【発明の詳細な説明】
非エアロゾル系ムース組成物
技術分野
この発明は、圧縮噴射剤なしでも、泡密度、セッティング能力、分与能力、拡
散性に優れ、かつ、粘着性が低い、非エアロゾル系ムース組成物に関する。
発明の背景
髪に付ける発泡化粧用組成物は、通常「ムース」と呼ばれており、この発明で
も「ムース」という用語を用いる。ムースは1980年代の初めにヨーロッパで
生まれた。ムースは基本的にはエアロゾル-フォーム(foam)であるが、非エアロ
ゾル-フォームも知られている。ムースは、スタイリング、セッティング、アレ
ンジングまたはシャンプ、コンディショニング、トリーティング、染色、など他
の目的およびこれらを組合せたものを目的として処方する。ムースは、使用者の
手またはそのためにデザインした特殊な櫛を用いてムースが髪の中に広がるよう
に髪に塗布する。ムースが一般に好評を得ているのは、簡単に塗布できることと
ムースの量と散布をコントロールできることが大いに寄与している。
当該技術分野では、ムースは、一般に圧縮噴射剤と共に処方され、圧縮ディス
ペンサーノズルまたはバルブの付いた耐圧ボンベのような容器に充填される。噴
射剤の種類や量の選択は、このフォームの特性に影響を及ぼすことが分かってい
る。
良好なフォームが得られる、LPGやジメチルエーテルなどの好適な噴射剤は
、一般に可燃性が強く、消費者にとって安全ではない。さらに、圧縮噴射剤の容
器として使われる耐圧容器は高価であり、この容器の製造には特別な手順を必要
とする。したがって、この耐圧容器はコストの高い製品である。さらに、耐圧容
器は消費者自身が再充填できず、この産業では再使用したり、リサイクルするこ
とが困難である。これは環境上の立場から推奨できない。
当該技術で提案されている、圧縮噴射剤の入っていないムース組成物を提供す
る試みもなされている。しかし、圧縮噴射剤が入っていないと、一般には、製品
の泡の外観と安定性が劣り、髪へのムースの量と散布のコントロールができなか
った。
前述のことがらに基づいて、圧縮噴射剤は含まないが、圧縮噴射剤を含むムー
ス組成物により通常得られる良好な発泡性を提供できるムース組成物が必要であ
る。
既存の技術には、この発明の利点と効用をすべて提供できるものはない。
発明の概要
この発明は、非エアロゾル系ムース組成物に関するものであって、該組成物は
、
(a) ベタイン化した固着性両性ポリマーから選択した約0.1〜約10重量
%の第1の固着性ポリマー、と
(b) この組成物に対して約30重量%以下の揮発性溶媒を含む水性キャリア
を、含み、
この組成物は実質的に圧縮噴射剤を含まず、そして、約0.025〜約0.1g/
mLの泡密度を有する泡を発生しうる非エアロゾル系ムース組成物に関する。
この発明のすべての特徴、態様および利点は、この明細書の記載内容から当業
者には明らかになるはずである。
発明の詳細な説明
この明細書は、この発明を詳細に示し、かつ、明確に主張している請求の範囲
に結論付けられるが、この発明は以下の説明によりもっとよく理解できると考え
られる。
%はすべて、とくに明記しないかぎり、全組成物の重量によるものである。比
はすべて、とくに明記しないかぎり重量比である。この明細書に記載されている
%、比、および成分の濃度は、成分の実際の量に基づくものであり、とくに明記
しないかぎり、商業的に利用できる製品としてその成分と混合される溶媒、充填
材、または他の物質は含まない。
この明細書で使われているように、「・・・を含んでいる」は、最終結果に影
響を
及ぼさないような他のステップや成分を追加できることを意味する。この用語は
、「・・・からなっている」や「本質的には・・・からなっている」という用語
を包含している。
引用文献は、そのすべての内容をこの明細書の参照として引用するものである
。文献の引用は、請求の範囲の発明の先行技術としてその文献の利用性に関する
いかなる判断についても承認することを意味するものではない。
固着性ポリマー
第1の固着性ポリマーおよびこの明細書で役立つ随意の第2の固着性ポリマー
は、髪にスタイリング効果またはセッティング効果を与えるポリマーである。こ
のセクションにおける固着性ポリマーは、後で述べるコンディショニング剤ポリ
マーとは、固着性ポリマーが膜形成特性を持っていることで区別することができ
る。
この明細書の組成物には、第1の固着性ポリマーおよび随意に第2の固着性ポ
リマーが含まれている。第1の固着性ポリマーは、ベタイン化両性固着性ポリマ
ーから選択する。第2の固着性ポリマーが含まれている方が好ましい。第2の固
着性ポリマーは、非ベタイン化両性固着性ポリマー、アニオン性固着性ポリマー
、カチオン性固着性ポリマー、非イオン性固着性ポリマー、シリコーン-グラフ
ト-コポリマー、およびそれらの混合物からなる群から選択する。好適な第2の
固着性ポリマーは、非ベタイン化両性固着性ポリマーとアニオン性固着性ポリマ
ーである。
第1の固着性ポリマーと随意の第2の固着性ポリマーは、圧縮噴射剤がない場
合に、この組成物が約0.025〜約0.1g/mL、好適にはせいぜい約0.07
5g/mL程度、より好適にはせいぜい約0.065g/mL程度の泡密度を有す
る泡を発生すしうるように選択する。このような泡密度は、この製品の髪への塗
布を容易にし、量と散布のコントロールを可能にする良好な泡の外観と保持時間
などの優れた発泡特性を与えるものと考えられている。
さらに、この明細書の組成物は低粘度、すなわち、3%水溶液の粘度は約50
cps未満である。これは、この製品の優れた分与能力と低い粘着性として、消
費者に認
められている。さらに、この明細書の組成物はセッティング能力も優れている。
第1の固着性ポリマーと随意の第2の固着性ポリマーを用いることにより、発
泡性の高い組成物が得られる。したがって、この明細書の組成物は圧縮噴射剤の
助けを必要としない。噴射剤は、この製品の用量を不十分にする原因となるほど
保持時間が長く、むしろ、噴射剤は含まない方が好ましい。
固着性ポリマーの総量は、組成物の約0.2〜約15重量%の範囲で含まれる
のが好ましい。第1の固着性ポリマーは、組成物の重量で、約0.1〜約10%
、好適には約1〜約5%の範囲で含まれる。第2の固着性ポリマーは、存在する
場合、組成物の重量で、約0.1〜約10%、好適には約0.5〜約2%の範囲で
含まれる。第2の固着性ポリマーとして一つ以上のポリマーが使われる場合は、
各固着性ポリマーは組成物の2重量%を超えられない。第1の固着性ポリマーが
第2の固着性ポリマーより多い方が好ましい。
第1の固着性ポリマー
第1の固着性ポリマーはベタイン化両性固着性ポリマーから選択する。この明
細書で役立つベタイン化両性固着性ポリマーには、構造(1)と(2)を有するものが
ある。
(1) この明細書で役立つのは、少なくとも下記式のユニットを含むベタイン
化ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートまたはベタイン化ジアルキル
アミノアルキル(メタ)アクリルアミドのポリマーである:
式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2は炭素原子を1〜4個有するア
ルキレン基であり、YはOまたは-NH-であり、そしてR3とR4は互いに独立に
水素ま
たは炭素原子を1〜4個有するアルキルであり、および一つのカチオン性誘導体
は、一つ以上の脂肪鎖に結合した少なくとも一つの窒素原子および随意に4級化
した窒素原子を含有するカチオン性界面活性剤、またはアミンまたはアンモニウ
ム基がポリマー鎖の一部を形成しているかポリマー鎖に結合されている、ポリア
ミン、ポリアミノポリアミドまたはポリ(4級アンモニウム)型のカチオン性ポ
リマーからなっている。これらのポリマーの分子量は、通常、500〜2,000,000で
ある。
上の式(I)に対応するユニットを含む両性ポリマーは、一般に、上述の式(I)
のユニットに加えて、少なくとも次式のユニットを含むコポリマーの形をしてい
る:
式中、R1は上で規定した通りであり、R5は4〜24個の炭素原子を有するア
ルキルまたはアルケニル基、もしくは4〜24個の炭素原子を有するシクロアル
キル基である。
ユニット(I)と(II)の他に、下記ユニットを含む、ターポリマー、テトラポリ
マーおよびペンタポリマーを使用することもできる:
式中、R6は好適には1〜3個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニル基
、そしてR1は上で規定した通りである。
ポリマーの全重量について、式(I)のユニットの量は25〜45重量%の範囲
が好適であり、式(II)のユニットの量は5〜65重量%の範囲が好適であり、そ
して式(III)のユニットの量は50重量%未満が好適である。
とくに好適なポリマーは、Yは酸素原子であり、R2は-C2H4-基であり、R1
、
