JP2001503277A - ウイルス変種およびその検出方法 - Google Patents

ウイルス変種およびその検出方法

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Abstract

(57)【要約】 一般的には、本発明は、特定の薬剤に対する感受性の低下および/または免疫学的試薬との相互作用活性の低下を示すウイルス変種に関する。より詳細には、本発明は、ヌクレオシドアナログに対する完全もしくは部分的な耐性および/またはウイルス表面成分に対する抗体との相互作用活性の低下を示すB型肝炎ウイルス変種に指向される。さらに本発明は、かかるウイルス変種を検出するためのアッセイを企図し、該アッセイは抗ウイルス療法のモニタリングにおいて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 ウイルス変種およびその検出方法 一般的には、本発明は、特定の薬剤に対する感受性の低下および/または免疫 学的試薬との相互作用活性の低下を示すウイルス変種に関する。より詳細には、 本発明は、ヌクレオシドアナログに対する完全もしくは部分的な耐性および/ま たはウイルス表面成分に対する抗体との相互作用活性の低下を示すB型肝炎ウイ ルス変種に指向される。さらに本発明は、かかるウイルス変種を検出するための アッセイを企図し、該アッセイは抗ウイルス療法のモニタリングにおいて有用で ある。 本明細書において多数引用される刊行物についての書誌学的な詳細を説明の終 わりにまとめてある。明細書に記載されるヌクレオチドおよびアミノ酸配列につ いての配列番号(SEQ ID NO)は書誌学的な詳細の後に示してある。 本明細書全体にわたり、特記しないかぎり、用語「含む」、あるいは「含む」 または「含んでいる」または「包含する」またはそれらの違った言い回しは、記 載された要素または数または要素もしくは数の群を包含することを意味すると理 解されるが、他の要素または数または要素もしくは数の群を除くものではない。 この点において、特許請求の範囲の構築にあたり、1またはそれ以上の特徴がい ずれかの請求項に付加された具体例は本発明の範囲内であるとみなされ、権利請 求された本発明の必須の特徴はかかる具体例に包含されている。 本明細書において、アミノ酸配列における特定の変異を「Xaa1nXaa2」 と表し、Xaa1は変異前の元のアミノ酸残基であり、nは残基番号であり、X aa2は変異アミノ酸である。略号「Xaa」は3文字または1文字アミノ酸表 記である。B型肝炎ウイルスDNAポリメラーゼに関するアミノ酸残基を、モチ ーフTyr Met Asp Asp(YMDD)中のメチオニン残基を550番 とすることにより番号付けする。先の出願であるオーストラリア特許出願第PO 3519号(1996年8月11日出願)においては当該メチオニン残基 は530番となっていた。本明細書のDNAポリメラーゼに関するアミノ酸残基 は番号付けし直してある。 B型肝炎ウイルス(HBV)は、衰弱性の疾病状態を引き起こす可能性があり 、さらに急性肝不全を引き起こす可能性がある。HBVはDNAウイルスであり 、RNA中間体を経て複製し、その複製方法において逆転写を用いる(1)。H BVゲノムは複雑であり、表面、コア、ポリメラーゼおよびX遺伝子をコードし ている読み枠と重複する部分的2本鎖DNA構造を有する。HBVゲノムの複雑 な性質を図1に示す。 HBV DNAポリメラーゼの存在はヌクレオシドアナログが有効な抗ウイル ス剤として作用しうるという考えを導いた。現在試験されているヌクレオシドア ナログの例はペンシクロビルおよびその経口形態であるファムシクロビル(2、 3、4、5)ならびにラミブジン(6、7)である。かかる作用剤が慢性HBV 感染の治療に使用される可能性がある。 最近、ペンシクロビルは、アヒルのHBV DNA合成に対してインビトロで 阻害活性を有することが示され、また、HBV DNAポリメラーゼ−逆転写酵 素活性をインビトロで阻害することが示された(8、9)。同様に、経口ファム シクロビルは、アヒルのHBVウイルスの肝臓内複製をインビボにおいて阻害す ることが示されている(10)。ヒトにおいては、ファムシクロビルは、正所性 肝臓異色(OLT)後の重篤なB型肝炎患者におけるHBV DNA複製を抑制 することが示されている(11)。 本発明に至る研究において、ヌクレオシドアナログ抗ウイルス療法を用いて重 篤なOLT後のHBV感染再発が抑制された(12)。患者が免疫抑制され、H BV複製速度が非常に速い場合、長期治療が必須である。しかしながら、かかる 状況下において、感染病原体に対する長期化学療法によくあることだが、使用治 療剤に対する耐性または感受性の低下が起こる可能性がある。 本発明によれば、本発明者らは、ヌクレオシドアナログに対するHBVの感受 性が様々な程度にまで低下した、HBV DNAポリメラーゼ遺伝子における変 異を有するHBV変種を同定した。これらのHBV変種の同定は、ヌクレオシド ア ナログ療法をモニターするためのアッセイ、および変異の影響をマスクしうる作 用剤をスクリーニングするためのアッセイの開発にとり重要である。さらに、H BVゲノムは一連の重複した読み枠を含むので、1の読み枠におけるヌクレオチ ド変異は別の読み枠の翻訳産物に影響しうる。さらに本発明によれば、本発明者 らは、抗体および免疫細胞のごとき免疫学的試薬のウイルス表面成分に対する相 互作用活性を低下させる変異を観察した。本明細書において、存在している免疫 学的記憶から潜在的に脱出するという点から、かかるウイルス変種を「エスケイ プ変異株(escape mutants)」と称す。 したがって、本発明の1の態様は、RNA中間体を経て複製する単離DNAウ イルスの変種に指向され、該変種はDNAポリメラーゼをコードする遺伝子にお けるヌクレオチド変異を含み、該変異は該DNAポリメラーゼに対して少なくと も1のアミノ酸付加、置換および/または欠失を生じさせる。 本発明のもう1つの態様は、RNA中間体を経て複製する単離DNAウイルス の変種に指向され、該変種はウイルス表面成分をコードする遺伝子におけるヌク レオチド変異を含み、該変異は該ウイルス表面成分に対して少なくとも1のアミ ノ酸付加、置換および/または欠失を生じさせる。 本発明のさらなる態様は、RNA中間体を経て複製する単離DNAウイルスの 変種に指向され、該変種は少なくとも2つの読み枠の重複部分におけるヌクレオ チド変異を含み、該変異は読み枠の翻訳産物に対してアミノ酸付加、置換および /または欠失を生じさせる。 好ましくは、DNAウイルスは肝炎ウイルスまたは関連ウイルスであり、最も 好ましくはHBVである。 本発明における「関連ウイルス」は、遺伝学的、免疫学的、伝染病学的および /または生化学的レベルにおいて関連するものである。 