JP2001512132A - 抗ウイルス薬としてのリクソフラノシルベンズイミダゾール - Google Patents

抗ウイルス薬としてのリクソフラノシルベンズイミダゾール

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JP2001512132A
JP2001512132A JP2000505180A JP2000505180A JP2001512132A JP 2001512132 A JP2001512132 A JP 2001512132A JP 2000505180 A JP2000505180 A JP 2000505180A JP 2000505180 A JP2000505180 A JP 2000505180A JP 2001512132 A JP2001512132 A JP 2001512132A
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lixofuranosyl
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ジョン、シー.ドラチ
カレン、ケイ.バイロン
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University of Michigan
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Glaxo Group Ltd
University of Michigan
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、D−およびL−リクソフラノシルベンズイミダゾール化合物に関する。1態様では、本発明は、下記の式 【化1】 (式中、R、R、R、RおよびRはそれぞれ同一または異なるものであり、独立して−H、−F、−Cl、−Br、−I、−NO、−N(R8)、−OR8、−SR12および−CF3からなる群から独立して選択され、R8は独立して−Hであるかまたは1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、R12は独立して−Hであるかまたは1〜10個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、R9、 R10およびR11はそれぞれ同一または異なるものであり、Hであるかまたはヒドロキシル保護基である)から選択される式を有する化合物、そのアノマー性、光学的、および配座異性体、およびそれらの薬学上許容可能な塩およびプロドラッグ誘導体からなる群から選択されるD−またはL−リクソフラノシルベンズイミダゾール化合物、に関する。本発明は、これらの化合物を用いる抗ウイルス組成物、これらの化合物を用いるウイルス感染症の治療法、およびウイルス感染症の治療で用いるための医薬の調製におけるこれらの化合物の使用にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】技術分野 本発明は、ベンズイミダゾールヌクレオシド類似体の一般的分野、およびそれ
らの抗ウイルス薬としての使用に関する。更に詳細には、本発明は、糖基がリク
ソフラノシル基であるベンズイミダゾールヌクレオシド類似体およびその誘導体
に関する。本発明は、このようなベンズイミダゾールヌクレオシド類似体および
誘導体の製造法、これらの化合物を含んでなる組成物、これらの化合物の抗ウイ
ルス治療での使用にも関する。
【0002】背景 本出願において、刊行物、特許明細書および特許出願公開明細書など、これに
限定されない様々な文献は、引用文の確認によって著す。本出願に挙げたこれら
の文献、例えば刊行物、特許明細書、および特許出願公開明細書の開示内容は、
本発明が関係する技術の状態を一層詳細に記載するために本開示に参考として引
用される。
【0003】 ヘルペスウイルス科(Herpesviridae)の微生物は、共通したビリオン構造を有
している。典型的なヘルペスビリオンは、(a) 線状の2本DNAを含むコア、(b)
162個のキャプソメアを含む直径が約100〜120nmの二十面体キャプシド
、(c)キャプシドを取り巻くテグメントと呼ばれる非晶質の、非対称であること もある物質、および(d) 表面にウイルス糖タンパク質スパイクを含むエンベロー
プからなる。
【0004】 ヘルペスウイルス科のヒトの病原体となるものの主要な例としては、単純ヘル
ペスウイルス(HSV)1および2型、およびオナガザルヘルペスウイルス1型 (B−ウイルス)、水痘状帯状疱疹(水痘および帯状疱疹を引起す)、Epstein-
Barrウイルス(EBV、単核細胞症を引起す)、ヒトヘルペスウイルス6型(H
HV6)、ヒトヘルペスウイルス7型(HHV7)およびカポージ関連ヘルペス
ウイルス(KHV)、またはヒトヘルペスウイルス8型(HHV8)が挙げられ
る。これもまたヒトヘルペスウイルスであるヒトサイトメガロウイルス(HCM
V)は、免疫が抑制された個体(Alford, C.A., Britt. W.J. サイトメガロウイ
ルス(Cytomegalovirus)/「ヒトヘルペスウイルス(The Human Herpesvirus)」、
Roizman, B., Whitley, R.J., Lopez, C.(監修)、Raven Press、ニューヨーク
、1993年、227〜255頁を参照)や新生児(Alford, C.A., Stagon, S.
, Pass, R.F., Brit, W.J.「骨髄移植組織における先天的および周産期のサイト
メガロウイルス感染(Congenital and Perinatal Cytomegalovirus Infections i
n Bone Marrow Transplants), Rev. Infect. Dis. 1990, 12, s793-s804、およ びGallant, J.E., Moore, R.D., Richman, D.D. Keruly, J., Chaisson, R.E. 「ジドブジン治療を行った進行免疫欠損症ウイルス疾患の患者におけるサイトメ
ガロウイルス疾患の発病率および自然履歴(Incidence and Natural History of
Cytomegalovirus Disease in Patients with Advanced Immunodeficiency Virus
Disease Treated with Zidovudine)」, J. Infect. Dis. 1992, 166, 1223-122
7を参照)における主要な日和見病原体である。
【0005】 動物の病原体としては、ウシ鼻気管炎ウイルス、ウシ乳頭炎ウイルス、オナガ
ザルヘルペスウイルス1型(B−ウイルス)であって総てが単純ウイルスである
もの、仮性狂犬病ウイルス(PRV、ブタ)、ウマ鼻肺炎および媾疹ウイルス(水 痘ウイルス)、ヒヒヘルペスウイルス、オランウータン(チンパンジー)ヘルペ
スウイルス(リンパクリブトウイルス)、Marek秒ウイルス(トリ)、七面鳥ヘ ルペスウイルス、クモザルヘルペスウイルスおよびリスザルヘルペスウイルス(
ラジノウイルス)が特に挙げられる。総説については、Murphy et al., ウイル ス分類学(Virus Taxonomy)/Fields et al.(監修)「基礎ウイルス学(Fundamen
tal Virology)」,1991年,ニューヨーク,9〜36頁; Watson et al.「遺伝 子の分子生物学(Molecular Biology of the Gene)」,第4版,1987年, Benja
min/Cummings Publ. Co.,メンロパーク,カリフォルニア,904,933頁を参 照されたい。
【0006】 一般に120〜230 kbの長さのヘルペスウイルスゲノムは、50〜200 個の異なるタンパク質をコードする。これらには、核酸の代謝(例えば、チミジ
ンキナーゼ、チミジレートシンテターゼ、dUTPアーゼ、リボヌクレオチドレダク
ターゼなど)、およびDNA合成(例えば、DNAポリメラーゼ、ヘリカーゼ、
プリマーゼ)に関与する酵素の大配列が挙げられる。
【0007】 ヘルペスウイルスにおいて、線状ゲノムは繰返し配列を特徴とし、これは数、
長さおよび様々な種類のヘルペスウイルスの間の配置で変化する。例えば、Epst
ein-Barrウイルスでは、ゲノムの両端には同一配列の多数の短い(500塩基対
)繰返し並びに3 kbの配列の6個の繰返しからなる内部配列がある。単純ヘルペ
スウイルス1および2型、およびHCMVでは、両端からの配列の一部が逆配向
で内部に併置されて反復されており、ゲノムを2成分に分割し、それぞれは逆反
復が隣接したユニーク配列からなる。この場合には、両成分(長(L)アームお よび短(S)アーム)が互いに逆転することがある。ビリオンまたは感染細胞か ら抽出したDNAは、2成分の相対配向が異なる4個の等モル個体からなってい
る。総説については、Watson et al. 1987, p. 935; Roizman,ヘルペスウイルス
: 簡略概説(Herpesviridae: A Brief Introduction)/Fields et al.(監修)「
基礎ウイルス学(Fundamental Virology)」,1991年,Raven Press, ニューヨ
ーク,841〜847頁; Roizman et al., 単純ヘルペスウイルスおよびそれら
の複製(Herpes Simplex Viruses and Their Replication)/Fields et al.(監 修)「基礎ウイルス学(Fundamental Virology)」,1991年,Raven Press, ニ
ューヨーク,849〜895頁を参照されたい。
【0008】 感染を開始するため、ウイルスは宿主細胞上のレセプターに結合する。ウイル
スエンベロープと血漿膜との融合により、速やかに結合が開始する。次に、脱エ
ンベロープ化キャプシドを核膜孔へ輸送し、そこでDNAは核に放出されて、速
やかに環化する。次の段階では、ヘルペス遺伝子の転写および翻訳がしっかりと
調節される。3種類の遺伝子が知られており、α、βおよびγ(または極初期、
初期および後期)と呼ばれている。α遺伝子の発現は、β遺伝子の発現に必要で
あり、β遺伝子の発現によりγ遺伝子が誘導され、α遺伝子が停止され、γ遺伝
子の発現によりβ遺伝子が停止する。従って、複製中には、ヘルペスウイルス遺
伝子発現には、3個の異なる波がある。興味深いことには、この工程は、少なく
とも1個のビリオンタンパク質(γ遺伝子生成物)が、感染直後の遺伝子発現の
誘導に必要とされるという点において循環的であると思われる。この生成物はビ
リオンと共に入ることにより、サイクルの開始を促進する。総説については、Wa
tson et al. 1987, p. 935-936; Roizman et al., 単純ヘルペスウイルスおよび
それらの複製(Herpes Simplex Viruses and Their Replication)/Fields et al
.(監修)「基礎ウイルス学(Fundamental Virology)」,1991年,Raven Pres
s, ニューヨーク,849〜895頁を参照されたい。
【0009】 HSV−1およびHSV−2のような幾つかのヘルペスウイルスは、広汎な宿 主細胞範囲を有し、効率的に増殖し、感染細胞を速やかに破壊する。他のウイル
ス(例えば、EBV, HHV6)は宿主細胞範囲が狭く、またはHCMVの場合
にはゆっくりと複製する。総説については、Roizman et al., 単純ヘルペスウイ
ルスおよびそれらの複製(Herpes Simplex Viruses and Their Replication)/Fi
elds et al.(監修)「基礎ウイルス学(Fundamental Virology)」,1991年,
Raven Press, ニューヨーク,849〜895頁を参照されたい。
【0010】 ヘルペスウイルスは、細胞核で複製し、核小体が移動し、分解した後、分断さ
れ、宿主染色体が辺縁趨向し、これにより染色体が破壊されることがある。宿主
タンパク質合成は(HCMV以外のほとんどのヘルペスウイルスについて)極め
て速やかに低下し、宿主リボソームRNA合成は減少し、宿主タンパク質の糖化
は停止する。子孫の生産には、必然的に感染細胞の不可逆的破壊が伴う。総説に
ついては、Roizman et al., 単純ヘルペスウイルスおよびそれらの複製(Herpes
Simplex Viruses and Their Replication)/Fields et al.(監修)「基礎ウイ ルス学(Fundamental Virology)」,1991年,Raven Press, ニューヨーク,8
49〜895頁を参照されたい。
【0011】 様々な疾病症状や複雑な臨床的経過が、ヘルペスウイルスによって引起される
。ヒト成人が最初に感染した場合には、症状は極めて重いことがある。ヘルペス
ウイルスは反復感染を引起すことがあり、これらの再発による傷害は重大な健康
問題である。再発ヘルペス疾患の最も多く見られる発現は、口顔および性器部分
を含むことが開示され、再発ヘルペス性角膜炎は米国における失明の主因として
挙げられた。引続いて再発性疾患の高い発現率を有するヘルペス性性器感染症は
、一層多く認められかつかなりの罹患率に関与しているものとして注目された。
Cohen et al., 米国特許第4,709,011号明細書、1987年11月24
日発行。
【0012】 HSVによって誘発される疾患の分子的基礎の研究において、研究目的−疾患
−の最終点は、中枢神経系(CNS)の破壊と同義であることがある。しかしな がら、標的器官に広がるために、ウイルスは最初に末梢位置で増殖することがあ
る。実験系では、HSVの表現型を産生する疾患のモデルである神経ビルレンス
は、(i)末梢での増殖、(ii) CNSへの侵襲、(iii) CNSでの成長の結果であ
る。ビルレンス部位は、特にtk遺伝子のドメイン中または周囲およびL部分の一 端を除くHSVゲノム中の数個の部位に帰着されている。しかしながら、HSV
ゲノムにおけるほとんど総ての突然変異または欠失により、ビルレンスが減少す
る。総説については、Roizman et al., 単純ヘルペスウイルスおよびそれらの複
製(Herpes Simplex Viruses and Their Replication)/Fields et al.(監修) 「基礎ウイルス学(Fundamental Virology)」,1991年,Raven Press, ニュー
ヨーク,849〜895頁を参照されたい。
【0013】 EBVおよびHCMVの場合には、急性肝炎は伝染性単核細胞症に起因するこ
とが多い。単核細胞は、HCMVの潜伏状態に関与する細胞としての主要な候補
であり、伝染性単核細胞症は、セロポジティブからセロネガティブなヒトへの輸
血によって起こることがある。セロネガティブなヒトは、セロポジティブドナー
からの細胞または器官の移植によって感染することもある。総説については、Ah
med et al., ウイルスの持続性(Viral Persistence)/Fields et al.(監修)「
基礎ウイルス学(Fundamental Virology)」,1991年,Raven Press, ニュー ヨーク,241〜265頁; Stinski, サイトメガロウイルスおよびその複製(Cy
tomegalovirus and its Replication)/Fields et al.(監修)「基礎ウイルス 学(Fundamental Virology)」,1991年,Raven Press, ニューヨーク,92 9〜950頁を参照されたい。
【0014】 畜産において経済的に重要なヘルペスウイルスは、ウシヘルペスウイルス1型
(BHV−1)であり、鼻気管炎、外陰部膣炎、流産、結膜炎、脳炎および全身 性感染症などの様々な臨床的疾患の発現に関与していた。Gibbs et al., 1977,
ウシヘルペスウイルス I: ウシヘルペスウイルス1型(Bovine Herpesvirus. I:
Bovine herpesvirus-1), Vet. Bull. (London) 47: 317-343.
【0015】 Aujeszky病ウイルス(ADV)とも呼ばれるヘルペスウイルスであるPseudora
biesウイルス(PRV)は、ウマを除く総ての家畜の疾患であり、特にブタおよ
びウシに深刻な損害を与える。ブタは、ADVの天然の宿主である。動物は経鼻
感染し、上気道および消化管の粘膜での一次ウイルス増殖の後、ウイルスは神経
を介して脳へと伝搬する。感染症は、無症状的に急激に進行し、これは主として
ウイルスのビルレンスおよびブタの年齢によって変化する。PRVは、他のヘル
ペスウイルスと同様に、潜在性感染、すなわち神経組織中での感染を誘発する。
Berns et al., 米国特許第4,680,176号明細書、1987年7月14日
発行。
【0016】 現在のところ、3種類の薬剤だけが、HCMV感染症の治療用にFDAによって
承認されている: ガンシクロビール(Crumpacker, C.S. ガンシクロビール(Ganci
clovir), New England J. Med. 1996, 335, 721-729参照), フォスカルネット(
Chrisp, P., Clissold, S.P. フォスカルネット。サイトメガロウイルス網膜炎 により免疫低下患者でのその抗ウイルス活性、動態特性および治療での使用の総
説(Forscarnet. A Review of its Antiviral Activity, Pharmacokinetic Prope
rties and Therapeutic Use in Immunocompromised Patients with Cytomegalov
irus Retinitis), Drugs 1991, 41, 104-129参照)、シドフィビール(Hitchcoc
k, M.J., Jaffe, H.S., Martin, J.C., Stagg, R.J., シドフォビール、強力な 抗ヘルペスウイルス活性を有する新規薬剤(Cidofovir, a new agent with poten
t anti-herpesvirus activity), Antiviral Chem. & Chemother. 1996, 7: 115-
127. (b) Lalezari, J.P., Drew, W.L., Glutzer, E., James, C., Miner, D.,
Flaherty, J. Fisher, P.E., Cundy, K., Hannigan, J., Martin, J.C., Jaffe,
H.S., (S)−1−[3−ヒドロキシ−2−(ホスホニルメトキシ)プロピル] シトシン(シドフォビール): 新規な抗ウイルス性ヌクレオチド類似体のフェー
ズI/II研究の結果((S)-1-[3-hydroxy-2-(phosphonylmethoxy)propyl]cytosine
(Cidofovir): Results of a Phase I/II Study of a Novel Antiviral Nucleoti
de Analogue), J. Infect. Dis. 1995, 171, 788-796参照)。これらの薬剤はい
ずれも、腎機能障害(フォスカルネットおよびシドフィビール)および顆粒球減
少症(ガンシクロビール)のような副作用を引起すことがある。更に、薬物耐性
の可能性がありかつ経口バイオアベイラビリティに乏しいため、一層強力で選択
的な薬剤が必要となる(Field, A.K., Biron, K.K. 「無害の目的(The End of I
nnocence)」改訂:ヘルペスウイルスの抗ウイルス薬に対する耐性(Resistance of
Herpesviruses to Antiviral Drugs), Clin. Microbiol. Rev. 1994, 7, 1-13 を参照されたい)。
【0017】 ヘルペスウイルスに対する新規な抗ウイルス薬の発明者らによる最近の研究は
、ハロゲン化ベンズイミダゾール類似体に集中している。1954年に初めて報
告されたこの種の化合物(Tamm, I., Folkers, K., Shunk, C.H., Horsfall, F.