R3およびR4はメチルであり、R5は4〜18個の炭素原子を有するアルキル基
であり、また、R6は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基である、式(I)、(
II)および(III)のユニットを含むコポリマーである。このポリマーの平均分子量
は、50,000〜100,000の範囲が好適である。このポリマーは三菱化学社から「Yuk
afomer」または「Diaformer」の商標で販売されている。
(2) この明細書で役立つのは、下記式から誘導された双性イオン性ユニット
を含むベタイン化ポリマーである:
式中、R1はアクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基またはメタ
クリルアミド基などの重合性不飽和基であり、xとyは独立に1〜3の整数を表
し、R2とR3は独立に水素、メチル、エチルまたはプロピルを表し、さらに、R4
とR5は独立に水素またはR4とR5の炭素原子の和が10を超えないようなアル
キル基を表す。
極めて好適なベタイン化両性ポリマーには、三菱化学社のYUKAFORME
R SM、YUKAFORMER FH、YUKAFORMER 301、YUKAF
ORMER 204W、YUKAFORMER 510、YUKAFORMER M-75、
YUKAFORMER R250S、およびDiaformer Z-SMおよびDiaformer Z-Wな
どの商業的に利用できる物質がある。
第2の固着性ポリマー
第2の固着性ポリマーは、非ベタイン化両性固着性ポリマー、アニオン性固着
性ポリマー、カチオン性固着性ポリマー、非イオン性固着性ポリマー、シリコー
ン-グラフト-コポリマー、およびそれらの混合物からなる群から選択する。好適
な第2の固着性ポリマーは、非ベタイン化両性固性ポリマーとアニオン性固着性
ポリマーであ
る。
非ベタイン化両性固着性ポリマー
この明細書で役立つ非ベタイン化両性固着性ポリマーには、(3)と(4)の構造を
有するポリマーがある。
(3) この明細書で役立つのは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イ
タコン酸、フマル酸、クロトン酸、またはアルファクロロアクリル酸などのカル
ボキシル基を少なくとも一つ有するビニルモノマーおよびジアルキルアミノアル
キル(メタ)アクリレートまたはジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルア
ミドなどの塩基性窒素原子を少なくとも一つ有する置換ビニル化合物である塩基
性モノマーの共重合により得られる非ベタイン化両性ポリマーである。
(4) この明細書で役立つのは、
i) 窒素においてアルキル基で置換したアクリルアミド類またはメタクリルア
ミド類から選択した少なくとも1種のモノマー、
ii) 一つ以上の反応性カルボキシル基を有する少なくとも一つの酸コモノマ
ー、
iii) 1級、2級、3級の各アミン置換基および4級アンモニウム置換基を有
する、アクリル酸とメタクリル酸のエステル類およびジメチル-サルフェートま
たはジエチル-サルフェートを用いたジメチルアミノエチルメタクリレートの4
級化により生じた生成物など少なくとも一つの塩基性コモノマー、
から誘導されたユニットを含有する非ベタイン化両性固着性ポリマーである。
最も好適なN-置換アクリルアミド類またはメタクリルアミド類は、アルキル基
が2〜12個の炭素原子を有するグループ、とくにN-エチルアクリルアミド、
N-tert.-ブチルアクリルアミド、N-tert.-オクチルアクリルアミド、N-オク
チルアクリルアミド、N-デシルアクリルアミドおよびN-ドデシルアクリルアミ
ドおよび対応するメタクリルアミド類である。酸コモノマー類は、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸およびアルキルが1〜4個の
炭素原子を有するマレイン酸またはフマル酸のアルキル-モノエステル類の中か
ら選択する。
好適な塩基性コモノマー類は、アミノエチル、ブチルアミノエチル、N,N-ジ
メチルアミノエチルおよびN-tert.-ブチルアミノエチルの各メタクリレート類
である。
非常に好適な非ベタイン化両性固着性ポリマーには、National Starch & Che
micalから供給されている、AMPHOMER、AMPHOMER SH701、A
MPHOMER 28-4910、AMPHOMER LV71、およびAMPHOMER LV
47などの商品名が付いているオクチルアクリルアミン/アクリレート類/ブチルア
ミノエチル-メタクリレート系コポリマー類などの商業的に利用できる物質があ
る。
アニオン性固着性ポリマー
この明細書で役立つアニオン性固着性ポリマーには、カルボン酸、スルホン酸
およびリン酸から導かれたユニットを含み、かつ、通常500〜5,000,000の分子量
を有するポリマーがある。これらのポリマーは水溶性ポリマーであり、このよう
な溶解性は中和により得ることができる。
カルボン酸グループは下記式に対応する不飽和モノカルボン酸またはジカルボ
ン酸から得られる:
式中、nは1〜10の整数または0であり、Aは飽和基の炭素原子またはnが1
より大きい場合は、酸素か硫黄のようなヘテロ原子を介して隣接メチレン基に随
意に結合したメチレン基であり、R1は水素原子かフェニル基かベンジル基であ
り、R2は水素原子、低級アルキル基またはカルボキシル基であり、そしてR3は
水素原子、低級アルキル基、CH2COOH、フェニル基またはベンジル基であ
る。
この発明によると、カルボン酸基を含む好適なポリマーは以下に列挙する通り
である。
(1) アクリル酸またはメタクリル酸またはそれらの塩類のホモポリマーまた
はコポリマー、とくに、BASFからVERSICOL EまたはKおよびUL
TRAHOLDという名称で、そしてVan der BiltからDARAVAN No.7と
いう名称で販売されている製品;HERCULESからETEN 421,423 425と
いう名称でナトリウム塩の形で販売されているアクリル酸/アクリルアミドのコ
ポリマー;およびHENKELからHYDAGENという名称で販売されている
ポリヒドロキシカルボン酸のナトリウム塩。
(2) ポリエチレン-グリコールなどのポリアルキレン-グリコールに随意にグ
ラフトし、さらに随意に架橋した、エチレン、スチレン、ビニルエステルかアリ
ル(allyl)エステル、アクリル酸エステルかメタクリル酸エステル、などのモ
ノエチレン系モノマーとアクリル酸またはメタクリル酸のコポリマー。American
CyanamidからQUADRAMER 5の名称で販売されているコポリマーのよう
に、コポリマー鎖に随意にN-アルキル化アクリルアミド、ユニットおよび/また
はN-ヒドロキシル化アクリルアミド、ユニットを含むこの種の他のコポリマー
。
(3) コポリマー鎖に、ビニル-アセテートまたはビニル-プロピオネート-ユニ
ットおよび随意にメタアリル(allyl)エステル類のアリル(allyl)、少なくと
も5個の炭素原子炭化水素鎖を有する飽和直鎖または分岐カルボン酸のビニル-
エーテルまたはビニル-エステルなどの他のモノマーを含むコポリマーなどのク
ロトン酸から導かれたコポリマーであって、もし適切であれば、これらのポリマ
ーにα-またはβ-サイクリック-カルボン酸のビニル、アリル(allyl)またはメ
タアリル(allyl)エステルがグラフトし、架橋されているコポリマー。この種
のコポリマーには、National Starch & ChemicalsからRESYN 28-2930,28-
2913,28-1310という商品名で販売されているものがある。
(4) ISPからGANTREZ A,SP,ESの名称で販売されているポリ
マーのような、ビニル-エステル類、ビニル-エーテル類、ビニル-ハライド類、
フェニルビニル誘導体、アクリル酸とそのエステル類とマレイン酸、フマル酸、
イタコン酸または無水物から導かれたポリマー。この種のポリマーには、他に、
随意にアクリルアミ
ド基またはメタクリルアミド基を含むアリル(allyl)またはメタアリル(allyl
)エステル、またはα-オレフィン、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エ
ステルと無水マレイン酸、無水シトラコン酸および無水イタコン酸のコポリマー
がある。なお、これらのポリマー鎖にはアクリル酸またはメタクリル酸またはビ
ニルピロリドンのユニットがあり、無水物基はモノエステル化またはモノアミド
化されうる。
(5) カルボキシレート基含有ポリアクリルアミド類。スルホン基を含有する
ポリマーには、ビニルスルホン、スチレンスルホン、リグノスルホンまたはナフ
タレンスルホンの各ユニットを含むポリマーがある。これらのポリマーは下記ポ
リマーから選択する:
