JP2001507684A - ベンゾオキサジノン類の不斉合成 - Google Patents

ベンゾオキサジノン類の不斉合成

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)逆転写酵素阻害薬として有用な、式(VI−i)の(S)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンの不斉合成のための新規な方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 ベンゾオキサジノン類の不斉合成 発明の分野 本発明は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)逆転写酵素阻害薬として有用な、 (S)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル− 1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンの不斉合成のた めの新規な方法を提供する。 発明の背景 逆転写は、レトロウイルス複製に共通な特徴である。ウイルスの複製は、ウイ ルスRNAゲノムの逆転写によりウイルス配列のDNAコピーを生成するために 、ウイルスにコード化された逆転写酵素を必要とする。したがって、逆転写酵素 は、レトロウイルス感染症の化学療法にとって臨床的に重要な標的である。なぜ なら、ウイルスにコード化された逆転写酵素の阻害が、ウイルスの複製を妨害す るからである 最終的にAIDSの発症をもたらすヒト免疫系の進行的破壊を引き起こすレト ロウイルスであるヒト免疫不全ウイルス(HIV)の治療において、多くの化合 物が有効である。HIV逆転写酵素の阻害による有効な治療としては、アジドチ ミジンのようなヌクレオシドをベースとする阻害薬、および非ヌクレオシドをベ ースとする阻害薬が知られている。ベンゾオキサジノン類が、HIV逆転写酵素 の有用な非ヌクレオシドベースの阻害薬であることが見出されている。式(VI −i)の(S)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロ メチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンは、 極めて強力な逆転写酵素阻害薬であるばかりでなく、HIV逆転写酵素の耐性に 対しても有効である。逆転写酵素阻害薬としての(S)−6−クロロ−4−シク ロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3, 1−ベンゾオキサジン−2−オンの重要性から、その製造のための経済的で効率 の良い合成法の開発が必要である。 Thompson他(Tetrahedron Letters)36巻、9 37〜940ページ、1995年)は、下記のように、極めてエナンチオ選択的 なアセチリド付加に引き続いて起こる縮合剤による環化により、下記のベンゾオ キサジンを生成するベンゾオキサジン鏡像体の不斉合成について記載している。 出発原料であるp−メトキシベンジルアニリンは、アニリン窒素を塩化p−メ トキシベンジルでベンジル化することにより合成する。加えて、全体のプロセス は、脱ベンジル化工程における硝酸セリウムアンモニウム酸化により、廃液中に 大量の重金属廃棄物を生み出す。 欧州特許出願第582,455A1号は、3工程の方法によるベンゾオキサジ ン類の合成について記載している。 その一般的方法は、(1)パラクロロアニリンのピバルアミドの、n−ブチル リチウムによるメタレーションに続いて起こるエステルによる求核置換反応によ るケトンの生成、(2)ケトンに対するグリニャール付加による3級カルビノー ルの合成、および(3)大過剰の縮合剤の添加による、カルビノールとの非保護 アミンの環化によるベンゾオキサジンの生成、を教示している。この方法では、 (−)−カンファン酸などの光学活性な分割剤の使用による、光学異性体のさら なる精製を必要とする。 Young他(PCT国際特許出願番号第WO9520389A1号)は、H IV逆転写酵素の阻害、HIVによる感染の予防または治療、およびAIDSの 治療に有用なベンゾオキサジン類について記載している。出願第WO95203 89A1号は、前記EP第582,455A1号と同等の合成法を開示している 。さらに、Young他(Antimicrobial Agents and Chemotherapy、39巻、2602〜2605ページ、1995年 )は、HIV逆転写酵素阻害薬としてHIV治療におけるベンゾオキサジノン( VI)の臨床的恩恵、in vitro活性、および薬物動態活性を論じる中で 、前記EP第582,455A1号と同等の合成法の概略を開示しており、そこ では、縮合剤の添加による非保護アミンのカルビノールとの環化に先立って、シ クロプロピル−エチニル−リチウム試薬の添加によって3級カルビノールを合成 している。 Thompson他(PCT国際特許出願番号第WO9622955A1号) は、(S)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチ ル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンの合成に有 用な、シクロプロピルアセチレンの改良された合成について記載している。出願 第WO9622955A1号は、本発明が顕著な改良を行おうとする全合成にお いて、依然として非効率的である前記刊行物に開示されている合成法の組合せを 開示している。 ベンゾオキサジノン類の前記の合成法は、有毒で、取扱いが難しい試薬、比較 的高価な材料、および非効率的なクロマトグラフィによる精製工程を組み合わせ て使用しており、(S)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリ フルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オ ンの全合成収率も一般的に低い。したがって、これらの制限を改善し、所望のべ ンゾオキサジノン類を高収率で与える、ベンゾオキサジン類の新しい合成ルート の発見が所望されている。 したがって、本発明は、新規なベンジル化法を提供すし、より高価かつ不安定 である対応する塩化ベンジル類似体の代わりに、酸触媒されるベンジルアルコー ル類を用いる。生成物は単離を必要としないため、手順の最適化は、能率的な処 理を可能にする。 本発明は、リチウムシクロプロピルアセチリドのキラルな付加において、溶液 流(solution stream)試薬として用いることができるような純 粋な生成物としての、(1R,2S)−ピロリジニルノルエフェドリンの調製を 提供する。本発明は、たとえばリチウムシクロプロピルアセチリドのような、リ チウムシクロプロピルアセチリドアニオンのキラルな付加において、溶液流試薬 として用いることができるような純粋な生成物としての、シクロプロピルアセチ レンの調製を提供する。 本発明は、ベンゾオキサジノン類の不斉合成に関する改良された合成法を提供 する。本発明の方法は、高毒性の硝酸アンモニウムセリウムの使用を排除し、し たがって、廃液中のセリウムイオンも排除する。本発明は、エナンチオ的に純粋 な生成物を与える、効率の良い非クロマトグラフィの精製方法を提供する。加え て、本発明は、再結晶によって精製可能である安定な固体としての中間体を提供 する。 先に引用した文献のいずれも、HIV逆転写酵素阻害薬として有用なベンゾオ キサジノン類の合成のための、本発明の方法について記載していない。発明の概要 本発明は、HIV逆転写酵素阻害薬として有用なベンゾオキサジノン化合物類 の調製ための新規な方法に関する。この方法は、酸触媒されるベンジルアルコー ル類を用いる、第1級アミンの新規なベンジル化方法を提供する。本発明の方法 は、高収率をもたらし、キログラムスケールで実施が可能であり、安定な中間体 を与える。本発明はさらに、総収率を改善する非クロマトグラフィ分離を提供す る。 本発明は、式(VI)の化合物を調製するための方法を提供し、 式中、 Xは、ClまたはF、および Aは、−CF3、−C25、または−C37であり、 前記方法は、1つまたは複数の以下の工程を含む。 (1)(付加)式(I)の化合物を、 式(VII)または式(VIII)の化合物と、 (式中、 R1は、HまたはC1 〜6アルキルであり、 R2は、H、−CH3、−CH2CH3または0〜3個のR12で置換されたフェニ ルであり、 R3は、H、−CH3、−CH2CH3または0〜3個のR12で置換されたフェニ ルであり、 R4、R5、R4a、R5a、R6、R8およびR9は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6 アルコキシおよびC1 〜6アルキルチオから独立に選択され、 R12は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6アルコキシまたはC1 〜6アルキルチオで あり; Yは、−(CH2nまたはOであり、および nは、0、1、2または3である) メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸または別の適当な酸触媒の存在下で 接触させて、式(II)の化合物を生成させる工程と、 (式中、Pは、 である) (2)(キラル付加)(a)1R,2S−ピロリジニルノルエフェドリンをn −ヘキシルリチウムまたは別の適当なアルキルリチウムおよびシクロプロピルア セチレンと接触させて、1R,2S−ピロリジニルノルエフェドリンおよびリチ ウムシクロプロピルアセチリドの混合物を生成させ、 (b)工程(2)(a)の混合物を式(II)の化合物と接触させて、式(I II)の化合物を生成させる工程と、 (3)(酸化的環化)式(III)の化合物を、p−クロラニルまたは別の適 当な酸化剤と接触させて、式(IV)の化合物を生成させる工程と、 (式中、P”は、 である) (4)(脱ベンジル化)式(IV)の化合物を、水素化ホウ素ナトリウムまた は別の適当な捕捉剤の存在下で、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムまたは別の 適当な開裂剤と接触させて、式(V)の化合物を生成させる工程と (5)(環化)式(V)の化合物をホスゲンまたは別の適当な環化剤と接触さ せて、式(VI)の化合物を生成させる工程とである。発明の詳細な説明 第1の実施の形態において、本発明は式(VI)の化合物の不斉合成のための 方法を提供し、 (式中 Xは、ClまたはFであり、および Aは、−CF3、−C25または−C37である。) 前記方法は、 (1)式(I)の化合物を、 式(VII)または式(VIII)の化合物と、 (式中、 R1は、H、C1 〜6アルキルまたはC1 〜6アルキルカルボニルであり、 R2は、Hであり、 R3は、H、−CH3、−CH2CH3または0〜3個のR12で置換されたフェ ニルであり、 R4、R5、R4a、R5a、R6、R8およびR9は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6 アルコキシおよびC1 〜6アルキルチオから独立に選択され、 R12は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6アルコキシまたはC1 〜6アルキルチオで あり、 Yは、−(CH2nまたはOであり、および nは、0、1、2または3である。) 適当な酸触媒の存在下で接触させて、式(II)の化合物を形成する工程と、 (式中、アミン保護基であるPは、 である) (2)(a)式(IX)の化合物を、 (式中、R10およびR11は独立に、C1 〜4アルキルであるか、あるいは、−N R1011はピロリジニル、ピペリジニルまたはモルホリニルである)アルキルリ チウムおよびシクロプロピルアセチレンと接触させて、式(IX)の化合物とリ チウムシクロプロピルアセチリドとの混合物を形成し、および (b)工程(2)(a)の混合物を、式(II)の化合物と接触させて、式( III)の化合物を形成する工程と、 (3)式(III)の化合物を、適当な酸化剤と接触させて、式(IV)の化 合物を形成する工程と、 (式中、P”は、 である) (4)式(IV)の化合物を、適当な捕捉剤の存在下に適当な開裂剤と接触さ せて、式(V)の化合物を形成する工程と、 (5)式(V)の化合物を、適当な環化剤と接触させて、式(VI)の化合物 を形成する工程と を含む。 より好ましい実施の形態において、XがCl、およびAが−CF3である式( VI)の化合物を調製するための方法は、 (1)式(I)の化合物を、式(VII)の化合物と、 (式中、 R1は、H、C1 〜6アルキルまたはC1 〜6アルキルカルボニルであり、 R2は、Hであり、 R3は、H、−CH3、−CH2CH3または0〜3個のR12で置換されたフェニ ルであり、 R4、R5、R4a、R5aおよびR6は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6アルコキシ およびC1 〜6アルキルチオから独立に選択され、および R12は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6アルコキシまたはC1 〜6アルキルチオで ある。) 