JP2001503616A - 新規ランチオニン抗生物質組成物および方法 - Google Patents

新規ランチオニン抗生物質組成物および方法

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Abstract

(57)【要約】 ヒトに固有の所定の細菌は、それ自体の種のメンバーを含む他の細菌を阻害する、バクテリオシンと称される抗菌物質を産生する。ミュータシンはストレプトコックスムュータンス(Streptococcusmutan )により作成される一種の抗生物質である。S.ムュータンス(mutans)からの新規のランチオニン−含有性ミュータシンペプチドの精製および生物学的特徴決定が開示される。精製されたペプチドはpH−および温度−安定性であり、そしてそのアミノ酸組成によりランチオニンおよびβ−メチルランチオニンの存在が示される。精製されたペプチドを作成および使用する方法も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 新規ランチオニン抗生物質組成物および方法 発明の背景関連出願への相互参照 本出願は、1994年4月20日に提出された米国特許第08/230,47 3号の一部継続出願である。連邦財政援助の説明 (federal Funding Legend) 合衆 国政府は、米国国立衛生研究所(the National Institut es of Health)からの助成金NIDR:DE 09082号に準じ 、本発明における権利を所有する。発明の分野 本発明はポリペプチド抗生物質、および抗生物質の発現に関連する遺伝子座の 同定に関する。本発明は特に、精製されたランチオニン−含有抗微生物剤、その 蛋白質をコードするDNA、ならびにその抗生物質を利用する治療のための方法 および組成物を記載する。関連する技術の記述 ミュータンス連鎖球菌として集合的に知られる表現型上で類似する群の細菌は 虫歯の原因となる主な病因物質と考えられ、そして心内膜炎のような他の感染性 および伝染性疾患における主な原因物質とみなされてきた。虫歯に最も一般的に 関係する種はストレプトコッカス ムュータンス(Streptococcus mutans)である。この生物体の齲食原性ポテンシャルに寄与する遺伝子 決定基および感染性疾患の 作用性物質としてのその来歴を一層良く理解するための試みは、最近になってよ うやくその一歩を踏み出したところである。例えば分子的研究法は、スクロース の細胞外ポリマーへの代謝性変換の原因となって発症性の塊(critical mass)を形成させ、かつ発酵可能な基質を提供する重要な毒性因子である 、糖代謝に関与するグルコシルトランスフェラーゼを含む多数の異なる酵素の構 造、機能、および調節を詳細に描写するのに用いられてきた(Hamadaら、 1986)。 S.ムュータンス(mutans)の病原性に関与すると考えられる他の 2つの主な因子は、その酸産生性/耐酸性特性(Caufieldら、1990 A)、およびプラーク内に見いだされる高密度に充填された競合性生物体という 環境における持続性コロニー形成に必要とされる選択力を提供することかも知れ ない、一般的にはミュータシンとして知られる特性決定があまり良くはなされて いないバクテリオシン様物質を生産するその能力(Buchmanら、1988 )である。集合的に「ミュータシン」と称され、これらの作用物質は同種もしく は密接に関連する種の他の細菌を死滅化させる。ミュータシンは名称および宿主 プロデューサーのみが類似しており、なぜならそれらの特性は広域にわたり異な っているためである。S.ムュータンス(mutans)のプラスミド−含 有株に関連するミュータシンはグループ(Group)IもしくはII(ミュー タシンIおよびII)のいずれかとして命名されている。従ってミュータシンの 産生は、特に口腔内でコロニー形成しそして維持される能力に寄与するように思 われるS.ムュータンス(mutans)の一つの特性である。これに関し てミュータシンは毒性因子と見なしうる。 ミュータンス連鎖球菌は集合的にミュータシンと称される幾つかの異なるバク テリオリシン様阻害性物質を産生する。今日まででは大半のものが部分的に特徴 決定がなされているに過ぎない(Hamadaら、1986;Loyolaら、 1992)。これらの物質の特徴決定に関してはその成功が限られたものとなっ ている理由は以下のようなものである;(1)それらが少量で作成される;(2 )特別な培養条件下においてのみ産生が生じる;(3)液体培地においては産生 されない;および(4)これらの「ミュータシン」を培地から単離することが困 難である。 バクテリオシンは通常は、同一種内もしくは密接に関連する種の細菌に対して 致死もしくは殺細菌効果を発揮することが可能な蛋白質性物質として特定される (Taggら、1976)。しかしながらグラム−陽性細菌の間ではこの定義は いくぶん正確さを欠き、なぜなら阻害性物質は一層広範囲のスペクトラムの活性 を示すためである。それに加え、バクテリオシンは必ずしも蛋白質ではなく、そ して例えばコリシンのような、一層研究が進んでいるグラム−陰性バクテリオシ ンのためにもともとは意図される通常の定義には当てはまらない。中でもナイシ ン、エピデルミン、pep5、およびズブチリミンを含む幾つかのグラム−陽性 細菌の阻害性ポリペプチドの分子上の特徴決定および配列決定を必要とする最近 の研究により、リボソームで翻訳されるが、しかし翻訳後にプロセシングを受け るペプチドで、改変されたアミノ酸およびチオエーテル結合を有するものが明ら かにされている。集合的にはこれらのポリペプチド抗生物質はランティバイオテ ィクもしくはランチオニン−含有抗生物質と称される(Allegaierら、 1986;Buchmanら、1988)。今ではミュータシンIIグループは ランチオニン−含 有ファミリーの抗生物質に属することが明らかである。 ある一定のミュータシンの幾つかの特徴が決定されている。「ミュータシン」 活性はS.ムュータンス(mutans)内の5.6kbのプラスミドの存 在に関連すると思われるが;しかしながらミュータンス連鎖球菌のプラスミド− 含有株内でのミュータシン産生はプラスミドにはコードされていない(Cauf ieldら、1990A)。5.6kbプラスミドが潜伏するS.ムュータンス (mutans)の株の中でも性質が異なるが密接に関連する少なくとも2 つのミュータシン産生性/免疫性群が存在する。その結果、努力はミュータシン 発現の原因となる染色体遺伝子座の位置決定および性質決定に焦点が当てられて きている。ミュータシン発現の原因となる遺伝子(一つもしくは複数)を同定す るための最初の試みは突然変異誘発物質としてトランスポゾンTn916を用い る転移性突然変異誘発を利用した(Caufieldら、1990B)。ミュー タシン発現に関連する5つの異なる染色体遺伝子座が同定されている。 残念なことに、例えばそれらの組成や、どのような条件下でそれらが作成され るかなどは、「ミュータシン」活性を有し、記載がなされている多くの抽出物に ついてはほとんど知られていない。調査されている組成物は少量で、そしてある 一定のほとんど規定されていない条件下でのみ作成されたため、「ミュータシン 」を部分的に単離し、そして生化学的に特徴決定する試みにより様々な結果が得 られた。主に粗精製の無細胞抽出物を用いる過去の研究により、異なる分子量、 ならびにpHおよび消化酵素に対する特異的感受性を有するミュータシンの記載 がもたらされた(Caufieldら、(1985、1990A、1990B) 、 Loyola−Rodriguezら(1992)、Delisle(1986 )、Pinto Alvesら(1992))。これらの結果の妥当性および有 用性については、その組成物の純度がよくないことにより特に混乱を引き起こす 原因となっている。 広域かつ特定されているものの、しかし範囲が限定された微生物に対して有効 な抗生物質の開発が必要であると認識されている。ミュータシン−タイプの抗生 物質に関する現状での理解により、これらの化合物は、ある種類の抗生物質とし ての可能性を有する。しかしながら、様々なミュータシンの純度が不十分であり 、かつそのような化合物を十分な量取得することが不可能であるため、特定のミ ュータシンがまだこれから明確に同定され、そして更に進んだ使用のために開発 されなければならない。 発明の要約 本発明はこれらの欠点および、従来の技術における固有の他の欠点を、ヒトを 初めとする動物での微生物感染症の治療のための精製されたミュータシン組成物 および治療方法を提供することにより克服する道を模索する。ミュータシン抗微 生物剤はストレプトコッカス ムュータンス(Streptococcus utans )から単離され、そしてグラム−陽性細菌の内の幾つかの種に対する 活性を示す。本発明は更にはミュータシン遺伝子の分子クローニングを提供する 。 本明細書で用いられる際には「ミュータシン」は、S.ムュータンス( utans )から単離することができ、かつ本明細書に記載される特性により特 徴付けられる抗微生物剤を表すために用いられる。これらの特性はHPLC−サ イズ排除クロマトグラフィーにより決定される約2,500Daの見かけの分子 量、最高100℃までの熱安定性、 約4〜10のpH範囲に対する耐性、>8.4の等電点、および例えばCHCl3 のような水不混和性の有機溶媒中での不溶性を含む。用語「〜から単離可能」 は本明細書で用いられる際には、本明細書に従ってミュータシンが取得されうる 様々な源を記載することを意図する。適切な源は実質的には全てのS.ムュータ ンス(mutans)種であると考えられ、T8およびUA96が特に好ま しく、そして更にはミュータシンを発現するように工学的に作成された組換え宿 主でもある。 先の刊行物はS.ムュータンス(mutans)および関連する種により 産生された幾つかのミュータシンを含む不純な組成物を記載していることが認識 されている。しかしながらこれらの「ミュータシン」含有性組成物は、その精製 の重要な要因に加え、物理学的および生物学的特性を初めとする幾つかの重要な 点で本明細書に記載されるミュータシンとは異なる。 最初の不一致分野は「ミュータシン」の推定分子量の特徴にある。Parro tら(1990)は、透析により測定した際には約3500Da〜<12,00 0Daの範囲のMrを有する4つの「ミュータシン抽出物」を記載している一方 で、Delisle(1986)はやはり透析により3500と6000Daと の間のMrを有する一つのミュータシンを記載し、そしてLoyola−Rodr iguez(1992)はSDS−PAGE電気泳動により6500Daの分子 量を示している。 ミュータシンの分野における有意な不一致が見られる別の分野は、検査した試 料の相対純度に関連する。粗精製の細菌抽出物もしくは上清がPinto−Al ves(1992)、Parrot(1990)、およびDelisle(19 86)により、「ミュータシン」活性を含む として記載されている。これらの粗精製調製物は特異的にグラム−陽性細菌の成 長を阻害するものの、しかしながらこの活性の原因となる厳密な構成成分(一つ もしくは複数)は未知である。Loyola−Rodriguezらは、S.ム ュータンス(mutans)から一連のクロマトグラフィー段階を通して幾 分精製され、そしてSDS−PAGEにより測定する際には6500DaのMr を有する「ミュータシン」を示している。しかしながら、この比較的精製された ミュータシンは、アクチノミセス エスピー(Actinomyces sp. )、スタフィロコッカス エスピー(Staphylococcus sp.) 、ラクトバチルス エスピー(Lactobaccilus sp.)、もしく はエシェリキア コリ(大腸菌(Escherichia coli)に対する 殺細菌活性は示さなかった。 10年以上前の「ミュータシン」の最初の記載以来、S.ムュータンス(mutans )からの精製されたミュータシンは産生、精製、および配列決定が なされないままになっている。ミュータシンの幾つかの主な特徴は報告されては いるものの、本明細書は液体培地中でのストレプトコッカス ムュータンス( treptococcus mutans)のミュータシンを産生する能力を初 めて記載する。生化学的特性の特徴決定を可能にするのに十分な量、および当然 のことながら蛋白質配列決定にとっても十分な純度でミュータシンを精製する有 利な方法も開示される。 用語「精製されたミュータシン」は本明細書で用いられる際には、例えばT8 およびUA96のようなS.ムュータンス(mutans)から単離するこ とができる蛋白質組成物を意味することが意図さ れ、この場合、ミュータシンは天然に取得することができる状態に比較すると有 意な程度、すなわちこの場合には細菌抽出物もしくは成長上清と比較すると、か なりの程度にまで精製される。従って、精製されたミュータシンは更には、天然 に存在する環境からは有意に遊離されたミュータシンポリペプチドをも意味する 。 一般的には「精製された」は、幾つかの非抗微生物性成分を除去する目的で分 別に供され、そしてその組成物が実質的には殺細菌もしくは静菌活性を保持する 組成物を意味するであろう。この意味では「精製された」は通常はミュータシン が、例えばその組成物中の蛋白質の約90%もしくはそれを上回る割合を構成す るような、その組成物の主要構成成分を形成する組成物を意味する。精製された ミュータシンは典型的には約60−もしくは84−倍、すなわち総蛋白質のミリ グラム当たり約110,000殺細菌単位(BU/mg)、もしくは好ましくは 約110,000〜150,000BU/mgの比活性を持ち、そして最も好ま しくは約150,000BU/mgの比活性を持つような程度にまで精製される であろう。一層高い純度は通常の精製段階に加え、例えばHPLCのような方法 により得ることができる。 本発明の単離された抗細菌性ミュータシンポリペプチドは一般的には相当な殺 細菌活性を有することを特徴とする。本明細書で用いられる場合には、用語「相 当な殺細菌活性」は、多種多様のアッセイの内のいずれか一つにより測定される 、ミュータシンが奏する有意な細菌死滅化を記述する。殺細菌活性は、感受性指 標としてS.ソルビヌス(sorbinus)OMZ176もしくはS.サ ングイス(sanguis)Ny101を用いるトリプティカーゼ ソイイ ースト アガー(t rypticase soy−yeast agar)(TSAY)上での遅延 型拮抗技術(deferred antagonism technique) により有利に調査および定量されうる(Parrotら、1990)。液体培養 物中に存在する殺細菌活性の単位(BU)は、くっきりした縁および10mmを 上回る直径を有する、はっきりした阻害の溶解様領域をもたらす最低力価として 記述される。Chikindasらは、殺細菌活性単位と本質的に同一である活 性の任意の単位(AU)を記載している。 ある一定の態様では精製されたミュータシンは例えばクーマシーブルー(Co omassie Blue)もしくは銀染色により検出されるSDS−PAGE ゲル上の優勢なバンドであるものとして特徴付けることができる。最も好ましく は精製されたミュータシンが、検出される量に従い、クーマシーブルーもしくは 銀染色のいずれかで染色されたSDS−PAGEゲル上で検出される唯一のバン ドとなる。 本発明のミュータシンは、サイズ−排除カラムを用いる高速液体クロマトグラ フィーにより決定される約2,500Daの見かけのMrを有する。これは、カ ラムクロマトグラフィーの日常的に用いられる技術を用いて決定されうる有用な 特定用パラメーターである。しかしながら、高度に精製されたミュータシンは用 いられる技術に依存して、微妙に異なる厳密な分子量を有することが見いだされ る可能性があり、例えばそれは、m/z値(この場合、m/z値1623、10 83、および812についてzは2、3、もしくは4にそれぞれ等しい)から決 定されたT8−由来のミュータシンについてのイオンスプレー質量分析により決 定される3,244.64±1.15Daの分子量である(図4を参照 されたい)。それに加えミュータシンは、例えばアガープラグ(agar pl ug)を100℃で40分間インキュベートし、そして殺細菌活性を定量するこ とにより測定すると熱安定性である。例えば酢酸、リン酸、もしくはグリシン緩 衝液のような適切な0.1M緩衝液中24時間、室温で、精製されたミュータシ ンをインキュベートすることにより測定を行い、そして殺細菌作用について検査 すると、4〜10のpH範囲にわたりミュータシンは安定である。ミュータシン は≧8.4の等電点を有し、そして水性緩衝液中では限られた溶解度を有するが 、しかし70%エタノール、8M尿素(例えば70%エタノールもしくは8M尿 素)、およびグアニジン−水溶液中ではよりよく溶解する。 ミュータシンは分子当たり以下のアミノ酸組成を有する:Arg2、Asn2、 Glu1、Glu2、Gly、His、Ile、Met、Pro、Trp3、Ph e、Tyr、Val3、Xaa2、Yaa、Zaa(この場合、Xaaはランチオ ニンを表し、Yaaはβ−メチルランチオニンを表し、そしてZaaはジヒドロ アミノ酸を表す)。本発明のミュータシンは一定の配列の存在によっても特徴づ けうる。例えば、N−末端配列Asn Arg Trp Trp Gln Gl y Val Val(配列番号1)を含むことによるか、もしくは内部配列Me t Asn Xaa Trp Gln His(配列番号2)を含むことによる 。 液体培養物からのミュータシンの精製を可能にする成長培地の開発が本発明の 重要な因子である。イーストエキストラクトおよびダイズトリプティカーゼを補 足してある化学的に特定された培地(van der Rijnら(1980) )はミュータシン精製に関する使用についての好ましい培地である。従って用語 「ポリペプチドを生産する細菌の培 養物を成長させる」が用いられる場合には、これは好ましくはイーストエキスト ラクトおよびダイズトリプティカーゼを補足してある化学的に特定される培地を 含む培地中でその細菌を成長もしくは培養することを意味する。 本発明のミュータシンポリペプチドは更には、限外濾過および選択的沈殿を利 用する方法により単離することができることで特徴付けうる。一層具体的には、 ミュータシンポリペプチドは以下の段階を含む過程により単離されてよく、それ らの段階は:そのポリペプチドを産生する細菌の培養物を成長させる段階;その 培養物を孔性膜フィルターを通して濾過し、そして通過物(flowthrou gh)を回収する段階;その通過物を連続して限外濾過膜に通す段階;最終限外 濾過段階の濾液を回収および保持する段階;保持された濾液を例えば、アセトン 、ベンゼン、エーテル、クロロホルム、酢酸エチル、塩化メチレン、四塩化炭素 、もしくはクロロホルムのような水−不混和性有機溶媒と混合し、そのことによ り沈殿物を生じさせる段階;そのようにして形成された沈殿物を洗浄し、そして 例えばグアニジン、グアニジウム、もしくは尿素のようなカオトロピック剤を用 いてその沈殿物を可溶化させる段階、である。 本発明の最も好ましい方法に従って精製されたミュータシンを調製するために は最初にS.ムュータンス(mutans)T8を補足成長培地内で成長さ せ、そしてその後に多孔性膜、好ましくは0.45μm直径の多孔性膜を通して 不溶性細菌破片を分離する。回収した通過物(flowthrough)を更に は例えば100−、10−、および1−kDaの分子量カットオフの膜を通す連 続限外濾過に供する。最終限外濾過の保持された濾液を回収し、そしてその最終 濾液を水不混和性 有機溶媒と混合することにより沈殿物が形成され、そして溶媒を蒸発させる。水 不混和性有機溶媒は好ましくはクロロホルである。その後にその沈殿物を、水、 もしくは例えばリン酸緩衝化食塩水などのような水性緩衝液で洗浄する。この沈 殿物を、例えばグアニジン、グアニジウム、もしくは尿素のようなカオトロピッ ク剤(8M尿素が最も好ましい)で可溶化する。溶解させたミュータシン−カオ トロピック剤混合物は最終的には20倍容量の水で沈殿させる。十分に精製され たミュータシンポリペプチドは、アクチノミセス(Actinomyces)、 バチルス(Bacillus)、クロストリディウム(Clostridium )、ミコバクテリウム(Mycobacterium)、スタフィロコッカス(Staphylococcus )、もしくはストレプトコッカス(Strept ococcus )種のメンバーに対する殺細菌活性を示すことにより例示される ようにグラム−陽性細菌に対する殺細菌活性を有する。 ポリペプチドは更には、メタノール:水(7:3)からなる溶媒で展開させる TLC−コーティングさせたシリカゲル上での溶媒に基づく薄層クロマトグラフ ィーにより精製されてもよい。ポリペプチド含有部分は、UV、および生物学的 感受性アッセイを用いて確認されるミュータシン抗菌活性の存在により検出され うる。 好ましい態様では、ミュータシンはストレプトコッカス ムュータンス(St reptococcus mutans)細菌の上清もしくは細菌抽出物から精 製される。一層好ましい態様ではストレプトコッカス ムュータンス(Stre ptococcus mutans)細菌はUA96もしくはT8株のものであ る。別の態様ではポリペプチドは、 ミュータシンをコードする例えば発現ベクターのような、DNAを取り込む組換 え宿主細胞から精製されてよい。この使用のための好ましい宿主細胞は大腸菌(coli)であり、recAである大腸菌(coli)株が一層好まし い。 ミュータシンの精製の程度を定量するための様々な方法は、本開示を照らし合 わせれば当業者には知られるようになるであろう。これらには例えば、ある活性 分画の比活性を決定すること、すなわちSDS/PAGE分析による、ある分画 内のポリペプチドの相対的純度を評定することが含まれる。ミュータシン分画の 純度を評価するための一つの好ましい方法は、その分画の比活性を計算すること 、もともとの細菌抽出物の比活性とそれとを比較すること、およびそのようにし て、本明細書では「〜倍精製数」として評価される純度の程度を算出することで ある。 量阻害活性(amount inhibitory activity)を表 すために用いられる実際の単位は当然のことながら、精製法の後に行うように選 択される特定のアッセイ技術に依存する。遅延型拮抗技術に基づくアッセイが好 ましい。本明細書に用いられるアッセイにおける活性の一単位は、明確な縁を有 し、そして直径10mmを上回る阻止の溶解−用領域をもたらす活性の最低力価 として特定される。しかしながら他のアッセイを用いると、活性の単位の定義は 当然のことながら異なるであろう。 当該技術分野では一般的に知られるように、比活性を決定するためには総蛋白 質のミリグラム当たりの活性の単位数を算出する。その精製過程では、出発物質 、すなわち細菌抽出物の比活性は天然の状態におけるミュータシンの比活性を表 す。各段階では、ミュータシンの比活性は一 般的には先の値以上に増加することが期待され、なぜならミュータシンは天然の 状態と比較すると精製されているためである。「倍精製」の使用は有利であり、 なぜなら活性もしくは比活性の実際の単位中に存在することがあってよいいずれ かの違いにもかかわらず、抗菌性分画の純度をこのようにすれば別のものと比較 することができるためである。 本発明の抗菌性ミュータシンは好ましくは約100,000もしくは110, 000BU/mgの比活性を示すであろうし、そして最高では総蛋白質の約15 0,187BU/mgのレベルにまで精製されうることが企図される。一層好ま しくはミュータシンは、出発組成物に関して約60−倍精製と約84−倍精製と の間であるものとして特徴づけられる。 