JP2001511762A - 選択性スロンビン抑制剤としてのブラジキニン同族体 - Google Patents

選択性スロンビン抑制剤としてのブラジキニン同族体

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Abstract

(57)【要約】 スロンビン誘発およびADP−誘発の血小板および他の細胞の活性化は、スロンビンの他の蛋白分解活性に影響を及ぼすことなく、ブラジキニン配列関連の同族ペプチドの投与により抑制される。ブラジキニン同族体は置換、付加もしくは欠失が天然ブラジキニンのアミノ酸配列における最初の4個のアミノ酸に対し行われたペプチドである。開示したブラジキニン同族体はα−スロンビン−誘発およびADP−誘発の血小板活性化および分泌を抑制すると共にα−スロンビン−誘発のカルシウム可動化を抑制し、さらにα−スロンビンをその血小板リセプタの開裂から防止する。ブラジキニン同族体は一本鎖もしくは多重鎖ペプチドで構成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 選択性スロンビン抑制剤としてのブラジキニン同族体 政府認可の説明 ここに記載する発明は部分的に認可番号HL−35553としてナショナル・ ハート・ラング・アンド.ブラッド・インスチチュートにより支援された研究の 過程でなされたものである。 関連出願の説明 本出願は1995年6月9日付け出願の米国特許出願第60/000,096 号を優先権とする。 発明の技術分野 本発明は、α−スロンビン−誘発およびADP−誘発の細胞活性化の抑制に関 するものである。 発明の背景 ブラジキニンは、カリクレインおよび他の酵素により先駆体血漿キニノゲンか ら遊離される血管活性ペプチドである[サリバ等、アメリカン・ジャーナル・フ ィジオロジー、第156巻、第261〜274頁(1949)]。ブラジキニン は、プロスタサイクリン産生の刺激[S.L.ホング、スロンビン・リサーチ、 第18巻、第787頁(1980):クラッチレイ等、バイオヘミカ・バイオフ ィジカ・アクタ、第751巻、第99頁(1983)]およびプラスミノーゲン 活性化剤の放出の刺激 [スミス等、ブラッド、第66巻、第835頁(1983)]を含め複数の生理 学的機能を有すると記載されてぃる。ブラジキニンは超酸化物形成および内皮依 存性の平滑筋過分極を誘発する[J.A.ホーランド等、ジャーナル・セル・フ イジオロジー、第143巻、第21頁(1990;M.ナカシマ等、ジャーナル ・クリニカル・インベスチゲーション、第92巻、第2867頁(1993)] 。アセチルコリンと並び、ブラジキニンは窒素酸化物生成の主たる誘発剤である [R.M.J.パルマー等、ネイチャー、第327巻、第524頁(1987) ]。ブラジキニンは大抵の血管床にて血管拡張をもたらすと特性化されており、 これは冠動脈循環にて血流増加をもたらす[ライン等、ジャーナル・モレキュラ ・セル・カルジオロジー、第24巻、第909頁(1992)]。これらの特徴 はブラジキニンを心臓保護剤として特性化している[ライン等、上記;ゴールケ 等、ハイパーテンション、第23巻、第411頁(1994);パラット等、カ ルジオバスキュラ・リサーチ、第28巻、第183頁(1994);ツァンジン ガー等、カルジオバスキュラ・リサーチ、第28巻、第209頁(1994)] 。アンギオテンシン変換酵素抑制剤によるブラジキニンの上昇は、これら薬物が 心臓疾患に対する有利な作用を促進するメカニズムであると思われる。 ブラジキニンの放出に加え、その親蛋白質、すなわち高(HK)および低(L K)分子量キニノゲンもα−ス ロンビンの選択性抑制剤となる能力を有し、細胞を活性化させるα−スロンビン の能力を抑制するが、その酵素能力を阻害しない[メロニー等、ジャーナル・バ イオロジカル・ケミストー、第266巻、第6786頁(1991);プリ等、 ブラッド、第77巻、第500頁(1991)]。この活性はキニノゲンの独特 な機能、すなわち他の蛋白質には寄与していない機能であると思われた。α−ス ロンビンの殆どの天然産ヒト蛋白質抑制剤はそのプロテアーゼ活性に向けられる 。HKおよびLKは、血小板膜への結合からα−スロンビンを封鎖することによ り血小板を活性化させるスロンビンの能力の選択的抑制剤である[メロニー等、 上記;プリ等、上記]。このキニノゲンの活性は、分離されたドメン3がその活 性を保持するので、重鎖におけるドメイン3に局在すると思われた[ジアング等 、ジャーナル・バイオロジカル・ケミストリー、第267巻、第3712頁(1 992)]。 ドメイン3による血小板活性化の抑制は、顆粒内容物を凝集および分泌させる 血小板の能力の顕著な低下により観察される。顆粒内容物は止血作用、血栓症お よび炎症反応に関与する蛋白質を含む。内皮細胞活性化の抑制も同様に、たとえ ば組織プラスミノーゲン活性化剤およびフォン・ウィレブランド因子のような内 皮細胞内容物の分泌低下により観察することができる。 ドメイン3ポリペプチドはその親蛋白質HKおよびLKと同様に、その標的細 胞に結合するスロンビンを封鎖 することにより、細胞活性化を抑制するよう機能する。このポリペプチドはスロ ンビン誘発の血小板活性化の選択的抑制剤である。したがってドメイン3の投与 は、スロンビン以外のたとえばコラーゲン、アデノシン二燐酸、エピネフィリン および血小板活性化因子のような生理学的物質による血小板活性化の誘発に対し 作用しない。 たとえば冠動脈血栓崩壊または経皮的経腰冠状血管形成術のような冠動脈病の 介入手法は、急性冠動脈血栓崩壊からの死亡率を減少させるのに良好な結果を治 めている。しかしながら溶解剤による冠動脈内血栓崩壊の後、再閉塞が高い。再 閉塞の主たる原因は血小板血栓である。人工的ダクロン移植体をヒト動脈に埋設 すれば、全患者の30%までが手術の数時間内に血小板血栓症を発生する。この 予想される高い合併症割合は、しばしば付随合併症を伴う追加手術を必要とする 。したがって、血小板血栓に基づく前記再閉塞現象を防止するには追加療法が必 要とされる。 冠動脈血栓症を予防するための2種の競合種類の抗血小板剤が考えられている 。モノクローナル抗体7E3を含め1種類の作用剤は、グリコ蛋白IIb/II Ia(GPIIb/IIIa)、すなわちインテグリンαIIbβ3を抑制すること により血小板活性化の最終的な一般的経路を封鎖することを目的とする。7E3 は有効な作用剤であるが、これはネズミ抗体であってヒトにおいては抗原性であ る。第2の種類の抗血小板剤は血小板活 性化の予想される主たる開始剤、すなわちα−スロンビンを抑制する。Phe− Pro−Arg−クロルメチルケトン(PPACK)、すなわちα−スロンビン 蛋白分解活性の有力な抑制剤の注入は出血時間(すなわち血小板機能の大凡の尺 度)を引き延ばす[S.R.ハンソン等、プロシーディング・ナショナル・アカ デミー・サイエンス、第85巻、第3184〜3188頁(1988)]。有力 なα−スロンビン蛋白分解抑制剤が臨床試験に入った最初のものは、医薬リーチ から誘導された組換産生物、すなわちヒルジンである。小分子量であると共に抗 原性でないと考えられるこの化合物は有力な抗スロンビン剤である。ヒルジンの 合成同族体(すなわちヒルログ)はヒルジンの陰イオンエキソサイトI結合特性 をPPACKの蛋白分解抑制活性と共に有する。第III期の臨床試験において 、これら両薬物は血小板活性化の有効な抑制剤であったが、有効な抗凝固のトレ ードオフが出血を増大させて3種の臨床試験の停止をもたらした。したがってα −スロンビンの非選択的蛋白分解抑制剤は臨床的に許容されず、決して産業上の 重要性を持たない。 動脈血栓症を予防する理想的な抗血栓剤は、α−スロンビンがヒブリノーゲン を凝固させると共に蛋白C、因子XIII並びに因子VおよびVIIIを活性化 させる蛋白分解活性を妨げることなく、血小板および内皮細胞の活性化を防止す るものである。2種のみの公知蛋白質、すなわち高分子量(HK)および低分子 量(LK)キニ ノゲンは天然産の選択性抗スロンビン剤である[F.J.メロニー等、ジャーナ ル・バイオロジカル・ケミストリー、第266巻、第6786〜6794頁(1 991);R.N.プリ等、ブラッド、第77巻、第500〜507頁(199 1)]。低分子量および高分子量の両キニノゲンは、そのアミノ末端から12個 のアミノ酸を介しブラジキニンのカルボキシ末端を越える同一のアミノ酸配列を 有する。LKおよびHKは共通の重鎖(62kDa)とブラジキニン(BK)部 分(0.9kDa)と「軽鎖」のそれぞれのアミノ末端部分における最初の12 アミノ酸とを共有する[Y.タカガキ等、ジャーナル・バイオロジカル・ケミス トリー、第260巻、第8601〜8609頁(1985);N.キタムラ等、 ジャーナル・バイオロジカル・ケミストリー、第260巻、第8610〜861 7頁(1985)]。この同一性は残基1〜約残基383に対応する[サルベソ ン等、バイオケミカル・ジャーナル、第234巻、第429頁(1986);ケ ラーマン等、ヨーロピアン・ジャーナル・バイオケミストリー、第154巻、第 471頁(1986)参照]。これらはその軽鎖の寸法において異なり、LKの 軽鎖は4kDaであるのに対しHKの軽鎖は56kDaである[タカギ等、上記 ;キタムラ等、上記]。 以下、「ヒトキニノゲン」という用語は特記しない限りヒト血漿、血小板、内 皮細胞、顆粒球または皮膚もしくは他の組織または器官から得られる、体液また は組織 相のいずれに存在するかに拘らず全ての各種形態における任意のキニノゲン分子 の高分子量および低分子量形態の両者を意味する。 「軽鎖」とは、ヒトキニノゲンを言及し或いは関連する場合、全キニノゲン欠 失血漿における凝固欠陥を修正する能力を持ったHKの56kDa中間血漿カリ クレイン−開裂フラグラントを意味する。 「重鎖」とは、ヒトキニノゲンを言及し或いは関連する場合、ブラジキニンお よび「軽鎖」を含まないHKもしくはLKの64kDaカリクレン−開裂フラグ メントを意味する。 キニノゲン重鎖に関する「ドメイン3」とは、約21kDaであるヒトキニノ ゲン重鎖のトリプシン−開裂フラグメントを意味する。 「天然アミノ酸」とは、典型的にはペプチドおよびポリペプチドを形成する2 0種の主たる天然アミノ酸を意味する。「合成アミノ酸」とは、これが合成的に 製造されるか或いは天然源から誘導されるかには無関係に、他の任意のアミノ酸 を意味する。 「BK同族体」とは、α−スロンビンを血小板および他の細胞におけるリセプ タの開裂から抑制してペプチドがスロンビンリセプタにおけるSPAN12エピ トープの変化もしくは損失を防止すると共にペプチドNAT12(SEQ ID NO:2)の開裂を封鎖しうるようなノナペプチドであるブラジキニンの配列 に類似したア ミノ酸配列を有するペプチドを意味し、スロンビンリセプタにおけるα−スロン ビン開裂部位をスパンする。