【発明の詳細な説明】
発明の名称
薬剤耐性および多剤耐性の変調剤
技術的分野
この発明は有機合成化学の分野に関する。特に、本発明は薬剤耐性および多剤
耐性の分野において有用な医薬的化合物に関する。
技術的背景
癌の化学療法およびマラリアの薬剤療法を含む、ある種の薬剤療法で直面する
課題の中には、処置に対する耐性という現象が存在する。耐性とは、例えば特定
の薬剤単数または複数に対して最初は良く反応した癌性腫瘍が、後になってその
薬剤に抵抗性を現して反応を停止することを意味する。薬剤耐性は単数または複
数の治療剤に対して、ある疾患(たとえば、マラリアまたは癌)が反応しない状
況に与えられる名称である。薬剤耐性はその薬剤または複数の薬剤に対してその
疾患が全く反応したことがないことを意味する内因性であるか、または、その疾
患が以前は反応した薬剤の単数または複数に対する反応を停止することを意味す
る獲得耐性であることができる。多剤耐性は薬剤耐性の特定的な型であって、機
能的におよび/または構造的に関連のない薬剤の1種またはそれ以上に対する、
ある疾患の交差耐性によって特徴付けられる。多剤耐性は癌の分野では、Kuz
michとTew著、「Detoxification・Mechanisms
・and・Tumor・Cell・Resistance・to・Antica
ncer・Drugs(抗癌剤に対する解毒機構と癌細胞の耐性)」、殊に、第
VII章、「The・Multidrug−Resistant・Phenot
ype(MDR)[多剤耐性表現型(MDR)]」、Medical・Rese
arch・Reviews、11巻、2号、185〜217頁(第VII章は2
08〜213頁に記載がある)、(1991年);およびGeorges,Sh
arom,とLing著、「Multidrug・Resistance・an
d・Chemosensitization:Therapeutic・Imp
lications・for・Cancer・Chemotherapy(多剤
耐性と化学増感:癌化学療法における治療的関連)」、Advances・i
n・Pharmacology、21巻、185〜220頁(1990年)に詳
記されている。
薬剤耐性および多剤耐性の処置は典型的にはその疾患の処置に適する薬剤と薬
剤耐性または多剤耐性の変調剤(modulator)として知られている化合
物との同時投与を含む。薬剤耐性および多剤耐性の変調剤はある疾患の処置に適
する薬剤単数または複数に治療剤として機能し始めるか、または治療剤として機
能し続けさせる様々な機構を経て作用する。
ある薬剤耐性変調剤または多剤耐性変調剤が機能する機構のうちで知られてい
るものの一つは、多剤耐性蛋白質1(MDR1)、多面的糖蛋白質(P−グリコ
プロテイン)、Pgp、またはP170などと、様々な名前で呼ばれている蛋白
質であって、本明細書では「P−グリコプロテイン」と記載するものとの相互作
用によるものである。P−グリコプロテインはある種の薬剤耐性細胞、多剤耐性
癌細胞、消化管細胞および脳−血液関門を形成する内皮細胞を含む細胞の膜内に
内在している。P−グリコプロテインは細胞の排出ポンプとして作用している。
残念なことに種々の疾患の治療剤を含むある種の物質は細胞に効果を発揮する前
にP−グリコプロテインによって細胞外に排出される。薬剤耐性および多剤耐性
の変調剤はP−グリコプロテインと相互作用する。この相互作用はP−グリコプ
ロテイン「薬剤排出ポンプ」作用を妨害して処置用薬剤を細胞内に入れ、そこに
残留させて所期の効果を発揮させる。
癌細胞からの様々な薬剤の排出阻止に加え、P−グリコプロテインと相互作用
する薬剤耐性および多剤耐性の変調剤はP−グリコプロテインの作用に影響され
て、消化管を経る栄養または薬剤の経口投与における生物学的利用能を増強する
ように機能する。経口投与における生物学的利用能とは消化管を越えて輸送され
て血流に取込ませるために経口投与される薬剤の性能を示す。P−グリコプロテ
インと相互作用する薬剤耐性および多剤耐性の変調剤は、P−グリコプロテイン
の排出ポンプ作用を妨害することによって薬剤または栄養の経口投与による生物
学的利用能を増強する筈である。
P−グリコプロテインは脳にある毛細血管内皮細胞層の両側にも存在するもの
と信じられている。生理学的に脳−血液関門として作用をするのは、この毛細血
管である。脳−血液関門は、作用部位が脳内にある薬剤を含む種々な型の多数の
化合物が脳内へ進入するのを制限していると信じられる。また、P−グリコプロ
テインと相互作用するある種の薬剤耐性および多剤耐性の変調剤はP−グリコプ
ロテインと相互作用して、治療剤に対するP−グリコプロテインの薬剤排出ポン
プ作用を妨害することによって薬剤の脳での生物学的利用能を増強するように機
能することができる。この妨害は脳−血液関門を越えて脳内に入る治療剤を増加
させ、そこに残留させる。
P−グリコプロテインと相互作用する薬剤耐性変調剤および多剤耐性変調剤の
ある種のものは公知である。これにはベラパミル(血圧を降下させ、また試験管
内で薬剤耐性マラリアを処置するために有効であることが発見されているカルシ
ウムチャネル阻害剤)、ある種のステロイド、トリフルオロペラジン(中枢神経
系剤の一種)、ビンドリンおよびレセルピン(中枢神経系剤としての性質がある
α−2ブロッカー)が含まれる。
Fukazawa、ほかに付与された米国特許第5112817号は多剤耐性
癌の処置に有用なある種のキノリン誘導体を開示している。最初に有望であった
活性薬剤MS−073は試験管内試験では活性があることが発見された。しかし
ながら、MS−073は経口投与での生物学的利用能に乏しく、また溶液中では
不安定性に問題があることが判明した。この系列における別の化合物、たとえば
ビフェニルメチルカルボニル誘導体MS−209のようなものは、安定性および
経口投与による生物学的利用能に優れているが、多剤耐性変調剤として有効であ
るためには高い用量の投与が必要である。
PCT特許出願PCT/US94/04215号(公表番号WO94/241
07号)は多剤耐性変調剤として有用であると記載された10,11−シクロプ
ロピルジベンゾスベラン誘導体を開示する。
種々の疾患における薬剤耐性および多剤耐性を処置するための薬剤耐性変調剤
および多剤耐性変調剤として作用するようにP−グリコプロテインと相互作用を
する、これらとは別の化合物を発見する必要性は存続している。P−グリコプロ
テインと相互作用する他の化合物は、脳における単数または複数の薬剤について
生物学的利用能を増強するように作用させるために必要であり、および/または
単数または複数の薬剤について経口投与における生物学的利用能を増強するよう
に作用させるために必要である。
発明の開示
本発明の第一の側面は式(C):
[ここに、
R1およびR2は独立に水素またはハロである。
Aは−CH2−CH2−または−CH2−CHR4−(CH2)n−であって;ここに
nは1または2である。
R4は−H、−OH、または−R5である。
−R5は−O−(C=O)−R6または−O−(C=O)−O−R6である。
−R6はC1〜C6−アルキルまたは−(CH2)m−(C=O)−O−R7であって
;ここにmは1、2、3、4、5または6であり、R7は−HまたはC1〜C6
−アルキルである。
但し、Aが−CH2−CHR4−(CH2)n−である時には、AとZとの向きは−
CH2−CHR4−(CH2)n−Zの方向になっているものとする。
Zは−S−、−S(O)w−および−CH2−から構成される群から選択され、こ
こにwは1または2である。
R3はフェニル、置換フェニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、多核
アリールおよび置換多核アリールから構成される群から選択されるアリール基で
ある。
但し、ZはR3の環炭素原子でR3に結合するものとする]
で示される化合物およびその医薬的に許容される塩または溶媒和物である。
本発明はまた式(C)で示される化合物またはその塩または溶媒和物を医薬的
に許容される担体、希釈剤または添加剤とともに含有する医薬的組成物を提供す
る。
本発明はさらに式(C)で示される化合物またはその塩または溶媒和物と癌治
療剤とを医薬的に許容される担体、希釈剤または添加剤とともに含有する医薬的
組成物を提供する。
本発明はさらに式(C)で示される化合物またはその塩または溶媒和物とマラ
リア治療剤とを医薬的に許容される担体、希釈剤または添加剤とともに含有する
医薬的組成物を提供する。
本発明はさらに耐性を変調する用量の式(C)で示される化合物またはその塩
または溶媒和物とその薬剤耐性疾患に対する治療剤の有効量とを、必要とする哺
乳類に同時投与することを包含する薬剤耐性疾患の処置法を提供する。
本発明はさらに多剤耐性を変調する用量の式(C)で示される化合物またはそ
の塩または溶媒和物とその多剤耐性疾患に対する治療剤の有効量とを、必要とす
る哺乳類に同時投与することを包含する多剤耐性疾患の処置法を提供する。
本発明はさらにその薬剤の治療的有効量とその薬剤を脳−血液関門を越えて脳
に移行させるに十分な用量の式(C)で示される化合物またはその塩または溶媒
和物とを必要とする哺乳類に同時投与することを包含する脳における薬剤の生物
学的利用能を増強する方法を提供する。
本発明はさらにこの薬剤の治療的有効量とその薬剤を消化管を越えて輸送し、
血流に移行させるに十分な量の式(C)で示される化合物またはその塩または溶
媒和物とを必要とする哺乳類に投与することを包含するその薬剤の経口投与にお
ける生物学的利用能を増強する方法を提供する。
以下の定義は本明細書で本発明を記載するために使用する種々の用語の意味お
よび範囲を説明し、定義するために示す。
用語「アルキル」は記載する数の炭素原子を有し、炭素と水素とのみを含み、
また、直線状または分枝状であってもよい、完全に飽和した1価の基を示す。こ
の用語は炭素原子1個から6個を含む基、たとえばこれらに限定するものではな
いが、メチル、エチル、プロピル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル
およびヘキシルのようなものによって例示される。C1〜C4−アルキルは炭素原
子1〜4個を持つアルキル基を示す。
用語「アルカンジイル」は記載する数の炭素原子を有し、炭素および水素のみ
を含み、完全に飽和した直線状の2価の基を示す。アルカンジイルは骨格鎖の両
端炭素にある水素原子計2個の除去によってアルカンから誘導される。この用語
は炭素原子1個から6個を含む基、たとえばこれらに限定するものではないが、
メタンジイル(すなわち、メチレン)、エタン−1,2−ジイル、プロパン−1
,3−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ペンタン−1,5−ジイルおよびヘキ
サン−1,6−ジイルのようなものによって例示される。C1〜C4−アルカンジ
イルは炭素原子1〜4個のアルカンジイル基を示す。
用語「−オキシ(C1〜C6−アルカノイル)」は式:−O−(C=O)−R20
の構造を示し、ここにR20はC1〜C6−アルキルである。
用語「−オキシカルボニル(C1〜C6−アルカンオキシ)」は式:−O−(C
=O)−O−R20の構造を示し、ここにR20はC1〜C6−アルキルである。
用語「−オキシカルボニル(C1〜C6−アルカンジイル)カルボキシ」は式:
−O−(C=O)−(CH2)m−(C=O)−OHの構造を示し、ここに、mは
1、2、3、4、5または6である。
用語「−オキシカルボニル(C1〜C6−アルカンジイル)カルボニル(C1〜
C6−アルカンオキシ)」は式:−O−(C=O)−(CH2)m−(C=O)−
OR20の構造を示し、ここに、mおよびR20は前記と同意義である。
用語「−オキシカルボニルオキシ(C1〜C6−アルカンジイル)カルボキシ」
は次式:−O−(C=O)−O−(CH2)m−(C=O)−OHの構造を示し、
ここに、mは前記と同意義である。
用語「−オキシカルボニルオキシ(C1〜C6−アルカンジイル)カルボニル−
(C1〜C6−アルカンオキシ)」は次式:−O−(C=O)−O−(CH2)m
−(C=O)−OR20の構造を示し、ここにmおよびR20は前記と同意義であ
る。用語「芳香性」は不飽和の平面的な環を示し、原子群1個またはそれ以上を
含むその原子群の平面の上下に非極在化したπ電子雲を有する環状配列であって
、さらに、各環においてπ電子雲は全部で(4e+2)個のπ電子を含まねばな
らない。ここにeは正の整数のいずれかである。
用語「アリール」は1価の芳香環または多環芳香環を示す。アリール環は所望
なら置換されていてもよい。
用語「ヘテロ芳香環」は少なくとも3個、多くは5個の炭素原子と少なくとも
1個、多くは3個のヘテロ原子を有する芳香環を示し、このヘテロ原子は窒素、
酸素および硫黄から構成される群から独立に選択されるが、但し、環に炭素原子
が3個のみ存在する時は、その環には独立に選択されたヘテロ原子少なくとも2
個がなければならない。用語「ヘテロアリール」は1価のヘテロ芳香環を示す。
ヘテロアリール基の例はこれに限定するものではないが、次の構造:
を含む。ヘテロアリール基は所望なら置換されていてもよい。
多核アリール基は1価の融合多環芳香環である。環が全部炭素環である時は、
これらの多核アリール基は少なくとも2個、多くは4個の融合環を含む。少なく
とも1個のヘテロ環がある時には、多核アリール基は融合環2個を含む。多核ア
リール基には:
A)少なくとも1個、多くは3個のベンゼン環に融合するフェニル、
B)ベンゼン環に融合するヘテロアリール、
C)ヘテロ芳香環に融合するフェニルおよび
D)ヘテロ芳香環に融合するヘテロアリール
を含む。
多核アリール基は所望なら置換されていてもよい。
「少なくとも1個、多くは3個のベンゼン環に融合したフェニル」構造の例は
これらに限定するものではないが、次式:
のものを含む。
前記の構造式に存在する実線から点線に変わっている線は、この結合が実線一点
線が交差する環のいずれかにある可能な炭素のいずれかに結合できることを示す
。このきまりはこれらの構造および結合する多数の部位を与えるその他の融合環
構造の全てに適用される。
これに限定するものではないが、「ベンゼン環に融合したヘテロアリール」お
よび「ヘテロ芳香環に融合したフェニル」構造の例は次式:
のものを含む。
ある構造が「ベンゼン環に融合したヘテロアリール」であるか、または「ヘテ
ロ芳香環に融合したフェニル」であるかは、式(C)のZ成分がR3のどの環に
結合するかに依存する。
これに限定するものではないが、「ヘテロ芳香環に融合したヘテロアリール」
構造の例は次式:
のものを含む。
用語「置換された」は環の炭素に結合する水素1個から3個がC1〜C4−アル