L., Jr. ベンズイミダゾールのN−グリコシドによるインフルエンザウイルスの
増殖の抑制(Inhibition of Influenza Virus Multiplication by N-Glycosides
of Benzimidazoles), J. Exp. Med. 1954, 99, 227-250参照)の合成および抗ウ
イルス評価では、5,6−ジクロロ−1−(β−D−リボフラノシル)ベンズイ ミダゾール(DRB)がこれらのシリーズ中で最も活性な抗ウイルス化合物とし
て報告された。不運なことには、DRBはその後複数の細胞工程に影響を与える
ことが見いだされ、従って活性はその細胞毒性からほとんど分離されなかった(
Bucknall, R.A. ウイルスの成長および宿主細胞の核酸代謝に対する置換ベンズ イミダゾールの効果(The Effects of Substituted Benzimidazoles on the Grow
th of Viruses and the Nucleic Acid Metabolism of Host Cells), J. Gen. Vi
rol. 1967, 1, 89-99. (b) Tamm, I., Sehgal, P.B. ハロベンズイミダゾールリ
ボシドおよび細胞およびウイルスのRNA合成(Halobenzimidazole Ribosides a
nd RNA Synthesis of Cells and Viruses), Adv. Virus Res. 1978, 22, 187-25
8参照)。
【0018】
【化3】 "DRB" 1−(β−D−リボフラノシル)−5,6−ジクロロ−ベンズイミダゾール
【0019】 次いで、複素環が修飾された数種類のDRB類似体の合成が報告されている(
Townsend, L.B., Revankar, G.R. ベンズイミダゾールヌクレオシド、ヌクレオ チド、および関連誘導体(Benzimidazole Nucleosides, Nucleotides, and Relat
ed Derivatives) Chem. Reviews 1970, 70: 389-438参照)。これらの中、2− 置換−5,6−ジクロロ−ベンズイミダゾールリボヌクレオシドが最も強力であ
ることが分かった(Townsend, L.B., Devivar, R.V., Turk, S.T., Nassiri, M.
R., Drach, J.C. ある種の2,5,6−トリハロ−1−(β−D−リボフラノシ
ル)ベンズイミダゾールのデザイン、合成および抗ウイルス活性(Design, Synthe
sis, and Antiviral Activity of Certain 2,5,6-Trihalo-1-(β-D-ribofuranos
yl)benzimidazoles) J. Med. Chem. 1995, 38, 4098-4105; Zou, R., Ayres, K.
R., Drach, J.C. Townsend, L.B. ある種の二置換ベンズイミダゾールリボヌク レオシドの合成および抗ウイルス活性(Synthesis, and Antiviral Activity of
Certain Disubstituted Benzimidazoles) J. Med. Chem. 1996, 39, 3477-3482;
Zou, R. Drach, J.C., Townsend, L.B., ヒトサイトメガロウイルス感染症の潜
在的な薬剤としての2−クロロ−5,6−ジハロ−1−β−D−リボフラノシル
ベンズイミダゾールのデザイン、合成および抗ウイルス活性の評価(Design, Syn
thesis, and Antiviral Evaluation of 2-Chloro-5,6-dihalo-1-β-D-ribofuran
osylbenzimidazoles as Potential Agents for Human Cytomegalovirus Infecti
ons) J. Med. Chem. 1997, 40, 811-818; およびZou, R., Drach, J.C., Townse
nd, L.B. ヒトサイトメガロウイルス感染症の潜在的な薬剤としての2−置換4 ,5−ジクロロ−および4,6−ジクロロ−1−β−D−リボフラノシルベンズ
イミダゾールのデザイン、合成および抗ウイルス活性の評価(Design, Synthesis
, and Antiviral Evaluation of 2-Substituted 4,5-Dichloro- and 4,6-Dichlo
ro-1-β-D-ribofuranosylbenzimidazoles as Potential Agents for Human Cyto
megalovirus Infections) J. Med. Chem. 1997, 40, 802-810参照)。例えば、 2,5,6−トリクロロ−1−(β−D−リボフラノシル)ベンズイミダゾール (TCRB)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(β−D−リボフラノ シル)ベンズイミダゾール(BDCRB)は、HCMVの重要な阻害薬であること が示され、この活性はその細胞毒性から完全に分離された(Townsend, L.B., De
vivar, R.V., Turk, S.T., Nassiri, M.R., Drach, J.C. ある種の2,5,6−
トリハロ−1−(β−D−リボフラノシル)ベンズイミダゾールの合成および抗 ウイルス活性(Synthesis, and Antiviral Activity of Certain 2,5,6-Trihalo-
1-(β-D-ribofuranosyl)benzimidazoles) J. Med. Chem. 1995, 38, 4098-4105 参照)。
【0020】
【化4】 1-(β-D-リボフラノシル)-2,5,6−トリクロロ−ベンズイミダゾール
【0021】
【化5】 "BDCRB" 1-(β-D-リボフラノシル)-2-ブロモ-5,6-ジクロロ-ベンズイミダゾール
【0022】 更に、数種類の2−アルキルチオ−および2−ベンジルチオ類似体が調製され
ている(Devivar, R.V., Kawashima, E., Revankar, G.R., Breitenbach, J.M.,
Kreske, E.D., Drach, J.C., Townsend, L.B. ベンズイミダゾールリボヌクレ オシド: ある種の2−(アルキルチオ)−および2−(ベンジルチオ)−5,6−
ジクロロ−β−D−リボフラノシル)ベンズイミダゾールのデザイン、合成およ び抗ウイルス活性(Ribonucleosides: Design, Synthesis, and antiviral Activ
ity of Certain 2-(Alkylthio)- and 2-(Benzylthio)-5,6-dichloro-β-D-ribof
uranosyl)benzimidazoles) J.Med. Chem. 1994, 37, 2942-2948参照)。
【0023】 これらのD−炭水化物誘導体の他に、数種類の炭素環(Townsend, L.B., Drac
h, J.C., Good, S.S., Daluge, S.M., Martin, M.C. 治療薬ヌクレオシド(Thera
peutic Nucleosides), 米国特許第5,534,535号明細書,7/9/96発行を 参照)、およびL−炭水化物(Koszalka, G.W., Chamberlain, S.D., Daluge, S
.M., Boyd, F.L., Tidwell, J.H., Martin, M.T., Harvey, R.J., Frick, L.W.,
Perkins, D.C., Wang, L.H., Drach, J.C., Townsend, L.B., Biron, K.K. ヒ トサイトメガロウイルス感染症の治療のためのベンズイミダゾール(Benzimidazo
les for the treatment of human cytomegalovirus infection)/第12回国際会
議: ヌクレオシド、ヌクレオチド、およびそれらの生物学的応用(In XII Intern
ational Roundtable: Nucleosides, Nucleotides and their Biological Applic
ations), ラ・ヨラ,カリフォルニア,1996年9月を参照)誘導体が合成さ れて、評価されている。
【0024】
【化6】 1-(β-L-リホ゛フラノシル)-2-イソフ゜ロヒ゜ルアミノ-5,6-シ゛クロロ-ヘ゛ンス゛イミタ゛ソ゛ール
【0025】 本発明は、糖基がリクソフラノシル基またはその誘導体である新規な種類のベ
ンズイミダゾールヌクレオシド類似体に関する。
【0026】
【発明の概要】
発明の概要 本発明の1様相は、D−およびL−リクソフラノシルベンズイミダゾール化合
物に関する。1態様では、本発明は、下記の
【0027】
【化7】 (上記式中、 R、R、R、RおよびRはそれぞれ同一または異なるものであり、
独立して−H、−F、−Cl、−Br、−I、−NO、−N(R8)、−OR8 、−SR12および−CFからなる群から独立して選択され、このとき、R8
独立して−Hであるかまたは1〜6個の炭素原子を有するアルキル基(メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、およびシクロプロピルなど)であり、R12 は独立して−Hであるかまたは1〜10個の炭素原子を有するヒドロカルビル基
(脂肪族、脂環式および芳香族基、例えばアルキル、アリール、アラールキル、
アルカリール基など)であり、 R9、R10およびR11はそれぞれ同一または異なるものであり、Hであるかま たはヒドロキシル保護基(例えば、アセチル)である) から選択される式を有する化合物からなる群から選択されるD−またはL−リク
ソフラノシルベンズイミダゾール化合物、そのアノマー、光学および配座異性体
、およびそれらの薬学上許容可能な塩およびプロドラッグ誘導体に関する。
【0028】 1態様では、本発明は、D−およびL−リクソフラノシルベンズイミダゾール
化合物(式中、Rが、−H、−F、−Cl、−Br、−Iおよび−N(R8) からなる群から選択され、R4およびR7が、両方とも−Hであり、RおよびR 6 が独立して同一または異なるものであり、−H、−F、−Cl、−Brおよび −Iからなる群から選択される)、そのアノマーおよび光学異性体、その化学的
に保護された形態、およびそれらの薬学上許容可能な塩およびプロドラッグ誘導
体に関する。
【0029】 1態様では、本発明は、α−D−リクソフラノシルベンズイミダゾール化合物
に関する。1態様では、本発明は、β−D−リクソフラノシルベンズイミダゾー
ル化合物に関する。1態様では、本発明は、α−L−リクソフラノシルベンズイ
ミダゾール化合物に関する。1態様では、本発明は、β−L−リクソフラノシル
ベンズイミダゾール化合物に関する。
【0030】 1態様では、本発明は、 1-(リクソフラノシル)-2,5,6−トリクロロ−ベンズイミダゾール、 1-(リクソフラノシル)-2−ブロモ−5,6−ジクロロ−ベンズイミダゾール
、 1-(リクソフラノシル)-2−メチルアミノ−5,6−ジクロロ−ベンズイミダ
ゾール、 1-(リクソフラノシル)-2−イソプロピルアミノ−5,6−ジクロロ−ベンズ イミダゾール、 1-(リクソフラノシル)-2−シクロプロピルアミノ−5,6−ジクロロ−ベン ズイミダゾール、 1-(リクソフラノシル)-2−チオ−5,6−ジクロロ−ベンズイミダゾール、 1-(リクソフラノシル)-2−ベンジルチオ−5,6−ジクロロ−ベンズイミダ ゾール、 1-(リクソフラノシル)-2−メチルチオ−5,6−ジクロロ−ベンズイミダゾ ール、 そのアノマー、光学および配座異性体、および それらの薬学上許容可能な塩およびプロドラッグ誘導体、 からなる群から選択される、D−およびL−リクソフラノシルベンズイミダゾー
ル化合物、 に関する。
【0031】 本発明によって包含されない化合物としては、1−(5'−デオキシ−リクソ フラノシル)−2,5,6−トリクロロ−ベンズイミダゾール、1−(5'−デオ
キシ−リクソフラノシル)−2−ブロモ−5,6−ジクロロ−ベンズイミダゾー ル、および1−(5'−デオキシ−リクソフラノシル)−2−イソプロピルアミノ
−5,6−ジクロロ−ベンズイミダゾールが挙げられる。
【0032】 本発明のもう一つの様相は、生物学的に許容可能なキャリヤーおよび本発明の
D−またはL−リクソフラノシルベンズイミダゾール化合物を含んでなる、組成
物に関する。1様相では、キャリヤーは、当該技術分野で定義される薬学上許容
可能なキャリヤーであることができる。
【0033】 本発明のもう一つの様相は、ウイルスを本発明のD−またはL−リクソフラノ
シルベンズイミダゾール化合物と接触させることによるウイルスの複製および増
殖を抑制することに関する。
【0034】 本発明の更にもう一つの様相は、感染した宿主に本発明の抗ウイルス性リクソ
フラノシルベンズイミダゾール化合物の治療上有効量を、単独でまたは薬学上許
容可能なキャリヤーなどのキャリヤーと組合わせて投与する段階を含んでなるウ
イルス感染症の治療および/または予防法に関する。
【0035】 本発明のもう一つの態様は、ウイルスを本発明の抗ウイルス性リクソフラノシ
ルベンズイミダゾール化合物の治療上有効量と、単独でまたは薬学上許容可能な
キャリヤーなどのキャリヤーと組合わせて接触させることを含んでなる、肝炎ウ
イルス感染症、例えばB型肝炎およびC型肝炎の治療および/または予防法に関 する。
【0036】 本発明の更にもう一つの様相は、ウイルス感染症の治療で使用する医薬の製造
における、本発明のD−またはL−リクソフラノシルベンズイミダゾール化合物
の使用に関する。
【0037】 本発明の更にもう一つの様相は、本発明のD−またはL−リクソフラノシルベ
ンズイミダゾール化合物の製造法に関する。
【0038】 いずれ明らかになるように、本発明の1様相の好ましい特質および特徴は、本
発明のあらゆる他の様相に適用することもできる。
【0039】
【発明の具体的説明】
発明の詳細な説明 A. 本発明の抗ウイルス性化合物 本発明の抗ウイルス性化合物は、糖基Qに1位を介して結合しているベンズイ ミダゾール基を含んでなるベンズイミダゾールヌクレオシド類似体である。
【0040】
【化8】
【0041】 本明細書で用いる「糖基」という用語は、環状形態での糖基、例えばフラノー
ス(5−員環)から誘導されるものに関する。糖基の例としては、トレオフラノ
シル(トレオース由来、四炭糖)、リボフラノシル(リボース由来、五炭糖)、
アラフラノシル(アラビノフラノシルとも呼ばれることが多い; アラビノース由
来、五炭糖)、キシロフラノシル(キシロース由来、五炭糖)が挙げられる。こ
れらの糖の例を、下記に示す。
【0042】
【化9】
【0043】 更に具体的には、本発明の化合物は、リクソフラノシル基(またはその誘導体
)の1'−位に1−位を介して結合しているベンズイミダゾール基を含んでなる。
リクソフラノシルは、2'−OH、3'−OHおよび4'−CHOHがフラノシル 平面と同じ側にあることを特徴とする。この方法では、リクソフラノシルおよび
リボフラノシルは、この対が4'−炭素の立体配置が異なるので、4'−エピマーと
呼ばれることも多い。
【0044】 本明細書で用いる「ベンズイミダゾール」という用語は、2−、4−、5−、6
−、7−位の1以上がR、R4、R、R6およびR7でそれぞれ下記に示すよう に独立して置換されていてもよいベンズイミダゾール−1−イル基に関する。
【0045】
【化10】
【0046】 ベンズイミダゾール置換基R、R4、R、RおよびR7の例としては、−
H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、−I)、−NO、−NR
式中、Rは独立して−Hであるか、または1〜6個の炭素原子を有するアルキル
基である)、−OR(式中、Rは−Hであるか、または1〜6個の炭素原子を有
するアルキル基である)、−SR(式中、Rは−Hであるか、または1〜10個の
炭素原子を有するヒドロカルビル基である)、および−CF3が挙げられる。
【0047】 ベンズイミダゾール基の例としては、ハロ−、ジハロ−、トリハロ−、テトラ
ハロ−、およびペンタハロベンズイミダゾールのようなハロベンズイミダゾール
、例えば2,5,6−トリハロベンズイミダゾール(例えば、2,5,6−トリ
クロロベンズイミダゾール、2−ブロモ−5,6−ジクロロベンズイミダゾール
)、2,4,6−トリハロベンズイミダゾール(例えば、2,4,6−トリクロ
ロベンズイミダゾール、2−ブロモ−4,6−ジクロロベンズイミダゾール)、
2,4,5,6−テトラハロベンズイミダゾール(例えば、2,4,5,6−テ
トラクロロベンズイミダゾール、2−ブロモ−4,5,6−トリクロロベンズイ
ミダゾール)が挙げられるが、これらに限定されない。ベンズイミダゾール基の
他の例としては、2−置換−4,5−ジハロベンズイミダゾール(例えば、2−
アミノ−4,5−ジクロロベンズイミダゾール、2−イソプロピルアミノ−4,
5−ジクロロベンズイミダゾール、2−メトキシ−4,5−ジクロロベンズイミ
ダゾール、2−トリフルオロメチル−4,5−ジクロロベンズイミダゾール)が
挙げられる。多くのベンズイミダゾール化合物およびそれらの製造法が、当該技
術分野で知られている。例えば米国特許第5,248,672号および第5,3
60,795号明細書を参照されたい。
【0048】 本発明の一つの態様においては、ベンズイミダゾール基は、5,6−ジクロロ
ベンズイミダゾール基である。本発明の他の態様においては、ベンズイミダゾー
ル基は、2,5,6−トリクロロベンズイミダゾール基である。本発明のさらな
る態様においては、ベンズイミダゾール基は、2置換−5,6−ジクロロベンズ
イミダゾール基であり、ここで2置換体は、アミノ基(すなわち、−NH)、
置換アミノ基(例えば、−NHR、N(R)(式中、Rは1−6個の炭素原子を
有するアルキル基である))、ハロ基(例えば、−F、−Cl、−Br、−I)
、スルヒドリル基(すなわち、−SH)またはチオエーテル基(すなわち、−S
R(式中、Rは1−10個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である)
【0049】 本発明の化合物の例としては、下記に挙げるもの、並びにそのアノマー(すな
わち、α−およびβ−)および光学(すなわち、D−およびL−)異性体、およ
びそれらの薬学上許容可能な塩およびプロドラッグ誘導体が挙げられる。
【0050】 1−(リクソフラノシル)−2,5,6−トリクロロ−ベンズイミダゾール、 1−(リクソフラノシル)−2−ブロモ−5,6−ジクロロ−ベンズイミダゾ
ール、 1−(リクソフラノシル)−2−メチルアミノ−5,6−ジクロロ−ベンズイ
ミダゾール、 1−(リクソフラノシル)−2−イソプロピルアミノ−5,6−ジクロロ−ベ
ンズイミダゾール、 1−(リクソフラノシル)−2−シクロプロピルアミノ−5,6−ジクロロ−
ベンズイミダゾール、 1−(リクソフラノシル)−2−チオ−5,6−ジクロロ−ベンズイミダゾー
ル、 1−(リクソフラノシル)−2−ベンジルチオ−5,6−ジクロロ−ベンズイ
