JP2001506133A - 組換えaavベクターの産生における使用のための、aavスプリット−パッケージング遺伝子およびこのような遺伝子を含む細胞株 - Google Patents

組換えaavベクターの産生における使用のための、aavスプリット−パッケージング遺伝子およびこのような遺伝子を含む細胞株

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、AAV「スプリットパッケージング」遺伝子、および種々の哺乳動物細胞に目的のトランスジーンを送達するために使用され得る高力価の複製不能の組換えAAVベクターの産生における使用のためのこのような遺伝子を含むパッケージング細胞を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】組換えAAVベクターの産生における使用のための、AAVスプリット−パッケージン グ遺伝子およびこのような遺伝子を含む細胞株 発明の技術分野 本発明は、高力価のウイルスベクター、特に組換えのアデノ随伴ウイルス(AAV )ベクターの産生に使用される材料および方法に関連する。さらに詳細には、本 発明は、複製不能の高力価なAAVベクターの産生で使用されるための、AAVのスプ リットパッケージング遺伝子およびこのような遺伝子を含む細胞株に関連する。背景 アデノ随伴ウイルス(AAV)に基づくベクターは、遺伝子治療についての有用性 を有すると考えられてきたが、重大な障害は、ヒトの遺伝子治療適用のための臨 床的に有用な量のこのようなベクターの産生が困難であることであった。これは 、肺への直接的な送達のようなインビボでの適用に関して、特に問題である。遺 伝子治療の状況における別の重要な目的は、本明細書中でより詳細に述べられる が複製可能なビリオンを本質的に含まないベクター調製物の産生である。以下の 記載は、アデノ随伴ウイルスおよびAAVベクターに関与する研究を簡潔にまとめ 、次いで、遺伝子治療での使用に適する高力価の組換えAAVベクター(rAAV)調製 物の効率的な産生について有用である本発明による多くの新規な改良を記載する 。 アデノ随伴ウイルスは、特定の機能が、ヘルパーウイルスを同時感染させるこ とにより提供される細胞内でのみ増殖する欠損パルボウイルスである。AAVの一 般的な総説は、例えば、Carter,1989,Handbook of Parvoviruses,第I巻,169-22 8頁、およびBerns,1990,Virology,1743-1764頁,Raven Press,(Now York)におい て見出され得る。AAVの増殖および複製のためのヘルパー機能を提供するウイル スの同時感染の例には、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、およびいくつかの 場合では、ワクシニアのようなポックスウイルスがある。ヘルパー機能の性質は 、完全に公知ではないが、ヘルパーウイルスは、細胞を間接的にAAV複製を許容 さ せるようである。この説は、遺伝的毒性であるかまたは細胞周期を混乱させるか のいずれかの薬剤で細胞を処置した場合に、ヘルパーウイルスの同時感染の非存 在下で、AAVの複製が低効率で起こり得るという観察により支持されている。 AAVは、これらの通常でない条件下では、ヘルパーウイルス非存在下で限られ た程度で複製し得るにもかかわらず、より一般的には、ヘルパー機能非存在下で のAAVでの細胞の感染が、宿主細胞ゲノムへのプロウイルスAAVゲノムの組込みを もたらす。これらの細胞がアデノウイルスのようなヘルパーウイルスで重感染さ れた場合、組み込まれたAAVゲノムは、感染性の子孫AAV粒子のバーストを与える ためにレスキューおよび複製され得る。AAVの組込みが効果的であるように見え る事実は、AAVがヒトの遺伝子治療のような用途のために細胞に遺伝子を導入す るために有用なベクターであることを示唆する。 AAVは、明らかな種特異性も組織特異性も伴わない非常に広い宿主域を有し、 そして、適切なヘルパーが存在すれば、ヒト、サル、齧歯類起源の事実上任意の 細胞株で複製し得る。AAVはまた比較的遍在し、そして大部分の哺乳動物および いくつかのトリ種を包含する広範囲の動物種から単離されている。 AAVは、いずれの疾患の原因とも関係しない。AAVは、トランスフォーミングウ イルスでも発癌ウイルスでもない。そしてヒト細胞の遺伝物質へのAAVの組込み によっては、一般に宿主細胞の増殖特性または形態的特徴の顕著な変化を生じな い。また、これらのAAVの特性から、潜在的に有用なヒト遺伝子治療ベクターと してAAVが推奨される。なぜなら、この適用に提案される他の大部分のウイルス 系(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、またはポッ クスウイルス)は、疾患を引き起こすウイルスであるからである。 AAV粒子は、3つのキャプシドタンパク質VP1、VP2、およびVP3を有するタンパ ク質様キャプシドからなっており、そしてDNAゲノムを囲んでいる。AAVのDNAゲ ノムは、約1.5×106ダルトンの分子量およびおよそ4680ヌクレオチドの長さを有 する直鎖状一本鎖DNA分子である。それぞれの粒子は1つのDNA分子鎖のみパッケ ージングするが、しかしこれは「プラス」か、または「マイナス」鎖のいずれか であり得る。いずれかの鎖を含む粒子は感染性であり、そして複製は、親の感染 一本鎖を二本鎖の形態に変換し、次に二本鎖分子の大きなプールの増幅が起き、 その二本鎖から子孫の一本鎖がはずされ、そしてキャプシドにパッケージングさ れることによって起こる。AAVゲノムの二本鎖または一本鎖コピーは、細菌プラ スミドまたはファージミドに挿入され、そしてアデノウイルス感染細胞にトラン スフェクトされ得る。;これらの技術は、AAV遺伝学の研究およびAAVベクターの 開発を容易にしている。 AAVゲノム(これは、ウイルスDNAの複製およびキャプシド化を媒介するタンパ ク質をコードする)は、一般に2コピーの逆方向末端反復(ITR)に隣接している 。AAV2ゲノムの場合、例えば、ITRはそれぞれ145ヌクレオチド長であり、そして repおよびcap遺伝子(Srivastavaら、1983、J.Virol.、45;555-564;Hermonatら 、J.Virol.、51:329-339;Tratschinら、1984a、J.Virol.、51:611-619)の2つの 主要なオープンリーディングフレームを含有する約4470ヌクレオチドの独特の配 列領域に隣接する。AAV2独特領域は、repおよびcap遺伝子を発現させるために使 用される3つの転写プロモーターp5、p19およびp40(Laughlinら、1979、Proc.Na tl.Acad.Sci.USA、76.5567-5571)を含有する。ITR配列は、シスで必要とされ、 そして機能的な複製起点(ori)、細胞ゲノムへの組込みに必要とされるシグナル 、および宿主細胞染色体または組換えプラスミドからの効率的な切り出しおよび 回収を提供するのに十分である。さらに、ITRは、AAVベクターの転写プロモータ ーとして直接機能し得ることが示されている(Flotteら、1993、前出)。 rep遺伝子産物およびcap遺伝子産物は、それぞれウイルスゲノムの複製および キャプシド化の機能を提供するためにトランスで必要とされる。rep遺伝子は2 つのプロモーターp5およびp19から発現され、そして4個のタンパク質を産生する 。p5からの転写は、最初のRepタンパク質(Rep78)をコードするスプライシングさ れていない4.2kbのmRNAおよび第二のRepタンパク質(Rep68)をコードするスプラ イシングされた3.9kbのmRNAを産生する。p19からの転写は、第三のRepタンパク 質(Rep52)をコードするスプライシングされていないmRNA、および第四のRepタン パク質(Rep40)をコードするスプライシングされた3.3kbのmRNAを産生する。従っ て、この4つのRepタンパク質は、全て共通の内部領域配列を含むが、これらのア ミノおよびカルボキシル末端領域は異なる。大型のRepタンパク質のみ(すなわち 、Rep78およびRep68)は、AAV二重鎖のDNA複製に必要とされるが、小型のRepタ ンパク質(すなわち、Rep52およびRep40)は、子孫の一本鎖DNAの蓄積に必要とさ れるようである(Chejanovsky & Carterら、1989,Virology 173:120-128)。Rep68 およびRep78はAAV ITRのヘアピンコンホメーションに特異的に結合し、AAV末端 での複製の分解に必要とされるいくつかの酵素活性を有する。Rep52およびRep40 Virol.68:7169-7177;および1995,J.Virol.69:6880-6885)では、Rep78またはRep6 8の発現は、いくらかの環境では感染性の粒子形成にとって十分であり得ること を示唆している。 Repタンパク質(主に、Rep78およびRep68)はまた、AAV遺伝子の正の調節およ び負の調節を含む多面的な調節活性、ならびにいくつかの異種プロモーターから の発現、ならびに細胞増殖に対する阻害的効果を示す(Tratschinら、1986,Mol. Cell.Blol.6:2884-2894;Labowら、1987,Mol.Cell.Blol.,7.1320-1325;Khleifら1 991,Virology,181:738-741)。AAV p5プロモーターは、Rep78およびRep68によっ て負に自己調節される(Tratschinら、1986、Mol.Cell.Biol.6:2884-2894)。細胞 増殖に対するrepの発現の阻害効果のために、細胞株でのrepの構成性発現は容易 に達成されていない。例えば、Mendelsonら(1988,Virology,166:154-165)は、AA Vゲノムの安定な組込み後に、特定の細胞株においてRepタンパク質のいくつかの 非常に低い発現を報告した。 キャプシドタンパク質VP1、VP2、およびVP3は、共通の重複配列を共有するが 、VP1およびVP2はさらなるアミノ末端配列を含む。3個の全てのタンパク質は、 p40プロモーターから転写されたスプライシングされた2.3kbのmRNAから代表的に 発現された同じcap遺伝子のリーディングフレームによりコードされる。VP2お よびVP3は、交互の開始コドンを使用することによりこのmRNAから産生され得る 。一般的には、p40からの転写は、約2.3kbの2つの異なる転写物を生成するため の代替の部位でスプライシングされ得る2.6kbの前駆体mRNAを産生する。VP2およ びVP3は、それぞれの転写物によりコードされ得る(2つの開始部位のいずれか を使用して)が、VP1は転写物の1つのみによりコードされ得る。VP3は、主要な キャプシドタンパク質であり、代表的には総ビリオンダンパク質の約90%を占め る。VP1は、VP2およびVP3をコードする主要な・RNAに使用される3’ドナーから 30ヌ クレオチド上流の3’ドナー部位を使用する主要でないmRNAからコードされる。 3つ全てのタンパク質は、効果的なキャプシド産生に必要とされる。3つ全ての タ冫パク質を除去する変異(Cap-ネガティブ)は、一本鎖の子孫AAV DNAの蓄積 を妨げるが、VP1アミノ末端の変異(「Lip-ネガティブ」または「Inf-ネガティ ブ」)は、一本鎖DNAの粒子へのアセンブリを可能にし得るが、感染力価は大き く減少する。 上記で強調されたAAVの遺伝子分析は、細菌プラスミドにクローン化されたAAV ゲノムの変異体分析に大きく基づいていた。初期の研究では、AAVの感染性ゲノ ムの分子クローンは、GCテイリング(Samulskiら、1982,Proc.Natl.Acad.Sci.USA ,79:2077-2081)、制限エンドヌクレアーゼ切断部位を含む合成リンカーの付加(L aughlinら、1983、Gene、23:65-73)、または直接平滑末端連結(SenpathyおよびC arter.1984、J.Biol.Chem.、259:4661-4666)のような手順によりプラスミドに AAVの二本鎖分子を挿入することにより構築した。アデノウイルスのような適当 なヘルパーウイルスでもまた感染させた哺乳動物細胞にこのようなAAV組換えプ ラスミドをトランスフェクトすると、任意のプラスミド配列を含まないAAVゲノ ムの回収および切り出し、回収されたゲノムの複製ならびに子孫の感染性AAV粒 子の産生をもたらした。これは、上記で概略したようにAAVの遺伝子解析を行う ための基礎を提供し、そしてAAV形質導入ベクターの構築を可能にした。 遺伝子解析に基づいて、AAVベクター構築物の一般原理は、最近考察されたよ うに定義された(Carter,1992、Current Opinions in Biotechnology、3:533-53 9;Muzyczka,1992、Curr Topics in Microblol and Immunology、158:97-129)。 AAVベクターは、一般に、組換えAAV(rAAV)ベクターまたは「プロベクター」を産 生するために、AAVコード配列部分を外来DNAに置換することによりAAV組換えプ ラスミド内で構築される。ベクターでは、一般に、AAV配列の末端(ITR)部分は無 傷のままに保持されていなければならない。なぜなら、これらの領域は、一般に 、トランスフェクション後のプラスミドからの切り出し、ベクターゲノムの複製 、ならびに宿主細胞ゲノムからの組込みおよび回収を含む、いくつかの機能がシ スで要求されるからである。ある局面では、単一のITRの提供は、二つの野生型I TRに通常関連する機能を達成するために十分であり得る(例えば、Samulski,R.J .ら、 W094/13788(1994年6月23日公開)を参照のこと)。次いで、AAV形質導入ウイル スの産生のために、アデノウイルスまたはヘルペスウイルスのような適切なヘル パーウイルスで感染させた細胞にベクターをトランスフェクトすることにより、 ベクターはAAV粒子にパッケージングされ得る。但し、複製およびベクターゲノ ムのAAV粒子へのキャプシド化を達成するために、ベクターは、ベクターの構築 物に欠失しているトランスで必要な任意のAAV機能、特にrepおよびcapを相補さ れなければならない。 このようなAAVベクターは、インビボの遺伝子移入因子として有用性を有する ことが示された数少ない組換えウイルスベクター系の中のものであり(Carter, 1992、Current Opinion in Biotechnology、3:533-539;Muzcyzka,1992、Curr.T op.Microbiol.Immunol. 158:97-129に総説されている)、従ってヒトの遺伝子治 療に大変重要である可能性がある。AAVベクターは、嚢胞性線維症(CF)気管支お よび鼻上皮細胞(例えば、Flotteら、1992a,Am.J.Respir.Cell Mol.Biol.7:349- 356;Eganら、1992、Nature、358:581-584;Flotteら、1993a,J.Blol.Chem 268: 3781-3790;およびFlotteら、1993b,Proc.Natl.Acad.Sci.USA、93:10163-10167を 参照のこと);ヒト骨髄由来赤白血病細胞(例えば、Walshら、1992、Proc.Natl. Acad.Sci.USA 、89:7257-7261を参照のこと);ならびに脳、眼、および筋肉の細 胞を包含する種々の細胞で、高頻度の形質導入および発現をし得る。AAVは、形 質導入および発現のために活発な細胞分裂を必要としないかもしれず、このこと は特に大部分の細胞が最終的に分化を終えており、そして分裂していないヒトの 気道上皮のような組織ではレトロウイルスに対する別の明らかな利点である。 ヒトの遺伝子治療に使用するために設計した任意のAAVベクターの所望の特徴 は少なくとも2つある。第1に、形質導入ベクターは、送達系として実用的な十 分に高い力価で生成されねばならない。これは、インビボでのベクター送達を目 的とした遺伝子治療ストラテジーでは特に重要である。例えば、気道へのインビ ボでの直接送達による嚢胞性線維症の処置のようなAAVベクターの多くの所望さ れる適用については、必要とされる形質導入ベクターの用量は1010粒子を越え得 るようである。第2に、ベクター調製物には、好ましくは野生型のAAVウイルス (言い換えると任意の複製適格(replication-competent)AAV)が本質的に存在 しないことが必要とされる。高力価AAVベクターの達成は、(野生型AAVゲノムが 存在するかまたは組換えにより生成される場合は)野生型AAVゲノムを優先的に キャプシド化すること、および野生型rep遺伝子または野生型cap遺伝子によって 提供されるような、十分な相補機能を生成することが困難であることを包含する いくつかの理由から困難である。このような相補機能を発現する有用な細胞株は 、部分的にはrep遺伝子産物に関連する多面的な阻害機能のため、特に作製が困 難である。従って、rep遺伝子が組み込まれ、発現された細胞株は、ゆっくりと 増殖する傾向があるか、または非常に低いレベルでrepを発現する傾向がある。 記載された最初のAAVベクターは、AAV転写プロモーターまたはSV40プロモータ ーから発現されるneo、catまたはdhfrのような外来レポーター遺伝子を含有した (Tratschinら、1984b,Mol.Cell.Biol.4:2072-2081;HermonatおよびMuzyczka,19 84、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、81:6466-6470;Tratschinら、1985、Mol.Cell.Bi ol 5:3251-3260;McLaughlinら、1988、J.Virol.、62:1963-1973;Lebkowskiら、 1988、Mol.Cell.Biol.、7:349-356)。これらのベクターは、アデノウイルス感染 細胞に、野生型AAV転写プロモーターから発現されるAAVのrepおよびcap遺伝子を 含有する第2の「パッケージングプラスミド」とともに同時トランスフェクショ ンすることにより、AAV形質導入粒子中にパッケージングされた。パッケージン グプラスミドのキャプシド形成を妨げる試みにおいて、いくつかの計画が用いら れた。いくつかの場合(HermonatおよびMuzyczka、1984;McLaughlinら、1988)、 バクテリオファージラムダDNAの大きな領域をパッケージングプラスミドにAAV配 列内で挿入し、パッケージングされ得ない過剰サイズのゲノムを生成した。他の 場合において(Tratschinら、1984b;Tratschinら、1985、Lebkowskiら、1988)、 パッケージングプラスミドは、切り出しおよび複製ができず、そのためパッケー ジングできないように、AAVのITR領域を欠失した。これらの全てのアプローチは 、複製適格AAVのDNAを含有する粒子の生成を妨げず、そしてまた効果的な高力価 のAAV形質導入粒子を生成しなかった。実際、1mlあたり104を越えない力価の感 染性粒子が、Hermonatおよび情uzyczka、1984により引用された。 