好ましくは、DNAポリメラーゼにおける変異は、ヌクレオシドアナログに対 するHBVの感受性を低下させるものである。 好ましくは、ウイルス表面成分における変異は、ウイルス表面成分に対する抗 体および免疫細胞のごとき免疫学的試薬の相互作用活性を低下させるものである 。 最も好ましくは、ウイルス表面成分はウイルス表面抗原である。一般的には、 ウイルス表面成分に対する免疫学的試薬の相互作用活性の低下は、ウイルス表面 成分を認識または実質的に認識する免疫学的記憶の不存在を包含する。 本発明の好ましい態様によれば、ウイルス変種は、DNAポリメラーゼまたは 表面抗原いずれかにおいてのみ変異を有していてもよく、あるいは両方の分子に おいて変異を有していてもよい。用語「変異」は最も広い意味に解釈され、DN Aポリメラーゼまたは表面抗原の正常な機能に実質的に影響しないサイレント変 異を包含し、また、ヌクレオシドアナログ耐性またはエスケイプ変異株の表現型 の誘導に影響する活性のある変異であってもよい。本発明により複数の変異が生 じる場合、あるいは複数の表現型が単一の変異から生じる場合、少なくとも1の 変異が活性を有するか、あるいはウイルスが少なくとも1の変化した表現型、例 えばヌクレオシドアナログ耐性または表面抗原に対する免疫学的相互作用活性の 低下を示す。 HBVポリメラーゼの領域は、他のRNA依存性DNAポリメラーゼおよびR NA依存性ポリメラーゼとのアミノ酸類似性を示す(13)。本明細書において 、Pochら(13)によりドメインBおよびCと定義されている保存された領域に ついて言及が行われる。 好ましくは、変異は、HBV DNAポリメラーゼのBドメインおよび/また はCドメインまたはそれらに近い領域におけるアミノ酸配列の変化を引き起こす ものである。本発明はHBV DNAポリメラーゼのCドメインのYMDDモチ ーフのみにおける変異は包含しないが、別の位置における1またはそれ以上の変 異と組み合わされて生じる場合には、かかる変異は本発明により企図されるもの である。 好ましくは、ウイルス表面成分における変異は、蛋白の主要親水性領域中、詳 細にはHBVウイルス表面抗原のアミノ酸配列118〜169、あるいは蛋白の 外部表面上のアミノ酸配列169〜207由来の領域における1またはそれ以上 のアミノ酸残基におけるものである。 本発明の好ましい態様によれば、DNAポリメラーゼをコードするヌクレオチ ド配列における変異を含むHBV変種であって、該変異がDNAポリメラーゼの Bドメインおよび/またはCドメインまたはそれらに近い領域におけるアミノ酸 付加、置換および/または欠失を生じさせるものである変種が提供される。ただ し、該変異はCドメイン中のYMDDモチーフのみにおけるものではなく、該変 種はヌクレオシドアナログに対する低下した感受性を示す。 本発明のもう1つの好ましい態様は、ウイルス表面成分をコードするヌクレオ チド配列中の変異を含むHBV変種であって、該ウイルス表面成分に対する免疫 学的試薬の相互作用活性の低下を示す変種を企図し、該変異はHBV DNAポ リメラーゼのBドメインおよび/またはCドメインまたはHBV DNAポリメ ラーゼのBドメインおよび/またはCドメインに近い領域に対応する領域中のウ イルス表面成分におけるアミノ酸付加、置換および/または欠失を生じさせるも のである。 本発明のさらにもう1つの好ましい態様は、ウイルス表面成分をコードするヌ クレオチド配列中の変異を含むHBV変種であって、該ウイルス表面成分に対す る免疫学的試薬の低下した相互作用性を示す変種に関し、該変異はHBVのアミ ノ酸118から169まで、あるいは169から207までにより画定される領 域または機能的に等価な領域中のウイルス表面成分におけるアミノ酸付加、置換 および/または欠失を生じさせるものである。 本発明のさらにもう1つの態様は、ゲノム中の重複した読み枠における変異を 含むHBV変種に指向され、該変異はDNAポリメラーゼのBおよび/またはC ドメインにおけるものであり、CドメインのYMDDモチーフのみにおけるもの ではない。また、該変異は、HBV表面抗原のアミノ酸118から169まで、 あるいは169から207までに対応する重複領域または等価な領域におけるも のであり、該変種は、ヌクレオシドアナログに対する低下した感受性を示し、H BV表面抗原に特異的な免疫学的試薬に対する低下した相互作用活性を示す。 変異により表面抗原上のBおよび/またはT細胞エピトープが変化してしまっ ているため、ウイルス曝露前またはワクチン投与後のHBVに対する抗体または 他の免疫学的応答がもはやウイルス表面成分を標的とするには有効でないので、 免疫学的試薬に対する低下した相互作用活性を示すウイルス変種はエスケイプ変 異株である。 本発明により企図されるヌクレオシドアナログは、ペンシクロビルおよびその 経口形態ファムシクロビルならびにラミブジン(3TC)を包含する。異なる変 種が異なるヌクレオシドアナログに耐性であるかもしてない。例えば、1の具体 例において、HBV DNAポリメラーゼのBドメインにおける変種はファムシ クロビルに耐性であるかもしれず、Cドメインにおける変種は3TCに耐性であ るかもしれない。 BドメインはHBV DNAポリメラーゼのアミノ酸残基505から529ま でを含むと考えられる。この配列を以下に示す: Bドメインという場合、当該ドメインの両側約20アミノ酸までを包含する近 接領域を含むものとする。好ましくは、変異は下記のアミノ酸の1つまたはそれ 以上におけるものである: Cドメインは下記のアミノ酸546から556までを含む: これはYMDDドメインを含み、その中のメチオニン残基は残基番号550( 以前は残基番号530)である。本明細書における残基番号付けは新しい番号付 けによるものであり、YMDDのメチオニンは550である。 Cドメインという場合、当該ドメインの両側約20アミノ酸までを包含する近 接領域を含むものとする。 用語「耐性」は最も一般的な意味において用いられ、ヌクレオシドアナログに 対する完全または不完全な耐性ならびに低下した感受性を包含する。 好ましくは、変種は天然の体液から少なくとも1の精製工程を経るようにして 単離される。別法として、変種を単離体液中に維持してもよく、あるいはDNA 形態であってもよい。また本発明は、変種HBV由来のゲノムまたはその一部を 含む感染性分子クローンを企図する。 HBV DNAポリメラーゼにおける好ましい変異は、Gly498Glu、 Arg/Trp499Lys、Thr530Ser、Ile509Val、Ph e512Leu、Val519Leu、Pro523Leu、Leu526Me t、Ile533Leu、Met550Val/Ileおよび/またはSer5 59Thrのうちの1つまたはそれ以上の変異を包含する。HBV表面抗原にお ける好ましい変異は、Asp144Gluおよび/またはGly145Argの うちの1つまたはそれ以上を包含する。