適当な酸触媒の存在下で接触させて、式(II)の化合物を形成する工程と、 (2)(a)1R,2S−ピロリジニルノルエフェドリンをn−ヘキシルリチ ウムおよびシクロプロピルアセチレンと接触させて、1R,2S−ピロリジニル ノルエフェドリンとリチウムシクロプロピルアセチリドとの混合物を形成し、お よび (b)工程(2)(a)の混合物を式(II)の化合物と接触させて、式(I II)の化合物を形成する工程と、 (3)式(III)の化合物を、適当な酸化剤と接触させて、式(IV)の化 合物を形成する工程と、 (4)式(IV)の化合物を、適当な捕捉剤の存在下に適当な開裂剤と接触さ せて、式(V)の化合物を形成する工程と、 (5)式(V)の化合物を適当な環化剤と接触させて、式(VI)の化合物を 形成する工程と を含む。 より好ましい実施の形態において、式(VI−i)の化合物を調製するための 方法は、 (1)XがCl、およびAがトリフルオロメチルである式(I)の化合物を、 適当な酸触媒の存在下でp−メトキシベンジルアルコールと接触させて、式(I I−i)の化合物を形成する工程と、 (2)(a)1R,2S−ピロリジニルノルエフェドリンをn−ヘキシルリチ ウムおよびシクロプロピルアセチレンと接触させて、1R,2S−ピロリジニル ノルエフェドリンとリチウムシクロプロピルアセチリドとの混合物を形成し、 (b)工程(2)(a)の混合物を式(II−i)の化合物と接触させて、式 (III−i)の化合物を形成する工程と、 (3)式(III−i)の化合物を、適当な酸化剤と接触させて、式(IV− i)の化合物を形成する工程と、 (4)式(IV−i)の化合物を、適当な捕捉剤の存在下に適当な開裂剤と接 触させて、式(V−i)の化合物を形成する工程と、 (5)式(V−i)の化合物を適当な環化剤と接触させて、式(VI−i)の 化合物を形成する工程とを含む。 さらにより好ましい実施の形態において、式(VI)の化合物の調製のための 方法において、 前記適当な酸触媒は、HCl、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、リン 酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸およびp−トルエンスルホン酸か ら成る群から選択され、 前記適当な酸化剤は、MnO2、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1, 4−ベンゾキノン、p−テトラクロロベンゾキノン、o−テトラクロロベンゾキ ノンおよびヨードソベンゼンジアセタートから成る群から選択され、 前記適当な開裂剤は、ナトリウムC1 〜4アルコキシド、リチウムC1 〜4アルコ キシド、カリウムC1 〜4アルコキシド、NaOH、LiOH、KOHおよびCa (OH)2から成る群から選択され、 前記適当な捕捉剤は、NaBH4、NaHSO3、ヒドロキシルアミン、トシル ヒドラジドまたはH22であり、および 前記適当な環化剤はホスゲンである 式(VI)の化合物の調製方法におけるより好ましい実施の形態において、工 程(2)(a)および(b)の化合物は、溶液流として独立に準備されおよび混 合される。 第2の実施の形態において、本発明は式(11)の化合物を調製するための方 法を提供し、 (式中、 Xは、ClまたはFであり、 Aは、−CF3、−C25または−C37であり、 Pは、 であり、 R2は、H、−CH3、−CH2CH3または0〜3個のR12で置換されたフェニ ルであり、 R3は、H、−CH3、−CH2CH3または0〜3個のR12で置換されたフェニ ルであり、 R4、R5、R4a、R5a、R6、R8およびR9は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6 アルコキシおよびC1 〜6アルキルチオから独立に選択され、 R12は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6アルキルチオまたはC1 〜6アルコキシで あり、 Yは、−(CH2nまたはOであり、および nは、0、1、2または3である。) 前記方法は、 式(I)の化合物を、 式(VII)または式(VIII)の化合物と、 (式中、R1は、H、C1 〜6アルキルまたはC1 〜6アルキルカルボニルであ る。) 適当な酸触媒の存在下で接触させて、式(II)の化合物を形成する工程を含む 。 より好ましい実施の形態において、式(VII)の化合物は、 であり、 R1は、Hまたはメチルであり、 R2は、H、あるいはHまたはメトキシで置換されたフェニルであり、 R3は、H、あるいはHまたはメトキシで置換されたフェニルであり、 R4は、Hまたはメトキシであり、および R5は、Hまたはメトキシである。 より好ましい実施の形態において、適当な酸触媒は、HCl、メタンスルホン 酸、ベンゼンスルホン酸、リン酸、硫酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸お よびp−トルエンスルホン酸から成る群から選択される。 第3の実施の形態において、本発明は式(IV)の化合物を調製するための方 法を提供し、 (式中、 Xは、ClまたはFであり、 Aは、−CF3、−C25または−C37であり、 P”は、 であり、 R3は、H、−CH3、−CH2CH3または0〜3個のR12で置換されたフェニ ルであり、 R4、R5、R4a、R5a、R6、R8およびR9は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6 アルコキシおよびC1 〜6アルキルチオから独立に選択され、 R12は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6アルキルチオまたはC1 〜6アルコキシで あり、 Yは、−(CH2nまたはOであり、および nは、0、1、2または3である。) 前記方法は、 式(III)の化合物を、 (式中、Pは、 であり、および R2はHである。) 非水溶媒中で適当な酸化剤と接触させて、式(IV)の化合物を形成する工程を 含む。 好ましい実施の形熊において、式(III)の化合物は、 である。 より好ましい実施の形態において、適当な酸化剤は、MnO2、2,3−ジク ロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン、p−テトラクロロベンゾキノ ン、o−テトラクロロベンゾキノンおよびヨードソベンゼンジアセタートから成 る群から選択される。 第4の実施の形態において、本発明は、式(V)の化合物を調製するための方 法を提供し、 (式中、 Xは、ClまたはFであり、および Aは、−CF3、−C25、−C37である。) 前記方法は、 式(IV)の化合物を、 (式中、P”は、 であり、 R3は、H、−CH3、−CH2CH3または0〜3個のR12で置換されたフェニ ルであり、 R4、R5、R4a、R5a、R6、R8およびR9は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6 アルコキシおよびC1 〜6アルキルチオから独立に選択され、 R12は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6アルキルチオまたはC1 〜6アルコキシで あり、 Yは、−(CH2nまたはOであり、および nは、0、1、2または3である。) 適当な捕捉剤の存在下に適当な開裂剤と接触させて、式(V)の化合物を形成す る工程を含む。 好ましい実施の形態において、式(IV)の化合物は、 であり、 R3は、Hまたはメトキシで置換されたフェニルであり、 R4は、Hまたはメトキシであり、および R5は、Hまたはメトキシである。 より好ましい実施の形態において、適当な開裂剤は、ナトリウムC1 〜4アルコ キシド、リチウムC1 〜4アルコキシド、カリウムC1 〜4アルコキシド、NaOH 、LiOH、KOHおよびCa(OH)2から成る群から選択され、 適当な捕捉剤は、NaBH4、NaHSO3、ヒドロキシルアミン、トシルヒド ラジドおよびH22から成る群から選択される。 第5の実施の形態において、本発明は式(VI)の化合物を不斉合成するため の方法をさらに提供し、 (式中、 Xは、ClまたはFであり、および Aは、−CF3、−C25または−C37である。) 前記方法は、 (1)式(I)の化合物を、 式(VII)の化合物と、 (式中、 R1は、H、C1 〜6アルキルまたはC1 〜6アルキルカルボニルであり、 R2は、−CH3、−CH2CH3または0〜3個のR12で置換されたフェニルで あり、 R3は、−CH3、−CH2CH3または0〜3個のR12で置換されたフェニルで あり、 R4、R5、R4a、R5aおよびR6は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6アルコキシ およびC1 〜6アルキルチオから独立に選択され、および R12は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6アルコキシまたはC1 〜6アルキルチオで ある。) 適当な酸触媒の存在下で接触させて、式(II)の化合物を形成する工程と、 (2)(a)式(IX)の化合物を、 (式中、R10およびR11は、独立にC1 〜4アルキルであるか、あるいは−NR1011はピロリジニル、ピペリジニルまたはモルホリニルである。) アルキルリチウムおよびシクロプロピルアセチレンと接触させて、式(IX)の 化合物とリチウムシクロプロピルアセチリドの混合物を形成し、および (b)工程(2)(a)の混合物を、式(II)の化合物と接触させて、式( III)の化合物を形成する工程と、 (3)式(III)の化合物を、適当な脱保護剤と接触させて、式(V)の化 合物を形成する工程と、 (4)式(V)の化合物を、適当な環化剤と接触させて、式(VI)の化合物 を形成する工程と を含む。 第7の実施の形態において、本発明は、式(IV−i)の新規化合物、 または薬剤学的に許容可能なその塩を提供する。 本発明の方法は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)逆転写酵素阻害薬として有 用な、(S)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメ チル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オン、および (S)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチル− 1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンの合成における 有用な中間体である化合物類の調製に有用である。このようなHIV逆転写酵素 阻害薬は、HIVの阻止およびHIV感染症の治療に有用である。このようなH IV逆転写酵素阻害薬は、HIVを含む、またはHIVに曝露されると予想され る生体外(ex vivo)試料におけるHIVの阻害に有用である。したがっ て、このようなHIV逆転写酵素阻害薬は、HIVを含む、または含むと予想さ れる、またはHIVに曝露された体液試料(例えば、体液または精液試料)中に 存在するHIVを阻止するために用いることができる。このようなHIV逆転写 酵素阻害薬は、薬剤のウイルス複製および/またはHIV逆転写酵素を阻害する 能力を測定するための試験またはアッセイ、例えば、医薬研究プログラムにおい て用いる標準化合物または参照化合物としても有用である。したがって、このよ うなHIV逆転写酵素阻害薬は、このような分析法の対照化合物または参照化合 物、および品質管理の標準品として用いることができる。 以下の用語および略語が本明細書中で用いられ、かつ以下のように定義される 。 略語は、 本明細書中で用いる「THF」は、テトラヒドロフランを意味し、 本明細書中で用いる「DMSO」は、ジメチルスルホキシドを意味し、 本明細書中で用いる「DMAC」は、ジメチルアセトアミドを意味し、 本明細書中で用いる「MTBE」は、メチルt−ブチルエーテルを意味し、 本明細書中で用いる「BuLi」は、ブチルリチウムを意味し、 本明細書中で用いる「NaH」は、水素化ナトリウムを意味し、 本明細書中で用いる「LDA」は、リチウムジイソプロピルアミドを意味し、 本明細書中で用いる「TsOH」は、p−トルエンスルホン酸を意味し、 本明細書中で用いる「TMEDA」は、N,N,N’,N’,−テトラメチル エチレンジアミンを意味し、および 本明細書中で用いる「DDQ」は、2,3−ジクロロ−4,5−ジシアノベン ゾキノンを意味する。 