多くの研究において、ベクターおよびパッケージングプラスミドに存在するAA V配列間の重複する相同性が存在することにより、複製適格AAV粒子の生成を生じ た。SenapathyおよびCarter(1984、J.Biol.Chem.、259:4661-4666)により、この ような系の組換えの程度が、配列の重復の程度とほぼ同等であることが示された 。初期の研究の総説(Carter 1989、Handbook of Parvoviruses、第II巻、247-28 4ページ、CRC Press,Boca Raton、FL)で、1mlあたり106感染性粒子の力価が得ら れ得ることが示唆されたが、これはベクター調製物に大量の複製適格AAVが混入 している上記の研究に基づいていた。複製適格AAVを含有するこのようなベクタ ー調製物は、一般的にヒトの遺伝子治療には好ましくない。さらに、これらの初 期のベクターは、低い形質導入効率を表し、そして細胞あたり50,000粒子までの 多重度でベクターを供給したとしても、様々なヒトの細胞株培養物中で1%また は2%より多くの細胞を形質導入しなかった。これは、部分的には複製適格AAV 粒子の混入およびベクター中のAAVのrep遺伝子の存在を反映し得た。さらに、Sa mulskiら(1989、J.Virol.63:3822-3828)は、野生型AAVの存在が、パッケージン グされたベクターの収量を著しく高めることを示した。従って、野生型AAVの生 産が除去されるパッケージング系では、パッケージングされたベクターの収量は 実際に減少し得る。それにもかかわらず、任意のヒトの臨床適用で使用するため には、複製適格AAVの生成を本質的に排除することが好ましい。 AAVのrepまたはcap遺伝子を含有しないAAVベクターの生成を試みたさらなる研 究(McLaughlinら、1988;Lebkowsklら、1988)では、なお複製適格AAVを生成し、 そしてなおヒト細胞株で非常に低い形質導入頻度を生じた。従って、McLaughlin ら(1988)は、HermonatおよびMuzyczka(1984)により初期に使用された同じパッケ ージングプラスミドでパッケージングされたneo遺伝子を含有するAAVのrep-、ca p-ベクターはなお、複製適格AAVを含有することを報告した。結果として、ベク ターおよび野生型粒子の二重ヒットを避けるために、このウイルスを細胞あたり 0.03粒子の多重度(すなわち、10,000細胞あたり300感染単位)でしか使用し得 なかった。従って、1000感染単位で32,000細胞を感染させた場合、平均800個の ジェネティシン耐性コロニーが得られた。これは、ウイルスが80%の形質導入頻 度を得ることができることを示すと解釈されるが、実際は細胞の2.5%のみが形 質導入された。従って、このベクターの効果的な有用な力価は制限された。さら に、この研究は、このベクター調製物の実際の力価が、HermonatおよびMuzyczka (1984)により以前に得られた力価より少しも高くないことを示した。同様に、Le bkowskiら、1988は、rep遺伝子もcap遺伝子もどちらも含有しないAAVベクターを 、Tratschinら、(1984b,1985)によって初期に使用されたものと同一のori-パッ ケージングプラスミド(pBalA)を使用してパッケージングし、そして同様に低 い形質導入頻度(最も濃縮したベクターストックでも、数種のヒト細胞株では、 1%を越えない細胞しかジェネティシン耐性に形質導入され得なかった)を報告 した。Lebkowskiら、(1988)は、実際のベクター力価を意義のある方法では報告 しなかった。しかし、3mlのベクター調製物に5×106細胞を曝した場合、1% を越えない形質導入頻度を示す生物学的アッセイは、力価が、1mlあたり2×104 未満のジエネティシン耐性単位であることを示す。pBa1Aパッケージングプラス ミドはまた、ベクター中にITR配列との重復する相同性を含有し、そして複製適 格AAVの相同性組換えによる生成をもたらし得る。 Lafaceら、(1988)は、同様にして調製されたHermonatおよびMuzyczka(1984)で 使用されたのと同じベクターを使用し、そしてまた非常に低い力価を示すマウス 骨髄培養物中で1.5%の形質導入頻度を得た。 Samulskiら(1987、J.Virol.61:3096-3101)は、pSub201と呼ばれるプラスミド を構築した。これは、細菌プラスミド中の完全なAAVゲノムを含むが、各ITRの末 端で13ヌクレオチドの欠失を有し、従ってAAVゲノム全体を含有する他のAAVプラ スミドよりも低い効率で回収および複製された。Samulskiら(1989、J.Virol.63: 3822-3828)は、pSub201に基づくが、repおよびcapを欠失していて、そしてSV40 初期遺伝子プロモーターから発現されるhygまたはneo遺伝子のいずれかを含有す るAAVベクターを構築した。彼らは、アデノウイルスITRの1コピーでいずれかの 末端が囲まれたヌクレオチド190-4490のAAVヌクレオチド配列全体からなるpAAV/ Adと呼ばれるパッケージングプラスミドでの同時トランスフェクションにより、 これらのベクターをパッケージングした。このパッケージングプラスミドでは、 AAVのrepおよびcap遺伝子は、天然のAAVプロモーター(すなわち上記のp5、p19 、およびp40)から発現された。pAAV/AdでのアデノウイルスITRの機能は、AAVキ ャプシドタンパク質の発現レベルを高めることであると考えられた。しかし、re pは、その相同なプロモーターから発現され、そして負に調節されており、従っ てその 発現は制限される。これらのキャプシド化系を使用して、Samulskiらは、AAVベ クターストックを生成した。これは、複製適格AAVを実質的に含まないが、上清1 mlあたりのハイグロマイシン耐性単位が3×104のみの形質導入力価を有した。 野生型AAVゲノムをパッケージングプラスミドに使用した場合、AAVベクター調製 物(prep)の力価は、1mlあたりのハイグロマイシン耐性単位が5×104に増加 した。従って、この系で生産される低力価は、部分的にはベクター構築に使用さ れた基本的なpSub201プラスミドのITR配列の欠損が原因で、そして部分的にはpA AV/AdからのAAV遺伝子の発現を制限することが原因だったようである。AAVneoベ クター調製物の力価を増加させる試みでは、Samulskiらは、293細胞の30枚の10c m皿に大量にトランスフェクトし、そしてCsClでのバンド形成によりベクタース トックを濃縮させることにより、ベクターストックを生成した。これは、DNAド ットブロットハイブリダイゼーションアッセイで測定したところ、合計108粒子 を含有するAAVneoベクターストックを生産した。このベクターストックを細胞あ たり1,000粒子までの多重度で使用した場合、70%の形質導入頻度が得られた。 これは、細胞あたり1形質導入単位の比では、形質導入される細胞の期待比率が 、ポアソン分布によれば63%であることから、粒子対形質導入比が、約500〜1,0 00粒子であることを示唆している。 ベクタープラスミドpSub201およびパッケージングプラスミドpAAV/Adを用いる Samulskiら(1989)の系は、2つのプラスミドの間に重複するAAV配列の相同性を 有さなかったが、XbaI部位で重複する相同性があり、そしてこれらの部位の組換 えにより完全な複製適格AAVを生成を導き得る。すなわち、AAV配列の重複する相 同性は存在しないが、完全なAAV配列が2つのプラスミド内に含有され、そして プラスミドは、組換えの促進により複製適格AAVを生成し得る短い(非AAV)配列 を共有するが、これは望ましくない。このクラスの組換えがAAVプラスミド中で 起こることはSenapathyおよびCarterにより示された(1984,J.Biol.Chem.259:466 1-4666)。低力価および野生型組換え体を生成する能力の問題を考慮すると、Sam ulskiら(1989)により説明された系はヒト遺伝子治療において実用的有用性を有 さない。 他のいくつかの報告がAAVベクターについて記載している。例えば、Srivastav aら(1989,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86:8078-8082)は、Samulskiら(1987)のpSub2 01プラスミドに基づくAAVベクターについて記載した。そこではAAVのコーディン グ配列は他のパルボウイルスB19のコーディング配列で置き換えられた。このベ クターはpAAV/Adパッケージングプラスミドを用いてAAV粒子にパッケージングさ れ、機能的ベクターを生成したが、力価は報告されなかった。この系はpSub201 に基づいていたので、このプラスミドに関する上記の欠陥を被る。第2に、ベク ターおよびパッケージングプラスミドは、重複するAAV配列(ITR領域)を含有し ていたので、野生型ウイルスの混入をもたらす組換えが非常によく起こる。 ChatterJeeら(1991,Vaccines 91,Cold Spring Harbor Laboratory Press,85-8 9頁)、Wongら(1991 Vaccines 91,Cold Spring Harbor Laboratoy ress,183-189 頁)、およびChatterjeeら(1992,Science,258:1485-1488)は、HIVまたは単純ヘル ペスウイルスのような感染性ウイルスに対するアンチセンスRNAを発現するよう 設計されたAAVベクターについて記載している。しかし、これらの著者はそのAAV ベクターストックの力価についてなにも報告しなかった。さらに、彼らは、Trat schinら(1984b,1985)により使用された、AAVゲノムのBalAフラグメントを含有す るプラスミドに類似のori-パッケージングプラスミドを用いてベクターをパッケ ージングし、それ故彼らのパッケージングプラスミドは、ベクター構築物中に存 在するAAV配列に相同性を有するAAVベクター配列を含有した。これはまた、複製 適格AAVの生成を生じる。このように、Chatterjeeら、およびWongらは低力価し か示さないことが公知のパッケージング系を使用した。そして、このパッケージ ング系はベクターおよびパッケージング配列の重複する相同性のため、複製適格 AAVゲノムの生成を生じ得る。 他の報告は、ヒトリンパ球(Muro-Cachoら,1992,J.Immunotherapy,11:231-237) またはヒト赤血球白血病細胞株(Walshら,1992,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:7257 -7261)中で遺伝子を発現するAAVベクターの、pSub201ベクタープラスミドおよび pAAV/Adパッケージングプラスミドに基づいたベクターとの使用を記載した。ま た、ベクターストックの力価は報告されておらず、そして明らかに低かった。な ぜなら、選択マーカー遺伝子が、ベクターで首尾よく形質導入された細胞を同定 するために使用されたからである。 嚢胞性線維症患者由来のインビトロで増殖したヒト気道上皮細胞の、AAV p5プ ロモーターから選択マーカー遺伝子neoを発現するAAVベクターでの形質導入が報 告された(Flotteら,1992,Am.J.Respir.Cell.Mol.Biol 7:349-356)。この研究で は、AAVneoベクターはpAAV/Adパッケージングプラスミドを用いてAAV粒子にパッ ケージングされた。培養物中の細胞の70%までがジェネティシン耐性に形質導入 され得、そして粒子対形質導入比は、Samulskiら(1989)により報告されたものと 同様であった。このように細胞の70%の形質導入を得るためには、細胞当たり数 百までのベクター粒子の多重度が必要であった。AAV ITRプロモーターから嚢胞 性線維症膜貫通調節因子(CFTR)遺伝子を発現するAAV形質導入ベクターを用い るインビトロ培養でのヒト気道上皮細胞の形質導入は、この細胞が嚢胞性線維症 患者由来の細胞に存在する塩化物チャンネル機能の電気生理学的欠陥について機 能的に修正され得ることを示した(Eganら,Nature,1992,358:581-584;Flotteら,J .Blol.Chem .268:3781-3790)。 上記の研究は、AAVベクターが遺伝子治療によるヒト疾患の処置のためのベク ターとしての潜在的な有用性を有し得ることを示唆する。しかし、十分な量のAA Vベクターを生成するのが困難であることは、AAVベクターを使用するヒト遺伝子 治療の開発における厳しい制限であった。この制限の1つの局面は、インビボ動 物モデルでAAVベクターを使用する研究が極めて少なかったことである(例えば 、Flotteら、1993b;およびKaplittら、1994、Nature Genetics 8:148-154を参照 のこと)。これは一般的に、インビボでの送達および遺伝子発現の分析に有用で あるのに十分に高い力価を有するAAVベクターストックを十分量生成することに 関する困難性の反映である。 AAV遺伝子治療の制限要因の1つは、使用されているベクターパッケージング 系が比較的効率的でなかったことである。repおよびcapのような、十分なレベル の、AAVトランス相補機能を発現する適切な細胞株の欠如のため、AAVベクターの パッケージングは、パッケージングプラスミドおよびベクターの同時トランスフ ェクションによってアデノウイルス感染細胞中で達成された。このプロセスの効 率は、それぞれのプラスミド構築物のトランスフェクションの効率により、およ び今まで記載されたパッケージングプラスミド由来のRepタンパク質の低い発現 レベルにより制限されると予想される。これらの問題はそれぞれ、多面発現性阻 害効果に関連することが知られている、AAV Repタンパク質の生物学的活性に関 連しているようである。さらに、上記のように、上述の全てのパッケージング系 は組換えにより複製適格AAVを生成する能力を有する。 機能的Repを安定して発現する細胞株を産生するのが困難なことは、Repタンパ ク質によるneo-耐性コロニー形成の阻害(Labowら,1987;Trempeら,1991)により 示されるように、Repの細胞傷害性または細胞増殖抑制性の機能を明らかに反映 する。これはまた、Repが培養細胞中の不死化表現型を逆転させる傾向を有する ことに関連するようであり、それが機能的repを安定して発現する細胞株の生成 を極めて困難にしている。repを発現する細胞株を生成する試みはいくつか行わ れている。Mendelsonら(1988,Virology,166:154-165)は、1つの細胞株で、AAV rep遺伝子を含有するプラスミドでのHeLaまたは293細胞の安定なトランスフェク ション後、AAV Rep52タンパク質のいくらか低いレベルの発現を得たが、Rep78ま たはRep68タンパク質の発現を得なかったことを報告した。Rep78およびRep68タ ンパク質が存在しないため、細胞株においてベクターは生成され得なかった。別 の細胞株はかろうじて検出できる量の非機能性Rep78を生成した。 Vincentら(1990,Vaccines 90,Cold Spring Harbor Laboratory Press,353-359 頁)は正常AAVプロモーターから発現されるAAV repおよびcap遺伝子を含有する細 胞株の生成を試みた。しかし、これらの試みはベクターに100倍の過剰の野生型 AAV粒子が混入したからか、またはベクターが4×103感染性粒子より小さい非 常に低い力価でしか生成されなかったからかのいずれかのために成功しなかった 。 提案されてきた他の改変としては、AAV粒子を(例えば、インビトロでアセン ブリすることによって)再構成するために用いられ得る、AAV Capタンパク質の 産生に基づく系(例えば、1996年11月1田日に公開されたW096/00587を参照のこ と);ヘルパーウイルスにおけるAAVrep-cap遺伝子を使用する系(例えば、1995 年3月9日に公開されたW095/06743を参照のこと);および非ヒト哺乳動物由来 のヘルパーウイルスを使用する系(例えば、1995年8月3日に公開されたW095/2 0671を参照のこと)が挙げられる。 さらに別のアプローチでは、Lebkowskiら(米国特許第5,173,414号、1992年12 月22日発行)がエピソームプラスミドにおいてAAVベクターを含有する細胞株を構 築した。次いで、これらの細胞株はアデノウイルスで感染され、トランス相補性 AAV機能物repおよびcapでトランスフェクションされ、AAVベクターの調製物を生 じ得た。このことにより高力価のAAVストックが生成できるようになることが主 張される。しかし、示された例において、示された力価に関する唯一の情報は、 1つのヒト細胞株K562がわずか1%あるいはそれより低い効率で形質導入され得 たということであり、それはいかなる高力価のAAVベクターの生成をも示してな い。この系においては、ベクターはエピソーム性(非組込み)構築物として運ば れ、そしてベクターの組込まれたコピーは好ましくないことが述べられる。引き 続く特許(米国特許第5,354,678号、1994年10月11日発行)では、Lebkowskiらは 、細胞ゲノム中にrepおよびcap遺伝子を導入するが、しかし、その方法は、エプ スタイン-バールウイルス核抗原(EBNA)遺伝子およびエプスタイン-バールウイル ス潜在性複製起点を含むエピソーム性AAV形質導入ベクターの使用を再度必要と する;そして、さらに力価に関する唯一の情報は、力価がかなり低いことを示し た。 Lebkowskiら、(1992)により記載されたrAAVベクターのパッケージングへのア プローチは、いくつかの点で望ましくないかもしれない。第1に、細胞株中で組 込まれていない高コピー数のエピソーム性プラスミドとしてrAAVベクターを維持 することは望ましくない。なぜなら、細胞当たりのコピー数は厳密に制御され得 ず、そしてエピソーム性DNAは、欠陥ベクターの生成を導く再配列を受ける可能 性がずっと高いからである。第2に、この系においては、ベクターはなお、アデ ノウイルスによって細胞株を感染させ、そしてAAVrepおよびcap遺伝子を含有す るプラスミドを導入することによりパッケージングされなければならない。Lebk owskiら(1992)により再び使用されたプラスミドはpBalAであり、これは、ベクタ ーITR配列と重複する相同性を有し、そして結果として複製適格AAVを生成し得る 。第3に、Lebkowskiら(1988,1992)により使用されたpBalAパッケージングプラ スミド中で、rep遺伝子はその相同なp5プロモーターから発現し、そして一般にr epは負に自己調節されるので、これによりrepの発現が制限される傾向がある。 従って、プラスミドのトランスフェクション後のrep発現が最適以下のレベル であるという問題は、これらのタンパク質の別の生物学的活性にもまた、関連し 得る。AAV Repタンパク質は、pAAV/Ad(Samulskiら,1989)またはpBalA(Lebkowsk iら,1988,1992)のような以前に記載された種々のパッケージング構築物に使用さ れたAAV-p5プロモーターからのそれ自体の発現をダウンレギュレートするという 証拠がある(Tratschinら,1986,Mol.Cell.Biol.6:2884-2894)。 (1994、J.Virol.68:7169-7177)によって公開された。彼らは、repが糖質コルチ コイド応答性MMTVプロモーターの制御下に置かれた細胞株の生成を記載した。彼 らは、粒子形成を観察したが、その粒子は、明らかに、非感染性であった。さら なる実験は、欠損が非常に根元的である;すなわち、細胞中で、一本鎖rAAV DNA の蓄積が実際にはないということを示した。感染性粒子の産生は、構成的な高発 現rep構築物でのさらなる一過性のトランスフェクションを必要とした(すなわち 、それらは、Rep活性を、自身で提供し得ると仮定された細胞に「加え戻さ(addb ack)」なければならなかった。AAVパッケージング細胞株を生成するためのいく つかの他のアプローチもまた最近、記載されている。例えばT.Flotteら、WO 95/ 13365(Targeted Genetics CorporationおよびJohns Hopkins University);J.Tr empeら、WO 95/13392(Medical College of Ohlo);ならびにJ.Allen、WO 96/1794 7(Targeted Genetics Corporation)を参照のこと。 野生型または他の複製適格AAVを本質的に含まないrAAVベクターを、効率的に 生成するのに用いられ得る方法についての顕著な必要性;ならびにこのようなrA AVベクターを効率的に生成するのに用いられ得る細胞株についての対応する必要 性がある。発明の要旨 遺伝子治療の基本的挑戦の1つは,エクスビボで容易に操作され得ないか、ま たは活発には分裂しない細胞および組織の形質導入のためのストラテジーの開発 であった。AAVベクターは、例えば、気道でのインビボ遺伝子移入を達成し得る が、可能な限り少ない容量で十分に高い多重度のベクターの送達を可能にするよ うに、高力価が重要である。さらに、複製適格AAV(「rcA」)の産生を実質的に除 去しない先行技術は、一般に不満足なものである。さらに、安定なAAVパッケー ジング細胞株は、主にRepタンパク質の活性のために捕らえどころがなかった。R epタンパク質は、それ自体の発現をダウンレギュレートする傾向があり、そして 宿主細胞に負に影響を与え得る。これらの考察は、特に組合せて考慮した場合、 パッケージング方法論を、AAVに基づく遺伝子治療適用において主要な重要性の ものとする。当該分野で多くの提案が提唱されているが、実際に試験されたもの は極めて少なく、そしてその多くが上記の理由のために、実用的に不適当である 。 野生型AAVおよび種々の以前のパッケージング系に特徴的な、密接に結合し、 そして厳密に制御されるrepおよびcapの機能は、本発明のパッケージング細胞株 においては分離されており、そして再編成されている。本発明者らは、本発明者 らの再設計された系が、有意により大量の熱安定性組換えAAVベクターを提供し 得、一方では、同時に複製適格AAV粒子を産生する可能性を非常に減少させ得る ことを見出した。 1.組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクターの高効率パッケージングに有 用な哺乳動物細胞であって、この細胞は以下のAAVスプリットパッケージング(sp lit-packaglng)遺伝子の各々の少なくとも1コピーを含む: (i)AAV split-cap遺伝子、ここでこのsplit-cap遺伝子はAAV rep遺伝子のRep7 8特異的配列から分離されており、そしてここでこのsplit-cap遺伝子は異種プロ モーターに作動可能に連結されている;および (ii)AAV rep78遺伝子、ここでこのrep78遺伝子はAAV cap遺伝子のCap特異的配 列から分離されており、そしてここでこのrep78遺伝子は異種プロモーターに作 動可能に連結されている。好ましくは、rep78遺伝子は誘導性プロモーターに作 動可能に連結されており、split-cap遺伝子は誘導性プロモーターまたは構成性 プロモーターに作動可能に連結され得る。 このような細胞の重要な特性には、それらが以下に例示されるように高力価の 感染性rAAV粒子を生成し得るという事実、およびそれらが複製可能なAAVを生成 する非常に低減した傾向を有するという事実が含まれる。実際、生成するrcAの 頻度が、生成される108粒子のうちの1つ未満であることが予想され、そして( 以下に記載されるように)これよりもずっと低い頻度であるようである。 2.AAVrep52遺伝子をさらに含む、実施態様1に記載の哺乳動物細胞であって 、 該rep52遺伝子が、AAVrep遺伝子のRep78特異的配列から分離し、そして該rep52 遺伝子がプロモーター(好ましくは、異種動物プロモーター)に作動可能に連結 した、哺乳動物細胞。split-capおよびrep52遺伝子の両方の使用は、感染性rAAV 粒子の実質的に増大した量を生成することが見出されており、そして得られる粒 子は、以下に例示されるCFTRベクターのような「オーバーサイズの」rAAVベクタ ー(すなわち、正常AAVゲノムサイズよりも大きい)をパッケージングする場合 でさえ、少なくとも56℃まで1時間にわたって熱安定性である。 3.上記プロモーターの少なくとも一つが誘導性の異種プロモーターである、 上記の実施態様のいずれか1つに記載の哺乳動物細胞;好ましくは、少なくとも rep78プロモーターが、誘導性異種プロモーターである;最も好ましくは、それ はヘルパーウイルス誘導性プロモーターである。rep52およびsplit-cap遺伝子は また、ヘルパーウイルス誘導性プロモーターを含む異種プロモーターに連結し得 る。 4.上記AAVスプリットパッケージング遺伝子の少なくとも1つが、異種エン ハンサーに作動可能に連結した、上記の実施態様のいずれか1つに記載の哺乳動 物細胞;好ましくは、少なくとも2つの上記AAVスプリットパッケージング遺伝 子、特にsplit-capおよびrep52遺伝子が、異種エンハンサーに作動可能に連結し ている。 5.上記AAVスプリットパッケージング遺伝子の少なくとも1つが、上記細胞 に、1つまたは複数のコピーで、安定に組み込まれた、上記の実施態様のいずれ か1つに記載の哺乳動物細胞。好ましい実施態様は、ヘルパーウイルス誘導性プ ロモーターに作動可能に連結した安定に組み込まれたrep78遺伝子、ならびに安 定に組み込まれたまたは一過的に導入されたsplit-capおよびrep52遺伝子の複数 のコピーを含む。 6.少なくとも二つの異なるAAVスプリットパッケージング遺伝子が、上記細 胞中に、1つまたは複数のコピーで、安定に組み込まれた、上記の実施熊様のい ずれか1つに記載の哺乳動物細胞。 7.少なくとも三つの異なるAAVスプリットパッケージング遺伝子が上記細胞 中に、1つまたは複数のコピーで、安定に組み込まれた、上記の実施態様のいず れか1つに記載の哺乳動物細胞。 8.組換えAAVベクターをさらに含む、上記の実施態様のいずれか1つに記載 の哺乳動物細胞。好ましくは、上記の組換えAAVベクターは、2つのAAV逆方向末 端反復およびプロモーターに作動可能に連結した目的の異種遺伝子を含む。 9.上記目的の異種遺伝子が治療遺伝子である、実施態様8に記載の哺乳動物 細胞。 10.上記治療遺伝子が嚢包性繊維症膜貫通調節タンパク質をコードする、実 施態様9に記載の哺乳動物細胞。 11.上記哺乳動物細胞が、1細胞当たり少なくとも約100個の組換えAAV粒子 を産生し得る、上記の実施態様のいずれか1つに記載の哺乳動物細胞。以下に記 載されるように、ウイルス産生は、一般に、アデノウイスルのようなヘルパーウ イルスに細胞を感染させることによって、またはヘルパーウイルス機能の代替の 供給源を提供することによって開始される。 12.上記哺乳動物細胞が、1細胞当たり少なくとも約200個の組換えAAV粒子 を産生し得る、上記の実施態様のいずれか1つに記載の哺乳動物細胞。 13.上記細胞が、1細胞当たり少なくとも約400個の組換えAAV粒子を産生し 得る、上記の実施態様のいずれか1つに記載の哺乳動物細胞。 14.上記哺乳動物細胞が、ヒトの細胞である、上記の実施態様のいずれか1 つに記載の哺乳動物細胞。本発明の好ましい実施態様において、細胞は、熱安定 なAAV粒子(感染性の実質的な損失なしに、56℃での30分間の加熱に対して安定 )の高力価を生成し得る。また、以下により詳細に議論されるように、好ましい スプリットパッケージング細胞はまた、複製可能なAAV(「rcA」)粒子を生成す る非常に低減した傾向を示す。好ましい細胞において、rcAの生成の頻度は、106 粒子あたり約1未満であり、より好ましくは108あたり約1未満であり、なおよ り好ましくは1010あたり約1未満であり、最も好ましくは1012あたり約1未満で ある。 15.AAVスプリットパッケージング細胞の調製に有用であるポリヌクレオチ ド発現ベクターであって、該発現ベクターは、選択マーカーおよび以下からなる 群より選択される少なくとも1つのAAVスプリットパッケージング遺伝子: (i)AAV sprit cap遺伝子であって、該split-cap遺伝子がAAV rep遺伝子のRep 78特異的配列から分離し、そして該split-cap遺伝子が異種プロモーターに作動 可能に連結した、AAV split-cap遺伝子、好ましくは異種エンハンサー; (ii)AAV rep78遺伝子であって、該rep78遺伝子がAAV cap遺伝子のCap特異的 配列から分離し、そして該rep78遺伝子が異種誘導性プロモーターに作動可能に 連結した、AAV rep78遺伝子、好ましくは異種ヘルパーウイルス誘導性プロモー ター;および (iii)AAV rep52遺伝子であって、該rep52遺伝子がAAV rep遺伝子のRep78特 異的配列から分離し、そして該rep52遺伝子が異種プロモーターに作動可能に連 結した、AAV rep52遺伝子、好ましくは、異種ヘルパーウイルス誘導性プロモー ター; を含む、ポリヌクレオチド発現ベクター。 16.AAV split-cap遺伝子を含む、実施態様15に記載のポリヌクレオチド 発現ベクター;好ましくは、この遺伝子は、異種プロモーターに作動可能に連結 している。 17.AAVrep78遺伝子を含む、実施態様15に記載のポリヌクレオチド発現ベ クター;好ましくは、この遺伝子は、異種プロモーターに、より好ましくは、ヘ ルパーウイルス誘導性プロモーターに作動可能に連結している。 18.AAV rep52遺伝子を含む、実施態様15に記載のポリヌクレオチド発現 ベクター;好ましくは、上記遺伝子は、異種プロモーターに作動可能に連結した 19.上記発現ベクターが、以下の二つのAAVスプリットパッケージング遺伝 子: (i)AAV split-cap遺伝子であって、該split-cap遺伝子がAAVrep遺伝子のRep7 8特異的配列から分離し、そして該split-cap遺伝子が異種プロモーターに作動可 能に連結した、AAV split-cap遺伝子:および (ii)AAV rep52遺伝子であって、該rep52遺伝子がAAVrep遺伝子のRep78特異 的配列から分離し、そして該rep52遺伝子が異種プロモーターに作動可能に連結 した、AAV rep52遺伝子; を含む、実施態様15〜18のいずれか1つに記載のポリヌクレオチド発現ベク ター。 20.上記AAV split-cap遺伝子および上記AAV rep52遺伝子が、縦列の転写配 向に配置された、実施態様19に記載のポリヌクレオチド発現ベクター。 21.上記AAV split-cap遺伝子および上記AAV rep52遺伝子が、異なる(diver gent)転写の配向に配置された、実施態様19に記載のポリヌクレオチド発現ベ クター。 22.組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクターの高効率パッケージングに有 用である哺乳動物細胞を産生する方法であって、実施態様15〜21のいずれか 1つに記載のポリヌクレオチド発現ベクターを該細胞へ導入する工程を包含する 、方法。 23.rAAVベクターの高効率パッケージングに有用である哺乳動物細胞を産生 する方法であって、実施態様15〜21のいずれか1つに記載の少なくとも二つ の異なるポリヌクレオチド発現ベクターを該細胞へ導入する工程を包含する、方 法。 24.rAAVベクターの高効率パッケージングに有用である哺乳動物細胞を産生 する方法であって、実施態様15〜21のいずれか1つに記載の少なくとも三つ の異なるポリヌクレオチド発現ベクターを該細胞へ導入する工程を包含する、方 法。 25.rAAVベクターの高効率パッケージングに有用である哺乳動物細胞を産生 する方法であって、実施態様15〜21のいずれか1つに記載のポリヌクレオチ ド発現ベクターを該細胞へ安定に導入する工程を包含する、方法。 26.rAAVベクターの高効率パッケージングに有用である哺乳動物細胞を産生 する方法であって、実施態様15〜21のいずれか1つに記載の少なくとも二つ の異なるポリヌクレオチド発現ベクターを該細胞へ安定に導入する工程を包含す る、方法。 27.rAAVベクターの高効率パッケージングに有用である哺乳動物細胞を産生 する方法であって、実施態様15〜21のいずれか1つに記載の少なくとも三つ の異なるポリヌクレオチド発現ベクターを該細胞へ安定に導入する工程を包含す る、方法。 28.実施態様22〜27のいずれか1つに記載の方法により産生される、哺 乳動物細胞。 29.請求項28に記載の細胞にヘルパーウイルス機能を導入する工程、およ び上記細胞をインキュベートする工程を包含する、感染性の複製不能なrAAVベク ターを生成する方法。 図面の簡単な説明 図1は、実施例12に記載されるように、本発明のAAVスプリットパッケージン グ遺伝子が、標的細胞への導入遺伝子の送達に有用である感染性のAAVベクター 粒子の産生に効果的なAAV複製およびキャプシド形成機能を提供するために使用 され得ることを示すサザンブロットの結果を示す。 図2は、実施例13に記載されるように、本発明のAAVスプリットパッケージン グ遺伝子が、標的細胞への導入遺伝子の送達に有用である感染性のAAVベクター 粒子の産生に効果的なAAV複製およびキャプシド形成機能を提供するために使用 され得ることを示すサザンブロットの結果を示す。 発明の詳細な説明 組換えAAVベクターは、ヒト遺伝子治療のために、潜在的に効果的な道具であ り、嚢胞性線維症および鎌形赤血球貧血のような疾病に特に有効である。遺伝子 治療への別のアプローチに勝るrAAVベクターの主要な利点は、宿主細胞に安定に 組み込まれるために、標的細胞の継続中の複製を一般に必要としないことである 。 本明細書に記載の発明は、遺伝子治療において使用される高力価の組換えAAV ベクターの生成に使用される方法および材料を提供する。 本発明の実施には、他に示されていなければ、分子生物学、微生物学、組換え DNA、および免疫学の従来の技術が使用されており、それらは当業者の技術範囲 内である。このような技術は文献で十分に説明されている。例えば、Sambrook,F ritsch,およびManiatls,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版(1989) ,Oligonucleotide Synthesis(M.J.Galt編,1984),Animal Cell Culture(R.I.Fres hney編,1987),Methods in Enzymologyシリーズ(Academic Press,Inc.):Gene Tra n sfer Vectors for Mammalian Cells (J.M.MillerおよびM.P.Calos編,1987),Handb ook of Experimental Immunology ,(D.M.WeirおよびC.C.Blackwell編),Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubel,R.Brent,R.E.Kingston,D.D.Moor e,J.G.Siedman,J.A.Smith,およびK.Struhl編,1987),およびCurrent Protocols i n Immunology(J.E.Coligan,A.M.Kruisbeek,D.H.Margulies,E.M.ShevachおよびW. Strober編,1991)を参照のこと。本明細書中の前記および後記の全ての特許、特 許申請書、および出版物は本明細書中で参照として援用されている。定義: 用語「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」は、任意の長さの アミノ酸のポリマーを言うために交換可能に用いられる。これらの用語はまた、 グリコシル化、アセチル化、およびリン酸化を含むがこれらに限定されない反応 を通して翻訳後修飾されたタンパク質を含む。 「ポリヌクレオチド」は、リボヌクレオチドもしくはデオキシリボヌクレオチ ドのいずれか、またはそれらのアナログである、任意の長さのヌクレオチドのポ リマー形態をいう。この用語は、分子の一次構造についてのみいう。従って、二 本鎖および一本鎖DNAならびに二本鎖および一本鎖RNAが含まれる。メチル化また はキャップされたポリヌクレオチドのような改変されたポリヌクレオチドも含む 。 「遺伝子」は、転写および翻訳後、特定のタンパク質をコードすることが可能 である、少なくとも1つのオープンリーディングフレームを含むポリヌクレオチ ドを意味する。 本明細書中で使用される「転写調節配列」または「TRS」は、作動可能に連結 される遺伝子またはコード配列の転写を制御するゲノム領域を意味する。本明細 書中で使用される転写調節配列は、通常、少なくとも1つの転写プロモーターを 含み、そしてまた、1つ以上のエンハンサーそして/または転写のターミネータ ーを含み得る。 「作動可能に連結された」は、そこに記載される成分がそれらを同等にされた 様式で機能させ得る関係にある、2つ以上の成分の配置をいう。例として、転写 調節配列またはプロモーターは、TRSまたはプロモーターがコード配列の転写を 促進する場合、コード配列に作動可能に連結されている。作動可能に連結された TRSは、通常コード配列とシス配置であるが、必ずしもコード配列に直接隣接す る必要はない。 「組換え体」は、天然に通常見出されるものと区別される遺伝子実体を意味す る。ポリヌクレオチドまたは遺伝子に適用されるように、これは、ポリヌクレオ チドが、クローニング、制限および/または連結工程、そしてならびに天然に見 出されるポリヌクレオチドと区別される構築物を生じる他の手順の種々の組み合 わせの産物であることを意味する。 「異種」は、比較される実体の残りと遺伝子型的に異なる実体に由来すること を意味する。例えば、遺伝子工学技術により異なる細胞型に導入されたポリヌク レオチドは、異種ポリヌクレオチドである(そして、発現した場合は、異種ポリ ペプチドをコードし得る)。同様に、その天然のコード配列から除去され、そし て異なるコード配列に作動可能に連結されたTRS(転写調節配列)またはプロモ ーターは、異種TRSまたはプロモーターである。 「配列重複」は、ヌクレオチドが、相同配列を共有するときに、2つのポリヌ クレオチドの間で生じる。