BK同族体は、したがってスロンビン誘発の血小板 活性化を抑制することができる。 本発明の主題における命名法の幾つかは長い用語を含む。当業者はこれら用語 を当業界で周知されたように略記するのが一般的である。これらの一般的かつ通 常の略記号を以下に示し、本明細書中で使用することができる。略記号 ATAP138:スロンビンリセプタにおけるエピトープに対し特異性のモノク ローナル抗体(このエピトープはリセプタのα−スロンビン開裂の後にも保持さ れる) BK:ブラジキニン D3:キニノゲンのドメイン3 DFP:フルオロ燐酸ジイソプロピル D−Tic:D−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−イル−カル ボニル EDTA:エチレンジアミンテトラ酢酸 FITC:フルオレスセインイソチオシアネート HBTU:2−(1−H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3− テトラメチル−ウロニウムヘキソフルオロホスフェート HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール HK:ヒト高分子量キニノゲン 4Hyp:(4R)−4−ヒドロキシプロピル LK:ヒト低分子量キニノゲン Oic:(3a5,7a5)−オクタヒドロインドール−2−イルカルボニル PADGEM:血小板活性化依存性の顆粒外膜蛋白質(P−セレクチンGMP 140もしくはCD 62としても知られる) PGE1:プロスタグランジンE1 PMSF:フェニルメチルスルホニルフルオライド SDS−PAGE:ドデシル硫酸ナトリウム/ポリアクリルアミドゲル電気泳動Thi:3−(2−チエニル)アラニル Tris:トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン 発明の要点 本発明は、スロンビン誘発の血小板もしくは他の細胞の活性化を抑制するに際 し、処置を必要とする個人に血 小板もしくは細胞のスロンビン活性化を抑制する有効量のペプチドを投与するこ とからなり、前記ペプチドが式 X1−Arg−Pro−Pro−Gly−X2 (I) [式中、X1は0〜30個の天然もしくは合成アミノ酸であり; X2は0〜30個の天然もしくは合成アミノ酸である] のアミノ酸配列を有し、ただしペプチドが天然ブラジキニンであってはならない ことを特徴とする抑制方法である。 本発明の1具体例において、X1は0〜7個のアミノ酸であり、X2は0〜9個 のアミノ酸である。本発明の好適具体例において、式Iによるペプチドは配列A rg−Pro−Pro−Gly−Phe(SEQ ID NO:20)を有する 。 さらに本発明はADP−誘発の血小板活性化の抑制方法をも含み、この方法は 処置を必要とする個人に有効量の式Iによるペプチドを投与することからなって いる。 本発明の他の具体例は血小板凝集の防止方法を含み、この方法は処置を必要と する個人に有効量の式Iによるペプチドを投与することからなっている。 さらに本発明の他の具体例によれば、ADP−誘発の血小板活性化の抑制方法 は処置を必要とする個人に血小板もしくは他の細胞のスロンビン活性化を抑制す る有効量のペプチドを投与することからなり、前記ペプチドはアミノ酸配列X1 −Arg−Pro−Pro−Gly−X2を有する1個もしくはそれ以上のセグ メントで構成 され、このペプチドは式: [式中、Lは共有結合もしくは化学基からなるリンカーであり; X1は各セグメントにて同一でも異なってもよく0〜30個の天然もしくは合成 アミノ酸であり; X2は各セグメントにて同一でも異なってもよく0〜30個の天然もしくは合成 アミノ酸であり; nは2〜20の整数である] を有する。 本発明の1具体例において、式IIによるペプチドのセグメントは配列Arg −Pro−Pro−Gly−Phe(SEQ ID NO:20)を有する。 さらに本発明はADP−誘発の血小板活性化の抑制方法をも含み、この方法は 処置を必要とする個人に有効量の式II[式中、L、X1、X2およびnは上記の 意味を有する]によるペプチドを投与することからなっている。 本発明の他の具体例は血小板凝集の防止方法を含み、この方法は処置を必要と する個人に有効量の式II[式中、L、X1、X2およびnは上記の意味を有する ]によるペプチドを投与することからなっている。 ここで説明する本発明は式:を有する化合物をも含む。 さらに本発明の具体例は式: を有する化合物を含む。 図面の説明 第1A〜1D図は、ヒトα−スロンビンを添加して反応を開始させる前におけ る増加濃度のペプチドの存在下または不存在下で培養したBK(1A)およびB K同族体(IB:SEQ ID NO:14、IC:SEQ ID NO:13 :ID:SEQ ID NO:18)によるα−スロンビン誘発の血小板凝集お よび分泌の抑制のプロット図である。%残留凝集活性(◇)、%残留[14C]5 −ヒドロキシトリプタミン分泌(□)。各図面は、少なくとも3回の実験から得 られたデータの平均±SEMである。 第2A〜2D図は、α−スロンビン単独(2A)、HK(2B);BK(SE Q ID NO:1)(2C);またはBK同族体SEQ ID NO:14( 2D)の存在下におけるヒト血小板でのα−スロンビン誘発カルシウム可動化の プロット図である。各図面は、少なくとも3回の実験からの代表的実験である。 第3図は、BK(SEQ ID NO:1)およびBK同族体SEQ ID NO:14によるα−スロンビン媒介のカルシウム可動化の抑制のプロット図で ある。増加する濃度(0.01mM〜2mM)のBK(□)またはSEQ ID NO:14(◇)をα−スロンビンの添加前にゲル濾過血小板と共に培養した 。データをペプチド処理試料および未処理試料にて移動したCa-2の抑制%とし プロットした。図面は、各濃度にて3回の同一実験から得られたデータの平均± SEMである。 第4A〜4D図は、血小板におけるα−スロンビン誘発のカルシウム可動化に 対するBK同族体SEQ ID NO:20の作用のプロット図である。血小板 を1.0nM(4B)、0.5mM(4C)および0.125mM(4D)の濃 度におけるSEQ ID NO:20の存在下または(4A)の不存在下(4A )で1nMα−スロンビンと共に培養した。各図面は数回の実験の代表的実験で ある。 第5図は、200nMのHK(◇)、1mMのBK同族体SEQ ID NO :14(○)もしくは1mMのBK同族体SEQ ID NO:8(△)の存在 下または不存在下(□)における血小板への125Iα−スロンビン結合の抑制の プロット図である。図面は、3回の実験から得られたデータの平均±SEMであ る。 第6A〜6F図は、スロンビンリセプタの抗原性の発現に対する各種BK同族 体の作用を示す流れサイトグラ ムである。洗浄した血小板をモノクローナル抗体SPAN12単独(第6A図) と共に或いは1mMのBK(第6図)SEQ ID NO:14(第6C図)、 SEQ ID NO:18(第6D図)もしくはSEQ ID NO:4(第6 E図)の存在下に培養した。ゴースト曲線は未刺激の血小板を示し、実線曲線は α−スロンビン活性化血小板を示す。マウスIgG(第6F図)を比較として使 用した。各図面は、3回の実験の代表的実験である。 第7A〜7D図は、血小板のα−スロンビン活性化後におけるスロンビンリセ プタへのモノクローナル抗体ATAP138の結合に対するBK同族体SEQ ID NO:14の作用を示す流れサイトグラムである(第7B図)。マウスI gG(第7C図)およびCD62に対する抗体(第7D図)を用いて比較実験を も行った。ゴースト曲線は未刺激血小板によるスロンビンリセプタ発現を示し、 実線曲線はα−スロンビン活性化血小板による発現を示す。第7A〜7D図の流 れサイトグラムは、第6A〜6D図における流れサイトグラムと同じ血小板にて 同じ日に行った。各図面は、3回の実験の代表的実験である。 第8A〜8F図は、スロンビンリセプタペプチドNAT12(SEQ ID NO:2)のα−スロンビン誘発開裂に対するBK同族体SEQ ID NO: 20および非BK同族体ペプチド(SEQ ID NO:22) の作用を示すクロマトグラフである。NAT12(SEQ ID NO:2)を α−スロンビンの不存在下(第8A図)または存在下(第8C図)にて培養した 。NAT12(SEQ ID NO:2)をBK同族体SEQ ID NO:2 0の不存在下(第8C図)または存在下(第8D図)にてα−スロンビンと共に 培養した。第8E図は、α−スロンビンの存在下にHKと共に培養したNAT1 2(SEQ ID NO:2)のクロマトグラフである。これに対し、第8F図 は非−BK同族体ペプチド(SEQ ID NO:22)の対応クロマトグラフ である。 第9図は、BK同族体SEQ ID NO:20の注入後における3匹のウサ ギでのBK同族体SEQ ID NO:20の血漿濃度のプロット図である。 第10図は、BK同族体SEQ ID NO:20の1回の注入後における経 時的なスロンビン−もしくはADP−誘発のウサギ血小板凝集の抑制のプロット 図である。(○)、20μMのADP;(●)、20nMのγ−スロンビン;( △)、4OnMのγ−スロンビン。 第11図は、1mMの非−BK同族体ペプチド(SEQ ID NO:22) 、0.5mMのBK同族体ヘテロダイマー(「ヘテロダイマー」)(SEQ I D NO:22)、0.5mMの4−MAPおよび1mMのBK同族体SEQ ID NO:20、並びにγ−スロンビン単独(比較)の存在下で処理されたヒ ト血小板のγ −スロンビン誘発(20nM)凝集の凝集計追跡図である。 発明の詳細な説明 本発明は、選択性抗スロンビン剤として作用するブラジキニン配列関連の同族 ペプチドの使用による血栓症の予防方法に向けられる。BK同族体は、各種の基 質(たとえばフィブリノーゲンおよび因子V)を蛋白分解するα−スロンビンの 能力を阻害することなく血小板の活性化からヒトα−スロンビンおよびγ−スロ ンビンを抑制しうるので、選択的抗−血栓剤である。殆どの公知スロンビン抑制 剤(ヒルジン、ヒルログおよびPPACK)は、その蛋白分解活性の全部を封鎖 することによりα−スロンビン作用を阻害する。血小板のα−スロンビン活性化 を抑制するためのこれら蛋白分解抑制剤の使用は過度の抗凝集および出血をもた らしうる。本発明の方法で用いるBK同族体は、α−スロンビンの酵素活性を阻 害することなく細胞誘発の血栓形成を抑制しうる。