キル、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、シアノ、アミノ、ニトロ、トリフル
オロメチル、ジフルオロメトキシ、およびヒドロキシルから構成される群から独
立に選択された同様な数の基で置換されていることを意味する。但し、置換され
た構造は立体的に可能であって、安定な構造を与え、本明細書に記載する反応を
することができるものでなければならない。
用語「融合」は複数の環が一対の炭素原子を共有することを意味する。
用語「ハロ」はフルオロ、ブロモ、クロロ、およびヨードを意味する。
置換基を参照する用語「所望ならば」はその置換基が指定の位置に存在しても
存在しなくてもよいことを意味する。
「医薬的に許容される塩」は薬剤としての投与に適する無機酸または有機酸か
ら誘導される非毒性塩のいずれであってもよい。この塩は、たとえば塩酸、臭化
水素酸、硫酸(硫酸塩および酸性塩としての重硫酸塩を与える)、硝酸、燐酸、
その他のような無機酸;およびたとえば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピ
ルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、
酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタン
スルホン酸、サリチル酸、p−トルエンスルホン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、
シクロペンタンプロピオン酸、乳酸、o−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香
酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、カン
ファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]オクタン−2−エン−1
−カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4’−メチレンビス(3−ヒドロキシ−
2−ナフトエ)酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、t−ブチル酢
酸、ラウリル硫酸、グルクロン酸、グルタミン酸、3−ヒドロキシ−2−ナフト
エ酸、ステアリン酸、ムコン酸、その他のような有機酸、から誘導される。
「医薬的に許容される溶媒和物」は式(C)で示される化合物と溶媒分子との
集合体を示す。この溶媒は水または通常の有機溶媒のいずれであってもよい。
用語「生物学的利用能」は薬剤またはその他の物質が哺乳類の標的器官に取り
込まれる程度および比率を示す。
用語「処置」または「処置すること」は化合物の治療的または予防的適量を哺
乳類に投与することを意味する。
用語「有効量」は処置すべき病状の有望な変化を起こすために十分な用量を意
味する。
用語「有望な変化」は患者、その疾患および施すべき処置に応じて意味が変化
するものであるが、その分野での通常の熟練者によって容易に決定されるもので
ある。例えば、腫瘍崩壊剤の有効量は癌性腫瘍のサイズを低下させることのでき
る量、または腫瘍サイズの低下がなくても、腫瘍崩壊剤の有効量は癌患者に投与
される鎮痛剤の消費量減少を起こす用量でありうる。
用語「同時投与」は哺乳類に疾患治療剤と式(C)で示される化合物とが投与
されることを意味する。この薬剤および式(C)で示される化合物は哺乳類に同
じ時間にまたは別の時間に投与される。
用語「薬剤耐性」はある疾患が単数の薬剤または複数の薬剤に応答しない状況
を示す。薬剤耐性は、その疾患がその薬剤に対して全く反応したことがないこと
を意味する内因性であるか、またはその疾患が以前は反応していた薬剤に対して
反応を停止することを意味する獲得耐性であることができる。
用語「多剤耐性」は薬剤耐性の特定的な型を意味し、機能的におよび/または
構造的に無関連な薬剤の1種またはそれ以上に対する、ある疾患の交差耐性によ
って特徴付けられる。多剤耐性は内因耐性または獲得耐性であることができる。
式(C)で示される化合物において、種々の置換基の中で好適な基は次の通りで
ある:
R1およびR2:両者がハロ、より好適には両者がフルオロ。
R3:キノリル、置換キノリル、イソキノリル、置換イソキノリル、インドリニ
ル、置換インドリニル、ナフチルおよび置換ナフチル。
A:−CH2−CHR4−(CH2)n−。ここに好ましくはR4は−OH、nは1
または2。
Z:−S−または−CH2−。
式(C)で示される化合物は、ジベンゾスベラン(dibenzosuber
ane)上にある10,11−シクロプロピル置換基と5−ピペラジニル置換基
との間の関係で定義される異性体配置2個として存在する。
10,11−シクロプロピル置換基と5−ピペラジニル置換基とがジベンゾスベ
ランに関して同じ方向を向いている時(たとえば両者が上向きまたは両者が下向
き)にはこの異性体型は「syn(シン)」と呼ばれる。
10,11−シクロプロピル置換基と5−ピペラジニル置換基とがジベンゾスベ
ランに関して反対方向を向いている時(例えば一方が上向きまたは他方が下向き
)にはこの異性体型は「anti(アンチ)」と呼ばれる。一般に、式(C)で
示される化合物の「アンチ」配置化合物の薬剤耐性/多剤耐性に対する活性は
式(C)で示される化合物の「シン」配置化合物の活性より遥かに優れている
。
式(C)で示されるある化合物はR4が水素でない時には、「A」成分に不斉
中心を有することになる。これらの化合物は(R)−および(S)−と呼ばれる
立体化学的な型の2種またはその立体異性体2種の混合物として存在できる。
特定の立体異性体が開示し、指定されてあっても、本発明は「アンチ」および
「シン」の両配置およびこれらの配置の(R)−および(S)−立体異性体の各
々およびラセミ混合物その他の混合物を含むと解釈すべきである。従って個々の
立体異性体を含む名称における指定(シン、アンチ)は各立体異性体の各々が好
適な化合物の記載に含まれることを意味する。同様に、指定(R,S)は指定し
た位置における両立体異性体の各々が好適な化合物の記載に含まれることを意味
する。
ここに特許請求する本発明の好適な化合物には次のものが含まれる:
1a)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−3−
イル}キノリン、またはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
1b)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)ブタン−4−イ
ル}キノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
1c)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)ペンタン−5−
イル}キノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
1d)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)エタン−2−イ
ルチオ}キノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
1e)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−3−
イルチオ}キノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
1f)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)ブタン−4−イ
ルチオ}キノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
1g)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)エタン−2−イ
ルスルフィニル}キノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
1h)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−3−
イルスルフィニル}キノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
1i)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)ブタン−4−イ
ルスルフィニル}キノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
1j)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)エタン−2−イ
ルスルホニル}キノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
1k)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−3−
イルスルホニル}キノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
1l)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)ブタン−4−イ
ルスルホニル}キノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
1m)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシブタン−4−イル}キノリンまたはその医薬的に許容される塩また
は溶媒和物。
1n)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシペンタン−4−イル}キノリンまたはその医薬的に許容される塩ま
たは溶媒和物。
1o)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシプロパン−3−イルチオ}キノリンまたはその医薬的に許容される
塩または溶媒和物。
1p)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシブタン−4−イルチオ}キノリンまたはその医薬的に許容される塩
または溶媒和物。
1q)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシプロパン−3−イルスルフィニル}キノリンまたはその医薬的に許
容される塩または溶媒和物。
1r)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシブタン−4−イルスルフィニル}キノリンまたはその医薬的に許容
される塩または溶媒和物。
1s)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシプロパン−3−イルスルホニル}キノリンまたはその医薬的に許容
される塩または溶媒和物。
1t)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシブタン−4−イルスルホニル}キノリンまたはその医薬的に許容さ
れる塩または溶媒和物。
1u)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−オキシ(C1〜C1−アルカノイル)ブタン−4−イル}キノリンまたはその医
薬的に許容される塩または溶媒和物。
1v)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−オキシ(C1〜C6−アルカノイル)ペンタン−5−イル}キノリンまたはその
医薬的に許容される塩または溶媒和物。
1w)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−オキシカルボニル(C1〜C6−アルカンオキシ)ブタン−4−イル}キノリン
またはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
1x)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−オキシカルボニル(C1〜C6−アルカンオキシ)ペンタン−5−イル}キノリ
ンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
1y)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−オキシカルボニルオキシ(C1〜C6−アルカンジイル)カルボニル(C1〜C6
−アルカンオキシ)ブタン−4−イル}キノリンまたはその医薬的に許容される
塩または溶媒和物。
1z)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−オキシカルボニルオキシ(C1〜C6−アルカンジイル)カルボニル(C1〜C6
−アルカンオキシ)ペンタン−5−イル}キノリンまたはその医薬的に許容され
る塩または溶媒和物。
1aa)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシク
ロプロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S
)−オキシカルボニルオキシ(C1〜C6−アルカンジイル)カルボキシブタン−
4−イル}キノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
1bb)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシク
ロプロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S
)−オキシカルボニルオキシ(C1〜C6−アルカンジイル)カルボキシペンタン
−5−イル}キノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
1cc)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシク
ロプロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S
)−オキシカルボニル(C1〜C6−アルカンジイル)カルボキシブタン−4−イ
ル}キノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
