JPH10511543A - ハチのブラコン・ヘベター由来毒素 - Google Patents

ハチのブラコン・ヘベター由来毒素

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JPH10511543A JP8516675A JP51667595A JPH10511543A JP H10511543 A JPH10511543 A JP H10511543A JP 8516675 A JP8516675 A JP 8516675A JP 51667595 A JP51667595 A JP 51667595A JP H10511543 A JPH10511543 A JP H10511543A
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ウィンダス,ジョン・デイヴィッド
ダンカン,レイチェル・エリザベス
バウル,ヴァレリー・ジェイン
クリスチャン,ピーター・ダニエル
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ゼネカ・リミテッド
コモンウェルス・サイエンティフィック・アンド・インダストリアル・リサーチ・オーガナイゼーション
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Abstract

(57)【要約】 ブラコン・ヘベター(Bracon hebetor)から入手可能な新規昆虫毒素であって、それをコードするDNA配列を含む該昆虫毒素、該毒素をコードする少なくとも一つのDNA配列を含む組換えDNA構築物、および該組換えDNA構築物を含む生物的防除剤。

Description

【発明の詳細な説明】 ハチのブラコン・ヘベター由来毒素 本発明は、新規な昆虫毒素、昆虫に対して有毒であるタンパク質をコードして いるDNA配列、昆虫に対して有毒であるタンパク質をコードするDNA配列を 含む組換えDNA構築物、および該昆虫毒素、DNA配列または組換えDNA構 築物を含む生物的防除剤に関する。 多数の群居バチの毒液は広く研究されており、強力な多数の生物学的活性アミ ン、痛みを生じる神経ペプチド、アレルゲンおよび神経毒を含むことが知られて いる(ピエク(Piek)(1991)Toxicon,29,139-149)。ほとんど理解されていな いのは、単独性バチ、特に、寄生生活をするものの毒液である。多数の単独性寄 生バチは昆虫を捕食し、そして250を越える種は、それらの宿主を麻痺させる ことが観察された(論評に関しては、ピエクおよびスパンジャ(Spanjer)(198 6)Venoms of Hymenoptera,T.ピエク(監修)アカデミック・プレス(Academ ic Press),ロンドン 161-307 頁を参照されたい)。これらの種の多くは、コ マユバチ(Braconidae)科である。コマユバチの大部分は一次寄生者である。成 虫は、ほとんど他の昆虫の体内にまたはに対してだけ産卵し、そして孵化した後 、ハチ幼虫はそれらの宿主を餌にする。注意を引いた一つのコマユバチ種は、ブ ラコン・ヘベター(Bracon hebetor)(ブラコン=ミクロブラコン(Microbraco n)=ハブロブラコン(Habrobracon))である。ブラコン・ヘベター(B.ヘベ ター)は、隠蔽的なまたは繭を作る生活様式を有する鱗翅類(Lepidoptera)幼 虫の小型の(3mm)寄生虫である。成虫雌バチは、宿主幼虫の体外に産卵する と同時に、麻痺性毒液を注入する。何分かの内に、宿主幼虫は協調運動しなくな り、ついには完全な麻痺状態に陥る。直ちに致命的ではないが、この麻痺は永続 し、そしてハチ幼虫が出てきてそれらの宿主を餌にするまでその昆虫を動かなく する。B.ヘベターの毒液は、極めて強力な麻痺活性を有する。更に大型のハチ ミツガであるガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)(G.メロネラ)の 幼虫において、完全なおよび永続的な痲痺は、宿主血リンパ200,000,0 00部 に対して毒液1部の濃度で起こると推定された(ビアド(Beard)(1952)Conn. Agric.Exp.Stn.New Haven Bulletin,562,27)。更に、毒液は、昆虫に対してお よび昆虫目間に選択的毒性をを示す。クモ、ザリガニ、カエル、ラットおよびモ ルモット神経筋標品はいずれも、毒液に対して感受性でないと考えられる(ラス メーヤー(Rathmayer)およびウォルター(Walther)(1976)Animal,Plant and Microbial Toxins,2,プレナム・プレス(Plenum Press),ニューヨーク,299 -307;デイトマー(Deitmer)(1973)Die Wirkung des Griffes der Schlupf-w espe Habrobracon Say auf die neuromuskulare Ubertragung am sartoriusmusk el des Frosches,卒業論文,ボン大学)。 B.ヘベター毒液の痲痺性成分は、おそらくは、シナプス小胞の放出を阻害す ることにより、神経筋接合部での刺激性グルタミン作動性伝達をシナプス前に遮 断することによって作用すると考えられる(ウォルターおよびライネッケ(Rein ecke)(1983)Neuroscience,9,213-224;ピエクおよびマンテル(Mantel)(19 70)Comp.Gen.Pharmcol,1,87-92;ピエク(1966)J.Insect Physiol.,12,561-56 8)。 昆虫を捕食する多数の節足動物からの毒液は、昆虫に対して選択的に作用する 毒素を含有することが判った。このような昆虫選択的神経毒は、昆虫神経生理学 を研究するのに重要な分子手段でありうる。B.ヘベター毒素の作用および昆虫 選択性の様式は、鱗翅類における神経筋伝達の研究においておよび鱗翅類神経筋 接合部での小胞放出の研究においてそれが有用でありうることを予想させる。こ のような昆虫選択性は、害虫の防除において極めて好都合であることも理解され るであろう。しかしながら、B.ヘベターからのタンパク質性毒素についての公 表された情報は、多数の毒素が存在しうることを示唆しているので、まず第一に 、鱗翅類幼虫に対して高い神経毒活性を有する毒素を精製し且つ特性決定するこ とが必要であった。本発明者は、ここで、2種類の神経毒性タンパク質を精製し 且つ特性決定し、単にそれらを簡単に表示するために、ブラコン毒素1および2 (以下、BrhTX−1およびBrhTX−2)と称した。 したがって、本発明の一つの態様により、4種類のポリペプチドサブユニット を含む昆虫毒素であって、該ポリペプチドサブユニットが配列番号1、2、3お よび4で示されたN末端アミノ酸配列を有する上記昆虫毒素を提供する。 この昆虫毒素は、BrhTX−1に該当する。 本発明のもう一つの態様により、本明細書中に定義のSDS−ポリアクリルア ミドゲル電気泳動法によって測定される約34,000Da、約21,000D a、約18,500Daおよび約17,000Daの推定分子量を有する、寄生 バチから得られる昆虫毒素を提供する。 この昆虫毒素は、BrhTX−2と称する毒素に該当する。 本発明者は、更に、少なくともBrhTX−1のポリペプチドサブユニットを 単離し且つ特性決定した。 したがって、本発明のもう一つの態様により、配列番号19で示される核酸配 列;配列番号19で示される核酸配列と60%またはそれ以上の相同性を示す配 列;配列番号19で示される核酸配列に対してハイブリッド形成する配列;およ び配列番号19で示される核酸に対して遺伝コードの結果として縮重性を有し且 つ同様のポリペプチドをコードする配列を含む単離DNAを提供する。 本発明の更にもう一つの態様により、配列番号46で示される核酸配列;配列 番号46で示される核酸配列と60%またはそれ以上の相同性を示す配列;配列 番号46で示される核酸配列に対してハイブリッド形成する配列;および配列番 号46で示される核酸に対して遺伝コードの結果として縮重性を有し且つ同様の ポリペプチドをコードする配列を含む単離DNAを提供する。 本発明のもう一つの態様により、配列番号57で示される核酸配列;配列番号 57で示される核酸配列と60%またはそれ以上の相同性を示す配列;配列番号 57で示される核酸配列に対してハイブリッド形成する配列;および配列番号5 7で示される核酸に対して遺伝コードの結果として縮重性を有し且つ同様のポリ ペプチドをコードする配列を含む単離DNAを提供する。 本発明の更にもう一つの態様により、配列番号36で示される核酸配列;配列 番号36で示される核酸配列と60%またはそれ以上の相同性を示す配列;配列 番号36で示される核酸配列に対してハイブリッド形成する配列;および配列番 号36で示される核酸に対して遺伝コードの結果として縮重性を有し且つ同様の ポリペプチドをコードする配列を含む単離DNAを提供する。 本発明のDNAは、cDNA、ゲノムDNAまたは合成DNAであってよい。 上述のように、本発明は、本発明のDNA配列に対して60%またはそれ以上 の相同性を示すDNAを包含する。好ましくは、65%、更に好ましくは7 0%、より一層好ましくは75%または80%のヌクレオチドが一般的であ る。特に好ましいのは、85%、90%、95%、または99%若しくはそれ以 上の相同性を示す配列である。 本発明は、更に、本発明のDNAに対してハイブリッド形成するDNAを包含 する。好ましくは、このようなハイブリダイゼーションは、低および高緊縮条件 でまたはその間で起こる。一般用語で、低緊縮条件は、ほぼ周囲温度〜約65℃ で3xSCCと定義することができるし、そして高緊縮条件は約65℃で0.1 xSCCと定義することができる。SSCは、0.15M NaCl、0.01 5Mクエン酸三ナトリウムの緩衝液の名称である。3xSSCは、SSCの3倍 程度の強度等である。 本発明は、更に、本発明のDNAに対して遺伝コードの結果として縮重したD NAを包含する。 本発明のもう一つの態様により、昆虫毒素であり且つ通常はそれが結合してい る他のタンパク質を実質的に含まない、そして本発明のDNAのいずれかによっ てコードされるポリペプチドを提供する。 本発明の更にもう一つの態様により、配列番号20、47、58または37の 、それらの誘導体を含めたいずれか一つのアミノ酸配列を有するポリペプチドを 提供する。 好ましくは、前記アミノ酸誘導体は、好ましくは80%またはそれ以上の共通 のアミノ酸、更に好ましくは90%またはそれ以上の共通のアミノ酸を有する同 族変異体である。好ましくは、いずれの変化も同類アミノ酸変化である。