ミダゾール、および 1−(リクソフラノシル)−2−メチルチオ−5,6−ジクロロ−ベンズイミ
ダゾール。
【0051】 本明細書で用いる「薬学上許容可能な塩またはプロドラッグ誘導体」という用
語は、任意の薬学上許容可能な塩、エステル、エーテル、エステルの塩、溶媒和
物、例えばエタノレート、または患者に投与したときに本発明の化合物または活
性代謝物またはその残基を(直接または間接的に)提供することができる本発明
の化合物の他の誘導体に関する。特に好ましい誘導体およびプロドラッグは、こ
のような化合物を哺乳類に投与するとき(例えば、経口投与した化合物を一層容
易に血中に吸収されるようにすることによって)本発明の化合物のバイオアベイ
ラビリティを増加するもの、または親化合物の生物学的区画(例えば、脳または
リンパ系)への送達を促進するものである。
【0052】 本発明の化合物の塩は、無機または有機酸および塩基から誘導することができ
る。酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マ
レイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン−p −スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸
、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、およびベンゼンス
ルホン酸が挙げられる。それ自体は薬学上許容可能ではないシュウ酸のような他
の酸を、本発明の化合物およびそれらの薬学上許容可能な酸付加塩を得る場合の
中間体として用いる塩の調製に用いることができる。塩基の例としては、アルカ
リ金属(例えば、ナトリウム)水酸化物、アルカリ土類金属(例えば、マグネシ
ウム)水酸化物、アンモニア、および式NW (式中、WはC1−4アルキル である)の化合物が挙げられる。
【0053】 塩の例としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、
安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、カンフォ
レート、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン
酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、フルコヘプタノエー
ト、グリセロホスフェート、ヘミスルフェート、へブタン酸塩、ヘキサン酸塩、
塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、
乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニ
コチン酸塩、シュウ酸塩、パルモエート、ペクチネート、過硫酸塩、フェニルプ
ロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒
石酸塩、チオシアネート、トシレートおよびウンデカン酸塩が挙げられる。塩の
他の例としては、本発明の化合物のアニオンをNa+、NH4 およびNW ( 式中、WはC1−4アルキルである)のような適当なカチオンと混合したものが 挙げられる。
【0054】 治療用途には、本発明の化合物の塩は薬学上許容可能となる。しかしながら、
薬学上許容可能でない酸および塩基の塩も、例えば薬学上許容可能な化合物の製
造または精製などに用いることができる。
【0055】 本発明の化合物のエステルとしては、2'−、3'−、および/または5'−ヒド
ロキシ基のエステル化によって得られたカルボン酸エステル(すなわち、−O−
C(=O)R)(式中、Rは、(1) 直鎖または分岐鎖状アルキル(例えば、n−プ
ロピル、t−ブチル、またはn−ブチル)、アルコキシアルキル(例えば、メト
キシメチル)、アラールキル(例えば、ベンジル)、アリールオキシアルキル(
例えば、フェノキシメチル)、アリール(例えば、場合によってはハロゲン、C 1−4 アルキルまたはC1−4アルコキシまたはアミノによって置換されたフェニ
ル; (2) スルホン酸エステル、例えばアルキルスルホニル(例えば、メタンスル
ホニル)またはアラールキルスルホニル; (3) アミノ酸エステル(例えば、L−
バリルまたはL−イソロイシル); (4) ホスホン酸エステル;および(5) モノ− 、ジ−またはトリリン酸エステルから選択される)が挙げられる。リン酸エステ
ルは、例えばC1−20アルコールまたはその反応性誘導体によって、または2 ,3−ジ−(C6−24)アシルグリセロールによって更にエステル化することが できる。このようなエステルでは、特に断らない場合には、存在するいずれのア
ルキル残基も1〜18個の炭素原子、具体的には1〜6個の炭素原子、更に具体
的には1〜4個の炭素原子を含むのが好ましい。このようなエステルに存在する
任意のシクロアルキル残基は、3〜6個の炭素原子を含むのが好ましい。このよ
うなエステル中に存在する任意のアリール残基は、フェニル基を含んでなるのが
好ましい。本発明のリクソフラノシルプロドラッグ誘導体の例としては、例えば
化学的保護されたヒドロキシル基(例えば、O−アセチル基)を有するもの、例
えば2'−O−アセチル−リクソフラノシル、3'−O−アセチル−リクソフラノ
シル、5'−O−アセチル−リクソフラノシル、2',3'−ジ−O−アセチル−リ
クソフラノシル、および2',3',5'−トリ−O−アセチル−リクソフラノシル が挙げられる。
【0056】 本発明の化合物のエステルとしては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イ
ソブチル、および第二ブチルエーテルが挙げられる。
【0057】 B. 本発明の抗ウイルス化合物の使用法 本発明の1様相は、ウイルスに、ウイルス複製および/または増殖を阻害する
のに有効な化合物の有効量を接触させることによって、イン・ビトロ、エクス・
ビボまたはイン・ビボでウイルスの複製および/または増殖を抑制する方法に関
する。接触をイン・ビトロで行うときには、化合物は、独立してまたは本明細書
に開示された化合物と組合わせて用いることができる他の抗ウイルス化合物のス
クリーニングに用いられる。これらの化合物は、感染宿主に本発明のリクソフラ
ノシルベンズイミダゾール化合物の治療上有効量を投与することによってウイル
ス感染症を治療しおよび/または予防するのにも用いられる。1態様では、この
ような方法としては、感染宿主に薬学上許容可能なキャリヤーと本発明の抗ウイ
ルス正のリクソフラノシルベンズイミダゾール化合物の治療上有効量との組成物
を投与することが挙げられる。
【0058】 「治療上有効量」という用語は、予防上有効量を包含するものであり、単独療
法(monotherapy)としてまたは他の薬剤と組合わせて患者のウイルス感染症の治 療または予防に有効な量を表す。本明細書で用いる「治療」という用語は、患者
の特定の疾患の症状の緩和、または特定の疾患に関連した確かめ得る測定値の工
場、または宿主におけるウイルス力価の減少を表す。当該技術分野における技術
の一つによれば、ウイルス負荷の減少またはウイルス感染症に関連した症状の緩
和を観察することによって宿主が「治療」されたときを決定することができる。
「予防上有効量」という用語は、宿主におけるウイルス感染を防止するのに有効
な量を表す。本明細書で用いる「宿主」という用語は、哺乳類、例えばマウス、
ウシ、ラットまたはヒト患者を表す。
【0059】 「生物学的に許容可能なキャリヤー」という用語は、本発明の化合物と共に宿
主または患者に投与することができるキャリヤーまたはアジュバントであって、
本発明の化合物の薬理活性を破壊せずかつ抗ウイルス化合物の有効量を送達する
のに十分な用量で投与するときに毒性を持たないものを表す。適当なキャリヤー
の例としては、滅菌または水性溶液のような液相キャリヤー、並びに下記のもの
が挙げられる。
【0060】 以下に示すように、本発明の化合物は強力な抗ウイルス薬であり、DNAウイ
ルス、例えばHCMV、HBVおよびHSV−1のようなヘルペス型ウイルスに 対して特に有効であり、キャリヤーと組合わせると、それだけでイン・ビトロ、
エクス・ビボまたはイン・ビボでのウイルス再生および増殖を阻害するための組
成物を提供する。しかしながら、明示はしないが、HHV−6およびHIVのよ
うな他のウイルスを本発明の化合物によって阻害することができることを理解す
べきである。これらのウイルスに対する効力の測定法は、以下に示す。更に、R
NAウイルスも、本発明の化合物によって阻害することができる。
【0061】 本発明の化合物は、上記ウイルスの複製または増殖および関連疾患を阻害する
ための他の治療薬と組合わせて用いることもできる。本発明による組合せ治療は
、本発明の少なくとも1個の化合物と少なくとも1個の他の薬学活性成分とを投
与することを含んでなる。(複数の)活性成分および薬学活性薬剤は、同一また
は異なる製薬処方物で同時にまたは任意の順序で順次に投与することができる。
(複数の)活性成分および(複数の)薬学活性薬剤の量、および投与の相対的時
期を選択して、所望な組合せ治療効果を得るようにする。好ましくは、組合せ治
療は、本発明による1個の化合物と下記の薬剤の1個の投与を含む。「操作組合
せ(operative combination)」という用語は、組合せが本発明の化合物の抗ウイ ルス活性を減少させない限り、本発明の化合物と、本発明の他の化合物または本
発明以外の他の化合物(例えば、ガンシクロビール、AZT、およびフォスカル
ネット)との任意の化学的に適合性組合せを包含するものとする。
【0062】 他の活性成分の例としては、ウイルス感染症または関連疾患の治療に有効な薬
剤(1−α,2−α,3−α)−9−[2,3−ビス(ヒドロキシメチル)シク
ロブチル]グアニン[(−)BHCG、SQ−34514]、オキセタノシン−
G(3,4−ビス(ヒドロキシメチル)−2−オキセタノシル]グアニン)、非
環状ヌクレオシド(例えば、アシクロビール、バラシクロビール、ファムシクロ
ビール、ガンシクロビール、ペンシクロビール)、非環状ヌクレオシドホスホネ
ート(例えば、(S)−1−(3−ヒドロキシ−2−ホスホニルメトキシプロピ
ル)シトシン(HPMPC)、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤、例えば2
−アセチルピリジン5−[(2−クロロアニリノ)チオカルボニル]チオカルボ
ノヒドラゾン、3’−アジド−3’−デオキシチミジン、他の2’,3’−ジデ
オキシヌクレオシド、例えば2’,3’−ジデオキシシチジン、2’,3’−ジ
デオキシアデノシン、2’,3’−ジデオキシイノシン、2’,3’−ジデオキ
シチミジン、プロテアーゼ阻害薬、例えばリトノビール、インディナビール、1
41W94、ネルフィナビール、サンキナビール、および3S−[3R(1S ,2R)]−[3−[[4−アミノフェニル)スルホニル](2−メチルプ
ロピル)−アミノ]−2−ヒドロキシ−1−フェニルメチル)プロピル]カルバ
ミン酸、テトラヒドロ−3−フラニルエステル(141W94)、オキサチオラ
ンヌクレオシド類似体、例えば(−)−シス−1−(2−ヒドロキシメチル)−
1,3−オキサチオラン−5−イル)−シトシン(ラミブジン)、またはシス−
1−(2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−5−イル)−5−
フルオロシトシン(FTC)、3’−デオキシ−3’−フルオロチミジン、5−
クロロ−2’,3’−ジデオキシ−3’−フルオロウリジン、(−)−シス−4
−[2−アミノ−6−(シクロプロピルアミノ)−9H−プリン−9−イル]−
2−シクロペンテン−1−メタノール、リバビリン、9−[4−ヒドロキシ−2
−(ヒドロキシメチル)ブタ−1−イル]−グアニン(H2G)、tat阻害薬
、例えば7−クロロ−5−(2−ピリル)−3H−1,4−ベンゾジアゼピン−
2−(H)−オン(Ro5−3335)、7−クロロ−1,3−ジヒドロ−5−
(1H−ピロール−2−イル)−3H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−アミン
(Ro24−7429)、インターフェロン、例えば(α−インターフェロン、
腎排泄阻害薬、例えばプロベネシド、ヌクレオシド輸送阻害薬、例えばジピリダ
モール、ペントキシフィリン、N−アセチルシステイン(NAC)、プロシステ
イン、(α−トリコサンチン、ホスホノギ酸、並びに免疫調節剤、例えばインタ
ーロイキンIIまたはチモシン、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子、エリ
トロポエチン、可溶性CDおよびその遺伝子操作誘導体、または非ヌクレオシ
ド逆転写酵素阻害薬、例えばネビラピン(BI−RG−587)、ロビリド(α
−APA)およびデラブリジン(BHAP)、およびホスホノギ酸が挙げられる
【0063】 本発明の化合物は、抗ウイルス薬ジドブジン(AZT)および/または3TC
を既に投与されているAIDS患者のHCMVおよびHSV−1感染症を治療す
る目的で用いることもできた。AZTとの併用療法では、ガンシクロビールのA
ZTとの組合せに比較して毒性が小さいという利点がある。本発明の化合物をA
ZTと組合せることにより、いずれかの薬剤を単独で用いるよりもヒト培養細胞
での細胞毒性が少なくなることがある(すなわち、拮抗作用)。対照的に、ガン
シクロビールとAZTの組合せでは、これらの薬剤のいずれかを単独で用いたと
きよりヒト細胞での細胞毒性が大きくなることがある。
【0064】 本発明は、ウイルスに感染した細胞または細胞の個体を本発明の化合物の有効
量と適当な条件下で接触させ、ウイルス再生および増殖が阻害されるようにする
ことによって、細胞または個体でのウイルスの再生および増殖を減少させまたは
阻害する方法も提供する。当該技術分野における技術のひとつにより、ウイルス
力価の減少または未治療の感染細胞と比較して感染細胞の生存率の増加を観察す
ることによって、ウイルス再生および増殖が減少または阻害されるときを容易に
決定することができる。ウイルス力価の分析法は、当業者には周知であり、以下
に例示する。ウイルス複製および増殖を阻害し減少させることによってウイルス
感染力も阻害され、減少し、細胞はウイルス感染に対して適当に治療されること
は容易に理解される。関連病因も治療される。1態様では、HCMVのようなヘ
ルペス型ウイルス、肝炎ウイルス、例えばB型肝炎ウイルス(HBV)、または
HSV−1感染症が治療または予防される。
【0065】 本発明の目的に対して、「細胞」とは、哺乳類細胞、例えばマウス細胞、ウシ
細胞、ラット細胞、ウッドチャック細胞、サル細胞またはヒト細胞を包含するも
のであるが、これらに限定されない。本発明の化合物、組成物および方法によっ
て有効に治療されるウイルスとしては、DNAおよびRNAウイルス、特にヘル
ペス型ウイルスが挙げられる。ヘルペス型ウイルスまたはヘルペスウイルスの例
は、単純ヘルペスウイルス1型(HSV−1)、単純ヘルペスウイルス2型(H
SV−2)、水痘−帯状疱疹ウイルス(VZV)、Epstein-Barrウイルス(EB
V)、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)、ヒトヘルペスウイルス6型(H
HV−6)、ヒトヘルペスウイルス7型(HHV−7)、およびヒトヘルペスウ
イルス8型(HHV−8)である。本発明の化合物は、HCMVおよびHSV−
1、および再狭窄のような関連病因の治療に特に有用である。それらは、肝細胞
癌のような肝炎関連疾患の治療に好ましく用いることができる(米国特許第5,
679,342号明細書参照)。
【0066】 有効量は、当業者によって容易に決定され、治療を行う細胞、ウイルス、およ
び治療の目的によって変化する。例えば、細胞培養において薬剤を用いるときに
は、薬剤の量が細胞にとって細胞毒性を有するものとならないことが重要である
【0067】 「適当な条件」は、イン・ビトロ、エクス・ビボまたはイン・ビボを含む。方
法をイン・ビトロで実施するときには、接触は、細胞を細胞または細胞の培養物
での再生および増殖を阻害するのに有効な化合物の有効抗ウイルス量と共にイン
キュベーションすることによって行うことができる。化合物は、培地に直接加え
ることができ、または細胞に添加する前にキャリヤーと組合わせることができる
。イン・ビトロでは、この方法は、ウイルス再生、増殖、従って試験用細胞培養
物での感染の阻害に特に有用である。エクス・ビボでは、化合物は、血液および
血漿を患者に再導入する前にウイルス再生および増殖を阻害するのに有用である
【0068】 イン・ビトロでの化合物および方法の使用により、同様なまたは増大した抗ウ
イルス活性を提供する新規薬剤または化合物をスクリーニングするための強力な
バイオアッセイも提供される。以下に記載する方法を用いると、試験を行う薬剤
は、本発明の化合物と同一条件下で分析される。次に、試験薬剤の抗ウイルスお
よび細胞毒性を、本発明の化合物と比較することができる。
【0069】 これらの化合物は、HCMVおよびHSV−1に対して特に有効であることが
下記に示されるが、本明細書に記載の方法および当業者に周知の他の方法を用い
ることによって、他のウイルスを本発明の化合物で効果的に処理することは本発
明の範囲内にある。本明細書に定義されかつ本発明の範囲内にある方法で処理す
ることができる他のウイルスとしては、ヘルペス科の総てのウイルス、およびヒ
ト免疫不全症ウイルス(HIV)および肝炎ウイルス、例えばB型肝炎ウイルス
(HBV)が挙げられる。HBVに対する本発明の化合物のいずれかの効力の測
定法は当該技術分野で周知であり、例えばDalugeに対する米国特許第5,399
,580号明細書に記載の方法を参照されたい。
【0070】 本発明で定義した方法で処理することができる肝炎ウイルス科のもう一つのウ
イルスは、C型肝炎ウイルス(HCV)である。Houghton et al.に発行された 米国特許第5,679,342号明細書には、HCVに対して極めて活性の高い
化合物をスクリーニングするため、HCVで感染させた体外細胞系を用いる方法
が詳細に記載されている。簡単に説明すれば、この方法は、(a) 試験を行う本発
明の化合物を含む組成物を提供し、(b) HCVに感染させることができる体外細
胞系を提供し、(c) 感染性HCVを含む生物学的試料を提供し、(d) (a)および(
c)の組成物を、(a)の非存在下では、細胞系でHCVを感染させることができる 条件下で(b)の細胞系と共にインキュベーションし、(e) インキュベーションの 後にウイルス感染の阻害を検出することを特徴とする。米国特許第5,679,
342号明細書に開示されている好ましい細胞系としては、肝細胞、マクロファ
ージ、更に好ましくはKupfferマクロファージ、およびBリンパ球が挙げられる 。肝細胞性の気管から誘導される細胞系も、上記の分析法で使用するのに適して
いる。(a)の非存在下で細胞系でHCVを複製することができる条件下で(a)と(b
)の組成物をインキュベーションし、次にインキュベーションの後にウイルス複 製の阻害を検出することによって、ウイルス複製の阻害を試験する目的で、上記
分析法を用いることもできる。
【0071】 HCVに対する化合物の抗ウイルス活性を試験するための当該技術分野で周知
