JP2001511715A - ツールとツールホルダーを組み立てかつ分解するための装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、ツールと、とくにマンドレルのような、ツールホルダーを組み立てかつ分解するための装置を提供することを目的とする。この装置は、ツールホルダー（３）を収容および保持するための手段（５）と、スリーブ嵌め込みを行うことによってツール（３）を収容するようになされたツールホルダー（３）の一部分（３’）を誘導加熱する手段と協働して、ツール（２）をスリーブ嵌め込みしかつ抜くための手段（６および７）とを備えた支持フレーム（４）から本質的に構成されることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 ツールとツールホルダーを組み立てかつ分解するための装置 本発明は、工作機械のアクセサリーの分野に関し、より詳細には、高速機械加 工によるような、あるいは、高精度の同心性が要求されるような、ディジタル制 御工作機械、マシニングセンター、トランスファーマシン、または、トランスフ ァーラインに関し、ツールホルダーの熱膨張によってツールとツールホルダーを 自動的に組み立てかつ分解する装置を提供することを目的とする。 複数のツール／ツールホルダーを組み立てることに関連して、フーピング（ｈ ｏｏｐｉｎｇ）する方法が従来から知られている。 したがって、現在、スリーブ嵌め込み（ｅｎｓｌｅｅｖｅ）のために人手を介 在させて複数のツール／ツールホルダーをフーピングする装置があるが、それは 、ツールホルダーを回転させることを必要とし、所望の高さにわたって、完璧に スリーブ嵌め込みを保証するものではなく（機械加工されるツールを紛 失する可能性がある）、さらに、工業的に採用するのに必要とされる、使用時の 安全性を備えていない。 さらに、現在、複数のツールホルダーまたはツール／ツールホルダーアセンブ リの加熱は、炎を直接にあてることによってか、あるいは、輻射熱の放射または 熱風の流し込みによってか、さらには、導電接触によってかのいずれかで実行さ れ、最初の２つの加熱技術は、工業的な環境においては、多くの場合取り扱いが むつかしく、３番目の加熱技術は、加熱時間があまりにも長くなりすぎる点でそ れほど効果的なものではない。 さらに、知られているプロセスあるいは装置は、どれも、ツールとツールホル ダーを組み立てあるいは分解するのにちょうど必要とされる値に加熱することが できない。 本発明は、とくに、過熱によってツールホルダーを損傷しないように、スリー ブ嵌め込みを行うのに（あるいは、分離するのに）ちょうど必要な温度のみを利 用して、最適な安全条件のもとに、ツールの迅速な取り付けおよび取り外しを可 能にする組み立て分解装置を提供することによって、これらの欠点を克服するこ とを目的とする。 このために、本発明は、ツールと、とくにマンドレルのよう な、ツールホルダーを組み立てかつ分解するための装置を提供することを目的と し、この装置は、ツールホルダーを収容および保持するための手段と、スリーブ 嵌め込みによってツールを収容するようになされたツールホルダーの一部分を誘 導加熱する手段と協働して、ツールをスリーブ嵌め込みしかつ抜く手段とを備え た支持フレームによって基本的に構成されることを特徴とする。 以下、添付の図面を参照して、限定するものではない実施例としての好ましい 実施の形態を説明する。それによって、本発明がより良く理解されるであろう。 図１は、本発明による組み立て分解装置の部分断面側面図である。 図２は、図１に示される装置の一部分である誘導ヒーターの異なる縮尺率によ る詳細部分断面側面図である。 図３は、図１に示される装置の線Ａ−Ａに沿った詳細断面図である。 本発明によれば、添付の図１に示されるように、ツール２とツールホルダー３ とを組み立てかつ分解するための装置１は、基本的には、ツールホルダー３を収 容および保持するための手 段５と、スリーブ嵌め込みによってツール２を収容するようになされたツールホ ルダー３の部分３’を誘導加熱する手段８と協働して、ツール２をスリーブ嵌め 込みしかつ抜くための手段６および７とを備えた支持フレーム４から構成される 。 