i) 分子量1,000〜100,000のポリビニルスルホン酸塩類およびアクリル酸、メ
タクリル酸およびそれらのエステル、置換または非置換のアクリルアミド、メタ
クリルアミド、ビニル-エステル類、ビニル-エーテル類およびビニルピロリドン
などの不飽和コモノマーとのコポリマー類。
ii) NationalStarch & ChemicalsからFlexan 500,130の名称で販売されて
いるナトリウム塩などのポリスチレンスルホン酸塩。
iii) リグニンから誘導されたスルホン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土
類金属塩、より具体的に述べるとリグノスルホン酸カルシウムまたはリグノスル
ホン酸ナトリウム。これらは、American Can Co.からMarasperse C-21という名
称で、また、AvebeneからC10〜C14製品として販売されている。
iv) 塩に変えられたアルキルナフタレンスルホン酸ユニットを含むポリマー
。
Van der BiltからDARAVAN No.1という名称でナトリウム塩が販売され
ている。
アニオン性モノマーを含むこの明細書のアニオン性髪固着性ポリマーは、液体
髪化粧用組成物をシャンプで除去しやすくするために、少なくとも部分的に中和
して用いるのが好適である。この組成物において、ポリマーの中和は無機塩基、
好適にはKOHを用いて行うことができる。しかし、有機塩基、好適にはAMP
(アミノ-メチル-プロパノール)や無機塩基と有機塩基の混合物を用いて、頭髪
スタイリング組成物を
所望の中和レベルにすることもできる。全体として、用いた各ポリマーの酸性モ
ノマーの約50〜約100%、好適には約70〜約100%、最も好適には約8
0〜約100%を塩基で中和する必要がある。
酸性ポリマーが、この明細書で詳述された通りに用いられるならば、無機であ
ろうと有機であろうと、普通に使われている塩基を酸性ポリマーの中和に使用で
きる。アルカリ、アルカリ土類の各水酸化物およびアミノ-アルコール類が適切
な中和剤である。
この発明の組成物に含めることができる適切な有機中和剤の例には、アミン類
、とくに、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(AMPD)、2-ア
ミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール(AEPD)、2-アミノ-2-メチル-
1-プロパノール(AMP)、2-アミノ-1-ブタノール(AB)、モノエタノー
ルアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(
TEA)、モノイソプロパノールアミン(MIPA)、ジイソプロパノールアミ
ン(DIPA)、トリイソプロパノールアミン(TIPA)、ジメチルステラミ
ン(DMS)、アミノ-メチル-プロパノール(AMP)およびそれらの混合物が
ある。
この発明の頭髪ケア組成物で使用するのに好適な中和剤は、水酸化カリウムと
水酸化ナトリウムである。
非常に好適なアニオン性固着性ポリマーには、National Starch & Chemicals
がRESYN 28-2930,28-2913,28-1310という商品名で供給している、酢酸ビニ
ル/クロトン酸/ビニル-ネオデカノエートのコポリマーおよび酢酸ビニル/クロト
ン酸のコポリマー、およびBASF社がLUVIMER 100P、ULTRAHO
LD 8、ULTRAHOLD STRONGという商品名で供給している、アク リレート-コポリマー
とアクリレート/アクリルアミドのコポリマー、などの商業
的に利用できる物がある。
カチオン性固着性ポリマー
この明細書で役立つカチオン性固着性ポリマーを下に列挙する:
(1) Gaf社からGafquat 734,755Nという商品名で販売されているような、ビ
ニルピロリドン/4級ジアルキルアミノアルキル-アクリレートまたはメタクリレ
ート、コポリマー。
(2) 4級アンモニウム基を含むセルローズ-エーテル誘導体。
(3) カチオン性多糖類。
(4) 下記i)〜iii)からなるグループからから選択したカチオン性ポリマー:
i) 下記式のユニットを含むポリマー:
-A-Z1-A-Z2- (I)
式中、Aは2つのアミノ基、好適にはピペラジニルを含む基であり;Z1とZ2は
、主鎖に約7個までの炭素原子を含む直鎖または分岐鎖アルキレンであり、一つ
以上のヒドロキシル基で置換または非置換されており、かつ、一つ以上の酸素、
窒素、硫黄原子および1〜3個の芳香族環および/または複素環を含むこともで
きる独立した2価基であり、前述の酸素、窒素、硫黄原子は一般にエーテルかチ
オエーテル、スルホキサイド、スルホン、スルホニウム、アミン、アルキルアミ
ン、アルケニルアミン、ベンジルアミン、アミン-オキサイド、4級アンモニウ
ム、アミド、イミド、アルコール、エステルおよび/またはウレタン基の形で存
在している;
ii) 下記式のユニットを含むポリマー:
-A-Z’-A-Z’- (II)
式中、Aは2個のアミノ基、好適にはピペラジニルを含む基であり、Z’は記号
Z3とZ4を意味し(少なくとも一つはZ4を意味する);Z3は主鎖に約7個まで
の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖アルキレンまたはヒドロキシアルキレン基で
ある2価基であり、一方、Z4は主鎖に約7個までの炭素原子を含む直鎖または
分岐鎖アルキレン基であり、一つ以上のヒドロキシル基で置換または非置換され
ており、かつ、一
つ以上の窒素原子で遮断されている2価基であり、この窒素原子は1〜4個、好
適には4個の炭素原子を有する、随意に酸素により遮断され、かつ、随意に一つ
以上のヒドロキシ基を含むアルキル鎖により置換されており、さらに
iii) 炭素原子数1〜6個のアルキル-ハライド類とベンジル-ハライド類、ア
ルキル-トシレート類またはメシレート類を用いたアルキル化生成物、およびi)
とii)において上に示した式(I)と(II)のポリマーの酸化生成物。
(5) ポリアミンと酸化合物の重縮合により調製したポリアミノ-ポリアミド類
。この酸化合物は、有機ジカルボン酸、二重結合を含む脂肪族モノカルボン酸と
ジカルボン酸、上述の酸類の好適には炭素原子を1〜6個有する低級アルカノー
ル類とのエステル類、およびそれらの混合物である。このポリアミンはビス-1
級ポリアルキレン-ポリアミンまたはモノ-かビス-2級ポリアルキレン-ポリアミ
ンであり、ここで、このポリアミンの40モル%まではビス-1級アミン、好適
にはエチレンジアミン、またはビス-2級アミン、好適にはピペラジンであり、
また、20モル%まではヘキサメチレンジアミンである。
(6) 上述のポリアミノ-ポリアミド類は、アルキル化および/または架橋する
ことができる。アルキル化は、グリシドール、酸化エチレン、酸化プロピレンま
たはアクリルアミドを用いて行うことができる。架橋は、次のような架橋剤によ
り行う:
i) ポリアミノ-ポリアミドのアミン基あたり0.025〜0.35モルの架橋
剤比率で、エピハロゲノヒドリン類、ジエポキシド類、ジ無水物類、不飽和無水
物類およびビス-飽和誘導体;
ii) ビス-ハロゲノヒドリン類、ビス-アゼチジニウム化合物、ビスハロゲノ
アシル-ジアミン類およびビス-(アルキル-ハライド類);
iii) ビス-ハロゲノヒドリン類、ビス-アゼチジニウム化合物、ビスハロゲノ
アシル-ジアミン類、ビス-(アルキル-ハライド類)、エピハロゲノヒドリン類
、ジエポキシド類およびビス-不飽和誘導体を含むグループから選択した化合物
を、これらの化合物に対して反応性がある2官能性である化合物と反応して得ら
れたオリゴマー類;および
iv)ii)の化合物とiii)のオリゴマーから選択し、好適には、塩化メチルま
たはエチル、臭化メチルまたはエチル、ヨウ化メチルまたはエチル、硫酸メチル
またはエチル、メシル化メチルまたはエチル、トシル化メチルまたはエチル、塩
化ベンジルまたは臭化ベンジル、酸化エチレン、酸化プロピレン、グリシドール
から選択したアルキル化剤を用いて全部または一部をアルキル化することができ
る1種以上の3級アミン基を含有する化合物の4級化生成物、架橋はポリアミノ
-ポリアミドのアミン基あたり0.025〜0.35モル、好適には0.025〜0
.2モル、より好適には0.025〜0.1モルの架橋剤により行うことができる
。
(7) ボリカルボン酸とポリアルキレン-ポリアミンの縮合、続いてアジピン酸
/ジアルキルアミノヒドロキシアルキル-ジアルキレントリアミン、コポリマーな
どの、アルキル基が1〜4個の炭素原子を含む、好適にはメチル、エチル、プロ
ピルである2官能性剤によりアルキル化して得られるポリアミノ-ポリアミド誘
導体。
有用なポリマーは、SANDOZからCartaretine F、F4、F8という名称