のもう一つの方法は、例えばLain et al., (1991) Nucleic Acids Res. 69: 172
0-1726およびKim et al., (1995) Biochem. Biophys. Res. Comm. 160-166に記 載のヘリカーゼ阻害分析法である。
【0072】 この方法をヒト患者のような被験者でイン・ビボで実施するときには、化合物
を薬学上許容可能なキャリヤーに添加し、ヒト患者のような被験者またはマウス
、ラット、ウッドチャックまたはサルのような哺乳類に全身または局所的に投与
することができる。
【0073】 組成物は、HCMV、HSV−1またはヘルペスウイルス感染症のようなウイ
ルス感染症に罹り易いまたはの危険性のある被験者または個人に投与することも
できる。従って、本発明は、被験者に化合物または組成物の予防上有効量を適当
な条件下で投与し、ウイルス複製、増殖または感染を阻害することによって、被
験者でのウイルス複製、増殖および/またはウイルス感染を阻害する予防的方法
も提供する。「予防上有効量」とは、治療を行う細胞および被験者に毒性のない
ウイルスで免役した被験者でウイルス感染、再生および増殖を阻害する量である
【0074】 被験者または個体でウイルスの増殖、感染および複製を防止しまたは阻害する
ことによって、本発明の組成物および方法は、封入体病、失明、単核細胞症、再
狭窄(HCMV)、水痘、帯状疱疹(水痘−帯状疱疹ウイルス);伝染性単核細
胞症、腺熱(glandular, fever)、およびバーキットリンパ腫(Epstein-Barrウイ
ルス);単純ヘルペス(単純ヘルペス1型);性器ヘルペス(単純ヘルペスウイ
ルス2型);小児バラ疹(ヒトヘルペスウイルス6型、ヒトヘルペスウイルス7
型);カポージ肉腫(ヒトヘルペスウイルス8型)のようなウイルス感染症に関
連した症状や疾病の治療、予防または回復法も提供する。従って、本発明は、ウ
イルス感染症、例えばHCMV、HSV−1およびヘルペスウイルス感染症、例
えば再狭窄、日和見感染症(例えば、網膜感染症、消化器感染症、肺炎、CNS
感染症または肝傷害)および子宮内感染症に関連した疾病または症状を、被験者
に適当な条件下で本発明の化合物の有効量を投与し、疾病または症状を改善し、
予防しまたは治療することによる改善、予防または治療法も提供する。
【0075】 再狭窄は、血管壁の損傷、例えばバルーン血管形成または他の外科的手法によ
って引起される損傷によって起こる可能性がある血管の狭窄であり、治療した血
管の壁における平滑筋の過剰増殖を特徴とする。血管形成後再狭窄(RFA)は
、バルーン血管形成による冠状動脈疾患の治療を行った患者で見られる。多くの
RFAの患者では、患者の特にCMVおよび/またはHHV−6によるウイルス
感染症が、治療した冠状動脈の平滑筋細胞の増殖に重要な役割を果たしていると
考えられる。
【0076】 再狭窄は、移植手術、静脈移植、冠状バイパス移植などの多くの外科的手法の
後、および最も多く見られるのは血管形成の後に起こる可能性がある。
【0077】 血管形成は、末梢、腎および冠状血管系のアテローム性動脈硬化による狭窄が
、典型的には加圧バルーンカテーテルによって血管壁のブラクを圧縮しおよび/
または引裂くことによって取り除く外科的手法である。不運なことには、症例、
特に冠状血管系が関係する症例の25〜50%では、治療した血管が数カ月以内
に再狭窄を起こすので、手術をバルーンカテーテルの代替法、例えばパルスレー
ザーおよび回転カッターが、血管形成後の再狭窄を減少させまたは予防するため
に開発されているが、余り成功していない。血液凝固防止薬や血管拡張薬など多
数の薬剤も試みられてきたが、結果は期待に反するものであったり、決定的とは
いえないものであった。
【0078】 イン・ビトロおよびイン・ビボの療法で行った研究から、再狭窄は複合要因工
程であることを示す一団の強力な証拠がある。幾つかのサイトカインと成長因子
は協同的に作用し、血管の平滑筋細胞(SMC)の移動および増殖、および蓄積
して血管を詰まらせる細胞外マトリックス材料の産生を刺激する。更に、成長抑
制剤は、SMCの増殖および細胞外マトリックス材料の産生を阻害する作用をす
る。従って、本発明の化合物は、罹患し易い被験者または患者で再狭窄を予防し
または治療するための方法に用いることができる。
【0079】 イン・ビボでの投与は、治療の経過中に一回投与で、連続的にまたは断続的に
行うことができる。投与の最も効果的な手段および用量を決定する方法は、当業
者に周知であり、治療に用いる組成物、標的ウイルス、治療の目的、治療を行う
標的細胞、および治療を受ける被験者によって変化する。単回投与または複数回
投与を行うことができ、用量水準およびパターンは治療を行う医師によって選択
される。適当な投与処方物および化合物の投与法は、下記に見いだすことができ
る。
【0080】 本発明の化合物は総て、HCMV、ヘルペスウイルス感染症およびHSV−1
に対して抗ウイルス活性を示し、多くは細胞毒性が許容可能である。抗ウイルス
活性/細胞毒性が比較的高い、すなわち良好な選択性を示す本発明の化合物が好
ましいことが理解されるであろう。本発明による抗ウイルス治療は、ウイルス感
染症の治療、並びにある状況、例えば骨髄や器官移植患者並びにHCMV、ヘル
ペスウイルスまたはHSV−1感染症に特に罹り易いHIV患者のような免疫が
低下した患者で所望なことがある予防的処置を包含する。
【0081】 本発明の化合物および組成物は、医薬の製造、および通常の手順により例えば
医薬組成物中の活性成分を投与することによるヒトおよび他の動物の抗ウイルス
治療に用いることができる。
【0082】 医薬組成物は、局所的、経口、鼻内、非経口的に、または吸入療法によって投
与することができ、錠剤、ロゼンジ、顆粒剤、カプセル、丸薬、アンプル、座薬
またはエアゾールの形態を採ることができる。それらは、水性または非水性希釈
剤に活性成分を加えた軟膏、ゲル、ペースト、クリーム、スプレー、ローション
、懸濁液、溶液およびエマルション、シロップ、粒剤または粉末の形態を採るこ
ともできる。本発明の化合物の他に、医薬組成物は、他の薬学活性化合物または
複数の本発明の化合物を含むこともできる。
【0083】 更に具体的には、本明細書で活性成分とも呼ばれる本発明の式の化合物は、経
口、直腸、経鼻、局所(経皮、エアゾール、口腔および舌下など)、膣内、非経
口(皮下、筋肉内、静脈内および皮内など)、および肺などの任意の適当な経路
によって治療目的で投与することができる。好ましい経路は、患者の体調および
年齢、治療を行うウイルス、および感染症の性質によって変化することも理解さ
れるであろう。
【0084】 一般に、上記のウイルス感染症、例えばHCMVおよびHSV−1のそれぞれ
に適当な投与量は、約0.1〜約250mg/kg患者体重/日の範囲であり、
好ましくは約1〜約100mg/kg体重/日の範囲であり、最も好ましくは約
5〜約20mg/kg体重/日の範囲である。特に断らない限り、総ての活性成
分の重量は、塩またはエステルに対する本発明の式の親化合物として計算され、
重量は比例して増加する。所望な用量は、1日の間に適当な間隔で投与される2
、3、4、5、6個以上の小用量として好ましく提供される。これらの小用量は
、例えば約10〜約1000mg、好ましくは約20〜約500mg、最も好ま
しくは約100〜約400mg活性成分/単位投与形態を含む単位投与形態で投
与することができる。本発明の化合物および組成物の適当な用量は、ウイルス感
染症の種類および重篤度によって変化することがあり、患者毎に変化することも
できることが理解されるであろう。最適用量の決定は、通常は本発明の抗ウイル
ス治療のあらゆる危険または有害な副作用に対する治療効果の水準を勘案するこ
とを伴う。
【0085】 理想的には、活性成分は、活性化合物のピーク血漿濃度が約2μM〜約100
μM、好ましくは約5μM〜約70μM、最も好ましくは約1〜約50μMとな
るように投与すべきである。これは、例えば活性成分を場合によっては食塩水に
溶解した約0.1〜約5%溶液の静脈内注射、または例えば活性成分を約0.1
〜約250mg/kg含む錠剤、カプセル、またはシロップとして経口投与によ
り達成される。望ましい血中濃度は、約0.01〜約5.0mg/kg/時を供
給するための連続輸液によって、または活性成分を約0.4〜約15mg/kg
含む断続的輸液によって保持することができる。組合せ操作の使用は、それぞれ
の治療化合物または薬剤を単独で用いるときに必要とされるよりそれぞれの成分
の抗ウイルス薬の総投与量が少なくて済む組合せ治療を提供しようとするもので
ある。
【0086】 活性成分は単独で投与することができるが、上記に定義した少なくとも1種類
の活性成分を、1種類以上の薬学上許容可能なキャリヤーおよび場合によっては
他の治療薬と共に含んでなる医薬処方物として提供するのが好ましい。それぞれ
のキャリヤーは、処方物の他成分と適合性であり患者にとって慎重さを欠くもの
ではないという意味において「許容可能」でなければならない。
【0087】 処方物としては、経口、直腸、経鼻、局所(経皮、口腔および舌下など)、膣
内、非経口(皮下、筋肉内、静脈内および皮内など)および肺投与に適当なもの
が挙げられる。処方物は、単位投与形態で好都合に提供することができ、調剤の
技術分野で周知の任意の方法によって調製することができる。このような方法は
、活性成分を1以上の補助成分を構成するキャリヤーと結合させる段階を含む。
一般に、処方物は、活性成分を液体キャリヤーまたは微粉砕した固形キャリヤー
または両方と均一かつしっかりと結合させた後、必要ならば、生成物を整形する
ことによって調製される。
【0088】 経口投与に適した本発明の処方物は、カプセル、カシェ剤または錠剤のような
、それぞれが所定量の活性成分を含む個別単位として、粉末または顆粒として、
水性または非水性液体の溶液または懸濁液として、または水中油型液体エマルシ
ョンまたは油中水型液体エマルションとして提供することができる。活性成分は
、ボーラス、舐剤またはペーストとして提供することもできる。
【0089】 錠剤は、場合によっては1種類以上の補助成分と共に圧縮または成形によって
製造することができる。圧縮錠剤は、適当な装置で粉末または顆粒のような自由
流動形態の活性成分であって、場合によっては結合剤(例えば、ポビドン、ゼラ
チン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、防腐剤
、崩壊剤(例えば、澱粉グリコール酸ナトリウム、架橋ポビドン、架橋カルボキ
シメチルセルロースナトリウム)、界面活性または分散剤と混合したものを圧縮
することによって調製することができる。成形錠剤は、適当な装置で不活性液体
希釈剤で湿らせた粉末化化合物の混合物を成形することによって製造することが
できる。錠剤は、場合によってはコーティングを施したりまたは刻み目を入れる
ことができ、また処方して、所望な放出曲線を提供するため、例えばヒドロキシ
プロピルメチルセルロースを様々な比で用いて、活性成分が徐放または制御放出
されるようにすることができる。錠剤は、場合によっては腸溶性コーティングを
備えて、胃ではなく腸の部分で放出を行うようにすることができる。
【0090】 口中に局所投与するのに適している処方物としては、通常はスクロースとアラ
ビアゴムまたはトラガカントゴムの風味付けした主成分中に活性成分を含んでな
るロゼンジ、ゼラチンとグリセリンまたはスクロースとアラビアゴムのような不
活性主成分中に活性成分を含んでなるパステル、および適当な液体キャリヤー中
に活性成分を含んでなる口内洗浄剤が挙げられる。
【0091】 本発明による局所投与用の医薬組成物は、軟膏、クリーム、懸濁液、ローショ
ン、粉末、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアゾールまたは油状生成物とし
て処方することができる。あるいは、処方物は、パッチまたは包帯剤、例えば活
性成分および場合によっては1種類以上の賦形剤または希釈剤を含浸させた包帯
または接着硬膏を含んでなることができる。
【0092】 目または他の外部組織、例えば口および皮膚の感染症については、処方物を、
例えば約0.075〜約20%(重量/重量)、好ましくは約0.2〜約25%
(重量/重量)、最も好ましくは約0.5〜約10%(重量/重量)の量の活性
成分を含む局所軟膏またはクリームとして投与するのが好ましい。軟膏に処方す
るときには、活性成分をパラフィンまたは水混和性の軟膏基剤と共に用いること
ができる。あるいは、活性成分を水中油性クリーム基剤と共にクリームに処方す
ることができる。
【0093】 所望ならば、クリーム基剤の水相は、例えば少なくとも約30%の多価アルコ
ール、すなわちプロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、マンニトー
ル、ソルビトール、グリセロールおよびポリエチレングリコールのような2個以
上のヒドロキシル基を有するアルコール、およびそれらの混合物を含むことがで
きる。局所処方物は、皮膚または他の罹患部分からの活性成分の吸収または浸透
を増大させる化合物を含むのが好ましいことがある。このような経皮浸透促進剤
の例としては、ジメチルスルホキシドおよび関連類似体が挙げられる。
【0094】 本発明のエマルションの油相は、既知の方法で既知成分から構成されることが
ある。この相は乳化剤(あるいはエマルジェント(emulgent)として知られている
)のみを含んでなることができるが、少なくとも1種類の乳化剤と脂肪または油
状生成物または脂肪と油状生成物との混合物を含んでなるのが望ましい。親水性
乳化剤は、安定剤として作用する親油性乳化剤と共に配合するのが好ましい。ま
た、油状生成物と脂肪を両方とも配合するのも好ましい。(複数の)乳化剤は(
複数の)安定剤と共にまたはなしで、いわゆる乳化性ワックスを構成し、ワック
スは油状生成物および/または脂肪と共に、クリーム処方物の油性分散相を形成
するいわゆる乳化性軟膏基剤を構成する。
【0095】 本発明の処方物で使用するのに適するエマルジェントおよびエマルション安定
剤としては、Tween 60、Span 80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアル コール、グリセリルモノステアレート、およびラウリル硫酸ナトリウムが挙げら
れる。
【0096】 処方物に適する油状生成物または脂肪の選択は、医薬エマルション処方物に用
いるのに適するほとんどの油状生成物中の活性成分の溶解度が極めて低いので、
所望な化粧特性の達成に基づいている。従って、クリームは、油っぽくなく、汚
れが付かず、チューブや他の容器からの漏れを防止するため適当な粘稠度を有す
る洗浄可能な生成物であるのが好ましい。直鎖または分岐鎖状の一−または二塩
基性アルキルエステル、例えばジ−イソアジペート、イソセチルステアレート、
ヤシ油脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、イソプロピルミリステート、
デシルオレエート、イソプロピルバルミテート、ブチルステアレート、2−エチ
ルヘキシルバルミテート、またはCrodamol CAPとして知られている分岐鎖エステ
ルの混合物を用いることができ、最後の3個が好ましいエステルである。これら
は、必要とされる特性によって単独でまたは組合わせて用いることができる。あ
るいは、白色ワセリンおよび/または流動パラフィンのような高融点脂質を用い
ることもできる。
【0097】 目の局所投与に適当な処方物としては、活性成分を適当なキャリヤー、特に活
性成分の水性溶媒に溶解または懸濁した点眼薬が挙げられる。活性成分は、この
ような処方物に約0.5〜約20%、好ましくは約0.5〜約10%、特に約1
.5%(重量/重量)の濃度で含まれるのが好ましい。
【0098】 直腸投与用の処方物は、例えばカカオ脂またはサリチレートを含んでなる適当
な基剤を有する座薬として提供することができる。
【0099】 膣内投与に適当な処方物は、活性成分の他に当該技術分野で適当なモノとして
知られているキャリヤーを含むペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペース
ト、フォームまたはスプレー処方物として提供することができる。
【0100】 鼻内投与に適当な処方物であって、キャリヤーが固体であるものとしては、粒
度が例えば約20〜約500ミクロンの粗大粉末が挙げられ、これは、鼻で吸込
むことによって、すなわち鼻の近くに固定された粉末の容器から鼻通路を通って
速やかに吸入することによって投与される。キャリヤーが液体である鼻内スプレ
ー、鼻内ドロップなどとして、または噴霧器によるエアゾール投与による投与に
適当な処方物としては、活性成分の水性または油性溶液が挙げられる。
【0101】 非経口投与に適当な処方物としては、酸化防止剤、緩衝剤、制菌剤および処方
物を目的とする患者の血液と等張にする溶質を含むことがある水性または非水性
の等張滅菌注射溶液、および懸濁剤および増粘剤、およびリポソーム、または化
合物が血液成分または1個以上の器官を標的とするように設計されている他の微
粒子系を含むことがある水性および非水性の滅菌懸濁液が挙げられる。処方物は
、アンプルおよびバイアルなどの単回投与または複数回投与の密封容器に入れて
提供することができ、また使用直前に注射用水などの滅菌液体キャリヤーを添加
するだけでよい凍結乾燥(lyophilized)条件で保管することができる。即席の注 射溶液および懸濁液は、上記した種類の滅菌粉末、顆粒および錠剤から調製する
ことができる。
【0102】 好ましい単位投与処方物は、本明細書において上記引用したように、活性成分
の一日投与量または単位、一日小投与量、またはそれらの適当な画分を含むもの
である。
【0103】 本発明の処方物は、具体的に上記した成分の他に、目的とする処方物の種類に
関して当該技術分野で通常の他の薬剤を含むことができ、例えば経口投与に適す
るものは、甘味料、増粘剤および香味料のような追加薬剤を含むことができる。
【0104】 本発明の式の化合物は、獣医処方物の形態で用いる目的で提供することもでき
、これは、例えば当該技術分野で通常の方法によって調製することができる。
【0105】 C.本発明の抗ウイルス化合物の製造法 2,3,5−トリ−O−アセチル−グリコフラノシルヌクレオシドは、1,2
,3,5−テトラ−O−アセチル−グリコシドから改良Vorbrueggen法によって 調製することができる(Vorbrueggen, H., Krolikiewicz, K., Bennua, B. 「ト
リメチルシリルトリフレートと過塩素酸塩を触媒として用いるヌクレオシド合成
(Nucleoside Synthesis with Trimethylsilyl Triflate and Perchlorate as Ca
talyst)」Chem. Ber. 1981, 114: 1234-55を参照されたい)。アノマー配置は、
ほとんどの場合に1’−複素環残基および2’−O−アセチル基に関して主とし
てトランスである(Baker, B.R., Joseph, J.P., Schaub, R.E., Williams, J.H
. 「プロマイシンの合成研究。V. 6−ジメチルアミノ−9−(2’−アセチ
ルアミノ−β−D−グルコビラノシル)プリン(Puromycin Synthetic Studies.