本明細書中で請求される合成方法の反応は、有機合成に関わる当業者によって 容易に選択できる適当な溶媒中で行われ、前記の適当な溶媒は通常、反応が行わ れる温度、すなわち、溶媒の凝固温度から沸点までの範囲の温度で、出発材料( 反応剤)、中間体、または生成物に対して本質的に非反応性の任意の溶媒である 。所定の反応は、1種類の溶媒中または2種類以上の溶媒混合物中で行うことが できる。個々の反応工程に依存して、個々の反応に適当な溶媒を選択することが できる。 適当なハロゲン化溶媒は、クロロベンゼン、フルオロベンゼンまたはジクロロ メタンを含む。 適当なエーテル溶媒は、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレング リコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレン グリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエ チレングリコールジメチルエーテル、またはt−ブチルメチルエーテルを含む。 適当なプロトン性溶媒は、例として、水、メタノール、エタノール、2−ニト ロエタノール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール 、エチレングリコール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メトキシエ タノール、1−ブタノール、2−ブタノール、i−ブチルアルコール、t−ブチ ルアルコール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコール、1−、2−、 または3−ペンタノール、ネオーペンチルアルコール、t−ペンチルアルコール 、 ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエ ーテル、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェノール、またはグリセ ロールを含むが、これらに限定されるものではない。 適当な非プロトン性溶媒は、例としてテトラヒドロフラン(THF)、ジメチ ルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3−ジメ チル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU) 、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、N−メチルピロリジノ ン(NMP)、ホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミ ド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、プロピオニトリル、ギ酸エチル、 酢酸メチル、ヘキサクロロアセトン、アセトン、エチルメチルケトン、酢酸エチ ル、スルホラン、N,N−ジメチルプロピオンアミド、テトラメチル尿素、ニト ロメタン、ニトロベンゼン、またはヘキサメチルリン酸トリアミドを含むが、こ れらに限定されるものではない。 適当な塩基性溶媒は、2−、3−、または4−ピコリン、ピロール、ピロリジ ン、モルホリン、ピリジン、またはピペリジンを含む。 適当な炭化水素溶媒は、ベンゼン、シクロヘキサン、ペンタン、ヘキサン、ト ルエン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、エチルベンゼン、 m−、o−、またはp−キシレン、オクタン、インダン、ノナン、またはナフタ レンを含む。 本明細書中で用いる「アミン保護基」(または「N−保護の」)という用語は 、有機合成の当該技術において知られているアミン基を保護するためのいずれの 基も意味する。このようなアミン保護基は、GreeneおよびWuts、「P rotective Groups in Organic Synthesi s」、John Wiley&Sons、New York(1991年)に記 載されている基を含み、その開示は、参照により本明細書の一部をなすものとす る。アミン保護基の例は、ベンジル、α−メチルベンジル、ジフェニルメチル( ベンズヒドリル)、ジメトキシベンズヒドリル、トリフェニルメチル(トリチル )、9−フルオレニル、フェニルフルオレニル、ジヒドロアントラセニル、モノ メトキシトリチル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、2, 4−ジメトキシベンジル、3,4,5−トリメトキシベンジルなどのアルキル型 のものを含むが、これらに限定されるものではない。 本明細書中で用いる「キラル誘起剤」または「キラル誘導剤」という用語は、 プロキラルな中心に対するアキラルな物質の付加において、エナンチオ過剰のキ ラル中心の生成を選択的に誘導する非反応性のキラル試薬を意味する。キラル誘 導剤の例には、1R,2S−N−メチルエフェドリン、1R,2S−N−ピロリ ジニルノルエフェドリン、1R,2S−N−ピペリジニルノルエフェドリンおよ び1R,2S−N−モルホリニルノルエフェドリンなどの1R,2S−N−置換 ノルエフェドリン類が含まれるが、これらに限定されるものではない。 本明細書中で用いる「酸触媒」という用語は、ベンジルアルコール、ベンズヒ ドロールまたはトリチルアルコールのような、アルキル型アミン保護基のアルコ ール誘導体の、化合物(I)のような遊離塩基形態の非塩基性アミンに対する付 加を触媒するいずれの酸性試薬も意味する。酸触媒の例は、HCl、HBr、メ タンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、硫酸、トリフルオ ロ酢酸、トリクロロ酢酸、リン酸およびポリリン酸を含むが、これらに限定され るものではない。 本明細書中で用いる「酸化剤」という用語は、「ベンジル型に(benzyl ic)」保護されたアミンを対応するイミンに酸化するいずれの試薬も意味し、 したがって、分子内環化により式(III)の化合物から化合物(IV)を生成 する。酸化剤の例は、二酸化マンガン、KMnO4、K2SO5、KHSO5、DD Q,p−クロラニル、o−クロラニルおよびヨードソベンゼンジアセタートを含 むが、これらに限定されるものではない。 本明細書中で用いる「脱保護剤」という用語は、ベンジル、ベンズヒドリルま たはトリチルのようなアルキル型アミン保護基の除去を行い、化合物(IV)な どの遊離塩基形態のアミンとすることができるいずれの酸性試薬も意味する。脱 保護剤の例は、HCl、HBr、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリ クロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、リン酸およびp−トルエンスルホン酸を含むが 、これらに限定されるものではない。 本明細書中で用いる「開裂剤」という用語は、式(IV)のヘミアミナールか らのP”の除去すなわち脱ベンジル化により、式(V)の化合物の生成を行うこ とができるいずれの試薬も意味する。このような開裂剤は強塩基であり、例えば 、NaOH、KOH、LiOH、Ca(OH)2、NaOCH3、NaOC25、 NaOC37、NaOC49、KOCH3、KOC25およびKOC49などの 金属水酸化物および金属アルコキシドを含むが、これらに限定されるものではな い。 本明細書中で用いる「捕捉剤」という用語は、副生成物を、所望の生成物であ る化合物(V)と反応しない物質に変換することができるいずれ試薬も意味し、 ここで、副生成物は、P”の構造に依存し、式(IV)のヘミアミナール中のP ”の除去すなわち脱ベンジル化における芳香族アルデヒドまたはケトンである。 当業者によって用いられるように、捕捉剤は、標準的な還元剤、誘導体化剤また は酸化剤であり、これらすべては、溶液中の第二の分子種に優先して1つの分子 種の選択的反応に用いられる。芳香族アルデヒドまたはケトンをアルコールに還 元する捕捉剤の例は、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化 ホウ素カリウム、重亜硫酸ナトリウムおよび水素化トリメトキシホウ素ナトリウ ムを含むが、これらに限定されるものではなく、そこでは、水素化ホウ素ナトリ ウムが好ましい。芳香族アルデヒドまたはケトンをオキシムまたはヒドラゾンへ と誘導体化する捕捉剤の例は、ヒドラジン、ジメチルヒドラジン、ヒドロキシル アミンおよびトシルヒドラジドを含むが、これらに限定されるものではない。芳 香族アルデヒドを芳香族カルボン酸に酸化する捕捉剤の例は、過酸化水素、t− ブチルヒドロペルオキシド、K2SO5、およびKHSO5を含むが、これらに限 定されるものではない。 本明細書中で用いる「環化剤」という用語は、式(V)のアミノカルビノール 化合物からのベンゾオキサジノンの生成を行うことができるいずれの試薬も意味 する。環化剤の例は、ホスゲン、1,1’−カルボニルジイミダゾール、クロル ギ酸メチルおよび炭酸ジメチルが含まれるが、これらに限定されるものではない 。 本明細書中で用いる「リチオ化剤」または「アルキルリチウム」という用語は 、アルキンをアルキニルリチウムへと定量的に変換できる有機リチウム試薬を意 味する。リチオ化剤の例は、n−ヘキシルリチウム、n−オクチルリチウム、n − ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、イソブチルリ チウム、リチウムジイソプロピルアミド、フェニルリチウムおよびトリフェニル メチルリチウムであるが、これらに限定されるものではない。 本明細書中で用いる「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロおよび ブロモを指す。 本明細書中で用いる「アルキル」は、1から12の炭素原子を有する、分枝お よび直鎖の双方の飽和脂肪族炭化水素基を含むことを意図している。本明細書中 で用いる「アルコキシ」は、酸素橋を介して結合した指示された数の炭素原子の アルキル基を含むことを意図している。本明細書中で用いる「アルキルチオ」は 、イオウ橋を介して結合した指示された数の炭素原子のアルキル基を含むことを 意図している。 本明細書中に記載される化合物は、不斉中心を有することができる。すべての キラル体、ジアステレオマー、およびラセミ体が、本発明に含まれる。本発明の ある種の化合物は、不斉に置換された炭素原子を含み、光学活性またはラセミ体 として単離できることは理解されるであろう。ラセミ体の分割または光学活性な 出発材料からの合成などによって、光学活性体を調製する方法は、当該技術にお いてよく知られている。具体的な立体化学または異性体の形態が具体的に指示さ れていない限り、全てのキラル体、ジアステレオマー、ラセミ体、および全ての 幾何異性体が意図されている。 置換基および/または変数の組合せは、そのような組合せが安定な化合物をも たらす場合にのみ許容される。本明細書中で、安定な化合物または安定な構造と は、反応混合物から有用な純度での単離に耐えるのに十分に強い化合物を意味す る。 本明細書中で用いる「置換された」という用語は、指示された原子の通常の原 子価を超えないこと、その置換が安定な化合物をもたらことを条件として、指示 された原子上の1つまたは複数の水素が、指示された基からの選択によって置き 換えられることを意味する。 本発明は、少なくとも多グラムスケール、キログラムスケール、多キログラム スケール、または工業スケールで実施するように意図されている。本明細書中で 用いるように、多グラムスケールとは、少なくとも1つの出発材料が10グラム 以上存在するスケールが好ましく、少なくとも50グラム以上がより好ましく、 少なくとも100グラム以上がさらにより好ましい。本明細書中で用いるように 、多キログラムスケールは、1キログラムを超える少なくとも1つの出発材料を 用いるスケールを意味することを意図している。本明細書中で用いるように、工 業スケールは、実験室スケール以外のスケールを意味し、臨床試験あるいは消費 者への配布のために十分な生成物を供給するに十分なスケールを意味することを 意図している。 本発明の方法は、例としてスキーム1を参照することにより、さらに理解され るであろうが、これに限定されるものではない。スキーム1は、式(I)から( VI)に至る不斉合成の一般的合成法の詳細を示し、そこでは、XがClであり 、およびAがトリフルオロメチルである。 有機合成の当業者が、本明細書中に記載または例示された方法に従い、式(I )の化合物の調製において、p−クロロアニリンまたはp−フルオロアニリンと 、CF3CO2Et、CF3CF2CO2EtまたはCF3CF2CF2CO2Etとの 組合せを適当に選択することにより、XがClまたはF、およびAがトリフルオ ロメチル、ペンタフルオロエチルまたはヘプタフルオロプロピルである式(I) から(VI)に至る化合物の同族体を調製できることは、理解されるであろう。