BK同族体を使用して、冠動 脈血栓症および発作から生ずる動脈閉塞を防止することができる。 本発明者等は、BK同族体が血小板で発現されるスロンビンリセプタの開裂か らスロンビンを抑制することを突き止めた。したがって本発明者等は、BK同族 体がスロンビンリセプタの開裂を封鎖してスロンビン誘発の血小板活性化を抑制 し、次いで開裂リセプタの新たなアミノ末端の露呈による血小板の活性化を抑制 する能力を有 することをも突き止めた。ここに説明するBK同族体の投与は血小板、内皮細胞 、脳細胞、繊維芽細胞、平滑筋細胞またはスロンビンのリセプタを含有する他の 細胞のスロンビン誘発活性化を抑制するための治療方法を構成する。この機能は 、血小板血栓形成およびスロンビンリセプタにより媒介される他の活性を抑制す る。 BK同族体は、無傷キニノゲンおよびその分離ドメイン3と同じメカニズムに より血小板活性化を抑制しない。1種のmM BK同族体は、モル過剰の精製H K、LKもしくは分離ドメイン3と同様に血小板に対する125Iα−スロンビン 結合を抑制しない。本発明者等は、BK同族体が: (1)血小板におけるα−スロンビン−誘発のカルシウム可動化を封鎖し; (2)0.7mMのクロモゲン基質S2238を加水分解する1nMのα−ス ロンビンの能力を抑制せず; (3)100mg/dLのヒィフリノゲンの存在下に血小板の活性化から1n Mのγ−スロンビンを封鎖し; (4)モノクローナル抗体SPAN12およびATAP138により検出され るようにスロンビンリセプタの発現変化からα−スロンビンを封鎖し; (5)スロンビンリセプタの開裂からα−スロンビンを防止し; (6)インビボおよびインビトロにおける血小板機能を抑制する ことを突き止めた。特定の理論に拘束されるものでないが、BK同族体はα−ス ロンビンを血小板および他の細胞におけるリセプタの開裂から抑制することによ り、血小板および他の細胞の活性化を抑制するよう作用するものと思われる。 本発明の1具体例によれば、BK同族体は成熟ヒトキニノゲン重鎖からの親セ グメントの連鎖切断同族体を示し、前記親セグメントはキニノゲン重鎖アミノ酸 333〜396をスパンし、同族体はコア配列Arg−Pro−Pro−Gly を含み、このコア配列はキニノゲン重鎖残基363〜366に対応する。 他の具体例において、BK同族体はキニノゲン重鎖親セグメントの連鎖切断同 族体を示し、このペプチドはコア配列Arg−Pro−Pro−Glyを含有す ると共にコア配列のキニノゲン重鎖親セグメントから上流(アミノ末端方向)の 7アミノ酸までおよびコア配列のキニノゲン重鎖親セグメントから下流(カルボ キシ末端方向)のら9アミノ酸までを含む。より好ましくは、コア配列のアミノ 末端およびカルボキシ末端に付加されるアミノ酸はそれぞれキニノゲン重鎖残基 357〜363および367〜383から選択される。ヒトキニノゲン重鎖親セ グメントのアミノ酸配列をここではSEQ ID NO:24として示す。ヒト キニノゲン重鎖の完全配列はケラーマン等、ヨーロピアン・ジャーナル・バイオ ケミストリー、第154巻、第471〜478頁(1986)(そ の開示全体を参考のためここに引用する)に見ることができる。 本発明の1具体例において、天然もしくは合成の一般式[式中、Rは水素原子または任意の有機基である] を有するアミノ酸は天然BK配列セグメント(SEQ ID NO:1)のコア 配列(Arg−Pro−Pro−Gly)(SEQ ID NO:21)からな るペプチドのカルボキシル末端もしくはアミノ末端に付加されて連鎖延長同族体 を形成する。好ましくは、アミノ酸は5アミノ酸配列Arg−Pro−Pro− Gly(SEQ ID NO:20)のカルボキシル末端もしくはアミノ末端の いずれかに付加される。30個までのアミノ酸をコア配列SEQ ID NO: 21もしくはBK同族体SEQ ID NO:20のカルボキシル末端もしくは アミノ末端のいずれかに付加することができる。好ましくは0〜7個のアミノ酸 がアミノ末端に付加されると共に、0〜9個のアミノ酸がコア配列(SEQ I D NO:21)のカルボキシ末端に付加される。より好ま しくは、ペプチドはアミノ酸配列Arg−Pro−Pro−Gly(SEQ I D NO:20)を含む。本発明に包含されるBK同族体の例はBK同族体SE Q ID NO:14であって、2個のアミノ酸がアミノ末端に付加されると共 に10個のアミノ酸がコア配列のArg−Pro−Pro−Gly(SEQ I D NO:21のカルボキシル末端に付加されている。 のアミノ酸配列を有するHOE 140である。HOE 140はヘキスト社、 フランクフォード、ドイツ国から購入することもでき或いはホック等、ブリティ ッシュ・ジャーナル・ファマコロジー、第102巻、第758〜773頁(19 91)およびラムベック等、ブリティッシュ・ジャーナル・ファマコロジー、第 102巻、第297〜304頁(1991)(その開示全体を参考のためここに 引用する)の方法にしたがって作成することができる。 本発明の他の具体例によれば、2種もしくはそれ以上の一本鎖BK同族体を1 個もしくはそれ以上のリンカーLにより結合させてホモダイマーおよびヘテロダ イマーを生成させる。ここに規定するホモダイマーおよびヘテロダイマーはダイ マー、トライマーおよび他のマルチマーを包含する。ホモダイマーは2個もしく はそれ以上の同一の一本鎖BK同族体で構成され、ヘテロダイマーは2個もしく はそれ以上の異なる一本鎖BK同族体で構成 される。リンカーは共有結合または化学基のいずれかとすることができる。本発 明において、結合させうる一本鎖BK同族体の個数は2〜32個である。好まし くは、結合させるBK同族体の個数は2〜20個、より好ましくは2〜8個、特 に好ましくは2〜4個である。結合させるべきBK同族体は同一とすることがで き、或いは異なってもよい。 2個の一本鎖BK同族体を結合する共有結合の例は、システインアミノ酸を含 有する2個の一本鎖BK同族体の酸化により形成されるジスルフィド結合である 。これはペプチドがCys残基を適する位置に含むよう最初に親ペプチドを改変 させることを必要とする。一本鎖BK同族体におけるシステイン残基は、1mg の一本鎖ペプチドを1.5mLの0.1%(v/v)17.5mM酢酸(pH8 .4)に溶解させた後に窒素でフラッシュさせ、次いで0.01MのK2Fe( CN)6でフラッシュさせることにより、BK同族体ダイマーを生成させるよう 酸化することができる。室温にて1時間にわたり培養した後、ダイマーペプチド をHPLCにより精製する。 2個の一本鎖BK同族体を結合するのに適する共有結合の他の例は、一方の連 鎖におけるリジンアミノ酸残基のアミノ基を他の連鎖におけるグルタミン酸もし くはアスパラギン酸アミノ酸残基のカルボン酸基と反応させて形成されるアミド 結合である。 代案として、結合基は架橋剤を用いて2個の一本鎖B K同族体の間で共有結合により形成させるこもできる。たとえばホモダイマーお よびヘテロダイマーは、先ず最初にチェロニス等、ジャーナル・メジカル・ケミ ストリー、第37巻、第348頁(1994)の方法にしたがいS−(N−ヘキ シルスクシンイミド)−改変ペプチドモノマーを作成して製造することができる 。N−ヘキシルマレイミド(すなわち改変ペプチドモノマーの先駆体)は、2種 の化合物を飽和NaHCO3中で0℃にてボダンスキーおよびボダンスキーの方 法、ザ・プラクティス・オブ・ペプチド・シンセシス、スプリンガー・フェアラ ーク、ニョーユーク、第29〜31頁(1984)の方法にしたがい混合してN −(メチキシカルボニル)マレイミドとN−ヘキシルアミンとから作成される。 得られる反応混合物の生成物は、酢酸エチル中に抽出し、次いで水洗すると共に Na2SO4で脱水し、次いで減圧濃縮してN−ヘキシルマレイミドを淡黄色油状 物として生成させることにより単離される。次いでS−(N−ヘキシルシスクシ ンイミド)−改変ペプチドモノマーは、1部のペプチドを1.5部のN−ヘキシ ルマレイミドとジメチルホルムアミド中で混合(3.3mL/mMペプチド)中 で混合し、次いで30倍容量の0.1M重炭酸アンモニウム(pH7.5)を添 加することによりシステイン含有ペプチド(モノマー)とN−ヘキシルマレイミ ドとから作成される。このように行われるS−アルキル化反応は30分間で完結 する。得られるS−(N−ヘ キシルスクシンイミド)−改変ペプチドモノマーは調製用逆相HPLCに続く羽 毛状白色粉末としての凍結乾燥により精製される。 ホモダイマーもしくはヘテロダイマーのいずれかとしてのビススクシンイミド ヘキサンペプチドダイマーは、チェロニス等(上記)の方法にしたがい、それぞ れ同一もしくは異なる位置にてシステイン置換ペプチドから作成することができ る。1部のビスマレイミドヘキサンを2部のペプチドモノマーとジメチルホルム アミド中で混合し(3.3mL/mMペプチド)、次いで0.1Mの重炭酸アン モニウム(pH7.5)に添加する。この反応混合物を室温にて撹拌し、一般に 30分間以内に完結させる。得られるビススクシンイミドヘキサンペプチドダイ マーは調製用逆相HPLCにより精製される。凍結乾燥の後、物質は羽毛状の白 色粉末となる。 本発明の共有架橋したBK同族体ダイマーは、ホモ二官能性架橋試薬、たとえ ば酒石酸ジスクシニミジル、スベリン酸ジスクシニミジル、エチレングリコール ビス(スクシニミジルスクシネート)、1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロ ベンゼン(「DFNB」)、4,4’−ジイソチオシアノ−2,2’−ジスルホ ン酸スチルベン(「DIDS」)およびビスマレイミドヘキサン(「BMH」) を用いて作成することができる。架橋反応は、各一本鎖BK同族体の間でランダ ムに生ずる。 代案として、ヘテロ二官能性架橋試薬を用いることも できる。この種の試薬はたとえばN−スクシニミジル−3−(2−ピリジルジチ オ)プロピオネート(「SPDP」)、スルホスクシニミジル−2−(p−アジ ドサリチルアミド)エチル−1,3’−ジチオプロピオネート(「SASD」、 ピアス・ケミカル・カンパニー、ロックフォード、IL)、N−マレイミドベン ゾイル−N−ヒドロキシ−スクシニミジルエステル(「MBS」)、m−マレイ ミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(「スルホ−MBS」)、N−ス クシニミジル(4−イオドアセチル)アミノベンゾエート(「SIAB」、スク シニミジル4−(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カルボキシレ ート(「SMCC」)、スクシニミジル−4−(p−マレイミドフェニル)ブチ レ−ト(SMPB」)、スルホスクシニミジル(4−イオドアセチル)アミノベ ンゾエート(「スルホ−SIAB」)、スルホスクシニミジル4−(N−マレイ ミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(「スルホ−SMCC」) 、スルホスクシニミジル4−(p−マレイミドフェニル)−ブチレート(「スル ホ−SMPB」)、ブロモアセチル−p−アミノベンゾイル−N−ヒドロキシ− スクシニミジルエステル、イオドアセチル−N−ヒドロキシスクシニミジルエス テルなどを包含する。 