この相同配列が十分な長さおよび同一性である場合、 組換えは容易になされる。相同性のレベルおよび対応する組換えの頻度は、相同 配列の長さの増加およびそれらの共有の同一性のレベルに伴って増加する。与え られた系において関係を提供し得る相同性のレベルは、当業者に周知のように、 理論的に決定され得、そして実験的に確認され得る。例えば、相同組換えは、2 つの配列が、80%相同(その長さに渡る合計)を越える少なくとも10塩基対(bp) の任意のストレッチ、または少なくとも70%相同である少なくとも20塩基対の任 意のストレッチ、または少なくとも50%相同である少なくとも50塩基対の任意の ストレッチ、または少なくとも40%相同である少なくとも100塩基対の任意のスト レッチ、を共有しない場合、実質的に減少し得るか、あるいは排除され得る;好 ましくは、相同のレベルは、実により少なく(好ましくは現状レベルの半分未満 )、そして好ましくは、部分的な相同配列長もまた、より少ない(好ましくは現 状の長さの半分未満)。 本明細書で用いられる「ベクター」は、インビトロまたはインビボのどちらか において、宿主細胞に送達されるポリヌクレオチドを含む、組換えプラスミドま たはウイルスをいう。ときには「標的ポリヌクレオチド」または「導入遺伝子」 といわれる、送達されるべきポリヌクレオチドは、遺伝子治療(治療目的のタン パク質をコードする遺伝子のような)における目的のコード配列および/または 選択し得るまたは検出し得るマーカーを含み得る。 「レプリコン」は、適切な宿主細胞中のポリヌクレオチドの複製を可能にする 複製起点を含むポリヌクレオチドを意味する。レプリコンの例は、エピソーム( プラスミドを含む)および染色体(核またはミトコンドリア染色体)を含む。 細胞へのポリヌクレオチドの「安定な組み込み」は、ポリヌクレオチドが細胞 中に安定に維持される傾向にあるレプリコンへ組み込まれることを意味する。プ ラスミドのような「エピソーム」は、時に多くの世代で維持され得るが、エピソ ームに保有された遺伝物質は、一般に、染色体に組み込まれた物質より損失され やすい。しかしながら、ポリヌクレオチドの維持は、しばしば、ポリヌクレオチ ドへまたはそれに隣接して選択的マーカーを組込み、次いで、選択圧下でポリヌ クレオチドを運ぶ細胞を維持することにより行われ得る。いくつかの場合におい て、配列は、それらが染色体へ組み込まれない場合、効果的に安定に維持され得 ない。従って、選択し得るマーカーを含む配列の保持についての選択は、マーカ ーが染色体へ安定に組み込まれた細胞の選択を生じ得る。抗生物質抵抗性遺伝子 は、当業者に周知であるように、これに関して都合良く使用され得る。代表的に は、安定に組み込まれたポリヌクレオチドは、少なくとも約20世代、好ましくは 少なくとも約100世代で平均して維持されることが予想される。さらにより好ま しくは、それらは、永久に保持される。真核生物の染色体のクロマチン構造は、 組み込まれたポリヌクレオチドの発現のレベルに影響し得る。エピソーム上に保 有された遺伝子を有することは、特定の遺伝子の多重安定維持コピーを有するこ とが所望される場合、特に有用であり得る。本発明の背景において特に望ましい 特性を有する安定な細胞株の選択は、以下に説明および例示される。 「AAV」はアデノ随伴ウイルスである。アデノ随伴ウイルスは、一定の機能が 同時感染ヘルパーウイルスによって提供される細胞においてのみ増殖する欠陥パ ルボウイルスである。例えば、AAVの総説は、Carter,1989、Handbook of Parvo vi ruses 、第I巻、169-228頁、およびBerns.1990,Virology、1743-1764頁、Raven P ress、(New York)に見出され得る。AAV2血清型は、実施例中で本発明のいくつか の説明で使用された。しかしながら、種々の血清型が、遺伝子レベルでさえ、機 能的および構造的の両方で非常に密接に関連することは今や公知であるので、こ れらの同じ原理が他のAAV血清型に適用可能であることが十分に予測される(例え ば、Blacklow,1988,Parvovirus and Human Diseaseの165〜174頁、J.R.Patti son編;およびRose,1974,Comprehesive Virology3:1〜61参照)。例えば、全AA V血清型は、相同rep遺伝子により仲介される非常に似通った複製特性を明らかに 示す;そして全ては、AAV2中で発現されるような3つの関連したキャプシドタン パク質を有する。関連性の程度は、ゲノムの長さ;およびITRに相当する末端に おける類似の自己アニーリングセグメントの存在に沿った血清型の間の広範な交 差ハイブリダイゼーションを明らかにするヘテロ二重鎖分析によりさらに示唆さ れる。同様の感染性パターンもまた、個々の血清型における複製機能が同様の調 節制御下にあることを示唆する。 「組換えAAVベクター」(または「rAAVベクター」)は、AAV逆方向末端反復配 列(ITRs)に隣接される1つ以上の目的のポリヌクレオチド(または、「導入遺伝 子」)を含むベクターをいう。このようなrAAVベクターは、適切なヘルパーウイ ルスに感染しており、そしてAAVのrepおよびcap遺伝子産物(すなわち、AAV Rep およびCapタンパク質)を発現している宿主細胞内に存在するとき、複製され得 、そして感染可能なウイルス粒子中にパッケージングされ得る。rAAVベクターが より大きなポリヌクレオチド(例えば、染色体において、またはクローニングも しくはトランスフェクションにおいて使用されるプラスミドのような別のベクタ ーにおいて)へ取り込まれる場合、rAAVベクターは、代表的に「プロベクター」 (AAVパッケージング機能および必要なヘルパー機能の存在下で複製およびキャ プシド形成により「レスキュー」され得る)といわれる。 AAVのための「ヘルパーウイルス」は、AAV(これは「欠損」パルボウイルスで ある)が宿主細胞により複製され、パッケージングされることを可能とするウイ ルスをいう。多くのこのようなヘルパーウイルスは同定されており、ワクシニア のようなアデノウイルス、ヘルペスウイルス、およびポックスウイルスを含む。 サブグループCのアデノウイルス5型は、最も一般的に使用されるが、アデノウ イルスは多くの異なるサブグループを包含する。ヒト、非ヒト哺乳類および鳥類 起源の多数のアデノウイルスが公知であり、そしてATCCのような寄託機関から入 手可能である。例えば、ヘルペス科のウイルスは、単純ヘルペスウイルス(HSV) およびEpstein-Barrウイルス(EBV)、ならびにサイトメガロウイルス(CMV)および 仮性狂犬病ウイルス(PRV)を含み、これらはATCCのような寄託機関から入手可能 である。 本明細書中で用いられる「パッケージング」は、ウイルスベクター、特にAAV ベクターのアセンブリーおよびキャプシド形成を生じる一連の亜細胞性の事象を いう。従って、適切なベクターが適切な条件下でパッケージング細胞株に導入さ れる場合、それはウイルス粒子内にアセンブルされ得る。ウイルスベクター、特 にAAVベクターのパッケージングと関連する機能は、本明細書中に記載され、そ して当該分野内である。 AAV 「rep」および「cap」遺伝子は、それぞれ、複製およびキャプシド形成タ ンパク質をコードしている。AAV repおよびcap遺伝子は、試験された全てのAAV 血清型において見出されており、そして本明細書中および本明細書中に引用され る文献に記載されている。野生型AAVにおいて、repおよびcap遺伝子は、一般に 、ウイルスゲノム中において互いに隣接して見出されており(すなわち、それら は、転写単位が隣接するまたは重なるように共に「連結」される)、そしてこれ らは一般にAAV血清型において保存されている。AAV repおよびcap遺伝子はまた 、「AAVパッケージング遺伝子」として本明細書中で、個々にそして集団で意味 される。改変されたAAVパッケージング遺伝子(改変rep遺伝子およびその改変c ap遺伝子を含む)は、本明細書中の使用に関して、以下に記載される。 「AAVスプリットパッケージング遺伝子」は、スプリットパッケージング遺伝 子がAAVゲノム中に通常連結される1つ以上のAAVパッケージング遺伝子から分離 されている、1つ以上のAAVパッケージングタンパク質(AAV Repタンパク質およ び/またはAAV Capタンパク質を含む)をコードする組換え遺伝子を意味する。 このようなAAVスプリットパッケージング遺伝子の例は、本明細書中に記載され るAAVスプリットcap遺伝子、AAV rep78遺伝子、およびAAV rep52遺伝子を含む。 本発明の好ましい実施態様において、1つ以上のAAVスプリットパッケージング 遺伝子は、以下に記載するように、異種プロモーターに作動可能に連結し得る。 AAV「スプリットcap」遺伝子は、遺伝子がAAV rep遺伝子のRep78特異的配列か ら分離されるが、プロモーター、好ましくは異種プロモーターに作動可能に連結 される、1つ以上のAAV Capタンパク質をコードする組換え遺伝子を意味する。 上述のように、そして文献に引用されるように、野生型AAV rep遺伝子は、それ ぞれ、「大きなRepタンパク質」(Rep78およびRep68)および「小さなRepタンパ ク質」(Rep52およびRep40)の発現を駆動する2つのプロモーター配列、p5およ びp19を含む;そして、野生型AAVcap遺伝子は、AAV Capタンパク質(VP1、VP2お よびVP3)の発現を駆動するプロモーターp40を含む。本発明のAAVcap遺伝子(お よび本発明の他のAAVパッケージング遺伝子)はまた、1995年8月3日に公開さ れたWO 95/20671に記載されるように、非ヒトアデノ随伴ウイルスから得られ得 る。本発明の好ましい組換え構築物および細胞株において、Capタンパク質は、 野生型AAVの状況とは異なり、大きなRepタンパク質をコードし得る遺伝子の隣に 位置しないスプリットcap遺伝子によりコードされる。むしろ、AAV「rep78」遺 伝子(大きなRepタンパク質であるRep78およびRep68をコードし得る遺伝子)が 、異なる位置で、別々に提供される。以下により詳細に記載されそして説明され るように、スプリットcap遺伝子は、異なるレプリコンまたはベクターに存在す ることにより、または単一のレプリコンまたはベクター上に存在する場合、非AA V DNAを介在させることによりRep78特異的配列から分離させることによって、Re p78特異的配列から物理学的に分離し得る。本発明の特定の好ましい実施態様に おいて、スプリットcap遺伝子は、異種プロモーター(すなわち、AAV p40プロモ ーター以外のプロモーター)に作動可能に連結される。ここで異種プロモーター は、p40プロモーターの代わりかまたはp40プロモーターに加えてのどちらかでス プリットcapコード領域の上流に組み込まれる。誘導性プロモーターおよび構成 的プロモーターの両方を含む、種々のプロモーターに作動可能に連結されたこの ような組換えスプリットcap遺伝子の例は、以下に記載されそして説明される。 AAV「rep78」遺伝子は、大きなRepタンパク質であるRep78およびRep68をコー ドし得る(そして、通常また、小さなRepタンパク質であるRep52およびRep40を コードする)遺伝子である。本発明の特定の好ましい実施態様において、rep 78 遺伝子は、異種プロモーター(すなわち、AAV p5プロモーター以外のプロモータ ー)に作動可能に連結される。ここで異種プロモーターは、p5プロモーターの代 わりかまたはp5プロモーターに加えてのどちらかでrep78コード領域の上流に組 み込まれる。最も好ましくは、以下に記載するように、rep78遺伝子は、誘導性 プロモーターに、最も好ましくはヘルパーウイルス誘導性プロモーターに作動可 能に連結される。 AAV「rep52遺伝子」は、極めて小さいRepタンパク質(すなわち、Rep52および Rep40)を別々にコードし得る。本発明の特定の好ましい実施態様において、rep 52遺伝子は、異種プロモーター(すなわち、AAVp19プロモーターとは別のプロモ ーター)に作動可能に連結される。そして異種プロモーターは、rep52コード領 域の上流に、p19プロモーターの代わりかまたはp19プロモーターに加えてかのい ずれかで組み込まれる。AAVsplit-cap遺伝子であるrep52遺伝子および/またはre p78遺伝子はまた、エンハンサーおよびポリアデニル化(「ポリA」)配列(さら なるTRSの配列はまた異種であり得る)を含む、他の転写調節配列に作動可能に 連結し得る。本明細書中に記載のAAV由来split-cap遺伝子である、rep52遺伝子 およびrep78遺伝子は、総称して「AAVスプリットパッケージング遺伝子」といわ れる。このようなAAVスプリットパッケージング遺伝子の構築および使用の種々 の例を、以下に記載し、そして説明する。 「ターミネーター」とは、通読転写を減少または妨げる傾向のある(すなわち 、ターミネーターのある側に生じてターミネーターの他の側に連続する転写を減 少または妨げる)ポリヌクレオチド配列をいう。 細胞株について記載する際に使用する場合、「効率」とは、その株の、ある有 用な特性をいう;特に増殖速度、および(パッケージング細胞株について)細胞 あたりの産生されたウイルス粒子の数をいう。「高効率パッケージング」とは、 1細胞あたり少なくとも100ウイルス粒子の産生をいい、より好ましくは、1細 胞あたり少なくとも約200ウイルス粒子、なおより好ましくは、1細胞あたり少 なくとも約400ウイルス粒子の産生をいう。「高安全性パッケージング」とは、 産生される組み換えAAVウイルス粒子のうち、106につき約1未満のAAVウイルス 粒子が、複製能を有するAAVウイルス粒子であることをいう。好ましくは、108に つき約1未満のAAVウイルス粒子が複製能を有するAAVウイルス粒子であり、より 好ましくは、1010につき約1未満のAAVウイルス粒子が複製能を有するAAVウイル ス粒子であり、なおより好ましくは1012につき約1未満のAAVウイルス粒子が複 製能を有するAAVウイルス粒子である。最も好ましくは、複製能を有するAAVウイ ルス粒子が存在しない。本発明の好ましいパッケージング細胞は、このような高 効率および高安全性の組み合わせを示す。 「宿主細胞」、「細胞株」、「細胞培養物」、「パッケージング細胞株」およ び他のこのような用語は、高等真核生物細胞、好ましくは、哺乳動物細胞、最も 好ましくは、ヒト細胞を示し、本発明において有用である。これらの細胞は、組 換えベクター、ウイルスまたは他の移入ポリヌクレオチドのためのレシピエント として使用され得、そして形質導入された元の細胞の子孫を含む。単一細胞の子 孫は、元の親細胞と必ずしも完全に同一(形態学的にまたはゲノム相補性におい て)ではなくてもよいことが理解される。 「治療遺伝子」、「標的ポリヌクレオチド」、「導入遺伝子」、「目的の遺伝 子」などは、一般に、ベクターを用いて移入される遺伝子(単数または複数)を いう。代表的には、本発明の文脈において、このような遺伝子はrAAVベクター( このベクターは、逆方向末端反復(ITR)領域に隣接し、従って複製され、そし てrAAV粒子の中にキャプシド化され得る)内に位置する。標的ポリヌクレオチド は、本発明中で用いられ、多くの異なる適用についてrAAVベクターを作製し得る 。このようなポリヌクレオチドは、以下を含むがこれらに限定されない:(i)構 造タンパク質もしくは酵素の欠失レベル、欠損レベルまたは至適未満のレベルに より引き起こされる欠乏を解消する他の形態の遺伝子治療に有用なタンパク質を コードするポリヌクレオチド;(ii)アンチセンス分子へと転写されるポリヌクレ オチド;(iii)転写因子または翻訳因子を結合するデコイへと転写されるポリヌ クレオチド;(iv)サイトカインのような細胞モジュレーターをコードするポリヌ クレオチド;(v)ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子のような特定の薬剤 に感受性のレシピエント細胞を作製し得るポリヌクレオチド;および(vi)種々の ガンの処置のためのE1A腫瘍サプレッサー遺伝子またはp53腫瘍サプレッサー遺 伝子のような、ガン治療のためのポリヌクレオチド。レシピエント宿主細胞の導 入遺伝子の発現をもたらすために、一般に、自身のプロモーターまたは異種プロ モーターのいずれかのプロモーターに作動可能に連結される。多くの適切なプモ ーターが当該分野で公知であり、プロモーターの選択は、導入遺伝子の所望の発 現レベル;構成的発現、誘導性発現、細胞特異的発現または組織特異的発現など を所望するか否かに依存する。rAAVベクターはまた、選択マーカーを含み得る。発明を実施する態様 一般的戦略として、以下のリストから選択される、種々のAAVスプリットパッ ケージング遺伝子を含む哺乳動物パッケージング細胞株の調製が挙げられる: (i)AAV split-cap遺伝子であって、このsplit-cap遺伝子が、AAVrep遺伝子のr ep78特異的配列から分離され、そしてこのsplit-cap遺伝子が、プロモーターに 作動可能に連結される; (ii)AAV rep78遺伝子であって、このrep78遺伝子がAAV cap遺伝子のCap特異的 配列から分離され、そしてこのrep78遺伝子がプロモーターに作動可能に連結さ れる;および (iii)AAV rep52遺伝子であって、このrep52遺伝子が、AAV rep遺伝子のrep78 特異的配列から分離され、このrep52遺伝子が、プロモーターに作動可能に連結 される。 AAVパッケージング遺伝子配列は、本明細書中で、異なるレプリコン、組み換 えDNA構築物に位置する場合か、または単一レプリコンもしくは組み換えDNA構築 物に存在するならば、非AAV DNA配列を介在することにより、相互に分離される 場合に「分離された」といわれる。好ましくは、それらは、他の(すなわち、非 AAV)DNAの少なくとも約100ヌクレオチド分離されており、より好ましくは少な くとも約400ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも約1000ヌクレオチド(1kb) 、なおより好ましくは少なくとも約2kB分離されている。用語「非AAV」DNAとは 、上記のようにAAV配列と、実質的に重複配列を全く示さない配列をいう。好ま しくは、このような非AAV DNAは、AAV配列と80%を超えて相同である(その長さ に対して合計する)少なくとも10塩基対(bp)の範囲を全く、または少なくとも70 % 相同である少なくとも20bpの範囲を全く、または少なくとも50%相同である少な くとも50bpの範囲を全く、または少なくとも40%相同である少なくとも100bpの 範囲を全く共有しない;好ましくは、相同性のレベルは、さらにより低く(好ま しくは、言及したレベルの半分未満)、そして、好ましくは、部分的に相同な配 列の長さもまた、より短くあり得る(好ましくは、言及した長さの半分未満)。 本発明の好ましい実施態様において、split-capおよびrep78遺伝子は、パッケ ージング細胞株の中に別々に導入される(すなわち、別々のベクターを用いて導 入され、そして細胞中に安定に組み込まれる場合、異なる配置で安定に組み込ま れる。