スキーム1 HIV逆転写酵素阻害薬として有用なベンゾオキサジノン類の不斉合成のため の改良法を提供することが、本発明の目的である。 工程1:付加:式(II)の化合物の調製 この工程は、適当な温度における適当な溶媒中で、適当な酸触媒の存在下で、 ベンジル型アルコール、ベンジル型エーテル、ベンズヒドリルアルコールまたは ベンズヒドリルエーテルと、式(I)の化合物を遊離塩基に変換後に反応させる ことによって行われて、式(II)の化合物を形成する。一般的な指針としては 、 ほぼ室温の水性/有機溶媒中の化合物(I)を、塩基を用いて約pH7まで中和 し、約1モル当量のベンジル型アルコール、ベンジル型エーテル、ベンズヒドリ ルアルコールまたはベンズヒドリルエーテルと接触させ、約0.1から約5.0 モル%の適当な酸触媒とさらに接触させ、そして十分な温度まで加熱して化合物 (II)を形成することができる。化合物(II)は、標準的な処理方法により 、安定な固体として反応から分離してもよい。標準的処理の例を、実施例3に示 す。必要に応じて、化合物(II)を、式(III)の化合物を合成する次の工 程に繰り越してもよい。 Pは、それぞれ式(VII)または式(VIII)の化合物から誘導されたベ ンジル型基またはベンズヒドリル基であり、および、好ましくはp−メトキシベ ンジル、3,4−ジメトキシベンジル、2,4−ジメトキシベンジルまたは4, 4’−ジメトキシベンズヒドリルである。より好ましくは、Pは、p−メトキシ ベンジルである。 工程(1)に関して好ましい酸触媒は、HCl、メタンスルホン酸、硫酸、ト リフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸およびp−トルエンスルホン酸を含む。より好 ましくは、酸触媒は、メタンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸である。 工程(1)に関して好ましい溶媒およびそれらの混合物は、トルエン、ジオキ サン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ジメトキシエタン、メチルシクロヘキサン 、2−プロパノールおよび酢酸である。より好ましい溶媒はトルエンである。 工程(1)に関して好ましい温度範囲は、およそ室温から約120℃である。 Pがp−メトキシベンジルのときにより好ましくは、温度範囲は約60から約9 0℃である。 当業者が、温度、酸触媒およびP基に依存して、工程1の好ましい反応時間を 決めることができることは理解される。一般的に、反応時間は、0.5から12 時間である。 工程2:キラル誘導:式(III)の化合物の調製 この工程、すなわちキラル誘導は、適当な溶媒中で式(IX)のキラル誘導剤 の存在下で、式(III)の化合物を形成するのに十分な温度で、適当な時間に わたって、好ましくは少なくとも約2当量のシクロプロピルエチニルリチウムを 用いて、式(II)の化合物のアキラルなケトンカルボニルをアルキル化するこ とを含み、前記シクロプロピルエチニルリチウムは、シクロプロピルアセチレン を適当なアルキルリチウムと接触させることにより、式(II)の化合物にシク ロプロピルエチニル置換基を付加するために、その場で生成される。約2当量の シクロプロピルエチニルリチウムのその場での生成は、約1から約3時間にわた って、約−0℃未満の温度において、適当な溶媒中で、約2当量のシクロプロピ ルアセチレンを、約4当量の適当なアルキルリチウムと接触させることによって 行うことができる。一般的な指針により、約2当量の式(IX)のキラル誘導剤 と、約4当量の適当なアルキルリチウムと、約2当量のシクロプロピルアセチレ ンとを、溶液流を経由して別々に加え、シクロプロピルエチニルリチウムが十分 に生成するまで熟成し、その時点において、適当な溶媒中の約1当量の式(II )の化合物を加え、1〜3時間にわたり、−30℃未満の温度に維持して化合物 (III)を形成する。化合物(III)は、標準的な処理方法により、安定な 固体として反応から分離してもよい。標準的処理の例を、実施例4に示す。 この工程の試薬は、溶液流として加えるのが好ましいが、必ずしも必要ではな い。すなわち、互いに接触する前に別個の溶液として別々に調製するのが好まし い。固体として容易に取り扱えるか、あるいは操作できる試薬、例えば、式(I I)の化合物またはキラル誘導剤は、そのようなものとして反応混合物に加える ことができる。 工程(2)に関して好ましいキラル誘導剤は、1R,2S−ピロリジニルノル エフェドリンである。 工程(2)に関して好ましいアルキルリチウム剤は、n−ブチルリチウム、s ec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、iso−ブチルリチウム、n−ヘ キシルリチウムおよびオクチルリチウムを含む。より好ましいアルキルリチウム 剤は、n−ヘキシルリチウムである。 工程(2)に関して好ましい溶媒およびそれらの混合物は、テトラヒドロフラ ン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンおよびトルエンである。 工程(2)に関して好ましい反応時間は、シクロプロピルエチニルリチウムの 生成に関して約2時間、および1R,2S−ピロリジニルノルエフェドリン/シ クロプロピルエチニルリチウムに対する化合物(II)の添加に関して約1〜2 時間である。 工程(2)に関して好ましい温度範囲は、シクロプロピルエチニルリチウム生 成に関して約−50から約−0℃、およびシクロプロピルエチニルリチウム/1 R,2S−ピロリジニルノルエフェドリン溶液に対する化合物(II)の添加に 関して約−60から約−40℃である。 工程3:酸化的環化:式(IV)の化合物の調製 この工程は、適当な溶媒中の式(III)のカルビノール化合物を、十分な温 度において、適当な時間にわたって、好ましくは少なくとも約1当量の適当な酸 化剤と反応させて、式(IV)の化合物を形成することを含む。一般的な指針と しては、適当な非水溶媒中の化合物(III)を、約1モル当量の適当な酸化剤 と接触させ、および化合物(IV)を形成するために十分な温度で、約1から約 6時間加熱することができる。化合物(IV)は、適当な非水溶媒を用いて反応 を停止し、続いて標準的な処理方法を行うことにより、安定な固体として反応か ら分離してもよい。標準的処理の例を、実施例5に示す。加えて、実施例6bに 示すように、化合物(IV)を単離することなく、化合物(V)を調製するため の工程4に繰り越してもよい。 工程(3)に関して好ましい酸化剤は、p−テトラクロロベンゾキノンおよび 2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンを含む。 工程(3)に関して好ましい溶媒およびそれらの混合物は、トルエン、ヘプタ ン、酢酸エチル、メチル−t−ブチル−エーテル、テトラヒドロフラン、ジクロ ロメタンおよびシクロヘキサンである。2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ− 1,4−ベンゾキノンを用いる反応に対しては、エタノールおよびメタノールが 適当である。 工程(3)における反応時間は、溶媒および温度に依存する。酸化剤添加に付 随する溶媒がヘプタン/酢酸エチルのときには、工程(3)に関して好ましい反 応時間は、約4から約6時間である。 化合物(III)に対して酸化剤を添加する場合に好ましい温度範囲は、溶媒 に依存する。溶媒が、ヘプタン/酢酸エチルのとき、工程(3)に好ましい温度 範囲は、初期はほぼ室温、そして、それ以後は還流温度である。 工程4:脱ベンジル化:式(V)の化合物の調製 この工程は、式(V)の化合物を形成するために十分な温度において、適当な 溶媒中において、適当な強塩基との、式(IV)の化合物の反応を含む。P”の 構造に依存して、ヘミアミナールの脱ベンジル化生成物は、芳香族アルデヒドま たはケトンであるので、このアルデヒドまたはケトンを捕捉するか、あるいは適 当な捕捉剤との接触により化合物(V)と反応しない物質に変換しなければなら ない。 芳香族アルデヒドまたはケトン副生成物を捕捉する3つの異なる方法が実施可 能である。第一に、ヘミアミナール(IV)を強塩基と反応させて、式(V)の 化合物および芳香族アルデヒドまたはケトン副生成物を生成させた後に、適当な 還元剤を用いてその副生成物を対応するアルコールに還元することができ、アミ ン(V)を、反応混合物の中和に引き続く濾過によって単離することを可能にす る。別法としておよび第2に、副生成物は、遊離アミン(V)よりも副生成物に 親和性の大きい試薬によって捕捉することができ、例えば、対応するオキシムを 形成する副生成物とヒドロキシルアミンとの反応、またはより好ましくは、対応 するトシルヒドラゾンを形成する副生成物とトシルヒドラジドとの反応により捕 捉することができ、ここで、アミン(V)は、溶液の慎重なpH調整により、所 望のアミン(V)生成物を結晶化または析出させて、単離することができる。別 法としておよび第3に、副生成物が芳香族アルデヒドのときには、そのアルデヒ ドを対応する酸に酸化するが、(V)のアミンまたはアセチレン部分とは反応し ない試薬によって捕捉することができる。このような捕捉剤は、塩基性条件下の 過酸化水素である。 一般的な指針としては、水性/有機溶媒中の化合物(IV)を、式(V)の化 合物の生成を開始させるために適当な時間にわたり、十分な温度で、適当な強塩 基、好ましくは水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムと接触させ、十分な温度 において、適当な捕捉剤、好ましくは水素化ホウ素ナトリウムの添加を引き続い て行い、化合物(V)を定量的に生成させ、同時に副生成物のアルデヒドまたは ケトンを対応するアルコールに変換する。化合物(V)は、捕捉剤をクエンチす ること、引き続いて溶液のpHの調整および標準的な処理方法を行うことにより 、安定な固体として反応から分離することができる。標準的処理の例を、実施例 6に示す。必要に応じて、化合物(V)を、式(VI)の化合物を合成する次の 工程に繰り越すことができる。 工程(4)に関して好ましい強塩基は、ナトリウム、カリウム、リチウムまた はカルシウムの水酸化物類、ならびに金属アルコキシド類を含む。より好ましく は、強塩基は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである。 好ましい捕捉剤は、芳香族アルデヒド/ケトン副生成物をアルコールに還元す るが、化合物(V)のアミンとも、化合物(V)のアセチレンとも反応しないも のである。還元剤である捕捉剤の中で好ましい試薬は、水素化ホウ素ナトリウム である。 工程(4)に関して好ましい溶媒は、水を混合したアルコールである。より好 ましい溶媒は、メタノールおよび水である。 工程(4)に関して好ましい反応時間は、約1から約3時間である。 工程(4)において化合物(IV)に対する塩基の添加に関して好ましい温度 範囲は、約0から約100℃であり、より好ましくは温度範囲は約30から約6 0℃の温度範囲であり、引き続いて捕捉剤を添加を行う。工程5:環化:式(VI)の化合物の調製 この工程は、式(VI)の化合物を形成するために十分な温度において、適当 な溶媒中で、環化剤と接触させることによる式(V)のキラル化合物の環化を含 む。指針としては、約1当量の化合物(V)を、約2当量の環化剤と接触させ、 そして反応が定量的となるまで、約20から約25℃において攪拌する。化合物 (VI)は、標準的な処理方法により、安定な固体として反応から分離すること ができる。標準的処理の例を、実施例7に示す。 工程(5)に関して好ましい環化剤は、ホスゲンである。 工程(5)に関して好ましい溶媒は、ヘプタン類、トルエンおよびテトラヒド ロフランである。最も好ましい溶媒は、ヘプタン類/テトラヒドロフランの混合 物である。 工程(5)における環化剤の添加に関して好ましい温度範囲は、0℃未満また は約0℃である。 有機合成の当業者にはよく理解されているように、試薬の賢明な選択により、 請求される方法を直截的に行って、式(II)、(III)、(IV)、(V) および(VI)の化合物を得ることができる。 本発明は、式(VII)の化合物例においてR2=Hであるスキーム2を参照 することによりさらに例示することができる。スキーム2 本発明の方法は、例として、式(VII)の化合物例においてR2およびR3が いずれもHではないスキーム3を参照することにより、さらに理解されるであろ うが、これに限定されるものではない。このスキームは、極めて酸に不安定なア ミノ保護基を用いる式(VI)の化合物を調製するための一般的合成方法のさら なる実施形態を詳細に示している。キラル誘導工程において高いエナンチオマー 過剰率を得ることに加えて、引き続く化合物(V)の単離は、クロマトグラ フィを用いずに、1工程法において、迅速かつ極めて穏やかな室温条件下で、達 成される。