体」という 用語は、本発明によるペプチドの混合物のことを言い、そして核酸は好ましくは DNAであるが、RNAでもあり得、その核酸は濃縮されている。 本発明はまた、2つ以上の異なるアミノ酸配列のポリペプチドの混合物を含む トランスフェクション複合体を包含し、ここで、ポリペプチドの混合物は、ポリ ペプチドの1つとして上記の任意の1つのポリペプチド(単量体または多量体) の混合物を含む。例えば、混合物のあるポリペプチドは、配列NH2-KKKKKKGGFLGF WRGENGRKTRSAYERMCNILKGK-COOH、および単離された核酸を含むポリペプチドであ る。 本発明によるトランスフェクション複合体の別の例には、2つ以上の異なるア ミノ酸配列のポリペプチドの混合物が挙げられ、ここで、ポリペプチドの混合物 は、次の配列および単離された核酸を有するポリペプチドを混合物のポリペプチ ドの1つとして含む。 本明細書中で使用されるように、「異なるアミノ酸配列」というフレーズは、 1つ以上の残基で上記のアミノ酸配列のものと異なる配列、または1つ以上の残 基による長さにおいて上記配列と異なる配列のことを言う。 ポリペプチドおよび核酸が、前記核酸が濃縮されるように結合することは好ま しい。 本発明はまた、細胞のトランスフェクションのための薬学的処方物を包含し、 これは上記のようなアミノ酸配列、単離された核酸、および薬学的に受容可能な 希釈剤を含んでいる。 好ましくは、ポリペプチドおよび前記核酸は、前記核酸が濃縮されるように結 合する。 本発明はまた、本明細書中に記載されるポリペプチドまたはトランスフェクシ ョン複合物、およびトランスフェクションの方法を含む宿主細胞を包含する。 本発明により包含されるトランスフェクションの方法は、宿主細胞をトランス フェクション複合体、またはトランスフェクション複合体を含む薬学的処方物に 接触させる方法を包含する。 宿主細胞は細胞の任意の型または種であり得るが、宿主細胞は、ヒト、マウス 、サル、ハムスターなどの細胞を含む哺乳類の細胞のような真核生物細胞である ことが好ましい。本発明によるトランスフェクション可能な細胞の型は、初代細 胞(primary cell)ならびに細胞株を含む体細胞を包含する。本発明によるトラン スフェクション可能な特定の細胞の型には、樹状細胞、腫瘍細胞、線維芽細胞、 筋細胞、および卵巣細胞のような生殖系列細胞が挙げられる。 本方法はまた、インビボで患者に本発明によるトランスフェクション複合体、 または薬学的処方物を投与することによって核酸を宿主細胞中に導入する工程を 包含する。 本方法はまた、細胞に核酸を送達する公知の方法に関する改良を考慮し、ここ で核酸送達複合体が患者に投与され、その改良は、送達複合体が核酸、および本 明細書中に記載の組成または配列を有するポリペプチドを混合物のポリペプチド の1つとして含むポリペプチド混合物を含む。 本発明はまた、治療で使用するための本発明のポリペプチドを提供する。 本発明はまた、疾患の処置のための組成物の製造において、本発明のポリペプ チドの使用を提供する。 本発明はまた、トランスフェクション複合体を調製する方法を考慮し、これは 本発明によるポリペプチド、またはこのポリペプチドを含むポリペプチドの混合 物を、核酸の濃縮および粒子においてポリペプチドおよび濃縮した核酸の結合を 可能にする条件下で核酸と接触させる工程を包含する。 本発明のさらなる特徴および利点は、以下の実施態様およびその図面、ならび に特許請求の範囲からの記載において、さらに完全に明らかとなる。 図面の簡単な説明 図面が簡単に記載される。 図1は、様々な比のペプチドで形成される微粒子を示すグラフである(添加し たNaClの非存在下で、HEPES緩衝液中のDNA)。 図2は、150mMのNaCl存在下で、約1000nmの複合体の大きな粒子/凝集体が1 時間後に形成されることを示すグラフである。 図3は、異なる比のペプチド:DNAをもたらすゼータ電位のグラフである。 図4は、複合体のゼータ電位がマイナスに減少するにつれて、ペプチドとして DNAの割合が増加することを示すグラフである。 図5は、緩衝液(A)、ペプチド単独(B)、または複合体(C)のいずれかでインキ ュベートされたCos細胞のFACScan分析を示す。Dはオーバーレイプロット(細線 、緩衝液;太線、ペプチド;一本線(lined line)、複合体)を示す。 図6は、プラスミドpCMVluc、CMV最初期プロモーターから誘導されたルシフェ ラーゼ遺伝子を有するルシフェラーゼ発現べクターの模式図である。プラスミド は、ルシフェラーゼ遺伝子を含み、これはSV40イントロンおよびポリA配列、細 菌起源の複製および細菌における選択のためのβラクタマーゼを含む。プラスミ ドはまた真核生物細胞における選択のためのピューロマイシンを含む。 図7aは、そのままのDNAまたは、K6CL22およびDNAトランスフェクション複合体 を有するCos細胞の3つ組のトランスフェクションに関するデータを示す。その 値は次を提供する:照度計から読まれる発光単位(1um単位);サンプル中に見 られるタンパク質の量(mg);タンパク質の1mgあたりの発光単位(1um/mg); それぞれの条件のタンパク質の1mgあたりの平均発光単位(Av);標準誤差(St .Error)。 図7bは、図7aで示されたデータの棒グラフである。 図8は、FACScanでの前方および側方散乱によって分析された細胞の集団を示 す。 図9は、それらのマーカー、およびBecton Dickinson FAC scan、およびいく つかのアイソタイプのネガティブコントロール抗体について特異的なFITC標識ま たはPE標識した抗体を用いて表面マーカーについて分析した樹状細胞を示す。 図10は、ペプチド/DNA比が1.2と2.6の間で変化したところでのトランスフェ クション効率のグラフを示す。 図11は、種々のトランスフェクション時間での樹状細胞のトランスフェクショ ンの結果を示す。 図12は、種々のトランスフェクション時間での樹状細胞のトランスフェクショ ンの結果を示す。 図13は、トランスフェクションの時間が変化したトランスフェクションの結果 を示す。 図14は、2μgK6CL22/μgDNAおよび20μMクロロキンを使用するトランスフェ クション効率へのトランスフェクション時間の効果を示す。 図15aは、異なるK6CL22/DNA比でのCos7細胞トランスフェクションの発光およ びX-galの結果を示す。 図15bは、異なるK6CL22/DNA比でのCos7細胞トランスフェクションの発光およ びX-galの結果を示す。 図16aは、異なるK6CL22/DNA比でのCos7細胞トランスフェクションの発光およ びX-galの結果を示す。 図16bは、異なるK6CL22/DNA比でのCos7細胞トランスフェクションの発光およ びX-galの結果を示す。 図17aおよび図17bは、KLN205細胞を用いたトランスフェクションの結果を示す 。 図18は、示されるように120μMのクロロキノンの存在下で、CL22/DNA(pCMVβ) がCos7細胞またはCHO細胞をトランスフェクトするために使用されたトランスフ ェクションの結果を示す。 図19は、リポフェクチン(Gibco-BRL)およびSuperFect(Qiagen)との送達複合体 に基づくCL22の比較を示す。 図20は、CL22ペプチドの還元体または酸化体を含むDNAトランスフェクション 複合体を用いるトランスフェクション効率の比較を示す。 図21は、還元された、および還元されていないCL22のポリアクリルアミドゲル を示す。 図22は、CL22の単量体(a)および二量体(b);CL26の単量体(c)および二量体(d) ;およびNBC30(単量体)、の模式図である。 図23は、異なる比のペプチド(DNA)の粒子サイズとゼータ(zet)電位の比とのグ ラフである。 図24は、ペプチド(DNA)の比に関連するトランスフェクション効率の棒グラフ である。 図25は、CL22単量体および二量体のトランスフェクション複合体についてのト ランスフェクション効率の棒グラフである。 図26は、CL26二量体(d)およびCL22二量体(d)のトランスフェクション複合体の トランスフェクション効率の棒グラフである。 図27は、CL22二量体(d)およびCL28二量体(d)のトランスフェクション複合体の トランスフェクション効率の棒グラフである。 図28は、NBC30およびCL22単量体のトランスフェクション複合体のトランスフ ェクション効率の棒グラフである。 図29は、CL26単量体およびCL22単量体のトランスフェクション複合体のトラン スフェクション効率の棒グラフである。 図30aは、KLN205細胞によるK6CL22/DNAトランスフェクション複合体の取り込 み測定するFACScan分析を示す。 図30bは、KLN205細胞によるNBC32/DNAトランスフェクション複合体の取り込み 測定するFACScan分析を示す。 図31aは、FGFペプチド/DNAトランスフェクション複合体によるBHK21細胞トラ ンスフェクションの発光の結果を示す。 図31bは、FGFペプチド/DNAトランスフェクション複合体によるBHK21細胞トラ ンスフェクションのX-galの結果を示す。 図32aは、FCSの存在下で、異なるペプチド/DNAトランスフェクション複合体に よるHepG2細胞トランスフェクションの発光の結果を示す。 図32bは、FCSの存在下の、異なるペプチド/DNAトランスフェクション複合体に よるHepG2細胞トランスフェクションのX-galの結果を示す。 図33は、CL22およびCL26による樹状細胞のトランスフェクションの結果を示す 。 図34は、CL22およびCL26による樹状細胞のトランスフェクションの結果を示す 。 図35は、CL22およびCL26による樹状細胞のトランスフェクションの結果を示す 。 図36は、CL22の異なるパラメーターのトランスフェクション効率の比較である 。 図37は、CL22およびCL29による樹状細胞のトランスフェクションの結果を示す 。 図38は、CL22およびCL29による樹状細胞のトランスフェクションの結果を示す 。 図39は、CL22およびCL29による樹状細胞のトランスフェクションの結果を示す 。 図40は、樹状細胞におけるCL22単量体および二量体に関するトランスフェクシ ョン効率の棒グラフである。 説明 本発明は、以下の物質および方法が使用される、以下の非限定的実施例によっ て例示される。本明細書中の後で引用されるそれぞれの参照文献の全体の開示は 、本明細書中で参考として援用される。 本発明はポリペプチドの発見に基づき、これは核酸と結合する場合、核酸が細 胞中に導入されることによって効率が飛躍的に増加する。 ポリペプチドおよびそれらの合成、ならびにポリペプチドトランスフェクショ ン複合体の調製は本明細書中で記述される。ポリペプチド/核酸複合体を使用す る宿主細胞のトランスフェクションもまた、本明細書中以下で記述される。 本発明に従うポリペプチドは、以下の29のアミノ酸組成物を有する: 6個のG、2個のF、2個のL、1個のW、4個のR、2個のE、2個のN、3個のK、1個のT、 1個のS、1個のA、1個のY、1個のM、1個のCおよび1個のIであり、そして、8以上 の正の電荷の正味の数を提供するために、付加的陽イオン性残基を有する。陽イ オン性残基とは、正味の正の電荷を有するアミノ酸または他の分子のことを呼び 、その例には、リジン、エチレンイミン、アルギニン、メタクリレート、アミド アミン、プロタミン、スペルミン、およびスペルミジンが挙げられるが、これら に限定されない。ポリペプチド中に含まれる、上記で特定された29のアミノ酸は 、7の陽イオン性残基および2の陰イオン性残基を含み、それゆえ正味の5の陽 イオン電荷を含み、そして付加的な陽イオン性残基の数は、少なくとも3、そし て好ましくは4または5であり、そしてより好ましい数は例えば6、12、18、ま たは24である。 本発明に従うポリペプチドは、それゆえ上記で特定された29のアミノ酸、およ びポリペプチド中で、正味8以上の正電荷の残基であるのに十分な付加的な陽イ オン性残基を含み、ここで、上記で特定された29のアミノ酸は以下としてポリペ プチド中に存在し得る:(a)29の連続したアミノ酸のブロックであり、かつ3 以上(≧3)の陽イオン性残基(単量体)として、または(b)29+≧3のアミ ノ酸(二量体、三量体など、すなわち多量体)の2以上のブロックとしてである 。ここで、29+≧3のポリペプチドは多量体の形状で存在し、いくつかの個々の 29+≧3のポリペプチドは通常の安定な結合(ペプチド、オキシムまたはチオエ ーテル)で結合し得るかまたは、ポリペプチドは不安定な結合、例えばジスルフ ィド結合を介して結合し得る。 本明細書中で有用な陽イオン性配列は、長さの範囲が3から700である、連続 した陽イオン性残基の路(tract)であり得、これにより、正味の陽イオン電荷 は少なくとも3である。あるいは、陽イオン性配列の路は、連続である必要はな いが、陽イオン電荷の正味の数が3から700の範囲であるように、塩基性または 中性のアミノ酸の中で分散され得る。それゆえ、本発明に従うポリペプチドは、 (5+3=)8程度に少ない正味の陽イオン電荷または(5+700=)705程度に 多い正味の陽イオン電荷を含み得る。与えられた陽イオン性配列は通常の安定な 結合で、上記で特定された29アミノ酸路のアミノまたはカルボキシ末端で、また は両方の末端で、または29アミノ酸路内のいずれかで結合し得る。