JP2001511907A - 液晶ディスプレー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は液晶ディスプレーに関するものであり、位相調整層は非晶質の光学異方性ポリマーで構成され、光学異方性を寸法および方向に応じて偏光照射により予備選択自在に誘発させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 液晶ディスプレー 液晶ディスプレーは、特にＴＮ−（トイステッドネマチック−）もしくはＳＴ Ｎ−（スーパー・トイステッド・ネマチック−）ディスプレーの形態で幅広く使 用されている。ディスプレー素子の切換に必要とされる閾値電圧に基づき、これ ら液晶システムは多重制御に適している。１０⁵個より多いディスプレー素子（ ピクセル）を有する特にラップトップ−スクリーンのための大型ディスプレーは 、薄膜−電界効果トランジスター技術（ＴＦＴ）によって作成することができる 。ディスプレー技術については、ウルマン・エンサイクロペジア・オブ・インダ ストリアル・ケミストリー、第Ａ１５巻（１９９０）、第３５９〜３９１頁、特 に第２７２〜２７７頁、並びに第Ａ８巻、第６１９〜６２１頁を参照することが できる。 液晶ディスプレーは、電場の適用により作用する準結晶配置の複屈折性有機液 の層における光学軸線の方向変化に基づいている。偏光は液晶層を通過する際に 偏光面の回転を受ける。液晶層を通過した偏光を第２偏光フィルムを通して見る と、明／暗コントラストが光の偏光面の回転に応じて生ずる。 その際、できるだけ無色の黒／白もしくは灰色規模のコントラストが目的とさ れる。しかしながら、通常の光線と異常な光線との位相差に基づき白色光スペク トルの所定波長が消滅する。これは、位相差をλ／４〜λ／２プレートレットに より補償して対処される。しかしながら、位相差の補償は小観察角度においての み得られる。従って、電場により影響されない追加液晶層により位相補償を行な うことも既に提案されている。すなわちＵＳ−Ａ５４７２６３５号によれば、ガ ラス転移温度より低いネマチック液晶を用いてネマチック位相を凍結させること が提案されている。他方、ＥＰ−Ａ６４６ ８２９号によれば、低分子量ディス コチック液晶の層を位相調整層として用いることが提案されている。 これら提案の欠点は、一方では液晶層の厚さに関する高い要求が課せられ、さ らに追加透明キャリアプレートを必要として、それらの間に液晶層収容する点に ある。 本発明によれば今回、位相調整層として非晶質光学異方性ポリマーのフィルム を設け、その光学異方性を方向および寸法に応じ偏光の照射により予備選択自在 (pre-selectable)に書き込みうるようにすることが提案される。 従って本発明の主題は正誘電異方性を持った液晶材料の層を２枚の電極板の間 に含む液晶セルと、電極板の外部に配置された偏光板と、少なくとも一方の電極 板とこれに面する偏光板との間に配置された位相調整層とを有する液晶ディスプ レーであり、位相調整層は非晶質かつ光学異方性ポリマーで構成されると共に、 その光学異方性が方向および寸法に応じ偏光照射によって予備選択自在に書き込 みうることを特徴とする。 本発明による位相調整層につき適するポリマーはフォトアドレス指定しうるポ リマーとしてそれ自体公知である［たとえば「電気−光学および光−光学活性メ ジアとしてのポリマー」、Ｖ．Ｐ．シバエブ（Ｈｒｓｇ）、スプリンガー・フェ アラーク、ニューヨーク（１９９５参照）］。コポリマーの基が極めて広範な性 質の変化可能性を特徴とする側鎖基ポリマーが特に適している。これら物質は、 充分な強度の偏光照射に際し持続整列した複屈折を形成する可能性を特徴とする 。 適するポリマーはたとえばＤＥ−Ａ３８ １０ ７２２号、ＤＥ−Ａ ３９２ ０ ４２０号、ＥＰ−Ａ ６２２ ７８９号、ＥＰ−Ａ ７０４ ５１３号およ びＷＯ ９６／０８００７号からも公知である。 本発明によれば好適に使用しうるポリマーはＥＰ−Ａ ６２２ ７８９号およ びＥＰ−Ａ ７０４ ５１３号に開示されている。 