スキーム3 工程6:付加:式(VII)または(VIII)のR2およびR3がHではない 式(II)の化合物の調製 この工程は、式(I)の化合物を、遊離塩基に変換した後に、適当な酸触媒の 存在下で、R2およびR3がいずれもHではない化合物(VII)または(VII I)と反応させることによって行われ、式(II)の化合物を形成する。一般的 な指針としては、ほぼ室温の水性/有機溶媒中の化合物(I)を、塩基により約 pH7まで中和し、R2およびR3がいずれもHではない約1モル当量の化合物( VII)または(VIII)、好ましくはトリチルアルコールと接触させ、約0 .1から約5.0モル%の適当な酸触媒とさらに接触させ、化合物(II)を形 成するのに十分な温度まで加熱してもよい。化合物(II)は、標準的な処 理方法により、安定な固体として反応から分離してもよい。標準的処理の例を、 実施例11に示す。必要に応じて、化合物(II)を、式(III)の化合物を 合成するための次の工程に繰り越してもよい。 R2およびR3がいずれもHではない化合物(VII)または(VIII)は、 好ましくは、トリチルアルコールまたはメトキシ置換されたトリチルアルコール である。 工程(6)に関して好ましい酸触媒は、HCl、メタンスルホン酸、硫酸、ト リフルオロ酢酸およびp−トルエンスルホン酸を含む。より好ましい酸触媒は、 メタンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸である。 工程(6)に関して好ましい溶媒およびそれらの混合物は、トルエン、ジオキ サン、シクロヘキサン、アセトニトリル、酢酸エチル、ジメトキシエタン、2− プロパノールおよび酢酸である。 工程(6)に関して好ましい温度範囲は、ほぼ室温から約120℃である。化 合物(VIII)がトリチルアルコールのときには、より好ましくは、温度範囲 は、約60から約90℃である。 当業者が、温度、酸触媒およびP基に依存して、工程6の好ましい反応時間を 決めることができることは理解されるであろう。通常、反応時間は、0.5から 12時間である。 工程7:スキーム3におけるキラル誘導工程は、スキーム1のキラル誘導工程 と同様であり、Pがトリチル基である式(III)の化合物の合成例を、実施例 12に示す。 工程8:脱トリチル化:式(V)の化合物の調製 この工程は、適当な溶媒中の、式(V)の化合物を生成するのに十分緩和な温 度で、約0.1から約2.0当量の適当な酸と、アミノ保護基が極めて酸に不安 定な、たとえばトリチルである、式(III)の化合物の反応を含む。脱トリチ ル化の副生成物は、芳香族アルコールであり、前記スキーム1の工程(4)のよ うに捕捉する必要はない。化合物(V)は、溶液のpH調製および標準的な処理 方法により、安定な固体として反応から分離してもよい。標準的処理の例を、実 施例13に示す。必要に応じて、化合物(V)を、式(VI)の化合物を合成す るための次の工程に繰り越してもよい。 工程(8)において許容可能なアミノ保護基は、トリチル、p−メトキシトリ チル、4,4’−ジメトキシトリチル、ならびに2,4−ジメトキシベンジルお よび4,4’−ジメトキシベンズヒドリルのような非トリチル基である。好まし いアミノ保護基は、トリチルである。 工程(8)に関して好ましい強酸は、HCl、HBr、メタンスルホン酸、ト リフルオロ酢酸およびp−トルエンスルホン酸を含む。より好ましい酸は、HC lまたはトリフルオロ酢酸である。 工程(8)に関して好ましい溶媒は、メタノール、エタノールおよびプロパノ ール類のような低級アルキルアルコール類であり、無水である必要はない。最も 好ましい溶媒は、メタノールである。 工程(8)において、化合物(III)に対する酸の添加に関して好ましい温 度範囲は、約0から約50℃であり、より好ましくは、温度範囲は、約0から約 30℃である。 式(III)の化合物の生成における反応剤である、シクロプロピルアセチレ ン(X)の調製を、スキーム4に示す。 スキーム4 スキーム4によるシクロプロピルアセチレン(X)の調製を、実施例15にお いてさらに記述する。このシクロプロピルアセチレンの調製は、約100%のク ロロペンチンの転化率と、約90%を超えるシクロプロピルアセチレンの収率を 提供し、したがって式(III)の化合物の調製において、生成物(X)を溶液 流として用いることを可能にする。 以下の実施例は、本発明の例示を意味する。これらの実施例は、本発明を例示 するために示すものであり、本発明の範囲を限定することを意図していない。実施例1 N−(4−クロロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミドの調製。 4−クロロアニリン(52.7kg、413mol)を、t−ブチルメチルエ ーテル(180kg)、30%水酸化ナトリウム水溶液(61.6kg、463 mol)および水(24.2kg)の混合物に溶解し、15℃まで冷却した。温 度を40℃未満に維持しながら、得られたスラリーに対して、トリメチルアセチ ルクロリド(52.2kg、448mol)を、1時間かけて加えた。30℃に おいて30分攪拌した後に、スラリーを−10℃まで冷却し、2時間にわたって 保持した。生成物を濾過により収集し、90/10の水/メタノール溶液(17 5kg)で洗浄し、次いで、真空乾燥して、結晶性の固体として表題化合物85 kg(収率97%)を得た。 融点152-153℃; N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミドの調製。 前記の4−クロロアニリンを、4−フルオロアニリンに容易に置き換えて、こ の化合物を合成することは、有機合成の当業者には理解される。 実施例2 4−クロロ−2−トリフルオロアセチル−アニリン、塩酸塩水和物の調製。 TMEDA(20.2kg、174mol)の無水t−ブチルメチルエーテル (271.5kg)溶液に対して、N−(4−クロロフェニル)−2,2−ジメ チルプロパンアミド(36.7kg、173mol)を加え、−20℃まで冷却 した。温度を5℃未満に維持しながら、この冷スラリーに対して、2.7Nのn −ブチルリチウムのヘキサン溶液(101.9kg、393mol)を加えた。 0から5℃で2時間熟成した後、溶液を−15℃まで冷却し、次いで、トリフル オロ酢酸エチル(34.5kg、243mol)と素早く反応させた。30分後 に、温度を25℃未満に維持しながら、得られた溶液を、3N塩酸(196L、 589mol)中にクエンチした。水相の除去の後に、約200Lの溶媒を蒸留 して有機溶液を濃縮した。100mmHgの減圧下で溶媒325kgを蒸留しな がら、酢酸(352kg)を加えた。溶液を30℃まで冷却した後に、12N塩 酸(43.4kg、434mol)を加え、そして混合物を65から70℃まで 加熱し、4時間保持した。得られたスラリーを、5℃まで冷却し、生成物を濾過 により収集し、酢酸エチル(50.5kg)で洗浄し、そして真空乾燥して、白 色の結晶性固体として、表題化合物42.1kg(87%)を得た。 融点159-162分解; さらなる同族体を合成するため、前記トリフルオロ酢酸エチルを、CF3CF2 CO2EtまたはCF3CF2CF2CO2Etに容易に置き換えられることは、有 機合成の当業者には理解される。 実施例3−a 4−クロロ−2−トリフルオロアセチル−アニリンの調製。 トルエン(100mL)および水(50mL)の混合物中で、4−クロロ−2 −トリフルオロアセチルアニリン、塩酸塩水和物(17.1g、62mmol) を攪拌した。混合物を、飽和NaHCO3を用いてpH7に中和した。有機相を 減圧下で濃縮し、その残渣をヘプタンから再結晶して、黄色針状晶として、表題 化合物12.5g(91%)を得た。 融点98-99℃; 実施例3 N−((4’−メトキシ)ベンジル)−4−クロロ−2−トリフルオロアセチル アニリンの調製。化合物(11−i): トルエン(140kg)および水(50L)中の、4−クロロ−2−トリフル オロアセチルアニリン、塩酸塩水和物(40.0kg、144mol)のスラリ ーに対して、30%NaOH(18kg)を加えて、pH7.0とした。水相を 除去した後に、4−メトキシベンジルアルコール(20kg、144mol)お よびTsOH(1.0kg、5.3mol)を加えた。その溶液を加熱還流し、 水/トルエン共沸混合物(30L)を蒸留した。その溶液を室温まで冷却し、飽 和食塩水(80kg)で洗浄した。減圧下で、その有機溶液を35〜40Lの体 積まで濃縮し、次いで、THF(52kg)で希釈した。トルエン/THF中の 表題化合物の重量パーセントは、HPLCにより43%であると計算された。H PLCの重量%分析に基づく収量は、47.4kg(96%)であった。減圧下 で溶媒を除去し、そしてヘプタンから再結晶することにより、分析用試料を得た 。 融点82-84℃; 実施例4 (S)−5−クロロ−α−(シクロプロピルエチニル)−2−[(4−メトキ シフェニル)メチルーアミノ]−α−(トリフルオロメチル)ベンゼンメタノー ルの調製。化合物(III−i): (1R,2S)−ピロリジニルノルエフェドリンのトルエン溶液(80kg、 (1R,2S)−ピロリジニルノルエフェドリン60.7molを含む)に対し て、トリフェニルメタン(100g)を加えた。減圧下で、溶液を最初の体積の 約半分まで濃縮した。無水THF(35kg)を加え、そして−50℃に設定し た冷却ジャケットを用いて、溶液を冷却した。その温度が−20℃に達したとき に、温度を0℃未満に維持ながら、n−ヘキシルリチウム(ヘキサン類中33重 量%、33.4kg、119.5mol)を加えた。得られた赤色の溶液に対し て、内温を−20℃未満に維持しながら、シクロプロピルアセチレン溶液(TH F/ヘキサン類/トルエン中30重量%;約4kg、65molのシクロプロピ ルアセチレンを含む)を加えた。得られた溶液を、−45から−50℃で1時間 熟成した。この冷溶液に対して、反応温度を−40℃未満に維持しながら、N− ((4’−メトキシ)ベンジル)−4−クロロ−2−トリフルオロアセチルアニ リンの溶液(THF/トルエン中43重量%;約10kg、28.8molのN −((4’−メトキシ)ベンジル)−4−クロロ−2−トリフルオロアセチルア ニリンを含む)を加えた。その混合物を、−43プラスマイナス3℃において1 時間にわたって熟成した後に、予め0℃に冷却した1N塩酸(140kg)中に クエンチした。有機層を分離し、25kgの1N塩酸で2回、40kgの水で2 回抽出し、次いで、有機層を約29Lの体積まで減圧濃縮した。トルエン(47 kg)を加え、そしてその溶液を28から30Lの体積まで濃縮した。ヘプタン (23kg)を加え、そしてその混合物を冷却し、−5℃において4時間保持し た。生成物を濾取し、10kgのヘプタンで2回洗浄し、真空乾燥して、灰色が かった白色の固体として、表題化合物10kg(85%)を得た。 融点163-165℃; 実施例5 (S)−6−クロロ−4−(シクロプロピルエチニル)−1,4−ジヒドロ− 4−(トリフルオロメチル)−2−(4’−メトキシフェニル)−3,1−ベン ゾオキサジンの調製。化合物(IV−i): ヘプタン(295.5kg)および酢酸エチル(32.5kg)の溶液に対し て、p−クロラニル(57kg、232mol)および(S)−5−クロロ−α −(シクロプロピルエチニル)−2−[(4−メトキシフェニル)メチル−アミ ノ]−α−(トリフルオロメチル)ベンゼンメタノール(89kg、217mo l)を加えた。混合物を、良好な攪拌を伴って5.5時間にわたって還流し、次 いで、酢酸エチル(64.1kg)で希釈し、30℃まで冷却した。テトラクロ ロヒドロキノンを濾過により除去し、そしてヘプタン(104.7kg)および 酢酸エチル(31kg)の混合物で洗浄した。溶媒260Lを蒸留することによ り、ろ液を部分的に濃縮し、次いで、ヘプタン(177kg)で希釈し、そして −10から−15℃に冷却した。得られたスラリーを濾過し、そして生成物をヘ プタン(41kg)で洗浄し、(乾燥するときの減量により)20重量%未満の ヘプタンとなるまで、ろ紙上で乾燥した。HPLCにより計算された(IV)の 収量は、71kg(80%)であった。試料を1N NaOHを用いる粉末化(t rituration)にひき続いてヘキサン/酢酸エチルから再結晶することにより、分 析用試料を得た。 融点130-131.7℃; 実施例6 化合物(V−i):(S)−5−クロロ−α−(シクロプロピルエチニル)− 2−アミノ−α−(トリフルオロメチル)ベンゼンメタノールの調製。 メタノール(301kg)、30%NaOH(121kg)および水(61L )の混合物に対して、粗製の(S)−5−クロロ−4−(シクロプロピルエチニ ル)−1,4−ジヒドロ−4−(トリフルオロメチル)−2−(4’メトキシフ ェニル)−3,1−ベンゾオキサジン(71kgと計算される乾燥重量)を加え た。混合物を60℃まで加熱して、透明な溶液を得て、次いで、30℃まで冷却 した。温度を35℃未満に維持しながら、前記メタノール性溶液に対して、水素 化ホウ素ナトリウム(3.2kg、84.2mol)の0.2N NaOH(2 9L)溶液を、20分かけて加えた。30分後、過剰のホウ素水素化物(borohyd ride)をアセトン(5.8kg)を用いてクエンチし、そしてその溶液を水(1 75L)で希釈し、次いで、酢酸を用いてpH8から9まで中和した。