1dd)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシク
ロプロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S
)−オキシカルボニル(C1〜C6−アルカンジイル)カルボニル(C1〜C6−ア
ルカンオキシ)ペンタン−5−イル}キノリンまたはその医薬的に許容される塩
または溶媒和物。
2a)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−3−
イル}イソキノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
2b)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)ブタン−4−イ
ル}イソキノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
2c)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)ペンタン−5−
イル}イソキノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
2d)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)エタン−2−イ
ルチオ}イソキノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
2e)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−3−
イルチオ}イソキノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
2f)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)ブタン−4−イ
ルチオ}イソキノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
2g)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)エタン−2−イ
ルスルフィニル}イソキノリン、またはその医薬的に許容される塩または溶媒和
物。
2h)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−3−
イルスルフィニル}イソキノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和
物。
2i)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)ブタン−4−イ
ルスルフィニル}イソキノリン、またはその医薬的に許容される塩または溶媒和
物。
2j)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)エタン−2−イ
ルスルホニル}イソキノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
2k)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−3−
イルスルホニル}イソキノリン、またはその医薬的に許容される塩または溶媒和
物。
2l)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)ブタン−4−イ
ルスルホニル}イソキノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
2m)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシブタン−4−イル}イソキノリンまたはその医薬的に許容される塩
または溶媒和物。
2n)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシペンタン−5−イル}イソキノリンまたはその医薬的に許容される
塩または溶媒和物。
2o)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシプロパン−3−イルチオ}イソキノリンまたはその医薬的に許容さ
れる塩または溶媒和物。
2p)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシブタン−4−イルチオ}イソキノリンまたはその医薬的に許容され
る塩または溶媒和物。
2q)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシプロパン−3−イルスルフィニル}イソキノリンまたはその医薬的
に許容される塩または溶媒和物。
2r)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシブタン−4−イルスルフィニル}イソキノリンまたはその医薬的に
許容される塩または溶媒和物。
2s)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシプロパン−3−イルスルホニル}イソキノリンまたはその医薬的に
許容される塩または溶媒和物。
2t)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシブタン−4−イルスルホニル}イソキノリンまたはその医薬的に許
容される塩または溶媒和物。
2u)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−オキシ(C1〜C6−アルカノイル)ブタン−4−イル}イソキノリンまたはそ
の医薬的に許容される塩または溶媒和物。
2v)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−オキシ(C1〜C6−アルカノイル)ペンタン−5−イル}イソキノリンまたは
その医薬的に許容される塩または溶媒和物。
2w)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−オキシカルボニル(C1〜C6−アルカンオキシ)ブタン−4−イル}イソキノ
リンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
2x)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−オキシカルボニル(C1〜C6−アルカンオキシ)ペンタン−5−イル}イソキ
ノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
2y)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−オキシカルボニルオキシ(C1〜C6−アルカンジイル)カルボニル(C1〜C6
−アルカンオキシ)ブタン−4−イル}イソキノリンまたはその医薬的に許容さ
れる塩または溶媒和物。
2z)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−オキシカルボニルオキシ(C1〜C6−アルカンジイル)カルボニル(C1〜C6
−アルカンオキシ)ペンタン−5−イル}イソキノリンまたはその医薬的に許容
される塩または溶媒和物。
2aa)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシク
ロプロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−ィル)−2(R,S
)−オキシカルボニルオキシ(C1〜C6−アルカンジイル)カルボキシブタン−
4−イル}イソキノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
2bb)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシク
ロプロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,s
)−オキシカルボニルオキシ(C1〜C6−アルカンジイル)カルボキシペンタン
−5−イル}イソキノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
2cc)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシク
ロプロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S
)−オキシカルボニル(C1〜C6−アルカンジイル)カルボキシブタン−4−イ
ル}イソキノリンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
2dd)(シン、アンチ)−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシク
ロプロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S
)−オキシカルボニル(C1〜C6−アルカンジイル)カルボニル(C1〜C6−ア
ルカンオキシ)ペンタン−5−イル}イソキノリンまたはその医薬的に許容され
る塩または溶媒和物。
3a)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−3−
イル}インドールまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
3b)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)ブタン−4−イ
ル}インドールまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
3c)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)ペンタン−5−
イル}インドールまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
3d)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)エタン−2−イ
ルチオ}インドールまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
3e)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−3−
イルチオ}インドールまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
3f)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)ブタン−4−イ
ルチオ}インドールまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
3g)(ジン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)エタン−2−イ
ルスルフィニル}インドールまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
3h)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−3−
イルスルフィニル}インドール、またはその医薬的に許容される塩または溶媒和
物。
3i)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)ブタン−4−イ
ルスルフィニル}インドールまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
3j)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)エタン−2−イ
ルスルホニル}インドールまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
3k)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−3−
イルスルホニル}インドールまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
3l)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)ブタン−4−イ
ルスルホニル}インドールまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
3m)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシブタン−4−イル}インドールまたはその医薬的に許容される塩ま
たは溶媒和物。
3n)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシペンタン−5−イル}インドールまたはその医薬的に許容される塩
または溶媒和物。
3o)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシプロパン−3−イルチオ}インドールまたはその医薬的に許容され
る塩または溶媒和物。
3p)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシブタン−4−イルチオ}インドールまたはその医薬的に許容される
塩または溶媒和物。
3q)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシプロパン−3−イルスルフィニル}インドールまたはその医薬的に
許容される塩または溶媒和物。
3r)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシブタン−4−イルスルフィニル}インドールまたはその医薬的に許
容される塩または溶媒和物。
3s)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシプロパン−3−イルスルホニル}インドールまたはその医薬的に許
容される塩または溶媒和物。
3t)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシブタン−4−イルスルホニル}インドールまたはその医薬的に許容
される塩または溶媒和物。