これらはDNAポリメラーゼの位置49 8および499にそれぞれ対応する。より好ましくは、変種は2つまたはそれ以 上の上記変異を含む。 1の特定の変異HBVは配列番号:17に示すヌクレオチド配列を有し、DN Aポリメラーゼをヌクレオシドアナログに対して耐性にし、多表現型変異を示す ものである。HBV表面抗原に対する抗体との相互作用活性を減じるように変化 した表面抗原を示す。変異は、DNAポリメラーゼ読み枠におけるG498Eな らびに表面抗原におけるD144EおよびG145Rである。これは、配列番号 :17のヌクレオチド番号226および227におけるGおよびAへの二重変異 により生じる。HBVのポリメラーゼ蛋白は単純ヘルペスウイルス(HSV)の DNAポリメラーゼにも類似している(並置比較については図3参照)。HSV ポリメラーゼにおける変異(Gly841Cys)がファムシクロビル存在下に おいて選択された(15)。この変異はHBVポリメラーゼのG498E変異と 同じ位置で起こる。 本発明は、配列番号:17に示すヌクレオチド配列ならびにそれに対して少な くとも60%の類似性を有するヌクレオチド配列(DNAポリメラーゼおよびH BV表面抗原のアミノ酸配列における二重変異を担持している)を包含する。し たがって、本発明は、配列番号:17に示すヌクレオチド配列を有するHBVあ るいは単一または複数のヌクレオチド付加、置換および/または欠失を有するそ の誘導体(例えば、配列番号:17に対して少なくとも60%の類似性を有する ヌクレオチド配列)に指向される。誘導体は、配列番号:17の一部分、フラ グメント、部分および相同体を包含する。本発明のこの態様は、42℃における 低い厳密性の条件下において配列番号:17にハイブリダイゼーションしうるヌ クレオチド配列も包含する。 42℃における低い厳密性とは、少なくとも約1体積%ないし少なくとも約1 5体積%のホルムアミドおよび少なくとも約1Mないし少なくとも約2Mの塩( ハイブリダイゼーション時)、および少なくとも約1Mないし少なくとも約2M の塩(洗浄時)を包含するものである。必要ならば、培地の厳密さのごとき別の 厳密さの条件を用いてもよく、その厳密さの条件は、少なくとも約16体積%な いし少なくとも約30体積%のホルムアミドおよび少なくとも約0.5Mないし 少なくとも約0.9Mの塩(ハイブリダイゼーション時)、および少なくとも約 0.5Mないし少なくとも約0.9Mの塩(洗浄時)包含するものであり、ある いはまた、高い厳密さの条件(少なくとも約31重量%ないし少なくとも約50 重量%のホルムアミドおよび少なくとも約0.01Mないし少なくとも約0.1 5Mの塩(ハイブリダイゼーション時)、および少なくとも約0.01Mないし 少なくとも約0.15Mの塩(洗浄時))を用いてもよい。 したがって、本発明のもう1つの態様は、ヌクレオシドアナログに対する低下 した感受性および野生型HBV表面抗原に対する抗体に対する低下した相互作用 活性を示す変種HBVを企図し、該HBV変種は以下の特徴の1つまたはそれ以 上により特徴づけられる: (i)配列番号:17に示すゲノムのヌクレオチド配列またはそれに対して少な くとも60%の類似性を有する配列; (ii)42℃における低い厳密さの条件下において配列番号:17にハイブリ ダイゼーションしうるヌクレオチド配列; (iii)DNAポリメラーゼおよびHBV表面抗原の読み枠の重複部分におけ る変異;および (iv)HBV DNAポリメラーゼのBおよび/またはCドメイン、およびH BV表面抗原のアミノ酸118から169まであるいは169から207までに 対応する領域における変異。 本発明のもう1つの態様によれば、下記アミノ酸配列: [式中、X1はSまたはA; X2はIまたはV; X3はFまたはL; X4はIまたはL; X5はLまたはVまたはG; X6はPまたはL; X7はLまたはM; X8はIまたはL; X9はCまたはL; X10はAまたはV; X11はSまたはA; X12はMまたはIまたはV; X13はVまたはLまたはM; X14はKまたはR;そして/または X15はSまたはTである] を有するDNAポリメラーゼをコードするヌクレオチド配列を含む変種HBVで あって、ファムシクロビル(ペンシクロビル)および/またはラミブジン(3T C)のごときヌクレオシドアナログに対する低下した感受性を示す変種が提供さ れる。 本発明のもう1つの具体例は、下記アミノ酸配列: [式中、X16はQまたはK; X17はYまたはF; X18はGまたはE; X19はRまたはWまたはK; X20はYまたはL; X21はSまたはA; X22はIまたはV; X3はFまたはL; X4はIまたはL; X5はLまたはVまたはG; X6はPまたはL; X7はLまたはM; X8はIまたはL; X9はCまたはL; X10はAまたはV; X11はSまたはA; X12はMまたはIまたはV; X13はVまたはLまたはM; X14はKまたはR;そして/または X15はSまたはTである] を有するDNAポリメラーゼに対応する表面抗原のアミノ酸残基番号118から 169まであるいは160から207までに対する少なくとも1個のアミノ酸の 置換、付加および/または欠失を有する表面抗原をコードするヌクレオチド配列 を含む変種HBVに指向され、該変種は、該表面抗原に対する、抗体のごとき免 疫学的試薬との低下した相互作用活性を示す。 好ましい変種の例は図4に示すアミノ酸配列を含む。特に好ましい変異配列の 例を図5(配列番号:17)に示す。 本発明変種の同定は、かかる変種を検出するための広範囲のアッセイを可能に する。かかる変種の検出は、耐性変種を同定して適当な形態の化学療法を決定し 、そして/あるいはワクチン投与プロトコールをモニターすることにおいて重要 でありうる。 したがって、本発明のもう1つの態様は、ヌクレオシドアナログに対する低下 した感受性を示すHBVの潜在能力を調べる方法を企図し、該方法は、DNAま たは対応mRNAを該HBVから単離し、ついで、該DNAポリメラーゼのBド メインまたはCドメインまたはそれらに近い領域中に少なくとも1のアミノ酸置 換、欠失および/または付加を生じさせる、HBV DNAポリメラーゼをコー ドするヌクレオチド配列中の変異に関してスクリーニングを行うことを含み、か かる変異の存在が該ヌクレオシドアナログに対する耐性の可能性を示すものであ る。 本発明のさらなる態様は、HBV表面抗原に対する抗体との低下した相互作用 活性を示すHBVの潜在能力を調べる方法を提供し、該方法は、該HBVからD NAまたは対応mRNAを単離し、該表面抗原のアミノ酸118から169まで および/または169から207までまたは該表面領域中のそれらに近い領域に おける少なくとも1のアミノ酸の置換、欠失および/または付加を生じさせる、 HBV表面抗原をコードするヌクレオチド配列中の変異についてスクリーニング することを含み、かかる変異の存在が該変異した表面抗原に対する該抗体の相互 作用活性低下の可能性を示すものである。 