ヘテロ二官能性架橋については、第1の一本鎖BK同族体をたとえば二官能性 試薬のN−ヒドロキシスクシニミジル部分で誘導化させ、この誘導化したBK同 族体を ゲル濾過によって精製する。次いで、第2の一本鎖BK同族体(これは第1のB K同族体と同じでも異なってもよい)を二官能性試薬の第2の官能基と反応させ て、BKダイマーの各成分間における結合の指向配列を確保する。 蛋白質−蛋白質結合体を形成せさせるための典型的なヘテロ二官能性架橋剤は 一方の官能基としてアミノ反応性N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(NH S−エステル)を有すると共に、他方の官能基としてスルフヒドリル反応性基を 有する。先ず最初に、第1の一本鎖BK同族体の表面リジン残基のε−アミノ基 を架橋剤のNHS−エステル基でアシル化する。遊離スルフヒドリル基を有する 第2の一本鎖BK同族体を架橋剤のスルフヒドリル反応基と反応させて共有架橋 ダイマーを生成させる。一般的なチオール反応性基はマレイミド、ピリジルジス ルフィドおよび活性ハロゲンを包含する。たとえばMBSはアミノ反応性基とし てNHS−エステルを含有すると共に、スルフヒドリル反応性基としてマレイミ ド成分を含有する。 光活性ヘテロ二官能性架橋剤(たとえば光反応性フェニルアジド)も使用する ことができる。この種の1種の試薬SASDは、そのNHS−エステル基を介し 一本鎖BK同族体に結合することができる。結合反応はpH7にて室温で約10 分間にわたり行われる。約1〜約20の架橋剤とBK同族体のモル比を使用する ことができる。 精製されかつ誘導化されたBK同族体は、BK同族体に対する親和性を有する マトリックス(たとえばBK同族体に対し発生したポリクローナル抗体)を用い て親和性クロマトグラフィーにより回収される。この目的の抗体は、BK同族体 を1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド−HCL を用いてキーホールリンペットヘモシアニンにカップリングさせて作成すること ができる[グッドフレンド等、サイエンス、第144巻、第1344頁(196 4)]。得られた結合体を用いて、ミュラー・エスタール等、メソッズ・エンチ モロジー、第163巻、第240頁(1988)の方法によりウサギを免疫化す ることにより抗−BK同族抗体を産生させる。精製された抗体をアフィゲル10 [ビオラド社、リッチモンド、CA]にカップリングさせて親和性カラムを形成 させる。次いで、誘導化BK同族体が結合された固定化抗−BK同族抗体を0. 2Mグリシン溶出によりカラムから除去し、次いで第2の一本鎖BK同族体の溶 液に懸濁させる。紫外線光源[たとえばミネラライトUVSL−25、ウルトラ ・バイオレット・プロダクツ・インコーポレーション、サン・ガブリエル、CA ]を緩和に撹拌された懸濁物から1cmの位置に設置すると共に、長波長範囲に て約10分間にわたり照射する。懸濁物を抗−BK同族抗体親和性カラムに戻し 、0.15MのNaClと0.1%のウシ血清アルブミンと0.01%のポリソ ルベート80と25KI U/mLのアプロチニンとを含有する緩衝液で洗浄して反応副生物を除去する。 共有架橋したダイマーを、0.2Mのグリシンまたは5Mのグアニジンを含有す る同じ緩衝液系で溶出させる。溶出したダイマーを緩衝液に対し透析してカオト ロピック剤を除去する。 紫外線照射の下でのBK同族体との反応および上記反応混合物のクロマトグラ フィーの後、共有架橋したダイマーを0.2Mのグリシンもしくは5Mのグアニ ジンのいずれかで溶出させる。 上記手順はSASD(すなわち開裂性架橋剤)を用いるが、たとえばβ−エチ ル−1,3−ジチオプロピオネート成分でなくα−ヘキサノエートを含有する非 開裂性架橋用試薬も使用することができる。MSBは非開裂性架橋剤の1例であ る。 一本鎖BK同族体は、自動化合成を用いる慣用の固相ペプチド合成技術により 作成することができる。代案として、BK同族体を組換DNA技術により作成す ることもできる。ブラジキニンの既知アミノ酸配列に基づき、合成遺伝子をその 配列に対応して構成し、適するクローン化ベクターにより適する宿主中へ導入す ることができる。したがって本発明は、単にペプチド合成法により作成されるB K同族体の使用のみに限定されず、組換技術により作成される対応のポリペプチ ドをも包含することを了解すべきである。 さらに、この種の組換技術の使用により当業者はたと えば適切なDNAの部位指向突然変異により天然ブラジキニンの同族体を作成す ることもでき、天然アミノ酸配列を得られる単一もしくは複数のアミノ酸付加も しくは欠失により改変させる。BK同族体をもたらすこの種の改変も全て本発明 の範囲内に包含され、ただし分子はスロンビン誘発の細胞活性化を抑制する能力 を実質的に保持するものとする。 本発明のBK同族体はα−スロンビン誘発およびADP−誘発の血小板凝集を 抑制し;α−スロンビン誘発のカルシウム可動化を封鎖し;血小板への125I− α−スロンビン結合を封鎖せず;さらにα−スロンビンをスロンビンリセプタの 開裂から防止する。これら活性を測定するための方法論は、それぞれセクション IIA〜IIEおよびセクションIIIに示される。 精製されたBK同族体は、スロンビン誘発もしくはADP誘発の血小板活性化 もしくは血小板凝集の抑制が求められる任意の状況にて投与することができる。 これらは任意の原因による血小板血栓症を有する患者に投与され、或いは血小板 血栓に基づく再閉塞現象を人工ダクロン移植体の挿入により防止する手術を受け た人間につき予防的に使用することができる。さらに、これらは発作および脳浮 腫を予防すべく個人に注入することもできる。 ペプチドは、血流中へ相当量で供給する任意便利な手段により投与することが できる。静脈内投与が好適な投与ルートとして現在考えられるが、鼻腔内投与も 用いる ことができる。BK同族体は水溶性であるため、これらは溶液にて効果的に投与 することができる。投与する実際の投与量は、処置の性質が予防的または治療的 のいずれであっても患者の体格および体重、患者の年令、健康状態および性別、 投与のルートなどの因子を考慮に入れることができる。インビボクリアランス試 験に基づきHK、LK、D3およびSEQ ID NO:20を含め活性成分の 1日の有効投与量は体重70kg当たり毎日約3gである。好適投与量は、2. 4gの1回のボルス注入に続く0.025g/1時間の連続注入とすれば体重7 0kg当たり毎日約3gである。当業者は、特定の状況および患者の必要性に適 するよう適する投与量および投与方式を得ることができる。 BK同族体の投与量は所望の血小板凝集抑制の程度に依存する。3g/1日の 投与量を得るのに充分なBK同族体の注入を有利に用いうるが、それより多量も しくは少量のペプチドも必要に応じ投与することができる。治療終点は、凝集お よび分泌、出血、並びに血管能力により血小板機能を監視して判定することがで きる。所望の静脈内濃度を得るための実際のBK同族体の投与量および治療長さ は、慣用方法で当業者により容易に決定しうる。 BK同族体は医薬上許容しうるキャリヤとの混合物として医薬組成物で投与す ることができる。医薬組成物は慣用の医薬処方技術にしたがい配合することがで きる。 キャリャは、投与につき所望される製剤の形態に応じ広範な種類の形態とするこ とができる。非経口投与すべき組成物につきキャリヤは一般に無菌水を含むが、 溶解度を高め或いは保持目的につき他の成分を含ませることもできる。注射用懸 濁物も作成することができ、この場合は適する液体キャリヤ、懸濁剤などを用い ることができる。好適な非経口投与ルートは静脈内投与である。 静脈内投与につき、BK同族体は生理学上適合しうる物質(たとえば生理学的 条件に合致する緩衝pHを持った無菌塩化ナトリウム)を含有する任意適する静 脈内供給ベヒクルに溶解させることができる。この種の静脈内供給ベヒクルは当 業者に公知である。 以下の実験セクションにより本発明の実施を例示する。 I.高分子量キニノゲンおよびBK同族体の作成 A.高分子量キニノゲンの作成 HKをジョンソン等、スロンビン・リサーチ、第48巻、第187頁(198 7)およびミラー・エスタール等、メゾッズ・エンチモロジー、第163巻、第 240頁(1987)の方法の改変により血漿から精製した。100mLの1m M DFP処理された新鮮凍結血漿を37℃にて解凍させ、これに10mMのベ ンズアミジン−HClと40μg/mLのポリブレンと2mMのEDTAと0. 2mMのPMSFと0.2mg/mLの大豆トリプシン抑制剤と100U/mL のアプロチニンと2MのNaClとをシュマイエル等、メソッズ・イン・エ ンチモロジー、第169巻、第276頁(1989)の方法にしたがって添加し た。次いで、処理された血漿を、2MのNaClと1mMのベンズアミジン−H Clと40μg/mLのポリブレンと0.2mMのPMSFと0.02%(w/ v)のNaN3とを含有する50mMの燐酸塩緩衝液(pH7.5)で平衡化さ れたCM−パパイン−セファロース4Bの2.5×20cmカラムに施した。C M−パパイン−セファロース4Bカラムはジョンソン等、スロンビン・リサーチ 、第48巻、第187頁(1987)の方法により作成した。HKおよびLKを 、2mMのEDTAと0.02%(w/v)のNaN3とを含有する50mMの 燐酸塩緩衝溶液(pH11.5)を添加した後に単一ピークで溶出させた。5m Lづつのフラクションを、1Mの酢酸ナトリウムにおける4mMのPMSFで構 成された0.25mLの溶液(pH4.2)を含有する試験管に集めて最終pH を6.0にした。HKおよびLKを含有するフラクションを次いでハサン等、ジ ャーナル・バイオロジカル・ケミストリー、第269巻、第31822頁(19 94)により報告された方法にしたがい0.01Mの酢酸ナトリウム(pH6. 8)で平衡化された反応性ブルー・セファロースカラム(シグマ・ケミカル・コ ーポレーション、セントルイス、MO)に施した。結合したLKおよびHKを、 それぞれ0.3Mおよび2MのNaClを含有する同じ緩衝液により溶出させた 。