で販売されているアジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピル-ジエチレント
リアミンのコポリマーである。
(8) 2つの1級アミン基と少なくとも一つの2級アミン基を含むポリアルキ
レン-ポリアミンをジグリコール酸と3〜8個の炭素原子を有する飽和脂肪族ジ
カルボン酸を、ポリアルキレン-ポリアミンとジカルボン酸のモル比を0.8:1
〜1.4:1にして反応させ、得られたポリアミンとエピクロロヒドリンを、エ
ピクロロヒドリンとポリアミドの2級アミン基のモル比を0.5:1〜1.8:1
にして反応させることにより得られたポリマー。
有用なポリマーには、Hercules社によりHERCOSETT 57の名称で販売
されているもの、およびHercules社によりPD 170またはDELSETTE 101
の名称で販売されているものがある。
(9) ポリマー鎖の主成分として下記式(III)または(III')に対応するユニット
を含むホモポリマーなどの一般に分子量が20,000〜3,000,000である環状ポリマ
ー:式中、pとtは0か1、かつ、p+t=1であり、R"は水素かメチルであり、
RとR'は相互に独立に1〜22個の炭素原子を有するアルキル基、アルキル基
か好適には1〜5個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、または低級アミ
ドアルキル基であり、また、RとR'は共にこれらが結合している窒素原子、ピ
ペリジニルやモルホリニルなどの複素環化合物を意味することもでき、そしてY
はブロマイド、クロライド、アセテート、ボレート、サイトレート、タータレー
ト、ビサルフェート、サルフェート、ホスフェートである。式IIIとIII'のユニ
ットを含有するコポリマーはアクリルアミドまたはジアセトンアクリルアミドか
ら導かれたユニットを含むこともできる。
上で規定された型の4級アンモニウムのポリマーの中で、好適なのはCALG
ON社からMERQUAT 100の名称で販売されている、分子量が100,000未満
であるジメチルジアリル(allyl)アンモニウム-クロライドのホモポリマーおよ
びMERQUAT 550の名称で販売されている、分子量が500,000を超えている
ジメチルジアリル(allyl)アンモニウム-クロライド/アクリルアミドのコポリ
マーである。
(10) 下記式のポリ-(4級アンモニウム)化合物:式中、R1、R2、R3、R4は、一方では窒素原子に結合した、独立に最大20個
の炭素原子を含有する脂肪族基、脂環基、アリル(allyl)脂肪族基、または、
低級ヒドロキシ脂肪族基、または、窒素以外の第2のヘテロ原子を随意に含有す
る複素環、また一方では、R1、R2、R3、R4は、下記グループを表し、
CH2CHR'3R'4
式中、R'3は水素または低級アルキルであり、R'4はSO、CNのほかに下記グ
ループを意味し、
CON(R'6)2、COOR'5、COR'5、COOR'7D、CONHR'7D式
中、R'5は低級アルキルであり、R'6は水素または低級アルキルであり、
R'7はアルキレンであり、Dは4級アンモニウム基であり;
AとBは独立に2〜20個の炭素原子を含む、直鎖または分岐鎖、飽和または不
飽和、さらに、主鎖に挿入された一つ以上の下記グループを含むポリメチレン基
を表し、
-CH2-Y-CH2-
式中、Yはベンゼン、酸素、硫黄、SO、SO2、SSのほかに下記グループを
意味し、
NR'8、N+F(R'9)2X1-、CHOH、NHCONH、CONR'8、COO
式中、X1-は鉱酸か有機酸から導いたアニオンを意味し、R'8は水素か低級アル
キルであり、R'9は低級アルキルであり、一方、AとR1とR3は、これらが結合
している2つの窒素原子と共にピペラジン環を形成する。Aが直鎖または分岐鎖
、飽和または不飽和のアルキレンまたはヒドロキシアルキレン基を意味するなら
ば、Bは下記グループを意味することもでき、
-(CH2)n-CO-D-OC-(CH2)n-
式中nは分子量が一般に1,000〜100,000の範囲にあるように選択し、そしてDは
下記を意味する:
i) 式-O-Z-O−のグリコール基、式中、Zは直鎖または分岐鎖の炭化水素
基または次式に対応するグループを意味する:
-[CH2-CH2-O-]n-CH2-CH2-または
-[CH2-C(CH3)H-O-]y-CH2-C(CH3)H-
式中、xとyは1〜4の整数であり、重合度が有限で独特であることを表
す;
ii) ピペラジン誘導体などのビス-2級ジアミン基;
iii) 式-N-H-Y-NH-のビス-1級ジアミン基:式中、Yは直鎖または分岐
鎖炭化水素基または下記2価基を意味する:
-CH2-CH2-S-S-CH2-CH2-
iv) 式-N-H-CO-NH-のウレイレン基。
(11) アクリル酸かメタクリル酸から導かれ、かつ、下記ユニットの少なく
とも一つを含むホモポリマーまたはコポリマー:
式中、R1はHかCH3、Aは1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アル
キル基または1〜4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基であり、R2、
R3、R4は、独立に1〜18個の炭素原子を有するアルキル基またはベンジル基
であり、R5とR6はHまたは1〜6個の炭素原子を有するアルキル基でありそし
てXはメトサルフェートまたはクロライドやブロマイドなどのハライドを意味す
る。
通常使用できる一つまたは複数のコモノマーは、アクリルアミド、メタクリル
アミド、ジアセトン-アクリルアミド、窒素原子で一つ以上の低級アルキル類に
より置換されたアクリルアミドとメタクリルアミド、アクリル酸とメタクリル酸
のアルキル-エステル類、ビニルピロリドン、ビニルエステル類を含むファミリ
に属する。
有用なポリマーには、CTFAにおけるQuaternium 38,37,49,42、すなわ
ち、HerculesからTeten 205,210,220,240の名称で販売されているアクリルア
ミド/ベータ-メタクリロイルオキシエチル-トリム-チルアンモニウム-メトサル
フェートのコポリマー、およびNationalStarch & ChemicalsからCartexという
名称で販売されているアミノエチルアクリレート-ホスフェート/アクリレートの
コポリマー、およびDOW CORNING 929カチオン性乳化剤という名称で
他の成分との混合物として販売され、AMODIMETHICONEという名称
でCTFA辞書に記載されている、少なくとも1種の化粧品用モノマーである、
ジメチルアミノエチル-メタクリレートかポリエチレン-グリコールとポリ不飽和
架橋剤との共重合により得られた
10,000〜1,000,000、好適には15,000〜500,000の分子量を有する架橋グラフトカ
チオン性コポリマーがある。
(12)使用できるカチオン性ポリマーには、他に、ポリアルキレンイミン類、と
くにポリエチレンイミン類、ポリマー鎖にビニルピリジン-ユニットまたはビニ
ルピリジニウム-ユニットを含むポリマー、ポリアミン類とエピクロロヒドリン
の縮合物、ポリ-(4級ウレイレン類)およびキチン誘導体がある。
非常に好適なカチオン性固着性ポリマーには、NationalStarch & Chemicals
からCELQUAT H100およびCELQUAT L200という商品名で供給され
ているPolyquaternium 4、およびISPから供給されているGAFQUAT 75
5Nという商品名で供給されているPolyquaternium 11などの商業的に利用できる
ものがある。
非イオン性固着性ポリマー
この明細書で役立つ非イオン性固着性ポリマーには、BASF社からLUVI
SKOLKグレードおよびLUVISKOL VAグレードという商品名で供給
されている、ビニルピロリドンやビニルカプロラクタムのホモポリマーおよび酢
酸ビニルとビニルピロリドンのコポリマーがある。
シリコーン-グラフト-コポリマー
この明細書で役立つシリコーン-グラフト-コポリマーには、ビニル-ポリマー
性骨格(A,B両モノマー)を持ち、そのような骨格に、重量平均分子量が約1,
000〜約50,000の範囲にあるボリジメチルシロキサン-マクロマー(Cマクロマー
)をグラフトしたものがある。好適には、これらのコポリマーにはAとBの両モ
ノマーが合わせて約50.0〜約99.9%、そしてCマクロマーが約0.1〜約
50.0%含まれている。なお、Aはメタクリル酸エステルやアクリル酸エステ
ルなどの親油性で、極性が小さく、フリーラジカルで重合しうるビニル-モノマ
ーであり、BはN,N-ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチル-メタク
リレート、ビニル-ピロリドン、4級ジメ