V. 6-Dimethylamino-9-(2'-acetylamino-β-D-glucopyranosyl)purine)」 J. Or
g. Chem. 1954, 19, 1786-1792を参照されたい)。この方法に関して、テトラ−
O−アセチル−D−リクソフラノース(化合物2b)およびテトラ−O−アセチル
−L−リクソフラノース(化合物2a)を、類似の宿業でのグリコシルドナーとし
て用いるために調製した。
【0106】 市販のD−キシロースから出発して、GuthrieとSmithによって開発された方法
を用いて、テトラ−O−アセチル−D−キシロフラノース(化合物2b)を3段階
で調製した(Koszalka, G.H., Chamberlain, S.D., Daluge, S.M., Boyd, F.L.,
Tidwell, J.H., Martin, M.T., Harvey, R.J. Frick, L.W., Perkins, D.G., W
ang, L.H., Drach, J.C., Townsend, L.B., Biron, K.K. ヒトサイトメガロウイ
ルス感染症の治療のためのベンズイミダゾール(Benzimidazoles for the treatm
ent of human cytomegalovirus infection)/第12回国際会議: ヌクレオシド、
ヌクレオチド、およびそれらの生物学的応用(In XII International Roundtable
: Nucleosides, Nucleotides and their Biological Applications), ラ・ヨラ ,カリフォルニア,1996年9月を参照されたい)。報告されたこの合成を行
った後、H NMRによって測定したところ、フラノースおよびピラノースの
それぞれの異性体の3:1混合物を得た。フラノース異性体に対する条件を更に
最適にするため、Dowex-50酸性イオン交換樹脂および塩化アセチルをこの方法の
第一段階での硫酸の代わりに用いた。3段階法をこれらの新たな条件に代え、 H NMRによって測定したところ、フラノース/ピラノース比1.5:1(Do
wex) および5:1(塩化アセチル)を得た。ピラノース異性体はそれぞれの場 合に形成されるので、硫酸または塩化アセチル条件が十分であることが分かり、
シリカゲルクロマトグラフィの後、化合物2bをアノマーの混合物として約50%
の総収率で得ることができた。
【0107】 TCRBの調製に用いたのと同様の方法を用いて(Townsend, L.B., Devivar,
R.V., Turk, S.T., Nassiri, M.R., Drach, J.C. ある種の2,5,6−トリハ
ロ−1−(β−D−リボフラノシル)ベンズイミダゾールのデザイン、合成およ び抗ウイルス活性(Design, Synthesis, and Antiviral Activity of Certain 2,
5,6-Trihalo-1-(β-D-ribofuranosyl)benzimidazoles) J. Med. Chem. 1995, 38
, 4098-4105、およびKawashima, E., Gupta, P.K., Devivar, R.V., Townsend,
L.B. 2,5,6−トリクロロベンズイミダゾール(2,5,6-Trichlorobenzimidazo
le)/核酸化学;第4部(Nucleic Acid Chemistry; part 4), Townsend, L.B., T
ipson, R.S.監修;John Wiley and Sons, ニューヨーク,1991年,24〜2
6頁参照)、2,5,6−トリクロロ−ベンズイミダゾール(TCB,化合物1
,Kawashima, E., Gupta, P.K., Devivar, R.V., Townsend, L.B. 2,5,6−
トリクロロベンズイミダゾール(2,5,6-Trichlorobenzimidazole)/核酸化学;第
4部(Nucleic Acid Chemistry; part 4), Townsend, L.B., Tipson, R.S.監修;
John Wiley and Sons, ニューヨーク,1991年,24〜26頁参照)を、乾 燥アセトニトリル中でビス(トリメチルシリル)アセタミド(BSA,Vorbrugg
en, H., Hofle, G. ヌクレオシド合成の機構について(On the Mechanism of Nuc
leoside Synthesis) Chem. Ber. 1981, 114, 1256-1268を参照)を用いてシリル
化した後、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(TMSOTf)
の存在下で化合物2bでグリコシル化して、化合物3b 1−(2’,3’,5’
−トリ−O−アセチル−α−D−リクソフラノシル)−2,5,6−トリクロロ
ベンズイミダゾールを得た。化合物3b 1−(2’,3’,5’−トリ−O−
アセチル−α−L−リクソフラノシル)−2,5,6−トリクロロベンズイミダ
ゾールは、同様の方法で調製した。
【0108】
【化11】
【0109】 塩基性条件下で化合物3bの脱保護を行い、1−(α−D−リクソフラノシル)
−2,5,6−トリクロロベンズイミダゾール(化合物4b)を得た。同様にし
て、化合物3aの脱保護により、1−(α−L−リクソフラノシル)−2,5,6
−トリクロロベンズイミダゾール(化合物4a)を得た。
【0110】
【化12】
【0111】 以前に報告されているように(Harrison, D., Ralph, J.T. 2−クロロベンズ
イミダゾールの親核置換反応。第1部。ベンズイミダゾリン−2−オンおよび2
−アルコキシベンズイミダゾールの形成(Nucleophilic Substitution Reaction
of 2-Chlorobenzimidazoles. Part I. Formation of Benzimidazolin-2-ones an
d 2-Alkoxybenzimidazoles) J. Chem. Soc. 1965, 236-239を参照されたい)、 1−置換2,5,6−トリクロロベンズイミダゾールの2−クロロ置換基を、様
々な親核性基によって好都合に置換することができる。この方法の後、化合物3
bをジクロロメタン知勇で無水の臭化水素で処理した後、塩基性条件下で脱保護
し、2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(α−D−リクソフラノシル)ベンズ
イミダゾール(化合物5b)を得た。化合物3aを同様に処理し、2−ブロモ−
5,6−ジクロロ−1−(α−L−リクソフラノシル)ベンズイミダゾール(化
合物5a)を得た。
【0112】
【化13】
【0113】 更に、メチルアミノ誘導体である1−(α−D−リクソフラノシル)−2−メ
チルアミノ−5,6−ジクロロ−ベンズイミダゾール(化合物6b)を、密封容
器中で化合物3bを33%メチルアミン/エタノールで処理することによって1
段階で調製した。化合物6aである1−(α−L−リクソフラノシル)−2−メ
チルアミノ−5,6−ジクロロ−ベンズイミダゾールは、同様の方法で化合物3
aから調製した。
【0114】
【化14】
【0115】 イソプロピルアミノ誘導体である1−(α−D−リクソフラノシル)−2−イ
ソプロピルアミノ−5,6−ジクロロ−ベンズイミダゾール(化合物7b)およ
びシクロプロピルアミノ誘導体である1−(α−D−リクソフラノシル)−2−
シクロプロピルアミノ−5,6−ジクロロ−ベンズイミダゾール(化合物8b)
の調製は、脱保護したヌクレオシドである化合物4bをエタノール中で適当な第
一アミンで処理することによって好都合に行った。同様の方法で、1−(α−L
−リクソフラノシル)−2−イソプロピルアミノ−5,6−ジクロロ−ベンズイ
ミダゾール(化合物7a)および1−(α−L−リクソフラノシル)−2−シク
ロプロピルアミノ−5,6−ジクロロ−ベンズイミダゾール(化合物8a)は、
化合物4aから調製した。
【0116】
【化15】
【0117】 更に、2−チオ誘導体である1−(α−D−リクソフラノシル)−2−チオ−
5,6−ジクロロ−ベンズイミダゾール(化合物9b)は、化合物4bをエタノ
ール/チオ尿素混合物中で還流温度で19時間加熱することによって調製した。
化合物9aである1−(α−L−リクソフラノシル)−2−チオ−5,6−ジク
ロロ−ベンズイミダゾールは、同様の方法で調製した。
【0118】
【化16】
【0119】 化合物9bも、市販の5,6−ジクロロベンズイミダゾール−2−チオン(化
合物10,Devivar, R.V., Kawashima, E., Revankar, G.R., Breitenbach, J.M
., Kreske, E.D., Drach, J.C., Townsend, L.B. ベンズイミダゾールリボヌク レオシド: ある種の2−(アルキルチオ)−および2−(ベンジルチオ)−5,6
−ジクロロ−β−D−リボフラノシル)ベンズイミダゾールのデザイン、合成お よび抗ウイルス活性(Ribonucleosides: Design, Synthesis, and antiviral Act
ivity of Certain 2-(Alkylthio)- and 2-(Benzylthio)-5,6-dichloro-β-D-rib
ofuranosyl)benzimidazoles) J.Med. Chem. 1994, 37, 2942-2948参照)から出 発して、これをBSAで乾燥アセトニトリル中でシリル化した後、TMSOTf
の存在下にて化合物2bでグリコシル化して調製し、脱保護の後、化合物9bを
得た。この結果は、グリコシル化がN−1で起こり、2−チオ残基では起こらな
かったことを明確に示している。化合物9aも同様にして調製した。
【0120】
【化17】
【0121】 最後に、化合物9bをアセトニトリル/水中でNHOHで処理した後、臭化
ベンジルまたはヨウ化メチルでアルキル化し、それぞれ2−ベンジルチオ−5,
6−ジクロロ−1−(α−D−リクソフラノシル)ベンズイミダゾール(化合物
11b)および5,6−ジクロロ−1−(α−D−リクソフラノシル)−2−(
メチルチオ)ベンズイミダゾール(化合物12b)を得た。同様の方法で、2−
ベンジルチオ−5,6−ジクロロ−1−(α−L−リクソフラノシル)ベンズイ
ミダゾール(化合物11a)および5,6−ジクロロ−1−(α−L−リクソフ
ラノシル)−2−(メチルチオ)ベンズイミダゾール(化合物12a)を得た。
【0122】
【化18】
【0123】 もう一つの方法では、β−L−類似体を、最初にヒドラジン水和物、ピリジン
および酢酸を用いて2,5,6−トリクロロ−1−(3’,5’−ジ−O−ベン
ゾイル−β−L−リクソフラノシル)ベンズイミダゾール(化合物13)を形成
させることによって調製した。次に、化合物13を、ジクロロメタン中でトリフ
リックアンハイドライド(triflic anhydride)およびピリジンと反応させて、2 ,3’−O−シクロ−5,6−ジクロロ−1−(β−L−リクソフラノシル)ベ
ンズイミダゾール(化合物14)を得た。次に、化合物14をエタノール中でイ
ソプロピルアミンと反応させ、2−イソプロピルアミノ−5,6−ジクロロ〜1
〜(β−L−リクソフラノシル)ベンズイミダゾール(化合物15)を得た。
【0124】
【化19】
【0125】 それぞれの化合物のアノマー配置はBaker則によって決定し(Baker, B.R., Jo
seph, J.P., Schaub, R.E., Williams, J.H. 「プロマイシンの合成研究。V. 6−ジメチルアミノ−9−(2’−アセチルアミノ−β−D−グルコビラノシ
ル)プリン(Puromycin Synthetic Studies. V. 6-Dimethylamino-9-(2'-acetyla
mino-β-D-glucopyranosyl)purine)」 J. Org. Chem. 1954, 19, 1786-1792を参
照されたい)、NOE実験によって確認した(Rosemeyer, H., Toth, G., Seela
, F. 「NOE差スペクトル分析法によるD−リボ、アラビノ−、2’−デオキ シリボ−、および2’,3’−ジデオキシリボヌクレオチドのアノマー配置の決
定(Assignment of Anomeric Configuration of D-Ribo-, Arabino-, 2'-Deoxyri
bo-, and 2',3'-Dideoxyribonucleotides by NOE Difference Spectoscopy)」Nu
cleosides, Nucleotides 1989, 8, 587-597を参照されたい)。
【0126】 従って、1態様では、本発明は、本発明のD−またはL−リクソフラノシルベ
ンズイミダゾール化合物の製造法であって、 (a) 下式(II)の化合物の化合物を、下式(III)の化合物と反応させる工程、
【化20】 (上記式中、Rは−Cl、−Brおよび=Sからなる群から選択され、R9、R 10 またはR11は独立して同一または異なるものであり、−Hであるかまたはヒド
ロキシル保護基である)、 (b) 次いで、下記(i)〜(viii)の段階の1以上を行う工程、 (i) (a)の生成物から、1個以上のヒドロキシル保護基が存在する場合には
これを除去し、 (ii) (a)の生成物を、HX(式中、Xは−Cl、−Br、−Fおよび−I からなる群から選択される)と反応させ、 (iii) (a)の生成物を、R8NH(式中、R8は−Hであるかまたは1〜6
個の炭素原子を有する線状、分岐状または環状アルキル基である)と反応させ、 (iv) (a)の生成物を、HNCSNHと反応させ、 (v) (a)の生成物を、C6CHX(式中、Xは−Cl、−Br、−F および−Iからなる群から選択される)と反応させ、 (vi) (b)(iv)の生成物を、C6CHX(式中、Xは−Cl、−Br、
−Fおよび−Iからなる群から選択される)と反応させ、 (vii) (a)の生成物をCH3Iと反応させ、 (viii) (b)(iv)の生成物をCH3Iと反応させる、 を含んでなる、方法に関する。
【0127】一般的化学的方法 融点は、Thomas-Hoover装置で測定したものであり、未補正である。シリカゲ ルSilicAR 40〜63ミクロン230〜400メッシュ(Mallinckrodt)をクロマ
トグラフィに用いた。薄層クロマトグラフィ(TLC)は、予め刻み目を付けた
SilicAR 7GFプレート (Analtech, ニューアーク,DE)で行った。TLCプレ ートを下記の溶媒系で展開した:系1(2%MeOH/CHCl,容積/容積
)、系2(10%MeOH/CHCl,容積/容積)、系3(35%EtOA
c/ヘキサン,容積/容積)、系4(25%EtOAc/ヘキサン,容積/容積
)、系5(5%MeOH/CHCl,容積/容積)、系6(15%MeOH/
CHCl,容積/容積)、系7(20%EtOAc/ヘキサン,容積/容積)
、および系8(50%EtOAc/ヘキサン,容積/容積)。化合物を、紫外線
(254nm)を照射することによって、または10%メタノール性硫酸で処理
した後、ホットプレート上で炭化することによって可視化した。蒸発は、特に断
らない限り45℃を超えないバス温度で減圧下(水流式アスピレーター)で行っ
た。H NMRスペクトルは、Bruker 200, 300, 360または500 MHz装置で記 録した。化学シフトは、溶媒DMSO−d(d=2.50)の標準化学シフト
に対する百万分率で表す。記録した総てのH NMR測定は、COSY実験に
よって測定した化合物6aを除き、等核デカップリング実験によって行った。微
量分析実験(第1表にまとめてある)は、ミシガン大学、化学科で行い、特に断
らない限り理論値の±0.4%以内である。特に断らない限り、総ての材料は、
供給業者から得た。
【0128】
【実施例】
本発明の幾つかの抗ウイルス化合物を下記の実施例において説明するが、これ
は例示のために提供するものであり、限定のためではない。
【0129】化合物3a 1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−α−L−リクソフラノシル)−2,5
,6−トリクロロベンズイミダゾール クライゼンアダプターと攪拌機を備えた500ml丸底フラスコを排気し、ア
ルゴンを吹込んだ。次に、2,5,6−トリクロロベンズイミダゾール(Kawash
ima, E., Gupta, P.K., Devivar, R.V., Townsend, L.B. 2,5,6−トリクロ
ロベンズイミダゾール(2,5,6-Trichlorobenzimidazole)/核酸化学;第4部(Nuc
leic Acid Chemistry; part 4), Townsend, L.B., Tipson, R.S.監修;John Wil
ey and Sons, ニューヨーク,1991年,24〜26頁参照)(化合物1,1 .74g,7.85ミリモル)を乾燥CHCN(100ml)に懸濁し、ビス
(トリメチルシリル)アセタミド(1.94ml,8.84ミリモル)をシリン
ジを介して滴加し、この間に複素環は溶解した。1,2,3,5−テトラ−O−
アセチル−L−リクソフラノース(Kam, B.L., Barascut, J.-L., Imbach, J.-L
. 「テトラ−O−アセチル−D−アルドペントフラノースの一般的合成および単
離法、およびNMRスペクトル分析法による研究(A General Method of Synthes
is and Isolation, and an N.M.R.-Spectroscopic Study, of Tetra-O-acetyl-D
-aldopentofuranoses)」 Carbohydrate Res. 1979, 69, 135-142を参照)(化 合物2a,3.25g,10.2ミリモル)をCHCN(50ml)に溶解し
たものを攪拌溶液に加えた後、直ちにTMSOTf(1.8ml,9.3ミリモ
ル)を加えた。20時間後、溶媒を減圧留去し、黄色残渣を得た。この残渣を酢
酸エチル(100ml)に溶解し、水、NaHCO(飽和)および塩水(それ
ぞれ1×75ml)で連続して洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し
、溶媒を減圧留去して、黄色油状生成物を得た。この油状生成物をカラムクロマ
トグラフィ(3×25cm,溶媒系3)にかけ、適当な画分を合わせて、化合物
3aを黄色ガラス状生成物として2.59g(67%)を得た。このガラス状生
成物を、更に精製することなく以後の反応に用いた。R f=0.80(溶媒系1)。H NMR(DMSO−d):δ8.19(s
,1H),8.00(s,1H),6.28(d,1H,J=7.9Hz),5
.97(m,1H),5.74(m,1H),5.17(m,1H),4.26
(m,2H),2.19(s,3H),2.03(s,3H),1.96(s,
3H).CHNについて計算したHRMS:M,478.0101.実測値:
478.0098(M).