HK(120kDa)およびLK (66kDa)は還元SDS−PAGEにて単一バンドとして移動した。HKは ELISAおよびウェスタンブロッツチングによりその重鎖および軽鎖に対する モノクローナル抗体と反応したのに対し、LKはその重鎖に指向する抗体によっ てのみ認識された。精製されたHKはその前凝集活性を保持すると共に、シュマ イエル等(上記)により報告されたような11〜22U/mgの比活性を有した 。 B.BK同族体の作成 SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:1 2、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID N O:16、SEQ ID NO:18およびSEQ ID NO:20、並びに ペプチドSEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID N O:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11およびSEQ ID NO:15を包含する天然BK配列(SEQ ID NO:1)の全部ま たは1部を包含する多数のBK同族体を合成した。各ペプチドはアプライド・バ イオシステムス・モデル431型ペプチド合成装置で合成すると共に、カルボキ シ末端アミノ酸を固相支持体に共有付着させ、次いで順次にアミノ酸をアミノ末 端にカップリングさせた。付着させるべきアミノ酸におけるカルボキシル基を2 −(1−H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル ウロニウムヘキソフルオロホスフェート(HBTU)および1−ヒドロキ シベンゾトリアゾール(HOBt)で活性化させた。次いでフルオレニル−メチ ルオキシカルボニル部分を、封鎖基としてアミノ末端部に付着させた。全ペプチ ドを調製用逆相HPLCにより精製した。これらペプチドはそれぞれ無色無臭で あり、ただし水溶性であるSEQ ID NO:15を例外とする。各ペプチド は逆相HPLC、質量分光光度法およびアミノ酸配列決定により均質であると特 性化された。SEQ ID NO:15は疎水性であって、これを溶解させるに は0.01%のDMSOを必要とした。 C.ヘテロダイマーおよび4種のブランチMAP BK同族体の作成 ここに記載したBK同族体の一本鎖および多重鎖ペプチドを次の手順にしたがい 作成した。 1.ヘテロダイマーの作成 ヘテロダイマーを作成すべく使用した個々のBK同族体を上記セクションI. B.に記載したように合成した。BK同族体SEQ ID NO:20のヘテロ ダイマーは、上記セクションI.B.に記載したて手順にしたがいSEQ ID NO:20を合成することにより作成した。SEQ ID NO:20のアミ ノ末端に、Nα−(t−ブチルオキシカルボニル−Nε−9−フルオレニルメチ ルオキシカルボニル−L−リジンをHBTUおよびHOBtを用いて付着させた 。アミノ酸に続き同じ手順によりN−フルオレニルーメチルオキシカルボニル −L−グルタミン酸−α−ブチルオキシカルボニルエステルを付着させた。次い でグルタミン酸の遊離カルボキシル基をL−リジンのフルオレニル−メチルオキ シカルボニル部分のアミン側鎖に付着させて、線状アミノ酸でなくヘテロダイマ ーを生成させた。次いでBK同族体SEQ ID NO:20をL−グルタミン 酸のN−フルオレニル−メチルオキシカルボニルの遊離アミンに構築させた。式 : を有するヘテロダイマーを逆相HPLCにより精製し、単一の物質を質量分光光 度法により特性化した。 2.4ブランチMAPの作成 以下、「4−MAP」と称するBK同族体SEQ ID NO:20の4−ブ ランチMAPを作成した。「MAP」とは、「多重抗原性ペプチド」の頭文字で ある。4−MAPの構造は次の通りである: 4−MAPを作成するため、カルボキシル基を介して付着したβ−アラニンを 有する樹脂コアを、β−アラニン(βAla)の遊離アミンを介してリジンの遊 離カルボキシルに結合させてリジン−β−アラニン複合体を生 成させた。2個の追加リジン残基を次いでその遊離アミン基により第1リジンの 遊離カルボキシルに付着させた。次いでSEQ ID NO:20の4個の分子 をそのフェニルアラニン残基を介し2個のリジン残基の遊離アミノ基に付着させ 、次いで上記I.D.に記載されたようにHBTUおよびHOBtで活性化した 。4−MAPを逆相HPCLにより精製し、次いで質量分光光度法により特性化 した。 II.BK同族体によるスロンビン誘発の血小板活性化の抑制 以下の試験は、HKの重鎖における残基約357から残基383まで延びる領 域に対応するBK同族体がスロンビン誘発の血小板活性化の抑制剤として有用で あることを示す。 A.血小板凝集および分泌のBK同族体抑制 以下の試験は、BK同族体SEQ ID NO:14が1mMの濃度にてα− スロンビン誘発の血小板凝集および分泌を完全に抑制するのに対しSEQ ID NO:6(すなわちSEQ ID NO:14と同じアミノ酸数を有する混雑 ペプチド)が1mMにて僅か26%の凝集抑制および8%の分泌の抑制をα−ス ロンビン活性化の後に与えたことを示す。同様に、配列にてBK同族体SEQ ID NO:14と重なるペプチド(すなわちSEQ ID NO:18(1n M))は僅か22%の凝集抑制および4%の分泌抑制を示した。一連の血小板凝 集および分泌の試験をも行って、α−スロンビン誘発の血小板活性化を抑制する 能力を保持する最小の天然BK配列を規定した。 新鮮な全血液を集め、0.013Mのクエン酸ナトリウムと混合し、血小板リ ッチな血漿をメロニー等、ジャーナル・バイオロジカル・ケミストリー、第26 6巻、第6786頁(1991)の方法にしたがい作成した。洗浄された血小板 をHepes−Tyrode緩衝液(0.137MのNaCl、3mMのKCl 、0.4mMのNaH2PO4、12mMのNaHCO3、1mMのMgCl2、2 0mMのグルコースを含有する14.7mMのHepesおよび0.2%のウシ 血清アルブミン)(pH7.35)にてセファローズ2Bカラムでのゲル濾過に より作成した。凝集および分泌試験のための血小板をシュマイエル等、ブラッド 、第56巻、第1013頁(1980)の方法にしたがい5−[14C]ヒドロキ シトリプタミンと共に37℃で30分間にわたり培養した。5−[14C]ヒドロ キシトリプタミンで放射能標識された洗浄血小板(2×108/mLの最終濃度 )を凝集計[クロノログ・コーポレーション、ヘイベルタウン、PA]のキュベ ットに添加し、メロニー等(上記)の方法により基準化した。ZnCl2を添加 した後、最終濃度50μMの精製されたHK(1μM)もしくは各種の濃度のペ プチド(0.1〜3mM)または緩衝液単独をキュベットに添加した。基線を安 定化させた後、α −スロンビン[0.125U/mL(1nM)の最終濃度]を次いで添加して血 小板活性化を開始させた。撹拌された血小板をα−スロンビンおよび添加物と共 に1分間培養した。他の実験において、血小板をTRAP(0.625〜2.5 μM)、ADP(1〜5μM)(シグマ社)、コラーゲン(1.25μg/mL )(ホルム、ミュンヘン、ドイツ国)またはU−46619(1μM)(カルビ オケム・ベーリング社、サンジエゴ、CA)で刺激した。ヒトフィブリノーゲン (100mg/dL)の存在下にγ−スロンビン(1nM)で刺激された洗浄血 小板を用いて追加実験を行った。γ−スロンビンおよびヒトフィブリノーゲンの 両者はエンザイム・リサーチ・ラボラトリース、サウス・ベント、INから購入 した。培養の終了後、全血小板試料を10,900×g(モデルE、ベックマン ・インストルメント社、パロ・アルト、CA)にて0.135mMのホルムアル デヒド、5mMのEDTA溶液(血小板懸濁物4部に対しホルムアルデヒド−E DTAI部)に対し遠心分離し、上澄液の1部を5−[14C]ヒドロキシトリプ タミン分泌につき分析するまで氷上に貯蔵した。分泌%を、作用剤処理された試 料の上澄液における5−[14C]ヒドロキシトリプタミンの損失と、比較上澄液 の数値(すなわち未刺激試料における5−[14C]ヒドロキシトリプタミンのレ ベル)を両者から引算した後の血小板溶解物の上澄液における5−[14C]ヒド ロキシトリプタミンの損失との比によ り決定した。 第1A〜1C図に示したように、アミノ酸配列Arg−Pro−Pro−Gl y−Phe(SEQ ID NO:20)を含有した各ペプチドはα−スロンビ ン誘発の血小板凝集および分泌の濃度依存性抑制を示した。全ての場合、血小板 凝集の抑制程度は、ペプチドの所定濃度にて血小板分泌の抑制程度より大であっ た。試験したもののうち、最も有力なスロンビン抑制剤はBK同族体SEQ I D NO:14であって、それぞれ0.23および0.5mMのIC50にて血小 板凝集および分泌を示した(第1表)。BK(SEQ ID NO:1)もα− スロンビン誘発の血小板活性化につき有力な抑制剤であって、それぞれ凝集およ び分泌の抑制につき0.25mMのIC50および1.0mMを有した。天然BK 配列セグメントの4個のカルボキシ末端アミノ酸と12個の追加アミノ酸とから なるBK同族体SEQ ID NO:18は極く僅かなα−スロンビン誘発の血 小板活性化の抑制を示し、IC50≧3mMであった。天然BK配列セグメントA rg−Pro−Pro−Gly−Phe(SEQ ID NO:20)の5個の アミノ末端アミノ酸を含むBK同族体は0.5mMのIC50にてα−スロンビン 誘発の血小板凝集を抑制した。1mMにてSEQ ID NO:20は血小板凝 集の95%および分泌の25%を抑制したのに対し、アミノ酸SEQ IDNO :20、SEQ IDNO:5およびSEQ ID NO:9を有する2種の混雑ペプチドは1mMにてα−スロンビン誘発の血小板 凝集および分泌を抑制しなかった。BK、SEQ ID NO:7およびSEQ ID NO:16の中間もしくはカルボキシ末端領域のBK同族体はIC50≧ 2mMにてα−スロンビン詞発の血小板活性化の貧弱な抑制剤であった。さらに 、天然BKアミノ酸配列のアミノおよびカルボキシル末端アルギニン残基はα− スロンビン誘発の血小板活性化の抑制に関与することも明かである。血小板活性 化を封鎖するBK同族体の能力は、BK同族体がコラーゲン−またはU4661 9−誘発の血小板凝集および分泌を抑制しなかった点でスロンビン誘発血小板活 性化につき特異的であった。さらに、BK同族体は100mg/dLのヒトフィ ブリノーゲンの存在下および血小板リッチな血漿にてγ−スロンビン誘発(1m M)の血小板活性化を抑制した。 