3u)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−オキシ(C1〜C6−アルカノイル)ブタン−4−イル}インドールまたはその
医薬的に許容される塩または溶媒和物。
3v)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−オキシ(C1〜C6−アルカノイル)ペンタン−5−イル}インドールまたはそ
の医薬的に許容される塩または溶媒和物。
3w)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−オキシカルボニル(C1〜C6−アルカンオキシ)ブタン−4−イル}インドー
ルまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
3x)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−オキシカルボニル(C1〜C6−アルカンオキシ)ペンタン−5−イル}インド
ールまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
3y)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−オキシカルボニルオキシ(C1〜C6−アルカンジイル)カルボニル(C1〜C6
−アルカンオキシ)ブタン−4−イル}インドールまたはその医薬的に許容され
る塩または溶媒和物。
3z)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−オキシカルボニルオキシ(C1〜C6−アルカンジイル)カルボニル(C1〜C6
−アルカンオキシ)ペンタン−5−イル}インドールまたはその医薬的に許容さ
れる塩または溶媒和物。
3aa)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシク
ロプロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S
)−オキシカルボニルオキシ(C1〜C6−アルカンジイル)カルボキシブチル−
4−イル}インドールまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
3bb)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシク
ロプロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S
)−オキシカルボニルオキシ(C1〜C6−アルカンジイル)カルボキシペンタン
−5−イル}インドールまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
3cc)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシク
ロプロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S
)−オキシカルボニル(C1〜C6−アルカンジイル)カルボキシブタン−4−イ
ル}インドールまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
3dd)(シン、アンチ)−4−{1−(4−(10,11−ジフルオロシク
ロプロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S
)−オキシカルボニル(C1〜C6−アルカンジイル)カルボニル(C1〜C6−ア
ルカンオキシ)ペンタン−5−イル}インドールまたはその医薬的に許容される
塩または溶媒和物。
4a)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−3−
イル}ナフタレンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
4b)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)ブタン−4−イ
ル}ナフタレンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
4c)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)ペンタン−5−
イル}ナフタレンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
4d)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)エタン−2−イ
ルチオ}ナフタレンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
4e)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−3−
イルチオ}ナフタレンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
4f)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)ブタン−4−イ
ルチオ}ナフタレンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
4g)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)エタン−2−イ
ルスルフィニル}ナフタレンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
4h)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−3−
イルスルフィニル}ナフタレン、またはその医薬的に許容される塩または溶媒和
物。
4i)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)ブタン−4−イ
ルスルフィニル}ナフタレンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
4j)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)エタン−2−イ
ルスルホニル}ナフタレンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
4k)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−3−
イルスルホニル}ナフタレンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
4l)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)ブタン−4−イ
ルスルホニル}ナフタレンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
4m)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシブタン−4−イル}ナフタレンまたはその医薬的に許容される塩ま
たは溶媒和物。
4n)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシペンタン−5−イル}ナフタレンまたはその医薬的に許容される塩
または溶媒和物。
4o)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシプロパン−3−イルチオ}ナフタレンまたはその医薬的に許容され
る塩または溶媒和物。
4p)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシブタン−4−イルチオ}ナフタレンまたはその医薬的に許容される
塩または溶媒和物。
4q)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシプロパン−3−イルスルフィニル}ナフタレンまたはその医薬的に
許容される塩または溶媒和物。
4r)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシブタン−4−イルスルフィニル}ナフタレンまたはその医薬的に許
容される塩または溶媒和物。
4s)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシプロパン−3−イルスルホニル}ナフタレンまたはその医薬的に許
容される塩または溶媒和物。
4t)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−ヒドロキシブタン−4−イルスルホニル}ナフタレンまたはその医薬的に許容
される塩または溶媒和物。
4u)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−オキシ(C1〜C6−アルカノイル)ブタン−4−イル}ナフタレンまたはその
医薬的に許容される塩または溶媒和物。
4v)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−オキシ(C1〜C6−アルカノイル)ペンタン−5−イル}ナフタレンまたはそ
の医薬的に許容される塩または溶媒和物。
4w)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−オキシカルボニル(C1〜C6−アルカンオキシ)ブタン−4−イル}ナフタレ
ンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
4x)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−オキシカルボニル(C1〜C6−アルカンオキシ)ペンタン−5−イル}ナフタ
レンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
4y)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロプ
ロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)−
オキシカルボニルオキシ(C1〜C6−アルカンジイル)カルボニル(C1〜C6−
アルカンオキシ)ブタン−4−イル}ナフタレンまたはその医薬的に許容される
塩または溶媒和物。
4z)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−オキシカルボニルオキシ(C1〜C6−アルカンジイル)カルボニル(C1〜C6
−アルカンオキシ)ペンタン−5−イル}ナフタレンまたはその医薬的に許容さ
れる塩または溶媒和物。
4aa)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−オキシカルボニルオキシ(C1〜C6−アルカンジイル)カルボキシブタン−4
−イル}ナフタレンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
4bb)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシク
ロプロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S
)−オキシカルボニルオキシ(C1〜C6−アルカンジイル)カルボキシペンタン
−5−イル}ナフタレンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
4cc)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−オキシカルボニル(C1〜C6−アルカンジイル)カルボキシブタン−4−イル
}ナフタレンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
4dd)(シン、アンチ)−1−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S)
−オキシカルボニル(C1〜C6−アルカンジイル)カルボニル(C1〜C6−アル
カンオキシ)ペンタン−5−イル}ナフタレンまたはその医薬的に許容される塩
または溶媒和物。
およびこれらの混合物。
本発明の好適な化合物は次式(CS):
[ここに、R1、R2、R3、AおよびZは全て前記と同意義を有する]で示され
る化合物である。
これとは別の本発明の好適な化合物は次式(C1):
で示される化合物であって、これはアンチ−5−{1−(4−(10,11−ジ
フルオロシクロプロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)
−2−ヒドロキシブタン−4−イル}キノリンの2(R)および2(S)立体異
性体の三塩酸塩の混合物である。この混合物はアンチ−5−{1−(4−(10
,11−ジフルオロシクロプロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−
1−イル)−2(R,S)−ヒドロキシブタン−4−イル}キノリン・3塩酸塩
と称する。
これとは別の本発明の好適な化合物は次式(C2):
で示される化合物、すなわちアンチ−5−{1−(4−(10,11−ジフルオ
ロシクロプロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(
R)−ヒドロキシプロパン−3−イル}キノリン・3塩酸塩である。
式(C)で示される化合物は式(A):[ここにR1およびR2は水素またはハロであることができる]
で示される10,11−(所望によりモノまたはジハロゲン化された)シクロプ
ロピルジベンゾスベリン−5−イルピペラジンを以下のように反応させれば製造
できる。
Zが−CH2−、Aが(−CH2−)d、dが2、3または4である式(C)で
示される化合物を製造するには、式(A)で示される化合物を式(B1):
R3−(CH2)c−X 式(B1)
[ここにR3は前記と同意義、cは3、4または5、Xはハロである]
で示されるアリール−(C3〜C5)−アルカンジイルハライドと反応させる。式
(A)で示される10,11−(所望ならば、モノハロ化またはジハロ化)シク
ロプロピルジベンゾスベラン−5−イルピペラジン化合物はPCT特許出願PC
T/US94/04215(公表番号WO94/24107)の10〜12頁に
記載された技術を使用して製造できる。略述すれば、この合成は次の4工程を用
いて達成できる:
1)ジベンゾスベレノン(Aldrich・Chemical社、ミルウォー