陽イオン性配 列が29アミノ酸路内の両方の末端に存在する場合、各末端は異なった数の陽イオ ン性残基または同じ数の陽イオン性残基を含み得る。あるいは、陽イオン性配列 は、29アミノ酸路と1以上の位置でその長さに沿って不安定(sulfhaydil)また は安定な結合を介して結合し得る。29アミノ酸路は、陽イオン性残基と1以上の 位置で陽イオン性配列の長さに沿って不安定または安定な結合を介して結合し得 る。さらに、この陽イオン性残基は29アミノ酸配列に挿入され得る。好ましくは 、連続した陽イオン性残基が挿入され得る。 本発明に従うポリペプチドの、組換えDNA方法による調製 K6CL22の調製は代表的なポリペプチドとして提供される。K6CL22は、K6CL22を コードするヌクレオチド配列の発現によって調製され得る。例えば、以下の配列 がE.coli中で発現され得る。ポリペプチドは当該分野で公知の任意の所定の発現系においてこの配列から発現 され得、そして従来の精製技術に従って精製され得る。 K6CL22 およびLicK6CL22の合成 以下の略語が使用される。Boc−t-ブトキシカルボニル;Fmoc−フルオレニル メトキシカルボニル;tBu−tブチル;Pbf−2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロベン ゾフラン-5-スルホニル;PEG−ポリエチレングリコール;PS−ポリスチレン;Tr t−トリチル;RP-HPLC−逆相高性能液体クロマトグラフィー。 K6CL22 ペプチドの調製 K6CL22は以下のアミノ酸配列を有する: K6CL22は、Fmoc-Lys(Boc)-O-PEG-PS-樹脂上の固相ペプチド合成によって0.85m molスケールで調製された。合成は、伸長合成サイクルモードでBiosearch 9050 およびPepsynthesizerを使用して、達成された。リジンおよびトリプトファン側 鎖はBoc保護され;アルギニン側鎖はPbf保護され;セリン、スレオニンおよびチ ロシン側鎖はtBu保護され:アスパラギンおよびシステイン側鎖はTrt保護されそ してグルタミン側鎖はtBu保護された。アミノ酸誘導体は、活性剤としてジメチ ルホルムアミド中のジメチルホルムアミド/0.9M N-エチルジイソプロピルアミ ン中の0.6M O-(1H-ベンゾトリアゾ-1-イル)テトラメチルウロニウムテトラフ ルオロボレート(tetramethyluronium tetrafluoroborate)(TBTU)を用いて3 モル過剰でカップリングされた。各カップリングの前のN-末端Fomc基の脱保護は 、20%ピペリジンのジメチルホルムアミド溶液を使用して達成された(高流速で 1分間、続いて3ml/分で10分間)。各残基のカップリング時間は1.5時間であ った。 完了に際し、樹脂結合ペプチドはジクロロメタンで洗浄され、そして乾燥され た。このペプチドは、室温で1.5時間、トリフルオロ酢酸/トリイソプロピルシ ラン/チオアニソール/1,2-エタンジチオール(92.5:2.5:2.5:2.5)を用い て樹脂から切断され、同時に、アミノ酸側鎖を脱保護した。次いで樹脂は濾過に よって除去され、そしてトリフルオロ酢酸で洗浄された。合わせた濾液および洗 液はエバポレーションによって濃縮され、次いでジエチルエーテルを使用して沈 澱させ、続いて遠心分離をして粗ペプチドを得た。この粗ペプチドを最小量の20 mM酢酸アンモニウム(pH4.6)に溶解させ、Sephadex G25(Superfine)ゲル濾過 カラム(100×2.6cm)ランを使用して同様の緩衝液で精製された。分析用RP-HPL Cによって測定された、ペプチドを含む画分はプールされ、凍結乾燥(lyophilis e)された。さらなる精製が、C18RP-HPLCカラム(Dynamax 83-221-C)および水 中(0.1%トリフルオロ酢酸)20〜50%勾配のアセトニトリル(0.1%トリフルオ ロ酢酸)を使用する分離用HPLCによって、30分かけて達成された。クロマトグラ フの主要ピークに相当する画分はプールされ、そして凍結乾燥された。最後に、 このペプチドは、20mM酢酸アンモニウム(pH4.6)中、Sephadex G15(Medium) ゲル濾過カラム(70×2.6cm)ランを使用して脱塩された。226nmでの分析によっ て検出されたペプチドの画分はプールされ、そして凍結乾燥された。純粋なペプ チドは-20℃で保存された。 このペプチド(モル質量4101.9と予測される)は、マトリックス補助レーザー 脱離/イオン化(MALDI)質量スペクトロメトリを使用して特徴づけられた。0.1 〜0.5mgのペプチドは1mlの0.1%トリフルオロ酢酸中に溶解され、そして0.5μl を標的に付与し、そしてKratos Kompact MALDI II-tDE分光計を使用して分析し た。K6CL22 二量体を得るためのジスルフィド形成 1.0mlの20mM炭酸水素アンモニウムは、K6CL22ペプチドを含む10.0mgの遊離チ オールに添加された。システインチオールを残し、空気中に開放されているバイ アル中、25℃で酸化(oxdise)した。二量体化(dimerisation)の進行は、キャ ピラリー電気泳動によるペプチドの本来の保持時間の変化を観察することによっ て成された。16時間後、このペプチドは完全に二量体化されたと判断された。10 mM DTTのペプチド副試料(subsample)への添加は、保持時間中に観測されたシ フトを逆に(reverse)した。二量体形成はSuperdex Peptide(HR 10/30)カラ ムを使用したゲル濾過分析によっても確認された。最後に、このペプチドは凍結 され、そして凍結乾燥されて炭酸水素塩を生じた。LIC-K6CL22 リポペプチドの調製 LIC-K6CL22は、以下の構造を有するジスルフィド連結コレステロール-K6CL22 結合体である: 21.0mg(97μmol)2,2'-ジチオジピリジンは、1mlメタノール中に溶解され、 そして4mlメタノール中で作成された40.0mg(9.7μmol)K6CL22に添加された。 この反応物は室温で1時間放置された。メタノールが減圧下エバポレートで除去 され、固体残渣に2mlの水が加えられた。懸濁液は0.4μmフィルターを通され、 そして濾液は調整用C18RP-HPLC(Dynamax 83-221-C)カラムに注入され、そして 水中(0.1%トリフルオロ酢酸)0〜30%アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢 酸)の勾配を使用して精製された。ペプチド含有画分はプールされ、凍結乾燥さ れた。10mg(45μmol)の改変されたK6CL22は2mlメタノール中に溶解され、そ して1mlクロロホルム中の0.5mgの3β-チオコレステロールが添加された。溶液 は混合され、そして室温で48時間放置された。この溶液は減圧下でエバポレート されて除去され、そして残渣を2mlの水に溶解し、過剰の脂質を除去するために 濾過された。このペプチドは、最終的に分離用C4RP-HPLCカラム(Dynamax 83-52 3-C5)で、水中(0.1%トリフルオロ酢酸)5〜100%アセトニトリル(0.1%ト リフルオロ酢酸)の勾配を使用して精製された。このリポペプチド含有画分はプ ールされ、凍結乾燥された。 純粋なリポペプチド、LIC-K6CL22(モル質量4502.1と予測される)は、K6CL22 で記述した質量スペクトロメトリによって特徴づけられた。CL28 ペプチドの構造 CL28は以下のアミノ酸配列を有する: CL28のアミノ酸組成は、CL28の場合には残基13〜35の配列がランダムである以 外、K6CL22のそれと同一である。CL28 ペプチドの調製 CL28は、K6CL22について記述された方法を使用して、固相ペプチド合成によっ て調製された。CL28はK6CL22について記述された方法を使用して精製された。 このペプチド(モル質量4101.9と予測される)は、マトリックス補助レーザー 脱離/イオン化(MALDI)質量スペクトロメトリを使用して特徴づけられた。0.1 〜0.5mgのペプチドは1mlの0.1%トリフルオロ酢酸中に溶解され、そして0.5μl が標的に付与され、そしてKratos Kompact MALDI II-tDE分光計を使用して分析 された。CL28 二量体を得るためのジスルフィド形成 1.0mlの20mM炭酸水素アンモニウムは、CL28ペプチドを含む10.0mgの遊離チオ ールに添加された。システインチオールを残し、空気中で開放しているバイアル 中25℃で酸化した。二量体化の進行は、キャピラリー電気泳動によるペプチドの 本来の保持時間での変化の観察によってなされた。16時間後、このペプチドは完 全に二量体化されたと判断された。10mM DTTのペプチド副試料への添加が、保持 時間中に観測されたシフトを逆にした。二量体の形成は、Superdex Peptide(HR 10/30)カラムを使用したゲル濾過分析によっても確認された。最終的に、この ペプチドは凍結され、凍結乾燥されて、炭酸水素塩を生じた。CL26 ペプチドの構造 CL26は以下のアミノ酸配列を有する: CL26のアミノ酸組成は、N-末端の6つのリジン配列伸長を除いては、K6CL22の それと同一である。CL26 ペプチドの調製 CL26は、K6CL22について記述された方法を使用して、固相ペプチド合成によっ て調製された。CL26はK6CL22について記述された方法を使用して精製された。 このペプチド(モル質量4871.0と予測される)は、マトリックス補助レーザー 脱離/イオン化(MALDI)質量スペクトロメトリを使用して特徴づけられた。0.1 〜0.5mgのペプチドは1mlの0.1%トリフルオロ酢酸中に溶解され、そして0.5μl が標的に付与され、そしてKratos Kompact MALDI II-tDE分光計を使用して分析 された。CL26 二量体を形成するためのジスルフィド形成 ジスルフィド結合の形成は、CL28について記述した様に行われた。NBC26 ペプチドの構造 NBC26は以下のアミノ酸配列を有する: NBC26 ペプチドの調製 NBC26は、固相ペプチド合成によって調製され、K6CL22について記述されたの と同様の方法で精製された。 このペプチド(モル質量2671.6と予測される)は、キャピラリー電気泳動、HP LCおよびマトリックス補助レーザー脱離/イオン化(MALDI)質量スペクトロメ トリを使用して特徴づけられた。0.1〜0.5mgのペプチドは1mlの0.1%トリフル オロ酢酸中に溶解され、そして0.5μlが標的に付与され、そしてKratos Kompact MALDI II-tDE分光計を使用して分析された。NBC30 ペプチドの構造 NBC30は2つのポリペプチド鎖からなり、そして以下のアミノ酸配列および二 次元構造を有する: 鎖Iのアミノ酸組成はNBC26のそれと同一である。鎖IIのアミノ酸組成物はK6CL22 のそれと同一である。K6CL22鎖は、システイン架橋を介してリジンに富んだ配列 NBC26に連結される。NBC30 ペプチドの調製 NBC26およびK6CL22鎖は、固相ペプチド合成によって別々に調製され、そして 先に記述された方法で精製された。 2つの鎖は以下のように結合された。 1. NBC26(20mg;7.5μmol)を1.0mlの水中50%アセトニトリル中に溶解させ た。固体2,2'-ジピリジルジスルフィド(dipiyridyldisulphide)(10mg;50μm ol)は撹拌ペプチド溶液に添加され、そしてこの反応混合物は暗所室温で1時間 放置された。次いでこの溶液を凍結させ、凍結乾燥させ、そしてこのペプチドを エッペンドルフ中で1.0mlの水に溶解させた。不溶性残留試薬は遠心分離によっ て除去された。このペプチドは、0〜50% B=アセトニトリル(0.1%TFA)の勾 配を使用して、Dynomax C18(83-221-C)上の分離用RP-HPLCによって精製された 。このチオール活性化NBC26は、凍結され、凍結乾燥された。 2. 1.0の水中のチオール活性化NBC26(7mg;2.6μmol)を、10mg(2.4mmol) のK6CL22に添加した。この反応は、一晩4℃で放置され、そして分析用ゲル濾過 (Pharmacia Superdex Peptide HR 10/30カラム)によって二量体形成が確認され た。最終的に、このペプチド二量体は、BDS Hyperpep 300 C18カラム上で0〜50 %Bの勾配を使用して20分にわたり、準分離用RP-HPLCによって精製された。ここ で、AおよびBは先に記述される;二量体含有画分はプールされ、凍結乾燥されて 固体NBC30を生じた。 このペプチド(モル質量6771.5と予測される)は、キャピラリー電気泳動、HPLC およびマトリックス補助レーザー脱離/イオン化(MALDI)質量スペクトロメト リを使用して特徴づけられた。0.1〜0.5mgのペプチドは1mlの0.1%トリフルオ ロ酢酸中に溶解され、そして0.5μlが標的に付与され、そしてKratos Kompact M ALDI II-tDE分光計を使用して分析された(観測された質量=6773.5;MALDI分析 の間の部分ジスルフィド還元によって、成分ペプチド鎖質量もまた2674.0および 4104.2に観測された)。 PCS のためのK6CL22-DNA複合体の調製およびゼータ分析およびトランスフェク ションアッセイ K6CL22濃度は、E280 0.1%=1.67cm-1を使用して、280nmの吸光度によって決定 され、DNA濃度は、E260 0.1%=20cm-1を使用して、260nmの吸光度によって決定さ れた。 