第I表 BKおよびBK同族体によるα−スロンビン 誘発血小板凝集および分泌の抑制 IC50 註*:示したデータは3回もしくはそれ以上の同様な実験の平均である。 B.カルシウム可動化のBK同族体抑制 さらに試験を行って、BK同族体が血小板におけるα−スロンビン誘発のCa2+ 可動化を抑制するかどうかを確認した。血小板刺激反応カップリングのα−ス ロンビン活性化は血小板凝集に先立つので[シャロ等、ジャーナル・クリニカル ・インベスチゲーション、第60巻、第866頁(1977)]、BK同族体が α−スロンビン誘発のカルシウム可動化を抑制するという知見は、BK同族体が 刺激反応カップリングメカニズムのレベルにて血小板のα−スロンビン活性化を 阻害することを示す。 細胞質の遊離Ca2+濃度([Ca2+i)を蛍光Ca2+指示薬フラ−2[モレ キュラ・プローブス・インコーポレーション、ユーゲン、OR]を用いて測定し た。Hepes−Tyrode緩衝液におけるゲル濾過血小板に、ラスムッセン 等、ジャーナル・バイオロジカル・ケミストリー、第268巻、第14322頁 (1993)の方法にしたがい37℃にて1μMのフラ−2/アセトキシメチル エステルと共に45分間にわたり培養することにより、フラ−2を充填した。次 いで、標識された血小板を再ゲル濾過して過剰のプローブを除去した。標識され た血小板懸濁物の1部を磁気撹拌機を侑えた石英キュベットに移し、次いでこれ を蛍光分光光度計[ジュアル・ウェイブ・レンス・シマズ SP5000型スペ ク トロフルオロメータ、シマズUSA、ピッツバラ、PA)にて37℃の恒温制御 チャンバに入れた。各試薬をキュベットに直接添加した。励起波長を340〜3 80nmの範囲で変化させた。フィッシャー等、モレキュラ・ファーマコロジー 、第35巻、第195頁(1989)により報告されたように、510nmにお ける発光を記録して蛍光を測定した。最小発光を20mMのジギトニン、10m MのEGTA溶解血小板試料にて測定し、最大発光を10mMのCa2+を添加し た同じ試料につき測定した。血小板内の遊離Ca2+濃度をグリキエウィッツ等、 ジャーナル・バィオロジカル・ケミストリー、第260巻、第3440頁(19 85)の方法により計算した。蛍光測定値の比をR=340/380nmとして 計算し、式[Ca2+i=KD((R−Rmin)/Rmax−R))(Sf2/Sb2)に したがい処理して血小板内の遊離Ca2+濃度を測定した。フラ−2のKDは22 4nMであると推定された。RmaxおよびRminは、それぞれ実験の終了時に測定 した最大および最小の蛍光比である。Sf2およびSb2は、それぞれ飽和[Ca2+ ]の存在下および不存在下における380nmでの蛍光値である。 第2A図に示したように、スロンビン単独はHKにより抑制されたCa2+可動 化の相当な変化を誘発する(第2B図)。BKおよびBK同族体SEQ ID NO:14は、その親蛋白質HKと同様にα−スロンビン誘発カルシウム可動化 を封鎖する(第2C図および第2D図) 。BKおよびBK同族体SEQ ID NO:14の増加濃度は、それぞれ0. 23および0.3mMのIC50にて減少Ca2+可動化をもたらした。濃度依存性 試験の結果を第3図に示す。 さらにSEQ ID NO:20は濃度依存的にα−スロンビン誘発のカルシ ウム可動化を抑制しうることも見出された。1mMのBK同族体SEQ ID NO:20はα−スロンビン誘発カルシウム可動化の80%抑制を示した(第4 B図)。BK同族体SEQ ID NO:20の濃度を0.5mMおよび0.1 25mMまで減少させると、α−スロンビン誘発のカルシウム可動化のレベルは α−スロンビン抑制剤の不存在下で示されたレベルまで戻った(第4A図)。こ れらの結果を第4C図および第4D図にそれぞれ示す。これらデータは、BK同 族体が刺激反応カップリングメカニズムのレベルにて血小板のα−スロンビン活 性化を疎外したことを示す。 C.BK同族体は血小板に対する125I−α−スロンビン結合を抑制しない 125I−α−スロンビン結合試験を行って、ここに記載したBK同族体が血小 板に対する沃素化α−スロンビン結合を抑制したかどうかを決定した。 ゲル濾過された血小板をポリプロピレン管に入れ、2mMのCaCl2と50 μMのZnCl2と添加物とを含有するHepes−Tyrode緩衝液により 2×108血小板/mLの最終濃度まで希釈した。反応を1n Mの125I−α−スロンビンの添加により開始させ、これはメロニー等、ジャー ナル・バイオロジカル・ケミストリー、第266巻、第6786頁(1991) により報告されたイオドゲン技術を用いて作成した。培養を37℃にて特定時間 にわたり種々の添加物を用いて行った。培養の後、50μL部分を各実験につき 3反復で取出し、ポリプロピレン微小遠沈管に、1部のアピエゾンA油と9部の n−ブチルフタレートとよりなる200μLの油混合物を含有した延長先端と共 に入れ[グスタフソン等、ジャーナル・クリニカル・インベスチゲーション、第 78巻、第810頁(1986)]、次いで微小遠沈管[モデルE、ベックマン ・インスツルメンツ社、パロ・アルト、CA]にて10,900×gで2分間に わたり室温にて遠心分離した。上澄液を取出し、先端部をγカンウタに挿入すべ く切断した。細胞ペレット中に存在する放射能をLKBラック・ガンマー・カウ ンタ[LKBインスツルメンツ・インコーポレーション、ガイセルスブルグ、M D]により測定した。非特異性結合を100倍モル過剰のα−スロンビンの存在 下に測定した。 第5図にプロットしたデータは3回の実験の平均値であって、200nMのH Kが蛋白分解活性のα−スロンビンを血小板への結合から抑制しえたことを示す 。これに対し、BK同族体はα−スロンビン誘発の血小板凝集、分泌およびカル シウム可動化の1mM濃度における良好な抑制剤であったが、BK同族体SEQ ID NO: 14およびSEQ ID NO:8は洗浄された血小板に対する125I−α−ス ロンビン結合を封鎖しなかった。これらデータは、BK同族体がα−スロンビン 抑制の血小板活性化を抑制するメカニズムがHK、LKもしくはD3により示さ れるメカニズムとは異なることを示し、すなわちこれらは血小板に対する125I −α−スロンビン結合を封鎖しない。 D.流れサイトメトリーにより測定される血小板のα−スロンビン活性化のBK 同族体抑制メカニズム 流れサイトメトリー試験を行って、BK同族体がリセプタのα−スロンビン開 裂の後に喪失されるスロンビンリセプタにおけるエピトープを除去することから α−スロンビンを防止するかどうかを決定した。SPAN12は血小板における スロンビンリセプタに対する抗体であって、この種のエピトープにつき特異性で ある。モノクローナル抗体ATAP138により認識されるエピトープに対する BK同族体の作用を決定するための試験をも行った。抗体は、α−スロンビンが リセプタを開裂させた後に保持されるスロンビンリセプタにおけるエピトープに 向けられる(第7A〜7D図)。 モノクローナル抗体SPAN12を12アミノ酸 まで成育させ、これはα−スロンビン開裂部位をスロンビンリセプタ上にモリノ ット等、ジャーナル・バイオロジカル・ケミストリー、第270巻(出版中)( 1995)の方法により架橋させる。モノクローナル抗体ATAP138はブラ ス等、ジャーナル・バイオロジカル・ケミストリー、第267巻、第13795 頁(1992)に報告されたようにα−スロンビンによる開裂の後に保持される スロンビンリセプタにおけるエピ を認識する。スロンビンリセプタに対するモノクローナル抗体SPAN12およ びATAP138はF.ローレンス博士、ブラス・オブ・ユニバー シティー・オブ・ペンシルバニアから入手し、ブラス等(上記)の方法により作 成された。 流れサイトメトリー試験のための血小板は、8.7mLのクエン酸デキストロ ース(10mMのクエン酸三ナトリウム、66mMのクエン酸、111mMのグ ルコース、pH4.6)で凝固防止された新鮮な53.3mLの血液から作成し た。血小板リッチな血漿からの洗浄血小板を室温にて180×gで15分間にわ たり遠心分離することにより作成した。血小板リッチな血漿をPGE1(シグマ 社)および1:25(vol:vol)にて1Mのクエン酸ナトリウムにより2 .8μMの最終濃度にした。5分間の室温における培養の後、血小板リッチな血 漿を室温にて1200×gで10分間にわたり遠心分離した。次いで血小板ペレ ットを10mLの血小板洗浄緩衝液(128mMのNaCl、4.26mMのN aH2PO4、7.46mMのNa2HPO4、4.77mMのクエン酸ナトリウム 、2.35mMのクエン酸、5.5mMのグルコース、3.5mg/mLのウシ 血清アルブミン、pH6.5)に再懸濁させ、次いで室温にて1200×gで5 分間にわたり遠心分離した。5mLの血小板懸濁緩衝液(137mMのNaCl 、2.6mMのKCl、13.8mMのNaHCO3、5.5mMのグルコース 、1mMのMgCl2、0.36mMのNaH2PO4、10mMのHepes、 3.5mg/mLのウシ血清アルブミン、pH7.35)に再懸濁させ た後、血小板カウント数を400,000/μLに調整した。100μLの洗浄 された血小板を次いで5mLの丸底ポリスチレン管に入れ、BK同族体への露出 またはその不存在および/または血小板作用物質α−スロンビン(0.125U /mLもしくは1nM)と共にまたはそれなしの5分間にわたる培養を含め各種 の処理にかけた。一次抗体を2μg/mLの最終濃度で添加し、抗体を血小板と 共に4℃にて30分間にわたり培養した。培養の後、血小板を500μLの血小 板懸濁緩衝液で希釈し、1200×gにて室温で5分間にわたり再び遠心分離し た。次いで血小板ペレットを100μLの血小板懸濁緩衝液に再懸濁させ、FI TCと結合した抗マウスIgGの1:40希釈物と共に培養した。さらに30分 間にわたり40℃で培養した後、血小板を再び1200×gにて5分間にわたり 遠心分離し、次いで500μLの血小板懸濁緩衝液に再懸濁させた。 マウスIgGおよびエピトープCD62に対する抗体を比較として用いた。マ ウスIgG(コードNo.4350)はビオソース社、カマリロ、CAから購入 した。血小板に対する結合FITC−抗IgGの蛍光をエピックス−C流れ血球 計[クールター・エレクトロニックス社、ヒアリー、FL]で監視した。散乱光 および蛍光チャンネルを対数増加に設定した。レーザー励起を488nmにした 。緑色蛍光を525nmバンドパスフィルタで観察した。少なくとも15,00 0血小板の相対蛍光 強度を各試料にて分析した。CD62(P−セレクチン)に対する抗体はベクト ン・ジキンソン(カタログNo.550014)、サン・ジョーズ、CAから購 入した。 