キー、ウイスコンシン州から購入できる)を10,11−(所望ならばモノハロ
化またはジハロ化)シクロプロピルジベンゾスベレノンに変換するには、このジ
ベンゾスベレノンと適当なアセテート試薬とを反応させる。この適当なアセテー
ト試薬はシクロプロピル環に所望の置換基R1およびR2を付加する性能によって
選択する。たとえばクロロジフルオロ酢酸ナトリウムまたはトリクロロ酢酸メチ
ルなどを使用するとR1およびR2の両者がクロロであるものを与え、トリフルオ
ロ酢酸エチルを使用するとR1およびR2の両者がフルオロであるものを与える。
2)10,11−(所望ならばモノハロ化またはジハロ化)シクロプロピルジ
ベンゾスベラノンを還元剤と反応させて5−ケトン官能基を5−アルコール官能
基に変換する。
3)この10,11−(所望ならばモノハロ化またはジハロ化)シクロプロピ
ルジベンゾスベラン−5−オールの5位をハロゲン化し、次に1−ピペラジンカ
ルボキシアルデヒドと反応させて5位のハライドで求核置換反応を起こさせて、
(シン、アンチ)−1−((10,11−(所望ならばモノハロ化またはジハロ
化)シクロプロピルジベンゾスベラン−5−イル)−4−ホルミルピペラジンの
混合物を生成する。この混合物を当技術分野で知られている技術、たとえばクロ
マトグラフィーなどによって、シン体およびアンチ体に分割する。
4)選択した(シンまたはアンチ)−1−((10,11−(所望ならばモノ
ハロ化またはジハロ化)シクロプロピルジベンゾスベラン−5−イル)−4−ホ
ルミルピペラジンを溶媒中で十分な時間還流してホルミルを切断して、式(A)
で示される対応する1−((10,11−(所望ならばモノハロ化またはジハロ
化)シクロプロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジンを形成する。
式(B1)で示されるアリール−(C3〜C5)−アルカンジイルハライドは芳
香基にアルキルハライド鎖を結合するための標準的技術を使用して製造できる。
この芳香基は所望のR3アリール基を与えるように選択し、このアルキルハライ
ドのアルキル部分は式(C)で示される化合物のZ成分およびA成分に所望する
数(3〜5)の−CH2−基を与えるように選択する。このアルキルハライドの
好適なハライドはヨウ化物である。このような合成の一つは米国特許第5112
817号に記載されており、これを参考のために引用しておく。式(B1)を得
たら、これを先に引用した米国特許第5112817号に記載のように溶媒中で
式(A)で示される化合物との加熱反応に付す。
式(C)で示され、Zが−S−、Aが(−CH2−)d、dが前記と同意義であ
る化合物を製造するには、式(A)で示される化合物を式(B2):
R3−S−(CH2)p−X
式(B2)
[式中、R3およびXは前記と同意義、pは2、3または4である]
で示されるチオアリール(C2〜C4)アルカンジイル−ハライドと反応させる
。式(B2)で示されるこのチオアリール−(C2〜C4)アルカンジイルハライ
ドはR3−SHチオアリール基の硫黄原子にアルキルハライド鎖を結合するため
の既知の操作法を使用すれば製造できる。この結合反応はアルキルハライドの末
端炭素がチオアリール基の硫黄に結合するように行われる。チオアリール基は購
入できるか、または当技術分野で知られている標準的技術を使用して合成される
が、そのような合成法の一つは、R3−I化合物への元素状硫黄の結合である。
式(B1)で示される化合物が得られると、これを溶媒中で式(A)で示される
化合物と加熱反応させる。
式(C)で示され、Zが−CH2−、Aが−CH2−CHR4−(CH2)n−、
nが1または2、R4が−OHである化合物を製造するには、式(A)で示され
る化合物を式(B3):
R3−(CH2)g−(オキシラニル)
式(B3)
[式中、R3は前記と同意義、gは2または3である]
で示されるアリール−(C2〜C3)アルカンジイル−エポキシドと反応させる
。この式(B3)で示されるアリール−(C2〜C3)アルカンジイル−エポキシ
ドは、当技術分野で知られている標準的技術を使用してアリールアルデヒドをア
リール−(C2〜C3)アルカンジイル−エポキシドに変換することによって製造
できる。このアルデヒド鎖にある炭素数は式(C)の−Z−A−部分に所望数の
−CH2−が得られるように選択し、このアリール環は式(C)に所望のR3部分
が得られるように選択する。
式R3−(CH2)g−CHOで示され、gが2または3であるアリールアルデ
ヒドは当技術分野で知られている多数の方法によって製造できる。このような方
法の一つはR3−ハロ化合物からR3−アルデヒドへの2工程変換法である。この
R3−ハロ化合物からR3−アルデヒドへの変換の第一工程は、たとえばヘック結
合反応技術のような標準的反応技術を使用する(アルケンまたはアルキン)−ア
セタールとR3−ハロ化合物との結合反応である。
次にこのアセタール官能基を例示する:
−C*H(−O−(アルキル))−O−(アルキル)
このアセタール官能基の「*」を付した炭素はアルケン鎖またはアルキン鎖の末
端炭素である。例えば1−プロピン−3−ジアルキルアセタールは次の式で示さ
れる:
HC≡C−C*H(−O−(アルキル))−O−(アルキル)
このアセタール官能基にあるアルキル基は独立にC1〜C6−アルキルである。
このR3ハロ化合物の好適なハロ基はヨードである。このアルケン−またはア
ルキン−アセタール中で使用されるアルケンまたはアルキンはプロペン、プロピ
ン、ブテンまたはブチンであることができる。アルケンまたはアルキンの選択は
式(C)で示される化合物の−Z−A−成分中に所望される炭素原子の数に依存
する。
ヘック結合反応はパラジウム触媒および適当な塩基を、たとえばアセトニトリ
ルのような適当な非反応性有機溶媒中で使用して、ハロ芳香族化合物に所望の末
端官能基またはその他の末端基をアルケンまたはアルキン鎖を結合する。適当な
塩基は、たとえばトリエチルアミンのようにヘックのパラジウム触媒反応の技術
で知られている適当な塩基のいずれかである。同様にして、適当な溶媒は、たと
えばアセトニトリルのような適当な非反応性有機溶媒のいずれかである。
R3基にアルケン−またはアルキンアセタール基が結合した後に、その二重結
合または三重結合を適当なパラジウム炭触媒を使用する水素添加で還元して一重
結合とする。これを酸加水分解に付してこのアセタール官能基をアルデヒド官能
基に変換する。
適当なR3−アルデヒドを製造したら、これを水素化ナトリウムおよびヨウ化
スルホオキソニウムまたはヨウ化スルホニウムと処理すれば式(B3)で示され
るR3−(C2〜C3)アルカンジイルエポキシドに変換できる。この式(B3)
で示される化合物が得られたら、これを前記のような溶媒中で式(A)で示され
る化合物と加熱反応させる。
Zが−S−、Aが−CH2−CHR4−(CH2)n−、nが1または2、R4が
−OHである、式(C)で示される化合物を製造するためには、式(A)で示さ
れる化合物と式(B4):
R3−S−(CH2)t−(オキシラニル)
式(B4)
[ここにR3は前記と同意義、tは1または2である]
で示されるチオアリール−(C1〜C2)アルカンジイルエポキシドとを反応させ
る。
この式(B4)で示されるチオアリール−(C1〜C2)アルカンジイルエポキ
シドはハロアリール化合物をチオアリール化合物に変換し、次にアルカンジイル
エポキシド基と結合させて、チオアリール化合物とすることによって、所望のチ
オアリール−(C1〜C2)アルカンジイル−エポキシドを形成できる。このハロ
アリール化合物は好ましくは式:R3−Iで示されるものである。ハロアリール
化合物からチオアリールへの変換はハロアリールを、たとえばtert−
ブチルリチウムのような適当な有機リチウム試薬と反応させ、次に硫黄を反応物
中に加えて行うことができる。チオアリール化合物の形成後、これを(C1〜C2
)−アルカンジイルエポキシド鎖をアリール環に結合した硫黄に結合して式(B
4)で示されるチオアリール−(C1〜C2)アルカンジイル−エポキシドを形成
することのできる適当な試薬と反応させる。この反応に用いる適当な試薬の一例
は3−ニトロベンゼンスルホン酸(2R)−(−)−グリシジルである。式(B
4)で示される化合物が得られたら、これを前記のような溶媒中で式(A)で示
される化合物と加熱反応させる。
Zが−SO−である時には式(C)で示される化合物を製造し、次にR3を式
(C)の−A−成分に結合する硫黄(−S−)を、式(C)で示される化合物1
当量について酸化剤1当量を使用して、−SO−にまで酸化する。この硫黄は、
たとえばMCPBA(3−クロロペルオキシ安息香酸)またはオキソン(商標:
E.I.DuPont・de・Nemours社のペルオキシモノ硫酸カリウム
塩)または過沃素酸ナトリウムのような適当な酸化剤を添加すれば酸化できる。
Zが−SO2−である時には、式(C)1当量について2当量の酸化剤を使用す
る点を除き、Zが−SO−である時と同じ操作を行う。−S−の−SO−または
−SO2−への酸化は式(A)が式(B2)または式(B4)と結合する前にも
実行できる。
R4が−O−(C=O)−R6であり、このR6が前記と同意義である式(C)
で示される化合物を製造するためには、R4ヒドロキシ基を持つ式(C)で示さ
れる化合物を製造し、次に当技術分野で知られている標準的技術を使用してこの
ヒドロキシ基をアシル化する。
R4が−O−(C=O)−O−R6であって、このR6が前記と同意義である式
(C)で示される化合物を製造するためには、R4ヒドロキシ基を持つ式(C)
で示される化合物を製造し、次に当技術分野で知られている標準的技術を用いて
このヒドロキシ基を−O−(C=O)−O−R6に変換する。
これらの化合物および中間体を所望により分離、精製するには、例えば濾過、
抽出、結晶化、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィーまたは厚層
クロマトグラフィー、またはこれらの技術の組合せのような、適当な分離、精製
操作法のいずれによっても行うことができる。
式(C)で示される化合物は対応する酸付加塩に変換できる。この変換は化学
量論的な量の適当な酸での処理によって達成されるが、この適当な酸には次のも
のが包含される:たとえば塩酸、臭化水素酸、硫酸(硫酸塩および酸性塩として
の重硫酸塩を与える)、硝酸、燐酸、その他のような無機酸;およびたとえば酢
酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸
、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マ
ンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、サリチル酸、p−トルエンス
ルホン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、シクロペンタンプロピオン酸、乳酸、o−
(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒ
ドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン
酸、2−ナフタレンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[
2.2.2]オクタン−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4
’−メチレンビス(3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸)、3−フェニルプロピオ
ン酸、トリメチル酢酸、tert−ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルクロン酸、
グルタミン酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ステアリン酸、ムコン酸、そ
の他のような有機酸。この発明の塩形成工程では遊離塩基を典型的には、たとえ
ばメタノールまたはエタノールのような極性の有機溶媒中に溶解し、酸の水、メ
タノールまたはエタノール溶液を添加する。温度は0℃から50℃に維持する。
対応する塩は直ちに沈殿するか、または低極性の溶媒によって、または溶媒の蒸
発によって、または溶液の冷却によって、溶液から析出できる。
本発明に従って式(C)で示される遊離塩基を分離する工程では、式(C)で
示される酸付加塩を典型的には水性溶媒の存在下に0℃および50℃の間の温度
で、たとえばアンモニアまたは重炭酸ナトリウムのような適当な塩基の過剰量で
処理することによって対応する遊離塩基にまで分解する。この遊離塩基を、たと
えば有機溶媒での抽出のような通常の手段によって分離する。式(C)で示され
る塩基が結合している酸の当量数の化学量論的過剰量を利用する。
前記の通り、本発明には式(C)で示される化合物の溶媒和物および医薬的に
許容される塩を包含する。本発明の特定化合物またはその医薬的に許容される塩
は水または通常の有機溶媒と溶媒和物を形成する。このような溶媒和物は特許請
求される本発明化合物の範囲内に包含されている。
産業上の利用可能性
本発明の化合物は薬剤耐性および多剤耐性の変調剤として有用である。これら
は臨床的に耐性が現れてから薬剤耐性および多剤耐性を処置するためにも有用で
あり、また、薬剤投与の初期から薬剤の効果を増強するために臨床的に耐性が現
れる前に薬剤療法の最初からも投与できる。
本発明の化合物は殊に薬剤耐性および多剤耐性の癌および薬剤耐性のマラリア
を処置するために有用である。
本発明の化合物はまた薬剤の経口投与による生物学的利用能を増強するために
有用である。
本発明の化合物はまた薬剤の脳での生物学的利用能を増強するために有用であ
る。
前記の通り、本発明は式(C)で示される化合物またはその医薬的に許容され
る塩または溶媒和物の混合物も包含する。好適な混合物は少なくとも一対のエナ
ンチオマーを含有するラセミ混合物から構成される。前述の通り、このような好
適な混合物の一つはアンチ−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロ
プロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2−ヒドロキ
シブタン−4−イル)キノリンの2(R)および2(S)−エナンチオマーの三
塩酸塩の混合物である。
癌化学療法剤に関する多剤耐性の変調について試験管内試験を行う時には、各
化合物を癌溶解剤と同時投与する時に多剤耐性を変調するその性能について評価
する。この試験管内試験には、たとえばCEM/VLB100(テネシー州St.