K6CL22とDNAとの複合体は、層流フード中で、以下の方法で形成された:K6CL2 2のストック溶液(典型的には8〜12mg/ml)は水中に-20℃で保存された。これ は、解凍され、10mM HEPES pH7.4(Hepes)または10mM HEPES/150mM NaCl pH7.4 (HBS)のいずれかで、4〜400μg/mlに希釈された。(これらの非還元条件は、 ペプチド中のシステイン残基の、ペプチド間のジスルフィド結合を介して、ペプ チド二量体の形成を助けることに留意すべきである)。pCMVβプラスミドDNAの ストック溶液(典型的には水またはTE緩衝液のいずれか中に2〜4mg/ml)は、H epesまたはHBS中40□g/mlに希釈された。ペプチド(典型的には0.4〜1ml)は、 同量の希釈されたDNAに添加された。ペプチド:DNAの異なる標的比率は添加され たペプチドの濃度を変化させることによって達成された。試料は、ピペットの先 端部で穏やかに吸い上げそして下げることによって直ちに混合され、室温で最低 1時間放置してインキュベートするかまたは必要な場合4℃で一晩放置してイン キュベートした。 図1では、ペプチドおよびDNAは上述のように混合され、そして4℃で一晩イ ンキュベートされた。最終的なDNA濃度は40μg/mlであった。 このグラフは、約100nmのサイズの小さな粒子が、NaClの添加無しのHEPES緩衝 液中の種々のペプチド:DNAの比で形成されることを示している。しかしながら 、大きな粒子/凝集体が形成される特定の比がある。このペプチドでは、比は約 1.4:1(ペプチド:DNA)である。 図2では、ペプチドおよびDNAは上述のように混合され、そして室温で一晩イ ンキュベートされた。最終的なDNA濃度は40μg/mlであった。 このグラフは、150mMのNaCl存在下で、約1000nmの複合体の大きな粒子/凝集 体が、同様のペプチド:DNA比で形成されることを示す。より大きな凝集体はさ らなるインキュベーションで形成し得る。増加したペプチド/DNA比では、サイズ の変化はほとんど観測されなかった。 光子相関分光分析(PCS)/準弾性レーザー光散乱(QUELLS) PCS分析においては、試料の調製において使用される緩衝液は、20nmのフィル ターを通して濾過される。分析は25℃および90°の角度で、アルゴン−イオンレ ーザーを備え付けた、Malvern Instruments 4700 PCS機器を使用して行われた。 試料は測定前に25℃に平衡化され、そして平均Zavは3つの測定値の最小から決 定された。典型的には、レーザー出力は12mWに設定された。PMT開口部は100μm であった。Zavおよび強度および体積の分布はMalvern PCSソフトウェアを使用し て決定された。ソフトウェアでの計算で使用される定数は以下であった:粘度= 0.88cP、RI培地=1.33、RI粒子=1.6、粒子の想像のRI=0。 ゼータ電位分析 標準ゼータセルを備えたMalvern Instruments Zetasizer 3000を用いて、Hepe s中で調製される試料において、ゼータ電位が決定された。セルを平衡にするた めに、初めにゼータセルに、20nmの濾過を行ったHepesを流し、続いて、緩衝液 を吹き出すために空気のパルスを流した。次いで2mlの試料をセル中に導入した 。ゼータ電位は各試料においての6個の測定値の平均から決定された。データは Malvern Zetaソフトウェアを使用して自動設定で分析された。 図3において、PCS分析のためにHEPES中で調製された試料は、ゼータ電位につ いてもまた分析された。 このグラフは、ペプチド:DNAの比が増加すると、複合体のゼータ電位がより 小さく負になることを示す。1.4:1の比のとき、ゼータ電位は0である。 図4は上記の同様の結果を示すが、相当するPCSの結果と重なって(overlaid )おり、平均(Zav)粒子サイズは約100nmであり、そして1.2〜1.6μgペプチド/ μg DNAの範囲内の比(平均1.4)、で凝集がおこることを示している。トランスフェクション複合体の調製および濃縮活性の決定 本明細書中で使用される「トランスフェクション複合体」は、K6CL22と核酸と の非共有結合性会合をいい、すなわち、核酸の負に荷電されたリン酸基と、ペプ チドの正に荷電された陽イオン性基(例えばアミノ基)との間の、電荷:電荷( +:−)相互作用に基づいた会合である。 K6CL22および核酸を含むトランスフェクション複合体は、特定のペプチド:核 酸比で濃縮された核酸を含む。 ゲルシフトアッセイによって、核酸が濃縮されるか否かを、決定し得る。そこ では、濃縮した核酸は、アガロースゲルもしくは非変性ポリアクリルアミドゲル のウェル中、よりゆっくり移動するか、または残る。 トランスフェクション複合体の調製およびゲルシフトアッセイは、以下のよう にして行われる。 トランスフェクション複合体は、核酸の濃縮を許容するような条件下で、核酸 とK6CL22ペプチドとを組み合わせることによって調製される。核酸の濃度は例え ば20、30、または40μg/mlおよび可能であれば50、60、70、または100μg/mlか ら選択され、そして低塩緩衝液、例えば150mMのNaCl中で調製される。 1実施態様では、DNAの必要量は150mMのNaCl;25mMのHEPES中、pH7.4、または 0.6MのNaCl;25mMのHEPES中、pH7.4で20μg/mlまで作成され、そしてマルチウェ ルプレート上のウェル間でアリコートされる。0.1と0.5との間の正の電荷:ホス フェートの比を得るために必要とされる結合体またはペプチドの量が計算される 。これは、150mM塩化ナトリウム;25mM HEPES、pH7.4、または0.6Mの塩化ナトリ ウム;25mM HEPES、pH7.4のいずれか中で、DNAアリコート(0.05〜0.5ml)と等 しい体積まで作成される。DNAを含むプレートは、プレート振盪機に置かれ、そ してペプチドが0.1体積/分の速度で添加される間振盪される。K6CL22ペプチド の添加が完了した後に、この溶液を室温で少なくとも30分間インキュベートする 。それぞれの正電荷:ホスフェート比の試料は、アガロースゲルで電気泳動にか けられる。ゲルは臭化エチジウムを用いて染色され、UV光下で可視化される。濃 縮したDNAはゲルのウェル中に残り、電場中では移動しない。 トランスフェクション複合体の特徴 1)全体のサイズ 本発明において、PCSによる処方および測定が成された場合、トランスフェク ション複合体のサイズは、5nmから1500nmの範囲に収まることが好ましい。複合 体のサイズはレーザー光散乱または原子間力顕微鏡、または電子顕微鏡によって 測定される。 2)K6CL22ペプチド/核酸の比 本発明に従うトランスフェクション複合体は、粒子中のペプチド数/核酸分子 数の比が10/1から1,000,000/1の範囲であり得る。この比は、ペプチドおよび核 酸分子の相対的なサイズ、ペプチドの濃縮活性の度合い、および核酸が達成する 濃縮の度合いによる。より特定すると、この範囲は200/1〜20,000/1である。例 えば、約8kbのベクターと合わされたK6CL22では、ベクターの細胞への非標的送 達のための有用な比は、約2,500:1である(分子の相対的な数)。8kbのベクタ ーと合わせた、licK6CL22(脂質に結合したK6CL22)においては、ベクターの細 胞への標的送達のための有用な比は、約2,000:1である。核酸が例えば、10から 50ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドである場合、ペプチド/オリゴヌクレオ チドの比は0.1〜10.0、および好ましくは0.5〜1.0の範囲である。 μgペプチド/μg核酸の点では、トランスフェクションに最も有用な、K6CL22 ペプチド/核酸の比は1.0〜3.0の範囲内であると決定され、一般に最高トランス フェクション効率は1.6〜2.2の範囲で達成される。 K6CL22および核酸を含むトランスフェクション複合体中の正電荷/負電荷の比 は、核酸のリン酸残基1個当たり0.2〜20の範囲内であり得る;より好ましくは 、この比は0.8〜3.0の範囲内であり得る。 3)クロロキン K6CL22または脂質化された(lipidated)K6CL22を含むトランスフェクション 複合体がクロロキンと同時投与される場合、トランスフェクション効率の増加が 観測された。本発明に従う、有用な濃度の範囲は、一般に10μMから1mMである。 より高い投与量では、インビボでトランスフェクション複合体と共に投与される クロロキンの最大量は、3.5mg/kg体重を越えるべきではない。エキソビボでの適 用のために、処方物から希釈した後のクロロキンの最終的な濃度は、50nM〜200 μMの範囲、好ましくは1nM〜100μMの範囲である。 また、クロロキンの存在下で標的細胞をトランスフェクション複合体に曝露す る時間の延長により、トランスフェクションの効率が増加することが見出された 。この時間は、2時間から24〜48時間ほどまでであり得、より長いインキュベー ション時間に伴って、クロロキンの存在下でトランスフェクションの効率が上昇 する結果となる。 4)官能基 K6CL22もまた1つ以上の付着官能基、例えば、脂質を含有し得る(licK6CL22 )。他の官能基は、K6CL22またはlicK6CL22に共有結合もしくは非共有結合(例 えば、コイルドコイル相互作用を介して)したタンパク質、ペプチド、脂質また は化学的な基をいい、これらは生物学的液体中での複合体の安定性、細胞内への 侵入、または細胞核へのDNAの送達、もしくは染色体への組み込みに関する追加 的な生物学的機能を付与し得る。共有結合は安定なまたは不安定な結合であり得 る。従って、化学的手法を介して官能基をK6CL22に付加することを所望する場合 、これは、内部のセリン、スレオニンまたはシステイン残基(好ましくは選択さ れたリガンドとの結合のために曝露された配列中の位置へ)に官能基を付加する ことを介して達成し得る。システインは他の反応性チオール基(ジスルフィドを 介して)、アルキル化機能(チオエーテル結合を形成するために)または例えば マレイミド誘導体のような他のチオール反応性基を含有する化合物へのチオール 側鎖を介した特異的な結合を可能にする。「定義された安定性」の結合は本明細 書中以下に述べられ、例えば、酸不安定結合(ヒドラゾン)のような結合または 細胞ゾルの還元環境中より安定ではない連結(ジスルフィド)を含む。このよう な結合は、トランスフェクション複合体の官能基保有に有用である。官能基がペ プチドである場合、共有結合はペプチド結合であり得、従って融合タンパク質を 作製する。 本発明に従う有用な官能基の例は、以下を含むがこれらに限定されない:a) リガンド(例えば、i)抗原性ペプチド、またはii)標的細胞の表面上の類似 レセプターを有する、標的分子);b)脂質;c)中性親水性ポリマー;d)エ ンドソーム破壊薬剤;e)酵素、およびf)核内への細胞内輸送を促進する薬剤 、 ならびにそれらの組み合わせ。 本明細書中で使用される用語「脂質」は、水に不溶性で、アルコールに可溶性 な4〜30炭素の分子(four-thirty carbon molecule)を言う。この用語は脂肪、 脂肪性油、精油、ワックス、ステロール、コレステロール、リン脂質(phospholi pin)、糖脂質(glycolipin)、硫脂質(sulfolipin)、アミノ脂質(aminolipin)、色 素類脂質(chromolipin)および脂肪酸を含む。K6CL22は、脂質(例えば、脂肪酸 の活性化エステル)との濃縮により特異的に改変され得る。脂肪酸は、理想的に はパルミチン酸、オレイン酸(例えば、ジオレオイルホスファチジルエタノール アミン)、ミリスチン酸またはコレステロールのいずれかであるが、例えば、ス テアリン酸のような他の脂肪酸もまた使用し得る。 また、本発明に従って有用な官能基はまた、細胞の取り込み(例えば、膜構造 の破壊によって)の促進に貢献するリガンド(例えば、インフルエンザウイルス 由来のHAペプチド)を含有する。本発明に従って有用な追加的な融合性(fusogen ic)ペプチドは、センダイウイルスからの融合性ペプチド(D.RapaportおよびY .Shai,J.Biol.Chem.263,15124-15131(1994))、HIV gp41タンパク質から の融合性ペプチド配列(M.Rafalaski,J.D.LearおよびW.F.DeGrado,Bioch emistry 29,7917-7922(1990))、パラダキシン(Paradaxin)からの融合性ペプチ ド配列(D.Rapaport,G.R.Hague,Y.PounyおよびY.Shai,Biochemistry 32 ,3291-3297(1993))、およびメリチンからの融合性ペプチド配列(C.R.Dawso nら,Biochem.Biophys.Acta.510,75(1978))を含む。 細胞のトランスフェクション 上述のように、細胞はK6CL22および核酸を含む複合体でトランスフェクトされ 、そして核酸またはその遺伝子産物が細胞内で検出される。 トランスフェクションプロトコル1 1.細胞をトリプシン処理し、収集し、6ウェルプレートに、3ml中1×105細 胞/ウェルで播種する。