ミュータシンを精製するための最も好ましい方法は濾過および有機溶媒沈殿の ものであるが、しかしながら蛋白質精製における使用に適する様々な技術が当業 者にはよく知られている。これらは、例えば硫酸アンモニウム、PEG、および 抗体等での、もしくは熱変性およびその後の遠心分離による沈殿:例えばイオン 交換、ゲル濾過、逆相、ヒドロキシアパタイト、および親和性クロマトグラフィ ーのようなクロマトグラフィー段階;等電収束法;ゲル電気泳動;ならびにその ような技術および他の技術の組み合わせ法を含む。 本明細書中これまでに開示される好ましい精製方法は幾つかの段階を含み、そ して、実質的に精製されたミュータシンを調製するための本発明者により現在知 られる最良の形態を表す。この方法は現在では好ましく、なぜならこの方法は遅 延型拮抗により評価されミュータシンの実質的精製をもたらすためであり;その 収率は更に進んだ特徴決定および使 用に十分である。ミュータシンポリペプチド精製のこの好ましい様式は、本明細 書に記載される順での所定の精製段階の実行を必要とする。しかしながら当該技 術分野では一般的に知られるように、様々な精製段階を実施する順序は変更され てよい、もしくは所定の段階は省略されてよく、そしてそれでも実質的に精製さ れた抗菌性ミュータシンポリペプチドの調製のための適切な方法がもたらされる と考えられる。 先に記載されるように、ある一定の態様における使用に好ましいものの、ミュ ータシンがその最高の精製状態で常に提供されることの一般的必要性は存在しな い。実際に、あまり十分には精製されてはいないミュータシンでありながらその 天然の状態と比較すると抗菌活性が実質には強化されているミュータシンがある 一定の態様では有用性を有するであろうことが企図されている。これらの態様は 、S.ムュータンス(mutans)亜型のための診断検査としてのミュー タシンの使用を含む。ミュータシンに対して開発された血清学的試薬も、ミュー タシンのサブタイプを迅速に同定および特定するのに用いられてもよい。このよ うな態様における使用のための部分精製されたミュータシンポリペプチド分画は 、細菌抽出物を、これまでに記載される一つの段階もしくは複数段階の組み合わ せ物に供することにより取得されてよい。 この精製手法を用いることで本発明者はS.ムュータンス(mutans )の2つの株:T8およびUA96からミュータシンを産生および精製している 。例えば分子量、熱およびpHに対する耐性、ならびに水不混和性有機溶媒中で の溶解度のようなそれらの基本的特徴は類似しているものの、ミュータシンにお ける主要ではない違いがこれら2つの密接に関連する種の間で記載されている。 例えばこれらのミュータシ ンはTLCでは異なる遊走パターンを示す。アミノ末端に相補的な縮重(deg enerate)オリゴヌクレオチドを用いることでミュータシン蛋白質多形性 がサザンハイブリダイゼーションパターンで明らかになる。これらの主要でない 違いは更には、任意のプライマー−PCRフィンガープリンティングを用いるこ とでも明らかになる。最終的にはS.ムュータンス(mutans)T8株 から取得されたミュータシンは、質量分析および蛋白質配列決定による分子量の 決定を可能にする精製法に基づいて処理されることが多かった。自然なこととし て、直前にに記載された一般的特性を有するにもかかわらずそのような変異物を 有するミュータシン自体が本発明の範囲内に含まれる。 本発明の更に別の組成物は、薬理学的に許容される担体内に分散される実質的 に精製されたミュータシンポリペプチドを含む薬剤学的組成物を含む。この混合 物は、薬理学的に許容される担体内にミュータシンポリペプチドの治療学的有効 量を本質的に含んでなる。これらの担体は賦形剤と共に組み込まれ、そして例え ば本明細書に開示される口内洗浄剤、歯磨き剤、同化性食用担体、錠剤、バッカ ル錠剤、トローチ剤、カプセル剤、エレキシル剤、ウエファー剤、懸濁剤、およ びシロップ剤などの形態で、そして当業者によく知られる手法により用いられて よい。ミュータシンはまた、静脈内、筋肉内、および皮下注射に用いられる例え ば懸濁剤のような非経口用輸送のための薬理学的に許容される担体内に組み込ま れてもよい。成句「薬理学的に許容される」は、ヒトに投与する際にはアレルギ ー反応もしくは類似の都合の悪い反応を生じない分子的存在物および組成物を意 味する。 有効成分としてミュータシンを含む水性組成物の調製は本開示を鑑み れば当業者にはよく理解されるであろう。典型的にはこのような組成物は、液性 水剤もしくは懸濁剤のいずれかである注射用剤として調製されてよく;注射前に 液体中に含ませる水剤(solution in)もしくは懸濁剤(suspe nsion in)に適する固形形態でも調製することができる。この調製物は 乳化させることもできる。 水性水剤での非経口投与のためには例えば、その水剤は必要であらば適切に緩 衝化されるべきであり、そして液体稀釈剤はまず十分な食塩水もしくはグルコー スで等張にするべきである。これらの水性水剤は特に静脈内、筋肉内、皮下、お よび腹腔内投与に適する。これに関係して、利用することができる滅菌水性培地 は本開示を鑑みれば当業者には知られるようになるであろう。例えば、一用量は 、1mLの等張NaCl溶液中に溶解され、そして1000mLの皮下注入液に 添加するか、もしくは注入がもくろまれる部位に注射されるかのいずれかとなる であろう(例えば、”Remington’s Pharmaceutical Sciences”15th Edition,pages 1035−10 38および1570−1580、を参照されたい)。用量における幾つかの改変 は、治療される被検体の症状に依存して必然的に生じるようになるであろう。投 与の責任者はいかなる事態であるにせよ、個々の被検体の適切な用量を決定する であろう。 今日の蛋白質生産の当業者によりしばしば利用される技術は、その蛋白質のい わゆる「組換え」版を取得すること、組換え細胞内でそれを発現させること、お よびそのような細胞から蛋白質を取得することである。これらの技術はDNAラ イブラリーからの、その蛋白質をコードするDNA分子の「クローニング」、す なわちDNAの別の部分とは異なる特 異的DNA分子を取得することに基づく。このことは例えば、DNA分子をクロ ーニングすること、もしくはゲノム−様DNA分子をクローニングすることによ り達成することができる。これらのもののような技術は当然のことながら本発明 に従うミュータシンポリペプチドの産生にも適する。 このようなクローニング手順の内の最初の段階は、例えば本件ではS.ムュー タンス(mutans)−由来のライブラリーのような適切なDNAライブ ラリーのスクリーニングである。スクリーニング手順は、その蛋白質に対する抗 体、もしくは活性アッセイを利用する発現スクリーニングプロトコールであって よい。別法ではスクリーニングは、オリゴヌクレオチドプローブのハイブリダイ ゼーションか、またはその蛋白質のアミノ酸配列の部分の考慮からか、もしくは 関連する蛋白質をコードする遺伝子のDNA配列から設計されるプライマーを用 いるPCR増幅に基づいてよい。特に適切な別のクローニングアプローチは、ク ローン化することが所望される構造遺伝子に遺伝子的に関連することが知られる 遺伝子、例えばその構造遺伝子と同一のオペロン内に含まれる遺伝子に対するプ ローブもしくはプライマーの使用である。例えばミュータシンの場合には、ラン チオニン抗生物質遺伝子に関連する保存ABCトランスポーター遺伝子に対する プライマーを用いることが所望されてよい。 先に記載される手法の内のいずれかもしくは一つの組み合わせ物により適切な DNA分子を同定した後には、そのDNAをその後に、当該技術分野で現在知ら れる多くのベクターの内のいずれか一つの中に挿入し、そしてその蛋白質のいわ ゆる「組換え」版の発現および産生が指令され るであろう原核生物もしくは真核生物宿主細胞に移す。組換え宿主細胞は、S. ムュータンス(mutans)、大腸菌(coli)、S.セレビサエ (cerevisae)、バチルス エスピー(Bacillus sp. )、ラクトコッキ エスピー(Lactococci sp.)、エンテロコッ キ エスピー(Enterococci sp.)、もしくはサルモネラ エス ピー(Salmonella sp.)からなる群より選択されてよい。所定の 好ましい態様では、組換え宿主細胞はRecA -表現型を有するであろう。 組換えミュータシンは所定の意味では天然に生産されるミュータシンとは異な ってよい。特に例えばグリコシル化およびリン酸化、もしくは脱水、ならびにチ オエーテル架橋の転移のような翻訳後の改変の程度は、組換えミュータシンと、 例えばS.ムュータンス(mutans)T8もしくはUA96のような天 然の源から精製されるミュータシンポリペプチドとの間では異なってよい。 更に別の態様では本開示はミュータシンポリペプチドをコードするDNAをク ローニングするための方法を提供する。当業者によく知られるクローニングのた めの方法を用いることで、本発明の精製されたS.ムュータンス(muta ns )ミュータシンをコードするDNAが単離および精製されてよい。例えば、 ペプチド配列(配列番号1および2)に相補的なヌクレオチドを含む縮重オリゴ ヌクレオチドを設計することにより、ミュータシンをコードするDNAをS.ム ュータンス(mutans)ゲノムライブラリーからクローン化することが できる。 本発明により開示されるDNA配列は、本抗生物質をコードし、mutAと称 されるS.ムュータンス(mutans)遺伝子配列に特 異的にハイブリダイズする能力を有する比較的短いDNA(もしくはRNA)配 列の調製を可能にする。用語「mutA」は本明細書で用いられる際にはミュー タシン構造遺伝子をコードする遺伝子座を記載することを意味する。これらの態 様では適切な長さの核酸プローブが調製される。このようなプローブは典型的に は、精製されたミュータシンの特定されるアミノ酸配列の考慮に基づいて調製さ れる。このような核酸プローブがS.ムュータンス(mutansmut 遺伝子配列に特異的にハイブリダイズする能力により、多種多様な態様におけ る特別な利用法がそれらのプローブに付与される。例えばこれらのプローブは、 ある試料、例えば口腔からの唾液試料中のS.ムュータンス(mutans )生物体の存在を検出するための多種多様の診断用アッセイにおいて用いられて よい。しかしながら、ミュータシンに関連する類似のポリペプチドもしくは突然 変異体ポリペプチドをコードするmutA遺伝子配列の同定および単離を初めと する他の使用も構想される。他の使用は、突然変異種プライマー、すなわち他の 遺伝子構築物を調製するためのプライマーの使用を含む。 更に別の態様では、本発明のミュータシンをコードするDNAはミュータシン ポリペプチドの大量産生および単離を考慮する。これは適切な発現ベクター内に ミュータシンポリペプチドをコードするDNAをクローニングすることによっ てミュータシンポリペプチドの発現を指令することにより達成することができる 。このような発現ベクターをその後には、ミュータシン蛋白質を産生することが できる宿主細胞内に形質転換させてよい。その後にこのミュータシン蛋白質を、 例えば本開示中に提供される手法により精製し、そして生物学的活性形態て利用 してよい。 生物学的に活性でない組換えミュータシンは、例えば抗−ミュータシン抗体を調 製するための免疫原としての利用法を有してもよい。 ミュータシンの産生の原因となる遺伝子(一つもしくは複数)を同定するに至 る別のアプローチは、ミュータシン構造遺伝子に近接することが知られる遺伝子 の位置を決定することである。配列決定がなされたランティバイオティック遺伝 子座から、幾つかのプロセシングおよび輸送酵素がランティバイオティックプロ デューサー間ではかなり保存されており、そして共通配列の領域を共有すること が明らかである。例えば、全ての既知のランティバイオティックプロデューサー は、ミュータシン輸送に関連する蛋白質を作る原因となるいわゆるABCトラン スポーター遺伝子を有する。保存された配列に相補的な一連のオリゴヌクレオチ ドプライマーをPCR反応に用いて介在配列を増幅することができ、この増幅は ABCトランスポーター遺伝子を同定するためのプローブとして用いることがで きる(PCR技術は米国特許第4,603,102号に記載される)。このAB Cトランスポーター遺伝子はこれまでに記載された全ての既知のランティバイオ ティック遺伝子座の部分であるため、ミュータシンのための構造遺伝子はその付 近に存在するはずであり、そしていわゆる「染色体ウォーキング」により容易に 同定されるはずである。 本発明の方法的態様は、グラム−陽性細菌をミュータシンポリペプチドと接触 させ、そしてそのことによりその細菌を死滅化させるための方法を含む。用語「 グラム−陽性細菌を接触させる」は本明細書で用いられる場合には実質的に殺細 菌性の構成成分を有するミュータシンの量の輸送を包含することを意味する。こ の「接触」過程は、このことにより ミュータシンポリペプチドがその標的細胞と直接並列するようになる過程である 。用語「標的細胞」は本明細書で用いられる場合には、本ミュータシンが実質的 殺細菌活性を示す細菌細胞である。 ミュータシンポリペプチドを、ミュータシン含有性組成物と共に標的細胞に接 触させるためには、単にそのポリペプチドもしくは組成物を潜在的細菌標的にイ ンビトロで添加してよい。別法ではミュータシンポリペプチドもしくは組成物の 薬理学的に許容される形態の生物学的有効量を、それが生物学的液体内の標的細 胞にインビボで接触するであろう動物に投与してよい。この文脈では「接触」は 単にその組成物を動物に投与することにより達成される。 事実上、いずれかの薬剤学的ポリペプチド製剤を用いてよく、制約されるわけ ではないがそれには、例えば静脈内、筋肉内、および皮下投与のための非経口投 与のための製剤;吸入剤、エアロゾル剤、および噴霧用製剤;例えばクリーム剤 、軟膏剤、歯磨き剤、粉末剤、およびゲル剤のような局所使用のためのペプチド の製剤;徐放出用に設計された生物適合性コーティング内に取り込まれた活性ペ プチドを含むミセルもしくはリポソーム、および薬剤放出用カプセル中に被包さ れたポリペプチド;ならびに口腔洗浄剤および他の洗浄剤を含む。 他の好ましい態様では、本開示のミュータシン蛋白質を含む薬理学的組成物は 虫歯の治療に用いられてよい。この治療は、薬理学的に許容される担体中のミュ ータシンポリペプチドの治療学的有効量を経口投与することを含む。他の態様で はこのポリペプチドは局所投与される。ミュータシンポリペプチドは、薬理学的 に許容される担体中にミュータシンポリペプチドを含む組成物の治療学的有効量 を、虫歯を有するもしくは 虫歯になりやすい個体に投与することにより虫歯の進展を予防もしくは阻害する のに用いてよい。ミュータシン産生の原因となる遺伝子を口腔内フローラの別の メンバー内に取り込ませ、そして発現させてよい。 図面の簡単な説明 以下の図面は本明細書の部分を形成し、そして本発明の所定の態様を更に詳し く記述するために含まれる。本発明は、本明細書に記載される具体的な態様の詳 細な記述と組み合わせてこれらの図面の内の一つもしくは複数を参照することに よりよりよく理解されてよい。 図1は、T8(レーン2)、UA140(レーン3)、およびUA96(レー ン4)の制限長多形である。総DNAを単離し、そしてHaeIIIで切断し、 レーン1はラムダ(lambda)/HindIIIサイズ標準である。 図2は、様々な制限エンドヌクレアーゼ(2および3 HaeIII;4およ び5 PstI;6および7 PstI/HindIII)で切断したT8(レ ーン2、4、6)およびUA96(レーン3、5、7)のサザンハイブリダイゼ ーションである。レーン1はラムダ/HindIIIサイズ標準である。5’末 端でビオチニル化したミュータシンT8のN−末端アミノ酸配列に従って設計し た縮重17量体オリゴヌクレオチドをプローブとして用い、そして増感化学ルミ ネセンスにより現像した。 図3は、ミュータシンT8(レーン1)およびミュータシンUA96(レーン 2)のTLC分析を示す。分離後にはTLCプレートに指示薬染色液を重層し、 そして14時間、嫌気性条件下でインキュベートした。「A」と記した領域はT 8中の主な活性領域であり(これは更にMSに より確認されている)、領域「B」はUA96中の活性領域である。 図4は、ミュータシンT8のイオン噴霧質量分析を示す。記録された多荷イオ ンは、3,244.64±1.15DaのMW推定値と一致する。 図5Aは、精製されたミュータシンT8を10〜20%の直線勾配トリシンゲ ル上で分離したことを示す。1〜100kDaの範囲内でのトリシンSDS−P AGE分離物およびバンドをクーマシーブルー染色により検出した。レーン1の 試料はローディング用緩衝液と共に40℃でインキュベートし、そしてレーン2 は100℃でインキュベートし、冷まし、そしてローディングした。 図5Bは、図5Aの試料をローディング緩衝液と共に40℃で30分間、およ び100℃でそれぞれインキュベートし、そして室温にまで冷ましてからゲルの 充填を行ったことを示す。生物学的活性は指示薬用染色液としてのS.サングイ ス(sanguis)Ny101での重層により検出した。 図6は、ミュータシンII mut遺伝子座を含む領域の一本鎖DNA配列お よび演鐸されるアミノ酸配列を示す。潜在的リボソーム結合部位(RBS)およ び停止コドンに下線を施してある。ヌクレオチド配列の下にある水平の断続線の 矢印は逆方向反復を示す。 図7は、ミュータシンIIに対する類似物とランティバイオティクのリーダー およびプロ−ペプチドのアラインメントを示す。保存される残基には下線を施し 、そしてプロセシング部位は矢印により示す。共通残基を下段に示す。 図8は、遅延型拮抗技術によりアッセイしたミュータシン産生におけ るmutAおよびmutMの挿入不活化の効果を示す。陽性および陰性対照を突 然変異体と共にTSBYアガー内に差し込み、そして24時間成長させた。熱不 活化の後にはそのプレートに、指標用株S.サングイス(sanguis) Ny101を含むソフトアガーを重層した。最上部−陽性対照(S.ムュータン ス(mutans)T8)、中段−mutA破壊(1−3)、第二列目− utM 破壊(4−7)、最下段−陰性対照(S.サングイス(sangui )Ny101)。 本発明の詳細な記述 ランティバイオティクおよび他のバクテリオシン−様物質に関する刊行物は2 つの主な主題を支持する。第一には、種が存在するのと同じほど多くの抗生物質 が存在するように思える。同一種内でさえあっても幾つかの異なる抗生物質を識 別することができる。これらの物質の内の多くのものが類似する特性(表現型) を呈するとしても、それらの遺伝子構成成分(遺伝子型)は異なってよい。第二 に、そのようなところまで遺伝子的に特徴決定がなされた全てのランティバイオ ティック系内においては例外なく、各遺伝子座は連続するコーディング配列とし て配置される複数の遺伝子からできており、そして多くの場合、総合的調節を受 けている。ミュータシン発現に関与する遺伝子およびそれらの産物は、一つのク ラスター内に存在するようであり、そして同定および非プロデューサー株へのそ の系全体の移行を可能にしている。 本出願は、S.ムュータンス(mutans)のヒト由来株からのランチ オニン−含有性抗生物質(ランティバイオティク)の単離および特徴決定を記載 する。ランティバイオティクは、他のミュータシン−様抗生物質は様々なストレ プトコッカス(Streptcoccus) 株に関連するという理解を踏まえ、本明細書では「ミュータシン」として引用さ れる。ランティバイオティクは幾つかの鎖内スルフィド架橋を有し、チオエーテ ルアミノ酸ランチオニンおよびβ−メチルランチオニンでできている多環式ペプ チドである(Jung,1991)。それに加え、ランティバイオティックは、 セリンおよびスレオニン残基の脱水を介して翻訳後に改変を受ける、例えばジデ ヒドロアラニンおよびジデヒドロアミノブチル酸のようなβ−不飽和アミノ酸を 含む(Doddら、1990)。脱水を受けた不飽和セリンもしくはスレオニン 残基はそのままの状態で居続けることができるか、もしくは近接するシステイン とチオエーテル架橋を形成することができる。 恐らく最もよく研究され、そして明らかに最古のものである既知のポリペプチ ド抗生物質はナイシンであろう(Hurst,1981)。ラクトコッカス ラ クティス(Lactococcus lactis)により産生され、ナイシン は食品保存料として欧州諸国では広く用いられている。より最近のことではナイ シンはビーグル犬における抗−プラーク剤(anti−plaque agen t)として検査されている(Howellら、1993)。ナイシンは、中でも 大半の連鎖球菌、ブドウ球菌、C.ボツリヌム(botulinum)を含 むクロストリディウム属、およびミコバクテリウム ツベルクロシス(Myco bacterium tuberculosis)を含む主にグラム−陽性細菌 に対するかなり狭いスペクトラムの活性を示す。ナイシンは大半のグラム−陰性 細菌(ナイセリアは例外である)、真菌類、もしくはイーストに対しては効力を 示さない(Hurst,1981)。独特な環式チオエーテル環構造および小さ なサイズのためナイシン分子は極度 に熱に安定であり、この特性によりナイシンの食品産業に対する適性が高いもの となっている。例えばトリプシンおよびキモトリプシンのような膵臓酵素に対し て感受性を示すものの、しかしながらナイシンは摂取される際には容易に不活化 される。 ナイシンおよび他のランティバイオティクのタイプAは細胞膜と相互作用する ことによりその殺細菌活性を示し、膜のポテンシャル勾配を減少させ、その結果 、膜の脱分極、破壊、および破裂をもたらし、そして不可逆的細胞溶解をもたら す(Sahl,1991)。この理由のため、ランティバイオティックは殺細菌 性となる。高度に荷電するカチオン性ペプチドとしてランティバイオティックの 膜活性構成成分は両親媒性アミノ酸組成物に属し、疎水性ドメインと親水性ドメ インの両方の中に配置される。タイプBランティオバイオティクは酵素阻害剤で ある。それに加え、ランティバイオティクの前にはα−ヘリックス構造として配 置され、その両親媒性特性およびエスコート/プロセシング「ハンドル」として の仮想的機能に寄与するリーダー配列が存在する。 ナイシンの翻訳後改変、開裂、および輸送に必要な他の遺伝子産物が知られて おり;それらの位置、遺伝子的決定基、およびそれらの調節の幾つかの側面が最 近報告されている(Kaletta and Entian,1989;van der Meerら、1993)。ナイシン構造遺伝子のコーディング配列は 2および5kbの間程度の一層大きな転写物の部分であり、このことによりナイ シン遺伝子はポリシストロン性クラスターの部分であることが示される(Ste en,1991)。その2〜5kbの転写物の範囲内のいずれかにおける例えば Tn916のようなトランスポゾンの挿入によりナイシン遺伝子の不活化がもた ら されるように思われ、そしてナイシン陰性表現型がもたらされる。 その遺伝子の特徴決定以前にはナイシンは非リボソーマル的に合成されると考 えられており、なぜなら中でもランチオニンおよびβ−メチルランチオニンを含 む非蛋白質アミノ酸を含むためである。そのDNA配列から得られたアミノ酸配 列を実際のアミノ酸配列と比較した後に完全な理解が引き出された。予想された セリンとスレオニンの位置はランチオニンおよびβ−メチルランチオニンであり ;他の残基は明らかに脱水されており、そのため成熟したナイシン分子は翻訳後 改変の結果であることが明らかになり、このことにより他の点では未知であるこ れらのプロセシング酵素についての研究の開始が促された。 