Jude’s・Research病院のWilliam・Beck博士などから
入手可能)、P388VCR(メリーランド州、フレデリックのDCT・Rep
ository,NCIから入手可能)およびCHCR5(B.C.州、バンク
ーバーのブリティッシュコロンビア州立バンクーバー癌研究所のVictor・
Ling博士などから入手可能)などのようなP−グリコプロテイン発現多剤耐
性細胞系統を適当な癌溶解剤および下記のような多剤耐性変調剤の存在下に培養
する細胞毒性検定法を含む。
MTT{3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニ
ルテトラゾリウムブロミド}、DOX(ドキソルビシン)、VP−16(エトポ
シド)およびVLB(硫酸ビンブラスチン)はSigma・Chemical社
(セントルイス、MO)から入手できる。タキソール(商標:Bristol−
Meyers・Oncology社からのパクリタキセル)はICN・Biom
edical社(コスタメサ、CA)から入手できる。FBS(ウシ胎児血清)
はHyclone(ローガン、UT)から購入できる。L−グルタミンおよび懸
濁培養用最小必須培地(SMEM)はGIBCO(グランドアイランド、NY)
から購入できる。丸底ウェルの96穴・組織培養セロクラスターはCostar
(ケンブリッジ、MA)から入手できる。組織培養フラスコはCorning・
Glass・Works(コーニング、NY)から入手できる。
ヒト白血病細胞親系統CCRF−CEMおよび多剤耐性のCEM/VLB100
(ビンブラスチン100ng/mLで選択)はWilliam・T.Beckが
提供できる(Beck,W.T.,Mueller,M.J.とTanzer,
L.R.著、「Altered・Surface・Membrane・Glyc
oproteins・in・Vinca・Alkaloid−Resistan
t・Human・Leukemic・Lymphoblast(ビンカアルカロ
イド耐性ヒト白血病リンパ芽球表面膜の変質糖蛋白質)」、Cancer・Re
search、39巻:2070〜2076頁(1979年))。この細胞は1
0%FBSおよび2mM−L−グルタミン添加SMEM培地中、95%空気およ
び5%CO2の保湿インキュベータ中で維持できる。細胞数はZM型クールター
カウンターを使用して測定できる。細胞は3〜4日毎に継代培養できる。
細胞の生存能力は修正MTT色素還元法(Denziot,F.,Lang,
R.著、「Rapid・colorimetric・assay・for・ce
ll・growth・and・survival・modifications
・to・the・tetrazolium・procedure.giving
・improved・sensitivity・and・reliabilit
y(感受性および信頼性が改善された修正テトラゾリウム法による細胞の増殖
および生存の迅速比色検定法)」、J.Immunological・Meth
ods、89巻:271〜277頁(1986年))を使用して測定できる。こ
の方法は略述すれば次の通りである:細胞を対数増殖相で収集し、96ウェルセ
ロクラスタープレートに7.5×103細胞/ウェルで接種し、順次希釈癌溶解
剤(VLB、DOX、VP−16およびタキソール(商標))±変調剤の存在下
に72時間培養する。単一ウェル検定はVLB(4ng/mL)および変調剤(
5μM)の固定濃度を使用して行う。同一濃度の変調剤単独による細胞毒性も測
定する。変調剤はDMSO中の2mM−貯蔵液として調製し、ウェルに添加して
、最終濃度を5μMから0.5μMの範囲とする。72時間後、新たに調製した
MTT(5mg/mLダルベッコ燐酸緩衝食塩水、pH7.5)20μLを各ウ
ェルに添加し、37℃のインキュベータ中に4時間放置する。Sorvall・
RT6000B遠心分離機で1800RPM、10分間で細胞をペレット化する
。遠心分離した後、各ウェルから培地70μLを注意深く除去し、2−プロパノ
ール/0.04N−HClを100μL添加して青色にホルマザン染色された細
胞を溶解する。細胞を多重ピペッターで5〜10倍に再懸濁するか、または粒状
物が見えなくなるまで希釈する。プレートを直ちにYitertek・MCC/
340ミクロプレートリーダー(波長570nmおよび対照波長630nmのF
low・Laboratories社(マックリーン、VA)製)によって測定
する。対照は4重に測定し、変調剤は二重に測定する。
親細胞系統および耐性細胞系統について変調剤存在または不在下の半対数用量
応答曲線からIC50を算出する。癌溶解剤単独で処置した細胞についてのIC50
を癌溶解剤+変調剤で処置した細胞についてのIC50で割算してこの商を算出し
てシフト倍率とする。
本明細書に記載する研究には試験用癌溶解剤としてタキソール(商標)を選択
した。その理由は細胞系統CEM/VLB100のタキソール(商標)に対する耐
性水準が高かったからである。活性を完全に回復することを目標に、種々な濃度
の変調剤の存在下にタキソール(商標)のIC50を測定する。完全な活性の回復
または100%回復活性とは薬剤感受性の親細胞系統の感受性と等価な多剤耐性
細胞系統の薬剤感受性を達成する性能と定義する。これらのデータを本明細書
ではRev50およびRev100と記載する。これらの各数値は活性の50%およ
び100%を回復できる変調剤の最低濃度(μMで)として定義する。
抗マラリア剤の薬剤耐性変調について試験管内試験を行う時には、各化合物を抗
マラリア剤と同時投与する時に薬剤耐性の変調を示すその性能について評価する
。この試験は、薬剤耐性変調剤、薬剤耐性マラリア種、および抗マラリア剤を混
合し、薬剤耐性マラリア種を評価することによって行う。この抗マラリア剤はそ
の薬剤耐性マラリア種が耐性を持っている薬剤である。たとえば、マラリア種P
.lophuraeおよびP.cynumolgiは共に抗マラリア剤プログア
ニルに対して耐性である。変調剤活性は選択した薬剤耐性変調剤とその抗マラリ
ア剤の同時投与による、薬剤耐性マラリア種におけるその抗マラリア剤に対する
薬剤の感受性を達成する性能と定義する。
マラリア各種の薬剤耐性からの回復試験法の詳細は標準的なマラリア症文献、
たとえば「Chemotherapy・of・Malaria(マラリアの化学
療法)」、Covell、ほか著、1955年(著作権)、世界保険機構、ジュ
ネーブ、および「Practical・Malariology(実践マラリア
学)」、第2版、Russell、ほか著、1963年(著作権)、オックスフ
ォード大学出版社に見られる。
薬剤の経口投与における生物学的利用能を試験する簡単なスクリーニング法は
その薬剤を経口的に投与し、次にその薬剤またはその代謝物の血中における存在
を標準的な血液分析技術を使用して試験するものである。この試験は2回行い、
1回目は薬剤自体を投与し、2回目にその薬剤を薬剤耐性変調剤の存在下に行う
ものである。その結果を比較して変調剤が存在する時に、どの位多くの化合物が
生物学的に経口的に利用されたかを検討する。この試験はヒトに限らずいかなる
哺乳類について行ってもよい。
脳−血液関門を越える化合物の移動についての試験管内試験では最初にウシの
脳内皮細胞またはマウスの脳毛細血管内皮細胞を多孔性濾板上に単層として全面
培養して強固な内皮細胞層を形成させる。この濾板を燐酸緩衝食塩水を入れた容
器に設置して、ある物質がその容器の一端から他端に移動する経路はこの細胞層
/多孔質濾板を通過する以外にはないようにする。
既知の化合物(たとえばマンニトール)を細胞層/多孔質濾板の膜側に置く。
3〜6時間にわたって15〜30分間隔で細胞層/多孔質濾板の非膜側から試料
を採取する。標準的な分析技術を使用して試料中の既知化合物の量を測定する。
この情報を用いて細胞層/多孔質濾板の浸透ベースラインを算出する。
同じ型の細胞層/多孔質濾板を設置した容器の一方の側に目的とする薬剤(た
とえば腫瘍溶解剤または抗マラリア剤)と新鮮な食塩水を入れる。試料を他の側
から15〜30分間隔で3〜6時間にわたって採取する。標準的な分析技術を用
いてこれらの試料中の目的薬剤量を測定する。この障害物を通過して移動した目
的薬剤の量はその細胞層/多孔質濾板でその薬剤が示す浸透性のベースラインを
示す。
次にこの試験を反復するが、今回は目的薬剤と薬剤耐性変調剤の両者を前記の
ように調製した容器の一方の側に入れる。試料を採取し、前記のような試験を行
って薬剤耐性変調剤とともに存在する目的薬剤のどの位の量が細胞層/多孔質濾
板を越えて移動したかを観察する。
哺乳類に投与した薬剤が脳−血液関門を通過するかどうかを測定する生体内試
験ではその薬剤を可能な方法のいずれかで投与し、次にその哺乳類の脳脊髄液中
のその薬剤またはその代謝物の存在を試験する。経口投与についての試験と同様
にして、ある薬剤が脳−血液関門を通過するかどうかを決定するこの試験はヒト
での他にいかなる哺乳類で行ってもよい。
発明の化合物はいかなる哺乳類に投与してもよい。全ての哺乳類のなかで、ヒ
トはこれらの化合物を投与して得られる利益を最も多く享受することになると信
じられる。
式(C)で示される化合物は治療的に有効な用量、たとえばこの化合物が
(i)ある薬剤耐性または多剤耐性疾患を処置するためのある薬剤と同時投与
する時に薬剤耐性変調剤または多剤耐性変調剤として作用する;
(ii)ある薬剤の経口投与における生物学的利用能を増強する;
および/または
(iii)脳におけるある薬剤の生物学的利用能を増強する;
ために十分な量で投与される。
疾患の処置には次のものを含む:
(i)その疾患の予防、すなわち、その疾患の臨床的症状を発現させない;
(ii)その疾患の阻止、すなわち、臨床症状進行の休止;
および/または
(iii)その疾患の軽減、すなわち、臨床的症状の緩解。
式(C)で示される化合物は典型的には問題とする疾患を処置する薬剤よりも
前、同時、または後のいずれかに同時投与(coadminister)する。
好適な投与計画は24時間にわたる連続注入であって、その間に治療剤も投与す
る。癌については治療剤はこれに限定するものではないが、パクリタキセル、ド
キソルビシン、アドリアマイシン、エトポシド、テニポシド、ビンブラスチン、
ビンクリスチン、マイトマイシン・C、ダウノルビシンおよびテニポシドを包含
する癌の化学療法剤となろう。マラリアに対する治療剤はこれに限定するもので
はないが、パマキン、プリマキン、メパクリン、ドキシシクリン、クロロキン、