ツールキャリヤー３を収容および保持するための手段５は、例えば、グリップ 手段、あるいは、ジョーがツールホルダー３の本体と密接に接触し合うような形 状を有する万力を備え、該ツールホルダー３の寸法に適合したソケットから構成 されてもよい。 ツール２のスリーブ嵌め込み、そして、とくに、ツールホルダー３からの分離 は、前記ツール２が、ツールホルダー３の熱膨張率よりも実質的に小さい熱膨張 率の値を有する場合、より好ましくは、ツール２が、非磁性体かまたは弱磁性体 からなる場合には、容易なものとなる。 添付の図１に示されるように、支持フレーム４すなわちバンクは、好ましくは 、垂直な構造を有し、スリーブ嵌め込み手段６と、抜く手段７と、誘導加熱手段 ８とが、所定の位置で停止可能に、支持フレーム４に固定された少なくとも１つ のスライドまたはスライドウエイ９、９’に沿って取り付けられ、収容 および保持する手段５に取り付けられたツールホルダー３の縦軸と同軸をなして いる、あるいは心合わせされている。 本発明の１つの特徴によれば、スリーブ嵌め込み手段６と抜く手段７とは、ツ ール２に接触するようにスラスト部材６’、７’によって縦方向に伸びるお互い に逆の動作をなす往復型のアクチュエータからなる。スリーブ嵌め込み手段６は 、ツール２の上方に配置され、抜く手段７は、ツールホルダー３を収容および保 持するための手段５の下方に配置される。ツール２をツールホルダー３に心合わ せして保持するための、かつ、スリーブ嵌め込みしまた分離するときに案内する ための手段１０が、例えば、スライドまたはスライドウエイ９、９’に取り付け られたチューブホルダーの形態で、スリーブ嵌め込み手段６と、ツールキャリヤ ー３を収容および保持するための手段５との間に設けられ、また、スリーブ嵌め 込みされるべきツール２の直径に適合し交換可能なチューブを備える。 手段６、７、８、および、１０は、例えば、タンジェントプラグ型のシステム によって、１つかまたは複数のスライドまたはスライドウエイ９、９’の所定の 位置で停止できる。１つかまたは複数のスライドまたはスライドウエイ９、９’ は、好ま しくは、プロファイルされた（ｐｒｏｆｉｌｅｄ）、二重になった、あるいは、 分割された構造を有し、例えば、一定間隔で配置された平行な２つのバーの形態 をなしている。 スリーブ嵌め込み手段６のスラスト部材６’は、例えば、指状突起の形態を有 してもよく、そして、抜き手段７のスラスト部材７は、ツールホルダー３の中心 の開口を通って伸長し、かつ、ツール２の基部に設けられた適切な盲開口に収容 されるようになされた細長いロッドから構成されてもよい（図１参照）。 収容および保持するための手段５に対してツールホルダー３の据え付けと抜き 取りを容易にするために、一方では、スリーブ嵌め込み手段６が、対応する収容 および保持するための手段５に取り付けられたツールホルダー３と心合わせされ る中心使用位置と、他方では、スリーブ嵌め込み手段６が、前記ツールホルダー ３と垂直に干渉する領域の外に配置される、後退した非使用位置あるいは角度的 にずらされた非使用位置との間で、スリーブ嵌め込み手段６は移動することがで きる。前記スリーブ嵌め込み手段６は、上述の２つの位置のそれぞれにおいてし っかりと停止されるようになされている。 添付の図１に示され、より具体的には、図２に示される本発 明の１つの特徴によれば、誘導加熱手段８は、螺旋状の巻線１５、または、長方 形断面を有する同心のいくつかの螺旋体から形成されるチューブ状または環状の 誘導コイルから構成される。その誘導コイルは、ツール２を収容するツールホル ダー３の部分３’を取り囲むようになされており、その高さは、ツールホルダー ３の部分３’の高さに少なくとも等しい。 本発明の好ましい実施の形態によれば、誘導ヒーター８は、単一の螺旋状巻線 １５の形態を有し、その長方形断面は、半径方向に伸びるあるいは配置される。 