1ポイントあたり3つのウェル(通常、モック、ポジテ ィブコントロールおよび12のサンプル)および1実験あたり2セットのプレー トを可能にする。37℃で一晩インキュベートして確立する。 2.翌日、ウェルから培地を吸引し、SF RPMI(1×)で慎重に洗浄する。 3.ウェル当たりRAQ(または、実験をクロロキンの非存在下で行う場合、RA)8 75μlを添加する。次に、複合体(またはSF RPMI)をgilsonのマイクロピペッタ ーを用いて125μl滴下する。穏やかにプレートを攪拌(swirl)して混合を確実に する。37℃で5時間インキュベートする。 4.インキュベーション後、ウェルからトランスフェクション培地を吸引し、1 ウェルあたり新たな3mlのDF10と交換する。一晩インキュベートする。 5.翌日、以下によってトランスフェクション効率を評価する:(a)CMVβプ ラスミドのGalacto-light染色およびX-gal染色、または(b)ntr-含有プラス ミドの免疫染色およびELISA。 (CMVβは、Clontech Laboratories,Inc.カタログ番号6177-1から購入した。 オリジナルはMacGregorおよびCaskey,Nucl.Acids Res.第17巻2365頁(1989)に より作製された)。 RAQ ヒト血清アルブミン11.36mlをRPMI 500mlに添加する。この(RA)を4℃で保 存する。トランスフェクション設定をする前に、必要量のRA(0.875ml×ウェル 数)を無菌容器に入れ、そして1ml当たり10mMクロロキン(Q)を13.7μl添加 する。これは複合体を添加した後にトランスフェクション培地内のクロロキンの 最終濃度が120μMとなるようにする。 モック モックウェルは基本的にネガティブコントロールである(すなわちトランスフ ェクトされない)。複合体の代わりに、SF RPMI 125μlをRAQ(上記の3工程目 )に添加する。 ポジティブコントロール 貯蔵DNAは、約0.5mg/mlの濃度で保たれる;より高い濃度は、これをdH2Oで希 釈し、正確な濃度を決定すべきである。 PEG希釈(以下を参照): 10g PEG 8000 5ml 0.5M PO4-pH7.4 750μl 5M NaCl dH2Oで100mlにし、0.2μMのフィルターを介して滅菌濾過する。 「ポジティブコントロール」複合体を以下のように調製する; a)以下を上から順に添加し、「V」-底96ウェルプレートとする: 15mg/ml NBC9 2.4μl (2μg/μgペプチド/DNA) dH2O* 103.8μl 0.5M PO4 - 9.0μl 5M NaCl 21.6μl DNA* 36.0μl 1mg/ml LIP9 7.2μl (0.4μg/μgペプチド/DNA) (180μl 最終) *量は0.5mg/ml DNA溶液で与えられる。従って、他のストックDNA濃度について、 量を調節する。100μg/mlの最終濃度が必要である。 NBC9は、以下のアミノ酸配列を有するヒストンベースのペプチドであり:H2-T KKSPKKAKKPAAKKSPKKAKKPAAKKSPKKAKKPAAC(Acm)-COOH。NBC9の末端システインは アセトアミドメチル基でブロックされる。 b)プレート密閉付加蓋(エバポレーションを最小限にするため)でプレートを 覆い、そして室温で1時間インキュベートした後に冷蔵庫内に一晩おく。 c)トランスフェクションの直前に、24ウェルプレートのウェルに660μlのPEG 希釈液を添加し、フード内の振盪機上にプレートを置く。振盪を500〜600に設定 する。96ウェルプレートから165μlの複合体を取り出し、そして振盪しながらPE Gに滴下する。 d)ウェル中のRAQに希釈複合体125μlを添加する(希釈の1時間以内に使用) 。 試料は20μg/mlのDNAである。1ウェル当たり125μlを添加する。 X-gal染色(CMVβ-トランスフェクト細胞) プロトコル2 1.上清を除去し、細胞をPBSで洗浄する(約2ml/ウェル)。 2.細胞を0.05%グルテルアルデヒド1ml/ウェルで固定する。室温で10分間イ ンキュベートする。 3.細胞をPBSで洗浄する。 4.細胞をX-gal溶液1ml/ウェルで染色する。プレートを37℃で一晩インキュ ベートする。 5.翌日青色の細胞の存在を探す。青色染色された細胞は、遺伝子がうまく細胞 に送達されていることを示す。 グルテルアルデヒド(gluteraldehyde) ストック25%グルテルアルデヒドをSIGMAから入手し、アリコートで凍結した ままにする。PBSで0.05%まで希釈する(1/500希釈)。 X-gal溶液 X-galストック:40mg/ml(ジメチルホルムアミド中) X-gal緩衝液:20mM K3Fe(CN)6シアン化第2鉄カリウム(0.66g/100ml) 20mM K4Fe(CN)6.3H2Oシアン化第1鉄カリウム(0.84g/100ml) 2mM MgCl2 PBS中 1mg/ml溶液を与えるために、X-gal緩衝液中にX-galストックを1/40希釈す る。 Galacto-Light アッセイ(CMVβトランスフェクト細胞) プロトコル3 1.細胞をPBSで1回洗浄する。 2.細胞抽出物を調製するために、6ウェルプレートのウェルごとに250μlの溶 解緩衝液を添加する。細胞を掻き落とし、そしてピペットで吸い上げおよび吸出 し、細胞溶解を補助する。 3.エッペンドルフに移す。@13K rpmで2分間遠心分離する。 4.エッペンドルフをきれいにするために上清を移す。 5.各上清当たり、10μlを照度計チューブに移動する。 6.ポジティブおよびネガティブコントロールを調製する。 7.各照度計チューブに反応緩衝液を100μl(ピペッティングを繰り返して)添 加する。混合するために撹拌する。室温で60分間インキュベートする。 8.光放射加速器を用いて、3回「他(others)」、「オペレーター作動(operato r function)」、「洗浄サイクル(wash cycle)」、「開始(start)」(2×)を選 択することによる洗浄によって、照度計を調製する。洗浄サイクルを出る。 9.「測定(measure)」、「未処理データ(raw data)」、「続行(continue)」、1 0s(入力)、1複製(入力)の選択により試料を実行する。照度計時間を1ポイ ント当たり10秒に設定し、1チューブ当たり100μlの光放射加速器の注入を可能 にする。通常の間隔での光放射加速器のレベルを確認することに留意。 10.目盛の読みが高すぎる場合、試料をGalacto-Light緩衝希釈液で希釈し(緩 衝液90μl中に試料10μl)、再び読む。 11.使用後、照度計をdH2Oで洗浄する(「測定」プログラムを終了、ステップ7 に示されるように洗浄サイクルを再入力する)。 溶解緩衝液 新たな100mMストックDTT(ジチオスレイトール)を溶解溶液キットに添加して 1mM(1%)とする。 反応緩衝液 ガラクトン(Galacton)基質およびGalacto-Light緩衝希釈液を室温まで暖める 。使用の直前に、ガラクトン基質をGalacto-Light緩衝希釈液で100倍希釈する。 ポジティブコントロール β-ガラクトシダーゼ1μl(10ユニット/ml、詳細はGalacto-Light手順を参 照のこと)を、モックトランスフェクト細胞抽出物9μlに添加する。 ネガティブコントロール 使用した実験用細胞抽出物(すなわち、モック)の容量に等価な、細胞抽出容 量をアッセイする。 遺伝子治療 1.エキソビボ送達 本発明のトランスフェクション複合体はまた、初代細胞(例えば、造血系の細 胞、例えば、標準フィコールグラジエント遠心分離により末梢血から調製される 、中間末梢血単核細胞)の高レベルトランスフェクションが可能であることが示 され得る。細胞は、100mMのクロロキンがトランスフェクションに含まれ得るこ と以外は、標準アッセイ条件を使用してインキュベートされる。トランスフェク トされた細胞は、以下に示すように、患者に送達される遺伝子に依存する用量で 患 者に投与され得る。この用量は、医者が要求し、そして決定するように反復され 得る。用量を決定するパラメータは疾患の重篤度、遺伝子または遺伝子産物の存 在による処置に対する服従、および処置による疾患症状の減少によって示される 。 2.インビボ送達 以下のように、マウスガンモデルがインビボのトランスフェクション複合体の 効率を証明するために使用され得る。3匹のBDF1雄マウス(血統はC57B16とDBA2 マウスの交雑により、Paterson Institute of Cancer Research,Manchester U .K.で発達した)は、BDF1マウスに自然発生した、マウス乳ガン細胞株のガン 細胞株T50/80の細胞(Paterson Institute;D0ddらBritish J.Cancer 60,164(1 989))を皮下に移植され得る。移植後8週間で、各マウスは右側腹部直径6〜9 mmの腫瘍塊を有していた。 β-ガラクトシダーゼ(lacZ)レポーター遺伝子をコードするプラスミドDNA( 800mg/ml)の、0.85mM塩化ナトリウムを含有する25mM HEPES緩衝液中の溶液をボ ルテックス混合器(IKA-Schuttler MT4)を使用して300rpmで混合する。同一緩 衝液中のペプチドK6CL22の等容量800mg/mlを、速度0.1vol/分でDNAへ滴下する。 複合体は4℃で一晩インキュベートする。次に、最終濃度0.3mg/mg DNAのLicK6C L22を複合体混合物へ添加し、37℃で30分間インキュベートする。 T50/80腫瘍を保有する3マウスをエーテルで麻酔し、腫瘍塊に以下の溶液20ml を注入する:動物(a)7.14mgプラスミドDNAを含有するHEPES緩衝液;動物(b )7.14mgを含有する送達複合体、および動物(c)は動物(b)と同一の溶液と 、追加的な10mMクロロキン溶液0.24mlを処方物緩衝液に溶解させたものを注入す る。 マウスは注入後48時間で脳転座により屠殺される。腫瘍は切開により除去され 、素早く液体窒素中で凍結し、そして0.25%グルタルアルデヒドのリン酸緩衝化 生理食塩水中で固定する前に、断面が出るように切断する(腫瘍塊の中央を介し て切断した14mm断片)。断片はβ-ガラクトシダーゼ活性に対して24時間、X-GAL (Sigma Ltd.,Poole U.K.)で染色する。そして、Boutら(Exp.Lung Res.19 ,193-202)により述べられたNFR(Nuclear Fast Red)染色で染色したものを計数 する。このアッセイにおいて、β-ガラクトシダーゼ活性を発現した細胞は青色 に染色される。 スライドは顕微鏡で試験された。これらの腫瘍の代表的な断片は、β-ガラク トシダーゼ酵素の発現を導く、レポーター遺伝子lacZをコードするプラスミドDN Aでトランスフェクトされた腫瘍組織を介した断片で写真を撮影することで示さ れる。β-ガラクトシダーゼを発現する細胞の部位を示すために、断片は調製さ れ、染色される。スライドは、明るい視野で調節された標準顕微鏡を使用して試 験され、そして記録される。 実施例1 K6CL22/DNAを使用したCos細胞のトランスフェクション Cos7細胞(サル腎臓線維芽細胞、A.T.C.C.CRL1651)を、K6CL22ペプチド (また、K6CL22という)およびpCMVβ(Clonetech)からなる複合体でトランス フェクトし、これに反して、Cos7細胞をトランスフェクションを示さない、等量 のそのままのDNAでインキュベートした。 DNAおよび複合体溶液を以下のように調製した: DNA溶液:100μg/ml pCMVβ、25mMリン酸pH7.4、0.6M NaCl。複合体溶液:100μ g/ml pCMVβ、25mMリン酸pH7.4、0.6M NaCl、200μg/ml K6CL22。これらの溶液 は、室温で1時間インキュベートし、次に4℃で一晩インキュベートした。Cos 細胞は、1ウェルあたり1×105細胞で6ウェルプレート(DMEM中、10%ウシ胎 児血清(FCS))に、複合体またはDNAとのインキュベーション24時間前に播種し た。 DNAおよび複合体溶液をPEG希釈液(10%PEG 8000、25mMリン酸pH7.4、37.5mM NaCl)で、最終DNA濃度の20μg/mlまで希釈した。トランスフェクション直前に 、Cos細胞をPBSで洗浄し、そして1ウェルあたりRATQ培地(クロロキン137.14μ Mを有するRAT培地)875μlを添加した。次に、1ウェルあたり希釈複合体または DNA溶液125μlを添加し、細胞を37℃で5時間インキュベートした。次に、製造 業者の指示に従って、Tropix Galacto-LightTMキット(Tropix,カタログ番号BL 300G)を用いて、β-ガラクトシダーゼ活性について細胞をアッセイした。簡潔 に言えば、DMEM、10%FCSでウェルを洗浄し、次いで1ウェル当たり、 溶解緩衝液250μl(キットにより提供され、ジチオスレイトールを添加して1mM にした)を添加した。次に、細胞を掻き落とし、そしてピペットで吸い上げそし て吸い出し、細胞溶解を補助した。溶解細胞をエッペンドルフ管に移し、13Kで 2分間遠心分離した。エッペンドルフ管をきれいにするために上清を移した。2 〜10μlの上清を照度計アッセイチューブに添加し、溶解緩衝液で10μlにした。 各チューブに反応緩衝液を100μl添加し、試料を室温で60分間インキュベートし 、次に光放射加速器およびBarthoid lumat LB 9501照度計を用いて分析した。