【0130】化合物3b 1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−α−D−リクソフラノシル)−2,5
,6−トリクロロベンズイミダゾール 手続きは、化合物2aの代わりに化合物2bを用いたことを除き、化合物3a
について記載したのと同一である。TLC(溶媒系3で同一スポット)およびプ
ロトンスペクトルは、化合物3aについて得たものと同一であった。収率:3.
40g(88%),黄色ガラス状生成物。CHNについて計算したHRMS:M ,478.0101.実測値:478.0085(M).
【0131】化合物4a 1−(α−L−リクソフラノシル)−2,5,6−トリクロロベンズイミダゾー
ル 100ml丸底フラスコに化合物3a(303mg,0.65ミリモル)を加え
、これを次にエタノールと水との等モル混合物(容積/容積)50mlに溶解し
た。無水炭酸ナトリウム(212mg,2.0ミリモル)を攪拌溶液に加えた後
、反応混合物を室温で更に3時間攪拌した。酢酸(2ml)を加え、溶媒を減圧
留去した。生成する固形物を酢酸エチルに溶解し、溶液を水、NaHCO(飽
和)および塩水(それぞれ1×50ml)で連続して洗浄した。有機層を集めて
、硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を減圧留去して、真空乾燥したところ、化
合物4aを白色フォーム状生成物として205mgを得た。Rf=0.30(溶
媒系2)。融点:184〜185℃。H NMR(DMSO−d):δ7.
98(s,1H),7.92(s,1H),5.64(d,1H,J=9.3H
z),5.49(d,1H,J=3.2Hz,DO交換可能),5.40(d
,1H,J=3.8Hz,DO交換可能),5.27(d,1H,J=6.5
Hz,DO交換可能),4.25(m,1H),4.02(d,1H,J=1
1.6Hz),3.92(m,1H),3.79(d,1H,J=12.4Hz
),3.71(m,1H).C1211Clに対して計算したHR
MS:M,351.9784.実測値:351.9782(M). 分析値(C1211Cl).
【0132】化合物4b 1−(α−D−リクソフラノシル)−2,5,6−トリクロロベンズイミダゾー
ル 化合物3aの代わりに化合物3b(632mg,1.07ミリモル)を用いた
ことを除き、手順は化合物4aについて記載ものと同じである。TLC(溶媒系
1および2で同一スポット)およびプロトンスペクトルは、化合物4aについて
得たものと同一であった。収率:175mg(76%),白色フォーム状生成物
。融点:175〜176℃.C1211Clについて計算したHR
MS:M,351.9784.実測値:351.9773(M).分析値(
1211Cl・HO)C,H,N.
【0133】化合物5a 2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(α−L−リクソフラノシル)ベンズイミ
ダゾール 3つ首丸底フラスコに、化合物3a(460mg,0.96ミリモル)とジク
ロロメタン(50ml)を加えた。混合物を室温で攪拌しながら、無水臭化水素
を溶液中に40分間通じた後、通気を90分間停止し、その後再度通気して、白
色沈澱を形成した。臭化水素を135分後に再度停止し、混合物を更に3時間攪
拌した。この時点で、NaHCO(飽和)を、ガスの発生が停止するまで徐々
に加えた。次に、透明溶液をNaHCO(飽和,50ml),塩水(50ml
)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶媒を留去し、減圧下にてジエチ
ルエーテルと共沸し、黄色ガラス状生成物を得た。Rf=0.80(溶媒系1)
H NMR(DMSO−d):δ8.18(s,1H),8.01(s,
1H),6.25(d,1H,J=7.8Hz),5.97(m,1H),5.
74(m,1H),5.17(m,1H),4.26(m,2H),2.19(
s,3H),2.03(s,3H),1.97(s,3H)。次に、黄色ガラス
状生成物を、エタノール、MeOHおよび水(50ml)の攪拌溶液(1:1:
1)に溶解した。次に、溶液に炭酸ナトリウム(380mg,3.6ミリモル)
を加えた。100分後、氷酢酸(0.5ml)を加え、アルコールを減圧留去し
た。冷水を更に25ml加え、混合物を濾過した。固形生成物をメタノール/水
から再結晶し、78℃減圧下にて2日間乾燥し、化合物5aを白色結晶として1
94mg得た。Rf=0.06(溶媒系5)。融点:178〜179℃。
NMR(DMSO−d):δ8.00(s,1H),7.91(s,1H),
5.96(d,1H,J=8.1Hz),5.58(d,1H,J=6.6Hz
,DO交換可能),5.29(d,1H,J=4.3Hz,DO交換可能)
,4.71(m,2H),4.59(m,1H),4.19(m,1H),3.
65(m,2H)。C1211ClBrについて計算したHRMS
:M,395.9279.実測値:395.9273(M).分析値(C 11ClBr)C,H,N.
【0134】化合物5b 2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(α−D−リクソフラノシル)ベンズイミ
ダゾール 化合物3aの代わりに化合物3bを用いたことを除き、手順は、化合物5aに
ついて記載したのと同じである。TLC(溶媒系1で同一スポット)およびプロ
トンスペクトルは、化合物5aについて得たものと同一であった。収率:255
mg(84%,2段階),白色結晶。融点:178〜179℃.C1211 ClBrについて計算したHRMS:M,395.9279.実測値
:395.9261(M).分析値(C1211Cl)C,H,
N.
【0135】化合物6a 5,6−ジクロロ−1−(α−L−リクソフラノシル)−2−(メチルアミノ)
ベンズイミダゾール 250mlの加圧ボトルに化合物3a(480mg,1.00ミリモル)およ
び33%メチルアミン/無水エタノール(25ml)を加えた。容器を密封し、
反応を室温で16時間攪拌した。次に、溶媒を留去し、ヘキサンおよびジエチル
エーテルと共に減圧下にて共沸した。残りの固形物をメタノールと水の混合物か
ら2回再結晶し、78℃減圧下にて乾燥して、化合物6aを白色固形物として2
59mg(72%)得た。Rf=0.09(溶媒系1)。融点:131〜132
℃。H NMR(DMSO−d):δ7.40(s,1H),7.36(s
,1H),6.81(m,1H,DO交換可能),5.73(d,1H,J=
8.1Hz),5.27(d,1H,J=4.4Hz,DO交換可能),5.
24(d,1H,J=4.3Hz,DO交換可能),4.66(t,1H,J
=5.6,DO交換可能),4.57(m,1H),4.44(m,1H),
4.16(m,1H),3.63(m,2H),2.88(d,3H,J=4.
40Hz)。分析値(C1315Cl)C,H,N.
【0136】化合物6b 5,6−ジクロロ−1−(α−D−リクソフラノシル)−2−(メチルアミノ)
ベンズイミダゾール 化合物3aの代わりに化合物3bを用いたことを除き、手順は、化合物6aに
ついて記載したのと同じである。TLC(溶媒系1で同一スポット)およびプロ
トンスペクトルは、化合物6aについて得たものと同一であった。収率:233
mg(62%),白色固形物。融点:126〜128℃.分析値(C1315Cl)C,H,N.
【0137】化合物7a 5,6−ジクロロ−2−イソプロピルアミノ−1−(α−L−リクソフラノシル
)ベンズイミダゾール 1−(α−L−リクソフラノシル)−2,5,6−トリクロロベンズイミダゾ
ール(化合物4a,300mg,0.85ミリモル)をエタノール(5ml)に溶
解した後、イソプロピルアミン(10ml)を加えた。フラスコを密封し、反応混
合物を70℃で2日間攪拌した。次に、混合物を減圧留去し、シリカゲルクロマ
トグラフィ(3×25cm)にかけ、溶媒系5で溶出した。溶媒を減圧留去した
後、固形生成物をベンゼン10ml中で12時間攪拌し、濾過によって集めた。
固形物を78℃で2日間減圧乾燥し、分析的に純粋な化合物7aを202mg(
63%)得た。融点:198〜201℃。H NMR(DMSO−d):δ
7.40(s,1H),7.32(s,1H),6.57(bs,1H,D
交換可能),5.79(m,1H),5.28(m,1H,DO交換可能),
5.21(m,1H,DO交換可能),4.67(bs,2H,DO交換可
能),4.54(m,1H),4.42(m,1H),4.17(m,1H),
4.03(m,1H),3.68および3.59(m,2H),1.21(bs
,6H)。分析値(C1519Cl)C,H,N.
【0138】化合物7b 5,6−ジクロロ−2−イソプロピルアミノ−1−(α−D−リクソフラノシル
)ベンズイミダゾール 化合物4aの代わりに化合物4bを用いたことを除き、手順は、化合物7aに
ついて記載したのと同じである。TLC(溶媒系1で同一スポット)およびプロ
トンスペクトルは、化合物7aについて得たものと同一であった。収率:205
mg(64%),白色固形物。融点:201〜202℃.分析値(C1519Cl)C,H,N.
【0139】化合物8a 2−シクロプロピルアミノ−5,6−ジクロロ−1−(α−L−リクソフラノシ
ル)ベンズイミダゾール イソプロピルアミンの代わりにシクロプロピルアミンを用い、化合物4a (300mg,0.80ミリモル)を用いたことを除き、手順は、化合物7aに
ついて記載したのと同じである。収率:299mg(65%),白色固形物。融
点:184〜186℃。H NMR(DMSO−d):δ7.47(s,1
H),7.36(s,1H),7.05(bs,1H,DO交換可能),5.
72(m,1H),5.24(m,1H,DO交換可能),5.17(m,1
H,DO交換可能),4.65(bs,2H,DO交換可能),4.53(
m,1H),4.42(m,1H),4.15(m,1H),3.66および3
.57(m,2H),0.86(m,2H),0.57(m,1H),0.50
(m,1H)。分析値(C1517Cl)C,H,N.
【0140】化合物8b 2−シクロプロピルアミノ−5,6−ジクロロ−1−(α−D−リクソフラノシ
ル)ベンズイミダゾール イソプロピルアミンの代わりにシクロプロピルアミンを用い、化合物4aの代
わりに化合物4b(248mg,0.66ミリモル)を用いたことを除き、手順
は、化合物7aについて記載したのと同じである。TLC(溶媒系1で同一スポ
ット)およびプロトンスペクトルは、化合物8aについて得たものと同一であっ
た。収率:247mg(67%),白色固形物。融点:183〜185℃。分析
値(C1517Cl)C,H,N.
【0141】化合物9a 5,6−ジクロロ−1−(α−L−リクソフラノシル)ベンズイミダゾール−2
−チオン 方法A: クライゼンアダプターと攪拌機を備えた500ml丸底フラスコを排
気し、アルゴンを吹込んだ。次に、5,6−トリクロロベンズイミダゾール−2
−チオン(化合物10,1.53g,7.0ミリモル)を、CHCN(80m
l)に懸濁した。ビス(トリメチルシリル)アセタミド(1.95ml,7.9
ミリモル)をシリンジを介して滴加し、複素環が溶解するまで混合物を加熱した
(30〜40℃)。化合物2a(Kam, B.L., Barascut, J.-L., Imbach, J.-L.
「テトラ−O−アセチル−D−アルドペントフラノースの一般的合成および単離
法、およびNMRスペクトル分析法による研究(A General Method of Synthesis
and Isolation, and an N.M.R.-Spectroscopic Study, of Tetra-O-acetyl-D-a
ldopentofuranoses)」 Carbohydrate Res. 1979, 69, 135-142を参照)(2. 5g,7.9ミリモル)をCHCN(40ml)に溶解したものを攪拌溶液に
加えた後、直ちにTMSOTf(1.5ml,7.9ミリモル)を加えた。24
時間後、溶媒を減圧留去し、残っている残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(3
×25cm)にかけ、最初に溶媒系4で、次いで溶媒系3で溶出した。化合物1
0(40mg)および保護されたヌクレオシド(2.84g,消費された複素環
に対して87%)はいずれも、分離した化合物として得られた。Rf=0.45
(化合物10,溶媒系3)。H NMR(DMSO−d):δ13.33(
bs,1H),7.93(s,1H),7.41(s,1H),6.75(d,
1H,J=8.3Hz),6.13(m,1H),5.74(m,1H),5.
13(m,1H),4.23(m,2H),2.19(s,3H),2.03(
s,3H),1.94(s,3H)。
【0142】 200ml丸底フラスコに保護されたヌクレオシド(2.75g,5.66ミリ
モル)を加えて、92%エタノール/水(50ml,容積/容積)に溶解した。炭
酸ナトリウム(4.0g,37ミリモル)をこの攪拌溶液に加え、反応混合物を
室温で24時間攪拌した。酢酸(2ml)を加えた後、エタノールを減圧留去した
。生成する混合物を、追加の冷水275mlに加え、EtOAc(15×50ml
)で抽出した。次いで、溶媒を減圧留去した。生成する固形物をメタノールから
再結晶し、減圧下78℃で2日間乾燥し、白色結晶として9aを1.48g(7
4%)得た。Rf=0.27(溶媒系2)。融点:235〜236℃。H N
MR(DMSO−d):δ13.15(bs,1H,DO交換可能,NH)
,7.62(s,1H,H7またはH4),7.40(s,1H,H4またはH
7),6.46(d,1H,J=8.2Hz,H1’),5.31(d,1H,
J=6.7Hz,DO交換可能,2’−OH),5.15(d,1H,J=3
.8Hz,DO交換可能,3’−OH),4.81(m,1H,H2’),4
.67(t,1H,J=4.1,5’−OH),4.67(m,1H,H4’)
,4.50(m,1H,H3’),3.61(m,2H,H5’aおよびH5’
b)。分析値(C1212ClS)C,H,N。
【0143】 方法B: 10ml丸底フラスコに化合物4a(42mg,0.12ミリモル)
、チオ尿素(36mg,0.48ミリモル)および無水エタノール(2ml)を
加えた。反応混合物を還流温度で19時間加熱し、溶媒を減圧留去した後、生成
する残渣を水5mlで粉砕した。3時間放置した後、固形物を濾別して、60℃
にて48時間減圧乾燥し、白色生成物30mg(71%)を得た。TLC(溶媒
系2で同一スポット)およびプロトンスペクトルは、化合物9a(方法A)につ
いて得たものと同一であった。融点:234〜236℃。
【0144】化合物9b 5,6−ジクロロ−1−(α−D−リクソフラノシル)ベンズイミダゾール−2
−チオン 化合物2aの代わりに、化合物2a(Kam, B.L., Barascut, J.-L., Imbach,
J.-L. 「テトラ−O−アセチル−D−アルドペントフラノースの一般的合成およ
び単離法、およびNMRスペクトル分析法による研究(A General Method of Syn
thesis and Isolation, and an N.M.R.-Spectroscopic Study, of Tetra-O-acet
yl-D-aldopentofuranoses)」 Carbohydrate Res. 1979, 69, 135-142を参照) を用いたことを除き、手順は、化合物9a(方法A)について記載したものと同
一である。TLC(溶媒系2で同一スポット)およびプロトンスペクトルは、化
合物9a(方法AおよびB)について得たものと同一であった。第一段階での収
率は91%(消費した複素環に対して)であり、第二段階での収率は定量的(2
.0g)であった。分析試料は、メタノールから再結晶し、9aにおける方法で
乾燥することによって調製した。融点:234〜236℃。分析値(C12 ClS)C,H,N。
【0145】化合物11a 2−ベンジルチオ−5,6−ジクロロ−1−(α−L−リクソフラノシル)ベン
ズイミダゾール 100ml丸底フラスコに、化合物9a(351mg,1.0ミリモル)、H O(25ml)およびCHCN(15ml)を加えた。この懸濁液に、濃水
酸化アンモニウム12滴を加えて、溶解した。次に、臭化ベンジル(0.12m
l,1.0ミリモル)を加えて、混合物を室温で16時間攪拌した。次いで、過
剰のアセトニトリルを減圧留去し、水層をEtOAc(2×40ml)で抽出し
た。有機抽出物を合わせて、乾燥し(MgSO)、溶媒を留去して、白色固形
物410mg(93%)を得た。次に、これをメタノール/水から再結晶し、7
8℃で2日間減圧乾燥して、化合物11aを白色結晶生成物として361mg(
82%)得た。融点:210〜212℃。H NMR(DMSO−d):δ
7.89(s,1H),7.78(s,1H),7.37(m,5H),5.8
0(d,1H,J=7.9Hz),5.51(d,1H,J=7.3Hz,D O交換可能),5.26(d,1H,J=4.2Hz,DO交換可能),4.