アモジアキン、キニン、キニジン、ピリメタミン、プログアニル、メフロキン、
およびスルファジアジンを包含する抗マラリア剤となろう。
本明細書に記載する処置法全てについて薬剤耐性変調剤または多剤耐性変調剤
の日用量は約100mg/M2体表面積から約1g/M2体表面積まで、好ましく
は約200mg/M2から約800mg/M2体表面積まで、最も好ましくは約4
00mg/M2から約500mg/M2体表面積までである。薬剤耐性変調剤また
は多剤耐性変調剤化合物の投与回数および投与量は、もちろん、処置すべ患者お
よび容体、苦痛の重症度、投与方法および計画(たとえば、癌化学療法前日の経
口投与と癌化学療法中の静脈注射)、および処方する医師の判断に依存する。疾
患治療剤の用量は疾患の容体、罹患患者の病状、および使用される治療剤を参照
して決定する。標準的な医薬品の参考書を参考にして本明細書に記載する治療薬
の用量レベルを決定する。疾患処置剤の用量レベルはまた各受容者について処置
剤の効果を最大にし、不都合な副作用を最小にするように調節する。薬剤耐性変
調剤または多剤耐性変調剤を疾患処置剤と同時投与する時には、薬剤耐性変調剤
または多剤耐性変調剤が機能を発揮する効果に依存して疾患治療剤の用量は同じ
にするか、削減する。
この発明の化合物を薬剤耐性または多剤耐性の処置に使用するには、投与の医
薬的に許容される態様はいずれも使用できる。式(C)で示される化合物は単独
でまたは他の医薬的に許容される添加剤とともに投与できる。これには固体、半
固体および液体の用量剤型、例えば、錠剤、カプセル剤、粉剤、液剤、懸濁剤、
坐剤またはその他のようなものを包含する。式(C)で示される化合物はまた、
デポ注射剤、浸透圧ポンプ、ピル剤、経皮(電気的輸送を含む)パッチ剤、その
他を含む、好ましくは正確な用量の単回投与に適する単位用量剤型中で、予め決
定した速度で化合物を長期間に投与するための持続放出または制御放出用量剤型
としても投与できる。この組成物(「製剤」とも呼ばれる)は典型的には通常の
医薬的担体、希釈剤または添加剤および式(C)で示される化合物を含有する。
これに加えて、この組成物にはその他の医薬、製剤成分、担体、アジュバント、
などが含有されることもある。
治療剤および処置すべき疾患に依存して、この薬剤耐性変調剤または多剤耐性
変調剤は処置用薬剤と同じまたは別の医薬的組成物中で投与してもよい。
一般に、投与態様に依存して医薬的に許容される組成物は約0.005%から
約95重量%、好ましくは約0.5%から約50重量%の式(C)で示される化
合物を含有することになるが、残りは適当な医薬的添加剤、担体および希釈剤で
ある。
前記に詳述した病状に対する投与方法の一つは苦痛の程度に従って調整できる
が通常の日用量計画を使用する経口投与である。そのような経口投与については
医薬的に許容される非毒性組成物を、たとえばマンニトール、乳糖、澱粉、ステ
アリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロース、クロスカ
ルメロースナトリウム、グルコース、ゼラチン、ショ糖、炭酸マグネシウム、そ
の他のように正常に採用される添加剤のいずれかを混和することによって形成す
る。このような組成物には液剤、懸濁剤、錠剤、分散用錠剤、ピル剤、カプセル
剤、粉末剤、持続放出製剤、その他を包含する。
好ましくはこの経口投与組成物はピル剤または錠剤の剤型である。そこでこの
組成物は活性成分とともに:たとえば乳糖、ショ糖、燐酸ジカルシウム、などの
ような希釈剤;たとえばステアリン酸マグネシウムなどのような滑沢剤;および
たとえば澱粉、アラビアゴム、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、セルロース、
およびその誘導体のような結合剤;その他を含有するものである。
医薬的に投与可能な液体組成物は、例えば前記のような活性化合物および所望
により医薬的アジュバントを、たとえば水、食塩水、マンニトール、デキストロ
ース水、グリセリン、グリコール、エタノール、その他のような担体中に溶解、
分散して液剤または懸濁剤として製造できる。所望ならば投与する医薬的組成物
は少量の非毒性補助物質、例えば湿潤剤、乳化剤、または溶解剤、pH緩衝剤、
その他、例えばアセテート、クエン酸ナトリウム、シクロデキストリン誘導体、
ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミン酢酸ナトリウム、トリエタノ
ールアミンオレエート、などを含有してもよい。このような製剤を製造するため
の実際の方法は公知であって、当技術分野の専門家には明白となるものである;
例えば「Remington’s・Pharmaceutical・Scien
ces(レミントンの医薬製剤科学)」、19版、Mack・Publishi
ng社、イーストン、ペンシルバニア州、参照。
非経口投与は一般に注射(たとえば、皮下、筋肉内、静脈内)または中心線を
経由する注入によって特徴付けられる。注射剤は、液体の液剤または懸濁剤とし
て、注射前に液体中の液剤または懸濁剤を形成するための固体製剤として、また
は乳剤としていずれかの通常の剤型に製造できる。適当な添加剤は例えば、水、
食塩水、デキストロース、グリセリン、エタノール、マンニトール、その他であ
る。これに加えて、所望ならば投与すべきこの医薬組成物には少量の、たとえば
湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、溶解補助剤、その他のような、たとえば酢酸
ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、シ
クロデキストリン、その他のような非毒性補助物質を含有していてもよい。好適
な非経口投与用液剤では適当量の化合物をマンニトールの5%水溶液中に含有す
る。
最近開発された非経口投与用の装置では、定常的な用量レベルを維持するよう
な低速放出系または持続放出系の埋没を採用する。例えば米国特許第37107
95号参照。
このような非経口投与組成物に含まれる活性化合物の含有量百分率はその特定
の性質、ならびにその化合物の活性および対象の必要性に高度に依存する。しか
しながら、活性成分の百分比には溶液の約0.01%から約10%までを採用で
き、もしもその組成物が固体であって希釈して前記百分比にするものであれば、
さらに高くすることになる。好ましくは、この非経口組成物は約0.2%から約
2%の活性薬剤を液剤中に含有するものである。
この活性化合物を投与するための好適な様式は、現在のところ、中心線を経由
する注入である。
実施例
以下の製造例および実施例は当技術分野の専門家が本発明をさらに明瞭に理解
して実施することを可能にするために提供する。これは本発明の範囲を限定する
ものと理解すべきでなく、本発明の単なる例示、または代表例として理解すべき
である。
本実施例で使用する用語および略号は特段の記載がない限り、通常の意味を有
する。例えば、「℃」は摂氏の度を示し;「N」は規定または規定濃度を示し;
「モル」はモル数またはモル濃度を示し;「ミリモル」はミリモル数またはミリ
濃度を示し;「g」はグラムを示し;「mg」はミリグラムを示し;「mL」は
ミリリットルを示し;「mp.」は融点を示し;「M」はモル数またはモル濃度
を示し;「psi」は平方インチ当りポンドを示し;「KPa」はキロパスカル
を示し;「質量スペクトル」は質量スペクトル分析を示し;「IR」は赤外線ス
ペクトルを示し;および「NMR」は核磁気共鳴スペクトルを示す。実施例1a
5−ヨードキノリン
5−アミノキノリン10g(0.07モル)、亜硝酸イソアミル94mL(0
.7モル)、およびジョードメタン100mLの懸濁液を80℃に2時間加熱し
た。この反応混合物を60℃〜70℃で減圧蒸発した。この残渣をジエチルエー
テルでスラリー化し、デカンテーションし、濾液を減圧蒸発した。得られた残渣
をシリカゲルカラム上でクロマトグラフし、ヘキサン−酢酸エチル3:1で溶離
して5−ヨードキノリン2.81gを得た。1
H−NMR(CDCl3、300MHz)δ:7.42(d,1H,J=7.7
Hz);7.78(dd,1H,J=4.3Hz);8.1(m,2H);8.
38(d,1H,J=8.5Hz);8.88(m,1H)。
質量スペクトル、m/e=255=p.実施例1b
5−キノリン−[1−プロピオールアルデヒド・ジエチルアセター
ル]
5−ヨードキノリン2.75g(0.011モル)のアセトニトリル(24m
L)懸濁液にトリエチルアミン2.18g(0.022モル)を添加し、加熱す
ると溶液となった。この溶液を暫く冷却した。この溶液にトリフェニルホスフィ
ン50mg、酢酸パラジウム(II)50mg、および3,3−ジエトキシ−1
−プロピン(プロピオールアルデヒド・ジエチルアセタール)3.1mL(0.
022モル)を添加した。反応物を80℃で1.5時間加熱した。反応物を水に
注入し、ヘキサンで抽出した。ヘキサンを減圧除去し、残渣をシリカゲルカラム
上でクロマトグラフし、1%メタノールージクロロメタンで溶離して5−キノリ
ン−[1−プロピオールアルデヒド・ジエチルアセタール]1.44gを得た。1
H−NMR(CDCl3、300MHz)δ:1.3(t,6H,J=7.2H
z);3.73(m,2H);3.88(m,2H);5.62(s,1H);
7.48(dd,1H,J=8.5Hz,4.2Hz);7.66(d,1H,
J=7.4Hz);7.76(d,1H,J=7.2Hz);8.1(d,1H
,J=8.5Hz);8.6(d,1H,J=8.5Hz);8.94(m,1
H)。
質量スペクトル、m/e=255=p.実施例1c
5−キノリン−[1−プロピオンアルデヒド] 5−キノリン−[1−プロピオールアルデヒド・ジエチルアセタール]0.1
5gと10%パラジウム炭0.035gの混合物をエタノール(10mL)中で
1.5時間45psi(310KPa)で水素添加した。触媒を濾去し、溶媒を
減圧除去した。残渣を1.0N−HCl(1mL)とテトラヒドロフラン(10
mL)との混合物に取り、常温で2時間撹拌してアセタール官能基をアルデヒド
官能基に変換した。溶媒を減圧除去し、残渣を酢酸エチルに取り、炭酸水素ナト
リウム溶液で洗浄した。溶媒を減圧除去して5−キノリン−[1−プロピオンア
ルデヒド]63mgを得た。1
H−NMR(CDCl3、300MHz)δ:2.95(t,2H,J=7.4
Hz);3.43(t,2H,J=7.4Hz);7.44(m,2H);7.