同類ア ミノ酸変化によって、本発明者は、アミノ酸群、すなわち、疎水性、極性、酸性 または塩基性の内の一つからのアミノ酸を同群中からのアミノ酸によって置き換 えることを意味している。このような変化の一例は、メチオニンによるバリンの 置換およびその逆である。 本発明は、更に、同族体遺伝子それぞれに由来する転写一次産物の別のスプラ ライシング経路から生じるmRNAから翻訳されるポリペプチドを包含する。本 発明は、更に、本発明のポリペプチドの翻訳後修飾によって生じるポリペプチド を包含する。このような翻訳後修飾としては、ペプチド切断、補欠分子族の付加 、グリコシル化またはマルチサブユニット構造の形成がある。 本発明のcDNAは、本発明の昆虫毒素を形成するポリペプチドをコードする 。本発明のポリペプチドは、本発明の昆虫毒素のサブユニットに該当する。 更に、本発明のそれぞれのcDNA配列は、昆虫に対して有毒である作用を個 々に提供しうるポリペプチドをコードする。したがって、本発明のポリペプチド はそれぞれ、昆虫に対して有毒である作用を提供する。 本発明のもう一つの態様により、本発明のDNA配列を含む組換えDNA構築 物を提供する。このような構築物には、目的の細胞を形質転換するのに適当なプ ラスミドおよびファージなどのクローニングベクターが含まれる。本発明のもう 一つの態様により、組換えDNA構築物は発現ベクターである。本発明は、利用 可能であるまたは利用可能になる適当な構築物をいずれも包含する。本発明の更 にもう一つの態様により、本発明の組換え構築物を含む形質転換系を提供する。 このような形質転換系には、哺乳動物細胞、非哺乳動物脊椎動物および無脊椎動 物細胞、昆虫細胞並びに植物細胞が含まれる。本発明は、更に、細菌、酵母、特 に、本発明の組換え構築物によって形質転換された真菌、および本発明のDNA を包含することができるようにゲノムが直接的にまたは間接的に遺伝子操作され たウイルスを包含する。形質転換/遺伝子操作に適当な系は、当業者に知られて いるであろう。このような組換え構築物/系を製造する方法は、本発明に特に密 接な関係があるのではなく、標的に適当な方法はいずれも用いることができ、こ のような方法は当該技術分野において知られている。 本発明のDNA/毒素/ポリペプチドは、ヒメバチ(Ichneumonidae)上科な どの寄生バチから得られる。好ましくは、毒素は、コマユバチ科から得られる。 コマユバチ科の例は、アパンテレス(Apanteles)属、ブラコン属、ミクロブラ コン属およびステノブラコン(Stenobracon)属中にある。 特に好ましい実施態様において、DNA/毒素/ポリペプチドはブラコンヘベ ターから入手する。 本発明のDNA/毒素/ポリペプチドは、その他の源から/異なった経路によ って、例えば、慣用的なクローニング技術または合成法を用いて得ることができ る。 本発明のもう一つの態様において、本発明の昆虫毒素、ポリペプチド、組換え DNA構築物または形質転換系を含む生物的防除剤を提供する。この場合、生物 的防除剤は、好ましくは、農学的に許容しうる固体または液体担体を更に包含す る。したがって、生息地において害虫を駆除する方法であって、害虫防除有効量 の本発明の昆虫毒素によって害虫または生息地を処置することを含む上記方法を 提供する。本発明は、更に、本発明の核酸を含み、該核酸の発現を可能にするプ ロモーター配列の制御下にあるゲノムを有する生物的防除剤を包含する。したが って、生物的防除剤という用語に包含されるのは、昆虫と共存させた場合に、昆 虫に感染し且つその正常な生化学的、生理学的または電気生理学的過程を妨げ、 そして最終的に昆虫の死をもたらすことができるウイルス、原核生物または真核 生物である。本発明の範囲内の適当な生物的防除剤には、昆虫の細菌性、ウイル ス性および真菌性病原体に基くものがある。細菌性病原体としては、例えば、B .トゥリンギエンシス(thuringiensis)およびB.セレウス(cereus)等のよ うなバチルス属(Bacillus)種がある。昆虫の真菌性病原体としては、例えば、 B.バシアナ(bassiana)などのハクキョウサン病菌属(Beauvaria)がある。 或いは、生物的防除剤は、本発明の少なくとも一つの核酸配列を包含するよう にゲノムが変更された遺伝子修飾内部寄生性植物でありうる。このような内部寄 生性植物をある植物と共存させる場合、核酸によってコードされた毒素はその植 物内の内部寄生性植物によって発現され且つその植物を食べるまたはその植物内 に住む昆虫に対して毒性作用を及ぼすことができる。 もう一つの変形において、生物的防除剤は、植物それ自体、特に、繊維製品の 食用に栽培された栽培植物であって、その植物ゲノムが、本発明の少なくとも一 つの核酸配列の包含によって修飾された植物でありうる。 ここで、本発明の様々な好ましい特徴および実施態様を、添付の図面に関して 非制限実施例によって記載するが、ここにおいて、 図1は、毒腺抽出物B−1およびB−2並びに精製毒素BrhTX−1および BrhTX−2の分離のSDS−PAGE分析を示す; 図2は、非変性PAGEを用いて回収された抽出物を、非イオン交換クロマト グラフィーを用いて更に分離する場合の結果を示す; 図3は、B−1のサイズ分別クロマトグラフィーの結果を示す; 図4は、天然B−1毒素の分子量を計算するのに用いられるグラフを示す; 図5は、還元および非還元条件下でPAGEを用いるBrhTX−1の分別の 結果を示す; 図6は、BrhTX−1から得られたサブユニットについてのN末端アミノ酸 配列情報を示す; 図7は、サブユニットBrhTX−1(a)のN末端アミノ酸配列並びにBH (a)A、BH(a)BおよびBH(a)Iの対応する縮重したオリゴヌクレオ チド設計を示す; 図8は、サブユニットBrhTX−1(a)のcDNA配列および推定のアミ ノ酸配列を示す; 図9は、サブユニットBrhTX−1(d)のN末端アミノ酸配列並びにBH (d)A、BH(d)BおよびBH(a)Iの対応する縮重したオリゴヌクレオ チド設計を示す; 図10は、サブユニットBrhTX−1(d)のcDNA配列および推定のア ミノ酸配列を示す; 図11は、pBrhTX−1(b)1のインサートのcDNA配列および推定 のアミノ酸配列を示し、プライマー配列BH(b)CおよびBH(b)Dは太字 で示され且つ5′−3′方向はくさび形で示される; 図12は、プラスミドBrhTX−1(b)6からのサブユニットBrhTX −1(b)の推定のcDNA配列および推定のアミノ酸配列を示す; 図13は、サブユニットBrhTX−1(b)の推定のcDNA配列のタンパ ク質翻訳を示し、成熟タンパク質は下線で示される; 図14は、サブユニットBrhTX−1(b)の共通cDNA配列および推定 のアミノ酸配列を示す; 図15は、サブユニットBrhTX−1(c)からのペプチドフラグメントお よびそれらの推定のコーディング配列を示す; 図16は、プライマーBH(c)AおよびBH(c)Bを用いて得られたサブ ユニットBrhTX−1(c)PCR増幅生成物の配列を示す; 図17は、サブユニットBrhTX−1(c)のcDNA配列および推定のア ミノ酸配列を示す。 実施例1−BrhTX−1およびBrhTX−2の単離および特性決定 材料および方法 (i)昆虫 B.ヘベターの樹立された集団(R T アーボガスト(Arbogast)博士,USD A−ARS,私書箱22909,サバンナ,ジョージア,米国から入手)を、ト ウモロコシ粉ガ(プロディア・インタープンクテラ(Prodia interpunctella) )の幼虫上において25℃で明16時間:暗8時間の光周期によって飼養した。 P.インタープンクテラおよびG.メロネラの幼虫を、英連邦科学・工業研究協 会昆虫部会(the Commonwealth Scientific and Industrial Research Corporat ion,Division of Entomology)で樹立された集団から入手し、そして25℃にお いて、G.メロネラに対しては、米粉幼児用セリアル600g、醸造酵母60g 、ハチミツ125mlおよびグリセロール125mlから成る、およびP.イン タープンクテラに対しては、大豆粉1000g、フスマ500g、乾燥酵母25 0g、小麦胚芽250g、ひき割り小麦500g、ロールドオート500gおよ びグリセロール375gから成る飼料で飼養した。(ii)毒素活性の生物検定 B.ヘベタータンパク質標品の麻痺活性を、G.メロネラの幼虫を用いて常套 手段によって測定した。生物検定において用いられる幼虫の齢および発育状態は 決定されなかったが、しかしながら、体重0.15g〜0.2gの幼虫だけを用 いた。生物検定は、腹脚間の血体腔中に用いられるタンパク質試料10μlまた は対照緩衝液を注射することによって行われた。幼虫が、刺激しなければ動かな いし且つ仰向けに置かれて30秒後以内に起きられなかった場合に麻痺を評点し た。毒素の正確な監視は、活性に関して試験抽出物の連続希釈を検定した端点検 定を用いることによって容易にされた。麻痺活性は、ガレリア単位(Galleria U nit)(GU)の変法を用いて測定された(ドレンス(Drenth)(1974)Toxicon ,12,198-192)。注射された抽出物10μl中のGU数は、注射後約2時間で幼 虫の麻痺を引き起こした抽出物希釈度の逆数を得ることによって決定された。次 に、この値に100を乗じて、GU数/ml(抽出物)を得た。(iii)毒腺成分の抽出 雌バチを4℃で麻酔した後、氷上で保持すると同時に、鋭利な鉗子によって産 卵器を静かに引抜くことによって毒腺を摘出した。毒腺50個のロットを、アジ 化ナトリウムによって0.02%にされ且つプロテイナーゼ阻害剤EDTA(エ チレンジアミン四酢酸、二ナトリウム塩)(5mM)、アプロチニン(5mM) およびペプスタチン(0.1μg/ml)を含有する等浸透プリングル(Pringl e's)食塩水(NaCl 9g/l、KCl 0.2g/l、CaCl2 0.2 g/l、デキストロース4g/l)50μl中に抽出した。プロテイナーゼ阻害 剤は、ベーリンガー・マンハイム(Boerhringer-Mannheim)から入手した。ミク ロホモジナイザーを用いて手動によって腺をホモジナイズし、そしてエッペンド ルフ(Eppendorf)ミクロ遠心分離機中において14,000rpmで5分間の 遠心分離によって不溶性材料をペレットにした。次に、毒素を含有する上澄みを 、0.22μmウルトラフリーmCフィルター(ミリポア(Millipore),ベッ ドフォード,MA)を介して濾過した。(iv)タンパク質測定および濃縮 タンパク質含量は、ウシ血清アルブミンを標準として用いて、バイオ・ラド・ ラボラトリーズ(Bio-Rad Laboratories)から入手したタンパク質検定キットに よって測定された。