好ましくは、アッセイは、Glu/Val519Leu置換および/またはL eu526Met置換および/またはPro523Leu置換および/またはS 559T置換、および/またはGly498Glu置換、および/またはArg /Trp499Lys置換を生じさせる変異を決定するものである。 DNAまたは対応mRNAをアッセイしてもよく、別法として、DNAポリメ ラーゼまたは表面抗原を変異についてスクリーニングしてもよい。 本発明による検出は核酸に基づく検出であってもよく、例えば、核酸ハイブリ ダイゼーション法またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)であってもよい。さら に本発明は、上記核酸に基づく検出手段の異なるアッセイフォーマットの使用も 包含し、かかるフォーマットとしては、特に、制限フラグメント長多型性(RF LP)、増幅フラグメント長多型性(AFLP)、1本鎖多型性(SSCP)、 増幅およびミスマッチ検出(AMD)、散在繰り返し配列ポリメラーゼ連鎖反応 (IRS−PCR)、逆ポリメラーゼ連鎖反応(iPCR)およ び逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)等が挙られる。 本発明は、変種HBV DNAポリメラーゼまたは表面抗原を検出するための 免疫学を基礎にした広範囲のアッセイを包含する。これらのアッセイは、変種H BV DNAポリメラーゼまたは表面抗原と相互作用しないかまたは実質的に相 互作用しない、天然に存在するHBV DNAポリメラーゼまたは表面抗原に指 向された抗体に基づくものである。別法として、天然に存在するHBV DNA ポリメラーゼまたは表面抗原と相互作用しないかまたは実質的に相互作用しない 、変種HBV DNAポリメラーゼまたは表面抗原に対する抗体を用いてもよい 。 モノクローナルまたはポリクローナル抗体を用いてもよいが、大量かつ均一な 形態で得られるので、モノクローナル抗体が好ましい。米国特許第401604 3号、第4424279号および第4018653号に記載されたような種々の イムノアッセイ法が利用可能である。 便利には、DNAポリメラーゼのアミノ酸変種の検出を、図4に示すコンセン サスアミノ酸配列を対照とすることにより行う。示される多型性は、活性のある 病原性HBV株に関する種々のデータベースに示される変化を示すものである。 HBV変種が示されたアミノ酸の相異を含む場合、かかる単離体は、変化したD NAポリメラーゼ活性を有する推定上のHBVであるとみなされる。 したがって、本発明のもう1つの態様は、HBVが変種DNAポリメラーゼを コードしているかどうかを調べる方法を企図し、該方法は、DNAポリメラーゼ のアミノ酸配列を直接的に、あるいはヌクレオチド配列を介して決定し、ついで 、それを下記のアミノ酸配列:と比較することを含み、コンセンサス配列とは異なるアミノ酸の存在が推定上の HBV変種を示すものとなる。 さらに本発明は、ヌクレオシドアナログ耐性HBV変異をマスクする作用剤を 企図する。かかる作用剤はヌクレオシドアナログによる長期治療において有用で あろう。作用剤はDNAまたはRNAまたは蛋白性または非蛋白性化学分子であ ってよい。マスキング作用剤の潜在的に有用な源して、植物、サンゴ類および微 生物のごとき天然産物のスクリーニングも企図される。作用剤は単離形態または 違約組成物形態であってよく、ヌクレオシドアナログに次いで、あるいは同時に 投与してもよい。 本発明は変種HBVアッセイ用のキットを包含する。かかるキットは、例えば 、PCRまたは他の核酸ハイブリダイゼーション法のための試薬あるいは免疫学 を基礎とする検出法のための試薬を含んでいてもよい。 さらに本発明は、以下の非限定的な図面および実施例により説明される。 図面の説明: 図1は、部分2本鎖DNA HBVゲノムをダイヤグラム的に示したものであ り、表面(S)、コア(C)、ポリメラーゼ(P)およびX遺伝子をコードする 重複した読み枠を示す。 図2は、移植患者における血清生化学的プロファイル(ALT)およびウイル ス学的プロファイル(HBV DNA)ならびに種々の抗ウイルス剤治療プログ ラム導入後の応答をグラフで示したものである。治療GCV+PFF、GCVお よびFCV[I]およびFCV[II]は実施例において詳細に説明されている 。 治療GCV+PFFはガンシクロビルおよびフォスカルネットの組み合わせ(1 2)であり、治療GCVは非経口ガンシクロビル維持療法であり、 治療FCV[I]およびFCV[II]はそれぞれ250mgまたは500mg を1日2回投与する経口ファムシクロビル療法である。各治療日数をカッコ内に 示す。ALT(●−●)およびHBV DNA(□−□)応答を、OLT後6カ 月における抗ウイルス療法開始からの時間に対してプロットしてある。配列分析 の5つの鍵となる時間ポイント、すなわち治療前(PRE−)、および抗ウイル ス治療から87、600、86および1329日後を示す。 図3は、ファムシクロビルでの治療前および治療後370日目(全抗ウイルス 療法は816日行った)のHBV由来のアミノ酸、マーモット肝炎ウイルス(W HV)由来、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)由来のDNAポリメラーゼ配列モ チーフ、ならびに単純ヘルペスウイルス(HSV)のDNAポリメラーゼ(13 、14)の比較可能領域のアミノ酸を並置比較したものである。ポリメラーゼモ チーフ中の保存されたアスパラギン(D)およびグリシン(G)残基を太字で示 し、ファムシクロビル治療後に見出されたアミノ酸変化を太字として下線を付し て示す。HBVポリメラーゼ中の合致アミノ酸残基の位置を示す。HSVポリメ ラーゼ中の太字かつ下線を付したグリシン(G)残基はペンシクロビル治療中に システイン(C)になる(15)。 図4は、HBVのドメインAからEまでの保存された領域(下線部)を示す。 YMDD中のMはアミノ酸番号550である。*はコンセンサス配列のこの位置 において3つよりも多いのアミノ酸の存在可能性を示す。 図5は、HBV由来のRNA依存性DNAポリメラーゼ配列モチーフのアミノ 酸並置比較を示し、ファムシクロビルおよび3TC存在下で選択されたアミノ酸 変化を記載する。HBVコンセンサス配列はGenebank/Entrez中の公表配列に由 来する。ポリメラーゼモチーフ中の保存されたアスパラギン(D)およびグリシ ン(G)残基を太字で示す。ファムシクロビル治療後に見出されたアミノ酸変化 を緑の太字として下線を付し、3TC治療後に見出されたアミノ酸変化を青の太 字として下線を付す。