67(t,1H,J=5.7),4.62(m,3H),4.50(m,1H)
,4.15(m,1H),3.60(m,2H)。分析値(C1918 ClS)C,H,N。
【0146】化合物11b 2−ベンジルチオ−5,6−ジクロロ−1−(α−D−リクソフラノシル)ベン
ズイミダゾール 化合物9aの代わりに化合物9bを用いたことを除き、手順は化合物11aに
ついて記載したものと同一である。TLC(溶媒系1で同一スポット)およびプ
ロトンスペクトルは、化合物11aについて得たものと同一であった。収率:2
07mg(47%),白色結晶生成物。融点:196〜198℃。分析値(C 18ClS)C,H,N。
【0147】化合物12a 5,6−ジクロロ−1−(α−L−リクソフラノシル)−2−(メチルチオ)ベ
ンズイミダゾール 臭化ベンジルの代わりにヨウ化メチル(0.06ml,1.0ミリモル)を用
いたことを除き、手順は化合物11aについて記載したものと同一である。収率
:化合物12aを白色結晶生成物として305mg(84%)。融点:210〜
212℃。H NMR(DMSO−d):δ7.86(s,1H),7.7
7(s,1H),5.80(d,1H,J=8.1Hz),5.52(d,1H
,J=7.1Hz,DO交換可能),5.28(d,1H,J=3.6Hz,
O交換可能),4.70(t,1H,J=5.6,DO交換可能),4.
63(m,1H,H3’),4.52(m,1H),4.17(m,1H),3
.63(m,2H)。分析値(C1314ClS)C,H,N。
【0148】化合物12b 5,6−ジクロロ−1−(α−D−リクソフラノシル)−2−(メチルチオ)ベ
ンズイミダゾール 臭化ベンジルの代わりにヨウ化メチル(0.06ml,1.0ミリモル)を用
いたことを除き、手順は化合物11bについて記載したものと同一である。TL
C(溶媒系1で同一スポット)およびプロトンスペクトルは、化合物12aにつ
いて得たものと同一であった。収率:142mg(39%),白色結晶生成物。
融点:204〜206℃。分析値(C1314ClS)C,H,N
【0149】化合物14 2,3’−O−シクロ−5,6−ジクロロ−1−(β−L−リクソフラノシル)
ベンズイミダゾール トリフリックアンハイドライド(無水トリフルオロメタンスルホン酸,0.3
7ml,2.2ミリモル)をジクロロメタン(4.5ml)に溶解したものを、
2,5,6−トリクロロ−1−(3’,5’−ジ−O−ベンゾイル−β−L−リ
クソフラノシル)ベンズイミダゾール(化合物13,820mg,1.5ミリモ
ル)をジクロロメタン(7.5ml)とピリジン(0.75ml)の混合物に溶
解したものに加えた。反応混合物を0℃で攪拌し、TLCによって監視した。3
0分後、水(1.5ml)を加え、反応混合物の温度を40℃に上げた。更に1
5時間攪拌した後、混合物をジクロロメタン(10ml)と水(10ml)で希
釈した。有機抽出物を水(5ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、
濾過して、濾液を蒸発乾固した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィにかけ(2
.5×15cm,溶離剤:メタノール(0〜2%)/ジクロロメタンのグラディ
エント)、1つの主要な化合物(Rf:0.40,590mg)をフォーム状生
成物として得た。H NMR(DMSO−d):δ7.9〜7.5,(m,
12H,フェニル,H−4およびH−7),6.61(d,1H,H−1’,J
=5.4Hz),6.27(t,1H,H−2’,J=5.5Hz),5.88
(t,1H,H−3’,J=5.5Hz),4.9(m,1H,H−4’),4
.6〜4.5(m,1H,H−5’),4.3〜4.2(m,1H,H−5”)
【0150】 このフォーム状生成物をエタノールと水の溶液(9:1,容積/容積,20m
l)に溶解し、炭酸ナトリウム(0.45g,4.2ミリモル)を加えた。反応
混合物4日間攪拌した後、酢酸(1ml)を加え、混合物を蒸発乾固した。水(
10ml)および酢酸エチル(20ml)を、残渣に加えた。有機抽出物を水(
2×5ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過して、濾液を蒸発乾固
した。残渣を沸騰ジクロロメタン(10ml)に懸濁し、完全に溶解するまでメ
タノールを加えた。化合物14(200mg,43%)が、この溶液から結晶し
た。融点:255〜257℃(分解)。Rf:0.18。H NMR(DMS
O−d):δ7.96および7.62(2s,2H,H−4およびH−7),
6.36(d,1H,OH−2’,J=2.9Hz),6.18(d,1H,H
−1’,J=4.0Hz),5.04(t,1H,H−3’,J=2.9Hz)
,5.01(t,1H,OH−5’),J=5.4Hz),4.7(m,1H,
H−2’),4.4(m,1H,H−4’),3.5〜3.4(m,1H,H−
5’),3.4〜3.3(m,1H,H−5”)。分析値(C1210Cl)C,H,N。
【0151】化合物15 2−イソプロピルアミノ−5,6−ジクロロ−1−(β−L−リクソフラノシル
)ベンズイミダゾール 化合物14(150mg,0.47ミリモル)を、エタノール(3.3ml)
に溶解した。イソプロピルアミン(2.0ml,24ミリモル)を加え、フラス
コを密封し、反応混合物を70℃で1週間攪拌した。この時点で、反応をTLC
によってチェックした。部分的な反応しか起きなかったため、反応混合物を80
℃で更に1週間攪拌した。次いで、混合物を蒸発乾固し、残渣を酢酸エチル(2
0ml)と水(5ml)に溶解した。有機抽出物を水(2×5ml)で洗浄し、N
SO上で乾燥し、濾過して、濾液を蒸発乾固した。残渣をシリカゲルクロ
マトグラフィにかけた(2.5×15cm,溶離剤:メタノール(6%)/ジク
ロロメタン)。主要なスポット(Rf:0.24)に含まれる画分を蒸発乾固し
た。生成する固形物を沸騰ジクロロメタン(5ml)に懸濁し、完全に溶解する
までメタノールを加えた。化合物15(127mg,71%)が、この溶液から
結晶した。Rf:0.24。融点:197〜199℃。H NMR(DMSO
−d):δ7.60および7.31(2s,2H,H−4およびH−7),7
.21(d,1H,NH,J=7.1Hz),6.02(d,1H,H−1’,
J=6.6Hz),5.84(bs,1H,OH−3’,J=2.9Hz),5
.32(d,1H,OH−2’,J=5.9Hz),4.85(t,1H,OH
−5’,J=4.9Hz),4.4(m,1H,H−2’),4.2(bs,1
H,H−3’),4.0−3.9(m,1H,C(CH),3.7〜3
.7(m,3H,H−4’,H−5’およびH−5”),1.18(d,6H,
CH(C ,j=6.4Hz)。分析値(C1519Cl
C,H,N。
【0152】
【表1】
【0153】 D. 抗ウイルス活性および細胞毒性の分析 細胞培養法 KB、BSC−1、およびHFF細胞の通常の成長および培養を、10%ウシ
血清または10%ウシ胎児血清(HFF細胞)を補足したHanks塩[MEM(H )]またはEarle塩[MEM(E)]を含む最少必須培地(MEM)を用いて、 単層培養で行った。必要とされる緩衝容量を合わせるため、重炭酸ナトリウム濃
度を変化させた。細胞を、0.05%トリプシン+0.02%EDTA/HEP
ES緩衝塩溶液を用いて、通常の方法によって1:2〜1:10の希釈倍率で培
養した(Shipman, C.Jr., Smith, S.H., Carlson, R.H., Drach, J.C.「単純ヘ ルペスウイルスに感染したKB細胞でのアラビノフラノシルアデニンおよびアラ
ビノフラノシルヒポキサンチンの抗ウイルス活性 I. 同調懸濁培養における
ウイルスDNA合成の選択的阻害(Antiviral Activity of Arabinofuranosylade
nine and Arabinofuranosylhypoxanthine in Herpes Simplex Virus-Infected K
B Cells. I. Selective Inhibition of Viral DNA Synthesis in Synchronized
Suspension Cultures)」 Antimicrob. Agents Chemother. 1976, 9, 120-127を 参照されたい)。
【0154】 ウイルス学的方法 保存用HCMVは、以前に詳細に報告したように、感染多重度(m.o.i.
)が<0.01プラーク形成単位(p.f.u.)/細胞でHFF細胞に感染さ
せることによって調製した(Turk, S.R., Shipman, C., Jr., Nassiri, M.R., G
enzingler, G., Krawczyk, S.H., Townsend, L.B., Drach, J.C. 「ヒトサイト メガロウイルスの阻害薬としてのピロロ[2,3−d]ピリミジンヌクレオシド
(Pyrrolo[2,3-d]pyrimidine Nucleosides as Inhibitors of Human Cytomegalov
irus)」 Antimicrob. Agents Chemother. 1987, 31, 544-550を参照されたい) 。高力価の保存用HSV−1は、これもまた前記のように、KB細胞(ATCC
)をm.o.i.が<0.1で感染させることによって調製した(Turk, S.R.,
Shipman, C., Jr., Nassiri, M.R., Genzingler, G., Krawczyk, S.H., Townsen
d, L.B., Drach, J.C. 「ヒトサイトメガロウイルスの阻害薬としてのピロロ[ 2,3−d]ピリミジンヌクレオシド(Pyrrolo[2,3-d]pyrimidine Nucleosides
as Inhibitors of Human Cytomegalovirus)」 Antimicrob. Agents Chemother.
1987, 31, 544-550を参照されたい)。ウイルス力価は、以前に記載したように 、HCMVについてはHFF細胞の単層培養を、またHSV−1についてはBS
C−1細胞の単層培養を用いて測定した(Prichard, M.N., Turk, S.R., Colema
n, L.A., Engelhardt, S.L., Shipman, C., Jr., Drach, J.C. 「ヒトサイトメ ガロウイルスおよび単純ヘルペスウイルスに対する抗ウイルス化合物の評価のた
めのマイクロタイターによるウイルス収率減少分析法(A Microtiter Virus Yiel
d Reduction Assay for the Evaluation of Antiviral Compounds Against Huma
n Cytomegalovirus and Herpes Simplex Virus)」 J. Virol. Methods 1990, 28
, 101-106を参照されたい)。簡単に説明すれば、HFFまたはBSC−1細胞 を、上記のように96ウェルクラスター皿に移し、37℃で一晩インキュベーシ
ョンした。翌日に、培養物にHCMVまたはHSV−1を接種し、96ウェルプ
レートの残りの11のカラムを横切って1:3に連続希釈した。ウイルスの吸着
の後、接種物を新しい培地に換え、培養物をHCMVについては7日間、HSV
−1については2〜3日間インキュベーションした。希釈物のあるウェル中で、
プラークの数を20倍の倍率下で数えたところ、ウェル当たり5〜20個のプラ
ークとなった。ウイルス力価は、下式によって計算した: 力価(p.f.u./ml)=プラークの数×5×3 但し、nは、プラークを数えたウェルに感染させるのに用いたウイルスのn回目
の希釈を表した。
【0155】 HCMVプラーク減少分析法 24ウェルクラスター皿中のHFF細胞を、上記の方法を用いてHCMV約1
00p.f.u./cmで感染させた。ウイルス吸着の後、成長培地に溶解し
た化合物を、4〜8の選択した濃度の2個ずつのウェルに加えた。37℃で7〜
10日間インキュベーションした後、細胞シートを固定して、クリスタルバイオ
レットで染色し、顕微鏡上のプラークを上記の方法で数えた。薬剤の効果を、薬
剤の非存在下で見られるプラークの数に対するそれぞれの薬剤濃度の存在下での
数の減少率として計算した。
【0156】 HCMV収率分析法 HFF細胞を、上記の方法で96ウェルクラスター皿に移し、一晩インキュベ
ーションして、培地を取り除き、他所で報告した方法で0.5〜1p.f.u.
/細胞のm.o.i.で培養物にHCMVを接種した(Prichard, M.N., Turk,
S.R., Coleman, L.A., Engelhardt, S.L., Shipman, C., Jr., Drach, J.C. 「 ヒトサイトメガロウイルスおよび単純ヘルペスウイルスに対する抗ウイルス化合
物の評価のためのマイクロタイターによるウイルス収率減少分析法(A Microtite
r Virus Yield Reduction Assay for the Evaluation of Antiviral Compounds
Against Human Cytomegalovirus and Herpes Simplex Virus)」 J. Virol. Meth
ods 1990, 28, 101-106を参照されたい)。ウイルスの吸着の後、接種物を、試 験化合物を含む新鮮な培地0.2mlに換えた。12ウェルの第一列は、処理を
行わず、ウイルスコントロールとして用いた。二列目のそれぞれのウェルに、所
望な最終濃度の3倍の試験化合物を含む培地0.1mlを更に加えた。12ウェ
ルの内容物をピペットで繰返し吸引することによって混合した後、残っているウ
ェルに亙り1:3に連続希釈した。この方法では、6個の化合物を、単一プレー
ト上で100mM〜0.14mMの濃度で2個ずつ試験することができた。プレ
ートを37℃で7日間インキュベーションし、凍結−融解を1サイクル行い、所
定のカラムの8ウェルのそれぞれからの分量をHFF細胞の新鮮な96ウェル単
層培養の一番目のカラムに移した。内容物を混合して、第二のプレートの残りの
11個のカラム全域で1:3に連続希釈した。元の第一のプレートのそれぞれの
カラムを、この方法で別のプレート全域で希釈した。培養物をインキュベーショ
ンし、プラークを数えて、力価を上記の通りに計算した。
【0157】 HSV−1 ELISA ELISAを用いて、HSV−1を検出した(Prichard, M.N., Shipman, C.,
Jr. 「薬剤−薬剤相互作用を分析するための三次元モデル(A Three Dimensiona
l Model to Analyze Drug-Drug Interaction)」 Antiviral Res. 1990, 14, 181
-206を参照されたい)。96ウェルクラスター皿に、MEM(E)+10%ウシ
血清200μl/ウェル中10,000個のBSC−1細胞/ウェルを移した。
37℃で一晩インキュベーションした後、4個の選択した薬剤濃度とHSV−1
を100p.f.u./ウェルの濃度で加えた。37℃で3日間インキュベーシ
ョンした後、培地を除去し、プレートをブロックし、洗浄して、西洋ワサビペル
オキシダーゼ接合ウサギ抗−HSV−1抗体を加えた。溶液を含む抗体を除去し
た後、プレートを洗浄し、次いで基質としてテトラメチルベンジジンの溶液15
0μl/ウェルを加えて展開した。反応をHSOで停止し、吸光度を450
および570nmで記録した。薬剤効果は、薬剤の非存在下におけるウイルスで
得られる吸光度に対するそれぞれの薬剤濃度の存在下での吸光度の減少率として
計算した。
【0158】 HHV−6 (ELISA) 酵素結合イムノソーベントアッセイ(ELISA)は、共有アミンプレート(c
ovalent amine plate)(Costar, ケンブリッジ,マサチューセッツ)で行った。
プレートは、ホモ二官能性架橋剤であるビス(スルホスクシンイミジル)スベレ
ートを加えて活性化した後、PBSで洗浄する。懸濁したHSB2細胞150μ
lからなる試料に、別のプレート上で薬剤と共にインキュベーションしておいた
HHV−6を感染させ、コーティング緩衝液中Triton X-100に可溶化する。プレ
ートにカバーをして、37℃で5%CO雰囲気で1時間インキュベーションす
る。これらの結合条件により、架橋剤の自由末端への抗原の共有結合が促進され
た。共有結合の後、抗原溶液を傾瀉して、プレートを0.05%Tween 20(HB
S−T)を含むHEPES緩衝食塩水で6回洗浄し(Shipman, C., Jr., 「組織
培養緩衝液としての4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスル
ホン酸(HEPES)の評価(Evaluation of 4-(2-Hydroxyethyl)-1-piperazine
ethane-sulfonic Acid (HEPES) as a Tissue Culture Buffer)」, Proc. Soc. E
xp. Biol. 1969, 130, 305-310を参照)、それぞれの洗浄に対して3分間ソーキ
ングした。プレート上の未結合部位をブロックし、ブロッカーを傾瀉によって除
き、HHV−6(GS)に特異的な希釈した一次モノクローナル抗体を加える。
次に、プレートをカバーし、37℃で1時間インキュベーションする。プレート
を再度洗浄して、ブロッカーを再度添加し、西洋ワサビペルオキシダーゼで標識
したウサギ抗マウス抗体をそれぞれのウェルに加える。プレートを37℃で1時
間インキュベーションし、再度上記の方法で洗浄し、TMB-Turbo (Pierce, ロッ クフォード,イリノイ)を用いて室温にて30分間展開する。反応は、2M H SOで停止する。それぞれのウェルの吸光度を、450/570nmで測定
する。
【0159】 HIV−1 この分析法は、RVかつつせの量によって、HIV−1のIIIB株に感染した CEM細胞(ATCC)の上清中のHIVの存在量を測定する。逆転写酵素(R
S)を、HIV−1のマーカーとして用いる。細胞を生育して、感染させ、分析
を行う化合物を1または100μMから始まる7つの濃度(二分の一対数10希
釈)の存在下でインキュベーションする。手順およびRTアッセイは、Kucera,
L.S., Lyer,N., Puckett, S.H., Buckheit, R.W.,Jr., Westbrook, L., Toyer,
B.R., White, E.L., Germany-Decker, J.M., Shannon, W.M., Chen, R.C.S., Na
ssiri, M.R.S., Shipman, C., Jr., Townsend, L.B. Drach, J.C., 「ヒト免疫 不全症ウイルス1および2型に対するトリシリビンおよびトリシリビン−5’−
モノホスフェートの活性(Activity of Triciribine and Triciribine-5'-monoph
osphate Against Human Immunodeficiency Virus Types 1 and 2)」, AIDS Res.