タンパク質試料を、製造者の提示にしたがってウルトラフリ ー−MC濃縮装置(ミリポア)を用いて濃縮した。(v)ポリアクリルアミドゲル電気泳動および陰イオン交換クロマトグラフィー ポリアクリルアミドゲル電気泳動(以下、PAGE)装置および試薬、PAG Eおよびゲル濾過標準タンパク質配合物、並びに銀染色試薬はいずれも、バイオ ・ラド・ラボラトリーズから購入した。 変性SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動は、レムリ(Laemmli)(1970 )Nature,222,680-685 によって記載のように、15%スラブゲル(11cmx 1 4cmx0.075cm)を4%濃縮用ゲルと一緒に用いて行われた。タンパク 質試料は、0.125mMトリス−HCl[pH6.8]、10%グリセロール 、10%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、0.25%β−メルカプトエタノ ール、0.025%ブロモフェノールブルーを用いて製造され、そして95〜1 00℃で5分間加熱された後にゲル上に充填された。ブロモフェノールブルー追 跡用色素がゲルの基部に達するまで(約45分間)、タンパク質を200ボルト で分別した。タンパク質は、クーマシーブルー染料(グラディポア(Gradipore )から入手された)によって2時間染色した後に蒸留水中で一晩中脱染するかま たは銀染料によって染色することによって検出された。 タンパク質の分子量は、以下の標準的なタンパク質の分子量、すなわち、ウサ ギ筋ホスホリラーゼb(97,400Da);ウシ血清アルブミン(66,20 0Da);オボアルブミン(45,000Da);ウシカルボニックアンヒドラ ス(31,000Da);ダイズトリプシン阻害剤(21,500Da);リゾ チーム(14,400Da)との比較によって推定された。 変性されていない未変性PAGEは、7.5%ポリアクリルアミドスラブゲル (11cmx14cmx0.075cm)上で4%濃縮用ゲルを用いて行われた 。未変性ゲルは、SDSをゲルに対してまたはランニング緩衝液に対して加えな かったこと以外はSDS−PAGEゲルと同様に調製された。試料は、0.12 5mMトリス−HCl[pH6.8]、10%グリセロール中で製造され、ゲル 上に充填する前に加熱されなかった。電気泳動は、4℃において200ボルトで 1.5時間行われた。 可溶性毒腺タンパク質の最初の分離は、未変性PAGEを用いて達成された。 毒腺600個の抽出物をそれぞれのゲル上に充填した。電気泳動後、ゲルを水平 に切断して4mmストリップにし、そして50mMトリス−HCl[pH8.0 ]600μl中において4℃で16時間静かに撹拌しながらタンパク質をゲルス ライスから受動的に溶離した。それぞれの溶離液のアリコートを50mMトリス −HCl[pH8.0]によって50倍に希釈し、そしてG.メロネラにおける 麻痺活性について上記のように検定した。 麻痺活性は、陰イオン交換カラム、すなわち、ミニ(Mini)Q(PC,3.2 mmx3cm,ファーマシア(Pharmacia))上で、SMART クロマトグラフィー システム(ファーマシア)を用いて更に精製された。麻痺活性を有する未変性P AGE溶離液を0.22μmフィルター(ミリポア)に通過させた後にカラム上 に充填した。カラムは、50mMトリス−HCl[pH8.0]によって平衡さ せ、そして0〜1M NaClの直線勾配を用いてタンパク質を流速200μl /分で溶離した。カラムから溶離したタンパク質は、溶離液の吸光度を280n mで監視することによって検出された。200μlのフラクションを集め、そし て麻痺活性について検定した。麻痺活性を有するフラクションをSDS−PAG Eによって更に分析した。(vi)ゲル濾過クロマトグラフィー 天然麻痺性毒素の分子質量を推定するために、麻痺活性を有する未変性PAG E溶離液50μlを、以下の標準タンパク質、すなわち、チログロブリン(67 0,000Da);γグロブリン(158,000Da);オボアルブミン(4 4,400Da);ミオグロブリン(17,000Da);ビタミンB12(1 ,350Da)によって予め検量されたゲル濾過カラム、すなわち、スーパーロ ーズ(Superose)12(PC,3.2mmx30cm,ファーマシア)に対して 加えた。カラムは、50mMトリス−HCl[pH8.0]、150mM Na Clによって予め平衡され、そしてタンパク質は同緩衝液中で流速40μl/分 で溶離された。カラムから溶離したタンパク質は、溶離液の吸光度を280nm で監視することによって検出された。40μlのフラクションを集め、そして5 0mMトリス−HCl[pH8.0]によって20倍に希釈した後、麻痺活性に ついて検定した。 結果 (i)出発物質の選択 成虫B.ヘベターの小さい寸法(2〜3mm)および対応する毒腺の微小寸法 のために、本発明者は、最初に、ハチ全体または単離毒腺が、神経毒の単離に最 も適当な出発物質を提供するかどうかを調べた。25の雌全体または単離毒腺の 内3標品のタンパク質含量および麻痺活性(GU)について分析した。結果は、 下記の表1で示されるように、双方の標品が同様の毒素活性(約25,000G U)を有するが、雌バチ全体の抽出物は、単離毒腺の抽出物よりも10倍高い可 溶性タンパク質濃度を有することを示す。これは、二つの重要な点を実証し、す なわち、観察された神経毒活性は可溶性毒腺成分と関係している;そして毒腺抽 出物は神経毒の10倍濃縮を提供する。腺は、神経毒の標品のための出発物質と して用いられた。 (ii)ポリアクリルアミドゲル電気泳動および陰イオン交換クロマトグラフィー 可溶性毒腺抽出物を、最初に未変性PAGEによって分離した。電気泳動後、 ゲルを水平に切断して4mmスライスにし、そしてそれぞれのスライスを緩衝液 中に入れて、タンパク質を受動溶離によって回収した。神経毒活性は、概して、 極めて拡散性であり、ゲルの広い部分で見られた。しかしながら、端点分析は、 2時間の電気泳動時間後に、活性が主としてゲルの最初の2〜3cmに位置した ことを示した。ゲルのこの部分から回収された毒素を、引き続きB−1と称した 。毒素活性は、3〜4時間の延長された電気泳動時間後でさえもほとんど泳動し なかった。回収された毒素を注射されたG.メロネラの幼虫は、神経筋麻痺と一 致する中毒症状を示した。骨格筋活性は観察されなかったが、しかしながら、口 腔部は目視によって活性であり且つ排出物を放出した。時々、引き続きB−2と 称する第二麻痺活性が観察されたが、それはB−1よりも僅かに速く泳動した。 二つの活性はしばしば隣接していないゲルスライス中で見出され且つ完全に分離 され得たので、それらは異なった且つ別個の活性であると考えられた。 未変性PAGE分別は、下記の表2で示されるように、ハチ全体から90倍濃 縮のB−1神経毒活性および毒素活性の全回収率41%を提供した。 SDS−PAGEを用いる毒腺抽出物B−1およびB−2の分離を、図1で示 す。図1において、列1は毒腺抽出物に該当し;列2は未変性PAGE精製B− 1;列3は未変性Page精製B−2;列4は陰イオン交換精製BrhTX−1 (約1μg);列5は陰イオン交換精製BrhTX−2(約3μg);および列 6は分子量マーカーに該当する。タンパク質プロフィールはなお複雑であるが、 約22,000Da、18,000Da、17,000Daおよび16,000 Daの分子量を有するポリペプチドバンドの特異的濃縮が見られる。 最終精製工程において、陰イオン交換クロマトグラフィーを用いてB−1およ びB−2を更に分別した。カラムに対して別々に通過させた場合、それぞれの活 性は約200mM NaClで溶離し、そしてカラム上に充填されたB−1含有 未変性PAGE溶離液(400μl)のクロマトグラフを示す図2においてB− 1に関して示されたように、一つの明瞭なクロマトグラフィーピークと相関した 一つのフラクションに限定された。麻痺活性は全てフラクション番号9で見られ た。集められたフラクションの生物検定は、B−1およびB−2両方の測定可能 な麻痺活性が全てこの一つのフラクション中に存在したことを示した。未変性P AGEおよび陰イオン交換クロマトグラフィーの組合わせは、出発毒素活性の全 回収率7%と共に、ハチ全体から126倍のB−1活性を精製した。還元条件下 でSDS−PAGEを用いる陰イオン交換精製B−1およびB−2の分析は、両 方の活性が同様に現れ、そして両方とも、以下、B−1のサブユニットBrhT X−1(a)、BrhTX−1(b)、BrhTX−1(c)およびBrhTX −1(d)、並びにB−2のサブユニットBrhTX−2(e)、BrhTX− 2(f)、BrhTX−2(g)およびBrhTX−2(h)と称する4種類の ポリペプチドに分離することを示す。精製毒素は、ブラコン毒素−1(BrhT X−1)およびブラコン毒素−2(BrhTX−2)と称された。精製のこの段 階において、BrhTX−1は、毒腺抽出物からの可溶性タンパク質の約0.5 %に該当した。更に詳しくは、これらの技法は、BrhTX−1のポリペプチド BrhTX−1(a)、BrhTX−1(b)、BrhTX−1(c)およびB rhTX−1(d)は、それぞれ15,000Da、17,000Da、2,1 000Daおよび34,000Daの推定分子量を有することを示す。BrhT X−2のポリペプチドBrhTX−2(e)、BrhTX−2(f)、BrhT X−2(g)およびBrhTX−2(h)は、それぞれ17,000Da、18 ,500Da、2,1000Daおよび34,000Daの推定分子量を有する(iii)ゲル濾過クロマトグラフィー SDS−PAGEを用いて分離された4種類のポリペプチドから計算されたB rhTX−1およびBrhTX−2の推定分子量は、それぞれ87,000Da および90,500Daであった。BrhTX−1およびBrhTX−2の天然 分子質量を測定するために、未変性PAGEフラクションを、スーパーローズ1 2ゲル濾過カラムで分離した。毒素活性の大部分は、クロマトグラム上の一つの 主要ピークに該当した二つのフラクション中に溶離した。BrhTX−1の結果 は、BrhTX−1のサイズ分別クロマトグラフィーを示す図3で示され、影付 きのピークは麻痺活性含有フラクションを表す。カラムを検量するのに用いられ たタンパク質標準に由来する標準曲線を用いると、図4で示されるように、Br hTX−1の天然毒素は約81,000Daの分子量を有すると計算された。更 に詳しくは、各標準のKavを計算し且つタンパク質の分子量に対してプロットし た。毒素活性のKav並びに標準の回帰線(r2=0.98)の勾配および切片を 用いて、麻痺活性の分子量を計算した。