ファムシクロビル治療中に患者Aおよび患者B、ならびに ファムシクロビルに応答せず、後で3TCで治療された患者Cから単離されたH BVのアミノ酸配列を選択した(3TC 2)。Lingら(16)により検出され た公表されている3TC治療後の変化を3TC 1に示す。 HVB DNAポリメラーゼおよびHVB表面抗原に関する、HBV変種のヌ クレオチド配列および対応アミノ酸配列を示し、ポリメラーゼ中の変異G498 Eならびに表面抗原中の変異D144EおよびG145Rを太字で示す。 実施例1 症例の研究 1.患者A 本発明者らは、肝臓移植後ほぼ4年間にわたりHBV感染再発に対する抗ウイ ルス療法を受けた患者からの一連の単離体由来のHBVポリメラーゼおよびX読 み枠を配列決定した(図2)。 患者(42歳の男性)は慢性HBV感染による末期肝不全であったため移植を 受けた。移植後の最初の治療コースは著しいものではなく、5カ月までに感染再 発の証拠および非常に高レベルの油複製および肝機能の悪化が見られた(12) 。OLTから約6カ月後に抗ウイルス治療を開始した。最初は、患者は静脈経路 (iv)でガンシクロビル(GCV;10mg/kg/日)をivフォスカルネ ト(PFF;50〜125mg/kg/日;腎機能に応じた用量)と組み合わせ て投与された。これは図1のGCV+PFF治療であり、86日間継続された。 抗ウイルス治療の87日目に、1週間に3回ivGCV(3.3〜6.7 mg/kg/日)を開始した(図1のGCV)。治療446日目に経口ファムシ クロビル(250mg,1日2回)を開始し(図1のFCV[I])、500日 目に1日2回、500mgにまで増量した(図1のFCV[II])。現在患者 はこの治療規則を継続している。ファムシクロビル治療以前のこの患者の臨床的 およびウイルス学的詳細はすでに報告されている(12)。 血清試料を日常的に収集し、−70℃で保存した。これらの試料を研究目的で 使用するためにインフォームドコンセントを患者から受けた。図2は、抗ウイル ス治療の全コースにわたるアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)および HBV DNAレベルを示す。さらなる研究のための5つの試料はほぼ4年間を カバーする。 2.患者B 患者Bは、最初の肝臓移植から14カ月後にプレーコア変異株(pre-coremutan t)に関連したHBV関連アログラフ損失(allograph loss)のため、再移植を受 けた。GCV(7.5mg/kg/日)での抗ウイルス治療を10カ月受け、そ の後中止された。次いで、経口ファムシクロビル治療(1日3回、500mg) を受けた。 移植後、FCV治療850日目に患者Bの血清HBV試料から得た全HBVポ リメラーゼ遺伝子を配列決定した。移植前のFCV治療前の血清試料から得た血 清試料HBVポリメラーゼ触媒ドメインを含む領域を配列決定した。 3.患者C この患者はファムシクロビルに応答せず、後でラミブジン(3TC)で治療さ れ(6、7)、耐性変異が選択された。 4.患者D この患者はファムシクロビルで治療され、耐性変異が選択される。 実施例2 血清中のウイルスマーカー B型肝炎表面抗原(HbsAg)、Be型肝炎抗原(HbeAg)、抗HBe 、B型肝炎コア抗原(HbcAg)特異的IgGおよびIgM、A型肝炎特異的 IgM、デルタ肝炎抗原および抗体、ならびに抗C型肝炎ウイルス抗体を、市販 イムノアッセイ(Abbot Laboratories,North Chicago,IL)を用いて測定した 。HBVマーカーのみが陽性であった。製造者(Digene Diagnostics Inc.,Belt sville,MD)の指示に従ってキャプチャハイブリダイゼーションアッセイ(captur e hybridisation assay)を用いてB型肝炎ウイルスDNAレベルを測定し、定 量した。この患者はOLT前にプレーコアHBV変異株に感染し(12)、この 状態はOLT後も変わらなかった。 実施例3 HBV DNAの配列決定およびクローニング 1.血清からのDNA抽出:血清50μlを、150μlのTE(10mmol /LTris−HCl(pH7.5)、2mmol/L EDTA)、1%w/ vドデシル硫酸ナトリウムおよび1mg/mlプロナーゼと混合し、37℃で2 時間インキュベーションした。フェノール/クロロホルムによりDNAを脱蛋白 し、イソプロパノールで沈殿させ、25μlのヌクレアーゼ不含水に溶解した。 2.ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるウイルスポリメラーゼ遺伝子および X遺伝子の増幅:Bresatec,Adelaide,Australiaによりオリゴヌクレオチドが 合成された。ポリメラーゼ遺伝子の増幅には、センスプライマーは5’−GGA GTG TGG ATT CGC ACT CC−3’[配列番号:1](ヌクレオ チド(nt)−40から−21まで)であり、アンチセンスプライマーは5’− GCT CCA AAT TCT TTA TA−3’[配列番号:2](nt23 81から2847まで)であった。X遺伝子の増幅には、センスプライマー は5’−CCT TTA CCC CGT TGC CCG GC−3’[配列番号: 3](nt2055から2074まで)であり、アンチセンスプライマーは5’ −GCT CCA AAT TCT TTA TA−3’[配列番号:4](nt2 831から2847まで)であった。すべてのヌクレオチドはポリメラーゼ遺伝 子の最初から番号付けされている。5μlの鋳型抽出DNA、1.5ユニットの Taqポリメラーゼ(Perkin Elmer Cetus,Norwalk,CT)、1μmol/Lの センスおよびアンチセンスプライマー、200μmol/Lの各デオキシリボヌ クレオシド三リン酸、50mmol/LのKCl、3.5mmol/LのMgC l2、10mmol/のTris−HCl(pH8.3)および0.01%w/ vのゼラチンを用いて各反応を行った。変性(94℃、1分)、アニーリング( 55℃、1分)および伸長(72℃、1.5分)を40サイクル行い、ついで、 7分の最終伸長を行うことにより増幅を行った(Perkin-Elmer Cetus,Norwalk ,CT)。1.5%/アガロースによるゲル電気泳動を行い、臭化エチジウム染色 後にUV照射を行うことによりPCR生成物を分析した。 3.HBV DNAのポリメラーゼ遺伝子およびX遺伝子の配列決定:特異的に増 幅された生成物をGeneclean II(Bio 101 Inc.,La Jolla,CA)を用いて精製し 、Sequence version 2.0(United States Biochemical Corp.,Cleveland,OH) を用いて直接配列決定した。PCRプライマーを配列決定プライマーとして用い 、さらに内部プライマーを合成してPCR生成物の内部領域を配列決定した。