清 澄化細胞溶解液のタンパク質濃度はBio-Rad DCタンパク質アッセイキット(Bio- Rad)を使用して測定した。その後、結果は、タンパク質1mg当たりの相対的な 光ユニットで表現される(図7)。各トランスフェクションを3回ずつ行った。 明らかに、そのままのDNAのCos細胞は検出可能なトランスフェクションを有さ ないが、K6CL22/DNA複合体は非常に効果的なトランスフェクションを有する。 K6CL22ペプチドをフルオレセイン-マレイミドを使用する、システインを介し て蛍光ラベル化した。ラベル化は約7%の効率であった。ラベル化のプロトコル は以下の通りであった:4.2mgのK6CL22を、pH6.5の20mM MES 0.5mlに溶解した。 次に、フルオレセイン-5-マレイミド(Molecular Probes,Europe)2.1mgをエタ ノール250μlに溶解し、そしてペプチド溶液に添加した。撹拌溶液が透明になる までエタノールを滴下した。24℃で1時間後、試料を50%アセトニトリル水溶液 を使用して、PD-10カラム(Pierce & Warriner,UK)上で脱塩した。ラベル化さ れたペプチドを含有する画分を凍結乾燥し、-20℃で保存した。このペプチドをK 6CL22-Flと呼ぶ。 K6CL22-FlおよびpCMVluc(図6)を使用して送達系を作成した。送達ビヒクル は以下の方法で作成した。DNAおよびペプチド溶液を以下のように作成した:DNA ペプチド溶液:K6CL22-Fl 19.2ml(無菌水中@5mg/ml)を1180.8mlの10mM HEPE S、150mM NaCl(HBS)に添加した。DNA溶液:pCMVluc 56.5ml(@0.5mg/ml)をH BS 1l43.5mlに添加した。 次に、ペプチド溶液をピペットですばやく添加し、続いてピペット添加を繰り 返すことによってDNA溶液とフラッシュ混合した。複合体溶液を室温で1〜2時 間放置し、その後細胞に添加した。19.2mlのK6CL22-Fl(@5mg/ml)を含有す るコントロールペプチド溶液を、2380.8mlの10mM HEPES、150mM NaCl(HBS)に 添加した。 複合体、ペプチドまたは緩衝液でインキュベーションする24時間前に、Cos細 胞を6ウェルのプレートにおいて、1ウェルあたり1×105細胞個を播種した。C os細胞をPBSで1回洗浄し、800mlのRAT培地を添加した。次に、200mlの複合体、 遊離ペプチドまたはHBSを細胞に添加した。30分間のインキュベーション後、細 胞をPBSで2回洗浄し、次に、2mlのPBS、1mMのEDTAでインキュベートし、付着 細胞を解放した。細胞を収集し、500mlのPBSに再懸濁し、そしてFACS分析(Beck ton Dickinson FACScan)で分析した。複合体が送達された細胞が、ペプチドの みとインキュベートされた細胞よりも、より多くの蛍光、従ってより多くのペプ チドと関連する、ということをFACSデータは明らかに示す(図5)。 実施例2 K6CL22/DNAによるヒト樹状細胞のトランスフェクション ヒト樹状細胞(DC)の産出 ヒトDCを、Romaniらにより記載されるように用意した(J.Exp.Med.180:83- 93(1994))。簡潔には、ヒトPBMCをバフィーコートから当該分野で公知の標準的 なプロトコルにより調製した。PBMCをDC培地中(RPMI-1640、10%FCS、2mMグル タミン、1%非必須アミノ酸、50□M β-メルカプトエタノール、10ユニット/ml ペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン)に再懸濁し、プラスチック組織培 養皿に付着させた。5%CO2、37℃で2時間後、非付着細胞を除去し、付着細胞 を穏やかに洗浄し、続いてDC培地+サイトカイン(GM-CSF(800U/ml)およびIL-4( 500U/ml))で培養した。培養の2日毎に、培養物にサイトカインを与えた。培養 の6〜7日後、細胞が、これらの細胞を同定することが当該分野で公知である「 DC様」表面マーカーを有する。典型的に、細胞の集団は、FACスキャンの前面お よび側面散乱(図8)によって分析されるように相対的に均一であり、これらの 細胞に特徴的な表面マーカーは予想される通りである(CD14-、CD19-、HLA-DR+ 、CD1a+、CD40+;図9)。図9において、樹状細胞を、これらのマーカーに特異 的なFITCまたはPE標識化抗体を使用して、表面マーカーについて分析した。 Becton Dickinson FACスキャンおよびいくつかのアイソタイプネガティブコント ロール抗体を使用した。 DC のトランスフェクション 培養6日目に細胞を収集し、そしてRAT培地中(RPMI 1640、ヒト血清アルブミ ン1mg/ml;ヒトトランスフェリン(部分的に飽和した)50μg/ml)で3.44×105 細胞個/mlに再懸濁する。24ウェルのプレートを使用し、適切な量の約10mMクロ ロキンおよび125μlの複合体を1つのウェルに添加するが、試料を混合しない方 法で行う。次に、RAT中のDC 871μl(上記)をウェルに添加する。複合体を、プ ラスミドpEGFP-N1(Clontech)をpCMVβの代わりに使用したこと以外は、「PCSお よびゼータ分析のためおよびトランスフェクションアッセイにおけるK6CL22-DNA 複合体の調製」という表題の章に述べたように作成する。プレートを1100rpmで 5分間回転させ、37℃、5%CO2で所定の時間インキュベートした。細胞をウェ ルから除去し、収集し、ウェルあたり1mlのDC培地+サイトカインに再懸濁し、 そして37℃、5%CO2でインキュベーションするためにプレートに戻した(注意 :トランスフェクション時間の長さに依存して、細胞のいくつかは、ウェルに付 着し得る。懸濁細胞を洗浄する間、付着細胞はウェル中に残る)。収集する前の インキュベーション時間の長さ(発現時間)は、変化し得る。その後、各ウェル を収集し、スライド上でサイトスパンし、トランスフェクト細胞を、LEICA蛍光 顕微鏡を使用して可視化する(ポジティブ細胞は緑色に見える)。スライド当た りのポジティブ細胞の数を計数する。ポジティブ細胞が過剰数存在する場合、細 胞の公知の画分をサイトスパンするか、または細胞によって覆われたスライド領 域の公知の画分を計数するかのどちらかである。従って、トランスフェクト細胞 の全数は決定され得る。 図10〜14は、樹状細胞の2つの異なる調製の、トランスフェクトの結果を示し 、ここである変数をトランスフェクション効率に対する影響を決定するために試 験した。図10において、ペプチド/DNA比が1.2と2.6との間で変化し、最高のトラ ンスフェクション効率は、1.4〜2.0の範囲内の比で得られた。トランスフェクシ ョンを、40μMクロロキン中で、4時間のトランスフェクション時間および一晩 の発現時間で行った。 図11は、種々のトランスフェクション時間で樹状細胞をトランスフェクション した結果を示す。樹状細胞を、40μMクロロキン中で2μg K6CL22/μg DNAで、 示すような種々のトランスフェクト時間トランスフェクトした。発現時間は一晩 であり、そして細胞の生存力をまた、収集時にトリパンブルー染色により評価し た。 図12は、種々のトランスフェクション時間で樹状細胞をトランスフェクション した結果を示す。樹状細胞を、80μMクロロキン中で2μg K6CL22/μg DNAで、 示すような種々のトランスフェクト時間トランスフェクトした。発現時間は一晩 であり、そして細胞の生存度をまた、収集時にトリパンブルー染色により評価し た。 図13は、トランスフェクション時間を変化させた場合の、トランスフェクショ ン効率の結果を示す。樹状細胞のトランスフェクションを、40μMクロロキン存 在下、2μg K6CL22/μg DNAを使用して実行した。トランスフェクション効率は 、(ポジティブ細胞の総数/生存細胞の総数)×100として算出する。発現時間 は一晩であった。 図14は、2μg K6CL22/μg DNAおよび20μM クロロキンを使用した、トランス フェクション効率に対するトランスフェクション時間の影響を示す。トランスフ ェクション効率は、(ポジティブ細胞の総数/生存細胞の総数)×100として算 出する。発現時間は一晩であった。 実施例3 Cos 7細胞のK6CL22/DNAでのトランスフェクション トランスフェクションを上記の「PCSおよびζ分析およびトランスフェクショ ンアッセイについてのK6CL22-DNA複合体の調製」のように行い、K6CL22/DNA(pCM Vβ)をHEPES緩衝液で調製した。図15aおよびbは、異なるK6CL22/DNA比でのトラ ンスフェクションのルミネセンスおよびX-galの結果を示す。 実施例4 Cos 7細胞のK6CL22/DNAでのトランスフェクション トランスフェクションを上記の実施例3のように行い、K6CL22/DNA(pCMVβ) をクロロキン(CQ)ありおよびなしで、HBS緩衝液(HEPES緩衝化生理食塩水)で 調製した。図16aおよびbは、異なるK6CL22/DNA比でのトランスフェクションのル ミネセンスおよびX-galの結果を示す。クロロキンの存在(120μM)を陰影を付 けた線で示す。 実施例5 KLN 205細胞のK6CL22/DNAでのトランスフェクション KLN205細胞(上皮に独特なマウス扁平上皮細胞癌、A.T.C.C.CRL1453)。トラ ンスフェクションを上記の実施例3のようにHEPES緩衝液またはHBSで、示したよ うに、異なるlic-K6CL22/DNA(pCMVβ)比で行った。図17aおよびbは、トランスフ ェクションの結果を示す。 実施例6 Cos 7細胞およびチャイニーズハムスター卵巣細胞のK6CL22/DNAでのトランスフ ェクション 図18は、K6CL22/DNA(pCMVβ)を用いて、Cos7細胞またはCHO細胞を、示したよ うに、120μMクロロキンの存在下でトランスフェクトした場合の、トランスフェ クションの結果を示す。細胞を、2ml培地に5×104細胞/ウェルで播種し、別のト ランスフェクションを実施例3で上記されるように行った。 実施例7 K6CL22トランスフェクション複合体およびリポフェクチンおよびスーパーフェク ト(superfect)の、樹状細胞のトランスフェクションの効率に関する比較 同じ標本から等しい数の樹状細胞を以下の試薬でトランスフェクトし、次いで 全ての細胞をサイトスパン(cytospun)し、そしてポジティブな細胞の数を蛍光 顕微鏡を用いて視覚化によりカウントした。トランスフェクション剤は以下のよ うであった;2μgK6CL22/μg pEGFP-N1送達複合体と80Mクロロキンおよびトラ ンスフェクション時間1時間(1);リポフェクチンを2.5μg pEGFP-N1/10 lリ ポフェクチン(2)および10μg pEGFP-N1/20μlリポフェクチン(3)で使用し た;SuperFectをpEGFP-N1/SuperFect-1μg/2μl(4)、1μg/4μl(5)、1μg /8μl(6)、2.5μg/5μl(7)、2.5μg/10μl(8)および2.5μg/10μl(9 )の種々の量で使用した。リポフェクチンでのトランスフェクションを、3 倍希釈および一晩の発現期間に続いて、4時間のトランフェクション期間で製品 プロトコル(Gibco、BRL)に記載のように行った。SuperFectでのトランスフェ クションを、一晩の発現期間で、製品プロトコル(Qiagen)に記載されるように 再び行った。図19に示したその結果は、少なくとも3つの点(2つの点の平均で ある2を除く)の平均であり、そして誤差バーは標準誤差である。 実施例8 K6CL22の単量体と二量体化調製物との比較 N-エチルマレイミド(NEM)を用いたK6CL22のシステインチオールのブロッキ ング 6.0mg(1.5μmol)K6CL22(バッチ42A)を0.90mlPBS中に溶解し、そしてシステイ ンを0.10mlの水中の3.0mg(20μmol)DTTを添加することによって還元した。室温 で2時間後DTTをSephadexG25微粒を充填した1.6×30cmカラムを用いておよびラ ンニング緩衝液として、pH5.0、20mM酢酸アンモニウムを用いてゲル濾過によっ て除去した。ペプチドを含む画分を貯蔵し、冷凍乾燥し、そして4.0mgの新たに 還元したペプチドをPBS中で1.0mlにした。Ellmanアッセイ(参照;Hermanson、GT (1996)「Bioconjugate Techniques」88-90頁(Academic Press Ltd、Londonから 出版)により決定されたように、ペプチドに対する遊離チオールのモル比は0.88 であった。 900μlの、4.0mg/mlの新たに還元したK6CL22に、0.8mg(6.4μmol)のNEMを含む 100μlの水を添加した。25℃で3時間インキュベーション後、Ellmanアッセイは 遊離チオールの存在を検出しなかった。過剰のNEMを上記のようにゲル濾過によ り除去し、その後、凍結乾燥して2.1mgのチオールでブロックされたペプチドを 得た。MALDI-TOF質量分析による分析により、ブロックされたペプチドについて4 227.8(MW4227.0の予測)の測定分子量を得た;また、ブロックされていないペ プチドの質量に対応する小さなピークが存在した。これは、分析の間のチオール 脱保護に起因し得る。 