BrhTX−2もまた、約81,000 Daであると計算された。(iv)BrhTX−1の二次構造の分析 BrhTX−1の二次構造を、非還元および還元条件下でSDS−PAGEを 用いて研究した。結果を図5で示すが、列1は、還元剤の不存在下でSDS−P AGEを用いて分別されたBrhTX−1に該当し;そして列2は、3%β−メ ルカプトエタノールに対して暴露された列1上の同一試料試験に該当する。図5 で示されるように、ポリペプチド(a)および(b)の泳動は、還元剤の存在ま たは不存在によってほとんど影響されないが、非還元条件下において、ポリペプ チド(b)は二重線として存在するように見える。対照的に、非還元条件下にお いて、ポリペプチド(c)および(d)は目視できないし、そして約45,00 0Daの顕著な新規ポリペプチドが現れる。逆に、このバンドは、還元条件下に おいてSDS−PAGEを用いて再度分別された場合、34,000Daおよび 21,000Daの二つのポリペプチドに分離する(データは示されていない) 。これは、ポリペプチド(c)および(d)が、分子内または間ジスルフィド結 合によって架橋していることを示唆する。これは、ビサー(Visser)ら、(1983 )Comp.Biochem.Physiol.,B75B,523-538 のような初期の研究が、B.ヘベター 麻痺活性は毒液が還元剤DTTおよびBMEに対して暴露された場合に失われる ことを示しているので特に興味深い。 考察 25の毒腺および25の雌バチ全体の抽出物の定量実験は、それぞれが、平均 して13,500単位の麻痺活性(GU)を含んでいたことを示した。これは、 G.メロネラ生物検定において確認された毒素活性が、可溶性毒腺内容物と関係 しているという仮定を支持する。麻痺性物質を精製するために、毒腺抽出物を、 最初に未変性PAGEを用いて分別した。毒素活性は、用いられた電気泳動条件 下で速やかに泳動しなかった。未変性PAGEは電荷によっても寸法によっても 分離するので、これは、毒素活性が全体的基本電荷および/かまたは高分子量を 有することを示唆する。分子量が僅か3,500Daだけ異なると考えられる二 つの異なった活性(B−1およびB−2)の分離は、電荷が毒素の泳動速度に対 する主な寄与因子であることを示す。 B−1の陰イオン交換クロマトグラフィーは、1種類のタンパク質を生じた。 この精製された標品(BrhTX−1)は、毒腺およびおそらくは雌バチ全体の 抽出物中に存在する出発麻痺活性の7%並びに可溶性毒腺タンパク質の0.5% であった。毒素活性の全体的濃縮は127倍であり且つ毒素活性3.333単位 /μg(タンパク質)の比活性を有する標品を生じる。 ここで報告されたデータは、本発明者が、未変性PAGEまたは温和なクロマ トグラフィー条件下で解離しない2種類のオリゴマー毒素BrhTX−1および BrhTX−2を精製したという証拠を提供する。毒素は両方とも、SDS−P AGEを用いて分離することができる4種類のポリペプチドから成る。更に、還 元および非還元条件下でSDS−PAGEを用いるBrhTX−1の分離は、サ ブユニットBrhTX−1(c)およびBrhTX−1(d)の二つがジスルフ ィド結合によって保持されていることを示唆する。 実施例2−BrhTX−1の配列分析 (i)タンパク質精製 45,000の腺を、未変性PAGEおよび SMART システムでの陰イオン交 換クロマトグラフィーを用いて精製して、BrhTX−1を300μg生成した 。毒素は、SDS−PAGEに続いて銀染色を用いて分析される場合に本質的に 均一にされ、そして4種類のポリペプチドBrhTX−1(a)、BrhTX− 1(b)、BrhTX−1(c)およびBrhTX−1(d)から成った。最終 標品の比活性は、3,250,000GU/mg(タンパク質)であった。更に 、このデータを用いると、精製毒素0.3ngは、体重0.2gのG.メロネラ 幼虫を完全に麻痺させることができると推定することができる。 比活性の値はまた、ムギワラビゼンダニ(ピエモテス・トリティシ(Pyemotes tritici))からの毒素に対する毒素の比較を可能にする。ムギワラビゼンダニ 毒素の報告された麻痺用量は、330〜550μg/kg(G.メロネラ幼虫) である。BrhTX−1の麻痺用量は、約2μg/kg(G.メロネラ幼虫)で ある。BrhTX−1は、4℃で極めて安定であることが判ったが、数週間を越 えた後もなお、90%の活性が存在した。(ii)配列分析 BrhTX−1毒素約200μgは、SDS−PAGEに続いて、10mMキ ャプス(Caps)(双性イオン緩衝液)[pH11.0]/10%メタノール中で 室温において60mAmpで1時間の電気転移を用いてそのサブユニットに分離 した。分離されたサブユニットを、PVDF(ポリビニリジンフッ素)膜上にエ レクトロブロッティングした。転移後、ブロットをミリ(Milli)−Q水中で1 時間洗浄した後、真空下で乾燥させた。タンパク質バンドを、30%メタノール /0.2%酢酸中0.0005%スルホローダミンB(シグマ(Sigma)ら入手 可能)中で約30秒間染色した後、水中で脱染することによって可視化された。 少量の毒素、約10μgを最初に用いて、ブロッティング条件を最適化した後、 毒素150μgを配列分析用に調製した。 配列決定は、ABI477Aタンパク質配列決定システム(アプライド・バイ システムズ(Applied Biosystems))を用いて行われた。BrhTX−1(a) 、BrhTX−1(b)およびBrhTX−1(c)の配列決定の際に、特に、 2回目または3回目のサイクル後に、アミノ酸分析器から明らかに検出可能なシ グナルが消失したと考えられる問題に遭遇し、配列決定工程中に多量のタンパク 質が膜から除去されたことが示された。この問題は、より大きい濃度のタンパク 質を膜に対して与えることによって克服された。 4種類のサブユニット全部のアミノ末端配列が、図6で示されたように得られ た(*は、アミノ酸配列の同一性に若干のアンビギュイティーが存在した場合の アミノ酸残基を示す)。この配列情報は、更に、サブユニットBrhTX−1( a)に対する配列番号1;サブユニットBrhTX−1(b)に対する配列番号 2;サブユニットBrhTX−1(c)に対する配列番号3;およびサブユニッ トBrhTX−1(d)に対する配列番号4で示される。(iii)サブユニット構造研究 毒素活性は、トリトンX−100含有未変性PAGEを用いて単離された14 ,000Da〜18,000DaのBrhTX−1からの小型のポリペプチドに 関係していることが判った。このようなゲルから、本発明者は、充填された全部 で 約30,000から約1,500GUを回収した。これは、ゲル上に充填された 全活性の僅か約5%であるが、実質的な量のその活性は、ゲル中に僅かだけ泳動 する。これらの結果は、サブユニットが実質的な活性を有することを例証する。(iv)ウェスタンブロット分析 上記の直接タンパク質配列決定によって利用可能にされたN末端配列(図6お よびそれぞれ配列番号1、3および4)を用いることによって、BrhTX−1 (a)、BrhTX−1(c)、BrhTX−1(d)サブユニットに対して抗 体を生じさせた。これらの抗体は、以下に概説されるカイロン・ミミトプス(Ch iron Mimitopes)(クレイトン,ビクトリア)によって商業的に生じた。 合成ペプチドを、利用可能な配列に対合するように生じさせ且つジフテリア毒 素キャリヤーに対して結合させた。次に、これらの結合体を用いて、3頭の別個 のニュージーランドホワイトウサギを免疫感作した。ウサギは、フロインド完全 アジュバント中のペプチド0.39mgによって筋肉内に免疫感作された。 最初の免疫感作完了後、カニューレを用いてウサギの耳静脈から採血した後、 14日、35日および42日目に再度採血した。血清は、血液を37℃で30分 間インュベートした後、低速遠心分離によって細胞材料を除去する前に氷上で1 5時間冷却することによって調製された。血清は−20℃で貯蔵された。 粗抗血清は全て、エリザにおいて免疫性ペプチドのビオチニル化誘導体、ジフ テリア毒素およびアビジンに対して滴定した。これらの滴定実験において、エリ ザプレートはアビジンによって被覆され、それに対して、試験されるビオチニル 化ペプチドおよび抗体を逐次的に結合させた。次に、西洋ワサビペルオキシダー ゼに対して結合した抗ウサギIgG血清を用いて抗体の定量化を達成した。サブ ユニットそれぞれに対する最高力価の血清を用いて、前に記載のようにSDS− PAGEによってその成分サブユニットに分離された精製BrhTX−1に対し てウェスタンブロットを行った。電気泳動後、タンパク質をニトロセルロース( バイオラド,ヘラクレス,Ca)に転移させた。 SDS−PAGEによって分離された精製BrhTX−1を10μl(約8μ g)用いて、試験された3種類の血清全部の適切なサブユニットに対して特異的 反応を得た。(v)ペプチド/消化配列決定 BrhTX−1約800μgを、前に記載のようにSDS−PAGEによって その成分サブユニットに分離した。電気泳動後、クーマシーブリリアントブルー を用いて染色することによってサブユニットをゲル中で可視化した。次に、サブ ユニットそれぞれに該当するバンドをゲルから切取り、そして0.2M重炭酸ア ンモニウム、0.02%トゥイーン−20含有緩衝液中で2回洗浄することによ ってSDSをゲルから溶離した。次に、配列決定等級トリプシン(プロメガ(Pr omega),マディソン,WI)0.5μgを加え、そして0.2M重炭酸アンモ ニウム約20μlの添加によってゲルを充分に再水和した。次に、ゲルスライス をミクロ遠心管中に移し且つ0.2M重炭酸アンモニウム、0.02%トゥイー ン−20によって被覆し、そして30℃で一晩中インキュベートした。10分の 1容量の10%w/vトリフルオロ酢酸の添加によって反応を停止した。 消化後、得られたペプチドは、60%アセトニトリル中の0.1%w/vトリ フルオロ酢酸100μl中において30℃で40分間の抽出によってゲルから溶 離された。次に、得られた上澄みを、ロータリーエバポレーション(ヘトバク( Hetovac)(Heto)スカンジナビア)によって最終容量20μlまで減少させた 。 次に、ペプチドを、μRPC C2/C18 SC2.1 1/10カラムを 用いて SMART システムでの逆相クロマトグラフィーによって分離した。このカ ラムでの勾配は、40%アセトニトリル中に0.065%トリフルオロ酢酸およ び0.05%トリフルオロ酢酸の緩衝液を用いることによって形成された。フラ クションは、「ピーク分別」機能を用いてを集められた。 次に、このクロマトグラフィー工程からの個々のピークに、質量分光分析法( Tofspec,フィソンズ・インスツルメンツ(Fisons Instruments))を施して、 回収されたペプチドの寸法を確認した。