下 記の内部プライマーおよび配列決定プライマーを用いた。5’−GCC GCG TCG CAG AAG ATC TCA AT−3’[配列番号:5](nt10 4〜126)、5’−GGT TCT ATC CTA ACC TTA CC−3’ [配列番号:6](nt341〜360)、5’−GCC TCA TTT TG T GGG TCA CCA TA−3’[配列番号:7](nt496−518) 、5’−TGG GGG TGG AGC CCT CAG GCT−3’[配列番号 :8](nt731〜751)、5’−CAC AAC ATT CCA CCA AGC TC−3’[配列番号:9](nt879〜899)、5’−AAA T TC GCA GTC CCC AAC−3’[配列番号:10](nt1183〜11 95)、5’−GTT TCC CTC TTC TTG CTG T−3’[配列番 号:11](nt1429〜1447)、5’−TTT TCT TTT GTC TTT GGG TAT−3’[配列番号:12](nt1683〜1703)、 5’−CCA ACT TAC AAG GCC TTT CTG−3’[配列番号: 13](nt1978〜1999)、5’−CAT CGT TTC CAT GG C TGC TAG GC−3’[配列番号:14](nt2239〜2262) 。 4.pUC18中へのHBVポリメラーゼ遺伝子のクローニング: 試料中のHBV DNAが少量であるため、クローニング前に、プライマー5 ’−GTT TCC CTC TTC TTG CTG T−3’[配列番号:15] (nt1429〜1447)および5’−ATA CCC AAA GAC AAA AGA AAA−3’[配列番号:16](nt1703〜1683)を用いて HBVポリメラーゼ遺伝子のnt1429〜1703を含む領域を増幅した。Ge neclean IIを用いてDNAを精製し、T4 DNAリガーゼ(New England Biolab s,Beverly,MA)を用いて、SmaI消化され脱リン酸化されたpUC18プラス ミド(Pharmacia Biotech,NJ)中に連結した。上記のごとくクローンを直接配 列決定した。 実施例4 DNAポリメラーゼアッセイ 血清試料(100μl)をTNE(20mmol/L Tris−HCl pH 7.4、150mmol/L NaCl、1mmol/L EDTA)中の20% w/vクッションにアプライし、Beckman Model L8超遠心機中で SW41ローターを用いて、10℃において3時間、200000gで遠心分離 した。1.5%v/vTriton−X100、100mmolKClおよび0 .01%v/v2−メルカプトエタノールを含有する50mmol/L Tris−HCl pH7.5にペレットを再懸濁し、4℃で一晩放置した。本 質的にはPriceら(16)により記載されたようにして、少量の懸濁液を内在性 HBV DNAポリメラーゼ活性についてアッセイした。20μlの部分精製H BVおよび(最終濃度)30mmol/LのTris−HCl pH7.5、3 0mmol/LのMgCl2、各10μmol/LのdATP、dTTPおよび dGTP、および0.01μMの[α−32P]−dCTP(3000Ci/mm ol)(Dupont NEN,Boston,MA)を含有する全体積30μl中において各アッ セイを行った。ペンシクロビル三リン酸(pCV−TP)感受性を試験するため に、過剰(100μmol/L)のペンシクロビル三リン酸を各ペアーのアッセ イの一方に添加して、各試料につき1ペアーのアッセイを行った。37℃で2時 間後、各反応混合物から20μlを取り、前以て10%w/vトリクロロ酢酸( TCA)に浸しておいた25mm径のガラス繊維ディスク(Advantex,Tokyo,Ja pan)にスポットすることにより反応を停止させた。ディスクを乾燥させ、次い で、10mmol/Lピロリン酸ナトリウム含有10%w/vTCAで洗浄した 。最後に、洗浄したディスクを無水エタノールですすぎ、風乾し、放射活性を測 定した。PCV−TPによるHBV DNAポリメラーゼ活性の阻害を、対照と 比較した場合のPCV−TP含有アッセイ混合物中の活性の相違%値として表し た。試料の量が限られていたため、酵素活性の標準化または繰り返しアッセイは 不可能であった。アッセイ固有のばらつきにもかかわらず、PCV−TPに対す るHBV DNAポリメラーゼの感受性の、時間に関連した全般的な低下が明ら かであった(表1参照)。 実施例5 抗ウイルス療法の効果 抗ウイルス治療GCV+PFFの開始により、87日目にはOTL後のHBV DNAレベルは100000pg/ml以上から10800pg/mlにまで低 下した(図1)。ウイルス血症のこの低下は臨床的、生化学的および組織学的改 善と関連していた(12)。ファムシクロビル療法(処置GCV)の継続により 、 359日間にわたりHBV DNAレベルは2つのピークを伴って変動した。4 46日目の経ロファムシクロビルへの切り替えは、HBV DNAレベルの上昇 にも関連していた。このことは、治療の成功というよりはむしろ不十分な投与の 結果であった可能性がある(図2のFCV[I])。1日500mgに用量を増 加させた後、HBV DNAが減少した。しかしながら、HBV DNAレベルは 時間とともに除々に上昇し、600日目(ファムシクロビル治療154日目)に 3000pg/mlであったのが816日目(ファムシクロビル治療370日目 )には8800pg/mlとなり、1302日目(ファムシクロビル治療856 日目)には29000pg/mlのピークとなり、その後1329日目(ファム シクロビル治療883日目)には12000pg/ml付近で安定した。816 日目から1329日目までの治療期間におけるDNAレベルについてのStudent 検定により、統計学的に有為な上昇が明らかとなった。同時期に1.5ないし2 倍のALTレベルの上昇があり(図2)、臨床的状態には変化がなかった。 実施例6 ヌクレオチド変化 HBVのX遺伝子およびポリメラーゼ遺伝子を5つの時点(図2)で配列決定 した。ほぼ4年間の抗ウイルス療法において、X遺伝子については治療前の配列 に対して変化がなかった。しかしながら、816日目および1329日目の試料 からのポリメラーゼ遺伝子において5個のヌクレオチドの変化が検出された(表 1)。これらの変化は別個のPCRにおいて検出され、さらにそのうえ、両鎖の 配列決定により変異が検出されたので、PCRにより生じたエラーの結果である 可能性はない。ポリメラーゼ遺伝子におけるヌクレオチド変化は、はじめは治療 816日後に検出され、その時点で患者はファムシクロビルで370日間治療を 受けていた。しかしながら、位置1498および1519における2つのヌクレ オチド変化のみが、それぞれVal519−LeuおよびLeu526−Met のアミノ酸変化を引き起こした。