さらに好ましくは本発明によれば、骨格として作用する主鎖および式 Ｓ¹−Ｔ¹−Ｑ¹−Ａ （Ｉ） （ホモポリマー）もしくは Ｓ¹−Ｔ¹−Ｑ¹−Ａ （Ｉ） および Ｓ²−Ｔ²−Ｑ²−Ｍ （ＩＩ） （コポリマー） 〔式中、 Ｓ¹、Ｓ²は原子Ｏ、Ｓまたは基ＮＲ⁶を示し、 Ｒ⁶は水素またはＣ₁〜Ｃ₄アルキルを示し、 Ｔ¹、Ｔ²は適宜−Ｏ−、−ＮＲ⁶−もしくはＯＳｉＲ⁶ ₂Ｏ−により中断しうる、 および／または適宜メチルもしくはエチルにより置換しうる基(ＣＨ₂ )_nを示し、 ｎは２、３もしくは４の数値を示し、 Ｑ¹、Ｑ²は二価の基を示し、 Ａは電磁線を吸収しうる単位を示し、 Ｍは少なくとも１０π−電子を有する偏光性芳香族基を示す〕 の前記主鎖から分岐した共有結合側鎖基を有するホモポリマーおよびコポリマー である。 特に Ｑ¹、Ｑ²は置換基−Ｓ−、−ＳＯ₂−、−Ｏ−、−ＣＯＯ−、−ＣＯＮＲ⁶−、Ｎ Ｒ⁶ＣＯ−、−ＮＲ¹−、−(ＣＨ₂)_m＝を示し、ここでｍ＝１もしくは ２であり、または基−Ｚ¹−Ｘ−Ｚ²−を示し、 Ｚ¹、Ｚ²は置換基−Ｓ−、−ＳＯ₂−、−Ｏ−、−ＣＯＯ−、−ＯＣＯ−、−Ｃ ＯＮＲ⁶−、−ＮＲ⁶ＣＯ−、−ＮＲ¹−、−Ｎ＝Ｎ−、−ＣＨ＝ＣＨ −、−Ｎ＝ＣＨ−、−ＣＨ＝Ｎ−を示し、 Ｘは五員もしくは六員の脂環式、芳香族もしくは複素環、残基−Ｃ₁₀Ｈ₆−、ビ フェニル基、基−(ＣＨ＝ＣＨ)_m−を示し、Ｚ＝−ＣＯＯ−もしくは −ＣＯＮＲ⁶−であれば直接結合をも示し、 Ａは１３，０００〜２８，０００ｃｍ^-1の波長範囲にて吸収するアゾ染料または １５，０００〜２９，０００ｃｍ^-1の波長範囲にて吸収するスチルベ ン染料を示し、 Ｍは少なくとも１０π電子を有するメソゲンもしくは偏光可能な芳香族基を示し 、ただし Ｖ_max（Ｑ²−Ｍ）＞Ｖ_max（Ｑ¹−Ａ）である。 ＞２３，０００ｃｍ^-1の波数にて最大吸収を有する染料Ａが好適である。これ ら化合物は公知である。 （メタ）アクリレートが骨格を形成する主鎖として好適に使用される。 本発明による側鎖基ポリマーはポリマーのガラス化状態にて光学等方性、非晶 質、透明かつ非散乱性であって、適する溶剤から透明薄膜まで注型することがで きる。 多層フィルムも対応手段により得ることができる。異なる波長にて吸光する基 を持った側鎖ポリマーから各層を作成すれば、異なる複屈折値を書込み波長の適 する選択により互いに独立して同じフィルムに書き込むことができる。 複屈折は、３つの空間方向ｘ、ｙおよびｚにてｎ_x＝ｎ_y＝ｎ_zである屈折率ｎ につき偏光により等方層に書き込まれる。ｚ−方向から入射してｓ−方向に偏光 した光は、ｎ_x≠ｎ_yおよびｎ_x−Δｎ_x＝ｎ_y＋Δｎ_yである平面にまたがる。この 平面は、垂直平面にｚ−方向を形成するフィルムの表面に対し好ましくは２５〜 ６５°、特に４０〜５０°の角度で傾斜する。書き込まれた複屈折変化は一軸も しくは二軸とすることができ、これは各成分の選択および或る程度書き込み波長 の選択に依存する。吸光が低いほど、結果は一軸分布に一層近ずく。本発明の格 別の利点は、所望に応じ複屈折を局部的解像により、たとえばディスプレーの中 間から縁部への勾配により調整しうる点、或いは永久的パターン、画像、記号も しくは陰影をディスプレー上に生ぜしめるうる点である。 ポリマーは自己支持性フィルムを形成することができる。 しかしながら好ましくは、これらはキャリア材料に施される。これはそれ自体 公知の種々の技術により行うことができ、そのプロセスは厚い層もしくは薄い層 のいずれを所望するかに応じて選択される。薄い層はたとえば回転被覆もしくは ナイフ被覆により溶液もしくは溶融物から作成することができ、厚い層は予備加 工セルの充填、溶融プレスもしくは押出しにより作成することができる。 好ましくは本発明によれば、位相調整層は偏光フィルム上に直接作成され或い はこれに施されて、特定のキャリア材料をポリマー層につき必要としないように する。その結果、本発明によるディスプレーの製造方法は著しく単純化される。 複屈折の書き込みは、偏光フィルムにより覆われない位相調整層の側から行われ る。 添付図面はＳＴＮ−ディスプレーの原理的構造を原理的に示す。これは、ガラ スキャリア層２と３との間に存在する液晶層１を備える。インジウム−錫酸化物 （ＩＴＯ）の透明電極構造体２および３，並びに必要に応じＴＦＴ層をガラスキ ャリア層１０および１１に施す。電極層の上には配向層４もしくは５を設け、こ れは一般に刷毛塗ポリイミド層であって焼付けられる。両配向層の刷毛塗りは、 互いに９０〜２７０°だけ回転される。６０〜１２０°回転された偏光面を有す る両側の偏光層６および７を次いで、ガラスキャリア層により規定された液晶セ ルに施す。