ナイシンクラスターからの遺伝子産物に帰する機能は:nisA、ナイシンの 前駆体をコードする構造遺伝子;nisB、プロセシングにかかわり、膜に位置 する酵素;nisT、その機能がペプチドの輸送を含むABC−トランスロケー ター;nisC、そのポリペプチドの翻訳後改変;nisI、免疫性に関わるリ ポ蛋白質;nisP、膜に位置するセリンプロテアーゼ;およびnisR、ナイ シン発現の調節に関わるDNA結合性蛋白質、を含む(van der Mee rら、1993)。ナイシン遺伝子の大半のものに対するアナログはズブチリミ ン遺伝子座(Schnellら、1992)、およびエピデルミン遺伝子座(S chnellら、1992)の範囲内に存在する。E.ファエカリス(fa ecalis )からのBac/Hlyもランティバイオティクファミリーのメン バーであってよく、なぜならそのA因子はその輸送直前にBac分子を活性化す るのみならず、他のBac−産生細胞からの移入Bacの蛋白質開裂により「免 疫性」因子としても作用することができ るプロテアーゼであるためである。A構成成分についてのこの二重の役割は現在 では独特なものであるように思われるが、しかし他のランティバイオティクプロ デューサーでは共通の主題であることが判明するようになってよい。Hly遺伝 子座のポリシストロン性特性は、最近BoothとGilmore(1993) により示されるようにナイシンクラスターを思い起こさせるものである(199 3)。 ランチオニン抗生物質の内の少なくとも幾つかのものの全遺伝子座をひとまと めにして非プロデューサー株に移行することができる。これはナイシン(Hor nら、1991)、ズブチリミン(subtilin)(Liu and Ha nsen、1991)、およびエピデルミン(Schnellら、1992)に ついても言えることである。事実、プラスミド由来のエピデルミン遺伝子座(1 4kb)が最近、種を越えて発現された(Augustinら、1992)。ナ イシンの場合には、移行は自然に生じることは疑いもなく、なぜならコーディン グイ配列が大きなプラスミドと染色体部位の両方においてみいだされたためであ る。ナイシン遺伝子座はスクロース代謝遺伝子座sacに沿うトランスポゾンT n5301(Hornら、1991)の部分であった(Tn5276)。ナイシ ンとスクロース異化のための遺伝子座との間の関係は興味深い。S.ムュータン ス(mutans)とミュータシンには平行関係が存在するか否かは、特に スクロースの代謝がミュータンス連鎖球菌における主要毒性因子であることを考 慮すると、分からないままである。 液体培養物からのミュータシンの精製を可能にする成長培地の開発はこの蛋白 質の精製における重要な因子であった。限外濾過および選択的 沈殿を利用する追加段階はこの精製過程にとって欠くことができなかった。2, 500のMrを有する単一で生物学的に活性な蛋白質は、サイズ排除高速液体ク ロマトグラフィーにより測定すると最終産物であった。本精製ミュータシンの他 の際立った特徴は、サイズ排除HPLCおよびイオン噴霧質量分析により決定さ れる分子量、トリプシン、pH、および温度に対する感受性、水溶性溶媒中への 可溶性、ならびにTLCにおける遊走パターンである。精製されたミュータシン について見いだされた温度耐性、サイズ、および生物学的活性は、アガープレー トにおいてインサイチューで、そして薄層クロマトグラフィーにより測定された 他のミュータシンについての以前に報告された特性とは異なっている(Parr otら、1990、および表1にまとめてあるとおり)。 そのアミノ酸組成および等電点に基づくと、ミュータシンは塩基性蛋白質の特 徴を呈する。このことは感受性の高い指示薬染色をゲルに重層することにより検 出されるアガーゲル内でのその移動度と一致する。 本ポリペプチドはランチオニンを含み、そして関連するアミノ酸β−メチルラ ンチオニンを含んでいそうである確立がかなり高い。この新規のグループIIミ ュータシンはランチオニン−含有性ポリペプチドファミリーの内の一つのメンバ ーである。グラム−陽性種により産生される他のランチオニン−含有性ペプチド は、ラクトコッカス ラクティス(Lactococcus lactis)か らのナイシン、スタフィロコッカス エピデルミディス(Staphyloco ccus epidermidis)からのエピデルミン、およびバチルス ス ブチリス(Bacillus subtilis)からのズブチリミンを含む( Allgaierら、1985;Gross and Kiltz、1973; Gross and Morell、1971)。 エドマン(Edoman)分解により決定されるミュータシンのN−末端アミ ノ酸配列(Asn Arg Trp Trp Gln Gly Val Val )(配列番号1)を蛋白質データベース内の既知の配列と比較し、そして独特で あることが見いだされた。追加サイクルによってはいずれかのPTH−アミノ酸 誘導体は見いだされなかった。ランチオニンとメチルランチオニンの両方がエド マン(Edoman)過程での蛋白質からの開裂に適すると予想される。しかし ながらそれらはビス−PTH誘導体としては検出されず、それは明らかにモノア ミノ酸誘導体と比較するとそれらの溶解度が低いためである。ランチオニンもし くはメチルランチオニンに寄与する一つの残基のエドマン(Edoman) 開裂はブランクサイクルをもたらすことが予期されるが、しかし配列決定は連続 して継続させるべきである。ミュータシンの追加的改変は更に進んでアミノ酸を 除去することができないことを説明してよい。N−末端のメチオニンが非存在で あることにより、ミュータシンが前駆体形態からプロセシングされてくることが 示唆され、これは他のランティバイオティクについても報告されている(Buc hmanら、1988;Kalettaら、1989;van der Mee rら、1993)。生物学的機能の等価性 改変および変更が本発明のミュータシン組成物の構造において作成されてよく 、そしてそれでも似たようなもしくはそうでなければ所望される特徴を有する分 子が取得される。例えば、所定のアミノ酸を、例えば、細菌、および免疫系の構 成成分などのような構造との相互結合能をはっきりと分かる程度に喪失するさせ ることなく蛋白質構造内の他のアミノ酸に置換してよい。ある蛋白質の生物学的 機能性活性を特定するのはその蛋白質の相互作用能および特性であるため、所定 のアミノ酸配列置換を、ある蛋白質配列(もしくは当然のことながら、その根本 となるDNAコーディング配列)内で作成することができ、そしてそれにもかか わらず類似もしくは対抗さえする特性(例えば、拮抗的対作動的)を有する蛋白 質を作ることができる。様々な変更をミュータシン蛋白質もしくはペプチド(も しくはその根本となるDNA)が、それらの生物学的有用性もしくは活性を、は っきりと分かる程度に損なうことなく作成されてよい。 生物学的機能が等価な蛋白質もしくはペプチドの定義においては固有のことで あるが、分子の特定された部分内に作成されてよく、そしてそ れでも等価な生物学的活性の許容されるレベルを有する分子をもたらす変更の数 には限度が存在するという概念は当業者にはよく知られてもいる。従って生物学 的機能が等価なペプチドは本明細書では、所定の、大半ではあるが全てではない アミノ酸が置換されてよいペプチドとして特定される。特に、ミュータシンポリ ペプチドが問題となる場合には、約1〜3のみ、もしくは一層好ましくは1もし くは2のアミノ酸が所定のペプチド内で変更されてよいことが企図される。当然 のことながら異なる置換基を有する複数の別の蛋白質/ペプチドが本発明に従っ て簡単に作られそして用いられてよい。 所定の残基が、ある蛋白質もしくはペプチドの生物学的もしくは構造的特性に とって特に重要であることが示される場合、例えば活性部位内の残基である場合 には、そのような残基は一般的には交換されなくてよい。本発明では例えば、こ の種類の抗生物質に特に特徴的であるランチオニンもしくはβ−メチルランチオ ニン残基を変更するようには恐らく選択されないであろう。 そのような変更を作成する際には、アミノ酸のヒドロパシー指数が考慮されて よい。ある蛋白質に相互作用性生物学的機能を付与する際のアミノ酸ヒドロパシ ー指数の重要性が一般的に当該技術分野において理解されている(Kyte & Doolittle,1982)。一定のアミノ酸を、一層小さめのヒドロパ シー指数もしくはスコアを有する別のアミノ酸に置換してよく、そしてそれでも 類似の生物学的活性を有する蛋白質がもたらされる。各アミノ酸にはそれぞれの 疎水性および荷電特性に基づいて一つのヒドロパシー指数が割り当てられており 、それらは;イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2):ロイシン(+3 . 8);フェニルアラニン(+2.8);システイン/シスチン(+2.5);メ チオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(−0.4);スレオ ニン(−0.7);セリン(−0.8);トリプトファン(−0.9);チロシ ン(−1.3);プロリン(−1.6);ヒスチジン(−3.2);グルタミン 酸(−3.5);グルタミン(−3.5);アスパラギン酸(−3.5);アス パラギン(−3.5);リシン(−3.9):およびアルギニン(−4.5)、 である。 アミノ酸の相対的ヒドロパシー的特性が、得られる蛋白質の二次構造を決定し 、そしてそれが次には、基質、レセプター、および例えば細菌のような細胞性実 在物を初めとする他の分子とのその蛋白質の相互作用を特定するものと考えられ ている。アミノ酸は類似のヒドロパシー指数を有する別のアミノ酸により置換さ れてよく、そしてそれでも生物学的機能の点では等価な蛋白質が取得されること は当該技術分野では知られている。このような変更の場合には、ヒドロパシー指 数が−2以内のアミノ酸の置換が好ましく、それが−1以内のものが特に好まし く、そしてそれが−0.5以内のものが更に一層特別に好ましい。 類似のアミノ酸の置換も親水性にも基づいて作成され、特にこれは、免疫学的 態様における使用のために生物学的機能が等価な蛋白質もしくはペプチドがその ような置換により作成されることが意図される場合である。米国特許第4,55 4,101号は、ある蛋白質の最大局所平均親水性はその近接するアミノ酸の親 水性により左右され、そしてその免疫原性および抗原性、すなわちその蛋白質の 生物学的特性に相関すると記載している。 米国特許第4,554,101号に詳細が記載されているように、以 下の親水性値がアミノ酸残基に割り振られている;アルギニン(+0.3);リ シン(+3.0);アスパラギン酸(+3.0 _ 1);グルタミン酸(+3 .0 _ 1);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2);グルタミン (+0.2);グリシン(0);スレオニン(−0.4);プロリン(−0.5 _ 1);アラニン(−0.5);ヒスチジン(−0.5);システイン(− 1.0);メチオニン(−1.3);バリン(−1.5);ロイシン(−1.8 );イソロイシン(−1.8);チロシン(−2.3);フェニルアラニン(− 2.5);トリプトファン(−3.4)。アミノ酸は、類似の親水性値を有する 別のものと置換することができ、そしてそれでも生物学的に等価でそして特に免 疫学的に等価な蛋白質が取得される。このような変更の場合には、親水性値が〜 2以内のアミノ酸の置換が好ましく、それが〜1以内のものが特に好ましく、そ してそれが〜0.5以内のものが更に一層特別に好ましい。 先に概略が記載されるように、従って、アミノ酸置換は一般的にはアミノ酸側 鎖置換基の相対的類似性に基づき、それは例えばそれら置換基の疎水性、親水性 、荷電、およびサイズなどである。既述の特徴の内の様々なものを考慮に入れる 例示的置換は当業者にはよく知られており、そしてそれらは;アルギニンとリシ ン;グルタミン酸とアスパラギン酸;セリンとスレオニン;グルタミンとアスパ ラギン;そしてバリン、ロイシン、とイソロイシン、を含む。 論議の焦点はアミノ酸変更から生じる機能的に等価なポリペプチドに絞られて いるものの、これらの変更は、更には遺伝子コードが縮重し、そして2つもしく はそれを上回る数のコドンが同一のアミノ酸をコード してよいことを考慮した上で、コーディングDNAの変更によりもたらされてよ いことが理解されるであろう。エピトープコア領域 米国特許第4,554,101号(Hopp)は更に、親水性を基にする一次 アミノ酸配列からのエピトープの同定および調製を教示する。Hoppに開示さ れる方法を通し、当業者は、本明細書に開示されるミュータシン配列、および本 明細書の方法に従うクローニングにより取得される配列のようなアミノ酸配列の 範囲内からエピトープを同定することができるであろう。そのようにして同定さ れた配列の領域は「エピトープコア領域」としても引用される。 多くの科学的刊行物が、アミノ酸配列の分析からのエピトープの二次構造の予 測およびその同定に費やされている(Chou & Fasman,1974a ,b;1978a,b,1979)。米国特許第4,554,101号における Hoppの教示を補足するためには、所望される場合にはこれらの内のいずれか が用いられてよい。それに加え、蛋白質の抗原性部分およびエピトープコア領域 を予想する手助けのためには、コンピュータープログラムを現在では利用するこ とができる。その例は、Jameson−Wolf分析に基づくプログラム(J ameson & Wolf 1988;Wolfら、1988)、および更に は蛋白質の三次構造予測のための新規のプログラム(Fetrow & Bry ant,1993)を含む。核酸ハイブリダイゼーション 本明細書に開示されるN−末端アミノ酸配列(配列番号1)に由来するDNA 配列およびその機能的等価物は、核酸ハイブリダイゼーション 態様におけるプローブおよびプライマーとしての特別の利用性を有する。約10 ヌクレオチドと約20ヌクレオチドとの間のストレッチ(stretch)のた めのそのような配列に対応するオリゴヌクレオチド断片についてはそれ自体特別 な利用性が見いだされるであろう。別の10もしくは20程度のヌクレオチド長 の配列を有するオリゴヌクレオチドで、配列番号1および配列番号2におけるア ミノ酸配列に対応するものは従って特別な利用性を有する。 ミュータシンをコードする配列に特異的にハイブリダイズするそのような核酸 プローブの能力により、例えば所定の試料における相補的配列の存在を検出する 際などにはそれらは大変有用なものとなるであろう。例えば、ミュータシンをコ ードする遺伝子を本明細書に開示される相補的ヌクレオチドプローブを用いてク ローン化および配列決定してよい。更にはミュータシンのための構造遺伝子を直 に取り巻く領域の特徴決定を行って、調節領域、ならびにミュータシンポリペプ チドの調節、産生、及びプロセシングに関連する他の遺伝子が同定されてよい。 しかしながら、突然変異体種プライマーもしくは他の遺伝子構築物を調製する際 の使用のためのプライマーの調製のための配列情報の使用を含む他の使用が構想 される。これは、本明細書に記載されるとうり、第二世代のミュータシン産物の 調製の際には特に重要となる。 本明細書に開示されるアミノ酸配列の考慮から設計される10、15、もしく は20程度のヌクレオチドからなるストレッチ(stretch)を有する核酸 分子は、他の生物体および様々な細菌株におけるミュータシン−様構造遺伝子も しくは調節遺伝子の分析と関連するサザンおよびノザンブロッティングにおける 使用のためのハイブリダイゼーションプ ローブとしての利用性を有する。断片の合計サイズ、ならびに相補性ストレッチ (一つもしくは複数)のサイズは結局のところ特別な核酸セグメントの意図され る使用もしくは適用法に依存するであろう。一般的には一層小さめの断片がその ようなハイブリダイゼーション態様において使用されるようになるであろう。 長さが約10ヌクレオチドのハイブリダイゼーションプローブの使用により、 安定かつ選択的の両方である二本鎖分子(duplex molecule)の 形成が可能になる。それでも、ハイブリッドの安定性および選択性を増大させ、 そしてそのことにより、得られる特異的ハイブリッド分子の質および度合いを改 善する目的ではストレッチと比較して10塩基を上回る塩基数の長さ分大きい相 補配列を有する分子が一般的には好ましい。一般的には、15〜20ヌクレオチ ドもしくは所望される場合にはもっと長めの遺伝子−相補的ストレッチを有する 核酸分子を設計することが好ましいであろう。このような断片は、例えば化学的 手法によるその断片の直接合成によるか、一例では米国特許第4,603,10 2号のPCR技術のような核酸再生技術の適用によるか、もしくは組換え産生の ための組換えベクター内に選択的配列を組み込ませることにより容易に調製され る。 従って、本発明のヌクレオチド配列はミュータシン遺伝子もしくはcDNAの 相補的ストレッチと共に二本鎖分子を選択的に形成するそれらの能力について用 いられてよい。構想される適用法に依存して、標的配列へのプローブの選択性の 度合いを変化させることを達成するために様々な条件のハイブリダイゼーション を利用することが所望されるであろう。高い選択性を必要とする適用法のために は、例えば一例では0.0 2M−0.15M NaClで50℃〜70℃の温度により提供されるもののよ うな比較的低い塩および/または高温条件が選択されるであろうように、ハイブ リッドを形成するためには比較的緊縮性の高い条件を利用することが典型的には 所望されであろう。このような選択的条件は、プローブと鋳型もしくは標的鎖と の間のミスマッチがたとえあるにせよそれをほとんど許容せず、そしてミュータ シン遺伝子を単離するのに特に適するであろう。単一特異的プライマーPCRは 一つの可能な方法であり;逆PCRは、あるアミノ酸配列が既知の場合には別の 可能な方法となる。 当然のことながら、例えば工学的に作成された、すなわち知能的に設計された 第二世代のミュータシン産物を例えば部位特異的突然変異誘発により調製するこ とが所望される場合や、または関連する種、もしくは機能的等価物などからミュ ータシンをコードする配列を同定する方法を模索する場合のような幾つかの適用 法のためには、ヘテロ二本鎖の形成を可能にする目的ではあまり緊縮的でないハ イブリダイゼーション条件が典型的に必要とされるであろう。これらの条件下で は、例えば0.15M〜0.9Mの塩で20℃〜55℃の範囲の温度での条件を 利用することが所望されてよい。これにより、ハイブリダイゼーションを制御す ることに関してはクロス−ハイブリダイゼーション種がハイブリダイゼーション 陽性シグナルとして容易に同定され得る。いずれの場合でも、増加量のホルムア ミド(これは増加温度と同じ様式でハイブリッド二本鎖を不安定化させるように 作用する)の添加により条件を一層緊縮状態にすることができることは一般的に 理解されている。従って、ミュータシン−ハイブリダイゼーション条件は、所望 される結果に従って容易に 操作することができる。 所定の態様では、ハイブリダイゼーションを決定するためには例えばラベルの ような適切な手法と組み合わせて本発明の核酸配列を利用することが有利であろ う。多種多様の適切な指示薬の手法が当該技術分野では知られており、これには 検出可能なシグナルを与えることが可能な蛍光、放射活性、酵素、もしくは例え ばアビジン/ビオチンのような他のリガンドが含まれる。好ましい態様では、放 射活性試薬もしくは他の環境的に好ましくない試薬の代わりに、蛍光ラベル、ま たは例えばウレアーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、もしくはパーオキシダーゼ のような酵素タグを利用することが所望される可能性があるであろう。酵素タグ の場合には、相補的核酸含有性試料との特異的ハイブリダイゼーションを同定す るためにはヒトの目もしくは分光測光法で可視化できる手段を提供するために利 用することができる比色指示薬−基質が知られている。 一般的には、本明細書に記載されるハイブリダイゼーションプローブは、溶液 ハイブリダイゼーションにおける試薬として、そして固相を利用する態様での試 薬としての両方に有用となろうことが構想される。固相を利用する態様では、検 査用DNA(もしくはRNA)は選択されたマトリックスもしくは表面に吸着、 もしくはそうでない場合には付着する。この固定された一本鎖核酸はその後には 、所望される条件下での選択されたプローブとの特異的ハイブリダイゼーション に供される。選択された条件は、必要とされる特別な基準(例えば、G+C含有 量、標的核酸の種類、核酸の源、ハイブリダイゼーションプローブのサイズなど に依存する)に基づく特別な条件に依存するであろう。非特異的に結合したプロ ーブ分子を除去するためのハイブリダイズさせた表面の洗浄の 後には、特異的ハイブリダイゼーションをラベルの手法により検出もしくは定量 さえする。 長めのDNAはミュータシンおよびミュータシンペプチドの組換え産生におけ る特別な利用法があることが見いだされることがしばしばであろう。本発明の核 酸セグメントはコーディング配列自体の長さには関係なく、例えばプロモーター 、ポリアデニル化シグナル、追加的制限酵素部位、多重クローニング部位、およ び他のコーディングセグメントなどのような他のDNA配列と組み合わせ、その 結果それぞれの全長はかなり異なってよい。ほぼ全ての長さのミュータシンをコ ードする核酸断片もしくはミュータシンペプチドをコードする核酸断片が利用さ れてよく、全長は意図される組換えDNAプロトコールにおける調製および使用 の容易さにより制限されることが好ましい。例えば、長さが最高10,000塩 基対である核酸断片が本発明に従って調製されてよく、5,000もしくは3, 000のセグメントが好ましく、そして約1,000塩基対の長さのセグメント が特に好ましい。 先に論議されるように、本発明は配列番号1〜2の特別な核酸およびアミノ酸 配列には限定されないことが理解されるであろう。従って、本発明に従って調製 されるDNAセグメントは変異アミノ酸配列を有する生物学的機能の上で等価な 蛋白質もしくはペプチドをもコードしてよい。このような配列は、核酸配列およ び従ってコードされる蛋白質内で天然に生じることが知られているコドン重複お よび機能の等価性の結果として生じてよい。別法では、第二世代のミュータシン 変異物を含むミュータシン蛋白質もしくはペプチドは組換えDNA技術の適用を 通して作成されてよく、その組換えDNA技術では蛋白質構造における変化は、 交 換されるアミノ酸の特性の考慮に基づいて工学的に作成される。 ミュータシン遺伝子をコードするDNAセグメントは組換え宿主細胞内に導入 され、そしてミュータシン蛋白質もしくはペプチドを発現させるために利用され てよい。別法では、遺伝子工学技術の適用を通して、選択されたミュータシン遺 伝子の小部分(subportion)もしくは誘導体が利用されてよい。同様 に、例えば、得られる蛋白質の抗生物質作用に改善を導入するため、もしくは分 子レベルでの構造−機能関係を調査する目的でそのような突然変異体を検査する ためには、コーディング配列を変化させるために部位特異的突然変異誘発の適用 を通して、本発明のDNAセグメントを工学的に作成し直してよい。所望される 場合には、例えばミュータシンコーディング領域が、例えば免疫検出目的のため の所望される機能を有する他の蛋白質もしくはペプチドと同一の発現ユニット内 で整列される融合ペプチドが調製されてよい(例えば、酵素ラベルコーディング 領域)。薬剤学的組成物および製剤 開示されるミュータシンを含む薬剤学的組成物は、例えば、不活性稀釈剤と共 に、もしくは同化性食用担体と共に経口的に投与されてよいか、あるいはそれら は硬ゼラチンカプセルもしくは軟ゼラチンカプセル内に被包されてよいか、ある いはそれらは錠剤に圧縮されてよいか、または治療食の食品と共に直接取り込ま れてよい。 