すなわち、好ましくは、上記のように他のDNA配列により分離される)。r ep52遺伝子は、split-cap遺伝子から別々に導入され得、または一緒に(単一な 組み換えDNA構築物について)導入され得る。それらが一緒に導入される場合、 一般的な転写配向性(すなわち、rep52遺伝子の転写を駆動するプロモーターが 、split-cap遺伝子の転写を駆動するプロモーターと同一の方向である場合)で 導入され得る。または、プロモーターは、相互に反対の方向でもあり得る。しか し、それらが同一の構築物について導入される場合、なお好ましくは、上記のよ うに非AAV DNAにより相互に分離され、複製能を有するAAVゲノムが、組み換えに より再生され得、そしてまた、パッケージされるのに十分小さくあり得る可能性 を減少させる。このような組み換え構築物の例は、以下に記載される。 本発明の好ましい実施態様において、1つ以上の異なるAAV スプリットパッケ ージング遺伝子が、パッケージング細胞株内で安定に維持され(染色体または安 定に維持されているエピソームの中への組み込みによる);より好ましくは、少 なくとも2つの異なるスプリットパッケージング遺伝子が、パッケージング細胞 株中で安定に維持され;最も好ましくは、3つの異なるスプリットパッケージン グ遺伝子が、パッケージング細胞株中で安定に維持される。このような安定な維 持は、1つ以上の安定に維持された、細胞のエピソームまたは細胞の染色体中に スプリットパッケージング遺伝子(単数または複数)の組み込みにより媒介され 得る。split-cap遺伝子およびrep78遺伝子は、好ましくは、異なるレプリコンに ついて維持されるか、または両方が染色体に組み込まれる場合、それらは、好ま しくはゲノム中の別々の部位に組み込まれるようであるようにパッケージング細 胞株中に別々に導入される。splitパッケージング遺伝子が、別々の部位に組み 込まれるという確証は、日常的な分子生物学的技術(例えば、別々の遺伝子各々 に指向されたプローブを用いるサザンブロッテイング)を用いて得られ得る。 上記のように、本発明の好ましい実施態様はまた、rep52遺伝子を含む。好ま しくは、このようなrep52遺伝子はまた、パッケージング細胞中で安定に維持さ れる。rep52遺伝子は、好ましくは、rep78遺伝子から別々に導入されるが、上記 のようにsplit-cap遺伝子とともに(または別々の形態で)導入され得る。 従って、野生型AAVに特徴的な密接して連関しそして精密に調節される、repお よびcap機能、および種々の重要なパッケージング系は、本発明のパッケージン グ細胞株において分離され、実質的に再構成される。本発明者らは、それらの再 設計された系は、熱安定性組み換えAAVベクターの有意により多い量を提供し得 るが、同時に複製能を有するAAV粒子を産生する可能性を極めて減少させること を見出した。従って、上記に参照される両方のAAVパッケージングシステムの巧 妙な目的を達成する。 本発明の哺乳動物細胞を、例えば、AAV ITR領域および目的の異種ポリヌクレ オチドを含む「組み換えAAVベクター」(または「rAAVベクター」)で感染させ 、トランスフェクトさせ得る。適切な条件下(適切な増殖条件およびコンピテン トヘルパーウイルスでの感染を含む)で、パッケージング細胞のrepおよびcap遺 伝子の発現は、それぞれAAVベクターの複製およびキャプシド化を媒介するRepお よびCapタンパク質の合成を生じる。従って、rAAVベクターのAAV ITR配列の間に 目的のポリヌクレオチド(「標的ポリヌクレオチド」ともいう)を提供すること は、所望の宿主細胞へポリヌクレオチドを送達するために用いられ得る感染性rA AV粒子への標的ポリヌクレオチドのパッケージングを生じる。最近の証明により 、提供している単一ITRは、2つの野生型ITRに正常に関連する機能を実施するの に十分であり得ることが示唆される(例えば、Samulski,R.J.ら、WO 94/13788 (1994年6月23日公開)を参照のこと)。 パッケージング細胞株の任意のAAV遺伝子とrAAVベクターの任意の配列との間 の配列重複の程度を最小化することにより、標的ポリヌクレオチドを含まない野 生型AAV粒子の比を最小化し得る。従って、rAAVベクターは、好ましくは、少な くとも1つのAAV ITR領域、より好ましくは2つのAAV ITR領域を含むが、好まし くは、AAV repまたはcap遺伝子と有意な配列重複を全く共有しない(上記のよう に相同性組み換え事象を避ける見込みという点を考慮して)。発明の背景の節に 記載されるように、夾雑する複製能を有するAAVの存在が、rAAVベクター調製物 の治療的可能性を限定する。本発明の種々の組み換え構築物における有意な配列 重複が全くないことの他に、本発明のAAV split-capおよびrep78遺伝子が、相互 に分離し、それにより複製能を有するAAV粒子が、非相同組み換え事象によって さえも再構築され得るという可能性を、実質的に除去する。本発明のパッケージ ング細胞株は、高力価で、実質的に夾雑する複製能を有するAAVを全く含まない 、rAAV調製物の効率的な産生を可能にする;AAV媒介遺伝子治療の状況では特に 有用である性質である。 本発明の原理の第一の例は、血清型AAV2を用いて実施された。しかし、これら の同じ原理が他のAAV血清型にも適用可能であることが充分予測される。なぜな ら、今や種々の血清型が、機能的かつ構造的の両方で、さらに遺伝子レベルでも 非常に密接に関連していることが公知であるからである(例えば、Blacklow,19 88,「Parvoviruses and Human Disease」J.R.Pattison(編)の165〜174頁;お よびRose,1974,Comprehensive Virology 3:1〜61を参照のこと)。例えば、全 てのAAV血清型が、相同rep遺伝子により媒介される非常に類似の複製特性を明ら かに示す;そして、全てがAAV2に発現されるキャプシドタンパク質のような3つ の関連キャプシドタンパク質を保有する。関連性の程度は、ヘテロ二重鎖分析に よって、ゲノム長に沿った血清型;およびITRに相当する終端での類似の自己ア ニーリングセグメントの存在との間での過剰な交叉ハイブリダイゼーションが明 らかになることがさらに示唆される。類似の感染性パターンもまた、各血清型で の複製機能が、類似した調節制御下にあることを示唆する。パッケージング細胞株の産生 パッケージング細胞が産生された株が由来する親株は、AAV感染に感受性であ り、そしてインビトロ培養に受け入れられる任意の細胞株から得られ得る。先に 記載されたように、AAVは、宿主範囲が非常に広範であり、そして種々の哺乳動 物細胞型(類人猿細胞、ヒト細胞および齧歯類細胞を含む)から単離された。この ようなヒト細胞株のように、由来し得るパッケージング細胞株は、例えば、Hela 細胞、A549細胞、293細胞、KB細胞、Detroit細胞、およびWI138細胞を含む。本 発明者らは、最初に、本発明の実証のために、ヒト293細胞およびHela細胞の種 々の誘導体を選択した。 野生型AAVの場合(例示の目的でAAV2を用いる)、rep遺伝子は、p5プロモータ ーの調節下にあり、これは、それ自体がrep発現により強力にダウンレギュレー トされている。本発明によるパッケージング細胞株を構築する際に、各々、プロ モーターに作動可能に連結される種々のAAV スプリットパッケージング遺伝子を 有する細胞が提供される。好ましい実施態様では、上記のように、1つ以上のス プリットパッケージング遺伝子が、異種プロモーターに作動可能に連結される。 rep遺伝子発現によって強力にはダウンレギュレートされない任意の異種プロモ ーターが、適切である。 rep78遺伝子について、誘導性プロモーターが好ましい。なぜなら、rep78遺伝 子の構成的発現が、宿主細胞にネガティブな影響を及ぼし得るからである。現在 、rep78について最も好ましい誘導性プロモーターは、誘導の非存在下で任意の 転写がほとんど起こらないプロモーター(すなわち、誘導非存在下で厳密に「離 れている」ことが公知または決定されている誘導性プロモーター)である。種々 のこのようなプロモーターは、当該分野で公知であり、または種々のプロモータ ーのない「レポーター」遺伝子を用いて容易に同定され得る。split-cap遺伝子 およびrep52遺伝子のための好ましい異種プロモーターは、構成性プロモーター および誘導性プロモーターの両方を含む。好ましい実施態様では、本発明の種々 のrep遺伝子および/またはcap遺伝子が、安定に宿主細胞ゲノム中に組み込まれ 得るので、配置もまた、遺伝子発現に影響し得(クロマチン構造に起因するよう な影響)、そして好ましいパッケージン系を得る際に利用され得る。特に、下記 の方法論を用いて、所望の特性を示すパッケージング細胞を産生し、そして選択 し得る。多くの構成性プロモーターが当該分野で公知であり、そして一般的に利 用可能である;哺乳動物プロモーターのみならず、感染哺乳動物に見出された多 くのウイルスプロモーター(例えば、下記で説明される、一般的に用いられるCM V プロモーター)もまた含まれる。非常に多くの種々の誘導性プロモーターもまた 、当該分野で周知であり、そして一般的に利用可能である;例示のような重金属 イオン誘導性プロモーター(例えば、メタロチオネインプロモーター);ステロ イドホルモン誘導性プロモーター(例えば、MMTVプロモーターまたは成長ホルモ ンプロモーター);およびT7 RNAポリメラーゼ存在下で活性であるT7ファージに 由来するプロモーターのようなプロモーター。所望の発現レベルを示す種々のプ ロモーターのクローニングおよびおよび確認は、下記のような標準的分子生物学 的技術を用いて、そして本明細書中に引用される文献において達成され得る。 特に好ましいサブクラスの誘導性プロモーターは、rAAVベクターの複製および パッケージングを補完するために用いられるヘルパーウイルスにより誘導される 誘導性プロモーターである。多くのヘルパーウイルス誘導性プロモーターが公知 であり、例えば、アデノウイルスE1Aタンパク質により誘導されるアデノウイル ス初期遺伝子プロモーター;アデノウイルス主要後期プロモーター;VP16または lCP4のようなヘルペスウイルスタンパク質により誘導されるヘルペスウイルスプ ロモーター;ならびにワクシニアまたはポックスウイルス誘導性プロモーターを 含む。 J.AllenおよびTargeted Genetlcs Corporationによる、国際出願番号WO 96/1 7947(1996年6月13日公開)によって、ヘルパーウイルス誘導性プロモーターが 記載され、一般的に推定プロモーターが、ヘルパーウイルス誘導性プロモーター であるか否か、および高効率パッケージング細胞の産生に有用であるか否かを容 易に決定するために、推定プロモーターを試験するために用いられ得る、一般的 に適用可能な方法が例示されている。簡潔には、この方法は、置換(例えば、AA V rep78遺伝子のp5プロモーターを、推定のヘルパーウイルス誘導性プロモータ ー(当該分野で公知であるかまたはプロモーターのない「レポーター」遺伝子へ の連結のような周知の技術を用いて同定されたかのいずれか)で置換する)を含 む。例えば、AAV rep78遺伝子(好ましくは、p5で置換され、そして好ましくは 、抗生物質耐性遺伝子のようなポジティブ選択マーカーに連結される)は、次い で、適切な宿主細胞(例えば、以下に例示されるような、ヒト293細胞およびHel a細胞の誘導体)中に安定に組み込まれ得る。次いで、選択条件下(例えば、抗 生物 質の存在下)で比較的良好に増殖させ得る細胞を、ヘルパーウイルスの添加の際 にrep78遺伝子を発現する能力について試験する。 種々のrep遺伝子および/またはcap遺伝子の発現についての初めの試験として 、細胞は、Repタンパク質および/またはCapタンパク質を検出する免疫蛍光を用 いて容易にスクリーニングされ得る(上記に引用される技術のように)。パッケー ジング能力および効率の確認はまた、外から入ってくるrAAVベクターの複製また はバッケージングについての機能試験(以下に記載のような)によっても、得ら れ得る。これらの方法論を用いて、本発明者らは、例えば、p5プロモーターが異 種プロモーターで置換されたrep78遺伝子を構築し、p40プロモーターが種々の異 種プロモーターで置換されたsplit-cap遺伝子を構築し、pl9プロモーターが、種 々の異種プロモーターで置換されたrep52遺伝子を構築し、そして得られた構築 物を用いて、複製能を有するAAV粒子を産生する可能性がほとんどないか全くな い、高力価のrAAV粒子を産生し得るスプリットパッケージング細胞株を産生した 。 下記の特定の例示的実施例では、本発明者らは、本発明による種々のAAV スプ リットパッケージング遺伝子をコードする種々のプラスミドを調製した。例えば 、split-cap遺伝子を構築する例として、本発明者らは、異種構成性プロモータ ー(CMV由来)を含む「CMV-cap」と称されるプラスミドを調製し、AAV cap配列 、続いて異種ポリAシグナル(SV40由来)に作動可能に連結した。誘導性プロモー ターに作動可能に連結されたsplit-cap遺伝子を含む他の例示的な構築物もまた 、記載される。rep78遺伝子の構築物の例として、本発明者らは、異種誘導性プ ロモーター(マウスメタロチオネインI調節領域由来)を含む「mMT1-rep78」と 称されるプラスミドを調製し、AAV rep配列、続いて異種ポリAシグナル(マウス メタロチオネインI遺伝子由来)に作動可能に連結した。rep52遺伝子の構築物 の例として、本発明者らは、異種誘導性プロモーター(マウスメタロチオネイン I調節領域由来)を含む「mMTI-rep52」と称されるプラスミド調製し、AAV rep5 2配列、続いて異種ポリAシグナル(マウスメタロチオネインI遺伝子由来)に作 動可能に連結した。本発明者らはまた、split-cap遺伝子およびrep52遺伝子の両 方を含む、並行および反対の方向の両方において例示的な発現プラスミドを構築 した。 本明細書中に記載のように調製されたAAV スプリットパッケージング細胞を用 いて、治療的に有利な遺伝子(嚢胞性線維症膜貫通伝導性レギュレーターまたは 「CFTR」をコードする遺伝子)を含む、例示的な組み換えAAVベクターを効率的 に複製し、そしてキャプシド化する;そして、本発明によるスプリットパッケー ジング遺伝子を用いて調製したrAAVウイルス粒子を用いて、ヒト細胞に効率的に 感染させ、それによって、このような細胞中にこのような治療的遺伝子を導入す ることが可能になる。 上記のようにAAV スプリットパッケージング遺伝子でトランスフェクトされた 細胞は、当該分野で日常的な方法によりトランスフェクトされていない細胞から 選択され得る。最も簡便には、選択は、1つ以上の選択マーカー(抗生物質耐性 遺伝子のような)へのスプリットパッケージング遺伝子の連結によって達成され 得る。好ましくは、このような選択マーカーは、構成性プロモーターにより駆動 される;そして、好ましくは、このようなマーカーは、AAV スプリットパッケー ジング遺伝子、特にrep遺伝子に関して反対の方向で導入される;なぜなら、こ れは、rep遺伝子(これは、宿主細胞に有害であり得る)の発現をも引き起こす 選択マーカーを駆動するプロモーターについての可能性を減少させる傾向がある からである。トランスフェクションし、そして回収した後、細胞株を、耐性が提 供された抗生物質に曝露する(下記に例示するように)。 宿主細胞への遺伝子の組み込みは、例えば、サザン分析を用いて簡便にモニタ ーされ得る。Repおよび/またはCapタンパク質の発現はまた、任意の種々の技術 を用いてアッセイされ得る;構造的アッセイ(免疫蛍光のような)、および機能 アッセイ(以下の実施例に記載の、rAAVベクターの複製および組み込まれるかま たは、外から入ってくるrAAVベクターのパッケージングのような)を含む。 本発明の好ましいパッケージング細胞は、それらが由来する親細胞に少なくと も2分の1の迅速さで複製し得る。より好ましくは、少なくとも3分の2の迅速 さで、なおより好ましくは、少なくとも90%の迅速さで複製し得る。本発明によ る好ましいパッケージング細胞はまた、少なくとも約100rAAV粒子/細胞を産生し 得、より好ましくは、少なくとも約200rAAV粒子/細胞、なおより好ましくは、少 なくとも約400rAAV粒子/細胞を産生し得る。rAAV ベクターの産生: 遺伝子治療としてのこのような目的に有用である組み換えAAV粒子を産生する ために、パッケージング細胞株は、1つ以上の目的のポリヌクレオチド(または 「標的」ポリヌクレオチド)の周囲の、AAV逆方向末端反復(ITR)領域を含む組み 換えAAVベクターとともに、好ましくは提供される。 標的ポリヌクレオチドは、一般的に、プロモーター(それ自体かまたは異種プ ロモーターのいずれか)に作動可能に連結される。非常に多くの適切なプロモー ターが当該分野で公知であるが、その選択は、標的ポリヌクレオチドの所望の発 現レベル(すなわち、構成的発現、誘導性発現、細胞特異的または組織特異的発 現などを所望するか否か)に依存する。 例示のために、本発明者らは、プロモーターに作動可能に連結された、機能的 嚢胞性線維症伝導性調節因子ポリペプチド(CFTR)をコードするポリヌクレオチド を含むrAAVベクターを用いた。当該分野で公知のように、嚢胞性線維症の患者に 由来する細胞にCFTR機能欠乏を再構築し得る、種々のCFTRポリペプチドが存在す る。例えば、Richら(1991,Science,253:205〜207)がアミノ酸残基708〜835を 欠失しているCFTR誘導体を記載した。そして、この誘導体は、塩素イオンを輸送 し得、そして天然に存在するCFTR欠損を補正し得た。Eganら(1993)は、別のCFTR 誘導体(残基119での天然のCFTR開始部位の配列に続く非関連タンパク質由来の 約25アミノ酸を含む)を記載した。そしてこの誘導体はまた、正常CFTRの電気生 理学的特性を回復し得た。2つのさらなる例を理解するために、Arispeら(1992, Proc.Natl.Acad.Sci.USA89:1539〜1543)は、残基433〜586を含むCFTRフラグ メントが、脂質二重層の補正塩素イオンチャネルを再構成するのに十分であるこ とを示した;そしてSheppardら(1994,Cell 76:1091〜1098)は、残基836でその 約半分の長さに短縮されたCFTRポリペプチドは、調節された塩素イオンチャネル をなお形成し得ることを示した。従って、天然のCFTRタンパク質、ならびに変異 体およびそのフラグメントは、全て本発明の下で有用なCFTRポリペプチドを構成 する。 他の有用な標的ポリペプチドを、本発明に用いて、多くの異なる適用のための rAAVベクターを産生し得る。