チルアミノエチル-メタクリレート、などのAと共重合できる親水性、極性モノ
マーであり、さらにCは重量平均分子量が約1,000〜約50,000の範囲にある、ボ
リジメチルシロキサンをベースとするシリコーン含有マクロマーである。好適な
シリコーン-グラフト-コポリマーはTgが約−20℃より上にあり、分子量が約
10,000〜約1,000,000の範囲にあるものである。
この明細書で適切なシリコーン-グラフト-コポリマーは下のリストに載せてい
るものがあり、ここで数値はコポリマーにおけるモノマーとマクロマーの重量比
を示しており、シリコーン-マクロマーS1は分子量が約20,000のジメチルポリ
シロキサンであり、シリコーン-マクロマーS2は分子量が約10,000のジメチル
ポリシロキサンである。
1) 20/63/17アクリル酸/t-ブチル-メタクリレート/シリコーン-マクロ
マーS2、コポリマーの分子量は約100,000、
2) 10/70/20ジメチルアクリルアミド/イソブチル-メタクリレート/シリ
コーン-マクロマーS2、コポリマーの分子量は約400,000、
3) 40/40/20アクリル酸/メチル-メタクリレート/シリコーン-マクロマー
S1、コポリマーの分子量は約400,000、
4) 10/70/20アクリル酸/t-ブチル-メタクリレート/シリコーン-マクロ
マーS1、コポリマーの分子量は約300,000、
5) 25/65/10アクリル酸/イソプロピル-メタクリレート/シリコーン-マク
ロマーS2、コポリマーの分子量は約400,000、
6) 60/25/15N,N'-ジメチルアクリルアミド/メトキシエチル-メタクリ
レート/シリコーン-マクロマーS1、コポリマーの分子量は約200,000、
7) 12/64/4/20N,N'-ジメチルアクリルアミド/イソブチル-メタクリレ
ート/2-エチルヘキシル-メタクリレート/シリコーン-マクロマーS1、コポリ
マーの分子量は約300,000、
8) 30/40/10/20N,N'-ジメチルアクリルアミド/イソブチル-メタクリ
レート/2-エチルヘキシル-メタクリレート/シリコーン-マクロマーS1、コポ
リマーの分子
量は約300,000、
9) 80/20 t-ブチルアクリレート/シリコーン-マクロマーS2、コポリマ
ーの分子量は約150,000。
水性キャリア
この発明のムース組成物には、水性キャリアが含まれている。キャリアの濃度
と種類は、他の成分との相溶性と製品の所望される特性により選択される。
この発明で使用できる水性キャリアには水および揮発性溶媒の水溶液がある。
揮発性溶媒の濃度は、組成物の重量で、好適には約30%程度、より好適には約
20%程度、さらに好適には約15%程度である。
この発明で有用な水には、脱イオン水と鉱物カチオンを含む天然水がある。脱
イオン水が好適である。
この発明で有用な揮発性溶媒には、1〜3個の炭素がある低級アルコール、お
よび約5〜約8個の炭素がある炭化水素がある。好適な揮発性溶媒は、エタノー
ル、イソプロパノール、ペンタン、ヘキサンおよびヘプタンである。
この明細書の組成物には、実質的に圧縮噴射剤は含まれていない。噴射剤には
、ジフロロエタン152a(デュポンが供給)のようなフロロ炭化水素、ジメチルエー
テル、プロパン、イソブタン、n-ブタンなどの炭化水素、LPG(液化石油ガ
ス)のような炭化水素の混合物、二酸化炭素、亜酸化窒素、窒素がある。この明
細書の組成物は、コストの高い耐圧容器につめる必要がない。この明細書の組成
物は、組成物と空気を混合して発泡させられる装置を備えた容器につめることが
できる。適切な収納容器は泡分与ノズルを備えたポンプ-フォーム-ディスペンサ
またはポンプ-フォーマとして当業者に知られたものである。適切なポンプ-フォ
ーム-ディスペンサには、実開平3-7963、米国特許第5,364,031号、4,932,567号
に記載されているものがある。なお、これらはすべてこの明細書の参考文献の一
部である。適切なポンプ-フォーマ-ディスペンサには、Daiwa Can Co.,Ltd.およ
びYoshino Kogyo Co.,Ltd.から商業的に利用できるものがある。乳化性界面活性剤
この発明のスタイリング組成物には、水に不溶性の成分をキャリアに分散させ
る乳化性界面活性剤が含まれている。水に不溶性の成分には、上述の疎水性固着
性ポリマーと疎水性濃厚化ポリマー、高融点コンディショニング剤と下で説明す
る油性コンディショニング剤がある。しかし、乳化性界面活性剤は含めない方が
好ましい。
乳化性界面活性剤の濃度と種類は、他の成分との相溶性と製品の所望される特
性により選択される。乳化性界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性
界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤およびそれらの混合物から
なる群から選択する。
コンディショニング剤
この発明の組成物はコンディショニング剤を含むことができる。この明細書で
使えるコンディショニング剤には、高融点化合物、油性化合物、シリコーン化合
物、非揮発性溶媒、およびそれらの混合物がある。
高融点化合物
これらの組成物は、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪アルコール誘導体、脂肪
酸誘導体、炭化水素、ステロイド、およびそれらの混合物から選択した25℃以
上の融点を有する高融点化合物を含むことができる。理論的根拠はないが、これ
らの高融点化合物は、髪の毛の表面を覆い、摩擦を少なくして、髪に滑らかな感
じを与え、櫛を通しやすくしていると考えられている。この明細書のこのセクシ
ョンで開示された化合物は、一部の例では、一つ以上の分類に収まり、たとえば
、一部の脂肪族アルコール誘導体は脂肪酸誘導体としても分類できることは、当
業者には理解されている。しかし、与えられた分類はその特定の化合物に制約を
課すものではなく、分類および命名に好都合なようにされている。さらに、二重
結合の数と位置、および分岐の長さと位置により、必要な炭素原子を有するある
種の化合物は融点が約25℃未満であること
も、当業者には理解されている。このような低融点化合物は、このセクションに
含めるつもりはない。無数にある高融点化合物の例は、International Cosmetic
Ingredient Dictionary,第5版、1993,およびCTFA Cosmetic Ingred
ient Handbook,第2版,1992,に記載されている。両方ともこの明細書の
参考文献の一部である。
この明細書で有用な脂肪族アルコールには、約14〜約30個の炭素原子、好
適には約16〜約22個の炭素原子を有するものがある。これらの脂肪族アルコ
ールは、直鎖アルコールでも分岐鎖アルコールでもよく、また、飽和アルコール
でも不飽和アルコールでもよい。脂肪族アルコールの無数にある例には、セチル
-アルコール、ステアリル-アルコール、ブヘニル-アルコール、およびこれらの
混合物がある。
この明細書で有用な脂肪酸には、約10〜約30個の炭素原子、好適には約1
2〜約22個の炭素原子、そしてより好適には約16〜約22個の炭素原子を有
するものがある。これらの脂肪酸は、直鎖でも分岐鎖でもよく、また、飽和でも
不飽和でもよい。この明細書の要件に合致するジ脂肪酸、トリ脂肪酸、およびそ
の他のマルチ脂肪酸も含まれる。これらの脂肪酸の塩類もこの明細書に含まれる
。脂肪酸の無数にある例には、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ブヘ
ン酸、セバシン酸、およびそれらの混合物がある。
この明細書で有用な脂肪族アルコール誘導体ど脂肪酸誘導体には、脂肪族アル
コール類とアルコキシ脂肪族アルコール類のアルキル-エーテル類、アルコキシ
脂肪族アルコール類のアルキル-エーテル類、脂肪族アルコール類のエステル類
、エステル化できるヒドロキシ基を有する化合物の脂肪酸エステル類、ヒドロキ
シ置換脂肪酸類、およびそれらの混合物がある。脂肪族アルコール誘導体と脂肪
酸誘導体の無数にある例には、メチル-ステアリル-エーテル;セチル-アルコー
ルのエチレン-グリコール-エーテル類である、ceteth-1〜ceteth-45のようなcet
ethシリーズの化合物(ここで数字は存在するエチレン-グリコール部分の数を示
している);steareth-アルコールのエチレン-グリコール-エーテル類である、s
teareth-1〜steareth-10のようなstearethシリーズの化合物(ここで数字は存在
するエチレン-グリコール部分の数を
示している);ceteareth-アルコール、すなわち、主としてセチル-アルコール
とステアリル-アルコールを含有する脂肪族アルコールの混合物のエチレン-グリ