得られた スラリーを、約0℃まで冷却し、濾過し、そして生成物を水で洗浄し、次いで、 40℃で真空乾燥した。トルエン(133kg)およびヘプタン類(106kg )の混合物を用いて、粗生成物を最初は25℃で再スラリー化し、次いで、−1 0℃未満に冷却した。生成物を濾過し、ヘプタン類(41kg)で洗浄し、そし て40℃で真空乾燥して、灰色がかった白色/淡黄色の結晶性固体として、44 .5kg(88%)を得た。分析用試料は、t−ブチルメチルエーテル/ヘプタ ンから再結晶した。 融点141-143℃; 実施例6b 合成の前工程で化合物(IV−i)を単離しない、化合物(III−i)から の化合物(V−i)の調製: (S)−5−クロロ−α−(シクロプロピルエチニル)−2−アミノ−α−( トリフルオロメチル)ベンゼンメタノール。 t−ブチルメチルエーテル(33ml)中のDDQ(9.42g、41.5m mol)のスラリーに対して、10℃において、(S)−5−クロロ−α−(シ クロプロピルエチニル)−2−[(4−メトキシフェニル)メチル]−アミノ] −α−(トリフルオロメチル)ベンゼンメタノール(16.38g、40mmo l)の溶液を加えた。5分後に、得られたスラリーを30℃で濾過し、t−ブチ ルメチルエーテル5mlを用いて得られた固体を洗浄した。ろ液を5%重炭酸ナ トリウム水溶液で洗浄し、次いで、溶媒70mlを蒸留して部分的に濃縮した。 メタノール(25mL)を加え、ひき続いて溶媒25mlを蒸留した。メタノー ル(25ml)および6NのNaOH(4ml)を加え、ひき続いて溶媒20m lを蒸留した。4NのNaOH(26ml)を加え、混合物を58℃まで短時間 加熱し、次いで30℃まで冷却した。0.5NのNaOH(6mL)中の水素化 ホウ素ナトリウム(0.60g、15.9mmol)の溶液を加えた。15分後 に、水(45ml)を加え、ひき続いてアセトン(1ml)を加えた。0.5時 間後に、酢酸(12ml、210mmol)を加え、pH7.5とした。得られ たスラリーを、約0℃まで冷却し、濾過し、そして生成物を水で洗浄し、次いで 、40℃で真空乾燥した。粗生成物を、室温においてメチルシクロヘキサンを用 いて再スラリー化し、約0℃まで冷却し、そして濾過した。この物質を、t−ブ チルメチルエーテル/ヘキサン類からの再結晶により、さらに精製して、白色の 固体として9.95g(86%)が得られた。物理的特性は、2工程(p−クロ ラニル/NaBH4)法(前記実施例6)で調製された生成物と一致した。 実施例7 (S)−6−クロロ−4−(シクロプロピル−エチニル)−1,4−ジヒドロ −4−(トリフルオロメチル)−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オンの 調製。化合物(VI−i): (S)−5−クロロ−α−(シクロプロピルエチニル)−2−アミノ−α−( トリフルオロメチル)ベンゼンメタノール(15.7kg、54.3mol)を 、ヘプタン類(32kg)およびTHF(52kg)の混合物中に−10℃未満 で溶解させた。温度を0℃未満に維持しながら、約1時間かけて、ホスゲン(約 8.0kg、80mol)を液面下に直接導入した。得られたスラリーを、20 〜25℃に温め、1時間保持した。メタノール(6.5kg、203mol)を 加え、そしてその溶液を約30分間攪拌した。ヘプタン類(97kg)を加え、 そして約140Lの溶媒を減圧下で蒸留した。ヘプタン類(97kg)およびT HF(22kg)を加え、そしてその溶液を、5%重炭酸ナトリウム水溶液(1 5L)を用いて、引き続いて水(15L)を用いて洗浄した。その溶液を50℃ まで温め、清浄な反応容器中へと濾過し、ヘプタン類40kgの洗浄液が続いた 。溶液を減圧下で濃縮し、ヘプタン類(22kg)で希釈し、そして−10℃未 満に冷却した。生成物を濾過し、ヘプタン類(37kg)で洗浄し、そして90 〜100℃で真空乾燥して、灰色がかった白色から薄いピンク色の固体として、 16.0kg(95%)が得られた。 HPLC:99.8面積%:融点139-141℃; 実施例8 N−((3’,4’−ジメトキシ)ベンジル)−4−クロロ−2−トリフルオ ロアセチルアニリンの調製。 2−プロパノール(40mL)に対して、4−クロロ−2−トリフルオロアセ チルアニリン(4.96g、40mmol)および3,4−ジメトキシベンジル アルコール(7.39g、44mmol)を加えた。TsOH(76mg、0. 4mmol)を加え、そして混合物を60℃まで加熱し、そして3.5時間保持 した。その溶液を最初の体積の1/2まで減圧下で濃縮し、水(10mL)で希 釈し、そして室温で攪拌した。得られたスラリーを濾過し、そして生成物を30 ℃で真空乾燥して、黄色の固体として、表題化合物10.16g(68%)を得 た。アセトニトリルから再結晶により、分析用試料を得た。 融点82-84℃; 実施例9 (S)−5−クロロ−α−(シクロプロピル−エチニル)−2−[(3,4− ジメトキシフェニル)メチル]−アミノ]−α−(トリフルオロメチル)ベンゼ ンメタノールの調製。化合物(III−i): 大気圧で160mLの溶媒を蒸留することにより、(1R,2S)−ピロリジ ニルノルエフェドリンの17.2重量%溶液(254g、213mmol)を濃 縮した。トリフェニルメタン(0.2g、0.8mmol)を加え、そして溶液 を室温まで冷却した。THF(130mL)を加え、溶液を、−20℃まで冷却 した。温度を0℃未満に維持しながら、n−ヘキシルリチウム(2.0Mヘキサ ン溶液、203mL、0.406mol)を加えた。108mLの添加の後に、 混合物は赤色に変化した。シクロプロピルアセチレンの16重量%溶液(103 g、0.25mol)を、溶液の色が消失するまで加えた。その溶液を、−5か ら0℃において20分間撹拌し、次いで、−45℃まで冷却し、その時点におい て、THF50mLに予め溶解した化合物N−((3’,4’−ジメトキシ)ベ ンジル)−4−クロロ−2−トリフルオロアセチルアニリン(29.7g、81 .8mmol)を加えた。1時間後に、−45℃において、その混合物を2N塩 酸(400mL)中にクエンチした。有機層を2N塩酸(100mL)で2回洗 浄し、次いで、減圧下で濃縮した。トルエン(150mL)を加え、そしてその 混 合物を80mLの体積まで濃縮した。ヘプタン(100mL)を加え、そしてト ルエン43mLを加えることにより、ヘプタン:トルエンの溶媒比(GC分析に より測定される)を60:40に調整した。結晶化の後に、生成物を濾過し、そ してトルエン:ヘプタン(3:1)から再結晶して、淡黄色の固体として、表題 化合物23.1g(64%)を得た。 融点128-129.5℃; 実施例10 (S)−6−クロロ−4−(シクロプロピル−エチニル)−1,4−ジヒドロ −4−(トリフルオロメチル)−2−(3’,4’−ジメトキシフェニル)−3 ,1−ベンゾオキサジンの調製。 (S)−5−クロロ−α−(シクロプロピルエチニル)−2−[(3,4−ジ メトキシフェニル)メチル]−アミノ]−α−(トリフルオロメチル)ベンゼン メタノール(2.68g、6.1mmol)のメタノール(10mL)溶液に対 して、40℃においてDDQ(1.40g、6.1mmol)を加えた。得られ たスラリーを、氷浴中で30分間にわたり冷却し、そして濾過した。生成物を冷 メタノール5mLで洗浄し、そして真空乾燥して、表題化合物2.36g(88 %)を得た。 融点172-175℃; 実施例11 N−トリフェニルメチル−4−クロロ−2−トリフルオロアセチルアニリンの 調製。方法A。 4−クロロ−2−トリフルオロアセチルアニリン(22.4g、100mmo l)、トリチルクロリド(30.0g、107mmol)、トリエチルアミン( 11.6g、115mmol)およびDMAP(0.5g、4mmol)を、D MF(50mL)に溶解し、そして60℃に14時間保持した。得られたスラリ ーを、室温まで冷却し、水20mLで希釈し、そして濾過して、表題化合物35 .9g(77%)を得た。アセトニトリルからの再結晶により、分析用試料を得 た。 融点165-167℃; N−トリフェニルメチル−4−クロロ−2−トリフルオロアセチルアニリンの 調製。方法B。 4−クロロ−2−トリフルオロアセチルアニリン、塩酸塩水和物(84.4g 、304mmol)、シクロヘキサン(350mL)、MTBE(95mL)、 および水(100mL)を、室温において撹拌した。得られたスラリーを、10 NのNaOH30mLで中和した。その有機相に対して、トリチルアルコール( 91.0g、350mmol)およびTsOH(0.36g、1.9mmol) を加えた。混合物を加熱して還流させ、そして溶媒300mLを蒸留した。アセ トニトリル(350mL)およびジイソプロピルエチルアミン(0.5mL)を 加え、および蒸留を続けて、さらなる220mLの溶媒を除去した。その溶液を 氷浴中で冷却し、そして生成物を濾過して、方法Aで調製した試料と同一のスペ ク トル的および物理的特性を有する生成物126.5g(89%)を得た。実施例12 5−クロロ−α−(シクロプロピルエチニル)−2−[トリフェニルメチルア ミノ]−α−(トリフルオロメチル)ベンゼンメタノールの調製。 シクロプロピルアセチレン(3.15g、48mmol)および(1R,2S )−ピロリジニルノルエフェドリン(10.9g、53mmol)のTHF(5 0mL)溶液に対して、温度を0℃未満に維持しながら、2Nのn−ヘキシルリ チウム(46mL、92mmol)を加えた。そのアニオン溶液に対して、TH F(20mL)に溶解したN−トリフェニルメチル−4−クロロ−2−トリフル オロアセチルアニリン(9.32g、20mmol)を加え、1時間にわたって −45から−50℃に保持し、次いで、1Nクエン酸(92mL)を用いてクエ ンチした。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして油状物まで濃縮し た。ヘプタン/トルエンからの結晶化は、表題化合物6.34g(60%)を与 えた。 融点180-182℃; 実施例13 (S)−5−クロロ−α−(シクロプロピル−エチニル)−2−アミノ−α− (トリフルオロメチル)ベンゼンメタノールの調製。1工程脱ベンジル化。 5−クロロ−α−(シクロプロピルエチニル)−2−(トリフェニルメチルア ミノ)−α−(トリフルオロメチル)ベンゼンメタノール(5.32g、10m moL)を、メタノール(25mL)中に溶解し、そして室温で12N塩酸(0 .5mL)と反応させた。15分後に、2N NaOH(2mL)および水(2 0 mL)を加えた。水性メタノール性溶液を、シクロヘキサン(22mL)で抽出 し、ひき続いてヘキサン類(20mL)で抽出し、次いで、減圧下で部分的に濃 縮し、そして酢酸でpH7まで中和した。生成物を濾過し、水で洗浄し、そして 乾燥して、2.65g(92%)を得た:融点140〜143℃。分光学的性質 は、実施例6で製造した物質と一致する。 実施例14 (1R,2S)−ピロリジニルノルエフェドリンの合成。 n−ブタノール(227kg)、水(144kg)および炭酸カリウム(14 4kg、1043mol)の混合物に対して、(1R,2S)−ノルエフェドリ ン(68.6kg、454mol)を加えた。その混合物を90℃に加熱し、そ して2時間かけて1,4−ジブロモブタン(113.4kg、525mol)を 加えた。その反応を5時間にわたって還流し、次いで、40℃まで冷却した。水 (181kg)を加え、そして30℃においてそれらの層を分離した。有機相に 12N塩酸(54.3kg、543mol)を加えた。溶液を加熱して還流させ 、そして200から300mmHgにおいて150Lの蒸留物を除去した。70 ℃においてトルエン(39.5kg)を加え、得られたスラリーを、結晶化のた めに0〜5℃まで冷却した。生成物を収集し、トルエン(それぞれ39kg)を 用いて2回洗浄し、そして窒素パージ中で乾燥して、その塩酸塩として表題化合 物83.6kgを得た。トルエン(392kg)および水(42kg)に対して 、その塩酸塩を加え、そして30%NaOH(約55kg、414mol)で処 理して、12を超えるpHとした。下方の水相の除去の後に、溶媒140Lを蒸 留することにより、有機溶液を部分的に濃縮して、表題化合物の20重量%トル エン溶液を得た。計算された収量は、50kg(75%)であった。表題化合物 のトルエン溶液を減圧下で濃縮し、次いで、ヘプタンから再結晶して、分析用試 料を得た:融点46〜48℃。実施例15 シクロプロピルアセチレン(X)の調製。 5−クロロ−1−ペンチン(23.0kg、224mol)および無水THF (150kg)の混合物を、−20℃まで冷却する。その混合物中に、温度を5 ℃以上に上昇させないような速度(約2時間)において、ヘキサン中のn−ヘキ シルリチウム(2.3当量;30重量%を158kg)を加える。n−ヘキシル リチウム添加の後半の間は、温度を−5℃以上に維持して、有機リチウムの蓄積 および危険な発熱誘導反応を防止しなければならない。GC分析が少なくとも9 9%の転化率を示すまで、2時間にわたって−5から0℃で、反応を熟成する。 次いで、トルエン(35から40kg)を加え、そして最初の体積の約1/3ま で体積が減少するまで、反応物を減圧下で濃縮する。濃縮の過程が終わるまで、 混合物を加熱(約40℃まで)して、良好な蒸留速度を維持する。次いで、混合 物を15から−20℃まで冷却し、そして50から60Lの水中の塩化アンモニ ウム(11から12kg)の溶液を、温度を10℃以上にさせないような速度で 加える。水層(約70kg)の分離の後に、カールフィッシャー分析による測定 で水分含有量が約300ppm以下になるまで、15kgの3Åモレキュラーシ ーブを含有する塔を通して、反応混合物を循環させる。次いで、大気圧において 、スチールウールを充填したカラムを通して、その乾燥した有機溶液を蒸留し、 THF/トルエン/ヘキサン中の溶液としてシクロプロピルアセチレンを収集す る。算出された収量は14.0kgである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AM,AU ,AZ,BR,BY,CA,CN,CZ,EE,HU, IL,JP,KG,KR,KZ,LT,LV,MD,M X,NO,NZ,PL,RO,RU,SG,SI,SK ,TJ,TM,UA,VN (72)発明者 チョードリー,アヌスヤ. アメリカ合衆国 19350 ペンシルベニア 州 ランデンバーグ ケンブリッジ ロー ド 130 (72)発明者 パーソンズ,ロドニー,ローレンス,ジュ ニア. アメリカ合衆国 19803 デラウェア州 ウィルミントン トーマス ロード 1804