誘導ヒーター８の効果を高めるために、また、磁気損失を抑制するために、チ ューブ状または環状の誘導ヒーター８は、好ましくは、磁性体からなる円筒状の 同心のケージ１６によって取り囲まれてもよい。このケージ１６は、チューブ状 または環状の誘導ヒーターの軸方向に配置され一定の間隔で外周に分散された開 口または細長い穴１６’を備える。 環状ケージ１６の円筒状の壁に設けられたスロット１６’の形態を有する開口 は、前記壁を、磁束線に平行に配置されたいくつかのブレードに分割し、誘導ヒ ーター８によって生成される磁界の封じ込めを助長するとともに、整列していな い磁束線 による磁気損失を防止する。 螺旋状巻線１５は、好ましくは、約１５回の巻数と約２０ｍｍ²の断面積とを 有して、約７０Ａの電流が流れることを可能にし、また、ツールキャリヤー３の 部分３’を約２００〜２５０°Ｃの温度にまで加熱することを可能にする。 添付の図２に示されるように、１つかまたは複数の螺旋状の巻線１５と同心の 円筒状ケージ１６とは、固定プレート１８によってしっかりと１つに組み立てら れた２つの孔あきプレート１７および１７’によって、一体として固定され、こ のアセンブリが、非磁性体の絶縁材料からなる外囲容器１９で被覆される。 組み立て後、ツールホルダー３／ツール２からなるアセンブリを迅速に後退さ せるのを可能にするために、本発明による装置１は、ツール２をスリーブ嵌め込 みを行った後、例えば、放出システム、すなわち、空気吹き込みシステムあるい は熱交換ガス気化システムなどのような、ツールホルダー３をそのままの状態で 冷却するための手段をさらに備える。 また、制御された自動プログラムによる組み立て分解動作が、スリーブ嵌め込 みしそして抜くための手段６および７の操作を 制御し、かつ、誘導加熱手段８への電力供給を管理する、例えばプログラム可能 なコンピュータのような自動制御監視ユニット２０を設けることによって可能に なる。その制御と管理は、とくに、組み立て分解動作の際に、絶えず、ツール２ に抗する拘束に耐えている、スリーブ嵌め込みしおよび／または抜くための手段 ６、７の高さ方向の動きに応じて行われる。 もちろん、本発明は、説明され添付の図面に示された実施の形態に限定される ものではない。とくに、さまざまな要素の構成に応じて、あるいは、技術的に等 価なものと入れ替えることによって、本発明の保護範囲から逸脱することなく、 変更できる余地が残されている。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ツールと、とくにマンドレルのような、ツールホルダーを組み立てかつ分解 するための装置であって、該装置が、ツールホルダー（３）を収容および保持す るための手段（５）と、スリーブ嵌め込みすることによってツール（３）を収容 するようになされたツールホルダー（３）の一部分（３’）を誘導加熱する手段 と協働して、ツール（２）をスリーブ嵌め込みしかつ抜くための手段（６および ７）とを備えた支持フレーム（４）から基本的に構成されることを特徴とする装 置。 ２．支持フレーム（４）が垂直な構造を有し、スリーブ嵌め込み手段（６）と、 抜く手段（７）と、誘導加熱手段（８）とが、所定の位置で停止可能に、支持フ レーム（４）に固定された少なくとも一つのスライドまたはスライドウエイ（９ 、９’）に取り付けられ、収容および保持する手段（５）に取り付けられたツー ルホルダー（３）の縦軸と同軸をなしている、あるいは心合わせされていること を特徴とする請求項１に記載の装置。 ３．スリーブ嵌め込み手段（６）と抜く手段（７）とが、ツール（２）に接触す るようにスラスト部材（６’、７’）によっ て、縦方向に伸びる逆の動作をなす往復型のアクチュエータから構成され、一方 のスリーブ嵌め込み手段（６）は、ツール２の上方に配置され、他方の抜く手段 ７は、ツールホルダー（３）を収容および保持するための手段（５）の下方にあ る他方のスリーブ抜くための手段（７）の上方に配置され、ツール（２）をツー ルホルダー（３）に心を合わせして保持するための、かつ、スリーブ嵌め込みし また分離するときに案内するための手段（１０）が、スリーブ嵌め込み手段（６ ）とツールホルダー（３）を収容および保持するための手段（５）との間に設け られることを特徴とする請求項１または２に記載の装置。 ４．一方では、スリーブ嵌め込み手段（６）を備えた上側スライドまたはスライ ドウエイ部分（９）と、誘導加熱手段（８）と、ツール（２）を心合わせして保 持しかつガイドするための手段（１０）とを備え、他方では、抜く手段（７）を 備えた下側スライドまたはスライドウエイ部分（９’）とを備え、前記スライド またはスライドウエイ部分（９および９’）の各々は、所定位置停止手段（１２ ’）を備えたガイドカラー（１２）によって、プロファイルされた垂直な構造体 （１１）に滑動可能に取り付けられ、前記ガイドカラーは、それぞれの前記スラ イ ドまたはスライドウエイ部分（９および９’）の質量と、前記ガイドカラーが保 持する手段（７または６、８、および、１０）の質量との各々の累積質量に適合 したカウンタウエイト（１３、１３’）によって釣り合わせられ、前記カンタウ エイト（１３、１３’）は、場合に応じて、前記スライドまたはスライドウエイ 部分（９および９’）を保持するプロファイルされた垂直な構造体（１１）に平 行なプロファイルされた第２の垂直な構造体（１４）に、滑動可能に取り付けら れるようになされていることを特徴とする請求項２または３に記載の装置。 ５．一方では、スリーブ嵌め込み手段（６）が、対応する収容および保持するた めの手段（５）に取り付けられたツールホルダー（３）と心合わせされる中心使 用位置と、他方では、スリーブ嵌め込み手段（６）が、前記ツールホルダー（３ ）と垂直に干渉する領域の外に配置される、後退した非使用位置あるいは角度的 にずらされた非使用位置との間で、スリーブ嵌め込み手段（６）は移動すること ができ、前記スリーブ嵌め込み手段（６）は、上述の２つの位置のそれぞれにお いてしっかりと停止されるようになされていることを特徴とする請求項２〜４の いずれかに記載の装置。 ６．誘導加熱手段（８）が、螺旋状の巻線（１５）かまたは、長方形断面を有す る同心のいくつかの螺旋体から形成され、ツール（２）を収容するツールホルダ ー（３）の部分（３’）を取り囲むようになされているチューブ状または環状の 誘導加熱ヒーターから構成され、その高さは、ツールホルダー（３）の部分（３ ’）の高さに少なくとも等しいことを特徴とする請求項１〜５のいずれかに記載 の装置。 ７．誘導ヒーター（８）が、長方形断面が半径方向に伸びる単一の螺旋状巻線（ １５）から形成されことを特徴とする請求項６に記載の装置。 ８．チューブ状または環状の誘導ヒーター（８）が、磁性体からなる円筒状の同 心のケージ（１６）によって取り囲まれ、このケージ（１６）は、チューブ状ま たは環状の誘導ヒーター（８）の軸方向に配置され一定の間隔で外周に分散され た開口または細長い穴（１６’）を備えることを特徴とする請求項６または７に 記載の装置。 ９．１つかまたは複数の螺旋状巻線（１５）と、同心の円筒状ケージ（１６）と が、固定プレート１８によってしっかりと１つに組み立てられた２つの孔あきプ レート（１７、１７’）に よって、一体として固定され、このアセンブリが、非磁性体の絶縁材料からなる 外囲容器（１９）で被覆されることを特徴とする請求項８に記載の装置。 １０．ツール（２）をスリーブ嵌め込みを行った後、放出システム、すなわち、 空気吹き込みシステムあるいは熱交換ガス気化システムのような、ツールホルダ ー（３）をそのままの状態で冷却するための手段をさらに備えることを特徴とす る請求項１〜９のいずれかに記載の装置。 １１．とくに、組み立て分解動作の際に、絶えず、ツール（２）に抗する拘束に 耐えている、スリーブ嵌め込み手段（６）および／または抜くための手段（７） の高さ方向の動きに応じて、スリーブ嵌め込みしそして抜くための手段（６およ び７）の操作を制御し、かつ、誘導加熱手段（８）への電力供給を管理する、例 えばプログラム可能なコンピュータのような自動制御監視ユニット（２０）をさ らに備えることを特徴とする請求項１〜１０のいずれかに記載の装置。