K6CL22二量体を得るためのジスルフィド(disulphide)形成 水中の遊離チオール含有K6CL22ペプチド(5.0mg/ml)1.0mlを、pH8.0、1.0ml の0.1Mホウ酸ナトリウムに添加した。システインチオールを、空気中に開けたま まにしたバイアル中、25℃で放置して酸化させた。二量体化の進行は、キャピラ リー電気泳動によりペプチドのオリジナルの保持時間の変化を観測することによ って追跡した。16時間後、ペプチドを完全に二量体化されたと判定した。ペプチ ドサブサンプルへの10mMDTTの添加により、保持時間で観測されたシフトが反転 した。二量体の形成はまた、Superdex Peptide(HR10/30)カラムを用いるゲル 濾過分析によっても確認した。最後に、ホウ酸ナトリウム塩を、上述のように、 凍結乾燥する前に酢酸アンモニウム中でゲル濾過することによって除去した。 SDS PAGE分析 還元およびアルキル化した(ブロックした)K6CL22のサンプル、および完全に 酸化した(二量体化した)K6CL22の2つのバッチをSDS-PAGEによって分析した。 0.5μg/laneの各サンプルを、還元したおよび還元していないサンプル緩衝液に1 6%tris-tricineゲル(Novex)上にロードし、そして1時間35分電気泳動した (125Vの一定電圧で)。このゲルを、クーマシーブルーで染色した。図21はゲル のイメージを示す。 分析により、非還元条件下(サンプルA)では、還元およびアルキル化した6K CL22のバッチは主に単量体であり、一方で酸化したバッチ(サンプルBおよびサ ンプルC)は二量体化されたことが示される。還元条件下で、全てのサンプルは 単量体であり、ジスルフィド架橋により形成された主な二量体と一致する。 図20は、示されるように、ペプチドの酸化形態に対して還元およびアルキル化 された形態を用いて、示されるK6CL22:DNA比でKLN205細胞をトランスフェクトし た後の、ルミネッセンスおよびX-galの結果を示す。この結果は、ペプチドの酸 化形態が、還元/アルキル化形態より顕著に高いトランスフェクションの効率を 生じることを示す。 実施例9 本発明の種々のポリペプチドを、トランスフェクション効率について上記のよ うにテストした。その結果を図22〜29に示す。図において、「ペプチドox」は、 ペプチドの酸化型のことを言い、これはジスルフィドで連結した二量体である( 例えば、K6CL22ox=K6CL22二量体)。 図22において、K6CL22単量体(a)および二量体(b)の模式的例示を示す。ト ランスフェクションの結果は、K6CL22単量体がK6CL22二量体と比較して弱くトラ ンスフェクトしていることを示す。図22はまた、単量体中のCL26(c)および二 量体(d)形態の模式的例示を示す。トランスフェクションの結果は、CL26単量 体および二量体が等しく良好にトランスフェクトしていることを示す。図22は、 NBC30(単量体)の模式的例示である。トランスフェクションの結果は、NBC30( 単量体)およびK6CL22二量体が等しく良好にトランスフェクトしていることを示 す。トランスフェクションの結果を図23〜29に示している。図29のデータはCL26 単量体とK6CL22二量体の比較を示している。図にはまた、K6CL22二量体のデータ が含まれ、K6CL22二量体は、ジスルフィドの代わりに安定なチオエーテル結合を 含む(BITCL22)。 実施例10 KLN205細胞によるDNA複合体の取り込み 実施例10は、KLN205細胞が本発明の方法によりトランスフェクトし得ることを 示す。この新しい実施例は、K6CL22複合体化DNAが、先行技術で記述されるポリ リジンペプチドと複合体化したDNAと比較して、これらの細胞によって効率的に 取り込まれるが、トランスフェクションの効率は、K6CL22複合体化DNAを用いる とかなり大きくなることを示すことにより、この観測について述べている。さら に、K6CL22複合体化DNAの取り込みがポリリジンペプチドの取り込みより小さい 場合でさえ、例えばFCSの存在下で、トランスフェクションの効率は、なおK6CL2 2複合体化DNAを用いたほうが大きい。 KLN205細胞を、DNAを添加する1日前に6ウェルプレートに1ウェル当たり1.5 ×105細胞の密度でプレートした。プラスミドDNA(pCMVgal)を蛍光染料で標識 化した:YOYO-1(分子プローブ、Eugene、OR)を100bpにつき1染料分子の割合 で(すなわちDNA1μg当たり10μM YOYO-1溶液を1.5μl)。DNAを10mM HEPES(p H7.3)で40μg/mlに希釈した。トランスフェクション複合体は、10mM HEPES、pH 7.3中でDNA溶液(40μg/ml)およびペプチド溶液(90.3μg/mlのK6CL22;37.1μg /mlのNBC32)の等量を混合することによって、DNAとK6CL22またはNBC32(配列TK36 YCGのポリリジンポリペプチド)のいずれかとの間で形成され、+2の電荷比お よび20μg/mlの最終DNA濃度を得た。トランスフェクション複合体溶液を1時間 室 温で放置し、その後、DNA濃度2μg/ウェルでFCSありまたはなしでEMEM中の細胞 /120μMクロロキンに適用した(すなわち100μl複合体に1ウェルについて900μ l培地を添加)。37度で4時間インキュベーション後、細胞をPBSで2回洗浄し、 そしてトリプシン/EDTAで採取した。細胞に関連した蛍光を、FACScan(Becton D ickinson)を用いて分析した。図30は、標識化していない細胞の蛍光(コントロ ール;細線)、FCSなしの培地中で複合体とインキュベートした細胞(太線)、F CSを含む培地中で複合体とインキュベートした細胞(破線)を示す。平均光ユニ ット(発現する細胞の%)を、FCSの非存在下でK6CL22と3000×106RLU(35%) 、FCSの存在下でK6CL22と77×106RLU(5%)、FCSの非存在下でNBC32と29×106R LU(1.5%)およびFCSの存在下でNBC32と12×106RLU(1.5%)の条件下で得た。 この実験の結果は、遺伝子発現が、NBC32と複合体化したプラスミドDNAでトラ ンスフェクトしたKLN205細胞と比較して、K6CL22と複合体化したプラスミドDNA とトランスフェクトしたKLN205細胞中でより高いことを示す。それゆえ、比較的 少ない量のDNAが細胞に入る条件下でさえ、K6CL22濃縮DNAでのトランスフェクシ ョンは高い遺伝子発現をもたらす。 実施例11 CL26はFGF標的化DNA複合体のトランスフェクトを増強する 2つのシステインの代わりに1つのシステインのみを含むように操作して( 96位のCysをSerに変異誘発する)、部位特異的ペプチド複合体化を可能にした組 換えヒト線維芽細胞増殖因子(rFGF2/3)を、Prizm Pharmaceuticals、San Diego 、CAから入手した。 CL26(N末端上の追加の6リジン残基を用いて合成したCL22)を以下の方法に よりFGF(線維芽細胞増殖因子)に結合した:12mgCL26(2.5μmol)を0.1M DTT を含む800μl 0.1M HEPES(pH7.4)で溶解した。室温で30分後、DTTを25mM HEPE S(pH7.4)を用いてSephadex G-25カラムでゲル濾過によりペプチドから除去し た。新たに還元したペプチドを、まず200μlエタノール中に5倍モル過剰の試薬 を溶解し、その後、プールしたペプチド画分(最終容積2.2ml)に添加すること によって、2,2'-ジピリジルジスルフィドで活性化させた。室温で2時間後、ペ プチドをG-25カラム上でゲル濾過により再び精製した。溶出ペプチドを、スナッ プ凍結し、そして凍結乾燥させた。25mMクエン酸、pH6、80mM NaCl、1mM EDTA 中の4.0mg/ml rFGF2/3(210nmol)の撹拌溶液900μlに、56nmolの活性化したCL2 6(固体)を添加した。反応をHPLCでモニターした。室温で30分後、さらに56nmo lペプチドを加えた。このプロセスを、ペプチド:FGFの最終モル比が5:4になる まで2回繰り返した。反応が終了した後、遊離FGFおよび未反応のペプチドをSP- Sepharoseを用いたイオン交換クロマトグラフィーにより複合体から除去した。 複合体を含む画分をHPLCにより同定し、プールし、そして25mM HEPES(pH7.4) でゲル濾過により脱塩した。複合体の最終濃度は、0.8mg/mlであった。複合体は HPLCにより決定したように90%純粋より高かった。複合体の質量は、MALDI-MSに より確認した(測定値:21954;予測値:21973)。複合体は、FGF-CL26と名付け た。 ポリLysペプチドNBC28は配列TK18YCGを有する。NBC28はNBC26について記述さ れた方法を用いて調製され、そして上記と同様の方法を用いてrFGFに複合体化さ せた。複合体の最終濃度は、1.65mg/mlであった。複合体はHPLCによって決定し たように90%純粋より高かった。複合体の質量は、MALDI-MSにより確認した(測 定値:19879;予測値:19853)。複合体は、FGF-NBC28と名付けた。 pCMVβDNAとFGF-CL26またはFGF-NBC28のいずれかとの間のトランスフェクショ ン複合体を、「PCSおよびゼータ分析ならびにトランスフェクションのためのK6C L22-DNA複合体の調製」と題されたセクションで記述したように、ペプチドとDNA の異なる電荷比で調製した。rFGFの電荷は考慮に入れなかった。これらの複合体 を、「細胞のトランスフェクション」に記述された方法によりインビトロでBHK2 1細胞をトランスフェクトする能力についてテストした。BHK21細胞(ハムスター 腎臓細胞、A.T.C.C.、CRL8544)。 これらのデータは、FGF-CL26でのトランスフェクションの効率がFGF-NBC28よ りおおよそ4〜6倍大きいことを示す(図31)。 実施例12 血清の存在下における、HepG2細胞のK6CL22/DNAまたはポリリジン/DNAでのトラ ンスフェクション K6CL22、NBC27(配列T[KKSPKKAKKPAA]2KKSPKKAKKPAYCGのヒストンベースペプ チド)、NBC32(配列TK36YCGのポリリジンペプチド)、NBC28(配列TK18YCGのポ リリジンベースペプチド)およびK84(DP=84のポリリジン)を用いて、種々の最 適なペプチドとpCMVβDNAの電荷比でトランスフェクション複合体を調製した( 各ペプチドトランスフェクション複合体についての最適な電荷比を10%FCSの存 在下でのHepG2細胞についての別々の実験で以前に決定している)。次いで、こ れらのトランスフェクション複合体を、10%FCSの存在下でHepG2細胞をトランス フェクトするそれらの比較上の能力についてテストした(図32)。その結果は、 10%のFCSの存在下のトランスフェクションがポリリジンペプチドまたはヒスト ンベースペプチドでよりK6CL22で調製したトランスフェクション複合体で大きい ことを示す。 実施例13 CL22またはCL26でのヒト樹状細胞のトランスフェクション 図33〜37は、本発明の異なるポリペプチドでの樹状細胞のトランスフェクショ ンの比較を示す。樹状細胞を、実施例2に記載したように生成およびトランスフ ェクトした。本実施例で記載する実験において、DNA(pEGFP-N1)を1μgで用い た。図33〜35は樹状細胞の3つの異なる調製についてのトランスフェクションの 結果を示し、ここで、CL22複合体化DNAとCL26複合体化DNAとのトランスフェクシ ョン効率を比較した。図33および34において、ペプチド/DNA比は、CL22について は1.4と2.2との間で、そしてCL22については1.0と2.6との間で変化させた。最適 な比は、CL22については1.6μgCL26:1μgDNAであり、そしてCL22については1. 6〜2.2μgの範囲のCL22:1μgDNAである。これらのデータは、樹状細胞が、CL2 2複合体化DNAに比較して、CL26複合体化DNAについてより高い効率でトランスフ ェクトされたことを例示する。 図35において、樹状細胞を、CL22複合体化DNAまたはCL26複合体化DNAのいずれ かでトランスフェクトした。ペプチド/DNA比は1.0と2.6との間で変化させた。こ の実験において、樹状細胞は、ペプチド/DNA比が1と1.8との間である場合、CL2 2複合体化DNAに比較すると、CL26複合体化DNAでより高い効率でトランスフェク トされる。しかしながら、ペプチド/DNA比が2と2.6との間である場合、トラン スフェクションの効率はCL26複合体化DNAに比較してCL22複合体化DNAでより高い 効率である。 樹状細胞にDNAを送達するためのこれら2つのペプチドの相対的能力における 改変は、異なるペプチド調製物のトランスフェクション効率の変化によって、部 分的に、説明され得る。図36はCL22の異なる調製物(108L、123P、64Sおよび73U と命名された)のトランスフェクション効率の比較である。この図は、CL22ペプ チドの異なる調製物で観察されるトランスフェクション効率における変化を示す 。 図37は、単量体(還元)型または二量体(酸化)型のいずれかにおける、樹状 細胞のCL22でのトランスフェクション効率を比較する。