本明細書に用いられる場合には「薬剤学的に許容される担体」は、いずれかお よび全ての溶剤、分散用媒質、コーティング剤、抗生物質および抗真菌剤、等張 剤、および吸収遅延剤などを含む。薬剤学的活性物質のためのこのような媒質お よび作用試薬の使用は当該技術分野でよく知 られている。いずれかの通常の媒質もしくは作用試薬が有効成分と不適合である 限りを除外して、治療学的組成物におけるその使用が企図される。補足的有効成 分もその組成物内に取り込まれ得る。 経口予防薬のためには、そのペプチドは賦形剤と共に取り込まれ、そして摂取 不可能な口腔洗浄剤および歯磨き剤の形態で用いられてよい。口腔洗浄剤は、例 えば硼酸ナトリウム溶液(ドーベル溶液(Dobell’ Solution) )のような適切な溶剤内に、必要とされる量の有効成分を取り込ませて調製され てよい。別法では有効成分は、硼酸ナトリウム、グリセリン、および重炭酸カリ ウムを含む消毒洗浄液内に取り込ませてよい。更には有効成分を:ゲル、ペース ト、粉末、およびスラリーを初めとする歯磨き剤内に分散させてよい。有効成分 は治療学的有効量で、水、結合剤、研磨剤、矯味・矯臭剤、発泡剤、および保水 剤を含んでよいペースト錠歯磨き剤に添加されてよい。 活性化合物は、例えば不活性稀釈剤と共に、もしくは同化性食用担体と共に経 口投与されてよく、あるいはそれらは硬ゼラチンカプセルもしくは軟ゼラチンカ プセル内に被包されてよいか、あるいはそれらは錠剤に圧縮されてよいか、また は治療食の食品と共に直接取り込まれてよい。経口治療投与のためには、活性化 合物は賦形剤と共に取り込まれ、そして摂取可能な錠剤、バッカル剤、トローチ 剤、カプセル剤、エレキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、およびウエファー剤など の形態で用いられてよい。このような組成物および調製物は少なくとも0.1% の活性化合物を含むべきである。組成物および調製物のパーセンテージは当然の ことながら変化してよく、そして都合よくは約2〜約60%の単位の重量の間で あってよい。そのような治療学的に有用な組成物内の活性化合物 の量は適切な用量をもたらす。 錠剤、トローチ剤、ピル剤、およびカプセル剤なども以下のものを含んでよく :トラガカントゴム、アカシア、コーンスターチ、もしくはゼラチンのような結 合剤;リン酸二カルシウムのような賦形剤;コーンスターチ、ジャガイモのスタ ーチ、およびアルギン酸などのような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムのよう な潤滑剤;ならびに例えばスクロース、ラクトース、もしくはサッカリンのよう な甘味料が添加されてよく、あるいは例えばペパーミンント、冬緑油、もしくは チェリーフレーバーのような矯味・矯臭剤が添加されてよい。単位用量形態がカ プセル剤である場合には、それは先の種類の物質に加え、液体担体を含んでよい 。他の様々な物質がコーティング剤として存在してよく、あるいは別の方法でそ の用量単位の物理的形態を改変するための他の様々な物質が存在してよい。例え ば、錠剤、ピル剤、もしくはカプセル剤はシェラック、糖、もしくはその両方で コーティングされてよい。エレキシル剤のシロップは、活性化合物、甘味料とし てのスクロース、および保存料としてのメチルパラベンおよびプロピルパラベン 、例えばチェリーもしくはオレンジフレーバーのような染料および矯味・矯臭剤 を含んでよい。当然のことながら、いずれかの用量単位形態を調製する際に用い られるいずれかの物質は薬剤学的に純粋であり、かつ利用される量では実質的に 無毒性であるべきである。それに加え、活性化合物は徐放性調製物および製剤内 へと取り込まれてよい。 活性化合物は更には、例えば静脈内、筋肉内、もしくは皮下注射用に調剤され るように、非経口投与されてよい。遊離塩基もしくは薬理学的に許容される塩と しての活性化合物の溶液を、例えばヒドロキシプロピ ルセルロースのような界面活性剤と適切に混合された水中で調製することができ る。分散剤も、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびそれらの混 合物中、ならびに油状物中で調製することができる。通常の保存および使用条件 下ではこれらの調製物は、微生物の成長を妨げるために保存料を含む。 注射用使用に適する薬剤学的形態は、滅菌水剤もしくは分散剤、および滅菌注 射用水剤もしくは分散剤の即時調製のための滅菌粉末剤を含む。全ての場合にお いてその形態は滅菌されなければならず、そして容易な注射針通過性が存在する 程度にまで流動的である必要がある。その形態は製造および保存の条件下で安定 でなければならず、そして例えば細菌および真菌類のような微生物の汚染作用に 対して保護されなければならない。担体は、例えば水、エタノール、ポリオール (一例ではグリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリ コールなど)、それらの適切な混合物、ならびに植物油を含む溶剤もしくは分散 用媒質であり得る。適切な流動性は、例えば一例ではレシチンのようなコーティ ングの使用により、分散剤の場合には必要とされる粒子サイズの保持により、そ して界面活性剤の使用により維持することができる。微生物の作用の予防は、例 えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、およびチメロサー ルなどの様々な抗菌剤および抗真菌剤により成し遂げることができる。多くの場 合において、例えば、糖もしくは塩化ナトリウムのような等張剤を含むことが好 ましいであろう。注射用組成物の長期吸収は、例えばモノステアリン酸アルミニ ウムおよびゼラチンのような吸収を遅延させる作用試薬の、その組成物中での使 用により成し遂げることができる。 滅菌注射用水剤は、必要である場合には先に列挙された様々な他の成分と共に 適切な溶剤中に、必要とされる量の活性化合物を取り込ませ、その後に滅菌濾過 することにより調製される。一般的には分散剤は、様々な滅菌有効成分を、基本 的な分散用媒質および先に列挙されるものの内の必要とされる他の成分を含む滅 菌賦形剤内に取り込ませることにより調製される。滅菌注射用水剤の調製のため の滅菌粉末剤の場合には、調製の好ましい方法は真空乾燥および凍結乾燥技術で あり、これらの技術により有効成分に、追加的な所望される成分を予め滅菌濾過 した溶液として添加してある粉末剤がもたらされる。 以下の実施例は本発明の好ましい態様を実証するために含まれる。以下に続く 実施例中に開示される技術は本発明の実施の際によく機能させるための本発明者 により発見された技術であり、そしてそのためその実施のための好ましい形態を 構成することが当業者により理解されるべきである。しかしながら本開示を鑑み れば、開示される特別な態様においては多くの変更物を作成することができ、そ してそれでも本発明の精神および範囲を逸脱することなく同様もしくは類似する 結果を取得することができることを当業者は理解すべきである。 実施例1 ミュータシン(mutacin)の精製 補充された液体培地中でのミュータシン産生ミュータンス連鎖球菌の培養は、 液体培養物からのミュータシンの回収での重要な段階であった。改良された結果 を酵母抽出物およびダイズトリプティカーゼ(trypticase)で補充された化学的合 成培地で得た。タンパク質性抗生物質を、ナイシン(nisin)の単離処置で使用さ れたもの(セヴァグ(Sevag)ら、1938) に類似の様式のクロロホルム抽出により単離した。これはむしろ驚くべきことで あった。なぜならナイシンポリペプチドの一次配列は非常に異なる(カレッタ(K aletta)ら、1989)からである。実施例1でのように得られたミュータシンタン パク質を精製し、そしてその組成および特性を決定した。 細菌株、プラスミドおよび培地 使用された細菌株およびプラスミドを表2に示す。 ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)T8およびUA96はグループIIのミュー タシン(BacNII+)を作り出す。タイプAのランティビオティック(lantibio tic)(ミュータシンIIポリペプチドはこの群に最も類似である)およびそれらを 産生する細菌種を表3に示す。 液体培養物からミュータシンを単離する目的上、産生体(producer)を酵母抽出 物(YE;ディフコ(Difco)、メリーランド州コッキースヴィル)およびトリプ ティカーゼダイズ培地(TSB;ディフコ(Difco))で補足された化学的合成培 地(CDM;(40))中で成長させた。予備的活性アッセは、3%YEで補充され たCDMおよびTSBの1:1混合物(v/v)が液体培養物からのミュータシ ンの至適の回収をもたらしたことを示した。全ての株を、30%グリセロールを含 むトッド・ヒューイット(Todd-Hewitt)培地中で−70℃で凍結して保存した。T n916含有株は、テトラサイクリン(5mg/ml)で補充されたトッド・ヒュー イット(Todd-Hewitt)アガー上で成長させた。 ミュータシンアッセイ ミュータシンの産生を、感受性の指標としてS.ソブリヌス(S.sobrinus)O MZ176、ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)10449もしくはサングイス 連鎖球菌(S.sanguis)Ny101を使用して、トリプティ カーゼダイズ−酵母アガー(TSAY)上で遅延拮抗作用技術により検出した( パロット(Parrot)ら、1990)。液体培養物中に存在するミュータシンを、リン酸 緩衝生理的食塩水(PBS)中のミュータシンの2倍希釈物25mlを、記述された ように、指標株で覆われたTSAYの表面上にスポットすることにより定量した 。スポットを1時間乾燥させ、その後プレートを嫌気的に24時間インキュベーシ ョンした。明瞭な縁を有する阻止帯を生じる最低力価を1バクテリオシン単位( BU)と定義した。 ミュータシンの精製 株T8もしくはUA96の一夜培養物10ミリリットルを使用して、3%YE培 地で補充されたCDMおよびSBTの21に接種し、そして2Lフラスコ中で攪 拌なしに48時間嫌気的にインキュベーションした。培養物をその後、以下のよう な一連の濾過および限外濾過の段階にかけた。すなわち1)細胞を最初に0.45mm 膜を用いて培地から除去した;2)濾液をその後、それぞれ100、10および1kDa の分子量カットオフをもつ一連の限外濾過膜(ミニタン(Minitan)、ミリポア(Mi llipore)、マサチューセッツ州ベッドフォード)を通過させた。等しい体積のク ロロホルムを1kDaの保持物に添加した。水層とクロロホルム層との間で形成さ れた乳濁液を乾燥しかつPBSで洗浄した。タンパク質を8M尿素中で可溶化し 、そして20体積の水の添加により沈殿させた。表4は、単離の多様な段階での精 製処置の間の比活性、収率、精製度および総活性を示す。ミュータシンの最終調 製物は84倍以上精製され、かつ、90%以上純粋(アミノ酸分析を基礎として)で あった。 実施例2 ミュータシンの特徴づけ 至適化された培地中に産生されたミュータシンは10kDaの限外濾過物および1k Daの保持物中に回収され、10,000と1,000との間のMrを示した。ミュータシンの さらなる特徴づけをHPLCにより成し遂げた(ミラー(Miller)ら、1991)。H PLCのサンプルを、0.5Mグアニジン、50mMトリス塩酸、pH7.0に溶解し、そし て縦列に配置されたバイオシル(Bio-Sil)SEC125カラム(バイオラッド ラボラトリーズ(Bio-Rad Laboratories)、ニューヨーク州メルヴィル)でクロ マトグラフィー分離した。カラム流出物を220nmでモニターし、そして溶出時間 を標準品のペプチドマーカーの組の溶出時間と比較した。精製されたミュータシ ンは、標準品タンパク質の溶出パターンと比較した場合に、約2,500の Mrをもつ単一ピークを示した。 pH安定性およびトリプシンに対する感受性 精製されたミュータシンをpH4〜11の範囲の多様な0.1M緩衝液(酢酸ナトリ ウム pH4〜6;リン酸ナトリウム pH7〜8;グリシン−水酸化ナトリウ ム pH8〜11)と混合した。室温での1もしくは24時間のインキュベーション 後、残余のミュータシン活性を上述されたスポット試験を使用してアッセイした 。pH11でのインキュベーション後のミュータシンの残余活性は約50%活性に低 下した。 トリプシン(シグマ ケミカル カンパニー(Sigma Chemical Co.)、ミズーリ 州セントルイス)に対する感受性を、製造元の推奨に従って50mlの50mMリン酸ナ トリウム緩衝液pH7.5中の精製されたミュータシン(4096BU)を室温でトリプ シン(2mg)とともにインキュベーションすることにより測定した。サンプルを 多様な時間間隔で残余のミュータシン活性について分析した。 ミュータシンはトリプシンに感受性であった。このプロテアーゼとの10分のイ ンキュベーション後にはサンプル中の活性は検出されなかった。トリプシンを含 まない対照サンプルは同一条件下でそれらの完全な活性を保持した。ミュータシ ンは、80℃で30分間のインキュベーション後の残余活性、および負荷緩衝液中で 100℃でインキュベーションすることにより分析されるように熱安定性であった 。 アミノ酸分析および配列決定 精製されたミュータシンを6N塩酸中で加水分解し、そして結果として生じる アミノ酸を疎水性蛍光試薬(ミラー(Miller)ら、1990)でのカラム前誘導体化後 に逆相HPLCにより分析した。ランチオニン(lanth ionine)(シグマ ケミカル カンパニー(Sigma Chemical Co.)、ミズーリ州セ ントルイス)を、普遍的アミノ酸に加えて標準的アッセイに包含した。脱塩され たミュータシンの配列決定を、気相微小配列決定システム(モデルPI2090 E、ポートン インストゥルメント インク(Porton Instrument Inc.)、カリフ ォルニア州タルザナ)での自動化エドマン分解により行った。このシステムはオ ンラインPTHアミノ酸分析機を装備した。タンパク質データベース(非冗長(n on-redundant)スイスプロット(Swiss Prot)+PIR+ジェンペプト(Gen Pept)+ GPアップデイト(GPUpdate))中の既知の配列とのミュータシンのN末端アミノ 酸配列の比較を、ウィスコンシン ジェネティクス コンピュータ グループ(G enetics Computer Group)プログラム(1991)を使用して行った。 ミュータシンの配列決定 ミュータシンペプチドの配列決定は以下のN末端アミノ酸配列(配列番号1) すなわち Asn Arg Trp Trp Gln Gly Val Valを示した。 付加的な配列は後に続く周期で検出されなかった。タンパク質データベース中 の既知のアミノ酸配列との得られたN末端配列の比較は、何らかの意味のある相 同性を示すことを失敗した。ミュータシンのトリプシン消化からの断片の配列決 定はN末端を確かめ、そしてまた以下のような追加の内部アミノ酸配列(配列番 号2)すなわち N−Met Asn X Trp Gln His Val、 ここでXはランチオニンもしくはβ−メチルランチオニン残基の存在と矛盾しな い空白の周期を表す、 の決定も可能にした。 アミノ酸組成 ミュータシンのアミノ酸組成を上に示した。分析に使用された方法はトリプト ファンの検出を可能にしなかった。2個の独特のピークが分析で明らかであった 。クロマトグラフフィーでの位置は、ランチオニンおよびβ−メチルランチオニ ンからのそれらの潜在的派生を示した。ピークの一方を、その後、標準的試薬で 誘導体化された真正のランチオニンの溶出位置との比較によりランチオニンと同 定した。他方のピークのクロマトグラフィーでの位置はβ−メチルランチオニン としてのその同定と矛盾しなかった。なぜなら、後者のアミノ酸はランチオニン よりわずかにより疎水性であるとみられたからである。 生物学的活性 ミュータシンは、表5に示される、また、トリプティカーゼダイズ−酵母アガ ープレート上での遅延拮抗作用アッセイにより測定されるように、数種の微生物 に対する強い生物学的活性を表した。生物学的活性は、指標株での重塁(overlay ing)薄層クロマトグラフィーもしくはSDS−PAGEゲルによってもまた測定 しうる。 薄層クロマトグラフィー ミュータシンT8を、UV指示薬を含むTLC被覆シリカゲル(TLC-coated Si licagel)を使用する溶媒を基礎とする薄層クロマトグラフィー(TLC)によっ てもまた精製した。クロマトグラフィーを展開するのに使用された溶媒は7:3 メタノール・水の混合物を含む溶媒であった。ポリペプチド部分は、UV、お よび図3に示されるような生物学的 活性アッセイを使用して確認される抗細菌活性の存在により検出しうる。 質量分析法 イオンスプレー質量分光学もしくは質量分析法を、示されたように粗細菌抽出 物および精製されたミュータシンで実施した(図4は精製された調製物を示す) 。イオンスプレー質量ヒストグラムは、1083および812のm/zに有意のピーク を伴い1623で最高のm/z値を示し、それぞれ2、3および4のz値に対応する 。精製されたミュータシンT8の分子量は従っておよそ3,245と算出される。部 分的MS−MS配列分析は、エドマン配列決定により見出されたN末端配列と相 互に関連した。 SDS−PAGE電気泳動 本発明で精製されたミュータシンの純度をさらに定量するため、β−メルカプ トエタノールもしくはジチオスレイトールのような還元剤の非存在下でのSDS /PAGEにより決定されるような見かけの分子量を測定した。2500ダルトンの およその分子量が、クマシーブルー染色により可視化されるような図5Aに立証 されるようなβ−メルカプトエタノールの存在下でのSDS/PAGEにより決 定されるように観察されたようであった。精製されたミュータシンT8を10〜20 %直線濃度勾配トリシン(tricin)ゲル上でのSDS−PAGEにより分離し、そ してクマシーブルー染色により検出した。生物学的活性を、指標株としてサング イス連鎖球菌(S.sanguis)Ny101での重塁により検出した(図5B)。しか しながら、ポリペプチドの移動はSDS/PAGEの異なる条件(カパルディ(C apaldi)ら、1977)および異なる分粒(sizing)カラムで変動し得ることが当業者 により一般に理解される。異なる電気泳動およびクロマトグラフィーの条件下で は、上で引用された分子量の割り当て が変動しうる。 ポリペプチドのあるものは、SDS/PAGEゲルの分析で通常使用されるよ うなクマシーブリリアントブルー染色もしくは銀染色の処置の検出限界より下の 量で存在しうることがさらに理解されることができる。本発明の慣例の実務に必 要でないとは言え、他の検出技術が成長因子内に存在するポリペプチドのそれぞ れの可視化で有利に使用されうる。酵素的に、放射標識で、金でもしくは蛍光的 に標識された二次抗体を使用するウェスタンブロッティングのような免疫学的に 基礎とする技術は、この点でとりわけ使用すべきであると考えられる。ミュータ シン活性の検出の代替手段は、SDS−PAGE分離されたミュータシンのよう なサンプルを指標株サングイス連鎖球菌(S.sanguis)Ny101で覆うこと、イ ンキュベーション、および阻止帯の測定である。 実施例3 ミュータシンの分子クローニング 本発明に開示されるDNA配列は、適切な長さの核酸プローブを調製すること による、ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)の遺伝子配列に特異的にハイブリダ イゼーションする能力を有する比較的短いDNA(もしくはRNA)配列の調製 を見込む。こうしたプローブは、典型的には、ミュータシン遺伝子の定義された 遺伝子配列の考慮を基礎として調製されるか、もしくはこの遺伝子の隣接する領 域から生じられる。 DNA分析およびオリゴヌクレオチドプローブの設計 DNAの単離、制限エンドヌクレアーゼ分析、サザン法および形質転換での使 用に適する条件は、コーフィールド(Caufield)ら(1990B)に記述され、また、例 えばサンブルック(Sambrook,J.)らMolecularCloni ng:A Laboratory Manualに記述されるようである。縮重(degenerate)オリゴヌク レオチドDNAプローブを、単離されたミュータシンのN末端アミノ酸配列から 普遍的コドン使用頻度を使用して設計する。プローブを、以下の改変を伴い、T 4ポリヌクレオチドキナーゼ(サンブルック(Sambrook)ら、1989)を使用して[ γ−32P]ATPで5’末端で放射標識する。50pmolのオリゴヌクレオチド、10 mCiの[γ−32P]ATPおよび11単位のT4ポリヌクレオチドキナーゼを反応 緩衝液中で1時間インキュベーションし、標識されたプローブをセファデックス G−25スピンカラム上で精製する。塩化テトラメチルアンモニウム(TMA C)をハイブリダイゼーションに使用しそして洗浄する(アウスベル(Ausubel) ら、1992)。ナイロン膜上にブロットされた制限酵素切断断片を、15mlの溶液A (5mlの50×デンハルト(Denhardt)溶液、10mg/mlの変性サケ精子DNA0.5mlお よび44.5mlの5MTMAC)中で42℃で一夜プレハイブリダイゼーションする。 標識されたプローブを15mlの溶液Aと混合し、そして54℃で1.5時間ハイブリダ イゼーションする。膜を室温で10分間2回(2×SSC、0.1%SDS)、室温 で10分間1回(50mMトリス/塩酸、pH8.0、3MTMAC、2mMEDTA、0.1 %SDS)洗浄し、そして40℃で15分間最終洗浄(50mMトリス/塩酸、pH8.0、 3MTMAC、2mMEDTA、0.1%SDS)する。膜をX線フィルム(X−OM AT、コダック(Kodak))に−70℃で1〜3日間さらす。あるいは、5’ビオチ ニル化されたプローブおよびECL検出系を使用しうる。こうした分析を図2に 示す。 オリゴヌクレオチドプローブの設計 ミュータシンのN末端アミノ酸配列(配列番号1)の知識からDNA プローブを設計しうる。以下の表(表6)は、核酸のコードの縮重、および、そ れによりアミノ酸配列を基礎とした縮重ヌクレオチド配列が推定されうる手段を 記述するために包含される。DNAプローブのハイブリダイゼーション [γ−32P]ATP末端標識縮重オリゴヌクレオチドプローブを使用 して、Tn916不活性化ミュータシン陰性(Bac-)突然変異体(コーフィ ールド(Caufield)ら、1990B)のライブラリーおよびそれらの多様な二次クロー ン(subclone)中のミュータシンの構造遺伝子についてスクリーニングした。本発 明に従ってある利点を提供するためには、ハイブリダイゼーションもしくはアッ セイに使用される好ましい核酸配列は、当該アミノ酸配列(配列番号1および2 )に相補的な縮重配列の最低10〜40程度のヌクレオチドストレッチ(strech)に相 補的である配列を包含する。長さが最低10ヌクレオチドの大きさが、その断片が 安定および選択的の双方である二本鎖分子を形成するのに十分な長さのものであ ることができることを保証するのを助ける。とは言え、長さが10塩基以上の伸長 にわたる相補的配列を有する分子が、ハイブリッドの安定性および選択性を増大 させ、そしてそれにより、得られる特定のハイブリッド分子の質および程度を向 上させるために一般に好ましい。かように、望ましい場合は15〜20ヌクレオチド もしくはより長い遺伝子の相補的伸長さえ有する核酸分子を設計することを一般 に好むことができる。