Human Retviruses 1993, 9, 307-314; White, E.L., Buckheit, R.W.Jr., Ross
, L.J., Germany, J.M., Andries, K., Pauwels, R., Janssen, P.A.J., Shanno
n, W.M., Chirigosm, M.A.A., 「TIBO誘導体R82913はヘテロポリマー
鋳型を有するHIV−1逆転写酵素の強力な阻害剤であるA TIBO Derivative, R
82913, is a Potent Inhibitor of HIV-1 Reverse Transcriptase with Heterop
olymer Templates)」, Antiviral Res. 1991, 16, 257-266に詳細に記載されて いる方法で行う。
【0160】 細胞毒性分析法 2つの異なる分析法を用いて、日常的な細胞毒性試験を行った。(i) 静止H FF細胞で産生した細胞毒性は、プラーク分析法で用いたウイルスに感染してい
ない細胞の顕微鏡観察によって測定した(Turk, S.R., Shipman, C., Jr., Nass
iri, M.R., Genzingler, G., Krawczyk, S.H., Townsend, L.B., Drach, J.C. 「ヒトサイトメガロウイルスの阻害薬としてのピロロ[2,3−d]ピリミジン
ヌクレオシド(Pyrrolo[2,3-d]pyrimidine Nucleosides as Inhibitors of Human
Cytomegalovirus)」 Antimicrob. Agents Chemother. 1987, 31, 544-550を参 照されたい)。(ii) KB細胞の2つの個体数倍化の際の化合物の効果は、上記
した方法でクリスタルバイオレット染色および染色した細胞から溶出した染料の
分光光度法による定量によって測定した(Prichard, M.N., Prichard, L.E., Ba
guley, W.A., Nassiri, M.R., Shipman, C., Jr. 「ガンシクロビールとジドブ ジンの相乗的細胞毒性の三次元分析(Three-Dimensional Analysis of the Syner
gistic Cytotoxicity of Ganciclovir and Zidovudine)」 Antiviral Res. 1991
, 35, 1060-1065を参照されたい)。簡単に説明すれば、96ウェルクラスター 皿に、KB細胞を3000〜5000個/ウェルで加えた。37℃で一晩インキ
ュベーションした後、試験化合物を6〜8濃度で4個ずつ加えた。プレートをC
インキュベター中で37℃にて48時間インキュベーションし、洗浄し、9
5%エタノールで固定して、0.1%クリスタルバイオレットで染色した。酸性
化したエタノールを加え、プレートを96ウェルELISAアッセイプレートの
読取りにデザインされた分光光度計で570nmで測定した。
【0161】 データ解析 容量−応答関係を、対数薬剤濃度に対して前段で誘導したパラメーターの阻害
率を直線回帰することによって構築した。50%阻害濃度(IC50)またはI
C90を回帰直線から計算した。陽性コントロール(HSV−1に対するアシク
ロビール、HCMVに対するガンシクロビール、および細胞毒性に対する2−ア
セチルピリジンチオセミカルバゾン)を、総てのアッセイにおいて用いた。HC
MV(プラークおよび収率)およびHSV−1(ELISA)に対する抗ウイル
ス活性データ、および細胞毒性データ(肉眼および成長)を、合成した化合物の
多くについて記録した。データを第2表にまとめる。別の株のHCMVについて
の抗ウイルス活性データも、合成した化合物の多くについて記録した。データを
第3表にまとめる。
【0162】
【表2】
【0163】a プラークおよび収率減少分析法は、本文に記載の通り2回ずつ行った。プラー
ク分析法からの結果は、IC50として記載し、収率減少試験の結果はIC90 として記載している。b プラーク分析法は、HSV−1に対するDHPCの活性を測定するために用い
、他の総ての化合物は、4重ウェルでのELISAによって分析した。c 目視による細胞毒性は、HCMVプラーク計数の時点でHFF細胞について測
定した。2回実験の結果を示す。KB細胞成長の阻害は、4回分析における本文
に記載の方法で測定した。結果は、IC50として示す。d 2〜4回の実験から誘導された平均値。e >100は、試験を行った表示(最高)濃度より大きなIC50またはIC90
示す。f 15の実験からの平均値±標準偏差。g それぞれ、108、33および3回の実験からの平均値±標準偏差。
【0164】
【表3】
【0165】a プラークおよび収率減少分析法は、本文に記載の通り2回ずつ行った。Towne 株についてのデータも、第2表に示す。プラーク分析法からの結果は、IC50 として記載し、収率減少試験の結果はIC90として記載している。b 2〜3回の実験から誘導された平均値。
【0166】 B型肝炎ウイルス(HBV)に対する化合物の活性は、Jansen, R., et al., 「抗微生物薬および化学療法(Antimicrobial Agents and Chemotherapy)」, Vol
.37, No. 3, pp. 441-447, 1993に記載の方法で評価した。2つの別個の試験に おける2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(α−L−リクソフラノシル)ベン
ズイミダゾール(化合物5a)についてのIC50は、8.8μMおよび16μ
Mであった。
【0167】 本発明を、その具体的態様に関して詳細に記載してきたが、様々な変更および
修正を本発明の精神および範囲から離反することなく行うことができることは、
当業者には明らかであろう。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年1月31日(2000.1.31)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【化1】 (上記式中、 R、R、R、RおよびRはそれぞれ同一または異なるものであり、
独立して−H、−F、−Cl、−Br、−I、−NO、−N(R8)、−OR8 、−SR12および−CF3からなる群から独立して選択され、このとき、R8は 独立して−Hであるかまたは1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、R 12 は独立して−Hであるかまたは1〜10個の炭素原子を有するヒドロカルビ ル基であり、 R9、 R10およびR11はそれぞれ同一または異なるものであり、Hであるかま
たはヒドロキシル保護基であり、 但し、RおよびRが両方ともHであり、 RおよびRがClであるβ
−D化合物については、RはHではない) から選択される式を有する化合物、 そのアノマー性、光学的、および配座異性体、および それらの薬学上許容可能な塩およびプロドラッグ誘導体、 からなる群から選択される、D−またはL−リクソフラノシルベンズイミダゾー
ル化合物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,HU,IL,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z W (71)出願人 グラクソ グループ リミテッド GLAXO GROUP LIMITED イギリス ミドルセックス ユービー6 0エヌエヌ グリーンフォード バークレ ー アベニュー グラクソ ウェルカム ハウス (番地なし) Glaxo Wellcome Hous e,Berkeley Avenue G reenford,Middlesex UB6 0NN,Great Brita in (72)発明者 リーロイ、ビー.タウンセンド アメリカ合衆国ミシガン州、アン、アーバ ー、イースト、ドブソン、プレイス、3317 (72)発明者 ジョン、シー.ドラチ アメリカ合衆国ミシガン州、アン、アーバ ー、バリスター、ロード、1372 (72)発明者 カレン、ケイ.バイロン アメリカ合衆国ノースカロライナ州、リサ ーチ、トライアングル、パーク、ピー.オ ー.ボックス、13398 ファイブ、ムーア、 ドライブ (72)発明者 フランク、エル.ボイド、ジュニア アメリカ合衆国ノースカロライナ州、リサ ーチ、トライアングル、パーク、ピー.オ ー.ボックス、13398 ファイブ、ムーア、 ドライブ Fターム(参考) 4C057 BB02 DD01 LL06 4C086 AA01 AA02 AA03 EA16 MA04 NA14 ZA75 ZB33

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式 【化1】 (上記式中、 R、R、R、RおよびRはそれぞれ同一または異なるものであり、
    独立して−H、−F、−Cl、−Br、−I、−NO、−N(R8)、−OR 8 、−SR12および−CF3からなる群から独立して選択され、このとき、R8
    独立して−Hであるかまたは1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、R 12 は独立して−Hであるかまたは1〜10個の炭素原子を有するヒドロカルビ ル基であり、 R9、 R10およびR11はそれぞれ同一または異なるものであり、Hであるかま
    たはヒドロキシル保護基である) から選択される式を有する化合物、 そのアノマー性、光学的、および配座異性体、および それらの薬学上許容可能な塩およびプロドラッグ誘導体、 からなる群から選択される、D−またはL−リクソフラノシルベンズイミダゾー
    ル化合物。
  2. 【請求項2】 Rが、−H、−F、−Cl、−Br、−Iおよび−N(R8)からなる群か ら選択され、 R4およびR7が、両方とも−Hであり、 RおよびRが独立して、−H、−F、−Cl、−Brおよび−Iからなる
    群から選択される、 請求項1に記載のD−またはL−リクソフラノシルベンズイミダゾール化合物。
  3. 【請求項3】 上記化合物が、α−D−リクソフラノシルベンズイミダゾール化合物である、
    請求項1または2に記載のリクソフラノシルベンズイミダゾール化合物。
  4. 【請求項4】 上記化合物が、β−D−リクソフラノシルベンズイミダゾール化合物である、
    請求項1または2に記載のリクソフラノシルベンズイミダゾール化合物。
  5. 【請求項5】 上記化合物が、α−L−リクソフラノシルベンズイミダゾール化合物である、
    請求項1または2に記載のリクソフラノシルベンズイミダゾール化合物。
  6. 【請求項6】 上記化合物が、β−L−リクソフラノシルベンズイミダゾール化合物である、
    請求項1または2に記載のリクソフラノシルベンズイミダゾール化合物。
  7. 【請求項7】 1−(リクソフラノシル)−2,5,6−トリクロロ−ベンズイミダゾール、
    1−(リクソフラノシル)−2−ブロモ−5,6−ジクロロ−ベンズイミダゾ
    ール、 1−(リクソフラノシル)−2−メチルアミノ−5,6−ジクロロ−ベンズイ
    ミダゾール、 1−(リクソフラノシル)−2−イソプロピルアミノ−5,6−ジクロロ−ベ
    ンズイミダゾール、 1−(リクソフラノシル)−2−シクロプロピルアミノ−5,6−ジクロロ−
    ベンズイミダゾール、 1−(リクソフラノシル)−2−チオ−5,6−ジクロロ−ベンズイミダゾー
    ル、 1−(リクソフラノシル)−2−ベンジルチオ−5,6−ジクロロ−ベンズイ
    ミダゾール、 1−(リクソフラノシル)−2−メチルチオ−5,6−ジクロロ−ベンズイミ
    ダゾール、 そのアノマー性、光学的および配座異性体、および それらの薬学上許容可能な塩およびプロドラッグ誘導体、 からなる群から選択される、請求項1または2に記載のリクソフラノシルベンズ
    イミダゾール化合物。
  8. 【請求項8】 1−(リクソフラノシル)−2,5,6−トリクロロ−ベンズイミダゾール そのアノマー性、光学的、および配座異性体、および それらの薬学上許容可能な塩およびプロドラッグ誘導体、 からなる群から選択される、請求項1に記載のリクソフラノシルベンズイミダゾ
    ール化合物。
  9. 【請求項9】 1−(リクソフラノシル)−2−ブロモ−5,6−ジクロロ−ベンズイミダゾ ール そのアノマー性、光学的、および配座異性体、および それらの薬学上許容可能な塩およびプロドラッグ誘導体、 からなる群から選択される、請求項1に記載のリクソフラノシルベンズイミダゾ
    ール化合物。
  10. 【請求項10】 1−(リクソフラノシル)−2−メチルアミノ−5,6−ジクロロ−ベンズイ
    ミダゾール そのアノマー性、光学的、および配座異性体、および それらの薬学上許容可能な塩およびプロドラッグ誘導体、 からなる群から選択される、請求項1に記載のリクソフラノシルベンズイミダゾ
    ール化合物。
  11. 【請求項11】 1−(リクソフラノシル)−2−イソプロピルアミノ−5,6−ジクロロ−ベ
    ンズイミダゾール そのアノマー性、光学的、および配座異性体、および それらの薬学上許容可能な塩およびプロドラッグ誘導体、 からなる群から選択される、請求項1に記載のリクソフラノシルベンズイミダゾ
    ール化合物。
  12. 【請求項12】 1−(リクソフラノシル)−2−シクロプロピルアミノ−5,6−ジクロロ−
    ベンズイミダゾール そのアノマー性、光学的、および配座異性体、および それらの薬学上許容可能な塩およびプロドラッグ誘導体、 からなる群から選択される、請求項1に記載のリクソフラノシルベンズイミダゾ
    ール化合物。
  13. 【請求項13】 1−(リクソフラノシル)−2−チオ−5,6−ジクロロ−ベンズイミダゾー
    ル そのアノマー性、光学的、および配座異性体、および それらの薬学上許容可能な塩およびプロドラッグ誘導体、 からなる群から選択される、請求項1に記載のリクソフラノシルベンズイミダゾ
    ール化合物。
  14. 【請求項14】 1−(リクソフラノシル)−2−ベンズチオ−5,6−ジクロロ−ベンズイミ
    ダゾール そのアノマー性、光学的、および配座異性体、および それらの薬学上許容可能な塩およびプロドラッグ誘導体、 からなる群から選択される、請求項1に記載のリクソフラノシルベンズイミダゾ
    ール化合物。
  15. 【請求項15】 1−(リクソフラノシル)−2−メチルチオ−5,6−ジクロロ−ベンズイミ
    ダゾール そのアノマー性、光学的、および配座異性体、および それらの薬学上許容可能な塩およびプロドラッグ誘導体、 からなる群から選択される、請求項1に記載のリクソフラノシルベンズイミダゾ
    ール化合物。
  16. 【請求項16】 生物学的に許容可能なキャリヤーおよび請求項1〜15のいずれか一項に記載
    のD−またはL−リクソフラノシルベンズイミダゾール化合物を含んでなる、組
    成物。
  17. 【請求項17】 ウイルスに感染した細胞中でウイルスの増殖および/または複製を防止する方
    法であって、この細胞を請求項1〜15のいずれか一項に記載のD−またはL−
    リクソフラノシルベンズイミダゾール化合物の有効量と接触させて、細胞中での
    ウイルス増殖および/または複製を防止することを特徴とする、方法。
  18. 【請求項18】 細胞中でのウイルス感染を防止する方法であって、この細胞を請求項1〜15
    のいずれか一項に記載のD−またはL−リクソフラノシルベンズイミダゾール化
    合物の予防的に有効量と接触させることを特徴とする、方法。
  19. 【請求項19】 ウイルス感染症の治療法であって、感染した宿主に請求項1〜15のいずれか
    一項に記載のD−またはL−リクソフラノシルベンズイミダゾール化合物の治療
    上有効量を投与することを特徴とする、方法。
  20. 【請求項20】 宿主中のウイルス感染の防止法であって、宿主に請求項1〜15のいずれか一
    項に記載のD−またはL−リクソフラノシルベンズイミダゾール化合物の予防的
    に有効量を投与することを特徴とする、方法。
  21. 【請求項21】 ウイルス感染症が、HCMV、 HSVおよび肝炎ウイルス感染症からなる群 から選択される、請求項17〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 【請求項22】 ウイルス感染症が肝炎ウイルス感染症である、請求項17〜20のいずれか一
    項に記載の方法。
  23. 【請求項23】 (a) 下式(II)の化合物を、下式(III)の化合物と反応させ
    る工程、 【化2】 (上記式中、Rは−Cl、−Brおよび=Sからなる群から選択され、R9、R 10 またはR11は独立して同一または異なるものであり、−Hであるかまたはヒド
    ロキシル保護基である)、 (b) 次いで、下記(i)〜(viii)の段階の1以上を行う工程、 (i) (a)の生成物から、1個以上のヒドロキシル保護基が存在する場合には
    これを除去し、 (ii) (a)の生成物を、HX(式中、Xは−Cl、−Br、−Fおよび−I からなる群から選択される)と反応させ、 (iii) (a)の生成物を、R8NH(式中、R8は−Hであるかまたは1〜6
    個の炭素原子を有する線状、分岐状または環状アルキル基である)と反応させ、
    (iv) (a)の生成物を、HNCSNHと反応させ、 (v) (a)の生成物を、C6CHX(式中、Xは−Cl、−Br、−F および−Iからなる群から選択される)と反応させ、 (vi) (b)(iv)の生成物を、C6CHX(式中、Xは−Cl、−Br、
    −Fおよび−Iからなる群から選択される)と反応させ、 (vii) (a)の生成物をCH3Iと反応させ、 (viii) (b)(iv)の生成物をCH3Iと反応させる、 を含んでなる、請求項1に記載のD−またはL−リクソフラノシルベンズイミダ
    ゾール化合物の製造法。
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