このようなポリヌクレオチドは、以下を含むが、そ れらに限定されない:(i)構造タンパク質もしくは酵素の欠失レベル、欠損レベ ル、または至適未満のレベルにより引き起こされる欠乏を解消する他の形態の遺 伝子治療に有用なタンパク質をコードするポリヌクレオチド;(ii)アンチセンス 分子へと転写されるポリヌクレオチド;(iii)転写因子または翻訳因子を結合す るデコイへと転写されるポリヌクレオチド;(iv)サイトカインのような細胞モジ ュレーターをコードするポリヌクレオチド:(v)レシピエント細胞をヘルペスウ イルスチミジンキナーゼ遺伝子のような特定の薬剤に感受性にし得るポリヌクレ オチド;および(vi)いくつかの肺ガンまたは乳ガンに関与する、欠失しているま たは損傷を受けたp53遺伝子の置換のための野生型p53腫瘍サプレッサーcDNAある いは、乳ガンもしくは卵巣ガンを含む種々の異なるガンの腫瘍形成および/また は転移性を阻害し得るE1A腫瘍サプレッサー遺伝子のような、ガン治療のための ポリヌクレオチド。 得られる組み換えAAV粒子の治療的特異性が、特定のベクターまたは誘導され たプロベクター(pro-vector)によって決定されるので、同一の基本的パッケー ジング細胞株は、任意のこれらの適用のために改変され得る。例えば、特定の標 的ポリヌクレオチドを含むベクターが、任意のいくつかの可能性のある方法によ ってAAVベクターを産生するためのパッケージング細胞に導入され得る;そして この方法は、例えば、エレクトロポレーションあるいはrAAVプロベクターを含む プラスミドのトランスフェクション、あるいはrAAVベクターもしくはプロベクタ ーを含むrAAVまたはヘルパーウイルスでの感染を含む。 ヘルパーウイルスは、rAAVベクターの導入前、導入の間または導入後に導入さ れ得る。例えば、プラスミドは、ヘルパーウイルスとともに培養物中で同時感染 され得る;次いで、細胞を十分な期間にわたって(代表的には2〜5日間)、当 該分野で公知の複製及びパッケージングに適切な条件で培養され得る(上記の参 考文献および下記の実施例を参照のこと)。溶解物を調製し、そして、組み換え AAVベクター粒子を当該分野で公知の技術により精製する。 好ましい実施態様においてはまた、以下の実施例に示されるように、組み換え AAVベクターが、それ自体が安定に哺乳動物細胞中に取り込まれて、パッケージ ングに用いられる。次いで、このようなrAAV「プロデューサー細胞」を、使用可 能な状態まで増殖させて、保存し得る。このようなプロデューサー細胞からrAAV 粒子の産生を誘導するために、使用者は、ヘルパーウイルスを細胞に感染させ、 そしてAAVの複製およびパッケージングに適切な条件下(下記に記載のように) で細胞を培養することのみが必要である。 あるいは、1つ以上のAAVスプリットパッケージング遺伝子またはrAAVベクタ ーが、組み換えヘルパーウイルスの一部として導入され得る。例えば、アデノウ イルスのE1、E3および/またはE4遺伝子は、1つ以上のスプリットパッケージン グ遺伝子またはrAAVベクターで置換され得る。アデノウイルスベクター中への( 例えば、Elおよび/またはE3領域中への)クローニングを容易にする技術は、当 該分野で公知である(例えば、Bett,A.J.ら、Proc.Natl.Acad,Sci.USA91 :8802〜8806,1994を参照のこと)。従って、組み換えアデノウイルスのような ヘルパーウイルスを使用して、ヘルパーウイルス機能ならびにAAVパッケージン グ遺伝子および/またはrAAVプロベクターを提供し得る。なぜなら(当該分野で 公知のように)、このようなヘルパーウイルス中の多くの遺伝子(例えば、アデ ノウイルスのE3遺伝子)が、ヘルパーウイルス活性を取り除くことなしに、置換 され得るからである。さらなる遺伝子を、トランス+で、任意の必要なヘルパー ウイルス機能を提供することにより、このようなヘルパーウイルスに導入し得る 。例えば、ヒト293細胞は、アデノウイルスE1変異体を完全にし得るアデノウイ ルスの遺伝子を含む。従って、異種遺伝子はまた、E1遺伝子が欠損しているアデ ノウイルス中に、このようなアデノウイルス機能を、トランスで効率的に提供し 得る細胞中で使用するために、クローニングされ得る。あるいは、ヘルパーウイ ルスの使用は、パッケージング細胞において必要な全てのヘルパーウイルス機能 に全ての必要性を提供することによって除去され得る。 以下に示される実施例は、当業者に対するさらなる指針として提供され、いか なる方法においても本発明を限定するように意図されない。 実施例 実施例1 スプリット-cap遺伝子の例示的構築 スプリット-cap遺伝子の生成の最初の例として、AAV cap配列に作動可能に連 結された異種構成プロモーター、続いて異種ポリアデニル化(ポリA)シグナル を含む、「CMV-cap」と呼ばれるプラスミドを構築した。 本質的に、CMV-capを、標準的な分子生物学的技術を用いて(例えば、Ausubel ら、Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing Assoc.,Ne w York,1987および最新版に記載される)、以下の成分切片を含有するように構 築した: (i)pAV2プラスミド(Laughlln,C.A.ら、Gene23:65-73(1983))から のキャプシド遺伝子をコードするヌクレオチド1881-4496を含有する、HindIII〜 BglIIフラグメント;これは(単一のNheI部位を生成するために、HindIII部位中 に部分的にフィルインした後)、以下のフラグメントにクローニングした: (ii)プラスミド「tgCMV-1IyTK」(Lupton,S.D.ら、Molecular and Cellular Biology 11:3374-3378(1991))のNheI〜BglII骨格。 プラスミドtgCMV-HyTk骨格は、以下の4成分からなる: (i)HCMV IE94プロモーター(Boshart,M.F.ら、Cell 41:521-530(19 85))を含有する、Bal-SstIIフラグメント; (ii)cap遺伝子をコードする、pAV2プラスミド(Laughlln,C.A.ら、 Gene 23:65-73(1983))からのヌクレオチド1881-4496; (iii)SV40初期領域ポリA領域を含有する、シミアンウイルス40ゲノム からのBcl-BAmHIフラグメント(Tooze,J.編、Molecular Biology of Tumor Vir uses,DNA tumor viruses(第2編)Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Sprin g Harbor,N.Y.(1981));および (iv)細菌の複製起点を含むpML2d(Lusky,M.およびBotchan,Nature 293:79-81(1981))由来のNruI-AlwNlフラグメント、およびβ-ラクタマーゼ遺 伝子(これは、クローニングプロセスを促進するためのアンピシリン耐性を提供 する)を含むpGEMl(Promega Corp.)由来のAlwNl-AatIIフラグメント。実施例2 rep78 遺伝子の例示的構築 rep78遺伝子構築の例として、本発明者らは、AAV rep配列に作動可能に連結さ れた異種誘導プロモーター、続いて異種ポリAシグナルを含む、プラスミド(「m MT1-rep78」と呼ばれる)を調製した。 本質的に、mMTl-rep78を、標準的な分子生物学的技術を用いて(例えば、Ausu belら、CurrentProtocolslnMolecularBiology,GreenePUbllShlngAssoc.,NewYor k,1987および最新版に記載されるような)、以下の4成分切片を含有するよう に構築した: (i)ベクター骨格:細菌細胞(ネオマイシンを使用する)および哺乳 動物細胞(G4l8を使用する)の両方で選択を促進するために、ネオマイシ耐性遺 伝子(SV40プロモーターの制御下)、続いてSV40ポリA配列(1996年6月13日に公 開された、James M.AllenおよびTargeted Genetics Corporationによる、WO 96 /l7947のpMT-rep/cap//pK0-neoについて記載されるような)を挿入している、pB luescript KS(+)(Stratageneから入手可能); (ii)mMT1:KpnI/BglIIフラグメント上のマウスメタロチオネインI調 節領域(KpnIは、Bacolla,A.ら、Nucleic Acids Res.19:1639-1647,1991に よって-589であり;BglIIは、Glanvilleら、Nature 292:267-269,1981によって+ 64である); (iii)rep78:スプライシングされる第2のrepエキソンを提供するた めに、AAV rep配列の311〜2188(Srivastavaら、J.Virol.45:555-564,1983) 、続く配列5'-CTAGACCTCCTCAGATTAGCGAGGGGCCATAGCTTATGAGCTAGCCGC-3'(SEQ ID N0:1);および (iv)ポリA+シグナル:SstII/HindIIIフラグメント上のマウスメタロ チオネインI遺伝子由来(Glanvilleら、Nature 292:267-269,1981によって、Ss tIIは925位であり、そしてHindIIIは1246位である)。実施例3 rep52 遺伝子の例示的な構築 rep52遺伝子の構築の例として、本発明者らは、AAV rep52配列に作動可能に連 結された異種誘導プロモーター、続いて異種ポリAシグナルを含有する、プラス ミド(「mMT1-rep52」と呼ばれる)を調製した。 本質的に、mMT1-rep52は、標準的な分子生物学的技術に用いて(例えば、Ausu belら、Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing Assoc. ,New York,1987および最新版に記載されるような)、以下の4成分切片を含有 するように構築した: (i)ベクター骨格:L-ヒスチジノール耐性遺伝子(HisDR)遺伝子(Ha rtmann,S.C.ら、Proc.Nat'l.Acad.Sci.USA 85:8047-8051に記載されるの ような、そしてSV40ポリAシグナルを含む)を挿入された、pBluescript KS(+)( Stratageneから入手可能); (ii)mMT1:KpnI/BglIIフラグメント上のマウスメタロチオネインI調 節領域(KpnIは、Bacolla,A.ら、Nucleic Acids Res.19:1639-1647,1991によ って-589であり;BglIIは、Glanvilleら、Nature 292:267-269,1981によって+64 である); (iii)rep52:スプライシングされる第2のrepエキソンを提供するた めに、AAV rep配列の964〜2188(Srivastavaら、J.Vlrol.45:555-564,1983に よる配列)、続いて配列5'-CTAGACCTCCTCAGATTAGCGAGGGGCCATAGCTTATGAGCTAGCCG C-3'(配列番号1);および (iv)ポリA+シグナル:SstII/HindIIIフラグメント上のマウスメタロ チオネインI遺伝子由来(Glanvilleら、Nature 292:267-269,1981によって、s stIIは925位であり、そしてHindIIIは1246位である)。実施例4 スプリット-cap遺伝子およびrep52遺伝子(縦列方向)を含む第1の発現プラス ミドの例示的構築 スプリット-cap遺伝子およびrep52遺伝子を含む発現プラスミドの構築の第1 の例として、本発明者らは、AAV cap配列に作動可能に連結された異種構成プロ モーター、およびAAV rep52配列に作動可能に連結された異種誘導プロモーター (各々は、同じ転写方向でプラスミドに組み込まれる)を含有する、プラスミド (「CMV-cap/mMT1-rep52/(縦列方向)」と呼ばれる)を調製した。 本質的に、CMV-cap/mMT1-rep52/(縦列方向)は、標準的な分子生物学的技術に よつて(例えば、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology,Green e Publishing Assoc.,New York,1987および最新版に記載されるような)、以 下の3成分切片を含有するように構築した: (i)ベクター骨格:pBluescrlptKS(+)(上記のような); (ii)CMVプロモーターが、mMT1プロモーターと同じ方向に方向付けさ れるように、mMT1調節領域の5'のポリリンカーのNotI部位への挿入によって、mM T1-rep52ベクター(上記実施例3に記載されるような)に挿入される、CMV-スプ リット-cap遺伝子(上記実施例1に記載されるように構築された);および (iii)mMTl-rep52:上記実施例3に記載されるような。実施例5 スプリット-cap遺伝子およびrep52遺伝子(逆方向)を含有する、第2の発現プ ラスミドの例示的な構築 スプリット-cap遺伝子およびrep52遺伝子を含有する発現プラスミド構築の第 2の例として、本発明者らは、AAV cap配列に作動可能に連結された異種構成プ ロモーター、およびAAV rep52配列に作動可能に連結された異種誘導プロモータ ー(逆転写方向でプラスミドに組み込まれる)を含有する、プラスミド(「CMV- cap/mMT1-rep52/(逆方向)」と呼ばれる)を調製した。 本質的に、CMV-cap/mMT1-rep52/逆(divergent)方向は、標準的な分子生物学的 技術によって(例えば、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology ,Greene Publishing Assoc.,New York,1987および最新版に記載されるような )、以下の3成分切片を含有するように構築した: (i)ベクター骨格:pBluescript KS(+)(上記のような); (ii)CMVプロモーターが、mMT1プロモーターと逆方向に方向付けされ るように、mMT1調節領域の5'のポリリンカーのNotI部位での挿入によって、mMT1 -rep52ベクター(上記実施例3に記載されるような)に挿入される、CMV-スプリ ット-cap遺伝子(上記実施例1に記載されるように構築された);および (iii)mMT1-rep52:上記実施例3に記載されるような。実施例6 組換えAAVベクターの例示的な構築 目的の遺伝子を含有する組換えAAVベクターの例示的な例は、Flotteら、(199 3)、J.Biol.Chem.268:3781-3790によって記載されたベクターpTRF42のよう な、嚢胞性繊維症膜貫通コンダクタンス調節タンパク質(CFTR)をコードする遺 伝子を含有する、rAAVベクターである。pTRF42構築物は、AAV 5'末端(ITR)の14 5ヌクレオチド、続いてアミノ酸1119からのCFTRコード配列へと直接読み取らせ るインフレームのATG(Met)開始コドンを含有する、AAV-CFTRベクターである。 CFTR cDNAの残りは、インタクトである(天然の終止コドン、および本来の配列 のヌクレオチド4629までを含む)。この配列には、Flotteら、前出(Riordanら (1989)Science 245:1066-1073によって記載されるベクターもまた参照のこと )に記載されているように、合成ポリアデニル化シグナル、次いでAAVヌクレオ チド4490〜4681(3'ITR)が続く。 tgAAVCFTRと呼ばれる、CFTRを含有する別のrAAVベクターは、CFTR cDNAのヌク レオチド133〜4573(全コード配列)および3'末端でマウス(murine)β-グロビン に基づく合成ポリアデニル化シグナルに隣接する、AAV2逆末端反復(ヌクレオチ ド1〜145および4490〜4681)を含有する(Aflone,S.A.ら、J.Virol.70:323 5-3241,1996を参照のこと)。以下に記載するように、このrAAVベクターを、安 定に組み込まれたrAAVベクターを含有する細胞株を生成するために使用した。 パッケージ細胞機能をアッセイするために、当該分野において記載されている ような、選択または検出マーカー遺伝子を含むrAAV試験ベクターを使用すること もまた好都合である(例えば、T.Flotteら、Targeted Genetics Corporation a nd Johns Hopkins University,1995年5月18日に公開されたWO 95/13365の、選 択マーカー遺伝子neoを有するrAAVベクター、および検出遺伝子lacZを有するベ クターの記載を参照のこと)。実施例7 安定に組み込まれたAAVベクターを有する細胞株の例示的な構築 安定に組み込まれたrAAVプロベクターを含有する、種々の異なる哺乳動物細胞 株が生成された。例示の目的で、rAAVプロベクターを、293細胞(ATCC CRL 1573 )に安定に組み込んだ。簡潔には、本明細書中で293/AAVCFTRと呼ばれるこの細 胞株を、上記のようにプラスミド「tgAAVCFTR」を用いて293細胞をエレクトロポ レーションすることによって、生成した。 rAAVのコピーを組み込んだクローン(CFTRを含有する)の選択を、750マイク ログラム/mlハイグロマイシン含有培地で実施した。クローン株が、rAAVプロベ クターの組み込まれた全長コピーを含有することの確認を、RI消化ゲノムDNAの サザンブロット、およびCFTR-特異的プローブによるブロットのプローブを実施 することによって達成した。 293細胞のようなヒト細胞、およびこのような細胞の種々の誘導体を、通常、1 0%ウシ血清および100単位/mlペニシリンおよびストレプトマイシンを補充した 、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)において維持した。細胞を、10% CO2を 補充した加湿した37℃インキュベーター中で増殖した。 一般的に、このような細胞のエレクトロポレーションは、2〜5×106細胞に 対して、プラスミドDNAの15〜30マイクログラムを使用して実施し、そしてGene Pulser(Bio-Rad)を使用して、0.4cmキュベット中、210ボルト、960マイクロF で、約800マイクロリットルの無血清培地中で、規定通りに実施した。代表的に は、エレクトロポレーション後、細胞を、T-75フラスコ中、選択成分を含むDMEM 中に置いた(例えば、neoまたはgeo遺伝子のようなネオマイシン耐性遺伝子を有 する細胞について0.65〜1.2mg/ml G418(Gibco-BRL))。選択された細胞集団を、 拡張し、そして選択培地で維持した。実施例8 安定に組み込まれたAAVベクターを有する第2の細胞株の例示的な構築 上記の細胞に加えて、本発明者らは、安定に組み込まれたrAAVベクター(AAVC FTR)を含む、Hela S3細胞(これは、懸濁適応可能ヒトHela細胞株(ATCC CCL 2. 2)である)を含む他の哺乳動物細胞株を生成し;そしてAAVスプリット-パッケー ジング遺伝子をこのような細胞に導入した。簡潔には、rAAVプロベクター(CMV プロモーターの制御下で、ハイグロマイシン耐性遺伝子を含むプラスミド骨格内 でITR隣接CFTR遺伝子を含む)を、本質的に上記および当該分野において記載の ように、Hela S3細胞へエレクトロポレーションを実施した。rAAVプロベクター コピーを組み込んだクローン(CFTRを含む)の選択を、750マイクログラム/ml ハイグマイシンを含有する培地において実施した。