トランスフェクションの 結果は、ペプチド/DNA比が2.0と4.0の間である場合、CL22単量体は、CL22二量体 に比較して樹状細胞に弱くトランスフェクションすることを示している。樹状細 胞は、FCSの存在下または非存在下でCL22単量体に比較してCL22二量体でより高 い効率でトランスフェクトされるが、トランスフェクション効率はFCSの非存在 下で比較すると、FCSの存在下で非常に減少する。投与量、治療用途および薬学的処方物 本発明によるポリペプチドおよび細胞に送達される核酸は非経口的投与または トランスフェクション複合体として分離して処方され得る。後者の場合、トラン スフェクション複合体は、使用の直前に構成され得る。薬学的組成物の場合、核 酸は遺伝子を含み、この遺伝子の発現は、レシピエントの細胞におけるいくつか の有益な治療的効果を有している。標的細胞への治療的遺伝子の送達の最適な効 率のために、治療的核酸(濃縮型)が約100nm未満(すなわち約1〜100nmの範囲 の大きさ)、または約50kb未満の長さが好ましい。核酸は、プラスミドDNAの形 態(直線または環状またはDNAフラグメントの形態のいずれか)であり得る。 治療的遺伝子の例は、当業者に周知であり、そしてβ-グルコセレブロシダー ゼ遺伝子、Brutonのチミジンキナーゼ遺伝子、サイトカインをコードする遺伝子 、(例えば、TNF、インターロイキン1-12、インターフェロン(α、β、γ)) 、F2レセプター、およびT細胞レセプターが挙げられるが、これらに限定されな い。DNAにはまた、マーカー遺伝子(例えば耐薬剤遺伝子)、β-ガラクトシダー ゼ遺伝子、ジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子、およびクロラムフェニコールアセ チル トランスフェラーゼ遺伝子、抗原をコードする遺伝子、およびプロドラッグ活性 化酵素をコードする遺伝子が挙げられ得る。 ペプチドおよびDNAは等張性のリン酸を含まない緩衝液で交換され、そして0.4 5μmまたは0.22μmフィルターに通して滅菌濾過される。処方した溶液またはト ランスフェクション複合体(選択された官能基に結合したペプチド、DNAおよび 遊離ペプチドの混合物)は、滅菌濾過され、そして適切なバイアル中でアリコー トにされ得る。このバイアルを4℃、2℃または80℃で貯蔵し得るか、あるいは DNA、ペプチドまたはトランスフェクション複合体を適切なキャリアおよびバル ク剤を含む緩衝液から凍結乾燥し得る。これらの場合、用量形態は、投与前に滅 菌溶液で再構成する。本発明による薬学的処方物は、任意の生理学的適合性溶液 または希釈剤を含み、これらは0.5%未満の組織培養血清(例えば、ウシ胎児の または子ウシの血清)を含む。 生理学的に重要な遺伝子(例えば欠損遺伝子の代替物として働く遺伝子または 追加の潜在的に有益な機能を有する遺伝子)を含む核酸を用いる、インビボまた はエキソビボでのこの型の薬学的組成物の使用は、細胞の長い期間の遺伝子的改 変を与えることおよび疾患の処置に効果的であることが期待される。 例えば、ウィルス性疾患または遺伝子疾患に罹患される患者は、インビボまた はエキソビボの方法により、本発明に従って処置され得る。例えば、インビボ処 置は、本発明の送達ビヒクルが患者に経口摂取、注射、吸入または任意の数の他 の方法によって(好ましくは生物学的に適合性の溶液または薬学的に受容可能な キャリア中で)投与され得る。投与する用量は、患者個々で変化する;「治療的 有効量」は任意のリスクまたは有害な副作用に対して比較した転移遺伝子物質の 機能の増強のレベルにより決定される。遺伝子導入のモニタリングレベル、遺伝 子の発現および/またはコードされた抗ウィルス性タンパク質の存在またはレベ ルは、投与する用量を選択および調整することを補助する。一般的に、トランス フェクション複合体を含む組成物は10ng〜100μg/kg体重、好ましくは100ng〜10 μg/kg体重の範囲の単一用量で投与され、その結果、治療的遺伝子の少なくとも 1つのコピーが各標的細胞に送達される。当然のことながら、治療的遺伝子は、 標的細胞中で遺伝子の発現について適切に調節された配列に関連する。 エキソビボ処置はまた、本発明内で意図される。細胞集団は患者から除去され るか、さもなくば、本発明の治療的遺伝子が形質導入され、次いで患者に再導入 され得る。一般的に、エキソビボ細胞用量は、任意の有害な副作用に対して比較 した所望の治療的効果に従って決定される。このような用量は、通常、1日、1 週間、または断続的に患者1人当たり10,000〜100,000,000細胞の範囲内であり ;好ましくは患者1人当たり1,000,000〜10,000,000細胞である。 本発明の複合体は、X-連結γ-グロブリネミア(globulinemia)の処置に使用 され得る。トランスフェクション複合体中の濃縮した核酸は、Brutonチロシンキ ナーゼ遺伝子(Vetrieら、1993、Nature 361:226-233)を含み、これは(+33) 位でPvuI部位および(+2126)位でHindIII部位によって記述される2.1kbフラグ メントに運ばれる。所望であれば、プラスミドもまた、PCT/GB88/00655に教示さ れるように部分非依存性の組織特異的遺伝子発現を与える配列を含み得る。治療 的遺伝子はまた、スプライシング部位およびポリAテールをコードし得、これら はヒトbグロビン部位スプライシングおよびポリAシグナルの部分;すなわちBam HI XbaI 2.8kb3'スプライシング/エキソン2IVSII-エキソン3--ポリA配列を含む ポリAフランキング配列を含み得る。 Brutonチロシンキナーゼ遺伝子を含むトランスフェクション複合体を、本明細 書内で記載されているように構成し、そしてMartenssonら;Eur.Jour.Immunol .(1987)17:1499;Okabeら、Eur.Jour.Immunol.(1992)22:37;およびBanerjiら 、Cell 33:729,1983に記載される通りに、構成物をインビボ遺伝子治療のため の患者またはエキソビボ治療のためのプレ-B細胞に直接導入することによって X-連結γ-グロブリネミアを治療し、そしてX-連結γグロブリネミアで苦しめ られた患者にトランスフェクトしたプレ-B細胞を投与するために使用される。 X-連結γ-グロブリネミアの処置のためのトランスフェクション複合体は、プレ B細胞の標的化のためのリガンドを含む。このようなリガンドは、当該分野で周 知であり、1つ以上の以下の細胞表面マーカーに特異的であり、そして標的化可 能である:CD9、CD10、CD19、CD20、CD22、CD24、CD38、CD40、CD72、およびCD7 4。 本明細書に記載のトランスフェクション複合体はまた、ゴーシェ病の処置に使 用され得る。ゴーシェ病は2つの異なる遺伝子変異のうち1つから生じる。Gauc her型1はCGG→CAG変異であり、β-グルコセレブロシダーゼポリペプチドの119 位でArg→Gln置換をもたらす(Graves、DNA 7:521、1988)。ゴーシェ型2はCTG →CCG変異であり、β-グルコセレブロシダーゼポリペプチドの444位でLeu→Pro 置換をもたらす(Tsuji、NEJM 316:570、1987)。野生型ポリペプチドをコード するβ-グルコセレブロシダーゼポリペプチド遺伝子は、ゴーシェ病を実質的に 治癒すると考えられる。従って、本発明による有用な治療的核酸は、Horowitzら 、1989、Genomics 4:87-96に記載のように、エキソン1中のBamHI部位からポリ アデニル化部位のEcoRV 31位まで伸長した9722塩基対フラグメント上に治療的核 酸を輸送する、β-グルコセレブロシダーゼポリペプチド遺伝子を含む(Horowit zらの開示のように)。このフラグメントは、エキソン2に翻訳開始を有する11 エキソンおよび全ての介在配列を含む。位置非依存性および組織特異的遺伝子発 現を与える配列は構成物中に含まれ得、そして、Boniferら、1990、Euro.Mol.Or g.Jour.9:2843に記載のように、pIII.lyx作製物由来の11.8kbXhoI-SacIフラグメ ントに輸送される。 β-グルコセレブロシダーゼ遺伝子を含むトランスフェクション複合体を、本 明細書中で記載のように構成し、トランスフェクション複合体をインビボ処置で 宿主に直接導入するか、またはImmunology and Cell Biology、1993、71:75-78 に記載されているように、エキソビボ治療のために単離されたマクロファージに 導入し、ゴーシェ病で苦しむ患者にトランスフェクトしたマクロファージを導入 することによりゴーシェ病を処置するのに使用される。ゴーシェ病で苦しむ患者 の野生型導入遺伝子の発現は、罹患状態の治癒をもたらす。トランスフェクショ ン複合体は、マクロファージ上の細胞表面抗原を特異的に標的にするリガンドを 含む。このようなリガンドは当該分野で周知であり、例えば、1つ以上の以下の 細胞表面マーカーに特異性を有しそして標的化可能なモノクローナル抗体である :CD14、CD16、CD26、CD31、CDw32、CD36、CD45RO、CD45RB、CD63、CD71、CD74 、CD23、CD25およびCD69。 本発明によるインビボまたはエキソビボ遺伝子転移のために標的化された細胞 は、治療的遺伝子の送達が所望される任意の細胞を含む。このような細胞は細胞 表面マーカーを保有し、この表面マーカーについては、対応する特異的リガンド が入手可能であるかまたは本発明による細胞特異的標的化を可能にするように調 製され得る。例えば、T細胞、B細胞、およびマクロファージのような免疫系の 細胞、造血細胞、および樹状細胞は、対応するリガンドを有する1つ以上の周知 の細胞表面レセプターを有し、これは本発明のトランスフェクション複合体にお いて標的化リガンドとして使用され得る。確立された技術を使用して、基幹細胞 を富化手順後の遺伝子転移のために使用し得る(例えば欧州特許出願第0 455 48 2号および第0 451 611号を参照のこと。これらは造血細胞の集団から基幹細胞を 分離する方法を開示する)。あるいは、分離していない造血細胞および基幹細胞 集団は、本明細書に記載のように、DNA転移のための標的集団として使用され得 る。 他の実施態様 他の実施態様は、当業者に明らかである。上記の詳細な記載は明瞭にするため にのみ提供され、そして単に例示であることを理解するべきである。本発明の精 神および範囲は上記の実施例に限定されないが、以下の請求の範囲により包含さ れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 60/055,657 (32)優先日 平成9年8月14日(1997.8.14) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID ,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN,Y U,ZW (72)発明者 フィリップス,ロス オーウェン イギリス国 ストーク オン トレント, ハーツヒル,フレデリック アベニュー 46 (72)発明者 ウェルシュ,ジョン ハミルトン イギリス国 ティーエフ9 4ディーダブ リュー シュロプシャー,エヌアール.マ ーケット ドライトン,パイプゲイト,ウ ィニングトン 64 (72)発明者 サッチャー,デイビッド ロバート イギリス国 エスケイ10 4エックスティ ー チェシャー,マクレスフィールド,ジ ュニパー ライズ 6 (72)発明者 アーバイン,アリスティア シンプソン イギリス国 ディーイー6 5エルユー ダービーシャー,アッシュボーン,ドバリ ッジ,メイプル クローズ 4