こうしたヌクレオチド断片は、例えば化学的手段により断 片を直接合成すること、米国特許第4,603,102号のPCR技術のような核酸再生 産技術の応用、もしくは組換え体産生のために組換えベクターに選択された配列 を導入することにより容易に調製しうる。 従って、縮重ヌクレオチド配列は、ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)のmu tA遺伝子セグメントの相補的伸長と二本鎖分子を選択的に形成するそれらの能 力に重要である。予見される応用に依存して、標的配列に対するプローブの選択 性の変動する程度を達成するために、変動するハイブリダイゼーション条件を使 用することを所望することができる。 高度の選択性を必要とする応用のためには、ハイブリッドを形成するための比較 的緊縮の条件、すなわち高緊縮の条件を使用することを典型的に所望することが できる。例えば、50〜70℃の温度で0.02モル濃度ないし0.15モル濃度の塩化ナト リウムにより提供されるような、比較的低い塩濃度および/もしくは高温の条件 を選択することができる。これらの条件はとりわけ選択的であり、かつ、あれば プローブと鋳型もしくは標的鎖との間のわずかなミスマッチを許容する。 もちろん、例えば根底にある鋳型にハイブリダイゼーションされる突然変異体 のプライマー鎖を使用して突然変異体を調製することを所望するいくつかの応用 のためには、より低緊縮のハイブリダイゼーション条件がヘテロ二本鎖の形成を 可能にするために求められる。これらの状況では、20から55℃までの範囲にわた る温度で0.15モル濃度ないし0.9モル濃度の塩のような条件を使用することを所 望するとみられる。いずれの場合でも、条件が、上昇された温度と同一の様式で ハイブリッド複合体を不安定化するようはたらくホルムアミドの増大する量の添 加によりより緊縮にされ得ることが一般に真価を認められる。かように、ハイブ リダイゼーション条件は容易に操作され得、そして従って一般に所望の結果に依 存して選択すべき方法となることができる。 実施例4 ミュータシン遺伝子座の単離および特徴づけ ミュータシン遺伝子に接近した遺伝子の特徴づけは、ミュータシンの翻訳後修 飾、切断および輸出(export)に関与する過程の理解において重要である。遺伝子 のこのクラスターの同定は、おそらくポリペプチドのフォールディングでの変化 によりプロセシングおよびミュータシンの特 性の改変に影響を及ぼすように遺伝子配列の特異的に指向された操作を可能にす る。Tn916およびミュータシンの精製を介する逆遺伝的アプローチ(reverse genetic approach)を使用する挿入不活性化の組み合わせは、縮重(degenerativ e)オリゴヌクレオチドを構築するための道を開いた。これはコスミドライブラリ ーのスクリ-ニングを可能にすることができる。 ランティビオティックとしてのミュータシンの同定は、十分に研究された抗菌 性ナイシンを包含するその一族の他の構成員に対する構造的および物理的類似性 を示唆する。ナイシンと同様、ミュータシンは遺伝子でコードされかつリボソー ムで転写される。他方、ポリペプチド抗生物質バシトラシンは多酵素複合体によ り合成される。ミュータシンの翻訳後プロセシングおよび輸出の詳細は今までの ところ未同定であるとは言え、必要とされる遺伝子はランティビオティックの構 造遺伝子に隣接してクラスター化されるようである。ミュータシンとナイシンと の間の関係についての付加的な間接的支持は、bac−1遺伝子座の上流のミュ ータンス連鎖球菌(S.mutans)の23SリボソームRNAの核(nucleus)が、ナイ シンの生産体ラクトコッカス ラクチス(Lactococcus lactis)の23Sのrrn 遺伝子座との90%の水準の顕著な相同性を共有するという観察結果に由来する。 90%の類似性は、rRNAは原核生物で高度に保存され、また、連鎖球菌および ラクトコッカス(lactococci)は系統発生的に関連するため、おそらく驚くべきこ とではない。L.ラクチス(L.lactis)DL11のrrn遺伝子座は染色体の20 %内にクラスター化されることが既知であるとは言え、その位置もしくはrrn 遺伝子とナイシンとの間の関係は報告されていないが、しかしbac−1遺伝子 座がミュータンス連鎖球菌(S.mutans)UA96の5個のrrn遺伝子座の1個 から5kb未満離れているために興味深いとみられる。さらに、別のTn916− bac−2コスミドUA33は23Sのrrn遺伝子座の別の1個を含有する。 ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)の本来の能力、およびL.ラクチス(L.lac tis)とミュータンス連鎖球菌(S.mutans)の23Sのrrn遺伝子座の間の90% 相同性を基礎とすれば、ミュータシン遺伝子クラスターに隣接するrrn遺伝子 座内の相同的組換えを介したラクトコックス属(Lactococcus)からミュータンス 連鎖球菌(S.mutans)への先祖のランティビオティック遺伝子の機械的導入を予 見し得る。ミュータシンの遺伝子座に隣接するトランスポゾン要素が見出されな い場合(ラクトコックスの場合に真実であるように)、これが、ミュータンス連 鎖球菌(S.mutans)のグループIIおよびグループIの本来能力のある株もまたミュ ータシンを作る理由を説明しうる。 開発のための別の領域は、大腸菌(E.coli)のコリシンおよびf1ファージレ セプターでなされた(ジェイクス(Jakes)ら、1988)ものに類似の様式で表面抗 原認識タンパク質のような別の遺伝子にミュータシン遺伝子を融合させることに よるそれの遺伝子操作である。その致死的ドメインをミュータンス連鎖球菌(S. mutans)の認識部分;例えばモノクローナル抗体に融合させることにより、ミュ ータシンの特異性をさらに指図しうる。 ミュータシンの構造遺伝子に隣接するもしくはこれを補足する遺伝子 これは、 現在クローニングされたmutA配列と直接隣接するDNAの部分を同定するた めの「染色体歩行」を介して成し遂げられることが できる。基礎的な制限酵素切断地図作成および二次クローニングがDNA配列決 定に先行することができる。この最初の地図作成および配列決定は、ミュータシ ンのプロセシングおよび発現に関連したミュータシン遺伝子クラスター中のコー ディング領域の輪郭を描くはずである。加えて、存在する6種の独特のミュータ シン陰性のTn916不活性化突然変異体のそれぞれは、パルスフィールドゲル 電気泳動およびTn916由来のプローブを使用するサザンハイブリダイゼーシ ョンによりUA96の染色体上に位置づけられることができる。ゲノムの明確に 定義された部分(約20〜30kb)内にクラスター化されるミュータシン陰性のTn 916挿入物がより詳細な分析のため最初に選択されることができる。 mutAに隣接する遺伝子の配列決定 配列決定はPCR産物ならびに二次クローンから直接行うことができる。なぜ なら、例えばTn916挿入物の場合は、Tn916の末端に対する外側に向け られたプライマーを使用することができ、かようにLR末端の冗長のためのプラ イマーの二量体形成を避ける。逆PCR、もしくはプライマーがTn916挿入 物(<2kb)の近位の制限酵素切断部位の端に付加される連結仲介性PCR(オ フマン(Ochman)ら、1993)を包含するいくつかの技術がPCR反応を開始するの に使用されうる。 DNA配列決定は、プライマーもしくはdATPのいずれかのビオチンでの非 同位元素標識を使用することができる。化学発光検出は、光タイプ(phototype) 検出キット(ニュー イングランド バイオラブス(New England Biolabs)、マ サチューセッツ州ビヴァリー)を用いて成し遂げる。チェインターミネーター配 列決定を、製造元の説明書に従い、シークェナーゼ(Sequenase)バージョン2.0( ユナイテッド ステイツ バ イオケミカル(United State Biochemical)、オハイオ州クリーヴランド)を使用 することにより実施する。プラスミドDNAを、塩化セシウム濃度勾配、または 、あるいは迅速調製法、例えばインスタプレップ(Insta-prep)、5 プライム→ 3 プライム(5 Prime->3 Prime)、コロラド州ボルダー、もしくはキア(QIA)プ レップスピンプラスミドキット(キアジーン(Quiagene)、カリフォルニア州チャ ッツワース)のいずれかにより単離する。二本鎖DNAの変性のためには、アル カリ変性、次いで、37℃で30分間のプライマーとのアニーリングが好ましく使用 される一方、熱変性が代替である。直接ブロッティングシークェンサー(ホファ ーサイエンティフィク インストゥルメンツ(Hoefer Scientific Instruments) 、カリフォルニア州サンフランシスコ)は、オリゴヌクレオチド(配列決定反応 からの300ないし500塩基をもつ)の解明およびナイロン膜上へのブロッティング を単一の段階で可能にすることができる。放射活性[γ−35S]ATP配列決定 は配列を解明するのに使用される普遍的代替であり、ここででビオチン側鎖の立 体障害が読み違いを引き起こしうる。DNAデータベース中の既知の配列との得 られた配列の比較は、配列を詳細な分析のためウィスコンシン ジェネティクス コンピュータ グループ(GCG)プログラムに転送する前に、制限酵素切断 部位の地図を作成し、かつ、オーバーラップ、二次構造および他の情報を探すた めに最初に評価される(DNAストライダー(DNA Strider)ソフトウェア)。使 用されうる他のソフトウェアプログラムは、ジーン コンストラクション キッ ト(Gene Construction Kit)(テクストコ(Textco);ニューハンプシャー州ウエ ストレバノン)およびオリゴ(Oligo)4.0(ナショナル バイオサイエンス イン ク(National Bioscience,Inc.)、 メーン州プリマス)を包含する。 mutA遺伝子座に隣接するDNAの比較的大きな部分を同定するためのいく つかの戦略が存在する。染色体歩行の一般的方法は、オーバーラップ配列に関し てコスミドもしくはλのライブラリーをスクリーニングすることにより容易に成 し遂げられる。染色体DNAからの適切な大きさの断片の断片ライブラリーは、 コスミドクローニング技術を使用して容易に作成し得る。ベクターpJC74も しくはpJH79中でのEcoRIでの部分的消化およびコスミドクローニング もまた使用することができるが;しかしながら、コスミドのパッケージングはし ばしば非隣接断片を組込み得るため注意が払われなくてはならず、また、非隣接 部分の結合を制限するために末端の細菌アルカリホスファターゼ(BAP)処理 を使用することを願いうる。挿入物DNAを含有する大腸菌(E.coli)のライブラ リーをその後スクリーニングしうる。隣接する断片を、記述されたように二次ク ローニングしかつ分析することができる。退屈なサザンハイブリダイゼーション を避ける、隣接するDNAの部分を見出す代替方法は、耐性についてのその表現 型がミュータンス連鎖球菌(S.mutans)および大腸菌(E.coli)双方で発現される 抗生物質カセットの挿入を必要とする。マーカーのいくつかの候補が存在し(c at、erm、tet、kan)(表7を参照)、それらは自殺ベクター(suici de vector)内でmutAの近位に挿入され得、そしてミュータンス連鎖球菌(S. mutans)に返され得る。mutAに対する隣接する部分から構築されるライブラ リーを、その後、コスミドの所望のクローンを同定するプローブへのハイブリダ イゼーションの代わりに抗生物質耐性について検査し得る。なぜなら、ノックア ウト構築物は個々の遺伝子の特徴づけ の一部として企図されるからである。その場合は、この目的上、EcoRI切断 部位に接近した読み取り枠(ORF)でABカセットを使用しうる。 UA96染色体上のTn916挿入物の地図作成は、それらが別個のクラスタ ー内に見出されるかどうか、もしくは挿入物のいくつかが推定のmutAクラス ター以外の位置にあるかどうかをみることを可能にすることができる。残存する Tn916挿入物が定義されたクラスター内に存するかどうかは未知であり、そ してDNAの非常に大きな部分のパルスフィールド分析を使用することにより決 定されることができる。Tn916挿入物のいくつかはクラスター化されないこ とができる。しかしながら、これはミュータシン関連遺伝子がクラスター化され ないことを意味しない。一般的ハウスキーピング遺伝子内の挿入物は、未だミュ ータシン産生に直接関連しないBac-表現型を生じうる。前に述べられたよう に、全ての既知のランティビオティックは隣接する遺伝子クラスターの産物であ る。 PFGE(パルスフィールドゲル電気泳動)の技術は記述されており、そして 、ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)GS−5の染色体の地図作成の一部として チューダー(Tudor)および共同研究者により使用されている(チューダー(Tudor) ら 1990)。アガロースブロック中のミュータンス連鎖球菌(S.mutans)の細胞 のインサイチュ溶解がSmaI、NotIおよび他のような希少塩基切断体(cut ter)での制限された消化に先行する。ほぼ同一のプロトコールが、ラクチス(lac tis)の染色体の地図作成でデイヴィッドソン(Davidson)ら(1991)により、および スティーン(Steen)とハンセン(Hansen)(1991)により使用されている。CHEF −DRIII直交フィールド装置(バイオラッド(Bio-Rad))を、サザンブロッ ティングで転写を助長するパターンのその優れた発生のため使用しうる。陽圧ブ ロッティングを介するニトロセルロース膜への制限酵素切断断片の転写後、断片 に対するストラタジーン(Stratagene)ハイブリダイゼーションを、ビオチン標識 されたもしくは32P−ATP-Tn916のいずれかのプローブを用いて成し遂 げる。各Bac−突然変異体からの染色体DNAは、陰性対照(UA96)、お よび陽性対照となることができるTn916プローブと一緒に包含することがで きる。 この一連の実験から獲得される情報は、UA96の染色体上のTn916挿入 物突然変異体のそれぞれのおよその位置を示すことができる。より高頻度の切断 体での染色体DNAの二重消化は、コスミドのクローニングのためのいくつかの Tn916挿入物を含有する断片を生じることを期待される。mutAでのPF GE断片のプロービングは、他のTn916挿入物に関してその遺伝子座の位置 を推定することができる。Bac-のTn916挿入物がミュータシン遺伝子座 以外の位置に見出されることが期待される。ミュータシン遺伝子の相補物全体を 同定することの失敗が存在する場合は、PCRおよびTn916に対するプライ マーを同定に使用することができる。 ミュータシン産生に関連した遺伝子産物の構造/機能 これは、遺伝子クラスターの配列決定、読み取り枠および他の特徴についての 配列分析、そして存在するデータバンクを既知の遺伝子との相同性について検索 することにより行う。目的の遺伝子を、その後、インビトロでの転写/翻訳分析 、大腸菌(E.coli)でのミニ/マキシ細胞(mini/maxi cell)発現を使用して遺伝 子産物の決定に適切な発現ベクター 上に二次クローニングするか、または、ミュータシン分子の多様な前駆体もしく は成分に対し以前に作成されたポリクローナル抗体の一団と反応させる。 ミュータシン産生における各遺伝子の役割を、その後、一連の欠失もしくはマ ーカー挿入ノックアウトのいずれかの突然変異を構築することにより検査して、 非発現の影響を決定することができる。適切な発現ベクター内の目的の遺伝子の コーディング領域全体の以前に構築された二次クローンを、その後、遺伝子量お よび調節がこうした分析を予め排除しうることに留意しつつ相補性アッセイに使 用することができる。ここでの最終目標の一は、ミュータシンクラスター全体が 、ナイシン、エピデルミンおよびズブチリシンのランティビオティックのクラス ターでなされているように非ミュータシン産生株にひとまとめにして導入されう るように、ミュータシン発現のための最小のコーディング領域の同定を開始する ことである。 遺伝子の推定のミュータシン関連クラスターが同定されれば、もしくは、クラ スターが存在しない場合は、コスミド中の個々にクローニングされたTn916 含有挿入物の収集物、それらの役割にある個々の遺伝子、およびミュータシンの 産生を検査する。最初に、DNAセグメントの多様な部分を、見込みを減らすた めに突然変異を誘発することができる。一方法は、多様な制限酵素切断部位にA Bカセットを挿入すること、もしくは、単一交差組込みのためにDNAのより小 さな断片を含有するノックアウトもしくは自殺プラスミド、例えばpVA891 、pMCL19(マクリナ(Macrina)ら 1983;ナカノ(Nakano)とクラミツ(Kura mitsu)、1992)で形質転換することである。このアプローチに伴う危険は、 プラスミド挿入物の上流の挿入が遺伝子の下流の極性効果をもたらしうることで ある。他のランティビオティックの多シストロンおよび協調の調節を考えれば、 極性は、とりわけpVA891のような転写ターミネーターを含有するプラスミ ドで期待される。いずれにしても、このアプローチは、個々の遺伝子の役割に関 する手掛かりに加えて全体としてミュータシン遺伝子座に関する情報につながる ことが期待される。 DNA部分の配列決定を、ミュータシン産生に関連する部分に関する予備情報 を基礎として開始する。配列分析は、読み取り枠、ノックアウト突然変異の構築 に有用な制限酵素切断部位、他の既知の配列での溶血性、および多くの他の属性 と一緒のアミノ酸配列を示すことができる。 個々のTn916挿入物に隣接するDNAの特徴づけは、最初に、Tn916 の右および左端に対する外側に向けられたプライマーならびにいずれかの連結さ れたプライマーを使用するPCR、もしくは、Tn916挿入物が隣接する部分 内で切断され、そしてその後外側に向けられたプライマーが連結された制限酵素 切断部位の結合部を越える産物を生じるように連結される場合は逆PCRにより 実施され得る。ここでの制限は期待されるPCR産物の長さであるとみられる。 長さが5kbに接近するPCR断片は「ロングPCR(long PCR)」により産生され 得る。2kb未満のより小さな断片はより容易に生じられる。PCR断片はクロー ニングされそして配列決定され得るか、もしくは直接配列決定され得る。PCR 断片はゲノムライブラリーをスクリーニングするためのプローブとして使用され 得、そしてある形態の逆PCRは染色体歩行に使用される。 mRNAのノーザンブロット分析およびプライマー伸長を、ミュータ シンオペロンの性質(単および/もしくは多シストロン性、推定のプロモーター 、mRNAの転写後プロセシング、転写物の安定性、転写物(ミュータシン)の 細胞周期における時期)を決定するのに使用することができる。全細胞mRNA を野生型UA96から得ることができ、そして電気泳動によりアガロースゲル上 で大きさにより分離することができる。mutA遺伝子座および5’から作成さ れそして32P−ATPで標識される相補的オリゴヌクレオチドプローブを、最初 にmutA遺伝子を含有する転写物を同定するのに使用することができる。オリ ゴヌクレオチドプローブは、新たな転写物を確認もしくは同定するためにORF 内の他の配列に対してもまた作成することができる。 野生型UA96の細胞を異なる成長期と一致する異なる時間点で収穫すること ができ、また、全細胞RNAをミュータシン転写物の存在についてノーザンブロ ットにより分析することができる。標識プローブとのハイブリダイゼーションの 強度は、ミュータシン転写物が作成される相を示すことができる。ミュータシン オペロンの転写物の長さをノーザンブロットから推定することができる。プロモ ーターの推定の位置を、放射標識されたmutAオリゴヌクレオチドプローブ、 および、ジデオキシ終止反応を使用する慣習的配列決定もしくはPCRプライマ ーエクステンション配列決定と結合された逆転写酵素テープを使用するプライマ ーエクステンションにより成し遂げることができる。この技術は転写物の長さな らびにその開始部位を生じることができる。この情報から、推定のプロモーター を配列分析から推定しうる。 ミュータシン遺伝子産物をコードするDNAの役割を、欠失もしくは挿入の不 活性化配列を導入することにより検査することができる。使用 される方法は、ある程度、挿入中の欠失のような便宜的な制限酵素切断部位の存 在、および成功裏に作成された突然変異の評価の容易さに依存することができる ;すなわち、小さな欠失の検出は選択することが表現型的に困難でありうる一方 、抗生物質耐性カセットを使用する挿入は選択かつ確認するのがより容易であり うる。しかしながら、不活性化するDNAの大きな部分を挿入することは、介在 配列ならびに下流の遺伝子に影響を及ぼしうる他の要素を導入することに留意す ることができる。ズブチリシン遺伝子座の分析にハンセン(Hansen)(チュング(C hung)とハンセン(Hansen)、1992;リウ(Liu)とハンセン(Hansen)、1992)により 使用されたものに類似のアプローチが、欠失および抗生物質の挿入物の組み合わ せを使用して使用されうる。基本的には、この技術は、二次クローンが構築され ることができかつ抗生物質カセット(ABカセット)が挿入されうるかもしくは 部分が欠失されうるように、目的のDNA配列および遺伝子を知ることを必要と する。突然変異は、Apr遺伝子を含まないのみのpUC19のような大腸菌(E .coli)レプリコンプラスミドで実施される。p15a由来のレプリコンおよび pACYC184からのCmr、ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)でのその成功 した使用と結合されたpUC18ないしpUC19からのマルチクローニング部 位およびALC1−zを有する、最近構築された大腸菌(E.coli)の中程度コピ ー数プラスミドpMCL18および19(ナカノ(Nakano)とクラミツ(Kuramitsu )、1992)は、この構築物を、ノックアウト突然変異体の作成および飽和突然変 異誘発に理想的なベクター送達カセットにする。pMCL18および19に対す る代替は黄金標準のpVA891(マクリナ(Macrina)ら、1993)を包含し、こ れもまたpACYC184の 部分を含有する。pVA891はMCSを欠き、そしてこれゆえに組換えプラス ミドを構築するための制限された制限酵素切断部位を有する。しかしながら、そ れにより制限酵素のテイル(tails)が適合性のために事実上いかなる部位にも付 加され得るPCRの使用は、この制限をより小さい問題にする。別のベクターは pKIM2であり、これはMCSおよび非β−ラクタマーゼ遺伝子を有する。 抗生物質カセットは容易に入手可能であり、また、それらの完全な配列が既知 である。表7を参照。ABカセットの重要な特徴は、それらが大腸菌(E.coli) およびミュータンス連鎖球菌(S.mutans)双方での翻訳および活性に適切なリボ ソーム結合部位(RBS)およびコドンを含有することである。潜在的ABカセ ットはクロラムフェニコール、エリスロマイシン、カナマイシンおよびテトラサ イクリンに対する耐性遺伝子を包含する。複数のABカセットの利用可能性を有 することは、相補性分析および相同的組換えの確認における選択のためのいくつ かの異なるマーカーの使用を可能にすることができる。これらのABカセットの いくつかは、若干の成功を伴い多様なランティビオティックを不活性化するのに 使用されている(例えばリウ(Liu)とハンセン(Hansen)、1992)。 