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式(VI)の化合物の不斉合成のための方法であって、 (式中 Xは、ClまたはFであり、および Aは、−CF3、−C25または−C37である。) 前記方法は、 (1) 式(I)の化合物を、 式(VII)または式(VIII)の化合物と、 (式中、 R1は、H、C1 〜6アルキルまたはC1 〜6アルキルカルボニルであり、 R2は、Hであり、 R3は、H、−CH3、−CH2CH3または0〜3個のR12で置換されたフェ ニルであり、 R4、R5、R4a、R5a、R6、R8およびR9は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6 アルコキシおよびC1 〜6アルキルチオから独立に選択され、 R12は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6アルコキシまたはC1 〜6アルキルチオで あり、 Yは、−(CH2nまたはOであり、および nは、0、1、2または3である。) 適当な酸触媒の存在下で接触させて、式(II)の化合物を形成する工程と、 (式中、アミン保護基であるPは、 である) (2)(a)式(IX)の化合物を、 (式中、R10およびR11は独立に、C1 〜4アルキルであるか、あるいは、−N R1011はピロリジニル、ピペリジニルまたはモルホリニルである)アルキルリ チウムおよびシクロプロピルアセチレンと接触させて、式(IX)の化合物とリ チウムシクロプロピルアセチリドとの混合物を形成し、および (b)工程(2)(a)の混合物を、式(II)の化合物と接触させて、式( III)の化合物を形成する工程と、 (3)式(III)の化合物を、適当な酸化剤と接触させて、式(IV)の化 合物を形成する工程と、 (式中、P”は、 である) (4)式(IV)の化合物を、適当な捕捉剤の存在下に適当な開裂剤と接触さ せて、式(V)の化合物を形成する工程と、 (5)式(V)の化合物を、適当な環化剤と接触させて、式(VI)の化合物 を形成する工程と を含むことを特徴とする方法。 2.XがClであり、およびAが−CF3である式(VI)の化合物を調製する ための請求項1に記載の方法であって、 (1)式(I)の化合物を、式(VII)の化合物と、 (式中、 R1は、H、C1 〜6アルキルまたはC1 〜6アルキルカルボニルであり、 R2は、Hであり、 R3は、H、−CH3、−CH2CH3または0〜3個のR12で置換されたフェニ ルであり、 R4、R5、R4a、R5aおよびR6は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6アルコキシ およびC1 〜6アルキルチオから独立に選択され、および R12は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6アルコキシまたはC1 〜6アルキルチオで ある。) 適当な酸触媒の存在下で接触させて、式(11)の化合物を形成する工程と、 (2)(a)1R,2S−ピロリジニルノルエフェドリンをn−ヘキシルリチ ウムおよびシクロプロピルアセチレンと接触させて、1R,2S−ピロリジニル ノルエフェドリンとリチウムシクロプロピルアセチリドとの混合物を形成し、お よび (b)工程(2)(a)の混合物を式(II)の化合物と接触させて、式(I II)の化合物を形成する工程と、 (3)式(III)の化合物を、適当な酸化剤と接触させて、式(IV)の化 合物を形成する工程と、 (4)式(IV)の化合物を、適当な捕捉剤の存在下に適当な開裂剤と接触さ せて、式(V)の化合物を形成する工程と、 (5)式(V)の化合物を適当な環化剤と接触させて、式(VI)の化合物を 形成する工程と を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 3.式(VI−i)の化合物を調製するための請求項2に記載の方法であって、 (1)XがCl、およびAがトリフルオロメチルである式(I)の化合物を、 適当な酸触媒の存在下でp−メトキシベンジルアルコールと接触させて、式(I I−i)の化合物を形成する工程と、 (2)(a)1R,2S−ピロリジニルノルエフェドリンをn−ヘキシルリチ ウムおよびシクロプロピルアセチレンと接触させて、1R,2S−ピロリジニル ノルエフェドリンとリチウムシクロプロピルアセチリドとの混合物を形成し、 (b)工程(2)(a)の混合物を式(II−i)の化合物と接触させて、式 (III−i)の化合物を形成する工程と、 (3)式(III−i)の化合物を、適当な酸化剤と接触させて、式(IV− i)の化合物を形成する工程と、 (4)式(IV−i)の化合物を、適当な捕捉剤の存在下に適当な開裂剤と接 触させて、式(V−i)の化合物を形成する工程と、 (5)式(V−i)の化合物を適当な環化剤と接触させて、式(VI−i)の 化合物を形成する工程と を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。 4.前記適当な酸触媒は、HCl、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、リ ン酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸およびp−トルエンスルホン酸 から成る群から選択され、 前記適当な酸化剤は、MnO2、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1, 4−ベンゾキノン、p−テトラクロロベンゾキノン、o−テトラクロロベンゾキ ノンおよびヨードソベンゼンジアセタートから成る群から選択され、 前記適当な開裂剤は、ナトリウムC1 〜4アルコキシド、リチウムC1 〜4アルコ キシド、カリウムC1 〜4アルコキシド、NaOH、LiOH、KOHおよびCa (OH)2から成る群から選択され、 前記適当な捕捉剤は、NaBH4、NaHSO3、ヒドロキシルアミン、トシル ヒドラジドまたはH22であり、および 前記適当な環化剤はホスゲンである ことを特徴とする請求項1に記載の式(VI)の化合物を調製するための方法。 5.前記適当な酸触媒は、HCl、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、リ ン酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸およびp−トルエンスルホン酸 から成る群から選択され、 前記適当な酸化剤は、MnO2、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1, 4−ベンゾキノン、p−テトラクロロベンゾキノン、o−テトラクロロベンゾキ ノンおよびヨードソベンゼンジアセタートから成る群から選択され、 前記適当な開裂剤は、ナトリウムC1 〜4アルコキシド、リチウムC1 〜4アルコ キシド、カリウムC1 〜4アルコキシド、NaOH、LiOH、KOHおよびCa (OH)2から成る群から選択され、 前記適当な捕捉剤は、NaBH4、NaHSO3、ヒドロキシルアミン、トシル ヒドラジドまたはH22であり、および 前記適当な環化剤はホスゲンである ことを特徴とする請求項2に記載の式(VI−i)の化合物を調製するための方 法。 6.前記適当な酸触媒は、HCl、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、リ ン酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸およびp−トルエンスルホン酸 から成る群から選択され、 前記適当な酸化剤は、MnO2、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1, 4−ベンゾキノン、p−テトラクロロベンゾキノン、o−テトラクロロベンゾキ ノンおよびヨードソベンゼンジアセタートから成る群から選択され、 前記適当な開裂剤は、ナトリウムC1 〜4アルコキシド、リチウムC1 〜4アルコ キシド、カリウムC1 〜4アルコキシド、NaOH、LiOH、KOHおよびCa (OH)2から成る群から選択され、 前記適当な捕捉剤は、NaBH4、NaHSO3、ヒドロキシルアミン、トシル ヒドラジドまたはH22であり、および 前記適当な環化剤はホスゲンである ことを特徴とする請求項3に記載の式(VI−i)の化合物を調製するための方 法。 7.工程(2)(a)および(b)の化合物は、溶液流として独立に準備されお よび混合される、式(VI)の化合物を調製するための請求項1に記載の方法。 8.工程(2)(a)および(b)の化合物は、溶液流として独立に準備されお よび混合されることを特徴とする請求項2に記載の式(VI−i)の化合物を調 製するための方法。 9.工程(2)(a)および(b)の化合物は、溶液流として独立に準備されお よび混合されることを特徴とする請求項3に記載の式(VI−i)の化合物を調 製するための方法。 10.式(II)の化合物を調製するための方法であって、 (式中、 Xは、ClまたはFであり、 Aは、−CF3、−C25または−C37であり、 Pは、 であり、 R2は、H、−CH3、−CH2CH3または0〜3個のR12で置換されたフェニ ルであり、 R3は、H、−CH3、−CH2CH3または0〜3個のR12で置換されたフェニ ルであり、 R4、R5、R4a、R5a、R6、R8およびR9は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6 アルコキシおよびC1 〜6アルキルチオから独立に選択され、 R12は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6アルキルチオまたはC1 〜6アルコキシで あり、 Yは、−(CH2nまたはOであり、および nは、0、1、2または3である。) 前記方法は、 式(I)の化合物を、 式(VII)または式(VIII)の化合物と、 (式中、R1は、H、C1 〜6アルキルまたはC1 〜6アルキルカルボニルである 。) 適当な酸触媒の存在下で接触させて、式(II)の化合物を形成する工程を含む ことを特徴とする方法。 11.式(II)の化合物は、であり、前記方法は、 XがCl、およびAがトリフルオロメチルである式(I)の化合物を、適当な 酸触媒の存在下で式(VII)の化合物と接触させて式(II−a)の化合物を 形成する工程 を含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。 12.R1は、H、メチル、エチル、メチルカルボニルまたはエチルカルボニル であり、 R2、H、−CH3または0〜3個のR12で置換されたフェニルであり、 R3は、H、−CH3または0〜3個のR12で置換されたフェニルであり、 R4、R5、R4a、R5aおよびR6は、H、メチル、エチル、メトキシおよびエ トキシから独立に選択され、および R12は、H、メトキシまたはエトキシである ことを特徴とする請求項11に記載の方法。 13.式(VII)の化合物は、 であり、 R1は、Hまたはメチルであり、 R2は、H、あるいはHまたはメトキシで置換されたフェニルであり、 R3は、H、あるいはHまたはメトキシで置換されたフェニルであり、 R4は、Hまたはメトキシであり、および R5は、Hまたはメトキシである ことを特徴とする請求項11に記載の方法。 