キャリア層２および３と偏光層６および７との間には位相調整層９お よび１０を設け、その偏光方向も対向する光偏光層に対し６０〜１２０°の角度 だけ回転させる。偏光フィルムは一般に多数構造を有し、これに本発明によれば 好ましくは位相調整層を他の層として付加する。反射操作されるディスプレーの 場合、裏側ガラスキャリア層は鏡像となる。 以下の実施例は、照射密度および照射線の偏光に依存して位相調整フィルムに 刻印しうる複屈折を例示する。実施例１ ２，４−ジシアノ−４’−〔（４−オキシエチレンメタクリロイル−）ベンズ アミド−〕−アゾベンゾールから出発してホモポリマーをラジカル重合により作 成し、精製されたポリマーを回転被覆によりガラス支持体に０．８μの層厚さに て施した。最大吸収は２５，３００ｃｍ^-1に存在した。 プローブを波長４８８ｎｍ（２０，５００ｃｍ^-1）のレーザー光線によりｚ− 方向の入射にて２０時間照射し、次いで屈折率をプリズムカプラーにて方向の関 数として測定した。次の数値が得られた： 照射密度 ｎ_x ｎ_y ｎ_z ０ １，７０１ １，７０３ １，６４４ ４ｍＷ／ｃｍ² １，７３５ １，６１７ １，７０５ ２０ｍＷ／ｃｍ² １，７１８ １，６２７ １，７１８ 一軸配向が得られた。実施例２ 実施例１の手順と同様であるが、ただしホモポリマーの代わりに実施例１に挙 げた４０モル％のモノマーと６０モル％の２，４−ジシアノ−４（Ｎ−メチル− Ｎ’−エチレンオキシメタクリロイル）−アゾベンゾールとのコポリマーを使用 した。 プローブを波長４８８ｎｍ（２０，５００ｃｍ^-1）およびｚ−方向に入射する 出力密度２０ｍＷ／ｃｍ²のレーザー光線で照射し、次いでプリズムカプラーに て方向の関数として屈折率を測定した。次の数値が得られた： 次の時間後 ｎ_x ｎ_y ｎ_z ０ｈ １，８３２ １，８３２ １，７３８ ２ｈ １，８６０ １，７８７ １，７５９ ４ｈ １，８９１ １，７３４ １，７８０ ２０ｈ １，９２１ １，６０１ １，７９２ 強力な二軸異方性が形成されたことが見られる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，Ｍ Ｗ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ， ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，Ｅ Ｓ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＧＷ，ＨＵ，ＩＤ ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ， ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，Ｍ Ｇ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ， ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，Ｖ Ｎ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者 ナイグル，ラルフ ドイツ連邦共和国デイー51373 レーフエ ルクーゼン、フリードリツヒ―バイエル― シユトラーセ 14

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 正誘電異方性を有する材料からなる層を２枚の電極板の間に含む液晶セル と、電極板の外部に配置された偏光板と、少なくとも一方の電極板とこれに面す る偏光板との間に配置された位相調整層とを有し、光学的にアドレス指定可能な 非晶質かつ透明な光学異方性ポリマーからなり、ここに光学異方性を方向および 寸法に従い偏光の照射によって予備選択自在に誘発させうることを特徴とする液 晶ディスプレー。 ２． 位相調整層の光学異方性が位置に応じて書き込まれることを特徴とする請 求の範囲第１項に記載の液晶ディスプレー。 ３． 入射偏光が、位相調整層の表面に対する垂直な平面に対し角度をもって傾 斜した平面に及ぶことを特徴とする請求の範囲第１項に記載の液晶ディスプレー 。 ４． 角度が２５〜６５°であることを特徴とする請求の範囲第３項に記載の液 晶ディスプレー。 ５． 位相調整層が一軸異方性を有することを特徴とする請求の範囲第１項に記 載の液晶ディスプレー。