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.29個の連続したアミノ酸:6個のG、2個のF、2個のL、1個のW、4個 のR、2個のE、2個のN、3個のK、1個のT、1個のS、1個のA、1個の Y、1個のM、1個のC、および1個のIを含み、8より大きいかまたは8と等 しい正味の正荷電数を提供するためのさらなるカチオン性残基を有する、ポリペ プチド。 2.以下のアミノ酸配列を含む、ポリペプチド: 3.以下のアミノ酸配列を含む、ポリペプチド: 4.以下のアミノ酸配列を含むポリペプチドおよび単離された核酸を含む、トラ ンスフェクション複合体: 5.以下のアミノ酸配列を含むポリペプチドおよび単離された核酸を含む、トラ ンスフェクション複合体:6.以下のアミノ末端からカルボキシ末端までのアミノ酸配列を含むポリペプチ ドであって、S-Sが2つのペプチドの各システイン残基間におけるジスルフィド 結合を意味する、ポリペプチド: 7.以下のアミノ末端からカルボキシ末端までのアミノ酸配列を含むポリペプチ ド: 8.以下のアミノ末端からカルボキシ末端までのアミノ酸配列を含むポリペプチ ド: 9.以下のアミノ末端からカルボキシ末端までのアミノ酸配列を含む二量体化さ れたCL26ポリペプチドであって、S-Sが2つのポリペプチドの各システイン残基 間におけるジスルフィド結合を意味する、ポリペプチド: 10.以下のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、S-Sが2つのポリペプ チドの各システイン残基間におけるジスルフィド結合を意味する、ポリペプチド : 11.以下のアミノ酸配列を含むポリペプチドおよび単離された核酸を含むトラ ンスフェクション複合体であって、S-Sが2つのペプチドの各システイン残基間 におけるジスルフィド結合を意味する、トランスフェクション複合体: 12.以下のポリペプチドおよび単離された核酸を含む、トランスフェクション 複合体: 13.以下のポリペプチドおよび単離された核酸を含む、トランスフェクション 複合体: 14.以下のポリペプチドおよび単離された核酸を含むトランスフェクション複 合体であって、S-Sが2つのポリペプチドの各システイン残基間におけるジスル フィド結合を意味する、トランスフェクション複合体:15.以下のポリペプチドおよび単離された核酸を含むトランスフェクション複 合体であって、S-Sが2つのポリペプチドの各システイン残基間におけるジスル フィド結合を意味する、トランスフェクション複合体: 16.前記ポリペプチドおよび前記核酸が該核酸が濃縮されるように結合される 、請求項4〜5および11〜15のいずれか1項に記載のトランスフェクション 複合体。 17.ポリペプチドの混合物および単離された核酸を含むトランスフェクション 複合体であって、該混合物が請求項1〜3および6〜10のいずれか1項に記載 のポリペプチドを含み、そして他のポリペプチドが異なる配列を有する、トラン スフェクション複合体。 18.請求項1〜3および6〜10のいずれか1項に記載のポリペプチド、 単離された核酸、ならびに 薬学的に受容可能な希釈剤 を含む、細胞のトランスフェクションのための薬学的処方物。 19.前記ポリペプチドおよび前記核酸が該核酸が濃縮されるように結合される 、請求項17または18に記載の薬学的処方物。 20.請求項1〜3もしくは6〜10に記載のポリペプチド、または請求項4、 5、もしくは11〜15に記載のトランスフェクション複合体を含む、宿主細胞 。 21.宿主細胞をトランスフェクトする方法であって、該細胞と請求項4、5、 または11〜15に記載のトランスフェクション複合体とを接触させる工程を包 含する、方法。 22.宿主細胞をトランスフェクトする方法であって、該細胞と請求項17また は18に記載の薬学的処方物とを接触させる工程を包含する、方法。 23.前記宿主細胞が真核生物細胞である、請求項21または22に記載の方法 。 24.前記真核生物細胞が哺乳動物細胞である、請求項23に記載の方法。 25.前記哺乳動物細胞がヒト細胞である、請求項23に記載の方法。 26.請求項4、5、もしくは11〜15に記載のトランスフェクション複合体 、または請求項17もしくは18に記載の薬学的処方物を患者に投与する工程を 包含する、核酸を宿主細胞にインビボで導入する方法。 27.核酸送達複合体が患者に投与される、核酸を細胞に送達する改良された方 法であって、該改良は、該送達複合体が核酸および請求項1〜3または6〜10 に記載のポリペプチドを含むポリペプチドを含むことを包含する、方法。 28.請求項1〜3または6〜10に記載のポリペプチドと核酸とを接触させる 工程を包含する、トランスフェクション複合体を調製する方法。 29.(i) 任意の配列中に存在するアミノ酸:GFLGFWRGENGRKTRSAYERMCNILKGK 、および (ii) 該アミノ酸配列に結合されるかまたは該アミノ酸配列内に散在された3個 以上のカチオン性残基、 からなる、ポリペプチド。 30.少なくとも6個のカチオン性残基が前記アミノ酸配列に結合されるかまた は該アミノ酸配列内に散在された、請求項29に記載のポリペプチド。 31.前記カチオン性残基が連続している、請求項29または請求項30に記載 のポリペプチド。 32.請求項29〜31のいずれか1項に記載のペプチドの多量体。 33.請求項29または請求項30に記載のポリペプチドの二量体である、請求 項31に記載の多量体。
JP53546498A 1997-02-12 1998-02-12 高効率トランスフェクションに関する組成物および方法 Withdrawn JP2001512312A (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/GB1997/000396 WO1997028818A1 (en) 1996-02-12 1997-02-12 Novel methods of vaccination and vaccines therefore comprising a nucleic acid encoding a first epitope and a peptide containing a second epitope
US86143297A 1997-05-21 1997-05-21
US5565797P 1997-08-14 1997-08-14
US97/00396 1997-08-14
US60/055,657 1997-08-14
US08/861,432 1997-08-14
PCT/GB1998/000424 WO1998035984A2 (en) 1997-02-12 1998-02-12 Compositions and methods for highly efficient transfection

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001512312A true JP2001512312A (ja) 2001-08-21

Family

ID=27268662

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP53546498A Withdrawn JP2001512312A (ja) 1997-02-12 1998-02-12 高効率トランスフェクションに関する組成物および方法

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP1007549B1 (ja)
JP (1) JP2001512312A (ja)
AT (1) ATE349465T1 (ja)
AU (1) AU749113B2 (ja)
DE (1) DE69836746D1 (ja)
WO (1) WO1998035984A2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4220673B2 (ja) 1998-07-21 2009-02-04 ミリポア・コーポレイション 遍在性クロマチンオープニングエレメント(ucoe)を含むポリヌクレオチド
AU5612199A (en) * 1998-09-10 2000-04-03 Forbes Medi-Tech Inc. Compositions comprising one or more phytosterols, phytostanols or mixtures of both and one or more alpha, beta, delta, or gamma tocotrienols or derivatives thereof and use of the compositions in treating or preventing cardiovascular disease, its underlying conditions and other
JP2004500097A (ja) 2000-03-02 2004-01-08 エムエル ラボラトリーズ ピーエルシー Tcf応答性エレメント
US6881577B2 (en) 2000-06-28 2005-04-19 Max-Delbrück-Centrum für Molekulare Medizin Method for improving transfection efficiency
US7446099B2 (en) 2004-02-27 2008-11-04 Nitto Denko Corporation Compositions and methods for biodegradable polymer-peptide mediated transfection

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0693939A1 (de) * 1993-04-14 1996-01-31 Roche Diagnostics GmbH Nukleinsäure-transferpeptide und deren verwendung zur einschleusung von nukleinsäuren in eukaryontische zellen
WO1996041606A2 (en) * 1995-06-08 1996-12-27 Therexsys Limited Improved pharmaceutical compositions for gene therapy

Also Published As

Publication number Publication date
WO1998035984A3 (en) 1999-01-07
WO1998035984A2 (en) 1998-08-20
AU6221198A (en) 1998-09-08
EP1007549B1 (en) 2006-12-27
EP1007549A1 (en) 2000-06-14
AU749113B2 (en) 2002-06-20
ATE349465T1 (de) 2007-01-15
DE69836746D1 (de) 2007-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4285766B2 (ja) 緻密にした核酸および細胞へのデリバリ
US6077835A (en) Delivery of compacted nucleic acid to cells
AU2008296733B2 (en) VEGFR-1/NRP-1 targeting peptides
AU722700B2 (en) Lipophilic peptides for macromolecule delivery
US5635380A (en) Enhancement of nucleic acid transfer by coupling virus to nucleic acid via lipids
JP4293292B2 (ja) トランスフェクション活性を有するインテグリン−ターゲッティングベクター
JP2002514892A (ja) 遺伝子治療における合成ウイルス様粒子の使用
JPH09504425A (ja) トランスフェクションプロセス
US5428132A (en) Conjugate and method for integration of foreign DNA into cells
KR19980702200A (ko) 핵산 함유 조성물과 이의 제조방법 및 용도
JP2000516472A (ja) 組織特異的遺伝子発現を与える自己複製型エピソーム性発現ベクター
JPH11506722A (ja) 細胞に核酸を送達するための核酸運搬体
TW205069B (ja)
EP1053024A1 (en) Liposome fusion and delivery vehicle
JP2021502380A (ja) mRNAを細胞に送達するための改善した脂質−ペプチドナノ複合体製剤
AU4674101A (en) Compositions for drug delivery
US6555376B2 (en) Process of entrapping genetic materials in ultra-low size nanoparticles of inorganic compounds to form non-viral carriers
JP2001512312A (ja) 高効率トランスフェクションに関する組成物および方法
US6479464B1 (en) Compositions and methods for highly efficient transfection
EP1541135A1 (en) Hollow nanoparticle having modified cysteine residue and drug with the use thereof
US20030100496A1 (en) Compositions and methods for highly efficient transfection
WO1998050078A1 (en) Lipophilic and/or lytic peptides for specific delivery of nucleic acids to cells
JP2003534804A (ja) トランスフェクションの改良方法
WO2005054486A1 (ja) 遺伝子導入試薬調製法
EP1609482A1 (en) Drug for treating hemophilia and method of treating hemophilia using the same

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070731

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20070723

A72 Notification of change in name of applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A721

Effective date: 20070723