14.適当な酸触媒は、HCl、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、リン 酸、硫酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸およびp−トルエンスルホン酸か ら成る群から選択されることを特徴とする請求項11に記載の方法。 15.適当な酸触媒は、メタンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸である ことを特徴とする請求項11に記載の方法。 16.式(VII)の化合物はp−メトキシベンジルアルコールであり、および 前記適当な酸触媒はメタンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸であること を特徴とする請求項11に記載の方法。 17.式(VII)の化合物はトリチルアルコールであり、および前記適当な酸 触媒はメタンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸であることを特徴とする 請求項11に記載の方法。 18.式(IV)の化合物を調製するための方法であって、 (式中、 Xは、ClまたはFであり、 Aは、−CF3、−C25または−C37であり、 P”は、 であり、 R3は、H、−CH3、−CH2CH3または0〜3個のR12で置換されたフェニ ルであり、 R4、R5、R4a、R5a、R6、R8およびR9は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6 アルコキシおよびC1 〜6アルキルチオから独立に選択され、 R12は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6アルキルチオまたはC1 〜6アルコキシで あり、 Yは、−(CH2nまたはOであり、および nは、0、1、2または3である。) 前記方法は 式(III)の化合物を、 (式中、Pは、 であり、および R2はHである。) 非水溶媒中で適当な酸化剤と接触させて、式(IV)の化合物を形成する工程を 含むことを特徴とする方法。 19.式(IV)の化合物はであり、 (式中、 R3は、H、−CH3、−CH2CH3または0〜3個のR12で置換されたフェニ ルであり、 R4、R5、R4a、R5aおよびR6は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6アルコキシ およびC1 〜6アルキルチオから独立に選択され、および R12は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6アルキルチオまたはC1 〜6アルコキシで ある。) 前記方法は、 式(III−a)の化合物を、 (式中、R2はHである。) 非水溶媒中で適当な酸化剤と接触させて、式(IV−a)の化合物を形成する工 程 を含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。 20.R3は、H、−CH3または0〜3個のR12で置換されたフェニルであり、 R4、R5、R4a、R5aおよびR6は、H、メチル、エチル、メトキシおよびエ トキシから独立に選択され、および R12は、H、メトキシまたはエトキシである ことを特徴とする請求項19に記載の方法。 21.式(III−a)の化合物は、 であり、 R3は、Hまたはメトキシで置換されたフェニルであり、 R4は、Hまたはメトキシであり、および R5は、Hまたはメトキシである ことを特徴とする請求項19に記載の方法。 22.前記適当な酸化剤は、MnO2、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ− 1,4−ベンゾキノン、p−テトラクロロベンゾキノン、o−テトラクロロベン ゾキノンおよびヨードソベンゼンジアセタートから成る群から選択されることを 特徴とする請求項19に記載の方法。 23.前記適当な酸化剤は、p−テトラクロロベンゾキノンであることを特徴と する請求項19に記載の方法。 24.式(III−a)の化合物は、 であり、および 前記適当な酸化剤はp−テトラクロロベンゾキノンであることを特徴とする請 求項19に記載の方法。 25.式(V)の化合物を調製するための方法であって、 (式中、 Xは、ClまたはFであり、および Aは、−CF3、−C25、−C37である。) 前記方法は、 式(IV)の化合物を、 (式中、P”は、 であり、 R3は、H、−CH3、−CH2CH3または0〜3個のR12で置換されたフェニ ルであり、 R4、R5、R4a、R5a、R6、R8およびR9は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6 アルコキシおよびC1 〜6アルキルチオから独立に選択され、 R12は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6アルキルチオまたはC1 〜6アルコキシで あり、 Yは、−(CH2nまたはOであり、および nは、0、1、2または3である。) 適当な捕捉剤の存在下に適当な開裂剤と接触させて、式(V)の化合物を形成す る工程を含むことを特徴とする方法。 26.式(IV)の化合物は であり、 R3は、H、−CH3、−CH2CH3または0〜3個のR12で置換されたフェニ ルであり、 R4、R5、R4a、R5aおよびR6は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6アルキルチ オおよびC1 〜6アルコキシから独立に選択され、および R12は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6アルキルチオまたはC1 〜6アルコキシで ある ことを特徴とする請求項25に記載の方法。 27.R3は、H、−CH3または0〜3個のR12で置換されたフェニルであり、 R4、R5、R4a、R5aおよびR6は、H、メチル、エチル、メトキシおよびエ トキシから独立に選択され、および R12は、H、メトキシまたはエトキシである ことを特徴とする請求項26に記載の方法。 28.式(IV−a)の化合物は、であり、 R3は、Hまたはメトキシで置換されたフェニルであり、 R4は、Hまたはメトキシであり、および R5は、Hまたはメトキシである ことを特徴とする請求項26に記載の方法。 29.前記適当な開裂剤は、ナトリウムC1 〜4アルコキシド、リチウムC1 〜4ア ルコキシド、カリウムC1 〜4アルコキシド、NaOH、LiOH、KOHおよび Ca(OH)2から成る群から選択され、および 前記適当な捕捉剤はNaBH4またはNaHSO3である ことを特徴とする請求項26に記載の方法。 30.前記適当な開裂剤は、ナトリウムC1 〜4アルコキシド、リチウムC1 〜4ア ルコキシド、カリウムC1 〜4アルコキシド、NaOH、LiOH、KOHおよび Ca(OH)2から成る群から選択され、および 前記適当な捕捉剤はヒドロキシルアミンまたはトシルヒドラジドである ことを特徴とする請求項26に記載の方法。 31.前記適当な開裂剤は、ナトリウムC1 〜4アルコキシド、リチウムC1 〜4ア ルコキシド、カリウムC1 〜4アルコキシド、NaOH、LiOH、KOHおよび Ca(OH)2から成る群から選択され、および 前記適当な捕捉剤は過酸化水素である ことを特徴とする請求項26に記載の方法。 32.式(VI)の化合物を不斉合成するための方法であって、(式中、 Xは、ClまたはFであり、および Aは、−CF3、−C25または−C37である。) 前記方法は、 (1)式(I)の化合物を、 式(VII)の化合物と、 (式中、 R1は、H、C1 〜6アルキルまたはC1 〜6アルキルカルボニルであり、 R2は、−CH3、−CH2CH3または0〜3個のR12で置換されたフェニルで あり、 R3は、−CH3、−CH2CH3または0〜3個のR12で置換されたフェニルで あり、 R4、R5、R4a、R5aおよびR6は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6アルコキシ およびC1 〜6アルキルチオから独立に選択され、および R12は、H、C1 〜6アルキル、C1 〜6アルコキシまたはC1 〜6アルキルチオで ある。) 適当な酸触媒の存在下で接触させて、式(II)の化合物を形成する工程と、 (2)(a)式(IX)の化合物を、 (式中、R10およびR11は、独立にC1 〜4アルキルであるか、あるいは−NR1011はピロリジニル、ピペリジニルまたはモルホリニルである。) アルキルリチウムおよびシクロプロピルアセチレンと接触させて、式(IX)の 化合物とリチウムシクロプロピルアセチリドの混合物を形成し、および (b)工程(2)(a)の混合物を、式(II)の化合物と接触させて、式( III)の化合物を形成する工程と、 (3)式(III)の化合物を、適当な脱保護剤と接触させて、式(V)の化 合物を形成する工程と、 (4)式(V)の化合物を、適当な環化剤と接触させて、式(VI)の化合物 を形成する工程と を含むことを特徴とする方法。 33.Xは、Clであり、 Aは、−CF3であり、 R1は、H、C1 〜6アルキルまたはC1 〜6アルキルカルボニルであり、 R2は、0〜3個のR12で置換されたフェニルであり、 R3は、0〜3個のR12で置換されたフェニルであり、 R4、R5、R4a、R5aおよびR6は、HおよびC1 〜6アルコキシから独立に選 択され、および R12は、HまたはC1 〜6アルコキシである ことを特徴とする請求項32に記載の式(VI)の化合物を調製するための方法 。 34.式(VI−i)の化合物を調製するための請求項33に記載の方法であっ て、 (1)XがClであり、およびAがトリフルオロメチルである式(I)の化合物 を、適当な酸触媒の存在下でトリチルアルコールと接触させて、式(II−ii )の化合物を形成する工程と、 (2)(a)1R,2S−ピロリジニルノルエフェドリンをn−ヘキシルリチ ウムおよびシクロプロピルアセチレンと接触させて、1R,2S−ピロリジニル ノルエフェドリンとリチウムシクロプロピルアセチリドの混合物を形成し、およ び (b)工程(2)(a)の混合物を式(II−ii)の化合物と接触させて、 式(III−ii)の化合物を形成する工程と、 (3)式(III−ii)の化合物を、適当な脱保護剤と接触させて、式(V −i)の化合物を形成する工程と、 (5)式(V−i)の化合物を適当な環化剤と接触させて、式(VI−i)の 化合物を形成する工程と を含むことを特徴とする請求項33に記載の式(VI−i)の化合物を調製する ための方法。 35.前記適当な酸触媒は、HCl、メタンスルホン酸、硫酸、トリフルオロ酢 酸およびp−トルエンスルホン酸から成る群から選択され、 前記適当な脱保護剤は、HCl、HBr、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢 酸およびp−トルエンスルホン酸から成る群から選択され、および 前記適当な環化剤はホスゲンである ことを特徴とする請求項32に記載の式(VI)の化合物を調製するための方法 36.前記適当な酸触媒は、HCl、メタンスルホン酸、硫酸、トリフルオロ酢 酸およびp−トルエン−スルホン酸から成る群から選択され、 前記適当な脱保護剤は、HCl、HBr、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢 酸およびp−トルエン−スルホン酸から成る群から選択され、および 前記適当な環化剤はホスゲンである ことを特徴とする請求項33に記載の式(VI−i)の化合物を調製するための 方法。 37.前記適当な酸触媒は、HCl、メタンスルホン酸、硫酸、トリフルオロ酢 酸およびp−トルエンスルホン酸から成る群から選択され、 前記適当な脱保護剤は、HCl、HBr、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢 酸およびp−トルエンスルホン酸から成る群から選択され、および 前記適当な環化剤はホスゲンである ことを特徴とする請求項34に記載の式(VI−i)の化合物を調製するための 方法。 38.工程(2)(a)および(b)の化合物は、溶液流として独立に準備され および混合されることを特徴とする請求項32に記載の式(VI)の化合物を調 製するための方法。 39.工程(2)(a)および(b)の化合物は、溶液流として独立に準備され および混合されることを特徴とする請求項33に記載の式(VI−i)の化合物 を調製するための方法。 40.工程(2)(a)および(b)の化合物は、溶液流として独立に準備され および混合されることを特徴とする請求項34に記載の式(VI−i)の化合物 を調製するための方法。 41.下式の化合物、 または薬剤学的に許容可能なその塩。
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