次に、Procise-HT シークエンサー(ア プライド・バイオシステムズ)を用いてピークを配列決定した。BrhTX−1 のサブユニットから得られたトリプシンフラグメント配列の概要を、以下の表3 に与える。 実施例3−BrhTX−1のサブユニットのクローニング cDNAライブラリーの作成およびライブラリープレーティング 全RNAを、新たに生まれた雌B.ヘベターから単離し、液体窒素中で凍結し 且つ−70℃で貯蔵した。全RNAを単離するために、冷凍したハチ約1gを液 体窒素中で粉砕して粉末にした。その粉末を、更に、取手付きホモジナイサー中 において8M塩化グアニジウム20ml中にホモジナイズした。不溶性材料の大 型フラグメントを10,000xgで10分間の遠心分離によって除去し、そし て全RNAを32%v/vエタノールの存在下で沈殿させた。引き続き、サムブ ルック(Sambrook)ら(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,コー ルド・スプリング・ハーバー・プレス(Cold Spring Habor Press)で記載のよ うに、全RNAの精製を行った。 mRNAは、ファーマシア・バイオテク(Pharmacia Biotech)(ウプサラ, スウェーデン)から入手したオリゴ(dT)−セルローススピンカラムを用いて 製造者の指示によって全RNAから単離された。mRNA約5μgをcDNA合 成に用いた。EcoRI/NotIリンカーを、ブラント末端付き二本鎖cDN Aに対して連結し、EcoRI消化λgt11DNA中に連結し、そして商業的 に入手可能な大腸菌(E coli)Y1090中に形質転換した後、標準的な技法を 用いて増幅させた。滴定は、標準法(サムブルック 1989)によるライブラリー のスクリーニングの前に、商業的に入手可能な大腸菌LE392菌株から製造さ れた平板培養細胞を用いて行われた。ライブラリーの力価は1.25x109p fu/mlであった。 スクリーニングのために、500,000pfuを140mmペトリ皿10枚 でプラーク約50,000個/皿によって培養した(plated-out)。プラークリ フト(lifts)は、標準法(サムブルック 1989)を用いて三重反復試験におい て Hybond-N 膜(アマーシャム・インターナショナル(Amersham International ))に対して行われた。 実施例4−BrhTX−1のサブユニット(a)のクローニング (i)プローブの生成 BrhTX−1(a)のN末端配列の少なくとも一部分をコードする、BH( a)A、BH(a)BおよびBH(a)Iと称される縮重したオリゴヌクレオチ ドの3プールを設計した。「I」で表されるイノシンは、完全な縮重が存在した ところで用いられた。これらのオリゴヌクレオチドは、図7で並びに配列番号5 、6および7(イノシンは「N」で表されている)でも示される。オリゴヌクレ オチドは、標準法によってアプライド・バイオシステムズ380B DNA合成 機で合成された。それぞれのオリゴヌクレオチドを55℃で16時間脱保護した 後、3本のねじ込キャップ付きポリプロピレンミクロ遠心管に分配し且つ真空乾 燥させた。各オリゴヌクレオチドの3分の1をH2O 100μl中に溶解させ 、そして1OD260/mlが25μg/mlに相当するUV分光分析法によって 定量した。(ii)ライブラリーのスクリーニングおよびクローンの単離 フィルターセットをそれぞれ、オリゴヌクレオチドBH(a)Aか、BH(a )BかまたはBH(a)Iの一つによってプローブした。各オリゴヌクレオチド 2 5ngを、標準法(サムブルック 1989)を用いて32P−ATP(アマーシャム ・インターナショナル)およびT4ポリヌクレオチドキナーゼ(ノーサンブリア ・バイオロジカルズ・リミテッド(Northumbria Biologicals Ltd))を用いる 5′リン酸化によって標識した。インキュベーションは37℃で30分間であっ た。フィルターは、5xSSPE(20xSSPE:3.6M NaCl,0. 2M NaH2PO4,0.02M EDTA[pH7.7])、5xデンハート 試薬[50xデンハート試薬:フィコール(400型,ファーマシア)5g,ポ リビニルピロリドン5g,ウシ血清アルブミン(フラクションV,シグマ)5g ]、0.5%SDSおよびサケ精子DNA200μg/ml中において45℃で 2時間プレハイブリッド形成された。ハイブリダイゼーションは、5xSSPE 、5xデンハート試薬、0.5%SDSおよび標識プローブ中において45℃で 16時間行われた。 フィルターを6xSSC、0.1%SDS中において45℃で4x15分間洗 浄した後、コダック(Kodak)X−ARフィルムに対して増感スクリーンを用い て−80℃で感光させた。 3個のプラークはBH(a)AおよびBH(a)I両方に対してハイブリッド 形成し、1個のプラークはBH(a)BおよびBH(a)I両方に対してハイブ リッド形成した。3種類のプローブ全部に対してハイブリッド形成したプラーク はなかった。3回の連続したプラーク精製後、4個のプラークの内3個は均一に なるまで精製され且つBH(a)Iに対するハイブリダイゼーションを示し続け た。ファージプラークを、SM緩衝液(50mMトリス−HCl[pH7.5] ,0.1M NaCl,0.2%(w/v)MgSO4・7H2O,0.01%( w/v)ゼラチン)1mlおよびクロロホルム10μl中に取った。(iii)クローンの特性決定 プラーク精製ファージを、cDNAインサートの存在および寸法についてポリ メラーゼ連鎖反応(以下、PCR)分析によってスクリーニングした。下記で並 びに配列番号8および9でそれぞれ示される2種類のオリゴヌクレオチド、λg t11前進およびλgt11復帰を用いた。これらのオリゴヌクレオチドは、λ gt11に特異的であり且つEcoRIクローニング部位に隣接している。 PCR反応は、0.5mlポリプロピレンミクロ遠心管中において、それぞれ 25モルの濃縮プライマー、ファージ原液0.5μl、それぞれ1.23mMの Ultrapure dNTP(ファーマシア)8μl、500mM KCl 2.5μ l、100mMトリス[pH8.4]、15mM MgCl2、0.1(w/v )ゼラチンおよび(1U)Taq DNAポリメラーゼ(パーキン・エルマー・ シータス(Perkin/Elmer Cetus)0.2μlを用いて行われた。軽鉱油(シグマ )を1滴加えた。試験管を、Techne PHC-1 Programmable Dri−ブロック中に入 れ、下記の温度管理を施した。 94℃で5秒間 94℃で1秒間;40℃で2秒間;72℃で3秒間(35サイクル) 続いて、72℃で7秒間の最終インキュベーション時間 各反応10μlを、アガロースゲル電気泳動によって分析した。3種類のファ ージ原液全部が、下記のcDNAインサート寸法を示すPCR増幅フラグメント を生じた。 λBrhTX−1(a)1.1−約600塩基対(bp); λBrhTX−1(a)1.2−約620bp; λBrhTX−1(a)1.3−約590bp。(iv)サブクローニングおよびクローンの配列決定 ファージDNA製造は、グロスバーガー(Grossberger)D(1987)Nucleic A cid Research,15(10),6737 の方法を用いて行われた。cDNAインサートを、 λBrhTX−1(a)1.1およびλBrhTX−1(a)1.2からEco RI消化によって放出させた。λBrhTX−1(a)1.3からのインサート は放出されなかったが、それは、元のライブラリー構築の際にEcoRI部位が 再生されなかったことを示すと考えられる。2種類の放出されたインサートはそ れぞれ、適当な緩衝液条件(サムブルック 1989)においてT4 DNAリガー ゼを用いて、EcoRI消化されホスファターゼ処理されたプラスミドpUC1 9中に連結された。その連結反応混合物を用いて、標準条件下において(サムブ ルック 1989)適格な商業的に入手可能な大腸菌DH5α細胞を形質転換した。 pBrhTX−1(a)1.1およびpBrhTX−1(a)1.2と称される 形質転換細胞は、アンピシリン100μg/mlを含有するLB寒天平板上で選 択された。 クローンpBrhTX−1(a)1.1のインサートは、シークエナーゼキッ ト(USB,クリーブランド,オハイオ)並びに下記でおよび配列番号10〜1 8で示される9種類の合成オリゴプライマーを用いて配列決定された。 プライマーの内、PUC4およびPUC1の二つは、mcsに隣接するpUC 19の部分にハイブリッド形成する。他のプライマーは、最初のPUC4および PUC1配列決定実験によって生じた配列データを用いて設計された。得られた ヌクレオチド配列は、配列番号19で示される。ヌクレオチド配列の翻訳は、1 25アミノ酸の読み取り枠(以下、ORF)を与えた。この推定のアミノ酸配列 は、配列番号20で与えられる。アミノ酸17〜36は、配列番号1で示される サブユニット(a)のN末端配列に該当する。アミノ酸1〜16は、タンパク質 輸出のシグナル配列の特徴を有する。この核酸配列および対応するアミノ酸配列 は図8でも示される。(v)クローンの分析 ペプチド消化/配列決定 −cDNAからの推定のアミノ酸翻訳に対してペプチド 消化法を用いて得られた配列の直線列を下記に示す。 第二列における顕著な異常は、システインの検出が信頼できないということに よって説明されうる。ゲノムサザンブロット −ゲノムDNAは、雄および雌のB.ヘベター成虫から下 記の方法によって製造された。冷凍バチ約0.1gを、リフトン(Lifton)溶液 (0.2Mスクロース,0.05M EDTA,0.5M SDS,0.1Mト リス−HCl pH9.0)500μl中で静かにホモジナイズする。材料の大 部分が破壊された時点で、リフトン溶液を更に500μl加え、そして組織が凝 集しなくなるまでホモジネートを撹拌する。次に、ホモジネートを65℃で30 分間インキュベートした後、0.6M酢酸250μlを加える。次に、この溶液 を静かに混合し且つ氷上に1時間放置する。次に、大型粒状物質を、卓上遠心分 離機中で4℃において10,000rpmで10分間の遠心分離によって除去す る。次に、上澄みを等容量のフェノール(TEによって飽和した)、フェノール /クロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)(IAC)によって逐次的 に抽出した後、IAC.RNアーゼAを最終濃度10μg/mlまで加え、そし て37℃で15分間インキュベートする。