流れサイトグラムの前方スキャッターにより見られるように(第6A図、コー スト曲線)、SPAN12は未刺激血小板におけるスロンビンリセプタの抗原を 検出する。スロンビンリセプタはルー等、セル、第64巻、第1057頁(19 91)により記載された。洗浄された血小板を1nMのα−スロンビンで処理す ると(第6A図、実線曲線)、モノクローナル抗体SPAN12のエピトープの 抗原発現の減少が生じた。未刺激血小板にて見られたSPAN12エピトープの 前方スキャッター(第6A図のゴースト曲線)は、α−スロンビン活性化血小板 における源泉の方向に移動し(実線曲線、第6B図)、比較として使用したマウ スIgG(第6F図)と同様な不存在の抗原検出パターンを与えた。1mMのB KおよびBK同族体SEQ ID NO:14の存在はα−スロンビン活性化血 小板(1nM)におけるスロンビンリセプタのエピトープの損失を防止した(第 6B図および第6C図)。しかしながら、1nMのSEQ ID NO:18、 BK同族体SEQ ID NO:14のアミノ酸配列に部分的に重なるBK同族 体、またはBK同族体SEQ ID NO:14に類似するアミノ酸含有量を有 する1nMの未関連ペプチド(SEQ ID NO:14)は、α−スロンビン をエピトープをSPA N12まで変換させることから防止しなかった(第6D図および第6F図)。特 定の理論に拘束するものでないが、これら試験はBK同族体が実際にα−スロン ビンをそのクローン化リセプタの開裂から防止することにより機能することを示 唆する。 活性化(実線曲線)と未活性化(ゴースト曲線)との間のATAP138のエ ピトープ発現の程度で見られる減少(第7A図)はホクシー等、ジャーナル・バ イオロジカル・ケミストリー、第268巻、第13756頁(1993)および ブラス等、ジャーナル・バイオロジカル・ケミストリー、第269巻、第294 3頁(1994)により示唆された活性化の後の血小板スロンビンリセプタのイ ンタナリゼーションを示す。BK同族体SEQ ID NO:14は、α−スロ ンビンをモノクローナル抗体ATAP138のエピトープの除去から封鎖した( 第7B図)。比較実験をもマウスIgG(第7C図)およびCD62に対するエ ピトープ(第7D図)を用いて行い、これらはα−スロンビン活性化の前後に流 れサイトグラムにおける移動を示さない。 E.BK同族体はα−スロンビンをスロンビンリセプタの開裂から防止する 他の試験を行ってBK同族体がα−スロンビンをブー等、セル、第64巻、第 1057頁(1991)により報告されたスロンビンリセプタの開裂から防止す るかどうか決定した。スロンビンリセプタにおけるα−スロン ビン開裂部位のアミノ酸55〜46をスパンするペプチドNAT12(SEQ ID NO:2)を用いて、ここに記載したBK同族体がクローン化リセプタの α−スロンビン開裂を封止したかどうか決定した。 開裂試験をモリノ等、ジャーナル・バイオロジカル・ケミストリー、第270 巻、第11168頁(1995)の方法にしたがって行い、ここではNAT12 (SEQ ID NO:2)を0.01MのNaH2PO4および0.15MのN aClの溶液(pH7.4)に溶解させた。次いで、この混合物を8nMのα− スロンビンと共に37℃にて1時間にわたり1mMのBK同族体(SEQ ID NO:20)の存在下もしくは不存在下(比較)または1mMの非−BK同族 体(SEQ ID NO:22)の存在下または300nMのHKの存在下に培 養した。培養の後、各混合物をバイアデックC−18HPLCカラムに0.1% トリフルオロ酢酸にて施すと共に混合物を0〜100%の80%MeCNおよび 0.1%のトリフルオロ酢酸の濃度勾配で溶出させると共に混合物を0〜100 %の80%MeClおよび0.1%トリフルオロ酢酸の濃度勾配で溶出させるこ とにより分離した。分離された生成物の寸法を質量分光光度法により確認した。 第8図に示したように、HPLCにより測定されたNAT12(SEQ ID NO:2)は単一のピークを示した。第8A図のピーク1は100%を示す。 NAT 12(SEQ ID NO:2)をα−スロンビンで処理した場合(第8C図、 ピーク1)、そのピーク領域は81%だけ減少し、2つの新たなピークがその左 側に出現して初期ピーク領域のそれぞれ44%(ピーク3)および37%(ピー ク2)を示した(第8A図)。第8C図に示した追加ピーク(すなわちピーク3 および2)はNAT12の開裂生成物を示す。BK同族体(SEQ ID NO :20)の存在下(第8D図)において、NAT12(SEQ ID NO:2 )のピーク1はα−スロンビンでの処理後に57%だけ減少した。NAT12の 開裂生成物(第8D図、ピーク3および2)は、それぞれ未処理ピーク領域(第 8A図)の31%および26%を構成する。 第8B図は分離されたBK同族体SEQ ID NO:20のクロマトグラフ を示す。NAT12(SEQ ID NO:2)をBK同族体SEQ ID N O:20の存在下にα−スロンビンで処理した場合、BK同族体SEQ ID NO:20のピークがα−スロンビン開裂生成物(第8D図、ピーク3および2 )のピーク間に出現した。100nMのHKの存在において、α−スロンビンは NAT12(SEQ ID NO:2)(第8A図)の初期ピークの寸法を僅か 32%だけ減少させた(第8E図)。さらに、2種のα−スロンビン開裂フラグ メント(すなわち第8E図におけるピーク3および2)はそれぞれ第8A図にお けるピーク1の領域の僅か18 %および14%を構成した。第8E図に見られる第4ピークはHK調製物からの ピークを示し、追加α−スロンビン開裂断片でない。 非−BK同族体(キニノゲンのドメイン3から得られる)(SEQ ID N O:22)をNA112(SEQ ID NO:2)と反応させた場合、α−ス ロンビン開裂からの保護は観察されなかった(第8F図)。非−BK同族体(S EQ ID NO:22)の存在下に、α−スロンビンは無傷NAT12(SE Q ID NO:2)と対比してピーク面積(第8F図)における86%減少を 示すと共に、それぞれピーク3および2にて54%および32%のピーク面積が ピーク1(第8A図)と比較して減少した。 これらの結果は、ここに記載したBK同族体がα−スロンビンをクローン化ス ロンビンの開裂から防止したことを確認する。これは血小板のα−スロンビン活 性化の抑制に関する新規なメカニズムを示すと思われる。 III.BK同族体はインビボおよびインビトロにて血小板機能を抑制する 追加試験を行って、ここに記載したBK同族体がウサギにてインビボおよびヒ ト血小板にてインビトロでスロンビン誘発の血小板活性化を抑制することを示し た。 A.ウサギクリアランスおよび機能抑制の試験 クリアランス試験を、BK同族体SEQ ID NO:20を有するニュージ ーランド白ウサギで行った。体重 2.0〜2.5kgの白ウサギを予めミッシェルソン等、ジャーナル・モレキュ ラ・セル・カルジオロジー、第20巻、第547頁(1988)の方法にしたが い10mg/kgの1Mキシラジンおよび10mg/kgの1Mケタミンにより 予備処理した。器官切開、挿管および室内空気での陽圧換気(ハーバード・イン スツルメント社)の後、第III段階の手術麻酔を20mg/mLの静脈内ペン トバルビタールで維持した。頸動脈および頸静脈を次いで露出させた。カテーテ ルを露出頸動脈に血液試料を抜き取るため挿入すると共に、動物の血圧を監視し た[ゴウルド・インコーポレーション、カルジオバスキュラ・プロダクツ、オッ クスナルド、CA]。同様にして、カテーテルを露出された頸静脈に挿入て、麻 酔剤およびBK同族体SEQ ID NO:20を投与した。 クリアランス試験のため、単一ボルスのBK同族体SEQ ID NO:20 を注射した。注射したBK同族体SEQ ID NO:20の量を、血液容量が ペプチドで1mMとなるよう動物の体重から計算した。たとえば2.5kgのウ サギにつき、体重の7%は175mLの推定血液容量を与える。したがって、8 9mgのBK同族体を注射して、175mLの血漿試料を1mMにした。動物の 体格に応じ、75〜90mgのペプチドを注射した。血液試料を、0.013M のクエン酸ナトリウム抗凝集剤溶液中に注入した後に2分間、4分間、6分間、 8分間、10分間、20分間、30分間、40分間、 60分間、90分間および120分間の間隔にて集めた。血漿を経時的に回収し た各血液試料から10,00×gにて2分間にわたる血液試料の遠心分離により 作成した。血漿の1部を、ELISA技術により大日本製薬株式会社、大阪、日 本国からのマルキット−M[1−5]BK分析を用いBK同族体SEQ ID NO:20抗原の存在につき分析した。 機能抑制試験につき、体重2.0〜2.5kgの他のニュージーランド産白ウ サギを上記と同様に手術作成した。上記したように計算されたBK同族体SEQ ID NO:20の単一ボルス注入の後、5mLの血液試料を0.013Mの クエン酸ナトリウム抗凝固剤溶液中に注入した後に2分間、6分間、10分間、 30分間、60分間、90分間、120分間、150分間、180分間、210 分間および240分間の間隔にて回収した。回収された血液試料を180×g( 1000rpm)にて15分間にわたり室温で遠心分離した。血液の血小板リッ チな血漿(PRP)部分は上澄液に含有された。H−10セルカウンタ[テキサ ス・インターナショナル・ラボラトリース・インコーポレーション、ヒュースト ン、TX]で得られたPRPの血小板カウント数をウサギ血小板プアの血漿で2 00,000〜250,000血小板/μLに調整した。 PRPにおける血小板凝集試験を4−チャンネルの凝集計[ビオデータ−PA P−4、ビオ・データ・コーポ レーション、ハットボロー、PA]にて行った。血小板凝集の程度を、37℃に 維持されたPRPの撹拌懸濁物に対する光透過の増加を測定して決定した。血小 板凝集を、20μMのADPおよびγ−スロンビンの添加によりハーフェニスト 等、スロンビン・ヘモスト、第53巻、第183頁(1985)の方法にしたが いPRP試料にて誘発させた。γ−スロンビン[エンザイム・リサーチ・ラボラ トリース社、サウス・ベンド、IN]をα−スロンビンの代わりにこの試験に用 いた。何故なら、これはフィブリノーゲンを蛋白分解せずに血小板リッチな血漿 を凝固させるからである。ヒト血小板と同様に、ウサギ血小板はγ−スロンビン に対し種々の反応を示す。各ウサギ血小板をBK同族体注入の前にそのγ−スロ ンビンに対する域値反応につき評価した。この実験に用いたウサギ血小板は10 〜40nMのγ−スロンビンに対し反応した。同時にγ−スロンビン−誘発の血 小板凝集試験を10nM、20nMおよび40nMのγ−スロンビン並びに20 μMのADPにより行った。 