これら2つのヌクレオチド変化は同時に出現し た。816日目に、異なるヌクレオチド(C、G、T)が位置1498において 検出された(それらはすべてValからLeuへの変化を引き起こした)。治療 から1329日目に、位置1498においてチミジンが優勢種となった。治療か ら826および1329日目のアミノ酸変化は、PCV−TPに対する血清HB V DNAポリメラーゼの感受性低下と一致していた(表1)。これらのヌクレ オチドは、OLT後にHBV感染再発している、FCV治療を受けていない6人 の患者において見られた。 1329日目の試料から、アミノ酸変化を生じさせたヌクレオチド変異を含む 領域をクローン化し、配列決定した。3つの亜種が検出された。75%(20個 のうち15個)のクローンは1498および1519における両変異を含んでお り、それらは同時に生じていた。治療前の変異していない配列が20個のうち3 個のクローンにおいて検出された。位置523のプロリンをロイシンに変化させ るヌクレオチド1511におけるさらなる変異が20個のうち2個のクローンに おいて検出された。この変異は2つの主要変異(1498(Val519−Le u)および1519(Leu526−Met))と一緒には検出されず、さらに 直接PCRによっても検出されず、おそらく低頻度であることが示された。60 0日目(FCV治療150日目)の試料からのウイルスDNAもクローン化し、 配列決定した。しかしながら、治療前の配列のみが検出された。 実施例7 患者B、CおよびDにおけるヌクレオチド変化 患者BおよびCから単離されたHBVにおけるアミノ酸変化を図5に示し、患 者Dから単離されたHBVにおけるアミノ酸変化を図6に示す。図5において、 患者Aは図3に示した患者と同一患者である。患者Bは長期のファムシクロビル 治療(850日以上)を受けていた。ファムシクロビル治療期間中に選択された アミノ酸変化を、HBV(患者B)として図5に示す。患者Cはファムシクロビ ルに応答せず、後で3TC(ラミブジン[6、7])で治療された。FCV治療 期間中に患者Cから単離されたHBVを、HBV(患者C−FCV)として示す 。3TCでの治療期間中に発生したすべての3TC耐性変異をHBV(患者C− 3TC)として示す。配列分析により、HBVポリメラーゼのCドメイン近くに 変異(Thr−Ser置換)が示されたが、最初はYMDDモチーフ中には変異 は検出されなかった。Thr−Ser置換を含むHBVが単離されてから32日 目(治療後333日目)に、YMDDモチーフにおけるMet550からIle への変異が検出された。 実施例8 エスケイプ変異株 上記方法を用いて、HBV変種をエスケイプ変異についてスクリーニングした 。これらは、HBV表面抗原のごとき表面成分における変異であり、抗体または 他の免疫学的試薬に対する表面成分の相互作用活性を低下させる。HBVゲノム の重複した読み枠があると、単一の変異が複数の表現型に影響しうる。例えば、 HBV DNAポリメラーゼ中の変異はHBV表面抗原に対しても影響しうる。 HBV表面抗原中の好ましい変異はアミノ酸118から169までおよび/ま たは169から207までにおける例えばD144EまたはG145Rのごとき ものである。これらに対応するDNAポリメラーゼの変異はG498EおよびV 499Lである。 特に好ましいエスケイプ変異株およびヌクレオシドアナログ耐性変異株は、D NAポリメラーゼおよび表面抗原のアミノ酸配列に対応する、図6に示すヌクレ オチド配列を有する。 当業者は、本明細書記載された以外の本発明のバリエーションおよび修飾物も ありうることを理解するであろう。本発明はすべてのかかるバリエーションおよ び修飾物を包含することが理解されよう。また本発明は、本明細書において個々 に、またはまとめて言及し、または示したすべての工程、特徴、組成物および化 合物、ならびに2つまたはそれ以上の該工程または特徴のすべての組み合わせを 包含する。 表1 抗ウイルス療法期間中のポリメラーゼ遺伝子におけるヌクレオチド変異および生 じるアミノ酸変化 ダッシュは治療前から変化がないことを示す。 *抗ウイルス治療1329日後のPCR生成物のクローニング後にのみ変異が検 出された。低頻度であり、クローンのわずか10%に存在した。 **方法のセクションにおいて説明したインビトロアッセイにおけるPCV−TP によるHBV DNAポリメラーゼの阻害%値。 ***NR−重要でない ****NA−アクセス不可
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 バーソロミューズ,アンジェリン・イング リッド オーストラリア3163ビクトリア州カーネギ ー、ミラー・ストリート64番 (72)発明者 アイ,テイン・テイン オーストラリア3084ビクトリア州ビュー・ バンク、ウィラ・アベニュー2/15番 (72)発明者 デ・マン,ロベルト・アー オランダ、エヌエル―3000セーアー・ロッ テルダム、エラスムス・ユニバーシティ・ ホスピタル

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.RNA中間体を経て複製する単離DNAウイルスの変種であって、DNA ポリメラーゼまたはその一部をコードする遺伝子におけるヌクレオチド変異を含 み、該変異がDNAポリメラーゼに対する少なくとも1個のアミノ酸付加、置換 および/または欠失を生じさせるものである変種。 2.RNA中間体を経て複製する単離DNAウイルスの変種であって、表面成 分またはその一部をコードする遺伝子におけるヌクレオチド変異を含み、該変異 が表面成分に対する少なくとも1個のアミノ酸付加、置換および/または欠失を 生じさせるものである変種。 3.RNA中間体を経て複製する単離DNAウイルスの変種であって、少なく とも2つの読み枠の重複部分におけるヌクレオチド変異を含み、該変異が2つの 読み枠の翻訳産物に対するアミノ酸付加、置換および/または欠失を生じさせる ものである変種。 4.該DNAウイルスがB型肝炎ウイルス(HBV)である請求項1または2 または3記載の変種。 5.アミノ酸変異がHBV DNAポリメラーゼのBドメインおよび/または Cドメインに存在する請求項1または3記載の変種。 6.アミノ酸変異がHBV DNAポリメラーゼのBドメインおよび/または Cドメインに対応している請求項2または3記載の変種。 7.HBV DNAポリメラーゼの配列: 中の1個またはそれ以上のアミノ酸における変異を含む請求項1または3記載の 変種。 8.HBV DNAポリメラーゼの配列: 中の1個またはそれ以上のアミノ酸における変異を含む請求項7記載の変種。 9.