各ABカセットの配列を知れば、配列内の実際上いかなる部位とも適合性の末 端を工作し得る。また、適切なリボソーム結合部位、終止コドンもしくは発現を 高める他の成分を組込み得る。下流の遺伝子に対する可能な極性効果を予防する ために転写ターミネーターを排除することが好ましいことができる。ABカセッ ト挿入ミュータンスを構築するために企図された段階は以下のようである。すな わち、 1.目的の遺伝子全体もしくは一部をpMCL19のマルチクローニング部位に クローニングする。 2.ABカセットと適合性のクローニングされた挿入物内の、可能である場合は 唯一の、制限酵素切断部位の位置を推定する。なぜなら、ABカセットはしばし ば大腸菌(E.coli)のベクターのMCSとともに含有されるからである。複数の 制限酵素切断部位が利用可能である。普遍的 な制限酵素切断部位が見出され得ない場合は、ABカセットを、いずれかの既知 の制限酵素切断部位と矛盾しない末尾を含有するプライマーを用いるPCRによ り増幅し得る。PCR産物をその後単離し得かつ挿入物DNA中に連結し得る。 成功した組換え体をABカセットの発現により選択し得る。 3.挿入物すなわち大腸菌(E.coli)からのABカセットを含有するプラスミド を直鎖状にし、そしてミュータンス連鎖球菌(S.mutans)UA96中に形質転換 する。相同的組換え、二重交差交換、次いでABの表現型の発現により、AB挿 入物を有する形質転換体を容易に選択し得る(レシピエントあたり10-6〜10-7個 の形質転換体)。これらをミュータシンの表現型についてスクリーニングし得る 。サザンブロットが各挿入物の大きさおよび位置を確認し得る。 この基本的アプローチを使用して一連の挿入不活性化突然変異体を構築し得る 。加えて、相補性分析のためクローニングされた遺伝子全体を、その配列がci sに作用するかそれともtransに作用する可溶性の遺伝子産物であるのかを 決定するのに使用することができる。ここでの欠点は、目的の遺伝子が適切な遺 伝子量および調節と一緒になって適切な隣接するプロモーターおよびターミネー ターを有しなければならないことである。既知のランティビオティックに関連す る大部分の遺伝子がそれら自身のプロモーターもしくは転写ターミネーターを有 しないことを考えれば、これらは、相補性が予期され得る前に、挿入された連鎖 球菌属(Streptococci)のレプリコンに付加されることが必要であることができる とみられる。これは、これらのコーディング配列を有するPCRプライマーを使 用することによりなされ得る。相補性は、ベクターpV A838および完全な12kbのbac−1のEcoRI挿入物を使用して達成され ている。 各ミュータシン関連遺伝子からの遺伝子産物の組成および大きさがDNA配列 分析から保護され得るとは言え、この遺伝子産物が翻訳後修飾を受けることがナ イシンタンパク質との類似性により可能である。従って、インビトロの転写およ び翻訳の系を使用することができる。この系は直接的であり、インビトロで合成 されたタンパク質のマーカーとして35S−メチオニンもしくはいくつかの他のア ミノ酸の1種を使用する。プラスミドDNAおよび直鎖状のDNA双方の断片が 、タンパク質が存在しないもしくはプロセシングされる例でこの系で翻訳され得 る。3H−ロイシンもまた標識を達成するのに使用されうる。反応混合物は、少 量もしくは低分子量のタンパク質が期待される場合にはSDSでの処理に先立ち 5%TCAを用いて濃縮し得る。サンプルはSDS−PAGEゲル上で分離する ことができ、また、標識されたタンパク質はオートラジオグラフィーにより可視 化しうる。 このインビトロの方法は単純であり、また、ミニもしくはマキシ細胞系(mini or maxi cell system)より少ない時間もしくは調製を必要とする。また、遺伝子 産物はインビトロで発現され、遺伝子産物の致死性もしくは細胞の記憶を伴う問 題、およびミュータシンを産生する細胞に対する損傷を少なくする。この転写− 翻訳系はpPC313からの遺伝子産物を検査するのに成功裏に使用されており 、従って、少なくともいくつかのミュータンス連鎖球菌(S.mutans)の遺伝子が この系で発現されることが明らかである。このアッセイからの結果は、とりわけ ミュータシン遺伝子が翻訳後にプロセシングされる場合は遺伝子産物の大きさに 関して決定的でないかも知れないことに注目することが重要である。翻訳後のプ ロセシングおよび修飾が予期される。従って、遺伝子産物の比較を、必要なプロ セシング酵素を有する連鎖球菌属(Streptococci)の系でのものと行うことができ る。ミニもしくはマキシ細胞は遺伝子産物の分析に同様に使用し得る。 インビトロで作成されたタンパク質もしくはペプチドをミュータシン産生体に よりインシトゥで作成されたものと比較し得る。ポリクローナル抗体を、ウェス タンイムノブロット分析により確認されたポリアクリルアミドゲルから切断され たペプチドもしくはタンパク質に対し作成し得、その後、その後の実験でミュー タシンのプロセシングの各遺伝子産物の局在性を同定するのに使用し得る。この アプローチは、ラクトコックス ラクチス(Lactococcus lactis)の膜内のnis PおよびnisR遺伝子産物の位置を推定するのに成功裏に使用されている(フ ァン・デル・メール(van der Meer)ら 1993)。多様な細胞画分を変性および非 変性双方のポリアクリルアミドゲルの別個のレーンで泳動し得、そして特異的抗 血清に対するそれらの反応を観察し得る(ウェスタンブロット)。 上の情報は、ミュータシン遺伝子座の非産生体へのひとまとめにしての導入に 最小限必要なコーディング配列を定義することを可能にすることができる。ナイ シン、エピデミシンおよびズブチリシンの遺伝子座のひとまとめにしての導入が 成し遂げられている。前に論考されたように、UA130、UA159およびG S5を包含する、ミュータンス連鎖球菌(Streptococcus mutans)のいくつかの能 力のある非ミュータシン産生株が利用可能である。能力のあるグループIのミュ ータシンI株がミュ ータシンII株に形質転換され得るかどうかもまた決定されることができる。種の もとでのミュータシン遺伝子座の導入は、とりわけサングイス連鎖球菌(S.sang uis)のような口腔連鎖球菌属(Streptococci)がミュータシンを産生するように変 換され得る場合は目的のものとなるとみられる。こうした構築物は、口腔からミ ュータンス連鎖球菌(S.mutans)の定着を排除することが可能な、生存可能なエ フェクター株(effector strain)を構成しうる。サングイス連鎖球菌(S.sanguis )は9ヶ月で初期体(infant)を定着することが示されている一方、ミュータンス 連鎖球菌(S.mutans)は約24ヶ月で定着させる。ミュータシン遺伝子座のプラス ミドで運ばれるもしくは染色体の挿入物は、構築物を宿主に導入する能力を考え れば成し遂げられ得る。ミュータシンの遺伝子量および調節は、その構築物が新 規宿主中でどのように送達されかつ持続されるとみられるかの決定における一要 因であるとみられる。口腔および非口腔の連鎖球菌属(Streptococci)の多くを形 質転換するための電気穿孔技術が存在する。例えば、Genetics and Molecular B iology of Streptcocci,Lactococci and Enterococci)1991、ASMを参照。 実施例5 抗ミュータシン抗体の産生 別の局面において、本発明は本発明のミュータシンポリペプチドと免疫反応性 である抗体を企図する。抗体はポリクローナルもしくはモノクローナル抗体、好 ましくはモノクローナル抗体であり得る。抗体を調製しかつ特徴づけするための 手段は当該技術分野で公知である(例えば、Antibodies“A Laboratory Manual ”、ハウエル(E.Howell)とレーン(D.Lane)、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー(Cold Sprin g Harbor Laboratory)、1988を参照)。 簡潔には、ポリクローナル抗体を、本発明のポリペプチドを含む免疫原で動物 を免疫すること、そしてその免疫された動物から抗血清を収集することにより調 製する。広範な動物種が抗血清の産生に使用され得る。典型的には、抗血清の産 生に使用される動物は、ウサギ、マウス、ラット、ハムスターもしくはモルモッ トである。ウサギの比較的大きな血液量のため、ウサギはポリクローナル抗体の 産生のための好ましい選択である。 本発明のミュータシンに特異的なポリクローナルおよびモノクローナル双方の 抗体は慣習的免疫技術を使用して調製することができ、それは当業者に一般に既 知であることができるようである。ミュータシンの抗原エピトープを含有する組 成物を使用してウサギもしくはマウスのような1種もしくはそれ以上の実験動物 を免疫し得、これらはその後、精製されたミュータシンポリペプチドに対する特 異的抗体を産生することを続けることができる。ポリクローナル抗血清は、抗体 発生のための時間を与えた後に、単に動物から採血しそして全血から血清サンプ ルを調製することにより得ることができる。 モノクローナル抗体を得るためには、最初に、抗原性のミュータシンポリペプ チド組成物で実験動物、しばしば好ましくはマウスを免疫することもまたできる 。その後、抗体発生を可能にするのに十分な時間の期間の後に、動物から牌もし くはリンパ細胞集団を得ることができる。牌もしくはリンパ細胞をその後、ヒト もしくはマウスの骨髄腫系統のような細胞系と融合させて抗体分泌ハイブリドー マを産生し得る。これらのハイブリドーマを単離して個々のクローンを得ること ができ、これをそ の後、本発明のミュータシンポリペプチドに対する抗体の産生についてスクリ− ニングし得る。 免疫後、脾細胞を取り出し、そして、標準的融合プロトコール(例えば、The Cold Spring Harbor Manual for Hybridoma Developmentを参照)を使用してプ ラスマ細胞腫細胞と融合させて、ミュータシンに対するモノクローナル抗体を分 泌するハイブリドーマを産生させる。選択された抗原に対するモノクローナル抗 体を産生するハイブリドーマを、ELISAおよびウェスタンブロット法のよう な標準的技術を使用して同定する。 モノクローナル抗体の調製 およそ3月齢のBalb/cマウスを、完全フロイントアジュバントとホモジ ェナイズされたマウスあたり10ないし50mgの精製されたミュータシンポリペプチ ドで腹腔内に免疫する(第0日)。このマウスに、不完全フロイントアジュバン トと混合された抗原の10ないし14日ごとに2ないし5回の連続腹腔内注入を与え る。最後の注入のおよそ1ヶ月後にリン酸緩衝生理的食塩水中の抗原の追加免疫 接種を尾静脈中に静脈内に与える。 追加免疫注入の5ないし7日後に、免疫されたマウスの尾から少量の血液を取 り出し、そして酵素免疫測定法(ELISA)によりミュータシンに対する循環 抗体の存在について試験する。部分的に精製された抗原に対する循環抗体の合理 的な力価を生じるマウスを殺し、そしてそれらの脾を細胞融合のため無菌的に取 り出すことができる。 ハイブリダイゼーションに使用すべきであることが提案されるマウス骨髄腫細 胞系は、8−アザグアニン耐性マウスのマウス骨髄腫SP2/ 0非産生体細胞系である。SP2/0細胞系は8−アザグアニン耐性について選 択されており、そしてヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジン(HAT )を含有する培地中で生き残らない。細胞を記述されたように(チャン(Chan)ら 、1987)融合する。過剰免疫されたマウスから得られた免疫脾細胞(細胞108個 )および8−アザグアニン耐性SP2/0マウス骨髄腫細胞(細胞107個)を、3 7%(w/v)ポリエチレングリコール1500(分子量500〜600、M.A.バ イオプロダクツインク(M.A.Bioproducts,Inc.))を使用して融合する。融合さ れた細胞をSP2/0細胞により条件を整えられた成長培地中で2日間維持し、 そしてその後HATを含有する成長培地(選択培地)中、5もしくは6個の96穴 マイクロタイタープレート中で培養し、そして間接的ELISAにより2週の終 わりに抗体産生についてスクリーニングする。 スクリーニングのため、T8もしくはUA96のミュータンス連鎖球菌(Strep tococcus mutans)株から得られた精製されたミュータシンもしくは部分的に精製 されたミュータシンを標的抗原として使用し、そして非産生細菌を対照として使 用する。標的抗原(ウェルあたり50ng/50μl)を、炭酸緩衝液pH8.8中4℃で 一夜インキュベーションすることにより96穴マイクロタイタープレートの底に固 定しうる。選択培地中で成長する脾細胞−骨髄腫(ハイブリドーマ)細胞を増殖 するウェルからの培養培地を、固定された抗原と反応する分泌抗体についてアッ セイしうる。クローニングされたハイブリドーマ細胞クローンにより産生された 免疫グロブリン(1種もしくは複数)のアイソタイプもまた、商業的アイソタイ プ化(isotyping)キットを使用してELISAにより決定しうる。mAbの特異 性を、ELISAにより検査されかつウェスタンブロット 分析により確認されるような、多様な抗原とのそれらの反応性により決定しうる 。 mAbを特徴づけした後に、それらをマウス腹水の形態で産生させることがで き、精製することができ、そして、ミュータシン産生を検出するため、ミュータ シンの作用を阻害するため、ウエスタンブロッティング分析、免疫沈降、ミュー タシン産生連鎖球菌属(Streptococci)の診断的同定もしくはミュータシンの精製 に使用することができる。このアッセイは、再現性のある便宜的かつ迅速なアッ セイ法であることが提案される。ハイブリドーマのクローンをその後液体培地中 で培養し得、そして培養上清を精製して抗ミュータシン特異的モノクローナル抗 体を提供し得る。本発明のモノクローナル抗体は、ELISAおよびウェスタン ブロット法のような標準的免疫化学的処置、ならびにミュータシンのエピトープ に特異的な抗体を利用しうる処置において有用な応用を見出すことができる。加 えて、特定のミュータシンに特異的なモノクローナル抗体は他の有用な応用で利 用されうる。例えば、免疫吸着プロトコールでのそれらの使用は、他の種もしく はその変異体からの天然のもしくは組換えのミュータシンの精製で有用でありう る。 一般に、ミュータシンポリペプチド抗原に対するポリおよびモノクローナル双 方の抗体は多様な態様で使用されうる。例えば、それらは他のミュータシンもし くは関連タンパク質をコードするcDNAもしくは遺伝子を得るための抗体クロ ーニングプロトコールで使用されうる。それらはまた、細胞もしくは動物での連 鎖球菌属の(Streptococcal)感染およびミュータシン産生の影響を分析するため の阻害研究でも使用されうる。抗ミュータシン抗体はまた、多様な細胞事象の間 の細胞内ミュータ シンの分布を分析するための、例えば都合のよい成長条件の存在もしくは非存在 の間のミュータシンポリペプチドの産生および分布を測定するための免疫位置推 定(immunolocalization)研究でも有用であることができる。こうした抗体のとり わけ有用な応用は、例えば抗体アフィニティーカラムを使用する天然のもしくは 組換えのミュータシンの精製においてである。全てのこうした免疫学的技術の操 作は本発明の開示に照らして当業者に既知であることができる。 実施例6 そのDNAのコーディング配列を介してミュータシン分子を修飾して抗菌もしく は物理的特性を高める ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)のミュータシンポリペプチドの変異体の調 製方法は部位特異的突然変異誘発である。この技術は、個々のペプチド、または 根底にあるDNAの特異的突然変異誘発により2.5kDaのタンパク質の配列から生 じる生物学的に機能的同等のタンパク質もしくはペプチドの調製で有用である。 この技術は、さらに、配列の変動を調製しかつ試験する、例えばそのDNA中に 1個もしくはそれ以上のヌクレオチド配列の変化を導入することにより前述の考 慮の1個もしくはそれ以上を組込む、準備のできた能力を提供する。部位特異的 突然変異誘発は、所望の突然変異のDNA配列をコードする特定のオリゴヌクレ オチド配列、ならびに横断されている欠失結合部の双方の側で安定な二本鎖を形 成するのに十分な大きさおよび配列の複雑さの一次配列を提供するのに十分な隣 接ヌクレオチドを使用することにより、突然変異体の産生を可能にする。典型的 には、長さが約17〜25ヌクレオチドのプライマーが好ましく、配列の結合部の双 方の側の約5〜10残基が変えられる。 一般に、部位特異的突然変異誘発の技術は、出版物(エイデルマン(Adelman) ら、1982)により例示されるように当該技術分野で公知である。真価を認められ ることができるように、この技術は、典型的には、一本鎖および二本鎖双方の形 態で存在するファージベクターを使用する。部位特異的突然変異誘発で有用な典 型的なベクターはM13ファージ(メッシング(Messing)ら、1981)のようなベ クターを包含する。これらのファージは容易に商業的に入手可能であり、そして それらの使用は一般に当業者に公知である。 これに従った部位特異的突然変異誘発を、最初にミュータシンのDNAのポリ ペプチドをコードするDNA配列をその配列内に包含する一本鎖ベクターを得る ことにより実施する。所望の突然変異された配列をもつオリゴヌクレオチドプラ イマーを、例えばクレア(Crea)ら(1978)の方法により一般的には合成で調製する 。このプライマーをその後一本鎖ベクターとアニーリングし、そして、突然変異 をもつ鎖の合成を完了するために、大腸菌(E.coli)ポリメラーゼIのクレノウ 断片のようなDNA重合酵素にかける。かようにヘテロ二本鎖が形成され、ここ で一本の鎖は元の突然変異されない配列をコードし、そして第二の鎖は所望の突 然変異をもつ。このヘテロ二本鎖をその後使用して大腸菌(E.coli)細胞のよう な適切な細胞を形質転換し、そして突然変異された配列の配置をもつ組換えベク ターを包含するクローンを選択する。 部位特異的突然変異誘発を使用する選択されたmutAのミュータンス連鎖球 菌(S.mutans)の遺伝子の配列分散(sequence variance)の調製は、潜在的に有用 かつ改良されたミュータシンポリペプチドの産生手段として提供され、また、制 限することを意味されない。なぜなら、mu tA遺伝子の配列分散を得ることができる他の方法が存在するからである。例え ば、所望の遺伝子をコードする組換えベクターを突然変異誘発剤で処理して、ヒ ドロキシルアミンを使用するプラスミドDNAの突然変異誘発のための配列分散 を得ることができる。 これは、カセット飽和突然変異誘発およびより精巧に標的を定められた部位特 異的突然変異誘発の組み合わせにより成し遂げることができる。しかしながら、 突然変異誘発に先立ち、ミュータシン分子の化学的および遺伝子的特性の詳細な 理解を得ることができる。ミュータシンのDNA配列をmutA遺伝子座と比較 することができる。ミュータシンIはわずかに異なる活性範囲をもつ緊密に関連 したミュータシンである。配列の差異はより幅広いスペクトルの分子を生じるた めに配列のどこを改変するかに関しての手掛かりを提供するようである。 このポリペプチドのNMRおよび質量分析による化学分析は、修飾されたアミ ノ酸残基(例えば、ジデヒドロ酪酸もしくはジデヒドロアラニン)、チオエーテ ル架橋および分子の空間的配置の検出を可能にすることができる。化学分析と組 み合わさったDNA配列データから推定される遺伝子解析は、疎水性/親水性ド メイン、抗原性、両親媒性の配置および電荷の分布についての情報を生じること ができる。他の十分に研究されたランティビオティックとの比較と一緒のこの情 報は、ミュータシンペプチドの修飾のための部位特異的突然変異誘発の設計で補 助することができる。 部位特異的突然変異誘発は広く使用されている一方、この技術は突然変異誘発 されるはずである標的部位に関するある情報を推定する。かように、ズブチリシ ンの場合(リウ(Liu)とハンセン(Hansen)、1992)に は、位置4の特定のアミノ酸グルタミンがイソロイシンに変えられた。明らかに 、グルタミンのカルボキシル基は隣接するジデヒドロアラニンを不安定化してズ ブチリシン分子の生物学的半減期の短縮を引き起こした。Gluの代わりのIl eでの単一の置換はズブチリシンの半減期を57倍増大させた。ズブチリシン分子 のこの顕著な強化は、これおよび他のランティビオティックの他の修飾がその分 子に高められた抗菌特性を与えうるという可能性を示す。 突然変異誘発のアプローチは、ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)UA96お よびT8が本来能力があり、そしてこのペプチド、ミュータシンが比較的小さい ため、魅力的に思われる。また、ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)の染色体に 突然変異された配列を導入することが可能であることにより、遺伝子量および調 節が、突然変異された産物を産生するのにプラスミドレプリコンを使用すること と対照的に、維持される。突然変異誘発のどの領域を修飾するかに関する他の手 掛かりは、ミュータシンを産生するミュータンス連鎖球菌(S.mutans)の利用可 能な株から生じうる。1個は、活性および物理的特性のわずかに異なるスペクト ルをもつグループIのミュータンス連鎖球菌(S.mutans)により作成される緊密 に関連したミュータシンである(コーフィールド(Caufield)ら、1985)。 最初に、飽和カセット突然変異誘発と呼ばれるいくぶん無作為の突然変異誘発 のアプローチを用いて開始することが提案される(ベッドウェル(Bedwell)とス トローベル(Strobel)、1989;ヒル(Hill)ら1987)。リウ(Liu)とハンセン(Hanse n)(1992)のものに類似のアプローチを、以下の改変を伴い使用することができる 。修飾するミュータシン遺伝子を クローニングしかつ送達するためのベクターはpMCL19であることができる 。プラスミドMCLはCat遺伝子およびpUC19からのMCSを有する。E rmのABカセットは、正確な配列が既知になれば記述されたようにミュータシ ンの構造遺伝子中に挿入されることができる。これは相同的交換が起こったかど うかを示すことができる。構造遺伝子mutAもまたpMCL19にクローニン グすることができる。加えて、tetOもしくはkan抗生物質カセットを、ミ ュータシン抗生物質の活性もしくはプロセシングを変えない部位でミュータシン 遺伝子に対し遠位に挿入することができる。ある試行錯誤の挿入がここで必要で あるが、しかし、PCRの補助で、唯一の制限酵素切断部位に合うあつらえの(c ustom)挿入物を作成し得る。相互交換(reciprocal exchange)のための相同領域 としてはたらくことができるおよそ50塩基対の下流配列をミュータシン挿入物中 に包含することができる。この系は、pMCL19のキメラを直鎖状にすること により試験され、そしてUA96もしくはT8を形質転換する。ErmsTetr についての選択は相同的交換を受けた形質転換体を生じるはずである。ミュータ シンについてのスクリーニングは陽性であるはずである。サザンブロットは適切 な位置での単一の挿入物を確認するはずである。 