コール-エーテル類である、ceteareth-1〜ceteareth-10(ここで数字は存在する
エチレン-グリコール部分の数を示している);いま述べたceteth、steareth、c
eteareth化合物のC1-C30アルキル-エーテル類;ブヘニル-アルコールのポ
リオキシエチレン-エーテル類;エチル-ステアレート、セチル-ステアレート、
セチル-パルミテート、ステアリル-ステアレート、ミリスチル-ミリステート、
ポリオキシエチレン-セチル-エーテル-ステアレート、ポリオキシエチレン-ステ
アリルーエーテル-ステアレート、ポリオキシエチレン-ラウリル-エーテル-ステ
アレート、エチレングリコール-モノステアレート、ポリオキシエチレン-モノス
テアレート、ポリオキシエチレン-ジステアレート、プロピレングリコール-モノ
ステアレート、プロピレングリコール-ジステアレート、トリメチロールプロパ
ン-ジステアレート、ソルビタン-ステアレート、ポリグリセリル-ステアレート
、グリセリル-モノステアレート、グリセリル-ジステアレート、グリセリル-ト
リアセテート、およびそれらの混合物がある。
この明細書で有用な炭化水素類には、20個以上の炭素を有する化合物がある
。
この明細書で有用なステロイド類には、コレステロールなどの化合物がある。
高純度の単一化合物からなる高融点化合物が好適である。純セチル-アルコー
ル、ステアリル-アルコール、およびブヘニル-アルコールのグループから選択し
た純脂肪族アルコールの単一化合物が極めて好適である。この明細書で「純粋な
」とは、その化合物が約90%以上、好適には約95%以上の純度を有すること
を意味する。このような高純度の単一化合物を用いると、消費者がこの組成物を
すすいだ時に髪からのすすぎ性が良い。
この明細書で有用な商業的に利用できる高融点化合物には、New Japan Chemic
al(大阪)から入手できるKONOLシリーズおよびNOF(東京)から入手で
きるNAAシリーズという商品名があるセチル-アルコール、ステアリル-アルコ
ール、ブヘニル-アルコール;およびWAKO(大阪)から入手できる1-DOC
OSANOLという商品名がある純ブヘニル-アルコール;Akzo(USAイリノ
イ州シカゴ)から入
手できるNEO-FAT、Witco Corp.(USAオハイオ州ダブリン)から入手
できるHYSTRENE、およびVevy(イタリア、ジェノア)から入手できるD
ERMA商品名がある種々の脂肪酸;およびNikkoから入手できるNIKKOL
AGUASOME LAという商品名があるコレステロールがある。
油性化合物
これらの組成物には、第1油性化合物、第2油性化合物およびこれらの混合物
からなる群から選択した融点がせいぜい25℃度の油性化合物が含まれている。
この明細書で有用な油性化合物は揮発性でも不揮発性でもよい。理論的な根拠は
ないが、油性化合物は髪の毛に浸透して髪の毛のヒドロキシ結合を修飾し、髪の
毛に柔らかさと柔軟性を与える結果になると考えられている。油性化合物には、
上述のように第1油性化合物か第2油性化合物のいずれかが含まれている。第1
油性化合物と第2油性化合物の混合物を用いるのが好ましい。このセクションの
油性化合物と上述の高融点化合物とは区別する必要がある。無数にある油性化合
物の例は、International Cosmetic Ingredient Dictionary,第5版、1993
,およびCTFA Cosmetic Ingredient Handbook,第2版,1992,に記載
されている。両方ともこの明細書の参考文献の一部である。第1油性化合物
この明細書で有用な脂肪族アルコール類には、約10〜約30個の炭素原子、
好適には約12〜約22個の炭素原子、より好適には約16〜約22を有するも
のがある。これらの脂肪族アルコールは、直鎖アルコールでも分岐鎖アルコール
でも、また、飽和アルコールでも不飽和アルコールでもよいが、不飽和アルコー
ルが好適である。これらの化合物の無数にある例には、オレイル-アルコール、
パルミトレイク-アルコール、イソステアリル-アルコール、イソセチル-アルコ
ール、ウンデカノール、オクチル-ドデカノール、オクチル-デカノール、オクチ
ル-アルコール、カプリリック-アルコール、デシル-アルコールおよびラウリル-
アルコールがある。
この明細書で有用な脂肪酸には、約10〜約30個の炭素原子、好適には約1
2〜約22個の炭素原子、より好適には約16〜約22を有するものがある。こ
れらの脂肪酸類は、直鎖酸でも分岐鎖酸でも、また、飽和酸でも不飽和酸でもよ
い。適切な脂肪酸類には、たとえば、オレイン酸、リノレイン酸、イソステアリ
ン酸、リノレニン酸、エチル-リノレニン酸、アラキドニン酸、およびリシノリ
ン酸がある。
この明細書で規定されている脂肪酸誘導体と脂肪族アルコール誘導体には、た
とえば、脂肪族アルコール類のエステル類、アルコキシ脂肪族アルコール類と脂
肪族アルコール類のアルキル-エーテル類、アルコキシ脂肪族アルコール類のア
ルキル-エーテル類、およびそれらの混合物がある。脂肪酸誘導体と脂肪族アル
コール誘導体の無数にある例には、たとえば、メチル-リノレエート、エチル-リ
ノレエート、イソプロピル-リノレエート、イソデシル-オレエート、イソプロピ
ル-オレエート、エチル-オレエート、オクチルドデシル-オレエート、オレイル-
オレエート、デシル-オレエート、ブチル-オレエート、メチル-オレエート、オ
クチルドデシル-ステアレート、オクチルドデシル-イソステアレート、オクチル
ドデシル-イソパルミテート、オクチル-イソペラルゴネート、オクチル-ペラル
ゴネート、ヘキシル-イソステアレート、イソプロピル-イソステアレート、イソ
デシル-イソノナノエート、oleth-2、ペンタエリスリトール-テトラオレエート
、ペンタエリスリトール-テトライソステアレート、トリメチロールプロパン-ト
リオレエート、およびトリメチロールプロパン-トリイソステアレートがある。
この明細書で有用な商業的に利用できる第1の油性化合物には、New Japan Ch
emicalから入手できるUNJECOL 90BHRという商品名があるオレイル-アル
コール、Kokyu Alcohol(千葉)から入手できるKAKPTIとKAKTTIと
いう商品名があるペンタエリスリトール-テトライソステアレートとトリメチロ
ールプロパン-トリイソステアレート、New Japan Chemicalから入手できる化合
物名と商品名が同じであるペンタエリスリトール-テトラオレエート、New Japan
Chemicalから入手できるENUJERUBUシリーズという商品名があるトリ
メチロールプロパン-トリオレエート、Scherから入手できるSCHERCEMO
Lシリーズという
商品名がある種々の液体エステル類、およびKokyu Aloholから入手できるHIS
という商品名があるヘキシル-イソステアレートとZPISという商品名がある
イソプロピル-イソステアレートがある。
第2油性化合物
この明細書で有用な第2油性化合物には、融点がせいぜい25℃程度であれば
、飽和でも不飽和のいずれでもよい、直鎖、環状および分岐鎖炭化水素類がある
。これらの炭化水素には、約12〜約40個の炭素原子、好適には約12〜約3
0個の炭素原子、より好適には約12〜約22個の炭素原子がある。C2−6ア
ルケニル、モノマーのポリマーなどの、アルケニル-モノマーのポリマー性炭化
水素もこの明細書に包含されている。これらのポリマーは直鎖でも分岐鎖でもよ
い。直鎖ポリマーは、上述のような総炭素原子数があり、通常、長さが比較的短
い。分岐鎖ポリマーの鎖長は実質的に長くすることができる。このような物質の
数平均分子量は、幅広く変われるが、通常は、約500まで、好適には約200
〜約400、より好適には約300〜約350である。種々のグレードの鉱油も
この明細書で役立つ。鉱油は石油から得られる液状炭化水素の混合物である。適
切な炭化水素の具体的な例には、パラフィン油、鉱油、ドデカン、イソドデカン
、ヘキサデカン、イソヘキサデカン、エイコセン、イソエイコセン、トリデカン
、テトラデカン、ポリブテン、ポリイソブテン、およびそれらの混合物がある。
この明細書で使用するのに好適なのは、鉱油、イソデカン、イソドデカン、イソ
ヘキサデカン、ポリブテン、ポリイソブテン、およびそれらの混合物である。
この明細書で有用な第2油性化合物には、Presperse(USAニュージャージ
州サウス、プレインフィールド)から入手できるPERMETHYL 99A,101
A,1082という商品名がある、イソドデカン、イソヘキサデカン、イソエイコセ
ン、Amoco Chemicals(USAイリノイ州シカゴ)から入手できるINDOPO
LH-100という商品名がある、イソブテンとn-ブテンのコポリマー、Witcoから
入手できるBENOLという商品名がある鉱油、Exxon Chemical Co.(USA
テキサス州ヒュース