クローン株が、rAAVプロベク ターの組み込まれた全長コピーを含有することの確認を、RI消化ゲノムDNAのサ ザンブロット、およびCFTR-特異的プローブによるブロットのプローブを実施す ることによって達成した。得られるクローン株は、HelaS3/AAVCFTRと称される。実施例9 AAV 力価測定アッセイの例 組換えAAVベクターを力価測定する種々のアッセイは、当該分野において記載 された。以下の実施例について、本発明者らは、Helaクローン37細胞(James M. AllenおよびTargeted Genetlcs Corporationによって、1996年6月13日に公開さ れた、WO 96/17947に記載されるように、rep遺伝子を、マウスメタロチオネイン プロモーターの制御下に置いたrep-capカセットである、mMT1rep-capの組み込ま れたコピーを有する)を使用するAAV力価決定アッセイを使用した。簡潔には、 その公開出願において、rep活性アッセイは、外来(incoming)CFTR AAVウイルス と複製AAVCFTR配列との間の線形相関が存在するか否かを決定するために実施さ れた(これは、rAAV感染力価アッセイの基準として使用され得る)。スロットブ ロットハイブリダイゼーションによって決定されるように、1.2×109〜1.2×107 AAVCFTR粒子の3log希釈物を、6ウェル培養皿中で48時間、2.5×105Helaクロー ン37細胞にアデノウイルス(MOI=25pfu/細胞)を加えて、2.5ml培地で培養した 。ネガティブコントロールとして、1.2×109AAVCFTR粒子からアデノウイルスを 除いたものが含まれた。48時間後、複製CFTR配列を検出するために、サザン分析 のために細胞から全核酸を調製した。 それらの結果は、クローン37細胞が、アデノウイルスの存在下で外来rAAVベク ターを効果的に複製し得ること、およびこの活性が、所定の試料中に存在する感 染ウイルス粒子の数を定量するために使用され得ることを実証した。従って、感 染ウイルス力価についてのこの「クローン37アッセイ」は、以下に例示されるよ うに、種々のAAVウイルス溶解物の感染力価を好都合にモニターするために使用 され得る。実施例10 例示的なトランスフェクションプロトコール 当該分野で周知のように、哺乳動物細胞にポリヌクレオチドを導入するための 広範な種々の周知の方法が存在する(例えば、上記掲載の参考文献を参照のこと )。 レシピエント哺乳動物細胞に安定にポリヌクレオチドを導入するために、本発 明者らは、一般にプラスミドDNAを導入するためにエレクトロポレーション手順 を使用し、上記のように安定な組み込みについて選択した。 一時的にポリヌクレオチドを導入する(例えば、アデノウイルスによる感染と 組み合わせて)ために、本発明者らは、一般に、リポフェクション手順を使用し た。一般に、本発明者らは、Gibco BRL's LipofectamineTM試薬を推奨される方 法に従って使用し、哺乳動物細胞をトランスフェクトした。この手順は、例えば 、種々のAAVパッケージング遺伝子構築物を細胞(例えば、組み込まれたrAAVプ ロベクターを含む細胞(上記のような、293/AAVCFTRおよびHelaS3/AAVCFTR))に 導入する際に、rAAVプロベクターのレスキューおよび増幅を媒介する(これは、 AAV Repタンパク質機能、およびアデノウイルスのようなヘルパーウイルスを必 要とする)、その構築物の能力を評価するために使用され得る。さらに、AAV ca p遺伝子もまた提供される場合、レスキューされ増幅されたAAVプロベクターはま た、感染性AAVベクター粒子にパッケージングされ得、これは、上記のように、H elaクローン37細胞を使用する感染性AAV力価アッセイにおいて試験され得る。 リポフェクタミン(lipofectamlne)を使用するトランスフェクションを、標 準的な方法に従って実施した。簡潔には、標的細胞を、M/02培地(10%ウシ胎児 血清および2mM L-グルタミンを補充した最少必須培地(MEM))を使用して、T75 フラスコ中に約1.5×106細胞(約60%〜70%集密)を播種した。DNA/リポフェ クタミン複合体の添加の前に、その細胞を、アデノウイルスとともに(MOI=5 にて)1時間インキュベートした。DNA/リポフェクタミン複合体を、T75フラス コあたり約10〜30マイクログラムのプラスミドDNAを使用し、最終容積7mlで、約 1:2(μg:μl)のDNA/リポフェクタミン比率で調製した。細胞フラスコ中の 無血清培地への交換後に、DNA/リポフェクタミン複合体を各フラスコに添加し 、次いでそのフラスコを37℃で約4時間インキュベートした。4時間で、トラン スフェクション培地を完全培地と交換し、そして細胞を48〜72時間インキュベー トした後に、細胞を回収した。 インキュベーション後に、アデノウイルスで感染され、そしてAAVパッケージ ング遺伝子(すなわち、一時的導入または安定に組み込まれた、AAV repおよび /またはcap遺伝子)を有するrAAVプロベクターを含む細胞を、rAAVレスキュー および増幅ならびに/または感染性AAVベクター粒子の産生について試験し得る 。このような細胞は、引き続く分析のための画分に好都合に配分され得る。例え ば、1画分は、rAAVレスキューおよび増殖を試験するために使用され得る(DNA を単離および精製し、EcoRIのような制限酵素で消化し、ゲル上で分離し、そし てサザン手順によるようなハイブリダイゼーションのためのブロットに移し、次 いでCFTR遺伝子由来の1.488 kb EcoRIフラグメントに特異的なプローブのような 、rAAVベクターに特異的な放射活性プローブによってブロットをプローブするこ とによる)。別の画分は、感染性ウイルス粒子の産生(ウイルス溶解物による) をモニターするために使用され得る。代表的には、ウイルス溶解物を、10mM Tri s緩衝液中に再懸濁させ、そして細胞を超音波処置(一般に、15秒間隔で約2分 間)して得た。実施例11 安定に組み込まれた組み換えAAVプロベクターを含有するヒト293細胞へのAAVス プリットパッケージング遺伝子の導入 上記と本質的に同じ手順の後、安定に組み込まれたrAAVプロベクター(上記の 293/AAVCFTR細胞)を有する293胞のクローン細(「クローン21)へ、種々のAAV パッケージング遺伝子を導入した。 この実施例では、AAV rep遺伝子およびAAV cap遺伝子の両方を有するプラスミ ド(mMT1-rep-cap)とともに、AAVスプリットパッケージング遺伝子(詳細には 、rep52遺伝子およびsplit-cap遺伝子)の細胞への導入効果を試験した。「ポジ ティブコントロール」は、rep遺伝子が、HIV LTRプロモーターの制御下におかれ ている、AAV repおよびcap遺伝子を含有するプラスミド(「pRS5」)であった( T.Flotteら、Targeted Genetics Corporation and Johns Hopkins Universityに よって、1995年5月18日に公開された、WO 95/13365に記載されているように)。 上記のように、アデノウイルス感染後に、下記の組み合わせで、プラスミド(各 10マイクログラム)をリポフェクションによって導入した:(i)pRS5;(ii)mMT1- rep-cap:および、(iii)mMT1-rep-capおよびスプリット-パッケージングプラス ミドmMT1-rep52およびCMV-cap。72時間インキュベーション後に、細胞を回収し 、10mM Tris緩衝液500マイクロリットルに再懸濁し、15秒間隔で2分間超音波処 理した。次に、粗溶解物の一部を56℃で30分間加熱した(または、簡単に37℃で インキュベートした)。次に、溶解物(50マイクロリットル)を、宿主細胞に感 染する能力についてアッセイした(上記のようなクローン37アッセイにおいて) 。加熱処理はアデノウイルスを不活性化するので、アデノウイルスのアリコート を、クローン37アッセイを実施する前に、加熱処理された試料の1つに戻した( 従って、各溶解物をさらに、1つの非加熱、1つの加熱およびアデノウイルス補 充、ならびに残りとして加熱およびアデノウイルス補充なしにの3つの部分にさ らに分配した(sub-divided))。 結果は、AAVスプリットパッケージング遺伝子による「超トランスフェクショ ン」が、クローン37アッセイで測定されように、感染性rAAVウイルス粒子の産生 において実質的な増加(約10〜20倍)をもたらし;さらに、スプリットパッケー ジング遺伝子による超トランスフェクションが、さらなるアデノウイルスによっ て、本質的に非加熱の溶解物と同様のクローン37細胞を感染し得る、熱安定性rA AVウイルス粒子の生成をもたらすことを実証した。実施例12 AAV スプリットパッケージング遺伝子のみを含有する細胞株の組み込まれた組み 換えAAVプロベクターの、レスキューおよび増幅を媒介する能力、ならびに熱安 定性感染性ベクター粒子を生成する能力 上記のような本質的に同じ手順に従って、種々のAAVスプリットパッケージン グ構築物を、組み込まれたrAAVベクターを有する細胞へ導入した。この実施例で 、AAVスプリットパッケージング遺伝子(特に、rep78遺伝子およびsplit-cap遺 伝子)の293/AAVCFTR細胞への導入効果を試験した。ポジティブコントロールは 、完全なrep-capカッセットを有するプラスミドであった(上記のようなpRS5お よびmMT1-rep-cap)。上記のように、アデノウイルス感染後に、下記の組み合わ せで、プラスミド(各10マイクログラム)をリポフェクションによって導入した :(i)pRS5;(ii)mMT1-rep-cap;および、(iii)スプリットパッケージングプラス ミドmMT1-rep78およびCMV-cap。72時間のインキュベーション後に、細胞を回収 し、10mM Tris緩衝液500マイクロリッターに再懸濁し、次いで15秒間隔で2分間 超音波処理した。次に、上記のように、粗溶解物の一部を56℃で30分間加熱した (または、簡単に37℃でインキュベートした)。次に、溶解物(50マイクロリッ トル)を、宿主細胞に感染する能力についてアッセイした(上記のようなクロー ン37アッセイで)。 図1は、以下のような、本発明の構築物を有する細胞由来のウイルス溶解物で 感染されたクローン37細胞およびコントロール細胞から単離されたEcoRI消化DNA に対するCFTRプローブのハイブリダイゼーションを示すオートラジオグラフのコ ピーである:パネル#1=pRS5によってリポフェクトされた293/AAVCFTR細胞であり 、ここで、repおよびcap遺伝子は、野生型AAVに存在するように接続され((各 々パネル1-3番号を付けた)、第一レーンは、さらなるAd5をともなう、非加熱溶 解物で感染させた細胞を示し、第二レーンは、さらなるAd5をともなわない、加 熱溶解物で感染させた細胞を示し、第三レーンは、さらなるAd5をともなう、加 熱溶解物で感染させた細胞を示す);パネル#2=mMT1-rep-capでリポフェクトさ れた293/AAVCFTR細胞であり、ここで、repおよびcap遺伝子は、野生型に存在す るように接続され;パネル#3=スプリットパッケージングプラスミドmMT1-rep78 およびCMV-capでリポフェクトされた293/AAVCFTR細胞であり、この場合は、rep およびsplit cap遺伝子は別々のプラスミドに存在する。約1.5kbの強く ハイブルダイズするバンドは、CFTRの内部EcoRIフラグメント(これは1488塩基 対である)について予測される位置に対応する。 図1の結果は、AAVスプリットパッケージング遺伝子のみの使用(3でのよう な)が、クローン37アッセイで測定されるように、感染性熱安定性rAAVウイルス 粒子の産生を媒介し得ることを実証し;さらに、実質的により感染性のウイルス が、repおよびcap遺伝子が野生型AAVに存在しているように接続された「標準」r ep-cap構築物(pRS5およびmMT1-rep-cap)と比較して、AAVスプリットパッケー ジング遺伝子構築物(mMT1-rep78およびCMV-cap)を使用して得られることを明 白にした。実施例13 3つのAAVスプリットパッケージング遺伝子を含有する細胞株の組み込まれた組 み換えAAVプロベクターのレスキューおよび増幅を媒介する能力、ならびに熱安 定性感染性ベクター粒子を生成する能力 上記のような本質的に同じ手順の後、さらなるAAVスプリットパッケージング 構築物を、組み込まれたrAAVベクターを有する細胞へ導入した。この実施例では 、3つのAAVスプリットパッケージング遺伝子(特に、rep78遺伝子、rep52遺伝 子、およびsplit-cap遺伝子)の、293/AAVCFTR細胞への導入効率を試験した。さ らに、rep52およびsplit-cap遺伝子を、3つの異なる方法で導入した:(1)2つ の異なるプラスミド(mMTI-rep52およびCMV-cap);(2)タンデム配向でrep52お よびsplit-capを含有する単一プラスミドとして(実施例4に記載されているよ うに);または(3)逆方向にrep52およびsplit-capを含有する単一プラスミド( 実施例5に記載されているように)。ポジティブコントロールは、完全なrep-ca pカセットを有するプラスミド(上記のようなmMT1-rep-cap)であった。上記の ように、アデノウイルス感染後に、プラスミド(各10マイクログラム)を、以下 の組み合わせで、リポフェクションによって導入した:(i)mMT1-rep-cap;(ii)m MT1-rep78およびmMT1-rep52およびCMV-cap;(iii)mMT1-rep78およびCMV-cap/mMT 1-rep52(タンデム);および(iv)mMT1-rep78およびCMV-cap/mMT1-rep52(分岐 (divergent))。72時間のインキュベーション後に、細胞を回収し、10mM Tris 緩衝液5 00マイクロリットル中に再懸濁し、次いで15秒間隔で2分間超音波処理した。次 に、粗溶解物の一部を、30分間、56℃に加熱した(または単に、37℃でインキュ ベートした)。溶解物(50マイクロリットル)を、次に、宿主細胞を感染する能 力についてアッセイした(上記のようなクローン37アッセイで)。 図2は、以下のような、本発明の構築物を有する細胞およびコントロール細胞 由来のウイルス溶解物で感染させた、クローン37細胞から単離されたEcoRI消化D NAに対するCFTRプローブのハイブリダイゼーションを示すオートラジオグラフの コピーである:パネル#1=mMT1-rep-capによってリポフェクトされた293/AAVCFTR 細胞であり、ここで、repおよびcap遺伝子は、野生型AAVに存在するように接続 され(各々パネル番号1-4)、第一レーンは、さらなるAd5をともなう、非加熱溶 解物で感染させた細胞を示し、第二レーンは、さらなるAd5をともなわない、加 熱溶解物で感染させた細胞を示し、第三レーンは、さらなるAd5をともなう、加 熱溶解物で感染させた細胞を示す);パネル#2=mMT1-rep78、mMT1-rep52、およ びCMVcapでリポフェクトされた293/AAVCFTR細胞であり、この場合は、rep52およ びcapは別のプラスミドに提供され;パネル#3=プラスミドmMT1-rep78およびCMV- cap/mMT1-rep52によってリポフェクトされた293/AAVCFTR細胞(この場合は、rep 52およびsplit-capは、単一プラスミド、CMV-cap/mMT1-rep52上に逆配向に存在 する(実施例5に記載されているよに));パネル#4=プラスミドmMT1-rep78およ びCMV-cap/mMT1-rep52によってリポフェクトされた293/AAVCFTR細胞(この場合 は、rep52およびsplit-capは、単一プラスミド、CMV-cap/mMT1-rep52上にタンデ ム配向で存在する(実施例4に記載されているように))。 図2の結果は、AAVスプリットパッケージング遺伝子のみの使用((iii)におけ るように)が、クローン37アッセイで測定されるように、感染性熱安定性rAAVウ イルス粒子の産生を媒介し得ることを実証し;そして再度、実質的により感染性 のウイルス(少なくとも10倍上回る)が、repおよびcap遺伝子が野生型AAVに存 在しているように接続された「標準」rep-cap構築物(mMT1-rep-cap)と比較して 、AAVスプリットパッケージング構築物(mMT1-rep52、およびCMV-cap、ならびに CMV-cap/mMT1-rep52構築物)を使用して得られることを明白にした。実施例14 安定に組み込まれた組み換えAAVプロベクターを有する細胞株へのAAVスプリット パッケージング遺伝子(rep78)の安定な導入 安定に組み込まれたrAAVプロベクターを有する細胞株へのAAVスプリットパッ ケージング遺伝子の導入例として、rep78遺伝子を、HelaS3/AAVCFTRへ導入した (上記のように)。簡単には、プラスミドmMTRep78を、本質的に上記のように、 エレクトロポレーションによるrep78導入のために使用した。プラスミドは、プ ラスミド骨格にneo耐性遺伝子を有するので、選択は、G418(1.2mg/mlで)を使 用して実施した。 簡単には、HelaS3/AAVCFTR細胞を、mMTRep78を用いてトランスフェクトした( 上記のようにエレクトロポレーションを用いて)。薬剤選択の10〜12日後に、G4 18に対して耐性のポリクローナル細胞株を得た。個別のクローンを選び、クロー ンの集団に拡大し、安定に組み込まれたAAV rep78遺伝子の存在について試験し た。クローンをサザン分析により分析して、クローンがrep78遺伝子のインタク トなコピーを有することを確認した。典型的に、1個から数個のAAVスプリット パッケージング遺伝子の組み込みコピーを有する、多数の安定な組み込み体を、 このような技術を使用して容易に得た。これらの実施例について、AAVスプリッ トパッケージング遺伝子の単一な全長コピーのみを有するクローンを用いて実施 することを選択した(クローンは複数の組み込みコピーを有するが、AAVパッケ ージング機能のさらなる供給源を提供する手段として有用であり得る)。 HelaS3/AAVCFTR/rep78と呼ばれる、得られた細胞株は、rep78遺伝子のインタ クトなコピーを有することが認められ、そしてまた、親型細胞と等しいレベルで 増殖し得ることも認められ、このことは、異種プロモーターの制御下で、組み込 まれたrep78遺伝子が、宿主細胞に対して非常に有害ではないことを示す。実施例15 組み込まれたREP78遺伝子のコピーおよび組み込まれた組み換えAAVプロベクター 有する細胞株の、プロベクターのレスキューおよび増幅を媒介する能力 上記のHelaS3/AAVCFTR/rep78細胞株を、rAAVベクターのレスキューおよび増 幅を媒介する細胞の能力について分析した。簡単には、細胞を、上記のように、 ヘルパーウイルス(アデノウイルスAd5)で感染させ、インキュベーション後に 、rAAVプロベクターのレスキューおよび増幅をモニターするために、サザン分析 を実施した。 