下記アミノ酸配列:[式中、X1はSまたはA; X2はIまたはV; X3はFまたはL; X4はIまたはL; X5はLまたはVまたはG; X6はPまたはL; X7はLまたはM; X8はIまたはL; X9はCまたはL; X10はAまたはV; X11はSまたはA; X12はMまたはIまたはV; X13はVまたはLまたはM; X14はKまたはR;そして/または X15はSまたはTである] を有するDNAポリメラーゼをコードするヌクレオチド配列を含む変種であって 、ファムシクロビル(ペンシクロビル)および/またはラミブジン(3TC)の ごときヌクレオシドアナログに対する低下した感受性を示す変種。 10.HBV表面抗原のアミノ酸118から169までまたは169から20 7までの1個またはそれ以上のアミノ酸における変異を有する、請求項2または 3記載の変種。 11.下記アミノ酸配列: [式中、X16はQまたはK; X17はYまたはF; X18はGまたはE; X19はRまたはWまたはK; X20はYまたはL; X21はSまたはA; X22はIまたはV; X3はFまたはL; X4はIまたはL; X5はLまたはVまたはG; X6はPまたはL; X7はLまたはM; X8はIまたはL; X9はCまたはL; X10はAまたはV; X11はSまたはA; X12はMまたはIまたはV; X13はVまたはLまたはM; X14はKまたはR;そして/または X15はSまたはTである] を有するDNAポリメラーゼを含み、ファムシクロビル(ペンシクロビル)およ び/またはラミブジン(3TC)のごときヌクレオシドアナログに対する低下し た感受性を示す請求項10記載の変種。 12. Ile509Val、Phe512Leu、Val519Leu、P ro523Leu、Leu526Met、Ile533Leu、Met550V al/Ile、Ser559Thr、Gly498Glu、Arg/Trp49 9Lys、Thr530Serから選択される請求項1または2または3記載の 変種。 13.DNAポリメラーゼをコードするヌクレオチド配列における変異を含み 、ヌクレオシドアナログに対する低下した感受性を示すHBV変種であって、該 変異がDNAポリメラーゼのBドメインおよび/またはCドメインまたはそれら に近い領域におけるアミノ酸付加、置換および/または欠失を生じさせるもので あり、さらに該変異がCドメイン中のYMDDモチーフのみにおけるものではな い変種。 14.ウイルス表面成分をコードするヌクレオチド配列中の変異を含み、該ウ イルス表面成分に対する免疫学的試薬の相互作用活性の低下を示すHBV変種で あって、該変異がHBV DNAポリメラーゼのBドメインおよび/またはCド メインまたはHBV DNAポリメラーゼのBドメインおよび/またはCドメイ ンに近い領域に対応する領域中のウイルス表面成分におけるアミノ酸付加、置換 および/または欠失を生じさせるものである変種。 15.ウイルス表面成分をコードするヌクレオチド配列中の変異を含み、該ウ イルス表面成分に対する免疫学的試薬の低下した相互作用性を示すHBV変種で あって、該変異はHBVのアミノ酸118から169まで、および/または16 9から207までにより画定される領域または機能的に等価な領域中のウイルス 表面成分におけるアミノ酸付加、置換および/または欠失を生じさせるものであ る変種。 16.ゲノム中の重複した読み枠における変異を含み、ヌクレオシドアナログ に対する低下した感受性を示し、HBV表面抗原に特異的な免疫学的試薬に対す る低下した相互作用活性を示すHBV変種であって、該変異がDNAポリメラー ゼのBおよび/またはCドメインにおけるものであり、CドメインのYMDDモ チーフのみにおけるものではなく、さらに該変異がHBV表面抗原のアミノ酸 118から169までおよび/または169から207までに対応する重複領域 または等価な領域におけるものである変種。 17.配列番号:17に示すヌクレオチド配列を有するHBV、あるいは単一 または複数のヌクレオチド付加、置換および/または欠失を有するその誘導体( 例えば、配列番号:17に対して少なくとも60%の類似性を有するヌクレオチ ド配列)。 18.ヌクレオシドアナログに対する低下した感受性および野生型HBV表面 抗原に対する抗体に対する低下した相互作用活性を示す変種HBVであって、以 下の特徴: (i)配列番号:17に示すゲノムのヌクレオチド配列またはそれに対して少な くとも60%の類似性を有する配列; (ii)42℃における低い厳密さの条件下において配列番号:17にハイブリ ダイゼーションしうるヌクレオチド配列; (iii)DNAポリメラーゼおよびHBV表面抗原の読み枠の重複部分におけ る変異;および (iv)HBV DNAポリメラーゼのBおよび/またはCドメイン、およびH BV表面抗原のアミノ酸118から169までおよび/またはそしてさらに16 9から207までに対応する領域における変異の1つまたはそれ以上により特徴 づけられる変種HBV。 19.ヌクレオシドアナログに対する低下した感受性を示すHBVの潜在能力 を調べる方法であって、DNAまたは対応mRNAを該HBVから単離し、つい で、該DNAポリメラーゼのBドメインまたはCドメインまたはそれらに近い領 域中に少なくとも1のアミノ酸置換、欠失および/または付加を生じさせる、H BV DNAポリメラーゼをコードするヌクレオチド配列中の変異に関してスク リーニングを行うことを含み、かかる変異の存在が該ヌクレオシドアナログに対 する耐性の可能性を示すものである方法。 20.HBV表面抗原に対する抗体との低下した相互作用活性を示すHBVの 潜在能力を調べる方法であって、該HBVからDNAまたは対応mRNAを単離 し、該表面抗原のアミノ酸118から169までおよび/または169から20 7までまたは該表面領域中のそれらに近い領域における少なくとも1のアミノ酸 の置換、欠失および/または付加を生じさせる、HBV表面抗原をコードするヌ クレオチド配列中の変異についてスクリーニングすることを含み、かかる変異の 存在が該変異した表面抗原に対する該抗体の相互作用活性低下の可能性を示すも のである方法。 21.アッセイが、Ile509Val、Phe512Leu、Val519 Leu、Pro523Leu、Leu526Met、Ile533Leu、Me t550Val/Ile、Ser559Thr、Gly498Glu、Arg/ Trp499Lys、Thr530Serから選択される変異を検出するもので ある、請求項19または20記載の方法。 22.HBVが変種DNAポリメラーゼをコードしているかどうかを調べる方 法をであって、DNAポリメラーゼのアミノ酸配列を直接的に、あるいはヌクレ オチド配列を介して決定し、ついで、それを下記のアミノ酸配列: と比較することを含み、コンセンサス配列とは異なるアミノ酸の存在が推定上の HBV変種を示すものとなる方法。
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