トン)からのISOPARという商品名があるイソパラフィン、Mobil Chemical
Co.からのPURESYN6という商品名があるα-オレフィンのオリゴマー、
およびMobil Chemical Co.からのMOBIL ESTER P43という商品名があ
るトリメチロールプロパン-トリカプリレート/トリカプレートがある。
シリコーン化合物
この明細書で有用なコンディショニング剤には、シリコーン化合物がある。こ
のシリコーン化合物には、揮発性で可溶性か不溶性のコンディショニング剤、ま
たは不揮発性で可溶性か不溶性のコンディショニング剤がある。可溶性とは、そ
のシリコーン化合物が組成物のキャリアと混じり合い、同じ相を形成できること
を意味している。不溶性とは、シリコーン化合物が液滴の浮遊物であるエマルジ
ョンの形態にあるような、キャリアとは別の、不連続な相を形成することを意味
する。
適切なシリコーン流体には、ポリアルキル-シロキサン類、ポリアリル(aryl
)-シロキサン類、ポリアルキルアリル(aryl)-シロキサン類、ポリエーテル-
シロキサン-コポリマー、およびそれらの混合物がある。頭髪コンディショニン
グ特性を有する他の不揮発住シリコーン化合物も使用できる。
この明細書のシリコーン化合物には、下記構造式(I)のポリアルキル-シロ
キサン類またまたはポリアリル(anyl)-シロキサン類もある:式中、Rはアルキルまたはアリル(aryl)であり、Xは約7〜約8,000の整数で
ある。「A」は、シリコーン鎖の末端をブロックする基を表す。シロキサン鎖(
R)上またはシロキサン鎖の末端(A)で置換されたアルキルまたはアリル(ar
yl)は、得られたシリコーンか室温で流体にとどまっており、分散性があり、髪
に塗布した時に刺
激や毒性もしくは別の害もなく、組成物の他の成分と相溶性があり、通常の使用
および貯蔵条件下で化学的に安定であり、かつ、髪に沈着し、髪のコンディショ
ンをよくする限り、できるだけ長い構造をとることができる。適切なA基には、
ヒドロキシ、メチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、およびアリル(aryl)
オキシがある。珪素原子と結合している二つのR基は、同じ基か異なる基を表す
。二つのR基は、同じ基である方が好ましい。適切なR基には、メチル、エチル
、プロピル、フェニル、メチルフェニルおよびフェニルメチルがある。好適なシ
リコーン化合物は、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、および
ポリメチルフェニルシロキサンである。ジメチコンとも呼ばれる、ポリジメチル
シロキサンがとくに好適である。使用できるポリアルキルシロキサン類には、た
とえば、ポリジメチルシロキサンがある。これらのシリコーン化合物は、たとえ
ば、General Electric Co.からViscasil RおよびSF96シリーズとして、また、D
ow CorningからDow Corning200シリーズとして入手できる。
ポリアルキルアリル(aryl)-シロキサン流体も使用できて、その例にはポリ
メチルフェニルシロキサン類がある。これらのシロキサン類は、たとえば、Gene
ral Electric Co.からSF 1075としてメチルフェニル流体を、または、Dow Cor
ningから556化粧品用グレード流体として入手できる。
髪の輝きを高める場合とくに好適なのは、屈折率が約1.46以上、とくに1.
52以上である高度にフェニル化したポリエチル-シリコーンなどの高度にアリ
ル(aryl)化したシリコーン化合物である。このような高屈折率の珪素化合物を
用いる場合は、これらの化合物は、下で説明するように物質の表面張力を下げて
、膜形成能力を上げるために、界面活性剤やシリコーン樹脂などの拡散剤と混合
する必要がある。
使用できるシリコーン化合物には、たとえば、ポリプロピレン-オキサイド変
性ポリジメチルシロキサンがある、ただし酸化エチレンまたは酸化エチレンと酸
化プロピレンの混合物も使用できる。酸化エチレンと酸化プロピレンの濃度は、
シリコーンの分散特性を妨害しないように十分低くする必要がある。これらの物
質はジメチコン-コポリオール類とも呼ばれている。
シリコーン化合物には、他に、アミノ置換物質がある。適切なアルキルアミノ
置換シリコーン化合物には、下記構造式(II)で表される化合物がある:
式中、RはCH3またはOH、xとyは分子量に依存する整数であり、平均分子
量は約5,000〜10,000の範囲にある。このポリマーは「アモジメチコン」とも呼
ばれている。
適切なアミノ置換シリコーン流体には、次式(III)で表せるものがある:
式中、Gは水素、フェニル、OH、C1-C8アルキルからなる群から選択され
、好適にはメチルであり;aは1〜3の整数または0を意味し、好適には0であ
り;bは0か1を意味し、好適には1であり;和n+mは1〜2,000、好適には
50〜150の範囲の数値であり、nは1〜1,999、好適には49〜149の範
囲の数値であり、mは1〜2,000、好適には1〜10の整数であり;R1は下記式
の1価基であり、
CqH2qL
式中、qは2〜8の整数であり、Lは下記グループから選択する:
-N(R2)CH2-CH2-N(R2)2
-N(R2)2
-N(R2)3A-
-N(R2)CH2-CH2-NR2H2A-
式中、R2は水素、フェニル、ベンジル、飽和炭化水素基(好適には1〜20個
の炭素原子を含むアルキル基)からなる群から選択し、そしてA-はハライド、
イオンを意味する。
式(III)に対応するとくに好適なアミノ置換シリコーンは式(IV)の「トリ
メチルシリルアモジメチコン」として知られたポリマーである:
式中、nとmは所望の化合物の正確な分子量により選択する。
使用できる他のアミノ置換シリコーン-ポリマーは式(V)により表される:
式中、R3は1〜18個の炭素原子を有する1価の炭化水素基、好適にはメチル
などのアルキルまたはアルケニル基を意味し;R4は炭化水素基、好適にはC1-
C18ア
ルキレン基またはC1-C18、より好適にはC1-C8アルキレンオキシ基を意
味し;Q-はハライド、イオン、好適にはクロライドであり;rは2〜20、好
適には2〜8の統計学的平均値を意味し;sは20〜200、好適には20〜5
0の統計学的平均値を意味する。この種の好適なポリマーは、Union Carbideか
ら「UCAR SILICONE ALE56」という名称で入手できる。
適切な不揮発性分散シリコーン化合物を開示している文献には、Geenの米国特
許第2,826,551号、1976年6月22日に発行されたDrakoffの米国特許第3,964,500
号、Paderの米国特許第4,364,837号、およびWoolstonの英国特許第849,433号が
ある。これらの特許はすべてこの明細書の参考文献の一部である。この明細書の
参考文献には、1984年にPetrarch Systems,Inc.から販売された「シリコーン化
合物」もある。この文献には、適切なシリコーン化合物について、それに限定し
ていないが、広範なリストが与えられている。
特別に役立つもう一つの不揮発性分散シリコーンは、シリコーン-ゴムである
。この明細書で使われているように、「シリコーン-ゴム」という用語は、25
℃における粘度が1,000,000センチストークス以上であるポリオルガノシロキサ
ン物質を意味する。この明細書で説明したシリコーン-ゴムは、上で開示したシ
リコーン化合物と一部オーバラップしうることが認識されている。このオーバラ
ップは、これらの物質に何か制約を課すことを意図しているわけではない。シリ
コーン-ゴムについては、Petrarchの他に、1979年5月1日に発行されたSpitzer
らの米国特許第4,152,416号、1968年にニューヨークのAcademic Pressから発行
されたNollとWalterのChemistry and Technology of Siliconesを含むその他の
文献にも記載されている。GeneralElectricSiliconeRubberProductDataSheetsSE
30,SE33,SE54,SE76にもシリコーン-ゴムに関する記載がある。これらの文献はす
べてこの明細書の参考文献の一部である。「シリコーン-ゴム」の質量分子量は
、通常、約200,000を超えており、一般に約200,000〜約1,000,000の範囲にある
。具体的な例としては、ポリジメチルシロキサン、ポリ(ジメチルシロキサン-
メチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサン-ジフェニル
シロキサン-メチルビニルシロキサン)
コポリマーおよびそれらの混合物がある。
高度に架橋したポリマー系シロキサンであるシリコーン樹脂も有用である。シ