サザン分析は、組み込まれたrep78のコピーが、rAAVプロベクターのレスキュ ーおよび増幅を媒介し得ることを確証した(放射活性標識CFTRプローブとハイブ リダイズする、約1.5kbに移行するEcoRIバンドをもたらす)。実施例16 安定に組み込まれた組み換えAAVプロベクターおよび安定に組み込まれたREP78遺 伝子を有する細胞株へのAAVsplit-cap遺伝子の導入 上記HelaS3/AAVCFTR/rep78細胞株をアデノウイルスで感染させ、上記のように 、AAV split-cap遺伝子を有するプラスミド(CMV-cap)でトランスフエクトした 。細胞溶解物を得て、上記のように、クローン37感染力価アッセイを実施して、 感染性AAVベクター粒子を産生する能力について得られた細胞をモニターした。 結果は、アデノウイルスで感染させ、CMV-capでトランスフェクトしたHelaS3/ AAVCFTR/rep78細胞株が、クローン37細胞へCFTR遺伝子を効率よく送達し得る感 染性AAVウイルスを産生することを確証した。HelaS3ウイルス溶解物の加熱(56 ℃で30分間〜1時間)は、調製物中に存在するアデノウイルスを不活性化し、そ してまた、溶解物のAAV感染力価を減少することが認められた(すなわち、アデ ノウイルスが加熱溶解物へもどされたときでさえ、次のクローン37アッセイでAA V産生が減少した)。実施例17 安定に組み込まれた組み換えAAVプロベクターおよび安定に組み込まれたREP78遺 伝子を有する細胞株へのAAVrep52およびsplit-cap遺伝子の導入 上記のHelaS3/AAVCFTR/rep78細胞株をアデノウイルスで感染させ、一対のプラ スミド(CMV-capおよびmMTRep52)、またはAAVsplit-cap遺伝子を有する単一プラ スミド(CMV-cap/mMTRep78、逆配向)のいずれかで、上記のようにトランスフ ェクトした。細胞溶解物を得て、上記のように、クローン37感染力価アッセイを 実施して、感染性AAVベクター粒子を産生する能力について、得られた細胞をモ ニターした。 結果は、アデノウイルスで感染させ、さらなるスプリットパッケージング遺伝 子(split-capおよびrep52)でトランスフェクトさせたHelaS3/AAVCFTR/rep78細 胞株は、クローン37細胞へCFTR遺伝子を効率よく送達し得る感染性AAVウイルス を産生することを確証した。ウイルス溶解物の加熱(56℃で30分間〜1時間)は 、調製物中に存在するアデノウイルスを不活性化し、溶解物のAAV感染力価を実 質的に減少しなかったことが認められ、このことは、split-cap遺伝子およびrep 52遺伝子の両方の封入が、熱安定性感染性AAVウイルス粒子の産生をもたらすこ とを示す。上記のように産生された熱不安定性AAVもまた感染性であるが、加熱 は、産生されたAAVの感染力価に実質的に影響することなく、調製物中でアデノ ウイルスを不活性化するために使用され得るので、熱安定性AAVを産生する能力 は、AAV産生技術に関してさらなる利点を提供することは、注目されるべきであ る。あるいは、また熱不活化に加えて、アデノウイルスは精製のような他の手段 によって除去され得る。実施例18 安定に組み込まれた組み換えAAVプロベクターおよび複数の安定に組み込まれたA AVスプリットパッケージング遺伝子を有する細胞株の作製 安定に組み込まれたrAAVプロベクターおよび複数の安定に組み込まれたAAVス プリットパッケージング遺伝子を有する細胞株の作製の例として、rep52遺伝子 およびsplit-cap遺伝子を、すでに安定に組み込まれたrAAVベクターおよびrep78 遺伝子コピーを有する細胞株(上記のような、HelaS3/AAVCFTR/rep78)へ、rep5 2遺伝子およびsplit-cap遺伝子を導入した。簡単には、プラスミドCMV-cap/mMT Rep52(逆配向)を、本質的に上記のように、エレクトロポレーションによって 、rep52およびsplit-cap遺伝子をHelaS3/AAVCFTR/rep78細胞へ導入した。プラス ミドは、上記で注目されたように、プラスミド骨格にL-ヒスチジノール耐性遺伝 子を有するので、選択は、0.5mM L-1ヒスチジノールを補充したHis非含有培地を 使用して実施した。 簡単には、HelaS3/AAVCFTR細胞を、CMV-cap/mMTRep52(上記のように、逆配向 )でトランスフェクトした。L-ヒスチジノールに耐性であるポリクローナル細胞 株を、薬剤選択の約5日後に得た。個別のクローンを選択し、クローンの集団に 拡大し、安定に組み込まれたAAV rep52およびsplit-cap遺伝子コピーの存在につ いて試験した。クローンを、rep52およびsplit-cap遺伝子のインタクトなコピー を有することを確認するために、サザン分析によって分析した。典型的に1個か ら数個の組み込まれたAAVスプリットパッケージング遺伝子のコピーを含む多数 の安定な組み込み体を、このような技術を使用して容易に得た。これらの例に対 して、AAVスプリットパッケージング遺伝子の単一の全長コピーを有するクロー ンで実施することを選択した(クローンは複数の組み込みコピーを有するが、AA Vパッケージング機能のさらなる供給源を提供する手段として有用であり得る) 。HelaS3/AAVCFTR/rep78/rep52/split-capと呼ばれる、得られた細胞株の1つを 、rAAVプロベクターをレスキューおよび増幅する能力、ならびに感染性AAVウイ ルス粒子を産生する能力についてさらに試験した。実施例19 複数の安定に組み込まれたAAVパッケージング遺伝子および安定に組み込まれた 組み換えAAVプロベクターを有する細胞株のプロベクターの、レスキューおよび 増幅を媒介する能力 HelaS3/AAVCFTR/rep78/rep52/split-cap細胞株を、上記方法を使用して、アデ ノウイルス感染に際して組み込まれたrAAVベクターのレスキューおよび増幅を媒 介する能力、ならびに感染性rAAVウイルス粒子を産生する能力について試験した 。簡単には、細胞をアデノウイルスで感染させ、インキュベーション後に、上記 のように、クローン37アッセイで試験されるウイルス溶解物を得るために、細胞 の一部を使用した。 クローン37アッセイの結果は、アデノウイルスで感染させ、CMV-capでトラン スフェクトしたHelaS3/AAVCFTR/rep78/rep52/split-cap細胞株が、CFTR遺伝子を クローン37細胞へ効率よく送達し得る感染性AAVウイルスを産生したことを示し た。HelaS3ウイルス溶解物の加熱(56℃で30分〜1時間)は、調製物中のアデノ ウイスルを不活性化し、上記および下記で議論されるように、溶解物のAAV感染 力価を減少することが認められた(すなわち、アデノウイルスが加熱溶解物へも どされたときでさえ、次のクローン37アッセイでAAV産生が減少された)。実施例20 AAV スプリットパッケージング遺伝子(rep52およびsplit-cap)のさらなるコピ ーの安定に組み込まれた組み換えAAVプロベクターおよび安定に組み込まれたAAV スプリットパッケージング遺伝子を有する細胞株への導入 前記実施例に記載されているHelaS3/AAVCFTR/rep78/rep52/split-cap細胞株は 、上記に注目されているように、熱不安定性であるが感染性のrAAVウイルス粒子 の産生を可能にした。以前の観察に基づいて、スピリットパッケージング遺伝子 rep52およびsplit-capのさらなるコピーの導入が、熱安定性AAV粒子の産生をも らすことを予測し、それを実験的に確認した。 簡単には、上記のような手順を使用して、rep52遺伝子、split-cap遺伝子のい ずれかまたは両方のさらなるコピーを、アデノウイルス感染HelaS3/AAVCFTR/rep 78/rep52/split-cap細胞へ、一時的にトランシフェクトした。インキュベション 後に、ウイルス溶解物を得て、上記のようなクローン37アッセイで確認した。結 果は、rep52およびsplit-capの両方のさらなるコピーが提供されたときに、細胞 が、熱安定性rAAV粒子の高力価を産生し得ることを明白にした。特に、AAVスプ リットパッケージング遺伝子(split-capおよびrep52の両方)のさらなるコピー を有する細胞が、このような構築物を有さない細胞よりも約10倍のウイルスを産 生し、そして、産生されたAAVは熱安定性であった。実施例21 AAV パッケージング細胞の複製成分AAV(RCA")を生成する能力についての試験 本発明に従って産生された最も好ましいAAVパッケージング細胞は、AAVスプリ ットパッケージング遺伝子を使用してAAV RepおよびCapタンパク質を提供した。 このようなパッケージング細胞は、以前の実施例に記載されているように、高力 価の感染性rAAVウイルス粒子を産生し得る。しかし、本発明に従うスピリットパ ッケージング系の使用のさらなる利点は、スピリット構築物が複製成分AAV("rc A"または"rcAAV")粒子を生成し得るようではないという事実から生じる。これ は、このようなrcA生成をもたらし得る種々の先行技術と対比する。このような 粒子によるrAAV産生技術の混成は、複製成分rAAV粒子の所望の生産ではなくrcA の優先的な再生成をもたらし得、CFTRの場合、rAAVベクターは、野生型AAVゲノ ムよりも大きい。対照的に、本発明の好ましい実施例におけるように、AAVパッ ケージング機能が完全に分離されている場合、repおよびcap遺伝子必須のRepお よびCapタンパク質の全てを提供し得、およびAAV ITR配列に隣接可能を含有する AAVゲノムを再構成するために、rcAは、複数の非相同組み換え事象を必要とする ようなので、rcAの生成は実質的に少ない。 本発明のスピリットパッケージング系が、rcA生成の可能性を実質的に減少ま たは削除する確認は、AAVパッケージング細胞を使用して産生されたウイルス溶 解物(上記のような)を、親型Helaまたは293細胞のようなヒト標的細胞とイン キュベートし、そしてこのような細胞をアデノウイルスで感染させることによっ て効率よく得られ得る。特にヘルパーウイルスによる感染後、おそらくrcAはAAV RepおよびCap機能を提供し得、そして次いでRepタンパク質はrcAゲノムを増幅し 得るので、rcAによる感染は、直接的(例えば、標識repおよび/またはcap遺伝 子フラグメントへのハイブリダイセーションを用いて)または間接的(repおよ び/またはcap遺伝子の遺伝子産物についてのアッセイによる)に検出され得る 、標的細胞中の増幅repおよびcap配列をもたらすことが予測された。野生型AAV (例えば、約0.1 MOIでの、およびその一連の希釈物で)は、ポジティブコント ロールとして使用され得る。このような感染の複数ラウンドが、任意の潜在的な rcAの増幅手段として実施され得る。 本発明のスピリットパッケージング遺伝子を使用して、rcA生成頻度は、複製- コンピテント AAVを効率的に産生するのに必要である非相同性組み換え事象数の ために、非常に少ない(および、検出レベルを下回るようである)と予測される 。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,GM,HU,ID,IL ,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC, LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,M K,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO ,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ, TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,Y U,ZW (72)発明者 ステパン,アンソニー エム. アメリカ合衆国 ワシントン 98119,シ アトル,10ティーエイチ アベニュー ウ エスト 1929 (72)発明者 クイントン,ティネカ ジェイ. アメリカ合衆国 ワシントン 98199,シ アトル,39ティーエイチ アベニュー ウ エスト 3457 (72)発明者 ルプトン,ステファン ディー. アメリカ合衆国 ワシントン 98115,シ アトル,エヌ.イー.,83アールディー ストリート 3122

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクターの高効率パッケージングに有用な 哺乳動物細胞であって、該細胞は以下のAAVスプリットパッケージング遺伝子: (i)AAV split-cap遺伝子であって、ここで、AAVrep遺伝子のRep78-特異的配 列から分離し、そして該split-cap遺伝子が異種プロモーターに作動可能に連結 したAAVsplit-cap遺伝子;および (ii)AAVrep78遺伝子であって、ここでAAV cap遺伝子のCap特異的配列から分 離し、そして該rep78遺伝子が異種プロモーターに作動可能に連結したAAV rep78 遺伝子、 の各々の少なくとも一つのコピーを含む、哺乳動物細胞。 2.AAVrep52遺伝子をさらに含む、請求項1に記載の哺乳動物細胞であって、該 rep52遺伝子が、AAVrep遺伝子のRep78特異的配列から分離し、そして該rep52遺 伝子がプロモーターに作動可能に連結した、哺乳動物細胞。 3.前記プロモーターの少なくとも一つが誘導性の異種プロモーターである、請 求項1に記載の哺乳動物細胞。 4.前記AAVスプリットパッケージング遺伝子の少なくとも一つが、異種エンハ ンサーに作動可能に連結した、請求項1に記載の哺乳動物細胞。 5.前記AAVスプリットパッケージング遺伝子の少なくとも一つが、前記細胞に 安定に組み込まれた、請求項1に記載の哺乳動物細胞。 6.少なくとも二つの異なるAAVスプリットパッケージング遺伝子が、前記細胞 中に安定に組み込まれた、請求項1に記載の哺乳動物細胞。 7.少なくとも三つの異なるAAVスプリットパッケージング遺伝子が前記細胞中 に安定に組み込まれた、請求項1に記載の哺乳動物細胞。 8.組換えAAVベクターをさらに含む、請求項1に記載の哺乳動物細胞。 9.前記目的の異種遺伝子が治療遺伝子である、請求項8に記載の哺乳動物細胞 。 10.前記治療遺伝子が嚢包性繊維症膜貫通調節タンパク質をコードする、請求 項9に記載の哺乳動物細胞。 11.前記哺乳動物細胞が、1細胞当たり少なくとも約100個の組換えAAV粒子を 産生し得る、請求項1に記載の哺乳動物細胞。 12.前記哺乳動物細胞が、1細胞当たり少なくとも約200個の組換えAAV粒子を 産生し得る、請求項1に記載の哺乳動物細胞。 13.前記細胞が、1細胞当たり少なくとも約400個の組換えAAV粒子を産生し得 る、請求項1に記載の哺乳動物細胞。 14.前記哺乳動物細胞が、ヒトの細胞である、請求項1に記載の哺乳動物細胞 。 15.AAVスプリットパッケージング細胞の調製に有用であるポリヌクレオチド 発現ベクターであって、該発現ベクターは、選択マーカーおよび以下からなる群 より選択される少なくとも一つのAAVスプリットパッケージング遺伝子: (i)AAV sprit cap遺伝子であって、該split-cap遺伝子がAAV rep遺伝子のRep 78特異的配列から分離し、そして該split-cap遺伝子が異種プロモーターに作動 可能に連結した、AAV split-cap遺伝子; (ii)AAV rep78遺伝子であって、該rep78遺伝子がAAV cap遺伝子のCap特異的 配列から分離し、そして該rep78遺伝子が異種誘導性プロモーターに作動可能に 連結した、AAV rep78遺伝子;および (iii)AAV rep52遺伝子であって、該rep52遺伝子がAAV rep遺伝子のRep78特 異的配列から分離し、そして該rep52遺伝子が異種プロモーターに作動可能に連 結した、AAV rep52遺伝子; を含む、ポリヌクレオチド発現ベクター。 16.異種プロモーターに作動可能に連結した、AAV split-cap遺伝子を含む、 請求項15に記載のポリヌクレオチド発現ベクター。 17.異種プロモーターに作動可能に連結したAAV rep78遺伝子を含む、請求項 15に記載のポリヌクレオチド発現ベクター。 18.異種プロモーターに作動可能に連結したAAV rep52遺伝子を含む、請求項 15に記載のポリヌクレオチド発現ベクター。 19.前記発現ベクターが、以下の二つのAAVスプリットパッケージング遺伝子 : (i)AAV split-cap遺伝子であって、該split-cap遺伝子がAAV rep遺伝子のRep 78特異的配列から分離し、そして該split-cap遺伝子が異種プロモーターに作動 可能に連結した、AAV split-cap遺伝子;および (ii)AAV rep52遺伝子であって、該rep52遺伝子がAAV rep遺伝子のRep78特異 的配列から分離し、そして該rep52遺伝子が異種プロモーターに作動可能に連結 した、AAV rep52遺伝子; を含む、請求項15に記載のポリヌクレオチド発現ベクター。 20.前記AAV split-cap遺伝子および前記AAVrep52遺伝子が、縦列の転写配向 に配置された、請求項19に記載のポリヌクレオチド発現ベクター。 21.前記AAVsplit-cap遺伝子および前記AAV rep52遺伝子が、異なる(divergen t)転写の配向に配置された、請求項19に記載のポリヌクレオチド発現ベクター 。 22.組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクターの高効率パッケージングに有用 である哺乳動物細胞を産生する方法であって、請求項15に記載のポリヌクレオ チド発現ベクターを該細胞へ導入する工程を包含する、方法。 23.rAAVベクターの高効率パッケージングに有用である哺乳動物細胞を産生す る方法であって、請求項15に記載の少なくとも二つの異なるポリヌクレオチド 発現ベクターを該細胞へ導入する工程を包含する、方法。 24.rAAVベクターの高効率パッケージングに有用である哺乳動物細胞を産生す る方法であって、請求項15に記載の少なくとも二つの異なるポリヌクレオチド 発現ベクターを該細胞へ導入する工程を包含する、方法。 25.組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクターの高効率パッケージングに有用 である哺乳動物細胞を産生する方法であって、請求項15に記載のポリヌクレオ チド発現ベクターを該細胞へ安定に導入する工程を包含する、方法。 26.rAAVベクターの高効率パッケージングに有用である哺乳動物細胞を産生す る方法であって、請求項15に記載の少なくとも二つの異なるポリヌクレオチド 発現ベクターを該細胞へ安定に導入する工程を包含する、方法。 27.rAAVベクターの高効率パッケージングに有用である哺乳動物細胞を産生す る方法であって、請求項15に記載の少なくとも二つの異なるポリヌクレオチド 発現ベクターを該細胞へ安定に導入する工程を包含する、方法。 28.請求項22に記載の方法により産生される、哺乳動物細胞。
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