次に、2容量のエタノールを溶液に対 して加え、そして卓上遠心分離機中で室温において8,000rpmで15分間 の遠心分離によってDNAを沈殿させる。沈殿したDNAを80%エタノールに よって洗浄し且つ乾燥させた後、DNAをTE 50μl中に再懸濁させ、そし てDNA濃度を分光測光法によって推定する。 精製DNAを以下の制限酵素、PstI、BclI、AccIによって消化し 、そしてそのフラグメントを、TAE緩衝液中0.7%アガロースゲル中での電 気泳動によって分離した。DNAを Hybond C+(アマーシャム・インターナショ ナル)ニトロセルロース膜上に、20x2xSSC勾配中でブロッティングし、 そして80℃で4時間焼くことによって膜に結合させた。32P標識cDNAプロ ーブは、PCRによって、プライマーBH(a)R1およびBH(a)R3並び に標的DNAとしてプラスミドクローンpBrhTX−1(a)1.1を用いて 合成された。プローブは、下記のPCR条件を用いて生成された。 95℃で5分間;続いて 95℃で30秒間;45℃で1.5分間;72℃で1分間(5サイクル);続い て 95℃で30秒間;50℃で1.5分間;72℃で1分間(5サイクル);続い て 72℃で5分間。 プレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションは、下記の条件下で 行われた。 プレハイブリダイゼーション−6xSSC、5xデンハート試薬、0.5%SD S、50%ホルムアルデヒド、0.1%ピロリン酸ナトリウムおよびサケ精子D NA(加える前に音波処理し且つ沸騰させた)100μg/mlを含有するプレ ハイブリッド形成溶液中において42℃で2時間。 ハイブリダイゼーション−32P標識プローブが加えられたプレハイブリッド形成 溶液中において42℃で一晩中。プローブは、フィルターおよびプレハイブリッ ド形成溶液に対して加える前に、沸騰させた後、氷上で急冷した。 ハイブリダイゼーション後、フィルターを2xSSC、0.1%SDS中にお いて42℃で4回洗浄した。洗浄はそれぞれ15分間行われた。洗浄後、フィル ターをブロッティングし、密着フィルムで包み、そしてフジ(Fuji)医療用フィ ルムに感光させた。 結果は、配列の単コピーだけがゲノム中に存在することを示し、(1)Pst Iを用いたゲノムDNAの消化物は、約3040bpの一つのハイブリッド形成 フラグメントを与え;(2)BclIを用いた消化物は、1400bpの一つの ハイブリッド形成フラグメントを与え(プローブハイブリッド形成配列直後のc DNA配列中に存在するBclI部位が存在する);そして(3)AccIを用 いた消化物は、cDNA配列中の357bpのAccI部位の存在と一致する二 つのハイブリッド形成フラグメントを与えた(図8を参照されたい)。 実施例5−BrhTX−1のサブユニット(d)のクローニング (i)プローブの生成 縮重したオリゴヌクレオチドの3プールは、BH(d)A、BH(d)Bおよ びBH(d)Iと称された。完全な縮重が存在したところでイノシンを用いた。 これらのオリゴヌクレオチドは、図9で並びに配列番号21、22および23で 示された通りである。これらのオリゴヌクレオチドは、標準法によってアプライ ド・バイオシステムズ380B DNA合成機で合成された。それぞれのオリゴ ヌクレオチドを55℃で16時間脱保護した後、2本のねじ込キャップ付きポリ プロピレンミクロ遠心管に分配し且つ真空乾燥させた。各オリゴヌクレオチドの 2分の1を水100μl中に溶解させ、そして1OD260/mlが25μg/m lに相当するUV分光分析法によって定量した。(ii)ライブラリーのスクリーニングおよびクローンの単離 ライブラリーは、サブユニットBrhTX−1(a)について上記に記載のプ ロトコルを用いてスクリーニングされた。 7個のプラークはBH(d)Iに対してハイブリッド形成した。3回の連続し たプラーク精製後、6個のプラークは均一になるまで精製され且つBH(d)I に対するハイブリダイゼーションを示し続けた。ファージプラークを、SM緩衝 液1mlおよびクロロホルム10μl中に取った。(iii)クローンの特性決定 プラーク精製ファージを、サブユニットBrhTX−1(a)について上記に 記載のプロトコルを用いてスクリーニングし且つ分析した。 6種類のファージ原液の内5種類は、下記のcDNAインサート寸法(同様の 元のプラークのレプリカも挙げる)を示すPCR増幅フラグメントを生じた。 λBrhTX−1(d)1.1−約1200bp;λBrhTX−1(d)1. 2−約1200bp λBrhTX−1(d)2.1−約1200bp λBrhTX−1(d)3.1−約1800bp;λBrhTX−1(d)3. 2−約1800bp;λBrhTX−1(d)3.3−約1800bp;λBr hTX−1(d)3.4−約1800bp λBrhTX−1(d)4.1−約1200bp;λBrhTX−1(d)4. 2−約1200bp;λBrhTX−1(d)4.3−約1200bp λBrhTX−1(d)5.1−約700bp。(iv)サブクローニングおよびクローンの配列決定 サブユニットBrhTX−1(a)の場合と同様に、ファージDNA製造は、 グロスバーガーD(1987)の方法を用いて行われた。cDNAインサートを、λ BrhTX−1(d)1.2、λBrhTX−1(d)3.1、λBrhTX− 1(d)3.3、λBrhTX−1(d)3.4およびλBrhTX−1(d) 4.3からEcoRI消化によって放出させた。他のインサートは放出されなか ったが、それは、元のライブラリー構築の際にEcoRI部位が再生されなかっ たことを示すと考えられる。放出されたインサートを、pUC19のEcoRI 部位中にクローン化した後、サブユニットBrhTX−1(a)について記載の ように大腸菌DH5α細胞中に形質転換した。 クローンpBrhTX−1(d)1.2のインサートは、サブユニットBrh TX−1(a)について記載のように、プライマーPUC4およびPUC1(上 記で並びに配列番号10および11で与えられた)を含めた14種類の合成オリ ゴプライマーを用いて配列決定された。他の12種類のプライマーは、最初のP UC4およびPUC1配列決定実験によって生じた配列データを用いて設計され ており、下記および配列番号24〜35で示される。 得られたヌクレオチド配列は、配列番号36で示される。ヌクレオチド配列の 翻訳は、275アミノ酸のORFを与えた。アミノ酸23〜35は、サブユニッ トBrhTX−1(d)のN末端配列に該当する。アミノ酸1〜22は、候補シ グナル配列を含む。cDNAによってコードされた成熟タンパク質の推定分子量 は28.2kDaである。推定のアミノ酸配列は配列番号37で与えられる。ヌ クレオチド配列およびアミノ酸配列は図10でも示される。(v)クローンの分析 ペプチド消化/配列決定 −プロトコルは、サブユニットBrhTX−1(a)に ついて上記に記載の通りである。推定のアミノ酸翻訳に対して得られた配列の直 線列を下記に示す。 これらの誤対合は、人工物を配列決定したためでありうる。ゲノムサザンブロット −ゲノムDNAは、実施例4で前に記載のように製造され た。雄および雌DNAのアリコートを、BclI、NdeI、BglIIおよび PstIを用いて消化し、そしてその消化されたDNAを、TAE緩衝液中0. 7%アガロースゲル中での電気泳動によって分離した。DNAを、ニトロセルロ ース膜(HybondC+;アマーシャム UK)上に2−20xSSC勾配中でブロッ ティングし、そして80℃で4時間焼くことによって膜に結合させた。 32P標識プローブは、PCRによって、プライマーBH(d)F4およびBH (d)R7並びに標的DNAとしてpBrhTX−1(d)1.2プラスミドを 用いて下記の条件下で合成された。 95℃で5分間; 95℃で30秒間;43℃で1.5分間;82℃で1分間(35サイクル);続 いて 72℃で5分間。 雄および雌DNAの結果は一致した。BclI消化物は、10.0kbpのも のおよび9.1kbpのもの二つのハイブリッド形成フラグメントを生じた。こ の結果は、cDNA配列のプローブハイブリダイゼーション部分におけるNde I部位の存在と一致した。BglIIおよびPstI消化物は、それぞれ18. 5kbpおよび22.1kbpの一つのハイブリッド形成フラグメントを生じた が、それらは、cDNAのプローブハイブリッド形成部分におけるこれらの部位 両方の不存在と一致する。 実施例6−BrhTX−1のサブユニット(b)のクローニング (i)プローブの生成 配列番号2で与えられたN末端配列から、2種類の多種プライマーを設計した 。これらのプローブは下記で並びに配列番号38および39で示される。 これらのプライマーはPCR実験で用いられて、前記のように雌mRNAから 合成されたcDNAからPCR生成物を生じた。Taq DNAポリメラーゼ0 .2μl/反応50μlのPCR反応条件は下記の通りであった。 95℃で5分間;続いて 95℃で30秒間;50℃で1.5分間;72℃で1分間(5サイクル);続い て 95℃で30秒間;55℃で1.5分間;72℃で1分間(30サイクル);続 いて 72℃で5分間。 PCR生成物は、TBE緩衝液中15%ゲル中のPAGEによって推定される 約54bpである。増幅生成物は、臭化エチジウムを用いて染色することによっ てゲル中で可視化された。次に、フラグメントを、Taq DNAポリメラーゼ を用いてチミン残基を尾部に付けた(T−テーリング)商業的に入手可能なプラ スミド pBluescript SK- のEcoRV部位中にクローン化した。以下の条件を T−テーリングに用いた。50mM KCl、10mMトリス−HCl[pH8 .3]、1.5mM MgCl2、2mM TTP、70℃で2時間。クローン 化されたPCR生成物は、アプライド・バイオシステムズ・インコーポレーテッ ドセから入手可能な下記の色素プライマーを用いて配列決定された。 配列決定は、ABI370A DNA分析システム(アプライド・バイオシス テムズ)を用いて行われた。PCR生成物の配列は、配列番号40でおよび下記 で与えられる。 (ii)ライブラリーのスクリーニングおよびクローンの単離 ライブラリープレーティングは、プラークリフトを二重反復試験で、137m m、0.45ミクロンの Nitropure ニトロセルロース膜(マイクロブ・セパレ ーションズ(Microb Separations),ウエストボロ,MA,米国)に対して行な ったこと以外は上記のように行われた。第一スクリーンにおいて、プラーク3. 6x105個/フィルター(全部で4フィルター)をスクリーニングし、第二お よび第三スクリーンにおいて、プラーク100〜250個/フィルターをスクリ ーニングした。 32P標識プローブはPCRによって製造された。