長さおよそ50ないし100bpのオリゴヌクレオチドを、mutAの配列を基礎と して合成することができる。縮重を、各コドンのそれぞれ第一および第二ヌクレ オチドに組み込むことができる。野生型のヌクレオチドを、残存する3個の突然 変異誘発するヌクレオチドと一緒におよそ33:1ないし1:1の比でオリゴヌク レオチド合成反応に添加することができる。この比の最初の近似は、与えられた 縮重オリゴヌクレオチドが ただ1個の点突然変異を有することができるようにポアソンの計算(Poissoncal culation)を基礎とする。この比は最終的なmutA配列の長さを基礎として決 定することができ、また、その結果は経験的に試験することができる。その配列 がおよそ100bpのmutAの左および右端由来でありかつ10ないし20bpのオーバ ーラップを有する、およそ50ないし90bpの2種の変性オリゴヌクレオチドを合成 することができる。オーバーラップの領域はクレノウポリメラーゼの準備をする のに使用することができ、また、pMCL送達ベクター中に連結され得る二本鎖 DNA断片が生じることができる。連結のための部位はmutA遺伝子座の配列 データから予め決定することができる。唯一の部位を部位特異的突然変異誘発に より不可欠でない配列に工作し得る。PCRもまた、オーバーラップ配列を伸長 させるのに使用し得る。当該オリゴヌクレオチドは、挿入物の方向性クローニン グで補助する末端設計認識部位(terminal design recognition site);例えばP stIおよびHind IIIを有するようにも設計し得る。 いくぶん無作為の置換を含有する一連のオリゴヌクレオチド由来の連結された 挿入物を、直鎖状にされた自殺ベクターpMCL19により送達することができ 、また、TetrEems表現型を有する形質転換体を抗菌活性もしくは他の所望 の特性についてスクリーニングすることができる。有望な突然変異のDNA配列 を、特定の表現型、例えば抗菌活性スペクトルの原因であるミュータシン分子の 多様な領域の輪郭を描くために得ることができかつ染色体上で位置づけ得る。t etもしくはkanのABカセットは、染色体上に配置された突然変異された挿 入物の回収を助長することができる。 コドン中の治癒力のある変化の確認は配列分析のアミノ酸組成から成ることが できる。プロトンNMRスペクトル分析は、ズブチリシン分子中の構造変化の決 定で有用と判明した。変えられたミュータシン分子は、野生型ミュータシンの回 収に使用されるものに類似の方法により回収され得る。 実施例7 高められたミュータシン産生 天然の起源から単離される抗生物質での問題の一は低収量および長大な精製過 程である。以下の実施例は、グラム陽性細菌の細胞を形質転換するのにDNA構 築物を使用する、細菌宿主からミュータシンを過剰発現するための戦略を具体的 に説明する。グラム陰性細菌、典型的には大腸菌(E.coli)が一般には発現系と して使用される一方、枯草菌(B.subtilis)、L.ラクチス(L.lactis)もしくは サングイス連鎖球菌(S.sanguis)のようなグラム陰性細菌の外膜を欠く他の株が 高められた収率を提供することを期待される。 本発明のさらなる局面は新規ミュータシンおよびその変異体をコードするDN Aを組込む高発現ベクターを包含する。ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)以外 の系でのミュータシンの高められた発現を提供するベクターが得られることがで きることが企図される。大腸菌(E.coli)でのT7発現系のような大腸菌(E.col i)の高発現ベクターは、ミュータシンを正しくプロセシングしかつ輸出すると思 われない。なぜなら、その外膜をもつグラム陰性細胞はミュータシンプロセシン グ酵素の多くもしくは全てを欠くようであることができるからである。さらに、 大腸菌(E.coli)の系への全てのミュータシンプロセシング遺伝子のひとまと まりにしての導入さえおそらく活性のミュータシンを生じることができない。し かしながら、他のグラム陽性の微生物、とりわけ、例えばズブチリシンを産生す るのに使用されている枯草菌(B.subtilis)が適する選択肢であることが期待さ れる。枯草菌(B.subtilis)に加え、発明者は、サングイス連鎖球菌(S.sanguis )もしくはラクトコックス(lactococci)のような他の種の連鎖球菌類が適する発 現宿主であることもまた証明することができることを企図する。 ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)もしくは他の宿主系での大スケール産生もし くは高められた発現のための発現系 液体培養物中のその溶解性もしくは発現を増大させる、ミュータシンの物理的 特性の改変が求められうる。ミュータシン遺伝子座は、高発現プロモーター、も しくは発現を高めるよう変えられたミュータンス連鎖球菌(S.mutans)系の調節 の制御下に置かれうる。 20リットルのタンクから1,000リットルもしくはそれ以上へのスケールアップ は、ミュータシン産生の同時の分析(バイオアッセイおよび/もしくは逆相HP LC)、ミュータシン特異的なタンパク質および遺伝子の発現(ノーザンおよび ウェスタンブロット、SDS−PAGE)を基礎とすることができ、また、スケ ールアップの多様な段階で栄養素レベルと相互に関連することができる。生理学 的研究はミュータシン産生のための主要な制御機構を示すはずである。20から1, 000リットルまでのミュータシンの単離および精製は生産範囲に依存するとみら れるが、しかし、一般には以下の段階が実施されるとみられる。すなわち、ミュ ータシンを含有する液体を細胞から分離することができる。濾過(ペリコン(Pel licon)フィルター系、ミリポア(Millipore)、0.45mm膜)もし くは遠心分離を使用し得る。ミュータシンの単離および濃縮。10kDaの限外濾過 物および1もしくは2kDaの保持物を使用する2個の限外濾過段階(ペリコン(Pe llicon)フィルター系、ミリポア(Millipore)、限外濾過膜)が十分であるはずで ある。あるいは、吸着体樹脂上の吸着もしくは陽イオン交換クロマトグラフィー を使用し得る。選択的液体抽出/沈殿法を、最終精製のための逆相HPLCの適 用前に使用しうる。これは凍結乾燥もしくは化学修飾(活性を変えるもしくは溶 解性を増大させるための)が後に続きうる。凍結乾燥。この精製スキームは、臨 床および前臨床の検討のための基準、すなわち、99%以上の生成物純度、パイロ ットスケールで50%を越える全体収率の大量のペプチドを精製しかつ費用効率を 達成する能力に合致するべきである。 ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)の培養後の醗酵培地からのタンパク質の単 離における醗酵方法は既知である。ペリコン(pellicon)カセット分離器(ミリポ ア(Millipore)、マサチューセッツ州ベッドフォード)が液体からの細胞の迅速 な分離を可能にする(HVLPカセット、0.45mm)。ペリコンフィルター分離器 の応用は、前に記述されたミニタン(Minitan)分離器(ミリポア(Millipore)、マ サチューセッツ州ベッドフォード)による小スケールの単離処置に類似であるこ とができる。10kDaおよび1kDaのペリコン膜の使用は、1kDaの保持物中のミュ ータシンの収集を可能にすることができる(ペリコン(Pellicon)フィルター系を 使用しての最小体積はポンプの型に依存して250〜750mlである)。回転静脈ポン プ(rotary vein pump)を伴うペリコン(Pellicon)フィルター系の可能な濾過速度 は1時間あたり1.5ないし150リットルの濾液を得ることを可能にする。ミュータ シンは熱安定性であるため、迅速な精製、もし くは分離条件での特別の注意の特別の必要性は存在しない。精製段階での熱変性 もまた1個の可能性である。全ての熱に不安定なタンパク質は変性されるはずで あり、そして遠心分離後にペレットとして捨てられるべきである。その後、次の 段階の限外濾過がより高速で進行しそして純粋な物質を生じるはずである。粗ミ ュータシンを直接さらに処理することができる。ミュータシンの最終精製は、逆 相HPLCすなわち99%を越える純度を伴う精製の通常の現代的方法により実施 することができる。いくつかの目的上、20倍過剰の水による溶液(例えば8M尿 素、70%エタノール)からの選択的沈殿が十分でありうる。精製されたミュータ シンおよび修飾されたミュータシンのさらなる分析のため、例えば精製をたどる ためにアミノ酸分析と組み合わせられたサイズ排除クロマトグラフィーを使用す ることが必要でありうる。 ミュータシンの産生および精製はまた、異種宿主中でのプロセシングされない プレプロトミュータシン(修飾前のリーダーペプチドを伴うタンパク質)の過剰 発現、次いで固定された修飾酵素でのカラム上でのその修飾の組み合わせにより 成し遂げられることも企図される。カラム中の流出物は高度に精製された活性物 質を含有するとみられる。プレナイシンペプチドと合わせられたナイシンのプロ セシング酵素を含有する細胞抽出物は活性のナイシンの産生をもたらした(ファ ン・デル・メール(van der Meer)、1993)。 生理活性代謝物の一次構造を解明するのに使用される分光学的研究は、NMR および質量分析法、ならびに高速原子衝撃質量分析法(FAB−MS)の使用を 包含することができる。既知のアミノ酸組成と一緒になったこの知識は、逆相H PLCにより単離されたトリプシンペプチドおよ び他の切断されたペプチドのMS研究で使用することができる。例えば、臭化シ アン消化はミュータシンの一次構造中の1個のメチオニン残基の存在のため2種 のペプチドを生じるはずである。この技術はエピデルミンの研究で成功裏に使用 されている。代替の可能性はFAB−MSによる直接のミュータシンの配列決定 である。ミュータシンの構造的サブユニットは、新規成分の構造決定での標準的 な初期のアプローチであるプロトンNMRおよび13CNMRにより確立され得る 。化学修飾もしくはより短いペプチドの分析および/または重水素NMR測定を 包含する拡張(extension)NMR分析の関与が、溶液中のミュータシンのコンホ メーションのNMR研究への道をひらきうる。 実施例8 ミュータンス連鎖球菌(Streptococcus mutans)の大スケールのスクリーニング 以下の実施例は、2種の異なる機構がはたらき、それによりTn916トラン スポゾンがミュータンス連鎖球菌(S.mutans)の本来能力のある株中のレシピエ ント染色体に挿入することを示す。Tn916を挿入された形質転換体の頻度に 対する内在するヘルパープラスミドの影響もまた立証されている。形質転換頻度 のこれらの差異は、特定の突然変異が求められかつ多数の形質転換体がスクリー ニングに必要とされる場合に決定的に重要になる。 ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)でのTn916を使用する転位突然変異誘発 ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)UA96を2種の異なるTn916含有プ ラスミドを使用して形質転換した。プラスミドpAM118は ベクターpVA838から構築され、そしてTn916に加えてS.フェルス(S .ferrus)pVA380−1からの連鎖球菌のレプリコンを含有する。プラスミ ドpAM620は、それが連鎖球菌のレプリコンを欠き、そして従ってミュータ ンス連鎖球菌(S.mutans)中で複製することが不可能であったことを除いて類似 であった。ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)UA96を最初にこれら2種のT n916含有プラスミドで形質転換した場合は、形質転換体の数およびコロニー の形態の差異が観察された。とりわけ、黄色であった、非複製性のpAM620 に生じられた野生型(WT)形質転換体が産し(raise)かつ典型的なミュータン スのコロニーの形態を有した一方、複製性のプラスミドpAM118から生じる 形質転換体は小型の白色コロニーであった。一次プレート(5mg/mlテトラサイ クリンを含むトッド・ヒューイット(Todd-Hewitt))上では多様なコロニーのモ ルフが明瞭でありかつ容易に同定され;数日の成長後の二次単離に際しては、小 型の白色コロニーはWTの形態となった。pAM118はpAM620より20倍 多い形質転換体を与えたため、この差異を活用し、そうしてより多くの突然変異 体を形質転換あたりで生じ得た。新たに調製されたブラスミドDNAは1ヶ月も しくはより古い調製物よりも高い形質転換率を与えた。これはTn916中間体 のCCCの形態の固有の不安定性の結果のようであった。双方のコロニーの形態 からの一次Tetr形質転換体をその後TetおよびErm双方に対する耐性に ついてスクリーニングし;小型の白色物(whites)はTetrErmr双方であった 一方、pAM620からのWTはTetrErmsであった。ベクターpVA83 8はErm遺伝子をもつため、小型の白色物はプラスミドpVA838からEr mrを獲得していたことが推定 された。pVA838は、UA96の染色体それ自身中に組込まれ得たか、もし くはUA96中で複製するプラスミドを形成するよう再循環され得たかのいずれ かであった。プラスミドのスクリーニングは、実際、16.4kbのTn916を除い たpAM118と矛盾しないプラスミドが小型の白色の形質転換体に組込まれた ことを示した。 非複製性のpAM620から生じた形質転換体は、CCC中間体による形質転 換の結果のようであった。小型の白色物が複製性プラスミドから生じ、また、W TのモルフはCCC中間体から出現したことを確認するため、直鎖状にされたプ ラスミドDNAは染色体との相同的組換えもしくは内在するプラスミドとの相同 性によるのでない限りミュータンス連鎖球菌(S.mutans)を形質転換し得なかっ たという事実を利用した。 プラスミドpAM118およびpAM620を、Tn916内で一度切断する がしかしベクターpVA838もしくはpVA891内でしない制限酵素Kpn I、およびベクター内で切断するがしかしTn916内でしないXbaIで直鎖 状にした。形質転換する部分が全ての場合でTn916中間体であった場合は、 XbaIで切断されたpAM620およびpAM118の形質転換するプラスミ ド調製物は直鎖状にされないTn916を形質転換することができ、また、Kp nIで切断された調製物(preps)はミュータンス連鎖球菌(S.mutans)を形質転換 することができなかった。なぜなら、KpnIは中間体内で切断するからである 。この実験の結果を表8に示す。 pAM620のような非複製性プラスミドによる形質転換の場合には、Tn9 16中間体は、形質転換に先立ち、それから調製物が生じられる大腸菌(E.coli )宿主中でCCC中間体を形成する。それは、Tetr形質転換体の原因である形 質転換する部分であるこの中間体である。これは、形質転換するDNAが中間体 およびプラスミドpAM118も同様に直鎖状にするKpnIで切断される場合 の形質転換体の非存在により明らかである。XbaIでpAM118を切断する ことはプラスミドpAM118を直鎖状にするが、しかし大腸菌(E.coli)中で 形成されるTn916中間体を直鎖状にしない。これゆえに、低下された頻度の WT形質転換体が生じる。この実験はまた、WTコロニーがTn916中間体か ら生じた一方、小型の白色物が複製するプラスミドから生じたことも示し、ここ で、転位は、Tn916含有の複製性プラスミドpAM118が形質転換された ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)中に入りそして確立されたようになった後の 二次的事象である。 この結果は、(1)WTコロニーの形質転換体がTn916中間体から生じた 、また、(2)形質転換するプラスミドのいわゆる「接合誘発」の以前の観察結 果(ガウロン−ブルケ(Gawron-Burke)とクレウェル(Clewell)、1984)とのその 一致のため、2個の機構が必要であったことを示した。これらの2個の相反する 仮説は、S.ゴルドニイ(S.gordonii)およびミュータンス連鎖球菌(S.mutans) の形質転換が、双方が本来の能力により起こり、また、双方が一本鎖DNAの取 り込みを必要とすることにおいて類似であるという観察結果により調和される。 これゆえに、プラスミドが確立されたようになるためには、それはいわゆる2衝 突の力学(two-hit kinetics)によりDNAの2個の部分的に重なり合うプラスミ ド分子の進入を必要とする。 突然変異体でのプラスミドDNAの形成を安定化もしくは促進することができ た何事も、プラスミドDNAが細胞に入りそして確立されたようになった後に起 こる二次的な接合的に誘導される事象の結果として、形質転換率もまた増大させ ることができた。これはプラスミドpAM118の複製物でみられるように小型 の白色コロニーの形質転換体をもたらす。ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)を その後、pAM118の親プラスミドpVA38で形質転換し、そして生じる株 をTn916含有プラスミドpAM620およびpAM118で形質転換した。 結果を表9に示す。 プラスミドpAM118の複製物から生じるTetr形質転換体の数は、非ヘ ルパーレシピエントのものよりほぼ20倍大きかった。非複製性プラスミドpAM 620から生じるTetr形質転換体は非内在性のヘルパー陰性レシピエントに 匹敵し、pAM118およびpAM620についてそれぞれ1.7および3.1であり 、Tn916を含有する複製性プラスミドの確立がTn916の二次的除去すな わち接合誘導およびミュータンス連鎖球菌(S.mutans)の染色体への挿入に前も って必要であったことを立証した。小型の白色コロニーの形質転換体はpAM6 20から生じた。これらの形質転換体は侵入者(income)pAM620含有ベクタ ーpVA891と内在するpVA838すなわちpVA891の親ベクターとの 間の組換えの結果であった。これは、Tetr形質転換体がミュータンス連鎖球 菌(S.mutans)の染色体へのプラスミドからの二次転位として生じたというさら なる支持であった。これもしくは前の実験でのDNAについてのミュータンス連 鎖球菌(S.mutans)形質転換体のスクリーニングでは、最初のpAM118と大 きさが矛盾しなかったプラス ミドは観察されず、Tn916含有プラスミドがミュータンス連鎖球菌(S.muta ns)中で不安定であることを示した。小型の白色コロニーの形態は、細胞をより ゆっくりと成長させるTn916プラスミドの一時的な運送の結果であるようで ある。おそらく転位が起こった後に生じる小型の白色のモルフの二次クローンは WTコロニーの形態に復帰する。 競争実験を実施し、それにより異なる量の染色体もしくはプラスミドのDNA をpAM620もしくはpAM118を用いて共形質転換した。ストレプトマィ シン耐性マーカーを有する相同的染色体DNAはTn916形質転換体と競争し 、染色体DNA、Tn916中間体およびTn916含有プラスミドが共通の経 路によりミュータンス連鎖球菌(S.mutans)に入りかつこれを形質転換すること を示した。Tn916中間体、および複製するプラスミドからの二次的転位事象 を必要とすることに関する2種の異なる機構のこの観察結果の重要性は、Tn9 16が不活性化された突然変異体が、最初に観察された10-5の率に比較して10-3 ないし10-4の形質転換体/レシピエントの桁の率で生じられ得ることである。形 質転換頻度のこの差異は特定の突然変異体が求められる際に決定的に重要となる 。 実施例9 細菌株の形質転換 ある株のミュータンス連鎖球菌(Streptococcus mutans)は本来能力がない。形 質転換効率は、形質転換される株、培養条件および形質転換するDNAの性質に 依存する。本実施例では、ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)の形質転換率を増大 させるために培養条件をどのように操作したかを示す。 ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)の形質転換 2種の天然に存在する能力のある血清型Cの株の形質転換率を比較した。一方 の株は5.6kbのプラスミドをもち(UA96)、また、他方はプラスミドを含ま なかった(T8)。これらの株を広く使用される株GS5と比較した。全3種の 株は、ウシ血清アルブミンをウマ血清の代わりにし、かつ化学的合成培地をトッ ド・ヒューイット(Todd-Hewitt)培地の代わりにした場合に、6と150倍との間の 高められた形質転換頻度を表した。 全体として、株UA96は0.4%BSAで補充されたCDM中で最大の形質転 換率を表し、プラスミドおよび染色体のDNAについてそれぞれ40ないし152倍 の増大を示した。より好都合な形質転換率を保有するUA96にもかかわらず、 T8をさらなる研究のために選んだ。なぜなら、それはUA96中に見出される 内在するプラスミド5.6kbを欠いたからである。この内在するプラスミドの存在 は能力のある細胞に導入される目的のプラスミド構築物の遺伝子的特徴づけを複 雑にする。なぜなら、内在するおよびキメラの双方のプラスミドは塩化セシウム 濃度勾配遠心分離で共純化されるからである。形質転換する部分としてpVA8 38を使用する0.4%BSAで強化されたCDM中のT8のインキュベーション 時間、培養密度および形質転換率の間の関係。 インキュベーションの1ないし6時間の間の時間間隔は、3時間での至適で、 形質転換率により測定されるような能力の鋭い上昇および下降を立証した。最大 の形質転換率は誘導期の終わりと同時に起こり、迅速な低下が指数増殖期に先行 した。能力の迅速な低下は誘導と指数増殖の曲線の間の結合部に対応した。類似 のパターンがTS5およびUA96 双方で起こり、最大の形質転換率が成長の誘導期と相互に関連し、かつ、指数増 殖期の開始時に鋭く低下することを示唆する。 肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)およびいくつかのグループHの連鎖球菌は血清 もしくはアルブミンを含まない培地中で多様な程度の能力を獲得したとは言え、 試験されたミュータンス連鎖球菌は血清由来の成分の存在下でのみ能力を獲得し た。血清由来の添加物がどのように能力を増進するのかは明らかでない。0.4% BSAで強化されたCDMを使用するミュータンス連鎖球菌(S.mutans)の形質 転換を高める能力は、あればどの他の物質がこの生物体での能力の発達に関連す るかの決定を可能にすることにおいて付加的な利点を有する。THのような天然 培地と比較してCDM中での複数のポリペプチドの非存在は別の利点であり、発 現されたポリペプチドの単離および精製をずっとより少なく厄介にする。加えて 、CDMの使用はミュータンス連鎖球菌(S.mutans)の本来の能力に関連する細 胞外成分のさらなる解明のための道を開く。 実施例10 ミュータシン発現に対するrecAの影響 大腸菌(E.coli)からのコリシンのようなある他のバクテリオシンはrecA 依存性である。これは、ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)でのミュータシンの 発現に対するrecA突然変異体の影響の検討を促した。recA遺伝子はre cAタンパク質のコーディングの原因である。これは相同的組換えDNA修復お よび「SOS」経路のタンパク質分解性の活性化の高度に保存された調節体(reg ulator)である。