リコーン樹脂の製造中、モノ-官能性かジ-官能性または両方のシラン類とトリ-
官能性およびテトラ-官能性シラン類を一緒にして架橋反応が行われる。当該技
術ではよく知られているように、シリコーン樹脂を取得するために必要な架橋度
はシリコーン樹脂に組み込まれる特定のシラン-ユニットにより違いがある。一
般的には、トリ-官能性およびテトラ-官能性シラン-モノマー-ユニットが十分存
在し、したがって、架橋度も十分であるシリコーン物質は、乾燥するとかたいフ
ィルムになり、そのようなものがシリコーン樹脂であると考えられている。酸素
原子と珪素原子の比は、個々のポリマー物質の架橋度の指標である。珪素原子あ
たり1.1以上の酸素原子があるシリコーン物質は、一般にこの明細書のシリコ
ーン樹脂と言える。好適には、酸素:珪素の原子比は約1.2:1.0以上である
。シリコーン樹脂の製造に用いられるシラン類には、モノメチル-、ジメチル-、
トリメチル-、モノフェニル-、ジフェニル-、メチルフェニル-、モノビニル-、
メチルビニルクロロ-の各シラン類、およびテトラクロロシランがあり、通常、
メチル置換シラン類がよく使われる。General ElectricがGE SS4230およびSS426
7として提供している樹脂が好適である。商業的に利用できるシリコーン樹脂は
、一般に、溶解した低粘度の揮発性または不揮発性シリコーン流体の形で供給さ
れている。この明細書で使用するシリコーン樹脂は、当業者には容易に認められ
るような溶解した形態でこの組成物に加える必要がある。理論的な根拠はないが
、シリコーン樹脂は髪の毛に対する他のシリコーン化合物の沈着性を高め、また
、高い屈折率により髪の艷をよくする。
有用なシリコーン樹脂には、他に、CTFAではポリメチルシルセキオキサン
と命名され、東芝シリコーンからTospearlとして商業的に利用できるシリコーン
樹脂粉末がある。
これらのシリコーン化合物を製造する方法は、1989年にJohn Wiley & Sons,I
nc.から発行されたEncyclopedia of PolymerScience and Engineering,第15
巻,第2版,204-308頁,に記載されている。これはこの明細書の参考文献の一
部である。
シリコーン物質、とくにシリコーン樹脂は、当業者には「MDTQ」命名法と
してよく知られている簡略命名システムにより便利よく識別できる。このシステ
ムでは、シリコーンは自身を構成している種々のシロキサン-モノマー-ユニット
の存在により記述できる。要約すると、記号Mはモノ-官能性ユニット(CH3)3
SiO).5を意味し、Dはジ-官能性ユニット(CH3)2SiOを意味し、Tは
トリ-官能性ユニット(CH3)3SiO1.5を意味し、Qは四重-またはテトラ-官
能性ユニットSiO2を意味している。ユニット記号のプライム、たとえば、M'
、D'、T'、Q'はメチル以外の置換基を意味し、各ケースについて具体的に規
定しなければならない。通常交互に現れる置換基には、ビニル、フェニル、アミ
ノ、ヒドロキシ、などの基がある。シリコーンの各種ユニットの総数またはその
平均を示す記号の添え字か、もしくは分子量と連携して比を具体的に明記された
、種々のユニットのモル比により、MDTQシステムにおけるシリコーン物質の
記述は完成する。シリコーン樹脂においてD、D'、M、M'に対してT、Q、T
'、Q'のモル量が相対的に高ければ、架橋度が高いことを示している。しかし、
上述のように、全体的な架橋度は酸素と珪素の比により示すこともできる。
この明細書で使用する好適なシリコーン樹脂には、MQ、MT、MTQ、MQ
およびMDTQ樹脂がある。したがって、シリコーンの好適な置換基はメチルで
ある。とくに好適なのは、M:Q比が約0.5:1.0〜約1.5:1.0で、樹脂
の平均分子量が約1000〜約10,000であるMQ樹脂である。
不揮発性溶媒
この明細書で有用な不揮発性溶媒には、3個より多い炭素原子があるアルキル
-アルコール類および多価アルコール類がある。この明細書で有用な多価アルコ
ール類には、1,2-プロパン-ジオール(すなわち、プロピレン-グリコール)、
ヘキシレン-グリコール、グリセリン、ジエチレン-グリコール、ジプロピレン-
グリコール、1,2-ブチレン-グリコール、および1,4-ブチレン-グリコールが
ある。追加成分
多種多様な他の追加成分をこの組成物に加えることができる。これらの成分に
は、Hormelから入手できるPeptein 2000という商品名がある加水分解コラーゲン
、Eisaiから入手できるEmix-dという商品名があるビタミンE、Rocheから入手で
きるパンテノール、Rocheから入手できるパンテニル-エチル-エーテル、加水分
解ケラチン、タンパク質、植物抽出物、および栄養分、などの他のコンディショ
ニング剤;ポリスチリルスチルベン類、トリアジンスチルベン類、ヒドロキシク
マリン類、アミノクマリン類、トリアゾール類、ピラゾリン類、オキサゾール類
、ピレン類、ポルフィリン類、およびオキサゾール類などの蛍光発光剤;ベンジ
ル-アルコール、メチル-パラベン、プロピル-パラベンおよびイミダゾリジニル
尿素などの防腐剤;クエン酸、クエン酸ナトリウム、こはく酸、リン酸、水酸化
ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのpH調整剤;酢酸カリウム、塩化ナトリウム
などの一般的な塩類;FD&CまたはD&C染料などの着色剤;過酸化水素、過
ホウ酸塩類や過硫酸塩類などの頭髪酸化(漂白)剤;チオグリコレート類などの
頭髪還元剤;香料;エチレンジアミン-四酢酸ジナトリウムなどの金属イオン封
鎖剤がある。この種の随意成分は一般に、個々の成分としては、組成物の重量で
、約0.001〜約10.0%、好適には約0.01〜約5.0%の範囲で使用され
る。
実施例
次の実施例で、この発明の範囲にある実施態様について、さらに詳しく説明す
る。これらの実施例の多くの変形態様がこの発明の精神と範囲を逸脱することな
く可能であるから、これらの実施例は説明のためにのみ提示するのであって、こ
の発明を限定するものと解釈すべきではない。成分は化学名かCTFA名で識別
し、さもなければ下で規定する。組成 *1 Yukaformer FH:メタクロイル-エチル-ベタインとアルキル-アクリレート
のコポリマー、三菱化学社から商業的に入手できる。
*2 Amphormer SH-701:オクチルアクリルアミド、アルキル-アクリレート類
、ブチルアミノエチル-メタクリレートのコポリマー、National Starch and Che
mical Co.から商業的に入手できる。
*3 Ultrahold Strong:アクリル酸、エチル-アクリレート、およびN-t-ブ
チル-アクリルアミドのコポリマー、BASFから商業的に入手できる。
*4 Luviskol VA:ビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマー、BASFか
ら商業的に入手できる。
*5 シリコーン-グラフト-コポリマー:25/65/10アクリル酸/イソプロ
ピル-メタクリレート/シリコーン-マクロマーS2、ポリマー分子量約200,000。
*6 ジメチコン-コポリオールSH3746:ポリオキシエチレン側鎖を有するポリ
ジ
メチルシロキサン。
*7 DC BY22-009:Dow Corningから商業的に入手できるシリコーン-マイク
ロエマルジョン。
調製方法
実施例1〜6のムース製品は次のようにつくるのが適切である。固着性ポリマ
ーを一部の水とエタノールに溶かす。Ultrahold Strongのようなアニオン性固着
性ポリマーを用いる場合は、一部の水の中でアミノメチルプロパノールで中和す
る。これに残りの成分を加え、均一になるまで混合する。最後に、このようにし
て得られた濃縮物をDaiwaCanCo.,Ltd.から入手できるポンプ-フォーマ-ディスペ
ンサに詰める。
実施例1〜6には、多くの利点がある。たとえば、ポンプ-フォーマ-ディスペ
ンサを通した場合、これらは0.025〜0.1g/mLの泡密度がある泡を発生
することができる。実施例1〜6からは、さらに、低粘度で、セッティング能力
が優れ、粘着性の低い製品が得られる。
この明細書で述べた実施例と実施態様は、説明のみを目的としており、この明
細書に照らした変形態様や変更はこの明細書の精神と範囲を逸脱することなく当
業者には示唆されている。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
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W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD
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