PCRは、配列番号38およ び39で示されたオリゴヌクレオチドBH(b)AおよびBH(b)Bを用いて32 P−dATPの存在下で行なわれ、そしてクローン化されたPCR生成物は、 標的として配列番号40で示された配列を有する。 下記のPCR条件を用いた。 Taqポリメラーゼを加える前に、95℃で5分間;続いて 95℃で30秒間、45℃で1.5分間および72℃で1分間(5サイクル); 続いて 95℃で30秒間、50℃で1.30分間および72℃で1分間(30サイクル );続いて 72℃で5分間(1サイクル)。 フィルターは、サブユニットBrhTX−1(a)のゲノム・サザン・ブロッ トについて記載されたのと同様のプレハイブリッド形成およびハイブリッド形成 条件下において上記の32P標識プローブによってプローブされた。このプローブ に対してハイブリッド形成する10個のプラークを最初に識別した。これらの内 3個は、均一になるまで2回目および3回目のスクリーニングを通して精製され た。プラーク精製ファージを、SM緩衝液1mlおよびクロロホルム10μl中 に取った。(iii)クローンの特性決定 プラーク精製ファージを、オリゴヌクレオチドλgt11前進およびλgt1 1復帰を用いるPCR分析によってDNAインサートの存在および寸法について スクリーニングした。PCRのためのλDNAは、原液10μlを5分間沸騰さ せることによって精製原液から製造された後、このDNA 2μlをPCR実験 で用いた。増幅されたフラグメントは、TAE緩衝液中0.8%アガロースゲル による電気泳動によって寸法で分けられ且つ既知の寸法のマーカーに対して寸法 で分けられた。3種類の精製ファージの内、一つのファージから約500bpの インサートが見出され、そのファージをλBrhTX−1(b)1と称した。他 の二つのプラーク精製ファージではインサートを検出することができなかった。(iv)サブクローニングおよびクローンの配列決定 ファージDNAは、サムブルックら(1989)で記載のように、CsCl中での 等密度遠心法によって精製された。 λBrhTX−1(b)1からのcDNAインサートを、NotIによる消化 によって除去し、そしてNotIによって消化され且つホスファターゼ処理され た pBluescript SK- 中に連結した。クローンのインサートは、ABI色素−プ ライマー配列決定用キット(上記)を用いて配列決定された。プラスミドクロー ンpBrhTX−1(b)1の配列であるインサートは、配列番号41および図 11で与えられる。アミノ酸27−44は、配列番号2で示されたN末端配列の ものと対合するが、配列番号41中の配列によってコードされたORFの極めて 短い顕著な寸法は、クローンが大きく切断されたことを示唆した。したがって、 本発明者は、クローンの5′末端のORFに対する二つのプライマー、すなわち 、配列番号42および43でそれぞれ示されるBH(b)CおよびBH(b)D を設計した。これらのプライマーおよび標的としてpBrhTX−1(b)1. 1を用いて、本発明者は、下記の条件下でのPCRによって32P標識プローブを 生成した。 95℃で5分間; 95℃で30秒間;45℃で1.5分間;72℃で1分間(5サイクル);続い て 95℃で30秒間;50℃で1.5分間;72℃で1分間(5サイクル);続い て 72℃で5分間。 次に、上記の条件を用いてライブラリーを再度スクリーニングした。6個の強 くハイブリッド形成するプラークを、3回のプラーク精製で均一になるまで通し て精製した。cDNAインサートは、NotIによる消化によってファージから 除去され、そしてNotIによって消化され且つホスファターゼ処理された pBl uescript SK- 中に連結された。インサートの寸法は、NotIによる消化およ びTAE緩衝液中0.8%アガロースゲルによる制限フラグメントの分離によっ て推定された。 下記のcDNAインサート寸法が推定された。 λBrhTX−1(b)2−約500bp;およびいずれも約1200bpの λBrhTX−1(b)3、λBrhTX−1(b)4、λBrhTX−1(b )5およびλBrhTX−1(b)6。 λBrhTX−1(b)6と称されるプラスミドは、ABI370A DNA 分析システムおよび前に記載された色素プライマーを用いて配列決定された。配 列決定は、ABI色素−ターミネーターシステムと一緒に、BH(b)C、BH (b)D(配列番号42および43)プライマーと、下記で並びに配列番号44 および45で示される二つの追加のプライマーとを用いて完了した。 得られたヌクレオチド配列は、配列番号46で示される。ヌクレオチド配列の 翻訳は配列番号47で示され、そして用いられた開始コドンに応じて182かま たは165アミノ酸のタンパク質を与える。別のタンパク質は、それぞれ21か または4アミノ酸の疎水性リーダー配列を有し、161アミノ酸の成熟ペプチド を与える。サブユニットBrhTX−1(b)のヌクレオチド配列および対応す るアミノ酸配列は図12でも示され、推定のORFは太字で示されている。特に 、cDNAのタンパク質翻訳は図13で示され、成熟タンパク質は下線で示され て いる。(v)クローンの分析 ペプチド消化/配列決定 −推定のアミノ酸翻訳に対して得られた配列の直線列を 下記に示す。 末端アミノ酸が誤って配列決定されることは珍しいことではないが、しかしな がら、二つの別個の場合での配列決定されたペプチド配列の一方は、特徴的なG Tアミノ酸対を有する。これらのGT対は、配列決定されたクローンに対して予 想されたORF中に欠けている。したがって、本発明者は、クローンpBrhT X−1(b)6が配列決定用人工物を含んでいたこと、またはそれを生じたcD NAがエラーを含んでいた、すなわち、合成/クローニングの際に6bp欠失が 生じたことを推論した。したがって、本発明者は、顕著な「GT」対/欠失を有 する部分をPCRによって再度クローン化した。プライマーBH(b)Eおよび BH(b)Fは、PCR実験において標的としてのcDNAと一緒に用いられて 、増幅生成物を生成した。cDNAは、cDNAライブラリーの構築について前 に記載されたように(実施例3)、雌B.ヘベターmRNAから合成された。 次に、増幅生成物を、前記のようにT−テーリングされた pBluescript のE coRV部位中にクローン化した。次に、これらのクローンを配列決定し、そし ていずれも、顕著なGT異常に隣接するpBrhTX−1(b)6と同様の配列 を有することが判ったが、GおよびTのコドンに対応する追加の6bp、すなわ ち、GGAACTを有していた。 これらのデータから、GT異常はcDNA合成/元のλクローンのクローニン グの際に生じたということが明らかであろう。pBrhTX−1(b)cDNA および推定上のORFの共通配列は、図14で並びに配列番号48および49で 示される。このような配列もまた、本発明の範囲内に包含される。ゲノムサザンブロット −PstI、EcoRV、AccIおよびXhoIによっ て消化された雄および雌B.ヘベターゲノムDNAのサザンブロットを、前記の ように作成した。32P標識プローブは、PCRによって、下記の条件下でプライ マーBH(b)CおよびBH(b)Dを用いてpBrhTX−1(b)6クロー ンの5′部分から生成した。 95℃で5分間; 95℃で30秒間;45℃で1.5分間;72℃で1分間(5サイクル);続い て 95℃で30秒間;50℃で1.5分間;72℃で1分間(5サイクル);続い て 72℃で5分間。 ハイブリダイゼーションは、前記のプローブを用いて行なわれた。結果は、雄 および雌DNAについて一致した。PstI消化物において、13.0kbpお よび4.1kbpの二つのハイブリッド形成バンドが見られた。この結果は、c DNA配列のプローブハイブリダイゼーション部分におけるPstI部位の存在 と一致する。EcoRV、AccIおよびXhoI消化物は、それぞれ3.3k bp、13.0kbpおよび7.0kbpの一つのハイブリッド形成バンドを生 じた。 2回目の実験において、32P標識プローブは、下記の条件下でプライマーBH (b)EおよびBH(b)Fを用いてpBrhTX−1(b)5クローンの3′ 部分から製造した。 95℃で5分間; 95℃で30秒間;45℃で1.5分間;72℃で1分間(5サイクル);続い て 95℃で30秒間;50℃で1.5分間;72℃で1分間(5サイクル);続い て 72℃で5分間。 これらのプローブは、BclI、NdeI、BglIIおよびPstIによっ て消化された雄および雌ゲノムDNAを用いて前記のように製造されたサザンブ ロットに対してハイブリッド形成した。結果は、雄および雌DNAについて一致 し、BclIおよびBglII消化物について1.7kbpおよび9.1kbp の一つのハイブリッド形成バンドを生じた。これらの結果は、プローブハイブリ ッド形成部分中のこれらの部位両方の存在と完全に一致しない、すなわち、通常 は二つのハイブリッド形成バンドが見られると予想されるが、両方の部位は、プ ローブ部分の末端に対して比較的近いし、そしてハイブリッド形成部分のより小 さい部分を有するフラグメントは、この実験で用いられた大型のプローブによる 検出を巧みに避けられた。NdeIおよびPstI消化物において、2.4kb pおよび22.2kbpの一つのハイブリッド形成バンドが検出された。 実施例7−BrhTX−1のサブユニット(c)のクローニング 配列番号3で与えられたN末端配列は、それをコードしている遺伝子の単離に 対してどのPCR法を試みるのにも不十分であった。したがって、ペプチドフラ グメントを、上記に概説されたペプチド消化法を用いて得た。これらのペプチド 配列は、それらの推定のコーディング配列と一緒に、図15(「?」は、最初の アミノ酸に関する不確定を示し、そして括弧内に示されたアミノ酸は、二つの選 択可能性がある場合である)で、並びに配列番号50および51で示される。こ れらの配列から、下記の多種プライマーBH(c)AおよびBH(c)Bを、下 記並びに配列番号52および53で示されたように合成した。 サブユニットBrhTX−1(b)について上記に記載のように、B.ヘベタ ーcDNAに対するPCRを、下記の条件下でこれらのプライマーを用いて行っ た。 95℃で5分間(1サイクル)続いて 95℃で30秒間;40℃で1分間;72℃で1分間(5サイクル);続いて 95℃で30秒間;50℃で1分間;72℃で1分間(30サイクル);続いて 72℃で5分間(1サイクル)。 約300bpのPCR生成物を生成し、それを、T−テーリングされた pBlue script SK- 中にクローン化し、そして上記のように配列決定した。このPCR 生成物の配列は、配列番号54および図16で与えられる。