PCR増幅を使用するミュータシン株UA.96のrecA突然 変異を構築した。プライマーは大腸菌(E.coli)および枯草菌(B.sbtilis)から のrecA の保存領域に対して直接作成した。当該実験は、ミュータンス連鎖球菌(S.muta ns)でのミュータシン産生および形質転換能力に対するrecA破壊の影響を研 究するよう設計した。 ミュータシン産生および形質転換に対するrecA突然変異の役割を示すため 、大腸菌(E.coli)および枯草菌(B.sbtilis)双方からのrecA遺伝子座の保 存領域からのオリゴヌクレオチドプライマーをPCR増幅のためのプライマーと して使用した。EcoRIの「末尾」を付加し、そしてrecAのPCR内部断 片をシャトルプラスミドpVA891(ErmrCmr)にクローニングした。こ のキメラを相同的染色体組換えのための形質転換するDNAとして使用した。p VA891はミュータンス連鎖球菌(S.mutans)中で複製することが不可能であ るため、染色体中に組込むもののみがErmr形質転換体を生じる。形質転換を 、ドナーとしてこの構築物を使用して、UA96、および5.6kbのプラスミドを 欠くその類似株T8双方で実施した。 UV感受性の大きな差異がその親株と比較してBac-突然変異体で観察され た。UV感受性は不完全なDNA修復の表現型の発現の一である。Ermr形質 転換体は親株よりUV照射に対して4桁より感受性であった。2種の独立に単離 されたErmr突然変異体のサザンブロットのためのプローブとして内部rec Aを使用することは、挿入が同一の制限酵素切断断片中であったことを確認した 。プラスミドDNAおよび染色体DNA双方の推定のrecA突然変異体での形 質転換頻度は10-7未満で検出より下であった。しかしながら、突然変異体と親株 との間でミュータシン産生での差異はみられなかった。集合的に、これらの結果 は、ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)株UA96およびT8中のre cA遺伝子が不活性化され、そして、UV感受性および能力の低下の双方の原因 であったことを示した。しかしながら、それはミュータシン産生と関係がない。 実施例11 ミュータンス連鎖球菌(Streptococcus mutans)中でのランティビオティック、ミ ュータシンIIの生合成に関与するmutAおよびmutM遺伝子の特徴づけ 本発明は、ミュータシンII生合成オペロンの一部の増幅、クローニング、配列 決定および特徴づけもまた開示する。新規アプローチを、ミュータシンペプチド のN末端アミノ酸配列に従って設計されたオリゴヌクレオチドを用いるPCRを 基礎とする染色体歩行の技術を必要としたランティビオティックの構造遺伝子の クローニングで使用した。 細菌株およびDNAの操作 ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)T8、サングイス連鎖球菌(S.sanguis)N y101ならびに大腸菌(E.coli)の株およびプラスミドをこの検討で使用した 。株は必要とされるまで−70℃で凍結して保存し、そして前に記述されたように 成長させた。大腸菌(E.coli)および連鎖球菌の染色体およびプラスミドのDN Aの単離、制限酵素切断(restriction)、連結ならびに形質転換は、とくに示さ れない限り出版された方法、シャー(Shah)ら、(1993)Anal.Biochem.214、34 3-346に本質的に従った。抗生物質は所望される場合に培地に添加した(連鎖球 菌について:エリスロマイシン20μg/mlおよびカナマイシン500μg/ml;大腸 菌(E.coli):エリスロマイシン300μg/mlおよびカルベニシリン50μg/ml)。 プライマーの設計 SSP−PCRのためのプライマーをミュータシンペプチドのN末端アミノ酸 配列、すなわちAsn−Arg−Trp−Trp−Gln−Gly−Val−V alに従って設計した。縮重プライマーを同様に作業し(worked)、また、いくつ かのグループIIの株からのペプチドを同様にクローニングした。順および逆双方 の向きの非縮重プライマーの設計はミュータンス連鎖球菌(S.mutans)でのコド ンの好みを利用した。とりゎけ、ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)からの前に クローニングされた遺伝子の9,985のコドンを分析して、明確なコドンの好みに 従うことが見出された。このコドンの好みをミュータシンのN末端アミノ酸につ いて全体の%として表現した。すなわち、Asn(AAT 77.5;AAC 22.5 );Arg(AGA 13.4;AGG 2.7;CGC 23.6;CGG 5.1;CGA 8.7;CGT 46.4);Gln(CAA 82.1;GAG 17.9);Gly(G GT 50.4;GGA 23.7;GGC 17.2;GGG 8.7);Val(GTA 1 6.4;GTT 52.5;GTG 12.2;GTC 18.9)。ミュータンス連鎖球菌(S .mutans)でのコドンの好みを反映する逆(R)および順(F)向きの非縮重プ ライマーを合成した。Rの向きのプライマーoWB002(5’ACAACAC CTTGCCACCAACGATT3’)およびoWBOO6(5’ACAAC ACCTTGCCACCAACGGTT3’)ならびにFの向きのoWB003 (5’AATCGTTGGTGGCAAGGTGTAGT3’)は遺伝子特異的 産物を生じた。 ミュータシンの構造遺伝子および隣接するDNAのクローニング ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)T8からの染色体DNAを制限酵素Hin d IIIで消化し、そしてpUC19もしくはpBluescr ipt中の対応する部位に連結した。室温での一夜連結の後に、連結混合物はS SP−PCR(18、19)の鋳型としてはたらいた。プライマーoWB002(もし くはoWB003)を最初の遺伝子特異的プライマーとして使用し、また、普遍 的配列決定プライマーF−20は第二のプライマーとしてはたらいた。PCR条 件:連結混合物の1μlのアリコートを、ジーンアンプ(GeneAmp)PCRシステ ム9600(パーキン エルマー シータス コーポレーション(Perkin-Elmer Cetus Corp.)で100μlの総体積中での熱開始(hot-start)PCR増幅に使用した 。至適化されたPCR反応混合物は、反応緩衝液(20mMトリス−塩酸pH8.4、50m M塩化カリウム)中に20pmolのプライマーoWB002および20pmolのプライマ ーF−20、200μMのdNTP、2.5mMの塩化マグネシウムを含有した。この混 合物を、反応緩衝液中の2.5単位のTaqポリメラーゼ(ギブコ BRL(Gibco B RL))を固化された蝋層上に添加する前に80℃で5分間プレインキュベーション した。94℃で2分間の初期変性に、35周期の94℃、30秒;58℃、30秒;72℃、1. 5分が続いた。72℃に10分間留まった後、サンプルを使用されるまで4℃で保持 した。特定のアンプリコン(amplicon)を、TAクローニングキット(インヴィト ロジェン(Invitrogen))からpCRIIベクターにクローニングしたか、もしくは 直接配列決定した。 挿入不活性化 ORF1およびORF2の遺伝子破壊を、EcoRI制限酵素切断部位にクロ ーニングされたそれぞれの遺伝子の内部断片を含有する挿入ベクターpVA89 1(マクリナ(Macrina)ら、(1983)Gene 25、145-150)を用いるミュータシン 産生株の形質転換により成し遂げた。結果として 生じる形質転換体中の挿入をサザンブロット分析により確かめ、そしてその株を ミュータシン産生についてアッセイした。ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)の ヒト由来株からの染色体DNAのEcoRIもしくはHindIII消化により生 じられた制限酵素切断断片を0.7%アガロースゲル上で分離し、そしてサザン(So uthern)の方法に従った変性および中和の後にナイロン膜に転写した。プローブ を、ニックトランスレーションを介してビオチニル化11−dUTPで標識し、そ してハイブリダイゼーションを高められた化学発光法(ニュー イングランド バィオラブス(New England Biolabs))により可視化した。ミュータシン産生を 、指標としてサングイス連鎖球菌(S.sanguis)Ny101を用いる遅延拮抗作用 技術によりアッセイした。 DNA配列決定 DNA配列決定は、シークェナーゼ(Sequenase)バージョン2DNA配列決定 キット(USB)、およびECL検出(ニュー ィングランド バイオラブス(N ew England Biolabs))と結合されたツーステップダイレクト ブロッティング シークェンサー(TwoStep Direct Blotting Sequencer)TE2000(ホファ ー(Hoefer))を用いるチェインターミネーター法、もしくは自動化配列決定(ア プライド バイオシステムズ(Applied Biosystems)373A DNAシークェン サー)を使用した。オリゴヌクレオチドをUSBの施設で合成した。DNA配列 をいくつかのクローンからの双方の鎖について得、そしてコンセンサス配列を推 定した。PCRの人工産物から生じる不確定性は、PCRのアンプリコンの直接 配列決定もしくは追加クローンの配列決定により解消した。得られたDNA配列 をGCGパッケージのいくつかのプログラムを使用 することにより分析した。 ミュータシンIIプレペプチドをコードする構造遺伝子のPCR増幅のためのプ ライマーを、ミュータシンIIの以前に得られたアミノ酸配列に従って設計した。 SSP−PCRのアプローチを使用して、遺伝子特異的な非縮重の23mer(順も しくは逆)が、ミュータシン構造遺伝子周辺の遺伝子座の上流(0.7kb)および 下流部分(2.1kb)を増幅した。染色体歩行(SSP−PCR)はミュータシン 遺伝子座の下流部分を生じた。 SSP−PCRにより得られたDNA配列の分析は、ミュータシンの構造遺伝 子がその生合成オペロンの部分と一緒にクローニングされたことを示した(図6 )。遺伝子で設計されたmutAは、2個の逆向き反復配列および推定のリボソ ーム結合部位(GAGG)により先行される。mutAは、プロセシング部位に Gly-2−Gly-1配列をもつ26アミノ酸の両親媒性リーダーペプチドを包含す る53アミノ酸のプレペプチドをコードする。このプレペプチドは、ランティビオ ティック、ラクチシン(lacticin)481、バリアシン(variacin)、サリバリシン (salvaricin)およびストレプトコクシン(streptococcin)A−FF22との類似 性を示した。このリーダーペプチドは荷電し、そしてクラスIIのリーダーペプチ ドを代表する保存配列、すなわち−13ないし−11のEVS、−8ないし−6のE LD、ならびに位置−3および−4の2個の脂肪族残基を共有する。一般に、ク ラスIIのリーダー配列は、ペジオシン(pediocin)FおよびラクチシンFのような グラム陽性細菌により産生される非ランティビオティックペプチドのリーダーと のかなりの類似性を示し、Gly-2がプロセシングされたペプチドのトランスロ ケーションおよび切断に不可欠である。おそらく、これらのリーダーペプチドは 、成熟ペプ チドの輸出に関与するABC輸送体のN末端のペプチダーゼドメインによりプロ セシングされる。 成熟ミュータシンは3,244.66±1.15Daの分子量を有する。そのDNA配列から 推定されるプロミュータシンIIの分子量は3,315Daである。ミュータシンは4個 の修飾されたアミノ酸を有し、ミュータシンIIの測定されたMrと良好な一致に ある3,243Daの算出された分子量を生じる。ミュータシンのプロランティビオテ ィック部分はいくつかのタイプAのランティビオティックの配列との類似性を示 す(図7)。位置6のグリシン、ならびにそれぞれ位置19および20のアスパラギ ンおよびセリン/トレオニン(ミュータシンに従って番号をつけられる)が、ミ ュータシンII、ラクチシン481、サリバリシン、バリアシンおよびストレプト コクシンA−FF22で保存される。位置10ないし12のモチーフTI/VS/T 、位置14、15のE/DC、およびV/LF/ATCCのC末端モチーフもまた保 存される。ミュータシンIIは27アミノ酸を含んで成る一方、他の4種のランティ ビオティックは22から26残基までの範囲にわたる。全4種が分子中の3個のシス テイン残基により3個のチオエーテル環を形成することが可能である。配列の分 析は、ミュータシンのN末端領域(残基1ないし8)は両親媒性のαヘリックス を形成することが独特に可能であるようであることを示した。 mutA遺伝子の下流は、ラクチシン481修飾酵素の遺伝子、LCNDR2 との類似性を基礎としてMutMのように設計された1個の長いORFである。 潜在的リボソーム結合部位(GGAG)は、調節機能を有しうるmutA遺伝子 の3’端のヘアピン構造の部分を含んで成る。推定される898アミノ酸のMut Mタンパク質は、プログラムTOPP RED IIにより予測されるように5個の推定の膜スパンニングドメインを有す る。C末端近くの3個の配列クラスターがlanC遺伝子中で保存される。保存 された配列クラスターがMutM中に見出され、また、位置700付近のNXXX AHGXXG、位置760付近のWCXGモチーフ、およびさらに52残基C末端近 くのコンセンサスCHGを伴う。保存されたグリシン残基が構造的特徴を定義し うる一方、他の完全に保存された残基(2個のHis、2個のCys、1個のT rp)は触媒作用、ジスルフィド結合形成もしくは金属イオン結合に関与し得る 。 ミュータシンII遺伝子クラスターの組織はラクチシン481のものに似ている 。構造遺伝子(mutA)は、修飾酵素が触媒する脱水およびチオエーテル架橋 の形成の原因であると思われる推定のmutM遺伝子に先行する。mutAもし くはmutMの挿入不活性化はMut-表現型をもたらす(図8)。免疫は影響 を及ぼされなかった。これは、生合成の遺伝子からのミュータシン免疫遺伝子( 1個もしくは複数)の別個の調節を示す。 ランティビオティック遺伝子クラスターのクローニングに新規技術を使用して 、本発明は、口腔細菌ミュータンス連鎖球菌(S.mutans)により産生されるラン ティビオティック、ミュータシンIIの生合成に関与する生合成オペロンの部分を 成功裏に単離した。ミュータシンIIはゼロの正味電荷、分子内チオエーテル環形 成残基の間の大きな距離、およびそのそれぞれの「システイン」パートナーのC 末端側に位置された脱水された残基から生じる最低1個のランチオニン環を表す 。これはタイプBのランティビオティックに典型的である。しかしながら、ミュ ータシンのプロランティビオティック部分はストレプトコクシンA−FF22を 包含するいくつかのタイプAのランティビオティックの配列との類似性を示す( 図7)。ミュータシンの独特の特徴は両親媒性のαヘリックスを形成することが 可能なそのN末端領域(残基1ないし8)である。これは、ミュータシンIIおよ びストレプトコクシンA−FF22の異なる生物学的活性を説明しうる。ストレ プトコクシンA−FF22は感受性の微生物のアミノ酸同化を妨害する。他方、 ミュータシンは、感受性の細胞のエネルギー代謝を妨害する。タイプAのランテ ィビオティックとの部分的類似性にもかかわらず、ミュータシンIIはタイプBの ランティビオティックにより良好に似ている。 本明細書に開示かつ特許請求される組成および方法の全部は本開示に照らして 過度の実験なしに作成かつ実行され得る。本発明の組成および方法は好ましい態 様に関して記述された一方、変動が、本発明の概念、技術思想および範囲から離 れることなく、本明細書に記述された組成、方法に、および段階もしくは方法中 の段階の連続で適用されうることが当業者に明白であることができる。より具体 的には、同一もしくは類似の結果が達成されるとみられる一方で化学的におよび 生理学的にの双方で関連するある作用物質が本明細書で記述される作用物質の代 わりをすることができることが明白であることができる。当業者に明白な全ての こうした類似の置き換えおよび改変は、付録として付けられる請求の範囲により 定義されるように、本発明の技術思想、範囲および概念内にあると思われる。 以下の参考文献を本明細書で引用した: 本明細書で挙げられたいかなる特許もしくは出版物も、本発明が関する当業者 の水準の指標である。これらの特許および出版物は、まるで各個々の出版物が引 用により組み込まれることが特別におよび個々に示されたかのように、同一の程 度まで引用により本明細書に組み込まれる。 当業者は、本発明がその目的を実施し、かつ挙げられた最終目標および利点な らびにその中に固有のものを得るように十分適合されることを容易に真価を認め ることができる。本明細書に記述された方法、処置、処理、分子および特定の化 合物と一緒の本実施例は、現在のところ好ましい態様の代表であり、例示であり 、そして、本発明の範囲に対する制限として意図されない。請求の範囲の範囲に より定義されるような本発明の技術思想内に包含されるその中の変更および他の 用途が当業者の心に浮かぶことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 1/30 C07K 14/315 14/315 C12N 1/21 C12N 1/21 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),EA(AM,AZ,BY,KG,K Z,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,A U,AZ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN ,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE, HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG ,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT, RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,T M,TR,TT,UA,UG,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 以下の特徴: (a)グラム−陽性微生物に対する抗菌活性; (b)サイズ排除ゲルクロマトグラフイーおよびSDS−PAGEによ り決定されると約2,500のMr; (c)100℃で30分間での熱安定性; (d)分子当たりに以下のアミノ酸: Arg2、Asn2、Glu1、Glu2、Gly、His、Ile 、Met、Pro、Trp3、Phe、Tyr、Val3、Xaa2、Yaa、Z aa;(この場合、Xaaはランチオニンを表し、Yaaはβ−メチルランチオ ニンを表し、そしてZaaはジヒドロアミノ酸を表す)を含むアミノ酸組成物; (e)pH4〜10での安定性; (f)>8.4の等電点;および (g)エタノール、尿素、もしくはグアニジン−水溶液中での可溶性、 を有するストレプトコッカス ムュータンス(Streptococcus utans )から取得することができる精製されたポリペプチド。 2. ポリペプチドが総蛋白質のミリグラム当たり約110,000殺菌単位 の比活性を有する、請求の範囲1のポリペプチド。 3. ポリペプチドが総蛋白質のミリグラム当たり約150,000殺菌単位 の比活性を有する、請求の範囲2のポリペプチド。 4. N−末端部分がアミノ酸配列Asn Arg Trp Trp Gln Gly Val Val (配列番号1)を含んでなる、請求の範囲 1のポリペプチド。 5. 内部アミノ酸配列N−Met Asn Xaa Trp His Va l(配列番号2)(この場合、Xaaはランチオニンもしくはβ−メチルランチ ォニンである)を含んでなる、請求の範囲1のポリペプチド。 6. ポリペプチドが、アクチノミセス(Actinomyces)、バチル ス(Bacillus)、クロストリディウム(Clostridium)、ミ コバクテリウム(Mycobacterium)、スタフィロコッカス(Sta phylococcus )、もしくはストレプトコッカス(Streptoco ccus )種のメンバーに対する抗菌活性を有する、請求の範囲1のポリペプチ ド。 7. (a)ポリペプチドを産生するストレプトコッカス ムュータンス( treptococcus mutans)細菌の培養物を成長させる段階; (b)その培養物を濾過および限外濾過に供し、そして保持される濾液 を回収する段階; (c)段階(b)の濾液を水不混和性有機溶媒で沈殿させる段階;およ び (d)その沈殿物をカオトロピック剤で可溶化する段階、 を含む過程により単離することができる、請求の範囲1のポリペプチド。 8. (a)イーストエキストラクトおよびダイズトリプティカーゼブイヨン を補足してある化学的に特定された培地中でS.ムュータンス(mutan )T8細胞を培養する段階; (b)0.45mmの膜フィルターを通す濾過にその培養物を供し、そ してその後に100−、10−、および1−kDaの分子量カットオフを有する 膜を通す限外濾過を行う段階; (c)1−kDaの保持される濾液中の蛋白質をクロロホルムで沈殿さ せる段階; (d)その沈殿物を水性緩衝液で洗浄する段階;および (e)その沈殿物を8M尿素で可溶化する段階、 を含む過程により単離することができる、請求の範囲1のポリペプチド。 9. 薬理学的に許容される担体内に分散される請求の範囲1のポリペプチド を含む薬剤学的組成物。 10. 非経口投与に適する、請求の範囲9の薬剤学的組成物。 11. 口腔洗浄液もしくは歯磨き剤として製剤される、請求の範囲9の薬剤学 的組成物。 12. グラム−陽性細菌を、請求の範囲1のポリペプチドを含む組成物の有効 量と接触させることを含む、グラム−陽性細菌を死滅化させる方法。 13. グラム−陽性細菌が動物内に位置し、そしてそのペプチドを含む組成物 が前記動物に投与される、請求の範囲12の方法。 14. 虫歯を治療もしくは阻害するための、ある個体に、薬理学的に許容され る担体中に請求の範囲1のポリペプチドを含む組成物の治療学的有効量を経口的 に投与することを含んでなる方法。 15. 細菌感染を治療する、微生物感染を患うある個体に、請求の範囲1のポ リペプチドを含む薬剤学的組成物の治療学的有効量を投与することを含んでなる 方法。 16. DNAセグメントが配列番号3に示される配列を有する、請求の範囲1 に従うポリペプチドをコードする単離および精製されたDNAセグメント。 17. 請求の範囲16のDNAセグメントを含むベクター。 18. 請求の範囲17の組換えベクターを含んでなる組換え宿主細胞。 19. 宿主細胞が、S.ムュータンス(mutants)、大腸菌(coli )、S.ケレビサエ(cerevisae)、バチルス エスピー (Bacillus sp.)、ラクトコッキ エスピー(Lactococc sp.)、エンテロコッキ エスピー(Enterococci sp.) 、もしくはサルモネラ エスピー(Salmonella sp.)である、請 求の範囲20の組換え宿主細胞。 20. recA表現型を有する宿主細胞として更に特定される、請求の範囲1 9の組換え宿主細胞。
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