第9図に示したように、注入後のBK同族体SEQ ID NO:20のピー ク血漿濃度はELISAにより測定して3種のウサギのうち2匹につき60mg /mL(0.120mM)であった。BK同族体のボルス注射の後、動物には好 ましくない作用が検出されなかった。ウサギの血圧、脈搏および血小板カウント 数は安定に留まり、切断部および挿管部の手術部位に異常な出血は存 在しなかった。血漿におけるBK同族体SEQ ID NO:20抗原クリアラ ンスの半減期は注入の6.6分間後であると計算された。BK同族体SEQ I D NO:20のクリアランスは初期には腎臓排泄に基づかなかった。何故なら 、動物の腎臓動脈の結窄は薬剤の半減期を長期化させなかったからである(第9 図、ウサギ2)。したがって、BK同族体SEQ ID NO:20抗原の即座 のクリアランスの主たる決定子は結合および/またはメタボリズムに帰因した。 しかしながら第10図に示したように、BK同族体SEQ ID NO:20 は長期の生物学的クリアランスを有した。BK同族体SEQ ID NO:20 の1回のボルス注入の後、10nMのγ−スロンビン誘発血小板凝集は4時間以 上にわたり100%抑制され(データ示さず)、20nMのγ−スロンビン誘発 の血小板凝集は2.75時間にわたり≧50%抑制され、また40nMのγ−ス ロンビン誘発の血小板凝集は1時間にわたり≧50%抑制された。このデータは さらに、大凡45分間にわたりADP−誘発の血小板凝集の≧50%抑制が存在 したことを示した。この知見は、スロンビンがインビボでもADP−誘発の血小 板活性化を媒介することを示唆した。要約して、データは注入の2分間後に僅か 0.120mMのピークペプチド濃度を有するBK同族体SEQ ID NO: 20の1回のボルス注入後に、ここに記載したBK同族体がインビボにてスロン ビン誘発の 血小板活性化に対し長期の選択的抑制作用を示しうることを示す。 B.BK同族体はインビトロにてヒト血小板におけるスロンビン誘発の血小板活 性化を抑制する ニュージーランド白ウサギで行ったインビトロの血小板凝集試験と同様に、ヒ ト血小板を用いて試験を行い、BK同族体がインビトロにてスロンビン誘発の血 小板活性化を抑制するかどうか決定した。 ヒト血小板試験の方法はセクションIII.Aにて上記した白ウサギに関する 機能試験と同一にしたが、以下の相違点を伴う。 血液試料を正常なヒト志願者から入手した。血小板カウント数をクールター・ カウンタ・モデル2F[クールター、ヒアリー、FL]で測定すると共に200 ,000血小板/μLの血小板カウント数に調整した。基線における各個人の血 小板をγ−スロンビンに対する域値反応につき測定した。典型的な域値レベルは 10〜40nMの範囲であった。 第11図は、γ−スロンビン誘発の血小板活性化につきヘテロダイマーBK同 族体(標識「ヘテロダイマー」)および4−MAPを用いた結果を示す。PRP におけるヒト血小板を20nMのγ−スロンビンで処理した。第11図は、凝集 計からの追跡を示す。1mMのBK同族体SEQ ID NO:20もしくは0 .05mMの4−MAPまたは0.5mMのヘテロダイマーを20nM のγ−スロンビンと反応させた場合は、凝集追跡を省略した。この反応の特異性 は、その結果を1mMの非−BK同族体ペプチド(SEQ ID NO:22) で行った反応の結果と比較して示した。SEQ ID NO:22、は血小板活 性化を誘発するγ−スロンビンの能力を変化させることができなかった。 要約して、ウサギおよびヒトの血小板機能抑制試験、並びにウサギクリアラン ス試験からのデータは、ここに記載したBK同族体がスロンビン誘発およびAD P誘発の血小板活性化を抑制しえたことを示す。 合成、製造および分析の各方法に関する引例を全て参考のためここに引用する 。 以上、本発明を実施例につき説明したが、本発明は他の形態においても本発明 の思想および範囲を逸脱することなく実現しうることが当業者には了解されよう 。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 7/04 ZNA C07K 7/08 7/06 A61K 37/42 7/08 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SI,SK,TJ,TM,TR,TT ,UA,US,UZ,VN (72)発明者 ハサーン,アーメイド エイ ケイ アメリカ合衆国 ミシガン州 48130 デ クスタ デクスタ−アン アーバ ロード 5940

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. スロンビン誘発の血小板もしくは他の細胞の活性化を抑制するに際し、処 置を必要とする個人に有効量のペプチドを投与することをふくみ、前記ペプチド は式 X1−Arg−Pro−Pro−Gly−X2 [式中、X1は0〜30個の天然もしくは合成アミノ酸であり; X2は0〜30個の天然もしくは合成アミノ酸である] のアミノ酸配列を有し、ただしペプチドは天然ブラジキニンであってはならない ことを特徴とする抑制方法。 2. ペプチドがArg−Pro−Pro−Gly−Phe(SEQ ID N O:20)を有する請求の範囲第1項に記載の方法。 3. X1が0〜7個のアミノ酸であり、X2が0〜9個のアミノ酸である請求の 範囲第1項に記載の方法。 の方法。 7. スロンビン誘発の血小板もしくは他の細胞の活性化を抑制するに際し、処 置を必要とする個人に有効量のペプチドを投与することをふくみ、ペプチドはア ミノ酸 を有することを特徴とする抑制方法。 8. スロンビン誘発の血小板もしくは他の細胞の活性化を抑制するに際し、処 置を必要とする個人に有効量のペプチドを投与することをふくみ、前記ペプチド はアミノ酸配列X1−Arg−Pro−Pro−Gly−X2を有する1個もしく はそれ以上のセグメントからなり、ペプチドは式: [式中、Lは共有結合もしくは化学基からなるリンカーであり; X1は各セグメントにて同一でも異なってもよく0〜30個の天然もしくは合成 アミノ酸であり; X2は各セグメントにて同一でも異なってもよく0〜30個の天然もしくは合成 アミノ酸であり; nは2〜20の整数である] を有することを特徴とする抑制方法。 9. セグメントの少なくとも2個が異なる請求の範囲第8項に記載の方法。 10. 各セグメントが同一である請求の範囲第8項に記載の方法。 11. nが2〜4である範囲第8項に記載の方法。 12. セグメントがArg−Pro−Pro−Gly−Phe(SEQ ID NO:20)を有する請求の範囲第8項に記載の方法。 13. ペプチドが: である請求の範囲第8項に記載の方法。 14. ペプチドが:である請求の範囲第8項に記載の方法。 15. 処置を必要とする個人に有効量のペプチドを投与することをふくみ、前 記ペプチドは式: [式中、X1は0〜30個の天然もしくは合成アミノ酸であり; X2は0〜30個の天然もしくは合成アミノ酸である] のアミノ酸配列を有し、ただしペプチドは天然ブラジキニンであってはならない ことを特徴とする血小板凝集の防止方法。 16. ペプチドがArg−Pro−Pro−Gly−Phe(SEQ ID NO:20)を有する請求の範囲第15に記載の方法。 17. X1が0〜7個のアミノ酸であり、X2が0〜9個のアミノ酸である請求 の範囲第15項に記載の方法。 18. 処置を必要とする個人に有効量のペプチドを投 与することをふくみ、前記ペプチドはアミノ酸配列X1−Arg−Pro−Pr o−Gly−X2を有する1個もしくはそれ以上のセグメントからなり、ペプチ ドは式: [式中、Lは共有結合もしくは化学基からなるリンカーであり; X1は各セグメントにて同一でも異なってもよく0〜30個の天然もしくは合成 アミノ酸であり; X2は各セグメントにて同一でも異なってもよく0〜30個の天然もしくは合成 アミノ酸であり; nは2〜20の整数である] を有することを特徴とする血小板凝集の防止方法。 19. セグメントの少なくとも2個が異なる請求の範囲第18項に記載の方法 。 20. 各セグメントが同一である請求の範囲第18項に記載の方法。 21. nが2〜4である範囲第18項に記載の方法。 22. 各セグメントがArg−Pro−Pro−Gly−Phe(SEQ I D NO:20)を有する請求の範囲第18項に記載の方法。 23. ペプチドが: である請求の範囲第18項に記載の方法。 24. ペプチドが: である請求の範囲第18項に記載の方法。 25. 処置を必要とする個人に有効量のペプチドを投与することをふくみ、前 記ペプチドは式: [式中、X1は0〜30個の天然もしくは合成アミノ酸であり; X2は0〜30個の天然もしくは合成アミノ酸である] のアミノ酸配列を有し、ただしペプチドは天然ブラジキニンであってはならない ことを特徴とするADP−誘発の血小板活性化の抑制方法。 26. セグメントがArg−Pro−Pro−Gly−Phe(SEQ ID NO:20)を有する請求の範囲第25に記載の方法。 27. X1が0〜7個のアミノ酸であり、X2が0〜9個のアミノ酸である請求 の範囲第25項に記載の方法。 28. 処置を必要とする個人に有効量のペプチドを投与することをふくみ、前 記ペプチドはアミノ酸配列X1−Arg−Pro−Pro−Gly−X2を有する 1個もしくはそれ以上のセグメントからなり、ペプチドは式: [式中、Lは共有結合もしくは化学基からなるリンカーであり; X1は各セグメントにて同一でも異なってもよく0〜30個の天然もしくは合成 アミノ酸であり; X2は各セグメントにて同一でも異なってもよく0〜30個の天然もしくは合成 アミノ酸であり; nは2〜20の整数である] を有することを特徴とするADP−誘発の血小板活性化の防止方法。 29. 各セグメントが同一である請求の範囲第28項に記載の方法。 30. セグメントの少なくとも2個が異なる請求の範囲第28項に記載の方法 。 31. nが2〜4である範囲第28項に記載の方法。 32. セグメントがArg−Pro−Pro−Gly−Phe(SEQ ID NO:20)を有する請求の範囲第28項に記載の方法。 33. ペプチドが: である請求の範囲第28項に記載の方法。 34. ペプチドが:である請求の範囲第28項に記載の方法。 35. 式: を有する化合物。 36. 医薬キャリヤと請求の範囲第37項に記載の式を有する化合物とをふく む医薬組成物。 37. 式: を有する化合物。 38. 医薬キャリヤと請求の範囲第37項に記載の式を有する化合物とをふく む医薬組成物。
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