66(t,1H,J=7.4Hz);8.0(d,1H,J=8.5Hz);8
.33(d,1H,J=8.5Hz);8.94(m,1H);9.9(s,1
H)。
質量スペクトル、m/e=186=p.実施例1d
5−(3,4−エポキシブタン−1−イル)キノリン
トリエチルスルホキソニウムヨーディド0.47g(2.1ミリモル)をジメ
チルスルホキシド(5mL)に懸濁し、これに60%水素化ナトリウム85mg
(2.1ミリモル)を添加した。30分後、5−キノリン[1−プロピオンアル
デヒド]0.33g(1.93ミリモル)のジメチルスルホキシド(7mL)溶
液を添加した。30分後、反応物を冷食塩水に注入して酢酸エチルで抽出した。
有機層を乾燥して、溶媒を減圧除去し、残渣をシリカゲルカラム上でクロマトグ
ラフし、50%酢酸エチル−ヘキサンで溶離して5−(3,4−エポキシブタン
−1−イル)キノリン40mgを得た。1
H−NMR(CDCl3、300MHz)δ:1.87(m,2H);2.5(
m,1H);3.03(m,1H);3.24(m,2H);7.44(m,2
H);7.65(t,1H,J=7.4Hz);8.0(d,1H,J=8.5
Hz);8.4(d,1H,J=8.5Hz);8.94(d,1H,J=4.
2Hz)。
質量スペクトル、m/e=199=p.実施例1e
アンチ−5−{1−[4−(10,11−ジフルオロシクロプロピ
ルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル]−2(R,S)−ヒド
ロキシブタン−4−イル}キノリン・3HCl
5−(3,4−エポキシブタン−1−イル)キノリン31mg(0.16ミリ
モル)と4−N−(1’−(10,11−ジフルオロシクロプロピルジベンゾス
ベラン−5−イル)ピペラジン(PCT特許出願PCT/US94/04215
号、公表番号WO94/24107に記栽の操作を使用して製造)51mg(0
.16ミリモル)とのイソプロピルアルコール(1.5mL)溶液を4.5時間
還流した。溶媒を減圧除去し、残渣をシリカゲルカラム上でクロマトグラフし、
酢酸エチルとそれに続いて5%メタノール−ジクロロメタンで溶離した。残渣を
エチルアルコール(3mL)に溶解し、冷却し、無水塩化水素ガスで処理した。
反応物を減圧蒸発してアンチ−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシク
ロプロピルジベンゾスベラン−5−イル)−ピペラジン−1−イル)−2(R,
S)−ヒドロキシブタン−4−イル}キノリン・3HClの混合物43mgを得
た。
mp.160〜170℃(分解)。1
H−NMR(遊離塩基/CDCl3、300MHz)δ:1.78(m,2H)
;2.5(m,10H);3.19(d,2H,J=12.4Hz);3.19
(m,1H);3.37(m,1H);3.75(m,1H);3.93(s,
1H);7.2(m,8H);7.44(dd,1H,J=8.5Hz,4.2
Hz);7.63(t,1H,J=7.4Hz);7.97(d,1H,J=8
.5Hz);8.45(d,1H,J=8.5Hz);8.9(m,1H)。質
量スペクトル、m/e=525=p.実施例2a
(S)−5−(グリシジル)チオキノリン
テトラヒドロフラン4mLに5−ヨードキノリン0.13g(0.51ミリモ
ル)を溶解し、これに−78℃でtert−ブチルリチウム(ヘキサン中1.7
M−溶液)0.59mL(1.0ミリモル)を加えた。10分後、硫黄20mg
(0.61ミリモル)を添加し、冷却を中止した。40分の後、反応物を5℃に
冷却し、3−ニトロベンゼンスルホン酸(2R)−(−)−グリシジルエステル
0.132g(0.51ミリモル)を添加した。30分の後、反応物を冷食塩水
に注入し、酢酸エチルで抽出し、減圧濃縮して橙色残渣とした。この残渣をシリ
カゲルカラム上でクロマトグラフし、2%メタノール−ジクロロメタンで溶離し
て(S)−5−(グリシジル)チオキノリン27mgを得た。1
H−NMR(CDCl3、300MHz)δ:2.41(m,1H);2.72
(m,1H);3.02(t,1H,J=4.4Hz);3.16(m,2H)
;7.45(dd,1H,J=8.5Hz,4.2Hz);7.65(m,2H
);8.05(d,1H,J=8.0Hz);8.8(d,1H,J=8.7H
z);8.93(m,1H)。
質量スペクトル、m/e=217=p.実施例2b
アンチ−5−{1−[4−(10,11−ジフルオロシクロプロピ
ルジベンゾスベラン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−2(R)−ヒドロ
キシプロパン−3−イルチオ}キノリン・3HCl
(S)−5−(グリシジル)チオキノリン25mg(0.12ミリモル)と4
−N−(1’−(10,11−ジフルオロシクロプロピルジベンゾスベラン−5
−イル)ピペラジン(PCT特許出願PCT/US94/04215号、公表番
号WO94/2407に記載の操作を使用して製造)38mg(0.12ミリモ
ル)とをイソプロピルアルコール2mL中で3時間還流した後、溶媒を減圧除去
し、残渣をシリカゲルカラム上でクロマトグラフし、2〜3%メタノール−ジク
ロロメタンで溶離してアンチ−5−{1−[4−(10,11−ジフルオロシク
ロプロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル]−2(R)−
ヒドロキシプロパン−3−イルチオ}キノリン・3HCl39mgを得た。
mp.125〜130℃(分解)。1
H−NMR(CDCl3、300MHz)δ:2.45(m,10H);3.0
5(m,2H);3.16(d,2H,J=12.4Hz);3.86(m,1
H);3.9(s,1H);7.2(m,8H);7.45(dd,1H,J=
8.5Hz,4.2Hz);7.65(m,2H);8.0(d,1H,J=8
.0Hz);8.75(d,1H,J=8.7Hz);8.93(m,1H)質
量スペクトル、m/e=543=p.
元素分析:計算値:C70.70;H5.75;N7.73;S5.90。
実験値:C69.98;H5.78;N7.34;S5.65。実施例3
実施例1eの化合物(アンチ−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシク
ロプロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R,S
)−ヒドロキシブタン−4−イル}キノリン・3HCl)および実施例2bの化
合物(アンチ−5−{1−(4−(10,11−ジフルオロシクロプロピルジベ
ンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R)−ヒドロキシプロ
パン−3−イルチオ}キノリン・3HClの両者はタキソール(商標)を用いる
前記P−グリコプロテインMDR検定法によってMDRに対する強力な効果を示
した。
*)比較実施例はアンチ−5−(1−(4−(10,11−ジフルオロシクロプ
ロピルジベンゾスベラン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−2(R)−ヒド
ロキシプロピルオキシ)キノリンである。
以下の製剤例は例示に過ぎず、いかなる意味でも本発明の範囲をこれで限定す
る意図はない。「活性成分」は式(C)で示される化合物またはその医薬的に許
容される塩または溶媒和物を意味する。製剤例1
次の成分を用いて硬ゼラチンカプセル剤を製造する。
量(mg/カプセル)
活性成分 250
乾燥澱粉 200
ステアリン酸マグネシウム 10
合計 460mg製剤例2
次の成分を用いて錠剤を製造する。
量(mg/カプセル)
活性成分 250
微結晶性セルロース 400
二酸化ケイ素 10
ステアリン酸 5
合計 665mg
各成分を混合し、打錠して各665mg重の錠剤とする。製剤例3
活性成分各60mgを含有する錠剤を次の通りに製造する。
量(mg/錠剤)
活性成分 60
澱粉 45
微結晶性セルロース 35
ポリビニルピロリドン(10%水溶液) 4
カルボキシメチル澱粉ナトリウム 4.5
ステアリン酸マグネシウム 0.5
タルク 1
合計 665mg
活性成分、澱粉、およびセルロースを米国局方45メッシュの篩を通し、よく
混合する。ポリビニルピロリドンを含有する水溶液を得られる粉末と混合し、こ
の混合物を次に米国局方14メッシュの篩を通す。こうして製造した顆粒を50
℃で乾燥し、米国局方18メッシュの篩を通す。予め米国局方60メッシュの篩
を通しておいたカルボキシメチル澱粉ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、
およびタルクを顆粒に添加し、混合後に打錠機で打錠して各150mg重の錠剤
を製造する。製剤例4
活性成分各80mgを含有するカプセル剤を次の通りに製造する。
量(mg/カプセル)
活性成分 80
澱粉 59
微結晶性セルロース 59
ステアリン酸マグネシウム 2
合計 200
活性成分、セルロース、澱粉、およびステアリン酸マグネシウムを混合し、米
国局方45メッシュの篩を通し、その200mg量を硬ゼラチンカプセルに充填
する。製剤例5
活性成分各225mgを含有する坐剤を次の通りに製造する。
量(mg/単位)
活性成分 225
飽和脂肪酸グリセリド 2000
合計 2225
活性成分を米国局方65メッシュの篩に通し、予め必要最小限の熱で溶融して
おいた飽和脂肪酸グリセリドに懸濁する。次にこの混合物を公称2g容量の坐剤
金型に注入して放冷する。製剤例6
5mL用量当り活性成分50mgを含有する懸濁剤を次の通りに製造
する。
量
活性成分 50mg
カルボキシメチルセルロースナトリウム 50mg
シロップ 1.25mL
安息香酸溶液 0.10mL
矯味剤 適量
着色剤 適量
精製水を加えて全量を 5mLとする。
活性成分を米国局方45メッシュの篩に通し、カルボキシメチルセルロースナ
トリウムおよびシロップと混合して流動性のペーストとする。安息香酸溶液、矯
味剤および着色剤を水の一部で希釈して、撹拌しながら添加する。十分な量の水
を添加して必要な容積とする。製剤例7
静脈内用製剤は次の通りにして製造してもよい。
量
活性成分 100mg
等張食塩水 1000mL
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C07D 215/14 C07D 215/14
295/06 295/06 A
(81)指定国 OA(BF,BJ,CF,CG,
CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,T
D,TG),AP(GH,KE,LS,MW,SD,SZ
,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,
MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AU,AZ,
BA,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CU,C
Z,EE,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE
,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,
LT,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N
O,NZ,PL,RO,RU,SD,SG,SI,SK
,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,
VN,YU,ZW