(ii)ライブラリーのスクリーニングおよびクローンの単離 ライブラリープレーティングは、サブユニットBrhTX−1(b)の場合と 同様に行われた。32P標識プローブは、PCRによって、プライマーBH(c) AおよびBH(c)B並びに標的DNAとして配列番号54で示される配列を有 するクローン化PCR生成物を用いて合成された。PCRは下記の条件下で行わ れた。 95℃で5分間(1サイクル)続いて 95℃で30秒間;45℃で1.5分間;72℃で1分間(5サイクル)続いて 95℃で30秒間;50℃で1.5分間;72℃で1分間(30サイクル)続い て 72℃で5分間(1サイクル)。 5個のプラークは、3回のプラーク精製によって前記のように均一になるまで 通して精製された。(iii)クローンの特性決定 DNAインサートの寸法は、前記のλGT11前進および復帰プライマーを用 いてPCRによって推定された。下記のインサート寸法が推定された。 λBrhTX−1(c)1−約690bp λBrhTX−1(c)2−約1,8000bp λBrhTX−1(c)3−約690bp λBrhTX−1(c)4−約700bp λBrhTX−1(c)6−約690bp。(iv)サブクローニングおよびクローンの配列決定 ファージDNAは、サムブルックら(1989)によって記載のように、CsCl 中での等密度遠心法によって精製された。λBrhTX−1(c)5からのcD NAインサートを、NotIによる消化によって放出させ、そして前記の pBlue script SK- のNotI部位中にクローン化した。このプラスミドクローンをp BrhTX−1(c)5と称する。 λBrhTX−1(c)5中のインサートは、前記のABI色素−プライマー およびABI色素−ターミネーター配列決定システムと一緒に下記のプライマー を用いて配列決定された。 このプライマーは、配列番号55および56でも示される。 得られたヌクレオチド配列は、配列番号57で示される。このcDNA配列の 推定の翻訳は、145アミノ酸のORFおよび推定分子量18.8kDaを与え たが、これは配列番号58で示される。cDNAのヌクレオチド配列および推定 のアミノ酸配列は図18でも示される。(v)クローンの分析 ペプチド消化/配列決定 −クローン化cDNAからの推定のアミノ酸を伴うBr hTX−1(c)サブユニットから直接的に得られたN末端タンパク質配列の直 線列を下記に示す。 直線のタンパク質配列の後半部分の誤対合は、比較的低量の利用可能なタンパ ク質に由来する配列決定用人工物のためであることがあり、それは欠けているア ミノ酸をも説明する(配列決定の場合に解読できないピークを与えた)。 cDNAからの推定のアミノ酸を伴うトリプシンペプチド配列の直線列を下記 に示す。 上記に示された配列の末端での不一致/アンビギュイティーは、タンパク質配 列決定の場合の人工物のためでありうる。ゲノムサザンブロット −BclI、NdeIおよびBglIIによって消化され た雄および雌B.ヘベターゲノムDNAのサザンブロットを、前記のように作成 した。32P標識プローブは、PCRによって、下記の条件下でプライマーBH( c)F1およびBH(c)R1を用いてpBrhTX−1(c)5クローンの5 ′部分から生成した。 95℃で5分間; 95℃で30秒間;45℃で1.5分間;72℃で1分間(5サイクル);続い て 95℃で30秒間;50℃で1.5分間;72℃で1分間(5サイクル); 72℃で5分間。 ハイブリダイゼーションは、前記のプローブを用いて行なわれた。結果は、雄 および雌DNAについて一致した。BclI消化物において、3.3kbpおよ び1.8kbpの二つのハイブリッド形成バンドが見られた。この結果は、cD NA配列のプローブハイブリダイゼーション部分におけるBclI部位の存在と 一致する。NdeIおよびBglII消化物は、それぞれ3.1kbp、17. 6kbpの一つのハイブリッド形成バンドを生じた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 9513293.2 (32)優先日 1995年6月29日 (33)優先権主張国 イギリス(GB) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U G),AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,C A,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI ,GB,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, TJ,TM,TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 ダンカン,レイチェル・エリザベス イギリス国バークシャー アールジー1 4イーエイ,リーディング,エルドン・ス トリート 20 (72)発明者 バウル,ヴァレリー・ジェイン オーストラリア連邦アクト 2902,カンバ ー,シパード・プレイス 8 (72)発明者 クリスチャン,ピーター・ダニエル オーストラリア連邦アクト 2615,マクグ レガー,カティー・プレイス 4

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 単離DNAであって、配列番号19で示される核酸配列;配列番号19 で示される核酸配列と60%またはそれ以上の相同性を示す配列;配列番号19 で示される核酸配列に対してハイブリッド形成する配列;および配列番号19で 示される核酸に対して遺伝コードの結果として縮重性を有し且つ同様のポリペプ チドをコードする配列を含む上記単離DNA。 2. 単離DNAであって、配列番号46で示される核酸配列;配列番号46 で示される核酸配列と60%またはそれ以上の相同性を示す配列;配列番号46 で示される核酸配列に対してハイブリッド形成する配列;および配列番号46で 示される核酸に対して遺伝コードの結果として縮重性を有し且つ同様のポリペプ チドをコードする配列を含む上記単離DNA。 3. 単離DNAであって、配列番号48で示される核酸配列;配列番号48 で示される核酸配列と60%またはそれ以上の相同性を示す配列;配列番号48 で示される核酸配列に対してハイブリッド形成する配列;および配列番号48で 示される核酸に対して遺伝コードの結果として縮重性を有し且つ同様のポリペプ チドをコードする配列を含む上記単離DNA。 4. 単離DNAであって、配列番号57で示される核酸配列;配列番号57 で示される核酸配列と60%またはそれ以上の相同性を示す配列;配列番号57 で示される核酸配列に対してハイブリッド形成する配列;および配列番号57で 示される核酸に対して遺伝コードの結果として縮重性を有し且つ同様のポリペプ チドをコードする配列を含む上記単離DNA。 5. 単離DNAであって、配列番号36で示される核酸配列;配列番号36 で示される核酸配列と60%またはそれ以上の相同性を示す配列;配列番号36 で示される核酸配列に対してハイブリッド形成する配列;および配列番号36で 示される核酸に対して遺伝コードの結果として縮重性を有し且つ同様のポリペプ チドをコードする配列を含む上記単離DNA。 6. 配列番号19、46、48、57または36で示される核酸配列と70 %またはそれ以上の相同性を示す配列を含む請求項1〜5のいずれかに記載の単 離DNA。 7. cDNAまたは合成DNAである請求項1〜6のいずれかに記載の単離 DNA。 8. ゲノムDNAであり且つ請求項1〜7のいずれかに記載のDNAがコー ドするのと同様のポリペプチドをコードする単離DNA。 9. 請求項1〜8のいずれかに記載のDNAによってコードされる、誘導体 を含めた単離ポリペプチド。 10.配列番号20で示されるアミノ酸配列を含む、誘導体を含めた単離ポリ ペプチド。 11.配列番号47で示されるアミノ酸配列を含む、誘導体を含めた単離ポリ ペプチド。 12.配列番号49で示されるアミノ酸配列を含む、誘導体を含めた請求項1 1に記載の単離ポリペプチド。 13.配列番号58で示されるアミノ酸配列を含む、誘導体を含めた単離ポリ ペプチド。 14.配列番号37で示されるアミノ酸配列を含む、誘導体を含めた単離ポリ ペプチド。 15.請求項10〜14のいずれか1項に記載の単離ポリペプチドの同族変異 体であり且つ配列番号20、47、49、58または37で示されるアミノ酸配 列と80%またはそれ以上の相同性を示す単離ポリペプチド。 16.配列番号20、47、49、58または37で示されるアミノ酸配列と 90%またはそれ以上の相同性を示す請求項115に記載の単離ポリペプチド。 17.請求項8に記載のゲノムDNAの転写一次産物の変異スプライシングに よって生じる単離ポリペプチド。 18.請求項1〜8のいずれか少なくとも1項に記載のDNAを含む組換えD NA構築物。 19.クローニングベクターである請求項18に記載の組換えDNA構築物。 20.発現ベクターである請求項18に記載の組換えDNA構築物。 21.請求項18に記載の組換えDNA構築物を含む、形質転換された哺乳動 物細胞、非哺乳動物脊椎動物若しくは無脊椎動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、細 菌または酵母。 22.真菌である請求項21に記載の形質転換された酵母。 23.請求項1〜8のいずれか少なくとも1項に記載のDNAを含む、遺伝子 操作されたウイルス。 24.配列番号1、2、3および4で示されるN末端アミノ酸配列を有する4 種類のポリペプチドサブユニットを含む昆虫毒素。 25.請求項9に記載の1種類またはそれ以上のポリペプチドを含む昆虫毒素 。 26.請求項10〜17のいずれか1項に記載の1種類またはそれ以上のポリ ペプチドを含む昆虫毒素。 27.本明細書中に定義のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によっ て測定される約34,000Da、約21,000Da、約18,500Daお よび約17,000Daの分子量を有する4種類のポリペプチドを含む、寄生バ チから得られる昆虫毒素。 28.生物的防除剤であって、(i)請求項24〜27のいずれか1項に記載 の昆虫毒素;(ii)請求項10〜17のいずれか1項に記載のポリペプチド; (iii)請求項18に記載の組換えDNA構築物;または(iv)請求項21 〜23のいずれか1項に記載の形質転換系を含む上記生物的防除剤。 29.害虫を駆除する方法であって、害虫防除有効量の請求項28に記載の生 物的防除剤によって害虫またはその生息地を処置することを含む上記方法。
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